日曜庵(にちようあん)

日曜庵
日曜庵

京成金町線 柴又駅を下車し、帝釈天裏を横目に見ながら江戸川土手方面へ進んでみて欲しい。参道からは離れているため、目に入ってくるのは一般住宅がほとんどだ。その中に、アイボリー系の洒落た民家がある。一見するとイタリアンレストランのようなモダンな建物には、暖簾が掛かっており、「日曜庵」とある。こちらは、金曜日から日曜日までの週3日だけ営業しているという、お蕎麦屋さん。

ご店主の西村宏さんは、独学で蕎麦の製法を研究し、柴又に現在のお店を開いた。材料から調理まで、強固なまでのこだわりを持っており、最高の蕎麦が食べられると評判だ。

では、材料の玄蕎麦の仕入れ方法から紹介しよう。西村さんは、黒姫や水府などの農家へ直接出向き、手刈り天日干しされたものなどを仕入れている。それらは、自宅の「特設低温貯蔵庫」に時をおかずに保存される。「真空状態で冬眠させると、一年中新蕎麦のような蕎麦粉が挽けるんです」とは西村さん談。

その後、「色を判別できる機械」で、まだ青い粗挽き用の蕎麦の実とせいろ用の実を細かく分類。その玄蕎麦を月・火・水曜で丸抜きにし、木曜に石臼で粉に挽く。つまり「完全自家製粉」であり、週末だけ営業という理由はそこにある。いやはや、かなりの手間隙と職人芸が凝縮されているわけで、人気が出るのも頷ける。

日曜庵
日曜庵

では、実際の店内へ入ってみよう。店内は4人掛けと2人掛け、あせて20人ほどが収容可能。インテリアは南欧をイメージする作りにまとめられており、大きく取られた「明かり窓」から日の光がサンサンと降り注いでいる。店内は禁煙だ。

給仕された「そば茶」をいただきながら、メニューを拝見。こちらは、せいろと田舎蕎麦があるらしい。迷いつつも、数種類をたのんでみた。その一つは「粗挽きせいろ」。ほのかな甘味のある淡い緑の蕎麦であり、最上級の丸抜きだけを選別しているという。確かに、“目で見て分かる”と言って良いほど蕎麦の実が入っており、歯ごたえたっぷり。重ねてこちらには、ガラスの入れ物に入った一口量の「水そば」がついてきた。冷たい水に浸かることで、そばの味が更によく分かるようになるらしい。

日曜庵
日曜庵

次にいただいたのは、「田舎せいろ」。こちらは、細打ちで表面がザラザラとしており、腰もある。香りも格別だ。沖縄産の玄塩が添えられており、まずはそれをふりかけ、その後につゆで食すのが「日曜庵風」なんだとか。薬味には、葱と辛味大根おろしが用意されている。

連れ合いは「鴨せいろ」を注文。小さな鉄板でネギと鴨三枚がローストされて出てくる。鴨の燻製も一切れ。そして鴨肉を鏤めた鴨汁や、四万十川の川のりが添えられている。お肉と蕎麦を堪能したい人には、こちらがおすすめかも。鴨汁に川のりを入れるとまた違った風味になるので、変化を楽しみたい人はどうぞ。

一品料理も各種あり、中でも生醤油と紫蘇オイルで味わう「蕎麦がき」が絶品。お饅頭のようなそれは、食感がモチモチしており、これを食べたら他のお店では食べられなくなりそうなほど。松の司(滋賀県)」と「十四代本丸(山形県)」など日本酒も揃っており、お料理を待つ間に、ちょっと一杯なんていうのもいいかもしれない。

おしまいは、ポタージュスープのようにトロトロとした蕎麦湯を一杯。次に来るときは、「とろろせいろ」や「おろしせいろ」などにもトライしたいところ。

※メニュー・価格などは取材時のものです。

日曜庵(にちようあん)
所在地:東京都葛飾区柴又7-13-2
電話番号:03-5668-0084
営業時間:11:30~18:00 (蕎麦がなくなり次第終了)
定休日:月~木曜日



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