マンション購入入門講座 正しい不動産会社の見分け方

■マンション事業の中心となる分譲会社

マンション選びではマンションそのもののチェックが重要ですが、そのマンションを売っている不動産会社のチェックも欠かせません。不動産会社とひとくくりで言いましたが、大きく分けて3タイプあります。 まずひとつが「分譲会社」、いわゆるデベロッパーです。マンション分譲の中心となる事業主であり、売り主でもあります。マンションの仕様や規模、価格などを決めるのは通常はこの分譲会社ですが、なかには施工会社(ゼネコン)まかせというケースもあるようです。また、分譲会社は、販売も担当するケースがあります。

■モデルルームにいるのは販売会社の販売員

不動産会社でのうち、2つ目は、販売を専門に扱う「販売会社」が担当することもあります。モデルルームで接客する担当者はこの販売会社の社員であることが多いのです。販売会社が売り主の子会社であるケースも少なくありません。たとえば、売主:●●不動産、販売提携:●●不動産販売というのが、その例です。

最後に、不動産会社には仲介会社という形態もあります。ただし、新築マンションでは一般的ではなく、中古マンションの売り主と買い主の間に入って売買をまとめることがメインの仕事になります。

モデルルームなどで物件の説明を受けるときは、その担当者がどの会社の人なのかを知っておいたほうがいいでしょう。販売会社の担当者はセールストークには長けていても、物件の設計や性能についてはあまり詳しくないかもしれません。自分の知りたいことに担当者が的確に答えられない場合は、売主や施工会社の担当者に直接聞いたほうが早い場合もあるはずです。

不動産会社には3つのタイプがある
分譲会社 (売り主) 事業主としてマンション分譲の中心的な役割を果たし、「デベロッパー」とも呼ばれる。売買契約の相手となる売り主でもあるが、購入者とは直接のやりとりをほとんどしないケースも。
販売会社 モデルルームで接客にあたるのは一般的には分譲会社ではなく販売会社だ。販売会社は分譲会社の子会社であるケースも多く、「○○不動産販売」といった社名だったりする。
仲介会社 主に個人が売り主の中古マンションの売買を仲介する。新築マンションを扱うことはあまりないが、ときどき売れ残った住戸を扱っていることも。

 

■担当者の信用度も見極めよう

不動産会社を見分けるといっても、会社そのものをチェックする方法は限られるので、やはり担当者の態度で判断することが第一でしょう。 ポイントは「誠実に対応してくれるかどうか」に尽きます。早く買うようにあせらせる担当者や、競合するほかのマンションをけなすばかりの担当者はあまり信用できません。ただ困るのは、物件は気に入ったのに担当者が不誠実だという場合です。そんなときは、担当者を変えてもらうよう販売の責任者に交渉してみてください。

こんな不動産会社の担当者には要注意
  • 「早く決めないと売れちゃいますよ」とせかす
  • 競合するマンションをけなしてばかりいる
  • はっきりとした根拠もなく「大丈夫」「心配ない」を連発する
  • 質問に的確に答えず、はぐらかそうとする
  • 「~でしょう」「~だと思います」と自信なく答える
  • 「頭金ゼロ、キャンペーン金利、35年返済、借り入れの半分がボーナス返済」などの危ない資金計画を勧める

■役所で宅建業者名簿も見てみよう

なお、不動産会社そのものをチェックする方法としては、各都道府県の不動産業担当部署で「宅建業者名簿」を閲覧する方法もあります。 過去に行政指導などを受けている場合は明記されているほか、業務の実績などのデータも確認できます。

業者名簿のチェックポイント
免許証番号 宅地建物取引業者の免許証番号。( )内の数字は営業年数の長さを表す。
営業成績 過去5年間の取引件数や金額が分かる。
商号、代表者、 事務所の所在 たびたび変更している業者は要注意。
取引主任者、従業員 出入りが頻繁な業者は要注意。
資産状況 資本金や財務内容などが分かる。
納税状況 経営状態の目安になる。
行政処分歴 宅建業法違反で過去に行政処分を受けていないか。
業界団体への加入 加入していれば団体によるチェック機能がある程度期待できる。
       







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