文京区と千代田区の区境に位置しているJR「御茶ノ水」駅の北側に位置している湯島や本郷といった御茶ノ水周辺エリアは、都心ならではの便利な交通アクセスと、文京区ならではの良好な住環境の双方を享受できる希少な立地となっている。
また、文京区は都心に位置しながらも、充実した教育環境などが評価されており、日本でも有数の文教エリアとしても知られている。そんな文京区の御茶ノ水周辺エリアのエリア特性を、様々なデータから紐解いていこう。

住みたいエリアの条件を満たす秘密とは?

御茶ノ水エリアの資産価値が高い理由のひとつにマンションの供給戸数が挙げられる。2014(平成26)年1月1日~2019(平成31)年3月31日までの間で、都心6区で供給されたマンション戸数(マーキュリー調べ)をみると、土地の少ない千代田区(2,648戸)は例外として、文京区が3,935戸、中央区が10,312戸、港区が6,106戸、新宿区が6,099戸、渋谷区が3,660戸と、人気の高い都心6区のなかでも、文京区は供給戸数が少ないことがわかる。
築年数が経てば資産価値は下がりがちだが、新築のマンションが建ちにくいエリアでは、マンションの希少性が高く、築年数が経っても価値が下がりにくくなるだろう。

地価公示も高く、文京区の土地価格は東京都57市区町村中9番目で、日本全国の1733市区町村中でも9位と高い。
2019(平成31)年3月に発表された最新の地価公示価格で「御茶ノ水」周辺を見ると、「御茶ノ水」駅から450mの湯島1-11-10が前年比プラス7.14%、「本郷三丁目」駅から540mの湯島2-18-2が前年比8.92%の上昇となっている。一般的に土地の値段が上がれば、中古マンションの値段も上がる傾向があるので、資産運用を考えるうえでは重要な指標となってくる。


都心に位置していながらも安心して暮らせる街

住環境を見た時に、文京区の大きな魅力となっているのが犯罪率の低さだ。文京区の人口当たりの犯罪発生率(※2018(平成30)年度に発生した犯罪数/2018(平成30)年1月1日現在の人口)は0.58%となっている。これは23区の中で最小となっており、このことからも住環境の良さがわかる。

「御茶ノ水」駅


医療従事者が多く住む立地特性

周辺には「順天堂大学医学部附属順天堂医院」や「東京医科歯科大学医学部附属病院」、「日本大学病院」といった大学附属病院も集まっており、医療環境も充実している。これらの病院は都内でも大きな規模で、多くの医師が就業している。2015(平成27)年に行われた国税調査では、文京区在住の就業者数は95,226人で、そのうち医療福祉関係従事者は10,113人で約11%が医療関係の職に就いていることになる。これは23区中で最も多い割合だ。


「東京医科歯科大学医学部附属病院」

近隣の区と比較すると新宿区は約8%、台東区は6%、千代田区は約10%と特に比率が高いのがわかる。また、医療福祉関係を含む第3次産業従事者のうち、区内在住でそのまま区内で就業している人の割合は約33%。それを医療福祉従事者に限ると約41%となり、第3次産業従事者の中でも職住近接を望む傾向にあることがわかる。
開業医などは自宅にクリニックを併設している場合もあるが、大学の附属病院などに勤める勤務医は緊急の呼び出しに対応するために、勤務先の近くで住居を探すことが多いのも関係しているかもしれない。


住みたいエリアの条件を満たす秘密とは?

出典:リクルート住まいカンパニー調べ「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018 関東版」

2018(平成31)年1月に発表された『第9回文京区居住環境等移動理由別人口調査』では、文京区の人口は1999(平成11)年度から増加に転じ、世帯数も1996(平成8)年度から増加傾向となっている。文京区への転入理由は交通面や生活利便性、自然環境などの「生活・環境的理由」を第一とする回答が多く、その内訳をみると交通の便が半数を占めており、交通の便の良さが住宅探しに大きく影響しているのがわかる。
リクルート住まいカンパニー調べ『関東 住みたい街ランキング2018』では住みたい自治体ランキングで文京区が5位、住みたい沿線ランキングでも「御茶ノ水」駅を通るJR中央線が4位東京メトロ丸ノ内線が5位にそれぞれランクインしている。
文京区内には地下鉄は多く通っているがJRの駅は無い。しかし、御茶ノ水エリアからはJR「御茶ノ水」駅を利用できるのに加え、東京メトロ丸ノ内線など徒歩10分圏で7駅6路線を利用することができる。転入理由として重要視される交通の便が良い街は住宅の需要が高い=資産価値が落ちにくい傾向にあると言えるが、御茶ノ水エリアは、生活環境と利便性の双方を兼ね備えた、“住みたい街”の条件を満たした街といえるだろう。


御茶ノ水エリアがさらに暮らしやすく進化を遂げる

「御茶ノ水」駅周辺では近年、再開発などによって都市整備も行われている。2013(平成25)年4月には駅の聖橋口前に「御茶ノ水ソラシティ」と「ワテラス」が開業し話題を集めた。
文京区は区内の大半が住居専用地域や住居地域に指定されているため大きな商業施設がないが、「水道橋」駅や「御茶ノ水」駅周辺には「ワテラス」や「御茶ノ水ソラシティ」のほかに「東京ドームシティ」などもあり、落ち着いた住宅地に暮らしながらも、便利な施設を普段使いすることも可能だ。

また、現在JR「御茶ノ水」駅で駅の改修工事も進行中だ。「御茶ノ水」駅ではバリアフリー設備が未整備であることが課題となっていたが、2013(平成25)年から神田川上空の仮設桟橋から施工をすすめる工事が進められてきた。
2019(平成31)年1月には駅改札内のエレベータの供用を開始。東側の聖橋口では千代田区と連携して駅前広場整備事業が進行中で、2023(令和5)年の完成を目指している。

聖橋口外観イメージ(引用:JR東日本)

工事完成後のイメージ(引用:JR東日本)


様々な条件からマンションの希少性があり資産としての価値も期待できる御茶ノ水エリア。犯罪発生率の低さなど住みたい街として人気の高い文京区に位置しているのに加え、交通利便性も高く、今後も人気のエリアとしての地位を保っていくだろう。さらに、「御茶ノ水」駅の開発などでエリアの将来性への期待がますます高まれば、さらに注目を集めることになりそうだ。