ベーグルショップ vivant

ベーグルショップ vivan

私事だが、自分の身の回りにはパンを愛する人が多い。不思議なことに、そのパン好きの友人・知人は、やがて揃いも揃ってベーグルに心を寄せていく。あちこちのベーグル店へ精力的に出かけては「あの店はおいしい」という耳寄りな情報を教えてくれる。

彼女たちによると「低脂肪かつ低カロリーであり、小麦粉本来のおいしさを噛み締められる」のがベーグルの魅力だという。たしかに、ベーグルにはバターに卵、牛乳などは使わない。素材の良さを際立たせるシンプルな味わいが身上だ。

そんなベーグルを売る店の中で「感動的なおいしさ!」と興奮とともに教えられたのが「vivant」(ヴィヴァン)だ。しかもそのvivant、なんとこの武蔵浦和にあるという。

長くパン教室を営んでいたところ、そのパンのおいしさが評判になり、押されるようにして3年前にベーグルショップを開店。口コミで火がついたその店こそ、いまや武蔵浦和のみならず全国的にファンを獲得しているvivantなのだ。

「全国的に」と述べたのは、vivantでは通信販売も行っているから。しかし、せっかく気軽に足を延ばせるロケーションにあるのだ、作り立ての商品を味わわない手はない。

「売り切れてしまうこともあるので、早めに行ったほうがいい」とのアドバイスを受け、開店直後の11:00過ぎに到着するよう出発。武蔵浦和駅を経由し、沼影交差点で左に折れ、店舗と思われるものを探す。「小さい間口なので、見落とさないようにね」とのことだったが、あっさりと見つかったことに驚いた。

正確に言えば、見つかったことに驚いたのではない。位置を確かめるより先に、何の変哲もない住宅街の一角に長蛇の列ができていることに驚いてしまったのだ。

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「売り切れることもある」どころの話ではない、早くこの争奪戦に加わらねば。気を取り直し、急いで列の後ろに並ぶ。どのような種類があるのだろう。思いをめぐらせていると、時間があっという間に過ぎていく。

自分の番が来た。店内スペースはかなりこぢんまりしていて、多種多彩なベーグルがあふれんばかりに並んでいる。

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忙しい中でも的確に対応してくれるスタッフに質問をし、好みのもの・ユニークなもの5点をチョイス。後に並ぶ人のため、それよりも早く食べてみたいため、そそくさと店を後にする。

帰宅後、さっそく試食。ランチがわりに多くの種類を楽しみたいので、ナイフで半分にカットしたものを食べることにする。

まずは、最もシンプルな見かけの「クリチメープル」。“クリチ”とは「クリームチーズ」の略。クリームチーズとメープルシロップの組み合わせで、上にケシの実がトッピングされている。

中に入ったなめらかなクリームチーズの酸味とメープルのほの甘さのコンビネーションがたまらない。生地はハードタイプで、ボリュームもバッチリ。「噛めば噛むほど味が出る」と評された味わいに納得。

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続いて「ベジチーズ」。“ベジ”はベジタブルのことで、ニンジン・カボチャ・ホウレンソウのチップが入っている。チーズは上にも中にも使われ、香ばしさとまろやかさの2種を楽しめる。

食べてみると、野菜の繊維のようなものがチョロリと出てきた。そういえば、野菜は有機栽培のものを使い、店で加工をしていると教えてもらった。これぞ手作り感の証拠だろう。

こちらの生地は、クリチメープルとはまた違うソフトタイプ。小さな子どもでも楽に噛めそうだ。また、野菜嫌いの子どもにもおいしく食べてもらえそうだ。

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「雑穀チーズもち」は、店頭で見かけて「どのような味なのだろう?」と気になったものの1つ。この平成21年に新しく登場したアイテムだ。

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ズッシリと重い。袋を開けると、ベーグルの裏側にやわらかそうな白いものが入っている。名前のとおり、餅が入っている。上には薄く醤油が塗られ、刻みのりがオン。まさに醤油につけた餅の味わいなのがおもしろい。キヌアなどの雑穀もあいまって“ザ・穀物”のうまみを堪能できる。

これなら、甘いものが苦手な男性にもおすすめだ。ベーグルのもっちり感&餅のもちもち感も加わり、ボリュームにも満足してもらえるだろう。

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お腹はいっぱいになってきているが、それでも「よもぎさつまおまめちゃん」に手を伸ばす。ヨモギを練り込んだ生地の中、素材そのままのサツマイモの角切りが巻き込んである。あと、北海道産の金時豆や、黒豆、うぐいす豆も。シンプルな見た目なのに重量感がある理由がようやくわかった。

ヨモギのほろ苦いテイストの中にほっくりとした甘みのサツマイモや豆類が生きており、思わずにっこり。「ベーグルには和の味わいも合うのだな」と、新しい発見ができた。

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ベーグル2個分を食べたところで、満腹宣言。味わえなかった「キャラメルバナナ」を横目で眺める。なんでも、生地に使っているチョコレートはフランスの有名メーカー・ヴァローナのもの。切れのよいほろ苦さに定評のあるヴァローナだけに、生地はきっと甘さを抑えたものに仕上がっているのだろう。そこに香ばしいキャラメルソース、甘みがしみ出てカラメリゼされたようなツヤを帯びたスライスバナナ。まさに“黄金の組み合わせ”だ。

早く食べたいが、おいしさをじっくり味わうには、お腹の空き具合をリセットしたほうがよいだろう。

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vivantでは“安心できるおいしさ”を追求しているという。素材には特にこだわっており、国産の小麦・天然酵母(ホシノ丹沢酵母)・有機栽培の野菜・果実など、体にやさしいものばかりを使用している。

素材を大切にすることは、当然ながら、季節感を大切にすることにもつながる。「旬のものを使うので、シーズンごとにメニューの見直しを図っています」とのことだったが、いつも40種ほどあるというのに、総合するといったい全部で何種類のレパートリーがあるのだろう。

しかも「今日はこれ、作ってみようか」と緊急の日替わりメニューが出ることもあるという。2名の熟練スタッフで作るからこそできるフレキシブルさであり、客側としては嬉しいことこの上なしだが、その分の手間を考えると気が遠くなりそうだ。

ベーグルショップの盛況の中、もともとのメーン事業である天然酵母使用のパン教室も根強い支持を得ている。定員6名の少人数体制のため、「細かなところまで教えてもらえる」と好評。受講料のみで材料費などは取らない点も受け、1~2ヵ月先までは予約でいっぱいだ。

卒業生の中には、パンづくりの教室を開くなどのプロになっている人もいるのだとか。vivantの味は、この教室を通しても徐々に広がっていっている。

次に店へ行くときは、ちょっと多めに買い込む予定だ。vivantのベーグルは、冷凍しておけば1ヵ月ほどは持つという。パン通たちから教えてもらったこの味を、今度は自分が誰かに伝えるため、ストックしておきたいのだ。

こんなにおいしいベーグルショップがあることは、武蔵浦和の自慢にしてもよいかもしれない。vivantの味を知ったいま、本気でそう思っている。

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クリチメープル…230円
ベジチーズ…230円
雑穀チーズもち…250円
よもぎさつまおまめちゃん…250円
キャラメルバナナ…230円

ベーグルショップ vivant
所在地:埼玉県さいたま市南区沼影1-25-12 
電話番号:048-839-4311
営業時間:11:00~18:00(売り切れ次第閉店)
定休日:月曜・日曜・祝日
http://www.pan-vivant.net/