NPO法人情報ステーション 成瀬麦彦さん インタビュー

人と人、人と地域を繋ぐサードプレイス「船橋北口みらい図書館」/NPO法人情報ステーション 成瀬麦彦さん


船橋エリアでは今、街角のあちらこちらに「民間図書館」が急増中。今日までに25館が開設されている。中でも「船橋」駅から徒歩3分にある「船橋北口みらい図書館」は蔵書数が6,000冊以上と多く、市民大学「船橋みらい大学」の会場としても活況を呈している。取材に伺ったこの日は、現役司書を講師に『学校図書館って、どんなところ?』と題した講座の真っ最中。子どもを含む14人の参加者が、司書の役割や学校図書館の活用法について、和気あいあいと学んでいた。今回は、船橋夏見を含む「船橋」駅北口エリアの地域コミュニティの場となっている「船橋北口みらい図書館」を中心に、運営団体「NPO法人情報ステーション」の成瀬麦彦さんに船橋で広がる民間図書館についてお話を伺った。

本をきっかけにいろいろな人が出会える、手づくりの交流施設

「NPO法人JASH 定期講座」の様子

「民間図書館」というのは、市民のみなさんから読み終えた本を寄贈してもらい、運営はボランティアが交代で担いながら誰でも無料で本を借りられるという、パブリックな“民設民営”の図書館です。船橋は人口62万人に対し公立図書館は4つなので、1館で15万人以上を抱えるかたちになっています。小さくても近所に図書館があれば、みんながもっと気軽に本を読めるのではないかという想いから、こうした民間図書館を作ろうということになりました。

運営している私たち「NPO法人情報ステーション」は、まちづくり全般に幅広く取り組んでいる団体で、民間図書館の運営を柱として、その他に地域のお祭りなどのイベントのサポート、市民大学の主催、クラウドファンディングのサイト運営の計4事業を展開しています。

目指せ小学校と同じ数!「船橋まるごと図書館プロジェクト」を展開

図書館研究会第6回「図書館を創る」ブックカフェ探検家、元図書館長井東順一さん

高齢化社会であることや子育てのしやすさを考えると、お年寄りも若い人も、遠くの大きな図書館にわざわざ通うよりも、近くの小さな図書館へ通う方が便利です。しかし、どこの自治体も図書館を増やすにも財政面が厳しいという問題があります。そこから、自分たちがボランティアベースで小さな図書館を作って点在させていけば、船橋のどこに住んでいても、みんなが歩いて図書館へ行ける街になる、という発想が生まれました。

「船橋北口みらい図書館」の充実した蔵書

当初、船橋市内に民間図書館を中学校の数と同じ30館つくるという目標を立て、これまでにマンションや高齢者施設、クリニック、シェアオフィス、車販売店などに既に25館を開設しました。現在は、市内中心ではなく、小学校区に1つずつ、計50~60館作ることを目指しています。公立図書館は図書館ごとに蔵書を持っていますが、民間図書館は全館で持つという考え方で、互いに本を融通し合っています。そのため、本をどこで借りてどこへ返すのも自由です。蔵書は、一般的によく流通している本が寄贈されるので、市民のみなさんが気軽に読みたくなるような本、特に小説が多いです。地元の方が書いた自費出版本なども置いています。

地域の人々と共に育てる、誰もが利用しやすい空間

本と働く人々第3回「親子でつくる 世界で一冊だけの絵本講座」鈴木出版(株)編集長 波賀稔さん

民間図書館が増えた理由としては、読書や図書館に対するニーズがあり、さらに通常の公立図書館にはない、BGMやラジオが流れ、おしゃべりしても構わない、柔らかい雰囲気が民間図書館にあることが理由に挙げられます。実際、ここへ来ても本は読まず、立ち話だけして帰る人もいるほどです。

3号店となった「船橋北口みらい図書館」のオープンまでの経緯は、1号店の「ふなばし駅前図書館」が非常に狭く、寄贈された本を所蔵するために倉庫を借りていたのですが、倉庫に眠らせておくのであれば、人に見られる所に配架した方がいいと場所を探し、たまたま空き店舗になっていたこの場所を貸して頂けることになりました。

元人材派遣会社の空き店舗に開設した「船橋北口みらい図書館」

スペースに余裕もあったので、図書館と公民館の要素を合わせ持ったような施設を目指すことになり、壁際に本棚を設置して中央にスペースを設け、人が集まって活動しやすい造りにしています。また、みんなが集まって何か催し物を開催する際にレンタルスペースなどを借りるには、それなりの費用がかかります。そこで、そのような催しもできる公民館的な要素を内包した図書館にしようと、運営費を捻出するためにネーミングライツを募集しました。それにより、「船橋北口図書館」から「船橋北口みらい図書館」へと名称が変わったのです。

民間図書館の貸出しは1人2冊2週間までとしています。「船橋北口みらい図書館」の貸出しは月間にして200冊ぐらいでしょうか。この辺りは戸建て住宅に昔から住む地元民と、新しくできたマンションの住民が住んでいる街です。利用者も主には60代から、ベビーカーを押してくる世代まで来られます。開館は朝11時から夕方5時までで、火曜日と日曜・祝日が休みです。ボランティアには約20人が登録しています。定期的に関わっている方だけでなく、夏休みや冬休みだけという方もいて、みなさん無理なく協力してくれています。店番をしながら読書やおしゃべりをしたり、他の図書館から回ってきた本の中から自分の好みの本を選んで棚に並べたりと自由な雰囲気です。以前、“今度フィリピン旅行へ行くから”と自ら特集コーナーを作った方もいました。

講師にも参加者にもなれる、幅広いテーマが魅力の「船橋みらい大学」

「船橋みらい大学」のお知らせ

図書の貸し出し以外にも、月に10回程度、「船橋みらい大学」という市民大学を主催しています。行政が行う市民大学は年配者向けに日中開催のものが多いですが、「船橋みらい大学」は現役世代が参加しやすいように平日夜間や土日に開催しています。誰でも気軽に講師・参加者になることができ、絵本研究や整体、神社仏閣での作法など幅広いテーマを扱っています。

たのしあわせ研究所定期講座第3回「折紙で地球を笑顔に! ~感動の現代折紙の世界~」国際折紙講師 沓名輝政さん

本の読み聞かせや絵本づくり、ペットボトルを使った工作教室など、親子向けの講座もあります。みらい大学の講師が書いた本、あるいはおススメの本は、展示コーナーも作っています。この他にも、月に5回ほど、個人や他団体が主催する催しに場所を提供しています。読書会やパソコン教室をはじめ、打ち合わせやお酒の会等で使われることもよくあります。

「世界の童話図書館」や「ふなばし駅前図書館」も身近に

「船橋」駅前には、私たちが運営する「ふなばし駅前図書館」や、世界童話普及会運営の「世界の童話図書館」があります。「ふなばし駅前図書館」は蔵書数約400冊。利用者は30代の女性がメインで、それに続いて50代男性の利用も多いです。JR線と京成線の駅の乗り換え地点にあるため、通勤通学の乗り換えで立ち寄ってくれる方も多いです。取り扱っている本は、手に取りやすい文庫本がメインで、「船橋市立図書館」の本も、こちらで返却することが可能です。

子どもたちへの読み聞かせ

 「世界の童話図書館」は、絵本や童話に気軽に触れられる図書館です。こちらは貸出しはしていませんが、同じ絵本が数カ国語分所蔵されていて、靴を脱いでゆったりと本を読むことができます。

会社でも学校でも家でもない居場所“サードプレイス”であり続けたい

絵本専門士・波賀稔の絵本まるごと研究会

今後の展望としては、やはり船橋市内のエリアに万遍なく民間図書館を作りたいと考えています。また、「船橋北口みらい図書館」としては、ふらりと立ち寄れば毎日何かイベントを開催しているような図書館にしたいです。「船橋みらい大学」についても、ここに来れば誰かに会えて、面白いことを行っている場所でありたいと思っています。いずれも、会社でも学校でも家でもない居場所、“サードプレイス”であり続けたいです。

船橋には街のために何かをやりたいという熱い想いを抱いている人がたくさんいます。20~30代で起業した方たちがフェイスブックを通じて仲良くなり、市内のあらゆる所でイベントが頻発している。その傍ら、太宰治が逗留して本を書いていたという家が住宅街の中に残っていて、地元の人でも知らないような文化的な側面もある。「船橋みらい大学」ではそういう地域の魅力を発掘して、いろいろな人たちの出会いにつなげていきたいです。郷土史や伝統行事など地元の人たちが生活の中で蓄えてきた知識や経験をもっと話してもらいたい、伝え続けてほしいとも思います。資料をアーカイブして後世へ伝えていくという図書館としての役割もきちんと果たしていきたいです。

~「船橋みらい大学」の参加者に聞きました!~

「学校図書館って、どんなところ?」の講座の様子

●ここに来ればいろいろな人と出会えて、リアルにつながる感じが魅力です。老若男女が集うので、年代が結構離れている方とも話ができます。イベント後に参加者でお酒を飲むこともありますし、ボランティアにも面白い方がたくさんいますよ。普段は仕事から帰ってきたら寝るだけなので船橋市民という自覚があまりないのですが、ここは唯一そういう気持ちが持てる場所です。船橋は気取りがなく、いろいろな要素が混在しているところがいいですね。歩いてみると面白い街です。(船橋市民、50代 男性)

●「船橋みらい大学」は内容もいろいろなテーマがあるので、見識が広がって勉強になります。子どもが一緒でも参加しやすいですよ。アットホームなので、一般的な講習会と違って、互いに意見を交わし合えるところがいいですね。こうした場所がもっと増えてほしいと思います。船橋は多様な方たちが住んでいるのが魅力的な街。特にリタイアした方の職業経験が幅広く、退職後も力を発揮されています。(船橋在勤、30代 女性)

船橋をまるごと図書館に!人と人、人と地域を繋ぐサードプレイス「民間図書館」の魅力

船橋北口みらい図書館

○NPO法人情報ステーション
事務局長 成瀬麦彦さん
URL:http://www.infosta.org/

○船橋北口みらい図書館
住所:千葉県船橋市海神2-8-14
開館時間:11:00~17:00
休館日:火曜日、日曜・祝日
問い合わせ:047-419-4377
URL:http://www.librarylife.net/library/detail/0003
※この情報は2015(平成27)年11月時点のものです。

川崎市まちづくり局インタビュー

人口147万人を擁する政令指定都市の玄関口として発展し続ける「川崎」駅周辺の魅力/川崎市まちづくり局 北村岳人さん


神奈川県の北東部に位置し、横浜市と東京都とに挟まれた人口147万人を擁する政令指定都市・川崎市。「川崎」駅を中心とした「川崎駅周辺総合整備計画」は2006(平成18)年4月の策定より10年を迎え、災害対策や東京オリンピック・パラリンピックの開催などに向けた新たな考え方を盛り込み、2016(平成28)年3月29日に改定が行われました。今回は川崎市まちづくり局 市街地開発部 市街地整備推進課の北村岳人さんに「川崎」駅周辺の開発の現状と整備計画の改定のポイントについてお話を伺いました。

「川崎」駅東口の駅前広場のバリアフリー化を実現

川崎駅東口駅前広場

―まず、「川崎駅周辺総合整備計画」の概要について教えてください。

北村さん:「川崎駅周辺総合整備計画」は今から10年前の2006(平成18)年4月に策定された計画で、川崎市の玄関口として相応しい「川崎駅周辺」のまちづくりに関する考え方をまとめています。なかでも中心となる事業のひとつが東口駅前広場の再編整備で、地上でも行き来ができるようバリアフリー化にも対応した整備を行いました。以前はバスターミナルに行くのにもいったん地下に降りてから階段を上る必要があり、高齢者やベビーカーを引く子育て中の方にとっては特に利用しにくい環境でした。
また放置自転車やゴミのポイ捨てなどの問題もあったため、“環境美化”をテーマに掲げた取り組みも行ってきました。
自転車については駅前まで乗り入れをせずに、駅から少し離れた場所に駐輪場を設置し、駅前はバスやタクシーなど公共交通を優先しましょうという意識改革も行いました。

通行帯が整備された市役所通り

また市役所通りに自転車通行帯を設けて歩行者と自転車を分けることで、歩行者が安全にそして快適に通行できる空間を確保しました。将来的には新川通りにも整備する予定で、駐輪場の設置や自転車通行帯整備のハード面の取り組みと同時に、自転車利用のルールやマナーの啓発活動などソフト面の取り組みも継続して行っていきます。
2011(平成23)年3月に再整備した東口駅前広場は、景観にも配慮し見通しの良いガラスの大屋根、LED照明や太陽光パネルの設置をはじめ、塗装面を汚れにくくする光触媒塗装や歩道の温度上昇を防ぐ保水性舗装など、環境に配慮した先端技術が導入され“環境技術の展示場”とも呼んでいます。

川崎駅東口駅前広場

「川崎駅周辺総合整備計画」には他にも、西口他区の継続的な再開発の推進や、東西自由通路の混雑緩和と回遊性や利便性の向上を図るため、現在工事中の北口自由通路の整備を位置付けるなど計画全体の折り返し地点に辿り着いたような状況です。
今後の大きなプロジェクトとしては、「ミューザ川崎」の南側にある大宮町A-2街区の再開発や、「京急川崎駅周辺」の再開発なども予定されています。「京急川崎」駅には、2016(平成28)年4月27日に「京急川崎駅前ビル」が開業しますので、周辺の再開発を促すリーディングプロジェクトとして期待しています。

災害対策をはじめ社会情勢の変化に伴い改定された整備
計画

資料を手元に説明してくれる北村さん

―2016(平成28)年3月29日に整備計画が改定されましたが、その理由とは?

北村さん:整備計画を改定した大きな要因としては、東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策と防災機能の強化の必要性が生じたことと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定、「羽田空港」の国際化の進展によるグローバル化への対応などを新たな取組として盛り込む必要性が生じました。
10年という歳月の中で「川崎」駅周辺を取り巻く社会情勢も大きく変化したことから、“愛着や誇りを持ち、魅力と活力にあふれた街を目指して”というメッセージを発信し、今後10年間を見据えた整備計画を発表しました。計画の内容については本市HPからもご覧いただけますので、詳細についてはご一読いただければ幸いです。

「北口自由通路」の整備により回遊性や利便性が向上する「川崎」駅

北口改札付近のパース画像(提供:川崎市まちづくり局 市街地整備部地域整備推進課)
※パースはイメージであり、実際の整備内容と異なる場合があります。

―整備が進められている北口の自由通路についてもお聞かせください。

北村さん:東西自由通路の混雑緩和と、駅東西の回遊性・利便性の向上を図るため、北口自由通路と新たな改札口の整備を進めています。まず2017(平成29)年7月頃に東西自由通路に中央北改札を先行開業し、北改札と北口自由通路は2018(平成30)年3月頃の供用開始を予定しています。
西口側は「ラゾーナ川崎プラザ」に接続し、東口側は地下街の「アゼリア」まで接続する計画です。また北口自由通路には市の行政サービス施設を整備し、観光情報も発信していきます。

東京オリンピックの開催を機に川崎市の魅力を発信

―東京オリンピック・パラリンピックの開催決定に伴う取り組みがあれば教えてください。

北村さん:東京オリンピック・パラリンピックの開催決定によらず、海外から「羽田空港」に来て、乗り換えの時間を利用して、例えば「ラゾーナ川崎プラザ」で買い物や食事をして次の目的地へ向かうために「川崎」駅周辺を訪れる外国人の方もいます。そういった海外の方のニーズにも応えられるよう多言語サインの整備も進めていきます。

ミューザ川崎

また駅周辺には「富士通スタジアム川崎(旧川崎球場)」や「川崎大師」、「ミューザ川崎シンフォニーホール」の他、東海道五十三次の宿場「川崎宿」の歴史的な文化資源なども立地しており、オリンピックの開催を機に国内外に魅力を発信することで観光振興にもつなげていきたいと考えています。

―「川崎」駅周辺の魅力、また今後の課題とは?

北村さん:「川崎」駅周辺の魅力としては、横浜市と都心部に挟まれた環境で「羽田空港」にも近く、アクセスの利便性に優れているのが最大の特徴だと思います。また、西口には「ラゾーナ川崎プラザ」、東口には活気のある商店街があり、買い物や食事をするのにも便利で生活しやすい環境だと思います。

川崎駅前西口広場

京急を利用すれば最短で15分で「羽田空港」までアクセスできますし、場所によっては玄関を出てから1時間かからずに「羽田空港」から飛行機で飛び立ててしまうのは、魅力的ではないでしょうか。
また駅周辺には映画館が多いのも特徴で、「CINECITTA’(チネチッタ)」や「DICE(ダイス)」、「ラゾーナ川崎プラザ」などに約30スクリーンあります。
今後の課題としては、まちづくりは継続して実施することが重要なため、行政の力だけでできるものではなく、事業者や市民のみなさまにも協力していただく必要性を感じています。整備計画には、市民や事業者との協力や連携について明記しており、本市の玄関口に相応しい「川崎駅周辺地区」の将来像をみんなで共有することが重要だと考えています。

きちんと並べられた自転車。市民ひとりひとりの意識から作られる景観

自転車については、指定の場所に停めることや、一定のエリア内では押し歩きをすることなどルールに基づいてマナーを守る意識が大切です。また歩行者も同様に、ななめ横断をせずに横断歩道をきちんと渡ることだったり、ゴミのポイ捨てをしない、タバコは指定喫煙場所で吸って自分で責任をもって始末することなど、ひとつひとつのきめ細かなことの徹底を、継続的な課題として取り組んでいきます。
今後とも“川崎らしさ”を大切にしたまちづくりを進めていきたいと考えています。

川崎市まちづくり局 北村岳人さん

今回、お話を聞いた人

川崎市まちづくり局 市街地開発部 市街地整備推進課
(※現在:まちづくり局 登戸区画整理事務所 課長補佐)
北村岳人さん
住所 :川崎市川崎区宮本町1番地
URL:http://www.city.kawasaki.jp
川崎駅周辺地区のまちづくり:http://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/26-2-1-1-0-0-0-0-0-0.html
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

人口147万人を擁する政令指定都市の玄関口として発展し続ける「川崎」駅周辺の魅力/川崎市まちづくり局 北村岳人さん
所在地:神奈川県川崎市川崎区宮本町1 

足立区立寺地小学校インタビュー

地域に見守られ児童が安心して通える小学校/足立区立寺地小学校 校長 島埜(しまの)秀男先生


荒川土手にほど近い「足立区立寺地小学校」は、全校児童約270名が通う中規模校。2015(平成27)年は開校75周年を迎え、3世代で通う家庭もある地元の小学校として親しまれてきた。日暮里・舎人ライナーの開通で地域の様相が変わりゆく中、どのように子どもたちを育んでいるのか、校長の島埜(しまの)秀男先生に伺った。

地域との距離が近い学校

―児童数の変化や学区外から通う児童の割合について教えてください。

島埜校長:ここ数年、クラス数は10~12、児童数は270名前後で推移しています。今年度は5~6年生のみ約40名の単学級で全10クラス、2016(平成27)年2月現在の児童数は276名です。ただ、日暮里・舎人ライナーの開通の影響か、近年は新しい住宅やマンションが周辺に増えてきたので、今後は児童数がやや増えていくのではと推測しています。 12学級くらいで落ち着くだろうという見込みでおります。

2000(平成17)年に撮影した60周年の空撮写真。卒業生や保護者の協力もあり5年毎に撮影している。

足立区では学校選択制を採用していますが、学区外から通っている児童は多くはありません。全体の約9%、1学年で3~4人程です。どの子も徒歩で通える範囲の地域から通ってきています。ご両親あるいはお祖父ちゃんお祖母ちゃんが本校出身だという子も多くて、地域に密着した学校だなと思います。

3名人や音読への取り組みで学力アップ

―「寺地スタンダード」とはどんな内容ですか?

島埜校長:例えば教科書やノートの準備と使い方など、学習の仕方の基礎基本となる指導内容を発達段階に応じて学年ごとにまとめたものです。どの先生も同じように指導することで、落ち着いた学習環境になりますから、児童の学力も上がっていきます。これが徹底されるように、時どき教員間で確認と見直しをしています。

廊下歩き名人の看板

―基礎学力を定着させるためにどのような活動に取り組んでいらっしゃいますか?

島埜校長:学力向上の基盤は安定した生活習慣と学習規律にあります。そこで、生活習慣については「あいさつ名人」「靴揃え名人」「廊下歩き名人」の3名人に取り組み、認定証を渡すなどして児童の意欲を引き出しながら学校生活を安定させることに力を入れています。合わせて、先生方には児童ができていることを見逃さず褒めて指導すること、児童が他の子の長所を見つけられるような場を設けることに取り組んでもらっています。

「靴揃え名人」の習慣が徹底されていることがよくわかる

生活習慣の安定を大前提とした上で、学習面では音読にかなり力を入れています。読むことができないと、学習への取り掛かりも進みません。そこで、1分間に350文字ぐらいを読めるようにいろいろな教科の中で音読の機会を取り入れ、単元終了時にすらすら読めるかどうか達成度を確認しています。全校で音読交流会を行い、全員が音読を披露する場を設けていますが、苦手な子も一生懸命な様子が見てとれ、やる気を起こす機会にもなっています。

音読交流会の写真

実際、音読指導によって読むことへの抵抗感がなくなってきていて、区の学力調査では本校の児童が平均値より多くの本を読んでいることがわかりました。読むことを楽しめる力がついてくるのに応じて、学力も少しずつ上がってきていると思います。このほか、朝学習として本校独自のプリントでの漢字検定と計算検定、100マス計算などを実践しています。個人差はありますが、継続することで、力がついてきていると感じています。

さまざまな音読指導が行われている

寝転がって遊べる緑の芝生が大好評

―2015(平成27)年11月に校庭を芝生化されたそうですが、子どもたちの様子はいかがですか?

島埜校長:土の校庭だった頃とは遊び方が変わりましたね。今は校庭にお尻をつけて座って話していたり、ハンカチ落としのような遊びをしたり、天気のいい日には寝転がったり。見た目もきれいだし、子どもたちは気持ちよく過ごしているようです。一番いいことは、人工芝は水はけがいいので雨が降ってもすぐ遊べるようになること。また怪我をしにくいという利点もあります。このほか、昨年は教室の床や壁、トイレが改修され、今年は屋上プールを改修しました。きれいになって、すごく恵まれた環境だと思います。

全面芝生化された校庭

―特色のある教育活動はございますか?

島埜校長:5年生が総合的な学習の時間で、近所の方の田んぼで田植えや稲刈りを体験させてもらっています。本物の田んぼに入れる貴重な機会ですし、土の中には虫やカエルもいていい教材になる。収穫したコメをふかし、うすときねでもちつき大会をしています。また、JRC(青少年赤十字)の清掃活動の一環として、4年生が田んぼの周りでゴミ拾いをしています。地域連携では、2~3年生が近くの特別養護老人ホームを訪問し、歌を歌うなどして地域のお年寄りと交流をしています。

校歌

足立区には学校ごとに「開かれた学校づくり協議会」があり、本校では協議会が主催して年4回、サタデースクールを開催しています。スポーツ・パソコン・ものづくり・料理の四つの教室があり、全学年から希望者を募って行います。保護者を含めて地域の方が企画や当日の手伝いで活動をサポートしてくれ、毎回とてもにぎやかですよ。

のどかな環境でのびのび子育てできるエリア

―近隣の幼稚園や保育園、中学校との連携について教えてください。

島埜校長:扇こころ保育園、足立双葉幼稚園などから来年小学校に上がる園児たちがきて、児童と一緒に授業を受けたり給食を食べたりしています。1年生も年下の子たちがくると、お兄さんお姉さんの顔つきになって案内や説明をしていていますよ。体験に来たお子さんの何人かは本校に入学してきますので、いいつながりもできます。また第六中学校とは、6年生が授業と部活を体験させてもらっていて、こちらも有意義な活動になっています。

1年生の教室。きれいに整頓されている

―地域や保護者との関わりはいかがですか?

島埜校長:町会・自治会の子ども会で登校班を作っているので、登校時は地域の方がいつも見守ってくださって非常に安心です。通学路には防犯カメラが設置されているところもあります。PTA活動は非常に熱心で、児童が校内でゲームや模擬店を楽しむ秋の「わくわく寺地夢祭り」では、準備から片付けまでたくさんの方が協力してくださっています。もちつきをしたり、PTAや青少年委員の方が模擬店を出してくださるなど、毎年とても盛り上がりますよ。

寺地夢まつりの様子をまとめた掲示物

町会や自治会も活発なので、夏のお祭りは町会ごとに山車や神輿が出て非常ににぎやかです。神輿を担ぐなど子どもたちが活躍する場も多いですね。お祭りでは保護者の方たちから「昔通っていました」とか「今孫が通っているよ」といったお話を伺えてとても強い絆を感じます。

―このエリアの街の魅力、子育て環境の魅力はどのようなところですか?

島埜校長:まさに下町というか、人のつながりが非常に濃く、支え合っているという雰囲気が感じられる所です。私も教員生活の中で初めて見ましたが、地域の連合運動会がいまだ盛んに行われているほど。近所の子どもの顔を知っている大人が多く、それだけ人間関係が密という印象を受けます。だからこそ、子どもたちのために何かできることはないかと学校に協力してくださる風土がある。今後新しい住民の方たちとの融合によって、さらにプラスになるような発展をしていく地域でもあるのかなと思います。

校内廊下

自然が豊かで生活するにも便利になってきていますし、落ち着いた環境の中でのびのび子育てできるのでは。授業でも虫取りなどに行きますが、荒川土手が近く、畑や田んぼが残っていてのどかな雰囲気があり、安心して生活できるエリアだなと感じています。

校長:島埜秀男(しまのひでお)先生

足立区立寺地小学校

校長 島埜秀男(しまのひでお)先生
所在地 : 東京都足立区扇一丁目7番1号
TEL : 03-3890-7204
URL: http://www.adachi.ed.jp/adtera/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

地域に見守られ児童が安心して通える小学校/足立区立寺地小学校 校長 島埜(しまの)秀男先生
所在地:東京都足立区扇1-7-1 
電話番号:03-3890-7204
http://www.adachi.ed.jp/adtera/

世田谷区立等々力小学校インタビュー

地元の「学校愛」に支えられた小学校で伸び伸びと育つ子どもたち/世田谷区立等々力小学校 校長 秋吉達也先生


等々力は静かで緑の多い高級住宅地として人気が高い。駅から徒歩2分の場所には都内で唯一の渓谷・等々力渓谷があり、住宅化が進んだ今なお斜面から湧水が見えるというのどかな風景が見られる。自由が丘には3駅で4分、二子玉川には2駅3分という便利な立地で、通勤や買い物、子どもの塾通学までが充分にカバーできる恵まれた環境。整然と並んだ宅地と広い歩道、歩行者に道を譲る車のマナーの良さなどにこの地域の質の高い住環境が垣間見える。今回は、等々力小学校の秋吉校長先生に、この地域や学校の魅力について伺った。

さまざまなことから“生きた学び”を得る

校門

―学校の概要を教えてください。

秋吉校長:本校は1956(昭和31)年9月1日に開校しました。当時この地区には小学校はなく、“自分たちの町にも小学校を”という思いで、住民の皆さんが土地を供出し合ってくださりできた学校です。なので地域には「学校を愛する気持ち」「子どもを慈しむ気持ち」が非常に根強く、有難く感じます。2015(平成27)年4月1日現在、全校児童597名、1~2年は各4学級、3~6年は各3学級の合計20学級で運営しております。

―どのようなことに力を入れて教育活動をされていますか?

秋吉校長:教育目標としては「よく考え行動する子ども」「なかよく助けあう子ども」「健康で明るい子ども」を掲げています。また「心に笑顔、学校に花」というキャッチフレーズのもと、人権教育にも力を入れています。その実現のために、「読書が好きな子は95%以上、元気にあいさつする子は100%、健康で体力向上を心がける子は90%以上」という具体的な数値目標も設置しました。

生徒が彩色したベンチ

相互理解をするためには、まず話を聞くことが重要であるという考えから、「聴く力を高めコミュニケーション能力を高める」ための校内研究も行っています。この研究は世田谷9年教育研究開発校としての取り組みでもあります。

―異学年交流が盛んだというお話も聞きました。

秋吉校長:異学年交流は他の学校でも行っていることとは思いますが、本校は定期的に「給食」「遊び」「掃除」などなるべく多くの時間を、縦割り班である「キッズ班」の活動に割くようにしています。高学年がリーダーシップを発揮し、低学年が憧れを持つといったことだけでなく、生きた学び合いがあると感じています。学校は先生から教えてもらうだけではない、子ども同士が自分たちの学びを習得する場でもある。もちろんその中には葛藤や迷い、悔しい気持ちを持つこともある、それも含めた学びですね。学年が違う子ども同士の交流は、人権教育にもつながると考えて力を入れています。

教育熱心で地域からのサポートも厚い風土

生徒の作品

―世田谷9年教育の内容について教えてください。

秋吉校長:世田谷区には29中学校があり、その各中学に学区小学校が2~3校あるので、それをまとめて○○学舎と名前をつけて一緒に活動に取り組んでいます。ちなみに本校では、「東深沢中学校」と「東深沢小学校」の3校で「みしまの森学舎」を形成し、学舎独自の教育目標を掲げて連続した9年間の充実した教育を行えるように取り組んでいます。

校門

具体的な活動としては、月一回のあいさつ運動を行っているのですが、その際、年間を通じて数回、可能な時に中学生に来てもらい、あいさつ運動をしていること。合同学習習得確認会議で、小中を通じた学習課題を明らかにして話し合い、改善していること。また体育と英語の中学教諭に来てもらい、授業を行うこと。年1回、中学1年生たちが合唱を披露してくれること等、多角的な取り組みをしています。

―卒業生の進学先について教えてください。

秋吉校長:年によって変動しますので一概には申し上げられませんが、学区の「東深沢中学校」には50%、私立へは47%、その他国公立に3%というのが平均の割合です。教育熱心で意識の高い親御さんが多く、子どもたちも素直で穏やかな児童が多いと感じます。

廊下

―全国学校ビオトープコンテストで銀賞を受賞されたそうですね。

秋吉校長:校庭の一角にビオトープがあり、環境委員会が中心になって管理しています。5年生の社会の授業で稲作の学習があるのですが、バケツ稲づくりと並行してミニ水田をつくり、池の近くを、より自然に近い環境にしています。また休み時間を利用して、児童がビオトープやその周辺の自然に興味を持てるように、環境クイズや観察を実施しています。里山、とまでは言えない小さなスペースではありますが、都会の中にあっては貴重な場所になっているようですね。

校庭の一角にあるビオトープ

―地域の方々との交流について教えてください。

秋吉校長:先にも申し上げましたが、学校や地域に対する地域の方々の愛情が溢れている街ですので、地域活動も活発です。自治会の防災訓練・納涼大会をはじめ、「玉川神社」のお祭り、盆踊りやもちつき、東深沢コミュニティ主催のウォークラリー、東深沢スポーツ文化クラブ主催のスポーツフェスティバルなど枚挙に暇がありません。

フリールームの看板

また世田谷区主催のいかだくだり大会「アドベンチャーin多摩川」では、PTAのお父さんたちによる“おやじの会”がいかだを作り、子どもがそれに乗って多摩川を下るというイベントにも参加しています。こんな風に様々な方たちが子どもを楽しませようと創意工夫をしてくださり、子どもはそれに参加しているうちに自然と地域との交流が生まれるという理想的なサイクルになっていると感じます。

自然豊かで人の輪を大切にする温かな街

等々力渓谷

―等々力エリアの魅力について教えてください。

秋吉校長:玉川神社、満願寺、等々力不動などの寺社仏閣が多く立ち並び、落ち着いた雰囲気がある街ですね。また何度も申し上げましたが、地域の方々が人の輪を大切にしている温かい街だと感じます。地域には大木が点在し、ぶどう園やみかん園、畑が広がっている場所もあり、等々力渓谷もある。都心に近く便利な立地ながら、自然が豊かに残っている恵まれた土地ですね。 住宅地を歩いてみると分かりますが、区画整理の時代にきっちりと計画を立てて街を作っているんです。この地区の人たちは非常に先見の明がありしっかりと将来を見据えていらっしゃる、そういう土地柄なのだと思います。

世田谷区立等々力小学校

世田谷区立
等々力小学校
校長 秋吉達也先生

所在地 :東京都世田谷区等々力7-26-1
TEL:03-3702-2185
URL:http://school.setagaya.ed.jp/toki/
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

地元の「学校愛」に支えられた小学校で伸び伸びと育つ子どもたち/世田谷区立等々力小学校 校長 秋吉達也先生
所在地:東京都世田谷区等々力7-26-1 
電話番号:03-3702-2185
http://school.setagaya.ed.jp/toki/

調布市立緑ヶ丘小学校 鈴木祐介校長先生 インタビュー

小規模校のメリットを生かし、地域と共に歩む/調布市立緑ヶ丘小学校 校長 鈴木祐介先生


調布市の東部に位置している仙川エリアは、「白百合女子大学」や「桐朋学園」などがあり、教育意識が高く地域に密着した商店街が形成された、活気のある街です。2015(平成27)年度に開校50周年を迎えた「調布市立緑ヶ丘小学校」は、この仙川エリアにあり地域の人々に愛されている歴史ある学校です。今回は、同校の教育の特色や地域との関わりについて、鈴木祐介校長先生に話を伺いました。

開校50周年を迎えた歴史ある学校

鈴木校長先生

――まず、学校の概要・沿革をお聞かせください。

鈴木校長先生:本校は、2015(平成27)年度に開校50周年を迎えた、緑豊かな自然に囲まれた学校です。本校が開校した1965(昭和40)年は、日本が高度経済成長の真っ只中にあった頃で、ここ調布市の人口も大きく増えた時でした。現在の調布市は、建物や道路が建設されて大変便利な街ですが、開校当初は周囲に建物は無く、本校だけが「ぽつん」とあった状態だったそうです。その後、東側校舎や体育館、プールが次々と整備され、一時は児童数が1,000人を超えることもありました。開校当時より地域の皆様が学校を大切にしてくださり、地域と共に本校は発展し、今の姿があります。

徳・知・体の調和のとれた教育を

外観

――貴校の教育理念や目標を教えて頂けますでしょうか。

鈴木校長先生:本校は教育目標に「明るい心とじょうぶな体の子」、「礼儀正しくきまりを守る子」、「よく考え進んでやりぬく子」を掲げ、「学問・体育・道徳」のバランスの良い成長・教育環境を目指した育成に取り組んでいます。

特に、本校では「徳」の教育が重要だと考えています。身近で何気ないことですが、「花」がある生活と無い生活は大きく違うと思います。「花」は人の心を耕します。本校では、校舎内外に「花」のある環境整備をしており、「花」に多く触れ合うことで子どもたちの心を耕す場面を取り入れて、「心の育成」をすすめています。今年は学校にコスモスを植えましたので、秋にはたくさんのコスモスの花が咲くと思います。子どもたちもみんな楽しみにしています。近年、子どもたちの不登校問題やトラブルをよく耳にしますが、教員がていねいに話を聞いたり、カウンセラーが対応したりすることで問題の発生を未然に防いでいます。このようなことも子どもたちの心を学校全体で育んでいるひとつの表れではないかと思います。

「花」がある生活

また、地域の方々との交流を大事にしており、子どもたちが高齢者施設や幼稚園・保育園に訪問して、ダンスや歌の発表、楽器の演奏をする活動を行っています。発表することによって憧れられたり、頼られたりすることで子どもたちは自分に自信が持てるようになりますし、小さい子は「お兄さん、お姉さんのようになりたい」と努力する心が芽生えます。練習にもその気持ちが表れ熱心に取り組んでくれるので、とても良い作用になっていると思います。

もう一つ重要なのは、規則正しい生活が子どもたちの未来を創る「体」の育成です。本校では体づくりの日常化、体育授業の充実に力を入れています。また、調布市からの指定を受けて、様々な遊びや運動に親しむ子、友達と関わり合い、学び合う子の育成を目指して体育研究を積極的にしています。「大縄跳び」や校庭をみんなで走る「ペースランニング」など、一人一人が関わりあって、喜び・分かる喜びを味わい、それを「面白い」「楽しい」と感じることができる工夫をしています。

小規模校だからこそできる指導・活動

少人数での授業

――「緑ヶ丘小学校」の環境ならではのメリットや特色はございますか?

鈴木校長先生:調布市内には1,000人規模の学校もありますので、本校はその1/3程度の規模といえます。メリットとしては、教員が全ての子どもたちに目が行き届くということが大きいと思います。1クラス30名から35名編成ですので、教員と子どもたちが家族的な雰囲気で接して、教員が気になったことを一人一人きめ細かく指導できているのが利点です。また、1年生から6年生までが一斉に参加する全校遠足も少人数の学校だからこそできる取り組みです。このことにより異学年交流を盛んにして、大人数の学校にはできない、より良い人間関係の構築ができるように指導しています。

また、小学校周辺には繁華街はなく、学校の名前の通り緑が大変多い街です。そして、地域の方々がみんなで子どもたちを育てていこうという意識があり、安心して住むことができる環境下にあります。毎年、校庭で開催される「みどりんキャンプ」(校庭にテントを張り一泊し、飯ごう炊飯やキャンプファイヤーなども体験する課外活動)は、児童館と地域の健全育成委員会の皆さんとが協力して行っており、この規模だからこそできる行事であり、地域と共に歩む本校の代表的な活動です。

授業風景

――教科教育(学習活動)の取り組みや特徴についてもお聞きできますでしょうか。

鈴木校長先生:本校では、学校全体の学力向上の為に、課題解決型授業の展開で思考力・判断力・表現力を育成する取り組みを行っています。家庭学習の習慣もとても大事ですので、その日に学んだことを定着させる為に、宿題は毎日必ず出すようにしています。また、読書環境を整え、読書習慣が身につく指導や算数授業の充実、自分の考えを表現したり、図を使って論理的に説明したりできる言語活動の充実、英語に親しむ外国語活動の充実など「知」の成長を促進できるような学習環境を整えています。勉強が苦手な子を作らない、それが学校全体の学力を上げていくことだと思いますし、それが小学校の役目だと考えています。

教育意識の高いご家庭が多く、子どもたちの学力も高い水準にあります。毎年、2割程度の児童が都立中高一貫校や私立中学校を受験しています。

緑ケ丘小学校ユーフォー

――放課後に行われている「緑ケ丘小学校ユーフォー」について教えてください。

鈴木校長先生:放課後の学校施設を利用して、自由で安全な「遊び場・居場所」を提供し、楽しく遊びながら社会性や創造力を養うことを目的としている事業が「緑ケ丘小学校ユーフォー」です。(※「ユーフォ―」は、調布市が行う放課後遊び場対策事業で、保護者の就労などによる家庭の代わりの場所として児童の健全育成を図る「学童クラブ」とは別に、全ての児童が無料で参加できる。)

運営は市や民間スタッフが行っており、子どもたちは放課後に遊具で遊んだり、本を読んだり、学校の宿題をしたり、校庭ではサッカーや一輪車をしたり、思い思いの活動をしています。

地域の方々に支えられる恵まれた環境

――保護者や地域との協力体制はいかがでしょう?

地域やPTAとの連携

鈴木校長先生:多くの地域の人に支えられ、見守られて、子どもたちは安心して通学し、この街で暮らしています。地域の方々やPTAなど保護者のみなさまには、いつもご協力頂き大変感謝しています。先ほどお話しした「みどりんキャンプ」や運動会など地域・PTAと連携した交流を本校では多く行っています。「みどりんキャンプ」は、約200人の子どもたちが毎年参加するイベントなのですが、それと同じ数の地域の方々が、子どもたちを見守ってくださいます。学校の研究発表会などでは基本的に教員は常に子どもたちを指導していますので、来賓の方への対応や安全確保などをPTAの皆さまにお願いしています。

また、もうひとつ地域との協力体制の代表的な例ですが、本校では「親子そば体験」という活動を毎年行っています。そばの種を蒔き、土寄せから始めて、収穫、脱穀、そして深大事水車館で石臼を使っての粉挽き、そば打ちまで一切機械を使わずに地域のみなさまの助けを借りて全て手作業で行います。厳選したそばと水、だし、獲れたてのねぎを使って最高に贅沢な日本一美味しいそばが食べられますし、親子で体験できるので毎回抽選で参加者を決めるほどの人気で大変好評です。このような活動は、地域の方々と連携して子どもたちを育てることができるので、今後も続けていきたいと思います。

その他、ベルマークを集めて学校に必要な用具を買って頂いたり、学校行事に参加できなかった家庭への業務連絡、PTA同士での打ち合わせなどをして頂いたり、子どもたちの為にいつもご尽力頂いています。

都会の良さと田舎の良さが共存する街

校内の様子

――周辺エリアの魅力を教えてください

鈴木校長先生:「緑ヶ丘小学校」は、昔も今も保護者、地域の方々から大切にされている学校です。ここ緑ヶ丘エリアは、地域全体で子どもを育てていこうという意識がとても高いです。そのような良い環境に恵まれて本校には「よい子」が集まっています。そしてその「よい子」を更に「様々な資質を備えた子」に育てていくのが本校の役割であると考えています。

地域にお住いの方の中には「一度は他の地域に転出したけど、また緑ヶ丘に戻ってきました」という方もいらっしゃいます。子どもたちが大きくなった時に、また戻って来たくなる「子どもたちの心のふるさと」になるような魅力がここにはあると思います。都心からも近く、東京外環道路と中央高速道路を連結するジャンクションも建設されますます便利になる一方、昔ながらの自然が多く残っており、都会の良さと田舎の良さがうまく共存した街だと思いますよ。

校長 鈴木祐介先生

調布市立緑ヶ丘小学校
校長 鈴木祐介先生
住所:調布市緑ヶ丘2-16-1
TEL:03-3308-6166
URL:https://www.chofu-schools.jp/midorigaoka-sho/
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

小規模校のメリットを生かし、地域と共に歩む/調布市立緑ヶ丘小学校 校長 鈴木祐介先生
所在地:東京都調布市緑ケ丘2-16-1 
電話番号:03-3308-6166
https://www.chofu-schools.jp/midorigaoka..

「にじいろ保育園 上星川」 園長 山口良子 さんインタビュー

たくさんの笑顔に出会える保育園/にじいろ保育園 上星川 園長 山口良子先生


2013(平成25)年4月に開園した「にじいろ保育園 上星川」。相鉄線「上星川」駅から徒歩2分の距離に位置し、木の温もりを感じられる園舎で、子ども達が元気に過ごしている。今回はそんな「にじいろ保育園 上星川」を訪ね、山口園長先生に保育方針や周辺環境についてお話を伺った。

優しさに溢れた保育環境

木が基調の施設

Q.「にじいろ保育園 上星川」の概要を聞かせてください。

当園は、2013(平成25)年4月に産声を上げた保育園で、去年、初めて卒業生が巣立っていきました。定員50名で、小規模でアットホームなところが特徴です。7時から7時30分、18時30分から20時までの延長保育を実施。園舎は木の温もりを感じてもらえるように努め、机や椅子、玩具、床材には国産の間伐材を使用しています。子どもたちも落ち着きがあり、優しい子ばかりです。

おもちゃ遊びの最中

Q.保育方針について伺えますか?

3つの“愛”を大切にしています。相手を尊重する“みとめ愛”と、他者としっかり向き合ってほしいとの願いから“みつめ愛”。3つ目が、共感するという意味での“ひびき愛”です。何を考え、何がしたいのか。そして誰と仲が良いのかということも踏まえた上で、子どもたち一人ひとりに向き合っています。

きれいに並べられた絵本

Q.“食育”にも力を入れているそうですね。

環境ホルモンが発生しない陶器の使用や、乳幼児期に味覚がつくられるということを踏まえ、季節の野菜や子どもたちが育てた野菜を取り入れるなど、メニューの作成にも力を入れています。

昨年度は昔から伝わる郷土料理、今年はカレー作りの練習をしたり、世界のスープを味わうというテーマで色々な国のスープを飲んで楽しみました。こうした取り組みを通じて、食べることに興味・関心を持ってもらえたら嬉しいですね。

遊びを通して健康な子どもを育む

土遊びのできる園庭

Q.“遊びの場づくり”についても聞かせてください。

乳幼児期の“遊び”は、社会性・創造性・表現力・思考力を育む上で欠かせないものだと考えています。当園には園庭があるので、土に触れることもできます。また各教室には、積み木やブロックなどを置いたスペースを設け、保育士が子どもたちの成長段階に合わせた玩具を選定しています。

カラフルなお手玉

Q.園生活の一日を聞かせてください。

当園の一日は体操で始まります。子どもたちが集まったタイミングで散歩に出かけるのですが、乳児はバギーを利用し、それ以外は体力をつけるために20分近くは歩きます。散歩から戻ると食事になり、それが終わると昼寝の時間。その後は、おやつを食べ、各クラスでの活動となります。

上星川に根付いた保育園

太陽光で明るい施設

Q.親子で楽しめる行事はありますか?また、地域との関わりについても聞かせてください。

毎年4月には親子で参加する遠足があります。自己紹介に始まり、全員が楽しめるゲームをしたりして親睦を深めています。お父様が皆さん一生懸命に参加してくださる運動会や、サンタクロース役や、楽器の演奏など、保護者の力をお借りするクリスマス会があります。地域との関わりについては、月に一度、部屋を開放して育児相談に乗ったりしています。

おままごとスペース

Q.上星川エリアの好きなところを教えてください。

駅から少し離れると想像以上に緑が多いことですね。公園が点在し、徒歩圏内に渓谷もあります。先日、子どもたちと眺めのよい「上星川小学校」の近くに行ってきました。坂道に息切れしてしまったものの子どもたちが喜んでくれたので頑張ったかいがありました。子育てというテーマでも、「上星川」駅の近くに子育て支援施設の「親と子のつどいの広場 星の子」があり、当園の保護者の方々も利用されています。

上星川公園

Q.街に対する想いや、新しく住まわれる方にメッセージをいただけますか?

当園だけではありませんが、全国的に子どもたちの体力低下が進んでいます。何をやるにしても体力がなければできませんから、当園としては、そこにも注力していきたいですね。子育て・子どもの健やかな成長という観点で、この街に貢献していきたいと考えています。

先生

にじいろ保育園 上星川

園長 山口良子 さん
所在地 :神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川1-5-25
TEL :045-444-8073
URL:http://www.success-academy.net/establishment/nijiiro/kamihoshikawa/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

たくさんの笑顔に出会える保育園/にじいろ保育園 上星川 園長 山口良子先生
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川1-5-25 
電話番号:045-444-8073
開園時間:7:00~20:00(土曜日7:00〜18:00)
休園日:日曜・祝日、12月29日~1月3日
http://www.success-academy.net/establish..

明治34年創立の山の手の伝統校/横浜市立旭小学校 校長 伊藤博夫先生


横浜市立旭小学校
校長 伊藤博夫 先生

明治34年創立の山の手の伝統校
「日常生活に生きる」学びを実践

広大な「三ツ池公園」に隣接する風光明媚な住宅街、北寺尾エリア。その高台にあって、明治34年創立の伝統校として地域に愛されてきたのが、「横浜市立旭小学校」だ。子どもたちの個性を尊重するとともに体験を核とした教育活動を経営方針とし、自己肯定感や学習意欲を高める教育を実践している。伊藤博夫校長先生に、体験学習の詳細や文教地区でもある地域との交流についてお話を伺った。

「横浜市立旭小学校」の歴史や教育目標について教えてください

横浜市立旭小学校

明治34年開校で、今年度で創立113年目となります。海抜36mと、鶴見区で一番標高が高い台地にあるのですが、昭和になってからこの場所に移転してきました。周囲は「橘学苑中学校・高等学校」「白鵬女子高等学校」「聖ヨゼフ学園」「神奈川県立鶴見高等学校」など、たくさんの学校がある山の手の文教地区です。児童数は特別支援学級を含めて計25クラスの720人。少しずつ増加傾向にあり、ここ数年は700人ぐらいを維持しています。

横浜市立旭小学校

学校教育目標は横浜市が定める「知・徳・体・公・開」に基づいて、「あかるく さわやか ひとみきらきら あさひっ子」を掲げ、「(知)進んで学習に取り組み、粘り強く学び続ける子」「(徳)正義を重んじ、感謝の気持ちを大切に、正直に生きる子」「(体)心と体の健康に向かい、自分や人の生命と体を大切にする子」「(公)地域と豊かにかかわり、共に生きる子」「(開)様々な体験を通して、社会性の基礎を培い、変化に対応できる子」を育てることを目指しています。

机上の学習だけでなく、体験学習を重視していることが大きな特徴で、子どもたちが地域へ出ていく機会をたくさん設けている学校です。

とても長い歴史のある学校ですが、卒業生や地域とのつながりも深いのでしょうか?

横浜市立旭小学校

私でちょうど25代目の校長となりますが、昔はおひとりで20年ぐらい校長をされた方がいらっしゃったそうです。また、校長室には歴代のPTA会長の絵が3枚飾られていて、そのうち1枚は有名な画家の木下孝則さんの作品です。校長OBや昔の卒業生が今も学校に関わってくださり、PTAの役員も入って「旭会」というOB会を組織し、年1回総会を開いています。

横浜市立旭小学校

敷地内には、地域の方々が学校を建てるためにお金や土地を寄付してくださったことを記した石碑や、昭和に入ってから寄付された当時の正門が立っています。また、昔は農村地帯だったため、学校でヤギなどいろいろな生き物を飼っていたらしいのですが、その慰霊塔も敷地内に残っています。こういったところから歴史が感じられる一方で、屋上にはソーラーパネルが設置されているなど、近代的な面も兼ね備えている学校です。

日頃、子どもたちと接する中で、大切にしていることなどはありますか?

横浜市立旭小学校

今の子どもたちは個性豊かなので、画一的に接するのではなく、個性を尊重しています。また、教育は教室の中だけで行っていても、社会性や公共性が育たず、子どもたちの関心意欲も沸き立ちません。そこで、本校の特徴としても申し上げましたが、体験学習や校外学習を大いに取り入れて学習を進めるべきだと、教職員と一体となって取り組んでいます。

横浜市立旭小学校

先日も4年生がマンホールのデザインをして、自分たちで鶴見区役所に売り込んだところ、そのうち6つが正式に採用され、実際に学区内に設置していただくことになりました。そうなると、子どもたちも下水道や上水道について俄然、関心が湧きますし、依頼の仕方や電話の掛け方、目上の人への敬語の使い方など公共性が身につきます。「日常生活に生きる」学習は新学習指導要領のキーワードのひとつですが、これを体現していかなければと思っています。

旭小学校ならではの授業や行事などがありましたら教えてください

国語授業の一環として年1回、4年生を対象に落語教室を開いています。子どもたちにぜひ本物を見せたいと、落語家さんをお招きして噺を披露していただき、扇子や手ぬぐいの使い方を教えてもらっています。

横浜市立旭小学校

6年生になると、4泊5日で新潟県の妙高へ宿泊体験学習へ行きます。これだけ長い日程で行くのは、横浜市内の小学校でも本校だけです。源流探検や夜の森の中を歩くナイトウォーク、星の観察、木の枝を削ってのマイスプーン作りなどで、豊かな自然と触れ合います。長期の日程なので、3、4泊目には喧嘩が起きますが、それもひとつの体験。イライラを我慢することを覚える、相手を傷つけないという勉強になります。また、食事の後片付けや洗濯物など、すべて自分たちでやらなければいけないので、家庭のありがたさがわかることも、宿泊体験のよいところです。子どもたちからは、「親がどれだけ自分のためにしてくれているのかがよくわかった」という感想をもらいますが、とても貴重な体験だと思います。

横浜市立旭小学校

今の子どもたちは横のつながりではよく遊びますが、縦では遊びません。そこで、異学年交流にも力を入れていて、各学年2人ずつで1つのグループを作り、全校遠足へ行っています。グループごとに出発しますが、6年生は1年生と手をつなぎ、5年生は2年生の面倒を見てあげてと、まるで兄弟のようですよ。

「旭っ子サマースクール」という行事もありますが、どのようなことをするのでしょうか

横浜市立旭小学校

全学年を対象に夏休みの4、5日間に行うプログラムで、教員が子どもたちの学習の面倒を見ています。ふだんは教員主体で子どもたちに教えていますが、この時は子どもたち自ら宿題や自分が足りないと思う課題をそれぞれ持ち寄って勉強し、わからない時は手を挙げて教員から教えてもらいます。
また、本校は水泳も盛んなのですが、午前中は学習、午後は水泳という形で、サマースクールと並行して10日間、水泳にも取り組んでいます。泳げる子も泳げない子も全員が参加しています。

小中一貫教育も盛んなようですが、小・中学校間でどのような取り組みをしていらっしゃいますか?

本校は「横浜市立寺尾中学校」の学区にあたり、小学生が中学校の授業を見学したり、中学生が小学校で職業体験や金管バンドクラブの指導をするなど、子どもたちの交流に取り組んでいます。

横浜市立旭小学校

職業体験では、あえて卒業生ではなく、他校から寺尾中へ進んだ中学2年生を各学年に1人ずつ受け入れて、小学生と給食を食べたり、休み時間に一緒に遊んだり、授業ではサポート役として運動場を整備してもらうなど、1日「教師」体験をしてもらいました。中学生からは「これからは小学生にもっとやさしくしてあげたい」、本校の児童からは「中学生は怖いと思っていたけれど、話をしてみたら、そうじゃなかった」といった感想がありました。特に5、6年生は中学生と年が近いだけに甘えられず、かえって怖いというイメージがあったようですが、1日中接していると親近感を覚えたようで、お互いによい交流ができたなと思います。

横浜市立旭小学校

たくさんの高校に囲まれた文教地区なので、小中だけでなく、小高の連携も盛んです。橘学苑の演劇部が劇を見せに来てくれたり、同じ学区内にある白鵬高校とは地域を介していろいろな交流がありますが、なるべくこうした機会を多く設けようと思っています。鶴見高校とは、高校生たちがアフリカの子どもたちへ洋服を送る活動で協力しています。本校の保護者は協力的なので、呼びかけると、段ボール10箱分ぐらいの洋服はすぐ集まってしまうんですよ。

「まちと共に歩む学校懇話会」もユニークな取り組みですね。

横浜市立旭小学校

寺尾地区の自治会長や地域の協力者さんたちを招いて、子どもたちのあいさつや自転車の乗り方など、学校の現状についていろいろな評価をしていただいています。それだけでなく、PTAや地域の方たちと一緒に子どもたちの防犯安全のために地区ごとに見守りで立ってくださるなど、いろいろな面でバックアップしてくださっていますね。例えば、1、2年生が公園へ春を探しに行く時なども、付き添いが担任と副担任だけだと危険がありますが、地域の方が見守ってくだされば安全です。また、課外学習で子どもたちが商店街へ行く時なども、懇話会の方がお話を通してくださったりと、何かあればすぐ力を貸してくださいます。

子どもたちが地域と触れ合う機会がたくさんあるそうですが、どのような活動がありますか?

横浜市立旭小学校

金管バンドクラブは4年生から6年生の子どもたち30人ぐらいが所属していて、地域主催のミュージックフェスティバルなどへよく参加しています。それから、PTAが主体で子どもたちのために開いてくださっている「あさひっこまつり」という祭りが11月にあります。「旭会」のOBや地域の方たちも協力し、学校を会場にパソコンやけん玉などいろいろなコーナーを設けて子どもたちを1日招待してくださり、とても盛り上がります。校長室の天井に飾ってある凧は、初期のあさひっこまつりの時にPTAの方が作ったものですよ。

最後に、北寺尾エリアの魅力についてお聞かせください

横浜市立旭小学校

まずは文教地区であること。また、「三ツ池公園」「二ツ池」など、全校遠足で子どもたちを連れていけるような自然や公園に恵まれています。それから、いい意味での人間関係の密度の濃さ、温かい心が感じられますね。例えば、北寺尾エリアは交通量に比べて交通事故が少なく、本校では私が赴任してから2年間、1度も起きていません。理由のひとつは地域の方がよく目配りしてくださっているからで、学校主催のものとは別に、地域主催で自転車教室を開いてくれています。卒業生がパトロールもしてくれていて、“おらがまちの学校”みたいな連帯感が残っている地域です。ですから、子どもたちがちょっと地域で悪さをすれば、すぐ連絡がきて指導できるよさもあります。近くの「横浜市 寺尾地区センター」の祭りへも、子どもたちは喜んで出かけていきますよ。

神奈川県立三ツ池公園

利便性も良く、学校のすぐ前のバス停から「鶴見」駅へ7、8分で行けますし、新横浜や綱島へも20分ほどで出られます。バスの本数も多いですね。商店街もあって、5年生の総合学習の時間では、お煎餅屋さんや畳屋さんにお世話になっています。学区内には『東海道中膝栗毛』に登場するお饅頭を売っているお店もあるんですよ。便利でありながら、そうした古くからのお店や職人さんが残っていらっしゃる地域です。

横浜市立旭小学校

校長 伊藤博夫 先生

横浜市立旭小学校
所在地:神奈川県横浜市鶴見区北寺尾4-25-1
TEL:045-581-4178
URL:http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/asahi/

※この情報は2015(平成27)年時点のものです。

明治34年創立の山の手の伝統校/横浜市立旭小学校 校長 伊藤博夫先生
所在地:神奈川県横浜市鶴見区北寺尾4-25-1 
電話番号:045-581-4178
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/schoo..

問題を見出し主体的に問題解決する力を育てる

地域に愛され、見守られて育つ「練馬区立田柄第二小学校」の子どもたち/練馬区立田柄第二小学校 校長 谷田弘子さん


練馬区立田柄第二小学校
校長 谷田弘子さん

地域に愛され、見守られて育つ「練馬区立田柄第二小学校」の子ども達

「練馬区立田柄第二小学校」は練馬区田柄一丁目の住宅街の中にあり、静かで落ち着いた雰囲気に囲まれた小学校。1970(昭和45)年に地元の方が土地を提供して開校した。地域との結びつきが強く、餅つきなど多くの地域行事に参加している。そんな「練馬区立田柄第二小学校」について校長の谷田弘子さんにお話を伺いました。

今年で45周年を迎えるということですが、この45年間、学校はどのように変化してきましたか?

練馬区立田柄第二小学校27

当時、「田柄小学校」の児童数が増えたので新しい学校をつくることになり、地域の人たちが土地を提供してくれてこちらにも学校ができたんです。当時はいろいろ大変なことがあったらしくて、机や椅子がそろっていないのを運んできてとりあえず勉強ができるようにしたと聞いています。今、児童数は約680名ですが、一時期は1300人くらいの時もあったと聞いています。

周囲に大きな宿舎などもありますが、どのような子ども達が通ってきていますか?

練馬区立田柄第二小学校04

学区域に大きな官舎が22棟建っていて、半分が防衛省の官舎で自衛官が住んでいます。もう半分が合同宿舎で、いろいろな省庁の方々が住んでいます。防衛省の方は市ヶ谷に通っている方もいるし、所沢の航空自衛隊や陸上自衛隊などの方もいます。子ども達の6割はこの官舎から通っています。

イメージキャラクター「いちょうた」について教えて頂けますか。

練馬区立田柄第二小学校01

イチョウの妖精ということですね。校庭にイチョウの大きな木がありますので、シンボルツリーになっています。今年、開校45周年でイメージキャラクターを作ろうということで、昨年度、代表委員会の子ども達が全校児童に呼びかけて200以上の応募の中から選ばれたのが「いちょうた」です。子どもの描いた絵をパソコン支援員の方がきれいに作ってくれました。学校から発信する文章や、運動会や学芸会でも登場する予定です。記念の航空写真もこの形で撮る予定です。PTAの役員の方々は、この模様がついたポロシャツをみんなでそろえて着ていて、教員もこれから作る予定です。着ぐるみはわからないですけれど、やるかもしれませんね。

オリンピック教育推進校とのことですが、具体的にはどのようなことに取り組まれているのでしょうか?

練馬区立田柄第二小学校25

オリンピックが東京に来るということが決まり、子ども達にもオリンピックを意識してもらいたいという思いで、体力向上とオリンピックの歴史や競技を学んだり、海外の方との交流、オリンピアンに学校に来て頂いてお話を伺うという取組みがあります。うちでは体力向上ということで、年間通じて縄跳びやマラソンなどに取り組んだり、高学年が自分なりにテーマを決めてオリンピックについて調べて発表しあったりする活動をしています。

目標に「日本の伝統・文化の良さを学び、発信する能力や態度を育てる」とありますが、具体的にはどのように学びの場を作られているのですか?

練馬区立田柄第二小学校06

東京都が今年から行っている事業で、子ども達が日本の伝統文化に触れる機会を持つことと、海外の人に日本の文化の良さを伝える力を育てるということが目的となっています。本校では昨年度に茶道クラブが立ち上がりました。また4年生は三遊亭圓窓さんに来ていただいて、落語の授業をしています。ここは餅つきが盛んな地域で、卒業記念の餅つきを毎年行っているんですが、今年はそれ以外に全校生徒が餅をつく「45周年記念全校餅つき」をやることになっています。田柄の餅つきは千本つきと言って、5、6人が細いキネを持って順番についていくんです。地域の方からご指導頂いています。

練馬区立田柄第二小学校14

本校と「東京都立両国高校」がペア校になっています。両国高校にはアメリカから女性のJET講師が来ています。JETプログラムは政府がやっている「語学指導等を行う外国青年招致事業」で、外国に対しての意識を高めるためにいろんな授業に入っています。都立高校には必ずJET講師が来ているんですね。

うちではジェットさんって呼んでいるんですが、両国高校のジェットさんが年に5回本校を訪れることになっていて、一緒に伝統文化を学んだり交流をしたりしています。前回は七夕前だったので、七夕の飾りや短冊を作る体験をしてもらって、低学年の子と一緒に給食を食べて、午後からは茶道クラブで茶道体験をしました。今後は運動会でソーラン節を踊るので一緒に踊ったり、落語の授業を一緒に聞いたり、そろばんや書道、将棋、太鼓、最後は極め付けで餅つきをやってもらうことなっています。

「ぎんなんひろば」というのを行っているようですが、詳しく教えて頂けますか。

練馬区立田柄第二小学校24

練馬区全体でひろば事業というがありまして、放課後に子ども達が過ごす場所を提供しているんです。本校では離れたところに2階建ての別棟がありまして、1階が「ぎんなんひろば」、2階が学童になっています。ぎんなんひろばスタッフがいまして、お母さん達中心で卒業生のお母さんも、子ども達の相手をしてくれています。学校の図書館と、校庭も開放し、子ども達がやりたいことをやって、スタッフが見守りをしています。学童とは違い、誰でも利用できます。名前に「ひろば」が付くんですけど、その前の部分は学校によって違って、うちはイチョウから取って「ぎんなんひろば」です。

周辺の住民や保護者の方は、学校にどのように関わっていらっしゃいますか?

練馬区立田柄第二小学校16

ここは地域の方が土地を提供してできた学校なので、「地元の学校」という雰囲気が強いです。行事があればお手伝いしてくれますし、地域の人と一緒にやる行事もたくさんあります。子ども達を温かい目で見守ってくれていて、学校で何かあれば協力してくれています。PTA活動も盛んで、「先生方が教育しやすいように私たちは協力する」というスタンスで協力して頂いていますので、大変助かっています。

地域と一緒に行っている行事などありますでしょうか?

練馬区立田柄第二小学校20

地域と一緒の行事は、先ほどの餅つきやホタル観賞会を一緒にやっています。20周年を機にホタル観賞会を始めたそうで、昔は学校の池で蛍を育てていたそうなんですが、今はイベント的に行っています。新潟や群馬で育てたホタルを持ってきてもらい、池の上にあるホタルドームに遮光あみをかけて楽しんでもらっています。地域向けに1日と児童向けに2日の合計3日間です。何度も見る子がいますが、延べで3千人くらいきます。

中学校もすぐ隣にありますが、連携されていることなどもあるのでしょうか?

練馬区立田柄第二小学校23

田柄中学校、田柄小学校、田柄第二小学校の小中一貫教育実践校で交流活動と研究を一緒にやっています。先生方が一堂に集まって、昨年度は算数・数学と理科と学級活動でかなり濃い研究会ができました。また、中学校の先生が6年生向けに授業に来てくれることもあります。田柄中学校で合唱コンクールがあるんですが、優秀だったクラスに本校でも発表してもらったり、音楽朝会で一緒に歌ったりする活動もあります。

練馬区立田柄第二小学校22

今年になって新しくあいさつ運動が始まりました。中学校でも本校でもあいさつはやっているんですが、たまには交換したらどうかという話が来まして、中学生がこっちに、小学生が向こうに行ってあいさつをすることで、刺激になるんじゃないかと思います。中学の図書委員会の子が朝の読書の時間に来て、本校の1,2年生に読み聞かせをしてくれています。

子育て環境において、自慢できるところがありましたらお願いします。

練馬区立田柄第二小学校05

やっぱり地域の温かい目があることではないでしょうか。何かあったら地域の方がすぐ学校に情報を入れてくれるので、そういう点で安全な気がします。1年生が何丁目の通りで泣いていますとか、結構細かく情報を入れて下さいます。それが苦情ではなく、どうしましょうかという感じなので助かっています。子ども達の登下校に町会の方が見守りに出てきて下さるので安心だと思います。

練馬区立田柄第二小学校12

それから、ぎんなんひろばとは別に夏休み中は「夏っ子」というのをやっています。土日以外の全ての日に朝から夕方まで預かってくださっているんですよ。エアコンがきいて涼しいので、そこで宿題をしたり、遊んだり、お弁当を食べたり。その間に学校のプールや補習教室に通ったりしています。これは練馬区の事業で、今後は他の小学校へも拡大していき、来年度以降、学童とひろばを一つの組織にして運営していこうというのが練馬区の考えです。来年は3校しか実施しないのですが、練馬区の全校に広げていく予定です。

田柄のエリアの魅力について教えてください。

光が丘公園

色んな所に公園があるので自然は豊かだと思います。「光が丘公園」があるんですが、カブトムシがいっぱいで今すごいですよ。子ども達は朝取りに行っているみたいです。遊ぶ場所には事欠かないところだと思います。また地域の方々が子ども達のことをよく見てくれているので、安全安心な地域だと思います。小学校、隣に中学校、近くには高校がありますので、学園都市っぽくて、落ち着いた地域です。

練馬区立田柄第二小学校02

今回、話を聞いた人

田柄第二小学校

校長 谷田弘子さん

田柄第二小学校
所在地: 東京都練馬区田柄1-5-27
電話番号:03-3938-8826
URL:http://www.tagara2-e.nerima-tky.ed.jp/
※この情報は2015(平成27)年7月時点のものです。

地域に愛され、見守られて育つ「練馬区立田柄第二小学校」の子どもたち/練馬区立田柄第二小学校 校長 谷田弘子さん
所在地:東京都 練馬区田柄1-5-27
電話番号:03-3938-8826
http://www.tagara2-e.nerima-tky.ed.jp/

平針スイミングスクール 副支配人 加納雅子さんインタビュー

地域コミュニティの健康を支え続ける取り組みとは/平針スイミングスクール 副支配人 加納雅子さん


1980(昭和55)年のオープン以来、35年以上の実績と経験により、15万人を超える会員の健康を支えてきた「平針スイミングスクール」。親子三世代で通われる方もおり、地域では親しみを込めて「平針さん」と呼ばれている。子どもたちの心と身体の育成に力が入れられているほか、全国に先駆けてマタニティスイミングや「マミィクラブ」を実施するなど、女性のライフステージに合わせたプログラムも多数用意。今回は、そんな「平針スイミングスクール」副支配人の加納雅子さんに、スクールの取り組みや地域の魅力についてお話を伺った。

地域の健康づくりの拠点として天白区原エリアにオープン

「平針スイミングスクール」

――設立の経緯と沿革を教えてください。

加納さん:名古屋は中心地から郊外に向けて、ドーナツ状に開発が進められていた時代がありました。天白区原エリアも開発に手がかけられ、山が切り開かれ、宅地が造成されていた頃、スイミングを通して子どもたちの体と心を育て、大人に向けては健康維持と増進をしながら、コミュニティの場になればと思い、当スクールをオープンしました。オープン時は、成人向け、子ども向け、ベビー向けのみでスタートしました。

1985(昭和60)年には、全国に先駆けてマタニティスイミングを開始し、また、同じ頃にエアロビクスなどのスタジオプログラムを始めました。当時、私自身が子育て中だったこともあり、1994(平成6)年には託児サービスを設け、助産師さんに相談できる「マミィクラブ」を作り、ママの応援を始めました。2000(平成12)年には自然体験する青空スクールや農業体験を始めるなど、野外活動も取り入れながら、子どもが健全に育ち、大人が健康に生活を送ることができる取り組みを行ってきました。

マタニティクラスや体操スクールなど、多彩なプログラムを用意

「年少〜小学生クラス」のスイミング指導の様子

――プログラムの内容や特徴を教えてください。

加納さん:当スクールでは、スイミングスクールはもちろん、体操スクールにも力を入れています。スイミングスクールと体操スクールにはそれぞれ、「乳幼児クラス」「2・3歳児クラス」と「年少〜小学生クラス」があり、スイミングでは「マタニティクラス」、成人向けのスイミングプログラムも用意しています。スイミングプログラムではいろいろなアクアエクササイズを組み合わせた「アクアパワー」や「アクアビクス」などを行っています。

体操スクールの指導の様子

――体操スクールのプログラムはどのような内容なのでしょうか。

加納さん:体操スクールは、学校体育をもとにプログラムを組んでいまして、マット運動、平均台、鉄棒、トランポリン、跳び箱などさまざまな内容を用意しています。「2・3歳児クラス」では跳び箱をお山登りに見立てるなど、ごっこ遊びの中で認知力を高め、社会性を育みます。「年少~小学生クラス」では、繰り返し同じ動作をすることで自由に「体を操る力」を磨き、運動能力を高めています。コーチが子どもたちのやる気を盛り上げてくれるので、順番待ちをしている子どもたちも本当に楽しそうに取り組んでいます。

また、その他の特徴的なプログラムとしては、青空の下で自然体験をする「青空スクール」や「農業体験クラス」、ゆっくり時間をとってもの作りをする「ハンドメイドクラブ」もあります。

子どもたちの“生きる力”を育む

自然体験や農業体験のプログラムも用意

――自然や農業にふれる体験について教えてください。

加納さん:「青空スクール」や「農業体験」は、私が下山村(現在の豊田市)で礼儀正しい元気な子どもたちに出会ったことがきっかけです。それ以来、下山地域へ通い始め、今では月に1回、スクールに通う親子にさまざまな自然体験や農業体験をしていただいています。お子さんたちにはぜひ、スクールで鍛えた体力や運動能力をいかしていただき、本来もっている生きる力を育んでもらいたいと考えています。

――子どもたちは元気いっぱいですね。

加納さん:子どもの運動能力は10歳までに決まるといわれています。脳と身体はつながっているので、さまざまな運動を刺激として与えると、その刺激は心にも届きます。そこで、スイミングスクールでは丈夫な体をつくりながら強い心を育み、体操スクールでは体と心の発育や発達を促していきます。保護者からは「あいさつが大きな声でできるようになった」「我慢強くなった」といった声をよくお聞きすることができます。

スクールを通じて利用者の様々なニーズに応える

子どもたちは元気いっぱい

――たくさんのプログラムがありますが、その理由は?

加納さん:プログラムの多くは会員さんからの声や社会情勢、自分の体験をふまえ、「こういうプログラムがあったら良いのでは」との考えからスタートしています。例えば、マタニティスイミングを始めたきっかけは、海女さんに安産の方が多いことを知ったことから。三重県志摩半島まで海女さんのお話を聞きに行ったこともありました。「マミィクラブ」や「ハンドメイドクラブ」は、当時のママたちが赤ちゃんと二人きりで自宅に閉じこもりがちになっていることを知り、「子どもが元気に育つためには、ママも元気であることが大切」と考えたためです。マタニティスイミングをされていた妊婦さんも、そろそろ更年期に入る頃。更年期障害の悩みを解消できるようなプログラムも考えています。女性が楽しく、元気で笑顔でいられることが私の希望です。

託児スペースがあるから、ママも安心して通える

託児サービスも充実

――家族で通われている方も多いと思いますが、何かサービスや気を使われていることはありますか。

加納さん:ありがたいことに、スクールの会員さんはあらゆる世代の方にまんべんなく来ていただいています。子どもはもちろん、ママ自身がプログラムに参加できるよう、託児サービスも行っています。ベテランの保育士、子育て経験豊かなシッターが預かるので安心していただけます。助産師、栄養士、心理士などの専門スタッフがママたちをサポートしますので、子育て中、ママが困ったことを気軽に相談できるシステムが喜ばれています。

乳幼児も多く通っていただいており、子どもたちが積極的に参加できるよう、指導するコーチ自身が楽しんで取り組んでいます。お子さんの付き添いで来てくださっている保護者さんの中には、待ち時間を利用して、フィットネスジムを利用してくださっている方もいますよ。

地域の人々とともにつくる「歩いて楽しいまち」

楽しそうに体を動かす子どもたち

――天白区原エリアの魅力を教えてください。

加納さん:お子さんに付き添う保護者さんや地域で出会う方の中には、子どもの頃に当スクールに通っていたという方もいらっしゃいます。たくさんの方が地域に根付いたり、戻って来たりするということはそれだけ魅力的な街であるということではないでしょうか。桜が美しい「天白公園」をはじめ、公園が多く、のびのびと子育てができることから、40代の子育て世代が多いように感じます。

三世代で通っていただいているご家族もいらっしゃいまして、当スクールは地域に支えられています。その恩返しができるよう、幼稚園や保育園に向けたスイミングや体操の指導、地域に向けた着衣水泳や救急救命法(AED)の指導などを行うほか、今後は地域のまちづくりを担ってきたシニア層の健康づくりに貢献できるプログラムを考えていきたいと思います。1990(平成2)年から開催している感謝祭は地域のみなさんのふれあいの場として定着しました。

このエリアには素敵なお店があり、歩道の花壇の花が美しく咲く地域です。私たちも地域のみなさんと一緒に「歩いて楽しいまち」をつくっていきたいと思います。

平針スイミングスクール

平針スイミングスクール

副支配人 加納雅子さん
所在地:知県名古屋市天白区御前場町308
TEL:052-801-7170
営業時間:月~土曜日10:00~20:00、日曜日10:00~14:00
休館日:臨時休館あり
URL:http://www.hirabari.com/
※この情報は2016(平成28)年7月時点のものです。

地域コミュニティの健康を支え続ける取り組みとは/平針スイミングスクール 副支配人 加納雅子さん
所在地:愛知県名古屋市天白区御前場町308 
電話番号:052-801-7170
営業時間:月~土曜日10:00~20:00、日曜日10:00~14:00
休館日:臨時休館あり
http://www.hirabari.com/

東海学園大学 入試広報課インタビュー

社会とのつながりの中で実践的な学びを提供/東海学園大学 入試広報課課長 大石和史さん


2015(平成27)年に開学20周年を迎え、経営学部の単科大学から5学部6学科の大学へと成長を遂げた「東海学園大学」。浄土宗の仏教哲学に基づく建学の精神を大切にし、教育理念として「共生(ともいき)」を掲げ、人はみな「生かされて生きている」という考え方のもと、実践的な教育を展開。名古屋市天白区にある「東海学園大学 名古屋キャンパス」では、地域の人々が参加できる公開講座や各種施設が充実。地域との関わりも多く持つ。今回は、入試広報課の大石さんに、そんな「東海学園大学 名古屋キャンパス」の魅力について教えてもらった。

仏教哲学に基づいた教育を元に、地域に根差した職業人の育成を担う大学

「東海学園大学 名古屋キャンパス」

――「東海学園大学 名古屋キャンパス」の沿革について簡単にお教えください。

大石さん:本学が誕生したのは1995(平成7)年です。一番始めにできたのは経営学部。その後、人文学部、健康栄養学部、教育学部、スポーツ健康科学部ができました。現在は5学部6学科です。名古屋キャンパスにあるのは人文学部、教育学部、健康栄養学部です。元々、名古屋キャンパスは「東海女子高等学校(現 東海学園高等学校)」と「東海学園女子短期大学」の校舎として活用されていた場所でしたが、時代の変遷とともに形を変え、現在は「東海学園高等学校」と「東海学園大学 名古屋キャンパス」となっています。大学は2015(平成27)年で20周年を迎えました。

――教育目標や理念などについてお教えください。

大石さん:本学の教育理念は「共生(ともいき)」です。こちらは本学園の学祖である椎尾辨匡先生が大正期に興された「共生き運動」が原点で、その根本精神は、すべてのものが大宇宙の大いなる命に「生かされて生きている」ことを自覚して感謝し、「心が生き生き」と生きるように説いています。その理念の元、教育現場では「共生人間論実習」といった福祉施設などでの実習体験を行っているほか、教室以外でもクラブ活動、サークルあるいは学外でのボランティアなどで、周りの人を生かし、また自身が生かされていることに感謝しながら様々な活動をしています。

近隣の施設とも連携し、より実践的な学びを提供

設備の充実した「給食経営実習室」

――名古屋キャンパスにある各学科の特徴を教えてください。

大石さん:人文学部は人文学科と心理学科があり、人文学科では表現を用いた創作活動の学びを行っています。現役マンガ家で愛知県出身のほしの竜一先生や芥川賞作家の諏訪哲史先生が教鞭をとられていたり、各種カメラや音響機器が揃った映像制作をすることができるスタジオが整えられていたりと、学生が「創る」ことの楽しさを知るきかっけが多く用意されています。心理学科は2014(平成26)年に新設された学科で臨床心理士を目指す学生の大学院進学をサポートする体制も整えています。

教育学部教育学科では、保育士の資格、幼稚園、小学校、養護教諭の免許取得に向けて現場経験を重ねる授業が多くあります。例えば名古屋市内の小学校を訪れ、子供たちとふれあう「ボランティア(かかわり体験)実習」などを行っています。

健康栄養学部管理栄養学科では、管理栄養士国家試験のための資格講座などのバックアップ体制を整えています。また、学外の施設での実習も多く行っており、県内外の医療機関や福祉施設などにお世話になっております。

地域住民も利用できる図書館をはじめ、各種施設が充実

ラウンジで学習に励む学生の皆さん

――名古屋キャンパスの特色や特徴的な設備はどのようなところでしょうか。

大石さん:閑静な住宅街にあるので、静かで落ち着いた環境で学ぶことができます。また20周年という節目に名古屋キャンパスのランドマークであった円筒型の図書館を新しく建て替えました。2016(平成28)年9月に全館開館を迎えますが、こちらも新たな「東海学園大学 名古屋キャンパス」のランドマークとして愛されるのではないかと思います。

また、地域の方とともに学ぶ場所として大学を活用していきたいという考えもありますので、地域社会との連携を図った公開講座などを行っていきたいと考えています。

キャンパス内の図書館は地域住民も利用可能

――2016(平成28)年9月に全館開館予定の図書館の詳細を教えてください。

大石さん:地下1階、地上3階建てで、各階には集中して勉強したり読書したりできるスペースをたくさん設けています。また、地下には約30万冊の資料を効率よく保管し、検索して取り出すことのできる自動書庫システムも導入しました。検索画面で本を検索し、1階カウンターで受け取ることができるようになります。

こちらの図書館は、地域の方々にも利用していただけるようになっており、本学が開催している公開講座受講生や天白区在住の社会人の方に開放しております。名古屋キャンパスの図書館は、学部の性質上、民俗学、宗教や心理、文学、歴史、美術、言語、教育、栄養の他に、映画やマンガの資料も備え、最近では美術館や展示会のカタログも収集しています。他の図書館にはおいていない特殊文庫もありますので、興味のある方はぜひご利用ください。

健康づくりイベントを中心に、様々な交流の場を設ける

公開講座も多数開催。この日は天白区主催の健康づくりイベントを行っていた。

――地域連携の取り組みについて教えてください。

大石さん:まずは本学の建学の精神を研究する「共生文化研究所」というものがあるのですが、本研究所が主催する「ともいき市民講座」で、仏教思想や浄土宗の開祖、法然上人の思想を学んでいただける場を設けています。

その他、健康づくり事業も行っており、健康づくり講座・教室の開講、健康づくり運動指導者となる学生の育成及び実践活動の支援を目的とする「健康開発支援センター」もあります。キャンパス近隣にお住まいの方が気軽に楽しく健康づくりをしてもらえるよう、名古屋キャンパスでは毎週火曜日・金曜日に「健康運動倶楽部」を開設し、ポールウォーキングなど体力や健康促進のための運動を指導させていただく講座を設けています。

もう一つは、「健康栄養プラザ」。健康栄養学部の大学教員やテーマの専門家が生活習慣病の予防や食生活の工夫などの講座や実習、スポーツ栄養、離乳食や子どもの栄養指導などを行う講座を開設しています。キャンパス内の調理実習室で実演なども交えて学ぶことができ、「男の料理講座」や「ダイエットおせち講座」など面白いテーマのものも多いため、毎回受講者が多く集まる人気の講座になっています。

恵まれた自然環境の中で、地域社会作りに貢献

大学構内にも多くの緑が広がる

――名古屋キャンパス周辺の地域の魅力はどのようなところでしょうか。

大石さん:新興住宅街なので、静かできれいな地域ということが一番の魅力だと思います。今はだいぶ開発され多くの方が住む場所になりましたが、「天白公園」は元々タヌキが棲んでいられるような里山だったため、現在でもその名残で緑が多く残っている場所がたくさんあると思います。名古屋市街地へ通勤をされるファミリーの方が多くお住まいで、休日には家族で遊んでいる姿も多く見受けられますし、主婦の方が平日カジュアルにランチを楽しむことができるおしゃれなお店も充実しています。本学もそんな地域で、学びのリソースを多く提供していき、住人の方と共により良い地域社会作りを担っていける存在であり続けたいと思っています。

東海学園大学

入試広報課 課長 大石和史さん
所在地 :愛知県名古屋市天白区中平2-901
TEL :052-801-1201
URL:https://www.tokaigakuen-u.ac.jp/index.html
※この情報は2016(平成28)年7月時点のものです。

社会とのつながりの中で実践的な学びを提供/東海学園大学 入試広報課課長 大石和史さん
所在地:愛知県名古屋市天白区中平2-901 
電話番号:052-801-1201
https://www.tokaigakuen-u.ac.jp/index.ht..

Sweets café Riche(スイーツ・カフェ・リシェ)
川口希美さんインタビュー

素敵な非日常がある須磨で、自分らしいひと時を。/Sweets café Riche(スイーツ・カフェ・リシェ) 川口希美さん


美しい須磨海岸を大きな窓から間近に望む。このような贅沢なロケーションにマッチする洒落た佇まいのスイーツ・カフェ『Riche(リシェ)』。木製の階段や白を基調とした清潔な店内は、まるで海外にでも来たかような非日常のゆったり空間です。さらに厳選されたメニューが人気で、リピーターとなる人が続出。そんな素敵なお店を営むのは、学生時代に知り合って、結婚して15年を迎える川口裕司さん、希美さんご夫妻です。お二人にコダワリや須磨という街の魅力についてお話を伺いました。

自分たちの“好きなモノ”でお客さんと共感する

須磨の海岸を一望できる店内

――お店をオープンされた経緯などを教えてください。

川口希美さん(以下川口さん):「自分たちの好きなモノを集めてお店にしてみたい」。そんな思いが始まりでした。結婚した2年後の2003(平成15)年4月にオープンしたのですが、本当に手探りのことばかり。この建物は、元は(夫の裕司さんの)お祖父さんが住んでいた家で、わからないながらに図面を引いたりして、リフォームして今の形にしました。メニューも私が得意だったケーキなど出来ることから始めて、コツコツ学んで進化とともに変化しながら現在に至っています。営業時間や定休日も状況に応じて変わってきましたし、今後も変わっていくだろうと思います。店名は『リシェ』という響きが可愛いな、というひらめきで、後に調べてフランス語のriche(リッシュ)が持つ「心が豊かな」といった意味を知って「これがいいな!」って(笑)。

アンティーク調のテーブルが置かれたソファー席

――とても素敵な店内ですが、家具や食器などにもコダワリが?

川口さん:食器にはコダワリというほどのことはないのですが、私たちが好きなものが集まり揃ってきているという感じですね。テーブルと椅子はアメリカのユースド家具を私好みにカスタマイズしたものです。アンティーク系の家具類は、夫が大好きな雑貨のコレクションを活用しました。

ゆったりと落ち着いた雰囲気の店内

川口さん:こうして好きなものを形にした結果、私たちのお店は、「何かに共感した方に来ていただく」ようになりました。味、景色、音楽、流れる時間。その全てではなく、何かを感じて通っていただくケースが多いです。「人が並ぶから自分も並ぶ」という人でなく、「自分が好きだから行く」というような方が。お客様と通じ合えるということは幸せですね。ですので、ココでは「自分らしいひと時」を過ごしていただければ。平均して長めの滞在時間も、お店の特長だと思っています。

コダワリと変化のバランスをとりながら

川口さんご夫妻

――お客様はファミリーの方も来られますか?

川口さん:はい、ご家族連れやお孫さんを連れてとか、色んなお客様がお見えになります。元々あまりファミリー向けという意識はなかったのですが、自分たちに子どもが生まれたら、カップル向けだと思っていたソファー席が小さい子どもさんに適しているとか、新たに見えてきたこともたくさんあります。そんな気づきを素直にフィードバックさせていると、お店の形態は変化していきます。

川口さん:そして私たち家族も変わっていくから、それに自然と応じて変化が生じてきます。あと、営業をしてきた中でお客様に教わったこともたくさんあります。例えばランチにワインを出すようになったのも、女性のお客様が1人でワインを注文されて、「カッコイイなー」と憧れてお店の定番として取り入れました。

こだわりの水出しコーヒー

――メニューのおすすめやコダワリを教えてください。

川口さん:コダワリというか、ひとつ決めていることがありまして、それは「家族に食べさせたいものを出す」ということです。味で満足してもらうことはもちろんですが、安心で安全で健康的であることも前提となっています。一応、私が管理栄養士の資格を持っているので、この点は当初から変わっていないですね。

サラダにオイルを使わない、人気のアジフライ

川口さん:フードはすべてオススメですが、最近はサラダにオイルを使っていないアジフライが人気です。そしてコーヒーは独自の焙煎などではないですが、ウチのお店オリジナルの配合にしています。アイスコーヒーは夫が水出しにこだわったので、オーレにしてもコクと深みがしっかりと感じられる自信作となっています。スイーツの中では農家さんへの思いと体への愛情を込めて、ヘルシー度も高く仕上げた『にんじんとくるみのケーキ』が一番人気です。

旅先で触れた喜びを原動力に

――ヨーロッパの写真がたくさん置いてありますね。

川口さん:これはお店を始めてからなのですが、私たちはフランスが大好きで、旅行代金が安くなり、かつお店がヒマになる冬に、数週間休みを取って旅行に行っています。2005(平成17)年に初めて行ってから、上の子を授かるまでは毎年行きました。そこで触れた喜びをお店にフィードバックさせたり、見かける風景や街並みの美しさに魅了されたり、ワインやチーズの美味しさに感動したり。

看板

川口さん:今は2人目の子供が小さいので、海外へ行くことは叶いませんが、旅行は大好きなので、国内旅行の企画を練ったりしています。このような楽しみは働く原動力にもなりますし、新しい文化や芸術、そしてグルメなどと触れることは、お店をより魅力的な空間にするきっかけになっていると思います。

すぐ近くに海や山がある「日常の中にある非日常」

――須磨という街の魅力について教えてください。

川口さん:魅力ですか? 確かに初めて須磨を訪れた時は、駅から見渡せる海の景色に感動した記憶があります。だけど、お店を始めてから5年くらいは、この街の素敵な景色さえ気づかないくらいでした。窓の外に砂浜や海、青い空が広がっていることさえ気にもしないくらいに、窓の外を眺める余裕もなかったんだと思います。でも最近は自転車に乗って移動をしたり、ママ友達とのつながりから入る情報で須磨の魅力を知ったり、そのあたりも変化してきていますね。

青い空と砂浜が広がる素敵な景色

川口さん:街中からすぐ近くに海や山があって「日常の中にある非日常」が、他にはない須磨の魅力だと思います。駅を出たら砂浜とか、反対側の目の前には山があったり。そこにロープーウェイがあったり、まるで旅行に来たような気分を味わえますよね。

――最後に今後の展望などをお聞かせください。

川口さん:今後はお店がお休みの曜日などは、貸しスペースとして提供したり、食や健康をテーマにした集いを開いたりとか、今だからできることを展開していきたいですね。その先に、子供が学校に入ったら、また状況も変わるでしょうし、今は気づいていない活用法とかアイデアが出るかもしれません。いい出会いがあったら、お店を手伝ってもらう人が現れるかもしれないし、私たちも形にとらわれることなく、感性を大切にして、そんな時間を大切にされるお客様を迎えていきたいと思います。そしてお客様で年配の素敵なご夫婦なども来られて、2人で「ああいう歳の取り方をしたいね」という話をしたりするので、そんなところも将来の目標ですね。ありがとうございました。

川口さんご一家

Riche(リシェ)

川口裕司さん、希美さん、源喜くん、未結ちゃん
所在地:兵庫県神戸市須磨区須磨浦通り4-1-19
TEL:078-731-1345
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

素敵な非日常がある須磨で、自分らしいひと時を。/Sweets café Riche(スイーツ・カフェ・リシェ) 川口希美さん
所在地:兵庫県神戸市須磨区須磨浦通り4-1-19 
電話番号:078-731-1345

多彩な個性のニーズを汲み取り、未来へエールを送り続ける

多彩な個性のニーズを汲み取り、未来へエールを送り続ける/聖ドミニコ学院中学校高等学校 入試広報部 佐藤正久先生


聖ドミニコ学院中学校高等学校
入試広報部 佐藤正久先生

多彩な個性のニーズを汲み取り、未来へエールを送り続ける

宮城県下で「カトリック3校」と呼ばれるなかの1校である「聖ドミニコ学院」は、「仙台」駅前から南西の方向へ車で20分の閑静な住宅街の一角にある。
夏休み期間に取材をしたが、敷地内は部活動で来ている中高生で活気に満ちていた。生徒とすれ違うと必ず「こんにちは」と、先に笑顔で挨拶してきたのが印象的。学校の雰囲気や環境の様子が、生徒の言動に表れていた。「生徒1人1人が財産です。個性を育むことを大切にし、より良き将来へ歩んでもらえるよう取り組んでいます」と話す佐藤先生に、学院のことについてお話を伺った。

聖ドミニコ学院には幼稚園から高校まであると伺いました。

聖ドミニコ学院幼稚園 お泊り保育の様子幼稚園・お泊り保育の様子

北仙台にある「北仙台幼稚園」以外、幼稚園から高校まで敷地内にコンパクトに収まっています。学校全体の連携・協力体制が密に図られているのが、他校にはない強みです。
例えば幼稚園では、週に1回高校の先生が体育教室の指導をしたりしています。設備も含めて、幼稚園から高校までが同じ敷地にあるからこそ実現できるカリキュラムもあります。

在校生は全体で約660人、私立校のなかでは比較的少なめの人数かと思います。 小学校までは男女共学、中学校以降は女子校になりますが、これは学校の運営母体が現在、ローマに本部がある「聖ドミニコ女子修道会」であることに由来します。

開校してからどれくらい経ちますか?

聖ドミニコ学院 バトントワリング部バトントワリング部

1931(昭和6)年、5人の修道女が学校教育を行うため来仙したことがきっかけで誕生しました。1937(昭和12)年、現在の幼稚園の前身である「暁の星幼稚園」開園から現在の形になるまで84年の歴史があります。近年では卒業生のお子さんやお孫さんが入学するというケースも珍しくなくなってきました。20年以上勤めるベテラン教員もいるので、かつての教え子だった方がお母さんになり、娘が入学して同じ先生にお世話になる…ということもあります。

姉妹校との交流はありますか?

聖ドミニコ学院 イタリア修学旅行イタリア修学旅行での一枚

同系列の姉妹校は、国内では、東京・京都にあるほか世界各国に広がっています。聖ドミニコ女子修道会の国際的組織を活かした国際交流は特徴のひとつで、毎年高校2年生が修学旅行(国内・海外希望選択)で、海外組の生徒はイタリアの姉妹校を訪ね、交流会を設けています。また、オーストラリア姉妹校や校外の各団体と連携して中・長期の留学することも可能です。

制服はありますか?

聖ドミニコ学院 高等学校の制服(冬季)高等学校の制服(冬季)

はい。幼稚園と小学校はネイビー、中学校と高校はブラウンのブレザーが特徴です。中高の制服は数年前に変更したばかりです。仙台市内にある専門学校の生徒へデザインを依頼した後、絞られた10案を文化祭で発表し、生徒・保護者・一般の方からの投票で現在のものに決まりました。「中高は身だしなみが気になり始める年頃の女子が通いますし、制服は長く着るものだから、実際に使用する人たちが納得して着られるものを選んでほしい」という学校側の願いがあり、このような方法を取りました。

朝礼の時間はありますか?

聖ドミニコ学院 礼拝堂

毎週月曜日は聖堂に集まって全校礼拝、火曜日から金曜日は放送による礼拝が行われます。祈りや聖書を通し、13世紀初頭に聖ドミニコが説いた「真理(Veritas)=正しいことを知り、愛と誠をもって生きる」というモットーの実践を目指してしています。月に一度、カトリックのシスターである理事長による礼拝もあります。

中学・高等学校では部活動も盛んなようですね。

聖ドミニコ学院 部活動

中高一貫校のため、多くの部で中学生と高校生が一緒に活動します。後輩は先輩の背中を見ながら練習するので上達が早いですし、先輩は後輩を意識するので技術だけではなく協調性も身につきやすいと思います。

聖ドミニコ学院 剣道部剣道部の練習風景

また、聖堂が入っているヴェリタス館の2階には合宿用施設があります。布団完備の和室、冷蔵庫、浴室などがありますので、フォロー体制も万全です。2015(平成27)年度は中高ともに剣道部が県大会で団体・個人共に好成績を残したほか、放送部と県内でも珍しいバトントワリング部が全国大会へ出場しています。

ホームルームの時間はどんなことをしますか?

聖ドミニコ学院 ホームルーム お花見の様子ホームルーム お花見の様子

クラスや時期によってさまざまなアクティビティがありますが、特に自然豊かな文教エリアという立地を活かした活動が魅力です。近くにある「桜ケ岡公園」でのお花見はもちろん、目の前を流れる広瀬川で宮城県の秋の風物詩「芋煮会」を開いたり、川の向こうにある「宮城県美術館」や「仙台市博物館」まで歩いて行ったりもします。

進路指導などのサポートも手厚いとのことですが。

聖ドミニコ学院 普段の学校生活の一コマ普段の学校生活の様子

必要に応じて教員による個別の学習指導や進路相談を行っています。それにより将来へのビジョンを早い段階から明確にできます。高校では特別進学・幼児保育進学・キャリアデザインの3コースに分かれ、それぞれが希望する進学先へ向け着実にベースを作れます。小規模校であるからこそ、生徒と学校の距離感が近い環境なので、生徒の希望に合わせて教員がフォローしやすい環境です。

高校卒業後の進路は、約9割が進学を選択します。大学・短大・専門学校など多岐に渡り、宮城県内に残る生徒もいれば、関東の私立大学へ進む生徒もいます。 就職を希望する学生も、毎年数名ほどおります。

これから川内地区に引越してくる方に、メッセージをお願します。

聖ドミニコ学院 運動会の様子運動会での一幕

「聖ドミニコ学院」は学校全体がアットホームで温かい雰囲気なので、すぐに溶けこめる良い環境だと思います。また、周辺も広瀬川など自然豊かな環境で、暮らしやすい街です。生徒同士も協調性が高く、みんな仲良く過ごしております。何か不安なことがございましたら、すぐにご相談ください。問題解決に向け、一丸となって対応いたします。

聖ドミニコ学院 佐藤先生

今回、話を聞いた人

聖ドミニコ学院中学校高等学校 入試広報部
佐藤正久先生

 

※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。

多彩な個性のニーズを汲み取り、未来へエールを送り続ける/聖ドミニコ学院中学校高等学校 入試広報部 佐藤正久先生
所在地:宮城県仙台市青葉区角五郎2-2-14 
電話番号:022-222-6337
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