「南千住」駅から北側へ、「コツ通り商店街」のアーケードを歩いて行くと、屋根が切れたあたりに古風で小さな鮨処がある。こちらが今回ご紹介する「鮓三亀(すしみき)」である。
同店が開店したのは1958(昭和33)年。現在店主を務める光井氏の父親が開業したもので、その歴史はすでに50年以上に及ぶ。光井氏が若くして父親を亡くし、この店を切り盛りするようになって、すでに30年以上。
お客さんは地元の常連さんが大半を占めるそう。しかし、初代がかつて銀座で寿司職人をしていたため、当時のなじみ客も訪れたり、「下町らしい江戸前寿司を」と、遠方から噂を聞きつけて訪れる人もあるという。近年は小綺麗な寿司店が増えているが、この店は利益の大半をお客さんのために、すなわち「ネタの良さ」「価格の手軽さ」に還元。質素な店構えは、お客さんを第一に考える2代目の気持ちの現れなのだろう。
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暖簾をくぐり店に入ると、左手にネタケースのあるカウンター席が、右手に3つばかりの小上がり席がある。常連さんの多くは迷うことなくカウンター席を利用するという。その理由はしばらく居れば自ずとわかるだろう。素早い身のこなしでありながら、握る瞬間には指先まで神経を尖らせる“仕事”ぶりを見ていると、食欲はますます増す一方。カウンター越しに職人の所作を見ることも、店を訪れる楽しみであり、最高のスパイスでもあるようだ。





