シュークリー

シュークリー

ところは人形町交差点より徒歩2分、中央区立日本橋図書館の入った建物のはす向かいあたり。朝方と昼、そして夕方の決まった時間になると、ちょっとした行列のできる店がある。

その店の名は「シュークリー」。周囲に甘い香りを漂わせる、おしゃれなパティスリーだ。オープンしたのは平成20年で、人形町の店の中では新しいほう。だが、日々の行列を見るにつけ、すでにエリアに迎え入れられている店であることが誰の目にもうかがえる。

シュークリー

列をなす人々のお目当ては、個数限定販売のシュークリーム。予約できるのは30個以上の注文の場合のみで、それ以下の個数が欲しいときは早い者勝ちとなる。その“レア”商品をなんとか入手するべく、9時30分から(50~70個販売)、12時から(100~120個販売)、そして17時から(100~120個)の1日3回、列を作るというわけだ。

あっという間に売り切れると聞いていたので、これまでは行列を遠目に眺めるのみだった。しかし、つのる思いは膨らむのみ。意を決し、朝の回の9:30に並んでみることにする。

時間になったので、店舗へ。すると、そこにはすでに行列が! そう、“時間ぴったり”は甘い考えだったのだ。間に合うか不安だったが、なんとか最後のほうの個数に間に合ったようで、2個注文することができた。

シュークリーのシュークリームは、皮をしっかり焼き込んで作る。ほかではなかなか味わえないサクサク感は、ここから産まれる。シューの上には、黒ゴマ風味のチュイール(薄いクッキー生地)を砕いたものが。こちらもカリカリとした歯ざわりが楽しい。

シュークリー

対して、クリームはふんわり・あっさり。口にしたそばからスッと溶ける、やさしい甘さ。子どもから大人まで食べやすいものになっている。気取りがないのにインパクトが残るこの逸品は、多くの人が「並んででも食べたい」と思うのも当然だ。

箱に詰めてもらうとき、きびきびとした応対のスタッフから「個数が少なくてすみません」というあたたかい言葉をもらう。「予定の個数より多くの方が並ばれているときは、多少の追加分を作ることもあるのですが」と、申し訳なさそうに言う。

かかる手間を考えると、これがクオリティーを落とさずに提供できるギリギリのラインなのだろう。「大量生産のために作業の手が回らなくなり、納得の行く商品を作れなくなることはどうしても避けたい」という店側の姿勢に、客としても賛成したい。ショーケースの右側下を占めていたシュークリームの位置がぽっかり空いているのを見て、強くそう思う。

シュークリー

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