パティスリー セレネー

パティスリー セレネー

根津交差点近くにある「パティスリー セレネー」は、1989(平成1)年に創業して以来、四半世紀の間をこの街とともに過ごしてきた小さな洋菓子店。構えは「街のケーキ屋さん」という雰囲気ながら、テレビや雑誌などのメディアにも頻繁に登場するなど、広範囲にファンを持つ、実力派パティスリーである。

パティスリー セレネー

この店を一手に切り盛りするのは、山高帽がトレードマークのベテランシェフ、慎次大(しんじ・だい) 氏。この地に生まれ育ち、弱冠25歳でこの店をオープンさせたという、生粋の江戸っ子だ。「自分の目の届く範囲で、責任を持ってケーキを作りたい」と、今もこの小さな店で、毎日キッチンに立っている。

パティスリー セレネー

セレネーのケーキには、添加物などは一切使われていない。その日に作ったケーキは、その日にすべて売り切るというのが信条だ。「こだわりと言われるものは特にありませんけれど、加工品は嫌いですね。たとえ作業が楽になるとしても、使いません」と、慎次氏は自身の作品とも言えるケーキに対し、徹底的に手間をかけ、愛情とプライドをもって仕上げている。

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ショーケースに並ぶのは、生ケーキがおよそ20種類ほど。焼き菓子、ゼリー、ショコラなどを合わせたら、80品ほどが並んでいるそうだ。一度に沢山の品を並べるのではなく、無くなればまた作り増すというローテーションスタイルを採っており、「いつ訪れても新鮮」という安心感は、「セレネー」の大きな魅力のひとつでもある。ちなみに最も品数が揃っているのは、お昼頃ということだ。

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生ケーキの大定番は「モンブラン」(450円)。部位ごとにフランス産、イタリア産、日本産の栗を使い分けているそうで、ちょっと変わった形は、「3Dではなく2Dから、モンブランを表現してみた」という遊び心から。創業当初からモンブランというケーキは存在しているが、現在のものと当初のものは、形も味もまったく別物だという。これはすべてのケーキにも通じており、「進化していない商品はひとつも無い」というのが、店のポリシーだ。

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「キャラメルショコラ」(420円)もまた、定番として愛されている品のひとつ。苦味の効いたキャラメルムースを主体にオーソドックスに仕上げられており、甘さを控えた上品な味わいが印象的。飲み物の香りを損なうことも無く、浅めのコーヒーや紅茶とよく合いそうだ。

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「ピスターシュ・エクゾティック」(500円)はピスタチオをたっぷりと使ったムースの中に、マンゴー、パッションフルーツ、ライムなどの香り豊かなフレーバーを秘めた人気の一品で、常連さんにも固定ファンが多いという。このほか、手軽な価格で楽しめるロールケーキやシュークリームも人気があり、特に旬の素材で変わる限定テイストのロールケーキは、「気まぐれで作っています」という、シェフのオリジナリティあふれる品。マンゴー、マロン、パンプキン、ラズベリーなど次々と姿を変えるそうで、注目の逸品だ。

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夕方に焼き上がってくる「15分後のフィナンシェ」も話題作のひとつ。これは「フィナンシェは焼き上がってから15分後が最高に美味しい。パティシエだけが知っているこの味を、何とか一般の人に楽しんでもらえないだろうか」という発想から生まれたもので、2013年には有名グルメサイトで賞を取るなど、話題となっている。狙い目タイムは、焼き上がりの17時からの15分間。外はサックリ、中はふんわりとしたフィナンシェを片手に、夕時の根津を散策するのも悪くない。

パティスリー セレネー

時代のトレンドに乗って、新しいパティスリーが次々と生まれている昨今。「でも、同じだけの店が閉店しているんです。僕と同じ時期にオープンしたお店も、実はかなり無くなっているんですよ。それは何故かと言えば、進化をしていないから。だから僕はいつまでも挑戦を続けていきたい」と語る慎次シェフ。どこまでも真面目に、丁寧に、前向きに洋菓子作りに取り組むその姿は、洋菓子職人の鑑と言えるものである。

※本文内の価格等は掲載時のものです。変更している場合がありますのでご了承ください。

パティスリー セレネー
所在地:東京都文京区根津1-1-15  
電話番号:03-3821-5068
営業時間:9:00~19:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
https://patisserie-selene.jimdo.com/

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