インタビュー 市川市立第六中学校 校長 稲葉清先生

「鬼越」駅や「ニッケコルトンプラザ」周辺の鬼高地区、及び「市川IC」周辺の稲荷木(とうかぎ)・田尻地区など、市内南東部が主な学区となっている「市川市立第六中学校」。最寄駅はJR総武線の「下総中山」駅で、「保護者や地域と連携して学校づくりを進める」事を目指し、地域との交流を大切にしている。今回はこちらで2015(平成27)年度から校長を務められている稲葉清先生を訪ね、学校の特長や地域社会との関わり、地域の魅力についてお話を聞いた。

開校50余年を迎えた中学校です

市川市立第六中学校

ーーまず、学校の歴史についてお聞かせください

稲葉校長先生:創立は1959(昭和34)年の4月、「市川市立鬼高小学校」の校舎の一部使って開校しました。小学校のほうが古くからあったわけですが、その後、1962(昭和37)年に現在の場所に移ってきて、現在に至っております。2015(平成27)年度の生徒数は678名、各学年6クラスから7クラスという規模の学校です。市川市内で2校のみにある「ワールドクラス」も設けられていて、海外から来た生徒や、日本語が十分に分からない生徒を受け入れている点も、特徴の一つになっています。

近年の生徒数の増減については、ほぼ横ばいという状態です。一時は急増していた時期もありましたが、ここ数年は落ち着いていますね。学区は、小学校で言えば「市川市立鬼高小学校」と「市川市立稲荷木小学校」が中心となっていますが、隣接している「市川市立大和田小学校」、「市川市立信篤(しんとく)小学校」からも一部の生徒が入学してきます。

生徒が元気に活動しているのが特徴です

稲葉清校長先生

ーー今年度から赴任されたということですが、これまで約9か月を過ごしての感想を教えてください

稲葉校長先生:一番感じたのは、「生徒が元気に活動する学校」ということですね。授業はもちろん、学校行事であれ、部活動であれ、元気いっぱいに活動している生徒が多い学校ですね。

また、元気な一方で「素直」という面もすごく感じます。我々大人が支援をして背中を押してあげれば、それを素直に受け止めて、今度は自分の力でやっていこうという、向上心と素直な心がありますね。

地域に関して言えば、保護者の方が教育に熱心で、非常に協力的な方が多いと感じています。周囲の自治会の方も含めて、非常によく子どもたちの面倒を見て下さって、温かく見守ってくれる環境にあると思います。

やさしくたくましく生きる人間に成長してほしいと思っています

教育目標

ーー学校の教育目標としては、何を重視されていらっしゃいますか?

稲葉校長先生:学校教育目標は、「やさしく たくましく 生きる人間に成長しよう」ということで、実現に向けての目標としては「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」「信頼される開かれた学校」という4点を挙げています。

知・徳・体にプラスして、「信頼関係」という形になりますが、やはりこれからの教育は「保護者や地域と連携して学校づくりを進める」ということが必要だと思っています。ですから「信頼される」という点は非常に重要視していまして、できるだけ地域・保護者の方に学校に来ていただいて、実際に学校でやっている教育を見てもらって、そのうえでさらに、学校と一緒に連携して何かをできる機会を作っていければ、と思っております。開くだけではなく信頼関係を構築し、「地域と一緒に学校を作っていこう」ということです。

保護者や地域との交流を多く持てるようにしています

校舎内の様子

ーー保護者や地域との信頼関係を構築するために、具体的にはどのような施策をされているのでしょうか?

稲葉校長先生:「授業参観の機会を増やす」ということはもちろん行っていますが、これを生徒の保護者だけではなく、学区の小学校の6年生の保護者の方にも開放している点は独特かと思います。同じように学校行事についても小学生の保護者に見ていただけるようにしています。

保育交流の様子

一方で「中学生が地域に出て行く」という場面も積極的に作っていまして、例えば家庭科の中で「保育交流」ということで、地域の保育園や幼稚園と交流を持っていますし、本校の目の前には保育園があって、校庭が園児のお散歩コースになっていますから、生徒もそれを見つけては駆け寄ったりと、微笑ましい光景も見られます。

学習支援サポーターによる授業

「地域の方に授業を手伝ってもらう」という取り組みも多く行っていて、「学習支援サポーター」ということで美術の授業や家庭科の授業などに入っていただいたりと、地域の皆さんとは本当によく連携させていただいています。

鬼高自治会ソフトボール大会

そのほか、行事でも色々な交流があるのですが、中でも大きいのは毎年9月に行われる、鬼高自治会主催の「鬼高自治会ソフトボール大会」です。これは日曜日に行われる、地域の運動会のようなものなんですが、だいたい20チームぐらいが参加しておりまして、その中には生徒や先生方が参加しているチームも沢山あります。大人も子どもも関係なく、男女混合チームで、ほのぼのとやっているというものですね。これにはおじいちゃんもおばあちゃんも、沢山の地域の方が来られています。

鬼高自治会盆踊り大会

もうひとつ大きなもので、夏の「鬼高自治会盆踊り大会」もありまして、これも本校の校庭を会場に使ってもらっています。自治会が主催する祭りなんですが、生徒もその盆踊り大会の「スタッフ」として参加して、いろいろな役割を与えていただいて、地域の大人と触れ合う機会を提供していただいています。こういったさまざまな交流を通して、信頼関係を築いているということですね。

生徒が主体的に取り組めるように取り組んでいます

授業の様子

ーー「学力」という部分についてはいかがでしょうか?授業の中での取り組みや、補習、進学指導、学力の現状についてお聞かせください

稲葉校長先生:やはり学校で一番大切なのは授業ですから、「授業を大切にしよう」ということはつねに言っております。具体的に言えば、毎時間の授業の中で、「めあて」と「まとめ」について、しっかりと意識をして取り組む、ということがまず一つです。

もう一つは、これは教員に関してですが、生徒が授業に対して「主体的に取り組む」ことで学力の定着が図れますので、日常の授業の中で「主体的に関われる場面」を多く持てるように取り組んでいます。生徒が意見を出し合い、お互いに話し合い、教え合ったり、一緒に問題を解いてみたり、そういう場面を持つということですね。生徒が主体的に参加する機会を増やし、それがより学力の定着に結び付けられれば、ということですね。

これに関連しますが、授業の中に「体験」を取り込むことも重視しています。先ほどの幼稚園との交流もそうですが、体験学習の機会はできるだけ多く持てるように心がけていますし、その質も大切にしています。

職場体験

例えば、これはどこの学校でもやっていると思いますが、2年生に「職場体験」という授業がありまして、近隣の企業やお店の方にご協力いただいて、数日間の職場体験を行うわけですが、本校は幸いにも近隣にいろいろな業種の会社やお店がありますので、自動車の整備の仕事を体験したり、「ニッケコルトンプラザ」の食堂のお仕事を体験したりと、他の中学校よりもさらに幅広く、多種多様な体験をできているのかな、と思います。

「学力の現状」という点については、これはその年にもよるかとは思いますが、近年の「全国学力状況調査」の結果を見れば全国平均以上を取れていますし、良い水準をキープできているかとは思います。もちろん定期テスト前になれば、放課後に残って、自主的な勉強をする機会も設けています。

市川市独自の取り組み「まなびくらぶ」も行っています

まなびくらぶ

ーー市川市独自の「まなびくらぶ」にも取り組まれていますが、どのような現状でしょうか?

稲葉校長先生:「まなびくらぶ」は校内学習塾というような形で、本校では放課後に週2回、希望者だけになりますが、外部から先生を招いて行っているものでして、主に数学、国語、理科について取り組んでいます。それ以外にも生徒が「自分でこれをやりたい」というものがあれば、それに取り組んだりもします。対象は全学年です。

これは昨年度から始まったばかりですので、まだまだ希望者や回数も少なく、試行錯誤をしている段階なのですが、基礎学力の定着を図るには重要な取り組みです。今後も市の支援を受けながら充実させていきたいと思います。放課後の部活動に意欲的な生徒も多いですから、やりくりが多少必要にはなりますね。

ーー部活動もさかんで、いろいろな大会で活躍しているそうですね

各種大会で優秀な成績を誇る

本校は部活がかなり活発なので、いろいろな種目で活躍しています。今年度は夏の総合大会では、6つの部が県大会に進みましたし、県大会を勝ち抜いて関東大会に出場した部もありました。文化系では伝統的に管弦楽部が強豪校として知られているんですが、今年は管弦四重奏で全国大会に出場しましたし、そこで金賞も頂きました。

学校行事も全力で取り組んでいます

体育祭

ーー学校行事について、特に盛り上がるもの、ユニークなものなどがあれば教えてください

稲葉校長先生:例年5月の土曜日に開かれる体育祭は、生徒が非常に頑張って取り組んでいる行事ですね。生徒の中から代表が選ばれて、その生徒達が前に立って動いていくんですが、それがよく統制が取れていて、非常に盛り上がります。

もう一つは、秋の合唱祭ですね。クラスごとの合唱のほか、学年全体で歌う合唱もありまして、3年生ぐらいになると大人顔負けの混声合唱になるので、これは素晴らしいです。合唱祭は10月の平日に行われていますが、親御さんも仕事などの調整を付けてくださって、沢山お見えになるので、体育館に入りきらないほどの方が来られます。

また、合唱祭は午前に行われますが、その日の午後は「学習発表会」という形で続きまして、生徒が取り組んできたことをステージ発表や展示で発表しています。管弦楽の発表があったり、市の事業で海外に派遣された生徒が発表したり、ワールドクラスの生徒が日本語で弁論をしたり、という具合です。

そのほかは主に、学年単位の行事になりますね。大会は学年ごとにやっていますが、全校で取り組んでいるものに「百人一首大会」があって、これは珍しいかもしれませんね。冬休みにかけて、生徒が毎年必死で覚えてきて、その成果を競うというものです。

六中にきてよかったと思うことがたくさんあります

授業の様子

ーー「この学校に来て良かったな」と感じたエピソードがあれば、なにかお聞かせください

稲葉校長先生:地域の方がとても学校に協力的、という点は有難いですね。登下校中などについても、生徒に何かがあればすぐに助けてくださって、必要があれば学校に連絡を入れてくださって。良きにしろ悪きにしろ、生徒が地域で何かをすればすぐに連絡が来るんです(笑)。すごく温かい目で見守っていただいている、関心を持ってくださっている地域なんですね。

エピソードということですと、先日、ある部が部活動で市内を移動している時に、反対側から歩道を歩いて来た方がいて、それを見た先頭の生徒が全員に声を掛けて、列をビシっと一列にして、通り過ぎるまで待っていたというんですよ。それを見た地域の方が感動して、わざわざ連絡をくださった、ということがありましたね。こういう話を聞くと、嬉しいですね。

便利で歴史があって、文化施設なども充実しています

市川市立第六中学校

ーー最後に、学校周辺の街の印象についてお聞かせください

稲葉校長先生:私は松戸在住なんですが、仕事ではもう長く市川に通っていて、特にこの辺りについては、本当に「便利な街だな」と思っています。電車や車の便など、交通機関はもちろんですが、買い物をするにしても、余暇を過ごすにしても、色々な選択肢があっていいですね。

もちろん、教育環境もすごく良く整っていますし、市の施策も熱心ということもありますし、文化施設もこの学校の近くには特に、多く整っています。本校の近くにある「現代産業科学館」などは県を代表する科学館ですし、その隣には大規模な市の中央図書館もあり、こちらは施設も蔵書も、非常に充実しています。

ただ「近代的で便利な街」というだけかと言えばそうでもなく、北に行けば「法華経寺」など由緒あるお寺もございますし、昔ながらの風景と新しい文化、さらに言えば昔からお住まいの方々と、新しい住民の方々が、とても良いバランスで混在して、共存している地域だと思います。

市川市立第六中学校

市川市立第六中学校

校長 稲葉清先生
所在地 :市川市鬼高3-16-1
TEL :047-370-0535
URL:http://www.dai6-tyu.ichikawa-school.ed.jp/
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。

インタビュー/市川市立第六中学校 校長 稲葉清先生
所在地:千葉県市川市鬼高3-16-1 
電話番号:047-370-0535
http://www.dai6-tyu.ichikawa-school.ed.j..