
「今日は蒲焼きね。ちょっとお祝いなの」
店先でこのように話す方がいた。お互い家族中知っているといった感じの話し方だった。ここ「鮒眞」では、こんな会話も耳にする。
鰻の蒲焼きを始めとして、鰻大和煮、鰻肝焼きに加え、鰻肝煮もある。鰻の肝煮はめずらしいという人もいる。ここの鰻は静岡、吉田産のものを使っており、備長炭で焼いている。こんなことも2代目店主の方が教えてくれた。

ここは鰻に加え、佃煮も豊富だ。佃煮の原料は国内産のものを使用。
川えび、小女子、しじみ、アサリ、いなご、ワカサギ甘露煮等豊富にある。佃煮は決して派手な食べ物ではないが、長い歴史を通して、いつも大事な役割を果たしてきているそうだ。
佃煮の始まりは、「本能寺の変」にあるともいわれている。本能寺の変で織田信長が倒れた後、家康一行は敵に見つからずに岡崎城へ戻る必要があった。途中わざと遠回りをするという奇策をとり、その際に、通りがかった庄屋では不漁の時にとかねてより備蓄していた小魚煮を、道中食・兵糧として家康に献上した。この小魚煮は佃煮の祖形ともいえる貝や小魚を塩ゆでし干物にした忍者食で、伊賀衆と一緒に食べた家康は、佃煮のありがたさを身にしみて感じたようだった、と伝えられている。
そんな佃煮は甘辛く煮てあるものがほとんどで、保存食としても今も食べられている。小魚など栄養が豊富で、家庭の常備食としてここ下町の家庭では食べられているのだ。

※メニュー・価格などは取材時のものです。
こだわりの鰻と佃煮の店~鮒眞(ふなしん)
所在地:東京都葛飾区堀切2-34-2
電話番号:03-3695-0384
営業時間:8:00~19:00
定休日:火曜日





