国際社会に貢献するリーダーの育成を目指して/関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん


関西国際学園 関西インターナショナルスクール 芦屋校
マネージャー 毛利瞳さん

国際社会に貢献するリーダーの育成を目指して

国際化が進む中、世界で活躍できるバイリンガルの育成に力を入れる「関西国際学園」は、次世代のリーダーとなるべき人材を育てるインターナショナルスクール。日本語や英語は、そうしたスキル習得のためのツールとして位置づけ、様々な角度から子どもたちの能力を育んでいる。今回は香櫨園にある「関西インターナショナルスクール 芦屋校」のマネージャーを務める毛利瞳さんにお話をうかがった。

貴校が設立されたきっかけはどのようなものでしょうか

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

学園長のご長男が今、高校3年生になるのですが、生まれた時にどういう教育をさせたいかを考えたことがスタートになります。様々なインターナショナルスクールや日本の幼稚園も見て回ったそうなのですが、日本の幼稚園は懐かしいなという印象を持ち、かたやインターナショナルスクールは自由に発言をどんどんしますが、座っている時に足を組んで話していいなど、日本人がみて「行儀が悪い」と感じることがあったそうです。

学園長が思ったのは、自分の子どもを外国人にしたいわけではない。日本人としていて欲しいけれど、これからの時代、賢い人たちと世界で戦っていかないといけない時代が必ず来る、英語が話せることはご飯を食べるスキルと同じ感覚で必要になるという考えがあり、バイリンガルの学校を自分で作ろうと考えたのがはじまりです。

芦屋校についてお教えください

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

「芦屋校」が香櫨園にできたのは3~4年前ですが、学校自体は13年、もともと灘区にあったのが手狭になったためここに移ってきました。乳幼児部や幼稚園部(1歳~5歳児)があり、総勢で107名、モーニングやサタデーのクラスを入れれば113名が来てくれています。

私は3年前くらいにこちらに来させてもらいましたが、気さくな方が多く温かく迎えてくださり、わらかないことを教えてくださったりもしていただきましたね。それに静かな街ですし、子どもも多い。近くに小学校がありますが、人数が多く増設される予定になっています。西宮と芦屋の間という好立地ですし、「夙川」沿いに公園がずっと続いていて、小さい子どもと出かける時にとても良い環境というのもあると思いますね。

子育てするにはとても良さそうな環境ですね

はい、子どもを育てるにはとても良い環境だと思います。元からいらっしゃる方が助けてくださいますし、公園も近く、スイミングスクール、サッカークラブ、テニススクールなどもたくさんあります。車の音もあまり聞こえません。安心できる静かさがありますし、治安もすごく良いと思いますね。子どもたちの小学校の下校時間などは賑わいますし、朝は父兄の方が出られて旗を持って立たれています。自転車でパトロール隊も組まれていますよ。

教育方針はどのようなものを掲げていらっしゃいますか

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

もともと「日英のバイリンガル教育を通して、国際社会に貢献するリーダーの育成」が理念としてあります。学園長がいつも言うのは「人に好かれる人になりなさい」ということなんです。助けたいなと思うのは好かれる人です。女の子を入学させられるお母様は、皆さんが将来会社を立ち上げて欲しいと思っているというわけではないのですが、会社のエラいポジションだけではなく、家庭を持って子どもができれば家庭を切り盛りするリーダーは必然的に女性なのです。

自分で意見が言えて、考えられて、思っていることを発言できる、そして周りと調和して解決できることを見出せる人になって欲しいと思っています。それを日本語でも英語でもできることが本校の理想になります。

様々な能力の根っこを育成するということですね

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

これからの時代はコンピュータの方が性能がさらに良くなります。人間に求められるのは人間力であり、ゼロからイチを生み出す力。クリエイティビティや創造力、問題解決能力です。クリティカルシンキング、批判的なものの見方というものがありますが、「これで良い?」「これで合ってる?」という疑問を考えていくプロセスを乳幼児期に習慣づけしたいと思っています。最終的には「自立」です。

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

本校では、1歳児からモノの管理をさせています。「おむつ取ってきて」と言えば、自分の引き出しからオムツを取ってきて、先生のところで履き変えるのも自分で行います。お弁当を食べる時も、ランチセットを全クラス分を一つの箱に入れていて、ご飯の時に自分のランチセットを探してきて、自分の名前が張っている椅子を認識してそこに座り、最後は元あったカゴにランチセットを片づけます。習慣化させることで、それができるようになるんです。

授業はどのように行われているのでしょうか

関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー
関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー

幼稚園部は1クラス20人が定員となり、子どものサポート、成長面を日本人と外国人の2人の先生でカバーするようにしています。幼稚園部では読み書きも行いますが、子どもが自信を持つことにより、次もやりたい、次も見てみたいという意欲につながっていきます。

関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー
関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー

インターナショナルスクールは「英語」を学ぶところという印象をもたれていると思いますが、英語そのものを学ぶ時間は一日に30分くらいしかありません。英語でゲームをしたり、歌を歌ったり、科学、社会、算数を行います。科学では重さを量ったり、長さを比べたりします。生物についてを学んだり、社会のルールについてや、海の生き物、世界のお祭り、身の回りの出来事、それに散策にも出かけます。散策の時に何か持って帰り、それを水槽の中に入れて浮くもの、沈むものを調べたりします。浮力、重力なども英語で教えていくということです。体験学習的なものを多く取り入れているのが特徴ですね。

日本語の授業も幼稚園部では一日1時間あります。また、年少、年中、年長で3年間で小学校1年生の問題を行います。年少では、図形の見分け方、ひらがな、年中は足し算、引き算、カタカナ、文章問題を解くなど、年長は復習や漢字、国語の問題などを解いていきます。

講師の先生は何名いらっしゃるのでしょうか。また、講師を採用される上で大切にしていることはなんですか

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

講師は14名が常駐し、フランス語、中国語、そろばん、ピアノ、バイオリンの先生がおり、受験クラスの6人、事務を入れて22名になります。日本人と外国人の比率は半々になります。外国人の先生を採用するときは、子どもが好きで、日本が好きなことを大切にしています。そして、それぞれ得意分野を持っています。過去にプロのカメラマンだったり、生物学の先生だった人もいますし、演劇をしていた人もいます。ですので、イベントを考える時に多角的にものを見ることができます。子どもたちが何か特徴のある得意分野、これが大好き、というものを見つけて卒業して欲しいと思っていますね。

授業を拝見すると、子どもたちの参加意欲がとても高いように感じました

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

もちろん、皆意欲的なのはありますが、先生の教える上手さもあると思います。今日は子どもたちが乗ってこないと思えば、違う内容に変える柔軟さがすごく大切です。どうすれば日本語を母国語とし、英語を第2言語とする子どもたちを伸ばしていけるのか、そこへのアプローチがとても上手ですね。第2言語は、母国語が伸びれば伸びるほど能力が上がっていきます。英語力だけが伸びるということはあまりないんです。それが正しいバイリンガルの育て方。

関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー
関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー

インターナショナルスクールに通っていると、母国語が英語に変わっているケースが多々あります。日本語は家で話すからいい、と言うレベルでは日本語は伸びません。ですが、家族と話すときには、「あれ」「これ」や「いる」「できる」などで済んでしまいます。子どもたちが日本語の授業で習っているのは、旬の食べ物やフラッシュカードを見る時間、ワークの時間、手遊びうたの時間、歌の時間などです。音読の時間もあるのですが、雨は「しとしと」「ぴたぴた」など、物に当たってどういう音がするのかを知ることで、ソワソワ、フワフワ、キョロキョロなど、日本語独特の表現の美しさを身につけていくことができます。

今後への抱負を教えてください

日本の良さ、伝統を把握しながら西洋の良さをミックスするバイリンガルを目指しています。日本を知り、自分が何者であるかを認識し、それを表現するツールが日本語や英語ということです。最終的には「自立」が目標ですし、意見が言えて、考えを持っていて、人に好かれ、答えも導き出せる。そういう子は、必然的にリーダーになっていくと思います。

この街の魅力について教えていただけますか

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

地域の方々がいろいろなことに協力的です。地域の会があり、公立の中学校から小学校、幼稚園だけでなく、老人会やスポーツクラブが集まって地域全体で子どもを見て行こうという、とても温かい街という印象です。地域のみんなで子どもを守り、香櫨園をよりよい地域にしていこうと考えてらっしゃる方が多いと思いますね。

関西インターナショナルスクール 芦屋校
関西インターナショナルスクール 芦屋校

今回、話を聞いた人

関西国際学園 関西インターナショナルスクール 芦屋校

マネージャー 毛利瞳さん
写真:デミアン・ハケットさん(カリキュラムの作成者でありながら自らも教壇に立ち、子供たちのニーズを掴み取っている)

所在地:兵庫県西宮市堀切町5-2
電話番号:0798-38-2222
URL:http://www.kansai-intlschool.jp/

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

国際社会に貢献するリーダーの育成を目指して/関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん
所在地:兵庫県西宮市堀切町5-2 
電話番号:0798-38-2222
時間:7:30~19:00
休校日:日曜・祝日
http://www.kansai-intlschool.jp/dir/guid..