「オール昆陽里」が合言葉 地域が一体となった環境づくり/伊丹市立昆陽里小学校 校長 峰松誠治先生

昆陽里小学校
峰松 誠治 校長先生

「オール昆陽里」が合言葉
地域が一体となった環境づくり

今年で創立43年目を迎えた「伊丹市立昆陽里小学校」は、『みんな一緒に力いっぱい』を合言葉に地域が一体となり育んできた伝統校。昨年赴任した峰松誠治校長先生は、教師が力を合わせた「チーム昆陽里」や、地域の人や保護者を含めた「オール昆陽里」での取り組みに力を注ぐ。学校と地域が力を合わせて学校そのものの力を伸ばし、それを子どもたちの今や未来に繋げるアプローチだ。地域との取り組み、学校行事、そして、学校OBの田中将大選手、坂本勇人選手についてなど、様々な角度から峰松校長にお話を伺った。

小学校の沿革について教えてください

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

1973(昭和48)年4月に開校し、今年で43年目を迎えております。伊丹市内には17の小学校がありますが、そのうちの12番目にできた学校ですね。創立当初は、伊丹市でもどんどん人口が増えていく高度経済成長の時代で、この近くの「稲野小学校」、「花里小学校」、「笹原小学校」の3つの小学校の一部が校区を割って児童が集まり、1年目は4年生まででスタートしています。当時は530名ほどの子どもがおりました。

3つの学校から集まってきて、新たな学校を作っていこうということですので、先生方や児童会はイチから“私たち”“僕たち”の学校を作って行こうという意気込みをもってスタートしたようですね。その意気込みを示すキャッチフレーズとして、『みんな一緒に力いっぱい』という言葉があります。校舎の西側の側面にタイルの壁画がありますが、全児童が一つずつタイルを作っていき、それを合わせて一つの作品にしたものです。創立のときに「開校記念タイルモザイク壁画」として作られました。

43年の歴史の中で特徴的な活動などは実施されていたのでしょうか

伊丹市立昆陽里小学校 校舎
伊丹市立昆陽里小学校 校舎

この学校は色々な取り組みをしておりますが、海に行って1kmの遠泳などを行っていた時代がありますね。兵庫県自体が自然学校にシフトしておりますので、今は林間学校が多くなっていますが、伊丹市内の小学校の中でも臨海学校を実施していたのは少ないほうで、プールでしっかり泳力を鍛えてから海に行っていたようです。また、一昨年度末で、4年ほどかけて行われていました校舎の耐震補強の工事、プールの改装工事が終わっています。

教育ビジョンについて教えてください

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

学校の教育目標としては、「命輝き 笑顔輝く 昆陽里小学校 ―心豊かにたくましく生きぬく力を育てる―」というものを掲げています。目指す学校像としては、「確かな学力の定着」、「意欲や豊かな心を育む環境づくり」、「地域との密接な結びつき」を大切にしています。

目指す子ども像としては、「何事にもチャレンジして生きる力を備えた子ども」、「主体的に取り組む子ども」、「友人と支えあい切磋琢磨し合い、楽しい学校を作る心の豊かさ、そして、強い意志で行動できるたくましい子ども」の育成を目指しています。また、「授業を創造する」、「愛情を注ぐ」、「保護者や地域の期待に応える」という理想とする教師像も掲げています。本年度の方針として、「確かな学力の向上」を継続しながら、「基本的な生活習慣の確立と豊かな心の育成」、「開かれた学校づくりの推進」というものを、先生たちで共通理解を持って取り組んでいるところです。

「チーム昆陽里」「オール昆陽里」について詳しくお聞かせください

伊丹市立昆陽里小学校 壁画
伊丹市立昆陽里小学校 壁画

私は昨年度赴任してきたのですが、まずは教師が「チーム」になることが大切だと考えました。ただ、色々なことを考えているうちに、「昆陽里小学校」を中心に「昆陽里」という地域が盛り上がればいいなと考えるようになりました。

学校というものは、そこにいる者だけでは力は付かないですし、なかなか伸びて行きません。親の力や地域の方々の協力が絶対に必要です。学校が盛り上がれば、地域も盛り上がる。「チーム昆陽里」が中心となり、今年からは「オール昆陽里」という言葉を加え、盛り上げて行こうという願いを持っています。昆陽里という場所はそういう意味でも恵まれた土地柄だと思いますね。

小学校の行事などで特徴的な取り組みはありますか

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

地区の自治会の集まりで「地区会」というものがあり、そこが中心となってコメ作りの体験授業を7年間実施しています。今年は8年目になるのですが、小学校の向かいにある「昆陽南公園」の一角に田んぼを作ってもらっています。

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

地区の方々が作ってくれているのですが、1~2年生が代掻き(しろかき)をします。3~4年生が今度は田植えをします。そして、5~6年生が秋に稲刈りをします。そういう代掻きから収穫までを1~6年生までが系統的に行っているのは、伊丹市内でもここだけだと思います。

私が兼務で園長をしている「こやのさと幼稚園」が隣にあるのですが、その園児たちも代掻きに参加します。地域の方々が色々なお世話をしてくれて、12月の始めに、餅つきをして、みんなで食べて収穫を祝っています。

そのほか、地域との関わりについて教えてください

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

野球チームの「昆陽里タイガース」や剣道、サッカーなどのスポーツをする団体で「スポーツクラブ21こやの里」というものが組織されています。活動が活発で、指導者が集まって催しものなどもしてくれています。「昆陽池公園」でオリエンテーリングを行ったり、夏休みには「こやっこわくわくキャンプ」として、小学校の運動場にテントを張って子どもたちが泊まる行事も行っています。それらをスポーツクラブが中心でやってくれていますので、学校の方も協力させていただいている形ですね。

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

また、昨年度からは夏祭りが復活しました。小学校の工事をしていて運動場が使えなかったのですが、地域の方の話では5年ぶりに開催することができました。3,000~4,000人くらいの人が来てくれて、隣の校区などからも多くの人が来てくれましたね。

児童はどんな印象ですか?また、先生方の教育姿勢をお教えください

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

本当に明るくて「子どもらしい子ども」だなという印象があります。大人びているとかではなく、いろんなことに興味を示す人懐っこさが特徴的だと思います。教師のスタンスとしては、まずは子どもたちを中心に見ていこうということがあります。児童や保護者にアンケートさせてもらった昨年の学校評価があるのですが、その中で「授業がわかりやすくて楽しい」88.8%、「先生は教え方にいろいろ工夫している」89.7%、「自分を大切にすることや他の人への思いやりについて教えてもらっている」89.7%など、我々の取り組みに対して、肯定的な回答をしてくれていることが良かったなと感じています。

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

もう一つ、「全国学力・学習状況調査」というものが毎年4月に行われているのですが、その中で、授業でわからないところがあれば、「その場で先生に尋ねる」「授業後先生に尋ねる」と答えた児童が全国平均より14.1%も高かったんです。これはすごくうれしいことです。6年生が対象になっているのですが、高学年ともなると「わからない」ということが恥ずかしくて聞けなくなることもあるのですが、それを言える雰囲気を作れていたということなのではないか、と思っています。

伊丹市立昆陽里小学校 教室
伊丹市立昆陽里小学校 教室

また、「学校生活で悩みがあるとき誰に相談するか」との問いに「先生」、「友達」、「保健の先生」と答えた児童が全国平均より13.0%も高かったんです。学校にいる人に相談ができるというのは、そういう学級作りができたということで、すごく良い評価をもらったと思います。こういうふうな子どもたちを作っていこうと取り組んでいる中で、結果として昨年度に実施してきた方向性は良かったのかなと思っているところです。

保護者の方々もいろいろと協力してくれますか

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

PTAの方も非常に協力的です。いろんな学校行事、たとえば昨年度は伊丹市の研究発表会というのを行ったのですが、その時に執行部の方を中心に駐輪場の係をしていただいたり、学校の方でお願いしたことを積極的に協力していただいています。行事の前には草抜きなども執行部さんが声をかけていただいて、中庭、花壇などをキレイにしてくださいました。いまは共働きのご家庭も増えてますが、参観日などにはたくさんの保護者の方に来ていただいていますし、親御さんの子ども・小学校への関心も高いものがあると感じています。

ニューヨーク・ヤンキースに所属している田中将大選手、読売ジャイアンツに所属している坂本勇人選手の出身校とお聞きしました

伊丹市立昆陽里小学校 色紙
伊丹市立昆陽里小学校 色紙

子どもたちは100%知っています(笑)。子どもたちにとって田中選手も坂本選手もこの小学校出身ということで近しい存在として見ていると思いますね。それに子どもたちにプラスになっているなと感じるのは、この小学校に通っていた人が今、あれだけの選手になっている、身近なモデルになっているということで、「自分たちも頑張ろう」という気持ちを育てているんじゃないでしょうか。

伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー
伊丹市立昆陽里小学校 峰松誠治校長先生 インタビュー

田中選手は昨年はアメリカに行きましたので、小学校に訪問はしていないのですが、その前は毎年来てくれていました。また小学校に来て欲しいですね。2人が来たときは、体育館で集会などをさせていただきました。

最後に小学校周辺の雰囲気や魅力について教えてください

伊丹市立昆陽里小学校 校舎全景
伊丹市立昆陽里小学校 校舎全景

ここは落ち着いた雰囲気の場所だと思います。昔ながらの田舎の良さと、新しい家が建っている活発なところの両面がある場所だと思っています。地区のおじいちゃん・おばあちゃんがコメ作り体験を手伝ってくれたり、商店街も多く活気があります。また、学校の北側に広い「昆陽南公園」があり、様々な遊具があります。遠くから遊びに来る方もいらっしゃいます。

大きい道が近くにありながら、すこし入れば静かな環境、ほっとできる場所があるのがこの地域の良さだと思います。神戸や大阪に電車で1時間以内で行くことができますし、都会ではないですが田舎でもない。私も伊丹に住んで50年が過ぎるんですが、良いところだと感じています。

伊丹市立昆陽里小学校 校長先生
伊丹市立昆陽里小学校 校長先生

今回、話を聞いた人

昆陽里小学校

峰松誠治 校長先生

昆陽里小学校
所在地:兵庫県伊丹市山田2-1-2
電話番号:072-779-4164
URL:http://www.s-koya.itami.ed.jp/
※この情報は2015(平成27)年5月時点のものです。

「オール昆陽里」が合言葉 地域が一体となった環境づくり/伊丹市立昆陽里小学校 校長 峰松誠治先生
所在地:兵庫県伊丹市山田2-1-2 
電話番号:072-779-4164
http://www.s-koya.itami.ed.jp/

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