校長 奥脇千鶴子先生インタビュー

豊かな心と健康な身体を育み、各分野で活躍する「さいたま市立与野南中学校」の取り組み/さいたま市立与野南中学校 校長 奥脇千鶴子先生


市内有数の学力を誇る「与野南中学校」は、1961(昭和36)年4月に開校。課外活動についても特筆すべきものがあり、学問以外の分野でも生徒は活躍している。また同校は、バラの学校としても知られ、シーズンを迎える毎年5月を楽しみにしている近隣住民も多い。今回はそんな学校と地域の魅力を奥脇千鶴子校長先生に話を伺った。

「文武両道」を実践

さいたま市立与野南中学校
さいたま市立与野南中学校

――まずは、「与野南中学校」の沿革・概要を聞かせてください。

奥脇先生:本校は1961(昭和36)年4月、「与野市立与野東中学校」の分校として開校しました。1991(平成3)年に30周年、2011(平成23)年には50周年の記念式典を挙行。これまで多くの卒業生を送り出してきた本校ですが、現在の生徒数は5月時点で16学級511名となっています。“進んで学ぶ生徒”“心身共に健康な生徒”“心豊かな生徒”を教育目標に掲げ、それを達成するためのキーワードとして、“確かで豊かな学び”“心身共に健康”“潤いのある環境”“安全第一”を設定しています。

36種のバラが咲き誇る
36種のバラが咲き誇る

――バラが咲き誇る学校だそうですね。

奥脇先生:中央区の花でもあるバラが、36種121本も本校にはあります。花を咲かせることは難しいのですが、地域の皆さまに協力してもらいながらここまでの規模になりました。ちなみにバラの品種を記した看板は美術部によるものです。毎年5月上旬から、バラの香りがただよいはじめます。

美術部が作った品種の看板
美術部が作った品種の看板

――授業に関して、特徴的な取り組みなどあれば教えてください。

奥脇先生:学び舎である以上、何よりも大切なのは授業です。その授業の質を高めていくことは、我々の責務でもあります。本校では授業を公開し、先生同士が学び合えるようにしています。先生によっては探していたものが見つかるかもしれませんし、第三者の意見を聞くことで、これまでになかった気づきを得られるかもしれません。こうした取り組みがすべてとは言いませんが、学力に関して本校は市内トップクラスです。

学校だより「南風」 左下に今月読んだ本が紹介されている
学校だより「南風」 左下に今月読んだ本が紹介されている

――では逆に、授業に関すること以外での特色はありますか?

奥脇先生:絵本の読み聞かせをしていることですね。“なぜ中学生で絵本なのか”と疑問を抱かれる方もいますが、年齢を重ねてから絵本に触れることで、これまでとは異なる捉え方をする自分に気づきます。朝礼や、給食の時間などで読むのですが、そこで読んだ本は学校だより「南風」でも紹介します。「南風」は自治会の回覧板に挟まれるため、学校でどのような絵本が読まれているのかは近隣の方も楽しみにしていただいています。

さまざまな分野での活躍

お話を聞かせてくださった、奥脇校長先生
お話を聞かせてくださった、奥脇校長先生

――さいたま市の新しい教科「グローバル・スタディ科」の英語教育研究開発モデル校だったと伺っています。

奥脇先生:2016(平成28)年度から、市立の全小学校・中学校で「グローバル・スタディ科」がスタート。それに先駆けて本校では2015(平成27)年度から、そのモデル校に選ばれました。自国の文化と郷土に誇りを持ち、かつ世界で活躍するために欠かせない英語を習得するというのが主目的です。体系づけられたカリキュラムで、小学1年生から中学3年生までの9年間、“聞く”“話す”“読む”“書く”の能力を高めていきます。

――「与野南中学校」の生徒さんについてですが、どのような印象を抱いていますか?

奥脇先生:純朴で真面目で、文武両道を実践している生徒が多いなという印象ですね。挨拶も身についているので、他校の関係者にはよく褒めていただけます。進学先については「早稲田大学本庄高等学院」「埼玉県立浦和高校」「埼玉県立浦和第一女子高校」などが挙げられますね。周辺には文京地区として知られる浦和区がありますが、中央区も負けていませんよ。

駅伝競走大会での好成績を知らせる横断幕
駅伝競走大会での好成績を知らせる横断幕

――「与野南中学校」の課外活動について教えてください。

奥脇先生:「さいたま市駅伝大会」では男子チームが優勝。陸上部員のチームではなく、この大会のために集まり、準備をしてきた生徒たちによる好結果となります。文化面では人権作文、人権標語で最優秀賞を獲得。さらには「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」で、本校の生徒が英語で選手にインタビューするなど各分野で活躍しています。

地域の温かい目を感じながら

広い校庭
広い校庭

――地域と保護者との交流・連携についてはいかがですか?

奥脇先生:まず地域との交流についてですが、高齢者施設やマラソン大会が開かれる沿道で吹奏楽部が演奏したり、クラブ活動単位で埼大通りの落ち葉掃きをしたりします。また、挨拶を促す「あいさつ運動」では、保護者に手伝っていただいています。

図書室
図書室

――南与野エリアの教育環境について聞かせてください。

奥脇先生:教育環境という点では、教育に関心の高い方が多くいらっしゃる印象です。また、本校に対して、温かい眼差し向けてくださる方が多いので、学校としても大変嬉しく思っています。JRの「南与野」駅、「中浦和」駅、「武蔵浦和」駅を生活圏内に抱えているエリアなので進学先の選択肢が増えますし、街としても落ち着きがあります。自然と机に向かう環境が整っているように感じますね。

奥脇千鶴子先生
奥脇千鶴子先生

今回話を聞いた人

さいたま市立与野南中学校
校長 奥脇千鶴子先生

住所:埼玉県さいたま市中央区大戸2-6-25
TEL :048-852-1579
URL:http://yonominami-j.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

豊かな心と健康な身体を育み、各分野で活躍する「さいたま市立与野南中学校」の取り組み/さいたま市立与野南中学校 校長 奥脇千鶴子先生
所在地:埼玉県さいたま市中央区大戸2-6-25 
電話番号:048-852-1579
http://yonominami-j.saitama-city.ed.jp