登園・降園をサポートする市独自の施設

市内全ての保育所(園)をつなぐ。流山の子育て世代を支えるシステム/おおたかの森ナーサリースクール 園長 武田愛真先生


おおたかの森送迎保育ステーション 武田愛真さん
流山市役所子ども家庭部保育課保育係長

市内全ての保育所(園)をつなぐ。流山の子育て世代を
支える「おおたかの森送迎保育ステーション」

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

流山市内にある26すべての保育所(園)と、拠点となるステーションをバスで結ぶシステムが流山市の「送迎保育ステーション」だ。「おおたかの森送迎保育ステーション」はつくばエクスプレス「流山おおたかの森」駅とデッキで直結した「ライフガーデン流山おおたかの森」ビルの4階、認可保育園「おおたかの森ナーサリースクール フォレストキッズガーデン」の一角にあり、電車で通勤する保護者が立ち寄りやすい場所となっている。

 

今回は、こちらの施設を企画・運営している流山市役所子ども家庭部保育課の保育係長と、現場で運営にあたっている、「おおたかの森ナーサリースクール」の園長、武田愛真さんにお話をうかがった。

全国的にも、自治体が主導してこのような送迎システムを構築している例は少ないかと思いますが、実現に至った経緯についてお聞かせください

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

保育係長:つくばエクスプレスが開業したのは2005(平成17)年の8月のことですが、その前年度から、「まちづくり検討会」という組織が、行政と、もともと地元で保育園をされていた「フォレストキッズガーデン」の運営母体の高砂福祉会さんや、地元の方々で構成されました。その検討会の中で、駅前にできる予定があったビルの利用について検討したんです。

そのうち、一区画を使えるということになりましたので、この送迎保育ステーションをオープンすることになりました。ステーションがオープンしたのは、2007(平成19)年の7月、ビルが完成した翌月ごろのことです。

どのような方が利用できるのでしょうか?

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

保育係長:市内には現在、保育所(園)が26か所ありますが、そのすべての園と送迎保育ステーションをバスで結んでいます。ステーションは保護者が自分で子どもを保育所(園)に送迎するのが難しい方のために作られたので、「市内の保育所(園)に入所している1歳以上の児童」で、「保育所(園)の開所時間が保護者の通勤時間帯等と調整が容易ではない理由がある」ということが、利用のひとつの基準となります。たとえば住所地と保育所(園)が離れていて、保護者の方の通勤時間の調整が難しい、という場合も対象になります。

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

行政側の事情としてはもうひとつ、入園希望者が交通の便の良い園に集中し、交通アクセスがあまり良くない場所の保育所(園)には少なくなっておりまして、それを解消し、待機児童を減らすための方策という側面もございます。

送迎保育ステーションの利用法、利用時間について教えてください。

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

保育係長:仕組みとしては、朝の7時から8時の間にお子さんをここに預けていただいて、夕方は16時から18時までの間に迎えに来られるということが基本となっております。19時までであれば、延長保育ということで、お子さんをお預かりすることもしております。

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

武田:朝8時までに来た子どもたちは、バスに乗ってそれぞれの園に向かうわけですが、このバスは送迎ステーションが運行するバスになりますので、運転手のほかに、ステーションの職員が2名同乗します。この職員についても、保育士か幼稚園教諭の資格を持っている方か、過去に子育ての経験があるという方を採用しています。

 

ですから、バスの中も保育時間と考えておりまして、一緒に歌を歌ったり、手遊びをしたりしながら、各園に送り届ける間も楽しめる時間にしています。園についたら、それぞれの園の保育士さんに引き渡すという仕組みです。

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

保育係長:これは当然のこととも言えますが、この事業が始まって以来、一度も事故を起こしていませんし、お子さんの安全面については最大限の配慮をしています。

武田:園から戻ってきて、保護者の方のお迎えを待っている間も、子どもたちはここでブロックで遊んだり、絵本を読んだり、かるたをやったりと、好きなことをしながら過ごしていますので、みんな楽しんでいると思いますよ。

利用するためには、どのような手続きが必要でしょうか?

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

保育係長:市への書面での申し込みが必要になりますので、まずそれをご提出いただいてから、ステーションのスタッフと面接をします。最終的には市で決定をいたしまして、書面で利用の可否をお知らせします。年度初めに申し込まれる方が多いですが、年度途中からの利用も可能ですよ。

年齢については、お子さん自身が、自分の荷物を持って歩けるようになってから、というのが前提になります。だいたい1歳半ぐらいになるでしょうか。

現在の利用者数については、登録されている方の数ということで言いますと、南流山にある「南流山送迎保育ステーション」と合わせて170人ぐらいです。のべ利用者数については、2013(平成25)年度ですと、年間で約4万人の利用がありました。

なお、2月と3月に説明会も開催しておりますので、そちらにご参加いただければ、詳しい説明が受けられるかと思います。利用は1年単位の登録制ですので、継続利用の場合は、年度末までに翌年度の申込みをしていただきます。

送り迎えのどちらかだけをお願いしたり、時々、園に直接送ったり、迎えに行ったりという利用の仕方は可能でしょうか?

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

武田:もちろん、送迎のどちらかだけの利用もできますし、当日になって急に送迎先を変えたい、という場合にも対応が可能です。基本的には事前に文書でいただく形が良いのですが、当日の急な変更については、メールで連絡をいただければ対応させていただきます。

このような送迎保育ステーションは全国的にも珍しく、各地の自治体から視察なども絶えないと聞きます。その成功の秘密はどんな点にあると思われますか?

ライフガーデン流山おおたかの森
ライフガーデン流山おおたかの森

保育係長:支持されている理由のひとつは、「市内の全ての保育所(園)をつないでいる」という点が大きいと思います。これは全国でも、流山市だけかと思います。

もうひとつは、駅前のビル内という立地条件の良さでしょうか。やはり通勤の途中に立ち寄るという方がほとんどですから、電車通勤の方には非常に便利な場所かと思います。雨でもまず濡れる心配は無いと思います。

最後に、流山エリアの魅力についてお聞かせください。

駒木ふるさとの森
駒木ふるさとの森

保育係長:流山市は政策として、「お子様のいる共働き世代」の呼び込みを図っていまして、この送迎保育ステーションをはじめ、子育て世代に向けた施策は充実しているかと自負しております。「都心からいちばん近い森の街」というキャッチフレーズも掲げている通り、電車で都心から20分という近さにありながら、自然もたくさん残っています。

 

のびのびと子育てをしていただける街になっていますので、ぜひたくさんのファミリーに、お住まいになっていただきたいですね。

おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー
おおたかの森送迎保育ステーションインタビュー

今回、話を聞いた人

おおたかの森ナーサリースクール
園長 武田愛真さん
流山市役所子ども家庭部保育課
保育係長

住所:千葉県流山市東初石6-183-1 ライフガーデン流山おおたかの森4F
    フォレストキッズガーデン内
電話番号:04-7153-4123(フォレストキッズガーデン)、
       04-7150-6124(流山市役所子ども家庭部保育課)
利用時間:7:00~9:00、16:00~18:00
利用料金:月極2,000円、スポット100円

※この情報は2014(平成26)年6月時点のものです。

市内全ての保育所(園)をつなぐ。流山の子育て世代を支えるシステム/おおたかの森ナーサリースクール 園長 武田愛真先生
所在地:千葉県流山市東初石6-183-1 ライフガーデン4F
電話番号:04-7150-6124(流山市役所子ども家庭部保育課)
利用時間:朝7:00~9:00、夕方16:00~18:00

http://ons.tksg.ed.jp/station/