府中市立白糸台小学校:校長 村岡由季夫先生インタビュー

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」/府中市立白糸台小学校 村岡由季夫先生


府中市立白糸台小学校校長 村岡由季夫先生

西武多摩川線「白糸台」駅そばにある「府中市立白糸台小学校」は今年で開校45周年を迎えた。白糸台という落ち着いた環境で地域の人々に見守られ、子どもたちはのびのびと成長している。そんな「府中市立白糸台小学校」について校長の村岡由季夫先生にお話をお伺いした。

開校45周年を迎えた中規模校です

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」
すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」

「府中市立白糸台小学校」は1970(昭和45)年に開校して、今年で開校45周年を迎えました。今年度の児童数は502人で全17学級、府中市では中規模の小学校です。このあたりは閑静な住宅街が広がっており、子どもたちも落ち着いた子が多いですね。

人間性豊かな児童の育成を目標としています

校内の様子
校内の様子

村岡先生:本校では、「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童の育成」を教育目標に掲げています。それを目指すための子ども像に「すすんで学ぶ子」「助け合う子」「たくましい子」の3つがあります。具体的な活動としては縦割り班があります。1先生から6年生までの縦割りでグループを作り活動をしています。高学年は下の子の面倒を見たり、リーダーシップを発揮したり、また下の子にとっては上級生は憧れなんです。そういう異学年の集団というのはなかなか無いので、それを年間通して行っています。秋には「縦割りウォークラリー」といって、「武蔵野の森公園」に班ごとに行ってウォークラリーをやるんです。たくさんのチェックポイントがあって、ボールをみんなで回すとか、しりとりを制限時間内に何個言えるかとか、教員が色々ゲームを出して競うんです。みんなで遊んだりお弁当を食べたりするのが大きな活動で、それに向けていろんな話し合いをしたり、助けあったりしています。

自尊感情や自己肯定感を大事にしています

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」
すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」

村岡先生:子どもたちの教育に関しては自尊感情や自己肯定感を大事にしています。自分を大切にし自分は価値ある人間なんだと感じさせ、それとともに他人も大切にする、ということですね。そういう気持ちを持たせることを大事にしています。全校朝会でサッカーで優勝したとか、ピアノのコンクールで入賞した子を表彰するようにしています。それを学校便りにも載せています。3年連続で夏休みの水泳を休んでいないすごい子がいて、その子も学校便りに載せたりもしました。

外国人講師による英語教育もあります

授業の様子
授業の様子

村岡先生:府中市では全校で英語教育を行っており、5、6年生は英語の授業を年間35時間やっていて、そのうち25時間は外国人講師の方が来てくれています。中学校で習うような読み書きではなく、先生とのやり取りでコミュニケーション能力の素地を培うことが目的です。こんな感じで外国人の方と関わればいいんだなあと、簡単なところからやっていますね。外国人講師は3年生から入っています。ハローとか、ワンツーとか、そんなところからで、英語を楽しむという感じですね。

和太鼓クラブや、合唱団、タグラグビークラブの活動が盛んです

各種大会のトロフィー
各種大会のトロフィー

村岡先生:クラブ活動は4年生以上が参加しています。府中市には「武蔵国府太鼓」という脈々と続いている伝統があるんです。和太鼓クラブは地域の方が教えてくださって、十数年ずっと続いています。「府中市どりーむホール」という大きなホールがあって、そこで披露したり、地域の運動会のオープニングや、夏祭りで叩いたりもしています。合唱団は3年生以上の有志で、歌の好きな子が集まってやっています。これも「府中市ドリームホール」で歌ったり、「ふれあいコンサート」という地域でのコンサートがあるのですが、そこで発表したりしています。
また「あさひ苑」という高齢者施設に夏休みに行って歌を歌ったり、手遊びを入居者の方と一緒にやって交流をしています。タグラグビーはタックルや接触は無しで腰に付いたタグを取り合うもので、府中市は盛んなんです。うちは強くて府中で7連覇したり、全国大会にも出たことがあるんです。今年も全国大会の出場を目指して頑張っていますよ。

自主性を大切にした行事を行っています

受付に飾られた子どもたちの作品
受付に飾られた子どもたちの作品

特徴的な行事でいうと、「のど自慢大会」と「わざ自慢大会」を隔年で行っています。「のど自慢大会」は自由参加で、自分の歌を披露したい子が集まってやっています。学年大会と代表者大会があって、1年生から6年生までそれぞれの学年で勝ち上がった子が代表者大会に出場します。
「わざ自慢大会」も任意でやりたい子が集まります。わざは自分がわざだと思えば何でもいいんです。お手玉とかヨーヨーとか、体操をやっている子はバック転とか。思いもつかないようなわざを披露する時もあるのですが、それはそれで自分がわざと思えばよくて、それが面白いんです。自分の自慢をアピールできる機会が少ないので、自主性を大事にしています。保護者にもオープンにしたところ、多くの方が来てくださって、喜ばれています。

留学生や地域の方々との交流も大切にしています

校内の掲示板
校内の掲示板

村岡先生:6年生の総合的な学習の時間では、「東京外国語大学」の留学生の方に来て頂いて交流をしています。名前を言ったり、日本の文化と言われるお手玉やけん玉をして遊んだり、タグラグビーをやったりしています。どこの国の人が来るかわかっていますので、事前にその国の言葉で「こんにちは」などの挨拶を調べる学習もしています。留学生はアジアが多く中国、韓国、台湾、インドネシア、シンガポール、ベトナム、ヨーロッパやオーストラリアの人もいますね。留学生も楽しんでくれていますし、子どもたちにとっても中学に行ったら英語を頑張ろうと思うきっかけになっているようです。
「府中けやきの森学園」という特別支援学校との交流も行っています。学級単位での交流を1年生から6年生までずっとやっていて、1年生で初めて会ったお子さんと6年生まで毎年交流するんです。障がい者に対する理解、差別や偏見の勉強に非常に役立ち、卒業生は中学高校に行ってもそういった意識が高いと言われています。こちらも、もう20年以上続いていますね。学級での交流は年に1回ですが、その他にいろんな行事、例えば1学期には子ども祭というのがあって、そこに「府中けやきの森学園」のお子さんたちも来て頂き、楽しんでもらっています。

校庭は全面芝生なんです

芝生の校庭
芝生の校庭

村岡先生:2010(平成22)年度に芝生化されたのですが、最初は上手くいかなくて、私が赴任した2012(平成24)年度には半分以上なかったんです。使いたい放題でメンテナンスが十分にできていなかったんですね。市に要望を出して張り替えてもらいました。それから使った後に整備するとか、雑草を取るとかルールを作ってやっと落ち着いてきました。PTAの方々が協力して毎週整備してくださっていて、それでこの芝生を保っているんです。子どもたちは裸足で走り回っていますよ。

地域が一体となって子育てをしています

下校する子どもたち
下校する子どもたち

村岡先生:この地域は明るくて素直な子が多いですね。地域が子どもを育てるというか、学校だけじゃなくて保護者や地域の方とも一緒に子どもを育てましょうというのを大きなテーマにしているんです。それが浸透していて、何かあれば地域の方が声をかけてくれたりと、そういうのが根付いている地域です。
青少年対策委員会(青少対)という地域の方の団体があるんですが、子どもに関する行事を色々やってくださってます。例えばスポーツ大会や運動会を地域の体育館でやってくださったり、先ほどの「ふれあいコンサート」もそうですね。「府中市立第十小学校」と「府中市立第二中学校」が同じ学区なんですけど、合同で合奏や合唱をやるんです。
あと「見守り隊」というのがあります。下校時は毎日、地域の方たちが揃いのベストを着て、安全を確保してくださっています。登校時には毎日校門であいさつをして子どもの安全を見守ってくださっている地域の方がいるんです。元PTA会長さんなんですけど、雨の日も風の日も45年間毎日ですよ。本当にすごい方です。そういう方がいると地域としても親としてもうれしいですよね。その方は子どもに大人気なんですが、保護者からの信頼も厚くて、子育てで悩む方がいたら相談にのってあげたり、時には叱ったり、地域の方が頼りにしている「街のおばあちゃん」という感じです。

府中市立白糸台小学校 校長先生
府中市立白糸台小学校 校長先生

今回、話を聞いた人

府中市立白糸台小学校

校長 村岡由季夫先生

府中市立白糸台小学校
東京都府中市白糸台2-16
TEL:042-365-2650
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」/府中市立白糸台小学校 村岡由季夫先生
所在地:東京都府中市白糸台2-16 
電話番号:042-365-2650
http://www.fuchu15s.fuchu-tokyo.ed.jp/