ベロクラフト インタビュー

★リード★

大槻様が自転車製作において大切にされている(こだわりをもっている)のはどのような点でしょうか?

大槻正哉さん
大槻正哉さん

★本文★

大槻様と自転車との出会いから、現在までの経歴を教えてください。

ベロクラフト
ベロクラフト

出会いは小学生の時です。小学生の頃って、自転車であっちこっち行くのって楽しいじゃないですか。今までは親に連れられて電車で行くか徒歩圏内だったのが、自転車になると、隣の街まで、さらに隣の街までって、行動範囲が一気に広がるから。だから、「自転車って楽しいな」という風になったわけですね。それが最初です。

僕は中野出身で、おばあちゃんの家が浦和にあったので、「ばあちゃんの家までサイクリングで行ってみよう」とか、高学年の頃はそういう感じでしたね。その頃はすでにスポーツ用の自転車に乗ってましたよ。

そこからどんどんハマっていって、「自転車屋になろう」ということは、子どもの頃からずっと思ってきわけです。高校に入る時にも自転車部がある高校を探して入って、そのまんま、この会社に巡り会って入って、それから二十数年。自転車一筋です。我ながらよく飽きないなと思いますね。

どのようなきっかけや想いから“旅を楽しむ自転車”をコンセプトとした「ベロクラフト」が生まれたのでしょうか?

ツーリング用の自転車が並ぶ
ツーリング用の自転車が並ぶ

この店はできて7年目になるんですけれど、それまでは、(CWSという店で)自転車を総合的に売っていて、その一部分でツーリングの自転車も当然やっていたんですけれど、今から10年ぐらい前ですかね、本当に(ツーリング自転車の)人気が無くなって「もうこういう自転車って世の中から無くなっちゃうんじゃないの?」って時があったんですね。

僕が中学生、高校生の頃には、ツーリング用の自転車っていうのは普通に、街の自転車屋さんでも売っていたんです。でも、僕が仕事を始めてからは、ツーリングの自転車っていうのはどんどん衰退していって、まず見なくなっちゃったんですね。自転車だけじゃなくて、自転車でツーリングをする文化自体が、もう無くなるのかな、って思ったんです。

なので、「それじゃもったいないよね」ってことで、ツーリングの自転車だけの店を作って、情報発信をして、そういう遊び方をお客さんに知ってもらおう、ということで、ここができたという感じです。

要は、ツーリングバイクがほとんど無くなってしまったので、それを復活させよう、ということで作った店なんですね。

具体的にはどのようなブランドのツーリング自転車を取り扱っているのでしょうか。

店内の様子
店内の様子

ブランドは全然関係ないんです。「いいと思ったものだけ売る」ということだけです。たとえば一つのメーカーで、いいツーリング用の自転車をずっと出していたというところがあれば、それをずっと扱いますけれど、それがモデルチェンジして、ダメな自転車になっちゃえば、新型でも取り扱わなくなったりもするし。基本はそういうスタンスです。「いいものだけ」ということです。

オーダーの自転車も作ってくださるんですね

オーダーメイドも請け負う
オーダーメイドも請け負う

これも仕方なくなんです。完成品を主に展示していますけれど、この中に欲しい自転車が無い時には、オーダーでも作るよ、ということですね。

そもそもツーリングの自転車って、市販の自転車があまり出ていないんですよ。欲しいけれど、乗れる自転車が無いんです。だから、しょうがないからオーダーメードで作っているんです。しょうがないから、ムダに高いけれど作っている、そういうことです。

ツーリング用の自転車の特徴とは、何でしょうか?

荷物に合わせて自転車を選ぶ
荷物に合わせて自転車を選ぶ

「荷物を積んで一番速い自転車」ということです。だから荷物を積んで安定するように造ってあるんですね。フレームも違うし、場合によっては敢えて重たく作るということもあります。「重たく」というとマイナスに捉えられてしまうこともありますけれど、言い換えれば、丈夫に作ってあるということですから、もちろん故障もしにくいです。

あとは、「自転車」って、ツーリングするという行為の中では、重要度は低めなんです。自転車よりも積む荷物のほうが重要なんですよ。だから「この荷物を積むから、この自転車だね」という分け方になるんですね。荷物の量で、薦める自転車も変わってくるというのがこの種の自転車の特徴です。

自転車旅の初心者でもできる、自転車選びのポイントなどがあれば教えてください。

自転車用のカバン
自転車用のカバン

荷物の量を先に決めること。もうそこしか無いんですね。全部そこです。

今は「自転車でツーリングをする」っていう文化がすごく廃れてきちゃっているので、自転車ありきで物を考える人が圧倒的に多いんです。自転車屋を含めて。

でも、実は自転車は二の次で、「何を積むか」ということが第一なんです。1泊しかしなくても、荷物が多ければそれ用の自転車になるし、日本中回るという人でも、クレジットカード1枚で済まそうと思う人はそれ用の自転車になるし。だから「荷物の量」が重要なんです。

実際にはどんなお客さんが利用されているのでしょうか?

自転車の部品も販売されている
自転車の部品も販売されている

「ツーリングをしたい」っていう人は、男女年齢あんまり関係ないので、うちとしても特にターゲットの年齢層とか男女比率とかは考えていないんですけれど、実際に来るお客さんは、やっぱり「ツーリング用の自転車が当たり前にあった時代に若かった人」が多くなります。つまり50~60代の人ですね。あとは、大学生、20代です。その二つに大きく分かれる感じです。

大学生はツーリング部とか、サイクリングクラブとかがありますし、20代だと自転車で日本一周をしよう、世界一周をしよう、とかいう子もけっこう多いので、そういう人たちも遠くから来ますね。「自転車はあくまで自分が遊ぶための道具であって、物にこだわっているわけではない」という若い子たちと、「たいして乗らないけれども良い物が欲しい」というオジサンたちです。

マニアックな店なので、近所のお客さんはほとんど来ないですね。でも全国からお客さんは来ます。(同様の専門店がある)関西以外は、全国から来ますね。

大槻さんはお店以外で、どのように自転車のある生活を楽しんでいますか?

自転車をチェックする大槻さん
自転車をチェックする大槻さん

実は、プライベートでは自転車にはほとんど乗らないんです。自転車に乗るほど暇がなくって。おかげさまで。ただ、自転車には仕事では乗るので、仕事が多ければ自転車に乗りますけれどね。自転車の専門誌などで、出て欲しいと言われれば、どこかに行って乗って、という感じです。もちろん、通勤とかで数キロ乗るようなのはカウントしないで、ですけどね。

そうですか…。とはいえ、家には沢山の自転車があるのですよね?

自転車用パーツ
自転車用パーツ

それはもちろん。僕にとって、自転車って研究材料で、楽しむものじゃないんですよ。お客さんに楽しんでもらうためには、こういうふうにしたらいいんじゃないか、ということを自分の肌で感じないとできないので、そのために買っているという感じですね。

吉祥寺周辺や武蔵野エリアでおすすめのサイクリングスポットや、ツーリングコースが教えてください

自転車用ホイール
自転車用ホイール

正直なところ、この辺だと走るところはあまり無いですね。せいぜい、公園めぐりくらいですかね。ちょっと行けば田無のほうから多摩湖に行くサイクリングロードなんかはありますけれど。

ただ、そこから先に発展性のある街ではあると思います。というのも、CWSもこの店も、吉祥寺に出店した理由というのが、走りやすいフィールドに行くためのベースとしては、このへんの地域がいちばんいいからなんです。中央線を使って輪行すれば、高尾や武蔵五日市にも出やすいし、西武新宿線であれば秩父のほうに出やすいじゃないですか。そもそも、都内を走っていてもつまらないですからね。坂が無いと面白くないんです。

お客さんは輪行をするような方が多いのでしょうか?

おしゃれなチェーンリング
おしゃれなチェーンリング

それはもちろん、輪行ありきの方が多いです。輪行と言っても、電車の人もいれば車の人もいますけれど、フィールドまで自転車を持って行って、そこで走って、また帰ってくる、というパターンがほとんどですね。

では、クロスバイクやロードバイクとの、楽しみ方の違いはどこにあるのでしょう?

荷物を積めることがツーリング用自転車の強み
荷物を積めることがツーリング用自転車の強み

それは、荷物を積めることですよ。荷物がある時の移動距離が長くなるし、疲れにくくなる。行った先のフィールドで荷物を積んで快適に走るには、ツーリング用の自転車が適しているんです。

吉祥寺から三鷹・関町にかけてのエリアの魅力、おすすめのスポットなどがあれば教えてください

ベロクラフトロゴマーク
ベロクラフトロゴマーク

自転車乗りとしては、「田舎に出やすい」というのが大きな魅力ですね。さっきも言ったとおり、中央線や西武線を使えば、連続した坂道がある、自転車で走りやすいフィールドに行けますから。みんな坂道を求めていますからね。

スポットということだと、三鷹に「ハイカーズデポ」っていう小さな、アウトドアのセレクトショップみたいな店があって、そこは軽いものとか小さいものを沢山置いているので、うちとリンクするところがあるんですね。お客さんのやりとりも多いんですよ。あそこは良い店だと思います。

あと、吉祥寺でご飯を食べるときは決まって第一ホテルです。あそこは吉祥寺は貴重な、僕らみたいなオジサンが和める場所ですね。葡萄屋さんもいいですね。お薦めです。

大槻さん
大槻さん

verocraft ベロクラフト

株式会社ジャパンヘルス 大槻正哉さん
東京都武蔵野市吉祥寺本町4-3-14
TEL:0422-20-3280
http://www.c-w-s.sakura.ne.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。



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