リヨン 夢工房

中延商店街の南口すぐに位置する「リヨン 夢工房」は、いつも客足の絶えないベーカリーだ。朝早くから日が暮れて夜になるまで営業しているが、ガラス張りの店舗では、あちこちのパンに目を引かれながらトレーを持ち歩く人がたいていの時間帯で見られる。

客が集まるその理由は、いったいどのあたりにあるのだろう? 闇が迫り来るころ、店へ出かけてみることにする。

リヨン 夢工房
リヨン 夢工房

リヨン 夢工房の店頭には、小さな屋台が設置されている。店の名物「コッペパン」の屋台だ。コッペパンは、小・中学校の給食などでおなじみの、楕円形をしたプレーンなパン。給食ではこれにジャムやマーガリンなどのスプレッド(パンに塗るもの)を付けたり、おかずのフライをはさんで食べたものだ。

何年もの間身近にあったパンなのに、考えてみれば、まちのベーカリーでコッペパンを見かけることはほとんどない。これは、つい懐かしくなって食指が動くのも当然の心理だろう。

コッペパンの屋台には、ひっきりなしに客が訪れる。そして、そのたいていが「付食」というスプレッドと同義のものを、二つ割りにした内側に挟んでもらっている。付食は、こしあん・チョコレート・マーガリン・カスタード・ジャム・バタークリーム・ピーナツ・黒ゴマ、そして月替わりの品の計9種。平成21年11月は「紅玉りんご」が「今月のスペシャル」だ。

付食は2種までサンドしてもらうことが可能。異なる味を楽しみたいときはダブルで、1つのテイストをとことん味わいたいときはシングルでオーダーするのがよいのだろう。

先客がいなくなったのを見計らい、注文を。ちょうどそこに、新手のコッペパンがやってきた。コンスタントに売れるので、焼き立てをちょこちょこ補充しているのだそうだ。ということとは、会社帰りでも焼き立てのコッペパンにありつける可能性もあるわけか。これはよいことを知った。

リヨン 夢工房
リヨン 夢工房

さて、オーダーはピーナツのみのシングルに決定。給食でもピーナツバターのスプレッドが付いていたが、単にピーナツの風味のクリームになっていた簡素さだったものに対し、こちらのピーナツバターはダイス状になった粒の食感がおもしろく、クリームはフワッと軽い味わい。さすが、パン屋の選ぶピーナツバターだ。

リヨン 夢工房
リヨン 夢工房

また、コッペパン自体も給食で食べていたものより格段にグレードが高い。コッペパン自体に深みある味わいが備わっているのだ。おかげで昔のコッペパンの思い出がセピア色のものでなく、色あせないままの、香り高い記憶となってよみがえってくる。

少しだけ味見をしてみるつもりがあっという間に全部食べてしまったことには、自分でも驚いた。これはクセになるパンだ。中延エリアだけでなく遠方からもコッペパン目当てに訪れる客がいるというのも納得できる。

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