素の自分に戻れる街で、自然体の交流を楽しんで。/ラヂオキッチン 店主 堀田きよみさん


ラヂオキッチン
店主 堀田きよみさん

素の自分に戻れる街で、自然体の交流を楽しんで。

国分寺駅の北口側、本町1丁目交差点の角に小さな料理店「ラヂオキッチン」を営んでいる、堀田きよみさん。彼女はお店でも日々多くの人々と会話を交わしながら、この街に溶けこみ、盛り上げ、人々をつなぐ橋渡し役の一人となっている。堀田さんに店の特徴や料理にかける思い、国分寺の街の魅力などについてお話を聞いた。

最初に、お店を国分寺に出店された経緯を教えてください。

ラヂオキッチン
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私は東京に来てからずっと、三鷹から国分寺の間で生活をしていたんですね。中央線の街って、それぞれ独特の雰囲気があるじゃないですか。そういう雰囲気が好きで、お店の物件も中央線沿いでずっと探していました。いろいろ探した中で、地元の不動産屋さんの協力もあったので、ここに落ち着いたということなんです。

「ラヂオキッチン」というお店の名前の由来は何でしょうか?
また、お店のコンセプトについても教えてください。

ラヂオキッチン
ラヂオキッチン

コンセプトは「手作りの食べ物を通して地域の方々とコミュニケーションをする場」です。開店から11年経った今も変わりません。店の名前は、「メッセージを発信していけるお店になりたい」と願いを込めてつけました。ここでいう「メッセージ」とは、食べ物を通してコミュニケーションをしようよ!ということです。

開店から10年以上経って地元にもかなり定着されていることと思いますが、地域の方との交流や関わっているイベントなどについて教えてください。

ラヂオキッチン
ラヂオキッチン

「ぶんじバル」をはじめ、商店街の活動にはいろいろと関わっています。「ぶんじバル」というのは、北口の商店会が一緒になって企画・運営をしているイベントで、簡単に言えば、主に個人経営の飲食店を飲み食べ歩きまわって、いろいろなお店を楽しんでもらおう、という取り組みなんですね。7枚つづりのチケットを事前に販売して、それを買ってくださった方が、このエリアを回遊するというイベントです。私も運営側のメンバーなんですが、今年(2015年)で4回目になりまして、今年は9月に開催しました。

あとは、先日は「国分寺野外音楽祭」というイベントがあったんですが、ここの店も会場のひとつになって、東京学芸大学の軽音楽部(JAZZ研)さんにライブ会場として使ってもらいました。普段も店にチラシを色々と置いてありますので、地元のいろいろなイベントや情報は、ここで手に入れてもらえると思います。

店が主催のワークショップやギャラリー、ライブなどはありますか?

ラヂオキッチン
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いろんなものを盛り込みすぎるとお客さんは混乱してしまいますから、そうした企画をやりつつも、「イベントの店」「ライブの店」ということだけではなく、基本的には「料理を食べに行くお店」として認知してもらえたらと考えています。その上で、ときどきお祭りの会場になったり、周年パーティーでライブ演奏があったりという風にしていければと思います。

食を通じたイベントは時々企画していて、お客さんから参加を募集しての味噌づくりや、有志で山梨のワイナリーに行くツアーも時々しています。味噌づくりはいまお休み中なんですが、お客さんにまたやって欲しいと言われているので、今年の開催については検討しているところです。また年明けには、初心者向けのワイン教室を予定しています。ソムリエ資格を持つ私が講師を務めます。

お店には、どんな方が主に来られるのでしょうか?

ラヂオキッチン
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うちはとても年齢層の幅が広いと思いますよ。学生からお勤めの人、主に20代から60代までという感じです。家族連れも、男性も女性も、さまざまな人が来られます。夜だけの営業なので、割合としては女性よりも男性のほうが若干多いかもしれませんね。

カウンターで一人飲みをするような方は男性が多くて、女性は、テーブルで喋りながら過ごして、奥のテーブル席では学生が何人かで盛り上がっているような、そんな感じでしょうか。

幅広いお客さんたちに、「ラヂオキッチン」でどのように過ごしてほしいとお考えですか?

お店にいらっしゃる方は、地元の方、地元の企業の方、地元の学生さんがほとんどです。長くお店を続けていれば当然お客さんの入れ替わりはありますが、基本的に「学生からお勤めの人まで」「年齢層は幅広く」「男女は同じくらい」という所はあまり変わっていません。やっぱり特に仕事帰りの方などには、「素」になれるような場所、自分に還れるような場所として、くつろいで時間を過ごしていただけたらな、と思います。自分の家のようにリラックスしてもらえたら、一番嬉しいですね。

メニューは世界各国ものに及んでいるようですが、料理のコンセプト、看板料理などはあるのでしょうか?

ラヂオキッチン
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看板メニューは季節の煮込み料理です。春はクスクス、夏はアジアンカレー、秋はグラタン、冬はポトフ・・・といった具合に。年間メニューのビーフシチューにはかなり自信があります。また、旅をするのが好きなので、ヨーロッパの家庭料理や郷土料理、東南アジアの屋台料理など、旅先で出会って感動したものを出すこともあります。私は、カテゴライズされるということが苦手で、窮屈に感じるので、自分の興味の湧くままにメニューを作らせてもらっているんです。

ラヂオキッチン
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今、お店の方向性としてはワインに力を入れていまして、私自身もワインの勉強をしています。そしてワインと合う料理に力を入れていきたいと思ってます。特にヨーロッパの郷土料理に興味がありますね。家庭的な雰囲気の中で、ワインと料理を安価で楽しんでいただけたらな、と思います。

「スローフード」という言葉を掲げていらっしゃいますが、これに関してのこだわりなど、お聞かせください。

ラヂオキッチン
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「スローフード」という言葉については、イタリアのスローフード協会がいろいろと定義付けをしていますので、今後はこの言葉を使わないようにしていくつもりですけれど、もともとこの言葉を使っていたのは、「手作りの、手間ひまかけた料理だよ」ということを表すために、すごく使いやすかったからなんですね。

もちろん今後もずっと、「手作り」というコンセプトは守ってきたいと思います。そうでないと「ラヂオキッチンじゃない」ということになってしまいますので。

国分寺産や長野県産などの野菜、食材を多く使っているようですが、これについてのこだわりを教えてください

ラヂオキッチン
ラヂオキッチン

国分寺は農家さんも多く、直売所やJAも充実してます。地場野菜は季節を教えてくれるし、とびきり新鮮!料理のアイデアの源となります。

長野県産が多いのは、私が長野県上田市だからなんです。野菜を送ってくれるのは私の母です。つい先日も加工用トマト(生食用とは異なるイタリア品種)が20kgも届いたので、早速トマトソースにしました。美味しいですよ!そして、じゃがいもと坊ちゃんかぼちゃも到着です。これらはグラタンにしましょうか。秋冬はきのこが楽しみです。それに、長野県には美味しいワインもあるんですよ。そういったものも紹介していきたいと思っています。

国分寺の街の将来に期待することは、どんなことでしょうか?

ラヂオキッチン
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この街は「どのような方とも、ささやかな交流ができる」ということが魅力だと思います。私個人の話をすると、常連さんであれ、初めての方であれ、お客様との交流がとても楽しいんです。

ラヂオキッチン
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実はさっき言った「ぶんじバル」なんかも、同じように「店と地元の方々をつなぐ」というイベントなんですが、私自身もこの運営側の人間として、ほかのお店に参加をお願いしに行くわけですよ。そうすると、お店の人を思いがけなく楽しく話ができたりして、そういうほどよい距離の人間関係がいいんですとね。だから今後も、つねにそういうのが残っている、あったかい街であってほしいな、と思っています。

堀田さんにとって、国分寺の魅力とはどんなところでしょうか?

「素になれる」というところでしょうか。都心で働いて、帰ってきたら自分に戻れる街なんですね。主人もよく言っているんですが、1週間働いても、土日はここで過ごして、このあたりを散歩すれば、自分を取り戻せる。そういう街なんだと思います。確かに、私もそういうところが良いところなんじゃないかな、って思っています。

あとは、商店街に個人店が多いところがおすすめですね。これから国分寺に住みたい、マンションを買いたい、という方もいらっしゃると思いますが、そういう人もぜひ街に出ていただいて、この街でお気に入りの店を探していただいて、そこで楽しんで、くつろいでいただければと思っています。この店もそのひとつでありたいし、街全体もそういう街であり続けてほしいと思います。

ラヂオキッチン
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今回、話を聞いた人

ラヂオキッチン

店主 堀田きよみさん

ラヂオキッチン
所在地:東京都国分寺市本町2-17-2
電話番号:042-325-9907
URL:http://members.jcom.home.ne.jp/radi-kitch/

※記事内容は2015(平成27)年8月時点の情報です。

素の自分に戻れる街で、自然体の交流を楽しんで。/ラヂオキッチン 店主 堀田きよみさん
所在地:東京都国分寺市本町2-17-2 
電話番号:042-325-9907
営業時間:18:00~23:30
定休日:月曜日
http://radi-kitchen.sweet.coocan.jp/