「すすんで学ぶ子」「思いやりのある子」「元気な子」の3つの柱を掲げる小学校 おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校 校長 相楽敏栄先生

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校
校長 相楽敏栄先生

三鷹市内の南西端、調布市と隣り合った地に自然豊かな環境が広がる大沢地区。この地区にはふたつの小学校とひとつの中学校があり、3校合わせて「おおさわ学園」という小中一貫校を形成している。今回はそのうちの1校、「三鷹市立羽沢小学校」を訪ね、校長の相楽敏栄(さがら・としえい)先生に学校の特徴と小中一貫教育の魅力、大沢地域の魅力などについてお話を聞いた。

まず、小学校の歴史や沿革、教育目標等についてお聞かせください

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

開校したのは1981(昭和56)年となります。2008(平成20)年4月からは三鷹市の施策により小中一貫教育の「おおさわ学園」となりました。「おおさわ学園」は「三鷹市立第七中学校」の学区域内の「三鷹市立大沢台小学校」と「三鷹市立第七中学校」とともに学園を形成しております。児童数は約300名で、三鷹市内では小規模の小学校ということになりますが、その分、充実した教育活動はできているかと思います。

教育目標には、「楽しい学校」という言葉があります。それを達成するために、「すすんで学ぶ子」「思いやりのある子」「元気な子」という3つの柱があります。これは開校当初から変わらない目標で、この3つを達成することによって、子どもたちにとって「楽しい学校」になればと考えています。

その教育目標の実現に向けて、特に力を入れて取り組んでいることがあればお聞かせください

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

まずひとつとしては、これはおおさわ学園全体の「学園研究」ということで行っているものですが、算数・数学などの学力向上のための研究に力を入れて取り組んでいます。昨今「理数系離れ」とよく言われていますが、少しでも理数系の力が付けられれば良いな、と考えております。

それ以外では、「オリンピック・パラリンピック教育推進校」の指定を受けていますので、今年度はオリンピック、パラリンピック教育に関する取り組みをしています。取り組みとしては、ひとつは体力向上、もうひとつは、国際交流ということです。指定は1年間のみですが、今後もその成果を残していきたいと考えております。

「おおさわ学園」で行っている小中一貫教育の狙い、具体的な実践例などについてお聞かせください

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

学園の目指す児童・生徒像に「学び続ける人」「心身ともにたくましい人」「心豊かで共に生きる人」の3つの柱があります。それらが達成できるように、9年間を通して質の高い教育を提供するというのが目的です。三鷹市は施設一体型ではなく、分離型の一貫教育を行っていますが、子どもたちが「ひとつの学校」として9年間を豊かに過ごしてもらえるように、小・中の教員が一丸となって取り組んでいるところです。

具体的なものとしては、小・中の交流行事がひとつの特徴になっていまして、「ふれあいタイム」というものがあります。一例を挙げますと、小学1・2年生と中学2年生は、読み聞かせや折り紙で交流をしたり、小学3年生は中学1年生と縄跳びで交流していたり、という具合です。こういったことを通して、子どもたちには三校が同じ学園であるという、親近感を持ってもらえればと考えています。

子どもたちの交流という部分では、児童・生徒代表者会議なども一貫校としての取り組みのひとつでしょうか。近年は「いじめ撲滅キャンペーン」ということで、児童会と生徒会が一緒になって、スローガンについて話し合ったり、それに向けてどんな取り組みができるか、ということを話し合ったりし実行しています。

教員同士の連携はどんなことをされているのでしょうか

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

三校が一緒になっている学園分掌の組織があります。そこで、学園にかかわる様々なことを教員同士が連携して仕事をしています。例えば、前述の「ふれあいタ イム」や「児童・生徒代表者会」等の様々な分担が三校合同であり、それらを充実させるための原案を担当者会で原案を作成し、「学園運営委員会」でその原案 について最終決定をします。

小中一貫教育に取り組んで数年が経ちましたが、成果が出ているとお感じの部分はありますか

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

成果と言うのかは分かりませんが、(3つの学校で)「ひとつの学校」という認識が、子どもたちの間でできてきていると思います。小学校では昔から「たて割り活動」というものがありますが、その延長線上として、中学生と交流する「ふれあいタイム」のような行事が行われていますので、子どもたちにとっては、違和感なく、同じ学校というのが実感できているかなと思います。

学習指導については、小・中の9年間を見通した一貫カリキュラムがありまして、それに基いて授業が展開されています。小学校から中学校まで、連続した一貫性がありますので、今後そこから学力の向上につながってくれれば言うことはないですね。

「水道キャラバン」や「FC東京キャラバン」など、ユニークな特別授業も行われているそうですが、これらについてお教えください

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

「水道キャラバン」については社会科の中で水道についての学習の機会がありますので、それをより効果的に行うために、都の水道局の方に来ていただいて授業を行っているものです。「FC東京キャラバン」については、三鷹市が「FC東京」の株主になっていますので、三鷹市の小学校は毎年2校ずつ、「FC東京」の選手に来ていただいて、サッカー教室をしていただけるようになっています。ですので、だいたい7~8年に1回、こういった機会があるということになります。とてもユニークな取り組みで子どもたちにも良い刺激になると思います。

では、それ以外に羽沢小ならではのユニークな取り組みはあるでしょうか

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

ユニークな行事ということでは、田植えができるのは「おおさわ学園」ならではの特徴かと思います。「第七中学校」の近くの「ほたるの里・三鷹村」に田んぼがあるんですが、そこで田植えをさせてもらっています。ちなみに小学生の田植えの翌日には幼児対象の「ちびっこ農業体験」というものがありまして、そこでは中学生が小さな子どもたちと一緒になって、田植えをお手伝いしています。これも「おおさわ学園」ならではの取り組みですね。

また、昨年度から、ICU(国際基督教大学)と連携して、そこの学生さんに授業に入ってもらう機会を作っています。昨年は教員志望の学生さんに外国語活動の授業に入ってもらいました。今年は留学生にも授業に入ってもらったり、「羽沢るんるん」(子どもたちが放課後の居場所として行われている取り組み)という放課後活動の中でも、大学生に関わっていただこうかと思っています。

本校の近くにある「国立天文台」との連携もありまして、理科の授業で観望会を行った時には、天文台の方に協力していただきましたし、敷地内の雑木林で自然観察をさせていただいたりと、天文台の自然環境を活用させてもらうような授業は、たびたび行っています。天文台の敷地内には「ほたるの里・三鷹村」の村民の方がお世話をしてホタルを見られる場所もありますので、学園全体で希望者を募って、毎年ホタルの鑑賞会も行っています。

三鷹市の学園は「コミュニティ・スクール」という制度のもとで運営されているわけですが、コミュニティ・スクールの概要と、学校と地域の関わり方についてお聞かせください

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

三鷹市の小中学校はすべて、「コミュニティ・スクール」を基盤とした小中一貫教育校となっていまして、地域との関わり無しには、学校が運営はできません。この「コミュニティ・スクール」で意思決定を行うのは「コミュニティ・スクール委員会」(CS委員会)になります。ここに入っていただいているのは、主に地域の方で、学校経営や運営に関わるさまざまなことを審議してもらったり、逆に承認してもらった中で、学校が円滑に機能しています。

より細かい面で、地域の方が学校に関わってくる場面、たとえば授業の中で地域の方がお手伝いをしてくださったり、という場面としては、どのようなものがあるでしょうか

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

それはCS委員会の中のひとつの部会、「サポート部」が担当する部分になります。学校では教育活動を充実させるために、「サポート隊員」の要請をしていまして、たとえば普段の授業へのサポート、野川に入ってメダカの卵取りの活動をする時のサポート、地域めぐりの時の引率、夏休みのプールの受付などといった、いろいろなサポート活動に対して、地域の方に参加していただいています。

それとは逆に、地域の行事に学校が関わっていく、というものはあるのでしょうか

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

子どもたちと地域との関わり方については、同じくCS委員会の一部会である「地域部会」が、子どもたちとの関わり方についてコーディネートしてくださっています。たとえば地域のお祭りがあるという時には、地域部会を通して情報発信がされまして、そこから来る情報について、子どもたちに伝達して、参加してもらうという形になっています。

コミュニティ・スクールになったことで子どもたちに変化は見られたでしょうか

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

やはり、地域と子どもたちとの関わりは増えてきたかと思います。数年前の状況と比べますと、地域との関わりが強くなっているのではないかな、と思います。また同時に、子どもたちについても「地域の中の学校」という意識が芽生えてきているように思えますし、地域の方が子どもたちを見る目も温かくなり、より深まっているように感じます。

子どもたちにはどんな性格の子が多いでしょうか。また、学校の雰囲気についてお教え下さい

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

至って素直な子が多いです。小学生らしい小学生ばかりですね。校長室の戸を開けておけば気軽に「校長先生!」なんて声をかけてくれます。きっと、この自然が豊かな環境というのも影響しているのでしょうね。学校の雰囲気も明るい雰囲気です。

最後に、大沢エリアの子育て環境、生活環境など、地域の魅力についてお聞かせください

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

子育て環境としては、やはり自然が多くありますので、伸び伸びでき、そこが何より素晴らしいですし、子どもたちの幼少期の体験にも反映してくるところだと思います。教育的な面ですと、国立天文台やICUも近くにありますので、アカデミックな雰囲気がある地域だと思います。

三鷹市内でありつつも調布にも近く、調布の施設を利用する場合にも便利なところだと思います。バスを使えば武蔵境と調布、ふたつの駅に簡単に行けますし、道が広く、調布インターも近いですから、車でも動きやすいと思います。でも一番の魅力はやっぱり、「野川」や「大沢の里」の自然の豊かさです。それに魅力を感じて住まわれるという方が多いですから、「自然の中で暮らしたい」という方は、ぜひ大沢にいらしてください。

今回、話を聞いた人

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校 インタビュー

おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校

校長 相楽敏栄先生

所在地:東京都三鷹市大沢4-9-1
電話番号:0422-32-8431
URL:http://www.mitaka-schools.jp/hanesawa-es/

※この情報は2015(平成27)年7月時点のものです。

「すすんで学ぶ子」「思いやりのある子」「元気な子」の3つの柱を掲げる小学校/おおさわ学園 三鷹市立羽沢小学校 校長 相楽敏栄先生
所在地:東京都三鷹市大沢4-9-1 
電話番号:0422-32-8431
http://www.mitaka-schools.jp/hanesawa-es..