徳兵衛
美味しいものを、美味しいお酒とともにゆっくりといただきたくなる、できれば秘密にしておきたいお店の代表的な存在と言えるのではないだろうか。
東武東上線成増駅北口のペストリアンデッキや駅前商業施設、公共施設などのにぎわいを抜け、突如として静かな住宅街の風情を感じさせてくれる街並みになったと思ったところで、ぽつりと現れる印象的な炉端焼きのお店が「徳兵衛」である。
現在のお店は、ペニンシュラホテル東京などを手がけた有名デザイナーの橋本夕紀夫氏の設計によるものだという。かつては、かなり庶民的な風情の炉端焼き店だったそうだが、その親しみやすさを残しながら、今風な隠れ家的居酒屋として生まれ変わったのが2009(平成21)年のこと。2階にある囲炉裏席のテーブルは、そのかつてのお店のものをそのまま活用しているのだとか。
その2階席は自分たちで炉端焼きを焼くスタイルになっているが、1階席ではお店のスタッフが焼いてくれるので、本格炉端を楽しめるようになっている。せっかくだから、自分で焼くよりは本格派で、と思って1階席での食事を楽しませていただくことにした。