子どもたちと生きた〝食育〟を行う/朝霞市立泉水保育園 箭内みゆきさん


朝霞市立泉水保育園
園長 箭内みゆき さん

朝霞市立泉水保育園 インタビュー
朝霞市立泉水保育園 インタビュー

子どもたちと生きた〝食育〟を行う
朝霞市立泉水保育園

「朝霞市立泉水保育園」は、武蔵野台地上の少し歩けば黒目川というところにある公立保育園。園庭には、杏やプラム、ビワ、柚子といった果樹が植えられ、季節ごとに実をつけています。園長の箭内さんは、泉水保育園が創立された頃より、朝霞市で保育士として活動し、2013(平成25)年に、こちらの園長に就任。そんな箭内さんに、朝霞エリアでの子育て事情を伺いました。

泉水保育園はどれくらいのお子さんが通っているんですか。

朝霞市立泉水保育園 インタビュー
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子どもは現在81名で、規模としては小さい保育園です。1歳児から5歳児までのお子さんを対象にお預かりしています。当園のすぐ横には公園があり、こちらにお散歩に行くと園庭とはまた違った雰囲気で、子どもたちも楽しく遊んでいますね。

また、公園には大きな桜の木があり、春先になると見事に桜が咲きますよ。

泉水保育園には何か独自性を打ち出した保育というのはありますか。

朝霞市立泉水保育園
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当園は朝霞の公立園ですので、正直、園独自という方針は打ち出しにくい部分はありますね。ただ当園には、杏やプラム、柚子、夏みかんといったさまざまな果実の木が植えてあり、それをうまくいかして、独自の食育を行っています。

朝霞市立泉水保育園
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例えば6月には杏の木に実がなりますが、先日収穫してジャムをつくりました。給食の調理スタッフに協力してもらい、子どもたちの目の前で、火を入れながらジャムを煮詰めていく。子どもたちだけではなく、お迎えにきた保護者の方にもクラッカーに杏ジャムをつけて食べていただいたりしました。

あとは冬に柚子が実ったら桶にお湯をはり、柚子を入れて〝柚子湯〟を体験しました。とはいえお風呂ではなく足湯ですけどね。”柚子湯”は何年も前から行っているようですよ。こうやって身近にある植物が徐々に実をつけていく過程を、子どもたちが見て感じることを大切にしています。

これらの木々は箭内さんが赴任する前からずっとあったんですか。

朝霞市立泉水保育園 インタビュー
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プラムはありませんでしたが、杏は開園当初から植えてあったと聞きました。もしかしたらビワや柑橘系の木は、昔、子どもたちが食べて植えた種が、そのまま大きくなったのかもしれません。
保育園のすぐそばにジャガイモ畑があるんですが、こちらで子どもたちがジャガイモ堀りをさせてもらえるんです。そういう意味でも非常に食育が充実している環境といえるかもしれません。(ジャガイモ代は保護者会で負担)

地域の方とのつながりも深いのですね。

朝霞市立泉水保育園
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そうですね。七夕シーズンに使用する笹も、年長の子どもたちが自らご近所の農家さんに出向き、譲っていただくんです。自分たちで行って、職員が笹を切って、子どもたち自ら運んで園まで帰っています。地域の方々との交流で大切なのは「どれだけ園の外に出られるか」をつねに意識することです。

朝霞市立泉水保育園
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その努力を怠ると、子どもたちがずっと園の中だけにいることになってしまいます。外に出ると、地域の方々に「ここに泉水保育園がありますよ」ということを知ってもらうこともできます。

そうすると、普段の生活で子どもたちを気にかけてくださいますよね。やはりお互いに関心を持つことは、すごく大切だと感じます。

こちらの園に通われているお子さんや親御さんの特徴はありますか。

朝霞市立泉水保育園
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園には保護者会組織があり、役員の保護者の方々は一生懸命活動してくださいます。朝霞市は市民まつり「彩夏祭」の鳴子踊りが有名ですが、保護者の方々が一生懸命準備をしてくださり、みんなで一緒に参加しているんです。

子どもたちは、年長さんが園のお手伝いする習慣が定着しています。普段の保育の中でも、例えば年長さんがお昼寝をする乳児さんを寝かせる手伝いをしたり、お昼寝が終わったら着替えを手伝ってくれたりということが自然とできていますね。

朝霞エリアは新しいマンション建設が進んでいますが、新しい街から引っ越してきた方が多いですか。

朝霞市立泉水保育園
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新しい方もいらっしゃいますし、ご自分が卒園生で、親子二代で通われている方も何人かいますね。国際色も豊かで、外国のお子さんも何人かいます。

あと、朝霞では2人目はもちろん、3人目のお子さんをお持ちのご家庭がとても多いですね。保育園で働いていると「本当に少子化?」って思っちゃいます。

箭内さん個人として何か子どもたちを保育するうえで大切に感じていることなどあれば教えてください。

朝霞市立泉水保育園
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私個人としては、子ども自身がのびのびと過ごしてほしいなという願いがありますね。あと「自分も大事だし、誰かも大事」という想いを持って育ってほしいですね。子どもたちが誰かにやさしくしてもらうと、ほかの誰かにも同じことをしてあげられるようになるんです。

朝霞市立泉水保育園
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保育園のベースはあくまでも〝生活〟。読み書きできるのももちろん大事ですが、お友だちとのやり取りの中で人の気持ちが理解できたり、小さい子をいたわったり、そういう部分をこれからも大切にしていきたいですね。

朝霞エリアは子育て環境としていかがでしょうか。

朝霞市立泉水保育園
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今ではたくさんのマンションが建設されていますが、昔、この周辺はいちご畑でした。今でも自然がまだ多く残っているエリアですよね。

朝霞市立泉水保育園 インタビュー
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黒目川まで降りてしまえば、小さな子どもたちでものんびり歩くことができますし、おじいちゃんやおばあちゃん世代の方が歩いていると、小さな子どもに気軽に声をかけてくれる雰囲気もある。のんびりしていて、子育て環境にはとても最適だと感じます。

朝霞市立泉水保育園
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今回、話を聞いた人

朝霞市立泉水保育園
園長 箭内みゆき さん

所在地:埼玉県朝霞市泉水2-12-11
電話番号:048-465-9625

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

子どもたちと生きた〝食育〟を行う/朝霞市立泉水保育園 箭内みゆきさん
所在地:埼玉県朝霞市泉水2-12-11 
電話番号:048-465-9625