ワイン食堂 ツルカメ

相鉄本線「天王町」駅から「保土ケ谷」駅方面に歩くこと数分。「大門通り」の交差点を右に曲がった辺りにある「ワイン食堂ツルカメ」は、オシャレでモダンな雰囲気を備えたイタリア料理店だ。リストランテのような上質さを感じさせつつも、アラカルトがベースのカジュアルな料理を提供しており、店名の通り「ワインが主役」というお店。夜遅くまで営業しているためバル的な利用もしやすいという、使い勝手の良い店である。もともとの開業は2013(平成25)年だが、2016(平成28)年の5月に全面リニューアルを行い、内装とメニューをグレードアップ。営業形態も変えて、ディナーのみのお店となった。

モダンな店構えのツルカメ食堂
モダンな店構えのツルカメ食堂

カジュアルだが上品さも併せ持つ店内
カジュアルだが上品さも併せ持つ店内

この店の主である杉本豊樹さんは、もともと横浜市内のイタリア料理店で料理長を務めていた腕利きのシェフ。相鉄線沿線に生まれ育ったことから、「相鉄線沿いの静かな住宅地で、地元の方にカジュアルに使ってもらえる店を作りたい」という思いを抱きつづけていたという。そんな折、商店街と住宅地のちょうど境界あたりに立地し、YBP(横浜ビジネスパーク)にも近いこの場所を見つけ、ここに店を持つことを決めた。今では前の職場で2番手だったシェフを迎え入れ、自身はホール担当として一歩身を引いて、一緒に店を切り盛りしている。

オーナーの杉本さん(右)とシェフの吉田さん(左)
オーナーの杉本さん(右)とシェフの吉田さん(左)

イタリアっぽくない「ツルカメ」という名前は、「地元の皆さんに覚えてもらいやすいように」という由来。「ご年配の方も多いので、鶴と亀ならおめでたくて、ちょうどいいかと思って」と笑う。杉本氏は横浜で仕事をしていた時代に、「横浜市内だと美味しい店があるけれど、わざわざ地元から出てくるのは大変」という声をしばしば聞いており、それに応えるようなお店にしたかったのだという。よく見れば梁に古材を使ったり、外観に瓦のモチーフを使ったりと、随所にそういった配慮が見られる。

訪れるお客さんは、狙いどおり市内のワインバルよりもやや年齢層が高めで、何度もリピートしてくれる常連さんが多いという。次いで多いのはビジネスパークで働くサラリーマンのグループ。遅い時間帯になると、この付近に住んでいる職場帰りの方が、一人でふらりと立ち寄る姿も多いそうだ。予約も週末以外は特に必要なく、誰でも気軽に入れる雰囲気の店なので、まずは気軽に立ち寄ってみてほしい。

料理は「ワインに合うもの」ということをベースに考えている。人気があるのはやはり肉料理で、最初の一品として「豚肉の田舎風パテ」をオーダーする人が特に多いという。こちらはいくつかの部位の肉を異なる大きさでカットし、食感に変化を持たせたもので、もちろんワインとの相性は最高。毎回必ず食べるお客さんが多いそうだ。このほか、レバームースやパルマ産の生ハム、チーズのテリーヌ、パイの肉料理、黒毛和牛のステーキ、ラム肉のトマト煮込みなど、いかにもワインに合いそうなメニュー名が、黒板に連なっている。

“ワインに合う”のも料理の基準
“ワインに合う”のも料理の基準

飴色のカウンターテーブル等、若々しすぎない内装も地元への配慮
飴色のカウンターテーブル等、若々しすぎない内装も地元への配慮

豚肉の田舎風パテ
豚肉の田舎風パテ

店内の黒板にはワインにぴったりなメニューがずらり
店内の黒板にはワインにぴったりなメニューがずらり

肉料理のもうひとつの看板メニューは、「ローマ風牛モツの煮込み」だ。これは現地でも日本のモツ煮同様に気軽に食べられているもので、本場に倣って白インゲンをたっぷりと入れ、香味野菜から煮出したスープでコトコト煮込んで仕上げている。当初は限定品としていたそうだが、あまりの人気のため定番化したという逸品。これでお値段680円というのだから、オーダーしない手は無い。

ローマ風牛モツの煮込み
ローマ風牛モツの煮込み

野菜に地物を使っているという点も、この店ならではのこだわりの一つだ。保土ケ谷区内をはじめ、横浜市内各地の農家でその日の朝採れた野菜が専門のルートで配送され、その日のディナーに並ぶ。その美味しさを存分に堪能できるのは、やはり生野菜。「横浜野菜のバーニャカウダ」はニンニク臭さを抑えるように作っているそうで、特に女性には評判が良いという。もちろん、アンチョビや塩味はしっかりしているので、ワインとの相性は最高。このほか、パクチーサラダや生ハムサラダなども人気があるそうだ。

横浜野菜のバーニャカウダ
横浜野菜のバーニャカウダ

シェア前提の大皿料理以外に、小皿料理も色々と揃っている。こちらはフライドポテトやガーリックトーストなど、十数種類のものが日々書き換えられていくそうだが、値段が300円もしくは500円均一なので、予算を決めて“一人飲み”する時などには特に便利。ワインも比較的リーズナブルな価格なので、2~3千円もあれば十分に満腹になれそうだ。

ワインについては、特にイタリア産にこだわることはせず、世界各国の銘柄から、店主がテイスティングして「これなら納得」という、高品質・低価格のものを中心に揃えている。そのため、いわゆるブランド産地のワインは少ないが、そこは「ワイン食堂」と銘打つだけあり、しっかりと目利きをして、「初めて飲んだけど、これは美味しい!」と感動してもらえるようなワインを揃えているという。杉本さんはソムリエの有資格者でもある。敢えて「おまかせ」でオーダーしてみれば、新しい出会いに恵まれることだろう。

初めて出会うワインでも、お気に入りが見つかるかも
初めて出会うワインでも、お気に入りが見つかるかも

カウンターでの独り飲みから、グループでの歓送迎会、スペシャルな日のご馳走料理まで、何でも対応してくれる懐の広さと、引き出しの多さを持つ「ツルカメ」。それでいてリーズナブル、カジュアル、予約不要、深夜営業など、敷居が非常に低いことが、この店のユニークなところだ。この界隈に暮らす、または働く“ワイン好き”の方は、ぜひ一度訪れてみてほしい。

ワイン食堂 ツルカメ
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区岩間町2-100-10 
電話番号:045-744-9033
営業時間:11:30~14:30 (L.O.14:00) ※平日のみ、17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:第3月曜日、日曜日
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A1403..



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