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梅園 本店

梅園 本店

「梅園」の創業は安政元年(1854年)。当時、浅草寺の塔頭の一院であった梅園院の一角を借り受けて、茶店を開いたのが始まりで、150年の時を経た今も、浅草寺参詣客の憩いの場として愛され続けている。
江戸の町を揺るがし、水戸藩第9代藩主・徳川斉昭の側近として活躍した藤田東湖が命を落としたという「安政の大地震(安政2年)」も、安政5年から翌年にかけて大老・井伊直弼が吉田松陰をはじめとする尊攘運動派に下した弾圧事件「安政の大獄」も、この店は知っているんだと思うと、目の前に往時が浮かぶような既視感に囚われた。

この店の名物は、かつて家庭で作れられていたという庶民の味で、初代から受け継がれてきた「あわぜんざい」724円。
蒸したあわともち米をあわせた「あわもち」に、温かいこし餡を乗せるという、ちょっと類を見ない独特の甘味は、初詣の季節になると1日200食も出る。
「開店当初からの商品ですが、少しずつ工夫を加えながら、現在の形になっていったんですよ」と話すのは、「梅園」7代目の修行を始めて1年になるという清水貴司さん。甘味作りから販売まで、勉強の毎日だという。

「あわは半搗きの状態でもち米と合わせています。というのも、独特の食感を楽しんでいただきたいからなんですよ」

満月を思わせるような淡く黄色いあわもちは柔らかなのだが、口に入れるとほのかな甘みがあり、あわの程よい歯応えも心地よい。滑らかな漉し餡はやや甘さは強めだが、舌の上ですっきりと溶け、あわもちとの相性は抜群。添えられた紫蘇の実を挟みながら、いつの間にかお椀は空になっていた。

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シンプルな甘味でありながら、適度な食感と滑らかな口当たりが印象的なあわもち、どっしりとしていながら後に残らない漉し餡のさっぱり加減。
熟練した職人ならではの奥のある味わい。老舗ならではの矜持と歴史が凝縮された逸品は、女性のみならず、最近は男性にも人気が高いそうだ。
「「あわぜんざいはもちろんですが、和菓子の原料は植物性でとてもヘルシーです。身体にも健康にも良いので、幅広い世代の方に召し上がっていただけるのは嬉しいですね」

梅園には「あわぜんさい」と並ぶ、もうひとつの看板甘味がある。それは、国内産の天草を使った風味ある寒天に、黒砂糖ほか3種類の砂糖・水飴・ハチミツをブレンドした黒蜜をかけていただく「あんみつ」609円。職人が丁寧に煮あげた赤えんどう豆を散らした「豆かん」もおすすめだという。
「当店の二大スターは、冬場の『あわぜんさい』と夏場の『あんみつ』です。ここ数年、浅草には若いお客様が増えており、皆さん『あんみつ』をよく召し上がられますが、中でも『クリームあんみつ』『抹茶あんみつ』が人気ですね」

長い歴史の中には、さまざまな著名人・有名人の訪れもあったそう。中でも作家の永井荷風は梅園がお気に入りで、『踊り子』という作品の中に、当時の様子が描かれている。
「荷風先生は、興行街がお好きで、よく浅草に通われていたそうです。時には踊り子さんを大勢引き連れて、当店にお見えになったと聞きます」

浅草のきれいどころが集う、華やかで賑やかな店内が目に浮かぶ。

荷風が『踊り子』の一節に「梅園でお汁粉を食べようとしたが、満員で入れないので……」と記した人気は、もちろん今も変わりなく、今日も「あわぜんさい」や「あんみつ」を楽しみに、国内はもとより海外からも、数多くのお客様が足を運ぶことだろう。

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※お土産もあり。持ち帰り用「あんみつ」420円。

梅園 本店
所在地:東京都台東区浅草1-31-2
電話番号:03-3841-7580
営業時間:10:00~20:00
定休日:月2回水曜日
http://www.asakusa-umezono.co.jp/

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