阪神間モダニズムが根付く香櫨園で、 “お花の文化”を広めたい/アトリエフィーズ 谷川文江さん


アトリエフィーズ
代表取締役 谷川文江さん

阪神間モダニズムが根付く香櫨園で、
“お花の文化”を広めたい

フラワーアレンジメントの魅力を存分に学べるスクールを開講している「アトリエ フィーズ」の代表を務める谷川文江さんは、服飾や雑貨のデザインを皮切りに、花の世界に進んできた人。今なお本場イギリスで花の勉強を欠かさず、伝統や最新のトレンドを入手し、生徒たちに伝えている。そんな谷川さんがお店を開いているのは、西宮七園のひとつとして有名な「香櫨園」。阪神間モダニズムの文化が息づく街で、フラワーアレンジメントのスクールはどのように親しまれているのか。今回はアトリエフィーズと谷川さんの歩みについてお話を伺った。

こちらのお店を開いたきっかけを教えてください

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー
アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

現在の場所にお店を出したのが15年前で、アトリエフィーズは20年前にオープンしました。もともと私はモノを作るのが好きで、服飾や雑貨のデザイナーをしていたのですが、ドライフラワーも手作りで作っていたんです。それがクローズアップされて「教えて欲しい」という声が高まってきました。最初は幼稚園のPTAからの依頼だったのですが、初仕事に100名くらいの方が集まってくれました。「クリエイターとしてなら教えますよ」「私がデザインしたもので良ければ」という話でスタートしたのですが、他所の幼稚園にも呼んでいただけるようになってくると、「教室はないのでしょうか?」との声も出て来ました。

お店がある香櫨園はどのような街ですか

アトリエフィーズ
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住民の皆さんがすごく街を愛しているなとよく感じます。近くの「森具公園」は、森具地区にお住まいのみなさんが土地を提供したものなんです。防災公園を作らないといけない、という話になった時に住民の皆さんが無償で土地を提供しました。皆さんこの街を好きで、もっと良くしたいという気持ちがあったんだと思います。区画整理後は非常にきれいな街並みになったと思いますね。閑静な住宅地が広がっていますし、とても暮らしやすいかと思います。

そんな街だから“お花の文化”が受け入れられたのかもしれませんね

そうかもしれませんね。皆さん上品な方ばかりで、それにとても教育熱心なんです。近くには「甲陽学院」や「香櫨園小学校」もあります。治安も良いですし、子ども会なども充実していますので、安心して子どもを育てるられる街だと思います。

谷川さんはもともとはファッション・デザインからスタートしたのですね

アトリエフィーズ
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そうなんです。ファッションデザインに関しては、結婚する前にしていたのですが、結婚した後から雑貨デザインなどを始めました。友人の友人がオープンしていた雑貨店に、友人から「作っているものを持っていったら?」と声をかけてもらって持っていくと、「そのまま仕事をしてください」という話になりました(笑)。それからお花の方向に進んだ形ですね。最初はカルチャーみたいに市民会館でやっていたのですが、一度始めると思った以上に人が集まり、駅から近いところということで今の場所でスタートさせました。今でもお花のことはイギリスに行って勉強をしています。

スクールのコンセプトを教えてください

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー
アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

今はイギリススタイルのフラワーアレンジメントのスクール形態で、フレッシュフラワー、ブリザードフラワー、それからアートフラワーも教えています。スクールを始める中で、通ってくださっている生徒さんに将来的には資格を取ってもらったり、実際に資格を取得した生徒さんの支援をしたいと思っていました。そこで3年前に「一般社団法人Flower Works Japan」を立ち上げて教室開業支援の会社を作りました。イギリスのデザインや技術、伝統やトレンドを伝えるために開業し、「Flower Works Japan」自体が資格を発行できる機関にしています。まだ3年目の組織ですが、兵庫県全域、広島や静岡、大阪からも来られています。

イギリススタイルはどういうものですか

アトリエフィーズ
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グリーンをたくさん使うところが特徴ですね。3種類から5種類のグリーンが入るのは他にはありません。ただ、なかなか一言では言えないところです。伝統的なものを取り入れながら、トレンドを入れることがうちの方針、スタイルということ。生け花にも様々な流派がありますし、一言では語れないと思いますね。

生徒さんが作ったものを披露することはあるのですか

アトリエフィーズ
アトリエフィーズ

生徒さんの作品展を毎年開催しています。アトリエの1階と2階を開放してたくさんの方にご来場いただいています。レベルの違う生徒さんが発表することで、それぞれのモチベーションがあがりますね。毎年秋に行っています。どなたでもご来場いただけますのでお近くにこられましたらのぞいてくださいね。

スクールのコースはどのようになっていますか

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー
アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

フレッシュフラワーとブリザードフラワーがあり、それぞれに資格取得コース、趣味のエンジョイフラワーコースがあります。生徒さんの数は、昔はブリザードフラワーが多かったのですが、今は7対3の割合でフレッシュフラワーを学ばれる方が多いですね。資格と趣味では半分ずつくらいの比率になっています。

今後の活動への考え方を教えてください

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー
アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

今後も資格を目指す人は減らないだろうと思います。これからは以前より、より感性や楽しさに向かう中でデザインや技術も同様に求められます。私は毎年イギリスに行っていますが、日本人とイギリス人の気質や学ぶことそのものに求めるものがちがいます。イギリスのフラワーデザインや技術は素晴らしいので、踏襲できることは取り入れて仕組みは日本に合うようにプロデュースしています。まずは基礎を学び、それをどう応用していくかが日本人の学び方にあっていると思います。

アトリエフィーズ
アトリエフィーズ

女性が伝承していけるものが日本には仕組みがあります。江戸の元禄時代から戦乱が収まり、それまでお花は男性の貴族文化でした。それが町民の裕福な商家のお嬢さんがお花を習うようになりました。世界的に仕事でもなく花を習うことは珍しいことです。きっちりと伝統的文化や技術というものがありますから、何よりもまずそれを伝えた上で、今イギリスで何が流行っているのかを取り入れるようにしています。

最後に、街のお気に入りスポットを教えてください

夙川河川敷緑地(川西町六丁目付近)
夙川河川敷緑地(川西町六丁目付近)

そうですね。「夙川」のところに「オアシスロード」があって散策にぴったりです。「夙川」は桜の名所ですが、川沿いに桜が並んでいる光景はとても綺麗ですよ。海の河口からずっと上の方まで続いていますし壮観ですね。

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー
アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

今回、話を聞いた人

株式会社アトリエフィーズ

代表取締役 谷川 文江さん

株式会社アトリエフィーズ
所在地:兵庫県西宮市屋敷町2-19
電話番号:0798-35-0927
http://atelierfs.blue-glim.com/

※この情報は2015(平成27)年7月時点のものです。

阪神間モダニズムが根付く香櫨園で、 “お花の文化”を広めたい/アトリエフィーズ 谷川文江さん
所在地:兵庫県西宮市屋敷町2-19 
電話番号:0798-35-0927
http://atelierfs.blue-glim.com/