マンション購入入門講座 物件情報の読み方(1)

■駅からの分数は実際と食い違うことも

マンションの購入では、広告などで情報を集めて読み解き、比較することが住まい探しの第一歩です。ここでは、必要な情報の読み解き方を紹介します。

まず、目につくのが「○○駅から徒歩8分」などといったアクセスの情報でしょう。ただし、ここで書かれているのは、実際に歩いて時間を測っているわけではなく、不動産広告のルールで「80m=1分」で換算して表示しているのです。坂道や信号待ちの時間などは考慮されていないので、実際には女性やお子さんの足で歩くと10分以上かかるケースも。また、敷地の広い大規模マンションの場合、いちばん駅に近い場所までの時間で表記してよいことになっています。そのため、住戸によっては敷地に着いてからさらに数分かかってようやくわが家にたどり着くということも考えられるのです。

同様に、最寄り駅からターミナル駅までの時間は、乗り換えに必要な時間は加味されていません。通勤や通学にどのくらい時間がかかるのかを知るには、 実際に朝夕の時間帯に通勤・通学ルートを通ってみるのが手っとり早いでしょう。

 

■最多価格帯でメインターゲットがわかる

また、価格については販売される住戸のうち最低価格と最高価格、それに最多価格帯が記載されるのが通常です。最多価格帯とは最も戸数が多い価格帯のことです。

不動産会社は通常、メインとなる購入者層を想定してそれに合わせて最多価格帯を設定します。したがって、最多価格帯が自分の予算と合うマンションなら住戸の選択肢も多く、「自分向き」のマンションが手に入りやすいといえます。反対に最低価格が自分の予算ギリギリの場合、選択肢が少ないばかりか競争が激しくなることも予想されます。

 

■パンフレットと登記簿とでは面積が違う!?

住戸の専有面積は壁の厚みの中心部で囲まれた壁心(かべしん)面積で表示されます。これに対し、登記簿に表記される面積は壁の室内側の表面で囲まれた内法(うちのり)面積です。
そのため、パンフレットなどの面積は登記簿面積よりやや広いのが通常です。この面積の違いで気をつけたいのが、税金の軽減措置です。登録免許税や不動産取得税、住宅ローン控除など各種税金の軽減措置や特例を受ける条件に、「床面積50m2以上」という項目があります。

ところが、パンフレットなどに専有面積が50m2以上と表記されていたので税金の軽減が受けられると思って買ったのに、登記簿面積が50m2未満だったので軽減が受けられないというケースもあるのです。50m2を少し超えたマンションを買うときは、登記簿面積も確認する必要があります。

壁心面積 住戸面積を壁の厚みの中心部からはかったもの。広告・パンフレットは、壁心面積で表示されています。
内法面積 住戸面積を壁の内側表面からはかったもの。登記簿に記載されるのは、内法面積です。

 

 

■サービスルームは「おまけ」ではない

マンションの間取りをみると、「3LDK」「4LDK」といった部屋のほかに、「2LDK+S」「3LDK+N」などと書かれた住戸があります。ここでいうNは納戸、Sはサービスルームのこと。どちらも窓が十分に取れず、法律上は居室と認められない部屋を指しています。

納戸は3畳程度の広さが多いので居室には使いづらいですが、サービスルームは通常の居室と同じような広さであるケースが多いので、寝室などに使えるでしょう。つまり、2LDK+Sは実質的に3LDKと同じということもできるのです。

 

物件情報のチェックポイント(その1)

 

交通 (マンションから
最寄り駅まで)
徒歩の場合は80m=1分で計算。信号待ちや坂道は考慮されない。バスは通勤時の標準的な分数なので朝夕のラッシュ時には表示より時間がかかることも。
交通 (最寄り駅から
ターミナル駅まで)
広告では急行や特急などを使った最も速い時間を記載してあり、乗り換え時間は考慮していない。ラッシュ時や普通列車だと時間がかかることも。
価格 販売住戸のうち最低価格と最高価格が掲載されることが多い。価格には建物の消費税(土地は非課税)が含まれており、住宅ローンは税込価格の8割までが原則。
最多価格帯 販売住戸のうち最も戸数の多い価格帯。通常は100万円単位で表示する。自分の予算と最多価格帯とが合致していれば住戸の選択肢が多くなる。
専有面積 壁の厚みの中心で囲まれた「壁心面積」が一般的なので、登記簿面積よりやや広い。バルコニーやポーチなどは共用部分なので専有面積に含まれない。
間取り 「3LDK」の「3」は和室と洋室の数、「L」はリビング(居間)、「D」はダイニング(食事室)、「K」はキッチン(台所)。このほか「S」(サービスルーム)、「N」(納戸)なども。
完成予定
/入居予定
建物が完成する日と入居できる日の予定。室内をチェックしたり化学物質を薄めるため、完成から入居まで1カ月程度の間をおくのが通常。
       







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