生粉打ちそば「木香(もっか)」

木香1
木香1

都営新宿線「船堀駅」北口から船堀街道を15分ほど新小岩方面に北上すると、辺りに蕎麦つゆの香りが漂ってくるエリアに入る。するとその中に、ひと際大きな木製の看板を掲げた小さなお店が現れる。
「木香」。生粉打ちそばを食べさせてくれるお店だ。
外観は華美な装飾は極力省いたという感じのシンプルなデザイン。それでありながら、そこはかとないセンスを感じさせるところが奥深い味わいを出している。
店内に入ると、分厚い一枚板の7人掛けテーブルと4人掛けテーブルのみという、これまたシンプルなつくり。しかしテーブル、照明、その他調度品などすべてが一体となっていい感じにまとまっている。これは蕎麦にも期待が持てそうだ。

実はこちらの店主、元はプロのカメラマンだったのだが、約9年前にカメラマンをやめてこのお店を始めたのだそうだ。しかもその直前までは蕎麦嫌いだったとのこと。
そんな店主が蕎麦屋を始めたのは、40代の頃に友人の実家がある長野に行き、そこで蕎麦を食べてこれまでの蕎麦の認識を180度改めさせられたほど衝撃を受けたのがきっかけとか。蕎麦の味の豊かさ、深さを知って蕎麦にとことんのめりこみ、東京に戻ってからも蕎麦を食べ歩くが、“名店”といわれている店に行ってもその衝撃の味を超えるものにいっこうに出会えず、蕎麦への思いだけがどんどん大きくなっていく。
ならば自分でそれを超えるそばを打とうと、ついには蕎麦の学校まで通い、天ぷらも蕎麦屋に入って報酬なしの見習い修行を3ヶ月ほど徹底的にやった。嫌いなものを好きになると、それまでの反動で一気に突っ走ってしまうものなのかもしれない。

木香2
木香2

そして演出にも気を使った。
メニューには和紙に書道の得意な奥様が文字を書いた。照明も落ち着いた感じで、テーブルに使っている木は、樹齢450年の神社の御神木だったものを使用している。(もちろん寿命で倒れたものを使用しているのでご安心を。)
これはオーナー曰く「“また来たくなるお店”というのを考えたんです。美味しいのは大切だけど、ハッキリいってそれは最低条件。やっぱりまた来たくなるには、食べた後に落ち着ける余韻が必要だと思ったんですよね。」とのこと。
その通り、今では評判が評判を呼び、千葉、埼玉、神奈川、そして遠くは栃木から来る人も。中には所沢から毎週のようにやってくる人もいるのだとか。

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