つくば市竹園三丁目地区 再開発担当者インタビュー

つくば市企画部企画課 土地調整係
主任 小林遼平さん

再開発が進む地、
つくば市竹園三丁目地区の秘密に迫る!

昭和40年代以降、最先端の研究、学術、技術開発等の拠点が集まる都市として、開発が進められてきた「つくば研究学園都市」。その発展は今もなお継続しているが、開発初期につくられた街区については建物の老朽化が進み、更新が必要とされる時期になっている。

 

その対応として、市内中心部では公務員宿舎をはじめとした土地や建物の「処分」、すなわち、時代に見合った用途への転用先を検討する、再開発に向けての動きが進んでおり、すでに新しいマンションや戸建て住宅も建ちはじめている。しかしながら、最初期の居住区として知られる「竹園三丁目地区」については、開発がまだ手つかずの状態であり、エリア内に公共施設や学校が多数含まれているということからも、非常に注目が集まっていた。

 

そんな竹園三丁目地区にも、2014(平成26)年後半からついに再開発の検討の話が立ちあがり、2015(平成27)年3月、その検討結果(行政用語では調査結果)が明らかになった。地区の未来予想図について、つくば市企画部の小林遼平さんにお話を聞いたので、耳を傾けてみよう。

竹園三丁目地区が再開発までの経緯についてお聞かせいただけますか?

住宅
住宅
竹園三丁目地区

つくばという都市は1963(昭和38)年、研究学園都市の筑波建設の閣議了解によって開発が始まった都市でして、当時、研究機関を東京から移転させてきましたので、研究機関で働く人々のために、公務員宿舎が多数造られました。その数は、最も多い時で8,000戸弱ほどもあったといいます。

それから半世紀ほどが経ちまして、2011(平成23)年時点で、国家公務員宿舎は4,000戸ほどに減ったのですが、いずれも老朽化が進んでおりまして、そのうちの2,600戸、つまり7割ぐらいの処分が決まりまして、現在、市内各地で“処分”が進んでいるところです。

その動きに合わせて、市としては今回、竹園三丁目の中心部にある地域拠点において、再開発を検討しております。この地区には市が所有する公共施設が多く集まっているのですが、これも多くが昭和40年代に造られたものになりまして、非常に老朽化しているということが、再開発に至った大きな理由です。

竹園三丁目エリアについては、すでに周辺部での宅地開発が始まっているようですが、満を持して「エリアの核」が再開発されるということですね。

三丁目
三丁目
竹園三丁目

そうですね。竹園三丁目周辺についてはすでに公務員宿舎が廃止されまして、周りの宅地開発も始まり、綺麗になりつつあるという状況です。しかしこの中心部分に関しては、公共施設が非常に多いこともあって、取り残されていたんですね。

そこで今回、つくば市が主体となって、官民が連携してこの地区の再開発ができないかという調査をしまして、その調査結果が2015(平成27)年の3月にようやく出たというところです。

早速、その調査結果について教えてください。

ショッピングモール
ショッピングモール
竹園ショッピングセンター

まず前提として、これは決定事項ではないということをご了承ください。あくまでも方向性が決まった、ということで、再開発自体もまだ決定はしておりませんし、これから地権者との交渉や、事業者との交渉が進んでいくという段階です。

特徴のひとつとしては、普通、こういった公共施設の建て替え事業については、行政が単独で行うということが多いのですが、竹園地区については市を含み4者の地権者の土地が(公共施設の間に)複雑に入り組んでいまして、単独で建て替えるというのは非常に難しいという事情がございました。そこでこの地区を一括して、行政と民間が連携した形でひとつの開発ができないかということになりまして、昨年から調査を行ってきました。ちなみに4者というのは、つくば市、筑波都市整備株式会社(竹園ショッピングセンターを運営)、UR(UR都市機構)、筑波技術大学さんですね。

小学校
小学校
竹園東小学校

今回の調査の中で、つくば市としては、この地区をより魅力的な環境にしていくということ、公共施設を今の時代に合ったものに更新していく、ということにポイントを置いて検討いたしまして、いくつかの方向性が決まりました。

ひとつとしましては、いま、つくば市では小中一貫型の教育を行っていますが、竹園については小・中学校が近接こそしているものの、施設としては分離していました。これを時代に合わせまして、施設一体型の学校にしていけないか、という方向性が、まずひとつ決まったことです。

バス停
バス停
バス停

また、保育園と幼稚園を合わせた形の「子ども園」についても、国の新制度の施行にともなって実現可能となりましたので、そういった施設ができないか、という方向性も決まりました。また、現在もこの地区にある児童館、交流センターについても、地域のニーズにより合った、新しい施設に更新していく必要があるのではないか、ということも検討されました。

竹園ショッピングセンターについても、事業母体としては異なりますが、一部に新しい建物がありますのでそちらは残しつつも、それ以外の老朽化した部分は取り壊し、更新するのが望ましいという方向性が決まりました。

公園
公園
エリア内の公園

また、公園の一部についても配置を変えまして、すべての建物が公園に向いて建つ、「公園がエリアの核となる地区」として整備していこう、ということも決まりました。施設の入り口がすべて公園側に向くように、つまりペデ(歩行者専用道)に面して造られるということですね。

地区全体としましては、この地域については子ども関係の施設が非常に多いということがありますので、「子育て世代が安心して生活できるような再開発をする」という方向で検討されているところです。

お話を聞くと、幼稚園、保育所、小学校、中学校、児童館、交流センターと、大半の公共施設が建て替えという方向になりそうですね。それぞれの施設の配置についても、だいたい見当がついているということでしょうか?

家
竹園三丁目の住宅地

再配置の案としては、公共施設はすべてエリアの東側に集めてしまおう、ということで、まとまっております。小学校と中学校については、新しい校舎をエリアの西側(現在の竹園東小学校と竹園中学校の間、宇宙航空研究開発機構の宿舎がある一帯)に建てて、現在の東小学校があるところをグラウンドにして、小中一貫校にできないかという話が出ております。また、子ども園、児童館といった施設については、現状では別々の建物となっておりますが、これについては民間施設と合築したもので、東側のエリアに配置したいと考えています。

西側のエリアについては、竹園ショッピングセンターの更新をはじめとしまして、商業施設と民間施設を中心とした機能を配置できないかと考えております。こちらについては、全部を商業施設にするのではなく、新たに賃貸住宅部分を設けたり、高齢者住宅部分を設けたり、研究学園都市としての機能を担うような、インキュベーション施設も配置したいと考えています。また、現在の竹園東公園についても、小・中学校の配置変更にともなって、南に伸びる形になると思われます。

再開発の中で、現状ある施設や機能は、すべて引き継がれていくのでしょうか?

工事
工事
工事中の様子

まだ具体的に決まったわけではないので、何とも言えない部分ではありますが、公共施設については基本的にすべて引き継いでいきたいと思いますし、ショッピングセンターについても、現在入っている店舗の大半は継続して入っていくかと思います。店舗数は増えるかと思いますが、新たにどういった店が入るかということは、まだ白紙の状態です。

ショッピングセンターはもともと、竹園三丁目、あるいはその周辺の地域のコミュニティの場としてつくられたという経緯がありますので、スーパー、郵便局、銀行といった、生活利便施設についてはしっかりと維持していきたいですし、ペデが面しておりますので、小規模なオープンカフェといった、にぎわい機能も持たせられるのではないかな、と思っています。

小・中学校については、人口の増加予測に基いて新設するものですから、特に規模を変更するということではありません。現在も小中一貫校として「竹園学園」という名称を使っていますので、名前もそのまま引き継ぐ予定です。

キーワードとして「行政と民間が連携した形の開発」という言葉があるようですが、その意図するところは何でしょうか?

社宅
社宅
竹園三丁目の社宅

先ほど申し上げたとおり、土地の地権者が(市と民間で)入り組んでいていまして、連携が必須であるという事情もありますし、やはり、つくば市も財政的に厳しいですから、市のお金だけで公共施設をすべて建て替えるということは不可能でした。

そこで、市の所有の土地を一部宅地にして、それを売ったり貸したりして収益を上げることで、公共施設を建て替えましょう、という方針になっているのですが、竹園の再開発ではこれをひとつの事業としまして、公共施設の建て替えと、余剰地の活用というのを、同時併行で、民間と連携しながら進めているわけです。

事業化にあたっては、地権者でSPC(特別目的会社)のようなものをつくりまして、そちらが再開発の主体になるという方向で考えています。それが最もスムーズだという理由からです。地権者(市を含む)が中心となって事業を進めて、それを市がバックアップする、という連携の形を目指していきたいですね。

新しい街に生まれ変わってからも、「エリアマネジメント」の考えを取り入れていきたいとのことですが、詳しく教えてください。

道路
道路
エリア内の道路

街というのは、つくるだけではなくて、つくった後の「経営」が重要だと思うんですね。そこに、「エリアマネジメント」という考え方が必要になってきます。これを導入することで、街並みを継続的に良くしていく、ということが担保できるわけです。

具体的な案としましては、これも決定事項ではありませんが、竹園三丁目地区だけではなく、周辺の住宅地も含めてエリアマネジメントができないかな、と考えています。また、そこに民間会社が関連すると良いかな、とも考えております。

つまり、マンションの管理組合の拡大版みたいなものですね。

社宅
社宅
社宅

そうですね。でも、それだけですとおそらく(採算面から)民間の事業者も立候補してくれないでしょうから、市としましては、たとえば道路の維持管理の部分も同じ業者に委託するなど、企業として採算が合うようにして、「街の経営」という視点で、継続的なエリアマネジメントをしてもらえるよう、目指していきたいと考えています。

現時点では、そういうやり方で再開発を進めていけば、魅力のある地域拠点が創出できて、かつ、官民が連携した事業として実現可能なんじゃないかな、ということで考えております。今はあくまでも理想、構想の段階ですので、今後はこの調査結果を踏まえまして、事業化に向けて詳細の調整や、地権者との調整を進めていきたいと考えています。そこですべての地権者の合意が取れれば、事業化に進んでいくということです。

いつごろ着工して、いつごろ完成するのでしょうか?

お家
お家
街区の様子

着工時期、事業完了時期については、今のところ未定ですね。規模が大きな開発ですから、今後5~6年以上はかかって開発していくことになるかと思いますが。

いずれにしても、公園がエリアの中心にあって、その周りに子育て世代の方が使いやすい公共施設や買い物施設が集まっていて、その全部が緑いっぱいのペデで結ばれていて、といった感じの、ヨーロッパのような街並みを目指していければと思っています。

 

つくば市役所
つくば市役所

今回、話を聞いた人

つくば市企画部企画課 土地調整係 主任 小林遼平さん

※こちらの記事は2015(平成27)年4月に取材した記事になります。

つくば市竹園三丁目地区 再開発担当者インタビュー
所在地:茨城県つくば市研究学園1-1-1 
電話番号:029-883-1111
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/



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