齋藤さんが語る小石川の魅力とは

小石川の住宅街の中にある産直野菜のお店「齋藤商店」。農薬や化学肥料が基準の半分以下で育てられた「特別栽培農産物」を中心に取り扱っている名店だ。旬を大事に様々な野菜を取り扱っており、店頭には産地から直送された新鮮でおいしい野菜が並んでいる。「齋藤商店」の3代目店主である齋藤利晃さんに、お店や小石川の魅力などについて話を伺った。

齋藤商店
三代目店主 齋藤利晃さん

「大好きな小石川を元気に!」
触れ合いを通して高まる小石川の魅力

-齋藤商店を始められた(継がれた)きっかけについて教えて頂けないでしょうか。

うちは1920(大正9)年に僕の曾祖父が燃料屋を始めました。最初は炭で、時代と共に灯油やプロパンを扱ってきました。父は店を継がなかったので、祖父から孫にという感じで、僕が3代目になります。

練馬で生まれ育ち、北海道の酪農大学に行きました。4年の時に農協から募集がきていたので応募したら受かったので、そのまま就職しました。その農協は米と野菜が多いところで、畜産はあまり無く、野菜の担当になりました。その後、機会に恵まれて農業試験場に出向し、そこで野菜の栽培関係を学びました。それからまた農協に戻ったのですが、長男なので後を継ぐということで帰ってきました。

店を継ぐと、燃料と同時に、週に1回だけ野菜を売り始めました。その後、灯油の地下タンクを入れ替えないといけなくなったのを機に、燃料の取扱いは炭だけを残して止めました。炭はお米にいれたりするし、浄水器なんかにも使って、体にいいものなので共存できると思って。このあたりはお寺さんが多く、無くなると困ってしまいますし。

-小石川マルシェなどに出店されていますが、その際のイベントの様子について教えてください。

小石川マルシェは4年前から始めていて、最初700~800人だったお客さんが、今は4,000人近く集まるようになりました。小石川の商店街を盛り上げようという、地域活性化のひとつです。コンセプトは「ちょっといい普段」。小石川が下町ではあるけれども、オシャレな街になってきたということもあって、普通に売っている物を出すのではなくて、ちょっといい普段を味わえる物をだそうと。なので限定商品が多いです。豚肉料理のお店がその日限定のカツサンドを出したり、焼き鳥屋さんが鶏肉のジェノベーゼソースを出したりしてますね。うちはバーとコラボして、果物のカクテルなどですね。そういう普段味わえない物を楽しみながら、お客さんと対話して、お店を知ってもらうというところです。地域の方と交流することも増えてきましたね。

-「大好きな小石川を元気に!」という目的で、開催されている小石川マルシェなどのイベントを通して、昔齋藤さんが見ていた街や人とは違った新しい変化はありましたか。

小学生くらいの店の手伝いをしていた時から考えると、若い人が増えました。昔は店の前を通る人は年配の人ばかり。今はマンションが増えたし、文京区は教育の街なので、子どもも増えて、学校もクラスが増えています。小石川マルシェの前後では、個人店を利用される方が増えたように感じています。

僕ら個人商店はスーパーマーケットとは値段の競争はできないですけど、困ったときのっていう存在ですよね。うちは八百屋だから大根はこうなんだよとか、きちんとしたお話ができます。他のお店も、それぞれプロフェッショナルがやっているわけですから、そこは強みだと考えています。

あとは地域の情報ですよね。これはだいぶ喜ばれます。「今度そこでイベントやるみたいですよ」とか、そういった会話が街の活性化につながっているのかもしれませんね。逆にこっちがお母さん達から教育の話を聞いたりもします(笑)。木曜日は特に夕方からいろんなお客さんが来て、お客さん同士が仲良くなって一緒にご飯食べに行くようになったりもします。それは僕らとしてもありがたい話ですしね。

-「斎藤商店」が出来てから、地域の人の反応はいかがでしたか。

お客さんが喜んでくれるのは励みになります。たまにぼくより野菜について詳しい方もいらっしゃって、勉強させていただくこともあります。お客さんが気軽に電話かけてきてくれて、「あれある?これある?」と会話したり、半分家族みたいな付き合いですね。こういう仕事は喜んでもらうのが一番の醍醐味です。

-齋藤さんが感じる小石川の魅力について教えてください。

山手線の内側だけれども人情味があります。東日本大震災が起きてから、自治会や町内会も防災に力を入れるようになりました。それを通して集合住宅の方との対話が生まれたりして。自治会がしっかりしていないとそういう運びにはならないと思うんですよ。大型の防災訓練もやっています。スタンドパイプが各町内会に配置されているので、その指導やAEDの使い方、冬は乾燥しているので初期消火のやり方や、消火器の扱い方、災害時の炊き出しの訓練なんかもやります。

実は、うちは子どもの駆け込み寺になっています(笑)。うちに寄って宿題する子がいたり、テストや学校の事を報告しに来たり。中学生のたまり場にもなっていますね。僕はここにはまだ5年しかいませんけど、それだけの時間があると、小学生だった子どもが高校生になります。大きくなっても「ただいまー」とか、ちゃんとあいさつしてくれるんですよ。そういう関係っていうのは、とてもいいと思いますね。

 

今回、話を聞いた人

齋藤商店
三代目店主 齋藤利晃さん

「齋藤商店」インタビュー



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