総合生涯学習プラザが隣接。
多彩な教育と保護者参加で、子どもたちの自信を育む/八千代市立萱田南小学校 校長 浮貝公雄 先生


八千代市立萱田南小学校
校長 浮貝公雄 先生

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

総合生涯学習プラザが隣接。
多彩な教育と保護者参加で、子どもたちの自信を育む「市立萱田南小学校」

東葉高速線「八千代中央」駅近くにある「市立萱田(かやだ)南小学校」は、「八千代市総合生涯学習プラザ」に隣接しており、一部の施設を共用しているというユニークな小学校です。教室はオープンスペースを採用するなど様々な特徴があるこの学校と、八千代市の子育て環境について、浮貝公雄 校長先生にお話をうかがいました。

萱田南小学校について、沿革や概要を教えていただけますでしょうか。

八千代市立萱田南小学校
八千代市立萱田南小学校

八千代中央エリアは、東葉高速線の開業により、人口が急増してきました。このエリアには、もともと「市立萱田小学校」があったのですが、「八千代中央」駅近くの小学生はそこまで通うには遠いこともあり、新たにこちらの「市立萱田南小学校」が開校したのです。今年(※2013年12月取材時点)開校7年目で、現在は595名の児童が通っています。

学校の特徴や魅力について教えて頂けますでしょうか。教室はオープンスペースになっているそうですね。

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

はい、本校の教室はすべてオープンスペースになっていることがひとつの特徴です。他校から転校していらっしゃった児童の保護者の方から、授業に集中できるのかと心配されることもありますが、ドアを開け閉めする音はありませんし、隣のクラスに配慮して活動しますので、とくに問題は起きておりません。

教室のロッカーは可動式で、必要に応じて教室のレイアウトを変えられるようになっています。また、可動式の掲示ボードもあり、学習の掲示物を前もって貼っておいて、必要な時に動かして見せることもできます。ロッカーと掲示ボードをつなげれば壁のようになりますから、冬は暖かさを保つこともできますし、夏は全開にして風通しをよくすることもできるんですよ。

「八千代市総合生涯学習プラザ」と共用している施設もあるとうかがいました。

八千代市総合生涯学習プラザ
八千代市総合生涯学習プラザ

はい、本校は「八千代市総合生涯学習プラザ」と併設されていることから、屋内プールや体育館、パソコン室、音楽室、調理室などを共用しています。とくに、屋内温水プールの恩恵は大きいですね。
本校では、6月初旬から7月初旬にかけて、火曜日以外の週4日間の午前中に「八千代市総合生涯学習プラザ」の屋内プールを貸し切りにして水泳の授業を行います。外の天候や気温に左右されずに、計画通りに授業を実施できます。プールの水温や衛生面などは施設の担当者がきちんと管理してくれておりますので、教職員の負担もありません。

その他の共用スペースも子どもたちがいる時間帯は本校で使えますので、問題なく授業ができます。体育館も冷暖房を完備していますので、卒業式、入学式や全校集会も快適です。

教育目標に掲げられている『「国際社会にはばたく南の子」-夢と自信を育む-』について、どのようなことに力を入れた教育を行っていらっしゃいますか?

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

国際化、グローバル化が進んできましたから、自信を持って自分の国のよさを伝えられる子ども、夢と希望と自信を持った子どもを育てたいと考えています。そこで、世界の国々をイメージできるように、保護者や教職員が海外旅行したときに手に入れた民芸品などを集めて、展示コーナーを作りました。

普段の授業や遠足などの活動で重視しているのは、
3~4人のグループをつくり、教師や大人に頼らずに行動する機会を1年生のときから積極的に経験させていることです。こうした“一人でできる”という自信が、将来、外国の方とも臆せず交流ができるベースになると考えています。もちろん、すぐにできるようにはなりませんが、1年生だからまだ早い、とやめてしまえばそれまでです。可能性があるならやってみよう、と取り組むことで次第にできるようになるのです。

子どもたちと接するときに心がけていらっしゃることは何ですか?

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

子どもが何か問題を起こしたり、学習がうまくいっていない時は、まず子どもの話を聞くことです。そのうえで、解決方法を提案したり、授業がわからなかったら時間を取って教えるようにしています。

担任だけで解決できない場合があれば、校長や教頭がサポートしますし、保護者に話をする必要があれば、直接会ってお話しするようにしています。電話でなく、直接お話しすることが大切なんです。学校と家庭が連携して、褒め方や叱り方を工夫するなど子どもが同じ方向に進めるように整えると、子どもは落ち着いてきます。

本校にはいろいろな子どもが通っています。発達障害など、配慮を必要とする子もいます。こういった子どもたちを“困った子”と、頭ごなしに叱ってしまったらそれでおしまいです。実は子ども自身が困っていますし、保護者の方も困っていることが多いのです。学校ではまず、保護者の方が困らないようにサポートをして、保護者の方が子どもに適切な方法で関われるようにしていきます。そのようにすると、子ども自身も楽になって変わってきます。

異学年交流も活発に行っていらっしゃるそうですね。

萱田地区公園
萱田地区公園

本校の異学年交流活動は、“一人っ子でも兄弟姉妹の感覚を体験できるように”という狙いで、兄弟学年として1年生と6年生、5年生と2年生、3年生と4年生がペアになって、いっしょに遊んだり給食を食べたりしています。

とくに6年生による1年生の面倒見のよさはすごいですよ。毎年、全校遠足で近くの「萱田地区公園」に行くのですが、6年生が1年生の手を引いて連れていきます。お昼を食べた後、6年生が自分たちで計画していた遊びで1年生といっしょに遊んでいます。1年生が6年生に自然に甘える姿も見られますし、1年生はお兄さんお姉さんにやさしくしてもらえて、学校に来るのが楽しみになっているようです。

学習に関する独自の取り組みについて教えていただけますでしょうか。

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

「ステップアップ学習」として、自分のペースでプリントを進める学習を行っています。プリントを自分で選んで問題を解いたら自己採点をして、間違えた問題を直してから次のプリントに進んでいくというシステムで、火曜日の朝の時間を利用して進めています。

また、「ゼロ校時授業」として、月、水、木曜日には普通の学校では朝自習や朝読書に使っている時間を、本校では通常の授業に組み込んでいます。通常45分の授業時間に25分加えることで70分の授業になりますから、例えば理科の実験なども余裕をもってできます。

保護者や地域との関わりや連携は、どのようなことを行っていますでしょうか。

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

毎週金曜日は朝読書を行っていますが、月2回ほど「お話バスケット」の保護者の方による読み聞かせをしていただいています。低学年の子どもたちだけでなく上級生も喜んでいますし、お母さん方も読み聞かせをするのをとても楽しみにしています。

本校での特色は、このように学校教育に保護者に関わっていただいていることだと思います。図書館の本の貸し出しは保護者による図書ボランティアに協力いただいていますし、総合学習のゲストティーチャーにも元キャビンアテンダントやお花屋さんの店長さん、スキューバダイビングの先生、梨農家の方といった多彩な職業の方に来ていただいて、6年生のキャリア教育にお話をしていただいています。

もちろん周辺地域の方にも多くのご協力をいただいています。朝の登校時には、スクールガードの方をはじめ保護者の方にも見守っていただいています。

萱田南小学校の子どもたちの様子はいかがでしょうか。

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

元気な子が多いですね。「萱南レンジャー(おやじの会)」の企画で近くの農家の田んぼで田植えや稲刈りをしたりすることもあるのですが、そういったときも泥んこになって遊ぶのを楽しんでいますし、朝も「おはようございます」と元気にあいさつができます。「鉄棒教えてくれますか?」と私のところへ寄ってきたりと、人懐っこい子も多いです。学校に来てくださるALTの先生も「萱田南小学校の子はみんな積極的で明るく、活発ですね」とおっしゃっています。

学校が建つ、八千代市の子育て環境や、街の魅力を教えてください。

東京女子医科大学八千代医療センター
東京女子医科大学八千代医療センター

八千代市には「赤ちゃん広場」があり、お母さんたちの交流の場になっていますし、子育ての相談にも乗ってもらえます。「東京女子医大 八千代医療センター」が近くにあり医療面も充実しています。その他暮らしに関わる点では、「八千代中央」駅から「東京」駅まで50分程度という交通利便性もありますし、「ゆりのき通り」には、有名な和菓子や洋菓子のお店などがあるのも魅力でしょう。

このエリアでは、新しい人たちと以前から住んでいる人たちが融合する目的もかねて、毎年、夏祭りやつつじまつりなどの催しが開かれています。そこに子どもたちも参加するのですが、その子どもたちの姿を見て、地域全体で学校教育にも協力していこうという機運が高まってきました。このような地域なので、新しく越してきた方にもみんなウエルカムで、自然に溶け込めると思いますよ。

浮貝校長先生のおすすめの場所などがありましたら教えていただけますでしょうか。

萱田地区公園
萱田地区公園

本校のすぐ北側にある「萱田地区公園」は、池があって、春には桜がきれいですし、散策におすすめですね。このほか「飯綱近隣公園」もありますし、公園が多いのも魅力です。

さらに、八千代市の目玉として、新川沿いに中央図書館と市民ギャラリー、陸上競技場をつくる計画があります。この度、市議会も通りましたから、これからはもっと楽しめる場所が増えそうです。

萱田南小学校インタビュー
萱田南小学校インタビュー

今回、話を聞いた人

八千代市立 萱田南小学校

校長 浮貝公雄先生

住所:千葉県八千代ゆりのき台3-7-3
電話:047-487-7117
URL:http://www.yachiyo.ed.jp/ekayanan/

※記事内容は2013(平成26)年12月時点の情報です。

総合生涯学習プラザが隣接。
多彩な教育と保護者参加で、子どもたちの自信を育む/八千代市立萱田南小学校 校長 浮貝公雄 先生

所在地:千葉県八千代市ゆりのき台3-7-3 
電話番号:047-487-7117
http://www.yachiyo.ed.jp/ekayanan/