子育て世代の強い味方!NPO法人市川子ども文化ステーションの取り組みとは/NPO法人市川子ども文化ステーション 加藤さん


NPO法人市川子ども文化ステーション
加藤さん

子育て世代の強い味方!
NPO法人市川子ども文化ステーションの取り組みとは

「NPO法人市川子ども文化ステーション」は、文化活動に力を入れることで、芸術を理解する感性だけでなく、豊かな心を育てようという理念に基づいて活動している。今回お話を伺った「ぴょんぴょんキッズ」や「きらきら広場」の活動は、新たに住み始めた子育て世代の方々のフォローも行うなど、幅広い“子育て”支援を行っている。そんな広場を担当されている加藤さんに「NPO法人市川子ども文化ステーション」や、きらきら広場での取り組みについてお話を伺った。

NPO法人市川子ども文化ステーションの概要を教えてください。

NPO法人市川子ども文化ステーション

1983(昭和58)年に発足した「おやこ劇場」が前身です。当時、都心部に限らず市川市にも開発の波が訪れ、子どもたちの遊び場が少なくなっていました。そのような状況のなかで、子どもたちの感性を豊かにするためには何が必要かと当時のメンバーは考えました。子どもは、人と遊びながらいろいろなことを学んでいくものです。ごっこ遊びや外遊び、手遊びといった実際の体験を大切にし、さらに舞台鑑賞やキャンプ、勉強会などもスタートさせました。2001(平成13)年5月からはNPO法人として活動しています。

「信篤公民館」で行なわれている「ぴょんぴょんキッズ」について教えてください。

NPO法人市川子ども文化ステーション

「ぴょんぴょんキッズ」は月に2回(8月は1回)木曜日に開催される1歳前後から入園前の親子を対象とした会員制サークルで、たくさんの親子が集まっていろいろなイベントを楽しんでいます。クリスマス会やお正月、節分、七夕など季節にちなんだイベントや、小麦粉粘土・竹トンボづくりなどの工作、ラスクやサンドイッチなどの お料理まで、幅広いイベントを集まったみんなで考え開催しています。未就園児のための運動会など、ユニークなものもありますよ。

イベントによっては年齢別で開催していて、「かえる」は、今年度4歳になる子どもとその保護者、「うさぎ」は、それより小さな子どもとその保護者という構成で編成されています。
毎回15組ぐらいの親子が参加しています。

「きらきら広場」はどのような活動なのでしょうか?

NPO法人市川子ども文化ステーション

「きらきら広場」には年齢制限を設けておらず、会員でなくても参加することができます。“お母さんの居場所”になれるように努めており、いつでもふらっと立ち寄ってもらえたらと思っています。また、出産を控えた妊婦さんにも来ていただきたいですね。毎月第2・第4金曜日に「市川市 信篤公民館」で活動しています。
毎回7組から10組ぐらいの親子が参加しています。

気になってはいるけれども、なかなか訪ねる機会がないというケースも多いと思います。そのような方にメッセージをお願いします。

NPO法人市川子ども文化ステーション

少しでも雰囲気が分かれば、訪ねやすいと思います。活動をブログでも紹介しているので、そちらが一番参考になるかもしれません。どのような方も大歓迎です。ぜひ、遊びにきていただきたいですね。

信篤地区には図書館や子ども館などの公共施設があります。子育て世代にとって信篤地区は、どのように映りますか?

NPO法人市川子ども文化ステーション

生活圏に公共施設が充実しているので助かります。以前は、割合として専業主婦が多かったので保育施設は少なかったのですが、時代とともに共働きの家庭が増え、それに伴って保育園が増えてきました。働きやすい街になったのではないかと思います。

最後に、これからの活動への展望を聞かせてください。

NPO法人市川子ども文化ステーション

より多くの方に、ほっとできる場所を提供していきたいですね。核家族化が進み、子育ての相談ができない時代ですから、悩みを少しでも取り除いてもらえたらと思っています。

NPO法人市川子ども文化ステーション インタビュー

今回、話を聞いた人

NPO法人市川子ども文化ステーション

加藤さん

NPO法人市川子ども文化ステーション
所在地:千葉県市川市鬼越2-5-1-101リアビル
電話番号:047-332-3024
http://www.kodomobst.org

※2015(平成27)年8月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

子育て世代の強い味方!NPO法人市川子ども文化ステーションの取り組みとは/NPO法人市川子ども文化ステーション 加藤さん
所在地:千葉県市川市鬼越2-5-1-101 リアビル
電話番号:047-332-3024
http://www.kodomobst.org/

調和のとれた土地利用をコンセプトに市民とともにつくり上げる街づくり/市川市街づくり部 都市計画課 主幹 土屋さん 都市計画グループ 星野さん


市川市街づくり部 都市計画課
主幹 土屋さん
都市計画グループ 星野さん

当サイトでは、原木中山において実施されているイベントなど、原木中山の地域情報を紹介していますが、今回は市役所の方に、原木中山に関するまちづくりの取り組みについてインタビューしました。

 

調和のとれた土地利用をコンセプトに
市民とともにつくり上げる街づくりとは

現在、市川市では市民との協働で「都市計画マスタープラン」を策定し、街づくりが行われています。この「都市計画マスタープラン」は、市の将来都市像や、県が策定した「都市計画区域マスタープラン」を踏まえ、住む人にとってよりよいまちにするために策定した方針です。「近い将来、自然と文化、癒しとレクリエーションがバランスよくまとまった、住みやすいエリアになる」とお話してくれたのは、市川市街づくり部 都市計画課主幹の土屋さんと都市計画グループの星野さん。お二人に、現在の開発計画、そして今後の街の変貌についてお話を伺いました。

はじめに、原木中山周辺の整備計画などについて教えてください。

土屋さん:市川市では開発にあたって指針となる「都市計画マスタープラン」というものがあります。これは市が策定した「市川市総合計画」に示された将来都市像と、県が策定した「都市計画区域マスタープラン」に即して検討し、市民の意見を反映しながら策定したものになりますが、市川市ではこの「都市計画マスタープラン」に沿う形で開発等の土地利用を誘導しています。

市川市都市計画マスタープラン

マスタープランのなかでは市全体を4つの地域に分けて、それぞれの地域ごとに地域の人々の意見を聞きながら「地域別構想」を策定しています。そのなかで、原木中山の周辺は「中部」という地域にあたります。駅の周辺に関しては船橋市の管轄になりますが、船橋市でも生活拠点として位置付けられている地域のひとつです。当然この周辺の街づくりというのは、市川市だけではなくて、船橋市との連携も図りながら行われています。

用途地域と市街化調整区域について教えてください。

土屋勝義さん

土屋さん:市川市の都市計画の基本的な図面である「都市計画図」では、住居系、商業系、工業系という具合に地域を用途ごとに色分けして示しています。原木中山地区に関しては、駅の周辺は主に住居系の用途地域になっていて、湾岸地区には工業系の地域が広がっています。その間にあるのが「市街化調整区域」と言って、「市街化を抑制する地域」ということになっています。

この「抑制する」とは、もともと「農地などの旧来の環境を守り、乱開発がされないように」という意味合いがありました。昔はこの地区にもたくさん農地がありまして、原木中山の辺りは特に蓮田が多かったそうなんですね。しかしこうした農家はなかなか世代がつながらず、途絶えてきてしまったり、また思うように開発ができないために荒れ地になってしまう、ということもあちこちで見受けられ、課題となっています。

カラー地図3

最近は都市計画法が改正されたこともありまして、調整区域での開発規制が緩和され、この区域でも条件によっては建物を建てられる、ということになりましたので、一戸建ての住宅が建ちはじめているという状況です。

マスタープランのなかでも調整区域の土地利用の方針について示しており、原木中山地区については、住居系に近いところについては、「周辺住宅地との調和がとれた土地利用を図るように」、湾岸道路周辺の工業系の地域に近いところについては、「工業・流通業務系としての土地利用を図るように」と、方針を示しております。

市街化調整区域について、今後の整備計画の予定などあるのでしょうか。

地図

土屋さん:現状、具体的な土地開発事業の話はありませんが、先ほどお話した通り、「都市計画マスタープラン」に沿ったなかで、調整区域での規制が緩和されている部分がありますので、将来的には道路の開通などに伴って流通業務系の企業が進出したり、戸建て住宅が増えたりと、そういった動きが出てくると予想しています。

調整区域の土地用途が今後変わることはあるのでしょうか。

星野貫之さん

星野さん:土地区画整理事業はじわじわ広がるのではなく、周辺の市街地と調和を図りながら一団の広さをまとめて開発するという事業ですので、道路整備や、雨水の処理など、全体的に基盤も整備したうえで、計画的に市街地を誘導していきます。ですので住居系の地域の隣に急に家の隣に工業団地ができるといったことはありませんが、工業地域側に隣接した調整区域が用途変更された例というのは実際にあります。

これは、現在の調整区域の南側の原木西浜という地区の例ですが、約10年ほど前に土地区画整理事業に伴い、調整区域から市街化区域への編入にあわせ工業系に用途が変更されまして、最近は物流や倉庫などの業者が多く集まる地域となっています。今後外環が開通すれば、さらに物流拠点としての需要が高まっていくと期待されています。

この原木西浜地区のように、道路などの基盤を整備すれば調整区域からの別の用途地域への変更ということもありますが、基本的には先ほど申し上げたとおり「調和」を第一に考えながら街づくりを進めていきますので、住環境を脅かすような開発にならないよう誘導しています。

ちなみに、原木西浜地区は、土地の有効活用に加え、周囲に桜の木を植栽して景観に配慮した街づくりに貢献した点が評価され、平成20年度の「市川市 景観賞」にも選ばれています。

外環(東京外かく環状道路)の開通、妙典橋の開通など、大きな道路開発の見通しについて教えてください。

星野さん:妙典橋については、千葉県が事業主体となって現在整備しているところでして、すでに橋脚はできており、引き続き上部を架ける工事を行い、早期の完成を目指しているところです。

土屋さん、星野さん4

土屋さん:妙典橋の延長上の道路と外環が交差する部分については、外環のうち「一般部」と言われる地上部分と平面交差をすることになっています。外環の開通については、当初2015(平成27)年開通目標だったものが2017(平成29)年開通目標ということに修正されましたので、これに合わせて、妙典橋とそれにつながる通称「産業道路」までの区間についても整備されていくものと思います。この路線は外環とつながるという、ネットワークの面でも非常に大きな役割を果たす路線ですし、道路下に市の下水道の幹線も通りますので、市としても重要な路線ということになります。

大きな道路がつながり、新しい橋が完成することで、原木中山エリアにはどのような変化が生まれるのでしょうか。

カラー地図2

土屋さん:やはり橋ができることによって、行徳地区との連動性が強化されると思いますし、防災上の面など、いろんな面でも新しいネットワークが組めますので、大きなメリットが生まれるかと思います。

また、外環が広域的な機能を果たしている道路なので、湾岸道路も含めて物流のネットワークが拡充され、湾岸地域に集まっている物流系の需要が上がってくるのではないかと見ています。

外環をはじめ新しい道の開通によって、市街地に入ってくる通過交通量が減り、外環に吸収されるので、市街地の混雑も軽減されるであろうと考えています。

市川市は景観に関する施策も多い市ですが、具体的な取り組みについて教えてください。

いちかわ景観100選

土屋さん:実は市川市は千葉県でも一番最初に景観に力を入れた市でして、「景観計画区域」というものを千葉県で初めて指定しましたし、景観に関する条例も持っているなど、景観に配慮したさまざまな活動を行っています。その一環として、市民の皆さんから「こういうところを守っていきたい」、「こんなにいい所があるんだよ」という意見を集めて、「いちかわ景観100選」というものを作成しました。

これを見ますと、原木地区についても、「原木山 妙行寺」などが100選に入っています。こういったソフト的な面からの施策をすることによって、市民の皆さんも景観を地域の資源として見てくれるようになりますし、自分の住む地域に対する、アイデンティティのようなものも生まれてきているのかな、と思います。

原木山 妙行寺

星野さん:この100選とは別に、「街回遊展」というものも開催していまして、2015(平成27)年で18回目になる恒例のイベントになっています。市内にある景観が魅力的な場所などを巡るイベントで、いろいろな地域、場所を選定して行っていますから、毎年ご参加していただければ、市川のいろんな魅力を発見してもら えるかと思います。過去には信篤・二俣街地区で行ったこともありました。

信篤地区には学校や体育館、図書館など集まっていますが、特別な政策があるのでしょうか。

星野貫之さん2

星野さん:学校や公民館などが集中していますし、マスタープランのなかでも「地域拠点」ということで位置付けていますので、将来的にも、こういった公共施設や生活利便施設はまとまって維持していくことが重要であると思います。

市内にあるおすすめのスポーツ、レクリエーション施設について教えてください。

星野さん:原木地区の最大の魅力といえば、やはり江戸川の景観かと思いますが、現在この江戸川の堤防上には、サイクリングロードが整備されていまして、散歩やサイクリングなど多くの方々に利用されています。さらに国が高潮対策として堤防を嵩上げした区間については堤防の天端幅が広くなっていて、広大な河川空間を見渡しながら散策等を楽しむことができます。

江戸川てくてくガイド

高い場所を通る道ですから見晴らしが非常に良く、上から眺めるような感じにはなりますが、江戸川の流れと河川敷の自然にも触れ合うことができて、とても気持ちの良い道になっているかと思います。この江戸川については、河川管理者である国が、市川市だけではなく江戸川下流の沿川市区と協力しながら、散策マップを作っていまして、その中でいろいろな魅力を紹介しています。

土屋さん:あともうひとつ、市の焼却施設である「クリーンセンター」から排出される余熱を利用した「クリーンスパ市川」という施設がありますが、こちらもスーパー銭湯があったり、温水プールやスタジオがあったりと、市民の皆さんによく利用されているようですね。「原木中山」駅からバスも出ていますので、子どもからお年寄りまで、幅広い年代の方に使いやすい施設になっているかと思います。

最後に、原木中山エリアの魅力について教えてください。

パンフレット

土屋さん:もうすぐ外環が開通して、江戸川を渡る妙典橋もできる予定なので、交通のネットワークが飛躍的に向上し、今よりもさらに暮らしやすい場所になっていくと思います。物流の拠点としてのメリットも大きいですから、今後はさらに物流関係の企業が進出して、暮らす人も増えて、活気のある街並みが生まれてくるでしょうね。

江戸川河川敷(高野三丁目付近)

星野さん:自然の部分では江戸川がやはり魅力的だと思います。江戸川の堤防から眺める広々とした景色や自然、お寺や神社のある落ち着いた街並みなど、自然と文化、癒しとレクリエーションがバランスよくまとまった、住みやすいエリアだと思います。

土屋さん、星野さん3

今回、話を聞いた人

市川市街づくり部 都市計画課

主幹 土屋さん(写真:左)
都市計画グループ 星野さん(写真:右)

市川市街づくり部 都市計画課
所在地:千葉県市川市市川南2-9-12
電話番号:047-712-6323
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cit01/index.html

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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「原木中山」駅前の私立幼稚園

革新的な取り組みで、常に1歩先の幼児教育を目指す/原木幼稚園 理事長 石井新太郎さん・副園長 奥川美加さん


原木幼稚園

園長 藍原恵子さん
副園長 奥川美加さん

革新的な取り組みで、常に1歩先の幼児教育を目指す
学校法人原木学園「原木幼稚園」

「原木中山」駅から徒歩3分の好立地にある「原木幼稚園」。1,000坪を超える広い敷地で子ども達はのびのびと学習しています。木の遊具でいっぱいの「木夢館」では、子どもが目をキラキラさせて遊んでいる夢の空間。キッズクライミングを取り入れたり、開園当初から革新的な取組みを続けている「原木幼稚園」について、理事長の石井新太郎さん、園長の藍原恵子さん、副園長の奥川美加さんにお話を伺いました。

はじめに、原木幼稚園の概要について教えてください。また、「地域の方々からの切実な声に応えて開園した」とありますが、開園までの背景についても教えてください。

内観全体

石井理事長:「原木幼稚園」は定員370名の幼稚園です。3歳児が90名で3クラス、4歳児が140名で4クラス、5歳児が140名で4クラスですね。

開園したのは1977(昭和52)年です。1970(昭和45)年頃は幼稚園で面倒を見きれないほど子どもが多く、待機児童がたくさんいる状態でした。「子ども育成会」の役員を務めていた私は、公立幼稚園が1年保育だったので、「2年保育の制度にして欲しい」と、毎年市川市に陳情していました。当時、周辺に住む子ども達は、地元の幼児施設に行けず、バスに乗って他の地域に通うというのが現状でした。

教室

市も小学校の増設に追われていたので、幼稚園の問題を解決するのは難しいかもしれないと悩んでいた時に、「私立という形で叶えられる人がいるのであれば、お願いしたい」という要望が父兄から出てきました。たまたまここの土地は開いていて、マンションを建てる計画などが進んでいたこともあり、そこに幼稚園を建設する計画が上がりました。1976(昭和51)年に仮認可がおりて建設に入り、1977(昭和52)年の4月から開園しました。

革新的な取組みを続け、常に1歩先の幼児教育を目指す原木幼稚園

定員120名で始まった園は、1979(昭和54)年には3歳児の保育も始まり、定員は240名になりました。当時、4、5歳の保育が主流だったところに、3歳児を加えて、「一貫した幼児教育をしたい」と認可を取りました。これは県下でも珍しいことでしたね。

木を使った温かい遊具や、教室が印象的ですが、木をモチーフにしたきっかけは何でしょうか。

木夢館

石井理事長:2004(平成16)年に「木夢館」をつくりました。1997(平成9)年頃、北海道の西興部村を旅行したときに、森の美術館「木夢(こむ)」という木の遊具を使った施設があったんです。ドーム型の施設の中に木で作った遊具が入っているんですね。ひと目見て「これはいいな」と思いました。近場であれば、遠足で行くことができるのですが、なにぶん北海道なので行くわけにもいかない。こういう施設が幼稚園にできたら子ども達は喜ぶだろうなとずっと思っていました。

遊具いろいろ

現在、「木夢館」がある場所は、以前プールとして使用されていました。古くなったので、プールを屋上にあげて、1、2階を木製遊具の部屋と決めて造り始めましたね。滑り台はここ、柱時計はここの位置と決めて、基礎から造っているので、地震があっても大丈夫です。

原木幼稚園の教育のなかに、講師を迎えた体育教育や、キッズクライミングなどの取り組みを取り入れられていますが、このような体験を通じてどのような子どもたちに育ってほしいとお考えですか。また、実際に取り組んでいる子どもたちの様子についても教えてください。

体育

石井理事長: 体操の講師を入れたのは1977(昭和52)年に開園してすぐのことでした。幼児体操というのは小学校の体操とは異なったもので、幼児には幼児向けの体操があるのではないかということで、体操のコーチを頼みました。当時は幼稚園の先生方がコーチの指導を受けて、先生が子ども達に教えるという方法をとっていたのですが、子どもも先生も増えてきたので、コーチが直接子ども達に指導した方がいいということで、現在に至っています。

体育館

音楽の講師の先生も1978(昭和53)年から来て頂いています。園に設置基準で決められた楽器はあるのですが、先生方は日頃の保育が忙しかったため、子ども達に触れさせることが出来ずに卒園していくという状況でした。そこで週に何回か音楽の講師に来てもらって、楽器に親しみを持ってもらうという目的で始めました。当時はそのような幼稚園は本園だけでしたので、「すごい幼稚園が市川にできた」と注目を浴びましたね。

キッズクライミング

キッズクライミングは2000(平成12)年に取り入れました。ホールには「クライミングウォール」があります。大人もそうですが、靴を履いて生活を続けていると、足の指を使うことが少なくなります。そのような現状も改善するために、「クライミングウォール」を取り入れました。クライミングは素足で行うので、否応なしに足の指をひっかけないと登れません。大人から見るともっと行けるだろうと思うのですが、大体の子どもは中段くらいまでいくとリタイアしてしまいますね。天井まで行くのはかなりの冒険みたいです。しかしなかなか到達できないことが、「今日はここまで登ろう」という目標にもなるので、子ども達にとって良い刺激になっていると思います。

体操

藍原園長:体操に自然に親しんでいるうちに、興味を持ったり楽しくできるように、コーチの方々が工夫して指導してくれています。小学校に上がるときに体育に苦手意識を持つ子が多いのですが、この取り組みのおげで、苦手意識を持つ子ども達が少なくなりました。また、子どもというひとくくりの枠のなかでも、担任の言葉が入っていく子どもと、担任以外の言葉が入っていく子がいるんですね。なのでいろんな人の指導、関わりを受けるのは、子どもにとってもすごく大事なことだなと思います。 音楽も段階的に指導して下さるので効果はあると思います。音楽発表会で歌や合奏を発表していますが、毎回素晴らしいクオリティですよ。

希望する子どもたちのための課外教育とありますが、実際にどのような課外活動をされているのでしょうか。また、保護者の方々からは、どのような声が聞かれますか。

園庭

奥川副園長:課外教育は体操教室、新体操教室、サッカー教室ですね。保育が終わった後にそのまま子ども達が習いに行きます。子ども達のおよそ半数が参加しており、男女ともに体操が人気です。講師の先生は課外でも指導してくれています。新体操の先生も外部から講師で来ていただいていますね。保護者の方々も、「子ども達が楽しくやっている以上は入れたい」という思いが強いようです。

園庭が広く、自然にも恵まれていますが、このような環境で教育をする魅力は何でしょうか。また、このような自然を活用した授業などはありますか。

自然

奥川副園長:まずはこの暑いなかでも、外で遊べることですね。風がよく通る場所なども指導していますが、子ども達自身、外に行ったら日影で遊ぶなど普段の生活のなかで、さまざまな知恵を身につけています。みんなたくましく育っていますよ。

季節で植物も変化するので、夏には夏の木を描き、秋は葉っぱが変わったところで秋の木を描き、枝の張りぶりを子ども達が絵として残すこともあります。椎の木はどんぐりが落ちるので、作品展には、どんぐりを使った笛を作ったり、のびのび広場でマラカスを作ったりもしています。

広い園庭

藍原園長:秋には、園でさつまいも堀をするのですが、始まる前に子ども達が落ち葉を集めて準備をしています。自分達が掘ったお芋を、自分たちが集めた葉っぱで焼く。一連の流れを勉強できますし、自然を色んな部分で取り入れています。自分たちで準備したお芋は、特別美味しいみたいですよ。

原木幼稚園ならではの行事について教えてください。

ふくろうとみみずく

藍原園長:園では、大きい畑があるので、歩き遠足で畑に行き、掘ってきたジャガイモをふかして食べたり、年長の子ども達がそれを使ってカレーライスを作り、年少、年中の子達も一緒にみんなで食べたりしています。収穫するのは、じゃがいもとさつまいものどちらかなのですが、春と秋に収穫をしています。

教室風景

石井理事長:毎年、自然の河川を利用してザリガニ釣りも行っています。年長の子どもたちは、ザリガニがいる場所を求めて、あちこち移動しながら楽しんでいます。2013(平成25)年からよく通っている場所はザリガニとカニが両方釣れる所で、1クラス80匹くらい釣っていますね。

小人とリス

藍原園長:年長さんは理事長先生による木工指導にも取り組んでいます。のこぎりや金槌、万力を使って本格的に作ります。作る物はその年によって違うのですが、2015(平成27)年は鳥小屋を作っています。2014(平成26)年はトラックや飛行機や船を作りましたね。

石井理事長:それも経験だと思うんです。金槌を持つのも、のこぎりで切るのも、釘を打つのも初めての子もいますから。何日も何日もやることで経験になっていく。安全な使い方を説明して、それを子ども達が理解して取り組むので、手を切ることや、怪我をするというのは0に等しいですね。

木工工作

奥川副園長: 作品展もあるので、その鳥小屋に何を住まわせるかを想像して、それぞれが紙粘土で鳥や動物や人を作り上げて、作品になっていきます。保育は子ども達が継続して学んでいくことが大切で、その中でも常に創造しながら作り上げていますね。

子育て相談の場としてのびのび広場や、就園前のお子さんを対象にした「木夢館」開放日を設けていますが、このような取り組みにどのような思いが込められているのでしょうか。また取り組みに対して、就園前のお子さんの様子や保護者の方々の子育てに対する意識に変化などはありましたでしょうか。

滑り台

奥川副園長:「木夢館」だと自分で遊びを見つけて遊んでいくので、自分のペースで始められます。遊びもママごとやハチの巣、滑り台などがあり、個人で遊べる場と集団で遊べる場がフロアのなかに点在しているので、みんなで遊ぶ子どももいれば、1人で黙々と遊んでいる子どももいます。子ども達が自由に遊んでいると、保護者同士でお話をする時間もできるんですね。そこで情報交換をしたり、友達になったりする場にもなっています。

椅子

「のびのび広場」は妊婦さんから参加可能な場所です。育児相談や悩み事相談を通して、職員と関わりが取れる場としても活用されています。子ども達は制作をしたり、劇を見たりと、子ども達同士が集団で関われる場になっています。なかには、輪の中に入れないお子さんもいるのですが、そういう場合は園庭で遊んでもいいよと選択肢の幅も広げています。1年が終わるころには、子ども達同士でお話ができるほど成長しています。集団の中でいろいろと学習しているんでしょうね。

地域のイベントに子どもたちが参加する等、地域との関わりもあるのでしょうか。

折り紙

石井理事長:年長さんが「ホワイト市川」という特別養護老人ホームを訪問して、歌を歌ったり触れ合ったりしています。子ども達と触れ合うまで表情のなかった高齢者の方々が、子どもと触れ合う時は今までが嘘だったかのように、笑顔で子どもにも話しかけられます。「あんなに表情を変えて話をするのは、子どもと接する時だけです。できればこれからも頻繁に来てほしいです」と施設の方々からも嬉しいお言葉を頂いています。

遊具

子ども達のなかでも、高齢者の方と触れ合うのは初めてという子がたくさんいるんですよ。車いすで生活している方などいろんな方がいるので、最初は子ども達もびっくりしてしまうことがあります。けれど、手遊びなどの交流を通して、帰る頃には子ども達も慣れています。高齢者との関わりは大切なので、出来る限り参加できるように、これからも取り組んで行きたいと思っています。

子育てエリアとして、周辺の魅力について教えてください。

幼稚園かばん

奥川副園長: 公園は近い所だけでも4か所あります。周辺の自然の活用はさまざまで、江戸川が近いので花火を見に行ったり、自転車の練習をしている子どももいます。また、治安もいいですね。園の近くで泣いている子どもがいると、近所の方が幼稚園まで連れて来てくれたり、また小学校に通うの子が、自宅の鍵が開いていないと、園に来たりしています。子どもが困ったら地域で助けてくれるという環境は、子育てもしやすいのではないかなと思います。

理事長・園長・副園長

今回、話を聞いた人

原木幼稚園

理事長 石井新太郎さん
園長 藍原恵子さん
副園長 奥川美加さん

原木幼稚園
所在地:千葉県市川市原木1-8-1
電話番号:047-327-1291
http://www.baraki-youchien.ed.jp/index.html

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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革新的な取り組みで、常に1歩先の幼児教育を目指す/原木幼稚園 理事長 石井新太郎さん・副園長 奥川美加さん
所在地:千葉県市川市原木1-8-1 
電話番号:047-327-1291
教育時間:3歳児 9:00~13:30 4歳児 9:00~13:50 5歳児 9:00~14:00 ※水・土曜日は午前のみ
休園日:日曜日、祝日、年末年始 ほか
http://www.baraki-youchien.ed.jp/index.h..

園という枠を越えて地域と連携しながら育んでゆく/わたぐも保育園 園長 福田亨さん、保育士 佐藤美恵先生


わたぐも保育園
園長 福田亨さん
保育士 佐藤美恵先生

園という枠を越えて地域と連携しながら育んでゆく
「わたぐも保育園」の取り組みとは

「原木中山」駅にある「わたぐも保育園」は、教育委員会出身の福田亨園長が地域の子育てを支援したいという想いで始めた認可保育園。また、「わたぐもこどもセンター」は、市内に11ヵ所ある「地域子育て支援センター」のひとつでもあり、0歳から就学前までのお子さんと保護者・妊婦さんも利用できます。保育には「笑い」が大事だという独自の理念を持つ、ユニークな福田亨園長にお話を伺いました。

はじめに、わたぐも保育園の概要について教えてください。

わたぐも保育園保育風景

「わたぐも保育園」は、2004(平成16)年4月に開園し、定員は0歳が6名、1歳が6名、2歳が9名、3歳から5歳がそれぞれ13名で計60名です。社会では、少子化問題もありますが、この辺りだと小さい子どもが多く、0歳の子どもが次から次へとやってきますね。

わたぐも保育園 福田亨園長先生 インタビュー 

私は園長を務める前は、市川市の教育委員会に所属していました。その関係で教員との付き合いもあり、小学校の教頭先生や校長先生にお友達が多いんですよ。現在、「わたぐも保育園」には教員出身が3名いるのですが、そのうち2名が小学校の元校長先生なんです。ですから、「来年小学校に通い始めるのですが、この学校はどんな特色がありますか?」と聞かれる保護者の方も多く、また、こちらも詳しく答えられるので、よく相談されますね。私自身も、小学校に直接電話して、校長先生や教頭先生と話ができるので、そういうところはすごく便利だと思います。

子ども達の1日の過ごし方について教えてください。

わたぐも保育園女の子

園では0、1、2歳を未満児、3、4、5歳を以上児と呼んでいます。朝は7時15分から開園します。未満児は9時半前後に午前のおやつを食べて、10時から11時までに園庭で遊んで、お昼ご飯です。以上児は9時から10時まで外遊びで、それから朝の会や制作など室内で過ごし、お昼ご飯を食べます。お昼ご飯の後は15時までお昼寝をして、それからおやつを食べます。基本の保育時間は17時までになっているので、それまでは室内で遊んでお迎えを待っています。17時から19時15分までが延長保育で、未満児と以上児の合同保育になります。

わたぐも保育園ならではの行事や、取り組みについて教えてください。 また、親子遠足や運動会など、親子で楽しめる行事もあるのでしょうか。

わたぐも保育園荷物置き

園の一番のメイン行事は「うみかぜ保育園」と「わたぐも保育園」が合同で行う運動会です。ほかには、クリスマス会も園内で開催しています。歌を歌ったり、簡単な劇をやったりと楽しんでいます。保護者の方々や子ども達への負担を少なくするために、比較的、ほかの園と比べて行事は少ないですね。

「わたぐも・こどもセンター」に遊びに来られた子ども達と、保育園の子ども達との交流はあるのでしょうか。

わたぐも保育園教室

佐藤美恵先生:2歳児から5歳児の保育園児と一緒に「えのぐあそび」や「ミニうんどう会」などの交流会を行っています。また、普段の外遊びでも、すべり台や、三輪車、水遊びなどで一緒に遊んでいる姿がみられます。

市内に11ヵ所ある「地域子育て支援センター」のひとつとして、運営されていますが、「わたぐも・こどもセンター」はどのような方々が利用されていますか。

わたぐも保育園カレンダー

佐藤美恵先生:主に原木、高谷、田尻、二俣、本中山地区の0歳から3歳の親子が遊びに来ます。ママだけでなく、パパや外国の方も来られます。「出前保育園」では、チラシを持ってきて近隣の方に「わたぐもこどもセンター」の周知を行っています。そのチラシを見て来てくれる方も多くいらっしゃいます。

「親子の広場」、「カンガルー広場」、「オープンスペース」などクラスが分けられていますが、それぞれのクラスについて詳しく教えてください。また、初めて参加される親子が馴染めるように、どのような工夫をされていますか。

わたぐも保育園子ども足元

佐藤美恵先生:「カンガルー広場」はこれから出産されるマタニティの方から、生後6ヵ月までの親子を対象にしています。これからお母さんになるプレママと、出産したばかりの新米ママさんとの交流の場で、出産について自分の時はこうだったなど、情報交換の場となっています。
「親子の広場」は年齢別に室内や園庭を解放しています。0歳から6ヵ月、6ヵ月から1歳、1歳から1歳半、1歳半以上と年齢別に分けることで、子育てについての情報交換ができたり、同じ悩みを共有することができます。
「オープンスペース」は年齢制限がなく、室内や園庭で自由に好きな遊びを見つけて楽しく過ごしています。初めて参加される方には年齢の近いお子さんが集まる「親子の広場」をすすめています。

育児講座の「読み聞かせ」や「親子体操」など、さまざまな講座を開講されていますが、実際に参加された方からどのような声を頂いていますか。また、今後開催したい講座等がありましたら教えてください。

わたぐも保育園 絵

佐藤美恵先生:「絵本の読み聞かせ」はいつも好評で、保護者の方から「子どもも楽しんで絵本を見ていました」「絵本の選び方を教えてもらって助かりました」などの声が聞かれました。また5月に行った保健師さんによる「夏の過ごし方」の育児講座では、熱中症対策や水分の取り方などを教えていただきました。保護者の皆さんからたくさんの質問が出て、この夏に役立っているのではないかと思います。今後は「ベビーヨガ」や「AEDの使い方」などの育児講座を考えています。

園庭開放日を設けていますが、このような取り組みを始められたきっかけは何でしょうか。 遊びに来られた親子の様子などについても教えてください。

わたぐも保育園庭

佐藤美恵先生:以前までの園庭のみの開放日を取りやめて、室内と園庭の両方を利用できるオープンスペースにしました。園庭開放だと園庭しか使えませんが、「室内で遊べる日も増やしてほしい」との要望があり、両方使えるオープンスペースの日にしました。園庭では三輪車やすべり台等の遊具で遊んでいる子が多くいます。すべり台は公園にあるものより緩やかになっています。公園の遊具では、少し戸惑ってしまうお子さんにとって園のすべり台が丁度いいサイズのようです。対象年齢も小さいお子さん用に作られているので安心です。1歳児、2歳児ものびのびと遊んでいます。園の子と一緒に遊んでいるところも多く見られますね。

公園に遊びに行く日もあると伺いましたが、周辺の自然環境はどのように活用されていますか。

小栗原東公園

佐藤美恵先生:「原木中山」駅近くの「小栗原東公園」「小栗原中央公園」に月に1回出向いて、「出前保育」をしています。ボール・バケツ・シャベル・紙芝居・シートを持って公園に行きます。家の近くにあるけれど知らなかった公園を知るきっかけになったり、遊びに来ていた近隣の親子に「わたぐもこどもセンター」を知ってもらうきっかけになっています。

原木山 妙行寺

3月末には「原木山妙行寺」にあるしだれ桜がとてもきれいなので、シートを持って、センターの親子と保育園児で遊びに行きました。地域の保護者の方が楽しんで子育てできるようなセンターづくりをしていきたいと思っています。

7月9日のイベントとして、千葉県立市川南高等学校との交流「よみきかせ」とありますが、イベントの内容について具体的に教えてください。また、「うみかぜ保育園」との連携など、周辺の教育施設との関わりもあるのでしょうか。

わたぐも保育園教室風景

地域の方々との交流の一環として、学校との交流も行っています。保育士や幼稚園の先生になりたい学生を学校内で募集して、当日、子ども達に絵本の読み聞かせを行っています。2013(平成25)年から始まって、2015(平成27)年で2回目なのですが、2015(平成27)年は8名の学生が参加され、その内1名は男子生徒でしたね。この間、保育士の養成校の就職説明会に行ったら、2013(平成25)年に初めて読み聞かせに来てくれた学生がいてびっくりしました。本当に保育士になりたかったんだなと、そして「わたぐも保育園」での経験が今に繋がっているんだなと感動しました。

わたぐも保育園 福田亨園長先生 インタビュー 

そのほかにも、「信篤幼稚園」とも交流しています。5歳児がメインになりますが、「信篤幼稚園」に遊びに行かせてもらっています。「うみかぜ保育園」とは、いつもお互い行き来して遊んでいます。交流している園の子ども達が同じ小学校に通うことも多く、子ども達にとっても顔なじみの友達がいるので、安心しますよね。

わたぐも保育園教室風景

近くにある「保育広場 フェープラース原木中山園」とも連携をしています。「わたぐも保育園」は19時15分まで延長保育を行っているのですが、その時間を過ぎても預かってほしい保護者の方もいるので、そういう子どもたちをタクシーで連れて行って、「保育広場 フェープラース原木中山園」の方で預かってもらっています。お互いに、子ども達の様子などの情報交換もできるので助かっています。

子育てエリアとして、周辺の魅力について教えてください。

わたぐも保育園外観

魅力は東京に近いというところですね。日本橋まで20分で行けます。周辺は閑静な住宅街で、治安もよいと思います。やっぱり交通の便利な点は大きいと思います。

わたぐも保育園園長

今回、話を聞いた人

わたぐも保育園

園長 福田亨さん
保育士 佐藤美恵先生

わたぐも保育園
所在地:千葉県市川市原木2-10-13
電話番号:047-329-6006
http://wata9mo.blog13.fc2.com/

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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園という枠を越えて地域と連携しながら育んでゆく/わたぐも保育園 園長 福田亨さん、保育士 佐藤美恵先生
所在地:千葉県市川市原木2-10-13 
電話番号:047-329-6006

ipadを導入した保育でやる気や自信を育てる/保育広場フェープラース原木中山園 施設長 片岡哲治さん


保育広場 フェープラース原木中山園
施設長 片岡哲治さん

ipadを導入した保育でやる気や自信を育てる
「保育広場 フェープラース原木中山園」

「原木中山」駅から歩いてすぐの「保育広場 フェープラース原木中山園」は、施設長の片岡哲治さんが、お母さん達のためにという思いで脱サラして始めた保育園。英語や茶道などの充実した幼児教室が保育カリキュラムに組み込まれている。「子どもは未知数だからできないことはないと子ども達の可能性を強く信じている」という片岡さん。そんな「保育広場 フェープラース原木中山園」についてお話を伺いました。

初めに、「保育広場 フェープラース原木中山園」の概要について教えてください。

保育広場フェープラース原木中山園

2005(平成17)年7月23日に開園したので、2015(平成27)年でちょうど10年になります。定員は43名。朝7時から夜の9時まで開園しています。お母さん達が大変な思いをして保育園を探しているので、少しでも支援になればと思い、株式会社の保育事業として始めました。私自身は、元々新素材の研究をしていたので、保育についてはまったくの素人でした。開園の際も、保育園のコンサルティングの方を招いて一緒に勉強して立ち上げたんです。

保育広場フェープラース原木中山園

認可外については、「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」の交付を受けています。市川市の中では「ひまわりマーク」と呼んでいます。立入り検査をすべてクリアした園だけがもらえるもので、市川市では34園中20園が交付されています。2004(平成16)年から一度も外れたことがありません。

保育広場フェープラース原木中山園

「フェープラース」という名前については、「妖精の広場」という意味が込められています。フェーはフランス語で「妖精」、プラースは「広場」という意味があり、子どもが天使になったり、ときにはいたずらをする悪魔になったり、そんな妖精みたいな姿も表しています。

教育方針では、どのような点を大切にされていますか。

保育広場フェープラース原木中山園

「やさしくておもいやりのある子。何事も最後までがんばれる子。心もからだも元気な子。」というのが保育方針です。子ども達がのびのびと過ごせる環境を提供することをモットーにしているのですが、特に重視しているのは、あいさつです。朝は「おはようございます」、帰りは「さようなら」をきちんと出来るように、また子どもたちだけでなく、保護者の方々にも、子どもたちに「いってらっしゃい」、帰って来たら「お帰りなさい」と言うようにお願いしています。

よく”のびのび”というと放任主義だと思われるのですが、そうではなく、悪いことは悪いと徹底しているなかで、遊びを第一に考えています。

「保育広場 フェープラース原木中山園」ならではの保育方法についても教えてください。また実践している保育方法で、どのような効果が得られましたか。

保育広場フェープラース原木中山園

「フェープラース原木中山園」では、いろいろな年齢の子どもたちでクラスを編成する「たてわり保育」を実践しています。「たてわり保育」の一番いいところは、下の子は上の子を、上の子は下の子を見て育っていくので、下の子は、上の子の言葉や動きを覚え、また上の子は下の子を弟や妹のように大切に見てくれます。たまに小さい子にご飯をあげるとき、「私もあげたい!」と率先して手伝ってくれますね。

保育広場フェープラース原木中山園

そのほかにも、本園では算数や英語、音楽、星座などのアプリを使って学習できるように、ipadを導入しています。最初導入したときは、国語教育の教材として使っていたのですが、それだけではもったいないので、5歳児は家に持ち帰っています。お母さん達がご飯を作っている間も、テレビではなく、ipadに入っている学習アプリで学ぶことをおすすめしています。大人が何を言わなくても、子どもたちは自然に覚えていきますし、それが脳の活性化に繋がります。

英語や茶道などの幼児教室についても教えてください。また、保育園に通っていない子ども達も、幼児教室だけ参加することができるのでしょうか?

保育広場フェープラース原木中山園

幼児教室は保護者の方々のご意見から、始めた教室です。幼稚園児の頃から教育を受けた場合と保育園児の頃から教育を受けた場合とでは、学力に差が出てきてしまいます。小学1年生ではそんなに変わらないですが、3年生になるとかなり違ってきますね。なので保育の段階から、教育を入れたいということで、英語、茶道、国語を幼児教室の授業として導入しました。何をやるにしても国語力が無ければ、理解できません。そこで「石井式」という漢字を使った右脳教育も取り入れています。漢字の隣にひらがながついた絵本を読ませることによって、漢字もひらがなも自然と覚えていきます。漢字を覚えていくことによって、この漢字は何?と興味を持っていき、次第に絵本にも興味を持ってくれます。そのような効果を実感していますね。

保育広場フェープラース原木中山園

また、幼児教育は保育カリキュラムにも組み込まれていて、1歳以上の全園児を対象にしています。午後に幼児教育の時間を設けています。通常、幼児教室は保護者の方々で連れていくのですが、その手間を省くことができ、仕事をしている間に勉強してくれているので、とても評判がいいです。認可園から本園に勉強をしに来ている子もいます。

保育広場フェープラース原木中山園

英語については、百科辞典で有名な「ブリタニカ」の幼児英語カリキュラムを導入しています。通常は先生が来て、勉強して帰るという形ですが、そこに保育士が入り一緒に学んで、次の日同じことを保育士から子どもたちに教えることで、毎日実践しています。そういう教育の仕方をプログラムとして採用しています。4歳以降は書くことも始まり、レベルが上がってきます。また、本園では、学ぶだけでなく「英検ジュニア」という試験を5歳で受験させています。毎年60から80%の正解率を取っています。

保育広場フェープラース原木中山園

茶道は畳を引いた空間で、表千家の先生から学びます。子どもたちは、15分正座ができます。その理由は、15分後にお茶菓子が出てくるからです(笑)。それが子どもたち楽しみでしょうがない。食べ物で釣っている感じがしますが、それをきっかけとして5歳からはもっと難しい作法も覚えていきます。作法を通して、思いやりの心や日本文化を大切にする心も身につくので、保護者の方々からは、とても評判がいいですね。

保育広場フェープラース原木中山園

大人はどこかで、これは子どもにできないだろうと思うのですが、子どもは未知数だからできないことはありません。最初は戸惑うかもしれないですが、できるまで見てあげることが大事で、それが保育の仕事です。

親子で参加できる行事などもあるのでしょうか?

保育広場フェープラース原木中山園

6月の親子遠足では、野田市の「清水公園」に行きます。2チームに分かれて宝探しゲームをやったり、昼はバーベキューを楽しみます。8月には納涼祭があり、園内で綿菓子や、ヨーヨー釣り、盆踊りなどをみんなで楽しみます。一番の交流は1月の新年会です。日ごろ保育士とはあまり会話できないので、土曜日の夜に、園でお酒を飲みながら交流をしています。こういう機会じゃないとゆっくり話ができないので、大切にしている行事ですね。これがきっかけでお母さん同士の繋がりができて、ご飯を一緒に食べに行ったり、交流も深まっているようです。運動会については船堀にある「フランチャイズ園」と合同で開催しています。親子競技や、親同士の綱引きも種目にあるので、親子で楽しめるプログラムになっています。

周辺の公園に遊びに行ったり、郊外学習を行うなど、周辺エリアを活用した行事や取り組みはありますか。

保育広場フェープラース原木中山園

本園は園庭がないので周辺の4つの公園は常時使用しています。また以前は、食育などの講習会を日曜日に開催していました。オーブンレンジを使わないピザやパンの作り方では、野菜が嫌いな子向けに、パンの中にほうれん草のパウダーを入れたりなど工夫をして、野菜が食べられなかった子も食べるようになりましたね。そのほかにも、バレンタインデーにチョコレートや、クリスマスにはケーキを作りました。食べ物以外ではアロマオイルやブリザードフラワーの教室を開催しています。主催ではなく、やりたい方がいれば場所を提供するという形です。日曜日は、本園も休みなので、空いている教室を使っていただき、安全に講習会が開催されています。

最後に、周辺の魅力について教えてください。

保育広場フェープラース原木中山園

周辺エリアは住みやすい環境だと思います。少し足を延ばせば妙典や西船橋もあり、騒がしくなく静かな環境で子育てできるところだと思います。また、本園としては、今後マンション建設に伴って増える児童のために、何か力になれることは手伝っていきたいと考えています。今でも認可園と認可外園同士で、園庭を借りたり、芋ほり大会を合同で行ったりと協力し合っているので、引き続きそのような関係が継続できるといいなと思っています。

保育広場フェープラース原木中山園

今回、話を聞いた人

保育広場 フェープラース原木中山園

施設長 片岡哲治さん

保育広場 フェープラース原木中山園
所在地:千葉県市川市原木2-1-1 コンフォール原木1F
電話番号:047-328-6111
http://www.feeplace.com/

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※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

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ipadを導入した保育でやる気や自信を育てる/保育広場フェープラース原木中山園 施設長 片岡哲治さん
所在地:千葉県市川市原木2-1-1 コンフォール原木
電話番号:047-328-6111
http://www.feeplace.com/

昔の活気を取り戻し、皆が楽しめる街づくりを/NPO法人マーロード 理事 堀清敏さん


NPO法人マーロード
理事 堀清敏さん

昔の活気を取り戻し、皆が楽しめる街づくりを
「原木中山朝市」インタビュー&レポート

のどかな住宅地が広がっている東京メトロ東西線「原木中山」駅前。この地で2009(平成21)年から、朝市が開催されていることをご存知でしょうか。
毎月1回、第1土曜日の朝のみの開催で、出店店舗はおよそ10店舗ほど。出店者と買い物客との距離が近く、「あの人に会いたいから買いに行く」という常連のお客さんが訪れるほど、地域に愛されている朝市です。今回は、朝市を主催している特定非営利活動法人(NPO)の「マーロード」の理事 堀清敏さんにお話しを伺うとともに、朝市の様子を見てきました!

朝市の概要、また始められたきっかけについて教えてください。

NPO法人マーロード インタビュー

きっかけは、周辺エリアの地域活性化のために、「昔の活気を取り戻そう」という狙いで、理事長である飯塚が始めました。ほとんどの出店者が近くの農家さんで、市内の方もいれば、東金や八街の方もいらっしゃいます。理事長がほかのエリアでも朝市を開催していたので、その繋がりで出店されている方も多いですね。

NPO法人マーロード インタビューレポート

主なお客さんとしては、「あの人に会いたいから買いに行く」と来てくださる常連さんが多いです。暖かい時期になると、野菜も豊富に揃っているので、お客さんの数も多くなりますね。その時期には早いお店だと、8時か9時ぐらいにはもう完売してしまうこともあります。

NPO法人マーロード インタビュー

朝市の魅力としては、価格が安いこと、新鮮であることはもちろん「作っている方の顔を見ることができる」ということが最も大きな理由かなと思います。顔が見えることは、安心感にも繋がります。今後は初めての方でも気軽に来ていただけるような工夫をしていきたいですね。

「マーロード」のメンバーは地元の有志ということですが、どのような繋がりで集まった皆さんなのでしょうか?

NPO法人マーロード インタビューレポート

メンバーは皆、先輩後輩という間柄で、40代、50代になった今もこの街で暮らしている仲間が一緒に活動しています。私たちの共通の想いは、『子どもたちがもっと遊べる場所や、昔の良いところをまた復活させたい!』ということです。
活動を始めてから2年になりますが、やっと地域の方にも認知されてきています。これを私達の世代で終わらせずに、20代、30代の人たちにも繋げることを目標としています。

朝市のほかにも、「マーロード」さんでは地域のお祭りを主催されているそうですね。

NPO法人マーロード インタビュー

これは2013(平成25)年に始まった夏祭りで、「祭りだよ!in原木中山」というタイトルで開催しています。

内容としては、地元の飲食店や惣菜屋さんなどの店舗出店したり、小中高校の吹奏楽部が演奏したり、近隣のイベントを開催している団体などを呼んで、催しものをしたりと、内容も豊富です。

 

お祭りも朝市と同じで、地域の活性化が目的です。それまでも地元の神社で秋祭りが開催されていましたが、それぞれの地区単位で、別々に開催していました。私たちはそのような地区単位ではなく、原木、高谷、二俣、田尻、本中山など、近隣の方々が皆で楽しめるお祭りを目指しています。まだ2回しか開催していませんが、今後は恒例のお祭りにしていきたいですね。

原木中山駅

昨年(2014年)には、のべ15,000人が参加されて、駅前の250メートルの区間を車両通行止めにして、歩行者専用にするほどの盛り上がりでした。お祭りの規模としては、今後もこのくらいの規模で続けていければと思っています。今年(2015年)は7月25日開催予定です。

最後に、原木中山エリアの魅力についてコメントをお願いします。

東西線車両

都心には、20分ほどで出られるという利便性がありながらも、まだ何となく「田舎」の雰囲気も残っていて、駅から少し歩くだけで、畑があります。そんな「都会と田舎が丁度よく入り混じった場所」というのが、地域の魅力ではないでしょうか。生まれも育ちも原木エリアの私にとっては、とても住みやすい街だと思います。

ここからは朝市の様子をレポートします!

NPO法人マーロード インタビュー

「原木中山」駅を降りたら、朝市会場はすぐ目の前。地元民御用達のスーパー「ヤマイチ」の壁側に沿うように、朝市のテントが連なっています。訪れたのは朝9時ごろでしたが、すでに朝市は後半戦モードに突入。良いものを少しでも早く手にしようと、手際よく回るお客さんが行き交います。

NPO法人マーロード インタビュー

お客さんの多くは地元の常連客。特に主婦のお客さんの利用が多いそうです。売られているのは野菜を中心に、米、魚の干物、乾物、惣菜など。食料品が幅広く手頃な価格で揃うので、スーパーと合わせて訪れる人も多いようです。

 NPO法人マーロード インタビューレポート

参加者のひとり、東金市で農家を営む今井さん。丹精こめて育てている、旬の野菜が自慢だそうです。ほかにもお米、産みたて卵などが人気を集めていました。作っている本人とお話ができるのも、朝市ならではの楽しさですね。今井さんのテントはひときわ人気が高い様子でしたが、その理由のひとつが「落花生詰め放題500円」の大盤振る舞い。「落花生を選別していない分安くできるんですよ。でも味は絶対美味しいから!」と今井さんも太鼓判を押します。確かに美味しかったです!

NPO法人マーロード インタビュー

お米を作っている農家では、鮮度を保つために主に玄米で販売していました。近くのコイン精米機などで精米すれば、最高に美味しいご飯を味わえるそうです。銘柄はコシヒカリが中心ですが、2キロ、5キロ、10キロ、30キログラムと、サイズのバリエーションも豊富です。

NPO法人マーロード インタビュー

農産物以外に目を引いたのは、それぞれのお店のおばちゃん達が、朝早くから手作りしたというお惣菜。特におこわと炊き込みごはんの種類が豊富で、どのお店も1パック200円で販売されていました。聞けば朝の2時からご飯を炊いて、一生懸命作っているんだそうです。味は薄味で美味。おふくろの味を堪能できます。

早朝に収穫したばかりなのか、土が付いた状態の野菜もありました。農協に卸せない不揃いの野菜などは、特に格安で売られているそうです。セリ、ルッコラ、キクイモ、芽キャベツなど、ちょっと珍しい野菜も手軽な値段で手に入るのが嬉しいですね。魚の漬物や干物を作っている工場の方も、お店で売っている値段よりも少し安く提供しているそうです。

NPO法人マーロード インタビュー

道の駅などに特産品を卸しているという方も出店していました。珍しい勝浦産の生わかめのほか、昆布、しいたけ、煮干しなど、食卓の脇役たちが安価に揃えられます。

NPO法人マーロード インタビュー

ほんの数十メートルの区間ではありますが、生産者の方々と直接ふれ合って、美味しい野菜などを手軽な価格で買うことができる「原木の朝市」。この日はひときわ寒い朝でしたが、懐も心も、何だか温かくなりました。
ちなみに、品物が最も揃っているのは開店直後の朝7時だそう。人気の品から売り切れていくので、できるだけ早めに行くのがオススメです!

NPO法人マーロード インタビュー

今回、話を聞いた人

NPO法人マーロード

理事 堀清敏さん

住所: 千葉県船橋市本中山7-7付近(朝市開催場所)
https://sites.google.com/site/npomarroad/

※この情報は2015(平成27)年2月時点のものです。

「遊びを通して学ぶ」幼稚園で元気に過ごす子どもたち/竹園幼稚園 園長・副園長


竹園幼稚園
園長 竹内豊子さん
副園長 竹内聡晴さん

竹園幼稚園

「遊びを通して学ぶ」幼稚園で
元気に過ごす子どもたち

「すこやかな幼児教育を」を合言葉に、半世紀もの間、地域に愛されている「竹園幼稚園」。「遊びを通して、人生の基礎となる“人間力”を養う」ということで、いつも庭からは元気な園児の遊び声が聞こえている。

そんな自由・活発な幼稚園で皆をまとめるのは、創立者でもある竹内豊子園長と、副園長で園長の子息でもある竹内聡晴さん。今回はこのお二人にお話をうかがった。

今年で開園からちょうど50周年とお聞きしました。

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:1965(昭和40)年の開園ですから、2014(平成26)年でちょうど50周年になります。私自身、若いころから現場でクラスを持って、キリスト教の幼稚園、仏教の幼稚園、山手の幼稚園、下町の幼稚園と、あらゆる幼稚園で教諭をやってきました。そういう経験の中で、「自分で始めるのであれば、これはいらないな、ここは継承したいな」と思う点が山ほどありまして、自分なりの考えを実現したいと思って、開いたのがきっかけです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

もう50年やっていますので、私の同年代の方はもうずっと前に定年退職をして、悠々自適な生活をしています。ですから、早くそこに追い付きたいんですけれど、なかなかそんな悠長な立場ではありませんので、まだまだ相変わらず、現場を駆けずり回っています。

「遊びを通して学ぶ」ということが基本理念にあるということですが、どのような実践をされているのでしょうか?

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:この時期は牡丹の花がとてもきれいなんです。だからこの間、伝承あそびを子どもたちに教えました。「今年の牡丹は良い牡丹、お耳を絡めてすっとんとん♪」という歌詞なんですけれど、その中で、みんなが手をつないで遊んでいるところに、鬼さんが「入れて」と来るところがあるんです。そこで、遊んでいた子たちは、一斉に「イヤ!」って言うんです。

 

今の日本人は「イエスかノーか」を言えない。でも、その場をなんとなく濁すのだけは上手いです。でもこれからの世界で、本当にグローバル世界で生きていくには、「ノー」を言えないといけないんです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

ですから先日、私も初めて、この歌を子どもたちに教えてみたんです。「古臭いと言われるかな?」って思ったんですけれど、子どもたちは「イヤ」って言うところがとっても楽しいみたいで、待ってたとばかりに「イヤ」と言うんです。狙い通りだな、と私なんかは思っているんですけれど。

 

今の子は何でもその場逃れで、平穏に、親に言いつけられないように、自分が窮地に陥らないようにとやりがちですから、こういう遊びから、身につけ、学んでいく部分もあると思います。

副園長:「コミュニケーション能力が足りていない」ということは、我々がとても深刻に思っている部分です。これは子どもたちだけではなくて、もう大人になった人たちもそうですね。他者との接触が無いじゃないですか。だから「これは子どものうちから何とかしなくては」ということは、切実に思っています。かつて当たり前にできていたことが、今はできていないんです。

園長:「たかが伝承あそび」ですけれども、そこにはどれだけ凝縮した“含み”があるか知れません。結果が出るまでは時間がかかると思いますけれど、やはり、この幼児期は遊びを原点に、「意思表示ができる子」に育っていってもらいたいな、と思っています。そこがうちの教育の原点です。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:これは言ってみれば、「人間の基礎力を大事にしませんか」ということなんです。今は便利な世の中になって、だいぶその部分がスポイルされてしまっているんですが、これからはその部分を大事にしないと、自分の考えが相手に伝えることができないと思うわけです。「語学ができれば国際人」ではなくて、相互で理解して、相互で認め合って初めて、「通じ合う」のだと思っています。

「人間の基礎力」は、どのように引き出されていくのでしょうか?

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:「なるべく自力で頑張れ、やれるところまでやってみなさい」というのが教育の基本だと思うんです。ですから親御さんにもいつも言っているんですが、うちは「脱甘え」なんです。子どもには必ず「もともと持っている力」がありますので、子どもの背中をちょっとだけ押してあげることが、我々の仕事だと思っています。

竹園幼稚園 園長インタビュー

子どもは自信がついたらまた意欲が湧きますから、その気持ちになったところで、また負荷をかけていって、それをクリアしたら次のステップに進むということです。何も焦ることはないですから、子どもたちにはゆったりとした気持ちで園生活を送ってほしいと思っています。

遊びを通じて勉強では得られないものを教えているんですね。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:勉強を早くから教えて叩き込むというのは、私から見れば、あまりメリットが無いと思うんです。

ただ、結果としてですけれども、うちの卒業生で進学校に進む子どもというのはすごく多いですし、キャプテンシーを発揮して、小学校で学級委員長になったり、花型の運動選手になったりということも多いと聞いています。我々の狙いが、何とかうまく機能しているのかな、という実感はあります。

子どもはいつだって外で思いっきり遊びたいし、友達と遊びたいと思っています。それは本能的に持っているものですね。ですからその部分を大事にしながら、基礎的な人間力へと繋げていければと思っています。

山登り、子どもたちだけでのお泊まり保育など、ユニークなイベントも沢山企画されていますね。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:これもやはり、「人間力を養う」という意味で、毎年、年長さんが山登りと、新幹線で越後湯沢まで行くお泊まり保育、年中さんも鎌倉親子ハイキングなど、ほかの幼稚園ではあまりやっていないようなことを行っています。

山登りは毎年、逗子の鷹取山に行っています。標高139メートルの小さな山なんですけれども、鎖場などもあって、けっこうスリルがあるんです。もちろんそこでは下に職員がいてガードしながら安全を確保して進むんですけれど。その写真を登山の翌日に貼り出しますから、保護者の方はみんな腰を抜かすほどびっくりするんですけれど、危険だからと反対される方はいないです。この登山で我々が狙っているのは、やはり、「自力で頑張る」ということなんです。

園長:親御さんは最初子どもが登山できるかどうか心配されますけれど、もともと、私も山とかスキーとかが大好きで、3歳の時からいろんな山に登っていましたから、「5歳や6歳になって、ぐずぐずする子はいないな」という確信があります。だから連れていくんです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:春には年長組と年中組が親子一緒に参加する「鎌倉ハイキング」もあって、この時にはのべ10キロくらい歩くんですけれど、去年も脱落する子は誰もいませんでした。子どもの成長を間近で見られますから、保護者の方にとっても、嬉しいイベントになっていると思います。

竹園幼稚園 園長インタビュー

ほかには、12月に「クリスマスお遊戯会」があって、この時には外部の会場を借りて、歌ったり踊ったりして、一日スター気分を味わいます。これも子どもたちが楽しみにしている行事です。

庭を見ていると、大きな子と小さな子が一緒になって、転がりまわって遊んでいます。

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:うちでは基本的に全学年が一緒に動いていますので、庭で遊ぶ時にはみんな一緒です。こんなに小さな子でも、大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんの動きを見て、「バッジの色が変わると、こういうことができるようになるんだ」っていうことを、小さい頭の中でもきちんと分かっているんです。

こうやってみんなで一緒に遊べるのも、やっぱり広い庭があるからなんです。教室だけだと、やっぱり教室で、同じ歳の子どもだけで、何かモジョモジョやるだけになってしまいます。うちの場合は、先祖からたまたま預かったこの土地があったので、地域に貢献できているんだと思います。

昔、アメリカのロバート・フルガム心理学者が、「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」と言いましたけれど、これは私にとっては、学生時代から非常に印象に残っている言葉なんです。一緒に作ることも、数が揃っていないおもちゃを分け合うことも、せっかく作ったものを明日のために平らにして直すという協力も、すべて砂場で教わったということなんです。

竹園幼稚園 園長インタビュー

とにかくこの時期は、やりたいことを、相手を傷つけない以上は、存分にやらせてあげたいな、というのが私の趣旨です。

遠くから来られる子もいるそうですが、どの地域から通う子が多いのでしょうか?

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:うちでは募集時期にポスターなどを貼らないんですが、親御さん同士の口コミで集まってくださります。半数以上は徒歩と自転車の圏内の方ですが、スクールバスもありますから、中には遠くから来られる方もいます。今年は尻手あたりからも来ています。

竹園幼稚園 園長インタビュー

ただ、闇雲にどこまでもスクールバスを走らせて、保育時間を削ることも園の趣旨に反しますから、一定のエリアまでしか回りません。それより遠い方は、バスが来る場所まで送っていただくという具合です。

園のホームページを見ても、子どもたちの笑顔の写真がとても印象的ですね。

竹園幼稚園 園長インタビュー

副園長:そうなんです。お母さん方にもよく「子どもの笑顔を撮る秘訣は何ですか?」と聞かれるんですけれども、何もないんです。ただ、普通に撮っていると、全部笑顔なんです。

園長:うちの基本は「子どもらしく」なんです。大人になれば、嫌でも「ずるがしこさ」が身についちゃうんです。だからこの純粋な時期を、一日でも多く味わわせたいな、ということを、私たちは職員全員、根底に持っています。だからみんな笑顔なんだと思います。

親御さんからよく聞くのは、子どもと一緒に園の見学に来た時に、「一緒に遊ぼう」ってすぐに声をかけてもらった、という話です。職員は何も言っていないんですが、子どもたち自身が、「あの子は何しにきたんだろう、面白そうだから一緒にあそぼうよ」って思って、声をかけるんです。それだけ園生活を楽しんでくれているということでしょう。

ですから、子どもたちがその子の手をとって、一緒に遊びを教えてくれて、それを見て親御さんは「あ、ここが良いな」と思ってくださるんです。入園の面接では一様にそんな話をお聞きします。

最後に、小田栄の子育て環境についてお聞かせください。

竹園幼稚園 園長インタビュー

園長:環境はいいと思います。今はマンションに引っ越されてくる方が非常に多くなっていますけれども、皆さんが交流を持って過ごされているように思います。

ですからそういった活動の中で、ご近所同士、これから長く付き合える関係を築いていってほしいと思います。それを結びつけることも、幼稚園の仕事のひとつだと思いますので、そういう輪が広がるように、園としても手を貸していきたいと思います。

竹園幼稚園

今回、お話を聞いた人

学校法人竹内学園 竹園幼稚園
竹内豊子園長
竹内聡晴副園長

住所:神奈川県川崎市川崎区小田3-13-16
電話番号:044-322-7716
URL:http://takezono.org/

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※記事内容は2014(平成26)年5月時点の情報です。

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「遊びを通して学ぶ」幼稚園で元気に過ごす子どもたち/竹園幼稚園 園長・副園長
所在地:神奈川県川崎市川崎区小田3-13-16 
電話番号:044-322-7716
保育時間 : 月曜〜金曜 9:00〜14:00(水曜 9:00〜11:30)
※預かり保育(有料)〜16:30まで
http://takezono.org/index.html

魂を込めて、お客さまの心を満たしたい。 “本物”の追求と、“何でもできる場所”への挑戦。/酢飯屋/suido cafe/水道ギャラリー 岡田大介さん


 
 

魂を込めて、お客さまの心を満たしたい。
“本物”の追求と、“何でもできる場所”への挑戦。

「江戸川橋」駅から歩いて3分、神田川を渡った住宅地の一角に、大正時代に造られた一軒家を改築し、営業をしている店がある。寿司職人・岡田大介さんと弟さんが営むのは、夜限定の完全紹介制の寿司屋『酢飯屋』と、昼間に各地の郷土料理や多彩なジャンルの料理を週替わりで提供する『suido cafe』、それから企画展示や商品販売を行う『水道ギャラリー』と様々。「保育付き寿司ランチ」「酢飯屋バーベキュー」などユニークなイベントにも挑戦しながら、日本全国を飛び回り、食材から道具に至るまですべてにこだわる代表の岡田さんに、お店のことや地域に対する思いについてお話をうかがった。

まず、岡田さんが寿司職人になられるまでの経緯を教えていただけますでしょうか。

suido cafe インタビュー

料理の道を志したのは19歳の時です。きっかけは母親が亡くなったことでした。食事を自分達で用意しなければならない日々が始まったのですが、僕も父親も当時全く料理が作れなかったのでコンビニ弁当の日が続き、一ヶ月もすると10才程離れた幼い弟や妹が体調を崩してしまったのです。「これは食べ物がまずいに違いない」と思い、料理を習おうと決心しました。

suido cafe インタビュー

最初はフレンチやイタリアンなどのほうが格好いいなとも思ったのですが、家族に毎日食べさせるならやはり和食がいいだろうと思い、日本料理店に弟子入りしました。
海の無い千葉県野田市というところで育ったので、最初は魚のことなど全くわかりませんでした。アジを見てもそれがアジとわからなかったくらいです。先輩にも笑われましたね。でも逆にゼロからスポンジのように全てを吸収しました。寿司、割烹、懐石料理などについて基礎から修業を積み、2004(平成24)年に独立して完全予約制の寿司屋を新富町で開業しました。

お店を開く場所にこの街を選んだのはなぜでしょうか?

suido cafe インタビュー

独立して最初の店は新富町の自宅マンションでしたが、2009(平成17)年にこの江戸川橋で店を開きました。
ここは神楽坂や飯田橋が近いですが、決して商売向けの場所ではないと思いました。しかし、住んでいる人たちにとっては人の流れが穏やかで調度良く、落ち着いた街だと思ったんです。

suido cafe 内観

僕にとっても同じで、やりたいことを丁寧に、自分達のペースでできる調度いい場所だと思いました。例えば神楽坂だと、どんどんどんどん人が入って来ますよね。僕の店でやりたいことは、それではブレてしまうと思ったのです。 あとは、近所の建築事務所の友人がこの建物を見つけて「好きそうな物件があるよ」と教えてくれたことも良いタイミングでした。

いろいろなことにこだわり始めたきっかけは何だったのでしょうか。

suido cafe トマト

25歳で独立し、お店を始めた当初はここまでこだわってはいませんでした。毎日毎日をがむしゃらに勢いでという感じ。でも、あるとき、お寿司を食べに来てくれた友人に「“本物”にしか興味がないというふうにしていったほうが良いよ」と言われたんです。最初はピンとこなかったんですが、考えてるうちにだんだんしっくりきて、身の周りから偽物を排除するのが気持ち良くなっていきました。

そして、あるものにこだわるというのを始めだすと、“こだわっていないもの探し”も始まりました。「酢飯屋」の名前の通り酢飯にこだわっていたのですが、“酢飯にこだわるけどお茶にこだわらない”とか、“お茶にこだわるけど醤油にこだわらない”とか、何かおかしいじゃないですか。そうして、26、7歳のころから“本物”を見つけてそうでないものと入れ替えていくことが、日々の思考の癖として身についていきました。

岡田さんが考える“本物”とは?

suido cafe

基本的には人の手で丁寧に作られていること、そして線引きにおいて最も重要なのは、“誰が作っているかを把握できる”ことです。そこから先の、それが“本物”かどうかというのは個人の価値観になると思います。
例えばイカのお寿司を握って出すとき、一生懸命握って出したイカのお寿司が、回転寿司で食べたものと違いがわからないときもありますよね。じゃあ、その違いは何かというと、それは素材であるイカにあります。

suido cafe インタビュー

僕はそのイカを自分で獲ってきたり、信頼している漁師から買ってきたりしています。でも一方では、誰が獲ったかわからなかったり、そもそも日本で獲れたイカではなかったりするのです。自分の口に入るものが何かわからないのは気持ち悪いですよね。自分が全てに気持ちを入れられるかどうか。魂の入ったイカを手に入れ、そしてさらに自分がそれに魂を入れて握ることを大切にしているのです。

いい食材を求めて、北から南まで日本各地いろいろなところへ足を運んでいらっしゃるそうですね。

suido cafe 食材探訪

はい。たとえばジンジャーエールがあると、その食材の生姜とか水とかハチミツとかが気になります。そしてそれらを、誰がどこで作っているのかを見に行くのが好きなのです。実際に自分の目で見て来ると、お客さまにちゃんと伝えられますから。なので、できる限り自分達が使う食材や道具などは、可能な限り現地に足を運び、五感で確かめ、自分達で作れるものは作る、獲れるものは獲りに行くようにしています。

suido cafe 食材探訪

純粋に、「うちの親戚が農家だから見に来て」とお客さまに言われて行ってみることもあります。自分の足であちこちに行きます。本来は産地直送と言えばOKなのかもしれませんが、それは自分のスタイルとは違います。

suido cafe 食材探訪

実際はとんでもなく大変です。最初はとにかく勢いで飛び込んで行きましたから、どこでもウェルカムで受け入れてくれたわけではありません。でも日本は、北から南まで本当にすごく面白くて魅力的だと思います。知らない街に行くと必ず知らないものがあって、刺激を受けて帰って来るんです。 あと僕は、そこに自分の家族を連れて行き同じ時間をすごすことも大事にしています。

食材だけでなく器にも凝っていらっしゃいますね。

suido cafe インタビュー

食べ物に関しても器に関しても思いは同じです。魂のこもったお寿司を一皿に盛る時、その器も誰が作ったか把握しておきたいのです。乗せるお皿も良くなければ、せっかく仕入れてきたものが活きません。最終的に口に入った時に、お客さまにどう感じてもらえるか。お腹を満たすためだけであればここまで追求する必要はないのかもしれませんが、僕はお腹を満たすことは求めていません。心を満たすお寿司をつくりたいのです。

お寿司だけでなく『suido cafe』も開いたのはなぜなのでしょうか。

suido cafe

こだわりをもって日本各地に行きますが、もちろん、海に隣接していないところもあります。寿司屋なので使う食材は米とか魚とかがメインなのですが、野菜や豚肉、卵など、あらゆる食材と出会います。それらを情報として持って帰って来たときに、寿司屋だけで発信するには物足りなくなってきました。

suido cafe インタビュー

たまに夜の寿司屋に出すときもありましたが、それにも限界があり、自分の考えていることとズレてきたので、思い切ってやるには昼がいいかなと思ったのです。
それに、夜の寿司屋のような予約制や紹介制の店というのは、この場所にあっても近所の人たちにとってあまり意味がないですよね。地元の人と一緒でなければ閉鎖的な店になってしまうと考えました。
『suido cafe』は年中無休というのもポイントです。“いつ行ってもやっている”というのは地元の人にとって、ちょっと寄って買い物ができる場所なのです。

自社商品の展開もされていらっしゃるんですよね。人気商品は何ですか?

suido cafe インタビュー

喜界島のさとうきび粗糖を使った「黄金糖のラスク」が一番よく売れますね。弟の奥さんがパン屋をやっているので、ラスクにするためにベストなパンを特注で作ってもらっているんです。 ラスクとか羊羹とか、手土産を買って行ける店が近くにあるのはご近所の方に便利だと思うので、今後もそういった商品には力を入れていこうと思っています。

カフェで定期的に行われている、「保育付き寿司ランチ」という企画も面白いですね。

suido cafe インタビュー

託児付でお店を利用できるサービスを行っている「ここるく」の代表・山下さんと知り合いで、子育てについて話をしたのがきっかけです。山下さん自身もお子さんのいるママで、自分も2人の子どもがいるので、子育ての経験や体験を何かお店に活かせないかと考えていました。寿司屋というのは子ども連れでなかなか行き難いお店ですからね。

suido cafe 保育付きランチ

ママには育児を離れてリラックスしてお寿司を堪能してもらい、子どもたちは2階をキッズルームにしてプロの保育士さんと一緒に年齢(月齢)に応じた遊びをしたり、子ども同士の交流を楽しんだりしてもらいます。リピーターも多いですね。

ほかにも産後ヨガを企画してこの店でやったこともありますね。なるべくこういった企画にも、お寿司を絡めるようにしています。

企画展示スペース『水道ギャラリー』もありますが、こちらはどのように使用されているのでしょう?

suido cafe ギャラリー

ここは“何でもできる場所にしたい”と思っていました。バーベキューをしてみたり、室内お花見会などをしたこともあります。現在は基本的にはギャラリーに落ち着いていて、企画展などをだいたい一週間毎に入れ替えています。そのテーマは、作家の方たちと打ち合わせをして決めています。たとえば、今欲しい器とかを企画のテーマにして作ってもらうというような感じです。

suido cafe 器

季節に合わせて夏には「アイスをたのしむうつわ展」、秋には「炊き込みご飯と茶碗蒸し展」とか。器以外にも色々と展示します。
常に、“やりたいことは、やってみる”と思っています。夜の寿司屋という軸はぶらさずに、それ以外の時間帯と場所はなるべく幅を広げて楽しめる店にしたいと思っています。例えば、1カ月くらいパン屋にしてみるとか、やってみたいですね。

最後に、岡田さん自身もご家族とこの江戸川橋エリアにお住まいだそうですが、
暮らすという視点ではどんな街だと感じますか?

小日向公園

4歳と1歳の息子がいますが、この街で生まれてこの街ですくすくと育っています。ここは少子化を感じられないほど子どもが多いですね。文京区は区長が保育園の待機児童ゼロを目標に掲げているので、そうした点でも子育て世帯にとっては期待できる街ではないでしょうか。

suido cafe 岡田さん

今回、話を聞いた人

株式会社酢飯屋

代表取締役 岡田大介さん

住所:東京都文京区水道2-6-6
電話番号:03-3943-9004
http://www.sumeshiya.com/cafe/

※2014(平成26)年8月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

魂を込めて、お客さまの心を満たしたい。 “本物”の追求と、“何でもできる場所”への挑戦。/酢飯屋/suido cafe/水道ギャラリー 岡田大介さん
所在地:東京都文京区水道2-6-6 
電話番号:03-3943-9004
営業時間:11:30~13:30、13:30~17:00(カフェタイム)
定休日:年中無休
http://www.sumeshiya.com/cafe/

楽器を通じて人生を豊かに 初めてでも安心して通える音楽教室/TJK音楽教室 杉原恭子さん・岩根愛さん


      
       

楽器を通じて人生を豊かに
初めてでも安心して通える音楽教室「TJK音楽教室」

「TJK音楽教室」は有楽町線「江戸川橋」駅から徒歩2分のビルにある個人レッスンの音楽教室だ。バイオリン・ビオラ・チェロの弦楽器クラス、ピアノクラスなど5クラスとジュニアクラスを展開するほか、アンサンブルレッスンも提供。現役演奏家によるきめ細やかな指導や初心者でも挑戦・継続がしやすいサポート体制が、地元の親子を中心に評判を呼んでいる。
今回は、ご自身も江戸川橋エリアに住む「TJK音楽教室」の代表・杉原恭子さんに、人気のジュニアクラスのレッスンのポイントや周辺エリアの魅力について伺った。

音楽教室を開いた経緯をお聞かせください

TJK音楽教室

私の子どもがバイオリンを習っていたのですが、このTJKビルを建てる際に思いがけず防音室ができてしまい、音楽教室を開けるのではないかと思ったのがきっかけです。子どもたちと一緒に取り組んだバイオリンレッスンはとても楽しかったですし、後になって思うとこんな風に教えてもらったらもっとよかったなと思うことがいくつかありまして、自分の経験を少しでも役立てたいと教室を始めることにしました。ピアノ教室に比べると、バイオリンが習える教室はそれほど多くありませんので、より多くの方に弦楽器を知ってもらいたいと思って始めました。

どのような方が通っていらっしゃいますか?

TJK音楽教室

幼稚園児から退職して第二の人生を楽しんでいらっしゃるような方まで、幅広い年齢の方がいらっしゃいます。フルートのレッスンもあるので、学校で吹奏楽を始めたという中学生もいます。半数が大人の方で、近所にお住まいの方、お仕事帰りに寄られる方などいろいろですね。趣味として始められる方が多くて、アンサンブルやストリートライブをやりたいという目的をもっていらっしゃる方もいますが、音楽が好きでよくコンサートなどを聴きにいっていて、自分でもやってみたいと始められる方が多いようです。
レベルもいろいろで、みなさんそれぞれに楽しんでいらっしゃる様子ですね。

ジュニアクラスにはどんなお子様がいらっしゃるのか、また、選ばれる理由についても教えてください

TJK音楽教室

小学生以下が対象で、幼稚園から小学校低学年のお子様が一番多いです。気軽に始めていただけるように楽器のプレゼントもしています。ですので、この教室で楽器を始められたお子様が多いです。みなさんそれぞれのペースでレッスンをしています。近所にお住まいの方が多く、同じマンションの方に聞いたとか、口コミでいらっしゃる方も多いです。

この界隈の皆さんはお子様の習い事に熱心で、音楽教室もいろいろな習い事のひとつとして通わせたいという方が多いようです。レッスンはお子様自身の希望という場合のほかに、実はご両親の経験からあまり厳しくないところに…といった理由もあるみたいです。

TJK音楽教室

3歳前後から始めたいとみえる方も多いのですが、家での練習が大切な音楽のレッスンは、早く始めることよりも適切な時期に始めることが大切だと思っています。一度レッスンを始めてみたものの、レッスンが空回りしているようであれば一旦お休みして、準備が整ってから再開という場合もあります。小学校に入ってからのスタートでも全然遅くないですし、子どもの吸収力の素晴らしさを感じます。出来る限り無理のないレッスンを目指していまして、土曜日や夕方の少し遅い時間帯のレッスンなどはお仕事をお持ちのお母様に好評です。

講師にはどんな経歴の方がいらっしゃいますか

TJK音楽教室

全員が現役演奏家としても活躍していらっしゃる方たちです。ここでお仕事をしていただくことで先生方の演奏活動を応援していきたいという気持ちもありますし、レッスンを受ける子どもたちにとっても、常に演奏家としての意識を持つ先生に教わる事は意義のあることだと思っています。スケジュールの管理が多少複雑になることもありますが、どの先生も指導者と演奏家の両立に意欲的に取り組んでいただいています。

TJK音楽教室を通じて、生徒さんたちにどのように音楽を楽しんでほしいとお考えですか?

TJK音楽教室 レッスン風景

大人になってから楽器を習い始めて、「子どもの頃にやっておけばよかった」と口にする方がたくさんいらっしゃいます。実際、子どものうちに少しでも楽器に触れた経験があると、大人になって再開した時に感覚がすぐに蘇るようです。大人のレッスンは、仕事や家事、育児の合間の純粋な自分の楽しみの時間です。未経験でも音楽の世界を楽しむことはもちろんできますが、子どもの頃の経験があると、より深くより長く楽しめます。
今、子ども達はとても忙しい環境にいる場合が多いですが、比較的時間に余裕がある小学校3年生ぐらいまでに少しでも楽器に取り組んで、子どもの時しか得られないものをここで身につけてほしいです。そうすれば、成長し大人になった時、より豊かな充実した人生を送れるのではないかと思っています。レッスン生の方には、プロを目指す訳ではなくとも、より高みを目指していただきたいですね。

大手の教室にない、個人教室ならではのレッスンの特徴・工夫などはございますか?

TJK音楽教室

いろいろな面でかなり融通が利きます。スケジュールの振り替えやレッスン内容の変更など、できるかぎり柔軟に対応しています。レッスン内容についての要望など、先生に直接言いにくいと感じられる事などを私に相談してくださる保護者の方も多いです。私は講師ではなく、レッスン生の親の立場を長年経験してきましたので、よりよいレッスンのためには保護者の要望を取り入れることもとても大事だと感じています。
先生とレッスン生のコミュニケーションを橋渡しする「相談役」のような形で私がいますので、何かあればなんでも相談してほしいと思っています。

TJK音楽教室

教材については、使用するものが決まっている教室もありますが、当教室では常時2~3種類を用意していて、お子様の年齢やレベルに合わせて適切なものを選択しています。ピアノクラスは一人ひとりテキストが全部違うほど。クラシック音楽だけではなく、ポピュラー音楽を取り入れてみるなど、より楽しめるよう工夫をしています。

また、この教室はレッスン室が広々としていてびっくりされる方も多いです。お子様がリズムを学ぶには、体を使うことも大切ですので、広いレッスン室が活用されています。また、バイオリンとチェロを可能な限り低価格でご提供もしています。特にチェロは入門用でも結構なお値段がするものなので、大人の方には楽器を購入しなくてもレッスンができるように最大限のサポートをしています。

レッスン時に教室の楽器が使えるのはもちろん、教室のスタジオの空き時間を使って練習することもできます。ご自宅では音が心配、家事などで自分の時間が確保しにくいなどの理由で、教室で弾いた方がいいという方もいらっしゃいます。

ジュニアクラスではどのような点にポイントをおいてレッスンされていますか?

TJK音楽教室

ジュニアクラスではバイオリン・チェロ・ピアノのレッスンをご提供しています。弦楽器はピアノと並行して習うのが理想的ですが、ご事情はさまざまですので、できる範囲で可能な限り理想に近づけるレッスンをするよう努力しています。弦楽器のレッスンでピアノ未経験のお子様の場合は、レッスン内でソルフェージュや音符の学習なども行います。ピアノと弦楽器両方のレッスンを受けたいという場合には、それぞれレッスンを取っていただくことも可能ですし、弦楽器の講師がピアノのレッスンも追加で行う場合もあります。お子様が成長してより高度なレッスンが必要になった時には、専門の講師に変更することもできます。

TJK音楽教室

楽器を初めて習う場合、楽譜を読むことは楽器を演奏することとはまた別の努力が必要です。ですので、特に小さいお子様にはレッスンにソルフェージュを組み込むようにしています。また、リズムなどは身体で覚えることが近道の場合もあります。バイオリンなどの弦楽器は歌に近いので、言葉に合わせて弾いたりします。このほか、ピアノのレッスンではお子様の年齢に応じて、リトミックを組み合わせることもあります。

楽器を始める時期はさまざまですし、ピアノ経験の有無などそれぞれのお子様の環境は一人ひとり違います。すべて個人レッスンですので、使う教材や進め方も各自に合わせて、時に保護者の方と相談しながら進めています。それぞれのペースに合わせて進みますので、まったく初めてのお子様でも安心ですよ。

発表会はどのように開催していらっしゃいますか?

TJK音楽教室

年に1回、ホールを借りて開催しています。ジュニアのレッスン生は全員、大人は希望者のみの参加で、前回は20人を超えるレッスン生が舞台に立ちました。前半はレッスン生の方の発表、後半は先生方の演奏を中心としたプログラムにしています。先生方によるミニコンサートでは、できるだけ馴染みのある曲を選んでもらい、子ども達がクラッシック音楽に親しむきっかけにしてほしいと思っています。昨年の発表会では「いつもの先生が何か弾いているゾ」と、目を輝かせて聴いているお子様がたくさんいました。

この辺りにお住まいの親御さんやお子様についてどのような印象をお持ちですか?

TJK音楽教室

先ほどお母さん方が習い事に熱心だと申しましたが、すごく活動的で積極的な方が多いという印象です。PTAの役員を選ぶ時なども、率先して手を挙げられます。

私は2年半程前に江戸川橋に越してきたのですが、いろいろとわからないことがあっても、地域の方たちがそれとなく教えてくださいました。昔から住んでいる江戸っ子もいらっしゃいますが、新しい住人にも分け隔てなく接してくださるような気さくな方が多いです。

江戸川橋エリアの魅力についてお聞かせください。

TJK音楽教室 インタビュー

大規模な商業施設などはありませんが、その分、街にいるのはこの街の住人がほとんどという地域なので、栄えているわりに落ち着いていて暮らしやすいです。職住近居で働いている方も多いので、夜は人通りがあって安心ですよ。商店街があったり、徒歩圏内でなんでも揃います。ビルに入居している保育所もありますし、自然が豊かな椿山荘があって夏にはホタルを観賞することができます。おいしいパン屋さんがある神楽坂に近いのもお気に入りですね。

TJK音楽教室 インタビュー

今回、話を聞いた人

TJK音楽教室

杉原恭子さん(左)バイオリン講師の岩根愛さん(右)

住所:東京都新宿区山吹町365-11-801
電話番号:03-6265-3855
http://www.tjk-music.jp/

※2014(平成26)年8月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

楽器を通じて人生を豊かに 初めてでも安心して通える音楽教室/TJK音楽教室 杉原恭子さん・岩根愛さん
所在地:東京都新宿区山吹町365-11-801 
電話番号:03-6265-3855
http://www.tjk-music.jp/

地域文化や一流スポーツの体験を通じて、 「夢を持ち豊かに生きる子」を育てる/杉並区立高井戸東小学校 校長 沼田 操先生


杉並区立高井戸東小学校
校長 沼田 操先生

地域文化や一流スポーツの体験を通じて、
「夢を持ち豊かに生きる子」を育てる

「杉並区立高井戸東小学校」は、京王井の頭線の「高井戸」駅の南側、神田川や「三井の森公園」の緑に囲まれた、おだかやな環境に立地しています。この小学校は地域文化の体験や一流スポーツ選手による指導など、ユニークな授業を行っていることでも注目を集めているとか。そこで、校長を務める沼田 操先生に学校の特色や地域の魅力についてお話を伺いました。

まず、「高井戸東小学校」の概要を教えてください。

祝40周年

本校は1973(昭和48)年に開校し、2013(平成25)年に40周年を迎えました。現在(2014年度)は各学年3クラスずつあり、合計562名の児童が在籍しています。本校ができる前、高井戸エリアには「高井戸小学校」、「浜田山小学校」、「高井戸第三小学校」がありましたが、これらの学校では児童数が急激に増えてきました。本校周辺からこれらの学校に通う場合、大きな道路を横断しなくてはならなかったため、子どもたちの安全のためにもということで地域の方々の熱心な陳情により本校が誕生しました。こうした経緯から、今も地域の方々は自分たちで作った学校として本校に深い愛着をお持ちです。私たちもこうした思いを大事にして、日々の教育に携わっていきたいと思います。

2014(平成26)年度から地域運営学校になったそうですが、
何か変化はありましたか。

本棚

本校では以前から学校支援本部があり、土曜日の体験教育の主催や図書館の整理のボランティアなどさまざまな支援をしていただいています。これまで長い間、地域と一体になって教育に取り組んできた経緯がありますし、地域運営学校としての取り組みはまだ始まったばかりですから、今のところ大きな変化はありません。ただ今後は、地域運営学校の仕組みを生かし地域のご意見をより深く伺って、さらによい学校にしていきたいと考えています。

教育面で重視していることを教えてください。

知のトライアスロン

本校では教育目標を「夢を持ち豊かに生きる子」とし、その柱として「かかわる」「あらわす」「やりぬく」というテーマを掲げていますが、2014(平成26)年度は「かかわる」という分野に重点的に取り組むことにしました。 これからの国際社会ではコミュニケーション能力が非常に大切になります。地域の方と関わるときもコミュニケーションが必要でしょう。子どもたちには本校の教育の中でコミュニケーション能力を身に付けてもらい、どんな場所でもみんなで協力し、よりよく生きることができるようになってほしいと思います。 東京都の言語能力向上拠点校として、辞書の活用や古典の暗誦、読書などにも力を入れているのもその一環です。特に読書ではただ読むだけではなく、読んだ本を紹介したり、感想を話し合ったりする機会を設け、読書を通じてコミュニケーションできる場づくりも行っています。

少人数制教育はどのように活用していますか。

門

子どもたちはそれぞれ個性がありますし、抱えているものもいろいろあると思います。ですから、本校の先生にはいつもひとりひとりを丁寧に見てほしいと伝えています。その取り組みのひとつとして、少人数制教育を活用しています。例えば、算数ではチームティーチングを行い、少人数で指導しています。できるだけきめ細やかな指導を心がけることで、子どもたちに“分かる喜び”を伝えていきたいと思います。

地域文化を知る取り組みにも力を入れているそうですね。

和室

2020(平成32)年にはオリンピックが開催されますし、日本にいらした方をおもてなしする機会も増えるでしょう。そのためには、まず日本の文化や地域の文化を理解したうえで、他国の文化を理解することが必要です。
本校がある地域には「高井戸囃子」という古くから伝わるお囃子があります。そこで、地域の方のご協力もいただいて、こうした文化に触れる機会を設けました。また、本校には「郷土資料室」があるのですが、昨年、この部屋に畳が入りましたので、全学年で茶道を体験する時間を設けました。音楽の時間では、箏の演奏体験も取り入れています。これらの指導にも地域の方々のお力添えをいただいています。
地域の文化とはいえ、普段の生活の中では体験できないことばかりですから、子どもたちも興味深い様子です。茶道の時間も、お菓子につられてということもあるでしょうが、静かに正座して楽しんでいますね。

和太鼓クラブの活動も盛んと伺いました。

高井戸地域区民センター

本校には和太鼓がたくさんありますので、クラブ活動にも和太鼓を取り入れています。本校の児童が進学する「高井戸中学校」にも和太鼓部があり、今年は「高井戸地域区民センター」で開催されるお祭りで、「高井戸中学校」の和太鼓部と本校の和太鼓クラブが合同で演奏を披露しました。
杉並区は小中一貫教育を推進していますが、地域の方々にはその実態がなかなか理解されにくいところがあると思います。こうした交流を地域の方にご覧いただくことで、小中一貫教育への理解も深まるのではと思っています。

小中一貫教育では、ほかにどのような取り組みをされているのでしょうか。

杉並区立高井戸中学校

昨年(2014年)の9月にはあいさつ運動として、「高井戸中学校」の生徒会と本校の代表委員会が合同で、登校する児童に声掛けをしました。杉並区では中学生が参加する「いじめ防止サミット」という取り組みがあるのですが、ここに参加した「高井戸中学校」の生徒会のみなさんに、本校でも内容を発表してもらい、それをもとに本校の代表委員会でいじめ防止について考えるという取り組みも行っています。また、進学を控えた6年生は「高井戸中学校」を訪問し、学校見学や部活体験をさせてもらっています。

保育園との連携も行っているそうですね。

上水保育園

今年度(2014年度)は、「上水保育園」、「杉並の家保育園」、「高井戸東保育園」の3園との交流活動を行っています。1学期には保育園の子どもたちに本校に来ていただいて、校庭で2年生と遊ぶ会を行いました。2学期は、1年生が模擬店を開いて、そこに保育園の子どもたちを招待して一緒に遊ぶという催しをしています。3学期は園児たちの小学校入学が近づいていますから、保育園の子どもたちに学校を案内したり、授業を体験してもらうことを考えています。

一流スポーツ選手による指導や歯磨きの推進など、
ユニークな取り組みもあると伺いました。

校庭

女子サッカー選手の岩清水 梓さんや、柔道の鈴木 桂治さん、体操の水島 宏一さんに来ていただいて、お話を伺ったり実際に指導をしていただきました。やはり一流の選手の方のポイントの押さえ方は違います。子どもたちの意欲の持ち方が変わってきますし、種目に対する関心も高まっているようです。

健康教育では、以前に本校が杉並区の歯磨き推進校になったことがあり、今も引き続き歯磨きを推進しています。給食の後に歯磨きをするのですが、今年からは生活時程の中に歯磨きの時間を確保しました。歯科校医さんにも歯磨きの様子を見にきていただいたり、歯科医院を開業していらっしゃる保護者の方に、噛むことの大切さについてお話していただいたりもしています。

最後に、子育ての場としての「高井戸東小学校」周辺の魅力について
お聞かせください。

柏の宮公園

落ち着いた住宅街で静かな環境ですし、「柏の宮公園」や「三井の森公園」といった子どもたちが遊べるような公園や緑が多い場所です。親切な方も多く、子育ての環境として恵まれている地域だと感じます。

今回、話を聞いた人

校長先生

杉並区立高井戸東小学校

校長 沼田 操先生

「子どもたちが何かに挑戦してできたときの輝く顔を見ることができるのがしあわせです」と話す、やさしい笑顔が印象的な先生でした。

杉並区立高井戸東小学校
所在地:東京都杉並区高井戸東1-12-1
電話番号:03-3304-5711
URL:http://www.suginami-school.ed.jp/takaidohigashishou/

※記事内容は2015(平成27)年1月時点の情報です。

地域文化や一流スポーツの体験を通じて、 「夢を持ち豊かに生きる子」を育てる/杉並区立高井戸東小学校 校長 沼田 操先生
所在地:東京都杉並区高井戸東1-12-1 
電話番号:03-3304-5711
http://www.suginami-school.ed.jp/takaido..

地域との連携を大切に、心豊かな子どもたちを育てる/八千代市立村上北小学校 校長 宍倉博之先生


八千代市立村上北小学校 校長 宍倉博之先生

温かい地域との連携を大切に。心豊かな子どもたちを育てる八千代市立村上北小学校

 「村上北小学校」は八千代市のシンボル的存在である新川のすぐそばに位置する小学校。周辺には八千代東高校、英和高校、八千代松陰高校という3つの高等学校と2つの中学校など、小学校から高等学校までの学校が揃う文教エリアに位置しています。児童数は193人(2014(平成26)年7月現在)と小規模ですが、道徳教育や地域活動などが非常に活発なのが特徴です。

今回は学校と八千代市村上エリアの魅力について、宍倉博之校長にお話を伺いました。

村上北小学校の沿革や概要について教えてください。

八千代市立村上北小学校

村上北小学校は1978(昭和53)年に開校し、現在37年目になります。今のところ児童数は193人。全学年が単学級でしたが、今年は15年ぶりに1年生が2学級になりました。

八千代市立村上北小学校

本校は八千代市でも学区が広いほうです。このエリアは新興住宅地ができているので、そこからの子どもたちが増えているためですね。やはり私たちも、このエリアに新しい子どもたちが増えるのはうれしいことです。

こちらでは児童同士でも上級生が下級生に勉強を教えたりという、異学年交流も盛んだそうですね。

八千代市立村上北小学校 宍倉博之校長先生 インタビュー

それもやはり道徳教育の一環ですね。勉強以外にも掃除や遠足、休み時間にみんなで遊ぶことも、異学年で積極的におこなっています。この前も七夕集会がありましたが、上級生と下級生の「仲良しグループ」で短冊を作ったり、願い事を書いたりしていましたよ。やはり上級生は下級生の面倒をみたり助け合ったりすることは、非常に大切な道徳教育です。本校は学校の規模が小さいので、全校児童同士、お互いの顔と名前が一致しますので、学校全体が兄弟みたいな関係になるんですね。学年関係なく気軽に声を掛け合う空気ができているんです。

生徒数が少ないことについてのメリットを教えてください。

八千代市立村上北小学校

そうですね、学習面、生活面において、一人一人にきめ細やかな指導が出来ていると感じています。
子どもたち一人一人に声をかけることも大切にしています。また、本校では学習面においてノートを有効的に活用できるように「ノート指導」にも力を入れています。「ノート指導」のねらいとしては、ノートが思考表現の手段として或いは書き記すための習慣を初等教育から身につけることです。いいノートを作成できた児童のものは掲示して、どんどん奨励しているんです。このノート指導においても、教員が一人一人を気にかけ指導しています。保護者の方にもノートに力を入れていることをお知らせし、家庭でご指導いただけるようにお願いをしています。

こちらの地域についてお伺いしたいのですが、村上エリアに住む方々はどんな方が多いですか?

八千代市立村上北小学校 宍倉博之校長先生 インタビュー

学校に協力的な方がとても多いですね。子どもたちの見守りをする「スクールガード」さんもたくさんいらっしゃいますし、その中にはお子さんが卒業生だったという方もいます。児童の親御さんも非常に協力的な方が多く、PTA役員はたいていあっという間に決まっちゃいますよ。

八千代市立村上北小学校

運動会を開催する時も、PTA会長さんが一声かけると、地域の方がたくさん来て手伝ってくれるんですよ。普通運動会の準備は前日に子どもと教職員を中心に行いますよね。でもうちは当日に地域の人がお手伝いしてくれるので、準備の際に、前日に準備するものと当日に手伝ってもらうものに振り分けをして、効率よく進められるのでとても助かっています。後始末も子どもや教職員、地域の方が協力し合って進めてくれます。そこで子どもたちがどう取り組んでいるかを親御さんや地域の方々にみてもらういい機会にもなっています。

村上北小学校に通う魅力について教えてください。

八千代市立村上北小学校

学区内外があるので全ての方に向けてとはいきませんが、本校の魅力としては、自然環境にとても恵まれていることが大きいです。校庭も芝生なので、子どもたちは裸足で遊んだり、芝生に寝転がったりして元気いっぱいに過ごしています。

また、本校に通う子どもたちは本当に元気で素直な子が多いです。温かい地域との連携がしっかりしているのも魅力ですね。

八千代市村上エリアというのは、八千代市の中でどういった特徴がありますか?

村上中央公園

八千代市の中でも、かなり自然豊かなエリアですね。すぐ近くには新川という市のシンボル的な川が流れています。とはいえ私もずっと八千代市に住んでいますが、昔に比べたらずいぶんと街全体が発展しています。やはり東葉高速線が開通したことで「村上」という新しい駅ができ、交通の便が飛躍的に良くなったのは大きいですね。利便性もあって自然も残る、子育て世代には住みやすいエリアだと思いますよ。

八千代市立村上北小学校 宍倉博之校長先生

今回、話を聞いた人

八千代市立村上北小学校

宍倉博之 校長先生

住所:千葉県八千代市村上1113-1
電話:047-484-1780
FAX:047-484-1823
HP:http://www.yachiyo.ed.jp/emurakita/

※この情報は2014(平成26)年10月時点のものです。

地域との連携を大切に、心豊かな子どもたちを育てる/八千代市立村上北小学校 校長 宍倉博之先生
所在地:千葉県八千代市村上1113-1 
電話番号:047-484-1780
http://www.yachiyo.ed.jp/emurakita/

お子さんと親御さんの健やかな成長を見守る、大治町の子育て拠点/大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」 児童厚生員 石嶌裕子さん・安田志保さん


大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」
児童厚生員 石嶌裕子さん・安田志保さん

お子さんと親御さんの健やかな成長を見守る、大治町の子育て拠点

大治町の「総合福祉センター 希望の家」3階にある大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」は、いつも子どもたちの元気な声が響く賑やかな施設。広々とした居心地の良い場所で、職員の方々が来訪者に細かな心配りをし、温かな空気作りをしてくれていることが大きな魅力となっている。今回は、児童厚生員の石嶌裕子さん・安田志保さんに、施設の概要や訪れる親子の様子などについてお話を伺った。

「児童センター」と「子育て支援センター はるっこ」の設立経緯について教えてください。

大治町 子育て支援センター はるっこ 外観

1998(平成10)年5月に、大治町社会福祉協議会が大治町から受託して、子どもたちに健全な遊び場を提供するため「児童センター」が立ち上がりました。「児童センター」の対象年齢は乳幼児から小・中学生までなのですが、2008(平成20)年4月、さらに手厚く子育て支援を行うため、「子育て支援センター はるっこ」を開始しました。町の中心を通る国道302号線沿いでアクセスも良いため、多くの方にご利用いただいています。

どのような設備があるのでしょうか。

大治町 子育て支援センター はるっこ 多目的スペース

「児童センター」「子育て支援センター はるっこ」どちらも同じスペースで運営しています。すべり台やジャングルジムなどを置いた「遊戯室」があり、広々とした造りになっているので、たくさんお子さんが遊びにいらっしゃっても対応することができます。

基本的に平日10時~15時までは「遊戯室」を「はるっこルーム」として未就学の親子連れにご利用頂いています。“公園デビュー”という言葉がありますが、そんな感覚でお母さんが子どもと一緒に、そこに集まってくる母子連れの仲間入りを果たす場所となっているようです。

大治町 子育て支援センター はるっこ お遊戯場

0歳児を大きい子の中で遊ばせるのは怖いという方もいらっしゃるので、月に3回ほど0歳児専用の「ちびはるルーム」を遊戯室とは別の部屋「集会室」に設けています。そのうち1回は、赤ちゃんの専門知識を持つ保健師さんにも来てもらい、様々な相談にのってもらっています。

「児童センター」としての開館は、月曜日から土曜日の10時~18時まで。基本的には平日の放課後と土曜日に小学生が遊びにくることが多いです。

運営の上で大切にしていることを教えて下さい。

大治町 子育て支援センター はるっこ 職員と子供

子ども向けの施設ですが、最も大切にしているのは“親の支援”なのかもしれません。子どもの様子だけでなく、親の顔色も常に気に掛けることは本当に大事です。“お母さんの顔つきが暗いな”と思うと、連鎖反応でお子様もグズり始め、悪循環に陥ることが多いです。そういったときは「最近どう?困っていることない?」などと声をかけさせてもらいます。

大治町 子育て支援センター はるっこ 職員と子供その2

スタッフ全員が保育士の資格も持った、子育て経験のある女性なので、自分たちの経験を通して得た知識を元にお母さんたちの悩みを聞いてあげたり、親同士、横のつながりを作るお手伝いをしたりしています。子どもの健やかな発達には、まず親自身が子育てに自信と喜びを持ってもらうことが重要なので、そういったことを支援できる施設でありたいですね。

臨床心理士の先生に相談に乗っていただけるコーナーもあるんですね。

大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」<br />児童厚生員 石嶌裕子さん・安田志保さん インタビュー

月に一回、臨床心理士の先生に来ていただく機会も設けています。「うちの子、言葉が遅いんじゃないかな…」「お友達をすぐドンと押しちゃう…」などといったお悩みは案外多いのですが、病院や保健センターに相談に行くのはちょっとハードルが高いのかもしれません。当施設では遊びに来るついでに相談できるので、気軽にお話してもらえます。また、必要と判断した場合はこちらから保健センターやその他専門支援機関につなぐこともできます。家で悶々と悩んでいる親御さんもいらっしゃると思います。より多くの人に来てもらえるよう「こどもの育ち何でも相談」という気軽な名前を付けて広報誌にも載せています。まずは様子を見に来るだけでもいいので足を運んでもらいたいと思っています。

親子イベントや絵本の読みきかせをやっていらっしゃると聞きました。

大治町 子育て支援センター はるっこ 旗

月に2回、第2・4木曜日の午前11時から親子のふれ合いを目的に「なかよし広場」と題した行事を開催しています。未就園児とその保護者が対象で、手遊びや、アンパンマン体操、簡単工作などを行っています。簡単工作では、だいたい季節毎の行事をテーマにしていることが多いですね。例えば5月だったら、紙で作る鯉のぼりを作りました。

また、第3木曜日に「読みがたりサークル たんぽぽ」というボランティアサークルに来て頂いて、『絵本のよみきかせ』も行っています。1歳までの回と1歳以上の回の2回に分けて本を読んでいただいています。読み聞かせの他にわらべ唄や昔話などもあって、子育て中の若いお母さんたちからも「子どもにどうやってことば遊びをしたらよいか分かった」という感想も挙がるイベントです。

最後に、大治町の魅力について教えてください。

大治町 子育て支援センター はるっこ<br />児童厚生員 石嶌裕子さん・安田志保さん インタビュー

「名古屋」駅へのアクセスがとてもよいのが大治町の魅力だと思います。車だと東へ15分ほど走ると行くことができますし、自転車でも、名古屋市営地下鉄東山線「中村公園」や「岩塚」の駅まで15分程度で行けます。都心部に近いのに、高い建物などは少なく、田んぼや畑などが残り、どこかゆったりとした時間が流れているのもいいところなのではないでしょうか。大人の通勤だけでなく、子ども達が大きくなって、名古屋市内の高校や大学へ通うのにも公共交通機関が発達しているので、とても便利です。“ほどよく都会で、ほどよく田舎”というこの環境。他にはなかなかないのではないでしょうか。

大治町 子育て支援センター はるっこ<br />児童厚生員 石嶌裕子さん・安田志保さん インタビュー

今回、話を聞いた人

大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」

児童厚生員 石嶌裕子さん
児童厚生員 安田志保さん

※記事の内容は2015(平成27)年5月に実施した取材をもとに作成しており、今後変わる場合がございます。

大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」
所在地:愛知県海部郡大治町砂子西河原18 大治町総合福祉センター希望の家 3階
電話番号:052-441-1781
http://www10.ocn.ne.jp/~ooharu/kosodate10.htm

お子さんと親御さんの健やかな成長を見守る、大治町の子育て拠点/大治町児童センター・子育て支援センター「はるっこ」 児童厚生員 石嶌裕子さん・安田志保さん
所在地:愛知県大治町大字砂子字西河原18 
電話番号:052-441-1820
開設日:月~金 10:00~15:00 
休館日:土曜、日曜、祝日、年末年始
http://www.fukushi-ooharu.sakura.ne.jp/k..