菓子の音
まずは「プリンパフェ」。ご覧の通り、容器の部分がワッフルになっている。「器まで食べられます」と銘打つ通り、跡形丸ごとおいしく頂けてしまう。
中身のプリンは、「これぞプリン!」という味わいのとてもスタンダードで老若男女に愛される仕上がりになっており、まわりに施されたフルーツや、下地になっているスポンジとの相性もいい。ワッフルには砂糖をとかしたものが施され、最後まで美味しく食べられる仕立てになっている。
目を引いたのが、「ケーキ屋さんの桜もち」である。ご年輩の来店客が多いということもあり、抵抗感なく和菓子のように食べられるスイーツを、という思いからつくり上げたものだという。
食感は、確かに和菓子の風情。しかし、中には生クリームや抹茶の風味を施したスポンジが収められており、洋菓子らしい感じも楽しむことができる。
「焼き」にこだわりがあるとのことで、焼き菓子もいくつか試してみる。
お店のお薦めの中から、まずは「レーズンサンド」。
比較的スタンダードなものをあえてチョイスするところからも、かなりの自信がうかがえる。一口食してみると、確かにこれは美味い。レーズンは、まるでうなぎのタレのように注ぎ足し続けた煮汁で仕立てたものだという。この濃厚な味わいは、他に類を見ない。
もう一品、「ダックワーズ」に使われているアーモンドの粉は、かなり上質なものを厳選して使用しているという。中国地方出身の店主が、地元のよい粉を選んでいるのだそうだ。
食すれば、確かに上質だ、ということが口にした瞬間に伝わってくる。単にアーモンドの味わいという狭い世界に留まらず、とても広がりのある味わいを感じさせてくれるのだ。