うつわ祥見 onari NEAR

日々の食事において、誰もが使い親しむ道具である「器」。非常に身近なものながら、いわゆる陶芸家の作品については敷居が高く感じる人もいるのではないだろうか。「うつわ祥見 onari NEAR」は、その敷居を感じさせずに「使うための美しい器」として器の作り手と使い手とを結ぶ場である。

「鎌倉」駅西口を出て由比ヶ浜方面へ向かうとすぐ、鎌倉の生活に根ざした昔ながらの「御成通り商店街」が現れる。御成通りを5分ほど歩いた突き当たりにあるのが、2009年(平成21)年にオープンした「うつわ祥見 onari NEAR」だ。中に入ると、モダンかつシンプルながらも気取らず落ち着いた内装とともに、石田誠、尾形アツシ、小野哲平といった数々の著名陶芸家の作品が出迎えてくれる。生活に直結した商店街で作家たちの器を手に入れられるというのも、まさに同店の思想を体現している。

メインに配するのはあくまで「器」そのものであるという考えに基づき、作家別ではなくそれぞれの器の役割やデザインを踏まえて作品を配置している。不要なディスプレイを排したウッディな空間の中では、ひとつひとつの器が語りかけてくるかのようだ。気になった作品を手に取り、手触りや質感を感じる、使っているイメージが心に浮かぶ。この、たったひとつの器との出会いを楽しむ…器と向き合い、使い手側の感性を引き出すための工夫が、見事に室内に満ちている。

オーナーの祥見知生氏は「器をアートとして楽しむのみではなく、日常の中で使ってほしい。美しいけれど偉ぶらず、丈夫に作られているもの。経年の変化を楽しむことができるもの。それが、食べるための道具としての器の役割ではないか」と語る。器の意味と価値をまっすぐに見据える祥見氏と思いを共にする作家たちの作品が、産地を問わず全国から届けられる。そして祥見氏の思いに共感し、器との出会いを求める人々が、地元鎌倉はもちろん地方からも訪れる。常設の作品のほか、月替わりで作家展も行っているが、開始初日には半数ほどがなくなってしまうほどの人気だ。

「器も、木や皮と同じく経年の変化で育っていきます。価値のあるもの、しかし日常で使用するという観点からも妥当な価格であるものを長く大事に使っていく。その楽しみを、器を通じて味わってもらえたらと思います。器の特徴や使い方など、わからないことがあればスタッフに何でも聞いてください」と語る祥見氏。大量生産・大量消費ではない、本質を見据えた「もの」との付き合い方。それはまさに、歴史と文化が深く刻まれる鎌倉らしい生活スタイルではないだろうか。

うつわ祥見 onari NEAR
所在地:神奈川県鎌倉市御成町5-28 
電話番号:0467-81-3504
営業時間:12:00~18:00
定休日:火曜日、第2・4水曜日
http://utsuwa-shoken.com/near/index.html



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