伝統と文化を大切にする情操豊かな子どもになってほしい/今宮幼稚園 園長 岸省子先生


今宮幼稚園
園長 岸 省子先生

伝統と文化を大切にする情操豊かな子どもになってほしい

京都市北区の落ち着いた住宅街のなか、「今宮神社」の鎮守の森に囲まれた「今宮幼稚園」は、京都では珍しい神社保育を掲げた幼稚園。神社保育とはどんなものなのか、園の特徴や周辺の子育て環境について、園長の岸省子先生にお話をお伺いした。

今宮幼稚園の沿革と特徴についてお聞かせ下さい

今宮幼稚園 インタビュー

鎮守の森に囲まれた「今宮神社」の境内に位置する当園は、1930(昭和5)年に創立された、85年の伝統を持つ幼稚園です。敬虔な心と報恩感謝の気持ちを養う神社保育の精神を大切にしながら、健康な心身と、伝統と文化に培われた情操豊かな子どもたちを育てることを目指して参りました。寺社仏閣が多い京都市内では数少ない神社保育の幼稚園のひとつです。

今宮幼稚園 インタビュー

「鎮守の森は保育の庭」ということばのもと、隣接する「今宮公園」も含めて豊かな自然に囲まれている立地を活かし、子どもたちにもさまざまな自然とのふれあってもらうことを心掛けています。周辺は「今宮神社」への参道を中心に静かな住宅街が広がり、園舎の2階からは東山の大文字を望むこともできます。

神社教育とは具体的にどのようなものですか?

今宮幼稚園 インタビュー

私たちは日本の歴史や伝統を大切にし、誇りと思いやりを持って子どもたちに接することで、豊かな人格が育てられると考えています。たとえば、年長さんは毎年5月の今宮祭の時期に「御旅所参拝(おたびしょさんぱい)」を行います。神さまが巡幸の途中で休まれる御旅所に、子どもたちが出向いていって参拝をするのです。「大徳寺」の境内を抜けて、御旅所の神さまの元を訪ねてお参りをし、「御神輿(おみこし)」にふれて、いにしえの文化を体験します。

今宮幼稚園 インタビュー

帰りには「今宮神社」の門前名物「あぶり餅」をいただいけるというご褒美もあるので、みんな楽しみにしていますよ。また、七夕祭りには「今宮神社」の境内にある「織姫神社」にお参りも行います。西陣織なども伝統文化も大切に継承していってほしいと思っています。

体育や音楽専任の講師もいらっしゃるそうですね

今宮幼稚園 インタビュー

自然環境に加えて人的環境もとても大切なものだと考えているので、正課の保育時間に体育、音楽、英語の専任講師に来ていただいています。子どもたちとっても有意義なことですが、先生たちも専門性の高い授業を目の当たりにすることで、スキルアップにつながっています。ちょうど今日は運動会の練習で、年中さんのバルーン練習をしているところです。年長さんは素晴らしい組み体操の演技をみせてくれますよ。

今宮幼稚園 インタビュー

また、保育終了後の課外教室として体操、フットサル、剣道、空手、バレエ、英語、そろばんなどの教室も開催していますので、希望に応じて参加していただけます。

「ハニークラス」について詳しく教えてください

今宮幼稚園 インタビュー

「ハニークラス」では、2歳児を対象にした保育を行っており、満3歳になると幼稚園へ入園することになります。60人の定員ですが、現在はほぼ定員いっぱいの子どもたちが集まっています。保育内容は通常のカリキュラムとほとんど同じですが、2歳3ヵ月になったタイミングで、子どもたちが毎月入室してきますので、4月から入った子どもたちは次第に成長して、運動会や音楽会にも参加できるようになりますよ。

延長保育や休暇中保育の「キッズクラブ」も運営されているそうですね

今宮幼稚園 インタビュー

最近は社会参画したいというお母さんも増えていますので、延長保育「キッズクラブ」も行っています。17時までのお預かりに加えて、最近は18時までの延長保育も行っています。お仕事をされているお母さんにとっては17時までだとお迎えに間に合わないので、18時までの延長保育は喜んでいただいていますね。先生方の負担は増えるのですが、女性の活躍の場を広げるための手助けとなるために頑張りたいと考えています。

また、夏休み、冬休みという長期休暇の際には、2歳から5歳までの子どもを対象にした「夏キッズ」「冬キッズ」を設けています。9時から15時までの保育で、今年の夏もお盆の前後2週間実施しましたが、参加者が80名ほどいましたよ。昨年から冬期も始めており、年末28日までお預かりしました。こちらも運営は大変ですが、ご父兄からは喜んでいただけたので良かったです。幼稚園の制度も時代の流れに合わせた変化が必要なので、これからも地域の皆さんの期待に応えていきたいと思っています。

保護者の方々も子育てに熱心だとお聞きしました

今宮幼稚園 インタビュー

当園では伝統的に「父母の会」の活動も盛んです。園舎には「父母の会部屋」も設けてあるのですが、今日もバザー委員さんたちが集まって、カレーや焼きそばの絵を描いて看板づくりをされていましたね。普段からお母さんたちが集まってお茶を飲まれていることも多いですよ。まるでカフェのようですね(笑)。また、「美化運動、ゴミゼロの日」を定めて幼稚園の周辺と公園、神社とその周辺の清掃活動を行っています。皆さん率先して参加していただきき、ありがたく思っています。

地域との関わりや、連携などはいかかですか?

今宮幼稚園 インタビュー

京都市北区は住環境に恵まれた教育熱心なエリアでもあり、地域横断型の支援システムも充実していると思います。「北区子ども支援センター」には行政からのさまざまな支援情報が集まっています。「NPO法人京都子育てネットワーク」が中心となって地域の保育園、乳児院、子育てグループなどと連携した支援活動を行っていますが、当園も積極的に参加しています。また、中学生の子どもたちが職業体験を行う「生き方探求・チャレンジ体験」では「保育」の仕事を体験するために地元の中学生たちが当園にやってきます。隣接する「京都市立紫野高等学校」とも一緒に活動を行っており、高校の家庭科で「保育」を学ぶ授業の一環として学生が幼稚園にやってきます。そして、幼稚園は運動会を高校のグラウンドを借りて行っています。子どもの年齢の壁を飛び越えて、地域全体で子育てをしていくという風土がある街だと思いますね。

今宮幼稚園 インタビュー

今回、話を聞いた人

今宮幼稚園

園長 岸 省子先生
所在地:京都市北区紫野今宮町95
電話番号:075-491-0551
http://imamiya.kids.coocan.jp/index.html

※この情報は2015(平成27年)9月時点のものです。

伝統と文化を大切にする情操豊かな子どもになってほしい/今宮幼稚園 園長 岸省子先生
所在地:京都府京都市北区紫野今宮町95 
電話番号:075-491-0551
http://imamiya.kids.coocan.jp/

「みて、ふれて、感動体験」を実践/所沢第六文化幼稚園 園長 阿部泰己先生


所沢第六文化幼稚園
園長 阿部泰己先生

「みて、ふれて、感動体験」を実践
ホタル舞う自然観察園で感性を培う

西武鉄道池袋線「小手指」駅の南西、茶畑に囲まれたのどかな環境にある「所沢第六文化幼稚園」。法人付属の自然観察園でホタル観賞会を行うなど、自然の中での実体験を通したユニークな保育で知られ、メディアでもたびたび紹介されている全国的にも評判の私立幼稚園だ。充実した保育環境でのびのびと成長していく子どもたちの様子と小手指エリアの魅力について、園長の阿部先生に語っていただいた。

まずは「所沢第六文化幼稚園」の概要や教育目標について教えてください。

所沢第六文化幼稚園外観

開園は1977(昭和52)年、現在の防音園舎が完成したのは1989(平成元)年です。年長3、年中3、年少3の計9クラスで、年長は約30名、年中は20数名、年少は約20名の園児が通っています。
当園を含めて「所沢文化幼稚園」では、「みて、ふれて、感動体験」が一番大きなテーマです。子どもたちが実際に見て・触れて・感じて、五感を通しての体験をたくさん取り入れていく保育を目指しています。

所沢第六文化幼稚園教室

そのうえで、教育目標としては、「一人ひとりを大切にする保育」「感性を大切にする保育」「基本的な生活習慣を大切にする保育」を掲げています。先生が園児一人ひとりと向かい合い対応することで、豊かに育ってほしい。実際の体験を通して、感性を培ってほしいと願っています。

また、小学校へ上がる前に社会生活の基礎となる生活習慣やルールをしっかり教えて、積み重ねながらそれぞれの個性を引き出していく保育が必要だと考えています。

「所沢文化幼稚園」といえば所沢市内の私立幼稚園の約3割を占める大規模園ですが、その中でも第六文化幼稚園の特色、子どもたちの様子をお聞かせください。

所沢第六文化幼稚園 園庭

学校法人の「所沢文化幼稚園」は、幼稚園6つ、保育園3つ、児童クラブ1つ、自然観察園、本部事務局と、所沢市内に12の施設があります。第六文化幼稚園の特色としては、まずは環境の良さが挙げられます。周りは茶畑に囲まれ、高い建物がないので、窓を開けると風がよく通ります。都心近くでこうした環境はなかなかないのではないでしょうか。

園庭は広い庭と、砂場や遊具で遊べる中庭のふたつあり、使い分けることができます。運動会など行事の間近で広い庭が使用できないときも、中庭で遊べるので、子どもたちが気持ちを発散できて事故が減るという効果もあります。

所沢第六文化幼稚園 陸カメ

それから、門のそばの小屋には、体重が30キロぐらいある陸ガメの“リッキー”がいます。陸ガメがいるのは文化幼稚園の中でも当園だけ。子どもたちは家から野菜を持ってきて食べさせたり、すごく親しんでいます。

自然観察園の利用頻度や活動内容を教えてください。

所沢第六文化幼稚園 滑り台

「みて、ふれて、感動体験」というテーマを最も具現化している施設が、荒幡にある自然観察園です。動物園と植物園と公園が一体化したような施設で、一日思い切り遊ぶことができます。ロバやヤギなどいろいろな動物がいて、禽舎にはクジャクやガチョウもいます。植物の種類も数百種類以上あり、四季を感じられます。本物の石炭を使って走るミニSL、全長71mの日本一長いローラー滑り台まであるんですよ。

所沢第六文化幼稚園 ひよこ

子どもたちは月に2回程度、バスで自然観察園に出かけます。春から夏にかけてウサギやヒヨコを抱っこして触れ合い、夏には金魚が泳ぐ川で金魚をつかまえたり、秋には落ち葉のプールで遊ぶなど、その季節ならではの遊びを楽しみます。

所沢第六文化幼稚園 焼きいも

9月にはお月見でお団子を焼いて食べ、10月には芋ほりで収穫した芋を鉄板で焼いて食べるということもしています。また、第2~第4 土曜日は10時~15時まで「開放日」という形で在園児親子らに園を開放し、一緒に遊んでもらえるようにしています。多い時だと1日1,000人近くが訪れる日もありますよ。

年間行事の中で、特徴的なものがありましたらご紹介をお願いします。

所沢第六文化幼稚園 ホタル鑑賞会

6月には、文化幼稚園で一番大きな行事である「ホタル観賞会」を自然観察園で行っています。10月頃から子どもたちと一緒に園内の川にホタルの幼虫を放流し、5月末に年長組で観賞会をした後、6月にかけて夜間に園を開放し在園児親子らにホタルを観賞していただいています。本物のホタルを見る機会は今滅多にないので、目の前で飛んで光っているホタルを 見ると、すごく感動してもらえます。

ホタルは人の手で触られることにとても弱い生き物なんですが、何十年も観賞会を続けてきて、ホタルを手でつかんでしまうような園児はひとりもいません。それだけ、感性や心が育っているのだなと感じています。

所沢第六文化幼稚園 オオムラサキ放蝶

自然観察園では国蝶のオオムラサキ、国の天然記念物であるミヤコタナゴも特別に飼育しています。ホタルもそうですが、昔の武蔵野の自然と同じ環境に戻そうという目的で、今年度は6月に第六文化幼稚園の子どもたちがオオムラサキを放蝶しました。
そのほか、季節の行事としてぶどう狩りや芋ほり、運動会、こどもフェスティバル、音楽会などがあります。フェスティバルはいわゆる秋の子ども祭りで、餅つきやお店屋さんごっこ、おみこしを担いだりするパレードを楽しみます。

先生方が日常の保育にあたり心がけているのはどんな点でしょうか。

所沢第六文化幼稚園 稲

感性を培ってもらえるように、園庭で子どもたちと一緒に野菜を育てて、収穫して給食の時に食べたりしています。また、小さい虫を見つけて飼いたいと言う子がいたら、餌を調べてあげたりと、子どもたちが自分から興味を持ったことを大切にしながら、先生が言葉がけするようにしています。
感性を培うためには、体験をしながら子どもたちが発した言葉を先生たちも拾って返してあげる、そういう言葉のキャッチボールが大切です。ですから、園児一人ひとりを大切にし、すごく細かいところまで見ています。

明るく元気で楽しい幼稚園ということも、大きなテーマにしています。先生たちが笑顔で子どもに接すれば、子どもたちも笑顔になり、そうすると保護者も笑顔になってくれる。保護者の方が安心して子どもたちを送り出してくれる環境が作れるように心掛けています。そのほか、正門に電子錠を付けて来園者にはこちらがインターホンで確認してから入っていただくようにしたり、バスの送り迎えの際には保護者の方にお子さんのネームカードを首にかけてもらうなど、安全面にも留意しています。

第六文化幼稚園で受けられるクラブスクールについて教えてください。

サッカークラブとバトンクラブ、ECCジュニア教室をそれぞれ週1回、保育後の14時~16時の間に設けています。どれも年中から入ることができます。

年長になると、サッカークラブは、文化幼稚園主催の大会、所沢市内の幼稚園チームによる大会、埼玉県内の幼稚園やサッカークラブの子どもたちが参加するわんぱくサッカー交流大会など、年に3回ぐらい大会へ出場します。
バトンクラブは、秋に所沢航空記念公園の野外ステージ、春に所沢市民文化センターミューズの中ホールでと、年2回発表があります。サッカークラブもバトンクラブも、身体を動かすことの楽しさを知ってもらうことが大きな目的です。そのうえで、サッカーなら、「負けて悔しいけど、次頑張ろう」とか、気持ちの部分でも成長してほしい。バトンも、幼稚園のお遊戯と違って最新の曲を使って早いテンポで体を動かすので、リズム感が養えます。

預かり保育にも力を入れていらっしゃるそうですね。

所沢第六文化幼稚園 うさぎ

これまで最大18時まで預かり保育を行っていたのを、今年度から早朝の預かり保育も始めました。通常8時50分までに登園していただいていますが、預かり保育は7時半から行っています。時間も延長して18時半までとし、トータルで11時間お預かりしています。さらに、ご両親がフルタイムで働いている場合、常時預かりという形で時間内にいつでも預かり保育を使えるサービスも提供しています。保護者の方たちからは、保育園で預けていたのと同じぐらい長い時間、低料金で預けられるので助かりますと、たいへん好評です。子育て支援という部分で幼稚園でも預かり保育を充実させ、お子さんを安心して預けてほしいと思っています。

最後に、小手指エリアの街や子育て環境の魅力について、お聞かせください。

所沢第六文化幼稚園 庭

当園の周辺もそうですが、緑が多くて公園がたくさんあるので、子どもたちが自由に遊んでいますね。公園があると、大きい子と小さい子が混在し、異年齢の関わり合いの中で成長する面があるのかなと思います。

また、小手指は交通の便もよく、西武線が頻繁に運行していて、バス路線も複数あります。大きな道路が走っているので、いろいろな商業施設へも車ですぐに行くことができます。近所のおじいちゃん、おばあちゃんが声を掛けてくれたり、畑で採れた野菜をくれるなど、住んでいる人たちも気さくです。

このあたりは古くからの地主で、3世代で住んでいらっしゃるというご家族が多く、文化幼稚園を卒園したという保護者も結構いらっしゃいますよ。一方、周囲にどんどん戸建てやマンションができているので、新しいコミュニティができてさらに住みやすい街になっているのかなとも感じています。

所沢第六文化幼稚園 園長

今回、話を聞いた人

所沢第六文化幼稚園

園長 阿部泰己先生

所沢第六文化幼稚園
所在地:所沢市北野1-1-22
電話番号:04-2948-1311
URL:http://www.toko-bunka.ed.jp/

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

「みて、ふれて、感動体験」を実践/所沢第六文化幼稚園 園長 阿部泰己先生
所在地:埼玉県所沢市北野1-1-22 
電話番号:04-2948-1311
教育時間:8:30~14:00
休園日:土・日曜日、祝日、夏季・春季・冬季、年末年始
預かり保育:あり(7:30~8:30、14:00~18:30)
http://www.toko-bunka.ed.jp/kindergarten..

なんてんcafe インタビュー

建築事務所が運営する地域とつながる癒しのカフェスペース/建築事務所 鯰組(なまずぐみ)代表 岸本耕さん、なんてんcafe 店長 小西菜月さん


「設計から大工まで」をコンセプトに一貫した家づくりを強みとする建築事務所「鯰組(なまずぐみ)」。建築学科を卒業した後に大工として職人の道を選んだ異色の経歴をもつ代表が、地域との交流の場としてオープンさせた「なんてんcafe」。「要町」駅徒歩1分の古民家を改装した店内は、しっとりと落ち着いた和の風情が漂い、地域のママさんやビジネスマンなど幅広い層のお客さんに親しまれている憩いの空間です。今回は「なんてんcafe」を運営する建築事務所「鯰組(なまずぐみ)」代表の岸本耕さんと、4代目店長として地域とつながる小西菜月さんに、開店に至るまでのエピソードやお店の特色、また地域の魅力についてもお話を伺いました。

「鯰組」の魅力を伝える情報発信拠点としてオープンした「なんてんcafe」

 	しっとりと落ち着いた和の風情が漂う「なんてんcafe」の佇まい

--まず「なんてんcafe」の開店に至るまでの経緯と、運営する「鯰組」についても教えてください

岸本さん:「鯰組」は2009(平成21)年に株式会社吉川の鯰として法人化した建築事務所で、設計から施工まで一貫した家づくりを強みとしています。建築の分野では、設計と施工とが切り離されているのが一般的なのですが、在学中にフランスの建築家ジャン・プルーヴェ氏に魅せられ、企画から設計、施工に至るまで一貫したものづくりに興味を抱くようになりました。

建築家を目指して建築学科に入学したものの、日本にも古民家や社寺建築の研究に携わる大工棟梁の田中文男先生という方がいらっしゃるのを知り、建築設計事務所や大手ゼネコンへの就職ではなく、大工として職人の道を歩むことを決意しました。

「鯰組(なまずぐみ)」代表の岸本耕さん

大工修行を経て2004(平成16)年に個人事業として起業した後は、翌年に有限責任事業組合(LLP)を設立し、専門的な能力をもつ人たちによる共同事業を推し進め、2009(平成21)年に自社工場を構え法人化しました。

要町のこの物件も「鯰組」の事務所兼情報発信を目的としたショールームとして改装したのですが、建築事務所のショールームには目的のある人しか訪れず、より多くの人に訪れていただきたいという思いから2010(平成22)年5月に「なんてんcafe」をオープンする運びとなりました。

地域とのつながりのなかで運営する憩いのカフェスペース

なんてんcafe 店長 小西菜月さん

--どのような客層の方が多いですか? またおすすめのメニューは?

小西さん:「なんてんcafe」にはお子さんを連れたご近所のお母さんやカフェめぐりをする若いカップルの方、ビジネスマンなど幅広い客層の方がいらっしゃいます。私ももともとは客として訪れていたファンのひとりで、アルバイトを経て2015(平成27)年4月に4代目の店長を任されることになりました。

食材は地元の商店街で

提供しているメニューには、地域のもの、手づくりのものを取り入れるように心がけていて、「要町」に古くからある「えびす通り商店街」の青果店や魚屋さん、精肉店など出来る限り近所のお店から仕入れるようにしています。

要町ブレンド

また「要町ブレンド」と名づけた珈琲豆を取り扱う専門店も近所にあり、地域の交流の場として多くのつながりのなかでお店を運営しています。

地域イベントの会場としても利用される地域に根ざしたレンタルスペース

4.5畳ふた間の「レンタルスペース」

--近隣の子育てファミリーを対象にしたイベントも開催しているようですが?

小西さん:「なんてんcafe」では通常のカフェとしてのご利用以外に、店内奥のお座敷のみ「レンタルスペース」として時間貸しを行っています。4.5畳ふた間の空間を利用して、ワークショップやミーティングなどにご利用いただけます。

手づくりあんみつ

また「レンタルギャラリー」として1週間継続してご利用いただくことも可能ですので、利用をご希望の方は直接店舗にお越しいただきお話をお伺いできればと思います。要町では「要町ご近所フェスティバル」という名前で料理教室やクラフト展示など地域イベントの取り組みが盛んで、「なんてんcafe」もその会場として利用いただいています。

「要町ご近所フェスティバル」と検索すると、HPやブログ、facebookでも詳しい情報があるのですが、子育て中のお母さんとそのお子さんを対象に行われる“子ども家庭科教室”は月に2〜3回定期的に行われている人気イベントのひとつです。

癒しのひとときを提供するくつろぎの空間を目指して

お店の外観

--今後の目標や展望についてお聞かせください

岸本さん:「鯰組」としては、「なんてんcafe」の運営を通じて地域とのつながりを持ちながら、“町場の工務店”として自然に受け容れていただいている状態が理想的です。

また設計事務所ではなく企画から設計、施工まで一貫した家づくりができる“建築事務所”としていろいろな仕事に挑戦していくのも今後の目標です。進行形のプロジェクトとして取り組んでいる“池袋モンパルナス”のアトリエ付き住宅の保存・改修工事も、要町に拠点を構えたからこそ実現した仕事のひとつで、新たな芸術観光のスポットとして注目を集めています。

食材の仕入れでお世話になっている「えびす通り商店街」

小西さん:「なんてんcafe」の今後の目標としては、これまでお店が築いて来た地域との関わりを大切にしながら、「4代目の店長として何ができるか?」をちょうど岸本さんやスタッフのみんなと相談しているところで、新たな魅力を提案していければと思っています。

またこのお店がいらっしゃる皆さんにとって、思い思いの時間が過ごせるくつろぎの場として癒しのひとときを提供していけたらと願っています。

なんてんcafe

今回、お話を聞いた人
建築事務所 鯰組(なまずぐみ)代表 岸本耕さん
なんてんcafe 店長 小西菜月さん
所在地 :東京都豊島区要町1-10-7
TEL :03-5986-1087
URL:http://www.nantencafe.com
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

建築事務所が運営する地域とつながる癒しのカフェスペース/建築事務所 鯰組(なまずぐみ)代表 岸本耕さん、なんてんcafe 店長 小西菜月さん
所在地:東京都豊島区要町1-10-7 
電話番号:03-5986-1087
営業時間:11:30~22:00(L.O.21:30)
定休日:不定休
http://nantencafe.com/

エコール・クリオロ 本店インタビュー

フランス人パティシエによる“常に進化しつづけるパティスリー”/エコール・クリオロ 本店 代表 サントス・アントワーヌさん、愛さん


フランス人パティシエのサントス・アントワーヌシェフと奥さまの愛さんの2人3脚で洋菓子の魅力を提案し続けている「エコール・クリオロ」。わずか7名でスタートした店舗も今は製造スタッフ40名を含む総勢80名もの従業員を抱える企業で、“常に進化しつづけるパティスリー”として全国から注目を集めている名店だ。今回は「エコール・クリオロ」代表のサントス・アントワーヌさんと奥さまの愛さんに、日本で開店するに至ったエピソードやお店の特色、また地域の魅力についてもお話をお伺いした。

フランス人パティシエによる“常に進化しつづけるパティスリー”

仲良くインタビューに答えてくださったお二人

――お店の特色やおすすめの商品について教えてください

愛さん:「エコール・クリオロ」は「千川」駅近くに本店を構える洋菓子店です。夫であり代表のサントス・アントワーヌはフランスのプロヴァンス地方の出身で、母国フランスをはじめスイス、イギリスなどヨーロッパ各地で経験を積んだ後、日本に訪れました。

これまでの経歴やコンクールなどの受賞歴についてはHPでも紹介していますが、2009(平成21)年に東京で開催された「世界パティスリー2009」にフランス代表チームとして出場し、アントルメ部門、プチガトー部門で優勝し総合準優勝、また味覚部門では最優秀味覚賞を受賞したことでも知られています。

エコール・クリオロ本店の外観

お店は現在、2003(平成15)年4月にオープンした要町の「本店」と、「中目黒」駅前にある「中目黒店」、エキナカ施設の「エキュート上野店」、関西初出店となる神戸の「クリオロカフェ」の4店舗があり、その他にもバレンタインやクリスマスなどイベントに合わせて百貨店の催事場などにも出店しています。

おすすめの商品は、サントスシェフが得意とするチョコレート菓子のなかでも、バレンタインに合わせて「サロン・デュ・ショコラ」にも出品したチョコレートケーキの「トレゾー」(新店舗オープンから発売予定)、2016(平成28)年度の限定商品となる「エヴォリュション」もぜひ食べていただきたいシェフの自信作です。

“時代に合ったおいしいもので幸せに”をモットーにしたシェフのお菓子づくりは、“常に進化しつづけるパティスリー”であることにも通じています。フランス人ならではの独特のセンスに、日本が大好きなシェフならではの繊細な感覚を融合させたオリジナルスイーツをぜひお楽しみください。

2016年限定商品の「エボリューション」

民家の一室ではじめたエコール(学校)で再出発

閑静な住宅街に或る「エコール・クリオロ

――そもそも日本でお店を開いた理由とは?

サントスさん:もともとは日本ではなくオーストラリアでお店を開く予定だったのですが、日本に滞在しているときに交通事故に遭ってしまい、同僚や仲間のすすめもあり、ひとまず日本に残ることにしました。

愛さん:「エコール・クリオロ」の「エコール」とはフランス語で「学校」という意味なのですが、身体に負担がかからないようにと2000(平成12)年4月に隣駅の「小竹向原」駅で菓子学校としてスタートしたのがはじまりで、洋菓子店としてお店を開いたのは2003(平成15)年になってからのことです。「小竹向原」駅を選んだのは、当時住んでいたアパートから近かったためで、神戸出身の私にとってまったく土地勘の無い場所でした。

サントスさん:普通の民家のような場所を借りてはじめたのですが、その後、要町の本店の2階へと場所を移しもっとも多いときで300名近い生徒数にまで増えました。その後店舗数が増え、店頭販売商品の需要が大きくなってきたため、2013(平成25)年5月に教室を閉校することにしました。

リニューアルオープンする新生「クリオロ」

新しい店舗の完成イメージ

――今年の5月にリニューアルオープンされるそうですね

サントスさん:菓子学校を閉校してしばらくしてから、要町にある工房も手狭になりチョコレート部門をもっと大きくしたいという思いから物件探しをしていました。

しかし本店のある要町や千川のあたりは住宅地で、40人近い製造スタッフが仕事に専念できる物件は無く諦めかけていたところに、「小竹向原」駅から徒歩3分ほどの場所に180坪もあるひろびろとした土地を見つけました。

それまではテナントとして場所を借りることだけしか頭に無かったのですが、「自分で好きなようにイチからお店を作ってみたい!」という思いに突き動かされ工房と店舗とが一体になった新店を建てることになりました。

工房併設の新店で味わえる「クリオロ」の作り立てスイーツ

現在は新店舗の内装を検討中

――新店のオープンにより具体的にはどんな部分が変わりますか?

サントスさん:店舗のイメージはオレンジを基調としたこれまでのポップな雰囲気とは異なり、ナチュラルで高級感のある空間を目指しています。テラス席もあるカフェスペースにはアンティークや歴史を感じさせるような落ち着いた家具やインテリアを揃えて入りやすく居心地の良い空間にしようと思います。また、工房が併設することで、これまで提供できなかった焼き立てのパンや作り立てのスイーツも提供できるようになります。

それと製造に携わるスタッフにとっても、お客さまの顔や反応を間近に見られるようになることで仕事に対する張り合いにつながるのではないかと期待しています。

商品は「クリオロ」のアイデンティティーとも言うべきチョコレートを使った看板商品はそのままに、ミルフィーユやロールケーキ、タルトなど生地ものにも挑戦していきたいと考えています。

プチガトーも充実している

「帰って来たなぁ」とほっとできる都心にも近い生活環境

周辺は緑豊かで静かな街並み

――最後にお店のあるこの地域の魅力についてお聞かせください。

愛さん:小竹向原で菓子学校をはじめてから16年になりますが、「池袋」からわずか数駅離れるだけで、「帰って来たなぁ」とほっとできる雰囲気がこの地域の魅力だと思います。

取材やお客さまも「なんでこの場所で?」とよく聞かれますが、私もプロヴァンス出身の夫も田舎の生まれで落ち着いて生活ができるちょうど良い環境でした。

銀座や青山といった場所と比べると、ご近所の方々に支えてもらって今があることも感じますし、小竹向原に移転した後も地域に根ざしたお店として運営していくつもりです。

地域のおすすめのスポットとしては、「小竹向原」駅の地上出口すぐにある遊歩道や新店へと向かう途中にも遊歩道が整備されていて、散歩しやすい環境だと思います。少し足を伸ばせば「城北中央公園」もあり、ひろびろとしていて散策にもおすすめです。

千早公園など公園も多い

エコール・クリオロ

エコール・クリオロ株式会社

代表 サントス・アントワーヌさん、愛さん
所在地:東京都豊島区要町3-9-7
電話:03-3958-7058
URL:http://www.ecolecriollo.com
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

フランス人パティシエによる“常に進化しつづけるパティスリー”/エコール・クリオロ 本店 代表 サントス・アントワーヌさん、愛さん
所在地:東京都豊島区要町3-9-7 
電話番号:03-3958-7058
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜
http://www.ecolecriollo.com/

「ノア・テニスアカデミー北千里」インタビュー

ジュニアプレーヤーを対象にスポーツマンシップの精神を学び、強くたくましく育てる/ノア・テニスアカデミー 藤本 幸久さん


広大な敷地を誇り、四季折々の自然を満喫することができる「万博記念公園」の東側に広がる、閑静な住宅街の中に、「ノア・テニスアカデミー北千里」がある。アウトドアの国際基準ハードコートと砂入り人工芝コートを完備し、テニスの上達を目指すレディスプレーヤー、ジュニアプレーヤーを対象にしたテニスアカデミーだ。ジュニアプレーヤーを競技者として成長を促す一方で、大切にしているのが子どもたちの「自立」。「スポーツマンシップの精神を学び、強くたくましく育てる」をコンセプトとしている。テニスを楽しみ、そして、競い合う。同アカデミーの考え方や、古江台エリアの魅力について藤本幸久さんにお話を伺った。

ノア・テニスアカデミー北千里の概要を教えてください。

ハードコート

コートは、アウトドア3面で、砂入り人工芝コート2面と国際基準のハードコートが1面あります。クラブハウスには、ロッカー、シャワーを完備しております。

クラスは、ジュニア対象のクラスが中心ですが、大人対象のクラスもあります。女性中心の平日クラス、土日の男女混合のクラスがあります。レベル的には、一般のテニススクールでは中級になりますね。ジュニアは、プレパトリー(小学校低学年)、デベロップメント(小学校高学年~中学)、エリート(中学~高校)の3クラスがあります。

ジュニアの場合、どのようなコンセプトで練習されているのでしょうか?

真剣にレッスンを受けるスクール生

日本テニス協会推奨のITF(国際テニス連盟)PLAY&STAYプログラムにより対象者のテニスの実力に応じ、使用ボールとコートを変えて、ゲームベースのレッスンを行っています。このプログラムでは、指導対象者のレベルに応じてレッドボール(通常のボールに比べて25%の空気圧)、オレンジボール(通常のボールに比べて50%の空気圧)、グリーンボール(通常のボールに比べて75%の空気圧)、通常のイエローボールを使うんですが、ここではグリーンボールとイエローボールを使っています。これらのボールを使う理由は、ボールの飛びの緩やかなボールを使用することでラリーが続きやすくするためです。ラリーを中心とした練習で、ゲームに勝つための戦術指導を行います。まず2人で協力的にラリーを続け、そして競いながらポイントを取りあう。それはゲームの中での戦術を実現するため なんですが、戦術には5つあり、相手コートに返すこと、相手を走らせること、走らされたら素早く自分のポジションに戻ること、得意のショットを使う、最後は相手の弱点に打つことです。戦術を実現するための練習をすることで自然にスキルアップし、その結果が勝つことにつながっていきます。

南千里にもスクールがあるようですね。

壁打ち用コート

「ノア・インドアステージ南千里」はファミリーで楽しんでいただくことを目指しています。テニス経験の浅い方やテニスを楽しみたい方には南千里のスクールをおすすめしています。ノアインドアステージ南千里校は、室内で、コートはカーペットを使用し、冷暖房完備の年中通して快適に楽しめます。南千里で実力をつけていただき本格的にテニスに打ち込んで頂く際は北千里のアカデミーをおすすめしています。

使用しているテニスボール

本格的に打ち込んでいく中で学ぶことも多そうですね。

勝つことを目的として頑張るのですが、当然ながら上手くいかないこともあります。その時に、自分がどうして負けたのか、どうすれば勝てるのかを自分で考えていく事で学びを得ることができます。それが「自立」ということにつながりますし、スポーツそのものがルールに則って行われていますので、低年齢でもスポーツマンシップ、正々堂々と戦うことを覚えて欲しい。ここでそれを実行することで、問題解決能力を身につけて、大好きなテニスというスポーツで日々成長して欲しいと思っています。

その他に独自の取り組みはありますか?

ジュニア指導風景

アカデミーでは、毎回、ジュニアたちには日誌を書いてもらうんですが、練習のやりっ放しは良くないです。振り返りができるものをこちらでちゃんと用意しておかないと、自己の成長を感じることができません。自己成長を感じればモチベーションは次第に上がります。チャレンジする相手が強いほどに毎回 敗北を味わうこともありますが、自分がどういうゲームをしたいのか、今のゲームはどうだったのか、勝っても納得いかず、負けても納得いくことを感じられるような指導を私たちはさせていただいています。あくまで我々指導者はサポーターで、主役は子どもですからね。また、ここのアカデミーで振り返りと改善の習慣を身に付けて、将来社会でも活かしてほしいと思っています。

テニススクールに通う人は増えていますか。

サーブ指導

当社全体では昨年対比で12~3%アップしています。特にジュニアですね。昔は保護者の方がテニスをされていて、子どもにもというパターンだったので、ご両親にテニスの知識があるケースがほとんどでした。ただ、今はテニスを知らない保護者の方も多かったり、子どもが始めたから自分も、というパターンもあり、昔とは状況が変わってきました。今は錦織選手活躍の影響が大きいですが、人気漫画やドラマの影響もありますね。以前には『テニスの王子様』、上戸彩さんが主役を務めた『エースをねらえ!』の実写化の際にもブームがありました。いまの錦織選手ブームは、去年のUSオープンの前あたりからで、現在は極端に低年齢の子どもが増えています。低年齢の子どもたちにテニスの楽しさを伝えることができているのは、これは先ほどお話したPLAY&STAYというプログラムボールのお蔭です。「ノア・インドアステージ南千里」では、5歳から入会を受け付けています。

最後に、古江台エリアの魅力を教えてください。

山田の駅前は拓けていますし、近くにお客さんから好評のパン屋さんなどもありますし、「万博公園」はすぐ近くです。千里中央から彩都までモノレールが走っていますし、阪急千里線「山田」駅からは梅田にも出ることができます。空港にも新幹線にも近いですし、交通の利便性は非常に高いと思いますね。ここに通う生徒は、この辺だけとは限りません。箕面、宝塚、川西、西宮などから車で移動される方もおられます。古江台という街に限れば、高級住宅街ですので静かなところという印象です。千里ニュータウンの中の道はすごく整えられていますので、ゆったりとしています。万博のところに「ららぽーと」ができるともっと変わると思いますね。

古江台街並み

ノア・テニスアカデミー北千里

藤本 幸久さん(写真の女性はスタッフの押井 裕子さん)
大阪府吹田市古江台5-1-28
TEL : 06-6155-2637
https://www.noahis.com/kita-senri/
※この情報は2015(平成27)年10月時点のものです。

【タイトル】 所在地:大阪府吹田市古江台5-1-28 電話番号:06-6155-2637 https://www.noahis.com/kita-senri/

すくすく育ってみんなハッピーに。子育て支援を牽引する/すくっぴーひろば 所長 平山 けい子さん


すくっぴーひろば
所長 平山 けい子さん

すくすく育ってみんなハッピーに。子育て支援を牽引する

乳幼児とその保護者なら誰でも自由に利用できる、市が設置した子育て支援施設「すくっぴーひろば」。2016(平成28)年4月1日に開発の進むJR仙石線「多賀城」駅前へ移転してリニューアルオープンした。同施設は旧施設の約2.5倍の広さとなり、授乳室や相談室、クッキングスタジオなども新設。一時預かり事業なども新たにスタートした。充実の新施設と画期的なプログラムで市民の子育て支援を牽引し注目される同施設を訪れ、平山けい子所長にお話しを伺った。

新しい施設になって利用者の反応はいかがですか?

多賀城市子育てサポートセンター

初めて来た子どもたちは「わぁー!」と声を上げ、目を輝かせてくれます。「すくっぴーひろば」は、明るくて、とても広く、おもちゃもたくさんあるので、子どもたちは楽しく遊んでくれます。
そんな子どもたちを見つめるお母さんの笑顔がとてもうれしいですね。
旧施設では、赤ちゃんも、走り回る子どもも、一緒のエリアで遊んでいたのですが、「すくっぴーひろば」では、「赤ちゃんひろば」「こどもひろば」「ふれあいひろば」と、成長過程によってエリアを分けているので、安心・安全に利用していただくことができます。
子どもたちとお父さん・お母さんの楽しそうな姿を見て、私たちスタッフもさらに元気をもらっています。

「すくっぴーひろば」の概要・役割をおしえてください。

多賀城市子育てサポートセンター

「子育ての不安を解消する手掛かりを伝える最初の入り口」として、子育てをする方に寄り添い社会全体で子どもと子育てを支援するまちづくりを進める為の活動をしています。地域子育て支援拠点として親子同士の交流を活発にして、行政などの関係機関や地域企業などと協力し、総合的かつ効果的に子育てを支援していくところです。事業概要は大きく分けて「地域子育て支援事業」「利用者支援事業」「一時預かり事業」「ファミリー・サポート・センター事業」の4つになります。

利用対象者や、利用方法についてお聞かせください。

多賀城市子育てサポートセンター

主に乳幼児と養育者が対象になります。利用は登録制で登録者は自由に来館できます。登録料は多賀城市民は無料、市外の方は初回のみお子さん1人につき500円かかります。開館時間は、午前9時から午後4時30分までで、土曜日、日曜・祝日も開館しています。毎週水曜日と祝日の翌日、年末年始はお休みになります。事前登録、面談、予約が必要になりますが、一時預かりもしています。一時預かりの利用料は市民の方は1時間700円で以降30分ごとに350円、市外の方は1時間800円で以降30分ごとに400円になります。生後6ヵ月以上未就学児までのお子さんが対象になります。隣接する市立図書館でゆっくり本を読みたいと利用されるお母さんもいて、大変好評ですよ。

イべントや企画も多いそうですが、どのようなイベントがあるのでしょうか。例を教えてください。

多賀城市子育てサポートセンター

妊娠中から参加できて助産師から出産育児の話が聞け、妊婦同士の交流を通じて友人の輪がつくることができる「プレママ・プレパパ集まれ」や、6ヵ月児までと、7ヵ月から12ヵ月児の親子が集まりフリートークをして情報交換ができる「おしゃべり広場」、お子さんの月齢に合わせた遊び等を行って仲間づくりのきっかけをつくる「すくすくハッピー1.2」、身体を使った遊びを行う「すくすくハッピー3」「キッズデー」、地域の企業や図書館などとのコラボレーションで食育をふまえた教育を行う「すくっぴー親子DEクッキング」、地域の少年少女合唱団によるミニコンサート開催など年間150を超えるイベント・事業を企画しています。どのイベント・企画もおかげさまでいつも満員です。

移設されてから、新しく始める取り組みや企画などはありますか?

多賀城市子育てサポートセンター

先ほどお話しさせていただいた中では、「一時預かり事業」と「親子クッキング」になります。「一時預かり事業」は乳幼児を一時的に預かることで、養育者の負担を軽減させることができます。「すくっぴー親子DEクッキング」は施設内にクッキングスタジオがありましてそこで行います。地元企業や市民の方に講師になっていただき簡単なお菓子づくりや四季折々の行事食づくりなどを親子で楽しみます。そのほかは、1歳児対象の育児体験事業を市役所の健康課と共催で行う「1歳児come☆かむ広場」や子育てコンシェルジュが中心になって相談を受け付け、子育ての情報提供を行うサービスも新たにはじめます。

地域の中でどのような存在でありたい、とお考えですか。

多賀城市子育てサポートセンター

「つなぐ・つながる支援」を目指し、「孤育て」による孤立化をなくし、地域と、親子同士、親と親、子と子の交流をし、人とつながることで安心・心地よさを感じられるところでありたいと思います。

開発が進んでいる多賀城エリアですが、子育て環境の魅力を教えてください。

多賀城市子育てサポートセンター

「多賀城」駅に隣接してすくぴーひろば、市立図書館、市役所、母子健康センター、文化センター等があります。多賀城市西部には西部児童センター、東部には鶴ヶ谷児童館があります。電車、バス、タクシーなどの交通機関が充実していて仙台市をはじめ他市町村へのアクセスも良いので子育てには最高の環境ではないでしょうか。

最後に一言お願いします。

多賀城市子育てサポートセンター

「すくっぴーひろば」の“すくっぴー”とは、多賀城市の子育て応援キャラクターで、すくすく育ってみんなハッピーになりますようにという私たちの願いが込められています。「すくっぴーひろば」では各専門分野のスタッフが皆さんの子育てを支援していきます。気軽に子育てについて相談できる地域の拠点として利用していただいてみんなで成長していければ幸いです。ここ多賀城は歴史も深く大変美しい街ですし、新しくなった「多賀城」駅前も大変魅力的で活気があります。多賀城市へぜひお越しください。お待ちしています。

多賀城市子育てサポートセンター

今回、話を聞いた人

すくっぴーひろば(子育てサポートセンター)

所長 平山 けい子さん

【後記】子どもたちと親御さんの為に、子育てについてのご自身と街の想いを丁寧にお話ししてくださった、やさしい笑顔がとても印象的な方でした。

所在地:宮城県多賀城市中央2-8-1 多賀城駅北ビルB棟2F
電話番号:022-355-7085
URL:http://sukupy.jp/
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

すくすく育ってみんなハッピーに。子育て支援を牽引する/すくっぴーひろば 所長 平山 けい子さん
所在地:宮城県多賀城市中央2-8-1 多賀城駅前北ビルB棟2F
電話番号:022-355-7085
利用時間:9:00~16:30
休館日:水曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日~1月4日)
http://sukupy.jp/

多賀城を盛り上げる市民の家/多賀城市立図書館 司書 橋口聡子さん


CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)
司書 橋口聡子さん

多賀城を盛り上げる、市民の“家”

2016(平成28)年3月21日、東日本大震災の復興のシンボルとして位置づけて開発が進むJR仙石線「多賀城」駅前の再開発ビルに、「多賀城市立図書館」の本館がリニューアルオープンした。佐賀県武雄市、神奈川県海老名市に続いて全国で3館目となるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社。以下CCCと省略)が管理する同図書館。「家」をコンセプトにしたモダンなつくりの図書館となっており、自動貸出機、Wi-Fi、読書通帳機などを備え、従来の図書館利用カードだけでなく、Tカードでも貸し出しができる。また、同じ施設内には、書店、レンタル、カフェ、レストラン、コンビニなども併設している。駅前開発とともに、今注目の「多賀城市立図書館」を訪れCCCの橋口聡子さんにお話しを伺った。

新しい「多賀城市立図書館」のコンセプトを教えてください。

多賀城市立図書館

ひと言で表現すると「家」です。ここ多賀城市は2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災で家を無くしたり家族がバラバラになってしまった人がたくさんいらっしゃいます。この大きな新しい家である図書館をきっかけに市民の皆さんに来ていただいて、ここから何かを始めて欲しいとの想いで企画しました。実際、大勢の市民のみなさんがオープンを楽しみにしてくださり、オープン初日の貸し出し冊数が7,000冊を超えて大盛況でした。

地域・市民との関わり方について、「多賀城市立図書館」の考え方をお聞かせください。

多賀城市立図書館

地方の場合、子どもはもちろん大人も自己成長できる場所が少なくなる傾向があると思います。人々が集まる駅前に図書館ができたので本の充実はもちろんですが、例えば語学イベントなどさまざまなイベントを企画して市民のみなさんが成長できる場・情報発信の拠点として図書館を活用して欲しいと考えています。また多賀城市は大変歴史の深い街でもありますので、もっと街の魅力をアピールする為に本だけでなく市内、県内のパンフレットを一緒に設置するなど、積極的に文化歴史の発信の拠点としての活動にも力を入れていきたいです。

全国で3館目となる「CCC運営の図書館」ですが、これまでの市立図書館と異なる点を教えていただけますか?

多賀城市立図書館

各フロアごとにテーマを設けているのが特徴ですね。図書館は3階建てで、1階のテーマは「リビング」です。全体的に明るい雰囲気でソファもありコーヒーを飲みながら本を読んだり、ゆったりと寛ぐことができます。

多賀城市立図書館

2階のテーマは「書斎」。アートや人文に関する資料があり、本を楽しみながら、自己成長できるフロアになっています。3階は「学習」です。このフロアでは学習室を設け、静かに集中して学習や調査・研究ができる場を提供しています。「リビング」「書斎」「学習室」と建物全体がまさに「家」そのもののつくりになっています。

多賀城市立図書館

実際のところ一般的な図書館と違って利用者の滞在時間が長いのも、「家」のような感覚でみなさんがくつろぎの時間を楽しんでいる表れではないかと思います。

武雄市と海老名市にある2館との違いや、多賀城の本館独自の取り組みはありますか?

多賀城市立図書館

武雄市や海老名市では、既存の建物を改修してリニューアルオープンさせていましたが、当館では、東日本大震災の復興のシンボルとして位置づける「多賀城」駅前の再開発事業として一から新設・設計されたのが違いです。この図書館を含めて駅前が一気に明るい雰囲気になって、市民のみなさんと街全体を盛り上げたいと考えています。今後は、スタッフやボランティアによる読み聞かせはもちろんですが、ヨガ教室や夏休みイベントを開催したりと、本を借りる返すだけの場所ではなく、図書館側から地域のみなさんに積極的に情報発信していく活動をしていきたいです。

オープン以来、盛況と伺っております。利用者の反響はいかがですか。また、今後の利用客数の見込み等も教えてください。

多賀城市立図書館

ありがとうございます。オープン以来約14万5,000人の方に来館いただいております(2016年4月14日現在)。年間120万人の来館者数を目指しています。利用者の反応も上々で、毎日来ていただく方も多くいらっしゃいます。子育て中のお母さんからも、子どもと安心して入れて楽しめる場所ができたと喜んでくださる方が多いですね。

「多賀城市立図書館」として目指す姿や、今後の展望を教えてください。

多賀城市立図書館

やはり市民のみなさんのための図書館ですので、まずは図書館に来てみたい、イベントに参加してみたいと思う方々をどんどん増やしていきたいです。そして図書館を活用して学び、楽しんでいるみなさんを見て新たに来館された方が図書館を利用するようになり、さらに来ていただく人が増えていく、そういう流れができればとても嬉しいですね。本の貸し借りだけの場所ではなく、市民のみなさんと成長していくのも図書館の役割ではないかと思います。スタッフ一丸となってここ多賀城を盛り上げていきます。今後の新しい企画・イベントもぜひご期待ください。

多賀城エリアの魅力や、期待感を教えてください。またこれから多賀城市に住む方へ一言お願いします。

多賀城市立図書館

ここ多賀城市は深い歴史があり、「多賀城」駅前の開発・整備も進み、より良く住みやすい魅力的な街になっていくと思います。新しい街をみんなでつくっていこうという活気に溢れています。地元愛のある方が多く優しい人たちが多いので、どんな人でも住みやすいと思います。子育て中のご家族にもおすすめです。子育て環境・学校の整備も充実していますので安心ですよ。そして「多賀城市立図書館」に来ていただければ多賀城市の魅力を本やイベントを通じてもっとお伝えできると思いますのでぜひお越しください。お待ちしております。

多賀城市立図書館

今回、話を聞いた人

CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)

司書 橋口聡子さん

【後記】より良い図書館を作る為に日々奮闘する、みんなが元気になるような明るい性格と笑顔が素敵なスタッフさんでした。

所在地:宮城県多賀城市中央2-4-3
電話番号:022-368-6226
URL:https://tagajo.city-library.jp/library/
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

多賀城を盛り上げる市民の家/多賀城市立図書館 司書 橋口聡子さん
所在地:宮城県多賀城市中央2-4-3 
電話番号:022-386-6226
開館時間:9:00~21:30
休館日:年中無休
https://tagajo.city-library.jp/library/

”共通言語”で広がる可能性 笑顔にあふれる楽しい学び場

”共通言語”で広がる可能性 笑顔にあふれる楽しい学び場/ペッピーキッズクラブ 伊勢原教室 小山内 千恵子さん・畠中 裕子さん


“日本一愛される英語教室”をテーマに、子どもたちに英語の面白さを伝えている「ペッピーキッズクラブ」。小田急線「伊勢原」駅から徒歩5分の距離にある伊勢原教室を訪ね、普段のレッスン風景を取材してきた。

“日本一愛される英語教室”を目指して

教室の様子

――「ペッピーキッズクラブ」の概要からお聞かせください。

小山内:「ペッピーキッズクラブ」は、“日本一愛される英語教室”を掲げて1993(平成5)年に開校しました。当教室を含め、たくさんの“PEPPY KIDS(元気な子どもたち)”が通っています。お客様に満足してもらえる教室でありつづけられるように、講師陣も日々レベルアップを図りながら、楽しい授業の実践に努めています。

レッスン風景

――“楽しい授業”ということにいて詳しく伺えますか?

畠中:英語に限ったことではありませんが、物事の上達に“楽しい”という気持ちは欠かせません。たとえば日本人にとって、区別が難しいとされる“L”と“R”の発音。しかし難しいからといって、延々と発音を繰返したり聞いたりするだけでは子どもたちも面白くありません。歌詞が英語の歌やリズム遊び、ゲーム、ジェスチャーなどを通して、楽しみながら自然と英語が身につくレッスンをしています。

イベントを通して自ら英語を学ぶ楽しさを知る

――季節ごとのイベントなどあれば教えてください。

小山内:夏は、特別教材を使った5日間連続のサマースクールがあります。年齢ごとのコースが用意され、いつものクラスとは異なるので新鮮な気持ちで英語と向き合えます。また、ハロウィンの衣装をまとったハロウィンレッスンや、クリスマスの雰囲気に浸れるクリスマスレッスンなどもあります。

――イベントがあれば子どもたちの意欲も高まりそうですね。

小山内:そうですね。以前、海外イベントでグアムに行った子どもがいました。英語以外のことに関心が強く、なかなか英語に集中できない子どもだったのですが、帰国してからはレッスン態度が一変(笑)。なぜ英語を学んでいるのかが分かったと言ってくれました。知っている単語を組み合わせ、考えていることを相手に伝えられたときの喜びは、英語学習における原体験のひとつと言えるでしょう。そうした場面は、私たち講師にとって大きな喜びでもあります。

子どもたちの大きな可能性を信じて

レッスンの様子

――英語を学ぶということに関して、理解しておくべきことはありますか?

畠中:継続が何よりも大切ということですね。その過程は、実力がついているのかどうか感じづらいのですが、実際は着実に上達しているのです。このまま続けても良いのだろうかと立ち止まってしまったら、これまでの時間は無駄になってしまいます。英語というのは、突然開花するものということを、ぜひ知ってもられたら嬉しいですね。子どもたちには大きな可能性がある――これは、たくさんの子どもたちを見てきた私たちの確信でもあります。

小山内:学習塾に通うようになったり、また部活動が忙しくなったり――。子どもの成長とともに、何を選ぶかが難しくなってきます。グロバール化が進んでいる社会において、英語を話せるということはビジネスシーンでも有用です。楽しく学び、自然と身についた英語を活かして、子どもたちには世界で活躍してもらえたらと思っています。

――伊勢原エリアにある教室ですが、この街の魅力を聞かせてください。

畠中:自然が身近ということですね。紅葉シーズンには、大きなリュックサックを背負ったハイカーの姿をたくさん見かけます。また大山だけでなく、美しい稜線に囲まれているのが伊勢原です。そうした環境で幼少期を迎えることは、心の成長にとっても良いのではないかと思いますよ。

ペッピーキッズクラブ

小山内 千恵子さん(写真上)
畠中 裕子さん(写真下)
所在地 :神奈川県伊勢原市伊勢原2丁目5-39 UNOイダBUIL 2F
TEL :0120-95-2542
URL:http://www.peppy-kids.com/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

”共通言語”で広がる可能性 笑顔にあふれる楽しい学び場/ペッピーキッズクラブ 伊勢原教室 小山内 千恵子さん・畠中 裕子さん
所在地:神奈川県伊勢原市伊勢原2丁目5-39 UNOイダビル 2F
電話番号:0120-95-2542

活気ある街づくりに一役担う取り組みとは/春日井市商店街連合会 会長 加藤敬さん


春日井市商店街連合会
会長 加藤敬さん

JR中央線開通により発展してきた数々の商店街
活気ある街づくりに一役担う取り組みとは

春日井市には現在14の商店街・商店会がある。その多くが、1900(明治33)年に開通した国有鉄道中央本線(現在のJR中央線)の沿線に誕生した街と共にできたものだ。一から商店街を作り上げ、現在も活気ある商店街であり続けるために、先進的な取り組みを次々と手掛ける「春日井市商店街連合会」の方々にお話を伺った。

まず最初に、「春日井市連合商店街」の歴史について教えてください。

三人集合写真

2015(平成27)年6月現在で「春日井市連合商店街」には、14の商店街・商店会、約500店舗が加盟しています。1900(明治33)年に国有鉄道中央本線(現在のJR中央線)の名古屋から「多治見」駅間が開通したのと同時にまずは「勝川」駅が誕生しました。そういった経緯もあり、「勝川」駅前にある「勝川駅前商店街」「勝川駅東商店街」が春日井市ではいちばん古い商店街になります。

上から見た商店街

その後、1927年(昭和2)に「春日井」駅ができ、「鳥居松本通り商店街」や「春日井駅前商店街」はその辺りからますます大きくなりました。高蔵寺ニュータウンなどの開発も行われて人口が増えると共に、市内各地に商店街がたくさんできました。春日井市の商店街発展の原点は、JR中央線の開通と駅の開設といっても過言ではないかもしれません。

「春日井市商店街」や、春日井市エリアの魅力について教えてください。

御三方

春日井市は比較的新しく発展を遂げてきた街で、元々、核となるような地場産業がなかったということも影響しているのか、新しく商売を始めるにあたり、移って来られるが多い地域でもあります。商店街店主でも、昔からずっとこの街に住んでいたという人は2割くらいに留まっています。そういった土地柄なので、外から来る方に寛容で、その方たちと一緒になって「新しいものを生み出して行こう」という気質があるのがこの街の最大の魅力ですね。

春日井商店街連合会

また、「安心・安全」に力を入れて街を維持しようとしているのも特徴です。「勝川」駅、「勝川」駅東、いちょう並木、鳥居松、篠木の5つの商店街 では、コストを負担して道に街路灯を設置しています。「勝川」駅から「春日井商店街」も含めた篠木商店街までの4kmに渡っては、灯がついているので、安心できるインフラのひとつです。街路灯には放送用のスピーカーや防犯カメラも付けられていて、道行く人を見守っています。

春日井の商店街周辺には、小中高と学校も点在していますが、子どもたちとの交流はあるのでしょうか。

子供

例えば、「鳥居松広小路商店街」には、「愛知県立春日井商業高等学校」の生徒さんが運営する「HAL-SHOP」というお店があります。春日井商工会議所と地元商店街で組織する「鳥居松まちづくり連絡協議会」が空き店舗を利用して作ったふれあいサロン「パレット」の中にできたお店で、高校生たちが作ったものなどを売って、不振の商店街を活性化させようと知恵を絞ってくれています。その他、小学校の生徒から絵画作品を集め、それを商店街の暖簾として飾ったり、子どもたちから集めた標語を商店街マップに載せたりもしています。

「春日井まちゼミ」では、色々なテーマで講座や、ワークショップを開催していますが、ゼミを始めるきっかけは何だったのでしょうか。

まちゼミ

「春日井まちゼミ」というのは、お店の方が講師となって、専門店ならではの専門知識や情報を無料で教えるゼミナールです。年に2回ほど開催しているのですが、フォトスタジオの写真講座や金物屋の包丁研ぎ講座、ギフトショップのラッピング講座など、他では体験できないようなセミナーが盛りだくさんです。

まちゼミ看板

大型店と違い、商店街のような個店は入りにくいイメージがあるかもしれません。それを払拭し、商店街に足を運んでもらうきっかけ作りをしようという思いから立ち上がったのが「春日井まちゼミ」です。

「春日井まちゼミ」を開催して、商店街や街の変化にどのような効果が見られましたか。

一人

最初は、お客様を呼び込みにつなげるために始めた企画だったのですが、実際に開催してみると、主催者の店側にも大きなメリットがあることに気付きました。講座を開催すると、お客様と密な会話をすることができます。そこで、普段店頭でモノを売っているだけでは気づかなかったようなお客様の要望に気付くことができ、「それに応えるために、店作りを頑張ろう!」というモチベーションに繋がったと多くの店主が言っています。

キャラクターと女性

改めて、商店街の良さは、お客様との密接なつながりを大事にし、細かな要望に応えられるところにあるということに気付かされることができ、主催者側も進むべき道筋が見えてきた気がしました。今後も精力的に開催していきたいと考えています。

「はっぴーサボテン商品券・建設券」はどういったものでしょうか。

はっぴーサボテン商品券

「はっぴーサボテン商品券・建設券」は、地域通貨です。市内の店舗や大型店、工務店で利用できる商品券で、1冊(10,000円)購入すると、11,000円分の券が付いてきます。建設券の場合は、1セット50,000円で55,000円分。両方とも10%のプレミアムになります。「はっぴーサボテン商品券」は500円単位綴りで発行しています。食料品や、喫茶店など、日常的な場面でも使いやすいと特に主婦の方を中心に人気です。この通貨発行に取り組んで3年目になりますが、スタート以降、商店街の個店へ足を運んでいただけるケースが増えたので、効果もあったのではないかと感じています。

※「はっぴーサボテン商品券・建設券」は現在発行していません。今後の予定も未定です。

東海地方で初めて「アトム通貨」というものも導入されていますが、この通貨を導入されたきっかけは何でしょうか。

アトム通貨

「アトム通貨」は早稲田・高田馬場で誕生した地域通貨で、「環境」「地域」「国際」「教育」といったキーワードに関連する社会貢献活動に参加する人たちに配布される通貨です。例えば、地域の清掃活動等に参加すると100馬力=100円の通貨がもらえる、といったように使います。約4年前、春日井市を始め、多くの自治体の街づくりに取り組んでいらっしゃる、元名古屋造形大学・学長の高北幸矢さんから「アトム通貨という取り組みがあるんだよ」と教えてもらったことをきっかけに、早稲田・高田馬場まで視察に行ってみました。「アトム通貨」をツールに地域コミュニティの再構築、商店街の活性化、ボランティアの推進に繋げている様子を見て、「これを春日井に取り入れたら面白そうだ」と思い、取り入れることを決めました。

お二方

今では、PTAを中心に行う廃品回収で参加してくれた子どもたちに100馬力を贈るなどして、活用しています。以前はペットボトルなどを配っていたのですが、「アトム通貨」にすると、受け取った子どもたちも、社会貢献に参加したという希少価値と、アトムが描かれたかわいいデザインの通貨を手にした喜びで、好きな買い物をしに行くことができるので、地域活性化により繋がっているのではないかと考えています。

これから春日井へ引越しを検討されている方に向けて、メッセージをお願いします。

商店会上からの図

現在でも、春日井にはマンション建設が進み、新しく引っ越していらっしゃる方が多くいらっしゃいます。そういった方たちに、「春日井の商店街って魅力がある!」と思い、利用してもらえるよう、「春日井市商店街連合会」で新規流入される方のニーズをヒアリングし、新たな取り組みをたくさん実践していきたいと考えています。名古屋市内に通勤・通学される方も、JR中央線に乗れば約20分で行くことができ、とても便利な場所だと思います。お買い物を楽しむ場所としても、名古屋の市街地にはない、春日井市の商店街ならではの魅力もたくさんあるので、ぜひここで楽しい生活を送ってもらいたいと思います。

三人集合写真

今回、話を聞いた人

春日井市商店街連合会

春日井市商店街連合会 会長・加藤 敬さん(写真左)
春日井市商店街マネージャー・河村 洋二さん(写真右)
株式会社まちづくり勝川 代表取締役・水野 隆さん(写真中央)

春日井市商店街連合会
所在地:春日井市鳥居松町5-45 春日井商工会議所ビル5F
電話番号:0568-84-8848
URL:http://www.kasugai-shoren.org/

※この情報は2015(平成27)年6月時点のものです。

日々の“あいさつ”を大切にする/さいたま市立浦和別所小学校 校長 福原秀夫先生


さいたま市立浦和別所小学校 校長 福原秀夫先生

「武蔵浦和」駅の東側にある「さいたま市立浦和別所小学校」は、駅の北東側を主な学区とする、児童数約800名ほどの小学校。近年はマンション増加にともなって児童数も増え、2012(平成24)年には校舎のおよそ半分にあたる西校舎部分を建て替えるなど、環境の整備も進められている。今回はこちらで校長を務める福原秀夫先生に、学校の特徴と地域の魅力について、お話をうかがった。

「さいたま市立浦和別所小学校」はこの地域でも古くから続く伝統校ということですが、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか?

浦和別所小学校 校長インタビュー

もともと、本校の元となる「六辻(むつじ)尋常高等小学校」という当時の小学校にあたるものがあり、本校の場所には、1934(昭和9)年に「六辻尋常高等小学校分教場」というものができました。それが1938(昭和13)年に新しい小学校として独立して、「六辻第二尋常小学校」となりました。それが、本校の始まりで、2014(平成26)年で77年目になります。

現在の児童数はどのぐらいでしょうか?

浦和別所小学校 校長インタビュー

2014(平成26)年6月現在、児童数は831名となっております。それを聞いて皆さん、規模の大きな学校とおっしゃいますが、「武蔵浦和」駅の周辺にある小学校は、どこも同じくらい規模の大きな学校になっております。そのなかでは本校は比較的、定員にまだ余裕のある学校かと思っています。

学区はどのように区別されているのでしょうか?

別所沼公園

本校の学区は南北に非常に長く、「別所沼」の辺りから駅の周辺、さらに駅の南まであります。主に線路の東側となりますが、線路の西側も一部学区となっています。

学校教育目標等についてお聞かせください。

浦和別所小学校 校長インタビュー

教育目標としては、「すすんで学ぶ子」、「あいさつができる子」、「つよい体をつくる子」ということを掲げております。そのなかでもとくに私は、「あいさつができる子」ということに力を入れております。

浦和別所小学校 校長インタビュー

「子どもたちにコミュニケーション力が足りない」ということは、昨今叫ばれているところかと思いますが、やはり「あいさつ」というのは、コミュニケーションをとっていくツールになるものと思いますが、同時に“人としての基本”だと思っています。世の中、「グローバル化」という事もよく言われていますが、やはり子どもたちが世界に羽ばたくには、コミュニケーション力が必要です。でも、その基本となるのは、最も身近なところにある、日々の“あいさつ”だと思うわけです。

学習面で特徴的な点はありますか?

浦和別所小学校 校長インタビュー

本校では伝統的に、国語教育に力を入れて取り組んできております。ここ数年は、とくに「伝え合う力」という点を重視しておりますが、さいたま市の研究校ということで頻繁に委嘱を受けてきております。先生方はそのたびに、授業の新しい方法や力を注ぐ視点を明確にして研究しております。

日常的には、毎週水曜日の朝に「国語タイム」を設けており、漢字の書き取りや、さいたま市の「基礎学力定着プログラム」に沿った問題を解いたりしています。また、金曜日の朝は「読書タイム」としております。 このほか、国語に関する行事として、「詩を楽しむ会」というものがあります。学期ごとに一度、全校児童が体育館に集まって、詩を群読していきます。たとえば宮沢賢治の「雨にもマケズ」などの詩を暗記して、群読するわけです。これを1年生から6年生まで、それぞれの学年で発表する詩を決め、お互いに披露していきます。

算数については、他校と同様に少人数での指導も行っていますが、これは単元によって指導形態を変えながら進めています。必要に応じてクラスをふたつに分けて少人数指導にしたり、ふたりの教員でひとつのクラスを指導するチームティーチングにしたりしております。

年間行事について、特徴的なものがあればお聞かせください。

浦和別所小学校 校長インタビュー

学区内にある「別所沼」に、1年生から6年生までの「たてわり班」で徒歩遠足に行くというものが、ユニークな行事かと思います。「別所沼公園」でお弁当を食べて、少し遊んでから帰ってくるという催しを毎年5月に行っています。このときには、上級生が下級生の面倒を見たり、下級生はその指示に従ったりという姿も見られます。異年齢の子ども同士のふれあいという面でも、このたてわり遠足は有意義な機会になっているものと思っています。

浦和別所小学校 校長インタビュー

このほかには、音楽会を毎年11月の学校公開日に行い、たくさんの保護者の方に見に来ていただいております。学校行事としての運動会は9月に開催していますが、11月には地域の方々が主催の運動会もあります。この件については、また後でふれさせていただきます。それから、これは行事ではないのですが、西校舎を新しく建て替えた時に縄文土器が出土しています。今も6年生の「総合的な学習の時間」を使って、毎年縄文式土器作りをしているというのも、面白い点かと思います。

浦和別所小学校 校長インタビュー

実際にひとりひとり粘土で土器の形を作り、文様を付けて、校庭の真ん中で野焼きをして、作ったものは持ち帰りますので、子どもたちにとっては良い記念になるかと思います。縄文の昔から、ここは住みやすい場所だったということなんでしょうね。

クラブ活動などについて、特徴的な点があればお聞かせください。

浦和別所小学校 校長インタビュー

人数が多いものとしては、課外のクラブになりますが、「金管バンドクラブ」があり、7月には中山道の「浦和まつり 音楽パレード」に毎年参加しています。そこでの演奏と、12月にある、管楽器連盟が主催する発表会への出場が、大きなものになっています。ほかにも、日頃から地域にお呼ばれして、演奏したりもしております。地域の方には、なにかとお世話になっていますので、このような形で還元できれば、と思っています。

また、4年生以上が全員参加するクラブ活動もあります。こちらではローラーブレード・一輪車クラブ、バトンクラブ、科学クラブ、サッカークラブなどが人気です。本校にはグラウンドの周りを囲むように、コンクリートで固めたローラースケートコースが整備されており、これも他には無いものだと思います。

2012(平成24)年には新しい西校舎が完成したそうですが、
こちらの特徴について教えてください。

さいたま市立浦和別所小学校

西校舎は耐震性の関係で新しく建て替えになりましたが、木をふんだんに使った校舎になっている点が、大きな特徴かと思います。この木については、埼玉県産の杉材を使っていますので、香りが今も残っています。 新しいからと言って特別な施設があるという訳ではありませんが、新校舎は今は3年生と6年生が使っていまして、3年間のうちに1回は新しい校舎を経験できるようにと配慮しています。

東校舎については、建て替えはしておりませんが耐震性は保たれております。体育館も2013(平成25)年に耐震補強工事を終えておりますので、安心してお子さんを通わせていただけると思います。

大きな学校ならではのメリットは、
どのような点にあると感じられていますか?

浦和別所小学校 校長インタビュー

人数が多いことのメリットには、ひとつは、「友達がたくさんできる」という点があるかと思います。いろいろな友達と交流できるということは、本校においても大きなメリットになっているかと思います。 また同時に、人が多ければお互いに切磋琢磨もできますので、楽しいなかにも、自分を磨き上げることができるということになると思います。子どもたちの成長にとっては、大人数の学校で学んだということが後々にはいい結果につながっていくものと思っています。

防災対策にも積極的に取り組んでいるそうですね。

浦和別所小学校 校長インタビュー

防災対策については、各学期に2回程度、避難訓練をしています。広域の防災放送を使ってのものと、自主的に学校の中で行っているものがあります。 また、安全教育については、学校の周辺は見通しの良くない交差点がけっこう多いものですから、交通安全教室などを通して、十分な指導を行い、気をつけております。

地域の方々との連携・協力体制についてお聞かせください。

浦和別所小学校 校長インタビュー

地域との関わりということでは、青少年育成別所地区会との関係が深いです。育成会はPTAのOBの方を中心に、学校評議員さん、地域の有識者の方々などによってできているものになりますが、育成会主催の運動会を毎年11月3日に本校の校庭で行っています。これは地域の恒例行事となっています。 育成会ではこのほか、地域の安全パトロールや、毎月1回、夜間のパトロールなどもしてくださっていますので、本当に有り難いです。

「スクールサポートネットワーク」(SSN)とはどんな組織でしょうか?

浦和別所小学校 校長インタビュー

本校の教育活動をサポートしてくれるボランティアスタッフの方々のことで、現役の保護者の方、OBの保護者の方が中心となって組織されています。 主な活動としては、月に1回、朝の読書タイムに読み聞かせに来ていただいていることや、地域の交通安全、防犯活動などを協力していただいています。

子どもたちの普段の学習活動においても、学習支援のボランティア活動をしてくださっています。 たとえば授業で「町探検」という単元では、授業時間内に地域に出ることがあります。この時などはSSNの方が一緒に引率してくださいますし、たてわり班の別所沼遠足の時にも、SSNの方に交差点ごとに立っていただいております。このほか、英語活動や家庭科の授業などでも補助に入っていただいたりと、たくさんの場面でご支援います。

最後に、別所エリアの魅力についてお聞かせください。

別所沼公園

私は校長になってまだ2年目ですが、ご家庭が学校に対して非常に協力的な点については、本当に素晴らしいと感じています。保護者会を開けばかなりの方に参加していただいておりますし、SSNへも積極的に参加していただいております。本当に有り難いです。 自然環境についても、学区内に別所沼という市民の憩いの場がありますし、便利で閑静な住宅地でありながら、自然が豊かに残っていると思います。

武蔵浦和駅

もちろん、電車のアクセスも申し分が無いですし、駅前にはいろいろなショッピング施設もあります。とても住みやすい場所だと思います。 お住まいの方々についても、最近は大きな集合住宅が次々とでき、そういった環境で、新しい方々と以前から住まわれている方々が上手に融合しておられます。新しく来られた方やそのお子さんについても、とても温かく見守ってくださっている地域なのだな、と感じております。

今回、話を聞いた人

浦和別所小学校 校長インタビュー

さいたま市立浦和別所小学校
校長 福原秀夫先生

さいたま市立浦和別所小学校
住所:埼玉県さいたま市南区別所2-5-34
電話番号:048-862-2775
http://urawabessho-e.saitama-city.ed.jp/

この記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

日々の“あいさつ”を大切にする/さいたま市立浦和別所小学校 校長 福原秀夫先生
所在地:埼玉県さいたま市南区別所2-5-34 
電話番号:048-862-2775
http://urawabessho-e.saitama-city.ed.jp/

みたけ台幼稚園 園長先生インタビュー

明るく、元気に、たくましく育つ子どもたち/みたけ台幼稚園 園長 木下泰先生


みたけ台幼稚園
園長 木下泰先生

明るく、元気に、たくましく。
みんなのびのび過ごす「みたけ台幼稚園」。

横浜市青葉区みたけ台にある「みたけ台幼稚園」はとにかく元気な子ども達がいっぱい。成功体験を積むことを重視し行事が非常に充実していることが特徴。この幼稚園ではみんなで協力し、みんなで努力を分かち合うことで、思いやりのある子を育てています。そんな「みたけ台幼稚園」について園長の木下泰先生にお話を伺いました。

「みたけ台幼稚園」の沿革、概要を教えて下さい。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

みたけ台幼稚園は1973(昭和48)年4月に開園しました。当時東急さんがこの辺りを分譲し始めてから人口が増え、小学校や幼稚園が足りなくなりました。地域の要望にこたえて、創立者原田林蔵が幼稚園を始めたのがみたけ台幼稚園のスタートです。

子ども達は400人ちょっとで、クラスは各学年5クラスの15クラスです。子どもの数は青葉区では真ん中くらいなんです。一番多い所は倍の800人くらいいます。子どもの数には恵まれている地域で、ゆるやかに少子化は進んでいるんですけど、全国的に見てもあまり急激に変わっているという印象はありません。子どもは非常に育てやすいと思います。私もみたけ台幼稚園の卒園児なんです。こんなにすくすくと、いい大人になりましたので、ご安心頂いて皆さん登園してくださいと言っています(笑)

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

この辺りは昔は竹がたくさんある地域で、前は漢字で「美竹」って書いたんです。そしたらみなさん「びたけ」って読んでしまうので、ひらがなになったんです。「みたけ台幼稚園」の住所は「みたけ台1-1」で、美しい竹が生えていたと言われる場所なので、園のマークは竹なんですよ。

「みたけ台幼稚園」に通うお子さんはどのような特徴が見られますか。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

みたけ台幼稚園は100%明るく元気にたくましく伸び伸び幼稚園なので、世間の皆様からもそういう認知を頂いていて、私達は大変喜ばしく思っています。「勉強はしないんでしょ」って言われたりするぐらい、元気がある幼稚園だと街の方からも思われているようです。もちろん、ほかの幼稚園同様、きちんとしつけや勉強もしていますよ(笑)

教育目標や理念を教えて下さい。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

幼稚園の教育課程は5領域といって、健康、人間関係、環境、言葉、表現なんですが、これについてはきちんと指導するよう、文科省で決まっているんです。どこも5領域は大事にされていて、5角形のどこを尖らせていくのかが特徴だとお考えのところも多いかと思います。みたけ台幼稚園はきれいな5角形が大事だと考えています。それを下していくと、知育、体育、情操教育、食育など、色々な個別の分野に広がっていきますが、この時期は基本となる5領域を大事にして、どれが欠けても、どれに偏ってもダメじゃないかなと考えています。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

成功体験を踏ませるというのが一番根っこにあります。知育でこれが書けた、褒められたというのも成功体験ですし、体育で跳び箱が跳べた、二重跳びができたというのも成功体験だと思うんです。私はこれが得意、これは苦手という個性をこの時期につけるのはもったいないなと思うんですね。みんな可能性を多く持っているので、みんなで協力して何かを作るとか、みんなで痛みを分かち合うとか、みんなで努力するとか、みんなで悔しい思いをするとか、みんなで一緒に何かやって、最後には達成感を味わってもらおうという行事を大事にしています。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

また、小さなハードルをいっぱい用意していて、努力、協力しないと越えられないハードルをカリキュラムで組んでいます。みんなで「これやろう!おー!」と気勢を上げます。できなかったら先生や友達に聞いてできるようになる。努力するとできるんだっていう成功体験を踏ませることを一番大事にしています。漢字や掛け算、逆立ちなどに力を入れているというよりは、行事に向かって前向きな気持ちを持たせる、成功体験でみんなで喜ぶというところに力を入れています。

行事は他の園に比べると多いということですが、どのような行事があるのでしょうか。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

幼稚園は遊園地だと思っているので、来週これがある、明日これがあるというわくわくの中で、当日を迎えるという考え方です。「みたけ台幼稚園」では、月に1・2個大きな行事を用意しています。例えば年長さんのお泊り保育がつい先日終わりました。体育館に泊まって、火を起こして、米をといで、野菜を切って、煮て、カレールーを入れて、カレーを作って食べました。みんな好き嫌いなくにんじんも食べるんですね。ついでにピーマンも食べさせるっていうね(笑)。雰囲気なんでしょうけど、嫌いな子でも食べるんです。これも小さいですけど成功体験です。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

キャンプファイヤーもただ火を起こしてもつまらないので、悪い人たちが幼稚園を襲ってくるストーリーでやるんです。本気で怖がったり泣いたりする子もいるんですけど、みんなで協力してやっつけます。でも結局悪い人もお友達がほしかったんだっていうことで、最終的にはみんな仲良く大団円です。

その催しの中で宝物を見つける下りがあるんですけど、そこにはハチマキが入っているんです。2学期が始まるとすぐ運動会があるんですけど、年長さんはハチマキをつけてやるんですよ。それをつけると子ども達のかっこよさとモチベーションがとても上がるので、そういう所もストーリーに取り入れて、次の保育につなげていくことを意図しています。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

それと、みたけ台幼稚園は他の園と比べると、「作って食べる」という機会がとても多いです。自分たちで作るようになって残飯がすごく減ったり、食の細い子もきちんと食べるようになって、小学校に入ってからの給食も乗り越えていけるかと思っています。

好き嫌いは小学校生活でつまずく第一のポイントだと言われるので、みたけ台幼稚園の取り組みでそういった子を減らせるといいですよね。みんなで作ったり、雰囲気があったり、ストーリーがあれば乗り越えていけると思うんです。そういう思いもあって、うちはゼリーや白玉、カレー、ケーキなどを作ったり、稲刈りや餅つき、芋ほりをしたり、折を見て何かを作って食べています。

英語教育について教えて下さい。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

カナダ人のロジャー先生に来てもらっています。英会話っていってもペラペラになるというほどじゃなくて、鼻が高くて目の色や言葉が違っても友達になれるんだということを感じてもらうのが一番大事なところですね。子ども達もすれ違うと「See you」とか「Do you like an apple?」「Yes,I do.」くらいは言えるレベルです。小学校で英語が始まったので、違和感がないようにやっています。

情操教育として生物を飼っているそうですね。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

みたけ台幼稚園はビオトープがあって、メダカとかは自生しているんですよ。そこで時々土をさらって掃除をするんですけど、ヤゴがわらわら出てきて、子ども達が「これは何だ!」って大騒ぎしたりします(笑)。

それと、青葉区は公園が多いのでザリガニが非常によく取れるんです。子ども達が名前を付けてお世話をして、夏休みに入ると逃がします。そういう近くの自然で自分で捕れるものを重視しています。身近な自然。自分で探しに行って、これは危険な動物だとか、これは毛虫だから触っちゃいけないとか、子どものうちの自然体験を大事にしないと、大人になると触らなくなりますから。

未就園児クラスも充実しているそうですね。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

未就園児クラスは3つ用意しています。1つは母子分離で年少さんを小さくしたようなクラスで、1クラス15人、火曜日から金曜日まで。火曜日のクラスの子は火曜日に、水曜日の子は水曜日にきます。全部で60人の4クラスです。2学期からはお昼ご飯を食べて帰るようになります。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

2つ目は母子共同のクラスです。体育館でママと一緒にリトミックとかマット運動をして楽しんでもらいます。幼稚園という施設に慣れたり、よそのお母さんやお友達に慣れたり。刺激が多い方がいいから母子分離でという方もいれば、3歳になれば幼稚園が始まっちゃうわけだから、2歳まではママと一緒がいいという方もいます。これは考え方の違いですね。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

3つ目は園庭開放で、これは先生がつかないです。ママも子育ては楽しい反面、ノイローゼになってしまう方もいらっしゃって。この辺りは転出、転入が多い地域なのでご両親のヘルプがない方ってたくさんいらっしゃるんです。コミュニケーションが無かったりヘルプが無かったりする方は、ここでお友達を作ってねというところなんです。

預かり保育事業について教えて下さい。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

みたけ台は横浜市から預かり保育の指定を受けた幼稚園で、日曜祝日以外は毎日、朝7時半から夕方6時半までやっています(土曜日は15:30まで)。保育園のように預かり保育だけ単独で地域の子を預かっているのではなくて、うちの在園児が対象者です。例えば、お母さんがフルタイムで働いているので、朝7時半に連れられてきて、9時に幼稚園が始まると、そっちに混ざって、幼稚園が終わってもそのまま預かって、夕方6時半にお帰りいただくという感じです。この日だけっていうスポットで預けることもできます。

地域の魅力を教えて下さい。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

治安はいいし、子どもの数は多いし、公園は多いし、緑は多いし、子どもを育てるという私達の分野からすると、最高のロケーションだと思いますね。こどもの国だったり、大きな公園もあります。保護者や住民の方も穏やかな方が多くて、幼稚園をやっていても、私のようにここにずっと住んでいても、素敵なご家族がたくさん住んでいるなと思います。

みたけ台幼稚園 木下泰さん インタビュー

今回、話を聞いた人

みたけ台幼稚園
園長 木下泰先生

所在地:横浜市青葉区みたけ台1-1
電話番号:045-973-0817
URL:http://www.kidslink.jp/mitakedai/

※この記事内容は2015(平成27)年8月時点の情報です。

明るく、元気に、たくましく育つ子どもたち/みたけ台幼稚園 園長 木下泰先生
所在地:神奈川県横浜市青葉区みたけ台1-1 
電話番号:045-973-0817
教育時間:8:45~13:45
休園日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始 ほか
預かり保育:あり(7:30~8:45、13:45~18:30)
http://www.kidslink.jp/mitakedai/

染の小道 2015年代表 高市洋子さんインタビュー

“染色”をテーマにした街の活性化プロジェクト/染の小道 2015年代表 高市洋子さん


「染の小道」が始動したのは2009(平成21)年のことだ。当初は、地元からもあまり注目されなかったそうだが、イベントの回を重ねるごとに認知度を高め、現在は各方面との連携を深めながら活動を充実させている。街の歴史、特色を踏まえたプロジェクトだからこそ、地域社会に浸透しやすかったという一面もあるだろう。今回は、2015(平成27)年度に「染の小道」の代表を務めた高市洋子さんにお話を伺った。

「染の小道」の代表を務めた高市さん

街の歴史を掘り起こしたい

――どのような背景から「染の小道」の活動は始まったのでしょうか。

それを語る前に、この街の歴史から説明させてください。大正から昭和の初期に東京・日本橋から当地に移ってきた染物業、そのため神田川・妙正寺川流域は国内有数の“染色の街”でした。当時は、妙正寺川の流れで反物の糊を落としていましたが、環境への配慮から屋内でその作業をするようになり、人目につかなくなったことで染色の街というイメージが薄れてしまいました。そうした背景から染色工房の「二葉苑」が旗振り役となり、“染色”をキーワードに街の活性化を図ろうとしたのです。それが「染の小道」が動き出したきっかけとなります。

旗振り役となった「二葉苑」

――高市さんが「染の小道」に関わるようになった経緯は?

子育てに専念するため勤めていた会社を退職したのですが、社会とは関わっていたかったのでフリーペーパーを発行することにしました。それに関係した取材で「二葉苑」を訪ねたとき、社長から“プロジェクトを手伝ってくれないか”と言われました。でも私には、その期待に応えられる自信がなかったものですから、お断りすることにしたのです。それを伝えるため再び訪問したとき、店舗の軒先に染色作家が制作した暖簾(のれん)を掲げるという企画を聞かせてもらい、直感的に“きっと面白いことになる”と思い、「染の小道」の活動に携わるようになりました。

街を彩る暖簾

――着物姿でインタビューに応じてくださっていますが、もともと着物は好きだったのですか?

そうですね。母が仕立業に就いていたものですから、私にとって着物は身近でした。ただ、「染の小道」に携わるようになってから、着物を着る頻度は高くなりましたね。気持ちが引き締まるというか、洋装では得られない感覚が気に入っています。布団を干したりするときはさすがに不便を感じますが、この格好で自転車にも乗りますよ(笑)。ハレの日だけでなく、普段着に着物を選ぶ方が増えてくれたらなと思っています。

認知度とともに期待も高まる

――「染の小道」の柱となる活動内容について教えてください。

ひとつは、商店街を暖簾で飾る「道のギャラリー」です。それぞれ異なる作家さんたちの作品が、見慣れた風景を味わい深いものに変えてくれます。また「川のギャラリー」では、美しく染め上げられた反物が川の上方に掲げられます。これは、中井・落合にあった染物の水洗いをモチーフにしたものです。

反物が美しく揺れる「川のギャラリー」

それ以外に各種イベントも行いました。前回の例ですが、街の魅力を訪ね歩くツアーや、誰でも気軽に染物体験ができる「千人染め」なども行いました。

――来場者はどのような方が多いですか?

もともと着物が好きで、その延長で染物にも興味を持っている方。また、作家さん本人だけでなく、ファンの方もいらっしゃいます。人と人とが繋がりながら、それぞれの楽しみ方で「染の小道」を満喫してくださっているように感じます。

間近で職人技を見ることができる

――「染の小道」の運営についても聞かせてください。

作家さん、協力店舗、地域住民の3グループで運営に当たり、代表者の選定については持ち回りとなっています。東日本大震災後に、人と街との繋がりを大切にしようと考える方が多くなり、ボランティアスタッフとしてサポートしてくれる方が増えました。

地域との繋がりを感じられる体験イベント

――これからの展開、また、目指している方向性などあれば伺えますか?

現時点では、「染の小道」は3日間限定のイベントですが、いつ訪ねても“染色の街”を実感できるように定着化・通年化することが目標ですね。染色を専業にするというのは難しいことですが、この街が育んできた文化を活かしながら、染色を産業として確立させたいというのが願いです。

街と深く関わってこその「染の小道」

――他団体との連携・協力についてはいかがでしょうか。

「川のギャラリー」に関しては、河川占用の許可を取らなくてはいけませんでした。「染の小道」にとって行政機関の協賛は、不可欠なものと言えるでしょう。

行政、住民、学生が協力し合い実施されている

また、「目白大学」にも協力していただき、趣旨を理解してくれた先生方が、ボランティアスタッフとして学生さんを派遣してくれました。そのことがきっかけで、「目白大学」内に街づくりサークル「ちえの小道」が誕生するといった動きもあります。

――これまでの活動を通して、街の変化を感じることはありますか?

地域の理解が不可欠だったので、当初は“店先に暖簾を掲げてもらえないか”と一軒ずつ訪ねてまわりました。大きかったのは、マスコミに注目されるようになったことですね。自分たちの街が注目されているということで、「染の小道」に関心を持たれた地元の方も多いと思います。

――“暮らす”をテーマに落合・中井エリアを語っていただけますか?

本当に住みやすい街だと思います。都営大江戸線・西武新宿線「中井」駅、東京メトロ東西線「落合」駅を利用できるので主要駅へのアクセスもいいですし、文人に好まれた環境からも窺えるように凛とした落ち着きがあります。川面を渡ってくる風は瑞々しく、自然も豊かで、小鳥のさえずりで目が覚めるほどです。

魅力的な風土、伝統、そして人

地域コミュニティも充実しているほか、チェーン店だけでなく個人商店が頑張っているのも特徴ですね。子育てという観点からも、“ここで育てたい”と思える街です。

2015(平成27年)年代表 高市洋子さん

染の小道

2015(平成27)年度代表 高市洋子さん
URL:http://www.somenokomichi.com/
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

“染色”をテーマにした街の活性化プロジェクト/染の小道 2015年代表 高市洋子さん
http://www.somenokomichi.com/

美味しさと安心を届けるパン作り/ヨシダベーカリー オーナーシェフ 吉田稔さん


ヨシダベーカリー
オーナーシェフ吉田 稔さん

美味しさと安心を届けるパン作り
地域に根ざした「ヨシダベーカリー」

2012(平成24)年4月に、京王線「富士見ヶ丘」駅近くにオープンした「ヨシダベーカリー」。国産小麦を使用するなど、美味しさだけでなく安全性への追求もテーマにしており、近隣住民を中心に既にたくさんの常連客に愛されている。今回は同店のオーナーでありブーランジェ(パン職人)の吉田さんに、オープンまでの経緯やパンづくりへのこだわり、街の魅力などについて伺ってきた。

吉田さんがブーランジェを志したきっかけを教えていただけますでしょうか。

ヨシダベーカリー

学生時代から、「ものづくり」に携わりたいという気持ちがありました。試行錯誤を繰り返しながら自分の理想を追求していく「ものづくり」に対する興味に、生来の「パン好き」が加わってこの道を志したのです。

パン作りにあたり、どのような点を大切にされていますか?

ヨシダベーカリー

この店を出す前、代々木上原にある「カタネベーカリー」で修業していた当時から、“自家製”にこだわったパン作りをしてきました。“自家製”というのは、美味しいパンを作るためだけでなく、安全性を高めるということでもあります。

ヨシダベーカリー店主

当店ではポストハーベスト農薬(収穫後の農産物に使用する殺菌剤、防かび剤など)が使われている輸入小麦ではなく、国産小麦を使用しています。またパン以外にも、例えばサンドイッチの具材の安全性も追求しています。将来的には、無添加商品の少ないハムやベーコンについても、「完全無添加」を謳えるようにしたいですね。

「ヨシダベーカリー」インタビュー

それと、美味しいものを生産してくれていることに関して、生産者に畏敬の念を抱いています。それが美味しいパンをつくりたいという私の大きな原動力になっているのです。農業従事者の減少をはじめ、課題の多い農業界を少しでも応援できれば嬉しく思います。

この場所でお店を開こうと思った理由はありますでしょうか?

「ヨシダベーカリー」インタビュー

もともと京王線沿線か小田急線沿線で出店しようと考えて探していたときに、たまたまこの場所にあったベーカリーの居抜きでこの物件と出会いました。居抜きとはいえ、実際には営業していなかったそうでオーブンも新品。街の雰囲気も良く、この場所を選ばない理由はありませんでした。

「ヨシダベーカリー」の売れ筋の商品を教えてください。
また、新しいパンのアイディアはどこから生まれるのでしょうか?

シンプルパン

ローストポーク、ローストチキンが入ったサンドウイッチやピタサンドなど、ひとつで食べ応えのあるパンが人気です。おすすめはプレーンタイプのパンですね。シンプルなだけに、美味しいと言ってもらえるときは特に嬉しいです。

「ヨシダベーカリー」インタビュー

特別なことをしているわけではありませんが、常日頃から良いアイディアがないか考えています。時間があれば試作品を作ってみたりして、そうしたことの積み重ねで、自然と形に仕上がっていくのです。

高井戸・富士見ヶ丘エリアの魅力はどのよう点だと感じますか?

高井戸駅

落ち着いた雰囲気があり、交通の便が良いことですね。この周辺に関して言えば、最近はワインバーやレストランなどの個人店が増えてきました。街の活性化に繋がることも含め、そうした流れが加速していくことを願っています。

最後に、今後の夢や展望を聞かせてください。

「ヨシダベーカリー」インタビュー

国産小麦の特色を活かしたパンづくりを追求していきたいですね。お店の規模を大きくしたり店舗展開をしていくということではなく、より地域に根ざしたベーカリーとして営業していけたらいいなと思っています。

ヨシダベーカリー

今回、話を聞いた人

ヨシダベーカリー
オーナーシェフ吉田 稔さん

所在地:東京都杉並区久我山2-23-29 ハイネス富士見が丘1階
電話番号:03-6326-2754
URL:https://www.facebook.com/yoshidabakery

※この情報は2015(平成27)年4月時点のものです。

美味しさと安心を届けるパン作り/ヨシダベーカリー オーナーシェフ 吉田稔さん
所在地:東京都杉並区久我山2-23-29  ハイネス富士見が丘1F
電話番号:03-6326-2754
営業時間 11:00~19:00
定休日 水・日曜日
https://www.facebook.com/yoshidabakery

地域密着型のリフレッシュスポット/ナフウェルネスクラブ 広報担当 芦澤信子さん


ナフウェルネスクラブ
広報担当 芦澤信子さん

地域密着型のリフレッシュスポット
「ナフウェルネスクラブ」

温浴施設・プール・フィットネススタジオを併設した「ナフウェルネスクラブ」。特に、「高井戸天然温泉 美しの湯」は注目すべき泉質を誇り、地域にとって欠かせない存在となっている。根底にあるのは、オーナーの地域貢献への意欲だ。“地域社会における健康促進”をテーマに掲げている同施設の広報担当・芦澤さんにお話を伺った。

まずは、「ナフウェルネスクラブ」・「高井戸天然温泉 美しの湯」を立ち上げるまでの経緯を聞かせてください。

フロント

オーナーが地元である高井戸に、誰からも歓迎される施設をつくりたいと考えたことがきっかけでした。20代と60代とでは求める施設は異なりますが、温泉であれば、世代を問わず喜んでもらえるだろうということで、「ナフウェルネスクラブ」内の温浴施設「美しの湯」が誕生したという経緯があります。

「美しの湯」について、詳しく聞かせてください。

ナフウェルネスクラブ

当施設に限らず、温泉を楽しめる施設というのは23区内にも存在します。しかし、いずれも1,200~1,500メートルの掘削がほとんどなので、泉質はどこも似通っています。一方、「美しの湯」の源泉は、それよりさらに掘り下げ、地下1,600メートルのものです。お湯に浸かれば、泉質の良さを実感していただけるのではないかと思います。

ナフウェルネスクラブ

「上の湯」は、木と岩を配した大浴槽で、その下手には「下の湯」があります。「上の湯」よりも温度が低いのが特徴です。もともと木々が生い茂っていたところで、出来る限りその雰囲気を残すように努めました。木々を眺めながらお湯に浸かっていると、地方の温泉宿に来ているかのような気持ちになると思いますよ。

1週間ごとの入れ替えになりますが、「絹の湯」「炭酸泉」もぜひ体験していただきたいですね。炭酸が溶けたお湯に浸かることで血行が良くなります。血流量が増えると疲労回復・美容促進・腰痛・冷え性などにも効果が期待できます。

ナフウェルネスクラブ

また、それぞれ水流や気泡が異なるアトラクション風呂も充実しており、リラックスバス、ドリーミーバス、エステジェット、エステバス、ボディージェット、ボディーバスなど、様々なお風呂を体験することができるかと思います。

どれに入ろうかと迷ってしまうくらいに選択肢が多いですね。

ナフウェルネスクラブ 食事処

そうですね。お風呂を出てからも、「癒し処」ボディケア(有料)やコイン式マッサージチェアで、お寛ぎいただけます。お食事処も併設しているので、館内で何時間でも過ごすことができますよ。地元の方だけではなく、遠方からいらっしゃった方にもぜひゆっくりしていただけたらと思います。

「ナフウェルネスクラブ」についてですが、「美しの湯」以外の施設についても教えてください。

ナフウェルネスクラブ 内湯

25メートルの温水プール、大型ジャグジー、フィットネススペースがあります。フィットネススペース「SION」のコンセプトは、“無理なく気軽に運動を楽しもう”で、様々なニーズに応えたトレーニングができます。

ナフウェルネスクラブ フィットネススペース

高井戸にお住まいの方をはじめ、遠方からおいでの方、若い方から年配の方までご利用いただいているので、ぜひ気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

「高井戸スイムクラブ」はいかがでしょうか。

ナフウェルネスクラブ

コンセプトとして3つの柱があり、1つ目は“日々の水泳指導を通して、子どもたちの心身の発育発達に貢献する”、2つ目は、“常に安全管理を優先しながら、未来の社会人として恥ずかしくない子どもたちの公共マナー向上に貢献する”、3つ目は“保護者とコミュニケーションを密にし、子どもたちの成長を見守る”です。

ナフウェルネスクラブ スリムクラブ

コースは、幼児コース、小中学生コース、上級の小中学生コースがあり、全く泳げないという場合でも、豊富なカリキュラムを用意しているので問題ありません。泳げなかった子がだんだん泳げるようになるので、高井戸にお住まいのご家族の方に人気ですよ。

高井戸の魅力について教えてください。

神田川_高井戸2013

「神田上水」につながる神田川など、緑が豊かでゆったりとした時間が流れているのがいいですよね。春、川沿いの桜並木が満開になるととてもきれいなんですよ。
交通の便も良くて、通勤や通学にもとても便利ですよね。環八通りがすぐ近くを通っているので、自動車のアクセスも良いと思います。

最後の質問になりますが、施設としての今後のビジョンはいかがでしょうか。

ナフウェルネスクラブ

プールとフィットネススペースだけでなく、温泉も楽しめる施設というのは全国的に見ても珍しいので、そうした環境を活かし、地域社会における健康促進に貢献していきたいですね。それがオーナーをはじめ、私たちの考える“地域貢献”ですから。

ナフウェルネスクラブ

今回、話を聞いた人

ナフウェルネスクラブ

広報担当 芦澤信子様

ナフウェルネスクラブ
所在地:東京都杉並区高井戸西2-3-45
電話番号:03-3334-0008
URL:http://www.nafsport.com/wellness/

※この情報は2015(平成27)年4月時点のものです。

地域密着型のリフレッシュスポット/ナフウェルネスクラブ 広報担当 芦澤信子さん
所在地:東京都杉並区高井戸西2-3-45 
電話番号:03-3334-0008
営業時間:9:30~22:30(土曜日 ~21:30、日曜日・祝日 ~19:00)
定休日:不定休
http://naf-wellness.com/

富士見中学高等学校インタビュー

自主性と協調性を養い社会貢献のできる自立した女性を育む/富士見中学高等学校 校長 板倉 清先生


西武池袋線「中村橋」駅より徒歩3分。地域に根差した歴史ある学校として知られる「学校法人山崎学園 富士見中学高等学校」。2011(平成23)年より完全中高一貫教育を取り入れ、6年間を見据えた充実したカリキュラムを行っています。2020(平成32)年の創立80周年を記念した新校舎の建設も着々と行われ、次世代へと発展し続ける魅力ある学校です。今回は学校長の板倉清先生に「富士見中学高等学校」の特色についてお話を伺いました。

―まず、学校の歴史と特色について教えてください。

鮮やか赤が印象的な学校の看板

板倉校長: 「富士見中学高等学校」の歴史は、1940(昭和15)年の山崎学園の設立より今年で76年目を迎えます。前身となる「富士見高等女学校」も現在と同じく練馬にあり、1924(大正13)年の発足時から数えると90年以上ものあいだこの土地に根ざしている歴史ある学校と言えます。

芸術観賞会や文化祭の公演、合唱祭などで利用される山崎記念講堂

学校の特色のひとつとして、校内の廊下や階段などパブリックスペースに60点もの日本画や彫刻などの芸術作品が飾られているほか、人間国宝の野村萬斎氏などを迎えて行われる芸術鑑賞会など、通常では考えられないような名画や作品に触れられる環境に囲まれています。

超一流の芸術作品が触れられる距離にある

―現在の生徒数を教えてください。また、どの地域から通学してくる生徒が多いですか?

板倉校長: 生徒数は2015(平成27)年4月時点で、各学年「松」「竹」「梅」「菊」「桜」「桃」の6クラス編成で、中学部735名、高等部687名の計1,422名の生徒が一緒に学校生活を送っています。通学圏については、全体の25%が練馬区内からで、隣接する杉並区や板橋区など近隣から通う生徒も多くいます。

―教育ビジョンについてもお聞かせください。

板倉校長: 本校では、「社会貢献のできる自立した女性を育てること」を目標に、豊かな人間性の育成を目指した教育活動を行っています。

“将来どういう生き方をしていたいか?”をテーマに、2011(平成23)年度から高校の募集を停止し、“完全中高一貫校”として6年間を見据えたカリキュラムを実施しています。

説明をしてくださる板倉校長先生

おおまかな内容としては、①進路指導、②学習指導、③行事・クラブの3つの柱に分け、①進路指導では夢や希望を高く掲げ、“自己肯定感”を養うことで生き方を導きます。また、②学習指導では興味・関心を引き出す授業の工夫で“確かな学力”が身に付くように働きかけます。さらに、③行事・クラブでは、リーダーシップとフォロワーシップという2つの考えのもと、“自主性と協調性”の両方を養い、目指す人物像へと導いていきます。

新校舎での授業風景

また「共学・共育・共生」こそ次世代を見据えた重要な教育の考え方で、勉強はもちろん行事や委員会活動、クラブ活動なども含め、学校生活のすべてにおいて生徒たちが“自ら育つ”環境を整えることに専念しています。

―「共学・共育・共生」へと向けた取り組みの内容が分かる具体的なエピソードはありますか?

板倉校長:10年前に特進コースという制度を無くしたことがあげられます。進学率を重視する私立においては異例のことでしたが、潜在的に生徒にあった格差意識が無くなり、“みんなでがんばって、みんなで勉強しよう”というモチベーションの向上へとつながりました。

枠を取り払ったことで、生徒全体に結束力も芽生えました。行事への取り組みにおいても積極的になったばかりではなく、生徒と教師の距離感も縮まりました。生徒から積極的に声をかけてもらうようになり、今では校長も教頭も教師も全員参加で行事にのぞんでいます。

生徒だけでなく教職員も同じように練習して本番を迎える。真ん中が板倉校長先生

こうしたことで生徒と教師の間に信頼感が生まれ、進路指導などでも安心して相談ができる環境が築かれています。行事にも全力で取り組み、満足のいく学校生活は、勉強の土台作りにつながっています。

体育祭の終わりに全員で方を組んで合唱をするのが伝統になった。結束力を象徴するひとコマだ

それとつい先日あった成人式ですが、特進コースを無くしてからは成人式が終わった後に卒業生たちが自然と学校に集まるようになり、今では9割以上もの新成人が報告に訪れています。

卒業した多くの生徒が訪れる。それだけ満足のいく学生生活だったという現れだろう

―国際交流も盛んなようですが、カリキュラムや留学制度などについても教えてください。

板倉校長: 国際交流の取り組みとしてはホームステイか留学かの2つに分かれ、具体的には①アメリカかオーストラリアへの3週間のホームステイ、高1の7~9月に実施する②ニュージーランドへの短期留学、③個人が希望する場所への1年間の留学の3つに分かれますが、③については2016(平成28)年度からはニュージーランドの提携校に1名、1年間の留学生を送ることが決まっています。

またその他にも、オーストラリアとフランスから訪れた高校生、中国からの中学生との交流会があったり、昨年の夏休みには台湾の女子高生16名が本校生のお宅にホームステイしました。今年の春休みを利用し、今度は富士見の中高生25名が台湾の高校生宅にホームステイをする教育旅行を実施します。

グローバル教育・オーストラリアの高校生が来校した際の様子

しかしながら国際交流を通じたいわゆるグローバル化の真の目的としてはホームステイや留学で海外に行くことではなく、異なるものを理解して受け入れるチカラであったり、コミュニケーションによって人を動かすチカラを養うことこそ大切なため、まずは見知らぬ者同士が集まるこの学校生活を存分に活用することこそ重要かと思います。

―80周年記念事業として新校舎の建設も進行中のようですね。改築に際してのポイントや新校舎の魅力についてお聞かせください。

板倉校長:校舎の大規模な改築に至った経緯としては、災害を見据えた“安心・安全”への対策といったハード面の強化と、教室以外でも“安心”できる居場所を設けるといった生徒目線のソフト面の充実も大きなポイントのひとつです。

第1期工事として2015(平成27)年4月に完成した「本館」には、ダイナミックな大階段や広々としたテラス、ラウンジをそれぞれ設け、生徒たちの作品展示のスペースとして活用したり、授業の前のほっとひと息つける場所として活用されています。

大階段と光庭

また学年ごとに一ヵ所“ワークスペース”と名付けられた自由に使える空間を設け、生徒たちの自主性や協調性を養う空間として役立つことを期待しています。

今後は西館、人工芝のグラウンド、そして2018(平成30)年7月には図書館もリニューアルする予定で、ますます充実する環境に注目が集まっています。

グラウンドのパース画像

文化祭など“招待状”を準備して地域の方にもご参加いただけるような行事も行っておりますので、近隣にお住まいの方は地域にある学校にぜひ足をお運びいただければと思います。

富士見中学高等学校校長 板倉 清先生

今回、お話を聞いた人

富士見中学高等学校
校長 板倉 清先生
所在地:東京都練馬区中村北4-8-26
URL:http://www.fujimi.ac.jp
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。

自主性と協調性を養い社会貢献のできる自立した女性を育む/富士見中学高等学校 校長 板倉 清先生
所在地:東京都練馬区中村北4-8-26 
電話番号:03-3999-2136
http://www.fujimi.ac.jp/

明石市立大久保南小学校:校長 内藤 聡先生インタビュー

小学校での出来事が、子どもたちの心の故郷になるように/明石市立大久保南小学校 校長 内藤 聡先生


JR神戸線「大久保」駅の南口から歩いて数分、国道250号沿いにある「明石市立大久保南小学校」は、近隣の開発による人口増加に合わせて開校した小学校だ。今年で開校17年目を迎えた小学校は、新しい街の中でどのような役割を担ってきたのか。今回は校長の内藤聡先生に、学校の特徴や取り組み、街の魅力について話を伺った。

明石市の中で一番最近開校した小学校です

小学校の外観

Q:まずは学校の概要について教えてください

「明石市立大久保南小学校」は、明石市で一番新しい小学校です。1999(平成11)年創立ですので、今年度で17年目になります。つい先日の11月22日がちょうど創立記念日で、「南っ子創立記念フェスティバル」という行ことを行ったところです。これは、愛校心を持たせたいということで行っている「心の故郷プロジェクト」という取り組みの一環として開催したもので、音楽家の湯山昭さんに作曲していただいた校歌、彫画家の伊藤太一さんに作っていただいた校章の話や、これまでの小学校の歩みなどを話しました。その後には、声楽家の松田みどりさんを招いた音楽鑑賞会も行いました。

オーズタウン

もともとは、このあたりは「神戸製鋼」の工場があったのですが、跡地だった場所を中心に「オーズタウン」という新興住宅地が開発されました。人口増加に伴って、近隣の「明石市立大久保小学校」「明石市立江井島小学校」の校区再編を行い、「明石市立大久保南小学校」ができました。大久保地区は明石市の中でも、近年人口が増えてきたエリアで、本校の児童数も去年までは1,000人を超えていました。今年度は978人となっています。

街並みと調和した外観が特徴です

小学校の内観

Q:明石市で一番新しい学校とのことですが、設備などで何か特徴はありますか?

昭和の時代には、明石市の海岸部は地場産業として瓦工場がたくさんあったようです。そのような地場産業を活かすために、校舎の屋根は瓦を使用していると伝え聞いてます。採光が良く考えられていて、校舎内が自然光でとても明るい造りになっています。また、完全バリアフリーでエレベーターも付いています。そのあたりは新しくできた学校ならではといった感じでしょうか。そして、ニュータウンの開発とともに建てられた学校ですので、外観も街と調和のとれたものになっています。それは大きな特徴ではないかと思います。

学校での出来事が、心の中に原風景や原体験として残ってほしい

図書室

Q:教育方針、学校で力を入れていることを教えてください

「生きる力を育み心の故郷になる教育の実践を」というのを教育目標に掲げています。私の幼少時代には、近くに海があって田畑があって、そこで潮干狩りをしたり虫を捕まえて遊んだりといったことが、原風景、原体験として残っています。でも、最近の子どもたちはそういった環境や体験をなかなかすることができません。都会の中で育った子どもたちの中に、どういった原風景や原体験が残るのだろうと考えたときに、この小学校での出来事が、心の中に原風景や原体験として残れば良いなと思っています。そんな学校づくりを目指しています。

「ゆりのきミュージアム」の展示

そのような流れで、先ほども少しお話ししましたが、「心の故郷プロジェクト」という取り組みを進めています。これも関わりのあることですが、子どもたちに愛校心を持ってもらおうと「ゆりのきミュージアム」という部屋をを昨年の2月に開設しました。会議室を利用して、学校の歩みや地域の歴史なども含めて掲示しています。そして、卒業生がこの教室にタイムカプセルを残していってくれています。子どもたちに寄り添った形で、心に残る体験活動が出来れば良いなと思っています。

これは先生方によく言うことなのですが、学年によってカラーも違いますし、毎年違う子どもたちと接するわけだから、去年と同じようなことをしていれば大丈夫とは思わないで欲しいと伝えています。子どもたちのことをしっかりと見て、その中で、様々な変化をもたせて色々な取り組みをしたいと思っています。

周辺地域の一つの特徴かと思いますが、知的好奇心の強い子どもが非常に多い印象です。小学校では現在、算数科の研究を進めており、基礎・基本を生かし子どもたちが興味関心を持って主体的に取り組む授業をめざしています。これまでに、校区内にある公園の面積を計測するといったことや図形の学習でオリジナルパズルを造るなど、子どもたちが実生活の中で、いかに算数の知識を応用するかということを大切にしています。

ナイナイ・ファイブ

また、児童会の取り組みとして、「ナイナイ・ファイブ」というキャラクターを作って、「挨拶を無視しナイ」「廊下を走らナイ」「スリッパをちらかさナイ」といったきまりを守って安全で規則正しい生活を過ごす取り組みもしています。教師の言うことに対してはしっかり守れる真面目な子が多いのですが、ただ教師の指示を待つだけでなく、子どもたちが主体となって活動し、自主性を伸ばすということを目指しています。

小学校が地域のコミュニティを支える存在になれるように

明石市立大久保南幼稚園

Q:同じ敷地内に大久保南幼稚園がありますが、地域との関わりや交流について教えてください

明石市内では小学校と同じ敷地内に幼稚園があるところが多いです。昔は、小学校の校長が幼稚園の園長を兼ねているところもあり、その頃には職員の行き来や、行ことを合同ですることもありました。今では幼稚園も独立していて、そういう取り組みは減ってしまっています。文科省が進めようとしている小中一貫教育の観点からも、幼少の連携、小中の連携というのは今後の課題でもあります。実際、本校では6割から7割が「明石市立大久保南幼稚園」からの進学ですので、子どもたちの繋がりが深くなるのはもちろん、保護者同士の繋がりも深くなります。

地域との関わりですが、明石市では、学校内に「コミュニティーセンター」というのがあり、本校では体育館の脇にこと務所があります。子どもたちがいない時間は、学校施設を広く市民に開放しようという試みで、いわゆる地域の公民館のような役割を担っています。学校外の方々が会議に使ったり、文化教室をやっていたり、スポーツクラブがあったりします。夏休みには「コミュニティーセンター」の自治会やスポーツクラブが中心となって、運動場を使った「ふれあい祭り」が行われています。地域に住まわれている人たちが学校に集まり、ふれあう大切な一時を過ごすわけです。地域が一体となるとても大切な機会だと捉えています。

とても勢いのある街です

JR「大久保」駅前

Q:最後に大久保エリアの魅力について教えてください

大久保エリアは少し足を延ばして南に行けば海岸があり、周辺には田畑が広がり大きなため池もあるので自然も豊かな地域です。一方、大型ショッピングゾーンがあり交通の便もよいので、とても便利で暮らしやすい街だと思っています。人口も年々増えていっていますので、今後も期待できる明石市の中で一番勢いのある街というイメージです。

明石市立大久保南小学校

明石市立大久保南小学校

校長 内藤 聡先生
明石市大久保町ゆりのき通3-1
TEL:078-918-5695
URL:http://scwww.edi.akashi.hyogo.jp/~el_okbs/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

小学校での出来事が、子どもたちの心の故郷になるように/明石市立大久保南小学校 校長 内藤 聡先生
所在地:兵庫県明石市大久保町ゆりのき通3-1 
電話番号:078-918-5695
http://scwww.edi.akashi.hyogo.jp/~el_okb..

流山市立木の図書館 岡さん、荒木さん


流山市立 木の図書館
司書 岡さん、荒木さん

「木と共に本を読む」をコンセプトに、
人にも環境にもやさしい図書館

子どもから大人まで多くの本好きたちが集まる「流山市立 木の図書館」は、木造2階建てのふんだんに木をあしらった開放的であたたかなスペース。「小さな頃から本に親しんでほしい」と0歳児から参加できるおはなし会も毎週日曜日に開かれ、図書館スタッフの手づくりの本紹介コーナーも見る人を楽しませてくれる。そんな木の図書館の司書を務める岡さんと荒木さんに、図書館とこの街の魅力について聞いた。

木の図書館の概要を教えてください。

流山市立木の図書館インタビュー

2012(平成24)年4月29日にオープンした流山市立木の図書館は、もともと近隣にある東部公民館のなかの図書室の規模を大きくして独立させたものです。利用できるのは火曜日~土曜日は朝9時半から20時まで(時期によって19時まで)、日曜・祝日は朝9時半から17時まで。流山市民、市内在勤・在学のほか近隣市の方も本の貸し出しを行っています。休館日は祝日を除く月曜日、月曜日が祝日と重なる翌日、土日祝日を除く月の末日、年末年始、特別整理期間です。

流山市立木の図書館インタビュー

オープン時は約3万冊だった蔵書数も、昨年は約4万5千冊、今年度は書庫にあるものも含めると約6万冊と右肩上がりに増えています。ここから先はこの勢いで増えることはないと思いますが…寄贈本も(できれば状態のよいものを)常時受け付けております。流山市民の方であれば、流山市内で所蔵していない本も千葉県内から取り寄せるサービスもあります。

非常に特徴のある建物ですね。

流山市立木の図書館インタビュー

正面から見ると円形になっていますが、後ろ側は本棚の配置などを考えて四角い造りになっています。木のぬくもりが感じられる木造二階建てで、入ってすぐのロビーが2階への開放的な造りになっています。
円形の部分はガラス窓になっているので館内は非常に明るく、特に2階の窓下には絵本を並べているので、子どもたちは陽光がたっぷり差し込む場所で絵本に親しむことができます。太陽光発電設備や必要なときだけ明かりがつく「タスクアンドアンビエンテ方式」を採用し、雨水を庭への散水に再利用するなど環境に配慮した施設になっています。

流山市立木の図書館インタビュー

「木と共に本を読みましょう」というコンセプトのもと、柱にはカラマツ、床はナラなど様々な木を使用して、壁は漆喰です。オープン当初は入ると木の香りが漂っていましたが、3年目に入った今年はさすがに馴染んできたようです。でも「木の図書館」と呼ばれる通り、ふんだんに木が使われた落ち着いた温かい雰囲気はほかにはない特徴だと思っています。

流山市立木の図書館インタビュー

1階は地図や辞典などの参考資料室と閲覧室。この閲覧室は各机に間仕切りがついているので、小学生から大学生までの学生さんや大人の方まで幅広い方々に利用していただいています。2階は一般書コーナー、児童書コーナー、読み聞かせコーナー、AV視聴コーナー、新聞・雑誌コーナー、検索コーナー、そしてカウンターがあります。

流山市役所市民課出張所との複合施設なのですね?

はい。双方に来たついでに用事を済まされる方も多いようなので、便利に使っていただいているようです。また申請さえ出しておいていただければ、出張所がお休みの土日でも図書館の方で書類の受け取りだけはできますし、図書館が休みの日でも新聞だけは出張所の方で読めるようにしてありますので、そういう面でもお互い協力ができていて利用者の方にもメリットがあるかと思います。

毎週日曜日におはなし会を開かれているそうですね。

流山市立木の図書館インタビュー

毎週日曜日の11時~11時半の30分間、この読み聞かせコーナーで実施しています。年齢制限はありませんが、未就学児や小学生が多く来てくれています。手遊びからはじまって、スタッフが4、5冊の本を読むスタイルが定番です。予備の本も何冊か用意しているので、参加者の年齢などを見て、その場で読む本を変えることもあります。

流山市立木の図書館 読み聞かせおはなし会の様子

この読み聞かせスペースは一般の図書スペース側には壁がありますが、児童スペース向きには解放されているので、本を選びに来た小学生が何となく聞いていたり、大人の方も気軽に立ち寄ったりとオープンな雰囲気で実施しています。また絨毯の下は床暖房になっています。のんびりできるスペースで、館内にはオムツ替えや授乳ができる場所もあるので、0歳の赤ちゃんでも安心して遊びに来てほしいですね。

このほかにも東部公民館との共催イベントも多いようですね?

流山市立木の図書館 制作中の一コマ東部公民館での共催イベントのひとコマ
フォトフレームを制作している様子

年9回、工作教室や特別なおはなし会を東部公民館で開催しています。例えば7月は自由研究向けの科学系工作、8月はおばけ集会と称しておはなし会の後にポリ袋を使っておばけになったり、9月はどんぐりや松ぼっくりを使ってフォトフレームを制作、10月はハロウィーン工作として「ほうきとマントを作ろう」など季節に合った工作とおはなし会を実施しています。200~300円程度の実費だけをいただき、小学生のお子さん(保護者がいれば幼児も)20名前後を毎回募集します。工作といっても身近なものを使った簡単な制作で、全て図書館スタッフたちが企画して実施しているものです。そろそろ科学系工作などは専門家のアドバイスがほしいところです(笑)。

流山市立木の図書館 おはなし会(大人向けの部)「バースデーおはなし会」大人向けの部の様子

また毎年4月には「バースデーおはなし会」という少し大がかりなおはなし会も催しています。これは4月にオープンした木の図書館の誕生日記念ということで、赤ちゃん向け・小学生向け・大人向けと3部に分けておはなし会を開催するものです。特に「大人向け」は、いつも話してあげる側の大人たちも話をしてもらう楽しさを感じてもらおうと企画しました。ただただ絵本の世界を味わっていただけるよう、とてもユニークで楽しいイベントになっています。

人気のイベントなどはありますか?

流山市立木の図書館 紙飛行機競技会の様子紙飛行機競技会での一幕

どれもみなさんに楽しんでいただいているようですが、1月に毎年恒例で開催されている「紙飛行機競技会」はパパたちも多く参加するイベントです。まず紙飛行機の「ヘソ型」と「イカ型」の2種類の折り方を、図書館スタッフが模造紙を折りながら指導して、参加者のみなさんと一緒に作ります。そのあと東部公民館のお部屋を使って、子どもは2種類、大人は1種類を飛ばして飛行距離を競います。長く飛んだ方の距離を記録書に書くのですが、よくできたヒコーキだと10mほど飛んで壁に直接当たるものもあるほどです。来年2016(平成28)年1月には第4回目が開かれます。

南柏の子育て環境はいかがでしょうか?

やまびこ公園

流山市は「都心から一番近い森のまち」というキャッチフレーズの通り、とにかく緑が多くて自然豊かな街です。住宅街のなかにはやまびこ公園(正式には東部近隣公園)という大型の公園もあり、園内には林や木製アスレチックなどの遊具を有する芝生広場もあるので休日などには多くの親子連れが集まっているようです。

流山市立木の図書館インタビュー

市内には40か所以上の「赤ちゃんほっとスペース」や駅近の駅前送迎保育ステーションなど、子育てをサポートする施設も充実しているように思います。また近くには流山100か所めぐりにも紹介されている推定樹齢400年以上の見事な“しだれ桜”もあり、歴史のある寺社仏閣なども多いと聞いています。

多くの読み聞かせボランティアの方々が木の図書館にも本を借りにいらして、近隣の小学校などで読み聞かせを行っているというお話を聞くので、親御さんだけでなく様々な方が子どもに関わっているという印象です。また小・中学校での英語教育も力を入れているということで、洋書の絵本を探す方も時々いらっしゃいます。そういう意味で教育に対する意識の高い方が多いような気がしますね。

流山市立木の図書館インタビュー

最近は新しく建設されるマンションや住宅も増え、転入していらっしゃる方も多くお見受けします。プレママさんが育児書などを借りられる姿もよく目にするので、これから育児する方はお仲間が多くて子育てがしやすいのではないかと思います。

流山市立木の図書館インタビュー

今回、話を聞いた人

流山市立 木の図書館

司書 岡さん(左)、荒木さん(右)

所在地:千葉県流山市名都借313-1
電話番号:04-7145-8000
URL:http://www.subaru-shoten.co.jp/tosho/ki/

※2015(平成27)年9月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

流山市立木の図書館 岡さん、荒木さん
所在地:千葉県流山市名都借313−1 
電話番号:04-7145-8000
開館時間:9:30~19:00(日曜日・祝日9:30~17:00)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、月末日(土・日曜日の場合は開館)、年末年始(12月28日~1月4日)、特別整理期間(年15日)
http://www.subaru-shoten.co.jp/tosho/ki/

流山市立向小金小学校 仁井山久夫 校長先生


流山市立向小金小学校
仁井山久夫 校長先生

地域と学校が一心同体で子どもを育てる
「夢と感動あふれる学校」

緑豊かな住宅地のなかにある、広々とした校庭の向小金小学校は、地域・学校・PTAが一体となって子どもたちを育てる温かな教育環境が整っている。「毎日の1時間ごとの授業の積み重ねこそが大切」と語る仁井山校長先生が目指すのは「夢と感動あふれる学校」。知識だけに頼らない「考える授業」を展開し、近隣の大学の留学生との国際交流にも積極的な向小金小学校の特色ある教育活動についてお聞きした。

向小金小学校の概要について教えてください。

流山市立向小金小学校インタビュー

本校は「流山市立東小学校」の分離校として1977(昭和52)年4月に開校いたしました。今年度は1年生から5年生までが各3クラスずつ、6年生が2クラス、たんぽぽ学級1クラスの計18学級、全521名の児童が毎日元気に通っております。今年は新校舎の工事も終了しましたので、新しい校舎を活用しながら教育活動に取り組むことができます。

本校では、魅力のある教育(学力・気力・体力)を柱に「生きる力」を育成し、「夢と感動があふれる学校」を目指しています。

目標達成のために、具体的にはどのような教育を実施されているのでしょうか?

流山市立向小金小学校インタビュー

「夢や感動」は、基礎となる学力が身についていなければ感じることはできません。本校は3分の1が50歳以上のベテラン教師が揃っていますので、学年ごとに日常的に話し合い、分かりやすい授業をするための情報共有や教材研究を通して、ベテランが若手にアドバイスをしたり、実際に子どもたちを指導している場面を見せたりしながら指導力の向上を図っています。

流山市立向小金小学校インタビュー

中学年以上になると塾に通う子どもたちが増え、どうしても知識量の多い子どもたちが活躍する授業になりがち。でも大切なのは「なんで?」「どうして?」と子どもたちが好奇心を抱き、結果「分かった!」「納得した」と思えるような授業ができること。それこそが学校が提案できる授業であり、夢と感動につながる教育活動だと思います。時にはグループで、2人組で、学習の形態を工夫しながら、毎日1時間ごとの「分かる授業」を丁寧にコツコツと積み上げていくことを大切にしています。

地域の方々との関わりが深いとお聞きしました。

流山市立向小金小学校インタビュー正門前の坂(通学路)

はい。この地域は流山市のなかでも少し飛び出したような地形になっていて、そのせいかもしれませんが非常に結束が強く、地域愛があるように思いますね。駅から歩いてくると、住宅街にもゴミひとつ落ちていない整った印象の街で、これは地域の方々の意識の高さと愛情の表れだと感じています。

流山市立向小金小学校インタビュー

毎日、子どもの登下校の見守りに多くのボランティアの方々が立って下さいますし、犬の散歩を兼ねた見守り「ワンワンパトロール隊」も結成されています。以前柏駅で通り魔事件が起きたときも、この地区の方々はすぐに動いてくださり子どもたちの見守りを買って出て下さったと聞いています。

また、毎週金曜日に、保護者や地域の方々がボランティアとして、子どもたちに読み聞かせを通して、本の魅力や語りの工夫について紹介していただいています。ボランティアの方々からは「子どもたちから元気をもらっていて逆に感謝です」と言っていただき、ほんとうに有り難いことだと思っています。

流山市立向小金小学校インタビュー

毎年、2学期の始めに防災訓練と引き渡し訓練を行っていますが、以前、学校だけでなく近隣の方も学校に集合して一緒に訓練を行いました。学校が避難場所になっているからでもありますが、そのときに町内の方々も点呼や避難経路などの確認を行い、地域全体の訓練にもなりました。また、行政と地域と学校が一体となって、防災のための会議を定期的に開き、いざという時のために備える体制を整えています。
学校と地域が分離せず、子どもたちには「いつも見守ってくれている」という感謝の気持ちがありますし、地域の方々も「地域の子どもを守りたい」「皆で育てよう」という気持ちがあります。学校としては本当に有難く感じています。

実際にはどのような交流があるのでしょうか?

流山市立向小金小学校インタビュー

まず向小金地区社会福祉協議会主催の敬老会や公民館の文化祭、自治会の納涼祭などの地域行事に、本校の吹奏楽部が参加して演奏を行っています。本校の運動会には近隣のお年寄りたちをお呼びして、1年生と一緒に競技をしていただくのですが、これは子どもたちのおじいちゃん・おばあちゃんという訳ではなく、純粋に地域の方々をお呼びしています。

流山市立向小金小学校インタビュー

毎年11月に開かれる学校主催の「ふれあいフェスティバル」では、1部で各クラスの成果発表が行われ、2部で子どもたちが歌を発表するのですが、そこに近隣の方々をご招待しています。また2月には「感謝の集い」を開き、学年ごとに「招待状係」や「プレゼント係」を決めて見守りボランティアや読み聞かせボランティアの方々をお招きし、日頃の感謝の気持ちを伝えます。毎年20~30人の方々にご参加いただき、なかには感動して涙を流している方などもいらして、とても気持ちのよい温かい交流が続いています。

「向っこオリンピック」とはどのような取り組みなのでしょうか?

流山市立向小金小学校インタビュー

「向っこオリンピック」は千葉県が子どもの体力向上のために行っている取り組みで、例えば「長縄連続8の字飛び」や「連続馬跳び」「ボールパスラリー」などの競技を、学期毎にで2種目決めて記録会を行います。クラスごとのチーム編成で、朝時間や休み時間を使って練習し、楽しみながら体を動かす取り組みになっています。

このほかにも水曜日は掃除を短くし、ロング昼休みとして長い時間まとめて遊ぶ時間を確保したり、月曜日は1時間目の前の20分間を外遊びの時間にして、子どもたちに外で遊ぶ機会をつくっています。6年生くらいになると女子は教室で過ごしたり、あまり身体を動かさなくなるのですが、1年生との交流を通してつながりができると誘われて一緒に外に遊びに出たりしています。6年生にとっては、1年生から頼られることで、最高学年としての自覚が生まれ、全体の手本となるよい変化がたくさん得られるようになります。

ほかにも「夢ミュージアム」などの特徴のある教育活動がありますね?

流山市立向小金小学校インタビュー

「夢ミュージアム」は上野にある「国立科学博物館」に協力をいただいて実現した学習プログラムで、博物館内の展示物を教材として4年生の子どもが自ら学習を深められるような取り組みです。

流山市立向小金小学校インタビュー

まず博物館内をグループで見学し、自分で取り組みたい研究テーマをひとり1つ選びます。そして2学期にもう一度科学博物館を訪れ、テーマに沿った本物の展示物を見て、関連資料も確認し、ボランティアの方に質問などをして研究を進めます。もちろん学校の図書室やパソコンなども使用して、さらに学習を深めます。これを11月のふれあいフェスティバルの成果発表のときに全員が発表します。

現在は科学博物館に足を運べるのは全2回なのですが、4年生のときに、この「夢ミュージアム」で自分で決めた研究テーマを掘り下げて調べる学びを経験することで、以降の5~6年生での調べ学習へ意欲が高められ、よい影響があると感じます。

近くにある「麗澤大学」との連携や交流はありますか?

流山市立向小金小学校インタビュー

毎年「麗澤大学」の留学生との交流会を開いています。主に5年生が留学生の出身国について事前に調べて、各国の文化や風習についてなどプレゼンを行っています。また同時に日本の文化、食生活や祭、遊びやマンガなどサブカルチャーの紹介なども行い、子どもたちにとっては自分の国を改めて見直すよい機会になっているようです。
留学生の皆さんは日本語を勉強されてはいるものの、コミュニケーションは英語が主流なので、「なかなか英語が通じない」などの経験が「どうしたら伝えられるだろうか」といったプレゼンの工夫や英語活動の意欲化につながっていると思います。

流山市立向小金小学校インタビュー

また今年は流山市の国際交流協会からの依頼があって、カルフォルニア州のレッドランズ大学の大学生やスタッフあわせて18名ほど本校を訪れました。当日、全校児童との交流会を開き、児童会の子どもたちが英語で、原稿を読むのではなく暗記をして学校紹介のスピーチをしたのです。これには向こうの学生や大学教授、私たちも感動しました。

南柏エリアの子育て・教育環境の魅力は?

流山市立向小金小学校インタビュー

まずとても静かで緑が多く、子どもを育てる環境としては非常に恵まれているという点。さきほども言いましたが、街も住宅地もよく整理され、整った環境で子育てができると思います。また地域の方々が子どもをとても大切にしてくださいますので、孤独感や孤立を感じずに子育てができるのではないでしょうか。

通っている子どもたち、親御さんたちの様子はいかがですか?

流山市立向小金小学校インタビュー

とにかく子どもたちが「素直」で「明るい」。これは子どもたちの素養ももちろんあるでしょうが、各家庭がしっかりしているからだと感じますね。また親御さんたちも、「学校に迷惑をかけられない」という気持ちの方々が多いので、だからこそ教師たちも「頑張ろう」「しっかり教育活動をしなければ」と気持ちが引き締ってよい相乗効果があるように感じます。
転入生が来ても、子どもも大人もみんな温かく迎える雰囲気があります。この春は中国からの転校生がありましたが、一生懸命日本語を習いながらすぐに馴染んでいました。PTAの方々も非常に協力的なので、助かっています。

流山市立向小金小学校インタビュー

今回、話を聞いた人

流山市立向小金小学校

仁井山久夫 校長先生

所在地:千葉県流山市向小金3-149-1
電話番号:04-7174-1320
URL:http://www.nagareyama.ed.jp/mukaisyou/

※2015(平成27)年9月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

流山市立向小金小学校 仁井山久夫 校長先生
所在地:千葉県流山市向小金3-149-1 
電話番号:04-7174-1320
http://www.nagareyama.ed.jp/mukaisyou/

子育てサロン「HAPPY KIDS」 櫻井陽子さん


子育てサロン「HAPPY KIDS」
代表 櫻井陽子さん

笑顔とともにある子育てをサポート

子育て支援サロン「子育てサロン HAPPY KIDS」は、“子どもが楽しく参加できる“ことをモットーにしている。不安・悩みのつきまとう子育て世代にとって相談の場、また友達づくりの場としても機能している。笑顔が絶えず、サークルメンバー全員がつくりあげていく「子育てサロン HAPPY KIDS」の代表櫻井陽子さんに、活動内容をはじめ、船橋市の子育て環境についてお話を伺った。

最初に活動内容を教えてください

スケジュール

英語サークル、クッキングサークルの主宰、またハロウィンやクリスマスの時期にはイベントも開催しています。「子育てサロン HAPPY KIDS」が重きを置いているのは“親子で一緒につくる”こと。これまでに無添加石鹸、木工作品、天然虫除けスプレーなどもつくりました。他にも、子育てで悩んでいる方のために「子育てにはコツがある」という講座を開いています。

そもそも「子育てサロン HAPPY KIDS」を立ち上げようと思われたきっかけを伺えますか?

HAPPY KIDS

子どもが成長してくにつれ、親子の時間が少なくなってしまうものですが、そうした貴重な時間を楽しく、有意義に過ごせる場をつくりたいと思ったのが立ち上げたきっかけです。

保育の学校を卒業後、今日までたくさんの育児書を読み、子育て心理カウンセラー、親学アドバイザーの資格を取り、理論を実践する現場に生きがいとやりがいを感じています。今では「HAPPY KIDS」を通して出会う、たくさんのキラキラ輝く子どもたちの瞳に出合うたび、最高にHappyにさせてもらっています(笑)。そして感謝の言葉を伝えてくれるたくさんのお母さまに会うたびに「もっともっと勉強して今以上に居心地よいコミュニティ空間を作っていきたい」と思っています。

メンバーは、どのエリアの方が多いですか?

HAPPY KIDS

船橋市だけでなく八千代市の方もいらっしゃいます。周辺でマンションや分譲住宅の建設が進んでいることもあり、友だちをつくりたいという方も多いので、それを叶えられる場所にしたいですね。活動を通して感じるのは“子どもは自然と育っていく”という考えではなく“成長するために良い環境を与えたい”と子育てに臨んでいる方が多いこと。こうした子育ての姿勢は、この街の特徴かもしれません。

英語サークルの講師である岩崎MIA先生とは、どこで出会われたのでしょうか

HAPPY KIDS

実は、娘の同級生のお母さんで、いわゆるママ友ですね(笑)。英語を公用語として育ったMIA先生と出会ったことで、それぞれの得意分野を活かして何かできないかなと思いました。こうした縁をさらに広げていけば、さらに幅広い活動ができると考えています。

「子育てサロン HAPPY KIDS」の運営に関して、特に大切にされていることがあれば教えてください

HAPPY KIDS

“子どもたちの笑顔を引き出す”ことですね。英語サークルに関して言えば、学びの場というのではなく、楽しく遊びながら子どもたちが自然と英語に触れられる空間づくりを心がけています。参加した当初は、ただ立っているだけの子どもが、こちらの問いかけに英語で応えてくれるようになりました。楽しいと感じることが、長く続けていくためには欠かせない要素だと感じます。

これからの展望についてはいかがですか?

HAPPY KIDS

核家族化が進み、子育ての相談ができない方が増えてきました。これまでの経験や取得した資格を活かし、そのような方をひとりでも減らせるように活動していきたいですね。「子育てサロン HAPPY KIDS」はカルチャースクールではなく、みなさんがつくっていくサークルです。みなさんで話し合いながら、それぞれにとって楽しい時間になるサークルにしていければと思います。

この周辺で気に入っているスポット、また船橋市の子育てに関するイメージを聞かせてください

HAPPY KIDS

好きな場所ということでは、すぐ近くの「坪井近隣公園」は外せませんね。四季を感じられる公園ですし、広々としているので子どもたちを思いっきり遊ばせることができます。船橋市の子育てについてですが、「就園奨励費補助金」や「子ども医療費助成制度」をはじめ、船橋市には子育て世代をサポートする制度が充実していますから、子育てには熱心な自治体ではないかなと思います。

今回、話を聞いた人

HAPPY KIDS

子育て支援サロン「HAPPY KIDS」
櫻井陽子さん(左)
岩崎MIAさん(右)

URL:http://www.geocities.jp/happykids_123/
E-mail: happykids_enjoy@yahoo.co.jp

※記事内容は2014(平成26)年6月時点の情報です。

子育てサロン「HAPPY KIDS」 櫻井陽子さん
http://www.geocities.jp/happykids_123/

静かな雰囲気の中にある小学校

静かな雰囲気の中にある小学校/船橋市立坪井小学校 池田正人校長先生


船橋市立坪井小学佼
池田正人 校長先生

自然の中から学ぶ子どもの育ちを見守る

船橋市の北部にある「船橋市立坪井小学校」は、計画的に造られた新しい街の中にある小学校です。近年は児童数が増え、校内に活気が満ちているというこの小学校で校長を務める池田 正人校長先生に、学校の特徴や力を入れている取り組みについてお話を伺いました。

「坪井小学校」の歴史を教えてください。

船橋市立坪井小学校

本校は1975(昭和50)年創立で、2014(平成26)年に創立40周年を迎えます。正面玄関の前にあるヤマモモの木は開校初期の児童が卒業記念で植えたもので、今は大きな木に成長しました。今のところ40周年の記念行事などは検討の段階ですが、運動会や音楽会などの行事を40周年記念行事と銘打って、子どもたちに本校の歴史を感じてもらいたいと考えています。

船橋市有数の大規模校だそうですね。

船橋市立坪井小学校 生徒数

2004(平成16)年度には児童数が300人を割るくらいまで減少したのですが、その後、周辺の開発が進んできたこともあり再び増加してきました。2014(平成26)年度は32学級1,078名で、船橋市内では3番目の大規模な小学校になります。

大規模な学校ならではのご苦労もあるかと思います。

船橋市立坪井小学校 トロフィー

児童数が増えましたので、本校では校舎の増築工事が行われていまして、2015(平成27)年2月に完成する予定です。人数が多いため、校庭でボール遊びがしにくいといった面は確かにありますが、子ども同士切磋琢磨して成長していくというメリットもあります。本校では教育課程内のクラブ活動のほかに課外活動のクラブがあるのですが、音楽部、バレー部やミニバスケット部、陸上などの大会で優秀な成績を取っています。これも、お互いに競い合うことでレベルアップしている表れといえるのではないでしょうか。

どのようなことを目標に教育に取り組んでいますか。

船橋市立坪井小学校 目標

「自ら学ぶ意欲を持ち、心豊かでたくましい児童の育成」という学校教育目標を掲げ、「自ら学ぶ」という「知」、「心豊か」という「徳」、「たくましい児童」という「体」を教育の三本柱にしています。

学力の向上には、先生の指導の改善に力を入れています。最近は若い先生が増えてきましたので、子どもたちの思いや考え方を授業の中で引き出す方法を身に付けてもらっています。

心を養うという点では、校外学習で実物の土器に触れるなど本物を体験できる機会を増やすとともに、学校内でよい人間関係の構築を目指しています。週に一度、昼休みを延長してたっぷり遊べる「ふれあいタイム」という時間をつくっているのもその一環です。

体力面では、体育の日常化として、朝運動の時間をつくったり、休み時間や体育の授業のはじめの時間になわとびやランニングなどを取り入れ、基礎体力の向上を目指しています。

「ふれあいタイム」ではどのようなことをしているのでしょうか。

船橋市立坪井小学校 グラウンド

毎週水曜日は昼休み後の清掃の時間を昼休みに組み込んでいます。これを「ふれあいタイム」と呼んでいますが、クラスの友達だけでなく、他のクラス、他の学年の子どもたちといっしょに遊んで、お互いに知ってほしいという目的があります。実際に、1年生と6年生が一緒に遊んでいるなど、クラスや学年の枠を超えて遊ぶ姿がみられます。

船橋市は英語特区に指定されていると伺いましたが、どのような授業を行っているのですか。

船橋市立坪井小学校 廊下

小学校5年生と6年生には全国で英語の授業が行われていますが、船橋市では1年生から英語の授業を行っています。時間的には20分と短いのですが、外国語指導助手(ALT)の先生と担任が協力して、ゲーム感覚で英語を学ぶ体験をしてもらっています。店先の野菜の名前やレストランの料理の名前、色・形・動物の名前、あいさつなど、日常のシーンを題材に英語を学ぶことができますので、子どもたちも楽しんでいます。

隣に大きな公園がありますが、授業で活用することはあるのですか。

坪井近隣公園

本校は隣接して「坪井近隣公園」がありますので、授業でも有効に活用しています。図工の授業ではここで写生をすることもありますし、3年生で学区探検という授業があるのですがこの時間に公園内を歩いたりします。マラソン大会で「坪井近隣公園」を使うこともあります。

地域の方との連携はどのようなことをされていますか。

千葉県船橋市坪井東

地域の方には、毎朝、スクールガードとして子どもたちの登下校を見守って頂いています。また、低学年の授業に昔の遊びを体験する時間があるのですが、地域のお年寄りの方にお手玉とかけん玉を教えていただいています。本校は周辺に畑がたくさんあります。校庭の北側の畑をお借りして、野菜作りも行いました。去年は大根やトウモロコシ、船橋特産の小松菜が収穫できました。

保護者の方のご協力にはどんなことがあるのでしょうか。

船橋市立坪井小学校 正面

PTAが主催するバザーが行われていますし、運動会などの行事のお手伝いなどもして頂いています。
保護者の方は、お子さんが学校でどのように過ごしているのか気になることだと思いますので、学校の公開も力を入れています。授業参観は平日と土曜日に行っていますし、運動会など大きな行事は、どなたでもいらしてくださいというスタンスで広く公開しています。

船橋日大前エリアの魅力を教えてください。

船橋市の住宅街

私は30数年前にも本校に勤務していたのですが、その頃は学校の周辺は森が広がっていました。東葉高速線の開通により東京都心へも直結するようになりましたので開発が進み、現在は、船橋を代表する美しい街並みが広がる都市に成長しました。一方で少し離れると、今も自然がたっぷりと残っています。夏になると「坪井近隣公園」では蛍を見ることもできます。このように都会的なところと自然が共存していることがこの地域の宝物だと思います。

船橋市立坪井小学校 正門

今回、話を聞いた人

船橋市立坪井小学校

池田 正人 校長先生

子どもたちの様子を見に毎日学校を回り、成長の様子を感じるのが楽しみとおっしゃる、やさしい笑顔が印象的な先生でした。

住所:千葉県船橋市坪井町747-1
電話番号:047-463-1416
http://www.city.funabashi.chiba.jp/gakkou/0001/tuboi-e/index.html

※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

静かな雰囲気の中にある小学校/船橋市立坪井小学校 池田正人校長先生
所在地:千葉県船橋市坪井町747-1 
電話番号:047-463-1416
http://www.city.funabashi.lg.jp/gakkou/0..

幅広い年齢層が利用できる公共施設

青葉台コミュニティハウス 本の家 鈴木裕子さん


青葉台コミュニティハウス 本の家
館長 鈴木裕子さん
副館長 岡﨑紀子さん

地域に根差した新しいコミュニティの場
「青葉台コミュニティハウス『本の家』」

「青葉台コミュニティハウス『本の家』」は、小さなお子さんから学生、仕事帰りのサラリーマン、定年退職された方まで幅広い年代の方々が集う街のスポット。駅からも近く、市立図書館の本の受け取りや返却もできるので、ますます便利に進化しています。そんな「青葉台コミュニティハウス『本の家』」について、館長の鈴木裕子さんと副館長の岡﨑紀子さんにお話を伺いました。

まず始めに、「コミュニティハウス」について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:横浜市の地域住民の誰もが、図書の閲覧や貸し出し、地域のグループやサークル活動などで利用できるように設置されたものです。近隣の住民の皆さんのために、コミュニティハウスは存在しています。横浜市だと多くが学校型コミュニティハウスと言って、学校の一部分を借りて図書を置いたり、自由に使えるお部屋が何室かあります。それよりも規模の大きなものが地区センターで、そこには卓球やバトミントンができる体育室があったり、会議ができるお部屋も充実しています。「青葉台コミュニティハウス」はその中間みたいな規模ですね。

「青葉台コミュニティハウス『本の家』」の沿革、概要について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:以前ここは区にひとつずつあった青少年図書館でした。この地が青葉区ではなく、まだ緑区だった1972(昭和47)年に、「緑区青少年図書館」として開館しました。区制が変わって「青葉区青少年図書館」になり、1999(平成11)年5月に「青葉台コミュニティハウス『本の家』」となりました。増設して部屋を増やして、エレベーターをつけました。元々青少年図書館だったということもあり、絵本がたくさんありますね。地域のサークルや団体の活動拠点としての役割と、地域の図書館としての役割を併せ持った施設です。

青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー

鈴木裕子館長:コミュニティハウスは、全部で3階建ての建物となっており、3階には図書室が3部屋と学習室があります。図書室は大人向けの一般室、郷土に関する郷土室、子ども向けの絵本やお母さん向けの家庭の本が置いてある児童室がありますね。2階には入ってすぐに事務室と交流コーナーがあります。交流コーナーは自由におしゃべりができたり、館内では「交流コーナー」のみ飲食が可能です。1階には、多目的室という大きなお部屋と小会議室の2部屋あります。2階の中会議室と1階の多目的室と小会議室がサークルや団体にお貸しする部屋です。また、青葉区では市立図書館の本をホームページで予約して、各地区センターなどで受け取りや返却ができるサービスがあり、青葉台コミュニティハウスでもそのサービスを行っていて、大勢の方が利用されています。

「本の家」では、どのような種類の書籍が充実しているのでしょうか。

青葉台コミュニティハウス 本の家

岡﨑紀子副館長:元々青少年図書館だったので、子どもの絵本や紙芝居は充実していて、ご家庭での読み聞かせにもピッタリです。「青葉台コミュニティハウス『本の家』」になってからは、一般のお客さま向けに小説などの読み物も充実させています。話題の本や人気作家の新刊本などを中心に、アンケートやカウンターでのお客さまの声から本を選んでいます。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:図書館ではないので、すべての本を網羅しているわけではありません。限られた予算の中で、地域のニーズに合わせて本を選定しないといけないので、そこが一番悩ましいところですね。今話題になっている芥川賞を受賞したピース又吉さんの『火花』については、現在40人待ちです。市立図書館で借りることもできるのですが、そちらは何千人待ちという状態ですので、両方に予約をして早く順番が回ってきた方で借りるように、みなさん上手に利用されています。

通常の図書館と異なる点や、コミュニティハウスならではの魅力について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:すべての分野を網羅しているわけではないですが、利用者のニーズに合わせた本の選定や、お客様一人一人とのコミュニケーションを大切にした丁寧な対応を心掛けるようにしています。「こういう本を読みたいんだけど、どんな本がいいかしら」と聞かれて、スタッフが一緒に選んであげたりなど、細やかな対応ができることが魅力だと思います。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:大きな図書館と違って、適度な広さなので選びやすく、またお母さんの本とお子さんが読む絵本を一緒の場所に配置することで、親子で揃って読書ができるなど、小さな配慮から、徐々にできることを増やしていきたいと思います。

イベントや、サークル活動等でも異なってくるかと思いますが、ご利用されている方々の年齢層などについて教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:利用者の数は地区センター並みに多く、1日300人前後の利用があります。こちらでは、一般男性、一般女性、幼児、小学生、中学生、高校生で統計を取っているのですが、その中では一般女性が一番多いですね。夏休み期間に入ると図書の利用で、小中学生の利用が増えてきます。

イベント、サークルなども開催されていますが、これまでどのような講座が開かれたのでしょうか。人気の講座や、参加者の方々からいただいている参加した感想などについても教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー

鈴木裕子館長:「音楽の部屋」と言って、年に4回、週末に11時から12時まで多目的室でコンサートを行っていて、出演者の皆さんには、ボランティアで演奏していただいています。クラシックからジャズなどジャンルはさまざまです。こちらで活動しているマンドリンやギターアンサンブルのサークル、近所の学校のブラスバンドを呼んだり、またプロの方をお呼びすることもあります。これはとても好評で、みなさん喜んでくださいます。もう6年くらい続いているイベントです。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:聞いているだけではなく、みんなも一緒に歌おうと、「歌声広場」を開催しています。ここで活動をしている「オヤジサウンズ」というギターアンサンブルのサークルや、「ティータイムハーモニー」というコーラスのサークルの方々が伴奏してくださり、みんなで歌います。「上を向いて歩こう」など昔懐かしい歌を何十曲も歌います。これは年2,3回の開催ですが、「毎月開催してほしい」と言われるほど人気です。

親子で参加できる「おはなしの部屋」や子どもたちが主体の「こども科学教室」なども開催されていますが、それぞれの活動内容について教えてください。また、春休みや夏休みなど、長期休暇で特別に開催されるイベント等もあるのでしょうか。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:「おはなしの部屋」は年に19回、午前中は10時半から、午後は3時から30分間、お子さんが楽しむだけでなく、お母さんにリラックスしてもらったり、お母さん同士で情報共有をしてもらったり親子でほっこりできるような場です。コミュニティハウスが立ち上がった時から活動されている「おはなしひなたボッコ」というサークルの皆さんが、大型絵本や紙芝居、パネルシアターや手遊びなど30分間飽きさせないようにいろんなことをして楽しませて下さいます。午後からの開催は幼稚園の帰りでも寄れるので、好評ですね。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:小学生向けの講座は夏休みや冬休みに行います。「こども科学教室」は夏休みの小学生向けで、「自由工作など一石二鳥になったらいいよね」ということで開催しています。定年退職された方々がボランティアで行っている地域団体の「ひととゆめのネットワーク」の皆さんが来てくださいます。ソーラーカーや天体望遠鏡を作ったり、毎回違ったテーマで行っています。このイベントは、よくお父さんが参加されていますね。お父さんとお子さんで仲良く作っています。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:小学校の長期休暇中にはそのほかにも夏の思い出をスクラップブックにするイベントや、毎年開催している勾玉作りなどがあります。勾玉作りは、「埋蔵文化財センター」の方が四角い削れる石を持って講師で来てくださり、棒やすりで勾玉の形に削って、リリアンの紐をつけてくれます。そのほかにも、こどもの手芸教室を開催して、モール人形を作ったり、カルトナージュをやってみたりと、いろいろおもしろいイベントを開催しています。

街の方々も巻き込んでのイベント企画もあるのでしょうか。

青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー

鈴木裕子館長:毎年秋にサークル発表会と展示会を、交互に開催しています。2014(平成26)年は、ちょうど区政が20周年だったので、展示会で昔の青葉台の写真を展示したり、即売会を行ったりしました。その時も地域の方がたくさん来てくださいました。2015(平成27)年は発表会なので演奏やダンスの発表の場となります。今から楽しみにしています。

※2015(平成27)年の発表会は終了しております

コミュニティハウス内にある学習室の利用について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:学習室は34席あって、皆さん真剣に学習に取り組んでいます。ここで勉強すると試験に受かるというジンクスがあるくらいです。中学生は夕方6時まで、高校生以上は閉館の夜9時まで。中学生は部活がありますから、夏休みに利用が増えていますね。大学生や受験生、一般の方で資格を取るための勉強や、シニアの方で朝から勉強されている方などさまざまです。朝9時から開館なのですが、夏休みには朝の学習室目当てで長蛇の列ができます。満席になった時は、中会議室を開放して対応しています。

周辺の街の魅力や、子育てエリアとしての魅力についても教えてください。

桜台公園

鈴木裕子館長: 子育てや教育に熱心な方が多いと思います。コミュニティハウスでは「おはなしの部屋」を開催したり、月曜日に福祉保健センターの子育てセンターに会場を提供して、小さいお子さんをお持ちのお母さんの「子育て相談」を開催しています。近くの「青葉台地域ケアプラザ」でも子どものお部屋があったり、「青葉区地域子育て支援拠点 ラフール」があったりと、子どもを連れていけるところはたくさんありますね。公園もあるので、子育てエリアとしてはとても良い街ではないかなと思います。

青葉台コミュニティハウス 本の家

岡﨑紀子副館長:こういう施設を利用される方は多いので、文化的な関心は高いと思いますね。住んでいる方がこういう施設を利用しようと思われているということは、意欲を持って生活されていることの現れだと思います。

青葉台コミュニティハウス 本の家

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

青葉台コミュニティハウス 本の家 鈴木裕子さん
所在地:神奈川県横浜市青葉区青葉台2-25-4 
電話番号:045-981-1400
開館時間:9:00~21:00(日曜日、祝日は~17:00)
休館日:月末、年末年始(12/28~1/3)、図書整理期間
https://yokohama-shisetsu.com/aoba/

フランスパンが美味しいベーカリーカフェ

ドイツパンが美味しいベーカリーカフェ/Bakerycafe COPPET 奥山誠さん


Bakerycafe COPPET
店長 奥山誠さん

サザンオールスターズも食べた!?
地域に愛されるコペのパン

県道18号の桜台交差点にある「Bakerycafe COPPET(ベーカリー コペ)」は、30年以上地域に愛されてきたパン屋さん。毎日焼く50種類ものパンを目当てに、お客さんの足は途絶えることがない。イートインもあり平日は地元の主婦の皆さんの憩いの場としても利用されている。店内にはお店のキャラクター「コペニョン」がいたり、小学校の社会の授業の教材として活用されていたりと、パン以外にも話題の絶えないお店だ。そんな「Bakerycafe COPPET」について、2代目店長の奥山誠さんにお話を伺った。

まず始めに、この青葉台エリアにお店をオープンしたきっかけについて教えてください。

店主

僕は2代目で、先代がこの地で「Bakerycafe COPPET」を始めました。この店自体は30年の歴史があり、2015(平成27)年で代替わりをしてから13年目になります。僕とこのお店との出会いは、高校生の時でした。当時「将来何になろうかな」と悩んでいたときだったのですが、ある日姉が買ってきたコぺのパンを食べた瞬間に「おいしい!これだ!」と直感したんですね。気付いたときにはアルバイトとして応募をしていました。

パン陳列全体

高校を卒業した後、専門学校に行き、「Bakerycafe COPPET」に就職しました。それからずっとこのお店でパンを販売しています。長いようですがあっという間ですね。「コペ」という名前は、スイスにあるレマン湖の近くのコペ村が由来です。先代がそこを訪れて、すごく素朴な村だと気に入り、「コぺ」という名前をつけたと聞いています。

お店に来られる方は、周辺にお住まいの方が多いのでしょうか。また、年齢層などについても教えてください。

黒板

時々都内から買いに来て下さる方もいるのですが、だいたいはこの周辺にお住まいの方ですね。年齢層は40歳前後で、9割の方が女性です。ファミリー層が多いので、休みの日には朝から子どもたちが走って買いにきたりします。買ったパンをその場で食べられるイートインも完備しているので、焼きたてのパンをその場で召し上がっていただくことができますよ。おかわりは一律200円で別のドリンクに変更可能です。平日は主婦の皆さんが来て、楽しくおしゃべりをしていますね。青葉区は子どもが多いので、ベビーカーで来店されるお客さんも多いですよ。

フランスパン

また、お年寄りの方もよくご来店されます。皆さん知識が深いので、僕よりマニアックなフランスパンの食べ方を知っていたりするんですよ。お話を聞くと、バブル時代にドイツなどのヨーロッパによく行かれていたそうです。

コペ新聞

そのほかにも、「横浜市立青葉台小学校」の3年生の社会科で、11月初めから12月終わりまでの1ヵ月間、コペを研究する授業にあててくれています。コペを題材にして、スーパーマーケットにある袋に入ったパンとの違いや、コぺのパンの作り方など、いろいろな視点で社会というものを考える授業です。研究結果の成果物はどれも素晴らしく、また子どもたちの目はキラキラしていて、僕としても嬉しい夢のような時間でしたね。

販売されているパンの種類や、販売時間などについても教えてください。

クリームパン

営業時間は朝7時半から夜7時半まで。カフェは朝9時から夕方6時までとなっています。パンは50種類前後ですね。一番人気なのはクリームパンです。ベースになるものと季節ごとに楽しめるものとがあります。デニッシュやカレーの具材など、パンの1割くらいが季節ごとに変わります。

ポパイ

土日は家族連れが多いのでお惣菜のパンや、子どもたちが好きそうなキャラクターのパンを多く作っています。お惣菜は11時から12時にかけて焼きたてを出すようにしているので、それを目当てに来てくださる方もいます。また、朝食に焼きたてを召し上がっていただきたいと思い、土日は朝7時半くらいに焼きたてのフランスパンも提供しています。

青葉台周辺エリアの飲食店とコラボもされていますが、このような企画を始められたきっかけについて教えてください。また、このような取り組みにより、お店同士の関係など変化はありましたか。

コロッケサンド

先日、コぺとイタリアンのお店とラーメン屋さんの3軒で、ミュージシャンが同時にライブを開催しました。「街のBGMプロジェクト(仮名)」と名付けているイベントです。そのほかにも、「シュタットシンケン」というドイツソーセージを作っているお店があるのですが、そのお店で出すホットドックのパンをコぺで作っていたり、ステーキ屋さんとは、大きさや具材を話し合ってハンバーガーを一緒に作りましたね。また、コぺのカツサンドのカツやコロッケ、メンチカツはお肉屋さんに作ってもらっています。カツはヒレカツの特注で、パンのサイズに合わせて作ってもらっていて、お店同士本当に仲がいいですね。

サンドイッチ

きっかけは東日本大震災で、商店街が静かになってしまったことです。何ができるかわからないけど、集まって話をしようということで、青葉台でフェイスブックでつながった人たちとAFF(青葉台で「face to face」)という会を立ち上げました。今でも年に5、6回、80人ぐらい集まります。目的は特になく会って話をするという感じです。

「Bakerycafe COPPET」ならではのイベントについて教えてください。

店全体

音楽のライブのほかに落語ライブも開催しました。僕自身、落語が好きで、歌でライブができるなら落語でもライブができるんじゃないかと考えました。この話をお客さんにすると、アマチュアで落語をやっている方を紹介してもらうことができて。お店を閉めてから、店の真ん中に高座を作って、囃子をかけて、とっても面白かったです。そういうイベントって都内に出ないと行けなかったりするので、子どもを連れていける距離でイベントが開催されるのはすごく嬉しいと、そんな声もいただいています。平日の夜なので、働いている方も仕事帰りに寄ってくれます。コぺでのイベント開催がきっかけで、周辺のいろいろなお店でもさまざまなイベントを開催するようになりました。

壁

起爆剤としての役目は終わったかなと思い、イベント自体は今お休みしているところです。朝から仕事して、イベントをやると、最終的にお店を閉めるのが夜11時くらいになってしまいます。一時期、毎月開催していた頃、スタッフがくたくたに疲れてしまって、今はお休みをしています。

パン

そのほかにラジオ番組も持っています。「FMサルース」という青葉台のコミュニティラジオがあって、土曜日の夕方6時から「Bakery cafe COPPET Presents 佐々木優太のミュージックデニッシュ」という音楽番組を放送しています。プロデューサーがその時間が空いたのでラジオ放送をやらないかと声をかけていただき、始めました。ミュージシャンの佐々木優太さんがパーソナリティを務めています。番組内に「今日のコペパン」というコーナーがあり、佐々木優太さんが食べて音楽で表現するんです。「Ustream」でも見ることができますよ。

近くには、「桜台公園」。少し足を伸ばせば、「もえぎ野公園」と自然も豊かですが、奥山さんがオススメする、パンを片手に楽しむ周辺エリアの散策について教えてください。

サンドイッチ

「桜台公園」という桜がきれいな公園があります。その公園には、池があったりと起伏がある公園なので散歩には向いていますね。この交差点(桜台交差点)から桜のトンネルができるので、春はとてもきれいです。また、商店街にもいろんなお店があるので、一軒一軒回ってみるのも楽しいかもしれません。

メロンパン

「もえぎ野公園」もやっぱり起伏がある公園で池に桟橋があるんです。桜の季節はコぺでパンを買ってそこで召し上がる方が本当に多いですね。

「コペニョン」というキャラクターが人気だそうですね。

コペニョン

昔からコペニョンっていう存在しないキャラクターがいたんです。心のきれいな人にしか見れないというキャラクターです。仕事をしていて、誰もいないところでガシャンって音がすると「今のはコペニョンの仕業だ!」とか、お客さんが来ないと「コペニョンがドアを閉めているんじゃないか」と、先代からそんな話がありました。

コペニョングッズ

2年くらい前に「コペニョン」を描写するとどうなるだろうと、スタッフが考えてきたんです。同時に絵本も描いてきてくれたので、原画を写真にとってフォトブックにしました。すると、とても人気が出て、コペニョンストラップを販売すると、1週間もしないで完売してしまいました。「コペニョンろうそく」や「キーホルダー」、「シール」もあります。周辺の小学生はみんな知っていると思います。

サザンオールスターズの『ピースとハイライト』のPVでお店を使われたそうですね。

パンスライス

サザンオールスターズのメンバーの方がコぺを知っていたみたいで、スタッフの方が見に来られたんです。その方から「急な話ですが、4日後にコぺで撮影がしたい」とお願いされたのですが、指定の日が営業日だったので、「撮影はできません」と伝えると、撮影に訪れるのは、「サザンオールスターズ」なんだと。即「どうぞ」と承諾しました(笑)。実際に来るまでは信じられなかったです。当日、メイクさんやスタッフの方々も多く、撮影中は同じ空間にいるけれど不思議な距離を感じましたね。

食パン

撮影が終わってから熱狂的なファンの方が来店されました。しばらくは撮影に使ったトレーを飾っていたのですが、その写真を撮っていましたね。今は飾っていないので、もしかしたらお客さんは知らず知らずにそのトレーを使っているかもしれません。本当に夢のようでした。

長年お店を営まれてきたからこそ感じる、周辺エリアの魅力について教えてください。

桜台エリアの街並み

街が本当にきれいですよね。よく壁面に落書きがある街もありますが、青葉台にはありません。朝5時くらいに、この辺りの有志の方がゴミ拾いをしてくださっているんです。そのような常に街をキレイにするということに関心の高い方が多いと思います。そのほかにも、青葉区は男性の平均寿命が長いことでも知られていますし、小学校など教育施設も充実していて、お年寄りも子どもも一緒に共存して暮らしている街です。美術大学や体育大学もあるので若者も多いですね。緑も多く自然環境にも恵まれています。

店主

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

ドイツパンが美味しいベーカリーカフェ/Bakerycafe COPPET 奥山誠さん
所在地:神奈川県横浜市青葉区青葉台1-29-3 
電話番号:045-983-5176
営業時間:ベーカリー 7:30~19:00、カフェ 10:00~17:00
定休日:水曜日、第2、第4火曜日
https://445.co.jp/coppet/index.html

永山フェスティバル 荒木喜美子さん


永山フェスティバル
実行委員長 荒木喜美子さん

市民祭を通して発見できる、愛される街「永山」の魅力とは

2014(平成26)年9月20日と21日、好天に恵まれた週末の2日間に、小田急・京王「永山」駅の南側ペデストリアンデッキと公民館ビル「ベルブ永山」を主会場として開催された、「永山フェスティバル」。このフェスティバルは今回で17年目を迎え、原点である「葉月祭り」を含めれば30年以上続いている市民祭。多摩永山エリアでは最大のお祭りでもある。 今回は2014(平成26)年の会場の様子の写真を交えながら、フェスティバルのこれまでの歴史、多摩永山エリアの魅力などについて、実行委員長である荒木喜美子さんにお話をお伺いしました。

2014(平成26)年で17回目を迎えたという「永山フェスティバル」ですが、概要や歴史について教えてください。

ベルブ永山「ベルブ永山」

「永山フェスティバル」の前身としては、もともと「多摩公民館」で活動している市民団体が発表の場として開催していた、「葉月祭り」というものがありました。

それが1987(昭和62)年に、「ベルブ永山」ができ、公民館が移転してきましたので、「葉月祭り」についても、ここでまた同じことをやろう、ということになったのですが、せっかく駅前に移ったことですし、「公民館の利用団体だけの発表ではもう市民はついてこない」という意見もありまして、もっと広く、市民が参加できるものにしようという話になりました。

永山フェスティバル 実行委員長インタビュー

実はもともと、「グリナード永山」で独自にやっていたお祭りがあったのですが、「別々に開催するのはもったいない」という話しになり、「グリナード永山」の事業者である「(株)新都市開発センター」にも賛同していただき、「永山フェスティバル」という一つのお祭りとして、スタートしたんです。

そのお祭りが、「ベルブ永山」のオープンと同時に、1年目の夏に開催されました。その後、開催時期が見直され、今は9月の後半の土日に開催するようになり、「葉月祭り」も含めますと、今まで30回以上開催している恒例のお祭りとなりました。

市民、行政、民間が一緒にお祭りをやるというのは珍しいですね。企画や実行についても、やはり三者が一体になって行っているのでしょうか?

永山フェスティバル

そうですね。出演者、公民館、事業者からそれぞれ、実行委員会のメンバーが集まり、参加団体については市の広報で呼びかけて募っています。

私自身は、もともと消費者団体等連絡会(消団連)に所属していまして、「永山フェスティバル」に参加して以降、企画運営委員会にも所属しています。消団連としましては、出演ということではなくて、ごみの分別やリユース食器使用の推進など、裏方としての仕事をしています。

フェスティバルでは音楽演奏や舞踊を中心に、さまざまなステージや企画が盛りだくさんですが、こちらの出演・出展は、多摩市民の方限定なのでしょうか?

永山フェスティバル 実行委員長インタビュー

市民だけということはないですね。基本としては多摩市民なんですが、市民枠だけではなく、市外の方からも募集を行っています。市民や市外の方、色んな世代の方が「永山フェスティバル」に参加して頂いているので、さまざまなコンテンツが揃い、毎年、委員含め開催を楽しみにしています。

フェスティバルの全体のテーマ、狙いはどんな点にあるのでしょうか?

永山フェスティバル

どんな方でも気軽に来て頂けるようなフェスティバルを目指しています。とは言いましても、やはり基本的には、近くにお住まいの方という点は意識していますね。

テーマは毎年企画委員会で考えているものがありまして、今年のテーマは40周年にちなんで、「まちびらき永山」というテーマに沿って行いました。毎年テーマの言葉は変わっていきますけれども、永山の活性化というのが最大の目的ですので、最終的にはその点を意識したものになっています。

ショッピング施設である「グリナード永山」の方々も参加、協力されているということですね。

永山フェスティバル「グリナード永山」

そうですね。「グリナード永山」の方では、会場としての協力はもちろんですが、出演者としましても、ヤマハ音楽教室「スガナミ楽器」の方もエントリーしていますし、「毎日文化教室」の方で練習されている皆様も、沢山出演されています。スポーツクラブ「NAS永山」の方も出ていますね。「グリナード永山」の店舗の方も、お店以外に露店を出してくださったりしています。特に今年は「永山40周年」ということでしたので、露店の数は例年よりも多かったですね。

これまで長くフェスティバルを開催していらっしゃいますが、街や市民の方同士の結びつきに、どのような変化がありましたか?

永山フェスティバル 実行委員長インタビュー

「フェスティバルによって変わった」というような大げさなことは言えませんけれども、出演してくださる皆様は、ここに出るということを、名誉に感じてくださっているみたいですね。出ることでサークルのステータスが上がって、名前を知ってもらえる、という面はあるかと思いますし、もちろん、ここでサークル同士の知り合いも増えて、いろんなところに、新しいつながりが増えていくということはあるかと思います。

数多くのブースやステージが目白押しですが、特に名物になっているステージなどはあるでしょうか?

永山フェスティバル 実行委員長インタビュー

ステージは「グリナード広場ステージ」が一番人気でして、中でも、子どもたちが出るイベントは沢山の人が見に来られて、盛り上がりますね。「永山高校」の吹奏楽部の演奏も毎年、市民が楽しみにしているもので、とても盛り上がります。全国大会に出場するほど、有名なクラブなんですよ。

そのほかですと、「スマイルキッズバトンクラブ」や、「多摩太鼓」さんも人気がありますね。毎年沢山の方が見に来られています。

2014(平成26)年は「まちびらき40周年」の年ということですが、今後「こんな街になっていけばいいな」という思いはありますか?

永山フェスティバル 実行委員長インタビュー

やはり、市民同士の「つながり」がより一層深まっていけばいいですね。40周年という歴史ある永山はどうしても高齢者が多くなってきています。これを肯定的に捉えて、市民同士がつながって、温かい気持ちになれるような街になればいいかな、と思っています。最近は新しいマンションがどんどんできて、若い方も入ってきていますから、そういった皆さんも巻き込んでいきたいですね。

フェスティバルの将来については、「永山」駅前の京王線・小田急線などの商業施設も含めて、みんながひとつになって、もっと盛大なお祭りにしていければいいな、と思っています。

最後に、永山エリアの魅力についてお聞かせください

永山フェスティバル「小田急永山駅」

私は1972(昭和47)年からずっとここに住んでいますが、多摩永山エリアは本当にいいところですよ。人は優しいし、緑は多いし、みんなそれぞれ、つながりを求めて積極的に動いていますし、とてもいきいきとしています。都心に出かける時には、「新宿」に出るまでがすごくスムーズですし、私は車を持っていませんが、それでも全然大丈夫です。

馬引沢南公園「馬引沢南公園」

ニュータウンはどこに行っても坂が多いので、そこは少し苦労することもあるかもしれませんが、道幅も、歩道の幅も広いですし、歩道が車道と別になっているところも多いです。車が入って来られないような公園もあって、「子どもを遊ばせる時にも安心」とおっしゃるお母さん方は多いですね。

これからは若い方、お子さんを連れた方にも沢山、永山に住んでいただいて、永山をさらに活性化していただきたいな、と思っています。

永山フェスティバル 実行委員長インタビュー

今回、話を聞いた人

永山フェスティバル

実行委員長 荒木喜美子さん

永山フェスティバル
URL:http://nagayamafestival.blog.fc2.com/

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

永山フェスティバル 荒木喜美子さん
所在地:東京都多摩市永山1−4 
http://nagayamafestival.blog.fc2.com/

ヴィヴァーチェ諏訪児童館 原進さん


ヴィヴァーチェ諏訪児童館
多摩市役所子ども青少年部児童青少年課 諏訪児童館 館長 原進さん

地域との連携を大切に、子どもたちが育つよりよい環境を
追求し続ける「ヴィヴァーチェ諏訪児童館」

30年以上もの間、地域の子どもたちや子育て世代の憩いの場として慕われている「ヴィヴァーチェ諏訪児童館」。地域と連携したさまざまな取り組みや、子育て世代に役立つ企画など、常によりよい子育て環境の追及をし続ける児童館です。今回は、多摩市役所子ども青少年部児童青少年課 「ヴィヴァーチェ諏訪児童館」館長の原進さんにお話を伺いました。

施設の概要を教えてください。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

「諏訪児童館」は1982(昭和57)年4月に開館しました。この諏訪地区は多摩ニュータウンの中でも最も入居が早かった地域なんです。1994(平成6)年には多摩市の児童館、学童クラブができてから20周年で、記念として全部の児童館に愛称をつけました。「諏訪児童館」は音楽用語で「快活に」という意味の「ヴィヴァーチェ」という愛称が付けられており、「子どもたちが元気にいきいきと遊べるように」という思いが込められています。

児童館内にはどのような設備・施設があるのでしょうか。また日常や催しの際どのように活用されているのでしょうか。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

利用は一般的な児童館と同じで、0才から18才まで無料で利用できます。設備としては体を動かすプレイルームや、ゲームをしたりする集会室、図書コーナーや授乳室もあります。現在、プレイルームは半分に仕切っていて、半分は小さいお子さんが遊ぶ場所、もう半分は小学生以上が活用する場所に分けています。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

部屋には限りがありますので、集会室を14時まではお弁当を食べる部屋にするなど、イベントに応じて臨機応変に使っています。また2階は学童クラブになっています。

2階が学童クラブになっていますが、児童館も活用できるのでしょうか。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

学童クラブは保育園と同じように利用条件があって、保護者が家にいなくて学校が終わったら一人でお留守番をしなければいけないお子さんが対象です。児童館はそういう条件は無くて18歳までなら誰でも利用することができます。また児童館では登録をすれば利用できますが、学童クラブは市役所での申請が必要です。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

学童クラブに通うお子さんが今日は児童館で遊びたいということもあるのですが、学童クラブはお子さんをお預かりする所ですので、児童館でも遊べてしまうと、どこにいるかわからなくなってしまう恐れもあります。ですので学童クラブに通うお子さんは、普段の施設内では学童クラブで遊ぶというルールを設けています。外ではみんなで遊ぶこともあります。

「ヴィヴァーチェ諏訪児童館」は18歳未満の子どもたちが利用可能となっていますが、実際には、何歳くらいの子どもたちが訪れるのでしょうか。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

生まれて数ヵ月の赤ちゃんから、1歳、2歳のお子さんは午前中によくいらしています。一番多いのは小学生ですね。中学生も来ます。高校生になると学校が離れているので部活をやった後に来るのは厳しいですね。ですが夏休みなどにはちょっと顔を出して、卓球なんかで小学生と遊んでくれたりしています。ほとんどが子育て世代で、特に0才や1才の親子で利用する方がとても多いです。

小さなお子さんが対象のイベントがあるそうなんですが、詳しく教えて下さい。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

0歳児の親子が対象の教室は「ひなたぼっこ」です。毎月第1と第3木曜日の10時半から11時半までの1時間です。お母さん同士の情報交換やおしゃべり、わらべうた、手遊びなどをして楽しく過ごせるような場です。お母さん同士のコミュニケーションというのは大きいので、その時間を意識して作れるようにプログラムを組んでいます。第2と第4木曜日は近くの学童クラブを会場に出張してやっています。

1歳から3歳までの親子が対象の教室は「はとぽっぽ」です。1才児のクラスは第2、第4水曜日、2、3歳児のクラスは第1、第3水曜日で、時間はどちらも10時半から11時半までの1時間です。幼児とお母さんの出会いの場、友達作りの場です。内容は親子エアロビクスや、新聞紙をビリビリ破いて遊んだり、ハロウィンの仮装や運動会もやっています。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

年に何回か栄養士さんや歯科衛生士さん、保健師さんが出張で来て下さいます。多摩市の健康センターでも集団健診等を行っていますが、児童館に来てお話をして下さる機会も設けています。そのため住民の皆さんも身近なところで話ができ、連携が取りやすいと思います。常に子育て世代に役立つ、何かプラスになれるようなことができないかと考えています。

「こどもの王国」という地域のイベントを行っているとお伺いしました。地域の皆さんと連携して行うイベントについて詳しく教えてください。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

2001(平成13)年から毎年9月に「こどもの王国」というイベントを行っています。北諏訪地区交流事業で、「青少年問題協議会北諏訪地区委員会」、「多摩市立諏訪中学校生徒会」、「多摩市立北諏訪小学校」、「多摩市立北諏訪小学校PTA」、「子供会」、「諏訪児童館」が協力して行う、地域をあげての一大イベントです。

場所は「多摩市立北諏訪小学校」で行っており、それぞれの団体が発表やお店を開いたりしてます。「多摩市立諏訪中学校」の生徒会をはじめ、有志のグループはスーパーボールすくいやヨーヨー釣り、くじなどのゲーム。「多摩市立北諏訪小学校」の6年生が有志でスライム作りや大きなつみきで遊ぶ「きたすわプレイランド」。「多摩市立北諏訪小学校合唱団」や「多摩市立諏訪中学校吹奏楽部」の演奏。保護者による「わくわく屋台村」や、移動動物園などです。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

準備は6月からで、中学校に有志の募集をして実行委員会を聞き、何のお店を出店するか決まり次第、当日に向けて児童館で事前準備を積極的に行います。

イベントを地域の皆さんと連携してやっていく比重は大きくなっています。「お子さんたちに豊かな体験を提供すること」を地域の皆さんと一緒にやっていく。すると地域の皆さんは児童館に関心を持って頂けることはもちろん、私達も地域の皆さんを知ることができます。そういう繋がりを大切にしていきたいです。

遊びに来る親御さんやお子さんたちと接する際に、心がけていることなどはありますか。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

利用者が来たら「あいさつをする」ということを心がけています。児童館の利用しやすさは職員によるところが大きいと思っていますので、声掛けを積極的に行うようにしています。児童館は他の人と一緒に過ごす所ですから、子ども達にもコミュニケーションをとってほしいので、まずは職員からあいさつをするようにしています。

永山エリアの子育て環境の魅力について教えてください。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

多摩永山エリアに住んでいる方は、皆さん飾らず、気さくで話しやすい地域です。子育て経験も豊富な方々が住んでいらっしゃるので、交流すれば子育て世代の強い味方になると思います。私自身も児童館を運営している側から、地域や子育て世代の方々のお役に立ちたいと思っています。これまで住んでいた方々と、建て替えで新たに入ってきた方々といい形で結び付いていけば更によりよくなるのではと、今後の多摩永山エリアに期待しています。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館

今回、話を聞いた人

多摩市役所子ども青少年部児童青少年課

「ヴィヴァーチェ諏訪児童館」館長 原進さん

ヴィヴァーチェ諏訪児童館
所在地:東京都多摩市諏訪2-8
電話番号:042-375-0991
URL:http://www.city.tama.lg.jp/kosodate/31/4025/10144/000094.html

※記事内容は2014(平成26)年10月時点の情報です。

ヴィヴァーチェ諏訪児童館 原進さん
所在地:東京都多摩市諏訪2-8 
電話番号:042-375-0991
利用時間:9:00~18:00
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.city.tama.lg.jp/kosodate/31/4..

全国初の 「スーパー食育スクール(SSS)」事業を実践/杉並区立三谷小学校 山岸一良校長先生


杉並区立三谷小学校
山岸一良校長先生

全国初の
「スーパー食育スクール(SSS)」事業を実践

2014(平成26)年度に文部科学省の事業として初めて実施された「スーパー食育スクール(SSS)」。全国から選出された42校が各校ごとにテーマを設定し、“食育”を通じた学力向上、健康増進、地産地消の推進、食文化理解など“食育”の多角的な効果についての検証を行っています。東京都の公立小学校としては唯一「杉並区立三谷(さんや)小学校」が選ばれ、“食育”を通じた和食推進の取り組みを行っています。栄養教諭と切り拓いた“食育”による学校作りとはいったいどのようなものでしょうか。今回は、「スーパー食育スクール(SSS)」事業を実践している山岸校長先生に、取り組みの概要と「三谷小学校」の特色についてお話を伺いました。

まず、学校の沿革と特徴について教えてください。

杉並区立三谷小学校

「杉並区立三谷小学校」は、1956(昭和31)年の開校、長きにわたって地域に根ざした学校で、で、「コミュニティスクール」としての役割を担っています。「コミュニティスクール」とは、地域の意向を汲んだ学校運営が特徴で、保護者はもちろん地域の方々とも深い関わりがあります。

杉並区立三谷小学校

児童数は2014(平成26)年4月1日時点で18クラス488名が在籍し、上井草、今川と桃井地区の一部を通学区域としています。
学校の特色としては今回の「スーパー食育スクール(SSS)」事業のきっかけともなった栄養教諭がいることと、近隣には農地が残っているところもあり、自然や食を考える機会にも恵まれている環境だと思います。

また都立高校で唯一馬術部のある「東京都立農芸高等学校」が近くにあり、馬との触れ合いがあることも特徴のひとつに挙げられると思います。学園祭の後の振替え休日を利用して行われる交流イベントは、10年以上もの歴史があり、馬との触れ合いの中で命の大切さや生き物への愛着の気持ちを育む良い機会となっています。

新たな事業として始まった「スーパー食育スクール(SSS)」とはいったいどのような取り組みですか?

杉並区立三谷小学校 校長インタビュー

2014(平成26)年度に文部科学省の事業として初めて実施された事業で、当校のテーマとしては「学校、家庭での和食推進の取り組みを通した社会性の向上と生活リズムの改善」を掲げましたが、“食育”を通じた学力向上、健康増進、地産地消の推進、食文化理解など多角的な効果についても期待されています。

杉並区立三谷小学校

全国の小・中・高等学校から42校が選出され各校ごとにテーマを設定して取り組んでいますが、東京都の公立小学校としては唯一「三谷小学校」が指定され取り組んでいるという状況です。

全国初の取り組みに対して保護者や地域の方々の反応はどのようなものでしたか?

杉並区立三谷小学校

校長として赴任して4年目を迎えますが、「三谷小学校」では健康教育に力を入れ、「運動、食育、生活習慣」を柱に「生きる力」を育てる教育を行っています。
学力や体力の基礎、基本を付けるということで、保護者や地域の方からも続けてほしいという声が聞かれます。昨年度は、東京都で健康作り功労優秀校に、今年度は、学校保健で文部科学大臣表彰を受けました。

杉並区立三谷小学校

先ほども申し上げたように「三谷小学校」は「コミュニティスクール」としての役割を担っているため、「スーパー食育スクール(SSS)」事業を始めるにあたっても、保護者や地域の方々の“食育”に対する理解はすでにある程度浸透していたと感じています。

また2014(平成26)年には過去1年間にわたって取材いただいた栄養教諭と給食作りについてのドキュメンタリーがテレビで放映されたこともあって、学校の取り組みをご存知の方も多いかと思います。

「スーパー食育スクール(SSS)」事業での取り組みも含め、これまでどのような“食育”の取り組みがあったのでしょうか?

杉並区立三谷小学校

最近の取り組みとしては、年1回弁当の日を決め、弁当作りを給食指導の中で行い、2年目になります。11月末に「弁当の日」を設け、1年間の取り組みとして1年生や2年生はおにぎりが握れるように。3年生や4年生は、おにぎり、たまご料理などのおかず1品の弁当が作れるように。5年生や6年生は、買い物から片づけまでの弁当作りができるように、給食指導の中で行っています。
また、地域の方や企業の方の協力で、「だし・うま味の授業」「鮭の解体を通してのいのちの授業」など、食育を生活につながる「いのちの授業」としてもとらえています。

杉並区立三谷小学校 校長インタビュー

もちろんそこに至るまでは栄養教諭の力が必要でした。給食メニューに月一度の『おにぎり作り』を入れたり、3年生になると「たまご焼き教室」を開いて指導したり、日々の授業においても熱心な取り組みが行われています。

学校でうまくできなかった子どもほど、家に帰ってからも練習するようで、親との関わりもまた食育を通じて得られる貴重な機会だと思います。

杉並区立三谷小学校 校長インタビュー

また栄養教諭とずっと構想を練り上げていた「みそ汁」についての取り組みも「スーパー食育スクール(SSS)」事業の一環として実施することができました。12月の一週間を“みそ汁週間”に指定し、地方によって異なる赤だしや合わせみそなどさまざまなみそ汁を給食として提供し「どれが美味しいか?」をアンケートしました。

杉並区立三谷小学校

すると、“わが家のみそ汁が一番おいしい”という結論に至ったのはよくよく考えれば自然なことでもあり、非常に印象深いものでした。

そこで冬休みを利用して各家庭で自慢の「みそ汁」を募集したところ、総数231点もの応募がありました。今でも写真とともに給食室の前にパネル展示をしています。

杉並区立三谷小学校

「スーパー食育スクール(SSS)」事業では、ほかにも「いただきます」と手を合わせる和食の作法を通じて食への感謝の心を育む「和食器給食指導」や、交流のある山梨県忍野村で田植えや稲刈り体験を行ったり、夏野菜の収穫体験をしたり、座学から体験学習まで様々な取り組みを行いました。

文部科学省の事業として実施した「スーパー食育スクール(SSS)」は1年間の指定のため、この3月でいったん終了となりますが、今後も引き続き食育を通じた学校作りを進めていきたいと考えます。

杉並区立三谷小学校

今回、お話を伺った人

杉並区立三谷小学校

山岸一良校長先生

住所:東京都杉並区上井草3-14-12
電話番号:03-3390-0164
http://www.suginami-school.ed.jp/sanyashou/

※2015(平成27)年2月実施の取材に基づいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

全国初の 「スーパー食育スクール(SSS)」事業を実践/杉並区立三谷小学校 山岸一良校長先生
所在地:東京都杉並区上井草3-14-12 
電話番号:03-3390-0164
http://www.suginami-school.ed.jp/sanyash..

NPO法人 子育て応援ナビ ぽっかぽか インタビュー

子育てママの交流の輪が広がる場/NPO法人 子育て応援ナビ ぽっかぽか 田口陽子さん


子育て支援機関が充実した倉敷市内。その中の3つの拠点で、さまざまな形で子育てママをサポートする「NPO法人 子育て応援ナビ ぽっかぽか」。ひろば代表の田口陽子さんは子育てで悩んだ経験を経て社会福祉士の資格を取得し、実体験と専門知識をもって訪れる子育てママのさまざまな面でサポートしています。

乳幼児期の親子が安心して過ごせる場所をつくりたい

Q:「NPO法人 子育て応援ナビ ぽっかぽか」設立のきっかけは?

もともと私は3人の子どもを育てる主婦でした。子育てを3回も経験したわけですが、三男が不登校になって悩んだ時期があり、「どうして」と、一人で悶々と考える日々を過ごしていました。そんなある日、市内の大学におられた児童精神科医の先生から「あなたが育てた子なのだから、信じて待ってみませんか」と言われて気づいたのです。「私は、自分の気持ちばかりで息子の気持ちを考えていなかった」ということに。

親子が安心できる場所

その後、7年くらいその先生の講義を聴講しました。勉強してみて乳幼児期の過ごし方が非常に大切だと知り、同時に、自分自身は乳幼児期から息子ときちんと向き合えていなかったのではないか、と考えました。この経験や学びを生かして何かしたい、親子が安心して過ごせる場所をつくりたい。そう考えて、一緒に学んだ友人と3人でNPO法人を立ち上げたのです。

それまでただの主婦だった3人ですが、想いに賛同してくださる方のおかげで、今は特徴を違えた3つの施設を運営しています。
その施設とは、倉敷市の地域子育て支援拠点となっている「ひろば ぽっかぽか」と、民家を利用した「さろん ぽっかぽか」、そして倉敷美観地区にある「みんなのぽっ♪カフェ」です。

出会いが広がる場をつくり、子育てママを一人にしない

Q:「ひろば ぽっかぽか」はどんな施設ですか。

0歳〜3歳くらいまでの子どもと保護者が、平日の10時〜15時の好きなときに来て好きなときに帰れる自由な施設です。妊婦さんも大歓迎。子どもたちは絵本や室内遊具で自由に遊べますしベビーベッドもあります。スタッフが3〜5人常駐しているので、スタッフと話をすることでスッキリして帰るお母さんもいらっしゃいますよ。

ベビーベッドも用意されている

一方で、私たちが重視していることは「子育てママ同士の交流」です。スタッフが気をつけているのは、初めて来られたお母さんでもママ友を作れるような環境づくり。まずはスタッフが初めて来所されたお母さんに話しかけてみて、「あの人と家が近い」とか「出身地が同じだ」といった共通点を見つけます。そうして、その共通点を話題にしながら他のお母さんに紹介すると、初めて会った仲でも話が弾むものです。ですから、ここでママ友を作れたおかげで子育てに行き詰まることがなくなり、「ひろば ぽっかぽか」に通う必要がなくなったという方も多いですよ。それでいいんです。こうした出会いが広がる場づくりが私たちの役目なのですから。

「ひろば ぽっかぽか」は、平成28年の春からは東学区に移転する予定なので、倉敷市平田にお住まいの方なら歩いて通えると思います。

Q:「さろん ぽっかぽか」と「みんなのぽっ♪カフェ」はどんなところでしょう。

「さろん ぽっかぽか」

「さろん ぽっかぽか」は、倉敷駅から徒歩3分ほどの住宅街にある古民家で、毎週火曜10時〜13時に開所しています。ここは、「赤ちゃんさろん」といって赤ちゃんとその保護者だけの時間をご用意しています。ここには子どもは赤ちゃんしかいないので、安心して畳の上で思う存分ハイハイしながら動き回ることができます。趣ある古民家はお母さんたちから好評で「実家に帰ったみたいにホッとする」と喜んでいただいています。

「さろん ぽっかぽか」

「みんなのぽっ♪カフェ」は、倉敷美観地区にある「倉敷物語館」の喫茶室で、瓦屋根と白壁が美しく美観地区らしい建物です。子ども用のイスや絵本を用意し、メニューも地元の紅茶や酸化防止剤が入っていないリンゴジュースなど体にやさしいドリンクやスイーツを召し上がっていただけます。

「みんなのぽっ♪カフェ」

誰もが来店できるカフェなので、赤ちゃんから近所のお年寄りまでいろいろな方との出会いの場になっています。もちろん、授乳室やおむつ替えスペースもあります。

親子で寛げる空間

広々とした屋外のスペースも

Q:これから倉敷市で子育てを考えていらっしゃる方へのメッセージをお願いいたします。

倉敷生まれの倉敷育ちですが、あらためて倉敷は落ち着いて暮らすことができて本当にいいところだと思います。これから倉敷で暮らそうとお考えの方が安心して子育てができるよう精一杯お手伝いしますから、行き詰まったときは一人で抱え込まないで、「カフェ」や「ひろば」、「さろん」に気軽にお越しくださいね。

NPO法人 ぽっかぽか

NPO法人 子育て応援ナビ ぽっかぽか

田口陽子さん
岡山県倉敷市中央2丁目倉敷市立倉敷幼稚園
TEL:086-427-5550
営業時間:10:00~19:30
http://www.pokkapon.com/
※この情報は2015(平成27)年11月時点のものです。

子育てママの交流の輪が広がる場/NPO法人 子育て応援ナビ ぽっかぽか 田口陽子さん
所在地:岡山県倉敷市中央2-7-1 
電話番号:086-427-5550
http://www.pokkapon.com/

「よりみちキッチン」で楽しむ「成増」駅ナカ

2016(平成28)年3月にいよいよ開業。「成増」駅直結のショッピング施設「エキア成増」の魅力に迫る!/東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部 課長補佐 酒井亮さん


東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部
課長補佐 酒井亮さん

2016(平成28)年3月にいよいよ開業。「成増」駅直結のショッピング施設「エキア成増」の魅力に迫る!

改修工事が進んでいる東武東上線「成増」駅の「駅ナカ」ショッピング施設として、2016(平成28)年3月に開業予定の「エキア成増」。ここには、全19の店舗が入り、東武線初出店や新業態のお店も多くある。「成増」駅のイメージを刷新することになるであろう、「エキア成増」の誕生。その背景にはどのような思いとストーリーがあったのだろうか。事業の中心人物の一人である、東武鉄道のSC事業部、酒井亮さんにお話を伺った。

「エキア」はこれまで川越、志木、朝霞、松原団地にオープンしており、23区内では初となりますが、今回成増を選んだ理由を教えてください。

「エキア成増」「エキア成増」

「エキア」というブランドは、「駅」に「クイック&クオリティ」と「エリア」を加えた造語の複数店舗からなる「駅ナカ」のブランドになります。 「成増」駅を選んだ理由としては、2014(平成26)年の10月から「成増」駅では改修工事を実施しており、この地には「駅に付帯する商業施設」というポテンシャルだけではなく、「周辺生活者のための商業ポテンシャル」を十分に有することができる環境がある、と判断し、「エキア」ブランドを展開することが決まりました。

もともとは南口側には駅ビルがあり、「東武ストア」が入っていたのですが、1967(昭和42)年の建物ということで耐震化工事の必要があり、自由通路についても、どこか薄暗い印象があったので、時代のニーズにも合わなくなってきていた、という現状がありました。
そこで、南口ビルの建て替えと合わせて、橋上の店舗についても一新することで、時代にあったものにしようというのが、今回の事業の基になります。駅舎の基本的な造りは変わっていませんが、線路の上に新たな床を貼って増床をしていますので、従前の店舗面積よりも広くなっています。

「エキア成増」について、東武鉄道の方々はどういった思いを持って、取り組まれてきたのでしょうか。

イメージ図設計図

私たちは鉄道会社なので、鉄道輸送の安全が最も重要な部分であるとともに、「沿線価値の向上」を図っていく必要もあります。「成増」駅については、東上線の前身である「東上鉄道」の時代にできた駅で、1914(大正3)年、東上鉄道が開業した当初からの駅の一つですし、池袋から急行もしくは準急で一つ目の駅となっており、まさに板橋区を代表する、街の玄関口が「成増」駅であると考えています。また、東京メトロ副都心線の開通によって、エリア競合、路線競合が起き、新宿三丁目や渋谷など、従来には無かった商業エリアが近づいたことで、成増の人々のライフスタイルも大きく変化してきました。 そんな状況の中で、東武鉄道としましては、周辺にお住まいの方にとっての「魅力づくり」に十分に貢献できていなかったというところが、率直な思いとしてありました。
そこで、MD(マーチャンダイジング)と商環境面の刷新、わかりやすいイメージ発信ということで、駅の改装に合わせて、成増エリアの生活をより魅力的にするような場所をつくる、ということを方針に掲げ、プロジェクトに取り組んできました。

「エキア成増」はどのような施設で、いつオープンするのでしょうか。

「エキア成増」通路入口「エキア成増」通路入口

通勤通学、レジャーの際に、寄り道をしながらお買い物やお食事をして頂いたり、プラスαで、「ちょっと幸せな気持ちになれる」という施設を目指すため、「よりみちキッチン」をコンセプトにしています。カジュアルでありながらも上質な空間、今までよりもワンランク上のライフスタイルをイメージしています。 テナント構成は全19店舗で、内訳は飲食が5店舗、食物販が10店舗、雑貨や花、書店などの物販が3店舗で、マッサージ専門のサービス店が1店舗入る予定です。オープンは2016(平成28)年3月25日を予定しています。このうち、「成増 寿し常」につきましては、2015(平成27)年の10月10日に先行オープンしています。

どのような狙いや思いを持って、この19店舗の誘致を行われたのでしょうか。

東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部
課長補佐 酒井さん

「よりみちキッチン」ということで、「幸せな気持ちになれるというシーンって何だろう?」と思い描いた時に、例えば、できたての美味しいおかずであったり、自分へのご褒美に購入するスイーツであったり、新鮮素材が沢山詰まった冷蔵庫であったり、そのようなシーンを思い浮べました。 例として挙げた「幸せ」なシーンに合致するようなお店を、私たちでピックアップをして、共感をして頂いた出店者様が今回ご出店いただいている店舗になります。

今回は東上線にゆかりのあるお店が幾つかあり、目玉になっているそうですね。

「とかち村」のどら焼き「とかち村」のどら焼き

そうですね。東上線ゆかりのお店としては2店舗に出店していただきます。一つは「頑者(がんじゃ)」です。このお店は川越市に本店があるつけ麺とラーメンのお店で、新横浜ラーメン博物館にも出店をされたことのある有名なお店なのです。今回は「頑者製麺所」という新業態でご出店いただきます。 もう一つは、「とかち村」という、「鶴瀬」駅近くにあるお菓子屋です。こちらは2015(平成27)年オープンした「ららぽーと富士見」にも出店をされている話題のお店で、その名の通り、北海道の十勝地方の小豆など、北海道の原材料にこだわったスイーツを展開されています。洋スイーツのほかにも、どら焼きなど和スイーツもありますので、幅広い場面でご利用いただけるかと思います。

そのほかのお店についても、ユニークなお店、話題性の高いお店があれば教えてください

「エキア成増」開発担当者インタビュー食品売場完成予想図

ひとつ意識したのは、成増エリアは今まで「スイーツの空白地帯」と言われていたので、今回はぜひスイーツ、特に洋生菓子のお店に複数入って欲しいと思い、「とかち村」以外にも、レモンパイで有名な「吉祥寺 多奈加亭」や、与野に本店があるプリン専門店「ブーケ」にもご出店をしていただけることになりました。和菓子の専門店も欲しかったので、「深川 伊勢屋」という、門前仲町に本店を持つ和菓子店を誘致させていただきました。こちらは「作り置きをしない」という点がポリシーのお店で、添加物を一切使っていない、安全で身体に優しい和菓子を手にしていただけると思います。

「エキア成増」完成予想図「エキア成増」完成予想図

今回、ほかの「エキア」と比べて初出店のお店が比較的多くあることも特徴になっています。以上のお店はもちろん、花屋も雑貨屋も初めてのお店ですし、ほかとはかなり違う顔ぶれになっています。一番近い「エキア朝霞」と比べても、同じお店は一つもありません。 また、改札内には「文殊」というお蕎麦屋が入ります。こちらも人気が高いお店なので、乗り換えの時などに気軽に寄っていただければ嬉しいです。

グランドオープンに先行して「成増 寿し常」が2015(平成27)年10月にオープンしていますが、利用者の反応はいかがでしょうか?

「成増 寿し常」「成増 寿し常」

「成増 寿し常」については開業以来、多くのお客様にご来店いただいています。「まぐろと魚貝とうまい酒」というサブタイトルがありますが、代名詞と言えばやはりマグロです!週末などはマグロの解体ショーなども開催していらっしゃいますし、メニューにも本マグロの白子の刺身や、「背肉揚げ」など、変わり種のものがあって面白いですよ。「旨い酒」ということにもこだわっていらっしゃって、信州や新潟の地酒をはじめ、「こぼれシャンパン」などユニークな演出をされているので、お酒を召し上がる方にも大変ご好評いただいています。

お客様については、日中は周辺にお住まいのシニア層の方々が比較的多くご利用されています。夕方以降はサラリーマンやOLさんが立ち寄って、夕食代わりに召し上がっていかれている様子が見られますね。23時まで営業していますし、お寿司以外にも天丼やうどんなどもありますので、気軽に寄っていただきやすいお店かと思います。

デザインもかなりこだわっていらっしゃるようですね。全体のイメージや、見どころがあれば教えてください。

「成増」駅通路「成増」駅通路

全体としては、「キッチン」ということで明るくて清潔感のある空間をイメージしてデザインしています。白を基調にしていますので、以前の駅舎を知っていらっしゃる方は、「だいぶ明るくなったな」という印象を抱かれるかと思います。南口の部分には吹き抜けの空間を作り、開放的な雰囲気になるように意識しました。 通路部分については、従前はすべてのお店が自由通路に面していましたが、お店の正面や看板のデザインが統一されていなかったため、雑多な印象になっていました。 そこで今回は、ファサードのデザインを統一して一体感を持たせており、さらに、商業ゾーンが自由通路側に“にじみ出す”ように、タイルのデザインを工夫するなどして、自由通路側から自然な流れで誘引できるようなつくりにしています。一言で言えば「入りやすいデザイン」になっていると思います。

「エキア成増」開発担当者インタビュー統一されたデザイン(完成予想図)

また、「回遊性」も意識しており、例えば「成城石井」のお店が比較的大きなお店になっていますが、こちらには自由通路側以外にもう一つの出入り口を設けています。「スイーツゾーン」へ回遊できるように配慮して設計されました。 また、上の階については雰囲気を少し変えており、エスカレーターを上がったところに「スターバックス」があり、その向かい側に「東武ブックス」があるという配置なのですが、この2店舗と、その間にある共用部分については、床と天井が同じ素材なので、売り場として一体感があるデザインになっています。

また、ご覧頂いてわかる通り、南口の外観についても一新してシンボリックなデザインになりました。「街の玄関口」にふさわしいデザインになっていますので、こちらにも注目して頂ければと思います。

ほかの「エキア」には無い、「エキア成増」ならではの特徴はありますか?

エキア成増ゆったりとした空間(完成予想図)

先ほど、「エキア」は「駅ナカ」のブランドと申し上げましたが、本来「駅ナカ」と言えばクイックさ、つまり素早さが重要で、ほかの「エキア」はそれが全体のコンセプトになっているのですが、「エキア成増」については、「スターバックス」と「東武ブックス」のゾーンについて、比較的長く滞在していただけるような空間づくりにしています。素早さを求めつつも、ゆったりとくつろげるような空間も新しく作ったということは、「エキア」でも初めての試みかと思います。 また、この2店舗のコラボも予定しておりまして、一部の本については、購入前でも持ち込みして試し読みしていただけるような、新たなサービスも予定しています。実現できれば、もちろんこれも「エキア」では初めての試みとなります。

成増にお住まいの方々には、「エキア成増」をどのように利用してほしいとお考えですか?

駅通路部分駅通路部分

本当に「よりみち」をして頂きたい、というコンセプトの場所で、日常の色々なシーンに対応できるようなお店をラインアップしておりますので、飲食であったり、ちょっとしたお買い物であったり、ご褒美のスイーツであったり、という具合に、ご自分のライフスタイルに合わせて気軽にお使いいただければ、それが一番だと思っています。

「成増」駅 北口「成増」駅 北口

「エキア成増」は、特にターゲットにしている年代を設けていません。老若男女、どなたでも使っていただけるお店が多いと思います。ただ、昨今は南口側を中心に新しいマンションもできており、いわゆる「ニューファミリー層」の方も多くなってきています。ベビーカーを押しながら、ご家族一緒に来られたり、という光景が見られれば、非常に嬉しいですね。

最後に、これから成増に住みたいという方に向けて、メッセージをお願いします。

成増は「光が丘公園」という大きな公園が近くにあったり、駅の北口は都内でも珍しい、第一種の低住専(第一種低層住居専用地域)という、良好な住宅地が広がっています。住環境については申し分ない地域ですし、商業エリアについても、駅周辺にダイエーさんや西友さんなど大型店があったり、にぎやかな商店街があったりと、素晴らしいものがあります。また、ターミナル駅の「池袋」駅まで急行・準急で10分という距離で、始発電車も発着しますので、交通の便もたいへん良好です。こういう利便性の高い成増ですので、ぜひお住まいいただいて「エキア成増」にも「よりみち」をして頂ければ、大変嬉しいです。

「エキア成増」開発担当者インタビュー

今回、話を聞いた人

東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部

課長補佐 酒井亮さん

エキア成増
所在地:東京都板橋区成増2-13-1(東武東上線 成増駅直結)
開業予定:2016年3月25日

※2016(平成28)年2月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

2016(平成28)年3月にいよいよ開業。「成増」駅直結のショッピング施設「エキア成増」の魅力に迫る!/東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部 課長補佐 酒井亮さん
所在地:東京都板橋区成増2-13-1 
http://www.tobu-equia.com/narimasu.html

休日・夜間開庁も行う板橋区中枢機関

区民の一声から始まったまちづくり 20年の歳月を経て生まれ変わった「成増」の姿とは/板橋区都市整備部 月間英昭さん


板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ
拠点整備担当係長 月間英昭さん

区民の一声から始まったまちづくり
20年の歳月を経て生まれ変わった「成増」の姿とは

東武東上線「成増」駅の北口側、「アクト1」「アクト2」「アリエス」という愛称で親しまれる複合ビル群を中心に、駅前広場、周囲を囲む駐輪場と公園、街路など、北口一帯の再開発が進められたのは、今から20年以上も前のこと。それまで有効利用がされていなかった北口側に新しい街が創られ、成増エリアの人の流れは大きく変わったという。
今回は少し過去にさかのぼりながら、「成増」駅北口再開発の概要とねらい、その後20年余りの街の変化について、板橋区都市整備部の拠点整備担当係長 月間さんにお話を聞いた。

「成増駅北口地区」事業の概要、コンセプトについて教えてください。

成増 第1期

「成増」駅北口の再開発に関しては、1991(平成3)年に第一地区が完了した事業ということで、なにぶん古いお話になってしまうのですが、当時のパンフレット等を見ながら振り返ってみますと、もともと、昭和40年代くらいから再開発の話が出てきており、再開発の「準備会」が1972(昭和47)年に立ち上がりました。

板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ 拠点整備担当係長 月間英明さん

もともと、東武東上線「成増」駅が開業したのが、1914(大正3)年です。その当時から、南口側には駅前広場を含めた駅の顔づくりが進められてきたのですが、それに対して駅北側は、線路のすぐ近くに7~8メートルの高低差の傾斜面があったということもあり、駅前にもかかわらず、ほとんどが空地か住宅地で、有効利用されているとはいえない状況でした。

成増工事 第二期

そんな駅北側にも、1965(昭和40)年に新しい出口ができ、一応バス路線も幾つか出るようになったのですが、駅舎からは鉄砲階段(直線状の狭い階段)で地上面に降りる構造で、バス道路を横断しないと、反対側に行けないという状況だったそうです。
そういった土地活用の不足を改善しようと、地元の地権者の方が中心となって「準備会」が設置され、個人施行による「第一種市街地再開発事業」として進められました。
再開発は1991(平成3)年に完了した「第一地区」の事業と、1995(平成7)年に完了した「第二地区」の事業がありまして、第一地区については、複合ビル「アクト」と駅前広場を中心とした再開発が行われ、第二地区については、複合ビル「アリエス」の再開発が主となっていました。

まず、第一地区の再開発概要について、詳しく教えてください。

成増 アクト

第一地区の再開発に関しては、「駅前に広場を作る」ということが大きな目的になっており、駅前広場と、そこを起点とした都市計画道路がまず計画されました。「成増」駅は東武東上線の中でも、準急・急行が停車する駅ですから、区としても「北の玄関口」を呼んで大きな期待を寄せていましたので、「交通の結束点」としての駅づくりを目指しました。

板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ 拠点整備担当係長 月間英明さん

商業施設を作って「にぎわい」を作り出す、ということ第一に、「アクト」の建物が造られました。地下から3階まではテナントで埋めるということになり、その際に(以前からあった)「西友 成増店」が拡張して移転したいという意向がありましたので、地下1階から3階までの大部分を占めるキーテナントとして入っていただきました。その他にも、従前からあった「巣鴨信用金庫」や近隣にあった商店などにも、ひとつの建物の中に入っていただきました。
「アクト」の上層階については、駅前の一等地ですので住宅地を配置しようということで、「アクト1」(大きな建物)の一部と、「アクト2」(道路向かいの小さな建物)の全部が分譲住宅となりました。

ACTホール

このほか、板橋区として文化施設を配置したいという意向があり、「成増地域センター」を4階と5階に入れるということが当初から決まっていましたそうです。このうち核となるのが「アクトホール」ですね。
「アクトホール」は多目的に使えるホールで、椅子も可動式のものとなっておりますので、フラットにして使うこともできます。これは当時は画期的なものだったということで、現在に至るまで、レセプションなどはもちろん、劇や音楽鑑賞などにも幅広く使っていただいています。このほか、集会施設、会議室、茶室といった施設もあります。
地区内に従来からあった「成増公園」につきましても、従前は高低差が大きくて鬱蒼とした公園になってしまっていましたから、かさ上げをして、明るい雰囲気の公園にリニューアルを図りました。
自転車駐輪場についても、従来は路上に駐輪場が設けられたていたという状況でしたので、そこを大きく整備して、複数の駐輪施設を新設したということです。

第二地区再開発で造られた「アリエス」について、詳しく教えてください。

板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ 拠点整備担当係長 月間英明さん

こちらはもともと駅前にあった「西友 成増店」が「アクト」内に移転したことから、その跡地を再開発するということで計画され、地下1階地上8階建ての建物として、「アリエス」が造られました。こちらは地下1階から2階までが中小のさまざまな店舗、3階が図書館とアートギャラリー、上層部が賃貸住居ということになっております。

板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ 拠点整備担当係長 月間英明さん

特に図書館については、この再開発で新たに設置され、駅前立地の図書館ということもあり、区内でも非常に利用者が多い館となっております。アートギャラリーは図書館の一部として設置されているもので、区民向けの貸しギャラリーとなっています。

第二地区の開発が終了してすでに23年が経過しましたが、その間、北口付近の様子はどのように変わりましたか?

成増 ペデストリアンデッキ

この再開発事業によって、「アクト」の建物と駅がペデストリアンデッキで直結しましたし、建物の中を通って、後背地にもエレベーターやエスカレーターを使って移動できるようになりましたので、駅利用者の利便性は飛躍的に高まったかと思います。また、新たに駅前広場ができたことで、バスやタクシーの数も大幅に増えまして、「交通の結束」という位置づけが補強されました。ここを起点に、バスでの移動が便利になり、北口を利用する方が大幅に増えたということは聞いております。

板橋区役所 月間さん

南口側や川越街道界隈については、もともと商店の数も、住民の数も多かった地域なのですが、再開発が終了してからは、北口のイメージもがらっと変わりましたので、近隣にどんどんマンションが建ち、北口側にも新しい住民の方が増えてきました。人が増えれば当然人の「動線」も変わってきますので、北口を利用する方は大幅に増えましたし、南口側との行き来についても、増えたかと思います。

板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ 拠点整備担当係長 月間英明さん

また、計画のひとつの大きな目的として「歩行者の安全確保」ということもあったのですが、これも飛躍的に向上したかと思います。デッキができたことで歩行者と車が分離され、安全に駅を利用していただけるようになりました。
さらに、駅前広場を作ったことは防災力の向上にもつながっております。そもそも周囲にできた新しい建築物は自然災害や火災に強いものですが、こうして広場が置かれることで、延焼も抑えられますし、大型の消防車も入れるようになりました。一時避難場所としても活用していただけますから、交通機能の中心にこうして広い敷地ができたことは、災害時の安心にもつながっているのかと思います。

南口側を含め、「成増」駅周辺には昔から親しまれている街の情景、商店街といったものが多くありますが、特別な配慮などはされたのでしょうか?

なりますスキップ村

従前からあった地元の商店街さんに関しては、「共存・共栄」ということで、今も良い形にできているのかと思います。開発にあたって、特別な何かをしたということはありません。と言いますのも、もともと、北口側には「西友 成増店」、南口側には「ダイエー成増店」という大きなお店があって、その周辺に商店が広がっていて、そういうバランスがとれていた中での再開発ということでしたので、再開発によって極端にバランスが変わったということは無いかと思います。
逆に、利便性が高まって新しいマンションなどが増えたことで、店舗の利用者も駅の利用者も増えましたので、全体的に底上げがなされ、商店街にとっても大規模店舗にとっても、いい効果が現れてきているのかと思います。

最後に、成増エリアの魅力について教えてください。

成増駅前広場

そもそも板橋区全体として、住居が多く、ベッドタウンとも言えるような地域なのですが、特に成増エリアについては、東武東上線の準急・急行の停車駅で利便性が高く、駅から近い場所に教育施設や文化施設など、公共施設が良く整っているエリアですから、非常に暮らしやすい地域だと思います。

東京都立赤塚公園 城址地区

環境としても、駅から北のほうに行きますと、ちょっと離れてはいるのですが、「赤塚公園 城址地区」、「東京大仏(乗蓮寺)」、「板橋区立美術館」といった場所もありますし、「赤塚公園 城址地区」については、将来的にはより大きな公園になっていく予定もあります。ですので、家族で暮らす場所としても、非常に居心地のいいエリアかと思います。
そういった快適な環境の中で、商店や大型店舗も沢山揃っておりますし、利便の部分とにぎわい・憩いといった部分がバランスよく充足しているのが、成増エリアの魅力かと思います。「住みやすさ」ということでは、板橋区内でも1、2を争う地域ではないでしょうか。

板橋区役所 月間さん

今回、話を聞いた人

板橋区都市整備部 拠点整備課計画グループ 

拠点整備担当係長 月間英昭さん

区民の一声から始まったまちづくり 20年の歳月を経て生まれ変わった「成増」の姿とは/板橋区都市整備部 月間英昭さん
所在地:東京都板橋区板橋2-66-1 
電話番号:03-3964-1111
開庁時間:8:30~17:00(火曜日 ~19:00、第2日曜日9:00~17:00)
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3) ※休日・夜間サービス窓口を除く
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/

成増エリアを代表する駅前商店街

5つの商店街が織りなすさまざまな取り組み 世代を越えて愛され続ける魅力とは/成増商店街振興組合 理事長 柴崎栄さん


成増商店街振興組合 理事長
柴崎栄さん

5つの商店街が織りなすさまざまな取り組み
世代を越えて愛され続ける魅力とは

「成増」駅周辺には、南口側に4つ、北口側に1つの商店街があり、「ダイエー成増店」や「西友 成増店」といった大規模店舗とともに、徒歩や自転車で気軽に買い物ができる街として、古くから親しまれている。この5つの商店街のうち、もっとも有名なものと言えば、南口を出て右手に伸びる、「なりますスキップ村(成増商店街)」だろう。
今回は「成増商店街振興組合」の理事長である柴崎栄さんに、商店街それぞれの特徴と魅力についてお話を伺った。

「成増」駅周辺には、北と南を合わせて5つの商店街があるということですが、それぞれの概要について教えて下さい。

成増商店街インタビュー

もともとこの辺りは、東武東上線が走り、「成増」駅ができて、そこにだんだんと店が集まってきた、という歴史があります。江戸時代からある街道に沿っていますが、大正時代から発展してきた街です。もっと古い頃には「白子」に街並みの中心がありました。

「成増」にある5つの商店街のうち、歴史的に最も古い商店街は「なりますスキップ村(成増商店街)」だと思います。

いま、成増の商店街は「なりますスキップ村」「成増すずらん通り商店街」「成増南商店街」「兎月園通り商店会」「成増北口通り商店会」という具合に正式には5つに分かれていますが、実際来られるお客様にとっては、成増商店街一体として捉えていただいているかと思います。

それぞれの商店街の特徴について教えてください。

成増商店街インタビュー

通行者数が多いということから、「なりますスキップ村」が成増を代表する商店街と言えると思います。「成増」駅の南口を出て右手側に、川越街道まで続いている商店街ですね。その途中で、左に伸びる商店街がありまして、それが「すずらん通り商店街」です。

成増商店街インタビュー

「なりますスキップ村」については、飲食店やチェーン店(全国展開の店)が多いという点が特徴になっています。通行者が比較的多いですので、空いた場所にはすぐに新しいお店が入るような状況です。時代の流れに合わせて、地元のニーズに合わせて、店が入れ替わっているというのが現状ですね。

成増商店街インタビュー

成増はここ数年で交通の便が非常に良くなりましたから、例えば衣料品や家電製品などについては、今は銀座や新宿、渋谷に行って買うという人が多いですね。そういった変化を受けて、成増の商店街では、食品や日用品、外食関連の店舗の割合が増えています。

「すずらん通り商店街」については、お客様から見ると「なりますスキップ村」と一体になっている商店街と感じられて、全体的な傾向は同じですが、「すずらん通り商店街」は個人店が多めです。

店舗数最大の「南商店街」については、比較的ユニークなお店が多いという印象がありますね。

成増商店街

「スキップ村」周辺にチェーン店が集中していますから、他の商店街では、個人店の割合が高くなっています。特に、店舗数が最も多い「南商店街」については、広いエリアに店が点在していますから、業態も雰囲気もいろいろでして、その分、個性的なお店が多いかと思います。一言で言えば、「バラエティに富む商店街」という感じですね。

兎月園通り商店会

「南商店街」は、南口側駅前通り、川越街道沿い、その南側という広い範囲に広がっているわけですが、実は「兎月園通り商店会」とも隣り合っていまして、「兎月園通り商店会」は小規模な飲食店を中心に、十数店という規模の商店会ですので、近いうちに「南商店街」と合併するという方向で話が進んでいます。

「北口通り商店会」についてはいかがでしょうか?

成増商店街インタビュー

「北口通り商店会」については、駅から商店街の入り口への距離が少し離れているので、駅の利用者というよりは、周辺にお住まいの方が普段の買い物によく使われている商店街ですね。

北口側については、昔は今のようにたくさんの方が住んでいるわけではなかったので、工場や事業所などが多く、地形的にも段差があって、駅からわざわざ行くには少々行きづらい場所になっていたんですね。

北口通り商店街

ただ、最近になって、北口通り商店街の近くにマンションが建ったこともあり、新しい住民の方が増え、通行者数も増えてきました。現状では空き店舗もありますが、今後は若い店主さんの店など、新しい個性的な個人店が増えてくるということは考えられますね。

商店街が主体になって行うイベントには、どのようなものがあるのでしょうか?

成増商店街インタビュー

商店街主催で大きなものとしては、「ハッピーアニバーサリー」というイベントを、毎年5月の土曜日に行っています。「スキップ村」を開村した月が5月だったので、アニバーサリーなんですね。この時には、「すずらん通り」のイベントである「すずらん祭り」も組み合わせて開催していまして、一応お祭りとしては別々なのですが、お昼ぐらいから「すずらん祭り」が始まり、その後に続くようにアニバーサリーが開催されています。

成増商店街インタビュー

子ども向けのイベントとして、輪投げ、すごろくなどの昔ながらの遊びに参加できる場所をいっぱい作り、景品も用意しています。大人向けには、富くじを寄付という形で買ってもらって、抽選で商品が当たるという特典もついています。「高円寺」から阿波おどりの連を呼んで踊ってもらったり、「すずらん通り」では、和太鼓の演奏もやっています。これもすごく盛り上がりますね。

成増商店街インタビュー

また、7月は「ヤンマスよみせまつり」というイベントがあり、「スキップ村」の中に、お店の方が店とは別に夜店を開いて、そこで子どもたちに遊んでもらっています。金魚すくいとか、わたあめのお店などが出ますね。

成増商店街インタビュー

8月の初旬になると、第一木曜日には「成増阿波おどり大会」があり、これもまた大きなイベントになっていますね。今度は「高円寺」だけじゃなくて、いろいろな所から連が参加します。地元からも複数出て、毎年15連ぐらいが踊るでしょうか。これはスキップ村だけではなく、それぞれの商店街でも踊って、最後にスキップ村でも流すということでやっています。これは30年以上続くお祭りで、「板橋の3大まつり」のひとつになっています。

北口側は再開発が行われ、人の流れも変わったかと思いますが、開発が各商店街に及ぼした影響については、どのようにお感じでしょうか?

スキップ村

再開発の際に、図書館などもできましたから、確かに南北の行き来も増えて、新しい人も北口側に来るようになったと思います。

成増の商店街の変化については、再開発の影響というよりも、時代の流れの影響が大きいですね。昔は成増がこの辺りでは一番大きな街でしたから、バスに乗って遠くから来るという方も多くて、今の「ダイエー成増店」の場所には、「成増名店街」というショッピングビルがあったほどでした。

成増商店街インタビュー

でも、今は各地域にそれぞれの街並みやショッピングセンターができましたから、成増の商圏としては昔よりも狭くなっていると思います。その反面で、地域全体で人口は増え、商店数も増えていますから、「より地元の方に向けたお店が増えている」とも言えるかと思います。

最近はマンションが増えて、ファミリー層が増えましたから、商店街にもファミリー層を対象にしたお店が増えているという傾向はあります。特に「なりますスキップ村」については、昔ながらの小さな店舗がどんどん建て替えられて、5階建てぐらいのビルになって、2階や3階にも新しい店が入る場所が生まれましたから、そこに新しい店が入ることが多いですね。

成増の商店街は、いずれも「地域密着型」の商店街として地元の方に愛され続けていると感じます。その秘密はどこにあるとお考えでしょうか?

成増商店街インタビュー

すごく基本的なことなんですが、「きちんと整備されていて、安全に歩ける」ということが第一だと思いますね。街路灯があって、防犯カメラがあって、歩行者の安全が確保されているということですね。

成増商店街インタビュー

もうひとつは、成増の商店街では昔から子どもを対象にしたイベントを数多く行っていて、地域の親子連れの方にたくさん来ていただいているわけですが、その子ども達が大きくなって、お子さんを連れてまた来てくれる、という循環ができているのかと思います。地味ですが、「ずっとやり続ける」というのも大切なことですね。

商店街の今後の展望や課題についてお聞かせください。

 

成増商店街インタビュー

当面の課題は、後継者問題だと思います。後継者が無くなった商店がテナントを募集すると、今はだいたいの場合、チェーン店が入るんですね。そうすると、チェーン店は会社組織ですから、商店街に入ってもらえないところが多い。そうすると、商店街の活動もだんだん難しくなってきます。そういった状況の中で、お客さんからは5つの商店街も「成増の商店街」という1つのものに見えるわけですから、「成増全体を盛り上げないと、お客さんに振り向いてもらえない」という意識を持って、5つの商店会が一丸となって、みんなでこの街を盛り上げようという方向で動いています。2013(平成25)年からは「ホットなりますプロジェクト」もスタートしましたし、商店街のホームページも、5つの商店街を紹介するページとして作っています。今後もそういった取り組みは増えてくるかと思います。

最後に、成増エリアの魅力について教えてください。

成増商店街インタビュー

「とにかく交通の便がいい」という点が、一番の魅力だと思います。商店街も日常的なものはすべて揃っていますし、低価格で質が良いものが多いですね。個性的な店もありますので、是非地元の商店街を見つめ直して欲しいですね。

赤塚公園 城址地区

それから、散策も楽しい街だと思います。川越街道沿いということで歴史もいろいろありますから、道端にふと道祖神があったり、「白子」のほうに行けば湧き水が湧いていたりと、調べてみると奥が深い地域です。そういった歴史的な場所を休日に巡ってみるというのも、楽しいと思いますよ。

成増商店街インタビュー

今回、話を聞いた人

成増商店街振興組合 理事長

柴崎栄さん

http://www.narimasutown.jp/

5つの商店街が織りなすさまざまな取り組み 世代を越えて愛され続ける魅力とは/成増商店街振興組合 理事長 柴崎栄さん
所在地:東京都板橋区成増2 ほか 
https://www.narimasutown.jp/

“知れば知るほど好きになる”国分寺の魅力。 人々が集う地域イベントを楽しもう。/ぶんじマルシェ実行委員会の皆さん


“知れば知るほど好きになる”国分寺の魅力。
人々が集う地域イベントを楽しもう。

「国分寺駅北口再開発」が終わったとき、駅周辺の光景は一変するだろう。さらに街として成熟していく国分寺では、地域の商店会が合同で「ぶんじマルシェ」を結成、新たなイベントの企画・運営などに取り組んでいる。これまで開催した「ぶんじバル」、「ぶんぶんハロウィン」、「ぶんザニア」といったイベントには、地元の老若男女だけでなく遠方からも人々が集まり、メディアにも取り上げられるなど話題を呼んでいる。そんな「ぶんじマルシェ」の会議に参加し、再開発だけではない、古くから人々が住んできた街・国分寺ならではの魅力を聞いた。

「ぶんじマルシェ」を立ち上げるまでの経緯から聞かせてください。

ぶんじマルシェ

「国分寺」駅・北口には8つの商店会があるのですが、これまで商店会同士の交流はほとんどありませんでした。2008(平成20)年に、「国分寺駅北口再開発」の勉強会を開いたことで、街の将来を考えようという機運が高まったのですが、どのような街にするかという具体策はなく、このままでは商店街の存在感が薄れてしまうのではないかという不安がありました。

ぶんじマルシェ

話し合いを続けていくなかで、商店街活性化を目的とした助成金制度を利用し、国分寺の魅力を知ってもらうイベントを開催しようという結論に達しました。各商店会と共同開催にすれば助成金も増えるとのことだったので、それなら一緒にやろうと各商店会の代表や有志が集まり、2013(平成25)年に「ぶんじマルシェ」として活動を始めたのです。

活動の中心である「ぶんじバル」、「ぶんぶんハロウィン」、「ぶんザニア」は、それぞれどんなイベントですか?

ぶんじマルシェ

「ぶんじバル」は、開催期間中に商店街の複数店舗で使えるチケット「ぶんじバルチケット」を購入していただき、好きなお店を自由に巡ってもらいながら、各店でお酒や食事を楽しんでもらうイベントです。商店街にはいろいろな特徴のある美味しい飲食店がたくさんありますから、特に20代から30代の若い皆さんにも、この機会を利用してお気に入りのお店を見つけてもらいたいですね。

ぶんじマルシェ

「ぶんぶんハロウィン」は、子どもも大人も年配の方も多世代が一緒に楽しめる仮装イベントです。昨年の例で言えば、チェックポイントを通過しながら国分寺の魅力を再発見してもらう「謎解きお菓子ラリー」や、「仮装コンテスト」、「仮装パレード」を行い、いずれも大いに盛り上がりましたよ。

ぶんじマルシェ

そして3つめの「ぶんザニア」についてですが、これは小学生などの子どもを対象にした体験型のイベントで、子どもたちが希望した店舗や銀行、消防署等のパビリオンで職業体験ができます。対価として支払われる指定通貨「ぶんゾ」は、当日の屋台でも利用できるなど、仕組みも工夫しました。

ぶんじマルシェ

当初はどれくらい人が集まってくれるかという不安もあったのですが、どのイベントもこちらの想像以上の反響でしたね。特に昨年の「ぶんザニア」に関しては、テレビやラジオのメディアでも取り上げられ、当日午前6時から順番待ちをされる方もいて、1日で1,000人近くの方にお越しいただきました。

課題点を含め、これからの「ぶんじマルシェ」の活動について聞かせてください。

ぶんじマルシェ

協力店舗が増えてきたことについて、本当に嬉しく思っています。商店街だけでなく国分寺全体を盛り上げようという気持ちを、みんなで共有できればいいなと思います。
また私たちの組織についても、特に若い世代の力を積極的に活かしながら、活動を継続させるための組織づくりに努めていきたいと思っています。国分寺は大学が多いので、これまでも東京学芸大学や東京経済大学の学生さんにイベント運営を手伝ってもらうなど、連携をしています。「ぶんザニア」もそうですが、地域の若い世代に国分寺の魅力を体感してもらうことが重要です。地域の将来にとって子どもたちは大事な資産ですからね。

「国分寺駅北口再開発」によって、街はどのように変わっていくと思いますか?

ぶんじマルシェ

駅周辺が充実することで、近隣エリアからも新たに人が訪れるようになると思います。重要なのは、“再開発地区外”も歩いてみようと思わせる街づくりです。もともと複数路線が乗り入れるターミナル駅としてのポテンシャルを活かし、通勤・通学での利用者などにも、商店街に古くからある名店を知ってもらったり、街歩きを楽しんでもらえるような働きかけをしていきたいですね。

一方で、国分寺エリアの変わらない魅力はどんなところでしょうか?

ぶんじマルシェ

国分寺は「武蔵国分寺跡」といった史跡や歴史的スポットも多く、古くから人々が住んできた街です。今も歴史と自然が残る環境のなか、市内で採れた野菜を買えるお店があったり、国分寺ならではのコアな楽しみがあるのが魅力だと思います。そんな、もともとある街の魅力はそのままに、少し見せ方を変えたりすることで、より多くの人に再発見・再認識してもらいたいですね。これまでも、就職・転勤で国分寺を離れる方の多くが、「とても住みやかった」と言ってくれるんですよ。

最後に、国分寺エリアに住もうと考えている方に向けてメッセージをいただけますか?

ぶんじマルシェ

国分寺には、街を離れてもまた戻りたくなる不思議な魅力があります。食事やショッピングだけでは分かりづらい魅力を、街歩きを通して知ってもらえたらありがたいですね。私たち「ぶんじマルシェ」としては、国分寺のファンをもっと増やして、新しく人が入ってきてくれる街にしていきたいと思っています。

ぶんじマルシェ

今回、話を聞いた人

ぶんじマルシェ実行委員会の皆さん

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

 
◆2015(平成27)年度 イベント開催予定◆
2015年9月28日(月)~10月4日(日) ぶんじバル
2015年10月24日(土) 第2回ぶんぶんハロウィン&ぶんじぞう祭り 同時開催
2016年1月31日(日) 第2回ぶんザニア
URL:http://bunjimarche.com/

“知れば知るほど好きになる”国分寺の魅力。 人々が集う地域イベントを楽しもう。/ぶんじマルシェ実行委員会の皆さん
所在地:東京都国分寺市 
電話番号:080-1348-4705
http://bunjimarche.com/

「オーダーを楽しむ」オーダースーツの店

愛する国分寺の地で、皆様の“専属スタイリスト”でありたい。/吉田スーツ オーナー 吉田務さん


吉田スーツ
オーナー 吉田務さん
ゼネラルマネージャー 島田篤志さん

中央線沿線に住んでいる方の落ち着いた雰囲気が好き。
愛する国分寺の地で、皆様の“専属スタイリスト”でありたい。

オーダーメードのことを指すビスポーク。その語源はテーラーと「話しをしながら(be spoken)」服を仕立ていくこと。「国分寺」駅から徒歩5分の「吉田スーツ」は、敷居の高いオーダーメードスーツを気軽に楽しめるテーラーです。驚くべきはオシャレでカッコいいスーツを29,000円(税別)から仕立られるということ。そこでオーナーの吉田務さん、ゼネラルマネージャーの島田篤志さんに、お店と街の魅力についてお話を伺いました。

まず、オーナーの吉田務さんに、「吉田スーツ」の成り立ちや街の魅力について聞いてみました。

現在、下北沢と西新橋にもお店を構えていらっしゃいますが、最初に国分寺にお店を持とうと思ったのはどうしてですか?

吉田スーツ

中学高校時代は三鷹市で過ごしていましたし、以前の職場が国立だったので中央線沿線に親しみがあったからです。しかも、国分寺は三路線入っている駅なので、中央線沿線のお客様や埼玉方面のお客様もご来店しやすいと考えました。そして中央線沿線に住んでいらっしゃる方の、落ち着いた雰囲気が好きと言うのも理由のひとつです。

そもそも吉田さんがスーツの店を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

吉田スーツ

家内の実家がテーラーで、21歳の時にそこで働き始めました。実は働くまではスーツには関心がなかったんです。当時、古着やアメカジが流行していて、こういったスタイルは好きだったのですが、スーツには興味がありませんでした。ただ接客は好きでしたから、テーラーは顧客と話し合いながら1着を作り上げる仕事なので、思い切って飛び込みました。すると働いているうちにスーツに興味が出てきて、よりよいスーツ作りがしたいと思うようになり、2003(平成15)年に独立・開業しました。

「吉田スーツ」が得意とするスーツスタイルはありますか?

吉田スーツ

基本的にはテーラーなので、お客様がほしいと思う物はすべて作れますし、お客様にあった物を提案することができます。ですから得意なスタイルはすべてです。

また、お店独自で提案しているオリジナルスタイルを毎月発表しています。例えば「スイングメイト」という名前のゴルフ用のジャケットや、オーダースーツが初めての方でもすんなり着られる新しいベーシック・スタイルの「マリオ」など、お店から発信しているスタイルもあります。いつ、どういったシーンで着るのかによって、シルエットや生地、色などが決まってくるので、ゴルフ用なら動きやすいスタイルをお勧めしますし、就活なら紺の無地の定番のスタイルをお勧めしています。

吉田さんにとって、国分寺とはどんな街ですか?
ご自身も現在国分寺にお住まいとのことですが、街の魅力や住みやすさのポイント、普段のライフスタイルなどをお聞かせください。

吉田スーツ インタビュー

美味しい飲食店や、緑が多い公園、お寺なども多く、都会と住宅地それぞれの良いところを同時に兼ね備えた、落ち着いた雰囲気が好きです。また、都内にも出やすい距離であるのも魅力です。

「武蔵国分寺公園」や「お鷹の道・真姿の池湧水群」などもありますし、散歩するにはいいコースがあると思いますね。早起きして散歩すると気持ちいいです。

「吉田スーツ」は、国分寺において、どのような一軒でありたいとお考えでしょうか?

吉田スーツ

オーダーはスタイルやデザイン、サイズや着心地など、自分だけの1着を求めるためにしていただくものだと思います。オーダーメイドは敷居が高いように感じますが、決してそんなことはないので、オシャレを楽しみたい時に、お気軽にオーダーして頂ければと思います。また、当店では、お手頃価格の生地から高級素材までそろえていますので、気分やご予算に合わせて自由にお選びいただけます。

吉田スーツ

ファッションセンスに長けたスタッフも多く、どの年代のお客様に対してもそのお客様が今求められている物をお仕立てしています。だからこそ、何度も来ていただけるのだと思います。スーツやジャケットを着て、オシャレを楽しみたいと思った時に、皆様から“専属スタイリスト”として頼って頂けるお店にしたいですね。

 

 

 

 

続いて、「吉田スーツ」のゼネラルマネージャーを務めていらっしゃる島田篤志さんに、国分寺店の魅力や特徴を伺いました。

オーダーメイドスーツを仕立ててもらう際の流れを教えてください。

吉田スーツ

まず仕事用か結婚式用か、どういう用途で着られるのかを伺い、それにあった生地、色や柄を予算にあった価格帯の中から選びます。その後、スタイル表を見て頂いて、裏地やボタンの数、シングルかダブルを決めます。そして、パッド無しの柔らかい雰囲気、アメリカントラッド風のボックスシルエット、今っぽいモードな感じなど、全体のシルエットを決めて頂いたら、襟やポケットの形などを選択して、それから採寸です。以上でおよそ1時間ほどですが、3時間くらい悩む方もいらっしゃいます。そして完成までは約3週間かかります。

国分寺店では、どのような方がオーダーメイドスーツを買いに来られますか?

吉田スーツ

お見えになるお客様の年齢層は幅広く、また、オーダーは初めてで、友人や会社の同僚からの紹介という方も少なくありません。オーダーとなると、どんなものができるのか想像がつきにくいので、お知り合いから聞いた方が安心感があるのだと思います。

吉田スーツ

お客様には、ビジネスマンはもちろん会社の代表の方もいらっしゃいますし、普段はスーツを着ない仕事であっても、趣味でスーツが好きな方もお見えになります。エリアでいうと中央線沿線や都内、埼玉や千葉など、意外に遠方からもご来店いただいています。

「吉田スーツ」ならではの魅力について教えてください。

吉田スーツ

自分だけのオリジナルな1着を作れること。 オーダーと言うと敷居が高いようですが、普段のビジネススーツはもちろん、カジュアルなジャケットやチノパン1本、シャツ1枚からオーダーできますし、洋服全般で幅広く考えて頂けたらと思います。気軽に既製品を買う感覚で来て頂けたら、より一層、楽しんでいただけるでしょう。

吉田スーツ

今回、話を聞いた人

吉田スーツ
吉田さん・島田さん

所在地:東京都国分寺市南町3-11-2
電話番号:042-323-8383
URL:http://www.yoshida-suit.com/yoshida.htm

愛する国分寺の地で、皆様の“専属スタイリスト”でありたい。/吉田スーツ オーナー 吉田務さん
所在地:東京都国分寺市南町3-11-2 
電話番号:042-323-8383
営業時間:12:00~19:00
定休日:月・火曜日
https://yoshida-suit.com/

素の自分に戻れる街で、自然体の交流を楽しんで。/ラヂオキッチン 店主 堀田きよみさん


ラヂオキッチン
店主 堀田きよみさん

素の自分に戻れる街で、自然体の交流を楽しんで。

国分寺駅の北口側、本町1丁目交差点の角に小さな料理店「ラヂオキッチン」を営んでいる、堀田きよみさん。彼女はお店でも日々多くの人々と会話を交わしながら、この街に溶けこみ、盛り上げ、人々をつなぐ橋渡し役の一人となっている。堀田さんに店の特徴や料理にかける思い、国分寺の街の魅力などについてお話を聞いた。

最初に、お店を国分寺に出店された経緯を教えてください。

ラヂオキッチン

私は東京に来てからずっと、三鷹から国分寺の間で生活をしていたんですね。中央線の街って、それぞれ独特の雰囲気があるじゃないですか。そういう雰囲気が好きで、お店の物件も中央線沿いでずっと探していました。いろいろ探した中で、地元の不動産屋さんの協力もあったので、ここに落ち着いたということなんです。

「ラヂオキッチン」というお店の名前の由来は何でしょうか?
また、お店のコンセプトについても教えてください。

ラヂオキッチン

コンセプトは「手作りの食べ物を通して地域の方々とコミュニケーションをする場」です。開店から11年経った今も変わりません。店の名前は、「メッセージを発信していけるお店になりたい」と願いを込めてつけました。ここでいう「メッセージ」とは、食べ物を通してコミュニケーションをしようよ!ということです。

開店から10年以上経って地元にもかなり定着されていることと思いますが、地域の方との交流や関わっているイベントなどについて教えてください。

ラヂオキッチン

「ぶんじバル」をはじめ、商店街の活動にはいろいろと関わっています。「ぶんじバル」というのは、北口の商店会が一緒になって企画・運営をしているイベントで、簡単に言えば、主に個人経営の飲食店を飲み食べ歩きまわって、いろいろなお店を楽しんでもらおう、という取り組みなんですね。7枚つづりのチケットを事前に販売して、それを買ってくださった方が、このエリアを回遊するというイベントです。私も運営側のメンバーなんですが、今年(2015年)で4回目になりまして、今年は9月に開催しました。

あとは、先日は「国分寺野外音楽祭」というイベントがあったんですが、ここの店も会場のひとつになって、東京学芸大学の軽音楽部(JAZZ研)さんにライブ会場として使ってもらいました。普段も店にチラシを色々と置いてありますので、地元のいろいろなイベントや情報は、ここで手に入れてもらえると思います。

店が主催のワークショップやギャラリー、ライブなどはありますか?

ラヂオキッチン

いろんなものを盛り込みすぎるとお客さんは混乱してしまいますから、そうした企画をやりつつも、「イベントの店」「ライブの店」ということだけではなく、基本的には「料理を食べに行くお店」として認知してもらえたらと考えています。その上で、ときどきお祭りの会場になったり、周年パーティーでライブ演奏があったりという風にしていければと思います。

食を通じたイベントは時々企画していて、お客さんから参加を募集しての味噌づくりや、有志で山梨のワイナリーに行くツアーも時々しています。味噌づくりはいまお休み中なんですが、お客さんにまたやって欲しいと言われているので、今年の開催については検討しているところです。また年明けには、初心者向けのワイン教室を予定しています。ソムリエ資格を持つ私が講師を務めます。

お店には、どんな方が主に来られるのでしょうか?

ラヂオキッチン

うちはとても年齢層の幅が広いと思いますよ。学生からお勤めの人、主に20代から60代までという感じです。家族連れも、男性も女性も、さまざまな人が来られます。夜だけの営業なので、割合としては女性よりも男性のほうが若干多いかもしれませんね。

カウンターで一人飲みをするような方は男性が多くて、女性は、テーブルで喋りながら過ごして、奥のテーブル席では学生が何人かで盛り上がっているような、そんな感じでしょうか。

幅広いお客さんたちに、「ラヂオキッチン」でどのように過ごしてほしいとお考えですか?

お店にいらっしゃる方は、地元の方、地元の企業の方、地元の学生さんがほとんどです。長くお店を続けていれば当然お客さんの入れ替わりはありますが、基本的に「学生からお勤めの人まで」「年齢層は幅広く」「男女は同じくらい」という所はあまり変わっていません。やっぱり特に仕事帰りの方などには、「素」になれるような場所、自分に還れるような場所として、くつろいで時間を過ごしていただけたらな、と思います。自分の家のようにリラックスしてもらえたら、一番嬉しいですね。

メニューは世界各国ものに及んでいるようですが、料理のコンセプト、看板料理などはあるのでしょうか?

ラヂオキッチン

看板メニューは季節の煮込み料理です。春はクスクス、夏はアジアンカレー、秋はグラタン、冬はポトフ・・・といった具合に。年間メニューのビーフシチューにはかなり自信があります。また、旅をするのが好きなので、ヨーロッパの家庭料理や郷土料理、東南アジアの屋台料理など、旅先で出会って感動したものを出すこともあります。私は、カテゴライズされるということが苦手で、窮屈に感じるので、自分の興味の湧くままにメニューを作らせてもらっているんです。

ラヂオキッチン

今、お店の方向性としてはワインに力を入れていまして、私自身もワインの勉強をしています。そしてワインと合う料理に力を入れていきたいと思ってます。特にヨーロッパの郷土料理に興味がありますね。家庭的な雰囲気の中で、ワインと料理を安価で楽しんでいただけたらな、と思います。

「スローフード」という言葉を掲げていらっしゃいますが、これに関してのこだわりなど、お聞かせください。

ラヂオキッチン

「スローフード」という言葉については、イタリアのスローフード協会がいろいろと定義付けをしていますので、今後はこの言葉を使わないようにしていくつもりですけれど、もともとこの言葉を使っていたのは、「手作りの、手間ひまかけた料理だよ」ということを表すために、すごく使いやすかったからなんですね。

もちろん今後もずっと、「手作り」というコンセプトは守ってきたいと思います。そうでないと「ラヂオキッチンじゃない」ということになってしまいますので。

国分寺産や長野県産などの野菜、食材を多く使っているようですが、これについてのこだわりを教えてください

ラヂオキッチン

国分寺は農家さんも多く、直売所やJAも充実してます。地場野菜は季節を教えてくれるし、とびきり新鮮!料理のアイデアの源となります。

長野県産が多いのは、私が長野県上田市だからなんです。野菜を送ってくれるのは私の母です。つい先日も加工用トマト(生食用とは異なるイタリア品種)が20kgも届いたので、早速トマトソースにしました。美味しいですよ!そして、じゃがいもと坊ちゃんかぼちゃも到着です。これらはグラタンにしましょうか。秋冬はきのこが楽しみです。それに、長野県には美味しいワインもあるんですよ。そういったものも紹介していきたいと思っています。

国分寺の街の将来に期待することは、どんなことでしょうか?

ラヂオキッチン

この街は「どのような方とも、ささやかな交流ができる」ということが魅力だと思います。私個人の話をすると、常連さんであれ、初めての方であれ、お客様との交流がとても楽しいんです。

ラヂオキッチン

実はさっき言った「ぶんじバル」なんかも、同じように「店と地元の方々をつなぐ」というイベントなんですが、私自身もこの運営側の人間として、ほかのお店に参加をお願いしに行くわけですよ。そうすると、お店の人を思いがけなく楽しく話ができたりして、そういうほどよい距離の人間関係がいいんですとね。だから今後も、つねにそういうのが残っている、あったかい街であってほしいな、と思っています。

堀田さんにとって、国分寺の魅力とはどんなところでしょうか?

「素になれる」というところでしょうか。都心で働いて、帰ってきたら自分に戻れる街なんですね。主人もよく言っているんですが、1週間働いても、土日はここで過ごして、このあたりを散歩すれば、自分を取り戻せる。そういう街なんだと思います。確かに、私もそういうところが良いところなんじゃないかな、って思っています。

あとは、商店街に個人店が多いところがおすすめですね。これから国分寺に住みたい、マンションを買いたい、という方もいらっしゃると思いますが、そういう人もぜひ街に出ていただいて、この街でお気に入りの店を探していただいて、そこで楽しんで、くつろいでいただければと思っています。この店もそのひとつでありたいし、街全体もそういう街であり続けてほしいと思います。

ラヂオキッチン

今回、話を聞いた人

ラヂオキッチン

店主 堀田きよみさん

ラヂオキッチン
所在地:東京都国分寺市本町2-17-2
電話番号:042-325-9907
URL:http://members.jcom.home.ne.jp/radi-kitch/

※記事内容は2015(平成27)年8月時点の情報です。

素の自分に戻れる街で、自然体の交流を楽しんで。/ラヂオキッチン 店主 堀田きよみさん
所在地:東京都国分寺市本町2-17-2 
電話番号:042-325-9907
営業時間:18:00~23:30
定休日:月曜日
http://radi-kitchen.sweet.coocan.jp/

越谷市立大袋東小学校インタビュー

日本一のビオトープを軸にエコ教育を実践する/越谷市立大袋東小学校 中三川 勉 先生


“ビオトープのある学校”として地域で親しまれている「越谷市立大袋東小学校」。「自然・人・物にやさしい東っ子の育成」を基本目標に掲げ、全国一と表彰されたビオトープを核に20数年以上にもわたって環境教育に力を入れてきた。子どもたちが授業の中で主体的に環境保全に関わる仕組みを作り上げた実績は高く評価され、近年はESDを取り入れて国際的な視野にまで学習の幅を広げている。日頃子どもたちがどのように環境学習に取り組んでいるのか、校長の中三川 勉 先生にお話を伺った。

校内に広がる地域の貴重な自然遺産

―まずは学校の沿革・概要をお聞かせください。

越谷市立大袋東小学校外観

中三川校長:1974(昭和49)年に開校し、今年で42年目を迎えました。児童数は今年度が593名と、ごく一般的な中規模校です。ここ数年は児童数600人弱、各学年3クラスぐらいで安定して推移しています。
校舎の北側に約1,500平方メートルと校地のおよそ8%を占めるビオトープ「ならばやし」があり、これを基盤に長年環境教育に力を入れてきました。このあたり一帯はもともと杉や薪炭用の落葉広葉樹が植えられていた雑木林で、学校を作る時に木を伐らないで保存しておいた所がそのままビオトープの一部となっています。かなり古い木もあり、宅地化が進んだ今となっては、この地域の貴重な自然遺産だといえます。

環境教育から持続発展教育へと拡大

―ビオトープを活用した学習はいつ頃から始められたのでしょうか? またその内容や実績について教えてください。

木々が生い茂るビオトープの様子

中三川校長:1993(平成5)年に越谷市の「ふれあいサンクチュアリー整備事業」でビオトープを整備して以来、市のモデル校として環境教育に本格的に取り組み始めました。「もっといきいきビオトープ(MIB)」と称し、5年生が総合的な学習の時間の中でビオトープを維持管理しています。ロープ張りや不要な植物の刈込み、掲示物の作成、池に大量繁殖してしまったザリガニの捕獲、低学年の子を落ち葉プールで遊ばせるなど、1学期から子どもたち自身でテーマを決めてグループに分かれて取り組んでいます。ビオトープではコゲラなど常時5種類ぐらいの野鳥を観察することができますが、5年生のアイデアで鳥の巣箱も設置していますよ。

彩の国埼玉環境大賞の表彰状

本校のビオトープは長年子どもたちが主体となって管理し、それが教育課程の中で位置づけられているという点で、多方面から評価をいただいております。2008(平成20)年には「全国学校ビオトープ・コンクール2007」で日本一の環境大臣賞をいただきました。続けて入賞するのは難しいそうですが、2013(平成25)年と2015(平成27)年には「全国学校・園庭ビオトープコンクール」で日本生態系協会賞を、今年は2度目の「彩の国埼玉環境大賞」をいただいております。歴代の校長や職員がビオトープが本校の環境教育の生命線であるということを意識してきたことが、環境教育をここまで長く続けてこられた理由だと思います。

―現在取り組んでいる環境学習にはどのようなものがありますか?

校内にはこうした環境学習に関する掲示物がたくさん

中三川校長:3~6年生は総合的な学習の時間にテーマ学習として、4大テーマに取り組んでいます。3年生は「3R大作戦」。ゴミの減量やエコキャップの回収に取り組み、節電節水もかなり徹底しています。ゲストティーチャーからリサイクルの現状について話を聞く機会もあります。4年生は「グリーンカーテン」です。2011(平成23)年に校庭西側花壇に設置した大ネットや各階のプランターで6月ぐらいからグリーンカーテンを作り、ゴーヤを中心に苗を植えて育てています。ゴーヤは食べ方の研究をしたり、夏休みの登校日にカレーにして自分たちで食べたり地域の方にふるまったりしています。
5年生はさきほどの「もっといきいきビオトープ」です。6年生はそれまでのエコ活動のまとめとして、「アースレンジャー修了大作戦」に取り組んでいます。自分たちでテーマを決めていますが、今年度は歴史の勉強とからめて江戸のリサイクルについて学んでいました。よしずやわらじ、保存食としてアジの干物を作ったりとユニークでしたよ。またことしは市の行事であるキャンドルナイトにも参加して、レイクタウンの湖岸に子どもたちが牛乳パックで作ったキャンドルホルダーを並べて、キャンドルに火をともしました。
1~2年生は「生活科」でビオトープを活用しています。どんぐり拾いしておもちゃを作ったり、落ち葉プールで遊んだり、昆虫を観察するにももってこいです。
ビオトープは休み時間にも子どもたちによく使われ、親しまれています。本校では自立を養うためノーチャイムを実践していますが、入学したばかりの1年生の中には休み時間になかなかビオトープから帰ってこない子がいるぐらいです(笑)。

―2012(平成24)年度からは持続発展教育(ESD)を取り入れていらっしゃいますね

大賞を受賞した「彩の国埼玉環境大賞」の発表内容の一部

中三川校長:ESD(Education for Sustainable Development)とは、持続可能な社会を創るための発展教育です。開発や環境問題、貧困や人権など地球的規模の課題に対して取り組む国際理解教育とも関連し、学校教育において環境をより広く捉えようという試みです。そこで総合的な学習の時間や生活科で行う従来の環境学習に加え、国際理解は社会、人権教育は道徳といったように、他の教科でも関連した内容を系統づけて指導していきます。今年の「彩の国埼玉環境大賞」受賞では、環境学習からESDへと領域を広げている点が評価されたと伺い、非常に嬉しかったですね。

―「エコフェスティバル」とはどのような行事ですか?

教室風景

中三川校長:2005(平成17)年に埼玉県教育委員会から学校と民間団体とが協働して環境教育を実践する「学・民ジョイントプロジェクト推進校」の委嘱を受けて以来、毎年6月に実施しています。エコ活動や環境教育の啓発プログラムを持っている企業・NPOに依頼し、校内に体験型のブースを設けて子どもたちが順番に回っていきます。1~6年生を縦割りグループにして6年生が小さい子を案内して回るので、異学年交流の機会ともなっています。ことしは早稲田大学の研究所による「外来種をつかまえよう!」、日本プラスチック食品容器工業会の「プラスチック食品容器の一生」、東武鉄道株式会社の「人と環境にやさしい鉄道」など、15団体と各学年の先生たちとで計20ブースが出展しました。保護者にも公開していて、毎回ほぼすべての家庭が参加しています。

“お父さんの会”がボランティアとして活躍

―地域・保護者との連携について教えてください。

ビオトープにある池。奥には橋が架かっている

中三川校長:総合的な学習の時間で、学校ボランティアの方に講師をお願いしています。環境整備においても、“お父さんの会”にビオトープの管理を手伝っていただいたり、埼玉県生態系保護協会越谷支部にビオトープの管理方法や生物調査などで協力していただいています。今ビオトープの池にかかっている橋は“お父さんの会”の大工さんに付け直してもらったものですし、夏休みの逆上がり教室やボール投げ教室でも“お父さんの会”に協力していただいています。

コンパクトにまとまり暮らしやすい街

―学校周辺の街の魅力についてお聞かせください

校庭の様子

中三川校長:私は2013(平成25)年度に本校に赴任しました。ここに来て驚いたのが、小さな喫茶店やレストランが街に点在していて、モーニングなどを召し上がっている年配の方をよく見かけることです。子どもの数そのものは減っていないので、年配の方と若年層がバランスよく過ごしている地域だなと思います。また、街がコンパクトにまとまっているので、暮らしやすいですね。近くには元荒川が流れ、景観的に大きな存在となっています。

中三川 勉 先生

今回、話を聞いた人

越谷市立大袋東小学校
校長 :中三川 勉 先生

所在地 :埼玉県越谷市袋山1750
TEL :048-975-4918
URL:http://school.city.koshigaya.saitama.jp/obukuroh_e/index.html
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

日本一のビオトープを軸にエコ教育を実践する/越谷市立大袋東小学校 中三川 勉 先生
所在地:埼玉県越谷市袋山1750 
電話番号:048-975-4918
https://school.city.koshigaya.saitama.jp..

越谷市立北中学校インタビュー

素直さ・謙虚さ・真摯な態度で学校生活を送る/越谷市立北中学校 鈴木寿一 先生


1960(昭和35)年4月に開校した「越谷市立北中学校」は、吹奏楽部をはじめ部活動が盛んなことでも知られている。そうした部活動の充実もあり、学校選択制を利用して入学を希望する者が多いという。同校を訪ね、部活動や学習面での取り組みについて伺った。

基礎・基本を大切にする姿勢

モダンな佇まいの「越谷市立北中学校」外観

―学校の沿革・概要を聞かせてください。

鈴木校長:本校は1960(昭和35)年4月、「新方中学校」、「桜井中学校」、「大袋中学校」が統合されて開校しました。創造・信頼・実践という3つのキワードを掲げ、日々生徒たちと向き合っています。

教室風景

―学習面に関して、意識的に取り組まれていることはありますか?

鈴木校長:生徒の学力向上に努めるというのは本校に限ったことではありませんが、そのなかでも特徴的と言えるのは、基礎・基本を大切にしていることではないかと思います。学問は積み重ねることが大切ですから、その“始まり”を疎かにすることはできません。

その実践として、全生徒が参加する「計算力コンテスト」を開催しています。クラスごとに平均点を出し、競い合いながら基礎となる計算力を高めようというものです。

それ以外では、家庭学習の大切さを訴えています。新年度の始まりとともに生徒にノートを渡し、毎日1ページ以上を家庭学習で使うようにと伝えています。進捗や方向性を確かめるために、教師は毎日チェックします。

生徒ひとりひとりのひたむきさが学校行事・部活を盛り上げる

部活動の様子

―学校選択制を利用した生徒さんの割合を教えてください。

鈴木校長:毎年、定員を上回る希望者がいるので、抽選して35名前後に絞ります。それは全校生徒の約17%に当たる数字です。規模が大きく、たくさんの部活動が存在することも本校が選ばれる理由ではないかと考えています。

日本伝統文化部が使用している和室と箏

―部活動に参加する生徒さんは多いですか?

そうですね。本校は、部活動が盛んな学校として認知されているようです。外部から先生を招き、箏・茶道・華道を学ぶ日本伝統文化部は、越谷市の取り組みを具現化したものでもあります。

吹奏楽コンクール西関東大会の様子

―コンクールで優秀な成績を納めている吹奏楽部についても聞かせてください。

鈴木校長:吹奏楽部の創設は1964(昭和39)年です。2005(平成17)年から7連続で西関東吹奏楽コンクールに出場し、1度の銀賞、6度の金賞に輝きました。2009(平成21)年度からは3年連続で全日本吹奏楽コンクールに出場しています。

コンクールに参加するだけでなく、「大袋北小学校」に演奏をしにいったり、「越谷市民まつり」をはじめ、地域で開かれるイベントに参加することも多々あります。こうした活動実績は、土曜日も日曜日も関係なく練習してきた成果ではないかと思います。

日常風景

―「北中学校」の生徒さんについて、どのような印象を持たれていますか?

鈴木校長:とても素直で、何事にも一生懸命に取り組む子ども多いですね。勉学、部活動、さらには各行事にも真剣に臨んでくれます。ひたむきさを大切にしながら社会性を身につけ、それぞれが納得する人生を送ってもらいたいですね。

デザイン性が重視された校舎。手すりひとつを見ても装飾が美しい

―それにしても人目を引く特徴的な校舎ですね。

鈴木校長:市内の公共施設は、より市民に親しんでもらえるようにとの考えから、デザイン性が重視されました。日本風であったり西洋風であったり、それは施設ごとに異なります。

下校風景

―学校周辺の環境についても聞かせてください。

鈴木校長:本校の周りは、昔からの閑静な住宅街が広がっています。地域行事が開かれるときなどは街がひとつになり、それを目にするたびに人と土地との結びつきを感じます。そうした土壌が、新しく移り住まれた方によって耕され、さらに豊かになっているような印象を抱いています。

越谷市立北中学校

今回お話を聞いた人

越谷市立北中学校
校長:鈴木寿一 先生

所在地:埼玉県越谷市袋山870
電話番号:048-975-1009
URL:http://school.city.koshigaya.saitama.jp/kita_j/
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

素直さ・謙虚さ・真摯な態度で学校生活を送る/越谷市立北中学校 鈴木寿一 先生
所在地:埼玉県越谷市袋山870 
電話番号:048-975-1009
https://school.city.koshigaya.saitama.jp..

心身ともにバランスのとれた成長を大切にする取り組み/瀬田インターナショナルスクール 代表 三角雅子さん


瀬田インターナショナルスクール
代表 三角雅子さん

心身ともにバランスのとれた成長を
大切にする取り組み

2001(平成13)年の開校より、アットホームな雰囲気のなかで心身ともにバランスのとれた子どもの成長を見守ってきた「瀬田インターナショナルスクール」。アートを取り入れた独自の教育スタイルで学びを促し、情操面の発達も大切にした取り組みが共感を集めています。インターナショナルスクールの代表として、また海外から訪れた子育て中のお母さんの身近な相談役として、奔走する三角雅子さんに日々の活動と二子玉川の魅力についてお話を伺いました。

まず「瀬田インターナショナルスクール」の開校のきっかけを教えてください。

SIS 教育

ひと昔前のインターナショナルスクールというのは、ひたすらテストや勉強に専念するか、遊びを中心とした取り組みかといった“勉強”か“遊び”かの極端に偏った環境だったように思います。そこで、(1)社会性を養うこと、(2)自己の確立を促すこと、(3)年齢に応じた“体力的”な発達、そして(4)年齢に応じた“学力的”な発達の4つを目標に掲げ、心身ともにバランスのとれた子どもの成長を促す場所として、2001(平成13)年に「瀬田インターナショナルスクール」を開校しました。

SIS エントランス

当初は「世田谷区立瀬田中学校」の近くにありましたが、震災をきっかけに子どもたちがより安心して過ごせる場所として現在の場所にあらたに校舎を設けました。当校では1歳半から6歳までの子どもがともに生活をしていて、幼児教育の専門的な教育や実践経験のある先生方と一緒にアットホームな雰囲気のなかで1日を過ごしています。

それぞれの年齢ごとに具体的にどんな活動をしていますか? 1日の流れも含めて教えてください。

SIS お絵かき

まず8時45分から9時までの登校時間から1日がはじまります。9時から9時15分にはいったんみんな揃ってあいさつをして、それから年齢ごとのクラスに分かれます。1歳半から3歳までのクラスでは生徒4人に対して先生1人が担当し、アートに触れる取り組みや、週に1回専任講師を招いた音楽のクラスや日本語のクラスも行っています。

SIS My Dictionary

また3歳から4歳のクラスでもアートを取り入れた取り組みを実践していて、「My dictionary」をひとりひとり制作しながらフォニックスを習得していきます。たとえば、「C」であればとうもろこし(Corn)の粒をCのかたちに貼り付けて、「F」であれば魚(Fish)に色とりどりのうろこを貼り付けて、楽しみながら学ぶことを大切にしています。

SIS My Dictionary 完成

AからZまでの26文字を全部作り終えると、1冊の本にまとめてご家族の方にお渡ししているのですが、記念に残るわが子の作品として大変喜ばれています。

SIS パズル

次に4歳から5歳のクラスになると、本を読みはじめます。パズルで単語を作るところからはじまり、文字の並びから音を理解して自分で本を読む楽しさを感じてもらいます。

SIS 英語宿題

そして5歳から6歳のクラスになると文章が書けるようになり、当校の教育のひと区切りとしてあらたな環境へと後押しします。この頃になると、先生1人に対して8人から10人の子どもがひとクラスになり、集団生活に慣れることを徐々に促していきます。

卒業後の進路はいかがですか?
近くにある「セント・メリーズ・インターナショナル・スクール」との関わりは?

瀬田インターナショナルスクール

現状として、インターナショナルスクールへ進学を希望する方と日本の学校へ進学する方とは半々といったところです。瀬田には幼稚園から小中高まである男子校の「セント・メリーズ・インターナショナル・スクール」もあり、そこへ進学する子どもも多くいます。

SIS 自習

それと地域がら「半年後に出張が決まってしまって、現地での子どもの教育が心配」という相談を受ける機会も多くあり、「限られた時間のなかでフォニックスだけは完璧にしましょう!」と、当校でできることとご両親のニーズが合致して入学を決めるご家族もいらっしゃいます。
また「セント・メリーズ・インターナショナル・スクール」に通う子どもが、平日15時30分からの1クラス50分の「PRIVATE LESSONS」を利用して宿題を教わりに来ることも多く、英語や数学などの予習、復習にも経験豊かな先生が親身になって応えています。

そのほかに「瀬田インターナショナルスクール」ならではの特徴ある取り組みについて教えてください。

当校では“Hands on”、言わば自ら関わって実際にやってみる体験型の取り組みを重視していて、先日は「大豆プロジェクト」という“Project”を掲げて、「大豆から何ができるか?」をみんなで考えたり、その発育について学ぶところから、買い物、実際の調理に至るまですべてを子どもたちが主体となって行いました。

2、3ヵ月にわたって行ったこのプロジェクトでは、大豆を水に付けて豆乳を絞り、にがりをいれて豆腐を作ったり、最終的には大豆で何が作れるかというのを子どもたちが考え、味噌汁を作って食べました。“Project”の1から10まで関わって取り組むことで、子どもたちのプレゼンテーション能力を支える基礎づくりにつなげています。

SIS ドア

また1年を通じたイベントも盛りだくさんで、春には「東京都立砧公園」でお花見をしたり、年に3回の音楽コンサート、農作物をみずから収穫する農業体験も取り入れたりしています。またハロウィンや年末のイベントも賑やかで、瀬田の住宅地を歩きながらハロウィンを楽しんだり、部屋の扉がおばけになったりしたこともありました。

最後に、学校のある瀬田の魅力についてお聞かせください。

二子玉川公園

二子玉川から歩いて10分ほどの距離にある瀬田は、下町の風情も残る落ち着いた雰囲気が特徴的です。ちょっと買い物をしたいときには、「玉川高島屋S・C ガーデンアイランド」まで歩いて行けますし、「二子玉川」駅の「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」も便利だと思います。
それと子どもたちを連れて日本庭園のある「二子玉川公園」にお出かけすることもあり、環境にも恵まれていると思います。瀬田には「セント・メリーズ・インターナショナル・スクール」への進学を目的に引越して来る方も多いと思いますので、国際的な感覚も瀬田ならではの特徴だと思います。

SIS 三角さん

今回、話を聞いた人

瀬田インターナショナルスクール
代表 三角雅子さん

住所:東京都世田谷区瀬田1-27-12
電話番号:03-5717-6769
http://www.seta-inter.com/

心身ともにバランスのとれた成長を大切にする取り組み/瀬田インターナショナルスクール 代表 三角雅子さん
所在地:東京都世田谷区瀬田1-27-12 
電話番号:03-5717-6769
http://www.seta-inter.com/

高台の住宅地に建つ伝統校

地域とともに生徒の夢を叶える学校/世田谷区立瀬田中学校 校長 銅谷新吾先生


世田谷区立瀬田中学校
校長 銅谷新吾先生

地域とともに生徒の夢を叶える学校

東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅から徒歩12分、閑静な住宅街の高台にある「世田谷区立瀬田中学校」。1948(昭和23)年に開校した伝統ある学校で、「よき校風を継承し、豊かな心を持ち行動力のある生徒の育成」を教育目標に掲げています。確かな学力を基にした高い進学実績を目指すとともに、地域でのボランティア活動にも積極的に取り組んでいます。赴任から4年目を迎えた銅谷新吾校長先生に、地域との絆で結ばれた教育活動を中心に伺いました。

「世田谷区立瀬田中学校」の概要について教えてください

瀬田中校舎

昔からの良好な住宅街である瀬田に新制中学校としてつくられ、65年を超える歴史があります。高台にあるため、校庭のグラウンドが校舎より下にあるのが特徴で、地域の方が一生懸命整地をしてくださって完成しました。

学区はこの瀬田と今開発が進んでいる二子玉川という、多摩川に向かって南側の斜面一帯になります。生徒数は各学年3クラス、全体で約300人で世田谷区では平均的な規模の学校です。

「生徒の夢を叶える学校」を目指していらっしゃいますが、学習面ではどんなことに力を入れていますか?

瀬田中ロゴ

もともと十分な学力がある地域なので、日々の授業とともに高校進学指導に力を入れ、進路実績をさらにアップしていこうと取り組んでいます。私は長年高校教員を経験してきたのですが、そのノウハウを生かし、3年生へ高校の選び方や入試の仕組みについて話をしたり、面接の採点ポイントやそのための対策を解説する特別面接講座、希望者を対象にした小論文と作文の講座などを行っています。

瀬田中書道

また、高校の校長もしくは副校長、入試担当を招き、保護者にも参加していただいて、学校説明会とブース形式による合同説明会も開いています。こうした説明会は東京都などでも行っていますが、参加するのがなかなか大変なので、あらかじめ本校の生徒に見合った学校約20校を選んで開催することで、保護者へ利便性を図るとともに、子どもたちへの意識づけをするという意図があります。

各高校との関係がないと難しいので、公立中学では珍しい試みですね。都立高校の校長先生2人に学校評価委員に入っていただき、高校と連携を図りやすくしています。

地域でのボランティア活動がとても盛んだと伺っています

瀬田中グラウンド

本校は地域の方がとても大切にしてくださる学校です。行事が盛んということもあって、地域の方がさまざまな場面で生徒の参加を促してくださっています。盆踊り大会や運動会、フラワーランドフェスティバルや花みず木フェスティバルでの模擬店や抽選会の手伝い、多摩川の花火大会の後のゴミ拾いなどさまざまなボランティア活動があり、生徒は月に1回以上は地域活動に参加しています。また、用賀の児童館での赤ちゃんとの触れ合いや、小さいお子さんたちのイベントの手伝いなどにも行っています。

地域の方からお声掛けがあると、校内の掲示板に案内を掲示して希望者を募ります。地域行事のイベント担当が学校運営委員を兼ねていらっしゃる場合が多く、生徒の受け入れも非常にスムーズです。

瀬田中賞状

ボランティア活動を通して、困っている人や地域の人に尽くすことは、子どもたちにとって生きた社会勉強になります。いろいろな年齢層の方と接して直(じか)に褒められ、励まされ、時に叱られたりすることで、自尊感情を高め、あるいは反省点を持つことができるんです。また、自分はどう生きるのかといった将来の職業選択について考えたり、自分が今している勉強が社会にどう生かされるのかといったことに気付くための「キャリア教育」にもなっています。

地域に開かれた学校であるということですね

瀬田中花壇

PTA活動、運動会や発表会といった行事はもちろん、毎土曜の学校公開日と年3回、1週間の学校公開週間を設けて、保護者の方に自由に学校を見学していただいています。また、年1回、地域の防災担当をお呼びして地域防災訓練を実施し、いざという時に地域で中学生が役立てるようにと、地域の方や保護者と一緒に起震車や消火器などの体験をしています。

保護者の方たちもたいへん協力的です。正面玄関の前に第1回の卒業生が寄贈した二宮金次郎像がありますが、その周りのイングリッシュガーデンは有志の方が年に数回植え替えをして大切に整備をしてくださっています。

「いじめ防止プログラム」があるとお聞きしました。具体的にはどのような取り組みでしょうか?

瀬田中教室

子どもたち自身でいじめを防ぐプログラムで、NPO法人湘南DVサポートセンターと協力し、世田谷区では本校が初めて取り組みました。まず1年生を対象にいじめについて考える講座を開き、その後、希望者を対象にいじめの構造やカウンセリングの知識などを学ぶ“スクールバディ”の講習を開いています。

 

講習を修了した生徒は“スクールバディ”に任命され、いじめが起こらないように昼休みに校内を巡回したり、放課後に相談窓口になったりします。深刻で緊急性がある場合は教員に報告するように指導していますが、子ども同士で励まし合い、相談し合うことで解決してしまうことが多いですね。今、全校で30名ぐらいが“バディ”として活動しています。

世田谷区では近隣の小・中学校で「学び舎」を作って9年間教育を行っています。瀬田中ではどのように連携をしていますか?

瀬田中子ども新聞

学区にある「世田谷区立瀬田小学校」と「世田谷区立二子玉川小学校」と3校で「多摩川の学び舎」を作り、学校行事などで交流を図っています。ボランティアを兼ねて本校の生徒が小学校の運動会で用具係や低学年のお世話をしたり、本校の合唱コンクールのオープニングイベントで小学生に合唱をしてもらうなどの交流があります。

また、本校は世田谷区が指定する「地域運営学校」であり、学校運営委員が主体となって各種検定を実施していますが、小学校へ呼びかけて小・中学生が合同で漢字検定を受けています。年に2回実施し、毎回小学生100人、中学生50人ぐらいが参加しています。

先生からご覧になって、瀬田中にはどんな生徒さんが多いでしょうか?

瀬田中野球写真

基本的にまじめですし、なにより家庭がしっかりしていることによる力は大きいと思いますね。学力調査と合わせて生徒に生活環境調査をしていますが、「学校が楽しい」「家庭が楽しい」「一家団欒の時間がとれている」「食事は家族みんなでする」といった回答の割合がすごく高い。しっかりしたご家庭で、すくすく育っている子どもたちだなと思います。

周辺エリアの魅力についてご紹介ください

二子玉川商店街

なんといっても環境がすばらしいですね。良好な住宅街であり、良好な商店街があります。駅周辺もファッショナブルで洗練されていて、商業施設は「玉川タカシマヤ」が高級志向、「二子玉川ライズ」が若者向けとうまく分かれています。繁華街といっても健全な印象で、そういう地域で育つことは子どもたちの健全育成にとって大きいと思います。

二子玉川ライズ・ショッピングセンター

2年生は3日間、地域の事業所や商店で職場体験をさせていただいていますが、子どもたちを送り出すにもまったく心配がいりません。体験先もたくさんあって、「玉川タカシマヤ」や「二子玉川ライズ」、有料老人ホーム、保育園など、さまざまな職場で貴重な体験をさせていただています。

 

地域の方々からお声掛けをいただき、生徒数に限りがあるため、お断りしなくてはならない場合があるほどです。地域ぐるみで子どもを育て、やがてよき社会人として地域の担い手になってほしいという地域の方たちの思いがとてもありがたいですね。

世田谷区立瀬田中学校インタビュー

今回、話を聞いた人

世田谷区立瀬田中学校
校長 銅谷新吾先生

住所:東京都世田谷区瀬田2-17-1
電話番号:03-3700-6900
http://school.setagaya.ed.jp/tseta/

※2014(平成26)年11月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

地域とともに生徒の夢を叶える学校/世田谷区立瀬田中学校 校長 銅谷新吾先生
所在地:東京都世田谷区瀬田2-17-1 
電話番号:03-3700-6900
http://school.setagaya.ed.jp/tseta/

次世代へと受け継がれていく誰もが快適に過ごせる街づくり/二子玉川東第二地区市街地再開発組合 理事長 川邉義髙さん


二子玉川東第二地区市街地再開発組合
理事長 川邉義髙さん

次世代へと受け継がれていく
誰もが快適に過ごせる街づくり

2011(平成23)年に二子玉川東地区で「二子玉川ライズ」という新しい街が誕生しました。現在も第二期事業が進行中で、さらに魅力的で回遊性・利便性の高い街になる予定です。今回、長年街の変化を見守ってきた「二子玉川東第二地区市街地再開発組合」の理事長・川邉義髙氏にお話を伺うことができました。

introduction:「二子玉川ライズ」誕生までの歴史・経緯

二子玉川ライズ・ショッピングセンター二子玉川ライズ・ショッピングセンター

二子玉川は、古くは多摩川や遊園地があったため多くの行楽客が訪れ、東京にあるリゾート地として発展してきた。1969(昭和44)年には「玉川高島屋S・C」が誕生し、上質な街のイメージも定着しつつある一方、駅の東側はというと昔のままで、古い木造家屋が多く、防災上の問題も抱えていた。道路も狭く、安心して歩ける歩道もない。交通機能が集中する地区であったため渋滞緩和という問題も抱えており、歩道をつくったり基盤整備をすることが、街のためにも将来のためにも必要だということになった。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー

そこで1982(昭和57)年に東地区の地元有志が集まって「再開発を考える会」を発足。それを契機に再開発の機運が高まる一方で、世田谷区が二子玉川を広域生活拠点に位置づけたことにより、地域と行政が一体となって災害に強く活気あるまちづくりを行うことが強く期待されるようになった。

 

2000(平成12)年には都市計画決定、2005(平成17)年には悲願であった「二子玉川東地区市街地再開発組合」を設立。その後、2007(平成19)年から街区ごとに順次着工し、2010(平成22)年に商業施設の一部(オークモール)やマンションが竣工した。そして、2011(平成23)年3月には第一期事業の竣工式典が行われ、駅前に待望の大規模商業施設がオープンした。

二子玉川エリアの再開発の経緯を教えてください。

玉川高島屋S・C玉川高島屋S・C

「玉川高島屋S・C」ができたのが約40年前ですが、それ以降、二子玉川エリアは玉川高島屋S・Cを中心として発展してきました。その後、東急が運営していた遊園地「二子玉川園」が閉園し大きな跡地ができたこともあり、これを生かして「二子玉川」駅から「二子玉川園」跡地まで一体的に再開発して、新たな街の核をつくろうという構想が持ち上がりました。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー

途中、バブル景気の崩壊など状況の変化で約30年という長い期間の開発になりましたが、ようやく二期工事も完成の目途が付き、ほっとしています。

2015(平成27)年春に二期工事も完成を迎えますが、お気持ちはいかがでしょうか。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー※提供:二子玉川東第二地区市街地再開発組合
2014(平成26)年7月撮影

確かに長い時間はかかりましたが、終わりが近づいた今、改めて振り返ってみると、それほど長い時間だったとは感じません。最初に勉強会を立ち上げ、その後再開発組合を設立しました。再開発組合では権利者が多かったこともあり、会議を繰り返しました。この間、理想的な街を作ろうという思いで進めてきましたが、広い道路、交通広場、公開空地ができ、二子玉川も若いファミリーの方が楽しめる街になっています。

二子玉川ライズ・ショッピングセンター二子玉川ライズ・ガレリア

以前はどちらかというと「玉川高島屋S・C」に代表される高級イメージの街でしたが、若いファミリー向けの場所ができて、街に広がりができました。「二子玉川ライズ」のガレリアではイベントを年間250日程度開催していますが、ここでは町会と協力して神輿の渡御も行っています。このように地域の交流の場としても使われているのはとてもうれしく思います。

30年という長い間の事業でしたが、計画が変わった部分はあるのでしょうか。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー※提供:二子玉川東第二地区市街地再開発組合
2011(平成23)年撮影。着工前の様子

当初は商業施設とオフィス中心の街づくりを考えていました。しかしながら、時間の経過とともにイメージはもちろん変わっていくもので、最終的な計画では、容積率は変わらないものの、内容は大きく変わりました。

一番の違いは住居施設をつくったことです。また、オフィスのスペースも大きくしました。二子玉川は郊外ですから、商業中心ですと人の流れが週末のみに偏ってしまう。そこにオフィスが入ることによって、平日も街に活気が生まれ、同時に商業施設は平日も賑わうことになります。さらに住居施設をつくったことで、お住まいの方は駅までの間にあるオフィスや商業施設を休日平日問わず利用できますから、これらが相まって、廃れない街づくりができたのではないかと思っています。

最近は若いご夫婦も多くお住まいになっていまして、ベビーカーで歩いている姿もよく見かけます。最寄りの「世田谷区立二子玉川小学校」も再開発エリア内から1年生だけで30人以上通学しているそうで、街全体に活気が出てきたのはとても良かったですね。

地域の方々の感想はいかがでしょうか。

再開発エリアでは、長い間商業を行っていた方もいらっしゃいましたし、お住まいの方ももちろんいらっしゃいました。以前から商業をされていた方で希望される方は、「二子玉川ライズ」のバーズモールやオークモールで引き続き商業ができることになりました。ほかの再開発エリアではもともとの地権者の方が残ることが少ないことと聞きますが、バーズモールやオークモールではほとんど地元の商売をされていた方のお店です。ですから、以前からここに住んでいた方、商業をされていた方にも喜んでいただけたと思っています。

街の緑も豊富ですね。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー※提供:二子玉川東第二地区市街地再開発組合
めだかの池

再開発エリアでは緑地を30%確保しています。ただ木を植えるだけでなく、Ⅱ-a街区ではビオトープをつくり、多摩川にいるメダカを繁殖させるなど、自然環境を再現しようという考え方でつくられています。小鳥もたくさん飛んで来ていますね。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー※提供:二子玉川東第二地区市街地再開発組合
菜園広場

多摩川の水もきれいになってきました。6月1日から鮎釣りが解禁になりましたが、2014(平成26)年は何万匹もの鮎が多摩川を遡上しています。こうした都市でこれほどの自然があるのは世界的にも珍しいそうです。

二子玉川の再開発エリアの一押しスポットをおしえてください。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー※提供:二子玉川東第二地区市街地再開発組合
リボンストリート

二期工事が終わると、リボンストリートという歩行者専用の空間が、「二子玉川」駅からⅡ-a街区、Ⅲ街区の2階部分を通って、世田谷区が施行した「二子玉川公園」までつながります。

二子玉川という街の魅力を教えてください。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー※提供:二子玉川東第二地区市街地再開発組合
原っぱ広場

二子玉川周辺では、多摩川に国分寺崖線、少し南には等々力渓谷と豊かな自然に恵まれています。再開発エリアでもⅡ-a街区のビオトープなど、新たな自然環境を増やす開発を行いました。ビオトープで自然観察をするのも楽しいでしょうし、多摩川では鮎釣りもできます(※)。

また、エリア内にはスポーツ施設がありますし、映画館もあります。暮らしの中でそれぞれの楽しみができる街だと思います。私はゴルフが好きなのですが、近くに練習場やコースがありますので、趣味を満喫しています。

(※多摩川の鮎釣りは6月1日から順次解禁される。また、釣りには漁業権を持つ各漁協に遊漁料を支払う必要がある。)

二子玉川はこれからどのような街に発展していくのでしょうか。

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビューSt.Mary’s International School
イメージフォト

駅の西側は昔ながらの商店街や、かつての面影を今に残す「柳小路」がある一方で、東側に「二子玉川ライズ」という新たな街づくりが行われていますので、新旧それぞれの魅力が交流する街になっていくと思います。

「二子玉川ライズ」のオフィスには楽天の本社が移転する予定です。外国人の方も多くお勤めになりますので、国際色豊かな街になっていくでしょう。今も自然が豊かな二子玉川は外国人の方に人気で、外国人のお子さんも住んでいます。ゆくゆくは、子どもたちが国籍を問わず一緒に遊び、お母さん同士も自然にコミュニティができるようになるなど、さまざまな人と人との交流が楽しめる街になっていくのではないでしょうか。

今回、話を聞いた人

二子玉川東第二地区市街地再開発組合 インタビュー

二子玉川東第二地区市街地再開発組合
理事長 川邉義髙さん

住所:東京都世田谷区玉川1-14-1
電話番号:03-3707-0643
http://www.futakotamagawa-rise.com/

※2014(平成26)年7月の取材内容に基づき記事を作成しています。
記載情報については、今後変わる可能性がございます。

次世代へと受け継がれていく誰もが快適に過ごせる街づくり/二子玉川東第二地区市街地再開発組合 理事長 川邉義髙さん
所在地:東京都世田谷区玉川1-14-1 
電話番号:03-3707-0643
http://www.futakotamagawa-rise.com/

東三鷹学園 三鷹市第一小学校インタビュー

地域の人々が一丸となって学校をつくる、三鷹で最も歴史ある小学校/東三鷹学園 三鷹市第一小学校 岡田 実 先生


人見街道近くにある「東三鷹学園 三鷹市第一小学校」は、かつてまだこの界隈が畑ばかりだった時代、街道筋に住まう人々や、周囲の農家の子弟を集めて学ばせていた「時習校」「仙流校」「明月校」という3つの寺子屋を母体に作られた。当初の名前は「東三鷹尋常小学校」。それから1世紀以上を経る間に、「東三鷹尋常高等学校」、「三鷹第一国民学校」と名前を変え、戦後「三鷹市立第一小学校」となった。その校名の通り、三鷹市で最も歴史のある小学校である。
今回はこちらで2009(平成21)年から校長を務められている岡田実先生を訪ね、学校の歴史や特徴、地域の魅力などについて、お話をうかがった。

三鷹市内でいちばん歴史のある小学校

「三鷹市立第一小学校」外観

―まず、学校の沿革・概要について教えてください

岡田校長:本校は「三鷹市立“第一小学校”」という名前の通り、三鷹市内では一番古い学校となります。創立は1892(明治25)年です。
もともとは、この辺りに3つあった寺子屋が一つになって、尋常小学校ができたということです。最初は「古判塚」という場所にあったそうですが、これは、今でも近くに「古判塚公園」という公園がありますので、その辺りのことかと思います。現在の場所に移ったのは1904(明治37)年のことです。

インタビューに応じてくださった岡田校長先生

それだけ長い歴史のある学校ですから、学校周辺の地域の方は、ほとんどが本校の卒業生です。3代、4代にわたってこの地域に住み、本校に通われている家庭も多いです。児童数は現在630名くらいで、1学年は3、4クラスほどです。規模としては三鷹市内でも大きいほうでして、第二小学校、第六小学校に次いで、人数が多い小学校かと思います。

―現在「東三鷹学園」として、「第六中学校」と「北野小学校」と共に小中一貫教育を行っていますね。第一小としての目標と、学園全体としての目標、その実現に向けた取り組みなどを教えてください。

岡田校長:本校の教育目標としては、「ゆたかな心をもつ子ども すすんで学ぶ子ども 健康でたくましい子ども」を掲げ、これは昔からずっと変えておりません。いわゆる「知徳体」に沿った目標ですね。

学園目標

一方で、「東三鷹学園」全体としての目標は、「豊かな心をもち、地域と共に生き、人間力・社会力にあふれ、国際社会に貢献する児童生徒の育成を目指す学力、人間力、社会力をはぐくむ」ということで、より細かなところまで踏み込み、時代に見合ったものにしています。

三鷹市では、この「人間力」と「社会力」ということについて、市内全校の共通した目標にしておりますが、本校では、さらに「学力」を加えている点が特徴です。また、この目標の中にはありませんが、「人権」も大切にしておりまして、これは(同じ学園の)北野小も第六中も、生活指導の根幹として共有しています。

今は学校と保護者、地域が一体となって、この目標に向けて邁進しているところです。

三鷹市が取り組む小中一貫教育のメリットと、「東三鷹学園」の特色

―「東三鷹学園」の一貫教育の特徴とはどのような点でしょうか?、

岡田校長:三鷹市は、ほかの市区とは違い、「同じ小学校の子どもは全員同じ中学校に進学する」という原則がありますので、中学校区ごとに「施設分離型」の「学園」、つまり「施設分離型小中一貫教育校」を作っておりまして、その中で、「カリキュラム連携」を行っています。「東三鷹学園」は、本校のほか、北野小学校と第六中学校で構成されています。

校内風景

この学園の中では、小学校の教員が中学校に行き、中学校でTT(チームティーチング)をすることもできるように、また、その逆もできるように、制度が作られており、それが一つの特徴になっています。

たとえば本校からは、週に10時間程度、元6年生の担任教師等が第六中に足を運んで、中1の数学の授業に入っています。逆に中学校からは、北野小と本校でそれぞれ週に5時間、合計が10時間になるように、体育の先生が来て、体育の授業に入ってくれています。これは三鷹市内の小中一貫教育において共通の特色ですね。

―教員だけではなく、子どもたち同士の連携や、共同活動などもあるのでしょうか?

岡田校長:もちろん、子どもたち同士の、「小・小」の交流や、「小・中」の交流の機会も多く持っています。たとえば、「自然教室」では通常、それぞれの学校単位で実施していると思いますが、「東三鷹学園」では、本校と北野小の子どもたちが一緒に、2校の子どもが混ざった混成グループを作って活動しています。こういった「小・小」の連携については、4・5・6年生で主に行っています。

学園全体での掲示

3年生以下については、「ふれあい学習」と称しまして、第六中の生徒に小学校に来てもらい、「ミニ先生」というものを行っています。中学1・2年生が5、6人程、各クラスに入って、半日間、小学生の勉強を見てあげたり、丸つけしてあげたり、一緒に遊んだりという形で、授業や生活のお手伝いをしながら過ごしてくれます。これは小学生の子どもたちが、中学生を身近に感じられる機会になっていると思います。

―小中一貫教育実施校になって、どのような変化を感じらますか?

岡田校長:まずは(公立小から公立中の)進学率ですね。これについて、三鷹市では8割を目指しているのですが、本校は今年度8割を超えました。これは連携の効果が大きく出ている部分ではないでしょうか。

授業風景

それから、「中1での不登校の出現率がほぼゼロになった」というのも、この連携の効果だと思っています。教員同士の連携でいろいろな情報が交換されるようになったことや、中学1年のクラス分けの際に小学校の教員が参加して、然るべき配慮を行うなど、小・中の教員が一丸となって対策を講じてきたからでしょう。連携を取るようになって、子どもにとってのデメリットは無いです。大人は大変な部分もありますけれど、まず大事なのは子どもたちですからね。

―「東三鷹学園」では「ユニバーサルデザイン」を積極的に取り入れているそうですね?

岡田校長:昨今は「学力」の基本として「言語能力」がとても大事にされてきている風潮ですが、実はこの「言語能力」というのはすごく幅広く、かつ漠然としたものですから、何かやろうと思っても、なかなか手がつけにくいものです。ですから、それをもっと根本のところに絞ってみようということで考えたのが「ユニバーサルデザイン」の導入です。

「ユニバーサルデザイン」とはそもそも何かと言えば、「差異や障害を持った人が、そういうことを関係なく快適に暮らせる社会」ということです。これを学校に置き換えれば、「いろんな子どもたちがいるけれど、どの子どもたちでも暮らしやすい、参加しやすい学校」ということだと思うんです。そしてそういう学校は、「どんな子にとってもいい学校」になります。この考え方が根本です。

どちら側を通るべきか、が一目でわかる

たとえば「右側通行」と言葉だけで伝えてもなかなかできないですが、階段に矢印を貼ると、自然とできるようになります。駅などの階段と同じですね。物の置き場についても、棚に「ここに何を何個置く」ということを写真付きで書いて貼れば、子どもたちは自然とそこに置くようになります。

授業に関しても、初めに黒板を見ると「今日やること」が書いてあって、最後には「今日わかったこと」が書いてある。そういう授業は、誰にでも分かりやすい授業になるはずです。また、黒板にいろいろなものを貼ると集中力が削がれてしまうので、掲示物は教室のサイド側に貼るなど、そうした細かいところも工夫しています。そうすることで、子どもはすごく集中して取り組むことができます。

こうした「ユニバーサルデザイン」の考え方を、生活や授業の場面はもちろん、学校行事などにも取り入れながら、改善しています。

文字情報だけでなく写真付きのインデックス

―第一小学校“ならでは”の魅力だと思うのはどのようなところですか?

岡田校長:本校の最大の特徴は、「大人がたくさん入っている」ということです。保護者も、地域の方も含めてです。昨年は授業のサポート、読み聞かせのボランティア、行事のお手伝いなど、合わせてのべ1,400人ぐらいの大人に関わっていただきました。これは他校と比べてもかなり多い数字です。また、これ以外にも、課外クラブなどで多くの方に関わっていただいています。

校内風景

学校の廊下を教職員以外の大人が歩いているというのも本校ではよくある光景です。これは私の考えですが、「子どもの安全のためには、大人の目が多いほうが良い」ということを常々思っていまして、セキュリティ云々よりも、とにかく多くの大人の目で、子どもを見守ることを大切にしています。ですから学校もオープンにして、色々な大人に入ってきてもらえるようにしています。

―施設など、ハードの面で何か特徴はありますか?

岡田校長:本校ならではということですと、芝生が校庭に入っているのが自慢でしょうか。校庭の周りの部分に、千平米くらい天然芝が入っていまして、子どもたちはそこで寝転がったり、遊んだり、いろいろしています。これで怪我等もだいぶ減りましたね。

芝生を保護するための様々な取り組みや掲示物がある

芝生がある学校は三鷹市内で9校ですが、東三鷹学園はそのうちの3校でして、中でも本校は市内で最初に芝生が入った学校です。私も実は、「芝生の親方」ということで、東京都の認定を受けているんですよ。

たくさんの大人が関わり、子どもたちの成長を見守る環境

―課外活動として「一小スマイルクラブ」が人気ということですが、これはどのようなものでしょうか?

岡田校長:これは、三鷹市が「地域子どもクラブ」と言っているものの一つで、「放課後の子どもたちの居場所を作る」という国の方針に沿って各学校に設置されているものです。学校ではなく地域の方やPTAが主体になって「地域子どもクラブ実施委員会」を組織して、そこが、いろいろな取り組みを行っているものです。

スマイルクラブの竹工作教室での作品

具体的な内容としては、校庭開放を行ったり、スマイルクラブが運営するクラブ活動ということで、ソフトバレーボール、星空探検隊、科学教室、空手、囲碁、生け花、読み聞かせ、ブックトーク、俳句、書道、ストリートダンス、以前からあった「一小スポーツクラブ」など、本当にいろいろなクラブが行われていて、本校の大きな特色になっています。スマイルクラブには年間でのべ3万人の子どもたちが参加していますので、かなり盛んと言っていいでしょう。

もともと校庭開放しか行われていなかった状態から、5・6年かけて作ってきたものです。保護者と地域の方が運営し、コーディネーターの方と一緒に、講師の方とつないで頂いています。講師は保護者、地域の方、大学の先生、その道のプロの方やプロの“卵”の方など、さまざまな方にいらして頂いています。もちろん、指導者以外に安全管理者も付いていますので、(保護者の引率など無くても)子どもだけでも安心して参加できるようになっています。

―「おやじの会」の活動も非常に活発ということですね

岡田校長:そうですね。いわゆる「おやじの会」をうちでは「ダディ・ベアの会」と言っていまして、この会には「大人が楽しむ部分」と、「子どもを楽しませる部分」があるわけですけれども、このうち「子どもを楽しませる部分」を、スマイルクラブに属しています。

2015(平成27)年夏に行われた「学校にとまろう」行事の記念写真

「ダディ・ベアの会」でやっているスマイルクラブの取り組みでは、「みたかキャンドルナイト」というのが最も大きなものです。これはキャンドルを3,500個ぐらい校庭に並べて絵を描き、最後は花火を上げて楽しむ、というもので、2009(平成21)年から始めて、今では冬の恒例行事として、たくさんの地域の方にも来ていただく大きなイベントになりました。このほかにも、親子でうどんを作る会や、護身術を体験する会、夏休みに学校の校庭でキャンプをする「学校に泊まろう!」などのイベントも行っています。

みたかキャンドルナイトの様子

一方で、「おやじ同士が楽しむ機会」というのも多くて、仲良くしている祖師ヶ谷のおやじさんたちと一緒になって、お祭りに露店を出して軍資金集めをしたり、「新川宿町会」と提携して、町会のさまざまなお手伝いもしています。その代わりに公会堂をお借りして、ダディ同士の親睦会を開いたり。とても楽しく活動しているようです。

昼間は働きに出ていて希薄になりがちな町会との接点を、ダディの会の活動を通して町会に参加・貢献でき、町会としても、会が若返って活性化されますから、とても良い形だと思うんです。こういうおやじの会というのは、全国的にも珍しいのではないでしょうか。

―最後に、ここ三鷹市新川地域の魅力について教えてください

魅力ということですと、まず、「緑が多い」ということが第一ですね。決して駅から近くはない地域なんですが、その分、仙川の周りに行けば豊かな緑あったり、複数の公園もあったり。子どもたちが遊ぶ場所には困らないですね。

教育環境としても、本校があり、六中もすぐ側にあります。「東京都立三鷹中等教育学校」などもあるので選択肢になるでしょう。安価で質の高い公教育が受けられる地域ということでは、申し分無いんじゃないでしょうか。近くを歩けば農産物の自動販売機などもありますし、「杏林大学医学部付属病院」や「野村病院」などの大きな病院も近くにあって医療面も良く整っていますね。

三鷹の農産物に関する掲示物

そして、地域連携が非常に進んでいるので、子どもたちを、地域が温かく見守ってくれているということ。これは本当に大きな魅力だと思います。地域の目が行き届いている中で、安心して子育てができる。そんな地域だと思っています。

岡田 実 先生

今回お話を聞いた人

三鷹市立第一小学校校長/東三鷹学園学園長
岡田 実 先生

三鷹市立第一小学校

所在地:東京都三鷹市新川6-4-32
電話番号:0422-43-1177
URL:http://mitaka-schools.jp/ichisho-es/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

地域の人々が一丸となって学校をつくる、三鷹で最も歴史ある小学校/東三鷹学園 三鷹市第一小学校 岡田 実 先生
所在地:東京都三鷹市新川6-4-32 
電話番号:0422-43-1177
http://www.mitaka-schools.jp/ichisho-es/

自ら興味を持った事に対して自分なりに取り組む。子ども達の主体性を大事にする子育てを。

自ら興味を持った事に対して自分なりに取り組む。子ども達の主体性を大事にする子育てを。/おだ認定こども園 石阪恒子園長


「学校法人織田学園」が運営する「おだ認定こども園」は多摩地域26市で初の幼保連携型認定こども園。「元気でたくましい子」「自分や人を大切に思える子」「感性豊かな子ども」を教育目標に心を育てる保育に取組んでいる。子ども達は自然豊かな環境で好きな遊びをしてのびのびとした毎日を送る。そんな「おだ認定こども園」について石阪恒子園長にお話を伺いました。

石阪園長先生

 多摩地域26市初の幼保連携型認定こども園、おだ認定こども園とは

Q.園の概要について教えてください。

当園は5年前に市内の豊ヶ丘からこちらに引っ越しをしてまいりました。元々幼稚園を30年以上やっておりまして、園児の減少や仕事をしている保護者の方も増えてきたので東京都の認証保育所を立ち上げました。これは学校法人としては第1号になります。認定こども園制度ができてからは幼児と乳児の保育を一体的にやることを目指して、建物も設計から考えて作りました。0歳から3歳までが1階で、4歳、5歳児が2階と年齢別に生活の場所を整えています。

おだ学園幼稚園

役割としては地域に開かれた場所であると思います。幼稚園運営をしていた時には、地域とのつながりについて今ほど意識していませんでしたが、認定こども園は地域のすべての子ども達、在宅で子育てをしている方や、幼稚園の方、保育園を選択される方でも幼児教育を受けたいというニーズがあれば門を開いて長時間保育を保証していく。地域のすべての人に私達の持っているものを提供できるところが一つのニーズであり、私たちが取り掛かりたかったところです。

Q.大事にされていることは何でしょうか

「生きる力」を育む教育です。その手法の一つとして「アクティブ・ラーニング」という能動的学習がありますが、教師がただ単に知識を注ぐことだけではなく、子どもの興味や関心に大人が寄り添って、子どもの主体性を引き出していきながら教育を進めていくことを大事にしています。子どもの主体性を大事にしていますので、大人主導で一律に教科を行うような小学校の先取り教育は進めていません。保護者とともに子どもを育てつつ、保護者もだんだんとわが子のことを知っていき、子育てが楽しくなっていくというのを入園してから卒園までの年月をかけてやっています。

自分の好きなぬり絵を楽しむ

保護者もわが子だけではなく他のお子さんにも目を向けてくださるので、小学校に行ったあと、お母様方がPTAの役員をしてくださったり、「おだパパ会」というパパの会も盛大にやっていますので、お父様方が小学校のパパ会を立ち上げて活躍したり、そういう人材がここから排出されていますので、すごく保護者の方に恵まれていると思っています。

みんなでつくるクリスマスツリー

ここだから出来る、おだ認定子ども園の取り組み

Q.園のこだわりついて、教えて下さい

①食を重視した保育
多摩市内で唯一の完全給食です。園内調理をしていて無添加でダシもきちんととって和食を中心にした食事の形態に気を付けています。年長になると小学校のように配膳当番がいてどのくらい食べますかって聞いて、たくさんとか普通とか自己申告をしてその量に責任をもって食べます。自分が食べられる量を決めますが、年長として食べなければいけない量を栄養士から提示されるので、「この量は食べられるように頑張っていこう」と指導しています。

園庭でもおままごと

年長になると「チャイルドクッキング」といって保護者の方に来ていただいてお料理を作ったり、日本の昔ながらの梅干をつけたり、味噌を作ったりします。日本食は、今見直されていて発酵食品などが話題ですよね。これはどういう加工食品になるんだよとか、子どもと一緒に体験的に学習していきます。秋になるとサンマの1本焼きを園庭で焼いて年長の子達は身をほぐして1匹食べる。命を丁寧に頂くということ、そしてお箸も正しく使えるようにということで、そういう体験もするようにしています。

②地域を生かした園外活動
多摩市は公園がたくさんありますので、この近隣はよくお散歩に行ったり、月に一回おむすびを持って遠足に行ったりします。年長はちょっと足を延ばして、「唐木田」駅の上の方に「小山田緑地」という公園があって、そこに季節ごとに行って自然の散策をしますね。春にはこういう虫がいたけど冬には違う虫がいるとか、葉っぱの色が違うとか、様々な発見があるんですね。そういった子どもの発信を受けたり、こっちから発信して気付きにつなげたりしますね。

広い公園が多い唐木田周辺

Q.「子育て広場 ぽこあぽこ」、「ばんび」といった子育て支援も行っていますね

「子育て広場」は地域で子育てをしている方が気楽に来ていただける場所ということで一部屋設けています。ここでは例えば助産師さんの健康相談とかベビーマッサージなど専門職の方に来ていただいて特別な時間を設けていたり、園は看護師がいますので病気についてなどの健康相談を定期的に行ったりしています。
一時保育の「ばんび」は普段は保育園に行っていないけれども、この日お願いしますという一時的な預かりですね。今年から待機児童解消のための事業として、週3日くらい仕事をして保育園に預けるほどじゃないという方を定期的にお預かりしています。

明るく、落ちついた雰囲気の園舎

有能感を持てる人に育ってほしい

Q.園児さんたちの特徴があれば教えてください

元気で体がよく動く子ども達が多いと思います。自分が好きなこと、僕はこれがやりたいということを持っているお子さんが多いです。好きな事を存分に取り組んでいるので、自然に集中力も育まれますし、年齢が上がるにしたがって、仲間と協働的な活動の中で遊びを作り出す力もついてきます。「失敗は成功の基」という気持ちを持って挑戦意欲が豊かな子どもがたくさんいます。

それぞれが好きな遊びで楽しむ

Q.子どもたちはどのような生活を送っているのでしょうか?

子ども達が登園して外遊びに行きたい人は行く、砂場や鉄棒など自分がやりたいことを選択して進めていきます。年齢によっては朝の会を行って今日はどんなことをしたいって話をして進めていきます。9時45分から学年の取組みでクッキングや製作活動をやっています。11時半からお昼ご飯を食べて、年少は13時で全員帰ります。年長と年中はコアな時間が15時までで、15時以降が預かり保育になります。午後は「わんぱく保育」といって外に出て体を伸び伸び使って遊ぼうという時間帯なので、ほとんど外に行っています。

外で体を動かして遊ぶ

地域で育まれる”おだ”の子どもたち

Q.最近先生が「この園っていいな」と思った出来事があれば教えてください

12月の土曜日に「餅つき大会」をやりました。お父さん達が50名くらい来て、2グループでそれぞれ8臼ずつ一緒について、みんなで一緒に食べたんです。保護者の協力が豊かに気前よくやってくださるので、子ども達は大人に囲まれながら安心して生活ができるという所がこの園の特徴だなぁって思いました。いい距離感で保護者の方と一緒に生活ができているので、そこはこの園の良さだと実感したところです。

Q.周辺の地域とはどのようなかかわりがあるのでしょうか

小学校、中学校、地域で構成される「青少年問題協議会」という集まりがあって、夏祭りをしたりどんと焼きをしたり、そういったイベントが地域としてあるんですね。そこに職員が一緒に出てお手伝いをしています。そうすることで地域にどういう方が住んでいらっしゃって、どういう組織がこの地域の見守りをしているのか職員もわかりますし、「あの子はおださんの子ね」って大人も認識してくださったり、地域で見かけたら声掛けをしてくださったり、そういったつながりがあります。多摩市は地域ごとにそういった活動を活発にやっているところは多いかと思うんですけど、幼稚園がこれだけ地域の活動に参加しているところは少ないと思います。

園の前の並木道

目の前の「西落合小学校」とも、よく連携をしています。多摩市では「たまっこ5歳児かがやきプログラム」という小学校と幼稚園と保育園が連携するプログラムがあって、「西落合小学校」とこども園がモデル園で取組みをさせて頂いているんですね。小学校で必要なスキル(良い姿勢・声の大きさなどいくつかのプログラム)を就学前に身につけておくことで、小学校入学当初子どもも緊張している時期に園で習った事と同じルールでスタートできることによって、子ども達の戸惑いが少なく、スムーズに1年生に移行できるようにしています。その他に年に何回か5年生の子と交流をして遊んだり、2月になると学校探検に行ったり、秋遊びでは1、2年生がどんぐりコマとかを幼児に教えてくれる授業を行ったりして交流を持っています。

Q.先生が「この街っていいな」と思うところはどんなところですか

この近くの公園は春になると桜が満開で富士山が綺麗に見えて、すごくいいロケーションなんですね。夏にはセミがすごく鳴いて、the夏!っていう、四季折々の変化を心身ともに感じることができます。夏にはセミの抜け殻をもってきたり、秋になると子ども達が枯れ葉やドングリをお土産に持ってきたり、季節と共に子ども達が育っている情景が重なる、そういう自然豊かなこの地域は子育てをするのに非常に適していると思っています。

四季折々の風景が楽しめる唐木田・落合周辺

 おだ認定こども園インタビュー

おだ認定子ども園

石阪恒子園長
東京都多摩市落合5-7-2
TEL:042-376-0211
URL: https://www.odakids.com/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

自ら興味を持った事に対して自分なりに取り組む。子ども達の主体性を大事にする子育てを。/おだ認定こども園 石阪恒子園長
所在地:東京都多摩市落合5-7-2 
電話番号:042-376-0211
http://www.odakids.com/

「唐木田」駅周辺が通学区の公立小

“たてわり班”の活動を通じて育まれる穏やかな校風と“言葉の力”/多摩市立大松台小学校 水野裕司先生


唐木田の街並を見下ろす高台に位置する「多摩市立大松台(おおまつだい)小学校」。多摩ニュータウンの開発とともに1989(平成元)年に開校した学校で、ひろびろとした空に映える大きな時計台がシンボルです。“たてわり班”による活動を取り入れ、異学年の集団のなかで育まれる穏やかな校風が特徴です。今回は2015(平成27)年4月に校長に就任された水野裕司先生に「多摩市立大松台小学校」の特色と、地域の魅力についてお話を伺いました。

多摩市立大松台小学校

異なる学年の子どもたちが一緒に取り組む“たてわり班”の活動

「多摩市立大松台(おおまつだい)小学校」は、1989(平成元)年に開校した市内でも比較的新しい学校で、小田急線「唐木田」駅から徒歩約5分の見晴らしの良い高台に位置しています。児童数は2015年9月現在530名で、各学年3クラスの市内では中規模の学校です。

 大松台小学校の名前のおこり

「大松台」という校名は、当時この辺りに高さ約46m、幹の周りが8mもある樹齢560余年の大きな松があり「大松台(おおまつだい)」と呼ばれていた頃の地名に由来するもので、当校と「鶴牧中学校」のある辺りは、標高が163mもある多摩市内でもっとも見晴らしの良い場所で多くの人が訪れていたようです。

残念ながらその松の木は1933(昭和8)年に枯れてしまったようですが、校長室の前に飾ってある当時の写真や校庭の東側にあらたに植樹された松の木とともに、多くの人に親しまれてきた地域の歴史を今に伝えてくれています。

大松台小学校の松の木

学校の特色としては、異なる学年の子どもたちが一緒に取り組む“たてわり班”による活動があるのと、全校児童みんなで行う「かけ足・持久走週間」も本校ならではの取り組みかと思われます。また校舎の中央にある大きな時計台は、街中からも眺めることのできる当校のシンボルで地域の方々にも広く親しまれています。

大松台小学校の時計台

大松台小学校では、定期的に「たてわりふれあい活動」と9月には「たてわりふれあいピクニック」で学校周辺の公園へ出かけました。また先日行われた11月の展覧会でも当日の発表へと向けた練習を兼ねて生徒同士による発表の機会を設けました。

※展覧会の提供写真?

前回までは6年生が代表して保護者に作品づくりのポイントや工夫した点などを解説していたのですが、今回は6年生と1年生、5年生と3年生、4年生と2年生の組み合わせでお互いの作品について発表する練習の場を設け、展覧会当日は全校児童がそれぞれ保護者への質問に積極的に答えました。

“たてわり班”による活動を通じて、「どんな思いで作品を描いたのか」「制作するにあたってどんな点が苦労したかなど」、6年生は1年生にもわかりやすく、また1年生も6年生のお兄さん、お姉さんに気負わず発表することで“言葉の力”を伸ばすことにもつながります。

さかな池で遊ぶ子どもたち

学校のHPにある「学校経営方針」でも触れていますが、当校では「言語能力向上拠点校」としての過去3年間の取り組みを生かし、自ら学び、考え、課題を追及する“すすんで学ぶ子”を育てるために、“言葉の力”を伸ばす取り組みを実践しています。

自分の想いを他人に伝える“言葉の力”を育む

「大松台小学校」では、前任の校長先生が「言語能力向上拠点校」としての取り組みを通じて、子どもたちの“言葉の力”を伸ばすことに取り組んでこられたため、本年度も引き続きその成果を生かした授業や校内研究を行っています。

木の温もり感じる廊下

“言葉の力”を伸ばす取り組みとは、漢字がたくさん書けるとかむずかしい言葉を知っているとか国語の成績を上げることを目的にしたものではなく、自分の想いを他人に伝えたり、お互いの心と心をつなげたりするために必要な“言葉の力”を育むことを前提にしています。

“言葉の力”が身につくと国語だけではなく結果的に普段の授業すべてが充実してくるもので、子どもたちの学習の意欲を高めることにつながります。

年に3回実施している読書週間の朝読書もその取り組みのひとつです。火・水・金曜日の朝に10分間、今では担任の先生も一緒になってみんなで読書を楽しんでいるようです。また、年間を通して、保護者による朝の読み聞かせも行っています。子どもたちも、とても楽しみにしている時間です。

図書室も温かみのある雰囲気

今日これから行われる「かけ足・持久走週間」の取り組みにおいても、子どもたちと一緒になって先生方も走るのですが、先生も子どもも分け隔てなく一丸となって取り組む当校の雰囲気ぜひご覧になってください。

「大松台小学校」では、健康、体力づくりに関する取り組みのひとつとして、「かけ足・持久走週間」を設けて約2週間にわたり全校児童みんなで校庭を走ります。

広い校庭へかけ出していく生徒たち

1、2年生は3分間、3・4年生は4分間、5・6年生は5分間とそれぞれ時間を定めて行っているのですが、元気いっぱい思う存分走り回る子どもから、ゆっくり自分のペースでかけ足をする子どもまで、ノルマも競争もないので楽しみながら体力づくりに取り組むことができます。

全校児童が楽しみます

また約1ヵ月間かけて行う「長なわ・縄跳び月間」も健康、体力づくりを目的とした取り組みのひとつで、12月の長縄大会へと向けて各クラスが一致団結して練習に臨みます。

地域とのかかわりのなかで活動し、地域の人たちと触れ合う大切さ

地域とのかかわりという点では、学校から徒歩2分の場所に唐木田地区のコミュニティセンター「からきだ菖蒲館」があるのですが、当校の5年生が運動会で練習した「大松ソーラン」を披露しました。他にも、高学年の子供たちがお店を出し、活躍していました。、地域とのかかわりのなかで活動し、地域の人たちと触れ合うことは、子どもたちの心を育てる絶好の機会で、今後も大切にしていきたいと思います。

地域に根差した学校づくりを行う大松台小学校

また、3・4年生も「多摩清掃工場」で開催されるイベント「たまかんフェスタ」に参加し、「エイサー」を披露しました。「多摩清掃工場」は「唐木田駅前郵便局」や「マルエツ唐木田駅前店」と同じく、当校の社会科見学でお世話になっている場所で、地域とのつながりも感じられる良い機会だと感じています。

豊かな自然の広がる唐木田エリア

豊かな自然や学習の機会にも恵まれた穏やかな生活環境

この地域は多摩ニュータウンの開発の最後に誕生した新しい街で、教育への関心度も高い方が多いため、基礎学力の高さはもとより子どもたちの生活態度も穏やかで落ち着いているように感じられます。

学校周辺には「鶴牧西公園」や住宅地にある小規模な公園も多く、子どもたちがのびのびと過ごせる環境も整い子育てに恵まれた地域だと思います。

また徒歩2分のコミュニティセンター「からきだ菖蒲館」内には「唐木田図書館」があり、市内各所の図書館から蔵書を取り寄せられるのはもちろん、当校の図書室に無い蔵書や資料なども司書を通じて取り寄せることが可能なため、子どもたちにより充実した学習の機会を提供する環境が整っています。

からきだ菖蒲館

おすすめの場所としては、「府中カントリークラブ」の敷地伝いに整備された「からきだの道」という遊歩道があり、当時の生活を垣間見る全長約1.8kmの貴重な散策路です。

からきだの道

遊歩道の途中には見晴らしの良い展望台や、アスレチック遊具のある公園も併設され、週末などはご家族そろって四季折々の自然に触れあって見るのもよろしいかと思います。

からきだの道のアスレチック

水野校長先生

多摩市立大松台小学校

校長 水野 裕司先生
東京都多摩市鶴牧6‐4
TEL:042‐337‐4010
http://www.tama.ed.jp/oomatsudai/
定休日:月曜日※祝日の場合は翌日
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

“たてわり班”の活動を通じて育まれる穏やかな校風と“言葉の力”/多摩市立大松台小学校 水野裕司先生
所在地:東京都多摩市鶴牧6-4 
電話番号:042-337-4010
http://www.tama.ed.jp/oomatsudai/

日本人としての意識を大切にしながら国際感覚と高い英語力を身に付けることのできるバイリンガル教育を実践/キンダーキッズインターナショナルスクール 代表 中山貴美子さん


キンダーキッズインターナショナルスクール
代表 中山貴美子さん

日本人としての意識を大切にしながら国際感覚と高い英語力を身に付けることのできるバイリンガル教育を実践

大阪を中心に東京、横浜、名古屋など全国に20校を展開する「キンダーキッズインターナショナルスクール」。2000(平成12)年の開校以来、“日本に暮らす子どもたちのためのインターナショナルスクール”として、日本語、日本の伝統文化をも大切にした独自のバイリンガル教育を実践し、高い英語力とともに国際的な広い視野を育む学び舎として注目を集めています。今回は、代表の中山貴美子さんに「キンダーキッズインターナショナルスクール」の設立の経緯と、2013(平成25)年9月に開校した「品川校」についてもご紹介いただきました。

「キンダーキッズインターナショナルスクール」の設立の経緯についてお聞かせください。

キンダーキッズ授業

自分の子どもをバイリンガルで広い視野をもった“国際感覚のある子どもに育てたい”という母親としての思いがまずありまして、英会話教室に通わせてみたり、外国人子女や日本人の帰国子女が通ういわゆる“インターナショナルスクール”にも足を運んでみたりしましたが、色々な部分で無理が生じるであろうと感じました。

教室風景

そもそもバイリンガルで広い視野をもった“国際感覚のある子どもに育てたい”と思ってはいましたが、けっして習慣や文化の異なる外国人のような子どもに育てたいと思っていたわけではありませんでした。そこで、日本人としての自分をしっかり意識しながら、国際感覚と高い英語力を身に付けることの出来る“日本に暮らす子どもたちのためのインターナショナルスクールを自分でつくろう”と思い至ったのが設立の経緯です。

具体的なプログラムについて教えて下さい。

キンダーキッズ生徒

まずキンダーキッズのコースは生後6ヵ月から未就学児を対象としたプリスクールの「キンダーキッズインターナショナルスクール」と卒園児の小中、高校生までを対象とした「キンダーキッズグラッドクラブ」の大きく2つに分かれます。「グラッドクラブ」のレッスンは土曜日と平日の放課後を利用して行われており、昨今では「学童」のような位置づけとして利用するご家庭も多いです。

キンダーキッズ七夕

また年齢別に制作された自社開発の教材には、日本の歳時記や伝統、文化に関する記述も多く、例えば節分や七夕といった伝統行事についても英語を通じて学びます。間近に迫った七夕では、子どもたちに浴衣や甚平、アロハシャツなどを着てもらって“七夕パーティー”を予定しているのですが、ネイティブの先生やスタッフもみんなで浴衣を着て一緒にイベントを楽しみます。
もちろん校舎内ではレッスンや日常会話もすべてオールイングリッシュのため、高い英語力を身につける場としては最適ですし、日本人としてのアイデンティティも大切にした“バランスのとれたバイリンガル教育”が実践されています。

“バイリンガル教育”を実践するにあたり、どのような経験やスキルをもった先生がレッスンを担当していますか?

キンダーキッズ授業風景

「キンダーキッズインターナショナルスクール」では、年齢と英語の習熟度によってコースが細分化されているのですが、ネイティブの先生と日本人の保育士の2人1組でクラスを受け持ちます。 もちろん保育士もネイティブの先生と円滑にコミュニケーションがとれるほどの英語力を持っていますし、子どもたちに安全な保育の場を提供する重要な役割を担っています。 ネイティブの先生の多くも幼児教育や保育の現場を経験したことのある方を採用しています。

「品川校」の特色とは? また校舎や地域によって大きな違いはありますか?

キンダーキッズ授業風景

2013(平成25)年9月に開校した「品川校」は、「品川」駅前の「品川プリンスホテル」の敷地内にあるというのが最大の特徴のひとつです。子どもを預ける親御さんにとっては安心感もありますし、電車を利用して来校する子どもたちにとっても駅徒歩2分で建物内に入ればホテル内のエレベーターを利用して来校できる快適な環境だと思います。 外観からは分かりにくいのですが、校舎内には6つの教室とひろびろとしたジムがあり、2015(平成25)年7月現在でおよそ120名の子どもたちが在籍しています。

キンダーキッズ体育館

全国共通の教材を用いたカリキュラムは週単位でスケジュールを管理、マニュアル化されているため、全国のどの校舎でも同じレベルのレッスンを受けられるのが「キンダーキッズインターナショナルスクール」の強みです。たとえば、関西から関東またその逆も同様に、親御さんの転勤や引越しがあった場合でも「キンダーキッズ」であれば一貫した英語教育プログラムのなかで継続してレッスンを受けることが可能です。

キンダーキッズ授業

地域による違いという点では、たとえば課外授業の「体操クラス」が盛んな地域や、「音楽クラス」が人気の地域など通常のレッスン以外で特色の違いがあるほか、住宅地にある校舎では地域のお祭りやイベントに参加させていただいたり、老人ホームで交流会をさせていただいたりと地域との関わり方も少しずつ状況が異なるかと思います。 「品川校」においては、開校してからまだ歴史も浅く、ホテルの敷地内にあるため地域との関わり合いも少なく、今後の課題のひとつとして少しずつ地域に目を向けていきたいと思います。

入園を希望している方はどのような手続きが必要ですか?

キンダーキッズ授業

まず、ホームページかお電話でお問い合わせいただき、こちらから資料をお送りさせていただきます。生後6ヵ月から入園を受け付けており、年齢に合わせたクラス設定を設けています。3歳児からの「キンダーレベル」では、英語のレベルや社会性などをみる“考査”というステップを設けています。満席のクラスもあり、 状況はその都度変わるので、まずは気軽にお問い合わせいただければと思います。

最後に、地域の方へメッセージをお願いいたします。

キンダーキッズ授業

「品川校」はホテルの敷地内にあるため、近隣の方もご存知ない方が多いかと思いますが、およそ120名の子どもたちが英語力の習得を目標に日々レッスンに励んでいます。
今後は地域との結びつきという点にも視点を置き、地域の子育て事情によりいっそう役立てていただける施設運営を目指していきたいと思っています。

キンダーキッズ代表 中山さん

今回、話を聞いた人

キンダーキッズインターナショナルスクール

代表 中山貴美子さん

キンダーキッズインターナショナルスクール
所在地:東京都港区高輪4-10-31 品川プリンス・レジデンス1F(品川校)
電 話:03-5475-7717(品川校)
URL:https://www.kinderkids.com

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

特別なひとときを東京湾内のクルージングで演出/クルーズクラブ東京 営業企画部 永瀬さん


クルーズクラブ東京
営業企画部 永瀬さん

特別なひとときを東京湾内のクルージングで演出

1990(平成2)年の開業より四半世紀にわたり、東京湾内のクルージングを通じて非日常の水辺の楽しみ方を提案し続けている「ザ・クルーズクラブ東京」。レストランシップとクラブハウスを併せ持つ複合施設は全国的にも珍しく、“陸と海”の組み合わせによる水辺のサプライズは、プロポーズや結婚記念日、誕生日など特別な日を過ごす場所としても人気です。今回は「株式会社クルーズクラブ東京」の営業企画部に所属し、東京湾内のクルージングの魅力を提案し続けている永瀬敏也さんに「ザ・クルーズクラブ東京」の特色とクルージングの魅力についてお話を伺いました。

はじめに、「ザ・クルーズクラブ東京」の概要と施設の特徴について教えてください。

クルーズクラブ東京 営業企画部 永瀬さん インタビュー

「株式会社クルーズクラブ東京」は客船事業への展開を目的に日本郵船株式会社があらたに設立した事業のひとつで、1990(平成2)年の開業より今年で25周年を迎えます。 日本人にとっては当時まだ馴染みの薄いクルージングを通じて、“船に乗ることの楽しさ”を伝えてきました。

ザ・クルーズクラブ東京

都心からわずか20分の立地にある湾岸での過ごし方を提案し続けて来たことで、結婚記念日や誕生日など特別な日を過ごすとっておきの場所として、これまで多くのお客さまにご利用いただきました。「ザ・クルーズクラブ東京」の施設の特徴は、海に浮かぶレストランシップと陸にあるクラブハウスを併せ持つ複合施設という点です。“陸と海”の組み合わせにより幅広い楽しみ方が可能になります。

ザ・クルーズクラブ東京 営業企画部 永瀬さん インタビュー

たとえば、クラブハウスのレストランで食事を楽しんだ後にサプライズでクルージングをご利用いただくことも多く、乗船時間に合わせて時間を調整することなくゆっくりと食事をお楽しみいただきながら乗船までの時間をお過ごしいただけます。

「ザ・クルーズクラブ東京」のクルージングにはどのようなプランがありますか?

ザ・クルーズクラブ東京

クルージングには大きく分けて4つのプランがあります。食事を楽しみながらクルージングを楽しむ「ランチクルーズ」は土・日・祝日の運航で、お子さまを連れたご家族にも人気のプランです。 また、気軽に乗船のみ楽しみたい方には「アフタヌーンクルーズ」も好評で、土・日・祝日の14時15分から約45分間のクルージングをお楽しみいただけます。

クラブクリスタルヨットクラブ 営業企画部 永瀬さん インタビュー

ディナータイムも船内での食事の有無により大きく2つのプランに分かれ、毎日運航している「ディナークルーズ」は19時から約120分間の充実のプランです。事前のご予約によりお祝いのケーキや花束などの注文も承っていますので、記念日や誕生日など特別な日にぜひご利用ください。

クラブクリスタルヨットクラブ 営業企画部 永瀬さん インタビュー

またクラブハウスのレストランでゆっくり食事を楽しみたい方には、フリードリンクとともに東京湾の夜景スポットを巡る「ナイトクルーズ(カクテルクルーズ)」もおすすめで、21時30分から約60分間のクルージングをお楽しみいただけます。 プランは他にもクリスマスや大晦日のカウントダウンなど年間のイベントに合わせて実施するものも多く、詳しくは公式のHPをご覧いただくか気軽にお問い合わせいただければと思います。

イベントに合わせて実施される人気のプランについて詳しく教えてください。

クリスタルヨットクラブ 営業企画部 永瀬さん インタビュー

クリスマスに合わせて例年一週間実施している「クリスマスナイトクルーズ」は、レストランのクリスマス限定特別メニューと組み合わされたもっとも人気の高いプランのひとつです。また東京湾大華火祭に合わせて海上から花火を鑑賞するプランも例年多くの問い合わせをいただき、通常は1ヵ月前からの予約に対し、この2つのプランのみ2ヵ月前から予約を受付けています。 また大晦日のカウントダウンクルーズは、22時30分に出航し海上で新年を迎えるプランで、ディズニーランドで打ち上がる花火を遠景に見ながら乗船した140名みんなで新年を祝います。またその直後には「初日の出クルーズ」というプランもあり、新年を迎えるに相応しい記憶に残る貴重なひとときをお過ごしいただけると思います。

「ザ・クルーズクラブ東京」の利用方法、服装に関する注意点などがありましたら教えてください。

クラブクリスタルヨットクラブ 営業企画部 永瀬さん インタビュー

「クラブ」という名称から“会員制”の施設を思い浮かべる方も多いようですが、「ザ・クルーズクラブ東京」は利用に際して会員登録の手続きも必要なくどなたでもご利用いただけます。 クラブハウス内のレストランのみの利用ももちろん可能で、乗船する方もお食事される方もまずは1階エントランスの正面にある受付までお越し下さい。服装についての問い合わせもよくいただくのですが、厳密なドレスコードはありません。一般的なレストランと同じく、短パンやサンダルといった軽装の場合にはご遠慮いただくこともありますが、夏場はポロシャツ、ノーネクタイのカジュアルな服装でお過ごしいただいています。

クリスタルヨットクラブ 営業企画部 永瀬さん インタビュー

また小さなお子様を連れてご家族でご利用いただく場合には、日中のみのご利用とさせていただいておりますのでご了承ください。夜間の利用もクラブハウスのレストランは小学生以上、レストランシップへの乗船は中学生以上とさせていただいておりますので、ご予約をいただく際にご確認ください。

最後に地域の方やクルージングに興味のある方へメッセージをお願いいたします。

クラブクリスタルヨットクラブ 営業企画部 永瀬さん インタビュー

クルージングを経験したことのある方は当時と変わらず今も一部の方に限られ、“敷居が高い”というイメージも根強く、「興味はあるけど乗ってみたことはない」という方がほとんどだと思います。 だからこそ記念日や誕生日など特別な日をきっかけに訪れていただき、季節や時間帯、また天気によりまったく違う景色を楽しませてくれるクルージングの魅力に触れていただければと思います。 また天王洲にも大規模なマンションが建設され、近隣にお住まいの方も増えてきましたが、なかには遠方から訪ねてきた親戚と一緒にご家族みんなでクルージングを楽しむ常連のお客さまもいて、水辺で過ごす非日常のひとときをより気軽に楽しんでいただければと思います。

クルーズクラブ東京 営業企画部 永瀬さん インタビュー

今回、話を聞いた人

クルーズクラブ東京

営業企画部 永瀬さん

所在地:東京都品川区東品川2-3-16 シーフォートスクエア1F
電話番号:03-3450-4300
http://cctokyo.co.jp/

※記事内容は2015(平成27)年11月時点の情報です。

特別なひとときを東京湾内のクルージングで演出/クルーズクラブ東京 営業企画部 永瀬さん
所在地:東京都品川区東品川2-3-16 シーフォートスクエア1F
電話番号:03-3450-4300
https://cctokyo.co.jp/

伸びやかに遊びながら学び・育つ「子どもの楽園」/府中白糸幼稚園 園長 平田嘉之先生、副園長 平田嘉史先生


学校法人平田学園 府中白糸幼稚園
園長 平田嘉之先生
副園長 平田嘉史先生

伸びやかに遊びながら学び・育つ「子どもの楽園」

府中市白糸台は多摩丘陵の裾野に広がる高台の土地で、白糸という名前は布作りの村だったことからつけられた名前。「武蔵野台」駅前にはスーパーや銀行が建ち並び、静かで暮らしやすい住宅街が広がっている。特急を利用すれば新宿まで30分足らずという好立地で、ファミリー層に人気の住宅地でもある。高台ゆえに水害からも守られ、古くから多くの人が暮らしたこの白糸台にある「府中白糸台幼稚園」に、この地域の魅力や子育て環境について話をお聞きした。

府中白糸台幼稚園の設立の経緯や概要について教えてください。

校舎

昭和43年4月6日に開園した本園は、当時開発が進んでいたこの地域の幼稚園不足を受け、私の父が開設したものです。平成15年に古くなった園舎を建て替え、現在は当時より敷地も広くなってリニューアルしています。

幼稚園には認可されるための施設基準というものがありますが、本園は基準の5倍の面積があります。園庭は約5000平方メートル、お芋畑は1000平方メートル、園児のあそび場のために平成12年に購入した約500平方メートルのうら山もあり、子どもたちは伸び伸びと体を動かして遊んでいます。50台以上ある駐車場もありますので、送迎時に利用していただいています。

現在、年少~年中~年長が各26名から32名程度で5クラスずつ、3歳児のたまごクラスが20名の1クラス。年少さんとたまごクラスは担任が2名おり、年中と年長は担任は1名ずつ。そのほか、フリーの教諭が4名と兼任教諭が9名、体育講師2名、ミュージックドーナッツ講師1名、絵画講師1名、ひまわりぐみの先生が9名、というかなりの大所帯で日々の教育活動をしております。

「ゆうぐみ」「ひまわりぐみ」「たまご組」など、多様なクラスがあるのですね?

園児手書きお知らせ

「ゆうぐみ」は早朝7時10分からと保育終了後18時までの預かり保育のことで、こちらを実施してから働くママさんたちが増え、パートやアルバイトなどを入れたら4割程度のママさんがお仕事をされていると思います。夏休みも18日程度、冬休みも4日程度お預かりしていますし、幼稚園教育を受けながら長時間お預かりできるので利用する方が多いですね。

「ひまわりぐみ」は1歳・2歳・3歳のコースがあり、未就園児が週1回午前中の3時間、幼稚園に来て先生や同じ年齢のお友だちと遊んで過ごす内容です。早い時期から集団で過ごすことで経験値も高くなり、対人関係も上手に作れるようになることから、需要が高まっていると感じます。

「たまご組」は満3歳を迎えたら入れる幼稚園のクラス(4年保育)で、3年保育の年少さんとは別クラスとして設けています。週5日、9時から13時30分(水曜は11時まで)を幼稚園で過ごします。早く幼稚園に入れて集団生活を身に着けさせたいという保護者の方々のご要望に応えて始めたクラスです。

1日の流れを教えてください。

子どもと絵

「ゆうぐみ」という預かり保育の園児たちは、朝7時10分お預かりしています。通常バスでは8時20から9時40の間、徒歩では8時30から9時15分の間に登園。登園したらすぐに自由遊びになります。広い園庭で工夫したりイメージしたり、友だちとの関わりのなかで自主的に遊べるようにしています。

その後は子どもたちの様子に合わせて、その日の活動内容を決めます。自由遊びの続きになることもありますし、ミュージックドーナッツや制作活動、運動遊びなどの活動になることもあります。 昼のごあいさつをしたら、クラス交流をしながらランチタイム。

月・火・木は給食、金曜日はお弁当です。13時15分から降園準備をし、13時30分から順次小さいクラスから降園をします。14時以降は預かり保育で18時まで随時お預かりします。

保育活動で大切にしていらっしゃることは何でしょうか?

木

子どもは遊びのなかでさまざまな経験をし、友だち同士のぶつかりあいや小さな危機を乗り越えていくことで「気持ちを切り替える」「人間関係を調整する」といった情動を伸ばして成長していきます。大人が遊びをコントロールしたり仲裁をし過ぎると、その時はうまく納まりますが子ども自身の力はつきません。

過保護にし過ぎず、子どもが自由に自主自発的に遊べる環境を整えることが、この時期の子どもを最も成長させることだと考えています。勉強を教え込むよりも、遊びのなかから知識の必要性を感じるようになり、自ら学ぶ意欲を育てたい。

私の理想は「子どもの楽園」をつくること。常に子どもが主役の幼稚園であり、子ども本来の姿を尊重した幼稚園でありたいと思っています。また子どもの運動能力の著しい低下も問題です。本園では広い園庭と起伏のあるうら山などを使って、体を使った遊びを目いっぱいできるようになっています。学年をまたいで交流し、お兄さん・お姉さんの遊びに憧れ、後を追って遊ぶことでできなかったこともできるようになる。そんな自然な形で、運動能力も高められるような工夫もしています。

先生方への指導も力を入れられているとか。

カラフルな水

大学の先生をお呼びして年6回ほど勉強会を開き、保育への理解を深めています。例えば、本園では自由な遊びを中心に保育活動をしており、ドリルなどで勉強を教えたりレベルを決めて到達させるような指導をしていないため、保護者の方々にとってはお子さんの成長が目に見えず分かりづらいという側面があります。

それを改善するために、抽象的な事柄をいかに分かりやすく保護者の方々にお伝えするかを職員全員で学び、保育の狙いや指導方針、子どもたちの成長の様子などを写真入りでお知らせする新聞を作成しました。新聞でもお話するときでも、ポイントは伝えたいことを100%紹介しようとすると過剰になり過ぎるので、大切なエッセンスだけをまとめること。そういったことも、この勉強会で習得しました。

また子どもの保育は非常にクリエイティブな仕事。子どもたちに“遊ぶ楽しさ”を教える先生の視野が狭くなってしまったら、質の良い指導はできません。家に持ち帰る仕事も多いハードワークな幼稚園教諭というお仕事なだけに、週末や夏休みにはきちんと自分の時間を取り真剣に遊んでくれるようにお願いしています。子どもにとって魅力的な先生でいることは大切ですし、その経験が必ず保育に返ると考えるからです。

保護者が参加する行事も多いのですか?

子どもと空

基本的に行事のお手伝いは立候補制にしています。最初は戸惑っていたお母さんたちも、手伝ってみると子どもの様子がよく分かって楽しく、お友だちもたくさんできるので多くの保護者の方々が手を挙げてくださいます。またお仕事などでお手伝いできない方も、行事当日に参加することで盛り上げ役として協力してくださいます。

またお父さんが主役で活動する「キンダーパパ」という独自組織もありまして(笑)、月1回(年7~8回)土曜日に、お父さんが幼稚園に来て子どもと一緒に遊ぶ会もあります。お母さんも参加可能としてしまうとお父さんが後ろに引っ込んでしまうので、この日はお父さんだけと決めています。飲み会にまで発展することも多くて、非常に身近な「異業種交流会」になっていますよ。そこから仕事を一緒にするようになったパパ同士もいるようです。

地域の方々との交流は?

どんぐり

地域の方々との交流も、あえて訪ねたり会を設けたりということではなく、夏祭りや運動会、ハロウィーンのお祭りなどに皆さん気軽に園に来て下さり自然に交流しています。夏祭りは累計で3,500人くらいの来場者があり、入れ替わり立ち代わり地域の方々や卒園生、元保護者の方たちまで大勢訪れて下さいました。自治会の皆さんも毎年運動会に来て下さり、子どもたちの成長を一緒に見守ってくれています。

近隣の材木屋さんが廃材を持ってきてくださったので、秋にはそれを使ってうら山で子どもたちとたき火や焼き芋をしました。また園舎を建ててくれた工務店さんは不要になった材木でうら山に木のステップを作ってくれました。そんな風に常に周囲の方々が幼稚園や子どもたちのことを気にかけてくださり協力してくれる、そんな地域ですね。

この地域の魅力について教えてください。

畑

この地域は鎌倉時代から人々が暮らす歴史のある街で、園の南側に広がる「車返(くるまかえし)」という地名も、源頼朝が鎌倉幕府を開く前の奥州藤原氏との戦いの折、薬師如来像を鎌倉まで移送中に、縁あってこの地に安置することになり運搬に使った車だけを返すことになったことからついた名前です。 水が豊かなのに高台にあることから水害が少なく、昔から多くの人たちが好んで住んでいた地域です。

我が家も先祖代々300年以上この地に暮らしていますが、実に住みやすい街だと思います。近隣の方々ものんびりと鷹揚で、苦情やクレームもほとんどありません。先ほど話にも出たたき火なども、普通なら近隣への配慮からなかなかできない活動ですが、この地域は大らかに見守って下さっています。幼稚園側としては非常に助かっています。

園長副園長

今回、話を聞いた人

学校法人平田学園 府中白糸幼稚園

園長 平田嘉之先生
副園長 平田嘉史先生

学校法人平田学園 府中白糸幼稚園
所在地:東京都府中市白糸台5-13-5
電話番号:042-366-2201
http://www.hiratagakuen.ed.jp/

※記事内容は2015(平成27)年1月時点の情報です。

伸びやかに遊びながら学び・育つ「子どもの楽園」/府中白糸幼稚園 園長 平田嘉之先生、副園長 平田嘉史先生
所在地:東京都府中市白糸台5-13-5 
電話番号:042-366-2201
http://www.hiratagakuen.ed.jp/

子どもの未来の可能性を広げる英語のチカラ!/アーク・イングリッシュ・ビレッジ スクールマネージャー 太田冬二さん


アーク・イングリッシュ・ビレッジ ARK English Village
スクールマネージャー 太田冬二さん

子どもの未来の可能性を広げる英語のチカラ!

多摩川がつくり出す扇状地を基盤としている武蔵野台地。その名前を冠す「武蔵野台駅」は、特急を利用すれば新宿まで30分足らずという、通勤にも買い物にも利便性の高い場所にある。駅前にはスーパーや銀行のほかに、農園なども建ち並び、静かで落ち着いた住宅地を形成している。鎌倉時代以前から農地として利用されてきた歴史のあるこの街の魅力について、アーク・イングリッシュ・ビレッジにお伺いした。

アーク・イングリッシュ・ビレッジの概要についてお聞かせください。

アーク・イングリッシュ・ビレッジ インタビュー

アーク・イングリッシュ・ビレッジ府中校は、1989年にオープンした世田谷校の姉妹校として2014年4月に開校しました。もともとは数名のクリスチャンによる学習塾と英会話教室として始まり、子どもたちへの英語教育を通して、これからの社会に貢献できる人材育成を目指した教育活動をしています。

例えばインターネットの世界を見ますと、日本語の情報は0.6%なのに対し、英語の情報量は70%以上です。日本語だけで世界を見ようとすれば、針の穴から世界を見るようなものでしょう。英語が理解できるようになれば、どれほど彼らの視野は広がるでしょうか。小さい頃から外国人講師と接することで異文化の人たちとコミュニケーションが図れ、海外でも臆することなく、自分の意見を言えるようになるのです。

子どもたち一人ひとりが海外に羽ばたいていく、そんな願いを教師・スタッフ一同、持ち続けています。

特徴について教えてください。

アーク・イングリッシュ・ビレッジ 授業風景1-2

我が校の特徴は3つあります。1つ目は、先生が全員ネイティブだということです。講師の先生方は全員の英語を母国語とする国から採用しています。また先生方には定期的に訓練を受けてもらっており、質の高い授業を行っています。

2つ目の特徴は、厳選された教材幼児英語教育に特化した教材”GrapeSEED”、中高生対象の”Connect”、大人対象の”Interchange”、それぞれの年代に合わせた教材を用いています。

3つ目の特徴は、レッスン以外の楽しいイベント英語deショッピング、英語de動物園、イースター、クリスマス会などのイベントを企画し、レッスン以外でも英語を話すチャンスを作っています。

カリキュラムについてもお聞かせください。

アーク・イングリッシュ・ビレッジ 授業風景2

2011年から本校で導入しているのが「グレープシード」という、「英語で考え、英語で話す」英会話メソッドです。文法は一切教えませんし、授業中はすべて英語です。子どもたちは日本語を学んだのと同じ方法で英語を学んでいくのです。 読み聞かせる英語の物語やピクチャーカード、ポスター、歌などを使ったバラエティに富んだ教材を用い、ネイティブの先生と生きたアウトプット、自宅では授業と同じ教材REP(本、CD、DVDなど)を用いて、反復体験・反復練習をするインプット、その両方向で学習を高めていきます進めていきます。

英語の学習を始めるのは、早い方が良いと聞きますが…

アーク・イングリッシュ・ビレッジ クリスマス劇

はい。語学の習得は12歳がターニングポイントだと言われています。12歳くらいになると、脳は知らない音を雑音と判断してしまうか、自分が知っている音に結びつけてしまいます。しかし、小さい子の脳はすべての音を聞き取れる能力が備わっています。小さいうちに英語の環境に置いてあげるだけで彼らは話せるようになるのです。ただ誤解のないようにお伝えすると、12歳過ぎてからでは英語を話せるようにならないのかというとそうではありません。努力すれば話せるようになります。しかし、小さい頃から学んでいれば、苦労なく学べるということです。

また流暢な英語を話せるようになるまでには2,400時間~3,000時間必要と言われています。その時間を作るためには、教室でのレッスンだけでなく、自宅に英語環境を作る必要がありますが、どうしても家に帰ると忘れてしまいがち。 そこで本校では「ARK Dollar」というオリジナルのチップを作り、英語を学べば学ぶほどチップをもらえるようにしています。そして6ヵ月に1回くらいの割合で、英語deショッピングというイベントを行い、英語を使ってゲームやクイズコーナーを設けて、そのチップで遊んだり、買い物ができるようにしています。ちょっとしたご褒美があると、子どものモチベーションはグンとあがりますから。「継続は力なり」ですね。

日頃生徒さんたちと接する時、どのようなことを大切にしていらっしゃいますか?

アーク・イングリッシュ・ビレッジ 授業風景1-1

子どもは皆個性があり、それぞれが違います。英語の知識も、習得するスピードも個人差があります。私たちは一人ひとりの違いを尊重し、個々それぞれのペースを見守ってあげることを、先生たちには大切にしてもらっています。

また「褒めること」も大切です。その点、ネイティブの先生方は子どもを褒めて、乗せて盛り上げるのが本当に上手です。 私も先生方と普段接していて、「できていないことを指摘するのではなく、できていることを褒めてくれ」と言われることがあるんですが、ネイティブの先生方が受けてきた教育は日本の教育とは違うんだと実感する瞬間です。

また特に幼児クラスの方々にはみんなで楽しく学ぶため、お子さんたちには「3つのお約束」を約束してもらってから教室に入ってもらっています。その約束とは①父母を尊敬すること ②先生に従うこと ③お友だちを思いやることです。これらは聖書の中に書かれていることで、授業だけでなく、今後の彼らの人生にとっても大切なことです。このお話で意識が変わるのが、意外なことにお母さんたちのようで……ひと昔前は「親の言うことを聞く」「先生に従う」といった教えは、「しつけ」として親が子どもに厳しく教えていました。しかし今は「自由」や「好きなこと」の方が優先されがちです。子どもへの教育指針は時代によって変化しますが、聖書の教えはいつの時代も変わらず一貫しています。英語だけでなく、授業への取り組み方や心構えなども聖書の原則に基づき指導しております。

さまざまな年代のお子さんたちが通って来ていらっしゃいますが、どんなお子さんが多いのでしょうか?

アーク・イングリッシュ・ビレッジ ショッピング

ここ白糸台は武蔵野のなかでも昔から住みやすい場所で、非常に歴史のある街です。数百年の歴史がある旧家や農家のお家もたくさんあり、非常にのんびりとした鷹揚な土地柄だと感じています。そんなこともあってか、代々この地に住むお子さんも引越していらしたお子さんも、皆一様におっとりした印象があります。小さなことにこだわらず、おおらかで伸びやかな印象ですね。

この地域の魅力について教えてください。

武蔵野の森公園

やはり畑や街路樹も多く自然が残っているところが良いですね。多摩川沿いにはランニングやサイクリングのコースもあり、鯉や鮎などの釣りも楽しめます。

野川公園や武蔵野公園、「武蔵野の森公園」などの大きな公園にも恵まれ、子どもから大人までが利用しています。夏は府中競馬場で大きな花火大会もあって、見応えがありますよ。

またスーパーやドラッグストア、農家直営の市場、コンビニも多いので、日常の買い物には困りません。また「府中市立白糸台文化センター」が近くにあり、市役所まで行かなくても大抵のことは事足ります。図書館も併設されています。芸術の森劇場、府中市美術館にも近いので、芸術に触れることもできる。
京王線を使えば新宿までもすぐですし、西武多摩川線を利用すればJR方面にも出やすいので便利です。都心まで行かなくても、調布や府中に行けば買い物や食事なども気軽に楽しめます。こうやって話すと、便利で住みやすくて、改めて本当に良い街だと思いますね。

アーク・イングリッシュ・ビレッジ インタビュー

今回、話を聞いた人

アーク・イングリッシュ・ビレッジ

スクールマネージャー 太田冬二さん

アーク・イングリッシュ・ビレッジ
所在地:府中市白糸台4-2-8
電話番号:042-319-0759
http://arkacademy.com/english/fuchu/

※記事内容は2015(平成27)年1月時点の情報です。

子どもの未来の可能性を広げる英語のチカラ!/アーク・イングリッシュ・ビレッジ スクールマネージャー 太田冬二さん
所在地:東京都府中市白糸台4-2-8 
電話番号:042-319-0759
http://arkacademy.com/english/fuchu/

名古屋市立山吹小学校 山内敏之校長先生 インタビュー

歴史ある穏やかな街並みとそこに暮らす人が共に児童を育てる/名古屋市立山吹小学校 山内敏之校長先生


名古屋市立山吹小学校
山内敏之校長先生

1871(明治4)年にその前身ができた「名古屋市立山吹小学校」は、2018(平成30)年で開学147年を迎える名古屋市内で最も古くからある学校のひとつだ。学区は名古屋城の築城と共に造られた武家屋敷や町屋が多く並び、その面影を色濃く残す場所であり、「町並み保存地区」にもなっている。恵まれた環境ゆえ、市内でも人気の山吹学区。今回は、山内敏之校長先生に伺ったお話を基に、そんなエリアに建つ学校の魅力について紹介する。

開学147年、長い歴史を経て

2013(平成25)年度に改造工事を行った校舎は、木をふんだんに使った温かみのある造り

歴史は古く、1872(明治5)年の学制頒布の前年、1871(明治4)年、現在の学区内にある大光寺と長久寺にて初等教育が行われたのが始まりとされている。1882(明治15)年、今の「逓信病院」の場所に学校が建ち、「第19番小学棣棠(やまぶき)学校」という名称に。「棣棠(ていとう)」とは中国の言葉で山吹の意味。この難しい「棣棠」の字を使用したのは、当時の校長三浦義重、教頭朝岡直三郎が漢学に造詣が深く、その意見に従ったからだと言われている。1887(明治20)年、前年に発令された「小学校令」に基づき名古屋区「棣棠尋常小学校」と改称され、1895(明治28)年には現在の「山吹小学校」の場所である橦木町に新築移転した。
戦時中、空襲で校舎が全焼するなどの困難を乗り越え、1946(昭和21)年、「棣棠国民学校」と「白壁国民学校」が一緒になり、「山吹小学校」が出来上がり、新しい歴史が始まった。現在は、開学147年、名古屋で最も伝統ある学校のひとつとなっている。

周辺は歴史的建造物が残された「町並み保存地区」

校舎北側は、「文化の道」西ルートにあたり、歴史ある建物が残る

「山吹小学校」の周辺地区一帯は、名古屋随一の高級住宅街。また、名古屋城築城とともに、学区一帯には武家屋敷や町屋がつくられ、今でも江戸時代からの町割りが残るエリアとして、名古屋市から「白壁・主税・橦木町並み保存地区」に指定されている。学校の北側には輸出陶磁器商、井元為三郎邸として建てられた「橦木館」や、「大森家住宅」「伊藤家住宅」などが並ぶ「文化の道」がある。歴史を間近に感じながら通学することができる恵まれた環境といえる。

考えよう!探ろう!深めよう!

明るい教室

2017(平成29)年度より「 考えよう!探ろう!深めよう! 」というテーマを学校教育の努力点との推進計画の中心に据えて取り組んでいる。児童がめあてに向けて考えを持ち、めあて達成のために友達と対話をし、何が分かったのか、次に確かめたいことは何なのかをまとめ、振り返る。このような学習活動を通して、教科の目標を達成することと、児童の主体的な態度の育成を目指している。

「山吹小学校」ならではの学校行事・取組
―音楽集会―

音楽集会の様子

「ひよこ集会」「うぐいす集会」と題した「音楽集会」が当学校の自慢。各学年、年間1回ずつ担当が割り当てられ、自分たちで曲を選んで他の学年に披露。全校児童にその曲を歌ってもらうため、時間をかけて練習し、次の機会にはその曲を全員で歌うという流れになっている。1年生でも最低2部合唱を行い、自分たちで指揮も行うという、とてもレベルの高い楽曲に仕上がるのが特徴。

―地域との交流―

「山吹ゼミナール」のようす

「山吹キャリアゼミナール」というのも、特徴的な取り組みのひとつ。5、6年生を対象に、様々な職を持つ児童の保護者に講師として来てもらい授業を行っている。例えば2017(平成29)年度は税理士、飲食店経営、不動産販売、医師、薬剤師といった保護者が自分の職業について語った。特別講師を呼ばずとも、父母という身近な大人から貴重な話を聞けるというのは恵まれたポイント。児童自身が将来仕事を選択する上で、その表面的な部分だけでなく、当事者が感じているやりがいや苦労などを聞けることは大きな財産になると考えられる。

秋に行われる運動会

毎年秋に行われる運動会には保護者だけでなく、多くの地域の方も見学に訪れる。また、学区高齢者との交流を大切にしていて、年生はお年寄りと一緒にゲームをしたり給食を食べたりする「ワイワイ学校給食」を実施している。

―歴史・文化の継承―

東門からの様子

歴史的文化財が多い土地柄を生かした授業も行っている。周辺には「文化のみち 橦木館」「 文化のみち 二葉館」「旧豊田佐助邸」など建物があり、3年生や6年生が現地に行き、調べ学習を行っている。学区に「白壁・主税・橦木町並み保存地区」をもつ特色を活かし、そこから直接学ぶことを通して、地域の文化を継承すると共に、地域に愛着を持ち大切にしようとする気持ちの育成を目指している。

魅力的な学校施設

屋上庭園

全国的にも珍しい「屋上庭園」。校舎の屋上に教室2クラス分のスペースを使い、枯山水のように庭石などを置き日本庭園風のスペースが設けてある。
また、学区にお住まいの石像彫刻家、大口明一氏寄贈の彫刻も、敷地内の所々に置かれている。観察池の中にある、「石のエイ」、北正門内にある「ひなを抱く女性の像」がそれにあたり、貴重な芸術作品を身近に感じながら学校生活を送ることができる。

校内調理&磁器を使ったおいしい給食

毎日、美味しい匂いが漂う給食室

給食は、校舎の1階に設けられた調理場で調理員が毎日腕を振るう。名古屋市がメニュー作成の上で心掛けていることは、「地産地消」。なるべく愛知県の食材を多く使い、滋味豊かな料理が提供される。また、強化用磁器食器も採用しており、アルミと違い、ずっしりと重みと厚みがあるお皿などを手に取ることで、より食事の楽しさを実感する一助となっている。

地域全体で子どもを育てる意識が高い

保護者や地域の人にも公開する作品展(平成27年11月)

文教地区ゆえに、教育熱心の方が多いというイメージが強いが、実際は、勉強だけに打ち込むのではなく、昔から続く街並みを守る落ち着いた地域の人たちが、温かく子ども達を見守っているという雰囲気を作ってくれていることこそが、この学区の最大の魅力と言える。
「ゼロの日(10日、20日)」には地域の人が大勢出て、交差点に立つなど子ども達の交通安全に努める。そのほか、餅つき大会や、学区の運動会なども開催。それらの行事に積極的に参加してくださる方が多いことも、山吹学区の大きな魅力のひとつなのだ。
※この情報は2015(平成27)年12月の取材に基づいて、2018(平成30)年2月に加筆修正したものです。

今回お話を聞いた人

名古屋市立山吹小学校
山内敏之校長先生

歴史ある穏やかな街並みとそこに暮らす人が共に児童を育てる/名古屋市立山吹小学校 山内敏之校長先生
所在地:愛知県名古屋市東区橦木町2-24 
電話番号:052-931-7625
http://www.yamabuki-e.nagoya-c.ed.jp/

保護者同士のネットワークづくりも支援/西東京市立下保谷児童センター センター長 林 宏一郎さん


西東京市立下保谷児童センター
センター長 林宏一郎さん

保護者同士のネットワークづくりも支援
地域に親しまれる児童センターを目指して。

西武池袋線「保谷」駅から徒歩5分という好立地にある「西東京市立下保谷児童センター」は、2010(平成22)年にリニューアルオープンした西東京市の複合公共施設の2階と地下1階部分を占める。各種スタジオや機材を完備するなど中高生の校外活動を支援する一方で、乳幼児~小学生対象の設備や事業も充実させ、幅広い世代の子どもたちや保護者に親しまれている。幼児向けイベントが行われている最中のセンターを訪れ、センター長の林さんに事業活動や地域との関わりについてお話を伺った。(取材日:2014年12月9日)

まずは「西東京市立下保谷児童センター」の概要をご紹介ください

保谷インタビュー 施設外観

乳幼児から高校生までなら誰でも利用できる施設で、開館は基本的に月曜から土曜の9時15分から18時までと第1・3・5日曜の9時30分から17時までです。さらに、中高生を対象に平日の18時から21時までの夜間開館を実施しています。

西東京市には児童館と児童センターが13カ所ありますが、なかでもこちらの施設の特徴はどんな点でしょうか?

西東京市立下保谷児童センター 紙芝居

当館は2010(平成22)年にリニューアルオープンし、複合公共施設となっている建物の1階には「西東京市立下保谷福祉会館」が併設されていますので、毎年1回、学童クラブの子どもたちが福祉会館の演芸大会に参加させてもらい、高齢者の方と交流する機会があります。

そのほか、もちろん乳幼児向けの事業も、お子さんの年齢に合わせて様々な取り組みを行っています。駅からも近く、天気を気にせず遊べるので、子どもたちが安全に過ごせる場所としてどんどん活用していただきたいと思っています。

保谷インタビュー 室内

また、当館はリニューアルオープン以降、中高生の健全育成に特化した児童館として中高生がいろいろな活動をしやすい設備が整っています。音楽スタジオとダンススタジオ、さらにステージや可動式客席を備えたライブスタジオがあり、近隣の高校の音楽部による自主ライブなどへも貸出しをしています。

乳幼児向けの事業がとても充実していらっしゃいますね

保谷インタビュー キッズルーム

普段から、乳幼児専用のキッズルームはいつでもご利用いただけますし、隣のプレイルームも平日の午前中は基本的に乳幼児専用としていますので、幼児向けの乗り物遊具で遊べます。いずれも事前の予約などは要りませんので直接来ていただければ、他の事業やイベント等で使用している時以外は利用できます。

保谷インタビュー ようじのつどい

西東京市にお住いの方を対象にした登録制事業としては、3歳児以上の幼児を対象にした「ようじのつどい」、2歳児向けの「かばくんのさんぽ」、1歳児向けの「カンガルータイム」、1歳前後の乳児向けの「こあらちゃん」をそれぞれ月1~2回実施しています。各イベントでは親子の触れ合い遊びや歌、読み聞かせ、誕生会などの企画を楽しんでいただくのと同時に、グループ分けをして保護者同士の交流を深められるように配慮しています。

下保谷児童センター サンタ

登録数は現在、「ようじのつどい」が約50組、「かばくんのさんぽ」が約30組、「カンガルータイム」が約40組。毎回来られる方もいれば、時々利用される方もいらっしゃいます。

 

 

 

登録制でない定例事業としては、絵具を使って遊ぶ2歳児からの「のびのびアートの日」、5歳くらいからの「折り紙コーナー」「わくわく工作会」などがあります。「わくわく工作会」などは、小さなお子さんと親子で一緒に参加される方が多いですね。

紙芝居

読み聞かせの活動では、「西東京市立保谷第一小学校」の読み聞かせサークルによる「土曜読み聞かせ会」と、「西東京市保谷駅前図書館」の職員による月1回の「はじめてのページ」があります。「はじめてのページ」は特に初めて絵本に触れるお子さんたちに見合った本を選んで紹介していただいています。

小学生向けで人気のプログラムを教えてください

調理創作ルームで開いているクッキング教室は、かなり人気があります。月3日間の開催ですが、毎回定員がすぐに埋まってしまうほどです。秋田の郷土料理「だまっこもち」やりんごあめ、パンケーキなど毎月メニューを変えて、当日は職員の指導のもと、基本的に子どもたちだけで調理をします。このほか、幼児連れの親子や中高生向けのクッキング教室もあります。

また、体力増進指導員による運動・スポーツの行事として、「ドッヂボールタイム」「ダブルダッチの日」「けん玉検定会」「一輪車検定会」「サッカータイム」を月1~2回、設けています。プレイルームとグラウンドではふだんから身体が動かせるようになっていますし、日時限定でグラウンドで一輪車に乗って遊ぶこともできます。

そのほかにはどのようなイベントがありますか?

保谷インタビュー 楽器

年に2回、夏の「サマーフェスティバル」と冬の「ウィンターパーティー」という大きな行事があります。今年の「ウィンターパーティー」では、ミュージックベル演奏や大型絵本などクリスマスに合わせた企画のほか、「西東京市立保谷第一小学校」の児童によるピアノ演奏やダンスの発表や、夜間は近隣の中高生のバンド演奏など、盛り沢山な内容で行います。

保谷インタビュー サンタ

こうしたイベントは保護者の方も見学していただけますし、「ウィンターパーティー」は「西東京市立保谷第一小学校」の保護者の方に受付や館内の案内をお手伝いしていただいています。

異年齢で交流する機会はありますか?

小学生だと、学年が1つ、2つ違う子どもたちが一緒にドッヂボールやサッカーで遊んでいる様子がよく見られます。また中高生向けの夜の時間帯は、違う学校の子どもたちが集まって一緒に話をしていますね。「ウィンターパーティー」には複数の学校のバンドが参加しますが、子どもたちには出演の順番決めや飾り付けなど企画段階から自主的に関わってもらっているので、違う学校の子どもたち同士でも交流があります。

子育て相談にも力を入れていらっしゃるそうですね

下保谷児童センター 掲示板

毎週月・金・土曜日、予約制で保育士がお話を伺う「育児のなんでも相談室」を開いていますし、ふだんから気軽にお子さんの様子を伺うようにしています。このほか、「地域子育て支援センター」の保育士と看護師に来ていただいて、月1回の「おおきくなったかな」という事業では身長体重測定や育児相談を行っています。

また、中高生向けの「なんでも相談室」もあり、子どもたちの勉強や友達関係の悩みなどの相談にのっています。

さまざまな世代や保護者と接するにあたり、職員のみなさんが日々心掛けていらっしゃることはどんな点でしょうか?

保谷インタビュー 林さんと親子

小さいお子さんをお持ちの保護者は初めての子育てという方も多いでしょうから、子育ての不安をなくせるようにこちらでフォローをしていきます。また、近所にお母さん友達がいなくても、こういう場所に参加することで、横のつながりを作っていただきたいと思っています。

小学生のお子さんについては基本的なルールをしっかりと身につけてほしいので、ただの遊び場ではなく、ごみを持ち帰るなどの指導をしっかりと行っています。そして、様子がおかしかったら声をかけるなどフォローをしてあげる。学校や家とは違った場所だから本音を出せるというお子さんもいるので、そういう声を受け止めてあげられればいいなと思っています。

地域の子育ての中心的役割を担っていらっしゃると感じます

下保谷児童センター

大人になってから久しぶりに来て「昔はこういうおもちゃがあったんですよ」と懐かしがる方や、下のお子さんが生まれたのをきっかけにまた来てくださる方もいらっしゃいます。引き続いて利用してくださるのはとても嬉しいことなので、今後も地域の方に親しまれる児童センターを目指していきたいですね。

保谷インタビュー 林さん2

近隣の小中学校とも積極的に連携していきたいと考えています。例えば「西東京市立東小学校」の夏祭りや冬祭りでは、工作コーナーを出店しています。また、各小中学校や地域の団体と合同で行う「どんど焼き」で遊びのコーナーを出店するなど、他の児童館・児童センターと共同でいろいろな地域行事に協力しています。そうした中で、地域の方と交流を深めていきたいと思っています。

子育て環境の良さなど、保谷エリアの魅力について教えてください

大泉交通公園

近くの「あらやしき公園」をはじめ、たくさんの公園がありますし、各児童館・児童センターがそれぞれの事業に力を入れています。自主的に子育て支援活動をされているボランティアグループも多いですね。

私はこの4月に異動してきたばかりなのですが、地域の方たちがとても熱心で温かいです。先ほど申し上げた「どんど焼き」でも、PTAの方、OB・OGの方、地域の各団体の方が大勢いらっしゃっていろいろと協力してくださる。自分の小学校、中学校だけというのではなく、自分たちの街をよくするために地域全体のことをよく考えていらっしゃるなとすごく感じています。

電車で池袋から20分くらいで都心からのアクセスが良く、ほどよく自然も残っている。そして住民の方々がいい意味で昔ながらの地域の連携を大事にされている、とてもいい街だなと思います。

保谷インタビュー 林さん

今回、話を聞いた人

西東京市立下保谷児童センター
センター長 林宏一郎さん

※記事内容は2014(平成26)年12月時点の情報です。

保護者同士のネットワークづくりも支援/西東京市立下保谷児童センター センター長 林 宏一郎さん
所在地:東京都西東京市下保谷4-3-20 
電話番号:042-422-8346
開館時間:9:15~21:00(通常開館/9:15~18:00、夜間開館/18:00~21:00)
     ※第1・第3・第5日曜日は9:30~17:00
休館日:第2・第4日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/sisetu/..

まちぐるみで子どもたちを育てていく/西東京市立東小学校 校長 水野伸一郎先生


西東京市立東小学校
校長 水野 伸一郎先生

藤崎こども文化センター 館長インタビュー 

まちぐるみで子どもたちを育てていく
西東京市立東小学校

「保谷」駅の南側に建つ「西東京市立東小学校」は地域との連携も盛んに行われている、地域に根差した小学校。今回は、そんな「西東京市立東小学校」の校長を務める水野 伸一郎先生に学校の特徴や周辺環境についてお話を伺ってきました。

学校の概要を教えてください。

西東京市立東小学校

本校は1974(昭和49)年に開校し、2014(平成26)年に40周年を迎えました。2014(平成26)年の10月24日には40周年記念式典も開催予定です。2014(平成26)年度の学級数は、合計11学級、その他に特別支援学級3学級があり、全校では14学級と比較的小規模な学校です。児童一人一人に目が行き届きやすいですし、落ち着いた学校生活が送れることも本校の特徴です。

教育で心がけていることを教えてください。

西東京市立東小学校 下駄箱

「当たり前のことを当たり前にやる」ことを重視しています。そのために本校では学習面と生活面で基礎となる部分をしっかりと指導しています。例えば生活面でしたら、しっかりあいさつをしましょう、靴箱には靴を揃えて入れましょうといった内容で、これを全校で徹底しています。学習面ではノートの使い方の形を決めて、1年生から指導しています。

先生方の授業方針で気をつけている点を教えてください。

西東京市立東小学校 授業

3つの取り組みを教育の柱に掲げています。まず、基礎基本が身に付くよい授業をするということです。2つ目が人とのかかわりを通して規範意識を育てること。3つ目が安全意識を高めることです。そのうえで、先生方にはきめ細かく丁寧に、繰り返し指導しましょうといつも伝えています。

算数では少人数教育も取り入れていると伺いました。

西東京市立東小学校 校長 水野 伸一郎先生

3年生以上の算数の授業で少人数教育を実施しています。担任のほかに少人数担当の先生が加わり、習熟度別にグループに分けて授業を行います。グループによって、扱う問題数や課題の内容を変えています。グループ割は単元ごとに変わりますが、児童の自己申告と担任、保護者の方の相談で決めていきます。

地域との連携も盛んに行われているそうですね。

西東京市立東小学校 図書館

本校では読書活動を推進していますが、本校の保護者の方や地域の方が、児童に読み聞かせをしてくださいます。地域には協力的な方が多く、毎週水曜日の午後には地域の方々の協力のもとで「放課後子供教室」を運営しています。「放課後子供教室」では学校を遊び場として開放したり、学習活動を行ったりしています。また、地域の防犯協会の方、商店街の方、保護者の方に本校の教員が加わってパトロールをしたりもしています。

地域で子どもを育てようという機運が高いのでしょうか。

西東京市立東小学校 周辺

本校の周辺は基本的には住宅街で落ち着いた環境です。昔から居住されている方も多く、保護者の方も本校の卒業生という方が多いです。なかには3代にわたって本校の卒業生という方もいらっしゃいます。地域に本校の卒業生が多いことから、学校をあたたかく見守っていただけるというのはあると思います。見て見ぬふりはしないという見守りの意識が高い地域ですね。

東小学校区青少年育成会とも連携していらっしゃると伺いました。

文理台公園

育成会では年2回おまつりを主催していただいています。本校の教員もお店を出して、子どもにゲストになってもらって楽しんでもらうという催しです。これには、本校を卒業した中学生もボランティアで関わっています。育成会では子どもたちとともに清掃活動も行っています。近くに「文理台公園」があり、子どもたちがよく使っていますので、毎年2回、お礼の意味も込めて清掃を行っています。

中学校との連携について教えてください。

西東京市立明保中学校

「西東京市立明保中学校」が本校の目の前にあって、本校の卒業生は、ほぼこの中学校に行くことになります。そこで、6年生の3学期になったら中学校の先生に来ていただいて、授業を行ってもらい、中学校との接続がスムーズにできるようにしています。そのほか、中学の体育の先生にラジオ体操を教えてもらったこともありました。

学校行事はどのようなものがあるのでしょうか。

西東京市立東小学校 校庭

学芸会と展覧会を2年に1回、交互に行っています。2014(平成26)年度は展覧会の年になります。どちらも子どもたちの様子に合わせて担任が内容を選択しますが、子どもたちは一生懸命取り組んでいます。また、毎年開催される運動会でも子どもたちは練習からしっかり取り組んでいますね。

学童クラブについて教えてください。

西東京市立東小学校 校長 水野 伸一郎先生

本校は学童クラブが学校の敷地内にあるので、日常的にコミュニケーションをとることができますし、学校行事には学童の先生も必ず参加して頂いております。そのため「学童クラブ」に通う児童以外でも、学童クラブとは普段から深いつながりがありますね。

保谷エリアの魅力を教えてください。

保谷こもれびホール

昔からの住宅地で、道で会えばお互いに声を掛け合う方々も多く、人と人のつながりが温かいエリアです。また、本校の近くには「文理台公園」があって緑も豊かです。「保谷」駅に徒歩10分と近く、駅前は再開発で商業施設も増えました。「西東京市役所 保谷庁舎」や「保谷こもれびホール」などの公共施設も徒歩10分圏内に集まっているのも便利です。施設や自然環境に恵まれた暮らしやすい場所だと思います。

今回、話を聞いた人

西東京市立東小学校

西東京市立東小学校
校長 水野伸一郎 先生

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

まちぐるみで子どもたちを育てていく/西東京市立東小学校 校長 水野伸一郎先生
所在地:東京都西東京市東町6-2-33 
電話番号:042-421-6009
http://www.nishitokyo.ed.jp/e-higashi/

防災・保谷保健福祉総合センター内、1階に市民課総合窓口

緑とともにある市民生活の醸成/西東京市役所 都市計画課 乙幡昭次さん


西東京市役所 都市計画課
乙幡昭次 様

保谷再開発 駅前

緑とともにある市民生活の醸成

2012(平成24)年に完了した「保谷駅南口地区再開発事業」。事業により、駅前広場や再開発ビルが整備され、駅周辺は商店街の活気そのままに美しく生まれ変わった。今回は、同事業による変化や、これからの行政としての課題・取り組みについて、西東京市役所都市計画課の乙幡昭次さんにお話を伺った。

「西東京市都市計画マスタープラン」の概要と、2014(平成26)年に新たに改訂されたポイントを教えていただけますか?

保谷再開発

「西東京市都市計画マスタープラン」は、市の基本構想で定める施策内容の中で、特にまちづくりに焦点を当てたもので、2004(平成16)年に策定されました。市民の安全・快適な都市環境をつくりだすため、住宅・公園・道路などに関するまちづくりの方針を示しています。

保谷再開発 道路

2014(平成26)年の改定についてですが、まちづくりの基本理念や将来像はそのまま継承し、市民のみなさまから意見をいただきながら、今後10年間で重点的に推し進めるべき都市づくりの戦略的テーマを新たに設定しました。これにより、市民のみなさまが西東京市の未来をイメージしやすくなったのではないかと考えています。

「保谷駅南口地区再開発事業」が2012(平成24)年に完了しましたが、駅前の様子はどのように変化しましたか?

駅前再開発ビル

以前の「保谷」駅南口地区は、駅利用者や買物客で人通りが多いにも関わらず駅前広場が狭く、歩行者やバス、一般車両の通行に大きな支障がありました。さらに老朽化した低層の木造建築物が建て込み、防災上の観点からも改善が必要でした。「保谷駅南口地区再開発事業」により、駅前広場、ペデストリアンデッキ、また再開発ビルを整備し、安全・安心、そして快適に利用していただけるようになりました。

今後の「保谷」駅周辺の整備について、どのような課題・計画がありますか?

西東京市役所 都市計画担当者様 インタビュー西東京都市計画道路3・4・12号東町線整備予定地

駅の南の都道233号線は、道路幅員が狭いだけでなく歩道も設置されていないため、歩行者と自動車の双方が危険な状況にあります。

西東京市役所 都市計画課 乙幡昭次 様 インタビュー保谷駅周辺位置図
※画像クリックで拡大

この状況を改善するため、都道233号線のバイパスとして、東京都が西東京都市計画道路3・4・12号東町線の一部について整備中です。整備後は都道233号線の安全な歩行空間の確保を検討していきます。

街づくりの面で、防災対策はいかがでしょうか。

保谷駅前 車道

防災対策は、行政にとっても大きなテーマです。災害時の延焼防止と避難・救援・復興活動の円滑化を図るため、都市計画道路の整備を進めているところです。

保谷エリアの特徴・魅力について教えてください。

西東京市スポーツセンター

「保谷」駅北部地域は、農地や屋敷林、社寺林、雑木林が残っており、市内でも有数の緑が豊かなエリアです。また、都市計画道路3・2・6号調布保谷線や3・3・14号新東京所沢線の整備が進められており、それらが完成すればアクセス性はさらに高まることでしょう。一方の「保谷」駅南部地域にも「西東京市役所 保谷庁舎」や「保谷こもれびホール」、「スポーツセンター」などがあり、市民のみなさまにとって交流の場となっています。

コミュニティバス「はなバス」ですが、どのように活用されていますか?

はなバス

「はなバス」は2002(平成14)年に運行を開始した西東京市のコミュニティバスです。「保谷」駅を発着とする「はなバス」には、「保谷」駅北口から北町を循環して「保谷」駅北口に戻ってくる第一ルートと、「保谷」駅南口から「西東京市役所保谷庁舎」を経て「東伏見」駅にいたる第二ルートがあります。第一ルートについては路線バスの空白地帯を運行し、通勤・通学、また買い物に利用されています。第二ルートに関しては主に通勤で利用されています。

保谷エリアは、これからどのように発展していくと思われますか?

乙幡さん

「保谷」駅北部地域については、幹線道路の整備によって商業施設や、サービス施設などの立地誘導が期待できますし、屋敷林などの資源を活用した緑豊かな都市景観の保全・創出も期待されます。「保谷」駅南口周辺は、都市計画道路の整備によって安全な歩行空間が確保されれば、商店街のさらなる発展が期待できます。「西東京市役所保谷庁舎」周辺も、既存施設を活かした市民の交流、市民文化の醸成を含め、より豊かな生活を送れるようになるのではないかと考えています。

保谷再開発 インタビュー 乙幡さん

今回、話を聞いた人

西東京市役所 都市計画課
乙幡 昭次 様

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

緑とともにある市民生活の醸成/西東京市役所 都市計画課 乙幡昭次さん
所在地:東京都西東京市中町1-5-1 
電話番号:042-464-1311
開庁時間:8:30~17:00 ※第1・3・5土曜日9:00~12:30に一部窓口を開庁
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
https://www.city.nishitokyo.lg.jp/sisetu..

みんなが元気で暮らしやすいコンパクトシティを目指して/蕨市北町コミュニティー・センター 所長 松永祐希さん、北町公民館 主事・長友省吾さん


蕨市北町コミュニティ・センター 所長・松永祐希さん
北町公民館 主事・長友省吾さん

みんなが元気で暮らしやすいコンパクトシティを目指して
地域住民の活発&多彩な活動の拠点

誰もが暮らしやすく、あたたかでにぎわいのあるコンパクトシティを目指す蕨市。それを実現するための空間として、市内には5つの「コミュニティ・センター」が地区ごとに整備されている。
そのうちの1つである、「北町コミュニティ・センター」は、「蕨市民体育館」「北町公民館」「北町児童館」などの複数の機能を持った施設が集まっており、小さな子どもから高齢者まで幅広く活用され北町周辺住民の活動拠点となっている。今回は、こちらのセンターを統括する松永所長と、北町公民館の行事を企画・管理する長友さんに、実際のコミュニティ活動の様子や、地域の魅力などを伺った。

まず、北町コミュニティ・センター所長の松永さんにお伺いします。
センターの概要についてお聞かせください。

蕨市民体育館

「北町コミュニティ・センター」は、公民館・児童館・体育館が一体となった珍しい複合型施設で、この地域の防災拠点でもあります。施設内には、市民の方が様々な学習の場として利用する会議室をはじめ、トレーニングルームや格技場、相撲場、弓道場のほか、図書館の分館も併設されています。児童館に来る0歳のお子さんから、公民館や市民体育館を利用なさる成人・ご高齢の方々まで、とても幅広い年代の方が利用してくださっています。

北町コミュニティ・センターの特色のある取り組みを教えていただけますでしょうか?

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

北町コミュニティ・センターは、市内で唯一の体育施設を有しているため、その利点を活かして、公民館・市民体育館・児童館の各施設が連携をして『健康づくり』をテーマに多彩な事業を行っています。
例えばプロのテニスプレイヤーやバスケットボール選手を講師に招いたスポーツ教室や、女性に人気のヨガ教室、親子で参加できるバランスボール教室など、バラエティーに富んだ教室を数多く開いています。

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

他にも、市民体育館の健康運動指導士が行っている健康をテーマにしたプログラムを公民館に来た高齢者向けに取り入れたり、市民の皆さんが健康になれるようなお手伝いをしています。
皆さんが健康でいてくれるからこそ、この街が元気になります。地域の交流を深め、健康作りにも励み、地域の活性化もしていきたいですね。

その他には、どのような事業や企画を行っていますか?

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

蕨市内には、全部で5カ所のコミュニティ・センターがあり、それぞれの地域の“コミュニティ委員”が、ボランティア活動や地域活性化を目的とした色々なイベントなどを行っています。
北町コミュニティ・センターでは、街の憩いの空間と住民同士が交流を生む『花いっぱい運動』や、新小学一年生をお祝いする『春がきたコンサート』、『北町地区生涯学習フェスティバル』などを実施しています。そうした活動においても住民の方が率先して行ってくださいますし、地域の方々との距離が近い地区だと感じますね。

次に、「北町公民館」の主事を務める長友さんにお伺いします。
まず公民館の施設概要を教えてください。

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

年末年始と月末に休館日がございますが、それ以外は基本的にご利用いただけます。開館時間は9時~22時です。
集会室、和室、調理室があり、それらを利用して健康体操やダンス、民謡、親子英語教室など、現在60~70ほどの様々な登録団体が定期的に活動をしています。初めて利用される場合は団体ごとに利用登録が必要です。

多彩な講座をやってらっしゃいますが、子育てに関連するもので特に人気の講座はどのようなものがありますか?

蕨市北町公民館

ママ北会

育児中のママとお子さんを対象とした講座で『ママ北会』という講座があります。2~3か月にわたって全6回ほど行っておりまして、子育て学習、趣味講座を中心に開催しています。例えば、テレビやケータイから離れてみましょうという「アウトメディア」をテーマにした講座や、家庭教育アドバイザーを講師に迎えた子育て座談会、親子エアロビや親子バランスボール、フラダンスといったママたちもお子さんも一緒に楽しめるような内容を用意しています。定員は15組30名です。フラダンスなどは体育館で年間を通じて教室を開いておりますので、もっと続けてみたい方は引き続き楽しみながら学んでいらっしゃいますよ。

エコジュニアクラブ

『エコジュニアクラブ』は、小学3~6年生の全30人を対象に、月に一度環境をテーマにした活動をしています。例えば水の中にしょう油を一滴垂らすだけでどれだけ汚れるか水質調査をしてみたり、洗剤を使わないでお皿を洗えるエコたわしを作るなど、環境問題を身近に感じられるような内容にしています。
太陽光パネルを使った実験など、子どもたちが遊びながらも楽しく学べるように工夫をしています。ときには全日空の機体工場見学に出かけるなど、公民館を飛び出しての活動もありますよ。

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

おとうさんのレストラン

“パパがシェフになって家族みんなにご飯を作ろう!”というテーマの講座です。普段自宅でも調理をしているパパから、久し振りに包丁を握ったというようなパパも集まり、料理ができあがったら公民館に家族を招待して、みんなで一緒にいただきます。
いつもご飯を作ってくれるママに普段なかなか言えない“ありがとう”を言えるチャンスになるかもしれませんね。参加した方からその後、「家でもご飯を作りましたよ!」という嬉しいお声をいただいたこともあります。

通年講座・定期講座以外には、どのような講座があるのでしょうか?

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

単発の講座も年に40~50ほど開催しています。例えば、「防災・防犯講座」などの啓発講座、蕨市の野外活動支援施設「信濃わらび山荘」を利用したハイキング教室、夏休みなどの長期休みを利用しての子ども教室、子育て中の方を対象にしたバランス料理教室などを企画しています。育児中の方向けの教室によっては託児付きの場合もありますので参加しやすいと思いますよ。

講座を企画する際には、当施設に来館された方々や地域の方々にもやりたいことや学びたいことをお聞きし、講座運営の参考にさせていただいておりますので、“こんなことをやってみたい”“学んでみたい”というご希望がありましたら是非ご相談ください。

北町公民館は若い人の利用も多いそうですね。

蕨市北町コミュニティセンター

一般的な公民館は、高齢者世代と子どもの世代の利用に分かれてしまいがちですが、当館は複合施設の一部ということもあり、児童館や体育館に来る子育て世代の方が公民館を利用されることも増えてきています。

北町コミュニティー・センター&北町公民館インタビュー

公民館に限らず施設全体でしたら、競技場やトレーニングルーム、卓球場などがございますので、20~40代の方々の利用が多いです。蕨市だけでなく、近隣のさいたま市や戸田市、川口市から利用に来られる方もおります。トレーニングルームは夜の21時まで利用できますので、仕事帰りに寄って運動される方もいらっしゃいますよ。体育館の各種教室には託児付きの教室もございますので、子育て中の方もお気軽にご利用いただければと思います。

「北町公民館」のこれからの展望などがありましたら教えてください。

蕨市北町公民館

ファミリーの利用をより増やしていきたいと考えています。親子リトミックや親子エアロビ、これから幼稚園に入園される親子向けの幼稚園プレデビューなどの講座も開催していますが、さらにパパ・ママ・子どもを対象にした事業に力を入れて運営していこうと考えています。子育て世帯が安心して暮らせるようなまちづくり・地域づくりを目標にやっていきたいと思っています。

最後に、松永さん、長友さんが感じられる“蕨市の魅力”を教えてください。

松永さん

蕨市の魅力は人材力だと言われています。行政と市民の距離が近く、お互い協力し合って色々な取り組みを行いやすいところが良いですね。私も蕨で生まれ育って、とても住みやすいと感じています。

長友さん

蕨市は都心に近くアクセスも良いので住みやすく大変便利な街です。保育園や児童館、子育て支援施設も充実していますので、子育てしやすい街ではないでしょうか。
昨今、地域のつながりが薄くなっていると言われていますが、蕨市はそんなことはないと思います。日本一小さい市であり、日本一人口密度が高い蕨市。地域のつながりがぎゅっと詰まったこの街で、楽しく安全に暮らしていただければと思います。蕨市は皆さんの生活がよりよくなるように努めておりますので、よろしくお願いいたします!

蕨市北町公民館

今回、話を聞いた人

蕨市北町コミュニティ・センター

センター所長・松永祐希さん

北町公民館

北町公民館 主事・長友省吾さん

住所:埼玉県蕨市北町1-27-15
電話番号:048-432-2225
開館時間:9:OO~22:00
休館日:毎月月末(館内整理日)、年末年始(12/28~1/4)
http://www.city.warabi.saitama.jp/hp/page000001500/hpg000001473.htm

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

みんなが元気で暮らしやすいコンパクトシティを目指して/蕨市北町コミュニティー・センター 所長 松永祐希さん、北町公民館 主事・長友省吾さん
所在地:埼玉県蕨市北町1-27-15 
電話番号:048-432-2225
開館時間:9:00~22:00
休館日:毎月末(館内整理日)、年末年始(12/28~1/4)
http://www.city.warabi.saitama.jp/hp/men..

“近所の井戸端会議”のように気軽に足を運んでほしい/蕨市北町児童館 小嶋一子さん


蕨市北町児童館
小嶋一子さん

“近所の井戸端会議”のように気軽に足を運んでほしい
育児・子育てに寄り添う心強い味方「北町児童館」

蕨市の「北町児童館」は、「北町コミュニティ・センター」の一角にある児童館だ。施設面積は大きくはないが、市内5か所にある児童館で一番歴史が古く、0歳児から高校生までを対象に様々な子育て支援サービスの提供を行っている。今回は児童館職員・小嶋一子さんに、児童館に求められる役割や蕨市北町周辺エリアの魅力などについてお話を伺った。

まず、「北町児童館」の概要について教えてください。

蕨市北町児童館

開館時間は午前9時~11時45分と、午後13時~17時です。休館日の毎週月曜日、毎月第3日曜日の午後、あとは祝日で、それ以外の日はご利用いただけます。市内市外のどなたでも利用できるので、実際北町にお住まいの方以外にも、隣接している川口市や浦和区の方などもいらっしゃいますよ。
ご利用にあたっては、飲み物の持ちこみはいいですが、食べ物はご遠慮くださいという約束ごとがあるくらいですね。

北町児童館ならではの特徴はどのようなものがありますか?

蕨市北町児童館

先程申し上げたように、他の街からもいらっしゃるので、地域の垣根を越えた交流ができますよね。普段の学校だったり蕨市の施設関係だけではない情報交換などもあります。

蕨市北町児童館

また、小さな児童館ですが、「北町公民館」や「市民体育館」との複合施設となっているので、保護者の方が、児童館で遊ばせながら他の施設をご利用できるという特徴があります。例えば、土・日曜日なんかにご夫婦でお子さんを連れてみえて、ご主人がジムに行っているときは奥さんがこっちらでお子さんと遊んで、次に交代で奥さんがテニスでご主人がこちら…というような感じです。そんなような使い方ができるのは、複合施設ならではメリットだと思いますね。

子どもから親御さんまで、多くの方がご利用されていると思いますが、運営において大切にしていることについて教えてください。

蕨市北町児童館

私達職員は先生みたいな立場ではなく、近所のばーちゃんが相談にのっているような、もっと言えば相談というよりもお母さんの表情とかお子さんの様子を見ながら寄り添っている、というように感じてもらえるように心がけているつもりです。
児童館はみんなの居場所づくりだと考えています。0歳から18歳未満までの異年齢の子どもたち、そして親御さんも、ともに良い刺激を受けながら子どもの成長を手を組んで一緒に楽しむことが出来る場所だと思います。

子育て支援の役割も大きく普段の様子の変化、または子ども同士のトラブルなど、利用者自身が解決できるように手助けをしながら、“楽しかった!”という気持ちで帰ってもらいたい。そんな思いで、接しています。

お部屋は二間程の広さが、逆に良い効果があるようですね。

蕨市北町児童館

お部屋が狭いので必然的に赤ちゃんと小学生が同じ所で遊んでいます。そうすると自然に子ども達が触れ合うようになっていくんですね。赤ちゃんは小学生が気になって寄って行きますし、小学生は赤ちゃんが可愛くてかまってくれます。ここではそれが、自然に行われているんです。
また狭いことで初めていらした親御さんでもすぐに、うちとけることができるようです。子育てに関する情報交換、友達づくりなどが自然と行われていますよ。

蕨市北町児童館

おうちで一人で育児などをされているとどうしても息が詰まってしまったり、イライラすることもあると思うんです。ぜひぜひこの児童館に一歩でも足を踏み入れていただいて、近所にある井戸端会議場みたいな感じの捉え方で気軽にご利用していただければ、ありがたいと思っています。

ご利用される方々と職員の方とのふれあいは、どのような場面で感じられますか。

蕨市北町児童館

ワンフロアーで事務所もない児童館だけに、メリットも沢山あります。保護者の方と互いに子どもさんの成長を見守り喜び、ともに泣いたり笑ったりできる、そして困った時には寄り添い支えていく。“ハイハイが出来た!”“歩いた!”“言葉が話せた!”と毎日が感動です。

蕨市北町児童館

私は児童厚生員として長く蕨市に務めていますが、北町児童館は楽しい職場だと思っています。私たち職員は子どもの成長を見守りながら、私たち自身も喜びをもらっています。「蕨のお母さん」と呼ばれて、私もやりがいや生きがいを頂いています。

乳幼児活動として行われている、0才児対象の「まめっこクラブ」、1才対象の「みんな集まれ」について、それぞれの活動内容や特徴を教えてください。

蕨市北町児童館

蕨市の児童館では月に1度、約1時間の年齢別支援事業を行っています。登録していただいた方であればどなたでも参加できますのでぜひご利用ください。内容によっては参加費を頂いています。詳細は市の広報でお知らせしていますのでご覧ください。

他館では0歳の「まめっこクラブ」、1歳の「とことこクラブ」、2歳の「ちびっこクラブ」3歳以上の「のびっこクラブ」に分かれていますが、北町児童館では0歳児の「まめっこクラブ」と1歳児以上の「みんな集まれ」の2グループで実施しています。

蕨市北町児童館

「まめっこクラブ」ではわらべうた、手遊びなどで遊びますが、主に親御さんたちの交流が目的です。例えば「離乳食はこうやって試してみたよ!」など、親同士の情報交換の場となっています。元保育園の園長にアドバイザーとしてご協力頂いています。

1歳以上の「みんな集まれ」では親子の交流が図れる手遊びや歌、わらべうた、パネルシアターやペイプサート(紙人形劇)などをして遊んでいます。前回は「ありさんのおはなし」を手話で楽しみました。 

 

「ママのティータイム」という活動があるとお伺いしましたが、具体的にはどのように利用される場なのでしょうか。子育て相談なども可能なのでしょうか。

蕨市北町児童館

月に一度、ママ同士でお茶を飲みながら子育ての情報交換や仲間作りをしようという集まりです。無料でコーヒーや紅茶、子どもには麦茶を出しています。年に2回、児童センターにある家庭児童相談室の専門の職員が来て子育ての相談に応じています。また厚生保護女性会の方々にもご協力頂いています。

その他に好評の講座などはありますでしょうか?

蕨市北町児童館

月に1度行っている絵本の読み聞かせが好評です。以前に図書館で勤務をされていた方が読み聞かせををしてくださるんですが、手遊びや、わらべうたなどで楽しんだ後、絵本の世界に子ども達を引き込んでいくんです。前職のご経験から、読むことだけでなく本自体の専門知識にも精通されていて、いろいろ絵本の特徴をとらえて紹介してくださいますので、絵本の選び方、楽しむポイント等も教えてくださいます。リピーターの参加者の方もとても多いんですよ。

蕨市北町児童館

小学生向けでは料理教室が好評で栄養士の資格ある先生が指導してくれます。以前恵方巻きを作ったのが好評で、小学5年生の女の子がそのためにエプロンを買ってこころまちにしてくれていたとか、「楽しかったからまた来年やってほしい」と言ってくれる子どももいて、ただ作って食べるだけではなく、指導員との交流も大切にしています。

最後に、蕨北町周辺エリアの魅力を教えてください

蕨駅

北町周辺は駅から10分程度で近いし、ちょっと歩けば市立病院、保健センター、学校、保育園、大型店舗もあって、生活しやすい街です。人情味がある、誰にでもあたたかい所だと思いますね。どの方に聞いても、子育てのしやすい便利な街だと、おっしゃいますね。

蕨市北町児童館インタビュー

今回、話を聞いた人

蕨市北町児童館

小嶋一子さん

住所:蕨市北町1-27-15
電話番号:048-432-2611
開館時間:9:00~11:45、13:00~15:00
休館日:月曜日、祝日、年末年始、第3日曜日の午後 http://www.city.warabi.saitama.jp/hp/menu000000200/hpg000000105.htm

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

“近所の井戸端会議”のように気軽に足を運んでほしい/蕨市北町児童館 小嶋一子さん
所在地:埼玉県蕨市北町1-27-15  
電話番号:048-432-2611
開館時間:9:00~11:45、13:00~15:00
休館日:月曜日、祝日、年末年始、第3日曜日の午後
http://www.city.warabi.saitama.jp/hp/pag..

子ども・指導者・保護者が一緒になって高め合うサッカーチーム/蕨北町サッカースポーツ少年団 団長 小泉亘さん


蕨北町サッカースポーツ少年団
団長・小泉亘さん

子どもたちが成長できる環境づくりを。
子ども・指導者・保護者が一緒になって高め合う
「蕨北町サッカースポーツ少年団」

「蕨市立北小学校」のグラウンドをホームに、週末のたびに元気な声を響かせている「蕨北町サッカー少年団」。走力に定評があるチームで、大会でもたびたび上位大会に進むなど戦績を残している。子ども・保護者・指導者を合わせて約80人の団員が力を合わせて活動しているのもチームの魅力だ。今回は、指導者として約25年もの間チームに携わり、ここ10年は団長(代表)を務められているという、小泉亘さんにお話を伺った。

まず、「蕨北町サッカースポーツ少年団」の概要について教えてください。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

蕨市内には、現在全5団のサッカー少年団と、ほかに軟式野球チームなどもありまして、その中でも「蕨北町サッカースポーツ少年団」は一番最初できた“スポーツ少年団”です。もともとは1970(昭和45)年に、「蕨」駅の反対側の塚越地域で「塚越サッカー少年団」という名前でスタートし、その後本部をこちらに移して「蕨北町サッカースポーツ少年団」になりました。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

その後、市内各地域で「南サッカー少年団」「錦サッカー少年団」「中央サッカー少年団」、新たにまた「塚越サッカー少年団」ができまして、現在に至ります。

現在、どのぐらいの人数で活動されているのでしょうか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

今は選手は50人弱ほどです。そのうち女の子が3名おります。メインは小学生が対象で、男の子、女の子を問わず、「蕨市立北小学校」以外に通う児童でも入団していただけます。現在はほとんどは蕨小学校の児童ですが、それ以外にも「蕨市立中央小学校」や「蕨市立東小学校」から来てくれる子もいますし、川口市の「川口市立芝富士小学校」からも来ています。このほか、「キッズ」というかたちで、小学校入学前の幼稚園児も受け入れています。とにかく「蕨市立北小学校」のグラウンドに練習に来ることが可能であればどなたでも大歓迎です。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

「蕨北町サッカースポーツ少年団」では今までJリーグに2名(現在浦和レッズで活躍している室井市衛選手と、栃木SCのゴールキーパー榎本達也選手)などプロサッカー選手を輩出していることもあり、それを知って入ってくれる方もいます。興味をお持ちになったら、ぜひ一度見学にいらしてください。

どのようなチーム編成をしているのでしょうか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

以前100名以上選手がいた時期には各学年でチームを作っていましたが、今は各学年ではチームを作るのは難しいので、6年生のチームに5年生が入ったり、4年生のチームに3年生が入ったりという具合に、2つの学年を混ぜながら試合を行っています。

「蕨北町サッカースポーツ少年団」ならではの、独自の練習方法などはありますか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

練習内容については、私を含め指導者が定期的に「トレーニングセンター」という所に通いトレーニング方法の指導を受け、基本的にはそれに沿って行っています。「蕨北町サッカースポーツ少年団」の伝統としては、特に「走力」を重視しており、前述のJリーグに行った選手も言っておりましたけれども、やはり“走ることが基本”だと思っていますので、練習ではかなり走ることに重点を置いていると思いますね。

たとえば夏合宿で群馬県の片品村(かたしなむら)というところに行くのですが、ここに非常にいい坂があるので坂道ダッシュを午前、午後とそれぞれ50本ずつ練習に組み込んでいます。だから学校で持久走大会などをやれば、必ず「蕨北町サッカースポーツ少年団」の子が何人か上位に入っていますよ。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

普段の練習についても最初に全学年で一緒に体操をし、それから2周ぐらいトラックを走り、また全学年で一緒にボール遊びをして、その後にも高学年は走力をつけるためにタイムトライアルというメニューをやります。これは、このチームで何十年と続いている伝統です。

指導をするうえで、最も大切にしていることはどんな点でしょうか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

単純に“サッカーがうまくなる”ということも確かにひとつの考え方ですが、まず子どもたちを精神的な面で成長させようと思いながら日々接しています。
「あいさつ・返事・片付け」という3つの決まりも「蕨北町サッカースポーツ少年団」の代々受け継がれている伝統です。そういったところは日頃の生活に対する姿勢などにも生かされてくるもので、保護者の方々や学校の先生方からも、「北町サッカーに入ってからあいさつができるようになった」とよく言っていただけます。やはりそういった言葉をいただけるのは嬉しいですね。

こういった共通認識については、2か月に1回の指導者会議、3か月に1回の役員会などを通して、指導者同士でお酒も飲み交わしながら(笑)ディスカッションをして、情報共有をしています。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

もちろん、最終的に“ゲームに勝つ”ことは意識しますけれど、「マッチ・トレーニング・マッチ」という形式で、試合を行い、そこで悪かったところをトレーニングで改善し、それをまた試合に生かしていく、ということを意識しています。
以前はむやみに走らせたり、蹴らせたりというトレーニングをした時代もありましたが、現在はもう「今やっているのは何のトレーニングなのか」「どんな時に役に立つのか」ということを理解しないと、子どもたちはついて来ない時代ですから、子どもたちが理解できるように工夫して、それを試合の時に生かせるように、常に対話することも大事にしています。

指導者の方には、どんな経歴の方が多いのでしょうか?
また、保護者の方々はどのように団に参加していらっしゃいますか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

指導者は、基本的にはサッカー経験者のお父さんがコーチをしてくださっている方が多いですね。現役選手の子のお父さんもいますし、団の卒業生のお父さんもいます。他には団のOBの子が、大学生などになって来てくれる場合もあります。今日も大学生の卒業生が指導者として来てくれていますよ。

皆さん普段は仕事を持っていますので、今日は土曜日ということで少なめですが、日曜日になると15人くらいは指導に来てくれます。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

このほか、うちの団は保護者のお母さん方がすごく練習を見に来てくれるんですよ。そこでお母さん同士のコミュニケーションも生まれてきますし、コミュニケーションを取りながら、みんなで楽しくやっています。練習試合をやる時にも、ほかのチームの方から、「北町さんはいつも父兄が沢山来てくれていいね」と言っていただけるくらいです。

普段の練習や大会出場以外にさまざまなイベントなども行っているようですね。「蕨北町サッカースポーツ少年団」ならではのユニークな催しがあれば教えてください。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

12月にクリスマス会があり、その時はプレゼント交換をしたり軽食を食べたりしながら楽しみます。クリスマス会は5年生が主体になって計画して、そのお母さん方が手伝ってくださるのが伝統になっていて、司会もゲームも全部子どもたちが主導で進めていきます。年度末の「蹴り納め」という行事では、「指導者 vs 6年生」の試合後にお母さんたちの手作りカレーをみんなで一緒に食べるのが恒例です。

年明けの「蹴り始め」では、「親子サッカー」として子どもも大人も一緒になってサッカーを楽しみます。この試合後はお母さん方が豚汁を作ってくれます。梅雨明けぐらいにもまた「親子サッカー」があり、この時は再びカレーです。うちの団員はみんなカレーが大好きなんですよ(笑)。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

夏合宿では「肝試し」などもありますから、練習は厳しいながらも、それ以外のイベントはみんなとても楽しんで過ごしていますよ。あとイベントというわけではないんですが、“かき氷器”を団費で購入したので、コンビニで氷を買ってきてかき氷を作るというのがブームになっています。夏はもちろんですけれど、冬にも大人気ですね。以前は合宿先でお世話になっているところで借りて作っていたのですが、子どもたちがすごくそれを気に入っていたので、合宿以外でもできるようにしたんです。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

大人も子どもも、みんなが楽しく活動しているというのが、うちの団の一番良いところだと思いますね。だから「受験で活動を辞めなくてはいけない」という子はいても、「辛いから辞める」という子はまずいないですね。

出場している大会の戦績についても教えてください。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

色々な大会がありますが、夏の「全日本小学校サッカー大会」と、秋の「サッカー少年団大会」というのが2つの大きな大会です。うちの団は北足立南部という地域に属しており、その中には全部で80チームがあります。ここでベスト4ぐらいに入らなければ、県大会には行けません。
そこでうちは、過去10年間で5回県大会に出場しています。これはトップチームと言って、6年生が主体のチームになりますが、非常に優秀な成績だと思います。5年前の「サッカー少年団大会」では準決勝で負けてしまったのですが、県のベスト3まで行きました。これが過去10年間では最も良い戦績ですね。

練習日程について教えてください。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

基本的に、土・日曜日と祝日に練習を行っています。それぞれ午前か午後の、9~13時もしくは13~18時といった具合です。試合で頑張ってもらうように前向きな意識を持ってもらうことが大事だと考えていますので、無理して毎回練習に来て、合に出ても楽しめないというよりは、家族旅行に行きたければどんどん行っていただいて構いませんし、楽しみながら長くサッカーを続けてもらえればと思っています。

そうやって楽しみながら続けて“今度試合があるから頑張ろう”という意識を持てるようになれば、試合前には全員頑張って出てきてくれるものです。
平日にも、火・木曜日の夕方については18~20時の「高学年ナイター」をやっています。これは小学校高学年の子だけが対象ですが、自由参加でミニゲームをやったりしています。

女子児童も比較的多いようですが、「なでしこジャパン」やW杯の開催なども影響しているのでしょうか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

女の子は、今は3人だけなんですが、実はなでしこブームの前から沢山いたんです。女の子でクラブチームに行った子もいますし、女性の指導者もいます。20年ぐらい前には女子だけのチームもあったくらいです。今は3人だけなので男子との混合チームでやっていますが、女の子でもどんどん参加して欲しいと思います。

「蕨北町スポーツサッカー少年団」の自慢のポイントは、ずばり何でしょうか?

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

やはり、“子どもたちを指導者と父兄で一緒に育てていく”という雰囲気があるところだと思いますね。

試合になれば父兄が車を提供してくれますし、指導者は全員ボランティアですし、指導者会議なども全部自腹で飲食しています。子どもたちのために、みんな一緒に、本当に一生懸命に考えて活動してくれています。もうこれは自慢と言うよりは、“感謝”ですね。本当に父兄の方々、指導者の方々には心から感謝しています。

最後に、小泉様が考える蕨北町の魅力についてお聞かせください。

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

私は北町にもう30年以上住んで子どもも3人育ててきましたが、コンパクトな地域に、年配の方から小さな子どもまで、いろんな年代の方が住んでいて、明るい雰囲気があると思います。蕨市は日本で一番小さな市ですけれども、コンパクトな中にいろいろが詰まっている場所が北町なんでしょうね。

もちろんうちの「蕨北町サッカースポーツ少年団」があることも魅力のひとつです。私も子どもが3人、全員少年団に入っていましたし、上の子は大学までサッカーを続けてくれましたね。ここに今来ている子どもたちにもぜひサッカーの楽しさを感じてもらって、長く続けてもらいたいですね。

もちろん、大人が暮らす環境としても素晴らしいと思いますよ。駅からも近いですし、その割には静かな環境がありますし、家族で住むには最高だと思います。

★保護者の皆さんにも聞いてみました-チームの良さ、魅力について★

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

★ここは「クラブチーム」とは違って「少年団」なので、やっぱり、縦のつながりがあって、上の子が下の子の面倒をよく見てくれたり、そんなところが良かったと思います。(1年生と6年生のお母さん)

★うちもそうでした。2年生から入って、上の子からいろいろなことを教えてもらっていると、子どもは自分も「そういうことをしないといけないんだ」ってことを分かるようになるんです。子どもが上の子どもたちの背中を見て育っていく、という感じです。
それから、大人同士のつながりも深くて、集まれば学校のことも話しますし、いろいろな情報交換ができますよね。こうやってグラウンドに見に来れば、家に帰ってからも子どもと話ができますし。そういう面で、子どもとのコミュニケーションも取りやすいところが魅力です。(6年生のお母さん)

蕨北町サッカースポーツ少年団インタビュー

今回、話を聞いた人

蕨北町サッカースポーツ少年団

団長・小泉亘(こいずみ わたる)さん

蕨北町サッカースポーツ少年団
活動場所:蕨市立北小学校 埼玉県蕨市北町2-11-6
URL:http://kitamachisoccer.web.fc2.com/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

子ども・指導者・保護者が一緒になって高め合うサッカーチーム/蕨北町サッカースポーツ少年団 団長 小泉亘さん
所在地:埼玉県蕨市北町2-11-6 
活動場所:蕨市立北小学校
http://kitamachisoccer.web.fc2.com/

みんなが「いきいき」過ごせる保育園/株式会社チャイルドハート 代表取締役 木田聖子さん


21の保育園を運営するチャイルドハート。「先生たちがいきいき」と働く環境づくりに力をこめ、園児やお母さん方にも「いきいき」としてもらう、幸福追求を掲げている。子どもたちにとってのファーストティーチャーということを心がけて、少人数制を採用し、園児たちとのコミュニケーションを大切にしながら運営に当たっている。2000(平成12)年に法人化した第1号園である舞子校で、同社社長の木田聖子氏にお話を伺った。

関わる人みんなハッピーに、舞子から歩み始めた活動

園内の様子

――「チャイルドハート」保育園のコンセプトを教えてください。

“関わるすべての人たちがみんなハッピー”になることを目標として掲げています。名刺にも書いている「PursuIT of happiness」、幸福の追求という意味ですが、子どもたちもハッピー、お母さんたちもハッピー、先生たちもハッピー、それが何より一番なんです。先生たちが笑顔で働いていることが、子どもたちへの一番の愛情ですし、お母さんたちにも愛情をかけることができます、それが会社の方針になっています。私自身も保育の現場で働いていましたが、保育現場というのは離職率がとても高いんですね。仕事もすごくハードで、人間関係など子ども子ども以外のところで悩むことも多い。だからこそ、精神的にゆったり、いきいきと働ける環境がとても大切です。自分に余裕があれば相手に愛情をかけることができますしね。

お遊戯の時間

――働く保育士たちの「働きやすさ」を重視されているのですね。

そうですね。先生方にアンケートをとっているんですが、現在、先生は104名、うち2人が育休なので102名が対象になります。その中の、「日々いきいきと生きがいを持って仕事ができていますか?」の設問では、「はい」が81%、「まあまあ」が17%、「いいえ」が2%という回答でした。これでも一般的には高い満足度だと思いますが、「まあまあ」と「いいえ」の人を「はい」にすることが今後の目標です。ここがうちの保育で一番大切なところですし、いきいきと働くことが子どもたちへの愛情につながると思いますので。

不慮の事故を防ぎたい――ITを駆使した安全管理

園内の廊下

――園内にカメラを設置されていますが、その経緯を教えてください。

チャイルドハートを開園した2000(平成12)年頃に他の保育園でのことですが、虐待であったり、一つのベッドに寝かしているときに寝返りをうって子どもが亡くなってしまったりという問題がありました。「見えない」ことによる気のゆるみが事故につながっていたのですよね。そこでチャイルドハートではそうした問題を「見える化」で解決したいと思いました。当時はカメラを探すことがとても大変で、専用のものが少なく、値段もすごく高かった。でも、「見える化」はとても大切なことですし、なんとしても果たしたかったんです。

――カメラを設置していることについて、お母さん方からの評判はいかがですか。

保育環境が見られるので安心できる、という声をいただいています。おじいちゃんやおばあちゃんが見ていることもありますし、お母さんも最初に預けるときはやはり心配ですので、様子が見られて安心できるようです。ウェブサイトで見られるようになっていますが、毎月変わるパスワードで安全管理も徹底しています。

壁面は可愛らしくデコレーションされている

――他にITを活用した取り組みはありますか。

昨年まで加古川の保育園ではICタグを子どもにつけていました。始めた当時は、子どもの連れ去り事件が起きていた頃で、何か対策ができないかと思って取り組みました。今は神戸市との取り組みを考えています。じつは、保育園で最も事故が起きやすいのは寝ているときなんです。「乳幼児突然死症候群」という事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気があって、それをなんとか防ぐための取り組みです。今でも先生たちは5分に1回呼吸をチェックしているのですが、それでも起きる可能性のある病気という点がとても怖いのです。そのため、センサーで子どもの呼吸を感知して、映像で確認できるような仕組みを2年くらいかけて開発しているところですね。

地域で見守る園児たちの成長、ファーストティーチャーとしての責任

園内のスリッパもカラフルで楽しげに

――地域との関わりについて教えてください。

日々のことでいえば公園に行けば必ずゴミを拾って帰ってくることもそうですし、地域の行事にも参加したり、保育園はどうしても屋内なので、外に出ていくことを大切にしています。三宮の保育園では、「生田神社」の節分の豆まきに呼んでいただいて、舞台に上がらせていただきます。それに三宮センター街で子どものファッションショーをしたり(笑)、制服を着て歩くだけなんですけど、すごく可愛いですよ。舞子では、ハロウィンのときに子どもたちが当園のある「ティオ舞子」の館内を回ります。先にお店の方たちにお菓子を預けておいて、子どもたちがみんなに挨拶をしてお菓子をもらいにいくイベントです。

緊急時の対応を日常から意識している

――保育園を運営する中での苦労や大切にしていることはありますか。

子どもの命を守っている、という意識は常にもつようにしています。なにか問題が発生したら、PDCAサイクルを回していって再発防止に努めていますね、お母さんは子どもが怪我なく、笑顔でお迎えに来たいと思っていますから。また、舞子は定員15名定員、他の園も少人数なので、子どもが何かを言ったときに、ちゃんと一人ひとりに応じることができるようにしています。私たちはファーストティーチャーですから、この時期に受け止めてあげることがとても大切なんです。

初めての「お母さん」、子育ては一緒に行う

幅広い年代の子供が通っている

――子どもたちやお母さん方の人柄はいかがでしょうか。

子どもたちは落ち着いていますね。0歳から4歳まで同じ空間で一緒に遊んでいます。小学校に入ると学年ごとに分かれてしまいますから、兄弟みたいに一緒にいられる環境でいろいろなことを学んでほしいですね。お母さん方もみんなフレンドリーで、保護者の方と一緒に子育てさせていただいているという実感をもっています。

――お母さん方からは悩み事の相談なども受けられますか。

そうですね、特に一人目の子どもをもつお母さんは、「お母さんは子育てできるもの」とみんな思っています。でもそんなことはないんです、お母さんも初めてのお母さんですからね。働いているお母さんはまだいいのですが、家にいる方ですと孤立してしまうこともあります。うちの保育士にも育休の者がおりますが、「早く働きに出たい」「保育園と自分の子どもでは違う」と言うんですね。保育のプロでもそうなんですから、一般のお母さんはもっと子育てが大変だと思います。ですから、そうした相談も私たちがしっかりと対応しています。

際限のない保育、ステップアップはこれからも続く

10周年記念写真

――これからの抱負を聞かせてください。

社員の「いきいき」と働く気持ちを高めていきたいですし、お母さんにも同じように「いきいき」と育児に取り組んでいただきたいと考えています。保育には際限がないので、つねにステップアップしていかなければなりません。保育の質と幸福の追求、それはずっと続きます。収益を追求するなら多くの園を作ればいいこと、でもそうではありません。追求するものを間違えない、そこは揺るぎませんね。

一日の園内スケジュール

――舞子周辺の魅力を教えてもらえますか。

ここはとにかく最高の場所だと思っています。カーテンを開くと、海がキラキラしていて「明石海峡大橋」も目の前、舞子公園の緑もありますし、こんなロケーションは日本一良い保育園だと思います。夕日も本当にきれいで、子どもたちもみんな窓越しにへばりついて見ています(笑)。それに人がとても温かくて、地域に必要なのは住みやすさや人間関係だったりするのだなと実感します。電車に乗ればすぐに三宮や大阪の街に行くこともできますから、本当に便利な街だと思いますね。

チャイルドハート 木田聖子さん

株式会社チャイルドハート

代表取締役 木田 聖子さん
神戸市西区今寺3-22
TEL:078-783-2800
http://www.child-heart.com/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

みんなが「いきいき」過ごせる保育園/株式会社チャイルドハート 代表取締役 木田聖子さん
所在地:兵庫県神戸市西区今寺3-22 
電話番号:078-783-2800
http://www.child-heart.com/

心身共に健康で人間性豊かな生徒の育成を目指す

地域に支えられ、 調和のとれた子どもたちの育成を目指す/練馬区立貫井中学校 校長 熊野真司先生


練馬区立貫井中学校
校長 熊野真司先生

温かみのある地域に支えられ、
調和のとれた子どもたちの育成を目指す

西武池袋線「中村橋」駅を中心に、活気あふれる商店街と落ち着いた住宅街が広がる中村橋エリア。駅から徒歩10分程の場所に建つ「練馬区立貫井中学校」は2013(平成25)年に開校50周年を迎え、この地域の伝統校として親しまれている。今回は、この記念すべき年に同校に赴任された熊野真司校長先生に、学校の教育方針や魅力、街の子育て環境などについて、お話を伺った。

2013(平成25)年に開校50周年を迎えた歴史・伝統のある学校だとうかがいました。赴任された際の印象について教えてください。

練馬区立貫井中学校

1960年代、練馬区は急激な人口増加で大きく発展していました。本校は、こうした時代の1963(昭和38)年に、「練馬中学校」を母体に区内22番目の学校として開校しました。初代校長は、目指す学生像として一番に『努力する生徒』を掲げ、これが本日まで建学の精神として引き継がれています。 本校に赴任する前ですが、開校50周年の記念式典に来賓として私も出席しました。その時、非常に多くの地域の方々が参列していらっしゃったこともあり、“地域の方々に支えられている学校だな”という印象を強く受けました。

練馬区は学校選択制を導入していますが、生徒数や学区外からの通学状況はいかがでしょうか?

貫井中学校校名

生徒数については、ここ数年ほとんど増減なく、各学年4クラスずつの12学級、生徒数400名前後を維持しています。その1割弱程度の子どもたちが学区外から通っているといった感じですね。ただ、学区外であっても、本校と隣接した学区で、本校の方が家から近いというような子どもたちも多いです。 保護者の方たちの中には、親御さんが本校出身で、その祖父母が母体校の「練馬中学校」などという方々も大勢いらっしゃいます。そういう意味でも“地域と共に在る学校”だといえると思います。

「貫井中学校」が掲げている教育目標や、熊野校長先生が教育について大切にされていることを教えてください。

貫井中学校教育目標

本校は『よく考える人』『思いやりのある人』『実践する人』を教育目標に掲げています。校章のアブラナは、この地域の植物であると共に“十字花”という花が十字に咲く高等な植物であり、調和のとれた人間形成のシンボルです。特に、伝統を重んじながらも、これからの社会に生きていく国際感覚を持った子どもを育てたいと思っています。 また私はよく本校の職員や外部に対して、『文武両道の学校を目指す』ということを発信しているのですが、これは単に部活動と勉強を両立させるというだけではなく、礼儀作法やコミュニケーションといったものまでを含めて『総合的に学習していく』という意味を込めて、この言葉を使っております。

実際の生徒たちの様子はいかがですか。

貫井中学校男女像

まずは、“元気な挨拶ができる”ことが本校の生徒の大きな特徴だと思いますね。挨拶というのは人との出会いのきっかけであり、教員たちにとっては生徒たちの心の健康観察にもなります。 次に“マナーをしっかり守る”、“身だしなみに気をつける”ということも大切にしています。身だしなみというのは格好をつけることではなく、相手にどう思われるかであって、きちんとした行動をしようと生徒たちに教えています。本校の生徒たちを見れば、マナーや身だしなみの良さをわかっていただけるのではないでしょうか。

一方、休み時間などには、校庭で元気いっぱいに思い思いに遊んでいる姿や、庭園で楽しくおしゃべりしているほほえましい姿なども見受けられます。 一言でいえば、本校の生徒は“素直で明るくて元気”ということでしょうね。

学習面に関して特徴あるカリキュラムや工夫されていることはありますでしょうか?

数学については、1クラス約20名の少人数制で丁寧に授業を行い、もしつまずいているようだったら放課後の補習授業などで個別に指導・支援をしてすぐにそれをクリアできるような体制を作っています。また理科については、安全かつ効果的に実験ができるよう授業内のカリキュラムを整えるとともに、それを振り返るレポート提出など、理科に対する興味関心と理解を深められるような取り組みを行っています。

貫井中学校廊下

さらに、国語と英語も言語活動の基礎として重要ですので、この2科目についてはなるべく手厚く指導しようと、練馬区が区内の小・中学校に配置している「学力向上支援員」を要請して講師として入っていただき、チームティーチングで授業を行っています。 このほか、学校図書館の整備を進めて、授業の中でも図書室を使って授業をできるようにしています。また、学校図書館支援員が週2日ほど勤務し、授業に必要な図書の準備やサポートをしています。

学校行事や生徒会活動を生徒たちの自主的運営で行っているそうですが、具体的にはどのように運営しているのでしょうか?

練馬区立貫井中学校インタビュー部活動説明会の画像

生徒会活動ですと、例えば新入生歓迎会で新1年生に委員会活動や部活動を知ってもらうために、自分たちで紹介のための寸劇を考えたり、横断幕を作ったりと工夫しています。 また運動会では、当日の準備や進行、記録の計測など、すべて生徒たちが行います。各クラスの代表と、学年を組ごとに縦割りにした応援団長とで実行委員会を組織し、事前に教員たちが3年生を中心とに指導や助言を繰り返していく。そうした中、生徒たち同士で助け合い、3年生が下級生にやり方を伝えて行き、当日は各係長や団長の指示でみんなが動いていくという形で行っています。

貫井中学校グラウンド

失敗しても、自分たちで考えて乗り越えていく、ということを経験させて育てていく。勉強であれ、課外活動であれ、子どもたちが自主的に取り組めるようにするというのが本校のコンセプトです。教員たちがグラウンドに出て何かを指示をしたり、係として動いたりということは一切ありません。

特に活発な部活動や課外活動について教えてください。

貫井中学校トロフィー

現在8つの運動部と6つの文化部がいずれも活発に活動しています。
その中でも成績を残しているという点では、文化部では吹奏楽部ですね。2013(平成25)年は東京都の吹奏楽コンクールで銀賞を獲得したほどで、毎年金賞を目指して頑張っています。それだけでなく、地域の色々な催しで演奏活動をしていることで、地域からも高い評価を得ています。 運動部でいえば、ここ数年優秀な成績を上げているのが柔道部です。都大会ではずっと上位に食い込んでおり、今後も関東大会、全国大会を狙って活動を続けていきます。

地域との関わりは学校生活の中に取り入れられているのでしょうか?

貫井中学校木立

ほとんど地域の子どもたちが通ってきているような学校ですので、自然と見守り活動というか、近隣の方たちが気軽に声をかけてくださいます。町会長が本校にみえることもありますし、我々も毎月町会に伺って学校の近況をお伝えし、敬老会で吹奏楽部が演奏するなど、いろいろな形で協力体制を作っています。

また、近隣に商店街がありますので、職業講話の講師に商店の方をお招きして、1・2年生に職業について語っていただきます。2012(平成24)年は魚屋さんが来て、子どもたちの目の前で魚をさばくのを見せてくれました。その際、地元の活性化のために商店街のお店で買い物をしてほしいというお話もあったそうですが、地域の在り方といったことも勉強できる良い機会になったようです。この他にも「富士見台商店街」と「中村橋商店街」の多くの方々に生徒たちの職場体験に協力していただいています。

練馬区立貫井中学校 英語読み聞かせボランティア 英語部の読み聞かせボランティアの画像

ボランティア活動としては、例えば、英語部の読み聞かせボランティアがあります。すぐそばの「貫井図書館」と連携して、小さいお子さんとお母さん方へ英語の絵本の読み聞かせをするという活動で、年3回程度開いています。また、地域清掃なども、子どもたちが率先して取り組んでいます。学校の中だけでなく、外で子どもたちが気づいたことがあれば、当たり前のことを当たり前にできるように教えていますので、構えなくても自然と地域に貢献できる生徒に育っていると思います。

オリンピック・パラリンピック教育推進校になったそうですが、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

練馬区立貫井中学校 運動会の様子運動会の様子が分かる写真

オリンピック・パラリンピックの精神である『偏見や差別のない社会を構築し、心と体を鍛えていくこと』を目指して、学校教育全体でさまざまな取り組みを行う計画です。
先日行われた運動会では、子どもたち自身がオリンピック・パラリンピックの精神を取り入れていくことを考え、選手宣誓では「みんなで協力し、正々堂々と公平に競技しよう」と宣言されました。早くもオリンピック・パラリンピックの精神が子どもたちの心に根付き始めてきたと思います。

貫井中学校図書館

オリンピック・パラリンピックが開催されると、多くの国の方がいらっしゃいます。その時、子どもたちには、おもてなしの心で接し、日本の伝統文化を伝えてほしいと考えています。そこで、英語の授業では会話能力を高める取り組みを行います。京都・奈良を訪問する修学旅行の中でも出会った外国の方と親交を深める機会が作りたいですね。おもてなしには他人を理解し、思いやる心も大切です。そのため、学校図書館にオリンピック・パラリンピック特集コーナーを設け、日本と世界の文化を比較できるようにする予定です。

もうひとつの柱となるのが、体を鍛えることと、子どもたちに将来の夢を描いてもらうことです。体を鍛える点では、日本の伝統でもある武道を重視し、特別に講師の方にいらしていただき、チームティーチングで柔道を指導しています。また、オリンピアンをお招きして、講演会をしてもらうことも考えています。実際にメダルに触れたり、生の声を聞いたりすることで、夢を膨らませてほしいと思っています。

小中一貫教育推進の観点から近隣小学校との連携を図っているともうかがいました。

練馬区立貫井中学校

本校の連携校となる小学校は2校あります。本年度はそれぞれの小学校に本校の先生が出向いて、小学校の授業の流れを把握し、どのように中学校につなげていくか肌で感じることに取り組むことにしました。また、小学校と中学校の交流として、小学生の部活動の体験をしてもらったり、中学校の見学をしてもらったりする計画を進めています。

貫井中学校校章写真

小学生と中学生の交流はすでに実施している取り組みもあります。リトルティーチャーと呼んでいますが、中学生が小学校に行って英語を小学生に教える取り組みをはじめました。また、生徒会活動の一環として、中学生が小学生に中学校の説明をすることもやっています。さらに、「貫井中学校」のいいところについて各学年の生徒から集めた声を一覧にして、小学校の5・6年生や先生に配布する「貫井中大好きプロジェクト」という取り組みも行いました。こうした活動で中学校の雰囲気を感じてから入学した今年の1年生は、昨年の1年生に比べるとすんなりと中学校生活に溶け込んでいるように感じます。

校舎や校内設備についてはいかがでしょう。

貫井中学校庭園

校舎については内装・耐震工事などを進め、生徒たちが清掃を一生懸命行っていることもあって、中はとてもきれいで快適に整っているかと思います。建て増しをした部分があるので、コの字型のような構造になっているのが特徴です。1994(平成6)年に完成した体育館と武道場など、大きくて立派な施設が整っています。図書館は数年前に改築したばかりで、4階から1階に移し、新刊本を揃えるなど蔵書を充実させ、見やすいレイアウトを工夫したり、本の内容を簡単に紹介するポップを作るなど生徒たちが利用しやすい環境を整えました。
正門右手の庭園にある東屋風のモニュメントは開校40周年記念に地域からいただいたもので、わら葺きの屋根は地元の職人さんの手づくりです。

最後に、熊野校長先生が思われる、中村橋エリアの魅力について教えてください。

サンツ中村橋商店街

じつは、私は高校まで富士見台のすぐ隣の杉並区井草で育ったので、この辺りまではよく歩いて来ていました。当時から活気ある商店街が線路沿いに続いていましたよ。 本校に赴任してから、歩いてみたのですが、商店街は活気があるままだし、なんとなくノスタルジックな懐かしい雰囲気も未だにある。そうした温かみを感じられる地域だと思っています。 さきほどお話しましたように、商店街や町会がすごく協力的でいろいろな形で支援してくださるので、人との繋がりがとても多い地域ではないかと思います。心を育てるのは人との関わりだと思いますので、子育てにはとても向いている街なのではないでしょうか。

貫井中学校長先生近影

今回、話を聞いた人

練馬区立貫井中学校

校長 熊野真司先生

練馬区立貫井中学校
所在地:東京都練馬区貫井2-14-13
電話番号:03-3990-6412(職員室) 03-3990-6411(事務室)
URL:http://www.nukui-j.nerima-tky.ed.jp/

※2015(平成27)年6月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

地域に支えられ、 調和のとれた子どもたちの育成を目指す/練馬区立貫井中学校 校長 熊野真司先生
所在地:東京都練馬区貫井2-14-13 
電話番号:03-3990-6412(職員室)、03-3990-6411(事務室)
http://www.nukui-j.nerima-tky.ed.jp/

理事長 山崎 三孝さんインタビュー

2人のプロ野球選手の原点/昆陽里タイガース(兵庫県)


「伊丹市立昆陽里小学校」で活動する少年野球チームの「昆陽里タイガース」。40年以上の歴史を持つチームは、これまで数々の大会で輝かしい成績を収めてきた。また、現在プロとして活躍する田中将大選手と坂本勇人選手の出身チームとしても知られている。今回は理事長の山崎三孝さんに、チームの概要と、少年時代の田中選手と坂本選手のお話しをお伺いした。

昆陽里タイガースの発足について教えていただけますか

昆陽里タイガース

1967(昭和42)年に「伊丹タイガース」として発足し、1977(昭和52)年に伊丹市の各校区に1チームずつという決まりができ、学校名をとって今の「昆陽里タイガース」に名称が変更されました。私は1985(昭和60)年から監督一筋でやっておりまして、理事長としては8年目になります。チームは大体40名くらいの人数で推移し、多いときで60名くらいですね。2019年3月現在の生徒の数は48名になっています。タイガースという名称は、おそらく、創設した人が「阪神タイガース」のファンだったんでしょう(笑)。ここに入部したい子どもは、「伊丹市立昆陽里小学校」に入学することが条件になっています。クラブ間で引き抜きがあってはいけませんので。

練習のスケジュールはどうなっていますか

昆陽里タイガース シートノック

練習は火・水・木曜日に行っています。子どもたちは、学校の授業が終わって一度帰宅してからもう一度グラウンドに集まってきます。土・日曜日と祝日は、練習試合をしたり、朝から練習を行っています。どこのチームもそうなんですが、グラウンドの確保には苦労していますね。今はグラウンドを使うクラブ活動が増えております。お年寄りのグランドゴルフや大人のソフトボールなども小学校のグランドを使います。計4団体で小学校のグラウンド使用の割り振りを行いますので、使用できない場合は近くの河川敷などで練習をしております。土・日曜日は、ほとんど毎週活動していますよ。

会費はどのようになっていますか?

昆陽里タイガース バット

月の会費が2,000円、合宿積立金が1,000円、それとおやつ代として200円。あわせて3200円が月々の会費になります。合宿は年1回、兵庫県内で行っています。グローブやバット、スパイクなどは各自に用意してもらいますが、4年生以下はスパイクなしで運動靴でも構わないということでやっています。後援会からのお祝い金や、協賛してくれる方もいて、大変助かっております。

大会はどのように実施されていますか?

昆陽里タイガース てっぺん

主なものとしては、年に5つの大会があります。学年ごとに大会があるので、3年生から6年生の各学年に5大会づつがあるということですね。過去の戦績としては、伊丹大会の優勝をはじめ、西日本大会でベスト4に入ったのが最高になりますね。その時は、最終的に優勝した沖縄のチームに負けてしまいました。昨日、ちょうどベスト4に入った生徒が大学を卒業したという挨拶に来ていたんです。

生徒募集はどのようにされていますか?

昆陽里タイガース 一年

年に3~4回ほど野球教室を開いています。最近行った教室は、小学校の3年生以下の児童と、近くの公立幼稚園の子どもを対象に開き、早速4人の入部希望者が来てくれました。野球教室は年間のスケジュールの中にあらかじめ組み込みますが、大会の都合や、連盟本部のスケジュールに合わせて柔軟に変更することもあります。教室で行う内容は、保護者の皆さんがいろいろ考えて決めてくれています。

保護者の方の協力体制はかなり充実されているようですね

昆陽里タイガース

保護者によるお茶出しを当番制にすると、毎回決まった人数しか来ず、熱中症の発症など万が一のハプニングがあった時には人手が足りなくなる恐れがあります。ですのでうちはあえてお茶当番というものを廃止にしていますが、皆さん率先してやってくれているので助かっています。今日も朝の8時に学校へ来て、周辺のゴミ拾いなどもしてくれていました。ゴミの清掃活動もボランティアでやってくれたりしていますね。試合に勝つとチームで祝勝会をあげることもあるのですが、その際は感謝の気持ちも込めて家族の皆さんもお呼びしています。子どもたちにとっても祝勝会はモチベーションになっているようです。

地域のイベントに参加することはありますか?

昆陽里タイガース

小学校では、地区社協(地区社会福祉協議会)による夏祭りと秋祭りを行っており、これに毎年、参加しています。保護者の方々が中心となってやってくれていまして、野球部OBの方が16~18名ほどおりますので、その人たちも後援会としての出展をしてくださっています。タコせんべいを作ったり、輪投げなどいろいろなゲームを企画して取り組んでくれています。近くの「山田神社」のお祭りにも参加しておりまして、子どもたちが神輿を担ぐことも恒例になっていますね。

昆陽里タイガースは、読売ジャイアンツの坂本勇人選手、米メジャー・リーグのニューヨーク・ヤンキースでプレーされている田中将大選手の出身チームとして有名ですね。山崎さんがお2人を直接ご指導されていたのでしょうか

昆陽里タイガース

もともとそうなのですが、「昆陽里タイガース」では、一つの学年に監督がつき、3年生から6年生までずっと見ていくことになっています。それがたまたま、坂本と田中の一つ上の学年が4名、一つ下も4名しかいなかったんです。彼らの学年は16名いましたので、いろいろ組み替えて、12名ずつのチーム2つで構成しました。その際に父兄会を開いて指導者を募り、応募した方に預けたんですね。ただ、やっぱり私じゃないといけない、ということになり・・・(笑)。再び私が監督することになり、2人を最後まで見続けました。

実際2人を近くで見られて、特別なものが当時からあったのでしょうか?

昆陽里タイガース

実は、すごい選手というのは、坂本、田中ともう一人いたんです。その子が走行守のすべてで100点でした。坂本もこれに近いものがあったのですが、田中は「走」は90点くらい。今でも走るのは苦手みたいですね。ただ、心技体とよく言いますが、坂本と田中は、とにかく「心」が強かった。人よりも前に一歩出るタイプの子どもでしたね。この3人ともう一人が最終的に野球の強豪校に進んでいます。

坂本選手は当時、ピッチャーをされていたと聞いております

昆陽里タイガース 坂本勇人選手

5年生の頃に、先ほど言ったすべてが100点だった投手の子が骨折をして投げられなくなってしまいました。大きな大会に行くとダブルヘッダーの試合が多くなるのですが、良い投手が一人いても、もう一人いないとダメなんですね。これはどうしようかと考えたときに、能力の高い坂本をピッチャーに回すことを決めました。それまでは坂本はショート一筋です。だから、彼がピッチャーをしたのは6年生になってからなんです。ただ、4月からピッチャーを始めて6月くらいまでは大したことなかったんです(笑)。内野手投げでしたから良く打たれましたね。8月ごろから良くなったんですが、悲しいかな、4・5・6月というのは、伊丹の県大会の予選なんですね。県大会までは進むことができましたが、残念ながら2試合目で負けてしまいました。

田中選手は当時はキャッチャーをされていたのですね

昆陽里タイガース 田中将大選手

小学校4年生のときに、これもその骨折をした能力の高い子が関連するのですが、その子のお父さんと田中選手のお父さんと話をしました。2人とも肩が良かったんですが、田中をピッチャーに、もう一人の子をキャッチャーに持っていきたいという打診したんです。ですが、その子はピッチャーなのを喜んでいるので、このままやらせてあげたいということになったんです。田中選手のお父さんはどっちでも良いという感じだったので、なら極端にキャッチャーの投げ方をさせずに、すぐにピッチャーができる投げ方をさせていたんです。だから田中選手のお父さんからは「あの時に監督がキャッチャーの投げ方をさせなかったから今がある」ってお話をされますね。今の田中選手のピッチングフォームは後ろが小さいんですね。宝塚ボーイズ(中学時代)に進んだとき、そこの監督さんがすぐにピッチャーに持っていける投げ方だったと話していましたね。そんなこともあり田中選手はキャッチャー一筋だったんです。ただ、休憩時間にはお父さんと投球練習をしていました(笑)。逆にもう一人の子はキャッチャーで大成すると思っていました。実際、キャッチャーで野球の強豪校に進学しています。

子どもたちに野球を教える中で、何を感じ、学んで欲しいと考えていますか

昆陽里タイガース 練習

挨拶運動というものがあります。うちのチームに入った子どもに徹底的に教育するのは、挨拶をすることなんです。グラウンドに入る前には、必ず一礼をさせます。誰かがグラウンドに入ってくれば、必ずみんなが大きな声で挨拶をします。いつも言うのは、グラウンドには全然関係のない人は来ない。みんな「昆陽里タイガース」に関係する人ばかりなので、しっかり頭を下げなさいということです。そして、道具を大切にすること。それにグラウンドは駆け足で動く。これをずっと言い続けていますね。下級生は85点~90点くらいですが、皆しっかり100点になって6年生になり卒業を迎えます。

最後に、昆陽里エリアの魅力、この街にこれから住む方にメッセージをお願いします

昆陽里タイガース 集合

工場などが少なくキレイな街だと思います。新しい新興住宅がたくさん建ってきていますし、若い人も多くなっています。それに、どこに行くにも便利。神戸に出るのも、大阪に行くのも、空港に行くのもすべて一つの電車で乗り換えなしで行くことができます。アクセスの便利さは魅力だと思いますね。子どももたくさんいますので、イキイキとした街だと思います。

昆陽里タイガース 監督

昆陽里タイガース

理事長 山崎 三孝さん
※この情報は2015(平成27)年4月に実施したインタビュー内容をもとに、2019年3月に加筆・修正したものです。

2人のプロ野球選手の原点/昆陽里タイガース(兵庫県)
所在地:兵庫県伊丹市 

モンテッソーリ教育とグローメージプログラムを採用/わかばコスモ インターナショナルスクール 園長 村瀬陽子さん


外国人教師による英語保育教育を実践している「わかばコスモ インターナショナルスクール」。幼児期の英語レッスンには、14年間の実績の中で培われてきた経験と応用言語学の第一人者である阿部一先生と開発された、英語をイメージで身につけることができる「グローメージプログラム」を取り入れている。お子さんが大好きで、内面性を育てる英語教育に取り組む、園長の村瀬陽子先生にお話を伺った。

モンテッソーリ教育とグローメージプログラムを採用しています

保育の様子

――スクールの特徴を教えてください

住宅街の中の一軒家の、アットホームな雰囲気の中で保育を行う、少人数制のインターナショナルスクールです。0歳から入園可能で、外国人ティーチャーと日常を過ごしながら、コミュニケーション能力を養っていただいています。モンテッソーリ教育と、小さなお子さまの英語には「大人になっても忘れない英語」のプログラム「グローメージプログラム」を採用しています。日本の文化も大切にしていますので、日本の幼稚園とインターナショナルスクールの良いところを兼ね備えたスクールとも言えます。

クラフト制作やスポーツなどを中心に行っています

保育の様子

――普段の活動について教えてください

想像力を働かせたクラフト制作や、30メートル走、ボール投げ、立ち幅跳び、マット運動などのスポーツなどを中心に行っています。クラフトは子ども自身が考えた部分を高く評価し、スポーツでは体を動かすことの楽しさを知ってもらうことで、可能性を伸ばしていきたいと考えています。ランチは給食かお弁当のどちらかを選んでいただいています。給食はバランスの良い食事、安全、衛生面を考えて施設内で作っているので、温かいものは温かいまま、冷たいものは冷えたまま提供しています。調理室で子どもたちがクッキング体験をすることもありますよ。

行事やお出かけなどもよくしています

行事の様子

――行事や野外活動はどのように行っていますか

一年を通して、四季折々の行事を取り入れています。4月のイースターや10月のハロウィンといった外国の文化や、2月の節分や3月のひな祭りといった日本の文化まで、さまざまな行事を通じて国際感覚を養っています。行事に合わせてクラフト制作をしているのも特徴です。同じ行事でも、毎年異なる作品を制作しているので、保護者さんに喜んでいただいています。野外活動には、遠足、ピクニック、社会見学、運動会などを行っています。近くにある「東山動植物園」や「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」へでかけることもあります

一社エリアの子育てを支えています

保育の様子

――わかばコスモグループについて教えてください

グループには「わかばコスモインターナショナルスクール」のほか、名古屋市認可小規模事業となる「わかばコスモ保育園 一社園」と「わかばコスモ保育園 極楽園」があります。一社園と極楽園では、小規模保育専任の外国人講師を採用した英語教育と、野外へでかける機会を多く設けて自然体験をする自然教育にも力を入れています。遠足や運動会などの大きな行事の場合はグループ全体で活動し、ほかの園のお友達との交流もしています。

一社は教育熱心な方が多いですね

クラフト制作

――地域との関わり方を教えてください

一社エリアにはたくさんの公園があるので、天気の良い日は公園で遊んだり、散歩をして楽しんでいます。そこで出会った方達に挨拶をしたり、公園ではほかのお子さんと一緒に遊んだりしています。一社エリアは転勤されて来られる方が多い地域ですが、地元の方も快く受け入れてくれる雰囲気があります。教育熱心な方が多く、当園に興味がある方にお声をかけていただいています。

子育てで困ったことがあったら相談ください

みんなでお出かけ

――これから通園してみようと思われている方にメッセージをお願いします

初めての通園はみなさん、不安な気持ちでいっぱいになると思います。私たちは、英語はもちろん保育の面でもお子さまにより良く成長してもらいたいと取り組んでいますので、子育ての困りごとや悩みなどをぜひ、相談してください。私はとにかく、お話をすることを大切にしています。食事のことやトイレトレーニングのことから、一社エリアの子育て情報など、コミュニケーションを取りながら、大切なお子さんの成長の一助になればと考えています。

園長 村瀬陽子さん

わかばコスモ インターナショナルスクール

園長 村瀬陽子さん
愛知県名古屋市名東区一社1-129
TEL:052-760-1003
保育時間:7:30~18:0
URL:http://www.wakaba-cosmo.com
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。

モンテッソーリ教育とグローメージプログラムを採用/わかばコスモ インターナショナルスクール 園長 村瀬陽子さん
所在地:愛知県名古屋市名東区一社1-129 
電話番号:052-760-1003
保育時間:7:30~18:00
http://www.wakaba-cosmo.com

美と健康を考えたコーヒー&スウィーツ専門店

美と健康を考えたコーヒー&スウィーツ専門店/カフェ・サブヒロ 店長 斉藤三郎さん、斉藤広行さん


2012(平成24)年にオープンした、居心地もおもてなしも素晴らしい、地元の方達に愛されている「カフェ・サブヒロ」。食生活と真摯に向き合っている斉藤さん兄弟がお店に立ち、安全・安心・健全を約束し、厳選された食材でより良い商品を提供されている。今回は店長の斉藤三郎さんに「カフェ・サブヒロ」のコンセプトとなっている「美と健康を考えた」に込められた想いをお聞きした。

本当の美は健康であるからこそ得られる

外観

――カフェオープンのきっかけを教えてください

私の母が美容師をしていたことから、美については常日頃、意識をしていました。時代とともに食生活が変化してきたことから、食生活と健康に注目し、本当の美は健康であるからこそ得られるのではと考えるようになりました。一時期、水や健康食材などの物販をしていたこともありましたが、気軽に直接、お客さまの食に接することができるカフェを、私たちの地元でもある一社の街でオープンすることにしました。店名は私の名前「三郎」と弟の名前「広行」からとっています。

安全・安心・健全をテーマにしたメニュー

店内

――お店のコンセプトについて教えてください

コンセプトは「次の次の世代のために美と健康を考えた都会のリゾート」です。保存料や着色料などの食品添加物、レトルト食材は使用せず食材を厳選し、「自分を基準に考えたときの孫の世代」までお店をつないでいきたいと考えています。安全・安心・健全をテーマにしたメニューを用意しているので、私たちのお店で、おいしくて楽しい食生活を体験し、食べるものを選別する知識や健康のノウハウを身につけてもらえれば、と考えています。「都会のリゾート」というのは、当店で心休まる時間を過ごしていただきたいとの想いから、店内はパシフィックリゾート風にしています。店内づくりも大切にしているのは、美と健康は目、鼻、耳などの五感にもつながっていると考えているからです。

貴重な食文化を残していかなければならない

コーヒー

――どのような食材を使用されていますか?

食材は直接、体の中へ入っていくものなので、厳選するのは責務だと思っています。私たち兄弟はもともとコーヒーを飲めなかったのですが、ある豆に出会ったことで、私たちでも飲めるコーヒーがあるということを知り、今は当店のために焙煎された特別なコーヒー豆を使用しています。ほかでは味わうことができない味わいと香りが特徴です。そして、貴重な食文化を残していかなければならないという考えもあります。私たちのカフェが貴重な食材を消費することで、生産も続けられるという良いサイクルができればいいなと思っています。当店の商品を「高いけどおいしい、体に良い」と感じてもらえたらありがたいですね。

できたて、作りたてのおいしさを味わってもらいたい

タブレット端末のメニュー

――メニューは注文を受けてから仕上げているそうですね

注文を受けてから、一品一品を手作りしています。ケーキ用のショーケースを用意していないのは、ケーキを並べるためには形を保持するための添加物を使用しなければならないからです。ケーキ選びはタブレット端末を利用して、イメージをつかんでいただいています。また、コーヒーはネルフィルターで手淹れをしています。エスプレッソは一杯ごと豆を機械に入れ、残った粉は次に回しません。そのため、お客様にはご注文いただいてから商品を提供するまでのお時間をいただいていますが、その代わり、「体が喜ぶ」メニューで、「できたて、作りたて」のおいしさを味わってもらいたいと考えています。

リラックスした雰囲気の店内を保てるようにしています

サンドイッチ

――ケーキ工房について教えてください

焼き菓子は、焼いている時にバターの香りが強く出てしまいます。リラックスした雰囲気の店内を保てるよう、ケーキはカフェスペースと壁を隔てた工房で焼いています。お客さまが強い香りに反応されないよう、バターや油を多く使うランチ類は用意していないので、お食事はトーストやサンドウィッチで楽しんでいただければ幸いです。

かき氷

――かき氷も人気ですよね

コンセプトにある「次の次の世代のために」を実行するために、子どもたちにも喜んでもらえて、さらにはお客さまの感動や発見につなげるために、かき氷メニューを充実させています。季節のフルーツやアボカドを使ったかき氷、一杯ずつ抽出した珈琲氷など、当店ならではのかき氷をぜひ、味わってみてください。もちろん、食材にも力を入れています。例えば、小倉抹茶氷には奈良の老舗和菓子屋さんに作っていただいた特注の小倉あんと、そのあんにぴったり合う有機栽培の抹茶を選んでいます。抹茶は注文を受けてからたてているんですよ。

これからも地域の方と一緒に歩んでいきたいです

店内

――「一社」エリアのカフェとして、どのようなお店でありたいと思われますか

「一社」エリアは私たちのコンセプトを理解してくださる方が多く、地域の方に温かく見守っていただいています。食材の話をお伝えしたり、反対に、お客様からヒントをいただいたり。食の話題で話がはずむこともあります。また、三世代でお越しくださる方もいます。この理由は、年代に合わせて商品の温かさや硬さなど調整してお出ししているためかもしれません。そして、サックスや三味線などのライブや、地元の英会話教室さんのイベントスペースとして店内の一角を利用してもらうなど、イベントも開催し、みなさんに喜んでいただいています。カフェでは珍しく、お正月に大きな門松を飾るなど、日本の文化的な要素も残していきたいと考えています。私たちが大切にしている食の大切さをお客さまに伝えながら、次の次の世代までお店をつないでいけたらと考えています。

カフェ・サブヒロ

カフェ・サブヒロ

店長 斉藤三郎さん、斉藤広行さん
愛知県名古屋市名東区一社2-55
TEL:052-704-0788
営業時間:9:00~18:00(L.O.17:00)※土・日曜日、祝日は7:30~
定休日:火曜日
URL:http://www.cafe-sabuhiro.com
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。

美と健康を考えたコーヒー&スウィーツ専門店/カフェ・サブヒロ 店長 斉藤三郎さん、斉藤広行さん
所在地:愛知県名古屋市名東区一社2-55 
電話番号:052-704-0788
営業時間:9:00~18:00(L.O.17:00)※土・日曜日、祝日は7:30~
定休日:火曜日
http://www.cafe-sabuhiro.com

子どもと先生の「自主性と意欲」を引き出し、自分たちらしい保育園を創る/うぃず東日暮里保育園 佐藤みゆき先生


荒川区認可保育園 うぃず東日暮里保育園
園長 佐藤みゆき先生

子どもと先生の「自主性と意欲」を引き出し、自分たちらしい保育園を創る

2014(平成26)年4月に開園した「うぃず東日暮里保育園」は「思いやりの心」「健康な体」「自主性と意欲」の3つの保育目標をあげる荒川区の認可保育園。ネイティブの英語講師とのコミュニケーションを通じて、楽しみながら英語を身につける教育にも取り組んでいる。「グループのなかでも元気のある園としてお墨付き」だという園長の佐藤先生に、園の特徴や静かで住みやすいこの街の魅力を聞いた。

「うぃず東日暮里保育園」の概要をお聞かせください

うぃず東日暮里保育園

0歳児6人、1歳児12人、2歳児13人、3歳児11人、4歳児14人、5歳児1人の合計57名の園児がおり、現在4~5歳児は合同で保育をしています。担任は0歳児クラス2人、1歳児3人、2歳児3人、3歳児1人、4歳児1人、5歳児1人で受け持っています。外国籍のご家庭も多く入園されていますが、日本企業に勤務されているしっかりした方々が多いので、日本のルールもきちんと理解し守って下さるご家庭ばかりです。

園児と先生

保育時間は朝7時15分~19時15分まで(延長保育は18時15分~19時15分まで)、月曜日から土曜日まで開園しています。荒川区の保育園では公立も私立も全て保育開始時間と延長保育時間が決められているので、これは区内全園で共通です。

一日の保育の流れについて教えてください

プール遊び

7時15分から登園がはじまり、9時の朝の挨拶までは自由遊びをして過ごします。このときは年齢をあえて分けずにクラス混合で遊ぶようにし、異年齢の子どもたちが交流できるようにしています。朝の会が終わったら9時半から制作などの主活動や屋外遊びの時間です。夏は毎日屋上でプール、それ以外は制作物などが特になければ、ほぼ毎日公園へ出かけます。11時15分から全員で給食準備を開始して、11時半から給食です。給食は園内の給食室で手づくりしたものを皆で食べます。

給食作成

給食が終わったら13時半~お昼寝の時間となります。15時からは手づくりのおやつを食べて、16時には一度帰りの挨拶をします。16時半から自由遊びがはじまり、順次降園します。こちらの園ではお迎えが早い方が多く、17時頃になると各クラス人数が減ってくるので、朝遊びのようにクラスを混合にしています。18時15分からは延長保育がはじまり、最後のお迎えが19時15分です。

園の保育方針を教えてください

違う年齢の園児たち

グループ全園で「思いやりの心」「健康な体」「自主性と意欲」という3本柱の教育目標を掲げています。「思いやりの心」は異年齢の子どもたちが兄弟のように生活する混合保育の特性を生かして、豊かでやさしい心を育みます。特に本園は全園児57名という小規模保育なので、朝と夕方の毎日2回異年齢の混合保育を行い、年長さんは年下の子どもの面倒を見ることでやさしい気持ちを育み、年少の子どもたちはそんなお兄さん・お姉さんの姿を見ることで年長者への尊敬の気持ち、「あんな風になりたい」という気持ちを育てています。 2つ目の「健康な体」は、園での健康的な規則正しい生活習慣と毎日の外遊びで元気いっぱい体を動かすことで育てています。屋上全面に人工芝を敷いて、園庭として毎日思いっきり体を動かせるような環境を整えているほか、近隣の公園にもほぼ毎日通います。 3つめの「自主性と意欲」は、知育教育や季節の行事を通じて、自主性と意欲を伸ばします。生活発表会や運動会などの大きな行事も姉妹園合同で行っています。

なかでも特徴的な保育はされていますか?

プール遊び

先ほどお話した混合保育は本園の大きな特徴で、朝と夕方の自由遊びのほかに、お散歩や公園遊びなどにも取り入れて異年齢の交流を図っています。今は一人っ子のお子さんも多く、昔は家庭内で経験をしていたケンカや譲り合いなどが家庭内で学べないこともあります。そこで1日のほとんどを過ごす保育園で、年齢の違う子どもと一緒に遊ぶことで経験をさせてあげる工夫をしています。

手作りかに

また、今年初めて行った「夏祭り」のイベントは、子どもたちで神輿を手づくりして練り歩きました。保護者の方々からも「参加したい」という有難い声もあがりましたので、来年は保護者も交えたイベントを増やしていこうかと考えています。昨年できたばかりの園なので、イベントや行事なども進化途中なんです。子どもたちと保護者の方々の負担が大きくならないように、焦らず少しずつ「東日暮里らしさ」を実現していこうと思います。

先生への教育も熱心にされているとか

先生

園長研修、リーダー・主任研修・サブリーダー研修・男性の保育士の専門研修など、年60回の社内研修があり、組織的にスタッフを育てたいという思いがあります。

メダルかけ

また「思いやりの心」「健康な体」「自主性と意欲」の3つの保育目標も、子どもだけでなく先生方にも当てはまると考えています。「子どもは親を見て育つ」といいますが、1日6時間以上も子どもと一緒に過ごす私たちは、第二の親だと自負を持って保育活動を行っています。その先生がこの保育目標をクリアしていなくて、子どもに教えることはできないと思うんです。特に先生方の「自主性と意欲」は何よりも大切だと考え、先生方の保育への思いを育て、それを実現するサポート体制を整えたいと思っています。グループ園ではありますが、幸せなことに3つの方針から大きく外れなければ各園の自主性に任せてもらえるので、先生方の取り組みたいことを吸い上げて、話し合いを重ねてそれを実現し、この園らしさを自分たちで創りあげたいと思います。

入口に飾ってあるスイカの飾りも子どもたちの手づくりなんですね

すいか

そうなんです。せっかく0歳~5歳の子どもたちが一緒に毎日を過ごしていますから、子どもたちの成長が感じられるような展示を考えています。このスイカの飾りも、1歳から5歳までの子どもができること、例えば1歳の子は手形でペタペタだったのが2歳になると紙をちぎれるようになり、3歳ではポンポンが押せるようになる。まさに子どもの進化の過程そのものなんです。小さい子の親はこれを見て「大きくなったらあんなことができるようになるんだ」と感じ、大きい子の親は「懐かしさ」や自分の子どもの成長を感じられる。保育園のよさは、こんな部分にもありますね。

毎日3時間の英語の時間もあるとお聞きしました

発表

これは正確に言いますと、毎日3時間ネイティブの先生に来ていただいて、子どもたちと一緒に過ごしてもらうということです。レッスンとしては3~5歳は月・水・金曜日、1~2歳(時には0歳も)は火・木曜日の毎回1コマ30分の英語の時間を確保し、遊びやゲームを取り入れた楽しむ英語の授業をしています。レッスンの前後を含めて英語の先生に日常の活動に参加してもらい、より自然で濃厚な英語コミュニケーションが取れるようにも工夫しています。ゆくゆくは発表会で英語の曲を披露することが目標です。

周辺には大きな公園も多く、のびのびと遊べそうですね

区立日暮里公園

「日暮里公園」や「日暮里南公園」は遊具が充実した大きな公園で、毎日のように訪れています。もっと近くでは「4丁目児童公園」という小規模ですがローラーのすべり台がある公園があって、0歳や1歳では丁度よいサイズの公園でもあるので遊びに行きますね。

上野恩賜公園

少し足を伸ばせば「荒川区自然公園」や台東区の「上野恩賜公園」や「上野動物園」などにも行くことができるので、遠足気分でお出かけすることもあります。この園は屋上を全て園庭として利用できるようにしていますが、やはり土の上でどろんこになって遊ぶことも大切です。何より公共の道路を使って公園まで行くことで、交通ルールなども覚えられますので、積極的に外に出るようにしています。

東日暮里エリアの子育て&教育環境について、また街の魅力について教えてください

屋上

さきほども言いました通り、荒川区内の保育園は公立も私立も保育時間から延長保育の時間、料金まで全園一律で決まっています。これは荒川区の方針なのですが、この制度ゆえに選ぶ側の保護者の方々は純粋に保育園を比較して、どの園にするかを選べると思います。また、荒川区自体が非常に災害に対して敏感で意識が高い場所なんです。防災訓練なども区をあげて全体で取り組みますので、毎年9月1日は引き渡し訓練を行い、各家庭で伝言ダイヤルの練習をするなど、住んでいてとても安心できる区だと思います。

先生

この辺りは関東大震災や第二次世界大戦でも焼けなかった建物が多く、古き良き時代の長屋や歴史を感じさせる建築物も多く残っています。シルバーボランティアの方々もたくさんいらっしゃって、毎日降園時には園の前に何人か立って下さり子どもたちや保護者に声をかけて下さいますよ。公園に行っても、街の方々がきれいに掃除しておいてくださって気持ちよく利用できますし、子どもたちと挨拶などを通して交流もあります。おじいちゃん・おばあちゃんと暮らすことが少なくなった現代では、とても貴重かもしれませんね。

最後に、これから東日暮里の街に住む方々へのメッセージをお願いします

おさんぽマップ

JRの「日暮里」駅、「鶯谷」駅、東京メトロの「入谷」駅、「三ノ輪」駅など、どの駅へも徒歩10分前後という利便性のよさは、東日暮里ならではではないでしょうか。

同時に遊び場としての公園も多いですし、「上野動物園」などの自然と触れ合う場所も豊富にあります。公園の整備も、荒川区から派遣されるシルバーボランティアの方々がきっちりされていて、子どもが遊んでいても多くの方から見守られているという、子育てがとてもしやすい、安心できる環境です。下町のイメージそのものですが、この現代社会で多くの目で子どもたちを見守れる街というのは幸せだと思います。

最近ではマンションなども多く建つようになり、他の地区から入ってくる方々も増えましたし、人懐っこい明るい土地柄も手伝って、引越していらしてもすぐに馴染めると思います。

園長先生

今回、話を聞いた人

荒川区認可保育園 うぃず東日暮里保育園

園長 佐藤みゆき先生

所在地:荒川区東日暮里4-11-6
電話番号:03-6806-7165
URL:http://www.mom.ed.jp/hoikuen/t_higashinippori.html

※この情報は2015(平成27)年9月時点のものです。

子どもと先生の「自主性と意欲」を引き出し、自分たちらしい保育園を創る/うぃず東日暮里保育園 佐藤みゆき先生
所在地:東京都荒川区東日暮里4-11-6 
電話番号:03-6806-7165
http://www.mom.ed.jp/hoikuen/t_higashini..

皆に開かれた素朴な雰囲気の子育てサロン/子育てサロン「ととけっこー」 本間澄江さん、水谷悦子さん、黒田真木子さん、 菅原ひとみさん、小出岩男さん、斉藤真弓さん


千葉市社会福祉協議会桜木地区部会 子育てサロン「ととけっこー」
本間澄江さん、水谷悦子さん、黒田真木子さん、
菅原ひとみさん、小出岩男さん、斉藤真弓さん

皆に開かれた素朴な雰囲気の子育てサロン「ととけっこー」

住宅街の真ん中にある「千葉市桜木公民館」。子育てサロン「ととけっこー」は、そこで月に1度、親子で集まって、わらべうたや工作などの活動をしています。他にも積み木を楽器にしたり、紙でブロックやフリスビーを作ったり。家庭的な雰囲気でお子さんとお母さんが一緒に遊べて、楽しいひとときを過ごせます。今回はそんな「ととけっこー」の活動内容や街の魅力についてお話を伺いました。お話を伺ったのは、講師でおもちゃコンサルタントの水谷悦子さん、スタッフの本間澄江さん、菅原ひとみさん、黒田真木子さん、桜木地区部会会長の小出岩男さん、若葉区事務所の斉藤真弓さんです。

具体的な活動内容について教えてください。

トトケッコー1

<本間澄江さん>
わらべうた遊びを通した、手遊びや親子のふれあい遊び。新聞紙や折り紙、牛乳パック、ペットボトルなど身近な物を使って行う簡単な工作。絵本の読み聞かせなどが中心です。月に1度の頻度で「千葉市桜木公民館」の1階和室で開催しています。

トトケッコー2

開催に当たっては毎回、水谷悦子先生にご指導いただいています。水谷悦子先生は、日本グッド・トイ委員会が認定する「おもちゃコンサルタントマスター」です。おもちゃコンサルタントは全国に数千人いるんですが、マスターは全国に160人ほどしかいないそうです。

「ととけっこー」の名前の由来について教えてください。

トトケッコー5

<本間澄江さん>
「ととけっこう、よがあけた。まめでっぽう、おきてきな」というわらべうたに由来しています。ととけっこーもコケコッコーと同じで、鶏の鳴き声を表しています。活動立ち上げ当初に参加していたお母さん方の意見にもあり、一緒に相談して決めました。とてもかわいくて皆、気に入っています。

子育てサロン「ととけっこー」 インタビュー

<水谷悦子さん>
いつも人が集まると「ととけっこー」の歌からスタートしていたんです。会の名前を決める時、お母さんの中から「『ととけっこー』が良いんじゃない」という、提案が自然と出てきて、すんなり決まりましたね。

アットホームな雰囲気がとても魅力的ですね。

トトケッコー4

<本間澄江さん>
派手じゃないところがうちの良いところだと思います。お友達作りが苦手なお母さんたちっていらっしゃいますよね。そんな方々でも自分たちだけでふらっと来れる雰囲気があるのが良いのかなと思っています。

<菅原ひとみさん>
他の子どもたちと一緒に遊ぼうと思って、公園などに遊びに行っても、皆の集まる時間がまちまちだったりして、お友達がいないとお母さん方からよく聞くんです。ここに来たら一定の時間、誰かが遊びに来てます。私たちが伝えたい情報もあるし、お母さん同士が情報交換もできて良いと思います。

トトケッコー6

<本間澄江さん>
一度に大勢が集まる子育てサロンもあったりします。そういったところでは、グループで参加されるって聞くんです。それに対して、「ととけっこー」は1人ずつ集まって、ここで初めて知り合った方もいらっしゃいます。小規模だし1人のお母さんにとっては来やすいんじゃないでしょうか。

サロンはだいたい何人くらいで開催されるのでしょうか。
また、何歳くらいのお子様が多いでしょうか。

トトケッコー7

<水谷悦子さん>
だいたい10組未満ですね。この部屋で動き回る遊びになると、あまり多くても危ないかなと思うので、15組くらいまでが限界かなと思います。ですけど、1組しかいないときは1組の遊びを提案できます。人が居なかったら私たちの勉強会になったりします。普通の育児サークルは女の子が多いのですが「ととけっこー」では、男の子が多いのも特徴のひとつです。お子さんは1歳と2歳が中心で、あとはその兄弟ですね。

運営において特に大切にされていることを教えてください。

トトケッコー7

<水谷悦子さん>
お母さんにとって居心地の良い環境を作ろうと心がけています。何か相談事がありそうなお母さんには、すっと寄り添ってあげることが大事だと思っています。

地域のお知らせに活動を載せると大勢集まるので、そういう時は、民生委員のおじいちゃんもお手伝いに来て下さるんです。そうすると、おじいちゃん好きのお子さんは大喜びですね。色んな方の力が加わってより良いサロンが出来上がると思っています。

「ととけっこー」では、これからさらに、どのようなことに取り組んで行きたいとお考えですか。

トトケッコー3

<本間澄江さん・菅原ひとみさん>
これからはもっと、専門家の講座や、新しいおもちゃを取り入れながらできればいいなと思っています。例えば、始めたばかりなんですけど、保健師さんに来ていただいて、お母さんの健康の話をして頂いています。あと、年に1、2回不定期で、木でできたグッドトイというおもちゃで遊ぶイベントを開催しています。3時間くらいオープンしているので、好きなときに来て、好きなおもちゃに触れて、遊んで行ってねという感じです。

トトケッコー8

<水谷悦子さん>
子どもたちがそのおもちゃで集中して遊べるのって1時間くらいなんです。様子を見ながら、一生懸命遊んだな、疲れてきたなと思ったら、童歌遊びに変えます。1時間ではおもちゃ遊びが足りないお子さんも中にはいるので、その子たちにはそのまま、おもちゃで遊べるようにしています。

桜木エリアの子育て環境はいかがですか。

トトケッコー10

<小出岩男さん>
お子さんを育てるには良い環境だと思います。すぐそこに「加曽利貝塚」があって公園になっています。天気の良い時は、お子さんと思う存分遊ぶこともできます。大人の方も縄文時代の遺跡がありますので、楽しめると思いますよ。世界的な遺跡なのでこの地域の自慢です。竪穴式住居も復元してありますし、小学校の遠足でよくやってきます。

桜木の魅力をひとことで言うと何でしょうか

加曽利貝塚公園

<小出岩男さん>
やはり「加曽利貝塚」ですね。自分が住んでいるからではないですけど、若葉区は緑が多くて、他から来た方はここに住みたいと感じてくれると思いますよ。

<菅原ひとみさん>
桜木の魅力は四季折々の自然ですね。「坂月川」は遊歩道になっているので、歩いている方も結構いらっしゃいます。蛍も見られるし、桜木といったらやっぱり豊かな自然ですね。

<本間澄江さん>
千葉県の地形の特徴のひとつに谷津田があります。大地と大地の間に、水脈が入りくんだ所を田んぼにしているんです。「坂月川」のあたりにも谷津田があって、それはやはり魅力的ですね。

休日のおでかけの、おすすめスポットを教えてください

御茶屋御殿跡1

<小出岩男さん>
桜木地区だと「加曽利貝塚」と「坂月川」。若葉区全体だと「泉自然公園」とか、富田町には「乳牛育成牧場」があります。「千葉市富田都市農業交流センター」の芝桜も有名ですよ。徳川家康が東金まで鷹狩りに行くのに作った御成街道というのもあります。そこには遠くから散策に来る方もいらっしゃいますよ。

子育てサロン「ととけっこー」 インタビュー

今回、話を聞いた人

子育てサロン「ととけっこー」

本間澄江さん、水谷悦子さん
黒田真木子さん、菅原ひとみさん
小出岩男さん、斉藤真弓さん

活動場所:千葉市桜木公民館
所在地:千葉県千葉市若葉区桜木3-17-29
電話番号:043-234-1171
URL:http://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/shogaigakushu/chishirodai/sakuragi/

※記事内容は2015(平成27)年2月時点の情報です。

皆に開かれた素朴な雰囲気の子育てサロン/子育てサロン「ととけっこー」 本間澄江さん、水谷悦子さん、黒田真木子さん、 菅原ひとみさん、小出岩男さん、斉藤真弓さん
所在地:千葉県千葉市若葉区桜木3-17-29 
電話番号:043-234-1171
開館時間:9:00~21:00(図書館は9:45~17:00)
休館日:12月29日~1月3日(図書館は第3木曜日と特別整理期間も休室)
http://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaiga..

旧・与野市時代からの「研究推進モデル校」

子どものコミュニケーション力を育む
地域に愛され、地域に支えられる小学校/さいたま市立鈴谷小学校 福島博子校長


さいたま市立鈴谷小学校
校長 福島博子先生

子どものコミュニケーション力を育む
地域に愛され、地域に支えられる小学校

与野市と浦和市、大宮市が新設合併し、さいたま市が誕生したのは2001(平成13)年。現在の中央区にあたる旧与野地区は、鎌倉時代の書物にも名を残し、室町時代から市場として栄えてきた由緒ある街だ。旧与野市の中心市街地に位置するJR埼京線「南与野」駅は、駅前にスーパーマーケットや公園が整備され、少し歩けばのどかな田園風景が広がり、都内へ通勤や通学する人たちのベッドタウンとしてまさに発展中だ。そんな中央区にある「さいたま市立鈴谷小学校」の福島校長にお話を伺った。

学校の概要について教えてください。

さいたま市立鈴谷小学校 外観

本校は1971(昭和46)年4月に開校し、来年度(平成27年度)で開校45周年を迎えます。開校当時は校庭に樹木がなかったため、地域や保護者の方から「自分たちの学校を育てよう」という意識が高まり、自分たちの庭から自慢の木を持ち寄って校庭に植え、石などもみずからの手で運び置いてくださったという話を聞いています。それらの若木も今では立派に育ち、子どもたちの毎日を温かく見守ってくれています。

さいたま市立鈴谷小学校外観

現在1年生から3年生は3クラス編成、4年生から6年生は2クラス、特別支援学級の2クラスも加えて、500名弱の児童が元気に通っています。教育目標として「かしこく たくましく 心豊かな児童の育成」を掲げ、「知・徳・体」を子どもにも親しみやすい言葉で表現した「瞳・笑顔・汗・会話 きらきら輝く鈴谷の子」を目指す児童像としています。

力を入れている教育活動について教えてください。

さいたま市立鈴谷小学校 きらきらタイム

今年度(平成26年度)は、さいたま市教育委員会から「国語力向上」の研究指定を受け、子どもたちのコミュニケーション力をつけていきたいという思いから、新聞記事を活用した「きらきらタイム」を設けています。朝の10分間、子どもたちが興味を持ちそうな新聞記事を担任が読み聞かせ、意見を言い合ったり感想を書いたりする活動を週1回行っています。

さいたま市立鈴谷小学校インタビュー

私は“先生が読んで聞かせる”という部分が非常に大切と考えていて、ただ文章を読ませるだけでなく人の温かみを感じる音声で伝えることに重きを置いています。地道な活動ですが、「人の意見を聞き、自分の考えも話す」「相手の気持ちを推し量る」といった基本的なコミュニケーション能力を少しでもつけられればと思っています。また月1回、「きらりんタイム」という45分間のロングバージョンを設け、ゆっくりと議題について語り合う機会を持っています。

ほかにも「すらすらタイム」、「親子読書」などの活動もされていると聞きました。

さいたま市立鈴谷小学校 図書室

「すらすらタイム」は、同じく朝の10分を使って、算数の計算力をつける問題を解きます。この「すらすらタイム」のロングバージョン「すらりんタイム」では、一つの答えだけでなく何通りかの答えを導き出すような問題や、違った考え方で解く方法など、普段の授業ではなかなか取り組めない思考力を鍛える問題にもトライするようにしています。

さいたま市立鈴谷小学校インタビュー

「親子読書」は、冬休みなどの長期休暇の時に親子で同じ本を読み、子どもから感想を送って、そこに父母の方の感想も書き加える「読書郵便」を実施しています。本の選定は図書ボランティアの方々が積極的に行っており、なるべく保護者の方々が知らない本で、子どもも大人も楽しめるものを選んでくれています。親子で同じ本を読むことで共通の話題も増え、異なる意見の交換もできるので、これもまたコミュニケーションの一環になると期待しています。

「チャレンジスクール」についても教えてください。

地域の方々を講師に迎え、放課後や土曜日の時間を使って「昔遊び」や「工作」などの活動を行うのが「チャレンジスクール」です。秋には校庭に落ちたどんぐりを使ってどんぐりゴマを作ったりして、季節に合った活動を通じ、子どもたちと地域の方々が交流する目的があります。土曜日は学習の時間も設けており、元・教員などの地域の方が来て、子どもたちの勉強を見てくださっています。対象は2年生からですが、1年生は夏休みに「サマーチャレンジ」という名前でプレ・チャレンジスクールを開き、翌年以降に備えています。

この地域には学校の「後援会」という独自の組織があり、自治会など学校を支えサポートしてくださる方々が集まっています。「チャレンジスクール」の講師を、「後援会」の方が学校に推薦してくださるなど、とても助かっています。

地域の方々との交流も盛んなのですね。

さいたま市立鈴谷小学校インタビュー

もともと本校創立の頃から、地域の方々が木を運んで下さったりと、学校へのサポート体制がある地域です。そんな気風が今なお残り「後援会」という団体があったり、PTAのメンバーと一緒に防犯ボランティアとして登下校時のパトロールをしてくださったり、とにかく労を惜しまず学校の教育活動を支援してくださっています。
学校創立時に地域の方が樹木を提供してくださったことを受け、毎年8月下旬には「後援会」をはじめとする地域の有志の方々と全職員・保護者・児童で、木々の剪定や除草作業、校内清掃を行います。毎年この作業の後、美しく整った環境で運動会を行うのが本校の恒例行事です。

学校のWebサイトで、「週刊 鈴谷小ニュース」を毎週更新されているんですね。

さいたま市立鈴谷小学校 外観

給食の献立など日々の学校の様子について、職員が持ち回りで毎日学校のWebサイトで紹介しています。また、子どもたちがどんな活動に取り組んでいるか・何に頑張っているかを、毎週金曜日に校長がまとめて「週刊 鈴谷小ニュース」として発信しています。忙しい日常業務の傍らで担当するので職員の負担がない訳ではないのですが、やはり子どもたちの頑張る姿を保護者や地域の方々に伝えたいという気持ちで続けています。保護者の方も自分の子どものクラスのことばかりでなくとも、「学校の様子がよく分かる」と言ってくださる方が多く好評です。

最後にこの地区の魅力を教えていただければと思います。

河童の森

この辺りは急速に都市化が進んでいる地区ではありますが、学区には「与野の大カヤ」とよばれる樹齢1000年の天然記念物に指定されている巨木があり、「享保の改革」の干拓工事で生まれた300年の歴史を持つ「高沼用水」も流れています。そのように非常に歴史ある街ながら、便利で暮らしやすい住環境が整っている地域です。地域の方々の熱心で心温まるサポートもこの街ならでは。この温かくて地元愛に溢れた土地柄と、ほどよい都会感が大きな魅力ではないでしょうか。

今回、話を聞いた人

さいたま市立鈴谷小学校

校長 福島博子先生

所在地:さいたま市中央区鈴谷5-1-1
電話番号:048-852-5675
URL:http://suzuya-e.saitama-city.ed.jp/

※記事内容は2016(平成28)年3月時点の情報です。

子どものコミュニケーション力を育む
地域に愛され、地域に支えられる小学校/さいたま市立鈴谷小学校 福島博子校長

所在地:埼玉県さいたま市中央区鈴谷5-1-1 
電話番号:048-852-5675
http://suzuya-e.saitama-city.ed.jp/

保護者・地域・生徒に愛される「夢をはぐくむ学校」

保護者・地域・生徒に愛され、「夢をはぐくむ学校」へ/世田谷区立深沢中学校 池田富太郎校長


世田谷区立深沢中学校
校長 池田富太郎先生

保護者・地域・生徒に愛され、「夢をはぐくむ学校」へ

渋谷や二子玉川にも東急田園都市線1本で行ける桜新町エリアは、暮らしやすさが魅力の人気ベッドタウン。駅前には活気ある商店街が続き、呑川沿いに美しい桜並木が広がっている。そして世田谷区南部の高台、閑静な住宅街の中にあるのが、創立66年の伝統校である「世田谷区立深沢中学校」だ。池田富太郎校長先生に、地域の中で育まれている生徒たちの様子や周辺環境についてお話を伺った。

学校の概要や教育目標についてお聞かせください

池田校長先生

1948(昭和23)年創立と歴史が長いので、地域に密着し、地域から大切にされている学校だなと感じています。これまで多くの卒業生を排出し、その中には各分野で活躍されている方も大勢いらっしゃいます。また、同窓会の組織がしっかりしていて常に学校を応援してくれますし、町会長の中にも卒業生が多く、親子三代で通われたという方たちもいらっしゃいます。

私は本校が「夢をはぐくむ学校」であってほしいと思っています。子どもたちはよく「〇〇になりたい」といいますが、例えば「サッカー選手になりたい」というなら、「サッカー選手になったら、どうするのか」が本当の夢。いいプレーをして人々に感動を与えたいとか、勇気づけたいとか、先まで考えてもらいたいなということなんです。
本校の教育目標である「意欲を持ち学ぶ生徒・自律心を身につける生徒・すすんで心身を鍛える生徒」というのは、この、夢の先まで考えられるような基礎的な力を身につけるための目標です。「学ぶ」というのは学力だけを上げるのではなく、学び続ける意欲を持つこと。また、自律心を身につければ、夢に向かってどんな時でもがんばれる。そして、人格形成の基礎である心身を鍛えていくということです。

教育において、どんな点に力を入れていらっしゃいますか?

世田谷区立深沢中学校 教室

いわゆる言語活動である「伝える力」・「聞く力」、つまりコミュニケーション能力を身につけてもらおうと、ペアワークやインタビュー活動、ディベートなどを各教科の授業に取り入れています。
2014(平成26)年度から世田谷区教育委員会より「道徳教育センター校」に指定されたこともあり、特に道徳の時間に力を入れていて、そこでも「自分で考えて物事の価値について伝えていく」ということが身につけられるように取り組んでいます。

世田谷区では2013(平成25)年度から全区立小・中学校で「世田谷9年教育」をスタートしましたが、深沢中ではどのように取り組んでいらっしゃいますか?

世田谷区立深沢中学校

「世田谷9年教育」は中学校を中心に小・中学校がひとつの「学び舎」として連携していこうという取り組みで、本校は「世田谷区立深沢小学校」と「世田谷区立桜町小学校」の2校と連携しています。毎月実施している「ふれあい挨拶デ―」では本校の生徒が自分の出身小学校に行き、校門の前で児童にあいさつ活動をしています。小学生にとっては中学生があいさつしてくれて嬉しいし、中学生にしてみたら自分たちの成長を恩師に見せることができます。さらに、この活動には両小学校それぞれのPTAや町会が参加してくれて、地域ぐるみの活動になっています。

世田谷区立深沢中学校 展示

小学校だけではなく、高等学校とも連携しています。本校では「東京都立桜町高校」の先生に来ていただいて中学3年生の子どもたちに物理など、中学にはない教科の授業をしていただいたり高校生活の話をしていただりして、高校受験の前に高校での生活をイメージできる機会を設けています。

体育祭や学芸発表会など学校行事も盛んなようですが、生徒が主体的に取り組めるように工夫していることはありますか?

世田谷区立深沢中学校 校庭

本校の行事の特徴は数が多く、しかもその一つひとつが高い質で行われていることです。ただ開催するのではなく、子どもたちが活躍できるように狙いを絞って工夫されています。それには、先生方の指導が行き届いていることと、生徒たちが非常に頑張っていることが大きな要因となっていると思います。
二大行事である6月の体育祭、秋の学芸発表会でいえば、実行委員組織や委員会組織を作って子どもたちが自主的に考えながら運営しています。教師がある程度、生徒を信頼して任せることで、それに応えようと生徒たちが成長していくと、私は思います。

世田谷区立深沢中学校 展示

2014(平成26)年の体育祭は雨で開催予定日の翌週、さらに翌日に順延したんですが、当日の朝準備のために教員と係の生徒らがグラウンドの整備をしていたら、登校してくる生徒たちが次々に「何かやることはありませんか」「一緒にやっていいですか」と手伝ってくれて、あっという間に開会の準備ができたんです。行事や競技を成功させることも大切ですが、それを通して子どもたちが育っていくことを大事にしたいですね。

部活動も盛んなようですが、特に実績のある部活や指導にあたり工夫していることを教えてください

世田谷区立深沢中学校 トロフィー

部活動はどこも本当によくやっています。運動部ではソフトテニスが関東大会の常連校で、ペアは全国選抜まで行ったことがありますし、卓球も区大会での優勝経験があります。ただ、私は「部活動は人間教育の場である」と教えています。たとえ勝ったとしても、あいさつをはじめ、礼儀が大事だと。顧問たちにもそういう意識がありますので、朝練や部活の前後、ミーティングなど、きちんと指導してくれていますね。運動部は合同で合宿も行っているので、いろいろな場面で礼儀が身につきます。

文化部では、おそらく他校にはないと思うのが技術部です。ものづくりをしている部活でふだんは自分たちの作りたいものを作っていますが、1年生の教室の戸口にスロープを作って給食のワゴンが出入りしやすいようにしてくれるなど、学校の環境改善にも取り組んでくれています。また、茶道部は茶道の師範からご指導をいただいていまして、「桜新町商店街」の「さくらまつり」でお点前を振る舞ったりしています。

給食についても力を入れていらっしゃいますね

世田谷区立深沢中学校

食材購入の大半から調理までを学校で行う自校方式なので、地元の「桜新町商店街」などから豆腐や野菜などを購入しています。目の届くところから買っているという安心感がありますし、生徒たちにも好評で毎日楽しみにしていますね。メニューも今の日本人の食生活で消えつつあるような食材をどうやって給食に取り入れるか、工夫しています。

 

例えば、あまり食卓にのぼらなくなった「ちりめんじゃこ」をパンに乗せてみるなど、栄養士さんに考えてもらっていろいろな食べ方にチャレンジしています。行事食では5月のこどもの日には竹の皮にもち米を入れて蒸した本格的なちまきを出してもらうなど、自校方式では自由なメニューを出せるのがいいですね。私は職員や生徒たちのアイデアは基本的に尊重して受け入れていく方針なので、いろいろな提案が出てくるところが面白い学校だなと思っています。

生徒さんが地域活動に参加する機会も多いのですか?

世田谷区立深沢中学校 コート

こちらから地域に行く機会はたくさん作っていただいていますね。まちづくりセンター、町会、商店と、それぞれの行事に参加したり、ボランティアへ行くことも多いです。「駅前クリーンキャンペーン」や本校を会場にしたリサイクル会では、地域の方と一緒に活動しています。反対に、地域の方々にも学校行事などで頻繁に来校していただいています。秋には掃いた落ち葉を集めて校庭で焼き芋大会を開くのが毎年の恒例なんですが、その時、地域の方に声をかけて一緒にお芋を焼いて食べています。

また、秋になると、プールでニジマスの稚魚を育ててマス釣り大会を開いていますが、近隣の小学生を招待して中学生が教えながら釣る日も設けています。「開かれた」というより、地域ぐるみで一緒になんでもやっていきましょうというスタンスですね。テニスコートを地域のソフトテニスのジュニアの練習に開放しているなど、スポーツを通しても地域とつながりがあります。

最後に、桜新町エリアの魅力についてお聞かせください

世田谷区立深沢中学校 校長先生インタビュー

一言でいうと、あたたかい街ですね。「自分たちの街を自分たちで街づくりしよう」という人たちがとても多く、それだけ、自分たちの街を愛しているんだなと強く感じます。昔から住んでいる方だけでなく、新しい住民の方たちもここの環境が好きで越されてきた、地域に誇りを持っている方が多いですね。環境もすばらしく、本校に赴任してきた時、「空が広いな」と感じました。東京の中でも、これだけの環境で子どもたちが教育を受けられる地域はそうはないのではないでしょうか。

住宅街で駅前まで行かないとコンビニもありませんが、そうした環境を変えたら失うものが多いということをわかっている方たちが住んでいらっしゃる。それだけ、子どもと教育に対して理解が高いということなので、学校が苦情を受けることはほとんどありません。みなさんが学校をあたたかく見守ってくださることが、子育てのしやすさにもつながってくると思います。

池田校長先生

今回、話を聞いた人

世田谷区立深沢中学校
校長 池田富太郎先生

世田谷区立深沢中学校
所在地:東京都世田谷区新町1-26-29
電話番号:03-3703-0158
URL:http://www.setagaya.ed.jp/tfuwa/

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

保護者・地域・生徒に愛され、「夢をはぐくむ学校」へ/世田谷区立深沢中学校 池田富太郎校長
所在地:東京都世田谷区新町1-26-29 
電話番号:03-3703-0158
http://school.setagaya.ed.jp/tfuwa/

幼児英才教育を採り入れるマンモス園

子どもたちの無限の可能性を引き出す/田無いづみ幼稚園 園長 小林正和先生


田無いづみ幼稚園
園長 小林正和先生

無限の可能性を引き出す「田無いづみ幼稚園」

西東京市芝久保町にある「田無いづみ幼稚園」は地域でも人気のある幼稚園だ。「すべての子どもは天才である」というスローガンのもと、子どもたちの可能性を引き出す保育に取り組んでいる。毎日行う読み書き、計算、音楽、体操はまるで遊んでいるようで、いつのまにかできるようになってしまうというから面白い。芝生の広場では、裸足で駆け回り元気いっぱいの子どもたち。そんな「田無いづみ幼稚園」について小林正和園長先生に話を伺いました。

初めに「田無いづみ幼稚園」の概要について教えてください。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 外観

1964(昭和39)年10月、東京オリンピック・パラリンピックの年に認可が下り、2015(平成27)年で52年目になります。泉のように可能性が湧き出る子どもたちを育てていきたいということで「いづみ」と名付けています。園児数は年長が106人、年中が90人、年少が105人で現在301人です。先生は30人。クラス分けは年長と年中が3クラス、年少が4クラスです。

田無いづみ幼稚園 インタビュー バス

また月に1回、未就園児の親子教室を開催しており、現在110名の登録があります。もっと複数回預けたいという方で、その110名の中から限定で45名、15人の3クラスで母子分離の「つぼみクラス」も開いています。送迎バスはまんまるバスとキラキラバスの2台です。まんまるバスの方は私のパパ友でコピーライターをやっている方にお願いして描いて頂きました。

教育方針では、どのような点を大切にされていますか。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 園児たち

本園は「すべての子どもは天才である」というスローガンのもと、子どもの無限の可能性を引き出す保育を行っています。横峯さくらさんのおじさんで、横峯吉文さんという方が鹿児島で保育園を開いているのですが、その方の教育法で「ヨコミネ式・YYプロジェクト」というものがあります。それを本園では導入しています。読み書き、計算、音楽、体操を通して子どもができることを増やしてあげたい。遊びながら楽しいと思えることで、気づいたらできるようになっていたという体験をたくさん増やしてあげたいと思っています。「先生、もっとやりたい」「いいよ、やりなよ」と言いながら逆立ち歩きができるようになったりなど、子どもたちの急速な成長には驚かされます。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 習字

全ての子どもの可能性を信じて「心の力」「学ぶ力」「体の力」を育てる。要は小学校の教育要領で言う「生きる力」なんです。一番大事なのは「心の力」で弱い者いじめをしない、困っている人がいたら手を差し伸べてあげることです。

コスモスポーツクラブや、カワイ音楽教室といった課外教室も開催していますが、このような教室を始められたきっかけは何でしょうか。また、子どもたちの取り組む姿勢や効果についてはいかがでしょうか。

田無いづみ幼稚園 インタビュー遊ぶ園児

カワイ音楽教室は昔からの付き合いで、ピアノ教室を希望される方もいて取り入れました。私は3代目の園長ですが、20年以上前、初代から2代目になった時に園児がガクンと減ったんですね。その時にコスモスポーツクラブに出会ったんです。ただのスポーツクラブじゃなくて、あいさつや職員の人材育成もして頂きました。コスモスポーツクラブの導入により、園児が増えていきました。「YYプロジェクト」の「Y」は、横峯さんのYと、コスモスポーツクラブの山下孝一社長のYも込められています。スポーツクラブを課外でも取り組んでいますが、それだけではない出会いもあり、コスモスポーツクラブなくしては本園はなかったです。ありがたい出会いだと思っていま す。

田無いづみ幼稚園 インタビュー サッカー

スポーツひとつとっても、本園では工夫も取り入れています。例えばかけっこは、最初はみんな大好きなスポーツなのですが、負けることが続いていくと苦手意識がついて嫌いになっていく子が多いと思います。なので本園ではかけっこのスタート位置を変えて、ハンデを付けます。早い子も遅い子もゴール際でせめぎ合うような設定をします。そうするとみんな最後まで全力でゴールに向かうんですね。遅い子も最後まで一生懸命やれば一番って言ってもらえるよって。そういう成功体験をたくさん積ませてあげたいです。

子育て講演会を、「田無いづみ幼稚園」で開講していますが、このような講座を設けるきっかけは何だったのでしょうか。また、実際に保護者の方々からどのような声が聞かれますか。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 教室

子育てで迷う所はたくさんあると思います。また、そのような声も沢山耳にしたことがあります。そんな中でも、「いいんですよ、頑張ってください」と背中を押してあげることは本当に大切なことです。また、「お子さんたちはお父さん、お母さんの背中を見ているから、夜、子どもが寝た後はどんなにだらけてもいいから昼間はがんばっていきましょうね」ってエールも送っています。コスモスポーツクラブを運営している「幼児活動研究会株式会社」の子会社である「日本経営研究所」の八田哲夫社長には、毎年講演して頂いているのですが、 年々参加者が増え、ホールが満員状態ですね。

田無いづみ幼稚園 インタビュー

参加者の中には、リピーターの方で10回目の方もいます。保護者の方の意見は「同じ話のようで違いますね」「元気をもらうために来ています」「子育ての悩みを聞いてほしかった」「夫婦間で考えが違うのですがどうしたらいいのでしょうか」などさまざまです。2014(平成26)年には、お父さんにも聞いてほしいとリクエストがあり、2015(平成27)年に初めてお父さん向けに開催した講座では、50名以上の方が参加されましたね。

キャンプや特別企画としては「MTBバイクパフォーマンスショー」を行うなど、行事も充実していますが、「田無いづみ幼稚園」ならではの行事について教えてください。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 遊具

毎年、卒園時限定で1泊2日のキャンプを武蔵五日市でやっています。キャンプといってもテントではなく、夕飯も出してくれて冷房もあって快適に寝られる宿に泊まって、川遊びやキャンプファイヤーを行っています。60名限定ですが毎年満員です。 かわいい子に旅をさせたいという気持ち、幼児期にお世話になって先生の所に預けたいという気持ちで保護者の方々も協力的です。私たちも成長した姿がを見れるのでとても嬉しいですね。

マウンテンバイクは私の知り合いで、マッスルミュージカルに出ていた二人が、幼稚園を回っているということなので来てもらっています。寝転がった上をぴょんぴょん器用に飛んでいきます。ペダルの無い自転車、ストライダーの普及活動もしていて、正しい乗り方や楽しく安全に遊ぶための講習にも来てくれました。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 子どもたち

また、年に1回観劇で影絵の劇団に来て頂いたり、2014(平成26)年はホスピタルクラウンという病院の子どもたちを訪問しているピエロで、有名なクラウンKさんに来て頂いて、子どもたちに大好評でした。

親子で取り組む行事などもあるのでしょうか。

田無いづみ幼稚園 インタビュー スポーツ

一番大きなものは運動会ですね。本園の運動会は参加型で親子競技もあります。クラス対抗リレーは10クラスあるのですが、各クラス5人の父母と担任の先生の6人でリレーをやります。他にも、父の日には親子体操を開催していて、各学年40分ずつ父母と一緒に体操をします。

近くには、「芝久保小学校」がありますが、小学校との関わり、または地域連携して行っている行事等はあるのでしょうか。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 下足箱

卒園間近になると年長さんたちが小学校に授業の様子を見に伺ったりします。また、小学生が地域を探検する街探検というのがあるのですが、その時は、卒園児が「幼稚園ってどんなとこ?」とか、「先生は何をしているの?」と取材に来ます。地域の運動会や青年会議所が開催している「わんぱく相撲」に参加している子もいますね。

最後に芝久保町エリアの魅力について教えてください。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 園内

自然がしっかり残っていながらも、都心に行きやすいので、いいところですね。街で話しかけてくれる方もいるので、地域で見守られているなと感じることが多いです。わが子でなくても、ふざけていたらびしっと怒ってくれたり、暖かいなぁと思います。その他に、田無タワーが近いのも魅力だと思います。タワーの下に、プラネタリウムがあるのですが、写し出される星の数は、世界一です。

田無いづみ幼稚園 インタビュー 先生

今回、話を聞いた人

 

田無いづみ幼稚園

園長 小林正和先生

田無いづみ幼稚園
所在地:東京都西東京市芝久保町3-6-20
電話番号:042-461-8466
URL:http://www.tanashiidumi.ed.jp/

※記事内容は2015(平成27)年6月時点の情報です。

子どもたちの無限の可能性を引き出す/田無いづみ幼稚園 園長 小林正和先生
所在地:東京都西東京市芝久保町3-6-20 
電話番号:042-461-8466
教育時間:9:00~14:00 ※月1回、土曜日の自由登園日または午前保育日あり
預かり保育:あり(7:30~8:30、降園後~18:30)
https://www.tanashiidumi.ed.jp/

西東京市の発足とともに始まる校史

西東京市の発足とともに始まる校史/西東京市立けやき小学校 校長 種村明頼先生


西東京市立けやき小学校
校長 種村明頼先生

西東京市の発足とともに始まる校史

「西東京市立けやき小学校」は、2001(平成13)年4月に開校。開閉式の屋根を載せたプールをはじめ、じつに施設が充実している。校内は温もりのあるデザインがなされ、それが子どもたちの学習に良い影響を与えているというのは容易に想像のつくことだ。同校を訪ね、施設、教育、さらには地域との連携について伺ってきた。

まずは、「西東京市立けやき小学校」の概要から聞かせてください。

教育目標

西東京市が誕生した2001(平成13)年、「西原小学校」と「西原第二小学校本校」の統合により本校は開校しました。“なぜだろうどうなるだろうと、深まる学びづくりに向けて”、“自分を大切にし、他の人も大切に思いやる心づくりに向けて”、“規則正しく生活し、たくましく健やかな体づくりに向けて”確かな一歩を踏み出していこうというのが本校の教育目標です。

「西東京市立けやき小学校」の特徴についてはいかがですか?

学校内観

開校から比較的新しいということもあり、施設が充実していることが挙げられます。クラスとクラスが仕切られていないオープンスペースになっているので、合同授業や学年集会など、学年単位で取り組みやすい環境になっています。本校は“全体で取り組もう”という意識が強いのですが、それは施設が育んだ意識なのかもしれません。

屋内プール

それ以外にも特徴的な施設があり、例えば開閉式の屋根を載せた室内プールもそのひとつです。天候に左右されることなく、自然光を受けながら開放的な雰囲気のなかで水泳に臨めます。床は低・高学年に合わせ、高さを変えることのできる可動式になっています。

では、特徴的な行事についてはいかがでしょうか。

体育館

規模とレベルを踏まえると、やはり音楽会を挙げたいですね。音楽の教員が指導しているのですが、本番が近づいてくると、それ以外の教員も手伝うなど、学校全体としてひとつの目標に向かっていきます。当日は近隣の方もいらっしゃるなど、毎年の音楽会を楽しみにしている方も多いですよ。

児童さんに対して、どのような印象を持たれていますか?

校庭からみた校舎

礼儀正しく、素直な子どもが多いといった印象です。移動教室などのとき、“礼儀正しい児童さんですね”と褒めていただくことが何度もありました。挨拶をはじめ、礼節・礼儀は、一朝一夕で身につくものではありません。各家庭でのしつけをはじめ、歴代の教員が頑張ってきた結果ではないかと思います。

児童さんには、どのように成長してもらいたいと思っていますか?

校舎外

個性を活かし、周りと連携しながら活躍できる大人になってもらいたいですね。日本だけでなく世界全体のことも考えながら、そのなかで何をすべきかを自分自身に問いかけ、夢に向かってもらえたらと思います。

地域との連携についてはいかがでしょうか。

毎年2月に、地域ふれあい学習をしています。この地域に住んでいる方が囲碁・将棋、お手玉やけん玉などの昔あそびを教えに来校されます。とても協力的なので、我々としても本当にありがたく、また同時に深く感謝しています。

西東京市の教育環境に関し、“これは誇れる”と感じることがあれば教えてください。

外観

都心部にアクセスしやすいにも関わらず、比較的自然が残っていることが挙げられると思います。それと、ここだけに限った話ではないのですが、西東京市は2012(平成24)年度から市内全公立中学校で給食を導入しました。また、空調設備の設置や、校庭芝生化にも力を入れています。さらにはトイレの完全洋式化や市内の全小学校でインターネットができる大型ディスプレイ付きのコンピュータを設置。これらは“西東京市ならでは”ということではありませんが、時間の経過とともに、教育環境が充実していることは実感できます。

西東京市を取り巻く教育環境について、“これから”というテーマではいかがでしょうか。

西東京市では、これまでの西東京市教育計画を見直し、東京都教育ビジョンと国の教育振興基本計画を踏まえた上で、新たな西東京市教育計画を策定しました。これからさらに少子高齢化や国際化が進んでいくなかで、子どもたちの判断力・表現力・思考力を育みながら、逞しく生きる力を身につけてもらえたらと思っています。

最後になりますが、この街に暮らすことの魅力を聞かせてください。

並木道

自然が身近にありながら、都心部にも近いので住環境としてはバランスが良いのではないかと思います。やはり学校というのは、地域あってこその話です。“地域で子どもを育てる“という意識が、さらに浸透すればいいなと思います。幼少時代に経験した楽しいことや嬉しいことというのは、大人になっても覚えているものです。そうした記憶が、地域のことだけでなく、街、さらには国への想いになっていくのだと思っています。

西東京市立けやき小学校校長

今回、話を聞いた人

西東京市立けやき小学校
校長 種村明頼先生

西東京市立けやき小学校
所在地:東京都西東京市芝久保町5-7-1
電話番号:042-464-2525
http://www.nishitokyo.ed.jp/e-keyaki/

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

西東京市の発足とともに始まる校史/西東京市立けやき小学校 校長 種村明頼先生
所在地:東京都西東京市芝久保町5-7-1 
電話番号:042-464-2525
http://www.nishitokyo.ed.jp/e-keyaki/

「探究型プログラム」で育む英語コミュニケーション/東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン
代表 安河内 亮さん


東京インターナショナルスクール
勝どきアフタースクール・キンダーガーテン代表 安河内 亮さん

 

「探究型プログラム」で育む
英語コミュニケーション

2000(平成12)年に都営大江戸線が開通し飛躍的に発展した勝どきエリアには、駅前のみならず数多くのタワー型マンションが立ち並ぶ。同時に下町の古きよき時代の名残もあり、情緒あふれる暮らしやすい街でもある。また中央区は子育て世代に様々なサポートが手厚く、ファミリーには充分な環境が揃っている。そんな勝どきエリアで、アフタースクール・学童保育として、グローバル時代に必要とされる人材へ育てる「東京インターナショナルスクール 勝どきアフタースクール」の代表、安河内さんにお話しを聞いた。

東京インターナショナルスクール 勝どきアフタースクールの概要について教えてください。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

本校は自分自身と社会に責任を持ち、自信を持って英語で自己表現できる人材を育成するための、幼稚園年少から小学校4年生を対象としたアフタースクール・学童保育です。高校教育でディプロマを取得すると世界の大学への入学資格が得られる「国際バカロレア」。その国際バカロレア認定校である東京インターナショナルスクールの「探究型プログラム」と英語指導カリキュラムを組み合わせ、子どもたちをグローバル時代に必要とされる人材へ育てます。

当校を「英語を学ぶ学校」だと思っている方がいらっしゃいますが、英語は単なるツールです。従来型の基本センテンスを覚える英語ではなく、英語で考え質問し、コミュニケーションを取る。自分の考え方や意見を表現し、他者の話もしっかり聞く。その力をつける場であってほしいと考えています。そのためには、家庭や学校教育の中で日本語で日本の文化も学ぶことも大切。そのため、小学校入学前や放課後に英語でグローバルスキルを習得する学校なのです。

「探究型プログラム」について詳しく聞かせてください。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

一番の特徴は教科書がない、つまり答えもないということです。1週間の曜日ごとに、例えば「仕事」「アート」「音楽」などのコースが決まっていて、1学期中 (約3ヵ月~4ヵ月)ひとつのテーマについて深く掘り下げて探究をしていきます。例えば1年生の子どもたちは「レストランの仕事」というテーマに取り組み、まずはレストランに行き「どんな種類の仕事があるのか」「それぞれの仕事の役割は何か」などを聞いてきます。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン インタビュー

そして次は「仕事にはどんな責任が伴うのか」「どんな能力が必要なのか」「なぜ人は仕事をするのか」を考え、話し合い、調べます。最終的には教室をレストランに見立てて実際に保護者の方々を招待し、メニュー開発からお店の飾り付け、接客までを子どもたちが行いました。ここまでを子どもたちは英語ネイティブの先生と一緒に考え、話し合って進めていきます。

 

想像しただけでも、普通の英語教育では学べない英語のスキルが学べることが分かります。自分の疑問を英語にし、質問する。そして英語で説明を聞き、それを英語でまとめる。これだけのことが、小学生にも立派にできるのです。もちろん担任の先生たちも思考を深め、考える力を引き出すサポートをしながら、一緒に答え探しをしていきます。

アフタースクールの一日のスケジュールを教えてください。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン インタビュー

14時頃から子どもたちはスクールバスや徒歩で登校し、先生と一緒に遊んだり宿題を終わらせます。そして15時半からはおやつ、そして16時から3時間のカリキュラムが本格的に始まります。まずはダンスやヨガ、ゲームなどを通じて集中力を高め、16時半からは身近な問題をディスカッションする「サークルタイム」。17時からは英語力強化のための文法や基礎を学ぶ時間、17時半からは物語を通して創造力を養う時間です。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン インタビュー

そして18時からは探究プログラムの開始。ここでは英語で曜日別のテーマを深堀りし、リサーチしてディスカッションし、結論まで導き出します。19時からは日本人スタッフによるお預かりタイムで、ご希望の方には夕食までをご用意しています。

LTEコースはアフタースクールとは違うのでしょうか?

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

LTEコースは、週1回の通学で基礎的な英語力とグローバル・スキルを身につけるコースです。1回の授業は110分と3時間で選べるようになっています。基本的には英語でのアクティビティ、英語の本を読む時間と英語能力強化プログラムという内容で、110分と3時間では時間が違うだけで、内容的には同じです。ここでも「探究プログラム」という点ではアフタースクールと同じで、「環境について」「宇宙の生命体」「熱帯雨林について」などのテーマに沿って1学期をかけて調べ、話し合い、自分たちの意見を交わしていきます。

教師の方は全員外国人の方でしょうか?

教師は全て英語がネイティブの外国人です。大学卒業資格を有し、最低でも2年以上の教育経験があることを採用条件にしています。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

採用時には、実際に子どもたちの前で授業をしてもらいます。私たちが何度面接をするよりも授業を見ればすぐに分かりますから、子どもの力は凄いですね。また独自のトレーニングプログラムもあります。具体的には、5日間の導入研修や学期ごとの1日集中トレーニング。担当トレーナーによるOJTなどがあり、教師の質の高さは私たちの自慢でもあります。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン インタビュー

本校では教科書がない分、教師のテーマ設定や授業の進行方法が非常に重要です。夕方からのアフタースクールにも関わらず、午前中から学校にやってきて授業の準備をすることも珍しくありません。元々、熱心な方が多く、じっくりと子どもと向き合うので、授業がない日に子どもが会いにくるほど。そういった信頼関係のもとに、グローバル教育ができるのは我が校ならではだと自負しています。

小さい頃から英語を学ぶメリットは?

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

まず発音です。思春期前にネイティブの英語に触れることで、美しい発音ができるようになると言われています。これは親御さんが唯一プレゼントできるものだと思いますので、早い時期からの英語環境をおすすめします。

もう一つは、確実な英語のコミュニケーションのためには2,000時間が必要だと考えています。例えば本校に週5日3時間通ったとして、3年。週1回1時間の英会話スクールでは、40年以上かかってしまう計算です。英語を自分のものにするためには、それぐらいの時間が必要だと考えれば、早くから始めた方が良いのです。

夏休み、冬休みなどの長期のお休みのプログラムがあると聞きました。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

春休み、夏休み、冬休みの長期のお休みでは、1日5時間、1日単位でどなたでも参加できるシーズンスクールが開校します。この期間内は1週間単位でテーマを替え、その週を使って探究プログラムを進めていきます。例えば、「神話と伝説」「科学技術」「旅行&観光」など、子どもが興味を持てる内容になっています。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン インタビュー

このシーズンプログラム中は、朝8時半からお預かりを開始。カリキュラムは10時から始まり15時で終了しますが、21時までのお預かりもあります。なので共働きのご家庭でも、夏休みの間中、ここでずっと英語と触れ合いながら過ごすことができます。

キンダーガーテンも併設されているとか。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

年少からの3年間、英語を使って探究型カリキュラムで考える力や表現力を身につけていきます。年少児は英語の土台づくり、年中では探究力を育成し、年長では主体的な人間づくりという大きなテーマに沿って、毎日活動をしていきます。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

もちろん遠足や日本古来の季節の行事、運動会や発表会など普通の幼稚園の行事も満載で、日本の小学校に進学することを前提としたカリキュラムになっています。8時50分から登園が始まり、14時でプログラムは終了ですが、16時までのお預かりもあります。

保護者の方々の反応はいかがですか?

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーデン インタビュー

両親共々フルタイムで働いていらっしゃるご家庭ですと、バスのお迎えがあって21時までの預かりもあり、アートや運動プログラム、音楽、料理、自然科学などを英語で学べる本校は安心して通わせられると好評をいただいています。お迎えバスはリバーシティエリアなど、近隣の小学校を対象に、学校までお迎えに伺います。現在、中央区内の佃小学校の他5校がお迎え対象校ですが、来年はさらに4校増やす予定です。保育園にお預けになっているワーキングママさんたちは、「なかなか子どもに習い事をさせてあげられない」という悩みが多いとも聞きますので、本校ではそれも解消できると思います。

また、この勝どき周辺は教育にも熱心ですし、何よりご自身が英語で苦労されている親世代の方も多い。そこから「子どもには苦労させたくない」「早くから英語教育を」という方々から支持を得ています。

勝どきエリアの子育て環境・魅力について教えてください。

月島駅

実は、自分も以前月島に住んでいまして、下町の温かさと新しい街が融合した魅力的な街だと思います。また勝どきは2020年に開催される東京オリンピックも控え、これからまだまだ発展する非常にエネルギーに溢れた場所です。虎の門から豊洲までをつなぐ環状2号線の開通も間近で、交通の便も今後ますますよくなるでしょう。

佃公園

教育熱心な親御さんも多いのですが、それはただ勉強をさせるということではなく、子どもにとって良い環境を整えてあげたいという思いをお持ちのようです。またこれからのグローバル化に向けて、英語教育の必要性を強く感じている親御さんも多いと感じています。中央区は子育て世代へのサポートも充実していて、子育ては非常にしやすい区です。公園や川沿いの遊歩道なども多く、都心でありながら、のんびりとした雰囲気も特徴です。「勝どき」駅前にはスーパーも数軒あり、豊洲のららぽーとまでもすぐなので、食料から日用品の買い物まで便利だと思いますよ。

東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン インタビュー

今回、話を聞いた人

東京インターナショナルスクール
勝どきアフタースクール・キンダーガーテン
代表 安河内亮さん

所在地:東京都中央区勝どき3-12-1 フォアフロントタワー1F
電話番号:03-6204-9278
URL:http://tokyois-as.com/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

「探究型プログラム」で育む英語コミュニケーション/東京インターナショナルスクール・勝どきアフタースクール・キンダーガーテン
代表 安河内 亮さん

所在地:東京都中央区勝どき3-12-1 フォアフロントタワー1階
電話番号:03-6204-9278
学童保育コース/14:00~19:00 ※21:00(延長預かり)
カリキュラムコース/16:00~19:00
http://tokyois-as.com/

「バイリンガル教育」で小さい頃から楽しく英語に触れる/オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さん


オレンジ・インターナショナル・プリスクール
代表 神先治未さん

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

「バイリンガル教育」で小さい頃から
楽しく英語に触れる

2013(平成25)年、佃島エリアのマンション群の一角に、マンション低層階を使ったプリスクール「オレンジ・インターナショナル・プリスクール」が開校し、地域に暮らす人々を中心に話題となっている。

そこで行われているのはいわゆる「バイリンガル教育」。日本人講師ではなく、英語を母国語として使う外国人講師が、子どもたちに対して一切日本語を使わず、英語で一緒に遊び、感じ、体験していくというものだ。

今回はこちらの創立者であり、代表を務める神先治未さんにお話を聞いた。

まず、神先さんがこのプリスクールを作ろうと思ったきっかけについてお聞かせください。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

もともと私は夫と子どもと一緒に、香港に2年ほど住んでいたことがあったのですが、その時、上の子どもが香港のプリスクールに行っていたんです。そこでは国際的な幼児教育カリキュラムに沿って、バイリンガル型の幼児教育を行っていて、それがとても素晴らしいものだったんですね。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

クオリティはもちろんですが、オフィス街からも近く、共働き夫婦も通園しやすい、職住近接志向の高い家族生活を支援する“都心型プリスクール”のコンセンプトにすっかり魅了されました。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

その後、私たちは、以前より住み慣れた中央区の佃に戻ってきました。ただ、当時この地域で同じような施設に子どもを通わせようと思っても、なかなか、自分が希望するようなところが無かったんです。

いくつか英語を強調するプリスクールを見学しましたけれども、私としては、英語だけに力を入れるのではイメージと違いがありました。英語だけではない、確立した教育理念を持った「総合知育幼児施設」のようなものを望んでいましたので、ちょっと違ったんですね。改めてこの地域を見渡すと、高層タワーが並び、女性の社会進出、職住近接が一般的など、香港との共通点に気が付きました。そこで、「無いならば作ってしまおう」と思ったのが、ここの設立の動機です。

なぜ、幼少期から英語に触れることが良いのでしょうか?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

英語というのは、耳が柔軟な6歳ぐらいまでの間に、ある程度聞かせないと、その後もなかなか入ってきません。ですから、この“ゴールデンエイジ”の時期に、英語にしっかりと触れさせてあげるべきなんですね。遊んで刺激を受けながら、楽しい思い出とともに英語を覚えていけば、それは大きな力になるんです。小さいお子さんは習得も早いのですが、忘れるのも早いので、継続することが大切です。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

幼児のうちに訓練すべきその他の能力、例えば手先を器用に動かす能力とか表現力、互いの違いを認め、自分の意見を発言するという姿勢など、そういったものも、同時に高めていく必要があります。

日本人は、「私は英語は全然ダメ」なんておっしゃる方も多いですけれど、そんな訳はないんです。我々の年代ですと、最低でも6年間、英語をやっているんですから。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

でも、それをなぜかと考えると、やっぱり「耳」なんです。言いたいことは言えるけれど、相手が何を話しているのか分からないから、会話が成り立たないんですね。ですから、幼児期にいろんな言語を聞いておくというのは、その後の言語習得にすごく有効なんです。

こちらのカリキュラムについてお聞かせください。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

レッスンの種類は3種類、「キッズ」(保育型)、「ベビー」(母子参加型)、「アクティビティ」(アフタースクール型)がありまして、ベビーは1歳から2歳、キッズは2歳から4歳、アクティビティは幼稚園児が対象となります。

中心となっているのは「キッズ」のコースで、週に2回から5回まで毎日異なるプログラムを組んでおります。週1回からのお問い合わせもあるのですが、カリキュラムを運用するのに継続的な学習環境が有効ですし、何より生徒が環境に慣れるのが非常に難しくなると考え週2回からのご案内としています。随時ご入園できますので、是非、気軽にご見学に来ていただければと思います。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

少人数というのも特徴ですね。曜日によって異なりますが、比較的人数が多い「キッズ」でも、1クラス定員が12名ですから、ひとりひとりのお子さんの様子を見ながら、丁寧なフォローができているかと思います。

園生活の1日の流れについて教えてください。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

子どもたちは9時から9時半の間に登園しまして、それぞれに自由遊びをして過ごします。みんなが揃う9時半ごろから片付けをして、サークルタイムに入ります。サークルタイムには、最初にエクササイズをし、お歌を歌いながら出席確認をしたり、お天気やカレンダーを一緒にみて、その日のアクティビティに入ります。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

アクティビティでは手指の器用さを訓練したり、表現力を高めるものが多く、例えば紐通しをしたり、粘土で遊んだり、ちぎったり貼ったりして創作をしたりということを行います。

その後、外遊びに出掛けます。行き先は主に隅田川沿いや公園で、お散歩を楽しんだり、シャボン玉で遊んだり、制作に使う木枝や葉っぱを集めたりという感じで、日々いろいろなことをしています。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

外遊びが終わりますと、お弁当を食べて、歯磨きをして、午後のアクティビティに入ります。午後は毎日のテーマに沿ったアクティビティを行います。海外の行事や日本の伝統行事に関連したアート制作やサイエンスの実験など楽しいアクティビティを行っています。

その後は13時半にお迎えになりまして、希望の方のみ延長保育も行っています。ただし、延長保育は日本語となり、日本人の先生が担当しています。

初めて英語に触れる子でも大丈夫でしょうか?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

小さいお子さんは英語環境に慣れるのにそう時間はかかりません。危険があるときや大切なルールを説明する必要がある場合には日本人の先生が日本語を使うこともあります。

講師の皆さんはどんな方々でしょうか?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

現在、合計5名の英語講師がおりますが、インド人、香港人、日本人のバイリンガルの先生と、国籍は色々です。特徴としては欧米の先生ではなく、アジア系の先生が大半ということでしょうか。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

講師は、幼児教育の専門学位、保育士や幼稚園教諭の経験者で構成されますので、単なる英語のプリスクールではなくて、幼児教育施設という意味での安心感と充実度を目指しています。講師陣がオレンジの全てです。私の母が看護師として運営に関わりながら、衛生管理などもしっかりと行っておりますので、安心してお預けいただければと思います。

保護者の方々は、どんな理由でここを選ばれることが多いのでしょうか?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

ご自宅から近いということで選ばれる方も多いですし、お子さんが英語にすごく興味があるので習わせたいという方もいれば、幼稚園に行く前に社会性を身につけたいという方もいらっしゃいますし、さまざまです。

英語についても「少しできるようになればいいかな」という方もいれば、本当にしっかりと英語を習得させたいという方もいらっしゃいますし、さまざまです。

英語の能力向上のための特別プログラムなどはありますか?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

オレンジのカリキュラムのコンセプトは、グローバルな教育理念×知的好奇心×ローカルな実践です。こどもたちは、誰もが生まれながらにして知的好奇心に満ち溢れた存在だと考えています。 ご家庭を初めて半歩離れた大切な時期に、できるだけ自然な形で、こどもたちが英語を通じて広い世界を体感しつつ、地域社会の一員として自覚を促すようなオレンジ独自の仕掛けを考えています。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

英語能力開発だけに特化した特別なプログラムはありませんが、英語に初めて触れるお子さんでもわかりやすい内容で構成したり、先生がゆっくる話しをしたりというような配慮はしています。英語に触れて、語感に慣れて、楽しさを感じてもらうということが第一ですから、ここで一緒に遊ぶ中で、生の英語を聞いて、刺激を与えられながら英語を習得するということ自体が、子どもさんにとってベネフィットになっているんじゃないかと思っています。

インターナショナルスクールへの進学等について、有利になることはありますか?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

普通の幼稚園に進学するお子さんさんが多いですが、インターナショナルスクールへ進学を希望されるお子さんもいらっしゃいます。有利になる点は、個々の能力や性格によるところが大きいのであまり言及できませんが、あえて挙げるならば、Tokyo Association of International Preschoolsに加盟していることでしょうか。インターナショナル・スクールへの相互の認識がある点です。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

オレンジ設立メンバーには、香港のIBスクールでのカリキュラム開発担当者もいますので、グローバルな教育理念としてオレンジも色濃く影響を受けています。現時点ではIBの認定校となっているわけではありませんが、将来的に、IBのPYP(初等教育課程)を導入していきたいと考えています。

神先さんご自身もこの界隈にお住まいということですが、このエリアの魅力とは何でしょう?

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

よく言われますが、近代的な高層タワーマンションの真横に江戸時代に創建されて住吉神社があるなど、新旧の文化が混在しているところが良いですね。散策をしても楽しいですし、隅田川のテラスには川沿いの桜並木が満開になると、本当に美しいです。新緑も清々しいです。

私にもいま小さな子どもがいますけれど、子どもとは隅田川沿いや、近くの噴水公園によく行きます。公園にはおたまじゃくしとか、あめんぼもいるんですよ。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

それでいて、銀座や丸の内もバス圏内ですし、身近な買い物施設も沢山ありますし、少し行けば大型のショッピングセンターもあります。こんなに便利な環境で、さらに自然にも触れられるという環境は、なかなか無いんじゃないかなと思います。

オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さんインタビュー

今回、話を聞いた人

オレンジ・インターナショナル・プリスクール
代表 神先治未さん

住所:東京都中央区佃1-11-8
リバーシティ21ピアウエストスクエア ノースウィング2F
電話番号:03-6225-0772
http://www.orange-international.jp/

※記事内容は2014(平成26)年6月時点の情報です。

「バイリンガル教育」で小さい頃から楽しく英語に触れる/オレンジ・インターナショナル・プリスクール 代表 神先治未さん
所在地:東京都中央区佃1-11-8 リバーシティ21 ピアウエストスクエア ノースウィング251
電話番号:03-6225-0772
開所時間:9:00~18:00
http://www.orange-international.jp/

人々に選ばれる都心の整備を進め、東神奈川の街がさらに住みやすくなるように/横浜市役所都市整備局都心再生課 吉田和重さん


横浜市役所都市整備局都心再生課
吉田 和重様

人々に選ばれる都心の整備を進め、
東神奈川の街がさらに住みやすくなるように。

2015(平成27)に策定された「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」。横浜市都心臨海部を5つに分け各地域の特徴を活かしたまちづくりが進められている。この5つの地域のうちひとつで、東白楽エリアに隣接しているのが東神奈川エリアだ。今回は「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」の概要と、「東神奈川」駅周辺の開発の展望について、担当の吉田和重様にお話を伺った。

「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」の概要についてお教えください

横浜市都心臨海部再生マスタープラン

このプランは2015(平成27)年の2月に策定されたもので、横浜の都心臨海部の再開発や基盤整備等について、2050年までの実現を目標として方策をまとめたものになります。過去の都市開発は成長・拡大路線を元にしたものが中心でしたが、これから人口減少・高齢化社会を迎えるにあたって、その舵を大きく切り直しています。国内外問わず「人々に選ばれる都心」となるべく、さまざまな世代の方に暮らしやすい都心作り、そして多様なビジネスに対応していける環境整備を目指しています。

横浜市都心臨海部再生マスタープラン

具体的には、横浜市都心臨海部を5つに分け、「横浜駅周辺地区=商業や中枢業務」、「みなとみらい21地区=観光・エンターテイメント・文化」、「関内・関外地区=観光・文化・居住」、「山下ふ頭周辺地区=エンターテイメント・スポーツ」、「東神奈川臨海部周辺地区=居住・研究・教育および福祉・医療・健康」のように各地区で重点を置くべきポイントを分けています。加えて、水上交通も含めてこの5地区の交流の利便性を図り、横浜市都心臨海部の一体的なまちづくりを進めていきます。 元々、この都心臨海部は港町として発展し、魅力的な水辺空間を有しています。この港としての機能を高めるとともに、海港の景色自体も今後も観光地としてさらに発展させていくこともマスタープランの目標のひとつです。

その中の、「東神奈川臨海部周辺地区」の位置づけについてお教えください

「東神奈川臨海部周辺地区」としては、先ほども申しましたように「居住・研究・教育および福祉・医療・健康」としての機能強化を図り、生活区としての利便性向上をめざしています。この地区は元々JRや私鉄など交通インフラの利便性が高く、横浜駅方面はもちろん東京方面へも非常にアクセスしやすい地区です。交通利便性の高い街として有名な街はいくつかありますが、ここ「東神奈川臨海部周辺地区」においても、さらに生活環境を整えることで、さまざまな方が暮らしやすいまちづくりを目指しています。

東神奈川周辺で現在進行中・もしくは今後開始予定の事業についてお教えください

現在進行しているものとしては、「東神奈川」駅東口の再開発があります。すでに平成14年・16年および平成21年と段階的に東口周辺の再開発が進んでおり、エリア内のほとんどで商業施設・都市型住宅・公共公益施設等の建築が完了しており、残る地区についても住民の方々との調整が進んでいるところです。また、「東神奈川」駅の南東側、コットンハーバー地区に隣接する「東高島」駅北地区の再整備についても計画が進められています。この地区は地権者の方々がすでに再整備に向けた準備組合を作られていますので、

共に話し合いを進めながら、どのような施設を導入するかなど「きちんと地域のためになる」まちづくりを検討しています。

これらの開発により、東神奈川周辺は将来どのような街になっていくのでしょうか。 また、どのような街になっていくことに期待していますか

たとえば先ほどの「東高島」駅北地区の再整備に関しては、健康・医療・福祉総合ゾーンの設置が検討されています。これも組合側からのアイデアなのですが、住民ひとりひとりの健康管理に関して、街を挙げて取り組むことはできないかという話があがりました。最近は個人の健康データを管理するウェアラブル端末なども出ていますから、そういった技術を活用しながら、いわゆる「未病」の促進や高齢者の健康管理などを地域として行っていければと考えています。東神奈川にはすでに商業施設や住宅施設が充実しつつあり、その意味では十分に暮らしやすい街ですが、さらにそういった地域ぐるみでの健康促進活動が実現すれば地域としても特色が出ます。交通の便が良く働き盛りの方々が住みたくなる街、そして今後増えて行くであろう高齢者の方々にとっても、暮らしやすさのひとつのポイントになればと思います。

住民は、この計画に何かしらの方法で参加することは可能でしょうか

都市計画の手続き段階では素案の説明会を行ったり、意見書の受付を行ったりしています。また地域の方々への案内・広報はしっかり行うようにしています。やはり住民の方々の意見は重要ですから、横浜市としては素案の説明会にもなるべく多くの方が参加しやすいように、平日の夜や休日の午前中などに実施しています。

最後に、東神奈川エリアの魅力について教えて頂けますでしょうか

東神奈川エリアについては、交通利便性の高さが大きな魅力です。「横浜」駅からもほど近く、休日に三浦半島へ出かけるのにも便利で、横浜市都心臨海部エリアにおいて、職住近接が実現できる地区といえるでしょう。もちろん、東京方面へのアクセスも便利です。また、元々近隣には横浜市の中央卸売市場もありますので、今後は地域と連携してマルシェを開催するなど、安心・安全な食をもっと身近に手に入れられる環境にしていけたらと思っています。それでいて、とくに六角橋方面には昔からの商店街なども残っており、下町的な雰囲気も身近に味わうことができます。新しい街としての生活環境の充実と下町風情、そして海辺の開放感を贅沢に楽しめることが、東神奈川エリアの良さではないでしょうか。

今回、話を聞いた人

横浜市役所都市整備局都心再生課
吉田和重さん

「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/kikaku/toshinmp/

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

体操に懸ける情熱が、体操大国・日本を支える/サトエスポーツクラブ 統括マネージャー 呉傑さん


サトエスポーツクラブ
統括マネージャー 呉 傑(ご けつ)さん

体操に懸ける情熱が、体操大国・日本を支える

7歳から体操をはじめ、9歳のときにプロになったという呉傑コーチ。元中国代表という選手としての実績だけでなく、オリンピックメダリストを育成するなど指導者としての実績も特筆すべきものがある。だが、根底にあるのは才能の有無に関係なく、子どもたちに体操の魅力を伝えたいという気持ちだ。“子どもに運動をさせたい”という軽い気持ちでも、ぜひ来てほしいと呉傑コーチは考えている。

さっそくですが、「サトエスポーツクラブ」の概要から聞かせてください。

サトエスポーツクラブ内観

体操は、あらゆるスポーツのなかでも基本と言えます。また、幼少期に筋力・柔軟性・バランス感覚を養うことで、将来の可能性を広げることにも繋がります。幼少期にしか身につけられないこともありますから、“子どもに運動をさせたい”と思ったのなら、ぜひ気軽にいらしていただきたいですね。

「佐藤栄学園」を母体とする「サトエスポーツクラブ」ですが、学園内での連携はあるのですか?

サトエスポーツクラブ あん馬

あります。体操選手を目指すという場合に、そのまま「埼玉栄中学校・高校」に進学されるお子さんもいます。ただ、全員が学園内での進学を希望するわけではなく、関西だったり青森だったり、活躍する場を全国のなかから選んでいます。

幼児年少・年長コース、小学生コースについて聞かせてください。

サトエスポーツクラブ 跳び箱

幼児年少・年長コースについてですが、安全性の確保を大前提とした上で、色々な器具を使い、体操を楽しみながら筋力・柔軟性・調整力を向上させるプログラムになっています。小学生コースはマット・跳び箱・鉄棒を基本としながら、平均台でバランス感覚、トランポリンで空中感覚を養います。

さらに上のステップとして、体操選手育成コースがあるそうですね。

サトエスポーツクラブ指導光景

体操選手を目指しているお子さんには、育成に秀でた専門コーチが指導に当たります。さらに上を目指したいという場合、つまりオリンピックを視野に入れているお子さんには、それに適したプログラムを用意しています。

それぞれに個人差もあると思いますが、幼児年少・年長コースや小学生コースから選手育成コースに進まれる方の割合というのは?

サトエスポーツクラブ子どもたち

1割前後ですね。ただ、才能やセンスに関係なく、どのようなお子さんにも来てほしいというのが我々の考えです。これまで多くの体操選手を輩出していますが、それはお子さんの個性を引き出した結果に過ぎません。ですから習い事のひとつとして、構えずに来てもらいたいですね。

「サトエスポーツクラブ」ならではの特徴を聞かせてください。

サトエスポーツクラブ指導者

やはり、指導陣の存在ではないかと思います。元日本代表選手というコーチもいますし、私も中国代表選手であり、指導者としてオリンピックのメダリストも育成しました。

体操を通じて、子どもたちに伝えたいことはありますか?

サトエスポーツクラブ鉄棒

社会に出れば、色々な苦労もあると思います。そのようなとき、困難に打ち勝つ心の強さを身につけてもらえたらなと。できなかったことが、日々の練習によってできたときの喜びは、何ものにも代えがたいもの。その成功体験がお子さんを成長させるのです。

最後に、これからの展望について聞かせてください。

サトエスポーツクラブ子どもたち2

現在、日本は世界トップの体操大国です。この黄金期が続くことを願いながら、体操の裾野を広げるという意味でも、体操の面白さや魅力を子どもたちに伝えていきたいですね。保護者の方には、お子さんの能力を信じて、挑戦を見守ってもらえたら嬉しく思います。

サトエスポーツクラブ呉 傑(ご けつ)さん

今回、話を聞いた人

サトエスポーツクラブ

統括マネージャー 呉 傑(ご けつ)さん

サトエスポーツクラブ
所在地:埼玉県さいたま市大宮区上小町476
電話番号:048-642-5541
URL:http://www.satoe.info/

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

体操に懸ける情熱が、体操大国・日本を支える/サトエスポーツクラブ 統括マネージャー 呉傑さん
所在地:埼玉県さいたま市大宮区上小町476 学校法人佐藤栄学園本部内
電話番号:048-642-5541
開校時間:コースにより異なる
休校日:コースにより異なる
http://www.satoe.info/

”昼間の兄弟”として子どもたちを支える/平針学童保育クラブ 斎藤仁志 指導員


平針学童保育クラブ
指導員 斎藤仁志さん

“昼間の兄弟”として子どもたちを支える

「平針小学校」と「平針南小学校」の留守家庭児童を中心に受け入れ、児童達の家の代わりとなっている「平針学童保育クラブ」。「細口池公園」の一角にあり、四季の自然の変化を感じられる恵まれた環境下になる学童だ。今回は館長の斉藤仁志さんに、学童の運営方針や子どもたちの様子、平針の子育て環境などについてお話を伺った。

平針学童保育クラブの概要を教えてください。

平針学童保育クラブ

「平針小学校」と「平針南小学校」の両学区の1年生から6年生が対象です。

基本には留守家庭児童にかかわる場所ですので、障害を持っていらっしゃるようなお子様でも、保護者が働いていらっしゃるご家庭がありますので、ご希望があれば受け入れています。

人数はその年によって変動があり、一番多い時は100名以上いましたが、ここ数年は50〜60人の児童が通っています。

開設時間は、学校のある日は学校が終わってから最長で19時まで、休日や長期休業中は朝8時から19時までです。

指導員の方はどのような方々がいらっしゃるのでしょうか。

平針学童保育クラブ

現在は、朝から勤務する正規の職員が2名います。午後を中心に非常勤の方に来ていただいていて、常時5人くらいがいるようにしています。正規の職員は教員や幼稚園、保育士など、児童にかかわる仕事の経験者。非常勤のスタッフの中には、教職を目指している若い人や、かつて幼稚園や保育園で働かれていた主婦の方など、20代から50代まで様々なスタッフがいます。

子どもたちに接する時に、心がけていることはありますか?

平針学童保育クラブ

ここでの私たちの役割は、働いている親御さんの子どもの命や健康を守ることです。それが親御さんが安心して働くための大前提になります。

子どもたちにとって、ここは毎日帰ってくる家の代わり。継続してここにちゃんと帰ってこられるような、楽しみ、安心感がないと、子どもたちの足が向かなくなってしまいます。

ここでは“昼間の兄弟”と呼んでいるのですが、ここに帰ってくれば、毎日顔をあわせる大人がいて、仲間もいて、困った時には相談ができて、やりたいことも実現できる、そういう場所にしていきたいです。

子どもたちは、学童クラブで日々、どのようなことをして過ごしているのですか?

平針学童保育クラブ

基本的には“小学生の放課後”ですので、遊びが中心になります。その中で、タイミングを見て宿題をやる時間や、おやつの時間を作っています。

行事の準備をしたり、すべて希望通りに遊べるわけではないですが、できるだけ「桑の実を取りにいきたい」とか、「(公園の)池の周りを一輪車で回って来ていい?」とか、安全と目が届く範囲で、子どもたちが興味関心を持ったことを豊かに育んでいきたいと考えています。

18時以降は室内で学習や遊びをして、随時お母さんお父さんたちのお迎えを待ちます。

年間行事にはどんなものがありますか?

平針学童保育クラブ

4月は「1年生を迎える会」を毎年行っています。プレゼントや証書みたいなものを作って、新入生に渡しています。

6月は子どもたちも参加して「宵祭りバザー」を開催します。飲食や遊びのコーナー、おばけ屋敷、紙芝居屋さん等を行って、日頃お世話になっている地域の方や学校の友だちをお招きします。学童の雰囲気や状況を、地域の方に知って頂くよい機会になればと期待しています。

平針学童保育クラブ

夏は、全員ではないですが、2泊3日のキャンプに行きます。飯盒炊飯やキャンプファイヤーを楽しみます。

行事ではないですが、夏休みは1日中ここで過ごすので、映画や科学館、プール、図書館に行ったり、天白川に魚取りに行ったり、竹を取ってきて流しソーメンを食べたり。普段より行動範囲を広げてやりたいことをやらせてあげられる機会が増えます。

その他、クリスマスにはお楽しみ会を開き、その中でケーキを作ったり、出し物をしたり、3月は、6年生が卒業旅行に1泊で行きます。

小学校1年生から6年生までが一緒に過ごしていますが、縦の連携はいかがですか?

平針学童保育クラブ

日常的には学年ごとに時間差で帰ってくるので、学年のつながりの意識が強い部分もあります。

全体で行う行事などでは、自然に上の子たちが下の子に教えたり、面倒をみたりする姿が見られます。

上級生が、例えばおやつでたこ焼きや玉せんを作ったり、かまどでパン焼いたりするところや、キャンプの時に火のトーチパフォーマンスをするところを見て、あこがれが育まれていくといいなと思います。

縦と横の関わりを継続して作りながら、日常の中で上の子が普通に下の子の面倒を見て、時に叱咤激励をしながら、仲良く過ごせるのが理想ですね。

親御さんとはどのように連携を取っていますか。

平針学童保育クラブ

月に1回程度、父母会というかたちで運営のことや保育のことを共有する機会があります。また、お迎えの時などに、ここで子どもたちがどう過ごしているかをできるだけ発信できるように心がけています。

子どもを中心に考え、子どもの成長のために私たちができること、保護者の方ができることを少しでもできればと考えています。

地域と連携した取り組みなどについて

平針学童保育クラブ

この場所は「平針南小学校」の学区にあるのですが、地元の自治会の方々が「学童保育が地域の中で必要な場所としてしっかりと育まれていってほしい」という考えをお持ちで、大変ご理解ご協力をいただいており、多くの方々に支えられています。

盆踊りの時にお店を出したり、地域の行事に誘ってもくださるので、私たちもできる限り参加しています。

また、区内の学童の子が集まり、キックベースボール大会(高学年のみ)や親子で参加する運動会が行われるので、他の学区の子との交流もあります。

平針エリアの子育て環境はいかがですか?

平針学童保育クラブ

この建物は「細口池公園」の一角にあるのですが、子どもたちが遊べる環境が近く、四季の自然の変化を感じられるのはありがたいです。一方で、私の立場としては、花見の時などは不特定多数の方が来られるので、安全面を心配してしまう部分もあります。

平針学童保育クラブ

少し先の住宅地の裏に、子どもたちや地域の方が通称「でこぼこ山」と呼ぶ場所があります。昔はうっそうとした森だったのですが、自然を残しながら整備されました。芝生と斜面があり、自然観察会が行われたり、がけ滑りなどをしたりと、子どもたちにとっては魅力ある場所だと思います。
学校の先生方が、「このエリアの子どもたちは仲がよく、おだやかだ」とよくおっしゃいます。地域の方々の見守りもあり、子どもたちにとって過ごしやすいところなのかなと思います。

平針学童保育クラブ

今回、話を聞いた人

平針学童保育クラブ

館長 斉藤仁志さん

所在地:愛知県名古屋市天白区平針南1-103
電話番号:052-802-2706

※記事内容は2015(平成27)年6月時点の情報です。

”昼間の兄弟”として子どもたちを支える/平針学童保育クラブ 斎藤仁志 指導員
所在地:愛知県名古屋市天白区平針1-209−2 
電話番号:052-803-9767
http://hirakitag.web.fc2.com/

主役の子どもたちの気持ちを最優先に。
地域と連携して育ててゆく温かい学校づくり/町田市立本町田小学校
校長 渡辺恒彦先生


町田市立本町田小学校
校長 渡辺恒彦先生

主役の子どもたちの気持ちを最優先に。
地域と連携して育ててゆく温かい学校づくり

ベッドタウンとして発展を続ける東京都町田市。取材させて頂いた「本町田小学校」周辺は、「町田」駅までバスで10分程の便利な立地にも関わらず、閑静な住宅街が広がっている。また、近隣には大規模な公園が多く、自然環境も良好。今回は、学校の中に森があるという、「本町田小学校」の渡辺恒彦校長にお話を伺った。

本町田小学校の概要・歴史について教えてください。

町田市立本町田小学校

本校は、「本町田西小学校」「緑が丘小学校」「原小学校」の閉校後、統合新設校として2002(平成14)年4月1日に開校しました。当初は「旧緑が丘小学校」を仮校舎としていましたが、その約1年後に今の場所に新校舎が完成し、引っ越しをしました。

現在1~3年生までが各2クラス、4~6年生が各3クラスずつ、特別支援のみどり学級が各学年4クラスずつ、計19クラス、499人の生徒が本校で学んでいます。

町田市立本町田小学校

「みんなの故郷になる本町田小学校」を目標に掲げ、在校生も卒業生も、教職員も地域の方々も皆が学校が大好きになれて、大切にしたくなる。そんな学校を目指しています。そのために、「おもしろいこと、楽しいことがいっぱいある学校」「わからないことを教えてもらえる学校」「学校での思い出がいつか心の宝物になる学校」などの小さな目標も打ち立て、丁寧で温かい教育活動を行っています。

校内に雑木林「きぼうの森」があったり、校庭芝生など自然豊かな環境が印象的です。

東京都町田市インタビュー

この「きぼうの森」は、地域の方が子どもたちのために寄贈して下さったと聞いています。東京都内ではなかなか見られなくなったいわゆる雑木林で、中には職員が手づくりしたベンチなどもあります。生活科や総合学習の時間に四季折々の自然の観察を行ったり、どんぐりを拾って工作に使ったり、学習活動のなかでも大いに利用しています。奥には大きな竹林もあるので、季節になると筍を掘って給食に出すんですよ。全校児童分、十分賄えるくらい取れます。休み時間内は子どもたちも自由に出入りできるので、非常に親しみのある大切な森です。

町田市立本町田小学校

また校庭は、2013(平成25)年の夏休みから12月にかけて工事を行い芝生化しました。陸上のトラック部分と野球のフィールドを残して、すべて芝生になっています。これは前任の小原校長先生が「子どもにとって楽しい学校・明るい校庭にしたい」という思いで着手されたもので、私が着任後に実現しました。芝生の上では子どもたちが寝転がったり、逆立ちしたり、実に伸び伸びと遊んでいます。

「学力向上モデル地区事業」として学力向上のためにどのような工夫をされていますか?

町田市立本町田小学校

毎週木曜日の放課後に、習熟度別に算数ステップアップ教室を開いています。実は昨年のステップアップ教室は、つまづきが見られる子どもだけを対象にしていたのですが、今年から希望者は全員受講できるようにし、100名ほどの子どもたちが受けるようになりました。希望者全員になった理由は、1年目に受講した子どもたちの中から、「勉強はわかるようになったけどもっと続けたい。」という声が多数あがったためです。

もともとは遅れを取り戻すための補習のような意味がありましたが、今は、「子どもたちのやる気を引き出す」「勉強に前向きに取り組めるようにする」という目的に切り替わりました。

町田市本町田小学校

担当の先生が作ったプリントを進度別に棚に置き、子どもたちは自分に合ったプリントを自由に取って学びます。1年生から6年生まで、学級に関係なく集まるので、先生たちも自分の受け持ち以外の子どもを見ることができ、通常授業外で少人数をじっくりと教えられます。また、先生を目指す大学生も教えに来てくれて、彼らにとっても、子どもが「分かる・できる」ようになった時の笑顔を経験出来る良い機会になっています。地域の方々も先生として協力いただいていますが、その方々にも地域の子どもたちと交流していただける。そんな風に、子どもたちだけでなく、周囲の大人たちにとってもプラスになる教室です。

夏休み中に開かれる「サマースクール」の活動が活発だとお聞きしました。

町田市立本町田小学校

地域の方々や教職員が先生になって、夏休み中に講座を開くサマースクールは全部で54講座、トータルで1,200名の児童が参加しました。着付け、カルメ焼き、百人一首、古代エジプト文字教室などのユニークなものから、卓球、サッカーなどのスポーツ教室まで多種多様です。

 町田市立本町田小学校<br />校長 渡辺恒彦先生

私も「泳げない子のための水泳教室」と「マジック教室」を担当しました。通常の授業内では、泳ぎが不得意な子どもたちのために時間をかけて泳ぎを教えられないため、サマースクールとして時間を設けました。全部で30名程が参加し、顔を浸けられなかった子どもが潜水までできるようになったりと随分成長しましたよ。

マジックは、私が教師になりたての頃に「子どもたちを楽しませたい」と始めたもの。転校生が初めて学校に来る日には、緊張した気持ちをほぐしてあげたいと、校長室で必ず披露します。

日頃の教育活動で、先生方が気を付けていらっしゃることなどはありますか?

町田市立本町田小学校

両親ともども働く家庭が多い現代では、子どもと親御さんがたっぷり子どもたちと関わるのは難しい時代になっています。ですから学校では、先生たちが愛情を持って温かく子どもたちと接することを心がけています。そのためには、先生同士が助け合い支え合っていうことも大切です。力関係で上から押さえるのではなく、子どもと先生、子ども同士、先生同士が敬意を持って人間らしい関係を築こうとしています。

町田市本町田小学校

例えば、校長室の前の廊下は校庭に出るために90%以上の子どもたちが通りますが、ここがまた長い直線で、誰もが走りたくなってしまうような廊下です。「走るな」と怒鳴ったり、罰を決めることは簡単ですが、それは子どもが怖いから言うことを聞いているだけです。そうではなく、例えば子どもに人気のマスコットをつけたコーンを置いてみたり(これは日替わりで替わります。)、ホログラムのポスターを貼ってみたり、子どもがちょっと足を止めるような工夫をする。私も毎休み時間に廊下に出て、通る子どもの名前を呼びながら、話しかける。そんな風に子どもたちが自分で気づけるようにしたいと思っています。

地域の方々との交流も多いとお聞きしました。

町田市立本町田小学校

先ほどお話したサマースクールや毎週木曜日のステップアップ算数の先生としても、活躍くださっています。また「本小まつり」という年に一度のお祭りでは、地域の方々と保護者が協力し、校庭を開放して射的や出店、バザーなどを催し子どもたちを楽しませてくれます。この本小まつりでは、「町田第三中学校」の吹奏楽部が演奏に来てくれたり、地域の「フラサークル」の方が踊って下さったり、先生方がバンドを組んで演奏したり、大人も子どもも一緒になって楽しみます。

町田市立本町田小学校

これだけではないですが、とにかく地域の方々が非常に協力的で、子どもたちを楽しませてあげよう、子どもたちの勉強の助けになろうという気持ちを持って下さっているので、学校としてもとても助かっています。

どんなお子さんたちが通って来ていらっしゃいますか?

東京都町田市インタビュー

とにかく元気で人懐っこくて、素直なのが「本町田小学校」の子どもたち。朝会での私の話なども、いつもしっかり聞いてくれますね。

私は挨拶の大切さを伝えたくて、毎朝校門に立って子どもたちに声をかけるのですが、その中でも元気な挨拶をしてくれるお子さんを「あいさつリーダー」に任命しています。リーダーに選ばれた子どもは、全校集会で朝礼台の上に立ち、マイクで全校生徒に向かって挨拶をします。子どもの中から選ばれた子が、皆の代表となって何かをする。その誇らしい気持ちと嬉しさで、リーダーに選ばれた子どもは間違いなくずっと良い挨拶を続けます。

町田市立本町田小学校

先生が変えるのではなく、子どもの中から変化していく。それに感化され、他の子どもたちも元気に挨拶をするようになる。子どもの力で変わっていくことが理想です。

学校の主役は子ども。先生たちはそれを助けるためにいるのだと思っています。

最後に、学区周辺地域の魅力について教えてください。

東京都町田市インタビュー

学校内に森があるくらいですから、近隣にも緑豊かな公園や広場も多くのどかな風景が広がり、市立博物館などの文化施設も近くにあります。森林公園と呼ばれる広い広場では、夏休みに大きな花火大会があって、子どもたちは毎年楽しみにしているんですよ。これも近隣の方々が企画運営しているお祭りで、公園にシートを敷いて、ほぼ真上に上がる迫力ある花火を見ることができます。

また町田街道にはスーパーやドラッグストア、レストランが建ち並び、バスに乗れば駅までも10分前後です。「町田」駅まで出れば何でも揃いますので、非常に住みやすく暮らしやすい環境です。子どもたちが素直で伸び伸びしているのも、この環境によるところが大きいのではないでしょうか。

町田市立本町田小学校<br />校長 渡辺恒彦先生

今回、話を聞いた人

町田市立本町田小学校
校長 渡辺恒彦先生

住所:東京都町田市本町田2032
電話番号:042-721-5561
http://www.machida-tky.ed.jp/e-honmachida/hm00_top/hm00_index.html

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

主役の子どもたちの気持ちを最優先に。
地域と連携して育ててゆく温かい学校づくり/町田市立本町田小学校
校長 渡辺恒彦先生

所在地:東京都町田市本町田2032 
電話番号:042-721-5561
http://www.machida-tky.ed.jp/e-honmachid..

大宮公園や氷川神社の緑に恵まれた教育環境と
地域との結びつきが育む豊かな心/さいたま市立大宮北小学校 山元誠一郎校長先生


さいたま市立大宮北小学校
山元誠一郎校長先生

大宮公園や氷川神社の緑に恵まれた教育環境と
地域との結びつきが育む豊かな心

商業施設で賑わうJR線・東武線・埼玉新都市交通線「大宮」駅から徒歩約10分の距離にありながら、「氷川神社」、「大宮公園」、「大宮山東光寺」の穏やかな雰囲気に包まれた「さいたま市立大宮北小学校」。1925(大正14)年の開校より約90年という歴史ある学校で、地域と連携しながら子どもたちの成長を見守ってきた地域に根ざした学校です。今回は、校長として3年目を迎え「理数教育」の推進や、保護者や地域との結びつきを深める「ミュージックフェスティバル」の開催など、「子どもたちにいま何が必要か?」を原点としてさまざまな取り組みを行っている山元校長先生にお話を伺いました。

まず学校の歴史と概要について教えてください。

さいたま市立大宮北小学校

本校は1925(大正14)年4月に「大宮尋常高等小学校北分教場」として産声を上げました。その後、1929(昭和4)年に「大宮北小学校」として独立し、2015(平成27)年度で開校87周年を迎える伝統ある学校です。

氷川神社

「大宮」駅から徒歩約10分という便利な大宮区の中心にありながら、商業ビルを抜けると「氷川神社」や「大宮公園」、「大宮山東光寺」などの豊かな緑のある落ち着いた環境に囲まれています。学区探検や遠足などで大宮公園に出かける機会も多く、これらの豊かな環境は、憩いの場であるとともに、子どもたちにとっての大事な学習の場にもなっています。

さいたま市立大宮北小学校

児童数は現在1年生から6年生まで各学年2クラスで、約300名の児童が元気に通っています。また、一部の特別な支援を必要とする子どもたちのために個別的な指導を行う通級指導教室「かがやき」も設置されています。学校教育目標には“未来を拓き 心豊かにたくましく 生きる力を育む”を掲げ、「進んで学ぶ子、思いやりのある子、明るく元気な子」を目指す児童像としています。

「理数教育」に重点を置いた教育活動を行っていると伺いましたが?

さいたま市立大宮北小学校

「北小のこどもたちにいま何が必要か?」について教職員間で議論を重ね、2014(平成26)年度と2015(平成27)年度はさいたま市教育委員会から「理数教育」の研究推進校の委嘱を受けました。「意欲をもっていきいきと取り組む児童の育成」をテーマにさまざまな取り組みを行っているのですが、私も理科が専門ということもあり、廊下に「理科コーナー」を設けて、さまざまな気づきの場を提供しています。

金

たとえば「月面体重計」を利用すると、月面では体重が1/6になることに気がつきます。また金・鉄・アルミニウムと同じ体積でも質量が異なることを見て触れて分かるようにしてみたり、モーターを使って発電させる手づくりの実験キットを用意してみたりと理科の楽しさを知るきっかけづくりになればと思っています。

理科展示

3~6年生を対象とした理科では「主体的に問題解決をする授業」を、1・2年生の生活科では「気付きの質を高める授業」の推進に努めています。また算数では1クラスの半数ないしはそれ以下の少人数による指導を進め、基礎基本の徹底を図っています。

 

 

さらに進学先の「さいたま市立大宮北中学校」との“小中一貫教育”にも積極的に取り組んでいるのが特徴で、毎週中学校の先生に来校いただき、担任とチームティーチングを行うなかでより多くの学びの機会を提供しています。また“動物介在教育”も本校ならではの特色で、地域の獣医さんや「大宮公園小動物園」の飼育係の方たちのご協力をいただき、小動物を飼うことで命の大切さや豊かな心を育んでいます。

大宮公園小動物園

特に低学年を中心にモルモットの飼育を続けているのですが、子どもたちが世話のできない土日や長期休業日などのお休みの日には、ご家庭の協力によるモルモットのホームステイを実施しています。卒業した中学生が飼育舎のウサギの世話にやってくることもあり、優しい心が育まれていると思います。

2014(平成26)年度にはじめて開催した「ミュージックフェスティバル」とは?

さいたま市立大宮北小学校

保護者の方には授業参観や懇談会のほかに、毎学期“学校公開日”を設けて普段の教育活動をご覧いただいています。「ミュージックフェスティバル」を開催した意図としても、イベントに向けた特別な授業や練習をあらたに設けたのではなく、あくまで普段の音楽の授業で身につけたものをそのまま披露することで、普段の教育活動がそれだけで素晴らしいということを感じとっていただければと思い実施しました。

2014(平成26)年度に初開催となった校内音楽会「ミュージックフェスティバル」では、金管バンドの演奏によるオープニングにはじまり、1年生から6年生まで各学年が歌を披露し、子どもたちの天使のような歌声に保護者の方々にも楽しんでいただきました。

チャレンジスクールの活動状況についても詳しく教えてください。

さいたま市立大宮北小学校

まず「チャレンジスクール」とは、子どもたちの自主的な学習たとえば授業の補習や宿題、ものつくりなどをサポートすることで、学ぶ楽しさを教え、基礎学力の向上や学習習慣の定着を図ることを目的として行われている取り組みのことです。本校では地域の方々を講師に招き、月曜日の放課後と土曜日に「読み聞かせ」や「工作」などの活動を行っています。

さいたま市大宮盆栽美術館

また本校ならではの特徴として、さいたま市の伝統産業のひとつでもある「盆栽」に取り組んでいます。大宮区の盆栽町にある「さいたま市大宮盆栽美術館」を訪問したり、一人ひとりが自分の盆栽(真柏)を育てたりしています。1年目はまだひ弱な盆栽も、卒業する6年目になるころには立派な盆栽に育っています。これもひとえに、地域の盆栽サークルの皆様のご指導のおかげです。

地域の方々との交流や連携も充実しているようですね。他にはどのような取り組みがありますか?

校舎

まずPTAの主催で開催される「北っ子まつり」では、ダディーズクラブ(おやじの会)や育成会、地域の方々のご協力をいただき、ゲームや工作など楽しいイベントを盛り上げていただいています。また学校の東側に位置する「大宮北公民館」とのつながりも太く、子どもたちの書初めや図工の作品を展示して、多くの方々に鑑賞していただく機会をご提供いただいています。

 

地域の社会福祉協議会の行事に招待されて合唱などを披露する機会もありますし、たくさんの賞賛をいただくことで、子どもたちにとっても大きな自信につながっているようです。また子どもたちの登校の時間には、たくさんのボランティアの皆さんが、そろいの緑のベストと帽子で通学路に立ち、交通安全・あいさつ指導を含めて見守ってくださっているのも地域に根ざした学校ならではの光景だと思います。おかげさまで、大きな事故もなく、子どもたちは元気に学校生活を楽しんでいます。

神戸幼稚園

また本校では幼稚園との連携も大いに進めているところです。“小1プロブレム”(※)が問題になっていますが、本校では「ハッピースタート1年生」の取り組みとして、学区内にある2つの幼稚園と交流し、就学前に学校に来てもらっています。秋頃には1年生が作ったおもちゃで一緒に遊び、2月末には1年生が園児に学校生活について教えます。園児にとっては安心を、1年生にとっては自信を育む機会となっています。

※小1プロブレム:小学校に入学したばかりの1年生が、集団行動がとれない・授業中に座っていられない・先生の話を聞かない、などと学校生活になじめない状態が続くこと。

最後にこの地区の魅力を教えてください。

大宮公園

学校の近くには「さいたま市立大宮図書館」や「さいたま市立博物館」があり、学習の機会に恵まれています。また「大宮氷川神社」は静かなたたずまいで、隣接する「大宮公園」とともに、子どもたちにとってはもちろん、多くの人々の安らぎの場になっています。毎年12月10日に行われる「大湯祭(十日市)」もこの地域にとっては馴染みのある行事で、毎年たくさんの人で賑わいます。

大宮駅

一方、「大宮」駅は開業より130周年を迎え北陸新幹線の開通という話題も新しく、ますます発展していく可能性に満ちています。学校から少し足を延ばせば「鉄道博物館」もありますし、このように、“伝統あるもの”と“新しいもの”とが共存している環境は、子どもたちにとっても大人にとっても魅力ある町だと感じています。

校長

今回、話を聞いた人

さいたま市立大宮北小学校
山元誠一郎校長先生

所在地:さいたま市大宮区宮町3-84
電話番号:048-644-0123
URL:http://omiyakita-e.saitama-city.ed.jp

※記事内容は2015(平成27)年3月時点の情報です。

大宮公園や氷川神社の緑に恵まれた教育環境と
地域との結びつきが育む豊かな心/さいたま市立大宮北小学校 山元誠一郎校長先生

所在地:埼玉県さいたま市大宮区宮町3-84 
電話番号:048-644-0123
http://omiyakita-e.saitama-city.ed.jp/

子育て支援の体制を整え、情報発信も活発に行う倉敷市


すべての子どもが幸せに暮らせるまちの実現を目指し、「子ども条例」を制定している倉敷市では、子どもはもちろん子育てママにもサポート体制を整え、その情報発信にも力を注いでいます。そこで、倉敷市保健福祉局子ども未来部子育て支援課の担当者の方に、倉敷市の子育てサポートについてお聞きしました。

子どもが健やかに育つまちづくりをめざして

倉敷駅

――倉敷市としての子育て支援への方針や、概要などをお聞かせ下さい

担当者の方:「子ども条例」は、子どもが健やかに育つまちづくりを実現するための指針で、倉敷市では、現在の伊東市長が就任したのちに子どもや子育てをめぐるさまざまな問題に向き合いながら制定することになりました。 「子ども条例」は、次代を担う子どもたちが健やかに育つまちづくりの取り組みに向けた長期的、総合的な指針となっています。制定にあたっては「子どもの権利条約」を基に、市民の意見をとりいれる意見交換の場を設けました。家庭のみならず学校や、地域、行政といった子どもに関わるすべての大人たちの役割を明確にして、社会全体で子育てを支えられるようなまちを目指し、政策を進めています。

ママ目線を大切にした、欲しい情報がすぐに得られる環境づくり

子育て支援パンフレット

――子育て支援情報も色々な媒体を通して発信されていますね

担当者の方:現在、子育て支援の情報媒体として配布しているのは、「子育てハンドブックKURA」、「子育て応援マップ」、「子育て支援マンガ にこにこ家族相談所」があります。また、どこにいても子育てに関する情報が得られる「子育て総合ポータルサイト あのねっと!」も運営しています。

「子育てハンドブックKURA」は、子育てに関して困ったときに役立つ情報が詰まった一冊です。リニューアル前まで行政機関や部署ごとに情報を紹介していたのですが、似たような情報がバラバラに掲載されるなど、使う側としてはわかりにくい面がありました。そこで現在の「子育てハンドブックKURA」にリニューアルする際、子どもや保護者のライフスタイルに合わせてページを開くことができるように編集しました。妊娠から出産、もしもの時の連絡先まで、子育て時期に起こりうるシーンごとに情報を紹介しています。

子育て応援マップ

「子育て応援マップ」は、子育て支援施設やおすすめスポットの紹介と、その施設でどんなサービスが受けられるかを一覧にしています。今いる場所の近くにはどんな施設やスポットがあるかを地図で確認することができますし、その場所に行けばどんなサービスが受けられるかも一目瞭然です。保護者のみなさんにとって、「ここに行けば授乳室がある」、「おむつが替えられる」などといった情報はとても役立つそうで好評いただいています。

担当者の方:「子育て支援マンガ にこにこ家族相談所」は、イクメンをテーマにした漫画です。男性にとって育児は難しいと思われがちですが、「子ども条例」にあるとおり社会全体で子育てを支えられるようなまちを目指すには、男性も積極的に育児に参加しようという意識も必要です。

実は、この漫画を描いたのは、倉敷芸術科学大学芸術学部メディア映像学科中川研究室の有志の学生さんたちです。倉敷市も監修にあたりましたが、大学生が主体的に子育て支援機関を取材してお話を作りました。ですから、内容も子育て初心者が安心して子育てに取り組むことができるようなお話になっています。

子育て支援施設や団体などの活動もネットやSNSの活用で情報発信

子育て総合ポータルサイト あのねっと!

――市内にある支援拠点となる施設や民間団体などの活動もさかんなようですね

担当者の方:子育て支援施設の児童館、児童センター、地域子育て支援拠点といった施設や団体は、市内各地に充実しています。開館日・時間内なら子どもを連れて出入り自由の施設もあれば、日時を決めて催しを行う施設もあります。「子育てハンドブックKURA」や「子育て総合ポータルサイト あのねっと!」に情報を掲載しているので、そのときどきに合わせて、興味があるところを利用いただければと思います。

また、「子育て総合ポータルサイト あのねっと!」では、「子育てハンドブックKURA」に掲載したお役立ち情報を簡単に検索できるほか、FacebookなどのSNSとも連携をしています。SNSを通じて、子育て支援施設や団体の催しを告知・紹介することで、保護者の方も子育て支援施設が活用しやすくなったのではと思います。催しに参加された方から「次回も楽しみにしています」といった感想がコメントとして寄せられることも増えました。

――最後に、これから倉敷市で子育てを考えていらっしゃる方へのメッセージをお願いいたします

担当者の方:倉敷市は、子どもの育成はもちろん、子育てに励む保護者のみなさまのサポート体制も整えています。これからも情報の整理や発信を続け、より子育てしやすいまちを目指していきますので、これから倉敷市で子育てを考えていらっしゃる方もお気軽にご相談ください。

倉敷市保健福祉局子ども未来部子育て支援課

所在地:岡山県倉敷市西中新田640
電話番号:086-426-3314
URL:http://www.city.kurashiki.okayama.jp
※この情報は2015(平成27)年10月時点のものです。

子育て支援の体制を整え、情報発信も活発に行う倉敷市
所在地:岡山県倉敷市西中新田640 
電話番号:086-426-3030
開庁時間:8:30~17:15(木曜日は一部窓口のみ19:00まで)
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
https://www.city.kurashiki.okayama.jp/

自然科学の実験をモチーフにした
“体験型”の総合教育を実践/サイエンス倶楽部 浦和教室 徳間さん


株式会社サイエンス倶楽部
徳間さん

自然科学の実験をモチーフにした
“体験型”の総合教育を実践

1992(平成4)年の開校以来、自然科学の実験を通じて“体験型”の総合教育を実践し続けている「サイエンス倶楽部」。ペーパーテストの点数に偏った画一的な知識教育や、「やりたい」ではなく「やらなければならない」教育など、これまでの教育のあり方に疑問を投げかけた独自のプログラムに高い関心が寄せられています。“みずから考える力”を求められている“いま”の子どもたちにこそ必要とされ、2015(平成27)年4月現在東京都を中心に22校を展開する注目の学習教室です。今回は、浦和教室の前任の教室長であり、現在は先生の採用などにも携わる徳間先生に「サイエンス倶楽部」の概要と特徴についてお話を伺いました。

まず、「サイエンス倶楽部」の沿革と概要について教えてください。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

「サイエンス倶楽部」とは、“体験型”の総合教育を目的とした理科の実験教室です。2015(平成27)年4月現在、東京都を中心に神奈川、千葉、埼玉、兵庫に22校を運営し、就学前のお子さんから中学3年生まで、およそ10,000名の会員がいらっしゃいます。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

杉並区の「日本医歯薬専門学校」内にあった「生命工学技術科(当時)」の実験室を利用して開校したのがはじまりで、1992(平成4)年当時の受講生はわずか80名だったそうです。
その後、2002(平成14)年に横浜校を開校したのをきっかけに、国立、町田、自由が丘と教室を展開し、この「浦和教室」も2003(平成15)年の開校以来12年目を迎えます。

「浦和教室」にはどのようなクラスがありますか? また「浦和教室」ならではの特徴というはありますか?

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

「浦和教室」には2つの部屋があり、ほかの教室と同じく「幼児コース」から「中学2・3年生クラス」まで、希望に応じてクラスを編成しています。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

教室ごとの地域性や特徴というのはそれほど大きくは変わらないのですが、浦和は埼玉県のなかでも文教地区として学業への意識が高いエリアです。そうしたこともあってか、受講を希望するお母さんから「学校の成績を上げて欲しい」といったお話をいただくことも多いです。ただ、「サイエンス倶楽部」は塾ではないため、その点について入会の前にきちんとご説明をさせていただいております。

「サイエンス倶楽部」の特徴についてあらためて教えてください。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

“理科離れ”が指摘されるようになってから、メディアや学校のイベントなどで理科の実験を目にする機会は増えているかなと思いますが、実験ショーのように見て「面白かった」だけではなく、見たり、さわったり、五感をフルに使って感じてもらうことこそが重要だと考えています。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

「サイエンス倶楽部」が実践する自然科学の実験をモチーフとした“体験型”の総合教育では、子どもたちの「なぜ?どうして?」を引き出し、“みずから考える力”を養うことで主体的に行動する人間になることを目的としていて、表現力や社会性の向上といった点も重視しています。手段として理科の実験を用いているのは、それが単純に「面白い」からで、まずは興味・関心をもってもらうことからはじまります。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

身の回りのものすべてが自然科学の対象となり、たとえば「普段使っている紙は何からできているか?」という問いに対し、「木」と結論を導いたら、「木が無くなると地球はどうなる?」と温室効果ガスによる地球温暖化にもふれ、牛乳パックから紙づくりを行う実習を通じて環境問題まで幅広く学ぶことになります。

具体的にどのような授業が行われていますか? また開講のスケジュールは?

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

実習のスケジュールは、小学1年生は月に1回、土曜・日曜のいずれかに120分で年12回、小学2年生になると同じく120分の実習で年に24回、3年生からは1コマの実習が150分となり年齢やコースによって異なります。
今日のように通常の実習に参加できなかった子どもたちのための代替授業もあり、学年を問わずみんなで一緒に学ぶことができる授業内容というのにも先生方の工夫とアイデアが生かされています。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

小学2年生から4年生が参加する今日の代替実習では、「どうやって飛ぶのかな?」という問いから、羽の角度を変えると紙トンボの飛び方も変わることや、紙の筒を作って“ジャイロ効果”について学んだり、紙のブーメランを飛ばしてみたりと、みずから手を動かしてモノを作ることで、楽しみながら学べるのが特徴です。

終始授業は楽しくあっという間でしたが、先生方にはどのような経歴や経験をお持ちの方が多いですか?

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

採用する際にも重視するのですが、まず“子どもが好き”ということです。幼児クラスから中学校の卒業時までコースがあるため、子どもたちの成長を見つめながらそれを尊ぶ気持ちというのが大切だと思います。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

理科や科学などそれぞれの分野の専門家ばかりというのではなく、子どもたちの記憶に残るような学びの機会を提供する場として、先生方も多方面の分野から参加いただいています。
もちろん、より深く学びたい方のためには学校や家庭、塾という選択肢もありますし、「サイエンス倶楽部」では知識としてだけではなく、体験として「なぜ?どうして?」から考える力を体得して欲しいと思います。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

今日の代替授業に参加したお子さんも、将来の夢を聞いてみたところ「サッカー選手」や「芸能人」などさまざまで、「将来は科学者になりたい」とか「宇宙飛行士になる」とか、理科の実験教室だからそういうお子さんばかりかというとそうではないので、いろいろな先生方との出会いも良い機会だと思います。

「無料体験実習」に参加するには?

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

入会希望のお子さんを対象に「無料体験実習」を設けています。「サイエンス倶楽部」にはどのようなカリキュラムがあるのか、どんな雰囲気の教室か、「サイエンス倶楽部」で学ぶことでどんな効果があるのかといったことについてもご説明させていただきます。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

入学をきっかけに入会を検討するご家庭が多いのですが、実は幼児期の“はじめての経験”というのが非常に重要です。たとえば虫の嫌いなお母さんがいらしゃったとして、子どもにとってはそれだけで虫=嫌なものとなってしまい、生き物への興味そのものが薄れてしまうこともあります。

固定概念といったものが定まらないうちに、より“質の良い体験”をさせてあげることが必要だと考え、年中、年長に分かれた「幼児コース」も開講しています。「無料体験実習」は完全予約制のため、まずはお電話での問い合わせをお願いいたします。

サイエンス倶楽部 浦和教室インタビュー

今回、お話を聞いた人

株式会社サイエンス倶楽部

徳間さん

※2015(平成27)年4月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

自然科学の実験をモチーフにした
“体験型”の総合教育を実践/サイエンス倶楽部 浦和教室 徳間さん

所在地:埼玉県さいたま市浦和区岸町4-11-3 南部会館1F
電話番号:048-823-7651
※実習日以外は本部事業部へ転送されます
http://www.science-club.co.jp/school/sai..

多世代が暮らすバランスのとれた街で
あらゆるニーズに応える/ボンドール 北浦和店 富谷敦子さん


ボンドール 北浦和店
富谷敦子さん

多世代が暮らすバランスのとれた街で
あらゆるニーズに応える

ボンドールは埼玉県を中心に6店舗を展開するベーカリー。そのうちJR「北浦和」駅西口から徒歩10秒の立地にある「ボンドール 北浦和店」は、北浦和を代表するパン屋さん&レストランとして長年地元で愛されてきた。学生やビジネスマン、子連れのファミリーなど、あらゆる年齢層が集う同店で、ご自身も北浦和在住という富谷敦子さんにお店や周辺エリアの魅力を聞いた。

北浦和店は2号店としてオープンしたとのことですが、現在の場所を選んだ理由はありますか?

ボンドール 北浦和店

1号店が北浦和にありまして、1970(昭和45)年にこの場所が空いて2号店をオープンしました。理由はやはり、駅前という立地とお客様のニーズですね。朝晩と駅の行き帰りにパンをお買い求めになるお客様がとても多いです。意外に、男性の方がよく会社へのお土産にお菓子を買われていきます。それに、ここは「埼玉メディカルセンター」に近いので、そちらへ行かれる際にお菓子やプリンをお見舞い品にされる方もいらっしゃいます。

ベーカリー・焼き菓子・イタリアンレストラン…とあらゆる顔を合わせもつボンドールさんですが、この複合的な業態にした理由はありますか?

パン

お客様の幅広いご要望に応えられるように、ということでしょうね。北浦和店は朝8時から夜10時までの営業で、いろいろなお客様にパンやお菓子をお買いあげいただくほか、レストランではモーニング、ランチ、カフェ、そしてディナーとそれぞれの時間帯にたくさんのお客様にお使いいただいております。お飲み物をご注文いただければ、1階で買われたパンを2階のレストランでイートインすることもできます。

ニーズに応えてというお話ですが、どのようなお客様が多いのでしょうか?

店内

とても幅広いですね。パンの場合、朝は通勤通学の方たち、午前11時頃になるとご年配の方や食べ盛りのお子さんをお持ちのお母様方、夕方は学校やお勤め帰りの方たちといった具合です。レストランも、お子様連れの幼稚園帰りのお母様方やお稽古帰りのご年配のグループがお茶されるなど、幅広くご利用いただいています。休日はご家族連れが多く、1階でお買い上げいただいたケーキにろうそくをつけてサプライズでお出しすることもありますよ。ご予約や貸し切りもできます。

焼き菓子

駅前のわかりやすい場所なので、お友達と待ち合わせて利用される方も大勢いらっしゃいますね。チェーン店に比べて落ち着いた雰囲気も、選んでいただいている理由かなと思います。

埼玉・茨城・栃木で6店舗あるお店の中で、北浦和店ならではの特色があれば教えてください。

パン

北浦和店、上尾店、北本店はパン工場を併設しており、北浦和店が一番パンの種類が多く、常時120種類ぐらい揃えています。これだけの種類を毎日作るというのはなかなか大変なことですが、それぞれ人気があるので、あるパンを作るのをやめてしまうと、「なんでやめたの?」というお声をいただくため、減らせないという事情があります。

食パン

埼玉大学の研究室と共同開発した“大麦ブレッド”など、食パンだけで9種類もあって、その数も北浦和店が一番多いです。それぞれの食パンに固定のお客様がついていて、必ず週に2~3回、しかも焼きあがりの時間に合わせてお見えになるほどです。一口に食パンといっても人それぞれ食べ方や好みが異なるので、お求めの際にはぜひご相談いただきたいですね。

北浦和店でおすすめあるいは人気の商品・メニューを教えてください。

パンドミー

パンでしたら、食パンでは“パンドミー”が一番の売れ筋です。生地にチーズとハムを練りこみ玉ねぎとチーズをたっぷりのせて焼いた“オニオンブレッド”、ツナとマヨネーズをあえてソフトフランスの生地で巻いて焼いた“ツナフランス”もよく売れます。

もちもち

それから、タピオカの粉を使った“もちもちポービリア”と“もちもちフルーツ”は、おもちのような弾力があって非常に人気があります。ポービリアはやや塩気があり、フルーツの方はオレンジピールとレーズン入り。どちらも1日3回ぐらい焼きますが、固定のファンがいて出すとすぐに売り切れてしまうほどです。

マドレーヌ

お土産にまとめて買われていく方もいらっしゃいますよ。焼き菓子ですと、“マドレーヌ”と“3種類のクッキー詰め合わせ”が定番です。詰め合わせは1,240円で袋に入れてラッピングしますので、お友達などへのちょっとした贈り物にぴったりです。

料理

レストランでは、“ビーフシチュー”“ズワイガニと帆立のトマトクリームパスタ”“小海老とアボガド、トマトのジェノバ風パスタ”といったあたりが人気です。専門の調理スタッフがいますので、味はどれも本格的です。魚・肉料理、パスタは全品パンの食べ放題付で、これも非常に好評ですね。

席

テーブルブレッドをメインに常時10種類以上のパンをバランスよくご用意していますので、いろいろな味をお楽しみいただけます。とくにパスタとのセットはとても人気があって、階段の下までお待ちの客様が並ばれる時があります。結構ボリュームがあると思いますが、意外と主婦やご年配の方もパスタセットを目当てにいらっしゃいますね。

さいたま市役所店もオープンされたとのことで、着実にこのエリアを代表する老舗として根付いていらっしゃいますね。

詰め合わせ

北浦和店に勤めて10年近いのですが、それでも知らないパンやケーキについてお客様から聞かれることがあります。なかには「30年前から来ているのよ」というお客様もいらっしゃるほど。それぐらい、地元の方に長年親しまれているお店だなと感じています。また、お子様にはさいたま市のキャラクターやアニメキャラクターを象ったパンがとても人気があるので、小さいお子さんにも喜んでいただいているのではないでしょうか。

ケーキ

お客様から一日に何回も「このパンある?」と聞かれるのですが、聞きやすい、親しみやすいと感じていただいているのかなとうれしく思っています。「これがおいしかった」というお声を聞けるのが一番なので、スタッフ一同、なるべくお客様のご期待に応えられるような接客を心掛けていきたいですね。

この街の変わらない良さ、変わっていく良さについて教えてください。

北浦和は住民の年齢層が何十年も変わらないという統計があるそうです。若い人ばかり、お年寄りばかりとどちらかに偏っている街はよくありますが、幅広い年齢層が何十年も存在するようなバランスの良い街は全国的にも珍しいと思います。駅周辺にマンションがどんどん建っていますが、お子さんのご進学を考えて教育レベルが高いこの街に住まわれる若い方もいれば、長年住まわれているご年配の方もいらっしゃる。その変わらないという部分で、この北浦和店が各世代のご要望に応えられることが多いのかなと感じています。

最後に、北浦和・浦和エリアの魅力についてお聞かせください。

埼玉県立浦和高等学校

北浦和の特長は教育的、文化的な環境が整っているところで、そうした施設が充実しています。「埼玉県立浦和高等学校」「埼玉県立浦和第一女子高等学校」といったレベルの高い高校が多く、これらの学校への進学率が非常に高い公立中学校もあります。また、ご年配の方であっても、習い事をされていたりと、教養を感じさせる素敵な方が多いです。

イオン 北浦和店

公園や美術館もすぐそばにあって、散歩もできますし、遊具でお子さんを遊ばせることもできます。私も駅から歩いて10分とかからないところに住んでいますが、治安がいいなと感じますね。子育てには非常に安心できる街です。お買いものでも、「イオン北浦和店」「クイーンズ伊勢丹 北浦和店」といった大きなスーパーもあれば、昔ながらの商店街があって小さなお店も頑張っています。暮らしに必要なものは全部そろっていて、非常に住みやすい街ですね。

ボンドール 北浦和店

今回、話を聞いた人

ボンドール 北浦和店

富谷敦子さん

※2015(平成27)年3月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

多世代が暮らすバランスのとれた街で
あらゆるニーズに応える/ボンドール 北浦和店 富谷敦子さん

所在地:埼玉県さいたま市浦和区北浦和4-5-1 小室屋ビル1F
電話番号:048-832-8191
営業時間:8:00~22:00
定休日:年中無休
http://www.bancdor-saitama.com/bancdor/k..

桶川市立朝日小学校インタビュー

“Good to Great !”「良い」から「素晴らしい」を目指す。より良い学校づくり/桶川市立朝日小学校 吉田元校長先生


桶川市立朝日小学校
吉田元校長先生

“Good to Great !”「良い」から「素晴らしい」を目指す。より良い学校づくり

住宅地に囲まれたエリアに、1984(昭和59)年に開校した「桶川市立朝日小学校」。“Good to Great !(良いから素晴らしいへ)”をスローガンに掲げる新しい取り組みに熱心な学校で、地域・学校・家庭が一丸となって学校運営に臨む理想的な環境です。今回は、桶川市で生まれ育ち、中学校の先生としても長年教育に携わってきた吉田元(よしだ・はじめ)校長に、「桶川市立朝日小学校」の特色と地域の魅力についてお話を伺いました。

より良い学校づくりに貢献する“学校応援団”

銘板

Q.まず、学校の歴史と特色について教えてください。

1984(昭和59)年に開校した「桶川市立朝日小学校」は、市内に7校ある小学校のなかでもっとも新しい学校です。2015(平成27)年8月末現在、17学級531名の児童が在籍し、「桶川」駅西口の若宮地区から、学校周辺の朝日地区、線路を渡った神明地区が学区域に指定されています。

授業風景

交通量の多い大きな通りにも面していない住宅地のなかの穏やかな生活環境に恵まれています。 また、設備面では教室(理科室等の一部は未設定)に冷暖房が完備されているほか、2015(平成27)年1月には体育館がリニューアルされ、屋上に設置されたプールとともに快適な学習環境が整えられています。

体育館

Q.地域の方や卒業生の保護者も参加する“学校応援団”の取り組みも盛んなようですね

桶川市内にあるすべての小・中学校には、それぞれ“学校応援団”と呼ばれる組織があり、当校では「環境整備」、「登下校時の見守り」、「学習支援」とおおきく3つに分かれた取り組みで学校運営をサポートしてくれています。 PTAとは別組織ではあるのですが、兼任して役割を引き受けてくださっている方も多く、また卒業生のご家族や古くから地域にいらっしゃる方など、多くの方にご協力をいただいています。一例として、掲示物の作製ボランティアは校内の環境整備につながる特色ある取り組みで、校内に掲示するお知らせや教育目標などを、色づかいや見せ方にも配慮して制作することで、子どもたちの注意や関心を促す重要な取り組みのひとつになっています。

目指す児童像の掲示

また、木々の多い市内の小学校にとっては落ち葉拾いや花植えなど子どもたちと一緒に活動してくださる「環境整備」は非常に助かりますし、踏み切りの無い線路を毎日安全に渡してくださる「登下校時の見守り」もなくてはならない存在です。 「学習支援」においても図書ボランティアによる読み聞かせや、ミシン、くぎ打ちといった授業の大切な一部をサポートしていただくこともあり、“学校応援団”の取り組みにはいつも感謝しています。 さらに、お父さん方が“おやじの会”を結成してくださり、ペンキ塗りや自転車の整理などで力を貸してくれています。

あたらしいアプローチを取り入れた“Good to Great !”への取り組み

黒板アート

Q.子どもたちの良い点はどんな点ですか?

児童は学校生活のきまりを守れますし、あいさつもちゃんとできます。授業や運動に真面目に取り組める子たちです。総合的に見て、良い児童が育っている良い学校です。

Q.校長先生みずから取り組む“黒板アート”とは?

“黒板アート”をはじめたきっかけは、2014(平成26)年に校長として赴任した際に自己紹介を目的として描いたのがはじまりで、それから月に1回、子どもたちに“伝えたい”ことを馴染みのあるキャラクターを用いながら描き続けています。たとえば「ろうかを走るな!!」と文字だけで書くよりも、「ろうかは静かに右側を歩きましょう」と掲示をすることで、子どもたちが興味をもってそのメッセージを受け取ってくれます。

“Good to Great !”もより良い学校づくりを目指すわれわれ教職員へ向けたスローガンなのですが、「朝日小学校」が「今の状態で十分」と思っていると、現状維持すらできなくなってしまう時代ですから、「良い(Good)」学校から「素晴らしい(Great)」学校へもうちょっと踏み出して行こうというメッセージを込めています。

“お弁当の日”の記録

Q.学習面における取り組みの特色は?

教科全般に共通することとしては、これまでながらく基礎基本の徹底によるボトムアップを目標にしてきました。現在は学習の得意な子もそうでない子もそれぞれに“やりがい”や“達成感”を感じることのできる「どの子にもわかる・できるを実感させる授業」の創造に取り組んでいます。全ての教職員が前向きに、そして熱心に指導方法を工夫しています。また当校ならではの取り組みとしては、小学校5・6年生でそれぞれ年3回の“お弁当の日”があります。学級担任と栄養教諭の指導のもと家庭科の授業と関連を図りつつ実施しています。5年程続く取り組みで、「持参した弁当箱に給食を詰め替える」、「自分で炊いたご飯を持参して給食のおかずと食べる」、「自分でお弁当をつくる」の3つのステップで行います。「お弁当を作るためにはどんな食材が必要か?」「手早く作るためにはどんな段取りにするのが良いか?」など、食育を促す良い学習機会になっていると思います。

地域に住む“人”がもっとも魅力的

あいさつ運動の掲示

Q.次に、学校のある地域の魅力や特色についてお聞かせください。

“学校応援団”でも触れましたが、学校運営に協力してくださる地域の方が多く、あたたかい眼差しで学校を見守ってくださっていることに魅力を感じます。学校の北側には畑があるのですが、体育館の改修で校内の畑が使えなかったときに、わざわざ畑を耕してくださったうえひろびろとした場所を貸してくださるなど地域のみなさまには本当に感謝しています。 生活環境の面から言えば、「北上尾」駅の東口には「PAPA上尾ショッピングアベニュー」という商業施設がありますし、2014(平成26)年には「ベニバナウォーク桶川」もオープンし、週末のお出かけやショッピングなどますます便利になりました。 また学校の西側を南北に走る「はなみずき通り」にもスーパーや家電量販店、飲食店など、お店が揃っていますし、日々の生活にはとても便利です。

PAPA上尾ショッピングアベニュー

さらに「桶川」駅前の「おけがわマイン」も2015(平成27)年10月1日にリニューアルオープンする予定で、カフェスペースを併設した図書館がオープンするそうで、子どものいるご家庭にとってもよりいっそう生活が充実するものと思われます。 圏央道にアクセスしやすいこの地域は、車での生活がとても便利です。子ども達の絵日記を見ると、夏は東名を経由して静岡の海に出かけたり、秋は東北道で日光の紅葉を見に行ったり、また冬になれば関越でスキーに行ったりと、旅行やレジャーにも便利な恵まれた環境であることが分かります。 桶川は災害も少なく安全で過ごしやすく、何よりそこに住む方々の“人”の良さが魅力ではないでしょうか。

桶川市立朝日小学校インタビュー

桶川市立朝日小学校

吉田 元(よしだ・はじめ)校長
埼玉県桶川市朝日2−18−1
URL:http://www.okegawaasahi-es.ed.jp/asa/
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

“Good to Great !”「良い」から「素晴らしい」を目指す。より良い学校づくり/桶川市立朝日小学校 吉田元校長先生
所在地:埼玉県桶川市朝日2-18-1 
電話番号:048-771-3775
http://schit.net/okegawa/esasahi/

手と手を取り合い団結してサポートする
地域に欠かせない子育てネットワーク/いちかわ子育てネットワーク 副理事 林田香織さん


いちかわ子育てネットワーク
副理事 林田香織さん

手と手を取り合い団結してサポートする
地域に欠かせない子育てネットワーク

市川市には多くの子育て支援団体があり、それぞれの団体は「いちかわ子育てネットワーク」でつながっている。地域ごとの活動や、イベント開催はもちろん、子育てだけに限らず、子育てと仕事の両立の支援など、多岐に渡り活動している。そんな「いちかわ子育てネットワーク」の副理事、林田香織さんにお話を伺った。

「子育てに関わる人たち」へのサポート事業を行っている「いちかわ子育てネットワーク」ですが、取り組まれている事業の概要、また始められたきっかけについて教えてください。

事業の概要としては市川市内で開催される子育て支援イベントの事務局を担当しています。ネットワークが生まれたのは、市川市内で子育て支援をしている団体が個々で活動していたことがきっかけです。それぞれの団体と情報交換ができれば市川市全体として、子育て支援の基盤がしっかりするのではと思い、団体の中心で活動している方や、関わっている方々が集まり、立ち上げました。ネットワーク名は訳して「いちこネット」と呼んでいます。

また市川市内の公民館の自主事業を受託して講座を開催したり、市川市の「男女共同参画課」と共同で、お母さんの社会復帰のための講座を開いています。講座の内容は、子育てコーチングのような子育てに関わる講座から、復職などの社会支援、また支援する側の「支援者」として必要な能力を身につける講座など多岐にわたります。

そういった市川市からの事業を受託して運営し、講座やイベントを開催する、ということを担当しています。ネットワークでいろんな人とのつながりを持ちつつ、年に何回か共同でイベントを開催するというのが団体の趣旨です。

「いちかわ子育てネットワーク」に実際に参加される方は、周辺エリアの子育て世代が多いのでしょうか。参加者同士の交流についても教えてください。

子育て中の方もいますし、ご自身が子育てをしていらっしゃったときにサークルを立ち上げて、そのまま支援者として継続されている方もいます。なので子育て中と、子育てがひと段落した世代の方が参加しています。市川市は子育て世代が多く、真間エリアもマンションが増えているので、子育て世代も増えてくるのではないかなと思います。

交流については、支援者中心のミーティングを定期的に行ったり、イベントを共同開催したるりと、それぞれの団体に登録している人たちを中心に交流を持っています。一般の方たちにはイベントにお越しいただいたり、講座に参加していただいたりしていますね。

取り組みの中には、「子育て交差点」、「ハッピーマタニティフェスタ」、「いちこネットピンバッチプロジェクト」など、さまざまな活動をされていますが、それぞれどのような目的を持った取り組みなのでしょうか。

「子育て応援メッセin市川」「子育て交差点」「ハッピーマタニティフェスタ」、この3つの子育て支援と、「ハッピーキャリアフェスタ」というキャリア系のと合わせて、年間に4つ大きなイベントを開催しています。この4つのイベントは「いちこネット」のメンバーが総力を結集して取り組んでいます。行政と連携して、企業の方にも来ていただいき、民と官とで行うイベントです。市民の方々にも来ていただいています。

イベントについては、子育て支援団体、市川市の子育て支援センター、保健センター、子育て支援課など、それぞれの団体がブースを出し、活動紹介や子育てのお悩み相談などを行っています。また、市内のフルートやウクレレのサークルを招いて、演奏していただいたり、お父さんたちの座談会や、ベビーマッサージの体験なども開催しています。

「ハッピーマタニティフェスタ」では、産婦人科の先生方と連携して医療相談や、骨密度を測るなど医療系を取り入れています。「ハッピーキャリアフェスタ」では、県の労働局の方やキャリアカウンセラー、税理士さん、マザーズハローワークの方に来ていただいて、会場でそのまま就労支援ができるようなブースを出していただいています。2014(平成26)年は市川市の佐藤尚美副市長に、女性と仕事の両立についてお話していただいたり、他にも美しく歩くウォーキング講座を行ったりと、女性の自立に必要な情報を提供しています。

「いちこネットピンバッチプロジェクト」は、中山商店街の「中山おひなさまピンバッチ」というのがあり、それに倣いました。「いちこネット」の活動を広く知っていただくこと、そしてピンバッチをつけている人が沢山いることで地域の方々に、「自分たちはこんなに大勢にサポーターがいるんだ」ということを分かってもらえればいいなというのが目的です。

「いちかわ子育てネットワーク」の取り組みは、地域の方との連携も重要視されると思いますが、 実際、どのように地域の方々と関わっているのでしょうか。

「いちこネット」はいろんな団体のネットワークで、メンバーはそれぞれの地域に拠点があり、地域の方の支援活動をしています。

行政との連携については、年に4つのイベントを一緒に企画しています。また、年度ごとに市がどういう事業をやっていくかということに関して意見交換をしたり、「子ども子育て会議」に「いちこネット」からメンバーが3人が出席し、提言したりしています。

「いちこネット」も参加した「市民版子ども子育て会議」も行っています。そこで意見を取りまとめたものを「子ども子育て会議」にかけて、市川市の子育て支援制度に役立つような提言をさせていただいています。

近年、女性も子育てをしながら仕事をする働き方が多くなってきた中で、「いち☆カフェ@ウィズ」の取り組みはどのようにして生まれたのでしょうか。また、子育てと仕事の両立ではどのようなアドバイスをされているのでしょうか。

市川市の「男女共同参画センター」が、毎月第3木曜日に「いち☆カフェ@ウィズ」を開催しています。毎月ロールモデルの方をお呼びして、ご自身がどうやって子育てとお仕事や趣味を両立しているのかを話していただき、他のお母さんたちと情報交換をしています。

私が他で活動しているNPO法人「ファザリングジャパン」という父親支援の団体があり、その団体で最初に「ロールモデルカフェ」というお母さん支援のプロジェクトを始めました。それの市川版を開催しようということで始まりました。

アドバイスとしては、「自分がどういう人生を送りたいのか」、「どうやって毎日を過ごしたいのか」をまず明確にしてもらいます。例えば理想とすることが、フルタイムで仕事をすることなのか、パートで仕事をすることなのか、今は子育てに専念して数年後に社会復帰をすることなのかなど、色んなロールモデルを参考にして、自分の中で整理をし、「私はこうしよう」という、自分なりの道や、やり方を見つけることが大事です。

それを見つけた時に自分一人でやろうとするのではなく、家族や周りの人を巻き込み、子育てが大変なときは手伝ってもらいながら、子育てと仕事や、やりたいことを両立していこうとアドバイスしています。お母さんたちは一人でやらなきゃと思ってしまいがちなので、周りに助けを求めても良いと伝えています。

子育てにおける市川市での取り組みや、これまでの活動を通して、今後の展望を教えてください。

まずは今行っていることを継続していくことですね。最近は若い世代が入ってきていて、そこから派生して「いちコネクト」という別の事業ができたり、ピンバッチも若いお母さんたちのアイディアで生まれました。そういった若い力を活用して新しい事業につなげていきたいです。

また、切れ目のない支援もやりたいと思っています。生まれる前から始まって、妊娠して、出産して。子育てを継続してやっていくときに、継続的な支援ができる基盤を作っていきたいと思います。そのための計画中の事業も現在進めているところです。お母さんだけじゃなくお父さんの支援も、いろんな形で取り組んでいこうと思っています。

最後に周辺エリアの子育て環境の魅力について教えてください。

CMSいちかわキッズ 子育て支援センター

市川市には、温かさや「みんなで子どもを育てていきましょう」という雰囲気があります。熱い想いを持った方が多いですね。また、子育て世代がすぐに足を運べる子育て支援センターが点在しているので、家にずっと閉じこまらずに出かけて、同じ子育て世代の方々と交流する場が、とても沢山あると思います。

また、年4回のイベントや、あちこちで開催される講座に足を運んでいただくと、他のエリアでの情報も得られるような仕組みになっています。このような子育てにやさしい、ネットワークがしっかりした街であることも、市川市が、とても連携している証だと思います。

今回、話を聞いた人

いちかわ子育てネットワーク

副理事 林田香織さん

いちかわ子育てネットワーク
電話番号:047-336-2614
URL:http://ichikonet.org/

※この情報は2015(平成27)年3月時点のものです。

手と手を取り合い団結してサポートする
地域に欠かせない子育てネットワーク/いちかわ子育てネットワーク 副理事 林田香織さん

所在地:千葉県市川市北方2-7-18 
電話番号:047-336-2614
https://ichikonet.jimdo.com/

大正期から続く小・中・高一貫女子校

子どもたちが一歩でも夢に近づけるように
伝統と共に歩み続ける「国府台女子学院」/学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生


学校法人平田学園 国府台女子学院
学院長 平田史郎先生

子どもたちが一歩でも夢に近づけるように
伝統と共に歩み続ける「国府台女子学院」

約90年前の創立以来、仏教の精神をもとにした小・中・高一貫の女子教育を行い、多くの卒業生を輩出してきた「国府台女子学院」。「智慧」と「慈悲」を教育理念に掲げ、礼儀正しい謙虚な姿勢と、時代に見合った高い教養、深い情操をともに身に付けることを重視しており、エリア屈指の進学校としても知られている。

校舎は2011(平成23)年から全面的に建て替えが行われ、近代的で広々とした、美しい校舎に生まれ変わった。女子校の数が減りつつある昨今、なぜ「国府台女子学院」は高い支持を得つづけているのか。その秘密を、学院長の平田史郎先生にお話を伺った。

2015(平成27)年で創立90周年ということですが、学院の沿革についてお聞かせください。

国府台女子学院(小・中・高)

本学院は1926(大正15)年の大正最後の年に創立されました。仏教系の学院なっているのは、私の祖父が山口県の寺の出身であったことに遡ります。祖父は長男ではなかったので、寺は継がずに、当時の文部省に勤めていました。そこでたまたま、千葉県の「女子師範学校(千葉大学教育学部の前身)」の校長に補されて、千葉県のこの地との縁ができたということです。

「女子師範学校」は女性教員の養成機関になるわけですが、祖父が実際に女子教育の立場に立って気がついたのは、やはり、女子教育の立ち遅れという部分だったようです。当時はまだ、男は仕事をして、女は家で家事をするという風潮が強かった時代でした。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

祖父は、「何とか新しい女子教育をしていかないと、今後の日本に発展は無い」と考えました。しかし、文部省の仕事の範疇では理想とする女子教育ができなかったので、一念発起をして、新しい学校を建てることにした、それが1926(大正15)年のことです。

昭和に入りますと暗い時代が続き、祖父もいろいろと苦労したようですが、戦中でも英語教育を最後まで行っており、外国語教育には特に熱心な学校だったようです。戦後になりますと、学制改革と私立学校法の制定などに伴って、「学校法人平田学園」が経営する「国府台女子学院中等部・高等部」となりました。小学部が開設されたのは、1960(昭和35)年からのことです。

貴校では小中高一貫教育とし、12年間通してご指導されていますが、貴校ならではの指導方法について教えてください。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

本学院は小・中・高の一貫校ですから、お預かりする生徒の学力の幅もとても広いのです。偏差値で例えるなら50未満の子どもから、70以上の子どもまでが在籍するので、現役で国公立や難関大合格に難無く合格する生徒も多い反面、入学できる志望校選択に苦労する生徒も存在するというのが現実です。

国府台女子学院(小・中・高)

指導方法に関しましては、カリキュラム表を細かくし、多種多様な子どもたちの志望に対応できるようにしています。

現代は、女の子も進路が多様化しています。本校はほとんどが4年制大学進学志望ですが、その中にも国公立や難関私大、あるいは文系・理系、また医学・歯学・薬学などに照準を絞った生徒など受験パターンは多岐にわたります。そのため、すべてを網羅するカリキュラムが必要になってくるのですね。

中学では全員がひとつのカリキュラムに沿っていますが、高校では細かく分かれていくのですね。

国府台女子学院(小・中・高)

そうですね、中学では基本的に全員が同じ内容を学びますが、高校への進学時には、普通科と英語科の大きく2つに分かれ、さらに、普通科の中で普通クラス、選抜クラス、美術・デザインコースの3つに分かれます。1年次ですでに、4つのコースに分かれるわけですね。

さらに2年次になりますと、普通科が進学理系、進学文系、選抜理系、選抜文系国公立、選抜文系私立コースの5つのコースに分かれて、自分の受験教科に合わせた、選択教科を主体とした勉強を進めていきます。それに加えて美術・デザインコース、英語科もありますから、合計7つの集団でカリキュラムを組んでいきます。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

これは経営的な立場からすると効率的なことではないのですが、本学院のように幅広い生徒を預かっていて、すべての生徒に最適な力を付けてあげようと思うと、このぐらいの複雑さが必要になってきます。そうでないと、本当の「子どもたちの夢」が叶えられませんので、力を入れて取り組んでいます。

学業以外のさまざまな部活動、特別活動についても教えてください。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

本校はクラブ活動を前面に出すという方針ではないので、特別に強い部活動等は無いのですが、個人的には、国民体育大会まで行った生徒もいますし、それぞれが頑張って取り組んでくれています。勉強と両立をさせたうえで、それぞれが好きな方面に伸びていってもらえれば良いですね。クラブ活動については、中等部と高等部が一緒に活動していまして、そこは一貫校ならではかと思います。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

また、本学院独自の伝統として「専門部」というものがあります。これは、普通のクラブ活動とは別に、希望者が選択をして受ける講座となっています。1931(昭和6)年から続いているもので、茶道(高等部のみ)、華道、箏曲(琴)の3つに関しては、ずっと続いている伝統講座です。

「国府台女子学院」の強みについて教えてください。

国府台女子学院(小・中・高)

本学院は小学校から入学すると、12年間ずっと女子だけという環境になるわけですが、これは今の時代非常に珍しいものになっているようです。小学校から女子校というのは、全国にも二十数校しか無いと言われており、千葉県については本学院だけです。

小学校から高校卒業までの12年間というのは、子どもが一番成長していく時期ですし、変わっていく時期かと思います。そこをひとつのポリシーで統一して育てていけるということは、やはり、一貫教育の一番の意味だと思います。

また、本学院が選ばれる理由としましては、「子どもの学力を伸ばしてくれる進学校」という点が評価されているかと思います。本学院は「面倒見の良い学校」という定評を頂いておりますが、中学受験の難易度ランキングでは、まだ中堅クラスの学校です。しかし、今春の卒業生の現役進学実績を見ていただけば分かるように、入学時の中学受験難易度ランキングで比較すればワンランク上だった中高一貫校と同等以上の成果をあげています。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

女子校ならでは、という面では、「尊敬できるお姉さんが身近にいる」という点は大きな魅力かと思います。たとえば「美術デザインコース」の生徒の作品は、高2、高3ぐらいになると、プロも顔負けのレベルになるんです。実際に美術系の有名大学にも沢山の生徒が進学しています。そういった先輩の作品を、入学してすぐの生徒が見ると、とても驚いています。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

でも、それはわずか5年、6年の年齢差なんですね。入学した子どもたちはきっと、「同じ女性で、5、6年頑張ればこうなれるんだ」ということを感じていると思います。「女性のお手本」となる人が身近にいるということは、とても励みになり、また良い環境にも繋がっていくのだと思います。

小学部と、中・高等部との交流活動も多いのでしょうか?

国府台女子学院(小・中・高)

中・高は建物が同じで、クラブも一緒ですので、非常に交流があります。小学部と中・高ではあまり直接の交流はありませんが、文化祭など、いろいろな活動などを通じて、高校生がお姉さんぶりを発揮するという機会を持っています。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

本校の場合は、中学1年の段階で定員の3分の2ほどの新入生を迎えるわけですが、残り3分の1を占める小学部の出身者については、中・高に上がっても小学校で習った先生方とお付き合いもあったりするので、中高生が小学校の先生に頼まれて小学部の児童にお話に行ったりすることがあるようです。

創立以来英語教育にも力を入れてきたということで、国際交流についても、いろいろな取り組みをされているそうですね。

学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

語学教育に関しては、昔から強い志向をもった学校になっているかと思います。1984(昭和59)年、首都圏で最初に独立したキャンパスの英語科高等学校(現在は本部校舎に集約)を開設したのも本校でした。もう30年以上も前のことですが、当時から2クラス全員が、必修で2週間の海外語学研修に出かけるという先駆的な試みをしていて、その伝統は今もなお続いています。

学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

今は中学2・3年生が主体になり、希望者は夏休みのアメリカ語学研修に参加できますし、高等部についても同様に英国での海外語学研修プログラムがあります。もちろん高等部の英語科については、従前同様全員が必修の海外研修に参加します。また、中学部では冬休みにタイやカンボジアを訪問し、孤児院やハンディキャップセンターに学用品や義捐金を届ける東南アジア異文化研修旅行と言うプログラムも実施されています。

新校舎となり、設備もとても充実していますね。学習環境として貴校ならではの設備について教えてください。

国府台女子学院(小・中・高)

以前の校舎は耐震基準の理由で建て替えとなりましたが、この機会を「100年に一度のチャンスが、たまたま私の時に回ってきた」と捉えまして、何とか子どもたちが暮らしやすい、伸びやすい環境を作ろうということで、いろいろ工夫をしながら作っていきました。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

まず、躯体の頑丈さが大きなポイントとなっていると思います。最新の耐震基準を25%も上回る設計で、万が一の時に備えています。また、校門から昇降口の間も広く取っていて、生徒たちが毎朝、楽しい気持ちで来られるような環境にしています。校舎内についても、2階以上は廊下に木をふんだんに使っていますし、温かみのある造りになっています。

また、私が個人的に最も留意したのは「ガラス張りの図書館」です。「図書館が学校の中心にある学校」にしたかったんですね。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

と言いますのも、先進国の中で、日常的に読書をしない子どもの割合は日本が一番高いそうで、私はこれを由々しき事態だと思っています。そこで、生徒たちが登下校のたびに、必ず本を目にするような環境を作ろうと思い、玄関の正面にガラス越しに本が見える図書館を配置しました。実はこの図書館、中庭側にちょっと張り出しているので、上の階のどこから見ても、図書室が見える造りにもなっています。

学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

図書の配置についても、図書館学の専門の方に監修をお願いし、従来の威圧的な、高い書架が並んでいる図書館ではなく、「書店のような図書館」を目指しました。手前側に易しい本があり、奥に行くほどに難しくなっていく配置になっています。書架も手前側を低く、奥側を高くして、入りやすい雰囲気にしています。本の並べ方についても、敢えて頭の高さをバラバラにするような配置にして、多様性を感じてもらえるようにしています。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

ほかには、「大講堂」も自慢の施設のひとつですね。これは本来、礼拝施設となっている施設なのですが、裏のご本尊をカーテンで覆うと、立派な舞台ができますので、 色々な集会で活用しています。座席も設置されており、各種式典やイベントのほか、演劇、吹奏楽、管弦楽、ダンス部などの公演も「大講堂」で行ってい ます。

通学地域については、どのような内訳でしょうか。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

現在、小中高と合わせて2千数十名の規模の学校となっておりますが、本校は駅から徒歩圏内にある学校ということもあって、通学圏はかなり広くなっております。中学部の例で見てみますと、市川市内の生徒が全体の4分の1、東京都内の生徒が4分の1、市内以外の千葉県内の生徒が約半分、埼玉や茨城の生徒が数名、という具合になっています。ほとんどの生徒が東京と千葉県内から通っていて、総武線と京成線の沿線が中心となっています。

最後に、市川真間エリアの子育て環境と、地域の魅力について教えてください。

市川は文教都市と言われている通り、昔から学校が多くある地域です。本校をはじめ、「和洋国府台女子中等校・高等学校」「昭和学院中学校・高等学校」「不二女子高等学校」「市川中学校・高等学校」「千葉商科大学付属高等学校」といった私立の学校が幾つもありまして、昔から落ち着いた雰囲気がある地域かと思います。

真間川沿いの桜並木をレポートします!

東京から電車に乗って来ると、江戸川を渡って市川に入った途端に、急に緑が多くなるのが分かるかと思います。江戸川の近くには、市川市の木にもなっているクロマツの木が沢山自生しておりますが、この風景は昔から変わらないもので、私の祖父も、こうした緑あふれる景色を見て、「この場所しか無い」と思ったそうです。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

本学院の制服のグリーンもこの松の木をイメージしたものです。緑は一番心が落ち着く色ということもあり、緑が多いこの環境は、教育環境としては素晴らしい場所かと思います。

もちろん都内への交通の便、羽田や成田への便なども良いですから、住みやすく、子育てもしやすく、バランスの良い街ですね。そうでなければ、戦後にこんなに学校ができるはずもありません。やはりこれは、地域に子育て環境、教育環境としての適性があったということなのでしょう。

国府台女子学院(小・中・高)

今回、話を聞いた人

学校法人平田学園 国府台女子学院

学院長 平田史郎先生

国府台女子学院
所在地:千葉県市川市菅野3-24-1
電話番号:047-322-7777
URL:http://www.konodai-gs.ac.jp/

※この情報は2015(平成27)年3月時点のものです。

子どもたちが一歩でも夢に近づけるように
伝統と共に歩み続ける「国府台女子学院」/学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生

所在地:千葉県市川市菅野3-24-1 
電話番号:047-322-5644(小学部)、047-322-7770(中学部)、047-326-8100(高等部)
https://www.konodai-gs.ac.jp

幅広い世代に愛される商店街

ここで生まれ育ち、骨をうずめる人々による愛の溢れる笑店街/巣鴨地蔵通り商店街振興組合 理事 木﨑禎一さん


巣鴨地蔵通り商店街振興組合
理事 木﨑禎一さん

ここで生まれ育ち、骨をうずめる人々による愛の溢れる笑店街

「おばあちゃんの原宿」として名高い巣鴨地蔵通り商店街。江戸時代には五街道の一つである中山道として栄え、その歴史は今なお賑やかな商店街として引き継いでいる。4、14、24日の縁日はもちろん、年間60を超えるイベントで訪れる人々を楽しませ、キュートなゆるキャラ「すがもん」で癒しも提供する。「ここで生まれ育ち、骨をうずめる人たちが商売をする街」と誇らしげに語ってくれた地蔵通り商店街振興組合・理事の木﨑さんに、この街の魅力と楽しさについてお伺いした。

巣鴨地蔵通り商店街振興組合 木崎さん

―― 巣鴨地蔵通り商店街の歴史についてお聞かせください。

木崎:この商店街の通りそのものが江戸時代に「板橋宿」に続いていた中山道です。当時は植木屋さんが多く立ち並んでいて、今でも趣のある木造家屋などが残っています。こういった古い家屋を取り壊すと、食器など当時の人々が使用していたものが出てくることもありますね。入口にある「江戸六地蔵尊眞性寺」は、“ここから先は江戸”という関所であり、境界線のような場所だったそうです。

商店街入口のアーチ看板

木崎:もともと上野にあった「とげぬき地蔵尊高岩寺」が区画整備のために1891(明治24)年にこの地に移転し、そのため檀家さんが減少してしまったことを受け、今でいう広報活動をしようと始まったのが縁日でした。本来はお地蔵さんなので24日だけでしたが、どうせなら4のつく日ということで「4日、14日、24日」の3日に設定しました。谷中の露天商の親分たちにも声をかけ、賑やかな縁日に育ててきたと聞いています。

「とげぬき地蔵尊高岩寺」

木崎:昭和になると商店街のお店は衣料品が中心になります。現在でも他の商店街と比べて惣菜屋さんや食料品店が少ないのは、その名残ですね。

―― 商店街の特徴について教えてください。

イタリア仕込みの自家焙煎エスプレッソが楽しめる「アルプスカフェ」

木崎:「おばあちゃんの原宿」として知られるこの商店街ですが、お客さんの60歳以上の割合は3割程度。50代が2割、40代が2割、残りの3割は30代以下ですから、想像以上に若年層が多いですよね。70代と言っても若い頃は裕次郎ブームなどで尖っていた世代ですし、50代では「BEAMS」をはじめとするセレクトショップや「アフタヌーンティー」などのおしゃれ雑貨に親しんできた世代ですから、今では“おばあちゃん”という概念が昔とはガラリと変わりました。

「江戸六地蔵尊眞性寺」

木崎:この商店街の特徴は、ここで生まれ育ち骨をうずめる人たちが商店街で商売をして暮らしている、という点ですね。だからこそ商店街への愛着も来てくださる方々への感謝も人一倍です。
そうしたお客さまへの配慮として、例えば、この商店街の照明は24時間点灯させています。以前は街灯だけを残して消していたんですが、近隣の方々から「明るくしてほしい」との要望があり、点けることにしました。おかげさまで通勤・通学の方はもちろん、ランニングやウォーキング、犬のお散歩など、お店が閉まっている時間でもこの通りには人が集まってくるようになりました(笑)。電気代は正直結構かかりますが、これこそが商店街への愛だと思っています。

創業80年を越える老舗「松月堂」

木崎:これは余談ですが、普通AEDはいたずら防止のために建物の中にあることが多いですが、「地蔵尊高岩寺」の住職が自費で購入してくださり、24時間誰でも使用できるように商店街に設置してあります。これも愛ですよね。

―― 商店街には昔ながらの買い物の風景が残っている印象を受けました。

木崎:商店街は専門店街でもあるので、大きなセレクトショップのようなもの、と考えています。自分のお気に入りの店に立ち寄り、馴染みの店員さんとコミュニケーションを取りながら買い物をする。お店側もお客さまの要望を吸い上げ、独自のおもてなしをするのが腕の見せどころです。存続が危ぶまれる商店街も増えている昨今、何かに特化しないと復活も生き残りも難しいと思います。

海老フライが人気の「ときわ食堂 本店」

―― イベントも盛りだくさんのイメージがあります。

木崎:毎月4日、14日、24日に開催している縁日は、たくさんの方々に来ていただいています。平日ですと約1万5000人くらい、土日になると3万人くらい、1月4日や5月4日など休日と縁日が重なる日は多くて10万人くらいの方々に足を運んでいただいています。

地蔵グッズが豊富

木崎:縁日のほかにも、「どんがら市」は春と秋の年2回、開催しています。これは文字通り、倉庫に眠っているものを「ドンドン・ガラガラ」引っぱり出してお値打ち価格で販売するという、いわゆるアウトレットセールのようなものです。
そのほか「巣鴨1丁目商店街」「巣鴨駅前商店街」「地蔵通り商店街」「折戸商店街」「庚申塚商店街」と5つの商店街をウォークラリーで巡る「商人まつり」など、年間を通して60イベント程度を実施しています。イベントに合わせて来ていただくというよりも、「ここに来たら何かやっている」と感じていただくのが理想ですね。

―― SNSなどを使用した若者向けのPRにも力を入れていらっしゃいますね。

郵便局前のポストにも「すがもん」

木崎:かなり定着した感のある「巣鴨地蔵通り商店街」のキャラクター「すがもん」によるツイッターや着ぐるみなど、老いも若きもとっつきやすいキャラクターづくりは心がけています。もともとこの「すがもん」は早稲田大学の広告研究グループが、「巣鴨地蔵通り商店街」のイベントやキャラクターのアイデアを持ってきてくれて提案してくれたものです。それを買い取り、イラストレーターさんにイラストをおこしてもらって、現在に至ります。実際は運営会社に任せておりますので、若いスタッフが上手に浸透させてくれてるという感じでしょうか(笑)。

入口にある観光案内所と「すがもんのおしり」

木崎:おかげさまでTシャツやストラップなども好評ですし、入口にある「すがもんのおしり」も、縁結びや世話いらずのおまじないとしてとても人気のスポットになっています。 今年は「全国ご当地キャラクター年賀はがき」に「すがもん」が採用されました。商店街にある郵便局前のポストにも、「すがもん」が座ってみなさんをお迎えしていますので、是非見に来てください。

―― この地域の魅力はどんなところだと感じますか。

木崎:先ほどもふれましたが、大きな街道という歴史的背景もあり、それが現在の商店街につながっているところでしょうか。この辺りは大巣鴨村と呼ばれて、現在の豊島区の東半分を占めるくらいの大きな集落でした。駒込で生まれたソメイヨシノも、当時は巣鴨村の一部でしたので大きな意味で言うと巣鴨生まれでもあるんですよ(笑)。

啓翁桜

木崎:また「巣鴨地蔵通り商店街」は、正しくは3つの町会が集まって成り立っています。この土地に代々住み暮らしている人たちが、お互い協力し合いながら商店街を盛り上げて、守っています。愛着も強いしトラブルも少ない、つまり皆が同じ方向を向いている、そういった点が魅力の源なのかもしれませんね。

巣鴨地蔵通り商店街 木崎さん

巣鴨地蔵通り商店街振興組合

理事/広報宣伝渉外部長 木﨑禎一さん
所在地 :東京都豊島区巣鴨4-22-8
TEL :03-3918-2101
URL:http://www.sugamo.or.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

ここで生まれ育ち、骨をうずめる人々による愛の溢れる笑店街/巣鴨地蔵通り商店街振興組合 理事 木﨑禎一さん
所在地:東京都豊島区巣鴨3、4 
電話番号:03-3918-2101(巣鴨地蔵通り商店街振興組合)
https://www.sugamo.or.jp/

「所沢市立松井小学校」中村隆校長先生インタビュー

伝統校が新たな教育の最先端をゆく/所沢市立松井小学校 中村隆校長先生


所沢市立松井小学校
中村隆校長先生

伝統校が新たな教育の最先端をゆく

創立から140年余りもの年月を経て、地域の人々の心のよりどころとなっている「所沢市立松井小学校」。いまこの学校は、地域で最も古い歴史を持つとともに、最も先進的な取り組みを進める学校としても注目を集めている。今回はこちらで校長を務め4年目になる、中村隆先生にお話をうかがった。

創立141年目の伝統校

授業風景

本校は1874(明治7)年の開校で、2015(平成27)年で創立141年目を迎える小学校です。歴史上、1873(明治6)年に開校した小学校が最も古いのですが、本校はそれに遅れることわずか1年で開校しています。創立140年目を迎えたのが2014(平成26)年なので、歴史上で言えば創立してから約半分の年数が民主主義の時代にあった学校とも言えます。

松井小学校旧校舎写真

校舎については、130周年を機に11年前に建て替えられ、「多様な教育活動ができること」そして、「地域に開かれた学校であること」というふたつの理念のもと、新しい校舎が造られました。

オープン教室

この「多様な教育活動」を支えるために、本校の教室はさまざまな工夫がされています。たとえば、普通教室は「オープン教室」と言って、4面ある壁の内、廊下側の1面を無くして隣の教室とつながった造りとなっており、必要に応じてロッカーなども移動できるので、広い空間を確保することができます。また、特別教室についても、多様な教育活動を支える工夫が随所に凝らされています。

地域開放型の学校図書館

もうひとつの理念、「地域に開かれた学校」についても、たとえば学校図書館は地域開放型の学校図書館とし、学校の外側にも入り口を作り、地域の幼児から小学生が使えるようになっています。また、現在、試行段階ですが、中学生にも開放することも検討しております。

授業風景

図書館以外についても、「学校開放委員会」が主体になり、多目的室、家庭科室、音楽室、図工室、コンピューター室、アリーナ(体育館)などを、平日の夜間と休日に、地域の方々に開放しています。本校では体育館を「アリーナ」と呼んでいますが、これはアリーナという言葉がもつもうひとつの意味、「人が集まる場所」ということを意味しています。

このようにして、平日は「子どもたちが集い学ぶ学校」ですが、平日の夜や休日は、地域の方々が集い、自己実現を図るという、地域の文化の核としての学校になっています。

子どもたちの自信を育てる学校に

中村隆校長先生

昨今の先の見通せない複雑な社会に伴い、本校では「豊かな心」そして「意欲と自信を持つこと」が、将来を生き抜くための大切な力につながると考えています。そこで、学校の授業の中で、これらを育てる授業を推進しようと、先生方が力を合わせているところです。授業以外のさまざまな行事についても同様に考えています。

エンジン01(ゼロワン)

「豊かな心」を育むための講演会としては、「エンジン01(ゼロワン)」という文化団体の協力を得て、講師の方を派遣していただき、子どもたちの授業に役立てています。これは私が着任してからここ3年間の取り組みですが、講師には、エジブト学者の吉村作治先生や、先日訃報が入りました川島なお美さん、パティシエの鎧塚俊彦さん、宙組のトップスターだった姿月あさとさん、フリーアナウンサーの中井美穂さんなど、さまざまな方に特別授業で本校にいらしていただいています。

おいも掘り

また、課外活動としましては、地域の方々の畑を借りて、さつまいも掘りやお茶摘みの体験を行っていますし、所沢名物のお団子を、後援会の方々に教えてもらいながら作るという勉強もしています。このような活動を通じて、豊かな心を育てたいと考えています。

「意欲、自信を育てる」という面では、「アクティブラーニング」というものがあります。これはいま、教育界では今後の教育方法として注目されているものですが、本校でもこれを取り入れた授業を、2014(平成26)年から進めています。この取り組みについては市内でもまだ取り組んでいる学校は少ないと思いますが、本校では「東京大学」の「CoREF(コレフ)」という組織から指導者をお招きして、先生方も研修を受けながら、取り組みを始めているところです。

地域でも学校でも受け継がれてゆく伝統行事

火起こし体験

「地域に開かれた学校」としての取り組みについては、校舎を建て替える前から行われています。先ほどお話した、さつまいも畑での取り組みや、お団子作りは数十年続いている活動ですね。

これを含め、地域との交流については昔からさかんに行われており、私も子どもたちには、「地域活動に進んで参加するように」と呼びかけています。地域で行われるお祭り、地域の行事などには、本校からも(個人的に)数多くの子どもたちが参加していますし、先生方も数多く参加しています。

一例を挙げますと、「安松神社」のお祭りでは、本校の綱をお貸しして綱引きを開催していますが、その時には本校の先生方も行って、町内会ごとに分かれている子どもたちに交じって、一緒に綱引きをしています。

また、学区内を流れる柳瀬川の清掃なども伝統的な取り組みの一つですね。こちらも町内会が主催しているものですが、本校の子どもたちも先生方も、数多く参加しています。地域の方と関わるという場面は、とても多いと思います。

柳瀬川に関しては、毎年8月に「川まつり」が行われるのですが、この時には子どもたちがカヌーを体験したり、川で鮎が釣れますので、それを塩焼きにして食べたりと、楽しんでいます。

街と共に成長した軌跡

所沢市立松井小学校

また、本校は街と共に成長してきた学校とも言えます。現在は「所沢市立松井小学校」ですが、70年前は「松井村立松井小学校」という名称でした。昔からお住まいの方にとっては、本校は「おらが村の学校」として認識されている方も多く、地域の方々は学校にたいへん思い入れを持っておられると思います。

また、地域で1番古い学校ですので、ここから昭和40年代から50年代にかけて次々に学校が分かれて、近くに小中合わせて7校の兄弟学校があります。学区が変わって40年以上経ちましたが、親子とも兄弟学校に通っていたという方や、おじいちゃんは「松井小学校」に通っていたなど、親子三代に亘って本校を卒業されているご家庭もあります。今でも、松井小学校で開催される行事には、学区外からも大勢の方が来てくれていますね。

学校という枠を超え、地域と共に楽しむ

PTAバザーの様子

毎年恒例のイベントとしては、「PTAバザー」があります。開催当初は、PTAが品物を集めて行っている、どこにでもあるようなバザーだったのですが、これが、ここ数年で内容が変わってきました。「名前を変えたほうが良いのではないか」という声も聞かれるくらいです。

演武を披露する子どもたち

どのような内容に変化したのかと言うと、本校には多くの学校開放団体(ダンス、女子サッカー、太極拳、空手、なぎなた、剣道など)という団体があるのですが、このような色々な団体の方が、バザーの時に演武を見せてくれるようになりました。すると、演武を目当てに来る方、演舞する方のご家族の方など、バザーとは直接関係の無い方も沢山来られるようになり、今は「PTAバザー」というよりは、「地域フェスティバル」のような感じになってきました。

実はバザー以外にも、こういった開放団体の方が本校に関わっている部分があり、所沢市の一部の学校で取り組んでいる「放課後見守り活動 ほうかごところ」に携わってくれています。これは「子どもたちが安心して過ごせる場所として、学校施設を開放する」というものですね。

無料体験教室

本校の「ほうかごところ」には、開放団体の方が、「無料体験教室」を開いてくれるというのが、ここ数年の流れになっており、放課後になると沢山の子どもたちが集まり楽しく活動しています。剣道、野球、サッカー、インディアカなど色々な種目があり、それぞれの団体が年間に1~2回ずつ開催しています。

このような活動は、「習うまではいかなくても、気軽に体験してみたい」という子どもたちにピッタリの活動で、とても人気があります。開放団体以外の方でも、「早稲田大学」のスポーツチャンバラのグループも体験会を開いてくれていますし、先日、「早稲田大学」のトランポリンのグループの方からも「体験教室を開きたい」という申し出がありました。トランポリンを運ぶだめの算段が付けば、これも実現できるかと思います。

このように、校内だけのコミュニティに納まるのではなく、地域の団体や大学の方々も関わってくださるのは、大変嬉しいことです。こういった取り組みは子どもたちにとって、いろいろなものを体験する素晴らしい機会だと思っているので、今後も積極的に進めていきたいと考えています。

給食で子どもたちの健康面もサポート

給食

「松井小学校の給食が日本一おいしい」という子も多いくらい、地域でも評判の給食です。理由のひとつは、献立を考える栄養士の方々がとても熱心だということです。献立コンクールでも入賞するような方々が、本校の栄養士を担当してくださっており、所沢市特産の里芋やほうれん草など、地場の野菜も取り入れながら、本当に味を工夫してくれています。

たとえばラーメンを出す時などは、スープから校内で手作りしており、カレーライスも小麦をバターで捏ねるところから始めますし、香辛料も粉のものを調合して作っています。私はレストランでボルシチを食べたことが無いのですが、給食では食べたことがあります。それぐらいメニューの豊富さも素晴らしいのです。地場のものを豊かに、栄養のことを考えた給食を作ってくれていますので、子どもたちは、常に美味しい給食を頂くことができます。

ランチルーム

もうひとつの校内調理については、調理を外部に委託しているという点が挙げられます。レシピと食材を栄養士が用意して、専門の業者の方が調理をするという仕組みになっており、その業者の方はプロの調理師の方ですので、美味しい給食にとても貢献してくださっています。所沢市内でも自校給食は増えてきていますが、給食センターで調理している学校もまだ4分の3くらいありますので、本校は恵まれていると思います。また、校内にはランチルームもあり、普段は教室で給食を食べますが、時々、ランチルームで学年単位に給食を楽しんでします。

新たに住みはじめる方にとっても
住み心地の良い街

地域の方々も楽しみにしている行事

このエリアは地域の方々が、子育てや学校教育にとても理解のある地域です。たとえばお年寄りの方々には、朝、ボランティア活動の中で子どもたちの登校の見守りをしてくださる方が沢山いらっしゃいますし、地域行事にも、数多くの方が参加してくださっています。

北の台公園

また、今は新しい住民と、昔からの住民の割合が半々ぐらいになっているので、新しく引っ越されてきた方々も、地域にすぐ溶け込めるような、馴染みやすい地域だと思います。

近くには緑豊かな原っぱもありますし、柳瀬川のきれいな流れもあります。あのスタジオジブリの作品の舞台になった場所も近くに幾つもあり、自然の中で子育てをしたいという方にとっても、たいへん魅力あふれる地域かと思います。

校長

今回お話を聞いた人

所沢市立松井小学校 校長 中村 隆 先生

住所:埼玉県所沢市上安松895番地
TEL : 04-2992-2782
URL :http://www.tokorozawa-stm.ed.jp/matui-eh/
※この情報は2015(平成27)年10月時点のものです。

伝統校が新たな教育の最先端をゆく/所沢市立松井小学校 中村隆校長先生
所在地:埼玉県所沢市上安松895 
電話番号:04-2992-2782
http://www.tokorozawa-stm.ed.jp/matui-eh..

地域とつながるパイプ作りを。/ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ)/代表 田中由実さん


ながれやま子育てコミュニティNakocco
代表 田中由実さん

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 田中由実さん インタビュー

地域とつながるパイプ作りを。
「ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ)」

若い世帯が多い流山市で、新米ママや周りにママ友達がまだ少ない人達の力強い味方となっているのが「ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ)」。子育てに関する講座や、ママ・パパ同士のコミュニティ作りなど、様々な活動を行い子育てをサポートしている。
今回は自身も2児の母として子育て奮闘中の、Nakoccoの代表を務める田中由実さんに活動内容や思い、南流山エリアの魅力についてお話を伺った。

Nakocco(なこっこ)はどんな団体なのでしょうか?

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 田中由実さん インタビュー

Nakoccoは「流山の子育てを共に楽しむ・考える・助け合う」ことを目的に活動しています。 2007(平成19)年に発足して以来、任意団体として活動してきましたが、様々な方々のご協力を得て2011(平成23)年11月に特定非営利活動法人(NPO法人)として再出発しました。活動の中心は妊娠期~新米ママ・パパを応援する“はじめての子育て応援プロジェクト”として、地域とつながる様々なイベントを随時開催しています。

Nakoccoの運営は正会員で行っています。会員の種類は賛助会員(個人、団体・企業)サポーター会員があり、現在は20名が参加しています。Nakoccoのイベント自体は、どなたでもご参加いただけますよ。

Nakoccoの思い・コンセプトを聞かせてください。

南流山駅

子どもはとても可愛いのだけれど、子育ては戸惑うことも多いですよね。特に初めての育児は、授乳に夜泣きに離乳食と、次々にやってくる慣れないことに肩の力が入りすぎて息切れ寸前という人も多いと思います。流山市は若い世帯も多く、ここが初めての子育ての地となり、知り合いが周りにほとんどいない方も少なくありません。

私たちNakoccoは、子育てに行き詰らない為には、なるべく地域とつながるパイプを持っていることが大切だと考え、特に孤立しない子育てのサポートに取り組んでいます。 実は運営スタッフの子供たちも現在0歳児~小学生で、まだまだ若葉マークのママたちです。 私たちと一緒に、流山での子育て楽しんでいただけたら嬉しいですね。

主な活動の内容について教えてください。

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 代表 田中由実さん インタビュー

Nakoccoの活動の中核となるのは、「新米ママ講座」です。この講座は第一子が生後1ヶ月~6ヶ月頃の赤ちゃん&ママを対象にしており、 実際に流山で妊娠・出産・子育てをしてきた、 現在幼稚園の子どもを持つママ達が企画・運営をしています。

南流山センター

妊婦期からの子育て支援では「お産Cafe」があります。出産や産後に関することを何でも話すことのできるひろばです。先輩ママも参加してお産の流れに関するワークや、健康面の相談、軽いエクササイズなどを行ったりもします。参加者同士でも様々な情報をシェアできます。こちらは 「南流山センター」と共催で行っています。パパがママのお産や産後をサポートするコツや、育児との向き合い方を講座やワークショップを行う「男ができる産後の準備」もあります。

その他にも、生後1カ月~1歳半くらいの赤ちゃんとママたちが不定期に集まる「Nakocco baby」や、手遊びや季節のイベントを楽しむ「Nakocco Club」などの子育てサークルなども南流山地区で活動しており、みんなで交流や子どもたちの成長を楽しんでいます。

どのような目的で参加される方が多いのでしょうか?

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 田中由実さん インタビュー

Nakoccoには初めて出産・子育てをする方が多く参加されます。なんでもそうですが初めてのことは不安になりますよね。不安というのはこの先どうなるかわからないから不安なのです。ですから少しでもその不安を取り除くために、妊婦さんや小さいお子さんを持つ方が情報共有できるような場を作っています。
お友達作りももちろん、助産師さんや、栄養士さん、それに私たち地元スタッフと直接お話しするのを楽しみにされていますね。

実際、参加されている方はどんな感想を持たれるのでしょうか?

「お産Cafe」にいらっしゃる方は、お産のイメージが変わりポジティブに捉えるようになったり、新米ママ講座では、病院の先生に聞くほどでもないことを助産師さんや栄養士さんに質問できてよかったとか、お友達もできて子育てが楽しくなったという感想をいただきます。

「男ができる産後の準備」では、先生の話しを聞いて夫婦でお互いもやもやしていたことがクリアになり、夫婦関係が大きく改善されたと嬉しい報告を頂くこともあります。

ママ・パパ同士や、地域とのつながりを生み出す工夫はありますでしょうか?

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 田中由実さん インタビュー

ママ同士は最初から、妊娠や子育てといった共通点があるので仲良くなるのはそう難しくありませんが、例えば「新米ママ講座」ではお弁当を出していて、住所が近い方同士で交流が持てるように工夫しています。ごはんを食べている間、お母さん達にゆっくり食べてお喋りしていただけるように、ボランティアができるだけ赤ちゃんを抱っこしています。

パパ同士は難しいところもありますが、年に数回パパも参加できるような企画をしています。例えば、春には親子運動会、夏は夕涼み会、秋はハロウィンパレードなどです。

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 田中由実さん インタビュー

「子どもの防犯力アップ出前教室」は子育て支援のインストラクターと施設等の教諭、保育者、親、子どもの絆を強め、「どの子も地域の大切な子」として見守る地域の絆をつくることを目的としています。

南流山エリアの子育て環境については、どのように思いますか?

江戸川河川敷緑地

南流山は地元の人から、転勤で新たに街にやってくる人など、住む人のプロフィールに多様性があり、気取らないムードとのびのびした雰囲気が魅力だと思います。公園も多く遊び場にも不自由しません。

これから新たに南流山エリアに住む方へのメッセージをお願いします!

ららぽーと新三郷

南流山は、電車はJRとTXの2路線があり都内はもちろん、近隣の大型ショッピングセンターへのアクセスが抜群に良いと思います。高速道路も近いので車での移動も便利。しかしそこまで行かなくても食料品・生活用品は十分整います。また江戸川も近いので菜の花や花火大会も楽しめます。

南流山中央公園

気軽に子どもが遊べる公園が多いのも特徴です。個人的な感想ですが色々なエリアから移り住む方も多いので他者への理解も良く、みなさんすぐ馴染んでいるように思います。南流山へお住まいになられた際は是非、いち住民として、地域をより良くしていくために何かあればご協力いただけるとありがたく思います。

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ) 田中由実さん インタビュー

今回、話を聞いた人

ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ)
代表 田中由実さん

http://nakocco.jimdo.com/

※2014(平成26)年4月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

地域とつながるパイプ作りを。/ながれやま子育てコミュニティNakocco(なこっこ)/代表 田中由実さん
http://nakocco.jimdo.com/

サッカーをすることの楽しさと喜びを伝えたい/南流山少年サッカークラブ/クラブ庶務 大川富士美さん


南流山少年サッカークラブ
クラブ庶務 大川富士美さん

南流山少年サッカークラブ

サッカーをすることの
楽しさと喜びを伝えたい
「南流山少年サッカークラブ」

休日に、南流山の「江戸川河川敷グラウンド」を訪ねると、子どもたちの元気な声が聞こえてくる。「南流山少年サッカークラブ」の高学年チームの練習が行われているのだ。

「南流山少年サッカークラブ」では、南流山地区と鰭ヶ崎地区、その近隣地区の幼稚園児からママさんまで幅広い年代層がサッカーを楽しんでいる。サッカーの楽しさを知り、成長し、そこで生まれた友情はクラブを離れても続いていくそうだ。今回は、クラブ庶務の大川さんに、クラブの活動の魅力について詳しくお話をうかがった。

「南流山少年サッカークラブ」ばどんな経緯でスタートしたのでしょうか?

南流山少年サッカークラブ

クラブの創設は1993 (平成5)年5月5日です。コーチ・スタッフ3名と選手6名で、流山市のなかでは7番目の少年サッカークラブとして発足しました。現在の会長が、なかなか試合に出られない子どもを集めてサッカーの楽しさを教えたいと思ったことがきっかけです。
現在も、「全員が楽しくサッカーに親しみ、技術を向上させていこう」をテーマに活動しています。

在籍しているメンバーの年齢と活動場所について伺えますでしょうか?

南流山少年サッカークラブ

「南流山少年サッカークラブ」は、幼稚園児から小学6年生までの子どもたちと、ママさんチームで構成されています。
練習日は第1・3・5土曜日と、日曜日・祝祭日。園児と小学校低学年の子ども、そしてママさんは「流山市立鰭ヶ崎小学校グラウンド」で、小学校高学年の子どもは「江戸川河川敷グラウンド」が練習場所となります。

南流山少年サッカークラブ

学年別の戦術、多彩な練習メニューがあります。市大会や県大会、招待試合、カップ戦にも参加するなど、できるだけ子どもたちが試合を経験できるように努めています。

「ママさんチーム」についても少し詳しく教えてください。

南流山少年サッカークラブ

市内には7つの少年サッカークラブがあるのですが、いずれもクラブ内にはママさんチームがあります。子どもたちの試合は11人制と8人制ですが、ママさんチームはフットサル形式の5人制。子どもたちだけでなく、私たちも思い切りサッカーを楽しんでいます(笑)。

「南流山少年サッカークラブ」が掲げている目標はありますか?

南流山少年サッカークラブ

決して強豪チームというわけではありませんが、6年生が参加する卒業生大会に優勝させてあげたいというのが会長をはじめとしたコーチ陣の想いです。

南流山少年サッカークラブ

4年生から、具体的にその目標見据えて練習に取り組み、生涯忘れられない思い出をつくってもらえたらと考えています。

子どもたちには、クラブ活動を通じて何を学び、どのように成長してほしいとお考えでしょうか。

南流山少年サッカークラブ

成長とともに、サッカー以外にも興味のあることが出てくると思います。受験が控えていれば、勉強とも両立させなくてはなりません。でも、それでも諦めずに、ひとつのことを続けるという姿勢を大切にしてもらえたらと考えています。

南流山少年サッカークラブ

それと、好きなサッカーができるのは、色々とサポートしてくれる人がいてこその話ですから、休日に指導をしてくれるコーチや、グラウンド整備をして頂いている会長。そしてサッカーをさせてもらっている親御さんに対して、感謝の気持ちを持ってもらいたいですね。アットホームな雰囲気の中でも、挨拶などの礼儀・マナーは重視し、子どもたちにしっかりと伝えています。

練習中の子どもたちの様子はいかがですか?

南流山少年サッカークラブ

仲良く楽しんでサッカーをしていますね。年齢が違っても、いわゆる体育会の上下関係は存在しません。例えば、遠く八王子に引っ越しても、「南流山少年サッカークラブがいい!」と電車を乗り継いて通ってくる子どももいるくらいです。温かい雰囲気のなか、純粋にサッカーを楽しんでいる子どもが多いように感じます。

サッカー以外の活動もされているのでしょうか?

南流山少年サッカークラブ

行政が主導する街の「クリーンアップ作戦」があるのですが、クラブとしては積極的に参加するようにしています。ゴミがなくなり街がきれいになる。そして子どもたちにも楽しんでもらえるわけですから正に一石二鳥です(笑)。

「南流山少年サッカークラブ」を今後どのようなクラブにしていきたいですか?

南流山少年サッカークラブ

“サッカーを楽しむ”という設立当初のテーマを大切にしながら、これからも同じように活動していけたらと思います。新メンバーを募集しているので、まずは気軽に見学にきてもらえたら嬉しいですね。子どもはもちろんですが、ママさんチームのメンバーや、子どもたちと一緒にサッカーをしてくれるコーチも募集中です!楽しい時間を、新しいメンバーとともに分かち合いたいですね。

“子育て”という観点では、南流山エリアはどのように映りますか?

江戸川河川敷緑地

私が子育てをしたときと比べると、最近では行政のサポートや子育て施設は格段に充実しています。たとえば、送迎保育ステーションと市内の指定保育施設とをバスで結ぶ「送迎保育システム」も、そのひとつに挙げられると思います。私が住んでいるマンションにも若い方が増えているので、そうしたことからも子育てのしやすい街だと感じます。

最後に、新しく南流山エリアで生活される方にメッセージをお願いします。

つくばエクスプレス

子育てだけでなく、アクセス性を含めた生活利便性が整っています。松戸エリアにも柏エリアにも近いのに、一方で自然もたくさん残っています。色々な面で便利なのに、落ち着いた環境があるというのが何よりも魅力ですね。

南流山少年サッカークラブ

今回、話を聞いた人

南流山少年サッカークラブ

クラブ庶務 大川 富士美(おおかわふじみ)さん

練習場所:江戸川河川敷グラウンド(小学4~6年生)
       流山市立鰭ヶ崎小学校グラウンド(年長・小学1~3年・ママさん)
練習日:第1・3・5土曜日、日曜日と祝祭日
URL: http://minamisc.com/

※2014(平成26)年4月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

サッカーをすることの楽しさと喜びを伝えたい/南流山少年サッカークラブ/クラブ庶務 大川富士美さん
練習場所:江戸川河川敷グラウンド(小学4~6年生)、流山市立鰭ヶ崎小学校グラウンド(年長・小学1~3年・ママさん)
練習日:第1・3・5土曜日、日曜日と祝祭日
http://minamisc.com/

自然環境にも恵まれている公立小学校

「やる気・げん気・こん気」を大切に、“共に生きる力”を育む。/流山市立南流山小学校/三浦教頭先生


流山市立南流山小学校
教頭 三浦 敦先生

流山市立南流山小学校

「やる気・げん気・こん気」を大切に、“共に生きる力”を育む。
流山市立南流山小学校

流山市の南端、住宅地の開発が進むエリアにある「流山市立南流山小学校」は、現在の児童数が約700名で、周辺開発によりさらなる児童数の増加が見込まれている。学校の周りは住宅や自然が多く、穏やかで落ち着いた環境に囲まれている。
今回はこちらで教頭を務める三浦敦先生に、学校の取り組みや南流山地域の魅力についてお話を聞いた。

まず、「南流山小学校」の歴史や沿革について教えてください。

南流山小学校

本校は1983(昭和58)年に「流山小学校」と鰭(ひれ)ヶ崎小学校から分離・独立して生まれた小学校で、2012(平成24)年に創立から30周年を迎え、翌2013(平成25)年度には記念の航空写真の撮影、ビオトープの改修、「創立30周年を祝う会」など、数々の関連事業も行われました。

流山市立南流山小学校 教頭先生インタビュー

本校は創立当初の児童数が約700名で、一時期は1,000名を超えた時期もあったそうです。最近この周辺の宅地開発が急速に進んでいますので、児童数が再び急増傾向にあります。

今後マンションや分譲地が完成すると、さらに児童数が一気に増えると予想されています。見込みとしては、現在の児童数の2倍近く、1,300名以上になるとも言われています。流山市内では圧倒的に人数の多い小学校になります。

今後の児童数増加を見込んで、何か対応策などは考えられているのでしょうか。

南流山小学校

ここは松戸市に隣接した、流山市でも南端の学区ということがあり、増加数を他校と分担することはなかなかできないです。ですから、校舎の増築をして、この敷地の中で収容児童数を増やせるように対応していこうと考えています。

学校の教育目標についてお聞かせいただけますでしょうか。

南流山小学校

『共(とも)に生きる力の育成』というのが本校の大きな教育目標です。“ひとりひとりではなく、共に”ということで、人と人との“つながり”を特に大切に考えています。
その大きな目標の下には、『やる気』『げん気』『こん気』という3つの言葉を掲げています。まず『やる気』というのは、学習面を中心に、目的をもって頑張るということを目指しています。

南流山小学校

『げん気』というのは、身体だけではなく、心の面も含めての元気ですね。思いやりがあって、たくましくて、命を大切にできる、友達と協力できる人間を目指す、ということです。

『こん気』というのは、粘り強さのことです。これは今の子ども達に特に不足している部分かと思います。飽きっぽい、すぐに諦めてしまう、チャレンジ精神が持てない、などという部分ですね。ですから、粘り強くあきらめない、そんな力を付けさせたいと考えております。

もちろん、こうした目標を実現するのは、子どもたちの頑張りだけではありません。教師自身も自分がどのような力を付けるべきかを考えていきますし、保護者の方々に対しても、親としての願いも聞きながら家庭で付けてほしい力についてお願いをしています。子ども、学校、保護者が一体となって取り組むことが、教育目標の具現化のためには欠かせないと思います。

南流山小学校の教育の特徴的な点などがありましたら教えてください。

本校の教育面での特徴のひとつは、外国語教育かと思います。
現在小学校の5・6年生における英語教育は「外国語活動」となっておりますが、将来的には新たに「英語科」という正式科目になることが決まっています。

南流山小学校

そのために文部科学省では、英語を教科として採用するための研究を行っているのですが、本校はその研究指定校の一つにとして、授業研究などにも取り組んでいるところです。学習の内容の吟味や、評価の方法の検討など、多方面にわたって、「英語科」を教科として成立させるための研究を行っています。

南流山小学校

また、そちらとは別に、流山市からも外国語活動の研究校に指定されております。こうして英語教育の面で本校が注目されているのは、実は本校が1999(平成11)年から、他校に先立ち英語学習を始めていたという点にあります。流山市内には30の小学校がありますが、その中でも最初だったそうです。

南流山小学校

当時の保護者の中に宣教師の方がいらっしゃって、その方が子どもたちへの英語教育に協力してくださったそうなんです。そのような歴史があるため、市の指定を受けておりますし、国の研究についても取り組んでいるというわけです。国と県、ダブルで英語の研究指定を受けているのは、県内では本校だけではないでしょうか。

授業の中で、野菜の栽培や米作りにも取り組んでいるそうですね。

流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー

本校には学校の敷地内に田んぼがひとつ、畑がふたつありまして、地域の農家の鈴木さんという方が全面的に協力してくださっています。もう十数年ほど前から続けています。今年は1年生がサツマイモ、2年生が落花生、3年生がオクラ、4年生がゴーヤ、5年生が米作りをしています。6年生についてはありません。

農作業の時期になると、校庭の中までトラクターやコンバインが入ってきて、鈴木さんが作業をしてくださるんです。子どもたちは田植えや水やり、収穫など、部分的なお手伝いをしながら植物を見守っていきます。

南流山小学校

こうした活動の中でも、特に5年生の米作りは、収穫後に保護者の方々に販売する活動をしており、その収益は教育活動や鈴木さんへのお礼に使用しています。2年生の落花生についても、保護者と一緒にクッキー作りなどを行う「落花生パーティー」というイベントを開いています。

学校の敷地内にビオトープもあるとお聞きしました。

南流山小学校

ビオトープについては、以前に流山市の教育委員会から、流山市内すべての小学校に整備するということで進められたものです。本校のビオトープはその中でもかなり整ったビオトープかと思います。

 

 

もともとは2007(平成19)年に造られたものになりますが、2013(平成25)年度に30周年事業のひとつとして大規模な改修を行い、杭などを打ち直して、きれいに生まれ変わりました。基本的には自然の生態系を再現したもので、授業で活用するというよりは、子どもたちが自由に自然観察を楽しむためのものですね。

「南流(なんりゅう)音楽祭」という大きなイベントがあるそうですが、その他も含め、学内行事についてお聞かせいただけますでしょうか。

「南流音楽祭」というのは学年単位での音楽発表会で、毎年11月に行う本校の一大イベントです。各クラスごとの合唱のほか、音楽部の合奏などもあり、たいへん賑わいます。開催日は土曜日ですので、保護者の方々も大勢参観してくださいます。このほか、10月の運動会も土曜日に行っておりまして、これも大きな行事となっています。

各学年で校外学習として県内外各地に出かけているそうですが、どのような行き先があるのでしょうか。

流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー

校外学習については、全学年ごとに行っており、1年生は埼玉県の「東武動物公園」、2年生は茨城県の「大洗水族館」、3年生が栃木県の宇都宮にある「子ども総合科学館」、4年生が千葉県の「房総のむら」という博物館に行きます。

国会議事堂

5年生は群馬県の赤城で2泊3日の林間学校がありますし、6年生は修学旅行で栃木県の日光に行きます。そのほか、社会科見学などもあり、4年生は流山市のクリーンセンター見学、6年生は「国会議事堂」見学などにも行っています。

近隣の幼稚園や中学校との連携体制、協力事業などがありましたらお聞かせください。

南流山小学校

幼稚園に関しては、入学予定の年長さんを対象に、入学前に学校に来てもらい、本校の1年生が学校の案内を行っています。

隣接している南流山中学校については、生徒会と児童会がタイアップをして、地域の清掃活動などを行っています。また、6年生を対象に中学校の部活動体験会があり、それも恒例になっています。

地域の方々との交流や、一緒に協力して行う事業などがあればお聞かせください。

流山市立南流山小学校 三浦教頭先生インタビュー

一例としましては、1年生の生活科の学習に、「昔あそび」という授業の日があり、この時には南流山の社会福祉協議会の方や、木(き)地区の農家組合の方に来て頂いて、昔のベーゴマや、メンコなどの遊びを楽しんでいます。

 6年生の社会科では、地域の方を講師としてお迎えして、室町文化の体験などをしています。この時には茶道に触れたり、草木染めをしたりという内容を行っています。その他にも、学習サポートやボランティア活動を通して、沢山の地域の方や、保護者の方に支えていただいています。

最後に、南流山地域の魅力についてお聞かせください

南流山駅

やはり「交通の便が良い」というのが第一にあるかと思います。「つくばエクスプレス」と「武蔵野線」の2つの路線が使えますので、都心方面はもちろんですが、埼玉方面にもスムーズに移動ができます。それから、新しい住宅地が多いですから、施設やお店にも近代的できれいなものが多いと思います。

江戸川河川敷緑地

自然という面では、学校から少し離れた場所ですが江戸川もありまして、自然の植物も多く見られます。公園も多くありますし、子育て世代にとってはバランスがよく取れていて、恵まれた環境と言えるのではないでしょうか。

流山市立南流山小学校 教頭先生インタビュー

今回、話を聞いた人

流山市立南流山小学校
教頭 三浦 敦さん

流山市立南流山小学校
住所:千葉県流山市大字木487
電話番号:04-7159-2521
URL:http://www.nagareyama.ed.jp/nanryusyou/

※2014(平成26)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

「やる気・げん気・こん気」を大切に、“共に生きる力”を育む。/流山市立南流山小学校/三浦教頭先生
所在地:千葉県流山市木487 
電話番号:04-7159-2521
https://schit.net/nagareyama/nanryusyou/

仕事を持ちながら育児を頑張る親御さんの心強い味方/ふじみ野市立上野台保育所 所長 坪田 志津子さん


ふじみ野市立上野台保育所
所長:坪田 志津子さん

仕事を持ちながら育児を頑張る
親御さんの心強い味方

「上野台保育所」の創立は1966(昭和41)年。東武東上線「上福岡」駅から徒歩10分に位置する公立の保育所です。現在上福岡エリアは大型のマンション建設やショッピングセンターの開業等、大きく様変わりしている段階。今回は創立47年という長い歴史を持つ保育所所長の坪田さんに、変わりつつあるこのエリアの育児事情や環境について伺いました。

上野台保育所は創立47年の歴史ある保育所ですが、園舎は新しいですね。

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

2006(平成18)年に建て替えました。その前は市役所のすぐ近くに「旧上野台保育所」がありましたが、建て替えのタイミングで現在の場所に移転しています。当時の写真は玄関に飾ってありますよ。

保育所において、昔と今とで一番変わったことは?

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

やはり昔と比べると、保護者のお母さんたちが大変になってきていると感じます。当園は駅からも近い場所に位置しているので、都内などに通勤される親御さんも多いんです。その場合は早朝から夜まで保育園を利用されている子どもが多いですが、昔はほとんどいませんでした。

当園は現在朝の7時から20時まで子どもをお預かりしています。かなり長時間の保育に対応していますが、現在の場所に移転する前は、そこまで長時間の保育には対応していませんでした。やはり時代とともにそういったニーズが増えているんですね。ふじみ野市内の公立園で20時まで対応しているのは当園と、駅に一番近い「霞ヶ丘保育所」だけです。

近年この周辺は再開発が進んでいますが、待機児童の状況はいかがですか?ふじみ野市は待機児童対策にとても力を入れていると伺いました。

ふじみ野市立上野台保育所 インタビュー

そうですね。でも実際当園でも待機しているお子さんはいらっしゃいます。園の周辺でもマンション建設が進んでいますので、これからさらに児童が増えるかもしれません。その対策として、来年度は新たに民間の保育園もできると聞いています。

そういった時代の流れで、上野台保育所が目指していることはどんなことでしょうか。

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

私たち公立の保育所の役割としては、子どもたちに過不足のない保育環境を維持していく“指標”でありたいと考えています。私たちが確かな基準を保つことにより、民間保育園もそれに倣って保育環境を良くしようと考えるのではないでしょうか?逆に私たちが保育環境を落としてしまうと、民間園も一緒に落ちてしまう危険性があると思います。

ちなみに当園は「上野台保育所」ですが、ふじみ野市では公立の認可保育施設を「保育所」とし、民間の認可保育施設を「保育園」と呼びます。ですから私も園長ではなく所長です。

こちらの園独自の行事や保育などがあれば教えてください。

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

環境としては同じ敷地内に「支援センター」を併設しています。こちらは子育て支援の拠点として、子育て中のママたちのコミュニティの場になっています。平日は毎日開放し、避難訓練などは園の子どもたちと一緒に参加していただいています。

こちらの上福岡エリアは子育て環境としていかがですか?

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

すごく閑静ですし、公園も豊富にあって、子どもを育てるにはいいエリアですよね。春になると桜が咲く大きな木があって、夏は木陰がある。夏には「上福岡七夕祭り」という大きなお祭りがありますが、毎年当園の年長さんが踊りに参加しています。「ソーラン節」を踊っていますが、これは私どもではなくPTA組織の方々がやってくれます。

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

普通の園ですと役員の親御さんが「保護者会」として活動していると思いますが、当園では「PTA組織」となります。私たち職員もPTAの一員として活動していますが、保育園でPTAがあるのは、全国的にも珍しいかもしれませんね。当園は先ほども話した通り独自の行事はありませんが、PTA組織が率先して行事を企画している面があります。

具体的にどのような行事がありますか?

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

例えば市内にある上福岡地区の保育園5園合同による運動会があります。春には園ごとに職員も含めた交流会、秋は豚汁をつくるお楽しみ会なども企画されていますね。あとは「学習会」というものがあり、親子で手話を習ったり救急法を勉強したりしています。

最後に、園としての今後の課題がありましたら教えてください。

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

保育参観などの際、保護者の方から「先生が子どもに対する接し方をみると『こうすればいいんだ』と、とても参考になります」という意見をいただきます。食事の面でもアンケート調査をすると、みなさんすごく栄養バランスを考えて頑張っている。保護者の方も忙しいながらもすごく一生懸命子育てをしていることが良くわかるんです。私たちはそういった保護者の方をサポートし、素晴らしい子どもたちを一緒に育てていきたいと考えています。

ふじみ野市立上野台保育所インタビュー

今回、話を聞いた人

ふじみ野市立上野台保育所
所長:坪田 志津子さん

住所:埼玉県ふじみ野市上野台1-1-2
電話番号:049-261-2841

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

仕事を持ちながら育児を頑張る親御さんの心強い味方/ふじみ野市立上野台保育所 所長 坪田 志津子さん
所在地:埼玉県ふじみ野市上野台1-1-1 
電話番号:049-261-2841
保育時間:8:00~16:00
延長保育:7:00~8:00、16:00~18:00
有料延長保育:18:00~20:00(平日のみ、19:00~20:00は1歳児~)
http://www.city.fujimino.saitama.jp/doc/..

小学校跡地を活用した地域交流拠点

ママや子どもも参加しやすいフラダンスサークル/フラハラウ・オー・レフア・メレメレ 代表 佐藤貴子さん


Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ)
代表 佐藤貴子さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)

初めてでも基本ステップから細やかに指導
ママや子どもも参加しやすいフラダンスサークル

「Hula Halau `O Lehua Melemele」は検見川浜をはじめ、JR京葉線沿線で活動している人気のフラダンスサークル。子育て世代の女性を中心に口コミで評判を集め、今では子ども向けクラスも開講している。代表でインストラクターの佐藤貴子さんは、ハワイで活躍するクムフラ(フラダンスの先生の意)に師事し、現在も定期的に日本やハワイで指導を受けているという情熱家。クム直伝の美しい踊りは、その明るい人柄とともに大勢の生徒たちから支持されている。海が大好きという佐藤さんにフラの魅力、そして検見川浜エリアの魅力について伺った。

佐藤さんがフラダンスを始めたきっかけ、
またサークルを始めようと思ったきっかけはなんですか?

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビュー

旅行でハワイを訪れた時に、たまたま現地の子どもたちがフラを踊る姿を見たのが、始めたきっかけです。子どもたちのフラがすごく自然で心からの笑顔がとても魅力的に見えて、自分もフラをやりたいと思い、日本へ帰ってから初めはカルチャーセンターの教室に通い、その後今も指導を受けているハワイのクム(先生)の初めての日本校に生徒として通うようになりました。

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビューハワイに咲くレフアの花

最初は先生になるつもりは全くなかったのですが、大会へ出るなど経験を積む中で、クムに背中を押してもらい、サークルを開くことになりました。サークル名の 「レフア・メレメレ」とは、ハワイに咲くレフアという花で、クムの好きな黄色のレフアの花を意味しており、クムから付けていただいた名前です。

検見川浜や海浜幕張などで活動されているそうですね。

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビュー

私が検見川浜の真砂に住んでいまして、自宅マンションの集会室から最初のサークルをスタートさせ、それから知人のつてなどで公民館などに場所を借りるようになって、現在は京葉線沿線の検見川浜、海浜幕張、新浦安、稲毛海岸、蘇我などでレッスンをしています。生徒の皆さんが口コミで知り合いを連れてきてくれて、ここまで広がりました。その他に、千葉のコープみらいカルチャーセンターでも教えています。

普段の練習以外に、イベントや発表会などで踊ることもあるのでしょうか?

フラダンス教室

はい。新浦安の「オリエンタルホテル」や海浜幕張のホテルレストランのハワイアンショー、「ディズニーリゾート」や舞浜の「イクスピアリ」のイベント、船橋や横浜港大さん橋、お台場のハワイアンフェスティバルなど多数出演しています。群馬県伊香保で開催される「伊香保ハワイアンフェスティバル」には毎年、親睦会を兼ねて泊りがけで行きますが、すごく楽しいですよ。

 

イベントへの出演は月に1~2回くらいで、シーズンによってはもっと多いこともあります。生徒さんに声を掛けて、希望者が多ければ申し込んでいます。イベントへの出演は強制ではないので、レッスンを楽しむだけでももちろん結構です。2013(平成25)年には、サークル開設5周年を記念して、地元の「千葉市美浜文化ホール」で発表会を開催しました。

検見川浜クラスの概要について教えてください。

真砂コミュニティセンター

検見川浜では、自宅マンションと「真砂コミュニティセンター」の二カ所でレッスンをしています。自宅マンションの方は月に1回、カヒコ(古典フラ)を教えていまして、生徒さんの中でも特にカヒコを習いたいという方が対象です。「真砂コミュニティセンター」は火曜の17時半からがケイキ(子ども)サークル、19時から21時までが大人の女性のサークルです。駅から近いので、お仕事帰りの方も参加しやすいよう夜の時間に行っています。

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビュー

フラは恋愛を表現した曲が多いこともあり、私は子どもに教える曲と大人に教える曲は別々にするべきだと考えています。曲の意味を大事にして理解してからでなければ、きちんと伝わりません。ですので、ケイキクラスでは楽器を使ったりしながら、子どもらしい曲を教えています。

検見川浜の生徒さんはどのような方が多いですか?

フラダンス

ケイキは小学生、大人は30代後半から40代くらいまでのお仕事をされている方ですが、全般的には子育て世代のママが中心ですね。別の場所で開いている昼間のクラスでは子連れOKにしているので、夏休みや冬休みにお子さん連れで参加される生徒さんも多いですよ。

初心者でも参加できますか?

フラダンス

ベーシックステップというステップだけの練習がありまして、初心者の方やステップが苦手な方には別枠でそのステップだけ教えて、通常の練習にスムーズに入れるようにしています。時間がとれないという方にも、レッスン中に基本ステップを少しずつ教えていきます。結局、初心者コースを作ってもその時間に合わなければ、レッスンを受けられないので、自分が通えるクラスに入っていただき、途中からでも安心して踊れるようにきめ細やかにステップレッスンをするという方針です。他の生徒さんも温かく迎えてくれるので、全く心配はいりませんよ。

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビュー

見学や体験は随時受け付けていますし、中途入会もできます。レッスン着は自由で、入会したばかりでパウスカートを持ってない方にはレンタルしますし、作り方も教えています。購入したいという方には安く買えるお店の紹介もしています。自分も子育てをしながら教室に通う大変さを経験してきたので、生徒さんにはあまり負担がかからないようにしています。現在も入会者を募集していますので、ぜひ遊びにいらしてください。

フラダンスの魅力、またフラを教えていて嬉しいことや
大事にしていることを教えてください。

ハワイ イメージimage photo

フラの一番の魅力は曲に癒されるということ、踊っているだけで心から笑顔になれるということです。そして、激しい動きではないけれど足腰の鍛錬になるし、手と足を同時に別々に動かすので脳トレにもなります。姿勢がよくなるので、先日もある生徒さんからフラのおかげで腰痛が楽になったと伺いました。もちろん、年配の方でも無理なくできます。

フラダンス 先生

フラはハワイの伝統文化なので、その文化を尊重し謙虚な気持ちで学び、ハワイのクムの教えを忠実に伝えていきたいと思っています。クムを心から尊敬しているので、クムから習ってきたこと、私が見て感動したクムの踊りを生徒にそのまま伝えられるように努力しています。全く踊れなかった生徒たちが踊れるようになっていくのを見るのは嬉しいですし、フラを踊っている時にみんなが笑顔になるのを見るのが何より幸せですね。

佐藤さんご自身も検見川浜・真砂エリアにお住まいとのことですが、
このエリアの魅力はどのようなところでしょうか?

浜辺のサイクリングロード

緑や公園が多くて散歩をするのにいいですし、車の渋滞がありません。それでいて、海浜幕張や稲毛のにぎやかな商業施設へもすぐに出られますし、暮らすには十分なショッピングセンターが徒歩圏内にあります。花見川沿いのサイクリングロードを走っていくと、そのまま海へ出られるんですよ。「千葉市美浜文化ホール」があるので、コンサートや演劇も気軽に楽しめます。海浜病院をはじめ病院も多いので、緊急時の心配もいりません。暮らすのに快適で、静かな住環境ですよ。

この周辺のおすすめスポットがあれば教えてください。

カフェ イルマーレ 検見川浜店 (CAFE IL MARE)

一番のおすすめは「検見川の浜」です。海の音と音楽を聴きながら日焼けをするのが大好きで、よく癒されに行きます。私は海の香りがする場所にしか住めないんですが(笑)、このエリアはたまに潮の香りがして、自転車でも歩いてでも海へ出られますし、本当に海がすぐそばに感じられます。それから、駅前の「ショッピングセンターPIA」の1階にあるイタリアンレストラン「カフェ イルマーレ 検見川浜店 (CAFE IL MARE)」は、パスタやワインがすごくおいしくてお気に入りです。

これから検見川浜・真砂エリアに住もうと考えている方へメッセージをお願いします。

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビュー

幼稚園や小学校が近く、公園や病院もたくさんあって、子育てにはすごくいい環境です。近隣の商業施設へも自転車で行けます。そうした大型施設が近くにありながら、住むには静かな住環境が確保されている、本当に住みよい街ですよ。

★生徒のみなさんに聞きました!★

フラダンス教室 生徒さん

Q1.このフラサークルに参加されたきっかけはなんですか?
・見学の時に見た先生の踊りがとても心がこもっていて、初めてでも温かく受け入れてくださったからです。
・先生の踊りがとてもきれいだったので、こんな風に踊れるようになりたいと思いました。

Hula Halau `O Lehua Melemele (フラハラウ・オー・レフア・メレメレ) 代表 佐藤貴子 さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)インタビュー

Q2.フラサークルに参加していて楽しいことや魅力はなんですか?
・フラを通して気が合う仲間といろいろなお話をするのはもちろん、目的を持ってレッスンするのも楽しいです。
・最初は一人でレッスンに参加しましたが、今は友達が大勢できました。毎週レッスンが待ち遠しいです。
・このサークルの魅力はなんといっても先生。踊りがとにかくきれいで、ステップも一からじっくり教えてもらえます。子連れで参加していた時代を経て、今では2人の子どもも先生に教えていただいています。

ららぽーとTOKYO-BAY

Q3.この周辺の子育て環境の良さはどのようなところですか?
・歩いて行けるところに小学校、幼稚園や保育園がたくさんあります。一時預かりしてくれる保育園も多いです。
・公園がたくさんあるので、子どもを遊ばせる場所には困りません。
・学力レベルがとても高く、塾もたくさんあります。
・「ららぽーとTOKYO-BAY」や幕張新都心など、子どもを連れて行けるところがいっぱいあります。車を使っても、道が混んでいないのがすごくいいなと思っています。

検見川の浜

Q4.検見川浜エリアの魅力はどんなところですか?
・都会すぎず田舎すぎず、東京まで電車で30分と、どこへでもアクセスしやすいですね。テニスコートや野球場がたくさんあり、ジョギングや犬の散歩をされている方も多く、海が美しい。そんな環境に恵まれた、とても暮らしやすい街です。

フラダンス教室 佐藤さん

今回、話を聞いた人

Hula Halau `O Lehua Melemele
(フラハラウ・オー・レフア・メレメレ)

代表 佐藤貴子さん(“Ka ‘ulunohea” Takako)

検見川浜クラス: 
千葉県千葉市美浜区真砂4-1-7(真砂コミュニティセンター)
千葉市美浜区真砂5-21-18(ゼファー検見川浜)
URL:http://lehuamelemele.web.fc2.com/index.html
お問い合わせ先:lehua_melemele@yahoo.co.jp
Facebookページはこちら

※2015(平成27)年3月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

ママや子どもも参加しやすいフラダンスサークル/フラハラウ・オー・レフア・メレメレ 代表 佐藤貴子さん
所在地:千葉県千葉市美浜区真砂2-3-1 
電話番号:043-277-2512
利用時間:9:00~21:00
休館日:年末年始(12/29~1/3)
http://www.chibamasagocc.com/

広いお庭での外遊びが活動の基本/千葉市立真砂第三保育所 所長 原田留美子先生 


千葉市立真砂第三保育所
所長 原田留美子 先生

広いお庭での外遊びが活動の基本


食育やお散歩も充実した認可保育所

真砂五丁目周辺は、徒歩圏内に複数の認可保育所や幼稚園があり、子育て環境に恵まれたエリア。中でも「千葉市立真砂第三保育所」は広々とした所庭が特長の市立認可保育所で、子どもたちは1日の大半を屋外でのびのびと過ごしている。食育や地域活動などにも熱心というこちらの保育所で、今回は所長の原田留美子先生に地域の魅力も含めてお話を伺った。

「真砂第三保育所」とはどのような施設なのでしょうか。

千葉市立真砂第三保育所教室

開所は1975(昭和50)年で、美浜区では比較的古い公立保育所です。園舎は2階建てで、3歳未満児が4クラス、3歳以上児が3クラスあります。随時変更はありますが、今は135名のお子さんをお預かりしています。平常保育は7時から18時まで、延長保育は18時から19時までです。

保育方針についてお聞かせください。

千葉市立真砂第三保育所ひよこぐみ

千葉市の保育指標である「太陽の子を育てる」と、保育目標である「豊かな心と創造力を培い未来を拓くたくましい子どもを育てる」を基本に、地域性や実際の子どもたちの姿をふまえた重点施策を立てて取り組んでいます。施策の一つめは、まず子どもの気持ちを受け止めて情緒の安定を図ること。その際、子どもの生活を保育所だけで考えるのではなく、「早起きして寝不足なのかな」など、24時間を視野に入れて対応するように心がけています。

千葉市立真砂第三保育所 外遊び

また、年齢や興味に合わせて、遊びの面でもできるだけいろいろな経験をさせてあげるようにしています。そのため、毎日クラスごとに職員がその日の保育活動を振り返り、気になる子どもや成長したなと思うことなどの情報を共有して次に生かしています。
3歳以上児のクラスはすべて縦割りなので、普段から3~5歳児が一緒に過ごしています。大きい子が小さい子の面倒を見て、小さい子は大きい子の遊んでいる姿を見て育つので、異年齢交流がお互いにいい作用をしているかなと思います。

毎日の食事にも力を入れていらっしゃるそうですね。

千葉市立真砂第三保育所 給食室

給食室を備えているので、食事とおやつは保育所内で作っています。長い時間お子さんをお預かりすることも多いので、ご飯ものなど腹持ちのいい食事、それから手作りゼリーやケーキなども出しています。栄養士とも密に話し合いをしながら、離乳食を月齢でどんどん進めるのではなく、食べ具合を見ながら進めるという風に、子どもの成長に合わせた内容にしています。

千葉市立真砂第三保育所 畑

食育という面では、所庭の畑に子どもたちと野菜を植え、それを育てて収穫したものを一緒に給食室へ運んで調理してもらっています。つい最近もブロッコリーを収穫し、ジャガイモを植えたばかりです。この間は畑で育てたコーンを干して、「ポップコーンパーティ」を企画したんです。何種類も味が違うポップコーンを用意して、いつもと違う雰囲気を楽しみました。

所庭がとても広いですが、屋外活動についてはいかがですか?

千葉市立真砂第三保育所 外遊び

午前中、そして夕方のおやつの後など、外遊びが活動の基本と言えるぐらい、子どもたちは本当によく外へ出ていますね。所庭がすごく広いので、すべての子どもが外に出て遊べますし、いろいろな遊びができます。自由に活動してもらったり、年齢や必要に応じて遊具を使ったりもしますが、基本的には一人ひとりの興味のある遊びを大事にしています。子どもは外で遊ぶことによって得るものがたくさんあると思います。特に小さい年齢の子どもたちには探索活動を大切にして、子どもの示す欲求に大人が適切に対応するようにしています。

千葉市立真砂第三保育所散歩 

周辺が公園に恵まれているので、散歩にもよく出かけます。この辺りは交通量が少なく、歩道もきちんと整備されているので散歩も行きやすいんです。4~5歳児は日常の活動で近くの海へも出かけます。少し距離があるので年に数回ほどですが、貝殻を拾ってきたりしますよ。

特長のある行事やカリキュラムはありますか?

千葉市立真砂第三保育所 パセリ

3歳未満までは完全給食で、3歳以上になるとご飯だけ持ってきてもらっているのですが、年に2回ほど3歳以上の子どもたちにも完全給食の日を設けています。先日はカレーバイキング風にして、キーマカレーとチキンカレーの2種類から好きな方を選んで食べてもらいました。また、3歳以上の子どもが遠足に行く時は、お弁当を持っていきます。いつもの公園でも、お弁当を広げて食べるというだけで子どもたちの気持ちが全然違ってきますよ。先ほどのポップコーンパーティもそうですが、当保育所ではこうした楽しい行事に力を入れています。

「親子ふれあいデー」について教えてください。

千葉市立真砂第三保育所 教室

保護者とお子さんが親子で一緒に遊んで楽しんでもらう日で、3歳未満児・3歳以上児それぞれ年に3回ずつ実施しています。毎日のお便りで知らせても、保護者には実際の保育の様子はイメージしにくいものです。そこで、手遊びなど保育所で普段行っている遊びを通して親子に触れ合ってもらい、保護者にここでの保育を知っていただこうという趣旨です。給食の時間には試食をしてもらい、給食の味を知っていただく機会にもなっています。参加率はほぼ100%で、保護者の皆さんにも喜んでいただけているのではないかと思います。

親御さんの子育ての悩みや相談事などに対しては、
どのようにフォローされていますか?

千葉市立真砂第三保育所 ベッド

毎日お便り帳をやりとりし、日頃困っていることを書いてくださった親御さんとは、送り迎えの時などにできるだけ早く直接話をするようにしています。その際、一方的にこうした方がいいと言うのではなく、まずは保護者の思いや話を聞くことを大事にしています。働いている親御さんばかりですので、毎日は会えないのですが、会えた時にはその日あったことなどを一言添えるように心がけていますね。

地域との関わりや活動にも積極的に取り組まれているそうですね。

千葉市立真砂第三保育所外遊び

月1回程度、地域で暮らす親子に遊びに来てもらって一緒に遊ぶという活動をしています。特別に何かをするというのではなく、体操など日頃の保育活動に加わってもらい、栄養士の手づくりおやつを試食してもらうこともあります。保育所の子どもたちの保育や保護者の支援だけでなく、広く地域の方々の子育ても支援しようというのが目的です。ポスターでお知らせしていて、多い時で10組くらいの親子が参加されます。3歳未満の子どもとそのお母さんが多いですね。また、随時所庭開放もしていて、所庭で保育所の子どもたちと一緒に遊んでもらっています。

千葉市立真砂第三保育所 卒業

このほか、年長の子どもたちは近くの高齢者向け施設で歌や踊りを披露したりして、おじいちゃん・おばあちゃんと触れ合う機会も増えてきました。すごく喜ばれていて、子どもたちも嬉しそうに出かけていきますよ。

最後に、保育所周辺の環境の魅力を教えてください。

検見川浜ベイサイドモール フェリア

とても静かな環境で、すぐそばにはスーパーマーケットもあります。駅が近くて、「検見川浜」駅前にはPIAやイズミヤなどのショッピングセンターもあるので、とても便利で住みやすいところだと感じています。子育て環境としても、公園や小児科がたくさんあります。

花見川緑地交通公園

保育所の隣も芝生の公園なので、暖かくなると、小さなお子さんを連れたお母さんたちがよくお昼にお弁当を食べたりしていますよ。すぐそばには幼稚園も2つあって、小学校や中学校も近いです。保育所は小学校との関わりが大きいので、年長組が小学校に招かれて一緒に遊んだりといった交流もありますよ。

千葉市立真砂第三保育所所長

今回、話を聞いた人

千葉市立真砂第三保育所

所長 原田留美子 先生

所在地:千葉県千葉市美浜区真砂5-44-1
電話番号:043-278-3993
URL:http://www.city.chiba.jp/kodomomirai/kodomomirai/unei/list_hoiku.html#mihama

※2015(平成27)年3月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

広いお庭での外遊びが活動の基本/千葉市立真砂第三保育所 所長 原田留美子先生 
所在地:千葉県千葉市美浜区真砂5-44-1 
電話番号:043-278-3993
https://www.city.chiba.jp/shisetsu/akach..

交換授業などの特徴ある教育を行う公立小学校

家庭や地域の教育力、静かで落ち着いた環境が子どもたちを育てる/調布市立上ノ原小学校 濵松章洋校長先生 


「調布市立上ノ原小学校」は静かな住宅街の中にあり、子どもたちは落ち着いた環境で勉強やスポーツに励んでいる。市内で最も児童数が多い学校のため、学年の先生全員がスクラムを組み、自分の学年は全員担当するという気持ちで学級運営に当たっているという。また、豊かな食生活を送ることが生涯の幸せに繋がるという思いで、給食にも力を入れている。そんな「調布市立上ノ原小学校」について校長の濵松章洋先生にお話を伺いました。

子どもの数は命の数、そして心の数

濵松章洋校長先生

調布市全体で子どもたち一人一人を大切にしていこうという方針を決めています。子どもの数は命の数、同時に心の数だから、本当に一人一人を大切にしていくとはどういうことなのかを考えていこうといつも言っています。子どもたちには、意欲を高めて学習に取り組んでもらいたいのと、あいさつなど、感謝の心を持つような子どもになってほしいと思っています。

小学校の校舎

学年全員が自分の担当

授業の様子

1年生から4年生までが5クラス、5年生と6年生が4クラスずつの計28学級全924人の児童が通っています。お預かりしているお子さんの人数が多いので、事故やけががないようにということに気をつけています。先生たちには、学年を一つの単位として見て、力を発揮する場は自分の学級だけではなく、どの学級も自分の学級だと思っていましょう、自分の学年は全員担当する、自分が守っていくんだという意識をもちましょうと言っています。

読書に励む子どもたち

豊かな食生活は豊かな人生に繋がっていきます

食育に力を入れている

特徴的な行事としては、11月下旬に行う持久走大会があります。学校を出て近くの公園まで行って戻ってきます。1年生は学校の中だけですが、学年に応じて距離が伸びていきます。また、食育週間を設定するなど給食に力を入れているんです。1日3食を一生食べていくわけですから、楽しい食事、豊かな食生活をおくれば幸せになれると思うんです。生涯にわたって食に関心が持てるような人になってもらいたいんです。そのために、栄養士さんが献立の工夫を書いた給食の紹介を毎日作ってくれたり、行事ごと、季節ごと、節句ごとに工夫された給食が出てきたリ、子どもたちが給食をリクエストしたりしています。

栄養士さんが書いた献立紹介

和食が世界文化遺産に登録された時から、「話食(わしょく)」というものを心がけています。教室や家庭で子どもたちが給食の事を話す、その遠い先には楽しい食生活が待っていると思っています。話をしてもらうには提供する話題、工夫されている意外性などが必要になってきますので、栄養士さんが給食の紹介を書いたり、先生が自分が食べた物の経験を話したり、私が学級に行ってその日の給食の工夫を話したりしています。それを聞いて子どもたちが驚いたとか嫌いだったけどなんかおいしそうだと思ったとかを、友達同士で話したり、家庭で話したりしてほしいんです。

工夫たっぷりのトマト坦坦麺

例を挙げると、例えばトマト担担麺というメニューがあったんですが、ひき肉がのっていて食べたらとてもジューシーだったんです。なんだろうと思ってレシピを見たら、実は高野豆腐を細かくしたのが入っていました。旨味を吸い込んでいてお肉だと思って食べていたものが実は、食物繊維も摂れていたという話を子どもたちにしたところ、「えーそうなんだ!」と驚いて、さっきまでと料理を見る目が変わりました。それをホームページに載せることで保護者の方も見てくださっています。ホームページには「話食」の取り組みとして、食育週間の給食の写真と私の食レポを載せています。先生の価値観によって給食指導は変わってしまいがちですが、本校ではそれを同一歩調でやっています。好き嫌いがあったら嫌いな物でも食べろ!と言うのではなく、「話食」を通して、一口食べてみようかなという気持ちになってもらう、そういう指導をしています。

先生の得意科目を活かした交換授業を行っています

社会科の勉強中

日本の子どもたちは学習意欲が低いと言われています。本校では学習意欲をもっと高めていくために、各学年で交換授業というものに取り組んでいます。一部教科担任制です。例えば社会科に力を入れて勉強している教員がいたら、1組も2組も3組もその教員が教えるといった、得意科目を生かした取り組みです。高学年の理科や社会では頻繁に行っています。生活科を合同でやったりもしていて、それが質の高い授業になっていきます。

「オリンピック教育推進校」としてどのようなことをされていらっしゃいますか?

オリンピック教育に取り組んでいる

「オリンピック教育推進校」に指定されたことから体育の用具を充実してもらっています。今年度はFC東京の選手に来て頂いて講演をして頂きスポーツに対する興味を高めますが、来年度もアスリートの方を呼ぶイベントを行いたいと思っています。オリンピックやパラリンピックは単なるスポーツの大会というわけではないですよね。本校は昨年度まで2年間東京都の「人権尊重教育推進校」でしたので、オリンピックやパラリンピックを通じて人権について考え、人権週間や人権標語に取り組んでいきます。障害者に対する偏見や差別をしない、させない、ゆるさないということを子どもたちに考えさせています。また、国際理解として各国の特徴など、図書を充実させるために予算を使っています。

礼儀正しい子が多い印象です

しっかりあいさつをできる子が多い

学校の帰りに「さよなら、気を付けて帰るんだよ」っていうと、「ありがとうございます」と返事をしてくれるんです。誰がしつけた訳でもなく自然に出てくるんです。また、放課後にプリントを忘れたなど、電話で問い合わせてくる子がいるんですが「~先生いらっしゃいますか?」や「わかりました。ありがとうございました」という丁寧な言葉づかいなんです。これは家庭や地域の教育力がすばらしいということだと思います。そういう子がたくさんいるから、聞いていた子も同じようにやるんでしょうね。

地域の方も子どもたちを見守ってくれています

一緒に子どもたちを見守ってくれる「上ノ原まちづくりの会」

地域には「上ノ原まちづくりの会」という団体があって、学校の清掃活動をしてくださったり、地域のごみを集めて学校で分別して処分したり、盆踊り大会を開催してくださっています。登下校時には会の方が薄黄緑のジャンパーを着て通学路に立って見守りをしてくれています。本当にありがたいです。会の皆さまは、学校の外では地域の人が子どもたちを守るから、学校は学校の中の事に集中してやってくれと仰ってくれています。毎年入学式には新入生にそのジャンパーを見せて、薄黄緑のジャンパーを着た人がいたら、みんなの事を守ってくれる人だから元気にあいさつしましょうと言っています。終業式の直前になると全校集会で「雨の日も風の日もまちづくりの会の方々は立ってくださった。みんなはどういう風にあいさつしたらいいかな」って私はそこまでしか言わない。すると子どもたちが「1学期ありがとうございました。来学期もよろしくお願いします」って言ってくれたと、校長室に報告に来られたんです。その時はとてもうれしかったし誇らしかったですね。

調布市立上ノ原小学校

調布市立上ノ原小学校

濵松章洋校長先生
東京都調布市柴崎2-26-1
TEL:042-485-1271
※この情報は2015(平成27)年9月時点のものです。

「鮨 あらい」 店主 新井豊さん インタビュー

住宅街で出会う格調高き味/「鮨 あらい」 店主 新井豊さん


2009(平成21)年4月に暖簾をかかげた「鮨 あらい」は、地域に根ざした店を志向し、味だけでなく居心地のよい雰囲気づくりを何よりも心がけている。お酒に合うおつまみ、握り、お椀、デザートまでのコースが基本となるが、握りだけでも対応してもらえる良心的なお店だ。今回はそんな「鮨 あらい」の店主、新井 豊さんに、どのようにして寿司職人を志し、独立にいたるのか。店主の歩んできた道程を振り返るとともに、料理に対するこだわりを伺った。

スタイルを構築する下積み時代

店主 新井さん

「鮨 あらい」の店主、新井さんは子どものときから料理が好きで、小さい頃から料理人を目指していた。学業を終えてから、蕎麦屋で働きはじめ、仕入先の魚河岸で見かけた寿司職人に憧れを抱くようになり、20歳のときに寿司職人へと転向した。

職人の世界は先輩が丁寧に教えてくれるというものではないので、必要なことは見て覚え、技術・考えを取捨選択しながら自分のスタイルを築いてきた。純然たる江戸前鮨を提供する店で働き、その後はニューヨークスタイルの新しい鮨を学ぶため「NOBU TOKYO」に移ることに。ただ、そんな中でも、独立するのであれば、伝統的な江戸前鮨で勝負しようという考えは持ち続けていたと言う。

地域に根差した店づくり

にぎり

数店舗で修業を積んだ後、「住宅街で地域に根ざした店を出したい」と義父に相談したのがきっかけで、粕谷に「鮨 あらい」を開くことになる。駅から距離を置き、落ち着いた雰囲気に包まれた店は地元の方を中心に人気を集めている。

店の周辺には自然や農地が残されている。地元で採れた鮮度の良い有機農法や無農薬栽培といったこだわりの野菜を料理に使っているのも「鮨 あらい」のおいしさの秘訣だそうだ。

おもてなしの心

一品料理

新井さんは仕事の上で、お客さんにゆっくりと落ち着いて楽しんでもらいたいと「おもてなしの心」を大切にしていると言う。おもてなしに加え、もちろん味にも定評があり、“銀座に行かなくても、それ以下の値段で同じものが食べられる”と言うお客さんも多いようだ。その噂を聞いて、時には遠方からもお客さんが訪れる。

内観

「仕入れによって状況は日々変わり、その瞬間に最高の仕事ができるように努めたい」と、語る新井さんの誠実な人柄も「鮨 あらい」の魅力のひとつだろう。美味しい鮨を食べたくなった時は是非、気軽に足を運んで頂きたい名店だ。

住宅街に出会う格調高き銀座の味

鮨 あらい

店主 新井 豊さん
世田谷区粕谷4-19-8 ハスミビル1F
TEL : 03-5313-7423
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:水曜日
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

住宅街で出会う格調高き味/「鮨 あらい」 店主 新井豊さん
所在地:東京都世田谷区粕谷4-19-8 ハスミビル1F
電話番号:03-5313-7423
営業時間:17:00~23:00
定休日:水曜日

杉並区初の「施設一体型小中一貫教育」。 「杉並和泉学園」のこれからとは/杉並区教育委員会 学校支援課長 青木則昭さん


杉並区教育委員会 学校支援課
学校支援課長 青木則昭さん

杉並区初の「施設一体型小中一貫教育」。「杉並和泉学園」のこれからとは。

井の頭通りに接した場所に並んで建っていた、杉並区立和泉小学校と、和泉中学校。この場所では現在大がかりな工事が行われ、新しい校舎の建設が進んでいる。新しい学校の名前は「杉並和泉学園」。元々あった2つの学校に加え、少し離れた場所にある「新泉小学校」を加えた、3つの学校の学区の子どもたちが一堂に集まる予定だ。新校舎は、中学校の校舎を「大規模改修」し、そこに渡り廊下で接続する形で小学校の校舎を新築するというもので、杉並区がすでに全学校で取り組んでいる小中一貫教育をさらに推し進めた、「施設一体型」で小中一貫教育を行なえる杉並区初の学校として、注目を集めている。今回は杉並区役所内にある教育委員会を訪ね、学校支援課の青木則昭さんにお話を伺った。

杉並和泉学園は杉並区初の「施設一体型小中一貫教育」の学校ということですが、これについて詳しく教えてください

2015(平成27)年4月に開校します「杉並和泉学園」は、和泉小、和泉中、新泉小を統合し、杉並区で初めての「施設一体型小中一貫教育校」ということになります。実は似た言葉で「小中一貫教育」というものがあります。杉並区には現在、小学校が42校、中学校が23校ありますが、2010(平成22)年度からすべての学校で「小中一貫教育」を実施しております。特に和泉・新泉地区に関しては、区内でも最も早い段階から、2005(平成17)年度から実施しております。

杉並区立阿佐ヶ谷中学校「杉並区立阿佐ヶ谷中学校」

ただ、これらはすべて「分離型」と言われているタイプのものでして、例えば区役所の隣には阿佐ヶ谷中学校がありますが、こちらと、少し離れた場所にある杉並六小、七小と一緒に、小中一貫教育を行っています。

今後も基本的には「分離型」によって小中一貫教育を実施することになりますが、学校用地の広さや地域特性などを勘案して、改築時には施設一体型を視野に入れ検討することになります。「杉並和泉学園」がその初めての例というわけです。

区内にこのような条件(小中隣接)を揃えた小中学校はそれほど多くありませんが、今後も高円寺地域で小中学校を施設一体型にする計画がございます。

小中一貫教育の主な目的は、どのような点でしょうか?

杉並和泉学園

一般の方々からは、小学校と中学校は「似たようなものだろう」と見えるかもしれませんが、やはりそれぞれの小学校、中学校ごとに、「文化」がありますし、小学校は「担任制」でジェネラリストの先生方が全部の教科を教えるのに対して、中学校は「専科制」で、スペシャリストの先生たちが、自分の専門の教科だけを教えるという形になっており、大きな違いがあります。

また、小学校では「一段ずつ積み重ねる」という形で隙間なく教えていきますけれども、中学校では、先生方は意図的に“隙間”を空けて教えて、その隙間を、生徒たちは自分で勉強をしていくという意識に変わります。こういった違いから、中学校に入った途端に勉強についていけない子が出てくることがありまして、「中一ギャップ」などという言葉も生まれました。

このような、学習面での「戸惑い」を軽減するというのが、小中一環教育の最も大きな目標のひとつなりまして、義務教育期間を「6・3」と分けるのではなくて、9年間を見通したものにすることによって、「学び残し」、つまり、小学校で理解できていなかったものをそのままにして中学校に上がり、ますます分からなくってしまうことを減らそう、ということで進めております。

分離型だったものを「施設一体型」とすることで、さらにどんなメリットが生じるのでしょうか?

杉並区立新泉小学校統合される「杉並区立新泉小学校」

施設を一体化することで、小中学校の先生がひとつの職員室にいることになりますので、職員は子どもたちについて、9年間を知ることができます。中学校に上がってくる子どもたちについては、中学校の先生方は小学校時代からの姿をある程度は知っていることになりますし、小学校の先生も、手塩にかけて育てた子どもたちを、中学校に行っても引き続いて自分の目で見られますから、先生同士の情報共有が円滑にでき、サポートもしやすくなります。そこが一番大きなメリットですね。

また、分離型では「出前授業」という形で、中学校の先生が小学校に行って授業をしていますが、この時には、前後の時間に中学校の授業は入れられませんでした。それが施設一体型になりますと、移動が無い分、前後の時間にも授業を入れられますから、先生の稼働効率も良くなりますし、負担も軽減されるかと思います。

一貫教育によって学習の進度や内容は変わるのでしょうか?

杉並区立和泉小学校統合される「杉並区立和泉小学校」

施設分離型も一体型も、学習の進度自体は変わりません。杉並区ではいわゆる「前倒し教育」は行っていませんので、小学生は小学生としてのカリキュラムを、中学校に入ったら中学生のカリキュラムをやるという、一般的な進み方となります。

一方で、一貫教育では小学校と中学校の先生が連携を取りながら教えますから、たとえば小学校の先生が算数を教えている時には、「今度中学校に行ったらどういう風に教えるのか」という点を意識しながら教えますし、中学校の先生方も、生徒がつまづいた時には、「小学校のどの時点の理解が不足していたか」ということを意識できます。こういった情報を小中の先生で共有し、積み重ねることで、「学び残し」が無くなっていきますから、その結果として、学力は高まっていくと思います。

小学校と中学校とで行事を一緒に行うことになるのでしょうか?

行事については、やはり学校ごとにそれぞれの文化がありますので、今後、先生方と相談しながら決めていくところです。現時点では運動会は合同で行い、学芸会と合唱コンクールは別々に行う、という方向で検討しているところです。

また、親御さんから「6年生は最高学年としてリーダーシップを発揮できるし、卒業式などでけじめもあるが、施設一体型になることで小中の境界が曖昧になってしまうのではないか」という点が指摘されておりますので、学校行事などについては、6年生が最高学年としてリーダーシップを発揮できるような場を作れるように、“見せ場”をしっかりとつくっていきたいですね。

小・中学校で施設を共同で使う部分はありますか?

東京都杉並区インタビュー

気になるのが、校庭、プール、体育館といった大きな体育施設のことかと思いますが、「杉並和泉学園」の場合は、校庭はひとつですが、体育館とプールは別々に作っています。中学校の部活では両方の施設を使うことが可能ですので、運動系の部活動は非常にしやすくなるかと思います。

室内ですと、小学校棟の2階、中学校棟と接している部分に「ラーニングセンター」という、図書館とパソコンルームが一体となった広いスペースがつくられ、“学べる場所”として、共同利用されます。こちらは普通教室8部屋分の広さがありますので、かなり魅力的な施設になるかと思います。

また、その隣には「ランチスペース」が設置されまして、こちらも小中で共用しやすい場所になると思います。具体的な使い方については現在検討しているところですが、ラーニングセンター、ランチスペース、渡り廊下を挟んで中学校のオープンスペースと、大きなスペースが繋がっていますので、小中共同のいろいろなイベントの場所としても使えると思います。

新しい教室はどのようになりますか?

小中学校とも、新しい普通教室はすべて南向きに設置されて、南側にはベランダが、北側にはオープンスペースが設置されます。小学校の高学年の普通教室の間には「アルコーブ」という空間がつくられます。必要に応じてオープンスペースに机を出して活動したり、広々と使っていただくことができますし、その一方で、アルコーブの中にある仕切り付きのテーブルでは、自習なども集中して行なえるかと思います。

玉川上水公園近隣にある「玉川上水公園」

今回、中学校は新築ではなく、既存の建物を「全面改修」ということになりますが、すべての壁や天井が明るい色に塗り替えられますので、まるで新しい校舎のように変わる予定です。

もちろん全教室に冷暖房も完備していますし、電子黒板、パソコンと繋げられるプロジェクターなども備えていますので、タブレット端末なども使いながら、未来的な授業も行えるよう、現在検討しているところです。

2校のスペースに3校の生徒が集まって、手狭になるということはありませんか?

杉並和泉学園

もともと中学校の生徒数が少なく、定員に余裕がありましたし、新築する小学校部分についても非常に効率よくつくっていますので、今後人数が増えても、狭く感じるということは無いと思います。

なお、この学区では小学校の卒業後、約3分の1のお子さんが国立私立の中学校へ進学している状況にあります。今回、施設を一体にして建物も新しくすることで、より多くの子がそのまま中学に進学してくれるようになれば、と願っております。

先生の数はどうなるのでしょうか?

3校が統合して一つの学園となり、先生の数としては増えますので、小中の先生が連携・協力した教育ができるかと思います。また、校長については、学園全体としての校長を1名、副校長を3名置くという方向で検討をしております。

施設や体制が新しくなることで、学童クラブ(放課後児童クラブ)も充実するのでしょうか?

学童クラブについては、「新泉小学校」については、現状でも校舎の中にありますので、それがそのまま新学園に移行されるという形になります。「和泉小学校」については、現在、近くの児童館の一室に学童クラブが置かれているのですが、こちらも新学園の敷地内に移されます。

「新泉小学校」学区の児童のうち、「杉並和泉学園」の中学校学区ではない児童は、中学に入学する際どうなるのでしょうか?

代田橋駅「代田橋」駅

現在、杉並区には「学校希望制」というものがありまして、ほかの近隣学校も選択できるようになっておりますが、2016(平成28)年度以降はこの制度が無くなりますので、基本的に通学区域の学校へ進学することになります。

「杉並和泉学園」の小学校と中学校の通学区域は微妙に異なっています。たとえば新学園の小学校を卒業する児童の中には、中学校の学区が異なる(新学園の中学校の学区ではない)子どもたちが存在するわけですが、こうした地域のお住まいの子どもたちについては、新学園と、本来の学区の学校を選択することができるようにする予定です。この選択制度は2021(平成33)年頃までは残して、学園の小学校と中学校の通学区域を一致させていく予定でおります。

新学園についての詳しいことは、どこに問い合わせれば教えていただけるのでしょうか?

現時点では各学校にお問い合わせいただいても対応が難しいと思いますので、私ども、教育委員会の学校支援課までお問い合わせください。

最後に、方南町エリアの魅力についてお聞かせください

方南町 横断歩道

やはり、都心に近いということが大きな魅力ですね。新宿にすぐ出られますし。また、教育に関しても熱心な方が多い土地柄だと思いますので、私どもとしても、安心して公立学校に進んでいただけるような環境づくりをしていきたいと思っております。

「杉並和泉学園」は杉並区で初めての施設一体型小中一貫教育校となります。ぜひこの機会に、新泉・和泉地区に引っ越してきていただければ嬉しいですね。
※「杉並和泉学園」は2015(平成27)年4月に開校しております。

杉並和泉学園

今回お話をうかがった人

杉並区教育委員会 学校支援課
学校支援課長 青木則昭さん

電話番号:03-3312-2111
(杉並区役所代表)
http://www.kyouiku.city.suginami.tokyo.jp/

※2014(平成26)年4月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

身近にある心を落ち着ける場所/大宮八幡宮 権禰宜 齋藤統一さん


大宮八幡宮 権禰宜
齋藤統一さん

身近にある心を落ち着ける場所
古より伝統を受け継ぐ「大宮八幡宮」

方南町通り北側の広い範囲を社叢とする「大宮八幡宮」は、「多摩の大宮」として、秩父神社、さいたま市の氷川神社とともに数えられる「武蔵国三大宮」の一つ。この地の鎮守として千年近くもの間、地域の人々に信仰され、また、親しまれてきた。
今回はこちらの権禰宜である、齋藤統一(むねかず)さんにお話を伺うことができた。

まず、大宮八幡宮の由緒についてお聞かせください。

大宮八幡

歴史的には、2013(平成25)年がちょうど950年になる神社で、2014(平成26)年が951年目になります。実はそれ以前にもこの地で祭祀をしたことを示す遺跡が見つかっていまして、起源はもっと古くにさかのぼると思われます。

杉並区方南町 インタビュー

ご祭神に関しては、応神天皇(第15代天皇)、仲哀天皇(応神天皇の父)、神功皇后(応神天皇の母)の3柱の神様をお祀りしています。京都の「石清水八幡宮」より御分霊をいただいておりまして、親子の神様ですので「子育て八幡」とも呼ばれています。したがって今は子授け、安産、お宮参り、七五三など、子どもに関するご祈祷が多くなっております。

とても広い敷地がありますが、どれぐらいの広さなのでしょうか

和田堀公園

境内は1万3千坪ほど(東京ドームとほぼ同じ)の敷地がありまして、敷地内に「大宮天満宮」、「大宮稲荷神社」、「三宝荒神社」、「若宮八幡神社」、「御嶽榛名神社」、「白幡宮」、「多摩清水社」といった境内社もあります。「東京都立和田堀公園」も隣接していますので、23区内では珍しいくらい、緑があふれていると思います。

杉並区方南町 インタビュー

樹木もさまざまな種類がありまして、桜や冬桜などもありますし、竹林や参道のツツジも有名です。また、神門をくぐった場所にある「夫婦銀杏」は片方が高さ26メートルになるイチョウの古木でして、秋には見事に黄葉します。

杉並区方南町 インタビュー

珍しいものでは、稲荷神社の前に「共生(ともいき)の木」というご神木があるのですが、これは榧(かや)の木にイヌザクラの木が寄生しており、互いに支えあっているということで、夫婦円満などにもご利益があると言われています。

今もたいへん広い敷地がありまして、敷地面積は「明治神宮」と「靖国神社」に次いで、23区で3番目に大きな神社と言われていますが、もともとの境内は今よりもさらに広く、環八通りの向こう側にある「宮前」という地名が、もともとは「大宮前」、つまり八幡宮の門前を意味していたと言われています。

どんな方が参拝に来るのでしょうか?

杉並区方南町 インタビュー

近くの方が日常的に参拝されることも多いのですが、ご祈祷に関しては、当社は厄除けで有名ということもありまして、厄除けのご祈祷が比較的多いと思います。もちろんシーズンになれば七五三も多いですし、縁結び祈願、ご結婚、子授け祈願、安産祈願、お宮参り、七五三という形で、人生の節目節目で、何度も訪れる方も多くおられます。

大宮八幡宮

最近は東京の重心に位置することから「東京のへそ」とも呼ばれ、「パワースポット」として、テレビなどでも取り上げていただくことが多くなっておりますので、全国からのご参拝の方が増えています。時々、「東京駅からどうやって行けばいいか」といったお電話をいただくこともありますね。

杉並区方南町 インタビュー

2013(平成25)年度は950周年に合わせて「幸福撫でがえる」も置きまして、若い方にも親しんでいただいております。

地元の方との交流や、地域の方々と一緒に行っている行事などはありますか?

大宮八幡宮

年間を通して一番大きなお祭りとして「秋の大祭」があるのですが、その時には地域の町会ごとに神輿が出まして、各町会で合計20ぐらいの数になります。その中で「合同宮入」といって、神輿が一斉に神門内に入ってくる行事がありまして、この時には社殿の前がすべて人と神輿で埋まってしまうくらい、多くの方が訪れます。

杉並区方南町 インタビュー

また、5月の連休には「春の大祭」がありますが、この時には稚児行列なども行いまして、地域のお子さんや、神社に併設している幼稚園の子どもさんにも数多く参加していただいています。幼稚園の園児には毎月2回の神事の際にも、舞の奉納をしてもらっていまして、毎回4人ずつ、1年間で年長さんのほとんど全員が舞いを奉納しますので、子どもたちにとっても、良い思い出になっているのではないでしょうか。

行事が多い神社ということで有名ですが、大祭以外にユニークなものがあれば教えてください

大宮八幡宮

「大宮八幡宮」だけでしか行っていない行事ということですと、7月の「乞巧奠(きっこうでん)」という飾りの展示が特徴的かと思います。これは平安時代から詩歌、管弦、書道、裁縫など諸技芸の上達を祈る行事として、宮中を中心に広く定着していたものでして、1999(平成11)年に、今上天皇の在位10周年をお祝いして再現され、今も続いているものです。これは例年7月1日から15日まで展示しておりまして、期間中に雅楽の演奏会なども行っております。

杉並区方南町 インタビュー

重陽の節句、9月9日に行っています「菊被綿(きくのきせわた)」も、乞巧奠と同じく天皇陛下の在位10周年を記念して再現した宮中行事でして、非常に珍しいものだと思います。9月8日に菊の花を白、赤、黄の真綿で覆って菊の香を移し、9日の朝、朝露で湿ったこの真綿を顔に当てると、若さを保てるという言い伝えがあります。

杉並区方南町 インタビュー

今は普通の皆さんは、七夕はご存知でも、重陽の節句と言われると、あまりご存知ないかと思いますので、私どもがこうして昔の風習を再現することで、「ああ、昔はこういうことをやっていたんだ」ということを、少しでも伝えていければと思っております。

大宮八幡宮

また、十五夜に関しても、私どもでは竹の中に水を張って浮き蝋燭(ろうそく)を作って、「十五夜の神遊び」ということで斎行しています。この際は、神事を行う前にお参りに来ている皆さんに火を灯していただいて、その後に仲秋祭、雅楽や神楽(かぐら)の奉納、コンサートなどを行っておりますので、地域の方々やお子さんを含め、多くの方にご参加いただいております。

大宮八幡宮

このほか、7月25日に行っている「天神祭り」についても、書画行灯で参道を作ったり、参道で和太鼓などの奉納演奏をしたりと、大きな行事となっております。その他の月についても、月に2回、1日と15日には必ず何かのお祭りごとがございますし、25日は「天満宮」のお祭りもありますので、必ず毎月3回、何らかの行事が行われているということになりますね。

青少年の育成活動にも積極的に取り組んでいると伺いました

杉並区方南町 インタビュー

そうですね、神社というのは青少年の健全育成を行うことものひとつの役割ですので、当社でもガールスカウトの団を持っていまして、敷地の一部を活動のための場所として提供しています。今はなかなか都内で火を炊いたりテントを張ったりということは難しいですから、そこを中心に活動をしてもらっているという状況です。

大宮八幡宮

また、弓道場は「振武殿」という建物が一角にありまして、こちらは小笠原流という弓道の流派の教場にもなっています。毎年何回かの儀式を行って、奉納していただくという(神社との)昔からの関わりがありまして、950周年の神事の際にも、参道を使って流鏑馬(やぶさめ)を行いました。「振武殿」は基本的に小笠原流の教場ですが、一般の方でも初心者講習を受ければ参加できます。

結婚式については、どのような利用が多いのでしょうか

杉並区方南町 インタビュー

結婚式については、土日を中心に年間に50組ぐらい行っています。荘厳な雰囲気の中で神前式が行えますし、宴会場として300人を収容する「清涼殿」を備えておりますので、いろいろなご希望にも対応できるかと思います。

最後に、地域の魅力について教えてください

杉並区方南町 インタビュー

やはり、この「大宮八幡宮」を中心に自然がたくさんあることでしょうか。地域の皆さんも、ここに「何かをするために来る」ということではなくても、散歩の途中でふらっとお参りに来られて、そのままベンチに座って、何時間も座って居られるという方もいらっしゃるようですね。身近にある「心を落ち着ける場所」として、是非気軽にいらしていただければと思います。

杉並区方南町 インタビュー

今回お話をうかがった人

大宮八幡宮
権禰宜 齋藤統一さん

住所:東京都杉並区大宮2-3-1
電話番号:03-3311-0105
 http://www.ohmiya-hachimangu.or.jp/hachimangu/

 

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

身近にある心を落ち着ける場所/大宮八幡宮 権禰宜 齋藤統一さん
所在地:東京都杉並区大宮2-3-1 
電話番号:03-3311-0105
http://www.ohmiya-hachimangu.or.jp/

さいたま市立日進小学校インタビュー

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校/さいたま市立日進小学校 蓮見哲校長先生 


さいたま市立日進小学校 蓮見哲校長先生

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校

1873(明治6)年の開校より142年を迎え、地域とともに歴史と伝統を育む「さいたま市立日進小学校」。地域・学校・家庭が一丸となって子どもたちの成長を見守る“良い流れ”にある学校で、現場の先生方もなみなみならぬ“意欲”をもって日々の教育活動に取り組んでいるようです。今回は、2014(平成26)に第20代校長に就任した蓮見哲先生に「さいたま市立日進小学校」の特色と地域の魅力についてお話を伺いました。

地域・学校・家庭が一丸となって醸し出す“良い流れ”

まず、学校の歴史と特色についてご紹介をお願いします。

校舎外観

「さいたま市立日進小学校」は、正門の向かいにある「満福寺」の境内に設置された「上加学校」を前身とする1873(明治6)年開校の歴史ある学校です。今年度で142周年を迎え、地域とともに歩んできた歴史と伝統のある学校として親しまれています。児童数は2015(平成27)年5月の段階で、32学級1,016人となっています。

“自然の小道”

学校の特色としては、PTAの各部・委員会やおやじの会をはじめ、地域の方々の多方面に渡るサポートにより教育活動を支えていただいていることと、本校の先生方も“意欲”に満ちあふれている方が多く、校長に就任して2年目を迎えますが、学校全体が“良い流れ”に乗る、まるで流れるプールのなかに漂うような心地良い雰囲気に包まれているのを感じます。

また、校舎の北側にある“自然の小道”を抜ければ、この地域の生態系が維持されたビオトープもあり、子どもたちに安らぎと学びの場を提供してくれています。数ヶ月前にもえさ台を設置した“野鳥の森”にミミズクが飛んできました。

校長先生の感じる“良い流れ”とは具体的に?

算数の挑戦問題の掲示

昨年度、算数の研究発表を行い、次年度の校内の研究課題についてあらためて検討していたのですが、現場の先生方から「もう一年、算数の研究を続けたいです!」と熱意をもって提案を受けたことがあり、その“意欲”に感動したのを今でもよく覚えています。

また毎年11月にある、駅伝大会に向けた練習では、運動の得意な児童だけでなく、興味はあるが運動の苦手な子どもに「一緒にやってみませんか?」と声をかけて、先生も一緒になって走っている姿を見て感心したこともあります。

校庭の遊具

その他にも、安心して遊具が使えるようにと毎朝教員が遊具のチェックをして回ったり、毎年複数回、AEDの講習会を実施して緊急時に備えたりと、先輩方から受け継いできたものが自然と行動になってあらわれる、それが“良い流れ”だと思います。

また、地域とのつながりという点で見ても、8月6・7日の2日間にわたって開催された「大宮日進七夕まつり」も地域と学校との結びつきがよく分かるイベントで、七夕どおりに飾られる行灯は当校の子どもたちが毎年ひとつひとつ丁寧に描いた作品です。

また、七夕ボランティアのメンバーを中心に、PTAや教職員、子どもたちも一緒になって制作する花飾りは子どもたちのアイデアをかたちにする一大プロジェクトで、毎年見事な作品に仕上がっています。

より良い学校運営を支える多彩なボランティア活動

七夕まつりのボランティアのほかには、どのようなボランティアの取り組みがありますか?

図書室の様子

「日進小学校」には現在、『防犯、環境、図書、音楽、七夕、カブトムシ』の大きく6つに分かれたボランティアグループが組織されていて、多方面からさまざまなサポートをいただいています。

具体的には、当校では登校班というシステムがないため、登下校時の見守りをしてくださる「防犯ボランティア」の皆さんには、非常に重要な役割を担っていただいています。

また、環境ボランティアは、「全国学校ビオトープコンクール」において優秀賞を受賞したこともあるビオトープの手入れをはじめ、花壇の水やりや、落ち葉の掃き掃除など環境整備に尽力してくださっています。

ビオトープ

さいたま市では、“SSN(スクールサポートネットワーク)”と称して、「学校・家庭・地域・行政の連携・協力」による教育を推進していますが、図書ボランティアやチャレンジスクールなど、地域ぐるみで、子ども達の健全育成をはかる活動をしていただいています。

また、さいたま市の教育施策の一つである小・中一貫教育の推進では、私自身、「日進中学校」での勤務経験もあり、より円滑に進めていければと思います。

次世代を見据えた“美しい学校”へと向かう伝統校の取り組み

小・中一貫教育へ向けた具体的な取り組みとは?

教室

つい先日、「日進中学校」と学区域の宮前小学校、つばさ小学校、日進小学校の教職員が集まり“合同研修会”を開催いたしました。当校の卒業生の約9割が「日進中学校」へ進学するため、中学校卒業までの9年間を見通した一貫した指導の大切さを感じています。

さいたま市では、小・中一貫教育の取り組みのひとつとして2014(平成26)年度から“つぼみの日”を全校で実施しています。6年生になると進学予定の中学校を訪れ、授業や部活動を見学し、より良い中学校生活のスタートにつなげていこうとするものです。

「日進中学校」は部活動も盛んです。特に、毎年3月に開催される合同演奏会では「日進中学校」の吹奏楽部による演奏を間近に見ることが出来、当校の子どもたちにとって貴重な交流の場になっています。

最後に地域の方へメッセージをお願いいたします。

「日進小学校」はいま、開校より142年目を迎える歴史と伝統とともに“美しい学校”へと向けた取り組みを進めています。学校全体が“良い流れ”にあることは先ほども触れましたが、“より良くしたい”という思いが“美しい学校”づくりには欠かせないものだと思います。

「ここをもっとこうしたほうがいいんじゃないか?」とか「ここをこうしてみたらどうだろう?」とか、地域・保護者の方々からも、もっともっとご意見やご提案をいただければと感じています。

ありがたいことに地域のみなさまは“ボールを投げたらかならず投げ返してくれる”ような“人”の良さが伝わってくる方々ばかりですから、地域のみなさまと連携をとりながらより良い“美しい学校”づくりを進めていきたいと思います。

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校

今回、お話を聞いた人

さいたま市立日進小学校

校長 蓮見 哲先生

住所:さいたま市北区日進町2-911
TEL : 048-663-6942
URL:http://nisshin-e.saitama-city.ed.jp

※この情報は2015(平成27)年9月時点のものです。

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校/さいたま市立日進小学校 蓮見哲校長先生 
所在地:埼玉県さいたま市北区日進町2-911 
電話番号:048-663-6942
http://nisshin-e.saitama-city.ed.jp/

誰もが安心し、快適に暮らせるまちづくりを目指して

誰もが安心し、快適に暮らせるまちづくりを目指して/NPO世田谷桜丘まちづくり 伊藤和彦さん、荒井芳夫さん、久保田靜廣さん


NPO世田谷桜丘まちづくり
理事長 伊藤 和彦 さん、前理事長 荒井 芳夫 さん
わんわんパトロール桜丘代表 久保田 靜廣 さん

誰もが安心し、快適に暮らせるまちづくりを目指して

小田急線「千歳船橋」駅の南側に広がる桜丘エリア。このまちでは古くから住民が主体になってまちづくりが行われてきたという。その活動の中心となっているのが「NPO世田谷桜丘まちづくり」だ。活動のねらいや成果について理事長の伊藤さん、前理事長の荒井さん、わんわんパトロール桜丘会長の久保田さんにお話を伺った。

「NPO世田谷桜丘まちづくり」を結成されたきっかけを教えてください。

入り口

伊藤:「NPO世田谷桜丘まちづくり」ができたのは2005(平成17)年のことですが、それ以前から「桜丘まちづくり協議会」という形で活動をしていました。「桜丘まちづくり協議会」ではまちづくりのハード面を中心とした活動を行っていて、例えば、消防車がスムーズに通れる道路を造るにはどうしたらいいか、まちの地域協定はどうすればいいのかといったことをみんなで考えていました。ただ、活動を続けていくうちに、こういったハードの問題は行政が前面に立った方がうまくいくことがわかってきたので、「NPO世田谷桜丘まちづくり」としては現在のようなソフト面の活動が中心になったのです。

荒井:まちづくりを進めていった結果、まちが二分されてしまうのでは、本末転倒です。そこで、ハードのまちづくりはいったん区切りを付けて、まちにはこんな問題があるということを提示することにとどめ、「NPO世田谷桜丘まちづくり」の活動は次のステップに移すことにしました。

現在はどんな活動を行っているのでしょうか。

リサイクル

伊藤:今は「環境にやさしい」「子どもとお年寄りにやさしい」「文化の薫り高い」「安全で住みやすい」をまちづくりの目標として、さまざまな取り組みを行っています。例えば、「環境にやさしい」まちづくりでは、リサイクルコーナーを設けたり、公園の植栽や清掃などを行ったりしています。

「まちづくりサロン」は「子どもとお年寄りにやさしい」まちづくりの一環なのでしょうか。

駄菓子屋

伊藤:やはり子どもとお年寄りは大切にしたいということで、誰もが利用できる場として「NPO世田谷桜丘まちづくり」の事務所の一角に「まちづくりサロン」を設けました。買い物帰りの休憩などで立ち寄ってもらえればと思っています。 お年寄りの方は重い荷物を持つのも辛かったりすることもあります。こうした手伝いを必要としている時に、気軽に相談できる「桜丘助け合い隊」という活動も行っています。子ども向けには駄菓子屋コーナーを用意していて、これもなかなか好評です。

まちづくりサロン

荒井:「まちづくりサロン」ではトイレを開放していますし、冷たい水も用意していますので、ここでひと息入れてもらえればと思います。

「わんわんパトロール」という活動も行っているようですね。

わんわんパトロールの様子わんわんパトロールの様子

久保田:まちづくりを進めていく中で、やはり安全・安心なまちにしたいと考えていました。成城警察署の依頼もあり、2004(平成15)年からわんわんパトロールを始めています。パトロールといっても難しいことではありません。散歩をするときに犬に黄色いバンダナを付けてもらって、地域の人に防犯意識を高めてもらおうという狙いです。活動を始めて10年以上経ちますが、現在も約130世帯150匹の犬がわんわんパトロールに参加しています。学校の子どもたちの前でわんわんパトロールの紹介したこともありますし、PTAの方から感謝の言葉をいただいたこともありました。

イベントもたくさん開催されているそうですね。

NPO世田谷桜丘まちづくり コンサートの様子コンサートの様子

伊藤:「文化の薫り高い」まちづくりという意味で、年に3回「ベルリンフィル」や「スカラ座」で活躍している一流の音楽家の方に来ていただいてコンサートを開いています。手ごろな料金で鑑賞できると評判がいいんです。この地域は音楽にかかわっている方も多く住んでいまして、その方の紹介で来ていただけるようになりました。

荒井:事務所の前の「稲荷森稲荷神社」で毎年夏にお祭りがあるのですが、この時にはかき氷やジュースを売って、地域の人々に喜んでいただいています。

今後、どのような活動をしていきたいとお考えでしょうか。

FM桜丘

伊藤:桜丘は今も人口が増えているエリアで、新しい住民の方が増えてきました。そこで、「NPO世田谷桜丘まちづくり」では、以前からの住民の方と新しく来られた方のつながりを作れる場を提供したいと思います。その一環として、新しく来られた方にも地域のことを知っていただきたいと、「FM桜丘」というミニFM放送を行い、情報を提供しています。また、地域の地図や歴史を知っていただけるような本を作っています。地域の情報に触れて、もっと愛着を持っていただけたらと思います。

桜丘エリアの魅力を教えてください。

野菜

伊藤:桜丘は世田谷区の中でも農家が多いんです。今も野菜を作っている農家が10か所ぐらいあって、畑の横の直売所で野菜を売っています。地産池消なんですね。緑が多くて、土の匂いがするまち、それが桜丘の魅力だと思います。

荒井さん、伊藤さん

今回、話を聞いた人

NPO世田谷桜丘まちづくり

理事長:伊藤 和彦さん(写真右)
前理事長:荒井 芳夫さん(写真左)
わんわんパトロール桜丘代表:久保田 靜廣さん

所在地:東京都世田谷区桜丘2-20-10 築野ビル 2F
電話番号:03-3427-4181
URL:http://npo-skr.sakura.ne.jp

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。記載している情報については、今後変わる場合がございます。

誰もが安心し、快適に暮らせるまちづくりを目指して/NPO世田谷桜丘まちづくり 伊藤和彦さん、荒井芳夫さん、久保田靜廣さん
所在地:東京都世田谷区桜丘2-20-10 築野ビル 2F
電話番号:03-3427-4181
http://npo-skr.sakura.ne.jp/

国際社会に貢献するリーダーの育成を目指して/関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん


関西国際学園 関西インターナショナルスクール 芦屋校
マネージャー 毛利瞳さん

国際社会に貢献するリーダーの育成を目指して

国際化が進む中、世界で活躍できるバイリンガルの育成に力を入れる「関西国際学園」は、次世代のリーダーとなるべき人材を育てるインターナショナルスクール。日本語や英語は、そうしたスキル習得のためのツールとして位置づけ、様々な角度から子どもたちの能力を育んでいる。今回は香櫨園にある「関西インターナショナルスクール 芦屋校」のマネージャーを務める毛利瞳さんにお話をうかがった。

貴校が設立されたきっかけはどのようなものでしょうか

関西インターナショナルスクール 芦屋校

学園長のご長男が今、高校3年生になるのですが、生まれた時にどういう教育をさせたいかを考えたことがスタートになります。様々なインターナショナルスクールや日本の幼稚園も見て回ったそうなのですが、日本の幼稚園は懐かしいなという印象を持ち、かたやインターナショナルスクールは自由に発言をどんどんしますが、座っている時に足を組んで話していいなど、日本人がみて「行儀が悪い」と感じることがあったそうです。

学園長が思ったのは、自分の子どもを外国人にしたいわけではない。日本人としていて欲しいけれど、これからの時代、賢い人たちと世界で戦っていかないといけない時代が必ず来る、英語が話せることはご飯を食べるスキルと同じ感覚で必要になるという考えがあり、バイリンガルの学校を自分で作ろうと考えたのがはじまりです。

芦屋校についてお教えください

関西インターナショナルスクール 芦屋校

「芦屋校」が香櫨園にできたのは3~4年前ですが、学校自体は13年、もともと灘区にあったのが手狭になったためここに移ってきました。乳幼児部や幼稚園部(1歳~5歳児)があり、総勢で107名、モーニングやサタデーのクラスを入れれば113名が来てくれています。

私は3年前くらいにこちらに来させてもらいましたが、気さくな方が多く温かく迎えてくださり、わらかないことを教えてくださったりもしていただきましたね。それに静かな街ですし、子どもも多い。近くに小学校がありますが、人数が多く増設される予定になっています。西宮と芦屋の間という好立地ですし、「夙川」沿いに公園がずっと続いていて、小さい子どもと出かける時にとても良い環境というのもあると思いますね。

子育てするにはとても良さそうな環境ですね

はい、子どもを育てるにはとても良い環境だと思います。元からいらっしゃる方が助けてくださいますし、公園も近く、スイミングスクール、サッカークラブ、テニススクールなどもたくさんあります。車の音もあまり聞こえません。安心できる静かさがありますし、治安もすごく良いと思いますね。子どもたちの小学校の下校時間などは賑わいますし、朝は父兄の方が出られて旗を持って立たれています。自転車でパトロール隊も組まれていますよ。

教育方針はどのようなものを掲げていらっしゃいますか

関西インターナショナルスクール 芦屋校

もともと「日英のバイリンガル教育を通して、国際社会に貢献するリーダーの育成」が理念としてあります。学園長がいつも言うのは「人に好かれる人になりなさい」ということなんです。助けたいなと思うのは好かれる人です。女の子を入学させられるお母様は、皆さんが将来会社を立ち上げて欲しいと思っているというわけではないのですが、会社のエラいポジションだけではなく、家庭を持って子どもができれば家庭を切り盛りするリーダーは必然的に女性なのです。

自分で意見が言えて、考えられて、思っていることを発言できる、そして周りと調和して解決できることを見出せる人になって欲しいと思っています。それを日本語でも英語でもできることが本校の理想になります。

様々な能力の根っこを育成するということですね

関西インターナショナルスクール 芦屋校

これからの時代はコンピュータの方が性能がさらに良くなります。人間に求められるのは人間力であり、ゼロからイチを生み出す力。クリエイティビティや創造力、問題解決能力です。クリティカルシンキング、批判的なものの見方というものがありますが、「これで良い?」「これで合ってる?」という疑問を考えていくプロセスを乳幼児期に習慣づけしたいと思っています。最終的には「自立」です。

関西インターナショナルスクール 芦屋校

本校では、1歳児からモノの管理をさせています。「おむつ取ってきて」と言えば、自分の引き出しからオムツを取ってきて、先生のところで履き変えるのも自分で行います。お弁当を食べる時も、ランチセットを全クラス分を一つの箱に入れていて、ご飯の時に自分のランチセットを探してきて、自分の名前が張っている椅子を認識してそこに座り、最後は元あったカゴにランチセットを片づけます。習慣化させることで、それができるようになるんです。

授業はどのように行われているのでしょうか

関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー

幼稚園部は1クラス20人が定員となり、子どものサポート、成長面を日本人と外国人の2人の先生でカバーするようにしています。幼稚園部では読み書きも行いますが、子どもが自信を持つことにより、次もやりたい、次も見てみたいという意欲につながっていきます。

関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー

インターナショナルスクールは「英語」を学ぶところという印象をもたれていると思いますが、英語そのものを学ぶ時間は一日に30分くらいしかありません。英語でゲームをしたり、歌を歌ったり、科学、社会、算数を行います。科学では重さを量ったり、長さを比べたりします。生物についてを学んだり、社会のルールについてや、海の生き物、世界のお祭り、身の回りの出来事、それに散策にも出かけます。散策の時に何か持って帰り、それを水槽の中に入れて浮くもの、沈むものを調べたりします。浮力、重力なども英語で教えていくということです。体験学習的なものを多く取り入れているのが特徴ですね。

日本語の授業も幼稚園部では一日1時間あります。また、年少、年中、年長で3年間で小学校1年生の問題を行います。年少では、図形の見分け方、ひらがな、年中は足し算、引き算、カタカナ、文章問題を解くなど、年長は復習や漢字、国語の問題などを解いていきます。

講師の先生は何名いらっしゃるのでしょうか。また、講師を採用される上で大切にしていることはなんですか

関西インターナショナルスクール 芦屋校

講師は14名が常駐し、フランス語、中国語、そろばん、ピアノ、バイオリンの先生がおり、受験クラスの6人、事務を入れて22名になります。日本人と外国人の比率は半々になります。外国人の先生を採用するときは、子どもが好きで、日本が好きなことを大切にしています。そして、それぞれ得意分野を持っています。過去にプロのカメラマンだったり、生物学の先生だった人もいますし、演劇をしていた人もいます。ですので、イベントを考える時に多角的にものを見ることができます。子どもたちが何か特徴のある得意分野、これが大好き、というものを見つけて卒業して欲しいと思っていますね。

授業を拝見すると、子どもたちの参加意欲がとても高いように感じました

関西インターナショナルスクール 芦屋校

もちろん、皆意欲的なのはありますが、先生の教える上手さもあると思います。今日は子どもたちが乗ってこないと思えば、違う内容に変える柔軟さがすごく大切です。どうすれば日本語を母国語とし、英語を第2言語とする子どもたちを伸ばしていけるのか、そこへのアプローチがとても上手ですね。第2言語は、母国語が伸びれば伸びるほど能力が上がっていきます。英語力だけが伸びるということはあまりないんです。それが正しいバイリンガルの育て方。

関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん インタビュー

インターナショナルスクールに通っていると、母国語が英語に変わっているケースが多々あります。日本語は家で話すからいい、と言うレベルでは日本語は伸びません。ですが、家族と話すときには、「あれ」「これ」や「いる」「できる」などで済んでしまいます。子どもたちが日本語の授業で習っているのは、旬の食べ物やフラッシュカードを見る時間、ワークの時間、手遊びうたの時間、歌の時間などです。音読の時間もあるのですが、雨は「しとしと」「ぴたぴた」など、物に当たってどういう音がするのかを知ることで、ソワソワ、フワフワ、キョロキョロなど、日本語独特の表現の美しさを身につけていくことができます。

今後への抱負を教えてください

日本の良さ、伝統を把握しながら西洋の良さをミックスするバイリンガルを目指しています。日本を知り、自分が何者であるかを認識し、それを表現するツールが日本語や英語ということです。最終的には「自立」が目標ですし、意見が言えて、考えを持っていて、人に好かれ、答えも導き出せる。そういう子は、必然的にリーダーになっていくと思います。

この街の魅力について教えていただけますか

関西インターナショナルスクール 芦屋校

地域の方々がいろいろなことに協力的です。地域の会があり、公立の中学校から小学校、幼稚園だけでなく、老人会やスポーツクラブが集まって地域全体で子どもを見て行こうという、とても温かい街という印象です。地域のみんなで子どもを守り、香櫨園をよりよい地域にしていこうと考えてらっしゃる方が多いと思いますね。

関西インターナショナルスクール 芦屋校

今回、話を聞いた人

関西国際学園 関西インターナショナルスクール 芦屋校

マネージャー 毛利瞳さん
写真:デミアン・ハケットさん(カリキュラムの作成者でありながら自らも教壇に立ち、子供たちのニーズを掴み取っている)

所在地:兵庫県西宮市堀切町5-2
電話番号:0798-38-2222
URL:http://www.kansai-intlschool.jp/

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

国際社会に貢献するリーダーの育成を目指して/関西インターナショナルスクール 芦屋校 毛利瞳さん
所在地:兵庫県西宮市堀切町5-2 
電話番号:0798-38-2222
時間:7:30~19:00
休校日:日曜・祝日
http://www.kansai-intlschool.jp/dir/guid..

府中市立白糸台小学校:校長 村岡由季夫先生インタビュー

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」/府中市立白糸台小学校 村岡由季夫先生


府中市立白糸台小学校校長 村岡由季夫先生

西武多摩川線「白糸台」駅そばにある「府中市立白糸台小学校」は今年で開校45周年を迎えた。白糸台という落ち着いた環境で地域の人々に見守られ、子どもたちはのびのびと成長している。そんな「府中市立白糸台小学校」について校長の村岡由季夫先生にお話をお伺いした。

開校45周年を迎えた中規模校です

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」

「府中市立白糸台小学校」は1970(昭和45)年に開校して、今年で開校45周年を迎えました。今年度の児童数は502人で全17学級、府中市では中規模の小学校です。このあたりは閑静な住宅街が広がっており、子どもたちも落ち着いた子が多いですね。

人間性豊かな児童の育成を目標としています

校内の様子

村岡先生:本校では、「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童の育成」を教育目標に掲げています。それを目指すための子ども像に「すすんで学ぶ子」「助け合う子」「たくましい子」の3つがあります。具体的な活動としては縦割り班があります。1先生から6年生までの縦割りでグループを作り活動をしています。高学年は下の子の面倒を見たり、リーダーシップを発揮したり、また下の子にとっては上級生は憧れなんです。そういう異学年の集団というのはなかなか無いので、それを年間通して行っています。秋には「縦割りウォークラリー」といって、「武蔵野の森公園」に班ごとに行ってウォークラリーをやるんです。たくさんのチェックポイントがあって、ボールをみんなで回すとか、しりとりを制限時間内に何個言えるかとか、教員が色々ゲームを出して競うんです。みんなで遊んだりお弁当を食べたりするのが大きな活動で、それに向けていろんな話し合いをしたり、助けあったりしています。

自尊感情や自己肯定感を大事にしています

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」

村岡先生:子どもたちの教育に関しては自尊感情や自己肯定感を大事にしています。自分を大切にし自分は価値ある人間なんだと感じさせ、それとともに他人も大切にする、ということですね。そういう気持ちを持たせることを大事にしています。全校朝会でサッカーで優勝したとか、ピアノのコンクールで入賞した子を表彰するようにしています。それを学校便りにも載せています。3年連続で夏休みの水泳を休んでいないすごい子がいて、その子も学校便りに載せたりもしました。

外国人講師による英語教育もあります

授業の様子

村岡先生:府中市では全校で英語教育を行っており、5、6年生は英語の授業を年間35時間やっていて、そのうち25時間は外国人講師の方が来てくれています。中学校で習うような読み書きではなく、先生とのやり取りでコミュニケーション能力の素地を培うことが目的です。こんな感じで外国人の方と関わればいいんだなあと、簡単なところからやっていますね。外国人講師は3年生から入っています。ハローとか、ワンツーとか、そんなところからで、英語を楽しむという感じですね。

和太鼓クラブや、合唱団、タグラグビークラブの活動が盛んです

各種大会のトロフィー

村岡先生:クラブ活動は4年生以上が参加しています。府中市には「武蔵国府太鼓」という脈々と続いている伝統があるんです。和太鼓クラブは地域の方が教えてくださって、十数年ずっと続いています。「府中市どりーむホール」という大きなホールがあって、そこで披露したり、地域の運動会のオープニングや、夏祭りで叩いたりもしています。合唱団は3年生以上の有志で、歌の好きな子が集まってやっています。これも「府中市ドリームホール」で歌ったり、「ふれあいコンサート」という地域でのコンサートがあるのですが、そこで発表したりしています。
また「あさひ苑」という高齢者施設に夏休みに行って歌を歌ったり、手遊びを入居者の方と一緒にやって交流をしています。タグラグビーはタックルや接触は無しで腰に付いたタグを取り合うもので、府中市は盛んなんです。うちは強くて府中で7連覇したり、全国大会にも出たことがあるんです。今年も全国大会の出場を目指して頑張っていますよ。

自主性を大切にした行事を行っています

受付に飾られた子どもたちの作品

特徴的な行事でいうと、「のど自慢大会」と「わざ自慢大会」を隔年で行っています。「のど自慢大会」は自由参加で、自分の歌を披露したい子が集まってやっています。学年大会と代表者大会があって、1年生から6年生までそれぞれの学年で勝ち上がった子が代表者大会に出場します。
「わざ自慢大会」も任意でやりたい子が集まります。わざは自分がわざだと思えば何でもいいんです。お手玉とかヨーヨーとか、体操をやっている子はバック転とか。思いもつかないようなわざを披露する時もあるのですが、それはそれで自分がわざと思えばよくて、それが面白いんです。自分の自慢をアピールできる機会が少ないので、自主性を大事にしています。保護者にもオープンにしたところ、多くの方が来てくださって、喜ばれています。

留学生や地域の方々との交流も大切にしています

校内の掲示板

村岡先生:6年生の総合的な学習の時間では、「東京外国語大学」の留学生の方に来て頂いて交流をしています。名前を言ったり、日本の文化と言われるお手玉やけん玉をして遊んだり、タグラグビーをやったりしています。どこの国の人が来るかわかっていますので、事前にその国の言葉で「こんにちは」などの挨拶を調べる学習もしています。留学生はアジアが多く中国、韓国、台湾、インドネシア、シンガポール、ベトナム、ヨーロッパやオーストラリアの人もいますね。留学生も楽しんでくれていますし、子どもたちにとっても中学に行ったら英語を頑張ろうと思うきっかけになっているようです。
「府中けやきの森学園」という特別支援学校との交流も行っています。学級単位での交流を1年生から6年生までずっとやっていて、1年生で初めて会ったお子さんと6年生まで毎年交流するんです。障がい者に対する理解、差別や偏見の勉強に非常に役立ち、卒業生は中学高校に行ってもそういった意識が高いと言われています。こちらも、もう20年以上続いていますね。学級での交流は年に1回ですが、その他にいろんな行事、例えば1学期には子ども祭というのがあって、そこに「府中けやきの森学園」のお子さんたちも来て頂き、楽しんでもらっています。

校庭は全面芝生なんです

芝生の校庭

村岡先生:2010(平成22)年度に芝生化されたのですが、最初は上手くいかなくて、私が赴任した2012(平成24)年度には半分以上なかったんです。使いたい放題でメンテナンスが十分にできていなかったんですね。市に要望を出して張り替えてもらいました。それから使った後に整備するとか、雑草を取るとかルールを作ってやっと落ち着いてきました。PTAの方々が協力して毎週整備してくださっていて、それでこの芝生を保っているんです。子どもたちは裸足で走り回っていますよ。

地域が一体となって子育てをしています

下校する子どもたち

村岡先生:この地域は明るくて素直な子が多いですね。地域が子どもを育てるというか、学校だけじゃなくて保護者や地域の方とも一緒に子どもを育てましょうというのを大きなテーマにしているんです。それが浸透していて、何かあれば地域の方が声をかけてくれたりと、そういうのが根付いている地域です。
青少年対策委員会(青少対)という地域の方の団体があるんですが、子どもに関する行事を色々やってくださってます。例えばスポーツ大会や運動会を地域の体育館でやってくださったり、先ほどの「ふれあいコンサート」もそうですね。「府中市立第十小学校」と「府中市立第二中学校」が同じ学区なんですけど、合同で合奏や合唱をやるんです。
あと「見守り隊」というのがあります。下校時は毎日、地域の方たちが揃いのベストを着て、安全を確保してくださっています。登校時には毎日校門であいさつをして子どもの安全を見守ってくださっている地域の方がいるんです。元PTA会長さんなんですけど、雨の日も風の日も45年間毎日ですよ。本当にすごい方です。そういう方がいると地域としても親としてもうれしいですよね。その方は子どもに大人気なんですが、保護者からの信頼も厚くて、子育てで悩む方がいたら相談にのってあげたり、時には叱ったり、地域の方が頼りにしている「街のおばあちゃん」という感じです。

府中市立白糸台小学校 校長先生

今回、話を聞いた人

府中市立白糸台小学校

校長 村岡由季夫先生

府中市立白糸台小学校
東京都府中市白糸台2-16
TEL:042-365-2650
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

すすんで学び、助け合い、たくましい子を育む「白糸台小学校」/府中市立白糸台小学校 村岡由季夫先生
所在地:東京都府中市白糸台2-16 
電話番号:042-365-2650
http://www.fuchu15s.fuchu-tokyo.ed.jp/

阪神間モダニズムが根付く香櫨園で、 “お花の文化”を広めたい/アトリエフィーズ 谷川文江さん


アトリエフィーズ
代表取締役 谷川文江さん

阪神間モダニズムが根付く香櫨園で、
“お花の文化”を広めたい

フラワーアレンジメントの魅力を存分に学べるスクールを開講している「アトリエ フィーズ」の代表を務める谷川文江さんは、服飾や雑貨のデザインを皮切りに、花の世界に進んできた人。今なお本場イギリスで花の勉強を欠かさず、伝統や最新のトレンドを入手し、生徒たちに伝えている。そんな谷川さんがお店を開いているのは、西宮七園のひとつとして有名な「香櫨園」。阪神間モダニズムの文化が息づく街で、フラワーアレンジメントのスクールはどのように親しまれているのか。今回はアトリエフィーズと谷川さんの歩みについてお話を伺った。

こちらのお店を開いたきっかけを教えてください

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

現在の場所にお店を出したのが15年前で、アトリエフィーズは20年前にオープンしました。もともと私はモノを作るのが好きで、服飾や雑貨のデザイナーをしていたのですが、ドライフラワーも手作りで作っていたんです。それがクローズアップされて「教えて欲しい」という声が高まってきました。最初は幼稚園のPTAからの依頼だったのですが、初仕事に100名くらいの方が集まってくれました。「クリエイターとしてなら教えますよ」「私がデザインしたもので良ければ」という話でスタートしたのですが、他所の幼稚園にも呼んでいただけるようになってくると、「教室はないのでしょうか?」との声も出て来ました。

お店がある香櫨園はどのような街ですか

アトリエフィーズ

住民の皆さんがすごく街を愛しているなとよく感じます。近くの「森具公園」は、森具地区にお住まいのみなさんが土地を提供したものなんです。防災公園を作らないといけない、という話になった時に住民の皆さんが無償で土地を提供しました。皆さんこの街を好きで、もっと良くしたいという気持ちがあったんだと思います。区画整理後は非常にきれいな街並みになったと思いますね。閑静な住宅地が広がっていますし、とても暮らしやすいかと思います。

そんな街だから“お花の文化”が受け入れられたのかもしれませんね

そうかもしれませんね。皆さん上品な方ばかりで、それにとても教育熱心なんです。近くには「甲陽学院」や「香櫨園小学校」もあります。治安も良いですし、子ども会なども充実していますので、安心して子どもを育てるられる街だと思います。

谷川さんはもともとはファッション・デザインからスタートしたのですね

アトリエフィーズ

そうなんです。ファッションデザインに関しては、結婚する前にしていたのですが、結婚した後から雑貨デザインなどを始めました。友人の友人がオープンしていた雑貨店に、友人から「作っているものを持っていったら?」と声をかけてもらって持っていくと、「そのまま仕事をしてください」という話になりました(笑)。それからお花の方向に進んだ形ですね。最初はカルチャーみたいに市民会館でやっていたのですが、一度始めると思った以上に人が集まり、駅から近いところということで今の場所でスタートさせました。今でもお花のことはイギリスに行って勉強をしています。

スクールのコンセプトを教えてください

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

今はイギリススタイルのフラワーアレンジメントのスクール形態で、フレッシュフラワー、ブリザードフラワー、それからアートフラワーも教えています。スクールを始める中で、通ってくださっている生徒さんに将来的には資格を取ってもらったり、実際に資格を取得した生徒さんの支援をしたいと思っていました。そこで3年前に「一般社団法人Flower Works Japan」を立ち上げて教室開業支援の会社を作りました。イギリスのデザインや技術、伝統やトレンドを伝えるために開業し、「Flower Works Japan」自体が資格を発行できる機関にしています。まだ3年目の組織ですが、兵庫県全域、広島や静岡、大阪からも来られています。

イギリススタイルはどういうものですか

アトリエフィーズ

グリーンをたくさん使うところが特徴ですね。3種類から5種類のグリーンが入るのは他にはありません。ただ、なかなか一言では言えないところです。伝統的なものを取り入れながら、トレンドを入れることがうちの方針、スタイルということ。生け花にも様々な流派がありますし、一言では語れないと思いますね。

生徒さんが作ったものを披露することはあるのですか

アトリエフィーズ

生徒さんの作品展を毎年開催しています。アトリエの1階と2階を開放してたくさんの方にご来場いただいています。レベルの違う生徒さんが発表することで、それぞれのモチベーションがあがりますね。毎年秋に行っています。どなたでもご来場いただけますのでお近くにこられましたらのぞいてくださいね。

スクールのコースはどのようになっていますか

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

フレッシュフラワーとブリザードフラワーがあり、それぞれに資格取得コース、趣味のエンジョイフラワーコースがあります。生徒さんの数は、昔はブリザードフラワーが多かったのですが、今は7対3の割合でフレッシュフラワーを学ばれる方が多いですね。資格と趣味では半分ずつくらいの比率になっています。

今後の活動への考え方を教えてください

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

今後も資格を目指す人は減らないだろうと思います。これからは以前より、より感性や楽しさに向かう中でデザインや技術も同様に求められます。私は毎年イギリスに行っていますが、日本人とイギリス人の気質や学ぶことそのものに求めるものがちがいます。イギリスのフラワーデザインや技術は素晴らしいので、踏襲できることは取り入れて仕組みは日本に合うようにプロデュースしています。まずは基礎を学び、それをどう応用していくかが日本人の学び方にあっていると思います。

アトリエフィーズ

女性が伝承していけるものが日本には仕組みがあります。江戸の元禄時代から戦乱が収まり、それまでお花は男性の貴族文化でした。それが町民の裕福な商家のお嬢さんがお花を習うようになりました。世界的に仕事でもなく花を習うことは珍しいことです。きっちりと伝統的文化や技術というものがありますから、何よりもまずそれを伝えた上で、今イギリスで何が流行っているのかを取り入れるようにしています。

最後に、街のお気に入りスポットを教えてください

夙川河川敷緑地(川西町六丁目付近)

そうですね。「夙川」のところに「オアシスロード」があって散策にぴったりです。「夙川」は桜の名所ですが、川沿いに桜が並んでいる光景はとても綺麗ですよ。海の河口からずっと上の方まで続いていますし壮観ですね。

アトリエフィーズ 谷川文江さん インタビュー

今回、話を聞いた人

株式会社アトリエフィーズ

代表取締役 谷川 文江さん

株式会社アトリエフィーズ
所在地:兵庫県西宮市屋敷町2-19
電話番号:0798-35-0927
http://atelierfs.blue-glim.com/

※この情報は2015(平成27)年7月時点のものです。

阪神間モダニズムが根付く香櫨園で、 “お花の文化”を広めたい/アトリエフィーズ 谷川文江さん
所在地:兵庫県西宮市屋敷町2-19 
電話番号:0798-35-0927
http://atelierfs.blue-glim.com/

子育て世代の強い味方!NPO法人市川子ども文化ステーションの取り組みとは/NPO法人市川子ども文化ステーション 加藤さん


NPO法人市川子ども文化ステーション
加藤さん

子育て世代の強い味方!
NPO法人市川子ども文化ステーションの取り組みとは

「NPO法人市川子ども文化ステーション」は、文化活動に力を入れることで、芸術を理解する感性だけでなく、豊かな心を育てようという理念に基づいて活動している。今回お話を伺った「ぴょんぴょんキッズ」や「きらきら広場」の活動は、新たに住み始めた子育て世代の方々のフォローも行うなど、幅広い“子育て”支援を行っている。そんな広場を担当されている加藤さんに「NPO法人市川子ども文化ステーション」や、きらきら広場での取り組みについてお話を伺った。

NPO法人市川子ども文化ステーションの概要を教えてください。

NPO法人市川子ども文化ステーション

1983(昭和58)年に発足した「おやこ劇場」が前身です。当時、都心部に限らず市川市にも開発の波が訪れ、子どもたちの遊び場が少なくなっていました。そのような状況のなかで、子どもたちの感性を豊かにするためには何が必要かと当時のメンバーは考えました。子どもは、人と遊びながらいろいろなことを学んでいくものです。ごっこ遊びや外遊び、手遊びといった実際の体験を大切にし、さらに舞台鑑賞やキャンプ、勉強会などもスタートさせました。2001(平成13)年5月からはNPO法人として活動しています。

「信篤公民館」で行なわれている「ぴょんぴょんキッズ」について教えてください。

NPO法人市川子ども文化ステーション

「ぴょんぴょんキッズ」は月に2回(8月は1回)木曜日に開催される1歳前後から入園前の親子を対象とした会員制サークルで、たくさんの親子が集まっていろいろなイベントを楽しんでいます。クリスマス会やお正月、節分、七夕など季節にちなんだイベントや、小麦粉粘土・竹トンボづくりなどの工作、ラスクやサンドイッチなどの お料理まで、幅広いイベントを集まったみんなで考え開催しています。未就園児のための運動会など、ユニークなものもありますよ。

イベントによっては年齢別で開催していて、「かえる」は、今年度4歳になる子どもとその保護者、「うさぎ」は、それより小さな子どもとその保護者という構成で編成されています。
毎回15組ぐらいの親子が参加しています。

「きらきら広場」はどのような活動なのでしょうか?

NPO法人市川子ども文化ステーション

「きらきら広場」には年齢制限を設けておらず、会員でなくても参加することができます。“お母さんの居場所”になれるように努めており、いつでもふらっと立ち寄ってもらえたらと思っています。また、出産を控えた妊婦さんにも来ていただきたいですね。毎月第2・第4金曜日に「市川市 信篤公民館」で活動しています。
毎回7組から10組ぐらいの親子が参加しています。

気になってはいるけれども、なかなか訪ねる機会がないというケースも多いと思います。そのような方にメッセージをお願いします。

NPO法人市川子ども文化ステーション

少しでも雰囲気が分かれば、訪ねやすいと思います。活動をブログでも紹介しているので、そちらが一番参考になるかもしれません。どのような方も大歓迎です。ぜひ、遊びにきていただきたいですね。

信篤地区には図書館や子ども館などの公共施設があります。子育て世代にとって信篤地区は、どのように映りますか?

NPO法人市川子ども文化ステーション

生活圏に公共施設が充実しているので助かります。以前は、割合として専業主婦が多かったので保育施設は少なかったのですが、時代とともに共働きの家庭が増え、それに伴って保育園が増えてきました。働きやすい街になったのではないかと思います。

最後に、これからの活動への展望を聞かせてください。

NPO法人市川子ども文化ステーション

より多くの方に、ほっとできる場所を提供していきたいですね。核家族化が進み、子育ての相談ができない時代ですから、悩みを少しでも取り除いてもらえたらと思っています。

NPO法人市川子ども文化ステーション インタビュー

今回、話を聞いた人

NPO法人市川子ども文化ステーション

加藤さん

NPO法人市川子ども文化ステーション
所在地:千葉県市川市鬼越2-5-1-101リアビル
電話番号:047-332-3024
http://www.kodomobst.org

※2015(平成27)年8月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

子育て世代の強い味方!NPO法人市川子ども文化ステーションの取り組みとは/NPO法人市川子ども文化ステーション 加藤さん
所在地:千葉県市川市鬼越2-5-1-101 リアビル
電話番号:047-332-3024
http://www.kodomobst.org/

調和のとれた土地利用をコンセプトに市民とともにつくり上げる街づくり/市川市街づくり部 都市計画課 主幹 土屋さん 都市計画グループ 星野さん


市川市街づくり部 都市計画課
主幹 土屋さん
都市計画グループ 星野さん

当サイトでは、原木中山において実施されているイベントなど、原木中山の地域情報を紹介していますが、今回は市役所の方に、原木中山に関するまちづくりの取り組みについてインタビューしました。

 

調和のとれた土地利用をコンセプトに
市民とともにつくり上げる街づくりとは

現在、市川市では市民との協働で「都市計画マスタープラン」を策定し、街づくりが行われています。この「都市計画マスタープラン」は、市の将来都市像や、県が策定した「都市計画区域マスタープラン」を踏まえ、住む人にとってよりよいまちにするために策定した方針です。「近い将来、自然と文化、癒しとレクリエーションがバランスよくまとまった、住みやすいエリアになる」とお話してくれたのは、市川市街づくり部 都市計画課主幹の土屋さんと都市計画グループの星野さん。お二人に、現在の開発計画、そして今後の街の変貌についてお話を伺いました。

はじめに、原木中山周辺の整備計画などについて教えてください。

土屋さん:市川市では開発にあたって指針となる「都市計画マスタープラン」というものがあります。これは市が策定した「市川市総合計画」に示された将来都市像と、県が策定した「都市計画区域マスタープラン」に即して検討し、市民の意見を反映しながら策定したものになりますが、市川市ではこの「都市計画マスタープラン」に沿う形で開発等の土地利用を誘導しています。

市川市都市計画マスタープラン

マスタープランのなかでは市全体を4つの地域に分けて、それぞれの地域ごとに地域の人々の意見を聞きながら「地域別構想」を策定しています。そのなかで、原木中山の周辺は「中部」という地域にあたります。駅の周辺に関しては船橋市の管轄になりますが、船橋市でも生活拠点として位置付けられている地域のひとつです。当然この周辺の街づくりというのは、市川市だけではなくて、船橋市との連携も図りながら行われています。

用途地域と市街化調整区域について教えてください。

土屋勝義さん

土屋さん:市川市の都市計画の基本的な図面である「都市計画図」では、住居系、商業系、工業系という具合に地域を用途ごとに色分けして示しています。原木中山地区に関しては、駅の周辺は主に住居系の用途地域になっていて、湾岸地区には工業系の地域が広がっています。その間にあるのが「市街化調整区域」と言って、「市街化を抑制する地域」ということになっています。

この「抑制する」とは、もともと「農地などの旧来の環境を守り、乱開発がされないように」という意味合いがありました。昔はこの地区にもたくさん農地がありまして、原木中山の辺りは特に蓮田が多かったそうなんですね。しかしこうした農家はなかなか世代がつながらず、途絶えてきてしまったり、また思うように開発ができないために荒れ地になってしまう、ということもあちこちで見受けられ、課題となっています。

カラー地図3

最近は都市計画法が改正されたこともありまして、調整区域での開発規制が緩和され、この区域でも条件によっては建物を建てられる、ということになりましたので、一戸建ての住宅が建ちはじめているという状況です。

マスタープランのなかでも調整区域の土地利用の方針について示しており、原木中山地区については、住居系に近いところについては、「周辺住宅地との調和がとれた土地利用を図るように」、湾岸道路周辺の工業系の地域に近いところについては、「工業・流通業務系としての土地利用を図るように」と、方針を示しております。

市街化調整区域について、今後の整備計画の予定などあるのでしょうか。

地図

土屋さん:現状、具体的な土地開発事業の話はありませんが、先ほどお話した通り、「都市計画マスタープラン」に沿ったなかで、調整区域での規制が緩和されている部分がありますので、将来的には道路の開通などに伴って流通業務系の企業が進出したり、戸建て住宅が増えたりと、そういった動きが出てくると予想しています。

調整区域の土地用途が今後変わることはあるのでしょうか。

星野貫之さん

星野さん:土地区画整理事業はじわじわ広がるのではなく、周辺の市街地と調和を図りながら一団の広さをまとめて開発するという事業ですので、道路整備や、雨水の処理など、全体的に基盤も整備したうえで、計画的に市街地を誘導していきます。ですので住居系の地域の隣に急に家の隣に工業団地ができるといったことはありませんが、工業地域側に隣接した調整区域が用途変更された例というのは実際にあります。

これは、現在の調整区域の南側の原木西浜という地区の例ですが、約10年ほど前に土地区画整理事業に伴い、調整区域から市街化区域への編入にあわせ工業系に用途が変更されまして、最近は物流や倉庫などの業者が多く集まる地域となっています。今後外環が開通すれば、さらに物流拠点としての需要が高まっていくと期待されています。

この原木西浜地区のように、道路などの基盤を整備すれば調整区域からの別の用途地域への変更ということもありますが、基本的には先ほど申し上げたとおり「調和」を第一に考えながら街づくりを進めていきますので、住環境を脅かすような開発にならないよう誘導しています。

ちなみに、原木西浜地区は、土地の有効活用に加え、周囲に桜の木を植栽して景観に配慮した街づくりに貢献した点が評価され、平成20年度の「市川市 景観賞」にも選ばれています。

外環(東京外かく環状道路)の開通、妙典橋の開通など、大きな道路開発の見通しについて教えてください。

星野さん:妙典橋については、千葉県が事業主体となって現在整備しているところでして、すでに橋脚はできており、引き続き上部を架ける工事を行い、早期の完成を目指しているところです。

土屋さん、星野さん4

土屋さん:妙典橋の延長上の道路と外環が交差する部分については、外環のうち「一般部」と言われる地上部分と平面交差をすることになっています。外環の開通については、当初2015(平成27)年開通目標だったものが2017(平成29)年開通目標ということに修正されましたので、これに合わせて、妙典橋とそれにつながる通称「産業道路」までの区間についても整備されていくものと思います。この路線は外環とつながるという、ネットワークの面でも非常に大きな役割を果たす路線ですし、道路下に市の下水道の幹線も通りますので、市としても重要な路線ということになります。

大きな道路がつながり、新しい橋が完成することで、原木中山エリアにはどのような変化が生まれるのでしょうか。

カラー地図2

土屋さん:やはり橋ができることによって、行徳地区との連動性が強化されると思いますし、防災上の面など、いろんな面でも新しいネットワークが組めますので、大きなメリットが生まれるかと思います。

また、外環が広域的な機能を果たしている道路なので、湾岸道路も含めて物流のネットワークが拡充され、湾岸地域に集まっている物流系の需要が上がってくるのではないかと見ています。

外環をはじめ新しい道の開通によって、市街地に入ってくる通過交通量が減り、外環に吸収されるので、市街地の混雑も軽減されるであろうと考えています。

市川市は景観に関する施策も多い市ですが、具体的な取り組みについて教えてください。

いちかわ景観100選

土屋さん:実は市川市は千葉県でも一番最初に景観に力を入れた市でして、「景観計画区域」というものを千葉県で初めて指定しましたし、景観に関する条例も持っているなど、景観に配慮したさまざまな活動を行っています。その一環として、市民の皆さんから「こういうところを守っていきたい」、「こんなにいい所があるんだよ」という意見を集めて、「いちかわ景観100選」というものを作成しました。

これを見ますと、原木地区についても、「原木山 妙行寺」などが100選に入っています。こういったソフト的な面からの施策をすることによって、市民の皆さんも景観を地域の資源として見てくれるようになりますし、自分の住む地域に対する、アイデンティティのようなものも生まれてきているのかな、と思います。

原木山 妙行寺

星野さん:この100選とは別に、「街回遊展」というものも開催していまして、2015(平成27)年で18回目になる恒例のイベントになっています。市内にある景観が魅力的な場所などを巡るイベントで、いろいろな地域、場所を選定して行っていますから、毎年ご参加していただければ、市川のいろんな魅力を発見してもら えるかと思います。過去には信篤・二俣街地区で行ったこともありました。

信篤地区には学校や体育館、図書館など集まっていますが、特別な政策があるのでしょうか。

星野貫之さん2

星野さん:学校や公民館などが集中していますし、マスタープランのなかでも「地域拠点」ということで位置付けていますので、将来的にも、こういった公共施設や生活利便施設はまとまって維持していくことが重要であると思います。

市内にあるおすすめのスポーツ、レクリエーション施設について教えてください。

星野さん:原木地区の最大の魅力といえば、やはり江戸川の景観かと思いますが、現在この江戸川の堤防上には、サイクリングロードが整備されていまして、散歩やサイクリングなど多くの方々に利用されています。さらに国が高潮対策として堤防を嵩上げした区間については堤防の天端幅が広くなっていて、広大な河川空間を見渡しながら散策等を楽しむことができます。

江戸川てくてくガイド

高い場所を通る道ですから見晴らしが非常に良く、上から眺めるような感じにはなりますが、江戸川の流れと河川敷の自然にも触れ合うことができて、とても気持ちの良い道になっているかと思います。この江戸川については、河川管理者である国が、市川市だけではなく江戸川下流の沿川市区と協力しながら、散策マップを作っていまして、その中でいろいろな魅力を紹介しています。

土屋さん:あともうひとつ、市の焼却施設である「クリーンセンター」から排出される余熱を利用した「クリーンスパ市川」という施設がありますが、こちらもスーパー銭湯があったり、温水プールやスタジオがあったりと、市民の皆さんによく利用されているようですね。「原木中山」駅からバスも出ていますので、子どもからお年寄りまで、幅広い年代の方に使いやすい施設になっているかと思います。

最後に、原木中山エリアの魅力について教えてください。

パンフレット

土屋さん:もうすぐ外環が開通して、江戸川を渡る妙典橋もできる予定なので、交通のネットワークが飛躍的に向上し、今よりもさらに暮らしやすい場所になっていくと思います。物流の拠点としてのメリットも大きいですから、今後はさらに物流関係の企業が進出して、暮らす人も増えて、活気のある街並みが生まれてくるでしょうね。

江戸川河川敷(高野三丁目付近)

星野さん:自然の部分では江戸川がやはり魅力的だと思います。江戸川の堤防から眺める広々とした景色や自然、お寺や神社のある落ち着いた街並みなど、自然と文化、癒しとレクリエーションがバランスよくまとまった、住みやすいエリアだと思います。

土屋さん、星野さん3

今回、話を聞いた人

市川市街づくり部 都市計画課

主幹 土屋さん(写真:左)
都市計画グループ 星野さん(写真:右)

市川市街づくり部 都市計画課
所在地:千葉県市川市市川南2-9-12
電話番号:047-712-6323
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cit01/index.html

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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「原木中山」駅前の私立幼稚園

革新的な取り組みで、常に1歩先の幼児教育を目指す/原木幼稚園 理事長 石井新太郎さん・副園長 奥川美加さん


原木幼稚園

園長 藍原恵子さん
副園長 奥川美加さん

革新的な取り組みで、常に1歩先の幼児教育を目指す
学校法人原木学園「原木幼稚園」

「原木中山」駅から徒歩3分の好立地にある「原木幼稚園」。1,000坪を超える広い敷地で子ども達はのびのびと学習しています。木の遊具でいっぱいの「木夢館」では、子どもが目をキラキラさせて遊んでいる夢の空間。キッズクライミングを取り入れたり、開園当初から革新的な取組みを続けている「原木幼稚園」について、理事長の石井新太郎さん、園長の藍原恵子さん、副園長の奥川美加さんにお話を伺いました。

はじめに、原木幼稚園の概要について教えてください。また、「地域の方々からの切実な声に応えて開園した」とありますが、開園までの背景についても教えてください。

内観全体

石井理事長:「原木幼稚園」は定員370名の幼稚園です。3歳児が90名で3クラス、4歳児が140名で4クラス、5歳児が140名で4クラスですね。

開園したのは1977(昭和52)年です。1970(昭和45)年頃は幼稚園で面倒を見きれないほど子どもが多く、待機児童がたくさんいる状態でした。「子ども育成会」の役員を務めていた私は、公立幼稚園が1年保育だったので、「2年保育の制度にして欲しい」と、毎年市川市に陳情していました。当時、周辺に住む子ども達は、地元の幼児施設に行けず、バスに乗って他の地域に通うというのが現状でした。

教室

市も小学校の増設に追われていたので、幼稚園の問題を解決するのは難しいかもしれないと悩んでいた時に、「私立という形で叶えられる人がいるのであれば、お願いしたい」という要望が父兄から出てきました。たまたまここの土地は開いていて、マンションを建てる計画などが進んでいたこともあり、そこに幼稚園を建設する計画が上がりました。1976(昭和51)年に仮認可がおりて建設に入り、1977(昭和52)年の4月から開園しました。

革新的な取組みを続け、常に1歩先の幼児教育を目指す原木幼稚園

定員120名で始まった園は、1979(昭和54)年には3歳児の保育も始まり、定員は240名になりました。当時、4、5歳の保育が主流だったところに、3歳児を加えて、「一貫した幼児教育をしたい」と認可を取りました。これは県下でも珍しいことでしたね。

木を使った温かい遊具や、教室が印象的ですが、木をモチーフにしたきっかけは何でしょうか。

木夢館

石井理事長:2004(平成16)年に「木夢館」をつくりました。1997(平成9)年頃、北海道の西興部村を旅行したときに、森の美術館「木夢(こむ)」という木の遊具を使った施設があったんです。ドーム型の施設の中に木で作った遊具が入っているんですね。ひと目見て「これはいいな」と思いました。近場であれば、遠足で行くことができるのですが、なにぶん北海道なので行くわけにもいかない。こういう施設が幼稚園にできたら子ども達は喜ぶだろうなとずっと思っていました。

遊具いろいろ

現在、「木夢館」がある場所は、以前プールとして使用されていました。古くなったので、プールを屋上にあげて、1、2階を木製遊具の部屋と決めて造り始めましたね。滑り台はここ、柱時計はここの位置と決めて、基礎から造っているので、地震があっても大丈夫です。

原木幼稚園の教育のなかに、講師を迎えた体育教育や、キッズクライミングなどの取り組みを取り入れられていますが、このような体験を通じてどのような子どもたちに育ってほしいとお考えですか。また、実際に取り組んでいる子どもたちの様子についても教えてください。

体育

石井理事長: 体操の講師を入れたのは1977(昭和52)年に開園してすぐのことでした。幼児体操というのは小学校の体操とは異なったもので、幼児には幼児向けの体操があるのではないかということで、体操のコーチを頼みました。当時は幼稚園の先生方がコーチの指導を受けて、先生が子ども達に教えるという方法をとっていたのですが、子どもも先生も増えてきたので、コーチが直接子ども達に指導した方がいいということで、現在に至っています。

体育館

音楽の講師の先生も1978(昭和53)年から来て頂いています。園に設置基準で決められた楽器はあるのですが、先生方は日頃の保育が忙しかったため、子ども達に触れさせることが出来ずに卒園していくという状況でした。そこで週に何回か音楽の講師に来てもらって、楽器に親しみを持ってもらうという目的で始めました。当時はそのような幼稚園は本園だけでしたので、「すごい幼稚園が市川にできた」と注目を浴びましたね。

キッズクライミング

キッズクライミングは2000(平成12)年に取り入れました。ホールには「クライミングウォール」があります。大人もそうですが、靴を履いて生活を続けていると、足の指を使うことが少なくなります。そのような現状も改善するために、「クライミングウォール」を取り入れました。クライミングは素足で行うので、否応なしに足の指をひっかけないと登れません。大人から見るともっと行けるだろうと思うのですが、大体の子どもは中段くらいまでいくとリタイアしてしまいますね。天井まで行くのはかなりの冒険みたいです。しかしなかなか到達できないことが、「今日はここまで登ろう」という目標にもなるので、子ども達にとって良い刺激になっていると思います。

体操

藍原園長:体操に自然に親しんでいるうちに、興味を持ったり楽しくできるように、コーチの方々が工夫して指導してくれています。小学校に上がるときに体育に苦手意識を持つ子が多いのですが、この取り組みのおげで、苦手意識を持つ子ども達が少なくなりました。また、子どもというひとくくりの枠のなかでも、担任の言葉が入っていく子どもと、担任以外の言葉が入っていく子がいるんですね。なのでいろんな人の指導、関わりを受けるのは、子どもにとってもすごく大事なことだなと思います。 音楽も段階的に指導して下さるので効果はあると思います。音楽発表会で歌や合奏を発表していますが、毎回素晴らしいクオリティですよ。

希望する子どもたちのための課外教育とありますが、実際にどのような課外活動をされているのでしょうか。また、保護者の方々からは、どのような声が聞かれますか。

園庭

奥川副園長:課外教育は体操教室、新体操教室、サッカー教室ですね。保育が終わった後にそのまま子ども達が習いに行きます。子ども達のおよそ半数が参加しており、男女ともに体操が人気です。講師の先生は課外でも指導してくれています。新体操の先生も外部から講師で来ていただいていますね。保護者の方々も、「子ども達が楽しくやっている以上は入れたい」という思いが強いようです。

園庭が広く、自然にも恵まれていますが、このような環境で教育をする魅力は何でしょうか。また、このような自然を活用した授業などはありますか。

自然

奥川副園長:まずはこの暑いなかでも、外で遊べることですね。風がよく通る場所なども指導していますが、子ども達自身、外に行ったら日影で遊ぶなど普段の生活のなかで、さまざまな知恵を身につけています。みんなたくましく育っていますよ。

季節で植物も変化するので、夏には夏の木を描き、秋は葉っぱが変わったところで秋の木を描き、枝の張りぶりを子ども達が絵として残すこともあります。椎の木はどんぐりが落ちるので、作品展には、どんぐりを使った笛を作ったり、のびのび広場でマラカスを作ったりもしています。

広い園庭

藍原園長:秋には、園でさつまいも堀をするのですが、始まる前に子ども達が落ち葉を集めて準備をしています。自分達が掘ったお芋を、自分たちが集めた葉っぱで焼く。一連の流れを勉強できますし、自然を色んな部分で取り入れています。自分たちで準備したお芋は、特別美味しいみたいですよ。

原木幼稚園ならではの行事について教えてください。

ふくろうとみみずく

藍原園長:園では、大きい畑があるので、歩き遠足で畑に行き、掘ってきたジャガイモをふかして食べたり、年長の子ども達がそれを使ってカレーライスを作り、年少、年中の子達も一緒にみんなで食べたりしています。収穫するのは、じゃがいもとさつまいものどちらかなのですが、春と秋に収穫をしています。

教室風景

石井理事長:毎年、自然の河川を利用してザリガニ釣りも行っています。年長の子どもたちは、ザリガニがいる場所を求めて、あちこち移動しながら楽しんでいます。2013(平成25)年からよく通っている場所はザリガニとカニが両方釣れる所で、1クラス80匹くらい釣っていますね。

小人とリス

藍原園長:年長さんは理事長先生による木工指導にも取り組んでいます。のこぎりや金槌、万力を使って本格的に作ります。作る物はその年によって違うのですが、2015(平成27)年は鳥小屋を作っています。2014(平成26)年はトラックや飛行機や船を作りましたね。

石井理事長:それも経験だと思うんです。金槌を持つのも、のこぎりで切るのも、釘を打つのも初めての子もいますから。何日も何日もやることで経験になっていく。安全な使い方を説明して、それを子ども達が理解して取り組むので、手を切ることや、怪我をするというのは0に等しいですね。

木工工作

奥川副園長: 作品展もあるので、その鳥小屋に何を住まわせるかを想像して、それぞれが紙粘土で鳥や動物や人を作り上げて、作品になっていきます。保育は子ども達が継続して学んでいくことが大切で、その中でも常に創造しながら作り上げていますね。

子育て相談の場としてのびのび広場や、就園前のお子さんを対象にした「木夢館」開放日を設けていますが、このような取り組みにどのような思いが込められているのでしょうか。また取り組みに対して、就園前のお子さんの様子や保護者の方々の子育てに対する意識に変化などはありましたでしょうか。

滑り台

奥川副園長:「木夢館」だと自分で遊びを見つけて遊んでいくので、自分のペースで始められます。遊びもママごとやハチの巣、滑り台などがあり、個人で遊べる場と集団で遊べる場がフロアのなかに点在しているので、みんなで遊ぶ子どももいれば、1人で黙々と遊んでいる子どももいます。子ども達が自由に遊んでいると、保護者同士でお話をする時間もできるんですね。そこで情報交換をしたり、友達になったりする場にもなっています。

椅子

「のびのび広場」は妊婦さんから参加可能な場所です。育児相談や悩み事相談を通して、職員と関わりが取れる場としても活用されています。子ども達は制作をしたり、劇を見たりと、子ども達同士が集団で関われる場になっています。なかには、輪の中に入れないお子さんもいるのですが、そういう場合は園庭で遊んでもいいよと選択肢の幅も広げています。1年が終わるころには、子ども達同士でお話ができるほど成長しています。集団の中でいろいろと学習しているんでしょうね。

地域のイベントに子どもたちが参加する等、地域との関わりもあるのでしょうか。

折り紙

石井理事長:年長さんが「ホワイト市川」という特別養護老人ホームを訪問して、歌を歌ったり触れ合ったりしています。子ども達と触れ合うまで表情のなかった高齢者の方々が、子どもと触れ合う時は今までが嘘だったかのように、笑顔で子どもにも話しかけられます。「あんなに表情を変えて話をするのは、子どもと接する時だけです。できればこれからも頻繁に来てほしいです」と施設の方々からも嬉しいお言葉を頂いています。

遊具

子ども達のなかでも、高齢者の方と触れ合うのは初めてという子がたくさんいるんですよ。車いすで生活している方などいろんな方がいるので、最初は子ども達もびっくりしてしまうことがあります。けれど、手遊びなどの交流を通して、帰る頃には子ども達も慣れています。高齢者との関わりは大切なので、出来る限り参加できるように、これからも取り組んで行きたいと思っています。

子育てエリアとして、周辺の魅力について教えてください。

幼稚園かばん

奥川副園長: 公園は近い所だけでも4か所あります。周辺の自然の活用はさまざまで、江戸川が近いので花火を見に行ったり、自転車の練習をしている子どももいます。また、治安もいいですね。園の近くで泣いている子どもがいると、近所の方が幼稚園まで連れて来てくれたり、また小学校に通うの子が、自宅の鍵が開いていないと、園に来たりしています。子どもが困ったら地域で助けてくれるという環境は、子育てもしやすいのではないかなと思います。

理事長・園長・副園長

今回、話を聞いた人

原木幼稚園

理事長 石井新太郎さん
園長 藍原恵子さん
副園長 奥川美加さん

原木幼稚園
所在地:千葉県市川市原木1-8-1
電話番号:047-327-1291
http://www.baraki-youchien.ed.jp/index.html

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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革新的な取り組みで、常に1歩先の幼児教育を目指す/原木幼稚園 理事長 石井新太郎さん・副園長 奥川美加さん
所在地:千葉県市川市原木1-8-1 
電話番号:047-327-1291
教育時間:3歳児 9:00~13:30 4歳児 9:00~13:50 5歳児 9:00~14:00 ※水・土曜日は午前のみ
休園日:日曜日、祝日、年末年始 ほか
http://www.baraki-youchien.ed.jp/index.h..

園という枠を越えて地域と連携しながら育んでゆく/わたぐも保育園 園長 福田亨さん、保育士 佐藤美恵先生


わたぐも保育園
園長 福田亨さん
保育士 佐藤美恵先生

園という枠を越えて地域と連携しながら育んでゆく
「わたぐも保育園」の取り組みとは

「原木中山」駅にある「わたぐも保育園」は、教育委員会出身の福田亨園長が地域の子育てを支援したいという想いで始めた認可保育園。また、「わたぐもこどもセンター」は、市内に11ヵ所ある「地域子育て支援センター」のひとつでもあり、0歳から就学前までのお子さんと保護者・妊婦さんも利用できます。保育には「笑い」が大事だという独自の理念を持つ、ユニークな福田亨園長にお話を伺いました。

はじめに、わたぐも保育園の概要について教えてください。

わたぐも保育園保育風景

「わたぐも保育園」は、2004(平成16)年4月に開園し、定員は0歳が6名、1歳が6名、2歳が9名、3歳から5歳がそれぞれ13名で計60名です。社会では、少子化問題もありますが、この辺りだと小さい子どもが多く、0歳の子どもが次から次へとやってきますね。

わたぐも保育園 福田亨園長先生 インタビュー 

私は園長を務める前は、市川市の教育委員会に所属していました。その関係で教員との付き合いもあり、小学校の教頭先生や校長先生にお友達が多いんですよ。現在、「わたぐも保育園」には教員出身が3名いるのですが、そのうち2名が小学校の元校長先生なんです。ですから、「来年小学校に通い始めるのですが、この学校はどんな特色がありますか?」と聞かれる保護者の方も多く、また、こちらも詳しく答えられるので、よく相談されますね。私自身も、小学校に直接電話して、校長先生や教頭先生と話ができるので、そういうところはすごく便利だと思います。

子ども達の1日の過ごし方について教えてください。

わたぐも保育園女の子

園では0、1、2歳を未満児、3、4、5歳を以上児と呼んでいます。朝は7時15分から開園します。未満児は9時半前後に午前のおやつを食べて、10時から11時までに園庭で遊んで、お昼ご飯です。以上児は9時から10時まで外遊びで、それから朝の会や制作など室内で過ごし、お昼ご飯を食べます。お昼ご飯の後は15時までお昼寝をして、それからおやつを食べます。基本の保育時間は17時までになっているので、それまでは室内で遊んでお迎えを待っています。17時から19時15分までが延長保育で、未満児と以上児の合同保育になります。

わたぐも保育園ならではの行事や、取り組みについて教えてください。 また、親子遠足や運動会など、親子で楽しめる行事もあるのでしょうか。

わたぐも保育園荷物置き

園の一番のメイン行事は「うみかぜ保育園」と「わたぐも保育園」が合同で行う運動会です。ほかには、クリスマス会も園内で開催しています。歌を歌ったり、簡単な劇をやったりと楽しんでいます。保護者の方々や子ども達への負担を少なくするために、比較的、ほかの園と比べて行事は少ないですね。

「わたぐも・こどもセンター」に遊びに来られた子ども達と、保育園の子ども達との交流はあるのでしょうか。

わたぐも保育園教室

佐藤美恵先生:2歳児から5歳児の保育園児と一緒に「えのぐあそび」や「ミニうんどう会」などの交流会を行っています。また、普段の外遊びでも、すべり台や、三輪車、水遊びなどで一緒に遊んでいる姿がみられます。

市内に11ヵ所ある「地域子育て支援センター」のひとつとして、運営されていますが、「わたぐも・こどもセンター」はどのような方々が利用されていますか。

わたぐも保育園カレンダー

佐藤美恵先生:主に原木、高谷、田尻、二俣、本中山地区の0歳から3歳の親子が遊びに来ます。ママだけでなく、パパや外国の方も来られます。「出前保育園」では、チラシを持ってきて近隣の方に「わたぐもこどもセンター」の周知を行っています。そのチラシを見て来てくれる方も多くいらっしゃいます。

「親子の広場」、「カンガルー広場」、「オープンスペース」などクラスが分けられていますが、それぞれのクラスについて詳しく教えてください。また、初めて参加される親子が馴染めるように、どのような工夫をされていますか。

わたぐも保育園子ども足元

佐藤美恵先生:「カンガルー広場」はこれから出産されるマタニティの方から、生後6ヵ月までの親子を対象にしています。これからお母さんになるプレママと、出産したばかりの新米ママさんとの交流の場で、出産について自分の時はこうだったなど、情報交換の場となっています。
「親子の広場」は年齢別に室内や園庭を解放しています。0歳から6ヵ月、6ヵ月から1歳、1歳から1歳半、1歳半以上と年齢別に分けることで、子育てについての情報交換ができたり、同じ悩みを共有することができます。
「オープンスペース」は年齢制限がなく、室内や園庭で自由に好きな遊びを見つけて楽しく過ごしています。初めて参加される方には年齢の近いお子さんが集まる「親子の広場」をすすめています。

育児講座の「読み聞かせ」や「親子体操」など、さまざまな講座を開講されていますが、実際に参加された方からどのような声を頂いていますか。また、今後開催したい講座等がありましたら教えてください。

わたぐも保育園 絵

佐藤美恵先生:「絵本の読み聞かせ」はいつも好評で、保護者の方から「子どもも楽しんで絵本を見ていました」「絵本の選び方を教えてもらって助かりました」などの声が聞かれました。また5月に行った保健師さんによる「夏の過ごし方」の育児講座では、熱中症対策や水分の取り方などを教えていただきました。保護者の皆さんからたくさんの質問が出て、この夏に役立っているのではないかと思います。今後は「ベビーヨガ」や「AEDの使い方」などの育児講座を考えています。

園庭開放日を設けていますが、このような取り組みを始められたきっかけは何でしょうか。 遊びに来られた親子の様子などについても教えてください。

わたぐも保育園庭

佐藤美恵先生:以前までの園庭のみの開放日を取りやめて、室内と園庭の両方を利用できるオープンスペースにしました。園庭開放だと園庭しか使えませんが、「室内で遊べる日も増やしてほしい」との要望があり、両方使えるオープンスペースの日にしました。園庭では三輪車やすべり台等の遊具で遊んでいる子が多くいます。すべり台は公園にあるものより緩やかになっています。公園の遊具では、少し戸惑ってしまうお子さんにとって園のすべり台が丁度いいサイズのようです。対象年齢も小さいお子さん用に作られているので安心です。1歳児、2歳児ものびのびと遊んでいます。園の子と一緒に遊んでいるところも多く見られますね。

公園に遊びに行く日もあると伺いましたが、周辺の自然環境はどのように活用されていますか。

小栗原東公園

佐藤美恵先生:「原木中山」駅近くの「小栗原東公園」「小栗原中央公園」に月に1回出向いて、「出前保育」をしています。ボール・バケツ・シャベル・紙芝居・シートを持って公園に行きます。家の近くにあるけれど知らなかった公園を知るきっかけになったり、遊びに来ていた近隣の親子に「わたぐもこどもセンター」を知ってもらうきっかけになっています。

原木山 妙行寺

3月末には「原木山妙行寺」にあるしだれ桜がとてもきれいなので、シートを持って、センターの親子と保育園児で遊びに行きました。地域の保護者の方が楽しんで子育てできるようなセンターづくりをしていきたいと思っています。

7月9日のイベントとして、千葉県立市川南高等学校との交流「よみきかせ」とありますが、イベントの内容について具体的に教えてください。また、「うみかぜ保育園」との連携など、周辺の教育施設との関わりもあるのでしょうか。

わたぐも保育園教室風景

地域の方々との交流の一環として、学校との交流も行っています。保育士や幼稚園の先生になりたい学生を学校内で募集して、当日、子ども達に絵本の読み聞かせを行っています。2013(平成25)年から始まって、2015(平成27)年で2回目なのですが、2015(平成27)年は8名の学生が参加され、その内1名は男子生徒でしたね。この間、保育士の養成校の就職説明会に行ったら、2013(平成25)年に初めて読み聞かせに来てくれた学生がいてびっくりしました。本当に保育士になりたかったんだなと、そして「わたぐも保育園」での経験が今に繋がっているんだなと感動しました。

わたぐも保育園 福田亨園長先生 インタビュー 

そのほかにも、「信篤幼稚園」とも交流しています。5歳児がメインになりますが、「信篤幼稚園」に遊びに行かせてもらっています。「うみかぜ保育園」とは、いつもお互い行き来して遊んでいます。交流している園の子ども達が同じ小学校に通うことも多く、子ども達にとっても顔なじみの友達がいるので、安心しますよね。

わたぐも保育園教室風景

近くにある「保育広場 フェープラース原木中山園」とも連携をしています。「わたぐも保育園」は19時15分まで延長保育を行っているのですが、その時間を過ぎても預かってほしい保護者の方もいるので、そういう子どもたちをタクシーで連れて行って、「保育広場 フェープラース原木中山園」の方で預かってもらっています。お互いに、子ども達の様子などの情報交換もできるので助かっています。

子育てエリアとして、周辺の魅力について教えてください。

わたぐも保育園外観

魅力は東京に近いというところですね。日本橋まで20分で行けます。周辺は閑静な住宅街で、治安もよいと思います。やっぱり交通の便利な点は大きいと思います。

わたぐも保育園園長

今回、話を聞いた人

わたぐも保育園

園長 福田亨さん
保育士 佐藤美恵先生

わたぐも保育園
所在地:千葉県市川市原木2-10-13
電話番号:047-329-6006
http://wata9mo.blog13.fc2.com/

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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園という枠を越えて地域と連携しながら育んでゆく/わたぐも保育園 園長 福田亨さん、保育士 佐藤美恵先生
所在地:千葉県市川市原木2-10-13 
電話番号:047-329-6006

ipadを導入した保育でやる気や自信を育てる/保育広場フェープラース原木中山園 施設長 片岡哲治さん


保育広場 フェープラース原木中山園
施設長 片岡哲治さん

ipadを導入した保育でやる気や自信を育てる
「保育広場 フェープラース原木中山園」

「原木中山」駅から歩いてすぐの「保育広場 フェープラース原木中山園」は、施設長の片岡哲治さんが、お母さん達のためにという思いで脱サラして始めた保育園。英語や茶道などの充実した幼児教室が保育カリキュラムに組み込まれている。「子どもは未知数だからできないことはないと子ども達の可能性を強く信じている」という片岡さん。そんな「保育広場 フェープラース原木中山園」についてお話を伺いました。

初めに、「保育広場 フェープラース原木中山園」の概要について教えてください。

保育広場フェープラース原木中山園

2005(平成17)年7月23日に開園したので、2015(平成27)年でちょうど10年になります。定員は43名。朝7時から夜の9時まで開園しています。お母さん達が大変な思いをして保育園を探しているので、少しでも支援になればと思い、株式会社の保育事業として始めました。私自身は、元々新素材の研究をしていたので、保育についてはまったくの素人でした。開園の際も、保育園のコンサルティングの方を招いて一緒に勉強して立ち上げたんです。

保育広場フェープラース原木中山園

認可外については、「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」の交付を受けています。市川市の中では「ひまわりマーク」と呼んでいます。立入り検査をすべてクリアした園だけがもらえるもので、市川市では34園中20園が交付されています。2004(平成16)年から一度も外れたことがありません。

保育広場フェープラース原木中山園

「フェープラース」という名前については、「妖精の広場」という意味が込められています。フェーはフランス語で「妖精」、プラースは「広場」という意味があり、子どもが天使になったり、ときにはいたずらをする悪魔になったり、そんな妖精みたいな姿も表しています。

教育方針では、どのような点を大切にされていますか。

保育広場フェープラース原木中山園

「やさしくておもいやりのある子。何事も最後までがんばれる子。心もからだも元気な子。」というのが保育方針です。子ども達がのびのびと過ごせる環境を提供することをモットーにしているのですが、特に重視しているのは、あいさつです。朝は「おはようございます」、帰りは「さようなら」をきちんと出来るように、また子どもたちだけでなく、保護者の方々にも、子どもたちに「いってらっしゃい」、帰って来たら「お帰りなさい」と言うようにお願いしています。

よく”のびのび”というと放任主義だと思われるのですが、そうではなく、悪いことは悪いと徹底しているなかで、遊びを第一に考えています。

「保育広場 フェープラース原木中山園」ならではの保育方法についても教えてください。また実践している保育方法で、どのような効果が得られましたか。

保育広場フェープラース原木中山園

「フェープラース原木中山園」では、いろいろな年齢の子どもたちでクラスを編成する「たてわり保育」を実践しています。「たてわり保育」の一番いいところは、下の子は上の子を、上の子は下の子を見て育っていくので、下の子は、上の子の言葉や動きを覚え、また上の子は下の子を弟や妹のように大切に見てくれます。たまに小さい子にご飯をあげるとき、「私もあげたい!」と率先して手伝ってくれますね。

保育広場フェープラース原木中山園

そのほかにも、本園では算数や英語、音楽、星座などのアプリを使って学習できるように、ipadを導入しています。最初導入したときは、国語教育の教材として使っていたのですが、それだけではもったいないので、5歳児は家に持ち帰っています。お母さん達がご飯を作っている間も、テレビではなく、ipadに入っている学習アプリで学ぶことをおすすめしています。大人が何を言わなくても、子どもたちは自然に覚えていきますし、それが脳の活性化に繋がります。

英語や茶道などの幼児教室についても教えてください。また、保育園に通っていない子ども達も、幼児教室だけ参加することができるのでしょうか?

保育広場フェープラース原木中山園

幼児教室は保護者の方々のご意見から、始めた教室です。幼稚園児の頃から教育を受けた場合と保育園児の頃から教育を受けた場合とでは、学力に差が出てきてしまいます。小学1年生ではそんなに変わらないですが、3年生になるとかなり違ってきますね。なので保育の段階から、教育を入れたいということで、英語、茶道、国語を幼児教室の授業として導入しました。何をやるにしても国語力が無ければ、理解できません。そこで「石井式」という漢字を使った右脳教育も取り入れています。漢字の隣にひらがながついた絵本を読ませることによって、漢字もひらがなも自然と覚えていきます。漢字を覚えていくことによって、この漢字は何?と興味を持っていき、次第に絵本にも興味を持ってくれます。そのような効果を実感していますね。

保育広場フェープラース原木中山園

また、幼児教育は保育カリキュラムにも組み込まれていて、1歳以上の全園児を対象にしています。午後に幼児教育の時間を設けています。通常、幼児教室は保護者の方々で連れていくのですが、その手間を省くことができ、仕事をしている間に勉強してくれているので、とても評判がいいです。認可園から本園に勉強をしに来ている子もいます。

保育広場フェープラース原木中山園

英語については、百科辞典で有名な「ブリタニカ」の幼児英語カリキュラムを導入しています。通常は先生が来て、勉強して帰るという形ですが、そこに保育士が入り一緒に学んで、次の日同じことを保育士から子どもたちに教えることで、毎日実践しています。そういう教育の仕方をプログラムとして採用しています。4歳以降は書くことも始まり、レベルが上がってきます。また、本園では、学ぶだけでなく「英検ジュニア」という試験を5歳で受験させています。毎年60から80%の正解率を取っています。

保育広場フェープラース原木中山園

茶道は畳を引いた空間で、表千家の先生から学びます。子どもたちは、15分正座ができます。その理由は、15分後にお茶菓子が出てくるからです(笑)。それが子どもたち楽しみでしょうがない。食べ物で釣っている感じがしますが、それをきっかけとして5歳からはもっと難しい作法も覚えていきます。作法を通して、思いやりの心や日本文化を大切にする心も身につくので、保護者の方々からは、とても評判がいいですね。

保育広場フェープラース原木中山園

大人はどこかで、これは子どもにできないだろうと思うのですが、子どもは未知数だからできないことはありません。最初は戸惑うかもしれないですが、できるまで見てあげることが大事で、それが保育の仕事です。

親子で参加できる行事などもあるのでしょうか?

保育広場フェープラース原木中山園

6月の親子遠足では、野田市の「清水公園」に行きます。2チームに分かれて宝探しゲームをやったり、昼はバーベキューを楽しみます。8月には納涼祭があり、園内で綿菓子や、ヨーヨー釣り、盆踊りなどをみんなで楽しみます。一番の交流は1月の新年会です。日ごろ保育士とはあまり会話できないので、土曜日の夜に、園でお酒を飲みながら交流をしています。こういう機会じゃないとゆっくり話ができないので、大切にしている行事ですね。これがきっかけでお母さん同士の繋がりができて、ご飯を一緒に食べに行ったり、交流も深まっているようです。運動会については船堀にある「フランチャイズ園」と合同で開催しています。親子競技や、親同士の綱引きも種目にあるので、親子で楽しめるプログラムになっています。

周辺の公園に遊びに行ったり、郊外学習を行うなど、周辺エリアを活用した行事や取り組みはありますか。

保育広場フェープラース原木中山園

本園は園庭がないので周辺の4つの公園は常時使用しています。また以前は、食育などの講習会を日曜日に開催していました。オーブンレンジを使わないピザやパンの作り方では、野菜が嫌いな子向けに、パンの中にほうれん草のパウダーを入れたりなど工夫をして、野菜が食べられなかった子も食べるようになりましたね。そのほかにも、バレンタインデーにチョコレートや、クリスマスにはケーキを作りました。食べ物以外ではアロマオイルやブリザードフラワーの教室を開催しています。主催ではなく、やりたい方がいれば場所を提供するという形です。日曜日は、本園も休みなので、空いている教室を使っていただき、安全に講習会が開催されています。

最後に、周辺の魅力について教えてください。

保育広場フェープラース原木中山園

周辺エリアは住みやすい環境だと思います。少し足を延ばせば妙典や西船橋もあり、騒がしくなく静かな環境で子育てできるところだと思います。また、本園としては、今後マンション建設に伴って増える児童のために、何か力になれることは手伝っていきたいと考えています。今でも認可園と認可外園同士で、園庭を借りたり、芋ほり大会を合同で行ったりと協力し合っているので、引き続きそのような関係が継続できるといいなと思っています。

保育広場フェープラース原木中山園

今回、話を聞いた人

保育広場 フェープラース原木中山園

施設長 片岡哲治さん

保育広場 フェープラース原木中山園
所在地:千葉県市川市原木2-1-1 コンフォール原木1F
電話番号:047-328-6111
http://www.feeplace.com/

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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ipadを導入した保育でやる気や自信を育てる/保育広場フェープラース原木中山園 施設長 片岡哲治さん
所在地:千葉県市川市原木2-1-1 コンフォール原木
電話番号:047-328-6111
http://www.feeplace.com/

昔の活気を取り戻し、皆が楽しめる街づくりを/NPO法人マーロード 理事 堀清敏さん


NPO法人マーロード
理事 堀清敏さん

昔の活気を取り戻し、皆が楽しめる街づくりを
「原木中山朝市」インタビュー&レポート

のどかな住宅地が広がっている東京メトロ東西線「原木中山」駅前。この地で2009(平成21)年から、朝市が開催されていることをご存知でしょうか。
毎月1回、第1土曜日の朝のみの開催で、出店店舗はおよそ10店舗ほど。出店者と買い物客との距離が近く、「あの人に会いたいから買いに行く」という常連のお客さんが訪れるほど、地域に愛されている朝市です。今回は、朝市を主催している特定非営利活動法人(NPO)の「マーロード」の理事 堀清敏さんにお話しを伺うとともに、朝市の様子を見てきました!

朝市の概要、また始められたきっかけについて教えてください。

NPO法人マーロード インタビュー

きっかけは、周辺エリアの地域活性化のために、「昔の活気を取り戻そう」という狙いで、理事長である飯塚が始めました。ほとんどの出店者が近くの農家さんで、市内の方もいれば、東金や八街の方もいらっしゃいます。理事長がほかのエリアでも朝市を開催していたので、その繋がりで出店されている方も多いですね。

NPO法人マーロード インタビューレポート

主なお客さんとしては、「あの人に会いたいから買いに行く」と来てくださる常連さんが多いです。暖かい時期になると、野菜も豊富に揃っているので、お客さんの数も多くなりますね。その時期には早いお店だと、8時か9時ぐらいにはもう完売してしまうこともあります。

NPO法人マーロード インタビュー

朝市の魅力としては、価格が安いこと、新鮮であることはもちろん「作っている方の顔を見ることができる」ということが最も大きな理由かなと思います。顔が見えることは、安心感にも繋がります。今後は初めての方でも気軽に来ていただけるような工夫をしていきたいですね。

「マーロード」のメンバーは地元の有志ということですが、どのような繋がりで集まった皆さんなのでしょうか?

NPO法人マーロード インタビューレポート

メンバーは皆、先輩後輩という間柄で、40代、50代になった今もこの街で暮らしている仲間が一緒に活動しています。私たちの共通の想いは、『子どもたちがもっと遊べる場所や、昔の良いところをまた復活させたい!』ということです。
活動を始めてから2年になりますが、やっと地域の方にも認知されてきています。これを私達の世代で終わらせずに、20代、30代の人たちにも繋げることを目標としています。

朝市のほかにも、「マーロード」さんでは地域のお祭りを主催されているそうですね。

NPO法人マーロード インタビュー

これは2013(平成25)年に始まった夏祭りで、「祭りだよ!in原木中山」というタイトルで開催しています。

内容としては、地元の飲食店や惣菜屋さんなどの店舗出店したり、小中高校の吹奏楽部が演奏したり、近隣のイベントを開催している団体などを呼んで、催しものをしたりと、内容も豊富です。

 

お祭りも朝市と同じで、地域の活性化が目的です。それまでも地元の神社で秋祭りが開催されていましたが、それぞれの地区単位で、別々に開催していました。私たちはそのような地区単位ではなく、原木、高谷、二俣、田尻、本中山など、近隣の方々が皆で楽しめるお祭りを目指しています。まだ2回しか開催していませんが、今後は恒例のお祭りにしていきたいですね。

原木中山駅

昨年(2014年)には、のべ15,000人が参加されて、駅前の250メートルの区間を車両通行止めにして、歩行者専用にするほどの盛り上がりでした。お祭りの規模としては、今後もこのくらいの規模で続けていければと思っています。今年(2015年)は7月25日開催予定です。

最後に、原木中山エリアの魅力についてコメントをお願いします。

東西線車両

都心には、20分ほどで出られるという利便性がありながらも、まだ何となく「田舎」の雰囲気も残っていて、駅から少し歩くだけで、畑があります。そんな「都会と田舎が丁度よく入り混じった場所」というのが、地域の魅力ではないでしょうか。生まれも育ちも原木エリアの私にとっては、とても住みやすい街だと思います。

ここからは朝市の様子をレポートします!

NPO法人マーロード インタビュー

「原木中山」駅を降りたら、朝市会場はすぐ目の前。地元民御用達のスーパー「ヤマイチ」の壁側に沿うように、朝市のテントが連なっています。訪れたのは朝9時ごろでしたが、すでに朝市は後半戦モードに突入。良いものを少しでも早く手にしようと、手際よく回るお客さんが行き交います。

NPO法人マーロード インタビュー

お客さんの多くは地元の常連客。特に主婦のお客さんの利用が多いそうです。売られているのは野菜を中心に、米、魚の干物、乾物、惣菜など。食料品が幅広く手頃な価格で揃うので、スーパーと合わせて訪れる人も多いようです。

 NPO法人マーロード インタビューレポート

参加者のひとり、東金市で農家を営む今井さん。丹精こめて育てている、旬の野菜が自慢だそうです。ほかにもお米、産みたて卵などが人気を集めていました。作っている本人とお話ができるのも、朝市ならではの楽しさですね。今井さんのテントはひときわ人気が高い様子でしたが、その理由のひとつが「落花生詰め放題500円」の大盤振る舞い。「落花生を選別していない分安くできるんですよ。でも味は絶対美味しいから!」と今井さんも太鼓判を押します。確かに美味しかったです!

NPO法人マーロード インタビュー

お米を作っている農家では、鮮度を保つために主に玄米で販売していました。近くのコイン精米機などで精米すれば、最高に美味しいご飯を味わえるそうです。銘柄はコシヒカリが中心ですが、2キロ、5キロ、10キロ、30キログラムと、サイズのバリエーションも豊富です。

NPO法人マーロード インタビュー

農産物以外に目を引いたのは、それぞれのお店のおばちゃん達が、朝早くから手作りしたというお惣菜。特におこわと炊き込みごはんの種類が豊富で、どのお店も1パック200円で販売されていました。聞けば朝の2時からご飯を炊いて、一生懸命作っているんだそうです。味は薄味で美味。おふくろの味を堪能できます。

早朝に収穫したばかりなのか、土が付いた状態の野菜もありました。農協に卸せない不揃いの野菜などは、特に格安で売られているそうです。セリ、ルッコラ、キクイモ、芽キャベツなど、ちょっと珍しい野菜も手軽な値段で手に入るのが嬉しいですね。魚の漬物や干物を作っている工場の方も、お店で売っている値段よりも少し安く提供しているそうです。

NPO法人マーロード インタビュー

道の駅などに特産品を卸しているという方も出店していました。珍しい勝浦産の生わかめのほか、昆布、しいたけ、煮干しなど、食卓の脇役たちが安価に揃えられます。

NPO法人マーロード インタビュー

ほんの数十メートルの区間ではありますが、生産者の方々と直接ふれ合って、美味しい野菜などを手軽な価格で買うことができる「原木の朝市」。この日はひときわ寒い朝でしたが、懐も心も、何だか温かくなりました。
ちなみに、品物が最も揃っているのは開店直後の朝7時だそう。人気の品から売り切れていくので、できるだけ早めに行くのがオススメです!

NPO法人マーロード インタビュー

今回、話を聞いた人

NPO法人マーロード

理事 堀清敏さん

住所: 千葉県船橋市本中山7-7付近(朝市開催場所)
https://sites.google.com/site/npomarroad/

※この情報は2015(平成27)年2月時点のものです。

「遊びを通して学ぶ」幼稚園で元気に過ごす子どもたち/竹園幼稚園 園長・副園長


竹園幼稚園
園長 竹内豊子さん
副園長 竹内聡晴さん

竹園幼稚園

「遊びを通して学ぶ」幼稚園で
元気に過ごす子どもたち

「すこやかな幼児教育を」を合言葉に、半世紀もの間、地域に愛されている「竹園幼稚園」。「遊びを通して、人生の基礎となる“人間力”を養う」ということで、いつも庭からは元気な園児の遊び声が聞こえている。

そんな自由・活発な幼稚園で皆をまとめるのは、創立者でもある竹内豊子園長と、副園長で園長の子息でもある竹内聡晴さん。今回はこのお二人にお話をうかがった。

今年で開園からちょうど50周年とお聞きしました。

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:1965(昭和40)年の開園ですから、2014(平成26)年でちょうど50周年になります。私自身、若いころから現場でクラスを持って、キリスト教の幼稚園、仏教の幼稚園、山手の幼稚園、下町の幼稚園と、あらゆる幼稚園で教諭をやってきました。そういう経験の中で、「自分で始めるのであれば、これはいらないな、ここは継承したいな」と思う点が山ほどありまして、自分なりの考えを実現したいと思って、開いたのがきっかけです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

もう50年やっていますので、私の同年代の方はもうずっと前に定年退職をして、悠々自適な生活をしています。ですから、早くそこに追い付きたいんですけれど、なかなかそんな悠長な立場ではありませんので、まだまだ相変わらず、現場を駆けずり回っています。

「遊びを通して学ぶ」ということが基本理念にあるということですが、どのような実践をされているのでしょうか?

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:この時期は牡丹の花がとてもきれいなんです。だからこの間、伝承あそびを子どもたちに教えました。「今年の牡丹は良い牡丹、お耳を絡めてすっとんとん♪」という歌詞なんですけれど、その中で、みんなが手をつないで遊んでいるところに、鬼さんが「入れて」と来るところがあるんです。そこで、遊んでいた子たちは、一斉に「イヤ!」って言うんです。

 

今の日本人は「イエスかノーか」を言えない。でも、その場をなんとなく濁すのだけは上手いです。でもこれからの世界で、本当にグローバル世界で生きていくには、「ノー」を言えないといけないんです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

ですから先日、私も初めて、この歌を子どもたちに教えてみたんです。「古臭いと言われるかな?」って思ったんですけれど、子どもたちは「イヤ」って言うところがとっても楽しいみたいで、待ってたとばかりに「イヤ」と言うんです。狙い通りだな、と私なんかは思っているんですけれど。

 

今の子は何でもその場逃れで、平穏に、親に言いつけられないように、自分が窮地に陥らないようにとやりがちですから、こういう遊びから、身につけ、学んでいく部分もあると思います。

副園長:「コミュニケーション能力が足りていない」ということは、我々がとても深刻に思っている部分です。これは子どもたちだけではなくて、もう大人になった人たちもそうですね。他者との接触が無いじゃないですか。だから「これは子どものうちから何とかしなくては」ということは、切実に思っています。かつて当たり前にできていたことが、今はできていないんです。

園長:「たかが伝承あそび」ですけれども、そこにはどれだけ凝縮した“含み”があるか知れません。結果が出るまでは時間がかかると思いますけれど、やはり、この幼児期は遊びを原点に、「意思表示ができる子」に育っていってもらいたいな、と思っています。そこがうちの教育の原点です。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:これは言ってみれば、「人間の基礎力を大事にしませんか」ということなんです。今は便利な世の中になって、だいぶその部分がスポイルされてしまっているんですが、これからはその部分を大事にしないと、自分の考えが相手に伝えることができないと思うわけです。「語学ができれば国際人」ではなくて、相互で理解して、相互で認め合って初めて、「通じ合う」のだと思っています。

「人間の基礎力」は、どのように引き出されていくのでしょうか?

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:「なるべく自力で頑張れ、やれるところまでやってみなさい」というのが教育の基本だと思うんです。ですから親御さんにもいつも言っているんですが、うちは「脱甘え」なんです。子どもには必ず「もともと持っている力」がありますので、子どもの背中をちょっとだけ押してあげることが、我々の仕事だと思っています。

竹園幼稚園 園長インタビュー

子どもは自信がついたらまた意欲が湧きますから、その気持ちになったところで、また負荷をかけていって、それをクリアしたら次のステップに進むということです。何も焦ることはないですから、子どもたちにはゆったりとした気持ちで園生活を送ってほしいと思っています。

遊びを通じて勉強では得られないものを教えているんですね。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:勉強を早くから教えて叩き込むというのは、私から見れば、あまりメリットが無いと思うんです。

ただ、結果としてですけれども、うちの卒業生で進学校に進む子どもというのはすごく多いですし、キャプテンシーを発揮して、小学校で学級委員長になったり、花型の運動選手になったりということも多いと聞いています。我々の狙いが、何とかうまく機能しているのかな、という実感はあります。

子どもはいつだって外で思いっきり遊びたいし、友達と遊びたいと思っています。それは本能的に持っているものですね。ですからその部分を大事にしながら、基礎的な人間力へと繋げていければと思っています。

山登り、子どもたちだけでのお泊まり保育など、ユニークなイベントも沢山企画されていますね。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:これもやはり、「人間力を養う」という意味で、毎年、年長さんが山登りと、新幹線で越後湯沢まで行くお泊まり保育、年中さんも鎌倉親子ハイキングなど、ほかの幼稚園ではあまりやっていないようなことを行っています。

山登りは毎年、逗子の鷹取山に行っています。標高139メートルの小さな山なんですけれども、鎖場などもあって、けっこうスリルがあるんです。もちろんそこでは下に職員がいてガードしながら安全を確保して進むんですけれど。その写真を登山の翌日に貼り出しますから、保護者の方はみんな腰を抜かすほどびっくりするんですけれど、危険だからと反対される方はいないです。この登山で我々が狙っているのは、やはり、「自力で頑張る」ということなんです。

園長:親御さんは最初子どもが登山できるかどうか心配されますけれど、もともと、私も山とかスキーとかが大好きで、3歳の時からいろんな山に登っていましたから、「5歳や6歳になって、ぐずぐずする子はいないな」という確信があります。だから連れていくんです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:春には年長組と年中組が親子一緒に参加する「鎌倉ハイキング」もあって、この時にはのべ10キロくらい歩くんですけれど、去年も脱落する子は誰もいませんでした。子どもの成長を間近で見られますから、保護者の方にとっても、嬉しいイベントになっていると思います。

竹園幼稚園 園長インタビュー

ほかには、12月に「クリスマスお遊戯会」があって、この時には外部の会場を借りて、歌ったり踊ったりして、一日スター気分を味わいます。これも子どもたちが楽しみにしている行事です。

庭を見ていると、大きな子と小さな子が一緒になって、転がりまわって遊んでいます。

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:うちでは基本的に全学年が一緒に動いていますので、庭で遊ぶ時にはみんな一緒です。こんなに小さな子でも、大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんの動きを見て、「バッジの色が変わると、こういうことができるようになるんだ」っていうことを、小さい頭の中でもきちんと分かっているんです。

こうやってみんなで一緒に遊べるのも、やっぱり広い庭があるからなんです。教室だけだと、やっぱり教室で、同じ歳の子どもだけで、何かモジョモジョやるだけになってしまいます。うちの場合は、先祖からたまたま預かったこの土地があったので、地域に貢献できているんだと思います。

昔、アメリカのロバート・フルガム心理学者が、「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」と言いましたけれど、これは私にとっては、学生時代から非常に印象に残っている言葉なんです。一緒に作ることも、数が揃っていないおもちゃを分け合うことも、せっかく作ったものを明日のために平らにして直すという協力も、すべて砂場で教わったということなんです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

とにかくこの時期は、やりたいことを、相手を傷つけない以上は、存分にやらせてあげたいな、というのが私の趣旨です。

遠くから来られる子もいるそうですが、どの地域から通う子が多いのでしょうか?

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:うちでは募集時期にポスターなどを貼らないんですが、親御さん同士の口コミで集まってくださります。半数以上は徒歩と自転車の圏内の方ですが、スクールバスもありますから、中には遠くから来られる方もいます。今年は尻手あたりからも来ています。

竹園幼稚園 園長インタビュー

ただ、闇雲にどこまでもスクールバスを走らせて、保育時間を削ることも園の趣旨に反しますから、一定のエリアまでしか回りません。それより遠い方は、バスが来る場所まで送っていただくという具合です。

園のホームページを見ても、子どもたちの笑顔の写真がとても印象的ですね。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:そうなんです。お母さん方にもよく「子どもの笑顔を撮る秘訣は何ですか?」と聞かれるんですけれども、何もないんです。ただ、普通に撮っていると、全部笑顔なんです。

園長:うちの基本は「子どもらしく」なんです。大人になれば、嫌でも「ずるがしこさ」が身についちゃうんです。だからこの純粋な時期を、一日でも多く味わわせたいな、ということを、私たちは職員全員、根底に持っています。だからみんな笑顔なんだと思います。

親御さんからよく聞くのは、子どもと一緒に園の見学に来た時に、「一緒に遊ぼう」ってすぐに声をかけてもらった、という話です。職員は何も言っていないんですが、子どもたち自身が、「あの子は何しにきたんだろう、面白そうだから一緒にあそぼうよ」って思って、声をかけるんです。それだけ園生活を楽しんでくれているということでしょう。

ですから、子どもたちがその子の手をとって、一緒に遊びを教えてくれて、それを見て親御さんは「あ、ここが良いな」と思ってくださるんです。入園の面接では一様にそんな話をお聞きします。

最後に、小田栄の子育て環境についてお聞かせください。

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:環境はいいと思います。今はマンションに引っ越されてくる方が非常に多くなっていますけれども、皆さんが交流を持って過ごされているように思います。

ですからそういった活動の中で、ご近所同士、これから長く付き合える関係を築いていってほしいと思います。それを結びつけることも、幼稚園の仕事のひとつだと思いますので、そういう輪が広がるように、園としても手を貸していきたいと思います。

竹園幼稚園

今回、お話を聞いた人

学校法人竹内学園 竹園幼稚園
竹内豊子園長
竹内聡晴副園長

住所:神奈川県川崎市川崎区小田3-13-16
電話番号:044-322-7716
URL:http://takezono.org/

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※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

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「遊びを通して学ぶ」幼稚園で元気に過ごす子どもたち/竹園幼稚園 園長・副園長
所在地:神奈川県川崎市川崎区小田3-13-16 
電話番号:044-322-7716
保育時間 : 月曜〜金曜 9:00〜14:00(水曜 9:00〜11:30)
※預かり保育(有料)〜16:30まで
http://takezono.org/index.html

魂を込めて、お客さまの心を満たしたい。 “本物”の追求と、“何でもできる場所”への挑戦。/酢飯屋/suido cafe/水道ギャラリー 岡田大介さん


 
 

魂を込めて、お客さまの心を満たしたい。
“本物”の追求と、“何でもできる場所”への挑戦。

「江戸川橋」駅から歩いて3分、神田川を渡った住宅地の一角に、大正時代に造られた一軒家を改築し、営業をしている店がある。寿司職人・岡田大介さんと弟さんが営むのは、夜限定の完全紹介制の寿司屋『酢飯屋』と、昼間に各地の郷土料理や多彩なジャンルの料理を週替わりで提供する『suido cafe』、それから企画展示や商品販売を行う『水道ギャラリー』と様々。「保育付き寿司ランチ」「酢飯屋バーベキュー」などユニークなイベントにも挑戦しながら、日本全国を飛び回り、食材から道具に至るまですべてにこだわる代表の岡田さんに、お店のことや地域に対する思いについてお話をうかがった。

まず、岡田さんが寿司職人になられるまでの経緯を教えていただけますでしょうか。

suido cafe インタビュー

料理の道を志したのは19歳の時です。きっかけは母親が亡くなったことでした。食事を自分達で用意しなければならない日々が始まったのですが、僕も父親も当時全く料理が作れなかったのでコンビニ弁当の日が続き、一ヶ月もすると10才程離れた幼い弟や妹が体調を崩してしまったのです。「これは食べ物がまずいに違いない」と思い、料理を習おうと決心しました。

suido cafe インタビュー

最初はフレンチやイタリアンなどのほうが格好いいなとも思ったのですが、家族に毎日食べさせるならやはり和食がいいだろうと思い、日本料理店に弟子入りしました。
海の無い千葉県野田市というところで育ったので、最初は魚のことなど全くわかりませんでした。アジを見てもそれがアジとわからなかったくらいです。先輩にも笑われましたね。でも逆にゼロからスポンジのように全てを吸収しました。寿司、割烹、懐石料理などについて基礎から修業を積み、2004(平成24)年に独立して完全予約制の寿司屋を新富町で開業しました。

お店を開く場所にこの街を選んだのはなぜでしょうか?

suido cafe インタビュー

独立して最初の店は新富町の自宅マンションでしたが、2009(平成17)年にこの江戸川橋で店を開きました。
ここは神楽坂や飯田橋が近いですが、決して商売向けの場所ではないと思いました。しかし、住んでいる人たちにとっては人の流れが穏やかで調度良く、落ち着いた街だと思ったんです。

suido cafe 内観

僕にとっても同じで、やりたいことを丁寧に、自分達のペースでできる調度いい場所だと思いました。例えば神楽坂だと、どんどんどんどん人が入って来ますよね。僕の店でやりたいことは、それではブレてしまうと思ったのです。 あとは、近所の建築事務所の友人がこの建物を見つけて「好きそうな物件があるよ」と教えてくれたことも良いタイミングでした。

いろいろなことにこだわり始めたきっかけは何だったのでしょうか。

suido cafe トマト

25歳で独立し、お店を始めた当初はここまでこだわってはいませんでした。毎日毎日をがむしゃらに勢いでという感じ。でも、あるとき、お寿司を食べに来てくれた友人に「“本物”にしか興味がないというふうにしていったほうが良いよ」と言われたんです。最初はピンとこなかったんですが、考えてるうちにだんだんしっくりきて、身の周りから偽物を排除するのが気持ち良くなっていきました。

そして、あるものにこだわるというのを始めだすと、“こだわっていないもの探し”も始まりました。「酢飯屋」の名前の通り酢飯にこだわっていたのですが、“酢飯にこだわるけどお茶にこだわらない”とか、“お茶にこだわるけど醤油にこだわらない”とか、何かおかしいじゃないですか。そうして、26、7歳のころから“本物”を見つけてそうでないものと入れ替えていくことが、日々の思考の癖として身についていきました。

岡田さんが考える“本物”とは?

suido cafe

基本的には人の手で丁寧に作られていること、そして線引きにおいて最も重要なのは、“誰が作っているかを把握できる”ことです。そこから先の、それが“本物”かどうかというのは個人の価値観になると思います。
例えばイカのお寿司を握って出すとき、一生懸命握って出したイカのお寿司が、回転寿司で食べたものと違いがわからないときもありますよね。じゃあ、その違いは何かというと、それは素材であるイカにあります。

suido cafe インタビュー

僕はそのイカを自分で獲ってきたり、信頼している漁師から買ってきたりしています。でも一方では、誰が獲ったかわからなかったり、そもそも日本で獲れたイカではなかったりするのです。自分の口に入るものが何かわからないのは気持ち悪いですよね。自分が全てに気持ちを入れられるかどうか。魂の入ったイカを手に入れ、そしてさらに自分がそれに魂を入れて握ることを大切にしているのです。

いい食材を求めて、北から南まで日本各地いろいろなところへ足を運んでいらっしゃるそうですね。

suido cafe 食材探訪

はい。たとえばジンジャーエールがあると、その食材の生姜とか水とかハチミツとかが気になります。そしてそれらを、誰がどこで作っているのかを見に行くのが好きなのです。実際に自分の目で見て来ると、お客さまにちゃんと伝えられますから。なので、できる限り自分達が使う食材や道具などは、可能な限り現地に足を運び、五感で確かめ、自分達で作れるものは作る、獲れるものは獲りに行くようにしています。

suido cafe 食材探訪

純粋に、「うちの親戚が農家だから見に来て」とお客さまに言われて行ってみることもあります。自分の足であちこちに行きます。本来は産地直送と言えばOKなのかもしれませんが、それは自分のスタイルとは違います。

suido cafe 食材探訪

実際はとんでもなく大変です。最初はとにかく勢いで飛び込んで行きましたから、どこでもウェルカムで受け入れてくれたわけではありません。でも日本は、北から南まで本当にすごく面白くて魅力的だと思います。知らない街に行くと必ず知らないものがあって、刺激を受けて帰って来るんです。 あと僕は、そこに自分の家族を連れて行き同じ時間をすごすことも大事にしています。

食材だけでなく器にも凝っていらっしゃいますね。

suido cafe インタビュー

食べ物に関しても器に関しても思いは同じです。魂のこもったお寿司を一皿に盛る時、その器も誰が作ったか把握しておきたいのです。乗せるお皿も良くなければ、せっかく仕入れてきたものが活きません。最終的に口に入った時に、お客さまにどう感じてもらえるか。お腹を満たすためだけであればここまで追求する必要はないのかもしれませんが、僕はお腹を満たすことは求めていません。心を満たすお寿司をつくりたいのです。

お寿司だけでなく『suido cafe』も開いたのはなぜなのでしょうか。

suido cafe

こだわりをもって日本各地に行きますが、もちろん、海に隣接していないところもあります。寿司屋なので使う食材は米とか魚とかがメインなのですが、野菜や豚肉、卵など、あらゆる食材と出会います。それらを情報として持って帰って来たときに、寿司屋だけで発信するには物足りなくなってきました。

suido cafe インタビュー

たまに夜の寿司屋に出すときもありましたが、それにも限界があり、自分の考えていることとズレてきたので、思い切ってやるには昼がいいかなと思ったのです。
それに、夜の寿司屋のような予約制や紹介制の店というのは、この場所にあっても近所の人たちにとってあまり意味がないですよね。地元の人と一緒でなければ閉鎖的な店になってしまうと考えました。
『suido cafe』は年中無休というのもポイントです。“いつ行ってもやっている”というのは地元の人にとって、ちょっと寄って買い物ができる場所なのです。

自社商品の展開もされていらっしゃるんですよね。人気商品は何ですか?

suido cafe インタビュー

喜界島のさとうきび粗糖を使った「黄金糖のラスク」が一番よく売れますね。弟の奥さんがパン屋をやっているので、ラスクにするためにベストなパンを特注で作ってもらっているんです。 ラスクとか羊羹とか、手土産を買って行ける店が近くにあるのはご近所の方に便利だと思うので、今後もそういった商品には力を入れていこうと思っています。

カフェで定期的に行われている、「保育付き寿司ランチ」という企画も面白いですね。

suido cafe インタビュー

託児付でお店を利用できるサービスを行っている「ここるく」の代表・山下さんと知り合いで、子育てについて話をしたのがきっかけです。山下さん自身もお子さんのいるママで、自分も2人の子どもがいるので、子育ての経験や体験を何かお店に活かせないかと考えていました。寿司屋というのは子ども連れでなかなか行き難いお店ですからね。

suido cafe 保育付きランチ

ママには育児を離れてリラックスしてお寿司を堪能してもらい、子どもたちは2階をキッズルームにしてプロの保育士さんと一緒に年齢(月齢)に応じた遊びをしたり、子ども同士の交流を楽しんだりしてもらいます。リピーターも多いですね。

ほかにも産後ヨガを企画してこの店でやったこともありますね。なるべくこういった企画にも、お寿司を絡めるようにしています。

企画展示スペース『水道ギャラリー』もありますが、こちらはどのように使用されているのでしょう?

suido cafe ギャラリー

ここは“何でもできる場所にしたい”と思っていました。バーベキューをしてみたり、室内お花見会などをしたこともあります。現在は基本的にはギャラリーに落ち着いていて、企画展などをだいたい一週間毎に入れ替えています。そのテーマは、作家の方たちと打ち合わせをして決めています。たとえば、今欲しい器とかを企画のテーマにして作ってもらうというような感じです。

suido cafe 器

季節に合わせて夏には「アイスをたのしむうつわ展」、秋には「炊き込みご飯と茶碗蒸し展」とか。器以外にも色々と展示します。
常に、“やりたいことは、やってみる”と思っています。夜の寿司屋という軸はぶらさずに、それ以外の時間帯と場所はなるべく幅を広げて楽しめる店にしたいと思っています。例えば、1カ月くらいパン屋にしてみるとか、やってみたいですね。

最後に、岡田さん自身もご家族とこの江戸川橋エリアにお住まいだそうですが、
暮らすという視点ではどんな街だと感じますか?

小日向公園

4歳と1歳の息子がいますが、この街で生まれてこの街ですくすくと育っています。ここは少子化を感じられないほど子どもが多いですね。文京区は区長が保育園の待機児童ゼロを目標に掲げているので、そうした点でも子育て世帯にとっては期待できる街ではないでしょうか。

suido cafe 岡田さん

今回、話を聞いた人

株式会社酢飯屋

代表取締役 岡田大介さん

住所:東京都文京区水道2-6-6
電話番号:03-3943-9004
http://www.sumeshiya.com/cafe/

※2014(平成26)年8月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

魂を込めて、お客さまの心を満たしたい。 “本物”の追求と、“何でもできる場所”への挑戦。/酢飯屋/suido cafe/水道ギャラリー 岡田大介さん
所在地:東京都文京区水道2-6-6 
電話番号:03-3943-9004
営業時間:11:30~13:30、13:30~17:00(カフェタイム)
定休日:年中無休
http://www.sumeshiya.com/cafe/