イタリアン・レストラン コルシカ

イタリアン・レストラン コルシカ

この地で変わらぬスタイルを貫き40年。今や東京随一とも言われるグルメタウンになった恵比寿でも、屈指の老舗レストランと言えるのがここ「コルシカ」である。

駒沢通りに面し、恵比寿駅というよりはむしろ代官山駅に近いこの場所は、創業当初は、他にに店舗が無いような閑散とした場所だったという。バブル期に一気に開発が進んで「昔とはすっかり景色が変わったね」と懐かしむ重本店主であるが、この店だけは、まるでタイムスリップしたかのように、往時の雰囲気をとどめている。今は予約可能なシステムとなっているため、この店の前に行列ができることは減ったが、かつてはかなりの待ち時間を覚悟しなければならない、「ハードルが高い」店であったそうだ。

イタリアン・レストラン コルシカ

店内に入ると席数は20ほどで、「意外と小さい」というのが多くの人の印象だろう。今時のように個室や洒落た装飾がある店ではないが、イタリアンをイメージさせる赤のチェック柄に、黒光りするチェアが不思議とよく似合う、大人好みの上品な雰囲気にまとめられている。窓越しに行き交う人々を眺めながら、ゆっくりと食事を楽しめそうだ。

小さな店であるということは、同時にシェフが責任を持って、丁寧に調理をしていることを暗に意味している。店のオーナーである重本氏は、銀座の名門「イタリー亭」で腕を磨いたのち、弱冠23歳でこの場所に「コルシカ」を開店した。20代の若者が店を持つことは、1970年当時ではかなり珍しいことであったという。そしてイタリア現地での食べ歩きなども重ねつつ、25年間厨房に立ち続け、この地の常連客に自慢の料理を振舞っていた。

イタリアン・レストラン コルシカ

重本氏は十数年前からは身体の都合でホールに出るようになったが、調理場は片腕として働いてきた篠田シェフに任され、今も昔と変わらない味がしっかりと守り続けられている。

穏やかな物腰で接客する重本氏は、今ではすっかるコルシカの「顔」となっている。定番のメニューは幾つかあるが、古くからの常連の多くはその日の「お薦め」を重本氏に尋ね、それを注文するのだという。重本氏は「お薦め」をメニュー表や黒板に書くことをしない。「頭の中にだけメニュー表がある」そうで、お客さんに毎回その日の「お薦め」を紹介している。これもお客さんとのコミュニケーションを大切にしたいという、氏の考えの現れである。

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