「八王子みなみ野」駅前の生活パーク

“駅前商店街”のような存在 愛されるショッピングモールへ/アクロスモール八王子みなみ野 マネージャー 伊東淳さん


アクロスモール八王子みなみ野
マネージャー 伊東淳さん

“駅前商店街”のような存在 愛されるショッピングモールへ

JR横浜線「八王子みなみ野」駅に隣接して建つショッピングセンター「アクロスモール八王子みなみ野」は、3階建てのショッピングモール。近隣に暮らす人々が気軽に散策する、言わば“八王子みなみ野駅前商店街”のようなショッピングモールとして、2006年11月の開業以来多くの来場客でにぎわっています。 今回はこのショッピングセンターを運営する大和情報サービス株式会社・アクロスモール八王子みなみ野マネージャーの伊東淳さんにお話を伺いました。

「アクロスモール八王子みなみ野」とはどんな施設なのでしょうか

アクロスモール八王子みなみ野

八王子みなみ野エリアは新しい街なので、既存の商店街というものがありませんでした。そこで当社が、アクロスモールという地域密着型のショッピングモールを開業しました。当施設はデイリーな店舗が主体となっており、街に暮らす皆さんの日常的なショッピングやエンタテインメントを満たせるバランスの良い内容になっています。近隣にはスーパーマーケット「SANWA」さんもあり、2011年にはDIY「ホーマック」さんの店舗も開業しましたので、日常の品から専門的な商品まで、何かと揃う利便性の高い駅前エリアとなってきたと思います。

その中で「アクロスモール八王子みなみ野」は、いわゆる「駅前の商店街」の代わりとなるような、地元の皆様の“新たな居場所”となるべく造られています。駅の出口から数十メートルの場所に入り口があり、モールの中を通って通勤・通学されるお客様も数多くいらっしゃるようです。
建物の中ではあるけれど、それを感じさせない身近さを感じて頂けているからだと思います。“気取らず普段着で訪れていただけるような場所”として、今後も愛されていければ嬉しいです。

ちなみに、当モール独自のキャラクターとして「ピース君」というパズルのピースの形をしたキャラクターがいるのですが、これには「八王子みなみ野の街を構成する、最後の1ピースになれたら」という思いが込められています。

ショッピングフロアは3階構成ですが、それぞれのフロアコンセプトは何でしょうか。

フレサ食品館

1階はスーパーマーケットの「たからやフレサみなみ野店」に代表される通り、デイリーな店舗が集結しています。その他にはドラッグストアの「マツモトキヨシ」、生活衣料全般の「コルモピア」、100円ショップの「ザ・ダイソー」など、生活必需品は一通りこのフロアで揃うのではないでしょうか。
その間にはフラワーショップの「やなぎ花園」やナチュラル雑貨「NCL(ナチュラル・コンフォート・ライフ」など、生活を彩る店も並んでいます。特に「NCL」は地元生まれのショップということで人気が高く、オリジナルの商品も沢山置かれています。

NCL(ナチュラル・コンフォート・ライフ

施設の外側に面している施設としては、駅の出口からすぐ、バス乗り場の目の前にある保育所「ちびっこランド アクロスモール八王子みなみ野園」もアクセスが良く、忙しいお母さん方に多く利用して頂いています。
一時保育も可能ですので、買い物中に子どもを預かってほしいという方も、是非気軽にご利用ください。また、預けるほどではなくても、1階にはキッズスペースも用意しておりますので、小さなお子様連れでも安心です。

ちびっこランド アクロスモール八王子みなみ野園

その他新しいところでは、飲食エリアとスーパーの間には2011年秋に「ホンダカーズ東京中央」のショールームが開店しまして、通路の真ん中に話題の最新車が展示されています。
本当は男性のお客様の“居場所”として考えていたそうなのですが、特に普段なかなかショールームに行かない女性のお客様にも、気軽に座り心地を確かめられると好評です。

アクロスモール八王子みなみ野内観

2階は書店、服飾雑貨、クリニックなど少し専門色の強いテナントが入っています。中でも家電の「ノジマ」さんは豊富な品揃えが魅力で、購入後のメンテナンスやサポートもしっかりとしてくれると評判が高いです。
「アクロスみなみ野歯科」や「宮川整形外科」など身近なクリニックがあるのも使い勝手が良いと思います。

アミューズメントセンター「ヤズワールド八王子みなみ野店」

3階は駐車場とアミューズメントセンター「ヤズワールド八王子みなみ野店」となっています。
若い人やお子様連れはもちろですがん、大人やご年配の方にも楽しめるゲームが揃っており、3世代が一緒に楽しめるスポットとなっています。

いらっしゃるお客さんはどんな年代、性別、構成が多いのでしょうか。

アクロスモール八王子みなみ野内観

昼間は主婦の方が多いですが、夕方には学生さんも多くなります。
特に、近くに東京工科大学がありますので、その学生さんの利用が増えますね。休日は一家揃って来られるファミリー層が中心です。

車の利便性はいかがでしょうか。

アクロスモール八王子みなみ野外観

お客様のほとんどはみなみ野エリアにお住まいの方です。車の保有率が高いエリアですので、駅前の施設ではありますが車を利用されるお客さんがたいへん多く、買い物が無くても無料で2時間まで停めていただけます。
その後の延長無料サービスはありませんが、だいたい2時間で巡れるコンパクトな店内ですので、多くの方にご好評をいただいています。駐車場の枠のスペースも広々としていますので、運転の苦手な方でも安心です。

「商店街を意識した」ということは、何か地域の人々と一緒になったイベントや、
福引のようなものがあるのでしょうか。

毎年恒例になっている季節のイベントとしては、東京工科大学の学生さんの協力で開催するワークショップ企画があり、2011年にはハロウィンと七夕に行いました。先日のハロウィンイベントは「サカナぼうしをつくろう」という内容で開催され、ユニークな深海魚の帽子を作って“変身”する子ども達でにぎわっていました。
また、「クリスマス抽選会」などお楽しみの抽選キャンペーンも随時開催しており、食料品から家電、書籍、クリニックに至るまですべての店舗で、利用金額に応じた抽選券をお配りしています。旅行券など豪華な景品もあるので、お客様にはたいへん好評を頂いています。

最後に、伊東さんの個人的にお薦めの店舗と、「みなみ野エリアの魅力」を 教えてください。

アクロスモール八王子みなみ野

私個人としては、「らーめん西海」さんによく食べに行きます。
こちらの店は八王子エリアではとても有名な店で、ワンコインで丁寧に作られたラーメンを味わえるので、ここでラーメンを食べるためだけに立ち寄るお客さんもいるようです。安くて美味しいお店ですので、是非食べてみてください。

アクロスモール八王子みなみ野

魅力ですが、「八王子みなみ野」は新しくできた街ですので、住まわれる皆さんもまた、新しく引っ越してきた方ばかりです。新しい街に新しい人、若い学生さん達のパワーも加わって、とても活気のある街だと思います。
もうすぐ駅前ではイルミネーションイベントが始まりますが、これも住民の方が主導して、当施設を含む周辺の商店が協賛して行っているものです。そんなところから住民同士の交流も生まれ、暮らしやすさや生きがいにもつながるのではないでしょうか。新しくて、元気があって、便利で、人に優しい。そんなところがこの街の魅力だと思います。

編集後記

伊藤さん今日は、どうもありがとうございました。「人と物とが交わる場所」というコンセプトで作られた「アクロスモール八王子みなみ野」。
ここには「必要なものがいつでも手に入る」という利便性と、普段着でさっと行ける気軽な雰囲気が両立しており、ここに住まう人々ののニーズを満たしています。本当に長く付き合えるショッピングモールというのは、こういった“生活に寄り添ったモール”なのでしょう。

アクロスモール八王子みなみ野 マネージャー 伊東淳さん

今回、話を聞いた人

アクロスモール八王子みなみ野

マネージャー 伊東淳さん

アクロスモール八王子みなみ野
所在地:東京都八王子市みなみ野1-2-1
電話番号:042-637-3700
URL:http://minamino.acrossmall.jp/

※記事内容は2011(平成23)年12月時点の情報です。

“駅前商店街”のような存在 愛されるショッピングモールへ/アクロスモール八王子みなみ野 マネージャー 伊東淳さん
所在地:東京都八王子市みなみ野1-2-1 
電話番号:042-637-3700
営業時間:専門店10:00~21:00、レストラン10:00~23:30、アミューズメント10:00~24:00 ※一部店舗により異なる
https://minamino.acrossmall.jp/

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」。キメ細かな指導が特徴の小規模校

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」 キメ細かな指導が特徴の小規模校/柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生


柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」
キメ細かな指導が特徴の小規模校

「柏たなか」駅は、つくばエクスプレス開通に伴って開発された新しい街で、豊かな自然の田園風景を残しながらも、都心までのアクセスも良好な住宅地だ。そんなのどかな環境が魅力の柏たなかにある、田中北小学校校長の柏熊先生にこの街についてお話を伺った。

田中北小学校の概要を教えてください。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

1955(昭和30)年創立ですので、2014(平成26)年に60周年を迎えます。各学年1クラスずつで、全校生徒120名、1クラス20名前後の少人数、小規模校ですので先生の目が行き届きやすく、キメの細かい指導が特徴です。5月には、1年生から6年生までの縦割りグループをつくり、全校生徒で船戸公園まで歩いて行く遠足など、子どもたちが兄弟のように仲が良く、一緒に学び・遊んでいます。

縦割り班の活動はどのような内容なのですか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

縦割り班は、1年~6年の全学年が入るグループのことで、異学年の交流を図るためのものです。遠足に行ったり、毎週水曜日の40分の長休みのうちの20分間を一緒に遊びます。6年生がリーダーになり、ドッジボールやドロケイなど様々な遊びを下級生に教える時間にもなっています。6年生にとってはリーダーの育成という意味もあり、異年齢の子どもが一緒に遊ぶ機会がなくなっている現代では、意味のある活動だと考えています。

柏たなかならではの取り組みもあると聞きました。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

歩いて30分の柏の葉には東大柏キャンパスの研究室があり、世界中のメダカが集まっている施設があります。そこで5年生がメダカを学ぶ授業の時に、そちらの協力を得ることができました。
まず1回目に東大の先生がメダカについての講義をしてくださり、2回目にはその研究室を見学させていただき、遺伝子組み換えによる緑のメダカや光るメダカ、世界の珍しいメダカなどを見ることができました。普段は入ることができない日本最高峰の研究室で、顕微鏡や水槽を覗きこみ、子どもたちは興味深そうに目をキラキラさせていました。

特徴のある教育は何かありますか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

2013(平成25)年度から国語の研究を始めたこともあり、漢詩と詩の暗唱を始めました。学校が作成したオリジナルのテキストを、子どもたちは声に出して読み、覚えて、校長室に暗唱をしに来ます。すらすらと読めるようになっていれば一人一人記名した賞状を渡し、次の詩へと進んでいきます。暗唱するのは「いろはうた」や「平家物語」などの古典から現代詩まで、子どもたちに残したい美しい日本語の詩ばかりです。
また新聞を記事を元にした1分間のスピーチや日記指導など、「文章を書くこと」「自分の気持ちを文章にすること」徹底して指導したところ、子どもの作文の書き出しが劇的に変化し、「読んでみたい」と思わせる文章が書けるようになってきました。

6年生は卒業論文にも取り組むそうですね?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

せっかく少人数で先生が一人一人を丁寧に指導できるのだからと、自分でテーマを決めた論文に挑戦しています。7月までに、自分の興味のある分野や興味のあることでテーマを決めます。そして自分で問題を見つけ、考え、検証して結論まで出す。最終的にはパワーポイントで資料もつくり、2月に保護者の方々も呼んで自分の研究結果を発表します。
この卒論執筆は、子どもたちに「考える力・書く力」を身につけてほしいと2012(平成24)年度から始めたものです。卒論を仕上げるには、関係書籍を最低でも10冊は読みこなさなければならず、書き終わる頃には、子どもたちの読解力、分析力そして文章力は、目に見えて力がついています。
手前味噌になりますが、ここまでにするには子どもたちの力を引き出す根気強い指導が必要です。子どもと同じ目線で内容を検証し、最後まで一緒に伴走する担任の先生と子どもたちは、非常に強い絆でつながるようです。 大人が呼んでも「なるほど~」と思うような論文ばかりで、子どもたちの底力を感じます。

先生方の模擬授業もよく行っていると聞きました。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

子どもたちの学力向上は、つまり先生たちの「授業力アップ」にほかなりません。持ち回りで一人の先生の授業を他の教職員全員で受け、より良くするために検討する模擬授業を定期的に行っています。トップバッターはプレッシャーがありますので、一番最初の授業は校長である私がやりました(笑)。
教室に入ってしまうと、どの先生がどんな授業をしているのかは、外から見えません。その教え方で子どもたちは本当に理解できるのか、分かりやすく説明できているのか、常に検証が必要です。他の先生方に見てもらうことで程よい緊張感が生れ、教師も勉強を怠らないようになります。この「教師が学ぶこと」こそが、何よりも大切。子どもの教育という真剣勝負を、万全の準備をして取り組むのが先生方の責務と考えています。

地域とはどのように関わっていらっしゃいますか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

「地域ふるさと協議会」が主催する運動会や凧揚げ大会があり、地域の子どもたちは大勢参加して交流をしているようです。また、「青少年健全育成推進協議会」が音楽コンサートなど、地域の子どもたちが楽しめるような催しを多数開いてくださるので、子どもたちは皆こぞって参加しています。

この地区の魅力はどんなところでしょうか?

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

やはりこの豊かな自然が残る環境ではないでしょうか? この周辺はずっとこの地に根を下ろして暮らしている方々も多く、親子3代で田中北小学校というご家族もいらっしゃいます。祖父母→父母→子どもと綿々と、受け継がれた家庭教育がしっかりしているせいか、田中北小学校の子どもたちは非常に素直であいさつもしっかりできる子が多いですよ。懐の大きい土地柄ですので、新しく転入していらした方々ともすぐ打ち解けて、良い雰囲気の地区だと思います。

柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生

今回、話を聞いた人

柏市立田中北小学校

校長 柏熊孝先生

所在地:千葉県柏市大青田1536-1
電話番号:04-7131-4883
http://www.kita-e.kashiwa.ed.jp/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

子どもの学力向上は、教師の「授業力向上」 キメ細かな指導が特徴の小規模校/柏市立田中北小学校 校長 柏熊孝先生
所在地:千葉県柏市大青田1536-1 
電話番号:04-7131-4883

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」 「全職員が全児童の担任になろう」が合言葉/柏市立田中小学校 校長 秋谷雅和先生


柏市立田中小学校 校長 秋谷雅和先生

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」
「全職員が全児童の担任になろう」が合言葉

開発がすすめられている「柏たなか」駅の周辺は、田園地帯と便利な都市機能が調和するのどかで住みやすい場所だ。各駅停車を利用しても秋葉原まで36分、北千住まで26分と通勤にも非常に便利なベッドタウンでもある。そんな柏たなかにある田中小学校の秋谷校長先生に、この街の魅力を伺った。

田中小学校の概要を教えてください。

柏市立田中小学校

1873(明治6)年に、前身の大室小学校が開校していますので、そこから数えると2014(平成25)年で創立140年です。大きな校庭と充実した遊具、緑あふれる環境といった恵まれた学校のなかで子どもたちは伸び伸びと生活しています。1、4、5、6年は3クラス、2、3年は4クラス、特別支援学級1クラスで、全校生徒637名の編成です。

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」を重点目標に置き、(1)学習指導の充実、(2)家庭や地域と連携した体験的な学習の推進、(3)「全職員が全児童の担任になろう」を合言葉に子どもに寄り添った指導、(4)子どもの事故防止や環境整備などの安全・安心への努力、この4つを教育目標としています。

特徴的な取り組みなどはありますか?

田中小の5年生は、300坪もの田んぼに田植えをし、秋には収穫を行っています。これはJA市川さんと連携しながら、地域の大規模農家である染谷さんのご協力をいただいて、毎年行っています。300坪もあると稲刈りだけでも午前中いっぱいかかる位の大仕事で、出来上がったお米はオリジナルの袋に入れて、自宅に持ち帰ります。自分の植えた苗が黄金色の稲穂をつけ、それを刈り入れる時の子どもたちの充実した笑顔は印象的です。

柏市立田中小学校

秋に開かれる農協まつりでは、このお米を釜で炊いて、子どもたちがおにぎりを握ります。それを販売し、その収益を被災地に寄付しています。こんなに広い敷地を使っての農業体験は、この場所ならではの特徴的な学習です。

わくわくタイムというのは、どのような活動ですか?

柏市立田中小学校

年に1回開かれる、各学年が学習した成果を発表する小さな文化祭のような催しです。ただの発表ではなく、子どもたちは自由に色々な学年の教室を訪れることができ、ワークショップに参加します。
例えば、1年生はどんぐりや松ぼっくりを拾う秋探しの生活授業があるのですが、「わくわくタイム」では、「どんぐりコマ」や「どんぐりやじろべえ」を作るワークショップを開き、遊びに来た児童に作り方を教えてあげる。6年生は消防署や郵便局などに職場見学に行った時のことを新聞風にまとめて、教室を訪れた下級生の子どもたちにその内容を紹介する。これには保護者や地域の方々も参加していただけるので、子どもたちが日頃どんな活動をしているかも理解していただけるようになっています。

「全職員が全児童の担任」という目標を設定したのはどうしてですか?

柏市立田中小学校

先生方が一人一人が、自分は「全児童の担任だ」と思うことで、個々の子どもたちを見る目がより真剣になり、子どもの気持ちに寄り添った指導ができると考えているからです。現在の担任はもちろん、前担任・委員会の先生・クラブの先生・音楽や図工の先生、よく考えれば一人の子どもに関わる先生は多いもの。その各先生方が様々な角度から子どもを見守ることで、子どもの良い面・弱い面がしっかり把握でき、多角的に指導ができるようになります。

例えば先生が自分のクラスで問題が起こった時にも、教師が一人で抱え込まずに周囲の先生と相談しながら指導方法を考えられるという利点もあります。今学校にいる先生たちの力を最大限に生かして、子どもを伸びやかに育てたいという思いから生まれた目標です。

ホームページでは校長先生のブログが毎日更新されていますね?

柏市立田中小学校

これは、保護者の方と子どもたちが家庭で学校のことを話すきっかけになってくれたらと思い日々更新しているものです。保護者の方が学校のことを子どもたちに聞く時でも、学校で何があったかを何となくでも分かっていれば、「今日はこうだったの?」「頑張ってたね」と話しかける取っかかりになると思うんです。
学校はお子さんをお預かりしている訳ですから、情報発信は学校の責務。毎日の更新は、正直大変な時もありますが、できるだけ続けたいと思っています。

地域の方々との関わりについて教えてください。

柏市立田中小学校

この地区は「田中地域ふるさと協議会」主催の市民運動会や七夕まつりがあり、地域の子どもたちは皆参加していますし、「青少年健全育成推進協議会」が主催する音楽発表会では、全国大会の常連である市立柏高校の吹奏楽部の部員のみなさんが本校の子どもたちを教えてくださる機会ももらいました。このほか防災訓練や凧揚げなど、地域に根付いた活動が多いので、子どもたちは自然に地域の方々と交流できるようです。

また、田中小は敷地が広くて木が多いので、秋には落ち葉清掃のためのボランティアをPTAや近隣の方がやってくださっています。もちろん子どもも有志で参加してくれて、皆で一緒に掃除をしています。さらに、日常的に学校の手入れをしてくださっている地域ボランティアの方々がいらっしゃるんですが、なんと元田中小の校長先生もそのメンバーのひとりなんです。地域の方々に愛されている学校だと日々感じます。

田中小学校に通う子どもたち・保護者の方たちはどんな方が多いのでしょうか?

私がこの学校に赴任して一番最初に感じたのは「挨拶がきちんとできる子どもたちだな」ということでした。そして広い校庭を有意義に使って、元気に遊ぶ活発な子どもが多いですね。また保護者の方々は学校に非常に協力的な方が多いのも特徴だと思います。秋にはPTA主催のバザーなども開かれ、積極的に学校に関わってくださる方がたくさんいらっしゃいます。

田中地区の魅力を教えてください。

柏市立田中小学校

まず自然が多く残された恵まれた生活環境です。学校のなかにクワガタが住む木があったり、筑波山にしかいないような珍しい蝶が飛んでいることもあります。でも少し歩けば、柏の葉キャンパスのように都会的な施設もある、その2つがうまく融合した街だと思います。
また、もともとこの地区の伝統だった盆綱引きは、一度廃れてしまったものの、「地域の遺産を大切にしよう」と復活させた伝統行事。田中小の子どもたちも大勢参加した、田中地区ならではのものです。
元々この地域に住んでいた住民と、新しく引っ越してきた住民が、こういった地域行事などを通じて交流し、一緒に街を発展させて行けたらいいですね。そのためにも田中小学校の子どもたちを、その一翼を担えるような地域に愛される子どもに育てていきたいと考えております。

柏市立田中小学校

今回、話を聞いた人

柏市立田中小学校

校長 秋谷雅和先生

所在地:千葉県柏市大室1193-3
電話番号&電話番号:04-7131-5719
電話番号:048-294-7300(子ども家庭相談室)
http://www.tanaka-e.kashiwa.ed.jp/

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

「ふれる」「かかわる」「つなげる」そして「ひろげる」 「全職員が全児童の担任になろう」が合言葉/柏市立田中小学校 校長 秋谷雅和先生
所在地:千葉県柏市大室1193-3 
電話番号:04-7131-5719
http://www.tanaka-e.kashiwa.ed.jp/

「農あるまちづくり」の拠点、三世代にわたって選ばれる街になるために。/環境コンビニステーション 館長 中島敏博さん


環境コンビニステーション
館長 中島敏博さん

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「農あるまちづくり」の拠点、三世代にわたって選ばれる街になるために。

つくばエクスプレスの開通とともに開業した新駅「柏たなか」駅。もとは農村地域であった駅の周辺は、駅の開業に伴い「農あるまちづくり」というテーマを掲げた独自の取り組みが進められています。その中心的存在とも言えるのが、駅前にある「環境コンビニステーション」。今回は、「農あるまちづくり」の中心人物である、「環境コンビニステーション」の館長・中島敏博さんに、お話をうかがいました。

環境コンビニステーションの概要について教えてください。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

近年の傾向として、沿線・駅の開業とともに「まちづくり」を仕掛けることが通例になっています。柏たなか駅は「柏北部地域開発計画」の中にあって独自の「まちづくり」がすすめられています。

柏たなかエリアの田園風景

この辺りは昔から農業地域として有名で、カブやネギ、ホウレンソウが栽培されている、典型的な「農村」です。開発が起こらなければそのまま「農村」、人の出入りが少ない地域のままだったろうと思われますが、駅が開業したことで、地元の人が「農地を残したままで『まちづくり』を進めたい」という話があったそうです。そこから「農との交流でつくる健康と安らぎのまちづくり」というテーマが挙がり、それを基に「農あるまちづくり」を掲げて、新たなまちづくりが始められました。

環境コンビニステーション

「環境コンビニステーション」の設置は、「農あるまちづくり」として実施している「農業体験農園の導入」「農ある景観形成」と一緒に挙がった取り組みのひとつです。私が館長として就任したときに、「農あるまちづくり」の「農」の担い手である農家を支援し、本当の意味で「農あるまち」にするために「地産地消・流通支援の推進」を追加しました。

「農あるまちづくり」実施のための事業内容について詳しく教えてください。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「農業体験農園」は、簡単に言えば「農業の学校」です。農家さんが農具や作付計画などを準備してくださることによって、ひとつの区間を借りて身一つで農業に携わることができるというものです。農家が苦手とするPRなど事務処理やコミュニケーションについて「環境コンビニステーション」が支援しています。
これは練馬区大泉学園で行われている事業をモデルにして、同じ方式で運営しているものです。「農業が続けられるようなモデルづくり」と「新しい住民が農業と触れあう機会をつくるための窓口」という役目を担っています。

11月23日開催の「収穫祭」に行ってきました!

次は「地産地消の推進」です。たとえば「朝市」のようなものを中心に据えています。駅前のスーパーマーケット「カスミ」に地元野菜を置いてもらうように交渉したり、料理講座で地元産の野菜を使った野菜料理を教えていただけるようにお願いしたりしています。意欲あるレストランと意欲ある地元農家を結ぶための試みも始めています。「地元の野菜を食べて暮らしたい」という目的を持った住民が住むことを前提にして、市場へ出す以外に、地元に卸して売り、地元で食べていく仕組みを構築することで、農業経営を安定させて、「農あるまちづくり」につなげたいと考えています。あくまで農業の継続を推進してくれる人に住んでほしい、という考え方が根本にあります。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

そして「環境コンビニステーション」活動の推進。これは「農あるまちづくり」を分かりやすく伝えるための情報拠点、インフォメーションセンターないしはビジターセンターの役割を果たしています。
街で得たポジティブな情報を瞬時に提供できるように、住民の人には「気軽なお喋りなどを通して情報提供してもらう場」、新しく来た人には「ここに来れば何がしかの情報が得られる場」として捉えてもらい、情報の循環を作ることで地域運営に貢献する場としての機能を担っています。

「農あるまちでのくらし」とは、農家と農地がそばにあることのメリットを最大限利用することです。農家が家の近くにあるから、地元の野菜を買える、地元のレストランで食べられる、そんなメリットのほうがデメリットより大きいよ、ということを伝えたいのです。
農業に何かしらの関心がある人には「自分で農業をやりたい人」から「地元産野菜の料理を食べたい人」まで段階があると想定して、それぞれに訴求できるような企画を作って、「農あるまち」を体感してもらい、街の一部になれるような仕組みづくりを整備する、それが「環境コンビニステーション」の取り組みです。

最後に「農ある景観形成の推進」は、柏市と区画整理施行者であるUR都市機構が中心になり、集落を形成している農家や農地を中心に「農あるまち」が体感できるように景観的な面で誘導していく取組みです。建築事業者にパンフレットを配布して「この取り組みに賛同してほしい」というお話をしています。

これらの事業は、何らかの経験がもとになっているのでしょうか?

環境コンビニステーション 館長インタビュー

私自身は、里山の研究者です。「里山の市民活動」を研究テーマにしており、学生時代は、里山の保全事業に携わっていました。約40年にわたり放置されていた里山の再生活動などを行う中で、「都会の人にとって里山がもっと開かれた場になれば、緑との関わり方が変わるかもしれない。多くの人を幸せにできる要素がある。」と、大学院で本格的に「里山が現代に残る意味」を研究しました。この地域は、大学の実習で使ったことがあり、「農あるまちづくり」をどのように進めたらよいかという相談も受けて「朝市」や「蕎麦講座」などいくつか提案もしていました。

その後、ここの館長になってほしいという要請を受けて就任したという経緯があり、今に至っています。今いろいろ実践している事業は、行政が準備してただ受け取るのではなく、自分達の手で緑を作り上げていくのが本来の姿ではないか、という私の考え方の表れでもあります。

学生さんも活動に参加しているようですね?

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「フィールドコラボレーション」といって、東京都が指定している「エコトップ制度」という資格の認定に関わる活動の一環です。各大学の履修生が公的組織でボランティア実習に行く仕組みを導入しているため、毎年数人がこちらに派遣されてきます。また、「食料資源経済学」を学ぶ学生が、オリエンテーション実習として、農業に関わる流通などを知るために、市場を見て、こちらを見学してもらっています。裏方として参加することで、学生さんに「まちづくりとは何か」を知ってもらえたらと思います。

「農あるまちづくり」に対する将来の展望をお聞かせください。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

「100年後・三世代目が、このまちへ帰って暮らしたい」と言いたくなるまちにすることが私の目標です。一世代目はこのまちを選んで住み、二世代目はその影響を受けて住む。けれど三世代目はこのまちに住んでいることが当然であり、良いも悪いもありません。その三世代目が、一度まちの外へ出て、外からこのまちを見たとき「ああ、このまちは、実は良いまちだったのだな。また戻って住みたいな。」と、全体の3割が感じて戻ってくれるようになったなら成功だと考えています。それがひとつの目標です。コーディネーターとして「地域自治」、「この街のブランドを自分達の手で構築できるような道のりを作る」ことができれば、私の仕事は役目を全うできると考えています。

この「環境コンビニステーション」の中にあるカフェは、まちの人の「交流の場が欲しい」という声を受けて、ボランティアさんの力を借りて、コミュニティカフェとして始めました。また、まちにある商店の事業者さん同士で「柏たなか商店会」を結成するための準備にも関わり、商店主がこの街の「まちづくり」に加わるための枠作りも進めています。まちに住む人がいろいろな形で「まちづくり」の担い手として入れるように、今も戦略を組んでいるところです。

最後に、この街の「魅力」を教えてください。

時間の流れが“ゆるい”ことと、飾らなくても良いことが挙げられるかなと思います。柏市にある「まち」の中でも、柏駅は商店街がいくつもあり、多くの人が住んでいる大きなまちで、「柏の顔」です。隣の「柏の葉」は、「スマート」「おしゃれ」「アート」「先端技術を駆使した暮らし」を中心にしています。
対して、柏たなかは「安らぎ」「飾らない日常」が魅力かなと思います。普段着の日常を送れるのが、柏たなかの街らしさです。遊んだり、おしゃれな所に行ったりする「非日常」なら柏の葉、けれど「日常」を送るなら柏たなか、というようにまちごとで棲み分けをするならば、他のまちとは違い「農家のそばで暮らせる、安らぎのまち」「のんびりと、時間を贅沢に使えるまち」であり、何より、子どもから見て「大人が楽しそう、幸せそう」にしている姿がまちに満ちている、そしてそれが自分達の将来と重ねられ、夢を持てる、それが柏たなかの「魅力」だと思っています。

環境コンビニステーション 館長インタビュー

今回、話を聞いた人

環境コンビニステーション
館長 中島敏博さん

この日は「朝市」が開かれ、盛況のうちに終了した後のインタビューでした。朝市で行われたイベントの様子も交えながら、「柏たなかのまちづくり」について、ご自身の研究テーマから将来のこと、今開催されている「蕎麦打ち講座」などなどを伺う中で、「敢えて未完成で提供し、小さな達成感を自分達で積み上げてもらうことで、自分達の手でまちづくりができているという実感を抱いてもらう」ということに深く頷かされました。 「農あるまちづくり」のために、今いる人達と、これから住む人達を結びつけ、柏たなかの「魅力」につなげる「環境コンビニステーション」。実はその存在こそが、柏たなかの「魅力」ともいえるのかもしれません。

所在地:千葉県柏市小青田291-1東99-3街区1
電話番号:04-7157-2861
http://www.kashiwatanaka.net/exec/eco_cvs.html

※記事内容は2013(平成25)年12月時点の情報です。

「農あるまちづくり」の拠点、三世代にわたって選ばれる街になるために。/環境コンビニステーション 館長 中島敏博さん
所在地:千葉県柏市小青田291番地1東99-3街区1 
電話番号:04-7157-2861
http://kashiwatanaka.net/exec/eco_cvs.ht..

「ノーベルスクール」を掲げる小学校

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。/八千代市立みどりが丘小学校 髙宮昭裕校長先生


八千代市立みどりが丘小学校
髙宮昭裕校長先生

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。八千代市立みどりが丘小学校

八千代市はぐみの杜の新興住宅地の一角にある、2010(平成22)年に開校した「八千代市立みどりが丘小学校」は、木目を基調にした校舎と、広々とした芝生の校庭、ウッドデッキの中庭など、魅力的な施設が満載の小学校。街の新しいシンボルとして、街の人々に愛されながら、育てられている真っ最中の小学校でもある。

今回はこちらの2代目校長を務められている髙宮昭裕先生を訪ね、学校の魅力、今後の学校運営方針などについてお話を伺った。

2010(平成22)年に開校した新しい学校ですが、学校新設に至った経緯などについてお聞かせください。

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

本校は開校から今年で4年目(※2014(平成26)年現在)の、新しい小学校です。それ以前からの学校としては、「八千代緑が丘」駅のすぐ南側に「八千代市立新木戸小学校」がありまして、先日創立30年を迎えた学校になるんですが、東葉高速鉄道の開通にともない、「八千代緑が丘」駅の周辺にたくさんのマンションができましたので、急激に子どもたちの数が増えました。

そこで、近くに新しい小学校を作ろうという話になりまして、「八千代市立みどりが丘小学校」が開校したという経緯です。

本校の児童は駅の近くのマンションや分譲住宅に住む児童が多いですね。学校の周辺の地区の開発にともない、これから少しずつ、転入生も増え始めていくかと思います。まだまだ学校の教室等には十分に余裕がある状態です。

教育方針など、学校の基本的な特徴についてお聞かせください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

「気力あふれ知性と行動力豊かな人間性の育成」というのが学校の教育目標になっていまして、これからの国際社会に出て、立派に羽ばたけるような子どもたちを育てていきたいと思っております。

しかしながら、単に「世界に出て行ける子ども」という意味ではなく、日本の中にいても、日本はもう国際社会ですので、その一員として、自分の力を発揮できる、そんな子どもたちを育てたいと思っています。

子どもたちに対しては「めざす子どもの姿」ということで、「健康で安全に生活できる子」「心豊かで思いやりのある子」「粘り強く学習に取り組む子」「豊かに表現できる子」ということの4つを、日頃から言っています。

「ノーベルスクール」という言葉を大切にされているそうですが、これは何でしょうか?

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

学校としての伝統を築き、そして、子ども達にとっての「故郷」「母校」となり得る学校づくりに励みたいという思いから、本校のめざす学校の姿として掲げられている言葉です。「ノーベル賞」のイメージがありますから、すごく特別な子どもを目指していると考えられがちなんですけれど、そうではないんですね。ノーベル賞は「広く世界に認められている賞」ということですので、子どもたちひとりひとりの輝きや、取り組みといったものを、「みんなで認めあえる学校づくりをしたい」ということで、「ノーベルスクール」という言葉を掲げています。これは初代の校長先生が作られた言葉なんです。

もちろん、特別にすぐれた才能を発揮する子どもがいて、それが注目されることも大事だと思いますが、それ以外にも、ひとりひとりの子どもが何かを身につけ出来るようになったら、それをみんなで認め合うということも大事だと思うんですね。そんな「認め合える学校づくり」が、「ノーベルスクール」なんですね。

具体的に、特別何かをしているということではありませんが、普段の授業の中や、日ごろの生活の中で、子どもたちはいろいろな姿を見せていまして、その中に、いい姿がたくさんあるんですね。給食で活躍する子もいるし、掃除で活躍する子もいるし、遊びで活躍する子もいます。もちろん、勉強で活躍する子どももいます。そういう「いい姿」を見つけだそう、という願いなんですね。輝きは日常の生活の中にあるということです。

地域との交流事業についても、積極的に行われているそうですね

祭り

「地域との連携」という部分については、新しい学校で、本当に地域のつながりがゼロのところからスタートしましたので、開校以来、「地域の皆さんにたくさん学校に来ていただこう」、「地域にもたくさん出ていこう」ということが、とても重要な、本校のあり方になっています。駅周辺のお祭りにも積極的に参加しています。

地域交流の一例を挙げますと、本校の近くには特別支援学校がありますので、今年は2年生と5年生が、相互に交流を行いましたし、「千葉県立八千代西高等学校」も近いですから、西高の生徒が本校に来てくれて、低学年の子どもたちに読み聞かせをしてくれたりもしました。

この読み聞かせについては、高校生以外にも、地域の読み聞かせサークルの方々が昼休みに読み聞かせに来てくれたり、本校の保護者のグループが来てくれたりと、色々な方に参加していただいています。

このほかにも、6年生は色々な職場体験に、3年生は町探検に出て行ったりと、子どもたちが地域に出て行って活動している場面は、今年は特に多かったですね。本当にいろんな地域の方に、非常にお世話になっていますし、今後もさらに、地域交流事業を増やしていきたいと考えています。

「防災避難キャンプ」という取り組みがあるということですが、これは何でしょう?

ハート

夏に行っている「防災避難キャンプ」については、子どもたちと保護者が小学校に1泊して、防災に関するいろんな体験をするという企画なんですが、今年は子どもたちが自分で調理をしたり、消防署の協力で起震車を体験させていただいたり、煙の中を通る体験をさせていただいたりしましたし、赤十字さんの協力で、緊急時のけが人の運び方や、車椅子の体験などを、親子で一緒に体験したりもしました。夜、ろうそくの火でハートの形を作ったことも良い思い出になりました。

ほかにも、近くの工場の方が物資を提供してくださったりとか、学校の近くに大きなハンバーグ工場がありますので、ミートボールを提供していただいたりもしまして、本当に地域の皆さんの協力で成り立ったものでした。これをきっかけに、地域との新しいつながりも生まれる、有意義なイベントになっていると思います。

市内の他の小中学校との連携もさかんとお聞きしました

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

そうですね、八千代市では小学校・中学校の子どもたちが集まる「子どもサミット」という取り組みがあるんですが、これには八千代市全体のサミットと、地区ごと、本校の学区ですと、高津・新木戸地区の子どもサミットというものがあります。

参加校の子どもが集まって、会議をしたり、挨拶運動をしたり、一緒にゴミ拾いをしたりするんですね。こういった取り組みを通して、これは八千代市全体に言えることですが、小中学校の連携は非常に良く取れていると思います。

イングリッシュ・キャンプとは何でしょうか?

これも同様に、高津・新木戸地区の小学校5校、中学校2校から、中学生と小学校の高学年の子どもたち、希望者になりますが、中学校に一堂に集まってもらって、ALT(外国語指導助手)の方の協力のもとで、「ほぼ1日、英語だけで過ごしてもらう」というイベントです。

実は今年度初めて実施したもので、本校からの参加は5、6年生だけだったんですが、英語だけで話をしたり、英語で話しながらおやつを作ったりという活動になりまして、なかなかユニークな取り組みになったと思います。

イングリッシュ

みどりが丘小は開校1年目から全学年で英語活動を取り入れていまして、八千代市内でも英語活動の先進校と言える学校ですので、今後も英語活動には力を入れていきたいと思っています。

その他、特徴的な行事などがあれば教えてください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

本校の場合、「特別な行事」というよりも、その取り組み方がユニークだと思います。もうすぐ卒業式もあるのですが、子どもたちがほとんどの行事の企画に関わり、進行を行っています。子どもたちが運動会などの行事の企画をする小学校は最近少しずつ増えていますが、さすがに、卒業式まで子ども中心にするという小学校は珍しいと思います。

「子どもたちに任せられる部分は、子どもたちに任せよう」というのは前の校長先生から続いている本校の基本方針のひとつとして、昨年の卒業式で司会進行、はじめの言葉などを子どもたちの手で行い、本当に感動的な式になりました。

終わりの言葉で、卒業生が卒業式を通して感じたことを話してくれたのですが、私が式辞で話した内容を踏まえて言葉にしてくれまして、大変感激しました。

運動会や音楽会も子どもたち中心で行うのですが、こういったことも、「ノーベルスクール」のひとつの取り組みでして、「子どもたちに活躍の機会を作ろう」という狙いがあるんですね。実行委員会に選ばれる子どもたちも、特別な子どもたちというわけではなくて、やりたい子どもたちを、子どもたち同士で選んだりしています。

もちろん、裏では教師の手助けもありますし、本当は教師がやってしまったほうが簡単な面も多いのですが、「ノーベルスクール」という理念を職員がしっかり理解していますので、手間はかかるのですが、なるべくたくさんの子どもたちが前に出られるような、“場づくり”をしようということで取り組んでいます。

新しくて開放的な建物ですが、学校施設の特徴についてご案内をお願いします

八千代緑が丘小学校

この学校は「木質」を大切にした学校でして、全体的に木のぬくもりにあふれていて、温かい感じがすると思います。同時に、ガラスも多い造りなので、明るい雰囲気もあるんですね。教室は全部オープンですので、廊下がすごく広いですし、非常にゆとりのある学校の造りになっていると思います。子どもたちものびのび、ゆったりできるような空間が特徴ですね。

加えて、校庭についても特徴があり、本校は芝生の校庭になっています。これも心の豊かさが持てるような、素晴らしい環境になっているかと思います。芝生は管理が大変ですが、本校の場合は、幸いにもボランティアの方が非常に協力的に手伝いをしてくださっていまして、そのお陰もあって維持できております。

中庭にあるウッドデッキも大きな特徴になっていますね。こちらは、低学年の教室の前にありますので、特に低学年の子どもたちがよく利用しています。休み時間が10分でもあれば、上履きのまますぐに使えますから、すぐに外に出て、縄跳びを始めたり鬼ごっこを始めたりできるんですね。

八千代緑が丘小学校 図書館

図書室も壁の無い造りになっているんですが、これは「だれでもいつでも入れるように」というもので、普通の学校ですと、教師がついていないと使えないことも多いんですが、本校では先生がいない時でも、図書委員がいれば、本の貸し出しができる仕組みになっています。八千代市は図書について力を入れている市ですので、ひとりひとりに個人の図書カードがあって、バーコードで貸出ができるような仕組みになっています。

体育館についても、広々としていて明るくて、とても開放的な素晴らしい体育館だと思います。観客席もある体育館というのは、普通の小学校にはなかなか無い、贅沢なものだと思いますね。放課後、夜、土日には、地域の団体の方にも利用していただいています。

「保護者会」「おやじの会」の活動について教えてください。

保護者会

本校では、「保護者会」も「おやじの会」もいろいろな楽しいイベントを企画してくださっていまして、保護者会については、高津・新木戸地区の保護者会で、童話の読み聞かせや、コンサートなどを実施してくださって、この時には他校からもたくさんの方に来ていただきました。

「おやじの会」についても、今年は紙飛行機大会などを企画してくださって、まだまだ参加されるお父さん方は少なめですが、徐々に活動の幅を広げてくださっていて、草刈りなどの環境整備も含めて、すごくご協力をいただいています。

この地域の子どもたちの印象についてお聞かせください

子どもたち

うちの学校の自慢のひとつは、「欠席する子どもが非常に少ない」ということなんですね。早寝早起きや、食事の管理など、保護者の方が子どもたちの健康管理を十分に気をつけているということだと思うんです。

また、子どもたちの8割くらいは駅のあたりから歩いて来ていて、登下校も友達同士で楽しくできていると思います。通学時間帯は保護者の方だけでなく、地域の方も、毎朝通学路の見守りなどいろいろな協力をしてくださいます。この地域は愛情にあふれた家庭が多く温かいと思いますね。学校の行事にもすごく積極的に協力してくださいます。

校長先生がお考えになる、今後の小学校の運営方針についてお聞かせください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

先ほども申し上げたとおり、「ひとりひとりの輝きを認め合う」ということを大切にして、新しい学校としての、新たな「伝統」を作っていきたいと思っています。

子どもたちにとっては、この地域が将来ふるさとになっていきますし、ここが母校になるわけですので、「これがみどりが丘小だ!」ということが分かるような、伝統や特色を築いていきたいと思っています。

最後に、緑が丘地域の魅力について一言お願いいたします

 	千葉県八千代市インタビュー

新しい街ですので、活力があって、生活しているみなさん自身がすごく生き生きとしている街だと思います。自分の街を愛していて、10年前から住んでいる方は「自分たちで作ってきた」という思いがありますし、新しく引っ越してきたばかりの方も、「自分たちで作っていく」という思いがありまして、すごく明るいムードがありますね。

電車の便も便利ですし、車でも移動しやすい立地です。最近は都会的なセンスのお店も増えているんですが、一方では、自然にあふれた部分もすぐ近くにたくさん残されていて、田舎と都会の両方を体験できる場所だと思います。子どもたちにとっても、豊かな体験ができる、良い環境なのではないでしょうか。

八千代緑が丘校長先生

今回、話を聞いた人

八千代市立みどりが丘小学校

校長 髙宮昭裕先生

八千代市立みどりが丘小学校
住所:千葉県八千代市吉橋2357
電話番号:047-458-1281
http://www.yachiyo.ed.jp/emidori/

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。/八千代市立みどりが丘小学校 髙宮昭裕校長先生
所在地:千葉県八千代市緑が丘西3-14 
電話番号:047-458-1281
https://www.yachiyo.ed.jp/emidori/

子どもたちがワクワクドキドキして、毎日楽しく来てくれる場所でありつづけたい/志だみ幼稚園 園長 佐藤彰芳先生


志だみ幼稚園
園長 佐藤彰芳先生

子どもたちがワクワクドキドキして、
毎日楽しく来てくれる場所でありつづけたい

守山区北東部の丘陵地帯に位置し、豊かな自然に囲まれた「志だみ幼稚園」。
「みんなちがって、みんないい」の理念のもと、一人一人の日々の変化に細やかに目を配り、その子に合ったハードルを用意することを大切にしている。
子どもたちの感性教育にも熱心に取り組む、志だみ幼稚園 園長の佐藤彰芳先生にお話をうかがった。

「志だみ幼稚園」の沿革・概要について教えてください。

志だみ幼稚園外観時計2

「志だみ幼稚園」は、1966(昭和41)年4月に設立されました。私は、以前小学校教諭をしていたのですが、1984(昭和59)年から「志だみ幼稚園」に勤務し、1998(平成10)年に父の跡を継いで園長になりました。
年長(5歳児)、年中(4歳児)、年少(3歳児)の3年制で、各クラス約100人。全部で310人の認可定員をいただいています。

日々一段ずつの成長や、遊びを追求する場であってほしいとの教育方針のもと、園ではどのように環境づくりに取り組まれているのでしょうか。

園児太鼓4

「みんなちがって、みんないい」 という金子みすゞさんの言葉を忘れず、日々子どもたちと接しています。
一律に同じハードルを用意して、その時の「できた」「できない」で振り分けることはしません。どの子も、いろいろな分野で、それぞれ階段を持っています。子どもたち一人一人の成長は違って当たり前。例えば絵画が得意なら、大きな段差でどんどん上っていってもらい、運動が苦手なら小さな段差でもいいので少しずつでも伸びていってほしい。
私たち教師は、一人一人の日々の変化を見逃さず、その子が今どんな階段を上ろうとしているのかを見極め、その子にあったハードル、つまり子どもたちが自ら努力をできるような環境を用意することが大切だと考えています。

子どもたちのそれぞれの子どもたちに合った階段を見つけられるよう、「演劇鑑賞」「抹茶体験」などバリエーション豊かな活動が行われているんですね。

フラダンス

園の活動としては、原則水曜日の午後を「わくわくタイム」と称して学年の枠をとりはらって、いろいろなことを体験できる機会を作っています。この間はフラダンスをやりましたし、次回は本物の茶器を使って茶道体験を行います。 子どもたちには「どんなことにも挑戦する力」をもって欲しいと思っています。いろいろなことに触れて、自分の感性に合うものに出会ってくれたらと思います。

課外学習や、親子で参加できる「キッズ・ポケッツ」について、具体的に教えてください。また、このような取り組みのねらいは何でしょうか。

バイオリン

「キッズ・ポケッツ」は2007(平成19)年に私が始めた感性教育プログラムです。親子で参加して、お母さんお父さんたちですら体験したことのないようなことにたくさん触れることが大切だと考え、始めました。年24回土曜日に開催していて、「バイオリン」、「ソシアルダンス」や「ヨガ」、「陶芸」など内容は毎回変わります。

ダンス2

日本では、コンサートは子どもお断り、美術館では静かにしなければいけない。ヨーロッパとは違い、本物に触れる機会が非常に少ないと、自分自身が子育てをする中で実感していました。だから、子どもたちが本物に触れる機会をたくさん作りたいと思い始めました。
子どもにとって何が心に響くものなのかは、本人はもちろん親ですらわかりません。毎回違ったことを体験する中で、子ども自身が自分の心に響くもの、これをやりたいと思うものが見つかればいいなと考えています。

こま回し

また、親子で参加するということも重要です。親子で楽しんだ経験は、子どもたちに思い出としていつまでも残ります。親子の絆という思い出をずっと持っていれば、どこかですれ違う時期があっても必ず戻ってくる力になると信じています。
最近ではお父さんの参加も増えてきています。普段お父さんと話をする機会はあまりないので、私自身いろいろとお話しできることはとてもありがたいことで、いい相乗効果が生まれています。

昨年はモリコロパークで、第九を合唱するイベントも行われたそうですね。

合唱祭2

昨年、同じ志をもつ幼稚園が集まり、「幼児文化芸術協会」を立ち上げました。これは、「キッズ・ポケッツ」が基盤となっているのですが、他の幼稚園で、ベートーベンの第九の歌唱指導をうけて、みんなで歌っているところがあるというのを聞き、ぜひコラボレーションしようということになったのがきっかけです。

合唱祭

各加盟園でそれぞれ文化芸術カリキュラムを実施し、1年の集大成として「愛・地球博モリコロパーク」で、各園の年長児親子が「希望の歌(ベートーベンの第九をアレンジしたもの)」を合唱するなどのイベントを行いました。
第九は毎年12月になると必ず流れる音楽です。これから先、第九を聞くたびにこの時の親子で共有した時間を思い出してもらえたらと願っています。

子どもたちに接するときはどのような点に気をつけられていますか。

木工

安易に結論を急がないということです。
例えば、けんかが起きたとき、「どっちも悪いんだから、両方謝って終わりね」みたいな安易な解決は絶対にしないようにしています。それでは子どもたちの中にわだかまりが残ってしまいます。何日かかかってでも、子どもたちが納得するまで話をするようにしています。

遊具

あとは、先生が教えない、「これをやろう」と言わないということです。
時々近くの公園に遠足に出かけます。その際、大きな子と小さな子が手をつないで一緒に歩いて行くのですが、ある子がつなぐ手を変えたんですね。それで、「なんで手を変えたの?」と聞いたところ、「こっちは車が通って危ないから、変えたんだよ」と答えたんです。分かって変えているんですね。
またしばらく歩いていたら、今度は歩道側に深い側溝があるところがあったのです。そしたら、また子どもがパッとつなぐ手を変えたんです。理由を聞くと、「落ちたら危ないから、僕がこっち(側溝側)になるんだ」と。分かった上でやっているということ、それこそがうちの幼稚園が大切にしていることです。

先生が「大きい子は車道側ね」と言えば簡単なことですよね。でも教えません。できた子を褒めることによって、次は2、3人と、少しずつできる子が増えていけばいいと考えています。
大切なのは、自分で気づくこと。言われてやることはだれでもできる。でも言われてやったことはそれしか応用がきかない。発展がないのです。発展性のある子どもに育ってほしいし、自分で工夫することが大切だと思っているので、できるだけ教師側から、教師の都合の良いように教えることはしないようにしています。
また、運動会でも、小さい子のかけっこ競争でお兄ちゃんたちがプレゼントを渡すのですが、ある子が赤をもっていたのに、男の子が来たら青に変えて渡したんですね。また別の子は、「どっちがいい?」と赤と青の両方差し出しました。これはどちらも正解です。その子に意図さえあれば良いというのがうちの幼稚園の方針ですから。

園庭の開放など、地域との関わりも積極的に行われていますが、始められたきっかけについて教えてください。

遊具3

公園は不審者の出没など様々な危険がありますので、開園している間は、子どもたちが授業をしている時間も含め、地域の方に園庭を解放しています。
本園の子どもたちにとっては、小さい子たちと一緒に遊ぶことで、おもちゃや遊具を譲ってあげるなど、やさしさを身につけられる場になるといいなと思っています。また、小さなお子さんだけでなく、夕方からは近所の小学生もよく遊びにきたりします。園には、長年勤めている先生たちがいるので、中学生高校生になっても遊びに来てくれたりもしますね。

最後に守山エリアの子育て環境の魅力について教えてください。

愛知県森林公園

守山区は区画整理が進み、まだまだ都市整備や開発が進む振興地域。この志段味という地域は、昔はもっと山ばかりで何もなかったところなのですが、区画整備が計画的に進められていて、かなり発展してきています。
4、5年前まで、守山区内の幼稚園の数は12ヶ園に対し、保育園数ヶ園しかなかったのですが、今はその数が逆転し、30近くの保育園があります。保育園、幼稚園、それぞれに良い所があり、各ご家庭の状況、教育方針にあった所を選択することが大切だと思います。

志外観

私自身、幼稚園というところは、ご家庭ですくすく育った子たちが、はじめて同じ年頃の子とでぶつかりあったり、感動しあったり、助けあったりすることを学ぶ場だと思っています。子どもたちがワクワクドキドキしながら、毎日楽しみに来てくれる場所であり続けたいなと思っています。

志だみ幼稚園園長

今回、話を聞いた人

志だみ幼稚園

園長 佐藤彰芳先生

住所:愛知県名古屋市守山区中志段味吉田洞2911-18
電話番号:052-736-1321
http://www.aichishiyo.or.jp/shidami/

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

子どもたちがワクワクドキドキして、毎日楽しく来てくれる場所でありつづけたい/志だみ幼稚園 園長 佐藤彰芳先生
所在地:愛知県名古屋市守山区中志段味吉田洞2911-18 
電話番号:052-736-1321
http://www.aichishiyo.or.jp/shidami/

日常生活の中で「自然に」学ぶアットホームな保育園/しだみ保育園 園長 平野陽子先生


しだみ保育園
園長 平野陽子先生

日常生活の中で「自然に」学ぶ
アットホームな保育園

名古屋市は今年4月、待機児童ゼロを達成したことを発表した。数年前まで待機児童数全国ワーストワンだった名古屋市は2010(平成22)年度から「待機児童ゼロ計画」を進め、その中で多くの保育施設が新設された。「しだみ保育園」もそのひとつだ。まだ新しい園内を、子どもたちが元気に走り回っている。今回は、「子どもたちが1日笑って過ごせることがなにより大切」と話す「しだみ保育園」園長 平野陽子先生に、園の特徴や子どもたちとの接し方についてお話をうかがった。

まずは「しだみ保育園」の沿革・概要について教えてください。

しだみ保育園遊具

開園は2010(平成22)年で、まだ新しい保育園です。2007(平成19)年にできた「ききょう保育園」(下志段味荒田)の姉妹保育園として新設されました。開園の時からいらっしゃった前の園長先生が昨年退職をされ、その後を引き継ぐ形で私が今年から園長になりました。現在は乳児から年長さんまで、全部で109名の子どもが通っています。

保育の方針について教えてください。

縄跳び

前の園長先生は以前小学校の校長をされていたので、小学校に上がって行くためのステップという意味での教育的な配慮がありました。特に、挨拶とか、恥ずかしがらずしっかりと会話ができるというところは、重点的に指導されていました。
そういう部分は引き続き大切にしていくと共に、家庭と変わらない「自然な」感じで学ぶということも大切にしています。

子どもたちが「自然に」学んでいくということは大切ですね。

子ども指さし

何か特別なことをするということではなく、生活の中で自然にいろいろなことを学んでいってもらえたらと思っています。
例えばお散歩は、大きい子と小さい子が手をつないで行くのですが、その中で大きい子は小さい子を見てあげる、小さい子はお兄さんお姉さんについて行く。縦割りの経験だったり、やさしさだったりですね。

ザリガニ

また、少しでも学びの場になればと、ザリガニやメダカを飼いはじめました。子どもたちは触ったり、お世話をしたりする。卵が生まれたら、みんなでそっと静かに見守る。赤ちゃんが生まれたら、みんなで大喜びする。そうした日常の中で、命を大切にすることが自然に身についてきているように感じます。

ドングリ

夏は園庭でトウモロコシを育てていたのですが、最初は全然育たず心配しました。しばらくしたら今度は大きくなりすぎてしまって。でも、背丈は大きくなるのだけど、なかなか実ができないので、みんなで雨が降るよう雨乞いの踊りをしたりしました。 トウモロコシひとつの中にも、驚きだったり、うれしさだったり、悩みだったり、いろいろなことがある。何か特別なことではなくて、日常生活の中で自然に学べることはたくさんあります。

ザリガニやトウモロコシ、自然豊かな環境だからこそ学べることも多いですね。

園内柑橘

去年第1回の卒園者が、園庭に蜜柑の木を植えてくれたんです。それを植えたことによって、そこにアゲハチョウが来て、卵を産んで、卵から幼虫、さなぎへと成長して行く姿を、子どもたちが自然に観察できました。それは本当によかったと思っています。

園内での一日のスケジュールについて教えてください。

昼寝

朝の7時から夜の7時までオープンしていますので、登園時間はバラバラです。8時半までは自由に遊んでいて、8時半から各クラスの部屋で1日の活動が始まります。 お昼までは各クラスで制作をしたりします。ランチを食べた後は、乳児はお昼寝。幼児は夏場だけはお昼寝をしますが、お昼から16時くらいまでは外で遊んだり、教室の中で自由に遊んだりします。18時以降は延長保育となります。

延長保育は子育て世代の強い味方になると思います。

園内

このあたりは住宅地が増え、若い人、共働きの方が多くいらっしゃいます。長い時間預けられる方も多いです。安心して預けていただけるようにというのを第一に考えています。そのためにも、お忙しい方も多いですが、送り迎えの際などに短い時間でもなるべくお母さんお父さんとコミュニケーションをとるようにしています。

「しだみ保育園」ならではの取り組みや行事について教えてください。

食作法

前の園長先生が始めた「食(じき)作法」を今も引き続き行っています。他の保育園でも行っている所はありますが、うちは少人数、4人から6人で行うのが特徴です。

子ども食作法

その中で、年長さんが小学校に上がっていくにあたり、落ち着いて30分くらいしっかりと座って食事ができるということと、食育、マナー、感謝の気持ちを持つということに取り組んでいます。4月に始めた頃はぎこちない感じで食べていましたが、段々上手に自然な形で食べられるようになってきています。

子ども手作り

お父さんお母さんに来ていただく行事は年に3回。夏祭りと運動会、劇や音楽を見てもらう発表会です。あとは、おじいちゃんおばあちゃんに来ていただく敬老会もあります。それ以外に、子どもたちだけで楽しむ行事もいくつかあり、この秋は「おかいものごっこ」をやることになっていて、子どもたちはそれに向けて準備をしています。

地域の方との交流は多いのでしょうか?

園内花壇

園庭の花壇に植えてある野菜は、ご近所の方が植えてくださったものです。今植えてあるものは第2弾で、その前は先ほどお話ししたトウモロコシを育てていました。

芋とクリスマスツリー

先日は、近所のおじいさんがお芋を作ってくださっていて、そこにみんなで掘りに行きました。その時のお芋の蔓で、クリスマスに向けてリースを作ろうと準備しています。
地域の方がとても良くしてくださって、子どもたちをかわいがってもらっています。そのつながりは一番大事だと思います。

園の周辺は、庄内川や公園など自然豊かで、子育てにも良さそうですね。

園児走る

先ほどお話しした蜜柑やザリガニなど、自然に触れる機会が多くあるというのはこのエリアの魅力だと思います。東谷山が近くにあるので、最後は東谷山を登って卒園できたらいいなと考えています。

しだみ園長平野さん

今回、話を聞いた人

しだみ保育園

園長 平野陽子先生

住所:愛知県名古屋市守山区上志段味上島669
電話番号:052-739-0415
http://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/page/0000003369.html

※記事内容は2014(平成26)年11月時点の情報です。

日常生活の中で「自然に」学ぶアットホームな保育園/しだみ保育園 園長 平野陽子先生
所在地:愛知県名古屋市守山区上志段味上島669 
電話番号:052-739-0415
開設時間:7:00~19:00
延長保育:あり
http://www.city.nagoya.jp/kodomoseishone..

代々受け継がれる規律と学校を見守る地域の温かさ/柏市立柏第一小学校 浮谷 満 校長先生


柏市立柏第一小学校
校長 浮谷 満 先生

柏市立柏第一小学校インタビュー

代々受け継がれる規律と
学校を見守る地域の温かさ

柏市の中心部にある「柏市立柏第一小学校」は、柏市でも有数の長い歴史を持つ小学校。地域の人々からの信頼も厚く、子どもを入学させるなら「柏市立柏第一小学校」がいいという声もあると聞きます。校長を務める浮谷満先生に、学校の特徴や地域とのつながりについてお話を伺いました。

まずは「柏市立柏第一小学校」の歴史について教えてください。

柏市立柏第一小学校

本校は1908(明治41)年「千代田尋常小学校」として開校し、今年は106年目になります。これだけの歴史がありますから、親子4代本校に通っているという家庭もあります。校庭にある遊具も歴史があるものが多く、すべり山という遊具は50年以上前に造られたものだそうです。校庭の大いちょうも本校の歴史を示すシンボルですね。本校では5年毎に周年行事を行っていますが、こうした機会に子どもたちに学校の歴史を学んでもらっています。

「さわやかタイム」という時間があるそうですが、どんなことをしているのでしょうか。

始業前の20分間を基礎・基本の習熟のために使う取り組みを「さわやかタイム」と呼んでいます。火曜日と木曜日、金曜日は「大いちょうタイム」として、個別学習など担任がクラスに必要な学習を行います。水曜日はドリル学習として、学習係を中心に子どもたち自ら学習します。本校は学習規律がきちんと守られていて、子どもたちだけで学習していても遊ぶ子はほとんどいません。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

月曜日は読書活動の日で、PTAの方に読み聞かせをしていただくこともあります。11月になると「さわやかタイム」を利用して持久走を行い、体力づくりに努めています。

「なかよしグループ活動」という取り組みもあるそうですね。

「なかよしグループ活動」は異学年の交流を狙いとした活動です。月に1回、1年生から6年生まで30人単位のグループを作り、6年生がリーダーになって昼休みにレクリエーションを行います。年に1回ですが、グループごとで給食を食べる交歓給食も実施しています。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

6年生は下級生の面倒をとてもよく見てくれます。1年生が入学したばかりの頃は、6年生が昇降口で待っていて、1年生が下駄箱を間違えないように、迷わないで教室に行けるようにと見守ってくれます。1年生や2年生は、6年生の子どもたちをお兄さん、お姉さんと慕っています。

柏市立柏第一小学校

本校では学習規律もしっかりしていますが、あいさつなどの礼儀も身に付いています。これは一朝一夕にできることではありません。「なかよしグループ活動」などで上級生の姿を見た下級生が、自然に学習する姿勢やあいさつの習慣を身に付けるのです。代々受け継がれてきた本校の誇りだと思っています。

特設クラブがあり、活動も盛んと伺いました。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

本校では特設クラブが4つあり、運動部として陸上部とミニバスケットボール部、それに吹奏楽部と歌唱部があります。歌唱部がある小学校は珍しいのではないでしょうか。4年生から6年生が希望するクラブに入れます。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

陸上部は市内の陸上大会や柏市の駅伝大会に参加しますし、ミニバスケットボール部はミニバス教室やスマイルカップに参加します。吹奏楽部は県の吹奏楽コンクールをはじめ、東関東大会や全国大会で活躍した実績があります。歌唱部も「柏タカシマヤ」でミニコンサートを行い、地域の方々に聞いていただています。こうした活躍の場を用意していることもあり、子どもたちは熱心に活動しています。

「確かな学びを支える言語力の育成」という研究主題を掲げていらっしゃいますが、どのように教育に取り入れているのでしょうか。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

本校では、他人の考えをよく聞き、自分の考えとの違いや共通点を見つけ、発表する技術を身に付けてもらいたいと思っています。そこで、ノートに自分の考えをまとめてから発表するという機会を授業の中で設定しています。

先ほどお話しした学習規律が身に付いていること、このように授業で表現力を養っていること、そして家庭学習を推進していることが、本校の子どもたちの学力向上につながっていると思います。

保護者の方々や地域の方々の支援も盛んだそうですね。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

本校では、家庭ごとに何か一つ学校のためにお手伝いをしていただく「1ボラ」という取り組みが行われています。ベルマークの整理や発送、校内の環境整備、行事のお手伝いなどできる範囲でご協力していただいて、子どもたちにとってより良い環境を作ろうという趣旨です。

地域の方々にも多大なご協力をいただいています。歴史のある学校ですから、地域の方々も愛着があるのでしょう。通学時にはパトロールをしていただいていますし、子どもたちをいつもあたたかく見守ってくださっています。

小中連携も積極的に進めていらっしゃると伺いました。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

最近、小学校から中学校へ進学するときのいわゆる中1ギャップが注目されています。そこで、子どもが中学校に行っても不安にならないように、中学校の先生に来ていただいて、小学校の授業をお願いするなど、さまざまな交流を行っています。 そのほか、小学校の児童会が中学校の生徒会に見学に行くこともありますし、中学校で行われる講演会などの行事に小学校の子どもたちを参加させることもあります。小学校の子どもたちの中学校の部活動への参加や、小学校で中学生の職場体験の受け入れも行っています。

本校では、家庭学習の手引きを作り、家庭学習を推進しているのですが、これも小中合同で作りました。このように、小中で学習指導や生徒指導をできるだけ同じ方針で行い、ギャップを少なくする工夫をしています。

ユニークな学内行事はありますか。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

行事の内容としては、どこの学校でも行われているものが多いと思いますが、ユニークな行事としては「手賀東小学校」、「手賀西小学校」との交流があります。これは1、2年生対象で、「手賀東小学校」、「手賀西小学校」の子どもたちが本校に来て、大規模校の雰囲気を体験してもらったり、逆に本校の子どもたちが出かけていったりします。

また、柏市の中心部にあるという地の利から、柏市の平和集会や国際交流協会が行うイベントの会場が本校になることもあり、それらの行事にも子どもたちが参加しています。

柏エリアの魅力を教えてください。

手賀沼

「柏」駅周辺はおしゃれなお店が集まっていますからショッピングが楽しめますし、飲食店も多くて、おいしいものも食べられます。昔から住んでいらっしゃる方に加えて、最近は再開発などで新しく来られた方も増えてきまして、活気にあふれた街です。 子育てという面では、地域全体で子どもを見守ってくださるという機運が高い街ということが魅力だと思います。「柏」駅周辺でも地域ごとにお祭りがありますが、そういったお祭りに子どもたちを呼んでいただくなど、いつも子どもたちを楽しませてくれることを企画していただいています。

「柏公園」から手賀沼方面に歩けば、自然を満喫できます。柏には音楽の街、スポーツの街といろいろな魅力があり、若い方もよいイメージを持っていらっしゃるようですし、お年寄りの方もそれぞれの人生を楽しんでいらっしゃいます。あらゆる世代の方が住みやすい街ということが、柏の魅力だと思います。

柏市立柏第一小学校 インタビュー

今回、話を聞いた人

柏市立柏第一小学校

校長 浮谷 満 先生

登下校時に校門に立ち、子どもたち全員の顔と名前を覚えるように心がけているとおっしゃる子ども思いの校長先生でした。

柏市立柏第一小学校
住所:千葉県柏市あけぼの1-7- 6
電話番号:04-7143-0138
URL:http://www.dai1-e.kashiwa.ed.jp/

※2014(平成26)年5月時点のインタビュー記事です。

代々受け継がれる規律と学校を見守る地域の温かさ/柏市立柏第一小学校 浮谷 満 校長先生
所在地:千葉県柏市あけぼの1-7-6 
電話番号:04-7143-0138・0139
http://www.dai1-e.kashiwa.ed.jp/