ステラ

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しかしながら「当店に限っては『外食をしに行く!』のような意気込みは必要ないですよ」と、オーナーシェフは笑う。「『いま、席、空いている?』なんてお電話をくださり、フラリと訪れてワインと軽いおつまみだけを楽しみ、サッと店をあとにしてもよいし、宴会の前の空いた時間を軽く一杯ひっかけながらやり過ごしたり、などというようにお使いください」。あくまで現地・イタリアのそれと同じような“普段づかい”のレストランでありたいのだそうだ。

客にとっては「本当に?」と聞き返したくなるようなフレキシブルな考えを、軽口を交えつつ述べるオーナー。ホテル西洋銀座のイタリアンレストランなど数々の有名店で修行。皇族の邸宅で初めてイタリア料理をふるまい、日韓ワールドカップ開催時にはイタリアチームの料理人となったイタリア料理協会会長の有名シェフを師に持つなど、舌を巻く経歴の持ち主だ。

そんなシェフが「かしこまってコース料理に身を縮こまらせるよりも、パスタ1皿を気軽にご注文ください」と言い放つのだから、つい「本当に?」という言葉が口をついてしまう。

とはいえ、今回はコース料理を注文してしまった。前菜からデザートまで料理をいろいろ楽しめるし、アラカルトでもリーズナブルな価格で、よりおトクに味わえるからだ。

オーダーしたランチコースは、前菜の盛り合わせ・パスタ・メーン・パン・デザート・ドリンクという内容。のっけの前菜の盛り合わせからして、実に豪華なものだ。

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まず目を引くのは、左から斜め上に伸びる細い茎と葉っぱ。オーナーシェフが栽培している姫ニンジンが入ったサラダだ。ほかに入っているのは、同じく自家栽培のルッコラと、イタリアから取り寄せたカルチョーフィー(アーティチョーク;朝鮮アザミ)のオイル漬け、そして小タマネギ。オリーブやケッパー、アンチョビの入ったタップナードソースらしきがかかっている。

現地で食べて以来(といっても、オーナーシェフが得意とするピエモンテ州でではなく、エミリア・ロマーニャ州でだったが)のアーティチョークもうれしかったが、なんといっても姫ニンジン! スーパーマーケットで売られるニンジンとはまったく違う、甘みのある味だ。

本来は葉っぱは残すべきなのだろうが、これほど本体がおいしいのだし、どうも気になり、食べてしまった。野生のクレソンのようなほろ苦い味がして、予想以上においしい。

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画像手前は、アジのマリネ。フランボワーズの風味の、さわやかな酸味が身上だ。飾られているのは、旬のアメリカンチェリー。こちらも甘みと酸味のバランスがちょうどよい。

奥の、グラスに入っているものは、スペイン料理の「ガスパチョ」に似たトマト味のスープ。生の甘エビが入っていて、さっぱりした飲み口の中のトロリとした食感を楽しめる。

印象に残ったのは、左側のフリッタータ、いわゆる“イタリア版玉子焼き”。一口食べると、ジュッと出てくるスープ。フリッタータはもっとドライな食感だと記憶していたので、これには驚いた。しかも、中には粗みじんに切ったゆで卵らしきが入っており、フリッタータのやわらかい食感との組み合わせが楽しい。上に載った豚のホホ肉の塩漬け「グアンチャーレ」もおいしい。

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プリモ・ピアット(第1の皿)はパスタやドリアなど5種類から1つ選べる。今回は、シンプルに「ペペロンチーノ」に。トマトの赤とシシトウの緑、そして麺の白がひとまとめになって入った、イタリアンカラーの一皿だ。

カイエンヌペッパーのような赤いみじん切りが入っていて、けっこうな辛さを想定していたが、実際には“気づいたときに、ちょっと辛いかも”程度のもの。まとまりが良い。

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