教育の場としての幼稚園のあり方―神奈川県初の認定こども園 ゆりかご幼稚園 理事長・園長 荒井利夫さん

ゆりかご幼稚園 理事長・園長 荒井利夫さん

教育の場としての幼稚園のあり方―
神奈川県初の認定こども園「ゆりかご幼稚園」の取り組み

川崎市宮前区の小高い丘の上にある「ゆりかご幼稚園」。園名は、温かい家庭的な雰囲気が漂うことを願って名付けられたという。「ゆりかご幼稚園」の園舎は、大きな三角屋根のログハウス調の建物だ。園庭には、今まさに宇宙に向かって飛び立とうとしているような、スペースシャトルの遊具。
「幼稚園の教育が洗練されるに至るには、相当の年月を要しました」と、笑顔で語る園長の荒井利夫さんに、幼稚園についてお話を聞いた。

「ゆりかご幼稚園」は、夢がいっぱい詰まっている幼稚園ですね。

ゆりかご幼稚園

まず、正面には、青空に白金に輝く「ゆりかごドーム未来館」がそびえています。こちらは子どもたちが思い切り遊べる遊戯室であり、音楽ホールとしても最適で、耐震性も抜群です。また、屋根よりも高いところから滑り降りる「レインボースライダー」や、園庭に設けられたプラットホームに停車している「デンマーク製の駅舎と赤いトレイン」など、とっても楽しくて素敵な遊具があります。 さらに送迎バスは、緑の多摩丘陵を走る、赤い重厚感のあるSLバスが運行されています。またオリンピックで、サッカーのゴールキーパーとして出場した卒園生を記念して、ロンドンバスも加わりました。

幼稚園で最も大切にしているのは、どんなことでしょうか。

ゆりかご幼稚園

体力の強化を図るとともに、勇気、自信、そして慈愛の心を育成することを大切にしています。特に、言語文化と表現活動は、創立以来、重視しています。例えば園内には豊富な絵本が、本屋の店頭のように図書委員の手によって陳列されていて、園児は2冊を選び自宅に持ち帰って楽しみます。また、副園長により、総合放送で名作物語が朗読され、各クラスで園児はそれを鑑賞したり、放送からの音声を頼りにして、その物語の世界を辿ったりします。

年少、年中児は音楽劇、そして年長児は言語劇を宮前文化センターの舞台で演じます。また、四季折々をしっかり言葉で捉えるために、俳句を毎朝全園児で朗誦しています。

言語文化をさらに高めるために、音楽の広場を開いています。音楽の専門の先生によるピアノの音色にのせて園児が歌い、言葉の心情を捉えるようにしています。また、心と体がばらばらにならないように、リトミックも楽しみます。

教育の原点は「生きる力」を蓄えることにあると考えています。また、衝動的な行動に走らず、環境をしっかり把握して意志的行動が取れるようになることが目標で、何事も丁寧に対応する習慣を身につけることが大切だと思っています。情操性とは、知性の裏づけのある感情であり、芸術的情操性に限ったものではありません。文学的情操性もあれば、数学的な情操性もあります。

それを実践するために、どのような努力をされているのでしょうか?

ゆりかご幼稚園

優れた教職員をラインアップすることを重視しています。教職員の終礼では、各界で活躍されている方々のエッセイを輪読して、教養を高めています。「ゆりかご幼稚園」の授業は、引き付ける(エンターテイメント)、楽しさ(エンジョイメント)、そしてわくわく感(エキサイティング)の3Eを常に考えているからです。また、クラス担任は、人生経験の豊かな保護者に温かく包まれているため、本当に本園の教職員は恵まれていると思います。

「ゆりかご幼稚園」は、神奈川県第一号の認定こども園ということをお聞きしました。

ゆりかご幼稚園

平成18(2006)年に、教育基本法ならびに学校教育法が改定され、幼稚園教育の重要性が説かれて、条例化されました。そこで本園では「3歳になったならば、等しく幼児教育が受けられるべき」として、仕事をもつ父母の子育て支援として、認定こども園を幼稚園に併設しました。午前7時30分から9時、午後2時から6時30分までは保育を行い、午前9時から午後2時までは幼稚園となっています。仕事を持つお母さんと子育てに専念しているお母さんとの交流の機会もあり、お互いにより良い刺激となっているとのことです。

園では豊富な行事が行なわれているとのことですが。

ゆりかご幼稚園

ファミリーの集い、七夕コンサート、敬老の日のお手紙、運動会、作品展、おいも掘り、クリスマスコンサート、おもちつき、教育発表会、縄跳び大会、そして卒園記念遠足やクラス対抗サッカー試合など、多々あります。私も行事に参加しますと、しみじみ子育ての尊さと喜びに包まれることがあります。

授業中に、印象的な言葉で表現をなさっていますね。

ゆりかご幼稚園

「天才にはなれずとも準天才にはなれる。」最初に耳にした方々は、何を言っているのだろうと思われるようです。ところが、お子さんの大きな成長を実感するにつれ、この言葉を理解してくださるようになります。言葉の力はすごいです。毎日唱えていると、「なれるかな」から「なるぞ」に意識が変わってきます。お母さんには「毎日、新記録を出しましょう」と話をしています。いつもより10分早起きができた。にんじんも食べられた。あの子とも仲良しになれた。これらはすべてその子の新記録なのです。毎日新記録を樹立していく子どもたちはすばらしい存在です。

子どもを持つファミリー世代の方々にメッセージをお願いします。

幼稚園が出来たころ、ここは田園風景が広がる自然環境に恵まれていました。今は住宅地になっていますが、のんびりした雰囲気はそのまま残されています。幼稚園と学校との交流もなされており、相互の行事に参加しています。小学校は熱心な取り組みがなされており、年々ますます進化しています。新たに転居されてこられるご家族は、お子さんが幼稚園、小学校というコミュニティーに入ることで、新たな友だちもできて、地域との繋がりもできます。転居されるにあたって、教育環境をしっかりリサーチして、納得できる環境で子育てしていただきたいと思っています。

ゆりかご幼稚園

今回、話を聞いた人

ゆりかご幼稚園
理事長/園長 荒井利夫さん

所在地:神奈川県川崎市宮前区犬蔵1-19-16
電話番号:044-977-1623
http://home.c06.itscom.net/yurikago/

※記事内容は2013(平成25)年3月時点の情報です。

教育の場としての幼稚園のあり方―神奈川県初の認定こども園/ゆりかご幼稚園 理事長・園長 荒井利夫さん
所在地:神奈川県川崎市宮前区犬蔵1-19-16 
電話番号:044-977-1623
http://home.c06.itscom.net/yurikago/