大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”/街カフェ 大倉山ミエル 鈴木智香子さん インタビュー


街カフェ 大倉山ミエル
発起人 鈴木智香子さん

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”

大倉山の駅前を東西に貫く目抜き通りの中ほどにある「街カフェ 大倉山ミエル」は地元に暮らす有志がボランティアで運営しているタウンカフェ。

「ミエル」とは「蜂蜜」を意味する言葉で、その名の通り、大倉山で採取された蜂蜜を使ったメニューを提供するカフェとして始まり、雑誌などで何かと話題に上ることも多い。
いっぽうで、店内には地元在住のクリエイターや主婦らが制作した小物やアクセサリーなどが並ぶ「BOXショップ」がおよそ40個も並んでおり、地域密着型カフェとしての側面も見せている。店内でさまざまなカルチャー講座も行われており、訪れた日に行われていたのは、歌を楽しみながら絵本を読み聞かせる「おはなしカフェ」。

今回はその様子と、カフェの発起人である鈴木智香子さんへのインタビューでお届けしよう。

立ち上げまでの経緯を教えていただけますか?

私は20年近く前から大倉山に住んでいたのですが、家族の転勤で一時的に札幌に移り住んでいました。当時私は建築士として働いていましたので、街づくりにも興味があり、札幌市の公園を市民参加で作ろうというワークショップに参加したんです。
でも、そこに集まったのは、私以外の全員が行政関係や事業関係者だったんです。愕然としまして、「これからは私達市民が街づくりの中心に立たなければ」と思い始めたのはその頃からです。

そして2007年に大倉山に戻ってきまして、札幌で立ち上げていた「公園遊び会」をモデルに大倉山でも同じような活動を始めました。それが2009年には「大倉山文化村」という地元女性5人のグループになりまして、そこでは今のような各種講座をはじめ、イベントやコンサートなども行っていたのですが、拠点となるような「場所」が無いことにもどかしさは感じていました。

その頃、「コミュニティカフェ」という動きが全国的に広がっていまして、同じ横浜市内の港南台にも「港南台タウンカフェ」が出来て話題になっていたのですが、これを見に行った時に「大倉山にもこんなカフェが出来たら」と思ったものでした。
港南台タウンカフェは、大倉山ミエルを立ち上げる時のモデルにもさせていただいています。

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そんな折に、大倉山のエルム商店会さんから「地元産の蜂蜜を売るアンテナショップを持ちたいと思っている」という話がありまして、「じゃあコミュニティカフェを作って、カフェとして運営していったらどうでしょう」と商店会さんに提案しました。

その後は横浜市の商店街総連合会さん、横浜建設業協会さんの協力も取り付けられまして、「ヨコハマ商建連携事業大倉山プロジェクト」のひとつとして「大倉山ミエル」が生まれました。2010年12月のことです。
商店会は蜂蜜を宣伝したくて、私達はタウンカフェを作りたくて、その両方の希望を担ったカフェというわけです。

「タウンカフェ」とはそもそもどういう場所なのでしょうか?

「タウンカフェ」は税金や補助金で運営しているカフェではありません。

特徴は収益構造が明確で、自立的で継続可能なスタイルを取っていることにあります。地元の人、モノ、資金で運営するという点も特長です。

収入はもちろんカフェの売り上げが大きいのですが、これは材料費やカフェスタッフの人件費に充てられますので、家賃などの固定費は店内におよそ40ある「BOXショップ」の収益でほぼ賄っています。

「BOXショップ」はどんな仕組みなのでしょうか

こちらは地元の在住の作家さんやクリエイターさんなどが中心となって、作品や手工芸などを展示即売しているスペースですが、月ごとの設置費と、売り上げから一定割合の金額を頂いています。

オーナーさん自身で定期的にメンテナンスをしていただくので、オーナーさんもカフェのお客さんになるという仕組みです。飛ぶように売れるものではないのですが、月額は3千円程度ですので、カフェへの維持協力費という感覚で、参加されている作家さんにも楽しみながら利用していただいてます。

地元の人々が、自分達の居場所としてカフェを認識してくださっているということですね。

カフェの商品、料理について教えてください

ひとくちに「タウンカフェ」と言っても料理を提供しないカフェもあるのですが、「ミエル」はもともと軽飲食を提供するカフェを想定していました。

大倉山産蜂蜜のアンテナショップという意味合いもあるので、カフェでは地元産の野菜や蜂蜜を使ったメニュー、例えば蜂蜜プリンなどを提供しています。

「蜂」に関連させて、ランチタイムには888円のランチプレートも提供しています。
商品としての蜂蜜は、そもそも生産量が少ないので今は菊名産の瓶蜂蜜しかありませんが、大倉山産の蜂蜜が並ぶこともあります。

各種講座に参加するにはどうすれば良いでしょうか

カフェではほぼ毎日のように手作りワークショップや、英会話講座、IT講座、文章講座、子ども向けイベントなどの企画や講座が行われています。

これは地元の講師が地元の方向けに行っている講座ですので、内容は色々と幅広いですが、ホームページに詳しいカレンダーを掲載していますので、そちらで毎月の講座内容はご確認ください。

参加申し込みはメールからも可能です。
講座を開催している時間でも、お客さんが来ればいつでもお茶を飲んでいただけます。

カフェや各種講座以外の活動もあるのでしょうか

近隣で行われるいろいろなイベントへの協力も行っていまして、これは「ミエル」が応援するというよりは、ここに集まって繋がった人たちが協力するというものですが、例えば商店会主催の七夕イベント、ハロウィーンイベント、芸術祭などに参加・協力をしています。

その他にも「保育ボランティア」といって、お子さんがちょっと大きくなられた方に、保育つき講座の保育を担当していただいたりしています。

これらのイベントは、今まで商店会や地元の団体でいろいろと企画はされているんですが、やはり企画側の平均年齢が高く、話題性や若い力を求められていて、ミエルでは「やりたい」と手を挙げてくださるメンバーの後押しをする形で、イベントに新しい風を吹き込んでいこうと思っています。

地域の皆さん、主に若いお母さん方やシニア層の方々には、何らかの形で「地域につながりたい」という思いを持っていらっしゃる方がとても多いですから、いずれ「商店会主催のイベント」ではなく、「街ぐるみの参加型イベント」ができていけば良いと思っています。

今後の「大倉山ミエル」の方向性を教えてください

私もその一人ですが、大倉山は引っ越してきた人が多い街なので、新旧の住民同士が繋がる機会というのは、これまで少なかったと思います。

「地元」という意識が薄い住民と、高齢化する既存住民や商店会が互いに孤立していましたし、子ども達もまた、地域の大人と接触する機会がありませんでした。

一方で、「街のために何かを始めたい」と思う人々も多かったのですが、そんな人々に機会を提供する「場」も、これまではありませんでした。

「ミエル」はこういったミスマッチを結びつけるために作った「新しい居場所」ですので、ここを拠点にして、街を盛り上げるいろんな企画が立ち上がっていけばと思います。
もちろんそれにはカフェ自体が継続することが必須ですから、私は継続可能な収益構造を作れるよう、日々努力をしています。

今ではお陰さまで黒字に転換し、コミュニティカフェのモデルケースのひとつとして、遠方からの市民グループが視察に来てくださるようになりました。

今後も”人と人とのつながり”を大切にしながら、大倉山の魅力を市民の手で発信していけたらと思います。そうすることで、大倉山に誇りを持ち、「いつまでも住み続けたい」と思う人が増えればいいですね。

今回、話を聞いた人

NPO法人街カフェミエル代表
鈴木智香子さん(すずき・ちかこ)さん

カフェの立ち上げ人であり、運営から渉外までほとんどを一人でこなす。以前は建築士として活躍していたが、現在はカフェの仕事に専念。大倉山商店会街づくり担当役員の肩書きも持つ。

NPO法人街カフェミエル http://cafemiel.jimdo.com/

ふれあいと学びで育つNPO運営の認可園

地域密着型の保育園で子どもの「ありのまま」を大事にする/認可保育園 ケンパ高田 園長 肥後さとみさん


認可保育園 ケンパ高田
園長 肥後さとみさん

地域密着型の保育園で
子どもの「ありのまま」を大事にする

2011年4月に、横浜市の認可保育園として開園した「ケンパ高田」。園児数60名という適切な規模で、「高田」駅から徒歩わずか3分、住宅街に位置する地域密着型の保育園だ。今回はケンパ高田の園長であり、現役保育士であり、2児のママでもあるという肥後さとみ先生にお話を伺った。

まず、「ケンパ高田」について教えてください

認可保育園 ケンパ高田

もともと、三鷹市に本部を置くNPO「ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会」という団体がありまして、ここはその3つ目の保育園となります。「ケンパ」はもともと理事長のおばあちゃんの自宅を利用した保育ルームとして始まったんですが、そのあと若松河田や西馬込、ここ高田と完成しました。

高田は2011年4月に開園した施設で、ケンパで初めての「認可保育園」でもあります。今年4月には「三鷹台」駅前に「ケンパ井の頭」も開園し、グループで合計5の保育園を運営しています。
ちなみにケンパという名前は、昔のように「ケン・ケン・パ!」ができる路地裏を取り戻そう、という思いを込めて付けられたものです。

ケンパには「民族・国籍・宗教・文化・しょうがい・発達・さまざまな違いを認めあって“今”を共有したい」という大きな理念があります。「アーツセラピー」の手法を取り入れた心理学に基づく教育を行っていまして、比較、評価、分析をされない「ありのままのこども」を大事にしています。

園の特徴は、どんな点でしょうか

認可保育園 ケンパ高田

そうですね、ひとつはきれいで新しい施設ということでしょうか。スタッフはいつも笑顔で子どもたちに接するよう心がけているので、保護者の方からも「笑顔がいいですね」という声はよくいただいています。

カリキュラムの特徴としては、外国人の先生が常駐していることが特徴的です。これは外国語の勉強のため、という側面ももちろんあるのですが、外国の文化を自然に感じてもらったり、「世界にはいろいろな人がいる」ということを小さい頃から身近に感じてもらいたいという思いもあります。

外国人の先生はALT(外国語指導助手)と呼ばれているのですが、ALTの先生はM&M(Music & Movement)という、音楽に合わせて歌ったり踊ったりという活動を主に担当しています。あとは、毎朝のイングリッシュタイムという時間もありまして、簡単な単語や自分の名前を英語で言えるようにしています。

認可保育園 ケンパ高田

また、施設の内装には木をふんだんに使っていまして、暖かみを感じられるようにしています。保育室は基本的に裸足なのですが、冬でも床暖房なしで温かく感じられるほどです。
川がそばにありますので、静かで風も心地いいですし、大きな道からも遠いので立地としての安全性が高いです。

園児たちの1日のスケジュールを教えてください

認可保育園 ケンパ高田

みなさんだいたい8時ぐらいから登園してきまして、9時半ぐらいに「クリーンナップ」というお片付けの時間が始まります。10時ぐらいには庭で遊んだりクラフトをしたりします。

そのあと給食があって、13時から15時まではお昼寝、起きたらおやつ、「M&M」の時間があって、16時半ぐらいからまた遊びながら、お母さんのお迎えを待ちます。毎日の活動の様子はブログ「ケンパ高田保育日誌」でも公開していますので、ぜひご覧ください。

保育師の皆さんはどんな先生方でしょうか

認可保育園 ケンパ高田

もちろんほかの園での勤務経験がある人もいますし、非常勤の先生も多いんです。
非常勤の先生はお子さんのいる「ママさん先生」がほとんどです。男性スタッフや外国人スタッフもいます。

あとは、ご近所の方が「ぜひお手伝いさせてください」ということで先生になられている方もいらっしゃいますので、地元の細かな情報も入ってきます。
私自身は新宿の自宅から通っていますので、地元の先生方にはとても助けられています(笑)。みなさん笑顔の素敵な先生ばかりですよ。

保育園に入るための条件・費用について教えてください

認可保育園 ケンパ高田

横浜市の認可保育園ですので、まずは区に申請をしていただく必要があります。

お仕事の時間や年収などいろいろな条件がありますので、まず申請してもらうことが第一ですね。保育園は0歳から6歳までと年齢が幅広いですから、定員は1歳あたり10名ほどで、兄弟枠なども考えるとなかなか狭い門かもしれません。費用に関しては就労時間や世帯収入で異なってきますので、区役所でお問い合わせください。

受け入れ年齢や預かり時間などについて教えてください。

認可保育園 ケンパ高田

現在は、0歳から5歳児までを保育していまして、59名が在籍しています。定員は60名です。この辺りは大きな保育園も多いので、それほど大きな規模ではないかと思います。0歳児の受け入れは、産休明けからお預かりしています。

基本保育時間は8時30分から16時30分までですが、長時間保育を利用して、7時30分から18時30分まで利用する方も多くいらっしゃいます。園は20時半までスタッフがいますので、急な残業などで遅くなった場合も安心です。土曜日の延長保育は18時半までです。

また、一時預かりも可能です。まず必要書類に登録いただく必要はありますが、1ヶ月ほど前に予約を入れていただければ利用は可能です。ただ、各クラス1名枠分しかありませんので、希望日が決まったら早めにご予約ください。

ママ友同士のつながりも期待できますか?

認可保育園 ケンパ高田

そうですね、高田はやはり外から引っ越していらっしゃった方が多い土地ですので、皆さんお友だちを求めていらっしゃると思います。

幼稚園と違ってお迎えの時間はバラバラですので、お母さん同士で一緒になることはあまり多くないですけれど、クラスイベントなどを通じてお母さん同士もすごく仲良くなっていらっしゃいますよ。

クラスイベントとはどんなものでしょうか

認可保育園 ケンパ高田

クラスの中に運営委員というのがありまして、場所や日程を決めて、イベントを企画するというものです。土曜日や日曜日を利用して、近くの公園に出かけて、お父さんもお母さんも一緒になってイベントをやってもらっています。園の庭でお弁当を持ち寄って食べたり、クッキングをしたりというクラスもありました。

そのほかにも運動会はもちろん、サマーフェスタ、クリスマス会、ハロウィンパレードなど園としても四季折々のイベントを開催しています。

今後の展望や、高田エリアの魅力についてお聞かせください

認可保育園 ケンパ高田

まだ1年目なので手探りなのですが、この辺りにはほかの幼稚園や小学校なども多く、横のつながりもありますので、小学校の児童に来てもらったりと、交流も深めていければと思っています。

私は長く新宿区で暮らしているのですが、高田エリアの皆さんは都心と比べて本当に温かいですね。ご近所の方が散歩中などにも気軽に声をかけてくださいますし、七夕イベントの時などは、笹の葉を持ち寄ってくださったりもしました。私の経験ではそのような前例があまり無かったので、びっくりしましたね。子どもに対する地域の目がとても優しいのだと思います。

高田に住んでいるママ先生に聞いても、ご近所同士のつながりが良く残っている地域で、例えば風邪で具合が悪いときなどに料理を作って持ってきてくれたりと、とても良くしてくださる方が多いそうです。大人に対する助け合いの心も生きていますから、子育てもしやすいと思いますよ。

今回、話を聞いた人

ケンパ高田 園長 肥後さとみ先生

学校を卒業後、幼稚園に4年間勤務。結婚で退職後2児の母となる。現在は大学生の息子と高校生の娘。子どもの手が離れてからは、民間企業の保育ルームで保育の仕事に戻り、6年間の勤務後ケンパに入社。新宿で勤務ののち、2011年からケンパ高田の園長となった。

ケンパ高田
住所:神奈川県横浜市港北区高田東4-17-17
電話番号:045-540-0400
ホープページ http://kenpa-lca.jugem.jp/
ブログ http://kenpatakat.exblog.jp/

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

地域密着型の保育園で子どもの「ありのまま」を大事にする/認可保育園 ケンパ高田 園長 肥後さとみさん
所在地:神奈川県横浜市港北区高田東4-17-17 
電話番号:045-540-0400
定員:60名
入園対象:産休明け~就学前
開園時間:7:00~20:30(土曜日は18:30まで)
休園日:日曜日、祝日、年末年始
https://cgi.city.yokohama.lg.jp/kodomo/h..

高田エリアの地域包括支援センター

親子のスキンシップを大切にしつつ、 育児のストレスも解消/リズム遊び親子サークル プリン リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん


リズム遊び親子サークル プリン
リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん

親子のスキンシップを大切にしつつ、
育児のストレスも解消

リズム遊び親子サークル プリン

「高田」駅から5分の場所にある「高田地域ケアプラザ」で、元気な声を響かせながらリズム遊びを楽しむママと子どもたち。
今回は、1ヶ月に2回のペースで活動している、リズム遊び親子サークル「プリン」にお邪魔して、サークルの立ち上げから関わってきたという、講師の千野先生にリズム遊びの魅力を伺った。

ここは普段は、高齢者のデイサービスを主に行っている社会福祉法人が運営するケアプラザ。その2階にあるレクリエーション室を借りる形でサークルは行われている。

リズム遊び親子サークル プリン

グループは1歳児と2歳児に分かれていて、通常は別の時間で活動しているが、訪れた日は一緒に活動する日。「海」をテーマにしたいろいろなリズム遊びに、子ども達もママ達も笑顔で楽しんでいた。

活動時間はおよそ45分間。経験豊富な千野先生のリードで、子どもたちはどんどん想像の世界に入り込んでいく。車に乗って、海に向かって、準備運動をして・・・。海に出て、浮き輪につかまって、海の底にもぐって、海の生き物と一緒にエアロビクス。

楽しい時間はあっという間に感じられるようで、ぐずったり泣き出したりする子はひとりもいない。最後にはみんなでお片付けをして、先生にバイバイ。子どももママもみんな、訪れた時よりもずっと笑顔になって帰っていった。

活動後、このサークルの講師であり、リズム遊びをリードする千野千枝子先生にお話を伺った。

サークルの活動内容について教えてください

リズム遊び親子サークル プリン

「プリン」には2つのグループがありまして、1歳児が「Iグループ」、2歳児が「IIグループ」となっています、1歳になれば入れますので、年度の途中で入る方もいらっしゃいますよ。

活動はいつもこのケアプラザで行っていますが、ここでは同じように私が講師をしている、幼稚園児を対象にした「プリズム」というサークルもありますので、幼稚園に入ったらぜひいらしていただければと思います。現在、「プリン」のメンバーは「Iグループ」が11組、「IIグループ」が12組です。

「プリン」はどのようにして生まれ、育ってきたのでしょうか。

リズム遊び親子サークル プリン

「プリン」というサークル自体ができたのは1999年のことです。最初は私の第一子が1歳だったころに、お友だちと一緒に「何か楽しいことをやるサークルを作りましょうか」ということで始めたものでした。
当初はメンバーのお母さんが担当制でいろいろな企画をするというもので、何年目からか私の担当の回にリズム遊びを始めたんですが、そのうちに、周りのお母さんから「月に1回のペースでやってほしい」という声が挙がってきて、毎月1回はリズム遊びをするようになったんです。

リズム遊び親子サークル プリン

何年かするとお母さんたちのニーズも変わってきて、「リズム遊びだけのサークルとして活動をしてみましょう」、という流れになったんですね。今から3年ほど前のことでしょうか。

その後徐々に問い合わせが増えまして、今では月に2回、リズム遊びを行うサークルとして「プリン」は活動しています。

ただ私自身はもう子どもも大きくなっていますので、「プリン」の運営は現役のお母さんに任せて、私は講師として呼んでいただいています。

テーマ設定は毎回変わるのでしょうか

リズム遊び親子サークル プリン

今回は7月なので「海」がテーマになっていましたが、季節ごとにテーマは変わっていきます。ちなみに今日はみんなで大きな波を起こしたかったので、「Iグループ」と「IIグループ」の合同で行いました。

活動内容は年ごとに少しずつ変えていく予定で、連続して参加してくださっている皆さんにも、より楽しんでもらえるように考えています。

 

リズム遊び親子サークル プリン

小物も積極的に使っていまして、お子さんには毎回ビニールホースで作ったフープと鈴を持ってきてもらいます。
今回は海に遊びに行く車をフープで表現してみました。その他にも、こちらで用意したスカーフも使ったり、イメージをふくらませながら遊んでいきます。

リトミックとリズム遊びの違いは何でしょうか

リズム遊び親子サークル プリン

私個人の考えでは、リトミックだけでなく、わらべ唄、ダンス、楽器遊びなどさまざまな音楽遊びを総称して、リズム遊びと呼んでいます。

リトミックは想像力、表現力、聴く力、集中力が養われるすばらしい音楽教育です。私も専門的に勉強してきました。幼稚園児向けのサークルではリトミックを多く取り入れていますが、未就園児対象の「プリン」では何よりも「親子のスキンシップ」を一番大切にしたいと思っています。

スケジュールと費用について教えてください。

リズム遊び親子サークル プリン

活動日は火曜日か金曜日のどちらかです。2ヶ月前に日程が決まりますので、その都度、メールでお知らせしています。費用については、参加費として、毎月1,200円を頂いています。体験の場合は500円となります。その他、フープや鈴に関しては実費をいただいています。

入会は、私のEメールに一度連絡をとっていただければと思います。体験の受け付けはブログ内で行っています。また、対象は未就園児の親子となっています。今は人数にも少し空きがありますし、近くの方はぜひお気軽にご参加ください。

ママさん方は何を期待されて入るのでしょうか

リズム遊び親子サークル プリン

育児は楽しい半面、ストレスがたまることもあります。ストレスの解消法もいろいろあって、子どもをパパに預けて一人で出かけてみたり、公園でママ同士でおしゃべりしたり。

でも「親子で思い切り遊ぶ」という方法も、とても良いストレス解消になるんです。ママであることを楽しめる時間にもなりますし、ママが笑っていれば、きっと子どもにも楽しい時間になるはずです。

子どもが1歳2歳の時期は、私も経験したので分かりますが、子育ての中でもいちばんかわいい時期で、大変な時期でもあります。でも過ぎ去ってみると、その時期というのはとても短いものだったなあ、とも思います。

だからお母さん方にはこの素敵な時間を、リズム遊びなどを通じて、わが子を思い切りかわいがって楽しく過ごしてほしいですね。「あとで気が付いてみれば、音感やリズム感も身についていたな」というのが私の目指しているところです。

最後に、高田エリアの住み心地、魅力を教えてください

リズム遊び親子サークル プリン

私は6年前まで高田に居まして、高田はとても静かで落ち着いていて、穏やかな気持ちで暮らせる場所だと思いました。

ショッピング施設が充実したセンター北や日吉にも出やすいですし、第三京浜のインターチェンジ「都筑」が近いことも大きな魅力です。都心や三浦方面に出やすく、車を持っていれば、もっといろんな楽しみが広がります。ゆったりとのびのび子育てをするなら、ピッタリの地域だと思いますよ。

今回、話を聞いた人

リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん

 

リズム遊び親子サークル プリン
会場:高田地域ケアプラザ
会場住所:神奈川県横浜市港北区高田西2-14-6
活動日程:毎月2回、9:50~10:50(1G)、10:50~11:50(2G)

リズム遊び親子サークル プリンブログ
http://rizumuasobi.blog58.fc2.com/

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

親子のスキンシップを大切にしつつ、 育児のストレスも解消/リズム遊び親子サークル プリン リズム遊びインストラクター 千野千枝子さん
所在地:神奈川県横浜市港北区高田西2-14-6 
電話番号:045-594-3601
開館時間:9:00~21:00(日曜日、祝日は17:00まで)
休館日:第1月曜日、年末年始
http://www.ryokuhokai.or.jp/~takada/

放課後を楽しく有意義に過ごそう!/キッズベースキャンプ大倉山 店舗マネージャー 梅澤奈津子さん


キッズベースキャンプ大倉山
店舗マネージャー 梅澤奈津子さん

放課後を楽しく有意義に過ごそう!

「キッズベースキャンプ」(以下KBC)は、東京都と神奈川県の東急沿線に16店舗(2012年現在)を構える、小学生専門の民間学童保育施設。
KBC大倉山は大倉山駅から徒歩1分もかからない商店街沿いのビル2階にあり、放課後の時間帯になると周辺の小学校から次々と子どもたちが集まってくる。

今回はKBC大倉山のマネージャーであり、ベテランキッズコーチである梅澤奈津子さんと、本部広報の三沢敦子さんに、KBCの人気の理由についてお話を伺った。

「KBC」の概要と特徴について教えていただけますか?

KBCは小学生の児童を放課後や長期休みの期間にお預かりする施設です。

一般的に「学童クラブ」や「放課後児童クラブ」などと言われる施設と同じものですが、その運営の形には「公設公営」、「公設民営」、「共同保育」など幾つかのケースがありまして、KBCは完全に民間の施設となります。

行政の補助金などを受けていないため費用は他に比べて高いですが、クオリティの高いサービスを提供することで、「子どもに少しでも有意義な放課後を過ごさせたい」という保護者のニーズに対応しています。

ちなみにKBCの主な利用者層となる小学生低学年児童の場合、授業で過ごす時間は年間1,200時間です。それに対して、放課後、土曜日、長期休みに過ごす時間はおよそ1,600時間もあるんです。ですから、放課後の時間というのは、子どもにとって大事なものなんです。

公設の学童クラブですといろいろと不便な点や融通が利かない点があり、例えば横浜ですと、夕方の6時には終わってしまいます。保育園の時には遅ければ22時ごろまで延長保育があったのに、小学校入学を境にぐっと短縮されてしまうわけですね。
ですから、都内などで働いている保護者の場合はお迎えが間に合わず、働き方の変更を迫られる方も多くいらっしゃいます。これを含むさまざまな問題は「小1の壁」と呼ばれていまして、共働き世帯にとって大きな問題となっています。

そういったワーキングマザーの声を踏まえたうえで、KBCでは「サービス」「プログラム」「キッズコーチ」の3本柱に重点を置きながら、きめ細かなサービスを提供しています。

「サービス」の面ですが、預かり時間、利用できる日数などを教えてください

まずお預かり時間ですが、KBCでは基本的には19時まで、最長で22時までお預かりをしております。19時から22時までは延長オプション料金になります。

毎日延長を利用される方というのはまずいらっしゃらないんですが、週に1日、月に1日など、仕事がどうしても終わらない日などに対応できますので、いざという時にも安心です。

利用日数についても融通が利くようになっておりまして、初期登録をすれば、利用日数は月ごとに決められます。基本的には週1日のコースから週5日のコースまで選んでいただけまして、これを月ごとに更新していきます。1回も利用しない月が生じても大丈夫です。
仕事の忙しい月には週5日、忙しくない月には週1日、などといった具合ですね。

定期的に使われない方は「スポット」という利用の方法もありますので、1回来て登録していただければ、月に数日だけ、夏休みの期間だけなどという利用も可能です。

安全面での配慮、セキュリティ対策について教えてください

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当施設は学校の中にある公営学童クラブとは違いますので、各学校からKBCまで通っていただく必要があります。

道中で事故があってはいけませんので、提携する幾つかの小学校からKBCまでの間は送迎バスを運行しています。
バスが到着するまでは、各学校の学童クラブで待機してもらいます。

送迎対象校ではない学校のお子さんに関しては、ご自身でご入室いただくか、オプション送迎を利用していただいています。
ちなみに、大倉山KBCに通うお子さんはほとんどが公立の送迎対象校の児童さんです。

もちろん私立小学校や、送迎対象外の公立校の方もいらっしゃいますので、最初は送迎を数ヶ月使って、その後は自分でで通われるというケースもあります。
帰宅に関しては送迎はオプションとなっておりますが、大倉山KBCは駅も近いですから、お迎えに来られる保護者がほとんどです。要望があれば自宅の最寄りの駅や、自宅前まで送迎するサービスもしております。もちろん、保護者に直接引渡しをするまで責任をもって同行します。

日常的な安全に関しては、お子さまが本当に入室したか、退室したかということを保護者様に確実にお知らせするために、ICカードを使った入退室時の自動メール配信を行っています。
また、月に1回の避難訓練も実施しています。

急病の際には、スタッフが付き添って医療施設まで同行します。
公営施設では対応できない、学級閉鎖や臨時休校の際の受け入れ対応もしております。

「プログラム」の内容について、具体的に教えていただけますか

KBCでは塾などで教えてもらえる「学力」ではなく、「社会につながる人間力」、つまり、コミュニケーション能力や、論理的な思考方法など、「数字では測れないようなもの」を伸ばすことを大切にしていまして、日常的なプログラムと、イベント的なプログラムをバランスよく配置することで、子ども達を飽きさせず、楽しく過ごせるようにしています。

特徴的なプログラムとしては、お金と社会について学ぶ「キッズMBA」、「KBCマナー&生活技術」、「世界を知ろうKBCイングリッシュ」、「エコボラキッズ研究所」、「化学実験教室」、農業体験「KBCファーム」、「アート工作」、「食育・歳時記・クッキング」などがあります。

クリスマス、ハロウィンなど季節のイベントもありますし、友達の誕生日をお祝いするバースデーパーティーもあります。

夏休みには2泊3日の「サマーキャンプ」も恒例になっていまして、子どもたちの夏の楽しみのひとつになっています。共働きですと両親と一緒にキャンプに行く機会も少ないですから、子どもたちには貴重な体験のようです。
その他にも、大使館を訪問したり、水族館のバックヤードにお邪魔したりといった「お出かけイベント」が幾つもあって、普段はなかなか出来ないような体験をプログラムとして組み込んでいます。

また、年に1回、16か所のKBCが合同で開く「KBCタウン」というイベントがありまして、ここでは「キッズMBA」で学んだ知識と生かして、自分達で作った商品を擬似マネーで売買します。2011年度には1,500名以上の来場者がありました。

昔は家族が大人数でしたし、近所に色々なコミュニティもあり、公園でも自由に遊べ、都会にも放課後を過ごす”居場所”はありました。でも、共働き・核家族時代の今はそうもいきません。
本当は小学校時代に沢山の体験をさせることが大事なんですけど、結局は家でテレビゲームをしたり、一人で過ごすということになりがちです。

一方で保護者の側も、学童保育に頼ることに対して、「自分のキャリアのために子どもを預けなくてはいけない」という”罪悪感”を抱いている方が多いようです。

そこを「子どもが行きたいと言っているから行かせている」という風に、発想を転換していただければ、気持ちよく預けていただけるのではないでしょうか。

そんな願いが、私達の「プログラムの充実」という方針にもつながっています。

KBCではスタッフさん方を「キッズコーチ」と呼んでいますが、
これはどのような方々なのでしょうか

KBCでは「人材の育成と配置」という点にとても気を遣っていまして、公設の施設だと大人1人に対して子ども数十人という配置が一般的なのですが、KBCは「大人1人に対して子ども10人」という独自基準を設けています。また、イベントで屋外に出る時などリスクが高まると思われる時には、7人に1人の割合にしたりと、ケースごとにコントロールしています。

「キッズコーチ」というのはKBCの現場スタッフのことで、弊社の登録商標でもあります。
現在、日本の保育関連業界は採用倍率が1倍以下の”広き門”になっているのですが、KBCキッズコーチの採用倍率は約30倍という難関でして、優秀な皆さんが多数応募されてきます。

その中には保育師、幼稚園教諭、小学校教諭などの資格を持っている人も多くて、KBCの立ち上げ当初はそういった周辺資格を持っている方を優先して採用していたのですが、最近は「資格よりも経験、経験よりも人柄」という基準で採用していまして、色々な職歴をもったキッズコーチが在籍しています。

キッズコーチは採用決定後、上級救命講習を受講して、育成目的やコーチ倫理、行動規範を完璧に講習し、初めて子どもたちの前に立つことができます。キッズコーチの平均年齢は20代後半と若いですから、子ども達にも「親しみやすい」と好評です。

学童保育は人材が何よりも大切です。
KBCでは学童保育業界の全体を底上げしたい、という願いもありまして、自社基準の独自資格制度なども設けて、日々より良いキッズコーチの育成と、サービスの向上に努めています。

KBCでの1日の流れを教えてください

1日の流れとしては、だいたい午後2時から3時ごろに学校が終わりますので、学校内で送迎バスを待ってKBCに来て、まず最初に宿題を終わらせるようにします。

宿題は基本的に自分で解いてもらって、間違いを正すようなことはしていません。聞かれたらキッズコーチがお手伝いをするような感じです。

その後、短いおやつの時間があって、自由時間になります。ここを基地にして塾や習い事に通う子も多いですね。自由時間の途中で塾や習い事に出かけて、また帰って来て、道具を置いて帰宅するといった具合です。

実は公営の学童クラブだと「中抜け禁止」という施設がほとんどですので、それが可能な点も、KBCが選ばれる理由のひとつになっています。

帰り時間が遅くなった場合の食事はどうしているのでしょうか

時間延長となった場合や、夏休みなどの1日預かりの場合は、スタッフが調理する「キッズミール」をオプションとして提供しています。
使っている食材も生協などから調達した安心・安全が保証されているもので、栄養バランスにも考慮しています。時間延長の際や夏休み期間に利用される方が多いですね。

公営の場合は長期休みでも昼食は無く、弁当持参となりますから、働くお母さん方にはかなりの負担軽減になっているようです。

新しい友人関係も広がりそうですね

KBCでは色々な小学校の子ども達が集まって、学年の違いも関係なく過ごしますので、他校の友達、学年の違う友達が沢山できると思います。これも普段の学校生活ではなかなか得られないところではないでしょうか。

公設の施設ですと、基本的には放課後も同じ学校の友達同士ですが、キッズベースキャンプだとそれがリセットされますので、友達の環もぐっと広がります。

最後に、大倉山の住みやすさのポイントや、
お薦めスポットなどがあれば教えてください

大倉山は都心にも横浜にもアクセスが良くて、働きながら子育てをするには適した町だと思います。公園の数も多いですね。駅のすぐ裏の大倉山公園には、KBCのプログラムでもよく出かけています。

あとは、住んでいる方の年齢層が幅広くて、駅前の商店街通りにいろいろな店があるのもいいですね。どの世代の人でも馴染みやすい街だと思います。
商店街のお店ではパン屋さんの「トツゼンベーカーズキッチン」や、和菓子「わかば」のカフェオレ大福や、ラーメン屋さん「摩天楼」がお気に入りです。

いまは周りにはマンションも沢山できていますから、これからもっと活気のある街になっていくと思いますよ。

今回、話を聞いた人

キッズベースキャンプ大倉山 店舗マネージャー
梅澤奈津子(うめざわ・なつこ)さん

株式会社キッズベースキャンプ 広報・マーケティング担当 マネージャー
三沢敦子(みさわ・あつこ)さん

キッズベースキャンプ大倉山 http://www.kidsbasecamp.com/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

地元住民が気軽に集まれる場所

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”/大倉山ミエル 鈴木智香子さん


街カフェ 大倉山ミエル
発起人 鈴木智香子さん

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”

大倉山の駅前を東西に貫く目抜き通りの中ほどにある「街カフェ 大倉山ミエル」は地元に暮らす有志がボランティアで運営しているタウンカフェ。

「ミエル」とは「蜂蜜」を意味する言葉で、その名の通り、大倉山で採取された蜂蜜を使ったメニューを提供するカフェとして始まり、雑誌などで何かと話題に上ることも多い。
いっぽうで、店内には地元在住のクリエイターや主婦らが制作した小物やアクセサリーなどが並ぶ「BOXショップ」がおよそ40個も並んでおり、地域密着型カフェとしての側面も見せている。店内でさまざまなカルチャー講座も行われており、訪れた日に行われていたのは、歌を楽しみながら絵本を読み聞かせる「おはなしカフェ」。

今回はその様子と、カフェの発起人である鈴木智香子さんへのインタビューでお届けしよう。

立ち上げまでの経緯を教えていただけますか?

私は20年近く前から大倉山に住んでいたのですが、家族の転勤で一時的に札幌に移り住んでいました。当時私は建築士として働いていましたので、街づくりにも興味があり、札幌市の公園を市民参加で作ろうというワークショップに参加したんです。
でも、そこに集まったのは、私以外の全員が行政関係や事業関係者だったんです。愕然としまして、「これからは私達市民が街づくりの中心に立たなければ」と思い始めたのはその頃からです。

そして2007年に大倉山に戻ってきまして、札幌で立ち上げていた「公園遊び会」をモデルに大倉山でも同じような活動を始めました。それが2009年には「大倉山文化村」という地元女性5人のグループになりまして、そこでは今のような各種講座をはじめ、イベントやコンサートなども行っていたのですが、拠点となるような「場所」が無いことにもどかしさは感じていました。

その頃、「コミュニティカフェ」という動きが全国的に広がっていまして、同じ横浜市内の港南台にも「港南台タウンカフェ」が出来て話題になっていたのですが、これを見に行った時に「大倉山にもこんなカフェが出来たら」と思ったものでした。
港南台タウンカフェは、大倉山ミエルを立ち上げる時のモデルにもさせていただいています。

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そんな折に、大倉山のエルム商店会さんから「地元産の蜂蜜を売るアンテナショップを持ちたいと思っている」という話がありまして、「じゃあコミュニティカフェを作って、カフェとして運営していったらどうでしょう」と商店会さんに提案しました。

その後は横浜市の商店街総連合会さん、横浜建設業協会さんの協力も取り付けられまして、「ヨコハマ商建連携事業大倉山プロジェクト」のひとつとして「大倉山ミエル」が生まれました。2010年12月のことです。
商店会は蜂蜜を宣伝したくて、私達はタウンカフェを作りたくて、その両方の希望を担ったカフェというわけです。

「タウンカフェ」とはそもそもどういう場所なのでしょうか?

「タウンカフェ」は税金や補助金で運営しているカフェではありません。

特徴は収益構造が明確で、自立的で継続可能なスタイルを取っていることにあります。地元の人、モノ、資金で運営するという点も特長です。

収入はもちろんカフェの売り上げが大きいのですが、これは材料費やカフェスタッフの人件費に充てられますので、家賃などの固定費は店内におよそ40ある「BOXショップ」の収益でほぼ賄っています。

「BOXショップ」はどんな仕組みなのでしょうか

こちらは地元の在住の作家さんやクリエイターさんなどが中心となって、作品や手工芸などを展示即売しているスペースですが、月ごとの設置費と、売り上げから一定割合の金額を頂いています。

オーナーさん自身で定期的にメンテナンスをしていただくので、オーナーさんもカフェのお客さんになるという仕組みです。飛ぶように売れるものではないのですが、月額は3千円程度ですので、カフェへの維持協力費という感覚で、参加されている作家さんにも楽しみながら利用していただいてます。

地元の人々が、自分達の居場所としてカフェを認識してくださっているということですね。

カフェの商品、料理について教えてください

ひとくちに「タウンカフェ」と言っても料理を提供しないカフェもあるのですが、「ミエル」はもともと軽飲食を提供するカフェを想定していました。

大倉山産蜂蜜のアンテナショップという意味合いもあるので、カフェでは地元産の野菜や蜂蜜を使ったメニュー、例えば蜂蜜プリンなどを提供しています。

「蜂」に関連させて、ランチタイムには888円のランチプレートも提供しています。
商品としての蜂蜜は、そもそも生産量が少ないので今は菊名産の瓶蜂蜜しかありませんが、大倉山産の蜂蜜が並ぶこともあります。

各種講座に参加するにはどうすれば良いでしょうか

カフェではほぼ毎日のように手作りワークショップや、英会話講座、IT講座、文章講座、子ども向けイベントなどの企画や講座が行われています。

これは地元の講師が地元の方向けに行っている講座ですので、内容は色々と幅広いですが、ホームページに詳しいカレンダーを掲載していますので、そちらで毎月の講座内容はご確認ください。

参加申し込みはメールからも可能です。
講座を開催している時間でも、お客さんが来ればいつでもお茶を飲んでいただけます。

カフェや各種講座以外の活動もあるのでしょうか

近隣で行われるいろいろなイベントへの協力も行っていまして、これは「ミエル」が応援するというよりは、ここに集まって繋がった人たちが協力するというものですが、例えば商店会主催の七夕イベント、ハロウィーンイベント、芸術祭などに参加・協力をしています。

その他にも「保育ボランティア」といって、お子さんがちょっと大きくなられた方に、保育つき講座の保育を担当していただいたりしています。

これらのイベントは、今まで商店会や地元の団体でいろいろと企画はされているんですが、やはり企画側の平均年齢が高く、話題性や若い力を求められていて、ミエルでは「やりたい」と手を挙げてくださるメンバーの後押しをする形で、イベントに新しい風を吹き込んでいこうと思っています。

地域の皆さん、主に若いお母さん方やシニア層の方々には、何らかの形で「地域につながりたい」という思いを持っていらっしゃる方がとても多いですから、いずれ「商店会主催のイベント」ではなく、「街ぐるみの参加型イベント」ができていけば良いと思っています。

今後の「大倉山ミエル」の方向性を教えてください

私もその一人ですが、大倉山は引っ越してきた人が多い街なので、新旧の住民同士が繋がる機会というのは、これまで少なかったと思います。

「地元」という意識が薄い住民と、高齢化する既存住民や商店会が互いに孤立していましたし、子ども達もまた、地域の大人と接触する機会がありませんでした。

一方で、「街のために何かを始めたい」と思う人々も多かったのですが、そんな人々に機会を提供する「場」も、これまではありませんでした。

「ミエル」はこういったミスマッチを結びつけるために作った「新しい居場所」ですので、ここを拠点にして、街を盛り上げるいろんな企画が立ち上がっていけばと思います。
もちろんそれにはカフェ自体が継続することが必須ですから、私は継続可能な収益構造を作れるよう、日々努力をしています。

今ではお陰さまで黒字に転換し、コミュニティカフェのモデルケースのひとつとして、遠方からの市民グループが視察に来てくださるようになりました。

今後も”人と人とのつながり”を大切にしながら、大倉山の魅力を市民の手で発信していけたらと思います。そうすることで、大倉山に誇りを持ち、「いつまでも住み続けたい」と思う人が増えればいいですね。

今回、話を聞いた人

NPO法人街カフェミエル代表
鈴木智香子さん(すずき・ちかこ)さん

カフェの立ち上げ人であり、運営から渉外までほとんどを一人でこなす。以前は建築士として活躍していたが、現在はカフェの仕事に専念。大倉山商店会街づくり担当役員の肩書きも持つ。

NPO法人街カフェミエル http://cafemiel.jimdo.com/

※記事内容は2015(平成27)年2月時点の情報です。

大倉山を盛り上げるための”出会いの拠点”/大倉山ミエル 鈴木智香子さん
所在地:神奈川県横浜市港北区大倉山4-36-26 
電話番号:045-717-6778
営業時間:営業時間:10:00~15:00(月曜日13:00~15:00)
定休日:土・日曜日、その他不定休
https://www.facebook.com/888cafeMIEL
https://cafemiel.jimdofree.com/

生徒とともにある学校 「船橋市立三田中学校」/船橋市立三田中学校 教頭 宮山博行先生


船橋市立三田中学校 教頭 宮山博行先生

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

生徒とともにある学校
「船橋市立三田中学校」

船橋市田喜野井地区、住宅地が広がる高台の一角に建つひときわ目立つ白い建物が「船橋市立三田中学校」だ。様々なイベントなどで地域と連携し、地元の人々に親しまれている学校である。今回はこちらで教頭をされている、宮山博行先生に学校の概要や、薬円台エリアの魅力についてお話を伺った。

「船橋市立三田中学校」の沿革についてお聞かせください。

船橋市立三田中学校

本校は1974(昭和49)年の4月に開校しまして、昨年には40周年の記念式典を行ったところです。元々は近隣の「船橋市立二宮中学校」と「船橋市立前原中学校」の生徒数増加にともなって、できた学校です。 本校も開校当初は600名余りから始まったのですが、最も生徒数が多い時には1500名以上にもなりました。ここ数年の生徒数は600名台で推移していますが、増加傾向にあり、今後は700名以上の規模になるのではないかと思います。

生徒の特徴について教えてください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

学区内の3つの小学校から生徒達は入学してきますが、小学校ごとにまとまってしまうようなことはほどんど見られません。印象としては、人懐っこくて、明るく元気な生徒が多いかな、と思います。9月の体育祭などでは暑い中、一生懸命応援する姿も見られまして、団結力が強いのも特徴かと思います。

学校の教育目標についてお聞かせください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

本校の教育目標は「知・徳・体の調和を図り、心身ともに健康で人間性豊かな生徒の育成」です。そこから、「自ら学ぶ」、「自ら行う」、「自ら鍛える」という3つの目標を掲げて、取り組んでおります。教師側としても「生徒とともにある教師」、「授業を大切にする教師」、「豊かな人間性に富む教師」といったことを「めざす教師像」として掲げています。「生徒とともにある学校」、つまり、「生徒にやらせっぱなしではなく、生徒に寄り添う先生がいる学校」ということですね。

特色のある学習方法などについてお聞かせください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

やはり学校というのは、授業がまず一番大事なものだと考えています。 特色ある取り組みとしては、ひとつは、「3分前着席」というものがあります。どの授業でも「スタートを大事にしよう」ということで行っているものでして、チャイムの3分前には着席をして、授業の始まりを待ちます。これは伝統的に行われてきたものですが、今年度からはさらにレベルアップして、「3分前学習」ということも行っています。これは授業の3分前には座るだけではなく、ドリル学習などに取り組むというものでして、今年度から始めました。

「三田塾」というものがあるそうですが、これはどういったものですか。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

これは簡単に言えば学習会です。勉強がわからないという生徒、あるいは質問をしたいという生徒を対象に、放課後に取り組んでいるものです。主に苦手な科目について克服することを狙いにしています。年4回の定期試験の前と、夏休みに開講しています。夏休みに関しては、宿題を中心に見ておりまして、1年生から3年生まで全学年で行っております。

「朝読書」について教えてください。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

これは毎日、8時20分から10分間の読書の時間です。部活の朝練習が終わった後、一度心を落ち着かせて、学習に集中できるような心の状態に切り替える、という目的もあって実施しています。生徒が持参した活字の本を自由に読むようにしておりまして、本校の伝統になっています。 3分前学習ともつながるものですが、スタートが良ければ、そのままの雰囲気で1日の授業に取り組んでいけますので、朝読書でまず気持ちを切り替えて、授業のスタートを切って、さらに毎時間、3分前学習で気持ちの切り替えができるというものです。

部活動も盛んだとお聞きしました。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

全生徒の部活動への加入率は約9割となっています。そのうち、運動部が7割、その他が2割です。今年は夏の総合体育大会で女子バレー部が県3位になりましたし、ほかにも市の大会で優秀な成績を収めている部は沢山あります。文化系は管弦楽部と文芸部がありますが、管弦楽部については自治会のお祭り、公民館の催しなどに呼ばれて演奏する機会も多いです。それぞれの部活で、顧問も一生懸命に取り組んでいますし、それに応えようと生徒も頑張っています。

地域や保護者との連携体制についてはいかがでしょうか。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

本校は大規模な学校行事も幾つかあるのですが、それらは大勢の保護者の方に支えられています。例えば、体育祭の自転車の整理、合唱祭の受付やドア係などを手伝って頂いています。夏休みや地域のお祭りがある時などは、午後6時から約1時間、学区内を歩いて頂くパトロールなども手伝って頂いています。こういったパトロールについては、保護者の方々以外にも「市民の会」の方々にも行って頂いています。

二宮神社

また、学校が直接関わっているわけではありませんが、地域のお祭りや「二宮神社」で七年に1回行われている「下総三山の七年祭り」などについては、主に自治会を通して、多くの生徒が参加しております。

最後に、薬円台エリアの魅力についてお聞かせください。

この辺りは歴史的にも面白い場所でして、「習志野」という地名は、明治天皇がこの辺りに広がっていた陸軍の演習場を示す言葉として「習志野原」と命名されたことに始まったそうです。陸軍施設は司馬遼太郎の『坂の上の雲』の舞台ともなりました。

薬円台公園

軍都の名残として、現在も自衛隊の施設がありますが、毎年夏になると、自衛隊が主催するお祭りも開催されます。花火もあり、地域の方々や、本校の生徒も沢山参加しているようです。さきほども触れた二宮神社のお祭りなども含めて薬円台エリアでは魅力的なお祭りやイベントが沢山あると思います。

新京成線の電車

また、京成線、新京成線、あるいはバスを使うことによって、「津田沼」駅に簡単にアクセス出来るので、交通の面でも便利ですね。閑静な住宅地が広がっている中にまだまだ沢山の緑地も残されていますし、小さなお子さんを育てるという意味では、とても良い環境だと思いますよ。

船橋市立三田中学校 教頭インタビュー

今回、話を聞いた人

船橋市立三田中学校
教頭 宮山博行先生

所在地:千葉県船橋市田喜野井2-24-1
電話番号:047-477-0311
http://www.city.funabashi.chiba.jp/gakkou/0002/mita-j/

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

生徒とともにある学校 「船橋市立三田中学校」/船橋市立三田中学校 教頭 宮山博行先生
所在地:千葉県船橋市田喜野井2-24-1 
電話番号:047-477-0311
http://www.city.funabashi.chiba.jp/gakko..

旬の食材と揚げたての美味しさ にこだわる「天ぷら すず航」/天ぷら すず航 店主 鈴木晴也さん


天ぷら すず航
店主 鈴木晴也さん

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

旬の食材と揚げたての美味しさ
にこだわる「天ぷら すず航」

茅場町の駅から八丁堀方面に徒歩3分ほど、通りから少し入った場所にひっそりと、小粋な江戸紫の暖簾を掲げている「すず航」は、目の前で揚げられるサクサクの天ぷらを、一品ごと、出来たてで味わえる天ぷら専門店。高級感がありながら、昼は千円台からで手軽に楽しめることから、地元の人はもとより、遠方から来るファンも数多いという。

円形のカウンターの中央で天ぷらを揚げるのは、和食一筋30年以上という店主の鈴木晴也さん。普段はフレンドリーな人柄だが、真面目でまっすぐな人柄からか、天ぷらを揚げている間は話しかけることも憚られるほどの、厳しい職人の眼差しに変わる。そんな店の空気を和ませているのが、いつも気さくで優しい女将さん。お二人の人柄に惹かれて、店を訪れる人も多いのだろう。 今回は店主の鈴木晴也さんに、お店の紹介と天ぷらへのこだわり、地元の魅力についてお話を聞いた。

なぜこの場所に、天ぷら専門店を開かれたのでしょうか?お店の歴史についてお聞かせください

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

私は和食の道に入ってから懐石料理をずっと、30年以上やっていたんですが、色々な料理がある中でも、「旬のものを揚げて出す」という、天ぷらのシンプルで奥深いところに魅了されました。そして、天ぷらの専門店を出そうと思い、老舗の天ぷら専門店に入って修行を積みました。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

この店を始めたのは2005(平成17)年のことですね。実はこの場所が、もともと祖父が持っていた土地でして、私たちも昭和40年代からここに住むようになりまして、今もビルの一部が自宅になっています。

お店の場所は、実はそれまで別の方に貸していたんですけれど、ちょうど2005(平成17)年ごろに空きができまして、私としても「独立して店を持ちたい」と思っていた時期だったものですから、タイミングが合いまして、店を開くことになりました。

今まではどんなお店で修行をされたのでしょうか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

和食はそれこそ、いろいろな店で修行しました。主に割烹や料亭、会員制のお店といった、高級志向のお店でしたね。有名なところだと「なだ万」などでも修行しました。

最後に天ぷらを勉強させてもらったのは、丸ビルにある「天政」という店でして、今の天ぷらの揚げ方は、ここで教わったものが大きいですね。

「すず航」という屋号の意味についてお聞かせください

「すず航」店主・鈴木晴也さんインタビュー

もともと、ひいおじいさんが銀座で婦人服の洋装店をやっていたんです。その時の店の名前がカタカナで「スズコー」だったんですが、うちは天ぷら屋ですから、和食っぽく、「鈴木」と「出航」という意味を込めて、「すず航」という名前にしました。

天ぷらについて、こだわりは色々とあるかと思いますが、特に力を入れている部分についてお聞かせください

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

うちでこだわっているのは、塩です。沖縄の塩に少し手を入れて、煎ってからお出ししているんですが、こうすることで塩辛さが抜けて、塩が持つ甘みが出るんです。もちろん、何でも塩で食べるようにお薦めするのではなくて、私が「どうしても塩で食べてほしい」と思ったものだけ、「塩がおすすめですよ」とお声がけをしておりますので、基本的にはお好みで、自由に召し上がってくださればと思います。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

そのほかですと、「油の鮮度」にもこだわっていますね。特に昼間などは短時間に一気にお客さんが来ますから、どんどん油の力が抜けてきてしまいます。温めなおすということはできませんから、裏であらかじめ熱しておいた鍋を持ってきて、鍋ごと交換してしまいます。油の回収業者さんからは「まだ十分使えるのにもったいない」と言われるほど、鮮度にはこだわっています。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

この油については、綿実油をベースにごま油をブレンドしていまして、揚げる素材ごとに少しずつ温度を変えて適切に調節しています。野菜は低めの温度で、魚の時にはちょっと火を強めて、といった具合ですね。鍋はひとつだけしかありませんから、火加減だけで温度をコントロールしています。

美味しい天ぷらを提供するためのコツは何でしょうか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

まず、揚げたてをお出しする、というのは美味しさのポイントのひとつですよね。普段はカウンターの方には必ず一品すつお出ししていますし、個室の方にも、できるだけ一品ずつ揚げたてのものをお出しするようにしています。これは価格がいくらであっても、お昼であっても変わりません。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

天ぷらというのは、油の温度や揚げ時間で大きく出来上がりが変わりますし、素材と衣の硬さのバランスが合わないといけないので、本当に美味しいものを出したいと思うと、なかなか難しいところが多いんです。湿気が多くなる梅雨の時期は、本当に苦労しますね。そのぐらい繊細なものですから、揚げている間は少しも目を離せませんし、耳も澄ましていないといけないんです。

昼、夜とそれぞれ、どんなお客さんが利用されていますか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

やはりビジネスの街ですから、基本的にビジネスマンの方や、証券取引をされているご年配の方などが多いです。でも最近は若い方も増えていまして、最初は上司に連れられて来た若い方が、次の機会には友達を連れて来てくださったり、奥様や家族と一緒に来られるということも増えています。そういう風に、口コミでつながっていただいているのが嬉しいですね。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

最近は若い方でもグルメな方も多いですから、週末などは、雑誌などを見ながらカップルでお見えになったり、女性の友達同士でお見えになったり、ということもあります。

おすすめのメニューは何でしょうか?

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

まずお昼については、1,420円からということでやっていまして、ビジネスランチで利用される方にはこのあたりが人気です。一番低価格のものでも手を抜くようなことはしていませんので、1品ずつ、丁寧に揚げてお出しするようにしていますので、最初はこちらからお試しいただくのが良いかもしれませんね。お昼はこの「ゆりコース」(1,420円+税)や、「すみれコース」(1,980円+税)あたりが人気です。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

お昼はカウンターがフリー、お座敷が予約制ということでやっていますので、ぜひ、気軽にいらしていただければと思います。夜については、ビジネス関係の方、特に接待の方が多くなりまして、一番人気があるのは「つばきコース」(6,900円+税+サービス料)です。お食事も付いていますから、ちょうどいいボリューム感かと思いますし、皆さん、お酒も含めて1万円ちょっと位で召し上がっていく方が多いです。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

夜についても、飛び込みで来ていただいても席があれば、もちろん対応させていただきますが、できれば電話を入れてから来ていただくのが有り難いですね。

ほかのお店では見られない、変わり種の天ぷらと、定番のものを教えて下さい。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

うちはあまり、変化球のものは出していないです。時期折々の、旬の美味しい素材をお出しするというのが基本ですので。ただ、お客様から「珍しい」という声をいただくものとしては、うにのしそ巻き、牡蠣、夏場にお出ししている、とうもろこし、にがうり、枝豆、岩牡蠣などがありますね。年中お出ししている定番の品ですと、椎茸、アスパラ、エビなどが人気でしょうか。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

椎茸については、新潟の特定の農家さんの原木栽培のものを仕入れていますから、とても肉厚で、好評をいただいています。椎茸って割と苦手なお客さんが多いんですけれど、「これなら大丈夫、美味しい」とおっしゃるお客さんが、けっこういらっしゃるんですね。アスパラについても、太くて柔らかいものを厳選して入れていますから、こちらも好評をいただいています。

お魚は、特に定番というものはありませんが、「この時期になったらこれを使おう」などといつも一生懸命考えていますから、その時々の、旬の美味しいものを召し上がっていただけるかと思います。すべて築地から入れていますから、鮮度には自信がありますよ。

最後に、八丁堀・茅場町エリアの魅力についてお聞かせください

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

私達ももう何十年もここに住んでいますけれど、何と言っても交通の便がすごくいいですね。治安もいいですし、住み始めた頃は、まだこの辺りには証券関係の会社ばかりしか無くて、土日の夜は閑散としていました。お店なども全然無かったんですけれど、今はいろいろなお店やコンビニなどできましたし、とても住みやすくなってきました。

日本橋や人形町も近いですから、買い物や散歩も楽しいですし、休日などは、夫婦で隅田川の川沿いの道を歩いたリしています。「高島屋」まで続く「さくら通り」もきれいですし、すぐ近くの「坂本公園」も気に入っています。オフィス街なんですけれども、けっこう「ほっ」とできる場所があって、暮らしていてもとても落ち着ける場所ですよ。

天ぷらすず航 店主 鈴木晴也さん インタビュー

今回、話を聞いた人

天ぷら すず航(てんぷらすずこう)
店主 鈴木晴也さん

住所:東京都中央区日本橋茅場町2-1-14 スズコービル1F
電話:03-3666-3336
営業時間:11:00~13:30L.O.、18:00~22:00(20:30L.O.)
定休日:土・日曜日、祝日
URL: http://r.gnavi.co.jp/a640100/

※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

旬の食材と揚げたての美味しさ にこだわる「天ぷら すず航」/天ぷら すず航 店主 鈴木晴也さん
所在地:東京都中央区日本橋茅場町2-1-14 スズコービル1F 
電話番号:03-3666-3336
http://r.gnavi.co.jp/a640100/

子育てママ・パパたちの親子のひろば/東陽子ども家庭支援センター センター長 高橋真理子さん


東陽子ども家庭支援センター
センター長 高橋真理子さん

子育てママ・パパたちの親子のひろば

下町情緒が今なお残る木場エリアは、「大手町」駅まで東西線で10分足らずという利便性のよい立地ながら、緑豊かな街。都内でも数少ない大型防災公園の「木場公園」を有し、複合商業施設の「深川ギャザリア」なども存在する、生活しやすく子育てにも便利な場所だ。そんな木場エリアに子ども家庭支援センターの先駆けである「東陽みずべ」がある。そこでセンター長を務める高橋さんにお話しを伺った。

東陽子ども家庭支援センター、通称「東陽みずべ」の概要を教えてください。

育児

祝日と年末年始を除く火曜日から土曜日の10時~16時の間なら、いつでも親子で遊びに来られるという子育て広場です。子育ての相談なら月曜日でも受け付けしています。 基本的には幼稚園就園前までの乳幼児とその保護者のためのスペースです。広い部屋には木のおもちゃやボールプール、ままごとコーナー、畳スペース、すべり台、絵本コーナー、授乳室、子ども用トイレなど、子どもとママ・パパが自由にのんびりと過ごせる場所になっています。

東陽子ども家庭支援センター

1999(平成11)年にオープンした当初は、「専業主婦の子育てをサポートしよう」という考え方があまり浸透しておらず、こういった支援の場があまりない時代でした。多くの施設見学者の方々が来訪し、各地で支援センターが広がりを見せたようです。

現在、累計で18万6,456人(2014(平成26)年3月31日現在)の方が登録して下さっています。

ひろばの他にも、電話相談や預かり保育なども行っているのですね?

東陽子ども家庭支援センター

子どもを育てていると、不安や悩みでいっぱいになったり、誰に聞いたら良いのか分からないような疑問もたくさん出てきます。言葉も通じない赤ちゃんと2人きりで昼間過ごし、旦那さんの帰りも毎日遅い…孤独感や閉塞感を感じているお母さんたちは少なくありません。少し話を聞いてもらうだけで楽になったり、心配しなくても良いようなことで悩んでいる場合もあります。そんなお母さんやお父さんたちの電話相談や、面談もしています。

東陽子ども家庭支援センター

また、病院や買い物、「子どもと離れてちょっと一息つきたい」というお母さんのために、「リフレッシュひととき保育」も行っています。これは区内在住の6ヵ月~3歳児のお子さんを月曜日から金曜日の9時~12時・13時~17時の間、1日3時間以内までお預かりするもので、利用料金は1時間につき500円です。

育児をしているお母さんたちが少しでもリフレッシュでき、楽になれば子どもや家族にも優しくできます。煮詰まってしまう前にこういうものを利用して、上手に息抜きをしてほしいですね。

育児中のお母さんやお子さんと接するなかで心がけていらっしゃることは?

母親

「ここに、また来よう」と思ってもらえる場所でいることです。特に育児中のお母さんは疲れていたり、子どものことでナーバスになっている場合も多いので、とにかくお母さんたちの心・気持ちに寄り添いたいと思っています。

「ここに来たら、泣いてばかりの子どもがいつもより遊んだ」「ここに来た後はいつもより昼寝が長くなって楽」そんなちょっとしたことで、お母さんが楽になれるように。少しボランティアさんに抱っこをお願いして、コーヒーを飲む時間が捻出できるように。そんな小さなことを日々積み重ねています。

イベントや毎月のプログラムも充実しているんですね?

情報

小さい子向け・大きい子向けのお話会、季節の行事やグループ懇談会、おっぱいQ&Aなど、月によって違いますが色々取り組んでいます。また1ヵ月のうちの1週間(火~金)、お子さんの身長・体重を計測できる「すくすく成長記録」を行っています。毎月お子さんの成長を確認することもできますし、その時々でお母さんが感じていることも書き込める記録になっているので、1年が経つ頃には小さな育児日記のようなカードが出来上がります。

お子さんを育てているお母さんは日々追われて忙しく、育児の楽しさや喜びに浸れる余裕がありません。このみずべで少し足を止めてホッとできれば、育児を楽しく感じられたり、子どもを見つめ直すこともできますよね。そんな機会になるようなプログラムを実施したいと、日々考えています。

この地域ならではと感じることはありますか?

東陽子ども家庭支援センター

まずボランティアさんやリフレッシュひととき保育の支援士さんなど、地域の方々がみずべを支えてくれています。こんなに地域の方が協力している所は珍しいのではないかと思います。ボランティアさんたちと街で会って「久しぶり」「大きくなったわね」と声をかけられるお母さんたちが多いようです。

またセンター内で話される話題も近隣の美味しいお店や安い八百屋、評判の小児科など地元の話が多いので良い情報が集めやすく、話題にも入っていきやすいと思います。実家と離れて住んでいる人にとっては心強いですし、他人だからこそ話せる気安さもありますよね。 ボランティアの方々も女性だけでなく、ハーモニカでわらべうたを吹いてくださるおじいちゃま、おもちゃを直す「おもちゃ病院」の元エンジニアのおじさまたちなど、男性も積極的に参加してくださいます。これも下町の良さなのかなぁ…なんて感じています。

木場の魅力はどんな部分だと思いますか?

東陽子ども家庭支援センター

木場という場所は、古き良き時代の名残がまだまだ色濃い街です。近所を歩いていても、子どもを連れていると話しかけられることも多いですし、子どもが参加するお祭りなども多くお母さんたちが自然に仲良くなる土壌があります。みずべを訪れてくれるお母さんたちも、一人で来る方やお友達と来る方さまざまですが、すぐに打ち解けて仲良くなって帰られますよ。

木場公園

また広大な木場公園も近くにあって緑も多いですし、歴史のある寺社仏閣もある。子育て環境のみならず、生活するうえでも良い環境は整っていると思います。

今回、話を聞いた人

東陽子ども家庭支援センター

東陽みずべ
江東区東陽子ども家庭支援センター

高橋真理子センター長
住所:江東区東陽3-1-2
電話番号:03-3699-4871
URL:http://koto-kosodate-portal.jp/mizube/

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

子育てママ・パパたちの親子のひろば/東陽子ども家庭支援センター センター長 高橋真理子さん
所在地:東京都江東区東陽3-1-2 
電話番号:03-3699-4871
開園時間:子育てひろば 火~土曜日10:00~16:00、子育て相談 月~土曜日9:00~17:30(電話相談は~18:00)
閉園日:日曜日、祝日、年末年始
http://koto-kosodate-portal.jp/mizube/

工場の廃材は宝の山 地域交流を活性化させる「物づくり」の輪/配財プロジェクト 斉藤靖之さん


配財プロジェクト 斉藤靖之さん

工場の廃材は宝の山
地域交流を活性化させる「物づくり」の輪

墨田区の町工場から出た廃材を利用して、万華鏡、人形、楽器など、さまざまな物を作り出す活動をしている「配財プロジェクト」。墨田区をはじめ、下町の「ものづくり」に気軽に楽しく触れてもらえる試みとして、イベント会場などで廃材を使ったワークショップを行い、人気を集めている。今回はプロジェクトのスタートメンバーの一人であり、風船工場の社長でもある、斉藤靖之さんにお話をうかがった。

「配財プロジェクト」とはどのようなものでしょうか?

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

僕らがこのプロジェクトを正式に始めたのは2012(平成24)年の2月なんですが、実はその1年半ぐらい前から、仲間で集まって、活動を始めていたんですね。プロジェクトのメンバーの大半は墨田区やその周辺の、製造業に関わっている人間でして、墨田区が製造業の後継者を育成するという目的で作った「フロンティアすみだ塾」の卒業生が多いです。ですから町工場の若手の経営者や、後継者が中心になっています。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

そもそも製造業をして日々生産していますと、どうしても「廃材」というものが出てしまうんですね。僕らはそれを普段、当たり前のように業者に持って行ってもらって、お金を払って捨てていたんですが、時々、工場見学に来て下さった方が、「これ何ですか?くれませんか?」って言うんですよ。特にデザイナーさんなどに多いんですね。

「配財」という言葉はどのように生まれたのですか?

配財プロジェクト

工場見学に来て頂いた方に廃材をあげているうちに、ふと考えてみると、昔、僕らが子どもだった頃というのは、身近なところに「廃材」がありましたから、それを工場のおじちゃんにもらって、自分たちで工夫して遊んでいたんです。工場は宝の山だったんです。それを思い出して、「この廃材はすごく価値のある、宝の山なのかもしれない」ということに気がついたんですね。それならば、価値を分かってくれる人にこの廃材を還元しようということで、「配財」という文字ができたんですよ。

代表的な“配財”製品には、糸巻きを使った万華鏡があるということですね。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

実は、墨田区は縫製関係の工場も多くて、糸を使い終わった後の「糸巻き」が多く余っていたんです。たまたま仲間のひとりがニット工場をやっているのですが、別の方で万華鏡作家さんと知り合いの仲間もいまして、その縁で糸巻きで万華鏡ができないかと思って作家さんに見せたら「面白いね」と言われたんです。そこから、こういう糸巻きを使った万華鏡が生まれたんです。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

万華鏡を作るにあたって、いろいろな製造業の仲間から廃材を集めたんですが、それがこれです。縫製工場のボタンがあって、ねじ工場のねじがあって、メッキ屋さんのメッキ部品があって、屏風屋さんの余った紙があって、サトウ化成さんの緩衝材があって、プラスチックの部品があって、ブラシ屋さんのブラシの切れ端があって、僕の会社の風船のハギレがあって。この万華鏡に入っているものが、墨田区の縮図なんです。

これって一見ゴミなんですが、万華鏡に入れた途端、別の物になりますよね。僕らにとっても、ふだんゴミだと思っていたものを、こうやって見方を変えると違ったものに見えるということで、この万華鏡は、「配財プロジェクト」そのものを表しているものだと思っています。

「配財」からはどのようなものが生まれるのでしょうか?

配財プロジェクト

一番いろんな廃材を使っている作品はこの万華鏡ですけれど、その他ですと、緩衝材を使ったハンコを作ったり、僕のところで出た、商品としては使えなくなった風船で風船人形を作ったりしていますし、ほかにも、その時にある廃材に合わせていろんな作品を作り、ワークショップを開催しています。 本当はこれを商品として売れればいいんですが、廃材はいつも決まった量だけ材料が入るわけではないですから、大量生産ができず、なかなか商業ベースにはならないんですね。何しろ小さな町工場ばかりですから、今は糸巻きの万華鏡だけを商品にして、東京スカイツリーのショップなどに置いてもらっています。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

工場としても、まだまだ再利用できている廃材はごく一部だけですから、処分代が減るメリットはほとんどないんですね。でも廃材を通して会社のことや製品のことを地域にPRできるということは、お金には変えられないメリットになっていると思います。僕は風船の裾野をもっと広げていきたいと思っていますから、このプロジェクトを通していろんな方に工場のことを知っていただいたり、メディアに取り上げていただけていることは、本当に良かったと思っています。

「配財」が地域と町工場を結びつける媒体になっているのですね。

そうなんですね。僕が小さいころって、友達の家のことを、「何々ちゃんの家は何屋さん」とか、みんな知っていたから、「物づくり」がとても身近にありました。でも、今は人が増えてきて昔から続く、自分たちの街にある「物づくり」を知らない方も徐々に多くなってきています。工場の側としても、最近は騒音の問題などもありますから、稼働中も工場を閉めきっていることが多くて、工場で何を作っているか、ということまでは分からないのが現状です。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

でも、この「配財」を媒体にすることで、地域に「物づくり」があることを知ってもらうことができますし、地域交流を活性化するきっかけにもできると思うんです。ですから「配財プロジェクト」では、僕らのような「物づくり」の人たちと、それを表現するデザイナーさんやクリエイターさんをつなぐハブの役割を果たして行きたいと思っています。

実際に製作体験をできるワークショップが人気ということですが、これはいつ、どこで行われているのでしょうか?

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

ワークショップは「東京ソラマチ」の中でやることもありますし、いろんな地域のイベントやお祭り、コンサート会場などでやったりします。また、参加しているメンバーの工場でやったり、一般の店舗、大学の文化祭などに呼ばれて、やらせていただいたりもします。

墨田の「墨田区立八広小学校」の6年生の卒業製作では、八広の地域の工場の廃材を集めて、その地域の万華鏡を作る、というワークショップも行いましたね。特にいつ行うとは決まっていないので、詳しくはホームページやFacebookを見ていただければと思います。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

大きなものですと、毎年秋に「スミファ」という、墨田区の町工場をオープンファクトリーにして、街歩きをしてもらうというイベントがあるんですが、そちらには毎回参加させていただいています。

墨田から始まって、全国的に「配財」の動きが広がっているとお聞きました。

僕たちの事業はただワークショップを行うだけではなくて、廃材を通して、地域の活性化や、企業のCSR(企業の社会的責任)の問題を解決するような、企画やイベントのプロデュースをするという一面もあります。ですから最近は色々な企業さんとコラボレーションしながら、ビジネスとしてCSRのお手伝いなどもしていますし、全国のいろんな自治体の方に声をかけていただいて、地域とのコラボレーションもさせていただきました。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

たとえば島根県の浜田市、福島県の南相馬市、大分県の佐伯市、富山県の高岡市などに、廃材を使った地域のアピールのお手伝いに行って、地場の業者さんの廃材で、万華鏡を作ったりしましたので、これが全国的に根付いてきているのだと思います。

「配財プロジェクト」の今後の展開についてお聞かせください。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

やっぱり、「物づくり」の魅力を知ってもらって、次世代につなげていきたいという思いがありますから、子どもの教育に関わる場面で、何かをしたいというのは、いつも思っています。 もうひとつは、企業のCSRのお手伝いを今も少しさせていただいているんですが、少しでも世の中の役に立つという意味では、企業との関わり方も増やしていきたいです。あとは、自分たちで仕掛けるイベントなどもやっていきたいと思っています。

最後に、錦糸町エリアの魅力についてお聞かせください

隅田川

私は実は墨田区で生まれて小学校2年生まで住んでいたんですが、その後は品川区に暮らして、10年ぐらい前にまた戻ってきたんですね。山手の暮らしと下町の暮らしを両方知っている立場から言いますと、やはり、「人と人との距離が近い」というのは大きな魅力だと思います。 下町だと、都心での暮らしと比べると、地域の中でお互いにバンバン、干渉するんです(笑)。

配財プロジェクト 斉藤靖之さんインタビュー

外から来た人たちにとって、いきなりずいっと踏み込まれると「面倒くさい」と思う人もいるかもしれないですけれど、それがだんだん気持ちよくなっていくと思うんです。そういう「あったかさ」というのは、あると思いますね。なので、新しくこの街に住むことになったとしても、住みやすいし溶け込みやすいし、すぐに居心地がよくなると思います。

新しく引っ越して来られた方同士のコミュニティもしっかりとできてきていて、何かをしようと思った時にも、活動をしやすい場所ですね。 また、最近はこの地域もけっこうオシャレになってきましたよね。若いクリエイターさんなんかも多く住むようになっていて、いろんな新しい工房やお店、カフェ、レストランなどがオープンしているんですよ。

斉藤靖之

今回、話を聞いた人

配財プロジェクトメンバー
株式会社マルサ斉藤ゴム 代表取締役社長 斉藤靖之さん

配財プロジェクト http://www.haizai.jp/
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/haizai.jp

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

工場の廃材は宝の山 地域交流を活性化させる「物づくり」の輪/配財プロジェクト 斉藤靖之さん
http://www.haizai.jp/

現代に伝える、江戸切子の輝き/すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さん


すみだ江戸切子館
代表 廣田達夫さん

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

現代に伝える、江戸切子の輝き

「江戸切子」とは、透明ガラスに色ガラスを重ねたものに線状のカット(切子)を入れて、浮き出る文様や色の美しさ、手触りの良さを楽しむもの。「東京都指定伝統工芸品」の中から、さらに「経済産業省指定伝統工芸品」のダブル指定を受けた、数少ない工芸品のひとつである。

現在は主に江東区、墨田区、大田区で生産されているが、このうち墨田区の職人の製品を一手に束ねて展示・販売しているのが「すみだ江戸切子館」だ。店内の半分ほどは工房になっており、ガラス越しに職人の作業を見ながら、さまざまな種類の江戸切子を選ぶことができる。

今回はこの工房ショップの生みの親である、廣田達夫さんにお話を聞き、工房専属の切子職人、川井更造さんに作業を見学させていただいた。

「すみだ江戸切子館」の歴史についてお聞かせください

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

「すみだ江戸切子館」は、「廣田硝子」という会社が母体になっていまして、これはもう115年続いている会社なんですが、その中でやっていた江戸切子の部門を、2004(平成16)年に「ヒロタグラスクラフト」として分離独立させまして、切子の展示即売を始めました。それから4年後、現在のこの場所に「すみだ江戸切子館」としてオープンさせました。

元々、「廣田硝子」でやっていた頃には、切子製品は問屋さんを通して全国のデパートや専門店などに販売していたんですが、やはり、伝統工芸を受け継ぎ、生かしていくためには、自分たちで伝統工芸品のマーケットを作っていかないと、廃れてしまうと思うんです。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

ですからここでは当社工房にも、墨田区・江東区・葛飾区にいる江戸切子職人さんの作品も並べていまして、それぞれの方が特色ある、際立った腕を持っていますので、いろいろな江戸切子に出会っていただけるかと思います。

墨田区の「すみだ3M運動」にも連携しているそうですね

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

そうですね、墨田区では「すみだ3M(スリーエム)運動」というものを推進していまして、「マイスター」、つまり伝統工芸職人の「M」、「ミュージアム」(小さな博物館)の「M」、「マニュファクチュアリングショップ」(工房ショップ)の「M」という、3つの「M」を「ものづくり」の要素と位置付けて、アピールしていこうとしているんですね。もう30年ほどやっている運動になるでしょうか。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

その典型的なひとつのモデルとなっているのが、この「すみだ江戸切子館」なんですね。昔の伝統工芸職人は、製法や道具を自分だけの秘密にしていたものなんですが、今は「隠すのではなくて、見えるようにしていこう」ということで、工房をオープンにする流れが広がってきています。ここも工房にガラスの覗き窓を付けていますので、ショップの中からいつでも工房が見られるようになっています。

そうやって技術の難しさというものを見ていただくと、職人たちが作りだす、伝統工芸の価値を理解して頂くことができます。

江戸切子はどのように作られているのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

元々、グラスなどの形に成形された「生地」と呼ばれる素材がありまして、ここにまず「割付」(墨付け)ということで、目安になる線を入れます。その後、ステンレスの円盤の周りにダイヤの粉末をまぶした円盤研削機を使って「削り」の作業に入ります。「荒摺り」(あらずり)、「二番掛け」、「三番掛け」とだんだん細かいところを削っていったら、「石掛け」で表面を滑らかにして、最後にブラシで「研磨」をして、透明にします。それで完成ですね。

「すみだ江戸切子館」の商品は、すべて工房で作られているものなのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

ここの商品についても、だいたい3割ぐらいは工房の中で作られていますが、ほかは外部の職人さんの作品です。ここにある江戸切子は全て、「すみだ江戸切子館」だけの作品であり商品です。

模様としては、ひとつは、伝統的な文様をベースにしたものですが、伝統的な文様をいくら組み合わせても、やはり限度がありますので、切子の技術をベースにした、時代に即したような新しいデザインのものも作っています。

確かに伝統的なものとは違う模様やカラーのものもありますね。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

赤と青が基本の2色ですが、色を変えて赤と黒や、青と緑の組み合わせにしてみたものもありまして、最近は全体的に、少しモダンなデザインのものを増やしています。いま墨田区が推進している事業のひとつに、地域ブランド戦略としての「すみだモダン」というものがあるんですが、墨田区PRのポスターにも、うちの製品が載っているんですよ。

これからは、江戸切子にも「新しい分野」が必要だと思いますから、もっと広く、いろいろな分野を開拓していきたいと思いますね。

ところでなぜ、江戸切子の色は青と赤なのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

江戸切子はもともと江戸時代後期に、ビードロ(ガラス)問屋を営む「加賀屋久兵衛」がガラスにカット(切子)を入れて売ったことが始まりと言われていまして、当初は、江戸切子を言えば透明なガラスにカット模様が入った、無色のものだったそうです。ここに当時の引き札(カタログ)がありますけれど、確かに、そこには透明の切子が書かれているんですよ。

その後、薩摩では色付きの切子が作られるようになったんですが、明治ごろからは江戸でも色を被せる切子が普及してきまして、1985(昭和60)年に東京都の伝統工芸に指定される時に、色をかぶせて作ったガラス素材をベースとし、それが、赤と青だったんです。

薩摩の切子も有名ですが、江戸切子とはどんな点が違うのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

薩摩切子はもともと、薩摩の島津家が輸入や輸出に熱心で、特にヨーロッパから入ってきたガラス製品について、自分の藩でも作りたいということで、江戸からビードロ職人を連れてきて作り始めたんですね。その時の製法が、イギリスのカットガラスを手本にしたもので、ヨーロッパスタイルの製法でしたから、色のかぶせ方が江戸切子とはちょっと違うんです。

そのために薩摩切子は色ガラスの層が厚くて、カットのデザインも深く大胆になっています。「ぼかし」と言われるグラデーションも特徴的ですね。一方で、江戸切子は色ガラスの層が薄いので、もっと繊細なカットもできますし、色目もくっきりとしています。

江戸切子は墨田区を中心に作られているのでしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

切子はもともと、長崎の出島に持ち込まれて、長崎、山口、大阪と経て、江戸に入ってきたんです。実は大阪でも昔は切子作りをやっていたそうなんですが、最終的には市場の大きさもあって、江戸だけが残って発達しました。薩摩切子が生まれたのは、それよりも後になっての話ですね。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

江戸時代からこの辺りに職人さんが多くいたそうですが、墨田区では、うちを含めて現在3軒のみになっています。江東区のほうが職人の数としては多くて、50人以上はいらっしゃいますね。ただ、こうした展示即売をやっている横で、職人が作業しているのを見られるのは、うちだけだと思います。これだけの種類の切子を揃えているのもうちだけでしょう。

切子の魅力とは何でしょうか?

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

ガラス自体も非常に神秘的なものだと思うんですが、そこにカットを入れることで、さらにいろいろな表現や味わい、作り手の思いなどが表現できます。まさに、「キャンバスに絵を書く」というような感じですよね。そういったところが、切子の面白さだと思います。

実際に使ってみても、カットガラスの独特の肌触りを楽しみながら、飲み物を味わえるというのは、とても気持ちがいいですよね。 うちでは実際に販売しているものと同じ生地(未加工グラス)を使った切子体験もやっています。本格的切子作りを、3500円から4000円くらいの間で体験していただけますので、これもぜひ体験してみてください。

今後の新展開、新商品などの予定がありましたらお聞かせください

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

今まで、切子と言えばお酒やウイスキーなど、男性的な飲み物に使われることが多かったのですが、これからは女性にも買って頂けるような、魅力ある品物づくりをしていきたいですね。

実際には、9割以上のお客さまが女性なんです。ほとんどの方は自分で使うというよりも、ギフトで使われる方が多いですね。でもこれからは、女性が自分で使いたくなるような江戸切子を、たとえばインテリアにも生かせるようものを作っていきたいです。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

実際のところ、そうやって時代にニーズに合わせて展開しないと、技術というのは廃れてしまうと思うんですね。今、全国各地で「伝統工芸」が廃れてしまっているのは、昔の技術をそのままやっているか、もしくは、「作家」の道に傾いていると思うんです。「江戸切子の裾野を拡げていき、時代に合わせて改良し、「時代に合わせて変わり、市場が欲しがるものを作り続けていく」ということが、これからの時代、伝統工芸が生きる残るための道だと思いますね。

最後に、錦糸町エリアの魅力についてお聞かせください

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

スカイツリーができてから、この辺りもメデイアや雑誌など様々な場面で注目されるようになりまして、脚光を浴びるようになりました。昔からつないできたお店、技術、そういったものが、ようやく生かされる時代になってきたのだな、と感じています。

下町の良さとというのは、食べ物にしても技術にしても、「なじみがいい」ことだと思います。あまり気取らない、人情味があるようなもの、とも言えるでしょうか。もちろん江戸切子もそのひとつだと思いますが、ほかにも昔からの「良いもの」が沢山残っている地域だと思います。

すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さんインタビュー

今回、話を聞いた人

すみだ江戸切子館
代表者 廣田達夫さん
実演 江戸切子士 川井更造さん

住所:東京都墨田区太平2-10-9
電話番号:03-3623-4148
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日、祝日
http://www.edokiriko.net

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

現代に伝える、江戸切子の輝き/すみだ江戸切子館 代表 廣田達夫さん
所在地:東京都墨田区太平2-10-9 
電話番号:03-3623-4148
http://www.edokiriko.net

こだわりのパンとピザで 「心もお腹も一杯に」なるレストラン/マカロニ市場 松戸店 店長 佐久間一哉さん


マカロニ市場 松戸店
店長 佐久間一哉さん

こだわりのパンとピザで
「心もお腹も一杯に」なるレストラン

国道6号から少し南側に入った場所にある「マカロニ市場(マーケット)松戸店」は、2011年のオープンし、わずか3年足らずの間にすっかり周辺に住む女性を虜にした、「パンとケーキとイタリアン」の有名店だ。今回はメニューのリニューアルを行った直後、2014(平成26)年の3月に、店長を務める佐久間一哉さんにお話をうかがった。

まず、マカロニマーケットの沿革についてお聞かせください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

「マカロニ市場」は本店が小田原にありまして、小田原は今年で16年目になります。今は小田原、藤沢、横浜青葉、三島、松戸、相模原の合計6つの店舗がありまして、この松戸店は2011(平成23)年にできた、比較的新しいほうのお店になります。

基本的には、ベーカリーとケーキショップ、イタリアンレストランが融合したお店になっていまして、「心もお腹も一杯に」というコンセプトで、空間も含めて居心地のいい場所の提供に努めています。

立地に関しては、どのお店も駅前ではなく住宅地近くの道路沿いに出していますので、特にお昼に関しては、ビジネスランチでいらっしゃるお客様はほとんど無くて、ほぼ100%、女性のお客様になっています。

女性客中心ということですが、どのような年代・構成のお客さんが多いのでしょうか?

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

お母様方のグループがとても多いです。シチュエーションとしては、お子様を送り出されてから、11時のオープンに合わせて、一斉にいらっしゃるというイメージですね。

ランチはセットメニューを注文される方がほとんどでして、メインディッシュにパスタやピザをひとつチョイスしていただいて、パンの食べ放題と、ドリンク、サラダが付きまして、だいたい1000円ちょっとぐらい、という感じです。ですので、ゆっくりと、いろいろなパンを召し上がって楽しむ方が多いです。休日やディナーにはパンの食べ放題はありませんが、それでも女性のお客様やファミリーがほとんどです。

パンはお店でつくっているのでしょうか?

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

当店のパンは全て手作りです。レストランでも平日のブランチセットには、全てのセットメニューに焼きたてのパンの食べ放題がついており、常時20種類程度の小さめのパンをお出ししているのですが、近隣にお住まいの方ですと、「パンがとてもおいしい」ということで、けっこうパンだけを買って帰られる方もいらっしゃいます。

手作りの利点ということですと、やはり、「できたて感」が全然違うんですね。パンには当日仕込んで焼くものもあれば、何日か発酵させてから焼くものもあるのですが、湿度や酸化の影響を最小限に抑えられますから、いちばん良い状態にもってきやすいんです。ベーカリーでは、焼きたてのパンを80~100種類用意していますので、いろんな種類のパンを、焼きたてで食べていただけるかと思います。

石窯で焼くピザに対しても、相当なこだわりを持っているそうですね

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

ピザに関しては、見ていただいての通り、レストランの中央にある石窯で焼いています。この石窯はイタリアのステファノ社の石窯を輸入したもので、うちでは「ナポリピッツァ」と銘打ってピザをご提供しているんですが、実はナポリピッツァと謳(うた)うためには、「薪を使って石窯で焼く」ということのほか、生地の素材や製法に関しても、決まりを守らないといけないんですね。そのうえで、ピザも発酵商品のひとつですから、「どれだけ一番ピークのものを召し上がっていただけるか」ということをつねに考えながら、一枚ずつ丁寧に焼き上げております。

去年はちょうど社員研修があって、私もナポリに行ってきたんですけれど、この味と食感は、やっぱり薪じゃないと出ないんですよ。燃え方についても、「水分を取り込んで燃える」燃え方と、「水分を出しながら燃える」という2通りの燃え方がありまして、薪は取り込んで燃えるほうなので、軽い仕上がりになるんです。でもガスだとどうしでも水分を含んでしまって、軽く焼きあがらないんです。

メニューリニューアルで登場した新作「ミートボールのスパゲッティ」についてお聞かせください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

この「ミートボールのスパゲッティ」(1,390円)はもともと限定メニューだったものを、今回メニューのリニューアルでレギュラー化したものでして、パスタは1.9ミリの少し太めのパスタを、硬めに茹で上げて使っていますので、1.6ミリのスパゲッティーニを使ったほかのパスタとはちょっと違う味わいかと思います。

このミートボールの中にも香辛料がいろいろ入っていまして、丸めておくところまでは仕込んでおくんですが、オーダーが入ってから火を入れてスープで煮ていきますので、ふっくらと仕上がっています。ミートボールというよりは、ハンバーグが4つ乗っているようなイメージですね。

リニューアルでアンティパストも充実したそうですね

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

そうですね、今回のメニューリニューアルでは、前菜類の種類をかなり増やしましたし、今まで一切扱っていなかったステーキも始めました。ですから、「ワインをメインに飲みながら、小皿料理を軽くつまむ」というスタイルもやりやすくなったかと思います。また、どの時間帯でもお茶やコーヒーだけの利用ができますので、ぜひそういった方も、気軽にお使いいただければと思います。

アンティパストからのおすすめは、「前菜の盛り合わせ(1~2名用)」でしょうか。シェフが腕によりをかけた前菜を少しづつ盛り合わせていますので、まずはこちらをオーダーしてみてください。

スイーツに関するこだわりを教えてください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

スイーツももちろん全部店内で手作りしているんですが、レストランやベーカリーとは別のキッチンで作っていますので、温度管理も低めで管理しておりまして、いつでも新鮮なケーキをご提供できているかと思います。

幸いにもうちの店の場合、セットメニューでオーダーされるお客様が多いものですから、デザートの回転率も高く、ワンデーで出さなければいけないフルーツのケーキなども、種類豊富に入れられています。

今ですと、いちごのケーキが主体になっていますが、このいちごは松戸市内の田中農園さんのものを使っていたりと、地元の食材も出来る限り使うようにしています。完熟の朝獲れのいちごですから、すごく美味しいですよ。最近はバースデーケーキのご利用もとても増えています。

昼、夜、それぞれの平均的な予算を教えてください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

昼はランチセットを頼まれる方が多いですから、だいたい1,000円ちょっとが平均予算かと思います。夜は平均すると、2,000円ちょっとぐらいの方が多いでしょうか。夜はおひとり1,900円ほどのセットメニューがあって、中身についてはいろいろとチョイスができますから、こちらをオーダーする方が多いですね。

最後に、松戸胡録台エリアの魅力について教えてください

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

地域の皆さんの交流がすごく多い街だと思いますね。うちのお客様は、子どもを持っているお母様方が多いですから、学校行事や地域行事、サークル活動などの時によく利用されるんですが、そういった集まりの機会がとても多くて、「交流が活発な地域なんだな」といつも思っています。都心まで近い割に、家賃や物件価格もそんなに高くないですしね。いろんな意味で、とっても暮らしやすい街だと思います。

マカロニ市場 店長 佐久間一哉さんインタビュー

今回、話を聞いた人

マカロニ市場(マーケット) 松戸店

店長 佐久間一哉さん

マカロニ市場(マーケット) 松戸店
住所: 千葉県松戸市松戸新田67-1
電話番号: 047-711-6136
営業時間: 11:00~23:00(22:30LO)
定休日: 無休
URL: http://www.macaroni.co.jp/

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

こだわりのパンとピザで 「心もお腹も一杯に」なるレストラン/マカロニ市場 松戸店 店長 佐久間一哉さん
所在地:千葉県松戸市松戸新田67-1 
電話番号:047-711-6136
http://www.macaroni.co.jp/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子先生


横浜市立荏田小学校
校長 澤田有子 先生

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。
地域から学ぶことで得られるものとは。

その生活利便性からは考えられないほど、のどかな田園風景が広がる都築区荏田南町。この地で40年の伝統を育み続ける「横浜市立荏田小学校」は、「稲作」を学習の軸のひとつとして扱っている、首都圏では珍しい取り組みを行っている公立学校である。今回は、脱穀も終わり晩秋の姿になった学校を訪ね、校長の澤田有子先生に、学校のこと、稲作のこと、地域のことについてお話をうかがった。

まず、学校の概要について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

もともと、ここは大山街道沿いに発展した地域でしたから、古くからお寺もありまして、そこで寺子として始まり、1873(明治6)年に「荏田学舎」となりました。それが本校の発祥です。その後、1880(明治13)年に「公立小学荏田学校」、1900(明治33)年に「尋常荏田小学校」となり、何度か名前を変えています。

昭和に入り荏田小は国道246号線の向こう側にあった「山内小学校」の分校だったのですが、1973(昭和48)年に「荏田小学校」という学校になりました。今年がちょうど創立40周年になります。校舎も40年前のものになりますね。

分校は今の「かたらい宿公園」の場所にありましたが、人数がすごく増えていった当時は、国道を隔てて、3年生までが分校に、4年生からが向こうの山内小に行くようになっていたそうです。それがあまりにも遠いということで、新しい小学校をを作ろう、ということになったそうです。

先生は荏田小学校に今年から着任されたそうですが、学校の第一印象はいかがでしたか?

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

まず、「自然がいっぱいあるな」ということに驚きました。そして、子どもたちが自然の中で生き生き生活しているな、ということも感じましたね。キラキラした目の子どもたちがいる、素晴らしい学校だと思ったのが第一印象です。

荏田小学校は各学年2クラスと小さめの学校ですが、「小さいならではの利点」などはありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校は2学級の学年ばかりですけれども、その2学級についても、多くても30名前半の学級なんですね。ですので、少人数での指導ができると思います。子ども一人ひとりに「目配り・気配り」が出来ているかと思います。

スペースがいっぱいあるので、子ども達はのびのびと生活しています。一番多い時には960名の児童がいたこともあります。今が320名ですので、ちょうど3倍ですね。一人のスペースも今は、すごく広いです。

では、学校の大きな特徴になっているという「米づくり」について教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

本校の一番の特色は、「米づくりは、人づくり」ということで、田んぼを作っていることでしょうか。創立3年目の年に、当時の校長と地域の方が「地域と学校でなにか一緒になって、子ども達を育てる活動ができないか」ということで始まったものでして、田んぼも発起人の方々が無償で提供してくださいました。

この田んぼ学習は「命をつなぐための食糧を、一からすべて、自分たちの手で生産する」という授業ですから、ものすごく子どもたちのためになっていると思います。米を作るということは、すべての事に通じるのだと思っています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

泥の田んぼに入る体験というのは、都会ではなかなか出来ないものですね。本校の児童は、みんなハイソックスで、泥の田んぼに入ります。靴で入ると抜けなくなってしまうので。そういった中で、泥に触れて、周りにいる虫、かえるやヤモリなどもにも、実際に触っていくわけです。ですから、都会のほかの小学校ではなかなか出来ない、本物の体験ができると思います。

田んぼは一から全部やっていますから、実は職員も大変なんです。最初は地域の方にもかなり協力していただいていたんですが、40年近くもたったので、皆さんもだんだんご高齢になられたので、今では教職員でほとんど進めています。実際、かなり負担もありますが、「子どもに還るもの」が多いですから、頑張ってやっているところです。保護者の皆さんにもお手伝いをして頂いています。

「田んぼのことを一からすべて」と言いますと、具体的にはどんな作業をされるのでしょうか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

まず種もみからです。田とは別に畑も借りているので、畑で種を蒔いて、苗を育てるところからやっています。これは5年生が中心になってやっていますね。

それから、みんなで「苗取り」をしまして、田植えするんですが、実はその前の段階で、教職員であぜ切りをやり、代掻きをやり、田起こしもやって、全部やったところに、子どもたちと保護者が入って、田植えをします。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

その後は、7月ぐらいに草取りをして、秋に稲刈りをするのですが、収穫の前にかかしを作ったりもします。稲刈りについては3年生から6年生までがやります。1年生と2年生は「応援する」ということで参加しています。刈った稲は、田んぼではざ掛けにしまして、乾いたところで、5年生を中心に脱穀をします。

脱穀したお米は保管し、11月の末ごろに「荏田っ子まつり」というイベントがありますので、そこで餅つきをします。子どもや保護者の皆さん、地域の方々などに提供しています。今作っているのはもち米です。

残った「わら」については、毎年しめ縄を作っています。今年はわらじを作ったり、わら飾りを作ったりということも考えています。1月になりますと、どんど焼きで残ったわらを焼いたりしています。

地域の方と関わって授業を行なっている例はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

もちろん米づくりもそうですが、社会科、生活科、総合学習それぞれで、地域の方々に「まちの先生」ということで教えに来ていただいています。3年生は、この近くは梨作りが盛んということで、梨園に1年間に何度か行って見学させていただいています。あとは、お寺に行ったり、江田の商店街の方々などに話を聞いたり、時には仕事のお手伝いをさせていただいたりしています。

あとは、もとの分校だった場所にケアプラザがありますので、そこで太鼓クラブが演奏をしたりもしますし、今後はわらぞうり作りについても、地域の方に教えていただく予定です。そういった地域の人々との関わりを通じて、荏田のまちを子どもたちの「心のふるさと」にしていければ良いな、と思っております。

学校の施設面、学習面の特徴について、それぞれ教えてください。

横浜市立荏田小学校インタビュー

エアコンが普通教室に全部入っておりますので、快適に過ごせるかと思います。あとは、人数の割に学校が広いので、のびのびと過ごせることでしょうか。

学習については3年生以上の算数学習は、1学年2クラスを3クラスに分けて、少人数の授業をしています。ですので、算数に関しては20人ぐらいで学んでいます。少人数教育には特に力を入れていますね。人数を減らして、個に応じた指導ができるように、ということですね。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

あとは、「たて割り」の活動がすごく盛んです。6年生をリーダーとしたグループがありまして、ひとつのグループは10人ぐらいです。各学年2名から3名ずつになっているんですが、そのグループを中心とした遊びや、交歓給食、全校遠足、運動会でのたて割りの取り組みなどをやっています。「たて割り班」で活動する回数が多いんです。かかし作りもその一つですね。

特に全校遠足などに行くと、子どもたちは6年生が大好きになるんですよ。遠足の帰り道には、6年生が下級生をおんぶして帰ってくるという光景もありまして、これが伝統になっていたりもします。だから子ども同士もすごく仲が良いと思いますし、名字ではなく名前で呼び合うことが多くて、学校全体がアットホームな雰囲気があると思います。

横浜市立荏田小学校インタビュー

グループの名前もユニークで、今年は電化製品の名前で、「アイロングループ」とか、「せんぷうきグループ」とか、そういう名前でやっているんですよ。この活動は、本校では長く続いていますね。6年生になって、グループのリーダーになるのが「荏田小学校」では子ども達の憧れになっているんです。「あこがれの6年生」なんていう言葉も聞きますよ。

それから、本校は6年生の人数は少ない分、「全員がどこかで必ず前に出なければいけない」というチャンスがありまして、教員はバックアップしながら、子どもたちが役割を果たし、成長できるよう見守るようにしています。

学区内にはこういう雰囲気の方が多く住まわれている、といった印象はありますか?

横浜市立荏田小学校インタビュー

そうですね、代々この地域に住んでおられる方が多いですね。最近はそれに加えて、マンションも増えてきましたし、新荏田の住宅地の方もありますから、新しい方も増えつつあります。みなさん口を揃えておっしゃるのは、「住みやすい場所です」ということですね。

この周りにも、いろいろな新しい住宅地が沢山ありますけれど、荏田は古くからお住まいの方がいる分、ちょっと雰囲気が違う地域だと思いますよ。「地域のつながりが強い」とでも言うんでしょうか。

学校でも稲作をしていますと、作業の中で保護者と地域の方がかかわり合う部分もありますから、地域の方同士ですごく仲良くなれるんですよ。稲作を通して、日本人の気質だとか、いろんなものが生まれてきたのかなあ、と思います。それをこの学校に来て、実感しています。

澤田先生が考えられる「荏田地域の魅力」は、どんな点でしょうか。

横浜市立荏田小学校インタビュー

この地域は、子どもたちを見てくださる目がとても温かいんですね。それが一番だと思います。地域の方が「自分たちのまちの子ども」ということで、叱るべきところは叱ってくださり、すごく大事にもしてくださって、温かく見守っていただいています。子どもたちもきっと、「あったかいまちだな」と思ってくれていると思いますよ。

もちろん、時には厳しいご意見をいただくこともありますが、その時にも、「こうすればもっと良いと思いますよ」という事を必ず言ってくださいますし。この学校を建てる時についても、「自分たちのまちの学校を作ろう」ということで、先祖代々の田んぼを提供してくださったそうです。もちろん、稲作りに関しても地域の方が協力してくださっているからできていることでして、地域が温かい、たいへん素晴らしい地域だと思います。

そして、こうやって地域の方にも愛されていることで、子どもたちも、自分が愛されている、見てもらっている、大切にされている、という気持ちを持つことができていると思います。

最後に、学校のおすすめポイントを一言でお願いします。

横浜市立荏田小学校インタビュー

やっぱり「人づくり」ですよね。米づくりから学ぶ、たて割り活動から学ぶ、豊かな自然とまちから学ぶ。この3つで「人づくり」をしています。

横浜市立荏田小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

横浜市立荏田小学校

校長 澤田有子 先生

横浜市立荏田小学校
所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694
電話番号:045-911-0149
URL:http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/eda/

豊かな自然とまちから学ぶ人づくり。 地域から学ぶことで得られるものとは。/横浜市立荏田小学校 澤田有子先生
所在地:神奈川県横浜市都築区荏田南町694 
電話番号:045-911-0149

40年間以上にわたり経営される児童教育施設。 強い信念のもと、新しい形の幼児教育に取り組み続ける。/菅長学園 園長補佐 嶋崎靖 先生


菅長学園 園長補佐 嶋崎靖 先生

40年間以上にわたり経営される児童教育施設。
強い信念のもと、新しい形の幼児教育に取り組み続ける。

「子どもたち一人一人の可能性に種をまく」という理念をもとに、半世紀近くも以前から独創的な幼児教育に取り組み、現在は特に「英語教育の充実」という面で注目を集めている「菅長学園」。外国人教師が“担任”となる「バイリンガルコース」を設置するなど、その独自性は他に類を見ないほどだ。今回はこちらで園長補佐を務める嶋崎靖先生にお話を聞くことができた。

半世紀近くの伝統をもつ園ということですが、「菅長学園」の概要について教えてください。

「菅長学園」の創立は1967(昭和42)年になりまして、それ以来「質の高い教育を、いかにリーズナブルに提供するか」ということに重点を置いてやってきています。国の基準などには沿わず、独自の教育方針で経営していますので、今もなお、「無認可」の施設として運営しています。ですので、「幼稚園」ではなくて、「幼児教育施設」という呼び方が正しいものですね。

 

幼稚園との違いという面ですと、まず、時間割からして違います。普通の幼稚園だと自分たちの教室があって、そこに先生が来ますよね。ところがうちの場合は、各教室に設備があって、子どもたちが時間ごとに教室を移動するんです。それぞれ専門の教室や、園庭などに行くんです。大学の授業をイメージしていただければ分かりやすいでしょうか。

先生方や設備面などでの特徴はありますでしょうか。

うちは英語に力を入れて取り組んでいる園として有名なんですが、ひとつ大きな特徴としては、「外国人の先生が8人常勤している」という点があると思います。恐らく幼稚園レベルでの教育施設で、8人も外国人教師がいるというのは、全国広しといえども他にないかと思います。

また、日本人の教師については、「先生方の平均年齢が高い」という点が大きな特徴になっていると思います。ほかの園で一度働かれて、一度現場から離れて子育てをされて、また戻ってきたという方などが集まっているので、安心して預けて頂くことができるのではないかと思っています。先生については美術家・音楽家・演劇演出家などの専門家が常勤していて、多様な人材がいることも特徴ですね。

施設の面でも、うちは少し変わっています。認可の幼稚園だと敷地面積や給食の問題など、いろいろと制約があるのですが、うちには給食室も講堂もありません。「無駄」と言ってしまうと語弊があるかもしませんが、必要でないものは一切ない園なんです。ですからかかる費用も普通の幼稚園と比べれば格段に少ないと思いますよ。バス代なども一切かかりません。

本人と保護者の考え方、希望によって、3つのクラス分けがあるということですが、それぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。

入園時に選んでいただく基本コースは、「スタンダードクラス」「英語クラス」「バイリンガルクラス」の3種類です。「バイリンガルクラス」については、1、2、3年生の各学年に2クラスずつありまして、担任が外国人の先生になっています。授業も外国人担任は、全て英語で行っています。

 

 

「英語クラス」については、担任の先生は日本人ですが、半分の授業については、外国人の先生が毎日来てやっている、というものです。英語で進める授業と、日本語で進める授業が半々くらいのクラスですね。

「スタンダードクラス」というのは、担任も副担任も日本人の先生ですが、毎日1コマの英語の時間は、外国人の先生が受け持つというクラスです。ほかの幼稚園の「英語クラス」に相当するのが、この「スタンダードクラス」だと思います。

 

 

また、1年生から3年生の下には、「プレイルーム」という2歳児と3歳児のクラスがあります。一般的には週に1回ぐらいなんですが、うちは4年保育として扱っています。

英語教育に熱心に取り組む、その“思い”とは何でしょうか?

英語教育に関して大切にしているのは「遊びながら学ぶ」ということで、文法などよりも、「コミュニケーションができるか」ということに重点を置いています。授業の内容よりも「つねに近くに、いろんな人がいる」ということを伝えたいと思っています。グローバル社会において、英語はコミュニケーション手段として非常に重要なアイテムになっていますから、小さい時に英語を身近に感じておくことは、子どもたちの将来にとって、きっと大きな役に立つのではないかと思っています。

ですから「英才教育」という意識では全くないんですよ。それぞれの子どもたちが持っている可能性を遊びながら刺激して、種を蒔いてあげれば、小学生、中学生、いや高校・大学、大人になった時の糧になると信じています。

私自身も海外にはよく行くんですが、私の喋る英語なんて本当にメチャクチャです。でも、それでもちゃんと通じるんですよ。結局のところコミュニケーションって、「人間と人間として向き合えるかどうか」という点が一番重要だと思うんです。

身体づくりにも力を入れているそうですが、どのような取り組みをされているのでしょうか?

実は一番重要だと考えているのが「身体づくり」です。これは施設の創立当初から変わらない理念になっています。 具体的な取り組みとしては、ひとつは年間通しての「プール教育」が特徴的だと思います。

どういった取り組みかと言いますと、すぐ近くの「CACスポーツクラブ」に25メートルの競泳用温水プールがあるので、そこに毎週行って授業をしています。ここでは水遊びではなく、きちんと泳ぎ方を学びますから、ほとんどの子が卒業するまでには、何らかの形で25メートルを泳いじゃうんですよ。

菅長学園

ほかにも、サーキットトレーニング的なことにも取り組んでいますし、「裸教育」というのもそうですね。それを先生方の保護観察のもと、安全に行うことが使命だと思っています。これは英語とも共通する考えですが、われがれが大切にしているのは、「幼児期における体の成長に、いかに刺激を与えるか」ということなんです。

お話の中にもあった「裸教育」とはどんなものですか?

「裸教育」は創立当時くらいから続いている伝統でして、これもうちの大きな特色になっています。プールと同じで、「健康な身体づくり」のために行っているものです。今は子どもをめぐる環境も、過保護になり過ぎているきらいがあります。子どもたちは年中変わらない室内環境で生きていますよね。でも、もともと日本は四季が美しい国ですから、ここに生まれた以上、「日本の自然の中で生き抜く」という力を付けることが大事だと思うんです。

うちでは身体を動かす授業中については、できるだけ上半身裸で過ごすことを推奨しているんですが、こうすることで生き抜く力や、体力の向上、免疫力の向上にもつながっていると思うんです。

裸教育に関しては、もちろん強制ということではありませんから、子どもたちの気持ちを大切にしながら行っています。

年中行事でユニークなものがありましたら教えてください

うちは「学芸発表会」が年間を通して一番大きなイベントでして、毎年2月下旬にやっていますが、英語劇をやったり、ダンスをしたり、歌を歌ったりと、かなり本格的なものになっているかと思います。

 

 

この学芸発表会は「習志野文化ホール」という、キャパが1,500人のホールで、午前・午後の2回に分けてやるんですが、そうしないと保護者まで入りきらないんですよ。それぐらい、多くの方に来ていただけるような行事になっています。その他にも、運動会や遠足など、普通の幼稚園でやっているような行事もひと通りあるかと思います。

習志野文化ホール

あと、これは行事とは違うかもしれませんが、避難訓練をけっこう頻繁にやっています。そもそもうちは、子どもたちが時間ごとに教室を移動するというスタイルですから、日々の行動が避難訓練のようなものかもしれません。そんな点も特徴的かと思います。

卒業生にはこういった特徴の子が多い、という傾向はありますか?

子どもたちそれぞれ個性がありますから、卒業生にどんな子が多い、ということはなかなか言えません。ですが、スポーツで活躍している、英語を生かして留学をした、というような話はよく聞きますね。

 

 

特徴について敢えて言えば、英語をそんなに喋れなくても、聞く能力は相当にある子が多いですから、海外へ転勤予定の方、インターナショナルスクールに通わせたい方などには向いているかもしれません。 うちの場合、保護者の方で海外赴任する方が最近特に増えていて、毎日のようにそういう話題が飛び交っていますし、逆に、生徒の親御さんが外国人という方もけっこういらっしゃいます。ですので、「グローバル社会」を身近に感じられる園と言えるかもしれません。

最後に、薬園台エリアの魅力についてお聞かせください。

千葉県立船橋高等学校

やはり、東京へアクセスしやすいですし、成田にも羽田にも、非常に便利な立地ですね。それに加えて、薬園台や津田沼は文教地域ですから、子育ての環境としても、落ち着いていて良いと思います。

薬園台駅

その一方で、薬園台の駅周辺あたりは少し下町っぽい雰囲気も残っていると思いますし、個人的には、庶民派の飲食店があっていいなあ、と思います。総合的にバランスの良い町ですよね。

今回、話を聞いた人

菅長学園
園長補佐 嶋崎 靖先生

所在地:千葉県船橋市三山6-18-10
電話番号:04-7477-7799
http://www.suganaga.com/

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

40年間以上にわたり経営される児童教育施設。 強い信念のもと、新しい形の幼児教育に取り組み続ける。/菅長学園 園長補佐 嶋崎靖 先生
所在地:千葉県船橋市三山6-18-10 
電話番号:04-7477-7799
http://www.suganaga.com/

子育ての先輩が寄り添ってくれる施設/おやこDE広場 にこにこキッズ 遠藤眞貴子さん・齊藤とよ子さん・沖真貴さん・本田宗治さん


おやこDE広場 にこにこキッズ
遠藤眞貴子さん、齊藤とよ子さん、沖真貴さん、本田宗治さん

子育ての先輩が寄り添ってくれる施設

松戸市の委託事業として実施している「おやこDE広場 にこにこキッズ」は、「聖徳大学児童学研究所」の下で、2011(平成23年)5月にオープンしました。0歳児・1歳児が多いこと、そして周辺地域からだけでなく、わざわざ電車・バスを利用して訪ねてくる方も多いそうです。そんな施設の特徴、そして活動内容をスタッフの本田さん、沖さんに伺いました。

「おやこDE広場 にこにこキッズ」として活動をスタートした経緯を教えてください

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

本田さん:もともとは「聖徳にこにこキッズ」として活動していたのですが、2011(平成23)年に松戸市の委託事業として「聖徳大学児童学研究所」が運営する形で「おやこDE広場 にこにこキッズ」が開館しました。聖徳大学には児童学部があり、幼稚園教員・保育士などの養成課程がありますから、これまでの経験や実績を、社会に還元できればと思っています。

具体的な活動内容について聞かせてください

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:0歳児から3歳児までの未就園児を対象にした施設で、松戸市認定の子育てコーディネーターが子育ての相談に乗ったり、子育て支援サービスなどの紹介をしています。利用者は近隣の方が多いのですが、JR・新京成線「松戸」駅から近いこともあり、電車やバスに乗って来館される方もいらっしゃいます。市内には他にも「おやこDE広場」はありますが、当施設に関しては0歳児・1歳児の利用が多いですね。

「にこにこキッズ」の特徴を教えてください

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:3歳になれば、1歳児よりも身体は一回りも二回りも大きくなります。それを踏まえて、0歳児・1歳児だけを対象にした“赤ちゃんタイム”を設けました。この時間帯の主役を赤ちゃんにすることで、子どもたちが安全にのびのびと遊べるだけでなく、お母さん同士もゆったり交流できる環境になりました。

本田さん:それ以外の特徴としては、本学に在籍する幼稚園教員・保育士を目指している学生が、ボランティアとして活動していることも挙げられます。「おやこDE広場 にこにこキッズ」は、学生にとって実践の場としても機能しているのです。ここで学んだことや感じたことを、学業に活かしてもらいたいですね。また大学の教員がサポートしているので、研究者の立場からのアドバイスももらえます。

施設内を見渡すと、色々な玩具がありますね

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

本田さん:実績、経験ともに豊富な教員が選んだものです。玩具は消耗品ですから、そこまで力を入れる必要はないという意見もあるかもしれませんが、子どもたちが成長していく一助になるような“発達を促す玩具”にこだわりました。木製が多く、遊びを通じて学びを得られる玩具ではないかと思います。

先ほどの“赤ちゃんタイム”以外にも、何か特色のある試みはありますか

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:月2回、“絵本の読み聞かせ”をしています。どの絵本にするかは、子どもたちの年齢や雰囲気から判断して決めています。それと、初めていらっしゃる方が次回も来やすいように、コミュニケーションの場である“おしゃべりタイム”を設けました。子育て中のお母さん達がたくさんの方と出会って話をするなかで、人と人との輪を広げてもらえたらうれしいですね。

これから「おやこDE広場 にこにこキッズ」を、どのような施設にしていきたいとお考えですか

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

沖さん:初めての方には、また来たいと思ってもらえるような雰囲気づくりを。何度も通ってくださっている方に対しては、これからも同じように利用してもらえように、身近な存在であり続けたいですね。子育てを経験した私たちが力になれることはたくさんあると思います。お子さんの成長を逐次報告してくれる方もいますから、こうした良い関係を大切にしていきたいと思っています。

“松戸市で子育てをする”ということについて、どのような印象を持たれていますか

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

本田さん:松戸市は、おやこDE広場のような施設はもちろん、本学と連携して子育て支援のスタッフの養成を行うなど、子育てや教育にはとても熱心な自治体だと思います。周辺地域に関して言えば、すぐ近くに「松戸中央公園」があるなど、屋外で遊べる環境も整っています。親御さんにとっては、子育てのしやすい環境ではないかなと思います。

おやこDE広場にこにこキッズ インタビュー

今回、話を聞いた人

おやこDE広場 にこにこキッズ
遠藤眞貴子さん、齊藤とよ子さん、沖真貴さん、本田宗治さん

所在地:松戸市松戸1155 聖徳大学1F館
活動日:水・木・金曜日10:00~15:00(年末年始・お盆、祝日は休館)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/dekakeyo/hirobalist/nikonikokids.html

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

子育ての先輩が寄り添ってくれる施設/おやこDE広場 にこにこキッズ 遠藤眞貴子さん・齊藤とよ子さん・沖真貴さん・本田宗治さん
所在地:千葉県松戸市松戸1155 聖徳大学1-F館
電話番号:047-365-1111(代表)
開館時間:10:00~15:00
開館日:火~金曜日(祝日、大学休日は休み)
https://www.seitoku.jp/chizai/?page_id=8

元気な街で活き活きと音楽を指導 温かい目、長い目で子供の成長と真摯に向き合う/アベノミュージックセンター インタビュー


アベノミュージックセンター インタビュー

元気な街で活き活きと音楽を指導
温かい目、長い目で子供の成長と真摯に向き合う

「ヤマハ音楽教室」の理念は、音楽を通じて豊かな人間性を育むこと。ここ「アベノミュージックセンター」では、親子の触れ合いを大切に、子供の個性を尊重しながらレッスンを行っている。今回は、幼児科コースの講師を務める山西先生とスタッフの松井さん、先生と保護者の橋渡し役を担う浅利さんにお話を伺った。

ヤマハならではの特徴を教えてください。「適期教育」というものがあるそうですね?

松井さん : 適期教育というのは、子供たちの成長に応じたカリキュラムを組む、ということです。聞く力というのは3歳後半から6歳くらいがピークなんですが、一方で、指の力は6歳から小学校いっぱいくらいがピークなんです。指の力がまだ出来上がっていない子に難しい曲を弾いてもらうには無理がありますから、年齢に合ったレッスンを行うようにしています。
山西先生:心と体の発達に合わせた教育のことですね。聞く力をまず育てて、聞いたものを歌ってもらい、歌ったものを今度は弾いてもらう。そうすることで表現力がついていきます。将来は曲を作るということにつながって行くのですが、自分で作ったものを自分で表現する、これがヤマハのカリキュラムの特徴ですね。

「曲を作る」というのはすごいですね?

アベノミュージックセンター ピアノ

松井さん:ヤマハは“自作自演”を目標のひとつにしています。自分で作った曲を自ら演奏して、聞きに来てくれた人と感動を分かち合う。山西先生が教えている生徒さんも立派な曲を作っているんですよ。世界にひとつだけの曲なんです(笑)。子供たちに合った適期教育の中で、無理なく楽しくできることが大切だと思います。

子供たちに興味を持ってもらうために工夫されていることはありますか?

アベノミュージックセンター プライマリー

山西先生:幼児科では「プライマリー」というテキストを使っているんですが、明るい曲だったり、悲しい曲だったり、元気な曲もあれば、静かな曲もある。そういうものがバランス良く取り入れられているんですが、それをレッスンの中で、声のトーンだったり、テキストに載っている絵を使ったり、メリハリをつけながら興味を持ってもらえるようにしています
松井さん:1時間のレッスンの中には、聞いて歌って、弾いて楽譜を読むというのがありますから、先生方は色んなメニューを考えて、子供たちの興味を引き付けるような工夫をして下さっています。

保護者の方はどのような形でレッスンに関わるのでしょうか?

アベノミュージックセンター

山西先生:幼児科では、お子さんの隣で一緒に歌っていただいたり、手の動作を伴って音楽に参加して頂いたり、色んな形で一緒に楽しんでもらえるようにしていますね。そうすることで、ご家庭に帰られてからの家庭学習にもつながります。

保護者の方の中には、音楽が苦手という方もいらっしゃると思いますが?

アベノミュージックセンター

山西先生:音楽を経験したことがないというお母さんはいっぱいいらっしゃいます。ただ、レッスンの中で講師の方から「今からこうやってくださいね」など、言葉掛けを丁寧にさせていただいていますので、最初は不安を感じられていても、お子さんと一緒にやっていただけるような意図をはっきりと伝えれば、安心していただけているように感じます。

スクールの雰囲気作りで心掛けていることはありますか?

アベノミュージックセンター 内装

松井さん:明るく温かい雰囲気の中で通っていただくことを大切にしています。ヤマハの音楽教室の創始者の理念でもあるんですが、音楽を通じて、豊かな人間性を育むというのがあるんです。大きくなった時に、それぞれが立派な社会人になって欲しいという願いがあります。音楽を教えるだけではなく、グループレッスンなどを通じて、社会性や協調性を学んで欲しいと考えています。それに加えて、幼児期の子供さんは、お母さんとスキンシップすることで非常に情緒が安定するということがありますので、お母さんとの触れ合いというものを大切にしています。

子供の性格は様々だと思いますが、どのようなに接していますか?

アベノミュージックセンター

山西先生:幼児科は2年間というのが一つのスパンなんですが、最初は控えめだったお子さんも、毎週通うことで慣れて来るんですね。そうすると、「お友達がやっているから私もやってみようかな」という良い意味での刺激があります。それがレッスンの中で積み重なることで、最初は消極的だった子が「やってみようかな」「やってみたらちょっと楽しくなってきた」という風になったりします。大切なのは、お子さん一人一人が違う性格を持っていますので、温かい目で、長い目で見てあげること。お子さんのことで気にしているようであれば、お母さんにお声掛けをさせていただくこともあります。
松井さん:長年見ていて不思議なんですが、子どもはあっという間に変わっていくんです。慣れるまでに時間がかかる子ももちろんいますが、それは能力の差ではなく個性の違いなんです。期間をかけながら、じっくり音楽が体中に染み込んでいくよう心掛けています。

この仕事の“やりがい”を教えていただけますか?

アベノミュージックセンター

山西先生:色々ありますね(笑)。私自身、音楽が好きというのがありますので、そういう仕事に携われることにやりがいはもちろん感じます。それに、何より受け持っている生徒さんの音楽的な成長を見られた時、できなかったことができるようになった時のやりがいは本当に大きいです。そして、子供の成長は本当に早いんですが、社会栓や協調性、そういったものの成長を間近で見られると「大きくなったなあ」って感慨深いものがありますね。
松井さん:ヤマハ音楽振興会の指導スタッフの先生が話されていたのですが、幼稚園とか学校でも、担任の先生は2年くらいで変わったりするんですね。でもヤマハは1歳のコースからありますから、ずっとお子さんの人生そのものと関わっていくんです。学校の先生よりも長く子供と付き合っていることになります。子供の成長を間近で見ることができるのは、何物にも変えがたいやりがいだと思いますね。

ここからはスタッフと保護者の皆さんとの橋渡し役である、浅利嘉代さんにお話をお伺いします。先生や保護者の方、子供さんを大所高所から見ておられると思いますが、どのような心掛けで接していますか?

アベノミュージックセンター 浅利さん

浅利さん:保護者の方、お子さん、ひとりひとりを大切にしたいと思っています。レッスンルームから出てきたら、きちんと挨拶するとこから始まって、声をかけさせていただいています。お子さんのちょっとした事でもお話をさせていただいていると、そこからお話が膨らんでいくことが多いですね。

保護者の方の悩みはどのようなものがありますか?

アベノミュージックセンター レッスン室

浅利さん:レッスンの不安はもちろんあります。最初はうまくいかない事もあるかもしれませんが、「できないからといって今が全てではないんですよ」ということをわかってもらえるように心掛けています。それが出来るようになるために、先生方は双方に合うようにキメ細かくレッスンをしてくださっていますから。

子供の成長を感じることはありますか?

アベノミュージックセンター 入口

浅利さん:ほとんどしゃべれなかったお子さんが、2~3歳になると大人並みにしゃべるようになっていく。「随分、お話が上手になりましたね」っていう話をよくします(笑)。人見知りのお子さんがなかなか溶け込めないっていうこともあったんですが、スタッフのところに出席カードを一人で持って来られるようになったときには、本当に嬉しくなりました。最初はクラスに入ることも出来なかったお子さんの場合は、ステージに立てるようになった時、お母さんは号泣されていましたね。

最後に、それぞれが感じる阿倍野・天王寺エリアの魅力を教えてください。

アベノミュージックセンター

山西さん:まず立地条件、交通アクセスが良いことがあります。最近はハルカスとかキューズモールとか、色んな建物ができて、人も多くなり、以前よりも活気が出てきた印象です。
松井さん:そうですね。その活気がお母さん方、お子さんたちにも出てきている気がします。ターミナル駅ならではの活気なのかもしれませんね。私も生徒募集でチラシを配ったりするんですが、大阪府下の色んなところに行きましたけど、ここは本当に元気があります。
浅利さん:なんでも揃っていることではないでしょうか。駅の周りにキュッと街がある感じです。最近は都会的なところも出てきて、それでいて下町風なところもまだまだ残っています。よそゆきの格好をしなくても来られる、格好つけなくても来られる街ですね。

今回、話を聞いた人

アベノミュージックセンターインタビュー

ワタナベ楽器店取締役営業部長:松井啓介さん

アベノミュージックセンターインタビュー

スタッフ:浅利嘉代(あさり かよ)さん

アベノミュージックセンターインタビュー

講師:山西清香(やまにし さやか)さん

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

親子が安心できる場を提供する 地域に寄り添う子育てサロン/子育てサロン光ヶ丘 宮下由美さん・横井修加さん


子育てサロン光ヶ丘
宮下由美さん、横井修加さん

子育てサロン光が丘

子育て親子が安心できる場を提供する
地域に寄り添う子育てサロン

「光ヶ丘近隣センター」の2階で活動している「子育てサロン光ヶ丘」。周辺は、緑の多い落ち着いた街並みが広がっています。子どもたちを安心して遊ばせることができる場を提供し、同時に保護者同士の交流の場になっている「光ヶ丘近隣センター」を訪ね、活動内容を中心にお話を伺いました。

さっそくですが、「子育てサロン光ヶ丘」の概要について聞かせてください。

子育てサロン光が丘

立ち上げのきっかけは、柏市光ヶ丘地域ふるさと協議会からの要請でした。発足以来、地域の子どもたちの健全な成長をサポートする民生委員・主任児童員を中心に活動しています。子育てというのは親御さんにとっては大仕事。それを少しでも軽減し、助けられるようなサロンでありたいと考えています。事前申し込み等も不要で無料で参加できるため、気軽に足を運んでもらえたらと思います。

活動内容について、少し具体的に聞かせていただけますか?

子育てサロン光が丘

「光ヶ丘近隣センター」内の和室をお借りし、毎月第1・第3木曜日に活動しています。“活動”とは言いましたが、子どもさんの自主性を大切にする意味でも特別なことはせず、この広い空間を最大限に利用し、自由に遊んでもらえればと思っています。一方の親御さんには、ここを情報交流の場、相談の場として大いに利用していただければ嬉しいですね。

「柏みどり保育園」から、保育士さんがいらっしゃると伺いました。

子育てサロン光が丘

先生に来ていただく第3木曜日は、一緒に手遊びをしたり、子どもさんが好きな歌を歌ったりします。先生がいらっしゃることは保護者の間でも浸透しているようで、それを楽しみに来られる方も多いですね。どのような時間にするかは、先生にお任せてしているので私たちは見守っているだけですが、子どもたちの楽しそうな表情を見るだけで嬉しい気持ちになります。

他の子育てサロンとの違いなどあれば聞かせてください。

光が丘子育てサロンインタビュー

市内には他にも子育てサロンはあるのですが、「子育てサロン光ヶ丘」の場合は特に、遠くからいらっしゃる方が多いような気がします。当サロンの基本姿勢は“何事にも自然体で臨む”ということ。お互いが無理なく自然体で、楽しい時間を過ごすことが大切だと考えています。

活動にあたり、特に心がけていることなどあれば聞かせてください。

子育てサロン光が丘インタビュー

やはり何よりも大切なのは、安全だということですね。どれだけ楽しい時間を提供しても、ここで怪我をしてしまっては意味がありません。部屋を走り回る子どもさんがいたら、すぐに注意します。それ以外には、遊び終えた玩具を消毒することですね。ひとつずつ手作業で消毒するので時間は掛かってしまいますが、念には念を入れて、安全性を確保することは大切だと考えています。

「子育てサロン光ヶ丘」の活動に携わっているなかで、何か感じたことなどはありますか?

子育てサロン光ヶ丘インタビュー

この場にいると、色々な遊びを覚えられます。運営スタッフの中には、お孫さんを連れてきて一緒に遊んでいる方もいらっしゃるんですよ。子どもたちと接していると色々なことが学べますし、遊びを通じて新しい発見がありますから、本当に有意義な時間を過ごしているなと感じますね。

子育て環境としての南柏エリアはどのように感じていますか?

中原ふれあい防災公園

近くには「麗澤大学」があり、静かな学生街といった雰囲気が漂っています。都心部と比べると緑に恵まれているので、より落ち着いた環境下で子育てができるのではないかと思います。特にオススメは「中原ふれあい防災公園」です。広大な園内を歩いていると本当に気持ちいいですよ。四季の移り変わりを感じながら、子どもさんと散歩をするのもきっと楽しいと思います。

子育てサロン光が丘

今回、話を聞いた人

子育てサロン光ヶ丘

宮下由美さん(写真左)、横井修加さん(写真右)
所在地:千葉県柏市光ヶ丘団地200-5 光ヶ丘近隣センター2階
電話番号:04-7149-0390

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

親子が安心できる場を提供する 地域に寄り添う子育てサロン/子育てサロン光ヶ丘 宮下由美さん・横井修加さん
所在地:千葉県柏市光ヶ丘団地200-5 光ヶ丘近隣センター2階 
電話番号:04-7149-0390

仲間の「和」「輪」「笑い」 ママたちが持っている力を引き出す/子育てサロン「わ」 増田鉦子さん


子育てサロン「わ」 増田鉦子さん

子育てサロン「わ」

仲間の「和」「輪」「笑い」
ママたちが持っている力を引き出す

「我孫子」駅はJR常磐線と成田線が乗り入れる駅で、北千住までは快速で25分で到着する東京のベッドタウンである。1997(平成9)年以降に再開発計画が進展し、駅前ロータリーや駅前ビル、国道6号へ接続する道路などが整備され、より暮らしやすい街へと発展している。また駅から徒歩圏に新興住宅地が広がり、転入するファミリー層も増えている。そんな我孫子市で活動する子育てママ支援の場、子育てサロン「わ」で、我孫子市の子育てサポートについてお聞きした。

子育てサロン「わ」の概要についてお聞かせください

子育てサロン「わ」

子育てサロン「わ」は、仲間の「和」「輪」「笑い」の中で親子が楽しく過ごすことを目的に、「子育て中のママさんたちが孤独を感じないように」、「育児の大変さから気が紛れるように」と、我孫子市の北地区社会福祉協議会のメンバーで運営しているものです。
月1回、第3火曜日に我孫子北近隣センター並木本館で近隣センターを管理している我孫子北まちづくり協議会と共催で開催しています。参加は無料、申し込みも不要ですので、気軽に参加してほしいですね。対象は0才~未就園児のお子さんとその保護者で、毎回テーマを決めて実施しています。例えば、親子の簡単な工作、絵本の読み聞かせや保健師を呼んでの相談会など、お母さんの悩み解決から子どもが楽しめるものまで、幅広いテーマにするように心がけています。

サロンの流れなどを教えてください

子育てサロン「わ」

10時から会場は開いていますので、ママとお子さんたちは入っていただき、おもちゃで自由遊びをします。北地区社会福祉協議会のスタッフの手づくりのおもちゃも多いので、どれも素朴で優しいおもちゃです。
10時20分になったら、全員での自己紹介タイム。毎回約3割の方は初めて参加される方なので、この自己紹介で全体の雰囲気がほぐれます。自己紹介が終わったら、手遊びタイムです。元保育園教諭のスタッフによる歌や手遊びでは、子どもたちが好きな「アンパンマン」の歌などで、お母さんも一緒に歌って遊びます。
そして10時半からは、その日のテーマの活動です。今日はクリスマス・ブーツづくりを親子で行います。そして10時50分からは木のおもちゃで遊ぶ時間、最後はお誕生日のお子さんに手づくりのテディベアをプレゼントするハッピーバースデー・タイムで、11時半には会が終了します。

お母さんやお子さんたちと接するうえで、心がけていらっしゃることは何ですか?

子育てサロン「わ」

この子育てサロン「わ」は、ママたちが持っている力を引き出す役割ですので、ママたちが自然に交流することが大前提です。ですから、あまりこちらからは積極的に介入せず、サポートが必要な時にちょっと背中を押してあげたり、という役目ですね。
個人的には、全てのママと必ず1回は話すことを、心がけています。子育て中の悩みや孤独感は、同年代のママたちと友だちになることも大切ですが、ただ話を聞いてくれるだけのおばあちゃん役も時には必要。何か話したくなったら、このサロンに来てほしいと思います。

0才から3才という幅広い年齢の子どもが一緒に遊ぶうえで、気をつけていることなどはありますか?

子育てサロン「わ」

工作などでは、1才と3才ではできることが違いますので、例えば1才のお子さんならシール貼りなどの簡単な作業、3才のお子さんであれば絵を描いたり糸を通したりと少し複雑なこともやってもらいます。別々の活動をするのではなく、あえて異年齢の子どもたちを一緒に遊ばせ、できることを楽しむ。すると隣のお兄さん・お姉さんがやっていることを見て、小さい子は学び・模倣することで、できることも増えるようです。

お母さんも、「あと1年経つとあんなことができるようになるのか」とよそのお子さんを見て想像できるようになり、同じ年齢のお子さんと接することで「泣くのはウチの子だけじゃないんだ」と安心したり、色々な人と交わることで勉強にもなります。
最近は0才の赤ちゃんを連れたママさんも多く参加して下さるので、安全面にも配慮して開催しています。

この地区のママさんたちを見て、感じることはありますか?

子育てサロン「わ」

子育てに積極的ですし、子どもへの愛情も充分注いでいらっしゃるし、今のママたちはスゴイ!と思います。その愛情を一身に受け、子どもたちも精神的に安定していますし、発育状況も素晴らしいですよ。

私は元保育士だったこともあり、そこで教えてもらった知識をチャンスがあれば、ママたちにお伝えしています。例えば、子どもは体が小さいだけで、感情も情緒も大人と同じ位キメ細かいということ。ですから子どもの感情は頭から否定しないで、いったん受け入れて、対処することが大切です。
子どもへの愛情は、たくさん話しかけてあげることで、より注ぐことができます。そして子どもも話をしてもらうことで、その愛を受け取ることができる。対話を通して、親子の情愛を育ててほしいと願っています。

我孫子市の魅力はどんなところですか?

子育てサロン「わ」

我孫子市の子育て支援は非常に充実していると思います。例えば、火曜日以外毎日利用できる子育て支援センターの「にこにこ広場」(我孫子駅南口アビイクオーレ)や、日曜日以外は毎日利用できる「すくすく広場」(天王台駅南口)などがあります。
このように曜日をズラして、育児中のママの行き場がきちんと確保できるように配慮されています。
また保育園の園庭解放や一時託児、病児保育など、ママたちをサポートする仕組みも沢山あります。育児中のママにとっては、とても住みやすい街だと思いますよ。

子育てサロン「わ」

今回、話を聞いた人

我孫子北地区社会福祉協議会
子育て支援プロジェクト 子育てサロン「わ」

増田鉦子さん(写真右)

活動場所:我孫子北近隣センター 並木本館
千葉県我孫子市並木5-4-6 電話番号:04-7157-4517
問合せ:04-7165-3434(我孫子北地区社協)(月~金)
代表者:戸屋眞一郎さん

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

仲間の「和」「輪」「笑い」 ママたちが持っている力を引き出す/子育てサロン「わ」 増田鉦子さん
所在地:千葉県我孫子市並木5-4-6 
電話番号:04-7165-3434(我孫子北地区社協)(月~金)

六義園の邸宅街を支える「大和郷会」/一般社団法人大和郷会 理事長 田口邦臣さん・副理事長 伊東久信さん


一般社団法人大和郷会
理事長 田口邦臣さん
副理事長 伊東久信さん

六義園の邸宅街を支える「大和郷会」

文京区本駒込6丁目「六義園」を囲む邸宅街で実質的な“町会”として活動している、一般社団法人大和郷会(やまとむらかい)。社団法人が町会活動を一手に担っているのは全国的にも非常に珍しいケースだが、それに加え、大和郷会では「大和郷幼稚園」の経営も行っているという。こういった非常に特殊な運営形態をとっている背景には、本駒込六丁目を中心とした住宅地域、通称「大和郷」の特殊な歴史が起因している。今回は大和郷会の理事長・田口邦臣氏と副理事長・伊東久信氏にお会いし、大和郷の由来と特徴、町会活動の現状などについてお伺いすることができた。

そもそも「大和郷」とはどのような地域なのでしょうか

理事長、副理事長

伊東:まず「大和郷」の概念ですが、地域としては国道17号(白山通り)、不忍通り、本郷通りに囲まれた地域を指しまして、もともと三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎さんが、最初に1878(明治11)年くらいでしょうか、この地域の土地を買いまして、その後、1921(大正10)年に、3代目の岩崎久弥さんが「理想の都市を作ろう」ということで、中産階級向けに分譲した地域なんですね。

本郷通り側の土地はその後も岩崎家「保留地」ということで分譲せずに岩崎さんが持ち続けて、庭園部分は1938(昭和13)年に東京都に寄付され、現在の「六義園」になっております。

六義園

弥太郎さんが所有していた最初の頃は、大和郷全体にレンガ塀を巡らせていたそうでして、弥太郎さんの弟の弥之助さんが作庭が好きな方だったものですから、「六義園」の庭をきれいに改修されたんです。弥太郎さんの長男、岩崎久弥さんの時代になりますと、世相なども受けて、「ノブレス・オブリージュ」(高貴な者の社会貢献)という視点が生まれてきまして、分譲を行うことになったそうなんです。

ここに1922(大正11)年の大和郷の地図があるのですが、岩崎さんがその後も持っていた土地については、「保留地」と書いてありますね。現在の「六義園」と、その南北の土地になります。「六義園」の南北の土地については、最初の分譲の時にはまだ岩崎さんが持っていて、その後、追加で分譲したんですね。中央に「小公園」と書いているところが、現在の「大和郷幼稚園」の場所です。

六義園 地図

面白いのは大和郷は現在の文京区(旧本郷区、小石川区)と豊島区にまたがっているんですね。本郷区上富士前町、小石川区駕籠(かご)町、豊島区巣鴨一丁目という、3つの行政区域にまたがっていたんです。その広い地域を一度に分譲しましたから、それを一括する組織として「大和郷会」という社団法人を作ったんですね。今でも大和郷は文京区と豊島区にまたがっていますが、文京区のエリアについては、私たち大和郷会が、本駒込六丁目としての町会業務を担っております。

大和郷と言えば、伝統のある高級住宅街として知られていますが、それは何故でしょうか?

一般社団法人大和郷会

伊東:大和郷では分譲直後の1923(大正12)年に関東大震災があり、戦災でも多くのお宅が焼けてしまいましたが、それでも、1922(大正11)年からずっとお住まいになっている方もけっこういらっしゃいます。

一般社団法人大和郷会

お住まいになっていた方も、三菱グループの重役や、政治家、官僚、実業家、学者が多くいらっしゃいまして、中産階級向けとは言いましても、アッパークラスの方が多く住まわれていたんですね。元総理大臣だった加藤さんや若槻さん、商工大臣だった俵さんなどもお住まいでしたし、美智子皇后のご実家の正田邸も、一時期ここにありました。昔は「大和郷で組閣ができる」と言われていたほどなんですね。

田口:正田さんも、池田山のお宅を作る前の短い期間ですけれども、俵さんから家を借りて、ここに住んでいらっしゃたんです。

三菱財閥が所有する以前は、どのような性格の土地だったのでしょうか?

一般社団法人大和郷会

伊東:もともと大和郷の地域は、ほとんどの部分が加賀藩前田家の中屋敷でした。上屋敷は東大の辺り、中屋敷は大和郷の辺り、下屋敷が板橋区の加賀町辺りにありまして、どれも中山道に面していたんですね。そのうち中屋敷は、隠居した大名が主に住んでいるお屋敷だったそうです。

染井霊園

明治になって廃藩置県が行われまして、藩が持っていた土地は幕府に返納されましたから、それを岩崎弥太郎さんが1878(明治11)年ぐらいに買ったんですよ。本当は現在の山手線を越えて向こう側まで、岩崎家の土地だったそうなんですね。ですから今でも、「染井霊園」に隣接して岩崎弥太郎さんの墓があるんです。こういった経緯があって、明治になって岩崎さんが購入した土地のうち大和郷部分をレンガ塀で囲って、中を「駒込別邸」としていたんですね。

なぜ「村」ではなく「郷」と書くのでしょうか?

お二人

伊東:これについては、昔は「大和村」と表記していまして、今の「郷」というのは、こちらとしては「苦肉の策」なんです。もともと大和村というのは、「大いに和を為す村」という意味がありましたが、当時の内務省から、「東京市内に、行政区の“村”と同じ名前があるのはまぎらわしい」と指摘されまして、名前を変えろということで、郷という名前を付けたというのが、実際のところです。

幼稚園に大和郷会の事務所があるのは不思議ですね

古地図

伊東:今はこの幼稚園舎の一部が大和郷会の事務所になっていますが、そもそもここに幼稚園ができたきっかけも面白いんです。岩崎家から分譲されて大和郷ができた当時、地図を見ると、ここは「小公園」となっていますよね。もともとの大和郷会の事務所は、その公園の向かい側にあったんです。

一般社団法人大和郷会

「小公園」の土地は将来、大和郷会に寄付するという約束で小公園だったそうなんですが、その時、岩崎家から大和郷会に伝えられた要望が、「児童のために使う土地にしてほしい」という事だったんです。それを大和郷会のメンバーで考えた結果、公園として整備すると整備費用と維持運営費用が莫大になるため、「子どものための教育の場」にしてはどうだろうという話になったそうなんです。そこで岩崎久弥さんに話したら賛同して下さったので、ここに幼稚園が生まれたんですね。そしてその後に事務所もこちらに移りました。

一般社団法人大和郷会

「大和郷幼稚園」は基本的には大和郷在住の方の子弟のための施設だったのですが、開園当初からご紹介のある方について入園していただいています。社団法人が立てた幼稚園というのは、全国的にも非常にレアケースだと思います。1995(平成7)年からは学校法人になりまして、「学校法人大和郷学園 大和郷幼稚園」となっていますが、町会と幼稚園は一体で運営されていまして、私達も今でも町会と幼稚園、両方の理事長、副理事長ということでやっております。

大和郷会の現在の活動内容と、将来の展望について教えてください

一般社団法人大和郷会

伊東:町会活動については、文京区本駒込6丁目については特に、普通の町会と同じように行っています。巣鴨1丁目に関しては、町会業務の協力という形になっています。

一般社団法人大和郷会

会報誌としては「大和郷だより」というものを作りまして、年に4回、800部刷って大和郷会員、幼稚園の保護者、その他関係先などにお届けしています。関係先というのは文京区など行政関係もありますが、以前ここにお住まいだった方などにもお送りしています。昔ここにいらっしゃた方でも、昔を懐かしんで、散策に来られる方も多いようですね。

理事長-1

田口:今では通りで子どもが遊ぶなんて事は無理ですけれど、昔は、この道路が子どもの遊び場だったんですよ。石蹴り、凧揚げ、キャッチボールなども道路でやっていました。そういう思い出があるから、みなさん散策されるんじゃないんですかね。大和郷は戦前から、電柱が一本もなかったんです。すべて地下に埋設していたんです。今はそうではなくなってしまいましたが、私が子どもだった頃は、とっても広々とした感じだったです。家の前の通りでローラースケートだってできたんです。

それから、大和郷の地域には道の両側に歩道が付いているでしょう。あれも昔からあるものなんです。当時は、歩道がある通りというのは銀座の次だったということです。

一般社団法人大和郷会

伊東:大和郷会はもともと公益社団法人として運営していたんですが、2013(平成25)年の4月から一般社団法人になりまして、それに伴って定款、規約もすべて変更しました。会員の福利増進、厚生施設の運営、教養趣味、社会生活の向上という、いわゆる「生涯学習事業」に加えて、幼稚園への土地貸与、乳幼児への園庭開放をしています。

一般社団法人大和郷会

それとともに、「地域社会における公共団体の事務に対する協力事業」ということで、定款では新たに「大和郷学園」の事業を足し込んで行っています。それが大和郷会の事業内容ですね。

 

 

スポーツ事業としては、ゴルフ、気功、ヨガ、健美操、ウォーキング、ハイキング、社交ダンス、フラダンスなどを行っています。会場には幼稚園の建物の上にある集会室を使っております。いずれも、大和郷会の方が対象となっているものです。その他、新年会や家族会などの年中行事も行っています。新年会は1925(大正14)年に大和郷会ができて以来の伝統行事で、90年近く続いているものです。例年、皆さん結構お越しになりまして、80人くらいは参加者が集まります。

理事長副理事長

田口:大和郷会の活動はいろいろとありますけれども、つまりは、公益性をもった地域限定の社団法人ということです。そして会員や活動も地域限定になっています。もちろん、新しく他所から引っ越して来られた方でも、お入りいただけますので、新しい方にもぜひいらしてほしいですね。

今回、話を聞いた人

理事長、副理事長

一般社団法人大和郷会
理事長 田口邦臣さん(写真右)
副理事長 伊東久信さん(写真左)

住所:東京都文京区本駒込6-9-7
電話番号:03-3944-2043

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

六義園の邸宅街を支える「大和郷会」/一般社団法人大和郷会 理事長 田口邦臣さん・副理事長 伊東久信さん
所在地:東京都文京区本駒込6-9-7 
電話番号:03-3944-2043

育児相談、親子イベント、思い思いに遊ぶ時間・・・ 子どもたちとママパパの頼れる場所/南部みんなの広場 職員 福井 恵子さん・成井 景子 さん


「南部みんなの広場」
職員・福井 恵子さん、成井 景子 さん

南部みんなの広場

0~18歳の子育てや成長を応援!
育児相談、親子イベント、思い思いに遊ぶ時間・・・
子どもたちとママパパの頼れる場所。

「南部公園」の潤いが身近に感じられる「柏市役所 南部近隣センター」内に「南部みんなの広場」があります。乳幼児がいる親御さんが子どもを安心して遊ばせたり、小学生、中学生以上の子どもたちが気軽に来てすごせる場としてや、子育ての情報交換の場としても機能しています。定期的なイベント活動などもあるようです。具体的にはどのような取り組みを行っているのか、今回は、職員の成井さんと福井さんにお話を伺いました。

「南部みんなの広場」とは、どのような場所なのでしょうか?

南部みんなの広場

柏市役所には7ヶ所の児童センターがあります。児童センターとは、0歳~18歳までの子どもを対象にした、子どものことを考えるみなさんのための場所です。

「南部みんなの広場」は、そのなかのひとつです。開館時間である10:00~17:00までであれば、いつでも自由に利用していただけます。就学前のお子さんは保護者の付き添いが必要ですが、利用料も掛かりませんし、事前に申し込む必要もないので気軽に遊びにきていただきたいと思います。

対象が0歳から18歳までとは幅広いですね!年齢が異なる子どもたちが集い、どのようにすごしているのでしょうか。

南部みんなの広場

カードゲームをしている小学生がいる一方で、そのすぐ傍で読書をしている中学生がいたり、といった具合です。年齢が異なることで問題が起きるということはなく、同じ空間で色々な子どもたちが各自の思い思いの時間や、共に関わる時間を楽しそうに過ごしています。
社会に出れば、相手と年齢が違うというのは当たり前のことです。そういった意味では、このような環境で過ごす時間というのは、子どもたちにとってなかなか貴重かもしれませんね。

「南部みんなの広場」では、自由に過ごす日常活動の他に、定例イベントで「子育て広場」や「0歳コーナー」があるそうですね。どんな活動なのか教えて頂けますでしょうか。

南部みんなの広場

まず、「子育て広場」というのは、毎週火曜日と木曜日の10:00~12:00に乳幼児とその保護者向けに開いているもので、子どもたちと手遊びをしたり、読み聞かせなどをしたりします。また、親子同士の交流を通し友達づくりの場となっています。広い部屋なので、みんなのびのび楽しそうに遊んでいますよ。

南部みんなの広場

「0歳コーナー」は、毎週水曜日の14:00~15:00がその時間となっています。こちらは親御さん同士の交流を目的としたものです。子育てをしているなかで、分からないことや不安なことがあるかと思います。ここで積極的に情報交換などをして不安を解消したり、友達をつくり安心して子育てができるようになるきっかけの場となってもらえたらいいなと思います。

その他に定期的に行われているイベントや、「南部みんなの広場」ならではの活動はありますでしょうか。

南部みんなの広場インタビュー

他には、定期的に「伝えたい季節の折り紙」、「ふれあい囲碁サロン」や「卓球教室」なども開かれます。この地域の高齢者の方などがボランティアで講師を務めてくれます。月に2回「みんなの喫茶」も行われ、美味しい飲み物、手作りクッキーを食べながら、世代の違う人たちが交流する場でもあるのです。
児童センターは他にもありますが、「南部みんなの広場」は特に、そうした世代間交流が盛んなような気がしますね。

子育ての悩み相談から、さまざまな人との交流まででき、子育て世代には心づよい施設ですね。

南部みんなの広場

そうですね。他にも、教員だった方がボランティアとして勉強を教えてくれる「ひろば・色えんぴつ」が同じ「南部近隣センター」内で開かれていたりもします。ここは子どもたちにとっても、親御さんたちにとっても嬉しい施設だと思います。
遠くの街から通って来てくれる子もいるんですよ。

子育てをする上で、周辺環境はいかがでしょう。逆井の街の魅力を教えてください。

南部公園

自然が身近にあることでしょうか。「南部公園」を少し歩くだけでも、色々な樹木が植えられているのが分かると思います。ソメイヨシノをはじめ、ツツジ、ツバキ、コナラ、クヌギなど、季節ごとに異なる顔を見せてくれます。この緑地公園は、子どもだけでなく私たちにとっても大切な場所です。少し疲れたときに散策すると、清々しい空気に囲まれてホッとしますね。

そのほかに、おすすめの場所などがございましたらぜひ教えてください。

リフレッシュプラザ柏

バードウォッチングが楽しめる「南増尾小鳥の森」もいいですね。都心部ではすっかり珍しくなった雑木林が広がっています。木々をすり抜けやってくる風は本当に素敵ですよ。
それ以外には、プール、トレーニングルーム、温浴施設が設けられた「リフレッシュプラザ柏」もおすすめです。土・日曜日は駐車場が一杯になるくらいの人気の施設なんです。また、「リフレッシュプラザ柏」の近くには新しく公園ができるそうなので、それが完成したら、さらに楽しい場所が増えるかもしれませんね。

南部みんなの広場

今回、話を聞いた人

南部みんなの広場

福井 恵子 さん、成井 景子 さん

住所:千葉県柏市新逆井2丁目5-13
  (柏市役所 南部近隣センター内)
電話番号:04-7173-1333
http://kosodate.city.kashiwa.lg.jp/area/nanbu/top_nanbu.htm

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

育児相談、親子イベント、思い思いに遊ぶ時間・・・ 子どもたちとママパパの頼れる場所/南部みんなの広場 職員 福井 恵子さん・成井 景子 さん
所在地:千葉県柏市新逆井2丁目5-13 
電話番号:04-7173-1333
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/07..

生まれ育った街で、こだわりのフレンチを。/レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム オーナーシェフ 五十嵐浩司さん


レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム
オーナーシェフ 五十嵐浩司さん

生まれ育った街で、こだわりのフレンチを。

「六義園」を擁する緑に恵まれた駒込エリアは、要人たちの邸宅が集まっていたことから、今なお高級住宅地として認知されている人気地区。同時に昔ながらの商店街の風景や、人懐っこい下町の人々の温かさも感じることのできる場所でもある。そんな駒込に2013(平成25)年にオープンした「レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム」は、旬の野菜とこだわりの食材で彩るフランス料理のお店。駒込で生まれ育ったというオーナーシェフの五十嵐浩司さんに駒込の魅力をたっぷりお聞きした。

さっそくですが、料理人という職業を志した理由をお教え下さい。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

両親が駒込で寿司屋を経営していましたので、手に職をつけたいという思いは若い時からありました。ただ寿司や和食の料理人ではなくフレンチに進んだのは、ちょっとした反抗心だったかもしれません。両親共々店に出ていたので食事は店屋物が多く、野菜は小さい頃から本当に苦手(笑)

なので、あえて野菜中心のフレンチレストランにした理由は、野菜ギライな自分への戒めです。どうすれば野菜を好きになれるのか、苦手意識を克服したいと、あえて野菜をテーマにしたお店に挑戦しました。でも野菜が苦手な人の気持ちが理解できるというのは、今の仕事には非常にプラスになっていると思っています。

駒込で開店されたきっかけはどういうものだったのでしょうか。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

きっかけは50年続いた父の寿司屋が閉店したことでした。それまでいた赤坂の店は開店から10年経ち、お客様にも認知していただき経営も安定した状態だったのですが、駒込という昔ながらの街並みと人が残ってる場所で、野菜にこだわったフレンチという店を開いてみたくなったんです。安定かチャレンジかの分かれ道に立つと、必ず大変な方を選択してしまう。これはもう性格ですね。

本当は親父の寿司屋の跡地に店を開ければよかったのですが、諸事情があり今の場所にオープンすることになりました。子どもたちも留守番できる年齢になりましたので、現在は夫婦二人で切り盛りしています。

赤坂と駒込では雰囲気が随分違うのではないでしょうか。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

駒込というと高級住宅街のイメージが強いと思いますが、この店がある商店街は下町の雰囲気が未だ残る場所。なので食事は気軽に入った店でサッと食べるという感覚が根強くて、最初は予約して店に来てもらうことも難しかったんです。お店の雰囲気はお客様と協力して作りあげるものだと思いますので、一緒に「食に対する意識」「食べ手の意識」をゆっくりと育てていきたいというのが私たちの思いです。

例えばウチの店はギッチリ詰めれば15名入りますが、通常10名程度までで、後からお客様がいらっしゃっても僭越ながらお断りしています。今ここで食事をされている方が、気持ちよく・美味しく・居心地よく過ごしていただくことを一番に考える。食事というのはただ「食べて、旨かった、ご馳走さん」というだけでは括れないプラスアルファの部分があります。それが食文化であり、それを成熟させることが私たちの使命であると思っています。

メニューやレシピを考える時、心がけていることはありますか?

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

基本的に「絶対に手を抜かない」「ズルをしない」のが自分のポリシーです。 本来、食べ物は体を健康にするもの。化学調味料を使用せずワインもオーガニック、野菜も可能な限り低農薬のものを仕入れているのは、外食は体に悪いという考えを覆したいからです。体に良いものを摂ると、動物としての人間の体が、そして細胞の隅々までが喜びます。二日酔いで頭痛もおきませんし、肌の調子もよくなる。そんな「人間の営みに合わせた料理」「細胞が美味しいと思う料理」を提供したいとずっと考えています。

せっかく四季折々に旬があり、野菜の種類も豊富な日本に生まれたのですから、夏には体を冷ます作用のある野菜、春はデトックスの効果がある野菜、冬は体を温める根菜など、繊細な変化を楽しんでほしいですね。

繊細な野菜をテーマにしているということで、難しさを感じる部分はありますか?

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

野菜は保存ができないので、すぐに使い切らなければいけないのが大変です。野菜の仕入れはその時々で一番美味しい野菜をお任せで届けてもらっています。初めて見る野菜が入っていることもありますが、新たな挑戦と思い、楽しみながら料理しています。あとは、シェフが自分独りなので、提供するメニューには限界があるということくらいでしょうか。

野菜は、噛んだ時にふわっと広がる香りや食感が命です。繊維をしっかりと噛み、唾液と一緒に咀嚼することがとても大切。紫の人参や紅芯大根など、八百屋やスーパーではあまり目にしない珍しい野菜も美味しい料理にしていますので、是非、野菜そのもの味や食感を味わってほしいですね。

自慢のメニューを教えてください。

アスパラのブリュレ、夏限定の焼きナスのアイスなど、ほかでは味わえない楽しいデザートは自慢ですね。そして一番楽しんでほしいのは盛り付け! 最後のフィニッシュである盛り付けは遊びの要素たっぷりで僕が大好きなところ。お出しした時のお客様の反応にワクワクしてます。

お医者さまや栄養士の方々とプロ向けの食育講座を開かれていると聞きました。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

食には病気を未然に防ぐ力があります。病気にならない体を作れるのであれば、病気を治す医者と同じくらい、「食」は重要な役割だと思うんです。なので、不健康なイメージが根強い外食産業の従事者の方々、つまりプロの料理人に対して医者と栄養士と一緒に食育講座やカンファレンスを開き、「意識を変えよう」と訴えています。今は店が忙しくてなかなかできていないのが実情ですが、将来的にも続けていきたいと思う活動です。

今後の展開や目標などを教えてください。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

今はコースを頼むお客様が多いんですが、将来的には全ての料理を前菜として提供したいですね。お客様が自分の食べたいメニューを、自分で組み立ててオーダーする。そんな習慣をこの店で持ってもらうのが目標です。店名のレザントレは“前菜”という意味で、多彩な表現が楽しめる前菜を主役にしたいという思いを込めています。ウチはワインの持ち込みもOKですし、もっと気軽にお店に来て、自由に楽しんでほしいと思います。

最後になりますが、駒込の街の魅力を教えてください。

六義園

どの駅前の風景も画一的で同じような雰囲気と言われていますよね。でも駒込は個性があって、そういう流れに飲み込まれない街。高級住宅街のイメージが強いかもしれませんが、下町の気さくで世話好きな部分も残っている、とても面白い街だと思っています。柔軟に、素直に新しいものを受け入れられる懐があるのも、駒込の良いところだと思いますね。

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

今回、話を聞いた人

レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム

オーナーシェフ 五十嵐浩司さん・美香さん

住所:東京都北区中里2-4-10
電話番号:03-6903-4421
URL:http://www.new-auxlegumes2013.com/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

生まれ育った街で、こだわりのフレンチを。/レザントレ コウジイガラシ オゥレギューム オーナーシェフ 五十嵐浩司さん
所在地:東京都北区中里2-4-10 
電話番号:03-6903-4421
https://auxlegumes2013.gorp.jp/

求め、求められ、ともに歩む作品を。 時代に即した市松人形を製作したい。/市松人形職人 山崎明咲さん


市松人形職人 山崎明咲さん

求め、求められ、ともに歩む作品を。
時代に即した市松人形を製作したい。

近年、プラスチックや石膏を用いた量産品が増えている市松人形。しかし市松人形の魅力は、修理・修復をしながら人形とともに年を重ねることができるという点にある。日本の伝統工芸品として市松人形の技術を受け継ぎ、また次の世代へと受けわたすことは現世代の使命と言えるだろう。この世界に入るまでの経緯、どうしてこの道を選んだのか――お話を伺うため、市松人形師・山崎さんを訪ねた。

早速ですが、市松人形師になるまでの経緯を伺えますか?

市松人形職人インタビュー

高校時代にまで話は遡ります。もっともこのときは、市松人形師になるとは考えてもみませんでした。高校受験を控えたときにふと、「中学時代の延長線上なら面白くないな」と思ったんです。

それで芸術系の高校に進学したわけですが、このとき選んだのが彫刻科。彫刻科を選んだ特別な理由はなかったのですが、今にして思えば、粘土をこねたり石鹸に彫刻したりするのが好きな子どもでしたから、意識していなかったにせよ、選ぶべき道を選んだのかなとは思っています。

学校を卒業されてからというのは、どのような道を歩まれたのでしょうか?

市松人形職人インタビュー

造形会社でのアルバイト期間を経て、正社員として働くようになりました。その会社では子どもが好きなTV番組、スーパー戦隊シリーズに出てくるような造形物だったり、着ぐるみの怪人といったものを製作していましたが、しばらくすると、より小さなものを手がけたいという気持ちになり、フィギュアの原型師を目指すことにしました。

ある縁から仕事をもらうようになり、フリーランスという立場でも活動していました。

伝統工芸品である市松人形を手掛けるようになるまでに、どのようなことがあったのでしょうか。

市松人形職人インタビュー

フリーランスとして活動していた時期に、着物に興味を持つようになりました。そのきっかけというのが、たまたま書店で手にした本に、アンティークの着物姿の市松人形が載っていたのです。市松人形の存在は知っていたものの、ガラスケースに飾られた静的な人形といったイメージしかなかったのですが、本で紹介されている市松人形は、それまで私が抱いていた印象をくつがえすような生き生きとしたもので、実際に見てみようという気持ちにさせたのです。

市松人形職人インタビュー

東京・巣鴨に「市松人形館」なるものが存在することを知って訪ねてみると、館長が「熱心に御覧になっていますが、製作されている方ですか」と声を掛けてきてくれたのです。市松人形に興味があること、そして今はフィギュアの原型師として活動していることを話すと、市松人形を製作する教室があるので参加してみないか、と言って下さったのです。そのとき指導してくれたのが現在の親方、私の師匠です。

親方は、どのような方ですか?

市松人形職人インタビュー

何よりもまず、親方の人形を御覧いただければ人柄も分かるのではないかなと思います。一職人として、技術に対する頑なさもありますが、同時に、親方が大切にしているのは新しい技術や発想に対する柔軟性。そしてそれらが、面白いかどうかという観点を大切にしています。私が試験的にやっていることを見て、「面白そうだから参考にさせてもらうよ」ということも多々あります(笑)

市松人形職人インタビュー

それと忘れられないのが、弟子として勉強させてもらうようになったときのことですね。完成度が高いとは言えない人形を個展の場で、「これは弟子が手がけたものです」と紹介してくれたのです。

こうした場面は、それ以外にも何度もありました。そのおかげで、私のことを知っていてくださる方が少しずつ増えていきました。こうした親方の心配りには、本当に感激しました。

現在でも同じ場所で親方と仕事をされているんですね。

市松人形職人インタビュー

技術だけを磨いても、優れた作品にならないのが人形作りというものです。普段の何気ない生活だったり、職人の生き方がそのまま人形に反映されます。

親方と話をすることでアイデアが浮かぶこともありますし、他愛ない会話のなかに求めていた答えが隠れていることもあります。工房を構え、一人で製作に臨むのではなく、こうした刺激のある環境というのが私には大切だと考えています。

山崎さんにとって市松人形の魅力というのは?

市松人形職人インタビュー

まずひとつは、天然素材だけで製作されること。それにガラスや陶器ではなく、何度でも修理・修復が可能な素材ということも魅力ですね。表面に塗ってある胡粉は月日とともに味わいを増し、人間と同じように人形も成長していきます。

現在では量産品が主流になってしまいましたが、それとは逆のアプローチで取り組んでいきたいですね。消耗品ではなく、生涯を共にできる市松人形。私が手がけたものであれば数年後、数十年後であっても無償で修理を承ります。

山崎さんが手掛ける市松人形の特徴や、こだわりなどを聞かせてください。

市松人形職人インタビュー

時代は変わってきているものの、やはり職人というのは男の世界です。それは市松人形も例外ではありません。数百年を超える歴史を有する市松人形ですが、女性の市松人形師というのは私だけと聞いています。女性ならではの視点や母性といったものを人形作りにも活かしていきたいですね。

見えないところにも丁寧な仕事をするという姿勢を大切にしながら、精進できたらと思っています。

職人さんが集まる、“もの「型」り”という団体に参加されているそうですね。

市松人形職人インタビュー

各分野の職人が集まることで、個々の活動だけでは得られない発想が得られます。世の中は知らないことだらけ。知識を得て、発想力を豊かにしていきながら、“物”のなかに“物語”を添えられる仕事をしていきたいという願いが、“もの「型」り”には込められています。

話をしていると驚かされることも多く、その度に発見もあります。時代を意識しながら、常に成長できる組織でありたいですね。

最後になりますが、両国・錦糸町界隈の魅力について教えてください。

両国国技館

何よりも職人が多い、ということですね。物づくりに携わる私にとって、そのような環境は大きな刺激になります。それと「両国国技館」が近く、相撲部屋が点在しているので力士の姿も見ることができます。

回向院

これだけ浅草が近いのに隅田川を越えるだけで随分と落ち着いた雰囲気になるのも不思議ですね。「回向院」には「鼠小僧の墓」もあります。義賊として名を馳せた鼠小僧が眠っている場所。人情が残っているこの街に相応しい史跡ではないかと思います。

市松人形職人インタビュー

今回、話を聞いた人

市松人形職人 山崎明咲 さん

市松人形師~只今修業中
http://ichimadoll.exblog.jp/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

緑豊かな環境の中、 地域と連携して子どもを育てる保育園

緑豊かな環境の中、 地域と連携して子どもを育てる保育園/東綾瀬きらきら保育園 園長 宍倉康子先生


東綾瀬きらきら保育園
園長 宍倉康子先生

緑豊かな環境の中、
地域と連携して子どもを育てる保育園

東綾瀬エリアは、東京メトロ千代田線で「綾瀬」駅から「西日暮里」駅まで9分、「大手町」駅までも19分という通勤には便利な地。駅前には大型ショッピングセンターのほか、線路下に長らく続く商店街も充実し、買い物環境も整っている。また広大な敷地の東綾瀬公園のほか、小さな公園もそこかしこにあり、桜並木や銀杏の木々など、四季を通じて目を楽しませてくれる。今回はそんな東綾瀬にある「東綾瀬きらきら保育園」の園長・宍倉康子先生にお話を伺った。

施設の概要を教えてください。

東綾瀬きらきら保育園

「東綾瀬きらきら保育園」では月~土曜日まで、朝7時半~18時半の通常保育と、19時半までの延長保育を行っています。幼老複合施設として「グループホームきらら東綾瀬」と同じ敷地内に建ち、おじいちゃま・おばあちゃまたちとも日常的に交流があるのが特徴です。

 

 

現在、0才から5才まで6クラスあり、103名の子どもたちをお預かりしています。乳児を1階で、幼児を2階で保育をしています。これは災害時に抱っこやおんぶで避難する小さいお子さんを階下にした方が早く避難できる、という考えからです。

「グループホームきらら東綾瀬」とは、具体的にはどのような交流があるのでしょうか?

東綾瀬きらきら保育園

ご入居者様は日常的に子どもたちが園庭で遊ぶ姿をテラスで見守って下さってますし、子どもたちが手づくりするカレーパーティーや運動会といったイベントには必ずご招待しています。核家族が増え、お年寄りとの交流機会が少なくなった子どもたちにとって、とても良い経験になっています。

 

またホームにいらっしゃるお年寄りの方は、子どもたちにとってひいおじいちゃん・おばあちゃんにあたる年齢の方たちです。そのため交流前には、「眼鏡をしているのはどうして?」「イスから立ち上がる時にゆっくりなのは、どうして?」など、子どもたちと一緒に考え、「手を強く引っ張ったら危ないね」「お話もゆっくりした方がいいね」と、自分たちの取るべき行動を確認しています。実はそれはとっても大切なこと。相手の様子を慮(おもんばか)り、自分がどう対応すべきかを理解する、これは対人関係の基本だと思っています。

ホームにお邪魔することもありますが、その際には必ず「失礼します」「お邪魔します」などと声をかけて入ります。そういった一つ一つの積み重ねが、子どもたちの経験になっているようです。

園庭が広く、子どもたちは伸び伸びと遊べる環境ですね。

東綾瀬きらきら保育園

見てお気づきかと思いますが、この園庭には遊具がほとんどありません。理由は、子どもたちに自分たちで遊びを探し、考え、想像力を駆使して遊んでほしいからです。このようなスペースだと、子どもたちは自分から遊びを考え出して、工夫して遊ぶので、子どもたちの創造力の素晴らしさに驚かされるほどです。

 

また隣接する公園に雑木林があるので、バッタやダンゴ虫など昆虫たちもいっぱい発見できます。この保育園の子どもたちは、虫探しやごっこ遊びなどの、昔懐かしい遊びが大好きです。

「東綾瀬公園」などの広い公園をはじめ、お散歩コースには事欠かない恵まれた環境ですね。

東綾瀬公園 幼児コーナー

それはもう有難いくらい、公園に囲まれているような恵まれた立地です。広大な芝生広場やテニス・野球場などが広がる「東綾瀬公園」はもちろん、池のある「西沼公園」、すぐ横の「八か村落しファミリー公園」など、自然に触れられる場所がたくさんあります。春夏秋冬、季節を探すお散歩に出かけ、子どもたちは体をたっぷり動かして、のびのびと毎日過ごしています。

先生方も子どもたちを尊重する保育を目指していると聞きました。

東綾瀬きらきら保育園

担任の先生方には「子どもの発想を潰さないこと」を徹底してもらっています。子どもたちの心から湧いてくる興味や気持ちを大切にしたいと考え、こちらから与えたり、先回りをしないように気を付けています。

 

 

2013(平成25)年で5年目を迎えた本園では、先輩園である「西新井きらきら保育園」の方針を踏襲しつつ、東綾瀬らしい保育が生まれつつあります。団地のなかにある本園は、様々な土地から集まってきた家族が多い園。少しずつですが、この地域色を反映させた保育ができるようにしたいと思います。

保育で心がけていらっしゃることはありますか?

東綾瀬きらきら保育園

私たちは、子どもたちが安心して安全に過せることを心がけています。日々の体調管理に注意を払い、普段と様子が違う時や発熱時等には、保護者の方に早めにご連絡をしています。

 

 

子どもが熱を出すのは具合が悪い時だけではなく、甘えたい時、不安な時にも出します。そんな子どもの状態や気持ちに気づき、サポートしたいと考えています。

読み書きなどのお勉強の時間はあるのでしょうか?

東綾瀬きらきら保育園

2才児から月2回の英会話レッスンがあり、年に数回はネイティブの先生からも英語を習います。また3~5才児では、月に1回体操教室もあります。

文字に関しては、この地区のブロックの小学校の先生からの要請の基、読み聞かせや絵本の時間を利用して文字の「読み」を重点的に教えています。

地域の方々とはどのような連携を取られていますか?

東綾瀬きらきら保育園

お隣のグループホームが自治会に加入していますので、自治会長さんにカレーパーティーに来ていただいたり、色々ご相談させていただいています。水害対策として避難訓練に団地の建物を利用させていただき、年に一度、職員と子どもで建物の5階まで上ります。歩けない乳幼児は職員がおんぶや抱っこをして、いざという時のシミュレーションをしています。

また「綾瀬」駅前の「コンビプラザ綾瀬保育園」さん、お隣の公立の「東綾瀬保育園」さんとも交流を図っています。子ども同士が交わることは非常に大切に考えておりますので、今後も継続して行っていくつもりです。

東綾瀬きらきら保育園

今回、お話を伺った人

東綾瀬きらきら保育園
園長 宍倉康子先生

所在地:東京都足立区東綾瀬2-17-8
電話番号:03-5682-2620
URL:http://www.city.adachi.tokyo.jp/hoiku/shisetsu/hoikuen/084.html

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

緑豊かな環境の中、 地域と連携して子どもを育てる保育園/東綾瀬きらきら保育園 園長 宍倉康子先生
所在地:東京都足立区東綾瀬2-17-8 
電話番号:03-5682-2620
定員:100名
入園対象:生後57日~就学前
開園時間:7:30~19:30
https://www.city.adachi.tokyo.jp/kodomo-..
https://www.starts-care.jp/kirakira_higa..

自然あふれる森の中の地域コミュニティ/「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん・「パル教室」講師 中山 誠司さん


「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん
「パル教室」講師 中山 誠司さん

自然あふれる森の中の地域コミュニティ

JR「浦和」駅からの路線バスで「道祖土入口」停留所下車、約10分の緑豊かな住宅街に「パルの森」がある。そこには、フットサルコート「FOOT-pal浦和道祖土」をはじめ、学習塾「パル教室」、「komkom cafe」といった施設が佇み、森に囲まれた環境のもと、近隣の人たちのコミュニティエリアとして利用されている。今回は「FOOT-pal浦和道祖土」の施設支配人・小嶋さんと、「パル教室」で講師を務める中山さんからそれぞれの施設についてのお話を伺った。

 

「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さんに聞く→こちらをクリック
「パル教室」講師 中山 誠司さんに聞く→こちらをクリック

 

まずは「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人、小嶋寛さんにお話を伺います。「FOOT-pal浦和道祖土」の概略について教えてください。

FOOT-pal浦和道祖土

「パルの森」の緑に囲まれた自然あふれるフットサルコートです。ベンチや小屋も手作りなので、スポーツ施設とはいえ、アットホームな雰囲気に包まれています。また、施設環境の整備面では2010(平成22)年9月に、フットサルコートの人工芝を張り替えました。60平方メートルの芝丈に加え、柔らかな特性を持つポリオレフィンを芝葉糸に使用したスーパーターフは、天然芝に近い感触でプレイができると評判です。

 

FOOT-pal浦和道祖土

お子様からフットサル初心者、女性、そして本格的な試合の醍醐味を味わいたいという方など、幅広い年齢層とさまざまなレベル・目的の方たちに利用されています。現在、スクール生は約380名、初心者と経験者の割合は5:5くらいです。

 

 

地元にお住まいの方々は、クラスは異なりますがファミリーで参加されている例も多いですね。健康的な日常生活を送るため、身近にできるスポーツとしてフットサルを楽しんでくださっているようです。参加者は地元の方中心ではありますが、中には東京や栃木から車で通ってくださる方もいらっしゃるんですよ。

さまざまなレベルの方が集われるということですが、具体的にはどのようなクラスがあるのでしょうか。

 FOOT-pal浦和道祖土

月に1回、日曜日の9時から11時まで「初心者教室」を実施しています。毎週土曜日の9時から11時までの30歳以上限定・個人参加型フットサル「オーバー30」、同じく毎週土曜日11時10分から12時50分の「個人参加教室」、毎週木曜日の11時半から13時までの「ほのぼのレディース」など、レベルや年齢に応じたクラスが用意してあります。

これらのクラスは、フットサル経験のない方でも気軽に参加できるのが特長です。春は転勤や入学などで全体的には入会者が多いので、初心者の方にとっては入りやすいシーズンかと思われます。

 FOOT-pal浦和道祖土

一方で、本格的にフットサルに取り組みたい方向けの個人スクール「脱初心者向けフットサルスクール」も高校生以上を対象に行っており、フットサルに必要な基礎練習はもちろん、体力トレーニングを実戦形式で行っています。こちらは、埼玉県リーグ所属 『pal:wo(パルーヲ)』 の選手が一緒にトレーニングを行うこともあって、身近なスター選手に刺激を受ける人も多いようです。

 

県リーグや関東リーグ、埼玉県フットサルリーグのプレイヤーも顔を出してくれますよ。当クラブからプロサッカー選手になった人が訪れた際には、サインをもらうお子さんもいらっしゃるほどの盛り上がりぶりです。

多彩な年齢層に親しまれているということですが、年齢ごとの指導方針などはあるのですか。

FOOT-pal浦和道祖土

まず、大人については日常生活に定期的な運動を取り入れること。健康的な生活には欠かせません。30代以上対象の「オーバー30」は、運動不足のお父さんたちが中心で、40代の方も多いですね。ほとんどが個人参加です。とはいえ、仕事の都合でこちらに引っ越してきた方なども、フットサルを通じて、この地域に以前から住んでいた方たちと知り合って“地元仲間”を作ることができます。

運動不足解消のためにスポーツジムに通う場合、どうしてもひとりで黙々とトレーニングするには固い意志が必要となります。しかしフットサルはチームスポーツなので、仲間ができることで長く続けることも苦にならないようです。ここでできた“地元仲間”で飲みに行ったり、温泉に行ったりと、地元コミュニティのステーション的な役割も果たしています。

FOOT-pal浦和道祖土

お子さんたちに関しては、フットサルが上手になることは確かに大事ですが、それ以上にフットサルという団体スポーツを通して、チームワークや社会の中での役割を身に付けてほしいと考えています。幼稚園・小学生などのクラスでは、とくに将来、社会人になった時のための基本マナーを身に付けられるような指導を心がけています。幼稚園に通っている小さなお子さんには、フットサルの試合より、運動の基本となる準備体操の仕方から段階的にプレイできるように指導しています。

FOOT-pal浦和道祖土

さらに、「物事に取り組む姿勢」や「努力する姿勢」を重視し、技術面だけでなく、メンタル面の強化などにも注力しています。子供の内に、そういった姿勢を身に付けることで、将来、何か壁にぶつかった時や挫折した時も、それを乗り越えられるような“人間形成の場”となること――それが私たちの理想です。

また、「オーバー30」に参加しているお父さんと、その息子さんが「フットサルのおかげで、共通の話題が持てるようになった」という声も届いています。家庭内コミュニケーションに一役かえるのも嬉しいことですね。

フットサルコートの傍らに設けられた建物はなんですか?

comcom(コムコム) cafe

一般の方もご利用いただける「komkom cafe」です。オープン席なので小さなお子様連れの方もOKです。地元のご夫妻が経営していて、土・日曜・祝日限定で、11時から19時までの営業時間となっています。

comcom(コムコム) cafe

お子様連れのファミリー層のお客様が多いので、どのメニューも手作りにこだわっているのが特長です。豆からこだわり、注文ごとに抽出しているコーヒー(300円)をはじめ、数量限定の手作りケーキ(250円~)、スイーツとドリンクのお得なセット(500円~)や軽食などが用意されています。

comcom(コムコム) cafe

一部の商品を除き、ドリンク1杯から持ち帰りが可能ですし、フットサル教室に関係なく、一般の方にもこの緑豊かな「パルの森」の風を感じながら、友人や家族との談話や手作りメニューを楽しむことで、週末のリフレッシュにご利用いただければありがたいです。

 

続いて、「FOOT-pal浦和道祖土」に隣接する、
小・中学生向け学習塾「パル教室」について講師の中山誠司さんに伺います。

パル教室

3年前からスタートした教室で、現在は約50名の生徒さんが通っています。キャッチコピーの「笑顔あふれる森の寺子屋」の名の通り、「寺子屋」スタイルなので、子供たちがその日に学校であったことを話してくれたり、それぞれの学校の情報交換をしたりと、さまざまな学校に通う子供たちが和気藹々と楽しみながら勉強しています。メインは小学生で、全体の1割が中学生というところでしょうか。学力向上だけでなく、個々の自主性や協調性など“人間形成の場”としての指導や躾も行っています。

パル教室

たとえば、小学生高学年になると、言葉遣いが悪くなることもあるので、そういった時はイエローカードを出して、警告します。隣のフットサル教室に通っている子供さんも多いので、イエローカードは効果的なんです(笑)。きちんとした挨拶や、入ってきた時に靴を揃えるといった、生活面の基本的マナーにも気を配るようにしています。そういった基本ルールは教室内に掲示してあり、段々浸透してきていると思います。

学習方法としては、自学自習と伺っていますが、具体的にはどのような流れとなっているのでしょうか。

パル教室

各自が指定した曜日の都合の良い時間や好きな時間に来て、自分の課題(小冊子)が終われば終了となります。教材となる課題は、大手学習塾での実績を持っている人によって作られたもので、学習の習熟度を細かくレベル分けしてあるので、子供たちは段階的にレベルアップしていくことができます。

 

自学自習スタイルなので、以前やった課題を復習するのもOKです。1教科1回分の課題は約30分から1時間。課題が終われば、学校の宿題や読書など、自習室としても利用できます。中には、自分の学年よりも上のレベルの課題に挑戦する子もいます。

 	さいたま市緑区道祖土インタビュー

子供たちが自らの学習スタイルで学ぶことによって、自分から「勉強したい」という意欲を持ってもらうこと、さらには“自分の力で気づく”喜びを知ってもらうことを重視しています。一方で、先へ先へと進むことばかりにとらわれて、基本部分が疎かになってしまいそうな場合や、基本をしっかり習得していないために応用課題に苦戦している場合は、勉強の仕方をアドバイスするようにしています。

あくまでもアドバイス、またはヒントを投げかけるようにすることで、本人の“気づき”を促します。解法の糸口が見つからずに困っている子についても同様です。自分で答えの糸口を見つける喜びを体験することによって、将来、たとえば困難にぶつかった際に自ら解決しようとする姿勢が身に付くと考えているからです。課題に取り組む際も、どこが間違っていたかわかるよう、間違っても消さないのがルール。また、途中式もきちんと書いてもらうことで、自分がどこの段階で間違ったか気付けるような指導をしています。

教科は英語・数学(算数)・国語ということですが、国語の中には習字も含まれているのですか?

パル教室

年の初めに書き初めをしました。こちらも習字を教えるためではなく、それぞれが目標を持って1年を送ることが主眼です。壁に貼られている文字は、一人ひとりのその年の目標なんです。その目標を向かって着実に一歩一歩研鑽(けんさん)していく姿勢も身につけてほしいと思っています。子供たちの自主性を尊重するスタイルの指導方針で、受験のための技術だけを教えるのではなく、かつての「寺子屋」のように勉強だけでなく“学ぶ姿勢”も教える塾と言えるでしょう。

20名からスタートした教室ですが、今や50名くらいに成長しました。コミュニケーションや自己のモチベーション、社会人マナーなどを大事にしているという教育方針が、地域の方々にご理解いただけつつあるという手応えはあります。

施設面についても教えてください。

パル教室

兄弟がフットサルをやっている間、下の子供たちがここで待っていることも多いので、床に寝転んでもいいよう、床に無垢材を使用することだけにはこだわりました。フットサルに参加している大工さんの力を借りて、手作り感あふれる温かみのある空間にしました。

教室内のミニ図書館の本は、1週間で2冊まで借りられるようになっています。お兄ちゃんやお姉ちゃんが勉強している間、この教室で絵を描いて待つ小さい子供もいるので、壁にはそんな小さな子供たちの絵でいっぱいです。お子さんをこちらにあずけている間、お母様方は自分の時間を持つことができますし、近所の方が多いので家事に戻られる方もいます。そういった面では、学童保育所的な役割も果たしていると思います。

また、教室内では魚や昆虫を飼っていて、みんな自主的に世話をしてくれます。とくに、夏になると「パルの森」でカブトムシやクワガタをつかまえてきて、教室内で飼っているんですよ。

「無料体験」の期間が1カ月もあるとお聞きしました。

パル教室

そうですね。単に1回だけ授業を見学したり参加したりするのではなく、期間としては約1カ月、すでに通学している子と同じように課題に取り組んでもらって、ここでの勉強のやり方を知ってもらいます。その上で、この勉強法を気に入ってくれたり、一緒に勉強する友達と仲良くなったりして、本人が自ら「ここで勉強したい」という気持ちになった場合、正式に入会してもらっています。

全てにおいて、子供の自主性を尊重されているわけですね?

その理念は一貫しています。私たちは、挨拶や社会での基本マナーを子供たちに身に付けさせることと、子供たち一人ひとりの適性・長所を見つけることを重視しています。得意分野を褒めてあげることで、その子が意欲や自信を持って物事に取り組んでいくことこそ、将来的に役立つと信じているからです。そして願わくば、その子が大人になって、「あの時のあの時間がかけがえのないものだったな」と思ってもらえれば嬉しいですね。

今回、話をお伺いした人

FOOT-pal浦和道祖土小嶋 寛さん

FOOT-pal浦和道祖土 施設支配人 小嶋 寛さん

住所:さいたま市緑区道祖土4-33-29
TEL:048-883-1926
営業時間:月~金曜日10:00~21:00、土・日曜・祝日9:00~21:00
URL:http://www.footpal.jp/

笑顔あふれる森の寺子屋 パル教室
中山 誠司さん

TEL:070-6479-8615
開所時間:15:00~21:00
URL:http://palschool.exblog.jp/

komkom(コムコム)cafe

TEL:048-883-1926
営業時間:11:00~19:00
営業日:土・日曜・祝日

パル教室中山 誠司さん

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

自然あふれる森の中の地域コミュニティ/「FOOT-pal浦和道祖土」施設支配人 小嶋 寛さん・「パル教室」講師 中山 誠司さん
所在地:埼玉県さいたま市緑区道祖土4-33-29 
電話番号:048-883-1926
http://www.footpal.jp/

豊かな心と感性を育む音楽の可能性 綾瀬に根付いた地域密着型の音楽教室/ミュージックサロン綾瀬/ エークラスミュージック株式会社 石川敏子さん


ミュージックサロン綾瀬 / エークラスミュージック株式会社
店長 石川敏子さん

豊かな心と感性を育む音楽の可能性
綾瀬に根付いた地域密着型の音楽教室

東京メトロ千代田線・JR常磐線「綾瀬」駅東出口から徒歩1分の距離にある「ミュージックサロン綾瀬」。入居するエトセトラビルが竣工した1985(昭和60)年から同じ場所で教室を構えている。その四半世紀を超える年月の間に、数多くの音楽家・演奏家を輩出してきたという。今回は1歳児から音楽に親しめる場を用意し、音楽の可能性を追求している「ミュージックサロン綾瀬」の店長、石川敏子さんにお話を伺った。

「ミュージックサロン綾瀬」について聞かせてください。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

この場所でオープンしたのは1985(昭和60)年のことです。「綾瀬」駅から近く、お子様でも通いやすい音楽教室として地域とともに歩んできました。音楽業界で活躍している卒業生も多く、現在でも1,200名近い生徒さんが在籍しています。都内でも大規模な方で、大きな部屋を含めると部屋数が17室もあります。規模は大きくても家庭的な雰囲気を大切にし、ワクワクしながら通える教室づくりを目指しています。

音楽教室として掲げている理念を伺えますか?

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

私たちは音楽を“豊かな心を育てるために必要なもの”と捉えています。そのために必要なのは“音楽を楽しむ”こと。上達に厳しさが必要といったケースもありますが、私たちのレッスンは基本的に“音楽を楽しむ”ことに主眼を置いています。楽しむことでやる気が生まれ、それが上達へと繋がっていくと考えているからです。

現在、定期的に勉強会を開いていますが、その場を活かし、より良いレッスンができるように努めています。

小さな子どもさんだけでなく大人のコースもあるようですが、コースについて教えてください。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

幼少時代に楽器を習っていた方だけでなく、全くの未経験という方も通われています。仕事を持っていても本当に熱心な方ばかり。楽譜が読めなくても、それぞれのペースで楽しんで頂くことが大切だと考えています。自分の意思で通われているだけに、長く続けられている方が多いですね。年齢や経験に関係なく、それぞれの音楽を楽しむことが大切だと考えています。

一方、お子様のコースについてですが、音楽を通じて親子で楽しむ空間であり、豊かな感受性を育み、ことばの発達を促します。また先生によるピアノの生演奏も人気な「おとのおもちゃばこ」にはじまり、「赤りんごコース」、「おんがくなかよしコース」があります。その次に用意されているのが2年間の「幼児科」で、そこから8年を掛けてじっくりと音楽の基礎を学び、上級コースへと進んでいきます。途中、進路やレベルに合わせて柔軟に対応できるというのも、当教室が広く支持されている理由ではないかと思います。

音楽だけでなく、英語も学べるとお聞きしました。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

本教室の英語学習の最大の特徴は、音楽的な要素を取り入れていること。例えば、ある英単語のアクセント部分を体感させるためにタンバリンを用いることがあります。実際の音と、叩くという行為により、自然なアクセントが身につけさせようというわけです。

それと、実際に会話ができる“使える英語”を志向していることも特徴かもしれませんね。海外旅行の際、「英語で質問された子どもが英語で答えていました」と笑顔で報告してくれた方もいらっしゃいます。

お仕事のやりがい、喜びについて聞かせてください。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

やはり何と言っても、生徒さんや親御さんに喜んでもらえたとき。どう表現して良いのか分からないくらいの達成感があります。当音楽教室でピアノを習いはじめ、そのまま音楽大学に進まれた生徒さんがいたのですが、あるとき親御さんから、「子どもが代表して演奏することになりました」という報告をいただきました。上手になったこと、そして大きく立派に成長したということを心から嬉しく思いましたね。

多くの卒業生がいて、現在でも1,000名を超える生徒さんがいらっしゃいます。他にも色々なエピソードがあるのでは?

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

あるとき、4歳のお子様を連れ、親御さんが「どうしてもピアノを習わせたい」と相談に来られました。手に障がいがあり、少し難しいかなとは思ったのですが、それでも親御さんの熱心さも手伝って、何とかしてあげたいなと。担当された先生もレッスンを工夫しながら1年後、そのグループでは誰よりも上手になっていたのです。涙を流しながら報告してくれたその先生の顔は、今でも忘れられません。

綾瀬での四半世紀を超える年月は、地域に根づいている証とも言えますね。この綾瀬という街の印象を伺えますか?

東綾瀬公園 観察の池

他の街と比べると、子どもさんが多いなといった印象ですね。それに10代、20代の若い方も多いように思います。若者の多さが、街に活気をもたらしているのかもしれませんね。それと綾瀬は、公園が多いといった印象もあります。綾瀬で注目したいのは、桜が咲き誇る春です。「東綾瀬公園」の桜は、特に美しいですね。薄紅色のかわいらしい桜並木、そして新しい生徒さんに会える春は、私は好きですね。

ミュージックサロン綾瀬インタビュー

今回、お話を伺った人

ミュージックサロン綾瀬
エークラスミュージック株式会社
店長 石川敏子さん

所在地:東京都足立区綾瀬3-4-18 エトセトラビル3F
電話番号:03-3628-8881
URL:http://jp.yamaha.com/sp/music_education/otona/room/11307100_006/

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

豊かな心と感性を育む音楽の可能性 綾瀬に根付いた地域密着型の音楽教室/ミュージックサロン綾瀬/ エークラスミュージック株式会社 石川敏子さん
所在地:東京都足立区綾瀬3-4-18 エトセトラビル3F 
電話番号:03-3628-8881
http://jp.yamaha.com/sp/music_education/..

都内でも数少ない「IB(国際バカレロア)」のプログラムを実践している学校/ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長 ケビン・ヨシハラ先生


清澄白河駅近くにある「ケイ・インターナショナルスクール」は、3歳から18歳まで、多国籍の子どもが通うというインターナショナルスクール。生活にも学習にもほとんど英語を用いているのは他のスクールも同様だが、注目を集めているのは、都内でも数少ない「IB」(国際バカロレア)というプログラムを実践している学校という点だ。IBの中でも、初等(幼稚園~小学校中学年)は「PYP」、中等(小学校高学年~高校1年)は「MYP」、高等(高校2・3年)はDPと区分されているが、この3つ、つまり幼・小・中・高の一環教育を行っているのは、首都圏では「ケイ・インターナショナルスクール」だけ。そのため、この学校通わせるために、清澄に引っ越して来るというファミリーもあるという今回は初等部の校長を務められているケビン・ヨシハラ先生にお話をうかがった。

スクールにはどのような国籍、年齢、環境の生徒が在籍しているのでしょうか?

スクール全体では約600名、50カ国の国籍の生徒が在籍していまして、海外から日本に赴任されてきたご家族のお子さん、日本国内で国際結婚をされていらっしゃるご家族のお子さん、それ以外にも、一般の日本人の家族のお子さんだったりと、家庭環境はさまざまです。スクールとして、一つの国籍の子どもが30%を超えないように規定していますので、どの国籍に偏っているということはありません。

日本国籍の生徒ですと、帰国子女の方、海外に転勤予定の方、将来は海外で進学したい、という方が多くなっています。日本国籍の生徒は、全体の20%から30%の間ぐらいです。

学校の「社会的役割」はどんなところにあるとお考えでしょうか?

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

学校のミッションに「文化的社会的に多様な背景をもった意欲的な子どもたちに、安全で人をはぐくむ環境の中で、質の高い教育を提供し、国際社会に貢献する、人格的に秀でた有能な若者を育成することである」ということを掲げていますとおり、「グローバルに活躍できる有能な社会人を送り出す」ということが使命だと考えています。

これからの時代には、やはり「IB」(国際バカロレア)で学び、DP(ディプロマ)を取得した生徒が必要になってくると思います。「IB」で学習をすることで「地頭」のある子が育ちます。知識に偏っているのではなく、「地頭」のある子こそが、社会に対して有益な人間になると考えています。

生徒と接するにあたって心がけている事はありますか?

学業の面だけではなく、エモーショナルなことも教えられるように、また、そういった先生がいる環境にできるように、学校として心がけています。もちろん「安全・安心」な環境を生徒たちに提供することも大切に考えています。

あとは、「子どもたち一人一人の事をよく理解する」(understand each student)ことも重視しています。子どもたちの得意なこと、まだ出来ていないこと、全部をちゃんと理解したうえで、それぞれに合った指導をしていくことが、生徒の力を伸ばす秘訣だと思います。一人一人、生徒の学び方というのは違いまして、同じようには教えられませんから。

指導言語として英語を使っているということですが、日常会話もすべて、英語になるのでしょうか?

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

授業については、全部を英語で行っています。「第2言語」として日本語も学んでいますが、その授業以外は全部英語です。

インターナショナルスクールですから、「母国語が英語じゃない」という生徒も多くいまして、そういう子にとっては、第一言語は母国語で、第2言語が英語で、第3言語として日本語を学ぶということになります。

ですから母国語が同じ同士であれば母国語で会話をしますし、休み時間などは母国語を禁止にしていないので、自分の快適(comfortable)な言葉で話しています。日本人同士であれば日本語だし、日本人と英語以外の母国語の子であれば、英語になりますね。つねに、いろんな言語が飛び交っています。

入学にあたって、英語に精通していることは必須でしょうか?

英語の学力については年齢に応じた基準がありまして、当然ですが、学年が上がれば上がるほど、入学時に必要な英語力は高くなってきます。

個人差がありますが、英語で授業をする幼稚園や、放課後に英語で授業をしているアフタースクールに行くなどしていないと、ネイティブでない限り難しいと思います。3歳と4歳以外は、試験段階で水準に達していないと入学ができません。逆に3歳と4歳の子に関しては、英語をほとんど話せなくても大丈夫です。

具体的な入学タイミングを明示されていませんが、何歳から入る子が多いのでしょうか?

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

IBに触れるのはもちろん早ければ早い段階のほうが良いとは思いますが、それは本人の意志や、保護者の事情もそれぞれですので、一概には言えません。日本人のご家庭ですと、たとえば保護者の方自身が、「大学生になってから海外に行って苦労したので、もっと早い段階から英語に親しんでいれば苦労せずに済んだ」という方もいます。

小さい子は保護者の方の意志で入学される方が多いですが、上の子はもう自分の意志という方も多いですし、入学のタイミングは本当に皆さんバラバラで、「何歳から」「何月から」というものは特にありませんので、いつでも空きがあれば入っていただけます。学年によってはフルになっている学年もありますので、詳しくはお問い合わせください。

カリキュラムの特徴について教えてください。

小学校だと、PYP(Primary Years Programme)に沿ってやっています、これはInquiry-basedといって、先生たちが問いかけるような形のカリキュラムになります。

一方的に先生が教科書通りに教えていくのではなくて、先生がその時のトピックス(話題)に対して質問をして、いろいろ投げかけて、そのことに対して生徒からの意見を聞いて、さらに先生のほうでそれを発展させていく、相互のやりとりによって学びを深めるというものです。それがGrade5(小学校5年生)までのカリキュラムです。

この間はBig ideaが勉強のベースになっています。日本語で言えば、コンセプトとか、概念ですね。勉強をするにあたって、「どうしてこうなっているか」ということを、つねに考えるんです。そしていろんなパースペクティブ(視点)から考えてみるんです。どうしてこうなったか、これからどうなっていくのか、ということを、子どもたちに考えさせます。「情報を与える」だけではなくて、「情報をもとに考えさせる」という勉強です。

Grade6以降はどのようなカリキュラムになるのでしょうか。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

Grade6以降のMYP(Middle Years Programme)もPYPと同じ考えが基礎にありまして、それにプラスして、Knowledge(知識・学識)をどんどん付けていく、という部分が入っていきます。

日本の学校がやっているような、暗記をさせて、憶えていくというやり方だけではないんですね。もちろん暗記も必要な部分はあるんですが、そこにKnowledgeを付けていくことが大事になります。そのためには、先生との対話だけではなくて、生徒同士のディベートも大切なものになってきますので、生徒同士で討論をしていくという形もとっていきます。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

それから、PYPではできるだけ様々な科目と統合して教えているんですね。たとえば、数学と結びつけながら、アート、音楽、体育、社会科など、いろんなものを一緒に教えています。

日本の「総合的な学習の時間 」のさらに発展版だと思っていただければ良いかと思います。総合学習だと、調べた結果を発表して終わりになってしまいがちですが、PYPでは、それをScienceやArtでExpress(表現)します。

たとえば数学でShape(図形)をやっていたら、Tessellation(モザイク模様)というアートと関連させて学びますし、エッシャーという有名なだまし絵のの作品なども、なぜ不思議に見えるのか、という事を、数学と結びつけて考えます。アートと数学を一緒に学んでいるんですね。

Science(理科)で天気のことを勉強した時などですと、Langageの授業と結びつけて、Typhoon(台風)という言葉を使った詩を作ったりしますし、気温をチェックしてグラフを作ったり、数学とリンクさせることも簡単にできます。そうすると、どうして数学を勉強しているのか、生徒たちも気づくんです。「どうして学んでいるのか、どのようにして学ぶのか」ということが、いつも根底にあるんですね。

あとは、MYPになると、担任ではなくて、各教科の専門の先生が専門の科目をそれぞれ教えるようになります。高校1年生までの期間が、このようなMYPに沿ったカリキュラムになります。

その後「DP」というカリキュラムになるそうですが、これは何でしょうか?

高校2年生、3年生に相当する2年間はDP、正しくはDiploma(ディプロマ)というプログラムになります。これは高校の卒業認定のようなプログラムになりまして、世界中どこの大学にも入学資格が得られるというものになります。かなり高いレベルでの、高校卒業資格ということですね。これを取得することが最終目標になります。

DPを取得することで、海外の大学に進み易くなるのでしょうか?

本校の卒業生は、国内の大学よりも海外の大学に進学する子のほうが多いですから、そういうことになりますね。日本国内ですと、英語で授業を行う大学がそれほど多くはないという事情もあります。日本語で授業を行なう日本の大学に行った子もおりますが、それは稀です。

進学率について教えてください。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

現時点では、ほぼ100%が大学に進学しています。厳密には、卒業してすぐには大学に行かない子もいますし、兵役がある国などもありますので、完全に全員ということではありません。詳しくはホームページを確認していただければと思いますが、昨年度は35名のクラス1クラスが卒業生だったんですが、そういう中で、国内外の有名大学にも進学しているという状況です。

実はDPを取得するのメリットのひとつは、受験勉強と言われる、大学受験のための特別な勉強を学校の授業以外にしなくてもいいということなんです。ほとんどの大学がDPの点数と、書類審査だけで合格が決まるんですね。日本でも、ほとんどの大学でDP枠があります。

在学中に海外に転勤などになった場合、どうなるのでしょうか。

毎年必ずそういう生徒はいますが、やはりこのIBプログラムをやっているファミリーは、ほかの国に行ってもIBの学校に行かれる方が多いようです。もちろん行った先の国によっては、普通の学校に入っていただいてもまったく問題は無いと思います。

ケビン先生は清澄白川にお住まいということですが、この地域の良さは何でしょう?

清澄白河駅

やっぱり電車だととっても便利ですよね。大江戸線と新宿線で直接新宿や渋谷に行けますし、近くに錦糸町もありますから、簡単に何でも買えますし、レストランも多いです。浅草も近いし、幕張にも行きやすくていいです。外国人はIKEAとかCostcoとか、けっこう行っていますから。

私は、やっぱり子どもがいますから、東京のほかの地域と比べると、公園がとっても多いのがいいですね。子どもたちと週に何回も公園に行っています。プールやコミュニティセンター、スポーツセンターなども、沢山あります。お薦めの公園は木場公園です。すごく広いし、イベントもよくやっています。

木場公園サービスセンター長 島田都紀子さん インタビュー

ここはセントラルトーキョーにも近いのに、子どもを育てるために、すごくいい環境が揃っていると思います。あとは、下町の雰囲気で、人がとっても親切ですね。外国人もいっぱい住んでいますよ。

ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長インタビュー

今回、話を聞いた人

ケイ・インターナショナルスクール

初等部校長 ケビン・ヨシハラ先生

ケイ・インターナショナルスクール
所在地:東京都江東区白川1-5-15
電話番号:03-3642-9992
URL:http://www.kist.ed.jp/ja/node/87

国際バカロレアについて(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

都内でも数少ない「IB(国際バカレロア)」のプログラムを実践している学校/ケイ・インターナショナルスクール 初等部校長 ケビン・ヨシハラ先生
所在地:東京都江東区白川1-5-15  
電話番号:03-3642-9992
国際バカロレアについて(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/
http://www.kist.ed.jp/ja/node/87

デザイナーから“指物職人”へ
伝統を受け継ぎ、もの作りの枠を広げる/指物師 益田大祐さん


 

デザイナーから“指物職人”へ
伝統を受け継ぎ、もの作りの枠を広げる

東京の下町、墨田区菊川の一角に小さな工房を構える指物職人・益田大祐さんは、かつては江戸中に多くいた「指物師」の一人。今や数えるほどしかいなくなってしまった指物師だが、益田さんは30代と際立って若く、世襲ではなく外部から修行に入り、独立した職人ということでも注目を集めている。今回は益田さんの工房を訪ね、指物の魅力と、錦糸町エリアの魅力についてお話をうかがった。

「指物」は近年その良さが見直されていますが、まだまだ若い世代には認知度が低い伝統工芸かと思います。まず、指物の特徴についてお教えください。

指物師 益田大祐さん インタビュー

「指物」の語源は「物差しで計って正確に作る」ということと、「差し込んで作る」ということから来たと言われています。簡単に言えば、「釘を一切使わないで作る家具」ということになりますが、家具というよりは、「道具」という感覚のものですね。もともと指物自体は京都の発祥でして、「京指物」が有名なんですけれども、大名や将軍など、身分の高い人向けに作っていたものなので、実用性よりは「権力の象徴」ということで、美しさを重視したものが多くなっています。

それに対して、「江戸指物」は京指物が江戸に入ってきたもので、江戸の初期には、商人など、ある程度お金のある方が使っていましたが、江戸中期ごろになって歌舞伎が盛んになると、歌舞伎役者さんの道具入れなどにも使われるようになりまして、その伝統は今でも続いています。そのほか、お茶道具、書道道具などの入れ物や、薬箪笥などにも使われましたし、それ以外にも幅広い形や用途のものが作られました。

昔は職人も多かったので、それぞれの専門分野もあったそうなのですが、どんどん職人が少なくなっていく中で、今は何でも作れる職人だけが残っているという状況になっています。職人で作る「江戸指物組合」というものがありまして、私はまだ正組合員ではなくて、親方の弟子として入っているんですが、そこに所属している職人さんは全部で10軒だけになっていまして、そのうち半数以上は60代後半以上の職人さんになっています。

ほかの伝統工芸と比べても、かなり職人さんの数は少ない業界なのでしょうか?

指物師 益田大祐さん インタビュー

そうですね、今は弟子を育てることも非常に難しくなっていますので。昔は旅館や料亭には必ず、くず箱や姿見があって、それを指物師の弟子が作っていたんですが、近年はそういったものも無くなりまして、同じものを幾つも作る機会もなくて、弟子を取ったとしてもやらせる仕事が無いんです。私もまだ弟子ですけれど、8割方は受注生産の品を作っています。

益田さんは外部から弟子に入られたそうですが、指物師を目指したきっかけや、それ以前のご経歴についてお聞かせください。

指物師 益田大祐さん インタビュー

私は台東区の「渡辺」というところで勉強させていただいたんですが、私みたいに外部から入って弟子になった人は、それだけでも珍しいんですが、大抵は数年で弟子を辞めてしまうそうです。なので、独立開業したというのは珍しいそうで、「戦後の丁稚奉公の時代以降、初めて弟子から独立した」と言わました。墨田区の指物師は、今では私一人だけです。 きっかけとしては、もともと家具のデザイナーを目指していまして、工業デザインの学校から家具屋さんに就職して、デザインをやったりしていたんですが、大きなところですとやっぱり、技術的に機械優先になりますから、デザインを出しても「うちの機械ではこの形はできない」、「コストがかかりすぎて商品化できない」ということが多かったんです。

でも、ちょっと難しいことをやってほしいという時には、60歳を過ぎた職人さんにオーダーして加工してもらっていたりしたんですね。40代、50代の職人さんになると、もう鉋(かんな)さえ使えない職人さんが多いんです。そういう場面を見て、「こういう技術を学べるのは、今の時代が最後なんじゃないか」と思ったんですね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

技術を身につけると決めてからは、ヨーロッパに行くことなども考えたんですが、色々と見た中で、ある程度家具を勉強していた自分でも、どうやって作っているのかが分からなかったものが指物だったんです。最初は「技術を身につけよう」という考えでこの世界に入りましたけれども、やっている中で、下町の文化とか、江戸っ子のこだわりとかが、だんだんと面白くなってきたんです。「モノ」だけではなくて、周りの環境だったり、歌舞伎の文化だったり、お茶の文化だったり、職人同士の仲間の文化だったり、やっぱり、「文化」を含めての伝統工芸なんですね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

「渡辺」では丸7年間修行をしたんですが、30歳を目前にした時、「そろそろ勝負したいな」と思いまして、最初は埼玉で、友人のお父さんの工務店の一角を借りて指物を作り始めたんですね。それから2年間ぐらいは、親方の仕事をもらって埼玉でやっていました。

そのうち浅草の頃からお世話になっていた墨田区の先輩職人の方から、「埼玉で指物はねえだろう。墨田に指物師がいなくなったから、お前来いよ」という感じで言われまして、現在に至っています。ここに来て、墨田区伝統工芸保存会に入ってからは、5年目になりますね。

7年間の弟子生活ということですと、やはり大変な面もあったのではないでしょうか。

指物師 益田大祐さん インタビュー

私も、生まれは東京でも西のほうだったので、こっち(東側)に来て、最初はびっくりすることの連続でした。自分の親方じゃない親方に買い物を頼まれるなんて事はしょっちゅうですから、「なんで俺、こんなに親方じゃない人にまで使われているんだろう?」って思っていましたよ。でも、それがだんだんと心地よくなってくるんです。みんな家族みたいな感じなんですよね。ですから、下町の“輪”に入るのはちょっと大変かもしれませんけど、入ってみると、楽しさのほうが大きいです。

益田さんは外部から入り、独立したタイプの職人さんですが、代々続いている職人さんとの違いは何だと思われますか?

指物師 益田大祐さん インタビュー

それぞれ一長一短があるんですが、代々続いていると、「抱えているもの」が大きいんですね。親方から言われていることを崩しちゃいけない、という使命感があったり、お店をやっていると、店のイメージというものも背負うことになります。でも、僕のような職人は何をやっても自由で、僕ひとりの責任ですから。周りの先輩に「お前はやりすぎだ」と言われることもありますが、自己責任で、自由にやらせてもらっているという面はありますね。

家を継ぐのか、伝統工芸を継ぐのか。その辺りの感覚の違いというものは感じます。大多数の職人さんは、家を継ぐという方ですから。中には、子どもに後を継がず、自分の代で終わりにするという職人さんもいます。かと思えば、僕みたいに外から入ってくるという場合もありますしね。

ですから僕のような立場だと、新しいことにも取り組みやすいんですが、どっちかに偏ってはいけないと思うんです。新しいことだけをやっていくと、どうしても伝統の部分が疎かになってしまいますので。ですので、明確に「伝統のもの」と「新しいもの」を分けて考えて、その時々でウエイトは変わると思うんですけれども、どっちかを捨てるんではなく、両方とも大切で、「こっちがあってこっちがある」という、バランスを大事にしていきたいですね。

今は一般の方が指物に触れる機会も減ったと思いますが、展示即売などの機会もありますか?

指物師 益田大祐さん インタビュー

昔は百貨店の家具売り場にも置いてあったんですが、いまはほとんど無いですし、「江戸職人展」のようなイベントも少なくなってしまいましたから、なかなか常設で置いてある場所は少なくなってしまいました。ですからこういった職人の工房に出向いたり、私などは墨田区のイベントなどがあれば入れてもらったりしていますので、どうしてもそういった機会になってしまいますね。

私の商品に関しては、私が修行していた時に知り合った方が「SyuRo(シュロ)」っていうセレクトショップをやっているんですけれども、私が独立する時に彼女も店をオープンしまして、「じゃあ、何か指物の技術を使って、何かシュロさんのアイテムを作りましょうか」っていうことで、相談しなから決めたものが幾つかありまして、それはシュロさんの店舗でも扱っています。

シュロさんとのコラボ商品には、どのようなものがあるのでしょうか。

シュロさんとの作品は、「現代にある木の小物を、指物の技術を加えたらどうなるか」ということで考えて作りました。ブックマークに使えるような木のクリップ、赤ちゃんのガラガラ、お箸、鍋敷き、ペーパーウェイト、名刺入れなどがあります。

指物師 益田大祐さん インタビュー

ガラガラなどは「木目をきれいに繋ぐ」という指物の技を使っていて、どこから中身の小石を入れたか分からないようになっています。機械で切ると歯の厚さが3ミリくらいはあるので、合わせた時にどうしても木目がズレちゃうんですが、指物で使う薄いのこぎりだと、ほとんどズレが無いんです。江戸っ子は、木目がズレると縁が切れるっていうことで、嫌がっていたそうなんですね。デザインとしても、木目が合っているとすごく自然ですし、そういう細かいところが、江戸のデザインなんだな、と思います。

若い方にとっては「指物」っていう言葉自体が分からないですし、昔ながらの製品を見ても、「ああ、時代劇で見たことがあるな」という程度の感想にしかならないでしょうから、こういった手軽な木製品を通して、指物の魅力に気づいてもらえると良いですね。そういった目的が合致して、開店からシュロさんとは仲良くやらせていただいています。

ほかにも、若い職人さんを集めたユニークな取り組みをなされているそうですね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

はい。今年になってから、墨田・台東の若手の職人を中心にして、10名で異業種のグループを作って、「どうやって伝統工芸の良さを伝えていこうか」っていうことを相談しています。代々の職人の家系と、外から入ってきた人とがちょうど半々で混じっているんです。

グループの名前は『もの「型」り』と言うんですが、「型を継承する」という意味と、「物の中に“物語”を付けられるものを作ろう」ということでやっています。やっぱり異業種の職人が一緒にやるほうが、いろんなアイディアも出てくるんですよね。職人さんには切子、市松人形、飾りかんざし、手ぬぐい屋さん、江戸小紋、木彫、ブラシ屋さん、足袋屋さんなどがいますけれど、「切子があるから、これに合う入れ物を指物で作ってほしい」とか、そういう形で一緒に商品を作ったり、意見を交換したりしています。僕と同じ30代の職人さんが中心なので、感覚が近いんですよね。いずれはコラボ商品なども展開できれば良いと思っています。

最後に、錦糸町エリアの魅力について教えてください。

錦糸町駅前から見た東京スカイツリー

住んでいる人にとっては静かな地域で、人通りも車通りも少ないので、生活するにはすごく快適な街だと思います。交通の便もけっこういいんですよ。都内に向かっていけば日本橋の浜町や、銀座へもすぐ出られますし、ちょっと歩けば浅草へも行けます。

この辺りについて言えば、近くに立川(たてかわ)という川があるんですが、この川沿いには昔、銘木屋さんが多くありまして、銘木屋さんが閉じた後には、機械屋さんが増えて、自動車の部品などを作っていたそうなんですね。最近はそれもどんどん少なくなっていまして、マンションが増えてきていまして、街の雰囲気も変わりつつあります。今後そういった、伝統文化や歴史をうまく利用しながら、楽しめるような町づくりをできれば良いんですけれどね。

木場公園

マンションを買われる方だと子育てをされる方も多いと思いますが、ちょっと行けば木場公園などの広い公園もありますし、良い環境だと思いますよ。散歩していても近所のおばちゃんが話しかけてくれたり、危ないことをしていたら怒鳴って叱ってくれるおじさんがいたりします。それが下町の良さなんでしょうね。

指物師 益田大祐さん インタビュー

今回、話を聞いた人

指物師 益田大祐さん

指物益田
所在地:東京都墨田区立川4-6-5
URL:http://sashimasu.exblog.jp/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

デザイナーから“指物職人”へ
伝統を受け継ぎ、もの作りの枠を広げる/指物師 益田大祐さん

所在地:東京都墨田区立川4-6-5 
https://sashimasu.exblog.jp/

生きる力を培う教育を行う/立川市立立川第二中学校 常盤隆 先生


立川市立立川第二中学校
校長 常盤隆 先生

生きる力を培う教育を行う
「立川市立立川第二中学校」

東京西エリア最大の乗車人数を誇る「立川」駅は、JR中央本線・南武線・青梅線のほか、多摩都市モノレール線も乗り入れるという三多摩地区の中心駅。駅前の充実した商業施設に加え、少し歩けば静かな住宅街が広がり、特別快速を使えば新宿まで25分という通勤にも便利な地の利で人気のベッドタウンである。「立川」駅から歩いて18分の立川市立立川第二中学校は、緑豊かでのびのびとした環境に恵まれ、地域に根付いた中学校。その魅力を常盤隆校長先生にじっくりと伺った。

立川市立立川第二中学校の概要についてご紹介ください

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

戦後間もない1947(昭和22)年、曙小学校内に設置し出発した本校は、現在487名の生徒が学ぶ学校となり、2013(平成25)年で開校66周年を迎えました。開校当時は松林の中に建つ学校でしたが、今でもその松が何本か残っており、当時の風景をしのぶことができます。

通常4階建てが多い中学校のなかで、本校は2棟、すべて3階建て。大きな校庭と相まって、広い空を感じることができる恵まれた環境です。晴れた日には、校舎から秩父山地の山並みも見え、街中にあってもじつにのどかな学校ですね。

地域の方々から支えられている活動が多いそうですが

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

本校の生徒は伝統的にきちんと「あいさつ」をする子どもたちが多いのですが、これは2005(平成17)年から始まった朝の「あいさつ運動」の成果です。この活動は地域の保護司や児童委員の方々のほか、PTAと生徒会も一緒に門に立ち、登校してくる生徒たちにあいさつをするものです。朝に顔を合わせてあいさつをすることで、子どもたちには「地域に守られている、助けてもらっている」という気持ちが芽生え、地域の方々も「私たちの町の子ども」という意識を持ってくださるようです。

地域清掃のボランティアに手を挙げる生徒たちが「地域の方々や町にお礼をしたい」と話す子どもが多いのも、日々の「あいさつ」からさまざまなことを感じ取っているからだと思います。

恒例行事の「三町合同高尾山ナイトハイク」についても教えてください

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

昭和50年代後半、校内暴力や学校崩壊など中学校が荒れている時代がありました。そんなとき、「中学生が興味を持って参加してくれる活動はないか」「ありあまるパワーをぶつける場所はないか」と、学区の曙町・高松町・栄町の三町の子ども会連合会が企画したのが、この「高尾山ナイトハイク」です。

当初は「夜中に中学生を登山させるとはなにごとだ!」と市の教育委員会や学校からも猛反対されましたが、あくまでも子ども会の活動として開催し、本校の生徒が200名も参加したそうです。以来毎年恒例の行事となり、今年も二中の生徒180名近く、教師も11名近くが参加しました。地域の方々が付き添いから現地で待機する安全対策役までやってくださり、総勢82名のスタッフがサポートしてくださるなど、まさに地域力を感じる活動です。

夜10時に学校体育館に集合して、「立川」駅まで歩くのですが、その道々に途切れなくズラリと交通安全協会の方々や見送りの方々も立ってくださり、「気を付けてね」「行ってきます」とお互い声を掛け合いながら出発しました。1982(昭和57)年の初開催から一度も事故なく実施し続けられているのも、すべて地域の方々の協力のお陰と感謝しています。

2008(平成20)年~2009(平成21)年度に「スポーツ教育推進校」として教育活動を行ったそうですね?

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

じつは今年度も「スポーツ教育推進校」として東京都教育委員会から指定を受け、スポーツの教育活動に意欲的に取り組んでいます。前回と同様「持久力をつけること」を目標に、体育授業内などで走る場面を多く設けて、体力と持久力の向上に努めています。

これは前回の活動で分かったことですが、持久力はトレーニング次第でアップさせることができるので結果が出ることで、本人も達成感が持ちやすいこと。そして持久力がつくことで、学習の面でも我慢強く問題に取り組んだり、毎日の勉強が苦じゃなくなったりと、忍耐力や継続力も自然とついてくることが期待できます。体力がつくことで学習面にもプラスになる、それを実感できる意義のある取り組みにしたいです。

そのほかにも特徴のある教育活動があると聞きました

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

本校は平成23~25年度、東京都教育委員会「言語能力向上推進校」の指定を受け、「言葉の力~伝え合う力を持った生徒の育成~」というテーマで、さまざまな取り組みをしています。私が特に子どもたちに期待しているのは、この「伝え合う力」という部分です。間違っていても、また、皆とは違う意見でも自分の考えや気持ちを伝える、そして自分とは違う人の意見を聞く。お互いの意見の噛み合わせ方、コミュニケ―ションの基礎力をつけてほしいと考えています。

もう一つ力を入れているのが「クリティカルシンキング(批判的思考)」という考え方です。答えを出すことは得意でも、論理的に考え、思いを伝えることは不得手といわれる日本の子どもたち。情報を鵜呑みにせず、根拠を探し、自分で考え、判断して評価する力を備えるために特徴ある指導をしています。授業中、先生から子どもたちに「なぜ?」「根拠は?」と繰り返し問うと、最初は「教科書に書いてあった」などと答えていましたが、そのうち「この資料だけでは分からない」「もっと○○の情報がほしい」など見極めようとする力がついてきます。この「なぜ」「どうして」を問う力、そして自分なりの考えを持つことこそが、これから子どもたちが成長し社会に出たときに役に立つ力になると信じています。

立川第二中学校の生徒たちの様子を教えてください

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

とても気持ちの安定した落ち着いた生徒たちで、朝礼や集会なども非常に静かに話を聞くことができる子どもたちですね。これは地域、ひいては各家庭が安定しているからだと思います。ナイトハイクの提案などもそうですが、地元の方々が子どもを大切に慈しんでくださる気持ちが子どもにも伝わっていると感じますね。

先日行った「道徳授業地区公開講座」では「わたしのふるさと・立川」というテーマで授業を行い、自分の好きな立川を詩で表現する取り組みを行いました。その時の詩を読むたびに、地域の方々から温かく接してもらった体験が、子どもたちの地元を愛する気持ちに反映されていると実感します。私たち教師も、そんな環境に支えられていますね。

立川市立立川第二中学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

東京都立川市立立川第二中学校
校長 常盤隆先生

所在地:東京都立川市曙町3-29-46
電話番号:042-523-4338・4339
http://www1.m-net.ne.jp/dai2/

※記事内容は2013(平成25)年10月時点の情報です。

生きる力を培う教育を行う/立川市立立川第二中学校 常盤隆 先生
所在地:東京都立川市曙町3-29-46 
電話番号:042-523-4338・4339
http://www.tachikawa.ed.jp/jh02/?page_id..

街とともに歩み続けるビッグな「英明幼稚園」/学校法人宝田学園 英明幼稚園 宝田 浩さん


学校法人宝田学園 英明幼稚園
理事長 宝田 浩さん

街とともに歩み続けるビッグな「英明幼稚園」。

「長後街道」から少し入った閑静な住宅街にあり、300名以上の園児が日々元気に過ごしている「英明幼稚園」。この街の誕生と同じころに生まれ、半世紀もの間、多くの子どもたちをが巣立ってきたビッグな幼稚園だ。自由な“遊び”を保育の中心に据え、子どもたち同士の関わりの中で、子どもたちは学び、育ってゆく。今回はこの幼稚園の創立者を母に持ち、グループ2園を統括している宝田浩理事長に、園の特徴や街の魅力についてお話を伺った。

まず、「英明幼稚園」の沿革についてお聞かせいただけますでしょうか。

英名幼稚園

ここはもともと私の母が創立した幼稚園でして、1964(昭和39)年に創立されましたので、今年でちょうど50周年になります。創立当時、この辺りは泉区ではなく戸塚区の一部でした。まだ幼稚園が少なかった時代でしたので、この辺りでは最初に建った幼稚園だと思います。現在、当園には325名の園児たちが、主に泉区や戸塚区から通っています。

どのような保護者の方が、どんな理由で「英明幼稚園」を選ばれているのでしょうか。

英明幼稚園

当園は、学区が比較的広く、卒園生は毎年約20の別々の小学校に行きます。普通は「この園からはこの小学校に何十人行っているから、この幼稚園にしよう」など、そのような選び方をする方も多いと思いますし、当園にももちろんそのように選んでくださる人もいますが、「1人しか行かなくても通わせたい」と言って選んでくださる方も結構いらっしゃるんですよ。

 

英名幼稚園

選んでくださった理由はということですが、私の口からは申し上げ難いのですが、やはり教育内容が大きいのではないでしょうか。あくまでも、保護者の方からの声ということですが、「英明の子は小学校に行って、座ってきちっと話が聴ける」というような評価を頂いたこともあります。実際に見ているわけではないですから、もしかしたらお世辞なのかもしれませんが、素直に大変嬉しく思います。
他の園と何が違うのかと問われればはっきりとは分かりませんが、日々の積み重ねが評価されているのではないかと思います。「のびのびしていて、落ち着いていて、やるときにはやる」という子どもが、当園では多く育っていると思います。

また、教育時間の柔軟性も、安心して通わせて頂ける一因にあるのではないでしょうか。仕事をされているお母さんが多いわけではありませんが、ほかにも何か都合がある場合なども含め、毎日平均30人から40人くらいは降園時間後の預かり保育で預かっています。

「英明幼稚園」の教育方針について教えて頂けますでしょうか。

英名幼稚園

当園の教育方針として、まず「よく遊ぶ」ということを最初に掲げています。3歳から5歳までの幼児期の子どもたちにとっては、“遊び”は大事な仕事です。いろいろな遊びをたくさん経験して、友だちと関わりあえる環境を大切にしています。そのために、当園では「一斉保育」だけではなく、「自由保育」の時間も大事にしています。

このほか、基本的な生活態度ということで、「よく見る」「よく聞く」「よく考える」「よく話す」ということも大切にしています。

「一斉保育」と「自由保育」の両方を大切にされているということですが、具体的にどのような実践をされているのでしょうか。

英名幼稚園

「一斉保育」というのは、クラス担任の先生が中心になり、子どもたち全員で同じことに取り組むものです。内容はその日によって異なりますが、その日のメインの活動が「一斉保育」の中で行なわれます。体育的な遊びの日や、楽器を使ったり、歌を歌ったりというような日もありますし、造形活動をする日もあります。当園では、特別に何に一つに力を入れるのではなく、全体的にバランス良く、いろいろなことが経験できるような教育内容を組んでいます。

英明幼稚園

一方、「自由保育」というのは、登園後や、お昼を食べた後などに、子どもたちが思い思いに自由に遊ぶ時間のことです。「一斉保育」は“先生対子ども”ですから、子ども同士の関わりというのは少ないですが、「自由保育」では“子ども対子ども”の関わり合いがあります。時にはケンカをしたり、物の取り合いをしたり、さまざまことがその中で生まれるのですが、その経験がとても大事なことなのです。 「一斉保育」も「自由保育」も、どちらも子どもたちの成長にとっては大切ということですね。
なお、当園では「のびのび保育」ということで、週に1日、自由保育だけの日も設けています。この日は、縦割保育でクラス以外の先生や友だちとも一緒に遊ぶなど、通常の自由保育の時間よりも、より組織立った遊びも実践しています。

具体的にはどんな“遊び”を行っていらっしゃるのでしょうか?

英明幼稚園

季節によっても異なりますが、砂場遊びや、遊具で遊ぶことが多いですね。年中・年長クラスの子どもたちになると、ドッジボールなどのボール遊びも盛んですね。冬には「ドッジボール大会」もあります。これらは「一斉保育」の中でやるときもれば、「自由保育」の時間にやることもあります。

最初に「一斉保育」の中で体験したことを、子どもたちだけの自由な時間に“ドッジボールをやろうよ”と、自発的にやるようになっていくのです。今は運動会の練習も行っていますが、運動会をやってそれで終わり、ではなくて、そこから子どもたちの「自由な運動会」が生まれるのです。例えば、年長クラスになると運動会でリレーをやります。そうすると次の週辺りには、子どもたちの中でクラスのリーダーになるような子が、“みんなでリレーごっこしようよ”と自然と言い出して、子どもたちだけでバトンを借りに来て、自由な時間にもリレーをやるのです。「一斉保育」や行事をきっかけにして、「自由保育」の時間に自発性や主体性が伸びていくんです。それこそが大事なんですよね。

“よく遊ぶ”ことと同じく教育方針に掲げている、“基本的な生活態度を育てる”に関しては、どんなことを実践していらっしゃるのでしょう。

英明幼稚園

こちらはやはり“毎日の積み重ね”が大切なのです。突然、何かをやれと言われても、子どもだけではなかなかできないし、身に付かないことなんです。例えば、靴をちゃんと揃える、挨拶をする、席をたった後にはちゃんと椅子を入れておく…とか、そういうことについて、日頃から意識をもたせることを大事にしています。そのためには、先生も毎朝登園してきた子どもたちに対して「おはよう」と挨拶をするなど、当たり前のことを常に実践していくように心がけています。

生活態度というのは、各家庭のしつけによるところも大きいのですが、今のご家庭でしつけを実践するというのは、なかなか難しいのだろうと思います。食べる時に「いただきます」をするとしても、今はなかなか、そういう部分は希薄になっていますから。ですから、そういうところを幼稚園が担っていかないといけないウエイトが、昔よりも高くなっているのではないかと感じますし、積極的に取り組まなくてはいけないと思っています。

カリキュラムの特徴についても、ぜひお教えください。

英明幼稚園

園の創立からいろいろなカリキュラムに取り組むなかで、出来るだけクラスの担任が教育を実践するという部分は変わりませんが、専門性が必要なものもに関しては、プロの力をお借りするということもしています。
体育の時間の体操とプール指導や、造形・絵画の指導は外部の専門家の方にお願いしています。また、年長クラスの「英語遊び」は、外国人の外部講師の先生に来ていただいています。これは年長クラスだけ月に2回実施している授業で、心身の発達の盛んな幼児期に遊びを通して国際人としての基礎を作るために、英語で挨拶をしたり、歌ったり踊ったりということを行っています。

未就園児のための教室「プレイルーム」についても、お聞かせいただけますでしょうか。

こちらは、当園の教育の大きな特徴のひとつにもなっている取り組みでして、毎年、お断りしなければいけないぐらいの応募が集まります。 「プレイルーム」は、2~4歳の子どもたちが、幼稚園に入る前に集団あそびを経験したりという、いわゆる子育て支援の一環です。先生や友だちと楽しく遊びながら、可能性の芽をすこやかに伸ばしていくことが目的です。
また、2歳児ぐらいの子どもは活発に動き出して、お母さんが最もお世話に大変な時でもあります。ですから週に2日ほどどこかで見てくれたらお母さんたちが少し休憩できる、というような視点も含まれています。例年、次の年に入園する子の8割以上は、この「プレイルーム」に参加して下さっていますね。こちらを毎月6回、年間50回以上行っています。

特徴的な年中行事について教えてください。

英明幼稚園

運動会、盆踊り会などの年中行事はもちろんありますし、特に、12月に行なっている「発表会」は登園の目玉の行事といえます。 「発表会」では、年少から年長クラスまで、クラスごとに劇を発表するんです。しっかりとせりふのある言語劇で、公会堂で2日間にかけて行います。毎回たくさんの保護者の方に来ていただいています。

英明幼稚園

そのほかですと、毎年2月に開催する「生活造形展」というものがあって、これも名物行事になっています。子どもたちの絵画、制作物などの展示ですね。どうして「生活」が付くかというと、“子どもたちの生活の中から生まれるもの”をベースに、子どもたちが経験したことが題材になっているからです。幼稚園の中にあるものを描いたり、栽培活動で育てたものを絵や貼り絵にしたり、玄関にある水槽の魚を描く子どももいますね。身近なところから造形の表現活動に発展させているのです。立体作品に挑戦する子どももいます。

英明幼稚園

また、この造形展では幼稚園全体のテーマも設定しており、例えば「ピーターパンのお話の世界」というテーマであれば、海賊船を作るクラス、ピーターパンを作るクラスなどがあり、それをひとつの部屋でまとめて展示するのです。昨年は、各クラスごとに「家」をテーマに、お菓子の家、忍者屋敷のような仕掛けのある家、未来の家など、子どもたちと先生が自由に話し合って制作を進めました。最終的には「英明ハウジング」という一つの作品として展示しました。

「英明幼稚園」に入園したい場合、どうすれば良いでしょうか。

英明幼稚園

入園の前の年、5月の連休明けぐらいから園内見学を行なっていますので、早い方ですとそこから見学に来られます。見学は曜日が決まっていますから、事前に電話でお問い合わせいただいて、予約していただければと思います。その後、幼稚園を体験できるような機会もあり、入園説明会があり、当園を気に入っていただけましたら、入園願書を取りに来ていただき、11月に受け付け、というのが一般的な流れになります。

英明幼稚園

その前に「プレイルーム」に入られる方も多いのですが、こちらも空きがあればいつでも申し込んでいただけるのですが、最近は幼稚園見学を開始する5月の時点で満員になっていることが続いています。ただ、漏れてしまった方でも、子どもたちが慣れてきた9月から若干名の追加募集をしておりますので、そちらをチェックして申し込んでいただければと思います。1月から見学と入会手続きは行っています。

ありがとうございました。最後に、宝田理事長が感じられる、泉区立場エリアの魅力についてお聞かせください。

この街は、当園が建ったころは農村地域でしたし、今でもその名残が半分くらい残っており、“都会と田舎の中間”のようなバランスの良い環境がいいですね。「泉区」という名前が感じさせる通り、自然がたくさん残っているんです。ですから子どもをのびのびと育てられて、のんびりとしていてるところが魅力の街だと思います。 役職がら、行政の方ともお話をさせていただく機会が多いのですが、行政でも「子育てしやすい街」ということをスローガンにして取り組んでいますし、幼稚園や保育園に関しても、待機児童はほとんど無い状態だと思いますので、これから子育てのためにこの街に来られる方も安心できる環境だと思いますよ。

英明幼稚園

今回、話を聞いた人

学校法人宝田学園 英明幼稚園
理事長 宝田 浩さん

所在地:神奈川県横浜市和泉町3864
電話番号:045-802-2537
URL:http://www.ans.co.jp/k/eimei/

※記事内容は2013(平成25)年9月時点の情報です。

街とともに歩み続けるビッグな「英明幼稚園」/学校法人宝田学園 英明幼稚園 宝田 浩さん
所在地:神奈川県横浜市泉区和泉町3864 
電話番号:045-802-2537
教育時間:9:00~14:00
預かり保育:あり(7:30~9:00、14:00~18:30)
http://www.ans.co.jp/k/eimei/

ひまわりキッズガーデン有明 園長 長谷川淑江先生

「本物とふれあう」ということを大切に、地域全体で育てる/ひまわりキッズガーデン有明 園長 長谷川淑江先生


ひまわりキッズガーデン有明
園長 長谷川淑江先生

「本物とふれあう」ということを大切に、地域全体で育てる。

「ひまわりキッズガーデン有明」は今後の人口増加が見込まれる有明地区で初めての認可保育所として、地域の人々の期待を集めている。比較的安価な保育料で利用できるため、ワーキングマザーの心強い味方になっている。

保育方針としては「明るく個性豊かに」「遊びの文化を一緒に」「生活の文化が身につくように」という3点に力を入れており、伸び伸びと遊びながら子どもの個性を伸ばしながらも、ルールやマナーも自然と身につくよう心がけてくれる。

今回はこの保育園を訪ね、園長の長谷川淑江先生にお話をうかがった。

まず、園の教育方針について教えてください。

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

保育方針としましては、「保育園に集うたくさんの親や子どもが、小さな社会体験と、生活体験を重ねながら、地域の一員として、さまざまな人々とともに暮らす知恵と力を身につける」ということを掲げていまして、そのために、ひまわり福祉会の保育園では、「出会う」「見る」「聴く」「触る」「体験する」「語りあう」「認めあう」という場を作るように心がけ、この7つの言葉を、保育方針のキーワードにしています。

園の沿革、概要について教えてください。

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

こちらは2009(平成21)年の4月に、マンションの開業とほぼ同時期に開園しました。定員は6クラス120名でして、年齢ごとに1クラスになっています。0歳児が9名、1歳児が15名、2歳児以上がそれぞれ24名の定員です。また、「認可保育所」になりますので、申し込みは江東区を通して行っていただきます。入所されているお子さんは、やはりこのマンションにお住まいの方が多いのですが、ほかから来られている方もいます。

設備面の特徴について教えてください。

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

「キッズタウン」というコンセプトで造られた建物になっておりまして、保育室の中は全部オープンスペースになっていて、仕切りが一切ありません。保育園全体を大きな「街」と捉えていまして、仕切りが無い状態で、場面に応じてさまざまな環境に変化するという施設になっています。壁がまったく無い造りというのは、保育園では珍しいと思います。

また、「こどもみち」というものがありまして、雨の日でも、十分に室内で身体を動かせるようになっています。これはプレイルームの天井近くの高い場所に、ぐるっと回るように道が巡らせてあるものなんですが、子どもだけが、四つんばいで通れるようになっているんですよ。

カリキュラム面の特徴について教えてください。

ひまわりキッズガーデン有明

「本物とふれあう」ということを大切にしている園なので、特に自然体験に積極的に取り組んでいます。まず、春には田植え遠足に行きますし、9月にはその田んぼで稲刈りをして、稲を刈ったものを、10月、芋ほりと一緒に脱穀をする体験もしています。芋ほりは3歳から、田植え・稲刈り・脱穀は4・5歳児が体験します。

あとは、日々の散歩先で虫を捕ってきたり、それを実際に飼ってみたりもしますし、園庭の隅に菜園がありますので、自分たちで野菜を育てたりもします。散歩先は、目の前に「有明テニスの森公園」がありますので、そこに行くことが多いんですが、時には東雲の方面の公園に行ったり、豊洲の公園に行くこともあります。

「本物とふれあう」という点について、ほかに事例はありますか?

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

普通の保育園ですと、たとえば先生が画用紙でかわいい「ピンクのうさぎ」を作ったりしますよね。でも実際にピンク色のうさぎって見ないですし、子どもたちが目にするうさぎって、白だったり、茶色やグレーだったり、黒だったりするんですね。ですから、架空のものとかキャラクターではなく、“本物”を意識して活動するよう、心がけています。

地域や他園との交流などはありますか?

ひまわりキッズガーデン豊洲「ひまわりキッズガーデン豊洲」

実は「ひまわりキッズガーデン有明の森」という姉妹園が隣の「ブリリア有明スカイタワー」の中にもありますし、湾岸地域の中に、このふたつの園を合わせて4園の系列園がありますので、交流も密に行なわれています。

たとえば幼児クラスに関しては、豊洲公園で待ち合わせて、一緒に小運動会をやってみたりしますし、先日も5歳児が集まって、マーチングを4園合同でやりました。前回の4園合同運動会は有明コロシアムで行ないまして、沢山の保護者の方にも応援に来ていただきました。

保育士の方々が、普段から心がけていることは何でしょうか?

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

やっぱり保育方針につながるんですけれども、保育士はみんな、「出会う」「見る」「聴く」「触る」「体験する」「語りあう」「認めあう」の7つのキーワードを軸に、保育にあたっています。

たとえば、「聴く」というキーワードには、敢えて「聞く」の字は当てていないんですが、これは「心を傾けて聴く」ということに重きを置いているからなんですね。音楽を聴くときも、言葉を聴くときも、心を傾けて聴けるようにと、日々心がけて保育にあたっています。

「語りあう」、「認めあう」、という言葉に関しても、3歳ぐらいからは、友達の存在を認めたうえで、お互いによく話し合いをして、何か物事を決めたり、遊びを展開するようにしています。遊びのルールを自分たちで決める、ということもありまして、敢えて職員が入らず、「子どもたちだけで進める」ということを大事にしています。

保育園の一日の流れについて教えてください。

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

保育園ですので登園時間はそれぞれですが、9時ぐらいを目安に登園してもらいまして、乳児も幼児も、0歳児もみんな「ミニ朝の会」というものをやっています。そこで気持ちをちょっと切り替えて、今日の活動の発表をして、1日がスタートします。

9時45分を目安に主活動が一斉に始まりまして、それぞれその日の活動をしまして、乳児は11時半を目安に、幼児は12時を目安に食事になります。その後、3歳児まではお昼寝をしていますが、4歳児、5歳児は夜の睡眠時間を十分に確保してほしいという願いがありまして、お昼寝の時間の間も、一時保育の部屋を使って、静かに遊んで過ごしています。

14時半ぐらいになると起床して、15時におやつを食べて、そこから帰りの支度をそれぞれしまして、16時ごろに「帰りの会」を行なって、それぞれ降園します。その後、18時15分からは延長保育に入るので、補食や夕食を食べる子どもたちはそこからまた食事をとって、それぞれ降園していきます。お迎えのピークは、17時から18時ごろになります。

一時保育にも対応しているそうですが、利用方法、条件について教えてください。

ひまわりキッズガーデン有明

条件としましては、江東区内に在住していて、認可・認証保育園に入所していない乳幼児が対象になっています。0歳児の一時保育は行っていないので、1歳児クラスに該当するお子さんからになります。

利用にあたっては、まず一度来園いただいて、登録をしてからのご利用となります。定員は1日10名となっていまして、1・2歳児を中心に利用が多いのですが、予約もなかなか取りにくいというのが現状です。予約は1週間前から電話で受け付けています。

保護者の様子、お子さんの様子について教えてください。

有明テニスの森公園

やはりテニスの森が目の前にありますから、テニスを習っているお子さんが多いですし、その他の習い事をしている子が多い印象です。バレエ、ピアノ、スイミングなど、いろいろですね。保護者の方については、文字を教えてほしいなど、教育に対する細かい要望は少なめですね。「のびのびと自由に育ててほしい」というご意見が多いです。

最後に、有明地域の魅力について教えてください。

「ブリリア有明シティタワー」周辺の子育て環境を見てきました!

いま取り組んでいるところですが、江東区では幼稚園、保育園、小学校、中学校が連携しながら、子どもの育ちをみんなで応援していこうという取り組みをしていまして、この辺りですと東雲・有明地域が連携しているんですが、そういった、教育施設同士の関わりが密にある地域なんですね。もちろん子ども同士の相互交流も行なっていますし、園児の様子は小学校にも伝えていきますので、スムーズに上の学校に進んでいけるかと思います。

お住まいの方も、落ち着いた雰囲気の方が多いですね。お迎えに来る保護者の方も穏やかで、身だしなみのきれいな方が多いんですよ。環境としても、広い公園が沢山ありますから、子どもたちものびのびと遊べるかと思います。

ひまわりキッズガーデン有明 園長インタビュー

今回、話を聞いた人

ひまわりキッズガーデン有明
園長 長谷川淑江先生

所在地:東京都江東区有明1-4-11
ブリリアマーレ有明1F
電話番号:03-3527-6217
※記事内容は2015(平成27)年2月時点の情報です。

「本物とふれあう」ということを大切に、地域全体で育てる/ひまわりキッズガーデン有明 園長 長谷川淑江先生
所在地:東京都江東区有明1-4-11 
電話番号:03-3527-6217
開園時間:7:15~20:15
延長保育:あり(18:16~20:15)
休園日:日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://himawari-fukushikai.org/childcar..

本との良き出会いがここにある。 南千住の頼れるコミュニティスペース「南千住図書館」。/南千住図書館 中嶋 様


南千住図書館 中嶋 様

本との良き出会いがここにある。
南千住の頼れるコミュニティスペース「南千住図書館」。

図書館は書籍を借りるだけのところではない、とそう感じさせてくれるのが荒川区の中央図書館である「南千住図書館」だ。暗闇にロウソクを灯しだけの空間で行われるおはなし会をはじめ、紙芝居、映画会、また七夕やクリスマスといった季節行事に関連したお楽しみ会を開催。0~3歳の乳幼児とその家族を対象にしたおはなし会や、体験型おはなし会なども開いている。そのような各種イベントとともに、館の概要についてお話を伺った。

「南千住図書館」の概要を聞かせてください。

南千住図書館 インタビュー

当館が開設されたのは1998(平成10)年5月のことです。中央図書館として区内最大規模を誇り、蔵書は約28万冊。そのなかには44,903冊もの児童書が含まれています。親子で一緒に楽しめる絵本や紙芝居、また図鑑などがあり、「ティーンズコーナー」では、10代向けの書籍、ライトノベルス、漫画を用意しています。

南千住図書館は、平成10年5月に開設されました。荒川区で一番大きい図書館で、蔵書数は約30万冊です。1階には荒川ふるさと文化館が併設され、2階が児童フロア、3階が一般フロアとなっています。

「南千住図書館」の特徴についてはいかがですか?

荒川区立南千住図書館

指定管理者を置いているのではなく、区が直接運営していることが大きな特徴ではないかと考えています。また、ビジネス、医療・健康の2分野にも力を入れ、配架や資料の展示に工夫していることも特徴に挙げられると思います。

それと当館だけということではないのですが、荒川区の図書館は「あらかわベビーステーション」に認定されており、オムツ換えや授乳のためのスペースが用意されています。また、エレベーターやスロープを設けるなどして、ベビーカーのまま利用できるような配慮もしてあります。

図書館 資料館

荒川区のティーンズコーナーは全国にも広く知られていて、毎年12月には、中高生を中心とした10代を対象にティーンズイベントを企画しています。

イベントのひとつに「ろうそくでおはなし」というものがあります。具体的には、どのようなものですか?

おはなし会

本や絵本を“読み聞かせる“というのではなく、話し手が自分のなかにある物語を、相手の表情を見ながら語りかけるというストーリーテリングの形式を採っています。明かりを消し、1本のロウソクを灯しただけの薄闇のなかで「おはなし会」は進んでいきます。

中嶋様

同じ話でも、明るい場所で聞くよりも内容に集中できますし、想像力を働かせられるという意味でも効果的ではないかなと思います。

「おはなし会」以外にもイベントはありますか?

クリスマス会

「お楽しみ会」という括りになりますが、たとえば「たなばた会」や「クリスマス会」といった季節のイベントを行っています。また、子どもたちに科学への関心を持ってもらえるようにと「かがくあそび」なども開催しました。

2014子ども読書の日を記念して、南千住図書館では、平成26年4月11日から5月6日まで記念事業を行います。音符の形のカードに読んだ本の感想などを書いて大きな楽譜に貼り付けて、世界に一つだけの曲を作るという企画を予定しています。また、音楽をテーマにしたおたのしみ会も行います。

併設の「ふるさと文化館」についても伺えますか?

七夕

郷土の歴史や文化が身近に感じられるように、そして誰もが楽しみながら学び、探求する場として設置されています。当館とは異なる部署になりますが、学芸員さんがいらっしゃるので「たなばたの会」などは共同開催しています。

図書館側は七夕に関する本の読み聞かせやパネルシアターなどを行い、学芸員は七夕の由来を学芸員としての検地から説明するなど、それぞれの観点から子どもたちの好奇心を刺激するようなプログラムを組んでいます。

南千住エリアの子育て環境についてはいかがでしょうか。

南千住駅前ふれあい館

「南千住」駅前には、サークル活動や会合などで利用できる「ふれあい館」があり、そこは各世代が交流を図れるコミュニティスペースになっています。当館も、その場を借りて出産を控えた方を対象にした絵本の読み聞かせをする講習会も開いています。

隅田川テラス(南千住付近)

区が発行している「あらかわきっずニュース」という子育てに関する情報を乗せた冊子があるのですが、それを見て、色々なところで開かれている子育て・子ども向けのイベントをハシゴされる方もいらっしゃいます。施設だけでなく、それを最大限に活かすイベントが開かれるという意味でも、子育て世代にとって力強いのではないかなと思います。

今回、話を聞いた人

南千住図書館 インタビュー

南千住図書館 中嶋様

住所:東京都荒川区南千住6-63-1
電話番号:03-3807-9221

※記事内容は2014(平成26)年4月時点の情報です。

本との良き出会いがここにある。 南千住の頼れるコミュニティスペース「南千住図書館」。/南千住図書館 中嶋 様
所在地:東京都荒川区南千住6-63-1 
電話番号:03-3807-9221