しのざき文化プラザ:統括責任者 尾崎和也さん、副統括責任者 高田純一さん

江戸川区の魅力を発信する「篠崎」駅直結の文化複合施設/しのざき文化プラザ 統括責任者 尾崎和也さん、副統括責任者 高田純一さん


2008(平成20)年7月にオープンした「篠崎」駅直結の文化複合施設「しのざき文化プラザ」。江戸川区の多彩な魅力をアピールする文化の発信拠点としての役割を担っており、多くの区民が利用する施設となっている。今回は指定管理者として「しのざき文化プラザ」の運営に携わる、統括責任者の尾崎和也さんと副統括責任者の高田純一さんに、施設の特色と篠崎の街の魅力についてお話を伺った。

江戸川区の多彩な魅力をアピールする文化の発信拠点

「しのざき文化プラザ」の入口

――まず「しのざき文化プラザ」の概要と特色について教えてください

「しのざき文化プラザ」は、2008(平成20)年7月にオープンした江戸川区の公共施設で、「篠崎図書館」、「企画展示ギャラリー」、「江戸川総合人生大学」、「伝統工芸カフェ・アルティザン」の4つからなる文化複合施設です。

施設が入る「篠崎ツインプレイス」

駅前の再開発に伴い誕生した「篠崎」駅直結の「篠崎ツインプレイス」3階にあり、江戸川区の文化を発信する拠点としての役割を担っています。「篠崎」駅と直結しているため近隣の方にとっては通勤通学の途中に利用しやすく、また駅から雨に濡れずに利用することができます。

区民の皆さんを中心に、多くに方に利用して頂いています

館内図

――それぞれの施設の特徴を教えてください

まず「篠崎図書館」ですが、「しのざき文化プラザ」の開館時間と同じく朝の9時から夜の9時30分までご利用頂けます。篠崎には子ども向けの蔵書に特化した「篠崎子ども図書館」がありますが、「篠崎図書館」にはビジネスや子育て、医療・健康に関する新しい蔵書も揃い“大人のための図書館”として表現されることもあります。利用に際しては区内の他の図書館と同じく、江戸川区在住、在勤、在学の方はもちろん、隣接する江東区や市川市の方も利用者登録をいただいたうえで貸出や資料の取り寄せが可能です。パソコンを持ち込んで作業をされる方のための「メディアワークルーム」も合わせてご利用いただくこともできます。

「企画展示ギャラリー」

「企画展示ギャラリー」は、江戸川区の歴史や文化、自然などを様々な角度から紹介しています。企画展示の内容に合わせて実施されるワークショップや講演会などのイベントも好評で、現在展示している花に関する企画では、「プリザーブドフラワー」や「フラワーアレンジ」、「苔玉づくり」などのワークショップを実施しています。

社会貢献を志す方々のための、学びと実践の場

「江戸川総合人生大学」の講義室

――「江戸川総合人生大学」とはどんなものですか?

「江戸川総合人生大学」は、“大学”という名称ですが学校教育法上の大学とは異なり、社会貢献を志す地域の方々のために江戸川区が設立した学びと実践の場です。修学期間は毎年10月からの2年間で、年齢制限はありません。「江戸川まちづくり学科」と「国際コミュニティ学科」からなる「地域デザイン学部」と、「子ども・子育て応援学科」、「介護福祉学科」からなる「人生科学部」の2学部4学科の学生がいらっしゃいます。

第二講義室

授業は講義室で行う座学のほか、実際に街に出向いてフィールドワークやボランティアを行うなど、江戸川区全域がキャンパスとなっています。また、毎年7月には、一般の方に学びの成果などを発表する場として「タワーホール船堀」にて大学祭を開催しています。入学方法や大学の詳細は「江戸川総合人生大学」のホームページもしくは大学事務局までお問い合わせください。

ボランティアとして活躍する卒業生も

卒業生は、近所の公園を仲間を集めてボランティアで手入れしたり、地域でミニデイサービスを運営したりと、大学で学んだことを活かして実際に街で活動されています。先ほどご紹介した「企画展示ギャラリー」の中でも「江戸川総合人生大学」を卒業して地域で活躍するボランティアの活動内容などを紹介しています。

小松菜をつかった料理や、伝統工芸品の販売を行っています

「伝統工芸カフェ・アルティザン」

――「伝統工芸カフェ・アルティザン」についても詳しく教えてください

「伝統工芸カフェ・アルティザン」は、しっとりと落ち着いた大人の雰囲気が特徴の、全47席のひろびろとしたカフェスペースです。小松菜を使った「小松菜ジュース」やコーヒーなどのドリンクメニュー、食事メニューも充実しているため、お仕事帰りにお立ち寄り頂き、お酒と一緒にお楽しみ頂くことも可能です。

他ではなかなか手に入らない職人の品

また、物販スペースでは江戸川区内の工芸師の方々による作品の展示、販売が行われており、江戸風鈴や扇子、ガラス工芸作品など、江戸川区のものづくりの文化にも触れられる貴重なスペースとなっています。常設で工芸品の委託販売を行うのは江戸川区内でも当館と「新川さくら館」の2ヵ所のみとなっているので、ぜひ手にとって職人の技を肌で感じてください。

生でも食べられる「サラダ小松菜」

さらに江戸川区名産の「サラダ小松菜」(1パック150円)の販売も行っています。1日に30~40パックしか手に入らない希少な品物で、午前中に売切れてしまうほどファンの多い逸品です。その他にも「小松菜ドレッシング」や「小松菜うどん」、「小松菜そば」など、小松菜関連の商品も多く取り扱っています。

もっとたくさんの方に親しんでもらえる施設にしていきたい

施設内の様子

――「しのざき文化プラザ」の今後の展望についてお聞かせください

「しのざき文化プラザ」は近隣や区内の方にご利用頂くのはもちろん、区外の方にも江戸川区の魅力について知って頂く情報発信拠点としての役割を担っているので、「篠崎」駅直結のアクセスの良さを生かして、より多くの方にご利用頂ける居心地の良い空間づくりに務めていきたいと思っています。

自然を身近に感じられる環境が魅力です

「篠崎公園」

――最後に、「篠崎」駅周辺の街の魅力についてお聞かせください

篠崎と言えば、江戸川の河川敷で開催される「江戸川区花火大会」が有名ですし、10月の「江戸川区民まつり」も「篠崎公園」で行われます。「篠崎公園」以外にも、親水公園や新水緑道など住宅地に緑の豊かな場所が多く、自然を身近に感じられる恵まれた環境だと思います。区画整理事業により街並みが整備され、今後もますます魅力的なエリアになっていくのではないでしょうか。

江戸川区の魅力を発信する「篠崎」駅直結の文化複合施設

しのざき文化プラザ

統括責任者 尾崎和也さん、副統括責任者 高田純一さん
東京都江戸川区篠崎町7-20-19
TEL:03-3676-9071
URL:http://www.shinozaki-bunkaplaza.com/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

江戸川区の魅力を発信する「篠崎」駅直結の文化複合施設/しのざき文化プラザ 統括責任者 尾崎和也さん、副統括責任者 高田純一さん
所在地:東京都江戸川区篠崎町7-20-19 
電話番号:03-3676-9071
開館時間:9:00~21:30
http://www.shinozaki-bunkaplaza.com/

スペシャルインタビュー

近隣親子の交流拠点!楽しいイベントを毎日開催する「さいたま市立文蔵児童センター」/館長 篠崎さん


各区に1カ所ずつ子育て支援センターを設置するなど、子育て支援策を充実させているさいたま市。子どもたちが自由に遊び交流できる児童センターは市内に18カ所あり、乳幼児保護者が参加できるプログラムが多数開催されています。そのうち、「南浦和」駅南側周辺エリアで近隣の親子に親しまれてきたのが「文蔵児童センター」です。複合施設の1階にあり、併設の公民館・放課後児童クラブとも連携したイベントを開催しています。今回は、館長を務める篠崎さんに、親子で楽しめるイベントなどについてお話を伺いました。

「さいたま市立文蔵児童センター」外観

 

幼児向けのイベントは年齢制限を設けずに毎日開催

――まずは、「文蔵児童センター」の概要や特長を教えてください。

篠崎さん:「文蔵児童センター」には、当館で一番広くてオモチャで自由に遊べる遊戯室、授乳コーナーがある赤ちゃんルーム、絵本を並べた図書室があります。0~18歳まですべての子どもが利用でき、保護者の方への子育て支援事業も行っています。当館は県内でも小さな規模の児童センターではありますが、同じ建物の中に公民館と放課後児童クラブが併設されているので、そちらのスペースも合わせて活用してイベントやランチ会などを行っています。市内に18館ある児童センターの中でも、当館の特長は、幼児向けイベントを毎日開催していることです。具体的には、年齢制限を特に設けず参加自由の「エンジョイタイム」というイベントを開いています。

毎日さまざまな内容で開催される「エンジョイタイム」

――センターを利用するにはどうしたらいいでしょうか?

篠崎さん:受付で利用票に名前や住所、緊急連絡時に必要な電話番号などを記入してもらうだけで、無料で利用できます。開館は午前9時から午後6時まで。土日も遊べ、子どもの日、敬老の日、文化の日の祝日もオープンしています。

「文蔵児童センター」内の受付の様子

学校がある平日は、午後3時までが「幼児タイム」として、幼児が遊びやすいように遊び道具を設定しています。「遊戯室」は、午後3時になるとオモチャを片付け、小学生がボールやフラフープで遊べるようにしています。赤ちゃんルームには卓球台を用意し、受付近くのスペースもオモチャで自由に遊べるように開放します。日曜日は午後1時から小中学生がたくさん遊びに来るので、午後は隣の児童クラブ室を乳幼児専用のプレイルームにしています。

たくさんの遊具やオモチャで思い思いに遊べる「遊戯室」。

――利用状況はいかがでしょうか?

篠崎さん:人気イベントのあるなしや季節・天候に左右されますが、1日の平均利用者数は80~90人ほどです。多い時で150人を超える日もあります。文蔵と辻の方が多く、次いで根岸や南浦和、遠くではお隣の川口市から来る方もいますし、県外にお住まいの方が里帰りのついでに利用される場合もあります。
お母さん方はお子さんが幼稚園へ上がれば、園関係で人とつながりができますが、その前などは、この周辺は新しく越されてきた住民の方が多いので、つながりや情報がありません。ここへ来ることで、お母さん同士が集まって子育てについて共通の話ができます。子どもたちもオモチャがたくさんあって自由に遊べますし、お母さんは子どもを遊ばせながら寛ぐことができます。12~13時のランチタイムはお弁当を食べられるようにしているので、ここでお昼を食べて午後も遊んでいくという方もいます。お家で親子二人きりで食べるより、ここで自分も楽しみながら食べる方がお母さんも一息つけるようです。

自然と生まれるお母さん同士の交流。

――とてもアットホームな雰囲気ですね。

篠崎さん:初めての方が毎日のようにいらっしゃるので、利用方法やお子さんの年齢に合わせたイベントを丁寧にご案内します。お母さん方はすぐに顔見知りになって、お互いの子どもの名前を覚えますね。先日も、ぐずっていたお子さんによそのお母さんがお菓子をあげたら、ぴたっと泣き止んでくれました。そんな風に、お互いに手助けし合っている様子が見受けられます。それから、各部屋にドアがないことも、当館の特徴のひとつ。見通しがいいので、お母さん方は毎日顔を合わせているうちに、自然と声を掛け合うようになります。イベント時も気軽に出入りできます。
悩み事があるお母さんは、職員が話を聞いてあげることで心が落ち着くケースもありますし、時には市の専門機関につなぐ場合もあります。区の家庭児童相談員や保健師、歯科衛生士などにも、定期的に来館してもらっています。

子どもの成長過程や興味に合わせて選べる豊富なイベント

「エンジョイタイム」をはじめ、乳児向け、季節行事など様々なイベントが

――乳幼児親子で参加できるイベントにはどのようなものがありますか?

篠崎さん:毎日開催しているのは、先ほどの「エンジョイタイム」です。放課後児童クラブの部屋を使って、30分ぐらい、手遊びや触れ合い遊び、体操、簡単な紙芝居などをします。同じような内容で月・水・金、「赤ちゃんルーム」で0歳の赤ちゃんを対象にした「親子のふれあいタイム」も開いています。

「赤ちゃんルーム」の様子

それから、0歳児対象でふれあい遊びなどをする「赤ちゃんと一緒」、1歳以上が対象で体操や工作をする「コアラクラブ」が、それぞれ月に約2回あります。「赤ちゃんと一緒」のフリートークタイムでは、お母さんたちをグループに分けて自由に情報交換をしてもらうのですが、これをきっかけに仲良くなるお母さん同士も多いですね。お子さんが小さいとなかなか外出しづらいと思いますが、こういう企画があると参加しやすいのか、多い時は30組ぐらい来られて部屋に入りきれないほどです。

参加者が楽しむ声であふれる「エンジョイタイム」

そのほか、ボランティアさんによるお話し会「おはなしでてこい」が月に約1回、「お誕生会」とその前後に体重・身体測定をする「大きくなったかな」が月末の水曜日にあります。「お誕生会」はとても人気があって、多い時は50~70組が見えます。手づくりのバースデーカードを渡すのですが、これを目当てに来館される方もいて、年間かなりの枚数が出ます。当日は撮影用のフォトフレームを出したり、くす玉割りをするので、ここで撮った写真をカードに貼られる方も多いですよ。

お話し会の様子。子どもたちも集中。

センター周辺には新しいマンションなどがたくさんあり、若いファミリーも多いです。毎週日曜日は「パパとあそぼう」という時間も設けていて、内容は平日の「エンジョイタイム」とほぼ一緒なのですが、ここのセンターはお父さんの参加率が高くて、多い時で15組ぐらい、毎回来てくださるお父さんもいらっしゃいます。もちろんお母さんやおじいちゃん、おばあちゃんも参加できます。
こうした定期イベントのほか、公民館の体育室などを会場にした幼児向け運動会や夏のお楽しみ会、ハロウィンなどの季節の行事も開いています。

親同士の交流も、赤ちゃん同士の交流もある

――最後に、施設周辺の子育て環境の魅力についてお聞かせください

篠崎さん:南浦和に来て思ったことは、とても公園が多い地域だなということです。「文蔵児童センター」の近くにも大小の公園や緑道があって、落ち着いた雰囲気がいいですね。見守りを含めて地域の方たちが子どもたちの活動をいろいろな形で支援していて、子育てにとても積極的です。南区には「武蔵浦和」駅前にできた「サウスピア」の子育て支援センターもあり、そこと合わせて当館を使われる方も多いです。近くの神社で豆まきや夏祭りをやると、想像以上に人が集まり、まとまりがあるいい地域だなと感じられます。

六辻水辺公園(さいたま市南区根岸付近)

近隣在住のお母さんに伺いました!

――「文蔵児童センター」を利用したきっかけや、利用して良かったことを教えてください。

Aママ:さいたま市報でセンターのことを知り、家で子どもとふたりきりでいるより、子どもがいろんな子たちと触れ合ってほしいと思って来ました。同じぐらいの月齢の子と会えるので刺激になるし、いろんな人たちと触れ合って子どもの人見知りが減りました。

Bママ:子どもにいい刺激を与えられたらなと思って来ました。相談したり、こうした方がいいよとかアドバイスをもらったり、お母さん同士でいろんな話ができるのがいいなと思います。

子育て仲間の存在は心強い

――周辺の子育て環境の魅力を教えてください!

Aママ:近くに公園があるし、子どもが外に出ても安心していられる環境です。

Bママ:住宅街で静か。スーパーマーケットもあるし、道が平坦なので、住みやすいですね。近くに学校があるので、子どもが多く人通りがあって安心。センターには買い物ついでに寄れますし、私たちもここで友達になりました。

さいたま市立文蔵児童センター 篠崎館長

さいたま市立 文蔵児童センター

館長 篠崎さん
所在地 :埼玉県さいたま市南区文蔵4-19-3
電話番号:048-845-5153
URL:http://www.saicity-j.or.jp/j-buzou.html
※この情報は2017(平成29)年5月時点のものです。

近隣親子の交流拠点!楽しいイベントを毎日開催する「さいたま市立文蔵児童センター」/館長 篠崎さん
所在地:埼玉県さいたま市南区文蔵4-19-3 
電話番号:048-845-5153
開館時間:9:00~18:00
休館日:祝日(こどもの日・敬老の日・文化の日を除く)、年末年始
http://www.saicity-j.or.jp/j-buzou.html

つくば市教育局インタビュー

「教育日本一」を目指すつくば市の取り組み/つくば市教育局インタビュー


「未来を担う子供たちの育成」を基本理念とした教育プラン

つくば市教育プランなどの資料

――つくば市では教育政策について、「教育日本一」というスローガンを掲げていらっしゃいますが、この言葉に込めた思いをお聞かせください。

つくば市では、将来を見据えた教育に関する基本政策を「つくば市教育プラン」として作成しています。平成23年度から27年度までの5年間の「第1期」でスローガンにしていたのが、「“教育日本一のまち”を作ろう、育てよう」というものでした。
どんな部分で「日本一」を目指すかと言うと、「学力」はもちろん、心も身体も、すべてにおいて、子供たちが「生き抜く力」を身につけるための、最高の環境にしていこう、という意図があります。また、高い目標を掲げることで、学校の先生方にも、個々の教育目標をさらに高く設定して、子供たちの教育に励んでもらいたい、そういった思いも込めています。

今回、平成28年度から32年度までの「第2期」のプランを新たに作成しました。1期の「教育日本一」という目標はそのまま引き継ぎながら、「夢・感動のある楽しい学校づくり」を達成するための、より具体性の高い基本プランとなっています。

第2期の教育方針について

内容について少しご説明しますと、この中では3つの「基本目標」と、そこから分岐した7つの「基本方針」を掲げています。基本目標の1つ目は、「社会を“生き抜く力”を育む」としました。これは、「知・徳・体」をバランスよく育み、将来、地域や世界で活躍する子供を育て、学校に通うすべての子供たちが輝くための教育を推進していくことを目標としています。
基本目標の2つ目は、「教育環境の整備を図り、質の高い教育を推進する」。これは主に、教職員の人材育成と、教材や施設環境の整備に重点的に取り組んでいくといった内容です。

基本目標の3つ目は「つくばの特性をいかし、社会全体で子供を育む」というものです。学校だけではなく、つくば市のいろいろな特性を活かして、地域社会と一緒に、子供たちを育んでいきましょうという方針を示したもので、学校、家庭、地域の連携、協働による教育を推進するとともに、つくば市ならではの特性を生かした教育を取り入れていくというものです。

――第1期から第2期にかけて、変わった点や重点としたのはどの部分でしょうか?

1期目から「小中一貫教育」を重点的に推進してきましたが、これをさらに進めていくということで、引き続き重点項目としています。2016(平成28)年4月からは、「義務教育学校」という新しい学校の種類もできて、「これから新設する学校については、施設一体型の義務教育学校にする」という方針も、新たに2期の計画の中に盛り込んでいます。

また、「地域とともにある学校づくり」として、「コミュニティスクール」の導入についても、今後5年間の中の重点事業の一つにしています。

ICT教育に関する資料

学習の面では、子供たちの主体的・対話的で深い学びを推進するために、「アクティブ・ラーニング」の充実についても強調しています。その中で、「ICT(情報通信技術)」を、うまく活用することも、重点的な内容の一つになっています。ただし、ICTについては、これを使いこなすことが「目的」ではなく、あくまでも学習のための「ツール」ですので、全教科の様々な場面で、ICTを駆使しながら、効率よくわかりやすく学習を進めていきましょう、という位置づけです。

――つくば市の小中学校には、「つくばスタイル科」という独自科目があるそうですね。

2012(平成24)年度から始まった「つくばスタイル科」というのは、他の自治体ですと「総合的な学習の時間」と呼ばれる時間に、特活、道徳、生活科の一部の時間を加え、「つくばスタイル科」という時間に再編成しているものです。

この教科の中では、学ぶスタイルを「IN,ABOUT,FOR」という言葉にしていまして、自ら課題を見つけ、情報を収集し、何ができるかを考え、発信するという、一連の流れを繰り返す授業展開になっています。これを9年間を通して繰り返していくことで、いわゆる「21世紀型スキル」の定着を図っていこうという科目です。学習内容は、環境、キャリア、歴史・文化、健康・安全といった領域に加えて、外国語活動も「つくばスタイル科」の中に入っています。

他の地域の公立校では、「総合的な学習の時間」の内容は、学校ごとに異なっているのが通常です。一方、つくば市では、このスタイル科の中で、「必ずこの学年ではこれをやりましょう」という部分を市が定めているので、どこの学校でも同じことを学ぶのが特長です。その領域を「コア・カリキュラム」と呼んでいます。これがあることで、たとえば、複数の小学校で学んでいても、同じことを学んだ児童が中学校へと進学しますのでスムーズな接続ができます。これはつくば市が進める小中一貫教育の中でも、大事な柱の一つになっています。

さまざまな研究機関があつまるつくば市ならではの取り組み

――昨年度から、「学校情報化優良校」に、市内の全学校が認定されているそうですね。

「情報化認定」というのは、第三者機関による認定でして、市内のすべての学校が優良校に選ばれたのが昨年、2015(平成27)年度のことです。それを受けて、今年はさらに、「学校情報化先進地域」という、さらに一つ上の認定を、つくば市として頂くことができました。また、「竹園東中学校」については「学校情報化先進校」に、市内で唯一選ばれています。これは全国的にも数少ないものの一校ですが、ほかの学校にも広げていきたいと考えています。

「学校情報化認定」について

これらの認定については、一度認定を受ければそのまま何年も継続できる、という性質のものではありませんので、我々としては、その水準の上をつねに保つように、継続して努力をしていきたいと考えています。

また、市内で唯一の施設一体型小中一貫校である「春日学園」については、マイクロソフト社が選んだ、世界中でも100校ほどしか無い、「ショーケーススクール」にも指定されています。これは以前、マイクロソフトの社長が来日した際に、生徒が社長の前でプレゼンを行い、そこで気に入っていただいて指定に至りました。その関係でマイクロソフト社から機材を寄贈していただきまして、それを使いながら、世界的にも最先端のICT教育を進めているという部分もあります。

つくば市がこの学校情報化に関して、特に先進的な取り組みができている背景には、「つくば市総合教育研究所」の存在も大きいのかと思います。こちらは2010(平成22)年度に、教職員のための研修の場として設置されたもので、研究所ではこれまでの取り組みの事例集を作ったり、教員研修を実施したり、子供の状況、先生の状況など、様々なことについての調査研究を行い、共有化する、ということを行っています。

――つくば市の学校では最先端の研究者による出張講義もあるということですが、いくつか事例を教えてください。

「研究学園都市」というとおり、つくば市には世界でも最高レベルの研究所が沢山集まっています。市ではそのような研究所の方々に、学校までお越しいただいて、最新の研究内容について講義をしたり、実験をしていただく「つくば科学出前レクチャー」という取り組みを行っています。

こちらには市内にある15の大学や研究機関が登録をしてくださっていて、150の講座を、メニューとして用意しています。その中から、各学校からの要請に応じて、研究者が招かれて、レクチャーをする、というもので、内容としては非常に高度なものが多いのですが、子供たちは積極的に参加してくれています。

また、秋には「つくば科学フェスティバル」という、子供たちの科学に対する興味関心を高める企画も行っています。そこでは「出前レクチャー」の成果を発表したり、子供たちが自分たちのブースを持って、科学の体験講座を出展する側に回り、来てくれる子供たちに対して、子供たち同士で教える、ということも行っています。また、夏休みには「つくばちびっ子博士」という、各市内の研究機関を巡るスタンプラリーも企画しています。

こういったさまざまな取り組みを通して、つくばでは特に、科学への興味・関心が高い子供たちが育っていると思います。こういった部分は、ほかの自治体ではなかなか真似ができない部分でしょう。

「つくば科学フェスティバル」の様子

児童生徒、教職員にとっても優れた設備を備えた新しい「義務教育学校」

――みどりの地区に新しく建設されている、「(仮称)みどりの学園」について教えてください。

こちらは既存の「谷田部小学校」の児童増加にともない、分離をして、施設一体型の一貫教育校を作るという事業です。2018(平成30)年度の開校を目指しています。先ほどお話した通り、施設一体型の小中一貫校は今後「義務教育学校」とする方針ですので、こちらは「みどりの義務教育学校」となるかと思います。義務教育学校としては、既存の「春日学園義務教育学校」、2017(平成29)年度開校予定の「秀峰筑波義務教育学校」に続く3校目となります。

規模については、小中合わせて普通教室が22クラス、合計が640名程度での開校を予定しています。当初は1学年3クラス程度、そこにプラスαぐらいに対応できる設計なので、将来的な生徒増にも対応できるかと思います。

「みどりの学園」の完成予想パース

校舎の特徴としては、H型の校舎配置になっていまして、その中に3つの中庭があるという造りになっています。子供たちは1か所の昇降口から入ってきて、屋根の付いている中庭を通って、各教室に分散していくという流れになります。体育館の脇の部分は「イベント広場」という、人工芝のスペースがあり、そこではちょっとした集会や、運動ができるようになっています。

グラウンドも非常に広く作られる計画で、200mのトラックのほか、サッカーコート、野球コート、テニスコートが、重ならず配置できるという広さになっています。既存の学校よりはかなり広いグラウンドになります。また、「学習の庭」という、低学年を対象にしたサブグラウンドが用意されているのも特徴です。体育館については、小中の体育館を合体させたような大きな建物になっていますので、中を区切っても、一つの大きなスペースとしても使うことができ、さまざまな使い方ができるかと思います。

図書室は学校の真ん中に配置され、図書室とコンピュター教室が隣接しているので、図書の閲覧室としても、メディアルームとしても使えるような構造になっています。これ以外にも、もうひとつコンピューター室が用意されるなど、ICT環境も充実する予定です。

教室と廊下が一体化したオープンスペースの造りになっていますし、子供たちがいる教室の近くに「教師だまり」という教師のためのコーナーを作りまして、そこで教材開発などができるようになっています。通常、専科の先生以外は、授業が終わると職員室に戻っていたわけですが、新しい学校では教室の横で準備ができるようになりますので、先生と子供たちの距離感も、今まで以上に近くできるのかと思います。

――最後に、みどりの地域の魅力についてお聞かせください。

みどりの地区は市内でも首都圏に近い場所ですので、都心へのアクセスも良いですし、それに対して、自然環境も非常によく残っている地域です。新しく開発されている地域ということで、敷地環境なども広めで、のびのびと暮らせる場所だと思います。

「みどりの」駅前

つくば市は教育環境をまず第一に考えている街ですから、その街に暮らせる、教育を受けさせられる、ということを魅力に思って移住して来られる方も多くいらっしゃいます。特にみどりの地区については、近い将来に、施設一体型の義務教育学校ができるというのは大きな魅力かと思いますし、教育のカリキュラムの一貫性がとられた中で、長い目で育ててもらえる義務教育の環境というのは、ほかに無いものかと思います。そういう意味では、やはり、教育が一番の魅力かと思います。

つくば市教育局、つくば市教育局総合教育研究所

■つくば市教育局
所在地 :つくば市研究学園1-1-1
TEL :029-883-1111
URL:http://www.tsukuba.ed.jp/
■つくば市総合教育研究所
所在地 :つくば市大形1333-1
TEL :029-867-1080
URL:http://www.tsukuba.ed.jp/~souken/
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

「教育日本一」を目指すつくば市の取り組み/つくば市教育局インタビュー
所在地:茨城県つくば市研究学園1-1-1 
電話番号:029-883-1111
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/

「Memory tree赤池保育園」園長 鈴木豪さんインタビュー

ママ・パパも笑顔になれる「Memory tree赤池保育園」/園長 鈴木豪さん


2015(平成27)年に開園した「Memory tree赤池保育園」では子ども達がのびのび元気に過ごしている。「大きな木がある保育園」として地域に親しまれ、独自の設備やカリキュラムが評判となっている私立保育園だ。今回はそんな「Memory tree赤池保育園」を運営する株式会社nexusの代表、鈴木豪さんに園の概要や街の魅力についてお話を伺った。

制服や習い事も取り入れ、みんなの記憶に残る空間に。

「お子様第一、ママ・パパも第一」を理念としている

――「Memory tree赤池保育園」の沿革、保育方針について教えてください。

鈴木代表:開園は2015(平成27)年1月、5人の子どもたちから始まった私立保育園で、現在、定員46人の子どもたちが元気に通っています。私も小さな子どもをもつ親です。自分の経験や周囲の方の想いを聞いている中で、子どもが安心・安全に育ち、ママ・パパが笑って通わせられる保育園にしたいと考えています。そのため、園の理念を「お子様第一、ママ・パパも第一」としています。認可保育園と同基準の保育体制をとっているため、園児1人当たりのスペースを確保、保育士は基準+1の人数を配置、保険は最上級のものに加入しています。保育プログラムは身体・心・知能・言葉・感性の発達促進を前提にカリキュラム化しています。また、子どもを保育園に預けているとなかなか習い事をさせる時間がないと思いますが、当園では保育時間の中で幼児体育や英会話などを取り入れ、子どもの情操教育の一端を担わせていただいています。

隣接する美容院「cocolino hair」

――「美容院を併設した保育園」とお聞きしましたが、なぜ、併設されたのでしょうか。

鈴木代表:以前から、ママたちの悩みとして「なかなか美容院に来られない」「キッズスペースを利用しても子どもの様子が気になってしまう」などの声を聞いていました。それならと、美容院併設の保育園を設立しました。建物は一緒ですが、美容院と保育園は壁を隔てた別入口になっているので、美容院を利用されるママは子どもを気にせず、ゆっくり、リラックスしながらきれいになっていただけます。預け先が託児ではなく、保育園という安心感もあります。

保育室にある大きな木が印象的

――保育室の中に大きな木がありますね。園では木の温もりも大切にされていると聞きましたが、子どもたちの反応を教えてください。

鈴木代表:園の名前の「memory tree」のとおり、園舎には木や木材をふんだんに使用しています。保育室の床には木を埋め込み、記憶に残るような楽しい園内環境をつくっています。おかげさまで地域の方から「大きな木のある保育園」と言っていただいています。子どもたちにも親しんでもらっているようで、通園を始めた子どもたちは数日で園に慣れていくことが多いですね。

砂場のある園庭

――園の設備についても教えてください。

鈴木代表:小規模の私立保育園では希少な砂場のある園庭を完備しています。園内にはプロジェクターと大スクリーンがあるので、教材や絵本、紙芝居を拡大表示して視聴することができます。先ほど、保育時間の中で習い事の時間を取り入れていると言いましたが、幼児英会話は標準カリキュラムのため、追加料金無しで、0歳児から参加できます。

標準カリキュラムの中に含まれる幼児英会話

――保育園に制服があるのは珍しいと思いますが、導入した経緯について教えてください。

鈴木代表:保育園へ通わせていることに罪悪感を抱いているママ・パパは少なからずいます。本当は子どもと一緒にいたいのに、仕事の都合などで通園せざるをえないからだと思います。その心理的な負荷を減らしてもらいたくて、有名私立幼稚園のように制服を導入しました。当園オリジナルのデザインにしていますので、ママ・パパが子どもたちに自信をもって着せていただければと思います。制服は通園時に着ていただいています。

保育士さんと子どもたち

――保育士さんは子どもたちと、どのような気持ちで接していますか。また、「Memory tree赤池保育園」はどのような場所でありたいとお考えでしょうか。

鈴木代表:保育士は全員、安全を第一に考え、子どもたちが安心して楽しく過ごしてもらえるよう笑顔で接しています。何かあったら必ずママ・パパに伝えていますし、子どももママ・パパも通うことが楽しくなる園を目指しています。また、「memory tree」という名前には「子どもたちの記憶に残る場所でありたい」という思いも込めています。子どもが大人になった時に「あの園に通っていた」と誇りを持ってもらえるような園にしたいと思っています。

「子どもたちの記憶に残る場所」を目指して

――園にはさまざまなコースがありますが、詳しく教えて頂けますか。

鈴木代表:多くの方が終日保育スタイルの「月極保育」(土曜日を含む)や「平日保育」(土曜日を含まない)を利用してくださっています。ほかに、時間制の「一時保育」もあります。対象年齢は0歳児~5歳児、乳児さんには専用ルームで過ごしていただいていますので、安心して通うことができます。近隣地域の子どもを中心に、名古屋市、刈谷市、大府市など、車で1時間圏内お住いの方が利用してくださっています。

おままごとをして遊ぶ園児たち

――地域との結びつき、地域連携について教えてください。

鈴木代表:今年は近隣のハウジングセンターをお借りして、夏祭りを開催しました。保育士による手作りのゲームコーナーや模擬店で盛り上がり、園児の家族はもちろん、地域の方にも楽しんでいただけました。また、習い事やベビーマッサージ教室の講師は地域の教室やスポーツクラブなどと連携し、来園していただいています。開園して2年の保育園ですが、地域の方に支えられていると感じています。

地域の教室やスポーツクラブなどと連携している

――「赤池」駅周辺エリアの子育て環境や地域環境はいかがでしょうか。

鈴木代表:日進市では、中学3年生までの医療費の無料化制度など、行政による子育て環境が整っています。地域を見ても、楽しい遊具が設置されている公園や、小児科や耳鼻科などの子どもが関わるクリニックも多いと感じます。隣接する名古屋市天白区には「名古屋市農業センター delaふぁーむ」といった、自然や食育に関わることができる施設もあります。徒歩圏内のため、当園も遠足に利用させていただきました。

子どもに優しい笑顔を向ける鈴木代表

今、地域で注目されているのは「赤池」駅のそばで建設中の「イトーヨーカドー」ですね。箕ノ手地区の開発も始まっていますし、今後、新しいお店や施設も建設されて、盛り上がっていくのではないでしょうか。子どもをいるご家庭も増えていくと思いますが、子育てがしやすい地域だと思います。今後、当園も子育てのお手伝いができるよういろいろな取り組みを展開していきたいと思っています。

Memory tree赤池保育園 鈴木豪園長

Memory tree赤池保育園

代表 鈴木豪さん
所在地 :愛知県日進市赤池5-1602
TEL :052-853-9697
URL:http://memorytree-cocolino.com/nursery_top.htm
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

ママ・パパも笑顔になれる「Memory tree赤池保育園」/園長 鈴木豪さん
所在地:愛知県日進市赤池5-1602 
電話番号:052-853-9697
開園時間:7:30~17:30
休園日:日曜日
http://memorytree-cocolino.com/nursery_t..

「日進市建設経済部区画整理課」インタビュー

ますます便利で住み良い街へと進化する「日進赤池箕ノ手土地区画整理事業」/日進市建設経済部区画整理課 児玉雅充さん


人口増加と区画整理事業により、新しい街が次々とつくられている日進市。中でも、都心へのアクセスも良く、人気エリアとなっている「赤池」駅周辺のエリアで「日進赤池箕ノ手土地区画整理事業」が進められている。日進市の魅力とともに、今回の区画整理事業でどのような街になるのか、日進市建設経済部区画整理課の児玉雅充さんにお話を伺った。

緑と都市のバランスがとれた新しいまちづくり

「赤池」駅周辺は人気のエリアになっている

――日進市の人口は増加傾向にあるそうですが、発展の歴史などについて教えてください。

児玉さん:1958(昭和33)年に日進町となり、1969(昭和44)年頃から急速に宅地開発が進むと同時に、多くの大学・短大も設立され、住宅都市と学園都市として発展を続けています。人口が5万人を超えたことに伴い、1994(平成6)年、日進市になりました。現在の人口は約8万9千人で、日進市総合計画では2020(平成32)年には10万人に達すると見込んでいます。

児玉さん自身も「赤池」駅を利用されている

――「日進赤池箕ノ手土地区画整理事業」が進められているそうですが、事業全体の概要を教えてください。

児玉さん:名古屋市営地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線「赤池」駅の南、国道153号線の西に広がる地区で、施行面積は40.56ヘクタールあります。計画戸数は約1,500戸、計画人口は約3,500人ですが、マンションなどが建つと、さらに増える可能性はあります。公園は4ヶ所整備され、緑地も確保されます。

――既に実現できていることはありますか。

児玉さん:現在、全体的に整地工事中であり、都市計画道路が3本完成しています。「赤池」駅前からつながる「赤池駅前線」、国道153号線につながる「小田赤池線」、区画整理地区を縦断するように通る「赤池箕ノ手中央線」の3本で、地区の骨格となる道路になります。

区画整理事業が進められている「赤池」駅周辺

――新しいまちの愛称を「日進赤池ヒルズ」と名付けられていますが、名前に込めた思いなどありますでしょうか。

児玉さん:地区内は緩やかな丘陵地のため「ヒルズ(丘)」と名付けられました。豊かな自然林が広がっているため、「日進赤池箕ノ手土地区画整理組合」では、自然との調和と共生をめざした、緑でつながるような景観デザインを考えており、将来に向けて、夢あふれる楽しく安心・安全な町づくりを目指していきたいという気持ちが込められています。

――開発において、目玉となる施設などありましたら教えてください。

児玉さん:地区内でイトーヨーカ堂が出店する大型ショッピングセンターが建設中で、2017(平成29)年11月にオープン予定です。多くの専門店や映画館が入り、子どもが遊べるスペースもできると聞いているので、日進市周辺の方も多く訪れるだろうと、注目しています。年齢問わず多くの方が集まるので、きっと、街の賑わいの核となるのではないでしょうか。

建設中の大型ショッピングセンター

――1,500世帯ほどの家族が住むことが予定されていますが、土地区画整理事業において、特に気を付けていることなどありますでしょうか。

児玉さん:土地区画整理組合では、誰もが安全に、安心して暮らせる街になるよう、道路のバリアフリー化や歩行者目線の整備を進めています。防災に関しての機能も強化していきたいと考えており、消火栓は適宜配置する予定です。また、4ヶ所の公園が、災害が起きた時の一時避難所となります。

――日進市の魅力について教えてください。

児玉さん:「第5次日進市総合計画」では、将来の都市像を「いつまでも暮らしやすいみどりの住環境都市」としています。今回の区画整理事業も「第5次日進市総合計画」の一環ですが、まさに日進市は、緑豊かな自然環境が残されているゾーンと賑わいをみせる新市街地ゾーンがあり、自然と都市のバランスがとれた“まち”です。名古屋市や豊田市にも近く、とても暮らしやすい地域ではないでしょうか。「赤池」駅周辺は人気があるエリアですし、若い世代の家族も増えています。

赤池駅

――今後、ニュータウンへの引越しを考えていらっしゃるファミリーにメッセージをお願いします。

児玉さん:「赤池」駅周辺は都心へのアクセスも良く、日進市には緑豊かな自然があって散策できますし、市内に貸し農園もあるので、都心に近いところで土にふれあうことができます。教育機関(高校・大学)が多いので、若くて活気ある賑わいもあります。同じ市内で気軽にいろいろなことが体験できる魅力があり、なによりも日進市には暮らしやすさがあるので、ぜひ一度、お越しいただきたいと思います。

児玉雅充さん

日進市 建設経済部 区画整理課

事業係 児玉雅充さん
所在地 :愛知県日進市蟹甲町池下268
TEL :0561-73-2169
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

ますます便利で住み良い街へと進化する「日進赤池箕ノ手土地区画整理事業」/日進市建設経済部区画整理課 児玉雅充さん
所在地:愛知県日進市蟹甲町池下268 
電話番号:0561-73-7111
開庁時間:8:30~17:15
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.nisshin.lg.jp/

みよし市役所 政策推進部インタビュー

「みんなで築く“ささえあい”と“活力”の都市(まち)」を目指して /みよし市役所 政策推進部広報情報課


愛知県名古屋市や豊田市からのアクセスも良く、緑豊かな環境が広がる愛知県みよし市。株式会社東洋経済新報社が公表する「住みよさランキング」2010年版で全国1位となるなど、住みよい街として高く評価されている。今回は、みよし市の住みよさについてより深く知るべく、「みよし市役所」の政策推進部広報情報課の皆さんにお話を伺った。

夏に行われる「三好いいじゃんまつり」には毎年大勢の人が訪れる

自然、産業、文化、調和のとれた“バランスの良い”まち

――みよし市の特徴、魅力について教えてください。

みよし市は愛知県のほぼ真ん中に位置しており、名古屋市と豊田市の間にあるという立地の良さが一番の魅力ですね。豊田には20~30分、名古屋には30~40分で出られますので、仕事にも、買い物にも便利です。

面積は約32キロ平方メートルで、人口は約6万人。名古屋近郊の市町村に比べ人口密度も高くなく、行政と市民の皆さんとの距離感がちょうどいい。緑が多くて、農業、工業、商業の産業のバランスもよい。この「ちょうどいい規模」、「バランスの良さ」がみよし市の強みだと、市長はよく話しています。

――東洋経済新報社が毎年発表している「住みよさランキング」では、2010(平成22)年に全国787都市中1位を獲得。その後も毎年上位にランクインしていますが、どのような点が評価されていると考えていますか?

東洋経済新報社さんの「住みよさランキング」を拝見すると、財政力の高い市町村が上位に入っているようです。1958(昭和33)年に町制施行した当時は、人口が1万人弱の農業主体の町でした。現在は市内にトヨタ自動車の工場が4つあり、製造業が盛んです。先人たちに先見の明があり、企業誘致を積極的に行ってきた結果、今の豊かな税収があるのだと思います。安定した財源のおかげで、さまざまな施策を打ちやすいことも「住みよさ」につながっているのではないでしょうか。

教育者出身の市長のもと、教育面の取り組みを積極的に実施

2015(平成27)年度に大規模改修を終えた「みよし市立天王小学校」

――子育て世代向けにはどのような取り組みをされていますか。

現職の小野田市長が教育者出身ですので、子育てと教育には力を入れています。みよし市には小学校が8つと中学校が4つあり、文科省の方針である小学校1・2年生と中学校1年生に加え、みよし市では独自に小学3年生と中学2年生で35人学級を実施しています。また、2015(平成27)年度から2年かけて、小学校、中学校のすべての普通教室に空調機の設置を進めています。

子どもの医療費については、中学卒業まで無料です。今は同じような取り組みを行う自治体も増えてきましたが、みよし市は豊田市、岡崎市など大きな市と足並みを揃えて、かなり早い段階から実施してきました。また、みよし市内には「みよし市民病院」をはじめとして、小児科、内科、外科、歯科など各種の医療機関がそろっています。さらに、豊田市にある「豊田厚生病院」、豊明市の「藤田保健衛生大学病院」など、大きな病院も近くにあり、こうしたことが安心感につながっているという声もいただきます。

子育てファミリーに嬉しいさまざまなサービスも充実

「みよし市図書館学習交流プラザ サンライブ」

――2016(平成28)年7月2日にオープンした、「みよし市図書館学習交流プラザ サンライブ」について教えてください。

「サンライブ」は図書館機能、生涯学習機能、交流機能を備えた複合施設です。1・2階が図書館で、特に子ども向けのコーナーには力を入れています。お子さんでも本を取り出せるように棚を低くしたり、絵本の内容や対象年齢ごとに棚が分かれていたり、読み聞かせ専用の「おはなしのへや」もありますので、若いお父さんお母さんにはぜひお子さんを連れて来ていただきたいですね。

2・3階は生涯学習センターの施設で、研修室兼軽運動室や美術室、講座室兼音楽室、調理実習室、和風講座室などがあり、市民の皆さんは予約のうえ、有料で使っていただけます。また、講座室などを活用した市民向けの 講座も多数行われる予定です。

――その他、今後整備予定の施設等はありますか。

「サンライブ」に移転する中央図書館の跡地を利用して、「(仮称)子ども総合支援センター」の整備を計画しています。現在は「アイ・モール三好」内に「ファミリー・サポート・セン ター」や「子育てふれあい広場」がありますが、それを移転・拡大して、子ども向けの遊び場や、育児などの相談できる子育て支援施設を整備する計画があります。また、「みよし市民病院」の敷地内に、病児・病後児保育ができる施設の整備も計画しています。

誰もが安心して暮らせる“住みよい”まち「みよし」

「三好公園」内にある芝生広場

――「平成28年(2016年)熊本地震」が発生し、災害対策への関心が高まっています。みよし市ではどのような取り組みをされていますか。

市内には2本の二級河川が流れていますが、河川整備を計画的に進めています。市役所は免震構造になっていますし、小学校、中学校など、主要な公共施設についても、耐震改修は終わっています。

災害の時にはコミュニティのつながりが大事だと言われています。みよし市には25の行政区があり、毎年行政区対抗の体育祭を開催しています。6万人規模の市でこのような交流を行っている例はあまり聞いたことがありません。「まだそんなことをやっているのか。」と言われるかもしれませんが、こういった交流が災害時の共助につながるのではと思います。

市民スポーツの拠点となる「三好公園総合体育館」

――今後のまちづくりのビジョンを教えてください。

2014(平成26)年11月に「まち・ひと・しごと創生法」が公布・施行され、東京一極集中を是正し、人口減少に歯止めをかけようと、地方創生に向け、国を挙げた取り組みが進められています。みよし市においても、「みよし市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。この総合戦略において掲げる3つの基本目標「安心して子育てできる環境づくり」「暮らしたいと思える環境づくり」「誰もが健康に暮らせる環境づくり」の実現に向けて、将来的な人口減少や超高齢化社会を見据えた対策を積極的に推進していきます。幸いにも今は若い世代が多く、人口も増えていますが、今住んでいるお子さんたちが住み続けたい、戻ってきたいと思える魅力的なまちをつくることが、今後 は課題になってくると思います。

――最後に、みよし市に住むことを検討されている方に、メッセージをお願いします。

みよし市のほぼ中央には「三好池」があり、春には3,000本ほどある桜がきれいで、かなり見応えがあります。その周辺をジョギングしたり、散歩したりと、市民の憩いの場所になっています。

花火と7隻の提灯舟がコラボする「三好池まつり」

夏には花火と7隻の提灯舟がコラボする「三好池まつり」、オリジナルのまつりソングに合わせて市内を踊り歩く「三好いいじゃんまつり」と、高さ11mの大提灯が迫力満点の「三好大提灯まつり」の3大夏祭りで賑わいます。また、市内各地には農地、果樹園が広がり、夏から秋にかけて、みよし市の特産品である柿、ナシ、ブドウなどの実りを楽しめます。みよし市は四季を感じながら暮らせる、住みやすいまちだと思います。

みよし市健康づくりキャラクター「キューちゃん」

みよし市役所

政策推進部広報情報課 望月千歳さん、山田浩昭さん、秋田浩貴さん
※写真はみよし市健康づくり大使「キューちゃん」
所在地:愛知県みよし市三好町小坂50
TEL:0561-32-8357
URL:http://www.city.aichi-miyoshi.lg.jp/index.html
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

「みんなで築く“ささえあい”と“活力”の都市(まち)」を目指して /みよし市役所 政策推進部広報情報課
所在地:愛知県みよし市三好町小坂50 
電話番号:0561-32-2111
開庁時間:8:30~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.city.aichi-miyoshi.lg.jp/

名古屋グランパスサッカースクール みよしスクールインタビュー

スポーツで地域に笑顔を増やす。地域に愛され、信頼されるサッカースクール/名古屋グランパスサッカースクール マーケティング部 西垣美貴さん コーチ 今井位彦さん


名古屋市、豊田市、みよし市をはじめ、愛知県全県をホームタウンとするプロサッカークラブ「名古屋グランパス」。そのスクールの先駆けとして開校したのが「名古屋グランパスサッカースクール みよしスクール」だ。旭グラウンドにはスクールの事務局が置かれるなどスクール事業の中心的役割を担っている。今回は、そんな「名古屋グランパスサッカースクール」よりマーケティング部の西垣美貴さん、コーチの今井位彦さんに、スクールをはじめとしたみよし市での取り組みについてお話を伺った。

Jリーグ開幕前に誕生した歴史あるサッカースクール

名古屋グランパスサッカースクール みよしスクール

――まずは名古屋グランパスサッカースクール みよしスクールの概要を教えてください。

西垣さん:みよしスクールはとても歴史があり、Jリーグが開幕する前年の1992(平成4)年に開校しました。その後、2000(平成12)年に豊田と瑞穂にスクールができ、2016(平成28)年5月現在、愛知県などに12のスクールがあります。サッカーだけでなく、チアダンススクールや陸上スクールも開校しました。

――みよしスクールならではの特徴はありますか。

今井さん:指導する内容は変わらないのですが、みよし市にはサッカークラブがほかにひとつしかないので、多くの子がスクールに通ってきてくれます。 ほかのスクールはフットサル場でやっているのですが、みよしスクールはグラウンド環境に恵まれているので、その分スクール生も多くいます。人数が増えれば、自然にレベルの高い子も増えます。

習い事として通う子どもからプロを目指す子どもまで幅広いレベルに対応

のびのびと体を動かす子どもたち

――スクール生はやはりJリーガーを目指している子どもが多いのでしょうか。

今井さん:グランパスのスクールに入る=トップチームにつながっていると考えて入ってくる子もいますし、習い事のひとつとしてサッカーを始める子もいます。どんな子も、まずはサッカーを楽しむこと。サッカーが上手になることを楽しむ、勝つことを楽しむことを一番に考えています。子どもたちはそれぞれ特徴や性格が違うので、それに合わせた声の掛け方や、レベルや年齢に合わせたトレーニングメニューを工夫しています。

小学校4年生からは、セレクションに合格した子たちだけが参加できるスクール選抜チームがあります。プロを目指す子たちは、スクール選抜に入りながら、さらに年1回行われるアカデミー(育成)のセレクションを受けます。実際に毎年のようにスクールからアカデミーに合格する子がいますし、みよしスクールで育った子がトップチームの選手にもなっています。

Jクラブのスクールならではの充実した指導

スクール生を指導する今井位彦コーチ

――スクールの活動目標、理念を教えてください。

西垣さん:アカデミーに輩出できる子をひとりでも多く育てることと、笑顔を増やすことを目標に掲げています。スクール生が笑顔で練習を終えて、また笑顔で来られるように、コーチたちには、良い準備をしてピッチに向い、子どもたちが楽しかったと思えるようなトレーニングをしましょうと常に話しています。

――どのようなコーチの方々がいらっしゃるのでしょうか。

今井さん:現在19名のコーチが指導にあたっています。元グランパスの選手もいますし、大学や専門学校で指導者になる勉強をしてきたコーチもいます。なでしこリーグでプレーしていた女性もひとりいます。経歴はいろいろですが、みんな小さい頃からサッカーをやってきた、サッカーが大好きな人間ばかりです。

スクールフェスタではトップチームの選手との交流も

――Jリーグのプロサッカークラブならではの“特典”はありますか。

西垣さん:昨年は秋にスクールフェスタを行い、スクール生とトップチームの選手が交流をしました。また年に1回のスクール交流戦を、Jリーグの前座として「豊田スタジアム」や「パロマ瑞穂スタジアム」のピッチで行っています。プロのピッチに立てる機会はなかなかないので、これは大きな特典かなと思います。

スポーツを通して、地域・家族の絆を育む

保育園での巡回指導の様子

――スクール以外に、地域とはどのような関わりをもっていますか。

西垣さん:2016(平成28)年5月現在、みよし市には保育園が10ヵ所あるのですが、年に1、2回巡回指導を行っています。また、2年ほど前からは、中学校の部活指導を年に3回ずつ行っています。 昨年は、小学校、中学校で、トップチームの栄養士さんを中心に食育講演も実施しました。野菜を食べない子どもが多いと聞くので、「トップチームの選手は、野菜をすごく食べているよ」と栄養士が説明して、野菜の大切さなどを伝えました。 また、サッカーを観に行くことを通して、親子のコミュニケーションを深めてもらえたらと、市役所のスポーツ課と一緒に親子観戦招待を行っています。

スポーツ環境に恵まれ、サッカーを身近に感じられる街

スクールの事務局も置かれている旭グラウンド

――最後に、みよし市の魅力を教えてください。

西垣さん:すばらしいグラウンドを市が用意してくれて、サッカーをやる環境をバックアップしてくれている感じがします。みよし市からは、「豊田スタジアム」にも、「パロマ瑞穂スタジアム」にも行きやすいですし、「トヨタスポーツセンター」もすぐ近くなのでトップチームの練習を観に行くこともできます。みよし市は小さい頃からサッカーを身近に感じられる環境、グランパスにふれる機会が多い地域なのかなと思います。

株式会社名古屋グランパスエイト

マーケティング部 ファンリクルーティンググループ(スクール) 西垣美貴さん(右)
グランパスサッカースクール コーチ 今井位彦さん(左)
所在地 :名古屋グランパスサッカースクール事務局 みよし市三好丘旭5-1-3
TEL :0561-36-4455
URL:http://nagoya-grampus.jp/school/introduction.html
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

スポーツで地域に笑顔を増やす。地域に愛され、信頼されるサッカースクール/名古屋グランパスサッカースクール マーケティング部 西垣美貴さん コーチ 今井位彦さん
所在地:愛知県みよし市三好ケ丘旭5-1-3 
電話番号:0561-36-4455
http://nagoya-grampus.jp/school/introduc..

登園・降園をサポートする市独自の施設

拠点駅と保育所(園)をつなぐ。流山の子育て世代を 支える「おおたかの森送迎保育ステーション」/おおたかの森ナーサリースクール 園長 武田愛真さん、流山市役所 子ども家庭部保育課保育係長


流山市内の保育所(園)と、拠点となるステーションをバスで結ぶシステムが流山市の「送迎保育ステーション」だ。「おおたかの森送迎保育ステーション」はつくばエクスプレス「流山おおたかの森」駅とデッキで直結した「ライフガーデン流山おおたかの森」ビルの4階、認可保育園「おおたかの森ナーサリースクール フォレストキッズガーデン」の一角にあり、電車で通勤する保護者が立ち寄りやすい場所となっている。
今回は、こちらの施設を企画・運営している流山市役所子ども家庭部保育課の保育係長と、現場で運営にあたっている、「おおたかの森ナーサリースクール」の園長、武田愛真さんにお話を伺った。

駅前のビルに送迎保育ステーションを開設

フォレストキッズガーデン

保育係長:つくばエクスプレスが開業したのは2005(平成17)年の8月のことですが、その前年度から、「まちづくり検討会」という組織が、行政と、もともと地元で保育園をされていた「フォレストキッズガーデン」の運営母体の高砂福祉会さんや、地元の方々で構成されました。その検討会の中で、駅前にできる予定があったビルの利用について検討したのです。

そのうち、一区画を使えるということになりましたので、この送迎保育ステーションをオープンすることになりました。ステーションがオープンしたのは、2007(平成19)年の7月、ビルが完成した翌月ごろのことです。

26ヵ所の保育所すべてをバスで繋ぐ

保育園・保育所マップ

保育係長:市内には現在、保育所(園)が26ヵ所ありますが、そのすべての園と送迎保育ステーションをバスで結んでいます。ステーションは保護者が自分で子どもを保育所(園)に送迎するのが難しい方のために作られたので、「市内の保育所(園)に入所している1歳以上の児童」で、「保育所(園)の開所時間が保護者の通勤時間帯等と調整が容易ではない理由がある」ということが、利用のひとつの基準となります。たとえば住所地と保育所(園)が離れていて、保護者の方の通勤時間の調整が難しい、という場合も対象になります。

行政側の事情としてはもうひとつ、入園希望者が交通の便の良い園に集中し、交通アクセスがあまり良くない場所の保育所(園)には少なくなっておりまして、それを解消し、待機児童を減らすための方策という側面もございます。

バスの中も子どもたちにとって楽しみの時間

送迎の様子

保育係長:仕組みとしては、朝の7時から8時の間にお子さんをここに預けていただいて、夕方は16時から18時までの間に迎えに来られるということが基本となっております。平日は最長21時まで、土曜は19時までであれば延長保育ということで、お子さんをお預かりすることもしております。

武田:朝8時までに来た子どもたちは、バスに乗ってそれぞれの園に向かうわけですが、このバスは送迎ステーションが運行するバスになりますので、運転手のほかに、ステーションの職員が2名同乗します。この職員についても、保育士か幼稚園教諭の資格を持っている方か、過去に子育ての経験があるという方を採用しています。

ですから、バスの中も保育時間と考えておりまして、一緒に歌を歌ったり、手遊びをしたりしながら、各園に送り届ける間も楽しめる時間にしています。園についたら、それぞれの園の保育士さんに引き渡すという仕組みです。

内観全体

保育係長:これは当然のこととも言えますが、この事業が始まって以来、一度も事故を起こしていませんし、お子さんの安全面については最大限の配慮をしています。

武田:園から戻ってきて、保護者の方のお迎えを待っている間も、子どもたちはここでブロックで遊んだり、絵本を読んだり、かるたをやったりと、好きなことをしながら過ごしていますので、みんな楽しんでいると思いますよ。

年度途中からでも利用できる

机と椅子

保育係長:利用については、市への書面での申し込みが必要になりますので、まずそれをご提出いただいてから、ステーションのスタッフと面接をします。最終的には市で決定をいたしまして、書面で利用の可否をお知らせします。年度初めに申し込まれる方が多いですが、年度途中からの利用も可能ですよ。

年齢については、お子さん自身が、自分の荷物を持って歩けるようになってから、というのが前提になります。だいたい1歳半ぐらいになるでしょうか。2月と3月に説明会も開催しておりますので、そちらにご参加いただければ、詳しい説明が受けられるかと思います。利用は1年単位の登録制(利用料金は月額2,000円)ですので、継続利用の場合は、年度末までに翌年度の申込みをしていただきます。1日だけの利用も可能です(利用料金は、往復・片道いずれも100円)。

保護者の方のスケジュールに合わせた送迎システム

フォレストキッズガーデン 入口

武田:また、保護者の方々のスケジュールに合わせて送迎のどちらかだけの利用もできますし、当日になって急に送迎先を変えたい、という場合にも対応が可能です。基本的には事前に文書でいただく形が良いのですが、当日の急な変更については、メールで連絡をいただければ対応させていただきます。

子育て世代に支持され続ける送迎保育

駅前商業施設

保育係長:「送迎保育ステーション」が支持されている理由のひとつは、「市内すべての保育所(園)をつないでいる」という点が大きいと思います。これは全国でも、流山市だけかと思います。

もうひとつは、駅前のビル内という立地条件の良さでしょうか。やはり通勤の途中に立ち寄るという方がほとんどですから、電車通勤の方には非常に便利な場所かと思います。雨でもまず濡れる心配は無いと思います。

充実した施策で、のびのびと育てられる子育て環境

棚の上に飾られた人形

保育係長:流山市は政策として、「お子様のいる共働き世代」の呼び込みを図っていまして、この送迎保育ステーションをはじめ、子育て世代に向けた施策は充実しているかと自負しております。「都心からいちばん近い森のまち」というキャッチフレーズも掲げているとおり、電車で秋葉原まで最短24分という近さにありながら、自然もたくさん残っています。

のびのびと子育てをしていただける街になっていますので、ぜひたくさんのファミリーに、お住まいになっていただきたいですね。

今回お話を聞いた人

●おおたかの森ナーサリースクール
園長 武田愛真さん
●流山市役所子ども家庭部
保育課 保育係長
URL:http://ons.tksg.ed.jp/station/
※この情報は2015(平成27)年10月時点のものです。

拠点駅と保育所(園)をつなぐ。流山の子育て世代を 支える「おおたかの森送迎保育ステーション」/おおたかの森ナーサリースクール 園長 武田愛真さん、流山市役所 子ども家庭部保育課保育係長
所在地:千葉県流山市東初石6-183-1 ライフガーデン4F
電話番号:04-7150-6124(流山市役所子ども家庭部保育課)
利用時間:朝7:00~9:00、夕方16:00~18:00

http://ons.tksg.ed.jp/station/

校長 奥脇千鶴子先生インタビュー

豊かな心と健康な身体を育み、各分野で活躍する「さいたま市立与野南中学校」の取り組み/さいたま市立与野南中学校 校長 奥脇千鶴子先生


市内有数の学力を誇る「与野南中学校」は、1961(昭和36)年4月に開校。課外活動についても特筆すべきものがあり、学問以外の分野でも生徒は活躍している。また同校は、バラの学校としても知られ、シーズンを迎える毎年5月を楽しみにしている近隣住民も多い。今回はそんな学校と地域の魅力を奥脇千鶴子校長先生に話を伺った。

「文武両道」を実践

さいたま市立与野南中学校

――まずは、「与野南中学校」の沿革・概要を聞かせてください。

奥脇先生:本校は1961(昭和36)年4月、「与野市立与野東中学校」の分校として開校しました。1991(平成3)年に30周年、2011(平成23)年には50周年の記念式典を挙行。これまで多くの卒業生を送り出してきた本校ですが、現在の生徒数は5月時点で16学級511名となっています。“進んで学ぶ生徒”“心身共に健康な生徒”“心豊かな生徒”を教育目標に掲げ、それを達成するためのキーワードとして、“確かで豊かな学び”“心身共に健康”“潤いのある環境”“安全第一”を設定しています。

36種のバラが咲き誇る

――バラが咲き誇る学校だそうですね。

奥脇先生:中央区の花でもあるバラが、36種121本も本校にはあります。花を咲かせることは難しいのですが、地域の皆さまに協力してもらいながらここまでの規模になりました。ちなみにバラの品種を記した看板は美術部によるものです。毎年5月上旬から、バラの香りがただよいはじめます。

美術部が作った品種の看板

――授業に関して、特徴的な取り組みなどあれば教えてください。

奥脇先生:学び舎である以上、何よりも大切なのは授業です。その授業の質を高めていくことは、我々の責務でもあります。本校では授業を公開し、先生同士が学び合えるようにしています。先生によっては探していたものが見つかるかもしれませんし、第三者の意見を聞くことで、これまでになかった気づきを得られるかもしれません。こうした取り組みがすべてとは言いませんが、学力に関して本校は市内トップクラスです。

学校だより「南風」 左下に今月読んだ本が紹介されている

――では逆に、授業に関すること以外での特色はありますか?

奥脇先生:絵本の読み聞かせをしていることですね。“なぜ中学生で絵本なのか”と疑問を抱かれる方もいますが、年齢を重ねてから絵本に触れることで、これまでとは異なる捉え方をする自分に気づきます。朝礼や、給食の時間などで読むのですが、そこで読んだ本は学校だより「南風」でも紹介します。「南風」は自治会の回覧板に挟まれるため、学校でどのような絵本が読まれているのかは近隣の方も楽しみにしていただいています。

さまざまな分野での活躍

お話を聞かせてくださった、奥脇校長先生

――さいたま市の新しい教科「グローバル・スタディ科」の英語教育研究開発モデル校だったと伺っています。

奥脇先生:2016(平成28)年度から、市立の全小学校・中学校で「グローバル・スタディ科」がスタート。それに先駆けて本校では2015(平成27)年度から、そのモデル校に選ばれました。自国の文化と郷土に誇りを持ち、かつ世界で活躍するために欠かせない英語を習得するというのが主目的です。体系づけられたカリキュラムで、小学1年生から中学3年生までの9年間、“聞く”“話す”“読む”“書く”の能力を高めていきます。

――「与野南中学校」の生徒さんについてですが、どのような印象を抱いていますか?

奥脇先生:純朴で真面目で、文武両道を実践している生徒が多いなという印象ですね。挨拶も身についているので、他校の関係者にはよく褒めていただけます。進学先については「早稲田大学本庄高等学院」「埼玉県立浦和高校」「埼玉県立浦和第一女子高校」などが挙げられますね。周辺には文京地区として知られる浦和区がありますが、中央区も負けていませんよ。

駅伝競走大会での好成績を知らせる横断幕

――「与野南中学校」の課外活動について教えてください。

奥脇先生:「さいたま市駅伝大会」では男子チームが優勝。陸上部員のチームではなく、この大会のために集まり、準備をしてきた生徒たちによる好結果となります。文化面では人権作文、人権標語で最優秀賞を獲得。さらには「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」で、本校の生徒が英語で選手にインタビューするなど各分野で活躍しています。

地域の温かい目を感じながら

広い校庭

――地域と保護者との交流・連携についてはいかがですか?

奥脇先生:まず地域との交流についてですが、高齢者施設やマラソン大会が開かれる沿道で吹奏楽部が演奏したり、クラブ活動単位で埼大通りの落ち葉掃きをしたりします。また、挨拶を促す「あいさつ運動」では、保護者に手伝っていただいています。

図書室

――南与野エリアの教育環境について聞かせてください。

奥脇先生:教育環境という点では、教育に関心の高い方が多くいらっしゃる印象です。また、本校に対して、温かい眼差し向けてくださる方が多いので、学校としても大変嬉しく思っています。JRの「南与野」駅、「中浦和」駅、「武蔵浦和」駅を生活圏内に抱えているエリアなので進学先の選択肢が増えますし、街としても落ち着きがあります。自然と机に向かう環境が整っているように感じますね。

奥脇千鶴子先生

今回話を聞いた人

さいたま市立与野南中学校
校長 奥脇千鶴子先生

住所:埼玉県さいたま市中央区大戸2-6-25
TEL :048-852-1579
URL:http://yonominami-j.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

豊かな心と健康な身体を育み、各分野で活躍する「さいたま市立与野南中学校」の取り組み/さいたま市立与野南中学校 校長 奥脇千鶴子先生
所在地:埼玉県さいたま市中央区大戸2-6-25 
電話番号:048-852-1579
http://yonominami-j.saitama-city.ed.jp

日本国登録有形文化財・「会席料理 二木屋」インタビュー

日本の伝統文化の発信拠点として地域を牽引/会席料理 二木屋 マネージャー 森田まり子さん


国の登録有形文化財に指定された築80余年のお屋敷、「二木屋(にきや)」。季節の食材を楽しめる会席料理と、五節句をはじめとする年中行事や歳時を大切にした室礼(しつらえ)は、訪れた人に〈食〉の楽しみをより鮮明に伝えてくれています。今回は、オーナーの小林玖仁男氏とともに、次世代へと受け継がれる「二木屋」の魅力を発信し続けているマネージャー、森田まり子さんに、お店の歴史や特徴、また地域の魅力についても話を伺った。

「会席料理 二木屋」の外観

日本国登録有形文化財「会席料理 二木屋」の歴史

―まず、「二木屋」の歴史について教えてください。

会席料理を提供するお店として「二木屋」をオープンしたのは1998(平成10)年10月のことです。その後、2002(平成14)年に国の登録有形文化財に指定されました。
歴史を感じられる佇まいの「二木屋」は1935(昭和10)年に建築された建物で、オーナー小林玖仁男の祖父にあたる、故・小林英三の住まいを一部改装して店舗にしています。

祖父の小林英三は広島県尾道の出身で、東京の大学に進学したのち、川口の鋳物業の経営者の娘・麻佐子と結婚しました。英三は戦後の農家の生活を支えた「国際籾殻竈(もみがらかまど)」を開発したエンジニア、実業家としても知られ、また自由民主党最初の内閣厚生大臣を務めた人物でもあります。
小林英三と浦和との出会いは、戦中の疎開用としてこの家を買ったのがはじまりで、当時は“成功して浦和に家を買う”というのが川口で鋳物業を営む経営者にとってのステータスでもあったようです。
また政治家として活動するようになると、当時はホテルやホールなどの施設が少なかったこともあり、自宅で会合や催しを開くために、いくたびかの増築を経て現在のような大きなお屋敷になりました。

国際籾殻竈(もみがらかまど)

“食”を通じて大切な日本の伝統文化を後世に伝える

―会席料理のお店を開くことになった経緯についてもお聞かせください。

祖父の小林英三はエンジニアであり政治家、父の小林英三も缶詰工場を営む経営者。オーナーの小林玖仁男も料理人というわけではなく、経営者であり雛人形研究家としての活動も行っています。

会席料理「二木屋」を開くことになった背景には、父の小林英三が亡くなり400坪ものお屋敷を売却するかどうかで悩んでいた折、マンションの建設などで移り変わる浦和の街並みを見つめるなかで、“ビジネスに活かせるのでは”と考えた経緯があります。
日本の伝統文化を大切にする小林玖仁男は、会席料理「二木屋」の開業によって、日本の懐かしい和の暮らしを伝える五節句をはじめとした年中行事や歳時の大切さを“食”を通じて表現できる空間としてお屋敷を生まれ変わらせたのです。

「七夕の節供」の室礼。777本のロウソクが天の川に見立てて飾られている

次世代に伝えるべき日本の味を求めて

―食材や料理へのこだわりについて教えてください。

曾祖母のカツ子は今で言う料理研究家として講演や料理教室を行っていた方で、一家で経営する缶詰工場の味つけも担当していました。まさに小林家を支えてきたその伝統の味を、「二木屋」のレシピとして再現しています。
懐かしい味、本物の味、家に代々伝わる味などから次世代に伝えるべき日本の味を模索し、“過去という未来”に向かう“温故知新”をテーマに料理を提供し続けています。
食材には日本の代表的な食材である和牛を中心に、季節のもの、五節句や歳時に合わせた料理を提供し、また同時に室礼(しつらい)も楽しんでいただいています。

会席の一例。「のざき牛のステーキ」

訪れるたびに変わる「室礼12ヵ月」のおもてなし

―室礼(しつらい)とは?

室礼とは、季節やハレの日のお祝いなどにお花や調度品などを飾って楽しむもので、もてなす側の“遊び心”と表現されるものでもあります。
「二木屋」では、1月は干支、3月はお雛さま、5月は武者人形と毎月変わる「室礼12ヵ月」を設け、その年ごとに「何を飾ったらお客様にお喜びいただけるだろうか?」と、新しい試みにも挑戦し続けています。特に3月の雛まつりは、小林玖仁男自身が雛人形研究家であることからも、ほかではご覧いただけないような室礼になっています。今ではお食事をしていただくお客さま以外でもご覧いただけるよう博物館として一般公開し、期間中1,500人以上の見学者が訪れる「二木屋」を象徴するイベントになりました。
さいたま市の岩槻はもとより埼玉県内には雛人形をつくる職人や工房が多く、「素晴らしい文化を知ってもらいたい」「後世に残したい」という想いで取り組んでいます。

上巳の節供(雛まつり)の室礼は圧巻

また7月の「七夕のろうそく能」と9月の「二木屋薪能」も「二木屋」ならではの取り組みで、開店した翌年から続いている恒例行事です。能楽の流派のひとつ金春流、大倉流それぞれの能楽師の協力を得て今日までやって参りました。
氷川神社で開催される「大宮薪能」をご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、舞台づくりから運営まですべてを個人のお店で賄うのは大変なことなのです。ただ私ども「二木屋」では日本の文化を後世に伝えたいという想いで今年も9月に「二木屋薪能」を開催いたします。詳細はホームページをご覧ください。

「二木屋薪能」の一幕

一生に一度、一年に一度のハレの日に選ばれる「二木屋」

―どのようなお客さまが多いですか? またはじめて来店されるお客さまへメッセージをお願いします。

ご友人に連れられていらっしゃる女性のお客さまや、口コミでご来店いただく方がほとんどです。また結納など大切な方とのご会食にご利用いただくことも多く、一生に一度、一年に一度のハレの日に「二木屋」をお選びいただいています。
しかしながら席数は70席と限りがあるため満席になってしまうことも多く、完全予約制ではないのですが、事前のご予約か問い合わせをいただけると大変助かります。また平日のランチタイムは11時から13時10分、13時10分から15時10分の2部制でお食事をご用意しております。
店内には椅子席のお座敷のほか、和の個室、最大9名までご利用いただける円卓テーブルの個室もあり、用途や目的に応じてお部屋をご用意しております。子ども用の椅子や食器も用意しているため、お子さま連れのご家族も大歓迎です。

和の個室

北浦和には人生をより豊かに楽しむための文化・芸術が根ざしている

―周辺の住環境や北浦和エリアの特色について教えてください。

北浦和には「北浦和公園」や「埼玉県立近代美術館」、与野方面には「彩の国さいたま芸術劇場」もあり、落ち着いた文化的な街だと思います。文化や芸術は人生をより豊かに楽しむためには欠かせない要素で、週末になると美術館でアートに触れたのち「二木屋」で食事をするファンの方も多く、ひとつのステータスにもなっているようです。

伝統を守りつつあらたなチャレンジをし続けていくことこそ大切

―今後の展望や目標についてもお聞かせください。

これまで広告宣伝をほとんど行って来なかったので、インバウンドに対応したホームページの英語表記やパンフレットの制作など、より多くの方に「二木屋」の取組みを知っていただくため、情報発信をしていく予定です。
すでにフェイスブックやインスタグラムなどSNSによる情報発信も行っているのですが、「二木屋」が大切にする想いはそのままに、ワークショップやイベントなど新しい試みにもチャレンジしていく予定です。

日本の伝統文化である茶道を学べるイベントも開催

最近では「和のこと遊び」という和雑貨の制作や茶の湯などを通じて日本文化を広めている主婦のグループと連携して、古布で作ったお雛さまを共同制作しました。伝統的な段飾りのお雛さまではなく、「お重にしまえるお雛さま」として制作したオリジナル商品で、外国の方へのお土産としても大きな反響がありました。
日本の伝統文化を後世に伝えたいと願う「二木屋」という価値観のなかで、あらたなチャレンジをし続けていくことが今後の目標だと考えています。

「和のこと遊び」の様子

浦和には美意識の高いお客さまも多く「二木屋」への期待も大きいため、室礼も前年とまったく同じということは決してなく、オーナーと現場スタッフとの日々の研鑽が今日の「二木屋」をかたちづくっていると思います。
一般見学可能なおひなさまの展示をはじめ、大切な方との会食にぜひご利用ください。

二木屋 マネージャー森田さん

今回、お話を聞いた人

会席料理 二木屋
マネージャー 森田まり子さん

住所 :埼玉県さいたま市中央区大戸4-14-2
電話番号:048-825-4777
URL:http://www.nikiya.co.jp
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

日本の伝統文化の発信拠点として地域を牽引/会席料理 二木屋 マネージャー 森田まり子さん
所在地:埼玉県さいたま市中央区大戸4-14-2 
電話番号:048-825-4777
営業時間:11:00~15:10(土・日曜日は11:30~15:00)、17:30~22:00
定休日:不定休
http://www.nikiya.co.jp/

「御幸」地域密着のコミュニティ施設

参加者同士が自主的に交流し、 不安を解決していく地域の子育て支援拠点/小平市立御幸地域センター 主任児童委員 松岡さん


小平市立御幸地域センター 子育てふれあい広場
主任児童委員:松岡さん

参加者同士が自主的に交流し、
不安を解決していく地域の子育て支援拠点

小平市では、乳幼児の子育てに係る保護者の不安や悩みについて、相談を受けたり、同じ不安を抱える保護者の交流の場づくりとして「子育てふれあい広場事業」を実施しています。今回は御幸町にある「小平市立御幸地域センター」の子育てふれあい広場で主任児童委員の松岡さんに、実際にどのような取り組みなのか伺いました。

まずは小平市の「子育てふれあい広場」の目的や概要、利用方法などを教えてください。

御幸地域センター子育てふれあい広場

「子育てふれあい広場」は、小平市の事業として行っており、主な目的は子育て支援です。市内の主に0歳時から幼稚園に入園する前のお子さんとその保護者が対象です。それぞれの交流や、困ったときの相談ができる場として気軽に利用していただける場所で、市内のさまざまな子育て支援施設の紹介も行っています。

御幸地域センター 子育てふれあい広場 乳児

「御幸地域センター」のほかにも、市内20ヵ所で開催されていて、曜日はそれぞれ異なります。活動の目的や概要はどの施設も同じで、主任児童委員と民生児童委員が主になり、元保育士や元栄養士などにも加わっていただいて、子育て相談の場、交流の場を提供しています。料金は無料で、登録・予約も不要、お正月以外は休みなく開催しています。来る時間も、帰る時間も自由です。
「御幸地域センター」の毎週木曜日の午前10時から12時に行われています。

“子育て中の親子の交流”というのは、開催時間中に具体的にどのようなことをされているのでしょう?

御幸地域センター 子育てふれあい広場室内

皆さん任意で来ていただいているので、参加者同士の自主的な交流が主となっています。「子どもが寝返りを打たない」「離乳食に困っている」などお互いに悩みを相談し合っているようです。必要な場合は私たちが間に入り、市の健康センターや、乳幼児の検診を紹介したり、栄養指導を行っている市の専門機関にお話をつなぐこともあります。

「御幸地域センター」での実施について、利用状況や参加者の雰囲気を教えてください。

御幸地域センター 子育てふれあい広場 親子

平均すると1日に10組前後、多い時は20組くらいの親子が利用しています。どの館も実施内容は同じですが、会場の広さが異なります。広いところだと子どもたちがそれぞれに遊びがちですが、「御幸地域センター」はちょうどいい大きさで、みんなが顔見知り、みんなが友だちでアットホームな雰囲気です。

御幸地域センター 子育てふれあい広場 子供たち

ここで知り合いになって習い事を一緒に始めたり、お洋服を交換したりと、皆さん自主的に交流され、仲良しです。また、ハイハイや歩く練習にちょうどいい広さなので、来ているお子さんの年齢層が幅広く、生後1ヵ月から幼稚園入園ギリギリまで来てくれるお子さんまでいます。

子育て相談はどのような内容が多いのでしょうか。

小平市立御幸地域センター御幸地域センター 子育てふれあい広場 乳児2

「卒乳」や「トイレトレーニング」「離乳食」「お肌のトラブル」など日常のちょっとした不安が多いです。基本的には「こんな時どうしてた?」とお母さん同士が知恵を出しあって解決していることが多いです。皆さんの解決する力も高まっているのではないかと思います。

行事やイベントを主宰することはあるのでしょうか。

小平市立御幸地域センター御幸地域センター 子育てふれあい広場 ボール

基本的には自主交流の場なので、こちらから遊びを働きかけることは特にしていませんが、出張児童館がいわゆる学期に1度行われています。ここでは「花小金井南児童館」が30分程度、いろんな遊びや工作を教えに出張してきてくれます。また、「子ども家庭支援センター」が地域交流も兼ねて年1回から2回、訪問してくれます。昔あそびや手遊び、先日はママのヨガ体験が行われ、好評でした。

子育て環境の良さなど、御幸町エリアの魅力について教えてください。

御幸地域センター公園御幸地域センター公園

緑が多いことですね。この「御幸地域センター」の目の前は公園になっているので、室内で飽きたら外で遊べます。小学生も外で遊べるのでいろいろな年代の子どもが遊びに来ます。学校の夏休みに遊びに来てくれる子どもたちもいますが、すごく大きく成長していて驚きます。

小平市で、子育て関連事業で力を入れている点はどのようなところでしょうか。 これから小平市に住む子育て世帯の方にメッセージもお願いします。

小平市立御幸地域センター 子育てふれあい広場 子供たち2

小平市は保育園がどんどん増えています。現在私立保育園が22園、公立を入れると全部で32園と多く、今後も増える予定があるので、子育て世代には非常によい環境だと思います。また、小平市はブルーベリー発祥の地としても知られていますが、農産物も多く、食の部分でも地元の野菜をいっぱい食べられます。緑豊かで、昆虫もたくさんいます。落ち着いてお子さんを育てられるいい場所だと思います。

参加者の方にもお話しを伺いました!

小平市立御幸地域センター 子育てふれあい広場 乳児2

―御幸地域センター ふれあい広場の魅力はどのようなところですか?
Aさん親子:
同じ年代の子がたくさんいるところです。同年代の雰囲気の中で遊ばせることができるのが魅力です。同じ悩みを抱えるお母さんたちと情報交換ができるところもいいところです。

小平市立御幸地域センター 子育てふれあい広場 乳児3

―御幸地域センター ふれあい広場の魅力はどのようなところですか?
Bさん親子:
家から近いのが一番の魅力です。家だと子どものエネルギーがあり余ってしまっているのですが、ここで遊んで家に帰るとぐっすり寝てくれるので助かります。

―御幸町周辺の子育て環境はいかがですか?
「小金井公園」など、近くに公園が多いので子どもを遊ばせる場所がたくさんあります。「玉川上水」沿いは自転車道が整備されているので安全ですし、園庭を開放している幼稚園もあるので、子育てにはいいところだと思いますよ。

御幸地域センター玄関

今回、話を聞いた人

主任児童委員:松岡さん

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

参加者同士が自主的に交流し、 不安を解決していく地域の子育て支援拠点/小平市立御幸地域センター 主任児童委員 松岡さん
所在地:東京都小平市御幸町58 
電話番号:042-322-9007
利用時間:9:00~22:00
休館日:第1・3火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)※臨時休館あり
https://www.city.kodaira.tokyo.jp/kurash..

武蔵小金井エリアの音楽教育をリード/宮地楽器 小金井センター 音楽教室課 小金井音楽教室課長 後藤 友紀さん


宮地楽器 音楽教室 小金井センター
音楽教室課 小金井音楽教室課長 後藤 友紀さん

武蔵小金井エリアの音楽教育をリードする
「宮地楽器 小金井センター」

1969(昭和44)年に始まった宮地楽器の音楽教室。今では都内に41会場、小金井市内では「小金井センター」「小金井アネックス」「ミュージックスクエア小金井」の3会場で、50を超える充実したレッスンコースを展開している。そんな宮地楽器の音楽教室について、音楽教室課小金井音楽教室課長の後藤友紀さんにお話を伺った。

まず、「宮地楽器」が武蔵小金井エリアで幅広い展開に至るまでの概要や沿革について、お聞かせいただけますでしょうか。

宮地楽器外観

宮地楽器の正式名は「株式会社宮地商会」で、本社は神田にあります。もともと楽器の卸を中心に事業展開しており、多摩地区では小売りを中心にスタートしました。そもそもはヤマハ株式会社の特約店というかたちです。「小金井センター」が開設された1969(昭和44)年当時は、ピアノが普及し始めた時代でした。音楽教室を同時に開いたのは、ただピアノを買ってもらうだけではなく、子どもたちの音楽教育に責任をもち、音楽を習う場所を提供しようという思いからです。

武蔵小金井エリアには3つの音楽教室がありますが、それぞれどのような特色がありますか。「小金井センター」のコンセプトや、特色・魅力を中心に教えてください。

サックスを吹く人

3つのうち「小金井センター」が一番最初にできた教室で、「ヤマハ音楽教室」を中心に、ピアノやバイオリンの教室があります。「小金井アネックス」は大人向けの教室です。大人のピアノ教室やサックス、フルートなどの管楽器の教室があります。内装も大人向けのデザインになっています。

受付

最後にできたのが2011(平成23)年にオープンした「ミュージックスクエア小金井」で、ドラムスタジオやバレエスタジオ、音楽ホールも併設されています。世の中の需要に対応して、音楽のコースにとどまらず、バレエやヒップホップダンスといった教室も展開しています。3会場合わせると生徒さんは2,800人程います。

レッスン風景

宮地楽器の音楽教室では、音楽だけでなく、バレエ・ダンスや講座、パソコン、英会話など幅広いジャンルのコースをご用意しています。また50種類以上のコースからご希望に合わせたレッスンをお選びいただけます。そして都心部から郊外エリアまで、会場は都内41会場。「平日のお仕事帰り」や「ご自宅の近く」で、などライフスタイルに合わせて教室を選択できます。最後にお子様の向けの指導資格を持つ講師や、実際の音楽の現場で活動している講師などさまざまな分野で活躍する宮地楽器の講師陣。一人ひとりのご要望に合わせたレッスンができるのも魅力です。

「小金井センター」は多摩地区最大級の音楽教室とのことで、開講されているコースも豊富ですね。特に珍しいものや人気のあるコースなどはありますか?

レッスン風景

現在開講しているレッスンコースは50、60ほどあります。アイリッシュハープのほか、三線・二胡などの和楽器の教室は珍しいと思います。キッズダンスや太極拳といった運動系のレッスンも実施しています。

ピアノレッスン

いちばん人気なのは何といっても定番のピアノの個人レッスンです。受講する生徒数が最も多く、子どもから大人まで年齢も幅広いです。
70代・80代の年配の方も多いです。
子どもの頃はまだピアノが普及していなくて、習いたくても習えなかったという環境の方々が、子育てが終わって、時間ができたので、レッスンを受けにいらっしゃっているケースが多いようです。それから、団塊世代の男性に人気なのはサックスやギターです。

そうした時代背景も読みつつ、少子高齢化が進んでいるということもあり、今はシニア向けコース開拓に力を入れています。たとえば「健康と音楽」という教室は、軽い体操をしたり歌を歌ったりという内容です。60代後半から70代の女性がほとんどです。これからシニア向けのチアダンスも始める予定です。

音楽教室に在籍する生徒さんに関して、年齢層・経験値に傾向はありますか?

バイオリンレッスン

年齢は大人と子どもが半々、小学生の層と50歳以上の層に二極化している状態です。経験値では初心者の方が多いですね。

ピアノ鍵盤

ビートルズ世代の男性ならわかるかもしれませんが、当時2人に1人はギターを持っていたような時代でした。昔かじった趣味を思い出し、時間ができて改めて習い始めるという方もいます。 お子さんが習うのをきっかけに音楽を始めるお母さんもいます。今の30代、40代のお母さんは、ピアノを習っている女の子が多かった世代です。

「小金井センター」ではショールームに「さくらホール」も併設されていますが、こちらはどのくらいの頻度で利用されいてるのでしょうか。

ハープ

小金井店さくらホールは座席数100席の小さなホールで一般への貸し出しも行なっています。社内の発表会、コンサート、会議や、自宅でレッスンをしている先生方の発表会など年間を通して土日はなんらかのイベントでほぼ使われています。

最後に、後藤さんが感じる武蔵小金井エリアの街の魅力について教えていただけますでしょうか。

公園

電車が高架になる前は開かずの踏切のせいで、街が南北に分断されていました。そのため駅の南側からいらっしゃる生徒さんは少ない状態でしたが、現在は高架化されたことでそうした問題も解消されました。街の活性化にもなっていると思います。

子育てや生活に関しては、治安もいいし、ベッドタウンとしてもいいところです。武蔵小金井周辺は日本有数の文教エリアということで、教育熱心で、文化的なレベルも高いのではないかと思っています。 それから「小金井公園」や「武蔵野公園」、「野川公園」など自然が豊富ですし、住環境は魅力的な街です。

宮地楽器 後藤さん

今回、話を聞いた人

音楽教室課 小金井音楽教室課長 後藤 友紀さん

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

武蔵小金井エリアの音楽教育をリード/宮地楽器 小金井センター 音楽教室課 小金井音楽教室課長 後藤 友紀さん
所在地:東京都小金井市本町5-14-10  
電話番号:042-384-4444
営業時間:10:00~21:00(日曜日は18:00まで)
定休日:祝日
http://www.miyajimusic.com/school/kogane..

子育て家族がいきいき暮らせる街へ。 街全体で育児を応援する風土づくり/小平はぐくみプロジェクト 代表 橋本直子さん、副代表 宮井桂子さん


小平はぐくみプロジェクト
代表:橋本 直子 さん、副代表:宮井 桂子 さん

子育て家族がいきいき暮らせる街へ。
街全体で育児を応援する風土づくり

市民活動が盛んといわれる小平市。なかでも産前産後のママのための活動をしている「小平はぐくみプロジェクト(こだはぐ)」は、多くの子育てファミリーの支えになっているという。そこで今回は、自身も小平市に越してきて、子育てを経験している代表の橋本さんと副代長の宮井さんに「こだはぐ」活動内容や小平市の子育て環境についてお話を伺った。

「小平はぐくみプロジェクト(こだはぐ)」はどのようなきっかけで誕生したのでしょうか。

小平はぐくみプロジェクト インタビュー

橋本:私は2001(平成13)年から「子育てネットサークル らいおんキッズ」を主宰し、インターネット上で気軽にお友だちづくりや子育てに関する情報交換ができるホームページ等を立ち上げました。小平市には大手企業があり、市外から転勤してくる方も多く、「これから小平市に引越をしするのですが、幼稚園や病院の情報教えてください」という問い合わせもたくさんありました。頼れる親や親戚が近くにいなくて、慣れない土地で孤独な子育てに悩み、情報を求める方々のために、何か支援ができないかと考え始めました。

小平はぐくみプロジェクト インタビュー

その後、子育てがひと段落したので、「小平市」と「NPO法人Mystyle@」が主催されていた「コミュニティビジネス起業講座」を受講しました。そこで産前産後支援の事業プランを発表したところ、この講座を受講していた副代表の宮井さんと西山さんが趣旨に賛同してくれて、実際に活動をはじめることになりました。

「こだはぐ」の活動について教えてください。

小平はぐくみプロジェクト インタビュー2015(平成27)年2月開催の
「わらべうたベビーマッサージ講座」の様子

橋本:「講座開催事業」と「子育て広場事業」、「子育て応援カード事業」という3つの柱で活動しています。2014(平成26)年度は産前産後ママ向けの骨盤調整ヨガやフットセルフケア、トークイベントやベビーマッサージなどの講座を全5回実施しました。2015(平成27)年度は子育て広場事業として、4月から「鈴木公民館(小平市鈴木町)」を拠点に「こだはぐカフェ」をはじめ、次回で9回目になります。

宮井:昨年までの講座開催事業はインターネットで申し込みを受け付ける形だったのですが、もっと気軽にふらっと来られる場を作りたくて、子育て広場としての「こだはぐカフェ」をはじめました。

「こだはぐカフェ」ではどのようなことを行っているのでしょうか。

小平はぐくみプロジェクト インタビューこだはぐカフェ@鈴木公民館の様子

宮井:午前10時から午後3時まで「鈴木公民館」の調理室を借りて、いつ来てもいいし、お弁当を食べてもいいよという形で開いています。基本的にお母さんたちには自由におしゃべりしてもらっていますが、その中の1、2時間を使って、毎回、お楽しみ企画も用意しています。毎回20組ぐらいの方が遊びに来てくださって、にぎわっていますよ♪

宮井:近くの方が多いですが、会場が小平市の東側にあるので西東京市から来る方もいますし、小平の西側にお住まいの方もバスを乗り継いで来てくださっています。

小平はぐくみプロジェクト インタビューこだはぐカフェ@鈴木公民館の様子

橋本:お子さんは、床に敷いたコルクマットの上で、おもちゃで遊び、お母さんは、それを見守りながら、おしゃべりをしたり、お茶を飲んだりと、自由に過ごしていただいています。参加された方からは「みんなでお茶ができて、ご飯を食べたりできるのがうれしい。とてもリフレッシュできます。」という感想をいただいています。

小平はぐくみプロジェクト インタビュー子どもたちが夢中になるNゲージ(鉄道模型)

宮井:レストランなどは赤ちゃんが小さいとなかなか行けないですしね。みんなで輪になって座って、楽しそうにおしゃべりしながらお昼を食べていらっしゃいます。
前回から鉄道模型を広場で管理することになり、子どもたちが動かして遊べるようになったので、電車好きのお子さんはずっと遊んでいましたね。帰り際に泣いてしまうほどでした。

「こだはぐカフェ」のお楽しみ企画ではどんなことをやっているのでしょうか。

小平はぐくみプロジェクト インタビュー「こだはぐ手作りマーケット」の様子

宮井:こだはぐの事業目的のひとつに「母親の再チャレンジを応援する」ことがあり、チャレンジ講師を公募して、お楽しみ企画の講師をお願いしています。

小平はぐくみプロジェクト インタビューお楽しみ企画「ホットケーキ
ミックスを使った簡単
ヘルシーマフィン作り」の一幕

橋本:これまでに、おもちゃ作りやママのカルシウム不足を補うふりかけ&おにぎり作り、香りのお守りサシェ作り、ヘルシーマフィン作りなどを開催しました。2015(平成27)年の7月7日は手作りマーケットを開催しました。お母さんたちの手作り作品がところ狭しと並んで、100人以上の方にご来場いただきました。

「子育て応援券」とはどのようなものでしょうか。

橋本:「子育てしやすい街づくり」「コミュニケーションがうまれる街づくり」「子育て支援の温かいネットワーク作り」を目指して、2015(平成27)6月末に5,000枚を発行しました。応援カードを協力団体・店舗に掲示すると、サービス特典が受けられます。現在、約50の協力団体・店舗様に特典をご提供いただいていて、なかには、商品10%引き、ジュース無料、ポイント2倍、ヘッドマッサージ10分無料などのサービスがあります。詳細は、こだはぐホームページで検索することができるので、ぜひご覧ください♪

小平はぐくみプロジェクト インタビュー

宮井:2014(平成26)年度は3歳までのお子さんのいる家庭に配布しました。2015(平成27)年度は小学校入学前までのお子さんがいる家庭までに対象を拡大しています。小平市内の公立保育園全園で配布してもらったり、児童館など子どもが多く利用する公共施設にも置いてもらっています。子連れですとどうしても一度に用事が済むような大型店に行くことが多くなりがちですが、これをきっかけに商店街にも行ってもらって、お店の方とのコミュニケーションを通じて、お母さんも商店街も元気になってくれればいいなと思っています。

これから、「こだはぐ」で新たに取り組みたいことはありますか。

橋本:来年度は父親向けの講座と、おじいちゃんおばあちゃん向けの孫育て講座も開催したいと考えています。

宮井:核家族が増えて、子育て事情も変わってきているので、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんが子育てにどう関われるか、具体的に学べたらいいなと思っています。お父さん同士のつながりもできたら理想ですね。

小平市の子育て環境の魅力はどのようなところだと思いますか?

小平はぐくみプロジェクト インタビューお楽しみ企画
「香りのお守りサシェ作り」の様子

宮井:小平市は公民館や児童館が多く、そこで行われているサークルや講座も多いですね。車に乗らない方も、近くの公民館や児童館に行きやすい、居場所が見つけやすいところがいいと思います。

橋本:公民館で、保育つき講座が多いのも小平市の特色ですね。
宮井:登録は必要ですが、講座やサークルの間、6ヵ月以上のお子さんを別室の保育室で預かってくれます。しかも無料なのです。私たちのカフェでも、お楽しみ企画の時間に保育をつけてもらう日があります。

武蔵小金井エリアの公園で四季を楽しむ

橋本:緑が多くて、空気もきれいで。小平市内を一周する遊歩道の「グリーンロード」があって、散歩するにもいいところだと思います。
宮井:それでいて新宿まで約20分と、都心にも出やすく便利です。

最後に、これから小平市に住む方にメッセージをお願いします。

小平はぐくみプロジェクト インタビュー

宮井:地域のみんなで子育てしてくれるというあたたかい環境があって、子育てしやすい街ですよ。ぜひ一緒に小平市で子育てを楽しみましょう。

橋本:引っ越してきたばかりで、知り合いがいないと閉じこもりがちになってしまいますが、小平市には温かいネットワークがあって、一歩外に出ればつながりが広がっていきます。「こだはぐカフェ」にもぜひいらしてくださいね♪

小平はぐくみプロジェクト インタビュー

今回、話を聞いた人

小平はぐくみプロジェクト

代表 橋本 直子 さん(左)
副代表 宮井 桂子 さん(右)

http://kodahug.com/

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

子育て家族がいきいき暮らせる街へ。 街全体で育児を応援する風土づくり/小平はぐくみプロジェクト 代表 橋本直子さん、副代表 宮井桂子さん
http://kodahug.com/

独自のカリキュラムを通して生きる力を身につける/学校法人角田学園 角栄幼稚園 園長 山本武夫さん


学校法人角田学園 角栄幼稚園
園長 山本武夫さん

独自のカリキュラムを通して生きる力を身につける
学校法人角田学園「角栄幼稚園」

教育が充実していると地域でも評判の学校法人角田学園「角栄幼稚園」。小学校の教育を前倒しにするのではなく、幼児期にふさわしい教育をすることで心身ともにたくましく、また、英語教育や日本文化を知ることで国際人としての感覚も養っている。山本武夫園長は小学校で校長を務めた経験もあり、子ども達が小学校へ上がる際のギャップをなくし、スムーズに小学校生活がおくれるようにとさまざまな活動に取り組んでいる。そんな「角栄幼稚園」についてお話を伺った。

はじめに園の概要について教えてください。

角栄幼稚園30

1963(昭和38)年に開園して、2015(平成27)年で52年になります。入間市では2番目に古い幼稚園です。現在、園児は176名おります。
「狭山ヶ丘」駅から「武蔵藤沢」駅までの鉄道を挟んだ両側のエリアは角栄団地と呼ばれている住宅地なのですが、当時東京郊外の新興住宅地として開発が進んでいました。
幼稚園の設立者で理事長の角田式美さんは、その建築会社の代表で、当時、住宅の見学に来られたお客さんから、「幼稚園はどこに通うことになりますか。」と聞かれたことをきっかけに、「この地域に、幼稚園が必要だ」と園の設立を決意されたそうです。

ひとりひとりの個性を引き出すために、お絵かきや制作、英語あそびなど、独自のカリキュラムを作っているとお聞きしました。内容、また子ども達の変化について教えてください。

角栄幼稚園11

園で力を入れている内容は4つあります。1つは英語です。外国人の先生が2名、水曜日と金曜日に朝から夕方まで在園しています。英語の時間だけ触れ合うのではなく、昼休みは一緒に遊びますし、園行事が水曜日、金曜日の時は、一緒に参加します。英語の先生は「ヴァンテージ・ジャパン株式会社」という会社から派遣してもらっているのですが、この会社は「角栄幼稚園」に英語の先生を派遣するために作られた会社で、幼稚園の事務局がある東京本部にオフィスを設けています。今では「角栄幼稚園」以外に50園以上の幼稚園に派遣しています。

教材はオリジナルで、日本の子どもたちが理解しやすいカリキュラムを作成しています。「3年かけて英語耳をつくってあげよう」ということで、インプットが中心です。それでは足りないという方もいますので、水曜日と金曜日の放課後には、先生が残って英語教室を開いています。幼稚園を卒業した後も、小学6年生までのカリキュラムをつくっているので、継続して通っている子ども達もいます。

角栄幼稚園14

2つ目は「めざましあそび」です。幼稚園では小学校の前倒しの勉強をするのではなく、生きていく上で必要な基礎力を、遊びを通して刺激し、目覚めさせてあげようということで、「めざまし遊び」と名付けました。パズルやシルエットと物の形を合わせるといった遊びで、推理力や物を分類する力、また「すごろく遊び」を通して数に対する意識などを身に付けます。その他にも、集中力をつける手段としても役立っていますね。

学校法人角田学園 角栄幼稚園 インタビュー

3つ目は「体作り」です。幼稚園としては、子どもが将来どんなものに興味を持つか、どんな力を持っているのかがわからない段階なので、万遍なくいろんな動きができるようにしてあげたいということで、体操の先生に来て頂いて火曜日と木曜日に体作りに取り組んでいます。特に幼児期に必要とされている5つの動き「歩く・走る、飛ぶ、回る、ぶら下がる、投げる」があります。これを年間を通して取り組んでいます。火曜日の放課後は体操教室、木曜日はサッカー教室も開催しています。

角栄幼稚園8

しかし、これだけでは足りないとも思い、数年前から他の体力作りにも力を入れるようになりました。
私は以前、小学校の校長をしていたのですが、子ども達の中には、体育が苦手な子もいるんですね。理由を聞くと縄跳びが飛べない、跳び箱が飛べない、鉄棒ができない、この3つが圧倒的に多かったんです。そこで幼稚園時代に必要な力をつけてあげたらいいと考えました。

鉄棒では自分の体をある程度の時間支えるだけの力をつけてあげたり、くるっと回る時に逆さになるのが怖い子もいるので、逆さの姿勢を練習して慣れさせてあげることがポイントです。縄跳びは、まず両足跳びができることが基本になります。なので、まずは片足でも両足でもジャンプをすることから始まります。それができるようになれば、あとは縄を回すだけです。

角栄幼稚園21

また、跳び箱については、小学校と同じ跳び箱を使っています。小さいサイズの跳び箱で練習しても、小学校の跳び箱では高さが違うので感覚も違ってきます。飛べなくてもいいから同じものを使って取り組むことで、だんだん飛べるようになるんですね。鉄棒と同じように慣れさせてあげることが大事です。

角栄幼稚園4

4つ目は小学校生活をスムーズにスタートできるように、色んなことを経験することです。校長時代に一番困ったのが、1年生が不登校になってしまうことです。話を聞くと幼稚園や保育所は楽しく通っていたという子どもが多いんですね。不登校になってしまった理由を考えたところ、小学校に入る前の経験が本当に必要な経験だといえなかったのではないか、将来につながることを教えてあげるべきではなかったのだろうか。といくつか課題が見えてきました。

角栄幼稚園7

そこで小学校の先生に新入生で困っていることを調査したところ、その問題点の1つがトイレだったんですね。和式が使えなかったり、小学校のトイレは臭くて汚いというイメージで、不安感があるので、これはクリアしておいてあげたい。と思いました。

角栄幼稚園18

この課題を踏まえて、「角栄幼稚園」では、「彩の森入間公園」や「富士見公園」、飯能にあるムーミンをモチーフにした「あけぼの子どもの森公園」などに遊びに行った際に、公園のトイレで和式のトイレに慣れるように練習をしています。また、環境が変わったときに柔軟に対応ができるよう、子どもたちが自由に遊べる場所に行き、初めて出会う遊具を教わって遊ぶのではなく、自分の頭で考えて、自分なりに工夫しながら使ってみることを経験させています。

角栄幼稚園19

また、文字の練習は小学1年生の1学期に練習するのですが、入学式に学校に行くと靴箱や机に名前のシールが貼ってありますし、教室の掲示も~組と書いています。読めるお子さんは自由に動けますが、読めないお子さんはどうしていいかわからないのでじっとしています。建前は同じスタートラインに立っているんですが、現実には差があります。最低限自分の名前は読めるようにしてあげないといけないということで、年長さんは読み書きの練習をしています。

アメリカのコロラド州にある幼稚園と姉妹校提携をされているそうですが、具体的に、それによりどのようなことをされているのですか?子ども達の異文化への理解などについても教えてください。

角栄幼稚園28

1994(平成6)年に姉妹提携して、翌年の1995(平成7)年アリソン・アンケニーさんという女性の先生が園に着任しました。それが園で力を入れている英語教育の始まりとも言えます。現在、英語の先生は園の本部の方で独自に採用していてます。

学校法人角田学園 角栄幼稚園 インタビュー

私自身シンガポールの日本人学校に赴任していたことがあります。その時に現地の人に聞かれるのは日本のことばかりなんです。海外に行って現地の人から尊敬、理解される人は、英語をたくさんしゃべれる人ではないんですね。私は柔道をやっていたので、当時柔道着を着て型をやってみせると大変喜んでくれました。ダンスも日本の民舞や民謡を見せることでさらに興味を示してくれる。日本をしっかり理解することが、海外を理解する上で大事な要素なんです。

そのような教育の一環として年中さんは和太鼓にも取り組んでいます。あと童謡をよく歌っていますね。昔から残っている童謡の中には、日本の自然や文化が鮮明に描かれています。先日も由紀さおりさんに来ていただいて親子で童謡を歌いました。由紀さおりさんは「角田学園」の理事を引き受けてくださっていて、これまでも何度か来て頂いています。

未熟園児教室の「おひさまくらぶ」と「エンジェルクラブ」について詳しく教えてください。

角栄幼稚園24

「おひさまくらぶ」は月曜日から金曜日まで、曜日は1日でも4日でも自由に選択して頂いています。この取り組みは、生活習慣をつけるのが一番のねらいで、トイレ、食事、着替えの練習や、集団で遊んだり、幼稚園に入る練習を少しずつ行っています。曜日によっては体操や英語にも取り組んでいます。

「エンジェルクラブ」は「家にいるときにこんなことを一緒に取り組んでみてはいかがですか」という提案も込めて、親子で一緒にできる体操や制作をしています。「エンジェルクラブ」の開催日には、英語の先生も来ているので、親子で英語遊びもしています。

外国人教師による英語あそびの他にも、コンピュータに触れるという、新しい取り組みもされていますが、このような取り組みをはじめたきっかけは何でしょうか?

角栄幼稚園23

これからの時代、どの仕事をするにしてもパソコン抜きに生活をすることはないと思います。小学校でもパソコンの使い方を学ぶ授業がありますが、その時に不安なく取り組めるように、園に通っているうちからパソコンに触れさせたらどうだろうかと始まりました。入っているソフトを呼び出して、色を付けたり絵合わせをしたりして、楽しく遊んでいます。アメリカなどの幼稚園が使っている英語教材のソフトも使っています。

他の園との関わりや、街のお祭りへの参加など、周辺施設や団体と関わる活動などはあるのでしょうか。

角栄幼稚園1

地域の祭りや文化祭にはよく参加しています。先日、園で開催している夕涼み会に向けた踊りを、地域の夏祭りでも披露しました。秋になると年長さんは運動会で鼓笛を担当するので、それを地域の文化祭でも披露しています。鼓笛は楽器に触れることと、周りを意識する練習も兼ねて取り組んでいます。自分一人で演奏するのではなく、順番を守ったり、譲ってあげたり、練習をする過程の中で社会性やコミュニケーションを意識してもらいたいと思っています。

「角栄幼稚園」に通う子ども達、また保護者の方々はどのような特長がありますか?

学校法人角田学園 角栄幼稚園 インタビュー

「角栄幼稚園」に通う子ども達は感性が豊かだと言われていますね。また、整列するときにもきちんと並び、途中で割り込んだりする子はまずいません。そういう集団での約束事やルールに対してしっかりできる子が多いです。

角栄幼稚園16

また、「角栄幼稚園」を選ぶ家庭は圧倒的に教育熱心です。園を選んだ理由の1つとして、英語教育がここ数年1位ですね。先ほど放課後のクラブのことも話しましたが、職員がやっている「わかばクラブ」という教室もあります。体操や音楽、造形、童夢を中心として、子ども達の心を育てる時間として取り組んでいます。本の読み聞かせや先生のお話など、優しい心や他人をいたわる気持ちなどを育んでいます。このような取り組みに惹かれて入園したいというご家庭もありますね。

最後に、周辺エリアの子育て環境や子育て支援の魅力について教えてください。

堀之内公園

閑静な住宅地で治安も良いと思います。子育てをするのに特に心配のいらない地域ですね。

子育て支援の面では、幼稚園に来ていない子でも、子育てに悩んでいる方がいたら少しでも情報を提供してあげたいなと、水曜日の午前中に園庭を解放したり、月に1回子育て講座を開催しています。また、近隣の小学校でどんな約束事があるのかを調べて、共通しているものを幼稚園のルールとして採用しています。周辺の施設や街の行事にも積極的に参加し、少しでも子ども達にプラスになることを教えてあげたいと思っています。

角栄幼稚園15

今回、話を聞いた人

園長 山本武夫さん

学校法人角田学園 角栄幼稚園
所在地:埼玉県入間市東藤沢4-15-20
電話番号:04-2962-4578
URL:http://www.kakutagakuen.ed.jp/kakuei/

※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

独自のカリキュラムを通して生きる力を身につける/学校法人角田学園 角栄幼稚園 園長 山本武夫さん
所在地:埼玉県入間市東藤沢4-15-20 
電話番号:04-2962-4578
教育時間:9:30~14:00
休園日:土・日曜日、祝日、年末年始、他
預かり保育:あり(14:00~18:00)
http://www.kakutagakuen.ed.jp/kakuei/

地域ぐるみで子どもを育むスポーツ少年団/宮前サッカークラブ 広報 田中和彦さん


宮前サッカークラブ
広報ご担当 田中和彦さん

地域ぐるみで子どもを育むスポーツ少年団
「宮前サッカークラブ」の取り組みとは

お茶畑に囲まれた穏やかな環境にある「所沢市立宮前小学校」を拠点に活動する、1984(昭和59)年発足のスポーツ少年団「宮前サッカークラブ」。小学1年生から6年生まで団員約60名の団体で、宮前地区でもっともポピュラーな活動のひとつとして熱心な活動が行われています。今回は広報を担当する田中和彦さんに「宮前サッカークラブ」の取り組みと周辺エリアの魅力についてお話を伺いました。

まず「宮前サッカークラブ」の概要と特色について教えてください。

宮前サッカークラブ 練習

「宮前サッカークラブ」は1984(昭和59)年に発足したスポーツ少年団で、2015(平成27)年で32年目を迎えます。2015(平成27)年9月現在、小学1年生から6年生まで団員はおよそ60名で、そのうち2割は女の子のメンバーとなっています。

宮前サッカークラブ 広報ご担当 田中和彦さん インタビュー

活動の拠点としている「所沢市立宮前小学校」には、野球少年団が無いこともあり、全校児童403名の学校規模から見ると、入団率の高い、人気のクラブ活動と言うこともできると思います。

指導者の方は主にどのような経歴の方が多いですか?

宮前サッカークラブ 練習

コーチはみなさんボランティアで指導に当たってくださっています。在校生のお父さんや、OBでサッカー経験のある方などおよそ12名のコーチとスタッフで運営しています。コーチの中にはPTAの役員を務めていらっしゃる方もいて、学校や地域とも密接に結びついたこのエリアならではの活動です。

宮前サッカークラブ 広報ご担当 田中和彦さん インタビュー

また1年生の保護者の中には、毎週土曜日の定期練習に合わせて子どもたちの様子を見に来てくれる方も多く、保護者の方の口コミが口コミを呼び、あらたな団員の入団を促しているような状況です。

最近の戦績についてもお聞かせください。

宮前サッカークラブ 練習

所沢市内に公立小学校が32校あるのに対して、サッカー少年団は「宮前サッカークラブ」を含め22チームの登録があります。戦績は学年によって異なりますが、現在の6年生は市内でも上位6校に残るほどの実力を持っています。 また1年生から入団する子どもも2015(平成27)年は12名と多く、学校とはまた違う異年齢の集団のなかで気後れすること無く一生懸命練習に励んでいます。

指導をするうえで大切にしていることはなんでしょうか。

宮前サッカークラブ 練習

「宮前サッカークラブ」では“心身が正しく、明るく、強い子に成長するように育成する”をスローガンに掲げ、サッカーの技術だけでは無く、あいさつや集団のなかでの生活態度にも留意して指導にあたっています。

宮前サッカークラブ 広報ご担当 田中和彦さん インタビュー

小学校1年生から6年生まで同じ集団のなかで生活をすることで、上級生は自然と低学年の子の面倒を見るようにもなりますし、低学年の子どもたちにとっては先輩と一緒にプレーすることでさまざまな刺激を受け取っていることと思います。 毎週土曜日の午後には「宮前小学校」の校庭で定期練習を行っていますので、入団希望の方や見学だけという方ももちろんお気軽にお越しください。

定期練習以外の活動や地域のイベントなどへの参加について教えてください。

宮前サッカークラブ 学校

毎年11月に「宮前小学校」で開催される“宮前まつり”では、ネットやパネルを組み立てた“キックターゲット”を設けて地域のお祭りを盛り上げています。また8月の最終週に行う学校の草むしりも恒例行事のひとつで、親子揃って学校の環境整備に取り組みます。

最後に周辺エリアの魅力や、近隣のおすすめスポットについて教えてください。

宮前サッカークラブ 畑

「宮前小学校」の周辺を始め、このエリアにはお茶畑の緑に囲まれた穏やかな環境が広がっています。少し足を伸ばせば入間市の「彩の森入間公園」や「所沢航空記念公園」といった大規模公園もあり、休日のお出かけにも最適です。また「狭山湖」の堤防には歩道も整備されていて、四季折々の眺望を楽しみながら自然を満喫できるおすすめのスポットです。

PIZZERIA 武蔵野山居(むさしのさんきょ)

狭山ヶ丘ならではのお店として「肉匠もりやす」もおすすめです。和牛のローストビーフが有名なのですが、「所沢」駅前の西武にも出店している地元を代表するグルメです。その他にもやきとり屋やピッツァの美味しいお店など狭山ヶ丘ならではのお店もあり、これからこの地域に生活の拠点を構える方にもぜひ狭山ヶ丘の生活を楽しんでいただければと思います。

宮前サッカークラブ 田中和彦さん

今回、話を聞いた人

宮前サッカークラブ

広報ご担当 田中和彦さん

宮前サッカークラブ
活動拠点:埼玉県所沢市東狭山ヶ丘6-2777-1
電話番号:090-3479-5595
URL:https://ja-jp.facebook.com/miyamae.soccerclub/

※2015(平成27)年9月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

地域ぐるみで子どもを育むスポーツ少年団/宮前サッカークラブ 広報 田中和彦さん
所在地:埼玉県所沢市東狭山ヶ丘6-2777-1 
電話番号:090−3479−5595
https://ja-jp.facebook.com/miyamae.socce..

柏市学校教育部学校教育課 高橋さん インタビュー

「柏の葉キャンパス」駅近くに建設中の新設校「柏の葉中学校」の計画を聞く/柏市学校教育部学校教育課 高橋さん


柏北部中央地区に2018(平成30)年度に開校予定の中学校「柏市立柏の葉中学校」。柏市学校教育部学校教育課の高橋さんに、開校するに至った経緯や開校に向けた取り組みについて、お話を伺いました。

良好な教育環境の確保を目的とした中学校の新設

完成予想図

――中学校が新設されることになった経緯についてお教えください

高橋さん:つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅周辺では、柏北部中央地区の土地区画整理事業による大規模なマンション開発等が進んでおり、事業地内の生徒数が急激に増加しています。これまでは、近隣の既存校で受け入れてきましたが、平成30年度以降教室が不足する可能性があります。今後も区画整理地内の開発が進められ、生徒数の増加が見込まれることから、良好な教育環境を確保するために中学校の新設が計画されました。

完成予想図

――新設中学校がどのような学校になるか決まっていることがありましたらお教えください

高橋さん:平成30年開校予定となっている新設の中学校は、校名を「柏市立柏の葉中学校」とし、地上3階建て、延床面積は9325.08平方メートルとなる計画です。また、隣接する「柏市立柏の葉小学校」との小中連携教育を充実するために、小学校と中学校校舎を上空通路で結ぶ予定となっています。

平面図

中1ギャップの解消を目指した小中連携教育

――教育目標などは既に決まっているのでしょうか?

高橋さん:教育コンセプトとしては、「社会に出る力を育てる学校」と「小中連携教育」を掲げています。まず、確かな学力向上への取り組みとして、学校図書館やICT機器を活用した授業のほか、外部専門家を活用したキャリア教育の充実等、学び続ける力の育成を目標としています。また、小学校の6年間から、中学校を含めた9年間へ「学び」をつなげていくため、中学校の校舎に小学校6年生の教室を設置して学ばせることで、円滑な学びの接続を可能とする、いわゆる“中1ギャップの解消”を行うとともに、小中学校の児童生徒間・教職員間が交流し、合同の行事や集会、研修会等を通じて、互いに協働しながら将来自立した社会人・職業人として生きていくために必要な能力や態度、資質を系統的に育成することを目指しています。今後、このようなコンセプトに基づき、順次教育目標や教育課程の検討等が進められていくこととなります。

隣接する「柏市立柏の葉小学校」(平成24年度開校)

――周辺エリアの子どもの人数は以前に比べ、どのくらい増えているのでしょうか?

高橋さん:平成24年度に開校した「柏市立柏の葉小学校」の児童数を例にしますと、平成24年度は252人、平成29年度732人と、6年で約3倍となっており、今後さらなる増加が見込まれています。

柏の葉キャンパス駅

――開校に向けての今後の取り組みをお教えください

高橋さん:引き続き竣工へ向けて中学校建設工事を行ない,教育方針の具現化、各教科の年間指導計画作成、各種備品・消耗品等の契約手続き等、教育委員会一体となって、入学する生徒を受け入れるための準備を進め行きたいと思っています。

「柏の葉キャンパス」駅近くに建設中の新設校「柏の葉中学校」の計画を聞く

柏市 学校教育部

学校教育課 高橋さん

所在地:柏市大島田48-1(沼南庁舎)
TEL:04-7191-7367(教育委員会)
URL:http://www.city.kashiwa.lg.jp/kashiwa_boe/

※記事内容は2017(平成29)年5月時点の情報です。

「柏の葉キャンパス」駅近くに建設中の新設校「柏の葉中学校」の計画を聞く/柏市学校教育部学校教育課 高橋さん
所在地:千葉県柏市大島田48-1 
電話番号:04-7191-1111(代表)
窓口受付時間:8:30~17:15
閉庁日:土曜・日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)

*こども図書館・柏市郷土資料展示室・市民交流サロン*
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日、年末年始、展示替え期間
http://www.city.kashiwa.lg.jp/facilities..

地域の教育力の向上を目指す 北区が掲げる教育ビジョンとは/北区役所教育政策課


北区 教育委員会事務局
教育政策課長事務取扱参事 登利谷 昭昌さん

地域の教育力の向上を目指す
北区が掲げる教育ビジョンとは

北区では、2010(平成22)年2月に「北区教育ビジョン2010」を策定し、「教育先進都市・北区」のさらなる発展を目指すため、これまでさまざまな施策に取り組んできた。2015(平成27)年には、「北区教育ビジョン2010」の課題を踏まえた「北区教育ビジョン 2015」を展開し、「北区学校ファミリー構想」や「放課後子ども総合プラン」など北区ならではの活動を計画している。今回は教育政策課に教育ビジョンや今後の展開についてお話を伺った。

まず初めに、「北区教育ビジョン 2015」の位置づけについて教えてください。

北区役所教育政策課インタビュー「北区役所滝野川分庁舎」

「北区教育ビジョン 2015」には、位置づけとして5つの項目があります。その中でも10年程度の将来を視野に入れた今後5年間に、北区教育委員会が重点的に取り組むべき、「学校教育分野」「生涯学習分野」「スポーツ分野」を基本的な方向性と主な施策として提示しています。

一番大切な点は、「北区が目指すべき教育の方向」だと考えています。「北区教育ビジョン2010」では、義務教育の9年間は将来を生き抜いていく力を養うために最も重要な時期であり、知識基盤社会の中で生きる力を身につけるため、基礎となる力の育成を保証していくことは、公教育の大きな使命であるとの認識から、「生涯学習社会の構築を目指しつつも、その基となる学校教育」に重点を置くこととしていました。

「生まれてから死ぬまでのすべてのところで生涯学習をしていく」そういう社会の構築を目指していくのですが、その中でも「学校教育に重点を置いていく」というのが「北区教育ビジョン2010」の目指すものでした。「北区教育ビジョン2015」では、社会全体が、核家族になり、地域との連携が薄れ、家庭の教育力が落ちてきているのではないかという課題のもと、さらなる学校教育を目指していきます。

「北区教育ビジョン 2010」では、施策展開にどのような効果や課題が見られましたか。

「北区教育ビジョン2010」については、すでに述べたように3つの視点から「取り組みの方向」を示し、数多くの事業を実施してきました。十分な成果を得られなかったものもありましたが、全体的には、計画に沿った推進が図れたものと考えています。

北区役所教育政策課インタビュー「放課後子ども総合プラン」サッカークラブ

課題については、北区の基礎基本の定着度調査においては、学力の面でおおむね良好な結果が出ていますが、目標値を超えている生徒と、超えていない生徒の2極分化がみられるということがあります。また、文部科学省の体力運動能力調査によると、北区の子どもは身長や体重などの体格は向上しているけれども、体力運動能力が全国を下回っています。

北区役所教育政策課インタビュー「放課後子ども総合プラン」水風船釣り

生涯学習では、区民はそれぞれ培ってきた知識や技能をお持ちの方が多いけれども、地域や学校で活かせる仕組みが、まだまだ十分ではありませんでした。今後は、これまでの取り組みの成果と課題を踏まえ、新たな教育委員会制度のもとで区長部局と一体となり、社会の変化に柔軟に対応しつつ、新たな取り組みや事業の再構築を図っていきます。

「北区教育ビジョン2015」では、5つの柱に基づき、その実現に向けて140 の具体的な推進計画を示されていますが、その中でも重要視している政策について教えて、いくつか教えてください。

北区役所教育政策課インタビュー「放課後子ども総合プラン」

特に力を入れているのが学校教育の充実です。学力向上サポートチームによる「学習支援つまづきゼロプラン」という授業も考えています。ほかにも「グローバル人材育成プロジェクト」「放課後子ども総合プラン」「学校改築リフレッシュ改修工事」があります。子どもたちが学習をしていく環境を整備していくことや、家庭教育も重点的に取り組んでいきます。

取り組みの中には、「地域の教育力の向上を支援する」とありますが、具体的にはどのような取り組みをされるのでしょうか。

主には、学校を主体としています。その中で地域の方々にも関わっていただく授業を通して、学校、地域ともに教育力を向上させていくという考え方で取り組んでいきます。

北区役所教育政策課インタビューコミュニティスクールについて

具体的には、学校に学校運営協議会を設置する「コミュニティスクール」という事業を行っています。いろいろな技を持っている方に授業に入っていただいたり、一緒にお祭りみたいなものを計画していただいたりと事業内容もさまざまです。ほかにもPTAは今通っている子どもの保護者で組まれていますが、学校運営協議会は地域に住んでいるすべての方が協力者になりえますので、そういう方に入っていただいて、学校の経営力を高め、かつ、地域にも活力を与えられるように取り組んでいきたいと考えています。

北区役所教育政策課インタビュー「放課後子ども総合プラン」自由工作

「放課後子ども総合プラン(わくわく☆ひろば)」は、小学校を会場として、放課後等におけるすべての児童の安全・安心で健やかな活動拠点(居場所)の充実を図るため、「放課後子ども教室」「学童クラブ」「校庭開放」の機能を併せもつ総合的な放課後対策として活動しています。現在では区内の小学校10校で実施しています。

北区役所教育政策課インタビュー「放課後子ども総合プラン」カルタ遊び

今後は、一体型の「放課後子ども総合プラン(わくわく☆ひろば)」を2019(平成31)年までに全小学校での実施に向け、さらに多様で魅力ある体験・交流活動ができるよう充実を図ります。

北区役所教育政策課インタビューボランティアの方も教育活動に関わる

ほかにも、学校支援ボランティア活動推進事業として、子どもたちの教育活動にボランティアの力が活かせる取り組みを行っています。

北区役所教育政策課インタビューボランティアの方によるお話会

ボランティアの方には、登下校の子どもたちの安全確保や、学校のビオトープの整備などのお手伝いをしていただいたりといろんなところでお世話になっています。今後は、地域人材を相互に活用するなど連携を進め、地域の教育力向上を図ります。

北区では、通学区域の重なる小学校と中学校からつくられる近隣複数校のネットワークとして 「北区学校ファミリー構想」を提案されていますが、具体的な内容について教えてください。

この「北区学校ファミリー構想」では、中学校区内にあるいくつかの小学校と幼稚園が連携して、小中一貫教育を進めようとしています。これを「学校ファミリー」と名付けています。その一つひとつのグループをサブファミリーとして設定しています。これはほかのところにはない画期的なことだと自負しています。

北区役所教育政策課インタビューファミリー校を招いた研究協議
(北区立赤羽台西小学校)

義務教育は6年と3年に分かれていますが、9年間を通してグループ内容の系統性を図りながら、小中の教員が両方で育てていきます。小中学校の系統性のあるカリキュラムを作って、それに基づいて指導しています。カリキュラムは独自で教科ごとに作っています。サブファミリーごとに地域の特色が違うので、それを生かしながら、連携して課題を解決していこうということです。

北区役所教育政策課インタビューあいさつ運動(北区立桐ケ丘中学校)

年に3回、ファミリーの日を設けており、そこで研究授業をしたり、交流行事を行っています。交流行事について、「北区立赤羽岩淵中学校」のサブファミリーでは、小中一緒の防災教育で地域の方と訓練しています。「北区立桐ケ丘中学校」のサブファミリーでは、心の教育に重点をおいています。サブファミリーの中で「あいさつをしましょう」「履き物をそろえましょう」「時間を守りましょう」と子供憲章を作っています。ポスターを作り、地域の掲示板に張るなど、地域ぐるみで心の教育をしています。

小中一貫教育を進めることで、どのような効果がありましたか?また、今後の展望についても教えてください。

北区役所教育政策課インタビュー「北区立桐が丘郷小学校」

2013(平成25)年で、小中一貫教育を全学校で始めて2年ほど経ちましたので、「検証委員会」を立ち上げ、取り組みの現状や効果を検証した報告書をまとめました。その中で成果としては、サブファミリーごとに連携を進めることで、中1ギャップの緩和や不安の解消、自己肯定感の向上などの成果が出ています。また、教員同士の相互理解や、一貫した中で子どもを見守っていくことで、児童生徒の理解が深まり、また小中学校のつながりを意識した授業を行うようになったと成果が出ています。

一方で小学生と中学校の先生が集まるということは、時間も場所も必要になるので、事務や役割分担が負担になっていきます。そのような課題を含めて、これから小中一貫校の設置が必要になってきます。「北区としてどのような一貫校が必要なのか」。これからも引き続き、よりよい学校教育のため、地域と連携しながら進めていきたいと思います。

北区役所教育政策課インタビュー

今回、話を聞いた人

北区 教育委員会事務局
教育政策課長事務取扱参事 登利谷 昭昌さん

北区役所滝野川分庁舎
所在地:東京都北区滝野川2-52-10旧滝野川中学校
電話番号:03-3908-9279(教育政策課)
http://www.city.kita.tokyo.jp/k-seisaku/kuse/gaiyo/buka/kyoiku/sesaku.html

※この情報は2015(平成27)年4月時点のものです。

地域の教育力の向上を目指す 北区が掲げる教育ビジョンとは/北区役所教育政策課
所在地:東京都北区王子本町1-15-22 
電話番号:03-3908-1111
開庁時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.kita.tokyo.jp/

ユニークな取り組みで目指す「東京一の学校」とは/北区立稲付中学校 武田幸雄校長先生


北区立稲付中学校
校長 武田幸雄先生

ユニークな取り組みで目指す「東京一の学校」とは

赤羽西エリアでもひときわ緑が多く、大規模なスポーツ関連施設も集積している赤羽西6丁目エリア。この地にある「北区立稲付(いなつけ)中学校」は、公立の中学校でありながらも、ほかの学校では見られないユニークな取り組みが数々実践され、話題を集めている。その発起人となっているのが、2011(平成23)年に学校長として着任した、武田幸雄先生である。 今回は武田先生をお訪ねし、学校経営に懸ける想い、地域の魅力などについてお話を伺った。

稲付中学校では教育目標として「確かな学力」「豊かな人間性」「健やかな体」という言葉を掲げていらっしゃいますが、この実現のために、どのような工夫や実践をされているのでしょうか。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

本校の教育目標にある、「確かな学力」「豊かな人間性」「健やかな体」というのは、わかりやすく言えば、「知・徳・体」という言葉に置き換えられるかと思います。現在、子どもたちに求められているものは、その3つの要素の「バランスの良さ」だと思います。ひとつが突出して良いというのではなく、すべてにおいてバランス良く向上させたい、そういった願いを持って教育にあたっています。 この想いを、学校経営計画の中の「めざす学校像」という部分の中では、「基本的生活習慣の確立した生徒」「基礎的な学力の定着している生徒」「規範意識の育っている生徒」、という言葉にさらに置き換え、具体的な教育活動の中に取り入れています。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

まず、学校の一番の役割は勉強をする場所であり、特に中学校は「出口保証」が強く求められます。そこで、まず第一に、基礎学力の定着ということで、本校では独自にいくつかの取り組みを行っています。数学と英語の授業では、「少人数・習熟度別授業」を全学年で取り入れています。また、北区の学校はすべて2学期制となっていて、通常の中学校は、定期考査を年に4回(各学期中間、期末)行うという学校が多いかと思いますが、本校の場合は独自に、春、夏、秋、冬、学年末と、定期考査を年に5回実施しています。

当然ながら、これらは全体的な学力の向上のための施策です。また、学習の評価評定についても、通常の中学校では年に2回の提示が多いかと思いますが、本校では年に4回、評価評定を提示するようにしています。3学期制の学校よりもさらに1回多いことで、子どもたちが自分の学習を振り返る機会を増やし、先々の目標を持てるようにしています。

北区立稲付中学校 授業4

また、北区の中学校では年間に10回の土曜日授業が定められており、本校でももちろん、その10回の土曜授業は行っています。ただし、それとは別に「稲中サタデースクール」という名称で、年にプラス7回、土曜日に特色のある活動を行っています。 そのほかとしては、「一人一資格運動」というものを本校では推奨しております。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

これは卒業するまでの間に、必ず何かしらひとつの資格を身につけようという取り組みで、特に全校態勢で取り組んでいるのは英検の取得です。もちろんひとつ資格を身につけたのならば、さらに上級の資格を目指したり、あるいは、漢字検定や数学検定といった、複数の資格取得を目指そうということでも取り組んでおります。

授業の時数自体もほかの学校よりも多いと伺いました。

北区立稲付中学校 校長2

そうですね、授業時数は、北区内、あるいは東京都内全体を見ても、トップレベルにあるかと思います。数字としても、北区では標準の給食実施回数を185回としていますが、本校では上限一杯の190回の給食を提供して、午後にも授業を行う日を増やしています。午前中授業で終わることが多い始業式や終業式、定期考査の日などにも給食を出して、午後も授業を行っています。

先ほどご説明のあった、「稲中サタデースクール」について詳しく教えてください。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

「稲中サタデースクール」については、これはあくまで「土曜授業」ではないので、授業時数としてはカウントされません。だからこそ、特色ある教育活動を行うように意識して取り組んでいます。 たとえば、英検の実施日に合わせて「稲中サタデースクール」を設定し、全員で英検を受けたり、また3年生については、12月の下旬から2月の下旬にかけて集中的に時間を取って、受験対策講座を開いています。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

講座内容については、例えば数学の教員が何人かいれば、それぞれが図形、証明、計算といった具合に担当するジャンルを決めます。ほかの科目でも同様です。そういった細かなメニューの中から、子どもたちは自分が受けたい講座をピックアップして、自分の時間割を作って受講します。苦手を克服しようという子もいれば、得意な部分をさらに伸ばしたいという子もいます。 同時期には、都立高校の入試のための集団討論対策の講座や面接対策の講座も開かれます。こういった講座を、12月の下旬くらいから入試まで、徹底的に行います。

先生は「東京で一番の学校にする」という目標を掲げていらっしゃいますが、「東京で一番」とはどのような学校なのでしょうか。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

「東京で一番の学校」については、簡単に言えば、「相対評価ではなくて、絶対評価としての“一番の学校”」という意味です。つまり、ほかの学校と比べて何かの順位が上だとか、そういうことではありません。そこに通っている生徒、教職員、保護者の方、地域の方々に、「東京で一番の学校はどこですか?」と尋ねた時に、即答で「稲付中です」と返せるような学校、そういう学校をつくりましょうということです。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

この目標に向かって、私立の中学校にも負けないくらいの「クオリティの高い教育サービス」を提供していこうと考えており、特色ある教育活動を行っています。 まずはソフト面から、教育サービスの向上を図っていこうと取り組んでおり、実際、内容も充実してきたかと思います。

校舎、つまりハードの面でも、今後嬉しい話題があるようですね。

北区立稲付中学校 校舎1

実はハードの面についても、校舎を建て替えていただけることが決まりました。本校は2019(平成31)年度に、全面改築した新しい校舎となる予定です。2016(平成28)年度からは少しの間、適正配置で校舎の空く「北区立第三岩渕小学校」を中学生向けに改装して移ります。最新の技術を駆使した、先進的な校舎となります。その時には、ソフト面だけではなくハードの面でも、文字通り「東京で一番の学校」ができるのではないかと期待しています。

校長先生は学校のホームページに、毎日のように学校内の様子を写真付きでアップしていますね。そのねらいいはどこにあるのでしょうか?

北区立稲付中学校 廊下1

私が自分自身で目指す校長像が、「誰よりも生徒のことを知っていて、誰よりも教員のことを知っている校長」です。そうなるために一体どうすれば良いのかと言えば、とにかく、毎時間どこかしらの教室に顔を出し、授業を見て、生徒を見て、教員を見るというのが、とにかく唯一の方法だと思います。 ですから私は、ほぼ毎日、1時間目から6時間目まで、どこかの教室で授業を見ています。

ですから、もともとは「さまざまな授業に生徒、教員が一体となって取り組んでいる様子を取材させてもらいたい」ということで始めたことです。そして、取材をした以上、それを広く広報するのが私の役目でもありますので、本校のホームページに掲載しています。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

これを続けることによって、自分も生徒の様子、教員の様子を知ることができますし、同時にホームページという媒体を通して、保護者の方や地域の方にも見ていただけますので、保護者の方も、学校でわが子が、どんなことをやっているかを、知ることができます。 中にはホームページを見て、それをきっかけに、家庭の中で親子の会話が弾んだり、学校の様子を子どもから親御さんに話してくれるということも、生まれているのかもしれません。

学校側としても、何年生の何の教科の何先生は、授業でこんな工夫をしている、といった努力を保護者や地域の方々に知ってもらうということも、大きなメリットになっていると思っています。 これは私が着任して以来、1年間365日、毎日何かしら更新しています。長期休業中は部活動や補充教室、宿泊行事の様子などを取材して載せています。

実際生徒、先生、保護者の方々など、反応はいかがでしょうか?

北区立稲付中学校 校長インタビュー

おかげさまで好感触です。私たちとしては、保護者の方や地域の方に対しても、「いつでも学校を開いていますから、いつでも授業を見に来てください」という姿勢ですが、実際問題、なかなかそれは難しいですよね。そうは言っても保護者の方々にも仕事があるでしょうし、敷居が高いという意識をもたれている方もいらっしゃるなど、現実問題としてはいろいろあるわけです。 ただその敷居が、ホームページのおかげで下がってきたということは言えると思います。親御さんも、わざわざ学校に足を運ばなくても、日々わが子が、あるいはわが子の友だちが、どういう表情で授業を受けているのか、いま学校で何が起きているのかということを、本当によく分かるようになった、と言われることが多いです。

地域の方々についても、「子どもたちって今はこんな勉強をやっているんだね」とか、「自分たちの時代とは変わったよね」なんてことを、気軽に言っていただけるようになりました。生徒についても、授業中に私がいる光景が当たり前になっているので、私は存在していない、空気みたいなものですよ(笑)。

「稲付中サブファミリー」というものがあるそうですが、これは何でしょう?

北区立稲付中学校 校長インタビュー

これは稲付中学校とその学区の小学校3校をまとめてそう呼んでいるものです。「北区立清水小学校」「北区立第三岩渕小学校」「北区立梅木(うめのき)小学校」ですね。この3校の小学校とは、お互いの学校の教員がチームティーチングという形で、年に3回の交流を行っているのが主な活動です。授業というのは単発で行えるものではないので、事前に打ち合わせをしたり、検討会を開く機会が多くなります。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

そういう流れの中で、各小学校、中学校の子どもたちということではなく、「この地域の子どもたち全体」という視点で、抱えている学習上の課題、生活面での課題というものを、双方の教員が共有できるようになっていきます。 この事業を通して、6年間、3年間という括りで分けるのではなく、「義務教育課程の9年間で、こういうふうにやっていきましょう」という意識が、教員の間で芽生え始めているのかな、と感じています。

稲付中学校の近くにはJOCのオリンピック選手育成施設があり、未来のオリンピック選手を育てる「エリートアカデミー事業」のアカデミー生も稲付中の生徒として在籍しているということですが、このような環境が教育内容に活かされているという部分はありますか?

北区立稲付中学校 校長インタビュー

JOC(日本オリンピック委員会)の「エリートアカデミー」は、簡単に言うと、将来のオリンピアンを目指す選手を全国から集めて、本校の近くにある、「ナショナルトレーニングセンター」で合宿生活を送りながら、育成するというものなんですね。そのセンターが本校の学区域ですので、当然そこに入ってきた子どもたちは、本校に通うことになります。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

アカデミーの対象種目はフェンシング、レスリング、卓球、ライフル射撃、高飛び込みの5種目です。 本校にも25名ほどのアカデミー生が在籍していますが、だからといって、校内で彼らを特別扱いするということは一切ありません。活動の特性上、彼らは部活動には所属していませんが、普通に授業を受けていますし、学校内での生活は、ほかの生徒とまったく変わらないですね。

北区立稲付中学校 張紙

ただ、これがほかの生徒にまったく影響が無いというわけではなく、やはり同級生が世界の第一線で活躍しているんだということは、生徒にとっても刺激になっていて、「オリンピックには出られないけれど、そうではないところで、自分も一番を目指そう」という意識を持っている子は多いと思います。 また、アカデミー生が通っているということもあって、本校では毎年「オリンピック教室」というものが開かれています。これはJOCのご厚意によるものです。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

オリンピアンが本当に来てくれて、2時間の授業の中で、一緒になってアクティビティを楽しんだり、教室での座学の中で、オリンピック精神とはどういうものか、スポーツマンシップとはどういうものかということ、また、自分が挫折しそうになった時に、どうやってそれを乗り越えてきたのか、といった話をしてもらっています。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

これは子どもたちに夢を与えてくれるきっかけにもなっていると思いますし、同時に、オリンピックというのが、ほかの学校の生徒以上に、ものすごく身近なものとして感じられているということは、間違いないかと思います。 エリートアカデミー事業については、まだ2015(平成27)年で7年目ですので、卒業生がオリンピックに出たという話は無いのですが、すでにアカデミー生の卒業生もいますので、東京オリンピックが楽しみですね。

稲付中学校では過去にオリンピックを開催した国の料理を出したりと、ユニークな食育の取り組みもされていますね。そのねらいはどんなところにあるのでしょうか?

北区立稲付中学校 食育1

本校には、北区の小中学校ではまだ2名しか配属されていない「栄養教諭」が1名在籍しておりまして、その部分で、食育においても特徴的な活動ができているのかと思います。「栄養士」は多くの学校で配属されているのですが、本校は「栄養教諭」なんですね。 栄養教諭は、栄養士と同様に献立の作成もしておりますが、それに加えて、「適正な食生活を送るにはどういう工夫が必要なのか」という知識を生徒に教えたり、地産地消について積極的に推奨したりという、栄養士とはまた違った教諭としての役割が与えられております。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

2014(平成26)年度から「東京都教育委員会」が指定する「オリンピック教育推進校」というものに本校が指定されまして、オリンピックの国のメニューを給食で出しているのは、推進校で取り組む活動のひとつなんですね。 「オリンピック教育とは何か」と言いますと、運動面だけではなくて、幅広い国際理解や日本の伝統を重んじる心など、そういうことも含まれています。その中で栄養教諭が主体となって、給食の中に、過去にオリンピックを開催した国の料理を紹介していこうという企画が生まれ、今では月に1、2回のペースで、オリンピックの開催国の独特の料理を出すようにしています。

地域での取り組みに稲付中学校の生徒が参加したり、一緒に活動したりといった交流・協働事業などはありますか?

北区立稲付中学校 校長インタビュー

ひとつとしては、本校では年に1回保護者の方、地域の方と一緒になって、地域に出て清掃を行う「親子地域清掃」というものを行っており、先ほどお話した「稲中サタデースクール」の活動のひとつとして行っています。定期的に行われている地域の防災訓練でも、本校の1年生が参加して、一緒になって防災訓練を行っていますね。

北区立稲付中学校 校長インタビュー

ちょっと変わったところですと、この地域が氏子になっている神社で、お正月に本校の生徒が巫女さんをやらせてもらっています。これも一種の職場体験ですね。普通の職場体験も2年生の時に行っており、この時にも、たくさんの地域の方、事業者の方にご協力を頂いています。 地域のイベントへの参加では、主に吹奏楽部が地域の町会の運動会をはじめ、さまざまなイベントに参加しており、毎回素晴らしい演奏を披露して、イベントに華を添えてくれています。

最後に、北区赤羽エリアの魅力についてお聞かせください。

イトーヨーカドー 赤羽店

赤羽エリアに限らず、とにかく北区は区長自ら「子育てするなら北区が一番」というスローガンをずっと掲げていらっしゃるんですね。そういった面からも、教育に財源を充てていくという割合は非常に高いですし、教育環境としては、たいへん恵まれている区だと思っております。 中でもこの赤羽エリアについて言えば、JR「赤羽」駅周辺には便利な大型スーパーマーケットもある一方で、昔からの人情味あふれる商店街もあり、非常に活況を呈しています。また「赤羽」駅は東京の北の玄関口となっているので、都心部へのアクセスは素晴らしいものがあります。

赤羽自然観察公園

その一方で、本校のすぐ近くには、「赤羽自然観察公園」という、緑豊かな公園がありますし、駅の向こうには「荒川河川敷」も広がっています。そういった点も含めて、非常に暮らしやすい場所と言えるのではないでしょうか。 それを裏付けるように、古くからここに住んでいる方もたくさんいらっしゃいますし、一方では大型の集合住宅ができて、新しく越して来られた方も大勢いらっしゃいます。そういった中でも、地域の住民同士のつながりは非常に強く構築されておりますので、安心して暮らしていただける、子育てをするうえでは、たいへん魅力に富んだ地域であると思います。

北区立稲付中学校 校長

今回、話を聞いた人

北区立稲付中学校

校長 武田幸雄先生

北区立稲付中学校
所在地:東京都北区赤羽西6-1-4
    ※2018(平成30)年度まで西が丘1-12-14に仮移転
電話番号:03-3900-2331
http://www2.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=1320055

※この情報は2015(平成27)年5月時点のものです。

ユニークな取り組みで目指す「東京一の学校」とは/北区立稲付中学校 武田幸雄校長先生
所在地:東京都北区西が丘1-12-14 ※2018(平成30)年度まで仮移転中 
電話番号:03-3900-2331
http://www2.schoolweb.ne.jp/swas/index.p..

区民一人ひとりが主体となる “トップアスリートのまち・北区”を目指して/北区 東京オリンピック・パラリンピック担当課


北区 教育委員会事務局
スポーツ施策推進担当課長:坪井宏之さん
東京オリンピック・パラリンピック担当課長:松村誠司さん

区民一人ひとりが主体となる
“トップアスリートのまち・北区”を目指して

北区には、国内におけるトップレベル競技者の国際競技力の総合的な向上を図るトレーニング施設として、「味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)」や「国立スポーツ科学センター(JISS)」「東京都障害者総合スポーツセンター」があることから、「トップアスリートのまち・北区」を打ち出している。そして2020(平成32)年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて「東京オリンピック・パラリンピック担当課」を設けて区民のスポーツ推進を図っている。そんな北区のスポーツ施策についてスポーツ推進担当課長の坪井さんとオリンピック担当課長の松村さんにお話を伺った。

まず初めに、東京オリンピック・パラリンピック担当課の概要・取り組みについて教えてください。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「国立スポーツ科学センター」

北区には「味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)」「国立スポーツ科学センター(JISS)」「東京都障害者総合スポーツセンター」があります。北区では、こういった貴重な資源を活用して、「トップアスリートのまち・北区」を推進していこうとしています。その取り組みの中で、「スポーツ推進と運動能力の向上」「トップアスリートのまちにふさわしいまちなみ整備」「地域連携・魅力づくりと発信」を3本柱として、北区を活性化をしていこうと計画しています。

国立スポーツ科学センター フットサルコート「国立スポーツ科学センター フットサルコート」

『スポーツを軸としたさまざまな事業展開を図ることで、活気に満ち溢れた「トップアスリートのまち・北区」を作っていく』そのような趣旨で取り組んでいる課が「東京オリンピック・パラリンピック担当課」です。また、トリノオリンピックでスピードスケート代表の石野枝里子さんを「北区スポーツコンダクター」として区の非常勤職員に採用し、区内のスポーツイベントの企画や学校におけるスポーツ指導などを行っています。

北区では、北区の実情に合わせた「スポーツ推進計画」を策定していますが、具体的にはどのような取り組みをお考えですか。

地域の交流や連携・協働を促し、区民一人ひとりが主体的にスポーツを楽しめるまち」を基本理念に定めています。この基本理念を策定する1年前にアンケート調査を実施したところ、スポーツを週に1回以上する成人の割合が33.4%でした。この数値を推進計画の中では5年後には50%、10年後には65%にまで増やそうという目標を掲げています。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「スポーツ祭り2014」バスケットボール教室

目標実現のために、基本目標を3つ掲げています。

1.ライフステージに応じたスポーツ参加の促進。
2.さまざまな交流や連携によるスポーツ活動の推進。
3.スポーツ関係の整備、及び有効活用。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「スポーツ祭り2014」サッカー教室

基本目標1の「ライフステージに応じたスポーツ参加の促進」では、子ども、成人や子育て世代、高齢者、障害者と4つの方向で考えています。子どものスポーツ活動への参加ですが、学校の体力測定の結果を見ると、体格は全国よりも大きいのですが、体力では全国平均に達していませんでした。また、子ども、働き世代、高齢者と3つの年齢層に分けてみた場合、働き世代がスポーツ実施率が一番低い結果となっています。

高齢者もなかなか運動習慣がつきづらく、また、障害のある方は、実際に運動をされている方が少なく、1割を切っています。このような状況を打開するため、それぞれのライフステージに応じて、スポーツを推進していくことが、大きなテーマとなっています。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「プレパーク」活動

どのように進めて行くのかという点については、基本目標2の「さまざまな交流や連携によるスポーツ活動の推進」です。「地域ぐるみで運動をしていきましょう」と、3つの方向を考えています。
1.家庭・学校・地域等の連携によるスポーツの推進。
2.総合型地域スポーツクラブの育成・支援。
3.競技スポーツ選手などとの区民の交流促進。

特に2番目の、「総合型地域スポーツクラブの育成・支援」では、誰でも身近な場所で運動ができる仕組みを地域の中に作っていこうとしています。たとえば学校の体育館を借りて、小さなお子さんでも参加できる親子体操や、高齢者には体操やスポーツ吹矢、詩吟のような文化的なことも体験できる要素を取り入れながら実践していく予定です。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「れっど★しゃっふる」スポーツ体育塾

そして基本目標3の「スポーツ関係の整備、及び有効活用」については、現在「(仮称)赤羽体育館」を建設中です。2016(平成28)年の夏に完成予定で、オープンは2017(平成29)年1月末を予定しています。面積的には「滝野川体育館」とほぼ同じです。

区民の方へのアンケート結果の中で、北区が力を入れてほしいという項目に「スポーツ教室・行事の開催」が40%を占めていましたが、この結果を踏まえて今後、どのような対策をとられるのでしょうか。また、その対策によってどのような効果があるとお考えですか。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「れっど★しゃっふる」サッカー教室

現在、赤羽地区に、特定非営利活動法人「れっど★しゃっふる」というクラブがあります。学校の校庭や体育館を使って、バドミントンや、フットサル、バスケットボールなどの種目を開催しています。そのような総合型スポーツクラブを滝野川地区に作る計画が進んでいます。今後、赤羽地区、滝野川地区、王子地区に1つずつ作るという計画のもと、初心者向けのスポーツ教室をやっていきたいと考えています。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「北区アクアスロン大会2015」ポスター

スポーツクラブは区が作るのではなく、スポーツ推進委員を筆頭に、教育委員会や体育協会、町会、自治会、青少年地区委員会、学校関係、PTAなど、地域の人達が一体となって、連携しながら作っていきます。学校の体育館を使って、主に初心者を対象に開催する予定です。そのためには、「どの地域に、どの年齢層の方が集まっているのか」や、「働く世代や高齢者が多い地域では、空いている時間はいつだろうか」、「その人たちが望むメニューはどういうのがあるのだろうか」など、綿密に調査して受け入れるプログラムをしっかり組んで提供していきます。

北区では、「東京都障害者総合スポーツセンター」がありますが、23区唯一の障害者専用スポーツ施設として、施設の見直しや、活用などはどのようにお考えですか。

滝野川体育館「滝野川体育館」

スポーツ施設のバリアフリー化に関しましては、推進計画の基本目標3で、「スポーツ関係の整備、及び有効活用」で提示しています。「滝野川体育館」については、2014(平成26)年4月にエレベーターや、一部に手すりが設置されました。また、バリアフリー化を検討する際に、パラリンピック出場選手などで構成された障害者スポーツアドバイザーに助言をいただいています。

アドバイザー自身が、実際に徒歩や車椅子を活用して、最寄りの駅やバス停から区内の各スポーツ施設まで向かいます。正面玄関から受付を通って、更衣室で着替えたり、トイレを利用したりと、設備をすべて見て回り、チェックしていくんですね。どこに危険があるのか、またどの箇所を改善したらいいのかなど、ご意見をいただきます。その後、実際にどこの施設を最優先に直していくか、優先順位をつけて、なるべく高齢者や障害者にやさしい環境を作っていこうという施策を進めています。

区内には、JISSやNTCといったトップアスリートのための施設がありますが、トップ選手含め、 地域や子どもたちとの交流については、具体的な実施内容も計画されているのでしょうか。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「スポーツ祭り2014」開会式

NTCは月に3回公開日があり、団体向けに定員を設けて見学の募集をしています。また、体育の日に「スポーツ祭り」という大きなスポーツイベントをやっています。これは国のイベントで、北区は後援をしています。味の素フィールド西が丘で開会式を行い、テレビに出演しているようなメジャーなスポーツ選手など、約50人参加して運動会などを開催していますね。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「スポーツ祭り2014」

その日はいろいろなスポーツ教室もあって、公募ですが、北区枠をいただいています。昼休みにステージで地元の児童館がバトンをやったり、「東京都立赤羽商業高等学校」の皆さんが演劇を披露してくれたり、自治会が模擬店を出したりと、地域一体となった取り組みをしていますね。

2020(平成32)年のオリンピック・パラリンピックに向けて、「赤羽」駅からNTCまでの3キロのバス通りに、選手の応援も含めて「ROUTE2020トレセン通り」という名前をつけました。この春から標識も設置する予定です。

2020(平成32)年に向けた人材の育成も目標として挙げられていますが、「わくわく土曜スポーツクラブ」や「プレーパーク」の取り組みについて教えてください。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「わくわく土曜スポーツクラブ」

「わくわく土曜スポーツクラブ」はスポーツ振興係で行っています。土日、学校の週5日制に対応する事業ということで、子どもたちがスポーツに親しむことを目的にしています。また子どもたちの居場所作りにも役立っています。2014(平成26)年には区内各所で卓球や剣道、バドミントンなど8種目が行われました。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「プレパーク」自由に遊ぶ子どもたち

「プレパーク」は、子育て支援課次世代育成係が行っています。子どもたちが自分の責任で自由に遊ぶことにより自主性や創造性を育み大人も子どもも外遊びをとおしてふれあいを深めるという目的でやっています。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー「プレパーク」野外活動

泥んこ遊びや水遊び、穴掘り、たき火、カマド料理、釘刺し遊びなど自由に遊ぶことができる場所です。

スポーツ推進計画を中心に、オリンピック・パラリンピック、そして2020(平成32)年以降の取り組みも含めて今後の展望について教えてください。

味の素フィールド西が丘「味の素フィールド西が丘」

スポーツ施策では10年後のスポーツ実施率、65%を目指しています。東京オリンピック・パラリンピックが終わるとスポーツ熱が冷めてしまいますので、それまでが勝負だと思っています。2つ目、3つ目の総合型地域スポーツクラブを作ってスポーツとして活気ある街にしていきたいと思います。また、バリアフリー化や「(仮称)赤羽体育館」の施設設備を進める中で、区民のみなさんの運動習慣をいかにつけていくか。一生涯続いていく習慣を身につける土壌作りを、今のうちからしっかりとやっていこうと考えています。

北区役所オリンピック・パラリンピック課 インタビュー

今回、話を聞いた人

北区 教育委員会事務局

スポーツ施策推進担当課長:坪井宏之さん(写真:右)
東京オリンピック・パラリンピック担当課長:松村誠司さん(写真:左)

北区役所滝野川分庁舎
所在地:東京都北区滝野川2-52-10(旧滝野川中学校)
電話番号:03-3908-1111(代表)
http://www.city.kita.tokyo.jp/madoguchi/office_takinogawa.html

※この情報は2015(平成27)年4月時点のものです。組織名称、事務局所在地など変更の場合もございます。

区民一人ひとりが主体となる “トップアスリートのまち・北区”を目指して/北区 東京オリンピック・パラリンピック担当課
所在地:東京都北区王子本町1-15-22 
電話番号:03-3908-1111
開庁時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.kita.tokyo.jp/

練馬区立豊玉小学校 中村豊校長先生 インタビュー

『できると思った事は目に見える形で変えていく』地域に開かれた環境でのびのび育つ子どもたち/練馬区立豊玉小学校 中村豊校長先生


「練馬」駅から徒歩10分ほど。区役所や図書館にも近い「練馬区立豊玉小学校」は、休み時間になると校庭で、先生も子どもも一緒に遊ぶ元気いっぱいの小学校。階段には九九や公式が描かれた掲示板、休み時間を長くとって元気に遊べるようにといった、ユニークな取り組みも行っている。またホームページの充実や、道徳授業地区公開講座の開催など、地域や保護者の方々に対してもオープンな学校だ。そんな「練馬区立豊玉小学校」について中村豊校長先生にお話を伺った。

創立140周年の伝統校

練馬区立豊玉小学校

本校は、1876(明治9)年11月15日に「東京府第三中学校区第24番小学校」として「豊玉小学校」と名づけられました。2016(平成28)年度で創立140周年を迎えます。学制ができて間もなくの頃に、近くにある「南蔵院」というお寺を借用してスタートしたという歴史があります。この辺りには「練馬区立豊玉南小学校」や「練馬区立豊玉第二小学校」といった、本校から分岐してできた小学校がいくつかあります。古くは江古田のあたりまで学区域だったそうです。

授業だけでなく、校内でも自然と学べる環境を

授業以外でも視覚で学習できる環境

東京都の施策で、教員が1名多く配置されていて、本校の場合は、3年生から6年生の算数の時間に教員が入っています。例えば、ある学年が3学級だとすると算数の授業は習熟度別に4グループに分けるといった具合で、算数の担当教員がそのうちの1つのグループを担当します。また階段に九九や公式を書いた用紙を貼り、視覚からも知識が身につくようにしています。各学年の児童が使用する階段によって内容が違い、文字や数字だけでなく、平行四辺形や分度器などの図形が入っていることが特徴です。授業だけでなく、校内でも自然と学習ができる環境を整えています。

パラリンピックで活躍された選手と学ぶ講座

2014(平成26)年は「道徳の授業を見直そう」という研究の一環として、道徳授業地区公開講座の際に、パラリンピックのゴールボールで金メダルに輝いた選手の皆さんをお招きして、全校で道徳授業を実施しました。子どもたちや教員が選手の方々と対戦したのですが、1点も入れることができませんでした。障がいがあってもなくても、何事も努力次第で変わるということに気づかされたこの講座は、大変貴重な時間でした。

対戦の様子

2016(平成28)年1月には女優で介護士の北原佐和子さんのお話会を予定していて、保護者や地区の方も参加できる、公開講座を企画しています。本校では、親子一緒に考える、また、実際に現場で活躍されている方に直接お会いすることを大切にしていて、学校公開の日にこのようなイベントを開催するようにしています。

そのほかにも、5年生になると総合的な学習の時間に日本文化を学ぶ時間を設けています。華道、茶道、邦楽、能、相撲、日本舞踊の導者がすべて地域の方で、皆さん著名な方々ばかりです。

4年生は社会科の学習で地域の消防団の方をお招きしました。消火訓練などの地域防災の学習に取り組んでいます。休みの日には毎年PTA主催で防犯防災体験教室を行います。煙ハウスや起震車をお呼びし、1日かけて防犯防災を学んでいます。先日は、地区祭が行われ、フランクフルトやわたあめ、豚汁、ヨーヨー、的当て、バザー、そういった地区祭を保護者や地域の方々が開催してくれました。

子どもたちの作品

小中一貫教育の取り組みについて、本校は「豊玉南小学校」と「豊玉中学校」と一緒に取り組んでいます。子ども同士の交流としては、作品交流として、お互いの学校の授業で作った作品を玄関に飾っています。また、各学期に中学生と一緒に「あいさつ運動」を行っています。クラブ体験や授業体験については、中学校に伺っています。小学校と中学校の先生が一緒に勉強や研究授業を行ったり、中学校の数学の先生が小学校の算数の授業をしたりと、教員も研究を通して、指導や方法を学び合っています。子どもだけでなく、教員同士も交流することで、連携を深めていこうというねらいです。夏休みには「サマースクール」を開き、中学生が「リトルティーチャー」として勉強を教えに来てくれという取り組みも行っています。

「ともに悩み、考える」地域に開かれた学校を目指す

中村豊校長先生

学校の評価というものは、全国どこの学校でも行っています。評価をするのは教員と保護者や地域の方々、子どもたちなので、その評価を真摯に受け止め、改善することがとても大切です。改善するにあたっても、どうのようにフィードバックをしていくのかという点もポイントになってくるかと思います。

私は豊玉小学校の校長を務めて2年目になりますが、初めて評価をいただいた時に気になったのが「わからない」という評価です。ある質問に対して『よい、悪い、普通、わからない』とあるのですが、約10~20%の方が「わからない」と回答されていました。「わからない」という答えをいかに減らし、改善するのかという点について、ホームページを充実させ、学校の教育活動をご理解いただくように取り組みました。今では1日に約150回のアクセスがあります。移動教室についてはリアルタイムで更新していて、1日約500回のアクセスがあるほどです。

休み時間に使用できる一輪車

また、体力の問題についても課題ゼロとは言えません。この課題に対応するため、2時間目と3時間目の間の休み時間を25分と延長しました。休み時間には全員が校庭に出て遊び、遊ぶことで自然と体力もつけていくということがねらいです。本校は先生方も、子どもたちと一緒に走り回っています。それから屋上も積極的に使っていこうということで、教員の指導のもと、屋上でも運動して構わないということに決めました。理科の授業でも、太陽の角度を学ぶには、屋上で実践した方がきれいに現象が現れます。

「見えないところをお見せする、変えられるところは変える」。大きな環境は変えられないけれど、子どもたちの生活する環境を変えることはできると思うんです。そういったところから少しずつ取り組んでいます。保護者や地域の方々、子どもたちからいただいた声に、すべてお答えできるとは限りませんが、できると思った事は目に見える形で変えていくというのが私の方針です。

教室の様子

2015(平成27)年には、ボランティアや教育実習の方をたくさん受け入れ、先生方に後輩を育てるという意味で授業を公開してもらっています。また、学校公開を積極的に行い、先ほど述べたイベント等を同日に企画し、子どもと大人が同じ空間で学ぶという環境づくりを目指しています。2015(平成27)年の春は「東京大学」の吹奏楽の方々が130人来て、コンサートを開催しました。その日に更新した記事には、約700回のアクセスがありました。

賞ではない、目には見えない成果に向かって

「とよたまひろば」の活動

本校は、課外の活動として合唱団があり、現在約40人から50人が所属しており、日々練習に励んでいます。大会に出場するのではなく、地域の高齢者施設に行き、高齢者の方々に喜んでいただけることを目的にしています。子どもたちとのふれあいの時間でもあるので、大変喜ばれています。年間3、4回実施しています。

図書館

また、「とよたまひろば」を開室しています。これは区の施策「子どもの放課後の居場所づくり」として、放課後、地域の方々が主宰をしてくださり、校庭や体育館で遊んだり、視聴覚室で本を読んだりと自由な時間を過ごすことができます。校庭開放も行っているので、「とよたまひろば」に登録している子どもから、放課後に遊びにきた地域の子どもまで、みんな仲良く遊んでいます。

のどかな環境が広がる子育てにピッタリの街

整理整頓された廊下

当初、「練馬」駅は西武線1本だったのが高架になり、有楽町線や大江戸線も通ったことで、マンションの建設が増えてきています。たとえば横浜中華街にも乗り換えなく行けるので、大変便利な地域です。近年、新たに住まわれる方も増えてきましたが、地域に愛されてきた商店街には、昔から長く住まわれている方もたくさんいらっしゃいます。本校にも2代目、3代目と、家族揃って卒業された方々もいらっしゃいますし、PTAの会長も代々親子で務められた方もいます。

豊かな子育て環境

このように、新しく住まわれる方と、長く住まわれている方が混在する地域は、これまでの伝統を受け継ぐにしても、新たな風を入れるにしても、大変良い地域なのではないでしょうか。また、駅、区役所、図書館、小学校が一直線になっていることや、身近に子どもたちがのびのびと遊べる公園があること、駅前に行けば病院もたくさんあります。共働きのご家庭にとって、通勤で駅に向かう際に学校があるというのは、子育て環境にも適しているのではないかと思います。休日も静かで、校庭では野球チームやサッカーチームが練習していたりと、のどかな環境が広がっています。

できると思った事は目に見える形で変えていく、そんな取組みを続ける「練馬区立豊玉小学校」

練馬区立豊玉小学校

校長 中村豊先生
所在地 :東京都練馬区豊玉中4-2-20
TEL:03-3993-4286
URL:http://www.toyotama-e.nerima-tky.ed.jp/
※この情報は2015(平成27)年11月時点のものです。

『できると思った事は目に見える形で変えていく』地域に開かれた環境でのびのび育つ子どもたち/練馬区立豊玉小学校 中村豊校長先生
所在地:東京都練馬区豊玉中4-2-20 
電話番号:03-3993-4286
http://www.toyotama-e.nerima-tky.ed.jp/

「樹藝夢(じゅげむ)」 シェフ 高嶋健司さんインタビュー

お花に寄り添う癒しのカフェ・レストラン/「樹藝夢(じゅげむ)」シェフ


豊玉中の住宅地に、大きなケヤキの樹に見守られるようにして佇む「渋谷園芸」は、この地で長く愛され続けている、花と植木の専門店。鉢物から切り花、野菜の苗や庭木の苗、土や鉢まで幅広い品揃えで、近隣のみならず都内各地から園芸好きの人々が訪れる。
その園芸店の一角に、2013(平成25)年春に開店した「樹藝夢(じゅげむ)」は、園芸店が経営する、でもちょっと本格的な料理も味わえる、アットホームな雰囲気の隠れ家カフェ・レストランである。同店のシェフに店の魅力と地域の印象について伺った。

長年の夢を形にしたカフェ・レストラン

樹藝夢(じゅげむ)

「樹藝夢」は、渋谷園芸の社長が長年の夢であった「隣でカフェをやって、お花を買っていったお客さんたちに喜んで帰ってもらいたい」というのを実現するために、オープンした店です。「渋谷園芸」自体は2015(平成27)年で40周年を迎える店ですが、園芸店の建物を新しくするのに伴って、「樹藝夢」もオープンしました。

渋谷園芸の一角に佇む樹藝夢

社長は代々、この地にお住まいの家系ということもあり、「渋谷園芸」は地域でかなり有名な店だと思います。「渋谷園芸」自体としては、季節のお花はもちろん、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、いろいろな観葉植物を揃えており、たくさんのお客さんにお越しいただいています。

プリザーブドフラワーやドライフラワーについては教室も開いているので、そういった教室に参加して、その帰りに、「樹藝夢」に寄っていただいているという方もいらっしゃいますし、幼稚園の送り迎えなどの後に寄ってゆっくりされるお母さん方も多いですね。

特注品が並ぶこだわりのインテリア

こだわりづくしの内装

店のコンセプトとしては、やはり、「渋谷園芸」の隣にある店ということで、お花を取り入れながら、「レストランと花を両方楽しんでもらう」という空間づくりは意識しています。デザインも社長が全部手がけていますし、店内のテーブルなども、木を自分たちで探してきて、家具デザイナーにお願いして特注で作ってもらったものです。ナイフやフォークなども社長のこだわりで、インドまでわざわざ注文して、作ってもらったという経緯があるんです。

社長自ら収集した骨董品

店内に並ぶ骨董品については、社長が趣味で集めてきたもので、シャンデリアもすごく貴重なものですし、ブロンズの女性の像などは、ロダンの作品のレプリカということで、とても貴重なものだそうです。いろいろな面で、社長の思いが詰まったお店になっています。

食事という至福の時間を満たす料理を

料理については、季節の食材に特化して作るということを意識していますし、日替わりのランチメニューもあったり、コース仕立てのものもあったりと、幅広く揃えています。食事の時間も人生の中では貴重な至福の時間なので、この店で美味しいものを食べながら、ゆっくりと流れる時間を楽しんでいただけるような、そんな店を目指して、料理も工夫しています。

一番人気のオムハヤシ

中でも一番人気は「オムハヤシ」ですね。これはオープン時からの一番人気で、ファンの方も多いです。また、「樹藝夢」に来られるお客さんは女性の方が多いので、キッシュをメインにしたワンプレートに、いろいろな料理を乗せるという形でも提供しています。キッシュの内容は時期ごとに変えていまして、秋にはキノコだったり、さつまいもを使ったりしていますね。ポタージュも季節ごとの野菜を使ったポタージュでお出ししています。

キッシュのプレート

夜7時以降は休日だけの営業ですが、特別にピザも作っています。特にイタリアンだけということではなく、パスタもありますし、グリーンカレーなどもお出ししています。最近もメニューをリニューアルしたばかりですが、お客さんの要望に応じながら、常に新しいものを作っています。

地域に貢献する地域密着型の店を目指して

庭の見える客席

客層については、隣の園芸店からのお客さんだったり、地元の主婦層、ママ層の方が多くて、女性が8、9割を占めています。休日になると家族連れの方も多くなりますので、男性の方の割合が少し増えますね。夜の営業は土日と祝日のみですが、夜になると家族連れの方がもっと多くなりますね。

駐車場にも植物が溢れている

また、2015(平成27)年に初めて「流しパスタ」を開催しました。何か企画しようとスタッフと話している時に、「流しそうめんじゃ、ちょっと和風だよね」って話になって、「それじゃあパスタを流してみよう!」と始まった企画です。トマトソースと、コーンポタージュ、枝豆のポタージュのつけだれを作って、それに浸して食べました。たくさんのお客さんに来ていただき、大変盛り上がりましたね。

毎年行われているイベントについては、お正月の餅つき大会があります。お餅と甘酒を手作りして、無料で振る舞ったりもしています。これも毎年、たくさんの方がお越しになります。

鮮やかな花々

今後もこういったイベントものを増やして、季節ごとにどんどん繰り広げていって、地域の方々に貢献していけるような店を目指していきたいな、ということは話していますね。もっと、「地域密着型」のお店になっていければと思います。

都内だけれどのんびり暮らせる理想の街

のびのびと遊ぶ子どもたち

周辺は、ファミリーの方が多く住まわれています。皆さん穏やかで、和気あいあいとした感じの方が多いですね。また、スタッフにも地元の者が多いように、親子代々住んでいる方も多いようです。皆さんこの街から出ようとはしないので、とても住み心地が良いのだと思います。

としまえん

おすすめスポットは、少し離れていますが、「としまえん」辺りはやっぱりいいですね。近くだと、「練馬図書館」も静かでいいと思います。図書館の前にたこの滑り台がある「豊玉公園」があって、そこも子育て世代に人気のスポットですよ。

江古田の森公園

なんと言っても、この街は、都心に比べて緑が多いので、お子さんを持つ方にとっては、とても良い子育て環境だと思いますし、都心にすぐ出られる便利な場所の割には、「ほどよく田舎」なところもいいんでしょうね。街全体がのんびりしています。都内にいながらも、のんびりと過ごせる豊玉エリアはおすすめですね。

お花に寄り添う癒しのカフェ・レストラン/「樹藝夢(じゅげむ)」シェフ

カフェ・レストラン 樹藝夢

東京都練馬区豊玉中4-11-24
TEL:03-6914-6477
営業時間:10:00~19:00(土・日・祝日は22:00まで) ※L.O.閉店1時間前
定休日:無休
URL:https://jugem.shibuya-engei.co.jp/
※この情報は2015(平成27)年10月時点のものです。

お花に寄り添う癒しのカフェ・レストラン/「樹藝夢(じゅげむ)」シェフ
所在地:東京都練馬区豊玉中4-11-24 
電話番号:03-6914-6477
営業時間:平日10:00~19:00(L.O.18:00) 土・日曜日、祝日10:00~22:00(L.O.21:00)
※10:00~11:00は飲み物とデザートのみ
https://jugem.shibuya-engei.co.jp/

「一宮市立大志小学校」 校長 伊藤広恵先生 インタビュー

全教職員で全児童を見守り育てる/一宮市立大志小学校 校長 伊藤広恵先生


「名鉄一宮」駅、JR「尾張一宮」駅から東へ徒歩約10分の場所にある「一宮市立大志小学校」。全校の児童数が267名と一宮市の中でも小規模の小学校となり、のびのびした雰囲気がある学校だ。1903(明治36)年に「一宮市男子尋常小学校」として設立されたのが始まりで、歴史の古い学校でもある。今回は伊藤広恵校長先生に「一宮市立大志小学校」教育方針や活動、さらには地域の魅力についてお話を伺った。

校訓は“大志っ子 学ぶ 鍛える 思いやる”

外観

――まず、学校の沿革から教えてください

伊藤先生:設立は古く、1903(明治36)年に「一宮市男子尋常小学校」として設立されたのが始まりです。その後、尋常女子部を合併するなど変遷し、「一宮市大志小学校」と改称されたのは1948(昭和23)年です。1971(昭和46)年頃の航空写真を見ると、当時は3つも校舎があり、とても大規模な学校だったようですが、現在は、267名と、市内の中でも小規模の小学校となっています。

――伝統校ならではの校風などあれば教えてください

授業の様子

伊藤先生:私はこの学校に赴任して1年目なのですが、優しい児童が本当に多いと思います。校訓が“大志っ子 学ぶ 鍛える 思いやる”というものなのですが、伝統的に相手の立場を考え思いやりのある行動をとる事ができる子が多いです。当校ではボランティア活動を大事にしていますが、毎朝校舎の周りの落ち葉掃きや校舎の掃除などを児童が自ら行うという活動が伝統的に続いています。そういった良い伝統がずっと続いてきていることが、この学校の良さなのではないかと考えています。

図書館

あまり校訓に“鍛える”という言葉を入れることは多くないと思いますが、私はこの部分がとても良いと思っています。「何か新しいことにチャレンジしてみようということを意味している」と子どもたちに伝えていますが、これは言い換えれば「チャレンジ精神を養おう」ということです。挑戦する心を持ち、自分自身を向上し、自己肯定感を養いたいと考えています。

七夕パレードを行う音楽隊

――特徴的な学校行事はありますか?

様々な行事に参加

伊藤先生:音楽隊の活動が特徴的です。4年生以上の児童で鼓笛とブラスバンドを合わせた音楽隊を編成するのですが、特徴的なのは、上級生が下級生に楽器演奏を教えていくということです。楽器の指導をできる教員ばかりではないので、どうやって音楽隊が成り立つのだろうと思っていたのですが、児童同士が教え合い、それによって演奏ができるようになるので、とても驚きました。

毎年7月には、一宮市の有名な行事「七夕祭り」が「本町アーケード」で開催されるのですが、音楽隊はそこでパレードを行っています。地域の方に日ごろの成果を披露できることは、子どもたちにとって、とても励みになっています。

――グラウンドは緑の砂が敷かれているのですね

グリーンサンドが敷かれたグラウンド

伊藤先生:このグラウンドは、雨水貯留施設にもなっています。最近ではゲリラ豪雨などが多くなり、校庭が水没してしまうというニュースをよく耳にすると思いますが、グラウンドの真下に排水施設があり一時的に雨水を蓄えることができるため、水が流れ出る危険が軽減します。地上には水はけのよいグリーンサンドが敷かれ、雨が降った後でも日を置かずにグラウンドを使うことができるので、行事や体育の授業などでもとても使いやすくなりました。

互いの個性を認めることができる優しさを育む

――「大志小のESD」、こちらについて聞かせてください

優しさの木

――生徒数が少ない学校ならではの良さを教えてください

伊藤先生:「ESD」とは「Education for Sustainable Development」のことで、持続可能な社会の実現に向けて行動する担い手を育むための教育を意味します。「人権教育」、「国際理解教育」、「環境教育」の3分野を「ESD」の柱として取り組んでいますが、平成28年度は、12月に人権集会を開き、全校で人権について考えました。集会の前には各クラスで“優しさの木”という掲示物を作り、友だちのいいところを見つけたら葉っぱに書き、木を茂らせました。「ESD」の基本は、みなが住みよい社会環境を作ることではないかと考えています。いじめが起こらない社会作りも大切です。人の良いところをたくさん見つけられる人間になること、互いの個性を認め合えることがこうった取り組みから芽生えたらいいなと思っております。

伊藤先生:職員全員が全児童のことを把握できるところだと思います。一人ひとりに目が行き届きやすいですし、小さな集団でアットホームな学校生活を送ることができます。お互いの事をよく見て、個性を認め合うということを大切にしていますが、児童同士も友だちと深く関わることが出来ているのではないかと思います。3月には卒業を控える6年生と、校長室で一緒に給食を食べるということも行いました。教員と児童がたわいのない話で盛り上がることができるのもよい事なのではないかと思います。

都会的な面と昔ながらの人情味の両方を併せ持つ一宮

児童から校長先生へのお手紙

――隣接校選択制についてお教えください

伊藤先生:一宮市が2008(平成20)年より行っているのですが、隣接している学区の小中学校(隣接小中学校)の中から1校を希望することができる「隣接校選択制」を実施しています。引っ越しやご家庭の事情、大規模校に行きたい、はたまた小規模校で過ごしたいなど、様々な選択肢の中から、学校を選ぶことのできる機会が与えられるのはいいことなのではないかと考えています。

児童の登下校を見守る青空隊のみなさん

――最後にこのエリアの魅力について教えてください

伊藤先生:一宮市は、JR東海道線、名鉄線など公共交通機関が発達し、様々な場所へのアクセスがいい場所です。駅前にはマンションなども多く建ち、転入者が多い地域でもあり、人の往来が多いのも活気があっていいと思います。その一方で駅前には商店街もあり、昔ながらの人のつながりも残っています。大志小にも登下校の時に見守ってくださる青空隊の方々が多くいらっしゃいますし、地域のお年寄りに学校へ来て頂いて昔ながらの遊びを教えてもらう会を開いたりもしています。都会的な一面もありながら、人情味がある下町風情が残るのがこの地域の良さなのではないでしょうか。

「一宮市立大志小学校」

一宮市立大志小学校

校長 伊藤 広恵 先生
住所:愛知県一宮市大志2-7-6
電話番号:0586-28-8704
URL:http://www.school.city.ichinomiya.aichi.jp/~daisi-e/
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。

全教職員で全児童を見守り育てる/一宮市立大志小学校 校長 伊藤広恵先生
所在地:愛知県一宮市大志2-7-6 
電話番号:0586-28-8704
http://www2.schoolweb.ne.jp/weblog/index..

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ


こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ
マネージャー 平井 裕子さん

みんなが楽しく元気に英語を学んで
コミュニケーション力を高める

言語は人とのコミュニケーションで重要なツール。国際化社会の現代では、英語を使いこなせるようになることで将来の可能性も広がるだろう。子どものころから学べば、母国語のように英語を話せるようになると、子ども向け英語教室の人気が高くなっている。今回は全国に展開している「こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ」の平井先生にお話しを伺った。

ミネルヴァならではの特徴を教えてください。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

ミネルヴァには、ベビーイングリッシュクラスから高校生のクラスまでありますが、どのクラスも英語を自然に身に付けるというミネルヴァの基本理念に沿ったレッスンプランで進められています。ですから、どのクラスも同じ内容、同じレベルで、偏りのないレッスンを受けることができます。もちろん、講師の研修もしっかりしていますから、先生によってレベルの差がないことも特徴だと思います。
また、月1回の振替授業が用意されていますので、用事があったり体調を崩したりしてお休みしても、振替できるという点も好評ですね。

レッスンの内容を教えてください。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

年齢ごとに、子どもの心や体の発育に合わせたレッスンを行なっています。9か月から2歳11か月までのベビーイングリッシュクラスでは、お母さんといっしょに歌ったりゲームをしたりして自然に英語を身に付けていきます。
3歳から5歳のクラスでは、動き回ることが楽しい年代ですので、無理に座っていなさいという考え方ではなくて、運動をしながら英語を学んでいけるようなカリキュラムにしています。

子どもたちを飽きさせない工夫はありますか。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

小さな子どもですと、どうしても一つの行動に集中できる時間が短くなりますので、子どもたちの状態を見ながら、臨機応変に内容を変えていきます。座ってワークブックすることに飽きてきたら、立って踊ってみる。踊るのも飽きてきたらゲームをするといったように、ちょっと気分を変えるだけでまた集中できるようになるんです。

うちの子は集中力がなくて通えないかも、と不安になるお母さんもいると思います。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

最初から集中力がある子どもはいません。レッスンに通いはじめてしばらく経つと、だんだんお友達と仲良くなったり、講師にも慣れてくると、英語に対する興味が出てきます。そうすると自然に集中力が出てきます。ですから、ご心配はいらないと思います。

亀戸の街の雰囲気を教えてください。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

最近は若いお母さんが増えて、街自体が若返ったなと感じます。子どもに対する教育に熱心な方が多いこともあるのでしょうか、英語に限らず様々なスクールがあるので、子育てという面でも恵まれている街ではないでしょうか。ミネルヴァに通ってこられる子どもにも、ピアノやバレエも習っているという子が多いんですよ。子どもに英語を習わせたいというだけなくお母さんも英語を習いたいという方も多くて、ご自身の学ぶことに対する情熱をお持ちの方が多い印象もあります。

亀戸の街の気に入っている場所はありますか?

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

私は本が好きなので、亀戸には、新刊、古書店問わず本屋さんが多いことがうれしいですね。仕事帰りに、本屋さんによって、大好きな中国の歴史に関する本を探すのが楽しみです。

最後に、英語教室の先生をやっていて良かったと感じることを教えてください。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

小さいころから通っていた子どもが大きくなって、「海外旅行によって、英語で話しかけられて答えられた!」と報告してくれるのはうれしいですね。また、小学校になってミネルヴァでは英語の検定も実施しているんですが、「先生、1級受かったよ」と誇らし気に喜んでいる場面など、子ども達自身が成長したと感じてもらえた時は、やはりこの仕事をしていて良かったと思います。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ

今回、話を聞いた人
マネージャー 平井 裕子(ひらい・ゆうこ)さん
講師歴は6年(2013年1月現在)。元気に楽しく英語を学んでほしいという、笑顔の素敵な先生です。

こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ
住所:江東区亀戸6-57-1
電話番号:0120-415-497
ホームページ:http://www.minel.jp/school/tokyo/kameido/
※この記事は2013(平成25)年1月の取材をもとに書かれています
※2018(平成30)年4月より、「こども英会話のミネルヴァ 亀戸プラザ」より「ベネッセの英語教室 BE studio 亀戸プラザ」となりました

大和市立大野原小学校 深谷校長 インタビュー

子どもたちがのびのびと成長できる環境/大和市立大野原小学校 深谷校長先生


昼休み中の「大和市立大野原小学校」に訪れると、児童たちの元気な声が聞こえてくる。校舎内では、すれ違う児童たちの明るい挨拶が次々聞こえてきてとても清々しい。本校では様々な特徴ある取り組みを行っており、大和市の「放課後寺子屋やまと」や、先日表彰された心と体の健康における委託研究「子どもjoy!joy!プラン」などについて、深谷校長先生に詳しいお話を伺った。

文部科学大臣賞を受賞。心身ともに健康な子どもの育成を。

「大和市立大野原小学校」外観

――2015年(平成27)年度に40周年を迎えた貴校の概要について教えてください。

深谷先生:現在児童数は約700名でクラス数は1~5年生までは各3クラス、6年生が4クラスの編成です。他に特別支援学級が6クラスありますので、児童数は市内でも多い方に入ります。

本校では学校教育目標として、「元気な子・考える子・仲良くする子」の3つを掲げています。「元気な子」は健康面や体力面における目標、「考える子」は学習面でしっかり考えることのできる子どもを育てようというものです。どのような学習場面でも自分で考えを持ち、伝えることを大切にしようと、授業でも意識的に思考力や表現力の育成に取り組んでいます。最後の「仲良くする子」は社会性を育てるという意味で、3つ合わせて子どもの成長を支える教育目標となっています。

――学校として行っている特徴的な取り組みなどはありますか。

深谷先生:健康体力つくりに関する神奈川県と大和市の2つの委託研究が、本校が昨年度まで行った特徴的な取り組みとして挙げられます。県の委託研究「子どもjoy!joy!プラン(健康・体力つくり)」では、2016(平成28)年11月に研究発表会を行い、多くの方に授業とシンポジウムを通して成果を見ていただけました。この研究では大学の先生や株式会社タニタさんにもご協力いただき、国の「早寝早起き国民運動」と本校の研究が一致していたことを評価していただけて、「早寝早起き朝ごはん運動推進」にかかる文部科学大臣賞を受賞しました。

「子どもjoy!joy!プラン」は文部科学大臣賞を受賞した

――「こどもjoy!joy!プラン(健康・体力つくり)」について詳しく教えてください。

深谷先生:健康にとても大切な運動・食事・睡眠の3つの要素、このサイクルがうまく機能するためにはどうしたら良いか、ということを子どもたちと考える授業を行いました。例えば、食事については栄養バランスを学んで自分たちで食事内容を考えたり、自分の朝ごはんを振り返ることで栄養について意識するような内容を授業に組み込みました。また、タニタの方に保護者向けの講演会もしていただきました。

早寝早起きに関しては、学校では確認することはできませんが、質の良い睡眠をとるための方法を学年に応じて考えさせる授業を行いました。睡眠をしっかり取ることは、健康的な体づくりの大切な要素だということを学び、徐々に意識を変えていきました。

――この取り組みを通じて実際に児童さんたちに変化はありましたか。

深谷先生:日頃の会話の中で意識が変わったな、と分かる場面が多々ありました。例えば、とある児童は食事に関する意識が高まったようで、親御さんが作った朝食について「今日は野菜が少ないね」とコメントすることもあったと保護者の方から伺いました。これには、親御さんも気をつけなければ、とはっとしたそうです。

ただ、これは一度きりではなく習慣付けることが大切なので、繰り返していく必要があります。委託研究は今年度で終わりますが、来年度以降も続けていきたいと考えています。

“良く学び、よく遊ぶ”を実践できる整った環境

大和市では「寺子屋やまと」の取り組みを実施

――大和市が行っている「寺子屋やまと」について教えていただけますか。

深谷先生:大和市内の小学校全19校行っているもので、週に3日、放課後の空き教室に児童が宿題などを持ちより、常駐する先生が勉強のサポートをしています。本校では、退職した教員がリーダーとして在籍していて、他にも教員免許を持った学習支援員がサポートしています。希望する児童は誰でも利用可能で、1~6年まで合計約50名が参加していますが、「寺子屋」に来ることをとても楽しみにしている児童が多く、本当にのびのびと勉強しています。

「寺子屋やまと」の取り組みについては寺子屋コーディネーターの内藤先生にもお話を伺いました。

――普段の授業とはどういった点が異なるのでしょうか。

内藤先生:「寺子屋」は児童の学習状況を見ながら、個々のニーズにあわせて勉強できる点が一番の特徴です。毎回は長い時間でなくても、継続している児童は、お互いに適度な刺激を受け合いながら確実に学力がついてきていると感じます。

勉強が得意ではない児童でも意欲をもって取り組めるよう、丸テーブルや座布団を置いて家に帰ったようなリラックスした空間にするなど、教室とは違う環境づくりにも力を入れています。実際に、親御さんから「勉強が楽しめるようになって感謝している」といった手紙をいただくこともあり、とても嬉しく思っています。

――全学年の児童が一堂に会して勉強するということですが、雰囲気はどうですか?

内藤先生:今の子どもたちは核家族化も進み、身近な大人との対話が少なくなりがちですが、「寺子屋」は先生でも親でもない大人と対話できる場という点で、単に勉強を教わる以上の意味があると思います。児童同士でも学年を超えたつながりが生まれていく様子は見ていて微笑ましいです。

もう一つ大きな存在が「放課後広場」です。「寺子屋」以前からあった大和市の取り組みで、学校の校庭や体育館、図書室、図工室などで、大人が見守る中児童が放課後に遊べる場を提供しています。「寺子屋」での学習が終わると、「広場で遊んでくるね!」と元気に出ていく児童がいますが、この効果は大きいと感じています。”よく学びよく遊ぶ”ことを実践できる環境は、子どもの成長に欠かせません。

街と共に歩み、豊かな自然を活かした教育を行う。

各クラスで歩数を記録するイベントも

――年間行事にはどのようなものがありますか。

深谷先生:まず、4月には「こんにちは1年生」という入学した1年生を全校児童で迎える児童会の行事があります。体育館に全校児童が集まって歌や劇などの出し物で、新入生を歓迎します。これに対して3月には、「さよなら6年生」を行います。児童みんなが顔を合わる場で感謝の気持ちを伝えます。

他にも、年間を通じた縦割り活動の一環で、毎年11月頭に学区に隣接している「泉の森」に出かける「チャレンジ泉の森」というイベントがあります。こうした異年齢の活動では、上級生が下級生の面倒を見みることで「自分が役に立っているんだ」という自己肯定感にもなり、こころの発達にもつながっています。

――PTAや地域との連携について教えてください。

深谷先生:本校は、線路をまたいで学区が広がっているため、踏切を渡って通学をする児童もいます。そのため、PTAや地域の方がいろいろな場所に立って登下校を見守ってくださっています。また、この学区は自治会の活動が盛んでどの自治会でも夏祭りがあるので、児童たちもよく参加しています。学校でも必要に応じてパトロールとして参加するなど、関わりを持つことで地域とは近い関係でありたいと思っています。

11月初頭には校庭を使って行われる「ふれあいひろば」というPTA中心の行事があります。こちらも手作りバザーなど、地域の団体も参加して、子どもたちが親子で来て過ごせるような行事となっています。児童と保護者だけでなく地域の方も参加してくださいます。

学校で飼育しているうさぎ

――鶴間エリアの住みやすさや街の特徴を教えてください。

深谷先生:「鶴間」駅は大和市の行政の中心なので、近くに市役所や保健福祉センターがあり、利便性が高いです。本校の学区でいうと、先ほども出た「泉の森」という素晴らしい自然環境が残っている森がすぐ側にあるのは、とても恵まれていると思います。ほかにも公園が多く、子どもたちにとっては良い環境ではないでしょうか。新しい住宅も増えているので、これからもさらに賑やかになってくる地域ではないかと思います。

深谷校長

大和市立大野原小学校

深谷 校長
所在地:神奈川県大和市上草柳7-4-26
TEL:046-263-2540
URL:http://www.ed2.city.yamato.kanagawa.jp/s-oono/
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。

子どもたちがのびのびと成長できる環境/大和市立大野原小学校 深谷校長先生
所在地:神奈川県大和市上草柳7-4-26 
電話番号:046-263-2540
http://www.ed2.city.yamato.kanagawa.jp/s..

横須賀市立津久井小学校 インタビュー

豊かな自然が残された環境で子どもたちを育む/横須賀市立津久井小学校 校長 康乗弘美先生


1976(昭和50)年4月に開校した「横須賀市立津久井小学校」。広い校庭から聞こえてくる子どもたちの元気な声と、周辺の柔らかな雰囲気が印象的な小学校だ。「横須賀市立北下浦小学校」から分離して開校した同校には、赴任したばかりの康乗校長を驚かせた、人の話を“温かく聞く”という良き伝統がある。学校、生徒、そして街についてお話を伺った。

開校の背景

校舎外観

――「横須賀市立北下浦小学校」から分離して誕生したそうですね。当時の背景を聞かせていただけますか?

康乗校長:京急久里浜線の延伸によって「京急長沢」駅が開業し、それを機に宅地開発が進みました。結果として児童数が増え、「横須賀市立北下浦小学校」だけでは収容できなくなり、これから成長していく街に対応すべく本校が必要とされ、開校となりました。

体育の授業の様子

――教育目標について教えて頂けますか。

康乗校長:“心豊かで健やかな身体をもち、進んで学ぶ子どもを育てる”です。それを言い換えると、“豊かな心の子”“健康でたくましい子”“進んで学びよく考える子”の育成ということになります。

“豊かな心の子”については、読書活動の時間を設けたり、PTAの方に読み聞かせをしていただくなどして、本を通して豊かな心の育成に繋げています。次の“健康でたくましい子”は、具体的な実践として持久走大会の開催が挙げられます。また、軽視されがちな遊びも主体性や協調性、社会性を養うために欠かせないものと捉え、子どもの心身の健康をもたらしてくれると考えています。そして “進んで学びよく考える子”についてですが、本校としての取り組みとして、自分の考えを明確にした上でそれをペアと共有。意見や考えを言い合いながら、“伝える力”を高めてもらえればと思っています。

――「横須賀市立津久井小学校」の児童さんについても聞かせてください。

康乗校長:いつも元気で約束を守り、真面目で優しい子どもが多いですね。いつも感心するのが朝会での光景です。開始時間の前に並び終えるだけでなく、私や先生が話をしている間も、大変立派な姿勢で話を聞いています。

木彫りのクラスプレート

――横須賀市は小中一貫教育を推進していますが、その実践として取り組まれていることはありますか?

康乗校長:本校と「横須賀市立北下浦小学校」、そして「横須賀市立北下浦中学校」の3校で北下浦中学校ブロックを形成しています。その3校の先生が集まり、指導案を検討したり、互いに授業を見合うといったことをしています。目指す方向性は“一人ひとりが持っている力の向上”“集団としての力の向上”“自ら考え、行動する子どもの育成”で、そのために“自主自律”“自己肯定感”“学習の目的意識”“自立”をキーワードに取り組んでいます。

それとは別に、今後は幼稚園・保育園との連携を深め、“幼小一貫”にも力を入れていきたいですね。幼稚園・保育園で学んだことを受け止める教育は大変重要だと考えています。それには子どもだけでなく、各園の先生とも交流することが欠かせません。

校舎外観

――一番盛り上がる学校行事を教えてください。

康乗校長:毎年11月に開催される「子どもまつり」ですね。3年生以上の各学級が企画・運営し、お化け屋敷があったりゲームコーナーがあったり、誰もが楽しめる企画でいっぱいです。子どもたちは企画・運営を通して人間関係を学び、さらには集団を形成する一員として、より良い学校生活を意識するようになります

校庭にある遊具

――「なかよし活動」とはどのようなものですか?

康乗校長:各学級をグループに分け、異学年との交流を目的とした縦割りの活動が「なかよし活動」です。それぞれのグループでは、年長者である6年生が計画・運営を担います。

温かい街で育つ

授業中の生徒

――地域との連携などで取り組まれていることはありますか。

康乗校長:本校だけが実施しているわけではありませんが、総合的な学習の時間を使い、周辺地域の方をゲストティーチャーとして招き、様々なことを教えていただいています。稲作に携わらせてもらったり、苺のビニールハウスを訪ねたりしています。

学区内に津久井浜海岸がある

――長沢という街の印象、また魅力について聞かせていただけますか?

康乗校長:子どもたちや学校を、温かい目で見守ってくれる方の多い街ですね。「京急長沢」駅も近く、アクセスに優れている一方で、豊かな自然が残されています。2017(平成29)年5月には、ウインドサーフィンの世界大会が「津久井浜海岸」で開かれます。その「津久井浜海岸」は、本校の学区内でもあります。日本で開催されるのは24年振りとのことで、世界各国から選手が集まるこの一大イベントを通して、これから注目されるのではないかと思います。

横須賀市立津久井小学校 校長

横須賀市立津久井小学校

校長 康乗弘美先生
所在地 :神奈川県横須賀市津久井5-2-1
TEL :046-848-5210
URL:http://schoolnet.edu.city.yokosuka.kanagawa.jp/schoolnet/element/143tsukui/
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。

豊かな自然が残された環境で子どもたちを育む/横須賀市立津久井小学校 校長 康乗弘美先生
所在地:神奈川県横須賀市津久井5-2-1 
電話番号:046-848-5210
http://schoolnet.edu.city.yokosuka.kanag..

横浜市立篠原中学校インタビュー

世界が注目する街の落ち着いた風景、理想的な環境で学ぶ「横浜市立篠原中学校」/横浜市立篠原中学校 校長 田原 裕先生


2019(平成31)年には「ラグビーワールドカップ2019」の舞台となり、2020(平成32)年の「東京オリンピック」では会場のひとつとしても使用される「横浜国際総合競技場(日産スタジアム)」。世界が注目する「横浜国際総合競技場」を擁する街は、ビジネスの拠点として常に進化をつづけている。一方で、それとは無縁と思えるくらいの落ちついた一角も残されている。発展し続ける街と落ち着いた住宅街。理想的とも言える学習環境に恵まれた「横浜市立篠原中学校」を訪ね、同校の田原裕校長にお話を伺った。

生徒が持つ高い学習意欲

田原校長先生

――まずは学校の概要から聞かせてください。

田原校長:本校の開校は1972(昭和47)年4月です。東海道新幹線の停車駅でもある「新横浜」駅が近く、駅周辺は県内有数のビジネス街が広がっています。しかし駅の篠原口を出て、本校までの道程を歩いていただくと分かると思いますが、実に長閑で全く異なる表情と出会うことができます。

「新横浜」駅周辺の発展とともに本校も月日を重ね、2011(平成23)年10月には創立40周年記念式典を挙行しました。2017(平成29)年4月の時点ですが、1学年6学級、2学年5学級、3学年6学級に個別支援学級2学級を加えた19学級649名の生徒が在籍しています。

静かな住宅街の中にある学校

――「篠原中学校」の教育目標について伺えますか?

田原校長:自主性・社会性・思いやりの心を育むために、“わかる喜び・できる喜びを引き出す”、“人のかかわりから学ぶ力を育てる”、“思いやりを伴った自己表現力を育てる”を掲げて取り組んでいます。また学習面で本校の生徒は、各家庭でも学習にしっかり取り組んでいるように感じます。学習意欲が高いだけでなく素直さも持ち合わせていますから、そうした個々の長所を伸ばしていきながら、失敗を恐れず、主体的に行動するという姿勢も育てていけたらと考えています。そのために必要なのは、やはり明確な目標を持つこと。目指すものがないと、どこに進んでいいのか分からないですからね。

運動中の生徒たち

――小中一貫教育に関してですが、「篠原中学校」ではどのような取組みをされていますか?

田原校長:本校は「横浜市立篠原小学校」、「横浜市立篠原西小学校」、「横浜市立港北小学校」とともに小中一貫ブロックを形成しています。主な取り組みとしては、年3回の各学校の教員間における授業参観です。本校の授業を3つの小学校の先生に参観してもらい、その後は各教科に分かれて研究、討議をするのが第1回。第2回は、本校の教員が3つの小学校に出向いて小学校の授業を参観します。そして生徒指導や安全面などの各領域に分かれ、情報交換を行うのが第3回となります。それ以外では、中学生活を知ってもらうため、小学校の児童に部活動を体験してもらうこともしています。地域の小中学校間の連携を深めることで、学習指導と生活指導の接続がより円滑になると考えています。

篠原町は注目を集める街

高台に立地する校舎からは街が見渡せる

――特徴的な行事があれば教えてください。

田原校長:他の学校とは違う、珍しさという意味では、“フェスタしのはら”の名称で開催される文化祭ですね。“成果の発表”という側面が強い中学校の文化祭ですが、本校では生徒だけでなく地域の方々が参加して校内で模擬店も出します。

――「しのはら学校支援地域本部」について聞かせていただけますか?

田原校長:一口に言うと、すべての教育活動に対する“学校の応援団”ですね。学校支援ボランティアへの参加をコーディネートするだけでなく、学習支援・防災パトロール・環境整備支援など、幅広く活動していただいています。支えてくださる「しのはら学校支援地域本部」が存在することは、本校としても大変ありがたいことです。それに我々教員だけでなく、生徒にとっても恵まれた環境だと思います。

校舎外観

――地域との連携についてはいかがでしょうか。

田原校長:プロサッカークラブ「横浜F・マリノス」の協力によりキャリア教育の一環として、全校応援や「横浜国際総合競技場」で働いているスタッフさんに、観客を迎える上での心構えや大切にしている信条などを話していただいています。本拠地を大切にするJリーグのクラブチームがあることは、この地域で生活する人にとって、とても大きなことだと思います。またいろんな人の話を聞くころで、生徒たちも得るものがあるのではないでしょうか。

春には学校の周りに桜並木が連なる

――最後になりますが、周辺エリアの魅力を聞かせてください。

田原校長:街のシンボルでもある「横浜国際総合競技場」は、「ラグビーワールドカップ」と「東京オリンピック」の会場になります。世界的なイベントを通じて、街はさらに盛り上がることでしょう。その一方で、本校周辺のように、静かで落ち着いた環境が残されていることも特徴のひとつです。この街で育った子どもたちが成長し、地域に貢献するという理想的なサイクルが、ここにはあるように感じます。

篠原中学校 田原校長先生

横浜市立篠原中学校

校長 田原裕先生
所在地 :横浜市港北区篠原町1342-3
TEL :045-433-2402
URL:http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/shinohara/
※この情報は2017(平成29)年4月時点のものです。

世界が注目する街の落ち着いた風景、理想的な環境で学ぶ「横浜市立篠原中学校」/横浜市立篠原中学校 校長 田原 裕先生
所在地:神奈川県横浜市港北区篠原町1342-3 
電話番号:045-433-2402
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/scho..

スペシャルインタビュー

様々な交流が生まれる“地域の創造館”/武蔵野プレイス 管理担当者様


開発が進む「武蔵境」駅の南口に9年前にオープンした複合公共施設、「武蔵野プレイス」。様々な公共施設の機能を融合させ、老若男女の交流を通して地域社会の活性化を図る活動支援型の施設を目指している。公共施設としては珍しいサービスも多く揃い、武蔵野市以外からも人が集まる人気のスポットとなっている。今回はそんな「武蔵野プレイス」管理担当の方に、施設の概要や、街の魅力について話を伺った。

「境南ふれあい広場公園」から見た「武蔵野プレイス」外観

地域社会の活性化につながる快適な空間を目指して

――「武蔵野プレイス」設立の経緯やコンセプトなどについて教えて頂けますでしょうか。

「武蔵境」駅の南口駅前には農水省食糧庫跡地として2,000平方メートルに渡る敷地が残されていました。そこで、武蔵野市が1973(昭和48)年に払下げの要望書を提出し、38年を経て、2011(平成23)年7月9日に「武蔵野プレイス」がオープンしました。

図書館・生涯学習支援・市民活動支援・青少年活動支援の4つの機能が入った複合施設ですが、これまでの類型を超えて集まる人々が自然に交流でき、地域社会の活性化につながるような活動支援型の公共施設を目指しています。「プレイス」という名称も、多様な人々が時間を共有する快適な空間(場)でありたいという思いからつけられたものです。

目の前に広がる「境南ふれあい広場公園」も緑豊かな広場で、館内と一体的に利用でき、野外イベントなども実施できるようになっています。地下1階を含む各階から緑の木々が窓から見え、清々しい気分になれます。

目の前に広がる「境南ふれあい広場公園」

――エントランスから入ってすぐにカフェとマガジンラウンジがあり、上を向けば吹き抜けと、非常にオープンな雰囲気ですね。

「マガジンラウンジ」には約600タイトルの雑誌の最新号と新聞約30紙があり、いつでも閲覧ができます。カフェに持ち込み、読みながらお茶を飲むこともできるという、公共施設としては非常に珍しいサービスです。館内の吹き抜けは地階と1階、2階の子どもの図書スペース、3階の市民活動のワークラウンジまで続いていて、お互いの活動が見えます。

それぞれのフロアは利用する世代も活動内容も違いますが、吹き抜けで繋がっていることで、お互いの存在を感じ、その活動の内容を見る機会が増えることを期待しています。話さなくても、ちょっとすれ違う。何となく存在を感じる。その中から気づきが生まれ、年齢をまたいだ交流や合同の活動などへの≪アクションの連鎖≫が起こる。そんな「機会」と「場」を提供し、サポートしていきたいと考えています。

マガジンラウンジ

――地下2階には青少年たちが気軽に利用できるフリースペースがあると伺いました。

19歳以下の方なら予約なしで自由に利用できるラウンジがあり、皆さん友だちとの待ち合わせや、お喋り、時には独りでゆっくり過ごすために利用されています。小学生は17時まで、中高生は22時まで利用可能です。専門のスタッフが常駐しているので目は行き届きながらも、適度な距離を保っています。ちょっと人と話したい時はスタッフの所へ来て世間話をして帰る、独りになりたい時はゆっくりと本を読むなど、使い分けて利用されています。

地下2階にある「スタジオラウンジ」

また、バンドなどの練習ができる「サウンドスタジオ」、ダンスや演劇などの練習ができる「パフォーマンススタジオ」、調理や工芸などのものづくりができる「クラフトスタジオ」などは、市民の青少年であれば一般の1/10の料金で借りることができ、貸出も優先的に受けられるので非常に人気です。

バレンタインには女の子が集まってクラフトスタジオでチョコづくりをしたり、ダンスの発表会前にはパフォーマンススタジオで練習したりと、皆さん有意義に活用されています。

地下2階「サウンドスタジオ」

――他のフロアについてもどんな設備があるのか教えていただけますでしょうか。

地下1階にはメインライブラリーとして、約90,000冊の一般図書を揃えています。壁面を全て書架とし、本に囲まれた落ち着いた空間を創り出しています。

地上2階には生活関連の図書と児童向け図書を配置し、お子さんと一緒に家族で本に親しむスペースになっています。児童書のコーナーにはスタッフ手づくりのモビールがゆらゆらと揺れて、とても居心地が良いですよ。
季節ごとの飾りやポップなど全て手づくりで、本を身近に感じてほしい、もっと図書館に足を運んでほしいという職員たちの思いが結集したようなフロアです。

2F こどもライブラリー

地上3階は「ワークラウンジ」として、NPOや市民活動、趣味の集まりなどコミュニティ活動を支援するフロアです。会議室やプリント工房、仲間同士で集まって話ができるラウンジ、生涯学習・自由大学事務局など、様々な志向を持つ方々が集える場です。図書館カードを持っていれば無料で利用できる学習スペースもあり、学びたい・調べたい意欲を応援しています。

地上4階にある「ワーキングデスク」は、自分の書斎のように使えるスペースです。4時間400円で電源も無線LANも使用でき、夜22時まで利用できます。駅から1分という近さから、会社帰りのビジネスマンも多く利用されています。このように地下2階から4階まで、様々な世代のニーズに合わせた施設が、一つの建物に集約されています。

4階にある「ワーキングデスク」

近隣他市からも利用者が訪れる人気施設に

――オープンしてから9年近くが経ちますが、利用状況などはいかがでしょうか。

オープン当初は年間の来館者想定が80万人だったのですが、1年目で140万人の方にご来館いただきました。それから毎年10万人ずつ程増え、2018(平成30)年度の来館者数は192万人です。
皆さんに認知していただいていると自負しています。平日は1日平均5~6,000人、休日は平均7~8,000人の方が来館くださり、武蔵野市のみならず近隣の杉並区や三鷹市、小金井市や西東京市などからも来てくださっています。

回遊階段

――最後に、武蔵境エリアの魅力についてお聞かせください。

武蔵境は国木田独歩の「武蔵野」にも出てくる武蔵野市内にあるJR3駅の中で最も歴史ある駅で、静かな住宅街です。近くには玉川上水も流れ、自然と調和した住みやすい街だと思います。小さな商店街もありながら、駅前には大型のスーパーマーケットも数多く軒を連ねます。吉祥寺や井の頭公園までも自転車で行けますし、中央線に乗れば新宿まで約20分。便利さと暮らしやすさを兼ねた、ステキな街ですね。

小さなお子様連れの親御さんたちもよく図書館を利用され、前の公園でもよくお見かけしますので、子育てもしやすい街なのだと思います。武蔵境の駅前からは「ムーバス」というコミュニティバスも5路線出ており、お年寄りや小さなお子様連れの親御さんたちも気軽に利用されているようです。武蔵野市は住む人に優しい街だと思いますよ。

武蔵野プレイス

公益財団法人武蔵野生涯学習振興事業団
武蔵野プレイス

所在地:東京都武蔵野市境南町2-3-18
TEL:0422-30-1905
URL:http://www.musashino.or.jp/place.html
※この情報は2020(令和2)年2月時点のものです。

様々な交流が生まれる“地域の創造館”/武蔵野プレイス 管理担当者様
所在地:東京都武蔵野市境南町2-3-18 
電話番号:0422-30-1905
開館時間:9:30~22:00
休館日:水曜日(1月の第1水曜日は除く、祝日の場合は翌日)
https://www.musashino.or.jp/place/

「奏の杜パートナーズ」インタビュー

「健やかな時間が息づくまち」を実現する「奏の杜パートナーズ」/奏の杜パートナーズ 事務局 本吉宏行さん


「津田沼」駅の南口側近くに広がる、区画整理事業でつくられた新しいまち「奏の杜」。まちづくりをして終わりではなく、次の世代に引き継いでいける魅力的なまちに育てていくためにエリアマネジメント組織「一般社団法人 奏の杜パートナーズ」は発足した。
居住者、土地所有者、事業者等を会員として、各会員の会費をもとに、共有ルール、共有資産の維持、管理、運用を行うほか、地域イベントの実施やホームページの運用、親睦・互助活動、サークル活動のサポートなど、さまざまなコミュニティ活動をまちに関わる人々を主体としながら自主的に進めている。
今回は、まちの開発の経緯や、「奏の杜パートナーズ」の活動状況や今後どのような活動をしていくのかを、奏の杜パートナーズ事務局の本吉宏行さんに話を伺った。

「奏の杜」の誕生と、エリアマネジメント組織の発足

奏の杜 開発中の街の様子

「奏の杜」のまちづくりは、もともと35haの農地で40数件しか居住していない区域において、道路他公共施設の基盤整備を、地権者で組織された区画整理組合によって実施されました。
これは組合員さんの「つくって終わりではなく、将来自分たちの子や孫など次の世代に引き継いでいける付加価値の高いものにしよう」という想いによって進められたものです。

現在、整備が進められている「谷津近隣公園」
この「奏の杜」というまちの名称は、もともとこの地域が音楽に造詣の深い地域であることから、2010(平成22)年に公募により決定され、多様な世代、価値観・個性が重なり合って調和する様子も表現したものだそうです。
その後2011(平成23)年2月に「奏の杜まちづくり憲章」を発表し、6月には、その理念を実現するためのエリアマネジメントを担当する組織である「奏の杜パートナーズ」が発足しました。

暮らしやすさを実現する、「奏の杜パートナーズ」の多様な取り組みについて

今から4年前、2011(平成23)年6月に設立された「奏の杜パートナーズ」は、地権者の方を核としてスタートしました。その後、事業の進捗に合わせてこの地域にお住まいになった居住会員さんにも理事として参加していただき、段階的にさまざまな活動を行ってまいりました。会員数は2015(平成27)年6月現在で1,000名を超えました。
奏の杜地区は、「景観」「安心・安全」「環境」をテーマとして、「電線地中化」や、住宅の周りに緑地帯を取り入れる「環境緑地」の整備、居住地区の入り口付近に車がスピードを出して入ってきにくい「イメージハンプ」が設置されています。

「奏の杜フォルテ」前に延びる「はばたきのみち」。電柱地中化ですっきりと美しい街並み。

区域内25ヵ所(今後近隣公園に3ヵ所設置予定)には、犯罪発生の抑止力を期待できる「防犯カメラ」が設置されており、将来的にはパートナーズがその維持・管理・運用を組合から引き継ぐことになります。
また、昨年度から今年度にかけて、さまざまな活動に則した各種サインの設置が進められています。2014(平成26)年秋に行った16Mプロムナードと2つの街区公園の愛称公募により、オレンジロード、キャロット公園、ラビット公園に決まり、その名称板が設置されました。

愛称お披露目式の様子。名称板も

緑豊かで、お散歩コースにもぴったりな「オレンジロード」

ほかに「樹名板」や「ペットマナーサイン」、「まちづくり啓発マナーサイン」が奏の杜地域の各所に設置されており、さらに、ウォーキングポストの整備も進んでいます。「奏の杜フォルテ」のある交差点から大きく三角形の「トライアングルルート」と、歩きながら四季を感じてもらう「四季ルート」に、距離やいろいろな地理的情報を掲載したプレートが設置されます。10月末にはこれらを利用したイベントも予定されています。

ペットマナーサイン

緑豊かな街なかに点在する樹名板

なお、これらのサインはパートナーズの理事会において、役員の皆さんが長時間にわたり議論を重ね、その内容を練りあげました。
パートナーズは、これらの共有資産の管理・運営を行っていくとともに、この地域に定められている景観・防犯・環境に関する共有ルールである「まちづくりまち育てガイドライン」の周知・徹底も大切な取り組みのひとつです。奏の杜内外のみなさんにこれらのルールを知っていただくための「ガイドブック」も作成中で近日ご覧いただけると思います。

クリスマスイルミネーション

パートナーズにはこれらの活動を推進するための5つの委員会(防犯、環境美化、イベント、広報、組織体制検討)が理事さんを中心として組織されています。防犯パトロールや通学時見守り、ごみゼロ運動への参加やクリスマスイルミネーション点灯式、広報誌の発行など、一つひとつ実施、そして継続しています。

これから「奏の杜」に住む方へ

奏の杜パートナーズは、一歩一歩活動を行い、それを継続・発展してまいります。また、昨年度から連合町会にも加盟し、地域コミュニティ活動の先輩方と一体となって、おまつりや防犯パトロール等の活動に参加し、周辺地域との融合をはかっております。

通学時の身守りの様子

子どもたちものびのび健やかに。次世代に繋いでいくまちづくり。

パートナーズの取り組みについてご理解をいただき、ぜひ興味を持っていただきたいと思います。まちづくり憲章のとおり、『共に』に奏の杜のまち育てを進めてまいりましょう。

「奏の杜パートナーズ」は、何かをしてもらうという組織ではありません。自分たちでやっていく、その活動の基盤となる組織です。皆さんもやってみたいと思っていることがきっとあると思います。その思いをぜひ、一緒にこのまちで、パートナーズで実現していきませんか。お待ちしております!!

奏の杜パートナーズ

奏の杜パートナーズ

事務局 本吉宏行さん
習志野市奏の杜2-1-1
TEL:047-493-5973
受付時間:9:00~16:00
定休日:土曜日、日曜・祝日
URL:http://www.kanadenomori.jp/
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

「健やかな時間が息づくまち」を実現する「奏の杜パートナーズ」/奏の杜パートナーズ 事務局 本吉宏行さん
所在地:千葉県習志野市奏の杜2-1-1 
電話番号:047-493-5973
受付時間:9:00~16:00
定休日:土・日曜日、祝日
http://www.kanadenomori.jp/

「ピーターパン 奏の杜店」インタビュー

地域の誇りとなる「マイタウン・マイベーカリー」を目指して/ピーターパン 奏の杜店 チーフ 河越正貴さん


千葉県内に6店舗を展開する「ピーターパン」は、“千葉県民で知らない人はいない”と言われるほど人気のベーカリー。その「奏の杜店」は、連日朝からお客さんが途切れることがないほど盛況を博している。手間隙を惜しまず粉から生地を練って手作りするパンは、お客さんに喜んでもらいたいというスタッフたちの気持ちがこもっている。そんな「ピーターパン 奏の杜店」について、今回はチーフの河越正貴さんにお話を伺った。

地道な歩みで、千葉県民から愛されるベーカリーへ

今回お話を聞いた、「ピーターパン 奏の杜店」チーフの河越正貴さん

今はもうないのですが、鎌ヶ谷市馬込沢の小さな商店街で、小さな街のベーカリーとして「ピーターパン」は始まりました。それから30年程経ち、今の規模になっています。「ピーターパン 奏の杜店」は、この奏の杜が開発される際にお声掛けいただき開店することになりました。

生地作りから焼き上げまで、丁寧に行っています。

業態としてはオープンフレッシュベーカリーで、粉から生地を作り、パンを焼きあげるところまですべて自分たちの手で行っています。100前後のアイテムを用い、手間暇かけたおいしいパンで、お客様に喜んでいただくのがタッフの願いです。“千葉県民でピーターパンを知らない人はいない”と、そのように言っていただけるのは、とても嬉しいことで、ちょっとしたことの積み重ねで信頼を得てきた形だと思います。

真心とこだわりが詰まった人気パン

塩バターロール(写真奥)とメロンパン(写真手前)

看板商品は「塩バターロール」「カレーパン」「メロンパン」で、その中でも一番売れているのは「塩バターロール」です。全国的に人気で、テレビなどでも紹介されています。「カレーパン」は10種類以上の材料を使い、お子様でも食べられる辛さでコクや旨味を引き出したオリジナルの一品です。パン粉もサクサク感を大切にした自家製です。温かい状態で食べていただきたいので、毎回揚げたてにこだわり、一度に12個ずつしか揚げません。「メロンパン」は、数年前にピーターパンが「千葉元気印企業大賞」をいただいた時に開発したものなので、“元気印”という冠をつけています。焦がしバター風味の外側はサクサク、中はふわっとした口当たり、口の中でとろけると喜ばれています。

「奏の杜店」のオリジナルにも注目

ベーコンチーズエピ(写真奥)とチーズクッペ(写真手前)

“長時間熟成法”という方法で作っているのが「チーズクッペ」「ベーコンチーズエピ」「バタール」「バゲット」の4種類で、ピーターパンの中でも「奏の杜店」だけで販売しています。通常のパンは、生地の熟成はだいたい2、3時間ですが、この4種類は10時間以上寝かせています。熟成させるほど旨みが引き出され、酵母のおいしさを感じることができます。
「バタール」は「麦の路」という国産の小麦粉を使用し、風味が豊かです。これも「奏の杜店」が他店に先行しています。
オーダーサンドも「奏の杜店」のオリジナルです。 お客様にお好みのトッピングを選んでいただき、作りたてのサンドイッチをお渡ししています。

たくさんのお客さんで賑わう店内

お客様は、平日は近所に住む主婦の方やお子様連れが主ですが、週末は家族連れがメインで、ちょっと離れたところから来てくださる方もいます。僕がこれまで聞いた中で一番遠方からいらっしゃったお客様は、秋田県からいらしてくれました!

おいしいパンで「奏の杜」を盛り上げたい

奏の杜 開発中の街並み

「奏の杜」は新興住宅地なので、住民の方もお店も一緒になって地域を盛り上げていく、まちをつくっていくというイメージで、地域との関わりが深いと感じます。お店のすぐ裏手には住宅地が広がっていますが、“ピーターパンがオープンしてくれて嬉しい”と言ってくれる方や、常連のお客様になってくれる方もいて嬉しいです。より多くのお客様に喜んでいただけるように、おいしいパンを提供するという基本をさらに深めていきたいと思っています。
すぐ隣に大きな公園が建設中なのですが、散歩やウォーキングのついでにピーターパンに立ち寄れるような、街全体としてほっとできるような環境になっていったらいいなと願っています。

地域の誇りとなる「マイタウン・マイベーカリー」を目指して

僕たちは店舗方針として「マイタウン・マイベーカリー」を掲げています。「私の街の、私のパン屋さん」とお客様に誇りをもって言っていただきたい。例えば大切な人が家に来たときに、“こんないいパン屋さんがあるんだよ”と誘って一緒に来てくれたり、その人のためにパンを買っていってもらえたり。そうした想いを持って日々おいしいパンをそろえておりますので、ぜひご来店ください!

ピーターパン 奏の杜店

ピーターパン 奏の杜店

チーフ:河越正貴さん
習志野市奏の杜2-4-11
TEL:047-403-2201
営業時間:7:00~20:00
定休日:木曜日
URL:http://www.peaterpan.com/
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

地域の誇りとなる「マイタウン・マイベーカリー」を目指して/ピーターパン 奏の杜店 チーフ 河越正貴さん
所在地:千葉県習志野市奏の杜2-4-11 
電話番号:047-403-2201
営業時間:7:00~18:00
定休日:木曜日(火曜日臨時休業)
https://peaterpan.com/shop/kanade/

スペシャルインタビュー

市民が作る“大人の文化祭/KAWASAKIしんゆり映画祭 事務局 大多喜ゆかりさん


今や上麻生エリアを代表するイベントとして定着した、「KAWASAKIしんゆり映画祭」。旬の日本映画や海外の佳作の上映、監督・俳優などによるゲストトークやミニコンサート、中学生による映画制作ワークショップ作品上映会など、幅広い年代が楽しめる仕掛けを盛り込み、毎回新たなファンを獲得してきた。22回目を迎える2016(平成28)年は、11月5・6日、8~13日の8日間、川崎市アートセンターで開催される。今回は、市民主体のイベントとして進化を遂げる映画祭の歴史や魅力について、KAWASAKIしんゆり映画祭事務局の大多喜ゆかりさんにお話を伺った。

「芸術のまち構想」に端を発した市民映画祭

映画祭、上映会の様子

―「KAWASAKIしんゆり映画祭」が始まった経緯やこれまでの歩みを教えてください。

大多喜さん:1995(平成7)年に川崎市の「芸術のまち構想」の一環としてスタートし、今年で22回目を迎えます。今村昌平監督(※)が創立した「日本映画学校(現・日本映画大学)」(1986(昭和61)年)、「昭和音楽芸術学院」(1989(平成元)年)が新百合ヶ丘に移転してきた当時、駅周辺にはまだ空地が多くて何もない状況でした。両校が移ってきたことから、川崎市が文化・芸術で街づくりをしようと映画祭の開催を今村監督に打診し、監督の弟子でしんゆり映画祭の初代代表である武重邦夫が学生を巻き込んで、「新百合21ホール」で上映会を行ったのが1回目だったと聞いています。翌年は市民ボランティアを募集したところ予想を上回る反響があり、それ以降、市民の意欲を実現させていく形で、「市民(みんな)がつくる映画のお祭り」をコンセプトとする映画祭となりました。
1997(平成9)年から南口にオープンした「ワーナー・マイカル・シネマズ(現・イオンシネマ)」、2007(平成19)年からは北口にできた「川崎市アートセンター」でも上映するようになり、昨年からはセンターのみで開催しています。開催期間は、当初は3日間で6本のみの上映だったのが、近年では8~9日間で約20本を上映。来場者数は2,000人前後で、昨年は約2,500人が来場しました。

(※日本の映画監督。「楢山節考」「うなぎ」「豚と軍艦」「神々の深き欲望」などの名作を生みだし、カンヌ映画祭で最高賞を二度受賞している。)

「川崎市アートセンター」には毎年たくさんの来場客が訪れる

―上映作品の特色はありますか?

大多喜さん:2016(平成28)年から新しい試みとして、スタッフの誰でも企画を立てられるようにし、プレゼン大会をして投票で選ばれた作品が上映されます。
もともと、「日本を含むアジア映画を元気にしたい」という今村監督の想いから、邦画中心のラインナップで始まったこともあり、邦画や周辺のアジア・中東の作品が多いのが特色です。「川崎市アートセンター」では年間を通して洋画の上映が多く、もっと邦画を見たいという市民の要望にも応えています。

ボランティアが手作りした掲示物。自分たちが推薦した作品だけに、熱がこもる

―主催する「NPO法人KAWASAKIアーツ」のメンバーや活動について教えてください。

大多喜さん:当団体は、理事長で劇作家の藤田朝也を筆頭に理事など10数名で構成され、役員には日活のスクリプターだった白鳥あかねをはじめ、昭和音楽大学や日本映画大学の教授、映画や劇団の関係者などがおります。事業内容は、「KAWASAKIしんゆり映画祭」の運営、バリアフリーシアター制作事業、川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場を本拠地とする劇団の企画制作など。バリアフリーシアター制作事業は、映画祭の柱であるバリアフリーシアターで培ったノウハウを活かした事業で、川崎アートセンターの年間上映作品のうち数本に音声ガイドをつけています。

イベントへの思いを話してくださる大多喜ゆかりさん

チラシ配りからスポンサーの獲得まで市民ボランティアが活躍

―地域の代表的なイベントのひとつとして根付いた理由には、どのようなことが考えられますか?

大多喜さん:一番の理由は、市民が深くかかわって、自分たちのイベントとして映画祭を行ってきたからではないでしょうか。まるで“大人の文化祭”という感じで、映画祭のキャラクター「シネマウマ」、看板、チラシ、HPと、ボランティアスタッフがなんでも自分たちで作ってしまう熱の入れようです。そして、これほど市民が熱心なのは、昭和音楽大学や日本映画大学があるからというだけではなく、もともと文化的な関心が高い方が多く住む地域だからだと思います。映画に限らず、絵や楽器をたしなむなど、文化・芸術に造詣が深い方が多いですね。

ボランティアスタッフと「シネマウマ」が活躍する

―回を重ねるごとに、映画文化の広がりや街の変化などは感じられますか?

大多喜さん:「川崎市アートセンター」は、映画祭があったからこそ、できた施設と聞いています。当初はごく一般的な文化ホールにする計画があったそうですが、映画祭によって市民の側に自分たちが見たい映画を上映したいという意識が定着してきて、それにふさわしい施設として、映像館と小劇場のあるアートセンターが誕生したそうです。また、日本映画学校が日本映画大学となりましたし、街のあちこちでロケをしている様子を見かけることが珍しくありません。日本映画大学と麻生区、イオンシネマの企画で小学生向け映画制作ワークショップが開かれるようになるなど、映画関連のワークショップも増えてきました。余談かもしれませんが、「KAWASAKIしんゆり映画祭が好きで、ここに引っ越してきました」という方もいらっしゃいました。

「川崎市アートセンター」

―市民ボランティアとして、どのような方たちが活動されていますか?

大多喜さん:事務局の専従スタッフは2名だけで、あとはすべて市民ボランティアが企画・運営をしています。今年のボランティアの登録者数は約280人、稼働メンバーは約60人、そのうち20人が新規メンバーです。今年から高校生も受け入れ、20代後半~40代をメインに、年齢も職業もさまざまな方が集まっています。映画祭初期に参加され、子育てが落ちついて戻ってきた方もいますよ。参加理由は、映画が好きでという方が一番多いですが、仲間を作りたい、ボランティアをしたいという方も多いです。
ボランティアにノルマはなく、まさに来るもの拒まず。気軽に参加できるチラシ折込み作業から、チラシ制作・配布、協賛をいただくための地域の企業や店舗へのあいさつまわりなど、多岐に渡る作業があります。選択肢が多いので、自分の興味があるものが見つけられるし、いくつでも掛け持ちしてかまわない。本当に、ボランティアの活動で回っている映画祭です。WEBの知識がまったくない方が一から勉強してHPを作るなど、ボランティアで才能を開花させた方も多いですよ。

物販や案内などもボランティアの仕事。まさに市民が作り上げる映画祭

大多喜さん:協賛企業については、リーフレットの広告掲載、バナー広告、映画祭で実施する「シネマウマカフェ」でのコラボ商品の販売などで協力をいただいています。今年は実験的に、「シネマウマ」が協賛企業に出向いて、お店の方へのインタビューやおススメ商品の紹介をする地域動画を作り、作品上映の前に流すという新たな試みも予定しています。

2015年のシネマウマカフェの様子

違う世界が見えてくる。映画祭ならではの冒険を楽しむ

―改めて「KAWASAKIしんゆり映画祭」ならではの特色とおススメの楽しみ方をお聞かせください。

大多喜さん:特色は、“大人の文化祭”のノリでいろいろなものを作ってしまう手作り感、アットホームなところでしょうか。例えば、昨年の野球を扱った作品の上映では、小劇場をスタンドに見立てて、横断幕を作り、ウグイス嬢にゲストを呼び込んでもらうなどの演出をしました。お客さんを巻き込んだ仕掛けもあるので、客席が一体となって楽しんでいただけると思います。この映画祭に観客として初めて参加したとき、じつは私は映画をほぼ見ない人間でした。それが、ふだん新百合ヶ丘で上映していないようなイランの映画や昔の白黒映画があって、「見てみたい」という気にさせられた。ですから、映画祭のひとつの楽しみ方として、ふだんは見ないジャンルの作品を試してみるという、非日常ならではの冒険をしてみることをおススメします。そうすれば、映画館に入る前と出た後で、まったく世界が違って見えるような出会いをすることがありますよ。

『KANO 1931海の向こうの甲子園』上映後のトークイベントの様子

―「KAWASAKIしんゆり映画祭2016」の見どころについて教えてください!

大多喜さん:「躍動! 日本映画!」というキャッチコピーの通り、活きの良い邦画が揃っています。今年勢いがある菅田将暉さんの特集では、菅田さんのいろいろな魅力が味わえる3作品を上映。また、「しんゆりセレクト!若手監督応援します!」では、制作当時高校3年生の監督の作品、今まで数々の短編作品を発表してきた監督の長編デビュー作、こどもの頃から新百合ヶ丘に縁のある監督の作品、という3人の若手監督の特集上映をします。そのほか、長いからと見ないのはもったいない3時間以上の作品の特集、弁士の名人芸が圧巻の活弁上映など、見どころ満載ですよ。

今年度のチラシ

年間を通して多彩な文化・芸術に親しめる街

―大多喜様にとって上麻生エリアの魅力とはどんなところでしょうか?

大多喜さん:「川崎・しんゆり芸術祭(アルテリッカしんゆり)」、「麻生音楽祭」、「しんゆりマルシェ」、「kirara@アートしんゆり」など、年間を通していろいろなイベントが行われている街です。ですから、毎月何かしらの文化・芸術を楽しめるし、思い立ったら自分が発信する側として関われる場所も街中にたくさんあります。

シニア層が元気な一方、若い世代も「麻生.tv」といった地域の情報発信の場を作ったり、「柿まつり」でプロレスをやったり、街を盛り上げようとしている。生活の延長として、自分たちが暮らしやすいコミュニティを作っていこうという若い世代が増えている感覚があります。個人的には、自然が豊かなところもお気に入りです。起伏がある多摩丘陵の街は、歩いていると突然景色が変わったりさまざまな表情に出合えますよ。

大喜多さん

NPO法人KAWASAKIアーツ・映画祭事務局

大多喜 ゆかり さん
所在地 :川崎市麻生区万福寺1-2-2 新百合21ビル B2
TEL :044-953-7652
URL:http://www.kawasakiarts.org
映画祭 HP:http://www.siff.jp
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

市民が作る“大人の文化祭/KAWASAKIしんゆり映画祭 事務局 大多喜ゆかりさん
所在地:神奈川県川崎市麻生区 
http://www.siff.jp/

スペシャルインタビュー

アートと食で街を盛り上げる!まちづくりの試みを実践/しんゆりマルシェ実行委員会 稲垣 陽一さん・小島 龍彦さん


駅前には飲食店や銀行、ショッピングモールなどの生活利便施設、さらに周辺には複数の大学といった教育機関が立ち並ぶ、便利で暮らしやすい環境が魅力の新百合ヶ丘。都心まで電車で約30分というアクセスの良い立地にありながら、街には緑豊かな自然が残り、また「芸術のまちづくり」を掲げる市の方針の下、芸術関連の催しなども多々行われている。2014(平成26)年からスタートした「しんゆりマルシェ」も、アートをテーマにした街のイベントのひとつとして年々来客数を伸ばす人気の催し。今回は、そんな人気イベントの「しんゆりマルシェ実行委員会」の稲垣陽一さんと、小島龍彦さんに、しんゆりマルシェの魅力や上麻生エリアの魅力についてお話しを伺った。

学生も企画に参加。さまざまな世代が関わりあって運営されるまちの一大イベント

2015(平成27)年の「しんゆりマルシェ」の様子

―最初に、「しんゆりマルシェ」が始まった経緯について教えてください。

稲垣さん:このあたりは昭和40年頃にできた比較的新しい街なのですが、当時からの住民は少しずつ高齢化も進んでおります。これから新たに移り住んできた若い世代の方たちに長く住んでもらうためには、多世代の方々が交流できる場が必要となってきています。「一般財団法人川崎新都心街づくり財団」では、近隣の大学の先生方に集まっていただき研究会を重ねて、大学生にも調査にあたって頂きました。その結果、東北・仙台の泉地区で学生が企画に参加するマルシェを行っている事例があり、これを参考として、2014(平成26)年に私たちも実験的にやってみよう、という話になりました。

「アート&クラフト」のゾーン

―「アートと食の祭典」というテーマやイベントのカタチはどのように決まったのでしょうか。

稲垣さん:麻生区は「芸術のまちづくり」ということで、まちづくりの軸に「アート」を置いて色々な活動をしています。その流れを汲みつつ、「街で楽しむ」ことを主に屋外でのパフォーマンスやファミリー向けのワークショップなども取り入れました。また、この地域にはクラフト作家も多く住まわれているということで、その方々の作品を展示販売できる企画としました。「食」については、新百合ヶ丘周辺には農地も多く新鮮な野菜を生産する農家も多いことから、アートと食をコラボして何か新しいカタチにできないかと考え、テーマに組み込みました。

地元の農産物を購入できる「しんゆりファーマーズ」のゾーン

―どのように運営されているのでしょうか。

稲垣さん:主催は「しんゆりマルシェ実行委員会」、そして「新百合ヶ丘商店会」と「マプレ専門店街」が共催しています。さらに「麻生区」や「川崎市商工会議所」、「麻生観光協会」、「NPO法人しんゆり・芸術のまちづくり」の方々にも後援についていただき、協賛には地元企業の方々が多くいらっしゃいます。

また、マルシェそのものは「しんゆりマルシェ実行委員会」が企画していますが、運営には大学の関係者も多く参加しております。今年は12の大学の学生が、企画・運営に加え、パフォーマンスやワークショップに参加しております。また、会場のインフォメーションや美化活動、来街者の交通量調査などの運営にも参加しております。

大学生が企画したブースも多数。明治大学による「地域連携プロジェクト」の企画展示

地域交流型イベントとして、家族ぐるみで楽しめる点が魅力

―「しんゆりマルシェ」の見どころや、当日の楽しみ方を教えてください。

小島さん:地域のイベントにはさまざまなものありますが、「しんゆりマルシェ」の特徴はマルシェという言葉も通り、“市場的”である点でしょうか。当日は3会場に分かれてさまざまな催しが開かれるのですが、学生中心に開催するワークショップやゲームが楽しめる「アート&クラフト」のゾーン、「しんゆりキッチン」「キッチンカー」という飲食店が出店される食のゾーン、「しんゆりファーマーズ」という地域の農作物、名産品を販売するゾーンがあります。

ブラスバンドのパレードの様子

また、ステージカーが来たり、バグパイプの奏者や地元の中学生のブラスバンドと一緒に街中をパレードしたりもします。ステージカーでは、地元の中学校が参加をしてダンスパフォーマンスをしたりしますので、こういった多彩な催しを見ながら、あるいは食べ歩きながらというのが楽しみ方のひとつではありますね。

稲垣さん:マルシェはフランス語で“地元の名産物などを直売する”という意味をもつ言葉ですが、「しんゆりマルシェ」は“地域交流型”のイベントとしてのマルシェなんですね。ですので、物を売り買いするという要素は比較的少なくて、ワークショップや演芸といった家族ぐるみで来て楽しんで頂けるイベントになっています。

東京都市大学のワークショップ「パラソルでアートをつくろう」

―「しんゆりマルシェ」を開催するようになって、街にはどのような変化がみられますか。

小島さん:一昨年は2万7,000人、昨年は3万4,000人と来場者も年々増えていますし、「マルシェって楽しいよね」という声が挙がってきていますので、市民の皆さんの中ではかなり定着しつつあります。

稲垣さん:今までは年配者の方対象のイベントが多く、特に若い世代の方が主体的に楽しむイベントが少なかったので、その点でも喜ばれているのではないかと思います。このエリアには若い方も多く住んでいらっしゃいますが、東京都心へ出かけてしまい地元への関心が薄いのですね。しかし、こうしたイベントへの参加を通して少しずつ地元への意識が育ってきているといいますか、興味を持つきっかけになる流れはできてきている気がします。

玉川大学の「ミツバチ巣箱の実験観測」

―イベントを通じた地域への想いをお聞かせください。

小島さん:やはり、新百合ヶ丘という街を好きになってもらい、「楽しい街だよ」という認識を定着させたいと考えています。マルシェ自体は開催当日のみのものではありますが、その後に「アフターフェス」というワインの試飲会や街歩きツアーといった企画も「しんゆりマルシェ」のイベントの一環の流れという形で行っていますので、いろいろと楽しめると思います。私たち実行委員会が携わる範囲はアフターフェスまでなのですが、マルシェ終了後には「kirara@アートしんゆり」という有名なイルミネーションの点灯が11月から2月までありますので、継続しての街のイベントを楽しんでいただきたいと思います。

新しさと伝統が共存する、これからの発展に期待できる街に

―上麻生エリアの魅力や、今後の課題とはどのようなところでしょうか?

小島さん:麻生区自体というのは古いエリアなので、駅周辺には有名な歴史あるお寺などもありますし、新しく生まれたイベントだけでなく、だるま市など伝統的なお祭りがあったりもします。近くには学校などもたくさんありますし、若い世代に十分に暮らしやすい街だと思います。

稲垣さん周辺にマンションなどが増えていることもあり、若い方々も定着してきていますが、街のインフラとしてはまだ十分ではない部分もあります。比較的新しい街なので、新しい人たちに住んでいただき、住んでいる方々が望むような魅力のある街にしていくことがこれからの課題だと思いますね。

学生をはじめ、若い出展者や参加者の姿も多い

―これから上麻生エリアに住む人にメッセージをお願いします。

小島さん:都会と田舎が入り混じっているような田園風景があるエリアで、住みやすい所だと思いますし、是非若い人たちにも来ていただきたいなと思います。

稲垣さん:都市性もある街だけれども一方で自然もあって豊かですし、昔ながらの伝統も生きた、魅力がある街だと思います。これからもその魅力を引き継ぎながら、発展させていきたいですね。

(有限会社ソフトウェアデザイン内)しんゆりマルシェ

しんゆりマルシェ実行委員会

稲垣 陽一さん(右)
(一般財団法人川崎新都心街づくり財団 専務理事)
小島 龍彦さん(左)
(新百合ヶ丘商店会 会長)
URL:http://shinyurimarche.jp/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

アートと食で街を盛り上げる!まちづくりの試みを実践/しんゆりマルシェ実行委員会 稲垣 陽一さん・小島 龍彦さん
所在地:神奈川県川崎市麻生区 
https://f-marche.com/?fbclid=IwAR1XDumeC..

地元の名産品を強みに、ユニークなまちづくり活動を展開する「柿生中央商店会」/柿生中央商店会 会長 赤本昌応さん


日本最古の甘柿とされる「禅寺丸柿」が地名の由来という柿生。街の窓口である「柿生」駅は、小田急小田原線が開通した1927(昭和2)年に開業した麻生区で最も古い駅だ。都心へのアクセスもよく、駅周辺には商店街や生活施設もあるので暮らしやすさには定評がある上、昔からのレトロな雰囲気を引き継ぐ街並みは、日々の暮らしにどこかほっとできる安心感を与えてくれる。
近年、街ではご当地ゆるキャラの制作をはじめ、地元をPRするプロモーションビデオ(PV)を撮影するなど、積極的に街の活性化活動を展開している。今回は、「柿生中央商店会」の会長である赤本昌応さんを訪ね、そうしたまちづくりの取り組みや柿生周辺エリアの魅力について、お話しを伺った。

 

地元企業や学生・地域と連携して地域活性を図る

―まず、「柿生中央商店会」の歴史や概要を教えて頂けますでしょうか。

赤本さん:商店会がいつ頃始まったかは残念ながら記録に残っていないのですが、加盟店舗数は現在42店舗で、ここ10年くらいはこの数はほとんど変わらず推移しています。お店の業態としては、菓子店や美容室が多いです。
駅前にアーケード街などがあるというわけではなく、加盟店が分散しているためこじんまりとした印象ではあるかと思います。ただ、毎年「禅寺丸柿まつり」という大きな催しがあり、その際には集まって一緒に情報発信、PR活動等を活発に行っているという点がこの商店会の特色と言えると思います。

「禅寺丸柿まつり」の賑わいの様子

―商店会の活性やまちづくりの取り組みとして、具体的にどのようなことを行っているのですか?

赤本さん:まちづくりの一環として、麻生区の木としても制定されている「禅寺丸柿」にちなんだキャラクター、「かきまるくん」を数年前につくりました。元々は専修大学の学生の“柿生商店会のキャラクターを作ったらどうか”というアイディアからスタートし、地元の小中学校に応募用紙を配って地域の子どもたちからキャラクターのイラストを募りました。そして集まった作品の中から1点を採用し、それをベースにキャラクター化して「かきまるくん」が誕生しました。その後、麻生区役所の協力を得て、着ぐるみを作りました。「かきまるくん」は今、麻生区のゆるキャラとしてあらゆる場所で活躍しています。

禅寺丸柿をモチーフにしたゆるキャラ「かきまるくん」

 

2018年で20回目を迎える「禅寺丸柿まつり」

―地域の一大イベントである「禅寺丸柿まつり」について詳しく教えてください。

赤本さん:「禅寺丸まつり」は、「柿生中央商店会」が主催となり、毎年10月に「柿生駅南口広場」や駅近くの駐車場を会場に開催しています。毎年3,000人程が来場する柿生エリアの一大イベントで、今年(2018年)で20回目を迎えます。参加者は地元住民の方が中心ですが、お祭りの時に販売する貴重な「禅寺丸柿」を購入するために遠方から来られる方もいらっしゃいます。

柿生中央商店会 「禅寺丸柿」の即売に大勢の人が集まる「禅寺丸柿まつり」

柿生の地域資源である「禅寺丸柿」のPRと、地域全体を盛り上げるために、さまざまなイベント企画も行っており、抽選会やダンスグループのステージパフォーマンスの他、「柿の種飛ばし大会」や「柿の皮むき大会」、専修大学生企画の屋台やゲーム、地元の「HEAT UP」というプロレス団体による屋外プロレスといったユニークなプログラムもあり、とても盛り上がりますよ。

「HEAT UP」主催の屋外プロレスの様子。「かきまるくん」も参戦!

「柿まつり」以外の商店会の恒例イベントとしては、毎年1月下旬に地元の神社で「だるま市」があり、「柿生」駅が比較的玄関口になりやすいので、そこで商店会がお餅の販売や甘酒の無料配布などを行ってお客さんを歓待しています。その他にも、 「川崎フロンターレ」の選手握手会や、3月から4月にかけて開催される「麻生川桜まつり」期間に商店会として参加したりもしています。またイベント以外のまちづくりの取り組みとしては、規模は小さいですが、駅前の花壇に花を植えるなどの街の美化活動なども行っています。

まちを盛り上げるための、さらなる取り組み

―柿生のプロモーションビデオ(PV)の撮影を進められているそうですが、このユニークな取り組みはどのように生まれたのでしょうか?

赤本さん:そもそものプロジェクトの始まりは、「柿生中央商店会」では、毎年専修大学のインターンシップ生の受け入れをしており、「柿まつり」でどんな企画を行ったらいいか、色々な案を出してもらっています。その中で、“柿生の歌を作ったらどうか?”というアイディアが出てきたんです。ちょうど同時期に、下麻生にスタジオを構えるミュージシャンの「bless4(ブレスフォー)」さんからも商店会活動をやりたいとお話を頂いたこともあり、彼らに作曲をお願いできないかと相談したところ、全面的に協力していただけることになりました。

「禅寺丸柿まつり」のステージで柿生のイメージソング“かきくけかきお”を披露する「bless4」の皆さん

まずは「柿生」から連想する言葉集を作るためのアンケートを地元の「柿生小学校」と「柿生中学校」に配り、その回答をアーティストの育成やプロモーションを行っている「川満アート・テイメント(株)」さん(川崎市岡上)にお渡しして、回答にあったキーワードを基にして作詞をしていただき、さらに作曲と振付をお願いしました。そうして完成した柿生のテーマソング「かきくけかきお」を、去年(2015年)の「禅寺丸柿まつり」で発表しました。

それを地域の方みんなで歌って踊れるようにさらにブラッシュアップして、振付を学べるレッスンビデオを作り、この曲を使って柿生のPRのためのPVを作ることになったんです。出演者を募ったところ、現在30団体くらいから参加したいという申込があり、順番に撮影進めているところです。振付のレッスンビデオは現在商店会のホームページで公開しています。

自然豊かで生活のしやすい街。これからの賑わいが楽しみ

―柿生エリアの魅力は、どのようなところでしょうか。

赤本さん:緑が多く、犯罪がとても少なくて安全で、住まわれている方が穏やかで品のある方が多い印象です。ですから、子どもから高齢者の方までゆったりと暮らせる環境が整ったとても住みやすい、いい街だと思います。どちらかというと商売をする街、というよりも生活をする街という感じだと思いますが、これからの可能性を見出している方も結構いらっしゃって、個人経営の飲食店なども増えてきているようなので、これから賑わいを見せていく場所になっていくのではないでしょうか。

新百合ヶ丘に「昭和音楽大学」などキャンパスが多数

隣の新百合ヶ丘界隈は、比較的高い所得水準で質の良いものを求める方が多いので、そうしたレベルに適合できる努力をするお店が周囲に増えていると感じます。また、「新百合ヶ丘」駅の近くには昭和音学大学、日本映画大学、田園調布大学という3つの大学があり、少し離れると多摩川大学、中央大学、桜美林大学、和光大学のキャンパスがあるなど、大学が多いので若々しい活気もあります。新百合ヶ丘が牽引して柿生や上麻生全体も盛り上がりますし、柿生は新百合ヶ丘よりも物価が安いエリアでもあるので、駅回りのお店が充実してくれば若い方たちも増えて、より賑わいが出てくるのではないかと思いますね。

―これから新たに柿生に暮らす方へのメッセージをお願いします。

赤本さん:一度、街に来て歩いていただくといいと思います。川崎市の中で一番緑が多いエリアなので、黒川の方などへ行くとまだ田園風景が広がっていて川崎市のイメージではないような画が見れたり、桜の時の麻生川沿いやアジサイがきれいな「浄慶寺」の他、「香林寺」というお寺には五重塔などいろいろな見どころがあります。マンションがある現代的な風景と田舎の風景が共存している場所なので、子育て、そして老後にとても向いている街です。若い方にとっては少し刺激が足りない場所のような感じがしてしまうかもしれませんが、今だんだんとコミュニティもでき始めていろいろな仲間が集まったりする環境も整いつつあるので、これからどんどん面白くなっていく場所だと思いますよ。

春には桜が見事な、麻生川沿いの並木道

赤本昌応さん

柿生中央商店会

柿生中央商店会会長/麻生区商店街連合会副会長
株式会社あかもと本舗
株式会社メディスタくらしの窓新聞社
代表取締役 赤本昌応さん
URL:http://kakiochuoushoutenkai.jimdo.com/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

地元の名産品を強みに、ユニークなまちづくり活動を展開する「柿生中央商店会」/柿生中央商店会 会長 赤本昌応さん
所在地:神奈川県川崎市麻生区上麻生5・6 
http://kakiochuoushoutenkai.jimdo.com/
https://www.facebook.com/%E6%9F%BF%E7%94..

スペシャルインタビュー

仲間と踊る楽しさを実感!長く通いたくなる柿生の人気ダンス&ピラティススタジオ/ADC☆STUDIO 青山ダンスクラフト 主宰 青山暁子さん


創設から20余年、柿生・鶴川エリアに根差したダンススクールとして口コミで人気を集めている「青山ダンスクラフト」。「柿生」駅から徒歩3分という通いやすい場所にあり、キッズクラスや話題のピラティス、さまざまな表現を楽しめるジャズなど、年齢・性別にかかわらず誰でも気軽に体を動かせるプログラムを開設している。主宰するのは、劇団四季出身でショーやイベントの演出・振り付け家としても活躍する青山暁子さん。生徒憧れの存在でもある青山さんに、今回はスクールや地域の魅力についてお話を伺った。

ママ友たちの熱意から出発、専用スタジオもオープン

広々とした明るい専用のスタジオ

―「青山ダンスクラフト」ではどんなレッスンが受けられますか?

青山ダンスクラフト(以下、ADC)は、子どもから大人までが楽しめるダンスとピラティスのスタジオです。現在、保育園、幼稚園に通っている4歳児から70代の大人まで、約100名が在籍しています。キッズクラスは、キッズリズム、チアダンス、ヒップホップ、ジャズがあり、それぞれ年齢によって分かれています。最年少のキッズリズムは、リズムに乗って楽しく体を動かすことで、幼児のうちにリズム感や柔軟性を養うクラス。また、大会出場を目的としたチアの選抜クラスもあります。

チアクラスのレッスンの様子

大人のクラスは、ピラティス、ジャズ、ヒップホップ、バレエ、フリースタイル、週末のダンスエクササイズ、初心者向けのやさしいエクササイズなどがあり、ピラティスは一般クラスのほか、60歳以上を対象としたシニアクラスがあります。

―ご自身のスタジオを開くまでの経緯、ダンスへの想いを教えてください。

20年以上前、幼稚園のママ友たちから運動不足や育児ストレスの解消のために体を動かしたいと頼まれて、近くの公民館を借りてダンスエクササイズを始めたのがきっかけです。やがて子どもたちにも教えてほしいという要望に応えていくうちに、口コミで生徒数が増え、柿生・鶴川エリアに根差したダンススクールへと成長しました。この専用スタジオがオープンしたのは、2011(平成23)年。その15年ぐらい前からレンタルスタジオとして公民館と併せて利用していましたが、前オーナーから譲り受けて、ダンスとピラティスのための専用スタジオとしてオープンしました。

ヒップホップ・ティーンズクラスのレッスンの様子

私は劇団四季の出身ですが、その前からインストラクターとしてダンスを教えていた経歴があり、劇団に所属したことで、自分がやりたいのは実演家ではなく、やはり指導や演出といった作り手の仕事なんだということに気づかされました。ダンスを通じて、みなさんにハッピーになってほしいというのが、私の想い。レッスンで、「楽しい!」「気持ちいい!」など、心に刺激を受けながら充実した時間を過ごせば、心も体も若々しく健康になります。子どもたちにとっては、表現力やコミュニケーション力などを身につけ、心と体をのびのび成長させる機会になります。

大人クラスの発表会の様子。みんなイキイキとしている

楽しみながら心も体も若々しく健康に

―どのような生徒さんが通っていらっしゃいますか?

大人も子どもも、ほとんどが柿生・鶴川の方たちで、自転車で来られる方が多いです。あとは町田や新百合ヶ丘など近隣のエリアから来られる方たち。年齢層は、下は4歳から上は70代で、ピラティスのプライベートレッスンでは、95歳の方もいらっしゃいます。ピラティスは医療現場のリハビリからプロのアスリートまでが取り入れているトレーニング法で、体に痛みがある方でも無理なくエクササイズができるんです。大人の皆さんのほとんどが10年以上ダンスを続けてくれている中で、年をとってもケガをせず末永く健康にダンスを楽しんでもらえるような身体作りのために、私自身も力を入れて取り入れています。

ピラティスクラスの様子

大人のジャズクラスには、スクール創設当初から通い続けて、今は50歳前後という方たちが大勢いらっしゃいますが、長年継続して通ってくださる生徒さんが多いのは、このダンススクールの特徴かもしれません。1カ月フリーパスがあるので、熱心な方はいろいろなクラスを受講して、ほとんど毎日のようにいらっしゃっていますよ。

ダンスを始めるきっかけは、キッズは親御さんや本人がダンスが好きでという場合がほとんど。大人は健康や美容、シェイプアップのためという目的で始めて、実際に姿勢や体型、ファッションとあらゆる面で若々しく、魅力的に変身されていきます。スクール創設当初から通っていらっしゃる方たちは、周囲からびっくりされるほど若く見えますよ。70代で背中が丸い方でも、ピラティスを数回やるだけで姿勢がよくなり、きれいになった、若くなったと言われてすごく喜んで続けています。みなさんが変身され、生き生きと輝いている姿を見ていると、ダンスやピラティスを教えていて本当によかったなと実感しますね。

大人向けのジャスクラスの練習風景

―発表会や大会への出場、そのほかADCメンバーの活躍等についても教えてください!

毎年、年度末に開く発表会が一番大きなイベントで、前回でちょうど20回を数えました。会場は「麻生市民館ホール」か「町田市民ホール」のどちらか。子どもから大人まで、総勢100人ぐらいが1年間勉強してきた成果を大きな舞台で発表します。華やかな照明と大音量の中で、衣装を着てステージに立ち自分と作品を表現することはとても貴重な経験になります。ふだんのレッスンでは味わえない感動を仲間と分かち合い、チームワークが強まるよい機会となっています。

発表会の様子「ヒップホップ」

また、ダンスに意欲的なジュニアやティーンズメンバーには外部で行われるダンスイベントや大会にもチャレンジさせています。他チームから沢山の刺激を受けて新たな目標に向けて成長していきます。チアの選抜クラスは毎年、秋から冬にかけて関東圏で開催される大会へ出場していますが、昨年は全米最大級のチア&ダンスイベントの日本大会である「JAMfestJAPAN」に出場し、銀メダルとアメリカ大会への出場権を獲得しました。一昨年は同大会でヒップホップもアメリカ大会の出場権を獲得しました。

ADCのインストラクターは、チアやヒップホップなどのクラブチームでトップクラスのチームに所属しているレベルの高い先生たちばかり。現役で舞台に立ったり、世界大会へ出場するなど、多方面で活躍しています。ADCでは技術も指導力もしっかりとしたインストラクターによるクオリティーの高いレッスンを提供しています。

銀メダルを手にし、アメリカ大会への出場権を獲得したチアの選抜クラスの演技

―地域イベントにも積極的に参加されていらっしゃいますね。

ダンスを始めたばかりのキッズやジュニアの子たちを、毎年秋に「柿生駅前広場」で開催される「禅寺丸柿まつり」に参加させています。仲間と力を合わせ、観客の前で堂々と表現することは、自分に自信が持ててとても良い経験になるからです。ADCのパフォーマンスを見て、自分も習ってみたいというお子さんもいますね。今年の「柿まつり」は20周年を記念して柿生のイメージソング「かきくけかきお」のショーがあり、ADCの子どもたちも協力して盛り上げる予定です。

2014(平成26)年の「柿まつり」の様子

世代を超えたつながりがあるあたたかな街、柿生

―青山様にとって、柿生・上麻生エリアの魅力とはどんなところでしょうか?

柿生はとても歴史がある古い街で、他の街にはない独特の雰囲気があちらこちらに残っています。例えば、駅からスタジオまでの道のりの途中にある古い雑居ビルや駅前のアーケードは、まるで昔の映画に出てくる舞台装置のようにレトロで、ロケ地になってもいいぐらい面白い雰囲気があります。

昔ながらのよさが残っている反面、若い人たちもどんどん入ってきているので、年配の人たちと若い人たちが共存して、一緒に街を作っているところも魅力的です。貴重な禅寺丸柿を保存・PRしていこうという目的で開かれている「柿まつり」では、若い人たちは禅寺丸柿について知らないことを年配の人たちから学び、年配の人たちは若い人たちがゆるキャラやイメージソングで街を盛り上げようとする活動を尊重してくれています。今はお隣が誰だかわからない、人に干渉しないのが当たり前の世の中ですが、ここは地元の人たちがすごくあたたかく、人のつながりがある地域だなと感じています。

壁一面の大きな鏡で動きをチェック!

―最後に、これから新たに柿生に暮らす方にメッセージをお願いします!

柿生は住んでいる方たちの品がよく、ママたちの意識が高い街です。子どもたちは育ちがよく素直で、柿生小学校で柿生のイメージソングを紹介した時は、全校生徒が楽しそうに踊ってくれました。ADCはそんな地域にマッチしたクオリティの高さ、品のあるスタイルが特徴のダンススクール。礼儀など習い事としての教育をきちんと行い、保護者が安心・信頼して子どもを通わせられるスタイルを通しているので、ぜひお子さんにダンスを体験させてください。

一生懸命に練習に取り組める土壌があるからこそ、発表会も楽しい!

―生徒さんたちにADCに通ってよかったことについてお聞きしました!

Aさん:体型維持ができることです。アットホームでみんな仲がいいところも好き!先生たちもきれいで、近くに目標となる人がいるのは励みになります。

Bさん:ここに通っているみんなのことが大好きなので、続けてこられたと思います。ジャズ、バレエ、ヒップホップ、ダンスエクササイズと、週に何回も通っているうちに、自然と親しくなりました。体も柔らかくなったし、体型を維持しています!

Cさん:少人数なのでみんな仲がよく、目が行き届きます。青山先生はやさしくて教え上手。生徒一人ひとりをきちんと見てくれます。知識も技術も幅広く、いろいろなダンスを教えてくれますよ。

レッスンの様子は真剣そのもの

青山ダンスクラフト:青山暁子さん

ADC☆STUDIO 青山ダンスクラフト

主宰 青山暁子さん
所在地 : 神奈川県川崎市麻生区上麻生5-6-18泰平ビル柿生1F
TEL : 044-986-2027
URL:http://www.aoyama-dance.net/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

仲間と踊る楽しさを実感!長く通いたくなる柿生の人気ダンス&ピラティススタジオ/ADC☆STUDIO 青山ダンスクラフト 主宰 青山暁子さん
所在地:神奈川県川崎市麻生区上麻生5-6-18 泰平ビル柿生1F
電話番号:044-986-2027
電話受付時間:10:30~19:30
http://www.aoyama-dance.net/

さいたま市都市局都心整備部インタビュー

さいたま市の都心として、さらなる進化を目指す『さいたま新都心将来ビジョン』/さいたま市都市局 都心整備部都心整備課


さいたま新都心は、かつては“鉄道のまち・大宮”を象徴した大規模の国鉄操車場跡地を中心とした、大規模な再開発事業からスタートした。2000(平成12)年に街びらきが行われて以来、行政機関やオフィスビルが集まる埼玉県内でも有数のビジネス拠点として発展し、ショッピングやレジャー施設も誕生。居住エリアとしての環境も整えられてきた。現在も、民間事業者を中心にさまざまなところで開発が行われ、さらなる進化にも期待が集まる。
そんな中、2014(平成26)年3月には、さいたま市が『さいたま新都心将来ビジョン』を発表し、これからの街づくりについての道筋を打ち出した。これからさいたま新都心がどのように変貌を遂げていくのか、今回はさいたま市都市局都心整備部都心整備課のご担当者にお話を伺った。

2000(平成12)年の街びらきから今日までの発展

――まずは、今日までの街づくりの沿革について教えてください。

さいたま新都心は、東京への過度な依存を是正し、自立性の高い中枢都市圏を実現することを目的に、鉄道操車場跡地とその周辺の工場跡地などを含め、約47.4haの区域で土地区画整備事業として整備が行われてきました。1991(平成3)年に土地区画整備事業の認可がおり、2000(平成12)年2月に国の機関の移転が開始されて、同年の4月には「さいたま新都心」駅が開業しました。そして、2000(平成12)年5月に街びらきを行いました。その後「さいたまスーパーアリーナ」「けやきひろば」「ラフレさいたま」などがオープンし、2001(平成13)年から2002(平成14)年にかけて民間業務ビルなどが次々と開業。2003(平成15)年3月には土地区画整備事業は完了して基盤整備は終わりました。それ以降も、2004(平成16)年の「コクーン新都心(現・コクーンシティ)」や「首都高速埼玉新都心線」の開業を経て現在に至っています。

さいたま新都心の街並み

『さいたま新都心将来ビジョン』策定の背景と、目指す将来像

――『さいたま新都心将来ビジョン』が策定された背景と、目的やテーマについてお聞かせいただけますでしょうか。

『将来ビジョン』は2014(平成26)年3月に策定されました。都市基盤整備は完了していたのですが、当初の街づくりの目標達成というところでは課題が残されており、大規模な土地利用転換が見込まれる土地がまだいくつかあったことが策定の背景にあります。その概要としましては、これまでの街づくりの成果や社会情勢、さいたま新都心地区における大規模土地利用転換の動向を見据えて、今後の持続可能な街づくりを行うために、さらなるにぎわいを創出し、良好な都市環境の形成に向けた取り組みを検討していくことを目的にしています。

『さいたま新都心将来ビジョン』資料

3つの課題と具体的な取り組み・進捗状況

――『さいたま新都心将来ビジョン』が掲げる、3つの課題に対する具体的な施策と現在の進捗状況を教えてください。

(1)「広域的な都市活動の拠点、にぎわいあふれるまち」について

こちらの具体的な施策としては、「大規模な土地利用転換の適正な誘導により、新たな都市機能を集積 」「既存の都市機能と新しい都市機能が効果的な活用が図られるよう、相互の回遊動線の整備を検討」「多様な交通手段により、大宮駅周辺地区との連携、機能の補完関係を強化」「交通拠点性を高める新たな交通広場の整備を検討」の4つを掲げています。

「さいたま新都心」の3つの課題と施策

さらに、「大規模な土地利用転換の適正な誘導により、新たな都市機能を集積 」については、以下の4つの具体的な取り組みを挙げています。
まずはじめが、「片倉工業による商業・業務施設開発計画の促進」です。既にオープンしていた「コクーン新都心」を「コクーン1」に改め、2015(平成27)年の4月にオープンしたショッピングセンターを「コクーン2」に、同年7月にリニューアルした建物を「コクーン3」とし、それらをすべて合わせて「コクーンシティ」という大規模な商業エリアは片倉工業さんによって生み出されました。

コクーンシティ

次に、「地区計画に整合した土地利用の促進」ですが、こちらは最初に行われた47.4haの土地区画整備事業のエリア外にあたる浦和区上木崎1丁目地区の開発で、大型のホームセンターを中心としたショッピングモール「スーパービバホーム さいたま新都心店」が2014(平成26)年の12月に開業しました。

スーパービバホームさいたま新都心店

次に、「三菱マテリアル用地土地利用転換の促進」があります。現在、大宮区北袋町1丁目では地権者である三菱マテリアルさんを中心に土地区画整理事業を行っています。ここには大宮警察署のほかに科学捜査研究所や県警の鑑識課も合わせて移転してくる予定です。また現在は東池袋にある造幣局も移転の予定で、工場棟のほかに博物館も併設されて2016(平成28)年10月の操業を予定していると聞いています(2016年10月3日開局)

最後に、「JR東日本による開発計画の促進」では、「さいたま新都心」駅を降りてすぐの土地に、JRがホテルや商業施設、オフィス、ブライダル施設、子育て支援などの機能が入る複合施設を現在建設中です。

その他の回遊性の向上や大宮駅周辺との連携に関しては検討中です。

工事が進む(仮称)さいたま新都心ビル

(2)「広域的な安心・安全を担うまち」について

こちらの具体的な施策として「広域防災機能の向上」と「災害拠点病院整備の促進」の2つを掲げています。「広域防災機能の向上」については、三菱マテリアル用地にオープンスペースの創出を考えております。さいたま新都心には複数の国の行政機関や「さいたまスーパーアリーナ」などがありますので、それらと連携できるような防災機能をもつ都市公園の整備を検討しています。

「災害拠点病院整備の促進」については、「さいたま新都心」駅近くへの「さいたま赤十字病院」と「埼玉県立小児医療センター」の移転計画が決まっており、現在そのための工事が行われているところです。両病院とも2016(平成28)年に開業予定だと聞いております。

埼玉県立小児医療センター 新病院(左)、さいたま赤十字病院(右)

(3)「豊かなみどりと都市機能が融合するまち」について

こちらは、「みどりのネットワーク形成推進」を施策として掲げていますが、現在具体的な実施内容は検討中のため整備が着手されている状況ではございません。

(4)その他、今後検討している計画について

「大宮」駅周辺の自動車交通のターミナル機能の飽和状態を緩和するため、交通広場をメインに、公共公益施設として具体的にどのような施設にしていくかを検討しているところです。また南北の歩行者動線の強化に向けた歩行者デッキの整備についても検討中です。

けやきひろば

さいたま新都心“ならでは”のまちづくりの魅力

――さいたま新都心における、まちづくりの特徴や、地域の魅力とはどのような点だと思われますか?

1997(平成9)年に全国に先駆けて「さいたま新都心バリアフリー都市宣言」を行い、子どもからお年寄りまでのすべての人が安心して活動できる優しいまちづくりに取り組んでいる街です。具体的には、街全体に2階レベルでデッキが整備され、歩行者用の屋根が連動して設置してあります。また、車と歩行者を完全に分離することで、安全な歩行空間を確保しています。そのほか、「けやきひろば」の1階の「ふれあいプラザ(※)」では、地域ボランティアである「さいたま新都心バリアフリーまちづくりボランティア」の活動拠点として、車イスの貸し出しやサポートや行っています。(※平成28年1月上旬から8月上旬まで、けやきひろばのリニューアル改修工事に伴い、仮移転しています。)

ふれあいプラザ

「さいたま新都心まちづくり推進協議会」という地権者の方を中心としたまちづくり組織では、魅力あふれる都市景観の創出に努め、地区内のゴミ拾いや冬のイルミネーション事業も行っており、そうした協力的・積極的なまちづくりが、この街の魅力として挙げられると思います。

今後への想い

――最後に、今後のまちづくり対する意気込みをお聞かせください。

さいたま新都心は、周辺も含めてさいたま市の都心のひとつとして位置づけられている場所で、東日本の交通の要衝である「大宮」駅が隣接し、首都圏や国内外のさまざまな人が行き交うポテンシャルの高い地域と言えます。先日行われた国際的な自転車イベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」や「さいたま国際マラソン」なども開催されます。この『将来ビジョン』は、市民と事業者と我々行政が将来像を共有し、実現に向けて取組むための基本的な指針になっておりますので、それぞれが連携しながら、さいたま市の都心にふさわしい街づくりに取り組んでいきたいです。

多くの人が行き交う、さいたま新都心駅

 

さいたま市役所

今回お話を聞いた人

さいたま市都市局都心整備部都心整備課
ご担当者様
住所:さいたま市浦和区常盤6-4-4
TEL :048-829-1577
http://www.city.saitama.jp/006/015/049/003/p007142.html
※この情報は2015(平成27)年11月時点のものです。

さいたま市の都心として、さらなる進化を目指す『さいたま新都心将来ビジョン』/さいたま市都市局 都心整備部都心整備課
所在地:埼玉県さいたま市浦和区常盤6-4-4 
電話番号:048-829-1111
開庁時間:8:30~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.saitama.jp/

インタビュー

日本文化と自身のルーツに新しい感性を融合させ、“暮らし”を発信/組む 東京 店主 小沼のりこさん


東神田・馬喰町界隈は多くの問屋が軒を連ね、“日本一の問屋街”とも言われている。その大通りから少し入った場所にある「組む 東京」は、60年以上前に建てられたコンクリートビルをリノベーションしたという、新旧入り交じった雰囲気がひときわ目を引くギャラリーショップ。2015(平成27)年オープンし、和の伝統技術を用いながらも現代の生活にマッチする生活雑貨などを多く取り扱い、イベントなども積極的に開きコミュニティスペースとしても機能している。
この店の店主は、この場所を父方の実家に持つ小沼のりこさん。学生時代は日本の美術史を学び、その後も美術展示やデザイン等の仕事に長く携わってきたという、感性の高い女性だ。今回は彼女がこの店に託した想い、地域に対する愛着や魅力について、色々とお話を聞くことができた。


“どこか懐かしい”という感覚から育った、日本文化発信への思い

「組む 東京」外観

――小沼さんが日本文化やものづくりに興味を持たれたきっかけと、「組む 東京」をスタートされた経緯や理由についてお聞かせください。

小沼さん:ものづくりに興味をもったそもそものきっかけは、幼い頃に住んでいた日本家屋の思い出が鮮烈にあったからだと思います。そこは小学校に入学するくらいまで住んでいた新富町の家で、漆喰壁、畳敷きで、お庭があるような造りでした。小さな頃ってやっぱり、壁に落書きとかしちゃいますよね。その時の、鉛筆で書くシャリシャリとした音だとか、漆喰の感覚、触った時の冷たさなどがすごく記憶に残っているんです。たぶんそうした、どこか懐かしいような感覚が潜在的に好きで、それに近いものを探していったんだと思います。

オーナーの小沼さん

“物が作られる背景”といいますか、精神文化的なものにとても興味があり、そうしたものに触れたり見たりということは、学生時代からよく行っていました。大学では美術史や日本美術について勉強していましたし、大学院はイギリスの大学に進学して、ディスプレイデザインなどについて学びました。日本に戻って仕事に就いてからは、キュレーター(=展覧会の企画・構成・運営などをつかさどる専門職)として美術展関連の仕事をし、子育てを機に一旦は離れたのですが、その後父が経営するメーカーのデザイン部門に入り、そこでも10年ほどディスプレイデザインなどの仕事に関わりました。
そうした中で、同じような関心や興味を持った人や、ものづくりをする人たちとの接点が生まれ、知り合いになっていき、段々と「自分で発信をしてみたい」という思いが膨らんでいったんです。その時に、この場所があることを、ふと思い出しました。

一見きれいで新しいように見える店内。スイッチなど細かい部分に懐かしさが隠れている

――その「発信」の舞台として選んだのが、先祖代々の土地に建つ、こちらのビルだったわけですね。

小沼さん:このビルは私の祖父が建てたもので、ずっと仕事場として使われてきました。その後、叔父叔母や私の父も、時々は仕事に使っていたのですが、私自身はほとんど入ったことがありませんでした。
2~3年前に、私がこのお店を作ろうと思い立ったことをきっかけに片付け始めました。最初は物が沢山あって、部屋の本当の広さも分からない程だったのですが、その大量の荷物の中から1枚の半纏(はんてん)が出てきたんです。
これは曽祖父の時代のもので、おそらく大正期から昭和初期だと思いますが、当時はここで大八車(だいはちぐるま)を作っていたようです。当時この半纏を持っていけばツケで飲めた、という話もあったそうですから、名刺代わりのようなものだったんですね。このビルですら無かった時代ですし、空襲などもあった場所ですから、まさかこんな半纏が残っていて出てくるとは思いもせず、とてもびっくりしました。ここにそうした歴史があったということも、初めて知りました。お店を開く場所は他にも選択肢があったのですが、ここが私のルーツでもあるので、この場所を何とか再生したい、という思いがますます強くなりました。

開店準備で見つかった曾祖父の時代の半纏

――そして2015(平成27)年、「組む 東京」をオープンされたのですね。店内はどのような造りになっているのでしょうか?

小沼さん:1階はセレクトショップのように、通常は作家さんの作品を販売するスペースになっていますが、月に一回程度、スペースの半分程使って、特定の作家さんの展示を行ったりしています。販売についても、私一人だけではなくて、出品している作家さんたちなど色々な仲間に手伝ってもらって成り立っているのが「組む 東京」のスタイルです。
2階は通常はブランクですが、展示の企画ごとに、様々な用途に使用しています。たとえば、先日はお正月のしめ飾りを作るワークショップをやりましたし、1階で器の展示をしている期間には、その器を使ってドリンクやデザートを提供したりもしました。他には作家さんのトークショーなども行います。また年に1回ですが、高座を作って「落語の会」も開いています。そんな具合に、多目的に、コミュニケーションが生まれるような場所として使っていますね。また、普段はストックに使っている地下室もあり、特別な要望があれば、ここでワークショップをやることもあります。

1階のセレクトショップ

――小沼さんが「組む 東京」の商品や展示企画等を通して、伝えたいこと、発信したいことは何でしょうか?

小沼さん:今はインターネットを使って、情報が気軽に手に入る時代です。私自身ももちろん活用していますが、そういう便利なものを活用しながらも、リアルに「接する」「出会う」「感じる」といった、感覚的なものを大事にしたいという思いがあります。そうした感覚を伝えていきたいですし、もっと言えば、この「東東京」に居ながらにして、世界とつながっていけるような活動をしていきたい、とも考えています。

2階の企画展示の一例

――“世界とつながる”とは、具体的にはどのようなイメージなのでしょうか?

小沼さん:世界の文化圏には、様々な人がいて、様々な習慣、物、食べ物があって、自分とは違うけれど、それぞれが本当に豊かで、素敵で、リスペクトするべきものだと思うんです。そうした違ったもの同士が、エネルギーを交換するような場づくりも、「組む 東京」のコンセプトとしています。

ここで「発信」したいことは、日本文化の素敵なところ、豊かなところ、です。“日本のDNA”とも言えるでしょうか。それを国内だけではなく、海外に向けても伝えていきたいと思っています。それは特に誰をターゲットにするわけではなくて、国内外、誰でも共有して、お互いシェアしましょうよ、という感覚です。

ものごとの機微に気付ける暮らしを提案

――展示販売している作品のコンセプトやセレクトの基準は何でしょうか。

小沼さん:敢えて言うならば、「日本的なスピリットが生かされたもの」だと思います。伝統的に、例えば何百年も守られてきた技術を用いながらも、その“まんま”の商品ではなく、それを生かして、今、生活のためにどのようなものが作れるのか、ということを提案している商品が多いです。言い換えれば「研ぎ澄まされたもの」ですね。饒舌ではなく、簡素にしていく中で豊かさを感じられるもの、を自分の基準にして選んでいます。

器や小物の他に、服飾雑貨もある

――日々の生活で使用する雑貨も多いようですが、どのような“暮らし”を提案していきたいと思いますか?

小沼さん:なかなか言葉にするのは難しいのですが、“気づいている暮らし”とでも表現すれば良いでしょうか。多様な物事について、自分のセンサーが“気づける”チャンネルに合っている、という幸せがあると思うんです。昔の日本家屋の話もそうですが、五感を通してふとした部分の機微を感じられるというのも、幸せの一つだと思います。そういう、チャンネルが合っていないと気づかないような、すごく微細なことを感じられる幸せを伝えていきたい、と思っています。

世の中には奇をてらったり、格好良さを目立たせた物も沢山あると思いますが、私はむしろ、「これって本当にデザインしているの?」というぐらいの、さりげない物だけれども、よくよく見ると「あ、ちゃんと作られているね」というような物が好きなんです。そこには、「ちゃんと考えられていないと、決してこうしたデザインにならない」という合理性があると思っています。例えば、器でも、口が当たったときに「あ、なるほどね」と感じる瞬間があります。そうした感覚を大事にして生きていったほうが、面白いんじゃないかなと思うんです。

真鍮のカトラリーや箸おきなど

新旧が調和した街とのつながり

――この街から影響を受けることはありますか?

小沼さん:もちろん近隣の方にも来ていただけるように商品や展示を考えていますが、どちらかというと、地域に向けてというよりは、この場所を通して、街が新しい形で元気になればいいな、と考えています。
町内の人を集めてお祭りをしたり、餅つきをしたりということは、町内会が昔から行っているので、そこには私も参加者として関わっています。そうした動きとはまた別に、この一帯の新しいお店で、横につながり、一緒になって地域のマップを作ったり、イベントを開催したりしています。そうしたことを通じて、街の外からも人が来て、街がさらに元気になって、「なんだか馬喰町って活気があるね」と思ってもらえれば、それもまた、この地域への貢献なのではないかと思います。
この街の魅力は、「外から新しくやって来たクリエイティブな人たちが、地域に元々あるリソースにリノベーションをかけ、古いものを生かしながら、今の時代に合った新しいものを提案している」という部分だと思いますから、そこは、地域の特性に大きく影響を受けていると思います。もちろん私もその一人でありたいと思っていますので、祖父母たちのかつての精神は受け継ぎながらも、時代に合った変化を加えながら、自分の世代ができることを発信していきたいと思っています。

お米やしめ飾り、枡など伝統的な商品

――小沼さんが感じる、東神田・馬喰町エリアの魅力とは何でしょうか?

小沼さん:ここは地域のコミュニティがしっかりとしているところなので、ご近所の人たちみんなが、何かあると声を掛けてくれて、助けあう雰囲気がありますね。昔から住んでいる方々が沢山いて、そこに新しいマンションができ、新しい人たちが入ってきて、それに伴い新しいお店などもできて・・・というのが近年の動きですが、そんな中、新旧が一体となり、本当に「街」らしく支えあって、一緒に暮らしているというムードがあります。大きな資本が入るのではなく、個人個人のレベルでそのように街が変化しているのが、この地域ならではの特長だと思います。
また、以前はスーパーマーケットなどが近くに無く不便だったのですが、今は環境が良くなり、「暮らす街」としても魅力がずいぶん増してきたと思います。東京の西側エリアのオシャレ感ともまた違った、東側ならではの、ローカルな、気楽に声を掛け合えるような、そんな温かさがある街ですね。

――最後に、東神田・馬喰町エリアにこれから暮らしたいという方に向けて、メッセージをお願いします。

小沼さん:ここはビジネスや商業目的の地域とはまた違った、人が暮らすコミュニティとしての、すごく可能性を秘めた街だと思います。自然発生的に、志のある人達が集まって、支え合って、「みんなで雰囲気を良くしようよ」という心意気がある街です。ですから、昔から住んでいる方も、新しく引っ越して来た方も、老若男女がみんなが仲良く、一緒に楽しめるような街になっていけばいいなと思っていますし、私達もその役割を担っていければ、と思って頑張っています。そんな素敵な街ですから、ぜひ一度お越しください。


感性を研ぎ澄ませる雑貨を扱うギャラリーショップ「組む 東京」

組む 東京

店主:小沼のりこさん
所在地:東京都千代田区東神田1-13-16
TEL:03-5825-4233
URL:http://www.kumu-tokyo.jp/
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

日本文化と自身のルーツに新しい感性を融合させ、“暮らし”を発信/組む 東京 店主 小沼のりこさん
所在地:東京都千代田区東神田1-13-16 
電話番号:03-5825-4233
営業時間:12:30~19:00 ※イベントによって変動
定休日:不定休
http://www.kumu-tokyo.jp/

わざわざ足を運びたくなる、「志村図書館ならでは」の魅力とは?/板橋区立志村図書館  大塚さん・原田さん


板橋区立志村図書館
大塚さん、原田さん

わざわざ足を運びたくなる、「志村図書館ならでは」の魅力とは?

中山道の「志村警察署」から少し住宅地に入った場所にある「板橋区立志村図書館」は、近隣エリアはもちろん、赤羽や高島平など、やや離れた地域からも来館者があるという、人気の高い図書館である。今回は毎月1回行われている「おはなし会ワールド」にお邪魔して、司会と読み聞かせを行っている図書館スタッフの大塚さんと原田さんのお二人に話を聞いた。

この「おはなし会ワールド」はどんなイベントなのでしょうか?

大塚さん:このもとになる会として、毎週水曜日に行っている「おはなし会」というものがあるのですが、この「おはなし会ワールド」は、月に1回、毎月第4土曜日に行っている拡大版で、「おはなし会」にプラスして、工作もやっています。毎月23日が板橋区が定める「家庭読書の日」という日ですので、それにちなんだイベントということになります。また、第3・第4水曜日には、「おはなし会」の前の時間に、0歳から2歳までの赤ちゃん向けの「おはなしかいプチ」というものもやっています。

志村図書館 おはなし会インタビュー

時間については、「プチ」が第3・4水曜日の午後2時半から、普通の「おはなし会」が毎週水曜日の午後3時半から30分ぐらい、「おはなし会ワールド」は第4土曜日の11時から1時間ぐらいで、毎回読む本はだいたい3冊から4冊、そこに手遊びが入りまして、「おはなし会ワールド」は工作の時間が加わります。

対象年齢は、「プチ」が0歳から2歳、「おはなし会」が2歳以上小学生以下となっています。小学生も高学年まで対象にしていて、どなたでも来ていただけるんですが、実際には低学年までの方がほとんどですね。

読む本はどのよう選ばれているのでしょうか?

志村図書館 おはなし会インタビュー

大塚さん:とくにこれと決めているわけではなくて、二人で交替で担当しながら、「今度はこれ読みたいね」という感じで選んでいるんですが、だいたい季節に合ったテーマを選んでいます。工作についてもそうですね。

参加は無料ですか?

志村図書館 おはなし会インタビュー

大塚さん:はい。もちろんすべて無料でご参加いただけます。申し込みなどもとくに必要ありませんので、時間になったらお越しください。館内の掲示や放送でもご案内しています。

お二人は普段どんな仕事をされているのでしょうか?

志村図書館 おはなし会インタビュー

原田さん:この図書館は「株式会社ヴィアックス」が指定管理者ということで、区から指定されて管理しています。ですから、「職員」ではなくて、「図書館スタッフ」という感じですね。気軽に話しかけていただければと思います。ほかにもたくさんのスタッフがいますが、私たちは主に、児童書を担当しています。

「おはなし会」には、どの辺りから、どんな方が来られているのでしょうか?

志村図書館 おはなし会インタビュー

大塚さん:どこから来られているかということまではわかりませんが、何度もいらっしゃる常連の方も多くいらっしゃいますし、今回のように土曜日の開催の場合は、お父さんが連れて来られるということもありますね。もちろんリピーターの方だけでなくて、たまたま掲示や館内放送を聞いて、初めて来たという方もいらっしゃいます。

とくに、この月1回の「おはなし会ワールド」では工作の時間があるので、いつも来ている子が多いです。

「おはなし会」以外にも、親子向けのイベントはありますか?

志村図書館 おはなし会インタビュー

大塚さん:そうですね、「おはなし会」にも関連するんですが、クリスマスの時期になると、普段の水曜日の会の時に「クリスマスおはなし会」をやっていまして、このときにはサンタさんが出てきたり、マジックをしたり、サンタさんから工作キットのプレゼントをもらえるということで、毎年たくさんの親子の方に来ていただいています。

それから、夏休み期間の「おはなし会ワールド」は「夏休み工作会」ということで、時間も名前も変えまして、折り紙などの工作だけをやることもあります。このときには、ちょっとむずかしい、豪華な工作にも取り組んでいます。「おはなし会」以外ですと、毎月1回、土曜日の午後には子ども向けの映画会も行っています。

今日も区外から来られている方がいましたが、わざわざ足を運びたくなる、「志村図書館ならではの魅力」とは何でしょう?

志村図書館 おはなし会インタビュー

大塚さん:私たちが担当する児童書について言えば、偏りなく選書して、できるだけ新しいものを揃えるようにしていますし、ちょっと読まれなくなったものは棚から外して、新しいものに入れ替えたりと、つねに動きがあるように管理していますので、そこは魅力的に映っているのかと思います。図書館全体としても、児童書にはとくに力を入れていると思います。

志村図書館 おはなし会インタビュー

原田さん:ここに関しては、確かに「お子さん連れに優しい図書館」ということは言えると思います。とくに「おはなしかいプチ」には毎回、たくさんの親子に来ていただいています。

実は私自身も昔、子どもと一緒に参加したことがあるんですけれども、やはり図書館と言うと、普通は小さなお子さんを連れていくのには気兼ねがあるかと思うんですね。でも、この「志村図書館」の場合は、第3・第4水曜日の「おはなしかいプチ」の前後の時間帯(14時~16時)に「かるがもタイム」という時間を設けてあって、ほかの利用者の方にも呼びかけ、この時間帯はお子様連れも気兼ねなく使っていただける時間、ということにしているんです。その時間帯には、子どもが騒いだからと言って、嫌な顔をされることも無いんですね。そういった環境がこの図書館には整っているので、お子様連れの方にもたくさん来ていただけているのかな、と思います。

最後に、お二人それぞれの視点から、小豆沢エリアの魅力についてお聞かせください。

原田さん:子育て環境に関して言えば、スーパーマーケットも児童館も公園も、近くに幾つもありますから、子どもと一緒に出歩きやすいですし、暮らしやすいですし、友達もできやすいエリアだと思います。都心と比べて小さい子が多いですから、どこに行くにしても、子どもがいるからと気兼ねすることは少ないですね。子どもたちに対する目が優しい地域なのかな、と思います。

大塚さん:子育て以外のところだと、実はバスを使えばいろいろなところに行きやすくて、お子様連れの方にとても優しい街になっていると思います。あと、商店街がいいですね。昔ながらの小さなお店が残っていて、おいしいお店もたくさんあります。その一方で車で行ける便利なショッピング施設も揃っているので、いろんな方にとって、暮らしやすい街だと思いますよ。

志村図書館 おはなし会インタビュー

今回、話を聞いた人

板橋区立志村図書館

大塚さん(右)、原田さん(左)

住所:東京都板橋区小豆沢1-8-1
電話番号:03-5994-3021
http://www.shimura-lib.jp/
※この情報は2014年11月時点のものです。

わざわざ足を運びたくなる、「志村図書館ならでは」の魅力とは?/板橋区立志村図書館  大塚さん・原田さん
所在地:東京都板橋区小豆沢1-8-1 
電話番号:03-5994-3021
開館時間:9:00~20:00
休館日:第3月曜日、月末日(土・日曜日、祝日の場合は直後の平日休館)、年末年始(12/29~1/4)、特別整理期間
http://www.shimura-lib.jp/

地域や外部スタッフとの連携で実現する「笑顔あふれる学校」/志村第四小学校 校長 丸山実先生


板橋区立志村第四小学校
校長 丸山実先生

志村第四小学校 校長 丸山実先生インタビュー

地域や外部スタッフとの連携で実現する
「笑顔あふれる学校」

荒川の支流である新河岸川に接し、北区との境に位置する小豆沢は、体育館や弓道場、野球場などを備えた広大な「小豆沢公園」のほか、多くの公園を有する緑豊かで静かな住宅地。また同時に、イトーヨーカドーやホームセンター、レストランなどが集合した複合ショッピングセンター「セブンタウン小豆沢」もあり、生活するには便利な街でもある。

今回はそんな小豆沢にある「板橋区立志村第四小学校」の丸山校長先生に学校のお話を聞いた。

まずは学校の教育方針と概要を教えてください。

志村第四小学校 校長 丸山実先生 インタビュー

本校は「考える子」、「思いやる子」、「たくましい子」、“知・徳・体”の調和がとれた子どもの成長を目指すという教育目標を掲げています。また、私が2013(平成25)年度にこちらに赴任した際、“笑顔あふれる学校”というテーマも設定し、子どもたちが「学校に来るのが楽しい」、「勉強がよく分かる」と感じるような学校にしていきたいと考えております。

 

笑顔は、子ども同士のより良い関係と確かな学びがあってこそ生まれるもの。子どもの笑顔がたくさん見られるよう、子どもたちにとって学校が楽しい場所になるよう、教職員たちも日々教育活動に取り組んでいます。

2014(平成26)年度、創立70周年をお迎えになると聞きました。

本校は1944(昭和19)年、終戦1年前に開校し、学童疎開なども行っていたようです。創立当時は12学級739名での出発でした。1958(昭和33)年には1372人まで増え、反対に2001(平成13)年には全校児童392人まで減ってしまった時期もありました。ただ近年、マンションが建ち、子育て世代の流入が進んでおりますので、現在は15学級480名。創立当初は木造だった校舎も1966(昭和41)年に今の鉄筋コンクリートに建て替えられ、今もそのまま使用しておりますが、耐震工事は全校舎で完了しています。

特徴的な取り組みなどはありますか?

志村第四小学校 校長 丸山実先生 インタビュー

まず朝は毎日、4年生以上の子どもたちが当番制で私と一緒に校門に立ち、登校する児童に声をかける「あいさつ運動」をしています。最初は声をかける方もかけられる方も照れくさそうにしていましたが、次第にあいさつの楽しさ・嬉しさというものに気づくようですね。

3月下旬からは3年生が見習いのような形で「あいさつ運動」に参加しましたが、それまでは“あいさつしてもらう側”だったのに、4年生になると声をかける側。少し誇らしげな子どもたちの顔が印象的でした。

また1991(平成3)年には、校庭の一部に「学校の森」と呼ばれる子どもたちの憩いの場ができました。ここにはさまざまな種類の木を植え、ジャングルジムも設置してあります。20分休みには低学年を中心に遊び場となり、生活科の授業でも頻繁に利用されています。適度なアップダウンがあり、自然の小さな里山のような風情がありますので、都会の学校としてはユニークで有意義な場所だと思います。

ボランティア学生など、外部との連携もしっかり取られていますね?

志村第四小学校 校長 丸山実先生インタビュー

東洋大学文学部教育学科、つまり先生を目指している学生たちが学んでいる学科と連携して、往環型教育実習を実施しています。これは大学2年次・3年次の2年間、ほぼ週1回学級に入って教育実習をするものです。若く情熱のある学生さんに来てもらえるのは心強いですし、授業や子どもたちのサポートもしてもらえますので非常に助かります。また大学4年次に4週間ほど学校に赴任する従来通りの教育実習もそのまま残っていますので、大学生がより多くの現場経験が積めるという、学生にとってもプラスの多いプログラムですね。

都から派遣されているスクールカウンセラーも毎週金曜日に学校におりまして、子どもはもちろん、保護者の方の相談にも熱心にのってくださっています。独りで悩んでいると行き詰まってしまうことでも、第三者に話すことで冷静に見られたり、気持ちがスッキリしたりすることもありますので、上手に利用してもらっていると感じます。

読書旬間とはどのような活動ですか?

志村第四小学校 校長 丸山実先生インタビュー

各学期ごとに10日間ずつ「読書旬間」という時間を設けています。これは子どもたちに本に親しんでもらい、本を好きになってもらうための時間で、通常より読書の時間を増やしています。私自身本が大好きで、読んで聞かせることも好きなので、自分で本を選び全校集会で読み聞かせをしました。

各担任の先生や図書ボランティアによる読み聞かせも行っていて、低学年はもちろん高学年の子どもたちも集中して聞いているようです。また家庭にも積極的に読書を勧めてくれるよう、呼びかけています。

「寺子屋」など地域との関わりについても教えてください。

志村第四小学校 校長 丸山実先生 インタビュー

「いきいき寺子屋プラン」という板橋区の事業がありまして、土日や放課後などに学校施設を活用し、地域や保護者の特色を活かした活動をするというものです。

本校では、そろばんの回数が最も多くて年に10回程度、あとは板金・茶道・華道・ギター・ミュージックベル・サッカー・野球・フラワーアレンジメント・キッズビクス・手芸などの単発のクラスになっています。こちらは、講師が地域の方々や元PTA、現役の教師などが勤めています。企画や申し込み、実際の実施にまつわる細々としたことは、PTAとは独立した寺子屋スタッフの方々が取り仕切って下さっています。寺子屋自体は区の事業ですが、地域の方々の協力のお陰で成り立つ活動で、この活動のバリエーションの多さや熱心さは他にはないものと自負しています。

 

また5年生の総合教育で学ぶ「日本の伝統文化」の授業では、日本画や茶道、花などのほかに、この辺りの工芸品として盛んだった板金技術も学んでいます。講師は近隣の地域の方々にお願いし、子どもたちに教えていただいています。皆さん非常に熱心で、丁寧にご教授くださるので子どもたちも楽しみにしている時間です。 親子3代で本校に通っているというご家族も多く、地域の方々の本校への愛情を日々感じています。

学校に通う地域の子どもたちはどんな様子ですか?

子どもたちは皆、明るく元気で実に子どもらしい児童が多いですね。また男女の仲も非常に良いので、全体的に健全で素直な友達関係が築けているように思います。

小豆沢エリアの子育て環境としての魅力を教えてください。

志村第四小学校 校長 丸山実先生 インタビュー

住宅街のなかにある学校ですので、周辺が静かで非常に安全です。板橋区のなかでも、この小豆沢地区は不審者などが少なく、子どもを持つ親御さんも安心できる環境だと思います。公園も多く、緑もたくさんありますので、季節の移り変わりなども肌で感じられます。

 

またJR「赤羽」駅までのバスも本数が多くて便利に利用できますし、都営三田線「志村坂上」駅にも近いので、2路線利用できるメリットは高いと思います。先生方は「赤羽」駅を利用する先生が多いようですね。商店街に加えて、ショッピングモールのような施設も充実しているので、暮らしやすいという話はよく耳にしますよ。

志村第四小学校 校長 丸山実先生インタビュー

今回、話を聞いた人

板橋区立志村第四小学校
校長 丸山実先生

板橋区立志村第四小学校
所在地: 東京都板橋区小豆沢4-13-1
電話番号: 03-3966-3542
http://www.ita.ed.jp/edu/simu4es/
※この情報は2014年3月時点のものです。

地域や外部スタッフとの連携で実現する「笑顔あふれる学校」/志村第四小学校 校長 丸山実先生
所在地:東京都板橋区小豆沢4-13-1 
電話番号:03-3966-3542
http://www.ita.ed.jp/edu/simu4es/

子どもたちを正しく強く育てる。 “地域に頼られる保育園”を目指して/都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園 園長 矢田先生


都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園
園長 矢田さん

子どもたちを正しく強く育てる
“地域に頼られる保育園”を目指して

目黒と高島平を結ぶ都営三田線と、北区との区境に挟まれた板橋小豆沢エリア。緑豊かな「小豆沢公園」の横には大型ショッピングモールの「セブンタウン小豆沢」が並び、ファミリー層が生活しやすい環境が整っている。そんな小豆沢に建つ大型マンションの1階にある「都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園」は、働くお母さん方はもちろん、仕事を持たない人にも頼ってもらえるような保育園を目指して日々運営を実施。グループ会社である株式会社キッズ・コムが所有する北海道南富良野の自然体験開拓村「キッズコムファーム」を活用して、大自然で“生きる力を育む”というスケールの大きな教育プロジェクトにも取り組んでいる。「都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園」の矢田園長に園の特長や理念、小豆沢エリアの魅力についてお話を伺った。

マンション施設併設の保育園として4月にオープンされたそうですね。

都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園

はい。2015(平成27)年4月1日に開園し、定員50名の園を運営しております。ポポラーは、お母さまたちのニーズに合わせたフレキシブルな保育を提供しており、定時での仕事ではない方やリフレッシュのためなど預ける理由は問わずに、お子さんをお預かりできる保育園です。朝7時から夜9時まで、月極保育は曜日も時間も日数も自由に選ぶことができます。一時保育なら1時間以上10分単位でお預かりでき、便利に利用していただきたいと思っています。

大型マンションのスカイティアラに併設しており、居住者への優先枠と割引がありますが、周辺地域の方々もご利用できます。マンション1階で、大通りから一本入ったところにあるのでとても静かで安全な立地です。

園の1日の流れを教えてください。

ポポラー板橋小豆沢園 園長矢田先生インタビュー

登園したら保護者の方からお子さんの朝の様子や体調を聞き、視診をしてからお預かりします。毎朝行っている朝の会が終わったら、お絵かきや工作、夏はプールなどのカリキュラムに入ります。お昼は、ポポラー第1号園誕生の25年前からこだわり続けている完全手作り給食の昼食を食べ、歯磨きをしてお昼寝です。午後は手作りおやつのあと、外遊びに出かけます。ポポラーは基本的に国からの補助金を受けずに運営する認可外保育施設であることから、園庭がないところが多いのですが、晴れていれば必ず公園に出かけて思い切り体を使って遊びます。

ポポラー板橋小豆沢園2

今お預かりしている20人の園児たちは、0才の乳児と、それ以上の幼児の2クラスで、異年齢合同の縦割保育を取り入れ、毎日の生活を共にしています。小さい子は年長の子どもたちの遊びを見て、言葉を聞いて、食事の仕方を見てさまざまなことを吸収します。また大きな子たちは自分よりも小さい子に優しくしたり、教えてあげることを学びます。近年はひとりっ子が多くなり、兄弟同士の関わりが少なくなっているので、異年齢の子どもたちが一緒に過ごすことはとても大切だと考えています。

本園の特徴はどんなところでしょうか?

都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園 園長矢田さんインタビュー

まずは昼食・おやつ・夕食がすべてスタッフの手作りというところです。本部の栄養士が考えたメニューを各園でスタッフが手作りするのですが、やはり既製品や仕出し弁当にはない温かみがあり、人の手で作った味を子どもたちにすぐ食べさせてあげられることが大きな特徴です。子どもにとって「食事」はとても大切な要素で、食べている様子で体調の変化が分かったり、好き嫌いを把握したりすることもできます。私たちが手作りすることで、「嫌いな野菜を型抜きしたら食べてくれたから、お家でもやってみたらどうでしょう」など、保護者の方々とのコミュニケーションのヒントにもなっています。

ベレーザエスコートキッズ今年の5月6日に開催した、日テレ・ベレーザ×都市型保育園ポポラータイアップの
イベント「ポポラーデー」のエスコートキッズの様子。参加した子どもたちは
選手と手を繋ぎ試合会場へ入場するという貴重な経験をすることができました。

また、ポポラーでは、スポーツを通して心身ともに強い子どもに育ってほしいという想いのもと、女子サッカーチーム「日テレ・ベレーザ」、バスケットボールbjリーグ「大阪エヴェッサ」を応援しています。チームの応援デーを設けたり、選手と手を繋いで試合会場へ入場するエスコートキッズ、選手やコーチによる教室を開催したりと、スポーツに親しみを持てるような取り組みもたくさん行っています。園のすぐ近くの「味の素フィールド西が丘」でも、よくベレーザの試合があるんですよ。

ベレーザサッカークリニック日テレ・ベレーザの選手・コーチに直接サッカーを指導してもらうサッカー
クリニックの様子。ミニゲームも行い、子どもたちにとっては忘れられない
貴重な体験となりました。

ポポラー独自の取り組みとして「キッズコムファーム」という場があるそうですが、どのような施設ですか?

キッズコムファーム

ポポラーでは、「子どもたちに本物の経験をさせたい」「自ら考えて行動する場で学んでほしい」「子どもたちを正しく強い子どもに育てたい」という想いから、手つかずの大自然が残る北海道南富良野町の30ヘクタールの広大な土地で、子どもたち自身が開拓・開墾していくプログラムを2013(平成25)年からスタートさせました。20年かけて開拓をし、次の子どもたちにつないでいくという非常に長期的なプロジェクトで、子どもの「今」ではなく「未来」を見据えようという考え方に基づいています。

キッズコムファーム

一見、普通のキャンプ場と同じように見えるかもしれませんが、それとはまったく違い、文字通り「開拓」なんです。本当に何もない土地から、一つひとつの施設を子どもたちを中心に手づくりで作り上げていきます。例えば、2014(平成26)年は夏休みに4班が数珠つなぎで入村し、露天風呂づくりに挑戦。草を刈り、整地した場所に大きな石を100個ほど運んでコンクリートで接着して完成させました。大人は見守り役ですので、鎌で草を刈るのも、鍬で土を掘り起こすのも、ネコ(一輪車)で石を運ぶのもすべて子どもたち。本気で泣き出す子もいるくらい、疲れる大仕事なんです。でも、出来上がったときの子どもたちの嬉しそうな顔といったら…、東京にいたら決して見ることのできない、最高の笑顔でした。

キッズコムファーム

子どもから危険要素を取り除くのは簡単ですが、それでは必要な経験まで排除してしまい、強く・たくましい子どもは絶対に育ちません。大変な思いをすることで、人を助けることを学び、助けられる有難さも学ぶ。5歳児からこのプロジェクトに参加できますが、帰ってきたときに親御さんたちから「とてもたくましくなって見違えた」「普段自分(親)が手を出し過ぎていたと反省させられた」といった声を多く聞きます。

キッズコムファーム

実は、この「キッズコムファーム」には選抜された当社スタッフも1週間ほど研修に行くことがあります。森に行って木を切り倒し、のこぎりで切り分けて斧で大量の薪を作るなど、都会では絶対にできないような経験を数多く体験します。私たちが強くたくましくならなければ、子どもに教えることはできませんし、私たちが協力する大切さを実感していなければ、子どもに伝えることもできません。私たち保育スタッフもこの研修を通して、精神的にも体力的にも鍛えられて、ずいぶんたくましくなったと思います。

日々の保育のなかで、大切にしていることは何ですか?

都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園 園長矢田さんインタビュー

「ポポラーに来たい」「ポポラーなら安心して預けられる」と言っていただけるような、お母さま方の頼れる存在になることを目標にしています。子どもたちのなかには、ご両親よりも長い時間を保育士たちと一緒に過ごす子もいます。ヨチヨチと最初の一歩を踏み出すのも、初めてのトイレが成功するのも、ポポラーだったというお子さんも少なくありません。だからこそ保護者の方々に信頼していただき、子ども自らが「行きたい!」と思えるような保育園になりたい。そんな思いで、スタッフたちは日々取り組んでいます。

小豆沢の街の魅力を教えてください。

赤羽自然観察公園赤羽自然観察公園

私はこの3月まで大阪のポポラーに勤務しており、小豆沢園の開園に合わせて異動となり上京しました。正直に言って、こちらに来るまでは不安も多かったのですが、実際に働いてみると、すぐに気取らない下町の温かさを肌で感じました。すぐ目の前の中学校の子どもたちは、前を通れば園児に声をかけてくれますし、横断歩道を渡るときも車はすぐに止まってくれて、街全体が優しい雰囲気に包まれている感じですね。お子さんを預けにいらっしゃる親御さんたちも、オシャレで知性を感じる方が多いのですが、気さくで話しやすい方ばかりです。新たに引っ越していらした方も、すぐに馴染めるような温かな風土があると思います。

ポポラー板橋小豆沢園 園長矢田先生インタビュー赤羽スポーツの森公園競技場

小豆沢の街は全体に静かで落ち着いていますが、都営三田線の「志村坂上」駅も「本蓮沼」駅も使える便利な街。「味の素フィールド西が丘」や「赤羽スポーツの森公園競技場」、「小豆沢公園」、「赤羽自然観察公園」などの運動施設や緑豊かな公園にも恵まれて、とても住みやすい街だと思います。おかげさまで園児たちが遊びに行く場所に困ることもなく、毎日緑のなかで走り回って遊べるのもこの街の良さですね。

ポポラー板橋小豆沢園5

今回、話を聞いた人

都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園

園長 矢田さん

※2015(平成27)年5月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

子どもたちを正しく強く育てる。 “地域に頼られる保育園”を目指して/都市型保育園 ポポラー板橋小豆沢園 園長 矢田先生
所在地:東京都板橋区小豆沢1-1-16 スカイティアラ・イースト1F
電話番号:03-5916-9010
http://www.rabi-popo.com/popolar/area/ka..

頭を使って楽しむスポーツ「クライミング」の醍醐味とは?/クライミングジム・ドラセナ 目崎 裕さん


クライミングジム・ドラセナ
目崎 裕さん

ドラセナ

頭を使って楽しむスポーツ
「クライミング」の醍醐味とは?

都営三田線「志村坂上」駅から徒歩約6分、JR埼京線「北赤羽」駅より徒歩約15分、板橋区小豆沢4丁目の「小豆沢体育館」向かいにあるスポーツジム「クライミングジム・ドラセナ」。2013(平成25)年10月にオープンしたばかりの施設だが、すでに登録会員は約1,500人にものぼる注目の施設である。

板橋区にはクライミングジムが少ないことに着目し、「クライミングジム・ドラセナ」を開いた目崎氏に、クライミング及びボルダリングの楽しさや、ジムに通う小豆沢周辺の人たちへの想いを語っていただいた。

まず「クライミングジム・ドラセナ」をオープンしたきっかけについてお聞かせください。

ドラセナ

私自身、11年前に会社の先輩からクライミングに誘われて、その面白さに引き込まれました。ただ、クライミングの場合、ロープを使ったり、石の質が違ったり、それなりにテクニックも必要ですし、危険も伴います。そして何より、アウトドアスポーツなので天候にも左右されます。その点、ジム内(室内)のボルダリングであれば、ロープも不要だし、天候に関係なく、いつでも手軽に練習できるというメリットがあります。

また、クライミングだと、それができる山に行くための時間もかかりますが、ボルダリングジムなら、小豆沢のような住宅街でも楽しむことができます。

ボルダリングについてもう少し詳しく教えてください。

ドラセナ

簡単に説明すると、ボルダリングはクライミングの1ジャンルで、ロープを使わず、手足で“ホールド”と呼ばれる岩を登っていくスポーツです。バランスを考えながらゆっくりと身体を動かす有酸素運動なので、エクササイズやシェイプアップにも効果的。それは、ホールドをつかんだり、ホールドに足を掛けるときに、身体を大きくひねったりするからです。このひねりの運動で、普段は使わない筋肉を鍛えられるんです。身体の奥の筋肉、いわゆるインナーマッスルが鍛えられます。肉体的には、腕力や握力、脚力はもちろん、腹筋や、腰など全身を使う運動です。なかでも上腕は鍛えられますよ。

ドラセナ

とはいえ、実は体だけでなく、同時に頭も使うんです。頭を使って登っていく集中力や、登る苦しさに耐えることでの我慢強さも養えるスポーツです。それだけに登っている最中は、登ることだけに専念できるので、日頃の悩みやストレスなどを一時的に忘れられるリフレッシュ効果も期待できます。

具体的にはどのように「頭を使う」のでしょうか?

ドラセナ

壁を見ていただくと、それぞれのホールドのところにシールが貼ってあって、そのシールの色と数字によって、手をかけていいホールドが決まっているんです。上級になると、手だけでなく、足をかけていいホールドも指定されるようになります。要するに制約が増えていくわけです。そのため、ただ目の前の壁を何も考えずに登り始めると、場合によっては先に行けなくなることもあります。

ですから、まず全体を見て、どのコースなら自分の体力と技術で登れるのか、どのコースだと効率よく登れるかなど、コース取りをきちんとした上で登り始めないと、途中でにっちもさっちもいかなくなってしまいます。多少は、パズルや迷路を考えるような、数学的な要素もあると言えるでしょうね。

ドラセナ

もちろん、ランクアップしていくには、体力と技術も必要です。下は9級から上は初段まで10のレベルがあるのですが、うちのジムの場合、一般的に6級くらいがひとつの壁になるようですね。そのため、一時期は、レベルアップするのが困難になってしまう時期があるのですが、それを克服すると大きな達成感を得られます。私の実体験から、クライミングやボルダリングの魅力は、この達成感にあると考えているので、コースも“やや厳しめ”なんですよ。

ということは、ジムによって難易度が異なるのでしょうか?

ドラセナ

そうですね。ホールドの位置や材質、壁の角度など、ジムによって難易度が異なります。先ほど、“やや厳しめ”と言いましたが、10段階でいったら大体6くらいのレベルなので、さほどハードというわけではないんですよ(笑)。壁の角度は、90度、100度、110度、120度、135度、160度の6種類で、それぞれのレベルに合った練習ができるようになっています。

ドラセナ

また、ジムを設計する際に、コースは“やや厳しめ”にした分、ジム内がピリピリした雰囲気にならないよう、休憩スペースを広めにとって、同じスポーツを楽しむ仲間同士のコミュニケーションが楽しめるよう配慮しました。上級者になると、コースがハードになるのでその疲労回復や、攻略法を考える時間がそれだけ必要になるため、テーブルのところで休む時間も長めになります。入場したら何時間いても同料金ですしね。

上級者はホールドの形状もつかみにくい形だったり、コースだけでなく、ある程度の技術も身に付ける必要性があるので、質問されればアドバイスをしたり、苦戦中の人が休んでいるときには声をかけたり、ジム内が穏やかなムードになるよう心がけています。

コースを設計した際に配慮されたことはありますか?

ドラセナ

このコースは、クライミング経験の長い友人たちと一緒に作り上げたのですが、その際に一番気をつけたのは、男女のリーチ差の問題ですね。ある程度のレベルまでは、女性がリーチ差を不利に感じないような位置にホールドを設置しました。

それと、できるだけ登るための攻略を考えることができるような“頭を使えるコース”になるようにしました。コース設計とは関係ないんですが、女性クライマーの数も増えているので、女性なら終日利用料1,000円という「水曜日レディースデイ」も行っています。

女性会員も含めて、現在の会員数はどのくらいですか?

ドラセナ

2013(平成25)年10月にオープンしてから、会員登録された方は1,500人くらいで、小豆沢周辺の方がほとんどです。会員さんは20代後半から30代の方が多いですね。女性会員は全体の1割くらい。また、10人くらい子ども会員もいて、休日にお父さんと一緒に参加している子もいます。休日は午後2時から3時くらいが最も賑わう時間で、平日は夜8時くらいが仕事帰りの方たちがいらっしゃいます。

ドラセナ

利用回数が多い方ですと、フリーパスを購入して週に4・5回、こちらで汗を流している方もいます。ただ、皆さん、このジムに来る目的はさまざまで、週に4、5回の人もいれば、休日に体を動かす目的でいらっしゃる方もいます。もともと登山が趣味だという人や、クライミングの練習場として利用される人など、それぞれ目的が異なります。

ボルダリングやクライミング未経験者の方や初心者向けのレッスンはないのですか?

ドラセナ

初心者の方には、初回、ジムのルールや簡単なレクチャーをします。また、ご本人の希望に応じて、登り方の指導もします。動きやすい服装で来てくだされば、ジムにレンタルシューズも用意してあります。初心者向けのコースもあるので、ほとんどの方が最初のレベルは1日目でクリアされてますね。ただ、日頃使わない筋肉を使うため、翌日は筋肉痛になったという声も聞きますが(笑)。全身を使うスポーツですが、とくに前腕部が鍛えられます。

ドラセナ

新しく会員になられた方については、その方の体力や運動経験、このジムに通う目的を早い内につかんで、その方の目的に合った対応ができるようアプローチしています。未経験者・初心者、大歓迎です。

ドラセナ

お一人で来られても、休憩スペースで同じ趣味を持つ仲間として話をしたりして、ここで知り合いとなって、お互いに連絡を取っている方たちもいらっしゃるようです。そういった地元の方同士のコミュニケーションに一役かえるのも嬉しいですね。

ドラセナ

今回、話を聞いた人

クライミングジム・ドラセナ

目崎 裕さん

住所:東京都板橋区小豆沢4-7-3
電話番号:03-6454-5317
営業時間 火~金曜日 19:00~22:30、土・日曜日、祝日 12:00~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
https://climbinggym-dracaena.com
※この情報は2014年3月時点の情報です。

頭を使って楽しむスポーツ「クライミング」の醍醐味とは?/クライミングジム・ドラセナ 目崎 裕さん
所在地:東京都板橋区小豆沢4-7-3 
電話番号:03-6454-5317
営業時間:火~金曜日 19:00~22:30、土・日曜日、祝日 12:00~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
https://climbinggym-dracaena.com

調布市立第六中学校 インタビュー

落ち着いた環境の中で、生徒たちの心を育てる「調布市立第六中学校」/調布市立第六中学校 校長 西尾晃明先生


国領駅から東へ徒歩5分の住宅街の中にある「調布市立第六中学校」は1974(昭和49)年に開校された40年以上の歴史を誇る中学校。野川が近くを流れ、周辺は落ち着いた住環境が広がっている。近年では、演劇部が全国大会に出場するなど、部活動も盛んに行われていることでも知られている。今回は「調布市立第六中学校」の校長の西尾先生と、図書館司書を務める栩野さんに学校の概要や、周辺の街の魅力についてお話を伺った。

人と接する事で育む「3つのこころ」

校長の西尾先生

――学校の特色、教育方針などについて教えてください。

西尾校長:本校は大切にしている「3つのこころ」というのがあります。「思いやりのこころ」「やさしいこころ」「感謝のこころ」の3つです。私は本校の校長になって4年ですが、この「3つのこころ」という言葉を一番大切にしながら子どもたちを育てています。もちろん、学力や体力も必要ですが、こころっていうのは人と接して育つものだと思います。決して自分一人で育てることができないもので、人間関係に直結するものです。そういった事を大事に伸ばしてあげるのが、本校のモットーだと考えています。

――学校内の生徒同士の雰囲気、生徒と先生の関係はいかがですか。

西尾校長:一人一人は個性があって、それぞれですが、全体では雰囲気としては、優しい感じの子が多いと感じます。小学校までの教育環境というのも影響が強いと思いますが、素直で優しい子がほとんどですね。生徒同士も先生と生徒の関係でも、お互い大事にしている傾向が強いですね。

生徒たちに人気の図書室

――図書館の利用が活発だと伺いましたがいかがですか。

西尾校長:そうですね。本の貸し出し冊数は市内の中学校でも上位に位置しています。今年度は、全校で年間約7150冊、生徒一人あたり年間約19冊です。

図書館司書を務める栩野さん

栩野さん:子どもたちはここがすごく好きで、全校生徒300人ちょっとですが、お昼休みには100人くらいが遊びに来るんです。本を借りる人は、その中の3分の1ぐらいなんですが、おしゃべりに来たり、お友達に付き合ったりとか。どちらかというと、居心地がいいから行こうみたいな雰囲気かもしれないですね。図書館っていうと本当に本好きの人しか利用しないっていうイメージがあるんですけど、うちの学校は本当に明るいし、あったかいし、教室でボーっとするよりはここでお友達とみんなでパズルの絵本見たりとか、ちょっとしゃべったりとか。みんなのオアシスみたいな場所ですね。

生徒同士でお互いを高めあう

春の体育大会の様子

――学校で一番盛り上がる行事について教えていただけますか。

西尾校長:春の体育大会と、秋の合唱コンクールが二大行事ですね。体育大会ではクラス対抗、学年対抗で様々な競技を競います。上級生がリーダーシップをとる応援団の活動も盛り上がりますね。秋の合唱コンクールでは「調布市グリーンホール」をお借りして、本格的なステージに1クラスずつ上がって、2曲ずつ歌います。練習にも各クラスで力が入り、下級生は上級生の練習を見に行ったりして、刺激をうけていますね。

体育大会も合唱コンクールも、下級生が上級生を見て憧れるような機会と言えますね。子ども達が、子ども達同士で盛り上がるというか、先生が仕組んだからとかではなく、自然と子ども達が一生懸命頑張って成長してくれています。

数々の表彰盾

――部活動が盛んで演劇部は全国大会にも出場しているそうですね。

西尾校長:今年は出場できませんでしたが、去年までは数年連続で全国大会に出場していましたね。どうしても先生の転勤があり、部活動も顧問の先生が変わっていくので、継続的に実績を残していくのは難しいのですが、その中でも生徒達がよく頑張ってくれたと思います。この部が注目ですと言うと、他の部がやきもちやくので、特に部活の名前を出さないですが、どの部も頑張っていますよ。生徒達の9割は運動部と文化部がありますが、何かしらの部活に入って活動していますね。

地域と共に子ども達を育てる

「野川クリーン作戦」の様子

――地域との連携を取りながら、学校で取り組んでいることなどございますか?

西尾校長:国領地区の団体が主催する「こいのぼり祭り」は「調布市立国領小学校」のグラウンドで開催されます。その時は本校の生徒会が、子ども達からバザーに出す品を集めて参加しています。駅前のお店や、お菓子屋さんなども一緒に参加しており、売り上げはユニセフに募金するのですが、そういう形で地域の方々と連携をとりながら行事にも参加していますね。

他にも「野川クリーン作戦」というのは40年近く続く活動なのですが、毎年1回実施しておりまして、野川周辺の土手や遊歩道のゴミ拾いを行っています。これは、本校の生徒の他に「調布市立国領小学校」と「調布市立調和小学校」の子ども達も参加しています。小学生は親子で参加したりして、体操服を着てみんなで、休日にボランティアで行っています。

それから、もう1つ「耐寒マラソン」というのがあります。耐寒マラソンも40数年続いている行事ですね。地域の団体が主催してくれており、1月に開催されます。本校のグラウンドを出発して戻ってくるのですが、40代以上の部とか、親子の部とか、いろんな枠があって、本校の生徒の他にも地域の方がたくさん参加するんです。

「耐寒マラソン」の様子

――地域の方が外部講師のような形で、関わることもあるのでしょうか。

西尾校長:大学生のボランティアに来てもらって、勉強を手伝ってもらうことはあります。また、本校では、外部から人を招いて、講演会を実施しています。土曜日に開催して家の人も見に来られるようにしています。

今年はオリンピック・パラリンピックの関係で、スポーツ関連の方々に話しをして頂きました。例えば、元プロ野球の方や、ヤクルトスワローズの寮で働く管理栄養士さん、それから「下町ボブスレー」として有名になった大田区のボブスレーのそりを作っているプロジェクトのトップの人に来てもらったりしましたね。

落ち着きがあり、これからさらに発展していく街

校長の西尾先生

――子どもたちにとって、周辺の環境はいかがでしょうか?

西尾校長:子どもたちにとってすごくいい環境だと思います。塾や図書館も近くに揃っていますし、基本的には住宅地で落ち着いた安心できる環境だと思います。「くすのき団地」の中にある「国領児童館」には本校の生徒達はよく行っているみたいです。普通、児童館というと、もう少し下の年代の子たちが行くところかと思うのですが、「国領児童館」は高校生までに開放されています。うちの子は、比較的素直でおっとりしている子どもが多いのもあるかと思いますが、結構行っていますね。

「調布市立第六中学校」外観

――先生の思うまちの魅力について教えて頂けますか

西尾校長:私が5年前にここに着任した時はまだ、京王線の地下化工事前だったのですが、地下化されたことで、がらっと雰囲気が変わりましたね。余談ですが、実は国領駅の工事の際は本校の体育館を真夜中に貸してあげたんです。知られていないですが、地下化に非常に貢献したんですよ。

工事が終わって街がすっきり綺麗になって、マンションもいっぱい建ち、人が集まってきましたね。住宅開発するときに、公園を整備したり、野川沿いの遊歩道が整備されたりして、住みやすくなりましたね。野川沿いというのは、地域住民にとって憩いの場になっていると思います。

まだ、発展途上というところもあり、まだまだこれから第二、第三の波が来ている感じはします。だから、街はすごく明るい感じで雰囲気はとってもいいですよね。そういったこともあり、子ども達も増えています。それから新宿までの近さも街の大きな魅力のひとつですね。

調布市立第六中学校

調布市立第六中学校

校長 西尾晃明先生
所在地 :東京都調布市国領町3-8-23
TEL :042-485-5276
URL:http://www.chofu-schools.jp/chofu6/
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。

落ち着いた環境の中で、生徒たちの心を育てる「調布市立第六中学校」/調布市立第六中学校 校長 西尾晃明先生
所在地:東京都調布市国領町3-8-23 
電話番号:042-485-5276
http://www.chofu-schools.jp/chofu6/

NPO法人おやこカフェ幕張 代表 佐藤紘孝さん インタビュー

パパと子どもたちが主役のまちづくりを行う「おやこカフェ幕張」の取り組み/NPO法人おやこカフェ幕張 代表 佐藤紘孝さん


JR総武線や京成電鉄などの鉄道や、京葉道路などの幹線道路により都心や県内各地へのアクセスが便利な幕張。休日には近隣でショッピングやレジャーも気軽に楽しめるとあってファミリー世代にも人気が高い。そんな自然豊かな街の一画に、「おやこカフェ幕張」のカフェ兼オフィスがある。代表を務める佐藤紘孝(さとうひろたか)さんは、こちらのオフィスで設計事務所を営みながら、「おやこカフェ幕張」を運営している。「男性にもっと子育てを楽しんで欲しい」との思いでフットサルや多くのイベントを企画し、子育て世代の父親に向けてメッセージを送り続けている。

NPO法人「おやこカフェ幕張」 代表 佐藤紘孝さん

――「おやこカフェ幕張」の成り立ちについて教えて下さい

佐藤さん:「おやこカフェ」は、木の椅子作りやフラワーアレンジメントなど、親子で参加できるワークショップを企画・運営するNPO法人です。法人を立ち上げる前から、私は設計事務所を営んでいます。立ち上げ当時、私は船橋市からこちらの街に引っ越してきたばかりで、年中だった私の長男と一緒にできるサッカーチームを探していました。もともと、私はここで子どもを連れて親子で交流できる居場所を作ろうと考えていたのですが、サッカーチームが無かったこともあって、2009(平成21)年にNPO法人を設立し、フットサルやワークショップの活動をスタートさせました。

おやこでフットサル

――なぜ“カフェ”なのでしょう?

佐藤さん:NPO法人を立ち上げた頃、「マクスタ」という地域ブログを利用していたのですが、そのブログで自家焙煎のコーヒーを趣味でしている会社員の方とお友達になりました。その方と交流を深めるうちに、「いつか一緒にカフェでもやりたいね!」なんて話をしていました。そしてちょうど私が、元々お寿司屋さんだった空き店舗をリノベーションして設計事務所を始めた頃に、その方が会社を辞めてカフェを開こうと思っているということを聞き、それならうちの事務所を使っていいですよ!とお声がけさせて頂き、カフェもオープンすることになりました。

おやこカフェ幕張

――地域の方も運営のサポートしてくださっているとお聞きしました

佐藤さん:現在は会員のほか、私たちの趣旨を理解してくださる地域の協力者の皆さんも、サポーターとして運営を支えてくださっていて、40人余りが活動に参加しています。当初週1回のオープンだったカフェも、スタッフやサポーターの皆さんの協力によって毎日オープンしています。先日は、親子で木の椅子を作るワークショップを行いまして、千葉市内に住む4歳から6歳までの子どもたちと親御さんが参加しました。建築事務所の社長さんの指導で、千葉県産のスギの板木を組み合わせて、トンカチと釘で子どもが座る事ができる椅子を作りました。簡単な作業ではありませんでしたが、親子のチームワークで完成にこぎつけて、みんな笑顔でいっぱいでした。

また、もっと男性に子育てに興味を持って頂きたいと思い、父の日に千葉市の大型商業施設内で子育て中のパパ達が、集まった子どもたちに持ち寄った絵本の読み聞かせをするイベントを行いまして、とても盛況でした。普段仕事で忙しいパパ達も、いつもと違った形で子育てに参加することができて楽しそうでした。今後もこのような活動は続けていきたいと思っています。

おやこカフェ幕張に参加する親子

――「幕張こどものまちプロジェクト」について教えてください

佐藤さん:「幕張こどものまちプロジェクト」は、“パパとこどもたちが主役のまちづくり”がコンセプトで、幕張・幕張西・幕張本郷・海浜幕張の各地区で、こどものまちを作ろうというプロジェクトです。「おやこでフットサル」、「パパトーーク!」、「マクハリプレーパーク」の3つの活動が柱となっています。2011(平成23)年に千葉市花見川区の助成金を受けて始まり、2013(平成25)年には地域活性化支援事業として採択されました。

プロジェクトの主軸のイベントになる「おやこでフットサル」は、毎週金曜日の18時くらいから21時まで「千葉市立西の谷小学校」の体育館で開催しており、他学年の友達や親子で一緒に参加できます。18時から19時は、小さい子と親御さんが一緒になってフットサルを楽しんでいます。19時からは小学生以上の子達が集まってフットサルを楽しんでいます。フットサルを楽しむのはもちろんですが、お友達に会いたくて来ている子も多いですね。

他地域でも活動に参加できる

「パパトーーク!」は、普段交流することが少ない事業主のパパ達が集まって、おつまみを作って食べて飲んで、街づくりについて考えるイベントです。毎月第3木曜日の19時から21時に「幕張本郷公民館」で開催しています。
「マクハリプレーパーク」は、「一本松公園」で開催している居場所づくりです。「自分の責任で自由に遊ぶ」ことをモットーに、子どもたちは想像力で工夫して自由に遊んでいます。大人たちが見守る中、「ケガと弁当は自分持ち」を合言葉に、子どもたちが主体性をもちながら遊ぶことを重視しています。こちらは、毎月第3木曜日の15時から17時に開催しています。「マクハリプレーパーク」は毎回50人くらいの子どもたちが集まるイベントなのですが、年に2回大きな規模のイベントを行っているのも特徴です。テレビ番組などでも有名な「逃走中」を「マクハリプレーパーク」でも行いまして、パパと学校の先生に「ハンター」になって頂いて「一本松公園」を使って行いました。また去年は、新潟県南魚沼市からお呼びした、「コシヒカリぬか釜炊き出し隊」による実演も行いました。どちらもとても盛り上がりましたし、子どもたちはとても楽しそうでした。
パパ達が子育てを楽しめるのは期間限定であっという間ですし、子どもが小さい時の楽しかった思い出はいつまでも心に残るものなので、父親であることをイベントを通して楽しんでほしいと思っています。どのイベントも幕張本郷の子どもたちや親御さんはもちろん、他地域の方でも参加自由ですので、気軽にお越し頂ければと思います。

一本松公園

――今後の活動予定について教えて下さい

佐藤さん:現在この街には消防団がありませんので、この地区に住んでいる市議会議員の方とお話を進めていまして、来年度には地域の消防団を作ろうと考えています。消火活動を行う為、地域の安全の為ということもちろんありますが、ここには商店会がないので事業主同士が繋がるということがあまりない地区でもあります。
そこで消防団の活動を通して地域に新しい繋がりが生まれ、そこから活性化される事もあるのではないかと考えています。父親が変われば社会も変わるのでは?と私は思います。

――幕張本郷の街の魅力についてお聞かせください

佐藤さん:幕張本郷は、子育て世代が数多く住む場所で、子どもの数が増えている活気溢れる街です。近くには大型商業施設があり、ショッピングも便利です。駅のロータリー近くにあるお店は美味しいお店が多いですよ。あと、パン屋さんの「エレファンテ」はおすすめです。
ここは公園も多く、閑静で美しい街であるのに加え交通量も多くないので、子どもたちが安心して通学したり遊んだりできると思います。また、子育て世代に対する受け入れ態勢も万全ですので、是非幕張本郷に来てほしいと思います。
歴史のある「子守神社」では毎年お祭りがあってお神輿を担ぐのですが、この土地にずっと住んでいる地域の人達と新しい人達が交流するきっかけにもなっていますし、とても盛り上がるお祭りなので是非参加してほしいです。ママはもちろん、パパにも一緒になって幕張本郷で子育てを思いっきり楽しんでいただけたら嬉しいです。

「こども神輿」のお祭りの様子

おやこカフェ幕張

NPO法人「おやこカフェ幕張」

代表 佐藤紘孝さん
所在地:千葉県千葉市花見川区武石町1-560
TEL:043-216-3471
URL:https://ja-jp.facebook.com/oyaco.cafe
※この情報は2017(平成29)年2月時点のものです。

パパと子どもたちが主役のまちづくりを行う「おやこカフェ幕張」の取り組み/NPO法人おやこカフェ幕張 代表 佐藤紘孝さん
所在地:千葉県千葉市花見川区武石町1-560 
電話番号:043-216-3471
https://www.facebook.com/oyaco.cafe

西東京市立碧山小学校 小林克彦校長先生 インタビュー

50年以上の歴史をもつ、地域に見守られた小学校/西東京市立碧山小学校 校長 小林克彦先生


1963(昭和38)年4月に創立した「西東京市立碧山小学校」。2013(平成25)年には創立50周年を迎えている。全面芝生化の校庭を擁し、縦割り班で食事をする行事もそこで開かれる。今回はそんな「西東京市立碧山小学校」を訪れ、校長の小林克彦先生に学校の概要と東伏見の街の魅力についてお話をうかがった。

半世紀以上の歴史を重ねて

校舎外観

――まずは、校名の由来と学校の特徴から聞かせてください。

小林校長:「西東京市立碧山小学校」の“碧山”は、中国・唐時代に活躍した詩人、李白の詩から採られました。名付け親は、当時の保谷市長である原田彰俊さんです。本校の特徴は、やはり市内で初めて全面芝生化された校庭です。現在は育成中のため生徒たちが立ち入れない状態がつづいていますが、もうすぐ存分に走り回れるようになります。校庭以外では、開閉式多目的ホールのあるモダンな校舎も特徴的だと思います。

開閉式多目的ホールのあるモダンな校舎

――「西東京市立碧山小学校」に通う子どもたちの印象はいかがですか?

小林校長:全体的に落ち着いているといった印象ですね。先生の言葉をしっかり聞くという素直さも持ち合わせています。私にとって初めての経験で感動した事がありまして、「熊本地震」の被災者に義援金を送りたいという意見が子どもたちから挙がってきました。子どもたちのそうした気持ちに加え、主体的に行動しようとする姿を見て、とても嬉しかったのを覚えています。

教室

――校内にビオトープがあるそうですが、どのように活用しているのですか?

小林校長:「総合的な学習の時間」などを利用して、自然や生き物との関わり方を学んでいます。ビオトープでは、教科書では学べないことを学ぶことができます。ちなみにビオトープの管理・維持をしているのは、環境委員の子どもたちです。

校内には子どもたちが維持管理するビオトープがある

――子どもたちの「探究活動」に力を入れているそうですね。

小林校長:一番の目的は、子どもたちの思考力・判断力を伸ばすこと。過去の例として、市場に出回らない地元の「保谷梨」について農家の方を招いて勉強しました。そこからの繋がりで、地元の洋菓子店が「保谷梨」を使ったスイーツを商品化してくるなど、地域を巻き込んでの活動になりました。どの教材を選ぶかは、教員の腕の見せ所ですね。

優秀な成績を納めている吹奏楽部

――吹奏楽部が活発に活動されているそうですね。

小林校長:2016(平成28)年9月には、「東日本学校吹奏楽大会予選」で銀賞を獲りました。外部から招いた先生に指導していただいていますが、普段は子どもたちが主体で練習しています。楽器の購入やメンテナンスなど課題もありますが、事務員さんや保護者の方々に支えられて子どもたちは頑張っています。

地域・保護者との連携

市内で初めて全面芝生化された校庭

――地域との交流が盛んと伺っています。少し具体的に聞かせていただけますか?

小林校長:「東京都立保谷高校」吹奏楽部のOB・OGが、指導だけでなくアンサンブルもしてくれます。また、街の祭りがあるときなどは、“演奏してほしい”と声を掛けていただくこともあります。それと「早稲田大学」の東伏見キャンパスが近いこともあって、大学生が野球教室を開いてくれたり、ティーボール大会に参加してくれたりといった交流もあります。地域の方々が主催する「ミニミニ運動会」や、伝統文化の継承という意味で茶道を教えていただくこともあります。

――保護者との連携についてはいかがでしょうか。

小林校長:協力的な方が多いので、学校としては本当にありがたく思っています。2014(平成26)年に発足した「おやじの会」主導で、カレーをつくって学校に泊まるイベントが開かれました。また「おやじの会」は、運動会でパトロール役を担ってくれました。揃いのTシャツを着て歩かれる姿は、とても頼もしかったですね。

笑顔で取材に答える小林克彦校長

住みよい街、東伏見

――東伏見エリアの印象について聞かせてください。

小林校長:閑静な住宅街が広がる落ち着いた環境だと思います。本校に関して言えば、西武新宿線「東伏見」駅と西武池袋線「保谷」駅の中間地点にあるので、都心にアクセスするにも便利です。住宅の建設も進んでいるようですから、これからさらに人口は増えるでしょう。両駅の商店会が元気なので、人と人との繋がりをより実感できる街ではないかと思います。

――子どもたちには、どのような大人になってほしいですか?

小林校長:世界に貢献したり、様々な分野で活躍してほしいという気持ちはありますが、その前提として“幸せ”になってもらいたいですね。人生には辛いこともありますが、それを乗り越えて、人生を謳歌してくれたらなと思っています。

碧山小学校

西東京市立碧山小学校

校長 小林克彦先生
所在地 :西東京市中町5-11-4
TEL :042-422-4521
URL:http://www.nishitokyo.ed.jp/e-hekizan/
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

50年以上の歴史をもつ、地域に見守られた小学校/西東京市立碧山小学校 校長 小林克彦先生
所在地:東京都西東京市中町5-11-4 
電話番号:042-422-4521
http://www.nishitokyo.ed.jp/e-hekizan/

政令指定都市・静岡市の中心的存在

中心市街地の活性化とコンパクトシティの推進を図る、静岡市清水地区の計画とは/静岡市役所 商業・まちなか活性化係 山野井伸吾さん、小田裕康さん


静岡市では、「静岡市中心市街地活性化基本計画」を策定し、官民をあげて中心市街地の活性化やコンパクトシティの推進を行っている。今回はそんな計画を進める静岡市の商業・まちなか活性化係の副主幹である山野井伸吾さんと、清水地区の計画と担当する小田裕康さんにお話を伺った。

清水区広報キャラクター「シズラ」と一緒に

静岡地区と清水地区で進められている街の活性化計画

――「静岡市中心市街地活性化基本計画」の概要についてお教えください

山野井さん:計画は平成21年~25年の一期、平成28年~32年の二期と分けて進められています。中心市街地の全般的な活力が、昭和後期から減退傾向にあり、活性化を推進していかなければならないということで計画が始まりました。特に中心市街地は街の顔ですので、ここの元気がなくなると市全体の底上げができないということになるので、取り組みとしてもとめられたのが計画がはじまった背景です。

「静岡市中心市街地活性化基本計画」の資料

――一期の計画ではどんなことをされてきたのでしょうか?

小田さん:当初は法律の縛りもあり、静岡地区と清水地区、別々の計画を予定してたんです。法律が改正されて一都市で二つの計画を進めてもよいことになりましたので、静岡と清水を合わせたひとつの計画で策定しました。これは全国初の事例となっています。

山野井さん:静岡は商業都市で、清水は清水港要する港町としての物流機能や、水辺に近いという観光的な色合いが強い街ですので、それに合うような計画を立てました。

――民間との連携はいかがでしょうか?

山野井さん:計画作りのところから産官民が協力して進めています。産業でいうと商工会議所や静岡市街づくり公社を中心として、商店街、松坂屋、伊勢丹、ドリームプラザなどの商業施設、静岡鉄道、民でいうと、「I LOVE 静岡協議会」という、県の民放4局を中心に全部で450近い会員を有する街づくりの協議会があります。そちらも参加しています。

小田さん:清水地区で言いますと、コーデックスという清水の駅前の商店街の空き店舗情報の発信や、そこの場所を利用したイベントをやっている団体にも参加して頂いています。

山野井さん:計画には全部で129事業ありますが、決して行政のものだけではなく、民間の皆さんと一緒に活性化を推進します、という計画だったんです。

――一期で計画していた事業は全て実行されたのでしょうか?

山野井さん:静岡祭りや大道芸など、今も継続しているものもあります。静岡地区でいうと、「新静岡セノバ」や葵タワー、呉服町タワー、市立病院などの建設、駿府城公園のひつじさる櫓の復元なども行いました。

小田さん:清水地区では、東口の「静岡市清水文化会館(マリナート)」の建設や、西口では、「清水魚市場 河岸の市」や、エジリアというビルでは、「静岡市こどもクリエイティブタウン ま・あ・る」という子どものための社会学習施設も設置しました。また、駅の西口のロータリー整備なども行いました。

静岡市清水文化会館(マリナート)

山野井さん:中心市街地の活性化というと、商店街の活性化とイコールで捉えられがちなのですが、実はそうではなくて、商業の振興はメインに置きつつも、市街地の整備や街中居住の推進、教育・文化・医療などの環境整備もしています。そういったものが一体となって、中心市街地の活性化につながっていくかと思います。

――それによって、人が住んだり来たりして、結果的に賑わうにつながるというイメージですね

山野井さん:一言でいうと、コンパクトシティの推進です。中心市街地の活性化は、コンパクトシティの推進と表裏一体だと思います。

平成28年からは二期計画が開始

お話し頂いた山野井さんと小田さん

――二期の計画ではどういったものを行う予定ですか?

小田さん:二期では、目標が二つあるんですが、目指す街としては、賑わいや活力を街に生み出すというのが一つ。二つ目が、回遊性や滞在性、街に来てくれた方の快適性などを向上させていこうということを目標に掲げています。

山野井さん:静岡地区は、駿府城があって城下町として栄えた来た街ですので、それを基礎に商業の機能を特に重点的に向上させていこうという取り組みを、大きな方向性として推奨します。一方、清水地区については、世界文化遺産に登録された「三保の松原」や、マグロ、清水エスパルス、ちびまる子ちゃんなど、清水ならではの地域資源が非常に多くありますので、そういったもの活かし、観光機能の拡充を最重点としています。

小田さん:清水地区は、駅の西口に「西友 清水店」があったのですが、そこの跡地を利用して民間企業が、ホテル棟、商業施設棟、マンション棟の3つの建物の建設を進めています。

西友の跡地

山野井さん:静岡地区は歴史文化施設の整備を検討していますが、清水地区では、海洋文化拠点の整備を行うことを検討してます。物流中心の働く港から楽しむ港へと機能を転用して賑わいを創出する。そんなところも考えております。そのために、客船の誘致を図るべく、県が管理をしている上屋の一つを賑わい拠点として転用することを、静岡県と静岡市と関係者で検討しています。

小田さん:港町としての顔以外にも、井尻宿という東海道の宿場町があるなど、歴史的な一面もありますので、二つの面を活かしながら、これからも中心市街地の活性化につなげて行きたいと考えています。

――地域の住民との関わりというのは、先ほどの協議会以外にはありますか?

山野井さん:「静岡市清水文化会館(マリナート)」で、情報交換会を行っていますが、「静岡市清水文化会館(マリナート)」や「静岡市こどもクリエイティブタウン ま・あ・る」でのイベントの企画など、横のつながりができるきっかけになっています。

小田さん:計画には載っていませんが、清水のまちなかを活性化さしていくというテーマで、空き店舗や遊休不動産を賑わいづくりの場にしていこうという取り組みもしています。港の部分と、まちなかの部分、それぞれに磨きをかけ、回遊性を上昇させ、最終的に街全体が盛り上がってくれればと思っています。具体例で言うと、港ではインバウンド事業の強化、まちなかの部分では歴史ある七夕まつりや、富士山コスプレ世界大会などの新しい文化も取り込んでいきながら、新旧の文化を融合させて賑わいを作っていきます。

エジリア

多くの資源に恵まれた清水地区

――「清水」駅周辺のまちの魅力をお教えください

山野井さん:地域資源ですね。富士山を見られることや海に近いということ、それから食資源、伝統文化といった、清水ならではの資源が非常に豊富にあると思います。

――これから清水にお住まいになられる方へのメッセージをいただけますでしょうか

小田さん:計画によって、まちなかや駅周辺が非常に充実してきています。一期で行った再開発に加えて、現在進められている計画も完了すれば、居住のしやすさはさらに向上していくと思います。商業施設等の整備や商店街の活性化の下支えをすることで、利便性のアップも支援していきたいと思っています。

山野井さん:市として、無いないものを生み出すのではなく、今あるものをいかに磨いていくかということを推進しています。清水地区でも地域資源を活かして魅力を高めていきますので、是非来てみてください。

小田さん:もちろん外から来て頂くだけでなく、今お住まいの方にも、実際にまちなかが賑わっていくのを実感して頂いて、満足度の向上にもつなげていきたいと思っています。

山野井さん:市民の皆さんに、この街を愛して誇りを持って頂けるような、そんなまちづくりを今後も進めていきたいと思っています。

清水駅

静岡市清水区インタビュー

静岡市役所 商業・まちなか活性化係

山野井伸吾さん、小田裕康さん
所在地:静岡市清水区旭町6-8
TEL:054-354-2306
URL:http://www.city.shizuoka.jp/268_000061.html
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

中心市街地の活性化とコンパクトシティの推進を図る、静岡市清水地区の計画とは/静岡市役所 商業・まちなか活性化係 山野井伸吾さん、小田裕康さん
所在地:静岡県静岡市葵区追手町5-1 
電話番号:054-254-2111
開庁時間:8:30~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.shizuoka.lg.jp/

スペイン人マダムの人柄も人気!カタルーニャ地方の本場の味を提供/CALA CARMEN(カラ カルメン) カルメンさん


CALA CARMEN(カラ カルメン)
カルメンさん

スペイン人マダムの人柄も人気!
カタルーニャ地方の本場の味を提供

スペイン・バルセロナ出身のカルメンさんが開いたスペイン料理店は、妥協のない本場の味が堪能できる店として界隈で人気を博している。カタルーニャ地方の料理、パスタパエリアや、イベリコハムなど、厳選素材とスペインの調味料を使った料理が楽しめる。店内は、彼女がスペインに帰国した際、買い付けた調度品が飾られ、明るくアットホームな雰囲気が漂う。彼女とのおしゃべりや、スペイン情報の交換などを求め、名古屋のスペイン通も足繁く通う店。この街で料理をとおしてスペイン文化を発信するカルメンさんにお話しを伺った。

創業はいつ頃ですか?また、名古屋駅前にお店を開いた理由は?

店外観

お店を開いたのは、2006(平成18)年10月です。2016(平成28)年は10周年の年になります。ここは、主人の曽祖父の時代から続く酒店だったのですが、新しく家を建て直した際、一部分をレストランにして店を始めることになりました。私のスペインの実家は、祖父の時代から約100年続くレストランで、幼い頃から料理に囲まれた環境で育ちました。いずれ自分自身も日本で飲食店をやってみたいなという思いがあったので、オープンできたときはとても嬉しかったです。

カルメンさんが日本にいらっしゃったきっかけ、また、名古屋に住むことになった経緯をお伺いできますか。

店内

もともと日本に興味があり、旅行で来日したときにすっかり気に入ってしまい、友人を訪ねて名古屋に住み始めました。主人ともその友人を介して出会い、その後、結婚しました。まさか自分が日本人と結婚して日本に住むことになるなんて思っていませんでしたが、気づいたらそうなっていた…という感じです(笑)。

店名の『カラ カルメン』の由来を教えていただけますか。

店名は自分の名前から取りました。私はスペインのバルセロナ出身なのですが、カタルーニャ地方ではよくお店の名前で『カラ カルメン(=カルメンの家)』という表現をすることが多いんです。

壁

今でこそスペイン料理は日本でたくさん見られるようになりましたが、スペイン料理とうたっていても、日本人の舌に合わせてアレンジされたものが多いのが現状です。スペイン人の私が店を開くのだから、本場の味と文化をそのまま伝えたいと思い、「スペイン人のカルメンがやっている店だよ」といことを分かってもらうため、この店名にしました。当店に来られるお客さんは、スペインによく旅行されるスペイン通の方も多く、本場の味がいただけるということで好評をいただいています。

本場スペインの味を提供してもらえるお店ということですが、食材などへのこだわりはお持ちでしょうか。

料理

スペイン料理の基本はオリーブオイルとスペイン産のパプリカパウダー・ピメントン。あとはトマト、ニンニク、タマネギなどを良く使いますね。オリーブオイルやピメントンなどは、香りがいいので、やはりスペイン産のものをこだわって使っています。また、スペイン料理は地中海の海の幸を生かしたものが多いので、魚介類にはこだわりたいと思い、「名古屋」駅前の柳橋市場中央市場から仕入れています。シーズン中だとムール貝を知多半島から仕入れたりもしています。

生ハム

スペインは生ハムの消費量・生産量において世界最大規模なのですが、当店でもこだわりの逸品、ハモンイベリコ生ハム「ヘジョータ」を取り扱っています。スペインでは上質なイベリコ豚を厳選するために厳しい基準があり、最上級ランクの「ヘジョータ」は中でも数パーセントしかとれない希少なものです。もうひとつは、スペイン・ガルシア地方の白豚で栗を餌として育てられた高品質のものもあります。

値段も張りますが、肉の旨みが凝縮しており、食べると、生ハム本来の香りと甘みを楽しむことができる逸品ですよ。

オススメのお料理を教えてください。

パエリア

パエリアはお客さんが絶対に頼まれるメニューです。当店には、パスタパエリアという、細くて短いパスタを使ったメニューがあるのですが、これは主にカタルーニャ沿岸の地域で人気の料理です。米を忘れた漁師が、船の上で作ったのがはじまりとも言われています。当店のパスタパエリアも魚介がたくさん載っていて、見た目もとっても華やかです。

スペインの文化を伝えるために工夫していらっしゃることはありますか。

飾りや置物

毎年一度は里帰りでスペインに帰っているので、その時に、小物をたくさん買いつけ店に飾っています。例えば、スペイン出身のテノール歌手ホセ・カレーラス、パヴァロッティ、ドミンゴなどの人形や、ガウディの模型、ピカソの模写など、スペインの文化がお客さんに伝わるようなものを中心に飾っています。店で流す音楽もスペインに帰ったときに買ってきたものです。できるだけ向こうで今はやりの新しい音楽にしています。

置物アップ

私がスペイン人ということもあり、これからスペインに旅行に行きたいお客様などに、アドバイスを求められることもあるので、私が知っている現地の情報を、できるだけお伝えできればと思っています。

カルメンさんにとって「名古屋」駅エリアの魅力を教えてください。

厨房

ここは街のど真ん中で、主要駅である「名古屋」駅も目の前ですし、駅前に出れば百貨店もたくさんあります。あと、駅西エリアは格安の飲食店がたくさんあるので、外食するのも楽しい場所です。
名東区や千種区など名古屋の閑静な住宅街は少し山手にありますが、繁華街まで出ようと思うと地下鉄を乗り継がなければなりません。

ここなら、すべて徒歩圏内で用事を済ますことができるので、電車代や駐車場代が余分に掛からずに済むというのもいいですね。

外壁

「名古屋」駅のすぐ近くというと、都会すぎて住みにくいのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、私は実際に家族とこの店の2階に住んでいて、とても暮らしやすいと感じています。私は東京も好きなのでたまに行って遊んだりしますが、それに比べたら名古屋は駅チカであっても人はそれほど多くないですし、適度に都会という感じで居心地がいいと思います。

近年、「名古屋」駅前では開発が続いていますが、街並みに変化を感じることはありますか。また、今後「リニア中央新幹線」の乗り入も決まっていますが、街の未来に期待することはありますか。

料理最中

生まれた時からここに住んでいる主人に聞くと、昔に比べて名古屋の駅西エリアはずいぶん雰囲気が変わったと言っています。新しい飲食店が最近次々にできていますし、若い人たちも駅西に遊びにくるようになっています。「名古屋」駅前には、2016(平成28)年3月に「大名古屋ビルヂング」がグランドオープンしますし、6月には「JPタワー」もできます。ますます賑わいそうで楽しみです。その開発と「リニア中央新幹線」の乗り入れに際し、駅西エリアもこれから大きく変わっていくのではないかと期待しています。

カルメンさん

今回、話を聞いた人

CALA CARMEN

カルメンさん
所在地:名古屋市中村区則武1-4-1
電話番号:052-452-1613
営業時間:17:00~23:00 (L.O.22:30)
定休日:不定休

※2015(平成27)年12月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

スペイン人マダムの人柄も人気!カタルーニャ地方の本場の味を提供/CALA CARMEN(カラ カルメン) カルメンさん
所在地:愛知県名古屋市中村区則武1-4-1 
電話番号:052-452-1613
営業時間:17:00~23:00 (L.O.22:30)
定休日:不定休
https://cala-carmen.com/

手作りの洋服があったあの頃のように、ボタンを通して人と人が繋がる温もりを提供したい/ギャラリー立松ボタン 立松俊行さん・孝子さん


ギャラリー立松ボタン
立松俊行さん・孝子さん

手作りの洋服があったあの頃のように、
ボタンを通して人と人が繋がる温もりを提供したい。

名古屋市営地下鉄東山線「中村日赤」駅より徒歩7分の場所にある「ギャラリー立松ボタン」。もともとはボタン卸問屋を営んでいたご夫妻が、より多くの人にボタンの魅力を知ってもらいたいと4年前に、個人顧客向けにリニューアルオープンさせた店だ。入口の扉を開けた瞬間目に飛び込む、宝石のようにディスプレイされたボタンの数々。店ではそんなボタンを使ってのアクセサリー作成や洋服リメイクなどを提案してもらえ、その手軽さゆえ、ハンドメイド好きならずともオリジナルのひと品を作ってみたくなる魅力がある。今回は、古き良き街で、ボタンの新たな魅力発信に力を注ぐ立松ご夫妻にお話しを伺った。

まず始めに、創業の経緯を教えてください。

ギャラリー立松ボタン

先代が創業者で、まもなく開業70年になります。戦前、父は大阪の船場にあるボタン問屋に奉職していたのですが、戦争の混乱期を経て、出身地である名古屋に戻ることになり、自分の店を持ったのだと聞いています。ちょうど生活様式が西洋化してくる頃で、一宮を中心に「ガチャマン景気」と言われるほど、その頃は街のあちこちに洋裁店が溢れかえっていました。

1970年代頃までは洋服は買うものではなく、作るものでした。近所にはどこにでも洋裁の得意な人がいて、お願いして作ってもらったものです。まだまだ街には人のつながりがあって暖かかった頃です。

ギャラリー立松ボタン

ボタンもそんな時代においては重要アイテムのひとつでした。今は、針と糸を持つことも少なくなり、服は使い捨てるものになりつつあります。こうした時代にこそ、手作りの温かみというか、本当に豊かな生活を取り戻してもらいたいと思っています。そんな中、ちょうど4年前、ボタン卸問屋を営む一方で、一般顧客に向けた販売も始めることにしたのです。事務机や什器などが並ぶ卸問屋の1階を改装し、若い方でも気軽に入って来てもらえるように、ちょっとおしゃれな雑貨店のようなディスプレイに変えて、ボタン専門店にリニューアルしました。

品揃えについて、イチオシや特徴を教えてください。

ギャラリー立松ボタン

ボタン専門店と聞いてみなさんがどんなものをイメージされるか分かりませんが、オーソドックスな使い方を想像される方も多いのではないでしょうか。そういった方には特に見てもらいたいのですが、当店では、素敵なボタンをアクセサリーとしても楽しめるようにご提案しております。美しいイヤリングやネックレス、男性には、ネクタイピンやカフスといった使い方もできます。

ギャラリー立松ボタン

長年続くボタン卸問屋としての在庫は、数千種類、数万個です。樹脂ボタンはもとより、メタルボタン(金属ボタン)・ウッドボタン(木製ボタン)・シェルボタン(貝ボタン)・ダイヤボタン・ガラスボタン(スワロフスキークリスタル/チェコガラス)・革ボタン・チャイナボタンなどを取りそろえています。当店のボタンのいいところは、こんなに素敵なデザインなのに、卸問屋価格で大変リーズナブルに提供させていただいている点です。

ギャラリー立松ボタン

ボタンは安いもので1つ100円とか200円から。イヤリングやネックレスへの加工もお店で承っており、トータルで1,000円程度から作ることができます。その手軽さと、たくさん揃ったボタンの中からインスピレーションを働かせて世界にひとつだけのアクセサリーを作る楽しさにハマる方も多いんですよ。

実際にどんなお客さんがやってくるのでしょうか。

ギャラリー立松ボタン

ボタン専門店とうのが珍しいのか、全国からお客さんがいらしてくださいます。ホームページを開設しているので、そこでチェックしてくださり、わざわざ東京や北海道からお来しくださった方もいたんですよ。「名古屋」駅からは歩くと少し距離がありますし、この辺りは小売店が密集する新大門商店街の通りから一筋離れていますが、わざわざ足を運んでくださる方がいらっしゃいます。

ギャラリー立松ボタン

「名古屋」駅周辺にはデザインスクール・ファッションスクール・服飾学院・裁縫教室が多いので、そういったところの生徒さんたちや、独自のオブジェを制作しているアーティストの方などの来店も多いですね。あとは、発表会で着る衣装の装飾をボタンで作りにいらっしゃる方、最近は、若いサラリーマンで、大事なプレゼンの前にカフスボタンや、シャツのボタンをオリジナルのものに取り換えにいらっしゃるというパターンも増えました。

対面販売で心掛けていらっしゃることありますか。

ギャラリー立松ボタン

お店にいらっしゃる方は、ほかでは手に入れることのできないアイテムを作りたいという方が多いんです。例えば、ステージ衣装を作りたいけど、一般的なアクセサリー店ではあまり派手なものが売っていないからどうしよう…といった相談にいらっしゃる方もいらっしゃいます。私たちの強みは、お客様の要望に叶うボタンを倉庫から探してくることができる点です。また、色彩コーディネーターの資格もございますので(奥様の孝子さんが有資格者)、その服に合うボタンのアドバイスもさせていただいています。

最近は、ファストファッションが盛行しており、安価にシンプルな洋服を買うことができるようになったのですが、そういった服を当店に持ち込んでいただければ、ちょっとボタンを変えるだけで、オリジナリティ溢れた、ワンランクアップの洋服に変身させることも可能です。ご自分のお衣裳などで、何か“もうちょっとこうしたいな”という思いがある場合、ぜひ、当店にご相談いただければと思います。

お店周辺の街の魅力を教えてください。

ギャラリー立松ボタン

利便性がいいところでしょうか。「名古屋」駅までは徒歩圏内で、ちょっとお茶をしに行ったり、デパートにお買い物に行ったりするのも簡単ですし、地下鉄東山線「中村日赤」駅も近いので、それに乗れば栄方面にもすぐ出ることができます。地下鉄だけでなく、名古屋、栄方面まで出るバスも通っていますし、周辺は平坦な道ですので、お子様がいらっしゃる方やお年寄りでも自転車でわりと簡単に都心まで出ることもできます。

ギャラリー立松ボタン

周辺にはスーパーマーケット、医療機関、美容院といった生活していくうえで欠かせない施設も充実しているので、暮らすには安心なのではないでしょうか。また「名古屋」駅西方面は、駅の東方面の繁華街と比べて、地元密着型の飲食店も多いので、リーズナブルにお食事をすることも可能です。一方で、味噌煮込みうどんの「山本屋総本家」やラーメン屋の「萬珍軒」など、名古屋を代表する店の本店が実は多いエリアだったりもするので、名古屋の味を存分に楽しめるのではないでしょうか。

中村区は歴史も古く、史跡も多く残る街ですが、近年は「名古屋」駅前を中心に怒涛の開発が続いています。街で過ごしていて、変化を感じることはありますか。

ギャラリー立松ボタン

豊臣秀吉の出身地としても有名で、秀吉に関する地名なども多く残っているエリアです。その一方で、最近は再開発が進み、マンションがたくさん建って、若い世代の流入が多くなっている印象です。そういった影響か、古くから続く商店街にあったお店の若い世代が、新しい感覚でお店を始められる方も増えてきました。例えば、自分が生まれた古いお屋敷を改装してパンやケーキを売っていらっしゃるお店や、古くからの着物屋さんが新しい感覚で若者向けに販売を始めるなど、面白い店が増えてきた印象です。昔からある街の雰囲気を残しつつも、若い人たちが、徐々にバージョンアップさせていってくれています。

将来的には「リニア中央新幹線」も乗り入れが決まっているなど、加速度的に便利になっていくことが予想されます。街の未来に期待することを教えてください。

ギャラリー立松ボタン

昔ながらの商店街に若い感覚が入ってきつつあるというお話をしましたが、さらにセンスアップされればいいなと思っています。歴史があるエリアでもあるので、その部分もきちんと残しつつ、新しいモノも受け入れることができる懐の深さがある街になれば、もっと活気が出てくるのではないでしょうか。「リニア中央新幹線」がきっかけとなり、これまで機会がなかった方たちも気軽に駅西方面にいらっしゃるようになると嬉しいですね。他地域から名古屋にいらしゃる際の玄関口として、おもてなしの精神を持ち、名古屋の良さを発信していける地域でありたいです。

ギャラリー立松ボタン

今回、話を聞いた人

ギャラリー立松ボタン

立松俊行さん【写真右】・孝子さん【写真左】
所在地:名古屋市中村区名楽町2-14
電話番号:052-482-3148
URL:http://www.tatematsubutton.com/

※2015(平成27)年11月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

手作りの洋服があったあの頃のように、ボタンを通して人と人が繋がる温もりを提供したい/ギャラリー立松ボタン 立松俊行さん・孝子さん
所在地:愛知県名古屋市中村区名楽町2-14 
電話番号:052-482-3148
営業時間:10:30~19:00
定休日:木曜日、第3・4・5日曜日
http://www.tatematsubutton.com/

“遊び”を活かした学びの場/野田聖華幼稚園 園長 矢部浩美さん


学校法人白須賀学園が運営にあたっている、「野田聖華幼稚園」。東武野田線「梅郷」駅から流山街道に出て、野田市山崎交差点の角に立地する交通の便のよい幼稚園である。
予防医学の観点から歯磨きの重要性を説き、歯科医師によるフッ素塗布を実施しているだけでなく、園内に大型遊具を備え、園児が健康的に身体を動かせる環境を用意している。同園の特徴やエリアの魅力をを伺うため、園長先生の矢部浩美さんにお話をうかがった。

さっそくですが、「聖華幼稚園」の概要について聞かせてください。

野田精華幼稚園

当園は1977(昭和52)年に開園しました。基本理念に掲げているのは、のびのびと、けじめがある触れ合い教育の下で保育をしていくこと、加えて子どもの健全な心身の発達を図ることを基本に四つの柱(丈夫な体・広い社会性・豊かな情操・確かな基礎能力)を目標として運営を行っています。2014(平成26)年の春からは送迎バスのコースの範囲を広げ、これまで以上に利用しやすく、より多くの子どもさんに来ていただける環境になります。

また、当園の園児だけでなく、子育て支援を目的とした「未就園児サークル」も設けており、そこでは育児相談だけでなく園庭開放・発育測定・栄養士さんの相談も実施しています。いろいろと大変な子育ての一助となれれば嬉しいですね。

野田精華幼稚園

保育内容についてですが、就学の準備段階として、ひらがなの読み書きや専門講師による体育や英語の指導を行っています。園舎を歩きながら自然と英語が身につくようにと、数字の英語表記がされたプレートが貼ってあるのが分かるかと思います。

機械的に英単語を覚えるというのではなく、遊びの延長線上で頭に入っていくことが大切だと考えています。

「野田聖華幼稚園」ならではの特色としては、どのようなものがありますか?

野田精華幼稚園

初代の理事長が「子どもたちの虫歯の多さを何とかしたい」と思ったことがきっかけでした。そのために必要なのは正しい歯磨きの習慣をつけること。普段からの指導に加え、歯科医師によるフッ素塗布も無料で実施しています。さらに歯科衛生士の方を招き、歯ブラシの持ち方や、模型を使っての指導、虫歯の原因となるミュータンス菌を退治するといった内容の紙芝居を披露してもらっています。

野田精華幼稚園

特色ということでは、手作りの完全給食を提供していることも挙げられると思います。手作りだからこその味つけや、栄養バランスを考えた献立。安心して提供できるだけでなく、子どもたちが偏食にならないようにするためにも食育に力を入れています。

食の大切さは、栄養士からの食育の話や、毎日の給食からも学んでいます。

「野田聖華幼稚園」では、どういった年間行事があるのでしょうか。

野田精華幼稚園

入園式にはじまり、遠足、どうぶつ村、七夕まつり、運動会、発表会、もちつき、制作展、ハロウィンパーティ、クリスマス会、ひなまつり、お別れ会といった具合に、季節ごとに行事を開いています。また、園外保育としてにんじん・さつま芋ほり、キウイ狩り、芝すべりや、徒歩圏内にある「みずき公園」にも遊びにいきます。

野田山崎公園(みずき公園)

子どもというものは広々とした場所を見ると走り回りたくなったり、遊ぶものを準備なしでも遊びを見つけることが得意です。子どもの成長課程にとって欠かせない“遊び”を、これからも大切にしていきたいですね。

子どもと接するうえで、大切にされていることはありますか?

野田精華幼稚園

集団生活に入った子どもたちは社会生活に必要なルール、習慣、態度を身につけていきます。そのひとつとして、朝の登園の際は一人ひとりの目を見て挨拶をしています。挨拶をすることでコミュニケーションもとれますし、その表情や顔色を見て、その日の健康状態の把握を行っています。また、自ら考える力、挑戦する力、豊かな感性、心が育ち得るように保育をしています。

お仕事をしていて嬉しい瞬間はどのようなときでしょうか。

野田精華幼稚園

子どもたちが力を合わせて、何かをやり遂げた瞬間に立ち会えたときですね。頑張る子どもたちの姿を見ているだけに、そのときは私まで幸せな気持ちでいっぱいになります。子どもたちの真剣な表情が笑顔に変わったとき、この仕事に就いていて良かったと心から思います。

このエリアの好きなところ、またお気に入りのスポットなどあれば教えてください。

野田山崎公園(みずき公園)

気に入っているのは、公園が点在していることですね。近くの「みずき公園」だけでなく、少し足を伸ばせば大きな「清水公園」もあります。四季を感じられるだけでなくフィールドアスレチックもありますから、子どもにとって遊びがいのある公園だと思います。

柏タカシマヤ

また、生活のことを考えると柏エリアに近いので買い物にも便利です。目的ごとに対応できる商業施設があるというのは、本当に助かりますね。

野田精華幼稚園

今回、話を聞いた人

学校法人白須賀学園 野田聖華幼稚園
園長 矢部浩美さん

住所:千葉県野田市山崎1778-1
電話番号:04-7125-2325
URL:http://seika-group.com/nodaseika/
※この情報は2014年2月時点のものです。

“遊び”を活かした学びの場/野田聖華幼稚園 園長 矢部浩美さん
所在地:千葉県野田市山崎1778-1 
電話番号:04-7125-2325
保育時間:9:00~14:00
休園日:土・日曜日、祝日
延長保育:あり(14:00~17:30)
http://seika-group.com/nodaseika/

共育プラザ一之江 インタビュー

幅広い年代に対応した地域の子育て支援施設/共育プラザ一之江 黄木さん、鈴木さん、貫井さん


江戸川区の子育て環境について語ろうとすれば、共育プラザへの言及を避けて通ることはできない。1970(昭和45)年3月に「旧・南小岩児童館」が開館したのを皮切りに、7年間で合わせて6館が誕生。そして2005(平成17)年4月に児童館から共育プラザへと移行を果たし、現在では乳幼児とその保護者、そして小中高校生まで対応した児童福祉施設となった。今回は、「共育プラザ一之江」を訪ね、地域の子育てにおいて、施設が担う役割についてお話を伺った。

乳幼児から高校生まで、幅広い年代の子どもが対象

談話室は図書の閲覧・貸出を行っている

――「共育プラザ一之江」の概要について聞かせてください

黄木さん:当館は、区内に6館ある共育プラザのひとつです。もともと児童館だった施設ですが、2005(平成17)年4月、6館同時に共育プラザへと移行し、施設改修を経て現在にいたります。 共育プラザの設置目的は、“共育・協同の理念を実現する場として、地域における世代間の交流を通じ、青少年の健全な育成を図る”で、就学前の乳幼児とその保護者が対象の子育て支援と、中高生支援、そして世代間交流が柱となっています。

乳幼児と保護者が気兼ねなく過ごせる「子育てひろば」

――幅広い年代層をカバーしていることのメリットについて伺えますか?

黄木:近年、兄弟姉妹のいないお子さんが増えてきたこともあり、こうした施設で異年齢の子どもたちと交流し、自然と社会性が身につけられることの意義はとても大きいのではないかと思います。利用時間は9時からで、乳児と保護者は17時、小学生と中学生はそれぞれ17時と19時。高校生は21時まで利用することができます。

子どもたちの活動をサポートする充実の設備

「防音スタジオ」にはドラムなど楽器も設置されている

――「共育プラザ一之江」には、どのような施設があるのですか?

黄木:事前登録したグループ等が打ち合わせなどに使用できる「会議室」、そして待ち合いスペースが1階にあり、2階には、就学前の乳幼児とその保護者が利用できる「子育てひろば」、卓球やバスケットボールに対応した「スポーツルーム」のほかに、電子レンジを設置した食事可能な「多目的室」があります。

「パソコンルーム」の機器では音楽・画像編集ソフトなどが使用できる

そして3階には、図書の閲覧・貸出を行なっている「談話室」や、静かな空間で各自自習ができる「学習室」、さらには「音楽室」、ドラムセットなどを置いた「防音スタジオ」があります。それと、当館だけの部屋として「パソコンルーム」があることも特徴に挙げられると思います。屋上に上がると、バスケットやフットサルが楽しめる「屋外球技場」もありますよ。

「野外球技場」の他、屋内に「スポーツルーム」もある

乳幼児とその保護者が気兼ねなく楽しく過ごせる場

――「子育てひろば」について少し詳しく聞かせてください

鈴木:“乳幼児とその保護者が気兼ねなく楽しく過ごせる場”です。また、くつろいだ雰囲気の中で安心して過ごすことができるように環境づくりには工夫しています。色々な方と交流しながら、子育てに関する情報交換もできますし、年齢・月齢に合った遊具、絵本コーナーもかなり充実しており育児本も揃えてあり、絵本の貸し出しも行います。授乳コーナーやベビーベッドもあるので、ぜひリラックスして過ごしていただけたらと思います。

そしてこれは当館の特徴ですが、1歳児から使用できる「わくわくひろば」と、0・1歳児から利用できる「よちよちひろば」が壁で区切られておらず、同じフロアにあるので、よりたくさんの交流ができる場所となっています。

乳幼児と保護者の交流の場としての役割も果たしている

――「子育てひろば」では、色々なプログラムを実施されているそうですね

貫井:「わくわくタイム」「わんぱくタイム」「0歳児あつまれ!」「ままトークのwa」「お誕生会」「お父さんといっしょ」など、利用される方のニーズに即したプログラムを用意しています。このほかにも、保育園と連携した「子育てフェスティバル」、「春フェス」や「クリスマス会」といったイベントもあります。

――地域ボランティアの方からも協力をいただけていると伺いました

貫井:大変ありがたいことに、これまでの経験やスキルを活かして力になってくださる方がいらっしゃいます。もともと利用者だった方で、お子さんが大きくなられてから恩返しがしたいと来てくださる方もいて、私たちとしては本当に嬉しく、また心強く感じています。

月に一度、子育ての個別相談日も設けているそうだ

――子育て相談もされているそうですね

鈴木:子育てひろばでは、指導員と専門指導員が見守りをしています。子育てに不安や悩みなどをもっている時など職員が専門知識を生かして援助、アドバイスをしています。「温かく迎えてくれる」「気軽に相談に応じてくれる」といった雰囲気作りを日々心がけています。

自然豊かで、子育て世代に優しいエリア

談話室の図書にはポップが用意されていたりと、工夫が凝らされている

――利用される方と接する際、特に心掛けていることはありますか?

鈴木:笑顔でお迎えし、帰られるときも“また来てくださいね”と声を掛けています。いつでも何度でも、気軽に訪ねられる雰囲気づくりに努め、また遊びに来ようと思っていただけるような施設でありたいと考えています。

――最後に、一之江エリアの子育て環境について聞かせてください

黄木:古くから住まれている方が多いせいか、人と人との繋がりがより密接なように感じます。例えば歩道にいるお子さんに自転車が接近した時に、「危ないよ」と声をかけてくれる、地域で子どもを見守っているような地域性があります。

鈴木:江戸川区全体に言えることですが、自然を身近に感じることができ、親水公園をはじめ、子どもさんが笑顔になる環境があります。人も街も子育て世代に優しいということが、一之江エリアの魅力のひとつではないかと思います。

共育プラザ一之江 プロフィール

共育プラザ一之江

黄木さん、鈴木さん、貫井さん
所在地:東京都江戸川区一之江3-13-7
TEL:03-3652-5911
URL:https://www.city.edogawa.tokyo.jp/kyoiku_plaza/plaza_ichinoe/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

幅広い年代に対応した地域の子育て支援施設/共育プラザ一之江 黄木さん、鈴木さん、貫井さん
所在地:東京都江戸川区一之江3-13-7 
電話番号:03-3652-5911
開館時間:火~金曜日9:00~21:00、土・日曜日9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合、翌日も休館)、祝日、年末年始
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/kyoiku..

レインボーテンプル インタビュー

思い入れのある街でのヨガを通じた地域貢献/レインボーテンプル 代表 こういちさん


自分にできることで地域に貢献できれば――。この想いが、ヨガ教室の開催という形で具現化されたのは2008(平成20)年12月のこと。ヨガの捉え方が多様化している現在、ヨガの本質と向き合い、心身両面のさらなる高みを目指そうというのが「レインボーテンプル」の考えだ。利用しやすい料金の設定は、地域に対する想いがあるからに他ならない。ヨガ、教室、そして愛着のあるこの街の魅力について、代表のこういちさんに伺った。

自分にできることで地域貢献がしたい

代表のこういちさん

――「レインボーテンプル」の概要を聞かせてください

都営新宿線「一之江」駅のすぐ近くにある「コミュニティプラザ一之江」を借りて、ヨガのレッスンを行なっています。スタートしたのは2008(平成20)年12月。ここを地元とする方だけでなく、転勤などで移ってこられ、“新しい街でもヨガのレッスンを受けたい”という方もたくさんいらっしゃいます。

レッスンの様子

――一之江エリアを選ばれた理由というのは?

出身がこの近くだったので、お世話になったこの街にヨガを通じて何かしら貢献がしたかったという気持ちがありました。現在は渋谷区の在住なので、“住まいの近くで開催すれば?”というアドバイスもいただきましたが、歳を重ねるにつれ、自分にできることで地域貢献がしたいという気持ちが強くなり、この場所で教室を開くことにしました。

ダイエット効果などはヨガの一側面でしかない

レッスンの様子

――代表がヨガと出会われた経緯を聞かせてください

25歳か26歳のときだったと思いますが、知人に誘われてヨガのレッスンを受けました。体調が良くなったという実感もありましたが、それ以上にヨガの哲学的な面に魅せられました。必ず訪れる人生の最期をどのような心構えで迎えるべきか――そもそも人間が“生きている”と捉えていることは、どのような意味があるのだろうか。そうした昔から続けていた思索の答えを、ヨガで見出したのです。

レッスンの様子

――哲学的な側面よりも、“フィットネス”を前面に出している教室も数多く存在しますよね?

それを否定することはしません。ダイエットに効果があったり、身体的柔軟性を得られるという事実はありますからね。ただ、そうした身体的プラクティスはヨガの一側面でしかなく、一部であって全てではないと言えるでしょう。

レッスンの様子

――少し具体的に聞かせてください

大きく区分けをすると、ヨガは8段階で成りたっています。やってはいけないことと、やるべきことの把握。体操と呼吸法を学び、さらに進めば、肉体感覚を手放し、意識そのものに集中し、最終的には自我意識も手放していきます。そのようなゴールに向けて練習を重ねていきますが、だからといって結果に執着せず、肩ひじ張らずに、気楽に人生そのものを楽しんで、より味わい深き生き方をしようというのが「レインボーテンプル」の考えです。

オーストラリアで出会った驚きをこの街で再現したい

レッスンの様子

――「レインボーテンプル」という名前の由来について伺えますか?

指導者としてのヨガを学ぶため、オーストラリアで40日間のプログラムを受けたときのことです。その期間中、1週間ほど休みがあったのですが、プログラムが開かれないときは研修施設を利用できないということだったので、その代わりとなる場所を探すことにしました。そこで出会ったコミュニティの名が、「レインボーテンプル」だったのです。

「レインボーテンプル」は様々な国の愉快な人々が集う場所で、濃密な生命力溢れる時間が流れていました。こんな世界があったのかという少年時代の驚きにも似た感慨が帰国後も消えず、それを馴染みのある街で再現できればと思ったことが「レインボーテンプル」を選んだ理由です

昔からは想像のできないような街になりました

一之江駅

――この街の魅力を聞かせてください

利用しやすいスーパーマーケットが点在し、コンビニエンスストアにも不自由することがありません。また、都営新宿線が開業する前の名残からバス路線が充実していることも魅力のひとつではないかと思います。子どものときからこの街を知っている私からすれば、信じられないくらいに発展しました。スーパーマーケットが増えただけでなく、個人経営のカフェやファッション関連のショップもオープンしました。新しく移り住まれた方が、この街を新たなステージに引き上げてくれたのかなと思います。

レインボーテンプル

レインボーテンプル

代表 こういちさん
所在地 :江戸川区一之江7-35-22(一之江コミュニティプラザ)
URL:http://www.rainbow-temple.net/
※この情報は2016(平成27)年2月時点のものです。

思い入れのある街でのヨガを通じた地域貢献/レインボーテンプル 代表 こういちさん
所在地:東京都江戸川区一之江7-35-22 
電話番号:03-3651-1261(コミュニティプラザ)
http://www.rainbow-temple.net/

市と地域で作る子育てサポート施設

“地域で子どもを育てる”を理想に掲げて/ながつたパオパオ 代表 関さん


「ながつたパオパオ」は、“こんな場所があったらいいな”をテーマに、子育て世代をサポートする施設として誕生した。2009(平成21)年度からは、横浜市の子育て補助事業「親と子のつどいの広場」として運営を開始。木の温もりと落ち着きをただよわせる「ながつたパオパオ」を訪ね、概要や活動内容を訊いてきた。

「ながつたパオパオ」はNPO法人が運営しているそうですね。

ながつたパオパオ看板

長津田で子育てをしていた主婦たちによって設立されました。子育てをしていたときに“こんな場所があったらいいな”と感じたことを、「ながつたパオパオ」で実現できればと思っています。

2009(平成21)年度からは「親と子のつどいの広場」として運営を開始。2年後の2011(平成23)年からは、支援が必要な子どもたちの居場所として、放課後等デイサービス事業所「石黒さんち」を開所しました。待ち望んでいたという方も多く、そうした声に耳を傾けながら利用者さんに喜ばれる施設でありたいと思っています。

「親と子のつどいの広場」について、少し詳しく聞かせてください。

ながつたパオパオ室内

これは横浜市の子育て補助事業のひとつで、親子同士が交流できる場所の提供、子育ての相談、子育てに関する情報の収集・提供や講習などもします。対象は未就学児と保護者で、マンションの一室や商店街の空店舗などを利用して活動しています。

関さんが「ながつたパオパオ」のメンバーとして参加されるようになった経緯というのは?

ながつたパオパオモビール

知人に誘われて、どのような活動をしているのか見学させてもらいました。温もりのある雰囲気に加え、子育てに対する考え方に共感できたことで、自分の子育てが落ち着いたタイミングでスタッフになりました。

ご自身の子育てを振り返っていただけますか?

ながつたパオパオ親子

思うようにならないことも多く、毎日のように悩んでいました。ただ、そのときに苦労したからこそ、同じようなことで悩んだり困っている利用者さんの気持ちも理解できます。愛おしい我が子でも、言葉でやりとりができない以上、その時間が続くと疲れてしまいます。

核家族が一般化している都心部では、子育てを手伝ってくれる相手がいないというケースも珍しくありません。心に余裕がなくなる前に、ぜひ気軽に来てもらえたらと思います。長いと思っていても、子どもと濃密な時間を過ごせるのは意外に短いもの。心を休めながら子育てを楽しめる余裕を持ってもらえれば嬉しいですね。

温かみのある玩具が多いですね。

ながつたパオパオ木のおもちゃ

ありがとうございます。すべてではありませんが、できるだけ木のおもちゃを置くようにしています。木のおもちゃだけでなく、利用者さんがつくってくれたおもちゃもあり、多くの方に支えられているのだなと日々実感します。

「ながつたパオパオ」の存在を知っているだけで、まだ利用されていない方にメッセージをいただけますか?

ながつたパオパオ乳児

私たちとしては、ふと思い立ったときに来ていただきたいという気持ちです。短い時間であっても、ここで同世代の方と話をするだけでも気持ちが安らぐと思います。私たちスタッフに相談していただいても構いません。“地域で子どもを育てる”をテーマに、地域社会に必要とされる存在でありたいと思っています。

スタッフを募集しているそうですね。

ながつたパオパオスタッフ

子育てを終えた方がスタッフとして、次の世代の子育てを支えるというのが理想です。世代交代をしながら、次に繋げていきたいですね。ありがたいことに、子育てが一段落したら手伝いたいと言ってくれる方もいるので、そうした仲間をさらに増やしていければと思っています。

最後に、街についての魅力を伺えますか?

玄海田公園

子どもが多く、街ぐるみで子どもを見守ろうをいう意識が強い街だと思います。「玄海田公園」をはじめとして緑が多く、少し足を延ばせば「よこはま動物園ズーラシア」や「こどもの国」もありますし、子育てにはとてもいい街だと思います。

ながつたパオパオ関さん

今回、話を聞いた人

ながつたパオパオ
代表 関さん

※2015(平成27)年8月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。
※取材当時、「ながつたパオパオ」は長津田町2311-1にありましたが、2017(平成29)年4月10日に以下の場所に移転しています。

“地域で子どもを育てる”を理想に掲げて/ながつたパオパオ 代表 関さん
所在地:神奈川県横浜市緑区長津田町2311-1 
電話番号:045-532-6125
利用時間:10:00~16:00
休所日:第3金曜日、土曜日(第3土曜日は開所)、日曜日、祝日、年末年始 ほか
https://paopao.or.jp/

スポーツクラブも兼ねる幼児教育機関

子どもたちがいろんな“経験”をできる場所を提供/横浜バディスポーツ幼児園・長津田 園長 菊池剛さん


長津田みなみ野の大型ショッピングセンター近くにある「横浜バディスポーツ幼児園 長津田」は、スポーツを教育の中心に据え、心と身体を育てることを通じて、「ひとつひとつ壁を乗り越える力」を培うことを大切にする幼児園。横浜エリアでは都築園が既にあったが、2009(平成21)年にここ長津田園が開園し、付近のママ層から注目を集めている。
今回は都築と長津田、両方の園長を兼任する菊池剛さんに、園の魅力と活動内容、地域の魅力についてお話を伺った。

まず、「横浜バディスポーツ幼児園」の歴史とコンセプト、長津田園ができるまでの経緯をお教えいただけますか。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

「横浜バディスポーツ幼児園」は最初、33年前に世田谷で生まれた幼児園でして、横浜では、2000(平成12)年9月に、都築に開園した園が最初になります。私自身は以前から世田谷の園に勤務していたんですが、その時にも港北エリアからわざわざ通われている方がいらっしゃったんです。それから「横浜エリアにこういう園がないので、せひ開園してほしい」という話がありまして、都築園が開園しました。長津田園に関しては、都築でやっていましたところ、長津田にももうひとつ別の拠点があったほうが良いということで、2009(平成21)年4月に開園したものです。

とにかく子どもたちの体力の低下が言われ続ける昨今、どんどん過剰に保護していく風潮がありまして、スポーツをはじめ、なかなか子どもたちがいろんなことを経験できる時間も環境もなくなってきているんですね。特にこの10年くらいはそのの傾向が顕著だと思います。

ですから私たちのやっていることは一種、時代の流れとは逆行しているのですが、子どもたちがいろんな“経験”をできる場所を提供しよう、その経験を通じて、心も体も強く、いろんな物事を「乗り越えていける力」を身につけてもらおう、ということなんですね。本当の意味での“自立”を目指しています。そして「自立に必要なものは何か」と考えた時に、楽しいことも、苦しいことも、嬉しいことも、すべて含めた「実体験」というものが絶対に必要になってくるということです。

「自立」の育成の中で、スポーツに注力されたのはなぜでしょうか?

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

とにかくスポーツというのは「分かりやすい」ですよね、勝ち負けがあって、上手下手がはっきりしているんです。昨今は「下手」であるとか、「負ける」ということをぼやかす傾向があります。できてないことを「上手」と褒めてしまうのも、そうですよね。

 

でも私たちは、そうじゃないと思うんです。上手にできたらしっかり褒めるし、上手にできなかったとしたら、チャレンジしたことに対して「良く挑戦した」というところを褒めるんです。「何でも褒める」のではなく、「ありのままを褒める」ようにすればいいんです。それを子どもたちが体験的に感じて、喜びや達成感を通して「またやってみよう!」と思えるように、スポーツを主軸にした教育を行っています。

スポーツは試合になったら自分で考えて、瞬時に判断しないといけないわけですね。跳び箱を跳ぶ時にも、どうやって走ろうか、どのタイミングで踏み切ろうか、自分で考えて決断しているんです。そういう事を繰り返しやっていると、何かあったときに、「よし、こうしよう」っていうチャレンジ精神が身についていくんです。これはお絵かきでも、歌でも、何でもいいんですけれど、スポーツはこれが分かりやすいんです。「やってみよう」から「できた!」という流れが見えるんですね。絵なんかだと、見方がひとつじゃないですよね。でもスポーツでは見方が明確なんです。

体育館がドンと構える、独特の園風景ですね。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

はい。普通であれば園庭を広くとって、遊具を置いて、というところですが、実際には公園に行けば遊具もありますし、広場もありますから、「横浜バディスポーツ幼児園」では体育館を造って、どんな時でも思いきり運動できるようにしています。これは大人の方がバスケットボールやフットサルなんかもできる大きさの体育館になっておりまして、実際にレンタルコートも行っているほど、本格的な仕様のものです。

プログラムの面で、他園との違いはどんな点でしょうか。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

スポーツを中心に行っていることはもちろんなのですが、年に数回、「サマーキャンプ」や「スキーキャンプ」など、泊まりを含んだ実習がありまして、これが全員参加という点でしょうか。年少の子どもから泊まりの実習があります。

時間に関しても、幼児園というよりは保育園に近い時間帯で預かり、延長保育も夜8時までありますので、そこも普通の幼児園と違うところです。イメージとしては幼児園と保育園とスポーツクラブが、ひとつになったような感じです。

これらもすべて、「乗り越える力」を養うためなんですね。平らな道をトコトコと歩いていると、何もなければ楽に行けますけど、ちょっとデコボコがあればすぐに躓いちゃいます。でもずっとデコボコの道だったら、常にそれを乗り越えていくわけですから、「壁を壁とも思わない強さ」というものが身につくんですね。小学校に上がってみて、みんなが大変だと思うようなことも、「何が大変なの?」って思えるわけです。真っ平らなところに障害物を置いていくというのが、私たちの役割なんです。

ただ、これは決して「スパルタ」ではないんですよ。子どもたちが「やりたい」と思うように、いつの間にか夢中になっているようにするんです。ほら、ゲームも同じじゃないですか。クリアをして「やったー」と思って、だんだん難しくなって、ボスが出てきて、夢中になりますよね。これがスポーツであれば「級別テスト」だったりするわけです。先ほど敢えて「障害物」と言いましたけれども、子どもたちはこれを障害物とは思っていないんですよ。

夕方のクラブや夜のレンタルコートなど、経営の取り組みもユニークですね。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

ここは午後3時までは幼児園なんですが、3時から4時の間は幼児のスポーツクラブ、4時から7時までは小学生のスポーツクラブ、7時以降は社会人のためのレンタルコートという風に、いろんな世代の方にご利用いただいています。ですから、幼児園を母体としていますが、卒業してからもクラブに来られますし、地域の方も気軽に利用できるわけです。

私たちは株式会社組織ですので、いろいろな税制の優遇を受けられないわけですね。学校法人はいろいろな免除があるんですが、株式会社ですとその分も利潤を上げなければいけません。だから幼児園を維持するために、スポーツクラブやレンタルコートなども行って、収益を確保しているんです。そういった経済的なことも、本来はちゃんと子どもたちにも伝えていかないといけないんです。「稼ぐには工夫をしないといけない」ということを、幼児園の経営からも見られるようにしているんです。

課外活動について、もっと詳しく教えていただけますか?

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

恒例の活動としては、まず、春には年長の子が越後湯沢に行って田植えを体験しますし、年長・年中の子は「キッザニア東京」での職業体験遠足があります。年少・年少少の子は冬に職業体験をやっています。

6月になると、年中の子が嬬恋高原に行ってキャベツの苗を植えて、このキャベツは、9月に収穫されて送られてくるんです。田植えに行った子どもたちについては、秋にまた1泊2日で稲刈りをしまして、この時には魚のつかみ取りをして、捌(さば)いて、塩焼きにして食べるんですね。 稲刈りでは鎌の使い方も教えますし、魚を捌けば血も出ますから、「かわいそう」と言う子どももいるんですが、「お魚を食べるのはこういうことなんだよ」と教えています。
7月になりますと、「サマーキャンプ」が大きな実習としてあります。これは年中・年長の子が行くんですけれども、年中の子は山中湖の1周ハイキングで、14キロぐらいを1日かけて歩きます。年長の子は富士山にのだいたい7合目まで、2時間半から3時間ぐらいかけて登って、下りてきます。一見きついようですが、普段から運動していれば、何てことなく全員いけるんですよ。
秋になりますと、今度は年少の子どもが嬬恋高原に2泊3日で行きます。これはもう、「お母さんお父さんと離れて3日過ごす」というのが主目的のキャンプですね。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

12月には年少の子が2泊3日で、1月には年中・年長の子が3泊4日で、それぞれ「スキーキャンプ」をします。2月にも3泊4日のスキーキャンプがありますが、こちらは自由参加になっています。どれも新潟県ですね。そのあと、3月にはアルペンスキーの大会があります。スキーはけっこう本格的なんですよ。

あとは、芋ほり、節分会など季節のイベントもありますし、「徒歩遠足」なども面白いですね。硬貨で130円を持ってきてもらって、それを使って切符を買って出かけるんですね。Suicaしか使ったことのない子も多いですから、これも貴重な体験になるみたいです。
「クリスマス会」は大きなイベントのひとつですが、ここでは合唱と合奏をやりながら、ミュージカル仕立てにしています。幼児園の中でもやろうと思えばできるんですが、「せっかくだから大きい舞台に立つ経験をさせたい」という思いがありまして、ホールで行っています。このミュージカルもスポーツと同じくらいしっかりと練習をして、けっこうキッチリとやりますよ。終わったあとにはご褒美のお菓子パーティーなどもしています。

こんなふうに、年間を通じて本当にいろんな経験ができるようなプログラムになっています。

先生方は体育の専門の方が多いのでしょうか。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

女性の先生は、教諭か保育士ですね。子どもの教育・指導の資格をもった方が来ています。男の先生は何らかの体育の指導に関わっている人を採用しています。体育の教員免許としては中・高校免許しかないですから、幼児の体育教育に関わってきた人や、いろいろな種目別のスポーツの指導者の経験者ですね。

 

ですから救急法などもしっかり身につけていて、万が一の状況にも対応できますし、熱中症などもないように、身体の状況を見ながら、無理の無いよう運動をしていきますので、安心してお預けいただければと思います。体育館も冷暖房を完備しているので、熱中症対策は万全になっています。

子どもたちはどの範囲から通っているのでしょうか。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

バディ全体に言えるんですけど、非常にお子さんが通う範囲が広いですね。もちろん長津田やみなみ台周辺が多いのですが、それだけではなく、町田市や旭区などから通う子もいます。バス通園は1時間で回れるエリアが送迎範囲になるので、遠くても市ヶ尾か青葉台あたりまでですね。車で送迎をしているご家庭もあります。

入園するにはどうすれば良いですか?

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

私立の幼児園ですので、特に何月入園ということではなく、随時受け付けていますので、定員に余裕があればいつからでも通っていただけます。ただ、うちはスポーツの英才教育ではないので、「結果としてできるようになることが多いけれども、過度な期待は禁物です」ということでお考えください。

 

両親ともフルタイムで働いているご家庭であっても、延長保育が最大夜8時までありますので、その間に送迎ができるということであれば、働いているか否かに関わらず受け入れをしています。

最後に、長津田みなみ台地域の魅力を教えてください。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

私は都築区に住んでいますが、長津田に関しては、子どもがたくさんいるエリアですので、子どもに関する情報や、集まったりする場所に困ることはないですね。子どもを取り巻く環境として、「情報」「モノ」がよく揃っているエリアだと思います。あとは、自然がたくさん残された環境ですので、その点も魅力だと思います。今は再開発も進んでいるので、これからますます、期待感の持てる地域なのではないでしょうか。

横浜バディスポーツ幼稚園 長津田

今回、話を聞いた人

横浜バディスポーツ幼児園・長津田 園長 菊池剛さん

所在地:神奈川県横浜市緑区長津田みなみ台4-3-1
電話番号:045-507-1288
http://www.y-buddy.jp/
※この情報は2013年7月時点のものです。

子どもたちがいろんな“経験”をできる場所を提供/横浜バディスポーツ幼児園・長津田 園長 菊池剛さん
所在地:神奈川県横浜市緑区長津田みなみ台4-3-1 
電話番号:045-507-1288
保育時間:8:00〜17:00
http://www.y-buddy.jp/

年齢ではなく、個人に合わせる。もりの風保育園の保育理念とは/もりの風保育園 園長 朝倉美智子先生


「みなみ台保育園」、「みもざ保育園」に続く、長津田みなみ台エリア3ヵ所目の認可保育園として、2013(平成25)年4月に開園した「もりの風保育園」。園は、老人福祉施設と隣接し、周囲には「サンクタスシティ長津田みなみ台レジデンス」の戸建て住宅街が広がる閑静な土地。空が広く、緑に囲まれとても気持ちの良い一帯である。

この3園はともに「株式会社Berry」が運営し、園の造りも保育理念もよく似ているが、中でも「もりの風保育園」は、最も新しく、最も広く、最も緑が近い保育園ということで、付近のお母さんたちから注目されているという。今回は、4月からこちらで園長を務めている、朝倉美智子先生にお話を伺った。

ここに新たな園が開園した経緯と、園の特徴についてお教えください。

もりの風保育園

私たちは今までも2つの認可保育園を運営しておりましたが、このたびオリックス不動産さんから「新しい街をつくりりたい、その街を子どもにとって楽しい街にしたい」というお話をいただき、一緒に事業参画をさせていただくことになり、新たに3つ目の保育園をつくらせていただきました。

 

「長津田みなみ台」というエリアは近年人口増加が著しい地域ですので、やはりなかなか保育園に入れないというお子様もいらっしゃいまして、以前から地域の方、保護者の方などから、新たな園の新設要望もありました。私どもとしても、少しでも待機児童が減ればということで、2013(平成25)年の4月に開園いたしました。

建物の環境としては、「子どもが生活しやすい環境づくり」に特に力を入れていまして、設備で言えば床暖房を備えて、裸足で過ごせるようにしていますし、床材と低い部分の壁に関しては木曽ヒノキを使い、表面には蜜ロウワックスという、子どもが舐めても大丈夫な塗装材を使っています。とにかく子どもたちに「安心して、安全に生活できる環境を提供する」ということに気を遣っています。

「安心、安全」という面につきまして、具体的にどのような点を配慮されているのでしょうか?

もりの風保育園

当然のことですが、大きな地震があっても大丈夫な建物になっておりますし、天井も落ちてこないような部品を使い、ガラスも割れない防犯ガラスを使うなど、設備面としての防災対策も万全にしています。環境としても、できるだけ広いスペースを取れるように部屋を設計し、日当たりの良さ、風通しなども非常に配慮してつくりました。

防犯については、防犯カメラを園内の8ヵ所に設置して24時間、監視や録画をしておりまして、誰が何時に来て何時に帰ったかなど、入退室管理についても万全の体制をとっています。万一のことがあった場合も、各部屋に非常警報装置がありまして、非常時にボタンを押しますと、警備会社と警察に連絡が行くようになっております。

また、毎月1回は避難訓練と交通安全指導の時間を設けておりまして、2月には消防署から実際に消防自動車が来て、訓練を行っています。職員に向けても、消防署の方に来ていただき、救命救急の訓練を行っております。

災害時については、停電になったとしても、太陽光発電と蓄電池を園内に備えていますので、停電後もしばらくの間は電気を作れるようになっています。また、水に関しても、今回の建設にあたって新たに井戸を掘りましたので、震災の時でも、発電機を回せば水が供給できるようなシステムになっており、一時的に自給自足できるような設備となっています。

 

保育方針、カリキュラムについて、特徴的な点をお教えください。

もりの風保育園

保育目標としては、「思いやり」、「意欲」、「自主性」、「集中力」、「創造力」の5つを育てるということを掲げながら、「異年齢グループ保育」という、3歳から5歳児までの縦割り保育を実施しています。その中で、5つの目標に沿って、子どもたちひとりひとりが目標に向かって育っていく、「育ち合い」の保育を意識しております。縦割り保育によって、普段は3歳から5歳が一緒に生活するような環境になっておりますが、年齢に沿ったカリキュラムで保育をしています。

プログラムとしては、リトミックに関しては専門の先生に来ていただき、すでにスタートしています。ほかに、9月からは英会話も専門の講師を招きまして、取り入れていきたいと思っています。リトミックと英会話については別料金で、2歳児以上が対象となっています。

緑の環境を生かした園外活動やプログラムなどはあるのでしょうか?

もりの風保育園

園の近くに「玄海田公園」がありますので、天気の良い日には公園に行って、草木に触れたり、小鳥の鳴き声を聞いたり、そういった自然環境でのんびりと育っていくように、「外遊び」の時間をとっています。「子どもは自然の中で育つ」と言いますが、ここは本当に自然に恵まれていて、ありがたいところだと思っています。

 

また、園の敷地で畑作りをしておりまして、子どもたちがトマト、キュウリ、ナス、カボチャ、スイカなどを作って、それを収穫したりもしますし、給食室で作ってもらって食べたり、子どもたちが実際に包丁で切ったりなど、「食育」にも力を入れております。畑は年中やっておりまして、冬になれば大根や白菜などを作る予定でいます。

子どもたちの「一日の流れ」についてお聞かせください。

もりの風保育園

7時から8時半までは随時子どもたちが登園し、乳児と幼児に分かれて保育をしまして、8時半になりますと各クラス、年齢別に分かれます。その後、9時半からはクラス活動になります。その中で、公園に行ったり、音楽リズム、絵画、制作、運動あそびといったものを取り入れた活動をします。その後、乳児さんが11時くらいに、幼児さんだと11時半くらいからお昼ごはんになりまして、お昼寝の時間に入ります。だいたい午後3時ぐらいからお昼寝が終わりまして、そのあとまた各クラスごとに保育をしながら、お迎えを待ちます。

定期的に行事も開催されていらっしゃいますが、どのような行事がありますか?

もりの風保育園

なるべく保護者に負担のかからないような行事を取りたいと思っておりまして、運動会、クリスマス発表会、それから小遠足など、小さな行事を多く持ちたいと思っております。

イベントの内容については、保護者による運営委員会というものがありまして、各年齢から1名ずつ委員さんに出ていただき、年に3回、委員会を持っております。それに沿って、園の行事や、保護者の方からのお困りの点などを拾い上げて、意見を取り入れまして、保育に生かしていくようにしています。

地域との交流についてはいかがでしょうか?

もりの風保育園

隣に老人ホームができましたので、今後は高齢の方との交流についても、持ちたいと思いまして、実は先日、老人ホームの方からもそういったお話がありましたので、今後詳細について、打ち合わせをしていきたいと思っております。予定では、年に3回、3歳から5歳までのお子さんが慰問をしまして、入居する高齢者の方との交流を深めていきたいと思います。

 

ほかには、「横浜市立いぶき野小学校」との交流授業も持ちたいと思っておりますし、近くに保育園もありますので、保育園間の交流も持ちたいと思っております。

フェルトのぬいぐるみコーナーなど、ギャラリーのようなインテリアが印象的ですが、これはどのような意図で作っているのでしょうか?

もりの風保育園

園内各所にある展示物については、専門のデザイナーさんに、子どもたちの感性を育てるために、動物などをモチーフにして、季節ごとの展示をしていただいています。この内容は年に5、6回、季節ごとに変えておりまして、例えば秋にはハロウィンをテーマにしたもの、冬にはクリスマスをテーマにしたものなど、季節を感じさせるようなものにしています。

スタッフの皆さんが「日々心がけていること」はどんな点でしょうか?

もりの風保育園

一人ひとりのお子様を、年齢に沿って保育していくということが目標でして、子どもを大切に育てるということ、一人ひとり平等に関わっていくということを心がけています。やはり発達段階もありますし、個人差もあるものですから、ひとりひとりを把握して、お子様に沿った保育を心がけております。

 

現在の園児数と受け入れ状況についてお教えください。

もりの風保育園

園児は現在、0歳児が12名、1歳児が18名、2歳児が12名、3歳児が14名、4歳児が2名、5歳児が2名の60名です。今はまだ定員90名までに余裕がありますので、受け入れ対応が可能です。年度中からも入れますので、希望の方は行政を通じてお申し込みいただければと思います。費用に関しては、認可保育園ですので、親の世帯収入によって決まります。

子どもたちは、みなみ野エリアの方がほとんどですが、町田の方から来ている方もいらっしゃいますね。送迎に関しては、車で送迎される方が多いです。

保育時間については、延長保育も含めて朝の7時から夜8時まで開園しておりまして、一時預かりは行っておりません。

園長先生が考えられる「長津田みなみ台エリアの魅力」とは何でしょうか?

もりの風保育園

やはり自然が多いことでしょうか。広い公園も近くにありまして、保護者の方も一般の方もよく遊びに来ておられますので、公園デビューをしやすい場所だと思います。子育てに熱心な方が多いですから、、子育ての相談というのも、しやすいのではないでしょうか。もちろん、園でも希望があれば、いくらでも子育てについての相談は受けますし、応援しています。子育て環境としては、非常に良い環境だと思いますよ。

 

こういう自然環境の良いところで子育てをされるのが、子どもさんにとってはいちばん良いことなんじゃないかな、と思います。

もりの風保育園

今回、話を聞いた人

もりの風保育園
園長 朝倉美智子先生

所在地:横浜市緑区長津田みなみ台2-12-12
電話番号:045-507-9779
開所時間:7:00~20:00(土曜日は7:30~18:30)
http://morinokaze-hoikuen.com/
※この情報は2013(平成25)年8月時点のものです。

年齢ではなく、個人に合わせる。もりの風保育園の保育理念とは/もりの風保育園 園長 朝倉美智子先生
所在地:神奈川県横浜市緑区長津田みなみ台2-12-12 
電話番号:045-507-9779
開園時間:7:00~20:00、土曜日 7:30~18:30
http://morinokaze-hoikuen.com/

ビストロ・ドゥ・リヨン オーナーシェフ 中嶋力也さんインタビュー

まじめな本格フランス料理を、カジュアルな雰囲気で/ビストロ・ドゥ・リヨン オーナーシェフ 中嶋力也さん


お店を切り盛りするのは、「昭和区は住みやすく、子育て環境も整っている」とおっしゃる中嶋さんご夫婦2人。本格的なフランス料理をたくさんの人に食べてもらいたいと、カジュアルなお店づくりをされています。地域の料理店と勉強会を兼ねた料理教室を開くなど、料理づくりにまっすぐ、真面目に取り組んでいる、地域に親しまれているビストロです。

「ビストロ・ドゥ・リヨン」外観

――昭和区でお店をオープンされるまでの経緯を教えてください。

中嶋さん:もともと名古屋市栄区でお店を開いており、自宅から通っていましたが、子どもの成長に合わせて、2004(平成16)年にこの場所へ移店してきました。ここは自宅だったのですよ。店名は、フランスを旅した時にリヨンの街並みを気に入ったからです。リヨンは美食の街でもありますし、料理修行をしていた店がフランス料理店だったので、自分でお店を出す時もフランス料理店にしようと。かしこまって食べるお店ではなく、気軽に足を運んでいただけるようなお店にしました。

「ビストロ・ドゥ・リヨン」内観

――昭和区はどのような地域でしょうか。

中嶋さん:お店を開いているだけでなく、ここに住んでいるので分かりますが、とてもいい街です。特にお店のある「御器所」駅周辺は「昭和区役所」に近くて、「松栄小学校」や「桜山中学校」の公立小学校のほか、「名古屋国際中学校・高等学校」、「名古屋柳城短期大学」などもあり、教育施設が充実しています。スーパーやドラッグストアもあって買い物も便利、おいしいレストラン、料理店もあります。治安もいいですよ。近くの「白山社」では、夏に天王祭、秋に例祭が行われ、近所の子どもたちがみこしを担ぐ町内もあります。子育てをしてきたからこそ実感していますが、昭和区の住みやすさは他の方にもお勧めできます。

「仔羊のパイ包み焼き」

――お店のメニューを教えてください。

中嶋さん:メニューは季節に合わせたコース料理のみ。本格フランス料理を肩肘張らず食べていただきたいので、価格を抑えています。昼はランチコースが3種類あり、1600円(税抜)からとリーズナブルに。ディナーも価格が異なるコースメニューを3種類用意しています。ディナーはメイン料理とデザートを選んでいただけます。今日は鮮魚のポワレ トリュフバターソースやフランスの田舎風ロールキャベツ、牛ほほ肉の赤ワイン煮込みブルゴーニュ風などを用意しています。

「フォアグラ丼」

――どのような食材を使われていますか

中嶋さん:「嘘のないもの」ですね。国産ものを基本に、良い食材があれば仕入れ先を見つけて使います。農家さんから直接、仕入れる食材もありますよ。メニュー構成は食材を直接見て、手にとってから考えます。同じ食材でも品種や季節、育った場所などによって、ローストに向いているもの、煮込みに向いているものなどそれぞれ違うので。食材と向き合っているうちに、だんだんメニューのイメージが湧いてきます。また、パイ包みのパイなど、既製品は使わず、すべて手作りしています。料理人として当たり前のことを、まじめに作っているだけです。

カジュアルなカウンター席

――プロ向けの料理教室を開かれていると聞きました。

中嶋さん:ご近所のフランス料理店をはじめ、他の料理店さんと一緒に、若手シェフ向けの料理教室を開いています。講師はフランス料理、中華、寿司などさまざまなジャンルのシェフが担当し、勉強会のような雰囲気になります。最近は本格的な料理を作りたいという主婦の方も参加しています。時には、農家さんの畑へ出向いて、作業風景を見学させてもらい、食材についても学びます。教室の参加費は経費を除いた分を「あしなが育成会」へ寄付しているので、私たちスタッフはボランティアで参加しています。仲間同志で技術・知識向上のための教室です。

さまざまなシーンに使える半個室席

――どんな方がお店へ来られますか?また、みなさんにメッセージをお願いします。

中嶋さん:ランチは主に主婦の方が、ディナーはご夫婦やご家族の方がいらっしゃいます。ご近所の方も多くみえますが、「御器所」駅から徒歩10分以内でもあるので、多くの人に利用していただいています。テーブル席、カウンター席、半個室席も1テーブルあるので、さまざまなシーンで使用していただけると思います。そして、私たちはやっぱり「おいしい」という言葉が一番励みになりますので、今後も毎日、まじめに、おいしい料理を提供していきます。

ビストロ・ドゥ・リヨン

オーナーシェフ 中嶋力也さん
所在地 :愛知県名古屋市昭和区塩付通5-1-2
TEL :052-852-3699
営業時間:11:30~L.O.14:00、17:30〜L.O.21:00
定休日:不定休
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

まじめな本格フランス料理を、カジュアルな雰囲気で/ビストロ・ドゥ・リヨン オーナーシェフ 中嶋力也さん
所在地:愛知県名古屋市昭和区塩付通5-1-2 
電話番号:052-852-3699
営業時間:11:30~L.O.14:00、17:30〜L.O.21:00
定休日:不定休

昭和区役所 区民福祉部民生子ども係 インタビュー

子育てしやすい環境づくりをめざす昭和区の取り組み/昭和区役所 区民福祉部民生子ども係


名古屋市の中心部に位置する昭和区は、都心部への良好なアクセス環境をもちながら、興正寺公園といった自然も多く残る地域。区の多くは住宅地で、商店街もあるなど落ち着いた街並みが広がっている。また、古くから大学や高等学校が多く置かれ、市内有数の文教地区としても知られているため、教育に対する環境も整備されているという。
そんな昭和区の取組みの実際について、区民福祉部 民生子ども課 民生子ども係の鵜飼さんにお話を伺った。

地域全体で子育てを支える

――昭和区の子育て支援の概要と特色を教えてください

鵜飼さん:昭和区では、子育て支援として、市立と民間を合わせて17園ある保育園の協力の下、親子で参加できる子育て広場の実施や園児向けの人形劇の開催を行っております。また、主任児童委員など地域の方々の運営で、子育て中の親同士の交流の場として、0歳から3歳までの未就学児及び保護者を対象に、子育てサロンを学区単位で毎月実施しております。

H28年度昭和区保健所事業一覧

――子育て支援ネットワークについてご説明ください

鵜飼さん地域における子育て支援ネットワークに関する事業を総合的、円滑に推進するため、区役所、保健所を始めとした行政機関、及び子育て支援の関係機関による子育て支援ネットワーク連絡会を設置し、人的な交流や情報交換を通じて相互の連携を図り、協力体制を強化しております。具体的な取組みとしては、「しょうわ子育てガイド」、「SHOW輪 子育てウェブ」などがあります。

竹田公園

名古屋市全体での取り組みでもありますが、子育て家庭を地域から孤立させないよう、地域と子育て家庭をつなぐ取組みとして、赤ちゃん訪問事業を実施しております。昭和区では、生後4か月から7か月の第1子の家庭を児童委員、主任児童委員が訪問し、子育て情報や祝い品(ハンカチガーゼなど)を届けるとともに、子育てに対する不安感や負担感の軽減に努めております。

――地域子育て支援センター事業について教えて下さい

昭和区では、「いりなか保育園」及び「白金保育園」を地域子育て支援センターとして事業を実施しております。
「いりなか保育園」では、親子での遊び、子育ての悩みや工夫の交流、子育てのための講習会、保育園行事を一緒に楽しむ等、年齢別の取り組みも含めて月に6回~8回程度を午前中に行っています。遊びや、制作、散歩を通し子どもの発達のこと等に触れながらそれぞれの年齢に合わせた内容になっています。夕方に親子で自由に遊んでもらえるフリースペースの場所を開放しています。参加された皆さんは職員とだけでなく、お互いに話が弾んで交流をしたり、子ども同士が一緒に遊んで自然に関わりが広がっていったりしています。

また、「白金保育園」では、離乳食講習会・親支援プログラム講座・赤ちゃんチケットなどの特別企画などを通じて地域の子育て拠点となるように、児童館やコミュニティセンターと連携し、利用しやすい場の提供に心掛けております。保育の専門性や保健師の専門性を活かして、地域のニーズに合わせた事業に取り組んでいきたいと考えております。

鶴舞公園

――最後に昭和区の子育て環境としての魅力をお聞かせください。

鵜飼さん:昭和区は都心近くにありながら、四季折々の風情が楽しめ、区民の格好の憩いの場となっている「鶴舞公園」や「興正寺公園」などの自然環境も多く残っております。一方、地下鉄鶴舞・桜通線が区中央部を東西・南北に貫通しているなど都市基盤も整備されており、快適性・利便性にも恵まれた地域です。

昭和区役所

昭和区役所 区民福祉部 民生子ども課 民生子ども係

所在地 :愛知県名古屋市昭和区阿由知通3-19
TEL :052-731-1511
URL:http://www.city.nagoya.jp/showa/
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

子育てしやすい環境づくりをめざす昭和区の取り組み/昭和区役所 区民福祉部民生子ども係
所在地:愛知県名古屋市昭和区阿由知通3-19 
電話番号:052-731-1511
開庁時間:8:45~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.nagoya.jp/showa/

「知・徳・体」の調和を大切に 心がかがやく「原山っ子」/印西市立原山小学校 校長 前田良一先生


印西市立原山小学校
校長 前田良一 先生

「知・徳・体」の調和を大切に
心がかがやく「原山っ子」

「千葉県立北総花の丘公園」の近くにある「印西市立原山小学校」は、小規模校の利点を生かして目の行き届いた教育を行っている小学校。学校施設としては珍しい土俵があり、相撲大会や貴乃花部屋との交流も行われています。また、スナックゴルフでは2度全国大会へ出場するなど、輝かしい成績を収めています。
校長の前田良一先生に、同校ならではの教育活動や周辺環境の魅力を伺いました。

学校の歴史や概要を教えてください

印西市立原山小学校 校舎

本校は千葉ニュータウンの開発に伴い、隣りの「印西市立内野小学校」から分離して1989(平成元)年に開校した学校で、2014(平成26)年で開校26年目を迎えます。開発が進むにつれ、千葉ニュータウンにはいくつも学校ができましたが、そのなかでも比較的早くにできた学校です。2014(平成26)年度は学級数11、児童数232名です。

印西市立原山小学校 校舎

各学年1~2クラスに対して教室がたくさんあり、生活するにも遊ぶにも、子どもたちはゆったりと過ごすことができます。校舎は2階建てで、五角形の回廊形になっていて、真ん中の中庭は上履きのまま表に出て遊ぶことができます。廊下の中央には学年ごとにオープンスペースがあり、日ごろ子どもたちが活動したり、合唱の集会など学年で何かやろうという時に集まれるようになっています。

「心がかがやく 原山っ子七か条」や、目指す児童像として「つよい子・やさしい子・きらり輝く子」を制定されていますが、どんなタイプの子どもが多いですか?

印西市立原山小学校 目標

本校では、学校教育には「知・徳・体」のバランスがとても大事だと考えており、「つよい子・やさしい子・きらり輝く子」を学校教育目標として掲げています。また、2014(平成26)年度から「心がかがやく 原山っ子七か条」を制定し、とくに「徳育」、つまり心を育てることに力を入れています。学力も大事ですが、同時に心を育てることで、高いレベルの子どもたちを目指したい。「原山小の児童はこういう子どもたちになってほしい」という願いを込めて、制定しました。

印西市立原山小学校 校長先生インタビュー

学区は「千葉ニュータウン中央」駅に近く、駅周辺にはいろいろな商業施設があるので、本校の児童はいわば、“都会っ子”。あまり人見知りせず、素直で明るい子どもたちが多い反面、ややひ弱なところもありますね。本校の校章は印西市の市花であるコスモスで、この花には“力強い”という意味があります。「つよい子」を目指す本校に大切な花で、子どもたちが校庭のフェンス沿いに種まきをして、毎年秋に花を咲かせています。

2014(平成26)年度の重点目標である「学ぶ楽しさを通して学力向上」「明るい笑顔と元気なあいさつがあふれる学校」「みんなで声をかけ、助け合う学校」に向けて、どのように取り組んでいらっしゃいますか?

印西市立原山小学校 掲示

学力向上については、教科書の学習を大切にしながら、ゲーム的な学習を取り入れています。校長である私も、「都道府県や世界の国々が言えたらシールをあげる」などのやり方で、子どもたちにアプローチしています。新しい知識を得ることは子どもたちにとっても楽しいことだし、全部言えると達成感が持てるので、こうした雑学的な勉強で興味関心を引いて意欲につなげています。

あいさつに関しては、子どもたちが児童会活動の一環としてあいさつ運動をしたり、職員も率先してあいさつをしています。私も毎朝、校門に立って声掛けをしていますよ。

印西市立原山小学校 教室

「みんなで声をかけ、助け合う学校」については、クラスの誰かが困っていたら「大丈夫?」「元気?」などの声を掛けて、「お互いに助け合っていこう」と指導しています。クラスが助け合うことで、個人も成長することができます。職員同士も、「チーム原山」として、互いに声を掛け合って協力しているんですよ。

学校施設としては珍しい土俵があるそうですね。設置の経緯や相撲大会などについて教えてください

印西市立原山小学校

土俵は1996(平成8)年に完成したもので、大の相撲好きだった当時の校長先生が「子どもたちの体力向上に役立てたい」と作っていただきました。やぐらは釘を一本も使わず、4隅の柱はヒノキで、内土俵は国技館と同じ大きさという立派な土俵です。また、先代の貴乃花親方のファンだった当時の校長先生が、ぜひにとお願いし、二子山部屋から当時の貴闘力関はじめ6人の力士に来ていただいて、土俵開きをしました。

印西市立原山小学校 校長先生インタビュー

その後、しばらく使われていませんでしたが、「せっかくこんなに立派な土俵があるなら」と、私が赴任した2009(平成21)年度から、毎年7月に隣りの「印西市立内野小学校」と合同で「健やか相撲大会」を開催しています。個人戦には毎年30~40人が参加していて、女子の部もあるんですよ。両校の保護者や子どもたちが土俵を取り囲んで応援し、毎年盛り上がります。

印西市立原山小学校 校長先生インタビュー

また、開校25周年の2013(平成25)年は、「何か記念に残るものを開きたい」と今の貴乃花親方にお願いしたところ、快く引き受けてくださり、「貴乃花部屋相撲教室ドスコイ」を開催しました。親方と女将さん、若い力士6人ぐらいが見えて、相撲の稽古や記念撮影などで交流しました。保護者や地域の方たちも1,000人ぐらいいらっしゃって、一大イベントとなりました。

自然体験学習や校外学習なども盛んに行われていると伺いました。学習の内容や狙い、参加している児童の様子などについて教えてください

印西市立原山小学校 課外活動

千葉ニュータウンは新しい街でありながら、周辺に里山や田んぼがあって自然に恵まれています。しかし、今の子どもたちは、自然や農業を体験する機会がほとんどありません。作物を作る大変さや、その恵みが「食べる」ことにつながるということを、体験を通して学んでもらおうと、「全学年がそれぞれひとつの作物を育てる」という生産活動に取り組んでいます。

例えば、1・5年生は米作り。1年生は校内の田んぼで、5年生は地元の農家の方にご協力いただき、田植えや稲刈りの体験をさせてもらっています。6年生は、校内の畑で千葉県産の「おおまさり」という粒が大きな落花生を作っています。

印西市立原山小学校 課外活動

また、「食育」も大事に考えているので、作った作物を収穫後、自分たちで調理して食べます。5年生はお世話になった農家の方を学校に招いての「おコメパーティー」、3年生はトウモロコシでポップコーンを作ったりしています。子どもたちはとても楽しそうで、とくに1年生は土の中に入っての田植えに大喜びしていますよ。生産活動のほか、虫採りや、ビオトープの観察なども行っています。

スナックゴルフでは全国大会への出場など、輝かしい成績を収められていると伺いました。スポーツや部活動などでの取り組みを教えてください

印西市立原山小学校 スナッグゴルフ

スナックゴルフとは初心者でもゴルフの基礎が楽しめるスポーツです。企業から寄付された道具があったので、私が本校に赴任した2009(平成21)年度から活動を再開させました。

毎年7月の地区大会に備えて、3年生の3学期から、希望者に私が朝練で教えています。これまで2度、全国大会出場の経験があり、2014(平成26)年は地区大会で第2位になって、仙台での全国大会に出場しました。

印西市立原山小学校 校長先生インタビュー

部活動としてはほかにも相撲や合唱があり、それ以外にも印西市内の陸上大会や駅伝大会、校内のマラソン大会など、子どもたちは自分がやりたいことに積極的に取り組んでいます。これらすべてに参加している子どももいますよ。子どもたちがそれぞれ得意なこと・やりたいことで活躍できる場を、できるだけ作りたいと考えています。

登下校時の安全対策としてどのようなことに取り組んでいらっしゃいますか?

印西市立原山小学校 周辺

保護者の方が毎日、放課後に学校の周辺をパトロールしてくださっています。また、周辺で事件が起きた際には教育委員会や警察から連絡が入るので、その情報を学校から保護者にメールで配信しています。毎年4月には防犯ブザーを1年生全員に配布し、各学年で交通安全教室を開催しています。

保護者の方々との関わりや印象について教えてください

印西市立原山小学校 掲示

授業参観や音楽集会、映画会、6年生を送り出す「ありがとうの会」など、行事の際には保護者にもご参加していただき、常に学校をオープンにしています。本校の保護者の皆さんは、放課後の見回りをはじめ、草取りや朝の読み聞かせ活動「お話のたまてばこ」など、非常に協力的に学校運営に関わってくださっています。皆さん忙しい時間を空けて協力してくださって、本当にありがたいですね。

最後に、原山小学校のアピールポイントと周辺環境の魅力についてお聞かせください

印西市立原山小学校 掲示「千葉県立北総花の丘公園」

本校の魅力を一言でいうと、「子どもたちがのびのびと活動するスペースや、のびのびと学習できる環境がある」ということでしょうか。

学校のすぐ近くの「千葉県立北総花の丘公園」は、マラソン大会の会場や全校遠足、自然観察などで利用しています。こうした広い公園があるということも、地域の子どもたちにとって嬉しいことではないでしょうか。

印西市立原山小学校 掲示「北千葉道路」

また、千葉ニュータウンには大きな商業施設や医療機関があり、鉄道や道路も整備されていて「成田空港」や「羽田空港」にもすぐに出られるなど、生活環境や交通面においてもとても便利です。私自身、印西市に住んでもう20年以上になりますが、子育てや住みやすさにおいて非常にいいところだと実感しています。ぜひここから、世界に羽ばたく子どもたちが出てきてほしいですね。

印西市立原山小学校 校長先生

今回、話を聞いた人

印西市立原山小学校

校長 前田良一 先生

所在地:千葉県印西市原山3-4
電話番号:0476-46-1701
URL:http://inzai.ed.jp/harayama-e/

「知・徳・体」の調和を大切に 心がかがやく「原山っ子」/印西市立原山小学校 校長 前田良一先生
所在地:千葉県印西市原山3-4 
電話番号:0476-46-1701
http://inzai.ed.jp/harayama-e/

「学校に行きたくなる」環境づくり 心身ともにのびのびと育つ西の原小の子どもたち/印西市立西の原小学校 校長 小島洋子先生


印西市立西の原小学校
校長 小島洋子 先生

「学校に行きたくなる」環境づくり
心身ともにのびのびと育つ西の原小の子どもたち

「印西牧の原」駅近くにある「印西市立西の原小学校」は、1994(平成6)年の開校以来、「強い体・豊かな心・生きる知恵を学びとる活気に満ちた子どもの育成」を学校教育目標に掲げています。また、「子どもたちが学校に行きたくなる小学校」としても知られています。
校長の小島洋子先生に、学校の環境づくりの成果や、地域の魅力についてお話を伺ってきました。

学校の概要と教育目標を教えてください。

印西市立西の原小学校インタビュー 門

本校は1994(平成6)年に開校しまして、2013(平成25)年に20周年を迎えました。20周年を記念した歌も作ったんですよ。

2014(平成26)年度現在の児童数は374名で、各学年2クラスに特別支援学級2クラスとなり、子ども一人ひとりに目が行き届くちょうどいい規模だと思います。

学校教育目標には、「まずは子どもの体を強くしたい」という考えから、開校当初から「強い体・豊かな心・生きる知恵を学びとる活気に満ちた子どもの育成」を掲げています。

健康教育を重視しているようですね。

印西市立西の原小学校 トロフィー

本校は2007(平成19)年度から2013(平成25)年度まで、千葉県より「体力づくり推進モデル校」の指定を受けておりましたので、体育・健康教育の授業の充実に力を入れています。こうした成果から、2010(平成22)年度は千葉県教育委員会より体育教育優良校、2012(平成24)年度は文部科学省より学校体育優良校、2013(平成25)年度は日本学校保健会より健康教育推進学校優良校として表彰されました。

印西市立西の原小学校 小島洋子校長先生インタビュー

健康教育としては、睡眠、食事、生活習慣を向上させるねらいで、「いきいき西の原っ子」という取り組みを行っています。

子どもたち一人ひとりが「1日8時間寝る」、「朝ごはんをちゃんと食べる」といった目標を掲げ、保護者の方にも協力してもらいながら取り組んでいます。

また、「給食の完食」という取り組みも行っています。入学前は偏食だったのが、学校でずっとこの取り組みをやっていくうちに何でも食べられるようになったという子どももおり、保護者の方にもとても喜んでいただいています。

子どもたちと接するときに、どんな工夫をされていますか。

印西市立西の原小学校 校庭

「子どもも教職員も学校に来たくなる学校をつくる」という方針で運営しています。

そのために、先生には「子ども一人ひとりを大事にしよう」と伝えています。子どもが何か悩みを抱えていたら、担任だけでなく、「チーム西の原」として学校全体が一丸となって対処しています。

授業では教材研究をするのはもちろん、わかりやすい資料を作っている先生が多いですね。本校は体育の研究校でしたので、体育の授業で子どもたちができるような指導法の工夫を続けてきました。こうした工夫は、ほかの教科にも活用されています。

夏休みに補習授業も行っていると伺いました。

印西市立西の原小学校 教室

夏休みには算数の補習を3日間やっています。算数が苦手な子どもを中心に。個別での補習授業を行っています。

夏休み以外でも、子どもたちの苦手な分野のフォローとして個別指導を随時やっていますし、家庭学習用に特別なプリントを渡すといったこともしています。

教室はオープンタイプだそうですが、どのように活用していますか。

印西市立西の原小学校 オープン型

本校の教室は扉がない構造になっています。現在は1学年2クラスでそれぞれの学級の間に空き教室がありますから、隣のクラスの声が聞こえてくるなどの問題は起きていません。学年ごとに扉があって、冬はそこを閉めますので、暖房もよく効きます。

生活指導や校外学習の説明などで、学年ごとに話をしたいときには、教室の前のオープンスペースを使うこともできます。

学年を超えた活動があると伺いました。

印西市立西の原小学校 全景

「縦割り班」といって、1年生から6年生まで縦に班を組み、月に1回ですがこの班ごとに遊ぶ日を作っています。5年生と6年生が話し合って、1年生でも楽しめる遊びを考えます。子どもたちはこの「縦割り班」をとても楽しみにしています。とくに1年生は、縦割り班でいっしょになった6年生と仲良くなり、6年生をとても慕うようになりますから、卒業式の日ではいつも1年生が泣いてしまうんです。

特徴的な行事などはありますか。

印西市立西の原小学校 体育館

年に3回、音楽集会という行事があります。これは全校児童のうち2学年が合唱や合奏を発表し、残りの学年はそれを鑑賞するものです。その後に、全校児童でリズム遊びをしたり、歌を歌ったりします。これも子どもたちにとても人気です。保護者の方も見学に来ることができますので、保護者の方にも毎回楽しみにしていただいています。

保護者や地域の方が、積極的に学校に協力して下さっているそうですね。

印西市立西の原小学校 談話コーナー

本校の保護者の方はとても協力的です。保護者の会「西の原っ子応援団」と「西の原おやじの会」の皆さんは、運動会などのイベントで、いつもテント張りやパトロールをしてくれます。毎年8月の末に、校庭で「夕涼み会」という会をやりますが、保護者の方が子どもが楽しめる遊びやゲームを企画してくれたり、焼きトウモロコシや焼きそばを作ってくれます。読み聞かせの時間も、保護者のボランティアの方にしていただいています。

本校は近くに農業をやっておられる方がたくさんいらっしゃいます。そこで、2年生では田んぼを持っている地域の方にご協力いただいて、田植えや稲刈りを体験する時間も作っています。また、登下校の時間に合わせて、犬の散歩をしながら自然に見回りしてくださっている方もいらっしゃいます。「地域の子どものために何かをしたい」という意識が高い地域で、とてもありがたいですね。

あいさつ運動を行っていると伺いました。

印西市立西の原小学校 あいさつ通り

月1回学年ごとに担当を決めまして、来られる子どもだけですが7時半に学校に来て、7時45分まで職員室わきの「あいさつ通り」で登校する他の子どもたちに挨拶をしています。

こうした取り組みの成果か、地域の方々にも「西の原小の子どもたちと知り合いになると、ちゃんと挨拶してくれるんですよ」と褒めていただくことも多いです。

どんなタイプの子どもが多いですか。

印西市立西の原小学校 校門

素直で明るく、やる気のある子が多いと思います。そして、どの子も友達と仲良くしています。昼休みにみんなでドッジボールをしたり、低学年などはタイヤを使って仲良く遊んでいます。

また、本校は常習の遅刻者がいないんですよ。不登校の子もいません。学校では勉強だけでなく、友達と遊ぶのも楽しみだから、自然と学校に来たくなるようですね。

学校周辺の地域の魅力を教えてください。

西の原公園「西の原公園」

周辺の環境が落ち着いていますし、「西の原公園」などの大きな公園もあります。何より、地域にお住いの方が、皆さん優しい方ばかりなのも魅力だと思います。保護者の方同士、学校に来ると顔見知りになって、お友達になったりもしているみたいですよ。

本校は、子どもたちも教職員も笑顔が輝いている学校です。ぜひ、印西牧の原エリアに来られて、本校で学んでいただければと思います。

印西市立西の原小学校校長先生

今回、話を聞いた人

印西市立西の原小学校
校長 小島洋子 先生

住所:千葉県印西市西の原2-7
電話番号:0476-45-0150
http://inzai.ed.jp/nishinohara-e/

※この情報は2014(平成26)年8月時点のものです。

「学校に行きたくなる」環境づくり 心身ともにのびのびと育つ西の原小の子どもたち/印西市立西の原小学校 校長 小島洋子先生
所在地:千葉県印西市西の原2-7 
電話番号:0476-45-0150
http://inzai.ed.jp/nishinohara-e/

スペシャルインタビュー

勉強や部活動、地域交流に意欲的に取り組める環境づくりに励む/川崎市立宮崎中学校 校長 田中真理子先生


東急田園都市線「梶が谷」駅と「宮崎台」駅の間の高台に建つ「川崎市立宮崎中学校」は、緑豊かで良好な学習環境に恵まれた中学校だ。1947(昭和22)年開校という伝統校としても知られ、長い間地域の人々に愛されてきた。校長を務める田中真理子先生に学校の概要と特色についてお話を伺った。

川崎市内有数の大規模校で70周年という歴史を誇る

―川崎市内でも規模が大きい中学校だそうですね。

美しいデザインの校舎

今年度、本校では各学年8クラスずつになりました。「川崎市立宮前平中学校」のように1学年で10クラスある学校もありますが、川崎市立の中学校でも大規模校といえるでしょう。
これだけ多くの生徒が通っていますから、生徒同士、よい刺激になると思いますし、友人関係を築くにしても、適度な距離感を保てる規模だと思います。

―長い歴史がある学校と聞きました。

創立70周年の伝統校

本校は今年で70周年目を迎え、川崎市内では他に15校が今年70周年目を迎えます。これだけの歴史がある学校ですから、「宮崎中学校」に通っていた生徒が親となり、今は孫が通っているという方もいらっしゃいます。地域の方の学校への愛着も強く、70周年の祝賀会は地域の方々の協力を得て開くことになりました。

―校舎のデザインも特徴がありますね。

明るい吹き抜けがある語らいの広場

本校は全面改築の設計がされたのが、ちょうどバブル期で、全体的に余裕がある構造になっています。正面玄関は曲線のデザインになっていますし、吹き抜けの横には「語らいの広場」というオープンスペースがあります。ここは文化祭の時に展示スペースとしても活用しています。廊下も広く、2階が3年、3階が2年、4階が1年と学年ごとにワンフロアにまとまっていますので使いやすいのです。教室の横にも多目的に使えるスペースがあり、学年集会などで利用しています。

3年間通ってよかったという教育を心がけたい

―どのような教育を目指しているのでしょうか。

本校の「理想を高め、自主自律ある人間の育成」、「勤労を尊び、実践力のある人間の育成」、「豊かな情操を身につけた人間の育成」、「互いの人権を尊重し合える民主的人間の育成」、「国際的な視野に立ち、互いの文化を尊重できる人間の育成」という教育方針は開校時から掲げている伝統のものです。
現在は、この教育方針を実現するため、「授業力の向上を目指す」、「心を育てる教育の実践」、「安全・危機管理意識の向上」を長期目標として、毎日の教育に磨きをかけています。

本校は家庭の勉強に対する意識が高いエリアにあり、自分から学びたいという意欲がある生徒が通ってくるという特徴があります。私も授業中に校内を巡回していますが、どのクラスでも熱心に勉強しています。ですから、先生方には「生徒の熱意に応えられる授業を心がけてください」といつも伝えています。基礎・基本をしっかり学び、3年間を「宮崎中学校」で過ごせてよかったと思ってほしいですね。

眺望がよく明るい教室

―心を育てる教育について教えてください。

“教育は人”と言います。教師が思いやりを持ってやさしい言葉かけをしていくことが重要だと考えています。子どもに寄り添い、やさしい言葉をかけるためには、教師自身が幸せを感じ、気持ちを安定させていなくてはいけません。私も校長として、校内にいるときはなるべく職員室にいて、やさしい言葉で先生方に声掛けをするよう心掛けています。教師一丸となって、「チーム宮崎」として、子どもたちに接しています。

―学校に伺って、明るい生徒が多いという印象を受けました。

そうですね。本校は素直で明るい生徒が多いです。生徒と教師の関係も良好だと思います。生徒は笑顔であいさつしてくれますし、一生懸命勉強していますから、そのような姿を見る度に感動します。地域の方々にお褒めの言葉をいただくこともあり、宮崎中学校の校長に就いていて誇らしいと感じます。

部活動や行事も盛ん

―実績を誇る部活動も多いようですね。

本校ではどの部も活動が盛んで、成果を出しています。例えば、水泳部は今年も全国大会に出場しますし、卓球部は関東大会、吹奏楽部は県大会に出ます。
ただ、時代の流れもありますし、生徒には学校だけでなく地域に目を向けてほしいという思いもあります。そのため、本校では大会前を除いて、土日どちらかはできる限り部活動を休みにして、家庭で過ごして欲しいと思います。

校庭で練習に励む野球部

―体育祭も盛り上がると聞きました。

本校の体育祭は8クラスが各学年2クラスずつ4色に分かれて競い合います。6クラスの生徒をまとめる3年生はかなり大変だと思いますが、毎年よく頑張っています。
体育祭ではひまわりの種を入れた風船を飛ばすことも長年の伝統になっています。相模原や横須賀など遠方からも「種を植えたらきれいな花が咲きました」、「ひまわり畑になりました」といったお手紙をいただいています。

―地域の方とのイベントもあるそうですね。

毎年11月3日に「宮中フェスタ・あったか祭」という行事があります。これは地域の方々が主体となって企画するイベントで、本校は場所を提供する形になります。出店があったり、体育館ではダンスなどの発表があったり、内容はかなり幅広く、毎年大いに盛り上がります。この日は生徒たちも私服で学校に来て、ボランティアとして運営に当たったり、催しを楽しんだりしています。

緑豊かで暮らしやすい街

―宮前平~宮崎台エリアの魅力について教えてください。

周辺は緑が多く穏やかに過ごせそうだ

ここは緑が多く、環境も穏やかで過ごしやすいですね。また、治安もよく、スーパーマーケットも揃っていて買い物も便利です。坂道があるのは事実ですが、宮前区は長寿の街として知られているように、これが健康によいのではないかと思います。

川崎市立宮崎中学校 田中真理子校長

今回、話を聞いた人

川崎市立宮崎中学校
校長 田中 真理子 先生
住所:神奈川県川崎市宮前区宮崎107
電話番号:044-866-3372
URL:http://www.keins.city.kawasaki.jp/3/ke302901/
※この情報は2016(平成28)年8月時点のものです。

勉強や部活動、地域交流に意欲的に取り組める環境づくりに励む/川崎市立宮崎中学校 校長 田中真理子先生
所在地:神奈川県川崎市宮前区宮崎107 
電話番号:044-866-3372
http://www.keins.city.kawasaki.jp/school..

塚旭町通商店会インタビュー

受け継がれる歴史と、温かい人となり 住んでいるからこそ惹かれる戸塚の魅力/戸塚旭町通商店会 会長 湯川仁さん


「戸塚」駅西口側、再開発エリアを抜け、陸橋の下をくぐった先に伸びている「戸塚旭町(あさひちょう)通商店街」は、戸塚の中でも昔からある商店街のひとつであり、協同組合としては最も歴史がある。かつては区役所や日立の工場へ通う人々の通り道となり、多種多様な店が並んでいたが、再開発で区役所が移転してからは、病院を中心とした医療・健康関連の店舗も増えているという。今回はこちらで商店会長を務められている、「仁天堂薬局」の湯川仁さんを訪ね、商店街の取り組みや、街の魅力などについてお話を伺った。

戸塚で最も歴史がある共同組合

戸塚旭町通商店会 会長 湯川仁さん

――まず、戸塚旭町通商店会の歴史や概要について教えてください。

湯川さん:「戸塚旭町通商店会」は、1957(昭和32)年に誕生した商店会で、戸塚では一番古い共同組合です。もちろん、お店自体はそれよりもずっと前からあったものも多いでしょう。昔は100軒くらいのお店が並ぶ長い商店街だったのですが、再開発で「トツカーナ」ができたことにより、一部が吸収され、現在は30軒くらいの商店から成り立っています。範囲としては、「ケンタッキー」から南側へ、およそ「横浜市立戸塚小学校」までの間を指しています。一部は、「ほのぼの商和会」と入り交じっている部分もあります。

さまざまな団体と協力することで、より面白いイベントに

飲食店も豊富に揃う商店街

――商店街の中には、どのような業種のお店が多いのでしょうか?

湯川さん:商店街の真ん中に「戸塚共立第1病院」があるので、「仁天堂薬局」をはじめとした薬局が多く、また、飲食店も多いですね。「業務スーパー 石黒」のようなスーパーマーケットもありますし、「横浜信用金庫」もありますね。健康関係の店が多いということで、現在それを生かした新しいプロジェクトを企画しているところです。商店街の飲食店に、「健康にいいメニュー」を考えて作ってもらったり、健康測定のイベントを病院と協力して行ったり、ウォーキングのイベントを開催したり、というようなことを考えています。時期について、まだ詳しいことまでは決まっていませんが、第1回は2016(平成28)年4月以降の開催を検討しています。今回が初めての開催になるので、まずは旭町だけで進め、反響が良ければ病院や周辺の商店街も巻き込んで、大々的に取り組んでいければいいなと思っています。

富塚八幡宮例大祭

――新しい健康のイベント以外にも、地元の神社のお祭りに合わせたイベントもあるそうですね。こちらも教えてください。

湯川さん:規模が大きいイベントでは、「とつか元気まつり」があります。これは、2年前から「トツカーナ」と一緒に開催しているお祭りで、「戸塚旭町通商店会」以外にも、「サクラス戸塚」や「東急プラザ戸塚」など、いろいろな団体と協同し、開催しています。「駅前に何かにぎわいを持たせたい」という想いから始まったイベントです。駅前の広場でカラオケやダンスショーを開催しながら、縁日のようなものも出していますね。8月の第1日曜日が「富塚八幡宮」のお祭りなので、過去2回はそちらに合わせて、土曜日に「とつか元気まつり」、日曜日にお神輿を地域の方々と担ぎました。 今後は少しスケジュールが異なり、7月14日に「戸塚八坂神社」のお祭りが予定されているので、こちらを「とつか元気まつり」と一緒に開催するかどうか検討しているところです。このお祭りも、多くの方が参加されるので、「とつか元気まつり」に並び、非常に活気があるお祭りです。今後も、商店街や町内会が一緒になって、地域のいろいろな取り組みを知り、それをお手伝いしながら、盛り上げていければいいなと思っています。

商店街全体で取り組む「安心・安全な商店街」

防犯カメラ

――商店街全体として、防犯にも力を入れているそうですね。街の安全についての取り組みを教えてください。

湯川さん:「戸塚旭町通商店会」のキャッチフレーズは「安心・安全な商店街」です。周辺の商店街に比べると割と早い段階から、防犯カメラを設置しました。4台のカメラが24時間動いており、何かあれば、警察の方と一緒に確認をしたりということも行っています。もともとは、治安のいいエリアですが、このカメラがあることで、さらに犯罪の抑止に繋がっていると思います。ほかにも月に1度、理事会の後にパトロールを行っています。それぞれのお店では、「子ども110番の家」に協力したりと、商店街全体で「安心・安全な商店街」であり続けることを、常に意識しています。

子どもからお年寄りまで暮らしやすい環境づくり

横浜市立戸塚小学校

――「横浜市立戸塚小学校」が商店街沿いにありますが、商店会と学校の関わりについて教えてください。

湯川さん:商店街にある個々のお店が、小学生たちの街探険や、小学校の授業に協力するという機会があります。これまでも、小学校で盆踊りを開催するときは、商店会が露店を出すなど、さまざま形で関わってきました。子どもたちの健全な育成に関する取り組みを、学校や社協(社会福祉協議会)とも協力して考えているところです。ほかにも、障がい者やお年寄りの方などに向けて、よりよい環境づくりも目指しており、商店会としてできることは協力していきたい、お手伝いができればいいなと思っています。

ますます惹かれる戸塚エリア

戸塚共立第1病院

――戸塚エリアにマンションが次々と建ち、子育て世代も増えていますが、子育て世代の方にとって、戸塚はどんな魅力をもった街だと思われますか?

湯川さん:ひとつは、「医療に関していろいろなものが揃っている」ということだと思います。これはお年寄りにとって特に「住みやすさ」につながりますが、子育て世代の方にとっても、近くにいろいろなクリニックや薬局、総合病院が揃っていることは魅力だと思いますし、安心にもつながるかと思います。それは3世代、4世代で暮らす方にとっても同じです。 子育てという観点では、保育園が充実していることですね。近々、駅のところにも新しい園ができるそうなので、働きながら子育てするという方にとっては、大きな魅力になっていると思います。小学校も駅からすぐ近くの場所にありますし、教育の環境は整っていると思います。普段の生活についても、とにかく便利ですね。交通はもちろんですが、買い物にしても、ほとんどすべてのものが戸塚の地域内で揃いますし、お客さんからも「冷蔵庫はいらないよね」なんて声を聞くことがあります。スーパーマーケットや八百屋が身近にありますし、最近は夜遅くまで営業しているお店も多いので、そういう点はとても便利だと思います。

仁天堂薬局

――湯川さんご自身も戸塚のご出身ということですが、やっぱり戸塚はお好きですか?

湯川さん:もちろんです。新しく引っ越して来られた方に聞いても、「戸塚が好き」という方はとても多いですね。 街並みやお祭りなど歴史が深い環境はもちろん、川や緑といった豊かな自然、商店街もあり、人とのつながりもあります。だから愛着が湧きやすい街なのだと思います。一方では、新しいものや、変わっていくものもあり、昔と今が上手く共存していますね。いろいろな観点から、暮らしやすさを感じることができる街なので、住んでみてますます、戸塚のファンになるという方が多いと思います。私は現在、泉区に住んでいますが、やはり故郷は戸塚だと思っているので、「仁天堂薬局」を25年前にこの街で開きましたし、地域に関するいろいろなことにも、協力していきたいと思っています。

戸塚パルソ

――最後に、「これから戸塚に住みたい」という方に向けてメッセージをお願いします!

湯川さん:マンションに入居されるのは若い世代の方が多いと思うのですが、若い方でも住んでみるとすごく「いいな」と感じる部分が多い街だと思います。最近は共働きの夫婦も多いと思いますので、いろいろな店や施設が駅の周りに揃っていて、遅くまで営業している店も多いので、忙しい方々にとっては特に、「便利さ」を実感していただける街ではないかな、と思います。

戸塚旭町通商店会 会長 湯川仁さん

※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

横浜市立戸塚小学校インタビュー

伝統を守りつつ時代に合わせて発展/横浜市立戸塚小学校 校長 伊藤法彦先生


古くは東海道の宿場町として栄え、昨今は駅周辺の大開発で大型商業施設がオープンするなど、新旧で魅力的な顔を持つ戸塚エリア。「戸塚」駅西口から徒歩7分の「横浜市立戸塚小学校」は市街地にありながら、桜並木が美しい柏尾川がすぐそばを流れ、落ち着いた学習環境にも恵まれた1873(明治6)年創立の伝統校だ。生徒数の急増を受け、2015(平成27)年3月には大規模な増築・改修工事が完了し、伝統を守りつつ時代に合わせて発展する同校。今回はそんな「横浜市立戸塚小学校」の36代目校長である伊藤法彦先生に学校の概要や戸塚の街の魅力についてお話を伺った。

「戸塚スタンダード」に沿って生活規範を身につける

校門

――1873(明治6)年創立の伝統校である戸塚小では、どのように子どもたちを指導していらっしゃいますか。

伊藤校長:明治時代創立の本校には明治天皇ゆかりの石碑、当時のお金や地図など貴重な品が数多く残されています。そうした歴史をふまえ、本校ではきちんとした挨拶など、日常生活の決まりごとを示した「戸塚スタンダード」に沿って指導を行い、全児童が生活規範を身につけることができるようにしていきます。本校の学校経営は各学級の担任が学年全体の担任でもあるという学年経営が基本です。

戸塚スタンダード

――「戸塚スタンダード」について、詳しく教えていただけますか。

伊藤校長:「戸塚スタンダード」というのは、学校生活を送るうえでの「最低限のルール」を文書にして配布しているもので、登校時間や下校時間、服装や持ち物などのルール、掃除や給食、朝読書などの時間ややり方、各学年ごとに使うノートの規格や、筆記用具の種類など、かなり細かい部分まで書かれています。これを「児童用」と「教職員用」の2種類作り、全員で共有しています。

以前からあったものだそうですが、私が着任してから、ここ数年でかなり細かい部分まで書き加えまして、今は児童用がA4用紙2枚、教職員用が3枚になっています。ルールをしっかり決めることで、どの先生も子どもに同じ受け答えができるようになります。それが落ち着いた学校生活にもつながり、学校への信頼にもつながるものだと思っています。

校内

――大規模校ならではの魅力や特色はどんな点でしょうか。今後の児童数の見込みについてもお聞かせだください。

伊藤校長:2016(平成28)年度は普通学級が各学年4~5クラス、個別支援学級が横浜一大きくて5クラスあり、 学級数計32クラスで児童数950人になります。児童数が多いため、学年単位の活動も盛んですし、縦割り活動も活発です。上級生が下級生をリードする兄弟学年が決まっていて、例えば6年生と1年生が一緒に遠足にいったり、集会をしたりしています。少子化で兄弟がいないという子どもたちにとって、縦割りグループで動くことはとても貴重な経験になるのではないでしょうか。

「戸塚」駅周辺は百戸単位のマンションが毎年1、2棟建設されている状況なので、児童数については、ここ10年ぐらいでかなり増え、今後もさらに増加すると見込んでいます。

授業風景

――授業ではどんなことを大切にされていらっしゃいますか?

伊藤校長:今はコミュニケーションが大事で、昔のように先生が一方的に話す授業という時代ではありません。例えば、6年生の歴史の授業ではある年にあったことをただ教えるのではなく、冠位十二階の冠を全部作って子どもたちに被らせてみたり、砂場の砂を運んで前方後円墳を作らせてみるなど、実感をとおして子どもたちの学習への関心を引きつけることを大事にしています。

常にこうした授業をするわけではありませんが、子どもたちの状況によっては注意を引きつけるような支援がすごく大事です。教員を育てるにあたっても、こうした授業をするための引き出しをどれだけ身につけてもらうかを大切にしています。

廊下

――教員の平均年齢が高いのが特色となっているそうですね。これにはどんなメリットがあるのでしょう?

伊藤校長:本校の職員の平均年齢は横浜でも指折りの高さです。35歳から45歳ぐらいの中堅層が多く、この年代の先生方がうちには十何人もいます。これは何が良いかと言えば、たとえば、本校では意図的に1年生の担任を30代後半以上の先生にしているんですが、じつは、お母さん方よりも若い層の先生にすると、不安感や不信感につながりやすい傾向があるんですね。それからやはり、ご相談などされる場合でも、自分よりも年齢が上の先生のほうが、スムーズですよね。私は1年生の最初の時期、特に5月までの期間というのは、非常に大事であると考えていまして、そこでしっかり、学校生活のルールを徹底的に教え込んでいくという方針をとっています。具体的には、その時期だけ、専科の先生方を副担任に充てる対応をしていまして、1クラスを2名の先生で見ています。

また、5年生と6年生の担任には、ベテランの先生方を当てるようにしています。5・6年生になると思春期にも入るので、ある程度の慣れと力量が必要なんですね。そういった先生の割り振りができるのは、教員の年齢層が高い本校ならではかと思います。

児童数増加に対応する新校舎完成

校庭

――2015(平成27)年4月から、増築された新校舎も使い始めたそうですね。

伊藤校長:新校舎については、今後も想定されている児童数増加に対応するために、教室数を増やすことを主な目的にしています。もともとプールがあった場所ですから、屋上にはプールを同じ規模で作っていまして、以前のものよりもプールサイドが幅広くなった分、広々と使えるようになっています。教室については、普通教室が5教室と、普通教室にも転用できる特別教室用の部屋が4教室ありまして、実質としては9教室増えました。

屋上プール

ほかにはパソコン室が新設されまして、こちらは床も上げてもらって、本格的なOAフロアになっています。あとは、第2音楽室としても使っている「音楽集会室」や、「ランチルーム」も新しく設置されましたし、図書室や保健室も旧校舎から移転して、広くきれいになりました。

新たにエレベーターもついたので、バリアフリー化も進んだと思いますし、給食の運搬時にも活用するなど、安全を確保するという面でも、いろいろなメリットは生まれてきていると思います。

――新校舎ができて、親御さんや子どもたちからの評判はどうでしょうか?

図書室

伊藤校長:まず、仮校舎として使っていた校庭のプレハブ校舎を解体できたので、校庭が本来の広いものになって、子どもたちは喜んでいますね。もちろん、新校舎についてはきれいで、明るくて、広いということで喜んでもらっていますし、新校舎の工事と一緒に、旧校舎のトイレについてもすべて洋式化をしましたので、「トイレに行きやすくなった」という声も多いですね。

地域で子どもたちを育てる風土が根づいた街

柏尾川プロムナード

――周辺環境を活かした、あるいは地域と連携して行っている活動はありますか。

伊藤校長:学校の近くを流れる柏尾川の桜並木を手入れする桜セーバーという市民ボランティア団体がございまして、本校の敷地内に用具をしまう倉庫があり、活動の拠点になっています。3年生の地域学習の時にも、桜セーバーの方に来ていただいています。このほかにも、植木の剪定、PTAのガーデニングボランティア、竹や、わらを使って工作する「竹わら細工クラブ」など、いろいろな形で地域の方が学校に関わってくださっています。また、正門前の道路の歩道に花を植えた樽が並んでいますが、これは本校の3年生が必修授業の中で季節の花々を植え替えて水やりをして育てている「花の小道」の活動によるものです。

戸塚は歴史ある地域なので、多くの町内会が学校と関わってくださっていて、夏祭りの灯篭流しや町内運動会などでは本校が会場となります。また、戸塚区の賀詞交歓会は昔から本校の体育館で行うことが決まっています。体育館が賀詞交歓会の会場に使われているのは、おそらく横浜の学校でも本校だけだと思います。

――戸塚エリアの教育環境について、どのような印象をお持ちでしょうか。

掲示板

伊藤校長:本校の周りは行政機関もそうですが、商店の数も非常に多いですから、いろいろな職業について身近に感じ、実体験できる機会が多いという意味では、とても魅力的な地域だと思っています。

地域の子どもに対する雰囲気にしても、学校と町内会との関係がとても密接ですし、地元の企業や商店、病院など、いろんな方に積極的に学校に関わっていただいていて、良い形で「共生」ができている地域だと思います。

――最後に、戸塚エリアの魅力について一言お願いします。

「トツカーナモール」

伊藤校長:駅に近く、便利なわりには自然が残っています。新しいマンションは増えていますが、それぞれ自治がしっかりしていてまとまりのある形で学校と関わってくださっている。住むにも子育てにも向いている地域だと思います。「トツカーナモール」や「戸塚区総合庁舎」など立派な施設ができ、新しい店がどんどん増えているので、昔の「戸塚」駅を知っている方は駅から本校に来るまでの道でとても驚かれます。その一方で、歴史や昔ながらのお店もしっかりと残っている。新しさと古さがうまく融合している街だなと感じています。

古さと新しさが融合した街でふれあいを大切にした教育を推進

横浜市立戸塚小学校

校長 伊藤法彦先生
所在地 :横浜市戸塚区戸塚町132
TEL :045-881-0049
URL:http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/totsuka/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

伝統を守りつつ時代に合わせて発展/横浜市立戸塚小学校 校長 伊藤法彦先生
所在地:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町132 
電話番号:045-881-0049
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/t..

戸塚宿ほのぼの商和会インタビュー

ユニークな取り組みで地元を盛り上げる/戸塚宿ほのぼの商和会 会長 千葉賢二さん、副会長 高橋則雄さん・奈良慧子さん


JR「戸塚」駅の西口を出て左手側、戸塚小を中心とした、柏尾川と国道1号線に挟まれたエリアに点在する商店で組織されている「戸塚宿ほのぼの商和会」は、21世紀に入ってから新たに生まれたという、このご時世に珍しい商店会だ。しかし、その発足のきっかけは「危機感」。右肩下がりに商店街の利用者数が激減するという“ピンチ”に際し、商店主がつながって生まれた商店会である。
だが、「小さくて地味な商店街を何とかアピールしたい」と、取り組んでいる事業にはユニークで斬新なものがあり、何かと話題を集めている。今回は商店会の会長である千葉賢二さんと、副会長であり、商店会きっての饒舌家である高橋則雄さん、同じく副会長の奈良慧子さんのお三方に話を伺った。

商店街の役割、あるべき姿

戸塚宿ほのぼの商和会

―まず、「戸塚宿ほのぼの商和会」の概要を教えてください

千葉さん:じつはまだ歴史は浅くて、2007(平成19)年にできたばかりなんです。もともとは、すぐそこに区役所があって(現在は駅西口横に移転)、その周りにある商店はそれぞれ個別にやっていたのですが、区役所の移転が決まったことで、移転の1年前ぐらいから「これはシャッター通りになるのではないか」という危機感がつのってきました。それを防ぐために、新しく立ち上げたのが、「戸塚宿ほのぼの商和会」です。
もともと、国道沿いの店舗を中心とする「戸塚商和会」という商店会が、戦後間もない頃からある、古い商店会だったのですが、そこの人数が減ってきたということもあり、2010(平成22)年に合併して、今の形になりました。今は全部で60ぐらいの店が参加しています。

戸塚宿ほのぼの商和会

―どんな特徴がある商店街なのでしょうか?

高橋さん:特徴というと、聞こえが悪いかもしれませんが、「つながっていない」というのが大きな特徴です。そして、物販店がないことですね。
「生き残った店」と考えてもらえばちょうどいいかも知れません。区役所があった頃は物販店もいくつかあったし、うちの商店会とは別に、(会に入っていない店も含めて)この通り沿いに店が並び、商店街を形成していました。それが、区役所の移転と同時に、歯抜けのようになくなったんです。新しく入ってくるお店もありますが、物販ではなくて美容室や歯科などが多く、昔の商店街の雰囲気ではなくなってきています。しかし、その危機感が結束力を築くきっかけにもなったわけです。

戸塚宿ほのぼの商和会

―昔と比べると、だいぶ店の数は減ってしまったのでしょうか

高橋さん:区役所の移転と、「トツカーナ」の影響は大きかったですね。やはり商店街の原則は「生鮮」であって、そういう店(魚、肉、青果)を核として繁盛させることで、お客さんが来て、循環してくれる。昔はそれができていたから、栄えていたんだと思います。ある意味ごちゃごちゃした街だったかもしれませんが、そういうのも含めて良いと感じています。
確かに昔に比べると店の数は減ってしまいましたが、近くに商店街があると、気軽にお買い物ができますし、また最も良い点は、お客さんと店員との距離が近いことだと思います。日常の何気ない会話を楽しみに来られるお年寄りの方もいらっしゃいますよ。

商和会で作っているTシャツに書いてあるように、「住みたいな、フレッシュとつか」といった活気ある商店街を目指していきたいですね。「住んでみたいな」「いつもフレッシュだな」と思えるような街に。

さまざまなイベントで活性化を

さくらまつりの様子

―商店街を盛り上げるために、いろいろなイベントをやっているそうですね。

高橋さん:いろいろありますよ。カレンダー通りにいくと、まず、3月から4月にかけて柏尾川沿いで「さくらまつり」があって、7月には近くの「八坂神社」で横浜市の無形文化財に指定されている「お札(ふだ)まき」という祭りがあるのですが、そのお祭りの時に、250くらいの“プロの露店商”が「戸塚宿ほのぼの商和会」エリアと国道沿いに並びます。その賑わいにあやかりまして、商店街でも店先で露店を出すんです。お祭りにはだいたい3万5千人くらいの人が来場し、商店街の通りもたくさんの人が通るので、ほとんどの店で出してます。
これは我々としては「売り上げを上げる」というわけではなく、「サービス精神」なんです。顔を見せながら、コミュニケーションを取りながら、短い数時間だけれども楽しんでもらおうっていうのが、商店街が店を出す所以なんです。

お札まきの様子

―「日本一短い歩行者天国」があるそうですね?

高橋さん:はい、これが最も重要な役目とも考えています。もう60回ほどになりますが、商店街の道路を使って、毎月第3土曜日の11時半から午後3時頃まで、「戸塚区民市」というのを開催しています。
これは商店街に人を集めることを目的に、外からもお店を呼んで、三崎まぐろを冷凍車で持ってきて即売をしたり、焼き鳥やたこ焼きなど「ふだんの商店街にないもの」を楽しんでもらうという「市」です。小さなお祭りのようなものですね。この時に、小学校の前あたりの道が歩行者天国になり、その長さが29.4m。これは自分で実測してみての数字ですが、日本一短いのではないかと思います。

戸塚区民市の様子

―横浜市商店街総連合会が主催している「ガチ!」シリーズにもたくさんの店が参加しているそうですね。

千葉さん:テーマに沿って横浜にある商店街の「ガチ!でうまいもの」を決める企画ですが、2011(平成23)年の「ガチコロ!」(コロッケ)から始まって、スイーツや丼、カレー、麺類などのテーマで毎年開催されています。各商店街ごとに割り当てが来るのですが、うちは毎回、3~4店舗出しています。前回の「ガチめん!」では、「幸村」さんがかなり頑張っていました。
「ガチ!」には高橋さんの店も出ましたね。有名なところだと、中華料理屋さんの「花木蘭」(ファムーラン)というお店があって、美味しいですよ。

「花木蘭」(ファムーラン)

―将来的に、「商店街をこうしていきたい」という思いがあればお聞かせください

千葉さん:課題はたくさんありますが、いずれは活性化のお手本になるような商店街になれたらいいと思っています。前に「ハッピーロード商店街」(板橋区大山町)へ見学に行ったことがあって、自分たちとの違いに愕然としたんですけれど、我々は自分たちの立場を踏まえて、自分たちしかできないものを確立していくしかないな、と思い、頑張っているところです。

高橋さん:僕はさっき申し上げたように、バラバラの商店街じゃなくて、核となる物販の店があって、その間に連続した、何でもそろう商店が並んでいるっていうのが作れたら理想ですね。現実的にそれは難しいかもしれませんが、今シャッターが下りている店のシャッターがもう一度上がって、そこに、地域住民が必要とするお店が入ってくれればいいな、というのが、切実な願いですね。

戸塚区民市の様子

―では最後に、「戸塚の街の魅力」について教えてください。

高橋さん:交通アクセスについて言えば、昔よりも、便はすごく良くなりました。アクティー(東海道線快速)が停まるようになったし、湘南新宿ラインもあるから、1本で宇都宮まで行けます。地下鉄を使えば横浜の市街地にも行けて、西は湘南台までいける。これは本当に素晴らしいですね。

奈良さん:いま、街としてはすごく人口が増えてきているので、商店会としてはそれを何とか、取り込みたいと思っているところです。たとえば、商店街にある「こまちカフェ」さんが、けっこう話題になることが多いんですけれど、ここは若いお母さんが中心になったNPOがやっているカフェで、同年代で手を取り合って、いい方向に向けていこうということで、いろいろとやっていらっしゃるんですね。こういう場所を通じて、街全体で、子育ての手助けになるようなことをしたいね、という動きもあるので、そういうことも今後は新しい魅力になっていくと思います。

高橋さん:若い人も孤独なんですよね。結婚してここに来て、友だちがいなくて悩んでいる人もたくさんいるんです。そういう時に、ああいう場所に行って、輪がつながっていくというのは大切なことだなと思います。そこに古くから住んでいるお年寄りを結びつければ、お年寄りと子どもは相性がいいですから、素晴らしいことができそうだな、と感じています。これから面白いことができればいいですね。
街は商人がまちづくりに参加することで、いかようにも発展していくものだと思うんです。「生活に必要なもの」を取り入れていくのが商人ですから。その商人が、我欲を捨てて街の人と共存共栄を図れば、街はきっと良くなる。僕らはそういう気持ちをもって、この街に尽くしていきたいですね。

戸塚宿ほのぼの商和会

戸塚宿ほのぼの商和会

千葉賢二さん(中央・スナック 赤いくつ)
高橋則雄さん(左・レストラン アンダンテ)
奈良慧子さん(右・クラシス株式会社)
URL:https://www.facebook.com/totukajyuku/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

ユニークな取り組みで地元を盛り上げる/戸塚宿ほのぼの商和会 会長 千葉賢二さん、副会長 高橋則雄さん・奈良慧子さん
所在地:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町3935−1 開花アパート102
電話番号:045-864-9588
https://ja-jp.facebook.com/totukajyuku/

ロートンヌ中野店 店長 浅田梓さん インタビュー

ラグジュアリーな雰囲気と親しみやすい接客が織り成す地域密着の洋菓子店/ロートンヌ中野店店長 浅田梓さん


五感すべてで味わえる、まるで芸術品のようなスイーツが堪能できる洋菓子店「ロートンヌ」。カリスマパティシエのひとりとして知られる神田広達シェフのお店で、ショーケースにならぶスイーツは非日常も感じられる季節感のある色彩であふれています。今回は2010(平成22)年のオープンより、多くのファンに親しまれている「ロートンヌ 中野店」の店長として活躍する浅田梓さんに、お店の特色や近隣の地域についての魅力についてお話を伺いました。

子どもの頃からの憧れの職業“洋菓子職人”

店長の浅田梓さん

――まず、店長のプロフィールについて教えてください。店長に抜てきされた経緯は?

浅田店長:「ロートンヌ」の本店は東村山市の秋津にあるのですが、2010(平成22)年に中野店を出店することが決まり、そのタイミングで店長になりました。それまでは本店でパティシエールとして生菓子の製造を担当し、店頭で販売をしていた時期も含めるとかれこれ勤続14年になります。

お菓子づくりが得意だった母に育てられ、子どもの頃から洋菓子職人に憧れていました。地元の山梨を離れて東京の製菓学校に通っていたのですが、就職先を探すにあたって、雑誌などを参考にしながら掲載されているお店を片っ端から食べ歩き、もっとも好みに近かったのが「ロートンヌ」でした。
その頃はまだ神田広達シェフのお店ということも知らず、面接に臨みヴァンドゥーズ(洋菓子の専門知識をもった接客のプロ)として接客を経験するところからはじまりました。約4年間、店頭で販売を経験した後、憧れのパティシエールとして製造を任されることになり現在に至ります。

店長であり、パティシエールとして

洗練されたデザインの外観

――3店舗を展開する企業だけに、経営を任される店長と製造に携わる職人とは異なるようにも感じていたのですか?

浅田店長:そもそも神田シェフがお店と工場とを分けて考える方ではないため、むしろ販売のことが分からないと良い商品がつくれないとも仰っていて、「ロートンヌ」では一般的に製造志望のスタッフでも販売からはじまります。
また製造のことが分からなければ「おすすめは?」とお客さまから聞かれたことに対して十分な説明ができないことも多く、販売も製造もどちらの経験も重視しています。

地域密着の親しみやすさもあるラグジュアリーな空間

人気の商品がずらりと並ぶ

――中野店の特色は? また本店との客層の違いなどはありますか?

浅田店長:「ロートンヌ 中野店」の特色のひとつは“ラグジュアリー感”のある空間です。特徴的なその外観もさることながら、店内も広々としていてゆっくり買い物をお楽しみいただけます。
その一方で、大きな声で「いらっしゃいませ」「こんにちは」などと地域密着のお店ならではの親しみやすさを心がけ、多くの方にお越しいただいています。

西武線とJRの乗り換えの途中で、いろいろな層のお客さまがいらっしゃる本店と比べ、中野店には近隣にお住まいのご年配のお客さまも多く、また男性のお客さまにとってもひとりでも入りやすいと好評をいただいています。

店内のサロンスペース

さらにサロンスペースがあるのも中野店の特色です。開店当初はなかったのですが、しばらくしてお客さまから「店内で食べられる場所があったら良いわね」とリクエストをいただき、それに応えるかたちで設けたのがはじまりです。現在は屋外にもサロンスペースを拡張し、店内に6席、屋外に4席、店舗正面にも4席分のソファ席を設けています。

好みのケーキ2種をお得に楽しめる人気の「KOUTATSU Style」

色鮮やかなショーケース

――中野店限定の商品などはありますか? またこちらで人気の高い商品はどのようなものでしょう?

浅田店長:地域の名前を冠した「eco田シュー」「eco田プリン」は、当初、中野店のみの限定商品だったのですが、本店と中野店のどちらにも足を運んでくださるお客さまも多く、これもお客さまの声に応えるかたちで現在は商品ラインナップを統一しています。再生材の包み紙や再生材のギフトボックスを使用した“エコ”な「eco田シュー」「eco田プリン」は本店でもお買い求めいただける人気商品です。
また1個540円までのケーキであれば、お好みのケーキ2種プラスコーヒーもしくは紅茶のサロンメニュー「KOUTATSU Style」も人気です。

「KOUTATSU Style」

組み合わせるケーキの種類や担当するシェフによって盛りつける食器や魅せ方も異なり、好評をいただいています。今日は抹茶ムースの中にミルクチョコレートムースとオレンジのジュレを閉じ込めた「古都〜KOTO〜」と、私自身も好きな季節限定の「エキゾチック」を用意してみました。
もちろんお好きなケーキを2つお召し上がりいただくこともできるため、いろいろな組み合わせでお楽しみください。

穏やかな時間が流れる都心に近い新江古田エリア

焼き菓子なども種類豊富

――最後に、この地域の魅力についてお聞かせください。

お店のある新江古田エリアは、都心に近く都会ではある一方で、田舎のような落ち着いた雰囲気もあり、穏やかな時間が流れているのがこの地域の魅力だと思います。お店の周辺にはご年配の方も多く住んでいらっしゃいますし、2世帯も多く、ファミリー層が多いイメージもあります。だからこそ中野店も地域密着のお店として、それぞれのご家庭の記念日や誕生日など、特別な日を彩るケーキとして選んでいただければ嬉しいなと思いますし、気軽に足を運んでいただけるお店の雰囲気づくりにも努めています。

手土産にぴったり

江古田の方に足を伸ばせば学生も多く、お友だちの誕生日やちょっとしたサプライズなどにもおすすめです。ご予約分以外にもホールケーキを用意しておりますし、「バターカステラ」やマカロン、焼き菓子など種類も豊富に取り揃えております。
今後は製造主任として工場を任せている今村とも研究を重ねながら、夏場でも楽しめる氷菓子の開発にも取り組んでいく予定です。
地域とのつながりも大切に、近隣の小・中学校のまち探検や工場見学などにもご協力をさせていただいているほか、本店のように大学との連携も視野にいれ、今後ますます地域にとって身近な存在となるようお店づくりに励んでいきたいと思います。ぜひ気軽にお問い合わせください。

ラグジュアリーな雰囲気と親しみやすい接客が織り成す地域密着の洋菓子店「ロートンヌ中野店 」

ロートンヌ中野店

店長 浅田梓さん
主任 今村さん
所在地 :東京都中野区江原町2−30−1
TEL :03-6914-4466
URL:http://www.lautomne.jp/
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

ラグジュアリーな雰囲気と親しみやすい接客が織り成す地域密着の洋菓子店/ロートンヌ中野店店長 浅田梓さん
所在地:東京都中野区江原町2-30-1 
電話番号:03-6914-4466
営業時間:10:00~20:00
定休日:水曜日
http://www.lautomne.jp/

子どもたちと生きた〝食育〟を行う/朝霞市立泉水保育園 箭内みゆきさん


朝霞市立泉水保育園
園長 箭内みゆき さん

朝霞市立泉水保育園 インタビュー

子どもたちと生きた〝食育〟を行う
朝霞市立泉水保育園

「朝霞市立泉水保育園」は、武蔵野台地上の少し歩けば黒目川というところにある公立保育園。園庭には、杏やプラム、ビワ、柚子といった果樹が植えられ、季節ごとに実をつけています。園長の箭内さんは、泉水保育園が創立された頃より、朝霞市で保育士として活動し、2013(平成25)年に、こちらの園長に就任。そんな箭内さんに、朝霞エリアでの子育て事情を伺いました。

泉水保育園はどれくらいのお子さんが通っているんですか。

朝霞市立泉水保育園 インタビュー

子どもは現在81名で、規模としては小さい保育園です。1歳児から5歳児までのお子さんを対象にお預かりしています。当園のすぐ横には公園があり、こちらにお散歩に行くと園庭とはまた違った雰囲気で、子どもたちも楽しく遊んでいますね。

また、公園には大きな桜の木があり、春先になると見事に桜が咲きますよ。

泉水保育園には何か独自性を打ち出した保育というのはありますか。

朝霞市立泉水保育園

当園は朝霞の公立園ですので、正直、園独自という方針は打ち出しにくい部分はありますね。ただ当園には、杏やプラム、柚子、夏みかんといったさまざまな果実の木が植えてあり、それをうまくいかして、独自の食育を行っています。

朝霞市立泉水保育園

例えば6月には杏の木に実がなりますが、先日収穫してジャムをつくりました。給食の調理スタッフに協力してもらい、子どもたちの目の前で、火を入れながらジャムを煮詰めていく。子どもたちだけではなく、お迎えにきた保護者の方にもクラッカーに杏ジャムをつけて食べていただいたりしました。

あとは冬に柚子が実ったら桶にお湯をはり、柚子を入れて〝柚子湯〟を体験しました。とはいえお風呂ではなく足湯ですけどね。”柚子湯”は何年も前から行っているようですよ。こうやって身近にある植物が徐々に実をつけていく過程を、子どもたちが見て感じることを大切にしています。

これらの木々は箭内さんが赴任する前からずっとあったんですか。

朝霞市立泉水保育園 インタビュー

プラムはありませんでしたが、杏は開園当初から植えてあったと聞きました。もしかしたらビワや柑橘系の木は、昔、子どもたちが食べて植えた種が、そのまま大きくなったのかもしれません。
保育園のすぐそばにジャガイモ畑があるんですが、こちらで子どもたちがジャガイモ堀りをさせてもらえるんです。そういう意味でも非常に食育が充実している環境といえるかもしれません。(ジャガイモ代は保護者会で負担)

地域の方とのつながりも深いのですね。

朝霞市立泉水保育園

そうですね。七夕シーズンに使用する笹も、年長の子どもたちが自らご近所の農家さんに出向き、譲っていただくんです。自分たちで行って、職員が笹を切って、子どもたち自ら運んで園まで帰っています。地域の方々との交流で大切なのは「どれだけ園の外に出られるか」をつねに意識することです。

朝霞市立泉水保育園

その努力を怠ると、子どもたちがずっと園の中だけにいることになってしまいます。外に出ると、地域の方々に「ここに泉水保育園がありますよ」ということを知ってもらうこともできます。

そうすると、普段の生活で子どもたちを気にかけてくださいますよね。やはりお互いに関心を持つことは、すごく大切だと感じます。

こちらの園に通われているお子さんや親御さんの特徴はありますか。

朝霞市立泉水保育園

園には保護者会組織があり、役員の保護者の方々は一生懸命活動してくださいます。朝霞市は市民まつり「彩夏祭」の鳴子踊りが有名ですが、保護者の方々が一生懸命準備をしてくださり、みんなで一緒に参加しているんです。

子どもたちは、年長さんが園のお手伝いする習慣が定着しています。普段の保育の中でも、例えば年長さんがお昼寝をする乳児さんを寝かせる手伝いをしたり、お昼寝が終わったら着替えを手伝ってくれたりということが自然とできていますね。

朝霞エリアは新しいマンション建設が進んでいますが、新しい街から引っ越してきた方が多いですか。

朝霞市立泉水保育園

新しい方もいらっしゃいますし、ご自分が卒園生で、親子二代で通われている方も何人かいますね。国際色も豊かで、外国のお子さんも何人かいます。

あと、朝霞では2人目はもちろん、3人目のお子さんをお持ちのご家庭がとても多いですね。保育園で働いていると「本当に少子化?」って思っちゃいます。

箭内さん個人として何か子どもたちを保育するうえで大切に感じていることなどあれば教えてください。

朝霞市立泉水保育園

私個人としては、子ども自身がのびのびと過ごしてほしいなという願いがありますね。あと「自分も大事だし、誰かも大事」という想いを持って育ってほしいですね。子どもたちが誰かにやさしくしてもらうと、ほかの誰かにも同じことをしてあげられるようになるんです。

朝霞市立泉水保育園

保育園のベースはあくまでも〝生活〟。読み書きできるのももちろん大事ですが、お友だちとのやり取りの中で人の気持ちが理解できたり、小さい子をいたわったり、そういう部分をこれからも大切にしていきたいですね。

朝霞エリアは子育て環境としていかがでしょうか。

朝霞市立泉水保育園

今ではたくさんのマンションが建設されていますが、昔、この周辺はいちご畑でした。今でも自然がまだ多く残っているエリアですよね。

朝霞市立泉水保育園 インタビュー

黒目川まで降りてしまえば、小さな子どもたちでものんびり歩くことができますし、おじいちゃんやおばあちゃん世代の方が歩いていると、小さな子どもに気軽に声をかけてくれる雰囲気もある。のんびりしていて、子育て環境にはとても最適だと感じます。

朝霞市立泉水保育園

今回、話を聞いた人

朝霞市立泉水保育園
園長 箭内みゆき さん

所在地:埼玉県朝霞市泉水2-12-11
電話番号:048-465-9625

※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。

子どもたちと生きた〝食育〟を行う/朝霞市立泉水保育園 箭内みゆきさん
所在地:埼玉県朝霞市泉水2-12-11 
電話番号:048-465-9625

毎日の食事に気軽に立ち寄れる、肉料理が自慢の「オステリア ジェンティーレ」/加藤芳樹さん


2006(平成18)年にオープンして以来、住宅街の中のイタリアンレストランとして地域住民に親しまれているのは、豊富なメニューと飽きのこない味で「毎日食べられる料理」を提供しているから。初めて訪れた人は肉料理のおいしさと種類の多さに驚くはずだ。今回は、「吹上」駅から徒歩1分の場所にあるイタリア料理店「オステリア ジェンティーレ」のオーナーシェフ加藤芳樹さんに、地域に根付くお店づくりについて伺った。

10年前から地域に親しまれているイタリア料理店

「オステリア ジェンティーレ」の外観

――お店をオープンされた経緯を教えてください

加藤さん:以前は、伏見のお店でシェフをしていたのですが、その頃、通勤途中に目にしていたのがこの吹上の街でした。国道153号(若宮大通)の大通りに面しており、地下鉄桜通線の「吹上」駅から徒歩1分とアクセスが良く、雰囲気の良い場所だなと以前から感じていました。ここでなら常連さんだけでなく、何気なく通りかかったお客様にも立ち寄ってもらえるのではないかと思い、お店をオープンしました。住宅街なので落ち着いていて、「名古屋」駅まで電車で、一本で行けるアクセスの良さも気に入っています。

ランチもディナーも豊富なメニュー

落ち着いた雰囲気の店内

――メニューがとても豊富ですが、内容を教えてください

加藤さん:肉料理を中心に、前菜やパスタには魚介類、野菜をたっぷり使った料理を提供しています。ランチにはパスタランチやコースランチなどを用意し、パスタやメインは数種類から選んで頂けるようになっています。例えば、今日は「三河産スルメイカと小松菜のトマトソース スパゲッティ」や、「三元豚のやわらかロースト 粒マスタードとフランボワーズヴィネガのソース」などを用意しています。お子様用のランチやワイン、おつまみもあるので、どなたにも満足して頂けると思います。夜はさらに豊富なメニューを揃えていますし、一年を通してジビエ料理も提供しているのも当店の特徴です。

充実した肉料理メニュー

肉料理を中心とした豊富なメニュー 

――肉料理が豊富ですが、どのような料理が食べられますか?

加藤さん:私自身お肉が好きで、とにかく肉料理を食べたい、という気持ちから、熟成和牛、越後豚など日本各地の厳選した食材を使ったメニュー作りをしています。3年間、イタリアで料理修行をした時も肉料理に特化していました。そのため、自信をもって肉料理を提供しています。気軽に食べて頂けるハンバーグにも妥協はしていません。最近、特製ハンバーグのコースができました。和牛や越後豚の合びき肉を使ったハンバーグをメインに、前菜5種の盛り合わせやスパゲッティ、ドルチェなどがついて、お値打ちに召し上がっていただけます。

「オステリア ジェンティーレ」店内の様子

――ジビエ料理も1年中、食べられるとのことですが

加藤さん:ジビエは、知り合いの猟師さんから入荷しているので、季節によってさまざまな種類の味を楽しんで頂けます。定番のイノシシやシカのほか、鴨、うさぎなど、ジビエと呼ばれるものはほとんど入荷します。奥伊勢の本州鹿を入荷した時は、新鮮なうちにカルパッチョで提供することもあるので、新しいお肉の味の世界を広げてみたください。

地元食材を大切にした料理

新鮮なジビエ料理がいただける

――そのほかの食材についても教えてください

加藤さん:魚介類や野菜など、東海地方は食材が豊富に揃う土地なので、地産の食材を使うことが多くあります。私の実家が奥伊勢にあるのですが、地元の「百合農園」から取り寄せた無農薬・無化学肥料野菜も使用しています。味のあるおいしい野菜です。また、自家製手打ちパスタ、毎朝焼き上げるフォカッチャ、ドルチェも手作りしており、コースの最後まで満足して頂ける内容にしています。

幅広い年齢層に親しまれるお店

おいしい地元の食材を使用

――お客さまにはどのような方が多いでしょうか?

加藤さん:場所柄、住宅街の中ということもあり、ご近所の方をはじめ、あらゆる年代の方にお越し頂いています。本格イタリア料理をお値打ちに食べられることも親しんで頂けている理由かもしれません。客層は幅広く、お子様連れ、学生さん、ご高齢の方、お一人の方もいらっしゃいます。平日夜はファミリーが多く、週末はデートにも利用してくださっています。「毎日食べられる料理」をコンセプトにし、飽きのこない味、豊富なメニューを揃えて、生活の中に溶け込んでもらえればと思っています。店名についている「オステリア」はイタリア語で「居酒屋」の意味です。料理もしっかり食べられるお店でありながら、居酒屋のような気軽な気持ちで来店していただければ、という気持ちを込めています。もちろん、ワインを中心にアルコールも充実させているので、帰宅途中の一杯に立ち寄って欲しいと思います。

気軽に毎日食べられるレストラン

――吹上の街の雰囲気を教えてください

加藤さん:幹線道路から一歩奥に入れば住宅街が広がる、閑静な雰囲気が広がっています。住宅街の中に入ればお店もそこまで多くなく、静かな生活を送れる街だと思います。オフィスも少なくごちゃごちゃしていない印象ですので、子どもからご年配の方まで、全ての年代の方が暮らしやすい環境なのではないでしょうか。

――お店を利用される方にメッセージをお願いします

加藤さん:もともとこの場所にあった店舗を全面改装して、落ち着きのある店内にしました。優しい色合いを使い、床も木材にして、毎日来店されても居心地良い空間づくりを目指しています。専用駐車場も4台あるので、気軽に足を運んで頂きやすいかと思います。宴会やパーティ利用の貸切も可能です。ご希望に合わせたコース料理を用意しますので、ご相談ください。また、特別メニューの企画も行っています。夏休み期間は「お子様パスタコース」のサービスを企画しました。クリスマスコースやイタリア料理おせちなどもやっています。地域の方はもちろん、吹上エリアに立ち寄ってくださったお客さまにも満足していただけるよう、おいしい料理とお酒、時には特別企画を用意してお待ちしております。

オステリア ジェンティーレ

オステリア ジェンティーレ

オーナーシェフ 加藤芳樹さん
所在地 : 愛知県名古屋市千種区小松町7-1
TEL : 052-745-1223
URL: https://www.facebook.com/osteriagentile/
※この情報は2016(平成28)年8月時点のものです。

毎日の食事に気軽に立ち寄れる、肉料理が自慢の「オステリア ジェンティーレ」/加藤芳樹さん
所在地:愛知県名古屋市千種区小松町7-1 
電話番号:052-745-1223
営業時間:11:30~14:30(土・日曜日、祝日は11:30~15:00)、18:00~22:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日休み)、第3火曜日

https://www.facebook.com/osteriagentile/

名古屋市 昭和区役所 インタビュー

区民が主体となって活動をする「昭和区」のまちづくり/名古屋市昭和区役所 地域力推進室


昭和区では、地域の環境と特色を活かしながら、4つの重点施策を軸に“住み続けたくなるまちづくり”に取り組んでいる。区政部地域力推進室では、その中の「快適な街づくり」と「にぎわいづくり」の部分を担い、地域住民と力を合わせて、より魅力ある街にすべく活動をしている。今回はそんな地域力推進室の皆さんの取り組みについて、お話を伺った。

みんなが住み続けたくなるまち昭和区を目指して

地域力推進室の皆さん

――地域力推進室の主な取り組みをお教えください

鳥谷さん:昭和区では「みんなが住み続けたくなるまち昭和区」を基本目標に、「安心・安全・快適に暮らせるまちづくり」、「地域で支え合い、いきいきと暮らせるまちづくり」、「ふれあいやにぎわいを感じられるまちづくり」という3本柱に、「信頼され愛される区役所づくり」を加えた4つを重点施策として取り組んでいます。地域力推進室では、「快適なまちづくり」を住民の方と進めていることと、「ふれあい・にぎわいづくり」の部分を主に担っています。

昭和区のマスコット「ショウちゃん」と

――「快適なまちづくり」としては、具体的はどのような取り組みを行っていますか?

鳥谷さん:「花と緑のまちづくり」の取り組みを行う「ゆめ緑道ごきそ」、「八事里山づくりの会」、「川名公園森づくり隊」などの地域のボランティア団体があり、区役所の方でもお手伝いさせて頂いています。例えば「ゆめ緑道ごきそ」ですと、東郊通2から御器所通までの道(山王通)がとても緑が多いのですが、清掃や除草、花壇の世話などをボランティアの方が行っています。

米田さん:「川名公園森づくり隊」は、「川名公園」の一角に環境学習のために森を作ろうと地域の方から声があがって、2007(平成19)年6月に設立されました。原則毎月第1土曜日の午前中に、毎回20~30人くらいの方が集まって、植樹や間伐、道路沿いの花壇の手入れ等の活動をしています。 今年はカブトムシ等の甲虫類が生育する場所として「ビートルベッド」を制作しました。このビートルベッドも地域の方からのアイデアですが、うまくいけば来年の夏にはそこから色々な虫が生まれてくると期待しています。

まちづくりの主役は区民の皆さん

川名公園森づくり隊

――地域の方が主体的にまちづくりに参画されているのですね

鳥谷さん:学区にお住まいの方だけではなく、昭和区は大学が多いので、大学生にもまちづくりに参画してもらおうと、まちづくりサポーター「ショウちゃん隊」を募集し、活動に参加してもらっています。その他にも昭和ロータリークラブなどいろいろな方が支援してくださっています。「川名公園」は、行政主導ではなく、みんなで作り上げている場所になっていて、そこはひとつの大きい魅力かなと思います。他にも、まち歩きマップを新しく制作しているのですが、そこには「桜花学園高等学校」のインターアクトクラブに参加して頂いています。主にボランティア活動をする部活なのですが、お祭りのステージに上がってもらったり、色々と一緒にやらせて頂いています。

ショウちゃん隊の活動の様子

――「ふれあい・にぎわいづくり」という点ではいかがでしょうか

米田さん:毎年4月29日の昭和の日に、「興正寺」と「興正寺公園」で「八事の森の春まつり」を行っています。こちらも「八事里山づくりの会」や「ショウちゃん隊」をはじめ、商店街の方、地域の団体など地域の方が参加する手作りのお祭りで、毎年1万人ほどの来場者がいらっしゃいます。一番大きいお祭りが、10月下旬に「鶴舞公園」で行われる「区民まつり」です。去年は約4万人の来場者がありました。春まつり同様、昭和区はみんなで力をあわせてやるというのが浸透しており、「区民まつり」はその最たるものです。様々な地域の団体が入って実行員会を作り、毎年意見を出し合いながら進めています。「鶴舞公園」には、名古屋市公会堂、緑化センター、図書館という市の施設がありますので、昨年は図書館で写真展を同時開催したり、緑化センターでショウちゃんマルシェを行ったりして、公園全体でおまつりを盛り上げました。

区民まつりの様子

街を盛り上げる新たな施設も誕生

――12月には、昭和文化小劇場が開館しますね?

米田さん:「川名公園」内に現在建築中で、2016(平成28)年12月14日に開館予定です。区民の皆さんも楽しみにしていらっしゃる方が多いですね。今年は開館記念地元開放事業として「区民ふれあい芸術祭」を5日間にわたって大々的に行う予定です。一般公募をして、色々な世代の方に出ていただく機会になると聞いています。

昭和文化小劇場の完成予想図

――今後、昭和区に住みたいと考えている方に向けて、昭和区の魅力をお願いします

鳥谷さん:昭和区は住環境が整っていて、成熟した印象がありますね。区民アンケートでは「住み続けたい」と答えた方が96.5%ということで、他には移りたくないと思っている方、他に住んでいて昭和区に住んでみたいと思っている方も多いのではないかと思います。市内でも有数の文教エリアで、教育のレベルも高いので、学校に上がる時にマンションを買って越してくるという方もけっこういらっしゃいますね。また、地下鉄の桜通線と鶴舞線の2本が、御器所を中心に交差して東西南北に走っていますので、交通の便が非常に便利です。

区民がまちづくりに参画する成熟したまち

昭和区役所 区政部 地域力推進室

室長 鳥谷紀寿さん、米田仁さん、簱結香さん、松田絵美さん
所在地:名古屋市昭和区阿由知通3-19
TEL:052-731-1511(代表)
URL:http://www.city.nagoya.jp/showa/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

区民が主体となって活動をする「昭和区」のまちづくり/名古屋市昭和区役所 地域力推進室
所在地:愛知県名古屋市昭和区阿由知通3-19 
電話番号:052-731-1511
開庁時間:8:45~17:15
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.nagoya.jp/showa/

はし本


うなぎ はし本
6代目 橋本 信二 さん

うなぎ一筋180年、歴史が生み出す伝統の味

東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅から徒歩3分。神田川沿いにある「うなぎ はし本」は1835(天保6)年創業のうなぎ屋だ。現在も創業時と変わらぬ製法で作っており、江戸時代から続く伝統の味を守り続けている。その味に対するこだわりを6代目の橋本信二さんに伺いました。

江戸時代からこの場所でお店を続けています

ーーお店の歴史についてお教えください

私は6代目になります。先々代は早く亡くなったので、私は知らないんですね。先代の父も私が21歳のときに亡くなったので、店の歴史について詳しくは聞いたことがないのですが、元々は現在の埼玉から出てきて、ここで商売を始めたと聞いています。当時、うなぎ屋は今よりもっとあったと思うのでやりやすかったんじゃないでしょうか。

うなぎは一定期間、井戸で保管をするんです。それを「たてる」っていう言い方をするんですけど、桶に鰻を入れて何段にも重ねてタワーみたいにしていくんです。今は循環式なんですが昔は井戸でやっていて、水温がちょうどいいので、高台よりはこういう水の豊富なところのほうが、やりやすかったんだと思います。あと地理的な要因として、ここは神楽坂が近いんですけど護国寺までの通り道なんですね。神楽坂は花街でしたし、護国寺には徳川将軍家や皇室のお墓がありますから、そういうところに通われる方が利用して下さるという感じじゃないでしょうか。

外観

内観

しっかりと味のあるうなぎにこだわっています

ーーお店の料理の特徴についてお教えください

うちは東京のうなぎ屋によくあるオーソドックスな甘くないタレなので、それに合わせて味のあるうなぎを使っています。タレの醤油とみりんの味を抜いたのがうなぎ自体の味なんですが、最近その味が無いうなぎが多いんですね。それはうなぎ屋さんのせいじゃないんですけど、非常に淡泊でさっぱりした味なので、タレで食べさせるという具合になってしまっているんです。

なのでうちでは白焼きで食べてもしっかりと味があるうなぎを選別して仕入れています。甘いタレにコクのあるうなぎだとしつこく感じてしまいます。しっかりと味のある濃厚なうなぎを使うことで、タレとのバランスがちょうどよくなる。タレは作り方や材料も創業当時と変わってなく、江戸時代から継ぎ足して使っています。

産地に関してはこだわりがない、というのが私のこだわりなんですよ。逆にこだわって一つの産地にすると分母が小さくなってしまう。分母を大きくしてその中から選んだ方がいいですね。前提としてうちに合えばです。必然的に国産になってしまうんですけど、良ければ中国でも台湾でもどこでもいいんです。身が薄くなる端境期には別のところから仕入れたり臨機応変に対応しています。うなぎ屋によっては形をそろえてくれという所が多いんですけど、そのために良くないものが混ざってしまう可能性があるので私は言わないんですよ。

うなぎは等級がなく全部均一なんです。生き物なので出来不出来がありますが、問屋と意思疎通ができているので一定レベルのものしか持ってきません。先代が亡くなった時、私は大学生だったので卒業してから店に入りつつ、問屋さんで捌くのと目利きの修業をしました。問屋さんなので小売りに比べたらはるかに量が多く、その経験が今すごく役に立っています。

タレは創業から継ぎ足し

香ばしい香り

うな重

山椒

このあたりでは一番古い建物だと思います

ーー現在の建物はいつ建てられたものでしょうか

この建物は40年くらい前ですね。ずっと行くと飯田橋に着くんですが、2階屋は隣から向こうはもうないですよ。前はこのあたりでも2階屋が多かったんですが、みんな建て替えられてビルになってしまいました。その中で一番古いんじゃないでしょうか。

外観

内観

ビジネスからプライベートまで、様々な方にご利用頂いています

ーーどのような方が利用することが多いですか

平日はビジネスの方がお客さんと会食したり、土日は家族やカップルの方が来られたりと、年齢も上から下までという感じでしょうか。常連さんも多いですが、土日のお客様は始めて来る方が多いですね。あと外国のお客様も増えています。主に東南アジアで特にタイの観光客が多いです。以前、タイから来られて英語で話せる人がいたので聞いてみたんですよ。そうしたら向こうで有名なブロガーがうちにお見えになったようで、その方が記事を書いたことで向こうのガイドブックに載っているらしいんですよ。なのでタイの方が中国の方よりも多いです。

6代目 橋本信二さん

意外と一人暮らしの女性も多く住んでいます

ーー周辺にお住まいの方はどんな方が多い印象ですか

最近では大分変わってきましたね。この辺は山の手とも下町ともいえないエリアなんですけど、ちょっと行くと小日向という高級住宅街があって、そこは昔からのお屋敷だったんです。そういうお屋敷が一戸無くなっただけでも大きなマンションができるくらいで、今この辺はマンションが非常に多くて新しい方が増えていますね。あと、もちろん男性もいるんですけど、意外と若いひとり暮らしの女性が多いですね。駅からそんなに離れていないし、道もそんなに暗い所がないので安心なんでしょうね。

内観

広々とした2階席

アクセスがよく、緑が多いエリアです

ーー江戸川橋の街の魅力についてお教えください

アクセスがいいですよね。有楽町線と東西線が近く、丸ノ内線もちょっと遠いですど歩いていけなくはないです。緑も多いんですよ。江戸川橋の西の方に「江戸川公園」があってその先には「椿山荘」や「芭蕉庵」、「小石川後楽園」や「小石川植物園」、大学も多いです。住宅街も結構残っているので都心部にしては穏やかな感じの所ですよね。

 

今回、話を聞いた人

うなぎ はし本

6代目 橋本 信二 さん

うなぎ はし本
住所:文京区水道2-5-7
TEL:03-3811-4850
営業時間:11:30~14:00、16:30~20:00
定休日:木曜日
http://www.unagi-hashimoto.jp/

はし本
所在地:東京都文京区水道2-5-7 
電話番号:03-3811-4850
営業時間:11:30~14:00、16:30~20:00(19:30 L.O.)
定休日:木曜日
http://www.unagi-hashimoto.jp/

「伏見子どもはぐくみ室(支援センター)」 インタビュー

地域の子育てと未来を支える「伏見子どもはぐくみ室(支援センター)」の取り組み/伏見子どもはぐくみ室(支援センター)


京都市の南部に位置する伏見といえば良質な水とその水を活かした酒造が有名だ。伏見区では近年、酒蔵を利用した観光集客などに官民ともに力を入れている。さらに、JR・京阪・近鉄と3路線が入る交通の便の良さなどから、近年、住まいの場所としても注目され、これからの発展の可能性を感じさせる魅力的なエリアとなっている。住まいのエリアとして家族世帯から注目されるポイントのひとつは子育て環境だろう。今回は子育て家族の相談や広報を担当する「伏見子どもはぐくみ室(支援センター)」に伏見区の取り組みについて伺った。

伏見区の未来を築く子どもとお母さんのために

伏見区本所地域子育て支援マップ(※画像をクリックすると拡大したマップをご覧頂けます)

――まず、「伏見子どもはぐくみ室(支援センター)」の事業内容について教えてください。

「伏見子どもはぐくみ室」の業務内容は子どもと家庭に関する相談の総合窓口で、対象年齢は0歳から18歳までの子どもを持つ親御さん向けになっています。伏見区はエリアが広いので、この伏見を拠点としながら深草・醍醐の2つの支所との計3つで管理を行っています。業務内容の概要を説明しますと、
・子どもと家庭に関する総合相談
・育児支援家庭訪問事業
・子どもに関わる情報機関とのネットワークづくり
・子育てに関する市民啓発や情報発信
・民生委員さんが、赤ちゃんが産まれた家庭を訪問する「すくすくふしみっ子」事業
となっています。日常的な活動としてはそれらが主軸となっていますが、年に一回「子育て講演会」ということで市民を対象にした講演会を行なっています。

――相談事業に関してお伺いしたいと思います。どんな手順や内容になっているか教えてください。

子どもと家庭に関する総合相談は、電話や来所、手紙などで寄せられる、子どもと家庭に関する相談援助や、必要であれば他機関の紹介も行います。センターの開所日は月曜日から金曜日までの10時から16時半までで、この時間であれば電話や来所して頂いての相談が可能です。相談の中から必要に応じて個別カウンセリングやプレイセラピーも行っています。相談室の開所日は事前予約により火曜日・水曜日・木曜日の10時から17時までです。

相談内容は、言葉がゆっくりだとか、集団行動についていけないなどお子さんの発達・育ちに関する相談が大多数です。内容に応じて個別カウンセリングやプレイセラピーに移行していきます。緊急性を要するものであれば専門機関への紹介なども行っています。

――特にこの子どもはぐくみ室のなかで特化しているものはありますか?

特化しているもので言えば、プレイセラピーを取り入れています。相談というものはお母さん方のお話をお聞きし、アドバイスを行うことが中心になりますが、お子さんに対しては遊びを通しながら自分の想いを表現してもらうという、一種の心理療法になるのですが、そのプレイセラピーをプレイルームで行っています。これは子どもはぐくみ室の強みかなと思っています。

子どもたちの遊び場

――プレイセラピーではどんなことをするのでしょうか?

お子さんと一緒に私がプレイルームに入って、お子さんの興味を持ったおもちゃを使った遊びに付き合います。遊びを通してのコミュニケーションを行なったり、ストレスを発散したりという感じです。実際に親御さんから聞いた話では、これまで思うように行動してくれなくて、つい子どもにあたってしまったことなどが少なくなってきたと、一定の効果は見られるようです。

――子どもに関わる情報機関とのネットワークづくりについて教えてください。

保育園や幼稚園、小・中学校、主任児童委員、医師会などをはじめとした、こどもに関わる関係機関との連絡調整を行って、区域内のネットワークを構築しています。子どもはぐくみ室が幅広い相談・ケアに対応できるようにするため各機関との勉強会なども行っています。

 

現代のお母さんに達に合わせた情報ネットワークの構築

――親子向けのイベント情報などはどのような形で知ることができますか?

子育て支援施設や子育てサークル・サロン等に関する情報を、子育て情報誌やホームページなどにより紹介しています。また「子育て講演会」も行っています。子育て応援カレンダーの「あつまれ!ふしみっ子」は伏見区のホームページ(※1)から見ていただけるのですが、京都市が企画・提供している「京都はぐくみアプリ」(※2)からも「あつまれ!ふしみっ子」の内容は見て頂けるようになっています。「はぐくみアプリ」では、登録すればニュースが届いたり、位置情報によって開催中のイベントの通知が届いたりと便利な機能になっています。

「すくすくふしみっ子」事業キャラクター「ふしみ三兄弟」

――伏見区のホームページから拝見(あつまれ!ふしみっ子)させて頂きましたが、かなり幅広くいろんなことを行っておられますね。

伏見はかなりエリアが広く、サークルやサロンの数も多いのですが、できるだけ情報は分かりやすくコンパクトにまとめています。お子さんのためのサロンから、お母さんのためのサロン、子どもとお母さんが一緒に楽しめるものなどいろいろあるので、ぜひ興味のあるものに参加していただければと思っています。

――講演会というのは具体的にどのようなことを行っておられるのですか?

子どもはぐくみ室の対象年齢が0歳から18歳までとなっていますので、年度ごとに対象年齢を変えた内容にしています。前年度であれば幼児対象の内容にしていましたし、今年度であればLINE株式会社さんに来ていただいて「LINEの扱いとインターネットとの関わり」をテーマに講演会を行いました。そんなふうに対象年齢とテーマをいろいろと変えて市民向けの講演会を行っています。

子育て支援の情報誌

――「すくすくふしみっ子」事業について教えてください。

伏見区本所地域では赤ちゃんが生まれたご家庭から、希望があれば、地域の民生児童委員・主任児童委員が訪問する事業です。この訪問事業は伏見区だけが行っているものではないのですが、訪問の仕方や、訪問をして何をするかといった細かいことは各区によって工夫しています。伏見区は訪問の際に「子育てハンドブック」をお渡ししていて、この冊子は伏見区の各エリアごとの子育て支援施設の紹介や、遊びのスポット情報、子育て支援制度の紹介や、子育て支援マップなどをひとつにまとめた冊子となっています。

 

これからのツボミがいっぱいの伏見区

――伏見の子育て環境としての魅力を教えてください。

この伏見桃山エリアではJR・京阪・近鉄と3路線の電車が隣接して通っていることで、交通の便がいいことですね。そしてお酒でも有名なとおり、水がおいしいということでしょうか。あと、先ほども触れましたように、細やかな子育て応援のプログラムがあることですね。

京エコロジーセンター

――親子やファミリーで楽しめる近隣のスポットなどがあれば教えてください。

プラネタリウムや様々な科学展示が楽しめる「京都市青少年科学センター」と、そのすぐ隣にある「京エコロジーセンター」も人気のスポットです。京阪「藤森」駅から徒歩で近くです。「伏見港公園」は一年を通して水泳が楽しめるプールやテニスコートなどが整備された大きな公園です。伏見区の中心になる伏見桃山エリアでは、酒蔵の街並みを活かした観光集客も活発になっていますし、それと連動して「大手筋商店街」などは、全国的にも活気のある商店街として有名になっています。 街全体としてこれからも発展していく要素がたくさんある街だと思います。

※1【子育て応援カレンダー あつまれ!ふしみっ子】
※2 【京都はぐくみアプリ】(アンドロイド・iOS対応)

地域の子育てと未来を支える「伏見子どもはぐくみ室(支援センター)」の取り組み

京都市伏見区役所 伏見子どもはぐくみ室(支援センター)

所在地 :京都府京都市伏見区鷹匠町39-2
TEL :075-611-2377
URL: http://www.city.kyoto.lg.jp/fushimi/page/0000027739.html
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。

地域の子育てと未来を支える「伏見子どもはぐくみ室(支援センター)」の取り組み/伏見子どもはぐくみ室(支援センター)
所在地:京都府京都市伏見区鷹匠町39-2 
電話番号:075-611-2377
相談時間:平日10:00~16:30
http://www.city.kyoto.lg.jp/fushimi/page..

校長先生インタビュー

名古屋市立名東小学校/名古屋市立名東小学校 校長 愛敬俊幸先生 教頭 川野祐二先生


名古屋の山の手にある豊かな心と言葉を育てる小学校

名古屋市営地下鉄「一社」駅から歩くことおおよそ15分。緑豊かな丘陵地に広がる住宅街の中に「名古屋市立名東小学校」はある。在籍児童数1060名と、名古屋市内でトップクラスの規模を誇る小学校だ。今回は同校の特徴や地域とのつながり、一社エリアの魅力などについて校長の愛敬俊幸先生と教頭の川野祐二先生のお二人からお話を聞いた。

名古屋市立名東小学校
校長 愛敬俊幸先生
教頭 川野祐二先生

――学校の沿革と概要についてお話ください。

愛敬先生:本校は1970(昭和45)年の創立で開校して今年で46年目を迎えます。私は今年度赴任したばかりですが、とにかく児童の多さに驚きました。現在1060名の児童が在籍しており、34の学級があります。隣学区に「名古屋市立西山小学校」がありますが、本校はその分校として始まったそうです。当初の児童数は138人と聞いています。地下鉄の開通や公団への入居が始まったことで学区周辺に住宅が増えていき、以降どんどん児童数も増えていったようです。名東小学校として独立開校したのは、1973(昭和48)年です。

川野先生:独立開校の際、校名をみんなで話し合って決めたそうです。名古屋の東だから名東小学校。それが校名の由来ですが、当時はまだ名東区はなくて、この地域は千種区でした。名東区になったのは1975(昭和50)年ことなので、時代を先取りした校名だったんですね。「メイトくん」という学校のキャラクターもありまして、これも私たちは気に入っています。小学校がある「亀の井」という地名から亀がモチーフになっていますが、創立40周年の際に現在中学1年生の生徒が原案を作り、それを教員がよりかわいらしいキャラクターに仕上げました。教員の名札にもこのキャラクターが付いています。

「名古屋市立名東小学校」銘板

校長 愛敬俊幸先生

学校のキャラクター「メイトくん」

教育目標について教えてください。

愛敬先生:まず本校のグランドデザインは「子どもが楽しんで登校する、保護者・地域から信頼される学校」です。そして校訓は「強い子 やさしい子 地球の子」。「強い子」とは健やかな身体と、なにものにも屈指ない意志の強さを発揮できる子。「やさしい子」とは思いやりの心、やさしさ、親切心など、豊かな心を持つ子、「地球の子」とは自ら学び、よく考え、広い視野と英知を育む子、というのが具体的な目標です。

川野先生:名古屋市では学校努力点というものがあり、取り組むテーマを大体3年の期間で設けていて、全職員が共通理解して学校全体で取り組んでいきます。今本校が掲げているテーマは「学ぶよろこびを求めて~生き生きと主体的に学ぶ児童の育成~」です。主に言語活動に力を入れています。

校訓が刻まれたモニュメント

校庭の風景

廊下

受賞

目標を達成するためにどんな取り組みをされていますか。

川野先生:全教員が一度は研究授業に取り組むことにしています。校長をはじめ、他教員が授業を見学し、次の授業に活かせるよう、意見を出し合いながら振り返りを行います。

愛敬先生:これは小学校全体に言えることですが、実践的な授業が増えていて本校もその時流を受けています。子どもたちが意見を交換しながら協同的に学ぶ、そんな取り組みを行っています。

川野先生:6年生の授業の一例ですが、温暖化の影響でやがて沈んでしまう小さな島をテーマに移住するか、その場所にとどまるべきか、ディスカッションを行いました。最後はオープンエンドですが、子どもが自分で考えて意見を出したり、人の考えを聞くことで「なるほどね」と幅を広げたり、そんな授業が本校の特徴と言えますね。

授業風景

庭

庭

「出会いの森」

地域の方々との関わりについて教えてください。

愛敬先生:比較的新しい街ですが、地域がしっかりつながっているという感想を持ちました。学校行事には地域の方が大勢お見えになります。お年寄りの方も孫がいる、いないに関わらずいらっしゃいます。また「ふれあい給食会」といって地域のお年寄りを招いて子どもたちと一緒に給食を食べていただく行事もあります。

川野先生:お年寄りの皆さんに一つの部屋に集まっていただき、クラス代表者が部屋まで迎えにいって手をつないで教室へお連れします。子どもたちがいろいろな趣向を凝らして教室でお迎えするんです。黒板にウェルカムメッセージを書いたり、出し物もいろいろあったり。学級ごとの色があるんですね。

愛敬先生:ふれあい給食会は毎年1回。修学旅行翌日の6年が家庭学習日でお休みのときに行います。そうしないと子どもたちの数が多いので食器も足りないし、皆さんが入る余裕がないんです。

川野先生:名古屋市では放課後の学校施設を活用し、子どもたちが安心して遊べる「トワイライトスクール」というシステムがありますが、本校も設置校です。北館の1階のプレイルームで実施されていますが、習字や手芸などいろいろな体験活動が行われていて、地域のボランティアの方々が対応をしてくださっています。保護者のボランティア活動も盛んで、読み聞かせや図書館の環境整備など、お母さんたちが積極的に取り組んでくださっています

プレイルーム

習字作品

図書室

図書室

今年の夏に増築を予定されていると聞きました。

愛敬先生:児童数の増加に伴い、現在教室に余裕がなくなっています。それでこの夏休みから増築工事が行われることになりました。南館の隣にプールがありますが、ここに校舎を新しく設置します。校舎の2階部分に屋外プールを設置する予定です。

地域の子どもたちと関わる先生方からみて一社エリアの魅力とは何でしょうか。

愛敬先生:環境がとても良い地域だと思います。学区の近くに「東山動植物園」がありますが、この地域はもともとそこからの森続きでした。だから都心へのアクセスが良いにも関わらず、自然が多く残っています。公共交通機関だけではなく、東名高速道路のインターチェンジが近く、名古屋をぐるっと取り巻く名古屋第二環状自動車道も開通して車でのアクセスもいい。保護者は教育熱心の方が多く、文教地区です。それと街並もセンスがあって、品があると思います。名古屋の山の手ですね。

川野先生:「東山動植物園」は、遠足でも出かけます。子どもの足で歩いても30〜40分ほどで到着します。また違う方向に「牧野ヶ池緑地」があり、ここも遠足で出かけます。「ペア学年」というのがありまして、今年度も6年生と1年生が手をつないで「牧野ヶ池緑地」へ遠足に出かけました。豊かな自然があり、「イオンメイトピア」をはじめ、商業施設もそこそこあって不便さは感じません。転勤者が多い街でもあり、子どもたちにとってある意味転校生はおなじみの風景。だから転校してきたお子さんもすっとなじめる環境なのも特徴ですね。

愛敬先生:先ほど学校努力点の部分でもお話をしましたが、名東小学校はこれまで言語活動に力を入れてきました。子どもたちが自分で考え、自分の言葉でお友だちとコミュニケーションを取りながら学んでいく、そういった教育に今後も取り組んでいきたいと思っています。

名古屋市立名東小学校

下駄箱

石像

今回お話を聞いた人

名古屋市立名東小学校

校長 愛敬俊幸先生
教頭 川野祐二先生

※本記事の内容は、2016(平成28)年5月時点のものです。

名古屋市立名東小学校/名古屋市立名東小学校 校長 愛敬俊幸先生 教頭 川野祐二先生
所在地:愛知県名古屋市名東区亀の井3-134 
電話番号:052-702-1166
http://www.meito-e.nagoya-c.ed.jp/

徳川家康公が祈願所とした神社

「土地・樹木・伝統・人とのつながり」を守っていく/浜松八幡宮 宮司 桑島佳令さん


「浜松」駅からのアクセスが便利な「浜松八幡宮」。千年以上の歴史を重ねる神社は、街中にありながら深い緑に包まれる鎮守の森。神社を守る宮司である桑島佳令さんに、浜松八幡宮や八幡町の魅力についてお話を伺った。

現在地へ神社が遷座。神に選ばれし八幡の地

浜松八幡宮への熱い思いを語る、宮司の桑島佳令さん

――浜松八幡宮の歴史について教えてください。

桑島宮司:

浜松八幡宮の前身は、現在の浜松市南区小沢渡町付近にお祀りされていた許部神社(こべのかむやしろ)です。この神社の歴史は古く、仁徳天皇の御代(4世紀頃)にお祀りが始められたと伝わります。神様の御神託により、938(天慶元)年に八幡町へ遷座。遷座とは神社が引っ越しし、神様が御移動されることです。そのときの伝承によると「白い狐が翁の姿となって、松の小木を携え、この地に導き松を植えた」とあり、この松が愈々繁茂したことから、「浜の松」即ち浜松の地名の起源となったと言われています。

御神託によって八幡町の地に遷座したことに対し歴史学者が様々な説を立てています。私はこの地が神聖で素晴らしい場所であった為に神様に選ばれた所と考えています。 個人的な思いとして、八幡宮の鎮座する地である八幡町は「神様に選ばれた土地」という意識を強く持っています。

大きく枝を広げるご神木「雲立(くもたち)の楠」

――天然記念物「雲立(くもたち)の楠」はいつ頃から存在していたのでしょうか。

桑島宮司: 県の天然記念物に指定されている「雲立の楠」の樹齢は千年以上。幹周りは13m、高さは15m弱あり、女性初の樹木医である塚本こなみさんご指導のもと維持管理をしております。千年以上ですから八幡宮が現在地に遷座する前からこの地に根付いていたと考えられます。1051(永承6)年、源義家(八幡太郎義家)が陸奥へ下向の折、この楠の下に旗を立てて八幡二柱の神を勧請し、戦勝を祈願しました。これによりこの楠を「御旗の楠」と称するようになりました。やがて、この楠は武運を願う象徴的なご神木として徐々に崇められてきたと思います。

「武運の神様」は戦国時代から今も崇められる

1930(昭和5)年に竣工し、今に残る木造の社殿

―徳川家康公ゆかりの神社と言われますが、浜松八幡宮とどのような関係があるのでしょうか?

桑島宮司: 古くは、都や城を守る為、それらの鬼門や裏鬼門の方角に社寺を建立しました。今では科学が進み、迷信や思い込みと言われがちですが、私は先人の知識や知恵は経験に裏打ちされた素晴らしいものがあると感じています。

八幡宮は「浜松城」から見るとちょうど鬼門の方向にあたります。「浜松城」を居城とした徳川家康公が鬼門を守る当宮を尊び、度々参拝したと伝えられていることから、浜松八幡宮が城の鬼門を守る神社と認識されていたと考えられます。徳川家康公が天下を治める前に在城した17年間はもとより、後々においてもこの地を守る神社として大事にされていたと想像できます。

三方ヶ原の戦いで、楠の洞穴に隠れた家康公のお話

中心に穴のあいたご神木「雲立(くもたち)の楠」

――「雲立(くもたち)の楠」の伝説について、教えてください。

桑島宮司: 戦国時代、1572(元亀3)年三方ヶ原の戦いで敗走した徳川家康公は八幡宮に逃れ、社前の楠の洞穴に潜み、神様のご加護によって武田勢の捜索を逃れました。その時、この楠より吉兆の瑞雲が立ち上ったことから「雲立の楠」(くもたちのくす)と呼ばれるようになりました。

その後、家康公は八幡宮を徳川家代々の祈願所と定め、旗・弓・神馬を奉納。家康公が江戸に府在の折は、名代を遣わして参拝したといわれます。浜松八幡宮の境内には、徳川家康公をお祀りする「摂社 東照宮」があります。この神社は家康公百回忌の前年1714(正徳4)年に徳川家とゆかりの深いこの地へ勧請しお祀りされました。

浜松八幡宮境内には、徳川家康公を祀る東照宮も奉斎

徳川家康公の命により、今に継ぐ「放生会」

大祭で行われる渡御の様子(浜松八幡宮提供)

――浜松八幡宮の代表的な神事は、どのようなものがありますか?

桑島宮司: 毎年8月14・15日に行われる例大祭。その中で「放生会(ほうじょうえ)」という神事が行われます。「放生会(ほうじょうえ)」とは、「鳥」や「魚」などを野に放ち、生命を慈しみ、功徳を積むという意味合いを持つ儀式です。戦国時代に身を置き、戦に散った御霊を慰めたいという徳川家康公の願いによって始められた行事です。

子ども達が行う「浦安の舞」(浜松八幡宮提供)

約400年もの間、現在に受け継がれる神事は50年ほど前まで大変な賑わいをみせていました。氏子町内を御神輿が渡御。馬込川に浮かべた和船に御神輿を下ろし、船上で鳥や魚を放っていました。今では交通事情により規模を縮小、午前中に浜松八幡宮の周囲を御神輿が渡御し、境内東照宮脇の水路で鳥・魚を放つ儀式を行っています。午後の例祭は「居祭」と呼ばれる大祭です。

14日宵宮の夕祭・15日の居祭では氏子町の子供たちが「浦安の舞」を奉納します。これらの祭儀が受け継がれ、氏子崇敬者のご協力によって行われることは素晴らしいことだと思っています。

和婚といえば、幸せの連鎖をもたらす浜松八幡宮

婚礼の場ともなる八幡宮の境内。奥が社殿(浜松八幡宮提供)

――浜松八幡宮での神前式がとても人気ですが、婚礼にも力を入れているのでしょうか?

桑島宮司: 浜松八幡宮では昔から、結婚式も盛んに行われてきました。二代・三代にわたり、ここで婚礼をされたというご家族も多くいらっしゃいます。近年では、浜松八幡宮で神前式を行い、敷地内の会場で披露宴を行う方も多数です。八幡宮は神聖な場所であるという意識を強く持っておりますが、結婚式を行うことによって、神社のイメージを、さらに開かれた明るい場所にしていけたらと思っています。結婚式をきっかけに、参列者にもこの歴史ある神社の存在を知っていただくこと。後々の新郎新婦における、安産祈願やお宮参り、七五三など様々な形で立ち寄っていただき、幸せの連鎖がおこる場所でありたいとも考えています。

いつまでも人々のよりどころでありますように

浜松八幡宮の鳥居をくぐれば、都会の喧騒から一瞬で静寂に包まれる

――古来はもとより、現在における浜松八幡宮の存在意義はどのようなものでしょうか?

桑島宮司: 今後は時代に合う形で神社も変化を遂げていかなければならないのだと感じています。しかし私は、「変わりながら、変わらない浜松八幡宮」という姿勢を大切にしたいと考えています。時代ごとに変えることが許されるもの、歴史に照らし、変えてはいけないものがあります。由緒正しき神社は時代に合わせようとするばかりでなく、本質を守らなければならない使命もあります。浜松八幡宮が地域や氏子崇敬者にとって大事な存在であり続けたいと願っています。

古きと新しきが融合する八幡町は開けたエリア

ご神木である雲立の楠の実がおさめられている「くすのき守り」

――八幡エリアが持つ、土地の魅力を感じることはありますか?

桑島宮司: 浜松八幡宮は「雲立の楠」が象徴的ではありますが、さまざまな樹木がこの神社の中で育まれています。これだけの樹木が繁茂している場所は、浜松市の中心部においてはとても少なく貴重です。これほどの樹木を養うことが出来る土地のパワーは素晴らしいといえるでしょう。この「土地・森・伝統・人とのつながり」の全てを大切にしながら、神社を後世に守り伝えることが、宮司としての責務であると考えています。

絵馬が物語る、地域に親しまれる祈願スポット

――浜松八幡宮をシンボル的スポットとしながら、このエリアをどう捉えていますか?

桑島宮司: 古式ゆかしいお話ばかりをすると、古いしきたりが残っており、住みづらいのではといった印象も与えてしまうかもしれません。しかし、八幡町はとても開けた町であると私は思っています。

遠州鉄道「八幡」駅から「浜松」駅へのアクセスも便利です。そして、この地域在住の方々の人柄もとても親しみやすく、「浜松」駅から近いとはいえども、下町のような粋な風情も残っています。さらに、浜松中心部でありながら浜松八幡宮が持つ広い境内の緑も豊か。古い文化は、良い形で残っています。街中に近く、人情にあふれた住みやすい街。浜松八幡宮にお仕えする者として、胸を張って言えることです。

桑島佳令さん

浜松八幡宮

宮司 桑島佳令さん
所在地 :静岡県浜松市中区八幡町2番地
TEL :053-461-3429
URL:http://www.hamamatsuhachimangu.org/
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

「土地・樹木・伝統・人とのつながり」を守っていく/浜松八幡宮 宮司 桑島佳令さん
所在地:静岡県浜松市中央区八幡町2 
電話番号:053-461-3429
ご祈祷時間:9:00~16:00 ※要予約
http://www.hamamatsuhachimangu.org/

ヤマハ音楽教室 浜松中央センター 神藤多見子さん インタビュー

音・光・緑があふれる音楽文化の森ですくすくと育つ、感性豊かな子どもたち/ヤマハ音楽教室 浜松中央センター 神藤多見子さん


日本が世界に誇る楽器メーカー「ヤマハ株式会社」。八幡町からほど近い中沢町からワールドワイドに発信している。製造だけでなく、ユーザーにも高い意識を持ってほしいことから、音楽教室が誕生。その思いを持ち続けるのが「浜松中央センター」だ。

ヤマハ音楽教室原点から開講者の思いを繋ぐ

ヤマハのエレクトーン「STAGEA」を使い、音楽を学ぶ幼児たち

――ヤマハ音楽教室 浜松中央センターの沿革および、概要について教えてください。

神藤さん: 楽器メーカー「ヤマハ株式会社」の原点からお話しします。1887(明治20)年に山葉寅楠氏が壊れたオルガンの修理をしたことが始まりとされています。その後、オルガン製造とピアノ製造にも成功。山葉風琴製造所から日本楽器株式会社、ヤマハ株式会社へと社名を変更し、約130年の歴史を世界に誇る企業として成長してまいりました。

ヤマハ音楽教室の原点は1954(昭和29)年に開講したオルガン教室です。4代目社長・川上源一氏が楽器を製造・販売するだけでなく、ユーザーのベースアップにも繋げたいという思いで開かれた音楽教室は60年以上の歴史があり、開講時に選び抜かれた指導者が、現在でも当教室で指導を続けています。全国統一のカリキュラムを行う浜松中央センターの受講者の在籍数は、子ども1,152名・大人400名。当教室オリジナルコースの受講者は323名。英語教室も行っており112名。トータルで1987名の生徒が在籍しています。

コンセプトは「音楽文化の森」

柳通りに一際存在を放つ、美しいフォルムの建物

――コンセプト「音楽文化の森」について教えてください

神藤さん: 当初、現在の場所から3キロほど北にある四ツ池公園近くで「ヤマハ四ツ池センター」として開講しました。陸上競技場や野球場などのスポーツ施設、豊かな森には散策ルートもあり、現在でも市民の憩いの場です。2006(平成18)年にヤマハ株式会社・本社近くの助信町へ移転したのですが、原点の地である「四ツ池の森」にできるだけ近いイメージで建物を表現したと聞いております。レンガ造りの外壁と円柱形の曲線が印象的。周囲には樹木や芝生などの緑を配し、交通量の多い通称・柳通りを行き交うドライバーの目を癒す、オアシス的な雰囲気に仕上げています。平面部分は大きなガラス張りを施し、館内へたっぷりと光が差し込みます。全館25室ある明るい教室で、音楽浴を楽しんでいただきたいという思いから、そのようなコンセプトを設けております。

世界へ羽ばたくピアニストも輩出するレッスン

グランドピアノでレッスンを希望するピアニストへ、時間貸しも可能

――ヤマハ音楽教室の概要について教えてください

神藤さん: ヤマハ音楽教室は全国3,900会場を展開しているため、転居されても引き続き、同じカリキュラムのレッスンを受けられるのが魅力です。60年以上かけて指導者が作り上げたヤマハのメソッドは、世界40以上の国と地域にも広がっています。

当校のレッスン数は数えきれないほどありますが、大きく言えば2つの層に分かれています。1つ目は全国統一のカリキュラム。こちらは3歳から児童期(小学校1年生~6年生)までのコースです。3歳から5歳児までの2年間は一本化された学習内容で、児童期からジュニア専門コース・アンサンブルコース・ピアノコース・エレクトーンコースと枝分かれをしていくといった流れです。それぞれ、毎年発表会があり、子どもの成長に保護者もスタッフも感動しています。

浜松中央センター独自の講座も魅力

2階建ての建物には25室を用意。演奏会を催すことができる大きなホールも

――浜松中央センターならではの特徴、魅力はどんなところでしょうか?

神藤さん: 2層に分かれたもう一つの層として、浜松中央センターだけのオリジナルコースを多彩に用意。幼児から大人まで、老若男女受講できるカリキュラムがあります。浜松中央センターならではのレッスンとしては「母と子のための音楽感性(音感)教室」。「感性・想像力」の育成を重視したコースで、NHKやイギリスBBCからも取材・放映された経験のある注目のレッスンです。ヤマハ音楽教室開講を手がけた4代目社長・川上源一氏が志すヤマハ音楽教室のメソッドをともに作り上げてきた、椙山知子先生が講師を務めています。バロック音楽・建築・美術・絵画・バレエ・オペラなどをテーマにした音楽や芸術作品を2~3歳児の子どもと保護者が一緒に楽しむレッスンから、大人までのコースまで用意しています。

また、当校卒業生のクラシックピアニスト・犬飼新之介さんが訪れ、子どもたちへ演奏を聞かせてくれたり、ヤマハ株式会社のお膝元ですから、音楽演奏をされる社員の方々も多く訪れたりしてくれています。

館内ホールでは演奏会や、ご年配の方たちが身体を動かしながら歌う、音楽と体操をテーマにしたレッスンの場としても、ご利用いただいています。

友達と楽しみながら、共感し合える子に

いろんな楽器を取り入れるレッスンに、笑顔でトライする子どもたち

――生徒へどのような教育を施されているのでしょうか?

神藤さん: 「ヤマハの音育」という名のもと、幼児期から音楽を通じて心を育てることをテーマにしています。人は3歳までに聞く力、5歳までに音感を身につけるといわれています。幼い頃から音楽に触れたり、楽しいと思えたりする感受性は心を豊かにしてくれます。「お星さまの流れる音が聞こえたよ」など、大人が心を揺さぶられるような言葉を使うのは幼児期。音を聴き、曲の表情を聴き分ける力を無理なく楽しくレッスンで育て、成長ごとに左手で伴奏も付けられるようになります。

子どもたちは「お友達に会えるから楽しい」という感覚や、一緒に演奏や歌を歌う「ライブ感」を楽しみに通ってくれています。幼児期に音楽の楽しさを身につければ、ピアノかエレクトーンの選択となる小学校以上のレッスンがとても楽になります。ほか、ジュニアドラムの教室や、英語教室も1歳児から小学校6年生まで、多岐にわたるコースに通っていただける生徒さんが集まってくれています。

子どもたちが一緒にレッスンを楽しむことで、思いやりの心や協調性を身につけることができます。

学校や家庭から一歩離れたサードプレイスに

2階まで吹き抜けになった中庭からも光が注ぎ、グリーンも鮮やかに彩る

――音楽教室へ通うメリットは、どのような点でしょうか?

神藤さん: 「幼児期から感受性を育む」ことはもちろん、様々なメリットがあります。幼児期のレッスンは親子一緒に参加してもらうのが基本のため、お母さんも音楽を学ぶことができます。また一緒に通うことで、親子の良好な関係性を築くこともできます。この頃は、仕事で子どもと接する時間の少ないお父さんが参加してくれるようにもなり、とても良い傾向と感じています。

別の幼稚園・小学校の友達ができることは、子どもにも親にも同様のメリットです。館内には随所にテーブル&チェアを設け、休憩できるスペースがたくさんあります。親同士で悩みを共有したり、子どもがレッスンまでの間に宿題をやったりして、いろんな方とのコミュニケーションを取っている姿を多くお見受けします。

学校や家庭で人間関係が難しい親や子も、音楽教室には受け入れてくれる友達と安心できる居場所がある。浜松中央センターは、みなさんのサードプレイスでありたいと思っています。

ヤマハ音楽教室は先生のレベルの高さが自慢

分かりやすい指導をするヤマハの先生は、子どもたちにとって第二の母

――どのような講師の方が指導されているのでしょうか?

神藤さん: 自信を持って言えることは、「ヤマハは先生たちがとても優秀」です。ヤマハ音楽教室卒業生や音楽大学出身の方、ヤマハ音楽振興会が運営するヤマハ音楽院の卒業生などが、講師のおもな経歴です。60年以上の歴史があるということは、講師にも歴史があるということ。浜松中央センターのメリットにも直結しますが、音感教室の講師である椙山先生のような、川上源一氏の息がかかった方が現役でいらっしゃるということは、講師陣の大きな支えになっていると思います。各支部に分かれて研修を行なったり、本部からの指導を受けたり、控室で相談し合ったりと、普段からとても勉強熱心です。

生徒は先生のことを、「第二の母」と捉えていると感じます。講師は子どもの演奏を聴くだけで、その子の状態が分かります。また、お母さんはつい子どもの悪いところを指摘しがちなのですが、講師は子どもの良い部分を見つけ出すのが得意です。先生から自分の子どもが褒められる姿を見て、親は客観的に子どもの長所を見つめることができます。程よい距離感を保てる講師が多く在籍しており、生徒も親も先生は頼りになる存在であると思ってくださっているようです。

地域の方と好循環が生まれる音楽の森

歩いて行ける場所にあると喜ばれる、浜松中央センター内

――このエリアの魅力について教えてください

神藤さん: 隣保から通ってくださる生徒の親御さんにインタビューしてみました。まず、歩いてすぐのところに公園があるということ。道が広々としているので、子どもを安全に歩かせることができると言われていました。また、子育て支援も盛んに行なわれており、公民館ではシルバーの方たちがボランティアで読み聞かせをしてくれたり、一緒に工作をしたりしてくれるそうです。そして、幼稚園や小学校を開放して様々なイベントを行ってくれることや、浜松駅に近いことなどが挙げられました。そして、「ヤマハ音楽教室があることも魅力」とおっしゃってくださいました。地域の皆さんへ好循環をもたらす存在であることを当校の使命とし、「音楽文化の森」を発信し続けていきたいと思います。

株式会社ヤマハミュージックリテイリング 浜松店

教室営業課 浜松中央センター 神藤多見子さん
所在地 :浜松市中区助信町23-55
TEL :053-473-6771
URL:http://www.yamahamusic.jp/lesson/hamamatsu_chuo_center.html
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

音・光・緑があふれる音楽文化の森ですくすくと育つ、感性豊かな子どもたち/ヤマハ音楽教室 浜松中央センター 神藤多見子さん
所在地:静岡県浜松市中央区助信町23-55  
電話番号:053-473-6771
https://www.yamaha-ongaku.com/music-scho..

挨拶と食事作法を大切にするこども園

良い伝統と新しい教育方針を融合し、 時代に合った幼稚園のカタチを目指す/浜松中央幼稚園 園長 大野純平先生


1931(昭和6)年から営む「浜松中央幼稚園」。戦前からの老舗は浜松中心部に位置し、近隣住民をはじめ、「浜松」駅周辺で働く親たちの強い味方として支持されている。そんな「浜松中央幼稚園」は、現在三代目。2015(平成27)年に若い園長として、新しい幼稚園の形を模索する大野純平さんにお話を伺った。

幼少期から子どもへ教育の場をと、昭和初期に開園

伝統ある建物は、道を隔てて2棟構えている

――浜松中央幼稚園の沿革および、概要について教えてください。

大野園長: 「小学校へ上がる前の子どもたちへ教育の場を与えたい」という志のもと、1931(昭和6)年12月に、現在の地へ私の曽祖父が開園しました。1944(昭和19)年には戦災を受けまして、存続の危機に合いましたが、戦後の1946(昭和21)年に再建復興。紆余曲折がありながらも志を貫き通し、1982(昭和57)年に学校法人の認可を受けまして、「大野学園 浜松中央幼稚園」として歩みを進めてきました。定員数200名のうち、現在の園児数は150名弱。2歳半から受け入れており、6クラス設けています。

人としてのマナーをしっかりと身につけてほしい

――教育目標について、教えください。

大野園長: 開園当初から変わらずに目指すところは、「明るく元気な子供」を育むということ。重点目標としては、「やる気のある子・がまんのできる子・思いやりのある子」をテーマにしています。大人にとっては簡単なことのように思われますが、園児は本能のままに過ごしている世代ですから、言葉で伝えるだけでは理解ができません。よって、大切にしていることは「挨拶」です。「おはようございます」「いただきます」「いってまいります」「おやすみなさい」「ごちそうさまでした」「ただいま」という基本的な6つの言葉を重点的に教え、加えて「ありがとうございます」「ごめんなさい」の2つの言葉をプラス。まずは挨拶を通じて人間関係を円滑にできる子を育み、対人関係から園児自身に「やる気・がまん・思いやり」を感じてもらいます。ほか、生活面におき、食事のマナーや整理整頓など、卒園しても困らないように、人としての基本的な教育をほどこしていきます。

厳しさの時代から親しみやすさの時代へ

イベントでしっかりと整列して開始を待つ子どもたち

――教育者として職員の方たちが心掛けていることを教えてください。

大野園長: 「しつけの浜中幼」という職員同士の合言葉があります。こちらも開園当初から、曽祖父や先代の祖父である二代目まで、徹底したテーマとして行っています。1982(昭和57)年に学校法人となってからは、特にしつけや教育について厳しく指導をしてまいりました。よって、現在の親世代の方々にとってみると、「浜松中央幼稚園は厳しい」といった印象をお持ちだと思います。戦時中に2年間の休園がありながらも、開園からの年数は85年目、学校法人になってからは34年目です。開園当初から代々において大切にしてきたことが、果たしてこの平成の時代にフィットしているのだろうかということも考えます。私自身が三代目として担うこの幼稚園の園長として、開園当初から大切にしてきたことに加え、時代に合った「親しみやすさ」もテーマにプラスし、模索していきたいと考えています。

生き生きと過ごす、若手の先生たちと元気な子供たち

黒板に描かれた微笑ましい園児のメッセージ。先生と子どもとの良好な関係を感じる

――職員たちや園児たちの雰囲気・特徴について教えてください。

大野園長: 臆することのない、積極的な子どもたちが多く見受けられます。きちんと挨拶もでき、教職員たちへ自分から声掛けができる。この幼稚園の教育方針が、子どもたちにきちんと伝わっているのではないかなと嬉しく感じています。

職員たちは20代の若手の女性が中心であることも特徴的です。開園当初の昭和初期から、女性が長く働くこと自体が難しかった時代を経てきました。結婚や出産のために、離職しなくてはならなかった時代であり、当園としては特に若手を強く希望していたわけではありませんが、自然と若手採用になっていた、というのが実情です。それが今の時代にも継がれている形となり、現在でも若手職員が中心であるという流れです。

また、子どもたちへ挨拶の指導をしているわけですから、教職員同士や外部から訪れる業者のみなさんへも自然と会話が生まれるような雰囲気になるよう、心がけています。外部の方から、「浜松中央幼稚園の職員さんたちは、いつも笑顔ですね」と言ってくださることを、嬉しく思っています。

ボランティアで行う「延長保育」が好評

壁や窓へカラフルに彩られた園児が過ごす教室

――「浜松中央幼稚園」ならではの特徴について教えてください。

大野園長: 先に述べたように、まずは教育方針がしっかりとしているということ。そして、他校に比べ、比較的リーズナブルな入園費用を設定しています。特徴的なのは、保育時間は8時から15時までなのですが、17時まで延長保育としてお預かりを可能にしており、プラスの費用をいただかずに、ボランティアとして当園が行っていることです。理由としては、働く親たちの味方でありたいという気持ちからです。浜松街中という立地におき、駅周辺に勤務されている親御さんたちのお子様をお預かりするケースが高い幼稚園です。在住は遠方にもかかわらず、勤務する会社が駅周辺のために送り迎えがしやすいということで、ご利用いただくご家族も多くお見受けします。仕事先から慌てることなく、きちんとした教育者のもとで預かってもらっているといった安心感を与えてあげられたらと、先代からの方針です。

卒業生である園長が客観的に感じること

校舎の目の前にある校庭には、安全な遊具を設置

――園長ご自身も、「浜松中央幼稚園」の卒業生なのですね。ここで過ごしたことが、大人になってもプラスになっていると実感することはありますか?

大野園長: 当園は世襲制で、一代目の曽祖父から二代目の祖父へつないできました。父は会長ではありますが別の職業を営んでおり、私が三代目として祖父の後を継いだ形です。私が幼少期の頃にこの幼稚園へ入園したわけですが、園長の孫ということで、おそらく先生たちに非常なる気遣いをさせたのではないかと思います。私自身は子どもでしたので、そんな先生たちの思いはつゆ知らず、やんちゃに過ごさせてもらいました。

「やる気のある子・がまんのできる子・思いやりのある子」というこの幼稚園がテーマは、私の中にも息づいていると感じます。自我に目覚める前の幼児期に、「がまんのできる子」というテーマはとても難しいことだと思うのです。当時、上手にコントロールを先生がしてくださり、「まず、人の話を聞こう」といった、譲る行為は大人になっても自然にできていると思います。ここで過ごしたおかげの部分であるようでしたら、在校生や卒業生たちにも息づいていたらいいなと思います。

伝統行事で日本を感じ、自然ともたわむれる

「節句の会」で設けられた兜飾り

――特別な行事について教えてください。

大野園長: 子どもたちに楽しんでもらえるよう、さまざまな年間行事をしています。5月に行う「節句の会」や7月の「七夕の会」、10月の「お月見の会」など、日本の伝統に触れる機会を設けています。

自然の恵みに感謝する心を養ってほしいと、秋には「いもほり遠足」が行なわれます。契約農園の閉鎖に伴い、今年からは遠州名産のさつまいも「うなぎいも」を生産する農家へ足を運ぶ予定です。浜松市はうなぎの養殖地として全国的にも名をはせておりますが、廃棄されるうなぎの骨や頭の部分を肥料として育てられたさつまいもを「うなぎいも」といいます。自然の力を見て触れることにプラス、地元浜松市の生産者の努力も、どこかで感じてもらえたらと考えました。

また、当園は屋上に遊具とプールを備えています。毎年7月にプール開きをし、水とのふれあいを園児にしてもらっています。建物が密集した立地のため、敷地の狭さから屋上へ設置したわけですが、街並みを眼下にのぞみながらの遊ぶのはなかなか気持ちが良さそうだと好評です。
さらに、放課後には定期的に講師を呼んで英語教室を行っておりますので、別の場所への塾に通わせることなく、興味のある子たちが園内で安心して勉強ができる機会を与えています。

地域の人たちに、温かく見守られて

運動会の様子

――地域とのかかわり、この街の魅力について教えてください。

大野園長: 建物が密集した浜松中心エリアに幼稚園を構えておりますので、周辺住民の皆様へのご理解をいただくことは、とても気を使っています。どうしても賑やかな園児たちの声が響き渡ってしまいますから、問題にならないようにお声掛けを普段からさせていただいています。この街の魅力は、人同士のコミュニケーションが活発であるということです。良い意味で「うるさい(おせっかい)」です。ちょっと“乱暴な遠州弁”なのですが、「うるさい」というのは面倒見が良いという意味です。地域住民が臆することなく、意見を発してくださるうえに、一緒になって面倒を見てくださる。浜松市の下町文化が残る場所に位置しているので、地域住民の皆さんが人情味にあふれているのです。街中になればなるほど人間関係が希薄になりがちですが、この地域の人たちは密やかに陰口をたたくような気質ではありませんので、職員も園児たちものびのびと過ごすことができ、とてもありがたいと思っています。

育児に一息つける場になっていけたら

囲い込むことなくオープンな雰囲気の幼稚園を、地域住民が見守ってくれる

――これからの「浜松中央幼稚園」の目標を教えてください。

大野園長: 私が園長に就任したのは2015(平成27)年で、まだ一年目です。二代目の祖父のもとで勉強をしながら過ごしておりましたが、他界したために引継ぎました。園内には祖母もおりますので教えてもらうことも多く、まだまだ未熟ではありますが、経験を積んだうえで目標にしていることは、「浜松中央幼稚園」を「こども園」にしたいという思いです。現在でも延長保育を行っておりますが、これからの時代において、さらに共働きの家庭が増えるであろうと国の動きからも予測しています。「こども園」とは保育園と幼稚園が同じ施設にあるのが特徴で、保育時間が長く、0歳のお子様からお預かりできる認可を受けた施設のことです。先にも述べたように、当園の立地から働く親御さんのお子様をお預かりするケースが多いのが、当園の特徴のひとつでもあります。また、母親の産後うつや虐待なども社会問題です。真面目な親であればあるほど、育児をひとりで抱え込んでしまう傾向にあると私は捉えています。親御さんが仕事をするためにお子様をお預かりするケースもあれば、育児が辛くなってしまい、ほんの数時間でも素に戻る時間を持ちたいという時だってあるでしょう。子どもを預けることに罪悪感を持たず、事情はどうであれ、気軽に利用していただけるような「こども園」を作りたいと、各方面のみなさんからアドバイスを受けながら模索しています。

浜松中央幼稚園

園長 大野純平さん
所在地 :静岡県浜松市中区尾張町127-7
TEL :053-453-0249
URL:http://www.hamachuuyou.ed.jp/
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

良い伝統と新しい教育方針を融合し、 時代に合った幼稚園のカタチを目指す/浜松中央幼稚園 園長 大野純平先生
所在地:静岡県浜松市中央区尾張町127-7 
電話番号:053-453-0249
保育時間:1号認定10:00~15:00、2・3号認定7:30~18:30
https://kurahashi.ed.jp/school/preschool..

西京極ファイターズ 船越副代表インタビュー

地域に根付いた少年野球チーム/西京極ファイターズ 副代表 船越俊宏さん


1974(昭和49)年に産声を上げた少年野球チームの「西京極ファイターズ」。設立当初から変わらないユニフォームは、地域に暮らす人たちの目印ともなり、地域の暮らしと一体となりながら子どもたちは元気に野球と向き合っています。今回はチームの副代表を務める船越俊宏氏にチームの活動や地域との関わりについてお話を伺いました。

40年以上の歴史と伝統

西京極ファイターズ

――チーム設立の背景を教えてください。

船越副代表:どこの学区もそうですが、ひとつの小学校にひとつの少年野球チームがありました。それと同じ形で、西京極の少年野球チームとして始まりました。いまは「京都市立西京極小学校」と「京都市立西京極西小学校」の生徒が対象になっています。京都で一番大きな大会として、全京都学童野球大会というのが春と夏にあります。それに出場する選手の決まりが、そのチームの隣接4学区内というものです。なので、子どもたちは隣接4学区内のチームに入ることになります。チームとしては1974(昭和49)年からやっていますから、今年で42年目ということになりますね。

――何年生から入団することができますか?

学年によって複数のチームに分けられる

船越副代表:1年生から入団することができます。我々は右京少年野球振興会というNPO法人に所属しています。そこのチームは、6年生以下、5年生以下、4年生以下という3つのチームに分かれており、4年生以下のチームであれば1年生からチームに入ることができます。1年生の子どもたちが4年生と一緒にやることの難しさもありますが、お兄さんたちを見習って皆頑張ってくれています。

――どんな性格の子どもたちが多いですか。

元気な笑顔の子どもたち

船越副代表:スポーツするからみんな活発ということではないんですね。おとなしい子どももいます。うちの子どももここに所属していたんですが、もともとは絵を描いたりすることが好きでした。でも、チームに入ってやっているうちに、以前よりも活発になり、外に出るのも好きになりましたね。地域の同じ学校だったり、隣の学校の子どもたちが集まってやりますから、そういうところでコミュニケーションができることも大きい。我々大人も地域の活動に一緒に取り組んでいくこともできます。うちは西京極の体育振興会にも所属していて、地域の体育祭などにも協力させていただいています。

――チーム運営で特に大切にしていることは何ですか。

引き締まった表情の子どもたち

大人も子どもも仲良くやっていくこと。野球を通して人間関係を健全にやっていきたいと思っていますね。毎年、選手の層、数、技術は変わっていくものです。その年に応じたチームづくりをしていますから、数だけにこだわるということではないですね。社会に出ていくためのひとつとして大きな視点からも取り組んでいます。ただ、やる以上は勝ちたい、というのはもちろんありますよ。

地域ぐるみで子どもの成長を見守る

コーチはお父さんたちが中心となって務める

――試合に勝つために選手たちをどう導いているのですか?

船越副代表:去年は例年になくAチーム(6年生以下のチーム)が強かったです。12月が年度末になりますので、1月から新年度。いまの6年生チームは5年生になります。新しい大会は1月から、2016(平成28)年度ということですでに始まっています。その年によって子どもたちの性格は違いますから、うまく褒めて伸ばした方が良い子もいれば、きつくしなければいけないときもあります。ここは基本的に、いまチームに参加している子どもたちのお父さんがコーチになっています。子どもが卒業するのに合わせてお父さんも卒団します。ただ、私や代表もそうなんですが、子どもがお世話になって卒団した後も協力させてもらっていたりする場合もあります。

広々とした「東大丸公園」

――練習場はこちらの「東大丸公園」になるのですか?

船越副代表:基本的にはここになります。試合になれば、試合会場に行くという形です。練習は土日だけになり、平日は行っていません。ただ、子どもたちの中には、平日もここに来て野球の練習をしたりしていますね。昔からここを使わせてもらい、代わりに美化活動、草刈りをしたり、落ち葉を拾ったり、地域に溶け込む形でもう40数年ずっとやってきています。

――地域との関わりについて教えてください。

学校や地域ともつながっているチーム

船越副代表:さきほどお話しした体育振興会さんと協力させていただいたりとか、さらに団員を増やすために入団の誘いにうかがったりしていますね。卒団式や新年会などで学校の校長先生、教頭先生に来ていただいたりもあります。大会にエントリーすると学校行事のときには日程を外してもらう必要があるんですが、学校に行事証明を取らないといけませんので、地域の中ではそういう動きをしていますね。

また、年末や年始、春先に炊き出しなんかをして選手の募集を行うのですが、そのときに父兄の方々にもご協力いただいたりしています。バーベキューなどのレクリエーションをしたりもしますね。美化活動でもご協力いただいて、ゴミ拾いや落ち葉拾い、草刈りなどをしてもらっています。

――地域のイベントにチームで参加することはありますか。

オレンジ色はファイターズの証

船越副代表:近くに三宮神社というものがあり、松尾大社のお祭りの神輿の一社になっています。地元の人たちはよく参加しており、チームとして参加させてもらったりしていますね。近くの幼稚園の餅つき大会に参加させてもらったりもしています。地域にはなるべく溶け込んでいきたいと考えていますね。ユニフォームが初代からずっと変わらず、「あ、ファイターズだ」ってわかってもらえるというのも、地域に根付いている理由のひとつだと思いますね。

――父兄との関わりはいかがですか。

お父さんコーチの方々

船越副代表:子どもたちの指導において、父兄の方々の存在は大きいですね。中学校や高校生のOBは運動不足の解消も兼ねて、子どもたちの指導を手伝いに来てくれたりしています。じつは、お父さんコーチの中には甲子園経験者の方もいるんですよ。やはり、若いOBのほうが体がよく動くので、子どもたちの良い見本になりますね。

――卒団後も野球を続ける子どもたちが多いですか?

いつかは甲子園、プロの世界へ

船越副代表:外クラブや中学校の野球部に入る子などさまざまですね。目標としては、高校野球で甲子園を目指してプロへ、という選手が現れればいいなという夢があります。振興会に所属しているほかのチームでは甲子園に行った選手が出ていますから、夢ではないんだなと思っていますね。それに、ここを卒団した子どもが大人になって、その子どもとまたここに戻ってきてくれたらうれしいですね。

親御さんに聞くチームの魅力、街の魅力

――野球を通して子どもたちに何を学んでほしいですか?

技術以外の面でも成長していく子どもたち

お母さん:技術のほかに精神、しつけ、挨拶を学んでほしいですね。通うようになって挨拶や敬語はしっかりできるようになりましたね。

――西京極エリアの特徴を教えてください。

西京極の街並み

船越副代表:スポーツが好きな地域だと思います。お祭りもありますし、地域の団結力は結構、強いんじゃないかなと思います。大文字駅伝というのが毎年年末に小学校単位で開催されています。そこに出るための予選会があり、西京極小、西京極西小も力を入れて取り組んでいます。桂川では、ウォーキングされたり、サイクリングされたり、整備されていますから地域の方の憩いの場所でもありますね。
ショッピングするにも便利ですし、住みやすい街だと思います。また、神輿を船に乗せて桂川を渡る松尾祭の「おいで」と「おかえり」があります。そのお祭りに参加されている父兄の方も多くいらっしゃいますよ。

笑顔が素敵なお母さんたち

お母さん:暮らしに便利な街ですね。私は車を持っていないんですが、移動は自転車があれば大抵のことはできます。近くにスーパーもあっていいと思いますね。それから、子どもたちの元気が良いのも、特徴のひとつかもしれません。子どもが外で活発に遊んでいる光景をよく見ますね。

西京極ファイターズ

副代表 船越俊宏さん
活動場所 :東大丸公園
URL:http://n-fighters.sakura.ne.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

地域に根付いた少年野球チーム/西京極ファイターズ 副代表 船越俊宏さん
http://n-fighters.sakura.ne.jp/

SAKULA 京都西京極店

実用性とファッション性を兼ね備え、 真心応対で信頼を集める自転車店/SAKULA 京都西京極店 スタッフ 栗山隼人さん


京都は古くから自転車が活用されてきた街。大学などの学校が多く、たくさんの学生さんが日常の足として自転車を使っています。また、総じて平坦な土地が広がっている地理的な要素も影響し、自転車が根づいた街となっています。そんなエリアで人気を集めている自転車屋さんが「SAKULA 京都西京極店」です。今回は同店にお邪魔して、スタッフの栗山隼人さんにお話しを伺いました。

地域密着型の店づくり

スタッフの栗山隼人さん

――明るく広い素敵なお店ですね。お店の概要から教えてください。

栗山さん:私どもの会社は2005(平成17)年創業と比較的若いのですが、京都からはじまり、広がりを見せていて、現在は京都に9店舗、首都圏に9店舗と計18店を展開しています。この西京極店はグループの中でもっとも歴史がある店舗です。
そして、開店当初からのお客様も多く、リピーターが多いことがこのお店の特徴で自慢でもあります。「次は息子の自転車を」とか「今日は孫の自転車を」といったご来店が多く、家族ぐるみで当店の自転車に乗っていただいている方も多いんです。ですから、地域密着型のファミリー志向の店舗、という表現が一番ぴったりかもしれません。趣味として乗るタイプよりも、普段乗る自転車の取り扱いが多いお店ですね。

購入後のメンテナンスも手厚く行ってくれる

――ほかの店舗と異なる傾向などがあるのでしょうか?

栗山さん:やはり日常の足としてお使いになる方が多いので、取り扱い商品は一般的に「ママチャリ」と呼ばれるファミリータイプのモデルが主力となっています。ただしSAKULAはコンセプトに「より長く」「より快適に」「より安全に」という3つのモットーを掲げて、お客様に良質の自転車生活を楽しんでいただくよう努めていますので、耐久性やファッション性についても重視しています。

細かいメンテナンスなどアフターケアに力を入れていますし、全体的にお乗りになられる年数も長めではないかと思います。そして当店では空気入れの無料サービスを行っていますが、見ていると当店でお買い上げいただいた自転車が多いんです。私はSAKULAの京都の店舗はすべて経験しましたが、このお店は特に地元で長く愛されているということを実感しています。

電動自転車のオリジナルカスタムも人気

ファミリータイプ主体の品揃え。壁面にまで自転車が

――オリジナルカスタムがあると伺いましたが、特別な方がお求めになるのですか?

栗山さん:いえ、当店のオリジナルはファミリータイプが多いので、どちらかというと、「毎日乗る自転車をちょっとオシャレに楽しみたい」といった感じで相談に来られる方が多いです。また電動自転車のカスタムを扱っている業者さんが少なく、当社でもこの西京極店しか取り扱いがないため、関東地方からの問い合わせも多くいただいています。皆さん、電動自転車についてはよく調べておられるのですが、いざ乗ってみたらママ友と同じ自転車だったとか、どうしても被ってしまうようです。そこで、ちょっとカスタムしてみようかな、と思って調べて、SAKULAの電動自転車を検討してくださるケースが多いですね。

人と人のつながりに感謝して

地域の方が安心して利用できるサービスを提供する

――今後どのようなお店を目指していきたいとお考えですか?

栗山さん:地域で愛されているお店なので、これからも地元の方が安心して気持ちよくご来店いただけるお店であり続けたいと思います。長くご愛用いただくためにも整備やメンテナンスチェックはぬかりなく行ってまいりたいと思います。頻繁にチェックもしますし、無料でできる範囲まではサービスでさせてもらいますので、これに対してご好評いただいていることが私たちにとっても喜びです。

子どもさんや、お孫さんのための自転車をと来ていただけるのも、こうした真面目な商売を評価していただいていることだと自負いたしております。また「いつも空気入れてもらってるから」と差し入れをいただいたりすることもあって、人と人としてのつながりを感じられるのも、このエリア、このお店の特長だと思うので、感謝して良い関係を続けていきたいと思います。

買い物などはすべてが揃う便利なエリア

道路に面した建物の1階が入り口だ

――この街での自転車の利便性はいかがでしょう?

栗山さん:坂も少なく、道路の安全整備も整っているので、自転車がとても便利な街だと思います。私は電車を使って通勤していますが、自宅から最寄り駅まで自転車を使い、折り畳み自転車なので電車に持ち込んで、「西大路」駅からお店まで再び自転車を使っています。折り畳みだと停める場所の心配もいらないので、本当に便利です。

お店のまわりは自転車で少し走れば大型のショッピングモールから各種専門店まで、揃わないものはないほど施設が整った地域です。それもあって自転車に乗っておられる方は多いですね。

店舗外観

――このエリアの魅力について一言お願いします。

栗山さん:私もまだ2年くらいなので、隅々まで詳しく知っている訳ではないのですが、先ほど話した通り買い物などは人気のお店も含めて何でも揃う便利な地域であるは間違いありません。そしてお客様が温かく優しい人が多いので、それが街の雰囲気なのかもしれないですね。また近くにはサイクリング・ロードもあって、自転車を趣味にしている人はもちろん、そうでない人もちょっと出かけていきやすい環境があります。また、自転車通勤にその道を使われている方もおられるようで、かなり便利だと聞いています。嵐山も自転車ならすぐですし、この街は自転車1台あれば世界的な名所や名勝を巡ることができる素敵なエリアですね。サイクリングなどでお近くへお越しの際は、ぜひ当店にもお立ち寄りください。

SAKULA京都西京極店 スタッフ栗山さん近影

SAKULA 京都西京極店

スタッフ 栗山隼人さん
所在地:京都府京都市右京区西京極豆田町6
TEL:075-321-7774
営業時間:10:00~20:00(冬季は19:00まで)
定休日:なし
URL:http://www.bc-sakula.com/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

実用性とファッション性を兼ね備え、 真心応対で信頼を集める自転車店/SAKULA 京都西京極店 スタッフ 栗山隼人さん
所在地:京都府京都市右京区西京極豆田町6 
電話番号:075-321-7774
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
http://www.bc-sakula.com/

京都サンガF.C. 営業・ホームタウン推進本部 普及部 池上正部長 インタビュー

スポーツを「楽しむ」ことを通じて社会を豊かにする 地域密着型のサッカースクール/京都サンガF.C. 営業・ホームタウン推進本部 普及部長 池上正さん


京都にはサッカーの歴史があります。1922(大正11)年に発足したクラブチームが、時代とともにスタイルを変えながら発展を遂げ、Jリーグが本格的な盛り上がりを見せ始めた1996(平成8)年には「京都パープルサンガ」として昇格参戦しました。現在も「京都サンガF.C.」としてJ2リーグで奮闘中です。そんな歴史あるチームは地域貢献やスポーツの普及を目的に、スクールを積極的に展開しています。今回は西京極の「ハンナリーズアリーナ」での練習に見学させていただき、サンガF.C.の普及部長としてご活躍中の池上正さんに、お話しを伺いました。

スクールの主旨は地域貢献

スクールの統括をする傍ら、自ら子どもたちの指導に当たることも

――まず池上さんの簡単な経歴と現在のお仕事をお聞かせください。

池上さん:私は高校時代にサッカーを始め、その後も大学、社会人でプレーをしました。そして、関東の他チームで仕事をしていた時に、サンガから「サンガが地域貢献に力を入れるから」と呼んでいただき、約5年前に京都に来ました。現在はサッカースクールの統括責任者として働いています。スクールはJリーグの理念に基づいた地域に根差す活動のひとつという位置づけで、年を追うごとにスケールも大きくなり、現在では府内14ヵ所で約1,300人のスクール生が通っています。私自身がスクールにおいては事業計画を立てたり、指導者を指導する立場にあるのですが、コーチの欠員などが出た場合には、スクールのコーチとして動くこともあります。

スポーツの苦手な子どもも、楽しく活動できる

――Jリーグが直接運営するスクールということで、レベルも高そうですね

池上さん:それは少し違いますね。私たちが用意しているのは、サッカーが上手な子もスポーツが苦手な子も、楽しく練習をする環境です。子どもたちの6割以上は地域のサッカーチームに所属しており、彼らにとってはスクールがプラスアルファの上達の機会という位置づけです。

一方でスポーツが得意でない子どもが入ってくる例も少なくなく、そういう人もサッカーを通じて体を動かす楽しさや、スポーツを通じて仲間ができる喜びを感じてもらっています。なお、スクールにはSP(スペシャルクラス)というのがあり、これはセレクションに合格した子どもだけが参加できるもので、府下と滋賀県の計4ヵ所で行っていて、先の1,300人とは別で300人強の子どもたちが参加しています。

人に迷惑をかけない、それ以外は自由

楽しむことを前提にした指導。子どもたちの自由も重んじる

――練習を拝見しましたが、本当に楽しそうですね。

池上さん:「楽しむ」ことを前提にしたスクールですから、プログラムを考える指導者も楽しさに重きを置いています。そして、スクールは「自由」も大切にします。例えば「この練習は参加したくない」という子どもの意思は自由の範囲内で、私たちは強要することはしません。しかし、ほかの人に迷惑がかかる行為は自由とは言いません。本当の自由はみんなが楽しい。これがキーワードでもあります。そして全員が楽しければ、全員が同じことをします。時代が変わり、世の中が変わったので、私たちの対応も異なることが求められるケースも増えましたが、誰もが楽しめる練習ができれば解決できますね。

サンガのホームスタジアムは西京極

「西京極スタジアム」©KYOTO.P.S.

――スクールの中で西京極のカラーとか特徴はありますか?

池上さん:地域貢献というチームのテーマに沿ったもので、スクール生は全員がサンガのホームゲームを無料で観戦できるという特典もあります。この点は西京極は地元なので特に行きやすいというメリットもあるでしょう。またほかのスクールと大きく異なる点としては、体育館という室内の練習なので、天候による中止等もなく、安定して練習ができることも特長に挙げられます。

サッカーで社会貢献という意識

テクニックの指導をする池上さん

――ホームタウン活動について教えてください。

池上さん:私たちはスクール以外にも地域と連携したさまざまな活動を行っています。たとえば「チアリーダースクール」では西京極を拠点に7、8年前からチアリーダーの育成を行っていて、こちらもサンガFCを応援するだけでなく、各種地元のイベントなど地域貢献活動にも参加してもらっています。最近は西京極以外でも活動が始まっています。また「サンガつながり隊」という、京都市内の小学校をまわって、現状で抱えている問題をスポーツで解決しましょう、という活動も行っています。年間で2万人くらいの小学生と出会って、やはり楽しみながらコミュニケーションスキルを身につけたり、自発性や社会性を高めるような知識や技術を指導しています。

目指すのは欧州クラブチームのスタイル

スポーツが社会に貢献できる好循環の確立を目指す

――今後の展望や抱負をお願いします。

池上さん:私たちが目指しているのは、ヨーロッパのクラブチームのようなスタイルになることです。これはJリーグが目指すところでもあり、また私たちがこれまで行っていることも同じです。ヨーロッパのように地域に貢献するクラブチーム運営を実現しようと尽力しています。たとえば、スクールで各会場の施設が稼働することも、地域貢献のひとつと捉えることができます。

円陣を組む京都サンガF.C. の選手たち©KYOTO.P.S.

この先、サンガの試合がずっと満席になるような状況にしていきたいです。子どもたちから高齢者の方々まで地域全体が健康で楽しく暮らせる街。そんなスポーツと社会の好循環の確立が、私たちに課せられた使命ではないかと思います。

池上正さん

京都サンガF.C.

営業・ホームタウン推進本部 普及部長
池上正さん
練習場所:ハンナリーズアリーナ
所在地:京都市右京区西京極新明町1
TEL:075-212-0635
URL:http://www.sanga-fc.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

スポーツを「楽しむ」ことを通じて社会を豊かにする 地域密着型のサッカースクール/京都サンガF.C. 営業・ホームタウン推進本部 普及部長 池上正さん
所在地:京都府京都市右京区西京極新明町1 
電話番号:075-212-0635
http://www.sanga-fc.jp/

全国トップクラスの難関中高一貫校

開成中学校・高等学校 インタビュー


学校法人開成学園
校長 柳沢幸雄先生

自由な校風と生徒の自主性を重んじる教育
東大合格者数日本一の進学校

35年にわたって「東大進学者数日本一」を維持してきた、日本を代表する進学校「開成学園」。「開成中学校」と「開成高等学校」を擁する中高一貫教育校で、男子校ということまではよく知られていても、その学校が西日暮里にあることや、教育方針、歴史的背景まで知っている人は少ないかもしれない。そこで今回は、「開成学園」がなぜ優秀な生徒を輩出し続けられているのかを、学校長である柳沢幸雄氏に伺った。

まず、学校の歴史についてお聞かせください

創立が1871(明治4)年ですので、、今年(2016年)で創立145周年になります。創立者は、佐野鼎(さのかなえ)という人物です。 佐野鼎は、もともと静岡で生まれて、明治維新の時には加賀藩で砲術の先生をしていました。明治維新以後、咸臨丸のアメリカやヨーロッパ視察にも随行もしていました。 その際、アメリカやヨーロッパの状況を見て、「新しい教育の必要性」を非常に強く感じ、日本に帰ってきて間もなく、学校を作ったわけです。それが本校の大元である、「共立(きょうりゅう)学校」と呼ばれていた学校です。
共立学校では、最初は主に英語を教えていました。 当時の英語教育のほとんどは、漢文を学ぶ時に「返り点」や「一二点」というものを使うように、日本風に順序を変えて読んでいく、“変則的”な英語が占めていました。ところが人というのは、話を聞いた時に、頭からずっと理解していきますよね。共立学校で教えた英語は「正則英語」というもので、喋っている人達の話を直接聞いて、母国語の人たちが感じるように、頭から全部理解しましょう、というものでした。これは素晴らしい教育法でしたが、残念ながら佐野鼎は若くしてコレラにかかり、亡くなってしまいました。佐野が亡くなって以来、学校はほとんど廃校状態になってしまったそうです。
しかし、その当時学校に関わっていた人たちが、後継者として高橋是清(のちの総理大臣、大蔵大臣等)を担ぎ出し、高橋是清が「初代校長」になり、新たな体制がスタートしました。ですから、本校の歴史の中では高橋是清は初代校長で、佐野鼎は創立者ということになっています。高橋是清が初代校長になり、学校の経営は持ち直したわけですが、高橋是清は非常に“山っ気”の多い人で、ペルーの銀山経営の話を持ちかけられて、校長を辞めてペルーに行ってしまったんです。
その時、初代校長の後を継いだ人たちが、この学校を非常によく盛り立ててくれまして、その時期には多くの著名人も在籍していたそうです。東大の予備門を目指す生徒が集まり、正岡子規ですとか、『坂の上の雲』で有名なの秋山真之、斎藤茂吉、島崎藤村なども学んでいました。ところが、だんだんと明治政府が公教育を充実してきますと、兵役などの問題で私立学校が不利となり、一度は、東京府の管轄に移ってしまいました。府立で「共立学校」というのはおかしいですから、校名を変えましょう、という話になって、現在の「開成」という校名になったんです。これが1895(明治28)年のことです。

「開成」という名前の由来については、中国の古い書物『易経』(えききょう)の中に、「開物成務」(かいぶつせいむ)という言葉があり、そこから取っています。「物を開いて務めを成す」ということですが、「物」とは何かと言えば、私は「生徒の素質」だと理解しています。どの人にも得意分野がありますから、それを「開」花させて、伸ばして、人間としての、そして社会に対する「務」めを「成」す、そういう人材を育てようというのが、この「開成」という名前に込められた願いです。府立になった後はと言いますと、これがまた開成らしいところなんですが、この学校は昔から自由な学校で、窮屈なことが大嫌いだったんです。ですから窮屈な府立から、自由な私立に戻そうという動きがあって、それからずっと今まで、私立の学校として続いてきています。

柳沢幸雄先生

学校の入口

開成学園と言えば「ペンと剣」の校章が有名ですね。ここにはどんな秘密があるのでしょうか

校章についても、「自由は大事」だということが根底にあります。で、自由の中でもっとも基本的な自由は何かと言えば、「良心の自由」、つまり「思想信条の自由」なんです。どんな暴力にも、どんな圧政にも屈しない自由の象徴として、「ペンは剣よりも強し」という言葉を選んだのでしょう。
また、先ほどの「開物成務」と、この「ペンは剣よりも強し」と、実はもうひとつ、学校のキャッチフレーズになっているものがあるんです。それは「質実剛健」というものです。「いろいろな飾りを廃して、中身で勝負をしよう」というものですが、これも長らく、開成のキャッチフレーズになっています。

つまり、開成の基本的な精神は、「自由」です。そしてそれは、「質実剛健」という「物欲からの自由」と、「ペンは剣よりも強し」という「良心の自由」の2つから成り立っていて、この基本的な考え方のもとで、「開物成務」、すなわち生徒の素質を花開かせて、人としての務めを成す人間を育てることが、我々ができる、社会に対する最大の貢献だと考えています。
それからもう一つ、本校で大切にしている言葉に「自主自律」という言葉があります。これは、「開物成務」を達成するためには、欠かすことのできないものだと考えています。「自主自律」の精神に則って、生徒たちの自主性をうながしていけば、自ずと「自分は将来、○○になりたい」という思いが出てきます。その思いが芽生えたら、それからは、自分の人生をその方向に向けて設計していけば、ちゃんと実現できるんです。

校章

独自性の高いカリキュラムを展開しているそうですが、科目ごとの具体的な取り組みや、開成ならではの特徴的な部分があれば教えてください

この学校は学校教育法の「一条校」で、正規の教育課程を教えている学校ですから、学習指導要領の原則は守っています。ただ、どういう教材を使って教えるかという点に自由度が大きい学校です。もちろん、教科書はあるんですが、どういう教え方をして、どういう副教材や、材料を使って教えるかということは、すべて先生方に任せているんですね。ですから同じ内容を教えていたとしても、先生ごと、学年ごとに教え方も教材も違いますから、頭に残るものもだいぶ違ってくると思います。

本校は中学1年生の段階で7クラスありますが、「組主任」と呼んでいるクラス担任を7名と、「学年担当」と呼んでいる副担任に相当する教員を2名配置して、その9名で学年ごとのチームを作って、基本的な教育をまかなっています。英語、数学、国語、保健体育の4つの科目については、原則として6年間、教科担任は変わりません。
これはなぜかと言いますと、英語と数学と国語というのは、学問の種類として、積み重ねが必要な科目なので、どのような教材で教えてきたかを把握している先生が必要だからです。開成の先生というのは、自分流の知識の伝達法を生み出すというプレッシャーに耐えられないと務まらないわけです。教えるアイディアを自分で出して、生徒を引き付ける実力のある先生だけが務められるわけです。学校が教え方を指示するというのは基本的には無いですから、それぞれの先生が、実際に教室で生徒に相対した時に、もっとも良いと思うやり方で授業を行っています。それが本校の教育の特徴であり、伝統です。

 教育理念

中高一貫教育のメリットとは何でしょうか?

私は、中高一貫教育というのは、「人類が歴史的に十分に確認した教育法」だと思っているんです。というのは、今から500年前も今も変わらず、子どもは生まれてくる時、まったくの「無能力者」なわけです。それがどんどん成長していって、性的にも成熟して、大人になっていくわけですね。そのスピードは、500年前も今も、ほとんど変わりません。この500年間で、非常にきちんとした教育を行った学校はどういうところか、と見ていきますと、イギリスのイートン校であるとか、アメリカのフィリップス・アカデミーであるとか、日本の旧制中学などです。これらの学校では中高の段階を連続して教えているんです。ですからそれが、12、3歳から18歳くらいまでの子どもの成長段階を考えた時に、一番成長を促す教育システムであると考えているんです。
これが良い理由については、「子どもに教育を与える人が誰であるか」という視点から見れば、明らかになってきます。幼児期はもちろん「親」ですね。これが初等教育の間は、「親と先生」になります。ところが、中等教育、つまり中・高の6年間については、この時期が反抗期に当たりますから、親の寄与というのは減ってきます。では、その代わりは誰がやるかと言えば、「友達」なんです。当然、先生も教えるわけですが、生徒ひとりひとりの素質、好みを考えていくと、いろんな子がいるわけですから、そこでいちばん適した教育をしてくれる人、いちばん寄与する人は何かと言えば、「友達」と「先輩」なんです。今までは先生も親も、子どもにとっては選びようが無かったわけですが、「友達」と「先輩」については自分で選べるわけです。だから、そういう先輩と出会える、先生や親ではない人からものを教わる、という経験が、成長にとって重要な役割を果たしていると考えています。
その中でひとつ重要なのは、中高一貫校では、「先輩が後輩に優しい」ということが絶対に必要なんですね。なぜかと言えば、自分たちが後輩だった頃に、先輩に優しくしてもらえれば、自分が先輩になった時に「じゃあ、今度は自分がやってやろう」となるわけです。こうしてずっと、良い具合に回っていくんですね。もちろん、これは開成の良き伝統にもなっています。先輩は後輩を教えることによって、見違えるほど大人に成長します。

吹奏楽部

文化祭の様子

「男子校ならではのメリット」があれば教えてください

まず、中高の成長段階について考えると、男性よりも女性のほうが早いんです。身体の発達も、精神の発達もそうですね。そうすると、同じ年齢で輪切りにした場合、リーダーシップは全部女性が持っていってしまうことになります。だから私は、「今こそ男子校が必要だ」と思っているんです。 そもそも、いまの男の子の教育は誰が担っているのかと言えば、まず、家庭の中では「お母さん」ですよね。家で女性から学んで、学校では、同学年の女子生徒の補佐役に回る。これでは、男はどこでリーダーシップを身につければ良いのか、ということになります。ところが学校が男だけなら、誰かがリーダーにならざるを得ない。そこにリーダーシップを身に付ける機会が生まれるわけです。
それからもう一つは、学校内に女性がいなければ、友達同士で「恋敵」が生まれないですよね。そうすると、ここを出たOBは、大人になってもみんな仲が良いままなんです。恋愛においての「勝った負けた」というものが無いですから。これは実は、男子校の一番良いところなのかもしれないです。「卒業後のつながりが深い」という開成の特徴は、これによる部分も大きいのでしょう。 もちろん部活や、学内で行われるいろいろな行事も全部、学生が主体になっていますから、そこの中でいろんな楽しい思い出、ぶつかり合った思い出なんかがあって、それが卒業した後に、酒の肴になったりするわけです。

部活動や学校行事も生徒主体で実施されていて、そのことが教育面でも大きな役割を担っているということですが、詳しくお聞かせください

この学校には現在約2100人がいまして、そのうち、高校3年生は部活から引退しますから、約1700名が、何らかの部活に所属しています。本校の部活動は大概、活動日が「月水金」と「火木土」と2つの区分されていますから、兼部がたやすくできるわけですね。ですから、運動部と文化部を兼部している生徒も多いし、中には運動部を2つやっている生徒もいます。部活動は好きもの同士の集まり、つまり「同じ穴の狢(むじな)」なので、生徒の対立というのも、あまり無いんです。

一方で、学校行事についても本校は特徴的でして、これは大きく3つ、一つは学年旅行、もう一つは運動会、そして、文化祭なのですが、これらはすべて、生徒たちが企画しています。たとえば学年旅行であれば、「どこに行って何をするか」というのを全部自分たちで考えて、投票をして決めるわけです。
具体的に言えば、「旅行委員会」というものを作って、そのリードのもとで、学年旅行の運営をします。中2以降になると生徒たちがグループを作って、「ここに行きたい」という具合にプレゼンをするわけです。それで、学年の全員が投票をして、マジョリティが勝つという、つまり選挙ですね。こうした中で生徒たちは、「意見の相違があっても、それを何とかまとめ上げる」という、「合意形成」を経験するんです。そこが部活動とは大きく違うところです。部活動は合意した人が集まっているわけですから、合意形成がそもそも必要ないですね。でも旅行の場合は違うから、合意形成のために、民主主義の手続きを踏むわけです。

さらに、学校全体の行事として運動会と文化祭があるわけですが、こちらは中1から高3まで全部の学年を含めての委員会が立ち上がって、もっと大規模な合意形成を経験します。学校行事を成功させるということは、社会の中で行っている、「プロジェクト」の経験のようなものですね。締切があって、そこまでに1年間かけて積み上げていって、完成させる。そういう、期限のあるプロジェクトを経験することなんです。
こういった学校行事に関わる中で、学ぶことは色々あると思っています。自分が全体を引っ張るリーダーが適任なのか、あるいは、セクションのリーダーが良いのか。それとも、得意な分野でコツコツと仕事をするタイプが良いのか。それがだんだん、自分の中でもわかってくるんです。 中等教育において「大学に入る」ということが重要であるということは事実ですが、それが人生を決めるわけではありません。大学を卒業して自立した時に、ちゃんと生きられる力を付けてあげる。これが一番大切なことです。そのためには、こういった学生主体の活動というのは、非常に大事なことだと考えています。

図書館

修学旅行の様子

進学校にもかかわらず、多くの生徒が部活動や同好会に参加しているそうですが、これらの活動が与える学業への影響について、どう考えていらっしゃいますか?

私がいつも口を酸っぱくして言っているのが、「短い時間で勉強しろ」ということです。もちろん部活動は、本人が好きだから選んでいるわけで、楽しいわけです。それを最大限やるのはいいけれど、教室に行って、授業が分からないような状況には、絶対にしちゃだめだと言っています。部活に熱中するためには、自分流の効率的な勉強の仕方を身に付ける必要があるわけですね。敢えて忙しさに身を置くことで、これは自然と身についていくわけですから、部活と学業は決して相反するものではありません。
逆に、部活にも参加せず、長い時間勉強をしていい成績を取るタイプの生徒は、あとが伸びないんですよ。そういう勉強の仕方も確かにあるんです。でも、それで高校まで行っちゃうと、時間が足らず間に合わなくなるんです。だから伸びなくなっちゃう。それよりも短い時間で勉強をして、とりあえず、そこそこの成績が取れるような技術を身につけるほうが、高校に行った時に伸びるんです。 部活動と「ミニマムな学業」の両立というのは、ある意味強制的に、「時間をうまく組み合わせる」ということを経験させていることなので、これが開成生の底力につながっていくわけです。

東大への合格者数で注目されがちですが、何か特別な進路指導は行っているのでしょうか?

今年で35年間でしょうか、東大への合格者数は全国トップを守っているんですが、先ほど申し上げた通り、うちの教育は「自主・自律」なので、生徒の進路希望に合わせています。「東大に行きたい」と言ったらそのためのアドバイスをします。ですから、海外に行く生徒もいれば、芸大などに進む生徒もいます。何も全員が、東大を目指す生徒ばかりではありません。
生徒が「自分は○○になりたい」と言えるようにするまでが、我々の教育だと考えていますから、それを生徒が言い出したら、「じゃあ、そのためにこうしよう」という風に、適切な助言をしています。

面白いのは、先輩からいろいろなことを教わることでしょう。高校3年の5月の運動会が終わると、多くの高3生徒は坊主頭になって、一気に受験勉強を始めるんです。その頃髪の毛が長い生徒っていうのは、少数派ですね。運動会は高3から中1までが一つのチームになってやりますから、後輩たちも先輩たちと仲良くなるわけです。で、運動会が終わると先輩たちが坊主になって、一生懸命に受験勉強を始めて、志望校にスーっと受かっていくわけです。そういうのを見ていると、後輩たちは「あの先輩のようにすれば受かるんだ」と思い、「じゃあ、同じようにやって自分が受からないわけが無い」なんて思うわけです。その先輩がどうしていたかと言えば、運動会までの間は、部活も学校行事も夢中になってやっていたわけです。じゃあ、自分も夢中になってやればいいんじゃないかと。こういうことが毎年繰り返されているんです。
我々指導する側としても、運動会が終われば「運動会が終わったし、もうやり残したことは無いだろう。あとは勉強だけだ」という感じで、一気に発破をかけられるわけです。実はうちの高校2年生の全国模試なんて、結構ひどいものなんですよ。けれどもそれ以前に、時間のやりくりを、短い時間で勉強するということを経験しているから、火が付けばとにかく早い。それが開成生の強さでしょうね。

今後、高等部の新校舎の建設が予定されているそうですが、この計画について教えてください

これは本来5年後、2021(平成33)年に、150周年を迎えるということで計画されてきたもので、当初の計画ではもう着工しているはずだったんですが、東京オリンピックの関係で建築費が高騰してしまって、建築コストを眺めているという状況です。おそらく、2019年ぐらいからの着工になるでしょう。耐震の観点からすると、今の校舎でも十分ですが、今は教育の仕方も変わってきているわけです。ネットを使ったり、大人数や少人数の授業があったり、ビジュアルの機器を使ったり。そういうものにうまく対応するには、やはり今の校舎では手狭だということで、今よりも広々とした校舎にする予定です。

もう一つの目的は、体育や部活動への対応ですね。本校は体育や部活動が非常にさかんな学校ですが、その割には体育施設が狭小で、たとえば、硬式の野球部がグラウンドを使える時間は、週にわずか3時間しか無いんです。ということで、体育施設も大きく取る設計になっていますし、既存のグラウンドも人工芝化して、利用できる時間を増やしたいと思っています。また、文化系の部も活動しやすいよう、現状よりも会議室を増やしたりと、「これからの100年」を見据えた時に、今の施設では足りないな、ということを改善した新しい校舎を計画しています。

現校舎の外観

柳沢先生は開成のご出身で、日暮里エリアにもお詳しいと聞いていますが、この地域の今昔の変遷についてお聞かせください

実はこの「西日暮里」という駅は約40年前にできたばかりで、山手線でいちばん新しい駅なんですね。私が50年前に通っていた頃は、「田端」の駅で降りて歩いて来ていたんです。日暮里エリアというのは、山手の隅っこ、武蔵野台地のへりにあたる地域なんですね。言い換えてみれば、ここが「下町の始まり」の場所なんです。 実は、私がここの生徒だった頃には、在校生はほとんど近所の人ばかりだったんです。当時は千代田線も無かったし、遠くから来るにしても交通手段が無かったんです。いたとしても、大宮辺りから通ってくる人ぐらいでしたかね。昔は本当に、下町の雰囲気の街だったわけです。
学校がある地は一応「山手線」の内側なんだけれど、下町がすぐ隣だから、ほかの山手のイメージとはちょっと違っていると思います。新しい駅が出来てから、駅前についてはだいぶ開発されて変わりましたけど、今でも街全体の雰囲気としては、下町の風情がよく残っていると思います。温かい、人情のある街の風情ですね。 一方で開成に来る生徒については、交通が便利になったので、非常に遠くからも通ってくるようになりましたね。若干ではありますが、新幹線を使って通ってくる生徒もいます。

運動会の様子

小講堂

天体観測ドーム

開成学園が都心ではなく、西日暮里にあるメリットは何でしょうか?

先ほどもお話ししたとおり、ここは下町と山手の境界線ですから、「日本の文化」というものを非常に身近に感じられるんです。本校でも中学1年の授業の中で「谷中散策」という授業がありまして、生徒がグループを作って谷根千を歩くわけですが、地域の産業や地理、歴史などについて、学べるポイントというのは数知れず散らばっています。そんな形で、地域が勉強のフィールドになるという点は素晴らしいですね。もちろん、交通の便が近年飛躍的に良くなりましたから、どこからでも通いやすいという環境も整っていると思います。

最後に、日暮里エリアにこれから暮らしたいという方に向けて、メッセージをお願いします

この辺りはいろんな文教施設や公園などが、ちょうど歩いて行けるぐらいの距離に点在していますから、休みの日などいろいろ歩いてみると、発見がある街だと思います。上野の博物館や美術館の辺りも良いですし、「谷中霊園」にも、有名な方の墓所が沢山あります。「根津神社」も素晴らしい神社ですし、足を伸ばして「飛鳥山公園」や「六義園」辺りに行くのも良いでしょう。散歩のし甲斐がある街ですね。日曜日などはとても静かなので、それも暮らす方にとっては、大きな魅力だと思います。

運動会の様子

学園生活の様子

今回、話を聞いた人

学校法人開成学園

校長 柳沢幸雄先生

開成中学校・高等学校 インタビュー
所在地:東京都荒川区西日暮里4-2-4 
電話番号:03-3822-0741
https://kaiseigakuen.jp/

「The CAFE」インタビュー

「The CAFE」インタビュー/The CAFE 富安祥さん


町田で半世紀近くも営業した喫茶店「プリンス」。リノベーションを経て、その場所に「The CAFE」がオープンしたのは2014(平成26)年のことだ。“カフェと喫茶店の融合”をテーマに、それぞれの良さを採り入れた店を目指しており、地域に根ざし、誰からも愛される店として着実にファンを増やしている。今回はそんな「The CAFE」の店舗責任者の富安さんにお店の概要や地域の魅力についてお話を伺った。

名店の想いを引き継いで

シックな雰囲気の店内

――1958(昭和33)に創業した喫茶店「プリンス」があった場所にオープンされたそうですね。

富安さん:半世紀近い歴史を重ねてきた「プリンス」は、町田で有名な喫茶店でした。その存在の大きさは、閉店が決まったときに数多くのメディアで報道されたことからも窺えると思います。観葉植物の緑色と、いたるところに配されたオブジェが醸し出す独特な雰囲気は、「プリンス」だけのものでした。その「プリンス」が閉店することを聞いた当グループの代表が、ここに喫茶店があったことを伝えるべく、建物をリノベーションして新たにカフェという業態で「The CAFE」をオープンさせたのです。

落ち着いた外観

――「プリンス」から受け継いだものはありますか?

富安さん:内装もレシピも、そのままの形で継承したものはありませんが、この街に根ざし、各世代の憩いの場でありたいという想いは変わっていません。“カフェと喫茶店の融合”を掲げ、ホットドッグやモーニングなど、一般的なカフェではあまり見られないメニューもあります。若い方だけでなく、年配の方でも落ち着けるような店づくりを日々追求しています。

こだわりの一杯を提供する

こだわりの抽出方法で淹れいている

――コーヒーは、3種類の抽出方法で提供しているそうですね。

富安さん:その3種類というのはドリップ、エスプレッソ、水出しです。8時間を掛けてゆっくりと抽出する水出しは限定20杯。氷はコーヒーで作られているため、氷が解けて薄まってしまうことはありません。ニュージーランド老舗ロースターでは一般的な「Allpress Espresso」のコーヒー豆を使用し、こだわりの一杯を提供しています。

こだわりの一杯を提供

――ドリンク以外で、人気のあるメニューを教えてください。

富安さん:提携している海老名の養鶏場から届けられる卵を使用したパンケーキは、ぜひとも試していただきたい自慢の逸品です。注文をいただいてから焼き上げていくので20分ほど掛かりますが、それだけ待ってでも試していただく価値はあります。それ以外のデザートについても、自社パティスリーでパティシエがつくったものを提供。ちなみにパウンドケーキは、町田市の名産品にも選ばれました。

丁寧なサービスを心掛けている

――サービスや店内の雰囲気づくりに関して、心がけていることはありますか?

富安さん:サービスについては、お客様の来店された理由や目的、つまりバックグラウンド(背景)を読み取ることが大切と考えています。左利きということが分かっている常連の方がいらした場合、カップの取手が左右逆になることを踏まえてラテアートを描くこともしています。

居心地の良い空間を作り出す

――どのようなシーンでの利用がおすすめですか?

富安さん:町田に住んでいる方はもちろん、ショッピングなどでいらしていた方。1人でも2人でも、どのようなシーンでも満足していただける空間だと思います。特に用がない場合でも、“何となく行こうかな”と思ってもらえるような存在でありたいですね。

いつでも訪ねたくなる場所へ

定期的なイベントも行われる

――店内でイベントを開かれることもあるそうですね。

富安さん:毎月最終金曜日は「ミュージックデイ」ということで、ジャンルは決まっていませんがジャズやレゲエなど店内の雰囲気に合ったライブイベントを開催しています。町田出身だったり、町田を拠点に活躍しているアーティストに来ていただくこともあります。人と人とが繋がり、そこからさらに大きな輪になっていくことを期待しています。

――町田の魅力について聞かせてください。

富安さん:「町田」駅周辺には専門学校が多く、小田急線沿線には大学もあります。画材店があったりライブハウスが点在していたり、歩くと文化的な雰囲気が感じられる街です。少し歩くと閑寂とした「芹ヶ谷公園」や「国際版画美術館」もあります。これだけ魅力のある街ですから、これまで以上に注目され、より多くのアーティストが活動する街になってほしいですね。

 

The CAFE

店舗責任者 富安祥さん
所在地 :東京都町田市原町田6-10-17
TEL:042-860-6446
URL:http://www.thecafe-machida.com/
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

「The CAFE」インタビュー/The CAFE 富安祥さん
所在地:東京都町田市原町田6-10-17 
電話番号:042-860-6446
営業時間:8:30~23:00(L.O.22:30)
https://www.thecafe-machida.com/

スペシャルインタビュー

スペシャルインタビュー/相模原市立鹿島台小学校 宮内裕之先生


「相模原市立鹿島台小学校」は小田急線「町田」駅と「相模大野」駅の中ほどに位置する高台の小学校だ。豊かな心を育む縦割り活動、問題解決的な学習や体験学習を生かした授業づくりなどに加え、市内きっての穏やかな校風が保護者から高い評価を集めている。相模原市で37年余りにわたって小学校教育に携わり、昨年同校へ校長として赴任された宮内裕之先生に、学校の特色や地域の魅力についてお話を伺った。

力を引き出す縦割りグループ活動

―まずは学校の沿革・概要についてお聞かせください

宮内校長:本校は1973(昭和48)年に開校しました。1学年平均3クラス、全校生徒507名(2016年4月現在)の中規模校です。立地条件に恵まれ、町田駅から10分、相模大野駅からも歩いて20分ほど。もともと農家が多かった地域なので、周辺は宅地開発が進んだ今も落ち着いた環境です。
ここは上鶴間本町で、鹿島台という地名はこの辺にありません。地主の方たちから土地を提供してもらって学校を作った時に、近くに「鹿島神社」があることから、地域の方たちが「鹿島台小学校」と名付けてくれました。

鹿島台小学校外観

―“なかよし遊び”とはどのような活動ですか?

宮内校長:本校では年間を通して、日頃から縦割りグループによる交流の時間を大切にしています。“なかよし遊び”はそうした活動のひとつです。週1回、約45分の長い昼休みに、1~6学年まで約20人の縦割りグループに分かれて、ドッジボールや鬼ごっこといった身体を使う遊びやゲームなどの室内遊びをします。先日はサングラスをかけた先生が鬼になり、全校を挙げての鬼ごっこ大会で盛り上がりました。
高学年は、縦割りグループの中で集団のリーダーになると、低学年の子の面倒をよく見てくれるなど、教室の中で音楽が得意な子、算数が得意な子という観点で見えていたのとはまた違った面が見えてきます。そして担任が「ありがとう」といった声掛けをすることで、「力を発揮できた」という自己肯定感や達成感、「人の役に立っているんだ」という自己有用感を持てるようになります。一方、低学年の子たちも兄弟グループのお兄ちゃん・お姉ちゃんにすごく甘えます。足にしがみついたり、同じ学年集団の中では見せないような顔を見せるので、とてもほほえましいです。

1年生を迎える会の様子を伝える掲示物

―そのほか、力を入れている取り組みについて教えてください

宮内校長:1学期の運動会、2学期のなかよしコンサート、3学期のチャレンジ発表会には、毎年力を入れています。運動会は縦割りの3色対抗で、6年生がリーダーになって、自分のチームを盛り上げていきます。そして運動会が終わってひと段落すると、さきほどの“なかよし遊び”が始まります。
なかよしコンサートは、1日目が子どもたち同士の発表会、2日目が保護者を招いての参観日で、2日がかりで行います。毎回大勢の保護者が来てくださって、とても盛り上がります。

なかよしコンサートの様子

チャレンジ発表会は、総合的な学習の時間で1年間かけて自分たちが調べてきたことを、保護者に向けて発表します。子どもたちもお互いの発表を聞き合い、例えば5年生の米作りについての発表を、4年生が、来年自分たちが何を学ぶのかと聞きにくる。そうやって学びをつないでいきます。1年生だと、「家でお母さんの手伝いをして洗濯を覚えました」と洗面器に靴下を入れて洗うのを実践する子がいるなど、見ていてとても面白いです。4年生は大豆作り。地域の方から畑を借りて、農家の指導を受けながら、相模原特産の津久井大豆を育てて収穫します。最終的に一人一樽で味噌作りまでやるので、お家の方にも喜ばれていますね。

思い出を絵に。子どもたちにとって各行事が印象に残っていることが伝わってくる

―鹿島台小ならではの特色はどんなことですか?

宮内校長:学校らしい学校だなと思っています。住宅街にありながら、校庭もそれなりの広さがありますし、何より敷地内の自然が豊か。“鹿島の森”といわれるほど、たくさんの樹木があります。校庭の周りには地域の方が寄付してくれ、苗木から育てた桜の木がたくさん植えられていますよ。市内でも有数の自然豊かな学校なので、子どもたちが自然観察するにも、校内にいながら四季の変化が読み取れるほどです。

校内にはたくさんの樹木が茂る。中庭には菜園も。

多彩な学校ボランティアが活躍

―保護者や地域との連携について教えてください

宮内校長:本校は保護者、PTA、地域とのつながりがすごく強い学校です。そこで今年度は“鹿島の森”にかけて、子どもたちを見守ってくれる保護者や地域を「かしまのもり」と称して、学校経営プランを作成しました。
学校ボランティアさんの協力は、こんなに熱心な学校があるのかと感心するぐらい盛んです。内容も、低学年水泳、運動会練習、家庭科、校外学習、音楽・琴、書道、そろばん、環境整備、クラブ活動、図書などたくさんのボランティアがあります。年度当初に説明会を開いて、その後必要に応じて各ボランティアを募集しますが、いつもかなりの数の保護者が協力してくださって非常に助かっています。校外学習で1年生が「まちたんけん」をする際には、安全面での配慮が必要なポイントごとに立って見守ってくださるなど、教員の指導とは別の部分でしっかりと見てくれます。

図書室

PTAも非常に熱心です。教員や子どもたちだけではとても間に合わないので、秋の親子清掃では校庭の周りに溜まった落ち葉をきれいに掃除してくれて大助かりです。PTA主催の「鹿島ふれあい祭り」では、バザーや遊びのコーナーで子どもたちを楽しませてくれます。学校が任せればすべてやってくださるので、すごくありがたいです。また、PTA発行の会報誌は、市の優良賞をもらったほどの出来栄え。デザイン事務所を入れ、取材や写真撮影はすべて自分たちで行うなど本格的です。

鹿島ふれあい祭りの掲示

―人気の小学校との評判を伺っていますが、その理由は何だとお考えになりますか?

宮内校長:学区の特色として、しっかりしたご家庭に支えられた落ち着いた学校であるということが大きな理由ではないでしょうか。子どもたちを見ると、すごく愛されていることがよくわかります。あいさつや言葉遣いなどしつけがしっかりできていますし、きちんと場をわきまえて態度にそれを表出できる子どもが多い。学校だけの努力だけではなく、子どもの居場所が家庭でしっかり保たれているからこそ、子どもたちが安定しているんです。いい子どもたちがのびやかに育っているからこその、いい学校だと思います。
よそからマンションに引っ越してきたという子どもも増えてきましたが、自治会の加入率が高く、お祭りなど地域行事に参加する方たちが多いような土地柄なので、そういう点からもしっかりしたご家庭が多いと言えます。

利便性がよく子育て世帯にやさしい落ち着いた環境

子どもたちが普段学んでいる教室の風景

―学校周辺の街の魅力や、子育て環境の魅力について教えてください

宮内校長:町田と相模大野の繁華街や商業施設まで徒歩圏内なので、買い物には不自由しません。古淵の2大スーパーマーケットには車で5分で行けるし、ちょっとした買い物なら近くのコンビニエンスストアで済ませられます。買いたいものが目的に応じて近場で購入できるエリアです。交通の便もよく、都心に通勤している保護者も多いですよ。文化鑑賞に浸ろうと思えば、「相模大野女子大学グリーンホール」でさまざまな芸術関係の催しを見ることができ、文化的にも恵まれています。
利便性がいいのに、自然や昔ながらの農家も残っていて、バランスがとれた地域。相模原の田園調布といっていいぐらい、落ち着いた環境です。ちょっと行くと境川の親水公園があって、子どもを連れて行くにもいい。水遊びやザリガニ獲りをするのにぴったりの場所です。さらに、相模原市は待機児童が2年連続ゼロ。市の施策で保育所が増えているので、子育てしやすい環境ではないでしょうか。小さなお子さんを遊ばせるのに手ごろな大きさの公園も、たくさんあります。子育て世帯の方はもちろんのこと、住むには本当にいいところだと思いますよ。

学校前、落ち着いた住宅街が広がっている

鹿島台小学校 宮内裕之校長先生

相模原市立鹿島台小学校
校長 宮内裕之 先生

所在地 :神奈川県相模原市南区上鶴間本町1-9-1
TEL:042-745-7193
URL:http://www.sagamihara-kashimadai-e.ed.jp/
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

スペシャルインタビュー/相模原市立鹿島台小学校 宮内裕之先生
所在地:神奈川県相模原市南区上鶴間本町1-9-1 
電話番号:042-745-7193
http://www.sagamihara-kashimadai-e.ed.jp..

国分寺市ひかり児童館 平尾純子館長 インタビュー 

国分寺市ひかり児童館 平尾純子館長 インタビュー/国分寺市ひかり児童館 平尾純子館長


JR中央線で「新宿」駅から約30分の距離にある「国立」駅。複数の教育機関が立地する文教地区として教育面にも力を入れているエリアであり、暮らしに穏やかさを与えてくれる豊かな自然も多く残されている。今回は、「国立」駅北側の国分寺市光町エリアにある、「国分寺市ひかり児童館」を訪れ、施設の魅力や、この街の住環境などについてお話を伺った。

文教地区の児童館で子どもたちの成長を見守る

「国分寺市ひかり児童館」

――まずは、児童館の概要をお聞かせください。

平尾館長:児童館ができたのは20年くらい前ですが、私ども「特定非営利活動法人ワーカーズコープ」が運営するようになったのは5年前からです。学童と併設になっているので、児童館の職員は5名ですが全体で16名の職員が働いています。児童館は0歳から17歳まで利用することができるのですが、就学前のお子さんは保護者の方同伴で来ていただくことになっています。

0~17歳までの子どもなら誰でも利用できる

――児童館にはどのような方が来館されますか。

平尾館長:お子さんや、お子さんをお持ちのお母さん方が多いですね。来館者数は日によって違いますが、学童のお子さん(登録78名)とそれ以外のお子さんを合わせると、だいたい1日に120人から130人ほどの来館者がおり、授業が早く終わった日や行事などを開催する時にはもっと多くの方がいらっしゃいます。また、児童館の隣に「家庭支援センター」という施設があるのですが、そちらを利用される方が多くて、実は児童館のことを知らない方もいらっしゃるんですね。でもいろいろなイベントを行うようになったり、支援センターでも児童館のことを宣伝してくださったりしているので、児童館まで遊びに来てくださる方も増えました。

「ひかり児童館」館内 

平尾館長:職員も、性別、年齢の違う様々な職員がおり、いろんなことを話しやすいかと思いますので、気軽にお越し頂ければと思います。中にはお子さんのことで一杯一杯になってしまっているお母さんもいらっしゃいますが、職員が「そんなに頑張らなくてもいいんですよ」といったアドバイスをしているうちに、ご本人の表情も明るくなってきて、お友達もできて、今度はお友達になった幼稚園のグループで児童館を利用してくださったり…なんてこともありました。そういう風にお母さんが変わっていく様子を見ていると、やっぱり私たちも嬉しくなりますね。

卓球台などの備品もそろっている

平尾館長:小さい頃から長年利用してくれているお子さんもいて、高校生になっても、たまに卓球をしに来てくれたりします。違う世代の子と一緒に遊んだり、偶然来ているお子さん同士で遊んだりすることも多いです。一方、普段来ていなくても、イベントだけ参加しに来るお子さんもいます。この場所に小学生、中学生、高校生と様々な年齢のお子さんが遊びに来て、交流し合えるのがいいなと感じますね。

地域の方が参加できるイベントも多数開催

「ひかりごはんフェス」の様子

――児童館の特徴的な取り組みについて教えてください。

平尾館長:2016年(平成28)年5月から、「ひかりごはんフェス」というイベントを毎月1回行っています。これは、子どもたちのために豊かな食材を使って昼ご飯を作ったり、地下ホールでピアノコンサートを行ったりするイベントです。最近のお子さんは親からお金をもらって好きなものを買って食べることが多く、コンビニでお菓子やジュースを買ってお昼ごはんを済ませてしまったりするんですね。そういった現状を見て少し心配になりまして、地域の農家さんにお願いしてお昼ご飯を作るという取り組みを始めたんです。

幼児は無料で、ピアノコンサートなども行いますので、親子連れでそろって来ていただいたりしています。開催のたびに来館者も増えていっていますし、プレゼントなんかも用意しているので喜んでいただけているかと思います。

「ひかりごはんフェス」ではピアノコンサートなどの企画もあわせて行われる

平尾館長:ピアノコンサートについては、プライベートでもコンサートを開催している職員にお願いをして開催してもらっています。時にはスペシャルゲストとして、ゴスペル歌手やミュージカル経験者を呼んで行ったりもしています。こちらも毎月1回、定期的に開催していきたいと思っています。

その他には、10月に「わいわいまつり」というイベントを行っています。当日は800名以上の地域の方が遊びに来てくださり、子どもたちがお店を出したり、保護者の方が飲食店を出してくださったりします。「公民館まつり」も一緒に開催するので、この地域では一番大きなお祭りとなっています。

公民館、図書館、児童館が同じ建物内に

――建物内の他施設と共同で企画を行うこともあるのでしょうか。

平尾館長:先ほどお話した「わいわいまつり」が一番の共同企画です。毎月「三館会議」といって図書館、公民館、児童館の三館で会議を行っています。やはりこういった公共施設はこの地域の方が主に利用されるので、地域の子どもたちをどのように見守っていこうかという話し合いなども行っています。「三館会議」の回を重ねるごとに、それぞれの関係が緊密になり、良い連携が取れてきていると感じています。

それから、イベントに来ていただくゲストの方を他施設から紹介していただくことなどもあり、そういった部分でもお互いが近い場所にあることのメリットを感じますね。

「ひかり児童館」館内

――地域の皆さまと一緒に取り組んでいることはありますか。

平尾館長:民生委員の方や学童の保護者会の方々に集まっていただき、お祭りのことや地域、児童館のことを話し合う「わいわいのつどい」を年に3回行っています。そこでは参加者の皆さんからご意見をいただいたり、こちらから児童館についてのお話しをさせていただいたりしているのですが、いつもとても参考になっています。

その他にも、市の防災安全課の提案で防災のことをゲーム形式で教える「カエルキャラバン」というイベントを児童館で行っています。また、私たちが近隣の学校の運動会や公開授業を見に行くなどして、子どもたちについて周辺の教育機関と情報共有をしています。

豊かな自然と文化が息づく、子育てに最適な街

「都立武蔵国分寺公園」

――国分寺光町エリアの魅力や子育て環境の魅力について教えてください。

平尾館長:私自身は大阪出身で、こちらに引っ越して子どもを育てたのですが、子育てにはすごくいい環境だなと思います。ちょっと行けば都心にも出られるちょうどいい距離感の場所です。国分寺には自然もあって、子どもたちにはとてもいい環境ですね。それから生活レベルの高い方が多く、都心までお仕事に出られているお母さん方がたくさんいらっしゃいますね。近隣の小中学校なども評判がいいですし、教育意識の高い方が多い場所だと思います。

国分寺市ひかり児童館

国分寺市ひかり児童館

館長 平尾 純子さん
所在地 :東京都国分寺市光町3-13-19
TEL :042-576-2581
URL:http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shisetsu/kosodate/jidoukan/1004139.html
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

国分寺市ひかり児童館 平尾純子館長 インタビュー/国分寺市ひかり児童館 平尾純子館長
所在地:東京都国分寺市光町3-13-19 
電話番号:042-576-2581
開館時間:10:00~19:00
休館日:日曜日、祝日、第4月曜日、年末年始(12/28~1/3)
https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shis..

スペシャルインタビュー

スペシャルインタビュー/ハーモス荏田フットボールクラブ 角谷佳英さん


「横浜市立荏田西小学校」のグラウンドと、「江田」駅近くの「青葉台スポーツセンター」を拠点に活動している、子どものためのサッカークラブ「ハーモス荏田フットボールクラブ」。こちらは横浜市各区を中心に、神奈川、東京、埼玉と広いエリアに幾つもの子ども専門サッカークラブを持つNPO法人「セイントフットサッカークラブ」が運営している。
「ハーモス荏田フットボールクラブ」は、青葉区内に4つあるセイントフットのクラブの一つで、小さな子は2歳から、大きな子は小学6年生まで、現在およそ90名ほどのメンバーが所属している。今回は練習時間に伺い、コーチを務める角谷佳英さんにお話をうかがった。

幼稚園クラスと小学生クラスの集合写真

一人でも多くの子が「サッカーが大好き!」と思えるように

――まず、チームの沿革と活動内容、目指している目標について教えてください。

ハーモス荏田は今から13、4年前に立ち上がったクラブで、2、3歳児から、上は12歳の小学校6年生までのメンバーで活動しています。サッカーの普及を一番に考えていて、一人でも多くの子どもたちに、サッカーって楽しい、サッカーが大好き、サッカーをずっと続けていきたい、と思ってもらえるよう、常に心がけています。活動日は毎週水曜日と土曜日です。土曜日は「荏田西小学校」で活動しています。

幼児クラス、「青葉スポーツプラザ」での練習風景

――どのような子どもたちが所属しているのでしょうか?

2、3歳児のクラス、幼稚園(年中・年長)のクラス、小学生のクラスと、年齢によって状況は違ってきますが、小学生のクラスに関しては、7・8割方が「荏田西小学校」の子どもたちです。そのほかの子は、隣の「荏田小学校」や、都筑区や青葉区の小学校から通ってきています。自転車で通えるような、近隣の子がほとんどです。
小さな子については、保護者の方が車で連れて来られる場合も多いですから、青葉区の全域と、都筑区の青葉区に接している辺りからも参加しています。
それぞれ友達伝いに興味を持ってくれる子が多いですね。兄弟がいるご家庭も多いので、お兄ちゃんがやっているから弟も入るなど、そういった例もあります。

幼児クラスの子どもたち

子どもたちが向上心をもち、夢中になれる工夫

――普段の練習以外でレベルアップを目指す「ファンタジスタ」「トレーニングセンター」について教えてください。

日本サッカー協会が出している「ファンタジスタ検定」というものがあります。それに準拠して、年に4回の検定を行っているものです。たとえば、ボールを落とさずリフティングをしたり、フェイントをしたり、そういった技術的な部分の検定試験になります。基本的にクラブ内の検定で、外部の子は参加できないのですが、将来的には、ほかのチームの子でも参加できるようにしたいと思っています。

普段の練習でも基礎練習はしっかり

「トレーニングセンター」というのは、私達セイントフットが支援している幾つかのクラブの中で、小学3年生から6年生を対象にして、意欲の強い子、レベルの高い子などを、コーチ推薦のもとで選出して、一堂に集めて練習をするというものです。ただ単に個人のレベルアップを図るだけではなく、レベルアップした子が各クラブに技術や知識を持ち帰ることで、チーム全体に還元していこうという目的で行っています。

――子どもたちがサッカーを楽しむために、大切にしていることや方針はありますか?

私達は「どうやったら子どもたちが本当に楽しめるのか」ということを、常に一番大事に考えています。その中でも3つ、「達成感をもたせること」、「コミュニケーションを取ること」、「競い合わせること」ということを大事にしています。
大人でも子どもでも同じだと思いますが、何かを達成していけば、もっともっとと向上心が湧くものです。ですから小さな達成感でもいいので、日々の練習で達成感を感じてもえるよう、工夫をしています。

上手にできたら、一緒に喜ぶ

「コミュニケーション」については、やはり通っている子たちの中には、お父さんお母さんに「スポーツをやってもらいたいから」という理由で、「連れて来られている」という子も多からずいます。そういった子たちも一緒に楽しむためには、楽しい空間が必要だと思うんです。
たとえば、「この大人と一緒にいたら楽しいな」とか、子ども同士でも、「この子がいるから行きたいな」とか、そういった部分がモチベーションになっていくと思うので、話す機会、触れ合う機会、チームでまとまる機会といったものを大事にしています。

練習中の何気ないコミュニケーションも楽しむ

「競い合い」については、練習を通して、年齢が下がれば下がるほど、実は競い合いが好きなんじゃないかな、と感じる部分があるんです。何かが懸かっていなくても、ちょっとした勝負でも、勝てばすごく喜ぶ。そういったことの積み重ねが、「楽しい」の気持ちにつながっていくと思いながら、「競う」という機会も多く持つようにしています。

競い合うことが達成感にもつながる

――普段の練習以外に、大会やイベント等はありますか?

大会に関しては、セイントフットが主催している「チャイルドサッカーフェスティバル」という大会が年に1回あります。学年ごとに試合があり、小学生が年間に6回、幼稚園の大会が1回、ということで参加しています。それとはまた別に、神奈川県のサッカー協会が主催する大会もありまして、ここには年長さんが参加しています。
小学生についてはこのほか、セイントフット主催の「オーシャンズリーグ」というものがあります。これは横浜市、川崎市を中心とした年間を通してのリーグ戦でして、3年生以上のチームが参加しています。

試合以外のイベントとしては、懇親会など親睦を深める会であったり、卒業生する子については、卒業お別れ試合のようなものもやっています。それから、自由参加の合宿も年に何回かありまして、そういった時には、練習はもちろんやりますけれども、いちご狩りを楽しんだり、水族館や動物園に行ったりという、お楽しみのイベントも組み合わせています。

――チームの自慢、特色についてお聞かせください。

さきほども申し上げたとおり、「サッカーを好きになってもらう、楽しんでもらう」という点を一番に考えていますので、運動が苦手という子でも、もちろん女の子でも、サッカーを始めたばかりの子でも、サッカーを楽しめるように工夫をしています。そこが、このチームの特徴だと思います。
中にはやはり、ほかのチームと掛け持ちで所属している子もいるんですが、そういった子たちの中でも、「ここのチームでもずっと続けていきたい」という子が多くて、それはなぜかと言えば、やっぱり、このチームで過ごす中で、コーチや仲間がサッカーの楽しさを教えてくれたという部分があるのかと思います。

始めたばかりの小さな子も、女の子も、みんな夢中になって楽しめる

――普段の練習で子どもたちの成長を感じることや、具体的なエピソードはありますか?

うちには運動が苦手な子や、サッカーを始めたばかりという子が、けっこう来るんですね。そういった子たちが、最初からモチベーションも高くサッカーをやるかと言えば、当然、そうでもありません。
ただそんな子たちも、試合であったり、合宿であったり、普段の練習であったり、ある一つの瞬間を通じて、本当にスイッチが入ったかのように表情が変わって、熱心に練習に打ち込んでいくことがあるんです。そういう姿や、実際に上達している姿を見ると、「成長したなあ」と感じますね。

ふとした瞬間に見える真剣な表情

――保護者の方との関わりについて教えてください。

小学生とキッズとでは異なる面もありますが、小学生で言えば、父兄の方が「ぐりーんかあど」という登録制の審判に参加していただいたり、リーグ戦の時などに何かと協力していただいています。たとえばグラウンドに線を引いてくれたり、机や椅子を用意してくれたり、といったものですね。そういった部分も含めて、コーチと子ども、保護者が一体となって、試合や大会に臨んでいるという部分はあるかと思います。

キッズ(幼稚園)や未就園児のクラスですと、大きな大会は無いのですが、本当に、子どもたちがサッカーを楽しむ姿を見守っていただいて、普段、ご自宅ではどういう感じなのか、といったような事を、練習の合間や前後に話をして、より成長をしていけるような指導につなげられるようにしています。

子どもたちの練習の様子を見守る保護者の方々

子育てに適した環境が揃う

――この荏田西エリアの魅力についてお聞かせください。

公園や、この練習場のような運動ができる施設があちこちにあったり、そういった部分で、スポーツを思いっきり楽しめる環境がある地域だと思います。もちろんそれだけではなくて、勉強もできる環境があったり、立派な図書館があったり。子どもを育てるにはいい環境だと思います。

――最後に、これからここに住みたいという家族の方に、メッセージやアピールをお願いします。

私たちは2、3歳の、本当に歩き始めたばかりの子たちから小学生までに、一貫して指導できるというクラブです。こういったクラブは、実際に探してみるとなかなか無いんではないかと思います。
「どんな子にもサッカーを好きになってもらいたい」という思いを持ちながら、長い目で見た指導をしていますので、ぜひ一度、見に来ていただければと思います。

「ハーモス荏田フットボールクラブ 角谷佳英さん

ハーモス荏田フットボールクラブ

コーチ:角谷佳英さん
TEL:045-383-7500
URL:http://www.npo-sfsc.com/?act=club&cid=2
※記事内容は2017(平成29)年2月時点の情報です

スペシャルインタビュー/ハーモス荏田フットボールクラブ 角谷佳英さん
所在地:神奈川県横浜市青葉区荏田西 
電話番号:045-383-7500
活動日:水、土曜日
http://www.npo-sfsc.com/?act=club&cid=2

「くにたち郷土文化館」荒井敏行館長 インタビュー

「くにたち郷土文化館」荒井敏行館長 インタビュー/くにたち郷土文化館 荒井敏行館長


JR南武線「矢川」駅から徒歩10分の距離に「くにたち郷土文化館」はある。国立市の歴史や自然、文化を学べる施設で、次代の人々に継承するという役割も担っている。今回、「くにたち郷土文化館」の荒井敏行館長へお話を伺った。

「くにたち郷土文化館」の存在意義

「くにたち郷土文化館」入口

――「くにたち郷土文化館」の沿革・概要について聞かせてください。

荒井館長:当館は、1994(平成6)年に開館しました。施設の8割が地中にあり、その特殊性などから開館当初はたくさんの視察がありました。博物館には「登録博物館」、「博物館相当施設」、「博物館類似施設」の3つがあり、当館は「博物館類似施設」に含まれます。一般的な会話で使われる“博物館”の多くは「登録博物館」ですが、ただ、どちらが優れているかという話ではありません。法的な制約が少ない「博物館類似施設」であることで、当館は自主性を保つことができているのです。

国立市の歴史を学ぶことができる

当館は、愛好会やサークルに研修室、講堂、陶芸用電気窯などを有料で提供しています。厳密な規定はありませんが、“社会教育”であればその内容は問いませんし、さらに市内在住でなくても利用可能。“市内在住者に限る”という文言を入れなくていいのは、規制の少ない「博物館類似施設」であることと大きく関係しています。

荒井敏行館長

――常設展示に関して、特に矢川・谷保エリアに関係したものを教えてください。

荒井館長:国立市のイメージを問われたら、北部のJR「国立」駅周辺や「一橋大学」を挙げる方は多いと思います。しかし、古くから人々の暮らしがあったのは南部、つまり矢川・谷保を中心とした地域です。国立市には3つの段丘があり、その段差になっている部分はハケと呼ばれ、湧水があったことから縄文時代の遺跡も見つかっています。国立市の歴史を語るときハケに触れないわけにはいきません。常設展示でも古くから人々の暮らしを支えてきたハケをテーマに、貝の化石などの資料とともに分かりやすく展示しています。

東京の名湧水にも選ばれている「ママ下湧水」

それ以外では、“国立市の自然”をテーマにした「自然ゾーン」、旧石器時代から近世・近代までを扱った「歴史ゾーン」、“人と人とのつながり”に主眼を置いた「暮らしゾーン」のほかに、“新しいまちづくり”に関する展示・解説をしている「都市ゾーン」と、「南養寺遺跡」から発掘された縄文時代中期末の住居跡を復元した「屋外展示」があります。

館内の歴史ゾーン

地域を知ることの魅力

――自然・歴史に親しめるイベントなどはありますか?

荒井館長:NPO国立市動物調査会「くにたち自然クラブ」が主体となり、子どもたちに街を知ってもらうための活動をしています。近くの用水路で魚を探したり、クワガタの幼虫を探しに出かけたこともあります。子どもだけでなく親御さんにも好評で、定員を超える応募をいただきました。ほかにも、地域の方々とさまざまなイベントを開催しています。子どもたちが楽しめるイベントも多くありますよ。

くにたちの歴史などが学べる「くにたちカルタ」で遊ぶ子どもたち

また、昭和50年代から地域の古老に話を聞いて、人々の暮らしについて記録してきた「くにたちの暮らしを記録する会」も、これまでの成果として次世代に伝える活動をしています。

「国立市古民家」

――「国立市古民家」についても聞かせていただけますか?

荒井館長:もともと甲州街道沿いにあった農家で、1985(昭和60)年に所有者から国立市に寄贈されました。その6年後となる1991(平成3)年に「城山公園」の南側に移築・復元。ここでは当館の事業として、伝統文化や伝統行事を伝える授業もしています。

光が差しこみ明るい館内

――これからの矢川・谷保エリアについて、期待していることはありますか?

荒井館長:それぞれ成り立ちが異なるため、JR南武線を堺に南と北とで大きく雰囲気が変わる国立市。そのことが街に奥行きをもたらし、面白さに繋がっているとも言えますが、双方が理解を深めていけば、さらに良い街になるのではないかなと。自分たちの住んでいる街を知り、それによって視野を広げることができれば、物事の見方も変わるだけでなく、住んでいる街への愛着も大きくなるではないかなと思います。

 

荒井敏行館長

くにたち郷土文化館

荒井敏行館長さん
所在地 :東京都国立市谷保6231
TEL:042-576-0211
URL:http://www.kuzaidan.com/province/

※2016(平成28)年6月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

「くにたち郷土文化館」荒井敏行館長 インタビュー/くにたち郷土文化館 荒井敏行館長
所在地:東京都国立市谷保6231 
電話番号:042-576-0211
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:第2・第4木曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)、国立市教育委員会が定める日
https://kuzaidan.or.jp/province/

えほんのがっこうインタビュー

えほんのがっこうインタビュー/えほんのがっこう 中村亮介さん


練馬区関町にある「えほんのがっこう」は、絵本の買取、販売を行う絵本専門のリサイクルショップ。店内には、長年子どもたちに愛されている名作からあまり知られていない作品まで、豊富な絵本がずらり並んでいます。椅子が用意されていて、ゆっくりと読んでから選ぶことができるのもの大きな魅力のひとつです。また、店舗内のスペースを活用して、子どもたちの多様な興味に応えるイベントなども開いています。今回は、そんな「えほんのがっこう」について代表兼“校長”の中村亮介さんに詳しくお話を伺いました。

子どもが落ち着いて本を選べる古本屋を作りたい

――中村さんが「えほんのがっこう」を開いたきっかけについて教えてください。

中村さん:私は元々古本屋を回るのが好きでした。そのなかで気が付いたのは、古本屋の一角に絵本が置いてあったり、絵本専門の古本屋もありますが、大体店内が狭くて、子どもが落ち着いて本を手にとって読めるスペースが無いということです。子どもにとっては、中身をしっかりと見てから興味・関心に合う本を選ぶ方がいいと考え、そういう本屋を作れないかなと思ったことがきっかけです。

「えほんのがっこう」代表兼校長の中村亮介さん

絵本に絞った理由としては、子どもの頃にこういう風に読んでいたとか、誰と一緒に読んだとか、“ストーリーがある”本が絵本だと思ったからです。書いてある内容だけではなく、「小さい時に読んでもらったんだ」など、絵本をきっかけに生まれる会話も多いですよね。僕はまだ結婚はしていないですし子どももおりませんので、どちらかというと親目線よりも子どもに近い目線で、こんな本屋があったらいいなという思いをかたちにしました。

コンセプトは“読める”古本屋

――「えほんのがっこう」の概要・特色について教えてください。

中村さん:オープンしたのは2014(平成26)年11月です。私にとってはここが地元で、お店を開くなら地元でやりたいなと思いました。「えほんのがっこう」の蔵書数は、現在こちらに置いていないものも合わせて3千冊程あります。こちらの店舗と、インターネットでも絵本を紹介していまして、全て購入して頂けるようにしています。また、読まなくなった絵本の買い取りもやっており、宅配でも受け付けています。

椅子があり、ゆっくり読むことが出来ます

この店のコンセプトは“手にとって読んで頂く”こと。読んでみないと情報が少ないので定番の作品を買うことも多いと思いますが、それだと実際に読んでみたらお子さんが気に入らなかった、というようなこともあると思っています。ここでは子どもたちが気に入った物を買うことができます。ゆっくりじっくり読んで、選んで頂きたいですね。

洋書も多く揃っています

洋書も400冊くらいあり、一般的な絵本屋さんと比べると数は揃っているのではないかと思います。最近は、お子さんに英語教育をさせたいという方などが買われています。この辺りは教育についての意識が高い方も多いと感じますね。また、大人の方が綺麗な挿絵が気に入って買われることもありますよ。

――実店舗に来るお客さんはどのような方が多いですか?

中村さん:この地域に住む小さなお子さんがいらっしゃる方がほとんどですが、お孫さんに絵本を買いに来られる方や、保育士さんなどもいらっしゃいます。読み聞かせに力を入れている方も多く、そういった方は頻繁にいらっしゃいますね。最近は、絵本を売りに来る方も増えてきました。

子どもだけでなく大人も楽しめるイベント

――地域コミュニティとしての店舗利用について教えてください。

中村さん:絵本を作るワークショップと、店内での撮影会を定期的に開催しています。
ワークショップは、絵本作家のかとうふじこさんに来て頂いて、子ども向けや大人向けに開催しています。例えば今月予定している製本するものから、製本された物に絵を描く過程までの3種類を用意しています。まず自分でストーリーを作り、絵を描き、文章も書くところまで全て行います。文と絵の指導をしてもらい、一冊の本を完成させるという形です。最初のストーリーを考えるところは時間がかかりますが、それでも2時間くらいで終わりますね。時々骨組みだけ作っておうちに持って帰って、続きをやる方もいらっしゃいます。旦那さんにプレゼントされるという方もいらっしゃいました。

ワークショップの様子

撮影会では女性フォトグラファーの亜沙美さんが、絵本に囲まれた店内でお子さんや親子での写真を撮影を行ってくれます。

ギャラリーはご要望があったときに店内に棚を設置し作品を展示しています。内容は絵本作家さんの原画の展示と、物販も一緒に行うという形が多いですね。

ギャラリーとしても活用されている

どのイベントもとても好評を頂いています。参加者の方はリピーターも多く、その方々がお友達と一緒にいらしてくださったりもしています。

絵本との出会いのきっかけを増やしたい

――今後「えほんのがっこう」でやっていきたいことや夢などがあれば教えてください。

中村さん:イベントを広げていきたいと考えています。お話を頂くことも増えており、そういったものにチャレンジしていったり、うちで主催するイベントも増やしていけたらいいなと思います。また、絵本をどうやって選んだらいいか悩まれる方もいらっしゃるので、そういった方にこういう絵本がいいですよとお話をする機会も創っていきたいですね。

遊び心溢れる店内

他にも移動販売や、この店舗を起点に色々なところに絵本を販売するルートを広げていきたいと考えています。近隣の書店は絵本コーナーがそんなに大きくなく、主に話題の本やベストセラーの本が並んでいるので、それとは違う本に出会う機会を増やすことができたらいいなと思います。「きょうはみんなでクマがりだ」(イギリスの作家の大型仕掛け本)が僕の好きな絵本です。大人になってから読んで、絵本って面白いなと思い、この店を始めるきっかけになったような本ですね。

中村さんが絵本の面白さを再発見した「きょうはみんなでクマがりだ」

――関町の住みやすさはいかがですか?

中村さん:抽象的ですが“ちょうどいい”という言葉が合うと思いますね。程良く落ち着いていて、便利です。お客さんと話をすると、他の地域に住んでいたこともあるけど、戻って来られたという方がすごく多いですね。そういう方が言うには“なんだか楽”だそうです。スーパーマーケットや薬局、生活雑貨のお店はあるので生活するには十分足りますよね。服やもう少し大きな買い物は吉祥寺にすぐ出られますし、とても生活しやすいですよ!

「えほんのがっこう」内観全体

中村亮介さん

えほんのがっこう

代表兼校長 中村亮介さん
所在地:東京都練馬区関町北4-2-15 五十鈴ビル2F
TEL:03-5903-8556
URL:http://ehonnogakkou.sakura.ne.jp/hp/
Facebook:https://www.facebook.com/ehonnogakkou/
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

えほんのがっこうインタビュー/えほんのがっこう 中村亮介さん
所在地:東京都練馬区関町北4-2-15 五十鈴ビル2F
電話番号:03-5903-8556
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日、第2・4土曜日
http://ehonnogakkou.sakura.ne.jp/hp/

Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー)インタビュー

Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー)インタビュー/Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー) 鈴木明美さん


西武新宿線「武蔵関」駅と「東伏見」駅の間に、池を囲むようにして広がっている「武蔵関公園」。その緑豊かな公園のすぐそばに、 手作り木工家具と雑貨、そして小さなカフェを併設した「Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー)」がある。木工作家の鈴木明美さんが営む、自宅とアトリエを兼ねたショップで、オーダーメイドの家具や、鈴木さんの人柄を慕って集まったさまざまな作家の雑貨を販売しており、「癒やし」の雰囲気を作り出している。
そして何より「癒やし」の中心にいるのが鈴木さんご本人。とても物腰柔らかでポジティブ、話しているだけで元気をもらえる素敵な女性だ。今回はそんな鈴木さんに、お店のこだわりや、武蔵野関町エリアの魅力についてお話をうかがった。

開店のきっかけは友達の頼みごとから

様々な作品を制作

――鈴木さんが木工やものづくりとはどのように出会ったのでしょうか?

鈴木さん:私は子どもが3人いるのですが、下の子が幼稚園に入る前に、育児サークルに行っていたことがもともとのきっかけです。そこではオーナメントを作ったり、当時流行っていたステンシル(型を抜いて絵の具を置いて文字などを作るもの)をやっていました。それで、ステンシルを率先して作っていたら、サークルの仲間たちに「教えてほしい」言われまして。「じゃあ、お茶とケーキと材料代を入れて1,000円でどう?うちでやろうか?」ということになって、小さな教室みたいなものを始めることになりました。

レイクサイドファクトリー 鈴木明美さん

それから、もっと安い材料で作れるようにと「糸のこ機」というのを買いました。そうすると、そのうちに、仲間の一人が「鈴木さん、ウエルカムボードもいいんだけれど、うちのサイズにぴったり合ったマガジンラックが欲しいのよ」っておっしゃって。勉強して実際に作ってあげたら、すごく喜ばれたんです。「こんなのを自分の手で作れるなんてすごい!」って。

それから「今度はサイドテーブルが欲しい」「チェストが欲しい」「カップボードも、テレビ台も…」なんていろいろ広がって。ですので、木工をやり始めた動機は自分からというよりは、友達の声に応えるうちに、気がついたら木工作家になって、講師をやっていた、というわけなんです。

色々なオーナメント

――ご自身のお店をもつきっかけは何だったのでしょう?

鈴木さん:この店についても、自分が“こうしたい”“ああしたい”と動いたというよりは、教室にいらっしゃる生徒さんが「ここにお店があったらいいよね」とか、「お店を作ればいいじゃない」と言われるようになったのがきっかけです。

実は私、主人を亡くしているんですけれども、当時主人に「店をやりたいんだ」と話したら、すごく手伝ってくれたんです。でも、お店を立ち上げて4ヵ月後に突然亡くなってしまいました。その時は、この店を続けるものかと迷ったのですが、「主人が遺してくれた店なんだ」と思い、何とか続けることにしたんです。5年やって駄目ならたたもうと考えていましたが、やっているうちになんとなく常連さんが増えて、決して儲かりはしないんですけれど、お米が買えるぐらいにはなって。今ではこの選択が正しかったのかな、と思っています。

Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー)

――お店にはどのような作品を置いているのでしょうか?

鈴木さん:私が作る木工家具は展示のスペースもそこまでありませんし、家具は1度作れば何度も替えるものではないですから、あまりお店には置いていません。ご縁があっていろんな作家さんともお会いできたので、作家さんの委託販売が主で、一部自分が作った木の作品や、手作りの服も置いています。
リネンの服とか、鳥のピンクッションとか、鳥のテープのカッターとかは私が作ったものです。鳥が大好きなので、鳥モチーフのものが多いですね。

鳥のブローチ

――カフェも設置されているようですね。

鈴木さん:カフェを始めたきっかけは、お店に来る皆さんが、おしゃべりを楽しみに来る方も多かったからです。それで「お茶があればいいよね」という声があって、「じゃあやろうか」ということで席を設けました。オーダーメイドの家具を作りたいという方も、カフェに来て相談いただければ、デザインやサイズについて一緒に考えて決めていけますので、ぜひ気軽にいらしていただきたいですね。

今はコーヒーとお茶を飲んでいただくぐらいですが、以前出していた手作りのシフォンケーキなんかは結構評判が良かったので、いずれ落ち着いたら再開したいな、と思っています。

カフェメニューのコーヒー

さまざまな縁に支えられて

――ワークショップも色々と開いていらっしゃるそうですね

鈴木さん:木工教室は昔からやっていて、今も女性向け、子ども向けで開催していますし、「編み物カフェ」という講座も開催しています。「毛糸を買って、本も買ったんだけれども、全然分からない」という方はもちろん、編める方でも「編み始めたんだけれども、途中で飽きて、何年も触っていない」という方が本当にたくさんいらっしゃるんですよ。

温かな雰囲気の店内の様子

そのほかのワークショップも、バッグ作りやフェルト、ドライフラワーなどいろいろと開いていますが、これは委託販売の作家さんが「ワークショップをやる場所が無いんだよね」とおっしゃるので、場所を貸してあげて始まったものなんです。本当に不思議なことに、色々な縁がつながって、今の形になっています。

――お店に訪れるお客さんは、どんな方が多いでしょうか?

鈴木さん:ここを通られてふらっと寄ってくださったり、公園の散策やジョギングついでに寄られたり、お付き合いのある作家さんのご友人やファンの方だったり。最近ではインターネットなどで検索して、遠くからいらっしゃる方も増えました。お子さん連れの方も多いですね。育児でちょっと煮詰まっちゃったらここでお喋りをして、リフレッシュされて帰られる感じです。スタイとか、スリングなどの赤ちゃんグッズも置いていますよ。

――この店をやっていて良かったことは何でしょうか?

さまざまな作品が並ぶ棚

鈴木さん:この店はいろんな縁がつながってできているので、人間は全部つながっているんだなということを、身をもって実感できたということが一番ですね。店を始めなければ気が付かなかったんだと思います。「あ、またつながった!」とか、「ここにつながるんだ!」とか、日々発見できるのが楽しいです。それに私自身も、「人と人をつなげられる」という存在になれているのかな、と思います。それも喜びであり、楽しいところですね。

自然を身近に感じられる街

――武蔵野関町エリアの魅力について教えてください

鈴木さん:うちは、実は祖父の代でこの土地を買って、そこからずっとここで住んでいるのでけっこう長いんです。魅力と言えば、やっぱり自然が沢山あるというのが一番ですね。特にすぐ横の「武蔵関公園」は大好きです。一周1.2kmの小さな公園なんですが、緑が沢山あって、大きな池もあるので、いろんな鳥が来るんですよ。この間は鵜が来ていましたし、アオサギ、ゴイサギ、カワセミなんかもいたことがあります。あとはやはり、交通の便が良いです。バスで吉祥寺など中央線の駅にも行けますし、もちろん西武線も近いですし。吉祥寺ぐらいであれば、私なんかは自転車で行っています。その一方で自然も沢山残っているんですね。そんなところが大好きです。

――具体的なおすすめの場所があれば教えてください

紅葉が美しい武蔵関公園

やっぱり「武蔵関公園」が素晴らしいですね。四季折々に魅力がありますが、紅葉の時期は特に綺麗なんですよ。イチョウの木があって、金色の絨毯みたいになります。わざわざ高尾山まで行かなくても、ここで十分紅葉を楽しめますから。あとは、石神井川沿いに遊歩道があり、川を眺めながらお散歩ができるおすすめのスポットです。石神井川が武蔵関公園から流れ出ているんですが、そこの桜はきれいですね。ちょっと行けば武蔵野の市役所通りの桜なんかも、まさに“桜のトンネル”といった感じです。

お店の外観

――最後に、新しく練馬区関町に暮らす方にメッセージをお願いします

鈴木さん:この辺りは交通も色々と便利だし、公園も遊び場も近くに沢山あり、子育てをするにもすごくいい環境です。スーパーマーケットもあちこちにあって、吉祥寺にもすぐに出られて、お買い物もしやすいし、いろんな意味で住み心地の良い街だと思います。自然を身近に感じながらゆったりと暮らしたい方に、ぜひお薦めですよ!

レイクサイドファクトリー 店主 鈴木明美さん

Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー)

店主 鈴木明美さん
所在地 :東京都練馬区関町北3-46-4
TEL :03-3920-2476
営業時間:11:00~17:00
定休日:月・金・土曜日
URL:http://www.lakeside-factory.com/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー)インタビュー/Lakeside Factory(レイクサイドファクトリー) 鈴木明美さん
所在地:東京都練馬区関町北3-46-4 
電話番号:03-3920-2476
営業時間:11:00~17:00
定休日:月・金・土曜日
http://www.lakeside-factory.com/

西東京市立ひばりが丘中学校 勝見俊也校長先生 インタビュー

西東京市立ひばりが丘中学校 勝見俊也校長先生 インタビュー/西東京市立ひばりが丘中学校 勝見俊也校長先生


1960(昭和35)年の開校より56年目を迎える「西東京市立ひばりが丘中学校」。2021(平成33)年の新校舎への移転が決まり、生徒・教職員・保護者・地域が一体となって“良い学校にしていこう”と、未来へ向けたさまざまな取組みを実践している。今回は2015(平成27)年に「西東京市立ひばりが丘中学校」の校長に着任した勝見俊也校長先生に、学校の特色や地域の魅力についてお話を伺った。

開校より56年目を迎える地域に根ざした学校

勝見俊也校長先生

――まず、学校の歴史について教えてください

勝見校長先生:「西東京市立ひばりが丘中学校」は、1960(昭和35)年に「保谷町立保谷中学校」の分校として開校したのがはじまりで、今年で開校より56年目を迎えます。校長として着任し2年目を迎えますが、「西東京市立保谷中学校」の校長5年間を含め、旧保谷市の時代から長年この地域で学校教育に携わっています。
生徒数は、今年度に新入生197名を迎え、15学級544名の子どもたちが在籍しています。西東京市では、2001(平成13)年の旧田無市と旧保谷市の合併に伴い、通学区域の指定校以外でも入学を希望できる「学校選択制度」を導入しており、少子化に伴う生徒数の変化などは学校により状況はさまざまです。

“最良・最高のスタンダード教育”を目指して

校内の展示物

――今年度の教育目標についても教えてください

勝見校長先生:本校の「学校教育目標」は「広く国際社会を創造性豊かに たくましく生きる人をめざして」を掲げ、「自ら学ぶ」「豊かな心」「夢の実現」を3つの柱としています。今年度、学校経営の目標として7つの柱を明示し、言語教育に基づく「確かな学力」の育成や、「文武両道」の校風を大切にした「健康でたくましい心と体」の育成など、明るく・元気に・凛とした若者が育つ学校として取り組んでいます。
ホームページの学校だより「翼」でもご覧いただけますが、“最良・最高のスタンダード教育”を目指し努力すると明記した背景には、「オリンピック・パラリンピック教育重点校」を含め4つの研究指定校に選ばれ、今の学校の良さを地域の方に知っていただく好機と捉えています。東京都の「言語能力向上拠点校」、西東京市の「アクティブ・ラーニング授業研究推進校」、東京都の「体力向上推進研究校スーパー・アクティブスクール」にも選ばれ、言語能力の向上とアクティブ・ラーニングによる相乗効果を狙っています。

授業の様子

――アクティブ・ラーニングとは?

勝見校長先生:アクティブ・ラーニングとは、一方向的な一斉教育とは異なる、生徒がみずから学ぼうとする意欲を育む授業スタイルを用いて、グループ・ディスカッションやディベート、グループ・ワークなどを取り入れながら、問題解決学習や体験学習などに取り組みます。現在、各教科ごとに生徒に“身につけさせたい力”とそれを促す教職員の“具体的な手だて”を設定し、アクティブ・ラーニングに取り組んでいます。
たとえば「国語科」では、自分の考えを論理的に書く、話す力を身につけさせるために、生徒同士によるペアやグループ活動を取り入れています。書いた文章を読み合ったり、スピーチを聞き合った後に疑問に思ったことや理解できなかったことをおたがいに認識し合います。また「英語科」では、日常生活に英語を積極的に生かすために、教職員ができるだけやさしい英語を聞かせることから自発的な学習へとつなげていきます。

保護者みずから語る働くことの実際「職業講話」

授業の様子

――地域と学校との結びつきについてもお聞かせください

勝見校長先生:本校の特色のひとつでもあるのですが、2008(平成20)年に「おやじ倶楽部」が発足し、在校生の父親による学校行事への参加や積極的な支援もいただけるようになりました。たとえば運動会の設営準備を手伝っていただいたり、10月に「職業講話」という機会を設け、1年生を対象にご自身の仕事内容についてお話いただきました。お父さん方のお仕事は製造業からコンピュータ関連、金融業界の方まで幅広く、熱心にお話ししていただきました。
「ひばりが丘中学校」の周りは落ち着いた住宅地で、古くからこの土地にお住まいの方も多く、学校教育への関心度も高いと思います。学期ごとに年3回設けている「学校公開日」や運動会など行事へ参加いただける方も多く、今後も学校・保護者・地域とが一体になった学校運営を進めて参ります。
また小学校、高校との連携も行われており、「東京都立保谷高等学校」の吹奏楽と合同で「西東京市立住吉小学校」に訪問しクリスマスコンサートで演奏を披露したり、楽器体験として「西東京市立中原小学校」の子どもたちと交流したりと、部活動体験も含めさまざまな交流活動が行われています。

近代的な雰囲気とのびのびとした空間とが共存するまち

校庭

――地域の魅力についてもお聞かせください

勝見校長先生:西武池袋線「ひばりが丘」駅から学校までの道、高層マンションや商業施設などで賑わう駅前の街並みを通り、少し駅を離れるとキャベツ畑が広がるようなのびのびとした街並みとが共存する魅力的な地域です。都心部への距離感もちょうど良く、駅前の商店街にある駄菓子屋さんや、近くの畑で採れた野菜を並べている無人の路地販売など、気持ちの良い環境です。

2021年に新校舎へと移転する「ひばりが丘中学校」

引用:西東京市「第10中学校建替基本プラン」

――最後に地域の方へメッセージをお願いします

勝見校長先生:「西東京市立ひばりが丘中学校」は、5年後の2021(平成33)年に「ひばりが丘団地」の一部に整備される新校舎に移転することが決まりました。現在、「西東京市立ひばりが丘中学校建替協議会」の検討をして決定事項は、市ホームページからその概要をご覧いただくこともできます。
新校舎は3年後に完成する予定ですが、同じく建て直しが進められる「西東京市立中原小学校」が仮設校舎として先行して移転し、そちらの新校舎が完成、移転が完了した後に本校の新校舎となる予定です。生徒も教職員も“良い学校にしていこう”という雰囲気が上向きに盛り上がりつつある今、このタイミングを大切に、保護者や地域の皆さまともより豊かな学校を作っていきたいと思います。

生徒・教職員・保護者・地域が一体となって未来へと向かう「西東京市立ひばりが丘中学校」の今

西東京市立ひばりが丘中学校

校長 勝見俊也先生
所在地 :西東京市住吉町1-14-28
TEL :042-421-4149
URL:http://www.nishitokyo.ed.jp/j-hibarigaoka/index.html
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

西東京市立ひばりが丘中学校 勝見俊也校長先生 インタビュー/西東京市立ひばりが丘中学校 勝見俊也校長先生
所在地:東京都西東京市ひばりが丘3-2-42 
電話番号:042-439-5550
https://www.nishitokyo.ed.jp/j-hibarigao..

西東京市立保谷小学校 高野富校長先生 インタビュー

西東京市立保谷小学校 高野富校長先生 インタビュー/西東京市立保谷小学校 高野富校長先生


西東京市の閑静な住宅街にある伝統校「西東京市立保谷小学校」。「すすんで学ぶ子」「助け合う子」「元気な子」を教育目標に、よく学び、よく考え行動し、よく活動する子どもになるように学校一丸となって指導にあたっている。異学年交流や体つくりなど独自のユニークな教育プログラムで着実に子どもたちの可能性を引き出し、地域住民や保護者から大きな信頼が寄せられる同校を訪れ、高野富校長先生にお話を伺った。

明治時代開校の歴史ある小学校

高野富校長先生

――学校の概要について教えて下さい

高野校長先生:「西東京市立保谷小学校」は1874(明治7)年、「上宝晃院」に「上保谷小学校」として開校し、2016(平成28)年度で143年目になる歴史のある学校です。この田無・保谷地区で最初に建てられた学校になります。
校章の「このて柏」は、現在地に校舎を移転した時に記念樹として「このて柏」を移植しまして、表裏のない「このて柏」の葉のように「心に表裏のない子どもになるように」との願いを込めて1924(大正13)年に制定されました。私は第27代校長として2013(平成25)年4月に就任しました。現在、全校生徒は474名で14学級に分かれています。
「通常学級」のほかに、言葉に何らかの心配のあるお子さんが、週に1、2回通い、その子に応じた支援を個別に受けることができる通級指導学級「ことばの教室(えがお)」があります。また親御さんが仕事から帰って来る夕方までお子さんを預かる「学童クラブ」と、中学校で不登校になってしまった生徒を指導する「スキップ教室」の合計4つの学級があります。これは空いている教室を有効活用するという意味もあるのですが、学校自体の立地や歴史、地元との連携・信頼等を総合的にみて本校で始めることが認められた独自の取り組みになります。

伝統を守りながらも、新しいことに挑戦していく

授業中の様子

――力を入れて取り組んでいることはありますか?

高野校長先生:新しいものにチャレンジをしていくことはとても大事ですが、同時にこの学校の歴史をしっかりと守っていくことも大事だと考えています。これは子どもたちはもちろん、教員にも指導を徹底していることなのですが、まず学習環境を整えるということに力を入れています。当たり前のことですが本校では、ゴミが散らかっていたり、落書きがあったりすることは一切ありません。子どもも教員も整理整頓を常に心がけて、なくて良いものを置かない、必要なものを必要な場所に備えて、活動しやすい環境になるように指導しています。
そして子どもたちの心の息吹を感じるものや作品、写真などは、できるだけ皆の目に触れるところに掲示するようにしています。そうすることによって、気持ちや行動に落ち着きが表れてきます。そこで初めて学力の向上、体力の向上、心の成長ができる環境が生まれてくるのだと考えています。

芝生の校庭

――保谷小学校独自の特徴的なイベントがあれば教えてください

高野校長先生:「保小まつり」というものを年3回行っています。1年生と6年生、2年生と5年生、3年生と4年生が名刺交換をしてお話をしたり、自分たちで作った模擬店で手作りのグッズやサービス券を渡して交流を深めたり、みんなの前で歌ってパフォーマンスをする「のどじまん集会」などを行ったりします。
そのほかであれば「保谷オリンピック」を年3回開催していまして、これはいわゆる運動能力テストなのですが、1回目の自分の記録を2回目、3回目で塗り替えていくように努力していくという、ちょっとしたオリンピックなのです。ほかに、業間体育、田植えを体験する「お米の学校」、集会活動(たとえば「西東京しゃきしゃき体操集会」)など毎月イベントを催して、特色ある教育活動に取り組んでいます。本校では、このようにして学校全体で人権教育を基盤にした「知育・徳育・体育」の充実を図っています。

中学進学後も見通した教育を

西東京市立ひばりが丘中学校

――中学校との連携はありますか?

高野校長先生:小中学校の教員がお互いに授業を観察し合い情報交換をして、学習指導や生活指導について共通理解をしていく取り組みを行っています。子どもたちが中学校に入学した時に起こる“中1ギャップ”の解消や、小中学校9年間を見通した指導の充実を図っています。毎年6月第2週に、対象の保谷ブロックの学校が集まって研修会を行っています。また保谷小の児童が中学校に行って「夏の挨拶運動」を行ったり、小学校のPTA主催の「ウィンターコンサート」では、近隣の吹奏楽団を本校に招いて演奏をしていただいたりしています。
本校には伝統を大切にする心を育むために和室があるのですが、そこでお茶会を開く時に中学生が着物を着てお運びを手伝ってくれていますよ。教員の連携だけではなく、子ども同士も中学校との交流は多いですね。

授業の様子

――校内研究の「学力向上プロジェクト」の具体的な取り組みについてお教えください

高野校長先生:学力を向上させるにあたって「学校ができること」と「家庭でできること」があります。「学校ができること」は3つありまして、1つは、生活指導環境を整えることです。もしチャイムが鳴っても子どもが席に座らない、授業中走り回るなどの状態であったら、勉強ができる環境ではなくなり学力向上はありえません。学校側は、子どもたちがスムーズに勉強に取り組める姿勢や状態を整えることが重要になります。
2つ目は、教員が30分から45分の限られた時間の中で、3、40人の子どもたちに授業がわかるように指導していくという、教える技術です。
最後の3つ目は、個別学習の時間です。個別学習は週3日1回20分放課後に設けています。担任の先生の判断で、放課後に個別指導が必要と感じた生徒を個別学習の時間で指導しています。

そして「家庭でできること」ですが、1つは自分から宿題に取り組む、学年×10分の家庭学習です。もう1つは、早寝早起きをして朝ごはんを食べる習慣を身につける、生活リズムの徹底です。以上のことを学校、ご家庭で意識していくことによって確実に学力アップに繋がっていきます。これは学校からもご家庭に強く要求していることです。

子どもを見守る地域の目

校内の掲示物

――子育ての面から見たと時のエリアの魅力をお教えください

高野校長先生:田無・保谷エリアは、緑が多く自然と気軽に触れ合える環境にあるので、感受性豊かな落ち着いた子どもたちが育つ素晴らしい環境だと思います。教育施設が充実していることもあり、最近では若いご夫婦の転入も多いですね。街は子どもたちの笑い声が聞こえる明るい街です。
住民の方は、昔から代々住んでいる方から新しい住民の方までいらっしゃって全体的に温かい雰囲気ですし、地域の人々の連携がとれています。優しい人が多いので安心して子育てできる環境にあると思います。都心からのアクセスが良いので通勤や買い物にも便利ですね。

西東京市立保谷小学校

西東京市立保谷小学校

校長 高野富先生
所在地 :西東京市保谷町1-3-35
TEL :042-463-4511
URL:http://www.nishitokyo.ed.jp/e-houya/
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

西東京市立保谷小学校 高野富校長先生 インタビュー/西東京市立保谷小学校 高野富校長先生
所在地:東京都西東京市保谷町1-3-35 
電話番号:042-463-4511
http://www.nishitokyo.ed.jp/e-houya/

長岡市立大島中学校 髙野富士雄 校長先生 インタビュー

長岡市立大島中学校 髙野富士雄 校長先生 インタビュー/長岡市立大島中学校 髙野富士雄 校長先生


“日本一”の花火大会が開かれる街として全国的に知られる長岡は、未来を教育に懸けた「米百俵」の故事が生まれた舞台でもある。誇るべき歴史を有し、数多の偉人を輩出してきた長岡。今回、訪問したのは、信濃川が程近い「長岡市立大島中学校」である。同校の校長・髙野先生に、学校と街の2つをテーマにお話を伺った。

信濃川の悠久の流れとともに

信濃川西岸に位置する「長岡市立大島中学校」

――「大島中学校」について教えてください。

髙野校長先生:1985(昭和60)年に開校した本校は、“豊かな心と強い意志をもち、積極的に実践する生徒になろう”を教育目標に掲げています。学区は信濃川西岸の古くに開拓された場所で、「大島小学校」の全卒業生が本校に通うことになっています。

これまで何校も経てきましたが、本校の生徒は“素直だな”という印象を抱いています。何代にも渡って長岡に住んでいる家庭も多く、3世代同居の家庭も珍しくありません。そうした家庭環境が、余裕のある子育て環境をつくり、結果として生徒の素直さを生んでいるのではないかなと思います。

素直な生徒が多いという

――特徴的な取り組みや学校行事はありますか?

髙野校長先生:公立校なので基本的には、他校との大きな違いはありません。ただ、ロケーションを活かしたマラソン大会と駅伝だけは、少し誇れるかもしれませんね。と言いますのも、信濃川の河川敷に「長岡市営陸上競技場」があり、そこを発着地点として走ることができるのです。「長岡市営陸上競技場」を出た生徒たちは、信濃川の土手を走ることになりますが、ここは遊歩道になっているので交通事故の心配もなく、自然のなかで気持よく走ることができます。

「長岡市営陸上競技場」を発着地点として自然の中を走る

――学力向上のために、力をいれていることなどあれば教えてください。

髙野校長先生:学習規律の向上と、それに相応しい家庭学習の習慣づくりを目指す“学習規律の慣習化”。そして“基礎基本の確立”では、学び合う授業に力を入れ、積極的に意見を交換したり、話し合いによって結論を見いだすことを行ったりしています。また“分かる授業の推進”では、第三者による評価を経ることで、授業のクオリティを高めていこうと取り組んでいます。

学力向上に力を入れている

――先生方に、常日頃からおっしゃっていることはありますか?

髙野校長先生:授業に関しては、とにかく生徒に分かりやすい授業をしていこうと伝えています。“分かる”という気持ちが新たな学習意欲を生みますし、それがなければ勉強も楽しくないですからね。

――部活動についても聞かせてください。

髙野校長先生:1年生であれば、ほぼ全員が何かしらの部活動に参加するようになっています。“ほぼ”と申し上げたのは、地域で活動しているサッカーのクラブチームに参加したいといったケースは、特例として部活動に参加しなくても構わないとしているからです。

ほぼ全員が部活動を行う

――地域との関わりとして、「地域連携フォーラム」について伺えますか?

髙野校長先生:地域で子育てをするという趣旨で、学校、家庭、地域が連携しながら子どもたちの成長を助けしています。その1つとして、「地域連携フォーラム」があり、講演会や交流会、集会などを通じて、学区ごとの課題に向き合っています。先日も体育館で講演会を実施いたしました。

自然豊かで交通アクセスもよい長岡

東京にも新潟市内にもアクセス良好

――校長先生は長岡出身と伺いました。地元、長岡の魅力についてはいかがでしょうか。

髙野校長先生:幼少時代と比べると、とても“住みやすい街”になりましたね。交通の便も良くなり、例えば「長岡」駅から始発列車に乗ると朝8時台には「東京」駅に到着します。指定された列車になりますが、定期券で新幹線を利用できる制度があるため、新潟市内の高校に通う学生もいます。新幹線に乗れば15~20分の所要時間ですが、在来線でも1時間30分も掛かりませんから、新潟市内は通学圏内と言えると思います。また長岡は、教育の重要性を訴えた「米百俵」の故事が生まれたことからも分かるように、教育に力を入れてきた伝統があります。

豊かな自然に囲まれている

――長岡に住むことを検討している方にメッセージをお願いできますか?

髙野校長先生:長岡は、中越地域最大の人口を擁しており、中越地域の中心都市としてこれからも発展していくと思います。商業施設や医療、教育施設などもコンパクトにまとまっていて、暮らしやすい地域です。降雪はありますが、除雪もしっかりしているので苦にはならないと思います。自然も豊かで、海もあって山もある。海岸線のある出雲崎までは自動車で30分程度です。

そして私たちにしてみれば当たり前のことですが、お米も美味しいですね(笑)。また何といっても長岡は、日本三大花火大会の1つ「長岡まつり大花火大会」が開かれる街です。あの壮麗な美しさは、長岡の誇りですね。

長岡市立大島中学校 高野富士雄校長先生

長岡市立大島中学校

校長 髙野富士雄先生
所在地 :新潟県長岡市三ツ郷屋342
TEL :0258-27-1455
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

長岡市立大島中学校 髙野富士雄 校長先生 インタビュー/長岡市立大島中学校 髙野富士雄 校長先生
所在地:新潟県長岡市三ツ郷屋町342 
電話番号:0258-27-1455
https://www.kome100.ne.jp/oojima-jhs/

校長先生インタビュー

創造力を育て、“地域に守られる”だけでなく、“地域を守る”学校を目指す/西東京市立本町小学校


2001(平成13)年に田無市と保谷市が合併してできた西東京市。街としてはまだ新しいが、武蔵野台地が育んできた自然に囲まれた豊かな風景が魅力のエリアだ。また、街中には昔ながらの商店街や実り豊かな農地も見られ、穏やかでゆったりとした時が流れている。そんな原風景に囲まれながら、すくすくと育つ子どもたちがいる「西東京市立本町小学校」。地域や外部機関と連携し、地域みんなで子どもたちを育てていく本校の取り組みについて、校長先生にお話を伺った。

西東京市立本町小学校 外観

授業を提供するだけではない、西東京市立本町小学校の大きな役割

――まず、学校の沿革をお聞かせください。

校長:本校はもともと、旧保谷市の本町にあることから「保谷市立本町小学校」として1979(昭和54)年に創設されました。2001(平成13)年の保谷市と田無市の合併によって「西東京市立本町小学校」と校名を変更し、2016(平成28)年で36周年を迎える、学校としてはまだ若い学校になります。

――学校の特徴的な取り組みとして、どのようなことを行っていますか。

校長:特徴的な点としては、本校にはPTAがありません。その代わりに「世話人会」というものがあり、学年行事の時の受付や事務をやっていただいたり、様々な面でご協力いただいています。基本的に学校というのは、もはや教師陣だけでは運営していけないものだと思います。様々な課題がある中、保護者と学校とが協力していかないと、子どもたちを育てていくことは難しいです。大切なのは「何を家庭と学校が連携して行っていくか」ということ、そして「地域とのつながり」だと思います。

授業の様子

校長:この地域には、「育成会」という柳沢商店街を中心に活動をされている方々がいらっしゃるのですが、登下校時に通学路に立って子どもたちに声をかけてくださったり、学校に とても関心を持ってくださっています。こうした活動は、次世代の街をつないでいく人たちに対して「まちづくり」をしてくださっていると思うのです。そのような「学校とのつなぎ」をしていかなくてはいけないと思いますし、それは学校の大きな役割なんですね。私は、学校をつくることは「まちづくり」だと思っています。

校長:学校は授業を提供するだけではなくて、その先のこと、つまりこの街をどうつくっていくか、人と人との環境をどうつないでいくかというところに大きな役割があると思います。なので、本校の教育では地域や他の大学や施設との連携など、なるべく人を多く学校へ集めてくることに努めています。

主体的に学び、新しいものを創り出す力を育てる教育

――学習面では、どのような取り組みを積極的に行っているのでしょうか。

校長:「アクティブラーニング」を積極的に取り入れています。アクティブラーニングとは、一方向的な知識の伝達ではなく、児童が主体的になって学ぶことです。では何がアクティブかというと、子どもたちの思考がアクティブになるという話をよくします。例えば、1枚の資料を出すと、子どもたちは頭でものすごく考えます。子どもたちが話し合って考えていく中で答えに導いていく、そのような授業を理科の授業から取り組んでおります。

大学の先生をお招きした授業

学力向上につきましては、2019(平成30)年現在、4年生を中心とした「スキルアップ学習」に取り組んでおり、成果を挙げています。この取り組みは、4年生の中から、算数(主に)の苦手な子どもたちを15人選び、保護者了解のもとで放課後に30分学習を年間20日行うというものです。「15人」とは、本町小の教員の数でもあり、担当教員も1年間代わらず、家庭教師的な目線でその子の弱点に応じたアットホームな学習が展開されております。先生方には負担をかけますが、本町小学校の特色の1つと考えております。ちなみに、2019年度からは4年生だけでなく、3年生も15人の中に加えて同様の「スキルアップ学習」を展開させる予定です。

――具体的な取り組みのひとつとして、大学の先生をお招きした授業を行っているそうですが、児童の反応はいかがですか。

校長:こちらの取り組みは今年で4年目になります。他の先生の話を聞いていると、子どもたちは喜んでいるようです。企業の最先端で研究開発などに携わっている教授なので、おそらく授業はいつもより難しいと思います。ただ、過去の授業を振り返ってみると、みかんを直列につないで電気を発生させたりする実験など、「こんなもので電気が発生するんだ!」や「環境に配慮できるんだ!」といった驚きを与えるような内容の授業が多いですね。

ラグビー教室の様子

――その他に、地域と学校が協力して取り組んでいることはありますか。

校長:「横河武蔵野アトラスターズ」というラグビーチームの選手たちが来校し、児童たちと交流を図るラグビー教室を毎年行っています。それから、本校の隣が保谷中なのですが、「出前授業」といって中学校の先生が来て体育の授業をしてくださったり、運動会などの時にはお互いに応援ポスターを校舎に貼り出したりと毎年交流をしています。

校長:学校主体の取り組みとしては他にも、「あいさつ運動」があります。これは本校の児童と保谷中の生徒、そして柳沢商店街の「育成会」が地域ぐるみで行っているものです。また、児童保護者のお父さん方で構成されている「おやじの会」というのがあり、学校の取り組みの中で様々なお手伝いをしていただいています。先日も、「おやじの会」と先生方が集まって、テニスボール500個に穴をあけ、1年生から4年生までの児童の椅子に装着してくださいました。

本町地区の治安・安全は地域(育成会・にこにこ本町・保護者)の見守りで保たれておりますが、高齢化の問題がその基盤を脅かしております。 そこで、学校では「柳沢北口商店街」(柳盛会)の方々と関わり、商店街のお仕事を子どもの学習材としてつなげようと考えています。学校として、“地域に守ってもらう”だけでなく、“地域を守る”ということを子どもたちの学びの中に取り入れたいと思案しております。うまく機能すれば、地域が学校・保護者を支え、保護者や子どもが街を支える素晴らしい関係づくりができるはずです。

――学校主体では「本町っこ祭」というイベントも実施されていますね。
こちらについて詳しくお聞かせください。

「本町っこ祭」の様子

校長:「本町っこ祭」というのは、ものづくりを主体にしたお祭りです。例えば、お客さんを呼んで設計図に合わせてパラシュートやゴムで飛ばすおもちゃなどを作り、それをお土産に持って帰ったもらったりと他者と一緒に何かをやるといったことを中心に行っています。また、当日は授業参観にして保護者の方にも参加していただいていますので、特に低学年の親御さんはよくいらっしゃっていますね。

異なる世代の人たちとの交流も大切に

――その他にも、3年生と見守りボランティアの皆さんとの交流会なども行っているようですが、こちらはどのような交流会なのでしょうか。

3年生と「見守りボランティア」の皆さんとの交流会

校長:「見守りボランティア」というのは、朝晩街中に立って、子どもたちの登下校を見守ってくださったり、行事に参加していただいたりしているボランティアの方たちなんですが、その方たちを3年生のクラスの給食にお呼びするんですね。皆さん、子どもたちとの交流をたいへん楽しんでくださっています。

西東京市立本町小学校の掲示板

――こうした幅広い年齢層の方達とふれあいは、児童の皆さんやその他学校にどのような影響を与えていますか。

校長:ボランティアの方たちがおっしゃっていたのですが、最初はあいさつしてもそっぽを向いているような子も、何回も顔を合わせているうちに「今日学校でこんなことがあったよ」ということを話に来るようになってくるんだそうです。顔を合わせる回数が増えると、気心が知れてくるのでしょうね。そういった意味では、できればそういった異なる世代の方たちにたくさん来ていただくような雰囲気の学校になったらいいなと思います。

子どもたちが伸び伸びと学び、遊べる、豊かな自然が魅力のエリア

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 西東京フィールド

――東伏見・西武柳沢エリアの魅力について教えてください。

校長:何と言っても、緑の街であることが最高の魅力ですよね。私はもともと西武柳沢周辺で生まれ育ったのですが、以前の職場から初めて出張に来た時に、道につくしんぼが一面に生えている様子を見て「やっぱり戻ってきてよかったな」と思いましたね。特におすすめのスポットは、東京大学の農場(東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 西東京フィールド)ですね。隣には東京大学の田無演習林(東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林)というのがあるのですが、とてもすごいです。直径1メートル程度のクスノキがあったりと、東京にこんな林があるのかと思うくらいの原生林なんです。中には広場もあるのですが、見渡す限り一面草原で、つい先日も子どもたちを連れてトノサマバッタを獲りに行きました。一般の方も入れます。やはりここは、緑と文化の街なんでしょうね。子ども達も素直で子どもらしい子たちが多いです。

西東京市立本町小学校

校長先生
所在地 :東京都西東京市保谷町1-14-23
TEL :042-467-5956
URL:http://www.nishitokyo.ed.jp/e-honchou/
※この情報は2016(平成28)年9月に取材に基づき、2019年に加筆修正したものです。

創造力を育て、“地域に守られる”だけでなく、“地域を守る”学校を目指す/西東京市立本町小学校
所在地:東京都西東京市保谷町1-14-23 
電話番号:042-467-5956
http://www.nishitokyo.ed.jp/e-honchou/

「第一ゼミナール 西田辺校・ファロス個別指導学院 西田辺教室」インタビュー

「第一ゼミナール 西田辺校・ファロス個別指導学院 西田辺教室」インタビュー /第一ゼミナール 西田辺校・ファロス個別指導学院 西田辺教室 樋浦忠司さん


関西地域を中心に展開している大手進学塾「第一ゼミナール」。集団指導の「第一ゼミナール」と個別指導の「ファロス個別指導学院」を展開し、今回はその両方を併設する西田辺校にお邪魔した。進学塾といえば、勉強にのみ特化しているイメージを強く感じるが、「第一ゼミナール」ではそんな雰囲気は微塵もない。そこには本当の目的を持って自発的に学ぶ子どもたちの姿を見た。そんな「第一ゼミナール」の教育方針と指導方法を教育推進室の樋浦さんと、それぞれの教室の責任者に伺った。

「学ぶ」ということの本質を知る

「第一ゼミナール 西田辺校」教室内

――「第一ゼミナール」は全国でどの程度、展開しているのでしょうか。簡単に概要を教えてください。

樋浦さん:「第一ゼミナール」は関西を中心として展開している塾で開校41年目になります。現在、集団指導の「第一ゼミナール」、個別指導の「ファロス個別指導学院」など教室はグループ全体で150校を超えています。

――「第一ゼミナール」の教え方の特徴、システムについて教えてください。

個人学習用の勉強スペース

樋浦さん:当校ではよく「本質の指導」ということを言っているのですが、私たちは生徒たちに勉強だけを教えるのではなく「なぜ勉強するのか」という本質からアプローチを行っています。勉強する目標は、例えば「弁護士になりたい」という、なりたい自分を思い描いて勉強していく訳ですが、その「なりたい自分」にもう一歩踏み込んで「なんのために」という目的を意識させます。先程の弁護士だったら「困っている人を助けたい」という部分にまで踏み込むのです。開塾以来、変わることなく持ち続けている想いが「目標は志望校合格、目的は社会で活躍できる人づくり」です。人の役に立つ自分を想像して、「困っている人を助けたい」とか「何かと何かの架け橋になりたい」というような目的があれば、前向きに努力ができるものなんです。本質を理解することで学習に対するやる気や成績はもっと向上します。

脳を味方につけるといろんなものが見えてくる

授業の様子

――その他にも何か特徴があれば教えて下さい。

樋浦さん:脳科学の専門家の仁木先生との共同開発をしている学習法で、「第一ゼミナール」ではずっと実践している独自の教育メソッド(プラスサイクル学習法)があります。脳科学と言えば、難しい話のように感じるかもしれませんが、脳を味方につける、また、脳を喜ばせるプラス思考で物事を学ぶということです。特徴的な例をひとつ取り上げると、当校の生徒たちのノートにはノートの端に、自分の感情を書くスペースを作っています。ここに授業で取ったノートの他に、その時に感じた自分の感情を書くようにします。「ここが分からなかった。悔しい!」「解けて嬉しい!」「ここ重要」みたいなことをノートに書かせています。そうするとノートを見返した時に、その授業の時の感情までが蘇ってくるので記憶が定着しやすいのです。

助け合い、競い合う。プラスに回せ!

「第一ゼミナール」校長の向井誉真さん

――「第一ゼミナール」の向井先生に伺いますが、集団指導だからこその強みはありますか。

向井先生:周りを意識して競争する、お互いを理解して刺激し合える、という部分が強みです。当校では「プラスサイクル学習法」を実践していますが、明るい表情や前向きな言葉によって、プラスサイクルが回ると考えています。例えば、ある子どもがテストの成績が悪かったとしても、本人が「今回はこういう結果だったけど、次はこういう意識で取り組んで、今後に活かすようにしよう」という発言をすれば、周りの子どもは「なるほど、そういう考え方で次に向かっていくのか!」と共感を生んで良いサイクルで回っていくということです。先生も授業の前後には「プラスサイクル学習法」につながるような話を持つ機会を意識して設けています。 例として挙げると、中学3年生のクラスで受験前の進路指導の懇談の感想を聞いてあげます。そこで「○○校はあきらめなさいと言われた」という子どもがいれば、ただ諦めるのではなく、「どうすれば良くなるか考えてみよう」ということにみんなを巻き込んでいく。そうすることで、またプラスのサイクルが回っていくということになるのです。 みんなと一緒の指導というのは、助け合って、共感しあって意欲喚起できる、結果としてみんなでいい方向に向かっていくことができるという大きなメリットがありますね。

――みなさん、どこの学校から通われていますか。

向井先生:中学でいえば、「大阪市立阪南中学校」の校区なので、7割が「大阪市立阪南中学校」の生徒です。進学希望先の高校となると、「大阪府立天王寺高校」や「大阪府立住吉高校」など、比較的近くて学力の高い公立高校を目指す生徒さんが多いですね。ご存知の通り、「大阪府立天王寺高校」は「大阪府立北野高校」と並ぶ大阪の公立校の2枚看板です。

個別指導で伸びしろを伸ばす

「ファロス個別指導学院」教室長の密城利恵さん

――「ファロス個別指導学院」の密城先生に伺います。ひとりひとりに合わせたカリキュラムはどのように作られるのでしょうか。

密城先生:初めて来ていただいた生徒であれば、保護者の方や生徒さんとお話をする中で定期テストでどのくらいの成績を収めたいか、高校や大学はどこに行きたいかという志望校を具体的に伺った上で現状の成績と比較して、強化が必要な部分をカリキュラムとして組んでいきます。

――どのくらいの学年をメインに教えているのでしょうか。

密城先生:個別教室では小学校一年生から高校三年生の大学受験まで幅広いニーズに応じることができますが、西田辺校に関しては半数が高校生です。そのなかでも中学生の頃から「ファロス個別指導学院」や「第一ゼミナール」で通っていて、高校になっても続けてくれている生徒さんが多いです。

――最終的には大学受験を目標にしているのですね

密城先生:そうですね。ですから高校受験で来られていた生徒さんも、目標の高校に入れたから卒業となるのではなく、次には大学受験を見据えての勉強の開始となることもあります。私もそうやって勉強のお手伝いができたらいいなと思っています。

個人指導の様子

――集団指導との違いや、個別指導のメリットを教えてください。

密城先生:メリットは個々の生徒さんに合わせた密着指導ができることだと思います。授業を通して教材やプリントを見ているなかで「ここが苦手なんだな」ということが、すぐに発見できますし、すぐに指導を方向転換したり補う授業を行うことが可能です。また、学校で行われたテスト問題は必ず回収して、出題傾向やテストを作った先生の癖まで掴んで分析を行って生徒さんの指導に役立ててます。

明るい挨拶の街、播磨町

第一ゼミナール西田辺校

――播磨町周辺の住環境や教育に関する環境はいかがですか?

向井先生:環境は賑やか過ぎず、静か過ぎずで良い環境ではないかと思います。また、文教地区と言われているだけあって、親御様は教育熱心ですね。親御様とのコミュニケーションも積極的に行っていて、懇談会も学校で行われる数と同じだけの回数を必ず行うようにしていますが、その懇談以外でも電話で相談が良くあります。

――播磨町周辺の教育施設など、子育て面でアピールできることがありましたらお願いします。

向井先生:近隣の公立小中学校の教育方針がしっかりしているのと、やはり親御様たちが教育熱心で意識が高いことも相まって、学校での教育も熱心であることですかね。どの生徒も挨拶がしっかりしていて気持ちがいいです。知らない人でも挨拶してくれます。

第一ゼミナール西田辺校

第一ゼミナール 西田辺校・ファロス個別指導学院 西田辺教室

教育推進室:樋浦忠司さん
「第一ゼミナール 西田辺校」校長:向井誉真さん
「ファロス個別指導学院 西田辺教室」教室長:密城利恵さん
所在地 :大阪府大阪市阿倍野区播磨町1-24-18 帝塚山檜山ビル 1F
電話番号 :06-4700-3870
URL: http://www.daiichisemi.net/school/osaka/osaka/nishitanabe/
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

「第一ゼミナール 西田辺校・ファロス個別指導学院 西田辺教室」インタビュー /第一ゼミナール 西田辺校・ファロス個別指導学院 西田辺教室 樋浦忠司さん
所在地:大阪府大阪市阿倍野区播磨町1-24-18 帝塚山檜山ビル 1F
電話番号:06-4700-3870
http://www.daiichisemi.net/school/osaka/..

「大阪市立阪南中学校」 校長先生インタビュー

「大阪市立阪南中学校」 校長先生インタビュー/大阪市立阪南中学校 山崎英志校長先生


阿倍野区のなかでも文教地区として知られているエリアにある「大阪市立阪南中学校」。大阪府のなかでも高い学力レベルを誇る公立中学校と言われているが、勉強だけに集中するような雰囲気ではない。クラブ活動が盛んで、クラブ加入率も高く、運動部の実績でも有名である。「文武両道」という言葉を体現する「大阪市立阪南中学校」。今回はそんな「大阪市立阪南中学校」の山崎校長に学校の概要と街の魅力についてお話を伺った。

普遍的な教育の本質を貫く

「大阪市立阪南中学校」山崎英志校長先生

――「大阪市立阪南中学校」の歴史、沿革について教えてください。

山崎校長:1947(昭和22)年に「大阪市立阿倍野第三中学校」として創立して、来年には70周年を迎える歴史と伝統のある学校です。各学年7学級、特別支援学級が4学級あり、全校生徒数は現在776人と大阪市内では大規模校になります。

――学校の教育目標としては、何を重視されていらっしゃいますか。

山崎校長:本校は阿倍野区のなかでも文教地区にある学校になりまして、「文武両道」を目指して頑張っています。勉強にもしっかり力を入れると同時に生徒のクラブ加入率も高いです。運動部での優勝などの実績も多く、運動系・文科系クラブともに頑張っています。文武両道という理念に生徒たちも一生懸命に応えてくれています。

授業風景

――先程、生徒さんがすごく遠くからでも大きな声で挨拶をしてくれたのが印象的でした。

山崎校長:お褒め戴いたように挨拶にも力を入れておりますし、勉強にもしっかりと打ち込めるような教育と共に、人間性重視の教育に取り組んでいます。逆を言えば、生徒一人一人、それができているから勉学にも力を入れられる。何事にもきっちりと取り組む姿勢ができているのだと思います。おかげさまで本校は学力も高い水準を保っています。

積極的に交流を深める様々な取り組み

「大阪市立阪南中学校」

――「元気アップ学習会」というのを定期的に行われているようですが、これはどのような学習活動でしょうか。

山崎校長:大阪市の施策として2009(平成21)年度から大阪市内の全中学校区で「学校元気アップ地域本部事業」というものが行われています。様々な地域人材や社会資源を活かして、学校・家庭・地域の組織的な連携のもと、地域社会全体で子どもを育てることを目的としています。学校と地域をつなぐ調整役として地域コーディネーターを配置して、生徒の生活習慣の確立や学力向上などの支援活動を行っています。本校ではその一環として「元気アップ学習会」に取り組んでいます。学校の先生ではない方が、生徒に学習支援をするということで、地域のPTAやOBの方が多く参加していただいています。放課後の時間を用いて補習や試験前には試験勉強を手伝っていただいており、学校と地域の関係をより高めていこうという取り組みです。

――「ノーチャイムデー」というのもユニークですね。

山崎校長:これは生徒会の発案で行っている取り組みです。「時間の大切さを考える」というテーマで、チャイムが鳴らなくても自分たちで時計を見て行動するというものです。受動的ではなく能動的に時間の管理をする習慣を付けようとする目的で行っています。生徒も生徒会の発案に賛同して積極的な取り組みになっています。

「大阪市立阪南中学校」体育館内

――「大阪府立住吉高校」との交流も行っているそうですが、どのようなことをされているのですか。

山崎校長:これは今年から始まり、年に4回行われています。「総合科学科」のある「大阪府立住吉高校」のサイエンス部との交流で、科学に興味のある本校の生徒が「大阪府立住吉高校」にまで出向いて、高校生たちに科学実験の指導を受ける交流です。高校生は非常にしっかりとした準備をしてくれますし、中学生は中学ではできないような本格的な実験を体験できます。共に学生が教える側と学ぶ側でスキルアップが図れる”Win-Win”の関係になっていると思います。

合唱コンクールの様子

――文化発表会は全校あげての大イベントのようですね。詳細を教えていただけますか。

山崎校長:いわゆる各クラスの演劇や各クラブの発表の場としての文化発表会がベースとなっているわけですが、本校では合唱に非常に力を入れておりまして、合唱コンクールが文化発表会のハイライト的な存在になっています。生徒たちも合唱コンクールの準備・練習に時間をかけて、指揮者になりたい!伴奏者になりたい!などの希望者もたいへん多いのです。本校は生徒数が多いので、この合唱コンクールを一日で行うことはできませんから、文化発表会の前に2週続けて合唱コンクールを行い、文化発表会の当日には最優秀クラスが全校生徒の前で披露することができるというふうになっています。

体育大会開会式の様子

――他にも、学校行事について、ユニークなものがあれば教えてください。

山崎校長:毎年6月に行われる体育大会ですね。体育大会では毎年3年生が力の入ったものを披露してくれて、それが後輩たちを刺激するという良い連鎖が続いています。今年は男子は日体大のパフォーマンスで有名なマスゲームを取り入れ、女子はソーラン節を披露しました。一生懸命練習をして立派な演技を見せてくれました。本校の学校行事は合唱コンクール、文化発表会、体育大会の3本柱となっていて、それ以外だと百人一首大会とか球技大会などもやっています。

暖かい街でキラキラする毎日

「大阪市立阪南中学校」校舎

――この地域に住まわれるご家庭などはいかがですか。

山崎校長:やはり文教地区と言われていますので、地域の住民の方が教育熱心でいらっしゃいます。学校の行事などにも協力的で、いろいろ気にかけてもいただいております。

――駅近でありながら「晴明丘中央公園」がすぐ隣にありますし、道を挟んで広い運動場が広がっています。とても穏やかな印象を受けますが、生徒たちにとってはいかがですか。

山崎校長:生徒たちにとっては最初からあるものなので、あって当たり前と思っているでしょうが、”穏やか”というのは私も感じます。生徒たちも、高校生・大学生・社会人となっていけば振り返って、「いい環境だったな」と実感すると思いますよ。実は私も本校出身で、自分の出身中学で校長をさせていただいておりますが、私自身が大人になってから、自分の住んでいた街の良さを実感しました。本校周辺の環境は子どもたちにとっても大人にとっても本当にいいと思います。

山崎英志校長先生

――これから子どもたちのために、どのような街になっていってほしいですか。

山崎校長:閑静な街並みなので、今のような穏やかさを、いつまでも維持し続けて欲しいと思います。教育熱心で学校教育に協力的な環境も、このままずっと良好に維持していって欲しいと考えています。

――播磨町の魅力について教えてください。

山崎校長:播磨町も本校の学区エリアに入っております。幹線道路沿いにはお店が揃っていますし、地下鉄御堂筋線の「西田辺」駅が近く、生活の利便性はよりいい環境だと思います。

校長 山崎英志先生

大阪市立阪南中学校

校長 山崎英志先生
所在地 :大阪市阿倍野区北畠1-16-24
TEL :06-6622-0006
URL:http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=j712602
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

「大阪市立阪南中学校」 校長先生インタビュー/大阪市立阪南中学校 山崎英志校長先生
所在地:大阪府大阪市阿倍野区北畠1-16-24 
電話番号:06-6622-0006
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「大阪市立阪南小学校」 校長先生インタビュー

「大阪市立阪南小学校」 校長先生インタビュー/大阪市立阪南小学校 大西校長先生


大阪市阿倍野区内は文教区域と呼ばれ、学力の高い学校が多く集まる地域。天王寺や大阪などへのアクセスも良く、教育環境も整備されており、ファミリー世帯に人気の住宅街が広がっています。そんな事情があるためか、「大阪市立阪南小学校」 には多くの児童が集まり、大阪の公立小学校のなかでも規模の大きな学校となっている。今回はそんな「大阪市立阪南小学校」の大西校長先生に学校の概要や街の魅力についてお話を伺いました。

子どもたちの将来を見据えて、今を考える。

「大阪市立阪南小学校」の校門

――まず、学校の沿革・理念から教えてください。

大西校長:設立は1940(昭和15)年で児童数は現在、716人です。大阪市の小学校では大きい規模の学校になります。本校の教育目標は”豊かな心を持ち、たくましく生きる子どもの育成”です。目指す子ども像は、”よく考える子”、”心や体を鍛える子”、”考えを実行に移す子”です。

「大阪市立阪南小学校」正面入り口

大きな教育目標と目指す子ども像は、各年度ごとに実態を見ながら「今年はこういう目標でやっていこう」と教職員全体で話し合い設定します。年度ごとに変化する世の中の情勢とか、いろんな社会的背景によって、目標を設定することにしています。

大西昌樹校長

――学年による指導の違いや意識しておられるところはあるでしょうか。

大西校長:低学年においては義務教育の入門期になりますから、集団生活をする上でのルール、学習上のルールや学校生活のルールなどを覚える時期になると思います。現在は多様化社会ですから各家庭においての生活スタイルも様々になっています。しかし、学校の集団生活の中では、ある一定の規範の中での行動を習得させる時期です。中学年・高学年になってくると、自主性・主体性をもって交流し、行動して、お互いの個性を認め合いながら自分たちで集団を作っていくという具合にシフトしていくのがポイントだと考えています。

「大阪市立阪南中学校」の説明会の様子

――中学校進学時の不安解消などへの取り組みはありますか。

大西校長: 先日、「大阪市立阪南中学校」の生徒会が発案して「大阪市立阪南中学校」の説明会が本校の体育館で開催されました。当日は「大阪市立阪南中学校」から生徒会執行部の方が来てくれて、中学校での生活や学習についてのお話をしてくれました。この取り組みは大阪市が提唱する小中連携の一つでもあり、小学校と中学校の子ども同士の交流、教師同士の交流を行うことでお互いの文化の違いを知って、子どもたちがスムーズに中学に進学する環境を整えようという施策なのです。

車の両輪である”学校と家庭”

「大阪市立阪南小学校」校庭

――夏休みなど長い休みでは児童はどう過ごしていますか。宿題やその他で何かあれば教えてください

大西校長:夏休みに限らず、普段の休みの日でもそうなのですが、私は学校での課業中以外の指導は基本的には保護者の範疇だと考えています。これは個人的な考えなのですが、私は長い休みだからといってたくさんの宿題を与えるというのは賛成しかねるのです。そういう時にしかできないことを各家庭で子どもさんの個性に応じて課題として与えてもらうのが本来あるべき姿かなと思っています。ただ最近では共働きの保護者の方たちも多い時代になってきましたので、そういう部分では学校がカバーしなくてはいけない部分もあるとは考えています。

食育指導の様子

――価値観が多様化した現代で、就職年齢になっても何をしたいか分からないといった若者も多いと聞きますが、どうお感じですか

大西校長:小学生で将来の自分のキャリアを具体的に思い描いている子は、ほとんどいないと思います。卒業文集の将来の夢にプロ野球の選手であるとか、最近の女の子ならパティシエなんて書いている子どもも多いですが、それは漠然とした夢であって、実際に就職するにあたってのキャリア構想のようなものではないのがほとんどです。いわゆるキャリア教育は長いスパンの中で、計画的にやってく必要があって、現在の大阪市の方針では、小学校でも中学校でも時間的にはそんなに多くないですがキャリア教育は取り入れています。

――具体的にはどのようなことですか

大西校長:具体的に週のこの時間にこんな事というやり方ではないですが、既存の授業を見直してみたなかで、どの教科についても職業に繋がっていくような部分はあるのです。それをもう一度改めて整理して、キャリア教育のプランにしようという考え方です。最初から職業選択に繋がる部分をカリキュラム化している訳ではないのです。中学校では職場体験といって近隣の商店さん等との協力で職業体験するという取り組みも行われてきています。小学校では「キッザニア甲子園」などの外部の機関を利用して職業の疑似体験させるような方法を採るところもありますね。

「大阪市立阪南小学校」の日本庭園

――小学校の6年間で子どもたちにこう育ってほしいと思っていること。また、保護者様に望むことはありますか

大西校長:子どもたちには主体性を持って欲しいと思います。自分は何をしたいのかを見据えて自分の信念を持った上で行動してほしいと思いますね。そういう考えが先ほどお話していたような職業選択にも繋がると思います。

一輪車

親御さんへという部分では、あまり過干渉すぎても本人が自分の意志で考えないような子になるし、放任しすぎでもダメだと思います。そのバランスを考えたうえで子どものよき相談者であってほしいと考えています。

地域連携から生まれる”良い連鎖”

バスケットゴール

――地域と連携した活動があれば教えてもらえないですか

大西校長:連合町会や街づくり協議会が中心となった活動で、お祭りや各種の催しへの協力をしています。子どもだけでなく大人も楽しめるような企画ですが、こういうことに学校としても協力しています。防災教育の面では各町会に防災リーダーという方がおられまして、その方たちに学校に来ていただいて一緒に防災訓練を行ったりしています。

防災教室の様子

――子どもたちの反応はどうですか

大西校長:防災訓練については子どもたちの意識も高くて真剣ですね。他人事のようには考えていない様子が分かります。東北の震災では、中学生が避難引率したという地域の話もありましたが、本当にその話が納得できるほど子どもたちは真剣です。こういう良い部分が街全体に連鎖していくのはいいことではないかと思います。

――この周辺地域について感じていることがあれば教えてください

大西校長:住宅地としてよく整備されていますし、周辺の住民の方たちも子どもたちのことをしっかりと見守っていてくれている地域だと思います。都心から近く、官公庁の公舎も多いようです。昔ながらの長屋の雰囲気を残して営業をしているお店もあれば、新しく開発されている場所もあったり、古いものと新しいものが混在しつつ、人の動きも活発な場所だなと感じています。

豊かな心を持ち、たくましく生きる子どもの育成を目指す「大阪市立阪南小学校」

大阪市立阪南小学校

校長 大西昌樹さん
所在地 :大阪市阿倍野区阪南町5-7-40
TEL :06-6621-2351
URL:http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e711606
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

「大阪市立阪南小学校」 校長先生インタビュー/大阪市立阪南小学校 大西校長先生
所在地:大阪府大阪市阿倍野区阪南町5-7-40 
電話番号:06-6621-2351
2024.2.22 inoue
http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e711606

https://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e711606
https://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index…

静岡大学教育学部附属浜松小学校 新保淳校長先生 インタビュー

静岡大学教育学部附属浜松小学校 新保淳校長先生


「浜松」駅から車でおおよそ15分。「静岡大学教育学部附属浜松小学校」は、「静岡大学浜松キャンパス」や浜松エリア難関高校である「浜松北高校」をはじめ、学校が数多く揃う浜松きっての文教エリアにある。同校は国立大学法人の附属であり、入学選考を経て児童が集まる。在籍児童数は415名(2017年2月現在)。今回は同校の歴史や特徴などについて校長の新保淳先生からお話を聞いた。

浜松の文教地区で創立100年越えの小学校

校長の新保淳先生

――学校の概要について教えてください

新保校長:本校は1916(大正5)年に創立し、100年以上の歴史があります。昨年には創立100周年記念式典も行われました。もともとは「浜松師範学校」に附属する小学校でした。師範学校は教員の養成を目的とした学校。教員になるためには実習が欠かせませんが、その受け入れをする実習校として開設されたのが始まりです。だから「教育学部」の附属なんです。現在の校名に改称されたのは、1951(昭和26)年のことです。
将来に向けての教育研究を行うほか、「静岡大学」からの教育実習生の受け入れも本校の大事な使命といえます。

小学校外観

――入学の条件はありますか

新保校長:浜松市、磐田市、湖西市、袋井市、森町の静岡県西部エリアを通学範囲としています。また通学で児童に大きな負担をかけないよう原則「ドアtoドアで1時間以内に通学できる」ことを条件としています。
現在の全校児童数は415名。1学年2クラスの編成で1クラスの定員は35名(現6年生は40名定員)です。

――教育方針について教えてください

新保校長:本校は「温かさと活力のある楽しい学校」を基本理念としています。それを目指すための小さなテーマに「『豊かな学び』を積み重ねていく授業」、「『自律』『協同』の両立に向けた心と行為の指導」があります。「豊かな学び」は机の上だけではなく、体験も重視した学びのことです。「自律」は自ら主体的に学ぶこと。学校期だけではなく、生涯に渡り新たな知識を学ぶことが大切なんですね。また一人で新たな創造ができるものではありません。そこで「協同」です。チームでやることを学ぶ。これが心と行為の指導です。

縦割りグループで様々な立場を体験する「学年団」

「どうぶつ村」は児童や保護者が飼育

――伝統的な取り組みはありますか

新保校長:「学年団」という取り組みでは1・2年、3・4年、5・6年と2学年ずつでグループを作り、体験活動をします。1・2年は電車で出かける「わくわく旅行」。3・4年は1泊2日の自然学校。5・6年は2泊3日の林間学校です。下の学年ではついていく立場ですが、翌年は自分が下の学年をリードしていく立場になります。同じことを2度行うことで立場が変わり、いろんな発見、感じ方をすることができます。

1年生と6年生のペア遠足

そのほか、1〜6年生でグループを作る縦割り活動や、自分たちで学校を良くするための取り組みを考えて行なう「プロジェクト活動」なども特徴的な取り組みです。3・4年生では自分たちで植えた大根を収穫して料理する「くらた祭」もあります。

「くらた祭」で野菜スープを作る子どもたち

 ――地域との関わりについて教えてください。

新保校長:受検校なので児童の通学エリアがとても大きく、市の公立学校とは地域との関わりは少し違います。地域の住民というよりは、浜松近辺の学校との関わりですね。

――静岡大学や附属中学校との連携について教えてください

新保校長:大学との連携はまさしく教育実習です。教育実習生は授業が未熟ですが、いろんな意味で児童が若い力と交流できることは良いと思います。また今、付属中学校と本校を拠点として「浜松トップガンプロジェクト」という理科系人材の育成を行うプロジェクトを行っています。そこでは「静岡大学」をはじめとした産官学連携での取り組みを行っており、地域に発信・拡大して連携を広めています。また附属中学校は隣にあり、部活動を通した交流もあります。放課後になると中学生が小学校の校内を部活で走っている光景も日常です。

卒業しても心に響く「感謝と努力」の校訓

校歌の3番目の歌詞「感謝と努力」が校訓

――校長としての感じていることを

新保校長:伝統はすごく大事でPTAや後援会、同窓会など先輩たちに支えられている学校だと感じています。その伝統をやはり守って大事にしていきたいと考えています。校歌の3番に「感謝と努力」という歌詞があり、これが校訓です。卒業生もみんなが胸に刻んでいる言葉です。小学校・中学校の9年間の子どもの成長を学校内に閉じることなく、大きな視野で見つめなければいけないですね。

記念タイムカプセル

――浜松の街や地域の魅力とは何でしょうか。

新保校長:今は「静岡大学」の教授と小学校の校長を兼任しており、週に2回浜松に通っています。これまではほとんど浜松のことを知りませんでした。頻繁に通うようになり、もっと浜松のことを知りたくなって散策することがあるんです。駅周辺から歩いて学校へ向かうとアップダウンや細い道があって、なんだか歩いているとワクワクする感じがするんですね。それがとても面白いと思います。小学校周辺は閑静な住宅街で落ちついた街という印象があり、住みやすい環境でもあると思います。

静岡大学教育学部附属浜松小学校 新保淳校長先生

静岡大学教育学部附属浜松小学校

校長 新保淳先生
所在地 :静岡県浜松市中区布橋3-2-1
TEL :053-455-1441
URL:http://fzk.ed.shizuoka.ac.jp/hamasho/
※この情報は2017(平成29)年2月時点のものです。

静岡大学教育学部附属浜松小学校 新保淳校長先生
所在地:静岡県浜松市中央区布橋3-2-1 
電話番号:053-455-1441
http://fzk.ed.shizuoka.ac.jp/hamasho/

モンテッソーリ はままつこどものいえインタビュー

モンテッソーリ はままつこどものいえインタビュー /モンテッソーリ はままつこどものいえ服部暁彦さん


イギリス王室でも取り入れられるなど、世界で多くの支持を受けるモンテッソーリ教育。「モンテッソーリ はままつこどものいえ」は浜松初の1歳児から受け入れ可能なモンテッソーリ教育専門の幼児教室として2015(平成27)年5月にスタートしました。おもちゃ屋のようにずらりと教具が並ぶ教室では子どもたちが自由にのびのび、そして一生懸命「お仕事」に取り組んでいます。カリキュラムが一切ない一風変わった方針の教室は今保護者からも注目を集めています。今回は代表の服部暁彦さんにモンテッソーリ教育と教室について伺いました。

子どもの「自立」を目指すモンテッソーリ教育

モンテッソーリ はままつこどものいえの外観

―開業の経緯を教えてください。

服部さん:「モンテッソーリ はままつこどものいえ」を始める前は教育系出版社で幼児用から社会人用の教材の編集を担当していました。編集の仕事は企画や構成、ディレクションなど制作に関する様々なことに関わりますが、経験を積むにつれマネジメントをする立場になっていきます。そんな中でほかの業務では力を発揮できるのに、マネジメントになるとうまく力を発揮できない例を多く見るようになったんです。「なぜだろう?」と疑問に思っていたときにモンテッソーリの教材を担当することになったんですね。すると自分の求めていた答えが「ここにあるじゃないか!」と。それが始まりでした。

教室内には100種類以上の教具を用意

―モンテッソーリ教育の魅力とは何ですか?

服部さん:この教育の目指すところとは「自立」です。「自立」とは自分のことが自分でできるようになること。その中で育つ子どもには「段取りが良い」「計画を立てて着実に実行できる」「臨機応変に対処できる」などの姿があります。決して勉強ができるようになることが目的ではありません。自分でたくましく生きていく力を身につけることなんですね。前職で「なぜマネジメントがうまくできないのか」を考えたときに根本の原因だと感じたのは、「あきらめてしまう」ということ。あきらめなければ知恵や工夫が生まれ、やり遂げることができます。モンテッソーリ教育が目指す「自立」とは将来社会人としての人間力につながっていくと思っています。

自分で興味のある教具を選び、とことん遊ぶ

―なぜ佐鳴台を教室の場所に選んだのですか?

服部さん:佐鳴台は浜松市の中でも文教地区として知られています。周辺には幼稚園や小学校、高校などの教育機関も多く、レベルも高いと言われます。教育に熱心なご家庭も多いエリアだと思います。そういったことが理由としては大きいでしょうか。

人間力を育むためにやりたいことをとことんやる

1クラス4名で90分。週1回から通える

―教室の対象年齢を教えてください。

服部さん:よちよち歩きの1歳から幼稚園年長までが対象年齢です。基本的に1クラス定員は4名で時間は90分。現在25人の子どもたちが通っています。1歳児・2歳児クラスと3歳~6歳児クラスがあり、スペースも分かれています。カリキュラムはなく、教室にある教具の中から子どもたちが自分でやりたいことを選んで「お仕事」と呼ばれる活動に入ります。
1歳から3歳頃までは自分が思った通りに動かすことができる器用な手を作るために、手や指先を使った活動が豊富に準備されています。3歳頃からは文字や数はもちろんですが、身のまわりのものにいろいろと興味が出てくる時期になります。ひらがなや数字に関する活動はもちろん、宇宙や地球、世界に関すること、男の子なら乗り物や生き物、恐竜に関するもの、女の子ならお店やさんやお母さんのお手伝いに関するものなど、子どもの興味を広げるような活動が豊富に準備されています。
自分のやりたいものを気の済むまでやることが「できた」という実感につながり、我慢や忍耐力、集中力を司る前頭葉を育てることにもなるんです。

紙で作ったカップケーキにビーズをあしらうお仕事

―教具で遊ぶことを「お仕事」と呼ぶのはどんな意味でしょう。

服部さん:大人にとって仕事とは生きていくために労働して対価を得ることですが、子どもにとってのお仕事とは、これから生きていくための力を付ける活動のことを言います。具体的には、自分の思い通りに動く手や指先を作るために、はさみで紙を切ったり、のりで貼ったり、色を塗ったり、針と糸で縫ったりという手作業です。
手作業はとても集中力を必要とするので、子どもにとってはとても疲れる作業です。しかし、作業をやり終えた子どもたちは達成感と自信に満ち溢れた表情を見せてくれます。だから遊びとは全く異なるものなのです。大人も自分がやりたい仕事に取り組み、やり終えた時は達成感や自信、自己成長につながりますよね。その点は大人も子どもも一緒ですね。

できたときには充実感も満足感たっぷり!

―親御さんに向けた講座も開催していますが、今後も開催の予定はありますか?

服部さん:保護者向け講座では、子どもたちの行動には意味があるというお話をさせてもらいました。例えば子どもたちが走り回っちゃうのも走る練習をしているんだと。そう考えると少し見方が変わりますよね。参加して頂いた保護者の方にとても喜んでいただけたので、今後は定期的に開催していく予定です。また、今年年長で通っている子どもたちが今後もモンテッソーリ教育の経験を積めるように、2016(平成28)年の4月から小学生クラスを開講する予定です。

定位置までコップに水を注ぐお仕事

―通われているご家族の反応はいかがでしょう。

服部さん:「いくつか通っている習い事の中で、子どもがここだけは行きたいと言っている」「こどもの家の活動が終わった後は満足げで落ち着いています」「週1回でも変わってきました」という声をいただいています。おかげさまで紹介も少しずつ増えています。私たち自身も子どもの成長に驚かされることがいっぱいあります。前はできなかったことが次はできるようになっている。そんな姿を見ると幸せな気分になりますね。今の目標は幼稚園のような形式で、子ども達が毎日やりたいお仕事に集中することで、たくましく世の中の役に立つような人材が巣立っていく、そんな教室にすることです。モンテッソーリの教室は長く続くところが多いのですが「はままつこどものいえ」もそんな風に10年後も20年後も子どもたちの成長をサポートしていけたらと思っています。

子育て環境が揃う浜松屈指の文教地区

1歳児・2歳児用スペース。手先を使う教具が揃う

―佐鳴台エリアの子育て環境や教育風土はいかがでしょう。

服部さん:佐鳴台は浜松を代表する文教地区です。学習塾や習い事も充実していて教育に熱心なご家庭が多いと思います。子どもに関連することでいえば子ども服のショップや写真スタジオなど、子どもに関連するサービスがたくさんあります。しかもそれぞれがオシャレで個性のあるお店が多いですね。 自然もたくさんあり、私の息子が通う保育園では近くにある佐鳴湖へ毎日散歩にいくそうです。そう考えると子育てには良い環境だと思います。
また、浜松の高級住宅街の一つですから住んでいる方たちも上品な雰囲気があります。私自身何度も経験があるのですが信号がない場所でも立っていると車が止まってくれる、そんな風に優しさと余裕を感じる街ですね。

モンテッソーリ はままつこどものいえ

モンテッソーリ はままつこどものいえ

代表 服部暁彦さん
所在地 :静岡県浜松市中区佐鳴台2-20-8
TEL:053-570-3958
URL:http://www.monte-happy.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

モンテッソーリ はままつこどものいえインタビュー /モンテッソーリ はままつこどものいえ服部暁彦さん
所在地:静岡県浜松市中央区佐鳴台2-20-8 
電話番号:053-570-3958
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜日、日曜・祝日
http://www.monte-happy.jp/

シンプリショップ インタビュー

シンプリィショップ インタビュー/シンプリィ・ショップ山本真樹さん


「シンプリィショップ」は佐鳴台のホワイトストリート沿いにあるおもちゃの専門店。ご近所はもちろん、他県からも絶え間なく人が訪れる人気ショップです。こちらが扱うのは木のおもちゃ、シュタイナー教材など。ヨーロッパを中心に、世界から集まるおもちゃで囲まれた店内は温かな雰囲気を醸し出し、子どもでも大人でも思わずワクワクしてしまうような空間です。そんな「シンプリィ・ショップ」のオーナー山本真樹さんにおもちゃ、教育への想い、そして地域の魅力についてお話しを伺いました。

感性を育てる「シンプリィ・ショップ」のおもちゃ

シンプリィ・ショップ外観

―シンプリィ・ショップを始めたいきさつを教えてください

山本さん:「シンプリィ・ショップ」を始める前は、広告やデザインの仕事をメインに活動していました。1991(平成3)年には独立して事務所を開きました。そんな中でフランスのあるおもちゃメーカーの国内プロモーションを担当することになったんです。それで素材を触ったり、形を見たりするためにいろいろなおもちゃを集めて。事務所がおもちゃ屋さんのような状態だったんです。

店内では子どもたちが遊びながらおもちゃを選べる

ちょうどその頃事務所を移転する話があり「じゃあそのままおもちゃ屋もやっちゃおう」と話が決まり、1998(平成10)年に「シンプリィ・ショップ」が始まりました。今は5丁目にありますが、当初は同じ佐鳴台の4丁目にあり、そちらで16年間。今の場所に移転して3年目になります。

―佐鳴台エリアを選んだ理由を教えてください。

山本さん:私は浜松生まれで浜松育ち。佐鳴台ではありませんが、近くに実家がありました。その頃は店の前の道路も途中までといった具合で何にもなくて自然がいっぱい。佐鳴湖にもよく遊びにいっていました。そうしたなじみがあるエリアで佐鳴湖にもすぐ行けるというのが理由ですね(笑)。

蜜蝋のクレヨンなど画材も販売

―取り扱い商品でシュタイナー教材とありますが、どんなものですか?

山本さん:シュタイナー教育はドイツ発祥のものですが、様々な体験を積んで感覚を磨いていくというスタイルの教育法です。その教育に関連するおもちゃですが、木、蜜蝋、草木染めなど、自然素材が主になったおもちゃですね。シュタイナー教育はつめ込み型の教育ではなくて、自分で考えるという教育なんですね。中には「それで大丈夫?」と心配される方もいますが、自分でいろんなことができるようになるので学習能力が高く、リーダーになるような子どもが多いと言われます。だからおもちゃも安全な素材はもちろん、さまざまな遊び方を見つけることができる、そんな子どもたちの感性を育てるおもちゃを扱いたいと思っています。

さまざまな体験を通して「つながり」を伝えたい

「ウォルドルフ人形教室」の様子

―これまで実施したイベントを教えてください。

山本さん:年に1~2回「ウォルドルフ人形教室」を開催しています。これもシュタイナー教育の一つですが、母親が子どものために手作りの人形を作るんです。材料は自然素材を使い、人形の中に入れる綿も羊毛を使います。時間をかけてひと針ひと針一生懸命作るんですが、そのときに子どものことを考えるその過程が大切なんですね。かれこれ10年ほどこちらは続けています。そのほかにも「シュタイナーの手仕事」「シュタイナーの遊び」などの呼び名でコンサートやワークショップなどさまざまな催しを開催しています。いろんな方に体験をしてもらい、楽しさや心地よさといった気持ちを共有できたらと思っています。

体験講座も行う「どうぶつしょうぎ」

―お客様の層や印象を教えてください。

山本さん:本当に幅広いお客様が足を運んでくださいます。どちらかと言えば女性が多いですが、男性もいらっしゃいます。ファミリーで来店してお子さんと一緒に楽しそうにおもちゃ選びをしたり、おじいちゃんやおばあちゃんがお孫さんのためのプレゼントをいろいろ迷いながら選んだり。また子どものためではなく大人がリハビリ用にとおもちゃを購入することもあります。

一番人気は引っぱるおもちゃ「プルトイむかで」

ショップを始めて20年ほどになりますが、この頃は「シンプリィ・ショップ」のおもちゃで育ったという若者たちがショップに帰ってきてくれることもあります。最近も一人訪ねてきてくれました。町内のお子さんでよく一人で遊びにきていた子なのですが、子どもの頃は暴れん坊のそぶりを見せることもあり、ちょっぴり心配していたんです。それが好青年になっていて「自分のために今度買いにきます」と言ってくれました。長くやっていることでそうやってつながっていく。それがうれしいですね。

自然や環境に関する教育指導も行う

―浜松市環境学習指導者としても活躍されていますが、活動について教えてください。

山本さん:月に1~2回、浜松市内の幼稚園や保育園に訪問して自然に関する授業を行っています。園外に出て自然に触れることももちろんありますが、もっと身近にもいろんな自然があるんだよということを知ってもらいたいんですね。例えば窓を開けて「風の匂いを嗅いでみよう」とか。「ネイチャーゲーム」と言いますが、五感を使って自然と触れ合う体験をします。この活動は子どもたちの感性を育てるとともに私自身は非常時にも役立てることができると考えています。

環境学習の様子

園外に出て道を歩くことで近所の人に顔を覚えてもらう、そのほかにも例えば「交通がマヒしたら何が必要?」という質問で答えを考えるような質問ゲームだったり。いろんなところに気づきがあって、いろんな可能性があって、いろんなことがつながっているんだよということを伝えたいですね。

―山本さんにとって“おもちゃ”や“遊び”とは?

山本さん:生きるために絶対に必要なものだと思いますね。とくに自由な遊びです。それをサポートするのがおもちゃだと思います。遊びがない人生ってつまらないですよね。ただ子どもと大人の遊びはまったく違うもの。子どもにとって遊びは仕事みたいなものです。人間としての力を養うためにも遊びをして育たなければいけない。そして大人にとって遊びは「癒し」みたいなものなのかなと思いますね。

便利で上質感のあるフレンドリーな街

遠鉄ストア フードワン佐鳴台店

―佐鳴台エリアの魅力とは?

山本さん:まずいろんな場所へ出かけるのが便利な街ということ。「浜松」駅にも行きやすく、「浜松西IC」からもそれほど遠くないので遠方に出かけるときも電車・車と手段を選べて便利ですね。また周辺には歯科、耳鼻科などクリニックも揃っているので病院関係で困ったことはありません。近くには佐鳴湖などの豊かな自然もあり、地元で上品なスーパーマーケットとして知られる遠鉄ストアも近くにあります。
佐鳴台は浜松の中でオシャレな街と言われますが、フレンドリーな街でもあると思います。「シンプリィ・ショップ」にも近所の方が散歩がてらにふらっと立ち寄っておしゃべりしていくこともしばしば。転勤者も多く、お店の情報や子育てについての情報を質問されることもよくあります。また高台なので地震での津波についても他エリアに比べて安心感は高いですね。

シンプリィ・ショップ 店主・山本真樹さん

ドイツの木のおもちゃとシュタイナー教材
シンプリィ・ショップ

店主・ネイチャーゲーム指導員
山本真樹さん
所在地 :浜松市中区佐鳴台5-23-15
TEL :053-445-3260
URL:http://www.simply-jp.com/
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。

シンプリィショップ インタビュー/シンプリィ・ショップ山本真樹さん
所在地:静岡県浜松市中央区佐鳴台5-23-15 
電話番号:053-445-3260
営業時間:11:00~19:00
定休日:月・火曜日(祝日の場合は営業)
http://simply.hamazo.tv/

Trinity(トリニティ)インタビュー

Trinity(トリニティ)インタビュー/Trinity(トリニティ)竹林直樹さん


佐鳴台ホワイトストリート沿いでヨガスタジオ&アロマセラピーサロンと自然にこだわったセレクトショップを営む「Trinity(トリニティ)」。2011(平成23)年にオープンして以来、ヨガスタジオはたくさんの受講者が通う人気スタジオとなった。自然との共生をコンセプトに独自の展開をする「トリニティ」の想いや特長についてオーナーでヨガインストラクターの竹林直樹さんにお話を伺った。

トリニティ代表の竹林直樹さん

三位一体を目指したホリスティックな展開へ

―まずトリニティの沿革と概要を教えてください。

トリニティはヨガインストラクターの私がアロマセラピストである妻の雅代と夫婦二人で始めたお店です。オープンは2011(平成23)年で、現在4年目を迎えました。ヨガスタジオとアロマセラピーサロン、ヨガグッズやエスニックの衣料を販売するセレクトショップの三部門で構成しています。

―お店を佐鳴台にオープンしたきっかけは?

独特の雰囲気があるトリニティの外観

じつは私は横浜出身で、以前は横浜のヨガスタジオでインストラクターをしていました。妻の地元が浜松ということもあり、こちらでスタジオを始めることにしたのですが、当初は浜松の土地勘がまったくありませんでした。そこで物件を探しに市内をいろいろ巡ってみたんです。そんな中で佐鳴台という街に来て他の場所にはないオシャレな雰囲気を感じたんです。緑が豊かで品のあるスマートな街だなと。ちょうどそんなことを思っていたときに出会ったのが、今トリニティがある建物です。外壁に這う蔦の具合や全体の雰囲気が気に入り、「ここしかない」という勢いで決めてしまいました。実際にお店をオープンして、この環境を気に入っていますね。

―異なる3つの部門をまとめたのはなぜですか

グッズ販売は私がヨガインストラクターになる以前の仕事のつながりから取り扱うようになったのですが、自然素材にこだわっています。トリニティは「自然との共生」をコンセプトに、楽しく健康的なライフスタイルを提案したという思いがあります。そして3つの部門はコンセプトの部分でつながっていて、心地よかったり、リラックスできたりする共通項があります。だから自然にまとまったという感じです。トリニティは英語で「三位一体」の意味があります。私たちが考える健康とはBody(身体)、Mind(心)、Spirits(精神)のバランスがとれて、三位一体になる状態のこと。3つの部門はそれらのバランスを整えるためのサポートという目的があります。

※ギリシャ語で「全体性」を意味する「holos(ホロス)」を語源とする。health(健康)もホロスから派生した言葉。

ヨガスタジオ

伝えるために、新たな講座をスタート

―それぞれの部門の内容や特長を教えてください

まずヨガスタジオはリラクゼーションを目的としたクラスから初級者向け、経験者向け、マタニティ・産後ヨガのクラスなど複数のクラスがあります。ヨガと一口に言ってもいろいろありますが、トリニティのヨガは南インドの伝統的なスタイル(シヴァーナンダ・ヨガ)を踏襲しています。ヨガスタジオではフィジカルな部分に特化したところも多いのですが、ここでは呼吸法や瞑想など、内面の部分にもじっくり取り組んでいるのが特長です。

ヨガクラスレッスン中の様子

英国IFA認定アロマセラピストの資格を持つ妻が担当するアロマセラピーサロンは女性専用・完全予約制のサロンです。特長としてはイギリス生まれのオーガニックスキンケアブランド『ニールズヤードレメディース』の認定スクールであること。初心者に向けたスクールやアロマセラピー基礎講座なども開講しています 。ただし現在は産休に入りサロンはお休みしています。来年の4月以降には復帰する予定です。

アロマセラピーサロン

セレクトショップでは自然素材にこだわっています。ヨガウェアをはじめとするヨガ関連グッズ、ショールやアクセサリー、アロマセラピーの関連グッズなどを取り扱っています。また夏にはエスニック衣料も登場します。

ヨガ関連グッズやアロマのグッズなどが揃うセレクトショップ

―ヨガインストラクター養成講座はどのような想いから始めたのでしょうか。

ヨガインストラクター養成講座はポーズや呼吸法などのメソッドだけではなく、ヨガの歴史や理論、哲学などが学べる内容になっています。今年3月にスタートし、この8月に第1回生が終了したところです。終了すると全米ヨガアライアンス200時間(RYT200)の資格が取得できます。この講座を始めたのは通常クラスでは伝えきれないことを「伝えたい」と思ったからです。ヨガは3000年以上の歴史があり、その長い時間を人が伝えて広げてつなげてきたものです。私も師から伝えてもらった一人。だから同じようにヨガを伝えていきたいと思ったのがきっかけです。そしてメソッドを実践し、自分が感じたことを自分で伝えていけるようなインストラクターを育てたられたらいいなと思っています。20代〜50代まで様々な受講者がいましたが、年代が違い普段交わらないような人と関われるのも面白かったと好評でした。

養成講座の様子

―お客様の層や印象について教えてください。

20代〜70代まで様々な年代の方が通ってくれています。一番多い年代は30代〜40代の方で女性がやはり多いですが、最近は男性の受講者も増えています。でもそれがヨガの特長です。年齢も男女も関係なく誰でも楽しめるのがヨガの魅力です。ヨガという言葉は「つながる」「つなげる」という意味もあるんです。クラスが終わった後みんなで話をしたり、友達になったり、そういう場所にトリニティがなれたらいいなと思っています。

年齢も性別も関係なく楽しめる

緑豊かな環境と品のあるオシャレな街並が魅力

―佐鳴台エリアの魅力を教えてください。

佐鳴台は佐鳴湖畔の小高い丘にある自然が豊かな街なんです。トリニティの目の前には「蜆塚遺跡」があり、竪穴住居の再現や国指定史跡の貝塚が見られます。緑に溢れた場所で散歩に来る人も多いんです。また佐鳴台には、ホワイトストリートをはじめ、オレンジ、グリーン、パープル、レモンとカラーで呼ばれる通りがあるんです。カフェやスイーツ店、雑貨屋なども多く、オシャレな雰囲気があります。近くには遠鉄ストアやイオンもあり、浜松の街中にも遠すぎず、近すぎずの距離で意外と便利なんです。転勤者が住むことが多いというのも環境の良さがあると思います。

佐鳴湖

竹林直樹さん

Trinity(トリニティ)

代表:竹林直樹さん
静岡県浜松市中区佐鳴台5-1-10
TEL:053-482-9121
URL:http:// trinity-yoga-aroma.com/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

Trinity(トリニティ)インタビュー/Trinity(トリニティ)竹林直樹さん
所在地:静岡県浜松市中央区佐鳴台5-1-10 
電話番号:053-482-9121
営業時間:9:30~20:45、土曜日8:30~18:15、日曜日9:30~18:15
定休日:不定休
http://trinity-yoga-aroma.com/

和泉市立光明台中学校 野里 和宏校長先生


和泉市立光明台中学校
野里 和宏 校長先生

“つながり”を大切に、小中一貫教育を推進

1978(昭和53)年に開校した「和泉市立光明台中学校」。光明皇后の誕生にちなんで名づけられた光明池や「光明池緑地」に近く、風光明媚な自然に恵まれた心やすらぐエリアにある。良い学校とは、「子どもを通わせたい学校」「子どもが行きたい学校」「職員が務めたい学校」と話す野里和宏校長。“小中一貫”を掲げ、生徒、教師、保護者の“つながり”に重きを置く同校の概要、そして独自の取り組みについて話をうかがった。

1978(昭和53)年開校とお聞きしましたが、「和泉市立光明台中学校」の設立の背景や沿革について簡単に教えてください。

和泉市立光明台中学校 校区

住宅開発というものを受けて、開校されたと聞いています。設立されたのは開発の前になりますので、当初は1学級でスタートしました。1991(平成3)年には、全校生徒が783人というピークを迎えました。現在は600名ほどに落ち着いています。生徒数を見れば中規模の中学校ということになりますね。

この40年弱で培った、「和泉市立光明台中学校」の伝統や校風について教えてください。

和泉市立光明台中学校 書道

校風についてはすべての学年が仲が良いという特徴がありますね。上級生が先輩風を吹かせるのではなく、皆が同じ学校の生徒という意識を持ってくれています。先輩、後輩という序列はあまりありません。ただ、何か行事を実施するときなど上級生が先輩として行動してくれています。生徒たちは明るくて元気。まじめな子どもたちが多いですね。通っている生徒のご家庭は総じて教育熱心なご家庭が多いと思います。

教育目標に「美しい心」がくるのがとても印象的です。ほかに「高い学力」「しなやかな体」の3つを掲げられていますね。

和泉市立光明台中学校 壁画

「心の教育」というものがよく言われていると思います。それをいち早く教育目標に取り入れたという事です。心が美しければ、それはすべてに通じるものです。例えば人間関係であるとか、そうしたすべてのことに関わっていけるんじゃないかということで、歴代の校長先生が作られ、今もそれを踏襲しています。学校の目標は簡単に変えるものではありませんし、掲げた教育目標を受けて、何に取り組んでいくのかが大切なことになります。「高い学力」というのは、そのまま学力ですね。「しなやかな体」というのは、体格などは健康というものになってきますが、もうひとつの意味として、いろんな事柄に順応できる体づくり。粘り強さなど、心と密接に関わった体力を養っていこうということです。これらを教育活動のすべての中に盛り込んで行っています。

「福祉・人権教育を推進する」ことも目指していらっしゃり、平和人権学習も積極的に行われているそうですね。具体的にどのような学習か教えてください。

和泉市立光明台中学校 階段

毎年8月6日の広島の日を、平和登校日という位置づけにして、平和教育に関する講演をしたり、映画を鑑賞したり、その行事には保護者の方の参加も募ったり、近くのホールを借りて実施しています。3年生は沖縄に修学旅行に行きますので、その時に学んで来たことをみんなの前で報告するなどの活動をしています。アフガニスタンに行って来られた戦場カメラマンの方を招いてお話をしていただいたこともあります。

クラブ活動も盛んに行われており、陸上部などが活躍されているようですね。

和泉市立光明台中学校 表彰

男子バスケットボール部は大阪府のベスト4、平成26年度3年生の中から2名が大阪府代表に選出され、都道府県別大会で大阪府が優勝する立役者になりました。またうち1名は、JAPANアンダー16のメンバーにも選出されました。また、男子陸上部の駅伝大会では大阪で6位になっています。部活動の数は少ないのですが、活発に活動しています。部活動は技術の向上というものももちろんあると思いますが、それと同時に仲間と一緒に努力することの大切さを考え、顧問の先生方は土日も関係なく熱心に指導していただいています。苦しいことに耐え、同じ目標を持って継続することは必ず将来に生きてくるはずです。先輩後輩という関係も学習し、先輩から学び、後輩に伝え、ともに伸びようとしている子どもたちの姿はすばらしいものです。

地域との連携も行われているようですが、実際にどのようなことをされているのですか。

和泉市立光明台中学校 防災

全国的にも広がっていますが、本校区にも「地域教育協議会」があります。中学校区単位で組織されているのですが、光明台中学校校区では「かがやけ子ども推進協議会」というのがあり、校区内の2つの小学校と地域の諸団体の代表者が集まり、校区の子どもたちの健全な成長をめざし、さまざまな取り組みを推進しています。近くの光明台池の歴史を学びながらのフィールドワーク、を行ったり、今年度は地域をあげての防災訓練を実施しました。校区内のポイントに集まり、中学校に集合するというものでした。年配の方、車いすの方、小学生など、を中学生が支えて誘導することもできました。光明台中学校には率先して何事に対しても行動できる生徒が多いと思います。

PTAの活動も活発にされているようですね。

和泉市立光明台中学校 校庭

小学校のPTAさんと連携してフラワーアレンジメントやパッチワークなど、それぞれが作品を作り、市民文化祭に出展する活動がありますし、子どもに還元することを目的として、毎年、餅つき大会を行っています。前述の「かがやけ子ども推進協議会」にも積極的に参加していただいています。今後はますます小中PTAの繋がりが増していくと思います。

小学校の職員と合同で行う活動が活発なのでしょうか。

和泉市立光明台中学校 廊下

小中一貫教育の研究校としてのこの1年は、合同研修を数回にわたり実施し、交流を深めています。また、道徳教育に関しても3校の道徳教育推進教師が中心になってお互いの授業を見学し合う公開授業も行っています。また、親睦を兼ねたスポーツ大会を行ったり、地域の行事にも小中多くの先生方が一緒に参加しています。

小中の先生同士の交流を大切にされているのですね。

和泉市立光明台中学校 教室

今、良く言われている小中一貫教育というものがありますが、光明台中学校区でも「6」と「3」ではなく、「9」として小中で一緒になって見ていこうとしています。義務教育は9年間と法律ではなっていると思いますが、便宜上「6」と「3」になっているわけです。その9年間を小中の先生で一緒に見ていこうというスタンスで先生方もやってくれています。「6」と「3」でプツンと交流が切れてしまうことは決して少なくありません。それをしっかり繋いでいこうという試みです。例えばですが、7年生、8年生、9年生でも良いと思うんです。「段差」というものを無くしていくことが大切。専門的な話になりますが、小学校と中学校の学習内容の中には、ダブッているところもあります。それは省くことができますし、繋がりがあれば、小学校でここの部分まで習ってきたということを把握することもできます。先生方の負担は増えることになりますが、子どものためにというなかで、先生方も一生懸命取り組んでくれています。そうすることで、PTAもつながります。教師が繋がり、子どもが繋がれば、親も繋がります。子どもたちのより良い成長も進んでいくと思いますね。

「和泉市立光明台中学校」が独自で取り組んでいる活動はありますか。

和泉市立光明台中学校 講演

最近行ったのは「性教育」についての講演会です。国際ソロプチミストという団体から、産婦人科医さんを派遣していただいて、中学3年生を対象にすこしインパクトを強くやっていただいています。性感染症や望まない妊娠など、そういうものを含めて自分を大切に、何かあれば相談するようにという投げ掛けをしてもらっています。とても難しい分野ではありますが、誰かがしっかりと踏み込まなければいけないことでもあると思います。

和泉市立光明台中学校 スカイプ授業

もうひとつが、和泉市で初めての取り組みでしたが、スカイプでシンガポールとつないで授業を行いました。講師は小学4年の時に私が教えた教え子です。内容としては、「ICT機器を使うことでいろいろなところと繋がることができる」そういうことの生徒たちへの発信です。それと、教え子はいま、宝石デザイナーをしています。ですので、いわゆる「キャリア教育」にもつながる話をしてもらいました。初めてのことでしたから我々も手探りで始めましたが、生徒にはとても好評でしたね。

校長先生ご自身の目標はありますか。

和泉市立光明台中学校 図書

「子どもが行きたい学校」「子どもを通わせたい学校」「職員が働きたい学校」、こういう学校をつくりたいと思っています。子どもたちが楽しく学校に来ることができる、学習も部活動もがんばることが出来る学校づくりを考えています。そのためにも、職員がさまざまなアイディアを出し、子どもたちにいろんな情報を発信をすることが大切かと思っています。40名の中から一人でも二人でも、何かを受け止めてくれたらいいと考えています。たとえば前述のスカイプの授業でも、あれを見て海外で働いてみたいと思う子がいたり、デザイナーをめざす子がいたりするかもしれません。何も関係ないと思う子がいてもいいのです。子どもたちにとって選択肢のひとつになればいいのです。いろいろな選択肢を私たちが提供することで、悩む子が出てくるかもしれませんが、それも学習です。そんな中から子どもたちが自分の進むべき道を見つけてくれたらいいと思っています。写真は直木賞を受賞された西 加奈子さんのコーナーです。西さんは「和泉市立光明台中学校」の卒業生です。

和泉市全体の教育についての考え方を教えてください。

和泉市立光明台中学校 お弁当

和泉市は平成29年度からすべての中学校区で小中一貫教育の実施に向けて取り組んでいます。文部科学省でも制度化されることになりましたが、各学校の先生方がいろんな形で研修を続けています。課題もたくさんありますが、子どもたちのよりよい成長を目標に本校の先生も頑張っています。

また、大阪府内でも少ない中学校の完全自校式の給食があります。これは和泉市の自慢できるところです。小学校はもちろんですが、市内すべての小中学校で毎日暖かい、愛情のこもった給食を子どもたちは食べることができています。

最後に学校の周辺環境について教えてください。

和泉市立光明台中学校 校門

最初にお話したように、ここは開発された場所になります。ただ、開発の段階で緑地を作る、公園を作るというスタンスを和泉市の方がやってくれました。そのため、グランドもありますし、体育館もありますし、公園もあります。それが今でも残っています。春はウグイスの声を聴くことができますから、環境的にはすごく恵まれています。光明台中学校区は住みやすい街だと思いますね。

和泉市立光明台中学校 校長

今回、話を聞いた人

和泉市立光明台中学校
野里 和宏 校長先生

所在地:大阪府和泉市光明台1-28-1
電話番号:0725-56-3220
URL:http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/school/jhsch/koumyoudai/
※本文内容は、2015年3月取材時のものです。

和泉市立光明台中学校 野里 和宏校長先生
所在地:大阪府和泉市光明台1-28-1 
電話番号:0725-56-3220
http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/school..

和泉市立光明台北小学校 北野 洋一校長先生


和泉市立光明台北小学校
北野 洋一 校長先生

1985(昭和60)年創立、大切にする3つの教育理念

1985(昭和60)年に創立した「和泉市立光明台北小学校」。「自ら学び、人間性豊かな子どもを育てる」を教育目標に掲げ、「心身の健康」「思いやり」「我慢」の3つを学び育んで欲しいと話すのは北野洋一校長だ。遠方からの登校者が多い特徴の中で、地域と一緒になり子どもたちを見守る同校。子どもたちが自発的に取り組む「光北しぐさ」とはどんな活動なのか。さまざまな角度から北野校長に話を伺った。

学校の沿革・概要などを教えていただけますか。

和泉市立光明台北小学校

開校は1985(昭和60)年の4月1日になります。その時の児童数が225名、教職員の数は18名でしたが、今年度では児童数が764名、クラス数が28クラスですので、開校当時よりかなり多くなっていますね。目の前に「光明池緑地」があり、素晴らしい環境にあると感じています。去年4月に赴任したばかりですので、まだまだこれから魅力が分かって行くのだと思いますね。地域、保護者もすごく協力的で、子どもたちも素直で明るい子が多い。とても良い学校に来させていただいたと思っています。

昨年、開校30周年の記念式典を行われたようですね。

和泉市立光明台北小学校

毎年、一般的には文化祭にあたる「光北祭」を実施しているのですが、今年度はさらに地域の方やPTAをお招きし、30周年の記念式典を行いました。文化祭は普段は公開していないのですが、喜んでいただきましたね。記念誌、タオル、クリアファイルなどを作りました。

30年という伝統を学校生活の中で感じることはありますか。

和泉市立光明台北小学校

過去にこの学校で勤めていたのなら感じたのかも知れませんが、今年赴任したばかりなので、30年目を担当させてもらっているという意識が強いですね。ただ、歴代校長、歴代PTA会長の写真などを見ると、いろんな方が関わってきてくれたんだと思います。その重みをこれから2年目、3年目を迎えることで感じて行くのだろうなと考えています。

小学校の教育目標について教えてください。

和泉市立光明台北小学校

「自ら学び人間性豊かな子どもを育てる」という大テーマがあり、「よく考えて行動する子」「思いやりのある子」「元気で明るい子」を目指す児童像として掲げています。来年度の教育目標はまたしっかりと検討していきたいと思っていますが、教育目標というものは、そんなに簡単に変えて行くべきものではないと考えています。

小学校に通う児童たちに何を学び、どのように育って欲しいと思いますか。

和泉市立光明台北小学校

一番思うのは、心身ともに元気であってほしいということです。心の悩みを抱えている子はいると思いますし、それらをすべて解消して家に帰るのも学校に来るのも楽しいと思えるようになって欲しい。心身ともに健康であるというイメージを大切にしています。それに、思いやりという言葉がありますが、人とつながれる子を育てたいと考えています。誰かがしんどい思いをしていればそっと手助けしてあげるとか、誰かがすごく良いことをすれば一緒に喜んであげられるとか、よく「アイツはアイツ」という言葉があったりしますが、そうではなく、「良かったね」「残念だったね」という言葉をお互いにかけられるようになって欲しいと思っています。それと、我慢する力も育ててあげたいと考えています。我慢というのは、何をされても耐える、こらえるという意味だけではなく、そこでエネルギーを溜めてそれを乗り越えていく。今は頑張って努力して、それがいつか開花する、そこまで頑張れるというのが我慢だと思う。そういう意味での忍耐力をつけて欲しい。「心身の健康」「思いやり」「我慢」。この3つは学び育んで欲しいと思っていますね。

児童会の子どもたちが中心となり「光北しぐさ」というものをされています。これはどのような活動なのでしょうか。

和泉市立光明台北小学校

どこの学校も行っていると思いますが、例えばトイレに行ったときにスリッパを並べることなどですね。「光北しぐさ」とありますが、もともと「江戸しぐさ」というものがあります。例えば傘をさしてスレ違うときに、傘をどちらに傾ければぶつからないか、そういう行動パターンというのがあります。取り組んでいる事としては「友だちがこんなことをしてくれて嬉しかった」という事をしぐさの紙に書いてもらいます。それをどんどん掲示し、時間があるときはその掲示物から抜粋し「これを読んですごく良い気持ちになりました」と児童たちに紹介しています。大人の指示で動くのでなく、自分自身の判断で良いことをして心を豊かにしていこうというコンセプトですね。

遠くから通われている子どもも多いようですが、登下校中の安全対策など、学校、地域で取り組まれていることはありますか。

和泉市立光明台北小学校

PTAの委員が最低、週1回は必ず登下校で立ってくれています。毎朝立ってくださる地域の方も、5名いらっしゃいます。教員も順番に2名は学校の外に出て見回るようにしています。ここは光明台という地域になりますが、実は光明台から来ている子どもは極めて少ないんです。歩いて30分くらいかけて通う子どもたちが多い。不審者対応という意味でも地域、保護者の力を借りるのは大切ですし、学校だよりで協力を呼びかけるとすぐに次の日には当番じゃなくても「立とうか」と言ってくれる保護者の方もいらっしゃいます。また、メールでの情報配信も行っています。校区内で不審者が出没した情報、隣接する校区で不審者情報があった場合、できるだけ外に出て登下校の見守りをお願いします、などとメールでお伝えすると次の日にはたくさんの方が送ってきてくださいます。できるだけ早く正確に情報は伝えるようにしています。また、1年生は安全歩行について、6年生は正しい自転車の乗り方についてなど、学年別に、関係機関のお力添えのもと、交通安全教室も実施しています。

同じ校区内での中学校、小学校の先生方との連携はどのように考えていらっしゃいますか。

和泉市立光明台北小学校

和泉市全体が中学校区でひとつの名称があり、ここでは「光明台かがやけ学園」というものになります。一貫校というと、同じ敷地に小中学生がいるイメージがあると思いますが、そればかりが一貫教育ではありません。中学校の先生が「6年生で学んだこと」を把握できていることは大切なことです。それに、中学校の先生が小学校に体育などを教えに来てくれることで、「あの時はありがとう」と言えるだけでも大事なことだと思います。小学校も中学校も同じことをするわけじゃないですが、「この子たちをこう育てたい」「こういう力をつけさせてあげたい」という目標を中学校の先生も小学校の先生も持ったうえで、9年間で育てようという意識を持つことはとても大切だと思います。それを共有して、方法を探ることは大きな意味を持ちますし、子どもたちの安心感にもつながっていくと思っています。

ホームページではブログをつけていらっしゃるようですが趣旨を教えてください。

和泉市立光明台北小学校

行事の様子をタイムリーに知らせたいということですね。スタッフの数もあるので、毎日更新することはできないのですが、もともとは臨海学校などで出かけたときに、元気にやってますよという様子を知らせるために始めたものです。今でも宿泊の時は「いま晩御飯食べてますよ」などをアップすることで、保護者の方には安心してもらえています。最近では宿泊行事だけではなく、学校で何か行事があったときにはできるだけ更新するようにしています。

和泉市では毎月11日に「いずみあいさつ運動」というものを行っているようですが、小学校でも取り組まれているようですね。

和泉市立光明台北小学校

PTAの方、地域の方が学校前に集合してくれるんです。交通安全指導員の方とかも含め、いつもは違うポジションに立っていてもこちらに近づいて来てくれます。主要な駅前では市の職員さんも旗を立てて活動していらっしゃいます。ゴロあわせで11日は「いい日」。和泉市上げての挨拶の日となり、学校で行っているから「あいさつ運動」と呼んでいます。私がこの学校に赴任してからはまだないのですが、和泉市のゆるキャラ「コダイくん」「ロマンちゃん」が学校に来ることもありますね。それに、うちの子どもたちはすごく元気な、気持ちのいい挨拶ができます。これは自慢ですよ。

和泉市エリアの子育て環境、教育環境はいかがですか。

和泉市立光明台北小学校

いろんな顔を持っている市だと思います。例えば、昔からの旧家が集まっている地域や、新興の住宅地などもあります。光明池の周辺は新しい住宅がどんどん建っていて、もっとこれから人と人がつながって発展していく地域なんだと思います。目の前の「光明池緑地」にふと足を運べば自然がいっぱい残り、子どもたちが車を気にせず遊べる広場もいっぱいある。うまく利用すれば学校が存在する環境としては非常にいいところだと思いますね。遠くから通うという意味では子どもたちも良く頑張っていると思う。それを大人がサポートすることも大切なことでしょうね。光明池公園では、1・2年生が落ち葉を見つけにいったり、マラソン大会を開いたりしています。将来的には小中一貫の中で、小学生と中学生が一緒に集まって、そこで楽しい行事が持てればいいなと考えています。

最後に和泉市エリアの魅力を聞かせてください。

和泉市立光明台北小学校

最近では、ららぽーと、コストコなどの商業施設が充実してきたり、安倍晴明伝説で有名な「葛葉稲荷神社」や、「弥生文化博物館」という弥生式土器が出てくる地域があったり、旧から新までいろんな顔がある街です。だんじり祭りが盛んな地域もありますし、本当に多種多様な魅力がある街だと思いますね。

和泉市立光明台北小学校

今回、話を聞いた人

和泉市立光明台北小学校

北野 洋一 校長先生

所在地:大阪府和泉市光明台1-35-1
電話番号:0725-56-6700
URL:http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/school/esch/koumyoudaikita/

※本文内容は、2015年3月取材時のものです。

和泉市立光明台北小学校 北野 洋一校長先生
所在地:大阪府和泉市光明台1-35-1 
電話番号:0725-56-6700
http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/school..

大和市教育委員会インタビュー

“確かな学力”につなげる大和市の教育


大和市文化創造拠点「SiRiUS(シリウス)」が開館し、新たな文化の発信拠点を手に入れた大和市。今回は、その大和市教育委員会がインタビュー先となる。大和市の試みや教育の特徴、また教科化される英語への取り組みなどについて、お話を伺ってきた。

大和市の教育とは

充実した学校図書館

――大和市の教育方針について聞かせてください。

大和市では、「大和市学校教育基本計画」に基づいた教育を実施しています。“自ら成長する力をはぐくむ学校教育”を基本理念とし、それを実現させるために3つの要素が必要と考えています。“子どもを中心に据えた学校教育”と“家庭と共につくる学校教育”、そして“地域社会と共につくる学校教育”の3つです。最初に挙げた“子どもを中心に据えた学校教育”については、教育を通じて子どもの潜在的な能力を引き出し、幸せな人生を歩んでもらうという立場を改めて明確にしたものに他なりません。

“家庭と共につくる学校教育”に関しては、生活スタイルの変化により、社会の一員として生きていく上で欠かせない資質を各家庭内で教わらないケースが増えてきたため、学校と家庭が互いに協力・補完し合うことが求められるようになりました。最後の“地域社会と共につくる学校教育”については、生きる知恵や社会性を身につける場として、地域社会が重要な役割を担っていることを再認識した上で、学校と地域社会の双方が、子どもにより良い環境を提供していくという意味です。

トイレのリニューアルも進む

――大和市の特徴的な取り組みがありましたら教えていただけますか?

放課後の空き教室を活用し、学習習慣と基礎学力の定着を図る「放課後寺子屋やまと」を全市立小学校で実施しています。中学校については、非常勤講師の力を借り、躓きやすいとされる数学・英語を中心に学習支援をしています。ハード面としては、男子トイレの個室化工事が2018(平成30)年度で終わる予定で、自動照明や自動水栓、さらには乾式の床に変わります。

他市と比べても充実していると言えるのは、学校内とは思えない図書室ですね。すでにリニューアル工事は終わっています。各校に1人ずつ配置している図書館司書は、話題になっている本や読むべき本との橋渡しになってくれるだけでなく、子どもが興味を持ちそうなポップなどの作成も担当。リニューアルだけでなく図書館司書のそうした努力により、貸出冊数が飛躍的に伸びました。

自動水栓を導入

――児童・生徒の学業以外でのフォローについてはいかがでしょうか。

校門を潜ることはできても、そこから教室まで足が向かないという児童もいますから、“不登校”と一括りにするのではなく、それぞれのケースに合ったフォローを不登校児童支援員にお願いしています。小学校には不登校児童支援員を配置する一方で、中学校には不登校生徒支援員がいます。人と話したり、相談しづらいという場合には、電話とメールによる窓口を設けています。

図書の貸し出し冊数は飛躍的に伸びた

――英語教育の取り組みについても聞かせてください。

小学校における英語の教科化に伴い、各教員が対応できるように民間企業と連携し、2016(平成28)年からの3年間でその準備を進めているところです。ALT(外国語活動指導助手)やAET(外国人英語指導助手)の派遣に加え、学校で学んだ外国語学習を活かせる場として、小学生を対象にEnglish Dayも開催しています。

グローバル社会に対応すべく、子どもたちは小学校低学年から英語に触れることになりますが、1・2年生は“ふれる”をテーマとし、正しい発音に触れたり、それを真似たりしながら英語の面白さを発見。3・4年生になるとテーマは“慣れ親しむ”になり、簡単な単語を組み合わせることで、コミュニケーションを図ります。5・6年生のテーマは“進んでコミュニケーションを楽しむ”で、2年ごとにステップアップしていきます。

“確かな学力”につなげる大和市の教育

――他校や地元企業との“連携”についてはいかがでしょうか。

市内に一貫校はありませんが、小学6年生の担任が、進学先である中学校の様子を見にいくなどの連携はあります。また、中学生になればキャリア教育の一環として、協力していただける地元の商店街で働かせてもらうといったことはあります。

未来に向けて

「放課後寺子屋やまと」を全市立小学校で実施

――今後さらに力を入れていこうと考えていることはありますか?

“確かな学力を身につけさせる教育の推進”という一言に尽きます。小学校の英語教育や「放課後寺子屋やまと」をさらに充実させながら、より良い教育環境を提供していけたらと考えています。

“利便性の高い街”でより良い教育環境を

――“教育”というテーマで伺ってきましたが、最後に市としての特徴や魅力を聞かせてください。

一口に言うと“利便性の高い街”ですね。鉄道についても8駅あるので、横浜だけでなく都心部へのアクセスにも便利です。また、「上和田野鳥の森」や「つるま自然の森」、「泉の森」など自然にも恵まれているので、語らいの場、休らいの場に困ることはありません。さらに外国籍の方が多いことから、いたるところに国際交流のシーンがあり、そこでは多文化を学べる機会があります。良いバランスの上に、そうした特徴がアクセントになっている街が大和市ではないかなと思います。

大和市教育委員会

木下さん、河村さん
所在地:神奈川県大和市下鶴間1-1-1
電話番号:046-260-5203
URL:http://www.city.yamato.lg.jp/web/municipal/kyouiku.html
※この情報は2017(平成29)年6月時点のものです。

“確かな学力”につなげる大和市の教育
所在地:神奈川県大和市下鶴間1-1-1 
電話番号:046-263-1111
開庁時間:8:30~17:00(一部窓口のみ/土曜日8:30~17:00、日曜日8:30~12:30)
閉庁日:土・日曜日(一部窓口を除き)、祝日、年末年始(12/29~1/3) ※祝日でも土・日曜日であれば一部窓口は開庁
https://www.city.yamato.lg.jp/index.html

守谷市教育委員会指導室インタビュー

確かな学力と豊かな心を育む、守谷市の教育環境とは/守谷市教育委員会指導室 指導主事 鈴木優子さん


近年進む街の開発により人口も増加している守谷市。住環境の良さや子育て環境の良さも魅力的な同市では、教育環境の整備を積極的に行っている。今回は、守谷市教育委員会指導室 指導主事の鈴木優子さんに守谷市の教育環境づくりについて、話を伺った。

外国語教育、情報教育、道徳教育を柱により良い教育環境づくりを行う

守谷市教育委員会指導室 指導主事 鈴木優子さん

――指導室では、どのようなサービスを担当しているのでしょうか。

鈴木さん:守谷市教育委員会指導室では、市立小学校9校、中学校4校の教育指導を行っています。主に学校を訪問して先生や子ども達の様子を見て様々な指導をしています。また、市の重点事業等に係る各種委員会の開催や現職教員の研修、親御さんやお子さんの悩み相談に応じる「守谷市総合教育支援センター」との連携業務などを行っています。2016(平成28)年度は福島県西郷村や静岡県御殿場市、千葉県袖ケ浦市等他県からも本市の一貫教育に関心を寄せて頂いております。実際に小学校や中学校の授業の様子,教員の指導力を参観して頂きました。

「守谷市立黒内小学校」の電子黒板

――市の教育の重点事業とは何でしょうか。

鈴木さん:本市では外国語教育、情報教育、道徳教育の3つの柱に重点を置いています。外国語教育は、小学校低学年から週一回英語の授業を取り入れています。イングリッシュルームを使って、ALT(外国語指導助手)の先生が各校一人常駐して週1回1時間は必ず英語に触れることができるのが特徴です。英語を使って話す・聞くというコミュニケーション能力が自然に身につく環境づくりをしています。また、情報教育は、市内の学校の教室全てに電子黒板の常設、タブレット端末を使ったICT機器活用による授業など新しい時代に対応した教育の推進を行っています。道徳教育では,子供たちがよりよい生き方について考えを深めることができるような道徳授業を目指し,実践的な研修を充実させています。また,自分や周りの人たちの心を豊かにする「ほんの少しの心遣い」について学校・家庭・地域で考え,実践していく「守谷しぐさ」も大切にしています。「確かな学力」を支えるのは「心の教育」です。守谷市では豊かな心を育む教育を推進しています。

小・中・高の児童生徒が一堂に会して話し合う「きらめきフォーラム」

――守谷市の教育目標について教えてください。

鈴木さん:市では「新しい時代をたくましく生きぬく人づくり」を目指して、2013(平成25)年度から「守谷中学校区」「御所ケ丘中学校区」「愛宕中学校区」「けやき台中学校区」の4つの中学校区のそれぞれの特色を出しながら、児童生徒に確かな学力・豊かな心・健やかな体を育み、将来国際社会で活躍できる人材育成を目指して保幼小中高一貫教育を推進しています。「きらめきプロジェクト」はその総称になります。「きらめきプロジェクト」は「きらめきスキル」と「きらめきアクション」の二つで構成されていまして、「きらめきスキル」は「生涯にわたって学び続ける力」「ともによりよく生きる力」「英語で話せる力」「情報を活用できる力」の4つの力になります。また、「きらめきアクション」では各中学校区の地域人材や児童生徒を生かして特色ある活動を展開しています。小学生が中学校で授業や部活動の体験をする「小・中交流教室」や、小学生と中学生が一緒にあいさつ運動を実施する「あいさつ運動の推進」、中学生が制作した美術・技術・家庭科の作品等を小学校に展示する「小中作品交流」など、交流活動を通して望ましい人間関係、自己有用感、夢や希望をもって生きようとする態度をはぐくんでいきます。

“次もやってみたい”と感じられる、ユニークな「提案授業」を実施

守谷市立守谷中学校の道徳授業の様子

――定期的に学校訪問を実施されているとお聞きしました。

鈴木さん:各ご家庭の教育や学校の先生の頑張りで、守谷市の小中学生の学力は全国的に見ても高い水準にあります。しかしながら、市ではその状況に甘んじることなく、子ども達の高い可能性をもっと伸ばしていこうということで,教育委員会は授業力・指導力の向上を目指すための学校訪問を行っています。今年度は学校訪問を充実させていくために,各校に「提案授業」の実施をお願いしています。

守谷市立守谷中学校の「提案授業」の様子

鈴木さん:具体的な例をあげますと、「守谷市立黒内小学校」のSkypeを使った授業は画期的でした。5年生がSkypeを用いて中学校1年生の教室と繋ぎ、英語で会話をする外国語の授業を行いました。自分たちが学んだ英語が通じるのか等、お互いの表情を見ながらリアルタイムに会話をして実践して学ぶことができていました。また、小学校2年生の生活科で「まち探検」という学習があるのですが、田園風景が広がる大野地区と駅前周辺の黒内地区では、同じ「まち探検」をしても気づくことが違うだろう、それを同じ学校区で共有するにはどうしたら良いか?ということでタブレット端末とSkypeを使って両地区を繋いで情報交換をした授業も素晴らしかったですね。市の環境整備を生かして学びの質を高める授業を展開していて、「提案授業」の大きな成果だったと思います。みんなが感動して、次もやってみたいと感じる授業づくりに先生も一生懸命でしたよ。授業が変わると先生も変わりますし子ども達も変わるんだなあと実感しました。先生も子どもたちもとてもいい表情で授業に取り組んでいるのが印象的でしたね。

地域全体で一体感のある教育環境づくりを進める

家庭学習のてびき(小学校版)

――保護者や住民の方々からの声はいかがですか。

鈴木さん:市では小学校入学時に、家庭学習の目安や方法が記載された「家庭学習のてびき」を配付しています。親御さんからもちゃんと学習しているかチェックしてコメントを書いていただくようにもなっていますので、学校と家庭との間での家庭学習についての連絡帳にもなっていて大変好評ですよ。また,御所ケ丘中学校区ではリオパラリンピックで活躍した辻沙絵さんを迎えての人権講演会を行いまして、一校ではなく中学校区全体で開催して児童生徒だけでなく,保護者や地域の方々もお招きしました。その他、小中学校の各種行事への相互参加を促して連携を深め、地域全体で一体感のある環境づくりを進めていることが、人と人とのつながりができて生活していく上での安心感につながります。保護者や地域の方々からも大変好評ですよ。

ひとの暖かさやつながりを感じられる住みやすい街

住宅街に隣接した「松並木公園」

――最後に、守谷市に転入を考えている方にメッセージをお願い致します。

鈴木さん:守谷市は、学習や学校環境など全国に誇れるものがたくさんあります。新しく引っ越しなどで守谷市に住まわれる方には、地域住民の暖かさやつながりを感じることができる住みやすい街だと思います。子育て支援など行政の万全のサポートもありますので安心して住むことができます。公園や病院も多くあり子育て環境も素晴らしいと思います。住環境は、つくばエクスプレスの開業で都心へも約30分でアクセスできて通勤・通学にも便利です。都心に出なくても守谷市内はもちろん、つくば市、千葉県柏市など近隣にもショッピングを楽しめる施設が沢山あります。

「アクロスモール守谷」などのショッピング施設も充実

鈴木さん:守谷市は生活に必要なものは何でも揃う便利な街です。中心地を少し離れると昔ながらの自然が多く残されていて、とても美しい街づくりですね。私は、アサヒビール茨城工場の屋上から見た、守谷市の風景が一番好きですね!近代的な街並も眺めつつ、手前には自然が色濃く残されている風景を一望できてオススメです。住みよい街づくりをすすめていることが分かります。ぜひ魅力あふれる守谷市へお越しください。お待ちしています。

守谷市教育委員会指導室

今回、話を聞いた人

守谷市教育委員会指導室 指導主事 鈴木優子さん
所在地:茨城県守谷市大柏950-1(守谷市役所)
TEL :0297-45-1111(代表)
URL:http://www.city.moriya.ibaraki.jp/index.html
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

確かな学力と豊かな心を育む、守谷市の教育環境とは/守谷市教育委員会指導室 指導主事 鈴木優子さん
所在地:茨城県守谷市大柏950-1 
電話番号:0297-45-1111
開庁時間:8:30~17:15(日曜日は諸証明発行業務のみで12:00~13:00に昼休みあり)
休庁日:土曜日、祝日、年末年始
https://www.city.moriya.ibaraki.jp/

磯子区地域子育て支援拠点 いそピヨ 施設長・子育てアドバイザー 岩崎千代子さんインタビュー

人との信頼関係・友人関係がママと子どもを支える/磯子区地域子育て支援拠点 いそピヨ 施設長・子育てアドバイザー 岩崎千代子さん


JR根岸線「磯子」駅から歩道橋で直結している恵まれたアクセス環境にある磯子区地域子育て支援拠点「いそピヨ」。2010(平成22)年のオープン以降、子育て中のママ・パパ、子どもたちに静かに寄り添いながらサポートしている。「まずはママたちの話をよく聴くことから信頼関係をつくりたい」と、柔らかい笑顔を見せてくれた岩崎施設長に、磯子地区の子育て事情や魅力について尋ねた。

安心して利用できる子育ての拠点

岩崎施設長

――いそピヨの施設について教えてください

岩崎さん:横浜市では18区全てに1ヵ所または2ヵ所の子育て支援拠点を設置しており、「いそピヨ」は磯子区を中心とする子どもとその保護者のためのサポートの場として、2010(平成22)年1月にオープンしました。「磯子」駅西口から歩道橋で直結した場所にあり、ベビーカーでもアクセスがよいことから、区内のみならず電車で区外から来て下さるママさんも多くいらっしゃいます。

いそピヨは火~土曜日、9:30~15:30まで、未就学児とその保護者や子育てに関わっていらっしゃる方ならどなたでも、予約なく無料で利用していただけます。一角には赤ちゃんコーナーも設けてあり、まだ歩けない赤ちゃんでも安心して遊びに来られます。1日平均で約50組程度、多い時で70~80組の親子がいらっしゃいます。大きい道路に面した建物の角部屋なので1日を通して日当たりがよく、ランチの後はついウトウトするママと赤ちゃんもよく見かけます。そんなリラックスした雰囲気の拠点ですので、是非気軽に遊びに来てほしいですね。

リラックスできる空間

――「いそピヨ」はこの磯子区でどのような役割を担っているのでしょうか?

岩崎さん:「いそピヨ」は子育てをするママやパパ、おじいちゃんやおばあちゃん、そしてそのお子さんたち、子どもと子育てに関わる全ての人々をサポートするための施設です。もちろん妊娠中のプレママ・プレパパも利用していただけます。「おもちゃがあるから遊びに行こう」でもいいですし、「ちょっとオムツ替えに寄ろう」でもいい、もちろん「誰かと話したい」「悩みを相談したい」も大歓迎。とにかく育児に関することなら、何でもウェルカムな場です。

随所にくつろぐ為の配慮が

「子どもが幸せになるためには、まずはママ・パパが元気で笑顔でなくては」というのが私たちの考え方ですので、場合によってはスタッフがお子さんを抱っこして親御さんにちょっと休んでもらったりするケースもあります。楽しいけれど大変な育児の合間にホッとできる場が提供できればと考え、スタッフは日々みなさんをお迎えしています。いらっしゃるご家族の様子を見ながら、この場所が「第2のおうち」になれるよう押しつけがましくなく静かに温かく寄り添いたいですね。

信頼できるスタッフ達がママに寄り添う

広々とした室内

――ママたちと話をするうえで、スタッフのみなさんが心がけていることはありますか?

岩崎さん:とにかく「寄り添うこと」「話を聴くこと」、これは私がスタッフ全員に常に話していることです。つい育児の話や悩みを聞いていると自分の考えを伝えたくなってしまい、特に育児経験があると「私の時はこうだった」「友人はこういう風にした」という話をしてしまうものです。でもここにいらっしゃる方の育児環境や悩みはさまざまで、特に悩んでいるときは気持ちがしぼんでいますから、人の話を聞かされても「人はうまくいっているのに私はダメ」と思いがちです。とにかくスタッフには「あなたの主観は求められていない」と口を酸っぱくして言っています。

またここにいらしてからお帰りになるまで、ママさんやお子さんの様子をしっかり見ること。疲れていないか、何か話したそうにしていないか、サインを発していないかをよく観察するように心がけています。「さぁ相談してください」と言って相談してくださる方は稀です。人は「この人なら信頼できる」と思って初めて本心を吐露できるものです。その日の気分や体調もあるでしょうし、スタッフとの相性もある。まずはリラックスしてもらい信頼関係を構築するところからはじめたいと思っています。

イベントが盛りだくさん

――年間を通じていろいろなイベントが盛りだくさんですね

岩崎さん:ここに足を運んでくださるきっかけにもなるので、いろいろな趣向のイベントを開催しています。自由参加・申し込み不要のイベントとしては、「おはなし会」や「布おもちゃで遊ぼう」、「保育士さんと遊ぼう」など、磯子地区に新たに引っ越してきた方対象の「あつまれ!ニューフェイス」や「アラフォーママの会」などユニークなイベントも用意しています。

また事前申し込み制のイベントとしては、「マタニティヨガ」、「ベビーマッサージ」、「離乳食講座」などのほか「就職支援セミナー」も開催しています。「ベビーマッサージ」は生後2~3ヶ月頃から参加できるので、赤ちゃんの初めてのお出かけとしてはじめる方も多いようです。

多くの親子で賑わう

「おはなし会」は以前はひろばの隅っこで開いていましたが、どんどん人数が増えて、「おはなし会」に参加したくないお子さんの遊び場所が狭くなってしまったため、今では研修室で行うほど人気です。

興味のあるイベントに参加することがママたちの外出のきっかけになり、イベントの参加がママ友との出会いのきっかけになることもあります。私自身がそうなのですが、子育ての大変な時期を共有した友だちはまるで戦友のようで、その後も関係が続くことが多いようです。その当時はギクシャクすることがあっても、思い出話になって一緒に笑えるようになるかもしれない。そんな素敵な関係が、この「いそピヨ」での出会いから生まれたら、これ以上幸せなことはありません。

子育てに重点を置く磯子地区の魅力

様々なサークルが活動しています

――磯子地区の子育て環境について教えてください

岩崎さん:横浜市のなかでも磯子区は子育て支援に力を入れている区だと感じます。しかもそれが行政のみならず、民生委員さんや主任児童員さんという隅々の方まで高い意識が浸透しているように感じます。このすぐ裏の「横浜プリンスホテル」跡地に大きなマンションがありますが、そこに引っ越してきた方々へも働きかけをしたり、地区ごとに小さな子育てフェスタなどを開催したりして、地域の子育て世代のことをよく理解しようと積極的に活動されているように思います。なかなか外に出られないママさんたちもすくい上げたいと、きめ細かい配慮がされているようです。

また若い子育て世代の方たちもサークルを主宰したり、教室を開いたり、横のつながりもしっかり取れているように思います。今どきの冷めた雰囲気ではなく、“熱い方”が多くて頼もしい限りです。

子どもが夢中になりそうなおもちゃ

――磯子地区の地域の魅力はどんなところだと思いますか?

岩崎さん:住んでいる人たちのとにかく温かい人柄、でしょうか。困っている人を放っておけない、ひと昔前の人情味あふれる街、という感じです。

磯子区は南北に細長い地形で、金沢区や栄区との区境の辺りはまだ山も多く残っているような地区である反面、北の中区と隣接する辺りはちょっと開けた雰囲気だったり、様々な表情を持っています。これは横浜やみなとみらい、八景島などからも近くて利便性も高いのに、海が見えて静かで住みやすいという両面性とも似ていて、面白い区だなぁと思います。

「磯子」駅前の広々とした産業道路は両隣の「根岸」駅とも「新杉田」駅ともつながっていて、勾配が全くない。ベビーカーを押してのんびりお散歩ができるので、天気のよい日などは隣の駅から「散歩がてら歩いてきました」なんてママさんもいて、環境のよさを感じます。裏は高台になっていて緑もたっぷりありますし、公園も多い。なんだかコマーシャルみたいになってしまいましたが(笑)、暮らしやすさがギュッと詰まった街ですね。

 

岩崎さん

磯子区地域子育て支援拠点 いそピヨ

施設長・子育てアドバイザー 岩崎千代子
所在地:神奈川県横浜市磯子区森1-7-10 トワイシア横濱磯子2F
TEL:045-750-1322
URL:http://www.isopiyo-isogo.jp/
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

人との信頼関係・友人関係がママと子どもを支える/磯子区地域子育て支援拠点 いそピヨ 施設長・子育てアドバイザー 岩崎千代子さん
所在地:神奈川県横浜市磯子区森1-7-10 
電話番号:045-750-1322
利用時間:9:00~15:30
休業日:日曜祝日・月曜日(祝日の場合は火曜も休業日)・年末年始
http://www.isopiyo-isogo.com/

磯子区役所 地域振興課 竹澤 伸乃丞さんインタビュー

人と人とを繋ぐ、住民参加型イベント「磯子まつり」/磯子区役所地域振興課 竹澤伸乃丞さん


2016(平成28)年9月25日に開かれる「磯子まつり」は、今回で第40回目を迎えます。地域を主体とする地域のイベントは、参加者・見学者を含めると区民の3分の1が関わる規模になりました。「磯子まつり」の特徴、参加団体を含め、40回目を迎える前のタイミングでお話を伺ってきました。

地域全体が盛り上がる「磯子まつり」

オープニングセレモニーの様子

――「磯子まつり」の開催日時やスケジュールは、どのように告知されているのですか?

竹澤さん:基本的にはWebサイトに記載しています。ただ、幅広い年代の方が楽しみにされているイベントなので、なかにはパソコンやインターネットに明るくない方もいらっしゃいます。ポスターを貼ったり回覧板を回したりして、少しでも多くの方に知ってもらえるように努めています。 

また、地域からの理解を深めるために、チラシを配ることもしています。関係者の顔が分かったことで興味を持ってくださる方もいて、「磯子まつり」を通じて人と人との繋がりが生まれ、より温かい気持ちで日常を送れるようなってもらえたら我々としても嬉しいですね。

磯子まつりへの想いを語る竹澤さん

――来場者数の推移はいかがでしょうか?

竹澤さん:「磯子まつり」は、2016(平成28)年の開催で第40回目を迎えます。回を重ねるごとに知名度は高まっていますが、催し物によって来場者数の増減があるのも事実です。パレードのなかった2012(平成24)年は18,000人でしたが、2013(平成25)年よりパレードを実施するようになってからは45,000人、50,000人、53,000人と順調に増えています。磯子区民が約170,000人ということを踏まえると、3人に1人は参加していただいている計算になりますね。

 

日頃の活動を発表する場

区民ステージの様子

――地域の方にとって「磯子まつり」は、活動を発表する場としての側面もあるようですね。

竹澤さん:そうですね。これはほんの一部に過ぎませんが、昨年のケースで言えば、磯子警察署、消防署、消防団、小学校のブラスバンドクラブやチアリーダークラブ、高校のバトン部がパレードに参加。ステージでは、フラダンス、フラメンコ、日本舞踊、和太鼓、ヒップホップなどの各団体が日頃の成果を披露してくれました。参加を希望される団体は、毎年5月中旬から6月中旬にかけてWebサイト上で募集内容が確認できるので、ぜひ応募していただければと思います。

 

若い世代と共に発展を

若い世代も日頃の活動を発表

――Webサイトに“磯子は磯子で盛り上げよう”という文言がありますが、「磯子まつり」をこれからどのようにしていきたいと考えていますか?

竹澤さん:個人的な意見ですが、回を重ねていくためには“維持”しながら、若い世代に興味を持ってもらえるようにすることが大切だと考えます。若者の意見が運営に反映されることで、これまで以上に「磯子まつり」は盛り上がるように思います。世代間の架け橋となり、街の活性化をサポートするポジションに「磯子まつり」があれば、私にとって何よりも嬉しいことですね。

「磯子まつり」を機に、お客さんが増えたと喜んでくれた経営者や、消防団の放水訓練やパレードを見て、活動に興味を持ったという方もいました。小さな子どもにしてみれば、そこにはたくさんの“忘れられない”光景があります。自分たちの見てきた光景をいつか、自分たちも創り出そうと思ってくれるようになれば、「磯子まつり」はさらに発展してくのではないでしょうか。

出店もあり多くの人で賑わう

――近年、大規模マンションの建設が進められている磯子エリア。住民同士の連携を含め、この街の特徴・魅力について聞かせてください。

竹澤さん:危機管理室に籍を置いていた関係で、防災面から地域を見る機会がありました。その観点で磯子区は、周りと連携しながら“自分たちの街を守ろう”という気概に富んだ街という印象を抱いています。自分たちの街を守る、それには、街に対する愛着があるからに他なりません。愛着を育み、落ち着いた雰囲気をまとった街は、何気ない日常を楽しむという意味では適しているように思います。

 

人と人とを繋ぐ、住民参加型イベント「磯子まつり」

磯子区役所 地域振興課

竹澤 伸乃丞さん
所在地:神奈川県横浜市磯子区磯子3-5-1磯子区総合庁舎6F
TEL:045-750-2392
URL:http://www.isogo-fes.com/
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

人と人とを繋ぐ、住民参加型イベント「磯子まつり」/磯子区役所地域振興課 竹澤伸乃丞さん
所在地:神奈川県横浜市磯子区磯子3-5-1磯子区総合庁舎 
電話番号:045-750-2392
http://www.isogo-fes.com/

流山市立小山小学校 校長 大舘昭彦先生 インタビュー

自分の力で未来を切り拓く子どもたちに「流山市立小山小学校」の取り組みとは/流山市立小山小学校 校長 大舘昭彦先生


「流山おおたかの森」駅の東口側、美しく整備された街並みと新興住宅地が印象的な閑静な地域にある「流山市立小山小学校」は、1978(昭和53)年に開校し、2009(平成21)年に新しい校舎に建て替えられた小学校。今回は2015(平成27)年度より小山小学校の校長を務める大舘昭彦先生を訪ね、教育活動の特色や学校の設備、周辺地域の魅力などについてお話を伺った。

新たな校舎で教育活動をスタート

「流山市立小山小学校」校舎

まず本校の今日までの歩みですが、1978(昭和53)年の4月に、「流山市立八木北小学校」から分離し、当時、496人の子どもたちを迎えて開校しました。その後、1981(昭和56)年には約600人まで子どもが増えたのですが、2003(平成15)年頃には児童総数200名・各学年単学級の体制まで、一時は児童数が非常に減っていた時期もありました。

教室

ところが、2005(平成17)年につくばエクスプレスが開通したことにより、その後再び右肩上がりに児童数が増加。2014(平成26)年には968 名、全29クラスという大規模小学校になりました。その児童数の増加を受けて、2015(平成27)年度の春から一部の生徒たちは「流山おおたかの森小・中学校」に転入するかたちになり、 本校は現在664名、20学級という新たな体制で日々学習に努めています。

本校も2009(平成21)年から新校舎に移転し、新しい校舎で教育活動を続けてきましたが、今後もさらに子どもたちの増加が見込まれているので、現在校舎の増築を計画しています。まだ詳しい部分は決まっていませんが、4階建ての校舎を新しく、アリーナの脇に建てるという計画です。

体験授業を通して、未来を創る力をはぐくむ

理科室

本校の学校教育目標としては、『未来を創る力をはぐくむ』という言葉を掲げています。その中で、『やる気、げん気、こん気』という合言葉のもと、自らの手で未来を拓くことができるような、今を大切に生きる児童の育成を目標にし、日々、教育活動に取り組んでいます。

大教室

ひとつ重視していることとして、「体験」ということがあります。先日も、午前中に子どもたちが稲刈りを体験し、午後からは和菓子店の方に来ていただいて、和菓子作りの体験授業も行いました。こういった体験活動を活かした取り組みや授業というのは、頻繁に取り入れています。

子どもたちの立場で考え、寄り添う教育

職員室

私が本校の教職員と日々分かち合い、共有していることは「すべては子どもたちのために」ということです。本校の学区には全国各地、あるいは海外からも、たくさんの子どもたちが転入されています。ですから当然、文化も違い、いろいろな教育的な課題も生じてきますが、とにかく、どんなことに対しても「迷ったら子どもの立場に立って考えよう」、それが一番であると、職員に日々話をしています。

帰りの会の様子

他にも力を入れていることは、丁寧な生徒指導です。一人一人の子どもたちに対して、スピード感をもって対応する、個々の事案に対して丁寧に、子どもたちに寄り添って考え、解決する、そういった職員でありたいと思っています。

ただ、そうは言っても担任だけでは十分なケアができない時も当然あります。そういった時のために、流山市ではサポート教員など、色々な人的な配置をしてくださっていますので、そういった職員とともに、担任が一人で抱えることなく、チームで、または学校全体で、問題等に対して取り組むようにしています。

多目的に利用でき、のびのびと学習できる校内設備

壁のない教室

校舎の一番の特徴としては、教室の横に「オープンスペース」があるということです。つまり、「教室に壁がない」ということでもあり、非常に空間にゆとりがあります。例えば、グループ学習の時に、廊下等、余裕のあるスペースを存分に使って授業ができるという点は、特長のひとつに挙げられます。

また、高学年など学級数が少ない学年では、アリーナに移動しなくても、オープンスペースに集まり、ディスカッションなどができる環境もあるので、そういった意味でもオープンスペースを使って、特徴のある授業ができていると思います。

ゼミ教室

学年ごとの教室棟の造りに関しては、少し異なっています。例えば、高学年の教室の横には「ゼミ室」というものも準備されていて、班会議をしたり、テーマごとに集まって話し合いをしたりなど、こちらも有効に活用しています。

音楽室

音楽室についてはミニホールのような設計になっているので、映写機等の視聴覚設備も充実しています。地域の交響楽団などの演奏の練習などにも利用されており、将来的にはもっと活用の幅を広げていきたいです。

ランチルーム

多目的室については、小規模での集会や保護者会の場として活用しています。アリーナについてもかなり広く設計されているので、教育活動をする環境としては非常に充実していると思います。プールは多目的室の上、2階部分に設計されており、これも防犯上、安心感が高い部分かと思います。

ウッドデッキ

特徴的な造りということでは、階段状になっている中庭や、ウッドデッキなども該当すると思います。こちらに関しても、理科の授業で植物を育てたり、観察をしたりする場所として活用しています。昇降口を低中高学年毎に分けて利用している点も、比較的珍しいかと思います。

内外ともに非常に贅沢なスペースを取って設計をしているので、子どもたちは非常にのびのびと、活動が出来る環境だと思います。

子どもたちの転入もサポート

多目的広場

新たに設計を予定している新校舎については、2017(平成29)年の4月から使用できるように、ということで現在設計が進んでいるところです。新しい校舎は、子どもたちの増加に合わせて、「普通教室を増やす」ということが主な目的なので、授業に使用する普通教室が入るかと思います。ただ、児童数の変動というのは当然あると思うので、色々と多目的に転用できる工夫がされてくるかと思います。

地域の方々の協力が、魅力ある体験へと生まれ変わる

広い廊下

特色ある教育活動としては、委員会活動が挙げられると思います。特に5・6年生については、従来45分だった活動時間を2015(平成27)年から60分の枠に拡大しました。高学年の子どもたちは、自分たちで切り拓いていく力を付けてもらうための活動ということで、取り組んでいます。また、昼休みを長く取る日を週に1回設けて、その中で「さわやか学級」という、異年齢交流の時間を取っています。給食を一緒に食べて、上級生たちがその後の時間、低学年の子どもたちの面倒を見ながら、一緒に遊ぶというものです。

ヒラメの養殖

他にも、先ほども申し上げた通り、体験活動が多いということです。地域の方々にお力添えをいただいて、稲を育てたり、さつまいもを育てたり、ヒラメを養殖したりと、いろいろな飼育・栽培体験も行っています。夏は「流山おおたかの森S・C」の中にあるスポーツクラブの方が来てくださって、着衣泳の体験なども行いました。

福祉会館や学童クラブを併設

また、校内にある建物「十太夫福祉会館」は、基本的には会議室や和室などを完備した、地域の公民館のような場所として活用されていますが、本校との交流では、年に数回、社会福祉協議会さんを中心とした行事を一緒に持たせていただいています。

地域の方々が学校の隣に来て活動されていることについては、教育活動を身近に見て頂けている、また、いつも大人の励ましの目を頂いている、ということなので、とても励みになります。

また、本校は部活動も盛んで、特にバスケットボールと陸上については、優れた成績を残しています。他にも県内でも珍しい「タグラグビー」は、参加する子どもたちも多いです。これはより安全に、でも、本物のラグビーに近いルールで行う競技で、毎年幾つかの大会にも出場しています。

小山小学校 校章

文化系でユニークなものでは、和太鼓のクラブです。これは外部の先生に教えていただいているものですが、敬老会など、さまざまな機会で披露させて頂いています。吹奏楽部も地域の色々なイベントに出演し、活躍していますし、「スナッグゴルフ」や「バドミントンクラブ」などといった部活動も、地域の方に教えていただきながら、活動しています。

地域の方々が色々な形で関わってくださり、さまざまな体験を子どもたちに提供してくださっている。それが、この学校の特徴ではないかと思います。

進学先との連携で、交流を深める

流山市立常盤松中学校

本校では生徒たちの進学先である「常盤松中学校」や「おおたかの森中学校」との連携も強く意識しています。「流山市立常盤松中学校」とは、既に互いの生徒会同士で色々な交流を行っているところです。部活動についても、例えば今度開催される小学校でのミニバスケットボール大会では、中学校のミニバスケットボール部の子どもたちに指導に来てもらったりと、そういった形で連携を始めています。

大舘昭彦校長先生

もちろん、子どもたちだけではなく、教員の交流を深めることも大切で、研究授業や合同での研修会を行ったり、中学校は教科担任制なので、それに慣れてもらうために、5・6年生については一人の先生が複数のクラスで授業を行う、教科担任制風の授業も一部で取り入れて行っています。

子どもたちから地域の方々へ「感謝の集い」

「流山市立小山小学校」校舎

昔から流山の十太夫を中心にした地域にお住まいの方は少なく、本校の子どもたちも、保護者の方も、大半は引っ越して来られた方が多いですね。出身地も本当に全国各地で、色々な方が集まってくださっている地域です。皆さん、それぞれいろんな形で積極的に学校の取り組みに関わってくださり、本当に有り難いことだと思っています。

昔からお住まいの方についても、敬老会などで、子どもたちを呼んでくださったりと、交流の機会も多いですし、時には竹馬などの昔あそびを教えに、学校まで来てくださったりなど、日々温かく見守ってくださっています。

オープンスペース

一つ大きなものでは、朝の「登校班」の集団登校というものがあります。これは地域の方々が中心となって、地域ごとに分けられた「登校班」の登校に、毎朝、保護者の方や地域の方が必ず付き添ってくださるというものです。特に働いている保護者の方々は、本当にお忙しい中、学校の門のところまで、当番で送り届けてくださいます。通学路でも、交通安全指導員ということでお世話をいただいている方もいらっしゃって、本当に有り難い限りです。

こういったいろんな場面での協力に対して、「感謝の集い」というものを毎年計画しており、お世話になった方々を学校にお呼びして、子どもたちから感謝の気持ちを伝えさせていただく、ということも行っています。

新しいコミュニティの輪も広がる、未来型の街

街の魅力は何と言ってもやはり、秋葉原まで電車で二十数分という利便性ですね。また緑が多いことも魅力の一つです。

大堀川水辺公園

これは市としても、「流山グリーンチェーン戦略」ということで、緑を残しながらの開発をしてくださったお陰かと思いますが、「おおたかの森」の存在はもちろん、他にも本校近くの「大堀川」には「大堀川水辺公園」という自然豊かな公園が、非常にきれいな形で整備していただいているので、子どもたちもそこで元気に遊んでいます。都心に近いですが、緑があって、とにかく静かな環境です。そういった環境の中で子育てができるというのは、本当に素晴らしいと思います。

地域の方々についても、先ほど申し上げた通り比較的新しい方が多いですが、学校に協力的なご家庭が多く、新しいコミュニティの輪も広がりつつあるようです。これからさらに発展する、未来型の街といった点でも魅力です。

地域の方々と協力しながら、一歩ずつ確実に

下校風景

今後の本校の展望としては、この地域はこれからまだまだ、子どもたちの数が増えていくので、職員一丸となって、日々、出来る限りの努力を怠らず、子どもたちが毎朝学校に来て、帰る時には“いい顔”になって帰れるような、そんな学校にしていきたいと思っています。

子どもたちがいきいきと、力を伸ばせる学校へ

また、これからの世代は、「自分の力で未来を切り拓く」という力が必要であると思っています。そういった意味でも、これまで以上に「体験活動」を大切にしながら、本当の意味での「力」を付けていってもらえるような学校教育を目指していきたいと思います。

どのような目標も、言うことは簡単ですが、実際に実現していくのはとても難しいことかもしれません。ですが、本校周辺の地域の皆様のご協力のもと、一歩ずつ、確実に積み上げていき、この与えられた素晴らしい環境の中で、子どもたちの力を伸ばしていければ、と思います。

 校長先生

今回お話を聞いた人

千葉県流山市立小山小学校
校長 大舘 昭彦 先生
住所:千葉県流山市十太夫97-1
TEL : 04-7154-6937
http://www.nagareyama.ed.jp/oyamasyou/index.html
※この情報は2015(平成27)年11月時点のものです。

自分の力で未来を切り拓く子どもたちに「流山市立小山小学校」の取り組みとは/流山市立小山小学校 校長 大舘昭彦先生
所在地:千葉県流山市十太夫97-1 
電話番号:04-7154-6937
http://www.nagareyama.ed.jp/oyamasyou/

周辺環境を活かした保育と英語に親しむ環境づくり/だるまキッズ大師園 園長 高田房子さん


だるまキッズ大師園
園長 高田房子さん

周辺環境を活かした保育と
英語に親しむ環境づくり

「川崎大師」まで徒歩1分の好立地にある川崎認定保育園「だるまキッズ大師園」。毎日「大師公園」に遊びに行き、お大師様に見守られながら、子どもたちはのびのびと遊んでいます。あたたかい家庭的な雰囲気で、英語にも触れられる保育園。そんな「だるまキッズ大師園」について園長の高田房子さんにお話を伺いました。

まずは園の沿革や教育方針について教えてください。

だるまキッズ大師園

川崎市の人口増加に伴う保育ニーズの高まりを受けて、川崎市から保育室を開設しませんかと申し出がありました。それがきっかけで川崎保育室「だるまキッズ大師園」を開設しました。2013(平成25)年に川崎認定保育園になり、この4月で7年目を迎えています。

だるまキッズ大師園

園の保育方針は「伸び伸びと遊び、生き生きと生活出来る保育」「安心して子どもを預けられ、子育ての喜びが共感できる保育」「地域との関わりを大切にし、近隣の方々から見守られる保育」で、それぞれ想いが込められています。

いつもはどんなことをして過ごしているのでしょうか。 「大師公園」へもよく行かれるそうですね。

だるまキッズ大師園

登園をしてまず、一日元気に動けるようにミッキーやアンパンマンの歌で体操をします。その後、牛乳やお茶などで水分補給をしてから、「大師公園」へ。子どもたちは広々とした公園でめいっぱい遊び、帰ってきたら手を洗って、お昼ご飯を食べます。お昼寝して、目が覚めたらおやつを食べて、降園までの間、絵本読んだり、手遊びをしたりします。

大師公園

「だるまキッズ大師園」は立地がすごく良いんです。雨が降らない限りは毎日「大師公園」へ行って遊びます。遊び方に悩むほど広々とした公園ですが、小さい子どもも安全に遊べるようにと囲いをしてあるスペースがあるので、そこで自由遊びをすることが多いです。
広い公園の中の一角ですが、象さんの滑り台や電車を模した遊具があったりと、園児たちにとっては十分な広さで、のびのび遊んでいます。私たちもハラハラせずに見守ることができます。

瀋秀園

また、「大師公園」は子どもたちに四季を感じてもらう良い場でもあります。春は桜、夏は噴水があり、秋は黄色く紅葉する銀杏や、夕焼けもきれい。冬もお日様が出ている日は出掛けて、冬の澄んだ空気や植物の変化を感じてもらっています。
ほかにも、「大師公園」の一角には瀋秀園(しんしゅうえん)があります。中国式の見事な山水庭園で、樹木が茂り、滝や築山もあります。園児たちと公園を散策しながら、屋外での遊び場や自然に恵まれた良い環境だなとしみじみ感じます。

キンカーンインターナショナルスクールが運営主体ということで、英語に親しむ機会が多いようですね。卒園までにどのくらいの基礎が築かれるものですか?

本だな

国際的な基礎を育てましょうという目的もあるのですが、2歳の子どもたちには日常の中で英語を耳にすることで親しんでもらうのが特徴ですね。英語の先生が通常保育を一緒に行っていて、毎日日本語と英語をいっしょくたに耳にしているという状況です。
わたしたちが「みかん」と言い、英語の先生は「orange」と言う。そうした環境にあるため、2歳になり言葉が増えてくる中でごく自然に、英語が出てくるようになります。

園児二人

先生の言っていることをマネっこするというレベルですが、「Yes,I am.」と答えたりすると、お母さんたちもびっくりされています。うちの子、英語しゃべれるんですね、なんて。
「パパ」や「ママ」もやっと言える頃から英語に触れる環境づくりができることは、保護者の方々にも喜んでいただけているようです。英語以外にも知育プログラムがあり、保育の中で絵を描いたり、ブロックの遊びなどをしています。ほかにも保育の一環として、音楽リズムもあればリトミックも取り入れています。

子育てサロンについて教えてください。

お人形

子育てサロンは、地域の子育て中のママに利用してもらうのが目的で、月に1回開催しています。通園している園児たちが10時に外に遊びに行っている間に、ここのお部屋を1時間開放しています。お母さんたちのフリートークだったり、子育て相談をして、その後にベビーマッサージやヨガ、英語などの講座を組んでいます。利用は無料で、皆さん結構来てくださいます。多い時で30組、少なくても10組くらいで、お近くの方が多いです。

その他、だるまキッズ大師園の特色や特徴のある行事やイベントなどがあればお聞かせください。

部屋

父兄だけではなく、おじいちゃん、おばあちゃんをお呼びする会をしています。お孫さんが行っている保育園はどんなところか、実際に来ていただいてどのように遊んでいるのかを見て頂きます。9月の敬老の日にあわせた金曜日にして、泊まっていけるように設定しています。保育園でのお孫さんの様子を見ることを楽しんでもいただけているようです。

大師出入口

そのほか、親子遠足も実施しています。大型バスで、千葉県袖ケ浦市にあるドイツ村に行っています。「大師」ICから30分くらいで到着するので、その前にサツマイモ掘りをして、焼き芋を食べてからドイツ村に行って遊びます。遠足に行くと保護者も職員もぐっと近くなるんです。特に日常的にはお見かけする機会の少ないお父さん方も、遠足に積極的に参加していただけるので、交流の場という意味でも今後も続けていきたいですね。

最後に、園周辺の子育て環境について、どんな魅力があるかお聞かせください。

この地域は新興マンションができて、多くの子育て世代が入ってきています。若い世代の方も多く賑わいがあると思います。便利で物価も安く住みやすいと思います。

園長

今回、話を伺った人

だるまキッズ大師園

園長 高田房子さん

だるまキッズ大師園
所在地:川崎市川崎区昭和2-2-2
電話番号:044-288-0116
URL:http://www.daruma-kids.com/

※2015(平成27)年4月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

周辺環境を活かした保育と英語に親しむ環境づくり/だるまキッズ大師園 園長 高田房子さん
所在地:神奈川県川崎市川崎区昭和2-2-2 
電話番号:044-288-0116
http://www.daruma-kids.com/

自然との触れ合いを大切に知的好奇心を育む木のぬくもりに包まれた“くまさんの幼稚園”/川崎ふたば幼稚園 園長 小川哲也 先生


川崎ふたば幼稚園
園長 小川哲也 先生

自然との触れ合いを大切に知的好奇心を育む
木のぬくもりに包まれた“くまさんの幼稚園”

京急大師線「産業道路」駅から徒歩約1分の立地にある「川崎ふたば幼稚園」は、木彫りの動物たちの看板が目印。園内に入ると、広々とした園庭で子どもたちが元気いっぱいに駆け回っている。60年以上地域で親しまれてきた幼稚園で、子どもたちを温かく育んできたのが園長の小川哲也先生だ。「幼児教育とは子どもたちの“幹”を育てること」だと語り、“裏山”やログハウス、実のなる木など様々な体験の仕掛けを作っている。木のぬくもりあふれる園内で、お話を伺った。

まずは園の沿革や教育方針について教えてください。

創立は1954(昭和29)年で、15年前に現在の園舎が完成しました。定員は210名、現在約230名の園児が通っています。

川崎ふたば幼稚園

教育方針はあえて特色を持たせようとしないこと(笑)。幼児教育は木に例えると、“幹”の部分にあたるので、特定の教育に力を入れるのではなく、子どもたちがいろいろな経験ができるようにしています。
そして、その上で育てていきたいのが、「科学する心」です。幼児期に「なぜ?」と感じる知的好奇心を身につければ、小学校や中学校に上がっても、自然と勉強に関心が湧きます。学習へのベース作りは、本園の大事な目標です。

川崎ふたば幼稚園2

また、自然との触れ合いや思い切り体を動かすことも大切にしています。例えば、裏の園庭に幼稚園としては珍しい“山”がありますが、川崎は平地なので、幼児が上ったり下ったりの経験ができるようにというのが狙いです。さらに、食べ物で季節を感じてもらおうと、“山”のあちこちにひめりんごやさくらんぼなど、食べられる実がなる木を中心に木々を植えています。

おもての園庭も広々としていますし、園舎も大きいですね。どのような部屋や設備がありますか?

川崎ふたば幼稚園3

子どもの遊び空間は子どもが創り出したほうがいいと、園舎はごく普通です。ただ、ホールは吹き抜けの空間で、開放感があるのはもちろん、子どもたちが上から見下ろしたり下から見上げたりできるようになっています。ふだんから雨の日の遊び場として、また始業式や終業式、お遊戯会などの行事に使っています。
また、ホールの上にぶらんこに乗った木彫りのくまがいますが、この“ふたばちゃん”をはじめ、園内の壁のあちこちにくまの彫り物があります。これは、木のぬくもりを感じてもらい、“くまさんの幼稚園”として親しんでほしいから。階段には、日本の昔話と西洋の昔話をそれぞれ描いた木彫りもあるんですよ。

川崎ふたば幼稚園4

それから、園庭の隅に6畳ほどのログハウスがあり、職員の目が届くときに中で遊べるようになっています。
子どもたちは隠れ家のようなこの空間が大好き。落ち着きたい気分のときに遊んでいる子もいますね。

川崎ふたば幼稚園5

また、裏庭の“山”の上はウッドデッキになっていて、子どもたちの希望でそこでお弁当を食べたりします。春や夏は風がすごく気持ちいいですよ。隅のポンプを動かすと樽から水が出て、階段の脇の“川”を伝い、池の上の土管から“滝”になって流れ落ちる仕掛けです。池には近所の方がくれた卵からかえったカエルもいて、子どもたちはおたまじゃくしやカエルを見て大喜びしています。

ユニークなカリキュラムや年間行事についてご紹介ください。

川崎ふたば幼稚園6

少し行くと多摩川に出られるので、河原でカニ獲りをしたりします。雨上がりに行くと、長靴が泥にはまってびっくりする子もいますが、自然のいろいろな面を感じてほしいですね。また、すごろくや凧揚げなど、日本の伝承遊びも取り入れています。春先にはコマ回し大会があって、みんなが見守る中で勝ち抜き戦をやりますが、負けた子も応援してかなり盛り上がります。優勝を目指して、ふだんから園庭で練習している子もいますよ。

川崎ふたば幼稚園7

行事では、園から羽田空港方面へ約3キロ歩き、モノレールに乗って空港ターミナルまで行き、帰りに京浜急行で帰ってくるという「お別れ遠足」があります。卒園前に、「こんなに歩けるようになったんだ」という自己肯定感を感じてもらい、公共交通を利用するときのマナーも知ってほしい。なおかつ、2種類の乗り物に乗れ、飛行機も見られるという、盛りだくさんの行事です。

もともとは教育心理学や幼児教育へのコンピュータ導入をご専門とされていらっしゃるそうですが、園でもコンピュータを活用した取り組みはあるのでしょうか?

川崎ふたば幼稚園8

導入当初はコンピュータルームを作って、カリキュラムとして実施していましたが、そもそも幼児教育は子どもたちが主体的に遊んだり工夫したりというのが大事。そこで、授業としてではなく、遊具や遊び環境としてのコンピュータの使用へと方向転換し、現在では年長の各保育室にipad miniを1台ずつ置き、調べものなどで子どもたちが使えるようにしています。

川崎ふたば幼稚園9

これからは、子どもたちがカメラ機能で園内を撮った画像をタブレットなどで見られるようにする取り組みもしていきたいと思っています。そうすれば、その画像を通して、子ども同士にコミュニケーションが生まれ、撮った理由などを人に説明する力も身につきます。お絵かきアプリも入れていますが、最近の子はママのスマフォでゲームをしているので、こちらが驚くような絵を描く子もいますよ。

ゲームだとどうしても受け身ですが、自分が働きかけることでコンピュータが面白い結果を出してくれる、タブレットでこんな風にクリエイティブなことができるんだと感じてほしいですね。

課外活動も大切にされているとのことですが、実際にどのような活動に取り組んでいらっしゃいますか。

川崎ふたば幼稚園10

曜日ごとにアート、体操、ピアノ、英語の教室があり、希望に応じて参加できるようになっています。アートと体操は保育内でも同じ先生に指導していただいていて、ピアノは外部の先生にお願いし、英会話はECCジュニアを導入しています。参加者数は現在、体操が100名近く、アートが50~60名ぐらい。どれも卒業生を受け入れているので、小学生も大勢来ています。

川崎ふたば幼稚園11

アートは幼児と小学生のクラスがあり、紙での立体造形がメイン。本園の子は面倒見のよい子が多く、課外授業でも年上の子が下の子にやさしく教えてあげたりしています。体操は学年によって運動能力や体力にかなり差があるので、年中・年長・小学生クラスに分けています。先生は大手の体育教室の講師をされていたノウハウをお持ちの方で、遊び感覚で体力や運動能力をつけられるように、全身を動かすような体操をたくさん取り入れてくださっています。

本園では“幹”の部分の教育を大事にしていますが、保護者や子どもがやりたいことのできる場は提供したい。そうすることで“枝葉”が繁り、いい“木”に成長するのではないでしょうか。

「プチふたばちゃんクラブ」とはどのような活動ですか?

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未就園のお子さんと保護者の方のための教室で、今年度、満3歳あるいは満4歳になるお子さんが対象です。ホールで午前中の1時間、お遊戯や工作などをしています。年間15回ぐらい実施していて、約100名が登録されていますが、多い時で70名ぐらい見える時があります。みなさん、園のウェブサイトの案内や在園児の保護者の方からのご紹介、あとは口コミで参加されていますね。お子さんに「集団を経験させてあげたい」というお母さんが多いです。

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お子さんとどう接したらいいのかわからないというお母さんが増えているので、教室はまず、親子の関わりをよくすることを目的としています。例えば、お母さんが子どもを抱っこしてバスの動きを真似る歌遊びがありますが、お母さんの動きに反応して子どもが大喜びする。すると、お母さんは「こうすれば子どもが喜ぶのか」とわかって、子どもたちへの関わり方がとてもよくなっていきます。

子育てに悩んでいるお母さんがすごく多いですが、教室後はいつでも職員と話せるようにしているので、子育て相談ができることもこの教室のいいところです。

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それから、幼稚園に親しみを持ってもらうことも目的のひとつです。本園への入園が前提ではありませんが、親子とも幼稚園という場所や雰囲気に慣れておくと、入園初め、とてもスムーズです。今ではクラスの3分の1ぐらいは教室を経験している子どもたちなので、入園して泣いてばかりという子がとても少なくなりました。幼稚園に慣れている子が他の子にあれこれ教えてあげて、クラス全体がいい雰囲気になっていますね。

園周辺の子育て環境について教えてください。

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認可保育園や小学校や中学校が近くにあるなど、子育て施設がたくさんあります。特に保育園の数はすごく増えているエリアです。遊び場になる公園も多く、近くの大師公園にはほどよい数の遊具、よじ登ったり砂場で遊べるとても大きなくじらの形の広場があります。また、「川崎ルフロン」の中には室内遊び場「キドキド」があります。全身を使う遊具や知育玩具などいろいろな遊具が置いてあって、雨の日でも遊べます。

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それから、「川崎DICE」「ラゾーナ川崎プラザ」「ラ チッタデッラ」には映画館があり、子ども向けの映画も上映しています。「ラゾーナ川崎プラザ」や「ラ チッタデッラ」では、いろいろなイベントも楽しめますよ。こうした場所へ、電車で10分から15分で出かけられます。

このエリアの魅力はどんなところだと感じていらっしゃいますか?

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私は生まれも育ちも川崎ですが、すぐそばには多摩川があって、川辺に公園がたくさんあります。生活するにも、近くに「ホームズ 川崎大師店」「イトーヨーカドー 川崎港町店」があり、「川崎」駅まで出れば、大型の商業施設もたくさんあってすごく便利です。物価も安く、「ホームズ 川崎大師店」のスーパーマーケット、近くの「大師出来野商店街」、「昭和マーケット」では、安くていいものを売っています。
日常的な買い物なら、このあたりで充分いいものが手に入るのでおすすめです。電車の便がよく、車でも首都高から東京、横浜、アクアライン方面へ出られます。

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歴史的にも、「川崎大師」のほか、節分行事が面白い「千蔵寺」、漁師町の名残である「水神社」など、古いものが残っています。マンションが増えて新住民が増えたこともあり、隣近所に無関心でもなく、かといっておせっかいでもないという、ほどよいバランスが取れた街だと思います。生活するには本当に便利で、居心地がいいところですよ。

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今回、話を聞いた人

川崎ふたば幼稚園

園長 小川哲也 先生

所在地:神奈川県川崎市川崎区大師河原2-3-20
電話番号:044-277-6533
URL:http://www.futaba.ed.jp/

※2015(平成27)年3月実施の取材にもとづいた内容です。記載している情報については、今後変わる場合がございます。

自然との触れ合いを大切に知的好奇心を育む木のぬくもりに包まれた“くまさんの幼稚園”/川崎ふたば幼稚園 園長 小川哲也 先生
所在地:神奈川県川崎市川崎区大師河原2-3-20 
電話番号:044-277-6533
http://www.futaba.ed.jp/