子どもの「今」を大切にする 社会福祉法人 ひまわり福祉会 ひまわりキッズガーデン豊洲 園長 石田利美さんインタビュー

社会福祉法人 ひまわり福祉会 ひまわりキッズガーデン豊洲 園長 石田利美さん

子どもの「今」を大切にする

高層マンションの建設にともない、子育てファミリー世代が次々と転入している豊洲地区。ママの復職率も高く、保育園需要が多い豊洲では、それぞれの個性的な保育理念を持つ保育園が多く見られる。ここ「ひまわりキッズガーデン豊洲」もその一つ。働く両親のの陰のサポート役である保育園は、子どもを預かるだけの場所から日々進化している。そんな「ひまわりキッズガーデン豊洲」の石田園長に話を伺った。

保育方針を教えてください

ひまわりキッズガーデン豊洲

現在8園ある「ひまわりキッズガーデン」では、共通して7つのキーワードを掲げ、保育の指針にしています。「出会う・見る・聞く・触る・体験する・語り合う・認め合う」この7つのキーワードのなかに、子どもが健やかに育つ全ての要素が詰まっていると考えるからです。先生方も「今週は“触る”というテーマで活動をしよう」というように日々の保育のなかにキーワード取り入れながら、今しかできない経験をなるべく沢山させてあげられるようにと心を砕いています。

朝早くから昼寝・おやつ・希望者には夕食までと、長い時間を過ごす保育園は、子どもにとってはまさに生活の場、生きていく力を養う場なんです。同じ年齢の子どもたちと過ごすことで、思い通りにならないことも、悔しい思いも、楽しさを共有する喜びも味わえます。私がここで子どもたちに習得してほしいのは、“生きていくうえでの知恵”。様々な経験を通して、優しく・たくましく育ってほしいと考えています。

具体的にはどんなことで体験できるようにしているのでしょうか

ひまわりキッズガーデン豊洲

具体的には、小さな園庭の隅っこに毎年必ずゴーヤやミニトマトなどの野菜を種から植えて、水や肥料を子どもが与え、実が成るまでのプロセスを体験します。全ての種から芽が出る訳ではなく、自分が世話を忘れて水をやらなければ枯れてしまうこともある。この植物の世話をするだけでも、「出会う・見る・触る・体験する」の4つのキーワードを体験ことができます。こうやって聞くと「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、芽を出した植物を初めて子どもたちが見た時の目の輝きは、表現できないほどキラキラとしています。

ひまわりキッズガーデン豊洲

芽といえば先日、先生が子どもに「ほら芽が出たでしょ?」と若葉を見せたら、一生懸命”目”を探している子どもがいたんです。笑いながらも、その子どもの素直さに感動もしましたし、同時に、植物の芽を見たことがなかったんだなぁ…と保育園で体験させることの大切さも実感しました。こんな小さな体験から、いろいろなことを学び・吸収していくのが子どもです。世話を強要するのではなく、子どもが率先して動けるような誘導や、気づかせてあげられるような保育を心がけたいと思っています。

なるべく自然のものを使用するようにしているとお聞きしたのですが

ひまわりキッズガーデン豊洲

園ではなるべく薬品は使わず、自然に近いもので対応するようにしているのも特徴です。例えば園庭で遊ぶ時も、ユーカリのアロマオイルを使用した虫除けを洋服の裾や帽子のツバに塗ります。床の掃除や手の消毒には、手づくりの「アルカリ水」で汚れを落としたうえに、「酸性水」で殺菌をする。一見手間がかかるように見えるかもしれませんが、子どもに触れるものはなるべく自然に近いものをというのが園の方針です。

また、0才~1才の子どもには布おむつを使用しています。濡れて嫌な感じが分かりやすいので、2才になるとほとんどの子はおむつが外れていますね。

給食ではどのような工夫をしていますか

「普通食」「アレルギー対応食」「離乳食」のほかに、前日に体調を崩していた子には揚げ物を焼き物にアレンジしたり、口の中を切ってしまった子にはオレンジをりんごにしたりと、個々の状態に合わせて「配慮食」もつくっています。こうした細かな対応も、給食スタッフが調理室で毎日手づくりしているからこそできることです。

毎月、園ごとに給食会議が開かれ、献立や行事食に関してかなり細かく打合せをします。朝は、その日に出すメニューを離乳食から配慮食まで全て私が試食して、切り方から柔らかさまでチェック。朝イチで登園した子どもたちの様子を聞いてから、調理スタッフと相談~調理~子どもに食べさせるまで、本当にチームワークで作り上げているという感じですね。

子どものカラダは食べたものからしか作られませんので、とにかくカラダに優しいもの・手づくりのもの、そして美味しいものを提供するために、日々精進しています。

豊洲はどんな街ですか

ひまわりキッズガーデン豊洲

豊洲と聞くと、「高層マンションと新しく整備された街」を想像する方も多いと思いますが、ひまわりキッズガーデンがあるのは昔ながらの商店街も団地も近い場所です。料理のための材料を買いに行ったり、老人福祉施設に子どもたちが訪問したり、お祭りや地元イベントに参加したり、地域の方々との触れ合いの時間をとても大切にしています。また震災の後は、地元の消防団の方と一緒に街を歩いて、「地震の時はこの自動販売機が倒れて来るから危ない」といったハザードマップを実地で確認したり、安全な帰宅経路を親子で考えたりもしました。

下町の温かい雰囲気や人懐っこさが残る豊洲は、子どもが育つ良い環境がまだまだ残っています。親だけでなく、地域で子どもを育てるという意識は大切にしたいですね。

今後の取り組みについて教えてください

ひまわりキッズガーデン豊洲

お仕事でお迎えが遅くなったお母さんたちが、帰宅してから夕食づくりを始めると、子どもの就寝時間が遅くなりがちです。また、やっと迎えに来てくれたお母さんが家事に追われていたら、子どもは一日あったことを話すこともできません。そういった時のために、園では前日予約制で夕食を実費で提供し、働くお母さんたちの負担を少しでも軽減してもらおうと考えています(※夕食の実費提供には細かな条件設定があります)。

また1日10名までの一時保育は、専業主婦のお母さんたちが上のお子さんの幼稚園行事や、通院・リフレッシュのために利用するサービスです。実はこの一時保育の申し込みには、専用ダイヤルを設けたくらいのニーズがあります。自身の勉強のためにお子さんを預けるママさんもいて、豊洲地区のお母さんたちの意識の高さも感じています。

保育園は働くお母さんが子どもを預ける場所、というイメージがあるかもしれませんが、育児講座や一時保育など専業主婦のママさんたちにも利用してほしいサービスがたくさんあるんです。育児講座では、「英語であそぼう」や「親子クッキング」など親子で楽しめる講座を用意していますし、今後は親子サロンのような自由に遊びに来られる場所としてスペースを提供したいという計画もあります。「ここに来れば相談できる」「友達を作れる」といったお母さんたちの心の拠り所になるような、地域の子育て基地の役割を担いたいと考えています。

ひまわりキッズガーデン豊洲

今回、話を聞いた人

社会福祉法人 ひまわり福祉会 ひまわりキッズガーデン豊洲 園長 石田利美さん

所在地:東京都江東区豊洲4-11-20-138号
電話番号:03-3532-4131
http://www.himawari-fukushikai.org/htm/menu-03-06-001.htm

※記事内容は2013(平成25)年5月時点の情報です。

子どもの「今」を大切にする/社会福祉法人 ひまわり福祉会 ひまわりキッズガーデン豊洲 園長 石田利美さんインタビュー
所在地:東京都江東区豊洲4-11-20 
電話番号:03-3532-4131
保育時間:7:15~18:15
休園日:日曜・祝日、12月29日~1月3日
延長保育:あり(18:15~20:15)
http://www.himawari-fukushikai.org/htm/m..