コルレオーネ

「老舗」「和風」の看板が目立つ人形町界隈ですが、そればかりでは物足りないという方のために、ぐっと趣の違うお店をご紹介したいと思います。水天宮の近く、新大橋通から一本入った道にある「コルレオーネ」は、イタリアンの中でもシチリア島の料理をメインに据えたリストランテ。「antica siciliana(シチリア古来)」と銘打ち、日本人向けのアレンジを加えない本場の味がいただけるお店です。

コルレオーネ
コルレオーネ

「コルレオーネ」の店内に足を踏み入れると「ボナ・セーラ!」「チャオ!」の声が飛び交い、早くも本場気分。カウンターの中で調理にいそしむスタッフもホールスタッフも、とてもシンパティコ(いい感じ)。食べ物の好みや、人数に合わせたポーションの調整、料理に合うワインの相談まで、お客のワガママを笑顔でガッチリ受け止めてくれます。

お店の内部は奥行きがあり、親密な語らいからグループでの会食まで、予約時にその日のシチュエーションを伝えておけば、ぴったりな席を準備してもらえます。適度に落とされた照明が、楽しい時間を予感させてくれます。

ちなみに、メニューの表紙など随所に使われている不思議な図案は、シチリア洲旗のマーク。三本の足はシチリア島の三つの岬を象徴しているそうですが、一度見たら忘れられない印象的なものです。

かつては「海の十字路」とも呼ばれたシチリア島には、グレコ・ローマ・イスラムなど様々な民族の植民と支配を受けた歴史があり、地中海の豊富な海の幸を使ったシチリアの料理にもその影響が残っているとか。魚介類が大好きでシチリアに渡って修行をしたというオーナーシェフの山口さんは、「本当はもっと長く居たかった」と打ち明けてくれましたが、そのお陰でいま日本の私たちが「コルレオーネ」の食事を楽しむことができるのだから、ありがたい話です。

まずは前菜。その日の「お勧め」がずらり書かれた黒板の中から、「イワシとナスとトマトのテリーヌ」と「イワシのベッカフィーコ」と、イワシ尽くしの2品を選びました。

コルレオーネ
コルレオーネ

真っ赤なトマトの断面も美しい「イワシとナスとトマトのテリーヌ」。肉厚のトマトとくにゅっとした歯ざわりのナス、そしてイワシの相性は最高! 適度な塩気がスプマンテに良く合い、オレガノの香りが口から鼻に抜けるのが爽やかです。お皿を彩る真っ赤なソースはブラッドオレンジで作られたもので、甘さと酸味がイワシの脂を深い味わいに引き締めてくれます。

コルレオーネ
コルレオーネ

コルレオーネ
コルレオーネ

続いての「イワシのベッカフィーコ」(通常は2個)は、同じイワシを使いながら、まるで違った味わいが楽しめます。こちらは温かい前菜。パンを使ったフィリングにはイワシの脂が乗り移り、イワシにはオレンジの香気が乗り移りという具合に、素材同士が風味を交換しあって、ふくらみのある美味しさ。これまた白ワインをくいくい飲みたくなるお味です。

次はいよいよピッツァ。ひとくちにピッツァといっても地方によってかなり違いがあるそうで、シチリアのものは「ローマよりも薄く、ナポリよりは厚め」とのこと。フチを盛り上げるナポリ式と違って、シチリアのピッツァは全体が同じ厚さになるそうです。

コルレオーネ
コルレオーネ

コルレオーネ
コルレオーネ

煉獄のごとき窯から生まれる、天国の味。ナラの枝を薪に使うレンガづくりの窯の温度は、なんと500度! 生地はパリッと、たっぷり乗ったウニはほぼ生という、胸躍る逸品「ウニのピッツァ」の登場です。

コルレオーネ
コルレオーネ

何しろ「コルレオーネ」で使う魚介類は「一級の寿司に使える」程のピカピカな新鮮さ。粒がはっきり見えるウニがたっぷりと乗っている一皿は、実際目にすると迫力があります。テーブルに置かれた瞬間、パーティなら歓声、デートならため息が起こるでしょう。ウニに火が通りきる前の一番おいしい瞬間を逃さず食べてほしいところです。

コルレオーネ
コルレオーネ

ウニはシチリアでも良く採れるポピュラーな食材とのことですが、日本でもおなじみの食材がニンニクの香りとオイルをまとってすっかり異国の顔になっているので、とても楽しい味覚体験でもあります。

セコンド(メイン)には、「エゾ鹿のステーキ」を選びました。「コルレオーネ」では、冬はエゾ鹿、夏は馬肉の料理が味わえます。これまた、ため息ものの一品。野生のしたたかな旨味を閉じ込めた、美しい葡萄色をとどめた絶妙の焼き加減。ちなみに添えられた塩はシチリア産。「コルレオーネ」では塩にもこだわりがあって、料理によって使い分けているとのこと。肉の柔らかな繊維を噛んでほぐしていく快感。口中に残る香りと味を、赤ワインで追いかける快感。至福と言うよりありません。マニフィコ!(最高)

コルレオーネ
コルレオーネ

店内をあらためて見回すと、料理とワインを前に柔らかくほぐれた表情が並んでいます。テーブルの隙間を、スタッフがにこやかな笑顔で歩き回り、時にお客と会話をしながら、食卓に目を配ってくれていました。

夜の早い人形町界隈ですが、美味しい料理とワインで楽しい夜を彩りたい時のためにも、ここ「コルレオーネ」を覚えておきたいところです。

コルレオーネ
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1-39-5 北辰ビル1F
電話番号:03-3639-0107
座席:カウンター8席、テーブル約50席
営業時間:ランチ11:30~14:00(月曜~金曜のみ)、ディナー17:00~23:00(ラストオーダー22:00)
定休日:日曜

メニュー例:
イワシとナスとトマトのテリーヌ…1,050円
イワシのベッカフィーコ(2個)…1,260円
ウニのピッツァ…2,205円
エゾ鹿のステーキ…2,625円
白ワイン「プラネタ シャルドネ」…10,500円
赤ワイン「ミッレ エ ウナ ノッテ」…13,650円



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