総合生涯学習プラザが隣接。
多彩な教育と保護者参加で、子どもたちの自信を育む/八千代市立萱田南小学校 校長 浮貝公雄 先生


八千代市立萱田南小学校
校長 浮貝公雄 先生

萱田南小学校インタビュー

総合生涯学習プラザが隣接。
多彩な教育と保護者参加で、子どもたちの自信を育む「市立萱田南小学校」

東葉高速線「八千代中央」駅近くにある「市立萱田(かやだ)南小学校」は、「八千代市総合生涯学習プラザ」に隣接しており、一部の施設を共用しているというユニークな小学校です。教室はオープンスペースを採用するなど様々な特徴があるこの学校と、八千代市の子育て環境について、浮貝公雄 校長先生にお話をうかがいました。

萱田南小学校について、沿革や概要を教えていただけますでしょうか。

八千代市立萱田南小学校

八千代中央エリアは、東葉高速線の開業により、人口が急増してきました。このエリアには、もともと「市立萱田小学校」があったのですが、「八千代中央」駅近くの小学生はそこまで通うには遠いこともあり、新たにこちらの「市立萱田南小学校」が開校したのです。今年(※2013年12月取材時点)開校7年目で、現在は595名の児童が通っています。

学校の特徴や魅力について教えて頂けますでしょうか。教室はオープンスペースになっているそうですね。

萱田南小学校インタビュー

はい、本校の教室はすべてオープンスペースになっていることがひとつの特徴です。他校から転校していらっしゃった児童の保護者の方から、授業に集中できるのかと心配されることもありますが、ドアを開け閉めする音はありませんし、隣のクラスに配慮して活動しますので、とくに問題は起きておりません。

教室のロッカーは可動式で、必要に応じて教室のレイアウトを変えられるようになっています。また、可動式の掲示ボードもあり、学習の掲示物を前もって貼っておいて、必要な時に動かして見せることもできます。ロッカーと掲示ボードをつなげれば壁のようになりますから、冬は暖かさを保つこともできますし、夏は全開にして風通しをよくすることもできるんですよ。

「八千代市総合生涯学習プラザ」と共用している施設もあるとうかがいました。

八千代市総合生涯学習プラザ

はい、本校は「八千代市総合生涯学習プラザ」と併設されていることから、屋内プールや体育館、パソコン室、音楽室、調理室などを共用しています。とくに、屋内温水プールの恩恵は大きいですね。
本校では、6月初旬から7月初旬にかけて、火曜日以外の週4日間の午前中に「八千代市総合生涯学習プラザ」の屋内プールを貸し切りにして水泳の授業を行います。外の天候や気温に左右されずに、計画通りに授業を実施できます。プールの水温や衛生面などは施設の担当者がきちんと管理してくれておりますので、教職員の負担もありません。

その他の共用スペースも子どもたちがいる時間帯は本校で使えますので、問題なく授業ができます。体育館も冷暖房を完備していますので、卒業式、入学式や全校集会も快適です。

教育目標に掲げられている『「国際社会にはばたく南の子」-夢と自信を育む-』について、どのようなことに力を入れた教育を行っていらっしゃいますか?

萱田南小学校インタビュー

国際化、グローバル化が進んできましたから、自信を持って自分の国のよさを伝えられる子ども、夢と希望と自信を持った子どもを育てたいと考えています。そこで、世界の国々をイメージできるように、保護者や教職員が海外旅行したときに手に入れた民芸品などを集めて、展示コーナーを作りました。

普段の授業や遠足などの活動で重視しているのは、
3~4人のグループをつくり、教師や大人に頼らずに行動する機会を1年生のときから積極的に経験させていることです。こうした“一人でできる”という自信が、将来、外国の方とも臆せず交流ができるベースになると考えています。もちろん、すぐにできるようにはなりませんが、1年生だからまだ早い、とやめてしまえばそれまでです。可能性があるならやってみよう、と取り組むことで次第にできるようになるのです。

子どもたちと接するときに心がけていらっしゃることは何ですか?

萱田南小学校インタビュー

子どもが何か問題を起こしたり、学習がうまくいっていない時は、まず子どもの話を聞くことです。そのうえで、解決方法を提案したり、授業がわからなかったら時間を取って教えるようにしています。

担任だけで解決できない場合があれば、校長や教頭がサポートしますし、保護者に話をする必要があれば、直接会ってお話しするようにしています。電話でなく、直接お話しすることが大切なんです。学校と家庭が連携して、褒め方や叱り方を工夫するなど子どもが同じ方向に進めるように整えると、子どもは落ち着いてきます。

本校にはいろいろな子どもが通っています。発達障害など、配慮を必要とする子もいます。こういった子どもたちを“困った子”と、頭ごなしに叱ってしまったらそれでおしまいです。実は子ども自身が困っていますし、保護者の方も困っていることが多いのです。学校ではまず、保護者の方が困らないようにサポートをして、保護者の方が子どもに適切な方法で関われるようにしていきます。そのようにすると、子ども自身も楽になって変わってきます。

異学年交流も活発に行っていらっしゃるそうですね。

萱田地区公園

本校の異学年交流活動は、“一人っ子でも兄弟姉妹の感覚を体験できるように”という狙いで、兄弟学年として1年生と6年生、5年生と2年生、3年生と4年生がペアになって、いっしょに遊んだり給食を食べたりしています。

とくに6年生による1年生の面倒見のよさはすごいですよ。毎年、全校遠足で近くの「萱田地区公園」に行くのですが、6年生が1年生の手を引いて連れていきます。お昼を食べた後、6年生が自分たちで計画していた遊びで1年生といっしょに遊んでいます。1年生が6年生に自然に甘える姿も見られますし、1年生はお兄さんお姉さんにやさしくしてもらえて、学校に来るのが楽しみになっているようです。

学習に関する独自の取り組みについて教えていただけますでしょうか。

萱田南小学校インタビュー

「ステップアップ学習」として、自分のペースでプリントを進める学習を行っています。プリントを自分で選んで問題を解いたら自己採点をして、間違えた問題を直してから次のプリントに進んでいくというシステムで、火曜日の朝の時間を利用して進めています。

また、「ゼロ校時授業」として、月、水、木曜日には普通の学校では朝自習や朝読書に使っている時間を、本校では通常の授業に組み込んでいます。通常45分の授業時間に25分加えることで70分の授業になりますから、例えば理科の実験なども余裕をもってできます。

保護者や地域との関わりや連携は、どのようなことを行っていますでしょうか。

萱田南小学校インタビュー

毎週金曜日は朝読書を行っていますが、月2回ほど「お話バスケット」の保護者の方による読み聞かせをしていただいています。低学年の子どもたちだけでなく上級生も喜んでいますし、お母さん方も読み聞かせをするのをとても楽しみにしています。

本校での特色は、このように学校教育に保護者に関わっていただいていることだと思います。図書館の本の貸し出しは保護者による図書ボランティアに協力いただいていますし、総合学習のゲストティーチャーにも元キャビンアテンダントやお花屋さんの店長さん、スキューバダイビングの先生、梨農家の方といった多彩な職業の方に来ていただいて、6年生のキャリア教育にお話をしていただいています。

もちろん周辺地域の方にも多くのご協力をいただいています。朝の登校時には、スクールガードの方をはじめ保護者の方にも見守っていただいています。

萱田南小学校の子どもたちの様子はいかがでしょうか。

萱田南小学校インタビュー

元気な子が多いですね。「萱南レンジャー(おやじの会)」の企画で近くの農家の田んぼで田植えや稲刈りをしたりすることもあるのですが、そういったときも泥んこになって遊ぶのを楽しんでいますし、朝も「おはようございます」と元気にあいさつができます。「鉄棒教えてくれますか?」と私のところへ寄ってきたりと、人懐っこい子も多いです。学校に来てくださるALTの先生も「萱田南小学校の子はみんな積極的で明るく、活発ですね」とおっしゃっています。

学校が建つ、八千代市の子育て環境や、街の魅力を教えてください。

東京女子医科大学八千代医療センター

八千代市には「赤ちゃん広場」があり、お母さんたちの交流の場になっていますし、子育ての相談にも乗ってもらえます。「東京女子医大 八千代医療センター」が近くにあり医療面も充実しています。その他暮らしに関わる点では、「八千代中央」駅から「東京」駅まで50分程度という交通利便性もありますし、「ゆりのき通り」には、有名な和菓子や洋菓子のお店などがあるのも魅力でしょう。

このエリアでは、新しい人たちと以前から住んでいる人たちが融合する目的もかねて、毎年、夏祭りやつつじまつりなどの催しが開かれています。そこに子どもたちも参加するのですが、その子どもたちの姿を見て、地域全体で学校教育にも協力していこうという機運が高まってきました。このような地域なので、新しく越してきた方にもみんなウエルカムで、自然に溶け込めると思いますよ。

浮貝校長先生のおすすめの場所などがありましたら教えていただけますでしょうか。

萱田地区公園

本校のすぐ北側にある「萱田地区公園」は、池があって、春には桜がきれいですし、散策におすすめですね。このほか「飯綱近隣公園」もありますし、公園が多いのも魅力です。

さらに、八千代市の目玉として、新川沿いに中央図書館と市民ギャラリー、陸上競技場をつくる計画があります。この度、市議会も通りましたから、これからはもっと楽しめる場所が増えそうです。

萱田南小学校インタビュー

今回、話を聞いた人

八千代市立 萱田南小学校

校長 浮貝公雄先生

住所:千葉県八千代ゆりのき台3-7-3
電話:047-487-7117
URL:http://www.yachiyo.ed.jp/ekayanan/

※記事内容は2013(平成26)年12月時点の情報です。

総合生涯学習プラザが隣接。
多彩な教育と保護者参加で、子どもたちの自信を育む/八千代市立萱田南小学校 校長 浮貝公雄 先生

所在地:千葉県八千代市ゆりのき台3-7-3 
電話番号:047-487-7117
http://www.yachiyo.ed.jp/ekayanan/

家族のような温かいぬくもりを地域全体で育む/品川区立上神明小学校 校長 浅木 麻人先生


品川区立上神明小学校
校長 浅木 麻人先生

家族のような温かいぬくもりを
地域全体で見守り、育む。

「中延」駅から徒歩6分。「上神明天祖神社」のすぐ隣にあるのが、創立75周年を迎える「品川区立上神明小学校」である。小規模な学校ならではの子どもたち一人一人に向き合った家族のような校内の雰囲気が魅力だ。他校と小中一貫教育を行うなど、教育面でもとても精力的に取り組んでいる。今回は「品川区立上神明小学校」の校長である浅木麻人先生に、教育面の取り組みや子どもたちの様子、さらに周辺地域の魅力についてお話を伺った。

「上神明小学校」の沿革と概要について教えてください。

品川区中延インタビュー 小学校看板

2014(平成26)年にちょうど創立75周年を迎えました。この地域は戦後、都心から移って住まわれた方が多く、それに対応するように学校も数多く建てられました。だから、この地域には歴史の長い学校が多いんです。本校の児童数は全校で133人(2014年度時点)で、各学年1クラスです。

比較的小規模な学校だと思いますが、少人数教育の特長などはありますか。

品川区中延インタビュー 教室 少人数

人数が少ないので、1人1人丁寧に対応できます。それも担任だけではなくて、全教員が関われます。個人のファイルを作っていて、生活面や学習面など共有しているので、統一した理解もできます。あの子は算数が得意だとか、細かいことまで全部知っていますから、それぞれの先生がアドバイスや指導をできます。これは小さい学校でないとできないことだと思います。

「冨士見台中学校」、「伊藤小学校」と小中一貫連携校ということですが、どのような連携が行われているのでしょうか。

品川区中延インタビュー 小学校外観

品川区は全部の学校で小中一貫教育を行っていてそれぞれグループがあります。本校は「品川区立冨士見台中学校」、「品川区立伊藤小学校」と連携していますが、グループ内で、教員の人事交流や子どもの中学校体験を行っています。中学校の先生に来て頂いて、今勉強していることが中学校につながっていることを教えてもらったりもしています。

品川区立上神明小学校インタビュー

今一番力を入れているのが生活指導と生徒指導、これを3校一緒にやっています。行事の交流もあって、中学校の合唱コンクールに参加したり、逆に本校の運動会では卒業した生徒がボランティアとして参加してくれます。

小中一貫連携校である3校の統一教育目標「考える人を育てる」「思いやる人を育てる」「実現する人を育てる」ですが、具体的にどのようなカリキュラムを組んでいるのか教えてください。

品川区中延インタビュー カエル

学習のカリキュラムは品川区全体で決まっています。この目標は私どもとしては、”中学校に行ってから実現する目標”ととらえております。そして、小学校はそこにつながる素地を作るというのが役目です。本校の場合、約半分は「冨士見台中学校」に行くのですが、他は違う中学校に行きますので、どこの学校に行っても自分で勉強や生活ができるようにするというのが基本です。

小中一貫連携校の他に保育園とも連携しているそうですね。

品川区中延インタビュー 校庭

品川区では、連携している保育園児が小学校を定期的に訪れ、慣れ親しむことで安心して小学校に上がれるようにする、「スクールステイ」という事業があります。本校は「品川区立冨士見台保育園」と連携しています。そのための教室があって、年長さんが週に2回来ていますね。教室で机に座って、保育園と同じようなことをして過ごしています。

年中行事や課外授業などで、「上神明小学校」ならではの取り組みについて教えてください。

品川区中延インタビュー ぶどうの写真

うちの学校には甲州三尺という種類のぶどう棚があって、毎年ぶどう狩りをしています。500房くらい収穫できます。それを給食でジュースやゼリーにしたり、地域に配ったりするんです。スクールステイの保育園児も来て、一緒に収穫しています。

品川区立上神明小学校インタビュー

他には、伝統的な行事で「どろんこ祭り」というのがあるんです。地域の方が土山を作ってくださって、その泥で遊ぶんです。どろだんごを作ってぶつけ合ったり、顔に泥を塗ったりします。泥に色をつけたりもするんですが、綺麗な球を作りますよ。

給食は自校で調理されているそうですね。食材に地元の物を使うなど何か工夫されていることがあれば教えてください。

品川区中延インタビュー 給食の写真

品川区は全校が自校給食です。都会ですので、なかなか地産地消とはいきませんが、大根、ホウレンソウ、小松菜は練馬区などで採れた食材を使っています。また、近くにお米屋さんと豆腐屋さんがあるので、米と豆腐関係はそこから買っています。授業などで野菜を植えることもあるので、それを使うこともあります。

「上神明小学校ってどんな学校?」と聞かれたら、校長先生はどのように答えられますか。

品川区中延インタビュー 先生と子ども

一言で言うと「ホットホット」です。「温かい」という意味のホットと「安心」という意味のホットですね。うちは家族的なので、親も子も安心して通えます。固い言葉では「個別支援学校」と言っています。うちの子たちは、素直で、子どもらしい子どもですよ。気持ちが安定してます。学校が楽しいというアンケートを行った際は、全国平均よりも高く、約80%の子が学校は楽しいと答えたようです。

周辺の街や子育て環境の魅力について教えてください。

品川区中延インタビュー 校長先生と子ども

すぐ隣に「上神明天祖神社」があるのですが、本校の体育館が元々は神社の土地で、地域の方が神社と交渉して譲って頂いたという言われがあります。氏子さんの連携が強く、地域のつながりがすごく強い。地元の消防団も区内で一番多い。神社を中心にした地域なんです。

なかのぶスキップロード(中延商店街)

おじいちゃん、おばあちゃん世代も多く、育児で困っても相談すれば協力してくれる環境がある。それが一番大きなことですね。街としては交通の便がよくて、商店街があちこちにありますから買い物も便利です。生活利便性の高さだけでなく、本校の辺りにくると自然もあり穏やかな環境が広がっていますので、「ゆったりしていてすごくいいですね」とよく言われます。そんな環境に魅了されてこの街に住んでいる方や、「上神明小学校」を選ぶ方もいらっしゃいます。

品川区中延インタビュー 校長先生

今回、話を聞いた人

品川区立上神明小学校

校長 浅木 麻人先生

所在地:東京都品川区二葉4-4-10
電話番号:03-3781-4792
URL:http://school.cts.ne.jp/kamishin/index.html

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

家族のような温かいぬくもりを地域全体で育む/品川区立上神明小学校 校長 浅木 麻人先生
所在地:東京都品川区二葉4-4-10 
電話番号:03-3781-4792
http://school.cts.ne.jp/kamishin/

先生も子どもも全力投球。
“全職員で全員を見る保育”で、自由闊達な子どもを育む。/亀田幼稚園 園長 木村美津子先生


亀田幼稚園 園長
木村美津子先生

先生も子どもも全力投球。
“全職員で全員を見る保育”で、自由闊達な子どもを育む。

東急大井町線の線路沿い、「中延」駅と「荏原町」駅の間あたりにある私立「亀田幼稚園」。古くからの住宅地が広がるこの地域で、長年にわたって子どもたちの教育に取り組んできた。英会話、体操、合奏などの多彩な専門指導を行う一方で、先生一人一人の熱意と相互の連携によって、200人近くの園児たちを“全職員で見る保育”を行っているという。「亀田幼稚園」園長の木村美津子先生に、園の理念や特長ある取り組み、そしてこの地域の魅力についてお話を聞いた。

亀田幼稚園の概要について教えてください。

亀田幼稚園 制服

2014年11月に創立59年を迎え、多くの園児たちが毎日元気に通園しています。年少は少人数に分けていますので3クラス、年中と年長は2クラスです。
「自由に大きくのびのび育てたい」という教育理念のもと、「自由な活動」「みんなで行う活動」の2本の柱を大切にしながらたくさんの刺激を与え、健やかな成長を育むよう職員たちは日々教育活動をしております。

特徴のある保育について教えてください。

亀田幼稚園 草履

まずは数十年以上続けている「裸足保育」です。うわばきの代わりに草履を履きますので、登園したら子どもたちはすぐ裸足になって草履に履き替えます。草履だと足の指を使わないと歩けませんし、5本指を使うのは脳の発達にも非常に良いとされています。
また年中・年長は夏でも冬でも冷暖房は使いません。夏は窓を開け放して毎日プール、冬でも窓は閉め切らず先生は悲鳴をあげるくらいです(笑)。でも風邪をひく子や熱中症になる子はいませんね。とにかく元気で体を使って遊ぶ子どもたちなので、病欠も非常に少ないです。

亀田幼稚園 運動会父兄

あとは“燃える行事”も多く、例えば運動会も1~3位までにだけ金銀銅のメダルが出て、赤白に分かれて全競技で本気で競い合います。保護者競技も点数に入りますから、親たちも本気。先生も「子どもに勝つ喜びを教えてあげたい」とスイッチが入ります。「競わせない」のも一つの考え方ですが、本気で取り組んで全力を尽くす楽しさや喜びも大切だと考えています。

専任講師を呼んでの指導も多いようですね。

亀田幼稚園 園長インタビュー

「体操」とネイティブの先生による「英語」は全園児週1回、「書きかた」は年長さん週1回、「スイミング」は年長・年中さん月1回、「合奏指導」は全園児月1回です。いずれも数十年間続いている指導で、担任ではなかなか手が回らない部分に専門講師を招いて指導することで、より質の高い・刺激のある保育を実現しています。特に合奏はずっと同じ先生にご指導いただいており、学年末の音楽発表会では鳥肌が立つほどの見事な演奏を子どもたちが披露しますよ。

園の1日の流れを教えてください。

亀田幼稚園 給食

8時半~10時の間に登園で、10時までは園庭や教室で自由に遊びます。10時から朝の会で、その後に専門講師による一斉活動やみんなの活動が始まります。12時からはお昼ご飯。月・水・金はお弁当、火・木は手づくり給食で、園の厨房で作ったカレーライスとスパゲッティをみんなで食べます。子どもたちは給食が大好きで4~5杯平らげる子もいるくらい大人気です。

 

お弁当の日は仕出しも注文できますが、やっぱり子どもはお母さん手づくりのお弁当が嬉しいみたいですね。昼食後は、また自由な活動をして14時で降園です。

延長保育も実施しており、必要であれば18時30分までお預かりします。私たちは品川区で初めて延長保育をはじめた幼稚園で、最初は外部へ委託していたのですが、やはり自分たちで子どもを見たいと職員で担当することになりました。多くの方がご利用されていて、突然の延長保育にも対応しています。

保育を拝見しても、先生方の熱意が感じられますね。

亀田幼稚園 園庭

説明会などでもいつもお話しするのは、「先生たちは子どもに対して真剣に叱り、真剣に褒め、真剣に愛情を注いでいます」ということ。初めて園を見学された保護者の方に、「こんなに本気で子どもを叱る園は初めてです」と言われたことがあります。子どものことを本気で考えたら、叱るのも教え諭すのも当たり前。そのうえで叱り方が間違っていないかを職員同士でチェックし合い、叱られた子どものフォローを全員でします。

「子どものためなら」という先生が多いので、全てに全力投球。全職員で全員を見る保育ということもあって、職員会議は長いですよ(笑)。

“全職員で全員を見る保育”とは、実際にどういうことですか?

亀田幼稚園 集団活動

クラス単位での小さな集団で子どもたちを育てるのではなく、職員は全園児と保護者の方々の顔と名前を把握して、全職員で全園児を保育するようにしています。子どもたちを全ての先生が見守ることで、担任が一人で抱え込まず周囲に相談しやすくなりますね。

亀田幼稚園 スイミング

子どもは担任以外の先生から聞かれれば素直に言えることもありますし、近すぎて担任が気づかないことに別の先生が気づくこともあります。先生方も非常に仲が良いので、「○○ちゃん、最近笑顔が少なくなったけど何かあったかな?」とお互いで声をかけあったり、先生同士で指導内容もよく見えますから、先輩の先生が後輩に「ああいう場合はこうした方がいいよ」などアドバイスすることも多々ありますね。まるで幼稚園まるごとで一つの大きな家族のようだと、いつも感じます。

亀田幼稚園 園長インタビュー

クラスの垣根を越えて過ごす事で、年少さんから年長さんまで皆仲が良く、子ども達の中で自然と面倒をみあう姿が随所にみられ、助け合ったり、励ましあったり、時にはけんかの仲裁に入ったり、小さい子ども達は年長さんの全てに憧れてまねてみたり、微笑ましい場面に沢山出会います。多くの失敗や成功、そして全力で叱られ全力で褒められ、沢山の経験をしながら成長し、お互いを認め合いながら卒園していきますので、卒園してからの「絆」も大変強くて、中学生になっても高校生になっても大学生になっても、行事の前は必ず「お手伝いありますか?」と連れだって訪問してくれるんですよ。

最後にこのエリアの魅力について教えてください。

亀田幼稚園 組体操

静かで便利で、本当に暮らしやすい地域だと思います。ご近所同士も仲がよく、子どもたちにも気軽に声をかけ、温かい気持ちで接してくださいます。お母さんたちを見ていても、皆さん明るくてコミュニケーション能力が高い方が多いと感じます。

この辺りは有名な商店街が多く、大手スーパーよりも昔ながらの商店で買い物をする文化が未だに残る地域。挨拶をしたり世間話をしながら買い物ができるような昔ながらの環境は、子どもにも良いのではないでしょうか。日常的な買い物には商店街で充分ですし、渋谷にも自由が丘にも出やすくて交通の便も良い。子どもを育てながら暮らす環境としては理想的だと思います。下町のような親しみやすさが残る街ですね。

亀田幼稚園 園先生

今回、話を聞いた人

亀田幼稚園 園長

木村美津子先生

住所:東京都品川区中延6-1-3
電話番号:03-3783-7211
URL:http://www.shinashiyo.net/school_kameda.html

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

先生も子どもも全力投球。
“全職員で全員を見る保育”で、自由闊達な子どもを育む。/亀田幼稚園 園長 木村美津子先生

所在地:東京都品川区中延6-1-3 
電話番号:03-3783-7211
http://www.shinashiyo.net/school_kameda…

子どもたちにスポーツや座学を通して多くの学びを。
成長の過程をサポートする子育て世代の強い味方/KidsBase ZERO


KidsBase ZERO

子どもたちにスポーツや座学を通して多くの学びを。
成長の過程をサポートする子育て世代の強い味方

「KidsBase ZERO」では英語教室やサッカー教室はもちろん、チアリーディングやダブルダッチなど、子どもたちの様々な可能性を引き出すレッスンや、子育てサークル「朝活Kids」など親子で一緒に楽しめるコンテンツも展開しています。「KidsBase ZERO」で行われている様々な活動についてお話を伺いました。

「KidsBase ZERO」の概要について教えてください。

ココテラス湘南

「KidsBase ZERO」は、子どもたちにスポーツや座学を通して、多くの体験・達成感・人との関わりを提供し、子どもたちが「身体」「心と友情」「生きる力」を創る場としてさまざまな子ども向けのプログラムを開催しています。

ココテラス

幼児運動は、「楽しいからまたやりたい!」をモットーに、88種類の運動動作で運動に必要な基礎が身につくプログラムを組み立てています。2~3歳、4~6歳にクラスが分かれており、カラフルな道具を使って皆で楽しく運動ができます。

「KidsBase ZERO」ならではの活動について教えてください。

ココテラス湘南

チアリーディング教室では、リトル・キッズチアクラス(幼稚園年中~小学校2年生)、ジュニアクラス(小学校3年生~小学校6年生)にコースが分かれており、どちらもJリーグ・湘南ベルマーレなどのイベント等にも出演する本格的なチアリーディング教室です。

KidsBase ZERO

その他にも、絵本や紙芝居の読み聞かせなどを行う「朝活Kids」や、英語教室、また夏休み短期教室としてダブルダッチを身につける3日間の講習も行っています。

今回、話を聞いた人

 

湘南ベルマーレ KidsBase ZERO

住所:神奈川県藤沢市辻堂神台二丁目2番2号
TEL: 0466-65-0147
http://www.kidsbasezero.com/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

なりたい自分になるためのチャレンジを!
子どもたちの気持ちにもしっかり向き合う「高田道場」/高田道場「湘南道場」


高田道場「湘南道場」

なりたい自分になるためのチャレンジを!
子どもたちの気持ちにもしっかり向き合う「高田道場」

「子ども達の心と身体を磨く場所」をスローガンに掲げた高田延彦さん率いる「高田道場」。キッズレスリングクラスや、体育スキルアップクラスなど、年少から小学6年生までを対象にしたキッズクラスが4クラス。また7クラス開講している大人クラスもあり、家族皆で楽しめる道場となっています。今回は、高田道場「湘南道場」にお話しを伺いました。

「高田道場」の概要について教えてください。

高田道場

「髙田道場」は、子ども達の健全な心と身体を育んでいく活動にさまざまな面から取り組んでおり我々が提供しているレスリング・体操の各クラスもその一環です。子ども達こそ世界の宝物。すべての子ども達はダイヤモンドの原石であると考えています。

高田道場

家庭や学校・塾だけでなく、地域などの周りの大人たちが愛情を込めてゴシゴシ磨き、より強く美しく輝かせてあげたい。「髙田道場」はそんな活動の場にしていこうと考えています。

「湘南道場」のレッスン内容について教えてください。

高田道場

「キッズ体育スキルアップクラス」は、マット運動を中心とした体操から、ゲーム形式の基礎体力向上トレーニングを中心に、1時間集中型のクラスです。レスリングのトレーニングとはまた異なり、運動に必要な様々な身体能力の向上を目指します。

高田道場

「レスリングクラス」はアマチュアレスリングです。体育スキルアップクラスとは違ったレスリングの要素を取り入れ、ケガをしない強い体、何事にもくじけない精神を養います。受け身や技の練習から、試合形式(スパーリング)の練習も行います。

今回、話を聞いた人

 

高田道場 湘南道場

住所:神奈川県藤沢市辻堂神台二丁目2番2号 1F
TEL: 03-5749-5030
http://shonan.takada-dojo.com/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

なりたい自分になるためのチャレンジを!
子どもたちの気持ちにもしっかり向き合う「高田道場」/高田道場「湘南道場」

所在地:神奈川県藤沢市辻堂神台二丁目2番2号 ココテラス湘南2F
電話番号:03-5749-5030
http://shonan.takada-dojo.com/

学ぶことの楽しさを第一に!
子育て世代にも頼られる教室の魅力とは/
学童クラブアウラ湘南辻堂スクール・フェリシス湘南辻堂スクール
湘南地区責任者 渡辺 佳代子さん


学童クラブアウラ・フェリシス湘南辻堂スクール
湘南地区責任者 渡辺 佳代子さん

学ぶことの楽しさを第一に!
子育て世代にも頼られる教室の魅力とは

放課後に子どもたちが集まる「学童クラブアウラ湘南辻堂スクール」では理科の実験や工作などさまざまな遊びをとおした学びを展開しています。また、「学童クラブアウラ湘南辻堂スクール」の一つ上の階にあるのが有名小学校受験や幼児英才教育を行っている「フェリシス湘南辻堂スクール」。それぞれの教室の魅力や、辻堂の街への期待について二施設の責任者である渡辺さんにお話を伺いました。

「アウラ湘南辻堂」はどんな施設なのですか。

ココテラス湘南

小学校1年生から6年生までの子どもたちが放課後に集まる施設です。「ココテラス」の3階には弊社が運営する塾もありますので、見守り保育を中心に最低1時間の学習時間を設けていることが特徴です。学習時間には宿題のサポートを中心に副教材を活用した国語や算数の学習、週に2回になりますが英語の学習も行っています。

施設は19時30分まで開いており、ご家庭の予定に合せて延長をすることも可能です。また、朝も通常は8時30分からとなりますが、出勤前にお子様を預けたいという方には7時30分からでも対応しています。保護者様の仕事や急な予定に合せても時間の融通が利くと、とても喜ばれてい ます。

「フェリシス湘南学童スクール」で行われているコースについて教えてください。

ココテラス湘南

学校に通う前から、子どもたちが「学ぶことは楽しい!」と思える体験学習を提供しています。幼児英才教育コースと幼稚園受験コースの2コースがあり、幼児英 才教育では0歳から小学校入学前の子どもたちを対象に、子どもたちが遊びをとおして学びの感覚をみにつけていく学習の基礎づくりに取り組んでいます。幼稚園・小学校受験コースは3歳児以上の子どもたちが対象で、オリジナル教材や具体物を使って体得しながら、受験のための学習ではなく、将来に役立てる深い理解につなげる受験指導を行っています。

2015(平成27)年4月には、藤沢市内に新しく私立小学校が開校されるので、これからさらに地域の教育機関のサポートをしていきたいと思っています。

辻堂の街にはどんな魅力がありますか。

ココテラス湘南

辻堂の街はここ数年で開発が進み、子育てしやすい環境が整ってきました。「ココテラス湘南」の前に大きな公園がありますし、周辺にも公園が多く、子どもたちが遊ぶ環境も揃っていると思います。また、街全体が開けていて空が広く、とても明るい印象です。大きな病院もありますし、海も近く、子どもたちがのびのび育てる環境ですね。

学校との連携も良好で、今後、学童クラブや学校を増やそうという動きもあるので、地域ぐるみの活動ができることを、私も楽しみにしています。

今回、話を聞いた人

学童クラブアウラ・フェリシス湘南辻堂スクール
湘南地区責任者 渡辺 佳代子さん

学童クラブアウラ湘南辻堂スクール
住所:神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2ココテラス湘南2F
TEL:0466-53-7757
http://www.fg-aula.com/

フェリシス湘南辻堂スクール
住所:神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2ココテラス湘南3F
TEL:0466-53-7651
http://fg-felicis.com/school/tsujido.html

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

学ぶことの楽しさを第一に!
子育て世代にも頼られる教室の魅力とは/
学童クラブアウラ湘南辻堂スクール・フェリシス湘南辻堂スクール
湘南地区責任者 渡辺 佳代子さん

所在地:神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2 ココテラス湘南2F・3F
学童クラブアウラ湘南辻堂ス

レゴブロックを使った独自の方法で
豊かな創造性と考える力を育ててゆく/レゴスクール湘南C-X チーフインストラクター 金岡藍さん


レゴスクール湘南C-X
チーフインストラクター 金岡 藍さん

レゴブロックを使った独自の方法で
豊かな創造性と考える力を育ててゆく

「ココテラス湘南」2Fにある「レゴスクール湘南C-X」では、レゴブロックを使った独自の育成方法を展開している教室で、子どもたちが遊びながら豊かな創造性や考える力を身に付けています。レゴスクールチーフインストラクターの金岡さんに、レッスンの様子や辻堂の魅力についてお話を伺いました。

「レゴスクール湘南C-X」ではどんな体験ができるのでしょうか。

ココテラス湘南

発達段階に合わせて作られたカリキュラムに沿って、レゴブロックを使ったミッションをこなしていきます。このように問題解決を行うことで、遊びながら自発的に学んでいくことができる施設です。学年別にコースも分かれており、年少から受講が可能です。

ココテラス

マイワールド・ディスカバリー、アドベンチャー、インベンションと段階があり、小学3~5年生になると、ワールド・ロボティクスというコースで2年間のプログラムで学ぶことができます。体験学習も行っていますし、エデュケーションでしか手に入らない限定の教材もありますので、興味を持った方にはぜひ一度いらしていただきたいですね。

辻堂の街の魅力を教えて下さい。

湘南T-SITE(建設中)

大きなショッピングセンターをはじめ、新しい施設がいくつもあって利用しやすいのでとても便利な街です。もうすぐ、湘南スマートシティに「T-SITE」ができると聞いています。「蔦屋書店」やカフェができるようですので、期待しています。

レゴスクール湘南C-X

今回、話を聞いた人

株式会社サンマルタ

レゴスクールチーフインストラクター金岡 藍さん

住所:神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2ココテラス湘南2F
TEL:0466-30-2305

株式会社サンマルタ
http://www.sanmalta.com/education.php
レゴスクール
http://www.legoschool.jp/locations/shonan/
レゴスクール湘南C-X Facebook
https://www.facebook.com/05fujisawa

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。
※「湘南T-SITE」は2012(平成24)年12月に完成済みです。

レゴブロックを使った独自の方法で
豊かな創造性と考える力を育ててゆく/レゴスクール湘南C-X チーフインストラクター 金岡藍さん

所在地:神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2 ココテラス湘南2F 
電話番号:0466-30-2305
営業日:10:00~18:50(日によって異なる)
定休日:日・月
http://www.legoschool.jp/locations/shona..

地域ぐるみで子どもたちの育成をサポート
子育て中のファミリーにも温かい子育て複合施設/一般財団法人藤沢市開発経営公社 管理課 上級主査 齋藤洋介さん


一般財団法人藤沢市開発経営公社 管理課
上級主査 齋藤 洋介さんインタビュー

地域ぐるみで子どもたちの育成をサポート
子育て中のファミリーにも温かい子育て複合施設

「辻堂」駅北口の再開発エリア「湘南C-X(シークロス)」の一角に建つ「ココテラス湘南」は子育てに関連する施設がまとまっている子育て中のファミリーに便利な施設です。「ココテラス湘南」の管理・運営を担当する一般財団法人藤沢市開発経営公社の齋藤さんに、施設の特徴や魅力についてお話を伺いました。

「ココテラス湘南」の概要を教えてください。

ココテラス湘南

「ココテラス湘南」は子どもと環境をテーマにした施設としてオープンしました。現在、1階から3階には子どもたちの健全育成に関係する施設として、幼児教室や学習塾、ダンススクール、マタニティヨガのスクールなど13施設が入っています。

ココテラス湘南

また、「ココテラス」という施設の名前の由来は、「Cocco(ココ)」はイタリア語で「かわいい子、秘蔵っ子」という意味の言葉を表しています。 「Terrace(テラス)」は「屋外フロア、バルコニー」を表し、4階のバルコニーを象徴しています。「ココテラス」はこれらの言葉を合わせた造語で、 日本語で「此処を照らす」という意味も込め、明るい子どもたちの未来をイメージしています。

環境面や施設内にはどんな設備を備えていますか。

ココテラス湘南

屋上には太陽光パネルを設置していますし、4階のバルコニーには植栽も設けています。さらに、建物のライフサイクル全体で環境負荷をできるだけ少なくする設計がされています。

ココテラス湘南

また、施設内にある会議室は現在はおもにテナントとして入居している施設の方が講演会や学習会などのイベントで使われています。もちろん、地域のサークルや 発表会などでもご利用いただけます。3室の会議室はそれぞれ単独で使うこともできますし、3室つなげるとかなり広い空間が確保できますので、ぜひ利用していただきたいですね。

授乳室もあるそうですね。

ココテラス湘南

3階の「ヨガスタジオ TURQUOIZ・MIND」に授乳室があります。ヨガスタジオにいらした方でなくても、お子さんをお連れの女性であれば、どなたでもご利用になれます。また、3階にはベビーカーにお子さんを乗せたままでも利用できる多目的トイレがあります。

「ココテラス湘南」でイベントなどを企画されることはありますか。

神台公園

毎年、「神台公園」で「辻堂ファイト祭り」というお祭りがありまして、2014(平成26)年は8月の23日と24日に行われます。これは「ココテラス湘南」が主催しているわけではありませんが、目の前で行われるイベントですので、「ココテラス湘南」でもポップコーンや簡単な記念品を配ろうと企画しています。

辻堂の街の特徴について教えてください。

ココテラス湘南

ショッピング施設もあれば、公園もあり、医療施設もあるという、多彩な施設に恵まれた街です。街並みの景観がきれいなことも特徴ですね。

海岸に約2kmと近いのですが、「ココテラス湘南」の辺りは標高が12.5mありますので、暮らしの安全という点でも安心できる街です。

ココテラス湘南

今回、話を聞いた人

ココテラス湘南

一般財団法人藤沢市開発経営公社 管理課 上級主査:齋藤 洋介さん

住所:藤沢市辻堂神台2-2-2
TEL:0466-34-8333

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

地域ぐるみで子どもたちの育成をサポート
子育て中のファミリーにも温かい子育て複合施設/一般財団法人藤沢市開発経営公社 管理課 上級主査 齋藤洋介さん

所在地:神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-2 
電話番号:0466-34-8333
利用時間等は施設により異なる
http://www.cocco-terrace-shonan.com/

経験豊かなスタッフが寄り添い
相談しやすい居心地の良さを提供/辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場 子育てアドバイザー 清水さん


辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場
子育てアドバイザー 清水さん

経験豊かなスタッフが寄り添い
相談しやすい居心地の良さを提供

JR東海道本線「辻堂」駅北側の大規模な再開発によって大型商業施設や病院、レジャー施設などが次々と誕生し、注目を集めている辻堂エリア。子育て支援サービスが充実している藤沢市はもともと、子育て世代にも人気のエリア。同市3カ所目の子育て支援センターとして開設4年目を迎えた「辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場」で、子育てアドバイザー清水さんにお話を伺った。

「辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場」の概要を教えてください

辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場

「子育て支援センター」は、乳幼児を持つ子育て中の方なら誰でも無料で利用できる、地域の子育て支援の拠点で、この「辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場」は2011(平成23)年4月にオープンしました。再開発を機に周辺にマンションが建設され、これから子育てをされる若いご夫婦が増えるだろうというのが開設の経緯です。

辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場

お子さんと自由に遊んだり、ママ友・パパ友を見つけたりできるフリースペースとして“子育てひろば”を設けているほか、子育てアドバイザーや保健師・栄養士による子育て相談、子育て情報の提供などを行っています。予約は不要です。開所時間は月曜日~土曜日の9時半~16時(ひろば)・9時~16時半(相談)です。

どんなことを重視して活動されていますか

辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場

当センターには保育士や幼稚園教諭の免許を持ち経験豊富な“子育てアドバイザー”が必ず2~3名常駐しているほか、保健師と栄養士が在籍しているので、お母さんたちが気軽に子育ての悩みを相談できるようになっています。不安な気持ちでいらっしゃったお母さんたちに居心地の良さを提供して、誰かとつながっていただくということに重きをおいています。

辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場

ひとりで子育てしている今のお母さん方には、悩みを抱えていてもなかなか相談できる人がいないという方が増えていると感じています。そんなお母さんが誰かとつながり、隠れていた小さな悩み・大きな悩みが表に出てくることで、そこに寄り添えるようになります。

辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場

今回、話を聞いた人

辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場

子育てアドバイザー清水さん

住所:藤沢市辻堂神台1-3-39 タカギビル2階
電話番号:0466-33-2311
http://angel.city.fujisawa.kanagawa.jp/spot/detail.php?pid=307

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

経験豊かなスタッフが寄り添い
相談しやすい居心地の良さを提供/辻堂子育て支援センター ぽかぽか広場 子育てアドバイザー 清水さん

所在地:神奈川県藤沢市辻堂神台1-3-39  タカギビル2階 
電話番号:0466-33-2311
営業時間:ひろば 月~土 9:30~16:00
相談  月~土  9:00~16:30
休館日:第4火曜日午後・日曜・祭日・年末年始(12/29~1/3)

子どもたちが、安全にのびのび遊べる環境/羽根学区子どもの家 指導員 石井照江さん


羽根学区こどもの家 指導員 石井照江さん

子どもたちが、安全にのびのび遊べる環境

岡崎市では「小学生に健全な遊び場を与え、学区住民の豊かな健康づくりとコミュニティー活動の充実を図ること」を目的に、小学校区ごとに1館ずつ「学区こどもの家」が建てられている。この施設には、バレーボール1面分のレクリエーション室と造形図書室があり、放課後になると子どもたちの元気な声が響き渡る。

今回は「羽根学区こどもの家」指導員の石井照江さんに羽根学区の子育て環境について話を伺った。

「学区こどもの家」の概要について教えてください。

羽根学区子どもの家 インタビュー

岡崎市には、旧岡崎市の小学校区に1館ずつ、全部で42館の「こどもの家」があります。1986(昭和61)年度から順番に建てられ、羽根学区は31番目、1992(平成4)4月1日にできました。

小学校から来れる距離にあり、バレーボールだと1面、バドミントンだと3面が取れるくらいの大きさのレクリエーション室と造形図書室が併設された施設です。

今日もたくさんのお子さんが遊びに来ていますが、どのようなお子さんがご利用されていますか?

羽根学区子どもの家 インタビュー

学区内の小学生と、保護者の付き添いがあれば幼児も利用可能となっています。開館時間は、学校の授業のある時は13時から18時まで、土曜日や長期休業中は10時から18時までです。数年前からお弁当を持参してよいことになったので、1日中遊んでいるお子さんもいらっしゃいますね。

羽根学区子どもの家

今は春休みですので、岡崎市が設置している学童保育の場である「児童育成センター」の子どもたちが遊びに来ています。羽根学区の「児童育成センター」はこの隣にある「羽根学区市民ホーム」を間借りしている形ですが、他の多くの学区では「こどもの家」に「児童育成センター」が併設されていて、行き来できるようになっています。

「児童育成センター」の話が出ましたが、「こどもの家」と「学童」はどんな違いがあるのでしょうか。

羽根学区子どもの家 インタビュー

学童は有料でお子さんをお預かりする施設ですが、こどもの家は一度家に帰ってから遊びに来ることができる利用料金のかからない施設です。スタッフは一人しかいませんので、おやつが出るとか、宿題を見てあげるとか、学童のような手厚いことはできませんが、子どもたちをしっかりと見守っています。

親御さんが働いていて、帰っても家に誰もいないお子さんについては、親御さんのご希望があって、学校の校長先生が許可した場合に限り、下校途中に直接施設に来ることも可能です。

「羽根学区こどもの家」の特色、他の学区との違いがあれば教えてください。

羽根学区子どもの家 インタビュー

ここの学区は、地域の方の関心が高く、お花をボランティアで植えてくださるので、すごくきれいです。花の苗を買ってきて植えて、お水やりまでやってくださる。そういうことは他の学区では恐らくないと思いますね。

子どもたちにはどんな遊びが人気があるのでしょうか。

羽根学区子どもの家 インタビュー

羽根地区はドッジボールが盛んで、「羽根ボンバーズ」というドッジボールのチームがあります。ここでもドッジボールで遊ぶ子が多いのですが、ボンバースの子たちが中心になって小さい子たちの面倒を見る。そんな形で上手に遊んでいると思います。

様々な競技のボールや一輪車、なわとび、ラケットなど遊びの道具がたくさん揃っています。造形図書室も本が充実していますね。

羽根学区子どもの家 インタビュー

「こどもの家」は1年生から6年生まで使用するので、小さい子が遊べるおもちゃからラケット系の運動用具まで、幅広く揃えるようにしています。また、寄付などで漫画の本を頂いたりすることもあります。

先ほど小さい子を注意しているお兄ちゃんの姿を見かけました。ルールがしっかり守られているようですね。

羽根学区子どもの家 インタビュー

ルールは厳しく守らせています。やはり怪我がないよう、安全にというのが一番ですから。 バトミントンなどのラケットが使えるのは4年生から。逆にトランポリンは3年生までで4年生になったら使えません。年上の子たちは、自分たちが3年生までは我慢していたので、小さい子にも我慢するように伝えているんですね。

小学生が利用しない時間は、地域の方に開放されているようですが、どのような方が利用されているのでしょうか?

羽根学区子どもの家 インタビュー

学区運営委員会というのがあり、そこで認められた登録団体に、小学生が利用しない午前中と夜はご利用いただいています。登録団体には、バトミントン、卓球、空手、バレーボール、ミニソフトバレー、ドッジボール、幼児サークル、よさこい、エアロビックなどがあります。 大人だけの団体もありますし、空手などは子どもと大人が一緒に活動しています。

「羽根学区こどもの家」で開催しているイベントはありますか?

羽根学区子どもの家 インタビュー

「学区こどもの家」ではどの館も、「ふれあい事業」を年に1回開催することになっており、学区独自にいろいろな催しをしています。羽根学区では、この施設と「岡崎市立羽根小学校」の一部を使って、子ども会と共催で毎年11月に行っています。

羽根学区子どもの家 インタビュー

各町内の子ども会が「射的」や「ペットボトルボーリング」、「ミサンガ作り」などのゲームをそれぞれ出して、子どもたちはスタンプラリー形式で順番に回って、スタンプが全部たまったら参加賞をもらえます。かなり大々的なイベントで、昨年は子どもが400名、大人もお手伝いの方を入れると150名くらいが参加しました。

羽根学区子どもの家 インタビュー

また、昨年は手作りおもちゃ教室を4回開催しました。こどもの家に先生がいらっしゃって、ボランティアで手作りおもちゃの作り方を教えてくださいます。造形図書室で、1回20名ほど参加しておもちゃを作り、みんなで作ったおもちゃで遊びました。手品の先生が来てくださって、子どもたちに手品を披露してくださったこともあります。

「羽根学区」、そして岡崎市の子育て環境について教えてください。

羽根学区子どもの家 インタビュー

共働き家庭が増えてきている中、放課後の児童の居場所が必要になってきています。羽根学区には、市の「児童育成センター」、民間の「たけのこクラブ」という学童があり、さらに今年度から「めぐみジュニアクラブ」という民間のアフタースクールがスタートすると聞いています。「こどもの家」を加え、4つの放課後の子どもの居場所があるのは、共働きのお母さんにとって心強いと思います。 また、保育園に入れないという話はあまり聞いたことはありませんので、子育てはしやすい環境なのではないでしょうか。

その他、岡崎市の魅力を一言でお願いします。

戸崎公園

「岡崎公園」を中心に、春の今だと桜、もう少しすると藤やツツジが楽しめます。花がいっぱいあって、きれいで住みやすい町だと思います。

岡崎市 羽根学区こどもの家

今回、話を聞いた人

羽根学区こどもの家
指導員 石井照江さん

住所:愛知県岡崎市岡崎市羽根町池下5-1
電話番号:0564-53-6491
http://www.city.okazaki.aichi.jp/1200/1204/1229/p004916.html

※記事内容は2015(平成27)年4月時点の情報です。

子どもたちが、安全にのびのび遊べる環境/羽根学区子どもの家 指導員 石井照江さん
所在地:愛知県岡崎市羽根町池下5-1 
電話番号:0564-53-6491
休館日:日曜日、祝日、12/29~1/3
開館時間(子ども):13:00~18:00、土曜日・代休日と学校の長期休業中は10:00~18:00、及び運営委員会が定めた日
開館時間(大人):10:00~12:00、18:00~22:00、子どもの利用しない日の10:00~22:00

http://www.city.okazaki.aichi.jp/1200/12..

「心」「健康」「暮らしの知恵」の3つの軸で生活を豊かにする/暮らしの学校 畔柳友紀子さん・飯嶋麻衣さん


暮らしの学校 畔柳友紀子さん・飯嶋麻衣さん

「心」「健康」「暮らしの知恵」の3つの軸で
生活を豊かにする。

JR「岡崎」駅から東へ徒歩5分という便利な場所にある「暮らしの学校」。ここは地域の教育活動に力を入れる服部公益財団が運営するカルチャーセンターで、大正時代の古い建物を改築した風情たっぷりの学び舎となっている。“幸せな暮らしをするために必要な考え方や知恵が学べる場を提供したい”という思いで開かれた講座は、心の研究、健康、料理、手工芸などその分野は多種多彩。その数は約350講座、会員登録数は1万人を超えており、地域の人々の暮らしを豊かにするための一助を担う場所となっている。今回は、こちらの運営に携わる、畔柳友紀子さんと飯嶋麻衣さんにお話しを伺った。

まず、「暮らしの学校」創立の経緯について教えてください。

暮らしの学校

「暮らしの学校」ができたのは2006(平成18)年。服部公益財団の活動の一貫として開校しました。現在、校舎として利用している建物は、元々、財団の創始者である服部家が住んでいらっしゃった家です。しばらくの間、空き家になっており、取り壊しの検討がされていましたが、「古いものをただ壊してしまうのではなく、大切に使いながら、なんとか地域のために利用できないか」という思いで、このような学校が誕生することになりました。

この建物だからこそ作り上げている場の雰囲気はありますでしょうか。

暮らしの学校

カルチャーセンターというとビルの中にある教室を想像される方が多いと思うのですが、本校はそうではないので、初めて来る方はよく驚かれます。昔は民家であった本校舎には、当時の生活道具がそのまま残されており、姿見や机、本棚などは講座の備品として使っていたりします。受講生の方からも「どこか懐かしさを感じるから居心地がいい」といった声がよく聞かれますね。

暮らしの学校

受講中、ふっと顔を上げると見える中庭も魅力的なんです。早春には梅、春にはツツジなど四季折々の草木が植えてあるので、来るたびに景色が変わることをみなさん楽しんでいらっしゃいます。

「暮らしの学校」はどのような場であって欲しいと考えていますか。

暮らしの学校

現代社会では色々なものが失われてきている気がします。だからそれを繋ぎあわせる、と言うと非常に大袈裟かもしれないけれど、住宅でありモノでありそれらを大切にしたいという気持ちを大事にすることで、「暮らしの学校」は“本当の豊かさとは何か”を見つめ直す場になればと思っています。

学校のコンセプトも、「心」「健康」「暮らしの知恵」の3つの軸を立て、それらを元に講座を開講しています。その道でいろいろな経験をされた先達に学ぶことにより、その教えが聴く人の心に響き、さらには聴いた人を通してそれが家庭や社会に広がっていくような、質の高い講座を提供できるよう努力しています。

文科系からスポーツ系まで様々な講座を開催されていますが、施設の構成をお教えいただけますか?

暮らしの学校

古民家を改築した本校舎だけでなく、このエリア一帯 が「暮らしの学校」の敷地になっているので、いくつもの建物に分かれて教室があるんです。本校舎の隣にある「ダンススタジオ」「クッキングスタジオ」の棟のほか、服部工業が実際に利用していた建物を再利用した「暮らしの杜センター」「農芸室」。スポーツ系の講座も開講できるように「スポーツスクエア」「さつきホール」といった大型の建物もあります。敷地の真ん中には運動場のような「暮らしの杜広場」があり、第1・3土曜日には「おかざきファーマーズ・マーケット」の開催場所になっています。

暮らしの学校

広場の奥には、倉庫を改築した「葵ホール」があり、こちらでも様々な講座が行われています。ここには「エフエム岡崎」も入っており、スタジオから地域の情報などを生放送でお届けしていたりもします。とても広い敷地にいろいろな施設が建っており、まるで本当の学校に通っているような感覚を味わってもらえるのも「暮らしの学校」の大きな特徴です。

開講されている講座内容について教えていただけますか。

暮らしの学校 インタビュー

現在は、約350種類を超える講座が開かれています。健康や心のことを学べる講座をはじめ、子育て、料理、趣味、音楽、教養、スポーツなど幅広い分野に渡り、上は90代の方から下は赤ちゃんまで通っていただいています。特徴は、“暮らし”や“健康”に着眼した講座が多いこと。「暮らしの中のやさしいお灸」「ハーブのある暮らし」「いきいき家庭菜園」「アロマテラピー」などがそれにあたります。その他、人気が高いのは、デザイン書道、フラダンス、ヨガ、コーラス、ウクレレ、ステンドグラス作りといったところです。また、茶道や生花をはじめ、伝統文化工芸の講座も充実しています。

暮らしの学校 インタビュー

ユニークなのは、夜に開講される「ワインの違いがわかる」「日本酒よもやま話」といった大人向けの講座です。ソムリエの方や地元の関谷酒造の杜氏に講師としてお越しいただき、お酒にまつわる話を聞くことができます。お酒好き同士がつながって、リピーターが多い講座でもあるんです。お子様向けの「小豆坂の森たんけん隊」も面白く、岡崎の住宅地の中にわずかに残った森の中で遊びながら環境問題に取り組んでいくシリーズになっています。

一日講座や、特別講座も開講されているんですね。

暮らしの学校

地域の方が気軽に参加しやすい、単発講座も充実させています。一日講座は、父の日・母の日お祝い料理、花粉症対策など、季節に合わせた旬な話題がテーマになることが多く、特別講座は、「心」「健康」「暮らしの知恵」といった学校コンセプトに合わせて様々な分野で活躍されている先生を定期的にお招きして、日々の生活について見直すきっかけになるような講座を行っています。

講師はどのような方が務めているのですか。

暮らしの学校 インタビュー

「暮らしの学校」は公益財団法人という非営利団体が運営する施設になり、生徒さんからは入会金などもいただいておりません。講師の方はその道の有資格者の方に来ていただいていますが、それ以前に、自分の知識や技術を伝え、より良い暮らしのためにささやかながら貢献したいという思いを持った方に来ていただいています。お互いに絆を深めたいと講座を開講していらっしゃるので、何でも気軽に話せる先輩達に教えていただいているような雰囲気で授業が行われることが多いです。

交流という意味では、サロンやカフェなど、交流スペースも用意されていらっしゃるんですよね?

暮らしの学校

本校舎の1階に、受講生や講師の方が気軽に語りあえるサロンを設けています。元々は応接として使っていた部屋で、ソファーが置いてあり、大きな窓からはお庭が眺められるなど、寛いで使っていただいています。あとは、「FINE FOOD CAFE くるみ」というカフェも施設内に併設しています。こちらは、受講生以外にも誰でも使っていただけるお店として営業しており、地域の方がランチやお茶をしにいらっしゃる場所にもなっています。元々は蔵だった場所をリノベーションしているので、少し敷地の奥まったところにあり、落ち着いた空間になっているのも魅力です。

暮らしの学校

「FINE FOOD CAFE くるみ」で出しているお料理は添加物を使っていないすべて手作りのもので、そういったメニューは大変好評をいただいております。カフェで提供しているお惣菜なども買える「暮らしの杜ショップMiki」も、2014(平成26)年10月、事務所が入っているセンターの1階にオープンさせていただきました。地産地消のお野菜、地元の工芸品などが置いてあり、新しい商品も続々入荷しているので、ぜひお立ち寄りいただきたいなと思っています。

最後に岡崎エリアの魅力について教えて頂けますか。

岡崎市は、昔から東西交通の要衝として栄えていて、今でも電車に乗ればすぐに名古屋に行ける便利な場所です。江戸幕府を開いた徳川家康公の生誕地としても有名で、それに由来する数多くの歴史資産が残っている街でもあります。その一方で、矢作川、乙川の清流が、岡崎の魅力ある景観を醸し出しています。文化もありながら、自然も楽しめるという点がこの街の魅力なのではないかと思っています。

暮らしの学校

春には、「岡崎城」のある「岡崎公園」一帯と伊賀川堤を中心約1,000本のソメイヨシノが咲き誇る岡崎の桜祭りや家康行列、夏には、家康公夏祭りの花火大会、秋には、岡崎ジャスストリートなどイベントも目白押しなので、住めば住んだだけこの街の奥深さを実感してもらえるのではないでしょうか。

暮らしの学校 インタビュー

今回、話を聞いた人

公益財団法人 服部公益財団 暮らしの学校
主任:畔柳友紀子さん(写真左)
広報担当:飯嶋麻衣さん(写真右)

住所:愛知県岡崎市羽根町字若宮30番地
電話番号:0120-511-533 / 0564-55-3434
http://www.kurashinogakkou.org/

※記事内容は2015(平成27)年3月時点の情報です。

「心」「健康」「暮らしの知恵」の3つの軸で生活を豊かにする/暮らしの学校 畔柳友紀子さん・飯嶋麻衣さん
所在地:愛知県岡崎市羽根町字若宮30 
電話番号:0120-511-533
受講時間は講座内容により異なる
http://www.kurashinogakkou.org/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子 先生


横浜市立荏田小学校 校長
澤田有子 先生

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。
地域から学ぶことで得られるものとは。

その生活利便性からは考えられないほど、のどかな田園風景が広がる都築区荏田南町。この地で40年の伝統を育み続ける「横浜市立荏田小学校」は、「稲作」を学習の軸のひとつとして扱っている、首都圏では珍しい取り組みを行っている公立学校である。今回は、脱穀も終わり晩秋の姿になった学校を訪ね、校長の澤田有子先生に、学校のこと、稲作のこと、地域のことについてお話をうかがった。

まず、学校の概要について教えてください。

もともと、ここは大山街道沿いに発展した地域でしたから、古くからお寺もありまして、そこで寺子として始まり、1873(明治6)年に「荏田学舎」となりました。それが本校の発祥です。その後、1880(明治13)年に「公立小学荏田学校」、1900(明治33)年に「尋常荏田小学校」となり、何度か名前を変えています。

横浜市立荏田小学校インタビュー

昭和に入り荏田小は国道246号線の向こう側にあった「山内小学校」の分校だったのですが、1973(昭和48)年に「荏田小学校」という学校になりました。今年がちょうど創立40周年になります。校舎も40年前のものになりますね。

分校は今の「かたらい宿公園」の場所にありましたが、人数がすごく増えていった当時は、国道を隔てて、3年生までが分校に、4年生からが向こうの山内小に行くようになっていたそうです。それがあまりにも遠いということで、新しい小学校をを作ろう、ということになったそうです。

先生は荏田小学校に今年から着任されたそうですが、学校の第一印象はいかがでしたか?

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

まず、「自然がいっぱいあるな」ということに驚きました。そして、子どもたちが自然の中で生き生き生活しているな、ということも感じましたね。キラキラした目の子どもたちがいる、素晴らしい学校だと思ったのが第一印象です。

荏田小学校は各学年2クラスと小さめの学校ですが、「小さいならではの利点」などはありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校は2学級の学年ばかりですけれども、その2学級についても、多くても30名前半の学級なんですね。ですので、少人数での指導ができると思います。子ども一人ひとりに「目配り・気配り」が出来ているかと思います。

スペースがいっぱいあるので、子ども達はのびのびと生活しています。一番多い時には960名の児童がいたこともあります。今が320名ですので、ちょうど3倍ですね。一人のスペースも今は、すごく広いです。

では、学校の大きな特徴になっているという「米づくり」について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校の一番の特色は、「米づくりは、人づくり」ということで、田んぼを作っていることでしょうか。創立3年目の年に、当時の校長と地域の方が「地域と学校でなにか一緒になって、子ども達を育てる活動ができないか」ということで始まったものでして、田んぼも発起人の方々が無償で提供してくださいました。

この田んぼ学習は「命をつなぐための食糧を、一からすべて、自分たちの手で生産する」という授業ですから、ものすごく子どもたちのためになっていると思います。米を作るということは、すべての事に通じるのだと思っています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

泥の田んぼに入る体験というのは、都会ではなかなか出来ないものですね。本校の児童は、みんなハイソックスで、泥の田んぼに入ります。靴で入ると抜けなくなってしまうので。そういった中で、泥に触れて、周りにいる虫、かえるやヤモリなどもにも、実際に触っていくわけです。ですから、都会のほかの小学校ではなかなか出来ない、本物の体験ができると思います。

田んぼは一から全部やっていますから、実は職員も大変なんです。最初は地域の方にもかなり協力していただいていたんですが、40年近くもたったので、皆さんもだんだんご高齢になられたので、今では教職員でほとんど進めています。実際、かなり負担もありますが、「子どもに還るもの」が多いですから、頑張ってやっているところです。保護者の皆さんにもお手伝いをして頂いています。

「田んぼのことを一からすべて」と言いますと、具体的にはどんな作業をされるのでしょうか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

まず種もみからです。田とは別に畑も借りているので、畑で種を蒔いて、苗を育てるところからやっています。これは5年生が中心になってやっていますね。

それから、みんなで「苗取り」をしまして、田植えするんですが、実はその前の段階で、教職員であぜ切りをやり、代掻きをやり、田起こしもやって、全部やったところに、子どもたちと保護者が入って、田植えをします。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

その後は、7月ぐらいに草取りをして、秋に稲刈りをするのですが、収穫の前にかかしを作ったりもします。稲刈りについては3年生から6年生までがやります。1年生と2年生は「応援する」ということで参加しています。刈った稲は、田んぼではざ掛けにしまして、乾いたところで、5年生を中心に脱穀をします。

脱穀したお米は保管し、11月の末ごろに「荏田っ子まつり」というイベントがありますので、そこで餅つきをします。子どもや保護者の皆さん、地域の方々などに提供しています。今作っているのはもち米です。

残った「わら」については、毎年しめ縄を作っています。今年はわらじを作ったり、わら飾りを作ったりということも考えています。1月になりますと、どんど焼きで残ったわらを焼いたりしています。

地域の方と関わって授業を行なっている例はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

もちろん米づくりもそうですが、社会科、生活科、総合学習それぞれで、地域の方々に「まちの先生」ということで教えに来ていただいています。3年生は、この近くは梨作りが盛んということで、梨園に1年間に何度か行って見学させていただいています。あとは、お寺に行ったり、江田の商店街の方々などに話を聞いたり、時には仕事のお手伝いをさせていただいたりしています。

あとは、もとの分校だった場所にケアプラザがありますので、そこで太鼓クラブが演奏をしたりもしますし、今後はわらぞうり作りについても、地域の方に教えていただく予定です。そういった地域の人々との関わりを通じて、荏田のまちを子どもたちの「心のふるさと」にしていければ良いな、と思っております。

学校の施設面、学習面の特徴について、それぞれ教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

エアコンが普通教室に全部入っておりますので、快適に過ごせるかと思います。あとは、人数の割に学校が広いので、のびのびと過ごせることでしょうか。

学習については3年生以上の算数学習は、1学年2クラスを3クラスに分けて、少人数の授業をしています。ですので、算数に関しては20人ぐらいで学んでいます。少人数教育には特に力を入れていますね。人数を減らして、個に応じた指導ができるように、ということですね。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

あとは、「たて割り」の活動がすごく盛んです。6年生をリーダーとしたグループがありまして、ひとつのグループは10人ぐらいです。各学年2名から3名ずつになっているんですが、そのグループを中心とした遊びや、交歓給食、全校遠足、運動会でのたて割りの取り組みなどをやっています。「たて割り班」で活動する回数が多いんです。かかし作りもその一つですね。

特に全校遠足などに行くと、子どもたちは6年生が大好きになるんですよ。遠足の帰り道には、6年生が下級生をおんぶして帰ってくるという光景もありまして、これが伝統になっていたりもします。だから子ども同士もすごく仲が良いと思いますし、名字ではなく名前で呼び合うことが多くて、学校全体がアットホームな雰囲気があると思います。

横浜市立荏田小学校インタビュー

グループの名前もユニークで、今年は電化製品の名前で、「アイロングループ」とか、「せんぷうきグループ」とか、そういう名前でやっているんですよ。この活動は、本校では長く続いていますね。6年生になって、グループのリーダーになるのが「荏田小学校」では子ども達の憧れになっているんです。「あこがれの6年生」なんていう言葉も聞きますよ。

それから、本校は6年生の人数は少ない分、「全員がどこかで必ず前に出なければいけない」というチャンスがありまして、教員はバックアップしながら、子どもたちが役割を果たし、成長できるよう見守るようにしています。

学区内にはこういう雰囲気の方が多く住まわれている、といった印象はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

そうですね、代々この地域に住んでおられる方が多いですね。最近はそれに加えて、マンションも増えてきましたし、新荏田の住宅地の方もありますから、新しい方も増えつつあります。みなさん口を揃えておっしゃるのは、「住みやすい場所です」ということですね。

この周りにも、いろいろな新しい住宅地が沢山ありますけれど、荏田は古くからお住まいの方がいる分、ちょっと雰囲気が違う地域だと思いますよ。「地域のつながりが強い」とでも言うんでしょうか。

学校でも稲作をしていますと、作業の中で保護者と地域の方がかかわり合う部分もありますから、地域の方同士ですごく仲良くなれるんですよ。稲作を通して、日本人の気質だとか、いろんなものが生まれてきたのかなあ、と思います。それをこの学校に来て、実感しています。

澤田先生が考えられる「荏田地域の魅力」は、どんな点でしょうか。

横浜市立荏田小学校インタビュー

この地域は、子どもたちを見てくださる目がとても温かいんですね。それが一番だと思います。地域の方が「自分たちのまちの子ども」ということで、叱るべきところは叱ってくださり、すごく大事にもしてくださって、温かく見守っていただいています。子どもたちもきっと、「あったかいまちだな」と思ってくれていると思いますよ。

もちろん、時には厳しいご意見をいただくこともありますが、その時にも、「こうすればもっと良いと思いますよ」という事を必ず言ってくださいますし。この学校を建てる時についても、「自分たちのまちの学校を作ろう」ということで、先祖代々の田んぼを提供してくださったそうです。もちろん、稲作りに関しても地域の方が協力してくださっているからできていることでして、地域が温かい、たいへん素晴らしい地域だと思います。

そして、こうやって地域の方にも愛されていることで、子どもたちも、自分が愛されている、見てもらっている、大切にされている、という気持ちを持つことができていると思います。

最後に、学校のおすすめポイントを一言でお願いします。

横浜市立荏田小学校インタビュー

やっぱり「人づくり」ですよね。米づくりから学ぶ、たて割り活動から学ぶ、豊かな自然とまちから学ぶ。この3つで「人づくり」をしています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

横浜市立荏田小学校
校長 澤田有子 先生

所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694
電話番号:045-911-0149

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子 先生
所在地:神奈川県横浜市都筑区荏田南町694 
電話番号:045-911-0149
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/schoo..

特別延長保育や宿泊保育が充実

緑豊かな環境の中で子どもたちが元気に過ごせる保育園/天王保育園 園長 澤田百合子さん


社会福祉法人 昭徳会 天王保育園
園長 澤田百合子さん

緑豊かな環境の中で
子どもたちが元気に過ごせる保育園

市の中央部に位置する「三好池」のほど近く、豊かな緑に囲まれた「天王保育園」。2009(平成21)年にみよし市初の民間保育園となり、延長保育や休日保育などの民間運営の利点を生かした取り組みで、働くお母さんの強い味方となっている。
「働くお母さんたちを応援したい」と話す澤田百合子園長に、「天王保育園」の特徴やみよし市の子育て環境についてお話を伺った。

「天王保育園」の概要について教えてください。

天王保育園

2009(平成21)年に、今まであった公立保育園の建て替えを機に、運営が民間に移管されました。「社会福祉法人 昭徳会」が運営を引き受けさせていただき、みよし市初の民間保育園としてスタートしました。 定員は、0歳が6名、1歳が12名、2歳が18名、3歳が40名、4、5歳が42名、計160名です。現在は、生後8か月から就学前までの146名の子どもたちが通っています。

園の保育方針について教えてください。

天王保育園 昇降口

「社会福祉法人 昭徳会」は、保育園が3つ、老人ホームや児童福祉施設を加えると全部で20あまりの施設がある法人です。「昭徳会」の基本理念は「幸福(しあわせ)」。その中で保育園としては、子どもはもちろんのこと、保護者や地域の方など、みんなが幸福になれるようにと考えています。

天王保育園 教室

保育の目標としては、「心身ともにたくましい元気な子」「やさしく、思いやりがあり、友だちと仲良く遊べる子」「豊かな感性を持ち、創意工夫する子」の3つを掲げさせていただいています。保育園は特に働いているお母さんたちの手助けをするところ。子どもたちが安全で楽しく、のびのびと育ってもらえるよう、お母さんたちを応援したいと思っています。

お母さんたちを応援するという意味でも、一時保育、緊急24時間保育(延長保育、宿泊保育)、休日保育、障がい児保育などのサポートは心強いですね。どれくらいの頻度で利用される方がいますか?

天王保育園 サンタ

2009(平成21)年度以前は、公立の保育園が延長保育などを行なっていましたが、それを引き継ぐ形で受けさせていただいています。 利用状況は、お母さんやお父さんの働き方も違いますので、年度によってかなり違いがあります。延長保育については、22時(夜10時)くらいまでお預かりしていた年もありますし、今年は平均19時くらいまで、時折20、21時までお預かりすることがあります。緊急24時間保育は、開園以来現在まで1度も利用はありません。

天王保育園 ボール

休日保育については、みよし市内の保育園に入っている方で就労条件等を満たしていればご利用頂けるため、他の保育園の方も利用されます。自動車関連企業でお仕事をされている保護者の方が多いようで、祝日にご利用になる方が多く、平均10名ほどです。休日の利用者数はそれほど多くはなく、1日あたり1、2人くらいですね。延長保育と同じように年度によって違いがあります。

三好町(現在みよし市)としては、初めての民間保育園だそうですが、公立保育園との違いはどんな部分でしょうか?

天王保育園 給食

公立の子どもたちを引き継いでいるという経緯があるので、あまり違いはありませんが、当園では自園調理で給食を提供させていただいています。その点は、公立との違いかと思います。

天王保育園 遊具

こちらの建物は、みよし市からの無償貸与という形でお借りしています。建物自体も、ゆとりをもって、木をふんだんに使って造っていただいています。他の保育園の先生にもうらやましがられるくらいです。初めて民間に変わったということで、みよし市にも応援していただいていて、市との関係も深いので、そういう意味でも公立とあまり違いはないかもしれません。

自園調理について、もう少し詳しくお聞かせください。

天王保育園 こんだて

給食センターの栄養士さんの献立に添って作らせていただいていますが、自由が効くため、例えば冷凍のものをなるべく使わず手作りにしたり、手作りおやつを多く取り入れたりしています。
色々なアレルギーを持った子どもがいますが、それにも細かく対応しています。アレルギーのあるものを単に除くのではなく、代替できる食品で対応するように工夫しています。

天王保育園 プランター

園庭のプランターで、ナスやピーマン、ミニトマト、ゴーヤ、オクラなどの夏野菜を育てていますが、収穫したものをみんなでちぎってピザを作りました。そういうことができるのも自園調理の良さだと思います。苦いゴーヤも、自分たちが調理のお手伝いをすると不思議と食べられるようになります。

世代間交流にも取り組んでいらっしゃるとのことですが、具体的にはどのような活動になりますか?

天王保育園インタビュー交流会の様子
提供:天王保育園

近くに法人系列の老人ホームがありますので、年6回くらい5歳児が出向いていって、交流をしています。おじいちゃんおばあちゃんにとっても良い影響があると思いますし、核家族の子どもたちが多いので、子どもたちにとっても良い機会になっています。老人ホームには寝たきりや車いすの方もいらっしゃり、最初は戸惑っている子もいるのですが、子どもたちはとても対応力があり、すぐに仲良くなることが出来ます。

隣接する「みよし市立天王小学校」とは交流がありますか?また、地域の方との交流があれば教えてください。

天王保育園 園庭

去年は小学校3年生の子たちと行き来をしながら、一緒に遊んだりしました。天王小学校にはボランティアサークルがあるので、その子たちが来てくれて遊んだりもしています。地域の人との交流としては、「三好公園」で行われる老人クラブ連合会主催の「歩け歩け大会」で、老人クラブの人たちと、少しの区間だけですが一緒に歩かせてもらっています。

最後に、園周辺の子育て環境の魅力について教えてください。

三好公園

保育園の前には天王神社や天王公園があって、少し行くと三好公園もあります。今だとドングリなども拾えますし、遊具がたくさんあるので、子どもたちが遊べる環境が多くあります。園の周りは桜などの緑に囲まれていて、とても良い環境です。春は桜吹雪が本当にきれいですよ。高台なので空気が澄んでいるので、夕焼けもとても美しいです。

天王保育園インタビュー

みよし市は比較的ゆとりのある市なので、子育ての環境も整っているかと思います。園の周辺はフレンドリーな方が多く、子どもや職員が歩いているとよく声をかけていただきます。そのような地域の方の見守りは大きいです。そのような環境は、子育てする方にとっても安心感に繋がっていると思います。

天王保育園 三輪車

今回、話を聞いた人

社会福祉法人 昭徳会 天王保育園

園長 澤田百合子さん

社会福祉法人 昭徳会 天王保育園
住所:みよし市三好町天王51-20
電話番号:0561-32-2346
URL:http://www.syoutokukai.or.jp/tenno/

※記事内容は2014年12月に実施した取材に基づいて作成しています。情報は今後変わる場合がございます。

緑豊かな環境の中で子どもたちが元気に過ごせる保育園/天王保育園 園長 澤田百合子さん
所在地:愛知県みよし市三好町天王51-20 
電話番号:0561-32-2346
保育時間:平日 7:30~19:00、土曜日 7:30~17:00、日曜日、祝日 8:00~18:00
※緊急24時間対応保育(延長保育 19:00~22:00、宿泊保育 22:00~翌7:30)
休園日:年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.syoutokukai.or.jp/tenno/

子どもの持つ可能性は無限大!その子らしさを大切にする保育の秘訣とは/城山みどり幼稚園 副園長 石川明彦先生


城山みどり幼稚園 副園長 石川明彦先生

子どもの持つ可能性は無限大!
その子らしさを大切にする保育の秘訣とは

地域の方々のご要望で、昭和24年に創立された「城山みどり幼稚園」。約60年余の歴史ある私立幼稚園だ。教育方針として、「YYプロジェクト・ヨコミネ式子育て法」を取り入れ、子どもたちの著しい成長と共に、保護者の方々からの信頼も厚い。今回、「城山みどり幼稚園」の副園長先生に、園内での取り組みについてお話を伺った。

貴園は、昭和24年創立と約60年余の歴史ある幼稚園ですが、地域の方々のご要望で設立された「城山みどり幼稚園」には、地域の方々のどのような願いが込められているのでしょうか。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

約65年前に近隣に住まわれていた方と、現在お住いの方とでは、だいぶ異なりますので、当時の期待が現在どのように反映されているのかは、正直わかりません。 ただ、時代や手法が変わっても、「心づくり 人づくり」という理念の部分は変えていません。当園の子どもたちは、3年間で驚くほど、体操、読み、書き、計算、ピアニカの力をつけますが、こういった力をつけること自体を、当園は目的とはしておりません。その子らしく生きるために必要な「自ら学び、自ら考え、自ら行動できる力」を身につけるための手段であるということを説明会や行事などで、繰り返しお話しさせてもらっています。

貴園で取り入れている「YY プロジェクト・ヨコミネ式子育て法」とはどのような教育なのでしょうか。このような教育を用いて、実際に取り組まれている活動内容について教えてください。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

「読み・書き・計算・ピアニカ・かけっこ・体操」などを通して、「自ら学び、自ら考え、自ら行動する力」を育む教育法です。それぞれの活動を、毎日、10~20分ずつ行います。「読み・書き・計算」は基本的に自学自習で行います。それぞれの学習ができるようになることも大切ですが、学習に対する“自主性”を育てることが一番の目的です。「体操」ができる子を育てるのではなく、“体操で”子どもたちの心(挑戦心・あきらめない心・友達を応援する心)を育てたいという想いで、日々保育に取り組んでいます。

じゃがいも堀りや、神輿かつぎの他にも、城山幼稚園との合同運動会を行う等、行事も沢山開催されていますが、城山みどり幼稚園ならではの行事について教えてください。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

2010(平成22)年度からスタートしたクラス対抗のリレー大会「みどりカップ」を1学期と3学期に開催しています。子どもたちだけではなく、職員・保護者の心が一体となる素晴らしい行事です。

英会話教室や、体操教室といった課外教室にも取り組まれていますが、このような教室を始められたきっかけについて教えてください。またこのような活動について保護者の方々からはどのような声を頂いていますか。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

英会話、ピアノ、パズル、体操など。普段の保育の中では、なかなか担任だけでは教えにくいものを課外教室として行っています。また、私自身が幼少期に、親が働いており、なかなか習い事に通いにくい環境の中で育った経験から、園内で放課後も習い事ができる課外教室を積極的に導入するようにしました。2015(平成27)年度からは地域のフィットネスクラブと連携し、プール教室もオープンしました。安全に習い事に通わせられる上に、送迎の手間が省けますので、保護者の皆様には喜んでいただけていると思います。

先生方の一体感も貴園の魅力だと思います。朝礼の際、「活力朝礼」を取り入れていますが、実際どのような効果がありましたか。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

「挨拶」「笑顔」「ありがとう」が自然とあふれる職場になりました。その影響は子どもたちや保護者の皆様にも広がっているように感じています。また、職員朝礼を通して日々、方針を確認し合うことで、トップから新人職員までが同じ方向を向きながら保育ができています。毎週月曜日と金曜日は、子ども朝礼も行っています。子どもも職員も、とっても元気な幼稚園です。

地域の方々と連携した行事や取り組み等はあるのでしょうか。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

地域の高齢者施設に伺ったり、神社の豆まきに参加したりすることがあります。 当園は、保護者の皆様とのコミュニケーションを大切にしているため、通園バスを使用しておりません。従って、園児のほとんどは地域の子ども達です。他にも、月一回は、日頃お世話になっている地域の公園を清掃に行きますし、毎朝の職員朝礼終了後は職員が、地域清掃に廻ります。

入園前から未就園児のためにイベントを開催されていますが、このようなイベントを通して、入園後の子どもたちにどのような変化があるのでしょうか。また、子どもたちと接する際に大切にされている点についても教えてください。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

2010(平成22)年から「YYプロジェクト・ヨコミネ式子育て法」を採用し、子どもの持つ可能性に驚かされ続けてきました。日々接する中で、どうしたらその子の持つ才能が開花してくれるか、を考えながら保育をしています。 その中で、2歳から準備を進めた方が、脳科学的にも効果的と思われる分野があることを知りました。以来、2歳児イベントには、そういった要素をわずかですが、盛り込むように工夫してあります。これを毎月繰り返すことで、入園後の幼稚園への慣れも早くなりますし、入園前に保護者の方々に幼稚園を正しく理解していただくための、大切な機会にしています。

より深く2歳児教育を行って欲しいとの要望から、2013(平成25)年より、会員制の2歳児教室「ぞうさんクラブ」(週2回クラスor3回クラス)も開室しています。

最後に周辺エリアの子育て環境の魅力について教えてください。

SPECIAL INTERVIEW:城山みどり幼稚園

これは意外と知られていませんが、板橋区内には幼児教育者を育成する学校(養成校)が沢山あります。従って、この地域は地元出身の幼児教育者が多い地域と言えるのではないでしょうか。その地域が好きな教育者が多いというのは、子育てをする上で、非常に大きな魅力と言えるかと思います。実際に当園の職員の多くが地元出身者です。 しかし、いつかは「城山みどり幼稚園・城山幼稚園があるから、子育てするなら板橋!」と言ってもらえるようになりたいですね。頑張ります!

今回お話を聞いた人

子どもの持つ可能性は無限大!その子らしさを大切にする保育の秘訣とは/城山みどり幼稚園 副園長 石川明彦先生

学校法人石川キンダー学園 城山みどり幼稚園
副園長 石川明彦先生

※記事内容は2015(平成27)年6月時点の情報です。

子どもの持つ可能性は無限大!その子らしさを大切にする保育の秘訣とは/城山みどり幼稚園 副園長 石川明彦先生
所在地:東京都板橋区坂下2-22-10 
電話番号:03-3966-4646
保育時間:7:30~19:00
http://shiroyamagroup.jp/

八王子の夜を彩る“彫り”の山車 地域が作り上げる「八王子まつり」の魅力とは/八王子まつり実行委員会 広報宣伝部会長 青木訓行さん


八王子まつり実行委員会 広報宣伝部会長 青木訓行さん

八王子の夜を彩る“彫り”の山車
地域が作り上げる「八王子まつり」の魅力とは

毎年8月初旬に開催され、東京でも指折りの大規模な夏祭りとして知られている「八王子まつり」。52回目を数えた2012(平成24)年には、3日間でおよそ70万人もの人が訪れたという。今回はこの「八王子まつり」の運営にあたっている「八王子まつり実行委員会」(八王子市学園都市文化ふれあい財団内)をお尋ねし、広報宣伝部長の青木訓行さんに、祭りの魅力と見どころをうかがった。

「八王子まつり」は今年で53回目の開催を迎えるそうですが、お祭りの歴史的な背景について教えてください。

八王子まつり

そもそも「八王子まつり」は、1961(昭和36)年に「3万人の夕涼み」という形で始まった「市民祭」ですので、「宗教色を出さない」ということが原則になっておりますが、もとをたどれば、八王子では300年くらい前から、それぞれの町にお祭りがあったそうなんですね。氏子のお祭りということです。それらを一つにまとめて行なうことにした時に「八王子まつり」と呼ばれるようになったんです。ですからまだ53回目と、歴史が無いように思われる方もいらっしゃるかと思いますが、それは「八王子まつり」になってからの回数ですので、歴史的には何百年と繰り返されてきたものです。

「八王子まつり」の見どころについて教えてください。

八王子まつり

「八王子まつり」は「山車(だし)を中心にした祭り」というのがやはり大きな特徴かと思います。2003(平成15)年には、全国でも有数の伝統芸能と認められまして、「地域伝統芸能大賞」を頂いています。

山車は「ぶつけ」というのが一番の見せ所でして、これは山車と山車が向かい合って、お互いのお囃子を披露しあって、自分達のテンポに引き込んでいこうというものです。あとは「辻合わせ」といって、四隅から山車が集まってくる場面があって、それも迫力があります。

それから、八王子の山車というのは「彫り」の山車ですから、夜は立体的に照らされて、照明に映えてきれいなんですね。京都なんかの山車ですと、西陣織のきれいな布が張ってあったりするんですが、これは「昼間の山車」ですよね。「八王子まつり」がどちらかと言えば「夜の祭り」になっているのは、そのためかもしれません。灯火に照らされると、山車がすごく映えて美しいんですよ。写真を撮られる方なども、楽しめるかと思います。

山車は町会に参加している人でないと曳けないのでしょうか?

八王子まつり

「八王子まつり」のいちばん良いところは、「氏子の祭り」ということで始まったものですので、どなたでもその土地に生まれれば、土地の神様に支えられているという風習に基づいますから、「鎮守様にお礼を言う」という意味のお祭りでして、地元の方なら誰でも参加しやすいと思いますよ。

ですが、町会に所属している人でしか担げないということもなく、誰でも参加することができますよ。今はこの「八王子まつり」を契機として、新しく八王子に住まわれた子育て世代の方と古くからお住まいの方との間に、うまく交流の形ができてきています。

八王子の夜を彩る“彫り”の山車 地域が作り上げる「八王子まつり」の魅力とは

ですから新しく引越してきた方も歓迎ですし、どなたでも山車を曳けるとは思いますよ。一応町会にお断りは通していただきますし、小さなお子さんには親御さんが付いたりとか、お年寄りの方で身体が不自由な方は指示に従って曳いていただくだとか、いろんな注意点はありますけれども。その判断は町会によりますが、当日はどこの町会も「會所」という形でテントを張っていますから、そこで一言言っていただければと思います。場合によっては、半被を貸してくれる町会もあるかと思います。ただ、注意点としましては、暑いですから、水分補給などにはご注意いただければと思います。

もちろん見るだけという方も大歓迎ですので、遠方の方もぜひいらしてください。

山車もお祭りも、皆さんの力が合わさって実現できるものなんですね。

八王子まつり

そもそも山車というものは一人で曳けるものでないですから、そこには若い人の手も借りないといけないし、八王子から出ていってしまっているご子息の方なども、お祭りの時には山車を曳きに戻ってきたりしていますよ。

それから、山車を曳くには統率も必要でして、全員が町内頭などの指揮に従って山車を曳きますから、非常に地域のまとまりが良くなりますよね。昔の人はよく考えたもので、お祭りをコミュニケーションツールに使っていたんですね。地域のみんながお祭りに向かって気持ちを一つにして、お囃子を習ったり、山車の飾り付けの準備をしたり、点検をしたりする。そのへんの協力する姿は、本当に素晴らしいものだと思います。

一時的に八王子に住んで、学校などに通われている学生の方々なども、せっかく縁があって八王子にいらっしゃっているわけですから、「八王子まつり」も良い思い出にしていただき、将来、また来るきっかけにしてもらったらありがたいと思います。

山車、神輿以外にも見どころがありましたら教えてください。

八王子の夜を彩る“彫り”の山車 地域が作り上げる「八王子まつり」の魅力とは

「民踊流し」などはユニークだと思いますね。これは踊りの同好会の方が、民踊を踊りながら甲州街道を練り歩くというものです。それから「関東太鼓合戦」や獅子舞なんてのもあります。獅子舞って言うと、多分お正月の金歯の獅子舞を思い出すでしょうけど、「八王子まつり」では由緒正しき、龍の形をした獅子が舞います。

あと、子ども達にとっては夜店でしょうね。甲州街道の国道にお店が出るっていうのは、ほかの街だと事例がないみたいなんですね。「八王子まつり」は歴史があるから、国道にも夜店が出るんです。子どもたちにとって、夜店の思い出ってすごく印象深いじゃないですか。そういった点でも、子どもからお年寄りまで楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

青木さん、ありがとうございました。今年の「八王子まつり」についての最新情報は、公式ホームページをご覧ください。

八王子まつり

今回、話を聞いた人

八王子まつり実行委員会
広報宣伝部会長 青木訓行さん

URL:http://www.hachiojimatsuri.jp/

※記事内容は2013(平成25)年7月時点の情報です。

八王子の夜を彩る“彫り”の山車 地域が作り上げる「八王子まつり」の魅力とは/八王子まつり実行委員会 広報宣伝部会長 青木訓行さん
電話番号:042-686-0611(八王子まつり実行委員会)
https://www.hachiojimatsuri.jp/

時代に寄り添う商店街を作る 八王子を見守り続けてきた「荒井呉服店」/荒井呉服店 常務取締役 橋本孝さん


荒井呉服店 常務取締役
橋本孝さん

時代に寄り添う商店街を作る
八王子を見守り続けてきた「荒井呉服店」

八王子市・甲州街道沿いにある老舗の呉服屋「荒井呉服店」は、街道沿いに連なる老舗の中でもひときわ歴史の深い店のひとつ。八王子界隈に住む多くの人々がここで人生の節目に呉服を買い求め、晴れの日に彩りを添えてきた。また、いっぽうでは「ユーミン」こと松任谷由実さんのご実家としても有名な店である。

今回はここ「荒井呉服店」の常務を務めながら、店の入り口で日々お客さんに接し続けている、橋本孝さんにお話をうかがった。

「荒井呉服店」さんは商店街の中でもひときわ歴史の長いお店とお聞きしましたが、商店街の歴史、お店の歴史について教えてください。

荒井呉服店インタビュー

私がこのお店に入ったのはもう60年近くも前のことですが、その頃は駅前に今のような街並みはなくて、街道筋のこの辺りが、街の中心になっていたんですよ。歴史的には大久保長安さん江戸時代に街を開いたということで、400年ほどの歴史があるそうなんですね。

八王子宿の中には横山宿、八日市宿、八幡宿というものがあったそうでして、そのうち横山宿と八日市宿が商店街に成長して、当時から「八王子に来れば何でも揃う」ということで、近在の方々でにぎわっていたということです。荒井呉服店が創業したのは1914(大正3)年ですので、すでに100年以上もこの場所で呉服店を続けております。

荒井呉服店インタビュー

1931(昭和20)年の八王子空襲で、商店街もほとんどが焼けてしまいましたが、戦後はいち早く復興しまして、私もこのすぐそばに住んでいましたが、いちばん最初に「八日町商店街」が復活しましたね。その中でも「荒井呉服店」は最初に営業を再開したそうです。それから、1950(昭和25)~1951(昭和26)年ぐらいからでしょうか、大規模な区画整理が始まりまして。店の前の歩道が5メートルの立派な歩道になったんですよ。工事は1953(昭和28)年に完成して、いまの商店街の原型になっています。

橋本常務は「八日町商店街」の代表理事をされており、市内の数々の商店街のとりまとめもなさっているそうですが、最近の商店街の動向についてお教えください。

荒井呉服店インタビュー

八王子には合計で15の商店街がありますが、やはり、ここ数年はだんだんと元気がなくなってきてしまっているんです。「後継者がいないためにやむなく」と言われる方も多いのですが、私はそれはちょっと違うと思うんですね。商店街に魅力がなくなってきてしまったから、「親のやっている店を継ぎたくない」っていう子どもさんが増えてきたのだと思います。

そこで私どもはこういうのを何とかしなきゃと思いまして、2012(平成24)年の7月に一般社団法人「まちづくり八王子」というものを立ち上げました。これは市内の14の商店街のうち9つの商店街が集まりまして、一緒に商店街を盛り上げていこうというものです。今後は残りの5つの商店街にも参加してもらえればと思っています。

荒井呉服店インタビュー

「まちづくり八王子」では、まず「空き店舗対策」というものをやっています。この中では八王子市の産業政策部の方の協力も得まして、空き店舗への出店店舗に対して、内装工事の補助金を出してもらえることになるなど、成果を上げ始めています。今年の4月には、早速その成果で生まれた1店舗目が開店しました。大正琴の教室ということでしたね。

そもそも商店街というものは、「人が集まる場所」があればいいわけで、必ずしも物販でなければいけない、というわけじゃないんですよ。店舗を空けておくことがもったいないわけですから、とにかく店を開いて、人を集めてもらうことが良いことなんです。「まちづくり八王子」では2013(平成25)年から専従のスタッフを入れましたので、これからより一層活動していきますし、街づくりにもいろんな形で関わっていきたいと思います。

「まちづくり八王子」の活動で、将来的に街はどのように変わっていくのでしょう?

荒井呉服店インタビュー

これからは専従スタッフが活動しますので、個人のお店もいろんなアドバイスをいただきながら、時代に見合ったお店に変わっていけると思います。商店街というのは店の数を減らさないようにしなきゃいけないんですが、立場が近いと、たとえ私が代表理事であっても、人の店の経営には口出ししにくいんですよ。

それが「まちづくり八王子」の立場からであれば、たとえば「ここは改装したほうがいいんじゃないか」とか、「こういう風にすれば負担が少なくなる」などと、的確なアドバイスができるんですね。古い商店街にはそういった外部からの刺激が必要だと思っていまして、八王子はいま、これをやり始めているところです。

商店街に幾つものマンションが建つような時代になりましたが、商店街としてはどのように関わっていきたいと思われますか?

荒井呉服店インタビュー

そうですね、私個人としては、マンションを作ることに反対はしていないんですよ。人がいなければ物は売れませんから、新しいマンションの住人の方も大切なお客様です。まず、この八日町を選んで住んでくださるってことが、何よりも嬉しいですよね。

今後の商店街としては、「女性の方が沢山来てくれる街」を意識していきたいと思っています。商店街は昼間だけじゃないんです。夜も商店街なんです。だから夜、シャッターが閉まっていても、「明日ここの店に来たいな」と思えるようでなければいけないんです。
「八日町商店街」では、すでに防犯灯を設置しましたし、これから防犯カメラも付けようと思っています。女性が安心して通れる街、夜が安全な街にしていきたいですね。

「八日町商店街」のアピール、おすすめの店舗などがあればお教えください。

荒井呉服店インタビュー

八王子の商店街では、買わなくてもいいので、ぜひ気軽に店の中に入ってみてほしいですね。回ってもらえば1日かかってしまうくらいいろんな店がありますし、いろんな出会いがあると思います。歴史が古い店もたくさんありますし、個性的な店もたくさんあります。

食べ物だと、「伊勢屋」さんのお団子、「富士屋」さんのお惣菜なんかはおすすめですね。文具の「ヒノデン」さんもありますし、「イワイ」さんなんかは特殊な額縁屋さんで、オーダーメイドにも対応してくれますしね。そういうのは商店街にしか無いですよ。婦人服の「乙女屋」さんや、帽子屋さん、お茶屋さんなんかでも、百貨店でも扱ってない品を扱っていますし。この八日町ってところには、とにかくいろんな業種があるんです。百年以上の老舗もけっこうありまして、中でもいちばん古いのは「イゲタヤ」さんですかね。創業して200年以上になるかと思います。

荒井呉服店インタビュー

昔はお茶屋なんて世間話をするところでしたし、呉服屋なんてのはいろんな情報が集まってくるから、何でも聞きに来るお店だったらしいですね。「だれかいい嫁さんを紹介してほしい」とか。そういう商店街ならではの「身近さ」「親しみやすさ」も復活させたいですね。入ってくるときには笑顔でお迎えして、お店を出るときにも、買い物をしてもしなくても、笑顔でお送りする。それが次の来店につながりますし、商店街の将来にもつながると思っています。

「荒井呉服店」さんならではの特徴はどんなところでしょうか。どんな人に来てほしいですか?

荒井呉服店インタビュー

うちの場合は「ほかに無いものを置いてある」というのが特徴ですかね。「呉服関係で無いものはありません」というのがキャッチフレーズです。他の呉服屋さんに無いようなものも、うちに来てくれればきっとありますよ。値段も柄も幅広く揃えているので、初めての方でも気軽にいらしてください。

荒井呉服店インタビュー

もちろん接客も大切にしています。今はコンビニもスーパーもお客さんが選んで買う時代ですが、呉服の場合は今でもマンツーマンで接客して、選んで頂くわけですからね。「人」が良くなければ商売にはなりません。あとは、「お客さんに教わる」という姿勢も大事だと思います。お客さんには着物をよく知っている方がたくさんいらっしゃるわけですよ。着物を気軽に着ることができる環境があるのはやはり日本なので、どんどん着てみてほしいですね。

自治会との連携、地域のお祭りとのかかわりなどはありますか?

荒井呉服店インタビュー

地域との連携という意味では、やっぱり「八王子まつり」は大きいですね。関東の3大まつりのひとつですから。八日町にも「山車」(だし)があるんですよ。2001(平成13)年に5千万円を使って再建しましてね。

新しく来られた方にも、お祭りに是非参加してほしいですね。祭りに参加して山車を引くには「花」、つまりお金が必要なんですが、そんなに沢山じゃなくてもいいんです。だから、今より少しでも参加する人が増えてくれれば嬉しいですね。山車を引く人が増えたら、引く縄を伸ばせばいいんだけなんですから。あと、祭りに参加するには浴衣を着るんですが、八日町の浴衣はうちで仕立てたものだからいいものだと思いますよ。原価のままで売ってるから儲けはないんだけどね。

マンションにどんな人が住んでいるか分かることも、商店街の発展には必要なことなんだよね。だからマンションの方にはどんどん商店街を利用してもらって、仲良くなって、一緒に楽しみながら発展していきたいものですね。

最後に、八王子の魅力について教えてください

荒井呉服店インタビュー

私は60年近くこの町で仕事をしているけど、「楽しい町」だなって思いますよ。近くに高尾山もあるし、川も流れているし。電車の便がいいのはもちろん、公共交通がしっかりしている点もいいですね。若い方はもちろん、歳をとってもずっと、安心して暮らせる町だと思います。

荒井呉服店インタビュー

今回、話を聞いた人

荒井呉服店 常務取締役 橋本 孝さん

所在地:東京都八王子市八日町9-8
電話番号:042-625-5291
URL:http://www.araigohukuten.co.jp/

※記事内容は2013(平成25)年4月時点の情報です。

時代に寄り添う商店街を作る 八王子を見守り続けてきた「荒井呉服店」/荒井呉服店 常務取締役 橋本孝さん
所在地:東京都八王子市八日町9-8 
電話番号:042-625-5291
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日、 第1木曜日
https://www.araigohukuten.co.jp/

創立140年を超える地域密着型の伝統校/八王子市立第一小学校 校長 金井尚志先生


八王子市立第一小学校
校長 金井尚志先生

創立140年を超える地域密着型の伝統校。
数々の取り組みのもと、地域で子どもたちを育む。

甲州街道・横山町交差点の北側に位置し、甲州街道と浅川に挟まれた市街地の多くを学区に含む「八王子市立第一小学校」は、2012(平成24)年に140周年の節目を迎えた、八王子市内でもっとも古い小学校のひとつ。地域との関わりが特に深い学校としても知られ、近年は商工会議所と連携したさまざまな取り組が注目を集めている。今回は校長の金井尚志先生を訪ね、お話をうかがった。

まず、学校の概要についてお聞かせください。

八王子市立八王子第一小学校

本校は2013(平成25)年で141周年になる学校でして、八王子市内で最も古い小学校のひとつです。学制が敷かれた後、すぐ開校したということですね。それ以前からも、学校前にある「八幡八雲神社」の寺子屋として「横山学舎」というものがありまして、そこに始まっています。

 

 

2014(平成26)年1月現在で410名の児童が在籍しておりまして、児童数はここ数年、大きく変わっていません。学区は北が浅川、南が甲州街道、西が国道16号、東が駅前通りに囲まれた範囲となります。 児童の中には、親御さんも含めて3世代、4世代にわたって通われているという方も沢山いらっしゃいますので、「地域に根づいた学校」という点が特徴かと思います。

教育目標と、目標に向けた実践例についてお聞かせください。

八王子市立八王子第一小学校

教育目標としては「健康な子」「進んで学ぶ子」「心豊かな子」ということを掲げていまして、それに加えて、「地域で育ち、地域で生きる子の育成」という点も重視しています。

八王子市立第一小学校

「健康」については、朝に体育集会という形で行ったり、縄跳びや持久走についても、積極的に取り組んでおります。運動会ももちろん大きな行事ですが、2月にも、「持久走記録会」というものがありまして、浅川の土手で記録会をしています。

八王子市立第一小学校

ほかには、「さわやかカレンダー」というものがありまして、これは、毎日の手洗い、歯磨き、朝ごはんなどの生活習慣を、期間を決めてチェックしてみようという取り組みでして、子どもたちはもちろん、保護者の方にもご協力をいただいているという状況です。

八王子市立八王子第一小学校

「心豊かな子」という点については、ひとつは、毎週の校長講話の中で、子どもたちの心の成長をうながすような講話を意識してしておりますし、ユニークなものとしては、各教室に「あったかことばの木」というものを作っています。

これは各教室の掲示板等に模造紙を貼って作っているものですが、子どもたちが「あの子が言った言葉が心に響いたな」と思ったら、その言葉を自分で書いて、「木」に貼っていくんですね。

「地域で育つ子」という点では、どのような取り組みがあるのでしょうか。

八王子市立八王子第一小学校

「地域との関わり」というのは、本校の大きな特徴のひとつになっているものですが、「地域と一緒に何かをする」というよりも、「子どもたちが地域に出て行く」ということでやっておりまして、そこに地域の方が関わって下さるという形が多いです。

八王子市立第一小学校

面白いものですと、最近、新聞にも紹介していただいた「キッズショップ」という事業がありまして、これは地域の商工会議所との連携の中で行っているものです。6年生の活動になりますが、子どもたちがどんな「お店」を出したいかを話し合って、それについて、自分たちで事業計画を考えて、商工会議所から実際にお金、現金を借りてくるんですね。

八王子市立第一小学校

これを元手に、地域のお店から商品を仕入れて、販売して、利子と一緒に返却して、利益が出ればその使い道について、子どもたちでまた話し合うというものでして、まさに「商売」そのものを体験するわけです。これは商業がさかんな八王子らしい、ユニークな取り組みかと思います。

八王子市立第一小学校

この「キッズショップ」は2005(平成17)年度からスタートしたもので、本校から商工会議所に話を持ち込んで始まったものなんですが、商工会議所の方にも本校の卒業生が多いものですから、スムーズに話が進んだそうです。

 

 

本当のお金を借りて、利子を付けて返すという体験ができる学校というのは、ほかにはまずないと思います。毎年すぐに完売してしまうお店がほとんどですから、後半に保護者の方が買える時間というのも設けているんですが、「売り切れてしまって買えなかった」という声も沢山聞きます。たまたま通りがかった通行人の方が、お金を払って買ってくださるんです。

街中にある花壇についても、「八王子市立第一小学校」の子どもたちが管理しているそうですね。

八王子市立八王子第一小学校

駅前通りから甲州街道までの間に「シンボルロード」という道がありまして、そこの花壇を、本校の5年生が花を植え、管理をしています。水やりについても、子どもたちが花壇の近くのお店に水をもらいに行って、水をやっています。夏休みなどにはお店の方が代わりにやってくださったりもしていますね。これも、商工会議所の中にある「ファッション都市協議会」との関わりでやっているものです。

八王子市立八王子第一小学校

また、シンボルロードと甲州街道が交わったところに銅像があるんですが、その下の花壇については、4年生が同様に管理をしていまして、こちらは、国道事務所との関わりで行っているものになります。3年生については、学校の前に花の鉢植えを飾りまして、近隣の方に喜んでいただいています。

歴史ある学校ならではの「伝統」があれば教えてください。

八王子市立八王子第一小学校

ひとつとしては、『あかごま』という毎年出している文集がありますね。こちらは2014(平成26)年で63号になる文集なのですが、全員の作文が載りますので、6年間で6回掲載されることになります。毎年、子どもたち全員に配っているものですね。

校長室には第3号からあるんですが、3年に1回、学校行事の「展覧会」の時には歴代の『あかごま』を並べて、手にとってもらえるように展示しますので、子どもと一緒に来た保護者の方が、「これ、お父さんが書いたんだよ」なんて指したりするんですね。これは何とも印象的な光景でした。

八王子市立八王子第一小学校

あとは、「一小音頭」というものがありまして、これは運動会などで、全校の児童はもちろん、保護者も交えて踊るものとなっています。来てくださった保護者の方も、地域の方も、みなさん踊れるんです。それだけ地域に密着している学校なのだと思います。

職員全員で共有しているポリシー、校長先生が目指している将来の学校像について教えてください。

八王子市立八王子第一小学校

学校の経営方針としましては、私がこの学校にいる間は「安心、安全な学校づくり」ということをテーマにしたいと思っています。これはハードな面だけではなくて、ソフトの面でも、という意味でして、子どもたち、教職員、保護者、地域、みんなが「安心・安全な学校だね」と思えるような“学校づくり”をしてほしいと、職員には絶えず言うようにしています。

また、「子どもたちにきちんと学力を身につけさせる」ということが、学校の大きな役割ですから、「そのためには何をすれば良いのか」ということを、教員がそれぞれ考えながらやってほしい、ということも言っています。

最後に、この地域の魅力についてお聞かせください。

陵南公園

本校の学区内というのは、旧くからお住まいの方々と、新しく来られた方々が混在をしている地域でして、昔から地域と学校との関わりが非常に強いですから、「安心して預けられる学校がある」という点は、ひとつ大きな魅力かなと思います。

環境の面では、都心から近い割には自然環境に恵まれていますし、公園も多くありますし、交通の便も良いですし、子育てにはとても向いている場所かと思います。あと、時間の流れがとてもゆったりとしていますよね。都心とは全然違う時間の流れがあります。それが一番の魅力なのかもしれません。

八王子市立八王子第一小学校

今回、話を聞いた人

八王子市立八王子第一小学校
校長 金井尚志 先生

住所:東京都八王子市元横山町2-14-3
電話番号:042-642-0851
URL:http://hachioji-school.ed.jp/dai1e/

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

創立140年を超える地域密着型の伝統校/八王子市立第一小学校 校長 金井尚志先生
所在地:東京都八王子市元横山町2-14-3 
電話番号:042-642-0851
http://hachioji-school.ed.jp/dai1e/

本格手作りパンを地元のみなさんに/Boule Beurre Boulangerie(ブール・ブール・ブーランジェリー)店長 草野武さん


Boule Beurre Boulangerie(ブール・ブール・ブーランジェリー)店長 草野武さん

本格手作りパンを地元のみなさんに
「八王子でいちばん小さなパン屋さん」

八王子「みずき通り商店街」の一角で、小さな店頭にガッシリと実の詰まったヨーロピアン・スタイルのパンを並べている「ブール・ブール・ブーランジェリー」は、自称「八王子でいちばん小さなパン屋さん」。歩道からガラス越しに見える厨房には、いつも店長の草野武さんが立ち、生地の仕込みから焼き上げまでを見守っている。今回は口コミで評判を広げているこちらのベーカリーにお邪魔し、草野さんにお話を伺った。

草野さんがこのお店を作られた経緯、お店にかける思いをお教えください。

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

このお店はオープンして8年目になります。私は八王子の横山町の出身で、もともと会社員をやっていたんですけど、海外に行った時にすごく美味しいパンに出会って、パンが大好きになったんです。そんな頃に、偶然あるパン職人と知り合うことができたので、会社を辞めてパンの学校に行き、職人を目指し始めました。 パン職人を目指してからは、「いつか地元にパン屋さんを作ろう」と思っていまして、茨城や都内、多摩地区など、いろいろなパン屋さんで修行をしましたし、フランスにも少し行きました。今でもそれらの修行先で学んだものを生かしながら、丁寧に手作りしています。

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

品揃えについては、もともと「自分が食べて美味しいと思ったパンを、地元のみなさんにも味わっていただきたい」と思って始めた店ですので、店の売りになっているのは外国で食べて感動したような“ハード系”のパンで、フランスやドイツのパンが多いです。その中でも、リュスティックとかフリュイとか、比較的食べやすいパンが人気がありますね。 場所について、みずき通りに店を持ったというのは、たまたま物件が空いていたというのもありますけど、この場所が、自分自身が小学校の頃に通っていたプラモデル屋さんだったということが大きいですね。小学校のころによくしてくれたおじさんがいたんです

パンの製法や素材について、こだわりをお教えください。

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

特に素材についてのこだわりというものはなくて、小麦自体はそんなに特殊なものではないです。素材よりも製法ですね。特に、生地をいかに熟成させるかということを大事にしています。 酵母としては、イーストも使いますが、ルヴァン・リキッドという小麦の種も使っていますし、天然酵母も2種類使い分けています。ほかにも、パートフェルメンテ法という、発酵生地を中種(なかだね)にして作るものなど、手法としては5種類から6種類ありますね。レモン、いちじく、イチゴなど、季節の素材を使った天然酵母も自家製しています。店が狭い分、パンの種類はどんどん替えていきまして、1週間のうちになるべく多くの種類を提供できるようにしています。

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

私は生地作りに関して、「発酵」ではなく「熟成」がより大事だと思っていますので、そこは変わっているのかもしれません。すごく低い温度までもっていって、発酵をさせずに、熟成だけを進めるという方法を取っています。これは多分、ほかのパン屋さんではあまりやっていないと思います。

このような本格派パン屋さんについて、地元の方の反応はいかがでしょう?

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

「高い」と思っている方がいるかもしれませんが、小さいお店なので無理して安くはできませんし、適切な材料を使って、適切な価格で出しているとは自負しています。 実際にいらっしゃるお客さんとしては、30代から40代の方がいちばん多くて、それに次いでご年配の方のご利用が多いですね。自分としても、そういった方に好意的に受け入れていただいていることは、やろうとしていたことに近いので、嬉しいですね。

“小さなお店”ということですが、今後はもっと大きくされるのでしょうか

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

そうですね、店は将来的にちょっと大きくしたいと思っています。この店、この場所自体は好きなのでそのままにして、何らかの改造はするか、製造の形態を少し変えようかとは思っています。この大きさだとかなり限界までやっているので、それを何とか改善できたらいいですね。

「八王子の魅力」はどんなところでしょうか。

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

商店街がいいですね。食べ物屋さんにしても、魚屋さんにしても、専門店色が強くて、実際話し込んでみるとすごく専門的な話が聞けて、自分も色々と勉強させていただいています。食材を買いに行ったりしても、スーパーでは売っていないようなすごく美味しいものを扱っていたりするんです。利用価値の高い、「深い」お店が一杯ありますね。

商店街で個人的にお薦めのお店など、お聞かせいただけないでしょうか?

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

特に食べ物屋さんに関して、美味しいお店が多いと思いますので、そのあたりでお答えします。京王八王子のビストロ「ソワ」さんは、有名な「メゾン・ポール・ボキューズ」で料理長をやっていたシェフのお店なんです。いいお店ですよ。あとは、「グレコ」さんもお薦めです。オーガニックワインとお肉が美味しいお店です。ほかにも食べ歩くと本当にいいお店が一杯ありますので、そんなところでも、いい街だと思います。

ぶーる・ぶーる・ぶらんじぇり

今回、話を聞いた人

Boule Beurre Boulangerie
(ブール・ブール・ブーランジェリー)店長 草野武さん

所在地:東京都八王子市八日町10-19
電話番号:042-626-8806
営業時間:火曜日、月曜日
URL:http://ameblo.jp/boule-beurre/

※記事内容は2013(平成25)年5月時点の情報です。

※「Boule Beurre Boulangerie」は、2014年10月に「八王子市横山町16-5」に移転しました。

本格手作りパンを地元のみなさんに/Boule Beurre Boulangerie(ブール・ブール・ブーランジェリー)店長 草野武さん
所在地:東京都八王子市八日町10-19 
電話番号:042-626-8806
営業時間:11:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日:火曜日、水曜日、隔週月曜日
http://ameblo.jp/boule-beurre/

所沢地域に根づくフラワーショップ

街の“カッコいい花屋さん”を目指して/Hallo Gallo(ハローガロー)オーナー 成瀬拓也 さん


Hallo Gallo(ハローガロー)
オーナー 成瀬 拓也 さん

街の“カッコいい花屋さん”を目指して
地元・所沢で新たな挑戦

「Hallo Gallo」インタビュー

「所沢」駅西口に出てプロぺ通りを過ぎ、「ダイエー 所沢店」前の道に少し入ったところに、2014(平成26)年10月にフラワーショップ「Hallo Gallo」がオープンした。よくある街の花屋とは一線を画す、スタイリッシュなフラワーショップだ。店内には洋楽が流れ、他ではあまり見かけないような珍しい草花を、オーナーである成瀬拓也さんがこだわりをもって仕入れている。今回は、自身も所沢で育ち、所沢をこよなく愛する成瀬さんに、お店や、街との関わりについて詳しくお話を伺った。

まず、成瀬さんが「Hallo Gallo」を開いた経緯を教えてください。

Hallo Gallo 成瀬さんインタビュー

元々は写真や映像関係の仕事をやっていました。ある日、神社の特別な行事の時に、境内の中と外に置いてあった大きい花のオブジェを見て、生け花に強く魅力を感じたのが、花の世界に入ろうと思ったきっかけです。それで、東村山にある花屋で3年程働いて経験を積んだ後、丁度ここに良い物件を見つけたので独立して自分の店を開くことを決めました。

ご自身のお店を開くにあたり、なぜこの場所を選ばれたのでしょうか?

Hallo Gallo 成瀬さんインタビュー

所沢の高校に通っていたので、この辺りのことはよく知っています。以前の仕事は都内に行っていたので、“戻ってきた”という感じですね。ここの場所は目の前にダイエーがあるので人通りもあるし、立地がいいなと思い選びました。
最近の所沢は新しいマンションが建って、人も増えてきていますよね。僕の同級生でも一度都内に出て、結婚をしたり、子どもができてから所沢に戻ってきているという人も結構いますよ。

どのようなフラワーショップにしたい、とお考えですか。
成瀬さんが大切にされていることや、この店ならではのこだわりを教えてください。

Hallo Gallo

店名の「Hallo Gallo」は、僕の好きな洋楽の曲名から付けました。「NEU!(ノイ!)」という70年代に西ドイツで活躍した先進的・独創的なバンドの有名な曲で、「Hallo Gallo」という曲があるんです。その曲が好きだったのと、語呂も良いですしね。

Hallo Gallo

“カッコいい花屋さん”をやりたいと思っています。可愛い花屋さんはよくあると思うんですけど、そういう店とは違う“カッコいい”アレンジメントとか花束とかを作りたいんです。
なので、仕入れるものにもこだわっています。切り花とか鉢花で、例えば、「カフェラテ」という名前の茶色いバラや、観葉植物だと「アンスリュームアロー」や「カラテアクロカーター」など。珍しいものを探しに都内の市場に行ったりもしています。

お客様はどのような方が多くいらっしゃるのでしょうか。

Hallo Gallo

主婦の方が、お誕生日や記念日のギフトで購入されていくことが特に多いですね。また、この辺りは個人でやっている飲食店や美容院などが多く、最近ではそういったお店から、「お花を生けて欲しい」などの依頼を少しずつ頂くようになってきました。

成瀬さんにとって、花の魅力とはどのような点でしょうか。
また、この仕事のやりがいはどのような時に感じますか?

Hallo Gallo 成瀬さんインタビュー

花の魅力とは、「枯れること」でしょうか。これは少し表現が難しいのですが、僕は花はいつか枯れてしまう、だからこそ咲いているときの美しさがあるんだと思います。特に切り花などは一瞬というか、期間はとても短いんですが、限りがあるからこそ“今この瞬間が一番!”と感じられます。

Hallo Gallo

やりがいはなんといってもお客さんに喜んでもらえるところですね。例えば、花束の注文を頂いてお渡ししたときに、すごくきれいだと言ってもられる、それに尽きますね。

「Hallo Gallo」ではどのような花をメインに扱っているのでしょうか。

Hallo Gallo 成瀬さんインタビュー

切り花や鉢花はもちろんのこと、僕はドライフラワーが好きなのでたくさん扱っています。生花には無い魅力があると思うんです。「オクラ」や「リュウカデンドロン」など輸入のドライフラワーもありますし、そういったものを使ってオリジナルのリースを作ったりもしています。

Hallo Gallo

切り花は30種類くらいで、例えば春だったらチューリップやスイートピーを入れてみたり、季節の花を入れるようにしています。鉢物は小さいものも入れたら30種類くらいあります。おすすめはカラーポットです。小さい観葉植物を小さなポットに入れています。鉢物って大きいから置き場所は限られてきますけど、これはちょっとしたところに置けて、色も可愛らしい感じです。

バレンタインや、ひなまつりなど、イベントや、子どもの入学・卒業など季節ごとにアレンジもしていて素敵ですね。お客様の反応はいかがですか。

Hallo Gallo

季節感を大切にしたいので、ひな祭りなら、ひな祭り用の器を仕入れてそこに花を挿したりしています。日常使っているカゴとはまた違うものを入れて作っているので、新鮮で、評判も良いですね。カッコいい花屋を目指していると言いましたが、かわいいものも作れるんですよ。笑

フラワーアレンジメント教室なども開催されているそうですね。

Hallo Gallo 成瀬さんインタビュー

近所のとある企業の方が企画をしてくださって、3か月に一度、季節ごとにやっています。そこの職員の方もすごくサポートしてくれて、小さなお子さんを職員の方が面倒を見てくださるので、普段は子育てで忙しい方なども多く参加しています。
一般の方は普段はあまりフラワーアレンジメントなどはしたことがないようで、新鮮で面白がってくださいますね。「久しぶりに子育てを忘れて没頭しました!」というような感想を頂いたり、ちょっとした息抜きにもなるようで、お客様にも好評です。

その他、今後の夢や展望がありましたら教えてください。

「Hallo Gallo」インタビュー

一般のお客様も、近隣のお店もそうですが、もっといろんな人に「Hallo Gallo」を知ってもらいたいと思っています。あとは、先日桜の時期だったので、依頼してくださったお店に大きな桜の枝を持って行ったら大変気に入ってくださったんですよ。「お店の中でもお花見ができる!」と。季節によってそうした提案を今後もしていけたらいいなと考えています。

最後に、成瀬さんご自身が高校まで所沢に住んでいらしゃったとのことですが、
この街の魅力や暮らしやすさはどのようなところでしょうか。

ところざわまつり

この辺りは個人店がいっぱいあるところが、楽しいし便利だと思いますね。また、毎年10月に「ところざわまつり」あるんですが、いろんな町内会でお神輿を出して、たくさんの人が集まって盛り上がります。

所沢航空記念公園

お気に入りスポットは「所沢航空記念公園」ですね。春は桜が、秋はイチョウがすごく綺麗です。高校生の時によく行っていて、思い入れがありますね。体育祭の練習とか、応援の練習とかをやっていたんですよ。他にも、ちょっと行けば「西武プリンスドーム」があったりと、楽しく暮らしやすいと思いますよ!

Hallo Gallo 成瀬さんインタビュー

今回、話を聞いた人

Hallo Gallo(ハローガロー)
オーナー 成瀬 拓也さん

所在地:所沢市東町10-5
電話番号:04-2941-3802
URL:http://www.hallogallo.net/

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

街の“カッコいい花屋さん”を目指して/Hallo Gallo(ハローガロー)オーナー 成瀬拓也 さん
所在地:埼玉県所沢市東町10-5 
電話番号:04-2941-3802
営業時間:10:00~19:00
定休日:なし
https://hallogallo.net/

活気で満ちあふれる商店街の歴史を今に伝える/株式会社いせき 専務 井関克行さん


株式会社いせき
専務 井関克行さん

活気で満ちあふれる商店街の歴史を今に伝える
創業122年の老舗小売店

1893(明治26)年の創業より、木綿織物の産地として栄えた所沢の歴史を今に伝える老舗の小売店「いせき」。「所沢」駅の西口に広がる市内でもっとも賑わいのある繁華街「プロペ通り」にお店を構え、地域に根ざしたお店づくりが多くのファンの支持を集めています。

今回は、「株式会社いせき」の専務として多忙な日々を送るとともに、2014(平成26)年には「公益社団法人 所沢青年会議所」の理事長を務めるなど、まちづくりにも尽力する井関克行さんに所沢の街の魅力についてお話を伺いました。

まず、「いせき」の創業から現在に至るまでの沿革について教えてください。

いせき 外観

「株式会社いせき」の歴史は1893(明治26)年に創業した初代井関丑五郎(いせきうしごろう)による織物の買継商に始まります。明治から昭和のはじめにかけて、所沢界隈は木綿織物の産地として栄えていたのですが、丑五郎の生まれた青梅も機織りの町だったことから、織物の道を歩んだものと思われます。

買継商の仕事は、東京・大阪はもとより北海道や九州まで販路を拡大するほどの実績をあげていたようですが、1942(昭和17)年に施行された繊維関係企業に対する整備令により廃業を余儀なくされ、買継商としての歴史にいったん幕を下ろしました。

いせき 2

その後、丑五郎の孫にあたる井関武七が太平洋戦争後の混乱のなか化粧品と文房具の小売店としてお店を再開させたのが1945(昭和20)年の年末です。翌1946(昭和21)年には衣料品の登録店制度が発令され、1947(昭和22)年3月には正式に登録店として衣料の配給品を扱えるようになり、その後、呉服を扱うようになりました。

当時はまだ呉服店としては駆け出しで、それこそ試行錯誤の連続だったようですが、当時はまだ珍しかった新聞の折込広告や商店街と共同でイベントを企画するなど、さまざまな取り組みを行ってきました。昭和40年代に入ると「所沢」駅前に西友や丸井といった大型店が相次いで出店し、50年代には市内でも屈指の繁華街として街は賑わい、それと共に会社を発展させてきました。

いせき3

昔ながらの土蔵のお店も増改築を繰り返し、1988(昭和63)年には現在の6階建てのビルを完成するに至りました。創業より122年、会社設立より65年を迎える「いせき」は現在、4代目社長のもと35名の社員とともに地域に根ざしたお店づくりに邁進しています。

2フロアに分かれている売場では主にどのような商品を扱っていますか?

いせき 4

1階の生地売場では、無地やパッチワークの生地はもちろん入園・入学シーズンになると毎年100件以上もの加工の依頼があるキャラクターのプリント生地など、生地だけでも膨大な数の商品を取り扱っています。

レッスンバックや、シューズケース、お弁当入れなど、近くの幼稚園や保育園、小学校に子どもが通う親御さんの口コミにより評判が広がり、ご好評をいただいています。

いせき 5

また店舗奥には各メーカーのミシンを取り揃えた展示コーナーもあるのですが、専門のスタッフが常駐しているため使い方に関する説明や試し縫いなども丁寧に指導しています。

いせき 6

続いて2階のカーテン売場には、およそ800点ものオーダーカーテンのサンプルを取り揃えているのですが、近隣のマンションにあたらしく引越してきたご家族などにも好評で、専門のアドバイサーによる出張見積りや採寸も無料で行っています。

いせき 7

駅周辺で生地やホビー用品を扱うお店は他にもいくつかありますが、ミシンコーナーのインストラクターや1階の生地売場には60歳を過ぎても今なお現役で活躍する販売員がいるなど、経験と専門性を合わせ持ったスタッフがいるのは、地域に根ざした商店街のお店という点でもお客様の信頼感につながっているかなと思います。

地域とのつながりという点では具体的にどのような取り組みがありますか?

いせき 8

最近の出来事としては、所沢市のイメージマスコット「トコろん」のぬいぐるみを販売しています。2013(平成25)年の「全国ゆるキャラグランプリ」で26位になったのですが、「mini miniトコろん(15cm)」(税込1,200円)と「BIGトコろん(90cm)※お取り寄せ」(税込29,800円)の2種類があります。

ぬいぐるみそのものは市内にある専門の会社が制作しているので販売しているだけですが、店内にもところどころにぬいぐるみをディスプレイすることで、PRのお手伝いをさせてもらっています。

いせき インタビュー

また、市内にある中学校の“職場体験”の受け入れや、近隣の大学からはインターンの協力要請もあり、毎年多くの学生さんにお越しいただいています。それと、私自身は「公益社団法人 所沢青年会議所」のメンバーのひとりでもあり、およそ70名のメンバーとともに“まちづくり”にも携わっています。

「公益社団法人 所沢青年会議所」では具体的にどのような活動をしていらっしゃるのですか?

いせき 9

まず、「公益社団法人 所沢青年会議所」の目的としては、“まちづくり”とそれを支える“ひとづくり”の2つを大きな柱としているのですが、具体的な取り組みとしては、例えば2014(平成26)年には“B級グルメイベント”や“ダンスコンテスト”など、所沢の魅力をPRする企画を行いました。

他にも子どもを対象とした“わんぱく相撲大会”や“体験塾”と名付けた体験学習活動では、小学校3〜6年生までの約50名とともに伊豆大島を訪れ、土砂災害後のゴミを拾うボランティア活動を行いました。「公益社団法人 所沢青年会議所」のメンバーには、商店主のほかにも工務店の社長さんやお医者さんなど業態業種を超えて幅広い分野の方が集まっているため、今後も所沢の発展のためにさまざまな活動を進めていく予定です。

所沢の街の魅力について教えてください。

いせき 航空公園

所沢には“航空発祥の地”を今に伝える「航空公園」があります。また、映画のモデルになったことで「トトロの森」としても親しまれている「狭山丘陵」など、豊かな自然に恵まれた生活の素晴らしさをあらためて気づかせてくれる環境があります。

武蔵屋のだんご

スポーツでは「埼玉西武ライオンズ」の本拠地でもありますし、食ではB級グルメでもお馴染みの“だんご”と“うどん”は、所沢の食文化をあらわす代表的な食べ物です。住宅地や路地裏にも名店として親しまれているお店があり、ぜひ食べ歩きを楽しんでいただければと思います。

これから、さらに街の魅力を高めていくためにお考えのことを教えてください。

いせき

「所沢」駅前を中心とした“中心市街地の発展”というのが、今もっとも必要とされている事だと感じています。お店のある「プロペ通り」について言えば、チェーン店なども増えてきており、賑わいをみせています。

いせき 11

そんな中で、こだわりや魅力のある個人商店なども、チェーンのお店と上手く共存し、一緒になって街を盛り上げていければ、子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで老若男女を問わずみんなが安心して過ごせる商店街になるのではと思います。

最後に、これから所沢に移り住もうと考えている方にメッセージをお願いいたします。

いせき 12

武蔵丘陵など、豊かな自然が身近な住環境となっており、住み心地のよいエリアだと思います。また、青年会議所での活動をして いると、よく分かるのですが地域のつながりが強いように感じます。子育てにも地域が支えてくれる環境が整っているので、安心できると思います。

それから、創業より122年を迎える「いせき」では、歳時記や季節に合わせてさまざまな売り出しを行っています。お越しいただければ、活気ある所沢の商店街の雰囲気を感じていただけると思います。

いせき 井関克行さま

今回、話を聞いた人

株式会社いせき

専務 井関克行さん

所在地:埼玉県所沢市日吉町9-22
電話番号:04-2922-1355
URL:http://www.iseki-tokorozawa.jp

※記事内容は2015(平成27)年3月時点の情報です。

活気で満ちあふれる商店街の歴史を今に伝える/株式会社いせき 専務 井関克行さん
所在地:埼玉県所沢市日吉町9-22 
電話番号:04-2922-1355
営業時間:10:00~19:00
定休日:毎月第3水曜日(ただし2月と8月は19~21日のいずれかを定休とし、第3水曜日は営業する)
http://www.iseki-tokorozawa.jp

「八王子みなみ野」駅前の生活パーク

“駅前商店街”のような存在 愛されるショッピングモールへ/アクロスモール八王子みなみ野 マネージャー 伊東淳さん


アクロスモール八王子みなみ野
マネージャー 伊東淳さん

“駅前商店街”のような存在 愛されるショッピングモールへ

JR横浜線「八王子みなみ野」駅に隣接して建つショッピングセンター「アクロスモール八王子みなみ野」は、3階建てのショッピングモール。近隣に暮らす人々が気軽に散策する、言わば“八王子みなみ野駅前商店街”のようなショッピングモールとして、2006年11月の開業以来多くの来場客でにぎわっています。 今回はこのショッピングセンターを運営する大和情報サービス株式会社・アクロスモール八王子みなみ野マネージャーの伊東淳さんにお話を伺いました。

「アクロスモール八王子みなみ野」とはどんな施設なのでしょうか

アクロスモール八王子みなみ野

八王子みなみ野エリアは新しい街なので、既存の商店街というものがありませんでした。そこで当社が、アクロスモールという地域密着型のショッピングモールを開業しました。当施設はデイリーな店舗が主体となっており、街に暮らす皆さんの日常的なショッピングやエンタテインメントを満たせるバランスの良い内容になっています。近隣にはスーパーマーケット「SANWA」さんもあり、2011年にはDIY「ホーマック」さんの店舗も開業しましたので、日常の品から専門的な商品まで、何かと揃う利便性の高い駅前エリアとなってきたと思います。

その中で「アクロスモール八王子みなみ野」は、いわゆる「駅前の商店街」の代わりとなるような、地元の皆様の“新たな居場所”となるべく造られています。駅の出口から数十メートルの場所に入り口があり、モールの中を通って通勤・通学されるお客様も数多くいらっしゃるようです。
建物の中ではあるけれど、それを感じさせない身近さを感じて頂けているからだと思います。“気取らず普段着で訪れていただけるような場所”として、今後も愛されていければ嬉しいです。

ちなみに、当モール独自のキャラクターとして「ピース君」というパズルのピースの形をしたキャラクターがいるのですが、これには「八王子みなみ野の街を構成する、最後の1ピースになれたら」という思いが込められています。

ショッピングフロアは3階構成ですが、それぞれのフロアコンセプトは何でしょうか。

フレサ食品館

1階はスーパーマーケットの「たからやフレサみなみ野店」に代表される通り、デイリーな店舗が集結しています。その他にはドラッグストアの「マツモトキヨシ」、生活衣料全般の「コルモピア」、100円ショップの「ザ・ダイソー」など、生活必需品は一通りこのフロアで揃うのではないでしょうか。
その間にはフラワーショップの「やなぎ花園」やナチュラル雑貨「NCL(ナチュラル・コンフォート・ライフ」など、生活を彩る店も並んでいます。特に「NCL」は地元生まれのショップということで人気が高く、オリジナルの商品も沢山置かれています。

NCL(ナチュラル・コンフォート・ライフ

施設の外側に面している施設としては、駅の出口からすぐ、バス乗り場の目の前にある保育所「ちびっこランド アクロスモール八王子みなみ野園」もアクセスが良く、忙しいお母さん方に多く利用して頂いています。
一時保育も可能ですので、買い物中に子どもを預かってほしいという方も、是非気軽にご利用ください。また、預けるほどではなくても、1階にはキッズスペースも用意しておりますので、小さなお子様連れでも安心です。

ちびっこランド アクロスモール八王子みなみ野園

その他新しいところでは、飲食エリアとスーパーの間には2011年秋に「ホンダカーズ東京中央」のショールームが開店しまして、通路の真ん中に話題の最新車が展示されています。
本当は男性のお客様の“居場所”として考えていたそうなのですが、特に普段なかなかショールームに行かない女性のお客様にも、気軽に座り心地を確かめられると好評です。

アクロスモール八王子みなみ野内観

2階は書店、服飾雑貨、クリニックなど少し専門色の強いテナントが入っています。中でも家電の「ノジマ」さんは豊富な品揃えが魅力で、購入後のメンテナンスやサポートもしっかりとしてくれると評判が高いです。
「アクロスみなみ野歯科」や「宮川整形外科」など身近なクリニックがあるのも使い勝手が良いと思います。

アミューズメントセンター「ヤズワールド八王子みなみ野店」

3階は駐車場とアミューズメントセンター「ヤズワールド八王子みなみ野店」となっています。
若い人やお子様連れはもちろですがん、大人やご年配の方にも楽しめるゲームが揃っており、3世代が一緒に楽しめるスポットとなっています。

いらっしゃるお客さんはどんな年代、性別、構成が多いのでしょうか。

アクロスモール八王子みなみ野内観

昼間は主婦の方が多いですが、夕方には学生さんも多くなります。
特に、近くに東京工科大学がありますので、その学生さんの利用が増えますね。休日は一家揃って来られるファミリー層が中心です。

車の利便性はいかがでしょうか。

アクロスモール八王子みなみ野外観

お客様のほとんどはみなみ野エリアにお住まいの方です。車の保有率が高いエリアですので、駅前の施設ではありますが車を利用されるお客さんがたいへん多く、買い物が無くても無料で2時間まで停めていただけます。
その後の延長無料サービスはありませんが、だいたい2時間で巡れるコンパクトな店内ですので、多くの方にご好評をいただいています。駐車場の枠のスペースも広々としていますので、運転の苦手な方でも安心です。

「商店街を意識した」ということは、何か地域の人々と一緒になったイベントや、
福引のようなものがあるのでしょうか。

毎年恒例になっている季節のイベントとしては、東京工科大学の学生さんの協力で開催するワークショップ企画があり、2011年にはハロウィンと七夕に行いました。先日のハロウィンイベントは「サカナぼうしをつくろう」という内容で開催され、ユニークな深海魚の帽子を作って“変身”する子ども達でにぎわっていました。
また、「クリスマス抽選会」などお楽しみの抽選キャンペーンも随時開催しており、食料品から家電、書籍、クリニックに至るまですべての店舗で、利用金額に応じた抽選券をお配りしています。旅行券など豪華な景品もあるので、お客様にはたいへん好評を頂いています。

最後に、伊東さんの個人的にお薦めの店舗と、「みなみ野エリアの魅力」を 教えてください。

アクロスモール八王子みなみ野

私個人としては、「らーめん西海」さんによく食べに行きます。
こちらの店は八王子エリアではとても有名な店で、ワンコインで丁寧に作られたラーメンを味わえるので、ここでラーメンを食べるためだけに立ち寄るお客さんもいるようです。安くて美味しいお店ですので、是非食べてみてください。

アクロスモール八王子みなみ野

魅力ですが、「八王子みなみ野」は新しくできた街ですので、住まわれる皆さんもまた、新しく引っ越してきた方ばかりです。新しい街に新しい人、若い学生さん達のパワーも加わって、とても活気のある街だと思います。
もうすぐ駅前ではイルミネーションイベントが始まりますが、これも住民の方が主導して、当施設を含む周辺の商店が協賛して行っているものです。そんなところから住民同士の交流も生まれ、暮らしやすさや生きがいにもつながるのではないでしょうか。新しくて、元気があって、便利で、人に優しい。そんなところがこの街の魅力だと思います。

編集後記

伊藤さん今日は、どうもありがとうございました。「人と物とが交わる場所」というコンセプトで作られた「アクロスモール八王子みなみ野」。
ここには「必要なものがいつでも手に入る」という利便性と、普段着でさっと行ける気軽な雰囲気が両立しており、ここに住まう人々ののニーズを満たしています。本当に長く付き合えるショッピングモールというのは、こういった“生活に寄り添ったモール”なのでしょう。

アクロスモール八王子みなみ野 マネージャー 伊東淳さん

今回、話を聞いた人

アクロスモール八王子みなみ野

マネージャー 伊東淳さん

アクロスモール八王子みなみ野
所在地:東京都八王子市みなみ野1-2-1
電話番号:042-637-3700
URL:http://minamino.acrossmall.jp/

※記事内容は2011(平成23)年12月時点の情報です。

“駅前商店街”のような存在 愛されるショッピングモールへ/アクロスモール八王子みなみ野 マネージャー 伊東淳さん
所在地:東京都八王子市みなみ野1-2-1 
電話番号:042-637-3700
営業時間:専門店10:00~21:00、レストラン10:00~23:30、アミューズメント10:00~24:00 ※一部店舗により異なる
https://minamino.acrossmall.jp/

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」。キメ細かな指導が特徴の小規模校

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」 キメ細かな指導が特徴の小規模校/柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生


柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」
キメ細かな指導が特徴の小規模校

「柏たなか」駅は、つくばエクスプレス開通に伴って開発された新しい街で、豊かな自然の田園風景を残しながらも、都心までのアクセスも良好な住宅地だ。そんなのどかな環境が魅力の柏たなかにある、田中北小学校校長の柏熊先生にこの街についてお話を伺った。

田中北小学校の概要を教えてください。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

1955(昭和30)年創立ですので、2014(平成26)年に60周年を迎えます。各学年1クラスずつで、全校生徒120名、1クラス20名前後の少人数、小規模校ですので先生の目が行き届きやすく、キメの細かい指導が特徴です。5月には、1年生から6年生までの縦割りグループをつくり、全校生徒で船戸公園まで歩いて行く遠足など、子どもたちが兄弟のように仲が良く、一緒に学び・遊んでいます。

縦割り班の活動はどのような内容なのですか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

縦割り班は、1年~6年の全学年が入るグループのことで、異学年の交流を図るためのものです。遠足に行ったり、毎週水曜日の40分の長休みのうちの20分間を一緒に遊びます。6年生がリーダーになり、ドッジボールやドロケイなど様々な遊びを下級生に教える時間にもなっています。6年生にとってはリーダーの育成という意味もあり、異年齢の子どもが一緒に遊ぶ機会がなくなっている現代では、意味のある活動だと考えています。

柏たなかならではの取り組みもあると聞きました。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

歩いて30分の柏の葉には東大柏キャンパスの研究室があり、世界中のメダカが集まっている施設があります。そこで5年生がメダカを学ぶ授業の時に、そちらの協力を得ることができました。
まず1回目に東大の先生がメダカについての講義をしてくださり、2回目にはその研究室を見学させていただき、遺伝子組み換えによる緑のメダカや光るメダカ、世界の珍しいメダカなどを見ることができました。普段は入ることができない日本最高峰の研究室で、顕微鏡や水槽を覗きこみ、子どもたちは興味深そうに目をキラキラさせていました。

特徴のある教育は何かありますか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

2013(平成25)年度から国語の研究を始めたこともあり、漢詩と詩の暗唱を始めました。学校が作成したオリジナルのテキストを、子どもたちは声に出して読み、覚えて、校長室に暗唱をしに来ます。すらすらと読めるようになっていれば一人一人記名した賞状を渡し、次の詩へと進んでいきます。暗唱するのは「いろはうた」や「平家物語」などの古典から現代詩まで、子どもたちに残したい美しい日本語の詩ばかりです。
また新聞を記事を元にした1分間のスピーチや日記指導など、「文章を書くこと」「自分の気持ちを文章にすること」徹底して指導したところ、子どもの作文の書き出しが劇的に変化し、「読んでみたい」と思わせる文章が書けるようになってきました。

6年生は卒業論文にも取り組むそうですね?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

せっかく少人数で先生が一人一人を丁寧に指導できるのだからと、自分でテーマを決めた論文に挑戦しています。7月までに、自分の興味のある分野や興味のあることでテーマを決めます。そして自分で問題を見つけ、考え、検証して結論まで出す。最終的にはパワーポイントで資料もつくり、2月に保護者の方々も呼んで自分の研究結果を発表します。
この卒論執筆は、子どもたちに「考える力・書く力」を身につけてほしいと2012(平成24)年度から始めたものです。卒論を仕上げるには、関係書籍を最低でも10冊は読みこなさなければならず、書き終わる頃には、子どもたちの読解力、分析力そして文章力は、目に見えて力がついています。
手前味噌になりますが、ここまでにするには子どもたちの力を引き出す根気強い指導が必要です。子どもと同じ目線で内容を検証し、最後まで一緒に伴走する担任の先生と子どもたちは、非常に強い絆でつながるようです。 大人が呼んでも「なるほど~」と思うような論文ばかりで、子どもたちの底力を感じます。

先生方の模擬授業もよく行っていると聞きました。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

子どもたちの学力向上は、つまり先生たちの「授業力アップ」にほかなりません。持ち回りで一人の先生の授業を他の教職員全員で受け、より良くするために検討する模擬授業を定期的に行っています。トップバッターはプレッシャーがありますので、一番最初の授業は校長である私がやりました(笑)。
教室に入ってしまうと、どの先生がどんな授業をしているのかは、外から見えません。その教え方で子どもたちは本当に理解できるのか、分かりやすく説明できているのか、常に検証が必要です。他の先生方に見てもらうことで程よい緊張感が生れ、教師も勉強を怠らないようになります。この「教師が学ぶこと」こそが、何よりも大切。子どもの教育という真剣勝負を、万全の準備をして取り組むのが先生方の責務と考えています。

地域とはどのように関わっていらっしゃいますか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

「地域ふるさと協議会」が主催する運動会や凧揚げ大会があり、地域の子どもたちは大勢参加して交流をしているようです。また、「青少年健全育成推進協議会」が音楽コンサートなど、地域の子どもたちが楽しめるような催しを多数開いてくださるので、子どもたちは皆こぞって参加しています。

この地区の魅力はどんなところでしょうか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

やはりこの豊かな自然が残る環境ではないでしょうか? この周辺はずっとこの地に根を下ろして暮らしている方々も多く、親子3代で田中北小学校というご家族もいらっしゃいます。祖父母→父母→子どもと綿々と、受け継がれた家庭教育がしっかりしているせいか、田中北小学校の子どもたちは非常に素直であいさつもしっかりできる子が多いですよ。懐の大きい土地柄ですので、新しく転入していらした方々ともすぐ打ち解けて、良い雰囲気の地区だと思います。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

今回、話を聞いた人

柏市立田中北小学校

校長 柏熊孝先生

所在地:千葉県柏市大青田1536-1
電話番号:04-7131-4883
http://www.kita-e.kashiwa.ed.jp/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」 キメ細かな指導が特徴の小規模校/柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生
所在地:千葉県柏市大青田1536-1 
電話番号:04-7131-4883

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」 「全職員が全児童の担任になろう」が合言葉/柏市立田中小学校 校長 秋谷雅和先生


柏市立田中小学校 校長 秋谷雅和先生

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」
「全職員が全児童の担任になろう」が合言葉

開発がすすめられている「柏たなか」駅の周辺は、田園地帯と便利な都市機能が調和するのどかで住みやすい場所だ。各駅停車を利用しても秋葉原まで36分、北千住まで26分と通勤にも非常に便利なベッドタウンでもある。そんな柏たなかにある田中小学校の秋谷校長先生に、この街の魅力を伺った。

田中小学校の概要を教えてください。

柏市立田中小学校

1873(明治6)年に、前身の大室小学校が開校していますので、そこから数えると2014(平成25)年で創立140年です。大きな校庭と充実した遊具、緑あふれる環境といった恵まれた学校のなかで子どもたちは伸び伸びと生活しています。1、4、5、6年は3クラス、2、3年は4クラス、特別支援学級1クラスで、全校生徒637名の編成です。

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」を重点目標に置き、(1)学習指導の充実、(2)家庭や地域と連携した体験的な学習の推進、(3)「全職員が全児童の担任になろう」を合言葉に子どもに寄り添った指導、(4)子どもの事故防止や環境整備などの安全・安心への努力、この4つを教育目標としています。

特徴的な取り組みなどはありますか?

田中小の5年生は、300坪もの田んぼに田植えをし、秋には収穫を行っています。これはJA市川さんと連携しながら、地域の大規模農家である染谷さんのご協力をいただいて、毎年行っています。300坪もあると稲刈りだけでも午前中いっぱいかかる位の大仕事で、出来上がったお米はオリジナルの袋に入れて、自宅に持ち帰ります。自分の植えた苗が黄金色の稲穂をつけ、それを刈り入れる時の子どもたちの充実した笑顔は印象的です。

柏市立田中小学校

秋に開かれる農協まつりでは、このお米を釜で炊いて、子どもたちがおにぎりを握ります。それを販売し、その収益を被災地に寄付しています。こんなに広い敷地を使っての農業体験は、この場所ならではの特徴的な学習です。

わくわくタイムというのは、どのような活動ですか?

柏市立田中小学校

年に1回開かれる、各学年が学習した成果を発表する小さな文化祭のような催しです。ただの発表ではなく、子どもたちは自由に色々な学年の教室を訪れることができ、ワークショップに参加します。
例えば、1年生はどんぐりや松ぼっくりを拾う秋探しの生活授業があるのですが、「わくわくタイム」では、「どんぐりコマ」や「どんぐりやじろべえ」を作るワークショップを開き、遊びに来た児童に作り方を教えてあげる。6年生は消防署や郵便局などに職場見学に行った時のことを新聞風にまとめて、教室を訪れた下級生の子どもたちにその内容を紹介する。これには保護者や地域の方々も参加していただけるので、子どもたちが日頃どんな活動をしているかも理解していただけるようになっています。

「全職員が全児童の担任」という目標を設定したのはどうしてですか?

柏市立田中小学校

先生方が一人一人が、自分は「全児童の担任だ」と思うことで、個々の子どもたちを見る目がより真剣になり、子どもの気持ちに寄り添った指導ができると考えているからです。現在の担任はもちろん、前担任・委員会の先生・クラブの先生・音楽や図工の先生、よく考えれば一人の子どもに関わる先生は多いもの。その各先生方が様々な角度から子どもを見守ることで、子どもの良い面・弱い面がしっかり把握でき、多角的に指導ができるようになります。

例えば先生が自分のクラスで問題が起こった時にも、教師が一人で抱え込まずに周囲の先生と相談しながら指導方法を考えられるという利点もあります。今学校にいる先生たちの力を最大限に生かして、子どもを伸びやかに育てたいという思いから生まれた目標です。

ホームページでは校長先生のブログが毎日更新されていますね?

柏市立田中小学校

これは、保護者の方と子どもたちが家庭で学校のことを話すきっかけになってくれたらと思い日々更新しているものです。保護者の方が学校のことを子どもたちに聞く時でも、学校で何があったかを何となくでも分かっていれば、「今日はこうだったの?」「頑張ってたね」と話しかける取っかかりになると思うんです。
学校はお子さんをお預かりしている訳ですから、情報発信は学校の責務。毎日の更新は、正直大変な時もありますが、できるだけ続けたいと思っています。

地域の方々との関わりについて教えてください。

柏市立田中小学校

この地区は「田中地域ふるさと協議会」主催の市民運動会や七夕まつりがあり、地域の子どもたちは皆参加していますし、「青少年健全育成推進協議会」が主催する音楽発表会では、全国大会の常連である市立柏高校の吹奏楽部の部員のみなさんが本校の子どもたちを教えてくださる機会ももらいました。このほか防災訓練や凧揚げなど、地域に根付いた活動が多いので、子どもたちは自然に地域の方々と交流できるようです。

また、田中小は敷地が広くて木が多いので、秋には落ち葉清掃のためのボランティアをPTAや近隣の方がやってくださっています。もちろん子どもも有志で参加してくれて、皆で一緒に掃除をしています。さらに、日常的に学校の手入れをしてくださっている地域ボランティアの方々がいらっしゃるんですが、なんと元田中小の校長先生もそのメンバーのひとりなんです。地域の方々に愛されている学校だと日々感じます。

田中小学校に通う子どもたち・保護者の方たちはどんな方が多いのでしょうか?

私がこの学校に赴任して一番最初に感じたのは「挨拶がきちんとできる子どもたちだな」ということでした。そして広い校庭を有意義に使って、元気に遊ぶ活発な子どもが多いですね。また保護者の方々は学校に非常に協力的な方が多いのも特徴だと思います。秋にはPTA主催のバザーなども開かれ、積極的に学校に関わってくださる方がたくさんいらっしゃいます。

田中地区の魅力を教えてください。

柏市立田中小学校

まず自然が多く残された恵まれた生活環境です。学校のなかにクワガタが住む木があったり、筑波山にしかいないような珍しい蝶が飛んでいることもあります。でも少し歩けば、柏の葉キャンパスのように都会的な施設もある、その2つがうまく融合した街だと思います。
また、もともとこの地区の伝統だった盆綱引きは、一度廃れてしまったものの、「地域の遺産を大切にしよう」と復活させた伝統行事。田中小の子どもたちも大勢参加した、田中地区ならではのものです。
元々この地域に住んでいた住民と、新しく引っ越してきた住民が、こういった地域行事などを通じて交流し、一緒に街を発展させて行けたらいいですね。そのためにも田中小学校の子どもたちを、その一翼を担えるような地域に愛される子どもに育てていきたいと考えております。

柏市立田中小学校

今回、話を聞いた人

柏市立田中小学校

校長 秋谷雅和先生

所在地:千葉県柏市大室1193-3
電話番号&電話番号:04-7131-5719
電話番号:048-294-7300(子ども家庭相談室)
http://www.tanaka-e.kashiwa.ed.jp/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」 「全職員が全児童の担任になろう」が合言葉/柏市立田中小学校 校長 秋谷雅和先生
所在地:千葉県柏市大室1193-3 
電話番号:04-7131-5719
http://www.tanaka-e.kashiwa.ed.jp/

「農あるまちづくり」の拠点、三世代にわたって選ばれる街になるために。/環境コンビニステーション 館長 中島敏博さん


環境コンビニステーション
館長 中島敏博さん

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「農あるまちづくり」の拠点、三世代にわたって選ばれる街になるために。

つくばエクスプレスの開通とともに開業した新駅「柏たなか」駅。もとは農村地域であった駅の周辺は、駅の開業に伴い「農あるまちづくり」というテーマを掲げた独自の取り組みが進められています。その中心的存在とも言えるのが、駅前にある「環境コンビニステーション」。今回は、「農あるまちづくり」の中心人物である、「環境コンビニステーション」の館長・中島敏博さんに、お話をうかがいました。

環境コンビニステーションの概要について教えてください。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

近年の傾向として、沿線・駅の開業とともに「まちづくり」を仕掛けることが通例になっています。柏たなか駅は「柏北部地域開発計画」の中にあって独自の「まちづくり」がすすめられています。

柏たなかエリアの田園風景

この辺りは昔から農業地域として有名で、カブやネギ、ホウレンソウが栽培されている、典型的な「農村」です。開発が起こらなければそのまま「農村」、人の出入りが少ない地域のままだったろうと思われますが、駅が開業したことで、地元の人が「農地を残したままで『まちづくり』を進めたい」という話があったそうです。そこから「農との交流でつくる健康と安らぎのまちづくり」というテーマが挙がり、それを基に「農あるまちづくり」を掲げて、新たなまちづくりが始められました。

環境コンビニステーション

「環境コンビニステーション」の設置は、「農あるまちづくり」として実施している「農業体験農園の導入」「農ある景観形成」と一緒に挙がった取り組みのひとつです。私が館長として就任したときに、「農あるまちづくり」の「農」の担い手である農家を支援し、本当の意味で「農あるまち」にするために「地産地消・流通支援の推進」を追加しました。

「農あるまちづくり」実施のための事業内容について詳しく教えてください。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「農業体験農園」は、簡単に言えば「農業の学校」です。農家さんが農具や作付計画などを準備してくださることによって、ひとつの区間を借りて身一つで農業に携わることができるというものです。農家が苦手とするPRなど事務処理やコミュニケーションについて「環境コンビニステーション」が支援しています。
これは練馬区大泉学園で行われている事業をモデルにして、同じ方式で運営しているものです。「農業が続けられるようなモデルづくり」と「新しい住民が農業と触れあう機会をつくるための窓口」という役目を担っています。

11月23日開催の「収穫祭」に行ってきました!

次は「地産地消の推進」です。たとえば「朝市」のようなものを中心に据えています。駅前のスーパーマーケット「カスミ」に地元野菜を置いてもらうように交渉したり、料理講座で地元産の野菜を使った野菜料理を教えていただけるようにお願いしたりしています。意欲あるレストランと意欲ある地元農家を結ぶための試みも始めています。「地元の野菜を食べて暮らしたい」という目的を持った住民が住むことを前提にして、市場へ出す以外に、地元に卸して売り、地元で食べていく仕組みを構築することで、農業経営を安定させて、「農あるまちづくり」につなげたいと考えています。あくまで農業の継続を推進してくれる人に住んでほしい、という考え方が根本にあります。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

そして「環境コンビニステーション」活動の推進。これは「農あるまちづくり」を分かりやすく伝えるための情報拠点、インフォメーションセンターないしはビジターセンターの役割を果たしています。
街で得たポジティブな情報を瞬時に提供できるように、住民の人には「気軽なお喋りなどを通して情報提供してもらう場」、新しく来た人には「ここに来れば何がしかの情報が得られる場」として捉えてもらい、情報の循環を作ることで地域運営に貢献する場としての機能を担っています。

「農あるまちでのくらし」とは、農家と農地がそばにあることのメリットを最大限利用することです。農家が家の近くにあるから、地元の野菜を買える、地元のレストランで食べられる、そんなメリットのほうがデメリットより大きいよ、ということを伝えたいのです。
農業に何かしらの関心がある人には「自分で農業をやりたい人」から「地元産野菜の料理を食べたい人」まで段階があると想定して、それぞれに訴求できるような企画を作って、「農あるまち」を体感してもらい、街の一部になれるような仕組みづくりを整備する、それが「環境コンビニステーション」の取り組みです。

最後に「農ある景観形成の推進」は、柏市と区画整理施行者であるUR都市機構が中心になり、集落を形成している農家や農地を中心に「農あるまち」が体感できるように景観的な面で誘導していく取組みです。建築事業者にパンフレットを配布して「この取り組みに賛同してほしい」というお話をしています。

これらの事業は、何らかの経験がもとになっているのでしょうか?

環境コンビニステーション 館長インタビュー

私自身は、里山の研究者です。「里山の市民活動」を研究テーマにしており、学生時代は、里山の保全事業に携わっていました。約40年にわたり放置されていた里山の再生活動などを行う中で、「都会の人にとって里山がもっと開かれた場になれば、緑との関わり方が変わるかもしれない。多くの人を幸せにできる要素がある。」と、大学院で本格的に「里山が現代に残る意味」を研究しました。この地域は、大学の実習で使ったことがあり、「農あるまちづくり」をどのように進めたらよいかという相談も受けて「朝市」や「蕎麦講座」などいくつか提案もしていました。

その後、ここの館長になってほしいという要請を受けて就任したという経緯があり、今に至っています。今いろいろ実践している事業は、行政が準備してただ受け取るのではなく、自分達の手で緑を作り上げていくのが本来の姿ではないか、という私の考え方の表れでもあります。

学生さんも活動に参加しているようですね?

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「フィールドコラボレーション」といって、東京都が指定している「エコトップ制度」という資格の認定に関わる活動の一環です。各大学の履修生が公的組織でボランティア実習に行く仕組みを導入しているため、毎年数人がこちらに派遣されてきます。また、「食料資源経済学」を学ぶ学生が、オリエンテーション実習として、農業に関わる流通などを知るために、市場を見て、こちらを見学してもらっています。裏方として参加することで、学生さんに「まちづくりとは何か」を知ってもらえたらと思います。

「農あるまちづくり」に対する将来の展望をお聞かせください。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「100年後・三世代目が、このまちへ帰って暮らしたい」と言いたくなるまちにすることが私の目標です。一世代目はこのまちを選んで住み、二世代目はその影響を受けて住む。けれど三世代目はこのまちに住んでいることが当然であり、良いも悪いもありません。その三世代目が、一度まちの外へ出て、外からこのまちを見たとき「ああ、このまちは、実は良いまちだったのだな。また戻って住みたいな。」と、全体の3割が感じて戻ってくれるようになったなら成功だと考えています。それがひとつの目標です。コーディネーターとして「地域自治」、「この街のブランドを自分達の手で構築できるような道のりを作る」ことができれば、私の仕事は役目を全うできると考えています。

この「環境コンビニステーション」の中にあるカフェは、まちの人の「交流の場が欲しい」という声を受けて、ボランティアさんの力を借りて、コミュニティカフェとして始めました。また、まちにある商店の事業者さん同士で「柏たなか商店会」を結成するための準備にも関わり、商店主がこの街の「まちづくり」に加わるための枠作りも進めています。まちに住む人がいろいろな形で「まちづくり」の担い手として入れるように、今も戦略を組んでいるところです。

最後に、この街の「魅力」を教えてください。

時間の流れが“ゆるい”ことと、飾らなくても良いことが挙げられるかなと思います。柏市にある「まち」の中でも、柏駅は商店街がいくつもあり、多くの人が住んでいる大きなまちで、「柏の顔」です。隣の「柏の葉」は、「スマート」「おしゃれ」「アート」「先端技術を駆使した暮らし」を中心にしています。
対して、柏たなかは「安らぎ」「飾らない日常」が魅力かなと思います。普段着の日常を送れるのが、柏たなかの街らしさです。遊んだり、おしゃれな所に行ったりする「非日常」なら柏の葉、けれど「日常」を送るなら柏たなか、というようにまちごとで棲み分けをするならば、他のまちとは違い「農家のそばで暮らせる、安らぎのまち」「のんびりと、時間を贅沢に使えるまち」であり、何より、子どもから見て「大人が楽しそう、幸せそう」にしている姿がまちに満ちている、そしてそれが自分達の将来と重ねられ、夢を持てる、それが柏たなかの「魅力」だと思っています。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

今回、話を聞いた人

環境コンビニステーション
館長 中島敏博さん

この日は「朝市」が開かれ、盛況のうちに終了した後のインタビューでした。朝市で行われたイベントの様子も交えながら、「柏たなかのまちづくり」について、ご自身の研究テーマから将来のこと、今開催されている「蕎麦打ち講座」などなどを伺う中で、「敢えて未完成で提供し、小さな達成感を自分達で積み上げてもらうことで、自分達の手でまちづくりができているという実感を抱いてもらう」ということに深く頷かされました。 「農あるまちづくり」のために、今いる人達と、これから住む人達を結びつけ、柏たなかの「魅力」につなげる「環境コンビニステーション」。実はその存在こそが、柏たなかの「魅力」ともいえるのかもしれません。

所在地:千葉県柏市小青田291-1東99-3街区1
電話番号:04-7157-2861
http://www.kashiwatanaka.net/exec/eco_cvs.html

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

「農あるまちづくり」の拠点、三世代にわたって選ばれる街になるために。/環境コンビニステーション 館長 中島敏博さん
所在地:千葉県柏市小青田291番地1東99-3街区1 
電話番号:04-7157-2861
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「ノーベルスクール」を掲げる小学校

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。/八千代市立みどりが丘小学校 髙宮昭裕校長先生


八千代市立みどりが丘小学校
髙宮昭裕校長先生

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。八千代市立みどりが丘小学校

八千代市はぐみの杜の新興住宅地の一角にある、2010(平成22)年に開校した「八千代市立みどりが丘小学校」は、木目を基調にした校舎と、広々とした芝生の校庭、ウッドデッキの中庭など、魅力的な施設が満載の小学校。街の新しいシンボルとして、街の人々に愛されながら、育てられている真っ最中の小学校でもある。

今回はこちらの2代目校長を務められている髙宮昭裕先生を訪ね、学校の魅力、今後の学校運営方針などについてお話を伺った。

2010(平成22)年に開校した新しい学校ですが、学校新設に至った経緯などについてお聞かせください。

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

本校は開校から今年で4年目(※2014(平成26)年現在)の、新しい小学校です。それ以前からの学校としては、「八千代緑が丘」駅のすぐ南側に「八千代市立新木戸小学校」がありまして、先日創立30年を迎えた学校になるんですが、東葉高速鉄道の開通にともない、「八千代緑が丘」駅の周辺にたくさんのマンションができましたので、急激に子どもたちの数が増えました。

そこで、近くに新しい小学校を作ろうという話になりまして、「八千代市立みどりが丘小学校」が開校したという経緯です。

本校の児童は駅の近くのマンションや分譲住宅に住む児童が多いですね。学校の周辺の地区の開発にともない、これから少しずつ、転入生も増え始めていくかと思います。まだまだ学校の教室等には十分に余裕がある状態です。

教育方針など、学校の基本的な特徴についてお聞かせください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

「気力あふれ知性と行動力豊かな人間性の育成」というのが学校の教育目標になっていまして、これからの国際社会に出て、立派に羽ばたけるような子どもたちを育てていきたいと思っております。

しかしながら、単に「世界に出て行ける子ども」という意味ではなく、日本の中にいても、日本はもう国際社会ですので、その一員として、自分の力を発揮できる、そんな子どもたちを育てたいと思っています。

子どもたちに対しては「めざす子どもの姿」ということで、「健康で安全に生活できる子」「心豊かで思いやりのある子」「粘り強く学習に取り組む子」「豊かに表現できる子」ということの4つを、日頃から言っています。

「ノーベルスクール」という言葉を大切にされているそうですが、これは何でしょうか?

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

学校としての伝統を築き、そして、子ども達にとっての「故郷」「母校」となり得る学校づくりに励みたいという思いから、本校のめざす学校の姿として掲げられている言葉です。「ノーベル賞」のイメージがありますから、すごく特別な子どもを目指していると考えられがちなんですけれど、そうではないんですね。ノーベル賞は「広く世界に認められている賞」ということですので、子どもたちひとりひとりの輝きや、取り組みといったものを、「みんなで認めあえる学校づくりをしたい」ということで、「ノーベルスクール」という言葉を掲げています。これは初代の校長先生が作られた言葉なんです。

もちろん、特別にすぐれた才能を発揮する子どもがいて、それが注目されることも大事だと思いますが、それ以外にも、ひとりひとりの子どもが何かを身につけ出来るようになったら、それをみんなで認め合うということも大事だと思うんですね。そんな「認め合える学校づくり」が、「ノーベルスクール」なんですね。

具体的に、特別何かをしているということではありませんが、普段の授業の中や、日ごろの生活の中で、子どもたちはいろいろな姿を見せていまして、その中に、いい姿がたくさんあるんですね。給食で活躍する子もいるし、掃除で活躍する子もいるし、遊びで活躍する子もいます。もちろん、勉強で活躍する子どももいます。そういう「いい姿」を見つけだそう、という願いなんですね。輝きは日常の生活の中にあるということです。

地域との交流事業についても、積極的に行われているそうですね

祭り

「地域との連携」という部分については、新しい学校で、本当に地域のつながりがゼロのところからスタートしましたので、開校以来、「地域の皆さんにたくさん学校に来ていただこう」、「地域にもたくさん出ていこう」ということが、とても重要な、本校のあり方になっています。駅周辺のお祭りにも積極的に参加しています。

地域交流の一例を挙げますと、本校の近くには特別支援学校がありますので、今年は2年生と5年生が、相互に交流を行いましたし、「千葉県立八千代西高等学校」も近いですから、西高の生徒が本校に来てくれて、低学年の子どもたちに読み聞かせをしてくれたりもしました。

この読み聞かせについては、高校生以外にも、地域の読み聞かせサークルの方々が昼休みに読み聞かせに来てくれたり、本校の保護者のグループが来てくれたりと、色々な方に参加していただいています。

このほかにも、6年生は色々な職場体験に、3年生は町探検に出て行ったりと、子どもたちが地域に出て行って活動している場面は、今年は特に多かったですね。本当にいろんな地域の方に、非常にお世話になっていますし、今後もさらに、地域交流事業を増やしていきたいと考えています。

「防災避難キャンプ」という取り組みがあるということですが、これは何でしょう?

ハート

夏に行っている「防災避難キャンプ」については、子どもたちと保護者が小学校に1泊して、防災に関するいろんな体験をするという企画なんですが、今年は子どもたちが自分で調理をしたり、消防署の協力で起震車を体験させていただいたり、煙の中を通る体験をさせていただいたりしましたし、赤十字さんの協力で、緊急時のけが人の運び方や、車椅子の体験などを、親子で一緒に体験したりもしました。夜、ろうそくの火でハートの形を作ったことも良い思い出になりました。

ほかにも、近くの工場の方が物資を提供してくださったりとか、学校の近くに大きなハンバーグ工場がありますので、ミートボールを提供していただいたりもしまして、本当に地域の皆さんの協力で成り立ったものでした。これをきっかけに、地域との新しいつながりも生まれる、有意義なイベントになっていると思います。

市内の他の小中学校との連携もさかんとお聞きしました

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

そうですね、八千代市では小学校・中学校の子どもたちが集まる「子どもサミット」という取り組みがあるんですが、これには八千代市全体のサミットと、地区ごと、本校の学区ですと、高津・新木戸地区の子どもサミットというものがあります。

参加校の子どもが集まって、会議をしたり、挨拶運動をしたり、一緒にゴミ拾いをしたりするんですね。こういった取り組みを通して、これは八千代市全体に言えることですが、小中学校の連携は非常に良く取れていると思います。

イングリッシュ・キャンプとは何でしょうか?

これも同様に、高津・新木戸地区の小学校5校、中学校2校から、中学生と小学校の高学年の子どもたち、希望者になりますが、中学校に一堂に集まってもらって、ALT(外国語指導助手)の方の協力のもとで、「ほぼ1日、英語だけで過ごしてもらう」というイベントです。

実は今年度初めて実施したもので、本校からの参加は5、6年生だけだったんですが、英語だけで話をしたり、英語で話しながらおやつを作ったりという活動になりまして、なかなかユニークな取り組みになったと思います。

イングリッシュ

みどりが丘小は開校1年目から全学年で英語活動を取り入れていまして、八千代市内でも英語活動の先進校と言える学校ですので、今後も英語活動には力を入れていきたいと思っています。

その他、特徴的な行事などがあれば教えてください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

本校の場合、「特別な行事」というよりも、その取り組み方がユニークだと思います。もうすぐ卒業式もあるのですが、子どもたちがほとんどの行事の企画に関わり、進行を行っています。子どもたちが運動会などの行事の企画をする小学校は最近少しずつ増えていますが、さすがに、卒業式まで子ども中心にするという小学校は珍しいと思います。

「子どもたちに任せられる部分は、子どもたちに任せよう」というのは前の校長先生から続いている本校の基本方針のひとつとして、昨年の卒業式で司会進行、はじめの言葉などを子どもたちの手で行い、本当に感動的な式になりました。

終わりの言葉で、卒業生が卒業式を通して感じたことを話してくれたのですが、私が式辞で話した内容を踏まえて言葉にしてくれまして、大変感激しました。

運動会や音楽会も子どもたち中心で行うのですが、こういったことも、「ノーベルスクール」のひとつの取り組みでして、「子どもたちに活躍の機会を作ろう」という狙いがあるんですね。実行委員会に選ばれる子どもたちも、特別な子どもたちというわけではなくて、やりたい子どもたちを、子どもたち同士で選んだりしています。

もちろん、裏では教師の手助けもありますし、本当は教師がやってしまったほうが簡単な面も多いのですが、「ノーベルスクール」という理念を職員がしっかり理解していますので、手間はかかるのですが、なるべくたくさんの子どもたちが前に出られるような、“場づくり”をしようということで取り組んでいます。

新しくて開放的な建物ですが、学校施設の特徴についてご案内をお願いします

八千代緑が丘小学校

この学校は「木質」を大切にした学校でして、全体的に木のぬくもりにあふれていて、温かい感じがすると思います。同時に、ガラスも多い造りなので、明るい雰囲気もあるんですね。教室は全部オープンですので、廊下がすごく広いですし、非常にゆとりのある学校の造りになっていると思います。子どもたちものびのび、ゆったりできるような空間が特徴ですね。

加えて、校庭についても特徴があり、本校は芝生の校庭になっています。これも心の豊かさが持てるような、素晴らしい環境になっているかと思います。芝生は管理が大変ですが、本校の場合は、幸いにもボランティアの方が非常に協力的に手伝いをしてくださっていまして、そのお陰もあって維持できております。

中庭にあるウッドデッキも大きな特徴になっていますね。こちらは、低学年の教室の前にありますので、特に低学年の子どもたちがよく利用しています。休み時間が10分でもあれば、上履きのまますぐに使えますから、すぐに外に出て、縄跳びを始めたり鬼ごっこを始めたりできるんですね。

八千代緑が丘小学校 図書館

図書室も壁の無い造りになっているんですが、これは「だれでもいつでも入れるように」というもので、普通の学校ですと、教師がついていないと使えないことも多いんですが、本校では先生がいない時でも、図書委員がいれば、本の貸し出しができる仕組みになっています。八千代市は図書について力を入れている市ですので、ひとりひとりに個人の図書カードがあって、バーコードで貸出ができるような仕組みになっています。

体育館についても、広々としていて明るくて、とても開放的な素晴らしい体育館だと思います。観客席もある体育館というのは、普通の小学校にはなかなか無い、贅沢なものだと思いますね。放課後、夜、土日には、地域の団体の方にも利用していただいています。

「保護者会」「おやじの会」の活動について教えてください。

保護者会

本校では、「保護者会」も「おやじの会」もいろいろな楽しいイベントを企画してくださっていまして、保護者会については、高津・新木戸地区の保護者会で、童話の読み聞かせや、コンサートなどを実施してくださって、この時には他校からもたくさんの方に来ていただきました。

「おやじの会」についても、今年は紙飛行機大会などを企画してくださって、まだまだ参加されるお父さん方は少なめですが、徐々に活動の幅を広げてくださっていて、草刈りなどの環境整備も含めて、すごくご協力をいただいています。

この地域の子どもたちの印象についてお聞かせください

子どもたち

うちの学校の自慢のひとつは、「欠席する子どもが非常に少ない」ということなんですね。早寝早起きや、食事の管理など、保護者の方が子どもたちの健康管理を十分に気をつけているということだと思うんです。

また、子どもたちの8割くらいは駅のあたりから歩いて来ていて、登下校も友達同士で楽しくできていると思います。通学時間帯は保護者の方だけでなく、地域の方も、毎朝通学路の見守りなどいろいろな協力をしてくださいます。この地域は愛情にあふれた家庭が多く温かいと思いますね。学校の行事にもすごく積極的に協力してくださいます。

校長先生がお考えになる、今後の小学校の運営方針についてお聞かせください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

先ほども申し上げたとおり、「ひとりひとりの輝きを認め合う」ということを大切にして、新しい学校としての、新たな「伝統」を作っていきたいと思っています。

子どもたちにとっては、この地域が将来ふるさとになっていきますし、ここが母校になるわけですので、「これがみどりが丘小だ!」ということが分かるような、伝統や特色を築いていきたいと思っています。

最後に、緑が丘地域の魅力について一言お願いいたします

 	千葉県八千代市インタビュー

新しい街ですので、活力があって、生活しているみなさん自身がすごく生き生きとしている街だと思います。自分の街を愛していて、10年前から住んでいる方は「自分たちで作ってきた」という思いがありますし、新しく引っ越してきたばかりの方も、「自分たちで作っていく」という思いがありまして、すごく明るいムードがありますね。

電車の便も便利ですし、車でも移動しやすい立地です。最近は都会的なセンスのお店も増えているんですが、一方では、自然にあふれた部分もすぐ近くにたくさん残されていて、田舎と都会の両方を体験できる場所だと思います。子どもたちにとっても、豊かな体験ができる、良い環境なのではないでしょうか。

八千代緑が丘校長先生

今回、話を聞いた人

八千代市立みどりが丘小学校

校長 髙宮昭裕先生

八千代市立みどりが丘小学校
住所:千葉県八千代市吉橋2357
電話番号:047-458-1281
http://www.yachiyo.ed.jp/emidori/

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。/八千代市立みどりが丘小学校 髙宮昭裕校長先生
所在地:千葉県八千代市緑が丘西3-14 
電話番号:047-458-1281
https://www.yachiyo.ed.jp/emidori/

子どもたちがワクワクドキドキして、毎日楽しく来てくれる場所でありつづけたい/志だみ幼稚園 園長 佐藤彰芳先生


志だみ幼稚園
園長 佐藤彰芳先生

子どもたちがワクワクドキドキして、
毎日楽しく来てくれる場所でありつづけたい

守山区北東部の丘陵地帯に位置し、豊かな自然に囲まれた「志だみ幼稚園」。
「みんなちがって、みんないい」の理念のもと、一人一人の日々の変化に細やかに目を配り、その子に合ったハードルを用意することを大切にしている。
子どもたちの感性教育にも熱心に取り組む、志だみ幼稚園 園長の佐藤彰芳先生にお話をうかがった。

「志だみ幼稚園」の沿革・概要について教えてください。

志だみ幼稚園外観時計2

「志だみ幼稚園」は、1966(昭和41)年4月に設立されました。私は、以前小学校教諭をしていたのですが、1984(昭和59)年から「志だみ幼稚園」に勤務し、1998(平成10)年に父の跡を継いで園長になりました。
年長(5歳児)、年中(4歳児)、年少(3歳児)の3年制で、各クラス約100人。全部で310人の認可定員をいただいています。

日々一段ずつの成長や、遊びを追求する場であってほしいとの教育方針のもと、園ではどのように環境づくりに取り組まれているのでしょうか。

園児太鼓4

「みんなちがって、みんないい」 という金子みすゞさんの言葉を忘れず、日々子どもたちと接しています。
一律に同じハードルを用意して、その時の「できた」「できない」で振り分けることはしません。どの子も、いろいろな分野で、それぞれ階段を持っています。子どもたち一人一人の成長は違って当たり前。例えば絵画が得意なら、大きな段差でどんどん上っていってもらい、運動が苦手なら小さな段差でもいいので少しずつでも伸びていってほしい。
私たち教師は、一人一人の日々の変化を見逃さず、その子が今どんな階段を上ろうとしているのかを見極め、その子にあったハードル、つまり子どもたちが自ら努力をできるような環境を用意することが大切だと考えています。

子どもたちのそれぞれの子どもたちに合った階段を見つけられるよう、「演劇鑑賞」「抹茶体験」などバリエーション豊かな活動が行われているんですね。

フラダンス

園の活動としては、原則水曜日の午後を「わくわくタイム」と称して学年の枠をとりはらって、いろいろなことを体験できる機会を作っています。この間はフラダンスをやりましたし、次回は本物の茶器を使って茶道体験を行います。 子どもたちには「どんなことにも挑戦する力」をもって欲しいと思っています。いろいろなことに触れて、自分の感性に合うものに出会ってくれたらと思います。

課外学習や、親子で参加できる「キッズ・ポケッツ」について、具体的に教えてください。また、このような取り組みのねらいは何でしょうか。

バイオリン

「キッズ・ポケッツ」は2007(平成19)年に私が始めた感性教育プログラムです。親子で参加して、お母さんお父さんたちですら体験したことのないようなことにたくさん触れることが大切だと考え、始めました。年24回土曜日に開催していて、「バイオリン」、「ソシアルダンス」や「ヨガ」、「陶芸」など内容は毎回変わります。

ダンス2

日本では、コンサートは子どもお断り、美術館では静かにしなければいけない。ヨーロッパとは違い、本物に触れる機会が非常に少ないと、自分自身が子育てをする中で実感していました。だから、子どもたちが本物に触れる機会をたくさん作りたいと思い始めました。
子どもにとって何が心に響くものなのかは、本人はもちろん親ですらわかりません。毎回違ったことを体験する中で、子ども自身が自分の心に響くもの、これをやりたいと思うものが見つかればいいなと考えています。

こま回し

また、親子で参加するということも重要です。親子で楽しんだ経験は、子どもたちに思い出としていつまでも残ります。親子の絆という思い出をずっと持っていれば、どこかですれ違う時期があっても必ず戻ってくる力になると信じています。
最近ではお父さんの参加も増えてきています。普段お父さんと話をする機会はあまりないので、私自身いろいろとお話しできることはとてもありがたいことで、いい相乗効果が生まれています。

昨年はモリコロパークで、第九を合唱するイベントも行われたそうですね。

合唱祭2

昨年、同じ志をもつ幼稚園が集まり、「幼児文化芸術協会」を立ち上げました。これは、「キッズ・ポケッツ」が基盤となっているのですが、他の幼稚園で、ベートーベンの第九の歌唱指導をうけて、みんなで歌っているところがあるというのを聞き、ぜひコラボレーションしようということになったのがきっかけです。

合唱祭

各加盟園でそれぞれ文化芸術カリキュラムを実施し、1年の集大成として「愛・地球博モリコロパーク」で、各園の年長児親子が「希望の歌(ベートーベンの第九をアレンジしたもの)」を合唱するなどのイベントを行いました。
第九は毎年12月になると必ず流れる音楽です。これから先、第九を聞くたびにこの時の親子で共有した時間を思い出してもらえたらと願っています。

子どもたちに接するときはどのような点に気をつけられていますか。

木工

安易に結論を急がないということです。
例えば、けんかが起きたとき、「どっちも悪いんだから、両方謝って終わりね」みたいな安易な解決は絶対にしないようにしています。それでは子どもたちの中にわだかまりが残ってしまいます。何日かかかってでも、子どもたちが納得するまで話をするようにしています。

遊具

あとは、先生が教えない、「これをやろう」と言わないということです。
時々近くの公園に遠足に出かけます。その際、大きな子と小さな子が手をつないで一緒に歩いて行くのですが、ある子がつなぐ手を変えたんですね。それで、「なんで手を変えたの?」と聞いたところ、「こっちは車が通って危ないから、変えたんだよ」と答えたんです。分かって変えているんですね。
またしばらく歩いていたら、今度は歩道側に深い側溝があるところがあったのです。そしたら、また子どもがパッとつなぐ手を変えたんです。理由を聞くと、「落ちたら危ないから、僕がこっち(側溝側)になるんだ」と。分かった上でやっているということ、それこそがうちの幼稚園が大切にしていることです。

先生が「大きい子は車道側ね」と言えば簡単なことですよね。でも教えません。できた子を褒めることによって、次は2、3人と、少しずつできる子が増えていけばいいと考えています。
大切なのは、自分で気づくこと。言われてやることはだれでもできる。でも言われてやったことはそれしか応用がきかない。発展がないのです。発展性のある子どもに育ってほしいし、自分で工夫することが大切だと思っているので、できるだけ教師側から、教師の都合の良いように教えることはしないようにしています。
また、運動会でも、小さい子のかけっこ競争でお兄ちゃんたちがプレゼントを渡すのですが、ある子が赤をもっていたのに、男の子が来たら青に変えて渡したんですね。また別の子は、「どっちがいい?」と赤と青の両方差し出しました。これはどちらも正解です。その子に意図さえあれば良いというのがうちの幼稚園の方針ですから。

園庭の開放など、地域との関わりも積極的に行われていますが、始められたきっかけについて教えてください。

遊具3

公園は不審者の出没など様々な危険がありますので、開園している間は、子どもたちが授業をしている時間も含め、地域の方に園庭を解放しています。
本園の子どもたちにとっては、小さい子たちと一緒に遊ぶことで、おもちゃや遊具を譲ってあげるなど、やさしさを身につけられる場になるといいなと思っています。また、小さなお子さんだけでなく、夕方からは近所の小学生もよく遊びにきたりします。園には、長年勤めている先生たちがいるので、中学生高校生になっても遊びに来てくれたりもしますね。

最後に守山エリアの子育て環境の魅力について教えてください。

愛知県森林公園

守山区は区画整理が進み、まだまだ都市整備や開発が進む振興地域。この志段味という地域は、昔はもっと山ばかりで何もなかったところなのですが、区画整備が計画的に進められていて、かなり発展してきています。
4、5年前まで、守山区内の幼稚園の数は12ヶ園に対し、保育園数ヶ園しかなかったのですが、今はその数が逆転し、30近くの保育園があります。保育園、幼稚園、それぞれに良い所があり、各ご家庭の状況、教育方針にあった所を選択することが大切だと思います。

志外観

私自身、幼稚園というところは、ご家庭ですくすく育った子たちが、はじめて同じ年頃の子とでぶつかりあったり、感動しあったり、助けあったりすることを学ぶ場だと思っています。子どもたちがワクワクドキドキしながら、毎日楽しみに来てくれる場所であり続けたいなと思っています。

志だみ幼稚園園長

今回、話を聞いた人

志だみ幼稚園

園長 佐藤彰芳先生

住所:愛知県名古屋市守山区中志段味吉田洞2911-18
電話番号:052-736-1321
http://www.aichishiyo.or.jp/shidami/

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

子どもたちがワクワクドキドキして、毎日楽しく来てくれる場所でありつづけたい/志だみ幼稚園 園長 佐藤彰芳先生
所在地:愛知県名古屋市守山区中志段味吉田洞2911-18 
電話番号:052-736-1321
http://www.aichishiyo.or.jp/shidami/

日常生活の中で「自然に」学ぶアットホームな保育園/しだみ保育園 園長 平野陽子先生


しだみ保育園
園長 平野陽子先生

日常生活の中で「自然に」学ぶ
アットホームな保育園

名古屋市は今年4月、待機児童ゼロを達成したことを発表した。数年前まで待機児童数全国ワーストワンだった名古屋市は2010(平成22)年度から「待機児童ゼロ計画」を進め、その中で多くの保育施設が新設された。「しだみ保育園」もそのひとつだ。まだ新しい園内を、子どもたちが元気に走り回っている。今回は、「子どもたちが1日笑って過ごせることがなにより大切」と話す「しだみ保育園」園長 平野陽子先生に、園の特徴や子どもたちとの接し方についてお話をうかがった。

まずは「しだみ保育園」の沿革・概要について教えてください。

しだみ保育園遊具

開園は2010(平成22)年で、まだ新しい保育園です。2007(平成19)年にできた「ききょう保育園」(下志段味荒田)の姉妹保育園として新設されました。開園の時からいらっしゃった前の園長先生が昨年退職をされ、その後を引き継ぐ形で私が今年から園長になりました。現在は乳児から年長さんまで、全部で109名の子どもが通っています。

保育の方針について教えてください。

縄跳び

前の園長先生は以前小学校の校長をされていたので、小学校に上がって行くためのステップという意味での教育的な配慮がありました。特に、挨拶とか、恥ずかしがらずしっかりと会話ができるというところは、重点的に指導されていました。
そういう部分は引き続き大切にしていくと共に、家庭と変わらない「自然な」感じで学ぶということも大切にしています。

子どもたちが「自然に」学んでいくということは大切ですね。

子ども指さし

何か特別なことをするということではなく、生活の中で自然にいろいろなことを学んでいってもらえたらと思っています。
例えばお散歩は、大きい子と小さい子が手をつないで行くのですが、その中で大きい子は小さい子を見てあげる、小さい子はお兄さんお姉さんについて行く。縦割りの経験だったり、やさしさだったりですね。

ザリガニ

また、少しでも学びの場になればと、ザリガニやメダカを飼いはじめました。子どもたちは触ったり、お世話をしたりする。卵が生まれたら、みんなでそっと静かに見守る。赤ちゃんが生まれたら、みんなで大喜びする。そうした日常の中で、命を大切にすることが自然に身についてきているように感じます。

ドングリ

夏は園庭でトウモロコシを育てていたのですが、最初は全然育たず心配しました。しばらくしたら今度は大きくなりすぎてしまって。でも、背丈は大きくなるのだけど、なかなか実ができないので、みんなで雨が降るよう雨乞いの踊りをしたりしました。 トウモロコシひとつの中にも、驚きだったり、うれしさだったり、悩みだったり、いろいろなことがある。何か特別なことではなくて、日常生活の中で自然に学べることはたくさんあります。

ザリガニやトウモロコシ、自然豊かな環境だからこそ学べることも多いですね。

園内柑橘

去年第1回の卒園者が、園庭に蜜柑の木を植えてくれたんです。それを植えたことによって、そこにアゲハチョウが来て、卵を産んで、卵から幼虫、さなぎへと成長して行く姿を、子どもたちが自然に観察できました。それは本当によかったと思っています。

園内での一日のスケジュールについて教えてください。

昼寝

朝の7時から夜の7時までオープンしていますので、登園時間はバラバラです。8時半までは自由に遊んでいて、8時半から各クラスの部屋で1日の活動が始まります。 お昼までは各クラスで制作をしたりします。ランチを食べた後は、乳児はお昼寝。幼児は夏場だけはお昼寝をしますが、お昼から16時くらいまでは外で遊んだり、教室の中で自由に遊んだりします。18時以降は延長保育となります。

延長保育は子育て世代の強い味方になると思います。

園内

このあたりは住宅地が増え、若い人、共働きの方が多くいらっしゃいます。長い時間預けられる方も多いです。安心して預けていただけるようにというのを第一に考えています。そのためにも、お忙しい方も多いですが、送り迎えの際などに短い時間でもなるべくお母さんお父さんとコミュニケーションをとるようにしています。

「しだみ保育園」ならではの取り組みや行事について教えてください。

食作法

前の園長先生が始めた「食(じき)作法」を今も引き続き行っています。他の保育園でも行っている所はありますが、うちは少人数、4人から6人で行うのが特徴です。

子ども食作法

その中で、年長さんが小学校に上がっていくにあたり、落ち着いて30分くらいしっかりと座って食事ができるということと、食育、マナー、感謝の気持ちを持つということに取り組んでいます。4月に始めた頃はぎこちない感じで食べていましたが、段々上手に自然な形で食べられるようになってきています。

子ども手作り

お父さんお母さんに来ていただく行事は年に3回。夏祭りと運動会、劇や音楽を見てもらう発表会です。あとは、おじいちゃんおばあちゃんに来ていただく敬老会もあります。それ以外に、子どもたちだけで楽しむ行事もいくつかあり、この秋は「おかいものごっこ」をやることになっていて、子どもたちはそれに向けて準備をしています。

地域の方との交流は多いのでしょうか?

園内花壇

園庭の花壇に植えてある野菜は、ご近所の方が植えてくださったものです。今植えてあるものは第2弾で、その前は先ほどお話ししたトウモロコシを育てていました。

芋とクリスマスツリー

先日は、近所のおじいさんがお芋を作ってくださっていて、そこにみんなで掘りに行きました。その時のお芋の蔓で、クリスマスに向けてリースを作ろうと準備しています。
地域の方がとても良くしてくださって、子どもたちをかわいがってもらっています。そのつながりは一番大事だと思います。

園の周辺は、庄内川や公園など自然豊かで、子育てにも良さそうですね。

園児走る

先ほどお話しした蜜柑やザリガニなど、自然に触れる機会が多くあるというのはこのエリアの魅力だと思います。東谷山が近くにあるので、最後は東谷山を登って卒園できたらいいなと考えています。

しだみ園長平野さん

今回、話を聞いた人

しだみ保育園

園長 平野陽子先生

住所:愛知県名古屋市守山区上志段味上島669
電話番号:052-739-0415
http://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/page/0000003369.html

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

日常生活の中で「自然に」学ぶアットホームな保育園/しだみ保育園 園長 平野陽子先生
所在地:愛知県名古屋市守山区上志段味上島669 
電話番号:052-739-0415
開設時間:7:00~19:00
延長保育:あり
http://www.city.nagoya.jp/kodomoseishone..

代々受け継がれる規律と学校を見守る地域の温かさ/柏市立柏第一小学校 浮谷 満 校長先生


柏市立柏第一小学校
校長 浮谷 満 先生

柏市立柏第一小学校インタビュー

代々受け継がれる規律と
学校を見守る地域の温かさ

柏市の中心部にある「柏市立柏第一小学校」は、柏市でも有数の長い歴史を持つ小学校。地域の人々からの信頼も厚く、子どもを入学させるなら「柏市立柏第一小学校」がいいという声もあると聞きます。校長を務める浮谷満先生に、学校の特徴や地域とのつながりについてお話を伺いました。

まずは「柏市立柏第一小学校」の歴史について教えてください。

柏市立柏第一小学校

本校は1908(明治41)年「千代田尋常小学校」として開校し、今年は106年目になります。これだけの歴史がありますから、親子4代本校に通っているという家庭もあります。校庭にある遊具も歴史があるものが多く、すべり山という遊具は50年以上前に造られたものだそうです。校庭の大いちょうも本校の歴史を示すシンボルですね。本校では5年毎に周年行事を行っていますが、こうした機会に子どもたちに学校の歴史を学んでもらっています。

「さわやかタイム」という時間があるそうですが、どんなことをしているのでしょうか。

始業前の20分間を基礎・基本の習熟のために使う取り組みを「さわやかタイム」と呼んでいます。火曜日と木曜日、金曜日は「大いちょうタイム」として、個別学習など担任がクラスに必要な学習を行います。水曜日はドリル学習として、学習係を中心に子どもたち自ら学習します。本校は学習規律がきちんと守られていて、子どもたちだけで学習していても遊ぶ子はほとんどいません。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

月曜日は読書活動の日で、PTAの方に読み聞かせをしていただくこともあります。11月になると「さわやかタイム」を利用して持久走を行い、体力づくりに努めています。

「なかよしグループ活動」という取り組みもあるそうですね。

「なかよしグループ活動」は異学年の交流を狙いとした活動です。月に1回、1年生から6年生まで30人単位のグループを作り、6年生がリーダーになって昼休みにレクリエーションを行います。年に1回ですが、グループごとで給食を食べる交歓給食も実施しています。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

6年生は下級生の面倒をとてもよく見てくれます。1年生が入学したばかりの頃は、6年生が昇降口で待っていて、1年生が下駄箱を間違えないように、迷わないで教室に行けるようにと見守ってくれます。1年生や2年生は、6年生の子どもたちをお兄さん、お姉さんと慕っています。

柏市立柏第一小学校

本校では学習規律もしっかりしていますが、あいさつなどの礼儀も身に付いています。これは一朝一夕にできることではありません。「なかよしグループ活動」などで上級生の姿を見た下級生が、自然に学習する姿勢やあいさつの習慣を身に付けるのです。代々受け継がれてきた本校の誇りだと思っています。

特設クラブがあり、活動も盛んと伺いました。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

本校では特設クラブが4つあり、運動部として陸上部とミニバスケットボール部、それに吹奏楽部と歌唱部があります。歌唱部がある小学校は珍しいのではないでしょうか。4年生から6年生が希望するクラブに入れます。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

陸上部は市内の陸上大会や柏市の駅伝大会に参加しますし、ミニバスケットボール部はミニバス教室やスマイルカップに参加します。吹奏楽部は県の吹奏楽コンクールをはじめ、東関東大会や全国大会で活躍した実績があります。歌唱部も「柏タカシマヤ」でミニコンサートを行い、地域の方々に聞いていただています。こうした活躍の場を用意していることもあり、子どもたちは熱心に活動しています。

「確かな学びを支える言語力の育成」という研究主題を掲げていらっしゃいますが、どのように教育に取り入れているのでしょうか。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

本校では、他人の考えをよく聞き、自分の考えとの違いや共通点を見つけ、発表する技術を身に付けてもらいたいと思っています。そこで、ノートに自分の考えをまとめてから発表するという機会を授業の中で設定しています。

先ほどお話しした学習規律が身に付いていること、このように授業で表現力を養っていること、そして家庭学習を推進していることが、本校の子どもたちの学力向上につながっていると思います。

保護者の方々や地域の方々の支援も盛んだそうですね。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

本校では、家庭ごとに何か一つ学校のためにお手伝いをしていただく「1ボラ」という取り組みが行われています。ベルマークの整理や発送、校内の環境整備、行事のお手伝いなどできる範囲でご協力していただいて、子どもたちにとってより良い環境を作ろうという趣旨です。

地域の方々にも多大なご協力をいただいています。歴史のある学校ですから、地域の方々も愛着があるのでしょう。通学時にはパトロールをしていただいていますし、子どもたちをいつもあたたかく見守ってくださっています。

小中連携も積極的に進めていらっしゃると伺いました。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

最近、小学校から中学校へ進学するときのいわゆる中1ギャップが注目されています。そこで、子どもが中学校に行っても不安にならないように、中学校の先生に来ていただいて、小学校の授業をお願いするなど、さまざまな交流を行っています。 そのほか、小学校の児童会が中学校の生徒会に見学に行くこともありますし、中学校で行われる講演会などの行事に小学校の子どもたちを参加させることもあります。小学校の子どもたちの中学校の部活動への参加や、小学校で中学生の職場体験の受け入れも行っています。

本校では、家庭学習の手引きを作り、家庭学習を推進しているのですが、これも小中合同で作りました。このように、小中で学習指導や生徒指導をできるだけ同じ方針で行い、ギャップを少なくする工夫をしています。

ユニークな学内行事はありますか。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

行事の内容としては、どこの学校でも行われているものが多いと思いますが、ユニークな行事としては「手賀東小学校」、「手賀西小学校」との交流があります。これは1、2年生対象で、「手賀東小学校」、「手賀西小学校」の子どもたちが本校に来て、大規模校の雰囲気を体験してもらったり、逆に本校の子どもたちが出かけていったりします。

また、柏市の中心部にあるという地の利から、柏市の平和集会や国際交流協会が行うイベントの会場が本校になることもあり、それらの行事にも子どもたちが参加しています。

柏エリアの魅力を教えてください。

手賀沼

「柏」駅周辺はおしゃれなお店が集まっていますからショッピングが楽しめますし、飲食店も多くて、おいしいものも食べられます。昔から住んでいらっしゃる方に加えて、最近は再開発などで新しく来られた方も増えてきまして、活気にあふれた街です。 子育てという面では、地域全体で子どもを見守ってくださるという機運が高い街ということが魅力だと思います。「柏」駅周辺でも地域ごとにお祭りがありますが、そういったお祭りに子どもたちを呼んでいただくなど、いつも子どもたちを楽しませてくれることを企画していただいています。

「柏公園」から手賀沼方面に歩けば、自然を満喫できます。柏には音楽の街、スポーツの街といろいろな魅力があり、若い方もよいイメージを持っていらっしゃるようですし、お年寄りの方もそれぞれの人生を楽しんでいらっしゃいます。あらゆる世代の方が住みやすい街ということが、柏の魅力だと思います。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

今回、話を聞いた人

柏市立柏第一小学校

校長 浮谷 満 先生

登下校時に校門に立ち、子どもたち全員の顔と名前を覚えるように心がけているとおっしゃる子ども思いの校長先生でした。

柏市立柏第一小学校
住所:千葉県柏市あけぼの1-7- 6
電話番号:04-7143-0138
URL:http://www.dai1-e.kashiwa.ed.jp/

※2014(平成26)年5月時点のインタビュー記事です。

代々受け継がれる規律と学校を見守る地域の温かさ/柏市立柏第一小学校 浮谷 満 校長先生
所在地:千葉県柏市あけぼの1-7-6 
電話番号:04-7143-0138・0139
http://www.dai1-e.kashiwa.ed.jp/

夕暮れに浮かぶJAZZのネオン “ジャズの街”阿佐ヶ谷を代表するジャズバー/jazz bar クラヴィーア 山川秀明さん


jazz bar クラヴィーア
店主 山川秀明さん

夕暮れに浮かぶJAZZのネオン
“ジャズの街”阿佐ヶ谷を代表するジャズバー「クラヴィーア」

 

夕暮れ時のJR「阿佐ケ谷」駅。そのホームから南側を見ると、ロータリー脇のビルにひっそりと小さく「JAZZ」のネオンが灯っているのが見えるだろう。阿佐ヶ谷は「JAZZの街」としてかなり以前から知られており、往時のジャズブームの時代には多くのジャズ喫茶、ジャズバーが軒を連ねていたという。その多くは時代の流れで姿を消していったが、今も幾つかの店は灯りを絶やしていない。今回ご紹介する「クラヴィーア」も、そんな老舗ジャズバーのひとつ。店主の山川秀明さんはかつて声楽の道を志し、その途中でジャズの魅力に開眼。今は阿佐ヶ谷のジャズカルチャーを引っ張っている“重鎮”のひとりでもある。老若男女を問わず、この店には日々さまざまな人々が訪れ、時には重厚なステレオから流れる静かな音色に、時には生演奏の色鮮やかな音色に耳を傾け、身体を預けて、時間を過ごしていく。ジャズの面白さとは何か。しばし、山川さんのお話に耳を傾けてみよう。

「クラヴィーア」という店について

クラヴィーア 入り口

うちはジャズバーです。それ以上の説明は必要かな。敢えて説明するなら、そうですね、みんなに薦められるもの、共有できるものを置いている、というところでしょうか。自分が納得するものじゃないと恥ずかしいですからね。だからお酒でも、自分が好きなものだけを置いているんです。そうでないと薦められないでしょう。

お客さんの年代は幅広いです。年寄りは戦前からジャズって聴いているでしょうし、当然多いんですけれど、若い人も、多分いろんなところで噂を聞いてくるんでしょうね、「阿佐ヶ谷はジャズの街って言っているし、みんなで行ってみようか」とか、「ジャズバーって行ったことないから、行ってみよう」とか、そんな感じで来ますね。

この間は若い子達が、水曜日ぐらいに来たのかな。でもその日はライブがない日だったから、「またライブがある日においで」って言ったら、金曜日にまた来てね。すごい感動しているの。若い人もそうやって来てもらえれば嬉しいですね。こちらとしても、ある程度のクオリティのものは出しているつもりですから。

うちみたいな店は、やっぱり、初めて来る人もいるので、そこでガッカリさせちゃうと、次がないんですよ。だからうちではつねにクオリティの高いものを出せるように、ということを心がけているし、出てくれるミュージシャンも、それはしっかり伝えています。だから、彼らも全力でそれに応えてくれていると、私は思っていますよ。

今はテレビでもジャズ番組ってあまり放送されてないじゃないですか。ごくたまにテレビで紹介されても、ミュージシャンが派手な演奏するところがちょっとだけ放送されるぐらいですよね。でも、「ジャズってそれだけじゃない」ってことを知って欲しいですね。すごく幅が広くて、奥が深いものなんです。

それと、ジャズってやっぱり、ちょっと大人のものじゃない。もちろん若いうちから楽しめたらいいけど、いいお酒を飲みながら、いい音楽を楽しむっていうのは、安くはないですからね。でも、うちはそんな中でもかなり安い設定にしているんで、若い人にもどんどん来てもらいたいですね。出演するみんなにもそれはちゃんと伝えて、理解してもらって出てもらっているから、今の料金で出来ているんです。

jazz bar クラヴィーア 山川秀明さん インタビュー

出てくれるミュージシャンの幅はすごく広いですよ。超ベテランも出ますし、若いミュージシャンにも、どんどん出てもらっています。最近の若いミュージシャンはすごく優秀ですからね。ナンバーはスタンダードとか、みんなが知っているような曲が中心。初めて来たお客さんに、「ジャズって楽しそう」って思ってもらえるようなものやってほしい、って伝えていますからね。

でもミュージシャンってのはやっぱり新しいものを追求している部分があるから、どうしても盛り上がっていくと、そっちの方向にいっちゃうんだけど。みんな人生を懸けてやっている演奏だから、それはそれで、ジャズの面白いところじゃないかな。

ジャズバーで聴く、生演奏の魅力について

クラヴィーア ピアノ

昔、ジャズ喫茶が全盛の時代があったんですけれど、その頃、中野、高円寺、阿佐ヶ谷にも物凄い数のジャズ喫茶があったんですよ。まだCDも無くて、レコードも高かった時代ですからね。高くて自分ではレコードを買えないから僕らはジャズ喫茶に行って、コーヒー1杯で何時間も粘りながら聞いて、時には、自分のリクエストが回ってくるまでずっと待っているわけですよ。その頃、レコードを聴くっていうのは、針も減るし、盤も減るから、すごい貴重なもので。みんな一生懸命聞いていたわけですよね。

その頃というのは、テレビを見るにしても、音楽を聴くにしてもそうなんだけど、「もう1回」ってことがあり得なかったから、すごく集中して聴いていたんです。喫茶店で、聴いているか聴いていないのかわからないような顔をして、うずくまるようにしてね。

今は時代も変わって、便利になったんだけど、音楽を聴くってことに対して、集中力がすごく曖昧になってしまいましたね。1曲ずつダウンロードして聴いたりするから、そのアルバムが何であるとかは知らなかったりする。もはや「ジャンル」では聴いていないんですよ。その曲が何であるか、素性が分からない。

でもライブだと、一度しかない瞬間だから、今だって、みんな集中して聴くでしょう。それがジャズバーのいいところだと思いますね。落語も芝居も、野球も相撲でも、何でも同じですよね。ライブが一番面白いんです。そこにいる人達全員が、一度しかない、同じひとつの瞬間を共有している。だからライブって楽しいんだろうね。もちろん、今はネットで何でもとりあえず見られるから、そこで興味を持って、店に足を運んでくれても、それはそれでいいと思います。

「阿佐谷ジャズストリート」について

阿佐ヶ谷では毎年秋に、僕らも参加して、「ジャズストリート」っていうのをやっています。お酒も人間もそうですけれど、「いい出会い」があると、一生、そういうものと付き合っていけるじゃないですか。でも逆に、初めに変なお酒に出会ってしまうと、そこから嫌いになったりもしますよね。ジャズも同じです。「これがジャズか」と最初に思われてしまうと、その先がない。だからこういう機会を通じて、沢山の方に、本物のジャズと出会ってもらえたらいいな、と思っています。

それから、今、若いミュージシャンってものすごく優秀なんですけれど、メディアでは全然取り上げてくれないんですよね。優秀なミュージシャンがいても、そこに若い聞き手がいなければ、何にもならないじゃないですか。だから、若いミュージシャンと聞き手との“いい出会い”がここであって欲しいなっていうのも、ジャズストリートへの思いの一つですね。なるべく沢山の、「出会い」の機会を作ってあげたいですよ。そういう地道な努力が積み重なれば、もっと沢山の人に、ジャズを楽しんでもらえるようになるんじゃないかな。

jazz bar クラヴィーア 山川秀明さん インタビュー

大人の余裕漂う“ジャズの街”でゆったりと過ごす

上質を知る大人のためのジャズバー「クラヴィーア」。仕事を終えて自宅へ帰るまでのひと時、窓際で中央線の電車を眺めながら、またはカウンターでジャズ談義に花を咲かせながら、この場所で時間を過ごしてみてほしい。ゆったりとしたジャズの調べと、時間の流れ。阿佐ヶ谷という街は、余裕があり、大人であり、時代に合わせてスイングする、まさにジャズのような街であると気がつくはずだ。

今回、話を聞いた人

jazz bar クラヴィーア

店主 山川秀明さん

jazz bar クラヴィーア
所在地:東京都杉並区阿佐谷南3-37-13 3F
電話番号:03-3393-0418
URL:http://www2.tbb.t-com.ne.jp/klavier/www/

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

夕暮れに浮かぶJAZZのネオン “ジャズの街”阿佐ヶ谷を代表するジャズバー/jazz bar クラヴィーア 山川秀明さん
所在地:東京都杉並区阿佐谷南3-37-13 3F
電話番号:03-3393-0418
営業時間:19:00~翌2:00
定休日:日曜・祝日
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/klavier/www/

昔の良作を上映する阿佐谷文化の発信地

映画館・劇場・レストランによる文化の創出/ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー


ラピュタ阿佐ヶ谷
館主 才谷遼さん

映画館・劇場・レストランによる文化の創出

1998(平成10)年に開館した「ラピュタ阿佐ヶ谷」は、映画館・劇場・レストランが一体化した施設だ。JR「阿佐ケ谷」駅から近く、阿佐ヶ谷を象徴するこの施設には、隠れ里にたたずむ一軒家のような趣がある。宮沢賢治の「注文の多い料理店」に登場する狩人が迷い込んだ「山猫軒」と同名のレストランは、「ラピュタ阿佐ヶ谷」の独特な存在感を醸しだすことに一役買っている。「ラピュタ阿佐ヶ谷」の館主であり、長年、阿佐ヶ谷を見てきた才谷氏に街の魅力を伺った。

長いこと、阿佐ヶ谷に住んでいるそうですね。阿佐ヶ谷での生活を始められた経緯を伺えますか?

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

坊主頭の中・高校生の九州・大分の片田舎の少年にとって、東京の中心は阿佐ヶ谷と富士見台でした。と言いますのも、まんが家になりたいと思っていたボクにとって手塚治虫さんの「虫プロ」があった富士見台、そして同じくまんが家として活躍された永島慎二さんが住んでいた阿佐ヶ谷は聖地だったのです。
始めから阿佐ヶ谷はオソレオオかったので、30過ぎてもういいかなと阿佐ヶ谷に移ったのです。

憧れていた街で「ラピュタ阿佐ヶ谷」をオープンされました。それまでの経緯が気になるところです。

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

台湾人を相手にした木造の木賃宿を営んでいた茶飲みともだちのオバチャンから、土地を譲り受けることになりました。経営している出版社の四角いオフィスビルじゃあオモシロクない、どこにでもある建物では面白くないなと。

それが「ラピュタ阿佐ヶ谷」だったいうことですね?

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

そうですね。面白いことは何か――その結論が、日本のどこにもないオモシロイビルを建てる!でした。全ての建築物は自然を破壊する。自然と共生できる建テモノは出来ないか。森と呼応する。経済優先ではなく文学的な建テモノ。

映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」、劇場「ザムザ阿佐ヶ谷」、そしてレストラン「山猫軒」について聞かせてください。

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー往年のスターのプロマイド

映画館は、50~60年代の日本映画が中心です。その時代の映画をコンスタントに上映しているのは、当館を入れると東京に5つ位しかありません。この5施設を渡り歩いている熱心なファンも多いですね。

芝居については門外漢でしたが、街と沿線がちいさな劇場を必要としているような気がしたので。人たちがゆるやかな空間のなかでゆるやかに友人になれるような。

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビューランチメニュー 肉料理の一例

レストラン「山猫軒」についてですが、宮沢賢治がすきなので、別に、お客さんに注文ばかりするわけではありません(笑) 「注文の多い料理店」の作者、宮沢賢治は中野を訪ねた記録があります。でも記録にないだけで、もしかしたら阿佐ヶ谷まで足を延ばしているかもしれないなと思い、この店名をつけました。

「ラピュタ阿佐ヶ谷」の来館者についてですが、地元の方は多いですか?

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

“映画館は文化の灯”(『ラストショー』P.ボグダノビッチ)なので、そういう街の映画館のつもりですが、実は地元の方は1割程度です。残りの人たちは電車にのって、です。もうすこし阿佐ヶ谷の人も気軽に来てほしい。

トークフェスティバルやアニメフェスティバルを開催されていますが、参加条件などはありますか?

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

ありません。どなたでも参加できます。内容についても、特に制約はないので“自由”に“好き勝手”にやってもらっても。何かと制約だらけの時代ですから、せめて映画や芝居をみたりオイシイ食事をしてるときはゆるやかな気持ちになって欲しい。

「ラピュタ阿佐ヶ谷」でのおすすめの過ごし方などあれば教えてください。

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー日差しが差し込むロビー

芝居を観てからレストランで食事をするという楽しみ方、もしくはレストランだけ、映画館だけという利用も自由ですが、それぞれの空間を行き来してもらえるように、ちょっとでも人がホッとする空間をつくれるようにしていきたいですね。

長年、阿佐ヶ谷を見てきた才谷さんですが、街の変化などは感じますか?

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

ここ10年で、特に変わったように思います。馴染みのある店が閉まったり、街並みが変わったり――。若干の寂しさはありますが、これも時代の流れの中にボクラもいるということでしょう。でも変わらないモノもあってもいい。

展望や計画などありましたら伺えますか?

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー作品のパンフレットが並ぶ一角

「ラピュタ阿佐ヶ谷2」を建てるための土地を手に入れました。オリンピック景気で完成の目処は立っていませんが、実現したいですね。今回初の「セシウムと少女」(2015年4月25日公開)をつくりました。映画監督としての阿佐ヶ谷を舞台にした初作品には、この街に住んでいた北原白秋さんも登場します。これまで知らなかった阿佐ヶ谷を、ぜひ観てもらえたらと思っています。

最後になりますが、改めて阿佐ヶ谷の魅力について聞かせてください。

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

「オバケのQ太郎」が誕生したり、「風の谷のナウシカ」をつくったスタジオがあったり、多くのまんが家や作家が住んでいた(いる、現在も)阿佐ヶ谷。この街には、この街の他にはない魅力がたくさんあります。

少年時代から憧れていた阿佐ヶ谷に暮らし、仕事をしてきたなかで、たくさんのイイ思い出、ニガイ思い出が生まれました。私にとって阿佐ヶ谷は、もうひとつの故郷とも言うべき街ですね。

ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー

今回、話を聞いた人

ラピュタ阿佐ヶ谷

館主 才谷遼さん

ラピュタ阿佐ヶ谷
所在地:東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21
電話番号:03-3336-5440
URL:http://www.laputa-jp.com/

※記事内容は2015(平成27)年3月時点の情報です。

映画館・劇場・レストランによる文化の創出/ラピュタ阿佐ヶ谷 才谷遼さん インタビュー
所在地:東京都杉並区阿佐谷北2-12-21 ラピュタビル2F
電話番号:03-3336-5440
http://www.laputa-jp.com/

徹底したカリキュラムと豊富な講座 キャリア教育も視野に入れた独自の学習戦略とは/PRO-SHIP 代表 澤田 朱里さん


家庭教師派遣・個別指導教室 PRO-SHIP
代表 澤田 朱里さん

徹底したカリキュラムと豊富な講座
キャリア教育も視野に入れた独自の学習戦略とは

御前通りと七本松通りの間に位置する家庭教師派遣・個別指導教室「PRO-SHIP」は、地域密着の手厚い待遇と結果の出る指導から人気があり、中学から大学の名門校へ多くの生徒を輩出している。1年で偏差値10を上げることを公約とし、徹底したカリキュラムと独自の講座で、生徒達の力を伸ばす「PRO-SHIP」。今回は、「PRO-SHIP」の代表 澤田 朱里さんに、独自の学習戦略と今後の展望についてお話を伺った。

沿革を教えてください。

PRO-SHIP 教室内

1991(平成9)年2月の設立ですが、最初は家庭教師派遣からスタートしました。それまでは私自身が個人で生徒を10名くらいもって家庭教師をしていたんです。学生時代に集合塾で講師をしていたのですが、当時していたモデルの仕事が忙しくなり、塾で定期的な授業をすることが難しくなりました。そういうお話を塾長の先生にさせていただくと、塾長の御親戚、御友人の家庭教師にお願いして頂くことになりました。それがそもそものスタートなんですね。

そこから口コミで広がっていき、27くらいの時に、私一人では対応しきれない状態になり、自分の代わりに家庭教師に行ってくださる方を探しました。個人ではどうしても限界があり、派遣を始めたということですね。

個人から派遣に広がり、取り組み方法も多彩になってきたのでしょうか。

PRO-SHIP テキスト

そうですね。生徒数の増加に伴って、マンツーマンの指導だけではなく、マンツーマンを教室で見てほしいというご依頼も増えてきました。ですので、指導の部分をマンツーマン、演習の部分を3対1、暗記などのチェックもしないと定着を図れないので、「G」というコマで「チェックテスト」、「タイムトライアル」を考えたのが今の形態のスタートになります。コマというのは、「M」はマンツーマン、「I」は3対1の演習型、「G」が自習を意味しています。自習も生徒をほったらかしにするのではなく、テストの時間を測り、採点、その後生徒自身で再暗記や直しを自力で、出来るところまでやってもらいます。ただの自習という形態はとっていませんね。それに、講習会もあります。家庭教師派遣で講習会はなかなかないと思いますよ。個人別集中型の講習会で、「I」「M」「G」を組み合わせて、飽きさせず、成果の出る取り組みを行っています。

個別カリキュラムは生徒のどのような面を抽出しながら作成されるのでしょうか。

PRO-SHIP ポスター

目標や志望は生徒各人で違いますから、提出される成績資料もバラバラですし、よってテストの選定もそれぞれで違います。ですので、入会のときに、個別のカリキュラムを作成するのに1週間くらいかかります。他塾さんから当方に来られた場合は、過去2年くらいのテスト・模試の結果をお持ち頂き、間違えたところを単元別に全部チェックします。この時期出来ていたけど、この時期は出来ていないとか、同単元でも問題の難度が中以上に上がると、出来ていないとか、色々なことをチェックしてカリキュラムを作ります。

PRO-SHIP

公約に「1年で偏差値10アップ」というものを掲げていますから、その点はものすごく徹底していますね。授業の管理も同様に、授業内容を報告する複写式の用紙があり、1回ごとの授業に付きます。家での宿題は具体的に何をどこまですれば良いのか、そういう細かいことの指示も出せるようになっています。成績を挙げることには自信がありますし、そういう独自のカリキュラムをご用意出来ることは大切だと考えています。

通われている生徒さんは周辺に住まわれているのでしょうか。

PRO-SHIP 合格実績

遠方からの生徒さんも多いですね。桂、北山、岩倉、北白川、宇治の方もいらっしゃいます。滋賀県や大阪府からも受け入れています。当方としては、特異性のある塾でいたいと思っていますし、その分、第1希望に合格できるようにとの気持ちで授業を行っています。学習効率とクウォリティーに関しては絶えず追求しているところです。

脳力開発講座について教えてください。

PRO-SHIP パズル道場

これは「パズル道場」と「速解脳トレ」になります。パズル道場は空間認識能力や条件整理能力を遊び感覚で養うものです。左脳よりも右脳開発に力を入れるものになりますね。幼児から大人まで対象は幅広いのですが、「パズル道場」のメインは小学生。「これくらいできればこのレベルの中学校に行けるかな」という対比表でもあるんです。「速解脳トレ」は、速聴とか速読ですね。こちらのメインは中学生で、集中力や記憶力のアップを図るものです。脳というのは、一部分を鍛えることで、他の能力も引き上げることができます。私にも子供がいるのですが、自分の子に受けさせたいと思えるものを取り入れるようにしています。ご父兄でも受けられている方はいらっしゃいますよ。

生徒への指導ではどのような点を意識されていますか。

PRO-SHIP 澤田さん

最も難しいのは、モチベーションを挙げること。「やる気スイッチは本当にあるのか」という話になのですが、脳には1箇所、スイッチがあるんですね。基本的な脳は暇があればサボろうとしますし、マンネリ化するとすぐに飽きてしまうので、それを防ぐためにも、カリキュラムの構成から徹底しているんです。ここに来ている生徒の集中力はすごいですよ。生徒それぞれが話していても、それぞれが集中できている。ただ、問題なのは自宅学習なんです。自宅学習なしに授業だけの勉強では定着効率がどうしても下がります。就寝前に授業内容の一読をしたり、解き直すことや塾休みに宿題をする事でそれを防げます。体を動かす脳というのはずっと動いているらしいので、それを利用して起動につなげることが大切になります。「起きたくない」という時に頑張って起きてみる。「しんどい」「やる気が出ない」という時にも、散歩後好きな科目から机に向かう。それがスイッチになるんです。最初の取っ掛かりができるかできないか、それが大切だと思います。

教室や自習室など、空間づくりで気をつけていることはありますか?

PRO-SHIP

教室は喫茶店みたいになってます。カフェのような雰囲気なので、シーンとした感じにはならないですね、講師も合間に教室全体に対してジョークを振ります。すごくリラックスできる空間になっていますし、生徒も集中して取り組んでいますね。

PRO-SHIP 授業

また、講師は絶えず、右利きの生徒の場合は左側に立ち、左利きの生徒の場合は右側に立ちます。マンツーマンの場合は、ノートをつけている作業も見て欲しいと講師にはお願いしています。それは、「何でひっかかったか」「どこでつまずいているか」がわかるからです。国語のマンツーマンなら、音読させて詰まったところで難しい言語をその場で指導し、ノートに整理をする。算数は終わった後、答えが合っていれば良いではなく、より良い解法を求めることが大切です。算数の解法は一つの問題に数通りあります。最速の一番良い選択ができているのか、作図や立式のチェックを入れないといけないと思っています。

今後へ向けての展望、課題はありますか。

PRO-SHIP 小学生

どちらの塾でも同線の課題があると思いますが、生徒のモチベーションの維持でしょうか。勉強をすることに当たって、報酬としてプレゼントを上げると、ずっと上げ続けなければならない、脳科学の実証があるんです。それは褒めることでも代用できるのですが、そうすると、ずっと褒め続けないとやる気が起きないということになります。どちらにせよ、脳はマンネリ化に弱いですから、心理バランスをすごく意識しながら授業をすることが大切だと考えています。

PRO-SHIP

また、そういったモチベーションの観点から少しでも生徒各人が自身の現状を把握し、何をするのが得策なのかを理解しえる様に、来年からはキャリア教育の講座を導入予定です。将来、どんな職業があり、社会保障はどんな仕組みになっているのか、一人で生きるとはどういうことなのか。季間講習会やIの授業に組み込もうかと思っています。目標を具体化することで、今の取り組みの意味がもっと見えてくると思います。社会の仕組みは、社会の授業では習わないですよね、社会に出てから分かることばかり。その辺を今後の展望として考えています。

最後に四条大宮の魅力を教えてください。

四条大宮商店街

四条大宮は、ヤオイソの果物屋さんとか、名店、老舗が多い印象です。古くからのお店が多いですし、お買い物に良く出かけます。四条大宮あたりからの生徒さんも多くいますよ。自転車で来られてますね。

PRO-SHIP 澤田朱里

今回、話を聞いた人

家庭教師派遣・個別指導教室 PRO-SHIP

代表 澤田 朱里さん

家庭教師派遣・個別指導教室 PRO-SHIP
所在地:京都市中京区西ノ京左馬寮町10-14
電話番号:075-811-9998
URL:http://www.pro-ship.jp/

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

徹底したカリキュラムと豊富な講座 キャリア教育も視野に入れた独自の学習戦略とは/PRO-SHIP 代表 澤田 朱里さん
所在地:京都府京都市中京区西ノ京左馬寮町10-14 
電話番号:075-811-9998
営業時間:13:00~22:00
定休日:木曜日

http://www.pro-ship.jp/

地域の方々から愛されるお店づくりを/ヨークベニマル つくば竹園店 マスター店長 堀越康弘さん


ヨークベニマル つくば竹園店 インタビュー

地域の方々から愛されるお店づくりを

ヨークベニマル つくば竹園店(仮称)
マスター店長 堀越康弘さん

「つくば」駅前エリアから徒歩圏内、「大清水公園」向かいの敷地に建設が進んでいる「ヨークタウン つくば竹園」(仮)は、地上2階建てで、スーパーマーケット「ヨークベニマル」を核店舗としている複合ショッピング施設で、隣接するマンションと一体となって開発され、2015(平成27)年1月から2月のオープンを予定している。竹園店の開業指揮を担当している、竹園店マスター店長、堀越康弘さんにお話を聞くことができた。
※写真は一部を除き、谷田部店で撮影したものです。

来年2月に開業を控える「ヨークタウン つくば竹園」(仮)ですが、核店舗の「ヨークベニマル」のほか、どのようなテナントが入る予定なのでしょうか?

ヨークベニマル つくば竹園店

売り場全体の構成としては、食品が中心の店舗になっておりまして、「ヨークベニマル」部分については、食品と衣料品が入る予定です。このほか、テナントにドラッグストアが大きな店舗で入りまして、小規模な店では、惣菜や喫茶、サービスなどのお店が入ります。

ヨークベニマル つくば竹園店 マスター店長

今回は食品に特に特化したいということから、品揃えの幅を広げました。我々ヨークベニマルが食品の大部分を担当しながら、各テナントさんと協力し合い、多彩なジャンルの需要に応えられるよう、こだわりながら補強しあっていく予定です。

また、2階部分については、フィットネスクラブも入る予定です。こちらは、つくばの中心エリアにスポーツクラブが無いということから、要望があったものでして、2階のテナント部分がすべてフィットネスクラブになります。残りの部分は、共用の駐車場ですね。こちらはジャグジーも備えていますので、汗を流してから買い物やカフェを楽しんでいただく、という形で使っていただければと思います。

高層住宅に隣接した店舗は比較的新しいスタイルの店舗になるかと思いますが、居住者向けの特別な構造、サービスなどはあるのでしょうか。

ヨークベニマル つくば竹園店

こういった集合住宅に隣接、併設した店舗というのは、特に仙台市内にはこれまでも幾つかありまして、茨城にも水戸市内と数か所ありました。ただ、つくば市では比較的珍しい形かもしれませんね。
毎日ご来店いただけるように、接客の面でのサービスは考えていきたいと思っています。

ヨークベニマル つくば竹園店 カートイメージ

マンションの施主であるタカラレーベンさんからは、居住者専用のカートを用意されると聞いておりますので、それを使って居住者の方は買い物をして、そのままマンションの入り口まで、カートをお使いいただけるようになるかと思います。

ヨークベニマル 谷田部店 わたしのお買い物かご

このカートに関してはマンション側で管理されるということですが、当店の「私のお買い物かご」のサービスと合わせますと、レジを通って袋詰めをしなくても、そのままカゴを持ってご自宅まで帰っていただくということが、容易にできるかと思います。

また、店舗部分については、軒下を通っていただけるように通路を設計しておりまして、雨の日でも極力濡れずに、マンションの入り口まで移動できるようになるかと思います。正面の入り口のほか、マンション側にも出入口ができますので、便利にお使いいただけるかと思います。

ヨークベニマル 谷田部店 陳列

まだ検討段階ではありますが、マンションの居住者向けのサービスとして、ちょっとしたイベントや、ご試食会などを提案してみたいと考えております。

周囲には「カスミ」「西友」「イオン」「西武」など食品を扱う大型店が多く、激戦区となっていますが、他店舗との差別化のポイント、住み分けについて教えてください。

ヨークベニマル 谷田部店 鮮魚

特に野菜、果物、魚、肉といった生鮮食品については、“食の専門家”として、充実した品揃えにしていきたいと思っておりますので、そこで差別化を図っていきたいと考えております。また、共働き世帯が多いという地域のライフスタイルに合わせ、惣菜についても充実した品揃えにしていきたいと思います。

ヨークベニマル 谷田部店 ナナコの看板

生鮮食品については、それぞれの分野に専属のバイヤーを配置しまして、商品の質と鮮度、プライスレンジ(価格帯)についても、地域の皆様には満足していただけることを目指したいと思っております。また、セブン&アイグループの特徴として、プライベートブランドの「セブンプレミアム」がありまして、これは非常に人気が高いものですから、フルラインアップで揃えていきたいと思います。もちろん、「ナナコ」でのお支払いも可能です。

実は「つくば」駅前の「西武」も同じセブン&アイグループなのですが、西武は百貨店としての品揃え、我々はスーパーマーケットとしての品揃え、という点が大きな違いでして、商品によっては当然クオリティも違ってきますし、私達としては、スーパーマーケットとして極力プライスレンジを下げながら、良いものを提案していきたいと思います。

ヨークベニマル 谷田部店 地場野菜

また、市内で採れた地場野菜の販売にも力を入れまして、現在この谷田部店でもかなりのスペースを割いていますが、竹園店でも地場野菜の販売に力を入れたいです。この辺りも大きな特徴になるのかと思います。

ヨークベニマル 谷田部店 青果コーナー

すべての「ヨークベニマル」で一貫しているポリシーに、「基礎商圏の吸引率を高める」という方針があるのですが、こちら竹園店につきましても、基礎商圏となります、1kmから2kmの範囲の方を想定して店作りを進めておりまして、食については「地域一番店」となれるよう、頑張っていきたいと思っております。

市街地にある店舗ということで、郊外型のヨークベニマル店舗と比べて、変えている部分などはあるのでしょうか?

ヨークベニマル 谷田部店 惣菜コーナー

郊外店ですとやはり、家族人数の多いお客様の割合が大きいですから、どちらかと言えば大型パックで、プライスレンジも低い商品が中心で、お盆や年末には、イベントに向けた商品が増えるなどの特徴があります。それが今回の竹園店のように市街地の店舗となりますと、家族人数が少なくなりますから、1人前、2人前という、「個食」に対応した商品が多くなりますし、惣菜にも力を入れている、というところはあるかと思います。

北側がペデストリアンデッキに接続しており、自転車などで来る方も多いと思います。駐輪場や駐車場、警備等の安全対策などついて、お聞かせください。

つくば公園通り

歩道についてはサイクリングやジョギングをされている方も多いですから、歩きやすく、自転車で通りやすいという環境を維持できるよう、定期的に整備や警備について、確認をしていきたいと思いますし、景観についても、歩道から店舗、マンションの敷地まで、同じ色と材質のタイルを使いまして、一体感をもたせられるよう、検討しているところです。

駐輪場については、今のところ無料のもので、車輪を固定できるような形を検討しています。駐車場については1階・2階ともに屋根の無い平面駐車場となる予定で、買い物以外で長時間利用される方がいると、買い物に来られたお客様の迷惑になりますので、「1時間半まで無料、それ以降は有料」ということで考えております。駐車場の入口は2か所を予定しています。

最後に、堀越さんがお感じになる、つくばエリア、竹園エリアの魅力についてお聞かせください

ヨークベニマル 谷田部店

「ヨークベニマル」はもともと郡山の会社ですので、私も福島からここに単身赴任で来ているのですが、ようやく1年半が経って感じることは、「街がすごくゆったりとしている」ということですね。「つくばスタイル」という言葉もありますが、広々としていて、住んでみると自然が沢山あって、暮らしに豊かさを感じます。「暮らしを楽しむ」という意味では、とても魅力的な場所なのかな、と思います。今は単身で来ていますが、家族と一緒に住んだら、きっと住みやすいんでしょうね。

私自身は竹園の住民ではありませんが、竹園のあたりは比較的高所得の方が多い地域ですので、健康、安心、安全といったキーワードも大切になってくるのだと思います。私達もそういったお客様に対応できるように、きちっとした品揃えをしていきたいと思っています。

ヨークベニマル つくば竹園店 マスター店長 堀越康弘さん

今回、話を聞いた人

株式会社ヨークベニマル つくば竹園店

マスター店長 堀越康弘さん

住所:茨城県つくば市竹園1-3
電話番号:029-850-0361
開業予定:2015(平成27)年2月

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

緑豊かな環境下での 国際色豊かな学校教育/つくば市立竹園東小学校 田村実枝子 校長先生


つくば竹園学園 つくば市立竹園東小学校
校長 田村実枝子先生

緑豊かな環境下での
国際色豊かな学校教育

学習にコンピュータを導入した日本初の学校となる「つくば市立竹園東小学校」。その先進的な取り組みは、筑波研究学園都市内にあるということと決して無関係ではない。「竹園西小学校」、「竹園東中学校」とともに「つくば竹園学園」を構成する同校が掲げる「ひびき合い、高め合う楽しい学校」を目指し、日々尽力している田村実枝子校長にお話を伺った。

まずは、「竹園東小学校」の沿革、また教育方針について聞かせてください。

つくば市立竹園東小学校

本校は、筑波研究学園都市で最初に開設された学校で、1974(昭和49)年4月に、6学級99名の学校としてスタートしました。「ひびき合い、高め合う楽しい学校」を教育目標に掲げ、現在は「竹園西小学校」、「竹園東中学校」とともに「つくば竹園学園」を構成しています。

つくば市が力を入れているICT教育(※1)について伺えますか?

つくば市立竹園東小学校 貴重なしな

本校は教育にコンピュータを取り入れた日本初の小学校で、「筑波大学」との共同研究により1977(昭和52)年からCAI教育(※2)を開始。現在でも電子黒板やハイスピードカメラ、ネットワークコンテンツをはじめとしたICT機器・コンテンツを導入し、全学年での学習に活用しています。

※1:ICTとは、情報通信技術を表すITに、コミュニケーションの概念を加えた言葉(Information and Communication Technology)。具体的には、電子黒板やノートパソコン、タブレット型端末などを用いた教育を指すことが多い。教育日本一を目指しているつくば市教育委員会では,ICTの「C」に4つの意味(協働力Community、言語力Communication、思考・判断力Cognition、知識・理解力Comprehension)を持たせることを考え、この4Cを未来の子どもたちのために大切に実践し、夢感動のある楽しい学校づくりに生かしていきたいと考えている。
※2:子どもの教育(主として学校教育)にコンピュータを活用すること。また、そのためのソフトウェアやシステムなどのこと。

“中1ギャップ”という言葉がありますが、その対策として取り組まれていることがあれば教えてください。

つくば市立竹園東小学校 体育館

小中一貫教育のメリットに、児童・生徒間の交流が挙げられます。先日も、7年生が中学校の様子を教えにきてくれるなど、こうした小小・小中連携によって新しい環境に適応しやすくなっています。また、全てではないのですが、教科によっては教科担任制を実施し、より細やかな指導ができることもあって、特に“中1ギャップ”を意識することはなくなりました。

国際理解教育の「竹園ワールド」について伺いたいと思います。

つくば市立竹園東小学校 スマイルルーム

1~4年生を対象に、朝の15分間を利用して英語教育をするのが「竹園ワールド」ですが、2012(平成24)年度に「つくばスタイル科」が導入され、そのなかに組み込まれることとなりました。ここは海外からの研究者も多く、国際色豊かなエリアです。本校でも英語教育には力を入れており、外国語学習専用のスマイルルームも設けています。

地域の方々がスクールボランティアとして、協力してくれるそうですね。
周辺地域の方や、保護者の方との連携について伺えますか?

つくば市立竹園東小学校 田村校長

子どもたちの教育に関心が高く、学校活動に熱心な方が多いので、本校としても大変嬉しく思っています。本の読み聞かせや、草花の手入れをしてくれるクリーンボランティアの方もいらっしゃいます。また、ゲストティーチャーとして、「筑波大学」の先生が学部生・院生とともに理科の実験をしてくださったこともあります。

「竹園東小学校」は学力水準の高い学校として知られています。
教育に関して、先生方が心がけていることはありますか?

つくば市立竹園東小学校 校名

「つくば竹園学園」としてのテーマでもありますが、国際社会で活躍する児童生徒の育成には何が必要かということを踏まえた授業をしています。研究機関が点在し、先端技術を身近に感じることのできるエリアですから、その地域性を存分に活かし、児童の将来を見据えた取り組みをしたいと考えています。

行政から研究校やモデル校に指定されているそうですね。

つくば市立竹園東小学校 ICT教室

先進的教育用モデル地域事業の指定を受けている本校ですが、1999(平成11)年5月に、60台ものコンピュータネットワークが完成。CAI以外でもコンピュータを活用できるようになりました。その4ヵ月後には職員室、図書室がコンピュータネットワークに接続され、インターネットにも対応しました。現在は児童用のタブレットPCも完備され、授業で活用してきました。

「竹園東小学校」で誇れること、自慢できることをぜひ聞かせてください。

つくば市立竹園東小学校

あり過ぎて困りますね(笑)。素直な児童が多く、学習面についても意欲的で探究心にあふれています。合唱も盛んで、これまで数多くのコンクールで賞をいただきました。施設面では、開校から40年近くも経っていることから木々の幹は太くなり、緑も豊かです。敷地も広いので、落ち着いた環境のなかで学校生活を送ることができます。

最後になりますが、この街での生活を考えている方にメッセージをいただけますか?

つくば公園通り

海外からの研究者が多いこともあり、新しいものを受け入れようという土壌があるように思います。周辺には自然が残り、駅周辺は遊歩道が整備されているので大通りを渡る必要はありません。さらにTXが開通したことで、これまで以上に都心が身近になりました。教育面、住環境を含め、これまで以上に注目される街になるのではないかと思っています。

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園東小学校 校長先生

つくば市立竹園東小学校 田村実枝子校長先生

住所:茨城県つくば市竹園3-13
電話番号:029-851-2032

http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-east-e/

※記事内容は2014(平成26)年7月に実施した取材に基づいて作成しています。

緑豊かな環境下での 国際色豊かな学校教育/つくば市立竹園東小学校 田村実枝子 校長先生
所在地:茨城県つくば市竹園3-13 
電話番号:029-851-2032
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-east-..

自立した女性を輩出する名門女子大学本部

生涯にわたる学びを支援するため 時代のニーズに合わせた講座を開催する/津田梅子記念交流館 吉田真理子 教授


津田梅子記念交流館
交流館長 吉田真理子 教授

生涯にわたる学びを支援するため
時代のニーズに合わせた講座を開催する

武蔵野の豊かな自然が満喫できるベッドタウン、恋ヶ窪エリア。有名大学が点在する学園都市でもあり、教育に適した落ち着いた環境が整っている。このエリアで質の高い教育を実践している施設のひとつに「津田塾大学」がある。小平キャンパス内にある「津田梅子記念交流館」では在学生だけではなく地域市民や子どもたちにも門戸を開き、公開講座をはじめさまざまなプログラムを実施しているという。そこで今回は交流館の役割やどんな講座を開いているのか、館長の吉田真理子教授にお話を伺ってきた。

まずは地域に対する「津田梅子記念交流館」の役割を教えてください。

津田塾大学  小平キャンパス 外観津田梅子記念交流館 外観

交流館は、津田塾大学創立百周年(2000〔平成12〕年)を記念し、卒業生をはじめ、多くの方の寄付のもとに設立されました。建物は、もともとこの場所にあった卒業生寄贈のチャペルに増築する形で造られ、在校生、卒業生、そして地域の方々との交流の場となっています。女性の自立を目指して創設された津田塾大学の建学の精神に基づき、生涯にわたる学びをサポートしようというのが、施設の理念です。 交流を主要なコンセプトとして、これまで市民生涯学習講座や親睦コンサート、展示、学生主体の子ども向け英語講座など、さまざまなプログラムを開催してきました。

交流館自体も開放感があり、周囲の緑豊かな環境と調和した素敵な建物になっていますね。建設時にコンセプトなどはあったのでしょうか。

津田塾大学  小平キャンパス ウッドデッキウッドデッキのある中庭スペース

周りの武蔵野の自然との調和が重要なコンセプトになっています。象徴的なのが、建物中央にあるウッドデッキの中庭です。西側の林がバックドロップ(背景)となるような木の簡易ステージが設けられています。自然との一体感を味わえる小さな野外劇場としても利用できる造りになっています。

津田塾大学  小平キャンパス 教室2階セミナー室

また、2階のセミナー室は周りがすべてガラス張りなので、まるで緑の中に浮かんだ空間という印象を受けます。交流館の講座で使うだけでなく、授業でこちらの部屋を希望される先生もたくさんいらっしゃいます。

子ども英語プログラムからヨガ、マネー学まで、講座の内容を拝見すると多岐に渡りますが、どなたが企画されているのでしょうか。

事務局は交流館の事務室が担当し、企画の検討は、本学の教員と同窓会選出の委員から構成される交流館運営委員会の月例会で話し合われます。交流館長は同委員会の委員長でもあります。

開講している講座は継続しているものが多く、特に翻訳を体験できる講座はリピーターが複数いる人気講座です。実施していく中で要望があれば、その講座を定期的なメニューとして続けていきます。ご希望やご提案いただいた新企画は運営委員会で審議し、新しい講座として開設しています。

津田梅子記念交流館インタビュー1階・ソファーのあるラウンジで「きり絵展」開催
提供:津田梅子記念交流館・事務室

講師は本学教員のほか、他大学で教鞭をとられている方、専門家として活躍されている方々にお願いしています。各界で活躍している卒業生に講師を依頼することもあります。
ソファーのあるラウンジでは展示なども行われます。掲載させていただいている切り絵展の写真ですが、本学卒業生できり絵作家になった種村千明氏の作品展を開催したときのものです。

市民生涯学習講座は実際にはどのような方が参加されているのでしょうか。また、参加された方々の感想や反応などをお聞かせください。

年少者から高齢の方まで、幅広い年齢層の方が参加されています。小平市を中心に近隣地域から参加される方が多いですが、講座によっては地方から参加する方もいらっしゃいます。広報は交流館のホームページや大学の公式ホームページ、小平市報などで行います。

ワークショップ型の講座は、特に参加者の方の満足度が高いです。2014年に開講した「大人のためのマネー学」は、金融消費者問題のエキスパートになった卒業生を講師に迎え、今注目のNISAも含めてお話していただいたところ、「とても良かった」「講座に参加してから買えばよかった」など反響が大きかったです。

子ども向けのプログラムにはどんなものがありますか?実施にあたり意識されているポイントなども教えてください。

津田塾大学  小平キャンパス 子ども1階の教室スペースでの
「春休み子ども英語クラブ」の様子
提供:津田梅子記念交流館・事務室

小・中学生を対象にした「春休み講座 子ども英語クラブ」、「夏休み子ども英語プログラム―津田塾生とつくる英語劇」、秋には1日だけのプログラム「Let’s 国際交流」を実施しています。春のプログラムは英語の歌やチャンツ、絵本の読み聞かせ、調べ学習などを子どもたちの春休み5日間を利用して行っています。夏休みのプログラムは1週間のプログラムですが、最終日には子どもたちが英語劇を発表します。秋に行う「Let’s 国際交流」では、すでに世界28か国からゲスト・スピーカーを迎えています。子どもたちは、ゲストの国の文化やことばについて英語をとおして学びます。

「小学生英語のひろば」という本学教員と学生とでつくる自主フォーラムが企画・運営していますが、あくまで学生たちの自主性を尊重し、教員はそのサポート役にまわっています。例えば、夏休みの英語劇プログラムは、2015年(平成27年)度で10周年を迎えますが、そのプログラムの準備には約半年間かけます。毎年15名程度の学生が自主的に関わり創り上げています。学年、学科を越えて協力しあい、学生たちにとって非常によい経験になっています。

そもそも、これらの取り組みは、小学校高学年で英語が必修化されるよりも10年以上前に、英語に初めて触れる地域の子どもたちに英語のプログラムを提供する目的で、本学教員と学生とが「小学生英語のひろば」という自主フォーラムを立ち上げたところからスタートしています。設立当初から、近隣の小学校への出張授業や「放課後子ども教室」などでの実践を積み重ねてきた歴史があります。また、現在では、小学校での外国語(英語)活動に「ひろば」に所属する学生たちが学習ボランティアとして積極的に参加しています。

英語プログラムに参加されている子どもたちの様子はいかがでしょうか?

津田塾大学  小平キャンパス 応援夏休み子ども英語劇『ピノキオ』
クジラのセットの中での記念撮影
提供:津田梅子記念交流館・事務室

夏の英語劇は小学5・6年生と中学1年生が対象で、定員は約15人です。リピーターが多く、姉妹で合わせて6年間参加してくれたケースもあります。このお子さんは「将来、英語の先生になりたい」と言ってプログラムを卒業していきました。主に近隣の小・中学校に広報していますが、ホームページや知人からの情報で、夏休みを利用して新潟や北海道、大阪などからも参加者があります。

子どもたちは友達と一緒というより、個別に応募してくるケースが多いのですが、初日の午前中こそ緊張していても、学生も交えて一緒にお昼を食べたり、いろいろ話すうちに打ち解けて明るい笑顔になってきます。好奇心旺盛な子どもたちの吸収力には目を見張るものがあります。英語劇についても、リピーターや年上の子たちが年下の子や初めて英語を学ぶ子を励まし引っ張っていってくれます。そして、最終日の発表では、子どもたちの堂々した姿、英語での豊かな表現力に、保護者や学生たち、一般の観客も拍手喝采しています。

最後に、小平キャンパス周辺の魅力について、教えてください。

玉川上水緑道(小川橋付近)玉川上水緑道

キャンパス近くには玉川上水も流れています。自然が豊かでとても静かな環境にあるため、学生は勉強に集中できます。都心へのアクセスがいいのも魅力です。体育館や図書館、公民館などの公共施設も多く、とても住みやすい地域です。

津田塾大学  小平キャンパス 吉田教授

今回、話を聞いた人

津田梅子記念交流館

交流館長 吉田真理子 教授

津田梅子記念交流館
所在地:東京都小平市津田町2-1-1
電話番号:042‐342‐5146
URL:http://koryukan.tsuda.ac.jp/

※2015(平成27)年1月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

生涯にわたる学びを支援するため 時代のニーズに合わせた講座を開催する/津田梅子記念交流館 吉田真理子 教授
所在地:東京都小平市津田町2-1-1 
電話番号:042-342-5111
https://www.tsuda.ac.jp/

「学校公開週間」で地域と連携する中学校

文化的な土壌に恵まれた教育環境/小平市立小平第四中学校 芝田博 校長先生


小平市立小平第四中学校
校長 芝田 博先生

文化的な土壌に恵まれ
落ち着いた教育環境における学校生活

玉川上水のせせらぎを身近に感じることのできる「小平市立小平第四中学校」。門標には学校名が記され、その下には“湯川秀樹”の文字も見える。初代校長が、同氏にお願いして書いていただいた字とのこと。アカデミズムの香りがただよい、また近くには「平櫛田中彫刻美術館」もある。周辺環境に恵まれた同校を訪ね、芝田校長にお話を伺った。

「小平市立小平第四中学校」の概要について聞かせてください。

小平市立小平第四中学校インタビュー

本校は、1965(昭和40)年4月に開校しました。“自分で考え進んで実践する人間・公共心に富み情操豊かな人間・勤労を尊び責任を重んじる人間・健康でたくましい人間”の育成を教育目標に掲げています。

小平市立小平第四中学校インタビュー

校歌は作曲家・渡邊浦人氏と詩人・草野心平氏の手によるもので、校名が掘ってある門標は、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹先生に書いて頂いた字が基になっています。いずれも“生徒に一流のものを与えたい”という初代校長の考えがあったからに他なりません。

近隣の幼稚園や小学校、また大学との連携について伺えますか?

小平市立小平第四中学校:幼児とのふれあい体験の様子幼児とのふれあい体験の様子
(提供:小平市立小平第四中学校)

家庭科のなかに、2年生が半日間、クラスごとに保育園を訪ねて保育士の手伝いをする「幼児とのふれあい体験」という授業があります。また、大学との連携については、様々な理由から教室に入れない生徒のために、授業補助という形で「津田塾大学」などの学生が毎日来てくれます。

学校生活をサポートする「学校支援ボランティア」という制度があるそうですね。

小平市立小平第四中学校インタビュー

卒業生の保護者が中心となり、様々な場面で協力していただいています。彫刻刀を使用する授業であれば、大人の目が多ければ多いに越したことはありません。こうしたサポートは、我々としても本当にありがたく思っています。

部活動について伺いたいのですが、参加率はいかがでしょうか。

小平市立小平第四中学校インタビュー

生徒の9割近くが参加しています。男子バスケットボール部や、サッカー部、男子バレーボール部は都大会の常連です。実業団のバレーボールチームがあった街なので、その名残も少しあるような印象を受けています。

学校行事の「地域めぐり」について、少し具体的に教えてください。

小平市立小平第四中学校:地域巡りの様子地域めぐりの様子
(提供:小平市立小平第四中学校)

「地域めぐり」というのは、1年生が班ごとに「小金井公園」を訪ねるものです。地域の魅力を知るだけでなく、修学旅行を見据えた班行動の予行演習という意味合いもあります。

毎年12月には「落ち葉掃きボランティア」を募っていると伺いました。

小平市立小平第四中学校:落ち葉掃きボランティア落ち葉掃きボランティアの様子
(提供:小平市立小平第四中学校)

本校の近くには玉川上水の流れがあり、その両岸には豊富な緑があります。秋から冬に掛けては、その周辺は落ち葉だらけになってしまうので、生徒の手を借りることになりました。期間中は毎日50名近い生徒が参加してくれます。

最後に、学校の周辺、また街の魅力について聞かせてください。

平櫛田中彫刻美術館「平櫛田中彫刻美術館」

近代を代表する彫刻家・平櫛田中氏が晩年を過ごした小平市。本校の近くには「平櫛田中彫刻美術館」があり、授業の一環として同館を訪ねる小学校もあるそうです。こうした文化的な土壌に加え、カルガモが雛を引き連れて歩いているなど、穏やかな雰囲気があることも魅力のひとつではないかと思います。

小平市立小平第四中学校インタビュー

今回、話を聞いた人

小平市立小平第四中学校

校長 芝田 博先生

住所:東京都小平市学園西町1-3-1
電話番号:042-341-4344
http://www.kodaira.ed.jp/34kodaira/

※2014年12月に実施した取材に基づいた記事です。内容については今後変わる場合がございます。

文化的な土壌に恵まれた教育環境/小平市立小平第四中学校 芝田博 校長先生
所在地:東京都小平市学園西町1-3-1 
電話番号:042-341-4344
https://www.kodaira.ed.jp/34kodaira/

地域密着のスローフードで、 食の素晴らしさを伝えたい/れすとらん さいとう 齊藤良治さん


れすとらん さいとう
店主 齊藤良治さん

“地域密着のスローフードで、
食の楽しさ・素晴らしさを伝えたい。”
菊名のカジュアルフレンチ「れすとらん さいとう」。

「菊名」駅から徒歩5分。お箸で気軽に食べられるカジュアルフレンチ「れすとらん さいとう」。地産地消にこだわり、横浜育ちの野菜と三浦半島の漁港で仕入れた魚介類等を、日本の調味料を使ってフレンチに仕上げている。手間をかけることを厭わずパンやアイスクリームまで手作りというこだわりよう。今回はシェフの齊藤良治さんにお話を伺った。

まず、「れすとらん さいとう」のテーマやコンセプトをお聞かせいただけますでしょうか。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

「れすとらん さいとう」は、2005(平成17)年5月にオープンして、2015(平成27)年で10周年を迎えます。
私の料理は、日本で生まれ育ち培ってきた味覚を存分に活かし、醤油や味噌、麹、ごま油などを使用しています。日本の気候風土の中で育った食材を使って調理し、お客様に召し上がっていただくわけですから、日本の調味料を使うのが一番しっくりくると考えているのです。いわば“和のフレンチ”といったものです。

そうしたコンセプトもあり、店名は敢えてひらがなで「れすとらん」としました。また、お客様には、肩肘を張らずにお箸でも気軽に召し上がっていただきたいので、カジュアルさもテーマにしています。値段も手ごろに設定しておりますので、どなたでも気軽ににご来店いただければと思います。

「食の大切さ、素晴らしさに」に魅せられ今に至ったと伺いましたが、お店をオープンするまでの経緯を教えていただけますでしょうか。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

私は元々、出版社で働いていました。毎日ハードで、デスクワークをしながらおにぎりを頬張る、というような生活から、ストレスで体を壊してしまいました。
そこが運命の分かれ道で、体が治ったら味覚がものすごく鋭敏になってしまったのです。自然の物は美味しく感じるのですが、添加物が入っているものは、苦く感じて、普段はわからない味までキャッチできるようになってしまいました。

例えば、飴を食べても、最後まで食べることができなくて捨ててしまったり…。そんな時に、父のやっている家庭菜園で朝獲りのキュウリを食べたら、“何だこの美味しさは!なぜこんな美味しいんだろう!”と、驚きました。「食べる」とは、こういうことなのかと目からウロコが落ちました。

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

自然の恵みを美味しく食べることはとても大事なことなんだと気づき、それまで趣味でやっていた料理に本格的に力を入れ始めました。それから間もなく脱サラをし、料理の専門学校に入り、基礎を修得した時点で学校も辞めて、以前からいいなと思っていたお店でパティシエとして働き始めました。その後、独立をしてこの店を開きました。

なぜフレンチを選ばれたのでしょうか。

れすとらん さいとう

洋食をやりたかったからです。気軽に利用できるビストロのようなものをやれたらいいなと昔から思っていました。
その点で、フレンチは技法的にも応用が効くと言われているので、フレンチを選びました。例えば、美味しい出汁も取れるので、ラーメン屋もできるじゃないですか(笑)。仕込みに手間をかけて出すというフレンチのスタイルが、僕は好きなんです。

この菊名の街にお店を開かれたのはなぜなのでしょう。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

私は菊名が地元なんです。この辺りにはこういう雰囲気のお店があまりないので、ちょうどいいと思いました。また、何の実績もないところからのスタートだったので、まず知り合いがいるところで始めたかったということもあります。

「スローフードな料理」をテーマにされていますが、
齊藤さんの考える“スローフード”とは、どのようなものなのでしょうか。

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

昔からある「身土不二(しんどふじ)」という、その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良い、という考え方です。その土地に暮らしている人は、その土地の恵みを受けて、食するわけで、それが本来の姿だと思うのです。今は流通が発達しているので、北は北海道、南は沖縄まで各地の食材も多く入ってきますが、人間はそこの土地で生き、そこの水を飲んでいるので、そこの水で作られた野菜を食べた方が、体にしっくりくるのではないでしょうか。今でいう「地産地消」ですね。それが私が考える“スローフード”です。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

野菜は生き物なので、ストレスを感じるんですよ。ぎゅうぎゅう詰めの箱で運ばれて来たら、美味しくなくなってしまいます。そう考えると、今までそこの畑でなっていた物を食べた方が美味しいし、同じ水で生きているわけなので、体にもすっと入ります。感覚でしかないのですけれど、それが人間の本来の姿だと思いますね。

齊藤さんが料理に使用している、地場の食材へのこだわりやその魅力などを教えてください。

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

野菜は地元の契約農家のものを中心に、魚介類は三浦半島の漁港で仕入れた魚介類等を使っています。

意外と知られていないのですが、実は横浜市は農業が盛んで、各地に農業専用地区というものがあります。横浜市も農業をサポートしているので、市の8%くらい(※)が農地なんです。そうした土壌もありますから、うちの野菜は100%地元の契約農家の方と直売所から仕入れています。

野菜は人が作るので、その人柄が表れるんです。農薬がたくさん使われた野菜よりは、なるべく農薬を使わずに作られた野菜を使いたいですね。その方がきっと野菜本来の味を感じられますし、安心してお客様に提供できます。農家の方と話すと、どうやって作っているのかも教えてくれます。それだったら安心して使えるなって。僕も農家の方たちに頑張ってもらいたいので、お互い助け合いながらやっていけたらいいなと思います。

れすとらん さいとう 齊藤さん スズキ

魚介類については、三浦半島の漁港から仕入れた魚介類を配送してくれる業者があり、週に2回届けてくれます。朝電話が入って、「今日はこういうのがあるんですが、どうですか?」という感じでやり取りをしています。メニューは魚のカルパッチョとか、魚のポワレとだけ書いていて、魚の種類は水揚げ次第。その日に届いた新鮮な魚で作ります。

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

農産物を作る人がいて、私が料理をして、お客様に食べてもらう。それぞれ気持ちがこもっているんですよ。農家の方が野菜に込めた気持ちもあるし、僕が料理に気持ちを込めてお客様に出す。生産者の顔を見て料理を作るのと、市場から流れてきた野菜を使うのとじゃ違うと思います。

 

作った方がどういう人かも知っているし、今年はちょっと苦労しちゃったんだよ、というような話も聞いていれば、その想いはお皿に盛りこめる。いろんな想いが詰まっている訳で、それをキャッチボールと言うか、伝え合うのが地産地消だと思います。

※参考
2015(平成27)年1月横浜市環境創造局作成「横濱都市農業推進プラン」資料より
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/nousan/images/nougyoplanall.pdf

食材だけでなく、料理を作ることに対するこだわりについても聞かせてください。

れすとらん さいとう 齊藤さん 厨房

やっぱり「手作り」ですね。想いを料理を通してお客様に伝えたい、料理で会話ができればいい、という気持ちがあるので、手作りにこだわっています。パンも焼いていますし、アイスクリームも作っています。手間暇は掛かりますが、うちじゃないと食べられない料理を出したい。僕が体を壊して味覚が戻った時に感じた、あの食の素晴らしさを伝えたいのです。

美味しいだけじゃなく、驚きや味の組み合わせがプラスされると、さらに喜んでもらえるかな、と思ってメニューを考えています。例えば、「牛フィレ肉のステーキ」。リンゴとじゃがいもとキウイとビーツを使用して作っているのですが、リンゴはバターで炒めて塩をふります。

キウイは甘いソース。塩の効いた牛肉とリンゴとキウイのソースを一緒に食べると美味しいんですよ。ビーツは甜菜(テンサイ)とも呼ばれていて、甘いソースなのですが、お肉の付け合わせには通常はあまり使われません。そうした普段に無い味の組み合わせを、面白く食べてもらいたいです。

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

あとは見た目にもこだわっています。見た目が綺麗でないと、美味しそうには見えません。だからといって、高級フレンチみたいに凝った盛付けをしているということではないんです。例えば、今メニューで出している7種類の大根を使った魚料理。ビタミン大根の緑、紅くるり大根の鮮やかな赤い色、味いちばん紫の紫色、黒長大根は周りは黒く中は白、赤峰大根は縁取りが赤い、聖護院大根の白、三浦大根はみぞれおろしソース。

決して複雑ではないですが、いろんな色を組み合わせたりして、綺麗に仕上げています。

料理教室や食育のイベントなども開催されているようですが、そうした活動にはどのような想いがあるのでしょうか。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

きっかけは、地元の小学校の栄養士さんに話を聞きに行った時のことです。そしたら、最近の子は魚が三枚に下した状態で泳いでいると思っていたとか、カットされた野菜しか見たことが無くて、原型を知らないと聞いて、これはいけない、と思いました。自分にやれることはやらなきゃいけないな、と。

 

毎年夏休みには食育料理教室をやっています。学校だけじゃなく、区役所などからも味覚の授業をやってほしいなど、様々な依頼があります。子どもって、味覚が一番鋭敏な時期なんです。舌にある、味を感じる味雷(みらい)の数は、小学校高学年がピークで、あとは減っていきます。ですので、いろいろな味を伝えるには小学生がベストだと思っています。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

その時期にしっかりとした味覚を体感させること。僕の場合は「生で食べなさい」ということを伝えます。例えば茄子。朝獲りの茄子は、甘くて、みんな驚きます。
いろいろな味があって、その味が重なり合って食べ物はできているんだよ、という話をしてあげることで、今後彼らの好き嫌いが無くなればいいですし、そこで味の体験をしているか否かで、その子の将来は全然違うと思います。実際にそこまでするのは難しいのですが、本当は自分で種を植えて、自分で育てた野菜で料理教室ができたらいいですね。

その他に最近では、地元の中学生の職業体験の受け入れなども行っていますよ。

お店にはどのようなお客様が来られますか?

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

老若男女問わず幅広くいらっしゃいます。地元のリピーターの方が多いですね。平日の昼は女性が多いですが、お一人様も来られます。夜は企業の方の接待や、女子会など。土日は家族連れや記念日などいろんな方が来られますね。幼いお子様もご来店できますので、テーブルにベビーカー横付けで、という方もいますよ。

れすとらん さいとう 齊藤さん インタビュー

お客様に、この店の料理は3拍子揃っているね、と言われたことがあります。「美味しい」「ヘルシー」「翌日残らない」。僕はソースに油脂を入れません。フレンチは、最後にバターを入れて乳化させたりして重くなりがちなのですが、僕はそれが嫌で、野菜のソースも、野菜と水と塩だけで作るので軽いんです。ご高齢の方にも安心して召し上がっていただけます。

齊藤さんの今後の目標や、展望を聞かせていただけますでしょうか。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

今はレストランだけですが、加工品なども作りたいと考えています。農家の方とお付き合いをしていると、大きさや形状によって「B級品」、「C級品」といった、行き場のない農産物が出てきます。捨てるにはもったいなので、加工品で何とかできれば農家の方も喜ぶし、うちで出している物を販売したらお客様にも喜んでもらえるだろうと思うのです。あとは、うちはパンとデザートも美味しいので、販売していきたいですね。総合的な「食」を、皆さんに提供していけたらいいと思います。

最後に、地元である菊名の街の魅力について教えてください。

れすとらん さいとう 齊藤さん

生活に必要な物は大体何でも揃っています。「新横浜」駅からは新幹線にも乗れますし、交通アクセスも便利です。落ち着いた雰囲気で、住みやすい街だと思いますよ。

「れすとらん さいとう」 店主インタビュー

今回、話を聞いた人

れすとらん さいとう

店主 齊藤良治さん

れすとらん さいとう
所在地:神奈川県横浜市港北区菊名6-13-41 ラピス菊名 1F
電話番号:045-434-1761
URL:http://www.restaurantsaito.com/

※記事内容は2015(平成27)年2月時点の情報です。

地域密着のスローフードで、 食の素晴らしさを伝えたい/れすとらん さいとう 齊藤良治さん
所在地:神奈川県横浜市港北区菊名6-13-41 ラピス菊名 1F
電話番号:045-434-1761
営業時間:11:30~14:30、18:00~22:00
定休日:月曜日
http://www.restaurantsaito.com/

お金では買えない舞台表現の喜びを子どもたちに 感性豊かなバレリーナを育てる/くわはらバレエアカデミー 桑原智美さん


くわはらバレエアカデミー
桑原智美さん

お金では買えない舞台表現の喜びを子どもたちに
感性豊かなバレリーナを育てる「くわはらバレエアカデミー」

「くわはらバレエアカデミー」は67年の歴史があるバレエ教室。クラシック・バレエの代表作「白鳥の湖」などを生み出した、ロシアバレエの伝統や技術を継承している。今回は、「くわはらバレエアカデミー」が運営している教室の1つ「菊名教室」について、創設者の娘さんであり、ロシアのバレエ団にも所属していたことのある講師・桑原智美さんにお話を伺った。

まず、くわはらバレエアカデミーの歴史について教えてください。

くわはらバレエアカデミー

1948(昭和23)年に「石塚洋子バレエ研究所」として始まり、1969(昭和44)年に「石塚千香子バレエ研究所」、1973(昭和48)年に「石塚千香子・桑原君昴バレエ研究所」と発展してゆき、1978(昭和53)年の創立30周年を機に、現在の「くわはらバレエアカデミー」になりました。

クワハラバレエ35

私の両親でもある桑原君昴と石塚千香子が教室を始め、ここ6、7年は私が主体となってレッスンを行っています。教室はここ菊名と古淵、東京の駒込の3か所です。

講師は主に、私と母の石塚千香子、教え子である山口亜美の3人です。菊名教室で指導に当たっているのは、私と山口先生の2人です。

幼児から大人までを対象としたクラスがありますが、年齢層や通う目的は、どのような方が多いのでしょうか。

クワハラバレエ34

現在、幼稚園の年中さんから小・中・高・大学生、大人は50代の方までと幅広い年代の方が所属されています。それぞれのクラスは、5~10名で構成されています。

子どもは、たとえ将来バレリーナにならなくても、バレエ教室で表現力や感受性、感性を身に付けたいと思い、練習に励んでいます。大人の方は趣味で通われている方が多いですね。

くわはらバレエアカデミー

菊名教室に通う子どもたちは、踊ることが好きで、舞台に出ることをとても楽しみにしていますし、学業とバランスをとって取り組もうと努力しています。”やると決めたら目標に対して、きちんとやる。”という志を強く感じますね。通っている生徒については、やはり菊名に住んでいる方が多いですね。妙蓮寺や大倉山、綱島から通われている方もいます。中には溝の口や、鶴見からバスで来ている方もいらっしゃいますね。

最近では、ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人男性が優勝したりと、バレエが男女問わず親しまれているように思いますが、菊名教室ではいかがでしょうか。
桑原様のご家族のように、夫婦、親子、兄弟姉妹などで通われる方もいらっしゃいますか?

くわはらバレエアカデミー

元々バレエの発祥は、男性であるフランスのルイ14世が幼少の頃からバレエを習い、自ら踊っていたことが始まりだと伝えられています。日本では女性のイメージがまだ強くて入りづらいかもしれませんが、「くわはらバレエアカデミー」は男女関係なく随時生徒を募集しておりますので、もちろん男性の方も通われておりますよ。

クワハラバレエ04

生徒の中には、ご家族で通われている方もいらっしゃいます。お母さんが独身時代から教室に通っていて、結婚、出産してからは、赤ちゃんがスタジオをハイハイする横でレッスンをしていました。当時赤ちゃんだった娘さんもバレエを始めて、今も母と娘で通ってきてくださっています。

くわはらバレエアカデミーで習うことができる「ワガノワメソッド・ボリショイスタイル」の特徴を教えていただけますでしょうか。

クワハラバレエ14

「メソッド」というのは教授法のことです。フランス系のメソッドや、イギリス系のメソッド、アメリカ系があったりと、さまざまな種類のメソッドがあります。その中の「ワガノワメソッド」というのは、「ボリショイ」という派手な動きで魅せることが特徴的な教授法のことです。同じ国内でもカラーが若干違いますが、まとめてロシアのメソッドと呼んでいます。メソッドが違うとレッスンの内容も違ってきます。

クワハラバレエ38

ロシアの振付家が作った作品は、男性が頻繁に跳んで、動いている作品が多いですが、ヨーロッパの振付家が作った作品は、足さばきを魅せることが中心で、足の裏を使う動きが多いです。おそらく、ロシアは大劇場で、大きなスタジオがあるので、動きの大きな作品が作られ、ヨーロッパは小さな劇場で、小さなスタジオのため、動きは小さいけれども細かい足さばきを魅せる作品が増えたのではないかなと思います。

各クラスの具体的なレッスンの内容について、教えてください。

クワハラバレエ36

レベルには個人差があるので、生徒に合わせて基礎もやりつつ、テクニックも身につけられるように指導しています。クラスは、小学生までのクラスと、中学生から入ることができる大人のクラスに分けています。小学生までのクラスは、幼稚園児と小学生で分けており、また大人のクラスは中級と趣味のためのクラスで分けているので、全部で4クラスご用意しています。

 

小学生までのクラスは、フロア(床運動)とバー(棒につかまり行う練習)とセンター(スタジオの真ん中で行う練習)とトゥシューズ。大人のクラスはフロアが無く、バーとセンタートゥシューズを中心に練習しています。

それぞれの課題については、どのように対策されているのでしょうか。

クワハラバレエ05

振り付けで特に難しい箇所があるときは、レッスンの中に重点的に練習を取り入れたりしています。ロシアの教本をお手本にしていて、難しい振り付けがあったりすると、できないところを何度も繰り返して、身に着けられるように分解してやったりします。

また、自分自身の課題を発見してもらうためのテストの日を設けています。レッスンを始めた年によっても、レベルに個人差がありますので、テストの内容は各自にあった内容を考えています。

 	クワハラバレエ09

他にも、腹筋、背筋などの筋トレで一番を競います。チョコなどの景品が付いたりすると、みんな必死です(笑)。こんな風に少し工夫した内容もレッスンに取り入れることで、子どもたちも楽しんで取り組んでいます。

プロのバレエダンサーを目指す生徒などもいるのでしょうか。そうした場合、特別なレッスンやバレエ団入団への道などは開かれているのでしょうか。

クワハラバレエ39

数年に一度はプロになる生徒がいます。バレエ団に入る子もいますし、ミュージカル劇団に進む子や、ダンサーとして有名なテーマパークで活躍する卒業生もいます。

特に情熱がある生徒は、菊名と古淵両方の教室に行き来して練習しています。他の習い事と被ってしまい、自分のクラスの練習を休むことになっても、別クラスに参加して練習をするなど、両立してやろうとする生徒は伸びますね。

クワハラバレエ24

プロになりたいという子どもがいたらサポートしていますし、日本で行われる海外留学のオーディションなども自ら進んで受験するよう進めています。ですが、同時にバレエだけで暮らしていくことは厳しいという現実も伝えなければなりません。親御さんの負担も大きいので、軽い気持ちではいけません。「それでも私は、プロになりたい!」という情熱のある生徒は背中を押しています。

主な公演(発表会)についても教えてください。

くわはらバレエアカデミー

発表会は年に一度、川崎にある約1,000人収容できる会場で夏に行っています。

内容はクラスコンサート、幕もの、その時のメンバーでの3部構成にしています。クラスコンサートは各クラスごとに行い、幕ものは、みんなで大きな作品を創り上げます。数年前は「ドンキホーテ」の「夢の場」というシーンをやり、子どもは天使役として舞台に立ちました。

くわはらバレエアカデミー

大きな作品では、1人が抜けたら主役も立たないし、小さい役だからといって手抜きはできません。一人でも欠けたら作品にならないというのを理解してもらうために、みんなが参加する作品を必ず入れるようにしています。また、その時のメンバーによって、小さい作品を子どもと大人に分けて構成することもあります。穏やかな曲を踊ったら、次は元気な作品にしたりとバリエーションもつけています。

バレエを教える上で、どのような点を大切にされていますか。
また、バレエを通じて生徒さんたちにどのように変化があると感じますか。

クワハラバレエ03

子どもたちは、みんなそれぞれ個性があるので、それぞれの性格に合わせて対応しています。大人はまずは体を温めないと怪我をしてしまうので、体を壊さないように健康に注意しています。

クワハラバレエ06

生徒たちの変化としては、やはりレッスンだけではなくて、舞台を踏んだ後が大きいですね。練習して練習して、舞台の上で照明と衣装と装置が入って、お客さんの前でリアルに表現した後は、表現したいとか練習したいという気持ちは強くなります。
今の子どもたちは、自分自身のスタイルを認め、ここは劣っているけれど得意なところを生かしてやろうとか、家で自習しようとか、踊りだけじゃない部分を学んでくれています。そういうカラーの教室を発展させていけたらいいなと思います。

桑原さんにとってバレエの魅力とは何でしょうか。

くわはらバレエアカデミー

音楽と舞台装置と踊りと全部が一緒になったとき、劇場全体の空気感が変わるのがいいですね。実力のあるダンサーになると、曲が始まって、まだ舞台に出てこないで袖にいるのに、背中がゾッとする、というのをお客様に感じさせることができるんです。その場でしか味わうことのできない感覚が芸術にはありますよね。今の瞬間は二度と作れない、お金では買えない、舞台の立体的に融合された空気感はいいと思います。

最後に教室のある菊名エリアの魅力についても教えてください。

トレッサ横浜

一言で言うと、“居心地がいい”ところです。横浜市の海にも近いですし、交通アクセスが便利で東京方面、横浜方面共に行きやすく、美味しい外食のお店もあるので、生活環境としてとても魅力的です。
菊名教室の入っている「青木ビル」は、オーナーさんの意向でバレエ教室と音楽教室と学習塾がビルの中に揃っていて、教育の場になっています。特に提携はしていないですが、ピアノとバレエを合わせて習っている方もいますし、そういう教育面でも充実している環境だと思います。

クワハラバレエ37

今回、話を聞いた人

くわはらバレエアカデミー

桑原智美さん

くわはらバレエアカデミー
所在地:神奈川県横浜市港北区菊名4-3-21 青木ビル 4F
電話番号:045-401-9671
URL:http://kuwahara-ballet.jimdo.com/

※この情報は2015(平成27)年2月時点のものです。

お金では買えない舞台表現の喜びを子どもたちに 感性豊かなバレリーナを育てる/くわはらバレエアカデミー 桑原智美さん
所在地:神奈川県横浜市港北区菊名4丁目3−21 
http://kuwahara-ballet.jimdo.com/

「カジュアルで楽しい」がテーマのフィットネスクラブ

文武両道のプログラム 完全ワンストップ型学童保育サービス/ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクール 箕田紗代子さん


ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクール
チューターマネージャー 箕田紗代子さん

文武両道のプログラム
完全ワンストップ型学童保育サービス

東急田園都市線「宮崎台」駅から徒歩2分、最新の設備が揃う「ティップネス宮崎台」の中に、勉強や運動などの習い事ができ、学校からの送迎もしてくれる学童保育施設「ティップネス・キッズアフタースクール」がある。2013(平成25)年夏に開業した施設に、毎日元気な子どもたちが集まってくる。今回はこちらのチューターマネージャー、箕田紗代子さんにお話を伺った。

「ティップネス・キッズアフタースクール」とは、どんなところなのでしょうか?

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクールインタビュー

民間学童保育で実績を持つウィズダムアカデミーと提携して、お迎えやお預かりだけでなく、習い事も同じ施設で行えるアフタースクールです。習い事は「ティップネス」で行われている、スイミング、スカッシュ、バレエなどの運動系のプログラムのほか、英会話、書道、ピアノなどの知育系のプログラムがあり、知育系プログラムは専門の先生が指導します。1年生~6年生までのお子さんが対象ですが、1、2年生のお子さんが多く通っていますね。

送迎もしていただけると聞きました

ティップネス宮崎台

「ティップネス・アフタースクール」の車を使った送迎のほか、それだけでは賄えない部分はバスや電車などの公共機関を使ってお迎えをします。また、学校までのお迎えは必須になっています。今まで続けてきた習い事に通いたいというお子さんもいらっしゃるので、中抜けも可能です。その場合は、習い事の教室までも送迎しています。

1日のスケジュールはどのようになっていますか?

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクールインタビュー

ほとんどのお子さんが14時過ぎ~16時前に入室します。そのあと、用意したおやつを食べ、チューターが連絡帳を確認し、学校の宿題を行います。宿題は、チューターが答え合わせまでするようにしています。お子さん10人に対して1人のチューターがつきますので、細かいところまで目がいき届くようになっています。そのあと、16時から17時に行われる習い事に参加していて、習い事をしないお子さんは、季節のお花を調べるなど、チューターが考えたカリキュラムや工作、読書などをして過ごします。

人気の習い事はなんですか?

ティップネス宮崎台

運動系はスイミング、知育系だとそろばんや書道が人気です。英会話も人数は多いですが、やはりそろばんが人気ですね。意外だと思われるかもしれませんが、この教室はフラッシュ暗算と言って、そろばんを使わず、頭の中で暗算ができるようになることを最終目標としています。小さい時から計算になれておくことは大事なことなのだと思います。 また、クリスマス会や夏祭りなど、お子さんと一緒に計画し、季節に沿ったイベントも行っていますので、習い事をしないお子さんでも楽しめるように心がけています。

利用者はどのような方が多いのでしょうか?

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクールインタビュー

要望に合わせて、22時までお預かりを延長できますし、希望者には夕食のご用意もしますので、共働きのお母さんたちにはご好評いただいています。また、ご両親が共働きのお子さんだけでなく、習い事をさせたいと考える保護者の方も多いです。運動系と知育系の習い事を一つの場所で出来るので、教室を探す必要がないですからね。

ほかの学童保育とは異なる、アフタースクールならではのところを教えてください

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクールインタビュー

1番の魅力は、お母様が働いていてもお子さんのスケジュール管理を心配しなくてよいところだと思います。「ティップネス・アフタースクール」では、お子様の入退室をカードで管理し、自動的に保護者の方にメールが届くシステムを採用しているので、外に習い事に行くときも「時間に出て行ったかしら?」と心配する必要がありません。このサービスは好評で、嬉しいお言葉をたくさんいただいています。

定員はどのくらいでしょうか?

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクールインタビュー

現在は20名のお子さんが通っていますが、来年はすでに40名の予約をいただいています。施設の中で運動、知育系の習い事ができるということが、口コミで広がりご好評いただいています。教室の規模から、1日の定員は30名ですが、曜日ごとに分散するのでまだ余裕があります。

最後に宮崎台の魅力を教えてください。

さくら坂

宮崎台のお子さんたちは、元気がよくてのびのびとしています。街自体も落ち着いていますし、こちらの施設も大きいので、のびやかに育っているのではないでしょうか。通ってくるお子さんたちも、小学校は違うけれど、保育園が一緒でその頃から繋がりのあるお子さんもいますし、初めて会うお子さんもいます。環境は様々ですが、みんな仲良しです。 この街には、そんなおおらかな子どもを育てる環境があるのだと思います。

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクールインタビュー

今回、話を聞いた人

ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクール
チューターマネージャー 箕田紗代子さん

住所:川崎市宮前区宮崎2-10-10
電話番号:044-856-0028
http://kids.tipness.co.jp/afterschool/shop/SHP026/

※2013(平成25)年12月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

文武両道のプログラム 完全ワンストップ型学童保育サービス/ティップネス宮崎台 ティップネス・キッズアフタースクール 箕田紗代子さん
所在地:神奈川県川崎市宮前区宮崎2-10-10 
電話番号:044-856-0028
営業時間:9:30~23:00(土曜日は22:00、日曜日・祝日は20:00まで)
休館日:金曜日、年末年始、メンテナンス休館
https://tip.tipness.co.jp/shop_info/SHP0..

学校と地域に「自信と誇り」を。まちぐるみで子供たちを育てていく/葛飾区立大道中学校 殿村靖廣校長先生


葛飾区立大道中学校
校長 殿村靖廣先生

学校と地域に「自信と誇り」を
まちぐるみで子供たちを育てていく

旧水戸街道沿いにあり、開校67年目を迎えた「葛飾区立大道中学校」は、今年度から独自の取り組み「大道四人組」をスタートさせるなど、さらに大きな飛躍を遂げようとしている。地域に根差した学校として子供たちをどのように育んでいくのか、2012(平成24)年に校長に着任された殿村靖廣先生にお話を伺った。

学校の沿革についてお聞かせください

葛飾区立大道中学校 外観

学校制度が新しくなった1947(昭和22)年に、区内12番目の中学校「葛飾区立第十二中学校」として開校しました。校章には“ペンは剣よりも強し”の意味を込めて、12本のペンをあしらっています。1950(昭和25)年に、旧水戸街道(国道6号)という“大きな道”が通っている学区にあることから、「葛飾区立大道中学校」へと改称しました。

どのような教育に力を入れていらっしゃいますか

葛飾区立大道中学校 学校目標

本校が目指すのは「生徒が自信と誇りを実感できる学校」です。そうなるために、「進んで学習に励む人」「勤労と責任を重んずる人」「心豊かで健康な人」の3つを教育目標に掲げています。また、2014(平成26)年度は「葛飾区教育研究指定校(平成26・27年度)」と「葛飾区特別支援教育推進モデル校」に指定されています。子供たちに学校、そして自分に対して「自信と誇り」を持たせたいと、指定校の研究においても、新しい取り組み「大道四人組」をスタートさせました。

「大道四人組」とはユニークな響きですね。どのような試みですか

葛飾区立大道中学校 教室

学級の生活班を4人1組にし、そこでの人間関係を授業内での協同学習へ広げていこうという取り組みです。同じメンバーが生活班では給食当番や掃除などで協力し合い、授業の中では学習班として組んで「学び合い」「教え合い」をする。授業の振り返りや意見を出し合うといったことを4人グループの中で活性化させていくんです。6時限で10分ずつ協同学習をしたら、毎日1時間は話し合いができるわけで、それだけ、自分の意見を言わせること、人の意見を聞かせること、協同で作業させることは大事だと考えています。さらに、人に教えるには授業の内容を8~9割理解していなければならないので、子供たちの学習定着度は当然上がっていきます。

こうした取り組みは他校では聞いたことがありません。中学の3年間続けていくことで学習を完成させるつもりですが、今年の4月から始めたばかりで、すでに1年生はすごく変わってきました。これから、本校の生徒は「大道四人組」で大きく伸びていくと確信しています。

生活班と学習班が連動しているように、「大道四人組」では指導の“連続性”がキーワードになっています。新しい展開としては、地元の葛飾区立白鳥小学校に続いて、葛飾区立宝木塚小学校でも「四人組」の学習を始めることになっています。近隣の小学校が協同学習を取り入れてくれ、そこで学んだ生徒が本校に来てさらに「四人組」を発展させていければ、指導が連続しますよね。今、「小中連携」ということが盛んに言われていますが、一貫校でなくても、小・中学校で指導を連続させることは可能なんです。よく校長や先生が変わると学校は変わってしまうと言われていますが、人が変わっても変わらない学校は、やはり「自信と誇り」がある学校ではないでしょうか。「大道四人組」を起点にして、プライドを持てる学校にしていきたいと思っています。

学習面では他にもいろいろな取り組みをされていると伺っています

葛飾区立大道中学校 少人数学習教室

習熟度向上のため、理科・数学では2クラスを3分割した少人数クラスにしています。少人数クラスであっても、「四人組」による協同学習の要素は必ず入れています。また、プレゼンテーションの力が必要だと考え、ホワイトボードを導入しました。子供たちがきちんと書くこと、人の意見をしっかり書き留めておくこと、それを人前で発表することを重視し、そうした場面で有効活用しています。それから、このホワイトボードとセットで導入したのが、デジタイマーです。「四人組」で話し合いをしても、時間の感覚がつかみづらい。しかし、デジタルで明確に表示されれば、自然に時間の感覚が身に付くし、指導する側も時間をはっきり区切れるので、いろいろな教科で使っています。

生活指導ではどんな点に留意されていらっしゃいますか

葛飾区立大道中学校 教室

「当たり前のことを当たり前にやる」ことです。そうすることで、学校をブランド化できればいいなと思っています。例えば、地域の年少の子供たちが、「大道中学校に行くなら、きちんとこうしなければいけない」と思うような学校でなければならないということ。ですから、生徒指導では、生徒にだめなことはだめだときちんと注意します。

また「カンファレンス」という教育相談部会を設けて、カウンセラー・養護教諭・管理職・学年主任が各学年で気がかりな子どもたちの情報交換をしています。担任が一人で抱え込むのではなく、子どもの課題をチームで共有し、支援のための知恵を出し合っていく。生徒指導というのは、問題が起こってからするのではなく、子供たちの課題を早く見つけて解決してあげること、同時に子供たちの心を耕し育てていくことだと思います。

先生からご覧になった子供たちの印象を教えてください

葛飾区立大道中学校 トロフィー

本校の子供たちは素直で前向き、本当によく頑張ります。何事にも一生懸命に取り組むので、いい加減にやっている部活はひとつもありません。今年の春季大会ではサッカー部が準優勝、バスケ部は3位になりました。相撲部は毎年全国大会へ出場していて、力士の大道(十両筆頭)と千代大龍(前頭二枚目)はここの卒業生なんですよ。

子供たちの意欲を引き出すには、先生たちがものすごく頑張って指導していることが大きいですね。先生たちは休み時間になっても、子供たちから離れません。先生が常に子供たちのそばにいて、「君たちが頑張るから、先生も頑張れるんだよ」という姿勢を見せることで、いじめや不登校もなくなっていると考えています。

校内の環境・設備はいかがでしょうか

葛飾区立大道中学校 校庭

昨年、トイレの改修工事、校庭の全面改修工事が終わり、来年は校庭に夜間照明が点く予定です。今後は、きれいになった校内をこのまま維持していきたい。私は、学校は「ディズニーランド」のようでなければならないと思っているんです。「ディズニーランド」では、「ごみが落ちていないから、捨てられない」という人の心理現象があるはず。つまり、常にきれいな環境を作っておけば、生徒たちも汚そうとは思わない。だから、きれいな環境で生活させることが重要だと思っています。

職員室の廊下には、卒業生が制作した美術作品を飾っています。私が持ってきた鈴虫も飼育していたり、理科室ではヤマメとサケもいて、いろいろ飼っているんです(笑)。学校の雰囲気がよくなれば、自然と生徒たちもいい雰囲気になるので、どういう空気感にしていくかが大事だと思っています。

地域との連携はどのようになさっていますか

葛飾区立大道中学校 地域

葛飾区には学校地域応援団もありますが、地域の方たちに学校に入っていただくことがすごく大事だと思います。イメージは“おらが村”の学校です。地域の方たちが「応援しているよ」「協力するよ」という姿勢を取ってくだされば、子供たちにとって絶対ためになる。地域の方にとっても、「自分たちが関わったことで、子供たちがこういう風に成長していったんだ」とすごく自慢になるのではないでしょうか。それが、地域に根差した学校が進むべき姿だと思います。

具体的な取り組みとしては、子供たちと応援団が声をかけて集まってくださった地域の方たちが一緒になってボランティア清掃に取り組んだり、地元の祭礼で神輿をかついだりしています。先日は白鳥東町会から祭りの半てん50着をいただきまして、お礼に体育祭で半てんを着た生徒たちがソーラン節を踊りました。祭りの時には半てんを着て、神輿を担ぎに行こうと話しています。背中に「大道」の文字が入った半てんを着て外に行くと、自分の学校への「自信と誇り」になる。地元の方も嬉しいと思いますし、そういう関係はとても大事だと思います。

「運動会ボランティア」というのもあって、宝木塚小学校の運動会へ毎年、同校出身の2・3年生有志が手伝いに行きます。自分の母校を手伝えたら、その子たちの自信になる。小学生にとっては卒業した先輩であり、地域のご父兄からしたら、“だれだれちゃん”だとわかる。まさに町ぐるみのつながりですよね。そして、運動会を通じて、大道中学校へ行きたいという子どもたちが出てきたら、それも生徒たちのプライドにつながる。しかも、連続した関係性が生まれると思います。

今年から学校を開放して「ホタルの夕べ」も始められたそうですね

葛飾区立大道中学校 ホタル

亀有~四つ木に渡る親水公園はもともと曳舟川だった所で、昔はホタルが飛んでいました。そこで、本校と宝木塚小学校とで協力してホタルを甦らせようということになり、両校でホタルを育てて、ホタルが光るようになったら、「ホタルの夕べ」を開いて地域の人たちに公開しています。先日、本校で開いた「ホタルの夕べ」には生徒と地元の人たち合わせて300人以上が集まり、すごく賑やかでした。本校ではマルチ部の生徒たちが先生と一緒にホタルを飼育していますが、ぜひ地域の方たちも手伝ってほしいですね。学校の取り組みに自分たちも関わっているということになれば、地域も「自信と誇り」が持てるようになり、街がさらによくなるのではないでしょうか。

お花茶屋エリアの魅力を教えてください

葛飾区立大道中学校

学校に対してすごく協力的で、温かい目で見守ってくださる方が多いですね。町内会やPTA役員には卒業生が大勢いて、学校をとても大事にしてくださいます。町内会から贈られた半てんにしても、町会長が子どもたちが頑張っている姿を見て、「なんとか応援してあげたい」と作ってくれました。そういう温かい地域性があると思います。子どもたちがこれを着ることでまた地域とつながれるし、本当にありがたいことです。

本校が「自信と誇り」を持った学校になることはもちろん、“おらが村”の学校に関わることで、最終的には地域が「自信と誇り」を持って、「ホタルの夕べ」などで地域との連鎖がもっと出てくればうれしいですね。街の人と一緒に子供を育てていけば、学校も地域もよくなる。そのための「自信と誇り」であり、学校のブランド化だと考えています。

今回、話を聞いた人

葛飾区立大道中学校 校長先生

葛飾区立大道中学校 校長 殿村靖廣先生

住所:東京都葛飾区四つ木5-22-1
電話番号:03-3693-3350

https://school.katsushika.ed.jp/swas/index.php?id=daidou_j

※記事内容は2014(平成26)年6月時点の情報です。

学校と地域に「自信と誇り」を。まちぐるみで子供たちを育てていく/葛飾区立大道中学校 殿村靖廣校長先生
所在地:東京都葛飾区四つ木5-22-1 
電話番号:03-3693-3350
https://school.katsushika.ed.jp/swas/ind..

1961(昭和36)年開校の歴史ある小学校

地域・保護者との絆を深め子どもたちを育む伝統校/調布市立若葉小学校 星野由美子校長先生


調布市立若葉小学校
校長 星野由美子 先生

地域・保護者と絆を深め
子どもたちを育む伝統校

「調布市立若葉小学校」は文教地区の落ち着きと美しい街並みを見せる若葉町にある公立小学校。森や川など武蔵野の豊かな自然に抱かれた絶好の教育環境の中、計18クラス約600名の児童が学んでいる中規模校だ。2013(平成25)年度に開校50周年を迎えた伝統校において、地域や保護者と連携した学習活動を中心に、校長の星野由美子先生にお話を伺った。

「調布市立若葉小学校」の沿革についてお聞かせください。

調布市立若葉小学校

本校は1963(昭和38)年、調布市で10番目の学校として開校しました。鉄筋コンクリート3階建の市内で初めての鉄筋校舎です。当時の建物に増改築を加えて現在に至っています。開校50周年を迎えた昨年は、各学級から出された意見を代表委員会がまとめてスローガンを決め、全校募集で“50周年キャラクター”を決めるなど、50周年をかなり盛大に祝うことができました。

調布市立若葉小学校

50年が経って学校の周りにあった田んぼや畑は住宅地になりましたが、学校のある場所や古い校舎、学校を取り巻く若葉の森は開校当時のままなので、卒業生たちがとても懐かしがってくれます。学校から森を見渡すと、春は桜、秋は紅葉、冬には木々に積もった雪が見えて、とてもきれいです。

この50年で築き上げてきた若葉小の校風とはどのようなものでしょうか。

調布市立若葉小学校 校舎

本校は地域との絆が非常に強い学校です。PTAや地域の諸団体など地域の方たちが主体となって毎年、子どもたちのために夏祭りや運動会を開催してくれます。地域と連携して子どもたちを育てるという基盤がしっかりとできています。また、パトロールやあいさつ運動、ソフトボールの練習など、地域の方たちがいろいろな場面で子どもたちに関わってくださるので、子どもたちがすごく守られていると感じます。地域の方が声をかけてくださり、助けられている部分がとても多いです。

一方、豊かな自然環境に恵まれている子どもたちは優しくて穏やかです。生活指導をあまりしなくてもお掃除やあいさつがきちんとできる子どもたちなので、50年が経過した建物もきれいに維持されています。

若葉小の教育目標について教えてください。

調布市立若葉小学校 校長先生インタビュー

教育目標は「かしこく やさしく たくましく」。今年度は「しっかり考え すすんで学ぶ子」を重点目標とし、研究発表を行ったり、学力向上を目指したりしています。

私が始業式や入学式で毎年必ず話をするのは、「自分でする みんなでする つづける」ということです。「自分でする」というのは「自立」、「みんなでする」というのは集団生活の中で必要な「協調性」、そして何事にも継続しなければ力が身につかないので、「つづける」つまり「継続」ということを大切にしています。このようなことが身につけば、中学生、そして大人になっても役立つと思います。

学習の特色や力を入れていることはどんなことでしょうか。

調布市立若葉小学校

言語力を高めるため、言語環境をよくする取り組みをしています。例えば、火曜の作文、水曜の読書、金曜の読み聞かせを朝10分程度全校で実施しています。作文では段落ごとに分けて書くなど、ポイントを指示して書かせることで、最初は書けなかった子どもでもだいぶ書けるようになってきました。保護者との連携にかなり力を入れていることも特色で、読み聞かせは保護者の方にご協力いただき、年間12回以上、多いクラスで19回も行っています。

調布市立若葉小学校

また、字を書くスピードによって学力に差が出てしまうので、こうした朝の活動に加えて週1回、文章を書き写す「視写」の時間も設けています。他校と違うのは、1年生から辞書を活用していることです。1年生のうちは特定のページに書かれていることを話してもらうなど辞書に親しむ活動をして、高学年になると自分の辞書を使って学習を進めていきます。こうした取り組みにより、学力調査などいろいろなところで成果が出てきていますね。

国語では調布市教育委員会研究推進校、東京都言語能力向上拠点校に指定されているそうですね。具体的な取り組みについて教えてください。

調布市立若葉小学校

さきほどの言語環境の改善に加え、年に6~7回、授業力を高めていくための研究授業を行っています。まず、各学年でこういう授業をしようと手立てを工夫します。その後、各クラスで順に授業をし、それを私や学年の先生方が見て問題点を修正していきます。そして最終的に学年提案として実施される授業を全学年の先生が見て研究します。一部の先生だけでなく、教師全員が関わって自分たちの授業力を高めていきます。この研究授業には言語教育の専門家である外部講師の方もお呼びしています。

保護者や地域の方たちとの交流では、学校支援地域本部を設置していらっしゃると伺いました。

調布市立若葉小学校 校長先生インタビュー

地域支援コーディネーターを中心に、地域の人材や保護者の支援を活かしたさまざまな交流・体験学習に取り組んでいます。学校だけではなかなか地域の状況がわからないので、地域に精通し、なおかつ地域の方に声をかけやすい方にコーディネーターをお願いして、学校・地域・保護者の仲立ちをしていただくという形です。

調布市立若葉小学校 校長先生インタビュー

交流・体験学習のひとつが、「サマーチャレンジわかば」です。地域支援コーディネーターが内容や講師をコーディネートして地域の方が講師となり、夏休みに学校でフラワーアレンジメントやお茶、書道、浴衣の着付け教室など、約40講座もある体験教室を開いています。このほか、「道徳授業地区公開講座」の講師の紹介や、校内清掃での地域諸団体への協力呼び掛けなどでも地域支援コーディネーターに橋渡しをしていただいています。

 

昨年は地域ボランティアの協力で校内のホタル池でホタルを育てて光らせるプロジェクトにも取り組み、今は学校近くの畑の活用について計画している最中です。保護者の方たちも非常に協力的で、「サマーチャレンジわかば」の受付や後片付け、読み聞かせのほか、商店街での校外学習の手伝いや遠足の付き添いなどをしていただいています。

地域行事にも積極的に参加されていらっしゃいますね。

調布市立若葉小学校

夏祭りや秋の運動会、冬のお茶会など、地域の方が子どもたちのために学校でいろいろな地域行事を開いてくださっています。お茶会ではお茶を飲むだけでなく、凧揚げや羽根つきなどの伝承遊びもします。また、若葉地区協議会が開いてくださる、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんを交えての3世代交流会というのもあります。

調布市立若葉小学校

子どもも地域の中にいる存在なので、こうした地域行事にはなるべく参加させるようにしています。すると、学校では目立たない子がすごくやる気満々だったりと、学校にいる時とは違う面が見えたりします。地域行事が子どもたちのものの見方、世界観を変える機会にもなっているのです。家庭や地域の中での子どもの状況を見るため、私もほとんどの行事に出席しています。

調布市立若葉小学校 校長先生インタビュー

こうした行事が多いのは、地域の方たちが「ここが故郷なんだよ」「いつでも帰ってきてほしい」という思いで子どもたちを育てているからです。ですから、夏祭りでは別々の学校に行った卒業生たちが必ず顔を出します。そうした“故郷意識”がずっと続いてきた地域なので、学校もそれを無くしてはいけないと思っています。

周辺の幼稚園や隣接する「調布市立第四中学校」との連携についてはいかがですか。

調布市立若葉小学校

幼稚園については、来年小学校に上がる年長組の園児に1年生の授業を公開し、学校に遊びに来てもらっています。「調布市立第四中学校」とは日ごろから連携しています。例えば、夏祭りでは本校の音楽クラブと音楽委員会の児童が「調布市立第四中学校」の吹奏楽部の生徒たちと合同演奏を行い、夏休みの合同練習では卒業生など中学生から教えてもらっています。また、すぐ隣同士で災害時には一緒に行動することになるので、災害時の協力体制について話し合う協議会を設け、調布市防災協力の日には合同で避難所設営訓練を行っています。このほか、防犯に関する会議も月1回ぐらいのペースで実施しています。両校の教員が毎年合同研修会を開き、地域を知るための勉強会を開くなどしています。

「桐朋学園」などをはじめ、エリアには教育施設が多いですが、アカデミックな環境を活かした活動はあるでしょうか。

調布市立若葉小学校 校長先生インタビュー

「桐朋学園」の教員家庭のお子さんが本校に通っていらっしゃるという関係から、今年は夏祭りに「桐朋学園」のダンスクラブの方に来て踊っていただきました。地域の小中学生が大勢見学していました。また、「桐朋学園」の学生が「調布市立第四中学校」の吹奏楽部で指導しているので、吹奏楽部との合同練習の際に一緒に指導していただいたこともあります。同じ地域にある学校なので、こうした交流はこれからも続けていきたいですね。

子どもたちが育つ場として、周辺の教育環境について教えてください。

武者小路実篤記念館・実篤公園

「調布市立第四中学校」、都立の「神代高等学校」、私立の「桐朋学園」があり、学校の前には「調布市立図書館 若葉分館」 、その先には児童館、近くには「武者小路実篤記念館・実篤公園」もあるなど、本当に文教地域なんです。図書館では本を借りられるし、児童館に行けば遊べるし、実篤記念館では文化的なものに親しむことができます。本校の児童は3年生になると、図書館に見学に行き本の借り方を学びますが、調べ学習や読書などで子どもたちはよく利用しています。また、「仙川商店街」という大きな商店街があり、校外学習の探検隊などでお世話になっています。自然があり、文教的な場所や、にぎやかな場所もあるなど、近くでいろいろな学習体験ができる地域だと感じています。

自然環境が豊かな場所ですが、子どもたちの様子はいかがでしょうか。

祖師谷公園

私がこれまでいた学校ではハチが飛んでくると子どもたちがびっくりしていたのですが、本校では子どもたちが虫に慣れていて慌てないことに驚かされました。森に囲まれているので、いろいろな種類の蝶や珍しい鳥もやってきます。おととしは学校近くの道の真ん中にミミズク(フクロウ科の鳥)がいて、本当にびっくりしました。住宅街ですが、森の中にはミミズクやタヌキなどが生息しているらしく、子どもたちが時折はっとするような生き物に出会える、とてもすばらしい環境だと思います。また、学校の近くには野鳥や魚がいる野川が流れていて、校外学習で行ったり、遠足で通ったりします。

最後に、若葉町エリアの街の魅力についてお聞かせください。

調布市立若葉小学校

遠くまで行かなくても、目の前に豊かな自然があり、ちょっと行けば商店街もあります。図書館や児童館、公園といった文教的で子どもたちが遊べる場もあるなど、近くにいろいろな要素がコンパクトに凝縮され、さまざまな体験ができるところが魅力だと思います。子育てにも非常に適した場所ではないでしょうか。

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

調布市立若葉小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

調布市立若葉小学校
校長 星野由美子 先生

住所:東京都調布市若葉町3-17-5
電話番号:03-3308-5256

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

地域・保護者との絆を深め子どもたちを育む伝統校/調布市立若葉小学校 星野由美子校長先生
所在地:東京都調布市若葉町3-17-5 
電話番号:03-3308-5256
https://www.chofu-schools.jp/wakaba-sho/

緑豊かな環境や地域とのつながりの中で、のびのびと育つ十二小のこどもたち/小平市立小平第十二小学校 校長 木田 明男先生


小平市立小平第十二小学校
校長 木田 明男 先生

緑豊かな環境や地域とのつながりの中で、
のびのびと育つ十二小のこどもたち

青梅街道の緑や耕作地、「玉川上水緑道(小川橋付近)」など、緑豊かな環境の中にある「小平市立小平第十二小学校」。「明るく元気でたくましい子」「よく考えすすんで実行する子」「たがいになかよくする子」を教育目標に掲げています。

十二小の教育の特色や周辺環境について、木田校長先生にお話を伺いました。

学校の歴史や概要について、ご紹介をお願いします。

小平市立第十二小学校 校歌

1968(昭和43)年5月に、「小平第一小学校」から分かれて開設された学校で、2014(平成26)年に創立46周年を迎えました。2014(平成26)年5月現在の児童数・学級数は、特別支援学級の「けやき学級」を含め全15クラス・380名となっています。

2012(平成24)年には東京都の「スポーツ推進校指定校」に、2014(平成26)年には東京都の「オリンピック教育推進校・コオーディネーショントレーニング実践研究校」に指定されています。

理想の学校像実現に向けてどのような取り組みを行っているのでしょうか。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

私たちは「かかわり合い、磨き合い、輝き合う、笑顔あふれる子ども」の育成を目指しています。小中連携教育及び「小平市立小平第五中学校区」の取り組みに基づいて、9年間の義務教育の指導内容を踏まえた学年目標や学級目標を設定し、実践しております。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

具体的には、「学力向上」「体力向上」「健全育成」を大きな柱としております。まず「学力向上」については、子どもたちに「学ぶ楽しさ」を知ってもらうことに注力しています。算数の少人数学習指導はもちろん、各教科の基礎的・基本的な知識・技術の習得を目指すと共に、児童の“思考力・判断力・表現力”を高めるための教材開発や、指導方法の工夫なども行っています。

また、学校の近くにある「玉川上水緑道(小川橋付近)」 では、人や地域、自然などと直接関わり合う体験活動を実施しています。子どもたちが自分で課題を設定し、情報を収集したり、分析結果を発信することで、思考力や表現力を養う総合学習となっています。

その他にも、「学力向上」についての取り組みを教えてください。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

毎週水曜日には、国語と算数に特化した40分間の「十二小タイム」を設定し、全教職員がドリル学習などの個別指導にあたっています。全教職員ですから、私や副校長も参加します。何を学習するかも、児童が担任と相談して自分で決めます。子どもたちに自ら学ぶ姿勢を身に付けてほしいと考えています。

他には、朝の20分間を活用した「読書マラソン」、学期1回の推薦図書週間の設定、学年に応じた「ビブリオバトル」などを実施しています。子どもたちが読書習慣を身に付けることで、豊かな感性を養ってもらいたいと考えています。

2つ目の「体力向上」については、どのような取り組みを行われているのでしょうか?

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

2014(平成26)年に、「東京都オリンピック教育推進校及び東京都コオーディネーショントレーニング実践研究校」に指定されたこともありますが、「生涯にわたってスポーツに親しむ力」を身に付ける健康教育に注力しています。健康教育を充実させるため、栄養士と連携した食の授業や、養護教諭による保健指導を強化しました。東京都が推進している「一校一取り組み」では、これまでも取り組んできた「長縄跳び」を継続的に行っています。

また、このエリアはラジオ体操の文化がなかったのですが、運動会をはじめとした、任意でのラジオ体操大会などを行ったところ、地域の方も参加してくれるようになりました。

3つ目の柱である「健全育成」についてはいかがでしょうか?

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「こだいら共通プログラムの」一環として、「あいさつ運動」を実施しています。このエリアは「小平市立小平第一小学校」、「小平市立上宿小学校」、「小平市立小平第五中学校」の「小平“五”中校区」となっていて、毎月「5」のつく日には小中連携のあいさつ運動を行っています。我が校でも、児童が正門に並んで元気よく挨拶しています。

年に数回、「小平市立上宿小学校」の児童と一緒に、立川通り沿いでの挨拶運動も実施しています。その際には、保護者の方や地域の有志の皆さんも参加してくれます。他にも、「児童会・生徒会サミット」をはじめとするさまざまな小中連携の活動も行っています。

高校や大学と連携した教育活動も行っているそうですね。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「“地域の教育力”を最大限に活かした教育活動を通じて、子どもたちの人間力を養う」というテーマは、当校の教育方針のひとつでもあります。もともとキャリア教育の育成にも力を入れていた我が校は、高学年児童の自覚とリーダーシップを形成するため、各行事は児童主体の実行委員会形式を取り入れたり、金曜日には「保健・給食・体育・音楽・音読・縦割り班遊び」などの集会活動を行うなど、縦割り班活動の充実を図ってきました。

近くの「東京都立小平西高校」とは、今年から交流を始めました。先日はハンドボール部の生徒が、本校の5年生にハンドボールを教えてくれました。小学生にとっては、高校生のお兄さんやお姉さんたちの温かさを感じることができて楽しかったようです。高校生からすると、小学生に教えることで自己肯定感を得ることができたようだと、「東京都立小平西高校」の先生方からも喜ばれました。今後は、キャリア教育の一環として、西校の文化祭見学といったプランも検討しています。

小平市立第十二小学校 武蔵野美術大学の冊子

また、「武蔵野美術大学」との連携も、もう3年近く続いています。2011(平成23)年に、当校のシンボルだった大ケヤキを切ることになりました。その際に、「武蔵野美術大学」の学生さんたちが、大ケヤキをテーマとしたワークショップを行ってくれたことがきっかけで交流が始まりました。切られたケヤキは、現在「武蔵野美術大学」に預かってもらい、輪切り加工をしてもらっています。我が校とのワークショップの時間を、授業の一コマに入れてくれていることもあって、“ゲストティーチャー”というよりもさらに深いつながりですね。

“地域の教育力”と言いますと、保護者や地域の方たちとの連携もあるということでしょうか。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「あいさつ運動」もそうですが、当校では児童の社会性を養うため、地域の一員として活動・貢献する機会を設けるよう努めています。保護者や地域の皆さんの持つ教育力を活かした授業や企画を立ち上げることで、子どもたちに「ふるさと・こだいら」への郷土愛を育んでもらいたいと考えています。地域清掃活動やボランティア活動の充実も図っています。さらに、JRC(青少年赤十字)の活動を委員会活動として位置づけ、国際貢献・災害安全・交通安全など、自分たちが身近にできることを実践させています。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

一方、周辺地域の方々は、児童の登校時にボランティアとして通学路に立ってくれたり、見回りも行ってくれています。また、下校時には教員も学区域を巡回しますが、低学年の下校時は子どもたちを迎えに来てくれるボランティアの方もいらっしゃいます。そういった点では、地域ぐるみでの子育て環境が醸成されていると思います。

「小平第十二小学校」周辺地域の風土をどのようにお感じになりますか?

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

保護者の中には、以前から地元に住んでいて十二小の卒業生という方もいれば、新たに宅地化された所に引っ越してきた方もいます。昔からの住民と新しい住民との関係がいいバランスを保っており、保護者同士の交流も円滑であるように感じます。そうした穏やかな環境の影響もあってか、十二小の児童には素直な子が多いです。

その他、十二小の魅力や独自の取り組みがあればお聞かせください。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

「小平第十二小学校」のキャラクター「トニーくん」が子どもたちに親しまれています。「十二(とお・に)」なので「トニーくん」です。下駄箱から校内に貼ってあるポスターに至るまで、「トニーくん」のマークが入っているんですよ。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

また、当校独自の「大臣制度」があります。教員一人一人が、それぞれの得意分野を活かした大臣として活動しています。たとえば、「あいさつ大臣」「長縄大臣」「ラジオ体操大臣」などで、教員自身が個性を発揮することで、子どもたちにもそういった姿勢を身に付けてもらいたいという想いがあります。ちなみに私は、「交通大臣」なんです。

児童が鉄道・バス・飛行機など交通関係のことでわからないことがあった時は、私に聞きに来ます。そのため、校長室の扉はいつも開けてあります。校長室の中には、このように電車の模型やバスの時刻表などを飾って、子どもたちも気軽に質問に来ることができる雰囲気づくりをしています。児童と教職員の距離が近いのも、当校の魅力と言えるかもしれません。

小平市立 小平第十二小学校 校長 木田 明男 先生

今回、話を聞いた人

小平市立小平第十二小学校

校長 木田 明男 先生

住所:東京都小平市小川町1-464
電話番号:042-342-1761
http://www.kodaira.ed.jp/12kodaira/

※記事内容は2014(平成26)年7月に取材したもので、今後変更となる可能性がございます。

「ハンバーグステーキ」と「ハンバーガー」が自慢の隠れ家的カフェ/カフェ ベクトル 小松汐里さん


カフェ ベクトル
小松 汐里 さん

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

「ハンバーグステーキ」と「ハンバーガー」が自慢の隠れ家的カフェ

東急大井町線「等々力駅」から「上野毛」駅方向へ歩いていくと、左手側にある「vector」(ベクトル)は、10年前のオープン以来、地域の人々に愛され続けている小さなカフェ。肉汁があふれだす「ハンバーグステーキ」と、特注バンズに「ハンバーガー」が二枚看板だ。お客さんは通い慣れた付近の常連さんがほとんど。落ち着いた雰囲気でゆったりとくつろぐことができる。料理も本格的なものが出てくるということで、口コミで人気を集めている。今回はこちらを訪ね、ホールスタッフの小松汐里さんにお話をうかがった。

まず、お店のコンセプトと特長について教えてください

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

ここは2004(平成16)年にオープンしました。小学校や等々力の住宅地に囲まれている場所ですので、「地元に住んでいる方に愛されるお店」ということと、「年代や性別を問わず、幅広い方が気軽に立ち寄りやすいお店」ということをコンセプトにしています。

名物はハンバーグとハンバーガーだそうですが、どんなこだわりがあるのでしょう?

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

まず、「ハンバーグステーキ」については、300グラムというかなり大きなものになっています。基本のデミグラスソースのほかにも、香草エスカルゴバターソース、ローズソルト、和風仕立てなど、いろいろな味があるんですよ。今回写真に撮っていただいたのは、「ハンバーグステーキ 自家製デミグラスソース」(980円)です。

手で捏ねるところから全部手作りしていて、焼く時にも低温でじっくりと、肉汁をたっぷり閉じ込める焼き方をしていますので、ナイフを入れただけで「ジュワ」って肉汁が出てくると思います。もちろん、デミグラスソースも自家製でして、店のキッチンで手間ひまをかけて、じっくり煮込んで作っています。

確かに肉汁が溢れ出てきて、とっても美味しいハンバーグでした。ハンバーガーも同じ肉なのでしょうか?

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

そうです。ハンバーガーについては、ハンバーグと同じ肉を150グラム使ってパテにしていまして、こちらも「クラシックバーガー」(880円)をベースに、チーズバーガーやアボカドバーガーなど、いろいろなバリエーションがあります。

 

 

その中でも人気が高いのは、クラシックバーガーに目玉焼きと厚切りベーコンをトッピングした「世田谷バーガー」(1,180円)です。かなり豪華で、食べごたえがありますよ。ハンバーガーのバンズは、パン屋さんに特注で頼んで作ってもらっているもので、「胚芽バンズ」というものにしています。ほんのり甘くて、とっても歯切れが良いのが特長です。

それ以外だと、どんなおすすめメニューがあるのでしょう?

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

ドリンクですと、カフェラテなどは人気です。ラテアートもやっていますし、スイーツも全部手作りでやっていますので、ぜひセットにして召し上がってみたください。

昼、夜、それぞれどんなお客さんが来られますか?

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

目の前が小学校ということもあって、やっぱり、お子さんのいらっしゃるママさんが多いですね。女性客が圧倒的に多くて、ランチタイムが一番混みますが、ほかの時間はゆったりしていただけると思います。夜は深夜0時までやっていますから、穴場だと思いますよ。

 

 

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

夜にはやっぱり、ご家族やご夫婦、またはグループでいらっしゃる方が多くなりますね。うちは昼間のメニューはそのまま夜でも食べられるんですが、それとは別にディナーメニューもあって、パスタやオムライスなどが、夜の人気メニューになっています。テーブルにろうそくを置いて雰囲気作りをしているので、昼間とはちょっと違う感じで楽しめて、カップルの方にもおすすめですよ。お酒はビール、ワイン、カクテルなどが人気です。

ランチについては、15時までのランチライムには、スープ、サラダ、ドリンク、ミニデザート(平日のみ)が付くセットメニューを設定しているので、9割ぐらいの方はランチセットで頼まれますね。

テラス席も気持ちよさそうですが、いつでも開放されているのですか?

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

テラス席はいつでも、天気の穏やかな日であれば開けています。道路もそんなに車通りが無いですから、テラス席から先に埋まっていくくらい人気が高いんですよ。テラス席は犬と一緒でも大丈夫ですし、禁煙にはしていませんから、どなたでも気軽に使っていただければと思います。

小松さんご自身、仕事をされていて「嬉しい」と感じる瞬間はいつですか?

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

自分はホール担当をしているんですが、やっぱりお客様と楽しく会話ができたり、お客様から「ありがとう」「美味しかった」など嬉しい言葉をいただけた時は、「やっていてよかったな」って思います。このお店はほとんどのお客様がリピーターか、お客様の紹介で来られた方ですので、スタッフとお客様の距離がとっても近くて、仲がいいんですよ。

最後に、等々力エリアのここがおすすめ、というポイントを教えてください。

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

私も世田谷区内のほかの場所から、最近このへんに引っ越してきたばかりなので、まだまだ知らない場所だらけなんですが、少し回っただけでも、「自然が多いなあ」というのは感じています。都会の中で、これほど緑が多い地域というのは珍しいんじゃないでしょうか。今は自由が丘や二子玉川がいろいろ開発されてきているんですが、等々力はこのまま、静かな緑いっぱいの街でいてほしいですね。

あと素敵だなって思うのは、等々力って、「住んでいる人たちがいい人たちばっかり」なんです。これはお店をやっている私達にとっても、本当に幸せなことだと思っています。

具体的な「場所」ということですと、「等々力渓谷」が一番のおすすめスポットですね。散歩に行くと、とてもリフレッシュできます。近くに果樹園もあって、もぎとり体験などもできるという話を聞いたので、今度はそういう所にも行ってみたいと思っています。

カフェ ベクトル 小松汐里さんインタビュー

今回、話を聞いた人

カフェ vector(ベクトル)

スタッフ 小松汐里さん

住所:東京都世田谷区中町2-30-21 シルバー玉川101
電話番号:03-3705-5061
営業時間:11:00~深夜0:00(フード22:30LO、ドリンク23:00LO)
定休日:火曜日
URL: http://www.vector-tokyo.com/shop.html

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

※文章に出てくる名称について
バンズ=甘味または塩味の小さな丸パン
パテ=ひき肉を円盤状にして焼いたもの

「ハンバーグステーキ」と「ハンバーガー」が自慢の隠れ家的カフェ/カフェ ベクトル 小松汐里さん
所在地:東京都世田谷区中町2-30-21 シルバー玉川101 
電話番号:03-3705-5061
営業時間:11:00~深夜0:00(フード22:30LO、ドリンク23:00LO)
定休日:火曜日
http://www.vector-tokyo.com/shop.html

親子でふらり立ち寄れる子育て応援施設

「ちょっとお願い」をひろう育児支援 市川市の子育て支援の目指すものとは?/八幡親子つどいの広場 市川市子育て支援課すこやか応援隊


八幡親子つどいの広場
市川市子育て支援課すこやか応援隊

「ちょっとお願い」をひろう育児支援
市川市の子育て支援の目指すものとは?

市川市の八幡地区は、古くは八幡宿として知られ、成田街道の宿場町としても栄えた歴史のある場所。JR総武線と都営地下鉄新宿線「本八幡」駅、京成電鉄本線「京成八幡」駅と3路線が利用でき、通勤に便利なことから、住宅地としての人気が高い街でもある。そんな住みやすい街にふさわしく子育て支援施設も充実!なかでも市内4ヵ所ある「親子つどいの広場」は出入りも食事時間も自由にでき、ママにとっては気軽に訪れることができるスペース。今回は多くの育児ママたちが集う「八幡親子つどいの広場」を取材した。

八幡親子つどいの広場の概要を教えてください

市川市つどいの広場

市川市内には、新井、新浜、二俣そして八幡と、4ヵ所の親子つどいの広場があります。月曜日から土曜日まで、朝10時から午後4時までオープンしていて、妊娠中と0才から3才までのお子さんと保護者の方が利用できる広場です(日曜・祝日はお休み)。予約も不要でいつ来ても大丈夫、もちろん無料の施設ですので、気軽にふらりと遊びに来てもらえれば嬉しいですね。妊娠中のマタニティママさんから乳幼児のママさんまで、さまざまな悩みや不安をサポートしたいと思っています。

こちらの親子つどいの広場の特徴を教えてください

市川市つどいの広場

八幡親子つどいの広場は、葛飾八幡宮の参道に面したのどかな場所にあり、隣には児童遊園という恵まれた環境なので、ママさんたちが訪れやすい立地も特徴の一つです。京成電車が走るところも見られるので、電車好きなお子さんも楽しいと思いますよ。また子どもと行けるお店や遊び場情報を壁に掲示したり、イベントのお知らせを貼ったり、情報収集の場としても活用してもらえるように心がけています。

生活のすべてが赤ちゃん中心に回っているママさんたちだからこそ、ここではできるだけ負担を感じずに気軽に楽しく過ごしてほしいというのが私たちの願いです。さまざまな催しも予約不要で参加できますし、好きな時間に食事やおやつを食べられるよう、食事用テーブルは常時用意してあります。お弁当や離乳食なども温められるよう、電子レンジも自由に利用が可能。ときには職員が赤ちゃんを抱っこしたり、お友だち同士で子どもを見合って、ママがゆっくり食事をすることもあります。「ちょっとお願い」が言える、この頼り・頼られる関係が、ママを子育ての行き詰まりから助けてくれると思いますね。

講座やイベントなど、さまざまな催しも充実していますね

市川市つどいの広場

リズムあそびやパパタイム、スキンケア教室など、ママたちが興味のありそうなテーマを講座にしたものや、お出かけのきっかけになればと始めた会もあります。今日の「のんびり赤ちゃんタイム」は赤ちゃんのいるママさんたちの集まりで、毎回15名前後のママと赤ちゃんが参加してくれます。自己紹介や手遊びが終わったら、後はほとんどフリートークの時間。自己紹介のときに住んでいる地区や最近の我が家のニュースなどを発表し合っているので、会話もスムースに始まるようです。

「果汁は1さじからって育児書に書いてあったのに、5さじ飲ませちゃったんだけど大丈夫でしょうか…?」「寝返りがなかなかうまくいかないんですけど、どうしたらよい?」など、ちょっとした疑問や不安を共有することで、ふわっと気持ちが楽になることがあります。育児で家に閉じこもりがちなママたちには、どんどんこういった場所を利用してもらい友だちを作ってもらいたいですね。

ママたちに突撃インタビュー!参加のきっかけは?

市川市つどいの広場

「今日は“のんびり赤ちゃんタイム”があると聞いて、初めて参加してみました。皆さん同じ境遇なので、すぐに打ち解けて話しやすいので楽しいです」
「今回で3回目の参加です。イベントや教室があると安心して来られます」
「同じ月齢の赤ちゃんを持つママ友がほしいと思って、来てみました」
「先日たまたま通りかかったときに、スタッフの方に声をかけていただいて来てみました。こんなにたくさんママさんたちがいたなんて知らなかった……。公園やマンションでは声をかけづらいですが、ここならすぐに親しくなれる雰囲気で嬉しいです」
などなど、ママたちの嬉しい声がいっぱいです!

市川市は子育て支援にも積極的だと聞きました

市川市つどいの広場

妊娠中から0歳~3歳までのお子さんと保護者が遊べる「親子つどいの広場」が4ヵ所あるほか、生後3ヵ月までに助産師や保健師、保健推進員の訪問があり、4ヵ月目に身体測定や離乳食の話を聞く「あかちゃん講座」、5ヵ月目には、すこやか応援隊(*)主宰の「5ヵ月Welcom Baby!」などがあります。また、妊婦さんから就学前までの子どもまで一緒に遊べる「地域子育て支援センター」が11ヵ所、市内各所で開かれている「すこやかひろば」、市川市内で15ヵ所あるこども館の「あつまれ赤ちゃん」など、行政の子育て支援施設も非常に充実しています。

また子育てサークルを立ち上げたいママをサポートしてくれる仕組みもあり、仲良しママ同士で自分の子どもを遊ばせながらサークルを運営するというバイタリティのあるママさんたちも多いですよ。

*すこやか応援隊とは、保育士と栄養士が自宅や公園などの希望の場所に出向き、離乳食などの栄養相談や保育の相談に応じている、市川市子育て支援課の事業のことです。

ママさんたちとの交流で気を付けていらっしゃることなどありますか?

市川市つどいの広場

とにかくママたちに寄り添って、ママたちが過ごしやすいように、居心地が良いようにしたいと思っています。話をしたいママさんの話は聞いてあげたいですし、ただ楽しく過ごしたい人にはそれをサポートしたい。「ここに来てホッとした」「ちょっと子育てが楽になった」と思ってもらえるような場所でありたいですね。

また、ママが集まる会などではスタッフがあまり介入し過ぎないようにも気をつけます。スタッフはあくまでも橋渡し役。自己紹介や手遊びなどの導入が終わったら、“後はお若い方同士…”(笑)。するとママたちも自分から話しかけたり、輪に入って行ったりと積極的になれるようです。

子育て中のママさんたちにメッセージはありますか?

市川市つどいの広場

ここにいらっしゃるママさんたちを見ていると、皆さん一生懸命でとっても真面目。それがときには自分を苦しくしてしまうこともあるのかな…と心配になることもあります。子育ては昨日も今日も明日も続いていくものですから、大らかにゆったりと構えて大丈夫よ!と伝えたいですね。ちょっと息苦しくなったら、ここに遊びに来てくれたら嬉しいなぁ…ここまで来てくださったら、その勇気と行動力をたっぷり褒めてあげたい!いつでもスタッフ一同、待っていますね♪

本八幡インタビュー

今回、話をお伺いした人

八幡親子つどいの広場
花蜜ユカさん(左)、大宮きみ子さん(中央)、市川市子育て支援課すこやか応援隊の高田千恵さん(右)

所在地:市川市八幡4-2-1(市川市役所八幡分庁舎1階)
電話番号:047-332-8745

※記事内容は2013(平成25)年9月時点の情報です。

「ちょっとお願い」をひろう育児支援 市川市の子育て支援の目指すものとは?/八幡親子つどいの広場 市川市子育て支援課すこやか応援隊
所在地:千葉県市川市八幡4-2-1 市川市役所八幡分庁舎1F
電話番号:047-332-8745
対象者:主に0~3歳までの親子と妊婦
利用時間:10:00~16:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12/28~1/4)
http://genki365.net/gnki06/mypage/index…

設計担当者に聞く!
「パナタウン市川真間川」の設計の特長とは/パナホーム 一級建築士 梅本 晋さん


パナホーム 一級建築士
梅本 晋さん

設計担当者に聞く!
「パナタウン市川真間川」の設計の特長とは

真間川の桜並木に隣接する恵まれた立地環境にある新しい分譲地「パナタウン市川真間川」。ここに建てられる住宅は、ゆとりのある間取りやエコ、耐震にすぐれた設計も魅力の一つです。実際に設計に携わった一級建築士の梅本 晋さんにこの住宅の魅力についてお話を伺いました。

お仕事の内容を教えてください

一級建築士 梅本 晋さん

お客様からご注文いただいた住宅の設計が中心ですが、「パナタウン市川真間川」のような分譲住宅の設計もしています。お客様のご要望をきっちり把握することはもちろんです。そのうえで、プロの視点から見てよいと思えることは積極的に提案して、お客様が快適に暮らせる家づくりのお手伝いが使命だと考えています。

 

家づくりには土地の面積や素材の制約などさまざまな条件がありますから、確かにお客様のご希望を100%叶えられないこともあります。そんなときは実現可能な代替案を出し、できる限りお客様のご希望に近づけることが我々の役割だと思います。

お客様にはどんな提案をするのでしょうか

一級建築士 梅本 晋さん

最近の事例では、収納はなるべく確保したいけれど、多くのスペースを使いたくないというご希望がありました。一般的なクローゼットは約1.8mありますが、収納力で考えると45cmぐらい狭くしても十分なのです。このお客様にもこのようなご説明をしたうえで、実際に収納の幅を少し狭く設計したのですが、使っていただいた結果「確かにこれでよかった」と喜んでいただきました。

「パナタウン市川真間川」について教えてください

「パナタウン市川真間川」は全15棟という大規模な分譲地で、全戸がパナホームで建設されることになります。周辺は風光明媚な街並みが残っていますから、「パナタウン市川真間川」でも街並みを乱さないように、外構デザインを統一したイメージにしています。

竣工済みの「パナタウン市川真間川」9号棟の特徴はどんなところでしょうか

一級建築士 梅本 晋さん

「パナタウン市川真間川」9号棟では、リビング・ダイニングを重視し、家族が自然にリビングに集まってくるような空間づくりを目指しました。敷地が広いこともあり、広々としたリビング・ダイニングを確保できましたので、収納スペースも充実していますし、ちょっとしたパソコンコーナーも作ることができます。インテリアコーディネーターとも協力して天井面を照らす照明を入れるなど、インテリアにも凝った空間にしています。 キッチン空間も重視しました。キッチンとダイニングを並行に配置して、配ぜんや片付けがしやすい形にしました。アイランドキッチンを採用しましたので、キッチン動線に行き止まりがない構造になり、家事がスムーズにできると思います。 2階には個室を4部屋設けています。5名様のご家族でもそれぞれの部屋で過ごしていただけますし、人数が少ないご家族なら、スタディルームや書斎、ゲストルームとして使っていただけます。

「パナタウン市川真間川」ではエコにも配慮されていると聞きました

一級建築士 梅本 晋さん

エネルギーを生み出す「創エネ」と、エネルギーをなるべく使わない「省エネ」の2つの方向でエコに配慮しています。環境にやさしいのはもちろん、電気代の節約という点でもメリットは大きいと思います。 「創エネ」としては、太陽光発電システムを取り入れていますし、ガスを利用した家庭用燃料電池「エネファーム」を組み合わせたW発電タイプもあります。 「省エネ」という観点では、LED照明や電気を使わなくて済む換気方式を採用しています。さらに、「パナタウン市川真間川」では、鉄骨造りで窓の設置が比較的自由にできることを活かして、南向きに大きな窓を配置して、部屋の中に光と風をできるだけ多く取り入れる設計にもしています。

上棟工事がとても早く終わるそうですね

一級建築士 梅本 晋さん

「パナタウン市川真間川」でも、8号棟の上棟工事が2013(平成25)年11月2日に行われましたが、「快速上棟」といって、棟上げの工事自体は1日で終わります。これは、建物の外壁を工場で作り、現地に運んで組み立てる工法により可能になりました。外壁がすぐできますので、建物の内側があまり風雨にさらされることないのがメリットです。 もう一つ、パナホームの特徴に地震に強いということがあります。建物の外側で構造の力を持たせるモノコック構造を採用していますから、本震だけでなく余震に対してもすぐれた耐震性能を発揮します。

「パナタウン市川真間川」の周辺環境の魅力はどんなところですか

市川市立富貴島小学校

JR総武線・都営地下鉄新宿線「本八幡」駅と、京成電鉄本線「京成八幡」駅の2駅3路線利用可能と交通の便がよいことに加え、100平方メートル以上のゆったりとした敷地が最大の魅力だと思います。「パナタウン市川真間川」には車を2台駐車できるプランもありますし、近隣には市川市内ではよく知られた評判のよい小学校がありますので、子育てという点でも優れたエリアだと思います。

建築士というお仕事の喜びを教えてください

一級建築士 梅本 晋さん

やはり、お客様に喜んでいただくことが最大の喜びです。引き渡しにも立ち会いますが、パナホームにしてよかったとおっしゃっていただけるとやりがいを感じますね。何年かお住まいのお客様を訪問して、快適に暮らしていますという声を伺うと、これからもお客様にとってよりよい暮らしの場を提供していかなくてはと、身が引き締まります。

本八幡インタビュー

今回、話をお伺いした人

パナホーム 一級建築士 梅本 晋さん

 

多くの住宅を手掛けてきたベテランの建築士さんです。できるだけお客様のご要望に寄り添っていきたいという言葉から、お客様目線で設計されていることが伝わってきました。

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

幼稚園から小・中・高校までの一貫教育/日出学園小学校校長 二見晴彦先生/日出学園幼稚園園長 早川好江先生


日出学園小学校校長 二見晴彦先生
日出学園幼稚園園長 早川好江先生

幼稚園から小・中・高校までの一貫教育

市川市は、古くは幸田露伴や永井荷風などの文豪が移り住んだ、歴史的名所などにも囲まれた静かなたたずまいの街。市川市の樹木である「クロマツ」が随所に植えられた街並は、日本橋まで40分足らずという、ベッドタウンとは思えないほどの落ち着いた雰囲気に包まれている。そんな市川市菅野にある日出学園は、幼稚園から小・中・高等学校までの一貫教育を行う創立79年という歴史ある私立学校。その早川園長先生と二見小学校校長先生にお話を伺った。

まずは日出学園小学校校長 二見晴彦先生にお話を伺います。小学校の概要を教えてください。

日出学園インタビュー

1934(昭和9)年 に日出学園は幼稚園・小学校の一貫教育校として創立し、「なおく・あかるく・むつまじく」を校訓として参りました。2014年4月(平成26年度)からは創立時の少人数制に立ちかえり、学年102名、20クラス体制のクラス編成にすることで、少人数制だからこそできる厳しく愛情あふれる教育と指導を実現したいと考えています。
子どもたちの人間形成には、この時期の体験が非常に大切です。仲間と一緒に楽しさ悔しさ、ときには我慢も経験しながら、思いやりと協調性のある人に成長していくものだと考えます。恵まれた日出学園の環境のなかで、子どもたちは伸び伸びと興味の翼を大きく広げて育っています。

子どもたちを育てていくうえで、心がけていらっしゃることはありますか?

日出学園インタビュー

人生の土台は小学校時代にできあがるというのが、私の考えです。特に子どもは「群れる」ことが非常に重要で、その群れることで「楽しさ」「嬉しさ」、思いどおりにならない「悔しさ」や「我慢する」ことの大切さを学びます。これは先生が教えられることではなく、子どもが体験を通して喜怒哀楽を重ねていくこと。その重なりが多ければ多いほど、人間として豊かに成長していくのだと思います。
学校は子どもが自分で体験を積み重ねることを邪魔してはいけません。見守り、必要な時は手をさしのべ、その成長を助けていきたいと考えています。

 特徴のある取り組みなどがありましたら、教えてください。

日出学園インタビュー

1年生と6年生、2年生と5年生、3年生と4年生がペアを組み「きょうだい学年」になって、一緒にお弁当を食べたり、校外学習として一緒に宿泊をしたりと1年間交流を続けます。これは本当の兄弟のように仲良くなり、素晴らしい関係を築いています。
本校は幼稚園・中学・高校がありますので、高校生が小学校に指導に来てくれることもあれば、小学生が幼稚園に遊びに行くこともあり、上下の交流はフットワーク軽く行っています。
また本校の「心の教育」の一つとして「日出郵便局」という活動があります。これは2年生の生活科の一環として、全学年が関わります。学校内に郵便局をつくり、ポストづくりや集配、切手デザインの考案など、すべてを子どもたちが行います。異学年のペアを組んだ子ども同士で手紙のやりとりをしたり、保健室の先生や校長に手紙を送ったりできるようになっています。郵便局の仕事内容を理解し、手紙のやりとりを通して優しさなども学ぶ取り組みです。

75周年を迎え新校舎に建て替えられたそうですが、特徴的な設備などはありますか?

日出学園インタビュー

全クラスが南向きで冬でも教室内に太陽光が入るように設計され、また、各学年の特性を考えた造りになっています。例えば普通の教室は8m×8mのところ、1~2年生の教室はその1.5倍の8m×12mの広さを確保。これは低学年の場合、生活科の授業などで作った作品を身近に置いて、手に取ったり実験してみたりということをスムーズに行うためで、3年生の中学年からは普通の教室に移行します。 また低学年、中学年、高学年の動線がからまないように設計し、移動中に不慮の事故がないようにと配慮しました。
校庭だけでも遊ぶスペースは充分ですが、低・中・高学年の建物の屋上にそれぞれの遊び場も作ってあります。 そして、5万冊の蔵書を誇る図書室があり、週1回、司書の先生から学ぶ「図書の授業」も実施。3年生以降になると、これも週1回「情報の授業」があり、一人一台のコンピュータを使用しています。 木をふんだんに使用した校内は落ち着いた温かい雰囲気で、全体的に余裕のある広い造りになっているので、子どもたちも伸び伸びと過ごしています。

地域とはどのような連携をされていますか?

日出学園インタビュー

市川・菅野といえば「クロマツ」ということで、2003(平成15)年に子どもたちが種から「クロマツ」を育てました。これは学校周辺が「東京外かく環状道路」工事のため、従来あったクロマツがなくなったからです。地域の方々と協力し、昔の景観を取り戻そうとしています。子どもたちが代々鉢植えを後輩に託しクロマツの命をリレーして育てた苗として、地域の皆さんにも大切にしていただいています。
またそのクロマツの苗を国土交通省とNEXCOに引き渡し、建設中の東京外かく環状道路ができあがった際に、以前の菅野の景観を取り戻すために移植してほしいとお願いしてあります。

日出学園に通っているお子さんたちは、どのようなお子さんが多いのでしょうか?

日出学園インタビュー

男女共々非常に仲が良いですね。保護者の方々が愛情を注いで育てていらっしゃることがすぐに分かる子どもたちです。また卒業後も日出での人脈は残り続けて、女子中や男子中に進学した子どもたちも仲良く一緒に学校へ遊びに来てくれます。
卒業生同士の結婚も珍しくはありません。また、クラスや学年での同窓会も頻繁に行われています。

続いて、早川好江先生に伺います。幼稚園の概要を教えてください。

日出学園インタビュー

小学校と同じく創立79年を迎えた本園では、「太陽と土とともだち」に恵まれた園環境のなか、「生きる力」を育む教育を行っています。まずは楽しい園生活が送れるように、そして基本的な生活習慣を身につけながら、一人一人のお子さんの「感じ考える力」が育つような環境を整えています。頭・体・心のすべてを使った幅広い体験ができるよう、キメの細かな指導が特徴です。

キメの細かい保育とは具体的にはどのようなことでしょうか?

日出学園インタビュー

幼稚園時期は成長が著しく、年齢によってできることも挑戦することも違います。ですので、年少さんには安心できる環境を整え、自分の気持ちをありのままに出すことを大切にした保育を心がけています。
年中さんはお友達との関わりも増え、自己主張もはっきりしてくる時期です。ぶつかり合い仲直りする繰返しを通して、「自分の気持ちを大切にするには、相手も大切にしなければいけない」と理解して、お互いに認め合いができるようになります。
そして年長さんは、小学校へつなげる保育ということで、少しずつ時間で気持ちを切り替えて活動に取り組んだり、集中して話を聞く時間を多くしたりしています。

保育のなかで先生方や園長先生が心がけていらっしゃることはどんなことですか?

日出学園インタビュー

ワークやドリルなどで勉強するのではなく、小動物のお世話などの実体験のなかから学ぶ機会を増やしています。 また、子どもが「もうひと頑張りできる」保育も心がけています。「イヤだからやめる」「できないから諦める」のではなく、逃げずにやり抜く力。それは子どもだけでできることではありません。
先生が個性を見極め、気持ちを支えながら応援し、背中を押してあげることで子どもたちは「できた!」「やった!」という達成感や充実感を得られるのです。そのためにも教師たちは「背中にも目をつける」ことをいつも意識し、子どもたちの心や行動の変化を見逃さないようにしています。

特徴のある活動などがありましたら、教えてください。

日出学園インタビュー

2012(平成24)年から始まった「わくドキプロジェクト」は、わくドキ教室・わくドキたいむ・わくドキ文庫・わくドキランチ・わくドキクラブと、わくわく・ドキドキするような幅広い体験を子どもたちに提供しています。
「わくドキ教室」は小学校の二見校長先生による、実験教室や小動物や植物の観察など楽しい理科の出前授業で、子どもたちは目をキラキラ輝かせながら参加しています。
また「わくドキたいむ」はネイティブの英語の先生と過ごす楽しい時間、「わくドキくらぶ」は礼法や太鼓、合気道や茶道といった日本の伝統文化に触れる時間です。この他にも子どもたちの好奇心と、挑戦する意欲を育む活動が日々行われています。

新しくなった園舎の特徴を教えてください。

日出学園インタビュー

見ていただくと分かるとおり、木をふんだんに使った平屋建ての温かみのある園舎です。廊下や玄関などは広いスペースを確保し、子どもたちが伸び伸びと過ごせるように設計してあります。2009(平成21)年に建て替えの際に、それまでの場所から引っ越しをしましたので、昔からの日出学園幼稚園の雰囲気を残すような園舎・園庭にしました。ちょっと見ただけでは分かりませんが、床にはコンクリートの上にバネ材を入れ、その上に木材を重ねて、転んでもケガをしにくい床にしてあります。
園庭の隅にはポンプ式の井戸をつくり、汲み上げを体験したり、冬は温かくて夏は冷たい井戸水に触ってみたりと、なるべくたくさんの経験をさせてあげられるように工夫しています。また年長さんのお手洗いには、洋式トイレのほか、あえて和式のトイレも設置することで、子どもの経験の幅を広げるようにしています。

保護者の方々の雰囲気はどうでしょうか?

日出学園インタビュー

まず子どもたちは、手をかけ心をかけて育てられた素直で明るいお子さんばかりです。また保護者の方々も、子どもの教育にも熱心で折り目正しい、メリハリのある保護者の方が多いように感じます。子どもの生活リズムもしっかりつけて下さっているので、子どもたちは登園したらすぐ、元気に遊びに入ることができます。
子どもは愛情をかけてもらえれば、それをしっかり受け止め、安定した子どもに育っていきます。それを体現しているような親子関係だと日々感じています。

地域との関わりはどのようにされていますか?

日出学園インタビュー

子育て支援ということで、年16回ほど土曜日に未就園児のお子さんと保護者の方向けの親子遊びの会を開いています。また地域の親子が遊べるように園庭を解放したり、外部の先生を呼んだ子育て講演会などを開き、地域のママさんも気軽に参加してもらえる機会を設けています。

市川・菅野地区の魅力を教えてください。

私は自転車で通えるくらいの場所に住んでいますが、とにかく散歩やサイクリングが楽しい地区ですね。細い道に入ると、昔ながらの懐かしい街並みがそこここに見られますし、歴史にまつわる名所も多いです。なにより静かでのんびりとした雰囲気が大好きです。

今回、話をお伺いした人

日出学園インタビュー

日出学園小学校校長 二見晴彦先生

住所:市川市菅野3-23-1
TEL:074-322-3660
URL:http://www.hinode.ed.jp/element/

日出学園インタビュー

日出学園幼稚園園長 早川好江先生

住所:市川市菅野2-21-12
TEL:047-322-4012
URL:http://www.hinode.ed.jp/kinder/

※記事内容は2015(平成27)年6月時点の情報です。

幼稚園から小・中・高校までの一貫教育/日出学園小学校校長 二見晴彦先生/日出学園幼稚園園長 早川好江先生
所在地:千葉県市川市菅野2-21-12 
電話番号:047-322-4012
http://www.hinode.ed.jp/kinder/

大規模園だからこそできる様々な活動

今年度から新たに国語教育と数遊びを導入し 心の教育と情操教育に惜しみなく 感性豊かな子どもに/柏さくら幼稚園


柏さくら幼稚園

今年度から新たに国語教育と数遊びを導入し
心の教育と情操教育に惜しみなく
感性豊かな子どもに

1965(昭和40)年に開園し、来年で創立50周年を迎える「柏さくら幼稚園」。開園当時は97名の園児でスタートしましたが、現在の園児数はなんと580名!人気の高い大規模幼稚園として、柏の地域の人々に親しまれている。今回はこちらの幼稚園の特徴や柏市の子育て事情についてお話を伺った。

柏さくら幼稚園は、来年創立50周年だそうですね。創立当時と現在で、こちらの柏市高田エリアはどのあたりが一番変わったのでしょうか?

柏さくら幼稚園

私が柏さくら幼稚園に赴任したのは30年前です。当時はすでに園の周囲に家が建っていましたが、開園当時は「柏さくら幼稚園」しか建物がなかったとか。周りは畑しかなくて、砂埃もすごかったと聞いております。当時は “団地族”という言葉がありましたが、柏市も「豊四季団地」という大きな団地ができて、都内などから引越してこられる方が多かったようですね。現在も当園に通っている親御さんは、他のエリアから引越してきた住民の方も多いです。

柏さくら幼稚園

今でもこの周辺は今でも自然が多くてのんびりした場所です。住宅もずいぶん増えましたが、ちょっと歩くとまだまだ自然が残っています。近隣には野鳥や昆虫がいる「野鳥の森公園」もありますし、自然の中で子どもを育てるにはいいエリアだと思いますよ。

そのほかにこちらに通われている親御さんの特徴はありますか?

柏さくら幼稚園

保護者の方々は幼稚園の教育方針を十分理解して入園していただいておりますので、とても園に協力的な方ばかりです。例えば、当園では月に1回、「野菜の日」という食育の日を設けています。子どもたちが食べにくい野菜をテーマに設定し、お母様たちにお弁当のおかずとして料理していただくのですが、毎回お母様方は100%といっていいくらい協力してくれます。

柏さくら幼稚園

また、当園は英語教育や音楽教育などのカリキュラムに力を入れた時間割制になっていますが、教育に対する意識は高い方が多いと感じます。「柏さくら幼稚園」は柏の北部中心と、つくばエクスプレスの流山エリアからのお子さんも通っていますが、柏の葉はご存じの通り、緑の街づくりを意識した教育機関が多い学園都市です。

英語教育はどんなところに力を入れていますか?

柏さくら幼稚園

英語教育を取り入れ13年になります。現在ネイティブの英語教師が4人おり、子どもたちに英語を教えています。ライティングとじ「ふれ合う」英語です。我々がなぜネイティブにこだわるかというと、やはり子どもたちの“耳”の影響を考えてのこと。絶対音感などは6歳までと言われておりますから、それまでにネイティブな発音で慣れることが必要かと思います。

柏さくら幼稚園

でも英語教育だけをやればいいのかというと、そうではありません。私どもの園では、かたよりのない教育を基本理念としております。私たちは日本の国に生まれ育っているわけですから、日本の言葉の美しさもしっかり伝える必要があると思います。実は今年度から「国語教育」と「数遊び」も導入しています。国語教育という響きは幼稚園なのにと思われるでしょうが、むずかしいことではなく、心の時間とでもいいましょうか、道徳を自然に園生活の中で身につけられるように、「言葉と作法」という音読の本を新たに取り入れました。子どもたちだけではなくご家庭でも利用していただけます。

柏さくら幼稚園

園では我々教職員は常に挨拶を欠かしません。それは人と人との大切なつながりです。気持ちのいい挨拶は良い人間関係をつくります。子どものためにもまず私たちが良い見本とならないといけませんよね。挨拶は当たり前のことだと思いますでしょう。でも、その当たり前のことがなかなか出来ないんです。

英語教育や国語教育。数遊びのほかに、力を入れているカリキュラムはありますか?

柏さくら幼稚園

幼児期に大切なことは体を動かすこと。毎朝「サーキット遊び」というものを導入し、毎日体を動かすことを習慣にしています。「サーキット遊び」の主な内容は、園庭を走る運動です。年少さんは1周から始まって徐々に2周3周と増やしていき、最終的に年長さんになると5周走れるようになるんです。また「柏さくら幼稚園」は芝生の園庭で、5月から11月までは「裸足保育」を行っているのも特徴です。

足の裏は脳を刺激するツボがたくさんありますし、芝生を足で踏むことによって自然を学びます。芝も生きていると実感し、四季の変化も楽しんでおります。自然は健康な心と体を作ります。

柏さくら幼稚園

そして「音楽教育」は開園当時から行っている歴史ある教育です。毎年運動会では約200名の年長さんがマーチングバンド演奏をしていますが、これはまさに情操教育としての大切な取り組みです。
演奏と演技のレベルもかなり高いと思います。毎年、曲のテーマを決めて、同じ曲は行わない。歌謡曲やジャズ・クラシック等、様々な曲にチャレンジしています。ちなみに、今年はディズニーメドレーを演奏します。

レベルアップしても、子どもたちはついていけるんですか?

柏さくら幼稚園

もちろんついていけますよ。一番大切なのは日々の“積み重ね”なんです。サーキットもそうですが、年少さんからまず1歩1歩。学期末では発表会や音楽会等で1年の成長が感じられます。
体育や音楽教育をするためには“何が大切か”“何でやる必要があるのか”ということをしっかりと子どもたちに伝えるんです。ですから、ちゃんと理解をし、意欲を持ち取り組むことができます。

そして先生のお話は、優しく、分かりやすく、伝えます。お座りする時は座る、遊ぶ時は遊ぶ。そのメリハリが教育の基本となっているので、子ども達は“やらされている”ではなく“やる”“できる”の意識をもって取り組めます。それが自らやれる子どもに成長し、成し遂げた時の達成感が自信につながり大きな成果となります。

こういったカリキュラムに力を入れる理由は何でしょうか?

柏さくら幼稚園

幼児期は何事もスポンジのように軟らかく吸収する時期です。その中で子どもにとって何が得意になっていくか、将来の目安に繋がっていきます。して良いこと、悪いことを教え、子どもたちが心豊かに育つこと、感性を育てること。
私たちは大事なお子様を預かっています。「柏さくら幼稚園」に入園させて頂いた親御さんの期待に対して、出来る限り応えること。一番大事なこと、それは技術ではなく、心です。そして将来人のためになれるような人に成長してもらいたい、そんな願いです。

最後に、柏さくら幼稚園の今後について教えてください。

柏さくら幼稚園

基本に忠実に。その中で現代人が忘れかけている「日本の美しい言葉と心の教育」、先人達が教えてくださったことは、今後ますます重要になっていく時代になります。そして今やグローバルな時代と言われています。その中で日本という国の大切な言語や文化、日本の良さを子どもたちに継承していきたいですね。

柏さくら幼稚園インタビュー

今回、話を聞いた人

柏さくら幼稚園

住所:千葉県柏市十余二248
電話番号:04-7143-0084
URL:http://www.kashiwa-sakura.ed.jp/

※記事内容は2015(平成26)年6月時点の情報です。

今年度から新たに国語教育と数遊びを導入し 心の教育と情操教育に惜しみなく 感性豊かな子どもに/柏さくら幼稚園
所在地:千葉県柏市十余二248 
電話番号:04-7143-0084
教育時間:8:30~14:00
預かり保育:7:30~8:30、14:00~18:00
休園日:土・日曜日、祝日、夏季・冬季・春季休暇、園が定めた日
http://www.kashiwa-sakura.ed.jp/

子どもたちの「やってみたい」という気持ちを 重視した、自然いっぱいの遊び場づくり/芹ヶ谷公園・冒険遊び場プレーリーダー 岡本恵子さん


芹ヶ谷公園・冒険遊び場
プレーリーダー 岡本恵子さん

子どもたちの「やってみたい」という気持ちを
重視した、自然いっぱいの遊び場づくり

小田急線・JR横浜線「町田」駅より徒歩約13分の場所にある「芹ヶ谷公園」は、豊かな緑と水にあふれる公園。そんな「芹ヶ谷公園」内の常設エリアとして、2014(平成26)年9月末に「せりがや冒険遊び場」がオープンしました。
冒険遊び場とは、子どもたちが自然の中で、火を使う、木に登る、秘密基地を作るなど、自分の責任で自由に遊び、冒険・挑戦・そして体験を通し、成長していく場です。そうした自由な遊び場の提供のほか、運営側では子育てに関するイベントなども開催。子どもから大人まで楽しめる場を目指して活動しています。今回はそのイベントの様子を見学させて頂き、プレーリーダーの岡本さんと、イベント参加者のみなさんに町田エリアでの子育て事情や住みやすさをうかがってみました。

まずは、「せりがや冒険遊び場」の運営をしている「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」のスタッフであり、プレーリーダーとして現場を見ている岡本恵子さんにオープンまでの経緯やイベント内容、今後の展開についてお話しいただきました。

まずは冒険遊び場の発足の経緯について教えてください。

せりがや冒険遊び場 インタビュー

私たちの団体は、2014(平成26)年3月までは同じ町田市の成瀬にある「三ツ又冒険遊び場たぬき山」で、冒険遊び場活動を行なってきました。夏は、木枠にブルーシートを敷いて水遊びをしたり、竹の水鉄砲を作って遊んだり、冬は天然酵母パン講座を行ったり、参加者の方からの要望でヨガをやったりと、さまざまなイベントを実施しました。

せりがや冒険遊び場 インタビュー

冒険遊び場を作るキッカケとなったのは、町田市には子どもセンターがなかったこともあって、親子で遊ぶことができる拠点を作りたいという思いからです。地域に「子どもたちを自然の中でのびのびと遊ばせることができる冒険遊び場を作りませんか」と働きかけました。最初の「たぬき山」での活動を含めると、すでに15年くらい活動しています。自治体が私たちの活動を応援してくれることもあって、生活道路としても利用されているだけでなく、自然も豊かなこの「芹ヶ谷公園」に冒険遊び場を作ることになりました。

冒険遊び場とはどんなことが出来るところなのでしょうか。

せりがや冒険遊び場 インタビュー

冒険遊び場は、子どもたちが自然の中で自由に遊び、子どもたちにとっての“冒険”はもちろん、挑戦や体験を通して成長していく場にしたいと考えています。子どもにとっては“冒険”という自己責任も必要となりますが、もちろん、現場には「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」のプレーリーダーが常駐して、子どもたちの様子を見守り、時には子どもたちの“冒険”を後押しするようにしています。

せりがや冒険遊び場オープニングイベント時の様子

平日だったら60人から70人、多い時で100人くらい、そして土日の週末は200人から300人くらいの人が、この遊び場に訪れます。多目的広場からも看板が見えるので、多目的広場に来たついでに遊んでいくファミリーもいらっしゃいます。そういった遊びに加えて、毎月第1水曜日には乳幼児と保護者を対象に季節の遊びをしたり、ゲストを招いて親子で楽しめる「子育てカフェ」を実施したり、さまざまなテーマでモノづくりをする「手作り工房」、さらには「思春期講座」など、多彩なイベントを行っています。

冒険遊び場でのイベントですと、基本的に屋外での実施になると思いますが、1年を通してイベントは実施されているのですか?

せりがや冒険遊び場オープニングイベント時の様子

はい。季節を問わずイベントは開催しています。基本、イベントは雨天中止なのですが、子どもたちはちょっとくらいの雨は全く気にならない様子で、雪でも元気。寒がっているのは、スタッフの方だったりして(笑)。また、子どもたちは大人が気づかないような虫に気づいたり、“子どもたち独自の目線”を持っていて、大人にとってもいろいろな発見の場となっていると思います。

せりがや冒険遊び場

今はまだ、子どもたちが自然いっぱいの環境の中に入ると、どう遊んでいいのかわからないため、遊具を使わないと遊べない状況ですが、「冒険遊び場」を通じて自分で遊びを考えたり、自分がやりたいことに挑戦する行動力などを身に付けていってもらいたいですね。また、火が使用できる環境を整えて、子どもたちに火を使った工作や火起こしなどの体験も提供していきたいと思っています。

「たぬき山」ではやっていた「ワイワイごはんの日」もまたやりたいですね。“火によって人が集まる”ということを、子どもたちが体験的に感じてもらえるようなイベントも、将来的には実施していきたいと考えています。

続いて、今回の「子育てカフェ・わらべうた」に参加された方々から、イベントの感想や街の魅力について語っていただきました。

自然の中で遊べる場所が近所にある一方で、
横浜や新宿などへのアクセスの良さも魅力。(Oさん)

せりがや冒険遊び場

「芹ヶ谷公園」にはよく子どもを連れて来るので、何回か「冒険遊び場」には来たことがあって、プレーリーダーの方が、子どもにノコギリの使い方や釘の打ち方などの遊び方自体を教えてくれました。イベント自体には今回初めて参加しました。「冒険遊び場」の受付に置いてあった「子育てカフェ」のチラシを見たのがキッカケ。

以前から「たぬき山」に冒険広場があるのは知っていたのですが、私たちが住んでいるところからはちょっと行きにくい場所でした。その点、「芹ヶ谷公園」なら、3歳の子どもでも歩きやすい遊歩道があるので、気軽に来ることができます。子どもと2人だけで参加しても、同じくらいの子育てママが参加しているので、私も一緒に楽しむことができます。子どもがちょうどいろいろなことに興味を持ち始めた時期でもあるので、こういった経験ができる場所が近くにあるっていいですね。「町田」駅周辺は、この「芹ヶ谷公園」をはじめ、自然環境も豊かなのに、小田急線と横浜線が通っているから横浜駅や新宿駅に出やすい便利さも魅力だと思います。

緑豊かな環境で、安心して子どもを
遊ばせることができるイベントでした。(Kさん)

せりがや冒険遊び場 インタビュー

4月に町田市に引っ越してきました。最初に感じたのは、「たぬき山」や「かしの木山自然公園」など、自然がたくさん残っていて、子育てする上でも住みやすい環境だということです。整備された児童公園などもたくさんありますが、子どもともっと自然の中で遊びたいと思い、インターネットで調べてみたところ、「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」の「子育てカフェ」を見つけたのです。いろいろなイベントを実施されているようなので、これからも機会があれば参加したいですね。

人がたくさんいるので子どもは楽しそうだし、
私自身も自然の中でリフレッシュできました。(Hさん)

せりがや冒険遊び場 インタビュー

子どもが生まれてから町田市南大谷に引っ越してきました。日頃、家では子どもと二人っきりですし、知らない土地でまだ友だちもあまりいないこともあって、一緒に子育てについて話せるママ友がいないのが悩みでした。子どもは人のいるところが好きみたいなので、どこに連れて行っていいのか考えていたのですが、まだ歩けない年齢ですから公園にも行けません。また、児童館は小学生も土日は来て混雑するので、小さい子を自由に遊ばせるにはちょっと心配。そんな時、「町田市立保育園」のお部屋開放があって、そこでこのイベントのチラシを見つけ、今回参加してみることにしたんです。参加してみたら、私自身もリフレッシュできたし、子どもも嬉しそうだし、これからもこういうイベントに参加したいと思いました。

環境を活かした子育ての場づくり!
都会と自然をどちらも楽しめる街。(Sさん)

せりがや冒険遊び場 インタビュー

1歳の子と小学生・中学生の子どもがおりまして、「たぬき山」の時代からこのNPOに参加しています。10年ほどになるでしょうか。もともとは子育てママのサークルとして「たぬきっこ」というグループ活動をしていたのですが、子育て支援活動の一環として月に1回のペースで、“カフェ”というスタイルのイベントを開催したり、保育士の方を招いての連続的な講座などを実施するようになったのが子育てカフェの始まりです。

「冒険遊び場」は、子どもたちが屋外でのびのびと遊び、自然の中で泥だらけになりながらいろいろな体験ができる場所です。児童館などと違って、きちっとしたテーマは設けず緩い感じで、自由に遊んでもらいたいと考えています。イベントは、参加者の方たちと一緒に新しいイベントを作っていきたいですね。

せりがや冒険遊び場 インタビュー

今回、話を聞いた人

芹ヶ谷公園・冒険遊び場
プレーリーダー 岡本恵子さん

開園日:水曜日~日曜日
開園時間:10:00~16:30(10月~2月)、
10:00~17:30(3月から9月)
※平日・祝日に関係なく、上記が開園日となります。
HP:https://www.facebook.com/serigayaboukennasobiba
※記事の内容は2015(平成27)年6月に実施した取材をもとに作成しており、今後変わる場合がございます。

子どもたちの「やってみたい」という気持ちを 重視した、自然いっぱいの遊び場づくり/芹ヶ谷公園・冒険遊び場プレーリーダー 岡本恵子さん
開園日:水曜日~日曜日
開園時間:10:00~16:30(10月~2月)、
10:00~17:30(3月から9月)
※平日・祝日に関係なく、上記が開園日となります。
https://www.facebook.com/serigayaboukenn..

地域コミュニティ・教育施設との連携が生徒たちの故郷を創る。/港区立港南中学校 校長渡辺一信先生


港区立港南中学校
校長 渡辺一信 先生

地域コミュニティ・教育施設との連携が生徒たちの故郷を創る。

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

「港区立港南中学校」は運河を有する区内唯一の中学校だ。特徴的な環境を学習にも活かし、生徒たちは街に対する愛着を深めていく。周囲には保育園から大学まで、多くの教育施設が集まっており、子育て意識の高いエリアとなっている。今回は、そんな「港区立港南中学校」の校長、渡辺一信先生に学校の概要や、エリアの魅力についてお話を伺った。

まずは、「港区立港南中学校」の歴史・沿革から伺えますか?

港南中学校

1963(昭和38)年の開校当時、周辺は都営アパートが立ち並んでいました。学齢期を迎えた子どもが増え、「芝浜中学校(現・三田中学校)」に通っていた生徒も収容して、本校は3学年6学級、生徒数207名の学校として開校しました。街の変化とともに月日を重ね、2013(平成25)年には50周年を迎えました。

開校から50年という歴史のなかで受け継がれてきたことや、大切にされてきたことなどあれば聞かせてください。

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

学校生活における「きれいな校舎を大切にする」「行事には懸命に臨む」「挨拶をする」という3項目は、本校の歴史とともに培った伝統として大切にしています。

「港区立港南中学校」の教育目標について教えていただけますか。

港南中学校 校長 渡辺一信さん

「すすんで、豊かな心と健やかな身体を育む生徒」「すすんで、自他の敬愛と協力を重んずる生徒」「すすんで、学ぶ意欲と深く考える力を伸ばす生徒」の3つです。これらは体育・徳育・知育となるわけですが、一般的には知育・徳育・体育の順で掲げられることが多いです。「体育」を最初にしているのは、健全な体がなければ能力を発揮することはできないという考えに基づいています。

学習の特色について伺いたいのですが、近くの「東京海洋大学」と連携して取り組んでいることなどあれば聞かせてください。

東京海洋大学 品川キャンパス「東京海洋大学 品川キャンパス」

港区内で学区域に運河があるのは「港区立港南中学校」だけ。「東京海洋大学」と連携し、地域に根ざした運河学習をしています。水質測定にはじまり、どのような生物が生息しているかを調べたり、様々な取り組みをしています。

ただ、大切なことは学問として運河を学ぶということではありません。身近な運河を通して、環境に対する関心を高め、運河だけでなく国内外の環境問題を考えるきっかけづくりにこそ、本当の意味があるのではないかと考えています。

近年、人工芝のグラウンドが完成したそうですが、生徒たちの反応はいかがですか?

港南中学校

工事期間中は、半分しかグラウンドが使えなかったこともあり、完成時は開放感もあって生徒たちは大喜びでしたね。ふかふかした絨毯のような弾力性のおかげで、捻挫や擦り傷はかなり減りました。

東京都からスポーツ教育推進校の指定を受けているそうですね。

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

東京都は、子どもたちの体力低下を危惧しており、その対応策として、よりスポーツが身近に感じられるようにオリンピック選手をはじめトップアスリートを派遣しています。スポーツ教育推進校の本校にも来ていただき、学生時代のことや日々の練習のこと、試合に臨む姿勢について話していただきました。

周囲には保育園から大学まで教育施設が充実していますね。

港南中学校

教育施設が多く、メリットとしては年齢や学校を超えた交流が身近にできるということがありますね。特別支援学校を訪ねてゲームをしたり、反対に、本校で一緒にマラソンをすることもあります。小学生のときから交流しているので、親しげに声を掛ける生徒もいます。

港区立芝浦小学校

また幼稚園や小学校との交流に関しては、後輩と接することで年長者としての自覚が生まれるようで、いつもは無口な生徒が笑顔になったり、大人びた顔つきになるといった変化も見られます。

地域コミュニティとの交流についてはいかがですか?

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

以前、行政の方で地域の一体感を高めるためにも、花火大会を開催したいという相談を受けました。花火大会をする場所がなく、実現できないかということだったので、本校のグラウンドを開放したのです。

 

 

子育て支援施設の「港南こども中高生プラザ」が中心となり、子どもたちを実行委員として、高輪警察署をはじめ、消防署、消防団も協力してくれることになりました。打ち上げ花火のために、高速道路を通行止めにするという対応までしてくれたのです。

今ではグラウンドが人工芝になった関係で会場は「東京海洋大学」に移ることになりましたが、地域住民の協力でイベントが開催され、それによって人と人との交流が生まれた良い例だと思います。

芝浦港南エリアの変化について、どのような印象を持たれていますか?

竹芝ふ頭公園「竹芝ふ頭公園」

以前は倉庫街が広がっていましたが、再開発によって街は美しくなりました。子どもたちの地域に対する思いは強くなったように思います。創立50週年の記念式典で、生徒が「私たちは地域の一員として」という言葉をスピーチで使っていました。

港南中学校

「私たちは地域の一員として」という自覚があるからこそ「住んで良かった」「この街が自分の故郷」という気持ちになります。学校が中心となって保護者、PTA、自治会、商店街、教育施設との連携を深めながらさらに魅力的な文教地区にしていければと思っています。

最後になりますが、芝浦港南エリアの魅力について聞かせてください。

「日の出桟橋」の水上バス「日の出桟橋」の水上バス

熱いハートを持った方が多いこと、そして運河があることですね。「東京海洋大学」の先生が、授業のなかで芝浦港南の写真と、オランダの運河が流れている写真を生徒に見せながら「写真を見るだけでは同じようにみえるけど、一方は世界遺産の街なんだよ」と言っていました。自分が住んでいる街のことを考え、より良くしたいという気持ちを持って巣立っていってくれたら、この街はより良くなると思います。

港南中学校 校長 渡辺一信さん

今回、話を聞いた人

港区立港南中学校
校長 渡辺一信先生

住所:東京都港区港南4-3-3
電話番号:03-3471-0238
URL:http://www1.r4.rosenet.jp/konan-j/

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

地域コミュニティ・教育施設との連携が生徒たちの故郷を創る。/港区立港南中学校 校長渡辺一信先生
所在地:東京都港区港南4-3-3 
電話番号:03-3471-0238
https://konan-js.minato-tky.ed.jp

芝浦に根ざしたシュークリーム専門店。この味を多くの人に伝えたい/芝浦レモンツリー 店長 中田哲郎さん


芝浦レモンツリー
店長中田哲郎さん

芝浦に根ざしたシュークリーム専門店。この味を多くの人に伝えたい。

芝浦レモンツリー

芝浦レモンツリー

シュークリームに特化した店として、2007(平成19)年11月に誕生した「芝浦レモンツリー」。常時10種類のシュークリームを用意していて、そのなかのいくつかは季節ごとに味を入れ替えおり、様々な味を楽しむことができる。あえて専門性で勝負に挑んでいる「芝浦レモンツリー」が目指しているのは街の活性化と、街に愛着を持ってもらえるような店になること。地域ありきの営業を心がけている「芝浦レモンツリー」の代表・中田さんにお話を伺った。

それでは、まずはじめに屋号の「芝浦レモンツリー」にはどのような意味があるのでしょうか。

芝浦レモンツリー

新橋で経営していたときの店が “レモンツリー”というだけの話で、あまり深い意味はありません(笑)。新橋から芝浦に移ってくることになったのは、「洋菓子専門の店にしたい」と思ったことがきっかけでした。当時はコーヒー・紅茶だけでなく軽食も出していたので、時間的にも体力的にも、少しずつ負担に感じるようになったのです。

移転資金を貯めるために朝は築地、昼は運送会社、夜は飲食店で働く毎日を送るようになりました。振り返ってみても、よく自分でも頑張ったなと思います。移転するという目標がなければ、きっと堪えられなかったことでしょう。そうした忙しい日々を送っていたときに、ある人から「店を閉めるから、場所を引き継いでくれないか」と言われたんです。頼まれると断れない性分もあって、何とかやってみようと思ったのがきっかけですね。

シュークリーム専門店としてお店をはじめた意図はどういったものだったのでしょうか。

芝浦レモンツリー

新しいことをやる以上、やはり特徴を出す必要があると考えました。そこで考えたコンセプトが“シュークリームに特化する”だったんです。洋菓子店が和菓子を売ることに違和感のなかった時代が、月日とともに洋菓子を専門にすることが主流となり、さらに生菓子、焼菓子といった具合に細分化が進んでいきました。焼菓子のなかでも“プリン専門店”が現れるくらいの時代です。時代に合わせていくことが、大切だと思っています。

現在のシュークリームに辿りつくまでには苦労もあったと思います。

芝浦レモンツリー

そうですね。本当に、試行錯誤の連続でした。色々な種類を販売していますが、いずれもベースになるのはカスタードクリーム。何かを混ぜ、新しい味を創ろうとしても卵黄の味が強くなってしまい、なかなか上手くいきませんでした。高度な技術が必要とするものでも目指すべき目標があれば、到達は難しいことではありません。ですが、見えないゴールに向かって新しいシュークリームを作り続けていくという作業は、なかなか根気のいる仕事でしたね。

ショーケースに並べられている10種類ものシュークリーム。最も人気があるものはどちらでしょうか?

芝浦レモンツリー

やはりカスタードシュークリームですね。リンゴ、マロン、イチゴといった具合に、旬のフルーツも人気なのですが、やはり定番が人気です。カスタードを注文された方は、次もカスタードシュークリームを購入されるんですよ。定番に敵うものはない、ということかもしれませんね。

これまでにあった印象深いエピソードなどあれば聞かせてください。

芝浦レモンツリー

インターネット上で当店を話題にし、メールのやりとりをしていたカップルが、それを縁に結婚されたそうです。結婚式で読むからと、メッセージを求められたこともあります。私の知らないところで起こったこととはいえ、「芝浦レモンツリー」が関わっていることは間違いないわけですから、その意味では本当に嬉しく思います。

この芝浦という街に対して、どういった印象を持たれていますか?

芝浦レモンツリー

千葉県の出身ということもあり、当初は何もイメージできない街でした。でも、こうして店を構え、地域の方々と話をしていると、まだまだ下町が残っているなと感じる瞬間が多々あります。近年の再開発によって住民が増え続けている一方で、古くから住まれている方との接点はまだまだ増やせると思いますので、それを少しでも改善していけたらと思っています。

店名の他にも“芝浦シュークリーム倶楽部”と掲げているのは、新しく住民となった方が、街に愛着を持てるような一助となればと考えたからです。この場所をコミュニティとして、人と人との輪が広がってくれたら嬉しいですね。土・日曜日も営業していますので、人と人、さらには街に欠かせない存在のひとつになれるようにしていけたらと思っています。

芝浦レモンツリー 

今回、話を聞いた人

芝浦レモンツリー
中田 哲郎さん

住所:東京都港区芝浦2-1-11 グランドメゾン田町1F
電話番号:03-3454-1616
URL:http://www4.ocn.ne.jp/~shibaura/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

芝浦に根ざしたシュークリーム専門店。この味を多くの人に伝えたい/芝浦レモンツリー 店長 中田哲郎さん
所在地:東京都港区芝浦2-1-11 グランドメゾン田町1F 
電話番号:03-3454-1616
http://www4.ocn.ne.jp/~shibaura/

参加できる時に気兼ねなくできるのが魅力。芝浦のママが集う
「のん気ヨガ」。/のん気ヨガ 講師 大島延子さん


のん気ヨガ
講師大島延子さん

参加できる時に気兼ねなくできるのが魅力。芝浦のママが集う「のん気ヨガ」。

のん気ヨガ

のん気ヨガ

ハリウッドセレブたちの間で流行となったのをきっかけに、今や日本でもすっかり定番となりつつある「ヨガ」。しかし実際にやったことがない人にとっては、ヨガについて知らないことも多いのではないだろうか。今回おじゃました「芝浦港南区民センター」で行われている「のん気ヨガ」は、小さいお子さん連れで参加できるママのためのヨガ教室。こちらで講師を行う傍ら、自らも同区内の芝エリアで2人のお子さんを育てていらっしゃる大島延子さんに、ヨガの魅力と地域についてのお話を伺った。

大島さんがヨガに初めて出会ったのは、地元の児童館で行われていた親子ヨガ教室に参加したことがキッカケだそうですね。

のん気ヨガ

そうです。当時上の子が2歳でしたが、引っ越したばかりだったので子供が遊べる公園がどこにあるかよくわかりませんでした。でも調べてみると港区は児童館が充実していることを知って、足を運ぶようになったんです。そこで親子のヨガ教室に参加したのが最初ですね。

参加した理由は、その先生のキャラクターが好きだったからです。それまで私はヨガをやったことがなかったし、やりたいとも思っていませんでした。もともと運動は大好きでしたけれど、ストレッチ運動は大嫌いでしたから。走ったり泳いだりという激しい運動のほうが好きでしたね。

結果的にヨガの魅力に気付かれたと思うのですが、何が魅力だったのでしょうか。

のん気ヨガ

実を言うと、最初にやった時に激しい衝撃を覚えました。当時ヨガだけじゃなくてエアロビもやっていたのですが、エアロビと違いヨガは全然動かないんです。エアロビは激しく体を動かしますよね。でもヨガの基本動作は全てマットの上だけでできてしまうんです。

私はこれまでスポーツの後にスッキリするには、激しい運動が必要だと思っていました。でも、激しい運動をすると確かにスッキリとはするんですが、同時にすごく疲れてしまいますよね。でもヨガは違うんです。すごく体の色々な部分を使うんですが、疲れないし、体がホカホカになって気分がスッキリするんです。

その後、ヨガのインストラクターになることを選んだのはなぜだったのでしょうか。

のん気ヨガ

私は好きになると仕事のようにのめり込むタイプなので(笑)。あとは当時、ご近所で「ヨガをやっているなら教えて」という声も頂いたんです。港区の小学校は「成人教育」というものがあって、年に何回か保護者向けに教育の場を設けているんです。その成人教育でヨガを教えてくれないか?と誘われて、その時に教えたのがきっかけです。

でも、せっかく教えるならちゃんと勉強して、皆さんに正しい知識をお伝えしたいと思ったんです。それがインストラクターになった大きなキッカケですね。

その時の経験が「のん気ヨガ」につながっているわけですね。こちらの最大の特徴は何といっても「子連れOK」ということですよね。

のん気ヨガ

自分自身、本格的にヨガをやりたいと思っても、子どもが保育園に入るまではなかなか大変でした。だから私がやるなら子連れOKで、なるべく通いやすい環境を整えたかったんです。

そういった理由もあり、「のん気ヨガ」には予約の必要はありません。小さいお子さんがいると、しょっちゅう体調を崩してキャンセルということもありますよね。何度もキャンセルしていると、気兼ねして参加しづらくなると思うんです。そういう気持ちも全部取り払ってもらいたいから、参加できるときに時にいつでも来てくださいというシステムにしています。

こちらに通われている方はどんな方が多いのでしょうか。

のん気ヨガ

地元の方で、かつお子さんが小さくて幼稚園に入る前という方がほとんどです。あとは水泳や英語やリトミックなど「こどもに何かさせたい」という人も多いけれどそれよりも「自分が動きたい」という人の方が多いです。出産は身体を大きく変化させますし、育児はとても身体を使いますので。ヨガの経験については皆さん、まちまちですね。

ヨガに興味を持っているけれど一歩踏み出せないという人に、何かメッセージはありますでしょうか。

のん気ヨガ

ヨガに対して「やりたいけれど、体が硬いし・・・」と思っている人にこそ是非やって欲しいと思います。「やりたくない」という人に無理してやらせる必要はないですけれど、「できない」と思うなら、ぜひ一度は試してほしいですね。

女性であればヨガで「痩せたい」という方もいるかもしれません。私もよく生徒さんに言いますが、そういったことはあくまでも副産物的なもの。それよりも大切なのは、ヨガで体の調子を整えることです。呼吸をして体中に血液を循環させれば、冷え性や便秘、むくみなどに対する効果も期待できます。すると自然と痩せる体へとつながっていくと思いますよ。

最後の質問になります。大島さんも芝でお子さんを育てていらっしゃるとのことですが、こちらの子育て環境についてはいかがでしょうか。 

港南子ども中高生プラザ(プラリバ)

私としてはとても子育てしやすい街だと思っています。本当に不満がないんです。学校の制度や育児に関しては本当に区民に対して手厚いですよ。先ほどもお話した通り、私は児童館や育児支援センターでもヨガの講座を行っていますが参加費は無料です。ヨガの他にもバランスボールやリトミックなど様々な無料講座があります。

いま港区では児童館が「子ども中高生プラザ」という施設にリニューアルされていますが、こちらは赤ちゃんから高校生まで利用者がいます。子ども向けの体育館や音楽スタジオまであるんですよ! 最新の本や雑誌も揃っていますし、子どもたちがプラザにいれば親も安心です。

のん気ヨガ

今回、話を聞いた人

のん気ヨガ
講師 大島延子さん

URL:http://www.nonki-yoga.com/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

参加できる時に気兼ねなくできるのが魅力。芝浦のママが集う
「のん気ヨガ」。/のん気ヨガ 講師 大島延子さん

http://www.nonki-yoga.com/

真心を込め、ベストを尽くす。
高き理想に少しでも近づくために/ピーコックストア 芝浦アイランド店店長


ピーコックストア 芝浦アイランド店
店長

真心を込め、ベストを尽くす。高き理想に少しでも近づくために

ピーコックストア 芝浦アイランド店

ピーコックストア 芝浦アイランド店  店長インタビュー

2007(平成19)年3月、港区における第6番目の店舗として「芝浦アイランド店」はオープンしました。各スタッフがベストを尽くし、利用者に心から満足してもらえる店づくりをすること。それがスーパーマーケットとして何よりも大切なことだと考えている店長の近藤さん。再開発が進み、日ごと、月ごとに街が成長している芝浦。変化し続ける街、そして仕事に対する想いについてお話を伺いました。

さっそくですが、まずは芝浦の印象について聞かせてください。

一口に言えば、“若者が多い”ということですね。それによって街が活気づいているように感じます。再開発が続けられている街ですが、それがさらに加速していけば、若い方だけでなく、それ以外の世代の方も増えてくるかもしれません。住民が増え、新たなニーズが生まれることで商業施設も増え、街が発展していくのではないかと思います。

この街で生活されている方をイメージし、どのような商品が求められているのかを考えることは大切ですね。お客様の日常、食を通じて健康を預かっているという責任を忘れず、満足していただける商品ラインナップを心がけています。当店だけでなく、生活圏にはホームセンターもあります。この周辺には急坂がないので、自転車でのアクセスも便利だと思います。

「ピーコックストア 芝浦アイランド店」の特徴をお教え頂けないでしょうか。

ピーコックストア 芝浦アイランド店

42台分のスペースを確保した駐車場は、2,000円以上のお買い物で1時間分が無料となります。自動車を利用される方が多いエリアなので、そうしたニーズに応えることは大切ですね。

品揃えに関して言えば、ベビーカーを押されながら買い物をされるような若い世代が多いこともあり、扱っている商品は、他店よりも“西欧”の色が濃いですね。“お客様のニーズに応えること”この姿勢が何よりも大切だと考えています。

では、お店づくりに関して大切にされていることというのは?

季節感があり、そのときの季節が分かるようにすることですね。店内を歩くだけで、旬の魚介や野菜が分かるようにしています。また、お客様にとって便利であるだけでなく、お買い物が楽しくなるように商品を配置していくことも必要です。工夫によって、商品の売上げは大きく左右しますからね。

例えば、なべつゆのストレートパウチ。これまで鮮魚、青果といった具合に売場ごとに商品を並べていたのですが、それを一箇所に集めることにしたのです。その結果、関東エリアの系列店では一番の売上げとなりました。お客様のことを第一に考えた結果、数字となって現れたのは嬉しかったですね。

「ピーコックストア 芝浦アイランド店」の店長として、どのようなことに気をつかっていらっしゃいますか?

お客様に対してはもちろんですが、スタッフへの気配りも大切です。どれだけ頑張っても、私だけでは何もできません。スタッフの力を借りることでスーパーマーケットとしての使命を果たせるようになるわけですから、それぞれのモチベーションを高め、働きやすい環境をつくることは欠かせません。スタッフには“ベストを尽くそう”とは言いますが、決して「頑張れ」と言わないようにしています。

人によって基準が違いますし、もしかしたら本人は“もう頑張れないくらいに頑張っている”かもしれません。ですからそれぞれが、その瞬間にベストを尽くすことが大切なのではないかなと。選手、つまりスタッフがプレーしやすいような環境を整え、ゲームプランを打ち出すことは店舗の方向性を示すこと。こうした考えや仕事に対する姿勢は、学生時代に打ち込んだアメリカンフットボールが大きく影響しています。

お仕事のなかで嬉しいと思うこと、また過去に嬉しかったエピソードなどあれば伺えますか?

月並かもしれませんが、お客様に喜んでいただけることが、この仕事で得られる最大の喜びですね。なかには、私のことを名前で呼んでくださる方がいらっしゃったり、その他にもお手紙を頂いたこともありました。お店の看板だけでなく、私自身も信頼していただけたわけですから本当に嬉しかったですね。お客様からいただいた手紙は、一生の宝物になりました。

芝浦界隈で、お気に入りの場所はありますか?

芝浦アイランド

職場と同じ場所になってしまいますが、やはり「芝浦アイランド」ですね。運河に囲まれ、とても爽やかな風が吹き抜けていきます。カフェもありますから、そこでゆっくりとコーヒーを飲むというのも楽しいのではと思います。

水上バスを利用すれば、台場、豊洲方面に行けるというのも魅力的。それと実は、お店の裏は、地元の方だけが知っている東京湾花火大会の隠れスポットなんですよ。開催当日が待ち遠しくなる程です。

地域の生活を支えている「芝浦アイランド店」。今後は、どのような店舗にしていきたいと考えていますか?

ピーコックストア 芝浦アイランド店

お客様のため、そしてスタッフのためにも、これまで以上に“あって良かった”と思われる店舗にしていきたいと思っています。そのために、まだまだクリアすべき課題は多いのですが、ひとつずつ着実に乗り越えていきたいですね。

より良いお店にしていく意味でも、もし何か気づくことがあれば気兼ねなく御指摘いただければと思っています。例えば商品が入れ替わり、お求めのものがない場合でも、可能な限り対応させて頂きます。お客様の満足度を高め、精進していく結果が、“より良いお店”になっていくのだと思っています。

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

今回、話を聞いた人

ピーコックストア 芝浦アイランド店 店長 近藤さん

所在地:東京都港区芝浦4-22-2
電話番号:03-5730-0303
URL:http://www.aeonmarket.co.jp/peacock_shop_info/east_shibauraisland/shibauraisland.html

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

真心を込め、ベストを尽くす。
高き理想に少しでも近づくために/ピーコックストア 芝浦アイランド店店長

所在地:東京都港区芝浦4-22-2 芝浦アイランド
電話番号:03-5730-0303
営業時間:24時間営業
https://aeonmarket.co.jp/peacock_shop_de..

伝統校の歴史を受け継ぐ最新設備の小学校

生徒一人ひとりが「マイ一輪車」を持つ、木のぬくもりが心地よい学校/中央区立中央小学校 小久保秀雄校長先生


中央区立中央小学校
校長インタビュー

中央区の鉄砲洲公園のすぐ隣、「鉄砲洲小学校」から続いた中央小旧校舎を、全面建て替えの形で新築し、2012(平成24)年9月に竣工した「中央小学校」。壁面緑化で覆われた近代的な建物には、可動床採用の温水プールや開閉ドーム屋根付き屋上校庭など、公立小学校としては日本でも屈指のレベルの設備を備えており、近隣の人々からも新しい「地域のシンボル」として親しまれている。 今回はこちらで2013(平成25)年から校長を務める、小久保秀雄先生にお話を聞くことができた。

まず、中央小学校の歴史について教えてください

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

「中央小学校」というのは、1993(平成5)年にできた比較的新しい学校なんですね。実はその前に、「鉄砲洲(てっぽうず)小学校」と「京華小学校」のふたつの小学校がありまして、ふたつを統合して「中央小学校」となりました。

鉄砲洲小は明治10年の開校、京華小は明治34年からの学校でして、2校の大きな歴史はそのまま受け継いでおりますので、今でも、行事のたびに来てくださる方々や、保護者の方々にも、鉄砲洲出身、京華出身という方が多いです。長く住まわれている方が多くて、2代、3代と続いて通われている方が多いということですね。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

経済が発展する中で、小学校の子どもの数が減少した時期が長かったものですから、平成5年から一つの学校になって、鉄砲洲小の校舎をそのまま中央小ということで使っていましたが、たくさんの方々から「子どもたちに広い校庭を、よりよい環境を」という思いもありまして、今回新しい校舎に生まれ変わったわけです。

なお、京華小の建物については、2001(平成13)年から「京華スクエア」ということで、区民の方々に広く使っていただいておりまして、八丁堀の地域のお祭りや、運動会などもそこで行われています。

現在、同じ建物の中に中央幼稚園、明正小、明正幼稚園も入っているのですね

現在この中央小に明正(めいしょう)小学校が入っていますけれども、中央小も昨年までは明正小の校舎の一部を借りる形で入っていまして、今度は明正小が建て直しになったので、工事の間だけ、中央小の校舎に入っているという形になっています。

2014(平成26)年の8月には明正小の新校舎も完成しますので、その後は明正小と明正幼稚園はそちらに引っ越して、こちらは中央小と中央幼稚園という本来の形に戻ります。

中央幼稚園については、以前から小学校に併設する形で入っていまして、それは中央区の多くが同じ仕組みになっております。私は小学校の校長ですが、幼稚園の園長でもあるんですね。

新校舎の特徴について教えてください

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

まずひとつは、ふんだんに木を使っていますので、新しい建物ではあるのですが、日本文化の良さ、木のぬくもりを感じられるような造りになっているかと思います。子どもたちもここで生活をして、いつも木に囲まれていますから、穏やかで優しい心の子が多いと思います。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

施設の目玉としては、1階にある温水プールがひとつそうかと思います。こちらは夜間と休日には一般開放もしていまして、近隣の方にも広くお使いいただいている施設ですね。

プールの床は「可動床」という上がり下がりするものになっていますので、学年によって深さを変えて効果的に指導ができますし、水を抜いて調整する方法に比べると、水も時間も無駄が無くなりますので、非常に素晴らしいものかと思います。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

もうひとつの目玉は、校庭でしょう。以前の学校では校庭を囲むように校舎が建っていましたが、今回は敷地いっぱいに建物を建てて、校庭を屋上に配置する構造になりましたから、非常に効率よくスペースを使えまして、その結果、広々とした環境になっていると思います。

それからこの校庭にはドーム型の屋根もありまして、この屋根が開閉式ですから、雨が降っても屋根を閉じてそのまま授業を続けられるんです。開校最初の年の運動会でも、途中で雨に降られてしまったんですが、屋根を閉じてそのまま続行できたということで、保護者の方や近隣の方はとても驚かれたそうです。おそらく、公立の小学校で可動式の屋根というのは大変珍しいと思いますので、本当に素晴らしい設備ですね。

こちらのグラウンドも夜間と休日には開放を行っていまして、グラウンドは基本的に団体での利用となりますが、プールについては個人の貸し出しが主体ですので、お近くの方はぜひご利用いただければと思います。

現在の児童数と今後の見込みについてお聞かせください

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

2014(平成26)年6月現在、小学校は103名、幼稚園は42名です。本校の学区は、湊、入船のそれぞれ2丁目までと、八丁堀地区になりますが、この辺りには2016(平成28)年から2017(平成29)年にかけて多くのマンションが竣工する予定ということですから、児童の数は大幅に増えると見込まれています。

ただ、これから新しい方が増えたとしても、現時点で明正小が入っているほどですから、十分な余裕があります。各学年2クラスまで増やせる余裕がありますので、現在の倍以上になってもまだまだ大丈夫ですね。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

実際、今年度も児童数は大幅に増えていまして、幼稚園の3歳児が(1993(平成5)年の開園以来)初めて20名以上の入園者がありましたし、小学校も、今年は1年生が27名入学しました。中央小学校の歴史の中では、今が最も児童数が増えてきている時でして、今後もそれは続くかと思います。幼稚園の園児についても、ほとんどの方が、そのまま小学校に入学してきます。

校外学習が盛んとお聞きしたましたが、どのようなことを行っていらっしゃいますか?

宿泊を伴う校外学習については、基本的には中央区の小学校はどこも行き先が同じなのですが、4年生では中央区が持っている柏市のセカンドスクールに行きまして、そこで2泊3日の自然体験をします。ただ、内容はそれぞれの学校で異なってきますので、中央小は中央小独自のカリキュラムを組んでいます。

5年生については館山へ、民宿を借りての2泊3日の臨海学校に行きまして、こちらでも同様にさまざまな活動をします。

6年生では、山梨県の本栖に中央区が出資している宿泊施設がありますので、そちらに滞在して、富士山に登ったり、乳搾り体験をしたり、バター作りをしたり、ということを行います。

その他にも遠足などが何度かありまして、高尾山に行ったり、鎌倉に行ったりということもあります。

一輪車が学校を象徴するスポーツになっていると聞きました

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

本校は一輪車が「マイスクールスポーツ」となっていまして、中央小学校ができた当初から、「ひとり1台の一輪車」を持ちまして、子どもたちの巧緻(こうち)性や調整能力を鍛えることをしています。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

一輪車は校内発表会を1年に2回行っていまして、ひとつは「団体技」ということで、友達と一緒に組んで技を発表します。これとは別に「個人技」の発表会もありまして、毎年3月なのですが、全員がそこで1年間の成果を発表します。4年生以上になると、大きな一輪車にも挑戦できるようになりますので、非常に見応えがあります。一輪車というのは、体幹を鍛えるために非常に有効と言われていますので、運動能力の基礎となる部分が鍛えられているかと思います。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

また、本年度に関しては東京都の「オリンピック教育推進校」に指定されましたので、オリンピアン(オリンピック出場経験者)を招いてお話を聞いたり、コーディネーショントレーニングという、体の動きを結びつけるトレーニングを実施する予定で、体力づくりにも力を入れております。

校長先生が考案されて「チーム中央」という言葉があるそうですが、どのような思いを込めているのでしょうか

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

これは私が、昨年この学校に来たところで作った言葉ですが、私が作ったというよりは、その時あった地域の状況に、言葉を当てはめてみたらしっくりときた、というものなんですね。

中央小学校の良いところは、保護者や学校、地域の方々が、非常によく協力し合っているところだと思うわけですね。何をやるにも、つねにこの三者がチームとなって協力しているんです。

私は先生方に対しても「チーム中央」という言い方をしますが、これはひとりひとりの先生方が、自分の学級、自分の学年の子だけを見るのではなくて、学校中のいろんな先生方と情報をやりとりして、いろんな目で子どもたちを見て、教職員全員が「チーム」の意識で子どもたちを見ていこうというものです。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

もちろん保護者の方、地域の方もについても同様です。自分の子どもだけではなくて、ほかの子どもであっても、街で見かければ気軽に挨拶をしてくださいますし、町会の方も皆さんとても優しく接してくださいます。情にも厚いし、他人を他人と考えずに、自分と同じように考えてくれる、そんな地域です。

子どもたちも地域に対して積極的に関わっていまして、たとえば「京華スクエア」で行っている、八丁堀の「町ぐるみ運動会」の時に本校の子どもたちが、一輪車でアトラクションで出場していますし、夏には盆踊りにも参加します。こういったこと全部をちょうどよく表す言葉として「チーム中央」という言葉がピタリとはまったんですね。

学習面で特徴的な部分があれば教えてください

昨年は国語の校内研究をしていましたので、「ことばの集会」といって、言葉のスキルを高めるための集会を定期的に開いて、縦割りの班で6年生が1年生に「そこはこうやって話すんだよ」などと教えてあげたり、自分の好きなことをいろいろな言葉でアピールしたりという機会を持って、人前で発表する力、語彙、話し方などを鍛えてきました。せっかくの良い流れですので、それは今後も、精選しながら継続したいと考えています。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

昨年度で国語については大分整いましたので、今年度は算数について、より力を入れ始めて、改善を進めています。3年生以上については、算数の少人数授業ために講師が当てはめられていますので、ランチルームなども使いながら少人数授業に取り組んでいますし、1、2年生についても、本校は学級数が少ないですから、空いている音楽や図工の先生が入って、チームティーチングの形をとっております。

人数が少ない学校ならではのメリットとは、どのような点なのでしょうか?

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

本校では高学年の子が下の子の面倒をよく見ますし、下の子もお兄さんお姉さんにとても良く親しみをもっています。それも人数の少ない学校のメリットのひとつかもしれませんね。
もちろん、ひとりひとりの顔が見えて、関われる時間も多くなりますから、きめ細やかなケアもできますし、家庭との情報交流の時間もしっかりと取れるメリットは大きいです。保護者同士でも交流する機会が多いですから、お互いの顔がよく見えるということもありますね。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

子どもたちはそういう中で、高学年の行動を下の学年の子がすぐに目標にできますから、何も指示しなくても、自然と学んでいくんですね。これも少人数ならではかと思います。小さい子たちは、「5年生、6年生になったらああなるんだ」という目標を持ちやすいんですね。そしてその子たちが高学年になると、今度はしっかりと高学年らしくなって、低学年の子にすごく一生懸命に教えるんです。その循環がしっかりできていると思います。

小学校と幼稚園の連携にはどのようなものがありますか?

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

運動会、音楽会、学芸会などは幼稚園と小学校で共同で行っていますし、高学年の子については、総合的な学習の時間を使って幼稚園の子に読み聞かせをしたりもしています。

あとは、一輪車を通しての交流は本校ならではの光景かと思います。本校では昨年度の1年生、現在の2年生以上の全員が一輪車に乗れますので、それを受けて、幼稚園でも、年長児から一輪車を始めているんですね。その年長児に、5年生が一輪車を教えに行ったりもしていますから、非常に幼稚園とのつながりが密接になっています。実際に、卒園するほとんどの子は、そのまま小学校に進学してきております。

明正小学校との小学校同士の交流について教えて下さい

今は明正小学校さんが同じ校舎内にいるので、小学校同士の交流は非常にしやすい状況にあります。たとえば高学年が学芸会のリハーサルをする時には、明正小学校の高学年の子が見学に来たり、その逆であったり。他の行事の時にも、明正小の子が見に来てくれたりという交流は行っています。幼稚園でも、中央と明正で演劇教室やサッカー教室を共同開催したりしています。 2014年(平成26)年9月で明正小・幼稚園は引っ越しされますが、せっかく生まれた交流ですから、今後もこういった交流は継続できれば良いですね。

最後に、この地域の魅力についてお聞かせください

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

ひとつはやっぱり、「町会がしっかりしている」という点でしょう。非常に年配の方々も、町会の中では現役として動いていらっしゃいますし、青年部は青年部で、しっかりされていますし、ひとつひとつの町会がしっかりしているので、街全体がしっかりしていると思います。

ですから、新しく引っ越されて来た方もどんどん町会に入っていただきたいと思いますね。そうすれば大人同士もつながりますし、学校ともつながりますし、子どもたちともつながりますし、もっともっと、交流が深まっていくと思います。

この辺りはもともと、生活や防災を含めて「街の基盤」が非常にしっかりしている地域ですので、この良い循環が続くように、どんどん、新しい方にも支えていっていただければ、将来にわたって、本当に素晴らしい地域になるかと思います。もし私がもっと若かったら、ここに住んで子どもを育てたかったと思うくらい、魅力的な地域ですね。

中央区立中央小学校  小久保秀雄校長先生

今回、話を聞いた人

中央区立中央小学校

校長 小久保秀雄先生

住所:東京都中央区湊1-4-1
電話:03-3551-0565
HP:http://www.chuo-tky.ed.jp/~chuuou-es/

※記事内容は2014(平成26)年6月時点の情報です。

生徒一人ひとりが「マイ一輪車」を持つ、木のぬくもりが心地よい学校/中央区立中央小学校 小久保秀雄校長先生
所在地:東京都中央区湊1-4-1 
電話番号:03-3551-0565
https://www.chuo-tky.ed.jp/~chuuou-es/

生徒の主体性を重んじる地域密着中学校

生徒達の主体性と自信を育み 地域と共に歩む「牛込第二中学校」/新宿区立牛込第二中学校 長田和義先生


新宿区立牛込第二中学校
校長 長田和義先生

生徒達の主体性と自信を育み
地域と共に歩む「牛込第二中学校」

東京メトロ東西線「早稲田」駅から南へ徒歩3分ほど、閑静な住宅地の真ん中にある「新宿区立牛込第二中学校」。この地で70年近くの歴史があり、隣接する早稲田小学校とともに近隣には2世代、3世代にわたって通う人々も多く、地域のシンボル的な存在として親しまれている。
今回は2014(平成26)年度から校長を務める、長田和義先生を訪ね、学校の特色や周辺地域との関わりについてお話を聞いた。

2014(平成26)年度で創立67年を迎えられたとのことですが、これまでの学校の歩みや概要について教えてください。

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

本校は、国民的文豪である夏目漱石ゆかりの地に建ち、創立から今日までの間、多くの保護者や地域の皆様に愛され、支えられてきた学校です。歴史の古い中学校で、長い伝統があり、緑豊かな落ち着いた雰囲気のある学校だと思っています。
2014(平成26)年度については、全校で8学級(1年生2学級、2・3年生各3学級)、生徒数248名でスタートしました。

新宿区立牛込第二中学校 校庭

学校経営の基本方針としましては、「生徒一人一人のよさや可能性を伸ばし、保護者、地域から信頼される、活力ある学校」を目指して、「心を育てる教育の推進」、「生徒一人一人のよさを生かす指導の充実」、「生徒の社会性の育成を図る教育の推進」、「地域とともに歩む学校づくり」といった目標をもって教育活動を進めています。

地域の親御さん方からなども人気の中学校だと聞いたのですが、どのような理由からだと思われますか?

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

多くの保護者の方に本校を評価していただいる理由としては、年に2回の「学校公開週間」をはじめ、「牛二中えんにち」などの地域との連携した取り組み、運動会、学芸発表会など、保護者や地域の方々に来ていただける機会を数多く設けています。その成果ということが一つ考えられます。
普段の学校の様子についても、積極的に学校ホームページや「学校だより」でお知らせするよう努めておりますので、そうしたことを通して、本校の様子をよく知り、生徒が落ち着いた態度で授業に取り組んでいる姿を見ていただくことで、安心していただいているのではないか、と思います。

もう一つの理由としては、二世代、三世代にわたって、保護者の方が本校の卒業生であることも多い地域ですので、これまでに本校が培ってきた信頼と安心感などが評価をいただけているのではないかと感じます。また生徒数は248名という規模の小さな学校ですので、全教職員で生徒一人一人を丁寧に見守ることができるということも、本校のアピールポイントであり、大規模校には無い魅力であると考えております。

長田校長先生が中学校教育において大切にされていることをお聞かせいただけますでしょうか。

新宿区立牛込第二中学校 廊下

中学校は、“義務教育最後の3年間”を担当する、という使命感をもって指導にあたることが何より重要であると考えています。 社会に出ると、自分一人で活動する、ということはほとんどありません。ほかの人達と協力して物事を進める場面が多々あるわけで、そこでは、個人の力や様々なスキルを、いかに多様な人々と協力して、目標の実現に向けて取り組めるか、ということが大事になってきます。つまり、「組織で力が発揮できる人間」が、これからの社会では、より求められると思っています。ですから、将来のために生徒が身に付けるべき資質とは何か、ということを常に考え、各教科や教育活動を通して、“人を育てる”ことが、中学校教育の役割であると考えています。

また、本校では、結果よりも「取り組んだ過程(プロセス)をしっかりと評価すること」と、「生徒の創意工夫や努力を認めること」を大切に考えており、教員の間でもそういった意識を共有しています。失敗しても良いから、失敗したことから学び、次の機会に活かす。生徒が困難を一つ一つ乗り越え、課題を克服していくことを通して、自信と自覚を深める。こういったことの繰り返しが、生徒たちの将来にとって大きな力になるものだと思っています。

学習面に関して工夫されている点や、特色のあるカリキュラムなどがあれば教えてください。

新宿区立牛込第二中学校

具体的な事例の一つとしては、「数学」の少人数指導などがあります。数学は全学年で習熟度別の少人数授業を行っており、1クラスを2展開、または2クラスを3展開、という具合で実施しています。
これによって、生徒たちは個々に分からないことが気軽に質問でき、理解に応じた課題に取り組める、といったメリットが生まれています。これは教員側としても、生徒ひとりひとりに対応した指導を行いやすいなどのメリットがありますので、積極的に活用して授業を進めています。

また、これは新宿区内の全中学校の共通部分ではありますが、全教室にプロジェクター、実物投影機、パソコンが設置されているという点も、素晴らしい点かと思います。教材を大きく写したり、動画を見ながら理解を深めたりと、教科指導で有効に活用しています。
「英語」の授業では、ALT(外国語指導助手)とデジタル教科書を活用して、生徒の発話を増やす授業展開を進めているのが特徴となっています。ALTは区が委託し、派遣された職員が1名、ほぼ毎日来て、英語授業に入っていただいています。

高校進学受験に対する施策などもありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

受験に特化した取り組みについては特に講じておりませんが、普段の放課後の時間を使った「補充教室」や、夏休みの補習については積極的に行っており、基礎・基本の学力定着に向けた環境づくりを進めています。「補充教室」は国語、数学、英語の3教科で、週に3日実施しています。また、夏休みの補習については任意参加で、(先取りをするのではなく)授業で理解できない部分を解消することを目的にしています。
ほかには、「漢字検定」や「英語検定」を校内で実施しておりまして、例年、多くの生徒が受検しています。

部活動について、特に活発な部などがあればご紹介ください。

新宿区立牛込第二中学校 トロフィー

部活動の種類は決して多いとは言えませんが、校庭、体育館等をうまく活用しながら、各部活とも、一生懸命に活動してくれていると思います。具体的な部活名としては、運動部はバレーボール、バドミントン、バスケットボール、サッカー、テニス、野球、水泳・陸上トレーニング部があり、文化部は、吹奏楽部、美術部、数“楽”部、英語部があります。

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

大会などの成績では、本年度は新宿区の春の大会でバレーボール部が優勝しました。バドミントン部は区大会準優勝、野球部は区大会第3位になりました。その他、吹奏楽部は都大会で銀賞を取り、地域のお祭りである「早稲田地球感謝祭」に出演するなど、積極的に活動してくれています。部活の加入率については、9割近くの生徒が参加しています。

生徒会活動も活発だとうかがいましたが、どのようなことを行っているのでしょうか。
また、活動を通して生徒たちの意識にどのような変化が見られましたか?

新宿区立牛込第二中学校 掃除

生徒会活動については、生徒会役員を中心に、意欲的に活動してくれています。朝の挨拶運動をはじめとして、夏には、雨水で学校周辺に打ち水を行う「打ち水大作戦」というものや、毎学期に生徒会と多くの生徒たちで学校の周辺を清掃する「ゴミゼロデー」という活動などを行っています。

新宿区立牛込第二中学校 作品展

実はつい先日も、生徒会の役員選挙が行われたばかりなのですが、全校生徒の生徒会への関心はとても高いです。立候補する生徒も“もっと学校を良くしたい”という思いを立会演説会でしっかりと伝え、この選挙を通して、生徒たちは生徒会活動の大切さを認識していました。
自分たちの代表として選んだ役員の呼びかけにしっかりと応えようと思うからこそ、多くの生徒たちが生徒会主催の活動について積極的に参加してくれているのだと思います。
もちろん生徒会役員以外の各委員会活動についても、それぞれの役割を責任をもって熱心に取り組んでくれています。

学校行事、校外活動などはどのようなものがありますでしょうか。

新宿区立牛込第二中学校 席書会

比較的大きな学校行事としては、6月の運動会、10月の学芸発表会というものがあります。どちらも生徒が主体となって取り組み、大変盛り上がります。ま た、生徒たちはこうした行事の中で、最後まで責任をもってやり遂げることや、他者と協力して物事を進めることの大切さなどを学んでいます。またユニークなところですと、毎年1月に学年ごと体育館に集まって書き初めをする、「席書会」を行います。本校の伝統行事のひとつです。

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

このほか、学校図書館には、この地域と縁が深い夏目漱石のコーナーを設け、蔵書にも力を入れており、夏目漱石関連の「読書感想文コンクール」を実施しています。こちらは本校では以前から実施し良き伝統となっています。
通学区については、「新宿区立早稲田小学校」、「新宿区立鶴巻小学校」の2つの小学校が中心となっていますが、それ以外にも、区内のどこからも通って来られますので、区内の他の小学校からも通っている生徒もおります。

新宿区立牛込第二中学校 校外学習

校外活動については、区の施設がある長野県の女神湖に1年生、2年生と連続で移動教室(校外学習)に行っております。1年生は毎年春に行き、自然観察をしたり、陶芸の絵付けの体験などをします。2年生は毎年冬に、スキー教室に行くのが恒例です。また3年生は修学旅行で京都・奈良に行きます。寺社を見学するだけではなく、学習目的を明確にし、伝統文化に触れる体験活動も多く取り入れています。

そのほか、2年生のときには、キャリア教育の一環として「職場体験」も行っています。これは地域の事業所の方々にお願いをして、丸々3日間、地域のお店や企業などに入って、仕事を体験するというものです。スーパーマーケットやカフェなどの販売の仕事をはじめとして、幼稚園、清掃事務所、図書館、郵便局、仕事支援センター、教育委員会、警察署、ホテル、銀行、動物病院、大学生協など、幅広い仕事を体験することができますので、生徒にとっては将来を考える良い機会になっているのではないかと思います。

夏休みに開催する「牛二中えんにち」は、地域の方々も参加できる大きなイベントだそうですね。

新宿区立牛込第二中学校 えんにち

はい。「牛二中えんにち」は夏休みの最終日曜日に行っているもので、2014(平成26)年度で9回目を迎えました。「早稲田青少年育成委員会」が中心となって、中学生の社会参加事業としてスタートしたもので“中学生を中心に地域交流を図る”ということを目的にしています。地域の方々に頑張っている本校の生徒の姿を見ていただき、生徒たちにも自分が地域の一員であることを再確認してもらう、ということをねらいとしています。

この企画立案については、生徒たちが企画段階から実施までの全てに携わっております。2014(平成26)年度はかき氷、ポップコーン、ソース煎餅などの提供があったり、ヨーヨー釣り、棒キャッチ、ペットボトルを使ったボウリング、ボードゲームなどのコーナーが作られまして、沢山の地域の子どもたちや、親子連れで賑わいました。なお企画の内容は、毎年変わります。

早稲田青少年育成会が主催するイベントには、このほか7月のカレー作り、3月の「もちもちの会(餅つき)」などもありまして、こういった企画を通して、本校生徒と地域との交流を推進していただいています。

新宿区立牛込第二中学校 校庭

また、音楽活動を通して牛込地域の子どもの健全な育成を目指す団体として活動している、「早稲田ミュージックラボ」(青少年吹奏楽団)という団体があります。こちらが本校の音楽室を活動場所としておりますので、本校の生徒も参加しています。こちらでも、定期演奏会やイベントでの演奏などを通じて、音楽を通した地域との交流を進めています。

また、どこの学校でも行っていますが、夜間には地域の方々に向けて体育館開放を行っておりまして、沢山の方にご利用いただいています。

生徒たちの学校での様子について、長田校長先生の印象を教えてください。

明るくて素直で、穏やかな性格の生徒が多いと思います。授業中のペアワークやグループ協議、給食時間などの様子を見ていますと、男女分け隔てなく、誰とでも活動できる生徒が多いと感じます。

生徒会活動の地域清掃ボランティアなどについても、多くの生徒たちが参加してくれていますし、みんなで協力して物事を進めようとする生徒が多いです。また、運動会などの学校行事に主体的に関わり、リーダーシップを発揮してくれる生徒の姿が見られ、時折頼もしさも感じます。

最後に、この地域エリアの魅力はどのようなところでしょうか。

弁天町レポート

「早稲田」駅周辺には古書店や飲食店が沢山ありますし、近隣の大学の学生たちの姿も多く見られ、活気がある街だと感じています。弁天町・早稲田周辺エリア全体については、緑が多く、落ち着いた雰囲気がありますし、文化の香りもあると思います。地域の方々には地元をとても愛している方が多くいらっしゃいますし、人間味があふれる街であることが魅力だと感じています。

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

今回、話を聞いた人

新宿区立牛込第二中学校 校長先生

新宿区立牛込第二中学校 校長 長田和義先生

住所:東京都新宿区喜久井町20
電話番号:03-3205-9671

http://www.shinjuku.ed.jp/jh-ushigome2/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

生徒達の主体性と自信を育み 地域と共に歩む「牛込第二中学校」/新宿区立牛込第二中学校 長田和義先生
所在地:東京都新宿区喜久井町20 
電話番号:03-3205-9671
https://www.shinjuku.ed.jp/jh-ushigome2/

明治期の建物で学ぶ文豪の街の伝統校

落ち着いた環境で子どもたちの可能性の芽を育む
伝統を受け継ぎ、進化を続ける「早稲田小学校」/新宿区立早稲田小学校 堀竹充先生


新宿区立早稲田小学校
校長 堀竹 充先生

落ち着いた環境で子どもたちの可能性の芽を育む
伝統を受け継ぎ、進化を続ける「早稲田小学校」

早稲田通りから南へ少し入った場所にある、「新宿区立早稲田小学校」。周囲を閑静な住宅地に囲まれたこの学校は、2014(平成26)年で創立114年目の伝統校。この界隈でも特に長い歴史を誇る小学校のひとつである。鉄筋コンクリート3階建ての校舎は、銀座和光も手掛けた近代建築家・渡辺仁によるデザインで1928(昭和3)年に建築されたものであるが、80年以上という長い年月が経った今でも、変わらず“美しい学校”という印象を抱かせてくれる。今回はこの学校で校長を務められている、堀竹先生にお話を聞いた。

モダンな校舎がとても美しい学校ですね。まず学校の概要や、特徴について教えてください。

新宿区立早稲田小学校

本校は2014(平成26)年現在、児童数は496名、16学級という編成で、新宿区の小学校としては児童数が多い学校だと思います。1,900(明治33)年に開校し、来年度2015(平成27)年で開校から115周年を迎える歴史があります。

特徴的である校舎については、関東大震災の被災後の1928(昭和3)年に現在の鉄筋コンクリート3階建ての校舎に建て替えられました。天井が非常に高いのは、当時の建築ならではの特徴です。第二次世界大戦中の1945(昭和20)年の山手大空襲で、校舎の4分の3が焼失してしまったそうですが、骨組みの部分はしっかりと残ったので、それを活かした改築がなされ、現在の姿となりました。

校舎としてはかなり古いものですが、筋交いなどの補強工事がなくとも耐震構造上は、現在の水準でも全く問題が無いということです。これは非常に珍しいことだそうです。来校した方々からも“とても公立校には見えない”などとのお言葉をいただくほど非常にデザイン性にも優れた校舎ですので、今も大切に使っております。

漱石公園

また、学区内に夏目漱石が生まれた場所と、終焉を迎えた場所があるということも本校を紹介する上で欠かせないことですね。本校では、夏目漱石について学ぶ機会も作っており、子どもたちも、地域の方々も、“夏目漱石と縁が深い学校なんだ”というように見ているのではないかと思っています。

学校の敷地内に幼稚園が併設されている点も珍しいですね。

新宿区立早稲田小学校

そうですね。新宿区内には本校以外にも幼稚園併設型小学校はありますが、園舎が別の建物になっていたり、小学校の敷地から少し離れたところにあるところが多いと思います。その点、本校は、「早稲田幼稚園」が同じ建物内に入っていますので、直接の交流の機会はそれほど多くありませんが、小学校の生徒と幼稚園生がお互いの活動の様子を日常的に見ながら、同じ空間で生活を共にしているという一体感をもっていると感じます。「早稲田幼稚園」の卒園生も、ほとんどの子どもたちが本校に入学してきます。

地域の親御さん方にも“「早稲田小学校」に通わせたい”と思う方が多いと聞きましたが、そうした評価の理由はどのようなところだと思われますか?

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

ここはご覧の通り周囲に緑が多いですし、校舎も長い年月を経ながらもとてもきれいですよね。子どもたちが過ごす場所として、環境が落ち着いているという点が、評価をいただいているのではないでしょうか。それから、親子三代で通われている地域の方などは、ご自身が早稲田小学校の生活にもつ良い思い出から、「同じような経験をさせてあげたい」ということを願ってこの学校を選んでくださっているように思います。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

ほかには、積極的な学校情報の公開もあるかと思います。たとえば、高学年のマラソン大会を、学校の周りの道路を交通規制して盛大に行ったり、「わせだまつり」という生徒たち主体の行事を開催するなど、地域の方に積極的に子どもたちの姿をアピールして見ていただいています。そういったことからくる安心感も、選択される理由のひとつにあるかと思います。

2014(平成26)年から、隣接エリアからの越境入学ができなくなったそうですが、その理由は何でしょうか?

区域外就学については、区が定めるところに従って取り扱っています。今回、選択できない学校となったのは、本校の学区域の就学予定児童だけでも3学級規模を超えそうなための措置と聞いています。これ以上児童が増えますと、教室数が不足し、教育活動にも支障が出かねません。十分な教育活動を進めるうえで、必要な措置であったと思います。

この措置がこのまま続くかどうかはわかりません。なお、選択制で他の学区から来ている子どもは、本校の場合、児童数全体の約2割です。

学習面の取り組みについての特色や、力を入れている点はありますでしょうか。

新宿区立早稲田小学校

学習面で特色があるのは、「算数」です。本校の算数の授業では、全学年で少人数指導やチームティーチングなどを積極的に取り入れ、個に応じた指導を大事にしながら、しっかりと基礎・基本を身につけさせることに力を入れています。2014(平成26)年からは、理解の度合いに応じてクラス編成を変える、習熟度別指導の試みも始めております。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

また、「国語」に関しては、“聞く・話す・伝え合う”ということを重視し、子どもたちの思考力を高めることに力を入れております。例えば、学級によっては、「朝のスピーチ」という時間をつくり、ひとりおよそ5分、みんなの前でスピーチをする機会を設けています。高学年の「理科」の授業でも同様に「サイエンスタイム」という、科学に関わるニュースを自分なりにまとめて授業のはじめに全体の前で報告する活動があります。こうした経験を通じて、“聞く、話す、伝え合う”力を育んでいきたいと考えています。

課外活動について、まずコンクールなどでも活躍をされている「金管バンド」について教えてください。

新宿区立早稲田小学校

おっしゃる通り、本校の特色ある課外活動の代表的なものは、やはり「金管バンド」ですね。4~6年生のおよそ60人ほどが在籍しておりまして、小学生バンドコンクール全国大会にもここ数年、連続して出場しています。

2013(平成25)年は、東京都大会で金賞をいただききながら、惜しくも全国大会には出場できず悔しい思いをしたのですが、2014(平成26)年の都大会で再び金賞を獲り、今度は11月開催の全国大会に出ることが決まりました。冬には、都のアンサンブルコンテストにも出場しています。これも毎年金賞を受賞するなど、優秀な成績を収めています。

また、大会やコンクールだけでなく、地域の方に声をかけていただき、お祭で演奏したり、区の行事に呼ばれてパレードに参加するなどの活動もしています。毎年3月には卒業発表も兼ねた「たんぽぽコンサート」という定期演奏会も開き、地域の方、保護者、卒業生など、沢山の方々に来ていただいています。ほかにも区のバンドフェスティバルへの出演や、「牛込第二中学校」の吹奏楽部と年に1回のジョイントコンサート開催など、活躍の場は幅広いですね。

また、早稲田小学校では、6年生は1年間、全員が「鼓笛隊」に参加するのが昔からの伝統です。運動会など様々な場面で披露をします。毎週月曜日には、鼓笛の演奏に合わせて全校児童が教室に入るという、今では珍しくなった取組もあります。ほかには、日常的な「音楽集会」で、楽器クイズや合唱をするなど、本校では色々な場面で音楽に触れる機会をつくることに力を入れています。

「わせだまつり」や「学芸会」などの学校行事についても教えてください。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

「わせだまつり」は、毎年秋に開催しています。「なかよし班」という異学年グループを作り、グループみんなで協力して、それぞれ工夫を凝らした“遊びのお店”を出店する行事です。そこで店番をしたり、互いの店に遊びに行ったりします。例年お化け屋敷や射的などの企画があり、教員たちも子どもたちと一緒になって楽しみますし、保護者も地域の方々もにも来ていただいています。

 

 

ほかに大きな行事では「学芸会」があります。これは3年に1回です。前回の学芸会では、子ども達により大きな達成感を味あわせたいということで、プロの劇団員の方に来ていただいて、高学年の演技について指導をいただいています。高学年の劇は、毎回、非常に見応えがあるものに仕上がっています。

今後は、本校も「地域協働学校」へと移行していかなければなりません。そこで、教育活動に外部の方の力を借りるということをより進めていきます。大学や企業などにも、今後は支援をしていただくようにし、活動も充実していきたいと思っています。

「屋上の水田」があるそうですが、こちらも珍しいですね。

新宿区立早稲田小学校

屋上の水田では、5年生が米づくりをやっているんですよ。「総合的な学習の時間」の一環として、給食でお米を納品していただいている、山形県の「JAやまがた」の方に年に1回指導しに来ていただいて、田植えから収穫までを体験しています。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

すずめ除けの対策や日常の世話、水の管理などについても、全て子どもたちの手で行っています。つくったお米は、収穫量があれば全校で食べたいのですが、今は、5年生だけでいただいています。こういった取り組みを通して、日本の食文化、世界の食文化などにも、関心を広げていってもらえればと思っております。

新宿区立早稲田小学校

屋上は、水田以外の部分を遊び場としても開放していまして、子ども達がボール遊びなどをすることもできます。周りが住宅地ですから、景色もすごく良いんですよ。

校外行事について特徴的なものがあれば教えてください。

高学年については、「夏季施設」(自然体験学習)ということで、富士山麓の西湖にキャンプに行って、飯盒でご飯を炊く体験などをしたり、長野県の女神湖にある新宿区の施設を使って、自然に触れたり、地域の伝統文化を体験したりという学習を行なっています。6年生の移動教室(修学旅行)については、新宿区では各校で選択制となっていて、「館山」、「日光」、「伊那の農業体験」の中から選べます。本校では、日光に行っています。

2014(平成26)年から、「地域協働学校」の準備校としてスタートされたそうですね。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

はい。「地域協働学校」というのは、学校運営について支援する組織として、地域の住民・保護者・教職員などで構成する「地域協働学校運営協議会」を設置した学校のことです。地域や保護者と学校が連携をしながら、教育活動の充実を図ることが事業の基本的なねらいになります。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

本校はその準備校のひとつとしてスタートを切り、現在はまず運営協議会を立ち上げて、この事業をどのような位置づけにするのかということの共通理解を図る作業を中心に、子どもたちに地域への関心や愛着を持ってもらうにはどうすればよいかなど、具体的な内容を考え始めているところです。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

ひとつ決まっていることとして、「早稲田学(わせだがく)」というものがあります。これは地域の人材や素材を活用して、様々な教科で体験的な学びを行うことが大枠で決まっています。具体的な中身については、現在考えているところですが、既に各学年から“こういう場面でこういう地域の力を借りたい”というリストも出始めています。講師をお願いしたり、見学活動にご協力いただいたり、地域のいろいろな方々が教育に参画するということが、ひとつの柱になると思います。こちらは2015(平成27)年から、本格的にスタートする予定です。

堀竹校長先生は、小学校教育においてどのような点を大切にされているのでしょうか。

新宿区立早稲田小学校

小学校の6年間は、とにかく色々なものに“関わる”、“経験する”ということが大切だと思います。教科の枠を超えた全体的な学校経営方針としても、“一人ひとりの可能性を広げる教育”ということで進めており、子どもたちが多様な物事に挑戦して、興味関心をもてるようにと考えています。子どもには、それぞれに沢山の可能性がありますから、学校と保護者、地域はお互いに連携する中で、子どもたちの可能性の“芽”を育み、あとは、その子が自分自身で選択していけば良いと思っています。

新宿区立早稲田小学校

今の子たちは、色々知っているようにも見えますけれども、実は、意外と知らないんです。情報が偏ってしまっているんですね。ですから「もっと世の中には、君たちが興味を持つものは沢山あるんだよ」「自分たちが住んでいる街だって、こんなに面白いんだぞ」といったことを伝えていきたいですね。

また、本校の教育活動で現状欠けているのは、「ボランティア」という部分だと思っています。ですから今後は高齢者の通所施設や、幼稚園、保育園などにもどんどん足を運んでいきたいですね。

とにかく子どもたちが、やってみたいと思えることの芽を少しでも多く探し出してあげて、その子の中に増やしてあげることが、小学校教育の責任だと思います。

最後に、この地域の魅力はどんなところでしょうか。

神田川_西早稲田2013

まず何よりも、隣接する地区へのアクセスが非常に便利な点です。地下鉄は東西線、大江戸線が通っていますし、そこに山手線などを合わせて使えば、短時間でいろいろな場所に行くことができます。

また、こんな便利な土地でありながらも、古くからの閑静な住宅街が広がっているところにあるのではないでしょうか。大変落ち着いた雰囲気があり、歴史や伝統に触れる機会も沢山あります。神田川を上流に落合まで遡れば、昔からの染め物工房があったりしますし、さらに、昔は神田川の水を使って紙すきを盛んに行っていたので、今もこの辺りには、印刷関連の事業所が多いそうです。知れば知る程にいろいろな魅力が発見できる街ですから、子どもたちにとっても、様々なことを学べる面白い街だと思いますよ。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

新宿区立早稲田小学校

校長 堀竹 充 先生

新宿区立早稲田小学校
所在地:東京都新宿区早稲田南町25
電話番号:03-3205-9501
URL:http://www.shinjuku.ed.jp/es-waseda/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

落ち着いた環境で子どもたちの可能性の芽を育む
伝統を受け継ぎ、進化を続ける「早稲田小学校」/新宿区立早稲田小学校 堀竹充先生

所在地:東京都新宿区早稲田南町25 
電話番号:03-3205-9501
https://www.shinjuku.ed.jp/es-waseda/

家族でスポーツを楽しめる公共施設

大人から子どもまで誰もが楽しめる/荒川総合スポーツセンター 染谷忠勝さん


荒川総合スポーツセンター
運営支配人 染谷忠勝さん

大人から子どもまで。
誰もが楽しめる「荒川総合スポーツセンター」。

「南千住」駅から徒歩10分ほど、「南千住警察署」の隣にある「荒川総合スポーツセンター」は、荒川区最大規模を誇る室内型総合運動施設として、体育室をはじめ多くの設備を備えている。近年はキッズ向けのスペースを充実させたことで、親子連れの利用も増えているという。

今回はこちらの運営支配人を務める染谷忠勝さんに、施設の特徴と使い方、地域の魅力についてお話を伺った。

「荒川総合スポーツセンター」の概要について教えてください

荒川総合スポーツセンター インタビュー

こちらは30年ぐらい前にできた施設でして、荒川区の公共施設として、区民の方に運動できる施設を提供するという目的で生まれました。荒川区で最も大きな総合スポーツセンターということで、さまざまな設備を備えながら、団体、個人、教室と、さまざまな用途にお使い頂いています。

どのような施設・設備が揃っているのでしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

館内には体育室が大体育室と小体育室のふたつ、25m温水プール(7レーン)、幼児プール、トレーニングルーム、剣道場、柔道場、卓球場、弓道場、ライフル場がございます。3年前には、センター入り口のところに新しく「キッズルーム」もできまして、こちらも好評をいただいているところです。利用については、館内1階の受付で手続きいただいて、それぞれの施設や教室を利用していただくという形になります。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

体育室は教室利用と団体利用、個人利用が主になっていまして、大体育室はバスケットが2面、バレーボールが3面取れまして、観客席もありますので、各種大会をはじめ、体操教室、トランポリン教室、球技教室、フィットネス教室、ストレッチ系の教室など、幅広い用途に使用していただいています。小体育室も同じようにいろいろにお使いいただけますが、バスケットコートが1面取れるほどの、やや小さなスペースとなっています。個人利用は、バドミントンを主に、バレーボール、バスケットボールの利用も可能です。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

温水プールについては、教室の部分と個人利用の部分をレーンによって分けていますので、いつ来ていただいても個人利用が可能ですし、同時に年齢別のいろいろな水泳教室も行っていますので、幅広く利用していただけるかと思います。スイムキャップが必要ですので、その点をご注意いただければと思います。

個人利用は営業時間中はいつでも、朝は8時から、夜は10時15分(最終受付は9時30分)まで利用していただけます。7レーンありますので、教室のあるときはいくつかのレーンを教室用にして、それ以外は個人利用にしています。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

スタジオについては、フラダンスやチアダンスなどの子ども向けレッスンやヨガ、ピラティス・エアロビクスなどの大人向けレッスンを行っています。 トレーニングルームは個人で利用してもらうもので、貸し切りなどはできません。専属のトレーナーを付けるようなこともできませんが、スタッフは常駐していますので、使い方などは気軽に聞いていただけるようになっています。皆さんそれぞれ自由に使っていただけるのが魅力なのかな、と思います。

剣道場、柔道場、ライフル場があるというのは珍しいですね

荒川総合スポーツセンター インタビュー

そうですね、特に柔道場、ライフル場に関しては他区を含めても珍しいかと思います。

剣道場と柔道場はそれぞれ「第一武道場」「第二武道場」と言っておりまして、それぞれ133畳の広さで、第一は板張り、第二は畳敷きになっています。剣道場では剣道の団体利用や大会利用もありますし、個人でヨガや太極拳などで利用される方もおられます。柔道場はやはり柔道を中心に、空手などでも時々利用されます。大会などもよく行われていますよ。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

弓道場については、個人、団体、教室と色々な利用が可能ですので、気軽にお問い合わせいただければと思います。

ライフル場については、「ビームライフル」と「エアライフル」の2種類をご利用いただけます。ビームライフルは中学生以上、エアライフルは資格を持った方だけの利用となります。

キッズルームが親子連れに人気ということですが、どのような施設なのでしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

こちらは2011(平成23)年の3月にできた新しい施設でして、全面にウレタンマットを敷いて安全性を第一に考えたスペースに、トランポリン、エアー滑り台、うんてい、クライミングウォールを備えまして、小さなお子さんや、体を動かすことが苦手なお子さんでも、安全で楽しく使える施設となっています。乳児用と幼児用のスペースが分かれていますので、乳児でも安全に遊ばせることができますよ。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

 

キッズルームでは午前10時から午後1時と、午後5時から6時の2つの時間帯にトランポリン教室、うんてい教室などさまざまな教室(有料)をやっていまして、親子で参加するものも、お子さんだけで参加するものもありますので、いろいろな形でご利用いただいています。午後2時から5時までの間は、教室がありませんので、自由に使っていただくこともできます。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

利用は無料ですが、開放時間の3時間を1時間毎に区切った登録制を取っていますので、事前に登録していただいての利用となります。詳しい方法はセンターまでお問い合わせください。基本的には乳児から未就学児までのお子さんを対象とし、保護者同伴での利用となります。

区内在住の人と区外の人では、料金や利用優先度に違いがあるのでしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

ここは荒川区の施設ですが、すぐ近くの三ノ輪などは台東区ですので、実際には荒川区以外の方もかなりいらっしゃっています。

利用料金の違いはありませんが、教室については最初に荒川区内の方向けの募集を行って、その後に区外の方の募集をするということで、荒川区内の方が優先されるように配慮しております。キッズルームの開放時間に関しても、区内の方は1日に2枠まで、区外の方は1日に1枠までとなっています。

教室もいろいろ開いているようですが、どのようなものがありますか

荒川総合スポーツセンター インタビュー

現在、大人と子どもを合わせてだいたい30~40ほどのスクールがありまして、大人と子どもの割合としては半々ぐらいです。水泳などですと、子ども向けのスクールのほうが若干多いかもしれません。年齢別、習熟度別になっていますが、特に60歳以上を対象にした、高齢者向けの教室などもあります。

講師については、私たちが行うものもありますし、専門のインストラクターに依頼しているものもあります。私は主に子どもの器械体操 トランポリン教室を担当しています。

人気の教室ということですと、子ども向けは水泳、体操、トランポリンなどが比較的人気ですね。特に水泳は教室の数もすごく多いです。大人向けですと、ヨガやピラティス、卓球などが人気ですね。

託児付き教室というのは何でしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

大人向けの教室の中に幾つか、数は限られてしまいますが、託児サービスが付く教室がありまして、その間はこちらのスタッフが教室の時間の間、お子さんを預かっております。

小さいお子さんを持つ方ですと、日頃なかなか身体を動かす機会が無いですから、とても好評を頂いていますね。子育て世代向けのイベントの時などの時にもやっていますので、お子さん連れの方もぜひ気軽に、センターをご利用いただければと思います。

最後に、南千住エリアの魅力についてお聞かせください。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

スポーツセンターの周辺については、下町のほのぼのとした空気があって、昔のいい雰囲気が残っていると思います。その一方で、「南千住」駅周辺については、新しいショッピング施設もできたり、ファミリー層の方にも住みやすい環境もできていますので、同じ南千住という地名ですけれど、下町の雰囲気があったり、近代的な使いやすい町並みがあったり、という点が魅力なのかと思います。

LaLaテラス南千住

それから、利用される方も街を歩いていらっしゃる方も、とても優しくて、気軽に声をかけてくださる方が多ですね。私としては、そういうところも素敵だな、と思っています。

今回、話を聞いた人

荒川総合スポーツセンター インタビュー

荒川総合スポーツセンター
運営支配人 染谷忠勝さん

住所:東京都荒川区南千住6-45-5
電話番号:03-3802-3901
開館時間:8:00~22:30
休館日:無休(年始、施設点検休館あり)
http://www.arakawa-sposen.com/
※「荒川総合スポーツセンター」は本サイトに広告を出している企業とは一切関係がございません。

※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

大人から子どもまで誰もが楽しめる/荒川総合スポーツセンター 染谷忠勝さん
所在地:東京都荒川区南千住6-45-5 
電話番号:03-3802-3901
開館時間:8:00~22:30
休館日:年始(1/1~1/3)
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a017/s..

憧れの中学生を身近に感じ、 将来の目標を育てる/つくば市立竹園西小学校 矢口和子先生


つくば市立竹園西小学校

憧れの中学生を身近に感じ、
将来の目標を育てる「竹園西小学校」

つくば市立竹園西小学校
校長・矢口和子先生

「教育日本一」を目標としている「つくば市」の中でも、学力が高いことで知られている竹園エリア。「竹園西小学校」は竹園エリアの小中3校からなる「つくば竹園学園」に属する公立小学校で、同学園に所属する「竹園東小学校」とともに「竹園東中学校」と小中一貫教育を行っている。小学生の立場における小中一貫教育というのは一体どんなメリットがあるのか? 校長の矢口和子先生に伺った。

つくば市の公立学校はすべて小中一貫教育を行うことが最大の特徴ですが、「竹園西小学校」は「竹園東中学校」との小中一貫教育を行っています。
小学生の立場からみて、小中一貫教育はどのような利点があるのでしょうか?

つくば市立竹園西小学校

中学生と交流を持つことで、子どもたちは中学生に対して強い憧れを持つことができます。例えばこの前は6年生が中学の合唱祭に呼んでいただいたのですが、中学生の合唱は小学生では真似できないレベルです。そういったものに触れることで、自分たちがやがて中学生になったとき、「あんな先輩になりたい」という目標が持てるわけです。そうすると自分たちは今、それに向けてどんなことを頑張ればいいのかということを考える意欲が沸きます。

 

つくば市立竹園西小学校

7月にも中学生が来て、5年生、6年生のために中学校生活に関するプレゼンテーションをしてくれました。子どもたちはもちろん、我々教員も中学生のユーモアがあるプレゼン力に感心してしまいました。「中学校にいったらこの子たちはあんなふうに頑張っていくんだな」ということが、教員も今の段階でみえてくるんですね。それに向けて目標を持った子どもたちを育てることがいかに重要かということを、自分たちも改めて認識すると思いますね。

「竹園西小学校」と「竹園東中学校」は校舎が別々という「施設分離型」です。
そのことで大変なことはありますか?

つくば市立竹園西小学校

やはり「施設分離型」による課題は学校の距離です。教員同士お互いどのように授業準備や情報交換をするのかは、近い方が都合は良いです。そこで、本学園では年間の研修計画を年度始めに決めています。計画的に授業準備や研修ができるようにしています。

 

つくば市立竹園西小学校

例えば夏休み中の月曜日は研修や行事などをなるべく持たないで、学園が共通で研修をするという工夫をしています。お互いの授業も頻繁に見合い、授業研究もしています。

 

つくば市立竹園西小学校

今年は中学の理科の先生に、小学校高学年の理科の授業に入っていただいています。そういう授業は子どもたちにとって良い刺激になるのはもちろん、我々小学校教師にとっても授業の進め方など学ぶ部分はとても多いです。

つくば市ではそのほかにも小中学校の9年間で行う独自プログラム「つくばスタイル科」というものがありますが、これはどういうものでしょうか?

つくば市立竹園西小学校

つくば市の公立学校が教育課程の特例校として、国が定めた教育課程以外のカリキュラムとして行っているものです。「つくば次世代型スキル」を育成する発信型のプロジェクト学習と、外国語活動(小学校第1学年~第6学年)から成っています。「つくば次世代型スキル」の育成とは、国際社会で活躍するためのスキルや自らの力で問題をよりよく解決する態度等を育てることを目指したものです。9年間の系統性を持つ単元構成となっています。

 

つくば市立竹園西小学校

環境教育、キャリア教育、歴史文化、防災教育などをつくばの教育資源フルに活用して展開できるようにしています。小学校1年生から4年生の外国語活動については、15分のモジュールでの学習を取り入れています。英語で歌やゲームをするなど体験活動を中心とした学習ですので、子どもたちはとても楽しみにしています。

つくば市はもちろん竹園エリアは学力水準が全国的にも非常に高いことで知られていますが、そのために先生が心がけていることはありますか?

つくば市立竹園西小学校

竹園だからということではありませんが、子どもたちは限りない可能性をもっています。可能性を引き出し、伸ばすのが学校の使命です。世界で活躍することになる子どもたち一人一人の力を伸ばしていきたいと思います。

 

つくば市立竹園西小学校

つくば市は「教育日本一」を目指しています。ICTの機器による活動にしても、「つくばスタイル科」の推進にしても、それを目指す意気込みをもって我々も取り組んでいます。

子どもたちの親御さんの期待の高さはいかがでしょうか。
このエリアは公務員の方や研究員といった方が多い特殊性のある地域であることは事実であるように思います。

つくば市立竹園西小学校

それはあると思います。ありがたい部分としては、保護者の方々はすごく地域活動に協力的です。例えばPTA活動も盛んですしボランティアをお願いしても、ものすごくたくさんの方々が集まってくださいます。例えば社会科見学のような子どもたちが地域に出かける活動もありますが、その際は子どもたち3人に大人1人がついてくださり、見守りをしてくださるんです。そういったところの協力もすごく惜しまずやってくださいます。

 

つくば市立竹園西小学校

あとは夏休みに「夏季セミナー」という希望制の課外授業がありますが、保護者の方々がたくさんの講師を紹介してくださり、コーディネートもしてくれます。能楽師の方をお呼びして、直接子どもたちに見せてくれました。あとはお料理や手芸、音楽に関する講座、体操教室、ネイチャーゲームなど、いろいろな分野で貴重な体験をすることができました。

 

つくば市立竹園西小学校

その間、教師は高学年を対象とした算数の補充学習をしたり、教育相談をしたりすることができました。

矢口校長先生は「竹園西小学校」に赴任して何年になるのでしょうか?

つくば市立竹園西小学校

今年からです。1990(平成2)年創立の時に、本校に勤務していました。創立時から8年間勤務をした学校にまたお世話になることができ、大変嬉しいです。今年校長として赴任した際、その時と子どもたちのキラキラした目が変わらないことが本当にうれしかったですね。保護者の方がとても協力的なのも、当時とまったく変わっていません。

最後に「竹園西小学校」の今後の課題について教えてください。

つくば市立竹園西小学校

私たちは市の方針である「小中一貫教育」をもとに、一つの目標に向かってやっています。きちんと成果を出し、そのうえで何をやっても課題というものは出てきますので、それを踏まえつつ子どもたちのためにどうあるべきかを考えながら、きちんと教育をやっていきたいと思っています。

つくば市立竹園西小学校

つくば市立竹園西小学校

校長 矢口和子先生

所在地:茨城県つくば市竹園2-19-4
電話番号:029-851-7975
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-we/

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

憧れの中学生を身近に感じ、 将来の目標を育てる/つくば市立竹園西小学校 矢口和子先生
所在地:茨城県つくば市竹園2-19-4 
電話番号:029-851-7975
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-we/

さらなる子育て環境の充実を目指して/つくば市立竹園西児童館 宮本純一さん・日下純一さん


つくば市立竹園西児童館

さらなる子育て環境の充実を目指して

つくば市立竹園西児童館 館長 宮本さん
つくば市福祉部こども課 日下さん

竹園公園の一角にある「つくば市立竹園西児童館」は、つくば市内に18か所ある児童館のひとつで、児童福祉法にもとづき、18歳以下のすべての児童が無料で利用できるという施設。公園と竹園西小学校に隣接していることもあり、地域の乳幼児連れ、小学校低学年・中学年の児童が主な利用者となっている。今回はこちらを訪問し、児童館館長の宮本さんと、つくば市福祉部こども課の日下(くさか)さんにお話をうかがった。

竹園西児童館の概要について教えてください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:当児童館は1991(平成3)年の4月1日に開館しました。今年(2013(平成25)年12月現在)で22年目になります。建物は平屋で、部屋は図書室、児童クラブ室、事務室、図工室、プレイルームがあります。位置としては、南側に竹園西小学校、北側に竹園公園、西側は国際会議場に囲まれ、その間にペデストリアンデッキがあるという、たいへん便利で、静かで、緑豊かな環境にあります。

開館時間は平日の午前8時30分から午後6時までと、第2土曜日の午前8時30分から正午までです。尚、運用で平日は30分延長し午後6時30分まで開館しております。

利用されるのはどんな方々なのでしょうか

つくば市立竹園西児童館_図書館

宮本さん:児童館は18歳未満の子どもと、子どもに関わる活動団体の方が利用対象になります。特に地域の区切りというものはありませんが、主に竹園西小学区にお住まいの方が利用されています。午前中は乳幼児を連れた親子の利用、午後は小学生の利用が多くなっております。
利用者数はのべ人数で1か月に2,000人ほどの利用がありまして、1日あたり100人ほどの利用となっております。小学生ですと毎日来る子も多いので、小学生が利用者数全体の9割を占めています。

小学生に関しては、備え付けの遊具がありますので、館内で竹馬に乗ったり、ボールを投げたり、サッカーボールで遊んだり、図書室で本を読んだり、公園での外遊びなど様々な遊びで楽しんでいます。

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:つくば市には市内に18の児童館がありまして、いずれも小規模な児童館ですが、市内の児童館の中では比較的新しいものになります。

子育てに関する相談窓口は設けておりませんので、その場合は「子育て総合支援センター」を訪ねていただきたいのですが、児童館としてもできるだけ、お母さん同士の交流や「母親クラブ」との関わりを通じて、子育ての悩みなどを相談しあって楽になって頂けるよう心がけています。

利用に関しては、特に事前の利用登録などは必要ありません。来館の際に、受付簿にお名前と電話番号を書いていただいて、帰る時にまたチェックを入れていただくだけですので、気軽にご利用いただければと思います。
但し、子どもい関わる活動団体の利用にあたっては、申請書が必要です。

「母親クラブ」とはどんなものでしょうか

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:竹園西児童館の「母親クラブ」には乳幼児をもつ親子で参加する「たけのこクラブ」と、主に子育てを終えた大人の方が参加する「マミーズクラブ」があります。「たけのこクラブ」は生後半年から未就学の幼児を対象にしています。
「たけのこクラブ」は対象年齢であればどなたでも入れますが、小学校の学区が基本になっておりますので、学区外の方には、その地域の児童館のクラブをお薦めしています。

「たけのこクラブ」と「マミーズクラブ」の活動について教えてください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:「たけのこクラブ」では毎週火曜日の午前中にクラブの方が集まっていろいろな事業の計画をしております。季節のお楽しみ会やお誕生会、親子ビクス、公園の点検などの活動をしています。先日はクリスマスパーティーをしましたし、味噌屋さんを呼んで、親子で味噌作りもしました。

「マミーズクラブ」は「たけのこクラブ」のサポートや、地域のいろいろなボランティア、子ども向けのパネルシアター活動などを行っているクラブで、ほとんどのメンバーは、子育てを終えたお母さん方になっております。「たけのこクラブ」のお母さんに子育てのアドバイスなどもしていますし、先日も児童館の子どもたち向けにパネルシアターを行いまして、とても好評でした。

児童館独自のプログラムやイベントなどもあるのでしょうか

つくば市立竹園西児童館_児童館だより

宮本さん:児童館として主催しているのは、主に小学生向けのイベントになります。10月には「児童館まつり」を行っていました。この行事が年間を通して一番大きなイベントです。母親クラブの方や児童クラブの役員さん、つくば子ども劇場の方、筑波大生にも手伝っていただきまして、ビンゴゲーム、プラバンキーホルダー作り、アートバルーン作りなどを行いました。カレーライスやわたあめ作りも大盛況でした。

つくば市立竹園西児童館

このほかですと、9月には市内の児童館対抗ドッジボール大会がありますし、クリスマスツリー作りなどのイベントも行っています。季節の行事として8月にはカキ氷作り、9月にはお月見団子作りも行いました。

そのほか、企業さんの協力で科学実験なども行っていまして、小麦粉からたんぱく質を取り出したり、ペットボトルで顕微鏡を作ったり、アニメーションの仕組みを学んだり、身近なもので電池を作ってみたりという実験を、外部の講師の方の協力のもとで行っています。こういったイベントに関しては、「児童館だより」を毎月発行しておりますので、そちらでお知らせしています。

児童館内に設置されている「児童クラブ」について教えてください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:「児童クラブ」は小学校1年生から3年生の、保護者が勤労等により自宅にいない子ども達を預かるもので、厚生労働省が定める「放課後児童クラブ」になります。こちらは申し込み制になっております。預かり時間は午後6時30分までですが、仕事の関係で迎えの時間が多少遅れる場合もあります。本年度は1年生は15名、2年生が12名、3年生が19名となっています。

「児童クラブ」の場合は有料でのお預かりになりますので、図書室の隣に専用の部屋があります。毎日の出欠確認や緊急時の連絡先が整備されております。ロッカー、レターケースがあるほか、各自が用意したおやつを食べる時間も設定されています。
クラブ員の子は基本的に保護者の方に迎えに来ていただくようにしていますが、迎えが無い子に関しては、10月から1月の冬季は午後4時30分に、その他の時期は午後5時に、明るいうちに帰るように指導しております。これは一般来館者も同様です。

児童館にはどんな職員の方がいらっしゃるのでしょうか

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:竹園西児童館の職員は全員で10名おりまして、事務が3名、放課後指導員の資格を持った職員が6名、用務員が1名となっております。私は事務の人間になりますが、立場にかかわらず、職員全員で子どもに接するようにしています。一緒に遊ばないと子どもの気持ちは掴めませんので、職員は全員が子どもたちとスキンシップを取りながら、仲良くやっています。

児童館としての今後の展望、課題などについてお聞かせください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:晴れている日には公園にも半分ぐらいの子ども達が出ていきますから、館内で遊ぶ子どもたちとのバランスが良く目も届くのですが、なにしろ日々100名近く来館する状況ですから、雨の日はとても館内が混み合います。怪我をさせないように目配り気配りが大変で、その辺りの安全対策が、今後の課題だと思っています。

それに加えて、「子どもたちの状態をよく見る」と言いますか、浮かない様子の時にはさりげなく声をかけて励ましてあげるとか、そういった心のケアも必要かと思います。そういったことを通して、心豊かな子どもに成長していってもらえれば、と思っています。

続いて日下さんに、行政の支援体制についてお聞きします。現在のつくば市の子育て支援事業の概要についてお聞かせください

つくば市立竹園西児童館

日下さん:子育てについては、大きく分けて2つ、保育所等に預けて子育てをされる場合と、保育所には預けずに、自宅で子育てをされる場合に分かれると思いますが、ひとつ目の、保育所に預ける方につきましては、市としては第一に、保育所のさらなる整備を進めております。

つくば市内には現在、民間の保育所が21、公立の保育所が23ございまして、これは茨城県内でもかなり数が多いものだと思います。しかしながら、待機児童はゼロではありませんので、その待機児童の解消のために、保育所の整備を進めております。
つくば市としては現在、「民間の活力の導入」ということに注力しまして、社会福祉法人さんが運営する、民営の保育所の整備に取り組んでいます。

ただ、このつくば市のセンター地区については、余剰地もなく民間がなかなか手を出しにくいエリアですので、センター地区の周辺の地域に、新設の保育所を整備しているところです。

自宅で子育てされる方向けには、どのような支援体制があるのでしょうか?

つくば市立竹園西児童館

日下さん:まず先ほどの児童館の話がそうでして、先ほど館長からもありましたが、「母親クラブ」が各児童館にありますので、これが孤立化の防止につながっているのではないかな、と考えています。また、各児童館の中には「あかちゃんの駅」という、授乳スペースとおむつ替えスペースを設置していまして、いつでも利用できるようになっております。

つくば市は茨城県内でも特に児童館が多い市でして、茨城県全体で56ほどの児童館数があるのですが、そのうち18がつくば市にあるんですね。「母親クラブ」に関しても、つくば市が県全体の半分以上を占めています。そういった意味でも、つくば市は茨城県の中で最も子育て環境が整っている都市と言えるかと思います。

つくば市立竹園西小学校

つくば市の中でも、竹園を含むこのセンター地区というのは、研究学園都市の開発の際に、小学校、幼稚園、保育所、児童館が一体で整備された地区ですので、センター地区の小学校に児童館が隣接して整備されています。放課後、学校を出てすぐに児童館があるという点も、安全・安心につながっているのではないでしょうか。

また、つくば市の子育て支援拠点として、旧桜庁舎の近くに「つくば市子育て総合支援センター」を2011(平成23)年に開館しまして、こちらでは子育てに関する相談、情報提供、一日預かりなど、児童館で行っていない事業も行なっています。こちらも気軽にご利用いただければと思います。

最後に、つくば市の子育て環境の魅力について教えてください。

竹園公園

日下さん:何と言いましても、公園がとても多いですし、つくば市では小中一貫教育を取り入れておりまして、公教育の充実も魅力だと思います。私自身も、共働きでしたので子どもを保育所に入所させましたが、スムーズに入所できましたし、児童クラブも充実していましたので、(奥様の)仕事への復帰も容易でした。

宮本さん:最近ですと、TX(つくばエクスプレス)の開業は大きかったですね。市内の中心に駅ができましたので、東京へのアクセスはぐっと良くなりました。お子さんが都内の大学に行くとしても、今ならTXで通えますからね。家族で出かけたり、買い物に行ったりするのも、とても楽な地域だと思います。

竹園西児童館

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園西児童館

つくば市竹園西児童館 館長 宮本純一さん
つくば市福祉部こども課 日下純一さん

住所:茨城県つくば市竹園2-9-12
電話番号:029-852-5039
開館時間:8:30~18:00
休館日:土・日曜日、祝日

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

さらなる子育て環境の充実を目指して/つくば市立竹園西児童館 宮本純一さん・日下純一さん
所在地:茨城県つくば市竹園2-19-2 
電話番号:029-852-5039
利用可能時間:平日 8:30~18:00、第2土曜日 8:30~12:00
休館日:土曜日(第2土曜日を除く)、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://j.tsukuba-kosodate.jp/takezononis..

異年齢交流に取り組む/つくば市立竹園西幼稚園 沼野清子園長


つくば市立竹園西幼稚園

異年齢交流に取り組む
「つくば市立竹園西幼稚園」

つくば市立竹園西幼稚園 園長 沼野清子先生

つくば市の閑静な住宅区にある「つくば市立竹園西幼稚園」は、近隣の竹園東幼稚園と並んで、この辺りの人々に長い間親しまれている公立幼稚園。2年保育という短期間の保育ながら、自然とふれあいながら、のびのびと過ごせることで定評がある幼稚園だ。今回はこちらで園長を務める沼野先生にお話をうかがった。

まず、園の教育方針について教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

園の教育目標としては、「健康で心豊かな子どもを育てる」ということで、遊びを中心とした教育の中で、子どもたちの良さを引き出し、自己肯定感や、主体的に物事に関わろうとする意欲や態度を培うということ、幼児の心身の発達をよく捉えて、家庭や地域との連携を図りながら、ひとりひとりのニーズに応じた、適切な指導を行うこと、ということで、日々保育にあたっております。

園児の人数や、クラス分けの仕方について教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

この幼稚園はもともと4クラス規模の園としてつくられていますが、2013(平成25)年度は4歳児、5歳児ともに1クラスになっています。園児数はここのところ横ばいで、定員に余裕のある状態が続いています。「ぷりん」「みるく」など、ちょっと変わったクラスの名前が特徴の一つです。通園対象となるのは、「つくば市立竹園西小学校」の学区内在住の方となります。

クラスの人数については、4歳児は30名までが1クラス、5歳児は35名までが1クラスということで決まっていまして、現在の園児数は60名弱となっています。クラスの定員を超えますと2クラス編成になりますので、今後希望者が増えれば2クラスになることもあります。ただ、クラス数は前年度末に決まりますので、定員を超える年度途中の入園に関しては、別の園をご案内する場合もあります。

年間の行事については、どのようなものがあるのでしょうか。親子で参加するものも多いのでしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

親子ピクニック、夏祭り、運動会などは親子一緒に参加して、楽しんでいただくものですし、それ以外に「生活発表会」と言いまして、子どもたちが園生活の中でいろいろと身につけてきたことや、劇あそびなどを発表して、保護者の方に見ていただくという機会もあります。運動会と親子ピクニックに関しては土曜日に開催しております。また、年に何度か保育参観も行っています。

親子ピクニックについては、昨年は「サンパーク公園」まで歩いて出かけまして、親子でゲームをしたり、木陰で昼食を食べたりして、ふれあいを楽しみました。その時は土曜日でしたので、お父さんもお仕事がお休みの方はご参加いただいて、家族揃って、みんなで楽しいひと時を過ごすことができました。

竹園西幼稚園ならではの特徴、特色などあれば教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

当園としては、「異年齢交流」を通して、人との関わりを深めていけるよう力を入れています。園の構造として、4歳児の子どもたちが園庭に面したほうの部屋、5歳児が反対側の部屋を使っていまして、その中間に「プレイルーム」があるという形になっているのですが、お誕生日会などではここに集まって、4歳児と5歳児が一緒にふれあって、ゲームをしたり、おやつを食べたりしています。

「ペアのお友達」というものがありまして、これは4歳児と5歳児のペアで、年長さんが年少さんに対して、おやつを食べるお世話をしてあげたり、一緒にゲームを楽しんだりしています。そのへんは、ちょっと意識して取り入れているところですね。運動会の競技などについても、4歳児と5歳児が一緒になって力を合わせて行えるゲームを取り入れたりして、異年齢交流に取り組んでいます。

つくば市立竹園西幼稚園

こうすることで、4歳児は年長さんに対して憧れの気持ちを持ちますし、5歳児のほうは、小さい子に対して「優しくしてあげよう」っていう気持ちが芽生えるんですね。1歳の差でも、やはり大きいですよね。同様に、地域の小学校、中学校との交流も行っています。昨年は11月と1月に年長組が小学校を訪問し、1年生と交流したり、11月に中学生が来園して園児達と一緒に遊んだりしました。この(職員室に展示してある)フェルト細工は、中学生が作ったものをプレゼントしてもらったものです。

それ以外の面では、地域の人材活用ということも積極的に行っていまして、「運動あそび」では外部講師として地域の方に来ていただいていますし、おはなし会の市民サークルの方に月に1回ほど来ていただいて、読み聞かせや素話(すばなし)をしていただいています。

竹園西幼稚園ならではの「メリット」はどんな点でしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

公立の幼稚園になりますので、保育料の面では安く設定されておりまして、その点は大きなメリットかと思います。また、この幼稚園は「つくば市立竹園西小学校」の学区の子どもたちをお預かりしていますので、ほとんどの子どもが「竹園西小学校」に上がりまして、小学校との連続性という面でも、メリットがあると思います。「竹園西小学校」の1年生のうち、3分の1弱ぐらいがここを出た子どもたちになっています。

また、つくば市の公立学校では月曜日から金曜日まで週に5回の学校給食があるのですが、幼稚園の給食についても、本園では週4回給食センターから給食を届けてもらっていますので、「小学校、中学校と同じメニューが食べられる」というのも魅力かと思います。食に関して言えば、園の隅には小さなスペースですけれども畑がありまして、ジャガイモなどを育てて、それを使ったカレーを作ったりもしています。

園に通っている子どもたち、保護者の方にはどのような方が多いのでしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

保護者の方には、働いているお母さんよりも、在家庭の方が圧倒的に多いです。お仕事をされている方は、やはり民営の保育所等を利用される方が多いようです。たいへん教育熱心な保護者様が多くて、幼稚園のいろいろな事についても協力的に対応してくださいますし、とてもありがたく思っております。

子どもたちについては、元気で明るく、自分の思いを素直に表現するタイプのお子さんが多いかと思います。

指導に際して、先生方が心がけていらっしゃることは何でしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

やはり、「ひとりひとりを大切にする」ということですね。それぞれの良さを認めて、安心感、自信をもって行動できるようにする、ということは大事にしています。また、主体的な態度を培いたいということで、何でも指示するのではなく、環境を整えておいて、子どもたちが自ら心を動かして、「やりたい」という気持ちになって、活動に入っていけるよう心がけています。

職員はもちろん、保護者の方とも連携をとって、情報を共有し、共通理解を図りながら、幼稚園と家庭が一緒になって、「育ちあい」をしていければと思っています。

最後に、つくばエリアの魅力について教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

つくばは緑が豊かな街ですね。公園が沢山ありますので、小さいお子さんがいらっしゃる方も、自然の中でお子さんと過ごすことができて良いんじゃないかと思います。その一方で、エキスポセンターや宇宙センターなどの科学に関連する施設もありまして、科学と自然が調和した街というのも魅力だと思います。あと、他から引っ越して来た方が多い街ですから、新しく来られた方でも、地域の輪に入りやすい雰囲気があります。

私はつくばの出身ですのでずっとこの街におりますけれども、私が子どものころと比べれば、本当に便利になりましたね。昔は土浦まで出て、買い物をして、東京に出るのにも常磐線に乗って、という感じでしたけれども、今はTXが通るようになって、本当に便利になりました。バスに関しても、つくばセンタービルからいろんな方面にバスが出ていますので、筑波山、土浦、牛久などいろんな方面に簡単に行くことができるんですよ。買い物についても、駅前に西武やジャスコなどがありますし、ちょっと行けばイーアスなどもあって、とても便利です。

つくばエキスポセンター

子育て環境についても、近くに児童館や子育て支援センターがありますし、乳幼児学級なども沢山行われていますので、子育てに不安を抱いていらっしゃる方でも、そういうところを利用していただければ、ほかのお母さん方とも知り合えて、安心して子育てができると思います。

つくば市立竹園西幼稚園

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園西幼稚園
園長 沼野清子先生

所在地:茨城県つくば市竹園1-15-2
電話番号:029-852-1566
保育時間:9:00~15:00(水曜日のみ14:00まで)
休園日:土曜日、日曜日、祝日

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

異年齢交流に取り組む/つくば市立竹園西幼稚園 沼野清子園長
所在地:茨城県つくば市竹園1-15-2 
電話番号:029-852-1566
保育時間:9:00~15:00(水曜日 9:00~14:00)
http://www.tsukuba-kosodate.jp/nursery/P..

全国的にも高い学力を持つ小中一貫校/つくば市立竹園学園竹園東中学校 岡野和夫先生


つくば市立竹園学園竹園東中学校
校長 岡野和夫 先生

全国的にも高い学力を持つ
小中一貫校竹園学園「つくば市立竹園東中学校」

つくばの中心市街地の東側、「茨城県立竹園高等学校」、「つくば市立竹園東小学校」など公立学校が集まる文教エリアに位置している「つくば市立竹園東中学校」は、つくば市内の他公立校と同様に小中一貫の教育を行っており、かつ、全国的にも注目されるほどの高い学力をもつ中学校。今回はこちらで校長を務められている岡野和夫先生に、学校の特色と地域の魅力について、お話を伺うことができた。

まず最初に、「つくば市立竹園東中学校」の教育方針についてお聞かせください。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

この竹園地区では、「つくば市立竹園東小学校」「つくば市立竹園西小学校」、そして本校を合わせた3校で「つくば竹園学園」として、小中一貫教育を行っています。小中一貫教育を進めてから、2014(平成26)年で3年目になります。よって、本校オリジナルというよりは、「つくば竹園学園」全体の特性を活かした教育目標ということで取り組んでおります。

まず、学園全体の教育目標の柱として掲げられているのが、「国際社会で活躍できる児童生徒の育成」というものです。小・中を通して、学園で学んだ子どもたちが、将来は世界にまたがって活躍できるよう、そのための資質を伸ばす教育をしていこう、という考えに基づいています。このほか、「自ら学び続ける児童生徒」「思いやりの心をもつ児童生徒」という、3つの柱を中心に、学園全体としての教育活動を進めております。

また、本校の教育目標ですが、校則「自主・実践・創造」を反映させ、「知識・技能を生かせる生徒の育成」「思いやりの心で触れ合う生徒の育成」「人や社会に貢献できる生徒の育成」の3つの柱を立てています。

学園、学校の歴史、生徒数やクラス数の現状と今後の見込みについて教えてください。

生徒数は今年度(平成26年度)523名で、通常学級15クラス、特別支援学級4クラス、合計19学級があります。本校は、研究学園都市最初の中学校として1974(昭和49)年に開校し、常に先進的で創造的な教育の実現を目指し、研究と実践を重ねてまいりました。2012(平成24)年4月に市内全校で一斉に中学校区を単位とする小中一貫教育が本格実施に移され、本校も「施設分離型小中一貫校つくば竹園学園」として新たなスタートを迎えたわけです。

小中一貫に関して、具体的にはどのような取り組みがあるのでしょうか。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

つくば市は「教育日本一」を掲げて、教育に力を入れておりますが、その代表的な実践が小中一貫教育です。2013(平成25)年11月21・22日には「小中一貫教育全国サミットinつくば」がつくば市で開催され、2000人もの参加者がありました。本校はモデル校の一つとして授業公開を行いました。つくば市内には公立小中学校が51校ありますが、すべての学校が小中一貫教育として行っているケースは、全国的に見ても少ないかと思います。

つくば竹園東中 垂れ幕

小中一貫の取り組みですが、小小交流、小中交流という児童生徒の交流を意図した授業ばかりでなく、中学校教員の小学校での授業、小学校での教科担任制など、多様な実践を試みています。また、定期的に小中学校の教諭が一同に集まって研修会を実践しています。小中の先生方がお互いによく話し合い、交流することで、子どもたちの学びに連続性を持たせていけると思っています。

先ほど挙げていただいた中学校独自の教育目標について、具体的な実践例があれば教えてください。

つくば竹園東中 教育目標

1つ目の「知識・技能を生かせる生徒の育成」という点で言いますと、ひとつは「協働的な学習」が挙げられます。これは、先生が子どもたちに“教え込む”のではなくて、グループの中で、生徒同士が意見を出し合いながら学びを築いていくものです。「自ら学び続ける」ためには、そういった“場”を提供しなければならないと思いますし、「先生が教え込む」という型から、「生徒同士が学び合う」という展開になるように図っております。

また、今年度のキャッチフレーズとして「1:nの授業からの脱却」を掲げております。つまり学びの型を「n:n」にするという事ですが、子どもたち同士がともに学び合い、先生がそれぞれをきちんとコーディネートする、という方針で取り組んでいます。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

「n:n」の授業を行うにあたって、最も有効な手段として「ICT」の活用があります。代表的な例として、ノートパソコンに生徒がそれぞれの考え方を入力すれば、それが瞬時に一斉にスクリーンに映し出されるという仕組みです。40人の子どもがいれば、40人の考え方がそのまま全部スクリーンに映されるんですね。

 

これによって、生徒個々の考え方が生かされますし、同じような考え方同士の子が、「あの子も同じような考え方をしてる」と瞬時に理解できるんです。そしてそれをもとに、グループで話し合うこともできます。違う考えの子同士で意見を交わし合って、最後にどういう経緯で、どういう回答に行き着いたのかを聞いてみる、という授業が簡単に展開できるわけですね。教師が一方的に話しているだけでは決してそういった授業にはなりませんので、「ICT」は非常に有効な手段ですし、大いに活用させてもらっています。

他にも「ICT」を活用した教育を行っておられるのでしょうか。

ひとつは、デジタル教科書と言って、教科書の内容がデジタル化されているものがありますので、それをスクリーンに映しながら授業を行い、教科書の中身をより見やすくするという活用があります。また、つくば市全校に配備されている「CAI」システムでは、学習コースを個に応じて学習を進められるようになっていますので、一人一人の学力を定着させるのに有効です。「インタラクティブ・スタディ」では、自宅に帰っても、このシステムにログインして勉強ができるように設計されておりまして、復習などに有効に活用できます。これは他の市町村にはなかなか無いものでして、つくば市全体が教育に力を入れているということの、一つの現れだと思います。

その他の教育目標の具体的実践について、続けてお聞かせいただけますか?

つくば市立竹園東中学校 校長インタビュー

2つ目の柱は「思いやりの心で触れ合う生徒の育成」です。心の教育も、今は非常に重視されています。子どもたちひとりひとりに、リーダー育成と申しますか、「自分たちの学校は自分たちで作っていく」という気持ちを持たせるようにしています。

そのために「評議員」という制度が本校にはありまして、これは生徒会組織と似たようなものですが、クラスから代表者を選出してもらい、その子どもたちが、学校のいろんな行事について、基本的な方向付けをするというものです。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

実は、本校には校則が無いんですね。だから制服も無くて、上着とシャツだけは統一していますが、ズボンやスカートはみんなその子によって違うんです。でも、校則がなくても中学生らしい服装をし、きちんと生活を送っています。

自分たちで自分たちの約束事を決めて進めていくという伝統が根付いているんですね。そしてその中で、「三大行事」という大きな年間行事があるんですけれども、この企画運営についても、基本的には評議員の子どもたちが中心になって進めていきます。

つくば竹園東中 校門 引き

もちろんその運営については職員も係わり合いますし、私に判断を仰がなくてはいけない内容については多少のやりとりをしますけれども、基本的には彼ら(評議員の生徒)にある程度託しています。それが本校で伝統的に築かれているものですので。私としても、この伝統を守っていきたいと思っております。

また、本校には多くの先生方が視察に来られますが、視察の際には評議員の子どもたちの代表が、対応をしております。例えば、学校紹介をプレゼンしてもらっています。視察された先生方は、真剣に、かつ楽しそうに聞いて下さっています。説明の後、質問がありますと、それに対して子どもたちは自分たちの目線で答えます。私たちは生徒の言動に制限をかけていませんから、生徒たちは学校のことをしっかりと受け止めて、意識していないと、回答ができないんです。しかし生徒たちは、私たちの想像以上のすばらしい回答をしてくれます。

評議員については、各クラスから2名選んでもらっています。前期2名、後期2名となっていますが、後期は前期とは別の子を選んでもらっていますので、全クラス合わせれば、前期で30名、後期で30名、年間60名の子が評議員になることになります。かなり多くの生徒が、3年間のどこかで評議員を経験することになるんですね。

つくば竹園東中 三大行事1

評議員のほかにも、「三大行事」に関してはそれぞれの実行委員として、また別の子たちが選ばれますから、多くの生徒たちが、いろんな行事の中に主体的に関わることができます。これらを責任をもって遂行させることで、教育目標にもある、それぞれがリーダーになりえるような経験をさせていこうと考えています。

「三大行事」とはどのようなものなのでしょうか。

つくば市立竹園東中学校 校長インタビュー

「三大行事」と言いますのは、ひとつは毎年6月に実施しています「スポーツフェスティバル」です。これはいわゆる体育祭なんですけれども、普通の体育祭と違うのは、「子どもたちが考えた種目で行う体育祭」という点ですね。今年度は新たに応援合戦が加わりました。毎年、9年生のクラス数で団の数が決まるのですが、各団ともそれぞれ応援の練習をし、オリジナルの応援合戦を行いました。これも評議員と実行委員会が、方向性を決めて行ったものなんです。

つくば竹園東中 文化祭

2つ目の行事は、9月中旬に行われる文化祭です。「創明祭」という名前なのですが、これもまた、各クラスで出し物を、たとえば演劇や音楽、模擬店、企画展示などを行ったりするものです。7月ごろにオーディションを行いまして、このオーディションで合格した者だけが、当日演じたり、演奏したりすることができるという仕組みになっています。

 

クラスごとにTシャツを作ったり、3年生に関しては食べ物を販売するような模擬店を出したりと、中学校ではなかなかやっていないような規模でして、高校の文化祭のような雰囲気になります。

つくば竹園東中 合唱

3つ目は、10月の下旬に行われている「合唱祭」です。この合唱祭は、各クラスが、1曲は課題曲として有名な曲を歌うんですが、もう1曲は「クラスの歌」なんですね。自分たちで作詞・作曲した歌を合唱で歌うんです。自分達の歌を、クラスの歌を歌うということで、オリジナリティがありますし、どれも「生徒の思いが込められている歌」なんですね。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

余談ですが、2012(平成24)年に「竹園東中学校」は合唱コンクールの全日本大会に出ましたが、これも実は合唱部ではなく、合唱団なんですね。部活ではサッカーやテニス、野球など、別の活動をしていた子たちが、練習が終わってから合唱の練習に参加していたものなんです。

全国大会ですから、ほかの出場校は、一年中合唱に取り組んでいる“部活”の子たちですから、その中に、本校は同好会のような感じで出場し、銀賞を受賞しましたので、これは私たちもびっくりしましたし、感動しました。

地域との関わり合いという面で、何か事例がありましたらお教えください。

つくば市役所

実はつくば市というのは、地域の特性上、地域の関わり合いが“濃くない”地域なんですね。他から引っ越して来られて、また何年か経って別のところに引っ越して行かれる方が多く、出入りの多い地域なんです。

従って、地域に根ざして何年も続けていくような行事や係わり合いというのは比較的難しかったんですが、昨年より「学校防災連絡協議会」というものを作りまして、PTAの方、民生委員の方、地域の区長さんなどに集まっていただいて、まず防災という観点から、地域交流を進めています。また、個々としては、「竹園子どもまつり」のような地域のイベントがありますので、そこに積極的に参加する子もいますし、現在は「つくばスタイル科」などを通して、地域についての理解と交流を進めているところです。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

「つくばスタイル科」というのは、つくば市の公立学校が教育課程の「特例校」として、国が定めた教育課程以外のカリキュラムとしてそれぞれ行っているものでして、週に2時間ほど活動しています。学校ごとにさまざまなカリキュラムを作って進めております。本校では特に、地域参加型ということで、地域に貢献できるように、地域との密接な関係を作れるように意識しながら、「つくばスタイル科」を進めております。

非常に学力の高い学校として知られておりますが、どのような保護者が多いという印象でしょうか。

竹園一丁目

竹園という地区は、もともと公務員の方が9割以上で、研究者の方も多かったと聞いています。創立当初から、学力の高い学校でした。今は公務員の方の割合は半分くらいになりましたが、現在も高い水準を維持しているというのは、竹園地区の保護者の教育に対する関心の高さ、生徒の潜在的な力、そして「つくば竹園学園」の先生方が、生徒の力を伸ばすべく充実した授業を進めていただいた成果であると思っています。

竹園一丁目

現在でも、やはり研究者、大学関係者、企業の研究者などといった方が圧倒的に多いですから、科学教育や英語など、国際性を考えた教育が大事に考えられており、実際そういったニーズがございます。つくば市全体が、教育水準の高い地域だとは思いますが、その中でも、特に竹園地区は質の高い教育が求められているのではないでしょうか。

普段から先生方が心がけている点についてお教えください。

つくば竹園東中 掲示物

やはり、先ほども申しましたように、「ともに学び、ともに育つ」、ということで、職員と子どもたちが一緒に育つということを日々心がけております。

また、「自由」には責任が伴いますので、そこは先生方にも、きちんと子どもたちに伝えてもらうようにしています。生徒も子どもだから当然、間違いや失敗があります。そういう時には、やはり指導は必要です。子どもたちも自由の意味をはき違えないように、ケースバイケースで、その行為や姿勢を考えさせなければなりません。でも、子どもたちを信頼して、責任を持たせて、試行錯誤を積み重ねていくことが、一番大事なことだと考えております。

最後に、つくばエリアの魅力について一言お願いします。

つくば公園通り

保護者の方とお話をしていますと、つくばは非常に住みやすい地区だと皆さんおっしゃいますね。自然が豊かで、文化的施設もあって、教育の水準も高くて、交通の便も良くて、すぐに東京の方面に出られて。確かに、私もとても住みやすい場所だと思います。

 

また、他の地域から研究の関連でつくば市に来られて、そのままここに住居を求められる方もけっこう多いと聞いています。本校の教員でも、他県出身で、筑波大学を卒業後、つくば市に住んでいるという方がいますね。やはり、住み心地が良いということでした。

つくばセンター バスターミナル

つくば市は「教育日本一」を掲げて教育に力を入れています。子どもたちにとって、いい環境の中で教育が進められるよう、市と市教育委員会と学校が共に「教育日本一」を目指しております。国際性豊かで将来世界に向かって羽ばたけるような人材を育てられる環境があるのだということを理解していただいて、是非、多くの方につくば市に来ていただきたいですね。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園東中学校

岡野和夫校長先生

つくば市立竹園東中学校
住所:茨城県つくば市竹園3-11
電話番号:029-851-3467
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-j/

※記事内容は2013(平成25)年8月に取材したものに、2014(平成26)年7月時点で一部修正を加えており、今後変更となる可能性がございます。

どっしりとしたバオバブの木のように 伸びやかで豊かな子どもを育てる/バオバブちいさな家保育園 遠山洋一園長先生


バオバブちいさな家保育園
園長 遠山洋一先生

どっしりとしたバオバブの木のように
伸びやかで豊かな子どもを育てる

京王線聖蹟桜ヶ丘は、多摩の田園調布ともいわれる大規模な桜ヶ丘住宅地にある駅。多摩川周辺の豊かな自然と、暮らしやすい住環境が同居した理想的な地区で、住みたい街として常に上位にランクインされる人気の街でもある。駅前には京王百貨店やオーパなどのショッピング施設、スーパーマーケットなども多く軒を連ね、日常的な買い物にも事欠かない。そんな地区で40年以上保育園を運営されている「バオバブちいさな家保育園」の遠山園長先生にお話を伺った。

「バオバブちいさな家保育園」の概要についてお聞かせください。

玄関

1973(昭和48)年4月に創立した「バオバブ保育園」は、一ノ宮に「(通称)おおきな家」「ちいさな家」、世田谷区喜多見、稲城市若葉台、横浜市緑区の霧が丘の合計5つのバオバブ保育園を運営しています。また多摩市より委託され、関戸と一宮の学童クラブも運営しています。
ここ「ちいさい家」は2001(平成13)年4月に駅前に開設しましたが、整備計画が浮上したことから2014(平成26)年3月にこの場所に移転。木をふんだんに使用した屋上も使用できる2階建ての建物になり、それまでは2歳までだった保育も0歳~5歳まで一貫して行えるようになりました。 0歳の「こすずめ組」は9名、1歳の「こぶた組」は12名、2歳の「こやぎ組」は14名、3歳の「かっぱ組」、4歳の「てんぐ組」、5歳の「だるま組」はそれぞれ15名という編成です。

バオバブ保育園という名前はとてもユニークですね。

バオバブちいさな家保育園インタビュー

バオバブという木は、見た目は決して美しくもスマートでもないのですが、幹が太くどっしりと地に足をつけた木です。千年単位で生きるこの木を保育園の名前につけたのは、「他にはない名前を」という理由と、そんな風に「しっかりとした子どもを育てたい」という思いからでした。
私はもともと理系の大学を卒業したビジネスマンで保育の世界とは全く無関係ともいえる生活をしていましたが、子どもを保育園に送迎する中で保育園というものを知り、また幼稚園教諭をしていた妻の話を聞いて「子どもたちと一緒に過ごす仕事」に非常に魅力を感じました。ちょうどその頃、多摩ニュータウンで新しい民間保育所の公募があり、応募したところ指名を受けられることになりました。それが「バオバブ保育園」の始まりでした。

日々の保育のなかで目標にされていることはどんなことですか?

飾り棚

保育園は子どもたちの「生活の場」であり、そのなかで育ちあっていく場です。これから育つ子どもたちが、未知で困難が多い社会で幸せな人生を送るために、今なにが必要かを考え保育の目標を掲げました。「自分のことを大切に思える人」「柔らかに開かれた心を持ち、様々な人と共に生きていける人」に育ってくれることを願い、保護者とともに子育てをすすめる、というものです。人には弱さもありますが、基本的な部分で自分を肯定できる、自分に希望を持てることは、人として生きるうえで最も大事なことです。
そんな子どもたちを育てるために、保育者は常に、子どもたちが何を望んでいるのか、泣いている時や不満を表に出している時はもちろん、笑っている時でも喜んでいる時でも子どもの本当の気持ちに寄り添うような保育を心がけてます。慣れてくると、つい「こういう時はこうだ」「きっとこうだろう」と保育者が子どもの気持ちを決めつけてしまいがちです。でもその場合によって、その子どもによって思いも感じ方も違うはず。決めつけをせず、子どもにとっての一番の理解者であるように努めています。

中庭を囲むように作られた教室や、屋上も工夫して利用するなど設備もとても魅力的ですね。

中庭

全ての教室や階段がこんなに明るいのは、やはり中庭から明かりが取れるからだと思いますね。ただ現在の中庭は園庭へ出る時の通り道や夏のプール場として使用する程度ですので、もう少し整備をして有効に使って行くつもりです。
屋上には人工芝を敷き詰めて、スクーターや三輪車などの乗り物も置いてあり、3~4歳の子どもたちが思いきって走り回れるスペースがあります。屋上菜園もあって、周囲には高い建物もありませんから日当たりも良いですし、富士山も見えますのでとても気持ちの良い場所ですよ。
非常用として螺旋のすべり台があるのですが、普段も利用できるようにしてあるので、子どもたちは2階からすべって園庭に降りられるようになっています。園庭自体は広くはないのですが、砂場や土管が通った築山もあります。そしてお隣の方のご厚意でボール遊びができるほどの広いスペースも貸していただいてますので、子どもたちは外でも充分体を動かせます。大きくはなくても、工夫をして子どもが快適に楽しく過ごせるスペースを作れているのではないかと自負しています。

この園ならではの行事などを教えてください。

キッチンルーム

「ちいさな家」は、これまでずっと「おおきな家」と合同で行事を行ってきました。でも今年からは新たな出発をしましたので、行事の全てを見直しゼロベースで考えようと決めました。そこで初年度は3つの行事を職員一同で考えました。
一つ目は5月末の「つばめ祭り」(運動会)。これは子どもたちの日頃の成果を見せる会ではなく、大人が遊ぶ運動会にしました。これは4月から新しい顔ぶれになった新クラス内で大人同士が親睦を深めるという意味があります。
二つ目は7月末の「夏の夕べ」。屋上とホールを解放して、夏の夕べを親子で楽しんでもらう会です。バイオリン講師の方が保護者にいらっしゃったことから、バイオリン演奏と先生方の歌も披露しました。

バオバブちいさな家保育園インタビュー

そして11月末の「くいしんぼう祭り」。給食で食べているお米を作ってくださっている山形県高畠町の有機栽培農家さんとは、モノのやりとりだけに終わらないお付き合いをしています。食いしん坊祭の時は、農家の方々にお米の話をしてもらって、新米でおにぎりを握って豚汁と一緒に庭で食べるお祭りをしました。持参してくださったお野菜の即売会なども開かれたり、ウチの自慢のキッチンもオープンにして賑やかでしたよ。子どもが飽きないように、米袋でリース作りをしたり、野菜のスタンプでカードを作ったり、ワークショップのようなこともしました。規模が小さい「ちいさな家」だからこそできる、こじんまりとした温かな行事をこれからもアイデアを出しながら作っていきたいと思っています。

最後にこの地区の魅力についてお聞かせいただけますか?

滑り台

まず自然環境が豊かで公園が多いということですね。子どもたちが日常的に行く公園は、近くにいくつも点在していますし、少し歩けば明治天皇がうさぎ狩りにいらしていたという連光寺の「大谷戸公園」や「都立桜ヶ丘公園」といった広い公園もあります。また隣の日野市には「百草園」という梅の名所もあり、四季折々の花々を愛でることもできる。この「百草園」に歩いて行く道も、途中に牛小屋があったり、丘の上の畠が見えたりととても味わいがあります。

聖蹟桜ヶ丘の街

多摩川に出れば空が広くて、心が開放されるような気分が味わえます。子どもたちも日常のお散歩で開放感や清々しい気持ちを味わっているのではないかと思いますよ。
駅前はデパートやスーパーなどの商業施設も充実しているので、私はこの辺りのことを「都会と自然の波打ち際」なんて呼んでいます。本当に暮らしやすく、良い街だと思います。

バオバブちいさな家保育園インタビュー

今回、話を聞いた人

社会福祉法人バオバブ保育の会
バオバブちいさな家保育園

常務理事・園長 遠山洋一先生

住所:東京都多摩郡一ノ宮3-9-1
電話番号:042-375-4701
http://baobabcc.jp/chiisanaie/index.html

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

どっしりとしたバオバブの木のように 伸びやかで豊かな子どもを育てる/バオバブちいさな家保育園 遠山洋一園長先生
所在地:東京都多摩市一ノ宮3-9-1 
電話番号:042-375-4701
開園時間:7:00~19:00
延長保育:あり
http://baobabcc.jp/chiisanaie/index.html

モンテッソーリ教育を用いた「育ち」を大切にする教育/さくらがおかこども園 田中鉄太朗さん


ウィズチャイルドさくらがおかこども園
株式会社ウィズチャイルド 代表 田中鉄太郎さん

モンテッソーリ教育を用いた「育ち」を大切にする教育

多摩川の堤防近くの開けた土地に、2012(平成24)年、新設の東京都認証保育所として開業した「ウィズチャイルドさくらがおかこども園」。ここは聖蹟桜ヶ丘エリア内にこれまで2園を運営し、「モンテッソーリ教育」を用いた「育ち」を大切にする教育法で、高い評判を得てきた「ウィズチャイルド」グループの3園目の施設である。 今回は創業者の理念を引き継ぎながら、現在も精力的に現場に出て活躍している、2代目代表の田中鉄太郎さんにお話を聞いた。

まず、「さくらがおかこども園」の概要と特徴について教えてください。

東京都多摩市インタビュー 外観

この園を経営している「ウィズチャイルド」という会社は、私の母である、初代代表が運営を始めたものでして、私が事業を引き継ぐ形となったのは、30年以上の間、保育一本でやってきた母が、聖蹟桜ヶ丘の駅前にできた「モンテッソーリスクール」で働いていたことがきっかけでした。「モンテッソーリスクール」から認証保育所に変わったのは、2001(平成13)年のことですね。

ウィズチャイルドインタビュー

それからは待機児童が増えて、保育園のニーズがどんどん高まってきましたので、多摩市の子育て支援部署の方から、「市の土地を使って保育所を新しくやらないか」ということで声をかけていただき、2005(平成17)年に2園目の「さくらがおかみなみ園」が開園しました。

それでもまだ待機児童は増えましたので、またその声に応じる形で、2012(平成24)年にこの「さくらがおかこども園」を開園しました。この時にも、地域の方から、「この土地を福祉事業に活用したい」というお声をかけていただきまして、本当に周りの人達に支えられて、いまようやく、3つの園ができたという状況ですね。

3つの園では、それぞれの独自の特徴や保育方針があるのでしょうか?

ウィズチャイルドインタビュー

おおむね40名前後が定員でして、家庭的な保育を行なっています。方針はすべて共通していまして、基本的には「モンテッソーリ教育」の教育方針を軸にしています。加えてここ数年は、それぞれの園で積極的に独自性を生み出しています。

ウィズチャイルドインタビュー

「モンテッソーリ教育」というのは、子どもが自分の力で自分を成長させていく事ができるように導いていく教育法です。大人は、その「育ち」の環境を作り、環境と子どもを結び付ける役割を担います。私達ウィズチャイルドの保育士は、子どもの力を信じ、子どもが自分で成長していく過程を辛抱強く待ちます。そしてその気持ちを保護者と共有することで、子どもの「育ち」を共に喜ぶ事がとても大事だと考えています。

対象になる年齢、就労状況などの条件について教えてください。

ウィズチャイルドインタビュー

年齢については、生後2か月の0歳児から、小学校就学前までです。3つの園とも、入園から卒園まで継続してお預かりできる体制をとっています。さくらがおかこども園に関してはまだ3年目の園ですので、年中、年長さんはいません。ここは認証保育所ですので、ご利用いただくご家庭と直接契約をします。就労状況にかかわらず入っていただくことが可能です。ただ現実的には、ほぼ全員の方がフルタイムで共働きのご家庭になっています。

ウィズチャイルドインタビュー

また、認証保育所でありながらも、ウィズチャイルドでは、ほとんどのご家庭が、卒園までそのまま在籍いただいている状況です。お住まいの地域としては、主に多摩市内の方が中心ですけれども、ほかの自治体からの方も3割ぐらい利用されています。

日々の教育内容について、より詳しく、具体的な例を交えて教えてください。

ウィズチャイルドインタビュー

当園はそもそも、環境が「年齢ごとのクラスに分かれていない」という縦割り保育が特徴でして、そういった環境の中で、こども達がこども達同士で刺激を受け合いながら自分達の力で成長する、ということを大事にしています。

園の中は3つのお部屋に分かれていまして、まだ歩行が安定する前の赤ちゃんの部屋、歩行が安定した後の1~2歳児が中心のお部屋、それ以上の幼児さんのお部屋、という具合になっているのですが、それぞれの時期に興味を持ちやすいもの、身体の動きに合うものをそれぞれのお部屋に置いておいて、自分でそれを選んでいく、ということが日々の活動の基本になっています。

ウィズチャイルドインタビュー

お部屋にはしっかりと手首や指先を使って個々に集中できる自己選択活動が用意されていますから、子どもたちはそれらを自ら選んで、自ら取り組んで、自らの力で最後までやりきります。天気が良ければその後、外に出て、大きく身体を動かします。生活の中で「微細運動」と「粗大運動」の両方を満たすことを大事にしています。微細運動の活動は、精神的にすごく集中しますから、これが子どもの情緒の安定にもつながるんですね。情緒を安定させるということは自律の精神を養うことにつながりますのですごく大事だと思うんです。午前中の一番脳が働いている時間を有効に使い、しっかりと集中し、また身体も動かしています。

 

ウィズチャイルドインタビュー

具体的な内容としては、1歳児の段階では穴に物を落としたり、紐を通したりといった活動になります。2歳ぐらいになったら色鉛筆やハサミなどを使い始めたりと、より難しい作業も始めていきます。

だんだん細かい作業ができるようになってきて、指先がきちんと使えるようになると、それは「思うことが思うようにできる」ということですので、最終的には自律、つまり「自分をコントロールする力」につながるんですね。だから自分を好きになるし、自分が満たされる。そしてそれが、自信や他者への愛につながる。それがモンテッソーリ教育の最終的な目標のひとつでもあるのです。

見た目も一軒家風で、あまりほかには見ない園舎かと思いますが、ここにもこだわりがあるのでしょうか?

東京都多摩市インタビュー 階段

当園では「クラス」という表現をあえて使わず、「ひとつの家の中にいくつかのお部屋がある」という捉え方をしています。ですから、大人も子どもも、「許可がなければほかの部屋に行っちゃいけない」ことはなく、「行きたければ行っていい」という方針にしています。それに、なるべく時間割りを作らないようにしています。子どもの意思を尊重し、流れるような時間を過ごせることを意識しているので、その想いが形として現れた結果がこの建物ですね。

東京都多摩市インタビュー 庭園

認証保育所で自前の建物で、庭付きというのは、多分あまりないのではないでしょうか。確かに「園庭が無いと保育ができない」というわけではないですけれど、「園庭があることで、初めてできることがある」ということも、この3つ目の園で初めて園庭を持って、すごく感じています。

年間を通して、どのような行事があるのでしょうか?

ウィズチャイルドインタビュー

実は、ここ数年は行事を減らしていこうという方向で話をしているんですよ。特に、発表会形式のものを取り除いていくということに積極的に臨んでいます。

これは、「日常生活の子どもの育ちを大事にする」という、保育方針を追求する中で、行事が迫ってくると、どうしても大人が忙しくなってくるんですね。勝手に準備が忙しくなってくるし、打ち合わせも多くなってくる。そうすると、子どもの日常生活のサポートがおろそかになっていってしまいます。

ウィズチャイルドインタビュー

子どもたちについても、発表するからには練習をしなければいけませんから、「日常」ではなくて、「練習のための日々」になっていってしまうんです。それに、「練習をさせる」、「練習をさせられる」という関係に、大人と子どもがなってしまう。これもどうしても防ぎたいなと思ったんです。

こういった理由で、「子どもが主体的に楽しく取組む」「保護者も一緒に参加」「日常の延長線上」この3本柱を常に頭に置いて行事づくりをしています。親子が一緒に歌ったり、一緒に身体を動かすということは、喜びも達成感も一緒に味わえるという事、これがものすごく大事です。

東京都多摩市インタビュー クリスマス

そんな少数の行事の中でも、だいたいの時期が決まっているのは、春と秋の親子遠足、クリスマス会といったものです。運動会は運動会とは呼ばずに、秋の遠足に運動を取り入れて、それを運動会と呼んでいるという状態ですね。ほかにも不定期ですが、いも掘り遠足や、とうもろこし収穫、もちつきなどもあります。子どものお誕生日の日には、一人ずつ、お祝いの会もやっています。

予定する行事のほかに、保護者の方が有志で集まったりするということもありまして、園がお休みの日にみんなでガーデニング作業をしたり、クリスマスの飾りを作ったり、BBQを開催したりして、親睦を深めています。

保護者が保育所の日常の様子を見られる機会はあるのでしょうか?

ウィズチャイルドインタビュー

もちろんです。非日常の行事やイベントを多く行うよりは、日常の保育所へ「いつでもどうぞ」という雰囲気づくりを目指しています。その一例が「保育参加」です。その名の通り、一日に1~2名というペースで、平日に保護者がエプロンをつけて保育に参加します。この時には我が子を見るだけでなく、お友達や先生との関わりも、給食やお昼寝の時間も全て体感できますから、とてもよく園内の様子がわかる、と保護者からも喜ばれています。

全保護者の保育参加が終わるまでに2か月ぐらいかかるわけですが、年に2回、つまり4ヶ月の間はこの保育参加を行っていますので、保護者の皆様も保育所の「日常を大事にする」というところに共感していただくようになりますし、なにより保護者と職員の信頼関係も強まります。

ですから、最初は「認可に入れなかったから仕方なく」といった、消極的な理由で入園される方もいるのですが、ウィズチャイルドの保育を知って頂けると「ここにずっといたい」と言ってくださる方も多くいます。そう言っていただけることは、本当にありがたいことですね。

ここを選ばれた方は、どこに一番魅力を感じられているのでしょうか?

東京都多摩市インタビュー 笑顔

保護者の方にアンケートを取った結果から見てみますと、全体の6割から7割ぐらいの方は、「保育環境が良い」ということ第一に魅力に感じていただいているようです。特に個別に手厚く見てくれるという印象が強いようです。少人数であることはもちろん、モンテッソーリ教育方針を取り入れていることも関係していると思います。

ここは認証保育所ですから、保護者自らの意思で入園を決断します。ウィズチャイルドでは、初めて見学に来ていただいた際に、全ての方に1時間くらいかけて園のご案内をしています。そこで気に入っていただける、という方が多いように思いますね。だから全員に園の特徴をしっかりと理解していただいていますし、入園後のクレームもほとんどありません。

入園時期に関しては、1年中受付を行っていますので、いつでもご連絡をいただけたらと思います。

来年度から「コラボリビング」の新事業がスタートするそうですね。これは何でしょうか?

ウィズチャイルドインタビュー

これはもう言葉通り、地域に根付く「リビング」すなわち居間を設けまして、地域のみんなが集い、幸せがたくさん生まれる場所を創ろうというものです。保育所利用者だけではなく、小学生や若者、高齢者など、多様な世代や業種の人達が一緒になって地域を元気づけていくという、そういうコンセプトで考えております。場所はこの保育所の隣。まだ工事は始まっていませんが、これから建物を作って、2015(平成26)年の春からのスタートを予定しています。

午前中人が集いやすくするためにカフェ機能を設けて、そこでいろいろなサークル活動やワークショップをしていただいいたりと、そういうことに開放していきたいですね。

午後は、放課後の小学生が過ごす学童保育が中心になると思います。そこには午後も地域の人に居ていただいてもいいし、そういう方がまた、地域の目になって、面倒を見てくれたり、多種多様な年齢の大人と小学生が関わる場にしたいと思います。そういうことが、(大人と子ども)両方の人たちにとって、とてもいい環境になると思うんです。

ウィズチャイルドインタビュー

いまは保育園にしても学童施設にしても、フェンスで囲ってしまって、セキュリティがあって、キーが無ければ入れない状態ですよね。だから面白くないんです。3年生か4年生くらいになると、子どもたちが「つまらない」と言って、結局自分の家で留守番をするような状態になってしまう。でもそれは良くないと思うんです。

もちろんサポート体制もしっかりする予定です。いつの時間も保育士が常駐するのはもちろんですし、必要に応じて、栄養士や看護師、食育指導士、障害者のペアレントメンターといった、多種多様なスキルを持ったスタッフが関わっていければ良いな、と思っています。そういった人達が、(卒園後の)学童保育にもサポートを継続できたり、また一方では、保育園とは接点の無い、でも子育てで悩んでいる、地域の方々の相談にも乗ったりできますから、そこはとっても良い場所になるんじゃないかな、と思っています。

安心、安全につながる取り組みについて教えてください。

東京都多摩市インタビュー 看板

認証保育所と言っても、認可保育所と同じ基準にのっとって建物、防犯設備、室内環境といったものを整えていますし、東京都の監査も通していますので、安心して来ていただければと思います。

中でも「防火防災管理者」については、ほかの園ですと最低ひとり置けば良いですし、いても一部職員だけかと思うんですが、うちでは正職員全員が資格を持っています。防災訓練も持ち回りで毎月やっていま。災害は四六時中、いつ起きるかも知れないものですから、いろいろな状況を想定して訓練を行っています。

ウィズチャイルドインタビュー

衛生面では、保健所で定めている次亜塩素酸ナトリウムの使用に加え、さらに安全性の高い、食品添加物にも指定されている衛生除菌水も使用しています。感染症が流行った時などの空間除菌などに大いに役立ちます。

普段使う水についても、元栓浄水で塩素など余分なものをカットした純水を使用していますから、お茶やミルク、離乳食に良い事はもちろん、乾燥肌やアレルギーを持った子にも安心して使っていただけます。

園内には沢山の写真が掲示されていますし、スタッフの方も全員カメラを持ち歩いているんですね。

東京都多摩市インタビュー カメラ

これは日常を写真に切り撮って掲示しているもので、特にイベントの写真というわけではありません。ウィズチャイルドでは保育士はいつもカメラを持っていまして、子どもの成長がうかがえる感動の一場面を、写真に収めています。それは保育士の視点であり、「保育」の見える化であり、「保育」を記憶ではなく、目に見える記録として残すことと、そしてそれを周りの保育士や保護者にも見ていただき共有しながら、お互いの理解と信頼につなげていける意味でとても効果のある取り組みです。

東京都多摩市インタビュー 写真

この写真については、年に数回、データをまとめて親御さんに差し上げていますので、写真の販売といったものは、一切していません。特に保育園にあまり来ないお父さんなんかは、すごく様子がわかると評判がいいです。

子どもの「育ち」というのは、親御さんと保育所が協力して支えていくものですから、「保育所だけが知っている」という状態は、本来あってはいけないと思っています。だから写真も使いながら、園の全部を出すようにしています。

最後に、聖蹟桜ヶ丘エリアの魅力についてお聞かせください。

ウィズチャイルドインタビュー

この辺りはとっても自然多い地域でして、多摩市の中でも特に聖蹟桜ヶ丘については、多摩川にも面していますし、丘もありますし、公園も沢山あって、子育てはとってもしやすい街だと思いますね。

ただ現状としては、まだまだ街と自然を結びつけたり、子育てと自然を結びつけたりという部分は足りないと私は思っていて、でも、これからそれをやっていこうという方々が沢山出てきているという現状ですので、5年後、10年後には、もっともっと暮らしやすい、自然豊かな街になっているだろうと思います。

ウィズチャイルドインタビュー

子育て以外の面では、今は聖蹟桜ヶ丘も急激に高齢化していますから、そういう街づくりも加速してきていますし、民間の力の地域交流の場はあちらこちらで活発になってきているのを感じます。「高齢者と子どもをつなぐ街」が徐々にができ始めていると思います。そして、それは僕達の世代が作っていかないといけないな、とも思っています。

まだまだこれからですね。これから、新しい聖蹟桜ヶ丘、「子育て世代と高齢者世代を結ぶ街」を実現するために、頑張ります。

東京都多摩市インタビュー 田中鉄太郎さん

今回、話を聞いた人

ウィズチャイルドさくらがおかこども園

株式会社ウィズチャイルド 代表 田中鉄太郎さん

ウィズチャイルドさくらがおかこども園
所在地:東京都多摩市一ノ宮2-1-2
電話番号:042-400-7872
URL:http://www.with-jamp.com/

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

モンテッソーリ教育を用いた「育ち」を大切にする教育/さくらがおかこども園 田中鉄太朗さん
所在地:東京都多摩市一ノ宮2-1-2  
電話番号:042-400-7872
http://www.with-jamp.com/

一時預かりも行う公的子育て支援施設

“居心地の良さ”を最優先に。 地域に寄り添う子育てのひろば/貫井子ども家庭支援センター 貫井ぴよぴよ 千葉勝恵さん


貫井子ども家庭支援センター
所長 千葉勝恵さん

“居心地の良さ”を最優先に。
地域に寄り添う子育てのひろば
「貫井ぴよぴよ」

貫井地区の最寄駅である西武池袋線「富士見台」駅は、隣駅の「練馬高野台」駅との間の区間で富士山が美しく見えることからつけられた名前。その名に象徴されるように静かな住宅街が広がるこの地域は、中野区に隣接する練馬区の南に位置する。各駅停車でも「池袋」まで16分、有楽町線や副都心線とも直通運転をする便利な環境なだけに、ファミリー世代を中心に人気を誇る地区でもある。そんな貫井地区で子育てをサポートする「貫井子ども家庭支援センター」の、親子交流のためのひろば事業「貫井ぴよぴよ」についてセンター所長の千葉さんに聞いた。

まず、この貫井地区に「貫井ぴよぴよ」ができた経緯を教えていただけますでしょうか。

貫井ぴよぴよ

「貫井ぴよぴよ」は「貫井子ども家庭支援センター」のひろば事業として開設しております。

私は50歳まで杉並区の公立保育園の園長を務め、その後地域のボランティアとして活動をしていました。ボランティアとしての距離の取り方や考え方などで悩んでいた時、知人からカナダの福祉施設視察の誘いがあり、オンタリオ州ピーターポロへ行く機会を得ました。

そこでは村はずれのボランティアコーナーをたずねると、地域の高齢者が、郵便配達をしながら農家から提供された野菜を一緒に届けたり、気軽にサポートし合う土壌がありました。高齢者が困っている高齢者を助ける、そして助ける側にいることを幸せに・誇りに思う。“弱者を助けるのがボランティア”だと思っていた私は、ボランティアの原点を目の当たりにして、目からウロコが落ちました。

貫井ぴよぴよ

またリソースセンターが開催する「ドロップイン」と呼ばれる集える場所が、ショッピングモールの中にあり、他にも地域の集会場等を利用して開かれるところも見学しました。既に武蔵野市で開催している『0123吉祥寺』の所長の森下先生もご一緒で、「日本にもたくさん必要」という言葉が心に残りました。帰国後、10名でボランティアグループを結成、関町ボランティアコーナーの会議室を借り、1997(平成9)年「つどいのひろば」をスタートさせました。

4年後に(1997(平成9)年3月25日東京都認証)特別非営利活動法人「手をつなご」が生まれ、その後、練馬区から事業委託という形で2010(平成22)年から「貫井子ども支援センター」を開設するというお話をいただき、現在に至っています。

「つどいのひろば」を始める前に“こういう場所にしたい”という思いはあったのでしょうか。

貫井ぴよぴよ

最初は先輩ママである自分たちが、新人のママパパたちに“教えてあげたい”という思いでした。しかし、実際に訪れる親御さんたちを見ていたら、みなさん本当に一生懸命で子どもにしっかり愛情を注いでいて、教えることは何もなかった。ですから私たちは、“親子が気持ち良く過ごせる場所を提供することに徹しよう”、“親子を温かい目で見守ろう”ということに決めました。今もセンターのスタッフとの間では、“ママと子どもたちの居心地よさ”を最優先に考えていこうと話しています。

月2回だった活動も、利用者から「もっと回数を増やしてほしい」といった要望が増たこともあり、アパートを借りて毎日オープンするようになりました。そして2002(平成14)年から特定非営利活動法人「手をつなご」となり、2006(平成18)年から練馬区関町で「関ぴよぴよ」を、2010(平成22)年から「貫井ぴよぴよ」の運営を練馬区から任せていただいています。

ひろばの概要や利用方法を教えていただけますでしょうか。

貫井ぴよぴよ のりものおもちゃ

練馬区が2010(平成22)年1月、貫井子ども家庭支援センター開所、手をつなごはセンター事業を受託しました。貫井ぴよぴよは貫井子ども家庭支援センターの一事業として地域の方たちと共に育ってきたと思います。貫井ぴよぴよは0歳から3歳までのお子さんとその保護者が自由に遊べる子育ての広場です。月・火・水・金・土曜日の10~16時、また祝日もオープンしていますので、自由に集い、自由に遊んでいただけます。12~13時の間なら各自持参して昼食も召し上がっていただけます。

また練馬区在住の方を対象に生後6ヵ月~未就学児の「乳幼児一時預かり事業」も行っています。毎週月~土曜日の10~13時の3時間、13~16時の3時間、または通しで10時~16時までの一時預かりを実施しています。(これは練馬区の一時預かり事業です。)利用の事由は問いません。リフレッシュにもご利用いただいています。0歳児は3時間2,000円、1歳以上なら1,500円でお預かりしています。親御さんたちが病院へ行ったり、美容院へ行ったりなどちょっとした用事をする時になどに利用していただいているようです。

イベントなども多く開催されているようですね。

貫井ぴよぴよ

ママたちがより集いやすくなるように、様々な催しを考えています。例えば、「貫井子ども家庭支援センター」で行っている、マタニティママと6ヵ月までの赤ちゃんがいる保護者対象の『わかばちゃんの会』や、『歯科衛生士さんのお話』、『看護婦さんのお話』、『助産師さんのお話』を通してコミュニティづくりをしています。近隣にすむプロの演奏家ご夫婦の『長島さんコンサート』、『お洋服のお下がり交換会』、『身体計測』、ときには『2歳児のイヤイヤを乗り越える方法』や『産後クライシスの講座』など、ママたちが気になる話題を講座にすることもありますよ。

基本的には親御さんたちが疑問を解消したり、子どもと一緒にちょっと息抜きができるようなイベントを開催しています。

0~3歳まで、年齢の異なる子どもが同じ場所で遊ぶことで子どもにとってもプラスになることはありますでしょうか。

貫井ぴよぴよ

まず下の子たちはお兄ちゃん・お姉ちゃんたちを見て、非常に刺激を受けるということ。全く立つことに興味がなかった子が、ここで遊びまわる子どもを見て、家に帰ってからつかまり立ちの練習を始めたという話も聞きました。 また上の子たちにとっては“気づき”があるということ。赤ちゃんや小さい子に対して、自分は何が出来るのか。出来なくても子どもながらに気付き、考えている。兄弟が少なくなった今では、自然に学ぶことが難しくなっているので、こういった経験は貴重かもしれません。でも、子どもたちは絶対に赤ちゃんを踏んづけたりしないんですよ。わざわざ相手にはしないかもしれませんが、横になっている・そこにいる、ということはきちんと理解している。子どもって凄いですよ。先輩ママたちも我が子が赤ちゃんを踏まないかと気配りしています。

もちろんモノの取り合いなどはしょっちゅうですが、“人のモノが欲しい”ということは“意欲がある”ということ。取った、という結果だけを見ずにプロセスも見てあげてほしいと思います。

ママパパたちへ伝えたいことはありますか?

貫井ぴよぴよ

子どもと一緒に遊んでほしいと思いますね。子どもと一緒に遊べば、子ども自身のことを理解できるようになります。一緒に何かをつくれば、どれだけその作品が大事か分かる。お掃除の時もガラクタとして捨てられなくなりますよ(笑)

そして人と自分の子を比べないこと。横を見て比較する「横比べ」ではなく、「昨日できなかったことができた」「成長した」という「縦比べ」をしてほしいと思います。

最後に、千葉様はこの富士見台エリアについてどのようなところが魅力だと思われますか?

風の子広場

皆さん穏やかな方が多いと思います。車も自転車ものんびり走るようなマナーの良さ、穏やかさを感じますね。住宅街なので静かですし、駅前には商店街もあって暮らしやすい場所ですよ。

またここに通ってくる方たちも素直な方々が多く、グループもつくらない。初めての方が参加しても、すぐ溶け込める雰囲気があります。先日も色々な幼稚園の先輩ママたちが、これから幼稚園選びをするママたちへ各幼稚園事情を話す会も開いたんですが、実に和気あいあいと楽しい雰囲気でした。これはこの土地ののんびりした明るい土地柄のお陰かもしれませんね。

貫井ぴよぴよ

今回、話を聞いた人

貫井ぴよぴよ(貫井子ども家庭支援センター)
所長 千葉勝恵さん

住所:東京都練馬区貫井3-25-15
電話番号:電話:03-3577-9820
http://tewotsunago.ciao.jp/nukui.html

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

“居心地の良さ”を最優先に。 地域に寄り添う子育てのひろば/貫井子ども家庭支援センター 貫井ぴよぴよ 千葉勝恵さん
所在地:東京都練馬区貫井3-25-15 貫井子ども家庭支援センター内
電話番号:03-3577-9820
開室時間:9:00~17:00(乳幼児一時預かりは16:00まで)
閉室日:木・日曜日、年末年始(乳幼児一時預かりは無休)
http://tewotsunago.ciao.jp/nukui.html

子育てママにうれしい 写真撮影も楽しめる素敵なカフェ/ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さん


ナチュラルカフェ ポクラト
店長 仲田葉子さん

新座インタビュー

子育てママにうれしい
写真撮影も楽しめる素敵なカフェ

JR武蔵野線「新座」駅から徒歩約15分。駅西口から川越街道へ向かい、通りを渡って右へ、左手に「神明神社」がある道を途中、児童公園や畑、地場野菜の販売所なども発見しながら住宅街の整備された一歩道をずっとまっすぐに行くと、右手に白い壁が印象的な「ナチュラルカフェ ポクラト」があります。
オープンは2012(平成24)年9月末。店主の仲田さんは、実は写真家でもあり、入口のガラスにはお店で撮影された子どもたちの写真が多数貼られています。店内はウッディで温かみのある雰囲気で、カウンターの端には手作り小物なども置かれており、まさにアットホームな空間です。地元の子育て中のママたちに人気だというこちらのカフェの、お店の魅力を聞いてきました。

まず、こちらのカフェをオープンしたきっかけを教えてください。

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

もともとは写真家として、雑誌の撮影やお料理、ブライダル、妊婦さんなどを対象とした写真を撮影していました。ただ、私自身がふたりの子どもを育てるなかで、「子育てする上で食べ物って大事だな」「子育てってストレスが溜まるのに、子ども連れでゆっくり外食できるカフェがないな」と思い、地域に密着した“子育てママの憩いの場所”を作りたいと考えるようになったんです。子育てで忙しい毎日の中だからこそ、お茶をしながらホッとしたり、気の合う友人とおしゃべりをして気持ちをシェアしたりする時間が必要だと思い、カフェをオープンすることにしました。

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

写真家であることも活かし、カフェと併行して、2階のスタジオや「所沢航空記念公園」などの屋外でお子さんの撮影も行っています。
店名の「ポクラト」は、チェコ語で“宝物”という意味。我が子という“宝物”に対する愛しい想いを写真という形で残してほしい、と思いを込めて名づけました。最近では撮影のご依頼が増えたこともあり、2013(平成23)年までは月曜日と火曜日もカフェを営業していたのですが、2014(平成24)年からは木曜日と金曜日だけのカフェ営業となります。多くのお客さまから残念だとおっしゃっていただくのですが、その分、営業日は充分におもてなししたいと考えております。

上の階からお子さんたちの楽しそうな声が聞こえてきますが、店内はどのような造りになっているのでしょうか。

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

1階はカウンター席が7席で、主におひとりさま、常連さんがいらっしゃいます。この建物は以前はお蕎麦屋さんだったのでカウンターをそのまま使いましたが、壁に木を貼って温かみを出すなどの雰囲気作りをしました。

2階のキッズスペースは予約制となります。9畳の広さでお子さんが走り回っても大丈夫。テーブルや椅子も木製で丸みのある物なので、ちょっとぶつかったりしても安心です。大人でも9人程は集まれますので、お誕生日会やママ会などにもご利用いただいています。

おすすめのメニューをご紹介いただけますか?

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

メニューはシンプルで、お食事なら「週替わり定食」(800円)が基本です。ドリンクとのセットが1,000円、定食に日替わりケーキとドリンクがついた「スペシャルセット」で1,200円。お子さん用の「お子様セット」は400円となっています。日頃はメインは野菜料理なんですが、例えばクリスマスシーズンなどはお肉料理のローストビーフなどをお出ししたりもします。
また、日替わりケーキはこの1年やってみて、バナナケーキとリンゴケーキがお子さんにも人気なようなので、それをメインにいろいろ試しているところです。

お料理について、こだわっているポイントなどがございましたら教えてください。

ナチュラルカフェ ポクラト 店長 仲田葉子さんインタビュー

料理は、お子さんにお出しするものも基本、ママたちと同じメニューです。ただ、量と味付けを子ども向けに変えています。たとえば、大人にはバジルとアンチョビソースを使ったお料理でも、お子さんたちにはマヨネーズベースにしたり。ハンバーグやウィンナーといったような“子どもの好きな料理を揃える”ということはしていません。ママと同じものを食べる楽しさを味わってもらいたいと思いますし、メニューは野菜中心です。
スパゲッティ・ミートソースも野菜中心でちょっとひき肉を入れる感じにして、お子さんが野菜に馴染んでもらえるよう工夫しています。もちろん、子育て中だとついつい自分の食事が疎かになってしまいがちなママたちにも、地元の野菜をたっぷり使った身体にやさしいメニューでおもてなししています。食材もつねにより良いものをと考えているので、お米は完全無農薬米を使用し、最近は朝霞市の自然農法で野菜作りをしている農家さんから仕入れたものも使うようになりました。

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

ドリンクはカフェインレスコーヒー、さらに「妊娠初期~中期」「妊娠後期」「授乳期」それぞれの時期にぴったりなオーガニックドリンクもご用意しています。たとえば、「妊娠初期~中期」対応の「マタニティーブレンドしあわせ」(300円)はつわりでもさっぱり飲めるブレンド、「妊娠後期」対応の「マタニティーブレンドわくわく」(300円)はその時期辛い便秘に効果的なブレンドのハーブティーです。お客様たちは、大体3~4時間くらい寛いでいかれますので、ドリンクの器もたっぷりしたものでお出ししています。

確かに、通常のお店の2杯分くらいはある器ですね。これならじっくりおしゃべりもできそうですね。

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

実は、器だけでなくお皿も私自身が作陶した物なんですよ。手作りの温かみを感じてもらいたいと思って、一つひとつ自分の手で作りました。
たっぷりとした器を手に、子育て中は自宅ではなかなかもつことができない自分の時間を、ここでゆったりと過ごしてもらえたら…と願っています。ここで出会って、ママ友になる人も少なくないんですよ。私もついついそれぞれを紹介しちゃうんですけどね(笑)。

このエリアは保育園もどんどんできていますし、子育てファミリーも多いので、「ナチュラルカフェ ポクラト」がママたちの“憩いの場”であると同時に“コミュニケーションの場”として、子育てする上での情報交換や悩みなどを話せる場として利用してもらえれば嬉しいですね。

先ほど、2014(平成24)年から営業時間が変更とのことでしたが、今後はどのようにカフェと撮影のお仕事を展開していかれるのでしょうか?

ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さんインタビュー

カフェを木・金曜日のみの営業にして、お子さんやファミリーだけでなく、様々な撮影案件に対応していきたいと考えています。通常、プロの写真家に撮影を依頼するとかなりの金額になってしまい、なかなか敷居が高いかと思いますが、ここでは将来的に家族の“宝物”となるような写真をリーズナブルな料金で撮影いたします。50カット8,800円~です。地域の皆様を含め、多くのご家族の“宝物”となるような写真を提供していきたいですね。

新座インタビュー

今回、話を聞いた人

ナチュラルカフェ ポクラト

店長 仲田葉子さん

住所:埼玉県新座市野火止5-27-1
電話番号:090-9800-8052
営業時間:11:30~16:00
営業日:木曜日・金曜日
※2014(平成24)年1月より、その他の日は完全予約制での撮影日(10:00~15:00、応相談)となります。
URL:http://poklad.org/index.html

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

子育てママにうれしい 写真撮影も楽しめる素敵なカフェ/ナチュラルカフェ ポクラト 仲田葉子さん
所在地:埼玉県新座市野火止5-27-1 
電話番号:090-9800-8052
営業日:木・金(11:30~16:00)、月・火・水・土・日(10:00~15:00※完全予約制)
http://poklad.org/index.html

豊かに生きる力を育てる”場”の提供/グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 本吉園長先生


グローバルキッズ日暮里駅前保育園
園長 本吉さん

豊かに生きる力を育てる”場”の提供

「子ども達の未来のために」という企業理念のもと、認証保育所の開所・運営をスタートさせたグローバルキッズ。子どもだけでなく保護者への支援姿勢からは、この道のプロフェッショナルであると同時に仕事への情熱が窺える。「グローバルキッズ日暮里駅前保育園」の本吉園長を訪ね、様々な角度からお話を聞いてきた。

さっそくですが、本吉園長が保育業界に入られたきっかけから聞かせてください。

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 看板

もともと私は別業界にいたのですが、働きはじめてから3年が経とうとしているタイミングで「この仕事は自分に合っているのだろうか」と考えるようになりました。そのときに、赤ちゃんのいる隣家を訪ね、通学時に毎日のように抱かせてもらった小学生時代のことを思い出したのです。

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 先生

「子どもと関われる仕事に就きたい」という夢を叶えるため、勤めていた会社を退職し、保育専門学校に通いはじめ、卒業してからは保育業界一筋で働いています。

長年のキャリアがあるなかで、特に印象深いことなどあれば伺えますか?

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 園内

色々とありますが、1人で担任を持ったときのことは忘れられませんね。子どもたちを連れて散歩も行きましたし、これまでしたことのない配膳も経験しました。責任の大きなポジションでしたが、楽しく、とても充実した時間だったと思います。

「グローバルキッズ日暮里駅前保育園」として、保護者とはどのような関わり方をされていますか?

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 目標

本園では、保護者会や保育参観をはじめ、保護者に参加していただける様々な機会を設けています。どのような環境で子どもさんが過ごしているのかを、ぜひ御覧いただきたいですね。そこで感じたことや意見は、アンケートを通じて改善に役立てています。

子育てや育児などで悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 壁面

そうですね。そういう方は、表情を見ればすぐに分かります。どこか元気がなかったり表情が暗かったりするので、それを迅速に察知することが大切です。少しでも悩みがあれば、ぜひ気軽に相談して頂ければと思います。

常日頃から、職員さんにおっしゃっていることはありますか?

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 教室

保護者を支援するため、どのような意見であってもまずは受け入れること。厳しい意見だったとしても、より良い保育をするためのアドバイスと捉え、感謝するようにと言っています。マニュアルを暗記するだけでなく、自分のものにした上で実践に役立ててもらいたいですね。

荒川区の子育て環境についてはいかがでしょうか。

日暮里南公園

荒川区は、とても子どもを大切にしている自治体だと感じます。見回りをしてくれる方を派遣してくれたり、事務手続きについても頻繁に連絡してくれるなど、積極的にサポートしてくれます。そうした荒川区の姿勢を知り、この場所に移ってこられた方もいらっしゃいます。子育てをするにはとても良い環境だと思いますね。

日暮里の街の魅力を教えて下さい。

サンマークシティ日暮里 ステーションガーデンタワー

とても便利な街だと思いますね。歴史情緒があるのに、「サンマークシティ日暮里」のように新しい建物も多くて、生活するにはとても良いところだと思います。他の町にはあまりないような、変わったお店も多くとも聞きますね。

最後になりますが、これからの展望について聞かせてください。

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 玄関

子どもたち、保護者、そして私たち職員にとってここがステキな場であれたらと思っています。それから、現在3人の職員が産休を取っており、その内の1人はもうすぐ復帰します。仕事と子育てを両立させられるように、これまで以上に働きやすい職場にしていきたいですね。

グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 園長

今回、話を聞いた人

グローバルキッズ日暮里駅前保育園
園長 本吉さん

所在地:荒川区西日暮里2-22-1
電話番号:03-3805-0708
URL:http://www.gkids.co.jp/

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

豊かに生きる力を育てる”場”の提供/グローバルキッズ 日暮里駅前保育園 本吉園長先生
所在地:東京都荒川区西日暮里2-22-1 ステーションプラザタワー3F
電話番号:03-3805-0708
保育時間:7:15~18:15
休園日:日曜・祝日、12月29日~1月3日
延長保育:あり(18:15~19:15)
http://www.gkids.co.jp/

歴史ある街で子どもたちを見守り続けてきた伝統校/荒川区立第二日暮里小学校 水井雅史校長先生


荒川区立第二日暮里小学校
校長 水井雅史先生

歴史ある街で子どもたちを見守り続けてきた伝統校

日暮里の繊維街通り沿いにある「荒川区立第二日暮里小学校」は、この地で100年以上もの間、地域の人々に親しまれている伝統校。広々とした校内では児童がのびのびと学校生活を送っている。今回は、唱歌「夕焼けこやけ」の生まれ故郷としても知られるこの学校を訪れ、校長の水井雅史先生にお話を聞いた。

「荒川区立第二日暮里小学校」の沿革について簡単にお聞かせください。

日暮里第二小学校

本校は創立が1891(明治24)年の11月でして、2014(平成26)で105周年になります。学校名の通り、この辺りでは2番目に古い学校となりまして、もともとあった日暮里地区の寺子屋から、まず最初に「第一日暮里小学校」(当時は「日暮尋常高等小学校」)ができまして、1891(明治24)年にその分教場として本校が誕生しました。ですから卒業生の方も地域には大勢いらっしゃいまして、それが本校の特色のひとつになっています。

学区については日暮里地区、具体的には東日暮里5丁目と6丁目としていますが、荒川区では現在隣接学区の選択制制度をとっていますので、日暮里地区に住んでいる方については、ひぐらし小、第三日暮里小、本校の3校を希望することができます。

日暮里第二小学校

また、繊維通りに面した一角に「夕焼けこやけの石碑」がありまして、これが学校のシンボルとなっています。この歌の作詞者の中村雨紅先生が、本校と、お隣の第三日暮里小の2校で教員を務められていたという関係で、本校は「夕焼けこやけの発祥の学校」と言われております。校長室にあるこの歌詞も、中村雨紅先生の直筆のものです。

「荒川区立第二日暮里小学校」の子どもたちの印象についてお聞かせください

日暮里繊維街

明るく元気で素直な子どもたちが多いですね。それから、比較的落ち着いている子が多いと思います。その背景には、学校を取り巻く環境の良さということもあるのでしょう。

ここは日暮里の繊維街に面したところで、商業地と住宅街が混在していまして、住環境の良さは昔から変わらず、静かな環境が保たれていますし、地域の活動も非常に活発です。学校・地域・保護者が一体となった教育活動が行われているということが、こういった子どもたちの雰囲気につながっているのかと思います。

学校目標、教育目標についてお聞かせください

日暮里第二小学校

大きな教育目標としては4つ、「心ゆたかな明るい子」「よく考えてくふうする子」「なかよく力を合わせる子」「健康でねばり強い子」という言葉を掲げていまして、その中から、毎年重点目標をローテーションしています、今年度は「健康でねばり強い子」が重点目標となっています。

 

その実践のひとつの例ですが、2014(平成26)年度は「子どもの体幹を鍛える研究協力校」ということに指定されまして、「起立、礼、着席」を授業のたびにしっかりと行いながら、児童集会でタオルを使った体幹体操や「ケンケン相撲」などにも取り組みまして、日常生活を通して、姿勢を正し、体幹を鍛えるということを行いながら、研究に協力しています。研究については東京都教育委員会と早稲田大学が行っているものですね。こうして体幹を鍛えることで正しい姿勢を身につけ、健康でねばり強い児童の育成につなげられれば、と考えております。

マーチングバンドが地域のイベントなどで活躍されていると聞きました

そうですね。本校はマーチングバンドがとてもさかんでして、4年生以上が全員参加ということで取り組んでいます。3年生も楽器こそ演奏しませんが、フラッグを持って参加しています。マーチングを通して音楽的な情操を養えれば、ということで取り組んでいます。マーチングバンドは地域で開催している「社明パレード」をはじめ、いろいろな場面で演奏していますので、近隣の方々の間では、定着しているものだと思います。

「1人1台タブレットPC」導入モデル校になっているそうですが、これはどのような内容、目的で行われているものでしょうか?

日暮里第二小学校

本校は2013(平成25)年度から荒川区の「1人1台タブレットPC導入」事業のモデル校になりまして、先進的な取り組みをやらせていただいています。荒川区全体としても、小学校では2学級に40台程度、中学校で1人1台という形で導入しているのですが、本校はモデル校ということで、1人1台のタブレットPCが与えられています。

この事業の目的としては、やはり「21世紀型スキルの習得」ということを目指していまして、情報端末を使いながらコミニュケーションを取ったり、検索をしたりと、これから時代に求められていくようなスキル育成を進めていく予定です。

 

無線LANでインターネットにも接続していますので、学校中どこでも使うことができまして、従来のパソコン教室での活動に比べても、より「アクティブな活用」ができていると思います。たとえば校庭で調べ物をしたり、自然観察の時に利用したり、という具合ですね。まだまだ活用の幅は広がると思います。

タブレットPC以外にも、テレビ会議システムなど先進的な設備がありますね。これはどのように活用されているのでしょうか?

荒川区立第二日暮里小学校 校長先生インタビュー

テレビ会議システムは本校が独自に導入したものでして、荒川区内でこれを設置しているのは3校のみとなるのですが、実際の利用シーンとしましては、本校は山形県鮭川村の鮭川小学校さんとずっと交流をしていますので、その中で活用をしていますし、区内のほかの設置校との交流もテレビ会議を通じて行っています。

日暮里第二小学校

このうち鮭川小さんとは「鮭の交流事業」とということで、提供していただいた鮭の卵を本校で稚魚に孵化させて、それをある程度まで育てて、山形県に持って行って放流するという取り組みをやっています。昇降口の水槽で育てている鮭は、そのうちの一匹なんですよ。

「ににち寺子屋」とは、どんなものでしょうか?

日暮里第二小学校

これは放課後の学習教室、と考えていただければ良いと思います。全学年でそれぞれ行っているもので、希望者全員に、週2回、学校内で学習教室を開くというのものです。算数と国語の2教科について、基礎の定着を目指して行っています。同様のもので夏休み中に行う「ににちサマースクール」というものもありまして、こちらは二教科だけではなく、より幅広く行っています。

「放課後子どもプラン」とは、どんな取り組みでしょうか?

日暮里第二小学校

今までも「学童クラブ」というものがどこの学校にもあったかと思いますが、これは「3年生まで」という条件がありまして、それ以上の子どもたちは入れず、不便を感じておられた保護者の方も多いと思います。そこで「学童クラブの全校版」ということで、荒川区が独自に作ったものが「放課後子どもプラン」でして、申し込みをすれば、全学年の子どもたちが入れるようになっています。クラブの名前としては、「にこにこすくーる」という名前が付いています。

荒川区立第二日暮里小学校 校長先生インタビュー

これは校内の余裕教室を使って運営しているものですが、区の児童青少年課から民間に委託しているものですので、運営は民間の事業者となっています。本年度は全校児童の8割以上がこちらに参加しているかと思います。

内容としては、自由に過ごす時間ももちろんありますし、宿題の面倒を見てもらったり、こま回しやけん玉など、いろいろな体験もさせてくださっています。学校内ですから、安全が確保されているというのは大きな魅力かと思います。

「たて割り班」での活動もあるそうですが、どのような内容ですか?

日々の児童集会でも、たて割りの集団遊びをやっていまして、これは高学年の子が企画して、低学年の子を楽しませてくれるというものです。ほかにも「なかよし清掃」ということで、校舎内をきれいにする活動も月に2回程度行っていますね。これらの活動を通して、上級生にとってはリーダーシップを発揮する機会になりますし、下級生にとっては、異学年交流の良い機会になっているかと思います。本校は単学級でクラス替えがありませんから、たて割り活動を通して、いろいろな集団を体験させたいと思っています。

校内行事、校外行事について特徴的なものを教えてください

旧岩淵水門

大きな校内行事としては、毎年春に行っている運動会がありますし、秋については、音楽会、学芸会、展覧会を3年に1回ずつ、順番に行っています。いずれも沢山の保護者の方に来ていただいております。

 

 

校外に出るものですと、5年生が清里、6年生が下田に移動教室に行っていまして、それぞれの行き先で、農業体験、酪農体験、ハイキングなどを行っています。3年生の授業では、区内めぐりということで岩淵水門に行きますし、5年生の学習の一環として、本年度は君津の製鉄所に工場見学に行きました。

「ににちレンジャー」の活動ではタスキをかけた子どもたりが、挨拶や清掃を行っているそうですが、これはどのような取り組みですか?

日暮里駅前

「ににちレンジャー」というのはかねてから行っているものでして、もともとは、先ほど申し上げたように児童数が少なくなった時期に、「学校を活性化しよう」という目的で学校側が主体になって始めたものですが、そのまま伝統になって継続されています。主な活動には「あいさつ運動」がありまして、これは全学年から当番制で児童が校門の前に立って、地域の方にあいさつをするというものです。これ以外には、日暮里駅前の環境浄化活動にも毎月1回参加しています。「ににちレンジャー」というのは、これらの活動の時のグループ名みたいなものですね。

地域と連携した行事や活動には、どのようなものがありますか?

「ににちっ子まつり」という9月末に行っているお祭りが、保護者、地域、同窓会の方が連携して、子どもたちと未就学児に向けて企画してくださっているもので、ゲームをやったり、模擬店を開いたりして、沢山の親子の方でにぎわいます。いわゆる「こどもまつり」ですね。

この時には、小学生以下の子どもだけではなく、中学校や高校の吹奏楽部が演奏してくださったり、国際理容美容専門学校の学生さんが子どもたちにヘアメイクをしてくださったりと、小学校の枠を超えたお祭りになっています。いろいろな新しい交流も、このお祭りから生まれています。こちらもレンジャーの活動と同じように、「何とか学校の活性化を図りたい」ということで始まったもので、保護者や地域の方々の願いが結集したものだと思っています。

校門の前に「荒川区日暮里地域安全・安心ステーション」があります。これはどのようなものでしょうか?

日暮里第二小学校

「安全・安心ステーション」は校門のすぐ横にある建物ですが、荒川区が設置している、地域の安全を守るための拠点ということでして、警察のOBの方など、区の職員の方が常駐して、道案内を行ったり、緊急時の連絡窓口になったりしています。地域の防犯活動の拠点です。交番のような場所ですね。

 

ステーションの方々も、毎朝のあいさつ運動にレンジャーと一緒に立ってくださったり、何かがあれば学区内をパトロールをしてくださったりと、何かと協力してくださっていますので、保護者の方の安心にもつながっているかと思います。

最後に、日暮里エリアの魅力についてお聞かせください

サンマークシティ日暮里 ステーションガーデンタワー

日暮里はこれから東京オリンピックを控えて、世界からの玄関口となるような地域ですので、これからますます、グローバルに広がっていく地域だと思っています。そういった地域に、「古い良さ」と「新しい良さ」がバランス良く合わさっていまして、地域の魅力になっているかと思います。

 

 

それから、非常に落ち着いた街でして、犯罪の発生数が非常に少ないというデータもあります。背景には地域自体がしっかりしていて、防犯活動にも熱心ということがあるのでしょう。街自体が元気で、近所付き合いがよく残っている、という街なのだと思います。

上野恩賜公園

そういった地域の中に、今はいろいろな国の方がお住まいになっていまして、グローバルを肌で感じることができますし、上野も電車ですぐですから、文化や芸術にも触れる機会が多く、また、とても関心が高い地域だとも思います。散策をしても、日暮里は民芸や伝統工芸がとても沢山残っている地域ですので、いろいろな楽しい発見がありまして、街歩きがとても楽しいですね。

日暮里第二小学校

今回、話を聞いた人

荒川区立第二日暮里小学校
校長 水井雅史 先生

荒川区立第二日暮里小学校
所在地:東京都荒川区東日暮里5-2-1
電話番号:03-3891-3416
URL:http://www.aen.arakawa.tokyo.jp/DAI2NIPPORI-E/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

歴史ある街で子どもたちを見守り続けてきた伝統校/荒川区立第二日暮里小学校 水井雅史校長先生
所在地:東京都荒川区東日暮里5-2-1 
電話番号:03-3891-3416
http://www.aen.arakawa.tokyo.jp/DAI2NIPP..

日常生活に芸術がある場を創出したい/Mミュージック 小林麻希子さん


Mミュージック
代表 小林麻希子さん

日常生活に芸術がある場を創出したい

新スタジオが「大森駅ビルララ」にオープンするなど、立ち上げから確実に芸術分野との接点を増やしてきた「Mミュージック」。音楽が持っている力を知り、それを経験しているだけに、小林代表の音楽に対する想いは強い。今回はそんな「Mミュージック」の代表小林麻希子さんに、教室の特徴、音楽との出会い、山王の街の魅力を伺った。

まずは、「Mミュージック」の概要から聞かせてください

Mミュージック

ピアノやバイオリン、フルートなどの楽器、ミュージカル、ダンス、声楽、さらには作曲まで学べる総合音楽教室です。経験豊富な各講師が、個性や特性を把握した上で親身に指導しています。

Mミュージック

基本理念に掲げているのは一人一人を尊重し、共生・共感・共有の態度で向き合うこと。そして楽しさ・嬉しさ・悲しさを共有しながら、生徒さんにとって最適な環境づくりをすることです。活動を通じて、この街に芸術面での貢献ができればと思っています。

そもそも小林代表が、こうした音楽の道に進もうと思われたきっかけを伺えますか?

Mミュージック

幼いときから音楽が好きで、ピアノやソルフェージュを習い、それ以外にも歌うことが好きだったので合唱部に入ったり、声楽を学んだりしました。ただ、音楽だけでなく勉学という道にも興味がありましたから、大学に進学して教育について勉強することにしたのです。

学業を終えてからは、高校教員、音楽教室や専門学校で講師を務めるなど教育と音楽に携わりました。「Mミュージック」を立ち上げるきっかけというのは、結婚してからも教育・音楽との接点を持ちたかったこと、それと、音楽の面白さや芸術表現の魅力を伝える裏方としての仕事に適正があるのではないかと考えたからです。

幅広く学べる「Mミュージック」ですが、それ以外の特徴などあれば聞かせてください

Mミュージック

絶対音感教育に力を入れていることですね。堅苦しいものではなく、リトミック、リズム、ピアノ、打楽器、歌、聴音などの要素を取り入れ、楽しみながら学ぶことができます。

Mミュージック

それ以外では、ミュージカルコースがあることも挙げられると思います。指導者のプロフェッショナリズム、また教育心理学に基づいた独自のプログラムを展開しています。バレエと比べると、お稽古事としての認知度は低いミュージカルですが、少しずつ興味を持ってくださる方が増えているのはうれしいですね。

山王エリアで習い事に通っている子どもさんは多いですか?

Mミュージック

そうですね。教育熱心な親御さんが多く、芸術分野だけでなく、テニスやスイミング、英会話が人気なようです。それと中学受験を考えている御家庭が多いこともあり、小学3年生くらいになると大半が塾通いを始めます。

教育ということに関して言えば、エリア内には人気の「山王小学校」もありますね

大田区立山王小学校

子どもさんを「山王小学校」に通わせるために、引っ越してこられる方もいるくらいです。ここにも、「山王小学校」に通っている子どもさんが通ってきます。明るく素直で、大切に育てられているのだなと感じています。

最後に、「Mミュージック」としての夢・展望を聞かせてください。

Mミュージック

山王エリアに限らず、周辺地域の方が、“芸術を嗜む”ことをより身近に感じてもらえるようにしたいですね。歓談しながら音楽を楽しみ、内容によっては参加できるという環境があれば、それが可能になるのではないかなと。少しずつでも、その実現に向けて進んでいければと思っています。

Mミュージック

今回、話を聞いた人

Mミュージック

代表 小林麻希子さん

Mミュージック
電話番号:03-3773-3535
URL:http://www10.plala.or.jp/MusicKobayashi/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

日常生活に芸術がある場を創出したい/Mミュージック 小林麻希子さん
所在地:東京都大田区山王1-36-17 
電話番号:03-3773-3535

室内遊びも外遊びもできる、地域の遊び場&学習の場

乳幼児から高校生まで 細やかに子どもたちの成長を見守る児童センター/ひばりが丘北児童センター 吉賀幸一館長


ひばりが丘北児童センター
館長 吉賀幸一さん

乳幼児から高校生まで
細やかに子どもたちの成長を見守る児童センター

「ひばりが丘北児童センター」は乳幼児から高校生年代までを対象に、遊びを通じて子どもたちの健全育成を図るために設けられた児童センター。サッカーや野球など思いっきり体を動かせる広い庭や、授乳スペースのある乳幼児用の部屋があり、幅広い年代の子どもたちの遊び場になっている。今回は、そんな「ひばりが丘北児童センター」の館長の吉賀幸一さんに施設の概要や取り組み、地域との関わりについてお話しを伺いました。

児童センターの概要について教えてください。

吉賀幸一

0歳~18歳までの乳幼児、小中学生、高校生年代までが自由に利用出来る場所で、月曜日~土曜日の9時15分~18時まで開館しています。小学生未満の乳幼児には保護者の付き添いが必要になっています。本センターには広い庭がありますので、サッカーや野球など思いっきり体を動かす遊びができることも特徴です。

午前中や午後の早い時間は、乳幼児や幼稚園帰りの子どもたちとお母さんたちが多く利用していらっしゃいます。14時過ぎ頃から小学生たちがポツポツと来はじめて、夕方まで遊んだり、学童クラブの子どもたちが宿題をしたりと、思い思いに過ごします。

ひばりが丘北児童センター

小さいお子さんのスペースと小中学生が遊ぶスペースは分けていますので、安全にそれぞれのスペースで遊べますが、昼過ぎまでは小さいお子さんたち、午後から夕方は小中学生と自然に棲み分けができているという雰囲気です。

年齢別の乳幼児活動があるようですね?

ひばりが丘北児童センター

0歳児向けのつどい「いないいないばぁ」では、お母さん同士のおしゃべりタイムやふれあい遊び、身体測定などを行っています。1歳児向けの「絵本とわらべうたの会」では、読み聞かせの「もぐらの会」から先生をお呼びして絵本やわらべうたに親しめるような内容になっています。この先生は、もともと児童館に通うお母さんたちの「母親クラブ」出身の方で、お母さんたちの大先輩でもあります。ちょっとした子育てのアドバイスなども聞けると、親子共々好評をいただいてます。

北児童センター

また2歳児向けの「ようじのひろば」は30分、3歳児向けの「ようじのつどい」は1時間、それぞれの集中力が切れない長さで、手遊びや工作、読み聞かせのほかに体操などのプログラムも盛り込んでいます。内容は全て児童館の指導員がオリジナルで考えたもので、幼稚園に入る前の団体への慣らしや、お母さん同士のお友達づくりなどに役立ててもらいたいと考えています。

常に授乳スペースのある乳幼児の部屋が解放されてしますし、平日の10時~13時はホールに幼児向けの乗り物遊具を出した「のりものランド」もありますので、時間や曜日を決めずに、気が向いた時に遊びに来ていただければ嬉しいです。 このほかにも、年3回ほどベビーマッサージやバイオリンコンサート、センターのお母さんたちで結成された人形劇サークルによる人形劇などのイベントも開催しています。地域の親子、子どもたちが訪れやすいように、様々な企画も立てています。

小中学生の子どもたちはどのような遊びをしていますか?

ひばりが丘北児童センター

習い事や塾が増えてきたせいか、全体的な利用者は減少傾向ですが、それでも放課後には多くの子どもたちが集まってきます。各児童館によって方針は違いますが、本センターではゲームやカードは禁止していますので、ここは皆が体を使って友だちと遊ぶ場になっています。遊戯室、多目的室など広いスペースを使って室内でもドッヂボールや卓球ができますし、庭を使ってサッカーやプラスチックバットを使った野球で遊ぶなど、体を使って楽しむことが出来ます。

学童保育もあるのですね?

ひばりが丘北児童センター

マンションが増えたこと、働くお母さんが増えたことなど様々な理由があると思いますが、昨年度は70名が、今年度は90名を超える申し込みがありました。今年は2つの学童クラブとしてスタートします。学童の子どもたちは、学校が終わるとここに来て、宿題をしたり友だちと遊んだり、時には一人でゆっくりと時間を過ごします。

ひばりが丘北児童センター

子どもたちの様子を見て、「元気がないな」「何かあったのかな」と指導員が声をかけることもあります。保護者ではない大人が日常的に子どもを見守っているというのは、子どもの成長にとってはプラスになると思いますよ。

学童の子どもたちと遊びたいと友だちが訪ねてくることも多いですし、ふらりと子どもたちが立ち寄ることもあります。一度帰宅してから来ると、先に学童の子どもたちが遊んでいることが多いので、どうしても入りにくい雰囲気になってしまいます。私たち指導員は、そういう子どもたちに優先的に声をかけ、疎外感を感じないよう、遊びに入りやすいような誘導を心がけています。知らない子ども同士がここで知り合って仲良くなったり、異学年の交流があったり、学校や塾では経験できない交友関係がつくられることもある貴重な場所でもあります。

地域との連携がしっかりしていると聞きました。

ひばりが丘北児童センター

近隣の栄小学校には学童クラブ連絡会というものがあり、夏休みなどの学校の長期休業の際の子どもたちの様子などを校長先生や担当の先生と連絡し合います。夏休み期間中も学童の子どもたちは毎日センターに来ていますから、私もこの会には参加し、気になったことや現状を報告しています。こういう会があると子どもたちのことを多角的に捉えることができ、地域で子どもを見ることができるので心強いと思いますね。

また地域のお祭りに児童センターとして参加をしたり、児童センターの夏祭りに出展する子どものお店を、保護者の方々にサポートしてもらったりと、地域との繋がりは大切にしています。

この地域の子育て環境はいかがでしょうか?

ひばりが丘北児童センター

この周辺は児童館がたくさんあり、子育て中のお母さんや子どもたちの居場所は近所で確保されていると思います。また通うのに少し遠いと感じる小学校などに出張する「出張児童館」など、きめ細かい対応もしています。保育園の園庭解放や、小さなお子さんを持つお母さんたちが親子で遊びに行かれる「子育てひろば」なども西東京市には多く、育児する環境としては非常に恵まれていると思います。

吉賀幸一

今回、話を聞いた人

西東京市立ひばりが丘北児童センター
館長 吉賀幸一さん

所在地:西東京市ひばりが丘北1-6-8
電話番号:042-423-4686
URL:http://www.city.nishitokyo.lg.jp/sisetu/itiran/zidokan/hibarigaokakita.html

※2014(平成26)年4月時点の情報です。

乳幼児から高校生まで 細やかに子どもたちの成長を見守る児童センター/ひばりが丘北児童センター 吉賀幸一館長
所在地:東京都西東京市ひばりが丘北1-6-8 
電話番号:042-423-4686
開館時間:9:15~18:00
休館日:日曜・祝日、年末年始
https://www.city.nishitokyo.lg.jp/kosoda..

食育や情操教育に力を注ぐ地域密着の認可園

地域の住民と一体になった 地域あっての保育園/和泉保育園 菅沼輝美園長先生


和泉保育園
園長 菅沼輝美さん

和泉保育園 園長インタビュー

地域の住民と一体になった
地域あっての保育園

住宅地に囲まれた閑静な土地で、30年余りの間、地元の人々に親しまれてきた「和泉(いずみ)保育園」。鉄筋造りの2階建ての建物に園庭も備え、100人以上の子どもたちがのびのびと毎日を過ごしている。この園の特徴のひとつは、広く地元の人々を巻き込んで、さまざまな取り組みやイベントを行なっていることだという。今回は園長の菅沼輝美先生をお訪ねし、園の特徴や、泉エリアのおすすめポイントについてお聞きした。

まず最初に、園の沿革についてお聞かせください。

和泉保育園 園長インタビュー

ここは昭和56年に開園しまして、今年で33年目になる保育園です。当初は定員100名から始まりましたが、途中で増築を行ないまして、現在の定員は128名となっています。0歳児から5歳児までを受け入れしておりまして、0歳児が12名、1歳児が20名、2歳児から5歳児までは24名で、各年齢ごとに1クラスの構成になっています。

保育方針についてお聞かせください。

和泉保育園 園長インタビュー

まず、全体的な保育理念としては、「子どもの最善の利益を優先する」ということを第一に掲げていまして、職員はその言葉をつねに自分の中で確認しながら、行事についても、日々の保育にしても、取り組んでいます。もちろん、「子ども優先」ということは、その向こうには保護者さんもいますので、保護者の皆様のことも考えながら、ということになります。それがまず根本ですね。

個別の保育目標としては、あいさつや返事、情操教育、地域の人々との交流なども掲げており、重視しています。また、開園当初から障害児保育にも積極的に取り組んでいます。

園の特徴についてお聞かせください。

和泉保育園 園長インタビュー

いろいろとありますが、ユニークな点としては、「地域に向けてのさまざまな取り組みを、強く出している」という点があると思います。園の行事に地域の方をお誘いしたりすることも多いですし、2年前から小学生のボランティアを受け入れる取り組みも始めまして、異世代の交流も強く意識しています。高齢者施設に行ったり、逆に高齢者施設の方に来ていただいたり、といったことも行なっていますし、駅前の書店さんに職員が行って、絵本の読み聞かせをする活動にも取り組んでいます。

カリキュラム面の特徴について教えてください。

和泉保育園 園長インタビュー

教育的な側面としては、「情操教育」を特に大切にしています。情操教育と言っても、何か規定があるわけではないのですが、たとえば自然を感じられること、日本の伝統文化を感じられることなどを、日々の保育の中で取り入れていければいいね、ということで、職員で相談しながら取り組んでいます。

一例を挙げますと、年長児さんは毎年1月くらいから茶道の体験がありまして、お雛祭りの時には年長児の女の子がお茶を点ててお供えする、ということを目標にしてやっています。それはちゃんと「茶道」でして、行儀や礼儀もしっかり教えますし、お喋りをしないとか、箸遣いのマナーとか、全部をひとつの「茶道」として勉強しています。あとはこういう時代ですから、年長児だけになりますが、月に2回の英語のレッスンを行っています。小学校進学に向けての準備という意味合いもあります。

和泉保育園 園長インタビュー

また、3歳児から5歳児については、週に1回、これも外部講師ですが、体操の先生に来ていただいています。運動会はこの体操の先生に指導していただいて、跳び箱やマット運動の披露をしますし、4歳児と5歳児については、組体操を特に頑張って行なっています。組み体操を通して、協調性や忍耐なども養われるんですね。

年中行事も多く計画されていると聞きました。

和泉保育園 園長インタビュー

そうですね、運動会も大きなものですし、遠足も年に何度かあります。今までは年長さんが秋の遠足で山登りをしていて、それが大きな行事だったんですが、震災以降は子どもの安全を第一に考えて、遠足に関しては「歩いて帰れる場所にしましょうね」ということで、近場の公園になっています。

ユニークなものとしては、食育に関する行事などがあります。うちは給食の食材も地域の方とのつながりを考えて、食材もほとんど地域の商店から仕入れているんですが、たとえば魚屋さんに見学に行って、魚を捌く様子を見学したり、魚を一匹で見てもらって、「そこから命を頂くんだよ」ということで、園庭で火を起こして魚を焼いて、まるごと一匹食べるということもやっています。「おさかなまるごと見てみよう」という行事ですね。今のところは魚屋さんだけですけれど、八百屋さんとかにも来ていただければ良いですよね。

和泉保育園 園長インタビュー

地域の商店さんにはお餅つきの時にも来ていただいていて、みんなでお餅をついています。牛乳屋さん、畳屋さん、教材屋さんの営業のおじさんなどにも来ていただいているんですよ。なるべく、そういう風に、行事でも地域の方々との関わりをもつように意識しています。お正月の時期には保護者の方やおじいちゃん、おばあちゃんにも一緒に来ていただいて、羽根つきやお手玉などの遊びもやっています。

そのほかの行事としては、お芋ほり、焼き芋、お泊まり保育などもありますし、9月には「プール閉まい」の行事があるんですが、この時にはすいか割りなどもあって、地域の方も沢山ご招待しています。その前にある夏まつりにも、地域の方が沢山来られますね。

運動会にも、地域の方の競技が入っていますし、地域の小学生の競技もありますし、本当に、いろんな行事にも地域の方に関わっていただいています。在園の保護者さんにしてみれば、「保育園の行事なのにどうして地域の方も来るの?」と思われる方もあるかもしれませんが、私たちは「地域あっての保育園」だと思っていますので、地域の方もできる限りお誘いするようにしています。

建物、設備の特徴についてお聞かせください。

和泉保育園 園長インタビュー

今年、手洗い場を全クラスで取り替えまして、衛生面では少し向上したかなと思います。一番よく使うお部屋については、自動水洗になっています。

和泉保育園 園長インタビュー

あとは、廊下が比較的広い造りになっていますから、雨の日に廊下を使って運動あそびをしたり、という活用ができています。周囲の環境としても、住宅地の中にありますから、静かで安全な環境かとは思います。もちろん、防犯カメラは何台か設置していますし、シャッターと自動施錠についても、以前から採用しています。

園の子ども達の特徴についてお聞かせください。

まず、「活発」だと思います。うちの園の卒園生には、小学校に上がってからリレーの選手に選ばれるような子が多いんですね。鬼ごっこが流行っていて、よく走りまわっている子が多いからでしょうか。お散歩についても、わりと遠くまで行きますし、足腰が丈夫な子が多いと思います。

地域に対する子育て支援活動も行なっていると聞きました。

子どもをお持ちの地域の方に向けて「パートナー登録」というものを行なっていまして、パートナーに登録していただくと、定期的に行事などのお知らせが届くようになっています。

先ほどお話したような、地域の方をお誘いするイベントのことを「いずみーランド」と言っていまして、毎月1回、何かしらのイベントを行なっているんですが、パートナーの方々にはそういった行事のお知らせも出しますし、在園保護者向けに出している保健情報や栄養情報なども、パートナー向けに少しアレンジして、「いずみー通信」として発行しています。

「いずみーランド」には、保育園の年中行事も含まれるんですが、そのほかに「いずみーランド」独自の企画というものもありまして、たとえば「七夕飾りを作ってみよう」とか、「小麦粉粘土で遊んでみよう」とか、色々とやっています。これらに関しては、地域の方であれば、すべて無料でご参加いただけるんですよ。

最後に、このエリアの魅力についてお聞かせください。

和泉保育園 園長インタビュー

何と言っても、自然が多いことですよね。時々、「ここは本当に東京?」って思うこともあります。和泉町に関して言えば、わりと昔ながらの商店が多いですから、旬の食材をお店の人とやりとりしながら買いたい、という方にはいいかもしれませんね。給食の食材についても、そうやってやり取りをしながら、地元のお店から買っているんですよ。

行政面としても、市長さんが今年から変わりまして、その市長さんはもともとお医者さんの方ですので、介護や子育て支援にも力を入れてくださるということは聞いています。

子育てをする環境としても、公園が多いですし、少し遠いんですが東大農場もすごく良いですよね。夏にはひまわり迷路を作ってくれるんです。散歩に行く先々にいろいろな畑がありますから、子どもたちも農作物を実際に目で見て、「あ、これにんじんだ!」とか覚えていくんですよ。

和泉保育園 園長インタビュー

今回、話を聞いた人

和泉保育園

園長 菅沼輝美さん

和泉保育園
所在地:東京都西東京市泉町2-6-10
電話番号:042-422-7114
URL:http://www.ans.co.jp/n/izumihoikuen/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

地域の住民と一体になった 地域あっての保育園/和泉保育園 菅沼輝美園長先生
所在地:東京都西東京市泉町2-6-10 
電話番号:042-422-7114
保育時間:7:00~18:00
延長保育:18:00~19:00
休園日:日曜日、祝日、年末年始 ほか
http://www.ans.co.jp/n/izumihoikuen/

災害に強く、より安心・快適に暮らせるまちへ 糀谷のさらなる発展に向けて/糀谷再開発組合 藤田建男さん


糀谷駅前地区市街地再開発組合
理事長 藤田建男さん

災害に強く、より安心・快適に暮らせるまちへ
糀谷のさらなる発展に向けて

京急線の高架化工事が終わった「糀谷」駅で、駅周辺の再開発計画が本格稼働し始めている。計画の正式名称は「糀谷駅前地区第一種市街地再開発事業」、駅と環八通りに挟まれた地区に2棟のマンションと駅前広場を造り、下層階に店舗と公共施設が入るというものだ。

事業の計画自体は1999(平成11)年頃からはじまり、以来地権者との話し合い権利変換交渉などが進められていたが、15年を経た2014(平成26)年に着工する予定で、その2年後、2016(平成28)年の竣工を目指して各方面で調整が進んでいる。

今回は再開発計画地域内に事務所を構える、「糀谷駅前地区市街地再開発組合」にお伺いし、理事長の藤田建男さんにお話をうかがった。

まず、この再開発を行うことになった経緯について教えてください。

糀谷再開発組合インタビュー

糀谷のあたりは古くからの住宅地で、狭い道路に木造住宅が密集していますので、何か災害があったときには相当の被害が予想されていました。ですので、その対応という部分がまず第一ですね。大田区の方から14年前にお話がきまして、最初は駅前広場を作って、それに付随してこのまちを再開発しようということでした。とにかく防災の面に力を入れないといけない、ということから始まったんです。

この地域では、環状八号線が防災の骨格軸になっていまして、緊急時には緊急輸送道路にも指定されているんです。ですので、それに隣接しているこの地域を高層化、耐火、不燃化することで、例えば火災が起こったときなどに延焼防止帯として機能するんじゃないかと、まずはそういうことから考え始めました。もちろん住まわれる方が快適に住まわれるということが大前提でありますので、これを充実させたうえで、再開発を進めていこうと考えております。

現在の再開発の進捗状況について教えてください。

糀谷市街地再開発

当組合は昨年(2012年)の7月に再開発組合の設立の認可を東京都からいただきました。わたしはその時点から理事長を拝命いたしました。現在、権利変換については約95%の進捗状態です。今年(2013年)の10月には東京都に権利変換計画を認可申請致しまして、これから権利変換と明け渡しの段取りを始めて、来年春頃から建物の除去工事、夏頃から工事着工となります。竣工は2年後の2016(平成28)年の予定です。

2つの建物と駅前広場ができるそうですが、それぞれの概要と、利用の構想について教えてください。

糀谷再開発組合インタビュー

建物については、19階建てと18階建ての2つのビルが、駅前広場を挟んで建つ計画となっています。ここは「羽田空港」の近くですので、高さ制限というものがありまして、これ以上の高さにはできないということなんですね。

第1街区の1階は全て商業施設で、2階は公益施設が入る予定です。2階の部分には、子育て支援施設や、高齢者支援施設などが入ることになっています。

3階から上は全て住宅になります。この中には、権利者さんが権利変換のために所有している部分もございまして、残っている部分は参加組合員が取得して一般向けに販売される形となります。

糀谷再開発組合インタビュー

地下については、施設専用の駐車場が入るほか、一部が公共駐輪場になります。公共駐輪場は駅を使う皆さんに広く活用していただけるものになります。
開発全体のスローガンとしては、「未来に安全を約束する災害に強い街」、「子供からお年寄りまで安心して暮らせる便利な街」、「放置自転車が無く安全で快適な駅前空間」という3つの柱を掲げておりますので、これに沿って進めていきたいと考えております。

1階部分に入居する店舗は、すでに決まっているのでしょうか。

糀谷再開発組合インタビュー

出店したいという希望はありますが、具体的にはどのような店舗が入るかはまだ決まっておりません。

権利者さんが入る部分については決まっているんですけれども、その他の部分は組合で希望者を公募をして決める手続きとなっています。

出店に関する希望はありますが、決定はできていないという状況です。

糀谷再開発組合インタビュー

出店する店舗の決定に関しては、近隣の商店街さんとの調整も必要となってきます。話し合いも重ねていかなければならないので、店舗の決定はまだまだ先になるかと思います。
ただ、私の考えとしましては、これだけの規模の建物を建てるわけですから、上に住まわれる方が、天気の悪い日に買い物をビルの中で済ませられるとか、日常の生活が便利になることが理想だなと私は考えています。

「地域にどれだけ貢献できるのか」ということを目指しながら、入居する施設については検討しております。「子供からお年寄りまで安心して暮らせる便利な街」というスローガンもありますから、これに沿って決めていければ良いと思っております。

新設される駅前広場については、どのような利用が想定されているのでしょうか?

糀谷再開発組合インタビュー

駅前広場は災害時に避難場所となります。施設の中には防災用の備蓄倉庫も設けております。

今までは駅前の広場がありませんでしたから、地域の皆さんにも、商店街をはじめ周辺の方にも多目的に使ってほしいと考えています。例えば、この地域では毎年阿波踊りの行事があるんですが、そのための集合場所に使ってもらってはどうかなど、そういった考えもあります。

「羽田空港」国際化にともなう、糀谷エリアの今後の発展と、糀谷エリアへの期待についてお聞かせください。

羽田空港

今回の開発で造る建物については、華美でなく、実用的なものを造っていきたいと思っております。しかし派手なものではない分、糀谷という地域に魅力がなければ、ただの通過駅になってしまう可能性もあります。ですので、今まで通過していた方にも、新たに興味をもってもらえるビル、まちになれれば、と思っております。
この再開発で糀谷というまちがガラッと大きく変わるわけではないですけれど、これがきっかけになって、さらなる発展につながっていけば良いと思っております。

そういった意味では、この再開発はあくまでも、「糀谷の発展の第一段階」だと思っております。結局これからの舵取りについては、次世代に委ねるしかないんです。

ただ、せっかく「羽田空港」が近いわけですから、新たに出店する方についても、外人さんが立ち寄ってもらえるような商品を扱っていただくとか、そのへんをうまくアピールして、この駅で降りてもらうということも、将来的には必要かと思います。

 

「京急蒲田」駅周辺でも再開発が進んでいますが、それと比較して、糀谷の特徴とは何でしょう?

糀谷商店街

そもそも乗降客に関しましても、蒲田と糀谷では全然違いますし、性質が違う街なので、単純比較は難しいです。

ただ糀谷地区は年々人口が増えておりますし、商店街も他と比べて物価が安いですから、それが地区の魅力なのかな、と思います。「糀谷で降りてもらうと、商店街で安く買い物ができる」ということですね。

糀谷の場合は、どんな店舗が入るかは未定なんです。どんな方が入るのか分からない。ですからこちらとしては、周辺の方やマンションの居住者の利便性が高まるものを計画したいです。それが糀谷の特徴付けや、将来の発展にもつながるかなと思います。

2棟のビルには330邸の住居が入るということですが、この内訳はどうなっていますか?

糀谷再開発組合インタビュー

細かい部分までは確定できていませんが、小さな住宅から大きな世帯向けの住宅まで、いろいろな形があります。半分ほどは権利変換で、地権者さんが取得されていますが、その中にも権利者ご自身が住む住宅もありますし、資産運用として、お貸しする住戸もあるかと思います。この物件の良いところは、駅前という立地条件はとても希少なものですから、将来的に資産価値が上がる可能性が高いということですね。それが駅から離れたところの再開発と比べてだいぶ異なるところです。

最後に、糀谷エリアの魅力について教えてください。

何より、交通至便であることが大きいですね。都心へのアクセスの他、成田や羽田、横浜にも直通の電車がありますから、ここに住まわれる方は、どんどん行動範囲が広がってくると思います。ですので、これからもっともっとマンションなどもできるでしょうし、さらに便利になって、発展していくのだと思いますよ。

糀谷再開発組合インタビュー

今回、話をお伺いした人

糀谷駅前地区市街地再開発組合
理事長 藤田建男さん

糀谷駅前地区市街地再開発組合
URL:http://n-koujiya.jp/

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

災害に強く、より安心・快適に暮らせるまちへ 糀谷のさらなる発展に向けて/糀谷再開発組合 藤田建男さん
所在地:東京都大田区南蒲田3-12-10 山一ビル 3階

「基礎力は学習の要」勉強だけではない学びの場/八丁畷アカデミー 大原雅和先生・大原よしこ先生


八丁畷アカデミー
大原雅和先生・よしこ先生

「基礎力は学習の要」勉強だけではない学びの場

「八丁畷」駅周辺は、西側は新マンションが立ち並び、東側には昔からの街並が残るのどかな街。京浜急行とJR南武支線の2線が乗り入れ、立川方面へも乗り換え一回で行くことができるほか、品川までは20分足らず、日本橋までも30分とアクセスも良い。そんな八丁畷で30年以上続く、学習塾の「八丁畷アカデミー」。「話を聞く姿勢」「メモを取る習慣」「字をきれいに書かせること」など、大きな意味での「学ぶ姿勢」を教えることを大事にしているという、校長先生ご夫婦にお話しを聞いた。

アカデミーの概要を教えてください。

かれこれ30年以上も前に始まった学習塾で、小学1年生から中学3年生までの子どもたちが通っています。小学1~3年生は週1回、4~6年生は週2回、中学生は週3回の授業。小学生は16~18時半、中学生は19~21時で授業をしており、1クラス4~5人の少人数制です。質問があれば授業前でもいつでも時間をつくって対応していますし、中学生の中間・期末テスト前は毎日来てもらって分からない部分を教えたり、子どものやる気があればどんどん伸ばしたいと柔軟に対応しています。 また子どもの興味の幅を広げられればと、ロボット教室も併設し、月2回授業を開いています。

基礎をしっかりと学ぶための塾なのですね?

はい。勉強はどの教科でも「基礎力」がなければ「応用力」はつきません。逆に基礎さえしっかりしていれば、後はいくらでもどの方面にでも伸ばすことができる。ですから、親御さんたちには「基礎の重要性」をお伝えしています。

最近は、黒板に書いた板書の書き写しを面倒がる子どもも多く「スマホで写真撮ってもいいですか?」なんて聞かれることもあり、時代の移り変わりを感じます。しかし本校では、「書く」ことも勉強の一環と考え、きちんと書かせて学ぶようにしています。

こういった個人塾ですから、隙間時間に「戦争ってどう思う?」といったディスカッションのようなこともしています。すると普段飄々としている子がしっかりした意見を持っていたり、「戦争って格好いい」という意見が出たりと様々です。そんな時間を通してニュースや社会に興味を持ち、家庭でも親子で話し合うきっかけになってほしいと思っています。

子どもたちと接するなかで心がけていらっしゃることはありますか?

「勉強だけ教えればいい」とは考えていませんので、昔から「挨拶」「時間を守る」「きちんとノートをとる」といったことから指導しています。親御さんが家で机の横にピッタリ貼り付いて教えるのはなかなか難しいと思いますので、その部分もフォローするような気持ちです。もちろん悪いことをすれば注意もしますし、度重なれば叱ります。でも高校生や大学生になって遊びに来てくれる子どもは、みんな揃いも揃って「昔叱られた子」ばっかり(笑)。本気で叱ってくれる大人が少なくなった今、子どもに真剣に対峙することの大切さを日々実感しています。

また中学生になれば、文系か理系かという大まかな得意分野も見えてきます。全体をまんべんなく勉強することも大切ですが、その子の将来につながるような、その子の良さを引き出すような指導も心がけています。

学習塾の役割はどんなことだとお考えですか?

学校は勉強だけでなく、集団生活や友だちとの関係を学ぶ場です。なので塾では学習面をしっかりフォローすることが役割だと考えています。とはいえ、問題を解く技術や受験術ではなく、「話を聞く姿勢」「メモを取る習慣」「字をきれいに書かせること」など、大きな意味で「学ぶ姿勢」というようなことを教えたいですね。

中学生くらいまでは、家での学習の様子を親御さんがある程度把握する必要があります。細かな内容ではなく、「宿題をきちんとやったか」「分からない箇所はないか」という程度でいいんです。塾では、子どもたちは実に様々な面を見せてくれます。その様子を見極めながら、親御さんとも連絡を取り合って子どもたちをサポートしています。僕は建築畑出身でしたが、子どもが大好きでこの仕事を始めました。30年以上子どもたちを見てきた経験を生かして、子どもの年齢に応じた成長をさせてあげたいと思っています。また本校での勉強が、将来に役立つようになれば嬉しいですね。

また地域貢献の一環として、誰でも参加できる映画をテーマにした英語サロンも開いています。ネイティブの先生をお迎えして、お茶を飲みながら気軽に映画の話をする40代~70代の方々を中心にしたグループで、地域の方々が通ってきてくださいますよ。

八丁畷の住環境について教えてください

八丁畷

日々刻々と進化する「川崎」駅には、歩いても、自転車でもすぐ近くという非常に便利な場所です。でも、この周辺は実にのんびりしていて、そんな近くに大きな町があるとは思えないほど静かでのどかな町です。住む環境としてはとても恵まれています。若いご夫婦やお子さんのいるファミリー層も増えています。

受験向けの塾なら「川崎」駅には多数ありますし、子育てしやすい町だという話はよく聞きます。教育に熱心な方も多いそうですし、小中学校の子どもたちもしっかりしたお子さんが多いですよ。住民たちの間には、近隣の子どもは地域で育てようという意識もしっかりしていますので、ファミリー層には住みやすい地域ではないでしょうか。

今回、話を聞いた人

八丁畷アカデミー
大原雅和さん 大原よし子さん

住所:川崎市川崎区日進町26-11 トーア川崎マンション206・208
電話番号:044-211-5362

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

「基礎力は学習の要」勉強だけではない学びの場/八丁畷アカデミー 大原雅和先生・大原よしこ先生
所在地:神奈川県川崎市川崎区日進町26-11 トーア川崎マンション206・208
電話番号:044-211-5362

公立校の枠組みを超えるユニークな取り組み。世界に開かれた子どもたちを育む教育とは/杉並区立和田中学校 末吉雄二校長先生


杉並区立和田中学校
校長 末吉雄二先生

公立校の枠組みを超えるユニークな取り組み。
世界に開かれた子どもたちを育む教育とは。

杉並区和田は杉並区の東端に位置し、中野区と隣接する閑静な住宅街が魅力のエリアだ。ここに位置する「杉並区立和田中学校」は、大手広告会社出身の第16代校長・藤原和博先生による全国初の「四季制」導入や、「よのなか科」設置など、従来の公立校では成し得なかった施策を次々と打ち出してきた。今も入学希望者が後を絶たないこの学校の取り組みについて、現校長である末吉雄二先生にお話を伺った。

まずはじめに、学校の沿革と教育目標について教えてください。

杉並区立和田中学校

本校は1949(昭和24)年に創立し、2014(平成25)度で65周年を迎えます。今年度は1年生3クラス、2~3年生は4クラスずつで、全校生徒合計400名が在籍。本校は2003(平成15)年に都内公立中学校で初めての民間人校長・藤原先生(第16代校長)を迎え、任期後は再び民間から代田先生が校長に就任されました。私は藤原先生の時に2年間、代田先生の時に2年間、それぞれ副校長を務めた後、区内の校長などを歴任して昨年度から本校の校長として戻って参りました。

杉並区立和田中学校

教育目標を「自立貢献――夢に向かって最善を尽くし、社会に貢献できる自立した人間であれ――」とし、国際社会で通用する人材の育成に力を入れていきたいと考えています。時代の変化を察知し、知恵をつけ、他人の痛みが分かる人。そして自分の考えをもち、表現できる人。失敗を恐れず、新しい可能性に挑戦できる人。そんなユニバーサルに活躍できる人間を育て、国際社会に貢献できるような人材なってくれるように期待しています。

「ユニバーサルよのなか科」という授業もその一環でしょうか?

杉並区立和田中学校

もともと「よのなか科」は、社会の重要な問題「世の中」について学ぶ授業として始まりました。外部講師の方をお呼びして様々なお話を生で聞けることで、子どもたちの社会問題に関する関心も高まりました。1~2年生は月1回1時間、3年生になると2時間続きの授業が月2回あります。

 

 

私が赴任した後、新たに「ユニバーサルよのなか科」として、「世の中」の意味を「世界」にまで視野を広げた授業を展開しています。例えば、アウンサンスーチーさんが来日した時期に合わせて、日本で活躍するミャンマー人の方に来ていただき、ミャンマーと日本の関係や政治的な問題を学びました。また日本孔子学院大学院の院長や拉致問題の横田夫妻に来ていただいたり、著名人も多数お呼びしています。正直、来ていただく方の選定や手配は非常に大変なのですが、子どもたちのためになる授業ですので頑張っています。

杉並区立和田中学校

授業内容もただ話を一方的に聞くだけでなく、ワークシートを作って記入しながら授業を受け、必ず最後に自分の感想や思い、これから取り組みたいことなどを書かせるようにしています。いらっしゃる先生方からも「和田中の生徒さんは手を挙げて質問をする人が多いですね」といつも仰っていただくほど、子どもたちが積極的に取り組む姿勢も育っていると思います。

藤原校長先生の頃からの、ユニークな取り組みはそのまま残していらっしゃるんでしょうか?

杉並区立和田中学校

そうですね。本校では土曜日寺子屋(ドテラ)など、引き続き対応を行っております。こちらは、公立中学ではお休みである土曜日を利用して、応募制で授業する取り組みです。ドテラは先生を目指す大学生や地域の人々が講師として参加し、特に英語Sコースは準2級取得と英会話習得のために英語の授業を英語で行うなど、特に今年度は国際化を意識して本格的な授業を行っています。現在は63名の生徒が参加しています。

また夜スぺという取り組みも行っておりまして、こちらは、月・水・金曜日の19時~21時半まで、土曜日は9時~12時までを民間の塾から講師を派遣してもらい、授業を行っています。ドテラは年35回で年間9,000円、英語Sコースは年間50,000円、夜スぺは週4回で月間24,000円と授業料とは別の講習費がかかりますが、民間の塾などよりは通いやすい設定になっています。

藤原先生が立ち上げた本校の特色ある教育はそのままに、今年度は国際社会で通用する人材育成という新しいテーマを掲げて取り組んでいます。上記のような積極的な教育活動を実施してから、子どもたちの学力が目に見えて上がっております。現在では全国学力検査の平均よりも本校平均点の方が12点高く、杉並区のナンバースクールである都立西校への進学者も多いなど、右上がりで伸びていると感じています。

脳の準備体操であるBT(Brain Training)のも力を入れていらっしゃるとか?

杉並区立和田中学校

はい。学校に来て授業に入る前の朝時間に、脳を耕す意味で3分間のBTタイムを設けています。内容は1ケタの加減乗除問題や、英語や小文の朗読など、シンプルなものを短時間集中で取り組むというものです。

月に1回、ipadを使って理科・社会の記憶確認テストと記憶力確認クイズを実施していますが、このBTをするようになってから目に見えて集中力や記憶力を伸びてきているとデータ数値でも出ています。データは富士通の方にご協力いただき、学期1回に、生徒個人に渡されます。

こうやって話していると「勉強」だけに力を入れているようにとらえられがちですが、そうではありません。脳を耕し集中力を養えば、考える力・想像力・クリエイティブ力もついていきます。子どもたちの総合的な力(自己有用感)を伸ばすために、委員会活動や地域行事への参加も活発に実施しております。

いろいろな取り組みを行っているのですね。
「和田中学校」は地域との連携が強いともお聞きしましたが、どのような関わりがあるのでしょうか。

杉並区立和田中学校

教育活動を支援してくださる地域の機関に、「和田中学校地域本部」があり、地域の住民や元PTAメンバーの方々が中心になって学校支援ボランティアとして活動してくださっています。

そのなかにはドテラ、夜スぺ、英語推進、学力支援、図書・居場所、緑化安全の実行委員長と委員会があり、それぞれボランティアで子どもたちを支援してくださっています。ドテラの大学生講師の方々も学校教育に関心が強く、地域で子どもを育てようとしてくださっているので、地元の方々には本当に感謝しています。

保護者の方や子どもたちの様子を教えてください。

杉並区立和田中学校

子どもたちは、素直で元気がある生徒ばかりです。中学3年生の面接対策として、私が一人一人面接をしたのですが、皆しっかりと受け答えもでき心強い気持ちになりました。「将来は医師になりたい」「大学は東京大学を目指しています」と話してくれた子どももいて、高い理想を掲げ、それを実現するために努力する姿を目の当たりにして嬉しかったですね。

 

子どもたちはもちろん、保護者の方々も一緒になって「和田中在校生・その保護者」であるということにプライドを持ってくださっています。それに恥じないような学校づくりをこれからも続けていくつもりです。

最後に、和田エリアの良さについて教えてください。

蚕糸の森公園

やはりアクセスが良いですし、本校をはじめとして学校も多いですから、ご家族で住みやすい街だと思います。少し歩くと重要文化財がある「堀之内妙法寺」もありますし、「蚕糸の森公園」へも行きやすいですね。春なんかはとても桜が綺麗なんですよ。買い物をするにも便利ですし、暮らすにはいいところだと思いますよ。

杉並区立和田中学校 校長末吉雄二先生

今回、話を聞いた人

杉並区立和田中学校
校長 末吉雄二先生

所在地:杉並区和田2-21-8
電話番号:03-3383-2428
URL:http://wadachu.jp/

※記事内容は2014(平成26)年6月時点の情報です。

公立校の枠組みを超えるユニークな取り組み。世界に開かれた子どもたちを育む教育とは/杉並区立和田中学校 末吉雄二校長先生
所在地:東京都杉並区和田2-21-8 
電話番号:03-3383-2428
http://www.wadachu.jp/

学校や年代の違いを越えた繋がりの中で子どもたちを成長させていく/YNキッカーズ 渡辺丸美さん


YNキッカーズ 代表 渡辺丸美さん

学校や年代の違いを越えた繋がりの中で
子どもたちを成長させていく「YNキッカーズ」

府中市の南西部、多摩川近くにある「日新小」と「四谷小」の2つの小学校を中心に、少年サッカーチームとして活動している「YNキッカーズ」。練習は主に毎週末に行われており、広々としたグラウンドに、元気の良い声を響き渡らせている。今回は土曜日の午後に行われていた「全学年合同練習」にお邪魔し、代表の渡辺丸美さんにお話を伺った。

「YNキッカーズ」とはどのようなチームなのでしょうか。

NYキッカーズ

今は「YNキッカーズ」って言う名前ですけれど、昔は「日新フットボールクラブ」と、「四谷フットボールクラブ」という、四谷小と日新小のそれぞれのサッカークラブがあったんですね。それが2000(平成12)年に合併しまして、四谷のYと、日新のNで、「YNキッカーズ」というチームになりました。練習場は今も日新小と、四谷小とで交代でやっております。

歴史としては、以前のチームは、それぞれの学校ができた当初からあったそうですので、二十数年というところでしょうか。府中市内でも後のほうにできた学校ですので、深い歴史というほどではありませんが、チームのOBがコーチに入ったりしています。

チームの運営方針についてお聞かせください。

NYキッカーズ

まず、サッカーの技術を教えるのはもちろんですけれど、サッカー以外の「生活面」についても力を入れています。「挨拶ができる子」とか、身だしなみとか、マナー全般についてですね。サッカーの技術以前にまず、そちらに力を入れているくらいです。あとは、とにかく「サッカーを好きになってくれるように」と思いながら、日々指導しております。

現在は何人くらいの子どもたちが所属していますか?

YNキッカーズ

いまチームに居るのは1年生から6年生で、合計80名くらいですね。未就学児(年長)の受け入れもしています。いまは男子だけですが、うちは誰でもウエルカムなので、興味があれば女の子にも、ぜひ入ってもらいたいですね。

NYキッカーズ

人数としては、5~6年生がいちばん多く、各学年20名くらいになるでしょうか。入るタイミングとしては、3年生ぐらいで入る子が増えますね。ただ、高学年の子しか試合に出られないということはなくて、試合は全学年、学年別にありますので、どの子も試合には出られるようになっています。

試合は年に4~5回ほど、公式戦に出ています。輝かしい成績というものはあまりないのですが、とにかく「楽しく」ということでサッカーをやっています。

確かに、とても楽しそうに練習している姿が印象的ですね。

NYキッカーズ

コーチも子ども好きな方が多く集まっていますし、今日のように「全学年合同練習」などを行うと、高学年の子が低学年の面倒を見てくれたりと、自然に学年を越えたつながりが生まれるんですね。そういった面でも、子どもたちは成長していくのだと思います。

このほか、サッカーを通じて、どのような「成長」を感じられますか?

NYキッカーズ

例えば、昔通っていた子が、社会人になって街で見かけたりしたとき、挨拶をしてくれると、すごく嬉しい気持ちになりますよね。そういった「きちんとした生活態度」が身につくことが、意外と大きいのだと思います。あとは、卒業後の「つながり」の面ですね。OBたちが中心になって、大人になっても、年代ごとにサッカーチームを作って活動しています。これもこの「YNキッカーズ」からの築き上げで繋がっているものの一つでしょうね。

地域の人たちで作る20代、30代、40代などのサッカーチームがあって、その中心になっているのが、YNキッカーズの元メンバーなんです。もちろん、うまい子はクラブチームに行ったりもしますし、中学校に行ってもサッカーを続けてくれる子は多いですよ。

学校は日新小、四谷小の子ども限定でしょうか?

NYキッカーズ

いえ、学校も特にどこっていうこだわりはないんですよ。結局、私立の学校に行ってる子もいますし、途中で転校してしまう子もいますから、誰でも参加できるようになっています。ほかの学校に転校していった子が、今もサッカーだけはここに通い続けているというケースも多々あります。

練習のスケジュール、かかるお金などについてお教えください。

部費として、1か月に1,500円をいただいておりまして、その中でスポーツ保険などにも入っています。練習は土曜日、日曜日が主に練習の日で、試合が入る場合もあります。4、5、6年生に関しては水曜日の放課後も自主練習しています。

 

コーチや運営陣は、保護者、元保護者の方々なのでしょうか?

NYキッカーズ

コーチについては、ほとんどは保護者の方でサッカー経験のある方で、OBの方にも何人か入ってもらっています。これからOBの保護者も増えてきますので、今後はOBがコーチをする割合が増えると思いますよ。

 

保護者の方の関わり方についてお教えください。

普段の練習はコーチが面倒を見ていきますので、保護者の方々にお願いするのは、主には試合の時の車出しと、試合の時の当番、つまり子どもの面倒を見る役割ですね。これを毎回2~3人の方にお願いしています。ですので、毎週参加していただくようなことはありません。

 

最後に、この日新・四谷エリアの魅力についてお聞かせください。

NYキッカーズ

私自身は20年ぐらいこの辺りに住んでいますが、街の中よりもとても緑が多いですし、多摩川も近くにありますし、「自然が好き」という人は、このへんに来ていただければ穏やかに暮らせて良いのだと思います。

とはいっても、最近は近くにスーパーやコンビニも増えていますし、暮らしていて不便と感じることもありません。交通量も少なくて、いい雰囲気の地域だと思いますよ。あとは、YNキッカーズがあることですね。ぜひチームにも参加していただければと思います。

 

今回、話をお伺いした人

YNキッカーズ 代表 渡辺丸美さん

http://yn-kickers.com/

※記事内容は2013(平成25)年6月時点の情報です。

学校や年代の違いを越えた繋がりの中で子どもたちを成長させていく/YNキッカーズ 渡辺丸美さん
所在地:東京都新宿区四谷2-6 

味、雰囲気、価格と3拍子がバランス良く揃った小さな名店/トラットリア ピチコラージョ 加藤一樹さん


トラットリア ピチコラージョ 加藤一樹さん

味、雰囲気、価格と3拍子がバランス良く揃った
小さな名店「トラットリア ピチコラージョ」

京王電鉄京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅近く、川崎街道沿いにある「トラットリア ピチコラージョ」は、味、雰囲気、価格と3拍子がバランス良く揃った店として、地元の人々に広く支持されている「小さな名店」。子ども連れにも寛容に応じてもらえるということで、ママ層にも口コミで人気が広がっている。今回はお店のオーナーシェフとして厨房に立ち続ける、店主の加藤一樹さんにお話をうかがった。

店を始められた経緯をお教えください。

トラットリア ピチコラージョ

「トラットリア ピチコラージョ」は今年(2013年)で11年目になります。私自身はずっとイタリアンを専門にやっておりまして、以前は都内のリストランで働いていたのですが、やはりよりカジュアルに、安価にお料理を提供できればと思いまして、トラットリアの形で店を持ちました。私自身、地元が多摩地域ですので、以前からよく知っているこの辺りでお店を持ちたいと考えておりました。

店内は大人の雰囲気ですが、子どもにも優しいお店とお聞きしました。

トラットリア ピチコラージョ

そうですね、特別に子どものために何かをしているわけではないのですが、子どもさんをお連れの方が、ご予約の際に「子どもがいても良いですか?」と聞かれて、受け入れているから、そういう話になっているのだと思います。

トラットリア ピチコラージョ

この業界ですと、やはりお子様を迎えているお店と、迎えていないお店があると思うんですね。特にうちみたいな小さな店舗ですと、他のお客様からクレームが付いたりするので、お子様を迎えないお店も多いんです。そういった点で、うちは極力迎え入れるようにしております。昼も夜も、いつでもお子様OKです。

子ども連れ様向けのメニューなどはあるのでしょうか。

トラットリア ピチコラージョ

お子様用というメニューは基本的にはご用意していないんですが、ご要望があれば、多少の考慮はさせていただいております。最低限のお子様の椅子などは用意しております。

実際はどのような利用スタイルが多いのでしょうか。

トラットリア ピチコラージョ

ランチの場合は、大多数が女性同士、「お友だち同士」という方でしょうか。ウイークデーのランチに関しては、駅から近いということもあり、サラリーマンのユーザーさんも一定数はいらっしゃいます。

トラットリア ピチコラージョ

ディナーですと、週末になるとご家族が多いですね。1世代ではなく、2世代、3世代でいらっしゃる方が比較的多いと思います。 駅から近いということもありまして、アルコール類を召し上がる方が多くいらっしゃいまして、その場合は、大多数の方がワインを飲まれます。お子様連れでいらっしゃる方も、ワインを召し上がる方がほとんどですね。もちろんお酒を召し上がらない方も大歓迎です。

メニュー構成、おすすめメニューについてお教えください。

トラットリア ピチコラージョ

ディナーは単品でオーダーするアラカルトが主体となっております。コースもご用意しておりまして、こちらはご予約制となっております。税別で2,500円と3,500円の2種類のコースがありまして、パーティの場合はコースで頼まれる方が多いですし、ご家族などの場合は、アラカルトが中心だと思います。 ランチの予算は、パスタのセットで880円からとなっています。前菜、パスタ、飲み物のセットで880円です。チョイスできるパスタは日替わりで2種類、グランドメニューから、リゾットも含め6種類ほどを用意していまして、前菜は4種類からのチョイスです。コースで1,500円、2,000円というものもあります。

トラットリア ピチコラージョ

ディナーの平均的なご予算は、ワインも含めると3,000円から4,000円くらいですね。予約なしでご来店いただいても大丈夫かとは思いますが、事前にお電話をいただけましたら、お席をご用意しまして、ご来店をお待ちしております。人気があるメニューは、やはりお酒に合うつまみ類でして、ブルスケッタは1個160円で色々とご用意しています。生ハムや白レバーのパテなどは特に人気です。

調理面、素材面でのこだわりをお教えください。

トラットリア ピチコラージョ

素材に関しては、そのときの旬の食材を使いながら、できるだけ安価に提供することを心がけています。お料理に関しては、イタリアの家庭料理全般ということになりますが、特に煮込み料理系を多めに出しております。どちらかと言えば、イタリアでも北部の料理になりますね。

 トラットリア ピチコラージョ

チーズ、オイル、ワインについては、すべてイタリアのもので揃えておりますし、最近はビオロジックワインなど、オーガニックのものも扱いを増やしております。ワインですと、赤白合わせて、30種類ほどは常備しております。

店づくりに関してのこだわりはいかがでしょうか?

トラットリア ピチコラージョ

一番は、「カジュアルに、肩を張らずに楽しめる店」ということですね。その一環としての、お子様がいても楽しめるような形の店、と考えています。お客様には、アットホームにくつろいでいただければと思っておりますし、スタッフも積極的にお客様に話しかけて、料理の説明などもさせていただいています。

今後の展望をお聞かせください。

トラットリア ピチコラージョ

今のところは、お店を大きくするとか、お店を複数持つとか、そういう考えはないですね。今やっているこの店を、なるべく良くしていこうと思っています。より地元の皆様に親しんでいただけるようなお店にできれば良いですね。

 

最後に、この地域の魅力についてお聞かせください。

京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター

このあたりは商業施設が豊富にあって良いですね。地元の中で全てが揃ってしまいます。あとは、地元密着型の小さなお店が多いところも魅力的だと思います。もちろん、うちのお店もその一つですので、ぜひお越しください。

 
トラットリア ピチコラージョ

今回、話をお伺いした人

トラットリア ピチコラージョ オーナーシェフ 加藤一樹さん

所在地:東京都多摩市一ノ宮2-11-18 桜ヶ丘センタービル2F
電話番号:042-376-5645

営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~24:00(L.O.23:00)
定休日:日曜

※記事内容は2013(平成25)年6月時点の情報です。

味、雰囲気、価格と3拍子がバランス良く揃った小さな名店/トラットリア ピチコラージョ 加藤一樹さん
所在地:東京都多摩市一ノ宮2-11-18 桜ヶ丘センタービル2F
電話番号:042-376-5645
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30)、17:30~24:00(L.O.23:00)
定休日:日曜
http://r.gnavi.co.jp/8g4k2jtf0000/

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”/街カフェ 大倉山ミエル 鈴木智香子さん インタビュー


街カフェ 大倉山ミエル
発起人 鈴木智香子さん

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”

大倉山の駅前を東西に貫く目抜き通りの中ほどにある「街カフェ 大倉山ミエル」は地元に暮らす有志がボランティアで運営しているタウンカフェ。

「ミエル」とは「蜂蜜」を意味する言葉で、その名の通り、大倉山で採取された蜂蜜を使ったメニューを提供するカフェとして始まり、雑誌などで何かと話題に上ることも多い。
いっぽうで、店内には地元在住のクリエイターや主婦らが制作した小物やアクセサリーなどが並ぶ「BOXショップ」がおよそ40個も並んでおり、地域密着型カフェとしての側面も見せている。店内でさまざまなカルチャー講座も行われており、訪れた日に行われていたのは、歌を楽しみながら絵本を読み聞かせる「おはなしカフェ」。

今回はその様子と、カフェの発起人である鈴木智香子さんへのインタビューでお届けしよう。

立ち上げまでの経緯を教えていただけますか?

私は20年近く前から大倉山に住んでいたのですが、家族の転勤で一時的に札幌に移り住んでいました。当時私は建築士として働いていましたので、街づくりにも興味があり、札幌市の公園を市民参加で作ろうというワークショップに参加したんです。
でも、そこに集まったのは、私以外の全員が行政関係や事業関係者だったんです。愕然としまして、「これからは私達市民が街づくりの中心に立たなければ」と思い始めたのはその頃からです。

そして2007年に大倉山に戻ってきまして、札幌で立ち上げていた「公園遊び会」をモデルに大倉山でも同じような活動を始めました。それが2009年には「大倉山文化村」という地元女性5人のグループになりまして、そこでは今のような各種講座をはじめ、イベントやコンサートなども行っていたのですが、拠点となるような「場所」が無いことにもどかしさは感じていました。

その頃、「コミュニティカフェ」という動きが全国的に広がっていまして、同じ横浜市内の港南台にも「港南台タウンカフェ」が出来て話題になっていたのですが、これを見に行った時に「大倉山にもこんなカフェが出来たら」と思ったものでした。
港南台タウンカフェは、大倉山ミエルを立ち上げる時のモデルにもさせていただいています。

DSC_2178

そんな折に、大倉山のエルム商店会さんから「地元産の蜂蜜を売るアンテナショップを持ちたいと思っている」という話がありまして、「じゃあコミュニティカフェを作って、カフェとして運営していったらどうでしょう」と商店会さんに提案しました。

その後は横浜市の商店街総連合会さん、横浜建設業協会さんの協力も取り付けられまして、「ヨコハマ商建連携事業大倉山プロジェクト」のひとつとして「大倉山ミエル」が生まれました。2010年12月のことです。
商店会は蜂蜜を宣伝したくて、私達はタウンカフェを作りたくて、その両方の希望を担ったカフェというわけです。

「タウンカフェ」とはそもそもどういう場所なのでしょうか?

「タウンカフェ」は税金や補助金で運営しているカフェではありません。

特徴は収益構造が明確で、自立的で継続可能なスタイルを取っていることにあります。地元の人、モノ、資金で運営するという点も特長です。

収入はもちろんカフェの売り上げが大きいのですが、これは材料費やカフェスタッフの人件費に充てられますので、家賃などの固定費は店内におよそ40ある「BOXショップ」の収益でほぼ賄っています。

「BOXショップ」はどんな仕組みなのでしょうか

こちらは地元の在住の作家さんやクリエイターさんなどが中心となって、作品や手工芸などを展示即売しているスペースですが、月ごとの設置費と、売り上げから一定割合の金額を頂いています。

オーナーさん自身で定期的にメンテナンスをしていただくので、オーナーさんもカフェのお客さんになるという仕組みです。飛ぶように売れるものではないのですが、月額は3千円程度ですので、カフェへの維持協力費という感覚で、参加されている作家さんにも楽しみながら利用していただいてます。

地元の人々が、自分達の居場所としてカフェを認識してくださっているということですね。

カフェの商品、料理について教えてください

ひとくちに「タウンカフェ」と言っても料理を提供しないカフェもあるのですが、「ミエル」はもともと軽飲食を提供するカフェを想定していました。

大倉山産蜂蜜のアンテナショップという意味合いもあるので、カフェでは地元産の野菜や蜂蜜を使ったメニュー、例えば蜂蜜プリンなどを提供しています。

「蜂」に関連させて、ランチタイムには888円のランチプレートも提供しています。
商品としての蜂蜜は、そもそも生産量が少ないので今は菊名産の瓶蜂蜜しかありませんが、大倉山産の蜂蜜が並ぶこともあります。

各種講座に参加するにはどうすれば良いでしょうか

カフェではほぼ毎日のように手作りワークショップや、英会話講座、IT講座、文章講座、子ども向けイベントなどの企画や講座が行われています。

これは地元の講師が地元の方向けに行っている講座ですので、内容は色々と幅広いですが、ホームページに詳しいカレンダーを掲載していますので、そちらで毎月の講座内容はご確認ください。

参加申し込みはメールからも可能です。
講座を開催している時間でも、お客さんが来ればいつでもお茶を飲んでいただけます。

カフェや各種講座以外の活動もあるのでしょうか

近隣で行われるいろいろなイベントへの協力も行っていまして、これは「ミエル」が応援するというよりは、ここに集まって繋がった人たちが協力するというものですが、例えば商店会主催の七夕イベント、ハロウィーンイベント、芸術祭などに参加・協力をしています。

その他にも「保育ボランティア」といって、お子さんがちょっと大きくなられた方に、保育つき講座の保育を担当していただいたりしています。

これらのイベントは、今まで商店会や地元の団体でいろいろと企画はされているんですが、やはり企画側の平均年齢が高く、話題性や若い力を求められていて、ミエルでは「やりたい」と手を挙げてくださるメンバーの後押しをする形で、イベントに新しい風を吹き込んでいこうと思っています。

地域の皆さん、主に若いお母さん方やシニア層の方々には、何らかの形で「地域につながりたい」という思いを持っていらっしゃる方がとても多いですから、いずれ「商店会主催のイベント」ではなく、「街ぐるみの参加型イベント」ができていけば良いと思っています。

今後の「大倉山ミエル」の方向性を教えてください

私もその一人ですが、大倉山は引っ越してきた人が多い街なので、新旧の住民同士が繋がる機会というのは、これまで少なかったと思います。

「地元」という意識が薄い住民と、高齢化する既存住民や商店会が互いに孤立していましたし、子ども達もまた、地域の大人と接触する機会がありませんでした。

一方で、「街のために何かを始めたい」と思う人々も多かったのですが、そんな人々に機会を提供する「場」も、これまではありませんでした。

「ミエル」はこういったミスマッチを結びつけるために作った「新しい居場所」ですので、ここを拠点にして、街を盛り上げるいろんな企画が立ち上がっていけばと思います。
もちろんそれにはカフェ自体が継続することが必須ですから、私は継続可能な収益構造を作れるよう、日々努力をしています。

今ではお陰さまで黒字に転換し、コミュニティカフェのモデルケースのひとつとして、遠方からの市民グループが視察に来てくださるようになりました。

今後も”人と人とのつながり”を大切にしながら、大倉山の魅力を市民の手で発信していけたらと思います。そうすることで、大倉山に誇りを持ち、「いつまでも住み続けたい」と思う人が増えればいいですね。

今回、話を聞いた人

NPO法人街カフェミエル代表
鈴木智香子さん(すずき・ちかこ)さん

カフェの立ち上げ人であり、運営から渉外までほとんどを一人でこなす。以前は建築士として活躍していたが、現在はカフェの仕事に専念。大倉山商店会街づくり担当役員の肩書きも持つ。

NPO法人街カフェミエル http://cafemiel.jimdo.com/

ふれあいと学びで育つNPO運営の認可園

地域密着型の保育園で子どもの「ありのまま」を大事にする/認可保育園 ケンパ高田 園長 肥後さとみさん


認可保育園 ケンパ高田
園長 肥後さとみさん

地域密着型の保育園で
子どもの「ありのまま」を大事にする

2011年4月に、横浜市の認可保育園として開園した「ケンパ高田」。園児数60名という適切な規模で、「高田」駅から徒歩わずか3分、住宅街に位置する地域密着型の保育園だ。今回はケンパ高田の園長であり、現役保育士であり、2児のママでもあるという肥後さとみ先生にお話を伺った。

まず、「ケンパ高田」について教えてください

認可保育園 ケンパ高田

もともと、三鷹市に本部を置くNPO「ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会」という団体がありまして、ここはその3つ目の保育園となります。「ケンパ」はもともと理事長のおばあちゃんの自宅を利用した保育ルームとして始まったんですが、そのあと若松河田や西馬込、ここ高田と完成しました。

高田は2011年4月に開園した施設で、ケンパで初めての「認可保育園」でもあります。今年4月には「三鷹台」駅前に「ケンパ井の頭」も開園し、グループで合計5の保育園を運営しています。
ちなみにケンパという名前は、昔のように「ケン・ケン・パ!」ができる路地裏を取り戻そう、という思いを込めて付けられたものです。

ケンパには「民族・国籍・宗教・文化・しょうがい・発達・さまざまな違いを認めあって“今”を共有したい」という大きな理念があります。「アーツセラピー」の手法を取り入れた心理学に基づく教育を行っていまして、比較、評価、分析をされない「ありのままのこども」を大事にしています。

園の特徴は、どんな点でしょうか

認可保育園 ケンパ高田

そうですね、ひとつはきれいで新しい施設ということでしょうか。スタッフはいつも笑顔で子どもたちに接するよう心がけているので、保護者の方からも「笑顔がいいですね」という声はよくいただいています。

カリキュラムの特徴としては、外国人の先生が常駐していることが特徴的です。これは外国語の勉強のため、という側面ももちろんあるのですが、外国の文化を自然に感じてもらったり、「世界にはいろいろな人がいる」ということを小さい頃から身近に感じてもらいたいという思いもあります。

外国人の先生はALT(外国語指導助手)と呼ばれているのですが、ALTの先生はM&M(Music & Movement)という、音楽に合わせて歌ったり踊ったりという活動を主に担当しています。あとは、毎朝のイングリッシュタイムという時間もありまして、簡単な単語や自分の名前を英語で言えるようにしています。

認可保育園 ケンパ高田

また、施設の内装には木をふんだんに使っていまして、暖かみを感じられるようにしています。保育室は基本的に裸足なのですが、冬でも床暖房なしで温かく感じられるほどです。
川がそばにありますので、静かで風も心地いいですし、大きな道からも遠いので立地としての安全性が高いです。

園児たちの1日のスケジュールを教えてください

認可保育園 ケンパ高田

みなさんだいたい8時ぐらいから登園してきまして、9時半ぐらいに「クリーンナップ」というお片付けの時間が始まります。10時ぐらいには庭で遊んだりクラフトをしたりします。

そのあと給食があって、13時から15時まではお昼寝、起きたらおやつ、「M&M」の時間があって、16時半ぐらいからまた遊びながら、お母さんのお迎えを待ちます。毎日の活動の様子はブログ「ケンパ高田保育日誌」でも公開していますので、ぜひご覧ください。

保育師の皆さんはどんな先生方でしょうか

認可保育園 ケンパ高田

もちろんほかの園での勤務経験がある人もいますし、非常勤の先生も多いんです。
非常勤の先生はお子さんのいる「ママさん先生」がほとんどです。男性スタッフや外国人スタッフもいます。

あとは、ご近所の方が「ぜひお手伝いさせてください」ということで先生になられている方もいらっしゃいますので、地元の細かな情報も入ってきます。
私自身は新宿の自宅から通っていますので、地元の先生方にはとても助けられています(笑)。みなさん笑顔の素敵な先生ばかりですよ。

保育園に入るための条件・費用について教えてください

認可保育園 ケンパ高田

横浜市の認可保育園ですので、まずは区に申請をしていただく必要があります。

お仕事の時間や年収などいろいろな条件がありますので、まず申請してもらうことが第一ですね。保育園は0歳から6歳までと年齢が幅広いですから、定員は1歳あたり10名ほどで、兄弟枠なども考えるとなかなか狭い門かもしれません。費用に関しては就労時間や世帯収入で異なってきますので、区役所でお問い合わせください。

受け入れ年齢や預かり時間などについて教えてください。

認可保育園 ケンパ高田

現在は、0歳から5歳児までを保育していまして、59名が在籍しています。定員は60名です。この辺りは大きな保育園も多いので、それほど大きな規模ではないかと思います。0歳児の受け入れは、産休明けからお預かりしています。

基本保育時間は8時30分から16時30分までですが、長時間保育を利用して、7時30分から18時30分まで利用する方も多くいらっしゃいます。園は20時半までスタッフがいますので、急な残業などで遅くなった場合も安心です。土曜日の延長保育は18時半までです。

また、一時預かりも可能です。まず必要書類に登録いただく必要はありますが、1ヶ月ほど前に予約を入れていただければ利用は可能です。ただ、各クラス1名枠分しかありませんので、希望日が決まったら早めにご予約ください。

ママ友同士のつながりも期待できますか?

認可保育園 ケンパ高田

そうですね、高田はやはり外から引っ越していらっしゃった方が多い土地ですので、皆さんお友だちを求めていらっしゃると思います。

幼稚園と違ってお迎えの時間はバラバラですので、お母さん同士で一緒になることはあまり多くないですけれど、クラスイベントなどを通じてお母さん同士もすごく仲良くなっていらっしゃいますよ。

クラスイベントとはどんなものでしょうか

認可保育園 ケンパ高田

クラスの中に運営委員というのがありまして、場所や日程を決めて、イベントを企画するというものです。土曜日や日曜日を利用して、近くの公園に出かけて、お父さんもお母さんも一緒になってイベントをやってもらっています。園の庭でお弁当を持ち寄って食べたり、クッキングをしたりというクラスもありました。

そのほかにも運動会はもちろん、サマーフェスタ、クリスマス会、ハロウィンパレードなど園としても四季折々のイベントを開催しています。

今後の展望や、高田エリアの魅力についてお聞かせください

認可保育園 ケンパ高田

まだ1年目なので手探りなのですが、この辺りにはほかの幼稚園や小学校なども多く、横のつながりもありますので、小学校の児童に来てもらったりと、交流も深めていければと思っています。

私は長く新宿区で暮らしているのですが、高田エリアの皆さんは都心と比べて本当に温かいですね。ご近所の方が散歩中などにも気軽に声をかけてくださいますし、七夕イベントの時などは、笹の葉を持ち寄ってくださったりもしました。私の経験ではそのような前例があまり無かったので、びっくりしましたね。子どもに対する地域の目がとても優しいのだと思います。

高田に住んでいるママ先生に聞いても、ご近所同士のつながりが良く残っている地域で、例えば風邪で具合が悪いときなどに料理を作って持ってきてくれたりと、とても良くしてくださる方が多いそうです。大人に対する助け合いの心も生きていますから、子育てもしやすいと思いますよ。

今回、話を聞いた人

ケンパ高田 園長 肥後さとみ先生

学校を卒業後、幼稚園に4年間勤務。結婚で退職後2児の母となる。現在は大学生の息子と高校生の娘。子どもの手が離れてからは、民間企業の保育ルームで保育の仕事に戻り、6年間の勤務後ケンパに入社。新宿で勤務ののち、2011年からケンパ高田の園長となった。

ケンパ高田
住所:神奈川県横浜市港北区高田東4-17-17
電話番号:045-540-0400
ホープページ http://kenpa-lca.jugem.jp/
ブログ http://kenpatakat.exblog.jp/

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

地域密着型の保育園で子どもの「ありのまま」を大事にする/認可保育園 ケンパ高田 園長 肥後さとみさん
所在地:神奈川県横浜市港北区高田東4-17-17 
電話番号:045-540-0400
定員:60名
入園対象:産休明け~就学前
開園時間:7:00~20:30(土曜日は18:30まで)
休園日:日曜日、祝日、年末年始
https://cgi.city.yokohama.lg.jp/kodomo/h..

高田エリアの地域包括支援センター

親子のスキンシップを大切にしつつ、 育児のストレスも解消/リズム遊び親子サークル プリン リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん


リズム遊び親子サークル プリン
リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん

親子のスキンシップを大切にしつつ、
育児のストレスも解消

リズム遊び親子サークル プリン

「高田」駅から5分の場所にある「高田地域ケアプラザ」で、元気な声を響かせながらリズム遊びを楽しむママと子どもたち。
今回は、1ヶ月に2回のペースで活動している、リズム遊び親子サークル「プリン」にお邪魔して、サークルの立ち上げから関わってきたという、講師の千野先生にリズム遊びの魅力を伺った。

ここは普段は、高齢者のデイサービスを主に行っている社会福祉法人が運営するケアプラザ。その2階にあるレクリエーション室を借りる形でサークルは行われている。

リズム遊び親子サークル プリン

グループは1歳児と2歳児に分かれていて、通常は別の時間で活動しているが、訪れた日は一緒に活動する日。「海」をテーマにしたいろいろなリズム遊びに、子ども達もママ達も笑顔で楽しんでいた。

活動時間はおよそ45分間。経験豊富な千野先生のリードで、子どもたちはどんどん想像の世界に入り込んでいく。車に乗って、海に向かって、準備運動をして・・・。海に出て、浮き輪につかまって、海の底にもぐって、海の生き物と一緒にエアロビクス。

楽しい時間はあっという間に感じられるようで、ぐずったり泣き出したりする子はひとりもいない。最後にはみんなでお片付けをして、先生にバイバイ。子どももママもみんな、訪れた時よりもずっと笑顔になって帰っていった。

活動後、このサークルの講師であり、リズム遊びをリードする千野千枝子先生にお話を伺った。

サークルの活動内容について教えてください

リズム遊び親子サークル プリン

「プリン」には2つのグループがありまして、1歳児が「Iグループ」、2歳児が「IIグループ」となっています、1歳になれば入れますので、年度の途中で入る方もいらっしゃいますよ。

活動はいつもこのケアプラザで行っていますが、ここでは同じように私が講師をしている、幼稚園児を対象にした「プリズム」というサークルもありますので、幼稚園に入ったらぜひいらしていただければと思います。現在、「プリン」のメンバーは「Iグループ」が11組、「IIグループ」が12組です。

「プリン」はどのようにして生まれ、育ってきたのでしょうか。

リズム遊び親子サークル プリン

「プリン」というサークル自体ができたのは1999年のことです。最初は私の第一子が1歳だったころに、お友だちと一緒に「何か楽しいことをやるサークルを作りましょうか」ということで始めたものでした。
当初はメンバーのお母さんが担当制でいろいろな企画をするというもので、何年目からか私の担当の回にリズム遊びを始めたんですが、そのうちに、周りのお母さんから「月に1回のペースでやってほしい」という声が挙がってきて、毎月1回はリズム遊びをするようになったんです。

リズム遊び親子サークル プリン

何年かするとお母さんたちのニーズも変わってきて、「リズム遊びだけのサークルとして活動をしてみましょう」、という流れになったんですね。今から3年ほど前のことでしょうか。

その後徐々に問い合わせが増えまして、今では月に2回、リズム遊びを行うサークルとして「プリン」は活動しています。

ただ私自身はもう子どもも大きくなっていますので、「プリン」の運営は現役のお母さんに任せて、私は講師として呼んでいただいています。

テーマ設定は毎回変わるのでしょうか

リズム遊び親子サークル プリン

今回は7月なので「海」がテーマになっていましたが、季節ごとにテーマは変わっていきます。ちなみに今日はみんなで大きな波を起こしたかったので、「Iグループ」と「IIグループ」の合同で行いました。

活動内容は年ごとに少しずつ変えていく予定で、連続して参加してくださっている皆さんにも、より楽しんでもらえるように考えています。

 

リズム遊び親子サークル プリン

小物も積極的に使っていまして、お子さんには毎回ビニールホースで作ったフープと鈴を持ってきてもらいます。
今回は海に遊びに行く車をフープで表現してみました。その他にも、こちらで用意したスカーフも使ったり、イメージをふくらませながら遊んでいきます。

リトミックとリズム遊びの違いは何でしょうか

リズム遊び親子サークル プリン

私個人の考えでは、リトミックだけでなく、わらべ唄、ダンス、楽器遊びなどさまざまな音楽遊びを総称して、リズム遊びと呼んでいます。

リトミックは想像力、表現力、聴く力、集中力が養われるすばらしい音楽教育です。私も専門的に勉強してきました。幼稚園児向けのサークルではリトミックを多く取り入れていますが、未就園児対象の「プリン」では何よりも「親子のスキンシップ」を一番大切にしたいと思っています。

スケジュールと費用について教えてください。

リズム遊び親子サークル プリン

活動日は火曜日か金曜日のどちらかです。2ヶ月前に日程が決まりますので、その都度、メールでお知らせしています。費用については、参加費として、毎月1,200円を頂いています。体験の場合は500円となります。その他、フープや鈴に関しては実費をいただいています。

入会は、私のEメールに一度連絡をとっていただければと思います。体験の受け付けはブログ内で行っています。また、対象は未就園児の親子となっています。今は人数にも少し空きがありますし、近くの方はぜひお気軽にご参加ください。

ママさん方は何を期待されて入るのでしょうか

リズム遊び親子サークル プリン

育児は楽しい半面、ストレスがたまることもあります。ストレスの解消法もいろいろあって、子どもをパパに預けて一人で出かけてみたり、公園でママ同士でおしゃべりしたり。

でも「親子で思い切り遊ぶ」という方法も、とても良いストレス解消になるんです。ママであることを楽しめる時間にもなりますし、ママが笑っていれば、きっと子どもにも楽しい時間になるはずです。

子どもが1歳2歳の時期は、私も経験したので分かりますが、子育ての中でもいちばんかわいい時期で、大変な時期でもあります。でも過ぎ去ってみると、その時期というのはとても短いものだったなあ、とも思います。

だからお母さん方にはこの素敵な時間を、リズム遊びなどを通じて、わが子を思い切りかわいがって楽しく過ごしてほしいですね。「あとで気が付いてみれば、音感やリズム感も身についていたな」というのが私の目指しているところです。

最後に、高田エリアの住み心地、魅力を教えてください

リズム遊び親子サークル プリン

私は6年前まで高田に居まして、高田はとても静かで落ち着いていて、穏やかな気持ちで暮らせる場所だと思いました。

ショッピング施設が充実したセンター北や日吉にも出やすいですし、第三京浜のインターチェンジ「都筑」が近いことも大きな魅力です。都心や三浦方面に出やすく、車を持っていれば、もっといろんな楽しみが広がります。ゆったりとのびのび子育てをするなら、ピッタリの地域だと思いますよ。

今回、話を聞いた人

リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん

 

リズム遊び親子サークル プリン
会場:高田地域ケアプラザ
会場住所:神奈川県横浜市港北区高田西2-14-6
活動日程:毎月2回、9:50~10:50(1G)、10:50~11:50(2G)

リズム遊び親子サークル プリンブログ
http://rizumuasobi.blog58.fc2.com/

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

親子のスキンシップを大切にしつつ、 育児のストレスも解消/リズム遊び親子サークル プリン リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん
所在地:神奈川県横浜市港北区高田西2-14-6 
電話番号:045-594-3601
開館時間:9:00~21:00(日曜日、祝日は17:00まで)
休館日:第1月曜日、年末年始
http://www.ryokuhokai.or.jp/~takada/

放課後を楽しく有意義に過ごそう!/キッズベースキャンプ大倉山 店舗マネージャー 梅澤奈津子さん


キッズベースキャンプ大倉山
店舗マネージャー 梅澤奈津子さん

放課後を楽しく有意義に過ごそう!

「キッズベースキャンプ」(以下KBC)は、東京都と神奈川県の東急沿線に16店舗(2012年現在)を構える、小学生専門の民間学童保育施設。
KBC大倉山は大倉山駅から徒歩1分もかからない商店街沿いのビル2階にあり、放課後の時間帯になると周辺の小学校から次々と子どもたちが集まってくる。

今回はKBC大倉山のマネージャーであり、ベテランキッズコーチである梅澤奈津子さんと、本部広報の三沢敦子さんに、KBCの人気の理由についてお話を伺った。

「KBC」の概要と特徴について教えていただけますか?

KBCは小学生の児童を放課後や長期休みの期間にお預かりする施設です。

一般的に「学童クラブ」や「放課後児童クラブ」などと言われる施設と同じものですが、その運営の形には「公設公営」、「公設民営」、「共同保育」など幾つかのケースがありまして、KBCは完全に民間の施設となります。

行政の補助金などを受けていないため費用は他に比べて高いですが、クオリティの高いサービスを提供することで、「子どもに少しでも有意義な放課後を過ごさせたい」という保護者のニーズに対応しています。

ちなみにKBCの主な利用者層となる小学生低学年児童の場合、授業で過ごす時間は年間1,200時間です。それに対して、放課後、土曜日、長期休みに過ごす時間はおよそ1,600時間もあるんです。ですから、放課後の時間というのは、子どもにとって大事なものなんです。

公設の学童クラブですといろいろと不便な点や融通が利かない点があり、例えば横浜ですと、夕方の6時には終わってしまいます。保育園の時には遅ければ22時ごろまで延長保育があったのに、小学校入学を境にぐっと短縮されてしまうわけですね。
ですから、都内などで働いている保護者の場合はお迎えが間に合わず、働き方の変更を迫られる方も多くいらっしゃいます。これを含むさまざまな問題は「小1の壁」と呼ばれていまして、共働き世帯にとって大きな問題となっています。

そういったワーキングマザーの声を踏まえたうえで、KBCでは「サービス」「プログラム」「キッズコーチ」の3本柱に重点を置きながら、きめ細かなサービスを提供しています。

「サービス」の面ですが、預かり時間、利用できる日数などを教えてください

まずお預かり時間ですが、KBCでは基本的には19時まで、最長で22時までお預かりをしております。19時から22時までは延長オプション料金になります。

毎日延長を利用される方というのはまずいらっしゃらないんですが、週に1日、月に1日など、仕事がどうしても終わらない日などに対応できますので、いざという時にも安心です。

利用日数についても融通が利くようになっておりまして、初期登録をすれば、利用日数は月ごとに決められます。基本的には週1日のコースから週5日のコースまで選んでいただけまして、これを月ごとに更新していきます。1回も利用しない月が生じても大丈夫です。
仕事の忙しい月には週5日、忙しくない月には週1日、などといった具合ですね。

定期的に使われない方は「スポット」という利用の方法もありますので、1回来て登録していただければ、月に数日だけ、夏休みの期間だけなどという利用も可能です。

安全面での配慮、セキュリティ対策について教えてください

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当施設は学校の中にある公営学童クラブとは違いますので、各学校からKBCまで通っていただく必要があります。

道中で事故があってはいけませんので、提携する幾つかの小学校からKBCまでの間は送迎バスを運行しています。
バスが到着するまでは、各学校の学童クラブで待機してもらいます。

送迎対象校ではない学校のお子さんに関しては、ご自身でご入室いただくか、オプション送迎を利用していただいています。
ちなみに、大倉山KBCに通うお子さんはほとんどが公立の送迎対象校の児童さんです。

もちろん私立小学校や、送迎対象外の公立校の方もいらっしゃいますので、最初は送迎を数ヶ月使って、その後は自分でで通われるというケースもあります。
帰宅に関しては送迎はオプションとなっておりますが、大倉山KBCは駅も近いですから、お迎えに来られる保護者がほとんどです。要望があれば自宅の最寄りの駅や、自宅前まで送迎するサービスもしております。もちろん、保護者に直接引渡しをするまで責任をもって同行します。

日常的な安全に関しては、お子さまが本当に入室したか、退室したかということを保護者様に確実にお知らせするために、ICカードを使った入退室時の自動メール配信を行っています。
また、月に1回の避難訓練も実施しています。

急病の際には、スタッフが付き添って医療施設まで同行します。
公営施設では対応できない、学級閉鎖や臨時休校の際の受け入れ対応もしております。

「プログラム」の内容について、具体的に教えていただけますか

KBCでは塾などで教えてもらえる「学力」ではなく、「社会につながる人間力」、つまり、コミュニケーション能力や、論理的な思考方法など、「数字では測れないようなもの」を伸ばすことを大切にしていまして、日常的なプログラムと、イベント的なプログラムをバランスよく配置することで、子ども達を飽きさせず、楽しく過ごせるようにしています。

特徴的なプログラムとしては、お金と社会について学ぶ「キッズMBA」、「KBCマナー&生活技術」、「世界を知ろうKBCイングリッシュ」、「エコボラキッズ研究所」、「化学実験教室」、農業体験「KBCファーム」、「アート工作」、「食育・歳時記・クッキング」などがあります。

クリスマス、ハロウィンなど季節のイベントもありますし、友達の誕生日をお祝いするバースデーパーティーもあります。

夏休みには2泊3日の「サマーキャンプ」も恒例になっていまして、子どもたちの夏の楽しみのひとつになっています。共働きですと両親と一緒にキャンプに行く機会も少ないですから、子どもたちには貴重な体験のようです。
その他にも、大使館を訪問したり、水族館のバックヤードにお邪魔したりといった「お出かけイベント」が幾つもあって、普段はなかなか出来ないような体験をプログラムとして組み込んでいます。

また、年に1回、16か所のKBCが合同で開く「KBCタウン」というイベントがありまして、ここでは「キッズMBA」で学んだ知識と生かして、自分達で作った商品を擬似マネーで売買します。2011年度には1,500名以上の来場者がありました。

昔は家族が大人数でしたし、近所に色々なコミュニティもあり、公園でも自由に遊べ、都会にも放課後を過ごす”居場所”はありました。でも、共働き・核家族時代の今はそうもいきません。
本当は小学校時代に沢山の体験をさせることが大事なんですけど、結局は家でテレビゲームをしたり、一人で過ごすということになりがちです。

一方で保護者の側も、学童保育に頼ることに対して、「自分のキャリアのために子どもを預けなくてはいけない」という”罪悪感”を抱いている方が多いようです。

そこを「子どもが行きたいと言っているから行かせている」という風に、発想を転換していただければ、気持ちよく預けていただけるのではないでしょうか。

そんな願いが、私達の「プログラムの充実」という方針にもつながっています。

KBCではスタッフさん方を「キッズコーチ」と呼んでいますが、
これはどのような方々なのでしょうか

KBCでは「人材の育成と配置」という点にとても気を遣っていまして、公設の施設だと大人1人に対して子ども数十人という配置が一般的なのですが、KBCは「大人1人に対して子ども10人」という独自基準を設けています。また、イベントで屋外に出る時などリスクが高まると思われる時には、7人に1人の割合にしたりと、ケースごとにコントロールしています。

「キッズコーチ」というのはKBCの現場スタッフのことで、弊社の登録商標でもあります。
現在、日本の保育関連業界は採用倍率が1倍以下の”広き門”になっているのですが、KBCキッズコーチの採用倍率は約30倍という難関でして、優秀な皆さんが多数応募されてきます。

その中には保育師、幼稚園教諭、小学校教諭などの資格を持っている人も多くて、KBCの立ち上げ当初はそういった周辺資格を持っている方を優先して採用していたのですが、最近は「資格よりも経験、経験よりも人柄」という基準で採用していまして、色々な職歴をもったキッズコーチが在籍しています。

キッズコーチは採用決定後、上級救命講習を受講して、育成目的やコーチ倫理、行動規範を完璧に講習し、初めて子どもたちの前に立つことができます。キッズコーチの平均年齢は20代後半と若いですから、子ども達にも「親しみやすい」と好評です。

学童保育は人材が何よりも大切です。
KBCでは学童保育業界の全体を底上げしたい、という願いもありまして、自社基準の独自資格制度なども設けて、日々より良いキッズコーチの育成と、サービスの向上に努めています。

KBCでの1日の流れを教えてください

1日の流れとしては、だいたい午後2時から3時ごろに学校が終わりますので、学校内で送迎バスを待ってKBCに来て、まず最初に宿題を終わらせるようにします。

宿題は基本的に自分で解いてもらって、間違いを正すようなことはしていません。聞かれたらキッズコーチがお手伝いをするような感じです。

その後、短いおやつの時間があって、自由時間になります。ここを基地にして塾や習い事に通う子も多いですね。自由時間の途中で塾や習い事に出かけて、また帰って来て、道具を置いて帰宅するといった具合です。

実は公営の学童クラブだと「中抜け禁止」という施設がほとんどですので、それが可能な点も、KBCが選ばれる理由のひとつになっています。

帰り時間が遅くなった場合の食事はどうしているのでしょうか

時間延長となった場合や、夏休みなどの1日預かりの場合は、スタッフが調理する「キッズミール」をオプションとして提供しています。
使っている食材も生協などから調達した安心・安全が保証されているもので、栄養バランスにも考慮しています。時間延長の際や夏休み期間に利用される方が多いですね。

公営の場合は長期休みでも昼食は無く、弁当持参となりますから、働くお母さん方にはかなりの負担軽減になっているようです。

新しい友人関係も広がりそうですね

KBCでは色々な小学校の子ども達が集まって、学年の違いも関係なく過ごしますので、他校の友達、学年の違う友達が沢山できると思います。これも普段の学校生活ではなかなか得られないところではないでしょうか。

公設の施設ですと、基本的には放課後も同じ学校の友達同士ですが、キッズベースキャンプだとそれがリセットされますので、友達の環もぐっと広がります。

最後に、大倉山の住みやすさのポイントや、
お薦めスポットなどがあれば教えてください

大倉山は都心にも横浜にもアクセスが良くて、働きながら子育てをするには適した町だと思います。公園の数も多いですね。駅のすぐ裏の大倉山公園には、KBCのプログラムでもよく出かけています。

あとは、住んでいる方の年齢層が幅広くて、駅前の商店街通りにいろいろな店があるのもいいですね。どの世代の人でも馴染みやすい街だと思います。
商店街のお店ではパン屋さんの「トツゼンベーカーズキッチン」や、和菓子「わかば」のカフェオレ大福や、ラーメン屋さん「摩天楼」がお気に入りです。

いまは周りにはマンションも沢山できていますから、これからもっと活気のある街になっていくと思いますよ。

今回、話を聞いた人

キッズベースキャンプ大倉山 店舗マネージャー
梅澤奈津子(うめざわ・なつこ)さん

株式会社キッズベースキャンプ 広報・マーケティング担当 マネージャー
三沢敦子(みさわ・あつこ)さん

キッズベースキャンプ大倉山 http://www.kidsbasecamp.com/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

地元住民が気軽に集まれる場所

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”/大倉山ミエル 鈴木智香子さん


街カフェ 大倉山ミエル
発起人 鈴木智香子さん

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”

大倉山の駅前を東西に貫く目抜き通りの中ほどにある「街カフェ 大倉山ミエル」は地元に暮らす有志がボランティアで運営しているタウンカフェ。

「ミエル」とは「蜂蜜」を意味する言葉で、その名の通り、大倉山で採取された蜂蜜を使ったメニューを提供するカフェとして始まり、雑誌などで何かと話題に上ることも多い。
いっぽうで、店内には地元在住のクリエイターや主婦らが制作した小物やアクセサリーなどが並ぶ「BOXショップ」がおよそ40個も並んでおり、地域密着型カフェとしての側面も見せている。店内でさまざまなカルチャー講座も行われており、訪れた日に行われていたのは、歌を楽しみながら絵本を読み聞かせる「おはなしカフェ」。

今回はその様子と、カフェの発起人である鈴木智香子さんへのインタビューでお届けしよう。

立ち上げまでの経緯を教えていただけますか?

私は20年近く前から大倉山に住んでいたのですが、家族の転勤で一時的に札幌に移り住んでいました。当時私は建築士として働いていましたので、街づくりにも興味があり、札幌市の公園を市民参加で作ろうというワークショップに参加したんです。
でも、そこに集まったのは、私以外の全員が行政関係や事業関係者だったんです。愕然としまして、「これからは私達市民が街づくりの中心に立たなければ」と思い始めたのはその頃からです。

そして2007年に大倉山に戻ってきまして、札幌で立ち上げていた「公園遊び会」をモデルに大倉山でも同じような活動を始めました。それが2009年には「大倉山文化村」という地元女性5人のグループになりまして、そこでは今のような各種講座をはじめ、イベントやコンサートなども行っていたのですが、拠点となるような「場所」が無いことにもどかしさは感じていました。

その頃、「コミュニティカフェ」という動きが全国的に広がっていまして、同じ横浜市内の港南台にも「港南台タウンカフェ」が出来て話題になっていたのですが、これを見に行った時に「大倉山にもこんなカフェが出来たら」と思ったものでした。
港南台タウンカフェは、大倉山ミエルを立ち上げる時のモデルにもさせていただいています。

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そんな折に、大倉山のエルム商店会さんから「地元産の蜂蜜を売るアンテナショップを持ちたいと思っている」という話がありまして、「じゃあコミュニティカフェを作って、カフェとして運営していったらどうでしょう」と商店会さんに提案しました。

その後は横浜市の商店街総連合会さん、横浜建設業協会さんの協力も取り付けられまして、「ヨコハマ商建連携事業大倉山プロジェクト」のひとつとして「大倉山ミエル」が生まれました。2010年12月のことです。
商店会は蜂蜜を宣伝したくて、私達はタウンカフェを作りたくて、その両方の希望を担ったカフェというわけです。

「タウンカフェ」とはそもそもどういう場所なのでしょうか?

「タウンカフェ」は税金や補助金で運営しているカフェではありません。

特徴は収益構造が明確で、自立的で継続可能なスタイルを取っていることにあります。地元の人、モノ、資金で運営するという点も特長です。

収入はもちろんカフェの売り上げが大きいのですが、これは材料費やカフェスタッフの人件費に充てられますので、家賃などの固定費は店内におよそ40ある「BOXショップ」の収益でほぼ賄っています。

「BOXショップ」はどんな仕組みなのでしょうか

こちらは地元の在住の作家さんやクリエイターさんなどが中心となって、作品や手工芸などを展示即売しているスペースですが、月ごとの設置費と、売り上げから一定割合の金額を頂いています。

オーナーさん自身で定期的にメンテナンスをしていただくので、オーナーさんもカフェのお客さんになるという仕組みです。飛ぶように売れるものではないのですが、月額は3千円程度ですので、カフェへの維持協力費という感覚で、参加されている作家さんにも楽しみながら利用していただいてます。

地元の人々が、自分達の居場所としてカフェを認識してくださっているということですね。

カフェの商品、料理について教えてください

ひとくちに「タウンカフェ」と言っても料理を提供しないカフェもあるのですが、「ミエル」はもともと軽飲食を提供するカフェを想定していました。

大倉山産蜂蜜のアンテナショップという意味合いもあるので、カフェでは地元産の野菜や蜂蜜を使ったメニュー、例えば蜂蜜プリンなどを提供しています。

「蜂」に関連させて、ランチタイムには888円のランチプレートも提供しています。
商品としての蜂蜜は、そもそも生産量が少ないので今は菊名産の瓶蜂蜜しかありませんが、大倉山産の蜂蜜が並ぶこともあります。

各種講座に参加するにはどうすれば良いでしょうか

カフェではほぼ毎日のように手作りワークショップや、英会話講座、IT講座、文章講座、子ども向けイベントなどの企画や講座が行われています。

これは地元の講師が地元の方向けに行っている講座ですので、内容は色々と幅広いですが、ホームページに詳しいカレンダーを掲載していますので、そちらで毎月の講座内容はご確認ください。

参加申し込みはメールからも可能です。
講座を開催している時間でも、お客さんが来ればいつでもお茶を飲んでいただけます。

カフェや各種講座以外の活動もあるのでしょうか

近隣で行われるいろいろなイベントへの協力も行っていまして、これは「ミエル」が応援するというよりは、ここに集まって繋がった人たちが協力するというものですが、例えば商店会主催の七夕イベント、ハロウィーンイベント、芸術祭などに参加・協力をしています。

その他にも「保育ボランティア」といって、お子さんがちょっと大きくなられた方に、保育つき講座の保育を担当していただいたりしています。

これらのイベントは、今まで商店会や地元の団体でいろいろと企画はされているんですが、やはり企画側の平均年齢が高く、話題性や若い力を求められていて、ミエルでは「やりたい」と手を挙げてくださるメンバーの後押しをする形で、イベントに新しい風を吹き込んでいこうと思っています。

地域の皆さん、主に若いお母さん方やシニア層の方々には、何らかの形で「地域につながりたい」という思いを持っていらっしゃる方がとても多いですから、いずれ「商店会主催のイベント」ではなく、「街ぐるみの参加型イベント」ができていけば良いと思っています。

今後の「大倉山ミエル」の方向性を教えてください

私もその一人ですが、大倉山は引っ越してきた人が多い街なので、新旧の住民同士が繋がる機会というのは、これまで少なかったと思います。

「地元」という意識が薄い住民と、高齢化する既存住民や商店会が互いに孤立していましたし、子ども達もまた、地域の大人と接触する機会がありませんでした。

一方で、「街のために何かを始めたい」と思う人々も多かったのですが、そんな人々に機会を提供する「場」も、これまではありませんでした。

「ミエル」はこういったミスマッチを結びつけるために作った「新しい居場所」ですので、ここを拠点にして、街を盛り上げるいろんな企画が立ち上がっていけばと思います。
もちろんそれにはカフェ自体が継続することが必須ですから、私は継続可能な収益構造を作れるよう、日々努力をしています。

今ではお陰さまで黒字に転換し、コミュニティカフェのモデルケースのひとつとして、遠方からの市民グループが視察に来てくださるようになりました。

今後も”人と人とのつながり”を大切にしながら、大倉山の魅力を市民の手で発信していけたらと思います。そうすることで、大倉山に誇りを持ち、「いつまでも住み続けたい」と思う人が増えればいいですね。

今回、話を聞いた人

NPO法人街カフェミエル代表
鈴木智香子さん(すずき・ちかこ)さん

カフェの立ち上げ人であり、運営から渉外までほとんどを一人でこなす。以前は建築士として活躍していたが、現在はカフェの仕事に専念。大倉山商店会街づくり担当役員の肩書きも持つ。

NPO法人街カフェミエル http://cafemiel.jimdo.com/

※記事内容は2015(平成27)年2月時点の情報です。

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”/大倉山ミエル 鈴木智香子さん
所在地:神奈川県横浜市港北区大倉山4-36-26 
電話番号:045-717-6778
営業時間:営業時間:10:00~15:00(月曜日13:00~15:00)
定休日:土・日曜日、その他不定休
https://www.facebook.com/888cafeMIEL
https://cafemiel.jimdofree.com/

生徒とともにある学校 「船橋市立三田中学校」/船橋市立三田中学校 教頭 宮山博行先生


船橋市立三田中学校 教頭 宮山博行先生

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

生徒とともにある学校
「船橋市立三田中学校」

船橋市田喜野井地区、住宅地が広がる高台の一角に建つひときわ目立つ白い建物が「船橋市立三田中学校」だ。様々なイベントなどで地域と連携し、地元の人々に親しまれている学校である。今回はこちらで教頭をされている、宮山博行先生に学校の概要や、薬円台エリアの魅力についてお話を伺った。

「船橋市立三田中学校」の沿革についてお聞かせください。

船橋市立三田中学校

本校は1974(昭和49)年の4月に開校しまして、昨年には40周年の記念式典を行ったところです。元々は近隣の「船橋市立二宮中学校」と「船橋市立前原中学校」の生徒数増加にともなって、できた学校です。 本校も開校当初は600名余りから始まったのですが、最も生徒数が多い時には1500名以上にもなりました。ここ数年の生徒数は600名台で推移していますが、増加傾向にあり、今後は700名以上の規模になるのではないかと思います。

生徒の特徴について教えてください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

学区内の3つの小学校から生徒達は入学してきますが、小学校ごとにまとまってしまうようなことはほどんど見られません。印象としては、人懐っこくて、明るく元気な生徒が多いかな、と思います。9月の体育祭などでは暑い中、一生懸命応援する姿も見られまして、団結力が強いのも特徴かと思います。

学校の教育目標についてお聞かせください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

本校の教育目標は「知・徳・体の調和を図り、心身ともに健康で人間性豊かな生徒の育成」です。そこから、「自ら学ぶ」、「自ら行う」、「自ら鍛える」という3つの目標を掲げて、取り組んでおります。教師側としても「生徒とともにある教師」、「授業を大切にする教師」、「豊かな人間性に富む教師」といったことを「めざす教師像」として掲げています。「生徒とともにある学校」、つまり、「生徒にやらせっぱなしではなく、生徒に寄り添う先生がいる学校」ということですね。

特色のある学習方法などについてお聞かせください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

やはり学校というのは、授業がまず一番大事なものだと考えています。 特色ある取り組みとしては、ひとつは、「3分前着席」というものがあります。どの授業でも「スタートを大事にしよう」ということで行っているものでして、チャイムの3分前には着席をして、授業の始まりを待ちます。これは伝統的に行われてきたものですが、今年度からはさらにレベルアップして、「3分前学習」ということも行っています。これは授業の3分前には座るだけではなく、ドリル学習などに取り組むというものでして、今年度から始めました。

「三田塾」というものがあるそうですが、これはどういったものですか。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

これは簡単に言えば学習会です。勉強がわからないという生徒、あるいは質問をしたいという生徒を対象に、放課後に取り組んでいるものです。主に苦手な科目について克服することを狙いにしています。年4回の定期試験の前と、夏休みに開講しています。夏休みに関しては、宿題を中心に見ておりまして、1年生から3年生まで全学年で行っております。

「朝読書」について教えてください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

これは毎日、8時20分から10分間の読書の時間です。部活の朝練習が終わった後、一度心を落ち着かせて、学習に集中できるような心の状態に切り替える、という目的もあって実施しています。生徒が持参した活字の本を自由に読むようにしておりまして、本校の伝統になっています。 3分前学習ともつながるものですが、スタートが良ければ、そのままの雰囲気で1日の授業に取り組んでいけますので、朝読書でまず気持ちを切り替えて、授業のスタートを切って、さらに毎時間、3分前学習で気持ちの切り替えができるというものです。

部活動も盛んだとお聞きしました。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

全生徒の部活動への加入率は約9割となっています。そのうち、運動部が7割、その他が2割です。今年は夏の総合体育大会で女子バレー部が県3位になりましたし、ほかにも市の大会で優秀な成績を収めている部は沢山あります。文化系は管弦楽部と文芸部がありますが、管弦楽部については自治会のお祭り、公民館の催しなどに呼ばれて演奏する機会も多いです。それぞれの部活で、顧問も一生懸命に取り組んでいますし、それに応えようと生徒も頑張っています。

地域や保護者との連携体制についてはいかがでしょうか。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

本校は大規模な学校行事も幾つかあるのですが、それらは大勢の保護者の方に支えられています。例えば、体育祭の自転車の整理、合唱祭の受付やドア係などを手伝って頂いています。夏休みや地域のお祭りがある時などは、午後6時から約1時間、学区内を歩いて頂くパトロールなども手伝って頂いています。こういったパトロールについては、保護者の方々以外にも「市民の会」の方々にも行って頂いています。

二宮神社

また、学校が直接関わっているわけではありませんが、地域のお祭りや「二宮神社」で七年に1回行われている「下総三山の七年祭り」などについては、主に自治会を通して、多くの生徒が参加しております。

最後に、薬円台エリアの魅力についてお聞かせください。

この辺りは歴史的にも面白い場所でして、「習志野」という地名は、明治天皇がこの辺りに広がっていた陸軍の演習場を示す言葉として「習志野原」と命名されたことに始まったそうです。陸軍施設は司馬遼太郎の『坂の上の雲』の舞台ともなりました。

薬円台公園

軍都の名残として、現在も自衛隊の施設がありますが、毎年夏になると、自衛隊が主催するお祭りも開催されます。花火もあり、地域の方々や、本校の生徒も沢山参加しているようです。さきほども触れた二宮神社のお祭りなども含めて薬円台エリアでは魅力的なお祭りやイベントが沢山あると思います。

新京成線の電車

また、京成線、新京成線、あるいはバスを使うことによって、「津田沼」駅に簡単にアクセス出来るので、交通の面でも便利ですね。閑静な住宅地が広がっている中にまだまだ沢山の緑地も残されていますし、小さなお子さんを育てるという意味では、とても良い環境だと思いますよ。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

今回、話を聞いた人

船橋市立三田中学校
教頭 宮山博行先生

所在地:千葉県船橋市田喜野井2-24-1
電話番号:047-477-0311
http://www.city.funabashi.chiba.jp/gakkou/0002/mita-j/

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

生徒とともにある学校 「船橋市立三田中学校」/船橋市立三田中学校 教頭 宮山博行先生
所在地:千葉県船橋市田喜野井2-24-1 
電話番号:047-477-0311
http://www.city.funabashi.chiba.jp/gakko..

旬の食材と揚げたての美味しさ にこだわる「天ぷら すず航」/天ぷら すず航 店主 鈴木晴也さん


天ぷら すず航
店主 鈴木晴也さん

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

旬の食材と揚げたての美味しさ
にこだわる「天ぷら すず航」

茅場町の駅から八丁堀方面に徒歩3分ほど、通りから少し入った場所にひっそりと、小粋な江戸紫の暖簾を掲げている「すず航」は、目の前で揚げられるサクサクの天ぷらを、一品ごと、出来たてで味わえる天ぷら専門店。高級感がありながら、昼は千円台からで手軽に楽しめることから、地元の人はもとより、遠方から来るファンも数多いという。

円形のカウンターの中央で天ぷらを揚げるのは、和食一筋30年以上という店主の鈴木晴也さん。普段はフレンドリーな人柄だが、真面目でまっすぐな人柄からか、天ぷらを揚げている間は話しかけることも憚られるほどの、厳しい職人の眼差しに変わる。そんな店の空気を和ませているのが、いつも気さくで優しい女将さん。お二人の人柄に惹かれて、店を訪れる人も多いのだろう。 今回は店主の鈴木晴也さんに、お店の紹介と天ぷらへのこだわり、地元の魅力についてお話を聞いた。

なぜこの場所に、天ぷら専門店を開かれたのでしょうか?お店の歴史についてお聞かせください

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

私は和食の道に入ってから懐石料理をずっと、30年以上やっていたんですが、色々な料理がある中でも、「旬のものを揚げて出す」という、天ぷらのシンプルで奥深いところに魅了されました。そして、天ぷらの専門店を出そうと思い、老舗の天ぷら専門店に入って修行を積みました。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

この店を始めたのは2005(平成17)年のことですね。実はこの場所が、もともと祖父が持っていた土地でして、私たちも昭和40年代からここに住むようになりまして、今もビルの一部が自宅になっています。

お店の場所は、実はそれまで別の方に貸していたんですけれど、ちょうど2005(平成17)年ごろに空きができまして、私としても「独立して店を持ちたい」と思っていた時期だったものですから、タイミングが合いまして、店を開くことになりました。

今まではどんなお店で修行をされたのでしょうか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

和食はそれこそ、いろいろな店で修行しました。主に割烹や料亭、会員制のお店といった、高級志向のお店でしたね。有名なところだと「なだ万」などでも修行しました。

最後に天ぷらを勉強させてもらったのは、丸ビルにある「天政」という店でして、今の天ぷらの揚げ方は、ここで教わったものが大きいですね。

「すず航」という屋号の意味についてお聞かせください

「すず航」店主・鈴木晴也さんインタビュー

もともと、ひいおじいさんが銀座で婦人服の洋装店をやっていたんです。その時の店の名前がカタカナで「スズコー」だったんですが、うちは天ぷら屋ですから、和食っぽく、「鈴木」と「出航」という意味を込めて、「すず航」という名前にしました。

天ぷらについて、こだわりは色々とあるかと思いますが、特に力を入れている部分についてお聞かせください

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

うちでこだわっているのは、塩です。沖縄の塩に少し手を入れて、煎ってからお出ししているんですが、こうすることで塩辛さが抜けて、塩が持つ甘みが出るんです。もちろん、何でも塩で食べるようにお薦めするのではなくて、私が「どうしても塩で食べてほしい」と思ったものだけ、「塩がおすすめですよ」とお声がけをしておりますので、基本的にはお好みで、自由に召し上がってくださればと思います。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

そのほかですと、「油の鮮度」にもこだわっていますね。特に昼間などは短時間に一気にお客さんが来ますから、どんどん油の力が抜けてきてしまいます。温めなおすということはできませんから、裏であらかじめ熱しておいた鍋を持ってきて、鍋ごと交換してしまいます。油の回収業者さんからは「まだ十分使えるのにもったいない」と言われるほど、鮮度にはこだわっています。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

この油については、綿実油をベースにごま油をブレンドしていまして、揚げる素材ごとに少しずつ温度を変えて適切に調節しています。野菜は低めの温度で、魚の時にはちょっと火を強めて、といった具合ですね。鍋はひとつだけしかありませんから、火加減だけで温度をコントロールしています。

美味しい天ぷらを提供するためのコツは何でしょうか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

まず、揚げたてをお出しする、というのは美味しさのポイントのひとつですよね。普段はカウンターの方には必ず一品すつお出ししていますし、個室の方にも、できるだけ一品ずつ揚げたてのものをお出しするようにしています。これは価格がいくらであっても、お昼であっても変わりません。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

天ぷらというのは、油の温度や揚げ時間で大きく出来上がりが変わりますし、素材と衣の硬さのバランスが合わないといけないので、本当に美味しいものを出したいと思うと、なかなか難しいところが多いんです。湿気が多くなる梅雨の時期は、本当に苦労しますね。そのぐらい繊細なものですから、揚げている間は少しも目を離せませんし、耳も澄ましていないといけないんです。

昼、夜とそれぞれ、どんなお客さんが利用されていますか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

やはりビジネスの街ですから、基本的にビジネスマンの方や、証券取引をされているご年配の方などが多いです。でも最近は若い方も増えていまして、最初は上司に連れられて来た若い方が、次の機会には友達を連れて来てくださったり、奥様や家族と一緒に来られるということも増えています。そういう風に、口コミでつながっていただいているのが嬉しいですね。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

最近は若い方でもグルメな方も多いですから、週末などは、雑誌などを見ながらカップルでお見えになったり、女性の友達同士でお見えになったり、ということもあります。

おすすめのメニューは何でしょうか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

まずお昼については、1,420円からということでやっていまして、ビジネスランチで利用される方にはこのあたりが人気です。一番低価格のものでも手を抜くようなことはしていませんので、1品ずつ、丁寧に揚げてお出しするようにしていますので、最初はこちらからお試しいただくのが良いかもしれませんね。お昼はこの「ゆりコース」(1,420円+税)や、「すみれコース」(1,980円+税)あたりが人気です。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

お昼はカウンターがフリー、お座敷が予約制ということでやっていますので、ぜひ、気軽にいらしていただければと思います。夜については、ビジネス関係の方、特に接待の方が多くなりまして、一番人気があるのは「つばきコース」(6,900円+税+サービス料)です。お食事も付いていますから、ちょうどいいボリューム感かと思いますし、皆さん、お酒も含めて1万円ちょっと位で召し上がっていく方が多いです。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

夜についても、飛び込みで来ていただいても席があれば、もちろん対応させていただきますが、できれば電話を入れてから来ていただくのが有り難いですね。

ほかのお店では見られない、変わり種の天ぷらと、定番のものを教えて下さい。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

うちはあまり、変化球のものは出していないです。時期折々の、旬の美味しい素材をお出しするというのが基本ですので。ただ、お客様から「珍しい」という声をいただくものとしては、うにのしそ巻き、牡蠣、夏場にお出ししている、とうもろこし、にがうり、枝豆、岩牡蠣などがありますね。年中お出ししている定番の品ですと、椎茸、アスパラ、エビなどが人気でしょうか。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

椎茸については、新潟の特定の農家さんの原木栽培のものを仕入れていますから、とても肉厚で、好評をいただいています。椎茸って割と苦手なお客さんが多いんですけれど、「これなら大丈夫、美味しい」とおっしゃるお客さんが、けっこういらっしゃるんですね。アスパラについても、太くて柔らかいものを厳選して入れていますから、こちらも好評をいただいています。

お魚は、特に定番というものはありませんが、「この時期になったらこれを使おう」などといつも一生懸命考えていますから、その時々の、旬の美味しいものを召し上がっていただけるかと思います。すべて築地から入れていますから、鮮度には自信がありますよ。

最後に、八丁堀・茅場町エリアの魅力についてお聞かせください

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

私達ももう何十年もここに住んでいますけれど、何と言っても交通の便がすごくいいですね。治安もいいですし、住み始めた頃は、まだこの辺りには証券関係の会社ばかりしか無くて、土日の夜は閑散としていました。お店なども全然無かったんですけれど、今はいろいろなお店やコンビニなどできましたし、とても住みやすくなってきました。

日本橋や人形町も近いですから、買い物や散歩も楽しいですし、休日などは、夫婦で隅田川の川沿いの道を歩いたリしています。「高島屋」まで続く「さくら通り」もきれいですし、すぐ近くの「坂本公園」も気に入っています。オフィス街なんですけれども、けっこう「ほっ」とできる場所があって、暮らしていてもとても落ち着ける場所ですよ。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

今回、話を聞いた人

天ぷら すず航(てんぷらすずこう)
店主 鈴木晴也さん

住所:東京都中央区日本橋茅場町2-1-14 スズコービル1F
電話:03-3666-3336
営業時間:11:00~13:30L.O.、18:00~22:00(20:30L.O.)
定休日:土・日曜日、祝日
URL: http://r.gnavi.co.jp/a640100/

※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

旬の食材と揚げたての美味しさ にこだわる「天ぷら すず航」/天ぷら すず航 店主 鈴木晴也さん
所在地:東京都中央区日本橋茅場町2-1-14 スズコービル1F 
電話番号:03-3666-3336
http://r.gnavi.co.jp/a640100/

子育てママ・パパたちの親子のひろば/東陽子ども家庭支援センター センター長 高橋真理子さん


東陽子ども家庭支援センター
センター長 高橋真理子さん

子育てママ・パパたちの親子のひろば

下町情緒が今なお残る木場エリアは、「大手町」駅まで東西線で10分足らずという利便性のよい立地ながら、緑豊かな街。都内でも数少ない大型防災公園の「木場公園」を有し、複合商業施設の「深川ギャザリア」なども存在する、生活しやすく子育てにも便利な場所だ。そんな木場エリアに子ども家庭支援センターの先駆けである「東陽みずべ」がある。そこでセンター長を務める高橋さんにお話しを伺った。

東陽子ども家庭支援センター、通称「東陽みずべ」の概要を教えてください。

育児

祝日と年末年始を除く火曜日から土曜日の10時~16時の間なら、いつでも親子で遊びに来られるという子育て広場です。子育ての相談なら月曜日でも受け付けしています。 基本的には幼稚園就園前までの乳幼児とその保護者のためのスペースです。広い部屋には木のおもちゃやボールプール、ままごとコーナー、畳スペース、すべり台、絵本コーナー、授乳室、子ども用トイレなど、子どもとママ・パパが自由にのんびりと過ごせる場所になっています。

東陽子ども家庭支援センター

1999(平成11)年にオープンした当初は、「専業主婦の子育てをサポートしよう」という考え方があまり浸透しておらず、こういった支援の場があまりない時代でした。多くの施設見学者の方々が来訪し、各地で支援センターが広がりを見せたようです。

現在、累計で18万6,456人(2014(平成26)年3月31日現在)の方が登録して下さっています。

ひろばの他にも、電話相談や預かり保育なども行っているのですね?

東陽子ども家庭支援センター

子どもを育てていると、不安や悩みでいっぱいになったり、誰に聞いたら良いのか分からないような疑問もたくさん出てきます。言葉も通じない赤ちゃんと2人きりで昼間過ごし、旦那さんの帰りも毎日遅い…孤独感や閉塞感を感じているお母さんたちは少なくありません。少し話を聞いてもらうだけで楽になったり、心配しなくても良いようなことで悩んでいる場合もあります。そんなお母さんやお父さんたちの電話相談や、面談もしています。

東陽子ども家庭支援センター

また、病院や買い物、「子どもと離れてちょっと一息つきたい」というお母さんのために、「リフレッシュひととき保育」も行っています。これは区内在住の6ヵ月~3歳児のお子さんを月曜日から金曜日の9時~12時・13時~17時の間、1日3時間以内までお預かりするもので、利用料金は1時間につき500円です。

育児をしているお母さんたちが少しでもリフレッシュでき、楽になれば子どもや家族にも優しくできます。煮詰まってしまう前にこういうものを利用して、上手に息抜きをしてほしいですね。

育児中のお母さんやお子さんと接するなかで心がけていらっしゃることは?

母親

「ここに、また来よう」と思ってもらえる場所でいることです。特に育児中のお母さんは疲れていたり、子どものことでナーバスになっている場合も多いので、とにかくお母さんたちの心・気持ちに寄り添いたいと思っています。

「ここに来たら、泣いてばかりの子どもがいつもより遊んだ」「ここに来た後はいつもより昼寝が長くなって楽」そんなちょっとしたことで、お母さんが楽になれるように。少しボランティアさんに抱っこをお願いして、コーヒーを飲む時間が捻出できるように。そんな小さなことを日々積み重ねています。

イベントや毎月のプログラムも充実しているんですね?

情報

小さい子向け・大きい子向けのお話会、季節の行事やグループ懇談会、おっぱいQ&Aなど、月によって違いますが色々取り組んでいます。また1ヵ月のうちの1週間(火~金)、お子さんの身長・体重を計測できる「すくすく成長記録」を行っています。毎月お子さんの成長を確認することもできますし、その時々でお母さんが感じていることも書き込める記録になっているので、1年が経つ頃には小さな育児日記のようなカードが出来上がります。

お子さんを育てているお母さんは日々追われて忙しく、育児の楽しさや喜びに浸れる余裕がありません。このみずべで少し足を止めてホッとできれば、育児を楽しく感じられたり、子どもを見つめ直すこともできますよね。そんな機会になるようなプログラムを実施したいと、日々考えています。

この地域ならではと感じることはありますか?

東陽子ども家庭支援センター

まずボランティアさんやリフレッシュひととき保育の支援士さんなど、地域の方々がみずべを支えてくれています。こんなに地域の方が協力している所は珍しいのではないかと思います。ボランティアさんたちと街で会って「久しぶり」「大きくなったわね」と声をかけられるお母さんたちが多いようです。

またセンター内で話される話題も近隣の美味しいお店や安い八百屋、評判の小児科など地元の話が多いので良い情報が集めやすく、話題にも入っていきやすいと思います。実家と離れて住んでいる人にとっては心強いですし、他人だからこそ話せる気安さもありますよね。 ボランティアの方々も女性だけでなく、ハーモニカでわらべうたを吹いてくださるおじいちゃま、おもちゃを直す「おもちゃ病院」の元エンジニアのおじさまたちなど、男性も積極的に参加してくださいます。これも下町の良さなのかなぁ…なんて感じています。

木場の魅力はどんな部分だと思いますか?

東陽子ども家庭支援センター

木場という場所は、古き良き時代の名残がまだまだ色濃い街です。近所を歩いていても、子どもを連れていると話しかけられることも多いですし、子どもが参加するお祭りなども多くお母さんたちが自然に仲良くなる土壌があります。みずべを訪れてくれるお母さんたちも、一人で来る方やお友達と来る方さまざまですが、すぐに打ち解けて仲良くなって帰られますよ。

木場公園

また広大な木場公園も近くにあって緑も多いですし、歴史のある寺社仏閣もある。子育て環境のみならず、生活するうえでも良い環境は整っていると思います。

今回、話を聞いた人

東陽子ども家庭支援センター

東陽みずべ
江東区東陽子ども家庭支援センター

高橋真理子センター長
住所:江東区東陽3-1-2
電話番号:03-3699-4871
URL:http://koto-kosodate-portal.jp/mizube/

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

子育てママ・パパたちの親子のひろば/東陽子ども家庭支援センター センター長 高橋真理子さん
所在地:東京都江東区東陽3-1-2 
電話番号:03-3699-4871
開園時間:子育てひろば 火~土曜日10:00~16:00、子育て相談 月~土曜日9:00~17:30(電話相談は~18:00)
閉園日:日曜日、祝日、年末年始
http://koto-kosodate-portal.jp/mizube/

工場の廃材は宝の山 地域交流を活性化させる「物づくり」の輪/配財プロジェクト 斉藤靖之さん


配財プロジェクト 斉藤靖之さん

工場の廃材は宝の山
地域交流を活性化させる「物づくり」の輪

墨田区の町工場から出た廃材を利用して、万華鏡、人形、楽器など、さまざまな物を作り出す活動をしている「配財プロジェクト」。墨田区をはじめ、下町の「ものづくり」に気軽に楽しく触れてもらえる試みとして、イベント会場などで廃材を使ったワークショップを行い、人気を集めている。今回はプロジェクトのスタートメンバーの一人であり、風船工場の社長でもある、斉藤靖之さんにお話をうかがった。

「配財プロジェクト」とはどのようなものでしょうか?

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

僕らがこのプロジェクトを正式に始めたのは2012(平成24)年の2月なんですが、実はその1年半ぐらい前から、仲間で集まって、活動を始めていたんですね。プロジェクトのメンバーの大半は墨田区やその周辺の、製造業に関わっている人間でして、墨田区が製造業の後継者を育成するという目的で作った「フロンティアすみだ塾」の卒業生が多いです。ですから町工場の若手の経営者や、後継者が中心になっています。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

そもそも製造業をして日々生産していますと、どうしても「廃材」というものが出てしまうんですね。僕らはそれを普段、当たり前のように業者に持って行ってもらって、お金を払って捨てていたんですが、時々、工場見学に来て下さった方が、「これ何ですか?くれませんか?」って言うんですよ。特にデザイナーさんなどに多いんですね。

「配財」という言葉はどのように生まれたのですか?

配財プロジェクト

工場見学に来て頂いた方に廃材をあげているうちに、ふと考えてみると、昔、僕らが子どもだった頃というのは、身近なところに「廃材」がありましたから、それを工場のおじちゃんにもらって、自分たちで工夫して遊んでいたんです。工場は宝の山だったんです。それを思い出して、「この廃材はすごく価値のある、宝の山なのかもしれない」ということに気がついたんですね。それならば、価値を分かってくれる人にこの廃材を還元しようということで、「配財」という文字ができたんですよ。

代表的な“配財”製品には、糸巻きを使った万華鏡があるということですね。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

実は、墨田区は縫製関係の工場も多くて、糸を使い終わった後の「糸巻き」が多く余っていたんです。たまたま仲間のひとりがニット工場をやっているのですが、別の方で万華鏡作家さんと知り合いの仲間もいまして、その縁で糸巻きで万華鏡ができないかと思って作家さんに見せたら「面白いね」と言われたんです。そこから、こういう糸巻きを使った万華鏡が生まれたんです。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

万華鏡を作るにあたって、いろいろな製造業の仲間から廃材を集めたんですが、それがこれです。縫製工場のボタンがあって、ねじ工場のねじがあって、メッキ屋さんのメッキ部品があって、屏風屋さんの余った紙があって、サトウ化成さんの緩衝材があって、プラスチックの部品があって、ブラシ屋さんのブラシの切れ端があって、僕の会社の風船のハギレがあって。この万華鏡に入っているものが、墨田区の縮図なんです。

これって一見ゴミなんですが、万華鏡に入れた途端、別の物になりますよね。僕らにとっても、ふだんゴミだと思っていたものを、こうやって見方を変えると違ったものに見えるということで、この万華鏡は、「配財プロジェクト」そのものを表しているものだと思っています。

「配財」からはどのようなものが生まれるのでしょうか?

配財プロジェクト

一番いろんな廃材を使っている作品はこの万華鏡ですけれど、その他ですと、緩衝材を使ったハンコを作ったり、僕のところで出た、商品としては使えなくなった風船で風船人形を作ったりしていますし、ほかにも、その時にある廃材に合わせていろんな作品を作り、ワークショップを開催しています。 本当はこれを商品として売れればいいんですが、廃材はいつも決まった量だけ材料が入るわけではないですから、大量生産ができず、なかなか商業ベースにはならないんですね。何しろ小さな町工場ばかりですから、今は糸巻きの万華鏡だけを商品にして、東京スカイツリーのショップなどに置いてもらっています。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

工場としても、まだまだ再利用できている廃材はごく一部だけですから、処分代が減るメリットはほとんどないんですね。でも廃材を通して会社のことや製品のことを地域にPRできるということは、お金には変えられないメリットになっていると思います。僕は風船の裾野をもっと広げていきたいと思っていますから、このプロジェクトを通していろんな方に工場のことを知っていただいたり、メディアに取り上げていただけていることは、本当に良かったと思っています。

「配財」が地域と町工場を結びつける媒体になっているのですね。

そうなんですね。僕が小さいころって、友達の家のことを、「何々ちゃんの家は何屋さん」とか、みんな知っていたから、「物づくり」がとても身近にありました。でも、今は人が増えてきて昔から続く、自分たちの街にある「物づくり」を知らない方も徐々に多くなってきています。工場の側としても、最近は騒音の問題などもありますから、稼働中も工場を閉めきっていることが多くて、工場で何を作っているか、ということまでは分からないのが現状です。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

でも、この「配財」を媒体にすることで、地域に「物づくり」があることを知ってもらうことができますし、地域交流を活性化するきっかけにもできると思うんです。ですから「配財プロジェクト」では、僕らのような「物づくり」の人たちと、それを表現するデザイナーさんやクリエイターさんをつなぐハブの役割を果たして行きたいと思っています。

実際に製作体験をできるワークショップが人気ということですが、これはいつ、どこで行われているのでしょうか?

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

ワークショップは「東京ソラマチ」の中でやることもありますし、いろんな地域のイベントやお祭り、コンサート会場などでやったりします。また、参加しているメンバーの工場でやったり、一般の店舗、大学の文化祭などに呼ばれて、やらせていただいたりもします。

墨田の「墨田区立八広小学校」の6年生の卒業製作では、八広の地域の工場の廃材を集めて、その地域の万華鏡を作る、というワークショップも行いましたね。特にいつ行うとは決まっていないので、詳しくはホームページやFacebookを見ていただければと思います。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

大きなものですと、毎年秋に「スミファ」という、墨田区の町工場をオープンファクトリーにして、街歩きをしてもらうというイベントがあるんですが、そちらには毎回参加させていただいています。

墨田から始まって、全国的に「配財」の動きが広がっているとお聞きました。

僕たちの事業はただワークショップを行うだけではなくて、廃材を通して、地域の活性化や、企業のCSR(企業の社会的責任)の問題を解決するような、企画やイベントのプロデュースをするという一面もあります。ですから最近は色々な企業さんとコラボレーションしながら、ビジネスとしてCSRのお手伝いなどもしていますし、全国のいろんな自治体の方に声をかけていただいて、地域とのコラボレーションもさせていただきました。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

たとえば島根県の浜田市、福島県の南相馬市、大分県の佐伯市、富山県の高岡市などに、廃材を使った地域のアピールのお手伝いに行って、地場の業者さんの廃材で、万華鏡を作ったりしましたので、これが全国的に根付いてきているのだと思います。

「配財プロジェクト」の今後の展開についてお聞かせください。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

やっぱり、「物づくり」の魅力を知ってもらって、次世代につなげていきたいという思いがありますから、子どもの教育に関わる場面で、何かをしたいというのは、いつも思っています。 もうひとつは、企業のCSRのお手伝いを今も少しさせていただいているんですが、少しでも世の中の役に立つという意味では、企業との関わり方も増やしていきたいです。あとは、自分たちで仕掛けるイベントなどもやっていきたいと思っています。

最後に、錦糸町エリアの魅力についてお聞かせください

隅田川

私は実は墨田区で生まれて小学校2年生まで住んでいたんですが、その後は品川区に暮らして、10年ぐらい前にまた戻ってきたんですね。山手の暮らしと下町の暮らしを両方知っている立場から言いますと、やはり、「人と人との距離が近い」というのは大きな魅力だと思います。 下町だと、都心での暮らしと比べると、地域の中でお互いにバンバン、干渉するんです(笑)。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

外から来た人たちにとって、いきなりずいっと踏み込まれると「面倒くさい」と思う人もいるかもしれないですけれど、それがだんだん気持ちよくなっていくと思うんです。そういう「あったかさ」というのは、あると思いますね。なので、新しくこの街に住むことになったとしても、住みやすいし溶け込みやすいし、すぐに居心地がよくなると思います。

新しく引っ越して来られた方同士のコミュニティもしっかりとできてきていて、何かをしようと思った時にも、活動をしやすい場所ですね。 また、最近はこの地域もけっこうオシャレになってきましたよね。若いクリエイターさんなんかも多く住むようになっていて、いろんな新しい工房やお店、カフェ、レストランなどがオープンしているんですよ。

斉藤靖之

今回、話を聞いた人

配財プロジェクトメンバー
株式会社マルサ斉藤ゴム 代表取締役社長 斉藤靖之さん

配財プロジェクト http://www.haizai.jp/
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/haizai.jp

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

工場の廃材は宝の山 地域交流を活性化させる「物づくり」の輪/配財プロジェクト 斉藤靖之さん
http://www.haizai.jp/

現代に伝える、江戸切子の輝き/すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さん


すみだ江戸切子館
代表 廣田達夫さん

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

現代に伝える、江戸切子の輝き

「江戸切子」とは、透明ガラスに色ガラスを重ねたものに線状のカット(切子)を入れて、浮き出る文様や色の美しさ、手触りの良さを楽しむもの。「東京都指定伝統工芸品」の中から、さらに「経済産業省指定伝統工芸品」のダブル指定を受けた、数少ない工芸品のひとつである。

現在は主に江東区、墨田区、大田区で生産されているが、このうち墨田区の職人の製品を一手に束ねて展示・販売しているのが「すみだ江戸切子館」だ。店内の半分ほどは工房になっており、ガラス越しに職人の作業を見ながら、さまざまな種類の江戸切子を選ぶことができる。

今回はこの工房ショップの生みの親である、廣田達夫さんにお話を聞き、工房専属の切子職人、川井更造さんに作業を見学させていただいた。

「すみだ江戸切子館」の歴史についてお聞かせください

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

「すみだ江戸切子館」は、「廣田硝子」という会社が母体になっていまして、これはもう115年続いている会社なんですが、その中でやっていた江戸切子の部門を、2004(平成16)年に「ヒロタグラスクラフト」として分離独立させまして、切子の展示即売を始めました。それから4年後、現在のこの場所に「すみだ江戸切子館」としてオープンさせました。

元々、「廣田硝子」でやっていた頃には、切子製品は問屋さんを通して全国のデパートや専門店などに販売していたんですが、やはり、伝統工芸を受け継ぎ、生かしていくためには、自分たちで伝統工芸品のマーケットを作っていかないと、廃れてしまうと思うんです。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

ですからここでは当社工房にも、墨田区・江東区・葛飾区にいる江戸切子職人さんの作品も並べていまして、それぞれの方が特色ある、際立った腕を持っていますので、いろいろな江戸切子に出会っていただけるかと思います。

墨田区の「すみだ3M運動」にも連携しているそうですね

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

そうですね、墨田区では「すみだ3M(スリーエム)運動」というものを推進していまして、「マイスター」、つまり伝統工芸職人の「M」、「ミュージアム」(小さな博物館)の「M」、「マニュファクチュアリングショップ」(工房ショップ)の「M」という、3つの「M」を「ものづくり」の要素と位置付けて、アピールしていこうとしているんですね。もう30年ほどやっている運動になるでしょうか。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

その典型的なひとつのモデルとなっているのが、この「すみだ江戸切子館」なんですね。昔の伝統工芸職人は、製法や道具を自分だけの秘密にしていたものなんですが、今は「隠すのではなくて、見えるようにしていこう」ということで、工房をオープンにする流れが広がってきています。ここも工房にガラスの覗き窓を付けていますので、ショップの中からいつでも工房が見られるようになっています。

そうやって技術の難しさというものを見ていただくと、職人たちが作りだす、伝統工芸の価値を理解して頂くことができます。

江戸切子はどのように作られているのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

元々、グラスなどの形に成形された「生地」と呼ばれる素材がありまして、ここにまず「割付」(墨付け)ということで、目安になる線を入れます。その後、ステンレスの円盤の周りにダイヤの粉末をまぶした円盤研削機を使って「削り」の作業に入ります。「荒摺り」(あらずり)、「二番掛け」、「三番掛け」とだんだん細かいところを削っていったら、「石掛け」で表面を滑らかにして、最後にブラシで「研磨」をして、透明にします。それで完成ですね。

「すみだ江戸切子館」の商品は、すべて工房で作られているものなのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

ここの商品についても、だいたい3割ぐらいは工房の中で作られていますが、ほかは外部の職人さんの作品です。ここにある江戸切子は全て、「すみだ江戸切子館」だけの作品であり商品です。

模様としては、ひとつは、伝統的な文様をベースにしたものですが、伝統的な文様をいくら組み合わせても、やはり限度がありますので、切子の技術をベースにした、時代に即したような新しいデザインのものも作っています。

確かに伝統的なものとは違う模様やカラーのものもありますね。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

赤と青が基本の2色ですが、色を変えて赤と黒や、青と緑の組み合わせにしてみたものもありまして、最近は全体的に、少しモダンなデザインのものを増やしています。いま墨田区が推進している事業のひとつに、地域ブランド戦略としての「すみだモダン」というものがあるんですが、墨田区PRのポスターにも、うちの製品が載っているんですよ。

これからは、江戸切子にも「新しい分野」が必要だと思いますから、もっと広く、いろいろな分野を開拓していきたいと思いますね。

ところでなぜ、江戸切子の色は青と赤なのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

江戸切子はもともと江戸時代後期に、ビードロ(ガラス)問屋を営む「加賀屋久兵衛」がガラスにカット(切子)を入れて売ったことが始まりと言われていまして、当初は、江戸切子を言えば透明なガラスにカット模様が入った、無色のものだったそうです。ここに当時の引き札(カタログ)がありますけれど、確かに、そこには透明の切子が書かれているんですよ。

その後、薩摩では色付きの切子が作られるようになったんですが、明治ごろからは江戸でも色を被せる切子が普及してきまして、1985(昭和60)年に東京都の伝統工芸に指定される時に、色をかぶせて作ったガラス素材をベースとし、それが、赤と青だったんです。

薩摩の切子も有名ですが、江戸切子とはどんな点が違うのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

薩摩切子はもともと、薩摩の島津家が輸入や輸出に熱心で、特にヨーロッパから入ってきたガラス製品について、自分の藩でも作りたいということで、江戸からビードロ職人を連れてきて作り始めたんですね。その時の製法が、イギリスのカットガラスを手本にしたもので、ヨーロッパスタイルの製法でしたから、色のかぶせ方が江戸切子とはちょっと違うんです。

そのために薩摩切子は色ガラスの層が厚くて、カットのデザインも深く大胆になっています。「ぼかし」と言われるグラデーションも特徴的ですね。一方で、江戸切子は色ガラスの層が薄いので、もっと繊細なカットもできますし、色目もくっきりとしています。

江戸切子は墨田区を中心に作られているのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

切子はもともと、長崎の出島に持ち込まれて、長崎、山口、大阪と経て、江戸に入ってきたんです。実は大阪でも昔は切子作りをやっていたそうなんですが、最終的には市場の大きさもあって、江戸だけが残って発達しました。薩摩切子が生まれたのは、それよりも後になっての話ですね。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

江戸時代からこの辺りに職人さんが多くいたそうですが、墨田区では、うちを含めて現在3軒のみになっています。江東区のほうが職人の数としては多くて、50人以上はいらっしゃいますね。ただ、こうした展示即売をやっている横で、職人が作業しているのを見られるのは、うちだけだと思います。これだけの種類の切子を揃えているのもうちだけでしょう。

切子の魅力とは何でしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

ガラス自体も非常に神秘的なものだと思うんですが、そこにカットを入れることで、さらにいろいろな表現や味わい、作り手の思いなどが表現できます。まさに、「キャンバスに絵を書く」というような感じですよね。そういったところが、切子の面白さだと思います。

実際に使ってみても、カットガラスの独特の肌触りを楽しみながら、飲み物を味わえるというのは、とても気持ちがいいですよね。 うちでは実際に販売しているものと同じ生地(未加工グラス)を使った切子体験もやっています。本格的切子作りを、3500円から4000円くらいの間で体験していただけますので、これもぜひ体験してみてください。

今後の新展開、新商品などの予定がありましたらお聞かせください

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

今まで、切子と言えばお酒やウイスキーなど、男性的な飲み物に使われることが多かったのですが、これからは女性にも買って頂けるような、魅力ある品物づくりをしていきたいですね。

実際には、9割以上のお客さまが女性なんです。ほとんどの方は自分で使うというよりも、ギフトで使われる方が多いですね。でもこれからは、女性が自分で使いたくなるような江戸切子を、たとえばインテリアにも生かせるようものを作っていきたいです。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

実際のところ、そうやって時代にニーズに合わせて展開しないと、技術というのは廃れてしまうと思うんですね。今、全国各地で「伝統工芸」が廃れてしまっているのは、昔の技術をそのままやっているか、もしくは、「作家」の道に傾いていると思うんです。「江戸切子の裾野を拡げていき、時代に合わせて改良し、「時代に合わせて変わり、市場が欲しがるものを作り続けていく」ということが、これからの時代、伝統工芸が生きる残るための道だと思いますね。

最後に、錦糸町エリアの魅力についてお聞かせください

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

スカイツリーができてから、この辺りもメデイアや雑誌など様々な場面で注目されるようになりまして、脚光を浴びるようになりました。昔からつないできたお店、技術、そういったものが、ようやく生かされる時代になってきたのだな、と感じています。

下町の良さとというのは、食べ物にしても技術にしても、「なじみがいい」ことだと思います。あまり気取らない、人情味があるようなもの、とも言えるでしょうか。もちろん江戸切子もそのひとつだと思いますが、ほかにも昔からの「良いもの」が沢山残っている地域だと思います。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

今回、話を聞いた人

すみだ江戸切子館
代表者 廣田達夫さん
実演 江戸切子士 川井更造さん

住所:東京都墨田区太平2-10-9
電話番号:03-3623-4148
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日、祝日
http://www.edokiriko.net

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

現代に伝える、江戸切子の輝き/すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さん
所在地:東京都墨田区太平2-10-9 
電話番号:03-3623-4148
http://www.edokiriko.net

こだわりのパンとピザで 「心もお腹も一杯に」なるレストラン/マカロニ市場 松戸店 店長 佐久間一哉さん


マカロニ市場 松戸店
店長 佐久間一哉さん

こだわりのパンとピザで
「心もお腹も一杯に」なるレストラン

国道6号から少し南側に入った場所にある「マカロニ市場(マーケット)松戸店」は、2011年のオープンし、わずか3年足らずの間にすっかり周辺に住む女性を虜にした、「パンとケーキとイタリアン」の有名店だ。今回はメニューのリニューアルを行った直後、2014(平成26)年の3月に、店長を務める佐久間一哉さんにお話をうかがった。

まず、マカロニマーケットの沿革についてお聞かせください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

「マカロニ市場」は本店が小田原にありまして、小田原は今年で16年目になります。今は小田原、藤沢、横浜青葉、三島、松戸、相模原の合計6つの店舗がありまして、この松戸店は2011(平成23)年にできた、比較的新しいほうのお店になります。

基本的には、ベーカリーとケーキショップ、イタリアンレストランが融合したお店になっていまして、「心もお腹も一杯に」というコンセプトで、空間も含めて居心地のいい場所の提供に努めています。

立地に関しては、どのお店も駅前ではなく住宅地近くの道路沿いに出していますので、特にお昼に関しては、ビジネスランチでいらっしゃるお客様はほとんど無くて、ほぼ100%、女性のお客様になっています。

女性客中心ということですが、どのような年代・構成のお客さんが多いのでしょうか?

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

お母様方のグループがとても多いです。シチュエーションとしては、お子様を送り出されてから、11時のオープンに合わせて、一斉にいらっしゃるというイメージですね。

ランチはセットメニューを注文される方がほとんどでして、メインディッシュにパスタやピザをひとつチョイスしていただいて、パンの食べ放題と、ドリンク、サラダが付きまして、だいたい1000円ちょっとぐらい、という感じです。ですので、ゆっくりと、いろいろなパンを召し上がって楽しむ方が多いです。休日やディナーにはパンの食べ放題はありませんが、それでも女性のお客様やファミリーがほとんどです。

パンはお店でつくっているのでしょうか?

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

当店のパンは全て手作りです。レストランでも平日のブランチセットには、全てのセットメニューに焼きたてのパンの食べ放題がついており、常時20種類程度の小さめのパンをお出ししているのですが、近隣にお住まいの方ですと、「パンがとてもおいしい」ということで、けっこうパンだけを買って帰られる方もいらっしゃいます。

手作りの利点ということですと、やはり、「できたて感」が全然違うんですね。パンには当日仕込んで焼くものもあれば、何日か発酵させてから焼くものもあるのですが、湿度や酸化の影響を最小限に抑えられますから、いちばん良い状態にもってきやすいんです。ベーカリーでは、焼きたてのパンを80~100種類用意していますので、いろんな種類のパンを、焼きたてで食べていただけるかと思います。

石窯で焼くピザに対しても、相当なこだわりを持っているそうですね

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

ピザに関しては、見ていただいての通り、レストランの中央にある石窯で焼いています。この石窯はイタリアのステファノ社の石窯を輸入したもので、うちでは「ナポリピッツァ」と銘打ってピザをご提供しているんですが、実はナポリピッツァと謳(うた)うためには、「薪を使って石窯で焼く」ということのほか、生地の素材や製法に関しても、決まりを守らないといけないんですね。そのうえで、ピザも発酵商品のひとつですから、「どれだけ一番ピークのものを召し上がっていただけるか」ということをつねに考えながら、一枚ずつ丁寧に焼き上げております。

去年はちょうど社員研修があって、私もナポリに行ってきたんですけれど、この味と食感は、やっぱり薪じゃないと出ないんですよ。燃え方についても、「水分を取り込んで燃える」燃え方と、「水分を出しながら燃える」という2通りの燃え方がありまして、薪は取り込んで燃えるほうなので、軽い仕上がりになるんです。でもガスだとどうしでも水分を含んでしまって、軽く焼きあがらないんです。

メニューリニューアルで登場した新作「ミートボールのスパゲッティ」についてお聞かせください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

この「ミートボールのスパゲッティ」(1,390円)はもともと限定メニューだったものを、今回メニューのリニューアルでレギュラー化したものでして、パスタは1.9ミリの少し太めのパスタを、硬めに茹で上げて使っていますので、1.6ミリのスパゲッティーニを使ったほかのパスタとはちょっと違う味わいかと思います。

このミートボールの中にも香辛料がいろいろ入っていまして、丸めておくところまでは仕込んでおくんですが、オーダーが入ってから火を入れてスープで煮ていきますので、ふっくらと仕上がっています。ミートボールというよりは、ハンバーグが4つ乗っているようなイメージですね。

リニューアルでアンティパストも充実したそうですね

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

そうですね、今回のメニューリニューアルでは、前菜類の種類をかなり増やしましたし、今まで一切扱っていなかったステーキも始めました。ですから、「ワインをメインに飲みながら、小皿料理を軽くつまむ」というスタイルもやりやすくなったかと思います。また、どの時間帯でもお茶やコーヒーだけの利用ができますので、ぜひそういった方も、気軽にお使いいただければと思います。

アンティパストからのおすすめは、「前菜の盛り合わせ(1~2名用)」でしょうか。シェフが腕によりをかけた前菜を少しづつ盛り合わせていますので、まずはこちらをオーダーしてみてください。

スイーツに関するこだわりを教えてください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

スイーツももちろん全部店内で手作りしているんですが、レストランやベーカリーとは別のキッチンで作っていますので、温度管理も低めで管理しておりまして、いつでも新鮮なケーキをご提供できているかと思います。

幸いにもうちの店の場合、セットメニューでオーダーされるお客様が多いものですから、デザートの回転率も高く、ワンデーで出さなければいけないフルーツのケーキなども、種類豊富に入れられています。

今ですと、いちごのケーキが主体になっていますが、このいちごは松戸市内の田中農園さんのものを使っていたりと、地元の食材も出来る限り使うようにしています。完熟の朝獲れのいちごですから、すごく美味しいですよ。最近はバースデーケーキのご利用もとても増えています。

昼、夜、それぞれの平均的な予算を教えてください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

昼はランチセットを頼まれる方が多いですから、だいたい1,000円ちょっとが平均予算かと思います。夜は平均すると、2,000円ちょっとぐらいの方が多いでしょうか。夜はおひとり1,900円ほどのセットメニューがあって、中身についてはいろいろとチョイスができますから、こちらをオーダーする方が多いですね。

最後に、松戸胡録台エリアの魅力について教えてください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

地域の皆さんの交流がすごく多い街だと思いますね。うちのお客様は、子どもを持っているお母様方が多いですから、学校行事や地域行事、サークル活動などの時によく利用されるんですが、そういった集まりの機会がとても多くて、「交流が活発な地域なんだな」といつも思っています。都心まで近い割に、家賃や物件価格もそんなに高くないですしね。いろんな意味で、とっても暮らしやすい街だと思います。

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

今回、話を聞いた人

マカロニ市場(マーケット) 松戸店

店長 佐久間一哉さん

マカロニ市場(マーケット) 松戸店
住所: 千葉県松戸市松戸新田67-1
電話番号: 047-711-6136
営業時間: 11:00~23:00(22:30LO)
定休日: 無休
URL: http://www.macaroni.co.jp/

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

こだわりのパンとピザで 「心もお腹も一杯に」なるレストラン/マカロニ市場 松戸店 店長 佐久間一哉さん
所在地:千葉県松戸市松戸新田67-1 
電話番号:047-711-6136
http://www.macaroni.co.jp/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子先生


横浜市立荏田小学校
校長 澤田有子 先生

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。
地域から学ぶことで得られるものとは。

その生活利便性からは考えられないほど、のどかな田園風景が広がる都築区荏田南町。この地で40年の伝統を育み続ける「横浜市立荏田小学校」は、「稲作」を学習の軸のひとつとして扱っている、首都圏では珍しい取り組みを行っている公立学校である。今回は、脱穀も終わり晩秋の姿になった学校を訪ね、校長の澤田有子先生に、学校のこと、稲作のこと、地域のことについてお話をうかがった。

まず、学校の概要について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

もともと、ここは大山街道沿いに発展した地域でしたから、古くからお寺もありまして、そこで寺子として始まり、1873(明治6)年に「荏田学舎」となりました。それが本校の発祥です。その後、1880(明治13)年に「公立小学荏田学校」、1900(明治33)年に「尋常荏田小学校」となり、何度か名前を変えています。

昭和に入り荏田小は国道246号線の向こう側にあった「山内小学校」の分校だったのですが、1973(昭和48)年に「荏田小学校」という学校になりました。今年がちょうど創立40周年になります。校舎も40年前のものになりますね。

分校は今の「かたらい宿公園」の場所にありましたが、人数がすごく増えていった当時は、国道を隔てて、3年生までが分校に、4年生からが向こうの山内小に行くようになっていたそうです。それがあまりにも遠いということで、新しい小学校をを作ろう、ということになったそうです。

先生は荏田小学校に今年から着任されたそうですが、学校の第一印象はいかがでしたか?

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

まず、「自然がいっぱいあるな」ということに驚きました。そして、子どもたちが自然の中で生き生き生活しているな、ということも感じましたね。キラキラした目の子どもたちがいる、素晴らしい学校だと思ったのが第一印象です。

荏田小学校は各学年2クラスと小さめの学校ですが、「小さいならではの利点」などはありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校は2学級の学年ばかりですけれども、その2学級についても、多くても30名前半の学級なんですね。ですので、少人数での指導ができると思います。子ども一人ひとりに「目配り・気配り」が出来ているかと思います。

スペースがいっぱいあるので、子ども達はのびのびと生活しています。一番多い時には960名の児童がいたこともあります。今が320名ですので、ちょうど3倍ですね。一人のスペースも今は、すごく広いです。

では、学校の大きな特徴になっているという「米づくり」について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校の一番の特色は、「米づくりは、人づくり」ということで、田んぼを作っていることでしょうか。創立3年目の年に、当時の校長と地域の方が「地域と学校でなにか一緒になって、子ども達を育てる活動ができないか」ということで始まったものでして、田んぼも発起人の方々が無償で提供してくださいました。

この田んぼ学習は「命をつなぐための食糧を、一からすべて、自分たちの手で生産する」という授業ですから、ものすごく子どもたちのためになっていると思います。米を作るということは、すべての事に通じるのだと思っています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

泥の田んぼに入る体験というのは、都会ではなかなか出来ないものですね。本校の児童は、みんなハイソックスで、泥の田んぼに入ります。靴で入ると抜けなくなってしまうので。そういった中で、泥に触れて、周りにいる虫、かえるやヤモリなどもにも、実際に触っていくわけです。ですから、都会のほかの小学校ではなかなか出来ない、本物の体験ができると思います。

田んぼは一から全部やっていますから、実は職員も大変なんです。最初は地域の方にもかなり協力していただいていたんですが、40年近くもたったので、皆さんもだんだんご高齢になられたので、今では教職員でほとんど進めています。実際、かなり負担もありますが、「子どもに還るもの」が多いですから、頑張ってやっているところです。保護者の皆さんにもお手伝いをして頂いています。

「田んぼのことを一からすべて」と言いますと、具体的にはどんな作業をされるのでしょうか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

まず種もみからです。田とは別に畑も借りているので、畑で種を蒔いて、苗を育てるところからやっています。これは5年生が中心になってやっていますね。

それから、みんなで「苗取り」をしまして、田植えするんですが、実はその前の段階で、教職員であぜ切りをやり、代掻きをやり、田起こしもやって、全部やったところに、子どもたちと保護者が入って、田植えをします。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

その後は、7月ぐらいに草取りをして、秋に稲刈りをするのですが、収穫の前にかかしを作ったりもします。稲刈りについては3年生から6年生までがやります。1年生と2年生は「応援する」ということで参加しています。刈った稲は、田んぼではざ掛けにしまして、乾いたところで、5年生を中心に脱穀をします。

脱穀したお米は保管し、11月の末ごろに「荏田っ子まつり」というイベントがありますので、そこで餅つきをします。子どもや保護者の皆さん、地域の方々などに提供しています。今作っているのはもち米です。

残った「わら」については、毎年しめ縄を作っています。今年はわらじを作ったり、わら飾りを作ったりということも考えています。1月になりますと、どんど焼きで残ったわらを焼いたりしています。

地域の方と関わって授業を行なっている例はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

もちろん米づくりもそうですが、社会科、生活科、総合学習それぞれで、地域の方々に「まちの先生」ということで教えに来ていただいています。3年生は、この近くは梨作りが盛んということで、梨園に1年間に何度か行って見学させていただいています。あとは、お寺に行ったり、江田の商店街の方々などに話を聞いたり、時には仕事のお手伝いをさせていただいたりしています。

あとは、もとの分校だった場所にケアプラザがありますので、そこで太鼓クラブが演奏をしたりもしますし、今後はわらぞうり作りについても、地域の方に教えていただく予定です。そういった地域の人々との関わりを通じて、荏田のまちを子どもたちの「心のふるさと」にしていければ良いな、と思っております。

学校の施設面、学習面の特徴について、それぞれ教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

エアコンが普通教室に全部入っておりますので、快適に過ごせるかと思います。あとは、人数の割に学校が広いので、のびのびと過ごせることでしょうか。

学習については3年生以上の算数学習は、1学年2クラスを3クラスに分けて、少人数の授業をしています。ですので、算数に関しては20人ぐらいで学んでいます。少人数教育には特に力を入れていますね。人数を減らして、個に応じた指導ができるように、ということですね。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

あとは、「たて割り」の活動がすごく盛んです。6年生をリーダーとしたグループがありまして、ひとつのグループは10人ぐらいです。各学年2名から3名ずつになっているんですが、そのグループを中心とした遊びや、交歓給食、全校遠足、運動会でのたて割りの取り組みなどをやっています。「たて割り班」で活動する回数が多いんです。かかし作りもその一つですね。

特に全校遠足などに行くと、子どもたちは6年生が大好きになるんですよ。遠足の帰り道には、6年生が下級生をおんぶして帰ってくるという光景もありまして、これが伝統になっていたりもします。だから子ども同士もすごく仲が良いと思いますし、名字ではなく名前で呼び合うことが多くて、学校全体がアットホームな雰囲気があると思います。

横浜市立荏田小学校インタビュー

グループの名前もユニークで、今年は電化製品の名前で、「アイロングループ」とか、「せんぷうきグループ」とか、そういう名前でやっているんですよ。この活動は、本校では長く続いていますね。6年生になって、グループのリーダーになるのが「荏田小学校」では子ども達の憧れになっているんです。「あこがれの6年生」なんていう言葉も聞きますよ。

それから、本校は6年生の人数は少ない分、「全員がどこかで必ず前に出なければいけない」というチャンスがありまして、教員はバックアップしながら、子どもたちが役割を果たし、成長できるよう見守るようにしています。

学区内にはこういう雰囲気の方が多く住まわれている、といった印象はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

そうですね、代々この地域に住んでおられる方が多いですね。最近はそれに加えて、マンションも増えてきましたし、新荏田の住宅地の方もありますから、新しい方も増えつつあります。みなさん口を揃えておっしゃるのは、「住みやすい場所です」ということですね。

この周りにも、いろいろな新しい住宅地が沢山ありますけれど、荏田は古くからお住まいの方がいる分、ちょっと雰囲気が違う地域だと思いますよ。「地域のつながりが強い」とでも言うんでしょうか。

学校でも稲作をしていますと、作業の中で保護者と地域の方がかかわり合う部分もありますから、地域の方同士ですごく仲良くなれるんですよ。稲作を通して、日本人の気質だとか、いろんなものが生まれてきたのかなあ、と思います。それをこの学校に来て、実感しています。

澤田先生が考えられる「荏田地域の魅力」は、どんな点でしょうか。

横浜市立荏田小学校インタビュー

この地域は、子どもたちを見てくださる目がとても温かいんですね。それが一番だと思います。地域の方が「自分たちのまちの子ども」ということで、叱るべきところは叱ってくださり、すごく大事にもしてくださって、温かく見守っていただいています。子どもたちもきっと、「あったかいまちだな」と思ってくれていると思いますよ。

もちろん、時には厳しいご意見をいただくこともありますが、その時にも、「こうすればもっと良いと思いますよ」という事を必ず言ってくださいますし。この学校を建てる時についても、「自分たちのまちの学校を作ろう」ということで、先祖代々の田んぼを提供してくださったそうです。もちろん、稲作りに関しても地域の方が協力してくださっているからできていることでして、地域が温かい、たいへん素晴らしい地域だと思います。

そして、こうやって地域の方にも愛されていることで、子どもたちも、自分が愛されている、見てもらっている、大切にされている、という気持ちを持つことができていると思います。

最後に、学校のおすすめポイントを一言でお願いします。

横浜市立荏田小学校インタビュー

やっぱり「人づくり」ですよね。米づくりから学ぶ、たて割り活動から学ぶ、豊かな自然とまちから学ぶ。この3つで「人づくり」をしています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

横浜市立荏田小学校

校長 澤田有子 先生

横浜市立荏田小学校
所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694
電話番号:045-911-0149
URL:http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/eda/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子先生
所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694 
電話番号:045-911-0149

40年間以上にわたり経営される児童教育施設。 強い信念のもと、新しい形の幼児教育に取り組み続ける。/菅長学園 園長補佐 嶋崎靖 先生


菅長学園 園長補佐 嶋崎靖 先生

40年間以上にわたり経営される児童教育施設。
強い信念のもと、新しい形の幼児教育に取り組み続ける。

「子どもたち一人一人の可能性に種をまく」という理念をもとに、半世紀近くも以前から独創的な幼児教育に取り組み、現在は特に「英語教育の充実」という面で注目を集めている「菅長学園」。外国人教師が“担任”となる「バイリンガルコース」を設置するなど、その独自性は他に類を見ないほどだ。今回はこちらで園長補佐を務める嶋崎靖先生にお話を聞くことができた。

半世紀近くの伝統をもつ園ということですが、「菅長学園」の概要について教えてください。

「菅長学園」の創立は1967(昭和42)年になりまして、それ以来「質の高い教育を、いかにリーズナブルに提供するか」ということに重点を置いてやってきています。国の基準などには沿わず、独自の教育方針で経営していますので、今もなお、「無認可」の施設として運営しています。ですので、「幼稚園」ではなくて、「幼児教育施設」という呼び方が正しいものですね。

 

幼稚園との違いという面ですと、まず、時間割からして違います。普通の幼稚園だと自分たちの教室があって、そこに先生が来ますよね。ところがうちの場合は、各教室に設備があって、子どもたちが時間ごとに教室を移動するんです。それぞれ専門の教室や、園庭などに行くんです。大学の授業をイメージしていただければ分かりやすいでしょうか。

先生方や設備面などでの特徴はありますでしょうか。

うちは英語に力を入れて取り組んでいる園として有名なんですが、ひとつ大きな特徴としては、「外国人の先生が8人常勤している」という点があると思います。恐らく幼稚園レベルでの教育施設で、8人も外国人教師がいるというのは、全国広しといえども他にないかと思います。

また、日本人の教師については、「先生方の平均年齢が高い」という点が大きな特徴になっていると思います。ほかの園で一度働かれて、一度現場から離れて子育てをされて、また戻ってきたという方などが集まっているので、安心して預けて頂くことができるのではないかと思っています。先生については美術家・音楽家・演劇演出家などの専門家が常勤していて、多様な人材がいることも特徴ですね。

施設の面でも、うちは少し変わっています。認可の幼稚園だと敷地面積や給食の問題など、いろいろと制約があるのですが、うちには給食室も講堂もありません。「無駄」と言ってしまうと語弊があるかもしませんが、必要でないものは一切ない園なんです。ですからかかる費用も普通の幼稚園と比べれば格段に少ないと思いますよ。バス代なども一切かかりません。

本人と保護者の考え方、希望によって、3つのクラス分けがあるということですが、それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。

入園時に選んでいただく基本コースは、「スタンダードクラス」「英語クラス」「バイリンガルクラス」の3種類です。「バイリンガルクラス」については、1、2、3年生の各学年に2クラスずつありまして、担任が外国人の先生になっています。授業も外国人担任は、全て英語で行っています。

 

 

「英語クラス」については、担任の先生は日本人ですが、半分の授業については、外国人の先生が毎日来てやっている、というものです。英語で進める授業と、日本語で進める授業が半々くらいのクラスですね。

「スタンダードクラス」というのは、担任も副担任も日本人の先生ですが、毎日1コマの英語の時間は、外国人の先生が受け持つというクラスです。ほかの幼稚園の「英語クラス」に相当するのが、この「スタンダードクラス」だと思います。

 

 

また、1年生から3年生の下には、「プレイルーム」という2歳児と3歳児のクラスがあります。一般的には週に1回ぐらいなんですが、うちは4年保育として扱っています。

英語教育に熱心に取り組む、その“思い”とは何でしょうか?

英語教育に関して大切にしているのは「遊びながら学ぶ」ということで、文法などよりも、「コミュニケーションができるか」ということに重点を置いています。授業の内容よりも「つねに近くに、いろんな人がいる」ということを伝えたいと思っています。グローバル社会において、英語はコミュニケーション手段として非常に重要なアイテムになっていますから、小さい時に英語を身近に感じておくことは、子どもたちの将来にとって、きっと大きな役に立つのではないかと思っています。

ですから「英才教育」という意識では全くないんですよ。それぞれの子どもたちが持っている可能性を遊びながら刺激して、種を蒔いてあげれば、小学生、中学生、いや高校・大学、大人になった時の糧になると信じています。

私自身も海外にはよく行くんですが、私の喋る英語なんて本当にメチャクチャです。でも、それでもちゃんと通じるんですよ。結局のところコミュニケーションって、「人間と人間として向き合えるかどうか」という点が一番重要だと思うんです。

身体づくりにも力を入れているそうですが、どのような取り組みをされているのでしょうか?

実は一番重要だと考えているのが「身体づくり」です。これは施設の創立当初から変わらない理念になっています。 具体的な取り組みとしては、ひとつは年間通しての「プール教育」が特徴的だと思います。

どういった取り組みかと言いますと、すぐ近くの「CACスポーツクラブ」に25メートルの競泳用温水プールがあるので、そこに毎週行って授業をしています。ここでは水遊びではなく、きちんと泳ぎ方を学びますから、ほとんどの子が卒業するまでには、何らかの形で25メートルを泳いじゃうんですよ。

菅長学園

ほかにも、サーキットトレーニング的なことにも取り組んでいますし、「裸教育」というのもそうですね。それを先生方の保護観察のもと、安全に行うことが使命だと思っています。これは英語とも共通する考えですが、われがれが大切にしているのは、「幼児期における体の成長に、いかに刺激を与えるか」ということなんです。

お話の中にもあった「裸教育」とはどんなものですか?

「裸教育」は創立当時くらいから続いている伝統でして、これもうちの大きな特色になっています。プールと同じで、「健康な身体づくり」のために行っているものです。今は子どもをめぐる環境も、過保護になり過ぎているきらいがあります。子どもたちは年中変わらない室内環境で生きていますよね。でも、もともと日本は四季が美しい国ですから、ここに生まれた以上、「日本の自然の中で生き抜く」という力を付けることが大事だと思うんです。

うちでは身体を動かす授業中については、できるだけ上半身裸で過ごすことを推奨しているんですが、こうすることで生き抜く力や、体力の向上、免疫力の向上にもつながっていると思うんです。

裸教育に関しては、もちろん強制ということではありませんから、子どもたちの気持ちを大切にしながら行っています。

年中行事でユニークなものがありましたら教えてください

うちは「学芸発表会」が年間を通して一番大きなイベントでして、毎年2月下旬にやっていますが、英語劇をやったり、ダンスをしたり、歌を歌ったりと、かなり本格的なものになっているかと思います。

 

 

この学芸発表会は「習志野文化ホール」という、キャパが1,500人のホールで、午前・午後の2回に分けてやるんですが、そうしないと保護者まで入りきらないんですよ。それぐらい、多くの方に来ていただけるような行事になっています。その他にも、運動会や遠足など、普通の幼稚園でやっているような行事もひと通りあるかと思います。

習志野文化ホール

あと、これは行事とは違うかもしれませんが、避難訓練をけっこう頻繁にやっています。そもそもうちは、子どもたちが時間ごとに教室を移動するというスタイルですから、日々の行動が避難訓練のようなものかもしれません。そんな点も特徴的かと思います。

卒業生にはこういった特徴の子が多い、という傾向はありますか?

子どもたちそれぞれ個性がありますから、卒業生にどんな子が多い、ということはなかなか言えません。ですが、スポーツで活躍している、英語を生かして留学をした、というような話はよく聞きますね。

 

 

特徴について敢えて言えば、英語をそんなに喋れなくても、聞く能力は相当にある子が多いですから、海外へ転勤予定の方、インターナショナルスクールに通わせたい方などには向いているかもしれません。 うちの場合、保護者の方で海外赴任する方が最近特に増えていて、毎日のようにそういう話題が飛び交っていますし、逆に、生徒の親御さんが外国人という方もけっこういらっしゃいます。ですので、「グローバル社会」を身近に感じられる園と言えるかもしれません。

最後に、薬園台エリアの魅力についてお聞かせください。

千葉県立船橋高等学校

やはり、東京へアクセスしやすいですし、成田にも羽田にも、非常に便利な立地ですね。それに加えて、薬園台や津田沼は文教地域ですから、子育ての環境としても、落ち着いていて良いと思います。

薬園台駅

その一方で、薬園台の駅周辺あたりは少し下町っぽい雰囲気も残っていると思いますし、個人的には、庶民派の飲食店があっていいなあ、と思います。総合的にバランスの良い町ですよね。

今回、話を聞いた人

菅長学園
園長補佐 嶋崎 靖先生

所在地:千葉県船橋市三山6-18-10
電話番号:04-7477-7799
http://www.suganaga.com/

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

40年間以上にわたり経営される児童教育施設。 強い信念のもと、新しい形の幼児教育に取り組み続ける。/菅長学園 園長補佐 嶋崎靖 先生
所在地:千葉県船橋市三山6-18-10 
電話番号:04-7477-7799
http://www.suganaga.com/

子育ての先輩が寄り添ってくれる施設/おやこDE広場 にこにこキッズ 遠藤眞貴子さん・齊藤とよ子さん・沖真貴さん・本田宗治さん


おやこDE広場 にこにこキッズ
遠藤眞貴子さん、齊藤とよ子さん、沖真貴さん、本田宗治さん

子育ての先輩が寄り添ってくれる施設

松戸市の委託事業として実施している「おやこDE広場 にこにこキッズ」は、「聖徳大学児童学研究所」の下で、2011(平成23年)5月にオープンしました。0歳児・1歳児が多いこと、そして周辺地域からだけでなく、わざわざ電車・バスを利用して訪ねてくる方も多いそうです。そんな施設の特徴、そして活動内容をスタッフの本田さん、沖さんに伺いました。

「おやこDE広場 にこにこキッズ」として活動をスタートした経緯を教えてください

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

本田さん:もともとは「聖徳にこにこキッズ」として活動していたのですが、2011(平成23)年に松戸市の委託事業として「聖徳大学児童学研究所」が運営する形で「おやこDE広場 にこにこキッズ」が開館しました。聖徳大学には児童学部があり、幼稚園教員・保育士などの養成課程がありますから、これまでの経験や実績を、社会に還元できればと思っています。

具体的な活動内容について聞かせてください

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:0歳児から3歳児までの未就園児を対象にした施設で、松戸市認定の子育てコーディネーターが子育ての相談に乗ったり、子育て支援サービスなどの紹介をしています。利用者は近隣の方が多いのですが、JR・新京成線「松戸」駅から近いこともあり、電車やバスに乗って来館される方もいらっしゃいます。市内には他にも「おやこDE広場」はありますが、当施設に関しては0歳児・1歳児の利用が多いですね。

「にこにこキッズ」の特徴を教えてください

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:3歳になれば、1歳児よりも身体は一回りも二回りも大きくなります。それを踏まえて、0歳児・1歳児だけを対象にした“赤ちゃんタイム”を設けました。この時間帯の主役を赤ちゃんにすることで、子どもたちが安全にのびのびと遊べるだけでなく、お母さん同士もゆったり交流できる環境になりました。

本田さん:それ以外の特徴としては、本学に在籍する幼稚園教員・保育士を目指している学生が、ボランティアとして活動していることも挙げられます。「おやこDE広場 にこにこキッズ」は、学生にとって実践の場としても機能しているのです。ここで学んだことや感じたことを、学業に活かしてもらいたいですね。また大学の教員がサポートしているので、研究者の立場からのアドバイスももらえます。

施設内を見渡すと、色々な玩具がありますね

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

本田さん:実績、経験ともに豊富な教員が選んだものです。玩具は消耗品ですから、そこまで力を入れる必要はないという意見もあるかもしれませんが、子どもたちが成長していく一助になるような“発達を促す玩具”にこだわりました。木製が多く、遊びを通じて学びを得られる玩具ではないかと思います。

先ほどの“赤ちゃんタイム”以外にも、何か特色のある試みはありますか

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:月2回、“絵本の読み聞かせ”をしています。どの絵本にするかは、子どもたちの年齢や雰囲気から判断して決めています。それと、初めていらっしゃる方が次回も来やすいように、コミュニケーションの場である“おしゃべりタイム”を設けました。子育て中のお母さん達がたくさんの方と出会って話をするなかで、人と人との輪を広げてもらえたらうれしいですね。

これから「おやこDE広場 にこにこキッズ」を、どのような施設にしていきたいとお考えですか

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:初めての方には、また来たいと思ってもらえるような雰囲気づくりを。何度も通ってくださっている方に対しては、これからも同じように利用してもらえように、身近な存在であり続けたいですね。子育てを経験した私たちが力になれることはたくさんあると思います。お子さんの成長を逐次報告してくれる方もいますから、こうした良い関係を大切にしていきたいと思っています。

“松戸市で子育てをする”ということについて、どのような印象を持たれていますか

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

本田さん:松戸市は、おやこDE広場のような施設はもちろん、本学と連携して子育て支援のスタッフの養成を行うなど、子育てや教育にはとても熱心な自治体だと思います。周辺地域に関して言えば、すぐ近くに「松戸中央公園」があるなど、屋外で遊べる環境も整っています。親御さんにとっては、子育てのしやすい環境ではないかなと思います。

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

今回、話を聞いた人

おやこDE広場 にこにこキッズ
遠藤眞貴子さん、齊藤とよ子さん、沖真貴さん、本田宗治さん

所在地:松戸市松戸1155 聖徳大学1F館
活動日:水・木・金曜日10:00~15:00(年末年始・お盆、祝日は休館)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/dekakeyo/hirobalist/nikonikokids.html

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

子育ての先輩が寄り添ってくれる施設/おやこDE広場 にこにこキッズ 遠藤眞貴子さん・齊藤とよ子さん・沖真貴さん・本田宗治さん
所在地:千葉県松戸市松戸1155 聖徳大学1-F館
電話番号:047-365-1111(代表)
開館時間:10:00~15:00
開館日:火~金曜日(祝日、大学休日は休み)
https://www.seitoku.jp/chizai/?page_id=8

元気な街で活き活きと音楽を指導 温かい目、長い目で子供の成長と真摯に向き合う/アベノミュージックセンター インタビュー


アベノミュージックセンター インタビュー

元気な街で活き活きと音楽を指導
温かい目、長い目で子供の成長と真摯に向き合う

「ヤマハ音楽教室」の理念は、音楽を通じて豊かな人間性を育むこと。ここ「アベノミュージックセンター」では、親子の触れ合いを大切に、子供の個性を尊重しながらレッスンを行っている。今回は、幼児科コースの講師を務める山西先生とスタッフの松井さん、先生と保護者の橋渡し役を担う浅利さんにお話を伺った。

ヤマハならではの特徴を教えてください。「適期教育」というものがあるそうですね?

松井さん : 適期教育というのは、子供たちの成長に応じたカリキュラムを組む、ということです。聞く力というのは3歳後半から6歳くらいがピークなんですが、一方で、指の力は6歳から小学校いっぱいくらいがピークなんです。指の力がまだ出来上がっていない子に難しい曲を弾いてもらうには無理がありますから、年齢に合ったレッスンを行うようにしています。
山西先生:心と体の発達に合わせた教育のことですね。聞く力をまず育てて、聞いたものを歌ってもらい、歌ったものを今度は弾いてもらう。そうすることで表現力がついていきます。将来は曲を作るということにつながって行くのですが、自分で作ったものを自分で表現する、これがヤマハのカリキュラムの特徴ですね。

「曲を作る」というのはすごいですね?

アベノミュージックセンター ピアノ

松井さん:ヤマハは“自作自演”を目標のひとつにしています。自分で作った曲を自ら演奏して、聞きに来てくれた人と感動を分かち合う。山西先生が教えている生徒さんも立派な曲を作っているんですよ。世界にひとつだけの曲なんです(笑)。子供たちに合った適期教育の中で、無理なく楽しくできることが大切だと思います。

子供たちに興味を持ってもらうために工夫されていることはありますか?

アベノミュージックセンター プライマリー

山西先生:幼児科では「プライマリー」というテキストを使っているんですが、明るい曲だったり、悲しい曲だったり、元気な曲もあれば、静かな曲もある。そういうものがバランス良く取り入れられているんですが、それをレッスンの中で、声のトーンだったり、テキストに載っている絵を使ったり、メリハリをつけながら興味を持ってもらえるようにしています
松井さん:1時間のレッスンの中には、聞いて歌って、弾いて楽譜を読むというのがありますから、先生方は色んなメニューを考えて、子供たちの興味を引き付けるような工夫をして下さっています。

保護者の方はどのような形でレッスンに関わるのでしょうか?

アベノミュージックセンター

山西先生:幼児科では、お子さんの隣で一緒に歌っていただいたり、手の動作を伴って音楽に参加して頂いたり、色んな形で一緒に楽しんでもらえるようにしていますね。そうすることで、ご家庭に帰られてからの家庭学習にもつながります。

保護者の方の中には、音楽が苦手という方もいらっしゃると思いますが?

アベノミュージックセンター

山西先生:音楽を経験したことがないというお母さんはいっぱいいらっしゃいます。ただ、レッスンの中で講師の方から「今からこうやってくださいね」など、言葉掛けを丁寧にさせていただいていますので、最初は不安を感じられていても、お子さんと一緒にやっていただけるような意図をはっきりと伝えれば、安心していただけているように感じます。

スクールの雰囲気作りで心掛けていることはありますか?

アベノミュージックセンター 内装

松井さん:明るく温かい雰囲気の中で通っていただくことを大切にしています。ヤマハの音楽教室の創始者の理念でもあるんですが、音楽を通じて、豊かな人間性を育むというのがあるんです。大きくなった時に、それぞれが立派な社会人になって欲しいという願いがあります。音楽を教えるだけではなく、グループレッスンなどを通じて、社会性や協調性を学んで欲しいと考えています。それに加えて、幼児期の子供さんは、お母さんとスキンシップすることで非常に情緒が安定するということがありますので、お母さんとの触れ合いというものを大切にしています。

子供の性格は様々だと思いますが、どのようなに接していますか?

アベノミュージックセンター

山西先生:幼児科は2年間というのが一つのスパンなんですが、最初は控えめだったお子さんも、毎週通うことで慣れて来るんですね。そうすると、「お友達がやっているから私もやってみようかな」という良い意味での刺激があります。それがレッスンの中で積み重なることで、最初は消極的だった子が「やってみようかな」「やってみたらちょっと楽しくなってきた」という風になったりします。大切なのは、お子さん一人一人が違う性格を持っていますので、温かい目で、長い目で見てあげること。お子さんのことで気にしているようであれば、お母さんにお声掛けをさせていただくこともあります。
松井さん:長年見ていて不思議なんですが、子どもはあっという間に変わっていくんです。慣れるまでに時間がかかる子ももちろんいますが、それは能力の差ではなく個性の違いなんです。期間をかけながら、じっくり音楽が体中に染み込んでいくよう心掛けています。

この仕事の“やりがい”を教えていただけますか?

アベノミュージックセンター

山西先生:色々ありますね(笑)。私自身、音楽が好きというのがありますので、そういう仕事に携われることにやりがいはもちろん感じます。それに、何より受け持っている生徒さんの音楽的な成長を見られた時、できなかったことができるようになった時のやりがいは本当に大きいです。そして、子供の成長は本当に早いんですが、社会栓や協調性、そういったものの成長を間近で見られると「大きくなったなあ」って感慨深いものがありますね。
松井さん:ヤマハ音楽振興会の指導スタッフの先生が話されていたのですが、幼稚園とか学校でも、担任の先生は2年くらいで変わったりするんですね。でもヤマハは1歳のコースからありますから、ずっとお子さんの人生そのものと関わっていくんです。学校の先生よりも長く子供と付き合っていることになります。子供の成長を間近で見ることができるのは、何物にも変えがたいやりがいだと思いますね。

ここからはスタッフと保護者の皆さんとの橋渡し役である、浅利嘉代さんにお話をお伺いします。先生や保護者の方、子供さんを大所高所から見ておられると思いますが、どのような心掛けで接していますか?

アベノミュージックセンター 浅利さん

浅利さん:保護者の方、お子さん、ひとりひとりを大切にしたいと思っています。レッスンルームから出てきたら、きちんと挨拶するとこから始まって、声をかけさせていただいています。お子さんのちょっとした事でもお話をさせていただいていると、そこからお話が膨らんでいくことが多いですね。

保護者の方の悩みはどのようなものがありますか?

アベノミュージックセンター レッスン室

浅利さん:レッスンの不安はもちろんあります。最初はうまくいかない事もあるかもしれませんが、「できないからといって今が全てではないんですよ」ということをわかってもらえるように心掛けています。それが出来るようになるために、先生方は双方に合うようにキメ細かくレッスンをしてくださっていますから。

子供の成長を感じることはありますか?

アベノミュージックセンター 入口

浅利さん:ほとんどしゃべれなかったお子さんが、2~3歳になると大人並みにしゃべるようになっていく。「随分、お話が上手になりましたね」っていう話をよくします(笑)。人見知りのお子さんがなかなか溶け込めないっていうこともあったんですが、スタッフのところに出席カードを一人で持って来られるようになったときには、本当に嬉しくなりました。最初はクラスに入ることも出来なかったお子さんの場合は、ステージに立てるようになった時、お母さんは号泣されていましたね。

最後に、それぞれが感じる阿倍野・天王寺エリアの魅力を教えてください。

アベノミュージックセンター

山西さん:まず立地条件、交通アクセスが良いことがあります。最近はハルカスとかキューズモールとか、色んな建物ができて、人も多くなり、以前よりも活気が出てきた印象です。
松井さん:そうですね。その活気がお母さん方、お子さんたちにも出てきている気がします。ターミナル駅ならではの活気なのかもしれませんね。私も生徒募集でチラシを配ったりするんですが、大阪府下の色んなところに行きましたけど、ここは本当に元気があります。
浅利さん:なんでも揃っていることではないでしょうか。駅の周りにキュッと街がある感じです。最近は都会的なところも出てきて、それでいて下町風なところもまだまだ残っています。よそゆきの格好をしなくても来られる、格好つけなくても来られる街ですね。

今回、話を聞いた人

アベノミュージックセンターインタビュー

ワタナベ楽器店取締役営業部長:松井啓介さん

アベノミュージックセンターインタビュー

スタッフ:浅利嘉代(あさり かよ)さん

アベノミュージックセンターインタビュー

講師:山西清香(やまにし さやか)さん

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

親子が安心できる場を提供する 地域に寄り添う子育てサロン/子育てサロン光ヶ丘 宮下由美さん・横井修加さん


子育てサロン光ヶ丘
宮下由美さん、横井修加さん

子育てサロン光が丘

子育て親子が安心できる場を提供する
地域に寄り添う子育てサロン

「光ヶ丘近隣センター」の2階で活動している「子育てサロン光ヶ丘」。周辺は、緑の多い落ち着いた街並みが広がっています。子どもたちを安心して遊ばせることができる場を提供し、同時に保護者同士の交流の場になっている「光ヶ丘近隣センター」を訪ね、活動内容を中心にお話を伺いました。

さっそくですが、「子育てサロン光ヶ丘」の概要について聞かせてください。

子育てサロン光が丘

立ち上げのきっかけは、柏市光ヶ丘地域ふるさと協議会からの要請でした。発足以来、地域の子どもたちの健全な成長をサポートする民生委員・主任児童員を中心に活動しています。子育てというのは親御さんにとっては大仕事。それを少しでも軽減し、助けられるようなサロンでありたいと考えています。事前申し込み等も不要で無料で参加できるため、気軽に足を運んでもらえたらと思います。

活動内容について、少し具体的に聞かせていただけますか?

子育てサロン光が丘

「光ヶ丘近隣センター」内の和室をお借りし、毎月第1・第3木曜日に活動しています。“活動”とは言いましたが、子どもさんの自主性を大切にする意味でも特別なことはせず、この広い空間を最大限に利用し、自由に遊んでもらえればと思っています。一方の親御さんには、ここを情報交流の場、相談の場として大いに利用していただければ嬉しいですね。

「柏みどり保育園」から、保育士さんがいらっしゃると伺いました。

子育てサロン光が丘

先生に来ていただく第3木曜日は、一緒に手遊びをしたり、子どもさんが好きな歌を歌ったりします。先生がいらっしゃることは保護者の間でも浸透しているようで、それを楽しみに来られる方も多いですね。どのような時間にするかは、先生にお任せてしているので私たちは見守っているだけですが、子どもたちの楽しそうな表情を見るだけで嬉しい気持ちになります。

他の子育てサロンとの違いなどあれば聞かせてください。

光が丘子育てサロンインタビュー

市内には他にも子育てサロンはあるのですが、「子育てサロン光ヶ丘」の場合は特に、遠くからいらっしゃる方が多いような気がします。当サロンの基本姿勢は“何事にも自然体で臨む”ということ。お互いが無理なく自然体で、楽しい時間を過ごすことが大切だと考えています。

活動にあたり、特に心がけていることなどあれば聞かせてください。

子育てサロン光が丘インタビュー

やはり何よりも大切なのは、安全だということですね。どれだけ楽しい時間を提供しても、ここで怪我をしてしまっては意味がありません。部屋を走り回る子どもさんがいたら、すぐに注意します。それ以外には、遊び終えた玩具を消毒することですね。ひとつずつ手作業で消毒するので時間は掛かってしまいますが、念には念を入れて、安全性を確保することは大切だと考えています。

「子育てサロン光ヶ丘」の活動に携わっているなかで、何か感じたことなどはありますか?

子育てサロン光ヶ丘インタビュー

この場にいると、色々な遊びを覚えられます。運営スタッフの中には、お孫さんを連れてきて一緒に遊んでいる方もいらっしゃるんですよ。子どもたちと接していると色々なことが学べますし、遊びを通じて新しい発見がありますから、本当に有意義な時間を過ごしているなと感じますね。

子育て環境としての南柏エリアはどのように感じていますか?

中原ふれあい防災公園

近くには「麗澤大学」があり、静かな学生街といった雰囲気が漂っています。都心部と比べると緑に恵まれているので、より落ち着いた環境下で子育てができるのではないかと思います。特にオススメは「中原ふれあい防災公園」です。広大な園内を歩いていると本当に気持ちいいですよ。四季の移り変わりを感じながら、子どもさんと散歩をするのもきっと楽しいと思います。

子育てサロン光が丘

今回、話を聞いた人

子育てサロン光ヶ丘

宮下由美さん(写真左)、横井修加さん(写真右)
所在地:千葉県柏市光ヶ丘団地200-5 光ヶ丘近隣センター2階
電話番号:04-7149-0390

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

親子が安心できる場を提供する 地域に寄り添う子育てサロン/子育てサロン光ヶ丘 宮下由美さん・横井修加さん
所在地:千葉県柏市光ヶ丘団地200-5 光ヶ丘近隣センター2階 
電話番号:04-7149-0390

仲間の「和」「輪」「笑い」 ママたちが持っている力を引き出す/子育てサロン「わ」 増田鉦子さん


子育てサロン「わ」 増田鉦子さん

子育てサロン「わ」

仲間の「和」「輪」「笑い」
ママたちが持っている力を引き出す

「我孫子」駅はJR常磐線と成田線が乗り入れる駅で、北千住までは快速で25分で到着する東京のベッドタウンである。1997(平成9)年以降に再開発計画が進展し、駅前ロータリーや駅前ビル、国道6号へ接続する道路などが整備され、より暮らしやすい街へと発展している。また駅から徒歩圏に新興住宅地が広がり、転入するファミリー層も増えている。そんな我孫子市で活動する子育てママ支援の場、子育てサロン「わ」で、我孫子市の子育てサポートについてお聞きした。

子育てサロン「わ」の概要についてお聞かせください

子育てサロン「わ」

子育てサロン「わ」は、仲間の「和」「輪」「笑い」の中で親子が楽しく過ごすことを目的に、「子育て中のママさんたちが孤独を感じないように」、「育児の大変さから気が紛れるように」と、我孫子市の北地区社会福祉協議会のメンバーで運営しているものです。
月1回、第3火曜日に我孫子北近隣センター並木本館で近隣センターを管理している我孫子北まちづくり協議会と共催で開催しています。参加は無料、申し込みも不要ですので、気軽に参加してほしいですね。対象は0才~未就園児のお子さんとその保護者で、毎回テーマを決めて実施しています。例えば、親子の簡単な工作、絵本の読み聞かせや保健師を呼んでの相談会など、お母さんの悩み解決から子どもが楽しめるものまで、幅広いテーマにするように心がけています。

サロンの流れなどを教えてください

子育てサロン「わ」

10時から会場は開いていますので、ママとお子さんたちは入っていただき、おもちゃで自由遊びをします。北地区社会福祉協議会のスタッフの手づくりのおもちゃも多いので、どれも素朴で優しいおもちゃです。
10時20分になったら、全員での自己紹介タイム。毎回約3割の方は初めて参加される方なので、この自己紹介で全体の雰囲気がほぐれます。自己紹介が終わったら、手遊びタイムです。元保育園教諭のスタッフによる歌や手遊びでは、子どもたちが好きな「アンパンマン」の歌などで、お母さんも一緒に歌って遊びます。
そして10時半からは、その日のテーマの活動です。今日はクリスマス・ブーツづくりを親子で行います。そして10時50分からは木のおもちゃで遊ぶ時間、最後はお誕生日のお子さんに手づくりのテディベアをプレゼントするハッピーバースデー・タイムで、11時半には会が終了します。

お母さんやお子さんたちと接するうえで、心がけていらっしゃることは何ですか?

子育てサロン「わ」

この子育てサロン「わ」は、ママたちが持っている力を引き出す役割ですので、ママたちが自然に交流することが大前提です。ですから、あまりこちらからは積極的に介入せず、サポートが必要な時にちょっと背中を押してあげたり、という役目ですね。
個人的には、全てのママと必ず1回は話すことを、心がけています。子育て中の悩みや孤独感は、同年代のママたちと友だちになることも大切ですが、ただ話を聞いてくれるだけのおばあちゃん役も時には必要。何か話したくなったら、このサロンに来てほしいと思います。

0才から3才という幅広い年齢の子どもが一緒に遊ぶうえで、気をつけていることなどはありますか?

子育てサロン「わ」

工作などでは、1才と3才ではできることが違いますので、例えば1才のお子さんならシール貼りなどの簡単な作業、3才のお子さんであれば絵を描いたり糸を通したりと少し複雑なこともやってもらいます。別々の活動をするのではなく、あえて異年齢の子どもたちを一緒に遊ばせ、できることを楽しむ。すると隣のお兄さん・お姉さんがやっていることを見て、小さい子は学び・模倣することで、できることも増えるようです。

お母さんも、「あと1年経つとあんなことができるようになるのか」とよそのお子さんを見て想像できるようになり、同じ年齢のお子さんと接することで「泣くのはウチの子だけじゃないんだ」と安心したり、色々な人と交わることで勉強にもなります。
最近は0才の赤ちゃんを連れたママさんも多く参加して下さるので、安全面にも配慮して開催しています。

この地区のママさんたちを見て、感じることはありますか?

子育てサロン「わ」

子育てに積極的ですし、子どもへの愛情も充分注いでいらっしゃるし、今のママたちはスゴイ!と思います。その愛情を一身に受け、子どもたちも精神的に安定していますし、発育状況も素晴らしいですよ。

私は元保育士だったこともあり、そこで教えてもらった知識をチャンスがあれば、ママたちにお伝えしています。例えば、子どもは体が小さいだけで、感情も情緒も大人と同じ位キメ細かいということ。ですから子どもの感情は頭から否定しないで、いったん受け入れて、対処することが大切です。
子どもへの愛情は、たくさん話しかけてあげることで、より注ぐことができます。そして子どもも話をしてもらうことで、その愛を受け取ることができる。対話を通して、親子の情愛を育ててほしいと願っています。

我孫子市の魅力はどんなところですか?

子育てサロン「わ」

我孫子市の子育て支援は非常に充実していると思います。例えば、火曜日以外毎日利用できる子育て支援センターの「にこにこ広場」(我孫子駅南口アビイクオーレ)や、日曜日以外は毎日利用できる「すくすく広場」(天王台駅南口)などがあります。
このように曜日をズラして、育児中のママの行き場がきちんと確保できるように配慮されています。
また保育園の園庭解放や一時託児、病児保育など、ママたちをサポートする仕組みも沢山あります。育児中のママにとっては、とても住みやすい街だと思いますよ。

子育てサロン「わ」

今回、話を聞いた人

我孫子北地区社会福祉協議会
子育て支援プロジェクト 子育てサロン「わ」

増田鉦子さん(写真右)

活動場所:我孫子北近隣センター 並木本館
千葉県我孫子市並木5-4-6 電話番号:04-7157-4517
問合せ:04-7165-3434(我孫子北地区社協)(月~金)
代表者:戸屋眞一郎さん

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

仲間の「和」「輪」「笑い」 ママたちが持っている力を引き出す/子育てサロン「わ」 増田鉦子さん
所在地:千葉県我孫子市並木5-4-6 
電話番号:04-7165-3434(我孫子北地区社協)(月~金)

六義園の邸宅街を支える「大和郷会」/一般社団法人大和郷会 理事長 田口邦臣さん・副理事長 伊東久信さん


一般社団法人大和郷会
理事長 田口邦臣さん
副理事長 伊東久信さん

六義園の邸宅街を支える「大和郷会」

文京区本駒込6丁目「六義園」を囲む邸宅街で実質的な“町会”として活動している、一般社団法人大和郷会(やまとむらかい)。社団法人が町会活動を一手に担っているのは全国的にも非常に珍しいケースだが、それに加え、大和郷会では「大和郷幼稚園」の経営も行っているという。こういった非常に特殊な運営形態をとっている背景には、本駒込六丁目を中心とした住宅地域、通称「大和郷」の特殊な歴史が起因している。今回は大和郷会の理事長・田口邦臣氏と副理事長・伊東久信氏にお会いし、大和郷の由来と特徴、町会活動の現状などについてお伺いすることができた。

そもそも「大和郷」とはどのような地域なのでしょうか

理事長、副理事長

伊東:まず「大和郷」の概念ですが、地域としては国道17号(白山通り)、不忍通り、本郷通りに囲まれた地域を指しまして、もともと三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎さんが、最初に1878(明治11)年くらいでしょうか、この地域の土地を買いまして、その後、1921(大正10)年に、3代目の岩崎久弥さんが「理想の都市を作ろう」ということで、中産階級向けに分譲した地域なんですね。

本郷通り側の土地はその後も岩崎家「保留地」ということで分譲せずに岩崎さんが持ち続けて、庭園部分は1938(昭和13)年に東京都に寄付され、現在の「六義園」になっております。

六義園

弥太郎さんが所有していた最初の頃は、大和郷全体にレンガ塀を巡らせていたそうでして、弥太郎さんの弟の弥之助さんが作庭が好きな方だったものですから、「六義園」の庭をきれいに改修されたんです。弥太郎さんの長男、岩崎久弥さんの時代になりますと、世相なども受けて、「ノブレス・オブリージュ」(高貴な者の社会貢献)という視点が生まれてきまして、分譲を行うことになったそうなんです。

ここに1922(大正11)年の大和郷の地図があるのですが、岩崎さんがその後も持っていた土地については、「保留地」と書いてありますね。現在の「六義園」と、その南北の土地になります。「六義園」の南北の土地については、最初の分譲の時にはまだ岩崎さんが持っていて、その後、追加で分譲したんですね。中央に「小公園」と書いているところが、現在の「大和郷幼稚園」の場所です。

六義園 地図

面白いのは大和郷は現在の文京区(旧本郷区、小石川区)と豊島区にまたがっているんですね。本郷区上富士前町、小石川区駕籠(かご)町、豊島区巣鴨一丁目という、3つの行政区域にまたがっていたんです。その広い地域を一度に分譲しましたから、それを一括する組織として「大和郷会」という社団法人を作ったんですね。今でも大和郷は文京区と豊島区にまたがっていますが、文京区のエリアについては、私たち大和郷会が、本駒込六丁目としての町会業務を担っております。

大和郷と言えば、伝統のある高級住宅街として知られていますが、それは何故でしょうか?

一般社団法人大和郷会

伊東:大和郷では分譲直後の1923(大正12)年に関東大震災があり、戦災でも多くのお宅が焼けてしまいましたが、それでも、1922(大正11)年からずっとお住まいになっている方もけっこういらっしゃいます。

一般社団法人大和郷会

お住まいになっていた方も、三菱グループの重役や、政治家、官僚、実業家、学者が多くいらっしゃいまして、中産階級向けとは言いましても、アッパークラスの方が多く住まわれていたんですね。元総理大臣だった加藤さんや若槻さん、商工大臣だった俵さんなどもお住まいでしたし、美智子皇后のご実家の正田邸も、一時期ここにありました。昔は「大和郷で組閣ができる」と言われていたほどなんですね。

田口:正田さんも、池田山のお宅を作る前の短い期間ですけれども、俵さんから家を借りて、ここに住んでいらっしゃたんです。

三菱財閥が所有する以前は、どのような性格の土地だったのでしょうか?

一般社団法人大和郷会

伊東:もともと大和郷の地域は、ほとんどの部分が加賀藩前田家の中屋敷でした。上屋敷は東大の辺り、中屋敷は大和郷の辺り、下屋敷が板橋区の加賀町辺りにありまして、どれも中山道に面していたんですね。そのうち中屋敷は、隠居した大名が主に住んでいるお屋敷だったそうです。

染井霊園

明治になって廃藩置県が行われまして、藩が持っていた土地は幕府に返納されましたから、それを岩崎弥太郎さんが1878(明治11)年ぐらいに買ったんですよ。本当は現在の山手線を越えて向こう側まで、岩崎家の土地だったそうなんですね。ですから今でも、「染井霊園」に隣接して岩崎弥太郎さんの墓があるんです。こういった経緯があって、明治になって岩崎さんが購入した土地のうち大和郷部分をレンガ塀で囲って、中を「駒込別邸」としていたんですね。

なぜ「村」ではなく「郷」と書くのでしょうか?

お二人

伊東:これについては、昔は「大和村」と表記していまして、今の「郷」というのは、こちらとしては「苦肉の策」なんです。もともと大和村というのは、「大いに和を為す村」という意味がありましたが、当時の内務省から、「東京市内に、行政区の“村”と同じ名前があるのはまぎらわしい」と指摘されまして、名前を変えろということで、郷という名前を付けたというのが、実際のところです。

幼稚園に大和郷会の事務所があるのは不思議ですね

古地図

伊東:今はこの幼稚園舎の一部が大和郷会の事務所になっていますが、そもそもここに幼稚園ができたきっかけも面白いんです。岩崎家から分譲されて大和郷ができた当時、地図を見ると、ここは「小公園」となっていますよね。もともとの大和郷会の事務所は、その公園の向かい側にあったんです。

一般社団法人大和郷会

「小公園」の土地は将来、大和郷会に寄付するという約束で小公園だったそうなんですが、その時、岩崎家から大和郷会に伝えられた要望が、「児童のために使う土地にしてほしい」という事だったんです。それを大和郷会のメンバーで考えた結果、公園として整備すると整備費用と維持運営費用が莫大になるため、「子どものための教育の場」にしてはどうだろうという話になったそうなんです。そこで岩崎久弥さんに話したら賛同して下さったので、ここに幼稚園が生まれたんですね。そしてその後に事務所もこちらに移りました。

一般社団法人大和郷会

「大和郷幼稚園」は基本的には大和郷在住の方の子弟のための施設だったのですが、開園当初からご紹介のある方について入園していただいています。社団法人が立てた幼稚園というのは、全国的にも非常にレアケースだと思います。1995(平成7)年からは学校法人になりまして、「学校法人大和郷学園 大和郷幼稚園」となっていますが、町会と幼稚園は一体で運営されていまして、私達も今でも町会と幼稚園、両方の理事長、副理事長ということでやっております。

大和郷会の現在の活動内容と、将来の展望について教えてください

一般社団法人大和郷会

伊東:町会活動については、文京区本駒込6丁目については特に、普通の町会と同じように行っています。巣鴨1丁目に関しては、町会業務の協力という形になっています。

一般社団法人大和郷会

会報誌としては「大和郷だより」というものを作りまして、年に4回、800部刷って大和郷会員、幼稚園の保護者、その他関係先などにお届けしています。関係先というのは文京区など行政関係もありますが、以前ここにお住まいだった方などにもお送りしています。昔ここにいらっしゃた方でも、昔を懐かしんで、散策に来られる方も多いようですね。

理事長-1

田口:今では通りで子どもが遊ぶなんて事は無理ですけれど、昔は、この道路が子どもの遊び場だったんですよ。石蹴り、凧揚げ、キャッチボールなども道路でやっていました。そういう思い出があるから、みなさん散策されるんじゃないんですかね。大和郷は戦前から、電柱が一本もなかったんです。すべて地下に埋設していたんです。今はそうではなくなってしまいましたが、私が子どもだった頃は、とっても広々とした感じだったです。家の前の通りでローラースケートだってできたんです。

それから、大和郷の地域には道の両側に歩道が付いているでしょう。あれも昔からあるものなんです。当時は、歩道がある通りというのは銀座の次だったということです。

一般社団法人大和郷会

伊東:大和郷会はもともと公益社団法人として運営していたんですが、2013(平成25)年の4月から一般社団法人になりまして、それに伴って定款、規約もすべて変更しました。会員の福利増進、厚生施設の運営、教養趣味、社会生活の向上という、いわゆる「生涯学習事業」に加えて、幼稚園への土地貸与、乳幼児への園庭開放をしています。

一般社団法人大和郷会

それとともに、「地域社会における公共団体の事務に対する協力事業」ということで、定款では新たに「大和郷学園」の事業を足し込んで行っています。それが大和郷会の事業内容ですね。

 

 

スポーツ事業としては、ゴルフ、気功、ヨガ、健美操、ウォーキング、ハイキング、社交ダンス、フラダンスなどを行っています。会場には幼稚園の建物の上にある集会室を使っております。いずれも、大和郷会の方が対象となっているものです。その他、新年会や家族会などの年中行事も行っています。新年会は1925(大正14)年に大和郷会ができて以来の伝統行事で、90年近く続いているものです。例年、皆さん結構お越しになりまして、80人くらいは参加者が集まります。

理事長副理事長

田口:大和郷会の活動はいろいろとありますけれども、つまりは、公益性をもった地域限定の社団法人ということです。そして会員や活動も地域限定になっています。もちろん、新しく他所から引っ越して来られた方でも、お入りいただけますので、新しい方にもぜひいらしてほしいですね。

今回、話を聞いた人

理事長、副理事長

一般社団法人大和郷会
理事長 田口邦臣さん(写真右)
副理事長 伊東久信さん(写真左)

住所:東京都文京区本駒込6-9-7
電話番号:03-3944-2043

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

六義園の邸宅街を支える「大和郷会」/一般社団法人大和郷会 理事長 田口邦臣さん・副理事長 伊東久信さん
所在地:東京都文京区本駒込6-9-7 
電話番号:03-3944-2043

育児相談、親子イベント、思い思いに遊ぶ時間・・・ 子どもたちとママパパの頼れる場所/南部みんなの広場 職員 福井 恵子さん・成井 景子 さん


「南部みんなの広場」
職員・福井 恵子さん、成井 景子 さん

南部みんなの広場

0~18歳の子育てや成長を応援!
育児相談、親子イベント、思い思いに遊ぶ時間・・・
子どもたちとママパパの頼れる場所。

「南部公園」の潤いが身近に感じられる「柏市役所 南部近隣センター」内に「南部みんなの広場」があります。乳幼児がいる親御さんが子どもを安心して遊ばせたり、小学生、中学生以上の子どもたちが気軽に来てすごせる場としてや、子育ての情報交換の場としても機能しています。定期的なイベント活動などもあるようです。具体的にはどのような取り組みを行っているのか、今回は、職員の成井さんと福井さんにお話を伺いました。

「南部みんなの広場」とは、どのような場所なのでしょうか?

南部みんなの広場

柏市役所には7ヶ所の児童センターがあります。児童センターとは、0歳~18歳までの子どもを対象にした、子どものことを考えるみなさんのための場所です。

「南部みんなの広場」は、そのなかのひとつです。開館時間である10:00~17:00までであれば、いつでも自由に利用していただけます。就学前のお子さんは保護者の付き添いが必要ですが、利用料も掛かりませんし、事前に申し込む必要もないので気軽に遊びにきていただきたいと思います。

対象が0歳から18歳までとは幅広いですね!年齢が異なる子どもたちが集い、どのようにすごしているのでしょうか。

南部みんなの広場

カードゲームをしている小学生がいる一方で、そのすぐ傍で読書をしている中学生がいたり、といった具合です。年齢が異なることで問題が起きるということはなく、同じ空間で色々な子どもたちが各自の思い思いの時間や、共に関わる時間を楽しそうに過ごしています。
社会に出れば、相手と年齢が違うというのは当たり前のことです。そういった意味では、このような環境で過ごす時間というのは、子どもたちにとってなかなか貴重かもしれませんね。

「南部みんなの広場」では、自由に過ごす日常活動の他に、定例イベントで「子育て広場」や「0歳コーナー」があるそうですね。どんな活動なのか教えて頂けますでしょうか。

南部みんなの広場

まず、「子育て広場」というのは、毎週火曜日と木曜日の10:00~12:00に乳幼児とその保護者向けに開いているもので、子どもたちと手遊びをしたり、読み聞かせなどをしたりします。また、親子同士の交流を通し友達づくりの場となっています。広い部屋なので、みんなのびのび楽しそうに遊んでいますよ。

南部みんなの広場

「0歳コーナー」は、毎週水曜日の14:00~15:00がその時間となっています。こちらは親御さん同士の交流を目的としたものです。子育てをしているなかで、分からないことや不安なことがあるかと思います。ここで積極的に情報交換などをして不安を解消したり、友達をつくり安心して子育てができるようになるきっかけの場となってもらえたらいいなと思います。

その他に定期的に行われているイベントや、「南部みんなの広場」ならではの活動はありますでしょうか。

南部みんなの広場インタビュー

他には、定期的に「伝えたい季節の折り紙」、「ふれあい囲碁サロン」や「卓球教室」なども開かれます。この地域の高齢者の方などがボランティアで講師を務めてくれます。月に2回「みんなの喫茶」も行われ、美味しい飲み物、手作りクッキーを食べながら、世代の違う人たちが交流する場でもあるのです。
児童センターは他にもありますが、「南部みんなの広場」は特に、そうした世代間交流が盛んなような気がしますね。

子育ての悩み相談から、さまざまな人との交流まででき、子育て世代には心づよい施設ですね。

南部みんなの広場

そうですね。他にも、教員だった方がボランティアとして勉強を教えてくれる「ひろば・色えんぴつ」が同じ「南部近隣センター」内で開かれていたりもします。ここは子どもたちにとっても、親御さんたちにとっても嬉しい施設だと思います。
遠くの街から通って来てくれる子もいるんですよ。

子育てをする上で、周辺環境はいかがでしょう。逆井の街の魅力を教えてください。

南部公園

自然が身近にあることでしょうか。「南部公園」を少し歩くだけでも、色々な樹木が植えられているのが分かると思います。ソメイヨシノをはじめ、ツツジ、ツバキ、コナラ、クヌギなど、季節ごとに異なる顔を見せてくれます。この緑地公園は、子どもだけでなく私たちにとっても大切な場所です。少し疲れたときに散策すると、清々しい空気に囲まれてホッとしますね。

そのほかに、おすすめの場所などがございましたらぜひ教えてください。

リフレッシュプラザ柏

バードウォッチングが楽しめる「南増尾小鳥の森」もいいですね。都心部ではすっかり珍しくなった雑木林が広がっています。木々をすり抜けやってくる風は本当に素敵ですよ。
それ以外には、プール、トレーニングルーム、温浴施設が設けられた「リフレッシュプラザ柏」もおすすめです。土・日曜日は駐車場が一杯になるくらいの人気の施設なんです。また、「リフレッシュプラザ柏」の近くには新しく公園ができるそうなので、それが完成したら、さらに楽しい場所が増えるかもしれませんね。

南部みんなの広場

今回、話を聞いた人

南部みんなの広場

福井 恵子 さん、成井 景子 さん

住所:千葉県柏市新逆井2丁目5-13
  (柏市役所 南部近隣センター内)
電話番号:04-7173-1333
http://kosodate.city.kashiwa.lg.jp/area/nanbu/top_nanbu.htm

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

育児相談、親子イベント、思い思いに遊ぶ時間・・・ 子どもたちとママパパの頼れる場所/南部みんなの広場 職員 福井 恵子さん・成井 景子 さん
所在地:千葉県柏市新逆井2丁目5-13 
電話番号:04-7173-1333
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/07..

生まれ育った街で、こだわりのフレンチを。/レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム オーナーシェフ 五十嵐浩司さん


レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム
オーナーシェフ 五十嵐浩司さん

生まれ育った街で、こだわりのフレンチを。

「六義園」を擁する緑に恵まれた駒込エリアは、要人たちの邸宅が集まっていたことから、今なお高級住宅地として認知されている人気地区。同時に昔ながらの商店街の風景や、人懐っこい下町の人々の温かさも感じることのできる場所でもある。そんな駒込に2013(平成25)年にオープンした「レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム」は、旬の野菜とこだわりの食材で彩るフランス料理のお店。駒込で生まれ育ったというオーナーシェフの五十嵐浩司さんに駒込の魅力をたっぷりお聞きした。

さっそくですが、料理人という職業を志した理由をお教え下さい。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

両親が駒込で寿司屋を経営していましたので、手に職をつけたいという思いは若い時からありました。ただ寿司や和食の料理人ではなくフレンチに進んだのは、ちょっとした反抗心だったかもしれません。両親共々店に出ていたので食事は店屋物が多く、野菜は小さい頃から本当に苦手(笑)

なので、あえて野菜中心のフレンチレストランにした理由は、野菜ギライな自分への戒めです。どうすれば野菜を好きになれるのか、苦手意識を克服したいと、あえて野菜をテーマにしたお店に挑戦しました。でも野菜が苦手な人の気持ちが理解できるというのは、今の仕事には非常にプラスになっていると思っています。

駒込で開店されたきっかけはどういうものだったのでしょうか。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

きっかけは50年続いた父の寿司屋が閉店したことでした。それまでいた赤坂の店は開店から10年経ち、お客様にも認知していただき経営も安定した状態だったのですが、駒込という昔ながらの街並みと人が残ってる場所で、野菜にこだわったフレンチという店を開いてみたくなったんです。安定かチャレンジかの分かれ道に立つと、必ず大変な方を選択してしまう。これはもう性格ですね。

本当は親父の寿司屋の跡地に店を開ければよかったのですが、諸事情があり今の場所にオープンすることになりました。子どもたちも留守番できる年齢になりましたので、現在は夫婦二人で切り盛りしています。

赤坂と駒込では雰囲気が随分違うのではないでしょうか。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

駒込というと高級住宅街のイメージが強いと思いますが、この店がある商店街は下町の雰囲気が未だ残る場所。なので食事は気軽に入った店でサッと食べるという感覚が根強くて、最初は予約して店に来てもらうことも難しかったんです。お店の雰囲気はお客様と協力して作りあげるものだと思いますので、一緒に「食に対する意識」「食べ手の意識」をゆっくりと育てていきたいというのが私たちの思いです。

例えばウチの店はギッチリ詰めれば15名入りますが、通常10名程度までで、後からお客様がいらっしゃっても僭越ながらお断りしています。今ここで食事をされている方が、気持ちよく・美味しく・居心地よく過ごしていただくことを一番に考える。食事というのはただ「食べて、旨かった、ご馳走さん」というだけでは括れないプラスアルファの部分があります。それが食文化であり、それを成熟させることが私たちの使命であると思っています。

メニューやレシピを考える時、心がけていることはありますか?

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

基本的に「絶対に手を抜かない」「ズルをしない」のが自分のポリシーです。 本来、食べ物は体を健康にするもの。化学調味料を使用せずワインもオーガニック、野菜も可能な限り低農薬のものを仕入れているのは、外食は体に悪いという考えを覆したいからです。体に良いものを摂ると、動物としての人間の体が、そして細胞の隅々までが喜びます。二日酔いで頭痛もおきませんし、肌の調子もよくなる。そんな「人間の営みに合わせた料理」「細胞が美味しいと思う料理」を提供したいとずっと考えています。

せっかく四季折々に旬があり、野菜の種類も豊富な日本に生まれたのですから、夏には体を冷ます作用のある野菜、春はデトックスの効果がある野菜、冬は体を温める根菜など、繊細な変化を楽しんでほしいですね。

繊細な野菜をテーマにしているということで、難しさを感じる部分はありますか?

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

野菜は保存ができないので、すぐに使い切らなければいけないのが大変です。野菜の仕入れはその時々で一番美味しい野菜をお任せで届けてもらっています。初めて見る野菜が入っていることもありますが、新たな挑戦と思い、楽しみながら料理しています。あとは、シェフが自分独りなので、提供するメニューには限界があるということくらいでしょうか。

野菜は、噛んだ時にふわっと広がる香りや食感が命です。繊維をしっかりと噛み、唾液と一緒に咀嚼することがとても大切。紫の人参や紅芯大根など、八百屋やスーパーではあまり目にしない珍しい野菜も美味しい料理にしていますので、是非、野菜そのもの味や食感を味わってほしいですね。

自慢のメニューを教えてください。

アスパラのブリュレ、夏限定の焼きナスのアイスなど、ほかでは味わえない楽しいデザートは自慢ですね。そして一番楽しんでほしいのは盛り付け! 最後のフィニッシュである盛り付けは遊びの要素たっぷりで僕が大好きなところ。お出しした時のお客様の反応にワクワクしてます。

お医者さまや栄養士の方々とプロ向けの食育講座を開かれていると聞きました。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

食には病気を未然に防ぐ力があります。病気にならない体を作れるのであれば、病気を治す医者と同じくらい、「食」は重要な役割だと思うんです。なので、不健康なイメージが根強い外食産業の従事者の方々、つまりプロの料理人に対して医者と栄養士と一緒に食育講座やカンファレンスを開き、「意識を変えよう」と訴えています。今は店が忙しくてなかなかできていないのが実情ですが、将来的にも続けていきたいと思う活動です。

今後の展開や目標などを教えてください。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

今はコースを頼むお客様が多いんですが、将来的には全ての料理を前菜として提供したいですね。お客様が自分の食べたいメニューを、自分で組み立ててオーダーする。そんな習慣をこの店で持ってもらうのが目標です。店名のレザントレは“前菜”という意味で、多彩な表現が楽しめる前菜を主役にしたいという思いを込めています。ウチはワインの持ち込みもOKですし、もっと気軽にお店に来て、自由に楽しんでほしいと思います。

最後になりますが、駒込の街の魅力を教えてください。

六義園

どの駅前の風景も画一的で同じような雰囲気と言われていますよね。でも駒込は個性があって、そういう流れに飲み込まれない街。高級住宅街のイメージが強いかもしれませんが、下町の気さくで世話好きな部分も残っている、とても面白い街だと思っています。柔軟に、素直に新しいものを受け入れられる懐があるのも、駒込の良いところだと思いますね。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

今回、話を聞いた人

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

オーナーシェフ 五十嵐浩司さん・美香さん

住所:東京都北区中里2-4-10
電話番号:03-6903-4421
URL:http://www.new-auxlegumes2013.com/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

生まれ育った街で、こだわりのフレンチを。/レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム オーナーシェフ 五十嵐浩司さん
所在地:東京都北区中里2-4-10 
電話番号:03-6903-4421
https://auxlegumes2013.gorp.jp/

求め、求められ、ともに歩む作品を。 時代に即した市松人形を製作したい。/市松人形職人 山崎明咲さん


市松人形職人 山崎明咲さん

求め、求められ、ともに歩む作品を。
時代に即した市松人形を製作したい。

近年、プラスチックや石膏を用いた量産品が増えている市松人形。しかし市松人形の魅力は、修理・修復をしながら人形とともに年を重ねることができるという点にある。日本の伝統工芸品として市松人形の技術を受け継ぎ、また次の世代へと受けわたすことは現世代の使命と言えるだろう。この世界に入るまでの経緯、どうしてこの道を選んだのか――お話を伺うため、市松人形師・山崎さんを訪ねた。

早速ですが、市松人形師になるまでの経緯を伺えますか?

市松人形職人インタビュー

高校時代にまで話は遡ります。もっともこのときは、市松人形師になるとは考えてもみませんでした。高校受験を控えたときにふと、「中学時代の延長線上なら面白くないな」と思ったんです。

それで芸術系の高校に進学したわけですが、このとき選んだのが彫刻科。彫刻科を選んだ特別な理由はなかったのですが、今にして思えば、粘土をこねたり石鹸に彫刻したりするのが好きな子どもでしたから、意識していなかったにせよ、選ぶべき道を選んだのかなとは思っています。

学校を卒業されてからというのは、どのような道を歩まれたのでしょうか?

市松人形職人インタビュー

造形会社でのアルバイト期間を経て、正社員として働くようになりました。その会社では子どもが好きなTV番組、スーパー戦隊シリーズに出てくるような造形物だったり、着ぐるみの怪人といったものを製作していましたが、しばらくすると、より小さなものを手がけたいという気持ちになり、フィギュアの原型師を目指すことにしました。

ある縁から仕事をもらうようになり、フリーランスという立場でも活動していました。

伝統工芸品である市松人形を手掛けるようになるまでに、どのようなことがあったのでしょうか。

市松人形職人インタビュー

フリーランスとして活動していた時期に、着物に興味を持つようになりました。そのきっかけというのが、たまたま書店で手にした本に、アンティークの着物姿の市松人形が載っていたのです。市松人形の存在は知っていたものの、ガラスケースに飾られた静的な人形といったイメージしかなかったのですが、本で紹介されている市松人形は、それまで私が抱いていた印象をくつがえすような生き生きとしたもので、実際に見てみようという気持ちにさせたのです。

市松人形職人インタビュー

東京・巣鴨に「市松人形館」なるものが存在することを知って訪ねてみると、館長が「熱心に御覧になっていますが、製作されている方ですか」と声を掛けてきてくれたのです。市松人形に興味があること、そして今はフィギュアの原型師として活動していることを話すと、市松人形を製作する教室があるので参加してみないか、と言って下さったのです。そのとき指導してくれたのが現在の親方、私の師匠です。

親方は、どのような方ですか?

市松人形職人インタビュー

何よりもまず、親方の人形を御覧いただければ人柄も分かるのではないかなと思います。一職人として、技術に対する頑なさもありますが、同時に、親方が大切にしているのは新しい技術や発想に対する柔軟性。そしてそれらが、面白いかどうかという観点を大切にしています。私が試験的にやっていることを見て、「面白そうだから参考にさせてもらうよ」ということも多々あります(笑)

市松人形職人インタビュー

それと忘れられないのが、弟子として勉強させてもらうようになったときのことですね。完成度が高いとは言えない人形を個展の場で、「これは弟子が手がけたものです」と紹介してくれたのです。

こうした場面は、それ以外にも何度もありました。そのおかげで、私のことを知っていてくださる方が少しずつ増えていきました。こうした親方の心配りには、本当に感激しました。

現在でも同じ場所で親方と仕事をされているんですね。

市松人形職人インタビュー

技術だけを磨いても、優れた作品にならないのが人形作りというものです。普段の何気ない生活だったり、職人の生き方がそのまま人形に反映されます。

親方と話をすることでアイデアが浮かぶこともありますし、他愛ない会話のなかに求めていた答えが隠れていることもあります。工房を構え、一人で製作に臨むのではなく、こうした刺激のある環境というのが私には大切だと考えています。

山崎さんにとって市松人形の魅力というのは?

市松人形職人インタビュー

まずひとつは、天然素材だけで製作されること。それにガラスや陶器ではなく、何度でも修理・修復が可能な素材ということも魅力ですね。表面に塗ってある胡粉は月日とともに味わいを増し、人間と同じように人形も成長していきます。

現在では量産品が主流になってしまいましたが、それとは逆のアプローチで取り組んでいきたいですね。消耗品ではなく、生涯を共にできる市松人形。私が手がけたものであれば数年後、数十年後であっても無償で修理を承ります。

山崎さんが手掛ける市松人形の特徴や、こだわりなどを聞かせてください。

市松人形職人インタビュー

時代は変わってきているものの、やはり職人というのは男の世界です。それは市松人形も例外ではありません。数百年を超える歴史を有する市松人形ですが、女性の市松人形師というのは私だけと聞いています。女性ならではの視点や母性といったものを人形作りにも活かしていきたいですね。

見えないところにも丁寧な仕事をするという姿勢を大切にしながら、精進できたらと思っています。

職人さんが集まる、“もの「型」り”という団体に参加されているそうですね。

市松人形職人インタビュー

各分野の職人が集まることで、個々の活動だけでは得られない発想が得られます。世の中は知らないことだらけ。知識を得て、発想力を豊かにしていきながら、“物”のなかに“物語”を添えられる仕事をしていきたいという願いが、“もの「型」り”には込められています。

話をしていると驚かされることも多く、その度に発見もあります。時代を意識しながら、常に成長できる組織でありたいですね。

最後になりますが、両国・錦糸町界隈の魅力について教えてください。

両国国技館

何よりも職人が多い、ということですね。物づくりに携わる私にとって、そのような環境は大きな刺激になります。それと「両国国技館」が近く、相撲部屋が点在しているので力士の姿も見ることができます。

回向院

これだけ浅草が近いのに隅田川を越えるだけで随分と落ち着いた雰囲気になるのも不思議ですね。「回向院」には「鼠小僧の墓」もあります。義賊として名を馳せた鼠小僧が眠っている場所。人情が残っているこの街に相応しい史跡ではないかと思います。

市松人形職人インタビュー

今回、話を聞いた人

市松人形職人 山崎明咲 さん

市松人形師~只今修業中
http://ichimadoll.exblog.jp/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

緑豊かな環境の中、 地域と連携して子どもを育てる保育園

緑豊かな環境の中、 地域と連携して子どもを育てる保育園/東綾瀬きらきら保育園 園長 宍倉康子先生


東綾瀬きらきら保育園
園長 宍倉康子先生

緑豊かな環境の中、
地域と連携して子どもを育てる保育園

東綾瀬エリアは、東京メトロ千代田線で「綾瀬」駅から「西日暮里」駅まで9分、「大手町」駅までも19分という通勤には便利な地。駅前には大型ショッピングセンターのほか、線路下に長らく続く商店街も充実し、買い物環境も整っている。また広大な敷地の東綾瀬公園のほか、小さな公園もそこかしこにあり、桜並木や銀杏の木々など、四季を通じて目を楽しませてくれる。今回はそんな東綾瀬にある「東綾瀬きらきら保育園」の園長・宍倉康子先生にお話を伺った。

施設の概要を教えてください。

東綾瀬きらきら保育園

「東綾瀬きらきら保育園」では月~土曜日まで、朝7時半~18時半の通常保育と、19時半までの延長保育を行っています。幼老複合施設として「グループホームきらら東綾瀬」と同じ敷地内に建ち、おじいちゃま・おばあちゃまたちとも日常的に交流があるのが特徴です。

 

 

現在、0才から5才まで6クラスあり、103名の子どもたちをお預かりしています。乳児を1階で、幼児を2階で保育をしています。これは災害時に抱っこやおんぶで避難する小さいお子さんを階下にした方が早く避難できる、という考えからです。

「グループホームきらら東綾瀬」とは、具体的にはどのような交流があるのでしょうか?

東綾瀬きらきら保育園

ご入居者様は日常的に子どもたちが園庭で遊ぶ姿をテラスで見守って下さってますし、子どもたちが手づくりするカレーパーティーや運動会といったイベントには必ずご招待しています。核家族が増え、お年寄りとの交流機会が少なくなった子どもたちにとって、とても良い経験になっています。

 

またホームにいらっしゃるお年寄りの方は、子どもたちにとってひいおじいちゃん・おばあちゃんにあたる年齢の方たちです。そのため交流前には、「眼鏡をしているのはどうして?」「イスから立ち上がる時にゆっくりなのは、どうして?」など、子どもたちと一緒に考え、「手を強く引っ張ったら危ないね」「お話もゆっくりした方がいいね」と、自分たちの取るべき行動を確認しています。実はそれはとっても大切なこと。相手の様子を慮(おもんばか)り、自分がどう対応すべきかを理解する、これは対人関係の基本だと思っています。

ホームにお邪魔することもありますが、その際には必ず「失礼します」「お邪魔します」などと声をかけて入ります。そういった一つ一つの積み重ねが、子どもたちの経験になっているようです。

園庭が広く、子どもたちは伸び伸びと遊べる環境ですね。

東綾瀬きらきら保育園

見てお気づきかと思いますが、この園庭には遊具がほとんどありません。理由は、子どもたちに自分たちで遊びを探し、考え、想像力を駆使して遊んでほしいからです。このようなスペースだと、子どもたちは自分から遊びを考え出して、工夫して遊ぶので、子どもたちの創造力の素晴らしさに驚かされるほどです。

 

また隣接する公園に雑木林があるので、バッタやダンゴ虫など昆虫たちもいっぱい発見できます。この保育園の子どもたちは、虫探しやごっこ遊びなどの、昔懐かしい遊びが大好きです。

「東綾瀬公園」などの広い公園をはじめ、お散歩コースには事欠かない恵まれた環境ですね。

東綾瀬公園 幼児コーナー

それはもう有難いくらい、公園に囲まれているような恵まれた立地です。広大な芝生広場やテニス・野球場などが広がる「東綾瀬公園」はもちろん、池のある「西沼公園」、すぐ横の「八か村落しファミリー公園」など、自然に触れられる場所がたくさんあります。春夏秋冬、季節を探すお散歩に出かけ、子どもたちは体をたっぷり動かして、のびのびと毎日過ごしています。

先生方も子どもたちを尊重する保育を目指していると聞きました。

東綾瀬きらきら保育園

担任の先生方には「子どもの発想を潰さないこと」を徹底してもらっています。子どもたちの心から湧いてくる興味や気持ちを大切にしたいと考え、こちらから与えたり、先回りをしないように気を付けています。

 

 

2013(平成25)年で5年目を迎えた本園では、先輩園である「西新井きらきら保育園」の方針を踏襲しつつ、東綾瀬らしい保育が生まれつつあります。団地のなかにある本園は、様々な土地から集まってきた家族が多い園。少しずつですが、この地域色を反映させた保育ができるようにしたいと思います。

保育で心がけていらっしゃることはありますか?

東綾瀬きらきら保育園

私たちは、子どもたちが安心して安全に過せることを心がけています。日々の体調管理に注意を払い、普段と様子が違う時や発熱時等には、保護者の方に早めにご連絡をしています。

 

 

子どもが熱を出すのは具合が悪い時だけではなく、甘えたい時、不安な時にも出します。そんな子どもの状態や気持ちに気づき、サポートしたいと考えています。

読み書きなどのお勉強の時間はあるのでしょうか?

東綾瀬きらきら保育園

2才児から月2回の英会話レッスンがあり、年に数回はネイティブの先生からも英語を習います。また3~5才児では、月に1回体操教室もあります。

文字に関しては、この地区のブロックの小学校の先生からの要請の基、読み聞かせや絵本の時間を利用して文字の「読み」を重点的に教えています。

地域の方々とはどのような連携を取られていますか?

東綾瀬きらきら保育園

お隣のグループホームが自治会に加入していますので、自治会長さんにカレーパーティーに来ていただいたり、色々ご相談させていただいています。水害対策として避難訓練に団地の建物を利用させていただき、年に一度、職員と子どもで建物の5階まで上ります。歩けない乳幼児は職員がおんぶや抱っこをして、いざという時のシミュレーションをしています。

また「綾瀬」駅前の「コンビプラザ綾瀬保育園」さん、お隣の公立の「東綾瀬保育園」さんとも交流を図っています。子ども同士が交わることは非常に大切に考えておりますので、今後も継続して行っていくつもりです。

東綾瀬きらきら保育園

今回、お話を伺った人

東綾瀬きらきら保育園
園長 宍倉康子先生

所在地:東京都足立区東綾瀬2-17-8
電話番号:03-5682-2620
URL:http://www.city.adachi.tokyo.jp/hoiku/shisetsu/hoikuen/084.html

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

緑豊かな環境の中、 地域と連携して子どもを育てる保育園/東綾瀬きらきら保育園 園長 宍倉康子先生
所在地:東京都足立区東綾瀬2-17-8 
電話番号:03-5682-2620
定員:100名
入園対象:生後57日~就学前
開園時間:7:30~19:30
https://www.city.adachi.tokyo.jp/kodomo-..
https://www.starts-care.jp/kirakira_higa..

自然あふれる森の中の地域コミュニティ/「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん・「パル教室」講師 中山 誠司さん


「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん
「パル教室」講師 中山 誠司さん

自然あふれる森の中の地域コミュニティ

JR「浦和」駅からの路線バスで「道祖土入口」停留所下車、約10分の緑豊かな住宅街に「パルの森」がある。そこには、フットサルコート「FOOT-pal浦和道祖土」をはじめ、学習塾「パル教室」、「komkom cafe」といった施設が佇み、森に囲まれた環境のもと、近隣の人たちのコミュニティエリアとして利用されている。今回は「FOOT-pal浦和道祖土」の施設支配人・小嶋さんと、「パル教室」で講師を務める中山さんからそれぞれの施設についてのお話を伺った。

 

「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さんに聞く→こちらをクリック
「パル教室」講師 中山 誠司さんに聞く→こちらをクリック

 

まずは「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人、小嶋寛さんにお話を伺います。「FOOT-pal浦和道祖土」の概略について教えてください。

FOOT-pal浦和道祖土

「パルの森」の緑に囲まれた自然あふれるフットサルコートです。ベンチや小屋も手作りなので、スポーツ施設とはいえ、アットホームな雰囲気に包まれています。また、施設環境の整備面では2010(平成22)年9月に、フットサルコートの人工芝を張り替えました。60平方メートルの芝丈に加え、柔らかな特性を持つポリオレフィンを芝葉糸に使用したスーパーターフは、天然芝に近い感触でプレイができると評判です。

 

FOOT-pal浦和道祖土

お子様からフットサル初心者、女性、そして本格的な試合の醍醐味を味わいたいという方など、幅広い年齢層とさまざまなレベル・目的の方たちに利用されています。現在、スクール生は約380名、初心者と経験者の割合は5:5くらいです。

 

 

地元にお住まいの方々は、クラスは異なりますがファミリーで参加されている例も多いですね。健康的な日常生活を送るため、身近にできるスポーツとしてフットサルを楽しんでくださっているようです。参加者は地元の方中心ではありますが、中には東京や栃木から車で通ってくださる方もいらっしゃるんですよ。

さまざまなレベルの方が集われるということですが、具体的にはどのようなクラスがあるのでしょうか。

 FOOT-pal浦和道祖土

月に1回、日曜日の9時から11時まで「初心者教室」を実施しています。毎週土曜日の9時から11時までの30歳以上限定・個人参加型フットサル「オーバー30」、同じく毎週土曜日11時10分から12時50分の「個人参加教室」、毎週木曜日の11時半から13時までの「ほのぼのレディース」など、レベルや年齢に応じたクラスが用意してあります。

これらのクラスは、フットサル経験のない方でも気軽に参加できるのが特長です。春は転勤や入学などで全体的には入会者が多いので、初心者の方にとっては入りやすいシーズンかと思われます。

 FOOT-pal浦和道祖土

一方で、本格的にフットサルに取り組みたい方向けの個人スクール「脱初心者向けフットサルスクール」も高校生以上を対象に行っており、フットサルに必要な基礎練習はもちろん、体力トレーニングを実戦形式で行っています。こちらは、埼玉県リーグ所属 『pal:wo(パルーヲ)』 の選手が一緒にトレーニングを行うこともあって、身近なスター選手に刺激を受ける人も多いようです。

 

県リーグや関東リーグ、埼玉県フットサルリーグのプレイヤーも顔を出してくれますよ。当クラブからプロサッカー選手になった人が訪れた際には、サインをもらうお子さんもいらっしゃるほどの盛り上がりぶりです。

多彩な年齢層に親しまれているということですが、年齢ごとの指導方針などはあるのですか。

FOOT-pal浦和道祖土

まず、大人については日常生活に定期的な運動を取り入れること。健康的な生活には欠かせません。30代以上対象の「オーバー30」は、運動不足のお父さんたちが中心で、40代の方も多いですね。ほとんどが個人参加です。とはいえ、仕事の都合でこちらに引っ越してきた方なども、フットサルを通じて、この地域に以前から住んでいた方たちと知り合って“地元仲間”を作ることができます。

運動不足解消のためにスポーツジムに通う場合、どうしてもひとりで黙々とトレーニングするには固い意志が必要となります。しかしフットサルはチームスポーツなので、仲間ができることで長く続けることも苦にならないようです。ここでできた“地元仲間”で飲みに行ったり、温泉に行ったりと、地元コミュニティのステーション的な役割も果たしています。

FOOT-pal浦和道祖土

お子さんたちに関しては、フットサルが上手になることは確かに大事ですが、それ以上にフットサルという団体スポーツを通して、チームワークや社会の中での役割を身に付けてほしいと考えています。幼稚園・小学生などのクラスでは、とくに将来、社会人になった時のための基本マナーを身に付けられるような指導を心がけています。幼稚園に通っている小さなお子さんには、フットサルの試合より、運動の基本となる準備体操の仕方から段階的にプレイできるように指導しています。

FOOT-pal浦和道祖土

さらに、「物事に取り組む姿勢」や「努力する姿勢」を重視し、技術面だけでなく、メンタル面の強化などにも注力しています。子供の内に、そういった姿勢を身に付けることで、将来、何か壁にぶつかった時や挫折した時も、それを乗り越えられるような“人間形成の場”となること――それが私たちの理想です。

また、「オーバー30」に参加しているお父さんと、その息子さんが「フットサルのおかげで、共通の話題が持てるようになった」という声も届いています。家庭内コミュニケーションに一役かえるのも嬉しいことですね。

フットサルコートの傍らに設けられた建物はなんですか?

comcom(コムコム) cafe

一般の方もご利用いただける「komkom cafe」です。オープン席なので小さなお子様連れの方もOKです。地元のご夫妻が経営していて、土・日曜・祝日限定で、11時から19時までの営業時間となっています。

comcom(コムコム) cafe

お子様連れのファミリー層のお客様が多いので、どのメニューも手作りにこだわっているのが特長です。豆からこだわり、注文ごとに抽出しているコーヒー(300円)をはじめ、数量限定の手作りケーキ(250円~)、スイーツとドリンクのお得なセット(500円~)や軽食などが用意されています。

comcom(コムコム) cafe

一部の商品を除き、ドリンク1杯から持ち帰りが可能ですし、フットサル教室に関係なく、一般の方にもこの緑豊かな「パルの森」の風を感じながら、友人や家族との談話や手作りメニューを楽しむことで、週末のリフレッシュにご利用いただければありがたいです。

 

続いて、「FOOT-pal浦和道祖土」に隣接する、
小・中学生向け学習塾「パル教室」について講師の中山誠司さんに伺います。

パル教室

3年前からスタートした教室で、現在は約50名の生徒さんが通っています。キャッチコピーの「笑顔あふれる森の寺子屋」の名の通り、「寺子屋」スタイルなので、子供たちがその日に学校であったことを話してくれたり、それぞれの学校の情報交換をしたりと、さまざまな学校に通う子供たちが和気藹々と楽しみながら勉強しています。メインは小学生で、全体の1割が中学生というところでしょうか。学力向上だけでなく、個々の自主性や協調性など“人間形成の場”としての指導や躾も行っています。

パル教室

たとえば、小学生高学年になると、言葉遣いが悪くなることもあるので、そういった時はイエローカードを出して、警告します。隣のフットサル教室に通っている子供さんも多いので、イエローカードは効果的なんです(笑)。きちんとした挨拶や、入ってきた時に靴を揃えるといった、生活面の基本的マナーにも気を配るようにしています。そういった基本ルールは教室内に掲示してあり、段々浸透してきていると思います。

学習方法としては、自学自習と伺っていますが、具体的にはどのような流れとなっているのでしょうか。

パル教室

各自が指定した曜日の都合の良い時間や好きな時間に来て、自分の課題(小冊子)が終われば終了となります。教材となる課題は、大手学習塾での実績を持っている人によって作られたもので、学習の習熟度を細かくレベル分けしてあるので、子供たちは段階的にレベルアップしていくことができます。

 

自学自習スタイルなので、以前やった課題を復習するのもOKです。1教科1回分の課題は約30分から1時間。課題が終われば、学校の宿題や読書など、自習室としても利用できます。中には、自分の学年よりも上のレベルの課題に挑戦する子もいます。

 	さいたま市緑区道祖土インタビュー

子供たちが自らの学習スタイルで学ぶことによって、自分から「勉強したい」という意欲を持ってもらうこと、さらには“自分の力で気づく”喜びを知ってもらうことを重視しています。一方で、先へ先へと進むことばかりにとらわれて、基本部分が疎かになってしまいそうな場合や、基本をしっかり習得していないために応用課題に苦戦している場合は、勉強の仕方をアドバイスするようにしています。

あくまでもアドバイス、またはヒントを投げかけるようにすることで、本人の“気づき”を促します。解法の糸口が見つからずに困っている子についても同様です。自分で答えの糸口を見つける喜びを体験することによって、将来、たとえば困難にぶつかった際に自ら解決しようとする姿勢が身に付くと考えているからです。課題に取り組む際も、どこが間違っていたかわかるよう、間違っても消さないのがルール。また、途中式もきちんと書いてもらうことで、自分がどこの段階で間違ったか気付けるような指導をしています。

教科は英語・数学(算数)・国語ということですが、国語の中には習字も含まれているのですか?

パル教室

年の初めに書き初めをしました。こちらも習字を教えるためではなく、それぞれが目標を持って1年を送ることが主眼です。壁に貼られている文字は、一人ひとりのその年の目標なんです。その目標を向かって着実に一歩一歩研鑽(けんさん)していく姿勢も身につけてほしいと思っています。子供たちの自主性を尊重するスタイルの指導方針で、受験のための技術だけを教えるのではなく、かつての「寺子屋」のように勉強だけでなく“学ぶ姿勢”も教える塾と言えるでしょう。

20名からスタートした教室ですが、今や50名くらいに成長しました。コミュニケーションや自己のモチベーション、社会人マナーなどを大事にしているという教育方針が、地域の方々にご理解いただけつつあるという手応えはあります。

施設面についても教えてください。

パル教室

兄弟がフットサルをやっている間、下の子供たちがここで待っていることも多いので、床に寝転んでもいいよう、床に無垢材を使用することだけにはこだわりました。フットサルに参加している大工さんの力を借りて、手作り感あふれる温かみのある空間にしました。

教室内のミニ図書館の本は、1週間で2冊まで借りられるようになっています。お兄ちゃんやお姉ちゃんが勉強している間、この教室で絵を描いて待つ小さい子供もいるので、壁にはそんな小さな子供たちの絵でいっぱいです。お子さんをこちらにあずけている間、お母様方は自分の時間を持つことができますし、近所の方が多いので家事に戻られる方もいます。そういった面では、学童保育所的な役割も果たしていると思います。

また、教室内では魚や昆虫を飼っていて、みんな自主的に世話をしてくれます。とくに、夏になると「パルの森」でカブトムシやクワガタをつかまえてきて、教室内で飼っているんですよ。

「無料体験」の期間が1カ月もあるとお聞きしました。

パル教室

そうですね。単に1回だけ授業を見学したり参加したりするのではなく、期間としては約1カ月、すでに通学している子と同じように課題に取り組んでもらって、ここでの勉強のやり方を知ってもらいます。その上で、この勉強法を気に入ってくれたり、一緒に勉強する友達と仲良くなったりして、本人が自ら「ここで勉強したい」という気持ちになった場合、正式に入会してもらっています。

全てにおいて、子供の自主性を尊重されているわけですね?

その理念は一貫しています。私たちは、挨拶や社会での基本マナーを子供たちに身に付けさせることと、子供たち一人ひとりの適性・長所を見つけることを重視しています。得意分野を褒めてあげることで、その子が意欲や自信を持って物事に取り組んでいくことこそ、将来的に役立つと信じているからです。そして願わくば、その子が大人になって、「あの時のあの時間がかけがえのないものだったな」と思ってもらえれば嬉しいですね。

今回、話をお伺いした人

FOOT-pal浦和道祖土小嶋 寛さん

FOOT-pal浦和道祖土 施設支配人 小嶋 寛さん

住所:さいたま市緑区道祖土4-33-29
TEL:048-883-1926
営業時間:月~金曜日10:00~21:00、土・日曜・祝日9:00~21:00
URL:http://www.footpal.jp/

笑顔あふれる森の寺子屋 パル教室
中山 誠司さん

TEL:070-6479-8615
開所時間:15:00~21:00
URL:http://palschool.exblog.jp/

komkom(コムコム)cafe

TEL:048-883-1926
営業時間:11:00~19:00
営業日:土・日曜・祝日

パル教室中山 誠司さん

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

自然あふれる森の中の地域コミュニティ/「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん・「パル教室」講師 中山 誠司さん
所在地:埼玉県さいたま市緑区道祖土4-33-29 
電話番号:048-883-1926
http://www.footpal.jp/

豊かな心と感性を育む音楽の可能性 綾瀬に根付いた地域密着型の音楽教室/ミュージックサロン綾瀬/ エークラスミュージック株式会社 石川敏子さん


ミュージックサロン綾瀬 / エークラスミュージック株式会社
店長 石川敏子さん

豊かな心と感性を育む音楽の可能性
綾瀬に根付いた地域密着型の音楽教室

東京メトロ千代田線・JR常磐線「綾瀬」駅東出口から徒歩1分の距離にある「ミュージックサロン綾瀬」。入居するエトセトラビルが竣工した1985(昭和60)年から同じ場所で教室を構えている。その四半世紀を超える年月の間に、数多くの音楽家・演奏家を輩出してきたという。今回は1歳児から音楽に親しめる場を用意し、音楽の可能性を追求している「ミュージックサロン綾瀬」の店長、石川敏子さんにお話を伺った。

「ミュージックサロン綾瀬」について聞かせてください。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

この場所でオープンしたのは1985(昭和60)年のことです。「綾瀬」駅から近く、お子様でも通いやすい音楽教室として地域とともに歩んできました。音楽業界で活躍している卒業生も多く、現在でも1,200名近い生徒さんが在籍しています。都内でも大規模な方で、大きな部屋を含めると部屋数が17室もあります。規模は大きくても家庭的な雰囲気を大切にし、ワクワクしながら通える教室づくりを目指しています。

音楽教室として掲げている理念を伺えますか?

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

私たちは音楽を“豊かな心を育てるために必要なもの”と捉えています。そのために必要なのは“音楽を楽しむ”こと。上達に厳しさが必要といったケースもありますが、私たちのレッスンは基本的に“音楽を楽しむ”ことに主眼を置いています。楽しむことでやる気が生まれ、それが上達へと繋がっていくと考えているからです。

現在、定期的に勉強会を開いていますが、その場を活かし、より良いレッスンができるように努めています。

小さな子どもさんだけでなく大人のコースもあるようですが、コースについて教えてください。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

幼少時代に楽器を習っていた方だけでなく、全くの未経験という方も通われています。仕事を持っていても本当に熱心な方ばかり。楽譜が読めなくても、それぞれのペースで楽しんで頂くことが大切だと考えています。自分の意思で通われているだけに、長く続けられている方が多いですね。年齢や経験に関係なく、それぞれの音楽を楽しむことが大切だと考えています。

一方、お子様のコースについてですが、音楽を通じて親子で楽しむ空間であり、豊かな感受性を育み、ことばの発達を促します。また先生によるピアノの生演奏も人気な「おとのおもちゃばこ」にはじまり、「赤りんごコース」、「おんがくなかよしコース」があります。その次に用意されているのが2年間の「幼児科」で、そこから8年を掛けてじっくりと音楽の基礎を学び、上級コースへと進んでいきます。途中、進路やレベルに合わせて柔軟に対応できるというのも、当教室が広く支持されている理由ではないかと思います。

音楽だけでなく、英語も学べるとお聞きしました。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

本教室の英語学習の最大の特徴は、音楽的な要素を取り入れていること。例えば、ある英単語のアクセント部分を体感させるためにタンバリンを用いることがあります。実際の音と、叩くという行為により、自然なアクセントが身につけさせようというわけです。

それと、実際に会話ができる“使える英語”を志向していることも特徴かもしれませんね。海外旅行の際、「英語で質問された子どもが英語で答えていました」と笑顔で報告してくれた方もいらっしゃいます。

お仕事のやりがい、喜びについて聞かせてください。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

やはり何と言っても、生徒さんや親御さんに喜んでもらえたとき。どう表現して良いのか分からないくらいの達成感があります。当音楽教室でピアノを習いはじめ、そのまま音楽大学に進まれた生徒さんがいたのですが、あるとき親御さんから、「子どもが代表して演奏することになりました」という報告をいただきました。上手になったこと、そして大きく立派に成長したということを心から嬉しく思いましたね。

多くの卒業生がいて、現在でも1,000名を超える生徒さんがいらっしゃいます。他にも色々なエピソードがあるのでは?

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

あるとき、4歳のお子様を連れ、親御さんが「どうしてもピアノを習わせたい」と相談に来られました。手に障がいがあり、少し難しいかなとは思ったのですが、それでも親御さんの熱心さも手伝って、何とかしてあげたいなと。担当された先生もレッスンを工夫しながら1年後、そのグループでは誰よりも上手になっていたのです。涙を流しながら報告してくれたその先生の顔は、今でも忘れられません。

綾瀬での四半世紀を超える年月は、地域に根づいている証とも言えますね。この綾瀬という街の印象を伺えますか?

東綾瀬公園 観察の池

他の街と比べると、子どもさんが多いなといった印象ですね。それに10代、20代の若い方も多いように思います。若者の多さが、街に活気をもたらしているのかもしれませんね。それと綾瀬は、公園が多いといった印象もあります。綾瀬で注目したいのは、桜が咲き誇る春です。「東綾瀬公園」の桜は、特に美しいですね。薄紅色のかわいらしい桜並木、そして新しい生徒さんに会える春は、私は好きですね。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

今回、お話を伺った人

ミュージックサロン綾瀬
エークラスミュージック株式会社
店長 石川敏子さん

所在地:東京都足立区綾瀬3-4-18 エトセトラビル3F
電話番号:03-3628-8881
URL:http://jp.yamaha.com/sp/music_education/otona/room/11307100_006/

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

豊かな心と感性を育む音楽の可能性 綾瀬に根付いた地域密着型の音楽教室/ミュージックサロン綾瀬/ エークラスミュージック株式会社 石川敏子さん
所在地:東京都足立区綾瀬3-4-18 エトセトラビル3F 
電話番号:03-3628-8881
http://jp.yamaha.com/sp/music_education/..

都内でも数少ない「IB(国際バカレロア)」のプログラムを実践している学校/ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長 ケビン・ヨシハラ先生


清澄白河駅近くにある「ケイ・インターナショナルスクール」は、3歳から18歳まで、多国籍の子どもが通うというインターナショナルスクール。生活にも学習にもほとんど英語を用いているのは他のスクールも同様だが、注目を集めているのは、都内でも数少ない「IB」(国際バカロレア)というプログラムを実践している学校という点だ。IBの中でも、初等(幼稚園~小学校中学年)は「PYP」、中等(小学校高学年~高校1年)は「MYP」、高等(高校2・3年)はDPと区分されているが、この3つ、つまり幼・小・中・高の一環教育を行っているのは、首都圏では「ケイ・インターナショナルスクール」だけ。そのため、この学校通わせるために、清澄に引っ越して来るというファミリーもあるという今回は初等部の校長を務められているケビン・ヨシハラ先生にお話をうかがった。

スクールにはどのような国籍、年齢、環境の生徒が在籍しているのでしょうか?

スクール全体では約600名、50カ国の国籍の生徒が在籍していまして、海外から日本に赴任されてきたご家族のお子さん、日本国内で国際結婚をされていらっしゃるご家族のお子さん、それ以外にも、一般の日本人の家族のお子さんだったりと、家庭環境はさまざまです。スクールとして、一つの国籍の子どもが30%を超えないように規定していますので、どの国籍に偏っているということはありません。

日本国籍の生徒ですと、帰国子女の方、海外に転勤予定の方、将来は海外で進学したい、という方が多くなっています。日本国籍の生徒は、全体の20%から30%の間ぐらいです。

学校の「社会的役割」はどんなところにあるとお考えでしょうか?

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

学校のミッションに「文化的社会的に多様な背景をもった意欲的な子どもたちに、安全で人をはぐくむ環境の中で、質の高い教育を提供し、国際社会に貢献する、人格的に秀でた有能な若者を育成することである」ということを掲げていますとおり、「グローバルに活躍できる有能な社会人を送り出す」ということが使命だと考えています。

これからの時代には、やはり「IB」(国際バカロレア)で学び、DP(ディプロマ)を取得した生徒が必要になってくると思います。「IB」で学習をすることで「地頭」のある子が育ちます。知識に偏っているのではなく、「地頭」のある子こそが、社会に対して有益な人間になると考えています。

生徒と接するにあたって心がけている事はありますか?

学業の面だけではなく、エモーショナルなことも教えられるように、また、そういった先生がいる環境にできるように、学校として心がけています。もちろん「安全・安心」な環境を生徒たちに提供することも大切に考えています。

あとは、「子どもたち一人一人の事をよく理解する」(understand each student)ことも重視しています。子どもたちの得意なこと、まだ出来ていないこと、全部をちゃんと理解したうえで、それぞれに合った指導をしていくことが、生徒の力を伸ばす秘訣だと思います。一人一人、生徒の学び方というのは違いまして、同じようには教えられませんから。

指導言語として英語を使っているということですが、日常会話もすべて、英語になるのでしょうか?

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

授業については、全部を英語で行っています。「第2言語」として日本語も学んでいますが、その授業以外は全部英語です。

インターナショナルスクールですから、「母国語が英語じゃない」という生徒も多くいまして、そういう子にとっては、第一言語は母国語で、第2言語が英語で、第3言語として日本語を学ぶということになります。

ですから母国語が同じ同士であれば母国語で会話をしますし、休み時間などは母国語を禁止にしていないので、自分の快適(comfortable)な言葉で話しています。日本人同士であれば日本語だし、日本人と英語以外の母国語の子であれば、英語になりますね。つねに、いろんな言語が飛び交っています。

入学にあたって、英語に精通していることは必須でしょうか?

英語の学力については年齢に応じた基準がありまして、当然ですが、学年が上がれば上がるほど、入学時に必要な英語力は高くなってきます。

個人差がありますが、英語で授業をする幼稚園や、放課後に英語で授業をしているアフタースクールに行くなどしていないと、ネイティブでない限り難しいと思います。3歳と4歳以外は、試験段階で水準に達していないと入学ができません。逆に3歳と4歳の子に関しては、英語をほとんど話せなくても大丈夫です。

具体的な入学タイミングを明示されていませんが、何歳から入る子が多いのでしょうか?

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

IBに触れるのはもちろん早ければ早い段階のほうが良いとは思いますが、それは本人の意志や、保護者の事情もそれぞれですので、一概には言えません。日本人のご家庭ですと、たとえば保護者の方自身が、「大学生になってから海外に行って苦労したので、もっと早い段階から英語に親しんでいれば苦労せずに済んだ」という方もいます。

小さい子は保護者の方の意志で入学される方が多いですが、上の子はもう自分の意志という方も多いですし、入学のタイミングは本当に皆さんバラバラで、「何歳から」「何月から」というものは特にありませんので、いつでも空きがあれば入っていただけます。学年によってはフルになっている学年もありますので、詳しくはお問い合わせください。

カリキュラムの特徴について教えてください。

小学校だと、PYP(Primary Years Programme)に沿ってやっています、これはInquiry-basedといって、先生たちが問いかけるような形のカリキュラムになります。

一方的に先生が教科書通りに教えていくのではなくて、先生がその時のトピックス(話題)に対して質問をして、いろいろ投げかけて、そのことに対して生徒からの意見を聞いて、さらに先生のほうでそれを発展させていく、相互のやりとりによって学びを深めるというものです。それがGrade5(小学校5年生)までのカリキュラムです。

この間はBig ideaが勉強のベースになっています。日本語で言えば、コンセプトとか、概念ですね。勉強をするにあたって、「どうしてこうなっているか」ということを、つねに考えるんです。そしていろんなパースペクティブ(視点)から考えてみるんです。どうしてこうなったか、これからどうなっていくのか、ということを、子どもたちに考えさせます。「情報を与える」だけではなくて、「情報をもとに考えさせる」という勉強です。

Grade6以降はどのようなカリキュラムになるのでしょうか。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

Grade6以降のMYP(Middle Years Programme)もPYPと同じ考えが基礎にありまして、それにプラスして、Knowledge(知識・学識)をどんどん付けていく、という部分が入っていきます。

日本の学校がやっているような、暗記をさせて、憶えていくというやり方だけではないんですね。もちろん暗記も必要な部分はあるんですが、そこにKnowledgeを付けていくことが大事になります。そのためには、先生との対話だけではなくて、生徒同士のディベートも大切なものになってきますので、生徒同士で討論をしていくという形もとっていきます。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

それから、PYPではできるだけ様々な科目と統合して教えているんですね。たとえば、数学と結びつけながら、アート、音楽、体育、社会科など、いろんなものを一緒に教えています。

日本の「総合的な学習の時間 」のさらに発展版だと思っていただければ良いかと思います。総合学習だと、調べた結果を発表して終わりになってしまいがちですが、PYPでは、それをScienceやArtでExpress(表現)します。

たとえば数学でShape(図形)をやっていたら、Tessellation(モザイク模様)というアートと関連させて学びますし、エッシャーという有名なだまし絵のの作品なども、なぜ不思議に見えるのか、という事を、数学と結びつけて考えます。アートと数学を一緒に学んでいるんですね。

Science(理科)で天気のことを勉強した時などですと、Langageの授業と結びつけて、Typhoon(台風)という言葉を使った詩を作ったりしますし、気温をチェックしてグラフを作ったり、数学とリンクさせることも簡単にできます。そうすると、どうして数学を勉強しているのか、生徒たちも気づくんです。「どうして学んでいるのか、どのようにして学ぶのか」ということが、いつも根底にあるんですね。

あとは、MYPになると、担任ではなくて、各教科の専門の先生が専門の科目をそれぞれ教えるようになります。高校1年生までの期間が、このようなMYPに沿ったカリキュラムになります。

その後「DP」というカリキュラムになるそうですが、これは何でしょうか?

高校2年生、3年生に相当する2年間はDP、正しくはDiploma(ディプロマ)というプログラムになります。これは高校の卒業認定のようなプログラムになりまして、世界中どこの大学にも入学資格が得られるというものになります。かなり高いレベルでの、高校卒業資格ということですね。これを取得することが最終目標になります。

DPを取得することで、海外の大学に進み易くなるのでしょうか?

本校の卒業生は、国内の大学よりも海外の大学に進学する子のほうが多いですから、そういうことになりますね。日本国内ですと、英語で授業を行う大学がそれほど多くはないという事情もあります。日本語で授業を行なう日本の大学に行った子もおりますが、それは稀です。

進学率について教えてください。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

現時点では、ほぼ100%が大学に進学しています。厳密には、卒業してすぐには大学に行かない子もいますし、兵役がある国などもありますので、完全に全員ということではありません。詳しくはホームページを確認していただければと思いますが、昨年度は35名のクラス1クラスが卒業生だったんですが、そういう中で、国内外の有名大学にも進学しているという状況です。

実はDPを取得するのメリットのひとつは、受験勉強と言われる、大学受験のための特別な勉強を学校の授業以外にしなくてもいいということなんです。ほとんどの大学がDPの点数と、書類審査だけで合格が決まるんですね。日本でも、ほとんどの大学でDP枠があります。

在学中に海外に転勤などになった場合、どうなるのでしょうか。

毎年必ずそういう生徒はいますが、やはりこのIBプログラムをやっているファミリーは、ほかの国に行ってもIBの学校に行かれる方が多いようです。もちろん行った先の国によっては、普通の学校に入っていただいてもまったく問題は無いと思います。

ケビン先生は清澄白川にお住まいということですが、この地域の良さは何でしょう?

清澄白河駅

やっぱり電車だととっても便利ですよね。大江戸線と新宿線で直接新宿や渋谷に行けますし、近くに錦糸町もありますから、簡単に何でも買えますし、レストランも多いです。浅草も近いし、幕張にも行きやすくていいです。外国人はIKEAとかCostcoとか、けっこう行っていますから。

私は、やっぱり子どもがいますから、東京のほかの地域と比べると、公園がとっても多いのがいいですね。子どもたちと週に何回も公園に行っています。プールやコミュニティセンター、スポーツセンターなども、沢山あります。お薦めの公園は木場公園です。すごく広いし、イベントもよくやっています。

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

ここはセントラルトーキョーにも近いのに、子どもを育てるために、すごくいい環境が揃っていると思います。あとは、下町の雰囲気で、人がとっても親切ですね。外国人もいっぱい住んでいますよ。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

今回、話を聞いた人

ケイ・インターナショナルスクール

初等部校長 ケビン・ヨシハラ先生

ケイ・インターナショナルスクール
所在地:東京都江東区白川1-5-15
電話番号:03-3642-9992
URL:http://www.kist.ed.jp/ja/node/87

国際バカロレアについて(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

都内でも数少ない「IB(国際バカレロア)」のプログラムを実践している学校/ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長 ケビン・ヨシハラ先生
所在地:東京都江東区白川1-5-15  
電話番号:03-3642-9992
国際バカロレアについて(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/
http://www.kist.ed.jp/ja/node/87

デザイナーから“指物職人”へ
伝統を受け継ぎ、もの作りの枠を広げる/指物師 益田大祐さん


 

デザイナーから“指物職人”へ
伝統を受け継ぎ、もの作りの枠を広げる

東京の下町、墨田区菊川の一角に小さな工房を構える指物職人・益田大祐さんは、かつては江戸中に多くいた「指物師」の一人。今や数えるほどしかいなくなってしまった指物師だが、益田さんは30代と際立って若く、世襲ではなく外部から修行に入り、独立した職人ということでも注目を集めている。今回は益田さんの工房を訪ね、指物の魅力と、錦糸町エリアの魅力についてお話をうかがった。

「指物」は近年その良さが見直されていますが、まだまだ若い世代には認知度が低い伝統工芸かと思います。まず、指物の特徴についてお教えください。

指物師 益田大祐さん インタビュー

「指物」の語源は「物差しで計って正確に作る」ということと、「差し込んで作る」ということから来たと言われています。簡単に言えば、「釘を一切使わないで作る家具」ということになりますが、家具というよりは、「道具」という感覚のものですね。もともと指物自体は京都の発祥でして、「京指物」が有名なんですけれども、大名や将軍など、身分の高い人向けに作っていたものなので、実用性よりは「権力の象徴」ということで、美しさを重視したものが多くなっています。

それに対して、「江戸指物」は京指物が江戸に入ってきたもので、江戸の初期には、商人など、ある程度お金のある方が使っていましたが、江戸中期ごろになって歌舞伎が盛んになると、歌舞伎役者さんの道具入れなどにも使われるようになりまして、その伝統は今でも続いています。そのほか、お茶道具、書道道具などの入れ物や、薬箪笥などにも使われましたし、それ以外にも幅広い形や用途のものが作られました。

昔は職人も多かったので、それぞれの専門分野もあったそうなのですが、どんどん職人が少なくなっていく中で、今は何でも作れる職人だけが残っているという状況になっています。職人で作る「江戸指物組合」というものがありまして、私はまだ正組合員ではなくて、親方の弟子として入っているんですが、そこに所属している職人さんは全部で10軒だけになっていまして、そのうち半数以上は60代後半以上の職人さんになっています。

ほかの伝統工芸と比べても、かなり職人さんの数は少ない業界なのでしょうか?

指物師 益田大祐さん インタビュー

そうですね、今は弟子を育てることも非常に難しくなっていますので。昔は旅館や料亭には必ず、くず箱や姿見があって、それを指物師の弟子が作っていたんですが、近年はそういったものも無くなりまして、同じものを幾つも作る機会もなくて、弟子を取ったとしてもやらせる仕事が無いんです。私もまだ弟子ですけれど、8割方は受注生産の品を作っています。

益田さんは外部から弟子に入られたそうですが、指物師を目指したきっかけや、それ以前のご経歴についてお聞かせください。

指物師 益田大祐さん インタビュー

私は台東区の「渡辺」というところで勉強させていただいたんですが、私みたいに外部から入って弟子になった人は、それだけでも珍しいんですが、大抵は数年で弟子を辞めてしまうそうです。なので、独立開業したというのは珍しいそうで、「戦後の丁稚奉公の時代以降、初めて弟子から独立した」と言わました。墨田区の指物師は、今では私一人だけです。 きっかけとしては、もともと家具のデザイナーを目指していまして、工業デザインの学校から家具屋さんに就職して、デザインをやったりしていたんですが、大きなところですとやっぱり、技術的に機械優先になりますから、デザインを出しても「うちの機械ではこの形はできない」、「コストがかかりすぎて商品化できない」ということが多かったんです。

でも、ちょっと難しいことをやってほしいという時には、60歳を過ぎた職人さんにオーダーして加工してもらっていたりしたんですね。40代、50代の職人さんになると、もう鉋(かんな)さえ使えない職人さんが多いんです。そういう場面を見て、「こういう技術を学べるのは、今の時代が最後なんじゃないか」と思ったんですね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

技術を身につけると決めてからは、ヨーロッパに行くことなども考えたんですが、色々と見た中で、ある程度家具を勉強していた自分でも、どうやって作っているのかが分からなかったものが指物だったんです。最初は「技術を身につけよう」という考えでこの世界に入りましたけれども、やっている中で、下町の文化とか、江戸っ子のこだわりとかが、だんだんと面白くなってきたんです。「モノ」だけではなくて、周りの環境だったり、歌舞伎の文化だったり、お茶の文化だったり、職人同士の仲間の文化だったり、やっぱり、「文化」を含めての伝統工芸なんですね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

「渡辺」では丸7年間修行をしたんですが、30歳を目前にした時、「そろそろ勝負したいな」と思いまして、最初は埼玉で、友人のお父さんの工務店の一角を借りて指物を作り始めたんですね。それから2年間ぐらいは、親方の仕事をもらって埼玉でやっていました。

そのうち浅草の頃からお世話になっていた墨田区の先輩職人の方から、「埼玉で指物はねえだろう。墨田に指物師がいなくなったから、お前来いよ」という感じで言われまして、現在に至っています。ここに来て、墨田区伝統工芸保存会に入ってからは、5年目になりますね。

7年間の弟子生活ということですと、やはり大変な面もあったのではないでしょうか。

指物師 益田大祐さん インタビュー

私も、生まれは東京でも西のほうだったので、こっち(東側)に来て、最初はびっくりすることの連続でした。自分の親方じゃない親方に買い物を頼まれるなんて事はしょっちゅうですから、「なんで俺、こんなに親方じゃない人にまで使われているんだろう?」って思っていましたよ。でも、それがだんだんと心地よくなってくるんです。みんな家族みたいな感じなんですよね。ですから、下町の“輪”に入るのはちょっと大変かもしれませんけど、入ってみると、楽しさのほうが大きいです。

益田さんは外部から入り、独立したタイプの職人さんですが、代々続いている職人さんとの違いは何だと思われますか?

指物師 益田大祐さん インタビュー

それぞれ一長一短があるんですが、代々続いていると、「抱えているもの」が大きいんですね。親方から言われていることを崩しちゃいけない、という使命感があったり、お店をやっていると、店のイメージというものも背負うことになります。でも、僕のような職人は何をやっても自由で、僕ひとりの責任ですから。周りの先輩に「お前はやりすぎだ」と言われることもありますが、自己責任で、自由にやらせてもらっているという面はありますね。

家を継ぐのか、伝統工芸を継ぐのか。その辺りの感覚の違いというものは感じます。大多数の職人さんは、家を継ぐという方ですから。中には、子どもに後を継がず、自分の代で終わりにするという職人さんもいます。かと思えば、僕みたいに外から入ってくるという場合もありますしね。

ですから僕のような立場だと、新しいことにも取り組みやすいんですが、どっちかに偏ってはいけないと思うんです。新しいことだけをやっていくと、どうしても伝統の部分が疎かになってしまいますので。ですので、明確に「伝統のもの」と「新しいもの」を分けて考えて、その時々でウエイトは変わると思うんですけれども、どっちかを捨てるんではなく、両方とも大切で、「こっちがあってこっちがある」という、バランスを大事にしていきたいですね。

今は一般の方が指物に触れる機会も減ったと思いますが、展示即売などの機会もありますか?

指物師 益田大祐さん インタビュー

昔は百貨店の家具売り場にも置いてあったんですが、いまはほとんど無いですし、「江戸職人展」のようなイベントも少なくなってしまいましたから、なかなか常設で置いてある場所は少なくなってしまいました。ですからこういった職人の工房に出向いたり、私などは墨田区のイベントなどがあれば入れてもらったりしていますので、どうしてもそういった機会になってしまいますね。

私の商品に関しては、私が修行していた時に知り合った方が「SyuRo(シュロ)」っていうセレクトショップをやっているんですけれども、私が独立する時に彼女も店をオープンしまして、「じゃあ、何か指物の技術を使って、何かシュロさんのアイテムを作りましょうか」っていうことで、相談しなから決めたものが幾つかありまして、それはシュロさんの店舗でも扱っています。

シュロさんとのコラボ商品には、どのようなものがあるのでしょうか。

シュロさんとの作品は、「現代にある木の小物を、指物の技術を加えたらどうなるか」ということで考えて作りました。ブックマークに使えるような木のクリップ、赤ちゃんのガラガラ、お箸、鍋敷き、ペーパーウェイト、名刺入れなどがあります。

指物師 益田大祐さん インタビュー

ガラガラなどは「木目をきれいに繋ぐ」という指物の技を使っていて、どこから中身の小石を入れたか分からないようになっています。機械で切ると歯の厚さが3ミリくらいはあるので、合わせた時にどうしても木目がズレちゃうんですが、指物で使う薄いのこぎりだと、ほとんどズレが無いんです。江戸っ子は、木目がズレると縁が切れるっていうことで、嫌がっていたそうなんですね。デザインとしても、木目が合っているとすごく自然ですし、そういう細かいところが、江戸のデザインなんだな、と思います。

若い方にとっては「指物」っていう言葉自体が分からないですし、昔ながらの製品を見ても、「ああ、時代劇で見たことがあるな」という程度の感想にしかならないでしょうから、こういった手軽な木製品を通して、指物の魅力に気づいてもらえると良いですね。そういった目的が合致して、開店からシュロさんとは仲良くやらせていただいています。

ほかにも、若い職人さんを集めたユニークな取り組みをなされているそうですね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

はい。今年になってから、墨田・台東の若手の職人を中心にして、10名で異業種のグループを作って、「どうやって伝統工芸の良さを伝えていこうか」っていうことを相談しています。代々の職人の家系と、外から入ってきた人とがちょうど半々で混じっているんです。

グループの名前は『もの「型」り』と言うんですが、「型を継承する」という意味と、「物の中に“物語”を付けられるものを作ろう」ということでやっています。やっぱり異業種の職人が一緒にやるほうが、いろんなアイディアも出てくるんですよね。職人さんには切子、市松人形、飾りかんざし、手ぬぐい屋さん、江戸小紋、木彫、ブラシ屋さん、足袋屋さんなどがいますけれど、「切子があるから、これに合う入れ物を指物で作ってほしい」とか、そういう形で一緒に商品を作ったり、意見を交換したりしています。僕と同じ30代の職人さんが中心なので、感覚が近いんですよね。いずれはコラボ商品なども展開できれば良いと思っています。

最後に、錦糸町エリアの魅力について教えてください。

錦糸町駅前から見た東京スカイツリー

住んでいる人にとっては静かな地域で、人通りも車通りも少ないので、生活するにはすごく快適な街だと思います。交通の便もけっこういいんですよ。都内に向かっていけば日本橋の浜町や、銀座へもすぐ出られますし、ちょっと歩けば浅草へも行けます。

この辺りについて言えば、近くに立川(たてかわ)という川があるんですが、この川沿いには昔、銘木屋さんが多くありまして、銘木屋さんが閉じた後には、機械屋さんが増えて、自動車の部品などを作っていたそうなんですね。最近はそれもどんどん少なくなっていまして、マンションが増えてきていまして、街の雰囲気も変わりつつあります。今後そういった、伝統文化や歴史をうまく利用しながら、楽しめるような町づくりをできれば良いんですけれどね。

木場公園

マンションを買われる方だと子育てをされる方も多いと思いますが、ちょっと行けば木場公園などの広い公園もありますし、良い環境だと思いますよ。散歩していても近所のおばちゃんが話しかけてくれたり、危ないことをしていたら怒鳴って叱ってくれるおじさんがいたりします。それが下町の良さなんでしょうね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

今回、話を聞いた人

指物師 益田大祐さん

指物益田
所在地:東京都墨田区立川4-6-5
URL:http://sashimasu.exblog.jp/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

デザイナーから“指物職人”へ
伝統を受け継ぎ、もの作りの枠を広げる/指物師 益田大祐さん

所在地:東京都墨田区立川4-6-5 
https://sashimasu.exblog.jp/

生きる力を培う教育を行う/立川市立立川第二中学校 常盤隆 先生


立川市立立川第二中学校
校長 常盤隆 先生

生きる力を培う教育を行う
「立川市立立川第二中学校」

東京西エリア最大の乗車人数を誇る「立川」駅は、JR中央本線・南武線・青梅線のほか、多摩都市モノレール線も乗り入れるという三多摩地区の中心駅。駅前の充実した商業施設に加え、少し歩けば静かな住宅街が広がり、特別快速を使えば新宿まで25分という通勤にも便利な地の利で人気のベッドタウンである。「立川」駅から歩いて18分の立川市立立川第二中学校は、緑豊かでのびのびとした環境に恵まれ、地域に根付いた中学校。その魅力を常盤隆校長先生にじっくりと伺った。

立川市立立川第二中学校の概要についてご紹介ください

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

戦後間もない1947(昭和22)年、曙小学校内に設置し出発した本校は、現在487名の生徒が学ぶ学校となり、2013(平成25)年で開校66周年を迎えました。開校当時は松林の中に建つ学校でしたが、今でもその松が何本か残っており、当時の風景をしのぶことができます。

通常4階建てが多い中学校のなかで、本校は2棟、すべて3階建て。大きな校庭と相まって、広い空を感じることができる恵まれた環境です。晴れた日には、校舎から秩父山地の山並みも見え、街中にあってもじつにのどかな学校ですね。

地域の方々から支えられている活動が多いそうですが

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

本校の生徒は伝統的にきちんと「あいさつ」をする子どもたちが多いのですが、これは2005(平成17)年から始まった朝の「あいさつ運動」の成果です。この活動は地域の保護司や児童委員の方々のほか、PTAと生徒会も一緒に門に立ち、登校してくる生徒たちにあいさつをするものです。朝に顔を合わせてあいさつをすることで、子どもたちには「地域に守られている、助けてもらっている」という気持ちが芽生え、地域の方々も「私たちの町の子ども」という意識を持ってくださるようです。

地域清掃のボランティアに手を挙げる生徒たちが「地域の方々や町にお礼をしたい」と話す子どもが多いのも、日々の「あいさつ」からさまざまなことを感じ取っているからだと思います。

恒例行事の「三町合同高尾山ナイトハイク」についても教えてください

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

昭和50年代後半、校内暴力や学校崩壊など中学校が荒れている時代がありました。そんなとき、「中学生が興味を持って参加してくれる活動はないか」「ありあまるパワーをぶつける場所はないか」と、学区の曙町・高松町・栄町の三町の子ども会連合会が企画したのが、この「高尾山ナイトハイク」です。

当初は「夜中に中学生を登山させるとはなにごとだ!」と市の教育委員会や学校からも猛反対されましたが、あくまでも子ども会の活動として開催し、本校の生徒が200名も参加したそうです。以来毎年恒例の行事となり、今年も二中の生徒180名近く、教師も11名近くが参加しました。地域の方々が付き添いから現地で待機する安全対策役までやってくださり、総勢82名のスタッフがサポートしてくださるなど、まさに地域力を感じる活動です。

夜10時に学校体育館に集合して、「立川」駅まで歩くのですが、その道々に途切れなくズラリと交通安全協会の方々や見送りの方々も立ってくださり、「気を付けてね」「行ってきます」とお互い声を掛け合いながら出発しました。1982(昭和57)年の初開催から一度も事故なく実施し続けられているのも、すべて地域の方々の協力のお陰と感謝しています。

2008(平成20)年~2009(平成21)年度に「スポーツ教育推進校」として教育活動を行ったそうですね?

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

じつは今年度も「スポーツ教育推進校」として東京都教育委員会から指定を受け、スポーツの教育活動に意欲的に取り組んでいます。前回と同様「持久力をつけること」を目標に、体育授業内などで走る場面を多く設けて、体力と持久力の向上に努めています。

これは前回の活動で分かったことですが、持久力はトレーニング次第でアップさせることができるので結果が出ることで、本人も達成感が持ちやすいこと。そして持久力がつくことで、学習の面でも我慢強く問題に取り組んだり、毎日の勉強が苦じゃなくなったりと、忍耐力や継続力も自然とついてくることが期待できます。体力がつくことで学習面にもプラスになる、それを実感できる意義のある取り組みにしたいです。

そのほかにも特徴のある教育活動があると聞きました

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

本校は平成23~25年度、東京都教育委員会「言語能力向上推進校」の指定を受け、「言葉の力~伝え合う力を持った生徒の育成~」というテーマで、さまざまな取り組みをしています。私が特に子どもたちに期待しているのは、この「伝え合う力」という部分です。間違っていても、また、皆とは違う意見でも自分の考えや気持ちを伝える、そして自分とは違う人の意見を聞く。お互いの意見の噛み合わせ方、コミュニケ―ションの基礎力をつけてほしいと考えています。

もう一つ力を入れているのが「クリティカルシンキング(批判的思考)」という考え方です。答えを出すことは得意でも、論理的に考え、思いを伝えることは不得手といわれる日本の子どもたち。情報を鵜呑みにせず、根拠を探し、自分で考え、判断して評価する力を備えるために特徴ある指導をしています。授業中、先生から子どもたちに「なぜ?」「根拠は?」と繰り返し問うと、最初は「教科書に書いてあった」などと答えていましたが、そのうち「この資料だけでは分からない」「もっと○○の情報がほしい」など見極めようとする力がついてきます。この「なぜ」「どうして」を問う力、そして自分なりの考えを持つことこそが、これから子どもたちが成長し社会に出たときに役に立つ力になると信じています。

立川第二中学校の生徒たちの様子を教えてください

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

とても気持ちの安定した落ち着いた生徒たちで、朝礼や集会なども非常に静かに話を聞くことができる子どもたちですね。これは地域、ひいては各家庭が安定しているからだと思います。ナイトハイクの提案などもそうですが、地元の方々が子どもを大切に慈しんでくださる気持ちが子どもにも伝わっていると感じますね。

先日行った「道徳授業地区公開講座」では「わたしのふるさと・立川」というテーマで授業を行い、自分の好きな立川を詩で表現する取り組みを行いました。その時の詩を読むたびに、地域の方々から温かく接してもらった体験が、子どもたちの地元を愛する気持ちに反映されていると実感します。私たち教師も、そんな環境に支えられていますね。

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

東京都立川市立立川第二中学校
校長 常盤隆先生

所在地:東京都立川市曙町3-29-46
電話番号:042-523-4338・4339
http://www1.m-net.ne.jp/dai2/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

生きる力を培う教育を行う/立川市立立川第二中学校 常盤隆 先生
所在地:東京都立川市曙町3-29-46 
電話番号:042-523-4338・4339
http://www.tachikawa.ed.jp/jh02/?page_id..