
「奄美鶏飯と旬菜 ディダマンディ」は、町田市の北東部、多摩ニュータウンにも程近い、住所では小野路にあたる場所にある。車がひっきりなしに通る鶴川街道から少し脇にそれた場所だ。
この「少し脇にそれる」、それだけで騒々しい幹線道路とは雰囲気はがらりと変わる。訪れた季節は夏、蝉の鳴き声を聞きながら、森の中へ続く道へと進んでいく。
歩くことしばし、緑の木々が包み込むように茂る、そこにディダマンディは建っていた。店の脇にはカヌーが置かれ南国ムードを醸し出している。その森の隠れ家といった風情の建物を前にして、期待に胸が躍る。
菱形のガラスがなんとも味わい深い入口のドアは、店主手作りという。そのドアを開けると、木の温もりと、やわらかな照明に満たされている。そこは、今までいた場所とは、全く別の世界が広がっている。

これが奄美の時間の流れ方なのだろうか、心なしか時間もゆったりと流れていく気がする。日々の生活の中で知らず知らずに緊張していたようで、全身から力が抜けていくのが実感できるようだ。
窓から外の風景を見ると、ガラスの向こう側には、多摩丘陵の緑があふれている。こんな自然豊かな環境が、東京の町田にあるのだ。こんなにも美しい風景に恵まれたお店は、東京都内ではなかなか見つからないだろう。

沖縄料理店は数多くあるが、奄美料理店というのは珍しい。店主は徳之島に6年ほど住んでいたことがあるという。東京に移り住んで、島で暮らしていた時に身に付けた奄美料理を食べてもらいたいと、奄美料理店を出すことになったそうだ。
そんなお話を聞きいていると、「これはおいしいに違いない」と直感が告げる。旬のお野菜・素材をふんだんに使ったお店とのことで、どんなおいしい野菜を食べられるのか、とわくわくしてくる。
「ここのお店のおすすめは?」と店主に聞くと、「やはり奄美鶏飯でしょう」との返事が返ってきた。そのおすすめに従って、奄美鶏飯をいただくことにした。





