歴史ある街で子どもたちを見守り続けてきた伝統校 荒川区立第二日暮里小学校 水井雅史校長先生

荒川区立第二日暮里小学校
校長 水井雅史先生

歴史ある街で子どもたちを見守り続けてきた伝統校

日暮里の繊維街通り沿いにある「荒川区立第二日暮里小学校」は、この地で100年以上もの間、地域の人々に親しまれている伝統校。広々とした校内では児童がのびのびと学校生活を送っている。今回は、唱歌「夕焼けこやけ」の生まれ故郷としても知られるこの学校を訪れ、校長の水井雅史先生にお話を聞いた。

「荒川区立第二日暮里小学校」の沿革について簡単にお聞かせください。

日暮里第二小学校

本校は創立が1891(明治24)年の11月でして、2014(平成26)で105周年になります。学校名の通り、この辺りでは2番目に古い学校となりまして、もともとあった日暮里地区の寺子屋から、まず最初に「第一日暮里小学校」(当時は「日暮尋常高等小学校」)ができまして、1891(明治24)年にその分教場として本校が誕生しました。ですから卒業生の方も地域には大勢いらっしゃいまして、それが本校の特色のひとつになっています。

学区については日暮里地区、具体的には東日暮里5丁目と6丁目としていますが、荒川区では現在隣接学区の選択制制度をとっていますので、日暮里地区に住んでいる方については、ひぐらし小、第三日暮里小、本校の3校を希望することができます。

日暮里第二小学校

また、繊維通りに面した一角に「夕焼けこやけの石碑」がありまして、これが学校のシンボルとなっています。この歌の作詞者の中村雨紅先生が、本校と、お隣の第三日暮里小の2校で教員を務められていたという関係で、本校は「夕焼けこやけの発祥の学校」と言われております。校長室にあるこの歌詞も、中村雨紅先生の直筆のものです。

「荒川区立第二日暮里小学校」の子どもたちの印象についてお聞かせください

日暮里繊維街

明るく元気で素直な子どもたちが多いですね。それから、比較的落ち着いている子が多いと思います。その背景には、学校を取り巻く環境の良さということもあるのでしょう。

ここは日暮里の繊維街に面したところで、商業地と住宅街が混在していまして、住環境の良さは昔から変わらず、静かな環境が保たれていますし、地域の活動も非常に活発です。学校・地域・保護者が一体となった教育活動が行われているということが、こういった子どもたちの雰囲気につながっているのかと思います。

学校目標、教育目標についてお聞かせください

日暮里第二小学校

大きな教育目標としては4つ、「心ゆたかな明るい子」「よく考えてくふうする子」「なかよく力を合わせる子」「健康でねばり強い子」という言葉を掲げていまして、その中から、毎年重点目標をローテーションしています、今年度は「健康でねばり強い子」が重点目標となっています。

 

その実践のひとつの例ですが、2014(平成26)年度は「子どもの体幹を鍛える研究協力校」ということに指定されまして、「起立、礼、着席」を授業のたびにしっかりと行いながら、児童集会でタオルを使った体幹体操や「ケンケン相撲」などにも取り組みまして、日常生活を通して、姿勢を正し、体幹を鍛えるということを行いながら、研究に協力しています。研究については東京都教育委員会と早稲田大学が行っているものですね。こうして体幹を鍛えることで正しい姿勢を身につけ、健康でねばり強い児童の育成につなげられれば、と考えております。

マーチングバンドが地域のイベントなどで活躍されていると聞きました

そうですね。本校はマーチングバンドがとてもさかんでして、4年生以上が全員参加ということで取り組んでいます。3年生も楽器こそ演奏しませんが、フラッグを持って参加しています。マーチングを通して音楽的な情操を養えれば、ということで取り組んでいます。マーチングバンドは地域で開催している「社明パレード」をはじめ、いろいろな場面で演奏していますので、近隣の方々の間では、定着しているものだと思います。

「1人1台タブレットPC」導入モデル校になっているそうですが、これはどのような内容、目的で行われているものでしょうか?

日暮里第二小学校

本校は2013(平成25)年度から荒川区の「1人1台タブレットPC導入」事業のモデル校になりまして、先進的な取り組みをやらせていただいています。荒川区全体としても、小学校では2学級に40台程度、中学校で1人1台という形で導入しているのですが、本校はモデル校ということで、1人1台のタブレットPCが与えられています。

この事業の目的としては、やはり「21世紀型スキルの習得」ということを目指していまして、情報端末を使いながらコミニュケーションを取ったり、検索をしたりと、これから時代に求められていくようなスキル育成を進めていく予定です。

 

無線LANでインターネットにも接続していますので、学校中どこでも使うことができまして、従来のパソコン教室での活動に比べても、より「アクティブな活用」ができていると思います。たとえば校庭で調べ物をしたり、自然観察の時に利用したり、という具合ですね。まだまだ活用の幅は広がると思います。

タブレットPC以外にも、テレビ会議システムなど先進的な設備がありますね。これはどのように活用されているのでしょうか?

荒川区立第二日暮里小学校 校長先生インタビュー

テレビ会議システムは本校が独自に導入したものでして、荒川区内でこれを設置しているのは3校のみとなるのですが、実際の利用シーンとしましては、本校は山形県鮭川村の鮭川小学校さんとずっと交流をしていますので、その中で活用をしていますし、区内のほかの設置校との交流もテレビ会議を通じて行っています。

日暮里第二小学校

このうち鮭川小さんとは「鮭の交流事業」とということで、提供していただいた鮭の卵を本校で稚魚に孵化させて、それをある程度まで育てて、山形県に持って行って放流するという取り組みをやっています。昇降口の水槽で育てている鮭は、そのうちの一匹なんですよ。

「ににち寺子屋」とは、どんなものでしょうか?

日暮里第二小学校

これは放課後の学習教室、と考えていただければ良いと思います。全学年でそれぞれ行っているもので、希望者全員に、週2回、学校内で学習教室を開くというのものです。算数と国語の2教科について、基礎の定着を目指して行っています。同様のもので夏休み中に行う「ににちサマースクール」というものもありまして、こちらは二教科だけではなく、より幅広く行っています。

「放課後子どもプラン」とは、どんな取り組みでしょうか?

日暮里第二小学校

今までも「学童クラブ」というものがどこの学校にもあったかと思いますが、これは「3年生まで」という条件がありまして、それ以上の子どもたちは入れず、不便を感じておられた保護者の方も多いと思います。そこで「学童クラブの全校版」ということで、荒川区が独自に作ったものが「放課後子どもプラン」でして、申し込みをすれば、全学年の子どもたちが入れるようになっています。クラブの名前としては、「にこにこすくーる」という名前が付いています。

荒川区立第二日暮里小学校 校長先生インタビュー

これは校内の余裕教室を使って運営しているものですが、区の児童青少年課から民間に委託しているものですので、運営は民間の事業者となっています。本年度は全校児童の8割以上がこちらに参加しているかと思います。

内容としては、自由に過ごす時間ももちろんありますし、宿題の面倒を見てもらったり、こま回しやけん玉など、いろいろな体験もさせてくださっています。学校内ですから、安全が確保されているというのは大きな魅力かと思います。

「たて割り班」での活動もあるそうですが、どのような内容ですか?

日々の児童集会でも、たて割りの集団遊びをやっていまして、これは高学年の子が企画して、低学年の子を楽しませてくれるというものです。ほかにも「なかよし清掃」ということで、校舎内をきれいにする活動も月に2回程度行っていますね。これらの活動を通して、上級生にとってはリーダーシップを発揮する機会になりますし、下級生にとっては、異学年交流の良い機会になっているかと思います。本校は単学級でクラス替えがありませんから、たて割り活動を通して、いろいろな集団を体験させたいと思っています。

校内行事、校外行事について特徴的なものを教えてください

旧岩淵水門

大きな校内行事としては、毎年春に行っている運動会がありますし、秋については、音楽会、学芸会、展覧会を3年に1回ずつ、順番に行っています。いずれも沢山の保護者の方に来ていただいております。

 

 

校外に出るものですと、5年生が清里、6年生が下田に移動教室に行っていまして、それぞれの行き先で、農業体験、酪農体験、ハイキングなどを行っています。3年生の授業では、区内めぐりということで岩淵水門に行きますし、5年生の学習の一環として、本年度は君津の製鉄所に工場見学に行きました。

「ににちレンジャー」の活動ではタスキをかけた子どもたりが、挨拶や清掃を行っているそうですが、これはどのような取り組みですか?

日暮里駅前

「ににちレンジャー」というのはかねてから行っているものでして、もともとは、先ほど申し上げたように児童数が少なくなった時期に、「学校を活性化しよう」という目的で学校側が主体になって始めたものですが、そのまま伝統になって継続されています。主な活動には「あいさつ運動」がありまして、これは全学年から当番制で児童が校門の前に立って、地域の方にあいさつをするというものです。これ以外には、日暮里駅前の環境浄化活動にも毎月1回参加しています。「ににちレンジャー」というのは、これらの活動の時のグループ名みたいなものですね。

地域と連携した行事や活動には、どのようなものがありますか?

「ににちっ子まつり」という9月末に行っているお祭りが、保護者、地域、同窓会の方が連携して、子どもたちと未就学児に向けて企画してくださっているもので、ゲームをやったり、模擬店を開いたりして、沢山の親子の方でにぎわいます。いわゆる「こどもまつり」ですね。

この時には、小学生以下の子どもだけではなく、中学校や高校の吹奏楽部が演奏してくださったり、国際理容美容専門学校の学生さんが子どもたちにヘアメイクをしてくださったりと、小学校の枠を超えたお祭りになっています。いろいろな新しい交流も、このお祭りから生まれています。こちらもレンジャーの活動と同じように、「何とか学校の活性化を図りたい」ということで始まったもので、保護者や地域の方々の願いが結集したものだと思っています。

校門の前に「荒川区日暮里地域安全・安心ステーション」があります。これはどのようなものでしょうか?

日暮里第二小学校

「安全・安心ステーション」は校門のすぐ横にある建物ですが、荒川区が設置している、地域の安全を守るための拠点ということでして、警察のOBの方など、区の職員の方が常駐して、道案内を行ったり、緊急時の連絡窓口になったりしています。地域の防犯活動の拠点です。交番のような場所ですね。

 

ステーションの方々も、毎朝のあいさつ運動にレンジャーと一緒に立ってくださったり、何かがあれば学区内をパトロールをしてくださったりと、何かと協力してくださっていますので、保護者の方の安心にもつながっているかと思います。

最後に、日暮里エリアの魅力についてお聞かせください

サンマークシティ日暮里 ステーションガーデンタワー

日暮里はこれから東京オリンピックを控えて、世界からの玄関口となるような地域ですので、これからますます、グローバルに広がっていく地域だと思っています。そういった地域に、「古い良さ」と「新しい良さ」がバランス良く合わさっていまして、地域の魅力になっているかと思います。

 

 

それから、非常に落ち着いた街でして、犯罪の発生数が非常に少ないというデータもあります。背景には地域自体がしっかりしていて、防犯活動にも熱心ということがあるのでしょう。街自体が元気で、近所付き合いがよく残っている、という街なのだと思います。

上野恩賜公園

そういった地域の中に、今はいろいろな国の方がお住まいになっていまして、グローバルを肌で感じることができますし、上野も電車ですぐですから、文化や芸術にも触れる機会が多く、また、とても関心が高い地域だとも思います。散策をしても、日暮里は民芸や伝統工芸がとても沢山残っている地域ですので、いろいろな楽しい発見がありまして、街歩きがとても楽しいですね。

日暮里第二小学校

今回、話を聞いた人

荒川区立第二日暮里小学校
校長 水井雅史 先生

荒川区立第二日暮里小学校
所在地:東京都荒川区東日暮里5-2-1
電話番号:03-3891-3416
URL:http://www.aen.arakawa.tokyo.jp/DAI2NIPPORI-E/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

歴史ある街で子どもたちを見守り続けてきた伝統校/荒川区立第二日暮里小学校 水井雅史校長先生
所在地:東京都荒川区東日暮里5-2-1 
電話番号:03-3891-3416
http://www.aen.arakawa.tokyo.jp/DAI2NIPP..