言問学舎

「本郷通り」と「言問通り」。この二つが交差する「本郷弥生」の交差点近くの裏路地に、ひっそりと営まれている私塾「言問学舎」があります。

言問学舎

塾名からも想像がつくように、この塾は、「言問通り」にその由来をもち、かつては裏路地ではなく、本当に言問通りに面した場所にありました。その場所に「言問学舎」が開かれたのは、今から13年前のこと。「より多くの生徒を受け入れ、理想的な勉強ができるように」と、静かな裏路地に移転したのが、9年前の2007(平成19)年のことです。

言問学舎 塾長 小田原漂情さん

この塾の創立者であり、塾長を務めながら現在も教鞭を執る小田原漂情さんは、塾長以外にも歌人、小説家という肩書を持つ人で、実際に幾つかの著書も出版しています。かつては教育関連の出版社に在籍していたこともあり、その時に言問通りを、日常的に商用で往来していました。その後、偶然にもこの通り沿いに拠点を持つことになったのは、おそらく「言葉を問う」という名がもつ不思議な力が、「国語の求道者」である小田原氏を引き寄せたのかもしれません。

本棚

そもそも小田原氏が教育に注目したのは、「本物の国語」が現代の教育には欠けているのではないか、と疑問を抱いたことが端緒であると言います。「今の国語はマルバツを付けてしまいますが、国語の楽しさは、文章を読んで、感じて、考えることにあるんです。それにマルバツを付けてしまうことが、子どもたちを活字から遠ざけているんです」と、小田原氏は憂いを浮かべながら話します。彼のポリシーの一つは「10歳まではマルバツを付けない」ということ。国語を好きになってもらい、それをまっすぐ伸ばしながら、「本物の国語」を教えていくことが、自分の使命だと考えています。

国語の教材

では「本物の国語」とは何かと問うと、小田原氏は「音韻(おんいん)、つまり言葉のしらべです」と即答。文章を音読し、骨格を掴んで、そこから感じ、考えたことを、文字で表現する。そのプロセスが「本物の国語」につながります。感じたことを時に否定してしまう今の教育課程の「国語」は、小田原氏からすれば「本物」とは遠いものに見えるのでしょう。

充実した教材

ただ、「言問学舎」は私塾であり、小中高生の受験対策をはじめ総合的に対応している塾です。実際に利用する子どもたちは数学や英語、理科社会まで、幅広く学び、受験に対応するテクニックも身につけていくことになります。ただほかの塾と異なるのは、「国語の力はすべての教科の成績アップにつながる」と考え、こと国語に関しては、目先のテクニックではなく本質的な部分を追究しているということでしょう。

確かに、教科書やテストの設問を読み解く力、その答えを言葉で表現する力、物事を言葉に置き換えて整理し、再構築して解に導く力。勉強というものはすべて、読解、思考、作文の繰り返しです。さらに筆記だけではなく、面接試験や小論文についても、国語力は生きてくると言います。「思考を言葉に落とし、厳選し、理路整然と再構築する。それが小論文であり、面接対応である」ということです。

真剣に学ぶ生徒

とはいえ、国語力を付けるには「好きであることが大事」なので、スパルタな教育を行うわけではありません。時にはしりとりをして楽しみ、そこで出た言葉をつなげて作文を作ってみたり、ひとつの文章から感じことを、仲間と一緒に語りあって理解を深めたりと、楽しみながら学ぶことも大事にしています。1クラスが8人までというごく少人数で、自主的に関わり合いながら進めていく授業なので、子どもたちにとっても自己有用感の高い時間が過ごせ、得るものも多いことでしょう。個人指導並みの親身な指導が受けられるというのも魅力の一つです。

教材としても使用される赤本

もちろん授業を進行するのは、小田原氏ですが、実際に教壇に立つのは学生や社会人の講師であることも多いのだそう。そのうち半数ほどは「東京大学」の学生や院生で、難関大学の理系科目も、徹底した指導をしてくれています。「講師の質の高さには自信があります」と、小田原氏も講師のクオリティには胸を張ります。小学生の補習的用途から、高校受験、大学受験まで、幅広く頼ることができるでしょう。

ひとりひとりへの丁寧な指導

全ての生徒に目が届く、間仕切りで仕切られた教室

また、一人ひとりの塾生をとても大事に考えているのも、「言問学舎」の魅力。塾の中はワンフロアを区切っているだけなので、すべての塾生の様子は、いつも小田原氏が見られる範囲にあり、つまづきそうな子や、講師の至らない部分などを見つければすぐに改善をほどこしています。その観察力の高さと絶え間ない改善が、きめ細やかな受験対策、高い合格率にもつながっています。

ある青年の思い出

「言問学舎」の生徒を大事する、という小田原氏の想い。実はその想いを形にしたものがあります。それは『ある青年の思い出』という短編について、中学生が卒業時に個々の感想文を綴った文集です。これは海外でボランティア活動中だった息子を殺害された一人の父親が、息子について書いた文章。「言問学舎」で学んだ中学生は卒業の時、この文章に触れてそれぞれの想いを残し、巣立ってゆく。それを毎年積み重ね、一冊の本にしました。

また、「言問学舎」を卒業した講師を多く採用したり、卒業生が「国語の教師になりたい」と聞いた時には、「言問学舎」でインターンをさせ、無事教員採用試験合格へと導いたこともあります。「卒業した生徒もこれから卒業する生徒たちも、とにかく徹底的に、親身になって面倒を見ます」と小田原氏は微笑みながらそう語ってくれました。

言問学舎 塾長 小田原漂情さん

普段は温厚な小田原氏も、子どもたちからは「怖い塾長」として恐れられているそうです。塾内で気を抜いている子を見つけるとすかさず注意し、時には厳しい言葉を向けることもあります。こういった光景は今時の塾では消えてしまったものですが、真剣に、愛情を持って接していることの裏返しでもあるのでしょう。

幸いにも、この地域には閑静な環境があり、文教の気風があり、豊かな緑があり、「もちろん勉学には適しているし、近くには文豪ゆかりの地が数多くありますから、国語を追究するには最高の環境なのではないか」と、小田原氏は地域の環境の良さにも太鼓判を押してくれました。

「ことば」が持っている可能性を大切に、個々の能力を存分に引き出し、しっかりと寄り添ってくれる「言問学舎」。東大前という良い環境の中で、「本物」を「本気で」追究してみたいという人は、一度見学に訪れてみてはいかがでしょうか。

言問学舎
所在地:東京都文京区西片2-21-12 
電話番号:03-5805-7817
http://www.kotogaku.co.jp/

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