「宮前区役所」のすぐ隣、行政機関が集まるエリアに、大きな木々に覆われた洋館が建っている。地元で「グリーンヒル」と言えば「ああ、あそこね」とすぐに会話が通じるほど、ほぼ100%の知名度を誇っていた店が、かつてここにあった。
「茶寮・游旬」の前身である「グリーンヒル」が創業したのは1973(昭和48)年で40年以上近くも前のこと。気品があり、優雅で落ち着いた雰囲気のカフェレストランとして、往年のファンを惹きつけてやまなかった。だが、リーマンショックにともなう大不況の影響で、良心的な経営を続けてきた「グリーンヒル」は、廃業をやむなくされてしまったのだという。

しかし、閉店後にお客さんから「再開してほしい」という声が次々と届いたそう。そこで、薄利で門戸を広くしていたかつての「グリーンヒル」を改め、より上質でラグジュアリーな店へと、そのスタイルを一新させた。席数は70席から7卓(20席)へ、4分の1程度まで減らしたという。
「少ない人数でも無理なく運営できるようにしたんです。席の間隔も他店では例がないほど広く空けました」と語るのは料理長の齋藤氏。以前は調理場も数人でタッグを組んで回していたそうだが、現在はひとりで作っているという。
それにともない、価格やメニューも一新。料理はコースのみとなり、ひとりのシェフが最初から最後まで、すべてを担ってくれるという本格志向の店となった。当然、素材もよりグレードの高いものを使っている。記念日など特別なシーンでは、ぜひ使ってみたい「ワンランク上の店」になったのである。





