結婚式から始まる新しい人生を、トータルサポートする 「三橋の森」。/株式会社GIFT 島田康司さん 三橋の森ウエディング「ラ・クリエール」 呉本貴子さん


株式会社GIFT 統括責任者 島田康司さん
三橋の森ウエディング「ラ・クリエール」マネージャー 呉本貴子さん

結婚式から始まる新しい人生を、トータルサポートする
「三橋の森」。

JR「大宮」駅からはバスで約10分程度。穏やかな街の中に、2011(平成23)年にオープンした、結婚式場からレストラン、ベーカリーカフェ、保育園、カルチャースクールと、多彩な事業を展開している「三橋の森」という複合施設がある。結婚式をその日だけのイベントで終わらせず、その後の夫婦・家族の人生を温かく幸せにするために、さまざまなサービスを行っている。今回は「三橋の森」を運営する「株式会社GIFT」の統括責任者・島田様と、ウエディング事業のマネージャー・呉本様にお話を伺った。

さまざまなサービスを展開している「三橋の森」ですが、まずは設立の経緯、施設のコンセプトなどについてお聞かせいただけますでしょうか。

三橋の森インタビュー

私たちの会社は、以前は他県でブライダル事業を主に行っていました。新たにこの「三橋」という街を選んだ理由のひとつには、広大な敷地内に樹齢120年を超える桜の樹と、椎(シイ)の樹という街のシンボルツリーがあり、結婚式場にふさわしい雰囲気があったことがあります。出会いは“樹”だったのです。

結婚式を一過性のイベントで終わらせず、結婚後には、子育てをして、カルチャースクールで自分の趣味も広げられる…一生のお付き合いができるような施設を作りたいという想いから「三橋の森」の立ち上げが始まりました。そして2011(平成23)年に、「三橋の森ウェディング ラ・クリエール」「レストラン アキュイ」「カフェ ボスケ」「三橋の森保育園」「三橋の森カルチャースクール」からなる同施設がオープンしたのです。

ウェディング事業ご担当の呉本様にお伺いします。
ほかの結婚式場にはない、「三橋の森ウェディング ラ・クリエール」の魅力とはどのようなところなのでしょうか。

三橋の森

なんといっても、“日常使いができる場所”で結婚式が挙げられる、ということですね。カフェがあり、レストランがあり、保育園やカルチャースクールもあり…。結婚式はとても特別な日ですから、式を挙げられるご夫婦に、お二人らしくゲストをおもてなしできる空間として利用していただきたい。そして、式場をたった1日の特別な場所として終わらせずに、思い出の場所としていつでも帰って来られる空間にしたいのです。

三橋の森インタビュー

“特別でありながら、特別でない場所”…そんな在り方を目指して、「ラ・クリエール」は今も進化中です。例えば、チャペルでの式だけでなく、先程お話ししたシンボルツリーの前でのガーデンセレモニーやハウスウエディングなど、お客様のニーズに合わせてご相談にのっています。

「三橋の森」のメインとなるテイストは「ナチュラルカントリー」と「ヴィンテージ」です。それに基づいて、大きなコンセプトだけをスタッフで共有して、あとは堅苦しく決めずに自由であるため、ほかの結婚式場とは違ったナチュラルさがあるのだと思います。

式場を利用される方は、どのようなお客様が多いのでしょうか。
また、結婚式の後、思い出の場所としてみなさんはどのようにすごされるのでしょう。

三橋の森インタビュー

ここで式を挙げたいという方は、格式ばった雰囲気よりも、自然で穏やかな状態で式を行ないたい、ゲストにも心から楽しんでもらいたい、というサービスを求める方が多いですね。そして、結婚式の後も、かなりの方々がここへ戻ってきてくださいます。
シンボルツリーの桜を眺めながらの「夜桜ディナービュッフェ」や、夏の「三橋の森 世界のビール祭り」など、定期的に開いているさまざまなイベントに、ご夫婦でふらりと足を運んでくださったりしています。かしこまって“行くぞ!”と気構える場所ではなく、“近くに寄ってみたからちょっと覗いてみよう”というような感覚で来て頂けているのだと思います。ベーカリーカフェ「カフェ ボスケ」にふと立ち寄ってパンを買って帰る…というように生活のすぐそばで気軽にご利用される方もいらっしゃいます。

レストランやカフェは、結婚式以外にも利用できるのですね。
「アキュイ」はどのようなレストランなのでしょうか。

アキュイ

「アキュイ」は、レストランウエディングのパーティー会場「ペルショワール」がプロデュースしているフレンチレストランです。「アキュイ」とは、フランス語で“ようこそ”、“歓迎”、“ふるさと”、“我が家”などの意味があります。伝統的なフランス料理の技法を大切にしながら、気どらないスタイルで季節のオリジナルメニューを楽しんでいただけます。
レストランウエディングとして、大切な人とだけの小さな結婚式場として、お二人らしい自由な発想の披露宴も開催いただけます。また、火曜日を除く平日11:30〜15:00の営業時間には式場を利用しない一般の方でも利用でき、和気あいあいとしたムードでのお食事会もお楽しみいただけます。

ブライダル以外の事業について、島田様にお尋ねします。まず、「カフェ ボスケ」について教えて頂けますでしょうか。

三橋の森インタビュー

「カフェ ボスケ」はベーカリーカフェです。“小さな街の寛ぎ空間”をコンセプトに、 心に優しく、体にも優しい、無添加のものを使用し、安全・安心にこだわっています。特別なカフェではなく、老若男女誰でもそれぞれのスタイルで自由にくつろいでほしい場所です。小学生のお客様もいらっしゃいますよ。
また、カフェの施設2Fは「三橋の森保育園」になっているのですが、カフェのスタッフが元保育園の先生だったりもします。

 

三橋の森インタビュー

当社ではセクションごとに隔たりがなく、意欲があればやりたい仕事に異動できるんです。子どもたちにとって、カフェで先生が働いている安心感って大きいですよね。そういう点も魅力だと思います。地域密着型のカフェですから、子どもの成長などが見られるのも微笑ましいところです。

「三橋の森保育園」の成り立ちの経緯やコンセプトを教えてください。

三橋の森インタビュー

保育園は弊社の新規事業でしたので、設立の準備で調べていくうちにたくさんの疑問が湧いてきました。
そんなときブライダル事業の、挙式の打ち合わせでのお客様との会話から大切なヒントをいただきました。
実は、ご新婦様の中には“子どもができたら仕事を辞めなきゃ”“仕事を続けたいから子どもを諦めなきゃ”という方々も多くいらっしゃいました。子どもは宝であり、ご両親の仕事や趣味の妨げになるなんておかしいですよね。

そのような環境を変えたいと、「三橋の森保育園」では“子どもがいても仕事ができる”、“子どもがいても趣味や自分の時間を諦めない”ようにすべく、「子どもとご両親との幸せな環境を広めていく環境づくりを進める」目標に辿り着いたんです。

「三橋の森保育園」には、たくさんの預かりコースや授業などが用意されていますね。

三橋の森インタビュー

「キャリアママサポートコース」や「産休・育休ママサポートコース」「フルサポートコース」など、多様なニーズに応えられるようたくさんのコースを用意しています。コースが少ない方が不思議だと私は考えます。
時代が大きく変わっているのに、既存の保育園の多くは昔から決まったやり方を続けている所も多い。子どもも親も時代とともに成長しているのに、商品だけが変わっていないのです。保護者の方は、それぞれ何時に何時間、何曜日に預けたいか、みなさん違うはずです。絶対に土日がお休みと決まっているわけでもありません。ですから、いろんなコースやプログラムを作ろうと思いました。そして、「ECC英語リトミック」「体操教室」「学研ほっぺんくらぶ」「ピアニカ」など授業のコースもたくさん設けました。

「三橋の森保育園」ならではの特徴は何でしょうか。

三橋の森インタビュー

まず、「自分の子どもに通わせたい保育園」を作りたいと思ったんです。「子どもが生きる本来の力」が学べる保育園にしたいと。保育はサービスですので、預けることで良いサービスを得たと思っていただきたいのです。大事なお子様を預かっていますので、食べ物に安全・安心なものを提供するのもその一環で、質の良いものを食べてほしいと思っています。だから保育園は規模は小くても、給食を作っています。それも、作って終わりではなく、管理栄養士も子どもたちと一緒に給食を食べています。実際にその場で見ていないと分からないことってたくさんありますしね。

また、年間行事も「三橋の森」ならではです。クリスマス会はチャペルを使って行いますし、夏祭りは式場のバーベキューコンロを使ったりもします。卒園式の謝恩会は、「カフェ ボスケ」です。定員は38名ですが、こんなに色々なことを上質に行なう保育園はなかなかないのではないでしょうか。入園したらほとんどの子どもが小学校入学前までに通い続けてくれるのも、こうした充実した保育サービスを評価して頂けているためかと思います。

「三橋の森」では、趣味や楽しみを共有できるスクール事業も展開されていますね。
「カフェ ボスケ」に併設の「三橋の森カルチャースクール」について聞かせていただけますでしょうか。

三橋の森カルチャースクール

人気が高いのは、「パン教室」や「お菓子教室」などです。お子様と一緒でもご参加いただけます。また、小さな赤ちゃんがいらっしゃるご家庭も多いので、ベビーマッサージの教室や、子どもの写真をきれいに撮りたいなどの理由で、「フォトレッスン」なども人気がありますね。そのほかにも、「ワイヤークラフト」や「アロマセラピー」などは年配の方からも人気があります。

カルチャースクールは、「カフェ ボスケ」の一角を利用して行っておりスペースに限りがあるため、ひとつの講座の定員は8~10名と少ないんですが、気軽に、誰もが元気になれる場所を目指して色々な講座を開いています。

カルチャースクールの講師にはどのような方を招かれているのでしょうか。

三橋の森カルチャースクール

意外に思われるかもしれませんが、ほぼ口コミで広まったスクールなので、実はこちらから講師をお願いしたことは今までないのです。「こういうことをしたい」と提案される方の中で、スタッフも面白いと思えましたら、講師としてお迎えしています。講師同士の口コミでも広がっていきました。「三橋の森保育園」に子どもを預けているお母様が講師になっている講座もあるんですよ。敷居が低く、気軽に参加できるスクールになるように心がけているのです。

講座の申し込みはインターネットからが多いのですが、直接いらっしゃるか、講座の後に次の講座を予約されていく方も多いです。スクールについての疑問・質問などは、「カフェ ボスケ」まで気軽にお問い合わせいただければと思います。

最後に、この「三橋」の街との関わりや、今後の展望などをお聞かせいただけますでしょうか。

三橋の森インタビュー

この街に住んで良かったな、「三橋の森」があって良かったな、と思っていただけるような施設運営をしていきたいです。地域の方々のリフレッシュや楽しみ、寛ぎの場としてもお気軽にご利用いただけるようにしたいですし、これからこの街に暮らすことを検討されている方にも、ぜひ一度「三橋の森」にいらしていただきたいと考えております。実際に、カフェのお客様として来店された方が、「三橋の森」での教育環境に魅力を感じて、この街に引っ越しして来られたケースもあるんですよ。

また、学校行事でのカフェ見学も受け入れていますし、勤労感謝の日には園児たちと年配の方が関わったり、地域ぐるみで「三橋」の街の魅力を盛り上げていこうとしています。「三橋の森」が、ご近所の方の自慢になってほしい。そういうお付き合いができたらなと思っています。

三橋の森

今回、話を聞いた人

株式会社GIFT 統括責任者 島田康司さん
「ラ・クリエール」 マネージャー 呉本貴子さん

(写真は島田様、呉本様を含む、「三橋の森」を運営するスタッフの皆様)
所在地:埼玉県さいたま市大宮区三橋1-1331
電話番号:048-658-2000
http://la-clairiere.jp/

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の情報です。

結婚式から始まる新しい人生を、トータルサポートする 「三橋の森」。/株式会社GIFT 島田康司さん 三橋の森ウエディング「ラ・クリエール」 呉本貴子さん
所在地:埼玉県さいたま市大宮区三橋1-1331 
電話番号:048-658-2000
http://la-clairiere.jp/

「伝統は革新の連続」 13代の伝統技術を“現代”に生かす石山染交/株式会社石山染交 代表取締役社長 石山祐司さん


株式会社石山染交 代表取締役社長 石山祐司さん

「伝統は革新の連続」
13代の伝統技術を“現代”に生かす石山染交

創業は江戸時代の元禄年間。1950(昭和25)年に墨田区横川1丁目に株式会社石山染交として設立した老舗の染工場・石山染交。歌舞伎・テレビ・舞台芸能衣装をはじめ、法衣・装束・半纏などの染色・刺繍加工を手掛け、1999(平成11)年には、伝統歌舞伎振興への貢献により、文化庁長官賞を受賞。2011(平成23)年には、伝統的なデザインと現代の技術を融合させる新しい試みにもチャレンジしている。「伝統は革新の連続」をモットーに新境地を開く、13代目代表取締役社長・石山祐司氏にお話を伺った。

創業は江戸時代にまで遡るということですが、会社の歴史について教えてください。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

山形県は米沢市など紅花染めで知られる染物の産地でもあるのですが、初代は山形県竹の森(現在の南陽市)というところで染物屋を営んでおりました。呉服商・染物の大きな商いをしていたということですが、1955(昭和30)年、現在の場所に株式会社として設立しました。

染物屋というのはだいたい、工程ごとに分業制で仕事をするもので、京都などではそのシステムが定着しています。しかし私どもは東京という土地柄の中、ましてや染物屋とは何のつながりもない土地なので、職人が集まり、自社で一貫生産できるシステムを確立しています。

染色・刺繍加工ということですが、具体的にはどんなお仕事が多いのですか?

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

メインの仕事は、歌舞伎や古典舞踊の衣装の、染物・刺繍加工です。最も古くからやっているのは、お坊さんの着る法衣の染物ですね。それから雅楽や能、狂言の装束、そして今非常に多いのは、お祭りの半纏や浴衣です。 衣装を作るというのは、受注から納品までの時間が非常にタイトなため、他の工場さんに委託することが時間的にも難しいので、自社で一貫生産できるシステムは強みです。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

また、そういうシステムをとることによって、今申し上げたものだけではなく、たとえばハンカチなど、いろいろな製品を作ることもできます。染物に関わる商品ならたいていのことはできますね。

古い時代の話なのでわからないですが、社名の“染交”は、いろんなものが混ざり合うという意味じゃないでしょうか。刺繍にしても、染めた糸を使うわけですから。私どもが使う刺繍糸はすべて、自分たちで好みの色に染めているんです。一つ一つのセクションは非常にこぢんまりしていますが、全国的に見ても、これだけの種類を自社でまかなっている工場さんはないかもしれません。

職人さんは、何人くらいいらっしゃるのですか?

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

今は17名の職人がいます。染物はいろいろな種類がありまして、たとえば友禅ひとつとっても、型で友禅をする場合と、手描きで友禅をする場合があります。また、「引き染め」や「煮染め」など、いろいろな種類の染物があって、それぞれ一人二役・三役というかたちで、全員が携わっています。だから一人の職人が二つ三つのクオリティの高い技術を持って進めているというのが現状です。

「すみだマイスター」という制度(※)がありまして、当社の職人が2年ほど前に2名、承認されています。また、当社の職人それぞれが、マイスターを取得できるレベルにあります。
※“優れた技術を持ち、すみだの産業を支える付加価値の高い製品をつくる技術者”を墨田区が認定する制度。

ひとつひとつ手仕事で、気の遠くなるような作業ですね。完成までどのくらい時間がかかるものですか?

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

こればっかりは一概にはいえないですね。ひと月かかるものもあれば、1週間でできるものもあります。手刺繍であるとか、加工の込んでいるものは、ひと月でできないものもありますし、これはもう職人さんの手間の日数なので、一概に期間というのはいえないです。衣装の場合は、間に合わなければ夜中も仕事をしますし、ものによっては、明日の舞台のものが「まだ今うちで染めてます」っていう場合もあります。

これまでに印象に残ったお仕事やエピソードなどありましたら教えて下さい。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

そうですね。舞台衣装でいうと、やはり大きな舞台で、一流の役者さんが演じていただけるというのは、この目で見たときに、非常に晴れがましいというか、そんな気分はありますよね。

それから、毎年イタリアのベローナでオペラがあるのですが、2004(平成16)年に上演された『マダム・バタフライ』の衣装を作ったのです。ソリストたちは皆イタリア人なのですが、主役が着る衣装をすべて作らせていただきました。その中で、わざわざ古い衣装を持ってきて、「もっと汚す」という依頼がありました。やはりオペラはお芝居的なものですから、そういう注文は非常に印象的でしたね。

まだ使える衣装をわざと汚してしまうという。もちろん、染料を使って汚すんですが、ちょっともったいない気もしましたね。そのオペラの仕事については、担当したデザイナーさんが後に本にされておられました。非常に手もかかりましたが、世界中の人たちが生でその衣装を見てくださったのは、非常にうれしいことでしたね。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

故石岡瑛子さんがオペラ『忠臣蔵』の美術を手掛けられたとき、先生は和装のものについてあまり詳しくなかったのですが、私どもが自社の古い資料をたくさん提供させていただいて、先生がそれをもとにデザインを起こされ、私どもが作り上げたということもありました。そのときには、先生には非常に喜んでいただきました。

2011(平成23)年に墨田区の地域ブランド「すみだモダン」に認証。オリジナル商品を手掛けるようになったそうですね。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

墨田区には規模は小さいけれど、非常にクオリティの高い工場さんが多く集まっています。「すみだモダン」はこのエリアで、いろいろなものを作ることができるということをアピールしていこうという事業です。その中で、工場が作っているものをそのまま提供するのではなく、いろいろなデザイナーさんと工場がコラボレーションして新しい商品を作るという企画があったんですね。

私どもはそういうことはやったことがないものですから、非常に興味を持ちまして、お話を伺ったところ、デザイナーさんが私どもの資料をご覧になって、「これは面白いものが作れる!」と言って頂けたので、一緒にコラボレーションしたんです。そこでできたのが、江戸時代の鳶(火消し)の半纏をコートにした“匠美コート”と、古来の文様をデザインした“MONYOUハンカチーフ”です。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

コートは昔から鳶の職人とか、お祭り関係の人たちが冬場に着ていた半纏なのですが、じつはそれほど暖かくなかったんです。しかし、非常にデザイン性の高いものなので、これを何とか見た目のかたちを変えることなく暖かいものにして、関係者以外の人たちにも着てもらえないだろうかということがテーマでした。そこで、特殊性能のある新しいインナー素材を苦労して探しまして、コートに仕立てたのです。それまでの半纏を着ていた方たちも、「こっちのほうが暖かくてぜんぜんいい」と、喜ばれていますし、男女を問わず、和のテイストを味わいたいという人に人気があります。

「伝統は革新の連続」をモットーにされておられますが、どのような“革新”を心がけておられますか?

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

コートのほかに、ハンカチも作りましたが、私どもはこれまでハンカチなど作ったこともありませんし、なおかつ、一般の商品を提案することもしてこなかったんです。これは、営業的な部分でも、もの作りにおいても、革新的な試みの一つでした。また、半纏はこれまで何十年も、今までのままでずっと流通していたた商品なんです。「そのうえに何かもう一工夫できないだろうか」ということもまた、革新的なものの考え方の一つではないかと思っています。

技術にしても、世の中はデジタル化していますから、我々がやってきたアナログ式なものではなくて、デジタル式でものが作れる。実際にインクジェットプリンターを使った製品にもチャレンジしています。しかし、インクジェットプリンターを使う場合、その前後にはどうしても、生地にアナログ式の処理が必要なんですね。その処理も、我々の一貫生産の工場の中ですべて設備が整っているので、革新的な試みにも挑戦できる。

コートやハンカチに限らず、これまでまったく塀の外の話であったアパレル関係にも挑戦していきたいと思っていますし、我々が携われることがあれば、チャレンジしていきたいと思っています。

同時に、これだけは守り、伝えていきたいと思われるものはありますか?

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

デジタル製品が珍重される現在ではありますが、アナログ製品の素晴らしさ、“手作りの良さ”ですね。たとえば同じ直線でも、デジタルの直線と手作りの直線はおのずと違ってくる。デジタルとは違って、手で引く線はちょっと曲がっていたりするんです。そんなアナログの味わいを伝えて行きたいですね。インクジェットプリンターでは出せない色もまだまだありますから。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

線や色に限らず、できあがったものの全体像から、アナログ式だからこそ湧き出て来る良さというものを、忘れずに追求していきたいと思っています。

「東京スカイツリー」ができ、このあたりの雰囲気はどんなふうに変わりましたか?

浅草公園から見たスカイツリー

一番分かりやすい変化としては、観光バスが増えたことが挙げられます。今は「東京スカイツリー」に立ち寄ってから、浅草を散策する方が多いと思いますので、観光バスの数が増えたのが目新しいですね。「東京スカイツリー」ができたおかげで、この界隈を歩いている方が増えたなと思います。「東京スカイツリー」だけが目的ではなく、この界隈を散策してみようかなという人が増えたように感じますね。

やはり街に人がいるのといないのとではぜんぜん違います。人がいれば街は活性化していくと思うんです。人の力というものは大きなもので、我々もの作りをしている人間でも、何が必要かというとやはり人の手が必要になるんです。

最後に、錦糸町界隈の魅力や好きなところについて聞かせてください。

親しみやすい雰囲気が残っている所でしょうか。一番はやはり、“お祭り”ですね。お祭りのときは、町会みんなで協力して盛り上げます。いわゆる“向こう三軒両隣り”的な風情はまだ残っております。新しくマンションなどに引っ越してこられる方も、お祭りをやっていれば町会等にも溶け込めると思いますので。ご近所のおつき合いがまだまだ残っているというのが、この界隈の良さではないでしょうか。

株式会社石山染交 代表取締役社長インタビュー

今回、話を聞いた人

株式会社石山染交 代表取締役社長 石山祐司さん

所在地:東京都墨田区横川1丁目12−11
電話番号:03-3625-8211
営業時間:8:30~17:30
URL:http://www.ishiyamasenko.co.jp/

〈MONYOUハンカチーフ〉は、東京スカイツリーの東京ソラマチ・産業観光プラザ すみだ まち処で販売しているほか、一部通販、Rin crossing、ポーラ美術館で店頭販売もしている。〈匠美コート〉は近々通販で販売予定。石山染交でバイオーダー制作もしている。

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の情報です。

「伝統は革新の連続」 13代の伝統技術を“現代”に生かす石山染交/株式会社石山染交 代表取締役社長 石山祐司さん
所在地:東京都墨田区横川1丁目12−11  
電話番号:03-3625-8211
http://www.ishiyamasenko.co.jp/

伝統を受け継ぐ“子どもだけの太鼓チーム”/前川雀太鼓会 会長インタビュー


前川雀太鼓会 会長インタビュー

伝統を受け継ぐ“子どもだけの太鼓チーム”

埼玉県川口市の伝統芸能として、市民の間で広く愛されているのが、和太鼓を使った曲目のひとつ「初午太鼓」。「テンテケテンテケ、チャカマカチャカマカ」という独特のリズムが印象的で、市内各地には大小さまざまな和太鼓会があり、この「初午太鼓」を中心に、日々練習に励んでいる。その披露の場は主にそれぞれの地区のお祭りなどになるが、川口の市民祭や、「初午太鼓コンクール」などでは複数の団体がその成果を競い合うなど、どのサークルも本格的な活動を行っている。

前川雀太鼓会 会長インタビュー

 

今回はその中のひとつで、小学生を中心に子どもだけで構成されているという「前川雀太鼓会」の練習会場にお邪魔した。2時間にわたる熱心な練習では、「初午太鼓」と「雀祝太鼓」の2つの曲目が練習されていた。 会の会長を務める白石巌さんは、時には厳しいコーチとして激を飛ばし、時には低学年の子の手をとって教えるという、メンバーにとって「頼れる顧問の先生」のような存在。緊張感と笑顔が共存する2時間が終わった後、白石会長にお話を伺った。

「前川雀太鼓会」はいつ頃からあり、どのような目標を持って活動していらっしゃるのでしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー

会の創立は、今から23年くらいになるかと思います。前川地区の地元の活動や、お祭りなどに寄与できる太鼓の会を作りたいということで、先代の会長が作ったそうです。私は2代目の会長になりまして、私が引き継いでからは今年で14年目になります。 私自身も、ふたりの娘がこの会でずっと習わせていただいていていまして、今は娘は卒業したんですが、私はそこからの延長で、ずっとこの太鼓の会に携わっているんですね。

「子どもだけの太鼓チーム」は、市内に多く存在するのでしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー

「初午太鼓」というのは川口市全体の伝統芸能になっていますから、市内の太鼓のチームというのは非常に多いです。ただ、「子どもだけのチーム」っていうのは、私もよく分からないですけれども、かなり少ないと思います。子どものチームと大人のチームと、両方があるという団体は多いと思いますが。

今日は練習とは言っても、素晴らしい演奏を楽しませていただきました。曲目としては、今日の2つの曲が基本となるのでしょうか? また、これらの曲は、どういった機会に披露されているんでしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー

そうですね。基本的には、川口の伝統芸能の「初午太鼓」と、雀太鼓会の“創作組太鼓”で、「雀祝太鼓(すずめいわいだいこ)」という2曲が大きなものとしてはありまして、そのほかに、民謡に合わせて叩くような形のものが何曲かあります。初午太鼓は、基本的なリズムが「チャカマカマカチャン、チャカマカチャンチャンチャン」となっているんですよ。

前川雀太鼓会 会長インタビュー

披露の場としては、まず毎年7月にある前川地区のお祭りと、町会の盆踊り大会には必ず参加させて頂いていますし、8月上旬には川口の夏祭りの「たたら祭り」でもステージがあります。それ以外ですと、老人ホームに慰問に行って、おじいちゃんおばあちゃんの前で披露したりもしています。 大会としては、川口市では初午太鼓のコンクールが年に1回ありまして、それが子どもの部は小学生以下、一般の部が中学生以上ということになっていますので、このコンクールにも毎年出ています。

現在のメンバーは何人ぐらいになりますか? また、入るにはどうすれば良いでしょうか。

前川雀太鼓会 会長インタビュー

基本的には小学生がメインの団体なんですが、中学生、高校生も含めると合計で26名になります。入りたいと思われたら、まずは毎週金曜の夜、この公民館で行っている練習を見学に来ていただければと思います。 会費に関しては、毎月3000円をいただいていますが、それ以外にはあまりかからないです。また、うちの名称は「前川雀太鼓会」ですけど、特に前川地区にこだわっているわけではないですから、隣町から来ていただいても大丈夫です。

太鼓会に関わることで、子ども達はどんな面で成長すると感じられますか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー

メンバーは小学校1年生からOBの中学生、高校生までいるので、上下関係を意識しながらも、いい感じで仲良くしながら、年上の人は年下の子の面倒を見るなど、良い上下関係ができています。うちの会は、そういう点が特に上手にできているのかな、と思います。

前川雀太鼓会 会長インタビュー

中学まで続ける子は半数いるかいないかですね。やはり部活が入ってきますから、なかなか続けるのが難しいんですが、そのあと何年か経って、「やっぱり太鼓が好きだから」ということで、戻ってくる子もいるんですよ。

音楽が苦手な子でも大丈夫でしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー

それは心配ないと思います。身体もたくさん動かしますので、やっているうちに身体で覚えていけると思います。ただし、リズムが合わないと一つの作品が完成しませんので、極力全員出せるように努力はしていますけれども、必ずしも全員が舞台に出られるということではありません。

保護者が活動に関わったり、協力する場面はありますか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー

先ほど申し上げたような各種出演に関しては、やっぱり太鼓自体が大きかったり、重かったりしますので、搬入とか搬出には保護者の方にご協力をいただいています。また、低学年の子も多いものですから、送迎などにも気を配っていただくよう、お願いをしています。

太鼓を打つ時、最も大切なことは何でしょうか。

前川雀太鼓会 会長インタビュー

やっぱり「協調性」ですね。みんなと仲良く協調できる気持ちがあれば、何でもできると思います。逆に、太鼓を長くやっていれば、協調性が養われていくと思います。

前川エリアの魅力について語っていただければと思います。

私は東京生まれなんですけど、小学校の時に前川に引っ越してきて、それから40年以上ずっと、前川に住んでいるんですね。前川の魅力と言われますと、まず大きなショッピングモールが近くあって便利ですし、それだけじゃなくて、スーパーのような小さなお店もあるので、生活をするには過ごしやすい場所だと思います。川口の中心からは少し離れているので、そんなにガヤガヤうるさくはないですし、かといって、駅から極端に離れているわけではないですから、東京へは電車一本で気軽に出られます。そのへんのバランスの良さが魅力ではないでしょうか。

前川雀太鼓会 会長インタビュー

今回、話を聞いた人

前川雀太鼓会
会長 白石巌さん

練習場所:前川公民館(埼玉県川口市前川町4-612)
練習時間:毎週金曜日19時~21時
連絡先:048-265-6616(TEL&FAX)
備考:電話番号は19時以降のみ、小学校1年生以上から会員募集中
※記事内容は2013(平成25)年7月時点の情報です。

伝統を受け継ぐ“子どもだけの太鼓チーム”/前川雀太鼓会 会長インタビュー
所在地:埼玉県川口市前川町4-612 
電話番号:048-265-6616

劇団四季の新たなる拠点 感動を分かち合う舞台作りとは/劇団四季 シアターマネージャー 藤本真知子さん


劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー

劇団四季の新たなる拠点
感動を分かち合う舞台作りとは

2010(平成22)年の春、劇団四季の新たなる拠点としてオープンした「四季劇場[夏]」。「舞台と客席に一体感がある、濃密な空間」をコンセプトに造られており、施設面としては、客席が2階層となっており、2階客席が1階席中央近くまで大きくせり出していることが特徴。加えて、額縁となるステージは横(間口)が狭く、高さがある欧米型を採用しており、多彩な演出手法に対応する機能を備えている。
今回はこの劇場で来場者対応の最前線に立つ、シアターマネージャーの藤本真知子さんに、作品の見どころと大井町の魅力について話を伺った。

「四季劇場[夏]」は都内に幾つかある「四季専用劇場」のうちでも最も新しい劇場ということですが、最新設備などの特徴はあるのでしょうか?

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー

この劇場だけの特徴というものは特に無く、基本的には浜松町にある[春][秋]劇場などと同等の設備になっております。私たちの劇場は、すべての劇場で「客席と舞台の距離が近い」ということをコンセプトにしていますので、とにかく「作品の感動が十分に届けられるような空間」ということを大事にしています。ただ、これまでの劇場と比べて駅からの距離がとても近いですから、そういった点では、他の劇場に比べて大きなポイントになっていると思います。

現在上演中の『リトルマーメイド』について、見どころを教えてください。

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー

見どころということでは、「オートメーションによるフライング」ですね。舞台が海の中なので、「海の世界をどう表現するか」ということが大きなポイントになっているんですが、「フライング」で舞台の空中を飛ぶことによって、海中を泳ぐシーンを作っているんです。フライングのための機械がすごく繊細に作られていますので、本当に海中を泳いでいるように、滑らかな動きになっているんですよ。これほどフライングを多用する演目は珍しいと思います。

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー『リトルマーメイド』(C)Disney
撮影:下坂敦俊

お客様の反応をお聞きしていても、「本当に海の世界にいるようでした」という感想をよくお聞きします。大人の方からお子さんまで、どなたでも楽しんでいただける作品だと思います。

ディズニー原作のミュージカルとしては、劇団全体で4作品目、この劇場としては『美女と野獣』に続いて2作品連続ということですが、[夏]は特にディズニー作品が主体ということはあるのでしょうか。

劇団四季でこれまで上演したディズニー作品としては、『ライオンキング』、『美女と野獣』、『アイーダ』がありますけれど、特にこの劇場だけ、ディズニー作品に特化しているということはありません。偶然、2作品連続でそういった流れになっております。

ディズニー作品と言えば、やはりお子様も楽しんでご観劇いただけるものが多いので、お子様連れのお客様は多いですね。週末になりますと、特にそういったお客様が多く来場されます。平日に関しては、どちらかと言えば女性のグループの方が多くいらっしゃるという印象です。年代を問わず、幅広いお客さまが全国各地からいらっしゃっています。ミュージカルを初めてご覧になられるという雰囲気のお客様も多くいらっしゃいます。

『リトルマーメイド』はいつまで上演されますか?今後の演目などは決まっているのでしょうか?

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー『リトルマーメイド』(C)Disney
撮影:荒井健

『リトルマーメイド』は大変にご好評をいただいておりますので、公演の終了はまだ定めておりません。チケットに関しては、現時点で2013(平成25)年の年内分の席はほぼ完売している状況ですが、来年の席は空いておりますので、ぜひご検討いただければと思います。

小さなお子様に向けての、特別なサービスなどはありますか?

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー

お子様へのサービスという面では、座席の高さを調整するためのシートクッション、「親子観劇室」を備えております。 「親子観劇室」というのは、泣かれたり、ぐずられたりなどされて客席でのご観劇が難しくなってしまったお子様連れの方が一時的にご利用いただくお部屋です。

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー『リトルマーメイド』(C)Disney
撮影:下坂敦俊

3歳から1席ずつご購入していただきますが、チケットについては、劇場のカウンターで予約することもできますし、インターネットや電話からも簡単にご購入いただけますので、お子様連れの方も気軽にご来場ください。「ファミリーゾーン」というご家族向けの料金設定もありますので、ご家族皆さんでお越しいただいても、比較的リーズナブルにご覧いただけるかと思います。

普段、来場者と接するにあたって心がけている点などはありますか?

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー

私の業務はご観劇されるお客様に最も近い位置にあるものです。作品の感動をきちんとお持ち帰りいただけるように、そして、一人でも多くのお客様に「また来たい」と思っていただけるようにと、日々心がけています。

これだけ住宅地と近い劇場というのも他に無いですから、地元の方にも親しみを感じていただけるような、身近な劇場になればと思います。

藤本さん自身、この辺りにお住まいということですが、「大井町の暮らしやすさ」について教えてください。

大井町の街並み

大井町の良さということでは、何と言っても交通の便が良いところですね。都心に出やすいというところもそうですし、どこに行くにもとても便利ですよ。町の中にいろいろ揃っているので、とっても便利です。 年間を通して公演は行っていますから、地元の方々にもぜひ一度見ていただきたいですし、一緒にこの町を盛り上げていけたらいいな、と思っています。

劇団四季 積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏] 担当者インタビュー

今回、話を聞いた人

劇団四季 シアターマネージャー 藤本真知子さん

積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏]
住所:東京都品川区広町2-1-18
電話番号:03-5776-6730(劇団四季東京公演本部)

URL:http://www.shiki.jp/
チケット予約:http://www.shiki.jp/tickets/

※記事内容は2013(平成25)年7月時点の情報です。

劇団四季の新たなる拠点 感動を分かち合う舞台作りとは/劇団四季 シアターマネージャー 藤本真知子さん
所在地:東京都品川区広町2-1-18 
電話番号:03-5776-6730(劇団四季東京公演本部)
http://www.shiki.jp/
チケット予約:http://www.shiki.jp..

ベンチャー企業の創業支援・成長支援を通して、 地域の発展に貢献する「KSP」/株式会社ケイエスピー 西村哲さん 中村瑞穂さん 小澤亮馬さん


株式会社ケイエスピー
企画事業 部長 西村哲さん
企画事業部 交流課 中村瑞穂さん
企画事業部 交流課 小澤亮馬さん

ベンチャー企業の創業支援・成長支援を通して、
地域の発展に貢献する「KSP」

川崎市の京浜臨海部から中央部にかけての地域には、「東芝」、「NEC」、「富士通」、「キヤノン」など世界有数の企業の中核機能や研究機能が集積している。そんな中にあって、特徴的なのが、研究開発型のベンチャー企業から国内外の大企業の研究部門が集積している「かながわサイエンスパーク=KSP」だ。

 

 「KSP」は、溝の口駅南にあり、そこでは、国内外の企業が研究開発を行っているだけでなく、広く市民に開放されたスペースを持つ、地域に開かれた研究開発施設である。毎年開催されているイベントには、多くの子ども達や地元の人々が集まるという。今回は平成25(2013)年に第10回目を数える「かわさきサイエンスチャレンジ」の話題を中心に、「株式会社ケイエスピー」から、企画事業部長の西村哲さん、企画事業部交流課の中村瑞穂さん、小澤亮馬さんにお話を伺った。

KSPとは、そもそもどのような施設なのでしょうか。

かながわサイエンスパーク

(西村さん)「KSP」というのは通称で、正式名称は「かながわサイエンスパーク」といいます。55,000平方メートルという広い敷地に3つのビルがあり、主に研究開発型のベンチャー企業や大企業の研究開発部門が入居しています。

「KSP」は1989(平成元)年にオープンしていますが、当時は、政府の工場分散政策を受けて、神奈川県内・川崎市内から県外・市外への工場移転が進んでおり、地域の経済力は減退していました。そこで、県と川崎市は、研究開発機能を集めることのより、県内・市内に多数存在する技術力の高い中小企業に刺激を与え、新たな産業を生み出していこうと考えたのです。

KSPの敷地は工場の跡地で、当初はマンション用地として取得されたのですが、県と市がお願いして、地主となった企業を巻き込んで、「都市型リサーチパーク」を建設するプロジェクトが動き出しました。その後、同じような施設が全国各地に出来ていますが、KSPは、今はなくなってしまいましたが「民活法」という法律に基づくプロジェクトの第1号で、全国的に注目を集めましたし、開設当初は、海外からの視察も多かったと聞いています。

かながわサイエンスパーク

現在の入居企業数は、ベンチャー企業、一般企業あわせて約130社となっております。その中には皆さんが広くご存じの大企業もありますし、バイオ系で注目を集めているベンチャー企業もあります。また、KSP内で働く研究者などの就業者は現在5,000名を超えていますが、これは開設以来、最も多くなっています。

KSPのコンセプトは「研究開発型の企業が生まれ育ち、交流する拠点」ということでして、私どもとしては、研究開発型の企業が集まって、お互いにシナジー効果といいますか、相乗効果で、ともに発展していくことを目指しています。

KSPのコンセプトは「研究開発型の企業が生まれ育ち、交流する拠点」ということです。私ども株式会社ケイエスピーは、KSPの中核的事業主体として、公益財団法人神奈川科学技術アカデミーと連携して多くの事業を行っていますが、研究開発型企業がKSPに集まり、交流することにより互い刺激しあうことで新たなビジネス展開ができるよう、ともに発展していけるような環境の整備に努めています。

いわば「一大研究開発拠点」である「KSP」さんですが、川崎市民にとっては身近な存在であり、「かわさきサイエンスチャレンジ」をはじめ、様々な地元との交流事業も行っていると聞きました。

かながわサイエンスパーク

(西村さん)研究施設ですので、KSPで働いている入居企業の利便性を高めるために、3棟の建物のうち、西棟には、セミナー、会議や展示会などが行える、ホール、ギャラリー、貸し会議室があります。また、コンビニ、飲食店や郵便局など誰でも使える施設も用意しています。ランチタイムには、お弁当なんかも安く販売されていますので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。

それから、73の客室を持つホテルも併設されています。国内外から、KSP内の企業を訪問されたお客様のための宿泊施設として用意されたものですが、最近は、「川崎フロンターレ」と戦うJリーグのチームの定宿にもなっています。

かながわサイエンスパーク

(中村さん)市民の方々との交流イベントの最大のものは、今年で10回目の開催になる「かわさきサイエンスチャレンジ」ですね。今年は8月17日(土)と18(日)の2日間、「KSP」の西棟の1階ロビー、3階のギャラリーとホール、そして、7階の会議室で開催します。

このイベントは、川崎市の教育委員会、経済労働局と出展していただく企業・団体等で構成する運営委員会が主催するという形をとっており、私ども「株式会社ケイスピー」はその事務局を担っています。

出展者の皆さまに、この2日間いろいろなイベントや実験をしていただきます。内容は毎年少しずつ変わりますが、例年だいたい10社程度の企業や団体の方にご協力いただいています。「KSP」内や川崎市内に本社を置く企業だけでなく、市内に研究施設が置かれているなど、川崎市に縁のある企業さんに、出展していただいてます。当日は実際に企業の方が対応してくださるので、企業の広報の担当の方だったり、実際に研究をされている方とも話をすることができると思います。

今年の「かわさきサイエンスチャレンジ」にはどのような企画が予定されていますか?

かながわサイエンスパーク

(中村さん)現時点で確定している主なものは、次のとおりです。

 

・くらしのおしゃれ工房「ポシェットづくり」 (株式会社キルト工芸)
・KAST青少年科学技術フェスティバル「ロボットバトル」(公益財団法人 神奈川科学技術アカデミー)
・パイオニアものづくり教室 「音とスピーカー」(パイオニア株式会社)
・KAST光触媒ミュージアム「光触媒の体験」(公益財団法人 神奈川科学技術アカデミー)
・科学と楽しむ楽しい一日「サイエンス実験ワークショップ」 (慶應義塾大学理工学部 山中研究室)
・世界でひとつだけの「カギ」 (株式会社富士通研究所)
・キヤノン レンズ工作教室 (キヤノン株式会社)
・ロボットプログラミング体験会 (NPO法人 科学技術教育ネットワーク)
・静電気に触れてみよう! (株式会社グリーンテクノ)
・コヴィディエン 外科手術体験教室 (コヴィディエン ジャパン株式会社)
・ユースキンのハンドクリーム教室 ハンドクリームづくりを体験しよう! (ユースキン製薬株式会社)
・親子ものづくり体験教室 オリジナルマイボトルを作ろう!/万華鏡とコマを作ろう! (川崎市/東興資材工業株式会社・チーム等々力)
・科学と遊ぼう!ワクワクドキドキ玉手箱 「ものづくり体験」(川崎市教育委員会、かわさき宙と緑の科学館)

「かわさきサイエンスチャレンジ」にはどのように参加すれば良いのでしょうか。

(小澤さん)事前に申し込みが必要なイベントと、当日参加が可能なイベントがあります。今年は、7月19日から25日まで事前申し込みを受け付けます。川崎市内の方はもちろん、川崎市以外にお住まいの方もご参加いただけますので気軽にお申し込みください!だだし、例年ほとんどのイベントで定員を上回る申込みがあり、抽選とさせていただいておりますので、ご理解ください。

企画・実験の対象年齢はどのぐらいなのでしょうか?

かながわサイエンスパーク

申し込み方法など詳細につきましては「第10回かわさきサイエンスチャレンジ」の専用ホームページ(http://ksp.jp/science/)で確認してください。

事前申し込みが不要なイベントのうち、たとえば「かわさき宙(そら)と緑の科学館」が行っているイベントに関しては、当日、整理券を配付しています。2日とも、14種類一回30分の企画を8回ほど行っています。毎年のことなのですが、整理券を入手するために、朝早くから多くの子どもたちが並んでいます。今年もそうなると思いますので、なるべく早く来られることをお勧めします。

それから、交通手段ですが、駐車場もありますが、できる限り公共交通機関をご利用くださいますようお願いします。最寄の武蔵溝ノ口駅または溝の口駅からKSP行きの無料シャトルバスが出ておりますのでご利用ください。

例年、何人ぐらいの子どもたちが参加するのでしょうか?

かながわサイエンスパーク

(中村さん)昨年は「のべ実験参加者数」が約5,000名でしたので、ひとりで2~3回は実験に参加していると考えると、だいたい2~3,000人の子ども達ということになります。親御さんも合わせればその2倍か3倍くらいはいらっしゃっているかもしれませんね。

その他にも、「KSPふれあい夏祭り」が盛況だとお聞きしました。

(中村さん)はい。毎年7月下旬~8月上旬の金・土曜日の二日間に「KSPふれあい夏祭り」を開催しています。これは、「かながわサイエンスパーク商店会」と、かながわサイエンスパーク周辺地域住民の自治会で構成されている「KSP環境保全等住民委員会(KSPふれあい夏祭り実行委員会)」が主催しているものですが、こちらにも地元の方々に沢山来ていただいています。初日の金曜日は主にかながわサイエンスパークで働く方々向けで、私たちも昨年は、カラオケを歌って参加しました。両日、地元の方によるステージ発表や模擬店などがありますし、小中学生のダンスなどもありました。西棟1階の都市ロビーで行われるので、涼しい中で楽しめるお祭りなんですよ。今年は、8月2日(金)夕方から、3日(土)昼から開催します。どなたでも楽しめるお祭りです。みなさんぜひ参加してください。

最後に、皆さんが感じている、溝の口・高津エリアの魅力についてそれぞれお聞かせください。

かながわサイエンスパーク

(小澤さん)私は昨年入社したので、まだ短いんですが、この近くに住んでいまして、「神奈川県立東高根森林公園」がすごく気に入っています。「津田山」駅の近くにあるんですが、緑が多くて自然豊かな公園です。とても居心地が良く、スポーツなどをしたり、気分転換にはもってこいの場所なんですよ。

(中村さん)最近では、以前から気になっていた溝の口にある温泉にも行きました。溝の口に温泉があるとは思ってもいなかったので、あると知ったときにはすごく嬉しかったですね。実際行ってみるとすごくリラックスできましたし、これからは仕事帰りに頻繁に行こうかなと計画中です。これからも溝の口の楽しいスポットを探していきたいです。

(西村さん)「溝の口」駅の周りには利便施設がほとんど揃っていますし、特に飲食店が多いから、外食でこと欠くことは無いですね。あとは駅が何より便利なんです。「交通の要衝」と言っても良いくらいだと思いますよ。渋谷には10分ちょっとで行けますし、大井町や台場方面、千葉方面にも行きやすいです。「新横浜」駅までバスも出ていますので、新幹線を使った出張や帰省などにも行きやすいですね。もちろん買い物する場所も多いです。そういう面で、「住みやすさと便利さを両方兼ね備えた街」だと思います。

  かながわサイエンスパーク

今回お話を聞いた人

株式会社ケイエスピー

企画事業 部長 西村哲さん
企画事業部 交流課 中村瑞穂さん(写真左)
企画事業部 交流課 小澤亮馬さん(写真右)

住所:神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1
電話番号: 044-819-2001(株式会社ケイエスピー)
URL:http://www.ksp.or.jp/

サイエンスチャレンジURL
http://ksp.jp/science/

※記事内容は2013(平成25)年6月時点の情報です。

ベンチャー企業の創業支援・成長支援を通して、 地域の発展に貢献する「KSP」/株式会社ケイエスピー 西村哲さん 中村瑞穂さん 小澤亮馬さん
所在地:神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 
電話番号:044-819-2001
http://www.ksp.or.jp/

豊かな自然に寄り添われた下丸子で快適な日常を演出する/オアフクラブ多摩川(the OahuClub多摩川) 磯根俊二さん


オアフクラブ多摩川(the OahuClub多摩川) 磯根俊二さん

豊かな自然に寄り添われた下丸子で

快適な日常を演出し続ける

高層マンション群の一角にある「オアフクラブ多摩川」は、大きな看板なども掲げていないことから、地域の住民、または会員からの口コミで人々が集い、少人数の会員を少数精鋭のスタッフが迎えてくれる、“隠れ家”的なプレミアム・スポーツクラブになっているという。今回はこちらでトレーナーをされている磯根俊二さんにお話をうかがった。

「オアフクラブ多摩川」は、比較的ハイクラス層の方に人気のスポーツクラブとお聞きしましたが、そうなった背景、施設の歴史、特長などについてお教えください。

オアフクラブ-ジム

ここはマンションの敷地内にあるのですが、「オアフクラブ」に変わる10年前までは、なんと入会金が100万円だったそうなんです。その時まではマンションの居住者の専用の施設だったと聞いておりますが、10年前に私どもの会社「株式会社ユニホー」に経営が移って、「オアフクラブ」となりまして、外からのお客様も受け入れるようになりました。ですので、今でも成人の会員様に関してはマンションにお住まいの方が多くいらっしゃって、高級なイメージになっているんだと思います。

この前身の施設がマンションと同時に完成したので、施設の歴史はだいたい20年ぐらいになるでしょうか。「オアフクラブ」になってからは、2013(平成25年)年6月で10周年になります。敷地も設備も当初とあまり変わってはいませんが、別棟のスタジオの部分は、昔はお花屋さんとATMだった場所を改装して、10年前からスタジオにしたものです。施設自体は新しくはありませんが、コストをかけてしっかりとメンテナンスを行っていますので、それも支持していただいている理由かと思います。

特長としては、ひとつは「落ち着いている」ということでしょうか。どこの施設さんもそうだと思うんですが、年齢の高い会員様が多くて、また地域柄、料金もちょっと高めに設定されておりますので、裕福な会員様が多い印象です。プログラムの面では、マンツーマンのトレーニングがかなり充実していますので、「その人に合ったメニューで指導する」ということが特長になっています。

売りとなっているのは階上の温水プールということですが、こちらの特長を教えてください。

オアフクラブ-ジム

「オアフクラブ」の温水プールは、たぶんこの辺りのプールではいちばん綺麗な水質だと思います。利用者の人数が少ないということもありますが、4年前のリニューアル工事でろ過器と貯湯槽を新しくしまして、それからさらに、水質が良くなったんですね。

プールは基本的に成人会員の方向けに開放していまして、時折、無料プログラムとしてアクアビクスや水中ウォーキングなども行っていますし、別料金になりますが、成人向けスイミングスクールも行っています。運動後は、隣にはジャグジーもありますので、ゆっくりと寛いでいただけるかと思います。

プールに関しては曜日と時間を限って子ども専用の利用もしていまして、毎週土日の朝と、休館日にあたる月曜日がその時間になります。月曜日は終日子ども向けのプログラムで組まれておりまして、午前中のベビー、お昼のプレキンダー、午後のキンダーと続いて、小学校の放課後の時間帯からは、泳力別に「ジュニア1」「ジュニア2」「ジュニア3」という3クラスがあります。「ベビー」はお母様と一緒に入るものですから、6か月児から3歳児まで大丈夫です。「プレキンダー」は2歳児以上3歳児以下で、お子さんが一人で入るものですね。お子さん向けのスイミング教室に関しては、かなり多くマンション外の方、ここから自転車の範囲内くらいの方にいらっしゃっていただいています。

ジム、スタジオの利用についてお教えください。

オアフクラブ-ジム

ジムに関しては、会員の方であればどなたでも自由に使っていただいています。パーソナル(別料金のマンツーマントレーニング)で利用していただくのがお薦めですが、そうでなくても、常時一人以上のスタッフが常駐していますので、分からない点などは気軽に尋ねていただけます。ジムは今年少しだけリニューアルしまして、ランニングマシーンとフリーウエイトの数を増やしました。

パーソナルを付けられている方は、全体の3分の1ぐらいになるでしょうか。トレーニング初心者の方は、最初はパーソナルを付けていただいて、慣れていただいたらご自分で継続していただく、というのがお薦めです。ちなみに、パーソナルはトレーニングの指導のほかにも、ストレッチ、栄養カウンセリング、フィットネスカウンセリング、ボディケア、リフレなどでも行っております。

スタジオではヨガとエアロビクスを中心にいろいろなプログラムをやっていますが、午前中はほとんどリラックス系になっています。「健康体操」など、ご高齢の方には特に人気ですね。午後からはエアロやボクササイズなどもあります。スタジオプログラムでは、ヨガやピラティスなどの「コンディショニング系」が比較的人気です。1日ずっといらして、プログラムを連続して受けられる方もいらっしゃいますね。

料金体系はどのようになっていますか?

オアフクラブ-ジム

料金コースはシンプルでして、成人料金が月々17,850円となっています。ほかのクラブさんのように、ナイト会員や平日会員などのプランは無いものですから、どの施設もプログラムもフルにご使用いただけます。パーソナル、マッサージ、エステ、スイミングスクールなどが別料金になっています。

周囲のスポーツクラブに比べると月会費は高めですし、入会金があるという施設も少数派だと思いますが、それでも敢えてこちらを選択される方からは、「静かだし混まない」という点を高く評価してくださっています。もともとうちの会員だった方がほかのクラブに入会されて、「混んでいて嫌だったから」と戻られたケースもありました。

やはり、安くてもマシンに並ばないといけないというのはストレスになるそうですね。うちはその点、ほとんど並ぶことは無いですから、いつ来られても好きなマシンを好きなだけ使っていただけます。そこが高めの会費をお支払いいただいている、いちばんのメリットかもしれません。

施設を使ったイベント、地域との関わりなどがありましたら教えてください。

オアフクラブ-ジム

会員内でのイベントとして、ユニークなものとしては「ベンチプレス記録会」がありますが、これは完全に、スタッフの趣味が入っていますね(笑)。もちろんメインは会員さんですが、トレーナーも積極的に参加しています。会員さんには年齢の高い方が多いんですけれども、やっぱりこういうハードなこともやって、チャレンジして、楽しんでもらいながら身体を動かしてもらいたいと考えています。

磯根さんが感じられている、新丸子エリアの魅力についてお聞かせください。

オアフクラブ-ジム

いい意味で「下町っぽい」ところがいいですね。皆さん顔見知りの方が多くて、ここに入会される方も、お友達の紹介や、口コミで来られる方がほとんどですし、すごくフレンドリーです。「10年くらい毎日散歩していたけど、こんなところにスポーツクラブがあったのね」」なんて言って見学に来られる方もいらっしゃいます。

あとは、散歩ができるくらい「自然が豊かな場所」ということですね。ジムに来ても、荷物だけ置いて、外を走りに行くような方も多いですし。多摩川沿いを走るのは、本当に気持ちいいですよ。

オアフクラブ-磯根さん

今回、話を聞いた人

オアフクラブ多摩川(the OahuClub多摩川) 磯根俊二さん

所在地:東京都大田区下丸子4-26-6-104
電話番号:03-3757-7272
営業時間:10:00~22:00(日祝~20:00)
休館日:月曜日(子ども向けスイミングのみ営業)
URL:http://academic2.plala.or.jp/ygtne/

※記事内容は2013(平成25)年5月時点の情報です。

豊かな自然に寄り添われた下丸子で快適な日常を演出する/オアフクラブ多摩川(the OahuClub多摩川) 磯根俊二さん
所在地:東京都大田区下丸子4-26-6-104  
電話番号:03-3757-7272
https://www.oahuclub.jp/tamagawa/

地元の、地元による、地元のための学校。 「総合型スポーツクラブ」が目指すコミュニティとは/特定非営利法人 高津総合型スポーツクラブSELF 平口和宏さん


特定非営利法人 高津総合型スポーツクラブSELF 理事長 平口和宏さん

地元の、地元による、地元のための学校。
「総合型スポーツクラブ」が目指すコミュニティとは

「かながわサイエンスパーク」近くにある「川崎市立高津中学校」は、住民の手で中学校の環境が維持され、さらに、敷地の中に自主的に運営管理をする「高津総合型スポーツクラブSELF」という、市民のためのスポーツクラブが置かれている、珍しい中学校である。

中学校の校門はいつでも開放され、住民が気軽に門をくぐって、運動を楽しんでいく。昼間は中学生のための場所なので、クラブが活況となる時間は18時以降。19以降には大人も多く参加して、21時まで思い思いに汗を流していく。

現在の会員数は1,200名。3歳から90歳近くまで、非常に幅広い年代から支持されている「総合型スポーツクラブ」とはどんなものか、理事長の平口和宏さんにお話をお聞きした。

「総合型スポーツクラブ」とは聞き慣れない言葉ですが、どんなものでしょうか。また、「SELF」という名前に込められた思いとは?

高津総合型スポーツクラブSELF

SELFというのは、「Spotrs」「Enjoy」「Life」「Friendly」の頭文字で、スポーツをしながらエンジョイし、豊かな生活を送って、素晴らしい仲間を、という感じですね。そして「SELF」、自分達で作っていくということです。誰でも気軽に、年齢問わずに一緒にできるコミュニティの場として立ち上げたもので、もともと、文部科学省の、「スポーツ基本法」で定められた「総合型スポーツクラブ」というものに準じています。

学校は部活が終わってからの間には、誰も使っていなですよね。だからその時間を地域の方に使ってもらおうというわけです。そうすれば、施設自体が市民の財産ですから、費用もあまりかからないんです。いま、この形のクラブというのは全国に広がっていて、全国で3,700くらいあるそうです。神奈川県のネットワークだけでも、70団体くらいはあります。

「SELF」平口さんが中心になって立ち上げられたそうですが、立ち上げまでの経緯、込められた思いについてお聞かせください。

高津総合型スポーツクラブSELF

もともと、私は「体育指導員」という地域のボランティアをずっとやっていたのですが、ある時、川崎市の教育委員会から「学校の施設を使って、地域の人たちにスポーツや文化を楽しんでもらえるようなものを作っていきたいので、協力してくれないか」という話がきたんです。私はここに60年住んでいて、高津中学校は私の子どももお世話になっているので、何か役に立てればと思って受けたんですね。

高津総合型スポーツクラブSELF

今って、子供たちの遊び場が無いじゃないですか。自分が育ったころは田んぼや畑があって、そこで遊んだんですけど、今はそういった場所はあまり残っていませんよね。だから話を聞いてまず、「子どもたちに遊び場を作ってあげよう」っていう考えが浮かびましたね。自分もスポーツが好きだったので、スポーツでこういう活動をできることが、生きがいに感じられてきましてね。

「総合型スポーツクラブ」という新たな試みに、最初は苦労されたのではないでしょうか。

高津総合型スポーツクラブSELF

最初は沢山の人が集まって会議をしてたんですけど、全然話が進まなかったんです。だから一旦その会議は解散して、新たに組織し直して始めたんです。そしたらどんどん物事が決まっていって。

最初の2年間は行政から補助金がありましたから、講師への謝金とかも用意できました。施設にしても、たとえ公共の建物でも、暖房費とか電気代はかりますから、あくまでも「受益者負担」を原則にしています。

高津総合型スポーツクラブSELF

3年目からは補助金が無くなるので、ビジネスにすることを考えました。いわゆる「コミュニティビジネス」ってやつですね。それで、NPO法人になりまして、行政と契約を結ぶ方向性を考えました。

法人化したことで行政との契約が取れるようになりまして、私たちは川崎市との間に、「学校管理」の契約を取ったんです。これは全国でも珍しいんですよ。地域が学校の管理をするという形なんです。朝の8時半から夜の9時半まで、地域の人たちが用務員さんをやっている感じです。なぜ地域管理がいいかっていうと、人件費が安く、何人もいて、しかも近所に住んでいるから、緊急時にはすぐ駆けつけられるんです。

「SELF」に参加できるのは、学区内の住民だけなのでしょうか?

高津総合型スポーツクラブSELF

原則としてそううたっていますが、誰でも自由です。会員さんがお友達を連れてくれる方が多いですね。考えてみれば、それって評価してくださっているということなんですよね。自分がいいと思ったから、友達にも紹介してくれるんですから。

今は、会員が子どもだけで600人、中学生、高校生、一般も含めたら1,200人いますし、今まで一度でも登録してくださった方は、4,500人にもなります。4,500人の方が、少なくとも1回はうちの内容を感じて、賛同して、会費を払ってくださったんですよね。嬉しいことです。だから地域のニーズに応えているんだな、という実感はあります。

利用時間について教えていただけますか

基本的に、9割は夜の活動です。ここの特長としては、何時に来て、何時に帰っても良いんです。ですから残業があっても、大丈夫なんです。子どもの時間は18時からになっています。部活はだいたい18時までに終わるので、その後に始まるというイメージですね。

人気のプログラムには、どのようなものがあるのでしょうか。

高津総合型スポーツクラブSELF

子どもたちにいちばん人気があるのは「走り方教室」ですね。少しでも足が早くなることを目的とした教室ですこれはもう大人気のプログラムでして、運動会の時期に合わせてプログラムを組んでいるんですが、土曜日には120人くらい来るんです。ラダーを使って瞬発力を鍛えたり、本格的な陸上競技の基本練習からしますし、講師も、会員のトライアスロンの選手の方や、体育教師を目指す学生さんなんかが見てくれているんですよ。

高津総合型スポーツクラブSELF

その他にもいろんなプログラムがありまして、サッカー、バレー、バドミントン、フラッグフットボール、卓球、硬式野球、ウォーキング、フラダンス、ヨガ、ピラティス、太極拳、合気道、チャンバラなど、激しいものからソフトなものまで、曜日によって内容が決まっています。文科系のプログラムもありまして、茶道、健康麻雀、書道、英会話なんてものありますよ。

普通のスポーツクラブですと、受けられる種目も決まっていますし、費用がけっこうかかりますけど、ここの場合は全部できて会費が月に1,000円ですから。中学生以下は500円です。なぜそんなことができるかっていうと、学校の施設を使っていて、講師は会員さんの中から出しているからなんですよね。うちの最大の特徴は、「先生も会費を払っている」ということかもしれないですね。講師も一緒の仲間なんです。

プログラムは年代別に組まれているのでしょうか?

おかげさまで、今では年少の方から、90歳になるような方まで来てくださっていて、世代を越えて、「みんなで作り上げるクラブ」って意識をもって楽しんでいます。ですから、サッカーのような激しい運動以外は、特に年齢別にはしていません。

たとえば卓球教室などでも、普通だと、子どもとお年寄りで一緒にやるってことは避けるじゃないですか。でも「SELF」では、子供向け、大人向けって組分けをしようとすると、それを大人が嫌がるんですよ。お年寄りの方なんか「子どもと一緒にやるのが生きがいだ」って言うんです。だから「お孫さんと一緒にやっているのかな?」と思って聞いてみたら、実は近所の子どもと、近所のおばさんだったりするんです。そのぐらい違和感がなく、みんな仲良しなんです。全然縁もなくてここで知り合った人が、一緒にスポーツを楽しんでいるんです。

学校外に出かけるプログラムも増えているそうですね。

高津総合型スポーツクラブSELF

今はアウトドアとか、外に出て行くプログラムが増えていっています。例えば南房総に行って田んぼに田植えをしたり、稲刈りをしたりもしていますが、これは農村の人たちと連携を組んで、子供たちに「食の大切さ」を感じてもらうように行っているものです。自らの体験を通して、食の大切さ、ひいては身体を動かすこと、健康の大切さを感じてもらいたいと思っています。

今の子どもたちってすごいですよ。本当にいろんなことを知ってます。ただ、体力が少し落ちているっていうのはありますから、こういうクラブで、脳を鍛える前に身体を鍛えてほしいと思っています。身体を動かせば、自然に心が安定するんです。いろんなものが発散されてバランスが良くなるんです。だから子ども達には、たくさん身体を動かしてもらって、身体も精神も健全に育ってほしいですね。

地域と「SELF」との関わりについてお教えください。

高津総合型スポーツクラブSELF

地域のお祭りにはよく参加させてもらっています。そもそも、会員さんがお祭りの中心人物になっていることが多いので、たとえば小さな神社のお祭りで人を集めたいときに、「SELFさんで何か出し物やってくれない?」ってお願いされるんです。フラダンスのチームなんかは人気があるんですが、そうすれば家族も親戚も友達もみんな集まってきて、すごくにぎわうんですよ。今では、フラダンスチームはいろんなイベントに呼ばれるようになっています。

あと、「SELF」の大きな事業として施設管理の仕事があるんですが、これは「高津中学校」だけではないんです。近くのほかの小中学校や運動施設なども管理していまして、「地域の人による、地域のための経営」ということで頑張っています。体育館の窓口に行ったら、近所の誰かが受付をやっていたり、という感じなんですね。私どもに変わってから、いろんな企画を生み出したり、ニーズに応えたりしてきましたので、利用者もぐっと増えたんです。これも、地域の力だと思っています。

活動内容はどのように決めていらっしゃるんでしょうか。

クラブの運営については、定例会議というのを月に1回やっていて、いい案があがったら、みんなでその実現のために頑張っていくようにしています。一人ではできることには限界がありますけど、「一緒にやりましょう」と手を結んでいくと、すごく大きなことが出来るんですよ。

会員にも正会員と利用会員というのがあって、会費はまったく同じなんですけれど、正会員というのは、スタッフになって働けるんです。指導もできるし、お金も少し入ります。でもそのかわり、責任をもってしっかりとやってもらうんです。さすがに1,200人で総会でも開いちゃうと大変ですから。利用会員であっても、協力したいと思ってくれれば、いつでも正会員になれるんですよ。プログラムについても、正会員が得意なものがあれば、それを新しいプログラムにしたりして、人が入るごとに内容も少しずつ変わっていっています。

最後に、平口さんが感じられる「溝の口・高津エリアの魅力」をお教えください。

多摩川

そうですね、まずアクセスがいいですね。「溝の口」駅がとても便利です。あとは、高津は学校が集まっている場所で公立の小中高が隣接していますから、学校間の交流があるところだと思います。教育の面では、とても良い環境だと思いますね。

 

また多摩川が近いので、自然と触れることもできると思います。多摩川をずっと自転車で遡って行けば、青梅まで行けるんですよ。

お祭りも多いしところも魅力だと思います。高津区民祭という、歴史のある大きなお祭りもあるんですよ。ほかにも大山祭り、親子運動会など、地域の人々が一体となって、盛大なお祭りが開催されています。お祭りを楽しむなら、高津区がナンバーワンですね。地域が元気で、地域のつながりが強い土地なのだと思います。

  高津総合型スポーツクラブSELF

今回、話を聞いた人

特定非営利法人 高津総合型スポーツクラブSELF

理事長 平口和宏さん

住所:神奈川県川崎市高津区久本3-11-2 川崎市立高津中学校内
電話番号:044-833-2555
活動時間:毎日19時~21時頃
URLhttp://takatsuself.com/

※記事内容は2013(平成25)年5月時点の情報です。

地元の、地元による、地元のための学校。 「総合型スポーツクラブ」が目指すコミュニティとは/特定非営利法人 高津総合型スポーツクラブSELF 平口和宏さん
所在地:神奈川県川崎市高津区久本3-11-2 川崎市立高津中学校内 
電話番号:044-833-2555
http://takatsuself.com/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子先生


横浜市立荏田小学校
校長 澤田有子 先生

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。
地域から学ぶことで得られるものとは。

その生活利便性からは考えられないほど、のどかな田園風景が広がる都築区荏田南町。この地で40年の伝統を育み続ける「横浜市立荏田小学校」は、「稲作」を学習の軸のひとつとして扱っている、首都圏では珍しい取り組みを行っている公立学校である。今回は、脱穀も終わり晩秋の姿になった学校を訪ね、校長の澤田有子先生に、学校のこと、稲作のこと、地域のことについてお話をうかがった。

まず、学校の概要について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

もともと、ここは大山街道沿いに発展した地域でしたから、古くからお寺もありまして、そこで寺子として始まり、1873(明治6)年に「荏田学舎」となりました。それが本校の発祥です。その後、1880(明治13)年に「公立小学荏田学校」、1900(明治33)年に「尋常荏田小学校」となり、何度か名前を変えています。

昭和に入り荏田小は国道246号線の向こう側にあった「山内小学校」の分校だったのですが、1973(昭和48)年に「荏田小学校」という学校になりました。今年がちょうど創立40周年になります。校舎も40年前のものになりますね。

分校は今の「かたらい宿公園」の場所にありましたが、人数がすごく増えていった当時は、国道を隔てて、3年生までが分校に、4年生からが向こうの山内小に行くようになっていたそうです。それがあまりにも遠いということで、新しい小学校をを作ろう、ということになったそうです。

先生は荏田小学校に今年から着任されたそうですが、学校の第一印象はいかがでしたか?

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

まず、「自然がいっぱいあるな」ということに驚きました。そして、子どもたちが自然の中で生き生き生活しているな、ということも感じましたね。キラキラした目の子どもたちがいる、素晴らしい学校だと思ったのが第一印象です。

荏田小学校は各学年2クラスと小さめの学校ですが、「小さいならではの利点」などはありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校は2学級の学年ばかりですけれども、その2学級についても、多くても30名前半の学級なんですね。ですので、少人数での指導ができると思います。子ども一人ひとりに「目配り・気配り」が出来ているかと思います。

スペースがいっぱいあるので、子ども達はのびのびと生活しています。一番多い時には960名の児童がいたこともあります。今が320名ですので、ちょうど3倍ですね。一人のスペースも今は、すごく広いです。

では、学校の大きな特徴になっているという「米づくり」について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校の一番の特色は、「米づくりは、人づくり」ということで、田んぼを作っていることでしょうか。創立3年目の年に、当時の校長と地域の方が「地域と学校でなにか一緒になって、子ども達を育てる活動ができないか」ということで始まったものでして、田んぼも発起人の方々が無償で提供してくださいました。

この田んぼ学習は「命をつなぐための食糧を、一からすべて、自分たちの手で生産する」という授業ですから、ものすごく子どもたちのためになっていると思います。米を作るということは、すべての事に通じるのだと思っています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

泥の田んぼに入る体験というのは、都会ではなかなか出来ないものですね。本校の児童は、みんなハイソックスで、泥の田んぼに入ります。靴で入ると抜けなくなってしまうので。そういった中で、泥に触れて、周りにいる虫、かえるやヤモリなどもにも、実際に触っていくわけです。ですから、都会のほかの小学校ではなかなか出来ない、本物の体験ができると思います。

田んぼは一から全部やっていますから、実は職員も大変なんです。最初は地域の方にもかなり協力していただいていたんですが、40年近くもたったので、皆さんもだんだんご高齢になられたので、今では教職員でほとんど進めています。実際、かなり負担もありますが、「子どもに還るもの」が多いですから、頑張ってやっているところです。保護者の皆さんにもお手伝いをして頂いています。

「田んぼのことを一からすべて」と言いますと、具体的にはどんな作業をされるのでしょうか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

まず種もみからです。田とは別に畑も借りているので、畑で種を蒔いて、苗を育てるところからやっています。これは5年生が中心になってやっていますね。

それから、みんなで「苗取り」をしまして、田植えするんですが、実はその前の段階で、教職員であぜ切りをやり、代掻きをやり、田起こしもやって、全部やったところに、子どもたちと保護者が入って、田植えをします。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

その後は、7月ぐらいに草取りをして、秋に稲刈りをするのですが、収穫の前にかかしを作ったりもします。稲刈りについては3年生から6年生までがやります。1年生と2年生は「応援する」ということで参加しています。刈った稲は、田んぼではざ掛けにしまして、乾いたところで、5年生を中心に脱穀をします。

脱穀したお米は保管し、11月の末ごろに「荏田っ子まつり」というイベントがありますので、そこで餅つきをします。子どもや保護者の皆さん、地域の方々などに提供しています。今作っているのはもち米です。

残った「わら」については、毎年しめ縄を作っています。今年はわらじを作ったり、わら飾りを作ったりということも考えています。1月になりますと、どんど焼きで残ったわらを焼いたりしています。

地域の方と関わって授業を行なっている例はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

もちろん米づくりもそうですが、社会科、生活科、総合学習それぞれで、地域の方々に「まちの先生」ということで教えに来ていただいています。3年生は、この近くは梨作りが盛んということで、梨園に1年間に何度か行って見学させていただいています。あとは、お寺に行ったり、江田の商店街の方々などに話を聞いたり、時には仕事のお手伝いをさせていただいたりしています。

あとは、もとの分校だった場所にケアプラザがありますので、そこで太鼓クラブが演奏をしたりもしますし、今後はわらぞうり作りについても、地域の方に教えていただく予定です。そういった地域の人々との関わりを通じて、荏田のまちを子どもたちの「心のふるさと」にしていければ良いな、と思っております。

学校の施設面、学習面の特徴について、それぞれ教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

エアコンが普通教室に全部入っておりますので、快適に過ごせるかと思います。あとは、人数の割に学校が広いので、のびのびと過ごせることでしょうか。

学習については3年生以上の算数学習は、1学年2クラスを3クラスに分けて、少人数の授業をしています。ですので、算数に関しては20人ぐらいで学んでいます。少人数教育には特に力を入れていますね。人数を減らして、個に応じた指導ができるように、ということですね。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

あとは、「たて割り」の活動がすごく盛んです。6年生をリーダーとしたグループがありまして、ひとつのグループは10人ぐらいです。各学年2名から3名ずつになっているんですが、そのグループを中心とした遊びや、交歓給食、全校遠足、運動会でのたて割りの取り組みなどをやっています。「たて割り班」で活動する回数が多いんです。かかし作りもその一つですね。

特に全校遠足などに行くと、子どもたちは6年生が大好きになるんですよ。遠足の帰り道には、6年生が下級生をおんぶして帰ってくるという光景もありまして、これが伝統になっていたりもします。だから子ども同士もすごく仲が良いと思いますし、名字ではなく名前で呼び合うことが多くて、学校全体がアットホームな雰囲気があると思います。

横浜市立荏田小学校インタビュー

グループの名前もユニークで、今年は電化製品の名前で、「アイロングループ」とか、「せんぷうきグループ」とか、そういう名前でやっているんですよ。この活動は、本校では長く続いていますね。6年生になって、グループのリーダーになるのが「荏田小学校」では子ども達の憧れになっているんです。「あこがれの6年生」なんていう言葉も聞きますよ。

それから、本校は6年生の人数は少ない分、「全員がどこかで必ず前に出なければいけない」というチャンスがありまして、教員はバックアップしながら、子どもたちが役割を果たし、成長できるよう見守るようにしています。

学区内にはこういう雰囲気の方が多く住まわれている、といった印象はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

そうですね、代々この地域に住んでおられる方が多いですね。最近はそれに加えて、マンションも増えてきましたし、新荏田の住宅地の方もありますから、新しい方も増えつつあります。みなさん口を揃えておっしゃるのは、「住みやすい場所です」ということですね。

この周りにも、いろいろな新しい住宅地が沢山ありますけれど、荏田は古くからお住まいの方がいる分、ちょっと雰囲気が違う地域だと思いますよ。「地域のつながりが強い」とでも言うんでしょうか。

学校でも稲作をしていますと、作業の中で保護者と地域の方がかかわり合う部分もありますから、地域の方同士ですごく仲良くなれるんですよ。稲作を通して、日本人の気質だとか、いろんなものが生まれてきたのかなあ、と思います。それをこの学校に来て、実感しています。

澤田先生が考えられる「荏田地域の魅力」は、どんな点でしょうか。

横浜市立荏田小学校インタビュー

この地域は、子どもたちを見てくださる目がとても温かいんですね。それが一番だと思います。地域の方が「自分たちのまちの子ども」ということで、叱るべきところは叱ってくださり、すごく大事にもしてくださって、温かく見守っていただいています。子どもたちもきっと、「あったかいまちだな」と思ってくれていると思いますよ。

もちろん、時には厳しいご意見をいただくこともありますが、その時にも、「こうすればもっと良いと思いますよ」という事を必ず言ってくださいますし。この学校を建てる時についても、「自分たちのまちの学校を作ろう」ということで、先祖代々の田んぼを提供してくださったそうです。もちろん、稲作りに関しても地域の方が協力してくださっているからできていることでして、地域が温かい、たいへん素晴らしい地域だと思います。

そして、こうやって地域の方にも愛されていることで、子どもたちも、自分が愛されている、見てもらっている、大切にされている、という気持ちを持つことができていると思います。

最後に、学校のおすすめポイントを一言でお願いします。

横浜市立荏田小学校インタビュー

やっぱり「人づくり」ですよね。米づくりから学ぶ、たて割り活動から学ぶ、豊かな自然とまちから学ぶ。この3つで「人づくり」をしています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

横浜市立荏田小学校

校長 澤田有子 先生

横浜市立荏田小学校
所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694
電話番号:045-911-0149
URL:http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/eda/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子先生
所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694 
電話番号:045-911-0149

中学受験の「SAPIX小学部」。 最新校舎の大井町校で未来をつくる。/SAPIX小学部 大井町校 野口伊知朗先生


SAPIX小学部 大井町校
算数科・校舎責任者 野口伊知朗先生

中学受験の「SAPIX小学部」。
最新校舎の大井町校で未来をつくる。

「中学受験をめざす小学生のための進学教室」と看板に掲げ、近年教室数を増やしている少人数・受験特化型塾「SAPIX小学部」。首都圏を中心に46校舎を展開しており、その最新校舎のひとつが、2013(平成25)年春に開校した大井町校。開校当初からおよそ200名の小学生が集まったという事実からも、その人気とニーズの高さが垣間見られる。今回はこちらで算数を専門に教鞭を執る、校舎責任者の野口伊知朗先生にお話を伺った。

まず、SAPIXの概要について教えてください。

SAPIX大井町校

「SAPIX小学部」(サピックス)は株式会社日本入試センターが運営する塾で、もともと小学生が中学校を受験するための専門塾として、1989(平成元)年に誕生しました。SAPIX小学部大井町校と同じ建物に、高校受験のための「SAPIX中学部」、個別指導のPRIVATO大井町教室もあります。

 
 
 
 
 
 
 
 

SAPIX大井町校

「SAPIX小学部」は現在、首都圏を中心に46の校舎がありますが、こちらの大井町校は3月に開校したばかりでして、まだ開校1か月目ですが、すでに200名弱の小学生が通っています。1教室20名の15教室編成ですので、まだまだ定員には余裕があります。

今は小学1年生から5年生までの受け入れとなっていますが、2014(平成26)年の2月からは新6年生も受け入れを始める予定です。

SAPIXさんの教育理念、他塾に比べてのメリットについて教えてください。

SAPIX大井町校

SAPIX小学部伝統の教育理念は、「思考力と記述力を鍛えていく」という点です。「その場で考える力」、「考えたことをきちんと書く力」。そういったところを鍛えていく塾ということですね。最近の入試は、知識量や公式のあてはめ方を競うものではなく、「その場で考える力」を重視したものになってきています。それが「SAPIX」が評価されている理由のひとつになっているかと思います。

 

SAPIX 大井町校

「20人教室」というのも「SAPIX」の大きな特徴です。ほかの塾だと、もっと多いか、個別指導ということになるのですが、1教室の人数が多いと学力差が出てしまい効率が下がりますし、個別指導の場合は、効率は良くても、仲間との絆とか、切磋琢磨というものも欠けてしまいます。ですから、20人教室というのはとてもバランスの良い人数なんですね。

また、「SAPIX」では「学力別クラス編成」を採用していて、だいたい毎月1回行われる学力テストの成績でクラス編成を決めています。教室内の学力差がいつも小さい状態にありますので、効率的に授業が進められます。大井町校は机も椅子もピカピカですので、お子さんにも快適に楽しく、勉強をしていただけると思います。

理念の実現のため、具体的にはどのような指導法をなさっているのでしょうか?

SAPIX大井町校

たとえば算数ですと、「ひとつの問題をみんなで考える」ということがあります。それぞれの子どもに自分の考え方を発表させ、講師が一方的に押し付けるようなやり方はしないよう、心がけています。いろんな考え方を見聞きし、引き出しが増えることは、それだけで受験の際にも強みになります。

 
 
 

国語の例ですと、中学入試では長文問題が必ず出るのですが、学校のテストではあまり出てきません。そこで「SAPIX小学部」では低学年のうちから長文問題に触れさせて、“慣れる”ようにしています。そのうえで、どんどん書かせて、発表させていきますし、授業の時間の中で、講師が個々の記述内容を添削する時間も設けています。それを毎週繰り返すことで長文や記述に慣れ、本番でも動じないようになるんです。

中学受験を意識するのは、どのくらいの学年からなのでしょうか?

SAPIX大井町校

「SAPIX小学部」に関しては、4年生から通われるお子さんが多いです。受験を意識されるのも、そのタイミングではないかと思います。

ただ、1年生から3年生の間も通わなくていいというわけではなくて、3年生までの間は、いろんな習い事のひとつという感覚で通って慣れていただき、4年生から本格的にスタートするのがベストだと思います。そのため、SAPIX小学部では3年生までは週に1回、4年生は週に2回、5年生と6年生前期は週3回、6年生後期は週四回というプランになっています。

この大井町校は3月に開校したばかりなのですが、早くも200人という子どもたちが集まったのは、やはりニーズがあったからだと思います。他の地域の平均と比べても、中学受験をされる率は高いのだと思います。

大井町周辺の環境、子育て環境についてはいかがでしょうか?

SAPIX大井町校

保護者の方からよく聞く声としては、非常に交通の便が良くて、受験できる学校の選択肢が多い、ということがひとつですね。りんかい線で千葉方面の学校にも通えますし、埼京線で埼玉方面の学校にも通えます。もちろん、都内と神奈川方面は通いやすいです。

環境も良くて、駅前も落ち着いた雰囲気ですので、お子さんの健全育成には適した街だと思います。

これから塾を考えられる保護者の方やお子さんにメッセージをお願いします。

SAPIX大井町校

中学受験というのは、持って生まれた「才能」よりも、「努力」がものをいう世界だと感じています。ですから、お子さんには中学受験をすると決めたらしっかりと“努力”をしてほしいし、私たちも頑張る子はとことん、応援していきたいと思っています。

中学受験に限ったことではありませんが、「受験が終わったら終わり」ではありません。受験のために努力をして、難しいことを一生懸命に考え、伝えることを学んだことは、社会に出てからも一生の財産になっていくと思います。

本日はありがとうございました。

SAPIX大井町校

今回、話を聞いた人

SAPIX小学部 大井町校 
算数科・校舎責任者 野口伊知朗先生

所在地:東京都品川区大井1-14-3 3F
電話番号:03-3772-5955
http://www.sapientica.com/

※記事内容は2013(平成25)年4月時点の情報です。

中学受験の「SAPIX小学部」。 最新校舎の大井町校で未来をつくる。/SAPIX小学部 大井町校 野口伊知朗先生
所在地:東京都品川区大井1-14-3 3F 
電話番号:03-3772-5955
http://www.sapientica.com/

魚介類料理が自慢の人気イタリアン/イタリアン OTTO シェフ 中尾朝恵さん


イタリアン OTTO・中尾朝恵さん

魚介類料理が自慢の人気のイタリアン「OTTO」
“職住近接”を満喫中のシェフに聞く西池袋の魅力

池袋西口、「メトロポリタンホテル」すぐ近く。「イタリアン OTTO」はピザやパスタ、ワインなどが気軽に楽しめるイタリアンのトラットリアだ。そこでシェフをつとめる中尾朝恵さんは、2年前よりお店のすぐそばにマンションを購入。通勤時間はわずか自転車で5分という“職住近接”の生活を満喫中だという。

中尾さんが職場近くの池袋に住むことになったきっかけはなんですか?

OTTO

この街に住むことになったのは、やはり職場であるお店があるからです。たとえ都内に住んでいても、通勤時間だけで一日に数時間費やしてしまうことが、すごく人生の無駄に思えたんですね。だったらその時間をすべて、好きなことに費やしたいなと。現在は家から職場までは自転車で約5分。通勤時間はほとんどないといっていいので、まさに理想の環境です。

実際「池袋」という街に住んでみて、どんなふうに感じましたか?

OTTO

騒がしい街というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、駅からすこし離れると、すごく静かでびっくりしました。実は池袋西口ってすぐそばに「立教大学」がありますし、小学校も中学校も保育園もあるという“文教エリア”なんですよね。ですから私にとっての池袋は“学生さんが多い”というイメージです。そうかといって大声で騒ぐような人もいませんし、治安はすごくいいと思います。さらに大きな病院も消防署もあって、住環境としては申し分ない施設がそろっているんですよ。私はまだ家族がいませんが、結婚して子供を産むなら絶対にいい環境だなあと思います。

実は学生さんが多い街というのは、もうひとつメリットがあります。それは物価が安いこと。飲食店でもファッションのお店でも、やはり若い人が集う店は安い場合が多いです。親しみやすいお店も多いですし、それでいて利便性も高い。池袋に住んで本当によかったなあとしみじみ実感しています。

マンションを購入されたということですが、購入の決め手はなんでしょうか?

OTTO

職場の近くで物件を探していたんですけど、このマンションはほとんど一目ぼれでした。最近はリノベーションに注目が集まっていて、中古を買う人が増えていると聞きますが、やはり新築はいい! と。もう「ここに住んでみたい!」とあこがれちゃったんですね。しかも一大ターミナルの近くなのに意外と安かった(笑)。

池袋って、渋谷や新宿と比較すると、比較的土地の相場は安いですよね。それでいて、この街だけですべてがそろう利便性もある。池袋に住んでいれば、渋谷や新宿に出る必要性はまったくありません。また、飲食業だと帰宅時間が遅くなってしまいますが、24時間営業のお店が多いのもすごく助かっています。何時でも関係なく買い物できますから。

中尾さんのお店「イタリアン OTTO」の人気料理はなんですか?

OTTO

自慢は魚介類料理なんです。中でも人気なのは「一押し!!!のど黒の炙りカルパッチョ」(1,500円)。名前の通り本当に一押しなんですよ(笑)。「のど黒」は東京の人にはなじみがないと思いますが、北陸沿岸でとれる高級魚です。見た目はあっさりした白身魚のようにみえるかもしれませんが、食べると驚くほど濃厚! また旬の時期が限られていないお魚ではないので一年中メニューにありますが、仕入れの数に限りがありますので、日によっては売り切れになることもあります。

イタリアンのお店で魚介料理が自慢というのはちょっと意外でした。魚介類の仕入れにこだわりはありますか?

OTTO

その時期に一番おいしい旬なものをお客様にご提供することです。うちのお店は魚介類を仕入れる際も、部位ごとではなく1匹まるごと。ですから「別の調理法で魚が食べたい」というリクエストにも対応できるんですよ。例えば「のど黒をアクアパッツァで食べたい!」なんていう要望もお答えできます。

もちろん、パスタやピザもおすすめですが、中でもこちらのピザ「プロシュート&グリーンリーフ」は人気の一品です。生ハムはパルマ産を使用しています。のど黒のカルパッチョとも相性ばっちりだと思いますよ。

今回、話を聞いた人

イタリアン OTTO 中尾朝恵さん

所在地:東京都豊島区西池袋1-4-5 佐々木ビル1F
電話番号:03-5958-0418
営業時間11:30~15:00、17:00~23:30
定休日:月曜

※記事内容は2013(平成25)年4月時点の情報です。

魚介類料理が自慢の人気イタリアン/イタリアン OTTO シェフ 中尾朝恵さん
所在地:東京都豊島区西池袋1-4-5 佐々木ビル1F 
電話番号:03-5958-0418

サッカーを通じて、心身共に健やかな子育てを/常盤スポーツ少年団サッカー部 部長 北村清次さん


常盤スポーツ少年団サッカー部
部長 北村清次さん

サッカーを通じて、心身共に健やかな子育てを

さいたま市立常盤小学校、常盤北小学校のふたつの小学校の子どもたちを中心に、100人前後のチームとして活動する「常盤スポーツ少年団サッカー部」。地元チームとして「浦和レッズ」があり、サッカー熱もひときわ熱心なこの地で、少年たちはどのようにボールに触れ、楽しさを覚えていくのだろうか。今回は少年団の魅力と気になるあれこれについて、部長の北村清次さんにお話を伺うことができた。

まずは「常盤スポーツ少年団サッカー部」の
概要についてお教えいただけますか?

常盤スポーツ少年団

私達「常盤スポーツ少年団サッカー部」は、常盤小、常盤北小の子供たちを中心に100名ほどが在籍しているチームでして、設立が昭和48(1973)年ですから、今年でちょうど40周年になります。昔は常盤小学校だけで活動していましたが、平成3(1991)年に常盤北小ができましたので、今は常盤小と常盤北小の2つのグラウンドを使いながら練習しています。

昔から埼玉県、特に旧浦和はサッカーがさかんな地域で、高校に行けば浦高(県立浦和高校)、西高(県立浦和西高校)、市立浦和(市立浦和高校)、浦和南(市立浦和南高校)と全国区で活躍している強豪校も沢山あります。野球よりもサッカーがメジャーなくらいなんですよ。

現在このサッカー部にも100人ほどの人数がいますし、一番多いときには150名くらいになったこともありました。実は40年前の発足当初にも70人くらいいまして、その頃は私が独りで指導していたんですが、今はコーチの人数も増えて指導体制が充実しています。今の子どもたちは本当に恵まれていますよ。もちろん私達の力だけではなく、保護者の皆さんの協力があって現在のチームができました。本当に有り難いことです。

チームの活動時間ですが、基本的には毎週末で、土曜日は5月から9月末は14時から17時、10月から4月末は13時から16時、日曜日は第4日曜日が朝8時半から17時、第1日曜日はお休み、第2・3日曜日は8時半から13時までとなっています。練習場所は常盤小学校、常盤北小学校と交互に変わります。

常盤スポーツ少年団

週末の練習、練習試合、公式試合のほかにも、親子ゲームやミニ運動会、合宿などの行事もたびたび行っていまして、異学年の友達や、指導者、保護者など地域の人たちとも関わる機会を多く設けています。

常盤小、常盤北小は学業にも力を入れる名門校といわれています。
「文武両道」というのは実現可能なのでしょうか。

常盤スポーツ少年団

やっぱり、スポーツを頑張れる子どもは、勉強もしっかり頑張って、両立していると思いますね。スポーツをしていると集中力が付きますから、卒団後に集中して勉強できる子が多いようです。中学校に行ってもその習慣は変わりませんから、サッカーをやっていた子はみんな優秀ですよ。浦高(県立浦和高校)など有名進学校に進んだ子も多いです。

それから、試合を通して度胸も付きますから、人前で堂々と喋れる子が多いのも少年団出身の子の特徴です。試合やイベントで浦和以外の子ども達とも交流する機会が多いので、学校ではできない体験ができ、視野を広げられると思います。

昔の子どもと比べて、今の子どもはみんな頭がいいんですよ。もちろん少年団の子もみんな優秀です。一方で、子ども達の体力不足、精神的な発達不足が社会的に問題視されていますね。その点で、少年団に所属している子は基礎体力が全然違いますし、心身のバランスがとれた子が多いと思います。

また、実は少年団の子ども達も8割くらいは学習塾とのかけもちをしていまして、低学年だと塾も週末にあって、練習を休む子も多いですが、学年が上がると週末に塾を入れないように調整して、サッカーに参加してくれる子が多くなります。コーチ陣としては嬉しいことですね。

コーチにはどんな方がいらっしゃいますか?

常盤スポーツ少年団

常盤スポーツ少年団サッカー部では現在、部長、監督以下13名の指導者が子供たちの指導にあたっていますが、ほとんどの方は「元保護者」のコーチで、子どもが卒団した後も引き続き指導を続けてくれています。みんなボランティアでやっていますから、本当にサッカーと子どもが大好きな人ばかりですよ。

入部するにはどうすれば良いでしょうか。

常盤スポーツ少年団

部員は随時募集していますので、入部希望の方は練習日に直接グランドにいらしてください。見学はもちろん、保護者の方が同伴していれば練習に体験参加できます。男の子でも女の子でも、体を動かすことが好きで、サッカーをやってみたい、という小学生であれば誰でも大丈夫です。部員は、常盤小、常盤北小、埼玉大学附属小等の子供たちが中心ですが、原則として徒歩でグランドに通えるのであれば学校は問いません。

運動が苦手でも大丈夫でしょうか?

常盤スポーツ少年団

「うちの子は運動神経が悪いから」など心配される親御さんもいるかと思いますが、常盤少年団では勝ち負けだけにこだわらず、全員に「試合の楽しさ」を経験させてあげるよう配慮しています。

保護者の当番について教えてください。

常盤スポーツ少年団

保護者の方々には、練習時や試合時にグラウンドで飲料の準備や怪我の応急処置などをする「お当番」をお願いしています。入部前の保護者さんから「お当番が大変では?」という質問もよく受けますが、子供たちの活動時間に必要なサポートをするので、平均して2カ月に1回程度ですのでご協力ください。もちろん寒い時期、暑い時期のお当番は大変ですが、頑張る子供たちを身近に感じながら保護者同士のコミュニケーションも生まれ、楽しい面も多分にあるかと思います。保護者の方にも是非、子どもと一緒に盛り上がって、楽しんでほしいですね。

最後になにか一言ありましたら、お願いします。

常盤スポーツ少年団

サッカーはスポーツなので常に勝敗がかかっていますが、私たちは単に勝負に勝てばよい、というのではなく、仲間とともに頑張る力、礼儀を身につけること、スポーツの楽しさを実感すること、これらを通じて逞しい人間に成長していくことが、本当に大切なことだと考えています。ぜひサッカーを通じて、心身ともに健やかなお子さんに育ててあげてください。

 

今回、話を聞いた人

常盤スポーツ少年団サッカー部
部長 北村清次さん

http://www.geocities.jp/tokiwa552002/
http://tokiwasoccer.ikaduchi.com/index.html

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

松戸駅前の中学受験進学塾

「考えて書く力」を重視し、自分の力で問題を乗り越える力を大切に/SAPIX小学部 松戸校 杉山幸志さん


SAPIX小学部 松戸校 国語科 校舎責任者 杉山幸志さん

「考えて書く力」を重視し、自分の力で問題を乗り越える力を大切に

「SAPIX」は首都圏に43校、関西に3校展開する進学塾だ。名門難関中学への合格実績が非常に高いことでも知られており、2月に中学受験を終えた6年生を除いても松戸校だけで約500名の小学生が在籍しているという。今回は松戸校の校舎責任者であり国語講師として教壇に立つ杉山幸志さんに、松戸における現在の中学受験事情を伺った。

SAPIXの教育方針として、一番特徴的なことはどんなことでしょうか?

SAPIX小学部 松戸校

一方的に教え込むのではなく、授業で考えさせながら教えることで、子供たちの考える力を養っていくことを重視しています。そしてもう一つ重視しているのが「記述の力」。考えさせながら記述の力を養っていくというのが大きな特徴ですね。

「塾」といいますと、考えるよりも暗記して知識を詰め込むイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

SAPIX小学部 松戸校

そうですね。「これを覚えてこい」ということをすればいいというイメージを持つ方もいるかもしれません。もちろん今でも暗記は必要ですが、今の中学入試問題はそれだけだと対応できない。見たことない問題が出題されて、そこで自分で考えて答えを書かなく必要があるんです。また子供の人生は中学入試で終わりではないので、合格した後に中学へ行っても、自分の力で考えて乗り越えていける子にもしてあげたい、というのもありますね。

 

松戸の中学受験熱はいかですか?

SAPIX小学部 松戸校

地域や学校によってさまざまですね。クラスでかなりの人数が受験する子もいれば、自分だけの子もいます。松戸は昔から住んでいる方と、新しい住民の方が混在している都市なので、そこでテンションの差があるのは事実です。

松戸校には現在約500名の小学生が在籍しているそうですが、皆さん何年生あたりから入塾することが多いのでしょうか?

SAPIX小学部 松戸校

受験へのカリキュラムが始まるのが4年生からなので、やはり4年生になって入塾する生徒が一番多いですね。通っている子供は松戸在住の子だけではなく、都内の子もいます。新京成線沿いですと、都内よりこちらのほうが行きやすいというパターンも多いんです。松戸はアクセスが良いですから、電車で通っている子供は多いです。ただ、授業で夜遅くなる場合は防犯のため、帰宅時に駅まで生徒を誘導するようにしています。講師が生徒たちの前と後ろに立ち、JRと新京成線の改札に生徒が全員入ったことをしっかり確認しているんです。

「松戸」は都内にすぐ行ける利便性の高さが魅力です。

SAPIX小学部 松戸校

そうですね。実は東京だけではなく、埼玉に行くのも便利です。中学受験日は埼玉からはじまって千葉、東京という順で受験日が設定されていますが、松戸に住んでいるとアクセスがいいのでどこでも受験ができるんですよ。ですから、いろいろな選択肢ができますよね。例えば校庭が広い学校がいいなら千葉埼玉にたくさんありますし、都内に出たいのならば千代田線を使えばすぐです。学校まで通いやすいというのはすごく大切な要素だと思いますよ。

子供が小学生くらいですと、親もいろいろ心配することが多いと思いますが、受験生の親御さんが不安に思っているのはどんなことが多いですか?

SAPIX小学部 松戸校

「子供が本気でやる気になるのはいつなんでしょうか?」という質問は多いです(笑)。親が思い描く子供の理想像があるんですよね。特に一人目の子供ですと、期待ばかり大きくなる親御さんは多いです。でも、すべて親の理想通りになる子供はまずいません。「まず親御さんは自分の子供がどんな子供なのかを見定めて、その子の特徴に合う道へ導いてあげることは重要です」という話はよくします。

 

中学受験となると、子供だけではなく親子の二人三脚的なことは必要でしょうか?

SAPIX小学部 松戸校

SAPIXは1年生クラスからありますが、1年生くらいですとやはり自分で勉強することは難しいので、一緒に勉強してあげることが必要です。でもだんだん大きくなってくると親の言うことは聞かなくなりますよね。でも私はよく親御さんたちに「子供にかかわってください」とお願いしているんです。「子供の自主性に任せます」ということはよく言われますが、勉強しているなと思っても本当にしているのか、しっかり確認してほしい。もちろん過干渉はよくないですが、うまく距離を取りながら「ここまでは関わるけど、あとはあなたの自主性だよ」というのを学年ごとに広げてもらうイメージにしたらいいと思います。やはり子供なので、くじけるときもありますから。そういう時は我々ももちろん声をかけるけど、お家の人の支えはすごく重要なのです。

 

SAPIXに入る子で「こんな子は大歓迎」というものはありますか?

「こんな子じゃなきゃいけない」というものはありません。ただ夢を持って来てほしいなとは思います。中学受験や塾に対して「どんなものなんだろう?」と思ってくれたらいいです。親に言われてから仕方なく行くという子は、うちに限らずダメですよね。子供に期待感があるほうが、絶対にうまくいきますよ。

 

  sapix

今回、話を聞いた人

SAPIX小学部 松戸校

国語科 校舎責任者
杉山幸志さん

住所:千葉県松戸市松戸1168
電話番号:047-364-5611

※記事内容は2013(平成25)年2月時点の情報です。

「考えて書く力」を重視し、自分の力で問題を乗り越える力を大切に/SAPIX小学部 松戸校 杉山幸志さん
所在地:千葉県松戸市松戸1168-3 
電話番号:047-364-5611
https://www.sapientica.com/school/chiba/..

働きざかりの忙しい人にもぴったりの「加圧トレーニング」/加圧スタジオLib 浅草橋店 代表 日野原大輔さん


加圧スタジオLib 代表 日野原さん

加圧スタジオ Lib 浅草橋店

JR線「浅草橋」駅出口から徒歩数十秒という抜群の駅前立地にある加圧トレーニング専門のスタジオ「Lib」。その名前の通り、「Life is beautiful」が店のコンセプトとなっており、「いつまでも美しい身体でありたい」と願う人々が日々訪れ、スタッフとともに心地よい汗を流して帰ってゆく。

お客さんが来てから帰るまでの時間は、短くて30分、長くて1時間程度。仕事の前後や昼休みの間などにも感覚で利用できることが、支持されている理由のひとつのようだ。2013(平成25)年現在、「Lib」グループは浅草橋に2店、浅草に1店の合計3店舗を構えている。今回は浅草橋本店で、創業者であり現役トレーナーでもある日野原大輔さんに“加圧トレーニング”の特長と浅草橋エリアの魅力をうかがった。

「加圧トレーニング」は最近注目されているようですが、どのようなトレーニング法で、どんなメリットがあるのでしょうか?

加圧スタジオ Lib 浅草橋店

加圧トレーニングとは、腕や脚などにベルトを巻いて血流を調節しながらトレーニングを行うものです。通常のトレーニングに比べてはるかに多くの成長ホルモンが分泌され、血液循環も促進されるという特長があります。身体への負荷は少ないため、「短時間・低負荷・短期間」という3つのメリットが得られます。

短時間でトレーニングが終わりますし、軽いウェイトでもトレーニングができて、短期間で効果も得られるということですね。働きざかりの忙しい人には、特に最適なトレーニングだと思います。具体的な症状改善としては、ダイエット効果、スタイルアップ効果はもちろん、冷え性や肩こりの改善、アンチエイジング、美脚効果なども期待できますので、女性の方に注目されています。

 

日野原さんはもともと、有名ジムのトップトレーナーだったそうですが、どのような経緯で加圧トレーニングに関わり、この店をお持ちになったのですか?

加圧スタジオ Lib 浅草橋店

私はもともと両国の「ルネサンス本店」でパーソナルトレーナーをしていました。幾つかあるトレーニングのひとつとして、加圧トレーニングを採り入れ、加圧トレーニングの可能性に注目していたのです。独立する際にこれを専門にしたお店にしようと考えました。お陰様で比較的多くのお客様に来ていただけたので、同じコンセプトを保ちながら、浅草に2号店を出すこともできました。浅草店のメニューは基本的に本店と同じですが、独自のものとしては鍼灸(しんきゅう)にも対応しています。スカイツリーが見える店舗ですので、リラックスしながらトレーニングできると思いますよ。

3店舗目はまた浅草橋に出しましたが、こちらは従来の2つの店とはコンセプトを変えまして、「リラクゼーション」「デトックス」「スタイルアップ」を3つの柱に、より女性に特化したお店となっています。ここでは、エステと加圧トレーニングを組み合わせて提供しています。加圧のトレーニングもできますし、エステメニューにはフェイシャル、フラッシュボディメイキング、アロマトリートメント、ロミロミ、リフレクソロジーなどがあります。こちらでは血液循環や成長ホルモンの分泌をメインに考えています。しっかり運動をしたい、という方は本店。きれいになりたい、男性の目を気にしたくない、という方は「プリンセススマイル」を使っていただければと思っています。

すべて専任制のパーソナルトレーニングなんですね。

加圧スタジオ Lib 浅草橋店

はい。うちでは毎回同じトレーナーが担当させていただく方式を採っています。大きなスポーツクラブだと“パッケージ”としてトレーニングを進めていきますので、利用される方のニーズとレベルがマッチするまでに時間がかかったりします。ですがパーソナルトレーニングの場合、来ていただいた瞬間からお客様のニーズとレベルに合わせられますので、一見割高のように思われるかもしれませんが、結果的には時間もコストも節約できるかと思います。

加圧スタジオ Lib 浅草橋店

うちのトレーナーは全員、加圧トレーニングの研修を受けていますし、それぞれがトレーナー、整体師、鍼灸師など身体や筋肉についてしっかり学んできているスタッフばかりですので、安心してお任せください。また、スタッフには知識や技術だけではなく、礼儀作法や元気さにも気を配るよう伝えています。明るい雰囲気のスタジオですので、初めての方でも気軽に来ていただければ嬉しいですね。

月単位ではなく、1回単位の支払いというスタジオも珍しいですね。

加圧スタジオ Lib 浅草橋店

お店を出すときに考えまして、私が目指そうとしていた「Life is Beautiful」という理念を実現にするには、「できるだけリラックスして楽しんでいただく」ということが必要と考えました。来ても来なくても料金が発生する仕組みではなく、利用ごとにお支払いいただく方法をとっています。加圧トレーニングに関しては25分と55分のコースがありますが、女性の方には25分のコースをお薦めしております。

必ずここはトレーニングする、という部分はありますか?

加圧スタジオ Lib 浅草橋店 インタビュー

日常でなかなか使わない筋肉、たとえば背中の筋肉、二の腕の筋肉、お尻の筋肉、腿の裏の筋肉などは必ずカバーします。そのほかは人それぞれです。スタッフはみな豊富な知識を持っていますので、お客様のニーズに合った個別のトレーニングを提案してくれるかと思います。アスリートの方から病弱な方まで、どんな方でも適切に対応いたします。

予約はトレーニングで電話に出られない時間もあり、トレーナーのシフトも関連しますので、基本的にメールで予約を取っていただくようご案内しています。女性をメインターゲットにしていますので、男性の方も増えましたが、利用者は女性8対男性2ぐらいの割合です。夕方以降にはお勤め帰りの女性が多くなります。

浅草橋の良いところは?

加圧スタジオ Lib 浅草橋店 インタビュー

「何かを買おう」と思ったら何でも揃ってしまうところが凄いです。事務用品、店内の飾り物など何でも売っていますね。食べ物も美味しいお店が多いですから、出歩く楽しみが多いです。交通面でも便利なのは言うまでもありません。とはいっても、ごみごみした街というわけではなく“下町情緒”が息づいていまして、街の人も気さくな人が多いですね。商売をしていてもご近所の方々と付き合いがあって、楽しい毎日です。

パルキッズ

今回、話を聞いた人

加圧スタジオ Lib 浅草橋店 日野原大輔さん

所在地:東京都台東区浅草橋1-22-3 FIVE-i 2F
電話番号:03-5829-8365
営業時間:平日9:00~22:30、土曜9:00~21:00、日曜9:00~19:30
定休日:年中無休
http://lib-kaatsu.jp/

※記事内容は2013(平成25)年1月時点の情報です。

働きざかりの忙しい人にもぴったりの「加圧トレーニング」/加圧スタジオLib 浅草橋店 代表 日野原大輔さん
所在地:東京都台東区浅草橋1-22-3 FIVE-i 2F 
電話番号:03-5829-8365
http://lib-kaatsu.jp/

イタリア伝統製法で作る元建築士の革小物

元建築士がイタリア伝統の製法で生み出す、シンプルで機能的な革小物/m+(エムピウ) 村上雄一郎さん


m+(エムピウ)代表 村上雄一郎さん

呼吸する革製品 m+(エムピウ)

都営浅草線・大江戸線「蔵前」駅の近くに工房を持つ「m+(エムピウ)」。元建築士という異色の経歴をもつ村上雄一郎さんの個人ブランドはイタリア伝統の製法でシンプルかつ機能的な革小物を生み出している。ヒット作となった財布をはじめ、ペンケース、バッグ、ベルト、ブックカバー、各種アクセサリーなど幅広い品を多彩なカラーバリエーションで揃え、「上質なものを長く使いたい」という人々に愛されている。今回は蔵前のショップ2階にある工房にお邪魔し、村上さんにお話を伺った。

元建築士でいらっしゃった、村上さんが「革に目覚めた」きっかけを教えてください。

m+(エムピウ)

元々は設計事務所で建築デザイナーとして働いていました。そのうちに設計の仕事のかたわら、自分で革の財布とかを作り始めたんです。会社の人にも好評で、革職人の方が自分に向いているんじゃないか、と思い始めました。その後、設計の勉強でイタリアに行ったことがある先輩から、革の勉強をするならイタリアが本場だと聞きまして、思い切って会社を辞めて、イタリアに行ったんです。

m+(エムピウ)

現地では革の勉強をする職業訓練校がありまして、試験を待つ間、街の小さな革工房で勉強しながらお手伝いをしていたのです。工房ではパターンから縫製まで全部取り扱っており、いい勉強をさせてもらいました。学校を卒業した後は現地の会社に就職し、ベネトンの子会社のようなところで1年位サンプル作りの仕事をしていました。

それまでは「日本に帰ったら作るところから売るところまで全部やろう」と思っていました。ですがイタリアで小さな工房と大きな会社を経験しまして、量産は人に任せて、パタンナーとしてやっていこうと考え直したんです。

 

その後、日本に帰ってからすぐm+(エムピウ)を立ち上げたのですか?

m+(エムピウ)

いいえ、日本に戻って最初は知り合いに紹介してもらったランドセル会社でバッグデザイナーと働かせてもらっていました。その間に、少しずつ革雑貨を作り始めたんです。同時に新御徒町に「台東デザイナーズビレッジ」というのが出来まして、最初のメンバーの一人として入居しました。

台東区エリアのことは何も知らなかったのですが、暮らしてみると革屋さんも金具屋さんも近くにあり、すごく便利だと分かりました。デザイナービレッジを出る時にも「工房を作るならこの辺りで良いかな」と思いまして、蔵前に工房を作りました。

御徒町から蔵前のエリアは「モノづくりのマチ」として話題になっていて、毎年5月には「モノマチ」イベントも行っていますよね。村上さんはその主力メンバーでもあるそうですが、街の今後をどう考えておられますか?

m+(エムピウ)

数年前に店を出した頃、若い作家の店というのは無かったんです。でも2010(平成22)年に文具の「カキモリ」さんが出来た頃からイベントも行われて、だんだんと盛り上がってきたんです。昨年も面白い店が多く出来て、モノマチの参加店も増えています。モノマチに参加している作家同士の仲も大変良く、よく一緒に飲みに行っています。

また、面白い店が出来るたびにモノマチに“勧誘”しに行きまして、今後ももっとこの界隈を盛り上げていきたいと思います。老舗の金具屋さんや素材屋さんも多いので、最近はそういった老舗にも声をかけています。街は今、老舗と新しい店が一緒になって街を盛り上げようとしていまして、本当に面白いです。またモノマチ関連のイベントを開催しますから、是非沢山の人に来ていただきたいですね。

m+(エムピウ)製品の素材のこだわり、造りのこだわりなどを教えてください

m+(エムピウ)

素材ですが財布をはじめとしたほとんどの商品にイタリアから仕入れている“タンニンなめし”の革を使っています。この革は使い込むほどに“味”が出てくるからです。品質を味わっていただくために、デザインや装飾は極力最小限に、シンプルにしていますし、なるべく継ぎはぎもしないようにしています。革は天然素材ですから、使い手が呼吸するときには革も呼吸し、使い手が汗をかいた時には、革も汗を含みます。そんな生命感にあふれた革の魅力を楽しんでいただければと思います。

デザインの面では「提案」というのを大事にしていて、既成概念にとらわれないひねった感じである「新しい定番」というのを狙っています。たとえば財布であれば、小銭やカードやお札があって、このままだと小銭が混じるから、こうしようという様に原点からデザインしていくイメージです。これがうまくいきますと「新しい定番」が生まれます。デザインにパワーを使っている分、基本となる部分だけをしっかりとやって、量産は信頼のできる国内の業者さんにお任せをしています。

商品はどちらで買えるのでしょうか

m+(エムピウ)

こちらの店舗でひととおり展示販売しているほか、インターネット通販もやっています。都内では雑貨店、文具店、バッグ専門店などで扱っていただいていて、一例としては「東急ハンズ」「ロフト」「伊東屋」さんなどに置いています。主力の商品は財布「ミッレフォッリエ」シリーズやペンケースあたりですね。

蔵前の「m+(エムピウ)」店舗で買うメリットはどんな点でしょうか?

m+(エムピウ)

品揃えはこちらが一番ありますし、ほかの店舗には無い格安のアウトレットの商品もあります。アンテナショップとしての位置づけもありますので、新商品を量産する前に、試験的に並べたりもしています。実際に使い古したサンプルも展示していますので、手にとって“エイジング”された革の魅力を感じてみてください。

最後に、蔵前エリアの魅力について教えてください

m+(エムピウ)

最近は新しい飲食店もオープンし、これから若い層の方も増えていくエリアだと思います。隅田川の近くにはカフェやレストラン、若いオーナーが経営する海外観光客向けのホテルなどが出来、活気のある街になってきています。また、コミュニティの居心地が良いのも魅力です。今までは新参者同士で繋がっていましたが、老舗の方とも仲良くなっていて、輪が広がっています。今では毎週のように仲間と飲んで楽しんでいます。作家じゃなくてもこういうことはあると思いますので、ぜひ「人のつながり」も楽しんでほしいですね。

m+(エムピウ)

今回、話を聞いた人

m+(エムピウ)代表 村上雄一郎さん

所在地:東京都台東区蔵前3-4-5 中尾ビル1F
電話番号:03‐5829‐9904
営業時間:11:00~19:00 ※土曜日、祝日13:00~18:00
http://www.monomachi.com/

※記事内容は2013(平成25)年1月時点の情報です。

元建築士がイタリア伝統の製法で生み出す、シンプルで機能的な革小物/m+(エムピウ) 村上雄一郎さん
所在地:東京都台東区蔵前3-4-5 中尾ビル1F
電話番号:03‐5829‐9904
営業時間:11:00~19:00
定休日:日曜日
https://m-piu.com/

学校の壁を超えた絆を作り続ける/公益財団法人 かわさき市民活動センター 北加瀬こども文化センター 西本征信さん


公益財団法人 かわさき市民活動センター
北加瀬こども文化センター 館長 西本征信さん

学校の壁を超えた絆を作り続ける

北加瀬の閑静な住宅地の一角にあり、放課後に多くの子どもたちが集まる「北加瀬こども文化センター」は、幸区内に6施設ある「こども文化センター」のひとつ。川崎市が、それぞれの地域に「様々な遊びを通して児童の健全な成長を促す児童健全育成の拠点」として整備を進めてきた施設である。

このこども文化センターは「地域の子どもたちが、いつでも、自由に使える」という気軽さと自由さが魅力。今回は館長の西本征信さんに、施設の魅力や子どもたちの様子、地域の魅力などについてお話をうかがった。

「こども文化センター」というのは聞き慣れない名称ですが、どのような施設なのでしょうか。

北加瀬こども文化センター_館長

もともとは川崎市が「地域児童の健全育成の拠点」という目的で整備したもので、川崎市内には59施設が設置されており、幸区内には6施設ありまして、ここ北加瀬こども文化センターは主に日吉中学校区をカバーしています。この学区には日吉小、夢見ヶ崎小があり、この学校の子どもはもちろん、他の学校の子どもたちも幅広くご利用いただけます。 こども文化センターの利用概要は以下のとおりです。

■開館日:年末年始(12月29日~1月3日)を除く毎日
■開館時間:午前9時30分~午後9時
(※日曜・祝日は午後6時まで)
■利用対象:0から18歳未満の児童(未就学児童の利用は保護者同伴)・青少年の健全育成や市民活動に携わる地域の方々

 

設備や部屋について教えてください。

北加瀬こども文化センター_外観

基本的には室内の“遊び場”ということでして、ドッジボールや卓球ができる「集会室」(小さな体育館のような部屋)、ピアノもあり、自由に遊べる「遊戯室」、椅子とテーブルがあり、宿題もできる「学習室」、本を自由に手にとれる「図書室」、未就学児優先の「幼児室」があります。どの部屋も自由に使えます。

利用するのは小学生が多いのでしょうか?

北加瀬こども文化センター

平日の放課後は小学生の利用者が多いのですが、午前中は小さなお子さんとお母さん、地域の様々な市民活動団体の方々、昼ごろからは隣にある幼稚園から帰る途中で寄る親子連れ、午後3時台からは小学生、中学生という具合で、時間によって利用者はさまざまです。高校生の利用者は少ないですね。イベントの時や、週末になりますと平日は利用されない方もたくさん訪れます。

典型的な利用の例を教えてください。

北加瀬こども文化センター

いちばん多いのは小学生ですので、その例ですと、放課後、だいたい3時台ぐらいになると友達同士で来館して、まず最初に入り口のノートに名前と学年、電話番号を書いて入館します。もう職員と顔なじみの子どもが多いですから、みんな元気にあいさつをしてくれますよ。あとは、ボールで遊んだり、卓球をしたりして遊ぶ子が多いですね。

事務室にもいろいろな遊び道具やボードゲームを用意しているので、それを借りていく子もいますし、もちろん勉強をする子もいます。女の子にはピアノも人気です。小学生の利用時間は午後6時までになっていますので、それまでにはみんな帰ります。

利用されるのは、両親が仕事で家に不在という子が多いのでしょうか。

北加瀬こども文化センター_幼児室

いえ、そういったことは無いと思います。今は安全に遊べる所も少ないですし、友達同士でここで待ち合わせをして、夕ご飯までの間、一緒に遊んでいるみたいですね。家で遊ぶということも最近は難しいようですから、ここが集まる場所になっているのでしょう。

遊び道具の制限などはありますか?

北加瀬こども文化センター_遊具一覧_

ボール遊びはドッジボールと卓球にしていますが、特にこれはダメというものはありません。ただ、壊れたり忘れたりということもありますから、あまり高価なものは持ち込まないようにしてもらっています。飲食できる部屋は学習室のみとしています。

こちらで主催しているイベントなどもありますか?

北加瀬こども文化センター

はい、色々開催していますが、その内容は月に1回発行している「こども文化センターだより」やホームページで紹介しています。センターだよりは日吉小と夢見ヶ崎小には毎月配っていますし、日吉合同庁舎にも置いてありますので、そちらを見ていただければと思います。 だいたい毎月何かしらのイベントはありまして、そのほとんどが無料で、かかっても材料費程度です。

一例ですが、今月は「さいわいキッズシティ2013」(※)というイベントがありまして、これは仮想の街でお仕事を体験して、仮想のお給料をもらって、そのお金で買い物やゲームを楽しむというものです。このほかにも、映画の上映会、自然観察会、マンカラ大会、おやつ作りのイベントなど、毎月色々と企画しています。専門の講師を招くものもありますから、良い学習機会にもなると思います。 定例のイベントとしては、それぞれ月1回、平日に乳幼児対象で行っている「ぽぽんたらんど」や、土曜日に行っている親子企画「パパっとサタデー」などがあります。

(※)2013年1月取材時

職員の皆さんはどのような関わり方をされていますか?

北加瀬こども文化センター_

基本的には見守る立場ですが、月に1回、「子ども運営会議」などを行って、子どもたちと一緒に、行事の企画や役割分担などを話し合っています。行事への参加も“遊び”の一環ではありますが、その中から子ども達の自主性やリーダーシップなどを引き出せれば良いなと思っています。

もちろん、ひとりで遊んでいる子がいたら、他のグループと一緒に遊べるように声かけもしますし、分からないことや困ったことがあれば、子どもの相談に応じたりもします。職員もみんな子ども好きですから、是非頼っていただければと思います。 この他、ここではないのですが、市内の各小学校にはすべての小学生を対象に、放課後の子どもたちが安心して過ごすことができる制度として「わくわくプラザ」がありまして、そちらにも当館の職員を派遣しています。

学年や学校の枠を超えた出会い、成長なども見られますか?

北加瀬こども文化センター_図書室

やはり学校の友達同士で遊ぶ子が多いのですが、最近は学校でも縦の関係づくりに取り組んでいますから、ここに来ても学年が違う子どもたちが、自然と一緒になって遊んでいます。高学年の子が低学年の子をまとめてくれるような光景も見られますね。

学校の壁を超えていろいろな友達と出会えるのは、「こども文化センター」ならではでしょうか。 小さなお子さんをもつお母さん方にも是非来ていただけたらと思います。特に引っ越して来たばかりの方ですとお知り合いも少ないと思いますので、ここに来ていただければ、保護者同士のつながりもできやすいと思います。

北加瀬エリアの「おすすめポイント」を教えてください。

やはり、子育て環境の良さは魅力だと思います。川崎市は当館のような自由に遊べる施設が各区にあり、全小学校にはわくわくプラザもありますので、放課後も安心して過ごしてもらえるかと思います。 北加瀬の周辺は特に住環境も良く、高い建物もあまり無くのんびりとした雰囲気ですし、近くにある加瀬山には「夢見ヶ崎動物公園」があったりと、自然もたくさん残っています。新川崎の駅から徒歩圏内で、武蔵小杉や川崎などの方面からのバスもありますし、交通の便も意外と良いですよ。

北加瀬こども文化センター_館長

今回、話を聞いた人

公益財団法人 かわさき市民活動センター
北加瀬こども文化センター
館長 西本征信さん

所在地:神奈川県川崎市幸区北加瀬2-12-12
電話番号:044-599-6868
http://www1.kawasaki-shiminkatsudo.or.jp/

※記事内容は2013(平成25)年1月時点の情報です。

学校の壁を超えた絆を作り続ける/公益財団法人 かわさき市民活動センター 北加瀬こども文化センター 西本征信さん
所在地:神奈川県 川崎市幸区北加瀬2-12-12  
電話番号:044-599-6868
http://www1.kawasaki-shiminkatsudo.or.jp..

新子安の子育てママを応援する「パルキッズ」/保育ルームパルキッズ 千葉節子さん


保育ルームパルキッズ 園長・千葉節子さん

新子安の子育てママを応援する「パルキッズ」

JR線「新子安」駅直結の複合ビル「オルトヨコハマ」の2階にあり、働く女性の心強い味方になっている保育ルーム「パルキッズ」。「保育園に入りたいけれど、なかなか空きが見つからない」というママをはもちろん、「ちょっと用事があって預けたい」「たまにはリフレッシュしたい」などの要望にも、一時預かりとして対応してくれ、忙しいママ仲間の間で口コミで評判が広がっているようだ。今回はそんな「パルキッズ」の園長、千葉節子先生にお話を伺うことができた。

施設の概要を教えてください。

パルキッズ

「パルキッズ」は私設の保育所でして、2006(平成18)年に開園しました。そこ頃はちょうどこの辺りにマンションが建ち始めた頃でして、高まっていた需要に対応して造られたものです。今年で6年を迎えます。

 

保育方針、園の雰囲気づくりなどについて教えてください。

パルキッズ

開業当初は幼稚園教諭のみだったのですが、今では保育師、子育て経験者など多彩な経験をもつスタッフが加わりまして、合計10名ほどのスタッフとなっています。皆で「おうちの延長のような場所」を目指し、日々保育にあたっています。保育方針は「安全で衛生的な保育を行い、健康的な生活の中で基本的生活習慣を導く」「一人ひとりの個性を大切に愛情を持ち、健全な心身の育ちを助ける」などとしています。保育所にとって、もちろん教育的な部分も必要ですが、最も大事なのは「おうちと同じように過ごせる」ことだと思いますので、リラックスしてのびのび過ごせるような場所づくりに、スタッフ一同頑張っています。

 
 
 
 

パルキッズ

保育方針としては、3歳以下の小さいお子さんが主体になるので、まずは「自立」ができるように考えています。例えば自分で食べられるようになるとか、お話を聞けるようになるとか、お友達と好きな遊びができるとか、「生活の基礎となることを身に付けられるように」というのが第一ですね。もちろん、保護者が気軽に相談したりできるようなフレンドリーな雰囲気づくりを心がけ、連絡帳やお便りなどをまめに交わしています。もちろん安全面や防犯面には万全の配慮をしています。園内のライブカメラを使って、インターネットから様子を見ることができます。保護者の方に安心して預けて頂ける、子どもたちにとって「もうひとつの家庭」のようになれればいいですね。

他の保育所と比べて「こんなところが便利」というところはありますか?

「気軽に利用してもらえるように」ということで、布団、おやつ、おむつなどは園でサービスの一環としてご用意しております。お勤めに行く途中でも荷物が少なく、寄りやすくなっています。持ってくるのは着替えぐらいで大丈夫ですよ。保育料のお支払いにクレジットカードを使えるのも、便利だと思います。「気軽に使っていただける地域の託児ルーム」と思ってもらえれば嬉しいですね。

利用には事前登録が必要でしょうか?

パルキッズ

はい、必要になります。登録には一時預かりと月極めの2種類があります。一時預かりですと、登録後は毎回利用ごとにお支払い頂きます。月極めは年齢ごとに金額は変わりますが、1ヶ月に利用する総時間数で幾つかのコースがあります。お休みした場合は振り替えが可能ですし、1ヶ月で残った時間数は一定割合で翌月に繰り越せるようなサービスもしています。今はほとんどが月極めの方で、1日に1人か2人、一時預かりの子が入る感じですね。

パルキッズ

月極めに関しても、お仕事をしていないお母さんでも、子どもを集団に慣らしたいという理由で短時間の利用をされる方がいらっしゃいます。お勤め始めですと時間も不規則だったり、会社側で優遇措置があったりしますので、そのようなケースに便利だとおっしゃる方もいます。本当に使い方が皆さん違いますので、ライフスタイルに合わせてコースを選んでいただければと思います。月極めには40時間から240時間まで、8種類のコースが用意されています。

一時預かりはどのような利用が多いでしょうか。

パルキッズ

「急な用事があって子どもを預かってほしい」、「リラックスする時間が欲しいから少しだけ預かってほしい」、「私が病気で具合が悪い時だけ預かってもらえたら」など、本当に様々なケースがありますので、どんな事情でもご相談ください。もっともっと多くの利用の仕方に対応できるように、今も体制を整備しているところです。

定員はどのぐらいでしょうか。

パルキッズ

お預かりしているお子さんは、月平均だと40人から45人ほどですが、お休みや一時利用もありますので、1日だとだいたい30人前後です。入園は随時受け付けていますので、気軽に見学にいらしてください。在籍している子たちは、3歳になると幼稚園に行く子が大半なんですが、幼稚園が終わった後、午後の時間にまたここでお預かりするというケースも多いです。幼稚園からの送迎も行っています。

プログラムやイベントについて簡単に教えてください。

パルキッズ

クラスはお話が理解できる“大きい子のクラス”と、まだ理解できない“小さい子のクラス”があります。基本的には大きな子がリトミックやお歌などのプログラムをやって、小さな子は自由に遊んでもらう感じです。行事については、年間を通して見ればクリスマスなどのイベントは行っていますが、お母さん方にも負担になってしまいますから、それほど多くはありません。

最後に「新子安の住みやすさ」について、コメントをお願いします。

オルトヨコハマ

「パルキッズ」が駅ビルにありますので、通勤途中に子どもを預けたい方にはすごく便利だと思いますし、同じビル内には児童センター、朝から開店しているスーパー、屋上部分を利用した広い公園もあります。駅前は立体的に整備されていますから、車の事故の心配も無く、子育て世代の方がたくさん散歩にいらっしゃっていますよ。必要なものが駅前にコンパクトにまとまっていますね。

新子安もくれん公園

駅の周辺一帯も、それほど多くの車が通りませんし、住宅地に囲まれた静かな環境だと思います。公園がいろんな場所にあって、お母さん方もおだやかな雰囲気の方が多いですから、外から引っ越して来られた方も、きっとすぐに馴染めると思います。あと、海から近い場所なんですけど、駅の北側は地盤もしっかりしているそうなので、防災の面でも安心感がありますね。

パルキッズ

今回、話を聞いた人

保育ルームパルキッズ/園長・千葉節子さん

所在地:神奈川県横浜市神奈川区新子安1-2-4 オルトヨコハマ2F
電話番号:045-410-7877
保育時間:7:30~21:00(基本時間8:00~19:00)
http://www.pal-kids.jp/

※記事内容は2012(平成24)年11月時点の情報です。

新子安の子育てママを応援する「パルキッズ」/保育ルームパルキッズ 千葉節子さん
所在地:神奈川県横浜市神奈川区新子安1-2-4 オルトヨコハマ2階
電話番号:045-401-7877
保育時間:7:30~21:00
休園日:日曜日
http://www.pal-kids.jp/

子育て家族の心の拠り所として、新しく生まれ変わった公立保育園/船橋市立若葉保育園 園長 てらさわ先生


船橋丸山インタビュー
園長 てらさわさん

子育て家族にとっての心の拠り所として
あたらしく生まれ変わった公立保育園の魅力とその役割

1966(昭和41)年の開園より48年を迎える地域に根ざした「市立若葉保育園」。子育て世帯の増加に伴い2014年8月に竣工したあたらしい園舎には、バリアフリーに対応した設計デザインをはじめ、食育を推進するための見える給食室や木のぬくもりを生かした暖かい室内空間など、充実した生活環境が整っています。子どもも大人も「保育園に行って良かった♪」と思える環境づくりが、核家族化する子育て家族にとって心の拠り所にもなっているようです。今回は20年ぶりに「若葉保育園」勤務となり、園長としてふたたび藤原地区の子育て支援に取り組むてらさわ園長に地域の魅力についてお話を伺いました。

Q.まず「若葉保育園」の沿革と概要について教えてください。

建物外観

昭和41年4月、船橋市内で8校目となる公立の保育園として開園した「若葉保育園」ですが、記録によると昭和30年頃に町会の保育所として子どもたちの面倒を見るようになったのがはじまりだったようです。当時はまだこの辺りも農家が多く、農閑期を利用して交代で協力し合いながら運営していたようで、当時の暮らしの様子が伺えます。

下駄箱

現在の園舎は2014年8月に竣工したばかりのあたらしい建物で、バリアフリーに対応した設計や食育を推進するための“見える給食室”など、さまざまな設計上の工夫が盛り込まれているのも特徴です。

名前

以前は園庭を囲んだコの字型の園舎で、子どもたちの様子が一望できて安心といった声もあったのですが、耐震や今後ますます増えるであろう子育て世帯の増加を見込んで建て直しとなりました。
園児の総数は、0歳児12名を含む148名(2014年11月現在)で、中規模の保育園として位置づけられています。

Q.船橋市では待機児童の解消に向けた取り組みもあるようですが、藤原地区の状況はいかがですか?

教室内

1歳、2歳児を中心に、当園でも待機児童がいらっしゃいます。園舎のある藤原地区や「馬込沢」駅の反対側もあたらしい家がたくさん建っていますし、子育てをしている若いご夫婦が増えているように感じます。

花壇

このあたりは船橋市のなかでも自然が多く、比較的お家も購入しやすい価格帯のようで、子育てをするご家族にとっても人気のエリアとなっているようです。
近隣には幼稚園もありますが、公立の保育園は当園があるのみといった状況ですので、園として担う役割は大きいと感じています。

Q.“自然とのふれあい”を園目標として掲げていらっしゃいますが、近隣の子育て環境はいかがですか?

兎遊具

「自然とふれあい豊かな心と健康な体をはぐくむ保育」を園目標として掲げているのですが、「若葉保育園」の近くには徒歩3分ほどの場所に「藤原市民の森」がありますし、園舎の裏にも遊具のある公園があります。

公園

「藤原市民の森」にはよく散歩に出かけるのですが、つい先日も牛乳パックで小さなお散歩バッグを作って、どんぐりがいっぱいになるまで拾って子どもたちも喜んでいました。
身近な場所に四季の変化が感じられる豊かな自然環境があるのは、子育ての環境としても恵まれていると思います。

Q.園内では主にどんな活動や遊びをしていますか?

絵

他の公立保育園とも同じだとは思いますが、子どもたちの発達段階に合わせた道具や玩具を揃えて体育や音楽、また絵を描いたりといった活動をしています。ちょうど5歳児のクラスでは、先日遠足に出かけた「ふなばしアンデルセン公園」での思い出を描いているようですね。

子ども折り紙

絵を描き終わった子どもは、本を見ながら折り紙をしたり、小さなピースを組み合わせて思い思いのかたちを作ったりと、好きな遊びに熱中しています。また卒園児たちによる写真も掲示しているのですが、積み木を組み合わせて大きな作品に仕上げるのが当園の伝統的な遊びになっていまして、人気のある遊びのひとつです。

Q.快適な空間で子どもたちものびのびと過ごしている姿が印象的ですね。保護者の方々の反応は?

教室光

建て直した後の保護者の方々の反応は、まず“明るい・広い・きれい”といった感想をいただきました。木のぬくもりが感じられるようにと、職員間でも意見や希望を出し合って、居心地の良い空間づくりを目指しました。

エントランス

園舎に入ってすぐのひろびろとしたスペースは、雨が降って園庭で遊べないときの運動スペースを目的として広く設けたもので、梅雨時期などは身体を動かして遊べない子どもたちのストレス解消の場としても役立つと思います。

給食

また他の保育園には無い特徴として、全面ガラス張りの“見える給食室”があるのですが、子どもたちが覗いていると下ごしらえしている野菜や果物を見せながら調理をしてくれたり、展示されている献立を見て「今日は何を食べたの?」といった親子の会話のきっかけにもなったりと、あたらしい施設ならではの良さを実感していただいていると思います。

Q.次に地域との交流や連携について、具体的な活動内容を教えてください。

子ども遊び

船橋市内の公立保育園では全園で“地域交流事業”を実施しています。当園でも「保育園で遊ぼ!」と題して、毎月第2火曜日の午前10時から11時30分までの間、園庭を開放して遊びの場を提供しています。

子ども遊び2

また看護師の方をお招きして、子育てに関するお話をしていただいたり、給食の試食会があったりと、スケジュールは市のホームページにもあるので、興味がある方はぜひ一度遊びにいらしていただければと思います。
先日もまちなかの掲示スペースに貼ってあるスケジュールを見てお子さんと遊びに来てくれたお父さんもいて、「診察時間の合間に遊びに来てみました」と、気軽に立ち寄っていただける身近な場所でありたいと思います。
また近隣の学校とのつながりにおいては、地元中学校の職場体験で生徒さんがいらっしゃったり、これから新一年生になる年長の子どもたちが小学校で遊ばせてもらったりといった交流の機会を設けています。

Q.最後にこの地域の魅力そして今後の園の目標について教えてください。

園長

20年ほど前に保育士として働いていた頃に比べると、あたらしい家も増えて賑やかになったとは思いますが、それでもまだ落ち着いていてガサガサっとしていない静かな生活環境に魅力を感じます。
自然環境にも恵まれていますし、実は園舎のデザインも森のなかに佇む家をイメージしてつくってもらいました。
今後の目標としてはまず、「また明日も保育園に行こうね♪」と子どもも大人も保育園に行って良かったと思える関係づくりを大切にしていきたいと思います。実家を離れて核家族化してしまっている共働きのご夫婦がほとんどだと思いますので、親身になって話し合える身近な存在として、子育てを支援していきたいと思います。

椅子

余談になりますが、先日けがをした小学生の男の子が当園に訪れました。ベテランの保育士によると卒園生だったようで、保護者の方も仕事で帰宅が遅く、頼れるところを探して真っ先に保育園のインターフォンを押してくれたようで、子どもごころにも「きっと助けてくれる」という想いが伝わるそういった存在でありたいと思います。

園長正面

今回、話を聞いた人

船橋市立若葉保育園

園長
てらさわ先生

住所:千葉県船橋市藤原7-41-1
電話番号:047-439-0472
http://www.city.funabashi.chiba.jp/shisetsu/kosodatesien/0003/0012/0001/p011109.html

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

子育て家族の心の拠り所として、新しく生まれ変わった公立保育園/船橋市立若葉保育園 園長 てらさわ先生
所在地:千葉県船橋市藤原7-41-1 
電話番号:047-439-0472
開所時間:7:00~19:00
休園日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.city.funabashi.chiba.jp/shise..

伝統芸能を陰で支える老舗店。「大野屋總本店」/大野屋總本店 7代目当主 福島茂雄さん


大野屋總本店
7代目当主 福島茂雄さん

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫雄さん インタビュー

伝統芸能を陰で支える老舗店。
「大野屋總本店」

徳川10代将軍の時代に創業し、240年余りもの間暖簾を守り続けている「大野屋總本店」は、「足袋と言えば大野屋」と、芝居や伝統芸能の業界で広くその名を知られている存在。伝統芸能を陰で支えている、数ある職人集団のひとつである。

その本店と製造工場をかねているのは、新富橋交差点の角にある、木造の2階建て建築。1階の一部が売り場となっているほかは、ほとんどが足袋を製造するための場所に割かれており、今も日々、昔ながらの手法で足袋が作られている。 今回は大野屋聰本店7代目当主、福島茂雄さんにお話を聞くことができた。

創業は江戸の中期ということですが、どのような経緯で新富町に根付いてきたのでしょうか

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

私どもの店は、創業が1770(明和7)年ごろ、安永年間の時代に創業したと言われておりまして、私は7代目になります。初代の福島美代吉がまず福島県から出てきまして、三田(現在の港区三田)に住み着いて、そこで装束の仕立て屋を始めたのが始まりということを聞いています。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

今は足袋が中心になっていますが、当時は腹掛けや股引などを中心にした仕立てから始まりまして、三田の頃には、戦争に行く人のために、リヤカーに晒(さらし※帯状で腹に巻いて使用する下着)を乗せて届けに行ったなどと書かれています。その後、新富町に移ってきたのは1849(嘉永2)年のことですね。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

ここに移った経緯として、ひとつは、当時この辺りに芝居小屋ができ始めたということがあったのだと思います。1660(万治3)年に木挽町にできた森田(守田)座についても、1872(明和5)年に新富町に移転して「新富座」になりましたし、1889(明治22)年には「歌舞伎座」もできました。大正時代には「新橋演舞場」もできまして、この界隈が日本で一番の芝居小屋が集まる地域になっていったんですね。

店の看板商品となっている足袋について、特徴をお聞かせください

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

うちはこういった土地柄ですから、地下足袋ではなくて、お茶席や芸能などで使われるような、お座敷用の足袋を専門に扱っています。キャラコという足袋用の綿生地でできている、上履き用の滑らかな足袋ですね。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

現在のうちの足袋は、5代目が開発した「新富形」と言われている足袋でして、底を細く、上をふっくらと包み込むようにお作りしていますので、踊りを舞ったときに、足が細くすっきりと見えるんですね。そこが一番の特徴であり、芸能関係で使っていただいている理由かと思いますね。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

新富形足袋の基本の形としては、「細」「柳」「梅」「牡丹」という4種類がございます。靴で言うところの、EとかEEとかというものですね。幅、足首、指の長さなどを全体的にちょっとずつ変えて、違う形となっていまして、それぞれの形に、5ミリ刻みでサイズが揃っています。店頭に見本足袋がありますので、お履きいただいて、サイズが合えば、それが一番簡単ですね。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

それでも、どうしてもサイズの合わない方もいらっしゃいますので、そういう方には「お誂え(おあつらえ)」として、オーダーメイドで仕上げています。うちの足袋は裁断から全部、この建物の中で一貫製造していまして、キャラコの生地を裁断して、小鉤(こはぜ)をつけて、端縫い(はぬい)をして、甲前(こうまえ)を縫って、掛け糸を付ける、という形で仕上げていきます。ですから、型はもちろん、細かな部分まで、どんなオーダーにも対応させていただきます。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

今は歌舞伎についてはパンフレットに名前が載るような方々の足袋は、ほとんどうちでお作りさせていただいております。役者さんそれぞれの足型を取るわけですが、皆さんお忙しい方が多いですから、楽屋や、ご自宅に伺って取っております。

先ほど申し上げたとおり、「歌舞伎座」、「新橋演舞場」で使っていただいているほか、「国立劇場」や「明治座」、都内以外ですと「博多座」、「南座」、「松竹座」など、全国の劇場にお納めさせていただいております。

一般の方ですと、どのような方が利用されているのでしょうか?

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

一般の方ですと、やはり、着物を着てご商売をされている方や、お能や狂言、お茶、お花、茶道、香道、長唄などをやっている方、もちろん、趣味で着物をお召しになる方もいらっしゃいます。結婚式でお召しになる方などもいらっしゃいますね。

足袋以外にはどのような製品を作っているのでしょうか?

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

創業当時から肌着を作ってきましたので、今でも寝間着や肌着、ガーゼ製品などを、うちで企画しまして、提携している工場や職人さんに作ってもらっています。もちろんすべて国内製造でして、職人さんも代々お付き合いのある職人さんばかりです。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

ガーゼの商品は価格も安いですから、ちょっとしたお土産に人気がありますね。柔らかいですから、赤ちゃんやお年寄りにも使いやすいですし、おぼろ(表がタオル、裏がガーゼになっているもの)は肌触りが柔らかくて水の吸い取りがいいですから、タオルの代わりに、気軽に使っていただけると思います。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

割烹着などもオリジナルのデザインで作っているものでして、割烹着はポリエステルと綿の混紡ですから、洗濯機で洗えてシワになりにくく、普段使いしやすいものになっていると思います。店頭以外でも、ホームページでの通信販売もしておりますから、ぜひご利用ください。

最後に、地元の魅力についてお聞かせください。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂夫さん インタビュー

やはり都心に近い、というよりはここが都心ですから、「どこに行くにも便利」というのがまず一つですね。昭和通りを渡れば、すぐ向こう側が銀座ですから。

それから、最近はファミリーがけっこう増えましたして、それにともなってスーパーやコンビニ、ファミリーレストランなども増えてきました。生活するにも便利な環境になっていると思います。私は生まれてからここに住んでいますけれど、夜は本当に静かなんですよ。

大野屋總本店 7代目当主 福島茂雄さん インタビュー

今回、話を聞いた人

大野屋總本店(おおのやそうほんてん)
7代目当主 福島茂雄さん

住所:東京都中央区新富2-2-1
電話:03-3551-0896
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日曜、祝日
http://www.oonoyasohonten.jp/

※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

伝統芸能を陰で支える老舗店。「大野屋總本店」/大野屋總本店 7代目当主 福島茂雄さん
所在地:東京都中央区新富2-2-1 
電話番号:03-3551-0896
営業時間:9:00~17:00
定休日:土曜日、日曜・祝日
https://www.oonoyasohonten.jp/

下町情緒の薫る街 地元で生まれ育ったそば職人が語る「町屋」/うじいえ 店主 氏家洋治さん


うじいえ
店主 氏家洋治さん

下町情緒の薫る街
地元で生まれ育ったそば職人が語る「町屋」

東京都荒川区インタビュー

細い路地が入り組んだ住宅地のなかに佇む隠れ家的なお店として、知る人のみぞ知る「うじいえ」。銀座で修行をしたのち、新宿で開業しそばを打ち続けて30年、テレビや雑誌など数々のメディアで紹介されるほどの技術と経験を生かしたお店が2013(平成25)年に町屋にオープンした。地元町屋で生まれ育ったそば職人の氏家洋治さんに「町屋」の魅力についてお話を伺いました。

まず町屋でお店を開いたきっかけを教えてください。

東京都荒川区インタビュー

銀座で修行をしたのち、新宿御苑で17年間お店を開いておりましたが、閉店して心機一転新しいお店を開こうと考えまして、家族が側にいる生まれ育った町屋にお店を開くことを決心しました。地元の人でも迷ってしまうとよく言われる今のお店は、実は実家の敷地内にあるんです。

下町のイメージのある町屋で大衆的なそば屋ではなく、本格的な手打ちそばにしたのは何故ですか?

東京都荒川区インタビュー

“近隣には無いお店にしたい”というのがまず考えとしてあったのですが、新宿で好評だった創作そばではなく、はじめは地域性も考えて一般的なそばを提供していました。しかし、1年が経って町屋の人たちも季節を楽しむ〈春〉の「桜切りせいろ」や〈秋〉の「柚切りせいろ」など食に対する興味や関心が高いことに気がつきました。今後は「野菜ソムリエ」の資格を生かした和洋を織り交ぜた一品料理も積極的に提供していきたいと考えています。

そばはもちろん、天ぷらやフランス料理の技法を取り入れた一品料理も評判のようですが、はじめて訪れる人におすすめの楽しみ方を教えてください。

東京都荒川区インタビュー

季節の野菜や食材を使った4、5品の料理とせいろそば、甘味の「夜のおまかせコース」を3,000円から提供しています。普段あまり見かけることのない野菜も全国から取り寄せていますので、初めて食べる食材に出会えるかもしれません。

東京都荒川区インタビュー

座席もカウンター7席と個室は10名まで利用できるので、おひとりからご家族のお祝い事などでもご利用いただいています。週末は予約でいっぱいになることも多いので、来店の前に問い合わせをしていただくと助かります。

東京都荒川区インタビュー

またランチタイムには車海老2尾に野菜を3品盛りつけた「天せいろ」や国産の鴨肉を使った「鴨汁せいろ」も人気で、まずは気軽に立ち寄って欲しいですね。

お店づくりにおいて新宿と町屋とでもっとも異なる点は? また町屋の良いところは?

東京都荒川区インタビュー

町屋にはまだ下町風情というのが残っていて、道路で行き交う人みな顔見知りのような感覚があります。地元の同級生や先輩、後輩、またその家族などカウンター越しに仕事をしていると、「もしかして○○中?」「そう○年卒♪」などと身近な話題で盛り上がります。

東京都荒川区インタビュー

新宿ではテレビや雑誌などにもたびたび紹介され、いろいろな経験もさせていただきましたが、そばひと筋30年の職人として“ただ良い仕事をしたい”という想いで開いたお店ですから、地元の人に愛され親しんでもらえるのが何よりの悦びです。

はじめて「町屋」で生活する人におすすめのスポットや思い出の場所などはありますか?

東京都荒川区インタビュー

学生時代は野球に明け暮れていたので、思い出は河川敷の景色しか思い浮かびません(笑)それと歩いて7、8分ほどの場所にある「尾久の原公園」は季節を迎えると桜も咲いていて整備されたきれいな公園です。ぜひ散歩がてら立ち寄ってみてください。

東京都荒川区インタビュー

今回、話を聞いた人

うじいえ店主

氏家洋治さん

所在地:荒川区町屋3-5-13
電話番号:03-6807-8538
URL:http://www.sobaujiie.com/

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

下町情緒の薫る街 地元で生まれ育ったそば職人が語る「町屋」/うじいえ 店主 氏家洋治さん
所在地:東京都荒川区町屋3-5-13 
電話番号:03-6807-8538
営業時間:11:30~14:00、17:30~22:00
定休日:月曜日
http://www.sobaujiie.com/

子ども一人一人をしっかり見つめ 本当に必要な保育を実施する/スマイルクラブ ナーサリー木場 河本 みよ子園長先生


スマイルクラブ ナーサリー木場
河本 みよ子園長先生

子ども一人一人をしっかり見つめ
本当に必要な保育を実施する

江戸時代初期から貯木場があった材木の街・木場。現在、材木商たちは新木場へと移り、元貯木場には都立防災公園・「木場公園」が広がっている。東西線「木場」駅から大手町まで10分足らず、銀座までも11分と、その利便性の良さが魅力のエリアだ。周辺には「イトーヨーカドー 木場店」を核テナントとした複合商業施設「深川ギャザリア」もあり生活利便性は高い。そんな木場エリアの中でも、「木場」駅から徒歩2分の立地にあるのが「スマイルクラブ ナーサリー木場」。園長を務める河本先生にお話を伺った。

まずは概要から教えてください。

当園は「スマイルクラブ(株)」が運営をしており、本部のある住吉校の方では、プリスクールやキンダーガーデンといった英語を主体とした保育・教室を運営しています。そこで運営をしているうちに、「英語教育」の要望と共に保育園としての機能も求められていることを実感し、私たちだからこそできるサービスがあると思い、こちらの木場では多様なニーズに応えられるような認証保育園を開園することとなりました。

東京都江東区インタビュー

基本保育時間は朝8時~18時ですが、7時半の開園から20時半の閉園までの間お預かりしています。当日の急な延長にも対応しており、必要であれば補食を用意することもできるので、延長保育の時などに利用していただけます。

定員は、0歳児9人、1歳児15人、2歳児9人、3・4・5歳児7人となっています。小学校入学までお預かりできるのですが、4才になると認可保育園や幼稚園に移られる方が多く、現在は3歳までのお子さんのみです。先生は10名で、看護師が保育園に常駐しています。

園の特徴などはありますか?

東京都江東区インタビュー

住吉本園は英語保育ですが、こちらは普通の保育園です。ただ英語対応ができる保育士が2名おりますので、入園前カウンセリングや連絡などで英語対応ができます。また給食は全て手づくりで、お米と無農薬野菜を中心に季節を感じられるような献立づくりをしています。保育時間内に「スマイルタイム」という時間を設け、お話し(パネルシアター)や体操、絵画制作、リトミック、ネイティブの先生による英語を取り入れています。月齢に応じて子どもたちが楽しめるように工夫しています。特に2歳以上のお子さんには、毎朝「英語であそぼう」という担任の先生と一緒に英語のカードゲームをしたり、英語の歌に合わせて手遊びやダンスをする時間を設けて、英語に触れる機会をつくっています。

お子さんをお預かりするうえで、心がけていらっしゃることなどはありますか?

東京都江東区インタビュー

本園の目標は「目指せ!第二の家庭」です。もちろん家庭と全く同じとはなかなかいきませんが、子どもたちが家庭で過ごすのと同じように、ストレスなくリラックスして生活できるようにすることです。

例えば4月から入園のお子さんで、4月からフルの仕事復帰であれば、3月の最終週1週間を使って慣らし保育を行います。まずはお母さんと一緒に園に来て頂いて、保育室に慣れていただきます。その時にお母さんの抱き方、寝かしつけ方、食事の仕方など普段の生活のこともヒアリングして、見せていただきます。

もちろん個人差がありますから慣らし保育が3日で大丈夫なお子さんもいれば、1週間以上かかるお子さんもいます。その子その子に合うペースで良いと思うんです。

東京都江東区インタビュー

また第二の家庭を目指すという意味で、子どもたちの家庭でのリズムを尊重し、その日の体調などを加味しながらの保育も心がけています。例えばお母さんから「今日は早朝に目覚めてしまって、朝ごはんも早く済ませてきました」とお聞きすれば、昼食は早めに摂るようにして、お昼寝も早くさせます。基本的に一斉に食事、一斉にお昼寝といったことはありません。

「一人一人のリズムに合わせるとなると大変では?」と聞かれることもありますが、実はこの方が保育する側も流れがスムーズなんです。というのは、10人以上の子どもたちを一斉にお昼ご飯にするとなると、手洗い場に大勢がドッと集まり待ち時間も長くなります。3~4人を1グループとして先にお昼にして、その後少しずつ時差をつけて1グループ、その後でまた1グループとした方が流れも滑らかです。もちろんお母さんやお父さんから特にご報告がなくても、子どもの様子次第で早お昼・遅お昼など対処しています。

とても丁寧な保育なんですね。

東京都江東区インタビュー

実はこれも、後の保育がスムーズになる工夫でもあるんです。
0~1歳の間に先生が子どもとじっくり関わり、その子その子のリズムを大切にしてあげることで信頼関係が築かれ、2歳・3歳と育っていった時に子どもが落ち着きます。

また子どもと担任の先生の間にも相性というものがあります。自然と先生の周囲にはその先生と馬の合う子どもたちが集まってきますから、担当をキッチリ決めるというよりも、その相性に沿ってふんわりとグループを分けています。もちろん先生方には同時に保育室全体を見渡してもらっています。

保護者同士の交流などはありますか?

慣らし保育の時期は、親子登園する方々が増えますので、そこで皆さんお友達になるようですね。お仕事に復帰されるお母さん方が多いので、子どものこと、育児のこと、情報交換できる仲間は大切です。似たような立場のお母さん同士なので、すぐに意気投合するようです。

東京都江東区インタビュー

また保護者会や保護者参加のイベントなども負担にならない範囲でありますので、そこでもすぐ打ち解けて交流されているようです。最近は、送っていらっしゃるのはお父さんというケースも多く、男性の育児参加が増え協力的なパパさんが多いと感じています。お父さん同士も仲良くしていらっしゃる風景をよくお見かけします。

木場エリアの魅力を教えてください。

東京都江東区インタビュー

都心部にありながら、町全体がゆったりとした造りになっていると思います。「木場公園」のような大型の公園が近くにあるので、アスレチックや芝生広場に行ってよく遊んでいます。また「洲崎神社」や親水公園など、ちょっと歩けばすぐに子どもたちが遊べるスペースを見つけられるので、私たちスタッフはとても助かっています。

東京都江東区インタビュー

目の前にあるギャザリアのガーデンコートには、イングリッシュガーデン風の庭園があり、季節ごとのお花もふんだんに咲いているのでよく遊ばせていただいています。広場になっていて、車はもちろん自転車も入れないようになっているので安心ですし、お年寄りの方々にお声をかけていただいたりもしています。

子ども一人一人をしっかり見つめ本当に必要な保育を実施する

今回、話を聞いた人

スマイルクラブ ナーサリー木場
河本 みよ子園長先生

所在地:江東区木場1-4-5 イマス木場ビル2F
電話番号:03-5665-5033
http://www.smileclub-kiba.jp/

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

子ども一人一人をしっかり見つめ 本当に必要な保育を実施する/スマイルクラブ ナーサリー木場 河本 みよ子園長先生
所在地:東京都江東区木場1-4-5 イマス木場ビル2F
電話番号:03-5665-5033
http://www.smileclub-kiba.jp/

顔が見える教育環境で、 子どもたちの健やかな成長を応援する。/東京都北区立神谷中学校 校長 飯塚徳彦 先生


東京都北区立神谷中学校
校長 飯塚徳彦 先生

北区立神谷中学校

顔が見える教育環境で、
子どもたちの健やかな成長を応援する。

教員は、全生徒の名前と顔を把握しているという「神谷中学校」。受験を控えた3年生全員に、面接練習を学校長自らが年3回行う場を設けるなど、小規模校ならではの恵まれた環境が整っている。“小規模だからこそ”の教育環境を中心に、お話を伺った。

まずは、「神谷中学校」の概要について聞かせてください。

北区立神谷中学校

当校が開校したのは1955(昭和30)年4月のことです。現在は、全学年が2クラスずつ。神谷2・3丁目と東十条5・6丁目が当校の学区となっています。教員が全生徒の名前・顔を把握できるくらいの規模なので、その意味では生徒と教員との距離が大変近いと言えるかもしれませんね。

北区立神谷中学校

常日頃より、生徒には「小規模だからこそチャンスが多いという長所を、存分に活かしてほしい」と言っています。たとえば各校から選ばれる代表(候補)選手はどの学校も同じ人数で、生徒数が多くても少なくても変わりません。生徒数が少ない分、当校はチャンスがあるということになります。そうしたチャンスを見逃さず、ぜひそれを掴んでほしいですね。

「神谷中学校」の年間行事について伺えますか?

神谷中学校

毎年、特に盛り上がりをみせるのが体育祭です。小規模校とはいえ、生徒は休んでいる暇がないくらいに種目数が充実しており、一日が終わる頃には教員も生徒もヘトヘト(笑)。「小規模だから」という理由でやれないことがないように心掛けています。

文化祭についてですが、合唱コンクールと同時開催というのが特徴で、学年に関係なくクラス対抗の勝負となります。3年生にしてみれば、後輩に負けるわけにはいきませんから、双方にとって大きな刺激があるのではないかと思います。

北区立神谷中学校

それ以外には、田植え、里芋・じゃがいもの植えつけをする農業体験もあります。1年生で5回、2年生では4回。3年生は3回の農業体験をします。回を重ねるごとに生徒たちの表情も変わっていき、最初は泥に浸かっては騒ぎ、虫を見ては悲鳴を上げていた生徒たちにも変化が出てきます。農作物を育てることを通して、生徒たちは成長していくのでしょう。

こちらでは日に1回、土曜授業を公開されているそうですね。

北区立神谷中学校

保護者や地域の方々に普段の風景を御覧いただき、授業終了後はミニ懇談会の場を設けています。時間としては短いのですが、感想や意見を忌憚なくおっしゃっていただければと思います。

教員にとっては、そのような意見を聞くというのは勉強にもなります。体育祭と同様に、より多くの方に参加していただきたいですね。

コース選択制補習授業の夏う休みを利用した学力「パワーアップ教室」についても聞かせてください。

北区立神谷中学校

全学年が対象ですが、中心となるのは3年生。近くにある「成立学園」の高校生が当校に教えにきてくれます。「人に教えることで、自らも学べることがたくさんあります」と、高校生も話してくれています。「成立学園」との連携によって双方が成長するというのは、とても有意義な取り組みだと思います。

卒業生が「成立学園」の生徒となり、「お世話になったので」と指導に来てくれるなど、色々な繋がりが生まれています。

教育者として喜びを感じるのは、どのようなときですか?

北区立神谷中学校

生徒とじっくり向き合い、何かしらの良い影響を与えられたと実感できたときですね。これは私の信条ですが、粘り強く生徒と向き合えば、必ず想いは伝えられると考えています。

人間の成長段階で、最も大きな変化があるのは中学時代の3年間。そうした時間に携われるということが、この仕事の大きなやりがいです。

このエリアで気に入っていることなどあれば聞かせてください。

赤羽自然観察公園

北区全体でも言えることですが、公園が多いということですね。当校と通りを挟んで、陸上競技・サッカー・ゲートボールに対応した「北運動場」や「神谷公園」、その他にも「赤羽自然観察公園」をはじめ様々な公園があり、当校の生徒も利用することが多いようです。公園が多いことで、街に落ち着きが添えられているように感じますね。

北区立神谷中学校

今回、話を聞いた人

東京都北区立神谷中学校
校長 飯塚徳彦 先生

住所:東京都北区神谷2-46-13
電話:03-3902-2461
FAX:03-3902-2570
HP:http://www.kita-tky.ed.jp/~jhkamiya/

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

顔が見える教育環境で、 子どもたちの健やかな成長を応援する。/東京都北区立神谷中学校 校長 飯塚徳彦 先生
所在地:東京都北区神谷2-46-13 
電話番号:03-3902-2461
https://www.city.kita.tokyo.jp/gakkoshie..

確かな学力と健康な身体、 豊かな心を持つ子どもの育成/松戸市立松飛台小学校 校長 波田 寿一先生


松戸市立松飛台小学校
校長 波田 寿一先生

確かな学力と健康な身体、
豊かな心を持つ子どもの育成

「松戸市立松飛台小学校」は、「八柱霊園」の緑も近い自然が豊かな環境にあり、通学区域内は落ち着いた住宅街が広がっています。この「松飛台小学校」で校長を務める波田寿一先生に、学校の特徴や教育方針についてお話を伺いました。

「松飛台小学校」の沿革と概要を教えてください

松戸市立松飛台小学校

「松飛台小学校」は1969(昭和44)年に開校し、今年で開校45周年を迎えます。松飛台周辺の小学校としては、もともと「五香」駅周辺の「高木第二小学校」と「常盤平第二小学校」がありました。これら2校の児童数が増えたことにより、分離開校という形で「松飛台小学校」が誕生しています。ピーク時は1500人以上の児童が通っていたこともあるそうですが、現在の児童数は約680名です。

「松飛台小学校」の特徴的な施設を教えてください

松飛台小学校

施設ではありませんが、校舎と校庭の間にみかんや柚子など、実のなる木があるのは本校の特徴でしょうか。かつての校長に樹木の手入れが好きな方がいたそうで、子どもたちにも大きな実をつけてほしいと願い、その方が植えたと聞いています。今も毎年冬にはたくさんの実ができて、以前は給食に出していたこともあったそうです。

実際の教育ではどのようなことに重視して取り組んでいますか

松飛台小学校

教育目標に「主体性・創造性を伸ばし、確かな学力と健康な身体、豊かな心を持つ子どもの育成」と掲げていますが、この実現に一番大切なことは、子どもたちが毎日、元気で笑顔で登校できることだと考えています。健康でなくては、勉強することもできませんし、友達と遊ぶこともできません。子どもたち全員が元気で楽しい学校生活を送れるように、教職員一同努力しています。

楽しい学校生活を実現するために具体的にどのような取り組みをされていますか

松飛台小学校

学校は勉強をするところですから、まずは子どもたちが勉強で満足感や達成感を感じること、喜びを得ることが大切だと思います。子どもたち全員が同じレベルで勉強できることが理想ですが、現実はそうはいきません。ですから、子どもたちそれぞれが自分にあった目標を持ってほしいと思います。勉強が好きな子なら、高い目標を持って自分で考えて勉強するのもいいですし、基礎、基本をしっかり身に付けるという目標でもよいと考えています。もちろん、運動や音楽などいろいろな目標があってもいいと思います。

本校では、子どもたちそれぞれの目標を達成できるように、さまざまな工夫をしています。例えば、地域の元教員の方に来ていただいて、希望制ですが昼休みの勉強会を行っています。この勉強会では、子どもたちがしたい勉強・できる勉強をすることができますから、達成感や満足感を得られます。こうした喜びは通常の授業にもプラスの効果になると思います。

校舎の階段にかけ算や英語の掲示もありますね。

松飛台小学校

これもなるべく楽しく勉強してほしいという取り組みの一環です。目に見える学力の向上も大切だと思いますが、まだ小学生で可能性があります。むしろ、勉強が楽しくないと思わせてしまうことがよくないと思うのです。 理科の授業でも、実験の準備や後片付けといったサポートをしてくれる方に来ていただいています。担任の負担が減るのはもちろんですが、子どもたちも準備がきちっとできていて、手順がはっきりわかると楽しく実験や観察ができるのですね。このように学ぼうとする意欲や興味を高める仕組みづくりが大切だと考えています。

子どもたちの安全にも配慮されているそうですね。

松飛台小学校

本校は2年前まで松戸市の安全教育研究指定校として、校内の安全を向上させる取り組みが行われていました。校舎内で子どもたちの動線が交差する場所には、注意を促す掲示物がありますし、通路の色分けをして危険を知らせる工夫がされています。

これは全学年対象ですが「KYT(危険予知トレーニング)学習」という授業も行っています。危険を察知する能力を高めて、どのように対処したらよいのか考えるという学習で、例えば、プールの授業の前には、プールのまわりで子どもたちが走っている絵を見せて、何が危険かということを子どもたちに考えてもらいます。

校外での子どもたちの安全確保という点では、4年生では地域の安全マップを作成する授業を行います。また、地域の方々にも見守り活動などで多大な協力をいただいています。

地域との連携ではどのようなことをされているのでしょうか。

この地域は防犯や交通安全に対する意識が非常に高いエリアで、地域の方々が毎日7時から子どもたちの見守り活動をしてくれます。おかげさまで重大な事故は起きていません。

東日本大震災以来、地域防災の必要性も高まってきましたので、地域の方々に本校の体育館横にある防災倉庫を見学していただいたり、本校の教職員と地域の方々が一体となって避難所運営のシミュレーションをする「避難所HUG」なども行ったりしています。本校では、このように地域とともに子どもの安全を守るという協力体制ができていることも特徴です。

松飛台エリアの魅力を教えてください。

野馬除土手(五香八丁目付近)

子育ての場として考えた場合、地域全体で子どもを育てようという意識が高いことがいちばんの魅力ではないでしょうか。本校周辺は、昭和40年代ごろに開発された比較的新しい街です。開発当初にこちらに来られた方は、自分たちが育ててきた街という思いがあるのでしょうか、地域を見守っていこうという機運が高いエリアです。

東京都立八柱霊園

「五香」駅から「松戸」駅までは約10分とアクセスもいいですし、「五香」駅前にはお店もたくさんあります。江戸時代の放牧場の名残である野馬除土手や桜のきれいな「八柱霊園」など歴史や自然に親しめる場所もありますから、子育てしやすい場所といえると思います。

個人的には大相撲の佐渡ケ嶽部屋が近くにあるのが気に入っていますね。今度、PTAの活動の一環で本校の子どもたちも一緒に見学に行くことになっています。

松飛台小学校

今回、話を聞いた人

松戸市立松飛台小学校

校長 波田 寿一先生

子どもたちの笑顔を見るのが楽しみとおっしゃる波田先生は、子どもたちに声をかけられたときのうれしそうな顔が印象的な方でした。

住所:千葉県松戸市五香西4-22-1
電話番号:047-387-0494
http://www.matsudo.ed.jp/~matuhi-e/index.cfm/1,html

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

確かな学力と健康な身体、 豊かな心を持つ子どもの育成/松戸市立松飛台小学校 校長 波田 寿一先生
所在地:千葉県松戸市五香西4-22-1 
電話番号:047-387-0494
http://www.matsudo.ed.jp/~matuhi-e/

素直で一生懸命な子どもたちに囲まれて/東京都北区立稲田小学校 校長 小島 みつる先生


東京都北区立稲田小学校
校長 小島 みつる先生

稲田小学校校長 インタビュー

素直で一生懸命な子どもたちに囲まれて。

1940(昭和15)年に開校した伝統校「東京都北区立稲田小学校」は、これまで数多の卒業生を送り出してきた。半世紀を超えるその歴史は、卒業生だけでなく地域住民にとっても愛着のある存在となっている。地域における学校の役割や取り組み、また教育に対する考え方を中心に、同校の小島校長にお話を伺った。

「東京府東京市稲田尋常高等小学校」を前身として、1940(昭和15)年に開校した伝統校と伺っています。

稲田小学校校長 インタビュー

木造から鉄筋コンクリート造の校舎には変わりましたが、当校に愛着や親しみを寄せてくださる方は、この周辺地域には大勢いらっしゃいます。親子3代が当校の生徒だったという家庭もあり、そうしたエピソードに出会えることが伝統校ならではの話だと思います。近年、少子化が進んだことで当校も児童数が減り、現在は全学年が単学級になりましたが、2014(平成26)年度の新1年生は2学級になります。

稲田小学校校長 インタビュー

児童数が増えるとは言え、教師が全員の名前を知っているくらいの規模なので、他校と比べても教師と生徒との距離は近いかもしれませんね。それに児童数の割に校庭が広く、安全性を確保するという観点からサッカーを禁止している学校もありますが、当校ではそのような対応を取る必要がありません。存分に走り回れるこの環境を活かして、子どもたちが何かを学んでくれたら嬉しいですね。

「稲田小学校」に通ってくる子どもたちの特徴を伺えますか?

稲田小学校校長 インタビュー

手前味噌になってしまいますが、素直で一生懸命な子どもが多いですね。落ち着いた家庭環境があること、それと保育園時代からの友だちというケースも多く、そうしたことも関係しているのではないかと思います。学校行事に協力的な保護者も多く、教師と生徒だけでなく、家庭、そして周辺地域が学校を支えてくれているように感じます。一方で、何かを感じたり、気づいたりする力が不足している印象を受けますから、それはしっかりと教えていきたいと思っています。

「稲田小学校」の教育目標を教えてください。

稲田小学校校長 インタビュー

豊かな心の子ども・考える子ども・努力する子ども・健康な子どもを育てることです。最初の“豊かな心の子ども”についてですが、豊かな心を育むために欠かせないのが“友だちと仲よくする力”です。友だちを思いやり、協力しがら同じ目標に向かって進む力とも言い換えられますが、同じクラスだけでなく、学年の異なる友だちをつくり、そのなかから人との付き合い方を学んでほしいですね。

稲田小学校校長 インタビュー

当校は、クラス単位だけではなく、異学年のグループ活動である縦割り班活動を大切にしています。縦割り班活動では高学年は思いやりの心をもって低学年に接する中で、相手の立場に立った行動を学んでいきます。低学年はそのような高学年の姿にあこがれ、自分もそうなりたいと願い、さらに自分より弱い立場の人への行動を学んでいきます。

色々な学校行事がありますが、そのなかのひとつ、「新年子ども会」について聞かせていただけますか?

稲田小学校校長 インタビュー

これは子どもたちを主体とした行事で、こま、けん玉、だるま落としなどの昔あそびなどをするもので、保護者や周辺地域の方にも声を掛け、今年度(平成25年度)は、それらの遊び方を教えてもらうという取り組みもしました。学校便りを地域に配っている関係で、学校行事にいらっしゃる方も多く、そのようなときに地域との繋がりを感じますね。

小島校長の教育哲学を聞かせてください。

稲田小学校校長 インタビュー

学校は、子どもにとって楽しい場であり、喜びを感じられる場であるべきだと考えています。それに必要なのは“頑張る”という姿勢。社会に出れば、いくら頑張っても正当に評価されない場面がありますが、でも小学生でいる間は、頑張っていることが認められ、頑張れば楽しいということを実感してもらいたいですね。

毎年、春には卒業生を見送っておられると思います。卒業生には、どのようになってもらいたいとお考えですか?

稲田小学校校長 インタビュー

健康で楽しく、堂々と人生を送ってもらうこと。さらに言えば、付和雷同せず、自分の考えをしっかりと持ってほしいなと。そして社会に出る年齢になったとき、“良い大人”になってくれていたら嬉しいですね。そのときに小学生活を思い返して「あの言葉の意味がようやく分かった」と思ってもらえたのなら、教育に携わる者として、これ以上にやりがいを感じることはないかもしれません。

「稲田小学校」が歩んできた歴史、それを育んできたこの街について、最後に聞かせてください。

稲田小学校校長 インタビュー

北区は、都内でも有数の教育に力を入れているエリアだと思います。それは英語教育をはじめ、色々なところでも感じます。教育というのは、すぐに結果が出るものではありませんから、未来を見据え、子どもたちに必要なものを教えていきながら、教員ともども成長していけたらと思っています。

稲田小学校校長 インタビュー

今回、話を聞いた人

東京都北区立稲田小学校

校長 小島みつる先生
住所:東京都北区赤羽南2-23-24
電話番号[校長室]:03-3902-2946
電話番号[職員室]:03-3902-2944
http://ns.kita-tky.ed.jp/~es24/

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

素直で一生懸命な子どもたちに囲まれて/東京都北区立稲田小学校 校長 小島 みつる先生
所在地:東京都北区赤羽南2-23-24 
電話番号:03-3902-2944
https://www.city.kita.tokyo.jp/gakkoshie..

創立85年の幼稚園 遊びの中から学ぶ子どもの育ちを見守る/学校法人谷口学園 文の里幼稚園園長 谷口登一さん


学校法人谷口学園 文の里幼稚園園長 谷口登一さん

創立85年の幼稚園
遊びの中から学ぶ子どもの育ちを見守る

1928(昭和3)年に開園した、街と共に85年の歴史を歩んできた「文の里幼稚園」。阿倍野という賑やかなエリアに近いにも関わらず周辺には閑静な住宅街が広がっています。今回は「文の里幼稚園」の5代目園長を務める谷口登一先生に施設の特徴と街の魅力についてお話を伺いました。

幼稚園の概要を教えてください。

文の里幼稚園 門

1928(昭和3)年に創立し、2013(平成25)年で85年目を迎えました。私は5代目になりますね。創立の頃から掲げている園訓の「みんな仲よくがんばるよい子」をモットーに、集団生活の中での経験を通して、いろいろな気持ちを高め、心やさしい思いやりのある子に育って欲しいとの願いを込めて子供と接しています。私たち自身が子供だったころを思い出しながら、子供の気持ちになって一緒に考え、子供の目線に立って話をできるようにしています。子供はやっぱり、気持ちが澄んでいますので、そういう心を大事にしています。

保育の特色を教えてください。

文の里幼稚園 保育

英語や体育なども行っていますが、勉強ばかりではなく、遊び中心、その中で色々な気持ちを伸ばして行けるように心掛けています。アットホームな幼稚園を目指していますので、先生たちはみんな子ども1人1人の名前を覚えて、全ての子供たちに関われるようにしています。うちの先生たちは、みんな優しく明るく元気なので、「良い先生がいます」と自信をもって言えること、それが当園の一番の特色かなって思いますね。親御さんに安心してお子さんを預けてもらえることが何よりも大事なことだと思いますし、園が綺麗だとか、そういうことではなく、安心できるかどうかが一番大切。チームワークがうまくまとまっていることが当園の自慢かなと思いますね。

英語学習の目的は何ですか?

文の里幼稚園 園長先生インタビュー

“しゃべれる”とかそういうのではなく、あくまで遊びの中での英会話になります。ゲームをしながら英語に触れあったり、これから小学校でも英語が必須になっていきますので、英語に親しむということを大事にしています。年少さんからスタートして、毎週水曜日に20分の時間を設けて行っています。体育もそうなんですが、英会話ではネイティブの先生に来ていただくようにしています。

体育ではどのようなことを行いますか?

文の里幼稚園 園長先生インタビュー

目的は「体を動かすこと」。ゲーム的な要素を取り入れながら、跳び箱だったり、鉄棒だったり、マット運動、ボール遊びなどを行っています。当園では、運動能力テストというものを行っており、25メートル走や体の屈伸率を測ったり、園内での体力測定を行い、全国平均でどれくらいかを出すようにしています。子供たちの体力というものが年々、落ちてきている中で、ちょっとでも体力をつけられるようにしています。低鉄棒というのがありまして、これが出来たらお帰りの時に、みんなの前で発表して、「低鉄棒賞」のメダルを上げたりしています。一人できると僕も私もという気持ちが出て来るんですね。

目標を設定して、それをクリアするということはとても大切なことですね。

文の里幼稚園 園長先生インタビュー

誰か一人ができると、他の子供たちのやる気が起こっていきます。メダルをもらうために頑張る、仲間意識が強くなっていく、いろいろな面があると思いますね。当園には、3大行事というのがあり、運動会、音楽リズム発表会、お遊戯会というのがあります。それに向けて一生懸命、練習をして、やりきって行く中で、達成感や充実感、仲間意識というものが生まれ、相手を思いやる気持ちも育っていきます。そういう気持ちを育てていけたらと考えていますね。

3大行事について教えてください。

文の里幼稚園 保育2

まず10月に運動会があります。隣の明浄学院さんの運動場をお借りして行うのですが、年長さんになると組み立て体操もありますし、鼓隊パレードというものもあります。年中さん年少さんはお遊戯が中心になりますね。運動会は学年でがんばる行事なんですが、12月の音楽リズム発表会はクラスでがんばるものになります。そして、2月のお遊戯会は、5人から8人くらいの各グループで一つの演技を行います。阿倍野区の区民センターの大ホールをお借りして行いますが、綺麗な衣装を着たりして、お遊戯を披露したりしています。ですので、まず学年でがんばって、続いてクラスでがんばり、最後にグループでがんばるという形になっています。成長段階に合わせて行う行事になりますので、お遊戯会は成長の集大成ということになりますね。

他の行事にはどのようなものがありますか?

文の里幼稚園 掲示

4月の入園式に始まって、5月には親子の集い、7月の七夕の行事など、季節に合わせて行うようにしています。10月には、お母さん方にすべて段取りしていただくバザーを開催しています。これは、準備からお母さん方が全てを行うPTAの行事になります。お母さん方がお店の人になり、子どもたちもゲームコーナーなどのお客さんになったりします。その売り上げは、子供たちのクリスマスのプレゼントだったり、人形劇を呼んだり、おもちゃになったり、全額を子どもたちのために還元できるようにしています。毎年3月には、おすもうさんに来ていただくのですが、今年(2015年)は横綱の白鵬さんに来ていただく予定です。去年までは琴欧州さんに来ていただいていました。

子どもは様々な個性を持っていますが、どのような心掛けで接していますか?

文の里幼稚園 保育3

グループの中に入れるように、先生たちが一人一人の子どもの気持ちに合った形で進めています。無理にグループの中に入れるのは良くないですが、最後は自分から入っていけるように、ということを大切にしていますね。なかなか自分を出せない子は多いですから、先生たちは日頃からお子さんの様子を把握するように心掛けています。その際には、家庭と連絡を密に取り合って、家庭での様子と幼稚園の様子を話しあいながら、その子に合った保育を進めていくことが大切だと思っています。

地域とはどのような関わり方がありますか?

文の里幼稚園 外観

バザーもそうですし、運動会のときに地域の方に来ていただいたり、こちらも地域の広場を借りたりしています。当園はバスがありませんので、みんな徒歩で通ってもらっていただいているのですが、地域に根付くことを大事にしていますので、地域はとても大事な存在だと思っています。園はすべてオートロックにしていますので、朝は門の前に私がずっと立ってご挨拶をさせていただいています。お歩き(登園)のときは、先生がお子さんを迎えに行き、安全面を考慮しながら登園するようにしています。もし仮に何かあったとしても、近所の家に飛びこめるようにしています。周辺には卒園生のおうちがありますので、これは長く続けて来た中で培った当園ならではのネットワークですね。

最後に街の魅力を教えてください。

文の里幼稚園 遊具

閑静な良い街だなと思いますね。人柄も良いですし、住みやすい街です。自転車で阿倍野まで行けますし、お買い物にも便利だと思います。同じ校区に常盤小学校というのがあるんですが、1000人を超える生徒さんがいらっしゃいまして、大阪府下でも最も多いくらい。小学校は今、空き教室が多いと言われたりしていますが、常盤小学校は教室を増やしているくらいの小学校なんです。あべのハルカスが出来たり、大きなマンションも建設されていますので、当園に来ていただく園児も増えてきていますね。

文の里幼稚園 谷口園長

今回、話を聞いた人

学校法人 谷口学園 文の里幼稚園

園長 谷口登一さん

住所:大阪市阿倍野区文の里3-15-28
電話番号:06-6629-2323
http://www.fuminosato.jp/

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

創立85年の幼稚園 遊びの中から学ぶ子どもの育ちを見守る/学校法人谷口学園 文の里幼稚園園長 谷口登一さん
所在地:大阪府大阪市阿倍野区文の里3-15-28 
電話番号:06-6629-2323
保育時間:9:30~14:30
預かり保育時間:8:00~9:30、14:30~19:00
休園日:土曜、日曜、祝日
※土曜もホームクラス(8:00~19:00)を実施
http://www.fuminosato.jp/

9年間の一貫教育で 子どもの可能性を広げる、 練馬区の新たな取り組み/練馬区立小中一貫教育校 大泉桜学園 校長 木下川 肇先生


練馬区立小中一貫教育校 大泉桜学園
校長 木下川 肇先生

大泉桜学園インタビュー

9年間の一貫教育で
子どもの可能性を広げる、
練馬区の新たな取り組み

 

 

 

大泉学園は当初学園都市として開発が進められたという、閑静な住宅が並ぶ人気の高い街。区画整理がなされた整然とした街並みには、街路樹や緑が多く、落ち着いた雰囲気が漂う。駅前には商店街があり、駅から続く「大泉学園通り」にもスーパーマーケットや小売店、レストランなどが立ち並び、日々の生活を支えてくれる。「大泉学園」駅から「池袋」駅までは西武池袋線で13分、西武線は東京メトロ副都心線にも直通運転しており、都心部へのアクセスにも便利だ。そんな大泉学園に新しく生まれた小中一貫教育校・大泉桜学園の校長・木下川 肇先生にお話を伺った。

「大泉桜学園」の概要について教えてください。

大泉桜学園インタビュー

本校は練馬区が初めて取り組んだ小中一貫教育の第1校目として2011(平成23)年4月1日に開校しました。この大泉学園という環境が新たな教育的取り組みにふさわしい場所として選ばれ、本校が誕生しました。現在、全校児童生徒668名、全20クラス。中学生を7~9年生とし、1年生から9年生まで皆一緒にここで学んでいます。小学校と中学校を1つの学校にしたことで、プールも体育館も校庭も2倍の広さを確保しており、子どもたちに負担をかけることなく授業を進めることができます。

御校設立の経緯についてお聞かせください。

大泉桜学園インタビュー

練馬区教育委員会が学校教育の活性化をめざし、新しい教育のパイロット校として立ち上げたのがこの大泉桜学園です。初めての試みだったこともあり、設立する場所は非常に慎重に行われました。

ここ大泉学園という街は、もともと学園都市の都市計画によって生まれ、教育熱心な方々が多い場所でもあります。学校への協力体制、新しい試みに対する柔軟な対応など、様々な面でこれ以上ないという良い条件が揃っていたのが大泉学園でした。

大泉桜学園インタビュー

小学校と中学校が隣り合っており、敷地の広さも申し分ないということで、この場所に練馬区初の小中一貫校が生まれました。

教育方針と特徴ある取り組みについて教えてください。

大泉桜学園インタビュー

全9学年を3期に分け、それぞれの心理的・身体的特徴に応じた学びを進めていきます。まず1~4年生までを第Ⅰ期とし基礎基本を徹底して学び、第Ⅱ期の5~7年生までで論理的・抽象的な思考へ移行しながら意欲的な学びへつなげ、8~9年生の第Ⅲ期では応用的かつ主体的な学びを習得します。これにより中1ギャップなどの問題が軽減され、9年間連続させることができます。

 

また通常、児童会活動や小学校のリーダーは6年生がなるのですが、本校では期別の活動を充実させ、Ⅰ期のリーダーを4年生にしました。そうすると6年生リーダーが当たり前だった頃は見られなかった子どもたちの成長が感じられます。なお、教育課程は学習指導要領に準拠していますので、教科書を使用し、基礎的・基本的な学習の充実を図っています。

部活動も5年生から参加できるのですね?

大泉桜学園インタビュー

通常は中学に入ると始まる子どもによる自主的な活動の「生徒会活動」の開始時期を本校では5年生からとしたことから、同じ子どもの自主活動である部活動も5年生から参加できるようにしました。実際は小学校の時期には習い事をしている児童が多いので、5年生で部活に参加しているのは約45%、7年生になると約85%です。

小中一貫校のメリットはどんな部分でしょうか?

大泉桜学園インタビュー

まず子ども同士の異年齢交流の幅が広がり、上の子が下の子を見るという文化が定着していますので、学校全体が仲が良く、子どもたちの気持ちも非常に落ち着いているということが挙げられます。

年度スタート時に5~7年生が校庭で飯盒炊爨をしたり、ランチルームで異学年がふれあい給食をしたり、とにかく交流の機会を多く設けています。

大泉桜学園インタビュー

そして教師が1~9年生まで連続して見守ることができるので、9年間の見通しを持った教育を実践し、子どもの成長が明確になり、可能性を広げてあげられること。例えば小学校低学年の時期を見てくれていた先生がずっと学校にいる訳ですから、一人の子どもを多くの先生方が見守っていることになります。このように人間関係が構築しやすく、安心して通学できる環境が整っており、反抗期や難しい時期にも、その年齢や個性に合わせた指導ができると自負しております。

大泉桜の里でのコメ作りについて教えてください。

これは開校以来行っている本校の「命の教育」の一環で、日本人が古来から命をつないできた米づくりを体験することで、作物を育てることの難しさ・命の大切さを学ぶものです。

校庭の一部に田んぼ(大泉桜の里)をつくり、埼玉県川島町から農業指導員の方をお呼びして、田おこし・代掻き・田植え・雑草取り・水抜き・収穫までの一連の工程を、指導員の方に丁寧に教えていただきながら、子どもたちが体験していきます。

大泉桜学園インタビュー

学校内にある田んぼ(大泉桜の里)で育てているので、日常的なお世話を通して作物を慈しむ心を養い、米づくりの苦労や収穫の喜びを体感します。 多い年ですと12kgほどの米が収穫できます。それを脱穀・籾すり・精米して「美味しいお米の炊き方」を習い、指導員の方々を招待して「おにぎりパーティ」も開催します。この取り組みは、4年生までに学んできた植物栽培体験の集大成であり、9年生の技術・家庭における「生物育成」の基礎となる学習です。

「命の教育」はこの米づくりから綿々と続くものなのですね?

大泉桜学園インタビュー

自分のことを知り、日本のことを学んで見つめ直すことで「自分の命」「人の命」を大切にすることを学ぶ。これが大泉桜学園の命の教育です。5年生で稲作(食育)を体験し、一番身近な食材を育てることで命を考え、5~7年では防災訓練でリーダーを務めて、命を守る方法を学びます。6年生では墨絵や茶道などの室町体験を通じて、心に潤いを持ち自分の成長を感じてもらいます。この室町体験の講師も地元の方々にお願いしています。 そして7~8年生では自己表現の活動として「民舞」「和太鼓」を体験し、体を動かしながら自分と他者の関係を構築していきます。

大泉桜学園インタビュー

最終学年である9年生の修学旅行では京都に赴き、これまで勉強してきた日本の伝統文化に直接触れる機会を持ちます。1年生からの素地があるからこそ、本物に触れた時の感動もひとしおです。このように長い時間をかけて準備ができるのは、小中一貫の利点であると考えます。

地域との関わり、連携が密だとお聞きしました。

大泉桜学園校長先生 スペシャルインタビュー

はい。学校開校以来、地域の方々の「桜学園の子どもたちを盛り上げよう」「活躍の場を提供しよう」というお気持ちが、実際に子どもたちの成長へとつながっています。

例えば、ジャパン・アニメーション発祥の地である大泉学園ではアニメまつりが大々的に開かれていますが、その前夜祭に吹奏楽部の子どもたちが出演しています。そのほか、老人ホームなどでの演奏会は年10回を越え、そのほとんどが地域の方々の尽力で実現している演奏会です。

大泉桜学園インタビュー

また地域防災訓練では、5~7年生の子どもたちが飯盒炊爨の経験を生かして校庭で炊き出しを行い、災害時に素早く働けるようにシュミレーションをします。東日本大震災の時もそうでしたが、災害時に本当に地域の役に立つのは地元の中学生。そんな彼らを育て、活躍してもらおうという意見を町会長さんたちから挙げていただき、彼らが中心になった防災訓練も実現します。

 

積極的に子どもたちと関わろう・育てようとしてくださる地域の姿勢は、本当に有難く感じますし、そのような地域のお子さんたちをお預かりしているんだと、身が引き締まる思いがします。

この大泉学園エリアの魅力を教えてください。

大泉桜学園インタビュー

ここは学園都市として開発された場所柄、教育活動に熱心な方々が多いのが特徴です。その子どもに向けて下さる視線の温かさ、「地域をより良くしよう」という意識の高さ、そして新しい取り組みにも柔軟に対応してくださるフレキシブルさが大きな魅力だと思います。 練馬区は子どものいるファミリー世代にも行政のサポートが手厚く、子育てしやすい環境が整っています。住宅街が多く静かで、少し歩くと畑も広がっている。のんびりとした雰囲気が生活しやすい街ですね。

 

今回、話を伺った人

練馬区立小中一貫教育校 大泉桜学園

校長 木下川 肇先生

所在地:東京都練馬区大泉学園町9-2-1
電話番号:03-3924-1126
http://www.sakuragakuen.nerima-tky.ed.jp/

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

9年間の一貫教育で 子どもの可能性を広げる、 練馬区の新たな取り組み/練馬区立小中一貫教育校 大泉桜学園 校長 木下川 肇先生
所在地:東京都練馬区大泉学園町9-2-1 
電話番号:03-3924-1126
http://www.sakuragakuen.nerima-tky.ed.jp..

都内でも有数の文教エリア・駒込の中心に建つ小学校/文京区立昭和小学校 校長 河瀬正先生


文京区立昭和小学校
校長 河瀬正先生

都内でも有数の文教エリアの
駒込の中心に建つ小学校

江戸時代に武家屋敷が多く集まったことから、明治以降も要人たちの邸宅が立ち並ぶようになった文京区本駒込地区。現在は都内でも有数の文教エリアとしてファミリー層に人気が高い。六義園を隣に臨む緑豊かな立地と、山手線・東京メトロ南北線・都営三田線の3線が自在に使える交通の便の良さを同時に叶える、山の手の豊かな環境。その中心に建つ文京区立昭和小学校の河瀬正校長先生に、学校の教育環境と子どもたちの様子を聞いた。

本年度開校85周年を迎えるそうですが、歴史も含めて学校の概要を教えてください。

教室

1929(昭和4)年の開校時、当時にしては珍しい“鉄筋3階建て”の時代の先端を行くモダンな校舎でした。現在の校舎は1997(平成9)年10月に完成し、オープンスクールの学校として再スタートを切りました。本駒込という便利な都心の立地にも関わらず、全6階建て、総敷地面積約6000平方メートルという広々とした環境を確保しています。屋上プールやランチルーム、冷暖房完備の体育館、ゆとりあるオープンスペースや教室など、充実した施設・設備のなかで子どもたちは伸び伸びと毎日過ごしています。

御校伝統の鼓笛隊についてもお聞かせください。

文京区立昭和小学校

鼓笛隊が誕生したのは1959(昭和34)年。現在は5年生と6年生の全生徒が鼓笛隊として活動し、管楽器やパーカッション、リコーダーなどの楽器から編成されています。6年生は月曜日の児童集会で毎週校歌を演奏し、児童がそれに合わせて斉唱をします。

文京区立昭和小学校

毎年秋の交通安全週間に6年生と5年生が不忍通りでパレードをするのが慣例で、6年生は秋の運動会で引退パレードを行い4年生に引き継ぐという伝統があります。低学年の子どもたちは、6年生が立派に演奏する姿を見て「自分もこうなりたい!」と強く憧れ、曲もリズムも自然に覚えて高学年になり鼓笛隊になっていくようです。

基礎基本の定着を謳っていらっしゃいますが、具体的にはどのような指導をされていますか?

中庭

算数ではプレテストを行い、全3クラスを習熟度別に4クラスに編成し直してそれぞれの理解度に合わせた授業を行っています。3年生から6年生の算数の時間に少人数専任の担当者を置き、キメの細かい指導が特徴です。
また6年生理科の授業には理科専門の支援員を導入し、担任の先生と一緒に実験や実験結果のまとめ、確かめの実験など専門的な知識を生かした授業を行っています。実験の準備から後片付けまで、子ども一人一人に丁寧に指導ができる環境を整えました。理科離れが嘆かれている昨今、より詳しい知識を持つ人材が授業に立ち会うことで、実験の楽しさを子どもたちに伝えられると考えています。
また授業をしっかり理解するためには、静かに授業に集中することが最も大切です。授業を受ける際の基本的な姿勢を徹底させることで授業内容の理解度が格段にあがりますので、そちらの指導も各担任がしっかりと行っています。

今後、朝学習の時間に力を入れられるとのことですが…

図書室

はい。現在は金曜日に「朝読書」の活動をしていますが、今後は火曜日と木曜日の登校時間~授業開始までの15分程度の時間を使って、火曜日は「全校朝読書」、木曜日は計算・漢字・地図帳の見方・辞書の引き方など基礎力をつける時間に充てたいと思っています。決して難しい問題ではなく、基本を繰り返し繰り返し練習すること。これは先ほど話した「集中力」をつけることにも非常に役立つことです。毎日コツコツと積み重ねることの大切さ、その効果を子どもたちにも体感してほしいですね。

地域の教育力の高さや、地域との関わりの深さも特徴だとお聞きしました

屋上プール

金曜日の朝読書の時間に、PTAボランティアが各教室で読み聞かせをしており、子どもたちは毎回前のめりになって聞いています。また低学年の英語活動の時間には、語学堪能な保護者が補助に入ってくれています。学校の教育活動に理解があり、協力的な保護者の方々が多いので、学校としては非常に助かります。
保護者の方々が学校を訪れる回数が増えれば、自分の子どもやクラスの様子が見え、安心していただけると思います。学校は常に開かれている場ですので、是非足を運んでほしいですね。
また隣接する「高齢者在宅サービスセンター」には2年生と5年生が生活科・総合学習で訪問して昔遊びを教えていただいたり、鼓笛隊が演奏を披露したりと地元の方々との交流を図っています。

全校遠足など、異学年交流も盛んなようですね

体育館

1年~6年までが集まった9名前後の班を一つの縦割り班として、1年間同じメンバーで活動をします。その班の中の6年生がリーダーとなって遊ぶ集会や、交流給食で一緒に昼食を食べたりと交流を深めています。
一人っ子が多くなり、地元の友だちとの遊びも少なくなった今、年齢が違う子どもたちが一緒に遊ぶことで沢山の学びと心の交流ができると考えるからです。 本校恒例の板橋区・赤塚公園へ縦割りグループで行く全校遠足は、毎年5月に実施していました。
来年度からは本来の異学年交流という目的はそのまま引き継ぎ、縦割り班で六義園内を探検する「六義園アドベンチャー」を行おうとを考えています。せっかく素晴らしい施設が近隣にありますので、その良さを理解し親しみを持つためにも、是非実施させたい行事です。

小石川中等教育学校の生徒たちとの交流に関しても、具体的に教えてください

ランチルーム

夏休みのプール指導前の1時間半を使って全7回、ランチルームで小石川中等教育学校の高校1年生たちに勉強を教えてもらう「学習教室」を実施しています。小学生は低・中・高学年に分かれてテーブルに座り、高校生が約6名がテーブルごとに学習補助員としてついてくれます。子どもたちは分からないことを気軽に尋ね、高校生のお兄さん・お姉さんたちは分かりやすく、優しく教えている姿が印象的でしたね。また小石川の高校生たちは夏季水泳補助員としても活動をしてくれています。

御校の人気の秘密と本駒込地区の魅力を教えてください

玄関

本校は、(1)高台の山の手に位置していること、(2)校舎と教育環境が充実していること、(3)駒込警察が隣にあり常時交差点に警察の方がいるので安全であること、(4)教師以外のカウンセラーや学習補助員などが多く生徒一人一人に目が行き届きやすいいことなど、教育環境という面では恵まれていると思います。 また、この辺りは古くからの寺社仏閣も多く、近くには六義園もある落ち着いて静かな環境です。保護者はもちろん、地域の方々も学校に非常に協力的で、朝の交通安全見守りなども進んで参加してくださいます。このように施設・交通の便・保護者と地域の方々の協力と、三拍子揃った自慢の学校です。もしかしたら、このバランスの良さを評価していただいているのかもしれませんね。

河瀬正校長

今回、話を聞いた人

文京区立昭和小学校
校長 河瀬正先生

所在地:東京都文京区本駒込2-28-31
電話番号:03-3944-0471
URL:http://www.bunkyo-tky.ed.jp/syouwa-ps/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

都内でも有数の文教エリア・駒込の中心に建つ小学校/文京区立昭和小学校 校長 河瀬正先生
所在地:東京都文京区本駒込2-28-31 
https://www.bunkyo-tky.ed.jp/syouwa-ps/

親子に安心の場を提供する児童センター ~あったかスタッフが支える子育ての拠点~/大井倉田児童センター 館長 齊藤美加さん


大井倉田児童センター
館長 齊藤美加さん

親子に安心の場を提供する児童センター
~あったかスタッフが支える子育ての拠点~

品川区にある「大井町」駅は区の中南部に位置し、JR京浜東北線、東急大井町線、それに新木場からお台場や有明を通り大崎まで行くりんかい線が乗り入れている。「東京」駅まで12分、新宿までも20分足らずと、通勤やレジャーにも高い利便性を誇る街。駅東側には品川区総合区民会館、西側にはイトーヨーカドーや阪急大井町ガーデンがあり、商店街も駅周辺だけで9つと、食料品や日用品の買い物には困らない便利な地域だ。駅から5分、大井倉田保育園と隣り合わせに建つ「大井倉田児童センター」は、親と子、小学生、地域のお年寄りたちまでが集まる地域コミュニティの中心を担う場所。その館長である齊藤さんにお話しを伺った。

「大井倉田児童センター」の概要を教えてください。

大井倉田児童センター

日曜祝日と年末年始を除く月曜日~土曜日、朝9時~夕方18時まで、赤ちゃんから18歳になるまでのお子様とその保護者が無料で利用できる施設です。本施設は「子育て相談センター」も併設しており相談事業もおこなっています。そのような経緯もあり、乳幼児~未就学のお子様と保護者向けのプログラムを充実させ、気軽に遊びに来られるような環境も整えています。また小中高生は放課後の遊び場として過ごしています。

乳幼児向けのプログラムにはどんなものがありますか?

大井倉田児童センター

「大井倉田児童センター」には乳幼児専用の親子サロン「ちびっこルーム」があり、いつでもおもちゃであそんだり食事をすることができます。

「親子のひろば」は登録制で、マタニティ~乳幼児、0・1・2歳児までそれぞれの年齢別のクラスを設けています。例えば0歳児クラスなら親御さん向けに悩みを軽くするお話や生活のリズム作り、1歳児なら子育て仲間作りや季節行事、2歳児なら幼稚園入園を意識したプログラムなど、それぞれのお子様や親御さんたちの興味に合わせた活動を行っています。また登録をしなくても参加できる単発イベントとして「ベビーマッサージ」「デイキャンプ」「食育講座」などもあります。

このほか毎週金曜日の午前中に行う「おもちゃのひろば」、パパとの交流を図る土曜日開催の「パパリン・クラブ」などもおこなっています。

子育て相談センターというのはどんな役割なのでしょうか?

大井倉田児童センター

子育ての悩みはもちろん、ちょっとした質問など、何でも受け付けています。専用電話を設置していて匿名で話ができることから、多くの相談があります。実は年齢別のクラスやひろばなどセンターに来ることが出来る親御さんは心配ないんです。本当にケアすべきなのは、家からも出られない悩みが深い親御さんたち。そういう方々がまず電話をかけて、「ちょっと行ってみようかな」という気持ちになってセンターに来てくれるようになれば、少しは気持ちが楽になるのではないかと思っています。

もちろん個室で個別面談をすることも可能。子育てを頑張っている親御さんたちの「駆け込み寺」になれたら嬉しいなと思っているんです。ちょっと話せば気持ちが楽になって解決することも多いので、気軽に電話や面談にも来てほしいですね。

クラブの活動について教えてください。

大井倉田インタビュー

これは幼稚園・小学生・中学生向けのプログラムで、登録制で各クラブ定員があります。例えば「倉田ファーマーズ」は、ナスやトマト、ブロッコリーといった野菜などを育てたり調べたりするクラブで、夏には収穫した野菜でラタトゥーユを作って食べました。「あそびたんてい団」では町探検に出かけたり七厘を使っての火起しや秘密基地を作ったりしています。

その他、「トランポリン」や「エイブルアート」などお子様たちの創造力や自主性を高める活動が行われています。このようなクラブはどれも大変人気があり、定員の空きを待っているお子様もいるほどです。講師の先生を呼び、より面白いクラブになるよう皆でアイデアを出し合うという取り組みもしています。

小学生になると友だちのことや学校のことなど、お子様も色々と悩みも持つようになります。ここはスタッフ全員で声掛けをしたり話を聞いたり、お子様が来やすい・過ごしやすい雰囲気をつくり、お子様たちの居場所でありたいと思っています。

遊びに来る親御さんやお子様たちと接するうえで、心がけていらっしゃることは何ですか?

大井倉田児童センター

ここに来て下さる親御さん、お子さん、お子様たちの名前はすぐに覚えること。そして来てくれたら挨拶、そして声掛けをして「来てくれてありがとう」という気持ちをお伝えします。そうして定期的に来て下さるようになると、「今日は元気がないな」「何かあったかな」と分かるようになります。

 

タイミングが合えば、さり気なく悩みを相談してくれることもありますし、何気ない会話から元気になって帰る親御さんやお子様たちもいます。もちろん「そっとしておいてほしい」というバリアを感じる時もありますので、そういう時はさりげなく接しています。私たちができることと言えば、頑張っている親御さんやお子様たちの話を聞いて共感することだけ。私たちは「いつでもここにいるよ」「応援してるよ」「何でも話してね」という気持ちで、いつもここで待っています。

庭もあり、キッチンもあり、充実した施設ですね。

大井倉田児童センター

はい。庭ではファーマーズの活動で野菜を育てていますし、野外活動の拠点にもなっています。1階の「ちびっこルーム」にはおもちゃがたくさ置いてありますので、小さなお子さんと保護者が自由に過ごすことができますし、「わくわくルーム」は本やソファがあり静かに過ごしたい人のためのスペースです。2階の「にこにこルーム」にはキッチンがありたこ焼き器などもありますので、食育の活動やちょっとした集まりで調理が必要な時にも利用できます。

大井倉田児童センター

またボール遊びや跳び箱ができる「遊戯室」、卓球ができる「集会室」、絵を描いたり工作をする「図工室」、そしてバスケットやサッカーもでき電車が間近に見える「屋上」など、お子様や大人が伸び伸びと過ごせる施設になっています。

 

これからの展開や目標などがありましたら、教えてください。

大井倉田児童センター

実はこのセンターから生まれた親御さんたちのサークルは10以上。パネルシアターをしている「ハッピーママ」というグループや楽器が得意な親御さんが集まった「ニッコリ音楽隊」、預け・預かり合う親御さんのサークル「あいあい」など、親御さんたちが自主的に集まり誕生したものです。

このように、最初はお子様を連れて遊びに来てくれていた親御さんたちが、親としての力をつけ、自主的に「お子さんを喜ばせる」「自分たちも楽しめる」活動をしてくれるのは、何よりも嬉しいんです。そんな風に子育てを頑張っている人たちの拠点・基地になりたい、そして地域で子育てを担うようになりたい、それが私たちの目標であり目指していることです。

大井地区はどんな雰囲気のエリアですか?

立会道路(東大井六丁目付近)

法政大学や立正大学のボランティアや児童文化研究会の学生さんたちが、よく来てくれてお子様と遊んでくれたりします。今年のえこえこまつりでは「エコレンジャー」に扮してお子様たちと学び・遊んでくれました。親御さんたちも明るく素直で、しっかりキャリアを積んできた方が多いという印象です。駅前は開けていて便利なエリアですが、どこか懐かしい庶民的な雰囲気も残った、暮らしやすい地区だと思います。

大井倉田児童センター

今回、話をお伺いした人

大井倉田児童センター
館長 齊藤美加さん

大井倉田児童センター
所在地:品川区大井4-11-34
電話番号:03-3776-4881
URL:http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/kids/kc/joikurat/joikurat_top.htm

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

親子に安心の場を提供する児童センター ~あったかスタッフが支える子育ての拠点~/大井倉田児童センター 館長 齊藤美加さん
所在地:東京都品川区大井4-11-34 
電話番号:03-3776-4881
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/kids/..

ハイレベルな学校と緑豊かな環境に恵まれた 文教エリアの小学校の取り組み/目黒区立駒場小学校 校長 福留潮先生


目黒区立駒場小学校
校長 福留潮先生

ハイレベルな学校と緑豊かな環境に恵まれた
文教エリアの小学校の取り組み

京王井の頭線の「駒場東大前」駅周辺は都内でも有数の文教地区で、「東京大学駒場キャンパス」や「筑波大学付属駒場中学高等学校」などの日本屈指の学校が軒を連ねるエリアである。閑静な住宅街が広がり、駒場公園や駒場野公園など自然環境にも恵まれているこの街は、ファミリーからシニア世代まで幅広い層から支持されるエリアでもある。今回は駒場エリアにある小学校、「目黒区立駒場小学校」校長の福留先生にお話しを伺った。

「駒場小学校」の概要や教育目標を教えてください。

駒場小学校門

本校は1934(昭和9)年に開校し、今年で79年目を迎えます。「東京大学駒場キャンパス」や「筑波大学付属駒場中高等学校」、「日本工業大学駒場高等学校」、「駒場東邦中高等学校」、「都立駒場高校」、「都立国際高等学校」、など多くの学校と隣接し、それらの学校との交流も盛んです。

 

 

現在各学年2クラスずつで全12クラス、全校児童384名です。目黒区では隣接の小学校であれば希望を出せば越境ができるのですが、本校はスペースの関係上学区以外の児童は受け入れができないのが現状です。 教育目標は、「健康でゆたかな子ども」「よく考えて実行する子ども」「すすんで学習する子ども」で、人間性豊かで自ら学び考えることのできる児童を育成することを目標にしています。

午前5時間制の導入の経緯などについてお聞かせください。

駒場小教室

子どもたちは午前中の方が元気で授業に集中できること、一つの教科に長い時間を費やすよりも違う教科をリズムよく学習した方が集中力が継続すること、そして何より教師が子どもたちと触れ合う時間を確保するために、午前5時間制を導入しました。午前の授業を1コマ40分に設定して午前中に5時間学習し、午後の授業は従来通り45分授業にしています。

 

「授業時間が短くなる=学習時間が短縮になる」という印象があるかもしれませんが、週30時間の授業時間を確保しトータルの学習時間は他の学校とも同じです。 教師は、内容の見直しなど大変だったと思います。また新しく本校に転任になった教師には、研修などをして指導もしています。

この制度にしたことで明らかによくなったポイントは2点あります。一つは、昼帯学習タイム(駒場ベーシックタイム)の時間を捻出できるようになり、学習効果が目に見えて表れたこと。もう一つは教師が、その時間で子どもと触れ合ったり、進度が遅い子どものフォローにあたれるようになったことです。当初想像していた以上の効果があり、非常に満足しています。

前掲の昼帯学習タイム(駒場ベーシックタイム)とはどんな時間なのですか?

駒場小校庭

これは週4日、20分の昼学習タイムを取り、漢字・音読・読解・視写・計算練習などの基本的な学習をし、毎日少しずつ取り組むことで基礎基本の定着を図るというものです。国語教育は全ての教科の根幹にあたるという考えから、国語に力を入れています。教材は全て「駒場小学校」の教師の手づくり。得意な子も不得意な子も同じく楽しんでできるよう工夫されている、スモールステップ式の教材です。私から見ても、とてもよくできている教材だと思います。

 実はこの学習教材をもとに目黒区の教育委員会が教材を作成し、目黒区の小学校全校で使用されるようになりました。本校の教師にとっても、保護者・児童たちにとっても、とても嬉しく光栄な出来事です。

「気仙沼市立大島小学校」と交流されていると伺いました。

気仙沼

「大島小学校」は、大島という島内にあるたった一つの小学校で、全校児童が60名くらいの学校です。震災の時に本校の子どもたちが「何かできることはないか」と、文具を集めて送ったことがきっかけになり、その後も募金をしたりと地道に交流を続けていました。

 

 

アメリカ軍の被災地支援活動のひとつ「トモダチ作戦」の一環で、「大島小学校」の子どもたちに訪れたい場所を聞いた時、「駒場小学校」の名前を挙げてくださったんです。そして「大島小学校」の子どもたちが本校に来校し、晴れて本校の子どもたちと会うことができました。その時、大島小の踊りを校庭で披露してくださり、全員で記念写真を撮ったのが良い記念になっています。

その後、「駒場小学校」の5年生とその保護者が「大島小学校」を自費で訪れましたが、今年度からは目黒区の教育委員会が行う、自然宿泊体験教室の一環として全5年生が「大島小学校」を訪れています。

近隣の「東京大学」や「筑波大学付属駒場中学高等学校」の学生との交流もあると聞きました。

駒場小体育館

夏休みの間、筑駒(「筑波大学付属駒場中学高等学校」の略称)の中学生が本校を訪れ、科学や実験の授業をしてくれます。4年生以上から希望者を募るのですが、毎回満員になるほどの盛況ぶりです。このほか、東大の学生さん、「日本工業大学付属駒場高等学校」の先生方などもサマースクールの講師をしてくださっています。 また「東京大学」等の学生さんが、本校の放課後遊びの「ランドセル広場」に来て下さり、体を使って子どもと一緒に遊んでくれています。

兄弟が少なくなっている昨今、年上のお兄さん・お姉さんと交わり遊ぶことは、とても貴重な体験で子どもたちは実に楽しそうに過ごしています。このように近隣の学校の学生さんたちが本校に関わってくれていることは嬉しいですし、子どもたちにも良い影響を与えてくださっています。

東大のグラウンドを利用したペースランニングというイベントもあるそうですね。

駒場小廊下

隣にある東大の400メートルトラックのあるグラウンドをお借りして、低学年は2周800メートル、高学年は4周1600メートルと、各学年の子どもたちの体力・能力に合った距離を走るイベントを毎年開催しています。このペースランニングとは、「順位ではなく、自分のペースで自分に克つために走る」という思いから生まれた名前。前年の自分の記録と比較し、自分がどれだけ成長したか、どれだけ頑張れたかをきちんと確認する機会にもなっています。

保護者の方々が非常に学校の活動に協力的だということですが。

駒ちゃん広場

はい。放課後の子どもの居場所「駒ちゃん広場」は、PTAを中心に運営されている活動です。将棋の教室や、ジャグリング、おもしろ理科教室、花育などの内容の企画はもちろん、各教室の申し込み受付から講師の手配、当日の見守りなど、全て保護者の方々で手分けして行ってくださっています。そのアイデアのユニークさ、講師の先生方を見つけてきてくださる人脈の広さ、そして献身的な運営姿勢には非常に感銘を受けています。

熱心な保護者の方の協力のもと、放課後にもこのような多岐にわたる活動ができ、「駒場小学校」の子どもたちは本当に幸せだと思います。

「駒場小学校」に通うお子さんたちは、どんな子どもたちが多いのですか?

駒場小階段

教育熱心で、学校にも協力的な保護者に育てられていますから、非常に素直で真っ直ぐな子どもたちが多いんです。そして文武両道といいますか、都会の学校ではありながら運動会などの行事では全力を出して燃える、そして勉強も頑張る、メリハリのある子どもたちです。実は体力的にも全国平均を上回る成績で、体を動かして遊ぶ放課後遊びなども良い影響があるのだと思います。

そんな子どもたちを教育するうえで、心がけていらっしゃることは何ですか?

駒場小旗

実力があり伸びしろもたっぷりある子どもたちですから、縛り付けてその伸びる力を奪ったらいけない、いかに伸び伸びと学習させてあげるかということに心を砕いています。自由闊達・文武両道、ハイレベルな教育をしたいと進学先である「目黒区立第一中学校 」とともに常に考えています。

目黒区駒場エリアの子育て環境としての魅力を教えてください。

駒場野公園

この辺りは、「東京大学」や「筑波大学」の農学部の前身にあたる旧制の教育機関「駒場農学校」の敷地だったこともあり、非常に恵まれた自然環境が残されています。駒場野公園、ケルネル田圃、駒場公園などが点在し、野鳥の姿を見ることも多い自然を感じられる環境です。また「東京大学」をはじめとした優秀な学校が揃い、そういった諸先輩方の姿を日々目にすることで良い影響もあるのではないかと思います。

福留先生

今回、話を聞いた人

目黒区立駒場小学校

校長 福留潮先生

住所:東京都目黒区駒場3-11-13
電話番号:03-3467-4461
URL:http://www.meguro.ed.jp/mekmabeh/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

ハイレベルな学校と緑豊かな環境に恵まれた 文教エリアの小学校の取り組み/目黒区立駒場小学校 校長 福留潮先生
所在地:東京都目黒区駒場3-11-13 
電話番号:03-3467-4461
http://www.meguro.ed.jp/mekmabeh/

子どもに任せ、街とともに育てる。 信頼が繋ぐ本駒込の幼稚園とは。/文京区立本駒込幼稚園 園長 加納京子先生


文京区立本駒込幼稚園 園長 加納京子先生

子どもに任せ、街とともに育てる。
信頼が繋ぐ本駒込の幼稚園とは。

江戸時代は武家屋敷、明治以降は要人たちの邸宅が並んだという人気の住宅地・文京区本駒込。南北線を使えば飯田橋まで7分、山手線なら池袋まで8分と通勤の負担がない都心のオアシスは、実は人情味溢れる下町のような温かさが今なお残る街でもある。今回は「神明都電車庫跡公園」に隣接し、「本駒込図書館」の中にある「文京区立本駒込幼稚園」の園長・加納京子先生にお話しをうかがった。

さっそくですが、幼稚園の概要を教えてください。

文京区立本駒込幼稚園

「文京区立本駒込幼稚園」は、来年で創立40周年になる幼稚園です。自然体験や体を動かす遊び、さまざまな人との関わりを通して、心と体で「体験すること」を大切にしています。保育に携わる先生たちも、子どもの主体性を大切にし、自分から遊び・学ぶ姿勢を引き出す保育を心がけています。

「やってみたい」という好奇心や意欲というのは、人間の基盤になるもの。幼稚園教育とは、これから大きく育つ子どもたちの柔らかい芽を植える行為そのものだと考えています。

「体を動かす遊び」とはどのような遊びでしょうか?

文京区立本駒込幼稚園

体育の授業を特に設けるというのではなく、大きな積み木を運んだり、ヒーローごっこで走り回ったり、自分の好きな遊びのなかにかなりの運動が含まれています。子どもは自分が面白いと思ったことは、繰り返し行うので、長く体を動かすようになります。

実は2006(平成18)年に東京学芸大学の研究チームが発表した論文に面白いものがありました。専任の指導員による体育の授業を設けている幼稚園と、自由な遊びを中心にした幼稚園の園児の体力を比較したところ、自由遊びを徹底している幼稚園の子どもたちの方が体力・持久力共に高かったという結果です。体育や運動の時間、と限定してしまうと苦手意識のある子どもは委縮してしまったり待ち時間が長かったりと、結果としてずっと遊んでいる子の方が運動量が多いということのようです。

このように子どもの好きな遊び、自主的な遊びは非常に大切なことです。大人たちはそれを邪魔しないように心がけなければいけません。

「子どもの自主性を大切にする保育」とは具体的にはどのようなことですか?

文京区立本駒込幼稚園

子どもは自分で選んだ遊び・学びには非常に集中して取り組み、飽きません。それをコントロールしようと思わないようにすることです。

例えば毎年12月上旬には「みんなの発表会」という学芸会のような行事があります。劇の内容やセリフなどは基本的な部分は担任の先生が決めるのですが、細かな部分に関しては子どもに相談し、最終的には子どもたちが考えながら作っていきます。もちろん先生はサポートも修正もするのですが、子どもとしては「自分たちで作った」「自分たちで決めた」という気持ちになり、その達成感・充実感は非常に高くなります。

もしこれを先生が全て決定し、それに沿って子どもを動かそうとしたら、恐らく子どもたちは集中力もやる気も半減するでしょう。先生も混ざって皆で考え、皆で取り組む、そういう姿勢で毎日の保育を行っています。先生たちにとっては、力量を試される大変な仕事だと思いますが、本当にやり甲斐がある仕事です。

そんな先生方には日常的にアドバイスなどはされるのですか?

文京区立本駒込幼稚園

先生方には「悩むのが当たり前、そして悩むことが大切」と伝えています。常に自分の保育を振り返り、反省し、真摯に取り組むことが何よりも大事。ですから、先生方が悩みを一人で抱え込まないように一番気を配ります。会議や研修といったかしこまった場でなく、日常的に話せる環境にしています。

また年1回実施している園内研究では、「知りたいこと」「弱い部分」をテーマに据えています。外部から講師をお呼びしたり、お互いの保育を見合って意見を言い合い、より強化するように心がけています。公立幼稚園は、転勤によって様々な園で保育経験を積めるので先生方がしっかり育つこと、研修の機会が多いので先生の教育がゆき届いているなど、質の高い保育が提供できるのが特徴だと自負しています。

預かり保育もされているとうかがいました。

文京区立本駒込幼稚園

定員25名までですが、14時~18時までお子さんをお預かりしています。この預かり保育の導入で、お仕事を始められた方が増えたようですね。現在働いているママさんが18名。7名の空きがありますので、上のお子さんの学校行事や美容院などのリフレッシュのための一時保育としても利用されているようです。

通園されているお子さん、保護者の方々はどんな方が多いのでしょうか?

文京区立本駒込幼稚園

保護者の方々に愛されて育ち、素直で子どもらしい子たちばかりです。自己肯定感が強く、人に対しても厚い信頼感を持っています。公立の幼稚園に通わせている保護者の方は、幼児期にたくさん遊ばせのびのびと過ごさせたいと考えている方が多いように感じます。公立幼稚園の特徴をよく理解して入園させて下さっているので、園の行事などにも非常に協力的です。

例えば段ボールや新聞紙などのリサイクル品を保護者や地域の方が協力して園に集め、1年間で集めたお金で周年行事の時に人形劇団を呼んでいます。園のために何かしようと動いてくださる方が多く、有難く感じています。こんな方々ですから、新しく転入されてきた方にも非常に温かく接して下さり、皆さんすぐに馴染んでいますよ。

保護者が参加する行事などはありますか?

文京区立本駒込幼稚園

毎年3学期に行うもちつきは、お母さんたちが火の番から調理まで、ほぼ全員参加で行う行事です。また年3回土曜日に開催している「かるがもデー」は、有志のパパたちが子どもたちと遊ぶ日。ミニ運動会やカレーパーティなど、普段なかなか幼稚園に来るチャンスのないパパたちが、子どもたちと交わる貴重な機会になっています。

地域との連携はどのようにされていますか?

文京区立本駒込幼稚園

保護者と同じく、地域の方々もこの幼稚園を大切にしてくださっています。古き良き時代のご近所付きあいのような雰囲気とでもいいましょうか。園が困っているとすぐに救いの手を差し伸べてくださいます。

「文京区立本駒込幼稚園」の良いところは、地域の方々との繋がりが深い点。隣にある公園を子どもたちが定期的に清掃するのですが、その時もよくお声掛けをしていただきます。地域で子どもを育て、やがてその子どもが成長して地域を育てる。本駒込はそんなサイクルが自然とできている街。2代で本園に通っている親子の方も多いので、きっと「帰りたくなる場所」なのだと思います。

最後になりますが、駒込の街の魅力を教えてください。

駒込東公園

地域の方々の温かい人情、お世話好きのお人柄、それが一番の魅力です。この地域に対する地元の方々の愛情が、子育て中の世代には心強いのではないでしょうか。子どもは一人では育てられません。周囲の協力や温かな目があれば、子育ては楽しくなり子どもにも良い影響があると思います。

文京区立本駒込幼稚園

今回、話を聞いた人

文京区立本駒込幼稚園
園長 加納京子先生

住所:文京区本駒込4-35-15
電話番号:03-3821-3822
URL:http://www011.upp.so-net.ne.jp/honkoma-kg/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

子どもに任せ、街とともに育てる。 信頼が繋ぐ本駒込の幼稚園とは。/文京区立本駒込幼稚園 園長 加納京子先生
所在地:文京区本駒込4-35-15 
http://www.bunkyo-tky.ed.jp/honkoma-kg/

子どもたちひとりひとりと向き合う/学校法人村井学園 立川幼稚園園長 畔田世紀子さん


立川幼稚園

子どもたちひとりひとりと向き合う「立川幼稚園」

「立川」駅の北口側、高松町の住宅地の中に静かに佇んでいる「立川幼稚園」は、隣接する「村井学園立川女子高等学校」とともに「学校法人村井学園」が設立した幼稚園である。正式名は「立川女子高等学校附属 立川幼稚園」。立川で最初に誕生し、すでに80年以上の歴史を重ねている伝統ある幼稚園である。今回はこちらを訪ね、園長先生にお話をうかがった。

たいへん歴史のある園ということですが、園の沿革について教えてください

立川幼稚園

「立川幼稚園」は「学校法人村井学園」が1926(大正15)年3月にこの場所に創立した幼稚園です。もともと高校がベースになって作られた学園です。昔は幼稚園、中学、高校と3つの学校がありました。時代の流れと共に中学は閉鎖することになり、高校と幼稚園を残す現在の形になりました。
立川市内には11の私立幼稚園があります。当園は園児数100名ほどの小規模な園です。毎年、入園者の人数に応じて各学年のクラス編成は変わります。

教育目標や園の特色についてお聞かせください

立川幼稚園

教育方針は、「友だちとの関わりを深める中で、社会生活のルールや、良いことや悪いことがあることを気づかせ、思いやりの心を育てる」「専門の講師の指導による絵画、体操、リトミック等の体験的な活動を楽しく経験する中で情操を高め、意欲的に物事に取り組む幼児を育てる」を掲げています。

立川幼稚園

最近の子どもたちは「主体的に活動する姿」が少ないと感じています。「自分で考えて、自分で行動する」という子どもたちに育てたいと願い、日々保育に努めています。「目標のために活動をする」のではなく、生活の中に教育目標につながる要素を取り入れた保育を行っています。

特に、温かい家庭的な雰囲気をとても大切にしています。幼稚園は子どもにとって初めての集団生活です。家庭の雰囲気をそのまま園に引き継げるように努めています。職員全員が全園児の顔と名前はもちろん、保護者のお顔までしっかり把握していないといけません。その点に関しては、私たちも常に意識を持って対応しています。

建物や園内の設備について、特徴的な点はありますか?

立川幼稚園

1階建ての平屋の建物です。耐震検査の際には、学園全体の中で、一番耐震性が高いと言われました。その点はご安心いただきたいです。大通りから少し入った場所にあり、外からはあまり見えない建物となっています。子どもたちの安全面についても、ご安心いただける環境です。

園児の通園範囲についてお聞かせください

立川幼稚園 園長インタビュー

立川市内の方が大半ですが、国分寺市、武蔵村山市、昭島市からも登園している園児もいます。特に通園範囲の制限は設けていません。送迎は主に徒歩と自転車でされています。園バスは「立川」駅を中心に、南と北の2コースを運行しています。できるだけ家の近くに停車する努力をしています。

遠方からわざわざ通われる方は、どのようなことを魅力に感じられているのでしょうか

立川幼稚園

先ほど申し上げたとおり、「家庭的な雰囲気で、子ども一人一人をしっかりと見てくださる園だから選びました。」というご意見をいただいています。ご家庭との連絡も密にしています。その点を魅力に感じてくださる方もいらっしゃいます。

立川幼稚園

「担任ではない先生が子どもの名前を呼んでくれたのが嬉しかった。」というお話をいただいたり、「自分のクラスの子ではないのになんで知っているの?」って驚かれる方もいらっしゃいます。職員は園全体の子どもの情報共有もしっかり行っています。職員に限らず、講師、バス運転手、事務職員も含め、園全体で全園児を見守っています。

立川幼稚園

保護者の方との連絡については、送迎時にお声がけをしたり、お電話を差し上げたりと直接お話する機会を多く持つよう心掛けています。保護者の方には、常に直接お話しできる環境が安心できる、と嬉しいご意見もいただいています。

園の子どもたちの特徴や傾向などがあればお聞かせください

立川幼稚園

ひとりひとりをしっかり見つめることで、ひとりひとりに存在感が生まれます。小学校に進学して、いろいろな場面で“代表”になる子が多いと聞いています。あいさつはこちらから声がけをして習慣づくよう努めています。進学した小学校の先生からも、「立川幼稚園の卒園生はあいさつがきちんとできる。」と褒めていただきうれしく感じています。

年中行事についてお聞かせください

立川幼稚園

4月 入園式
5月 母親参観、親子遠足
6月 父親参観、じゃがいもほり
7月 スイカ割り、七夕子ども会、バザー、夕食会
8月 盆踊りの夕べ
10月  運動会、遠足
11月  お遊戯会
12月  クリスマス会、お餅つき
2月 節分豆まき、作品展
3月 ひなまつり、卒業式

立川幼稚園

毎月のお誕生会の他に、季節に応じていろいろな行事を取り入れています。

年長児は3月になると、卒園制作として壁画を作っています。

未就園児対象の「つくし学級」とはどんなものですか?

立川幼稚園 園長インタビュー

「つくし学級」は月曜日と木曜日に行っている2歳児と3歳児の、未就園児クラスです。次年度年少児と年中児に進級する子どもたちをお預かりしています。「立川幼稚園」では親子分離形です。

立川幼稚園 園長インタビュー

午前保育は10:00~12:00、平常保育は10:00~13:30です。月曜日が給食、木曜日がお弁当持参です。ジャガ芋ほり、クリスマス会などの行事にも参加し、在園児との交流を深め、次年度の入園につなげています。

時間外に行っている「幼児教室」とは何でしょうか

体操、ピアノ、絵画の教室があります。保育中に指導をしている先生が幼稚園終了後、課外授業として指導しております。

最後に、立川エリアの魅力についてお聞かせください

立川市子ども未来センター

以前よりも「立川」駅の周辺がきれいに整備され、どんどん住みやすい街になってきています。最近、市役所の建物が新しくなって移転しました。以前の市役所の建物が「立川市子ども未来センター」という子育て支援の拠点になりました。とても子育てしやすい環境が整ってきています。

国営昭和記念公園

近くに、「国営昭和記念公園」があります。自然あふれる広い空間で家族や友だちと思いっきり体を動かしています。児童館も沢山あり、お母さんたちが集まって、子どもと一緒に安全に過ごせる場所が多い地域です。立川は交通の便が良い所です。地形がなだらかで、自転車を利用される方にもとても便利な町です。

立川幼稚園

今回、話を聞いた人

立川幼稚園

園長 畔田世紀子(くろだ・せきこ)さん

学校法人村井学園 立川幼稚園
住所:東京都立川市高松町3-12-1
電話番号:042-524-7979
http://www.tachikawa-joshi.ac.jp/kindergartenu.html

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

子どもたちひとりひとりと向き合う/学校法人村井学園 立川幼稚園園長 畔田世紀子さん
所在地:東京都立川市高松町3-12-1 
電話番号:042-524-7979
預かり保育:あり(8:00~8:30、降園後~18:00)
http://www.tachikawa-joshi.ac.jp/kinderg..

ニュータウン都市計画で開校した中学校

地域全体で子どもを育てる。 未来を育む横浜型小中一貫教育とは。/横浜市立荏田南中学校 校長 榎登志裕先生


横浜市立荏田南中学校
校長 榎登志裕先生

地域全体で子どもを育てる。
未来を育む横浜型小中一貫教育とは。

「横浜市立荏田南中学校」は横浜市の「港北ニュータウン30都市構想」のもと、1982(昭和57)年9月1日に開校した中学校である。「心と体 個性 共生と自立」をキーワードに、体験学習を多く取り入れ、生徒たちが集団生活の中で自分を見つめ、伸ばす力を育んでいる。今回はそこで指導を続けておられる榎登志裕 校長先生に、「横浜市立荏田南中学校」の現状についてお話を伺った。

学校の概要を教えてください。

江田南中校長榎先生

健やかな心と体を育てる「心と体」、自分の気持ちを大切にし豊かに表現する力「個性」、お互い協力し合い高め合うなかで、課題を追求する「共生と自立」、この3つを教育目標に掲げています。

現在1年生253名、2年生289名、3年生262名の全校生徒804名でです。1983(昭和58)年9月に創立した本校は今年で30周年を迎え、校舎外壁に美しく塗装をほどこしました。

特徴ある取り組みとしてオアシス運動がありますね

横浜市立枝荏田中学校インタビュー

お:おはよう
あ:ありがとう
し:しつれいします
す:すみません
以上の頭文字からとった「オアシス運動」は17年前、日本の中学校が少し荒みはじめた頃にPTAと地域の方々の発案で始まった運動です。子どもへの声をかけからコミュニケーションを図ろうという取り組みでした。

私が5年前に就任するまでは、PTAと地域の方々が中心でしたが、折角なら先生方も声掛けに参加しようと、朝8時20分からの打ち合わせ終了後の15分間、副校長だけは職員室に残ってもらい全ての教師が子どもたちを出迎えています。

江田南中 校庭

先生方と保護者も話ができますし、何より子どもの登校の様子を担任が見ることができる。たった一言の挨拶ですが、子どもと先生、先生と保護者の距離も縮まり、非常にプラスになっている運動です。これによって子どもたちの朝の声も昨年よりは大きな声になり、なんと遅刻者もゼロになるなど、大きな変化がありました。

日々の教育活動で心がけていらっしゃることはありますか?

江田南中廊下

私は日々、学校では「子どもが主役」だということを、先生方には伝えています。子どものプラスになることであれば、教師はどんなことでもやるべきです。では学校内で何が子どものプラスになるのか、それは「楽しい授業」をして子どもたちに勉強の楽しさを教えること。そのためには授業研究をしっかり行い、教師の授業力をつける必要があります。

横浜市立枝荏田中学校インタビュー

また授業を客観的に見て改善することも大切ですので、地域やPTAの方が学校にいらした時は、必ず授業に入っていただいてます。いつ誰が見に来るか分からない状況では、先生方にも子どもたちにも緊張感が生まれ、より質の良い授業内容になるはずだと考えるからです。

体験型の授業を多く盛り込んでいるとお聞きしました。

横浜市立枝荏田中学校インタビュー

キャリア教育の一環として、中学1年では地域の方から仕事に関する講演をしてもらい、中学2年では2日間の職場体験を実施します。老人ホームなどの福祉施設、市役所などの公共施設、新聞社や小売店など、子どもたちの希望を聞いて(希望通りにいかないこともありますが)それぞれ体験先に派遣します。外から見ているのと、実際に働くのは大きな差がありますので、子どもたちは随分いろいろなことを学んで帰ってくるようです。やはり自分で体験し、感じることが大切です。

横浜市立枝荏田中学校インタビュー

そして中学3年になると、いよいよ将来の進路選択に絡んだ教育ということで、3年間を通しそれぞれの年齢に合わせたキャリア教育を行っています。

小学校との交流も積極的に行っていらっしゃるそうですね?

横浜市立枝荏田中学校インタビュー

横浜型小中一貫教育ということで、9年間を見通した一貫教育を推進しています。小学4年生と中学1年の子どもたちがお互いの合唱コンクールの歌を発表し合う「歌の交流」や、中学1年生が小学校のクラブ活動に参加して指導をしたり、本校の吹奏楽部が小学校に演奏訪問をしたりと、子ども同士の交流も盛んです。

地域との関わりも多いとお聞きしました。

江田南中校舎

こちらの地域の方々はパワフルで、学校への協力も惜しまずにしてくださるので、非常にありがたく思っています。だからこそ、私たちは「中学生を地域へ送り出したい」という思いがあります。小・中・高の子どもたちが地域清掃を行う「クリーンクリーン活動」や地域の祭りへの参加、ボランティアなど、機会があれば子どもたちを地域に派遣しています。

横浜市立枝荏田中学校インタビュー

一緒に働いてもらうことで、地域の方々は中学生を見直してくれる、そして子どもたちは自分が役に立ち喜ばれたことで自信がつく。こういった交流を通して、地域全体で子どもを育てるという意識になれば嬉しいと思います。

江田南中校長榎先生

今回、話を聞いた人

横浜市立荏田南中学校
校長 榎登志裕先生

所在地:横浜市都筑区荏田南2-5-1
電話番号:045-942-0960

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

地域全体で子どもを育てる。 未来を育む横浜型小中一貫教育とは。/横浜市立荏田南中学校 校長 榎登志裕先生
所在地:神奈川県横浜市都筑区荏田南2-5-1 
電話番号:045-942-0960
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/scho..

宇宙飛行士が名誉館長を務める学習施設

科学・宇宙の魅力を子どもたちに伝える/さいたま市青少年宇宙科学館 館長 宮原 仁さん


さいたま市青少年宇宙科学館
館長 宮原 仁さん

科学・宇宙の魅力を子どもたちに伝える

さいたま市浦和区の「駒場運動公園」に隣接したところにあるのが、光学式投影とデジタル映像を融合したハイブリッドプラネタリウムを持つ「さいたま市青少年宇宙科学館」。プラネタリウム以外は入館無料ということもあって、毎日大勢の子どもたちでにぎわうこの科学館。魅力はどんなところにあるのか、館長の宮原仁さんにお話を伺いました。

「さいたま市青少年宇宙科学館」の特徴を教えてください。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

「さいたま市青少年宇宙科学館」は旧浦和市時代の1988(昭和63)年5月に開館し、今年で25周年を迎えました。青少年の科学に対する興味を高め、科学教育に寄与し、未来社会に対応できる創造性豊かな青少年の育成を図るという目的で作られています。ですから館の名称には「青少年」という言葉が入っています。もうひとつ「宇宙」というキーワードも入っていますが、この2つのテーマを中心に運営されています。

展示スペースには、「ふしぎ広場」、「ひまわり広場」、「宇宙広場」の3つの広場があり、見て触れて遊びながら、科学に触れる科学館です。

宇宙飛行士の若田光一さんが名誉館長だそうですね。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

若田さんはさいたま市出身というご縁もあり、名誉館長をお願いしています。館内にも若田さんの特設コーナーがあります。先日若田さんの乗ったソユーズ宇宙船が打ち上げられたときは、当館でパブリックビューイングを開催して、打ち上げからISS(国際宇宙ステーション)に入室するまで大勢の方と一緒に見守りました。

プラネタリウムや天文台もあると聞きました。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

プラネタリウム投影は、土・日・休日ですと4回行われていますが、基本的には今夜見える星について職員の生解説を行い、そのあとにプラネタリウム番組を投影する約50分のプログラムになります。その日の最後の投影は「星宙散歩(ほしぞらさんぽ)」と名付けて、50分間全部が職員による星の生解説になりますが、こちらの回を好んで入場される方も多いです。

当館のプラネタリウムは学校教育でも使われています。さいたま市の小学4年生と中学3年生は授業の一環として、当館か大宮の「さいたま市宇宙劇場」のどちらかでプラネタリム学習をします。昨年度はさいたま市の全小中学校160校中、127校の児童・生徒が学習しました。 また、屋上で天体望遠鏡を使って月1回観望会を行っています。プラネタリウムで今夜見える星を解説したあと、実際の夜空で星を観察します。こちらも人気で毎回150名くらいの方に参加いただいています。

その他にどのようなイベントを企画しているのでしょうか。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

土曜日と日曜日には公開天文台として、屋上の天体望遠鏡で太陽の黒点を見る体験ができますし、来館者に電子顕微鏡で観察してもらうこともあります。科学に興味をもってもらえるようなプログラムでサイエンスショーもやっていますが、これもとても人気があります。館の外に出て行う自然観察などの教室も開催しています。

どんな展示が人気ありますか。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

やはり特別展が人気です。今は「ダンボールのりものゆ~えんち」と名付けて、段ボールを使った乗り物や遊具を作って、子どもたちに楽しく遊んでもらうと同時に、再利用に目を向けていただこうという企画展をやっていますが、毎日、子どもたちに喜んでもらっています。 常設展示では、「フーコーのふり子」や「ボールコースター」が人気あります。

やはり親子で来られる方が多いのですか。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

親子でいらっしゃる方が多いですね。およそ7割から8割が親子でいらっしゃっています。当館でも子どもたちが遊びやすい環境づくりに力を入れて、できるだけ手で触って、科学の不思議さを体験していただける展示を中心にしています。おかげさまで、「楽しかった、また来ます」といってくださる方が多くて、実際に何回もいらっしゃる方も多いです。

 

夏休みの自由研究にも参考になりそうですね。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

当館には、科学に関する本も揃えていますから、自由研究でいらっしゃる方も多いですね。夏休み中にお母さんとお子さんが一緒に来て、どうしたら自由研究をうまくできるか相談されることもありました。毎年10月にさいたま市児童生徒科学教育振興展覧会が当館で行われています。その中で特に優れている作品を次の年の夏休みにお借りして、自由研究のテーマの参考になるように展示しています。

子どもの成長にとって、科学の大切さはどのようにお考えですか。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

毎日接している身近なものでも、素通りしてしまうとそれで終わってしまいますが、そこで、どうやってできているのだろう、なぜそこにあるのだろうと疑問を持って考えると、いろいろな発見ができます。ですから、当館の展示やショーも、「なぜだろう?」と思ってもらえるように工夫しています。答えはすぐに出ないかもしれませんが、それでも「なぜだろう?」「どうして?」といった疑問をもつこと、そういった体験をたくさんしてほしいと思います。

子育ての場として、道祖土エリアの魅力はどんなところでしょうか。

さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

近くに「駒場運動公園」があって、テニスコートや野球場、体育館とスポーツ施設が充実していますし、緑も豊かです。当館もありますから、散歩の行き先や遊び場には困らない場所だと思います。 近くに学校が多いことも、子育て環境に適した場所といえるのではないでしょうか。

複数の公立小中学校が近くにたくさんありますので、通学距離は短くて済むでしょうし、「さいたま市立浦和中学校・高等学校」や私立の一貫校もあります。教育環境としても恵まれた場所だと思います。

  さいたま市青少年宇宙科学館インタビュー

今回、話をお伺いした人

さいたま市教育委員会生涯学習部
青少年宇宙科学館 参事兼館長 宮原 仁さん

館内で見学に来た子どもたちに話しかけ、展示の説明をしている姿から、科学の楽しさ、科学のすばらしさを子どもたちにもわかってもらいたいという思いが伝わってきました。

所在地:埼玉県さいたま市浦和区駒場2-3-45
電話番号:048-881-1515
URL:http://www.kagakukan.urawa.saitama.jp/

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

科学・宇宙の魅力を子どもたちに伝える/さいたま市青少年宇宙科学館 館長 宮原 仁さん
所在地:埼玉県さいたま市浦和区駒場2-3-45 
電話番号:048-881-1515
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/28~1/4)
https://www.city.saitama.jp/kagakukan/in..

地元を愛する赤塚っ子が、商店街を盛り上げる/赤塚一番通り商店街 理事 フランス製菓 山田賢二さん


赤塚一番通り商店街 理事
フランス製菓 山田賢二さん

地元を愛する赤塚っ子が、商店街を盛り上げる

「赤塚一番通り商店街」で理事を務める山田賢二さんは、創業40年の老舗洋菓子店「フランス製菓」の店主でもあります……と言われると、ご年配の重鎮的な方を想像する人が多いのではないかと思いますが、実際の山田さんは40代半ばでかなりお若い。お店の経営の傍ら、商店街を活性化させるために日々精力的に活動をされている山田さんに、「赤塚一番通り商店街」の現在の取り組みや今後の展望について伺いました。

山田さんが「赤塚一番通り商店街の理事になってどのくらいになるのでしょうか?お若くて驚きました。 

私が商店街の理事になって4年目くらいです。現在の理事長も51歳で、このあたりの年代が中心となって活動を行っています。以前は私たちよりも上の世代が中心だったのですが、世代交代をして現在の体制になったのです。

板橋区が2012(平成24)年からスタートさせた「商店街にぎわい再生プロジェクト」の認定第一号で、商店街の中にコミュニティスペース「赤ニコ広場」をオープンしているそうですね。まず設立の経緯を教えてください。

下赤塚インタビュー

「赤ニコ広場」設立の最初のきっかけは、2008(平成20)年に当店の商品「大仏サブレー」が「区民が選んだ板橋のいっぴん」というものに選ばれて、板橋区役所の方と知り合いになったことですね。その際に、私が“商店街、最近ちょっと元気がないんだよね”という話をしたら、“じゃあこういうのをやりましょうよ”ということで話が進んで、「商店街にぎわい再生プロジェクト」が始まりました。うちはたまたま商店街の理事が比較的若くて、新しいことにもフットワーク軽く動ける人が多かったことも良かったと思います。

でも、実際には立ち上げまではいろいろと大変でしたよ。まず難しかったことは、「具体的に何をやるか?」を決めることでした。一番の問題は、みんな基本的には普段、自分たちのお店の経営があるわけですから、自分たちが日常的に人手をかけて何かできなくてもやれることが大前提。そんな中で商店街の活性化のためにできることとして、“空き店舗を使って何かをやろう!”ということになり、地域の人やコミュニティーに活用してもらえる場として「赤ニコ広場」のオープンが決まったのです。

「赤ニコ広場」では具体的にどんなことが行われているのでしょうか。

何もない時は地元の方が休憩に利用したり、お弁当を食べたりと、気軽に自由に使える場所になっています。商店街をずっと歩いていると、年配の方は疲れるじゃないですか。そういった方が「ちょっと赤ニコで休憩しよう」と思ってくださればいい。 そのほかには野菜や果物などの産地の方に来てもらって地域の方とコミュニケーションをとっていただいたり、地域の福祉園の方が毎週1回喫茶店を開いたりして交流や憩いのスペースになっています。

最近の面白い取り組みとしては、商店街で買い物をするともらえる「ニコニコスタンプ」が溜まった人を対象とした「お米の交換」というものをやりました。実際に岩手の農家さんに「赤ニコ広場」まで刈りたての新米を持ってきてもらい、そこでお客さんと直接会話していただく。私たちたけではなく、農家さんにも「赤ニコ広場」で情報を得ていただけるようにしています。ほかにも、「板橋のいっぴん」の出店販売などいろいろな活動をしていますので、気になる方は赤塚一番通り商店街の公式Facebookをぜひご覧になってほしいですね。

Facebookページを拝見しましたが、すごく盛り上がっていますね。ソーシャルネットの影響力はいかがでしょうか?

下赤塚インタビュー

確かに年配層の方にFacebookで直接情報発信するのは難しいですが、お子さんやご家族が見て、「お母さん、商店街でこんなイベントやっているらしいよ」と教えてくれたりする。そんなふうにソーシャルと昔ながらのコミュニケーションが繋がり、どんどん情報が広がっていけばいいなと思いますね。

下赤塚インタビュー

また、これから下赤塚エリアに引越しを考えている方ですと、おそらく若い世代の方が多いと思いますので、こういったツールからこの街の情報を収集していただき、商店街にも足を運んでいただくきっかけになったら嬉しいです。

山田さんからご覧になって、「赤塚一番通り商店街」や赤塚についてどんな街だと感じますか?

一言で表わすとすれば、“地元ラブ”ですね(笑)。とにかく赤塚が好きな人が集まっているんです。親子三代、四代でここにいる方も多いですし、一度赤塚を離れても戻って来る人も多い。例えば、ここで買い物をするお客様は(商品を手に入れるだけでなく)コミュニケーションがしたくて買い物をするし、「このお店なら大丈夫」という信頼もある。大きいショッピングモールにはない、商店街ならではの信頼性を求めている方が多いと思います。

とはいえ、新しく住んだ方ににとっては、商店街の個人商店って少しちょっと敷居が高く感じたりもするかもしれませんが。そこがネックだったりはしますが、逆に1歩踏み出していただければ、きっとどっぷり馴染んで親しんでいただけるはずです。

赤塚の街ならではのおすすめの場所などはありますか?

東京大仏(乗蓮寺)

「板橋のいっぴん」に選ばれた「大仏サブレー」は、赤塚の「乗蓮寺」にある日本で4番目に大きい「東京大仏」にちなんだお菓子なんです。ここにそんな立派な大仏があることを、都民はもちろん板橋区民も知らない人がいっぱいいると思います。知っているのは赤塚のローカル地区の方だけじゃないかな。

赤塚植物園

それ以外にも「赤塚城 二の丸城趾跡」や「赤塚植物園」「区立美術館」などもあるし、実はプチ観光地なんですよ。そんな赤塚の魅力を、これからもっといろいろな人に知っていただきたいです!

下赤塚インタビュー

今回、話を聞いた人

フランス製菓店主

山田賢二さん

住所:東京都板橋区赤塚2-2-5
電話番号:03-3930-2255
営業時間:9:00~21:00
定休日:なし
HP:https://www.facebook.com/akanikohiroba(赤塚一番通り商店街)

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

地元を愛する赤塚っ子が、商店街を盛り上げる/赤塚一番通り商店街 理事 フランス製菓 山田賢二さん
所在地:東京都板橋区赤塚2-2 ほか 
http://akatuka1ban.com/

子どもたちの“ふるさと”となる、 美南地区の拠点を目指して

子どもたちの“ふるさと”となる、 美南地区の拠点を目指して/吉川市立美南小学校 校長・蔦森邦雄先生


吉川市立美南小学校
校長・蔦森邦雄先生

子どもたちの“ふるさと”となる、
美南地区の拠点を目指して

2013(平成25)年4月、吉川市美南(みなみ)地区に新たな小学校「吉川市立美南小学校」が誕生した。真新しい建物は一般的な小学校のイメージよりも一回り大きく見えるが、これは小学校以外にも、高齢者ふれあい広場、子ども支援センター、地区公民館、学童保育室を併設した複合施設として造られているため。小学校の枠にとどまらず、あらゆる世代が利用しやすい場所となっている。
今回は開校から半年を経た2013(平成25)年10月に学校を訪ね、校長の蔦森邦雄先生に、主に小学校のことについてお話をうかがった。

まず、学校の沿革、目指している学校像についてお聞かせください。

吉川市立美南小学校

もともと本校は、この近くにある「吉川市立中曽根小学校」が大規模化したということで、分離して新設された学校でして、市の施設との複合施設となっています。したがって、校舎は小学校としては非常に大きいものでして、東西で130mぐらいの廊下がありまして、校内についても非常に余裕のある造りになっています。

吉川市立美南小学校

目指す学校像、という事についてですが、「美南」というこの地域の名前を冠した学校ですから、地域の核になるような、「美南地区といったら美南小学校」というような学校にしていきたいと思っています。

 

吉川市立美南小学校

ここは新しい街ですから、ほとんどの親御さんにとっては「新しく移り住んできた場所」になるのですけれども、子どもにとっては美南が将来の「ふるさと」になるわけですから、「ふるさと」と呼ぶに相応しい、魅力ある地域と学校にしたいな、と思っております。

どのような学校目標、教育目標を掲げ、実践されているのでしょうか。

学校目標としては、「自ら考え、進んで行動する児童を育成する」という事を掲げていまして、特に「自ら」というところに、私はこだわっています。
いまの子どもたちは、「これをやりなさい」「あれをやりなさい」と、“言われたこと”については“それなりにやる”んですけれども、「こういう状況になったらどうしよう」とか、「今こうだから、こうすればいいな」というところが物足りないと思っておりましたので、学校目標に「自ら」という言葉を入れました。「受け身ではない、能動的な子どもを育てたい」ということです。

吉川市立美南小学校

目指す子どもの像としては、「学び続ける子」「やさしい子」「ねばり強い子」という3つを掲げています。

「学び続ける子」については、特に「続ける」というところに私のこだわりがあります。「一過性のものではなくて、将来にわたって学びを続ける」という子どもになるための土台づくりが、この学校でできればと思います。

「やさしい子」については、これはもう、この文言の通りですね。みんな仲良くいじめなどの無い学校ということです。

「ねばり強い子」についても、体力面とかそういったものもありますが、私が求めているのは、「内面的なねばり強さ」というものです。くじけない心を育んでほしいと思っています。

吉川市立美南小学校

職員には常に授業の中で、これらの目標を意識しながら、学習を進めてほしいということで指導しています。授業や指導になりますと、先生方はどうしても、「こうしなさい、ああしなさい」と言いがちになってしまうものですが、そうではなくて、「こういう場面だったら、みんなならどうしようか?」などと「考える機会」を設定しながら指導をするということですね。

カリキュラム面での特徴があれば教えてください。

吉川市立美南小学校

我々の言葉ではカリキュラムを教育課程と言っておりますけれども、教育課程については中曽根小学校の頃と大きく変えてはいません。というのは、子どもにとっても2年生以上は全員中曽根小から来ていますし、職員も半分は中曽根小から来ていますので、学校が変わって、通学路が変わって、先生が変わっただけでも混乱が大きいんですね。ですから教育課程については、中曽根小の良いところを引き継ぎながら用いまして、時間をかけてだんだんと本校らしさを出していこうと考えています。

吉川市立美南小学校

2校共通の特徴としては、朝の時間に余裕を持たせているという点があるかと思います。毎朝の読書の時間を設けていますし、それ以外にも、ジョギングをしたり、いろいろな基礎学習の時間に充てたり、集会活動をやったりということを朝の時間に行っています。

吉川市立美南小学校

あとは、ここは複合施設ということが特徴でして、せっかくお年寄りの方も、乳幼児の方も利用する施設がありますから、まだ今後の話になりますが、それらの施設との交流事業も考えています。主にはお年寄りとの交流になると思いますが、運動会に招待したり、歌や朗読を聞かせたり、手紙をお渡ししたり、ということを検討しています。

校長先生が考えられる、今後の学習指導の方向性についてお聞かせください。

吉川市立美南小学校

やはり学力の向上ですね。学力を上げるということは埼玉県全体の課題ですから、今は一応満足のいく状態にはなっていますけれど、それで満足してはいけないと思っています。数値目標もありますので、それをきちんと毎年クリアしていきたいと考えています。

吉川市立美南小学校

そのためには授業の前提となる部分が大事になってきます。細かい事になりますけれど、学習上の規律、学習に入る前の心構えや持ち物などの部分ですね。これは家庭の状況にも左右されるものですので、家庭と学校と同じスピードで歩んでいかないといけません。ですので、そういうところを家庭に対しても働きかけながら、子どもの学力を上げていこうと考えています。

 

ただ本校では、学力向上で特定の科目、たとえば国語を頑張っていますとか、算数を頑張っていますとか、そういったものはありません。うちでいま一番の課題にしているのは、実は「道徳」なんですね。

吉川市立美南小学校

道徳の授業の時間を中心に、道徳教育を進めていきまして、落ち着いた子ども、落ち着いた学級、落ち着いた学校にする。そこからさらに、学力を上げていくという、将来の学習のベースになる、「心」の部分をしっかりやっていこうと考えています。

学校の施設について、特徴をお聞かせください。

吉川市立美南小学校

まず、校舎の造りに非常に余裕があることでしょうね。廊下はもともと広いですし、教室の廊下側が全部開きますので、教室と廊下をつなげたオープンなスペースも作れます。細かな事ですが、全部の教室に網戸が入っていますので、授業中に虫が入ってくる心配が無く、勉強に集中できます。

 

吉川市立美南小学校

教室内の設備についても、画用紙を入れる幅の広い棚があったり、大学のように上下がスライドできる黒板があったり、黒板にマス目が入っていたり、掲示板にマグネットが付くようになっていたりと、「あったらいいな」という工夫をたくさん取り入れています。

吉川市立美南小学校

暖房にはレンガを深夜電力で熱して、輻射熱で温める蓄熱タイプの暖房器を使っていますので、安全性や快適性にも優れているかと思います。

 

吉川市立美南小学校

分かりやすいところですと、3階と同じフロアに屋外プールがありまして、これも防犯面、安全面、衛生面といろいろな面で、非常に素晴らしく、ありがたいことだと思っております。

吉川市立美南小学校

体育館も校舎の中に入り込むような形になっていますので、非常に便利なのと同時に、断熱効果が高いですから、夏は涼しく、冬は暖かいという体育館になっています。

通われているお子さんの特徴、親御さんの印象などについて教えてください。

吉川市立美南小学校

ほとんどのご家庭が築数年というところで、転入されてまだ日が浅い方が多いですから、まだ地域の特徴という事までは分かりませんが、子どもの教育に関しては非常に熱心ですね。若い方、30代か40代がほとんどじゃないかなと思います。昼間はお父さんは都内へお仕事、お母さんもフルタイムのお仕事、子どもは学校というのが典型的なご家庭でしょうか。ご家庭もみんな、ご覧の通り余裕のある建てかたをしたお家ばかりです。そういうところで、子どもたちが育っているんですね。

吉川市立美南小学校

子どもたちについては、とても素直ですね。言うことをよく聞く子が多いです。それから、言葉遣いがよくて礼儀正しい子が多いです。これは家庭のしつけによるところも大きいのだと思います。

 

保護者の方も、マナーが良いと言いますか、例えば何かで集まって説明するという時などにも、私語なども無く黙って聞いているという感じでして、こういった環境が子どもに良い影響を与えているのだと思います。

吉川市立美南小学校

PTAの活動については、まだまだスタートしたばかりでして、組織の仕組みを整えているところですが、基本的には中曽根小の時にやっていただいていたものをそのまま持ってきまして、「美南小では何ができるかしら?」ということを手探りで探している状態ですね。

校長としては、PTAの活動というのはご家庭を犠牲にして、自分のやっていることを犠牲にして、というものではないと思っていますので、まずはご自分と家族の健康を最優先に考えて、お仕事などのことも考えて、その次にPTAが入っていれば良いと考えています。ですから保護者の皆様には、「やれる範囲でご協力を頂きたい」という風にお願いしております。

職員の皆さんが普段から心がけている点は何でしょうか?

吉川市立美南小学校

ひとついつも言っていますのは、「子どもへの言葉かけ」です。これを丁寧な言葉でやるということですね。子どもを下に見るのではなくて、同じ人格であるという見方で接するように、職員には指導しています。
そうすれば子どもの言語環境も良くなりますし、子ども同士の言葉遣いも丁寧になっていきます。言葉が荒れている学校は、子どもの行動も荒れてしまいますので、そこには注意を払っています。

美南エリアの魅力は?

吉川市南四丁目の街区公園

形容詞を使って言えば、「新しい街」、「若い街」、「計画的で整っている街」ということでしょうか。それに、この一帯は開発され始めてから20年くらいは経つと思うのですが、まだまだ開発されるところが残っていますから、将来はさらに発展するのだと思います。将来も明るい見通しのもてる地域だと思うんですよ。

吉川美南の街並み

それから、この学校もそうですが、とても空間的に余裕があるんですね。その余裕が何かしら、子ども達の育ちや、地域の特性、住む人の人柄にも現れているかな、と思います。もちろん、教育環境としてはとても良い地域だと思いますよ。

吉川市立美南小学校

今回、話を聞いた人

吉川市立美南小学校

校長 蔦森邦雄(つたもり・くにお)先生

住所:埼玉県吉川市美南4-174-3
電話番号:048-984-3730

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

子どもたちの“ふるさと”となる、 美南地区の拠点を目指して/吉川市立美南小学校 校長・蔦森邦雄先生
所在地:埼玉県吉川市美南4-17-3 
電話番号:048-984-3730
https://www.yoshikawa.ed.jp/minami

小さな子どもも安心して利用できる 体に優しい癒し系カフェ/カフェ トモチート 長島大介さん・京子さん


カフェ トモチート
長島大介さん・京子さん

長島さん夫妻

小さな子どもも安心して利用できる
体に優しい癒し系カフェ

長島大介さん・京子さん夫妻が営む「カフェ トモチート」は、2011(平成23)年、「赤塚一番通り商店街」の一角にオープンした家庭的なカフェ。お店に入るとご夫妻とともに、次男のお子さん(3歳)が迎えてくれました。まるでおうちにおじゃましたようなホッとする雰囲気の店内で、今回はお店の人気メニュー「ケーキセット」をいただきつつ、お店や下赤塚の街の魅力についてお話を伺いました。

この下赤塚の街で「カフェ トモチート」を始められたのはなぜでしょうか?

カフェトモチート

大介さん

きっかけは、以前に私が勤務していた会社が持ちこたえられなくなったことです。もともと私は、いつかこういったカフェをやりたい、という気持ちをずっと持っていたので、良い機会ととらえて「だったら思いきってやりたいことをはじめちゃおう!」とスタートしました。
下赤塚にお店を出したのは、私たち家族がこの街に暮らしていたからですね。地元といいますか、家のそばでお店を出したかったのです。ちなみに「トモチート」という名前は、長男の「ともなり」という名前をもじったものなんですよ。

チラシ

京子さん

2011(平成23)年の12月にこの店をオープンしましたが、当時は次男が1歳で、私がおんぶしながら接客をしていたんです。今の時代ってそういう姿が珍しかったみたいで、街の方にはよく「昭和的ですね」とお声をかけていただきましたね。年配の方には「今どき頑張っているね!懐かしいよ」と感心されたりもしました(笑)。

お店の方が子育てしながら切り盛りしている姿をみたら、
きっと小さな子どもを持つ世代の方もお店に入りやすくなりますよね。

息子さん

京子さん

そうですね。とはいえ、最初はこういった子育てをしながらの接客を受け入れていただけるか不安もありました。もちろんそれが嫌な方もいらっしゃったかとは思いますが、このカフェをオープンしてから今日まで、商店街の方や地域のみなさんが子どものことを気にかけてくださって安心してお店ができています。商店街を次男が1人で歩いていると、通りすがりで可愛がってくれる方がいっぱいいらっしゃるんです。本当にありがたいです。

「カフェ トモチート」のお料理でこだわっていることはありますでしょうか?

メニュー

大介さん

体の負担にならないような、小さいお子様でも安心して食べられるような食材を使うようにしています。外食の料理というと、脂っぽくて味が濃いというようなイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、そういった料理にはしたくありませんでした。

カフェトモチート

京子さん

お昼はケーキやクッキーなどのセットが人気ですが、夜はワインやお酒も楽しめます。おつまみは「鶏肉のトマトソース煮」(380円)や「さんまの辛味ソテー」(380円)などがオススメです。パスタなども人気です。家族でいらっしゃって、わいわい賑やかに夕食を召し上がる方も多いんですよ。

今回いただいた「ケーキセット」(700円)、とても美味しいです!優しい甘味で、ケーキのスポンジがモチモチしているのが特徴ですね。

ケーキセット

京子さん

今召し上がっていただいているのは、「バナナスポンジケーキ」と「ジンジャーハーブティ」のセットです。ケーキはこのほかに「くるみのタルト」や「チョコレートケーキ」から選べます。ドリンクも、カモミールやミントの有機ハーブティーがありますし、コーヒーや紅茶、ジュースもご用意しています。 スポンジの食感のポイントは、国産小麦を使用していることです。国産ですと、モチモチした独特の食感になり、触り心地もしっとりするんです。甘味が優しいのは「キビ砂糖」の甘さです。国産小麦とキビ砂糖は、当店で販売しているクッキーでも使用していますのでこちらもオススメです。

こちらのセットメニューにもニコニコマークのクッキーがついていますね。

クッキーポップ

京子さん

はい。このニコニコマークのクッキーは、すべてのお客様に必ずお出ししています。ニコニコマークを見ると、お子様も喜びますから。クッキーは当店の名物としてご好評いただいていますが、普通のクッキーと大きく違うのは、バターと卵を使っていないこと。

クッキー

バターの代わりに菜種油をつかっているんです。バターですとサクサクとした食感になりますが、菜種油ですと“ザクザク”という感じで、口当たりがとても軽いのが特徴です。

京子さんは母親として下赤塚で子育てをされていますが、この街の子育て環境をどのように感じますか?

カフェトモチート

京子さん

この街は、子育てファミリーにとってはとても暮らしやすくいい街だと思いますよ。まず、物価が安いことですね。商店街にある「のとや」というお店は子ども服が非常に安くて、本当に助かっています。ほかにも、例えば野菜を買うにしてもいろいろな八百屋さんがあって、それぞれ「トマトならこのお店」「キャベツならここ」のように、お気に入りがあったりします。そういう買い物の仕方ができるのは商店街の魅力ですね。

光が丘公園

また自転車圏内にある保育園の数も多いですし、「光が丘公園」などののびのびと遊べる大きな公園が比較的近くにあるのも魅力だと思います。

今後お店でやってみたいことや、目標などはありますか?

店内

大介さん

お店のスペースがけっこう広いので、もっと地域の方に交流の場として利用していただきたいなと考えています。現在は時々パーティ等に利用していただいていますが、定期イベントなどもどんどん開催していたただきたいです。

掲示板

京子さん

子育て世代のママや子どもたちはもちろん、年配の方など幅広い世代が参加できるイベントをここでできたらステキだなって私も考えています。現在も店内には地域の方の情報発信用の掲示板を設けていますが、今後はより地域に深くかかわっているお店を目指していきたいと思っています!

長島さんご夫妻

今回、話を聞いた人

カフェ トモチート

長島大介さん・京子さん

住所:東京都板橋区赤塚2-7-6 アプリコットガーデン102
電話番号:03-6785-5391
営業時間:11:30~22:00※土曜日12:00~22:00、日曜日・祝日12:00〜18:00
定休日:なし

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

小さな子どもも安心して利用できる 体に優しい癒し系カフェ/カフェ トモチート 長島大介さん・京子さん
所在地:東京都板橋区赤塚2-7-6 アプリコットガーデン102
電話番号:03-6785-5391
営業時間:11:30~22:00(土曜日12:00~22:00、日曜・祝日12:00~18:00)
無休
https://www.facebook.com/pages/category/..

自然に囲まれた、理想的な教育環境。 23区内とは思えない豊かな自然の中で学ぶ。/北区立西浮間小学校校長 中村都士治先生


北区立西浮間小学校校長
中村都士治先生

自然に囲まれた、理想的な教育環境。
23区内とは思えない豊かな自然の中で学ぶ。

浮間は北区の北西端に位置し、北に荒川・南に新河岸川が流れている立地にある。近くには都立の総合公園である「浮間公園」もあり、荒川・新河岸川の河川敷などののどかな風景が広がる。近年はファミリー層の転入も増え、公的な育児サポートも充実してきている。そんな西浮間小学校の中村校長に学校の様子を聞いた。

区内では2番目に生徒数が多いと聞きましたが、学校の概要を教えてください

西浮間小学校長インタビュー

現在1年生4クラス、2~6年生は各3クラスずつの、全校児童616名の学校です。これくらいの人数が集まっていますと、集団行動の力を身に付けやすく充実した教育プログラムを組むことができますね。オープンスクールで学年ごとのまとまりで教室が配置されていますから、どうしても学年ごとのつながりが強くなります。そこで、1年生から6年生がたて割りになる「フレンド班」というものを全校で38班つくりまして、様々な活動や朝遊びなど週に1回、必ず一緒に活動する取り組みをしています。

後で詳しくご説明しますが、桜草の芽分けの会や、こいのぼり給食などのイベントもこの班ごとに行い、みんな兄弟のように仲良くしていますよ。一番嬉しいのは、普段はちょっとやんちゃな6年生などが、1年生にはとても優しく話しかけたり、よく面倒を見たりしている姿を見ることです。やはり異学年交流には大切な役割があると思います。

2009(平成21)年に改築された新校舎の特色などをお聞かせください

西浮間小学校長インタビュー

本校は5年前にオープンスクールの校舎になりました。各学年ごとのフロアを壁で仕切って教室にしてあるだけですので、オープンスペースには全教室が面しています。そのため、子どもたちは非常に仲が良いですね。また、オープンスペース部分に算数科少人数教室が設置されており、算数では習熟度別の少人数授業を実施できるようになっています。

オープンスペースはかなり広く作ってありますので、移動教室のための合同保護者会を開くなど、色々な用途に使っています。手洗いの蛇口の数なども普通の学校よりも多く設置して、細部にまで渡って生活しやすい環境が整っています。

図書室とパソコンを融合した「メディアセンター」があるとお聞きしました

西浮間小学校長インタビュー

通常は図書室とパソコン室は別々になっているケースが多いと思いますが、本校では図書スペースの奥にパソコンスペースがあり、調べ学習などをする際も双方を同時に駆使できるので、情報活用能力も高めることができます。今はインターネットを使って調べることも増えましたので、調べたいことが一度にリサーチできるのは子どもにとっても便利ですね。 また読書デッキという屋外で読書ができる場所(子どもだけの使用は不可)も確保されていますので、少しでも子どもたちの「読書」の習慣づけを応援したいと思っています。

2世代で「西浮間小学校」に通っているご家庭も多いと聞きました

西浮間小学校長インタビュー

昔はこのあたりには学校が少なく、この地域の子どもたちは遠くまで歩いて通っていたそうです。そこに1958(昭和33)年に本校が開校し、念願の地元の小学校ができたということで、地域の方が学校と一緒に子どもを育てよう・協力しようという気持ちをもってくださっているように感じます。その気持ちが受け継がれ、今でもいざとなるとすぐに手を差し伸べてくださり、手伝ってくださいます。これは普段から温かい目で子どもたちを見守ってくださっているからだと思うんです。

そんな地域の方々の連携の場として使っていただければと、校内の「にしうきホール」を地域の人たちへの公開講座に使用したり、アリーナ(体育館)を利用していただいたりしています。

「西浮間小学校」は浮間中と浮間小とでサブファミリーを形成していますが、どのような取り組みか教えていただけますか?

西浮間小学校長インタビュー

「学校ファミリー」という北区の取り組みは、通学区域の重なる幼稚園・小学校・中学校からつくられる近隣複数校のネットワークのことで、本校は浮間中と浮間小とでサブファミリーを形成しています。具体的には情報交換を密にし、授業研究を行ったり、教員たちの研修会を実施したりしています。また公開授業を行って、お互いの教員が見学し合い、教科別に反省点やカリキュラムについて話し合ったりと連携を深めています。

また災害時の対応について連絡を取り合って共有したり、足りないものの貸し借りがあったりと、この取り組みのお蔭で近隣の小中学校とスムースに連絡を取りやすくなりました。

この地区に特有の活動などはありますか?

西浮間小学校長インタビュー

浮間地区は古くから桜草の栽培で有名な場所です。廃れつつある桜草を残そうという取り組みで、本校では児童が一人一鉢、1年をかけて桜草を栽培しています。翌年にきちんと咲かせるために、小さい芽を摘み取り「芽分け」をしなければならないのですが、桜草保存会の方々がその方法を伝授してくださり、全校のフレンド班で芽分けを行います。

校庭には桜草圃場もあり、お世話は子どもたちが行っています。実は桜草の栽培は非常に難しく、学校では美しい花を咲かせられるのは半数ほど。だからこそ、この難しい栽培手法を子どもたちに伝えたいと思います。来年はこの一人一鉢運動をはじめて30周年で記念の行事もありますので、全員の苗に花をつけさせてあげたいですね。

PTAファミリーフェスティバルや西浮フェスティバルなど、楽しいイベントも多いようですが

西浮間小学校長インタビュー

PTAファミリーフェスティバルは、本校の校庭を使って行うイベントで、保護者や地域の方々によるゲームコーナーや模擬店が並び、消火器体験やけむり体験、パトカーや白バイの試乗などができる地域をあげてのお祭りです。オープニングセレモニーはアリーナで行い、スクールバンドの演奏で華々しく幕開けします。

また西浮フェスティバルは、子どもたちが企画して各クラスでゲームなどの出し物をする小さなお祭りのような取り組みです。日程を学校公開に合わせているので、保護者の方々も参加でき、子どもの学校での様子がよく分かる、楽しい行事です。

荒川のほとりに建ち、近隣には公園などに恵まれた御校ですが、これらを利用した取り組みなどは行っていますか?

西浮間小学校長インタビュー

荒川には、理科や生活の授業で「春・秋をみつけよう」といったテーマで、自然採集などに出かけています。また荒川土手や都立浮間公園は写生会で利用させてもらっています。

徒歩30分のところにある釣堀公園では、毎年田植えを体験させてもらい、秋には稲刈りも行っています。今年は30kgほど収穫できたということです。

浮間エリアの魅力を教えてください

東京都立浮間公園

PTAの方々も、地域の方々も、皆さん温かく地元愛で溢れています。先ほども言いましたが、学校で人手が足りない・ヘルプが必要だという時なども、すぐにお手伝いに来てくださったりと、実に温かい地域性です。児童たちも、非常に素直でまっすぐな子どもたちが多いのは、この土地柄の影響ではないかと思いますね。

西浮間小学校長インタビュー

今回、話を聞いた人

北区立西浮間小学校 校長 中村都士治先生

所在地:東京都北区浮間2-7-1
電話番号:03-5915-0137

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

自然に囲まれた、理想的な教育環境。 23区内とは思えない豊かな自然の中で学ぶ。/北区立西浮間小学校校長 中村都士治先生
所在地:東京都北区浮間2-7-1 
電話番号:03-5915-0133
http://nishiuki.cocolog-nifty.com/blog/

正岡子規も愛した老舗の焼き団子

文豪も愛した東京名物 日暮里の歴史を見つめ続ける「羽二重団子」/「羽二重団子」7代目当主 澤野修一さん


「羽二重団子」7代目当主
澤野修一さん

文豪も愛した東京名物
日暮里の歴史を見つめ続ける「羽二重団子」

江戸時代より伝わる東京名物として190年以上もの長きにわたり親しまれている「羽二重団子(はぶたえだんご)」。1819(文政2)年の創業以来、正岡子規や夏目漱石といった文化人にも愛されていたことで知られ、今なお政財界や芸能界にもファンの多い逸品である。今回は「羽二重団子」の7代目当主を務める澤野修一さんに、「羽二重団子」の魅力と日暮里の街の移り変わりについてお話を伺いました。

江戸時代から続く老舗の団子屋としてご存知の方も多いと思いますが、あらためて「羽二重団子」の歴史と特徴についてお聞かせください。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

「羽二重団子」は1819(文政2)年に、初代店主の澤野庄五郎が芋坂に開いた「藤の木茶屋」がはじまりとされています。そこで提供していた団子が『まるで絹で織った羽二重のようにきめ細かく滑らか』と賞賛されたことで「羽二重団子」とそのまま菓名となりました。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

その後、明治期に入ると正岡子規先生や夏目漱石先生が作品のなかで当店の団子を取り上げてくださったこともあります。“文豪も愛した東京名物”としてご存知の方もいらっしゃるかと思います。

“文豪も愛した東京名物”のエピソードについて詳しく教えていただけますか?

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

まず「羽二重団子」には、生醤油で焼き上げた“焼き団子”と甘さを控えた“こしあん団子”の2種類の味があります。正岡子規先生はいつも“あん付き3本、焼き1本”を好んで召し上がっていたようで、病床に伏した時も、妹の律さんを買いに行かせ、寝たきりの人が、4本ペロリと召し上がったと「仰臥漫録」という随筆にでています。メニューにある「正岡子規 漫録セット」(1,050円)とは、先生が好んで食べた“あん付き3本、焼き1本”をそのまま再現した内容です。

また岡倉天心先生にちなんだ「岡倉天心 陶然セット」(840円)というものもあり、焼きだんごをあてにお酒を楽しんだという先生のエピソードにちなみ、冷酒グラスと焼き2本をセットにしたメニューもご用意しております。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

ほかにも本店の1階には先代と親交のあった田山花袋先生直筆の書が飾られていたり、戦災や震災で失われること無く残った当時の生活を偲ぶ品々が数多く展示されていたりと、お店に足を運んでいただくだけで歴史を現代(いま)に伝えるさまざまな発見があると思います。

はじめてお店に訪れる人に、「羽二重団子」の楽しみ方のポイントを教えてください。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

JR「日暮里」駅から徒歩3分の本店は、先ほどもお伝えしましたが、戦災や震災で焼失しなかった歴史を感じさせる品々が展示してありますので、まずその雰囲気を感じてみて下さい。お店の外からは店内の様子が見えないため、はじめは入りづらい方もいらっしゃると思いますが、店内にはテーブル席とお座敷をそれぞれご用意していますので、おひとり様から団体までそれぞれ楽しんでいただけると思います。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

また天気の良い日には中庭の縁台を好んで選ぶ方も多く、お団子とともに過ごすくつろぎの時間を存分にお楽しみください。和モダンをテーマにデザインした「日暮里」駅前の「HABUTAE1819 羽二重団子 日暮里駅前」ともまた趣が異なるため、人数や用途に応じてそれぞれご利用ください。

創業190年を迎え、日暮里の街の移り変わりについてお聞かせください。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

2008(平成20)年の日暮里・舎人ライナーの開通により「日暮里」駅前も大きく変わりましたが、駅前広場を活用したまちおこしのイベントが積極的に行われるようになりました。山手線沿線の駅前でイベントスペースを確保できる駅は数少なく、昨今では「にっぽりマルシェ」と名づけられた物産展が毎月開催されるほか、竹台高校のジャズバンドによる演奏など、さまざまな活動が行われています。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

伝統の変わらぬ味とスタイルを守り続けることが、日暮里の魅力につながり、街おこしの一助となれば、嬉しい限りです。

「羽二重団子」7代目当主 インタビュー

今回、話を聞いた人

「羽二重団子」7代目当主
澤野修一さん

所在地:東京都荒川区東日暮里5-54-3
電話番号:03-3891-2924

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

文豪も愛した東京名物 日暮里の歴史を見つめ続ける「羽二重団子」/「羽二重団子」7代目当主 澤野修一さん
所在地:東京都荒川区東日暮里5-54-3 
電話番号:03-3891-2924
営業時間:9:00~17:00
定休日:年中無休
http://habutae.jp/

大人数だからこそできる体験を子どもたちに/横浜市立中川西中学校  校長 重田英明先生


横浜市立中川西中学校  校長 重田英明先生

大人数だからこそできる体験を子どもたちに

港北ニュータウン開発に伴い、住民たちの強い要望を受けて開校した中川西中学校は、全校生徒が1066名と横浜市で生徒数二位を誇る大規模校である。学業と部活動を両立させた、文字通り「文武両道」の校風の中川西中学校に、副校長・校長として長らく関わってきた重田先生にお話を伺った。

学校の概要についてお聞かせください。

横浜市立中川西中学校

1990(平成2)年4月に開校した本校は、港北ニュータウン中川地区の開発にともなって新設した学校です。それまでこの地域の生徒たちは近隣の学校へ遠距離通学をしていたため、「この地域に学校を」という住民の方々の強い希望があり開校しました。また校名の「中川」も、子どもの遊び場や農業用水として重要な役割を担っていた川の名前からついており、校章の山百合もこの地域の丘陵地帯に多く自生していたものと、地域の特色を取り入れた学校です。生徒数が1100名近くおり、1年生10クラス、2年生9クラス、3年生9クラス。当然それを見る先生方の数も60人を超えるという、大規模校ですね。

大人数を抱える学校として、生徒一人一人に目を配る工夫などはありますか?

横浜市立中川西中学校

1学年を担任の先生たちが、学年チームとして子どもを見守るようにしています。中学になると教科ごとで先生が代わりますし、部活の顧問の先生を加えたら、一人の生徒を数人の先生が見ていることになります。大切なのは、その情報をどう集めるかですね。一人の生徒への情報の引き出しを多く持つことで、何かあった時、保護者の方から相談をされた時でも対応できるようにしておきたいと考えています。角度を変えて子どもを見守ることで、子どもたちの様子や変化が細かく分かるようになりますね。

 

大人数のメリットというのもありますか?

中川西中学校

もちろんです。例えば、平和学習の一環で毎年2年生が広島に行く際、平和記念公園で合唱する機会があるのですが、道行く人たちが必ず足を止めて聞き入ってくださる程、その声量と迫力は素晴らしいものがあります。350人もの子どもたちの歌声がまとまるまでは、それまでに大変な努力があるのですが、この人数が集まり“歌で心を一つにする”という経験が与える影響は大きいと思いますね。

また行事一つとっても、この大人数を動かすとなると、先生側は大変な面も多いのが事実。例えば、修学旅行や校外学習の宿を探し、実際に連れて行くまでに、周到な事前ミーティングとシュミレーションを何度も繰り返します。その時の先生方の団結力は凄いですね。先生方がまとまると、自然と子どもたちもまとまってくるんです。そういった相互の力で前向きに変化していくのは、大規模学校の良いところではないでしょうか。

文武両道を掲げていらっしゃいますが、部活動は盛んなのですか?

横浜市立中川西中学校

はい、ほぼ9割の生徒が部活動に入部しており、中には兼部をする子もいるほどです。ハンドボール部や水泳同好会は関東大会まで出場していますし、サッカーやバドミントン、吹奏楽も県大会でも良い成績をおさめています。やはりカラダが一番成長する時期に運動をすること、そして感性が磨かれる時期に好きな事に打ち込むことは、何よりの財産になりますね。また教職員も必ずどこかの部・同好会の顧問になるようにしており、自分の経験がない分野でも、会計や資料づくりなどで協力できるような態勢にしています。学校生活では静かな大人しい子が、部活動では積極的で違った顔を見せたりと、子どもを多面的にとらえる上でも、部活動での先生と生徒の交流は大切だと考えています。

小中一貫教育ということで、近隣の小学校との連携教育もあるのでしょうか?

本校には周辺の6小学校から進学してきますので、その小学校の先生方とのミーティングも密にしています。行事が重ならないような摺合せから、9年間の一環した学習カリキュラムのこと、生活面の注意事項まで細かく話します。やはりお互い顔を見て話ができる環境を作っておくと、いざという時に心強いですね。

力を入れている取り組みはありますか?

中川西中学校

やはり10月の合唱コンクールでしょうか。3日間ある文化祭のうち、1日目が県民ホールで開かれるクラス対抗の合唱コンクールで、全クラス・全学年の順位が決まります。1クラス多くて40名の生徒たちが、練習に練習を重ね、真剣勝負で歌い競う姿は、何度見ても清々しい気持ちになります。

合唱コンクール・体育祭共々、クラス別に一位から最後まで全て順位をつけています。その理由は、「努力しても負けることもある」ということを中学で学んでほしいから。小学校までは頑張ることこそが素晴らしいと教わってきました。でもその一歩先の「ベストを尽くしてもダメな時もある、でもその努力したことが自分の身についている。それこそが宝物なんだ」ということを分かってほしいんです。社会に出れば報われないことばかりの世の中で、そのプロセスが無駄じゃないという経験を、ここでしてほしいと考えています。

保護者の関わる行事などはありますか?

中川西中学校

3日間に渡る10月の文化祭で、3日目は午前中に講演会があり、午後は保護者の方々によるコスモス祭があります。このコスモス祭は、部活動別でお母さんたちが焼きそばや揚げたこやき、チョコバナナなどの模擬店を出してくださるもので、屋台がズラリと並んだ景色はなかなか迫力があります。子どもたちもとても楽しみにしているイベントです。オヤジの会というのもありまして、こちらはお父様たちが活躍する場でもあります。保護者の皆さんが「何かお手伝いできることはありますか?」と、教育活動に熱心な方々が多いので、助かっています。

またキャリア教育の一環で、1年生は色々なお仕事のプロフェッショナルたちから話を聞く機会を設けていますが、ここでオヤジの会のお父さんたちが大活躍しています。今までにも会計士・パン職人・福祉施設職員などの様々なお仕事の方々に来ていただき、苦労話ややりがいなど、その仕事に就かなければ分からないリアルなお話を披露していただいています。

中川の街の魅力を教えてください。

緑が多く、美しい街並みが特徴ですね。自転車も走行不可で信号もない、歩行者用遊歩道も整備されているので、住む人に優しい街だと感じます。また教育に熱心な方も多く、親御さんたちが心配されるような非行に走る子どもも少ないです。全体的にのんびりした雰囲気があり、子どもの教育には良い環境だと自負しております。

横浜市立中川西中学校

今回、話を聞いた人

横浜市立中川西中学校
校長 重田英明 先生

所在地:横浜市都筑区中川2-1-1
電話番号:045-912-1270
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/jhs/nakagawanishi/

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の情報です。

大人数だからこそできる体験を子どもたちに/横浜市立中川西中学校  校長 重田英明先生
所在地:神奈川県横浜市都筑区中川2-1-1 
電話番号:045-912-1270
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/scho..

「10の実践より1つの徹底」、人間形成の基礎・基本を身につける場として/さいたま市立三橋小学校 校長 松本 勝先生


さいたま市立三橋小学校 校長 松本 勝先生

日常のあいさつから見える『一事徹底』の理念と家庭とのつながり。「10の実践より1つの徹底」、人間形成の基礎・基本を身につける場として。

開校より125年を迎える地域に根ざした「さいたま市立三橋小学校」。2013(平成25)年時点で全校児童数が1,056名にのぼる大規模校で、地域と一体となった子育て環境に恵まれています。近隣には「三橋公園」をはじめとした緑豊かな公園も多く、子育てに適した地域として担う役割もよりいっそう大きくなることが期待されています。『一事徹底』を理念に掲げる同校ではいったいどんな取り組みが行われているのか、今回は、松本勝校長先生にお話を伺ってきました。

まず、「さいたま市立三橋小学校」の学校の歴史や特徴についてお教えいただけますでしょうか。

三橋小学校

本校の歴史は1889(明治22)年開校の「並木尋常小学校」にはじまります。「三橋小学校」と呼ばれるようになったのは昭和に入ってからのことで、本校の西側を流れる加茂川に3つの橋がかかっていたことに由来しているようです。
私は、28代目の校長として着任し2年目を迎えますが、2013(平成25)年度で開校より125年を迎える歴史ある学校です。現在、全校児童数は1,056名にのぼり通常学級30クラス、特別支援学級2クラスの計32クラスを擁する大規模校となっています。

さいたま市立三橋小学校

通学区も南は大宮バイパスを越えた「さいたま市立大宮西高校」あたりから北は「三橋総合公園」の南端あたりまでと広く、近隣地域において果たす役割は非常に大きいと感じています。

各クラスの担任、専科副担任に加え、教頭も2名体制で教育と学校運営に携わり、“人間形成の基礎・基本を身につける場”としての学校の役割に徹底しています。着任と同時に経営理念として掲げた『一事徹底(いちじてってい)』には、「10の実践より1つの徹底」を前提に、日常の“あいさつ”を徹底させることからはじまりました。

理念として掲げる『一事徹底』の具体的なエピソードについてお聞かせください。

三橋小学校

まず学力面での取り組みとしては、〈読み・書き・そろばん〉の基礎学力の向上を重視し、徹底しています。具体的な方法としては「水曜朝カルタタイム」と名付け、週1回、8時15分から25分までの10分間を充てています。低学年は「犬棒カルタ」、中学年は「埼玉郷土カルタ」、高学年は「百人一首」と、年齢に応じた教材を用いて豊富な語彙力の習得を目指しています。

また、徳力いわゆる情操面での取り組みについては、2013(平成25)年5月にはじめて実施した「ほめほめ週間」が挙げられます。

三橋小学校

教師も親も、つい叱ったり注意したりするところからはじまる子どもへの関わり方をしてしまったりしますが、まずはいったん受け止めて“褒めて育てる”ところからはじめるようにしよう、という取り組みです。まだ初めての試みで、長い時間をかけて取り組むべき課題ですが、学校が主体となって親の意識改革を促してゆく有効な取り組みだと思います。

三橋小学校

ほかには、一年間のうち2日を「お弁当の日」と指定し、お弁当づくりを通じた親子の交流を促しています。低学年は一緒に買い物するところからはじまり、中学年は朝早起きして一緒に作る、そして高学年になったら自分自身でお弁当を作ってみる、といったように子どもの成長段階に合わせた働きかけも大切にしています。

 

 

このように、学校の取り組みや理念が日常の“あいさつ”に象徴されるように、目に見えるかたちで子どもたちが変わる様子が見える、言い換えれば“可視化”されることで各家庭の理解や関心もより深まるのではないかと考えています。

大規模校ならではの魅力、また「三橋小学校」の特色についてお聞かせください。

三橋小学校

「三橋小学校」における特徴的な活動としてまず挙げられるのは、金管バンドの「LUX(ルクス)ブラスバンド」です。本校の卒業生でもあり、日本フィルハーモニー交響楽団でも活躍しているトランペット奏者の中里州宏さんが指導にあたってくれたこともありました。現在、4年生から6年生までの43名の部員が平日月・火・木・金曜日の17時30分までと、土曜日にも練習に励んでいます。2013(平成25)年度の県の吹奏楽コンクールでは「金賞」を受賞し、その活動はメディアでも紹介されました。

三橋小学校

また、本校ならではの活動として、隣接する「三橋公民館」でのクラブ活動も特色があります。〈融合施設〉という位置づけで2000(平成12)年に建て直しされた公民館ですが、上履きを履いたままで行き来できる環境が整っています。もちろん施錠管理によるセキュリティにも配慮されたつくりですが、地域との交流を促す場としても注目を集めています。

近隣では珍しい「茶道クラブ」は女子児童14名による活動で、公民館の茶室を利用して行っています。指導者にはもともと公民館の利用者だったお茶の先生に協力をいただき13年目を迎える本格的な活動へと発展してきました。

本校には、もともと地域の方々が子どもを見守り育ててくれるという地域性が根付いていたことから、先のクラブ活動への協力をはじめ防犯ボランティア83名、交通指導員20名と地域と一体となった子育て環境に恵まれている点も三橋小学校ならではの魅力でしょうか。

子育て環境としての、さいたま市大宮区三橋の街の魅力についてお聞かせください。

大平公園

三橋周辺には緑が多く、学区内にある「大平公園」や「並木公園」といった身近な公園をはじめ、学区と隣接する「三橋総合公園」は約10.3haもの広さを誇る市内でも有数の広大な緑地空間です。週末に家族そろって楽しめる場としても人気が高く、散歩やレジャーなど子育てに役立つ環境です。

三橋小学校

「大宮」駅西口からバスで約7分と交通のアクセスも良く、自然環境にも恵まれた環境は子育てたちが健やかに成長するために適した環境と言えるでしょう。
本校でも、先の「LUXブラスバンド」の活動をはじめ、昨今ではさいたま市の駅伝大会で女子が29年ぶりに優勝に輝き、男子も堂々の3位に入賞するなど子どもたちの活躍には目覚ましいものがあります。

 

“あいさつ”を徹底することにはじまった「三橋小学校」の取り組みが、今後ますます魅力ある学校として発展し続けることを願うばかりです。

 

  三橋小学校インタビュー

今回、話を聞いた人

さいたま市立三橋小学校 校長 松本 勝先生

所在地:さいたま市大宮区三橋2-20
電話番号:048-641-0792
http://mihashi-e.saitama-city.ed.jp/

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の情報です。

「10の実践より1つの徹底」、人間形成の基礎・基本を身につける場として/さいたま市立三橋小学校 校長 松本 勝先生
所在地:埼玉県さいたま市大宮区三橋2-20 
電話番号:048-641-0792
http://mihashi-e.saitama-city.ed.jp/

「子どもは地域で育てる」を実践する風通しの良い教育/練馬区立上石神井小学校 副校長 高橋先生


練馬区立上石神井小学校 副校長 高橋先生

「子どもは地域で育てる」を実践する風通しの良い教育

学校を中心とした様々な活動を通して、保護者・地域が一体となって子どもを育てている上石神井地区。古くからこの地域に住まう人々と新たに暮らす人々、保護者同士、子どもたちが、風通しの良く自然に交流できるこの場所は、教育のみならず生活の場としても良質な環境をつくりだしている。その活発な活動の中心にある上石神井小学校の副校長・高橋先生にお話を伺った。

上石神井小学校の特徴について教えてください。

練馬区立上石神井小学校インタビュー

何といっても、地域の方々との連携した取り組みが特徴です。普通、小学校での活動は児童の保護者が中心になることが多いと思いますが、本校では地域のボランティアの方々が核になって、自然観察や環境保護などの活動をする「自然探検隊」、放課後の児童の居場所「ひろば」と呼ばれる「学校応援団」、週1回子どもたちへの読み聞かせをしている「おはなし屋」など、実にさまざまな活動があります。もちろんそこに保護者の方々も参加することで、学校・保護者・地域が文字通り一つになって子どもを育てています。これが私たちの誇りでもあり、自慢でもありますね。

「自然探検隊」とは、どんな活動をしているのでしょうか?

練馬区立上石神井小学校インタビュー

「自然探検隊」は元学校の先生などが中心になって、保護者や地域の方々で結成されており、子どもたちが自然に親しめ、自然を大切に思えるような活動をしています。9月にプールの授業が終了すると、そこにヤゴのすみかを設置して幼虫を育てる「ヤゴ救出大作戦」が始まります。毎年500匹以上のトンボが、この上石神井小学校から飛び立っていき、なかなか感動的です。そのほか校内のビオトープや、カブトムシとクワガタの家「カブ・クワハウス」の設置・管理も自然探検隊と子どもたちが行っています。東京に住んでいても、こんな風に工夫をすれば虫や草花とこんな風に仲良くなれるという、見本のような活動です。

「学校応援団」、「おはなし屋」についても活動内容をお聞かせください。

「学校応援団」というのは、練馬区の児童放課後居場所づくり事業の一環で、一般には「ひろば」と呼ばれているのですが、本校の学校応援団は、その活動の種類や内容が非常に充実しています。地域の方が将棋教室を開いてくださったり、近くの学童クラブと連携して合同で遊んだり、とにかく多彩な取り組みをしてくださるので、子どもたちは実に楽しそうに放課後を過ごしています。

「おはなし屋」は、これもプロの朗読家や保護者、地域の方で組織されている団体ですが、毎週金曜日の朝10分間、子どもたちに読み聞かせをしてくださいます。各クラスに「おはなし屋」のメンバーが赴き、子どもたちの年齢や個性に合った本や紙芝居を披露してくれます。高学年になっても、子どもたちは自分に語りかけてくれるものはしっかり吸収するようで、前のめりで集中してお話に耳を傾けていますよ。私たちは、この10分間を使って朝ミーティングを行い、その後の授業に備えられるので、正直言うと本当に助かります(笑)。こんな風に色々な人たちが学校に来て下さることで、子どもを見守る目が増えることは、学校にとっても子どもにとっても、保護者にとっても有難いことだと感じます。

上石神井地区の雰囲気を教えてください。

練馬区立上石神井小学校インタビュー

上石神井は古くからこの地域にいらっしゃる住民の方々と、新たに移り住んでいらした世帯とが混在した街。だからこそ古いものと新しいものが共存できる環境があって、柔軟だと感じますね。学校への協力的な姿勢もそうですが、“熱い地区”だと思います。だからと言って、強制的に何かに参加させられるというのではなく、ボランティア活動や役員などにも自発的に動く土壌がありますね。保護者たちによる「安全・安心ボランティア」が結成され、入口に立って子どもたちへの声掛けや、不審者などの見回りをしていますが、今年も100名以上もの保護者の方がボランティアとして登録をしてくださり、自主的に学校内や入口付近を見守っています。強制ではなく、あくまでも立候補でこれだけの人数が集まるのは、やはり保護者や地域の熱心さ、子どもを思う気持ちの表れだと、頭が下がる思いがしますね。

隣の上石神井中学校とも連携して教育にあたっているとお聞きしました。

練馬区立上石神井小学校インタビュー

小中一貫といって、小学校から中学校への教育を途切れさせずにつなげていくための、プログラムです。例えばリトルティーチャーと呼ばれる中学生たちが、裁縫やリコーダー、組体操などを指導してくれたり、6年生には週1で中学の体育の先生が球技を教えて下さったりといった活動です。小学生は「中学生になったらこんな風になるんだ」「中学の先生ってこんな感じなんだ」と、様々な情報を受け取ることができ、とても充実しているようです。また来てくれる中学生たちも、実際は思春期の難しい時期なのでしょうが、ここに来ている時は非常に優しく丁寧に教えてくれるので、子どもたちもなついていますよ。

上石神井小学校の約70%の児童はこの中学に進学しますので、先生同士も顔見知りになって連携が取れるのは、とても良いですね。また中学の勉強でつまづきやすい個所を教えてもらい、小学校の時点でしっかり基礎を習得させるなど、勉強でもプラスの面が多いと思います。

上石神井小学校の児童のみなさんは、どんなお子さんが多いのですか?

私が他の小学校から赴任してきた時に感じたのは、「挨拶がきちんとできる」「先生との距離感が丁度良い」ということ。挨拶に関しては、転向先の小学校を探していた保護者の方が見学にいらした際、本校の生徒が次々と挨拶したことに感動して転入を決めたという話もあるくらいです。職員室への入退出時も、「失礼します」「○○室の鍵を借りにきました」とハキハキ話す姿は、今でこそ当たり前だと思いますが、初めて見た時は驚きましたね。また、先生との距離も馴れ馴れしくなく、よそよそしくもない。近すぎず・遠すぎず、の絶妙な関係を上手に保っています。このバランス感覚の良さが上石神井小の特徴だと感じますね。

 練馬区立上石神井小学校インタビュー

今回、話を聞いた人

練馬区立上石神井小学校 副校長 高橋先生

住所:東京都練馬区上石神井4-10-9
電話番号:03-3920-0805
URL:http://www.kamishakujii-e.nerima-tky.ed.jp/

※記事内容は2013(平成25)年7月時点の情報です。

「子どもは地域で育てる」を実践する風通しの良い教育/練馬区立上石神井小学校 副校長 高橋先生
所在地:東京都練馬区上石神井4-10-9 
電話番号:03-3920-0805
http://www.kamishakujii-e.nerima-tky.ed…

新「木場」移転後の区防災拠点

“万が一”に備える大規模防災拠点 地域の輪を支える木場公園の魅力とは/公益財団法人 東京都公園協会 木場公園サービスセンター長 島田 都紀子さん


公益財団法人 東京都公園協会
木場公園サービスセンター長 島田 都紀子さん

“万が一”に備える大規模防災拠点
地域の輪を支える木場公園の魅力とは

その名前の通り、江戸時代の初期から材木業の集まる地域だった木場。その機能が埋立地・新木場に移ったことをきっかけに、貯木場跡地を都立木場公園としてオープンさせたのは1992(平成4)年のこと。24.2ヘクタールの広大な土地に、緑豊かな恵まれた環境と訪れる人を癒す様々なサービスが提供され、地域の人々の心のオアシスになっている。また都内でも数少ない防災公園の一つであり、防災への意識を高める場としてイベントなども積極的に行っている。そんな木場公園サービスセンター長である島田 都紀子さんにその魅力を聞いた。

「木場公園」は江東区を代表する公園ということですが、公園の施設などをご紹介して頂けないでしょうか。

木場公園

「木場公園は」広大な「芝生広場」、本格アスレチックや遊具が集まった「冒険広場」、子どもに大人気の「じゃぶじゃぶ池」、木場公園のシンボルで3地区をつないでいる「木場公園大橋」などで構成されています。「芝生広場」の一画にある「ドッグラン」は、ボランティアのドッグランサポーターズによって運営され、毎月犬のしつけ教室なども開催されています。

木場公園

同じように、ボランティア“木場公園友の会”が維持・管理をしている「都市緑化植物園」は、ガーデニング広場、洋風&和風庭園、果樹園などのコーナーに分かれ、年間を通して美しい花や緑に溢れている場所です。なかには日本で最初の「帰化植物見本園」があり、海外から種子が運ばれ日本で生育するようになった帰化植物が常時300種類以上も植栽・育成されている区画があります。

見所が多い公園なのですね。バーベキュー広場も人気だとお聞きしました。

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

適度に木陰になっているので涼しいですし、一つ一つのサイトにたっぷりスペースを確保されています。公園の真ん中に位置しているので、子どもが飽きたら広場や遊具で自由に遊べますし、そして何より無料というのが人気の理由のようです。場所の提供だけなので、機材・食材は全て準備して頂くことになっています。

予約は前月の10日に、翌月の予約を受け付けるという形式です。春や秋の気候の良い時期は、窓口前に100人以上が並ぶこともあります。電話か窓口に来ていただいて予約をするのですが、お電話は非常に繋がりにくいので、お近くであれば直接お越しいただくことをおススメしています。1名につき1サイト20名までしか予約できませんので、大人数で利用される時はお友だちと一緒に来てくださいね。

「木場公園」の利用者はどういった方が多いのでしょうか。

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

やはり近隣の方が多く、特にジョギングやウォーキングに利用する方が目立ちます。早朝から夜遅くまで、多くの方に利用していただいています。

平日昼間は、広大な芝生広場に幼稚園や保育園が遠足に来ることも多く、複数の団体が重なって1000人以上になることもあります。週末は家族連れの利用も多く、ライフスタイルに合わせて上手に利用していただいていると感じます。

これだけ広いと管理なども大変になると思うのですが、防犯・セキュリティに関してはどのように対応されているのでしょうか。

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

昼間は公園のスタッフが巡回をしておりますし、夜間は警備会社に委託をして違う曜日・違う時間にパトロールに回ってもらい、常に公園が安全であるように警 備をしています。また園路灯の故障チェックや、花火・迷惑行為が行われていないかを、定期的にスタッフが夜間に確認をしています。

他の公園にはない「木場公園」ならではのユニークな特徴はありますか?

木場公園

木場公園は、都内11ヵ所しかない防災公園(大規模防災拠点)のうちの一つです。マンホールにテントを張って使用する災害対応トイレ、停電でも使用できるソーラー発電の誘導灯や公園灯、ベンチの座る部分を取り外すと煮炊きができるかまどベンチなど、普段は目立たない公園施設が、災害時には緊急対応アイテムに早変わりするという心強い公園でもあります。

木場公園

 

町内会やボランティアと協働して防災訓練を行い、防災施設を実際に使ってみたり、防災フェスタで子どもたちが手づくりの毛布担架に挑戦してみたりと、いざという時に役に立つ知識や技を学ぶ場も多く提供しています。 こういった地道な活動のおかげか、周辺の方々の防災に対する意識も高まってきているように思います。

最後に、江東区木場の魅力について教えてください。

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

ジョギングやウォーキングで利用されている皆さんが、すぐに仲良く打ち解けていらっしゃる姿を見ていると、明るくてオープンな風土だと感じますね。私たちにも元気に声をかけて下さいますし、作業をしていても「お疲れ様」「大変ね~」などと労いの言葉もよくいただきます。

都市緑化植物園のボランティアの方々からも感じますが、昔ながらの義理人情というか、一生懸命な気持ちが真っ直ぐに伝わってきて気持ちがいいんです。そんな皆さんに支えられている木場公園。これからも皆さんが利用しやすく、癒される場であるよう、職員一同頑張ります!

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

今回、話を聞いた人

公益財団法人 東京都公園協会
木場公園サービスセンター長・島田 都紀子さん

所在地:東京都江東区平野4-6-1
電話番号:03-5245-1770

※記事内容は2013(平成25)年7月時点の情報です。

“万が一”に備える大規模防災拠点 地域の輪を支える木場公園の魅力とは/公益財団法人 東京都公園協会 木場公園サービスセンター長 島田 都紀子さん
所在地:東京都江東区木場4・5丁目・平野4丁目 
電話番号:03-5245-1770(木場公園サービスセンター)
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/..

江東区立深川第八中学校 校長 佐藤太先生 インタビュー


江東区立深川第八中学校 校長 佐藤太先生

生徒、保護者、地域、教職員が共に進んでいくために。
質の高い教育に取り組む「江東区立深川第八中学校」

東陽町と深川を分ける運河沿いにある「江東区立深川第八中学校」。全体が船の形をしているという近代的な造りの校舎で、約300名の生徒が学んでいる。 “第八”という名前からは比較的新しい学校を想像する人もいるだろうが、実際には1961年に開校し、半世紀以上の歴史を刻んでいる伝統校である。地域の人々からは「八中」と呼ばれて親しまれている。今回はこちらに校長として2年前に赴任して以来、独自の教育哲学と情熱で腕をふるっている佐藤太校長に、学校の特色や地域との関わりについてお話を伺った。

佐藤校長先生が教育目標として力を入れている「3つのK」について教えてください。

「3つのK」というのは、「共生」、「共有」、「協働」の3つの学校経営方針でして、私が着任した2年前から取り組んでいるものです。学校方針というのは、教員だけで決めるのではなくて、子ども、教員、地域、保護者が一緒になって考え、進めていくものですので、その実現のためにどうすれば良いのかを、「3つのK」という言葉で具体化しました。

いろんな子どもたちがいる中で、「共に生きていく」ために、本質的な生き方を学ばせていきたい。子ども達同士でいろんなものを「共有」し、さらには子ども達だけではなく、教職員、保護者、地域も一緒に共有しながら、学校を進めていきたい。そのために、一緒になって、みんなで動いたり、汗をかいたり、考えたりして「協働」したい。この3つの方針について、それをイメージしやすいようにしています。

「3つのK」について、校長先生の着任から実践を始めた具体的な取り組みはありますか?

深川第八中学校インタビュー

まず「共生」に関しては、相手を理解しながら、切磋琢磨して、学校を動かしていくということがありますから、生徒、地域、保護者のニーズを、学校側がしっかりと把握することに取り組んでいます。「ニーズがあるのに、今まで手がいかなかった部分」について、そのニーズを捉え、教育に生かしていくことを考えています。「今までこうだったから」ではなく、「今、生徒や保護者は何を求めているのか」ということを拾い上げて、一緒になって進んでいこう、ということですね。

具体的には、「学習」、「学校行事・部活動」について特に力を入れて取り組んでいます。学習面では、たとえば放課後の補習授業、土曜日と夏休みの補習授業を新たに始めました。“授業で不十分だったところを補ってほしい。”こういうことが、実際に「ニーズ」として挙がってきたんですね。

それから、「基礎学力が大事」という意見もありましたので、根本的な「読み・書き・そろばん」という基礎を身につけるため、朝の実習で国語、英語、数学の3教科、3年生に関してはは理科、社会も、基本的なことを繰り返して行うようにしました。これに関しては、年間9回の「コンテスト」も行っていまして、成績優秀な生徒達は、朝礼で表彰するなどして意欲を高めています。このコンテストについては、内容としてはごく基礎的なものですので、誰でも頑張れば成果が出せるものになっています。

また、全学年で数学と英語の少人数授業にも取り組んでいます。これは普通の体制では出来ませんから、東京都から特別に教員を配置してもらっていまして、クラス数を増やしています。これも本校独自の取り組みです。確かに先生にとっては大変なことですが、私はあくまでも「子どものためになるかならないか」という判断基準で考えていますから、子どものためになる、学力が付くというのであれば、厭わずそれを導入しますし、今後もそうしたいと思っています。

学校行事や部活動についても盛んとお聞きしました。

木場六丁目 インタビュー

学校行事に関しましては、本校の伝統的な教育目標の「自主・自立」に基づいて、子ども達が主体となって企画し、生徒会やそれぞれの実行委員会などが中心になって行っております。それは、子どもたちの「自分がやった」という達成感、満足感にもつながりますから、「みんなでやりきっていく」という気持ちが生まれてとても盛り上がします。また、本校では特別支援学級の子ども達も一緒になって、運動会、文化祭、合唱コンクールなどの行事を行っていますので、自然にお互いを思いやる心が育ちますし、子ども達も全力で頑張ってくれています。

部活動に関しては、子どものニーズに合わせて出来る範囲の部活動を展開しています。私が着任してからは、「部活動の充実をはかろう」ということでバレー部、野球部、美術部を新しく創設しました。本校では教職員全員が部活動の顧問になっていて、より活性化しています。

行事や部活動に限らず、子どもたちがやりたいという活動は、なるべく出来るように、充実・活性化に取り組んでいますので、今後もこういう課程外のものに関してもしっかりニーズを捉えて、それを提供していきたいと思いますね。

特に活躍している部活動、特徴的な部活動などはありますでしょうか。

木場六丁目 インタビュー

部活動に関しては運動系が強いです。昨年でいいますと、バスケットボール部は、男子が区大会とブロック大会で優勝しましたし、都大会でもベスト16に入りました。女子も区の大会で4位で、ブロック大会にも出場しました。またテニス部も、区の大会で男子は優勝、女子も3位になって、都大会やブロック大会に出場しました。バドミントン部も強かったですね。もちろんそのほかの部も頑張っていますね。

文化系の部は、地域で活躍しています。文化部の中で特色ある部としては「ダンス部」がありまして、地域の色々なお祭りなどに呼ばれて、ダンスを披露する機会も多いようです。吹奏楽部もたびたび地域の老人ホームなどで演奏をしています。

高校への進学実績などについて教えていただけますでしょうか。

木場六丁目 インタビュー

進路先の高校はそれぞれですが、国立や難関といわれる学校に合格している子も毎年いますね。先生方も進学指導には熱心に取り組んでくださっていますし、生徒たちの進学に対する意欲は高いと思います。

生徒達の生活面のケア、トラブルへの対応・体制はどのようにされているのでしょうか。

まず、子どもの情報はすべて共有しようということで、たとえばイジメや不登校などはあってはならない問題ですが、「起こりうる問題」ということでいつも目を配っています。教員も子ども達ときめ細かく接して、サインをきちんと読み取るようにしていますし、もし何かが起きた場合は、早期に解決ができるように取り組んでいます。

週に1回のペースで「生活指導部会」というものを行っておりまして、そこで問題の種があれば全部出すようにしています。会議の場にはスクールカウンセラーも入っていまして、問題があれば即時に対応できるようにしています。問題を把握したら、すぐに保護者に連絡をして、保護者と子どもを交えて話し合い、早い段階で解決するようにしています。でも実際には、この学校はすごく心の優しい子が多いですから、問題はあまり起きていませんね。

保護者や生徒の相談窓口などはありますか?

スクールカウンセラーが週に1回居りますので、どんなことでも気軽に相談していただけます。子ども達も思春期ですのでいろいろな悩みもありますが、心を開きやすいようにできるだけアットホームな感じで接するようにしています。

土曜日に行われている「学校公開日」とはどのようなものでしょうか。

江東区立深川第八中学校

本校は独自に土曜日の授業を行っていまして、そのうち年に5日ほどを、「学校公開日」ということで、保護者の方や地域の方にも自由に来ていただけるようにしています。自分の子どもがどんな教育を受けているか、ということは保護者の方の一番の関心事ですよね。だから、保護者の方のニーズを拾って、出来ることは一生懸命にやっていきたいと思っています。ここでは“ありまのままの学校”を見ていただきますから、先生の授業が悪ければ批判もきますし、クラスの様子がおかしければ批判がくるわけです。しかし全てのことをオープンにして、見てもらって「説明責任」を果たすようにしています。

学校の施設設備などの特徴や魅力的な部分がありましたらご紹介いただけますか。

木場六丁目 インタビュー

校舎内をご覧になるとおわかりになって頂けると思いますが、うちは「きれいな学校」です。きれいな環境からきれいな心が育ったり、物を壊さない心が育ったりすると考えておりますので、校舎は徹底的にきれいにさせています。これがまず第一の魅力だと思います。

施設面としては、生徒数の割に体育館が大きいですね。大会などの会場になるくらいの大きさですし、もちろんここもきれいです。各階に憩えるスペースがあり、生徒が休み時間などに自由に使えるという構造も珍しいと思います。また、エレベーターがあるのは江東区23校の中でも珍しいと思います。これは特別支援学級の子どものため車椅子等でも安心して使用できるように設置しています。

生徒達の様子について教えてください。

まず、「優しい」ことです。7組(特別支援学級)も含めみんなで共に行事などをやることが多いこともあり、非常に人に対して理解や思いやりのある優しい子どもたちになるんでしょう。それに付随して、やはり「素直な心」というのも感じますね。言い換えれば「スレていない」とでも言うのでしょうか、思春期になるとちょっと斜に構えて大人を見る子どももいるのではないかと思いますが、本校の生徒はとても素直な子ども達だと感じます。3クラス編成という小さな学校ですから、先生と生徒の距離も近くて、丁寧に接しているんだと思いますね。子ども達も「見てもらえている」という安心感があるのでしょうか、がさつな動きが無いですし、そもそも地域全体が「優しい地域」ということもあるのでしょう。

地域との関わりについて、特質すべき点などがあればお教えください。

深川第八中学校インタビュー

地域との関わり、という部分については、まず「避難所」としての役割が大きいかもしれません。江東区では従来まで、小学校が災害時の避難所となっていました。ですが、ここの地域は運河が多いですから、小学校に避難できないかもしれないということがありまして、平成17年度から、中学校独自と地域の町会とで、避難所を作って運営しているんです。避難所運営の会議も開いていますし、校内で物資の備蓄もしていますので、防災を通じた地域との関わりというのは大きいですね。クラスの表示の横には町会名が書いてありますが、これも災害時のためのものです。

学校運営面では、地域の方による「学校評議会」というものがありまして、学校に対する意見をいただいています。地域の皆さんも協力的な方が多くて、校長として私も嬉しいですね。地域の皆さんが「学校の応援団」になってくれているんです。

木場六丁目 インタビュー

また、学校の教育活動、学習面、部活面、安全面など、40の点検項目を自分達で作ってアンケートをとっています。これは学校評議会と保護者全員の方々にしていただいていまして、それに基づいて、次の年度の計画を考えています。アンケートは匿名でして、私に直接持ってきてもらって、その結果を教職員にフィードバックするようにしています。教員が見てしまうと本音を書けないという部分はありますからね。このような取り組みも、ほかの学校もおそらくいろいろやっているものかとは思いますが、「匿名で校長に直接提出する」という形は珍しいのではないでしょうか。でも、私はこれは匿名でやったほうが良いと思っているので、そうしています。

土曜日の公開授業の日は、保護者だけでなく、地域の方も含めて1日で150人くらいの方に来ていただいていますよ。

 

最後に、佐藤校長先生が思う、江東区木場の地域の魅力についてお聞かせください。

地域の人たちがとても温かいところが良いですね。地域を大事にする人たちが多いと感じます。どの地域もそういった点はあるのだとは思いますが、とてもその想いが熱い、強い地域ではないかと思います。実際に住んでみればわかると思いますが、子ども達のために一生懸命に地域が動いてくれるんですね。“下町的な人情のある地域”、とでも言えばいいのでしょうか。

その反面で、都会的な面もありまして、バスなどの交通機関がとても充実していますので、都心にもすぐに出られますし、「生活のしやすさ」という点でもとても魅力的かと思います。下町であり、都会的でもあるという、両方を共有しているのがユニークなところですね。

また江東区のキャッチフレーズに「水彩都市」というものがあるのですが、この辺りは“まさしく”といった感じでして、水のある風景、水のある暮らしというのも良いですね。

 
木場六丁目 インタビュー

今回、話を聞いた人

江東区立深川第八中学校 校長 佐藤太先生

所在地:東京都江東区塩浜2-21-14

電話番号:03-3647-0581

※記事内容は2013(平成25)年6月時点の情報です。

江東区立深川第八中学校 校長 佐藤太先生 インタビュー
所在地:東京都江東区塩浜2-21-14 
電話番号:03-3647-0581
http://www.koto.ed.jp/fuka8-chu/

落ち着いた環境で育む「認め合う心・広がる笑顔」/川崎市立宮崎台小学校 校長 柏崎京子先生


川崎市立宮崎台小学校 校長 柏崎京子 先生

落ち着いた環境で育む「認め合う心・広がる笑顔」

美しい邸宅街となっている宮崎台の丘にあり、車通りも少ない環境で、のびのびと子どもたちが遊び、学んでいる「宮崎台小学校」。児童数800名以上という大規模校でありながら、非常に落ち着いた学校であると評判の高い学校のひとつだ。今回は新緑のまぶしい時期にここ宮崎台小学校を訪れ、昨年まで教頭を務め、平成25年度から校長となった柏崎京子先生にお話をうかがった。

40年ほどになるという学校の歴史を踏まえて、まずは学校の概要をお聞かせください。

外観

ここ宮崎台小学校は昭和50年に建てられまして、来年度で40周年を迎える学校です。この地域は東急田園都市線沿いのベッドタウンとして、いろいろな住宅やマンション、社宅などができ、どんどん子どもが増えていきました。このあたりは宮前平の富士見台小学校が最初にあった小学校でしたが、児童があふれてしまったことから、「仮称第二富士見台小学校」としてこの地に計画されたのが、この宮崎台小学校です。 本校の児童数も、一時は1,000人を超えたことがあったそうです。昨今は戸建ての家が増えましたので、児童の数も落ち着きまして、平成25年度は814名でスタートしています。

 

とても閑静な環境で、子どもたちはのびのびと学ぶことができそうですね。

花桃の季節

学校が建つ前は、このあたりは「花の台」と呼ばれており、草花が咲き乱れてとてもきれいな土地だったそうです。もともと花卉(かき)農家が多かったらようで、開校の際にも緑豊かな環境、花が一杯な環境を残そうということで、地域の方が植樹してくださったそうです。ですから今でも、学校の周りはすごく緑が豊かなんですよ。学校には「もっちー」という花桃をイメージしたキャラクターまであるように、春には桜のほか花桃も美しく咲きみだれます。

 廊下

学校の前の道路はここで行き止まりになっているため、車の騒音も無く、本当に落ち着いた環境です。子どもたちは明るく健やかに、落ち着いて、勉学に励んでいますし、いろいろな自主的な活動も行っています。

 

学校の教育目標や、その実践内容についてお聞かせください。

廊下2

本年度は「認め合う心・広がる笑顔」というのが合言葉になっており、児童向けの学校教育目標としては、「かしこく」「やさしく」「たくましく」「ひろく」という言葉を、以前から掲げていまして、子どもたちにも事あるごとに伝えています。 まず、「かしこく」という点では、確かな学力の育成ということで、少人数での授業に力を入れていますし、先生方もお互いに学び合いながら、授業力向上に向けても頑張っているところです。 先生方の「向上心」は特に素晴らしいですね。本校には若い先生が多いのですが、ほとんどの時間を子どもと一緒に過ごしていますし、一緒に生活していく中で、子どもをしっかりと見ています。万一何か問題があっても、すぐにキャッチして、報告、連絡、相談を行いながら、「学級担任」ではなくて「学校担任」という意識で対応していきますし、「チームとして子どもを見ていこう」ということが、先生方の授業力向上につながっていると思います。 正直なところ、校舎はかなり古くて、教室の建てつけなども悪いのですが、そのハード面の不足を「人材を磨く」ということでカバーしているのが、宮崎台小の伝統というか、魅力なのかなと思います。

COトレーニング

もうひとつ特徴的なのは、「たくましく」という点でしょうか。 本校は人数の割に校庭も狭いですから、体を動かす機会も少なくなりがちなんですね。そこで「キラキラ朝会」という朝の運動の時間を作ったり、いま話題になっている「コーディネーショントレーニング」の専門講師の方に、1年生から4年生の授業に来ていただいたりもして、教科体育の充実に力を入れています。ほかにも、地域のスポーツジムの方にお越しいただいて、休み時間に「エアロビクス集会」なども行っていますし、水泳指導にも、地域のスイミングスクールの講師の方に入っていただいています。こうして専門家の方に来ていただくことは、同時に教師の指導力を高める結果にもつながっているかと思います。

 

外部の専門講師の方も多く活用されているのですね。

和太鼓1

そうですね。体育指導以外にも、「外部人材の活用」には力を入れております。たとえば5、6年生の学習指導要領にある「古典楽器」についても、ただその楽器を知るだけではなく、外部の専門の奏者の方に太鼓の指導などに来ていただいたりしています。また、その成果を地域の町内会行事の場で発表したり、「チャイルドランド」という学校の学習発表会で発表する機会を設けています。6年生は昨年は「能」の体験もしましたし、地域の茶道教室の方に教えていただきながら、茶道体験もしました。 これらの活動の背景には、「市民の力が教育を変える」という趣旨で川崎市が掲げている「川崎教育プラン」というものがあります。「まちの強みを活かして川崎に育つ子どもに将来の夢を育む」という重点項目の下、進めている活動なのです。 宮崎台小学校には、地域の力を学校に向けてもらえる土壌があり、時間調整が難しいにもかかわらず、多くの地域の皆さんが講師として支えてくださっています。とても有難く、「地域の方」の素晴らしさを感じています。

 

保護者の皆さんはどのように関わっていらっしゃるのでしょうか。

冊子

地域の方もそうなのですが、児童の保護者の皆さんも教育活動にとても関心が高くて、サポートも力強いですね。宮崎台小学校では、PTAを「父母と先生の会」という名称にして、活動に対してとても熱心でいらっしゃいます。 老朽化が進んだ校舎に関しても、「大切にあたたかく使ってほしい」という思いで、「父母と先生の会」の方々がトイレに架ける暖簾などを作ってくださったり、月に1回のトイレ清掃なども、会の方がやってくださるんですね。長期休業明けには通学路で旗振り活動もしてくださいますし、本当によくサポートしてくださっています。 学校というのは、学校・保護者・地域が一丸となって子どもをサポートしていくものだと思いますので、その面で宮崎台小学校は保護者や地域の協力が素晴らしく、とても恵まれた学校だと思います。

 

学校での子どもたちの様子についてお聞かせください。

校庭

子どもたちはとにかく明るくて素直ですね。ひとつの行事においても、みんなが心をひとつにして一丸となって取り組みますから、傍から見ていてとても爽やかに映ります。ぜひ運動会も見に来ていただきたいですね。例年春に運動会をやっていますので。 「みんなで同じ方向を向いて頑張れる」ということの背景には、もちろん先生の力も大きいのですが、保護者の皆さんの力も大きいと思います。学校に対して保護者がそっぽを向いてしまえば、子どももひねてしまうものですが、ここではそういう子が一人もいません。ご家庭の教育や後押しも良いのでしょう。「みんなが見守っていて、学校を応援している」という空気がとても感じられる地域ですし、それが子どもたちにも伝わっているのではと思います。ですから、今後も地域の皆さん、保護者の皆さんにとって、「誇りに思える学校」でありたいと日々思いながら学校経営をしています。

 

最後に、宮崎台エリアの魅力についてお聞かせください。

「あたたかく、爽やかな土地」だと思います。自然が豊かな環境ですし、静かなたたずまいがありますね。華やかな商業施設なども多くありませんから、とても落ち着いて生活できる、素晴らしい場所なのではないでしょうか。

 

校長

今回、話を聞いた人

川崎市立宮崎台小学校 校長 柏崎 京子 先生

住所 神奈川県川崎市宮前区宮崎3-18-2
電話番号:044-855-2410

www.keins.city.kawasaki.jp/school/original/ke207801.html

※記事内容は2013(平成25)年4月時点の情報です。

落ち着いた環境で育む「認め合う心・広がる笑顔」/川崎市立宮崎台小学校 校長 柏崎京子先生
所在地:神奈川県川崎市宮前区宮崎3-18-2 
電話番号:044‐855‐2410
http://www.keins.city.kawasaki.jp/2/ke20..

駅前のテニス・ゴルフ融合型インドア施設

テニス・ゴルフを通じて多くの人々に輝きのある生活を提供したい/阪急大井テニス&ゴルフスクール 支配人 田中博志さん


阪急大井テニス&ゴルフスクール 支配人 田中博志さん

 「テニス・ゴルフ」を通じて
多くの人々に輝きのある生活を提供したい

現在「大井町」駅前周辺は再開発が進んでいるが、その一環として2011(平成23)年にはビジネスホテルや商業施設などから成る複合施設「阪急大井町ガーデン」がグランドオープン。「阪急大井テニス&ゴルフスクール」はそこの4Fに位置するテニスとゴルフのスクールだ。しかしこちらのスクールが開業したのは、阪急大井町ガーデンができるはるか昔の1981(昭和56)年。リニューアル前の「阪急百貨店東京大井店」だった当時から、実に32年の歴史を刻む。

「大井町ガーデン」がオープンしたのは2011(平成23)年ですが、「阪急大井テニス&ゴルフスクール」はその前からあったそうですね。

大井テニス&ゴルフスクール

テニススクールのオープンは1981(昭和56)年、ゴルフスクールは1991(平成3)年です。その当時は阪急百貨店でしたが建物の老朽化に伴い建て直しとなり2008(平成20)年からテニススクールは一時閉鎖となり、ゴルフスクールは規模を縮小し営業を継続していました。 そして2011(平成23)年3月に現在の阪急大井町ガーデン内でテニススクール・ゴルフスクールともリニューアルオープンしました。

 

このスクールがある大井町という街はどんなところですか?

大井テニス&ゴルフスクール

昔ながらのお店と新しくキレイなお店があり、懐かしい雰囲気と洗練されたオシャレな雰囲気を併せ持っていて全体的には落着いた感じの街ですね。こちらの阪急さんがクローズしているときは駅前の人通りが少なくなりましたがリニューアルオープン後はとても多くの人で賑わうようになりました。阪急さんは50年以上前からこの大井町で営業されていましたからやはり阪急さんとともに栄えてきた街と言えるのではないでしょうか。また、大井町線、りんかい線、京浜東北線もあり何と言ってもアクセスがいいですからとても便利で住みやすい街だと思います。

 

こちらのスクールにはどのような方達が多く通っているのですか?

大井テニス&ゴルフスクール

テニス・ゴルフとも6:4くらいで女性、年齢では40代の方が多いですが3歳から80歳以上の方までと幅広くまさに老若男女いろいろな方が通われています。 外で遊ぶ機会の少なくなった子ども達の遊びの場として、働いている方には週一回のトレーニングの時間として、お母さんには子どもつながりとは違う同じ趣味を持った仲間とのコミュニティーとして、競技志向の方には技術向上のための練習の場として、皆様それぞれが様々な目的意識を持って通われています。

 

趣味が多様化しているなかでテニス・ゴルフの楽しさとはなんでしょうか?

大井テニス&ゴルフスクール

最近は色々な習い事があり何でも手軽に出来るようになりました。 フィットネスクラブなどでも多くのプログラムが用意され趣味が多様化しています。そんな中、テニス・ゴルフは1人では出来ませんから人とのかかわりができること。 会社、家庭、学校など日常のコミュニティーとは違う非日常の世界のなかで同じ趣味を持った仲間と出会い、楽しい時間を過ごすことができる。 またゲーム性があり身体を動かすだけでなく状況の変化に合わせて色々と考えること頭を使うことも楽しみの一つといえると思います。

 

こちらは大井町駅からすぐという立地的に素晴らしい場所で、室内で練習ができるという点も特徴です。室内の一番の良さはどんなところでしょうか?

大井テニス&ゴルフスクール

室内でできることをメリットに感じて入ってくる方は非常に多いです。やはり冬の時期でもこの中で運動をしていれば半袖短パンで思いきり汗をかけますから。あと女性ですと日焼けの心配もない。そして一番大きいのは、天候に左右されずに利用できること。

テニスであれば「雨降ったらコートは使えるのかな?」という日がありますよね。そういう場合でもラケットとシューズを持っていかなくてはいけないのは面倒ですし、練習できないのであればこんなに邪魔なものはない(笑)。でもうちの場合は確実にできます。

 

テニススクールは小さなお子さんが多く通われているとのことですがどのようなところが人気の理由なのでしょうか?

大井テニス&ゴルフスクール

親御さんが「エースをねらえ」などの影響でテニスをされていた方が多い世代でお子様と一緒にできたらいいなということと、子ども達も「テニスの王子様」や「ベイビーステップ」などの影響で始めたという方は多いと思います。 また、単なる「テニス」としてラケットでボールを打つだけでなく色々なボールを使いボール遊びの中でバウンドの感覚を身につけたりラダーやミニハードル、バランスディスクといったトレーニンググッズを使用し色々な身体の動かし方を身につけていきます。 そういった子どもの身体能力を伸ばす為のツールとしてのテニスを親御さんも理解してきていただけているのではないかと思います。

 

ゴルフスクールに通われる方は増えてきているのでしょうか?

大井テニス&ゴルフスクール

はい、増えてきています。石川遼選手や宮里藍選手のようなヒーローやヒロインが活躍していることや、中古クラブを扱うお店が増え、道具やゴルフ場のプレーフィーが以前よりも安くなってきたことの影響がかなり大きいと思います。以前より憧れのスポーツ、やってみたいスポーツに上げられる人気のあるゴルフでしたが、上記のような要因により実際に手の届くスポーツに変わってきているのではないでしょうか。

 

スクールに入校し始める場合、初心者でも大丈夫ですか?

大井テニス&ゴルフスクール

もちろんです。初心者で始められる方はとても多いですよ。そのためのスクールですから。 テニスもゴルフもここで始めて出来るようになって仲間も出来て外のコートやコースでプレー出来るようになって頂けたらうれしいですね。 我々の一番の願いはテニスやゴルフがお客様のライフスタイルに根付くこと。そして輝きのある生活を送って頂けることだと考えます。

 
大井テニス&ゴルフスクール

今回、話を聞いた人

阪急大井テニス&ゴルフスクール 支配人 田中博志さん

所在地:東京都品川区大井1-50-5
電話番号:03-3778-3344
http://www.hankyu-oi-tennis-golf.com/

※記事内容は2013(平成25)年3月時点の情報です。

テニス・ゴルフを通じて多くの人々に輝きのある生活を提供したい/阪急大井テニス&ゴルフスクール 支配人 田中博志さん
所在地:東京都品川区大井1-50-5 
電話番号:03-3778-3344
受付時間:7:30〜23:00(土曜日7:00〜23:00、日曜日7:00~19:30)
https://www.hankyu-oi-tennis-golf.com

1999年5月に市内で初めてできた子どもセンター

“温かさ”が一番の魅力/町田市子どもセンター ばあん 館長 笠原元恵さん


町田市子どもセンター ばあん 館長 笠原元恵さん

“温かさ”が一番の魅力
「町田市子どもセンター ばあん」

町田市金森にある「町田市子どもセンター ばあん」は、町田市内に3か所ある児童館のうちでも最初に開館した児童館で、つくし野、すずかけ台、成瀬など町田市南部の住宅地から多くの子どもたちが通ってくる。町田街道沿いにあるため、徒歩や自転車だけでなく、バスや車でも訪れやすく、横浜市、大和市、相模原市など遠方から訪れる人も多いということだ。そんな「ばあん」の館長を務めている笠原元恵さんに、人気の理由を伺ってみた。

まず、「ばあん」の概要についてお聞かせください。

ばあん 外観

こちらの「町田市子どもセンター ばあん」は、1999年5月5日に、町田市の中でいちばん最初にできた「子どもセンター」です。町田市では「子どもセンター」と言っていますが、いわゆる児童館ですね。市内にはほかに、鶴川に「つるっこ」と相原に「ぱお」があります。

児童館ですので、0歳から18歳までのお子さんが対象となっていまして、市内のお子さんをはじめ、どなたでも利用できます。ただし未就学のお子さんについては、保護者の方の同伴が必要になります。利用料等は基本的に無料で、10時から21時まで開館しています。また、放課後に小学校低学年の児童をお預かりする学童クラブの機能も持っています。 利用の割合としては、小学生のご利用が多いんですけれども、遅くまで開いているということもありまして、わりと中学生、高校生もご利用いただいています。

実際の日々の利用状況は、どんな具合なのでしょうか?

午前中は乳幼児とお母さんが見えて、お昼を食べて帰るような感じが多いですね。そのあと、幼稚園帰りのお子さんが増えて、放課後になると小学生が来るような流れです。小学生以下のお子さんに関しては、保護者同伴の場合は21時までご利用いただけるんですが、お子さん単独の場合は18時までとなります。

ばあん 体育館

遅い時間になると中高生の利用が増えまして、中高生は子どもだけでも21時まで利用いただけます。3階には「ろふと」というミニ体育館がありますので、そこでバスケットボールをしたりとか、ダンスの練習をしたりとか、という子が多いでしょうか。「放課後の居場所」として使ってもらっています。

 

利用される際には、まず最初に利用者登録をしていただいて、「ばあんカード」というカードをお渡ししています。このバーコードを入館時と退館時に読み取って、いつ来ていつ帰ったかということを管理しています。

館内のお部屋や設備について、簡単にご紹介ください。

ばあん

建物は3階建てになっておりまして、開放されているのは2階と3階になります。2階には入口と事務室のほか、「あとりえ」「せとる」「ちゃっと」というお部屋があります。

ばあん

「あとりえ」については料理と工作ができるようなお部屋になっています。お料理をする場合、材料は子どもたちで持ち込みになりまして、事務室で受付をすると、調理に必要な道具を貸し出してもらえます。また、月に1回のお料理教室もありまして、そちらについては実費のみご負担いただいています。
工作については、毎週工作教室がありまして、地域の方や保護者の方から提供していただいた廃材などを使って工作をしております。牛乳パックやペットボトルを使ったものが多いですね。普段は自由に使っていただけます。
「せとる」は多目的に利用できるお部屋で、畳のスペースが少しあって、そこでお昼などを食べたりもできますし、定例の茶道クラブで使ったりもしています。「ばあん」には学童クラブもありますので、その育成室としても使われています。

ばあん

「ちゃっと」というのは、雑誌とか子ども向けの絵本、小学生向けの絵本などが置いてあるお部屋です。自由に本を出して見ていただけますし、小学生などはおやつを食べながら自由に話したりしています。お部屋に置いてあるおもちゃはもちろん自由に使っていただけますし、それ以外のおもちゃもスタッフルームで貸し出しを行っていますので、カードと引き換えで貸し出すようにしています。ピアノを弾く子もたくさんいます。

「てらす」は屋外の遊び場で、3階から下るらせんの滑り台と上り棒があります。滑り台は幼児が、上り棒は小学生がよく遊んでいます。お部屋の名前がちょっと変わっていますが、これは館の建設準備の段階で、お子さんが交じってどういう建物でどんな遊びをしたいか、という検討委員会があったんですね。その中で、子どもたちがお部屋の名前も考えて決めたんです。

 

3階に上りますと、「ろふと」という体育館がありまして、こちらではバスケットボール、バレーボール、バドミントンなどをはじめ、一輪車なども楽しんでいただけます。折り畳み式のステージもありますので、映写会のイベントなども開催しています

 

「すたじお」は音楽の練習などをする個室で、中高生が利用できます。毎月2回、第2と第4の土曜日にスタジオ講習会というのを行っていて、利用されたい方はその講習会を受けてから、予約をしていただいて、ご利用いただけます。費用は一切無料です。

 

プログラムについて、何か特徴的なものがありましたらお教えください。

おはなし会、工作教室、リトミック(幼児向け)などを定期的に開催していますし、予約制になりますが、陶芸や料理教室なども行っています。いずれも外部の専門講師ではなくて、職員が対応していますので、気軽にご参加いただける内容となっています。

プログラムではありませんが、「子ども委員会」というのも月に何度か開いていまして、ここでは、施設のお祭りでどんな企画をやりたいかなどを、子どもたちで話し合って、実施・運営していきます。「ばあん」独自のイベントは年に3回ありまして、5月5日の「誕生祭」、8月の「夏祭り」、12月の「冬祭り」なんですが、そこでの催し物や、「ばあん」での決まりごとを考えたりしています

子どもたちと接する際、職員の皆さんが“心がけていること”があれば教えてください。

ばあん

ここでの決まり事なのですが、来た時には大きな声で「こんにちは」、帰る時には「さようなら」の声かけをしています。これは職員に関しても同じです。

また、「ばあん」では「けがと弁当自分もち」ということをお願いしていまして、基本的には子どもたちが自分の責任で、自分で考えて遊ぶ施設になっております。ですので、職員は基本的に子どもたちを「見守る」ということを意識しながらも、子どもたちに必要とされた時には、なるべく関われるように心がけています。

「ばあん」のスタッフは児童厚生員(遊びを指導する人)という立場でして、もともと保育士や幼稚園教諭、小学校教諭などの経験をされた方が多くいますので、その点は安心していただけると思います。

笠原さんから見た、このエリアの住み心地、魅力などを教えてください。

ばあん

私も館長に着任して間もないのですが、短い間でも、地域の人同士の関わりがすごくあることを感じています。地域のお祭りなどにも誘っていただいたり、もちろんこちらもお呼びしたりしていまして、本当に、地域の方に支えられているなあって思います。「ばあん」のお祭りでも、地域の方に沢山参加していただいていますし、「ばあん」の運営委員会にも、地域の方が参加してくださっています。そんな“温かさ”が一番の魅力です。

それから、小さなお子さんをお持ちの家庭にとって、こうした子どもセンターが近くにあるというのは、子育てのしやすさにつながるのではないでしょうか。学校も近くに沢山ありまして、特に目立ったところはありませんが、落ち着いて住みやすい場所だと思います。

ばあん 外観

今回、話を聞いた人

町田市子どもセンター ばあん 館長 笠原元恵さん

住所:東京都町田市金森4-5-7
電話番号:042-788-4181
開館時間:10:00~21:00
休館日:火曜日、祝日の翌日
URL:http://www.city.machida.tokyo.jp/kids/event/center/cc_01.html

※記事内容は2013(平成25)年4月時点の情報です。

“温かさ”が一番の魅力/町田市子どもセンター ばあん 館長 笠原元恵さん
所在地:東京都町田市金森4-5-7 
電話番号:042-788-4181
開館時間:10:00~21:00
休館日:火曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始(12/28~1/4)
https://kosodate-machida.tokyo.jp/mokute..

都内ではめずらしい「ホタルの見られる学校」、 家庭・地域との連携を大切にした教育環境づくり/大田区立矢口西小学校 校長 櫻井恍夫先生


大田区立矢口西小学校 校長 櫻井恍夫先生

都内ではめずらしい「ホタルの見られる学校」、
家庭・地域との連携を大切にした教育環境づくり

多摩川からもほど近い閑静な住宅地で、90年以上もの歴史を刻み、数多くの子どもたちを送り出してきた大田区立矢口西小学校。過去10年間ほどの間には学区内に高層マンションが幾つも竣工したことから、今や大田区内でも有数のマンモス校となっている。今回はこちらで校長を務められている、櫻井恍夫先生にお話をお伺いすることができた。

まず、矢口西小学校の概要についてご紹介をお願いします。

矢口西小

矢口西小学校は、1920(大正9)年、荏原郡矢口村立尋常小学校として開校してから、今年で93年目を迎えます。本校の前身は、1822(文政5)年に豊岡和潮(わちょう)が村人に懇願されて開いた豊岡塾でした。その後、金子家塾に継承され、現在に至っています。本校の礎は、江戸末期に築かれ、地域の子供は地域で育てるという意志が受け継がれています。

2013(平成25)年度、児童数は892名で大田区では2番目に大きな学校です。この背景には、多摩川沿いのマンションに引っ越してこられたお子さんが非常に多いということがあります。最も多いときには、1000人以上になりました。これからは、少し落ち着いていくのではないかと思います。学区は、下丸子と矢口の一部で、環状8号線から多摩川までの範囲です。

学校の教育目標についてお教えください。

矢口西小 児童集合写真

本校の教育目標は、「考える子」「感じる子」「きたえる子」の3つです。それは、今でも変わりません。「明るく楽しい学校」「安全・安心な学校」「きれいな学校」「規律ある学校」を大切に、子供たちと向き合っています。

一方で、「家庭で育ち、学校で学び、地域に生きる」という目標も持っています。最近は、こちらにも力を入れています。大田区では、今、「地域の力、教育力」を学校に生かしていこうと考えています。本校でもその指針に沿った教育をすすめています。「家庭、学校、地域」の3者が一つになった教育環境をつくりだそうということです。

大田区の学校では、地域の力で学校教育を支援していただく仕組みとして、「学校地域支援本部」というものを学校ごとに設置しています。本校でも、昨年度に設置されました。その兼ね合いもありまして、今後は家庭で育った子どもたちを学校で学ばせ、地域で生き生きと活躍させる、といったことにも力を注いでいきます。

「学校地域支援本部」とは、何をされる組織なのでしょうか?

矢口西小

「学校地域支援本部」とは、保護者や地域の方々の中からコーディネーターをお願いし、町会長さん、自治会長さんにも応援に入っていただいています。「学校で何かをやりたい」と言った時に、地域の方からゲストティーチャーやボランティアなどをお願いし、ご協力をいただくものです。

「学校地域支援本部」のことを私たちは「スクールサポート矢口西」と呼んでいます。たとえば、本校は1学年当たり4クラスまたは5クラスあります。地域の見学や行事などで校外へ出かける時なども担任の先生方だけでは大変です。そこで、保護者の皆様や地域の方に引率補助などをお願いして安全を確保させていただいています。これもスクールサポートの活動の一つです。

このほかにも、こま回し、けん玉、あやとりなど、昔遊びを教えていただくボランティア、地域の歴史を学ぶ授業のゲストティーチャー。図書の整理をしていただく「図書ボランティア」、外国語活動の授業のサポーターとして入っていただく「英語ボランティア」など、さまざまな形で関わっていただいています。今後は、パソコンのサポートボランティアなど、子供たちの教育活動を充実させる展開を予定しています。

保護者の方にとってはPTAとスクールサポートの2つに関わっていただいており、負担をおかけしてしまっているところもあります。「地域の方が持っている特別な知識や技術を学校教育のために生かしていく」という取り組みは、高い評価をいただいています。これからも地域の力をお借りしながら、学校経営をすすめてまいりたいと思います。

「ホタルの見られる学校」としても有名だとお聞きしました。

矢口西小 ホタル

はい。本校は都内でも数少ないホタルのいる学校です。敷地の一角にホタルを育てているビオトープがあるのです。出来上がったのは、5年前です。以前から、地域の方が子供たちにホタルを見せてあげたいという思いがあり、学校の敷地の一部でホタルを育てていました。その地域の人たちの願いを教育委員会が受け止め、ホタルのさとを造ってくださったのです。毎年6月から7月になると、源氏ホタルと平家ホタルが飛ぶようになります。ご近所の方はもちろん、遠方から毎年鑑賞会を楽しみにお出でくださる方がいます。

学習プログラム面での特色、特徴的な伝統やイベントなどはあるでしょうか。

矢口西小 しいの木

児童数の多い学校ですので、活動の場所や時間の確保などの理由から、特別な学習プログラムを組みにくい現状があります。区の施策となっている「習熟度別指導」や幼稚園・保育園との連携、近隣中学校や小学校との小中一貫教育などは、忠実に行っています。児童数が多いといろんな友達と知り合えますので、そんな点も本校ならではのメリットかなと思います。

イベントについても同様で、学級数が非常に多いので、活動する場所や時間もなかなか取りにくいのが現状です。羽田のあたりに出かけて行う「干潟体験」や、毎年6月に行われる「学びの森集会」などはユニークかもしれません。

特色ではないかもしれませんが、校舎の前にある“しいの木”は開校当初から学校のシンボルとなっているものでして、地域の皆様にも大事にしていただいています。学校のおたよりにも、「しいの木だより」という名前を使っているくらいですし、学校の通用門には「あんず門」「しいの木門」「さくら門」など樹木の名前が付いていて、子どもたちに親しまれています。

今後の学校経営の方針について、校長先生がお考えのところをお聞かせください。

矢口西小 ビオトープ

地域の方のご協力で「ほたるの里」も出来ましたし、こういったものを今後も大事に守り続けて、卒業生や地域の人にも、気軽に訪れてもらい、身近に感じてもらえるような学校にしたいですね。

また、近隣にキヤノンさんやイナバ物置さんなど、有名企業の本社もありますので、今後は企業さんとの新しい関係も築いていきたいと思っております。地域の方の力をお借りしながら、生かしながら、学校教育を特色あるもにできれば良いですね。

最後に、学区域になっている地域、西矢口の魅力について教えてください。

まず、交通の便が非常に良いですね。都心にも、横浜にも出やすくて、蒲田まで出れば東海道線も使えます。車でも環状八号線や第二、第三京浜もあり、どこに行くにも移動しやすい立地です。安全面でも、矢口西地域は青少年対策委員会の活動がさかんでして、子どもを見守る目がとても厚く、温かい地域だと思います。物騒な事件なども少ないですしね。

環境面では、近くには多摩川がありますし、街路樹などの緑も多くて、とても良いのではないでしょうか。街並みも落ち着いており、子どもたちも安全に通学できますし、周辺には住宅街も企業もマンションもあって、バランスの良い地域だと思います。

矢口西小インタビュー 校長先生

今回、話を聞いた人

大田区立矢口西小学校 校長 櫻井恍夫先生

所在地:東京都大田区下丸子1-7-1
電話番号:03-3759-9621
http://academic2.plala.or.jp/ygtne/

※記事内容は2013(平成25)年4月時点の情報です。

都内ではめずらしい「ホタルの見られる学校」、 家庭・地域との連携を大切にした教育環境づくり/大田区立矢口西小学校 校長 櫻井恍夫先生
所在地:東京都大田区下丸子1-7-1 
電話番号:03-3759-9621
http://academic2.plala.or.jp/ygtne/

いい教育は、保護者とともに。 「チーム立会」が子どもを育てる。/品川区立立会小学校 校長 星野豊さん


品川区立立会小学校 校長 星野豊さん

いい教育は、保護者とともに。
「チーム立会」が子どもを育てる。

1997年より全国に導入が広がった「公立学校選択制」だが、品川区は全国でもっとも早くこの制度を導入した自治体だ。そんな品川区の「大井町」駅徒歩7分に位置する「立会小学校」は学区外の児童が入学を希望する際、抽選を行うこともあるという。その背景にあるのは、星野豊校長が確立させた「チーム立会」という考え方だった。

品川区は学校選択制を採用してから今年で13年と、全国でも導入がかなり早いです。学校選択制の一番のメリットは何でしょうか?

"品川区立立会小学校

品川区の考え方は、いろいろな種類の学校を取りそろえ、保護者に選択してもらうということ。もちろん、保護者に選んでもらうということで、緊張感を学校に与えるという考えもあったと思います。 品川区はどんなに小さな学校でも統廃合をしないという方針で、先ほども申し上げたように保護者に選択していただくためにさまざまな進路を用意しています。

区全体としては小中学校の一貫教育を行っている学校が6校。そのほか区の中で小中学校が緊密に連携する学校、連携はしているけどもう少し自由に各学校の特色を出すという学校があります。また保護者の方も選択したからには、学校にもっと興味を持っていただいて、学校の教育に協力していただくという狙いもありますね。

 

「立会小学校」は入学時に抽選を行うこともあるそうですが、多くの保護者に選ばれる理由を教えて頂けますか?

品川区立立会小学校

理由は2つあると思います。ひとつは学力にきちんと目を向けて指導していること。要するに勉強をするのに落ち着いた環境づくりができているんですね。もうひとつは「立会小学校」独自の体験的な学習を気に入っていただいているのではないかと思います。

まず学力についてですが、基礎的な学力を育てるのは決して難しいことではないんです。一番大切なのは「きちんとした生活をする」ということ。いわゆる“早寝早起き朝ごはん”という、基本的なことがベースにないとダメ。そして「式や朝会できちんと並んで人の話を聞くこと」。これは授業にも、すごく影響します。がやがやしている中で授業をしても力はつかないですよね? 人の話をきちんと聞ける学級づくりをして初めて勉強ができるのです。

 

「立会小学校」では2009(平成21)年より学習のきまりやノートのとり方などを明確にして、全校で同じ方法で取り組む「立会スタンダード」をスタートさせました。それも学力向上につながっているのでしょうか?

品川区立立会小学校

もちろんです。「立会スタンダード」は簡単に言いますと、先生が全員同じ方針で同じように指導するほうが効率いいよね、ということ。先生によって方針が違うと、毎年新年度になると子どもが混乱します。そうなると、余分なエネルギーが必要になる。それよりも、違うところにエネルギーを使ったほうがいいですよね。

例えば「立会スタンダード」ではノートを取る方法、算数はマスの目の取り方まで決まりがあります。なぜかというと、先生のノート点検がすごく楽だから。学力をあげるには、ノート点検がすごく大事なんですよ。この子はどこまでわかっているか、ノートをみれば一目瞭然です。これで学習効率をよくすることができるし、子どもたちも先生も変なところでエネルギーを費やさなくてすむのです。

 

いわゆる「ゆとり教育」とは異なる方向性ですね。

品川区立立会小学校

立会小はこれまで「ゆとり教育」なんて1つもしていません。きちんとやることがゆとりであって、最初からゆとりの授業をやろうと思ってもできませんよ。どんな子どもでも最低限の学力を身に着けてもらうのが義務教育ですよね。そのためには、非常にきめ細かく授業をする必要があるんです。

苦手な子には個別指導をする一方、得意な子には次の課題を与え、それぞれに合った授業をする。僕はそれが真のゆとりだと思っています。すべての子どもたちにゆっくり教えることがゆとりじゃない。

 

そしてもうひとつ、「立会小学校」の特長に「独自の体験学習が豊富」という点がありますよね。具体的にはどんなことをやっているのでしょうか?

品川区立立会小学校

稲作やミカン狩り、あとは地元の商店街に協力していただき「お店当番」という授業もあります。変わっているものでは「1日東大生」という体験学習も面白いですよ。まず赤門前で東京大学の先生が出迎えてくれて、ちゃんと講義をうける。お昼には学食でカレーライスを食べたり、研究室に行ったり、安田講堂前で記念撮影をしたりと、1日東京大学で過ごすんです。そうするとね、子どもたちも東京大学はもちろん、勉強に関してもすごく関心を持つようになりますね。

 

こういった体験学習について、保護者の方からはどんな反応がありますか?

品川区立立会小学校

実はこれらの体験学習は、保護者も一緒に参加ができます。子どもと一緒に体験したいという保護者はすごく多いですね。田植えなんてやったことがない保護者もいっぱいいますから、生徒よりも保護者が興奮しています(笑)。 こういった体験学習に参加していただくと、保護者の方に普段の先生たちの苦労もご理解いただけますよね。

私たちは、保護者の方も我々と一緒の「チーム」だと考えているんです。これを「チーム立会」と名付けているんですけど、子どもを真ん中に置いて、教職員、保護者あるいは地域の方々が一つの輪になるイメージ。同じチームである以上、仲良くしなくてはいけないし、みんなで協力できることは協力してもらう。例えばマラソン大会にはマラソンボランティアがいます。ボランティアを保護者で募集すると、やってくれるんです。そのほかにも清掃ボランティアもあって、学校を時々掃除してくれるし、図書館の飾りつけや本の整理をする図書館ボランティアの方もいます。本当にみんなで力を合わせて盛り立ててくれているんです。

 

協力的な親御さんが多いんですね。保護者の方の特徴を教えていただけないでしょうか。

品川区立立会小学校

「立会小学校」の親御さんは、自分で学校を選択してここに来ているわけですよね。そうなると学校に対する期待度はものすごく高くなる。そういう方にとっては先生が一生懸命指導するのは当たり前のこと。その期待に応えるためにはこちらがよほど努力をしなくてはダメです。
でもその分、保護者の方の応援も多い。運動会なんて鈴なりですよ(笑)。この前の音楽会なんて子ども600人しかいないのに、親御さんだけで1000人が来ました。そのくらい皆さん子どもの活躍を見たいし、期待をしている。

あと現在、6年生が約100人いますが、その中で6年間虫歯になったことがない児童はどのくらいいると思います? そういう子は保護者がきちんと口の中をケアしていると言えると思うのですが、「立会小学校」ではその人数が50人を超えるんです。それだけ子どもに対して熱心な人が多い。給食費未納者もいませんし、教員も余計なことにエネルギーを費やさなくて済む。教員だけではなく、保護者も含めてみんなで教育の質を上げていこうという意識があるのです。

 
品川区立立会小学校

今回、話を聞いた人

品川区立立会小学校 校長 星野豊さん

所在地:東京都品川区東大井4-15-9
電話番号:03-3474-3424
http://school.cts.ne.jp/~tachiai/index.html

※記事内容は2013(平成25)年3月時点の情報です。

いい教育は、保護者とともに。 「チーム立会」が子どもを育てる。/品川区立立会小学校 校長 星野豊さん
所在地:東京都品川区東大井4-15-9 
電話番号:03-3474-3424
http://school.cts.ne.jp/tachiai/

教育の場としての幼稚園のあり方―神奈川県初の認定こども園/ゆりかご幼稚園 理事長・園長 荒井利夫さん


ゆりかご幼稚園 理事長・園長 荒井利夫さん

教育の場としての幼稚園のあり方―
神奈川県初の認定こども園「ゆりかご幼稚園」の取り組み

川崎市宮前区の小高い丘の上にある「ゆりかご幼稚園」。園名は、温かい家庭的な雰囲気が漂うことを願って名付けられたという。「ゆりかご幼稚園」の園舎は、大きな三角屋根のログハウス調の建物だ。園庭には、今まさに宇宙に向かって飛び立とうとしているような、スペースシャトルの遊具。
「幼稚園の教育が洗練されるに至るには、相当の年月を要しました」と、笑顔で語る園長の荒井利夫さんに、幼稚園についてお話を聞いた。

「ゆりかご幼稚園」は、夢がいっぱい詰まっている幼稚園ですね。

ゆりかご幼稚園

まず、正面には、青空に白金に輝く「ゆりかごドーム未来館」がそびえています。こちらは子どもたちが思い切り遊べる遊戯室であり、音楽ホールとしても最適で、耐震性も抜群です。また、屋根よりも高いところから滑り降りる「レインボースライダー」や、園庭に設けられたプラットホームに停車している「デンマーク製の駅舎と赤いトレイン」など、とっても楽しくて素敵な遊具があります。 さらに送迎バスは、緑の多摩丘陵を走る、赤い重厚感のあるSLバスが運行されています。またオリンピックで、サッカーのゴールキーパーとして出場した卒園生を記念して、ロンドンバスも加わりました。

幼稚園で最も大切にしているのは、どんなことでしょうか。

ゆりかご幼稚園

体力の強化を図るとともに、勇気、自信、そして慈愛の心を育成することを大切にしています。特に、言語文化と表現活動は、創立以来、重視しています。例えば園内には豊富な絵本が、本屋の店頭のように図書委員の手によって陳列されていて、園児は2冊を選び自宅に持ち帰って楽しみます。また、副園長により、総合放送で名作物語が朗読され、各クラスで園児はそれを鑑賞したり、放送からの音声を頼りにして、その物語の世界を辿ったりします。

年少、年中児は音楽劇、そして年長児は言語劇を宮前文化センターの舞台で演じます。また、四季折々をしっかり言葉で捉えるために、俳句を毎朝全園児で朗誦しています。

言語文化をさらに高めるために、音楽の広場を開いています。音楽の専門の先生によるピアノの音色にのせて園児が歌い、言葉の心情を捉えるようにしています。また、心と体がばらばらにならないように、リトミックも楽しみます。

教育の原点は「生きる力」を蓄えることにあると考えています。また、衝動的な行動に走らず、環境をしっかり把握して意志的行動が取れるようになることが目標で、何事も丁寧に対応する習慣を身につけることが大切だと思っています。情操性とは、知性の裏づけのある感情であり、芸術的情操性に限ったものではありません。文学的情操性もあれば、数学的な情操性もあります。

それを実践するために、どのような努力をされているのでしょうか?

ゆりかご幼稚園

優れた教職員をラインアップすることを重視しています。教職員の終礼では、各界で活躍されている方々のエッセイを輪読して、教養を高めています。「ゆりかご幼稚園」の授業は、引き付ける(エンターテイメント)、楽しさ(エンジョイメント)、そしてわくわく感(エキサイティング)の3Eを常に考えているからです。また、クラス担任は、人生経験の豊かな保護者に温かく包まれているため、本当に本園の教職員は恵まれていると思います。

「ゆりかご幼稚園」は、神奈川県第一号の認定こども園ということをお聞きしました。

ゆりかご幼稚園

平成18(2006)年に、教育基本法ならびに学校教育法が改定され、幼稚園教育の重要性が説かれて、条例化されました。そこで本園では「3歳になったならば、等しく幼児教育が受けられるべき」として、仕事をもつ父母の子育て支援として、認定こども園を幼稚園に併設しました。午前7時30分から9時、午後2時から6時30分までは保育を行い、午前9時から午後2時までは幼稚園となっています。仕事を持つお母さんと子育てに専念しているお母さんとの交流の機会もあり、お互いにより良い刺激となっているとのことです。

園では豊富な行事が行なわれているとのことですが。

ゆりかご幼稚園

ファミリーの集い、七夕コンサート、敬老の日のお手紙、運動会、作品展、おいも掘り、クリスマスコンサート、おもちつき、教育発表会、縄跳び大会、そして卒園記念遠足やクラス対抗サッカー試合など、多々あります。私も行事に参加しますと、しみじみ子育ての尊さと喜びに包まれることがあります。

授業中に、印象的な言葉で表現をなさっていますね。

ゆりかご幼稚園

「天才にはなれずとも準天才にはなれる。」最初に耳にした方々は、何を言っているのだろうと思われるようです。ところが、お子さんの大きな成長を実感するにつれ、この言葉を理解してくださるようになります。言葉の力はすごいです。毎日唱えていると、「なれるかな」から「なるぞ」に意識が変わってきます。お母さんには「毎日、新記録を出しましょう」と話をしています。いつもより10分早起きができた。にんじんも食べられた。あの子とも仲良しになれた。これらはすべてその子の新記録なのです。毎日新記録を樹立していく子どもたちはすばらしい存在です。

子どもを持つファミリー世代の方々にメッセージをお願いします。

幼稚園が出来たころ、ここは田園風景が広がる自然環境に恵まれていました。今は住宅地になっていますが、のんびりした雰囲気はそのまま残されています。幼稚園と学校との交流もなされており、相互の行事に参加しています。小学校は熱心な取り組みがなされており、年々ますます進化しています。新たに転居されてこられるご家族は、お子さんが幼稚園、小学校というコミュニティーに入ることで、新たな友だちもできて、地域との繋がりもできます。転居されるにあたって、教育環境をしっかりリサーチして、納得できる環境で子育てしていただきたいと思っています。

ゆりかご幼稚園

今回、話を聞いた人

ゆりかご幼稚園
理事長/園長 荒井利夫さん

所在地:神奈川県川崎市宮前区犬蔵1-19-16
電話番号:044-977-1623
http://home.c06.itscom.net/yurikago/

※記事内容は2013(平成25)年3月時点の情報です。

教育の場としての幼稚園のあり方―神奈川県初の認定こども園/ゆりかご幼稚園 理事長・園長 荒井利夫さん
所在地:神奈川県川崎市宮前区犬蔵1-19-16 
電話番号:044-977-1623
http://home.c06.itscom.net/yurikago/

笑顔、喜び、楽しさいっぱいの保育園/KEYAKIDS(ケヤキッズ) みらいキッズ有限会社代表 石川康代さん


KEYAKIDS(ケヤキッズ) みらいキッズ有限会社代表 石川康代さん

笑顔、喜び、楽しさいっぱいの保育園
「KEYAKIDS(ケヤキッズ)」

「松戸」駅の西口から徒歩で3分ほど。大通り沿いのビルにある駅前型の認可外保育所「KEYAKIDS(ケヤキッズ)」は、子どもたちの“工作教室”から始まったという異色の経歴をもつ私立保育園。子どもたちの才能をのびのび伸ばしたい、という時代のニーズにマッチして、近年人気を増しているという。今回は工作教室の生みの親であり、現在も園の代表として現場に立ち続ける石川康代さんにお話を伺った。

子どもたちがとっても元気ですね。工作教室から始まった園ということですが、その生い立ちについて教えていただけますか?

Keyakids松戸インタビュー

「KEYAKIDS」はもともと工作教室として2001(平成13)年にスタートしたものが始まりです。私自身、それ以前は幼稚園教諭をしていたんですが、幼稚園は一斉保育ですから、カリキュラムに沿って、ある程度決められたことをやるいというものでした。それはそれでいいんですけれども、子どもの発想はすごいですから、私としては、その部分をもっと膨らませてあげられたらいいな、という思いがありまして、工作教室を開いたんです。

そうしましたら、保育園が不足しているということもあって、たくさんの子どもたちが来るようになりまして、そのうち「午後もやってほしい」「土曜日もやってほしい」などの要望も、保護者の方から上がってくるようになったんですね。だったらちゃんと登録して、保育園にしようと思いまして、2006(平成16)年から今の形、認可外の保育園になりました。

「KEYAKIDS」ならではの特長はどんな点なのでしょうか

Keyakids松戸インタビュー

やはり、「工作教室の特色を残した保育園」というのが一番だと思います。子どもたちが自分で廃材などの材料を見つけて、工作を始めることができるんですね。材料は家庭から持ってくるものもありますし、保護者の方が「これは使えるんじゃないか」ということで持ってきてくださったものもあります。そこから子供たちが自分で使いたい材料を見つけて、工作に使います。

ですから、他の園から移ってきた子などは、「何を作っていいの」とか、「やっていいんですか?」など、最初はちょっと戸惑ってしまうこともありますけど、すぐに、どんどん自由にやっていくようになります。もちろん通常の保育園の活動もしますから、そこにプラスして、工作をやっている感じですね。工作を通して、チャレンジして実行することの喜びを感じてもらうとともに、「創造性に富んだ自立能力」を伸ばしていければと思っています。

認可外保育園というのは行政からの補助金が出ないので、設備などは認可園と比べて少し落ちるとは思うんですが、その分やりたいようにやれますから、思いっきり“自分たちが目指す理想の保育”に向かって頑張っております。

スタッフの皆さんはどのような方々なのでしょうか

Keyakids松戸インタビュー

工作と同じくらいに「人選」にもこだわっていまして、採用の時にも、「人間性が豊かで、子どもたちが気遣いなく付き合えて、子どもの楽しさのために情熱を注げる人」だけを採用していますので、素晴らしいスタッフが揃っています。こういう成り立ちの保育園ですから、自然とそういう人が興味を持って集まってくるんですね。スタッフの熱意の高さもまた、園としていちばん自信があることころです。

子どもたちに接する際、特に心がけている点などを教えてください

Keyakids松戸インタビュー

スタッフ共通の認識として、ご家庭の代わり、お母さんの代わりになって、なるべく子どもたちがのびのびできるように、環境や関係を作るように心がけています。大切なお子さんを「預ける側」「預かる側」と捉えるのではなくて、スタッフと保護者の方がお互いによく理解し、協力しあって、一丸となって子どもたちを育んでいければ、と考えています。

保育園の機能として、変わったところなどはありますか?

Keyakids松戸インタビュー

基本的な部分は保育園ですので、朝の7時から夜の8時までの保育に対応していますし、一時保育も行っています。年齢は1才から5歳まで、定員は約80名となっています。

午前中は運動、歌、リトミックなど基本的なカリキュラムがあり、給食と昼寝をはさんで、午後に自由工作の時間があります。また、毎日「輝きの時間」ということで、保育室内や公園の清掃作業もしていたり、定期的に図書館に出かけたりもしています。

利用コースに関しては保護者の方の声を生かして体制を作ってきましたので、週5・6日の基本コース、月に5時間、10時間、20時間など時間単位で利用するコース、月に10時間から150時間まで、自由に時間を組めるランダムコースなど、きめ細かな時間設定をしていただるようになっています。

利用されるのは近隣の方がほとんどですか?

Keyakids松戸インタビュー

もちろん徒歩圏内、自転車圏内の方が半数以上なのですが、「松戸」駅から徒歩すぐという立地なので、それ以外にも「松戸」駅で途中下車をして預けられる方や、他の駅のエリアから車で来て、保育園の近くの1日パーキングに駐めて、園に寄ってから出勤される方もけっこういらっしゃいます。

園のイベントとしては、どのようなものがあるのでしょうか

イメージ画像

やはり工作を中心としていますので、毎年夏に行われる“作品展”には力を入れています。お部屋の中全体を遊園地やプレイランドのような雰囲気に飾って、保育士も自分たちのコスチュームを作ってお迎えしますので、子どもたちも保護者の方も、楽しんでいただけると思いますよ。ほかにもお楽しみ会、親子イベント、ハロウィン、クリスマス、おもちつきなど沢山のイベントがあります。10月には「まつど祭り」のYOSAKOIにも参加していますし、イベントは多いほうだと思います。

松戸の魅力について教えてください

Keyakids松戸インタビュー

私自身も松戸で生まれ、松戸で育ってきましたが、とにかく本当に便利なところですね。交通の便はすごくいいですし、お店や公的機関が駅の周辺にまとまっていますので、小さなお子さんを連れたままでも、いろんな手続きがしやすいです。必要なものは全部、「松戸」駅の周りで揃ってしまいます。

その一方で、駅前からちょっと歩けば江戸川にも出られますし、自然にも触れやすい環境だと思います。「KEYAKIDS」でも日々の散歩で「平潟公園」や江戸川に行ったりしています。すごく地元の方との交流がありますから、そんなところも楽しいと思います。「KEYAKIDS」でも市民まつりや、近くの松戸神社の祭りにも参加せていただいています。地元の方にも本当にかわいがっていただいて、子どもに温かい土地柄ですね。

便利で自然もあって、人も温かくて。松戸はずっと長年住んでいる自分にとっても、とても住みやすい街です。

  Keyakids松戸レポート

今回、話を聞いた人

KEYAKIDS(ケヤキッズ)

みらいキッズ有限会社代表
石川康代さん

住所:千葉県松戸市本町12-12
電話番号:047-308-0554

※記事内容は2013(平成25)年2月時点の情報です。

笑顔、喜び、楽しさいっぱいの保育園/KEYAKIDS(ケヤキッズ) みらいキッズ有限会社代表 石川康代さん
所在地:千葉県松戸市本町12-12 中山ビル2F
電話番号:047-308-0554
http://www.hellomatsudo.com/0473080554/

教育の要素も盛り込む地域子育て支援拠点

子供に寄り添い、地域と共に歩む/社会福祉法人長尾福祉会「どりーむ保育園」園長 田中陽子先生


社会福祉法人長尾福祉会「どりーむ保育園」
園長 田中陽子先生

子供に寄り添い、地域と共に歩む

「新川崎」駅から歩いて5分の場所にある川崎市民間認可保育所「どりーむ保育園」。社会福祉法人長尾福祉会が運営する複合福祉施設「サポートさいわい」の中に誕生した「どりーむ保育園」は、保育士や保護者だけでなく、地域の方や障害者といった多くの人との“繋がり&関わり”を大切にしたアットホームな保育園です。30年に渡って保育士として子供たちと寄り添ってきた園長の田中陽子先生に、「どりーむ保育園」の魅力をお話していただきました。

「どりーむ保育園」はいつ開所されたのでしょうか?

どりーむ保育園

「どりーむ保育園」は2007(平成19)年の4月に複合福祉施設「サポートさいわい」のオープンと一緒に開所しました。0歳児から5歳児まで約120名の子供たちが、毎日元気に遊んでいます。 私たち保育士は園の基本方針を守りつつ、それぞれ違う子供たちの個性を丸ごと受け入れながら園の目標に向かって、園児や保護者の皆さんとともに進んでいます。

■「どりーむ保育園」の基本方針■
・落ち着いた温もりのある環境の中で、一人ひとりの心を大切にしながら基本的な生活習慣と安全な成長の基礎を培う
・さまざまな人との関わりを通して、心身ともに健康で思いやりがあり意欲的に行動できる子どもを育てる

 

園生活の1日を教えてください。

どりーむ保育園

開所時間は月曜日から金曜日まで7:00~20:00(土曜日は19:00まで)。通常保育は18:00までで、18:00以降は延長保育になります。延長保育の子供には園内で調理した捕食が出ます。 7:00から順次登園が始まり、午前中は天気が悪くないかぎりは外遊びで体を動かします。

園庭は乳児クラスと幼児クラスで分かれて使っているので、安心しながらダイナミックな外遊びをすることができます。たまに乳児&幼児混合で遊ぶこともあり、そんなときは上の子供が下の子供の面倒を見るなど、微笑ましい場面も。園庭だけではなく、周辺をお散歩したり、保育園の裏に「夢見ヶ先動物公園」があるので遊びに出かけたりと、園外に出て子供たちに刺激を感じてもらうことも大事にしています。

どりーむ保育園

給食は園内調理で、メニューは川崎市の公立保育園の食事と同じです。食べるときは子供だけ先に食べて保育士は別室で…はよくあるケースですが、「どりーむ保育園」では幼児クラスの場合、保育士も子供と一緒のテーブルに座ってお昼ごはんをいただきます。保育士の食べる姿や準備後片付けの様子からマナーを学び、楽しい会話をすることでコミュニケーションにもつながりますので。

昼食後はお昼寝の時間。就学を控えた5歳児も卒園まで「休息の時間」を設けています。幼稚園と違って保育園は長時間保育。ずっと体を動かしっぱなしだと疲れてしまうので、お布団の中で眠らないにしても、横になってゆっくり体を休めることは大事なことなのです。お昼寝から目覚めたら、おやつの時間。パンの日は「おいしい!おかわり!」と評判の障害者支援パン工場のパンが提供されるので、子供たちも大喜びなんですよ。

行事の中で定期的に開催されている「お楽しみ集会」とは?

どりーむ保育園

2ヶ月に一度「お楽しみ集会」を開催しています。保育士がコンサートを開いたり、劇をしたり、毎回趣向を凝らしたアイデアを保育士たちが練って子供たちに披露しています。また、クラスを縦割りにしてゲーム大会をしたりと、園児参加型のプランも好評です。「お楽しみ集会」は、子供はもちろん保育士にとってもいい経験になっているので、今後も定期的に開催していきます。

「体操教室」「こども美術教室」など、カリキュラムも充実していますね。

どりーむ保育園

月に一度、「体操教室」「こども美術教室」の時間を設けています。体操も美術も専門の先生を招いているので本格的ではありますが、各カリキュラムを学ぶことが目的ではないのです。何事も「経験して心を育てる」ことを大切にしているので、体操や美術ができるできないは関係ありません。体を動かす楽しさや、作品を作って内側から表現する素晴らしさを、園児に「体感」してほしいと思って始めた教室です。

複合福祉施設「サポートさいわい」について教えてください。

どりーむ保育園

「どりーむ保育園」(1階&2階)と障害者福祉サービス施設「セルプきたがぜ」(3階が一緒になった複合福祉施設が「サポートさいわい」です。障害をもった方やさまざまな方の出入りがあるので、保育園に通う園児も「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」など、会う人会う人に挨拶をしてコミュニケーションを取っているので、人との関わりに恵まれた環境だと思います。

保育園のすぐ隣には、障害者自立支援活動の場として「かふぇ あんてろーぷ」があります。軽食やデザート、飲み物が提供されるこのカフェは子連れでも気兼ねなく入ることができるので、いつも賑わっています。保育園のおやつで提供される園児の大好きな「パン」もここで食べられます。

一時保育や地域子育て支援センターも地域の方に好評のようですね。

どりーむ保育園

保育園の2階が一時保育「ぱんだ」専用ルームです。週3日程度の就労や、緊急時、出産、リフレッシュなどの目的で利用されています。1日の受け入れ人数は12名で、1歳6ヶ月から未就学児童を対象としたサービスです。保育園と違って毎日訪れる子供が違うのと、初めての場所に不安を感じる子供もいるので、一時保育「ぱんだ」の保育士は公立保育園出身のベテラン勢を揃えて万全の体制で保育をしています。安心してご利用くださいね。

地域子育て支援センター「かんがるー」は、地域の子育てママの集いの場です。おもちゃや絵本がたくさんある「ふれあいスペース」で遊んだり、子育て相談や栄養指導、育児や子供の健康に関する講座、絵本の読み聞かせイベントなど、催しもたくさん行われています。核家族化が進む現代なので、このような地域子育て支援センターで積極的に交流をはかってほしいと思います。

「どりーむ保育園」は子供や保護者、地域の中でどんな存在でありたいですか?

どりーむ保育園

子供を預ける、預かるだけの保育園ではなく、うれしいことも悩みも気軽に話し合える雰囲気作りを心がけています。保護者だけが子供を育てるわけではないと思うのです。親が、保育士が、地域の皆さんが子供に寄り添いながら共に考えて子育てしていけるサポートを、保育園として行っていきたいですね。小さい頃からたくさんの人と関わるなかで子供は大きく成長しますから。

どりーむ保育園

今回、話を聞いた人

社会福祉法人長尾福祉会「どりーむ保育園」
園長 田中陽子先生

所在地:神奈川県川崎市幸区北加瀬1-31-5
電話番号:044-580-3020

※記事内容は2013(平成25)年1月時点の情報です。

子供に寄り添い、地域と共に歩む/社会福祉法人長尾福祉会「どりーむ保育園」園長 田中陽子先生
所在地:神奈川県川崎市幸区北加瀬1-31−5 
電話番号:044-580-3020
定員:120名
入園対象:生後5ヵ月~就学前
開園時間:7:00~20:00
http://www.nagaof.jp/dream/index.html

散歩気分で気軽に来ていただきたいですね/ワカバウォーク 広報担当・吉野信宏さん


三菱商事都市開発株式会社
広報担当 吉野信宏さん

「ワカバウォーク」の特徴と若葉エリアの魅力とは

東武東上線「若葉」駅の東口に直結し、若葉エリア最大のショッピングタウンとして親しまれている「ワカバウォーク」。その特徴とお薦めのショップ、若葉エリアの魅力について、同施設をマネジメントする三菱商事都市開発(株)の広報担当・吉野信宏さんにお聞きしました。

まず、「ワカバウォーク」とはどんな施設なのでしょう

ワカバウォーク

「ワカバウォーク」は2004年にオープンした“オープンモール型”のショッピングセンターで、57のテナントショップ(インタビュー当時)で構成されています。「ウォーク」という名前にあるとおり、「散歩気分で気軽に来てもらえる場所」をコンセプトにしています。「若葉」駅東口とデッキで直結し、1,200台以上を収容する広い駐車場も備えているなど、通勤・通学で駅を利用する人々にも、車で移動する地元住民の皆様にも使いやすい点が特徴です。

実際の利用スタイルを教えてください

ワカバウォーク

スーパーマーケットの「ヤオコー」が核店舗となっているので、デイリーに利用される地元のお客さんが中心です。毎日、もしくは一日おきに訪れて、食料品を買ったついでに、店内を散策するスタイルが多いですね。駐車場は1時間まで誰でも無料、買い物によって最大3~4時間まで無料になりますので、ゆっくりと見ていただけます。また、近隣に大学や高校が多いので、放課後以降の時間帯は学生さんも多いです。

週末は広場でイベントやコンサートを行っており、キャラクターショーから市民団体・学生サークルのコンサートなどさまざまな催しがあります。イベント内容によっては、無料でご利用ができますので、何か発表会をしたいと言うお客様も非常に多くいらっしゃいます。

どんなジャンルのショップが入っていますか

シネプレックスわかば

日用品、雑貨、デイリーファッション、100円ショップ、フードコート、医療モールなど日常生活に密着したテナントを数多く揃えながら、「アカチャンホンポ」や「スタジオアリス」など、若葉に引っ越してきたばかりのヤングファミリー層のニーズにも応えています。県西部では珍しいシネコン「シネプレックスわかば」も、広い範囲に集客力を持つ人気施設です。

吉野さんの個人的な“お薦めショップ”は?

pres-ami(プレス・アミ)

2010年にオープンした「pres-ami(プレス・アミ)」などは面白いと思います。書店の丸善さんが手がける初の“ファンシー雑貨と文具店”の業態で、ワカバウォーク店は全国1号店になります。地元の小中高生をはじめ、OLさんや主婦層にも大人気ですよ。

「ワカバウォーク」の“プチ自慢”を教えてください

ワカバウォーク

開業から2011年で7年になりますが、売り上げを右肩上がりで維持しているのが自慢です。また、郊外のショッピングセンターは一般的に平日と休日のギャップが大きいのですが、当施設は平日でも多くの方にご来店いただいています。これもデイリー中心の品揃えにした効果だと思います。

吉野さんが思う「若葉に暮らすメリット」を教えてください

若葉はベッドタウンとして新しく整備された街なので、学校と住宅が中心で治安が良く、子ども達だけでも安心して外出させられます。「ワカバウォーク」はその中心にある駅前商店街のようなもので、健全で安心な、地域ぐるみの子育てを応援しています。

三菱商事都市開発(株)の広報担当・吉野信宏さん

今回、話を聞いた人

三菱商事都市開発株式会社
広報担当 吉野信宏さん

ワカバウォーク
住所:埼玉県鶴ケ島市富士見1
電話番号:049-272-5210
http://www.wakaba-walk.com/

※記事内容は2011(平成23)年5月時点の情報です。

散歩気分で気軽に来ていただきたいですね/ワカバウォーク 広報担当・吉野信宏さん
所在地:埼玉県鶴ヶ島市富士見1-2-1 
電話番号:049-272-5210
営業時間:10:00~21:00 ※一部店舗により異なる
https://www.wakaba-walk.com/

煉瓦の新駅舎と駅前モールで有名に

若葉駅の“隠れた秘密”をご紹介します/東武東上線若葉駅 若葉駅長 金子豊さん


東武東上線若葉駅 若葉駅長 金子豊さん

若葉駅の“隠れた秘密”をご紹介します

駅西口側の大規模な住宅開発が進み、注目を集めている鶴ヶ島市若葉エリア。今回はその中心である東武東上線「若葉」駅の駅長・金子豊さんに、「若葉」駅の特徴と“若葉のお薦めスポット”を伺いました。

西口の美しいファサードが印象的ですが、その他にもいろいろと、駅の“隠れた秘密”を教えてください

若葉駅西口

もともと「若葉」駅は1979年に開業したのですが、当初から今のように、2階の歩道橋側がメインの入口となっていて、利用者は歩道橋を渡って道路の反対側へ降りるという造りでした。最近ではこのような駅も増えてきましたが、30年以上も前から、「若葉」駅はずいぶん未来的な駅だったわけです。学生が多いという地域の特性もあったのでしょうね。

若葉駅太陽光発電システム

鶴ヶ島市と坂戸市の境界にある駅なので、駅舎は坂戸市、駅を出ると鶴ヶ島市という点もかなり珍しいと思います。あとは、太陽光発電もしているので、実はとっても“エコな駅”でもあります。

駅を利用されるのは主にどんな方でしょうか

ワカバウォーク

「若葉」駅の利用者は、平日が主に「ここから都心方面に通勤する方」「若葉駅周辺の企業や工場に訪れるビジネスの方」「通学で若葉に来る学生の方」に3分されます。朝夕は学生で活気に満ちていますし、昼間はスーツ姿のビジネスマンや、お子さま連れの地元の方が多いです。

休日に駅を利用される方は特に多く、平日の2倍以上にもなります。特に「ワカバウォーク」などを目当てに来られる学生の方やファミリー層が多いようですね。

2004年の西口開業以来、周辺の宅地開発が盛んになっていますが、街や人はどのように変わっていますか

若葉駅東口

西口開業にともなって、東西の連絡通路が出来た効果が大きく出ていると思います。西口から通勤・通学される方は年々増えていますし、東西の街のつながりも出来ました。これから西口側はどんどん発展していくでしょうね。

若葉駅改札

東武東上線沿線はまだまだ畑が広がるエリアも多いので、開発の余地は十分にあると思います。今後もより多くの皆様に暮らしていただき、東武の駅を利用していただければと思います。

最後に、「若葉」駅近くのお薦めスポットを教えてください

聖天宮

少し歩きますが、工業団地の先にある「聖天宮」は台湾風の宮殿で、見ごたえがあります。ポピーの咲く5月ごろが特に人気ですね。徒歩で20分くらいのところにあり、聖天宮まで行ったらそのまま越辺(おっぺ)川まで足を延ばして散策するのも楽しいです。東武鉄道では「駅長会ハイキング」など沿線の皆さまとのふれあいイベントを恒例行事にしているのですが、越辺川をハイキングコースにした回は大好評でした。

東武鉄道東松山管区副管区長・金子豊さん

今回、話を聞いた人

東武鉄道株式会社 若葉駅

駅長 金子豊さん

若葉駅
所在地:埼玉県坂戸市関間4-13-1
電話番号:049-284-1133
URL:http://www.tobu.co.jp/station/info/7403.html

※本記事の情報は2011(平成23)年5月時点のものです。

若葉駅の“隠れた秘密”をご紹介します/東武東上線若葉駅 若葉駅長 金子豊さん
所在地:埼玉県坂戸市関間4-13-1 
電話番号:049-284-1133
https://www.tobu.co.jp/railway/guide/sta..