室町ボンクール 本店

日本橋室町の中央通沿いにある「室町ボンクール 本店」は、オフィス街であるこのエリアで随一の品揃えを誇る、焼きたてパンのお店。百数十円のお手軽な菓子パンから、惣菜パン、サンドイッチ、バゲット、食パン、カンパーニュまで幅広い品揃えで、地域に働く人々のランチ需要や、住民の食卓需要に対してリーズナブルな価格で対応している、嬉しいお店である。

開店は2002(平成14)年のこと。実は、ビルのオーナー会社社長の家族が経営しているそうで、商品に占める賃料の割合が低く抑えられており、その分「良い物を安く」という部分に徹底的にこだわっている。小麦粉は高級品を使い、安価なマーガリンではなく高価なバターを使い、フィリング(パンの詰め物)についても極力手作り。発酵は短時間で済ませば効率よく回せるところを、敢えて長時間発酵の方法をとっている。もちろん、その分手間も場所も電気代もかかるが、そこは一切妥協をしない。そういう細かなコストの積み重ねが美味しさにつながり、評判につながっているのだろう。

ボンクール外観
ボンクール外観

ボンクール店内
ボンクール店内

店に入るとまず驚くのは、その品揃えの良さだ。棚いっぱいに並ぶ品々は、1日およそ130種類ほど。半分くらいは次々と入れ替わる期間限定のパンなので、数週間もすればガラリと品揃えが変わり、常連客を飽きさせない。お客さんの大半は、周辺のオフィス街で働き、週に何度も訪れる人々。ランチ時、左手側の棚にはサンドイッチやピザ、惣菜パンなどが一斉に並ぶが、12時からの1時間でほとんどを売り切ってしまうということだ。

幅広い品揃え
幅広い品揃え

次々と入れ替わる期間限定のパン
次々と入れ替わる期間限定のパン

サンドイッチやピザ、惣菜パンなど
サンドイッチやピザ、惣菜パンなど

定番から一つ個性派を挙げるとしたら、「日本橋美人あんぱん」(税込210円)だろう。これはフランスパンの生地にあんを包んだ和洋折衷のパンで、その中身は地元日本橋の老舗和菓子店「榮太樓總本鋪」謹製のもの。つまり、お遣いものにも使われる最高級のあんが入ったパン、ということで、美味しさはもとより、品格の高さも一級品だ。当初は期間限定のコラボ商品となる予定だったそうだが、好評ゆえに定番商品になったという。

「日本橋美人あんぱん」
「日本橋美人あんぱん」

美味しさはもちろん、品格の高さも一級品
美味しさはもちろん、品格の高さも一級品

デニッシュ系のパンも人気で、定番のクロワッサン以外にも、クリームやジャム等をあしらったスイーツ系デニッシュが充実しており、女性を中心に支持されている。甘すぎず濃厚な、大人向けの菓子パンが多いのは、オフィス街ならではだろうか。イートインで温めてから食べれば、バターの香りが引き立ち、いっそう美味しく感じられる。

雑誌等でもよく紹介され、1日百本以上は売れるという看板商品が「ビエノワミルク」という、ソフトフランス生地のスティックパンだ。こちらは開業当初からのロングセラーでもあり、中には練乳クリームが薄く塗られておりほんのり甘い。従来は紙に包む形だったが、最近、より取り扱いやすい、フィルム包装にバージョンアップした。牛柄のフィルムの上半分はカットできる作りになっており、観光客からの人気も高い一品である。

クロワッサン
クロワッサン

看板商品の「ビエノワミルク」
看板商品の「ビエノワミルク」

もうひとつ珍しい品と言えば「ロールケーキ」だろうか。こちらは毎日数量限定で作っているもので、リピートするファンが非常に多いという一品。ケーキ屋で買えば1000円は下らない大きさだが、これを何と、700円で売っている。あまりの安さに不安を抱いてしまいそうだが、ひと口食べれば、その美味しさにノックアウトされるだろう。「お遣い物にする企業の方も多いですよ」という話にも納得の、絶品のロールケーキである。

商品自体も魅力的だが、イートインのしやすさも人気の理由の一つ。壁に沿ったイートインスペースは、一人でも利用しやすいように壁向きのカウンター席になっている。店内の値段そのままで食べられることはもちろん、オーブンやセルフコーヒーも用意されており、使い勝手も上々。コーヒーについては普段は有料だが、朝7時半から9時までの間は無料でサービスしており、仕事前にここで朝食を摂る人も多いという。「実は隣のコンビニよりもお得ですよ」とは、店長の浅見さんの言葉。確かにその通りである。

絶品の「ロールケーキ」
絶品の「ロールケーキ」

イートインもしやすい
イートインもしやすい

品揃え、味、サービス、価格。すべてにバランスが取れており、とにかく“地元のニーズに寄り添っている”ということが、「室町ボンクール 本店」の人気の主な理由だろう。そこにさらにもう一つ加えるなら、いつ行っても品揃えが良いというのも、この店の特徴だ。主力商品は閉店までしっかり置く、というのが開業時から変わらないこの店のポリシー。ほかのオフィス街に立地するベーカリーではまずあり得ないことなのだが、これはサラリーマンだけでなく、地域住民も大切にしているという姿勢の表れであり、界隈に暮らす人にとっては心強い。

地域に根ざした建築会社が、「地域に根ざしたパン屋さんを」と始めた「室町ボンクール 本店」。看板には「四季味覚・思いやりのパン工房」とも書かれているが、まさにその通りであり、いつ行っても飽きさせないパンが沢山並ぶ、安くて美味しい、思いやりあふれる、地域密着型のパン屋さんである。

室町ボンクール 本店
所在地:東京都中央区日本橋室町4-3-1 
電話番号:03-5201-3811
営業時間:平日 7:30~20:00、土曜日 08:00~18:00
定休日:日曜日、祝日
http://www.bansei-gp.com/boncoeur/



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