緑豊かな環境や地域とのつながりの中で、のびのびと育つ十二小のこどもたち/小平市立小平第十二小学校 校長 木田 明男先生


小平市立小平第十二小学校
校長 木田 明男 先生

緑豊かな環境や地域とのつながりの中で、
のびのびと育つ十二小のこどもたち

青梅街道の緑や耕作地、「玉川上水緑道(小川橋付近)」など、緑豊かな環境の中にある「小平市立小平第十二小学校」。「明るく元気でたくましい子」「よく考えすすんで実行する子」「たがいになかよくする子」を教育目標に掲げています。

十二小の教育の特色や周辺環境について、木田校長先生にお話を伺いました。

学校の歴史や概要について、ご紹介をお願いします。

小平市立第十二小学校 校歌
小平市立第十二小学校 校歌

1968(昭和43)年5月に、「小平第一小学校」から分かれて開設された学校で、2014(平成26)年に創立46周年を迎えました。2014(平成26)年5月現在の児童数・学級数は、特別支援学級の「けやき学級」を含め全15クラス・380名となっています。

2012(平成24)年には東京都の「スポーツ推進校指定校」に、2014(平成26)年には東京都の「オリンピック教育推進校・コオーディネーショントレーニング実践研究校」に指定されています。

理想の学校像実現に向けてどのような取り組みを行っているのでしょうか。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

私たちは「かかわり合い、磨き合い、輝き合う、笑顔あふれる子ども」の育成を目指しています。小中連携教育及び「小平市立小平第五中学校区」の取り組みに基づいて、9年間の義務教育の指導内容を踏まえた学年目標や学級目標を設定し、実践しております。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

具体的には、「学力向上」「体力向上」「健全育成」を大きな柱としております。まず「学力向上」については、子どもたちに「学ぶ楽しさ」を知ってもらうことに注力しています。算数の少人数学習指導はもちろん、各教科の基礎的・基本的な知識・技術の習得を目指すと共に、児童の“思考力・判断力・表現力”を高めるための教材開発や、指導方法の工夫なども行っています。

また、学校の近くにある「玉川上水緑道(小川橋付近)」 では、人や地域、自然などと直接関わり合う体験活動を実施しています。子どもたちが自分で課題を設定し、情報を収集したり、分析結果を発信することで、思考力や表現力を養う総合学習となっています。

その他にも、「学力向上」についての取り組みを教えてください。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

毎週水曜日には、国語と算数に特化した40分間の「十二小タイム」を設定し、全教職員がドリル学習などの個別指導にあたっています。全教職員ですから、私や副校長も参加します。何を学習するかも、児童が担任と相談して自分で決めます。子どもたちに自ら学ぶ姿勢を身に付けてほしいと考えています。

他には、朝の20分間を活用した「読書マラソン」、学期1回の推薦図書週間の設定、学年に応じた「ビブリオバトル」などを実施しています。子どもたちが読書習慣を身に付けることで、豊かな感性を養ってもらいたいと考えています。

2つ目の「体力向上」については、どのような取り組みを行われているのでしょうか?

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

2014(平成26)年に、「東京都オリンピック教育推進校及び東京都コオーディネーショントレーニング実践研究校」に指定されたこともありますが、「生涯にわたってスポーツに親しむ力」を身に付ける健康教育に注力しています。健康教育を充実させるため、栄養士と連携した食の授業や、養護教諭による保健指導を強化しました。東京都が推進している「一校一取り組み」では、これまでも取り組んできた「長縄跳び」を継続的に行っています。

また、このエリアはラジオ体操の文化がなかったのですが、運動会をはじめとした、任意でのラジオ体操大会などを行ったところ、地域の方も参加してくれるようになりました。

3つ目の柱である「健全育成」についてはいかがでしょうか?

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「こだいら共通プログラムの」一環として、「あいさつ運動」を実施しています。このエリアは「小平市立小平第一小学校」、「小平市立上宿小学校」、「小平市立小平第五中学校」の「小平“五”中校区」となっていて、毎月「5」のつく日には小中連携のあいさつ運動を行っています。我が校でも、児童が正門に並んで元気よく挨拶しています。

年に数回、「小平市立上宿小学校」の児童と一緒に、立川通り沿いでの挨拶運動も実施しています。その際には、保護者の方や地域の有志の皆さんも参加してくれます。他にも、「児童会・生徒会サミット」をはじめとするさまざまな小中連携の活動も行っています。

高校や大学と連携した教育活動も行っているそうですね。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「“地域の教育力”を最大限に活かした教育活動を通じて、子どもたちの人間力を養う」というテーマは、当校の教育方針のひとつでもあります。もともとキャリア教育の育成にも力を入れていた我が校は、高学年児童の自覚とリーダーシップを形成するため、各行事は児童主体の実行委員会形式を取り入れたり、金曜日には「保健・給食・体育・音楽・音読・縦割り班遊び」などの集会活動を行うなど、縦割り班活動の充実を図ってきました。

近くの「東京都立小平西高校」とは、今年から交流を始めました。先日はハンドボール部の生徒が、本校の5年生にハンドボールを教えてくれました。小学生にとっては、高校生のお兄さんやお姉さんたちの温かさを感じることができて楽しかったようです。高校生からすると、小学生に教えることで自己肯定感を得ることができたようだと、「東京都立小平西高校」の先生方からも喜ばれました。今後は、キャリア教育の一環として、西校の文化祭見学といったプランも検討しています。

小平市立第十二小学校 武蔵野美術大学の冊子
小平市立第十二小学校 武蔵野美術大学の冊子

また、「武蔵野美術大学」との連携も、もう3年近く続いています。2011(平成23)年に、当校のシンボルだった大ケヤキを切ることになりました。その際に、「武蔵野美術大学」の学生さんたちが、大ケヤキをテーマとしたワークショップを行ってくれたことがきっかけで交流が始まりました。切られたケヤキは、現在「武蔵野美術大学」に預かってもらい、輪切り加工をしてもらっています。我が校とのワークショップの時間を、授業の一コマに入れてくれていることもあって、“ゲストティーチャー”というよりもさらに深いつながりですね。

“地域の教育力”と言いますと、保護者や地域の方たちとの連携もあるということでしょうか。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「あいさつ運動」もそうですが、当校では児童の社会性を養うため、地域の一員として活動・貢献する機会を設けるよう努めています。保護者や地域の皆さんの持つ教育力を活かした授業や企画を立ち上げることで、子どもたちに「ふるさと・こだいら」への郷土愛を育んでもらいたいと考えています。地域清掃活動やボランティア活動の充実も図っています。さらに、JRC(青少年赤十字)の活動を委員会活動として位置づけ、国際貢献・災害安全・交通安全など、自分たちが身近にできることを実践させています。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

一方、周辺地域の方々は、児童の登校時にボランティアとして通学路に立ってくれたり、見回りも行ってくれています。また、下校時には教員も学区域を巡回しますが、低学年の下校時は子どもたちを迎えに来てくれるボランティアの方もいらっしゃいます。そういった点では、地域ぐるみでの子育て環境が醸成されていると思います。

「小平第十二小学校」周辺地域の風土をどのようにお感じになりますか?

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

保護者の中には、以前から地元に住んでいて十二小の卒業生という方もいれば、新たに宅地化された所に引っ越してきた方もいます。昔からの住民と新しい住民との関係がいいバランスを保っており、保護者同士の交流も円滑であるように感じます。そうした穏やかな環境の影響もあってか、十二小の児童には素直な子が多いです。

その他、十二小の魅力や独自の取り組みがあればお聞かせください。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「小平第十二小学校」のキャラクター「トニーくん」が子どもたちに親しまれています。「十二(とお・に)」なので「トニーくん」です。下駄箱から校内に貼ってあるポスターに至るまで、「トニーくん」のマークが入っているんですよ。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

また、当校独自の「大臣制度」があります。教員一人一人が、それぞれの得意分野を活かした大臣として活動しています。たとえば、「あいさつ大臣」「長縄大臣」「ラジオ体操大臣」などで、教員自身が個性を発揮することで、子どもたちにもそういった姿勢を身に付けてもらいたいという想いがあります。ちなみに私は、「交通大臣」なんです。

児童が鉄道・バス・飛行機など交通関係のことでわからないことがあった時は、私に聞きに来ます。そのため、校長室の扉はいつも開けてあります。校長室の中には、このように電車の模型やバスの時刻表などを飾って、子どもたちも気軽に質問に来ることができる雰囲気づくりをしています。児童と教職員の距離が近いのも、当校の魅力と言えるかもしれません。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生
小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

今回、話を聞いた人

小平市立小平第十二小学校

校長 木田 明男 先生

住所:東京都小平市小川町1-464
電話番号:042-342-1761
http://www.kodaira.ed.jp/12kodaira/

※記事内容は2014(平成26)年7月に取材したもので、今後変更となる可能性がございます。