生徒の主体性を重んじる地域密着中学校

生徒達の主体性と自信を育み 地域と共に歩む「牛込第二中学校」/新宿区立牛込第二中学校 長田和義先生


新宿区立牛込第二中学校
校長 長田和義先生

生徒達の主体性と自信を育み
地域と共に歩む「牛込第二中学校」

東京メトロ東西線「早稲田」駅から南へ徒歩3分ほど、閑静な住宅地の真ん中にある「新宿区立牛込第二中学校」。この地で70年近くの歴史があり、隣接する早稲田小学校とともに近隣には2世代、3世代にわたって通う人々も多く、地域のシンボル的な存在として親しまれている。
今回は2014(平成26)年度から校長を務める、長田和義先生を訪ね、学校の特色や周辺地域との関わりについてお話を聞いた。

2014(平成26)年度で創立67年を迎えられたとのことですが、これまでの学校の歩みや概要について教えてください。

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

本校は、国民的文豪である夏目漱石ゆかりの地に建ち、創立から今日までの間、多くの保護者や地域の皆様に愛され、支えられてきた学校です。歴史の古い中学校で、長い伝統があり、緑豊かな落ち着いた雰囲気のある学校だと思っています。
2014(平成26)年度については、全校で8学級(1年生2学級、2・3年生各3学級)、生徒数248名でスタートしました。

新宿区立牛込第二中学校 校庭

学校経営の基本方針としましては、「生徒一人一人のよさや可能性を伸ばし、保護者、地域から信頼される、活力ある学校」を目指して、「心を育てる教育の推進」、「生徒一人一人のよさを生かす指導の充実」、「生徒の社会性の育成を図る教育の推進」、「地域とともに歩む学校づくり」といった目標をもって教育活動を進めています。

地域の親御さん方からなども人気の中学校だと聞いたのですが、どのような理由からだと思われますか?

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

多くの保護者の方に本校を評価していただいる理由としては、年に2回の「学校公開週間」をはじめ、「牛二中えんにち」などの地域との連携した取り組み、運動会、学芸発表会など、保護者や地域の方々に来ていただける機会を数多く設けています。その成果ということが一つ考えられます。
普段の学校の様子についても、積極的に学校ホームページや「学校だより」でお知らせするよう努めておりますので、そうしたことを通して、本校の様子をよく知り、生徒が落ち着いた態度で授業に取り組んでいる姿を見ていただくことで、安心していただいているのではないか、と思います。

もう一つの理由としては、二世代、三世代にわたって、保護者の方が本校の卒業生であることも多い地域ですので、これまでに本校が培ってきた信頼と安心感などが評価をいただけているのではないかと感じます。また生徒数は248名という規模の小さな学校ですので、全教職員で生徒一人一人を丁寧に見守ることができるということも、本校のアピールポイントであり、大規模校には無い魅力であると考えております。

長田校長先生が中学校教育において大切にされていることをお聞かせいただけますでしょうか。

新宿区立牛込第二中学校 廊下

中学校は、“義務教育最後の3年間”を担当する、という使命感をもって指導にあたることが何より重要であると考えています。 社会に出ると、自分一人で活動する、ということはほとんどありません。ほかの人達と協力して物事を進める場面が多々あるわけで、そこでは、個人の力や様々なスキルを、いかに多様な人々と協力して、目標の実現に向けて取り組めるか、ということが大事になってきます。つまり、「組織で力が発揮できる人間」が、これからの社会では、より求められると思っています。ですから、将来のために生徒が身に付けるべき資質とは何か、ということを常に考え、各教科や教育活動を通して、“人を育てる”ことが、中学校教育の役割であると考えています。

また、本校では、結果よりも「取り組んだ過程(プロセス)をしっかりと評価すること」と、「生徒の創意工夫や努力を認めること」を大切に考えており、教員の間でもそういった意識を共有しています。失敗しても良いから、失敗したことから学び、次の機会に活かす。生徒が困難を一つ一つ乗り越え、課題を克服していくことを通して、自信と自覚を深める。こういったことの繰り返しが、生徒たちの将来にとって大きな力になるものだと思っています。

学習面に関して工夫されている点や、特色のあるカリキュラムなどがあれば教えてください。

新宿区立牛込第二中学校

具体的な事例の一つとしては、「数学」の少人数指導などがあります。数学は全学年で習熟度別の少人数授業を行っており、1クラスを2展開、または2クラスを3展開、という具合で実施しています。
これによって、生徒たちは個々に分からないことが気軽に質問でき、理解に応じた課題に取り組める、といったメリットが生まれています。これは教員側としても、生徒ひとりひとりに対応した指導を行いやすいなどのメリットがありますので、積極的に活用して授業を進めています。

また、これは新宿区内の全中学校の共通部分ではありますが、全教室にプロジェクター、実物投影機、パソコンが設置されているという点も、素晴らしい点かと思います。教材を大きく写したり、動画を見ながら理解を深めたりと、教科指導で有効に活用しています。
「英語」の授業では、ALT(外国語指導助手)とデジタル教科書を活用して、生徒の発話を増やす授業展開を進めているのが特徴となっています。ALTは区が委託し、派遣された職員が1名、ほぼ毎日来て、英語授業に入っていただいています。

高校進学受験に対する施策などもありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

受験に特化した取り組みについては特に講じておりませんが、普段の放課後の時間を使った「補充教室」や、夏休みの補習については積極的に行っており、基礎・基本の学力定着に向けた環境づくりを進めています。「補充教室」は国語、数学、英語の3教科で、週に3日実施しています。また、夏休みの補習については任意参加で、(先取りをするのではなく)授業で理解できない部分を解消することを目的にしています。
ほかには、「漢字検定」や「英語検定」を校内で実施しておりまして、例年、多くの生徒が受検しています。

部活動について、特に活発な部などがあればご紹介ください。

新宿区立牛込第二中学校 トロフィー

部活動の種類は決して多いとは言えませんが、校庭、体育館等をうまく活用しながら、各部活とも、一生懸命に活動してくれていると思います。具体的な部活名としては、運動部はバレーボール、バドミントン、バスケットボール、サッカー、テニス、野球、水泳・陸上トレーニング部があり、文化部は、吹奏楽部、美術部、数“楽”部、英語部があります。

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

大会などの成績では、本年度は新宿区の春の大会でバレーボール部が優勝しました。バドミントン部は区大会準優勝、野球部は区大会第3位になりました。その他、吹奏楽部は都大会で銀賞を取り、地域のお祭りである「早稲田地球感謝祭」に出演するなど、積極的に活動してくれています。部活の加入率については、9割近くの生徒が参加しています。

生徒会活動も活発だとうかがいましたが、どのようなことを行っているのでしょうか。
また、活動を通して生徒たちの意識にどのような変化が見られましたか?

新宿区立牛込第二中学校 掃除

生徒会活動については、生徒会役員を中心に、意欲的に活動してくれています。朝の挨拶運動をはじめとして、夏には、雨水で学校周辺に打ち水を行う「打ち水大作戦」というものや、毎学期に生徒会と多くの生徒たちで学校の周辺を清掃する「ゴミゼロデー」という活動などを行っています。

新宿区立牛込第二中学校 作品展

実はつい先日も、生徒会の役員選挙が行われたばかりなのですが、全校生徒の生徒会への関心はとても高いです。立候補する生徒も“もっと学校を良くしたい”という思いを立会演説会でしっかりと伝え、この選挙を通して、生徒たちは生徒会活動の大切さを認識していました。
自分たちの代表として選んだ役員の呼びかけにしっかりと応えようと思うからこそ、多くの生徒たちが生徒会主催の活動について積極的に参加してくれているのだと思います。
もちろん生徒会役員以外の各委員会活動についても、それぞれの役割を責任をもって熱心に取り組んでくれています。

学校行事、校外活動などはどのようなものがありますでしょうか。

新宿区立牛込第二中学校 席書会

比較的大きな学校行事としては、6月の運動会、10月の学芸発表会というものがあります。どちらも生徒が主体となって取り組み、大変盛り上がります。ま た、生徒たちはこうした行事の中で、最後まで責任をもってやり遂げることや、他者と協力して物事を進めることの大切さなどを学んでいます。またユニークなところですと、毎年1月に学年ごと体育館に集まって書き初めをする、「席書会」を行います。本校の伝統行事のひとつです。

新宿区立牛込第二中学校 校長先生インタビュー

このほか、学校図書館には、この地域と縁が深い夏目漱石のコーナーを設け、蔵書にも力を入れており、夏目漱石関連の「読書感想文コンクール」を実施しています。こちらは本校では以前から実施し良き伝統となっています。
通学区については、「新宿区立早稲田小学校」、「新宿区立鶴巻小学校」の2つの小学校が中心となっていますが、それ以外にも、区内のどこからも通って来られますので、区内の他の小学校からも通っている生徒もおります。

新宿区立牛込第二中学校 校外学習

校外活動については、区の施設がある長野県の女神湖に1年生、2年生と連続で移動教室(校外学習)に行っております。1年生は毎年春に行き、自然観察をしたり、陶芸の絵付けの体験などをします。2年生は毎年冬に、スキー教室に行くのが恒例です。また3年生は修学旅行で京都・奈良に行きます。寺社を見学するだけではなく、学習目的を明確にし、伝統文化に触れる体験活動も多く取り入れています。

そのほか、2年生のときには、キャリア教育の一環として「職場体験」も行っています。これは地域の事業所の方々にお願いをして、丸々3日間、地域のお店や企業などに入って、仕事を体験するというものです。スーパーマーケットやカフェなどの販売の仕事をはじめとして、幼稚園、清掃事務所、図書館、郵便局、仕事支援センター、教育委員会、警察署、ホテル、銀行、動物病院、大学生協など、幅広い仕事を体験することができますので、生徒にとっては将来を考える良い機会になっているのではないかと思います。

夏休みに開催する「牛二中えんにち」は、地域の方々も参加できる大きなイベントだそうですね。

新宿区立牛込第二中学校 えんにち

はい。「牛二中えんにち」は夏休みの最終日曜日に行っているもので、2014(平成26)年度で9回目を迎えました。「早稲田青少年育成委員会」が中心となって、中学生の社会参加事業としてスタートしたもので“中学生を中心に地域交流を図る”ということを目的にしています。地域の方々に頑張っている本校の生徒の姿を見ていただき、生徒たちにも自分が地域の一員であることを再確認してもらう、ということをねらいとしています。

この企画立案については、生徒たちが企画段階から実施までの全てに携わっております。2014(平成26)年度はかき氷、ポップコーン、ソース煎餅などの提供があったり、ヨーヨー釣り、棒キャッチ、ペットボトルを使ったボウリング、ボードゲームなどのコーナーが作られまして、沢山の地域の子どもたちや、親子連れで賑わいました。なお企画の内容は、毎年変わります。

早稲田青少年育成会が主催するイベントには、このほか7月のカレー作り、3月の「もちもちの会(餅つき)」などもありまして、こういった企画を通して、本校生徒と地域との交流を推進していただいています。

新宿区立牛込第二中学校 校庭

また、音楽活動を通して牛込地域の子どもの健全な育成を目指す団体として活動している、「早稲田ミュージックラボ」(青少年吹奏楽団)という団体があります。こちらが本校の音楽室を活動場所としておりますので、本校の生徒も参加しています。こちらでも、定期演奏会やイベントでの演奏などを通じて、音楽を通した地域との交流を進めています。

また、どこの学校でも行っていますが、夜間には地域の方々に向けて体育館開放を行っておりまして、沢山の方にご利用いただいています。

生徒たちの学校での様子について、長田校長先生の印象を教えてください。

明るくて素直で、穏やかな性格の生徒が多いと思います。授業中のペアワークやグループ協議、給食時間などの様子を見ていますと、男女分け隔てなく、誰とでも活動できる生徒が多いと感じます。

生徒会活動の地域清掃ボランティアなどについても、多くの生徒たちが参加してくれていますし、みんなで協力して物事を進めようとする生徒が多いです。また、運動会などの学校行事に主体的に関わり、リーダーシップを発揮してくれる生徒の姿が見られ、時折頼もしさも感じます。

最後に、この地域エリアの魅力はどのようなところでしょうか。

弁天町レポート

「早稲田」駅周辺には古書店や飲食店が沢山ありますし、近隣の大学の学生たちの姿も多く見られ、活気がある街だと感じています。弁天町・早稲田周辺エリア全体については、緑が多く、落ち着いた雰囲気がありますし、文化の香りもあると思います。地域の方々には地元をとても愛している方が多くいらっしゃいますし、人間味があふれる街であることが魅力だと感じています。

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

今回、話を聞いた人

新宿区立牛込第二中学校 校長先生

新宿区立牛込第二中学校 校長 長田和義先生

住所:東京都新宿区喜久井町20
電話番号:03-3205-9671

http://www.shinjuku.ed.jp/jh-ushigome2/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

生徒達の主体性と自信を育み 地域と共に歩む「牛込第二中学校」/新宿区立牛込第二中学校 長田和義先生
所在地:東京都新宿区喜久井町20 
電話番号:03-3205-9671
https://www.shinjuku.ed.jp/jh-ushigome2/

明治期の建物で学ぶ文豪の街の伝統校

落ち着いた環境で子どもたちの可能性の芽を育む
伝統を受け継ぎ、進化を続ける「早稲田小学校」/新宿区立早稲田小学校 堀竹充先生


新宿区立早稲田小学校
校長 堀竹 充先生

落ち着いた環境で子どもたちの可能性の芽を育む
伝統を受け継ぎ、進化を続ける「早稲田小学校」

早稲田通りから南へ少し入った場所にある、「新宿区立早稲田小学校」。周囲を閑静な住宅地に囲まれたこの学校は、2014(平成26)年で創立114年目の伝統校。この界隈でも特に長い歴史を誇る小学校のひとつである。鉄筋コンクリート3階建ての校舎は、銀座和光も手掛けた近代建築家・渡辺仁によるデザインで1928(昭和3)年に建築されたものであるが、80年以上という長い年月が経った今でも、変わらず“美しい学校”という印象を抱かせてくれる。今回はこの学校で校長を務められている、堀竹先生にお話を聞いた。

モダンな校舎がとても美しい学校ですね。まず学校の概要や、特徴について教えてください。

新宿区立早稲田小学校

本校は2014(平成26)年現在、児童数は496名、16学級という編成で、新宿区の小学校としては児童数が多い学校だと思います。1,900(明治33)年に開校し、来年度2015(平成27)年で開校から115周年を迎える歴史があります。

特徴的である校舎については、関東大震災の被災後の1928(昭和3)年に現在の鉄筋コンクリート3階建ての校舎に建て替えられました。天井が非常に高いのは、当時の建築ならではの特徴です。第二次世界大戦中の1945(昭和20)年の山手大空襲で、校舎の4分の3が焼失してしまったそうですが、骨組みの部分はしっかりと残ったので、それを活かした改築がなされ、現在の姿となりました。

校舎としてはかなり古いものですが、筋交いなどの補強工事がなくとも耐震構造上は、現在の水準でも全く問題が無いということです。これは非常に珍しいことだそうです。来校した方々からも“とても公立校には見えない”などとのお言葉をいただくほど非常にデザイン性にも優れた校舎ですので、今も大切に使っております。

漱石公園

また、学区内に夏目漱石が生まれた場所と、終焉を迎えた場所があるということも本校を紹介する上で欠かせないことですね。本校では、夏目漱石について学ぶ機会も作っており、子どもたちも、地域の方々も、“夏目漱石と縁が深い学校なんだ”というように見ているのではないかと思っています。

学校の敷地内に幼稚園が併設されている点も珍しいですね。

新宿区立早稲田小学校

そうですね。新宿区内には本校以外にも幼稚園併設型小学校はありますが、園舎が別の建物になっていたり、小学校の敷地から少し離れたところにあるところが多いと思います。その点、本校は、「早稲田幼稚園」が同じ建物内に入っていますので、直接の交流の機会はそれほど多くありませんが、小学校の生徒と幼稚園生がお互いの活動の様子を日常的に見ながら、同じ空間で生活を共にしているという一体感をもっていると感じます。「早稲田幼稚園」の卒園生も、ほとんどの子どもたちが本校に入学してきます。

地域の親御さん方にも“「早稲田小学校」に通わせたい”と思う方が多いと聞きましたが、そうした評価の理由はどのようなところだと思われますか?

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

ここはご覧の通り周囲に緑が多いですし、校舎も長い年月を経ながらもとてもきれいですよね。子どもたちが過ごす場所として、環境が落ち着いているという点が、評価をいただいているのではないでしょうか。それから、親子三代で通われている地域の方などは、ご自身が早稲田小学校の生活にもつ良い思い出から、「同じような経験をさせてあげたい」ということを願ってこの学校を選んでくださっているように思います。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

ほかには、積極的な学校情報の公開もあるかと思います。たとえば、高学年のマラソン大会を、学校の周りの道路を交通規制して盛大に行ったり、「わせだまつり」という生徒たち主体の行事を開催するなど、地域の方に積極的に子どもたちの姿をアピールして見ていただいています。そういったことからくる安心感も、選択される理由のひとつにあるかと思います。

2014(平成26)年から、隣接エリアからの越境入学ができなくなったそうですが、その理由は何でしょうか?

区域外就学については、区が定めるところに従って取り扱っています。今回、選択できない学校となったのは、本校の学区域の就学予定児童だけでも3学級規模を超えそうなための措置と聞いています。これ以上児童が増えますと、教室数が不足し、教育活動にも支障が出かねません。十分な教育活動を進めるうえで、必要な措置であったと思います。

この措置がこのまま続くかどうかはわかりません。なお、選択制で他の学区から来ている子どもは、本校の場合、児童数全体の約2割です。

学習面の取り組みについての特色や、力を入れている点はありますでしょうか。

新宿区立早稲田小学校

学習面で特色があるのは、「算数」です。本校の算数の授業では、全学年で少人数指導やチームティーチングなどを積極的に取り入れ、個に応じた指導を大事にしながら、しっかりと基礎・基本を身につけさせることに力を入れています。2014(平成26)年からは、理解の度合いに応じてクラス編成を変える、習熟度別指導の試みも始めております。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

また、「国語」に関しては、“聞く・話す・伝え合う”ということを重視し、子どもたちの思考力を高めることに力を入れております。例えば、学級によっては、「朝のスピーチ」という時間をつくり、ひとりおよそ5分、みんなの前でスピーチをする機会を設けています。高学年の「理科」の授業でも同様に「サイエンスタイム」という、科学に関わるニュースを自分なりにまとめて授業のはじめに全体の前で報告する活動があります。こうした経験を通じて、“聞く、話す、伝え合う”力を育んでいきたいと考えています。

課外活動について、まずコンクールなどでも活躍をされている「金管バンド」について教えてください。

新宿区立早稲田小学校

おっしゃる通り、本校の特色ある課外活動の代表的なものは、やはり「金管バンド」ですね。4~6年生のおよそ60人ほどが在籍しておりまして、小学生バンドコンクール全国大会にもここ数年、連続して出場しています。

2013(平成25)年は、東京都大会で金賞をいただききながら、惜しくも全国大会には出場できず悔しい思いをしたのですが、2014(平成26)年の都大会で再び金賞を獲り、今度は11月開催の全国大会に出ることが決まりました。冬には、都のアンサンブルコンテストにも出場しています。これも毎年金賞を受賞するなど、優秀な成績を収めています。

また、大会やコンクールだけでなく、地域の方に声をかけていただき、お祭で演奏したり、区の行事に呼ばれてパレードに参加するなどの活動もしています。毎年3月には卒業発表も兼ねた「たんぽぽコンサート」という定期演奏会も開き、地域の方、保護者、卒業生など、沢山の方々に来ていただいています。ほかにも区のバンドフェスティバルへの出演や、「牛込第二中学校」の吹奏楽部と年に1回のジョイントコンサート開催など、活躍の場は幅広いですね。

また、早稲田小学校では、6年生は1年間、全員が「鼓笛隊」に参加するのが昔からの伝統です。運動会など様々な場面で披露をします。毎週月曜日には、鼓笛の演奏に合わせて全校児童が教室に入るという、今では珍しくなった取組もあります。ほかには、日常的な「音楽集会」で、楽器クイズや合唱をするなど、本校では色々な場面で音楽に触れる機会をつくることに力を入れています。

「わせだまつり」や「学芸会」などの学校行事についても教えてください。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

「わせだまつり」は、毎年秋に開催しています。「なかよし班」という異学年グループを作り、グループみんなで協力して、それぞれ工夫を凝らした“遊びのお店”を出店する行事です。そこで店番をしたり、互いの店に遊びに行ったりします。例年お化け屋敷や射的などの企画があり、教員たちも子どもたちと一緒になって楽しみますし、保護者も地域の方々もにも来ていただいています。

 

 

ほかに大きな行事では「学芸会」があります。これは3年に1回です。前回の学芸会では、子ども達により大きな達成感を味あわせたいということで、プロの劇団員の方に来ていただいて、高学年の演技について指導をいただいています。高学年の劇は、毎回、非常に見応えがあるものに仕上がっています。

今後は、本校も「地域協働学校」へと移行していかなければなりません。そこで、教育活動に外部の方の力を借りるということをより進めていきます。大学や企業などにも、今後は支援をしていただくようにし、活動も充実していきたいと思っています。

「屋上の水田」があるそうですが、こちらも珍しいですね。

新宿区立早稲田小学校

屋上の水田では、5年生が米づくりをやっているんですよ。「総合的な学習の時間」の一環として、給食でお米を納品していただいている、山形県の「JAやまがた」の方に年に1回指導しに来ていただいて、田植えから収穫までを体験しています。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

すずめ除けの対策や日常の世話、水の管理などについても、全て子どもたちの手で行っています。つくったお米は、収穫量があれば全校で食べたいのですが、今は、5年生だけでいただいています。こういった取り組みを通して、日本の食文化、世界の食文化などにも、関心を広げていってもらえればと思っております。

新宿区立早稲田小学校

屋上は、水田以外の部分を遊び場としても開放していまして、子ども達がボール遊びなどをすることもできます。周りが住宅地ですから、景色もすごく良いんですよ。

校外行事について特徴的なものがあれば教えてください。

高学年については、「夏季施設」(自然体験学習)ということで、富士山麓の西湖にキャンプに行って、飯盒でご飯を炊く体験などをしたり、長野県の女神湖にある新宿区の施設を使って、自然に触れたり、地域の伝統文化を体験したりという学習を行なっています。6年生の移動教室(修学旅行)については、新宿区では各校で選択制となっていて、「館山」、「日光」、「伊那の農業体験」の中から選べます。本校では、日光に行っています。

2014(平成26)年から、「地域協働学校」の準備校としてスタートされたそうですね。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

はい。「地域協働学校」というのは、学校運営について支援する組織として、地域の住民・保護者・教職員などで構成する「地域協働学校運営協議会」を設置した学校のことです。地域や保護者と学校が連携をしながら、教育活動の充実を図ることが事業の基本的なねらいになります。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

本校はその準備校のひとつとしてスタートを切り、現在はまず運営協議会を立ち上げて、この事業をどのような位置づけにするのかということの共通理解を図る作業を中心に、子どもたちに地域への関心や愛着を持ってもらうにはどうすればよいかなど、具体的な内容を考え始めているところです。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

ひとつ決まっていることとして、「早稲田学(わせだがく)」というものがあります。これは地域の人材や素材を活用して、様々な教科で体験的な学びを行うことが大枠で決まっています。具体的な中身については、現在考えているところですが、既に各学年から“こういう場面でこういう地域の力を借りたい”というリストも出始めています。講師をお願いしたり、見学活動にご協力いただいたり、地域のいろいろな方々が教育に参画するということが、ひとつの柱になると思います。こちらは2015(平成27)年から、本格的にスタートする予定です。

堀竹校長先生は、小学校教育においてどのような点を大切にされているのでしょうか。

新宿区立早稲田小学校

小学校の6年間は、とにかく色々なものに“関わる”、“経験する”ということが大切だと思います。教科の枠を超えた全体的な学校経営方針としても、“一人ひとりの可能性を広げる教育”ということで進めており、子どもたちが多様な物事に挑戦して、興味関心をもてるようにと考えています。子どもには、それぞれに沢山の可能性がありますから、学校と保護者、地域はお互いに連携する中で、子どもたちの可能性の“芽”を育み、あとは、その子が自分自身で選択していけば良いと思っています。

新宿区立早稲田小学校

今の子たちは、色々知っているようにも見えますけれども、実は、意外と知らないんです。情報が偏ってしまっているんですね。ですから「もっと世の中には、君たちが興味を持つものは沢山あるんだよ」「自分たちが住んでいる街だって、こんなに面白いんだぞ」といったことを伝えていきたいですね。

また、本校の教育活動で現状欠けているのは、「ボランティア」という部分だと思っています。ですから今後は高齢者の通所施設や、幼稚園、保育園などにもどんどん足を運んでいきたいですね。

とにかく子どもたちが、やってみたいと思えることの芽を少しでも多く探し出してあげて、その子の中に増やしてあげることが、小学校教育の責任だと思います。

最後に、この地域の魅力はどんなところでしょうか。

神田川_西早稲田2013

まず何よりも、隣接する地区へのアクセスが非常に便利な点です。地下鉄は東西線、大江戸線が通っていますし、そこに山手線などを合わせて使えば、短時間でいろいろな場所に行くことができます。

また、こんな便利な土地でありながらも、古くからの閑静な住宅街が広がっているところにあるのではないでしょうか。大変落ち着いた雰囲気があり、歴史や伝統に触れる機会も沢山あります。神田川を上流に落合まで遡れば、昔からの染め物工房があったりしますし、さらに、昔は神田川の水を使って紙すきを盛んに行っていたので、今もこの辺りには、印刷関連の事業所が多いそうです。知れば知る程にいろいろな魅力が発見できる街ですから、子どもたちにとっても、様々なことを学べる面白い街だと思いますよ。

新宿区立早稲田小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

新宿区立早稲田小学校

校長 堀竹 充 先生

新宿区立早稲田小学校
所在地:東京都新宿区早稲田南町25
電話番号:03-3205-9501
URL:http://www.shinjuku.ed.jp/es-waseda/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

落ち着いた環境で子どもたちの可能性の芽を育む
伝統を受け継ぎ、進化を続ける「早稲田小学校」/新宿区立早稲田小学校 堀竹充先生

所在地:東京都新宿区早稲田南町25 
電話番号:03-3205-9501
https://www.shinjuku.ed.jp/es-waseda/

家族でスポーツを楽しめる公共施設

大人から子どもまで誰もが楽しめる/荒川総合スポーツセンター 染谷忠勝さん


荒川総合スポーツセンター
運営支配人 染谷忠勝さん

大人から子どもまで。
誰もが楽しめる「荒川総合スポーツセンター」。

「南千住」駅から徒歩10分ほど、「南千住警察署」の隣にある「荒川総合スポーツセンター」は、荒川区最大規模を誇る室内型総合運動施設として、体育室をはじめ多くの設備を備えている。近年はキッズ向けのスペースを充実させたことで、親子連れの利用も増えているという。

今回はこちらの運営支配人を務める染谷忠勝さんに、施設の特徴と使い方、地域の魅力についてお話を伺った。

「荒川総合スポーツセンター」の概要について教えてください

荒川総合スポーツセンター インタビュー

こちらは30年ぐらい前にできた施設でして、荒川区の公共施設として、区民の方に運動できる施設を提供するという目的で生まれました。荒川区で最も大きな総合スポーツセンターということで、さまざまな設備を備えながら、団体、個人、教室と、さまざまな用途にお使い頂いています。

どのような施設・設備が揃っているのでしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

館内には体育室が大体育室と小体育室のふたつ、25m温水プール(7レーン)、幼児プール、トレーニングルーム、剣道場、柔道場、卓球場、弓道場、ライフル場がございます。3年前には、センター入り口のところに新しく「キッズルーム」もできまして、こちらも好評をいただいているところです。利用については、館内1階の受付で手続きいただいて、それぞれの施設や教室を利用していただくという形になります。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

体育室は教室利用と団体利用、個人利用が主になっていまして、大体育室はバスケットが2面、バレーボールが3面取れまして、観客席もありますので、各種大会をはじめ、体操教室、トランポリン教室、球技教室、フィットネス教室、ストレッチ系の教室など、幅広い用途に使用していただいています。小体育室も同じようにいろいろにお使いいただけますが、バスケットコートが1面取れるほどの、やや小さなスペースとなっています。個人利用は、バドミントンを主に、バレーボール、バスケットボールの利用も可能です。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

温水プールについては、教室の部分と個人利用の部分をレーンによって分けていますので、いつ来ていただいても個人利用が可能ですし、同時に年齢別のいろいろな水泳教室も行っていますので、幅広く利用していただけるかと思います。スイムキャップが必要ですので、その点をご注意いただければと思います。

個人利用は営業時間中はいつでも、朝は8時から、夜は10時15分(最終受付は9時30分)まで利用していただけます。7レーンありますので、教室のあるときはいくつかのレーンを教室用にして、それ以外は個人利用にしています。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

スタジオについては、フラダンスやチアダンスなどの子ども向けレッスンやヨガ、ピラティス・エアロビクスなどの大人向けレッスンを行っています。 トレーニングルームは個人で利用してもらうもので、貸し切りなどはできません。専属のトレーナーを付けるようなこともできませんが、スタッフは常駐していますので、使い方などは気軽に聞いていただけるようになっています。皆さんそれぞれ自由に使っていただけるのが魅力なのかな、と思います。

剣道場、柔道場、ライフル場があるというのは珍しいですね

荒川総合スポーツセンター インタビュー

そうですね、特に柔道場、ライフル場に関しては他区を含めても珍しいかと思います。

剣道場と柔道場はそれぞれ「第一武道場」「第二武道場」と言っておりまして、それぞれ133畳の広さで、第一は板張り、第二は畳敷きになっています。剣道場では剣道の団体利用や大会利用もありますし、個人でヨガや太極拳などで利用される方もおられます。柔道場はやはり柔道を中心に、空手などでも時々利用されます。大会などもよく行われていますよ。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

弓道場については、個人、団体、教室と色々な利用が可能ですので、気軽にお問い合わせいただければと思います。

ライフル場については、「ビームライフル」と「エアライフル」の2種類をご利用いただけます。ビームライフルは中学生以上、エアライフルは資格を持った方だけの利用となります。

キッズルームが親子連れに人気ということですが、どのような施設なのでしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

こちらは2011(平成23)年の3月にできた新しい施設でして、全面にウレタンマットを敷いて安全性を第一に考えたスペースに、トランポリン、エアー滑り台、うんてい、クライミングウォールを備えまして、小さなお子さんや、体を動かすことが苦手なお子さんでも、安全で楽しく使える施設となっています。乳児用と幼児用のスペースが分かれていますので、乳児でも安全に遊ばせることができますよ。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

 

キッズルームでは午前10時から午後1時と、午後5時から6時の2つの時間帯にトランポリン教室、うんてい教室などさまざまな教室(有料)をやっていまして、親子で参加するものも、お子さんだけで参加するものもありますので、いろいろな形でご利用いただいています。午後2時から5時までの間は、教室がありませんので、自由に使っていただくこともできます。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

利用は無料ですが、開放時間の3時間を1時間毎に区切った登録制を取っていますので、事前に登録していただいての利用となります。詳しい方法はセンターまでお問い合わせください。基本的には乳児から未就学児までのお子さんを対象とし、保護者同伴での利用となります。

区内在住の人と区外の人では、料金や利用優先度に違いがあるのでしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

ここは荒川区の施設ですが、すぐ近くの三ノ輪などは台東区ですので、実際には荒川区以外の方もかなりいらっしゃっています。

利用料金の違いはありませんが、教室については最初に荒川区内の方向けの募集を行って、その後に区外の方の募集をするということで、荒川区内の方が優先されるように配慮しております。キッズルームの開放時間に関しても、区内の方は1日に2枠まで、区外の方は1日に1枠までとなっています。

教室もいろいろ開いているようですが、どのようなものがありますか

荒川総合スポーツセンター インタビュー

現在、大人と子どもを合わせてだいたい30~40ほどのスクールがありまして、大人と子どもの割合としては半々ぐらいです。水泳などですと、子ども向けのスクールのほうが若干多いかもしれません。年齢別、習熟度別になっていますが、特に60歳以上を対象にした、高齢者向けの教室などもあります。

講師については、私たちが行うものもありますし、専門のインストラクターに依頼しているものもあります。私は主に子どもの器械体操 トランポリン教室を担当しています。

人気の教室ということですと、子ども向けは水泳、体操、トランポリンなどが比較的人気ですね。特に水泳は教室の数もすごく多いです。大人向けですと、ヨガやピラティス、卓球などが人気ですね。

託児付き教室というのは何でしょうか?

荒川総合スポーツセンター インタビュー

大人向けの教室の中に幾つか、数は限られてしまいますが、託児サービスが付く教室がありまして、その間はこちらのスタッフが教室の時間の間、お子さんを預かっております。

小さいお子さんを持つ方ですと、日頃なかなか身体を動かす機会が無いですから、とても好評を頂いていますね。子育て世代向けのイベントの時などの時にもやっていますので、お子さん連れの方もぜひ気軽に、センターをご利用いただければと思います。

最後に、南千住エリアの魅力についてお聞かせください。

荒川総合スポーツセンター インタビュー

スポーツセンターの周辺については、下町のほのぼのとした空気があって、昔のいい雰囲気が残っていると思います。その一方で、「南千住」駅周辺については、新しいショッピング施設もできたり、ファミリー層の方にも住みやすい環境もできていますので、同じ南千住という地名ですけれど、下町の雰囲気があったり、近代的な使いやすい町並みがあったり、という点が魅力なのかと思います。

LaLaテラス南千住

それから、利用される方も街を歩いていらっしゃる方も、とても優しくて、気軽に声をかけてくださる方が多ですね。私としては、そういうところも素敵だな、と思っています。

今回、話を聞いた人

荒川総合スポーツセンター インタビュー

荒川総合スポーツセンター
運営支配人 染谷忠勝さん

住所:東京都荒川区南千住6-45-5
電話番号:03-3802-3901
開館時間:8:00~22:30
休館日:無休(年始、施設点検休館あり)
http://www.arakawa-sposen.com/
※「荒川総合スポーツセンター」は本サイトに広告を出している企業とは一切関係がございません。

※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

大人から子どもまで誰もが楽しめる/荒川総合スポーツセンター 染谷忠勝さん
所在地:東京都荒川区南千住6-45-5 
電話番号:03-3802-3901
開館時間:8:00~22:30
休館日:年始(1/1~1/3)
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a017/s..

憧れの中学生を身近に感じ、 将来の目標を育てる/つくば市立竹園西小学校 矢口和子先生


つくば市立竹園西小学校

憧れの中学生を身近に感じ、
将来の目標を育てる「竹園西小学校」

つくば市立竹園西小学校
校長・矢口和子先生

「教育日本一」を目標としている「つくば市」の中でも、学力が高いことで知られている竹園エリア。「竹園西小学校」は竹園エリアの小中3校からなる「つくば竹園学園」に属する公立小学校で、同学園に所属する「竹園東小学校」とともに「竹園東中学校」と小中一貫教育を行っている。小学生の立場における小中一貫教育というのは一体どんなメリットがあるのか? 校長の矢口和子先生に伺った。

つくば市の公立学校はすべて小中一貫教育を行うことが最大の特徴ですが、「竹園西小学校」は「竹園東中学校」との小中一貫教育を行っています。
小学生の立場からみて、小中一貫教育はどのような利点があるのでしょうか?

つくば市立竹園西小学校

中学生と交流を持つことで、子どもたちは中学生に対して強い憧れを持つことができます。例えばこの前は6年生が中学の合唱祭に呼んでいただいたのですが、中学生の合唱は小学生では真似できないレベルです。そういったものに触れることで、自分たちがやがて中学生になったとき、「あんな先輩になりたい」という目標が持てるわけです。そうすると自分たちは今、それに向けてどんなことを頑張ればいいのかということを考える意欲が沸きます。

 

つくば市立竹園西小学校

7月にも中学生が来て、5年生、6年生のために中学校生活に関するプレゼンテーションをしてくれました。子どもたちはもちろん、我々教員も中学生のユーモアがあるプレゼン力に感心してしまいました。「中学校にいったらこの子たちはあんなふうに頑張っていくんだな」ということが、教員も今の段階でみえてくるんですね。それに向けて目標を持った子どもたちを育てることがいかに重要かということを、自分たちも改めて認識すると思いますね。

「竹園西小学校」と「竹園東中学校」は校舎が別々という「施設分離型」です。
そのことで大変なことはありますか?

つくば市立竹園西小学校

やはり「施設分離型」による課題は学校の距離です。教員同士お互いどのように授業準備や情報交換をするのかは、近い方が都合は良いです。そこで、本学園では年間の研修計画を年度始めに決めています。計画的に授業準備や研修ができるようにしています。

 

つくば市立竹園西小学校

例えば夏休み中の月曜日は研修や行事などをなるべく持たないで、学園が共通で研修をするという工夫をしています。お互いの授業も頻繁に見合い、授業研究もしています。

 

つくば市立竹園西小学校

今年は中学の理科の先生に、小学校高学年の理科の授業に入っていただいています。そういう授業は子どもたちにとって良い刺激になるのはもちろん、我々小学校教師にとっても授業の進め方など学ぶ部分はとても多いです。

つくば市ではそのほかにも小中学校の9年間で行う独自プログラム「つくばスタイル科」というものがありますが、これはどういうものでしょうか?

つくば市立竹園西小学校

つくば市の公立学校が教育課程の特例校として、国が定めた教育課程以外のカリキュラムとして行っているものです。「つくば次世代型スキル」を育成する発信型のプロジェクト学習と、外国語活動(小学校第1学年~第6学年)から成っています。「つくば次世代型スキル」の育成とは、国際社会で活躍するためのスキルや自らの力で問題をよりよく解決する態度等を育てることを目指したものです。9年間の系統性を持つ単元構成となっています。

 

つくば市立竹園西小学校

環境教育、キャリア教育、歴史文化、防災教育などをつくばの教育資源フルに活用して展開できるようにしています。小学校1年生から4年生の外国語活動については、15分のモジュールでの学習を取り入れています。英語で歌やゲームをするなど体験活動を中心とした学習ですので、子どもたちはとても楽しみにしています。

つくば市はもちろん竹園エリアは学力水準が全国的にも非常に高いことで知られていますが、そのために先生が心がけていることはありますか?

つくば市立竹園西小学校

竹園だからということではありませんが、子どもたちは限りない可能性をもっています。可能性を引き出し、伸ばすのが学校の使命です。世界で活躍することになる子どもたち一人一人の力を伸ばしていきたいと思います。

 

つくば市立竹園西小学校

つくば市は「教育日本一」を目指しています。ICTの機器による活動にしても、「つくばスタイル科」の推進にしても、それを目指す意気込みをもって我々も取り組んでいます。

子どもたちの親御さんの期待の高さはいかがでしょうか。
このエリアは公務員の方や研究員といった方が多い特殊性のある地域であることは事実であるように思います。

つくば市立竹園西小学校

それはあると思います。ありがたい部分としては、保護者の方々はすごく地域活動に協力的です。例えばPTA活動も盛んですしボランティアをお願いしても、ものすごくたくさんの方々が集まってくださいます。例えば社会科見学のような子どもたちが地域に出かける活動もありますが、その際は子どもたち3人に大人1人がついてくださり、見守りをしてくださるんです。そういったところの協力もすごく惜しまずやってくださいます。

 

つくば市立竹園西小学校

あとは夏休みに「夏季セミナー」という希望制の課外授業がありますが、保護者の方々がたくさんの講師を紹介してくださり、コーディネートもしてくれます。能楽師の方をお呼びして、直接子どもたちに見せてくれました。あとはお料理や手芸、音楽に関する講座、体操教室、ネイチャーゲームなど、いろいろな分野で貴重な体験をすることができました。

 

つくば市立竹園西小学校

その間、教師は高学年を対象とした算数の補充学習をしたり、教育相談をしたりすることができました。

矢口校長先生は「竹園西小学校」に赴任して何年になるのでしょうか?

つくば市立竹園西小学校

今年からです。1990(平成2)年創立の時に、本校に勤務していました。創立時から8年間勤務をした学校にまたお世話になることができ、大変嬉しいです。今年校長として赴任した際、その時と子どもたちのキラキラした目が変わらないことが本当にうれしかったですね。保護者の方がとても協力的なのも、当時とまったく変わっていません。

最後に「竹園西小学校」の今後の課題について教えてください。

つくば市立竹園西小学校

私たちは市の方針である「小中一貫教育」をもとに、一つの目標に向かってやっています。きちんと成果を出し、そのうえで何をやっても課題というものは出てきますので、それを踏まえつつ子どもたちのためにどうあるべきかを考えながら、きちんと教育をやっていきたいと思っています。

つくば市立竹園西小学校

つくば市立竹園西小学校

校長 矢口和子先生

所在地:茨城県つくば市竹園2-19-4
電話番号:029-851-7975
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-we/

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

憧れの中学生を身近に感じ、 将来の目標を育てる/つくば市立竹園西小学校 矢口和子先生
所在地:茨城県つくば市竹園2-19-4 
電話番号:029-851-7975
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-we/

さらなる子育て環境の充実を目指して/つくば市立竹園西児童館 宮本純一さん・日下純一さん


つくば市立竹園西児童館

さらなる子育て環境の充実を目指して

つくば市立竹園西児童館 館長 宮本さん
つくば市福祉部こども課 日下さん

竹園公園の一角にある「つくば市立竹園西児童館」は、つくば市内に18か所ある児童館のひとつで、児童福祉法にもとづき、18歳以下のすべての児童が無料で利用できるという施設。公園と竹園西小学校に隣接していることもあり、地域の乳幼児連れ、小学校低学年・中学年の児童が主な利用者となっている。今回はこちらを訪問し、児童館館長の宮本さんと、つくば市福祉部こども課の日下(くさか)さんにお話をうかがった。

竹園西児童館の概要について教えてください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:当児童館は1991(平成3)年の4月1日に開館しました。今年(2013(平成25)年12月現在)で22年目になります。建物は平屋で、部屋は図書室、児童クラブ室、事務室、図工室、プレイルームがあります。位置としては、南側に竹園西小学校、北側に竹園公園、西側は国際会議場に囲まれ、その間にペデストリアンデッキがあるという、たいへん便利で、静かで、緑豊かな環境にあります。

開館時間は平日の午前8時30分から午後6時までと、第2土曜日の午前8時30分から正午までです。尚、運用で平日は30分延長し午後6時30分まで開館しております。

利用されるのはどんな方々なのでしょうか

つくば市立竹園西児童館_図書館

宮本さん:児童館は18歳未満の子どもと、子どもに関わる活動団体の方が利用対象になります。特に地域の区切りというものはありませんが、主に竹園西小学区にお住まいの方が利用されています。午前中は乳幼児を連れた親子の利用、午後は小学生の利用が多くなっております。
利用者数はのべ人数で1か月に2,000人ほどの利用がありまして、1日あたり100人ほどの利用となっております。小学生ですと毎日来る子も多いので、小学生が利用者数全体の9割を占めています。

小学生に関しては、備え付けの遊具がありますので、館内で竹馬に乗ったり、ボールを投げたり、サッカーボールで遊んだり、図書室で本を読んだり、公園での外遊びなど様々な遊びで楽しんでいます。

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:つくば市には市内に18の児童館がありまして、いずれも小規模な児童館ですが、市内の児童館の中では比較的新しいものになります。

子育てに関する相談窓口は設けておりませんので、その場合は「子育て総合支援センター」を訪ねていただきたいのですが、児童館としてもできるだけ、お母さん同士の交流や「母親クラブ」との関わりを通じて、子育ての悩みなどを相談しあって楽になって頂けるよう心がけています。

利用に関しては、特に事前の利用登録などは必要ありません。来館の際に、受付簿にお名前と電話番号を書いていただいて、帰る時にまたチェックを入れていただくだけですので、気軽にご利用いただければと思います。
但し、子どもい関わる活動団体の利用にあたっては、申請書が必要です。

「母親クラブ」とはどんなものでしょうか

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:竹園西児童館の「母親クラブ」には乳幼児をもつ親子で参加する「たけのこクラブ」と、主に子育てを終えた大人の方が参加する「マミーズクラブ」があります。「たけのこクラブ」は生後半年から未就学の幼児を対象にしています。
「たけのこクラブ」は対象年齢であればどなたでも入れますが、小学校の学区が基本になっておりますので、学区外の方には、その地域の児童館のクラブをお薦めしています。

「たけのこクラブ」と「マミーズクラブ」の活動について教えてください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:「たけのこクラブ」では毎週火曜日の午前中にクラブの方が集まっていろいろな事業の計画をしております。季節のお楽しみ会やお誕生会、親子ビクス、公園の点検などの活動をしています。先日はクリスマスパーティーをしましたし、味噌屋さんを呼んで、親子で味噌作りもしました。

「マミーズクラブ」は「たけのこクラブ」のサポートや、地域のいろいろなボランティア、子ども向けのパネルシアター活動などを行っているクラブで、ほとんどのメンバーは、子育てを終えたお母さん方になっております。「たけのこクラブ」のお母さんに子育てのアドバイスなどもしていますし、先日も児童館の子どもたち向けにパネルシアターを行いまして、とても好評でした。

児童館独自のプログラムやイベントなどもあるのでしょうか

つくば市立竹園西児童館_児童館だより

宮本さん:児童館として主催しているのは、主に小学生向けのイベントになります。10月には「児童館まつり」を行っていました。この行事が年間を通して一番大きなイベントです。母親クラブの方や児童クラブの役員さん、つくば子ども劇場の方、筑波大生にも手伝っていただきまして、ビンゴゲーム、プラバンキーホルダー作り、アートバルーン作りなどを行いました。カレーライスやわたあめ作りも大盛況でした。

つくば市立竹園西児童館

このほかですと、9月には市内の児童館対抗ドッジボール大会がありますし、クリスマスツリー作りなどのイベントも行っています。季節の行事として8月にはカキ氷作り、9月にはお月見団子作りも行いました。

そのほか、企業さんの協力で科学実験なども行っていまして、小麦粉からたんぱく質を取り出したり、ペットボトルで顕微鏡を作ったり、アニメーションの仕組みを学んだり、身近なもので電池を作ってみたりという実験を、外部の講師の方の協力のもとで行っています。こういったイベントに関しては、「児童館だより」を毎月発行しておりますので、そちらでお知らせしています。

児童館内に設置されている「児童クラブ」について教えてください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:「児童クラブ」は小学校1年生から3年生の、保護者が勤労等により自宅にいない子ども達を預かるもので、厚生労働省が定める「放課後児童クラブ」になります。こちらは申し込み制になっております。預かり時間は午後6時30分までですが、仕事の関係で迎えの時間が多少遅れる場合もあります。本年度は1年生は15名、2年生が12名、3年生が19名となっています。

「児童クラブ」の場合は有料でのお預かりになりますので、図書室の隣に専用の部屋があります。毎日の出欠確認や緊急時の連絡先が整備されております。ロッカー、レターケースがあるほか、各自が用意したおやつを食べる時間も設定されています。
クラブ員の子は基本的に保護者の方に迎えに来ていただくようにしていますが、迎えが無い子に関しては、10月から1月の冬季は午後4時30分に、その他の時期は午後5時に、明るいうちに帰るように指導しております。これは一般来館者も同様です。

児童館にはどんな職員の方がいらっしゃるのでしょうか

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:竹園西児童館の職員は全員で10名おりまして、事務が3名、放課後指導員の資格を持った職員が6名、用務員が1名となっております。私は事務の人間になりますが、立場にかかわらず、職員全員で子どもに接するようにしています。一緒に遊ばないと子どもの気持ちは掴めませんので、職員は全員が子どもたちとスキンシップを取りながら、仲良くやっています。

児童館としての今後の展望、課題などについてお聞かせください

つくば市立竹園西児童館

宮本さん:晴れている日には公園にも半分ぐらいの子ども達が出ていきますから、館内で遊ぶ子どもたちとのバランスが良く目も届くのですが、なにしろ日々100名近く来館する状況ですから、雨の日はとても館内が混み合います。怪我をさせないように目配り気配りが大変で、その辺りの安全対策が、今後の課題だと思っています。

それに加えて、「子どもたちの状態をよく見る」と言いますか、浮かない様子の時にはさりげなく声をかけて励ましてあげるとか、そういった心のケアも必要かと思います。そういったことを通して、心豊かな子どもに成長していってもらえれば、と思っています。

続いて日下さんに、行政の支援体制についてお聞きします。現在のつくば市の子育て支援事業の概要についてお聞かせください

つくば市立竹園西児童館

日下さん:子育てについては、大きく分けて2つ、保育所等に預けて子育てをされる場合と、保育所には預けずに、自宅で子育てをされる場合に分かれると思いますが、ひとつ目の、保育所に預ける方につきましては、市としては第一に、保育所のさらなる整備を進めております。

つくば市内には現在、民間の保育所が21、公立の保育所が23ございまして、これは茨城県内でもかなり数が多いものだと思います。しかしながら、待機児童はゼロではありませんので、その待機児童の解消のために、保育所の整備を進めております。
つくば市としては現在、「民間の活力の導入」ということに注力しまして、社会福祉法人さんが運営する、民営の保育所の整備に取り組んでいます。

ただ、このつくば市のセンター地区については、余剰地もなく民間がなかなか手を出しにくいエリアですので、センター地区の周辺の地域に、新設の保育所を整備しているところです。

自宅で子育てされる方向けには、どのような支援体制があるのでしょうか?

つくば市立竹園西児童館

日下さん:まず先ほどの児童館の話がそうでして、先ほど館長からもありましたが、「母親クラブ」が各児童館にありますので、これが孤立化の防止につながっているのではないかな、と考えています。また、各児童館の中には「あかちゃんの駅」という、授乳スペースとおむつ替えスペースを設置していまして、いつでも利用できるようになっております。

つくば市は茨城県内でも特に児童館が多い市でして、茨城県全体で56ほどの児童館数があるのですが、そのうち18がつくば市にあるんですね。「母親クラブ」に関しても、つくば市が県全体の半分以上を占めています。そういった意味でも、つくば市は茨城県の中で最も子育て環境が整っている都市と言えるかと思います。

つくば市立竹園西小学校

つくば市の中でも、竹園を含むこのセンター地区というのは、研究学園都市の開発の際に、小学校、幼稚園、保育所、児童館が一体で整備された地区ですので、センター地区の小学校に児童館が隣接して整備されています。放課後、学校を出てすぐに児童館があるという点も、安全・安心につながっているのではないでしょうか。

また、つくば市の子育て支援拠点として、旧桜庁舎の近くに「つくば市子育て総合支援センター」を2011(平成23)年に開館しまして、こちらでは子育てに関する相談、情報提供、一日預かりなど、児童館で行っていない事業も行なっています。こちらも気軽にご利用いただければと思います。

最後に、つくば市の子育て環境の魅力について教えてください。

竹園公園

日下さん:何と言いましても、公園がとても多いですし、つくば市では小中一貫教育を取り入れておりまして、公教育の充実も魅力だと思います。私自身も、共働きでしたので子どもを保育所に入所させましたが、スムーズに入所できましたし、児童クラブも充実していましたので、(奥様の)仕事への復帰も容易でした。

宮本さん:最近ですと、TX(つくばエクスプレス)の開業は大きかったですね。市内の中心に駅ができましたので、東京へのアクセスはぐっと良くなりました。お子さんが都内の大学に行くとしても、今ならTXで通えますからね。家族で出かけたり、買い物に行ったりするのも、とても楽な地域だと思います。

竹園西児童館

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園西児童館

つくば市竹園西児童館 館長 宮本純一さん
つくば市福祉部こども課 日下純一さん

住所:茨城県つくば市竹園2-9-12
電話番号:029-852-5039
開館時間:8:30~18:00
休館日:土・日曜日、祝日

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

さらなる子育て環境の充実を目指して/つくば市立竹園西児童館 宮本純一さん・日下純一さん
所在地:茨城県つくば市竹園2-19-2 
電話番号:029-852-5039
利用可能時間:平日 8:30~18:00、第2土曜日 8:30~12:00
休館日:土曜日(第2土曜日を除く)、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://j.tsukuba-kosodate.jp/takezononis..

異年齢交流に取り組む/つくば市立竹園西幼稚園 沼野清子園長


つくば市立竹園西幼稚園

異年齢交流に取り組む
「つくば市立竹園西幼稚園」

つくば市立竹園西幼稚園 園長 沼野清子先生

つくば市の閑静な住宅区にある「つくば市立竹園西幼稚園」は、近隣の竹園東幼稚園と並んで、この辺りの人々に長い間親しまれている公立幼稚園。2年保育という短期間の保育ながら、自然とふれあいながら、のびのびと過ごせることで定評がある幼稚園だ。今回はこちらで園長を務める沼野先生にお話をうかがった。

まず、園の教育方針について教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

園の教育目標としては、「健康で心豊かな子どもを育てる」ということで、遊びを中心とした教育の中で、子どもたちの良さを引き出し、自己肯定感や、主体的に物事に関わろうとする意欲や態度を培うということ、幼児の心身の発達をよく捉えて、家庭や地域との連携を図りながら、ひとりひとりのニーズに応じた、適切な指導を行うこと、ということで、日々保育にあたっております。

園児の人数や、クラス分けの仕方について教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

この幼稚園はもともと4クラス規模の園としてつくられていますが、2013(平成25)年度は4歳児、5歳児ともに1クラスになっています。園児数はここのところ横ばいで、定員に余裕のある状態が続いています。「ぷりん」「みるく」など、ちょっと変わったクラスの名前が特徴の一つです。通園対象となるのは、「つくば市立竹園西小学校」の学区内在住の方となります。

クラスの人数については、4歳児は30名までが1クラス、5歳児は35名までが1クラスということで決まっていまして、現在の園児数は60名弱となっています。クラスの定員を超えますと2クラス編成になりますので、今後希望者が増えれば2クラスになることもあります。ただ、クラス数は前年度末に決まりますので、定員を超える年度途中の入園に関しては、別の園をご案内する場合もあります。

年間の行事については、どのようなものがあるのでしょうか。親子で参加するものも多いのでしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

親子ピクニック、夏祭り、運動会などは親子一緒に参加して、楽しんでいただくものですし、それ以外に「生活発表会」と言いまして、子どもたちが園生活の中でいろいろと身につけてきたことや、劇あそびなどを発表して、保護者の方に見ていただくという機会もあります。運動会と親子ピクニックに関しては土曜日に開催しております。また、年に何度か保育参観も行っています。

親子ピクニックについては、昨年は「サンパーク公園」まで歩いて出かけまして、親子でゲームをしたり、木陰で昼食を食べたりして、ふれあいを楽しみました。その時は土曜日でしたので、お父さんもお仕事がお休みの方はご参加いただいて、家族揃って、みんなで楽しいひと時を過ごすことができました。

竹園西幼稚園ならではの特徴、特色などあれば教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

当園としては、「異年齢交流」を通して、人との関わりを深めていけるよう力を入れています。園の構造として、4歳児の子どもたちが園庭に面したほうの部屋、5歳児が反対側の部屋を使っていまして、その中間に「プレイルーム」があるという形になっているのですが、お誕生日会などではここに集まって、4歳児と5歳児が一緒にふれあって、ゲームをしたり、おやつを食べたりしています。

「ペアのお友達」というものがありまして、これは4歳児と5歳児のペアで、年長さんが年少さんに対して、おやつを食べるお世話をしてあげたり、一緒にゲームを楽しんだりしています。そのへんは、ちょっと意識して取り入れているところですね。運動会の競技などについても、4歳児と5歳児が一緒になって力を合わせて行えるゲームを取り入れたりして、異年齢交流に取り組んでいます。

つくば市立竹園西幼稚園

こうすることで、4歳児は年長さんに対して憧れの気持ちを持ちますし、5歳児のほうは、小さい子に対して「優しくしてあげよう」っていう気持ちが芽生えるんですね。1歳の差でも、やはり大きいですよね。同様に、地域の小学校、中学校との交流も行っています。昨年は11月と1月に年長組が小学校を訪問し、1年生と交流したり、11月に中学生が来園して園児達と一緒に遊んだりしました。この(職員室に展示してある)フェルト細工は、中学生が作ったものをプレゼントしてもらったものです。

それ以外の面では、地域の人材活用ということも積極的に行っていまして、「運動あそび」では外部講師として地域の方に来ていただいていますし、おはなし会の市民サークルの方に月に1回ほど来ていただいて、読み聞かせや素話(すばなし)をしていただいています。

竹園西幼稚園ならではの「メリット」はどんな点でしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

公立の幼稚園になりますので、保育料の面では安く設定されておりまして、その点は大きなメリットかと思います。また、この幼稚園は「つくば市立竹園西小学校」の学区の子どもたちをお預かりしていますので、ほとんどの子どもが「竹園西小学校」に上がりまして、小学校との連続性という面でも、メリットがあると思います。「竹園西小学校」の1年生のうち、3分の1弱ぐらいがここを出た子どもたちになっています。

また、つくば市の公立学校では月曜日から金曜日まで週に5回の学校給食があるのですが、幼稚園の給食についても、本園では週4回給食センターから給食を届けてもらっていますので、「小学校、中学校と同じメニューが食べられる」というのも魅力かと思います。食に関して言えば、園の隅には小さなスペースですけれども畑がありまして、ジャガイモなどを育てて、それを使ったカレーを作ったりもしています。

園に通っている子どもたち、保護者の方にはどのような方が多いのでしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

保護者の方には、働いているお母さんよりも、在家庭の方が圧倒的に多いです。お仕事をされている方は、やはり民営の保育所等を利用される方が多いようです。たいへん教育熱心な保護者様が多くて、幼稚園のいろいろな事についても協力的に対応してくださいますし、とてもありがたく思っております。

子どもたちについては、元気で明るく、自分の思いを素直に表現するタイプのお子さんが多いかと思います。

指導に際して、先生方が心がけていらっしゃることは何でしょうか?

つくば市立竹園西幼稚園

やはり、「ひとりひとりを大切にする」ということですね。それぞれの良さを認めて、安心感、自信をもって行動できるようにする、ということは大事にしています。また、主体的な態度を培いたいということで、何でも指示するのではなく、環境を整えておいて、子どもたちが自ら心を動かして、「やりたい」という気持ちになって、活動に入っていけるよう心がけています。

職員はもちろん、保護者の方とも連携をとって、情報を共有し、共通理解を図りながら、幼稚園と家庭が一緒になって、「育ちあい」をしていければと思っています。

最後に、つくばエリアの魅力について教えてください。

つくば市立竹園西幼稚園

つくばは緑が豊かな街ですね。公園が沢山ありますので、小さいお子さんがいらっしゃる方も、自然の中でお子さんと過ごすことができて良いんじゃないかと思います。その一方で、エキスポセンターや宇宙センターなどの科学に関連する施設もありまして、科学と自然が調和した街というのも魅力だと思います。あと、他から引っ越して来た方が多い街ですから、新しく来られた方でも、地域の輪に入りやすい雰囲気があります。

私はつくばの出身ですのでずっとこの街におりますけれども、私が子どものころと比べれば、本当に便利になりましたね。昔は土浦まで出て、買い物をして、東京に出るのにも常磐線に乗って、という感じでしたけれども、今はTXが通るようになって、本当に便利になりました。バスに関しても、つくばセンタービルからいろんな方面にバスが出ていますので、筑波山、土浦、牛久などいろんな方面に簡単に行くことができるんですよ。買い物についても、駅前に西武やジャスコなどがありますし、ちょっと行けばイーアスなどもあって、とても便利です。

つくばエキスポセンター

子育て環境についても、近くに児童館や子育て支援センターがありますし、乳幼児学級なども沢山行われていますので、子育てに不安を抱いていらっしゃる方でも、そういうところを利用していただければ、ほかのお母さん方とも知り合えて、安心して子育てができると思います。

つくば市立竹園西幼稚園

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園西幼稚園
園長 沼野清子先生

所在地:茨城県つくば市竹園1-15-2
電話番号:029-852-1566
保育時間:9:00~15:00(水曜日のみ14:00まで)
休園日:土曜日、日曜日、祝日

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の取材を元に制作しており、今後変更となる可能性がございます。

異年齢交流に取り組む/つくば市立竹園西幼稚園 沼野清子園長
所在地:茨城県つくば市竹園1-15-2 
電話番号:029-852-1566
保育時間:9:00~15:00(水曜日 9:00~14:00)
http://www.tsukuba-kosodate.jp/nursery/P..

全国的にも高い学力を持つ小中一貫校/つくば市立竹園学園竹園東中学校 岡野和夫先生


つくば市立竹園学園竹園東中学校
校長 岡野和夫 先生

全国的にも高い学力を持つ
小中一貫校竹園学園「つくば市立竹園東中学校」

つくばの中心市街地の東側、「茨城県立竹園高等学校」、「つくば市立竹園東小学校」など公立学校が集まる文教エリアに位置している「つくば市立竹園東中学校」は、つくば市内の他公立校と同様に小中一貫の教育を行っており、かつ、全国的にも注目されるほどの高い学力をもつ中学校。今回はこちらで校長を務められている岡野和夫先生に、学校の特色と地域の魅力について、お話を伺うことができた。

まず最初に、「つくば市立竹園東中学校」の教育方針についてお聞かせください。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

この竹園地区では、「つくば市立竹園東小学校」「つくば市立竹園西小学校」、そして本校を合わせた3校で「つくば竹園学園」として、小中一貫教育を行っています。小中一貫教育を進めてから、2014(平成26)年で3年目になります。よって、本校オリジナルというよりは、「つくば竹園学園」全体の特性を活かした教育目標ということで取り組んでおります。

まず、学園全体の教育目標の柱として掲げられているのが、「国際社会で活躍できる児童生徒の育成」というものです。小・中を通して、学園で学んだ子どもたちが、将来は世界にまたがって活躍できるよう、そのための資質を伸ばす教育をしていこう、という考えに基づいています。このほか、「自ら学び続ける児童生徒」「思いやりの心をもつ児童生徒」という、3つの柱を中心に、学園全体としての教育活動を進めております。

また、本校の教育目標ですが、校則「自主・実践・創造」を反映させ、「知識・技能を生かせる生徒の育成」「思いやりの心で触れ合う生徒の育成」「人や社会に貢献できる生徒の育成」の3つの柱を立てています。

学園、学校の歴史、生徒数やクラス数の現状と今後の見込みについて教えてください。

生徒数は今年度(平成26年度)523名で、通常学級15クラス、特別支援学級4クラス、合計19学級があります。本校は、研究学園都市最初の中学校として1974(昭和49)年に開校し、常に先進的で創造的な教育の実現を目指し、研究と実践を重ねてまいりました。2012(平成24)年4月に市内全校で一斉に中学校区を単位とする小中一貫教育が本格実施に移され、本校も「施設分離型小中一貫校つくば竹園学園」として新たなスタートを迎えたわけです。

小中一貫に関して、具体的にはどのような取り組みがあるのでしょうか。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

つくば市は「教育日本一」を掲げて、教育に力を入れておりますが、その代表的な実践が小中一貫教育です。2013(平成25)年11月21・22日には「小中一貫教育全国サミットinつくば」がつくば市で開催され、2000人もの参加者がありました。本校はモデル校の一つとして授業公開を行いました。つくば市内には公立小中学校が51校ありますが、すべての学校が小中一貫教育として行っているケースは、全国的に見ても少ないかと思います。

つくば竹園東中 垂れ幕

小中一貫の取り組みですが、小小交流、小中交流という児童生徒の交流を意図した授業ばかりでなく、中学校教員の小学校での授業、小学校での教科担任制など、多様な実践を試みています。また、定期的に小中学校の教諭が一同に集まって研修会を実践しています。小中の先生方がお互いによく話し合い、交流することで、子どもたちの学びに連続性を持たせていけると思っています。

先ほど挙げていただいた中学校独自の教育目標について、具体的な実践例があれば教えてください。

つくば竹園東中 教育目標

1つ目の「知識・技能を生かせる生徒の育成」という点で言いますと、ひとつは「協働的な学習」が挙げられます。これは、先生が子どもたちに“教え込む”のではなくて、グループの中で、生徒同士が意見を出し合いながら学びを築いていくものです。「自ら学び続ける」ためには、そういった“場”を提供しなければならないと思いますし、「先生が教え込む」という型から、「生徒同士が学び合う」という展開になるように図っております。

また、今年度のキャッチフレーズとして「1:nの授業からの脱却」を掲げております。つまり学びの型を「n:n」にするという事ですが、子どもたち同士がともに学び合い、先生がそれぞれをきちんとコーディネートする、という方針で取り組んでいます。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

「n:n」の授業を行うにあたって、最も有効な手段として「ICT」の活用があります。代表的な例として、ノートパソコンに生徒がそれぞれの考え方を入力すれば、それが瞬時に一斉にスクリーンに映し出されるという仕組みです。40人の子どもがいれば、40人の考え方がそのまま全部スクリーンに映されるんですね。

 

これによって、生徒個々の考え方が生かされますし、同じような考え方同士の子が、「あの子も同じような考え方をしてる」と瞬時に理解できるんです。そしてそれをもとに、グループで話し合うこともできます。違う考えの子同士で意見を交わし合って、最後にどういう経緯で、どういう回答に行き着いたのかを聞いてみる、という授業が簡単に展開できるわけですね。教師が一方的に話しているだけでは決してそういった授業にはなりませんので、「ICT」は非常に有効な手段ですし、大いに活用させてもらっています。

他にも「ICT」を活用した教育を行っておられるのでしょうか。

ひとつは、デジタル教科書と言って、教科書の内容がデジタル化されているものがありますので、それをスクリーンに映しながら授業を行い、教科書の中身をより見やすくするという活用があります。また、つくば市全校に配備されている「CAI」システムでは、学習コースを個に応じて学習を進められるようになっていますので、一人一人の学力を定着させるのに有効です。「インタラクティブ・スタディ」では、自宅に帰っても、このシステムにログインして勉強ができるように設計されておりまして、復習などに有効に活用できます。これは他の市町村にはなかなか無いものでして、つくば市全体が教育に力を入れているということの、一つの現れだと思います。

その他の教育目標の具体的実践について、続けてお聞かせいただけますか?

つくば市立竹園東中学校 校長インタビュー

2つ目の柱は「思いやりの心で触れ合う生徒の育成」です。心の教育も、今は非常に重視されています。子どもたちひとりひとりに、リーダー育成と申しますか、「自分たちの学校は自分たちで作っていく」という気持ちを持たせるようにしています。

そのために「評議員」という制度が本校にはありまして、これは生徒会組織と似たようなものですが、クラスから代表者を選出してもらい、その子どもたちが、学校のいろんな行事について、基本的な方向付けをするというものです。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

実は、本校には校則が無いんですね。だから制服も無くて、上着とシャツだけは統一していますが、ズボンやスカートはみんなその子によって違うんです。でも、校則がなくても中学生らしい服装をし、きちんと生活を送っています。

自分たちで自分たちの約束事を決めて進めていくという伝統が根付いているんですね。そしてその中で、「三大行事」という大きな年間行事があるんですけれども、この企画運営についても、基本的には評議員の子どもたちが中心になって進めていきます。

つくば竹園東中 校門 引き

もちろんその運営については職員も係わり合いますし、私に判断を仰がなくてはいけない内容については多少のやりとりをしますけれども、基本的には彼ら(評議員の生徒)にある程度託しています。それが本校で伝統的に築かれているものですので。私としても、この伝統を守っていきたいと思っております。

また、本校には多くの先生方が視察に来られますが、視察の際には評議員の子どもたちの代表が、対応をしております。例えば、学校紹介をプレゼンしてもらっています。視察された先生方は、真剣に、かつ楽しそうに聞いて下さっています。説明の後、質問がありますと、それに対して子どもたちは自分たちの目線で答えます。私たちは生徒の言動に制限をかけていませんから、生徒たちは学校のことをしっかりと受け止めて、意識していないと、回答ができないんです。しかし生徒たちは、私たちの想像以上のすばらしい回答をしてくれます。

評議員については、各クラスから2名選んでもらっています。前期2名、後期2名となっていますが、後期は前期とは別の子を選んでもらっていますので、全クラス合わせれば、前期で30名、後期で30名、年間60名の子が評議員になることになります。かなり多くの生徒が、3年間のどこかで評議員を経験することになるんですね。

つくば竹園東中 三大行事1

評議員のほかにも、「三大行事」に関してはそれぞれの実行委員として、また別の子たちが選ばれますから、多くの生徒たちが、いろんな行事の中に主体的に関わることができます。これらを責任をもって遂行させることで、教育目標にもある、それぞれがリーダーになりえるような経験をさせていこうと考えています。

「三大行事」とはどのようなものなのでしょうか。

つくば市立竹園東中学校 校長インタビュー

「三大行事」と言いますのは、ひとつは毎年6月に実施しています「スポーツフェスティバル」です。これはいわゆる体育祭なんですけれども、普通の体育祭と違うのは、「子どもたちが考えた種目で行う体育祭」という点ですね。今年度は新たに応援合戦が加わりました。毎年、9年生のクラス数で団の数が決まるのですが、各団ともそれぞれ応援の練習をし、オリジナルの応援合戦を行いました。これも評議員と実行委員会が、方向性を決めて行ったものなんです。

つくば竹園東中 文化祭

2つ目の行事は、9月中旬に行われる文化祭です。「創明祭」という名前なのですが、これもまた、各クラスで出し物を、たとえば演劇や音楽、模擬店、企画展示などを行ったりするものです。7月ごろにオーディションを行いまして、このオーディションで合格した者だけが、当日演じたり、演奏したりすることができるという仕組みになっています。

 

クラスごとにTシャツを作ったり、3年生に関しては食べ物を販売するような模擬店を出したりと、中学校ではなかなかやっていないような規模でして、高校の文化祭のような雰囲気になります。

つくば竹園東中 合唱

3つ目は、10月の下旬に行われている「合唱祭」です。この合唱祭は、各クラスが、1曲は課題曲として有名な曲を歌うんですが、もう1曲は「クラスの歌」なんですね。自分たちで作詞・作曲した歌を合唱で歌うんです。自分達の歌を、クラスの歌を歌うということで、オリジナリティがありますし、どれも「生徒の思いが込められている歌」なんですね。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

余談ですが、2012(平成24)年に「竹園東中学校」は合唱コンクールの全日本大会に出ましたが、これも実は合唱部ではなく、合唱団なんですね。部活ではサッカーやテニス、野球など、別の活動をしていた子たちが、練習が終わってから合唱の練習に参加していたものなんです。

全国大会ですから、ほかの出場校は、一年中合唱に取り組んでいる“部活”の子たちですから、その中に、本校は同好会のような感じで出場し、銀賞を受賞しましたので、これは私たちもびっくりしましたし、感動しました。

地域との関わり合いという面で、何か事例がありましたらお教えください。

つくば市役所

実はつくば市というのは、地域の特性上、地域の関わり合いが“濃くない”地域なんですね。他から引っ越して来られて、また何年か経って別のところに引っ越して行かれる方が多く、出入りの多い地域なんです。

従って、地域に根ざして何年も続けていくような行事や係わり合いというのは比較的難しかったんですが、昨年より「学校防災連絡協議会」というものを作りまして、PTAの方、民生委員の方、地域の区長さんなどに集まっていただいて、まず防災という観点から、地域交流を進めています。また、個々としては、「竹園子どもまつり」のような地域のイベントがありますので、そこに積極的に参加する子もいますし、現在は「つくばスタイル科」などを通して、地域についての理解と交流を進めているところです。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

「つくばスタイル科」というのは、つくば市の公立学校が教育課程の「特例校」として、国が定めた教育課程以外のカリキュラムとしてそれぞれ行っているものでして、週に2時間ほど活動しています。学校ごとにさまざまなカリキュラムを作って進めております。本校では特に、地域参加型ということで、地域に貢献できるように、地域との密接な関係を作れるように意識しながら、「つくばスタイル科」を進めております。

非常に学力の高い学校として知られておりますが、どのような保護者が多いという印象でしょうか。

竹園一丁目

竹園という地区は、もともと公務員の方が9割以上で、研究者の方も多かったと聞いています。創立当初から、学力の高い学校でした。今は公務員の方の割合は半分くらいになりましたが、現在も高い水準を維持しているというのは、竹園地区の保護者の教育に対する関心の高さ、生徒の潜在的な力、そして「つくば竹園学園」の先生方が、生徒の力を伸ばすべく充実した授業を進めていただいた成果であると思っています。

竹園一丁目

現在でも、やはり研究者、大学関係者、企業の研究者などといった方が圧倒的に多いですから、科学教育や英語など、国際性を考えた教育が大事に考えられており、実際そういったニーズがございます。つくば市全体が、教育水準の高い地域だとは思いますが、その中でも、特に竹園地区は質の高い教育が求められているのではないでしょうか。

普段から先生方が心がけている点についてお教えください。

つくば竹園東中 掲示物

やはり、先ほども申しましたように、「ともに学び、ともに育つ」、ということで、職員と子どもたちが一緒に育つということを日々心がけております。

また、「自由」には責任が伴いますので、そこは先生方にも、きちんと子どもたちに伝えてもらうようにしています。生徒も子どもだから当然、間違いや失敗があります。そういう時には、やはり指導は必要です。子どもたちも自由の意味をはき違えないように、ケースバイケースで、その行為や姿勢を考えさせなければなりません。でも、子どもたちを信頼して、責任を持たせて、試行錯誤を積み重ねていくことが、一番大事なことだと考えております。

最後に、つくばエリアの魅力について一言お願いします。

つくば公園通り

保護者の方とお話をしていますと、つくばは非常に住みやすい地区だと皆さんおっしゃいますね。自然が豊かで、文化的施設もあって、教育の水準も高くて、交通の便も良くて、すぐに東京の方面に出られて。確かに、私もとても住みやすい場所だと思います。

 

また、他の地域から研究の関連でつくば市に来られて、そのままここに住居を求められる方もけっこう多いと聞いています。本校の教員でも、他県出身で、筑波大学を卒業後、つくば市に住んでいるという方がいますね。やはり、住み心地が良いということでした。

つくばセンター バスターミナル

つくば市は「教育日本一」を掲げて教育に力を入れています。子どもたちにとって、いい環境の中で教育が進められるよう、市と市教育委員会と学校が共に「教育日本一」を目指しております。国際性豊かで将来世界に向かって羽ばたけるような人材を育てられる環境があるのだということを理解していただいて、是非、多くの方につくば市に来ていただきたいですね。

つくば市立竹園学園竹園東中学校 校長インタビュー

今回、話を聞いた人

つくば市立竹園東中学校

岡野和夫校長先生

つくば市立竹園東中学校
住所:茨城県つくば市竹園3-11
電話番号:029-851-3467
http://www.tsukuba.ed.jp/~takezono-j/

※記事内容は2013(平成25)年8月に取材したものに、2014(平成26)年7月時点で一部修正を加えており、今後変更となる可能性がございます。